約 2,895,626 件
https://w.atwiki.jp/albccbbook/pages/36.html
キャラクターの仮名 画像 ■種族・性別 ヒューラン(ハイランダー)・おじ様 ■コンセプト 大人の魅力を醸しだす ■作者 Withyou Sea ■作者コメント タンク系をやるならやっぱりがっちり体系かな? キャラクリリストへ トップページへ戻る
https://w.atwiki.jp/jumpbattleroyal2/pages/63.html
第034話 綺麗なお姉さんは好きですか? ◆z.M0DbQt/Q 一条誠(男子3番)は、自分の体に異常がないことを確認すると震える拳を握りしめた。 恐怖のために震えてるわけでない。 それは、純粋な怒りのためだった。 「……ふざけやがって……!」 中学生(チューボー)の頃はそれこそ神崎と組んで無茶苦茶やってきたし、楽園高校(ラクコー)にいっても色んな騒動に巻き込まれっぱなしだった。 自慢じゃないが結構な修羅場を潜ってきている自信はある。 だが……ここまで無茶苦茶な状況は初めてだ。 悪趣味。悪質。外道。どんな言葉も足りやしねぇくらい腐ってやがる。 誰が殺し合いなんかするかよ。 誰がテメェらの思い通りになんかなるかよ。 高校生(ガキ)だからってなめんじゃねぇぞ……! 必ず一泡吹かせてやる! 怒りを静かに燃え上がらせ、俺は支給されたデイバックを広げた。 水と食料。この島の地図。コンパス。時計。 それに。 「なんだこりゃ?」 木のバット……か?それにしても気味悪ぃな。 こんなびっしりとなんか怪しげな文字がかかれたバットなんて誰が使うんだよ。 あまり役には立たなさそうだな、と思いそのバットをバックの中に戻す。 次に手が掴んだモノは、名簿だった。 「日々野とイブ……春香先生……それに……」 知っている名が4つある。 あまりにも唯我独尊で無茶苦茶……だけど今では誰よりも信頼している仲間(ダチ)の日々野。 いつもいつも予測不可能なヤツだが、流石に殺しまではやらねぇだろう。 アイツがそう簡単に死ぬはずねぇんだから、誰が心配なんてしてやるか。 春香先生は……危ねぇんじゃねぇか。 正義感の固まりみたいな人だ。 ゲームに乗ったクソヤローにでも出会ったら、逃げるどころか立ち向かって行きかねない。 早いトコ探し出さねぇと……。 イブは、まぁ、大丈夫だろう。 そこら辺のチンピラじゃ、アイツには到底太刀打ちできっこねぇし。 「もう馬鹿な真似はしない」って約束したし、ゲームに乗るようなことはしないはずだ。 だが……最後の一人。 神崎狂。 自分とイカれた中学時代を共に過ごし――――決別したかつてのツレ。 日比野とイブは大丈夫だ。こんな腐ったゲームに自ら乗るようなバカじゃねぇ。春香先生は言うまでもねぇ。 だが神崎は……正直言って、乗る可能性の方が高い。 日比野との真っ向勝負に敗れ、自ら出頭した神崎が、今も日比野に勝つことを熱望していないとは思えない。 きっとアイツは日比野を捜すだろう。 「…………」 こんな所でジッとしていてもどうしようもない。 とりあえずは日々野とイブと春香先生を……そして神崎を捜すか。 日々野とイブは、一緒にあのジジイ共に一泡吹かせるために。 春香先生は守るために。 神崎は、……何かしでかしそうならそれを止めるために。 広げた荷物を再度デイバックに突っ込み、俺は人里があると思しき方へ歩き始めた。 目が覚めたら隣で物凄い寝相の女の子が寝ていた。 俺、何の夢見てんの?…………そういう夢? てゆうかなんで俺、こんな所にいんの? だってここ、どう見ても林の中じゃん。 俺ん家・菊丸家はいたって普通の家だからこんな生い茂る系の庭なんてないし。 どこだよ、ここ。 「そっか、俺…」 一気に色んな記憶が甦る。 初めて聞く、ブラウン管を通さない銃声。 焦げたような火薬の匂い。 そして、どす黒い、赤。 俺……誘拐されたんだ。いつのまにか。 そして「殺し合え」って言われた。 見たこともないじいさん達に。 「……マジ……?」 思わず出た言葉と一緒に冷や汗が頬を伝う。 どうすればいいんだよ。なんでだよ。なんでこんなことになってんの?! …………あああ駄目だ!! 頭ん中グチャグチャしてて何も考えられないよ。 「うーん…」 唐突に上げられた声に、体が一気に硬直する。 おそるおそる振り向くと、ゴロン、て寝ている女の子が寝返りを打っていた。 ……え、と……。 仰向けになられるとボタン全開になったブラウスが際どい感じになっちゃうんだけど。 てゆうかスカートやばいって! その……、いちご柄のパ(以下略)がかなりの勢いで見えてるよ! 普段ならかなり嬉しい状況だけど今はそれどころじゃない。 目のやり場に困るので、俺はとりあえず着ていたジャージの上着を彼女にかけてあげた。 これでも太もものあたりは際どいけどパ(以下略)丸見え状態よりはまし! 見た感じ小学生……制服っぽいの着てるしおチビと同じくらいなのかな。中1ってとこ? いくら年下の子とはいえ、やっぱこんな姿を見るのは気まずいよなぁ。 