約 19,247 件
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/150.html
前へ 陸の洞窟。 アスナは日照りの強い地域をしらみつぶしに散策し、ようやくこの洞窟を発見した。 最奥では赤い体色の巨大なポケモンが眠るように立ちすくんでいる。 その鼓動はこの距離からでもアスナに無言の威圧をかけているかのようだ。 「炎ポケモン使いなら一度はゲットしてみたい伝説の炎ポケモン……」 これが送り火山の伝説にあった大陸ポケモン、グラードン。 確実に命中する距離まで近付き、アスナが手に持っているマスターボールを投げようとしたその時。 「誰!」 グラードンの足元で何かが動いた。 「やはり来よったか」 暗闇から現れたのは一人の老人。 その熟練した動きはアスナの投げる動作を牽制している。 「お前さんたちの自由にさせるわけにはいかんのでの。バトルフロンティアでのリベンジをさせてもらおう」 このままではグラードンを捕獲できない。 「ちっ、ジジィ、後悔するよ」 「爺ではない、私の名はウコンだ」 ウコンは杖を振りかざす。 「ウインディよ!」 ウコンが出したのはウインディ。 「あたしと炎ポケモンでやり合おってのかい?上等だよ」 ウインディに対しアスナはバクーダで応戦する。 「しんそくじゃ!」 ウインディが凄まじい速度で先制攻撃をかける。 「バクーダ、じしんで粉砕しな!」 アスナは命令するが、バクーダは動かない。 「どうした、早くやるんだよ!」 「無茶を言うな、そのポケモンは怯んでおる」 ウコンの言うとおり、バクーダは怯んで動けないようだ。 『くっ、なぜしんそくで怯むの?』 アスナはウコンのポケモンに不気味さを感じ、再び地震で攻撃する。 しかし、それは守るによって無効化されてしまう。 「ふぉふぉ、お前さんのバクーダは何をしてるんじゃ?」 『このジジィ、強い……』 「もう一回じし…」 「そろそろ退場してもらおう、ほえろウインディ!」 ウインディが吠えると、バクーダはボールに戻ってしまった。 「ちっ、戦いにくいったらありゃしない!」 アスナは代わりにマグカルゴを繰り出した。 「まぁこいつでも勝利はかたいさ、いわなだれ!」 「すまんな、まもらせてもらう」 ウインディに岩が直撃するが、ダメージがない。 アスナは舌打ちした。 『吠えて1ターン稼いで守るの成功率を上げたのか』 「久々にポケモンにめいれいするんでな、ふぉふぉふぉ」 ウコンは相変わらず笑っている。 「しかし次は防げないよ、いわなだれ!」 「それは痛いからの、交替じゃ」 ウインディが下がり、代わりに現れたのはケッキングだ。 岩雪崩が当たるが、さほどのダメージにはなっていない。 『ケッキングだって!これは本気になったウコンの手持ちね……』 となると、三匹目はアスナと最も相性の悪いあの水ポケモンのはずだ。 「ケッキング、じしん!」 ケッキングの地震攻撃がマグカルゴに直撃し、一撃でその体力をゼロにする。 「ま、まずいわね……」 再びバクーダを繰り出したアスナ。 ケッキングは生来の怠けグセで2ターンに一回しか動けない。 「じしんを食らいな!」 ケッキングに地震がヒットする。 しかしケッキングはまだ沈まない。 『どういうこと?』 岩雪崩と地震の累積ダメージはケッキングといえども耐えきれないはずだ。 その様子を見てウコンの目がさらに細く、鋭くなる。 「アスナとやら、力に溺れてバトルへの集中力を失っているようじゃな」 敵であるウコンに指摘され、神経を研ぎ澄ませるアスナ。 その目がケッキングに付けられている鈴を発見した。 「か、貝殻の鈴……」 「わかったところでもう遅い」 ケッキングの地震がバクーダを直撃した。 貝殻の鈴の効果で再びケッキングの体力が回復する。 「まさか貝殻の鈴、とはね」 「いつもはピントレンズなんじゃが、今回は負けられない戦いでのう」 先のウインディもおそらく王者の印を持たせていたのだろう。 『けど、タネがわかっても不利なことには変わりないわ』 次にアスナが出したのはバクフーン。 しかしウコンは回復の薬でケッキングを完全回復させてしまった。 「このケッキングを一撃で落とせるポケモンを私は持っていない……」 アスナは敗北を予感した。 しかし敗北を悟ったその時、アスナの頭に逆転勝利できる手段が思い浮かんだ。 「バクフーン、えんまく!」 バクフーンから黒い煙が吹き出す。 「ほう、命中率を下げようというのか。しかし一度の煙幕くらいでどうにかなるとは思えんが……」 そういうウコンの後ろで、不意に気流が乱れた。 思わず振り向いたウコンは、「そこにいたはずの」グラードンが消失しているのを目の当たりにする。 そしてグラードンがいたはずの場所にはマスターボールが転がっていた。 「し、しまった……」 マスターボールは煙幕の中から現れたアスナの手に戻る。 「ふふふ、ごめんなさいね」 「ぬぬ、まさかバトル中にグラードンをゲットされてしまうとは……」 ウコンは自分のミスを呪ったが、とりあえず戦うしかない。 ケッキングの地震がバクフーンを戦闘不能にする。 「じゃあ、グラードンのデビュー戦をしましょうか」 アスナが投げたボールから現れるグラードン。 覚醒したグラードンが現れると、一気に洞窟の気温が上昇していく。 「これがグラードンのひでり……」 周囲の天候すら変えてしまうその力にウコンも焦りを隠せない。 「だが、ワシの最後の切り札で倒してみせる。いけ!」 ウコンが繰り出したのは青く輝く四つ足の獣。 その美しい姿からオーロラポケモンと呼ばれる、伝説のポケモン・スイクンだ。 「なみのりを食らえ!」 スイクンの周囲から水が湧きだし、津波となってグラードンに襲い掛かる。 しかしその体力の高さに阻まれ、倒す迄には至らない。 「あら、まずいわね。じゃあ満タンの薬を使うわ」 アスナはグラードンの体力を回復させる。 「何度でも、何度でもなみのりをお見舞いしてやるわ!」 ウコンも一歩も引かない。 その様子を見て、アスナはにやりと笑った。 14回目の波乗りがヒットし、グラードンの巨体が揺らぐ。 しかしその体力はアスナの薬で回復されてしまう。 「まだまだ……もう、一回…波、のりを……」 ウコンの体がふらふらと傾く。 再び波乗りがグラードンを襲うが、やはりアスナの道具がグラードンを回復させてしまう。 ウコンの目が霞む。 「はははっ、じいさんもうダウン寸前じゃないか?」 洞窟内はグラードンの日照り、そして蒸発した波乗りの水蒸気でサウナ状態になっている。 温泉街育ちで耐性のついているアスナに対し、老いたウコンはすでに体力の限界を越えていた。 うすれゆく意識の中、ウコンはフロンティアブレーンの誇りを思い出し、最後の力をこめる。 「負けん、ワシは負けるわけにはいかんのじゃ……なみのりっ!」 しかしウコンの決死の思いも虚しく、スイクンは動かない。 「な、なぜ、じゃ……」 アスナがゲラゲラと笑う。 「じいさん、もうろくしたな。もう波乗りは15回使っちまったよ」 「ぐ、まさかワシが……そんなミスを……」 まだスイクンには吹雪がある、だがそれでも波乗りと同じ結果だ。 「くそ……勝てんかったか、ダツラ……ヒース、お主らに武運を……」 ウコンはゆっくりと崩れ落ちた。 海の洞窟。 イズミは最奥にいた伝説のポケモン「カイオーガ」を捕獲し、意気揚揚と帰るところだった。 「あのアオギリがアクア団を組織してまで追い求めたポケモンが、まさか私の物になるとはね」 アオギリの心酔ぶりも分からないでもない。 カイオーガにはそれだけの力があるのだから…… 「おっと、俺様の前でタダで帰ることはできねえぜ」 前方の岩影から現れたのは一人の男。 「あんた、誰よ」 イズミも突然の遭遇に呆れ返る。 「俺はファクトリーヘッドのダツラだ」 ファクトリーヘッド……確かバトルフロンティアのブレーンに与えられる称号だ。 「バトルフロンティアは出木杉様によって壊滅したはず。再就職先でも探してるのかしら?」 挑発するイズミにもダツラは微動だにしない。 「イズミ、だったな。アクア団より極悪な事に手を染めやがって……」 「あなたに出木杉様の素晴らしさなどわかるはずもありませんわ」 双方の話は噛み合う事無く平行線だ。 ダツラはボールを手に構える。 「フロンティアブレーン相手にカイオーガの使い勝手でも試してみましょうか」 イズミはカイオーガとキングドラを繰り出した。 「ダブルバトルか、おもしろい!」 ダツラも二つのボールを投げた。 現れたのはライチュウとライボルト。 レンタルポケモンを大量に抱えるバトルファクトリーのヘッドらしく、ダツラはかなりのポケモンコレクターでもある。 「カイオーガ対策は万全、ということなのかしら」 イズミは全く動じていない。 『ファクトリーから持ち出せたのはレベル50のものだけだが、勝てない相手ではないはずだ』 ライチュウの10万ボルトがカイオーガを襲う。 「カイオーガ、ねむりなさい」 カイオーガは目を閉じ、体力を回復させる。 「カイオーガのしおふきは脅威、ならば先に倒すしかない!」 続けてライボルトもスパークで攻撃する。 「カイオーガばかり狙ってくるなんて、あなたえげつないわね」 カイオーガはカゴの実を食べて目を覚まし、イズミは回復の薬を使う。 