「起こしたほうがいいのかな…」 どうしよう。 ああ…この子のこともどうしようだけど俺もこれからどうしよう。 俺、よく考えたら全国大会の途中じゃん。 右手を痛めて自らレギュラーを降りた――――しかも相方の俺に一言の相談もなしに!俺まだ怒ってるんだかんな――――とまたやっと組めることになったのに。 二人でダブルスの無限の可能性を見つけるはずだったのに。 「そういえば…」 名簿、なんてのがあるんだっけ。 あぁ、あった。これだ。 順番に辿っていくと知ってる名前が3つあった。 手塚とおチビ。後、竜崎桜乃ちゃん。 「とりあえず……手塚だよなぁ」 なんか、手塚ならこんな状況もなんとかしてくれる気がする。メガネだし。部長だし。 無表情で面白味がないから苦手なんだけど、そんなこと言ってる場合じゃないし。 おチビはかわいい後輩だけど、神経太いしそんな簡単に誰かに殺されることなんてない……と思う。 竜崎さんは今頃きっと怖がってるんだろうな。……泣いてるかも。 俺だってちょっと泣きたいくらいだし。 早く見つけてやんなきゃな。 てゆうかおチビ、同じ学年なんだから早く見つけてやれよな。 竜崎さんだって俺よりおチビが迎えに来たほうがうれしいだろうし。 よおーし! 手塚とおチビと竜崎さんをさっさと見つけて、さっさと帰ろう! んでもって、全国制覇するんだ! どうやって帰るのかは……とりあえず手塚に考えてもらおう。 怖くって震えそうになる体を無理矢理立ち上がらせ、気合いをいれるためにパン、と両頬を叩く。 その時。 ――――――――――――ガサ ……なんか、音しない?草の音?……足音? ――――――――――――ガサ また、だ。足音?それっぽくない? 誰か来るってこと? どうしよう。逃げる? でもこの子はどうすんの? このまま放ってはおけないじゃん! どうする?どうする俺?! 「……ここどこぉ?」 不意の声に振り向くと、いつのまにか下着だけになった女の子が起きあがって目を擦っていた。 歩き始めて数分。 山の中にいたらしい俺は、草を掻き分けながら歩き続けている。 つーか、山道ってのはマジで歩きづれぇな。 念のため静かに移動してえのに、どうしたって音が出ちまう。 ん?誰か……いる? チラリと見えた山の色以外の色に、俺は足を止めた。 ……どうする? あまり考えたくねぇが、ゲームに乗ったヤツかもしれない。 そいつが素手ならなんとかなるが、飛び道具なんか持たれてたらヤベーな。 色々な憶測が頭をよぎるが……結局俺はそっちの方に足を向けた。 ……足音なんざさっきからさせまくりだしな。今更様子見とかは無理だろう。 だったら正面きってぶつかるまでだ。 腹を決めて、草を掻き分ける。 そうして――――――――出くわした光景は、全くもって予想外なものだった。 下着姿の女――――見た目、小学生くらいか?――――と、中学生くらいの男が向かい合って口論していた。 「あ」 男が俺に気が付く。 女が盛大に悲鳴を上げる。 「……なんなんだ……」 全くもって状況が掴めない俺は、しばらくの間、口をあけて間抜け面を晒すことしかできなかった。 「最っ低――――!!」 「だから自分で勝手に脱いだんじゃん!」 さっきからコレの繰り返しだ。 まったく緊張感てもんがなさ過ぎるぜ。 騒ぎに騒ぎまくるガキ二人を宥め、場所を移動した俺は大きなため息をついた。 女の方は南戸唯。 男の方は菊丸英二。 二人ともごくフツーの……俺と比べてもマジでフツーの生活を送っていたらしい。 つまりはこんなことに巻き込まれる心当たりは全くないってことだ。 ちなみに二人の知り合いもごくフツーの学生らしい。 「わけわかんねぇな……」 あのジジイ共が何を考えてこんなことをしてんのかマジでわからねぇ。 「ちょっと!」 考え込む俺の目の前で、南戸が両手に腰を当てて仁王立ちしている。 もちろん、もう服はちゃんと着ている。 「キミもちゃんとさっきの忘れてよね!」 「は?」 「唯のセクシーショットのこと!」 「セクシー?何言ってんだ。俺ァガキには興味ねぇよ」 「唯はガキじゃないもん!高校2年生なんだからね!! ――――――――――――――――――――――――――――え 「年上?!」 俺と菊丸の声が見事にハモった。 【F-07/林/1日目・午前0時すぎ】 【男子03番 一条誠@BOY】 状態:健康 装備:なし 道具:支給品一式、蛇神のバット@Mr.FULLSWING 思考:1.日々野、イブ、春香を捜す(春香優先) 2.神崎を見つけたら止める 3.主催者達に一泡吹かせて脱出する 【男子10番 菊丸英二@テニスの王子様】 状態:健康 装備:なし 道具:支給品一式、ランダムアイテムは不明(本人未確認) 思考:1.手塚、越前、竜崎を捜す 2.脱出して帰る 【女子13番 南戸唯@いちご100%】 状態:健康 装備:なし 道具:支給品一式、ランダムアイテムは不明(本人未確認) 思考:1.現状維持 備考:唯と美鈴は原作上、面識がありません 投下順 Back 決別、そして目覚め Next 後悔先に立たず 時間順 Back キャプテン Next 覗き小平次 初登場 一条誠 俺達にできること 初登場 菊丸英二 俺達にできること 初登場 南戸唯 俺達にできること