「このまま押し切る!」 ダツラのライチュウが再び10万ボルトでカイオーガを攻撃する。 『これでライボルトのスパークさえ当たれば!』 しかし、そのスパークより先にイズミが叫ぶ。 「カイオーガ、めいそう!」 特防が上がり、スパークを受けても耐えきったカイオーガ。 イズミはキングドラの命令ターンを回復の薬の使用に充てたのだ。 ダツラが歯噛みする。 「ちっ、ダブルバトルじゃなけりゃ……」 「シングルじゃ勝機はゼロでしょうに」 確かにそうだ。 イズミはまた回復の薬を使っている。 このままでは回復と瞑想を繰り返されて敗北してしまうのは明らかだ。 『もう一匹をやるか!』 ダツラはキングドラをターゲットに定めた。 「ライチュウ、10まんぼ…」 「かげぶんしん!」 ライチュウより先にキングドラが動き、影分身でライチュウの攻撃をかわしてしまった。 キングドラはすいすいの効果で素早さが上がっているのだ。 スパークは命中するものの、倒すまでには程遠い。 巧妙に回復を繰り返しながら回避と特防を上げていくイズミ。 すでにダツラのポケモンでは手に負えない事態になっていた。 「俺の負けのようだな」 「あんたが馬鹿だからね」 ダツラが首を傾げる。 水ポケモン対策もしてきた、戦術にもこれといって間違いはないはずだった。 分かっていないダツラにイズミがトドメを刺す。 「その場限りの借り物のポケモンばかり使ってるから、敵の技のデータすら覚えようとしないのよ、アンタは」 そう、カイオーガは捕獲したばかりではレベルが足りず、潮吹きは使えない。 ダツラは基本的な間違いを犯していたのだ。 「そうだ、確かに潮吹きは使えない……しかしそれなら瞑想も使えないはずでは」 イズミが部屋の奥を指差す。 そこには小太りの男が顔面を腫らして気絶していた。 「あれは、技おしえマニア……」 「グラードンを捕獲しにいった奴から連絡があってね。アンタが襲ってくることはお見通しだったのさ」 すべてを見抜かれていた。 ダツラががっくりと肩を落とす。 「俺の負けだ、ここは退くしかないな」 後退りするダツラにイズミが言い放つ。 「だからアンタは馬鹿だっていうのよ、私が危険因子を黙って見逃すとでもいうの?」 イズミの合図と共にカイオーガの鼻先が光り輝く。 「な、なにを……」 「ぜったいれいど!」 カイオーガから放たれた冷気の奔流がダツラを襲い、その体を瞬時に凍らせる。 「絶対零度は瀕死技、だけどそんな状態で何時間もいれば瀕死ではすまないわね」 イズミはカイオーガとキングドラをボールに収めると、悠々と去っていった。 「ん……」 ダツラは意識を取り戻した。 体はまだ自由には動かないが、生きているようだ。 自分は絶対零度を受け、凍らされてしまった。 『なぜ、俺は生きている……』 その時、体に生暖かい物を感じた。 「あ、意識が戻ったみたいですね」 その声を発した主を見てダツラは絶句した。 豊富な脂肪を持つ技おしえマニアが全裸でダツラの体を暖めていたのだ。 「あのまま、死なせてくれればよかったのに……」 体の自由が利かないまま、ダツラの生き地獄は続くのであった。 121番道路。 スネ夫はルネジムに挑戦する前に、戦力アップのためにサファリゾーンに向かっていた。 「出木杉がクリアフラグを立てたとしたら、おそらくあそこも拡張工事が終わってるはずだ」 サファリゾーンには殿堂入り後に現れる新たなゾーンがあり、そこではホウエン以外のポケモンを捕獲できる。 「ツボツボあたりをゲットできれば助かるんだけど……」 ツボツボの防御力は状態異常を使う自分と相性がいい。 その時。 スネ夫の体が影で隠れる。 上を向くと、白と赤の二色で彩られた大きな姿がこちらを見ていた。 「あ、ああああれあれあれは!」 スネ夫はあわててモンスターボールを投げた。 現れたのはクロバット。 「そうか、クリアフラグが立ったということはコイツも現れるんだ!」 黒い眼差しを忘れてしまったことが恨めしい。 「かみつくんだ!」 クロバットに噛み付かれて苦しがる紅白のポケモン。 それはクロバットを振り払うと、再び空へと消えていった。 スネ夫はその興奮にポケモンをボールに戻すことすら忘れて立ち尽くしている。 「そうか、あのポケモンだけは出木杉も容易にはゲットできないんだ」 あれこそが出木杉に対抗できる可能性がある唯一のポケモンかもしれない。 「もしかしたら今のポケモン……ラティアスだけでなく、ラティオスも飛び回ってるかもしれない」 スネ夫は一縷の希望が見えたことに胸を躍らせていた。 空の柱。 レックウザを捕らえるためにここへとやってきたナギ。 しかしレックウザのいる最上階手前には妙な格好をした優男が立ちふさがっていた。 「貴女をレックウザの元に行かせるわけにはまいりません。元ヒワマキジムリーダー、ナギさん」 「ここはカーニバル会場じゃなくてよ」 確かに目の前の男の姿はあまりにもこの場に似付かわしくない派手な姿だ。 羽飾りもかなり痛々しい。 しかしその珍妙男は恥じる事無く自己紹介をはじめた。 「ボクはフロンティアブレーンの一人、ドームスーパースターのヒースと申します」 フロンティアブレーン。 実力はジムリーダーをも凌ぐというポケモンバトルのプロフェッショナルだ。 「そ、そうは見えないわね」 「天空の神と交信しなくなった貴女には、私についている神の姿も見えないんでしょうね」 「天空の神……そんなものもいたわね」 ヒースのその言葉に動揺するも、ナギは引こうとはしない。 「神に愛された男であるこのヒースに貴女は絶対に勝てません……」 「あなたと一緒にその恥知らずな神様も倒してあげるわ」 ナギはチルタリスのボールを放った。 ヒースが繰り出したのはラグラージ。 「厄介なポケモンを持ってるわね」 ナギが呟くのも無理はない。 ラグラージは弱点が少なく有効打を与えにくいポケモンである。 しかしその主力攻撃は地震、水攻撃に注意していればさほどの敵ではない。 「ゴッドバード!」 チルタリスの全身に力がみなぎっていく。 しかし、その攻撃が炸裂することはなかった。 「ラグラージ、れいとうビームを放て!」 ラグラージから発射された冷気のビームが一瞬にしてチルタリスの体力を奪う。 いくら高レベルチルタリスでも、氷攻撃の前にはひとたまりもない。 「神の声が聞こえていれば、ラグラージの氷技も分かっていたかもしれないね」 「そ、そんな……」 ヒースのキザな物言いにムカつくよりも、自分の勝負勘がにぶっていることに愕然とするナギ。 力に溺れるあまり、強引な戦術を使ってしまっているのだろうか? 『そんなことはない、私は以前より強くなったはずよ』 ナギは続けてエアームドを繰り出した。 「かげぶんしん!」 エアームドが何体かに分身する。 「しかし、神に愛されているボクには効果はない!」 分身したにも関わらず、ラグラージの波乗りがエアームドに直撃する。 「う、運がよかったようね」 ナギの言葉にヒースは悲しい顔をする。 「これを運だと思っている時点で貴女に勝ち目はないよ」 ヒースに馬鹿にされたように感じナギは怒りを顕にする。 「エアームド、もう一度かげぶんしん!」 さらに残像が増え、エアームドの本体はどこにいるかわからない。 ラグラージの波乗りも外れてしまった。 「あなたの神様が昼寝している間に、もう一回積ませてもらうわ」 三回目の影分身を行なうエアームド。 ラグラージは攻撃を当てることもできず、ドリルくちばしを連続で受けて戦闘不能になってしまった。 ヒースは無言でラグラージをボールに戻す。 「やはり神を断った貴女のバトルは美しくない。早く終わらせましょう」 現れたのはリザードン。 「華麗にオーバーヒートです!」 リザードンからすさまじい熱波が撃ち出される。 「そんな命中率の低い技が当たると思っているの!」 ナギの言葉にヒースはくるくると回転する。 「ボクはここで攻撃を当てる!それがスーパースターというものさ!」 ヒースの叫びどおり、オーバーヒートがエアームドにヒットし、撃墜する。 「やはり貴女は神に見離されているんだ!」 ヒースの奇妙な動きはさらに速さを増していく。 「あんなナルシスト男に……私が負ける……」 ナギは膝をついた。 「さあ、次のポケモンを出したまえ」 ナギの手持ちはあと2体。 そのうち1体は秘伝要員で戦闘力はゼロ。 『神よ、この状況で私に勝利の秘策をお教えください!』 ナギはあの日以降怠っていた毎日の儀式に身を委ねた。 しかしその返事は返ってこない。 『やはり私は……神に見離された……』 ナギに残されたのはただひとつのモンスターボール。 出木杉から貸し与えられたリザードンだけだ。 「私には、これしか残っていない……」 ナギは力なくボールを宙に投げた。 そこに現れたのはまばゆく輝く神の化身。 七色に輝く羽がはばたく度に虹のような光が放たれている。 「まさか……ホウオウ!」 敵であるヒースも自分以上の美しい姿に思わず見とれてしまう。 「なんで、ホウオウが……」 そういえば旅立ちの直前に出木杉が意味深に笑っていた。 あの時にはもうボールはホウオウにすり替えられていたのだろう。 「出木杉様……私などのために……」 ナギはすでに神など信じていなかった。 信じられるのはこのホウオウの持ち主であるあの方のみ。 ナギは勝ち誇ったようにヒースを見下す。 