https://w.atwiki.jp/imasss/pages/3682.html
最上静香「プロデューサー、大好きです」 執筆開始日時 2021/05/04 元スレURL https //wktk.open2ch.net/test/read.cgi/aimasu/1620108443/ 概要 P「ほら、差し入れだぞ」 最上静香「あ、ありがとうございます」 島原エレナ「あー! コレ、すっごくおいしいやつだよネ?」 望月杏奈「そう、だね」 P「たまたま北海道物産フェアがやっててな。俺も食べたかったし、ついでに買ってきたんだよ」 エレナ「サッスガプロデューサー! ダイスキだヨ!」 杏奈「……大好き」 P「ははは、ありがとな」 エレナ「じゃあ、サッソク、いただきまース!」 静香「ちょっとエレナさん。今からトレーニングしようって……」 タグ ^最上静香 ^島原エレナ ^望月杏奈 まとめサイト あやめ速報-SSまとめ- えすえすゲー速報 プロデューサーさんっ!SSですよ、SS! ポチッとSS!! SSまとめ SSびより SS 森きのこ! wiki内他頁検索用 Pドル いちゃコメ ミリオンライブ 島原エレナ 最上静香 望月杏奈
https://w.atwiki.jp/twitter_neta/pages/61.html
キリンさんがすきです。でもゾウさんはもーっとすきです。でもらいおんさんはもっともっとすきです。でも、らいおんさんはわたしをころすきです。 https //twitter.com/PlugOut777/statuses/35006497813430273 基本情報 テンプレ名:「キリンさんがすきです」 テンプレジャンル:B,D 概要・使い方 「キリンさんがすきです。(でも、ゾウさんのほうが~)」を文頭に付し、続ける。 流行った時期 不明 元ネタ 1994年から2002年にかけ全国放送された松本引越センターのテレビCMにおける女の子の台詞 キリンさんが好きです、でもゾウさんのほうがもっと好きです から。 上記以外の使用例 少女「キリンさんが好きです。でもゾウさんのほうがもっと好きです!」 キリン「それ俺の名前出す必要あったん?」 https //twitter.com/gat_x777/status/201647921534472192 その他
https://w.atwiki.jp/ochiwiki/pages/1109.html
落語は嫌いですね。サークルのノリは好きです。(紫紋) ピンさんの二ツ目昇進祝賀会にて。 すごい上のOBさん「最近どうなの?まだ落語が好きで入ってきた人いる?ちゃんと落語やってる?」 紫紋「落語は嫌いですね。サークルのノリは好きです。」 実はこいつが一番失言野郎なのではないか 落語やる気がないのはこいつだけなので心配しないでください。
https://w.atwiki.jp/testest-umigamedb/pages/3083.html
2022年10月26日 出題者:従業員よっしー タイトル:「かつ丼も好きです。でも牛丼のほうがもっと好きです。」 【問題】 揺れる輪っかを見たタカフミは牛丼を食べることが増えたという。 どういうことだろうか? 【解説】 + ... タカフミはマイと離婚することになった。 離婚届の横にはずした結婚指輪を置くマイ。 カタカタ指輪がまわるように動いた。 もう完全に終わり。 何が原因だったのだろうか。 マイのことを第一に考えて大切にしてきたはず。 わからない・・・。 翌日。 タカフミ「おい、マイ!どこにいるんだよ、さっさと飯作れよ、ったく! ……ってマイはもういないのか…。」 料理が苦手なタカフミ。 久しぶりに自炊してみようとしたが調味料の場所もわからない。 なんとか作った料理もおいしくない。 タカフミ「まずっ・・・。マイが作ったのならいつものように文句も思いきり言えたのに…。」 そう思いながら、次の日から大好きな牛丼を3食食べることにしたタカフミだった。 ※牛丼である必要はない。外食が多くなった、ということ。 配信日に戻る 前の問題 次の問題
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/18017.html