「そのチンケな劣化ホウオウで本物に勝てるかしら?」 ヒースは立ち直ったナギの顔に迷いが消えているのを感じた。 『神への祈りが通じたとでもいうのか?』 「しかし互いに炎ポケモン同士、ダメージを与えるのは易しくないぞ!」 ヒースの言葉にナギが呆れたように答えた。 「その程度のポケモンと同列にしないでほしいわ。げんしのちから!」 「そ、そうか!しまったぁぁっ!」 ヒースの後悔もすでに遅く、ホウオウのすさまじい怪力がリザードンを襲う。 岩技である原始の力はリザードンの最大の弱点。 その攻撃に耐えられるはずもなく一撃でやられてしまった。 「あははは、ホウオウがさらに力を増したわ!」 ホウオウのオーラがさらに強くなっている。 原始の力の能力上昇効果だ。 「くそ、最後に残されたのはこの一体のみ!」 ヒースが投げたボールから現れたのはメダグロス。 何人もの挑戦者を退けたヒースの切り札である。 「神よ、私に力を与えたま……」 ヒースの言葉はここで止まった。 目の前のホウオウが七色の炎を吐き出したからだ。 「う、うつく…しい……」 聖なる炎の洗礼を受け、ヒースとメダグロスは光の中に消えていった。 「ふう、終わったわね」 ナギの足元にはキモイ服装のところどころが焼け焦げたヒースが倒れている。 「貴女は…神と話せたのか……」 そう問い掛けるヒースの顔面を踏み付けるナギ。 「いぎっ!顔は、顔はやめろ!」 「神なんていないわ。私を救ったのは私の主人、神ではない」 ナギはヒースの背中に付いている羽飾りを乱暴に引きちぎる。 「や、やめてくれっ!羽がないと、羽がないと……」 「羽をもがれたスーパースターがどんな様で帰るのか見物ね」 ただのタイツ男にされてしまったヒースを放置し、ナギは空の柱の最上階に向かう。 そこには緑色の巨体がとぐろを巻いて横たわっている。 ナギはその緑の塊…レックウザにマスターボールを投げた。 「ふふふ、これで我々の戦力は完璧。誰であろうと出木杉様に手を出すことはできないわ」 レックウザの収められたボールを握りながら冷たく笑うナギ。 その心はすでに出木杉のほうしか向いていない…… しばらく後。 「ヒース、無事か!」 ナギとの戦いの跡地に現れたのはジンダイ。 ヒースは塔の壁にその体を横たえていた。 ジンダイはヒースの無残な姿を見て目論みが失敗したことを感じた。 「やはり、勝てなかったか」 「その口振りからすると、ダツラやウコン爺も勝てなかったんですね」 ヒースの問いに無言で答えるジンダイ。 ヒースは塔の天井を見上げ、ぽつりと呟いた。 「あーあ、フロンティアブレーンもこれじゃ形無しですね。」 「ああ、我々は決められたルール内で戦いすぎた。彼らのような相手を戦うのは難しいのかもしれん」 そういうジンダイの顔が暗い。 「ジンダイさん、どうしたんですか?」 ヒースに問われ、ジンダイが重い口を開く。 「私のポケモンが盗まれた……」 「盗まれた?どういうことでしょう」 ヒースが疑問に思うのも無理はない。 データ通信以外の手段で他人のポケモンを奪っても、それを扱うことはできない。 「盗まれたのはフリーザー、サンダー、ファイヤー。俺の切り札だ」 ジンダイは探検家、冒険家としても有名だ。 いくらかの幻といわれるポケモンも所持しているが、その中でも別格の3体だ。 「暗がりでしか確認できなかったが、盗んだのはそれは「2頭身で丸い頭を持つ奇妙な生物」だった」 ヒースは首を傾げる。パッチールだろうか? 二人にもそれが何なのかは分からなかった…… キナギタウン。 再び集結したフロンティアブレーン達はウコンの病室にいた。 ダツラ、ヒースの怪我はそれほどでもなかったが、ウコンはまだ体を動かせるほどには回復していない。 「全員失敗か。我らの力も堕ちたものだ」 ウコンがベッドから体を起こす。 ヒースもダツラもただ悔しさを噛み締めるだけだ。 ジンダイがヒースとダツラにサイコソーダの缶を投げ、話し始める。 「我らの直面した問題はふたつ。まずはポケモンリーグ占拠事件」 デキスギという少年が不当な行為でポケモンリーグを占拠し、自らをチャンピオンとして部下(ツツジ、ナギ、イズミ、アスナ)を四天王に据えたこと。 彼らはホウエン地方に伝わる伝説のポケモンを入手し、その力を欲しいままにしている。 「バトルフロンティアも壊滅し、有望なトレーナー達はほとんど再起不能だ」 「リラ、アザミ、コゴミもな……」 ダツラが行き場のない怒りを壁にぶつける。 「しかし希望がないわけでもない。デキスギの元仲間だった少年達は力をつけてきているはず」 ジンダイの見つけたスネ夫という少年、彼とその仲間達ならこの事態をなんとかできるかもしれない。 「彼らには我々が極力バックアップをしてやろうと思う」 全員が頷く。 自分達は戦いに敗北した、リベンジするよりは若い可能性に賭けてみるしかない。 ウコンが口を挟む。 「だがバックアップしようにも、もうひとつの問題が邪魔をしよった」 ジンダイが悔しそうに頷く。 「ウコン殿の言う通りだ。第2の問題、伝説のポケモンの窃盗事件だ」 ジンダイの3鳥が盗まれた事件。 これは犯人の目的もデキスギとの関連も分かっていない。 「そしてついさっき分かったことだが、ウコン殿のスイクンも盗まれている」 ウコンはアスナとの戦いのあと、ジンダイに助けられて気が付いたときにはスイクンのボールは失われていた。 「どうなってるんだ?」 ヒースも空の柱から帰ってくるまでにいろいろ考えてみたが、答えは見つからない。 「とにかく、何かが動いてるのは確かだ。ヒース、お前のラティアスは大丈夫か?」 ヒースは複雑な顔で答えた。 「今となってはよかったのか悪かったのかは分からないが、ラティアスは空の柱に向かう前に逃がしたよ」 ダツラが驚く。 「お前のお気に入りだったじゃねえか!」 「あのラティアスを捕獲できるほどのトレーナーが現れればもしや、と期待しちゃってね……」 さびしく笑いながら遠い目で窓の外を見るヒース。 「とにかく、今の我らにできることをやるしかない」 ジンダイの言葉に皆が頷く。 「窃盗事件は私に任せてくれ、犯人の姿を見たのは私だけだからな」 ジンダイがそう言うと、ダツラはありったけのモンスターボールを抱えながら笑う。 「オレはキンセツに向かう。ファクトリーヘッドにしかできないことがあるからな」 「ボクはウコン爺が回復したらルネに向かうよ。その少年達に合流する」 ヒースが新しい羽飾りをひらひらさせる。 「では、何かあればポケナビで連絡を取り合おう」 ウコンの言葉を最後に、ジンダイとダツラはこの場を去り、ウコンは再びベッドに体を沈めた。 「ヒース」 「なんだい?」 ウコンは何かを言おうとしたが、その言葉を飲み込んだ。 「いや、なんでもない。ただ……」 ウコンは目を閉じながら呟く。 「決して油断するでないぞ。どんなときも、どんなときもじゃ」 「?」 その言葉の意味が分からず、ヒースは首を傾げた。 127番水道。 ドラえもん、のび太、しずかの三人はポケモン達を鍛えながらルネに向け進んでいた。 のび太は結局ドラえもんのホエルオーに乗って移動していた。 「あーあ、僕もポケモンで波乗りしたいや」 「じゃあ君のスターミーに乗る?」 「……」 ヒトデマンからスターミーに進化させて少しは大型化したが、やはり乗り方は二択。 以前のような嘔吐や遭難はこりごりと、のび太も仕方なく諦めていた。 そのとき、先行してミロカロスで波乗りしているしずかから声がかかった。 「ん、どうしたんだろ……」 しずかの指差す先には怪しげなヒレが波を割いて泳いでいた。 「あれは、サメハダー?」 以前のび太が釣ろうとしても釣れなかったキバニアの進化系だ。 「ドラえもん、あれに乗りたい!」 「いや、のび太くん、あれはやめたほうが……」 そう忠告ドラえもんの声は全く聞こえていない。 『あーあ、あんなのに乗ったら鮫肌で傷だらけになっちゃうよ』 のび太はホエルオーの先端に立ってすでに戦闘準備万端だ。 「よし行け、ピー助!」 トロピウスが現れ、サメハダーの上空を旋回しはじめる。 「のび太くん、ソーラービームは倒しちゃうから使っちゃダメだよ!」 ドラえもんのアドバイスが飛ぶ。 「そんなことわかってるよ。ピー助、そらをとんで攻撃だ!」 のび太の命令でピー助が天高く舞い上がる。 サメハダーは嫌な音を出すがトロピウスには聞こえていない。 十分な距離をとったトロピウスが急降下し、サメハダーに一撃を加える。 鮫肌と、返す刀で切り裂かれたダメージがあるが、トロピウスはまだまだ元気だ。 「のび太くん、今だ!」 「よし、いけ!ハイパーボール!」 のび太が渾身の力を込めて投げたボールは サメハダーから遠く離れた右の空に飛んでいった…… 「あれれ……」 ドラえもんは思わず顔を覆った。 のび太が野球が下手なことは分かっていたはずだ。 この距離での命中率はいいとこ40%だろう。 「あれっ?」 のび太の声が聞こえる。 恐る恐る顔を上げてみると、のび太は左下を見ている。 正面のサメハダーはすでに海面から姿を消していた。 ドラえもんものび太の視線を追うように左下の海面を覗き込む。 「え?どうして……」 そこには右の空に飛んでいったはずのハイパーボールが波間に浮かんでいた。 ハイパーボールを回収するのび太。 ドラえもん、そしてホエルオーに乗り移ったしずかも駆け寄ってきた。 「どういうこと?」 「私はサメハダーを見てたから……」 ドラえもんの問いにしずかは首を振る。 二人がのび太のほうを向くと、のび太は起こったことを語り始めた。 「ボールが跳ね返ったんだ。で、目の前を通って左側に……」 ドラえもんがハイパーボールを見てみると、中に何かが入っているようだ。 「ねえのび太くん、何か入ってるよ」 のび太は恐る恐るボールから「何か」を解放する。 紅白に彩られた大きなポケモンが現れた。 宙に浮くそのポケモンは不思議そうな顔をしてのび太を見つめている。 「あら、かわいい」 しずかが場違いな声を上げる。 「もしかして空を飛んでたコイツに偶然当たった……なんてことは……」 あるはずがない、と言おうとしたドラえもんは口をつぐんだ。 のび太はどちらかといえば不幸だが、時々とんでもない幸運を呼び込む事がある。 「ど、どうだい!こんなすごいの捕まえちゃった!」 ドラえもんは図鑑を調べる。 無限ポケモン、ラティアス。 どうやら人前に姿を現さないかなり珍しいポケモンのようだ。 「過程はどうあれ、すごいやのび太くん……」 ドラえもんは呆れたような感心したような、複雑な気持ちだった。 ルネシティ。 スネ夫がラティアスに傷を負わせたおかげで、のび太がそれをゲットしたことを当の本人は知らない。 「よし、さっさとルネジムを攻略するか」 スネ夫はルネジムに入った。 メモ帳とにらめっこしながら氷の床を踏むスネ夫。 答えはすべてそれに書いてある。 順調に氷の床を渡り最奥まで行き着くと、そこにはジムリーダーであるアダンが立っていた。 「よ、よかった。どうやら普通の挑戦者みたいだな」 アダンは何やら落ち着きがない。 「どうしたの、おっさん」 「おっさ……まぁいい。実は先日の挑戦者がひどい少年でな。無礼だし歌は騒音だし」 アダンがこめかみにしわを寄せる。 『アダン様が愚痴っておられる』 『確かに前回のバトルはひどかったからな』 ギャラリーからひそひそ声が聞こえる。 スネ夫はすぐにピンときた、その挑戦者はジャイアンだ。 「さて、バトルを始めようか」 アダンはラブカスのボールを投げ、スネ夫はジュカインを繰り出した。 「そっちの手持ちは全て研究済みさ、リーフブレード!」 ジュカインのリーフブレードがラブカスを一閃した。 「やはりラブカスでは力不足だな」 アダンがポケモンを収める。 『って、多分毎回言ってるんだろうな』 スネ夫が心の中で笑う。 「次は…」 「ナマズンでしょ。ぶった切ってあげるから早くだしなよ」 アダンは憎々しげにスネ夫を睨みながらナマズンを繰り出す。 そしてスネ夫の予告どおりリーフブレードの一撃で沈んでしまった。 『ああ、また無礼な挑戦者だわ』 『手持ちを先読みされて、アダン様のあの屈辱に歪んだ顔、りりしいわ』 外野の声にさらに顔を歪ませるアダン。 そんなアダンを知ってか知らずか、スネ夫のつぶやきが聞こえる。 「あー、あとはトドグラー、シザリガー、キングドラか。全部一発だな」 「これがバッジだ、さっさと持って帰ってくれ」 完全に不貞腐れたアダンからバッジをもらったスネ夫。 ついでにアダンに質問する。 「あの、ミクリって人を探してるんだけど」 秘伝マシンを入手するため、ミクリに会わなければならない。 だがアダンから返ってきた言葉はその計画をブチ壊すものだった。 「ミクリはポケモンリーグで何者かに敗れて行方不明だ」 そうか、ミクリはチャンピオンだった。 『これじゃあポケモンリーグに行けないじゃないか!』 スネ夫は目の前が真っ暗になったが、まだ望みはある。 「くそ、手間はかかるけど仕方ないか……」 スネ夫はルネジムを後にした。 次へ
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/342.html
前へ ポケモンリーグ、第3の間 「ゲンガー、シャドーボール!」 ドラえもんのゲンガーが眠っているナギのチルタリスに攻撃する。 眠らされた上に数度のシャドーボール、さすがにチルタリスも耐えられない。 「やはり催眠術主体、しかも素早い……」 ナギのチルタリスも素早さに自信はあったのだが、やはり催眠ゲンガーの素早さは脅威だ。 「どうだ!スネ夫から託されたゲンガーの力は!」 ドラえもんが勝利をガッツポーズでアピールする。 だが、ナギはその言葉を聞き逃さなかった。 『託された……なら、もしかしたら』 データによればスネオは状態異常主体の戦術で攻めてくるタイプ。 催眠術さえ封じれば付け焼き刃……ボロが出るはず。 「催眠戦術の対策も抜かりはないのよ……次はコレよ!」 ナギが繰り出したのは人ほどの大きさの鳥ポケモン。 「なんだ……フクロウ?」 ドラえもんの記憶にあのポケモンのデータはない。 特に注意すべきポケモンではなさそうだが、何らかのカウンター技や即死技を覚えているかもしれない。 「とりあえず催眠術だ!」 ゲンガーの目が怪しく光る。 だが、相手のポケモンは催眠術を受けても全く眠る様子がないのだ。 「ど、どうして……」 数日前…… 「ふーん、じゃあこのゲンガーってポケモン最強じゃないか」 スネ夫からその戦術を聞いたドラえもんは素直に感嘆する。 敵より速く行動し、眠らせるというシンプルだが強力な戦術。 現実のゲームでは眠りのステータス異常に制限がかけられているというが、それも無理はないだろう。 だが、スネ夫はドラえもんに釘を刺す。 「最強のポケモンなんていないさ。いいかい、今から言うパターンでは催眠戦術は使えない……」 舞台は戻る。 ドラえもんはスネ夫の忠告を思い出す。 「確かカゴの実を持たせていたり、周りが騒がしかったり……そうか、特性か!」 敵はフクロウのポケモン。 おそらく夜行性ならではの特性が備わっているのだろう。 ナギが拍手する。 「ご名答。このヨルノズクは「不眠」の特性を持っているわ……そして!」 ヨルノズクの目が怪しく輝くと、それを直視したゲンガーはうとうとと眠りについてしまった。 「催眠戦術のお返しよ」 「そ、そんな……」 素早さの高いゲンガーが眠らされるとは想定外である。 『交換するべきか、このまま耐えるべきか……』 だが、交換したとしてもまた次のポケモンが眠らされてしまうかもしれない。 「このまま、使い続けるしかないか……」 苦渋の決断をするドラえもん。 「じゃあ遠慮なくやらせてもらうわ、しねんのずつき!」 ヨルノズクが急降下し、眠っているゲンガーに一撃を加える。 「まずい、体力を半分以上持っていかれた……」 思わず呟いてしまったドラえもん。 ナギはその言葉を聞きのがさない。 「じゃあ、もう一発くらわせてトドメを刺してあげるわ!」 再び高度をとり、急降下を開始するヨルノズク。 眠っているゲンガーは避けることもできず、直撃してしまった。 『やったわ!』 しかしナギの思惑とは裏腹に、ゲンガーは僅かな体力を残して持ち堪えている。 驚いてドラえもんを見ると、その顔はしてやったりといった笑みを浮かべている。 「僕はのび太くんの後を追わなきゃならないんだ」 「そのためには卑怯な駆け引きも辞さないということ……なのね」 出木杉様から聞いた話では、彼はのび太の世話係のようなロボットらしい。 フィールドの様子を見て、ナギは自嘲気味に笑った。 「呆れた忠誠心だけど、それが通じたという事かしら」 ナギのその言葉を聞きながら、ドラえもんのゲンガーはゆっくりとその瞳を開いた。 『やっと起きた……だが、やはりこちらが不利だ』 図鑑でヨルノズクをチェックすると、飛行・ノーマルタイプだった。 つまり、ゲンガー唯一の攻撃技であるシャドーボールが効かない。 「ごめん、スネ夫……アレを使うよ」 催眠術とシャドーボールが効かない今、後はあの技しかない。 「……だいばくはつっ!」 ゲンガーの体が輝いたかと思うと、轟音と共に大爆発を起こす。 「くっ、やはりそう来たわね……」 ナギが爆風から顔を守りながらうめく。 ヨルノズクはゲンガーの捨て身の攻撃を受けて壁に叩き付けられ、それっきり動かなくなった。 「ごめんよ、ゲンガー……けど!」 そう、ナギのポケモンを4匹まで倒した。 まだ出ていない最後のポケモンはアレしかない。 「ナギさん、いよいよ追い詰めたよ……出てこいホエルオーッ!」 ドラえもんが繰り出したのは、旅の最中に海での足になってくれたホエルオー。 その巨体らしい体力の高さには定評がある。 「その程度のポケモンで勝てるかしら……出てきなさい、レックウザ!!!」 ナギが投げたボールから、長大な緑のボディが現れる。 空中でとぐろを巻きながらその異様を見せつけるのは伝説の天空ポケモン、レックウザだ。 「レックウザ、しんそく!」 先手を取ったレックウザがすさまじいスピードで飛び込み、ホエルオーの体を打つ。 その先制攻撃だけで体力の半分を奪われてしまうホエルオー。 「……眠れ、ホエルオー!」 ルネでの戦いで、レックウザの主力攻撃は破壊光線だと分かっている。 となると、体力を減らしたままでは危うい。 『破壊光線も神速もPPは少ない、なんとか使わせるんだ!』 眠りから覚めるまでの2ターン、そこが勝負だ。 だが、そんなドラえもんの計画は脆くも崩れさった。 