すきでいました【登録タグ MEIKO ayano.czP toki す ボカロ互助会 巡音ルカ 曲】 作詞:ayano.czP 作曲:ayano.czP 編曲:toki 唄:MEIKO(Opening Edit)、巡音ルカ(ピアノバージョン) 曲紹介 ずっとずっと 好きでいました…。 team DiGiZeNの5作目。 歌詞 ずっとずっと 好きでいました あなたを 思えば邪魔になる だからだから 黙ってました 想いを隠して 空には欠けた月だけ 私を照らす 通い路は 夢のように ぼんやりと 煙にまかれ 歩いた足跡さえも 消し去るように 私とあなたの事も 消し去ってくれるのでしょう 流れる 川の水のように 定めしを いたずらに 渦巻いて ずっとずっと 好きで居ました あなたを 想って 朽ち果てて 滅ぶこの身を いといもせず 時が流れても ずっとずっと 好きで居ました あなたを 思って 何となる けれどけれど 焦がれて耐えて 想いの果てまで ずっとずっと 好きでいました コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kyotosukideitaiyu/pages/5.html
☆月亭太遊ライブ情報☆ 「第一回太遊の京都住ませていただいております落語会in元・立誠小学校」 日時:6月27日(木)18 30開演 出演:月亭太遊(京都府住みます芸人)・ゲスト月亭方正 会場:元立誠小学校特設シアター チケット取り置き→tukiteitaiyuu@gmail.com 2代目京都住みます芸人”月亭太遊”がYNN47にて毎日放送中、 Ustream配信「月亭太遊の京都を!好きでい太遊」の情報まとめサイトです。 各月アーカイブ 5月 今月アーカイブ 放送日 配信場所 ゲスト 内容 動画 6/22 自宅 なし アーカイブ 6/20 シダックスよしもとannex ネイビーズアフロ アーカイブ1アーカイブ2 6/19 ライブハウス和音堂(三条) 劇団努力クラブ アーカイブ1アーカイブ2アーカイブ3 6/18 ライブハウス和音堂(三条) 月面クロワッサン作道飴玉エレナ山西 アーカイブ1アーカイブ2 6/17 自宅 なし アーカイブ 6/15 自宅 なし アーカイブ 6/14 自宅 なし アーカイブ1アーカイブ2 6/12 ライブハウス和音堂(三条) ライブハウスの方々 飛び入り落語 アーカイブ 6/10 喫茶店WOODNOTE(一乗寺) アイリッシュ音楽演奏家お客さん、マスターetc アイリッシュ音楽の生演奏 アーカイブ1アーカイブ2アーカイブ3アーカイブ4アーカイブ5アーカイブ6 6/9 鴨川 〜 一乗寺 なし アーカイブ1アーカイブ2 |6/8 |自宅|なし ||アーカイブ 6/5 タロット占いの館みたいな所 なし アーカイブ1アーカイブ2アーカイブ3 6/3 シダックス三条河原町店 なし 週刊住みますジャーナル出演(MC少年少女) アーカイブ 6/2 大手中華料理チェーン店内 努力クラブ アーカイブ1アーカイブ2 6/1 TANTANロングライド前日祭 タナからイケダ 出店紹介 アーカイブ1アーカイブ2 関連サイト Ustream「月亭太遊の京都を!好きでい太遊」 YNN47|京都ブログ YNN47|京都 YNN47LIVE 月亭太遊Twitter(@tukiteitaiyu)
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1268.html
戻る 先頭ページへ ネリネ。 私の可愛い神姫。 私の初めての神姫。 ネリネ。 まさに天使の様なその笑顔は、私にとってかけがえのない宝物だった。 貴女がくれたものを、私は生涯忘れはしない。 ネリネ。 でも、貴女は居なくなってしまった。 私が悪かったの? 興味本位で、神姫バトルを貴女にやらせたのが。 違う。 悪いのは、あいつらだ。 神姫には心がある。 神姫は唯の玩具じゃない。笑いもすれば、泣きもする。 それなのに、神姫をただのバトルの道具にしか見なかったあいつら。 私は、絶対許さない。 ネリネ。 私は今日、貴女の仇を取る。 轟―――。 朽ち果てた戦場に、真紅の影が躍った。 それは、血染めの鎧を身に纏う、白髪赤眼の悪魔。 「そんなんじゃぁボクは殺せないよぉ!」 真っ赤な瞳を狂気に揺らし、どす黒い軌跡と共にロケットハンマーを振り下す。 カーネリアンと同じく赤黒いそれは、打突部後部の推進装置を作動させ、その破壊力を数段上へと昇華させる。 直撃すれば神姫であればひとたまりも無い。まさに一撃必殺。 「……五月蠅い」 戦場の体裁を保っていない戦場を奔るのは白い影。 それは、雪の様に白い鎧で武装する、白髪青眼の悪魔。 ロケットハンマーの一撃を軽いステップで回避し、空かさずカーネリアンとの距離を詰め、チーグルで握ったアンクルブレードを大上段から降り下す。 音さえ遅れる白い斬撃は、しかしカーネリアンの赤い片のチーグルに阻まれた。 アンクルブレードはチーグルに傷を付けこそ、それ以上は無い。カーネリアンのチーグルの耐久性は異常だと言えた。 「カーネリアンのチーグルとサバーカは装甲板厚くしてある。並大抵の刃は文字通り刃が立たないぞ……カーネリアン、ギロチンを使え」 壊れたバトルマシンを眺めながら、恵太郎が口を開いた。 カーネリアンはそれに応じ、手に持ったギロチンブーメランでアリスを狙う。 「……フルストゥ・クレイン」 恵太郎の問いかけられた一方―――カーネリアンは応えた。しかし、もう一方の君島ましろは応えずにアリスへと指示を出した。 背部に備え付けられた白刃を抜き放ったアリスは即座にギロチンブーメランへと打ち当てた。 全く同じ相貌の、しかし色と得物だけが違う悪魔が、対峙した。 膠着状態、しかし確実にアリスは押し負けている。 アリスのサバーカとチーグルはカーネリアンのそれが装甲板を厚くしているようにアクチュエータを強化してある。 その結果、重装甲でありながらもマオチャオ型と同格の機動性を有している。 しかしそれは機動性に限ったことであり、馬力は変わっていないのだ。 一方、恵太郎は口にしてはいないがカーネリアンのそれは馬力をも強化されている。 デフォルトの1.2倍程度の強化だが、それは同タイプのアリス相手の場合、地味ながら大きな差となっている。 「アリス、掴み合いでは、勝ち目が無い」 君島は即座にそれを判断し、命令を下した。 短絡的な命令だが、アリスはそれを完璧に理解した。 即ち、高機動での撹乱、である。 がきん、と鋼の地面が鳴いた。 固い地面を鋭く捉えたアリスの脚が初動以外全く音も立てず、カーネリアンから距離を放した。 ロケットハンマーで攻撃を加えようとしていたカーネリアンの身体が、揺れた。 再び、がきん、という床が鳴った。 瞬きする間もなくカーネリアンとの距離を詰めたのだ。 カーネリアンの目前で急制動、前傾姿勢のまま右足を大きく踏み込ませ、両のチーグルで握るアンクルブレードを交差させる。 そしてそれを左右に薙ぐ。 音すら遅れてくる斬撃は、確かにカーネリアンの両のチーグルを捉えた。 だがやはり、アリスの白刃は赤いチーグルに浅傷を残す事は出来たが、両断する事は願わなかった。 刹那、空気を叩き潰す様に空間を軋ませながら、赤い左のチーグルが突き出された。 巨大な指を揃え、掌を反らし手首付近を打点とし、対象の顎を狙う突き技。 掌底と呼ばれる突き技の一種だ。 この技は一般に拳での打撃よりも威力が高いと言われている。 そして、今それを成しているのは神姫の武装の中でも近接戦闘に特化したチーグルなのだ。 その質量、その馬力。そして使い手の技量。 それらが揃った掌底をただの掌底と侮る事無かれ。 それは、それだけで必殺の威力を孕む。 「んもぉ、連れないなぁ」 しかし当たらなければ、意味は無い。 掌底の一撃を数度のバックステップで避けたアリスはフルストゥ・クレインを投擲した。 応じる様に、カーネリアンは両の手に持つギロチンブーメランを接続、同様に投擲する。 風を裂く白刃。大気を潰す斬首刀。 刃の衝突を待たず、アリスは再び地を蹴った。 軌道を左右に大きく揺らしながら跳ねる。カーネリアンを撹乱する考えだ。 最中、チーグルで握るアンクルブレードを横に寝かせて突きの構えを取る。 向かって右に跳び、その着地点をカーネリアンの至近に着地。 その瞬間、サバーカの膝を折り衝撃を吸収させ即座に攻撃態勢へと移り、必要最低限の動きでアンクルブレードをカーネリアンの頭部目掛けて刺し出した。 「んふふぅ」 突き出されたチーグルを、しかしカーネリアンは無造作に左のチーグルで掴み、アンクルブレードを止めた。 そして、右のチーグルで握るロケットハンマー。それの柄をアリス目掛けてさながら槍のように突き出した。 回避しようにもチーグルは未だ掴まれたままだ。 それを振り解き、回避に映るには時間が足りない。 だから、アリスは強引に身体を捻り、即座にフルストゥ・グフロートゥを抜き、カーネリアンの首目掛けて突き出した。 「……ぅぐ」 アリスの脇腹をロケットハンマーの柄が微かに抉った。 それが本来の用途で無い事と、十分な予動が出来なかった事もありダメージは大したものではない。 しかし、カーネリアンはフルストゥ・グフロートゥを完全に捌き切れなかった。 首は胴と繋がっている。しかし、刃が左目の付近を掠め斬っていた。 それは、カーネリアンにとって、恵太郎にとって予想外だった。 恵太郎は、アリスがこの攻撃を一旦防ぎ、隙を見て脱出し間合いを離し仕切り直す。 そうとばかり考えていた。 しかし、実際は違った。 半ば、捨て身に近い今し方の攻撃は、アリスの、そして君島の心情を暗に物語っていた。 「これはびっくり」 アリスの眼に映るのは、純粋な憎悪。 姉を殺したカーネリアンへの無垢で純粋な殺意なのだ。 掠っただけにしても、目に程近い場所を刃が通過するのは思いの他、隙が出来る。 その隙はカーネリアンの拘束の緩みを生み、アリスはその隙にチーグルを強引に振り払った。 返すチーグルで一旦アンクルブレードを離し、カーネリアンが投擲し、返ってきたギロチンブーメランを掴み裏拳の要領で叩き付ける。 完全に虚を突かれたカーネリアンは、咄嗟の反応が出来なかった。 右のチーグルはロケットハンマーの突きの反動で防御には回せない。 残る、ついさっきまでアリスを掴んでいた左のチーグルで無理やりギロチンブーメランを受け止める。 刹那、ギロチンブーメランから手を放したアリスは、アンクルブレードを再び執ると距離を放した。 「やるぅ」 カーネリアンの左のチーグルの掌部分は完全に破壊された。 