「レックウザ、りゅうのまい……」 レックウザが雄大に宙を舞うと、その戦闘力が上がっていく。 「ま、マズイ!もう1回使われたら……」 「さて、どうなるかしらね」 二度目の舞をただ見ているしかないドラえもん。 ようやく目を覚ましたホエルオーだが、その眼前には再びレックウザが迫っていた。 『ど、どうするっ……』 瞬時に考えを巡らせるドラえもん。 ここで敵の攻撃を受けた後に眠らせればもう数ターンは持つかもしれない。 だが、おそらくナギは更に竜の舞を積んでくるだろう。 そうなればおそらく勝ち目はない。 『なら、攻めるだけだ!』 神速をくらい、大ダメージを受けるホエルオー。 だが、カウンターとして放った一撃がレックウザにヒットした。 「これは、どくどく……」 ナギは思わず声を上げてしまう。 そう、例え伝説のポケモンといえど等しく体力を削っていく毒。 『厄介な……だが、レックウザは眠ることができる』 そう、レックウザはいざとなれば眠って体力と状態異常を回復できるのだ。 「とりあえず、そのホエルオーは倒しておく!」 再度の神速がホエルオーに直撃し、戦闘不能に陥らせる。 「ありがとう、ホエルオー」 ドラえもんはホエルオーをボールに戻すと、大きく深呼吸した。 『2匹、この2匹で決めてみせる……』 そのためには、なんとしてもレックウザの動きを止めなければならない。 「……いけっ、サマヨール!」 ドラえもんが出したのは、耐久力に優れるゴーストポケモン、サマヨール。 『こいつで神速と破壊光線は防げる』 ナギはサマヨールを見てほくそ笑む。 「まさかレックウザの攻撃を封じたつもりじゃないわよね、ドラゴンクロー!」 ナギも元ジムリーダー、それくらい想定できる。 レックウザの爪が不定形のサマヨールのボディにヒットする。 だが、レックウザの爪は寸前で見えない防護壁に阻まれてしまう。 「まもるを使ったわけね……」 猛毒のダメージを受け、体力を削られるレックウザ。 「だが、2度は使えないわよ」 ナギの指摘に、ドラえもんは笑みを浮かべた。 「……?」 その癪に触る笑みを見たナギは、瞬間的に警戒心が芽生えた。 『何かがおかしい』 「ドラ…いや、りゅうのまい!」 ナギは自分の勘を信じて、この場はさらにレックウザの戦闘力を上げる。 「さすがナギさん、やっぱり罠にはかからなかった……」 ドラえもんの言葉を聞き、サマヨールの姿を確認する。 『あ、あれは、おんねんのの態勢……』 危ういところだった。 あそこでドラゴンクローをくらわせ、サマヨールを倒していたらレックウザのドラゴンクローは使えなくなっていた。 そして相手の最後のポケモンがゴーストなら完封されてしまう。 「守ると怨念、交互に使って時間稼ぎ……」 猛毒に侵されているレックウザにとってかなり厄介な戦術である。 『ここはまず毒を消さなくては……』 怨念のPPが尽きるまで長期戦になる、そう予測したナギ。 「眠れ、レックウザ」 ナギの命令でレックウザは目を閉じ、毒に蝕まれた体を癒していく。 「かかった!」 ドラえもんが思わず叫んだ。 最後の技が破壊光線だと思っていただけに、眠ってくれるとは嬉しい誤算だ。 「戻れサマヨール、そしていくんだ、ドーブル!」 サマヨールの代わりに現れたのは一見ひ弱そうなポケモンだ。 だが、このポケモンには他のポケモンにない特徴がある。 「こころのめを開け、ドーブル!」 ドラえもんの指示でドーブルはその心眼をレックウザに向ける。 それから逃れることはできない。 『そう、そういうことなのね』 ナギは全てを理解した。 おそらく次に来るのは一撃必殺技。 あれは対伝説ポケモン用に特化したドーブルなのだ。 「だけど詰めが甘いわね、このターンでレックウザは目を覚ますわ!」 そう、素早さに劣るドーブルがレックウザより先に攻撃はできない。 「これが力の差よ、しんそくっ!!」 ナギのレックウザはトドメとなる最後の一撃を放った。 だが…… 「持ち堪えた……ですって」 ドーブルは失いそうな意識をタスキ一本で支えていた。 「気合いの、タスキ……そう……そうなの」 ドーブルの放つ絶対零度を受け、ナギのレックウザは断末魔の悲鳴を上げながら地に落ちていった。 レックウザが倒れた。 「私が、私が負けたというの……」 全身が虚脱し、崩れ落ちるナギ。 全てを犠牲にしてまで手に入れた力は打ち砕かれた。 もう彼女には何も残っていない…… 「私は……全てを失った……」 「いや、まだ終わってないよ!」 ドラえもんの叫びに、ナギは自分を取り戻した。 そう、レックウザの力に溺れていてすっかり忘れていた。 「出てきなさい、エアームド!」 ボールから解き放たれたエアームドは悠然と宙を旋回する。 「ああ、まだ残っていたのね……」 ナギはポロポロと涙を溢す。 あのエアームドとヒワマキの空を駆けた毎日、そしてジムリーダーとして暮らした思い出が溢れだしてくる。 「私、私は……間違っていたのね……」 そこにいたのは邪悪な出木杉の手下ではなく、優しいヒワマキのジムリーダーだった。 そんなナギの様子を感慨深げに見ているドラえもん。 だがここで立ち止まってはいられない、のび太を助けに行かなければ。 「今行くよ、のび太くん」 ドラえもんはナギを背にし、先へ向かって走り出した。 ポケモンリーグ、第1の間。 スネ夫の目の前には2体のレジスチルが鏡像のように立ちはだかっている。 スネ夫は2体のレジスチルを相手にしなければならないのだ。 「よりによってレジスチルが2体……けど!」 スネ夫がカビゴンに寝言を命令する。 するとカビゴンは寝返りを打ちながら現れたばかりのレジスチルにのしかかった。 「これでカビゴンとユレイドルの技構成が分かったわ」 ツツジは今までの戦いで敵の技を大体把握できた。 ユレイドルは守る、毒毒、エナジーボール。 レジスチルにとってはさしたる脅威ではない。 だが、ねむねご地震のカビゴンは厄介な相手だ。 「まずはカビゴンを潰す!」 一体目のレジスチルが腕を振りかぶる。 「アームハンマー!」 鋼でできたレジスチルの拳がカビゴンにヒットし、大ダメージを与える。 「カビゴンっ……」 「続けて行くわよ、ラスターカノン!」 だが、2体目のレジスチルは動かない。 さっきののしかかりで体が麻痺しているのだ。 「ら、ラッキー!」 思わず幸運に感謝したスネ夫だが、現状は不利と言わざるを得ない。 「ここからは一手読み違えると負ける……」 スネ夫の灰色の脳細胞がフル回転する。 まずは敵のレジスチルだ。 片方は守るとアームハンマー、おそらく物理攻撃タイプなのだろう。 となると、麻痺している方は特殊攻撃タイプのはずだ。 「まずはアイツを倒す、そして後は……」 スネ夫の綿密な計算は完了した。 「ユレイドル、まもれ。そしてカビゴンはねむるんだ」 まずここは馬鹿のふりをしなければならない。 ツツジはその対応を見てほくそ笑んだ。 『次ターンに寝言を使うと思ったが、まさかユレイドルがここで守るを使うとはね』 守るは連続で使用すると成功率が落ちる。 つまり、次ターンに味方を巻き込む可能性がある寝言(地震)は使ってこないはずだ。 『まさか、のしかかりの可能性に賭けるつもりじゃないでしょうね』 スネ夫がそんな部の悪い賭けをするわけがない。 「とりあえず、アームハンマーをカビゴンにっ!」 再び炸裂するアームハンマーがカビゴンの体力を奪う。 「そしてこの隙は逃さない、ラスターカノン!」 麻痺しながも、2体目のレジスチルが鋼の衝撃波をユレイドルに撃ち込んだ。 「これで、次のターンには2体とも……」 そう言うツツジは思わず言葉を止めた。 スネ夫が満足そうに笑っていたのだ。 「ツツジ、あんたなら必ず守るの隙は逃さないと思ったよ」 カビゴンが寝ていること、そしてユレイドルが守れない事でツツジは基本の『1体集中攻撃』を忘れ、分散攻撃をしてきた。 普通ならこれでよかったのかもしれない。 だが、スネ夫はそれをすべて読み切っていた。 「ユレイドル、ミラーコートだっ!」 ユレイドルがラスターカノンの倍の破壊力の衝撃波を放射する。 「そ、そんな……守るはフェイクだったというの」 ツツジの目の前でミラーコートの反撃を受け、崩れ落ちるレジスチル。 「ミラーコート、ミラーコートね……ふふふ、アハハハハハ!」 ツツジはひとしきり笑うと、憎しみの視線をスネ夫に叩き付ける。 「だが貴様のポケモンも瀕死だ!残り1体とはいえ、無傷のレジスチルに勝つつもり?」 「ふん、やってみなよ」 余裕を見せたスネ夫の様子に、逆上するツツジ。 「じゃあ死にな……じしんよ、レジスチル!」 だが、レジスチルの動きが鈍い。 「ユレイドル、まもる。カビゴンはねごとだ!」 レジスチルより先にカビゴンが寝返りをうつ。 すさまじい衝撃波が発生し、レジスチルは大ダメージを受けてしまった。 「なぜレジスチルより速く……そうか、しまった!」 2度にわたるアームハンマーのせいで素早さが落ちてしまっていたのだ。 「じ、じしんっ!!」 レジスチルも負けずに地震を発生させ、カビゴンを瀕死に追い込んだ。 「まさか、ここまで追い詰められるなんて……」 「これが最後の賭けだ、ツボツボ!」 スネ夫が戦闘不能のカビゴンに代わって繰り出した最後のポケモンはツボツボ。 防御に特化した持久型のポケモンだ。 