ギロチンブーメランの刃はチーグルの先端に深く食い込んでいる。 それを抜こうとしたカーネリアンだが、素体の腕では抜き切れなかった。 仕方なくギロチンブーメランの連結を解除。片方を手に取るとアリスへと向き直った。 アリスは先刻投擲したフルストゥ・クレインを左手に、フルストゥ・グフロートゥを右手に、アンクルブレードを両のチーグルで執り、静かに構えている。 損傷はカーネリアンの方が上だ。 主武装であるチーグルの片手が使用不能とあっては、絶大なロケットハンマーもその威力の全てを出し切れない。 それでも、カーネリアンはそれを手放さない。 赤黒い金属の塊である、それを。 かつて、数多の姉妹を屠ったそれを。 カーネリアンはロケットハンマーの柄の中程を握る様に持ち直し、構えた。 それが、カーネリアンなりのけじめなのだ。 「ぼくさぁまどろこっしいの嫌いなんだよねぇ」 カーネリアンの赤い瞳が、アリスの青い瞳を捉えた。 まるで本物の人形の様な無表情。 しかし、それは違うのだ。 白く、負の熱が燃えているのだ。 それは感情を殺し、心を殺し、全てを殺して、ようやく成り立っているのだ。 復讐の為。それだけの為だけに生きるアリスにとっては。 「だからさぁ、次の一撃で終わりにしようよ」 カーネリアンはギロチンブーメランを捨て、ゆっくりと右のチーグルを上段に構えた。 無造作に、武骨に、しかし全ての力をそれに込めて。 カーネリアンは立ち構えた。 「どうだ? 君島」 怪しむ君島に、恵太郎が声をかけた。 思考は、一瞬だった。 「……いい、でしょう」 アリスはその言葉に反応し、左のチーグルで握るアンクルブレードを捨てた。 右のチーグルを大きく引き、顔に沿うようにアンクルブレードを構える。 脚は開き、腰は落とす。突きの構えだ。 一瞬の静寂。 音だけが、世界から消え去った様な幻覚。 しかし、それは一瞬だ。 次の瞬間には、アリスが地を蹴っていた。 どこまでも真っすぐに、どこまでも純粋に、どこまでも只管に。 アリスは翔けた。 全身全霊の力を込めて。 全身全霊の憎悪を込めて。 全身全霊の、全てを込めて。 アリスは、白刃を突き出した。 カーネリアンもまた、全身全霊で応じた。 鉄槌を振り下す機械の腕。 背中で吠える推進剤。 それを力へと変換する為に回す腰。 脚は地を抉るように踏ん張る。 全てが、完璧に重なった、 恐らくは、カーネリアンにとって最高唯一の一振り。 立ちはだかる者全てを、一切合切を打倒し、破壊し、終焉さし得るモノ。 それに相応しい、最後の一撃。 白刃と鉄槌が、終に衝突した。 鉄槌の中心を捉えた白刃は、一瞬にして全身に罅が這入った。 しかし、アリスは力を緩めない。むしろ増していく。 全てを、カーネリアンへの復讐の為に捧げた日々を、今この白刃一本に込めているのだ。 だがカーネリアンも負けはしない。 片腕ながら、打突部後部の推進装置を起動させ、白刃もろともアリスを砕こうと力を込める。 カーネリアンもまた、この日の為に全てを捧げてきたのだ。 まるで、走馬灯の様にカーネリアンの脳裏をそれが過った。 刹那、ロケットハンマーに亀裂が奔った。 それは、瞬く間に全体に広がり、そして砕けた。 白刃は破片を搔き分け、潜り、蹴散らしながら止まらない。 それは、赤いチーグルを砕き。 カーネリアンの右腕をも砕き。 そして、右胸に達した時、ようやく止まった。 「神姫の力は……心の力ってねぇ」 動力部に近い部位に損傷を受けたカーネリアンは、砕けた二つの右腕と共に崩れ落ちた。 傷はCSCの付近まで達していた。 「……終わり、です」 君島が、静かに告げた。 それは試合が終わった事を告げる言葉ではない。 それは、カーネリアンの終わりを告げる言葉なのだ。 「分ってるよぉ……」 上体だけ起こしたカーネリアンは、弱弱しく自らの胸部装甲を唯一無事な左手で掴み、引き千切った。 神姫の心臓たるCSCが、顔を見せた。 「ふふ、腕が残ってて良かったよぉ」 胸部装甲を投げ捨てながら、カーネリアンは言った。 「……覚悟は」 まるで、死刑執行人だ。 カーネリアンはアリスを見上げながらそう感じた。 「そうだねぇ……」 暫く、逡巡する素振りを見せたカーネリアンは、顔を上げ言った。 「ましろちゃん。これが済んだらアリスを可愛がって上げてね」 全く、予想外な言葉。 その言葉に、君島は一瞬呆気に取られ、次の瞬間激しい怒気を発した。 「一体、どの口が、そんな事を……!」 その怒気は、アリスへと伝達した。 「……」 全くの無表情。 その無表情のまま、アリスはボロボロのアンクルブレードを素の右腕に持ち替えた。 そして、地面に座り込んでいるカーネリアンに合わせるよう、膝を折った。 「さぁ、やるならここだよ。ボクが生き返らないように、確実にね?」 自身の赤い三つのCSCを指さしながら、カーネリアンは言った。 「……これで、終わり」 アリスが、アンクルブレードを軽く引いた。 そして、鋭く突き出した。 「マスター。私は幸せでした」 あっさりと、それはカーネリアンのCSCを貫いた。 「ああ……ナル、俺もだよ」 カーネリアンの身体が、まさに糸を切った人形のように、倒れた。 先頭ページへ 進む
https://w.atwiki.jp/25438/pages/2951.html
-梓 ファーストインプレッションは、もったいない先輩…でした。 出るところは出ていて、顔のパーツも整っていて、筆舌しがたいほど綺麗な髪で--。 それなのに太い眉毛のせいで、ちょっと野暮ったい。 他の先輩たちとのやり取りから、優しくて丁寧な人だとは感じていましたが、その程度で。 特に良い印象も悪い印象もありませんでした。 そんなムギ先輩のイメージが変わったのは、軽音部に入ってしばらくしてからのこと。 ある昼休みのことです。 お昼ごはんを済ませた私は、中庭にいました。 憂が唯先輩のところは行ってしまい、手持無沙汰だったし、学校を探索することにしたのです。 花壇に目をやりながら歩いていると、ふと金髪の後ろ姿が目に入りました。 ひと目でわかりました。ムギ先輩です。 ムギ先輩は座りこんで何かしているようでした。 何をしているか気になり近づくと、先輩はこちらに気づきました。 「あれ…中野さん」 「こんにちは。琴吹先輩……あ、その子」 「ええ、迷いこんだみたいなの」 「猫さん…」 「ふふふっ」 「?」 「猫さんだなんて、随分かわいらしい言い方だなって」 「う…」 「気にしないで、褒めてるんだから」 なんだか出鼻を挫かれた気分です。 先輩はそんな私のことなど気に留める様子もなく、猫を撫でています。 喉元を撫でられたその子は、気持ちよさそうに、ニャァと…。 「私も撫でていいですか?」 「ええ、もちろんよ!」 「おいでー」 猫は素直に近寄ってきて、顔を差し出しました。 まるで撫でてくれと言わんばかりに。 「ふふ、素直な猫さんねぇ…」 「はいです」 「そういえば中野さんはどうしてこんなところに?」 「ちょっと学校探索です」 「ふぅん…この学校広いからわかりにくいでしょう?」 「はい。でも、最近はだいぶ慣れてきました」 「そっか。ねぇ、よかったら私が案内しよう…」 「ん?」 「…探索は自分でやるから楽しいんだよね。ごめん、忘れて」 探索は自分でやるから楽しい、というムギ先輩の発想は面白く感じました。 私は何度か校内探索に出ていましたが、それは所詮暇つぶしで。 面白いかどうかなんて考えたこともなかったのです。 でも振り返ってみれば、結構探索を楽しんでいたかも…。 「あの、琴吹先輩」 「なぁに?」 「やっぱり案内をお願いできませんか? 1人での探索ならいつでもできるので」 「ふふ、そっか。 じゃあ、この子とはお別れね。バイバイ」 猫は名残惜しそうにムギ先輩が離れていくのを見ていました。 「さて、どこか案内して欲しいところはある?」 「えっと…」 「特にないんだ?」 「ごめんなさい…」 「中野さんが謝ることないわ。順に見て回りましょう」 中庭、特別教室、部室練、会議室…特にあてもなく、私達は歩きました。 ムギ先輩は施設が見えるたび熱心に説明してくれたので、軽い気持ちで案内を頼んだのが申し訳なく思えました。 「…と、これくらいかしら。もういい時間だし」 「そうですね」 「じゃあ、またね」 「あの…」 「どうしたの?」 「今日はありがとうございました。 それから…ごめんなさい!」 「どうして中野さんが謝るの?」 猫と戯れている先輩を邪魔してしまったこと。 軽い気持ちで案内を頼んでしまったこと。 私の中では「申し訳ない」ことなのだけど、うまく説明できそうにありませんでした。 「…中野さん」 「…はい」 「ふふ、唯ちゃんが中野さんに抱きつく理由がわかったかも」 「え…」 先輩は戸惑っている私に近づき、そっと頭を撫でてくれました。 「先輩が、先輩風を吹かせるのに理由なんていらないのよ 少しでも後輩の役に立ちたくて、先輩は必死なんだから」 語りながら、優しく髪を撫でてくれる。 「ふふ、中野さんの髪はさらさらね」 「先輩の髪だって…」 「触ってみる?」 「いいんですか?」 「もちろん」 ☆ 私は恐る恐る、手を伸ばした。 …あの時のことは、今でも覚えている。 ただ先輩の髪を触るというだけなのに。 ほんの数十センチ手を伸ばすだけなのに。 それがひどく特別なことに思えて。 どうしようもなく、心臓がざわついて。 あぁ、これが「ときめく」ってことなんだと---- ☆ ムギ先輩の髪はさらさらで。それから-- --とてもいい匂いがした。 私が「もったいない先輩」を好きになったきっかけは、その一件なのだけれども。 そのきっかけが「好き」という言葉に昇華されるまでには時間がかかった。 他の先輩に気づかれないようにこっそり目で追って。 ムギ先輩と目が合うとサッと逸らして。 そんなとりとめのない、それなりに楽しい時間を過ごしてきた。 そんな私の変化に他の先輩たちもムギ先輩も気づいていない…と思っていた。 でも、それは大きな間違いでした。 とある夏の日。 澪先輩が夏風邪気味なため、部活はお休みだというメールが来た日。 私は部室に行きました。 特に理由はありません。 