「ツボツボ……レジスチルが完全ならさほどの脅威ではないけれど……」 実はカビゴンの地震のダメージが予想以上に大きい。 ツボツボやユレイドルの攻撃力は低いが、万が一ということもある。 「ユレイドル、エナジーボール!」 効果はいまひとつとはいえ、それなりのダメージが蓄積されてしまう。 「せっかくここまで削ったのに残念ね……レジスチル、ねむれ!」 レジスチルの体力がみるみる内に回復していく。 『エナジーボールの威力、そしてツボツボの予想される戦闘力なら、落ちるまで2ターンどころか5ターンはかかるわ』 ツツジは勝利を確信する。 だが、スネ夫は会心の笑みを浮かべた。 「やはり、そうくると思ってたよ」 「ま、まさかこれすら読んでいたというの!」 「ユレイドル、エナジーボール!」 スネ夫のユレイドルが再びエナジーボールをレジスチルにくらわせる。 だが、そのダメージはツツジの想定内だ。 「ふ、ふふ……全然ダメじゃないの!バッカじゃないの、アハハハハハッ!」 完全に勝利を確信したツツジは笑いが止まらない。 スネ夫はそれを聞きながら、静かに呟いた。 「ツボツボ、パワートリック」 ツボツボからすさまじい闘気が溢れだしてくる。 ツツジのその顔が引きつった。 パワートリック。 最高クラスの防御力を持つツボツボの攻撃と防御を入れ替える技。 これにより、ツボツボは最高の攻撃力を持つポケモンに生まれ変わる。 「だけど、これを使うターンは敵の攻撃に晒される事になる。それがネックさ」 「ま、まさか私が眠らせる事まで計算のうちだったというの……」 スネ夫はニヤリと笑うと、指をパチンと鳴らす。 「僕を誰だと思ってるんだい?」 その言葉と共に、ツボツボが味方のユレイドルを巻き込み地震を起こす。 「いやああああああーーー……」 ツツジの悲鳴と共に、レジスチルはその巨大を地に倒した…… 「ふうっ」 スネ夫は深呼吸をすると、その場にへたりこんだ。 なんとか戦いには勝利したが、手持ちで健在なのはツボツボだけだ。 「けど、のび太のやつを助けにいかないとね」 「勝ったのね、スネ夫さん」 聞き覚えのある声、だが決してここで聞くはずのない声が聞こえた。 声のした方向を向くと、部屋の横の扉(おそらく四天王が使うものだろう)から人影が現れる。 いや、人影というには丸すぎるのだ。 スネ夫はその声の主をよく知っている。 「ど、ドラミちゃん……」 そう、ドラえもんの妹のネコ型ロボットのドラミだ。 「ど、どうしてここにいるのさ!」 何が何だか分からないが、とにかく頼りになる援軍だ。 スネ夫は事情を説明しようとドラミに駆け寄ろうとする。 だが、その行く手に青い巨大鳥が立ち塞がった。 「ふ、フリーザーじゃないか……」 スネ夫もよく知っている、カントーに生息する伝説の鳥ポケモンだ。 『なぜこんなところにフリーザーが?』 疑問に思うスネ夫、だがその答えはすぐに分かった。 「フリーザー、れいとうビーム!」 ドラミの命令を受け、フリーザーがスネ夫のツボツボを一撃で戦闘不能にしたのだ。 この世界にいるはずのないドラミ、そしていきなり攻撃してくるフリーザー。 「な、なんで……」 「ごめんなさいね、スネ夫さん……」 ドラミはポケットから光線銃を取り出すと、スネ夫に光線を撃ち込んだ。 「ピギャーーーッッ!!」 奇妙な声をあげながら気絶するスネ夫。 ショックガンをポケットに戻すと、次は毛布を取り出す。 それをゆっくりとスネ夫にかけてやるドラミ。 「痛かったでしょう、ごめんなさい」 次に起きたときは彼にこの世界の記憶はないだろう。 ポケモンリーグ、チャンピオンの間。 その大きな入り口をくぐり抜けたのび太は、中央に立つ少年の元に歩み寄る。 「出木杉……」 一見いつもと変わらない様子の少年は、何も言わずに背を向けた。 「やっぱり、戦わなくちゃならないのかい」 対面するまではしずかを拐った憎き敵だったが、いざ面と向かうと懐かしさが脳裏をよぎる。 だが、出木杉は冷たく言い放つ。 「僕を倒さないと、しずかちゃんはヒドイ目に合うんだよ、ふふふ……」 出木杉は特設した大きな椅子に座ると、のび太を指で手招きする。 「さあ、ラストバトルを始めようじゃないか」 バトルフィールドの対面に立つのび太。 深刻な顔をするのび太に対し、出木杉はやれやれと肩をすくめる。 「もっと楽しくいこうよ、どうせゲームなんだしさ」 「しずちゃんに怖い思いをさせて、それをゲームの一言で片付けるな!」 さすがののび太も怒りがこみ上げてきたようだ。 「ふう、仕方ないな。しずかちゃんなんかどうでもいいくらいの快感を味あわせてあげるよ」 出木杉が合図すると、のび太の左右から三人の女性が近づいてくる。 のび太も見覚えのある顔だ。 「さ、サン・トウカの……」 そう、フラワーショップ「サン・トウカ」の名物3姉妹だ。 3姉妹はのび太にがっちりと掴みかかると、その体を押し付けはじめた。 「や、やめて……やめてよっ……」 「どうだい、しずかちゃんなんてどうでもよくなるくらいの快感だろう」 その様子をしずかは隠れて見ていた。 「出木杉さん、そうやってのび太さんを堕落させようとしてるんだろうけど……」 だが、出木杉は「野比のび太」という人間の芯にある強さを知らない。 「のび太さんは貴方とは違うわ」 しずかはそう確信していた。 注:微エロ 3姉妹がのび太の全身を舌や指、そしてその肉体で愛撫する。 女の匂いに当てられ、耐性のないのび太はすでに意識が混濁していた。 「のび太くん、無理しないで楽になろうよ……」 マユミに自らの下の世話をさせながら、出木杉が誘惑する。 だが、誘惑するまでもなくのび太はすでに快楽に身を浸していた。 このまま身を委ねたらどんなに楽だろう すべてが夢だったみたいだ そう、夢のようだ 『!!』 不意にしずかの泣き顔が頭に浮かんだ。 そして、自分をここまで連れてきてくれたドラえもんや仲間達。 「うわああああああっ!」 「きゃあっ!」 のび太は渾身の力を込めて3姉妹を押し退ける。 「僕は、しずちゃんを助けるんだあぁぁっ!」 再び目に生気が戻ったのび太を驚いたように眺める出木杉。 『未経験ゆえに誘惑を振り払えたのか、はたまたしずかちゃんへの恋心か……』 なんにせよ、のび太はその甘美な誘惑を振り払った。 「僕が直々に叩き潰さなきゃならないようだ」 マユミの頭を押さえながら、出木杉がマスターボールを投げる。 「こっちが済むまでコイツで相手してやるよ」 現れたのは虹色に輝く羽を煌めかせた鳥ポケモン、ホウオウだ。 ポケモンリーグ、第2の間。 ジャイアンのボーマンダがアスナのバシャーモを威嚇し、脅えさせた。 「いくぜ、すてみタックル!」 ボーマンダの巨体が急降下し、自らが傷つくことも顧みずにバシャーモに襲いかかる。 その質量を体に受けたバシャーモがたまらず吹き飛ばされた。 「さすがにあの攻撃力は脅威ね……」 アスナの顔も曇るが、バシャーモをここで下げるわけにはいかない。 『ここはひとつ、タケシの知識の少なさを利用させてもらうわ』 出木杉様が言うには、タケシはスネ夫というブレインがいなければタダの粗暴な少年だということ。 腕をクロスさせ防御態勢をとるバシャーモに、ジャイアンはここぞとばかりに追い討ちをかける。 「よっしゃ、次はドラゴンクロー!」 捨て身タックルによる反動を嫌ったジャイアンがドラゴンクローを命令すると、ボーマンダはバシャーモにその爪を振るう。 「ビルドアップ!」 バシャーモは攻撃を受けながらも、自らの能力を上昇させてきた。 「そんな状態で今更どうするってんだよ!」 「今の攻撃で倒せなかった事、後悔するわよ」 追い詰められているにも関わらず、アスナの自信は揺るがない。 「何か企んでるんだろうが、コイツでおしまいだぁっ!」 ボーマンダが再びドラゴンクローで攻撃する。 「こらえなさい、バシャーモ!」 バシャーモは身構え、その爪を真っ向から受け止めた。 その迫力にジャイアンが思わず後ずさる。 「こ、こらえるかよ……バシャーモってそんな技使えるんだ……」 だが、自分の優位は変わらない。 そう思っていた。 「ヒッ……!」 ジャイアンは思わず声を上げる。 バシャーモの体から炎のオーラのようなものが吹き出しているのだ。 バシャーモが視界から消える。 「つじぎり!」 バシャーモの爪がボーマンダの背中にヒットし、その身を地に叩き伏せる。 一撃でかなりのダメージを受けてしまうボーマンダ。 「あり得ない、あんなダメージあり得ない……しかもスピードまで上回って……」 アスナがニヤリと笑う。 「あんたも最初に貰ったポケモン達の特性は覚えておくことね」 そう言われてジャイアンがハッとなる。 『そういや滅多にピンチにならないから忘れてたけど……』 確か、最初に貰える三匹はHPが減少すると強くなる特性があったはずだ。 「猛火……なのか」 「ボーマンダ、ねむるんだ!」 著しく奪われた体力を回復するため、ボーマンダは眠りにつく。 その様子を見て、アスナはほくそ笑んだ。 『やはりひとりではあの程度のようね、すっかりビクついている』 バシャーモの猛火は、炎タイプの技しか強化されない。 相手より素早くなったのはカムラの実の効果であり、猛火ではないのだ。 『つじぎりが急所にヒットして、すっかり誤解したってわけね』 辻斬りの急所ヒット率の高さに賭けたが、どうやら誤解を誘導する作戦は成功のようだ。 