強いて言うなら、誰もいない部室を探索してみたかったから…かもしれません。 部室にはムギ先輩がいました。 「あら、梓ちゃん」 「ムギ先輩? 今日部室は休みだって」 「あー…そうなんだけど。ちょっと氷を処分したかったから」 「氷…あ、お茶のですか?」 「うん。部活で出すお茶に入れてる氷なんだけど」 部活が突然休みになることはしばしばある。 その度にムギ先輩はこの作業をしているのだろう…。 「梓ちゃん?」 「?」 「何か考えこんでたみたいだけど」 「な、なんでもないです。 あ、そうだ! 良かったら、ちょっとお話しませんか?」 「ふふ、名案ね! 氷さんもそのほうが浮かばれるでしょうし」 氷さん。 その響きがおかしくて笑いを堪えていると、あっという間にアイスティーが出てきた。 冷たいお茶を飲みながら、部室でしばし談笑。 話したのは、休日の過ごし方、友達のこと、律先輩のオデコのこと。 ふと、話題が途切れる。 ムギ先輩はグラスに口をつけ、コクコクとアイスティーを飲みはじめた。 ふたりきりだったからか。それとも夏の日だったからか。 私はムギ先輩の唇から目が離せなくなってしまった。 アイスティーを飲み終えた先輩は、こちらを向くと、悪戯っ子みたいに笑った。 それから私の方へ歩いてきて、唇を重ねた。 そっと触れる程度のキスの後、すぐ唇を離した先輩は「勘違いじゃないよね」と呟いた。 「勘違いなわけないです」と返すと、舌で私の唇を抉じ開けた。 突然のことで頭が真っ白になった私のことなどお構いなしで、ムギ先輩は私を愛しはじめた。 舌は生き物のように私の口内で暴れまわり、涎が2人の口から滴り落ちる。 キスを続けたまま、先輩は器用に私の服を脱がせて、胸を愛撫しはじめた。 トクン トクン 突然だったけど-- 突然過ぎたけど-- ムギ先輩と愛し合うんだって実感が湧いてくる。 私も懸命に舌を絡めて、快楽を貪った。 ムギ先輩は乳首を暫く攻めた後、私の大事なところを攻め立てた。 私が十分に濡れたのを見計らい、先輩は唇を離した。 2人の息は荒い。 十分な酸素を補給した後、今度は私のほうからキスをした。 再び舌を絡めながら、ムギ先輩の指で…私は達した。 「ムギ先輩」 「なぁに」 「ファースト・キスですか?」 「ええ」 「どんな味がしました?」 「えっと…」 「ムギ先輩も?」 「うん…」 「衝撃的すぎて、味わう余裕なんてありませんでした」 「私も。アイスティーの味なんだろうけど、その直後に梓ちゃんの味を知ってしまったから」 「…」 「どうしたの?」 徐ろにキスをして、舌を入れた。 「ムギ先輩の味を覚えておきたくて」 「ふふふ」 愛の告白も、高校生らしい葛藤もないまま、私とムギ先輩の関係がはじまった。 と言っても、特に何か変わったわけではない。 たまに2人で遊びに行くようになった程度である。 学校生活でも、部活でも、身の振り方を変えるようなことはしなかった。 ただ、それでも先輩たちは2人の変化に気づいたみたいだ。 その上で何も言わないでくれたのは、とても有り難かった。 一番変わったことは…定期的に愛し合うようになったことだ。 私はあの日から…正確に言うとあの日以前から、ムギ先輩を性的な目で見てきた。 あの日以降、私はムギ先輩を見ると、どうしようもなく発情してしまうようのだ。 男子高校生なんて猿みたいなものだなんて言うけど、女子高校生は猿以下かもしれない。 そう思えるくらい、どうしようもなくムギ先輩を求めてしまう。 部室で、ラブホテルで、先輩の家で。 何度も何度も愛しあった。 2人でインターネットを見ながら研究もした。 その成果もあり、二人同時に達することもできるようになった。 爛れた日々。 でも幸せな日々。 そんな日々が永遠…とまではいかずとも、しばらくは続くと思っていた。 けれども、私は気づいてしまったのだ。 一緒にいるうちに、どんどん先輩について理解していった。 ムギ先輩は、誰かを助けることに喜びを感じる。 それは例えばお茶を入れることだったり。 あるいは唯先輩の面倒を見ることだったり。 とにかく、誰かを助けて喜んでもらうことに、最上の喜びを感じる。 もちろんムギ先輩自身の願望(例えば食欲)もあるけれど、 それ以上に、ムギ先輩の根っこに「奉仕による喜び」がある。 最初は小さな違和感に過ぎなかった。 ムギ先輩の「赤い顔」を見たことがない、という小さな違和感。 でも、ムギ先輩について知っていくうちに、 ムギ先輩について理解していくうちに、 違和感は疑念へと変わっていきました。 もしかしたら、ムギ先輩は---- ある日。 私達はホテルにいた。 お互いに下着姿になった後、私はムギ先輩を押し倒した。 先輩はニコニコしている。 いつもはムギ先輩が終始リードしてくれる。 きっと先輩は「今日は梓ちゃんがリードしてくれるのかしら」とでも思っているのだろう。 私はムギ先輩の目を覗き込む。 ムギ先輩は目を逸らさない。 覚悟を決めて、私はその問を発した-- 「ムギ先輩は私のこと好きですか?」 言ってから、少し後悔した。 2