「ビルドアップ!」 バシャーモがさらに戦闘力を上げていく。 目を醒ましたボーマンダより先に、バシャーモが再び辻斬りを炸裂させた。 再び急所に直撃し、何も出来ずに戦闘不能にされるボーマンダ。 「そ、そんな……一撃で……」 「さて、次はどうするのかしら?」 ジャイアンはエースであるボーマンダを失い、すっかり動転してしまっている。 数日前━━ 「スネ夫、お前のパーティーってチマチマした攻撃しかしないよな」 ジャイアンがバカにしたようにスネ夫を笑う。 だが、スネ夫は全く気にもせずに返した。 「ジャイアン、継続ダメージを馬鹿にするなよ」 「毒とか火傷とか食らっても、先に倒せばいいじゃん」 ジャイアンの軽率な考えに、スネ夫がやれやれと首をすくめる。 「まあジャイアンの持つアイツ、使ってみなよ。継続ダメージのありがたみがわかるからさ」 「そんな事ねえって」 ジャイアンはガハハと笑った。 そして舞台は戻る。 「相手HPは1。敵より先に、わずかでもダメージを……そうか、コイツで!」 ジャイアンは戦闘不能のボーマンダを収め、代わりに新たなポケモンを繰り出した。 「いけえっ、バンギラス!」 バンギラスの巨体が姿を現すとその周囲の砂が巻き上げられ、竜巻を形作る。 その砂嵐を身に受けたバシャーモは、ゆっくりと崩れ落ちた。 「やはりバンギラスを持っていたのね。以外と知恵が回る……」 バンギラスの特性、砂起こしによる砂嵐の継続ダメージは厄介だ。 だが…… 「アンタがバンギラスを使うだろうことも、アタシはお見通しだよ!」 アスナは4体目となるポケモンを繰り出した。 「いけっ、グライガー!」 現れたのは意外な伏兵、グライガー。 「グライガー、だって?」 進化ポケモンでもないグライガーを出してくる意味が分からない。 「グライガー、かげぶんしん!」 グライガーの姿がぶれ、その回避率を上昇させる。 「一回積んだくらいで調子に乗るなよ、バンギラス!」 バンギラスのストーンエッジがグライガーに襲いかかるが、ただでさえ命中率の悪いストーンエッジは命中しない。 「くそっ!」 悔しがるジャイアンを冷静に見つめるアスナ。 『やはりグライガーの特性も知らないようね』 グライガーの特性、それは砂隠れ。 バンギラスの砂嵐を逆に利用したアスナの戦術なのだ。 バンギラスは次々と技をくりだすが、グライガーには当たらない。 たまに命中してもグライガーは羽休めで体力を回復してしまう。 「ど、どうなってんだ……」 ジャイアンは自分の攻撃が当たらない事に苛立ちを隠せない。 「影分身は限界まで積んだわ、次はつるぎのまい!」 次にグライガーは攻撃力を増強していく。 バンギラスはストーンエッジや逆鱗で攻めるが攻撃は当たらず、逆に混乱して自らの体力を削ってしまった。 「そろそろいいようね……」 限界まで攻撃と回避を上昇させたグライガーは、アスナの命令を受けてボールに戻ってしまった。 「せっかく積んだ補助効果を……意味がわかんねぇ」 ポケモンを戻してしまっては、補助効果はリセットされてしまう。 全てが無駄になってしまったのだ。 ジャイアンが首を傾げるが、理由はすぐに判明する。 「グラードン、バトンタッチを受けて出てきなさい!」 アスナがボールを投げると、満を辞して現れる伝説のポケモン。 グラードンはその巨大な身体をゆっくりと動かす。 「グラードン、じしんっ!」 アスナが叫ぶと、グラードンは自らの右足を思いっきり踏み込んだ。 衝撃波が発生し、バンギラスを激しい揺れが襲う。 そのダメージはジャイアンが予想するより遥かに高く、一撃でその体力を奪ってしまった。 「つ、強すぎるっ!!」 バトンタッチによる補助効果受け継ぎで攻撃力が限界まで上がっているのだ。 しかも、このグラードンは回避率も限界まで積まれている。 「これじゃ、弱点ないじゃんかよ……」 ジャイアンには目の前の赤い巨獣が絶望の壁に見えていた。 アスナが笑う。 「さあタケシ、次の生け贄を出しな……」 「くっ……」 次へ
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/408.html
前へ ドラえもん&ダイゴ VS ドラミ━━━ 「行け、メタグロス!」 「頼むよゲンガー!」 ダイゴはメタグロス、ドラえもんはゲンガーを繰り出す。 「ダイゴさん……」 「ああ、わかっている。いきなりいくぞ」 ドラえもんもダイゴも、ドラミのポケモンに対する見解は一致していた。 エレキブルは見た目通りエレブーの進化形。 マンムーはその名前と特徴からイノムーの進化形だろう。 となると、エレキブルを撃破できる地震を持つメタグロスに浮遊できるゲンガー、この2体で戦うのがベターだろう。 「最速ゲンガーの恐ろしさを教えてやるっ!」 ドラえもんのゲンガーの目がエレキブルを捉え、怪しく光る。 だがその催眠術を受けたのはエレキブルではなく、交代によって出されたサンダーだった。 「交換……飛行タイプか」 ダイゴが舌打ちするが、普通のトレーナーなら当然の対応だ。 おそらくマンムーは守ってくるだろう。 だが、地震攻撃を止めるわけにはいかない。 「メタグロス、じし……」 「マンムー、こごえるかぜよ」 ドラミの命令を受けたマンムーがメタグロスより先に、その体から冷気を放出する。 冷気はゲンガーとメタグロスを襲うが、ダメージはさほどではない。 「まさかその見た目で私のメタグロスより速いとはな。だがやることは変わらん!」 メタグロスがダイゴの命令を受け、ジャンプする。 そしてその巨体を地に叩き付けた。 マンムーが地震攻撃を受けて大きくのけぞっている。 ダメージはそれなりに大きいようだ。 『これでこちらがかなり有利になったはず』 だがそんなダイゴの期待とは裏腹に、ドラミのサンダーはラムの実で眠り状態を回復させてしまった。 「なんの対策も無しにサンダーに変えたりはしないわよ」 「ま、ゲンガーだから当然か」 ゲンガーが出会い頭に使ってくる技なんて、怪しい光か催眠術くらいなものだ。 そんなドラミとダイゴの高度なポケモン戦術に付いていけず、ドラえもんは二人の顔を見比べるだけである。 「勝負は……」 「次のターン……」 攻撃力の高いサンダーはゲンガーがまた催眠術をくらわせるはず。 となると、こちらは俄然有利だ。 『ゲンガーとサンダーの速度はほぼ互角……』 その瞬間、ダイゴが思わず息を飲んだ。 「しまった!」 真っ先に動いたのはドラミのサンダー。 サンダーから電気が放たれ、ゲンガーの体を襲う。 「電磁波、だと……くっ!」 そう、ゲンガーは凍える風によって素早さを下げられていたのだ。 初歩的なミス。 ダイゴは目の前に現れた未知のポケモンに気をとられてしまったのだ。 『だが、地震がヒットすればマンムーは……』 しかし、ダイゴの期待は脆くも打ち砕かれる。 マンムーの体は不思議な力で守られ、地震の衝撃を全て打ち消していたのだ。 「まもるはダブルバトルの基本ですよ、ダイゴさん」 ドラミが挑発するように言い放つ。 ゲンガーも痺れていて催眠を打てないようだ。 「ドラミ、お前やりこんでいるなっ!」 ドラえもんが顔を真っ赤にしながら怒鳴り散らす。 「お兄ちゃん、ポケモンなんて所詮ゲームよ。私達ロボットならデータ予測なんか簡単じゃない」 「え……」 ドラミの言葉に、ドラえもんは妙な引っかかりを感じた。 『もしかしたら、これがドラミのウィークポイントなのかもしれない』 ドラえもんはダイゴに近づき、ボソボソと呟く。 ダイゴは正面を向いたままそれに頷いた。 「何の相談かは知らないけど、私には通じないわ」 「それは」 「どうかな?」 優位を見せつけるドラミに、ダイゴとドラえもんが同時にニヤリと笑みを返した。 ジャイアンとスネ夫は、未来のしずかと戦っていた。 しずかが最初に出したポケモンは見たことの無い赤いポケモンとキュウコン。 それに対してジャイアンはラグラージ、そしてスネ夫は新たなポケモン、ランターンを繰り出していた。 ポケモンを見て、スネ夫は即座に敵の戦術を見破った。 「ジャイアン、まずはキュウコンを叩くよ」 「あん?あっちの変なポケモン倒すのが先だろ。手が大砲になってるぜ」 ジャイアンはその性格通り、直線的な戦術しか知らない。 だが、スネ夫は敵の技構成まで手に取るようにわかる。 「ジャイアン、キュウコンは状態異常攻撃が厄介だ、先に倒してしまおう」 「そういや怪しい光やら催眠術やら、面倒な技を持ってたな」 スネ夫はもう一方のポケモンを確認する。 人型で炎タイプ、おそらく…… 『あれはおそらくブーバーの進化形だろう。単体攻撃タイプならあまり怖くはない』 だが、キュウコンの持つであろう鬼火や催眠術は厄介だ。 食らうわけにはいかない。 『まあ、おそらく交換するだろうが……』 相性面を考慮すると、しずかは2体とも交換してくる可能性が最も高いだろう。 それでも先手は取れる。 先に動いたのはしずかだ。 「キュウコン、さいみんじゅつ!」 キュウコンから発せられる催眠波がジャイアンのラグラージを眠りに落とす。 「交換しなかったのかい、それは判断ミスだよ!」 スネ夫がしずかにそう言い放つが、しずかは気にしない。 「ブーバーン、ふんえんよ!」 ブーバーンと呼ばれたポケモンは高熱の噴煙を吐き出し、全体に攻撃する。 ラグラージもランターンも大したダメージにはなっていないが、スネ夫はその攻撃の意味をすぐに悟った。 「貰い火か……」 キュウコンの特性、貰い火を発動させるための攻撃のようだ。 だが攻撃力が上がるのは炎タイプの技、こちらは耐性がある。 「何を考えているかは分からないけど、遠慮なくいかせてもらうよ!」 ランターンの最強技、ハイドロポンプがキュウコンに放たれる。 だが、その攻撃はわずかのところで外れてしまった。 「くそ、やはり命中率が難点か」 「キュウコンには光の粉も持たせてあるしね」 あっさりと手の内を晒すしずか、その顔には余裕すら見える。 「くそ、余裕かましやがって……」 ラグラージを眠らされたジャイアンも悔しそうな顔をしてしずかを睨む。 「大丈夫、まだこっちの優位は変わらないよ」 スネ夫はジャイアンをたしなめるが、内心は若干の危機感が生じていた。 これはルールやマナーに則った普通のポケモンバトルではない。 と、いうことは…… 「ジャイアン、次は……」 耳打ちするスネ夫の言葉に、ジャイアンは耳を疑った。 「そんなことして、いいのかよ……」 「ああ、多分しずかちゃんの次の手はアレだからね」 スネ夫の提案に、渋々ながらジャイアンも了承する。 しずかが動いた。 「キュウコン、ランターンにさいみんじゅつ!」 再びキュウコンが催眠術を放った。 眠らされるランターン。 だが、隣のラグラージは目を覚ましていた。 ジャイアンがニヤニヤと笑う。 「ねむけざましを使わせてもらったぜ」 「2体眠らせてくるってことは、ルール無用なんだろ?」 スネ夫が会心の笑みを浮かべる。 しずかが催眠術を使うことを見越してジャイアン道具を使うよう指示したのはスネ夫だ。 『ゲームの事なんか何も知らない女の子だ、そんなマナーとかは知らないはずだ』 それならこちらもCPUトレーナー相手の時のように遠慮なく道具を使うまでだ。 回復の薬のストックもある。 だがそんなスネ夫の奸計を見ても、しずかはうすら笑いを浮かべたままだ。 「構わないわよ、スネ夫さん。もっと卑怯な手を使いなさいな」 自分達が知っているしずかからは聞いたことのないような言葉。 やはり彼女は自分達の知るしずかではない。 「へへ、じゃあ遠慮なくやらせてもらうよ」 スネ夫はスピーダーをラグラージに使う。 ブーバーンが再び噴煙を使ってくるが、やはりダメージは大したことはない。 『このまま回復とスピーダー使用を繰り返せば、やがてキュウコンの速さを超える』 そうなれば地震一発でケリがつく。 ━━━━━ 「かみなり!」 ドラミがサンダーに命令する。 だが、ドラえもんのゲンガーは麻痺しているにも関わらず攻撃を守って防いだ。 「お兄ちゃん、最初の威勢はどうしたのかしら」 ドラミの挑発にもドラえもんは眉ひとつ(眉はないが)動かさない。 そんな兄の様子に気をとられたドラミは、ダイゴの苦しそうな顔に気付けなかった。 「すまん、メタグロス……だいばくはつっ!」 メタグロスにパワーが集中し、凄まじい爆発を起こした。 その破壊力に、サンダーもマンムーも戦闘不能になってしまった。 「私の知っているダイゴさんなら、自らポケモンを瀕死にさせるような技は使わない……」 どうやらドラえもんの入れ知恵のようだが、それだけではない。 『メタグロスに大爆発を覚えさせていたということは、ダイゴさんも裏では甘い男ではないようね』 どうやらダイゴという男の人物像を修正しなければならないらしい。 「じゃあ次はこのポケモンよ……スイクン、フリーザー!」 ドラミが繰り出したのは、イズミから奪ったスイクン、そしてジンダイのフリーザーだ。 「伝説のポケモン2体を相手に、果たして勝てるかしら?」 「その台詞、まるで力に溺れているかのようだぞ」 ダイゴはそうドラミを卑下すると、メタグロスに変わる新たなポケモンを出した。 「いけ、アーマルド!」 ボールから硬い甲羅に覆われた巨獣が姿を現す。 アーマルドは高い攻撃力を誇るポケモンだ。 「このアーマルドはピントレンズ装備だ。伝説のポケモンとはいえ急所に攻撃が当たればどうなるかな」 その言葉が本当か嘘かは分からないが、アーマルドのタイプ一致岩技を食らえばフリーザーとて危ない。 『挑発に、乗るしか無いわね』 「フリーザー、れいとうビームっ!」 フリーザーの冷凍ビームが炸裂し、アーマルドの体力を著しく削る。 「そしてこれでトドメよ、スイクン!」 続けてスイクンのハイドロポンプがアーマルドに直撃する。 「ハッタリを効かせた割にはあっけない…………!?」 そうこぼしたドラミの眼前には、水しぶきの中から悠然と現れるアーマルドが飛び込んできた。 ダイゴが口を開く。 「守るでもよかったんだ、だが今はこらえるでなくては、な……」 体力が僅かのアーマルドがカムラの実を食べ、素早さを上昇させる。 そして、蚊帳の外だったドラえもんがぽつりと呟いた。 「ゲンガー、だいばくはつ」 ゲンガーが大爆発を起こし、その体力と引き替えにドラミのポケモン達に多大なダメージを与える。 「そ、そんな……」 爆風から目を多いながらドラミが叫んだ。 まさか大爆発を連続で使ってくるとは思わなかったのだ。 『容赦なし、といったところかしら』 ダイゴもドラえもんも、並々ならぬ覚悟で挑んできている。 ポケモンを犠牲にする戦術を使うとは思わなかった。 おそらく次のターン、素早さの上がったアーマルドの一撃でフリーザーは落とされるだろう…… ━━━━ 戦いはスネ夫の計算通りに進んでいた。 ダブルバトルで道具が使えるのはかなりのアドバンテージだ。 「ラグラージ、じしんだあっ!」 ラグラージの2度目の地震がキュウコンとブーバーンにヒットし、2匹を沈める。 スネ夫のランターンは守っていて無傷だ。 「さあ次のポケモンを出しなよ、しずかちゃん」 スネ夫が勝ち誇った笑みを浮かべる。 だが、しずかは相変わらず笑みを隠そうとはしない。 「な、何を笑ってるんだよ!」 その表情にイライラを募らせたジャイアンがそう言い放つ。 しずかはニヤニヤと笑いながら、腰に付けてあるモンスターボールを足元に取り落とす。 「全く、子供のくせに調子に乗って……貴方達なんか、この1体のポケモンだけで十分なのよ……」 しずかは足元のボールを乱暴に足で払うと、手に持ったボールを二人に見せつけた。 「まさか、それ1体で戦うつもりかよ。バカにしやがって!」 ジャイアンが余裕のしずかに喚き散らす。 だが、スネ夫だけはその言葉がハッタリではないと感じていた。 しずかが他のポケモンを必要としない程の強さを持っている…… 『一体、あれにはどんなポケモンが入っているんだ?』 「いいからさっさと出せよ、俺達はのび太を助けるんだからな!」 強気に吠えるジャイアンを、やれやれといった感じで受け流すしずか。 「じゃあ遠慮なく」 しずかがゆっくりとボールを放った。 一瞬の光と共に、そこから現れたポケモンはその黒い巨体を宙に浮かべている。 スネ夫はその正体を知っていた。 「あれは…………闇の旋風……」 「そうよ、XD-001……その名は、ダークルギア」 しずかが無言で手を振る。 その瞬間、黒いルギアが凄まじい衝撃波を発生させた。 「うわああああぁぁぁぁぁっっ!」 「これは、ダークストームっ!」 ダークルギアの一撃でラグラージとランターンは壁に叩き付けられ、瀕死になってしまう。 ジャイアンがガクガクと膝を震わせる。 「一撃、たったの一撃だって……そんな、バカな」 スネ夫が体の砂を払いながら唇を噛み締める。 「ダーク技は通常ポケモンに効果抜群なんだよ……くそっ」 「しかも、このダークルギアはレベル100、ポケモンXDのダークルギアより圧倒的に強いわよ」 その言葉は、スネ夫とジャイアンの戦意を喪失させるのに十分なものだった…… しずかのダークルギアの圧倒的な力。 それはすぐ近くで戦っているダイゴとドラえもんにもショックを与えていた。 「あんなポケモン……反則だよ!」 ドラえもんが絶望の声を上げる。 例えドラミを倒したとしても、あのポケモンに勝てるとは思えない。 「さすがに、手詰まりか……」 ダイゴも肩を落とす。 そんな2人の横を影が横切った。 「……シズカ?」 源しずかが、単身階段を駆け上がっていく。 「私が、私がのび太さんを呼んでくるわ!」 今まで何もできなかったしずか。 だがこの状況に及んで、いてもたってもいられなくなったのだ。 「しずかちゃん、頼むよ!」 ドラえもんもそんなしずかを見て再び気合いを入れ直す。 だが、ドラミがそれを許すはずがない。 ドラミが新たに呼び出したファイヤーと、再び現れたエレキブルが行く手を遮ろうとする。 「行かせないわよ……」 「いや、行かせてやって」 未来のしずかがそう口にする。 『のび太さんが出木杉を倒す姿を、目に焼き付けなさい』 ドラミのポケモンの間を駆け抜けるしずか。 そして、その姿は通路の奥に消えていった。 ポケモンリーグ・チャンピオンの間。 出木杉とのび太の戦いは当初の予想を裏切り、のび太の優位、いや一方的な展開で進んでいた。 のび太がドククラゲに代えて出したポケモンはラプラス。 しかも、しあわせトランプを持つのび太が扱うことによって最悪の化物となる「ねむねご絶対零度」ラプラスである。 ラプラスの絶対零度は「当たりさえすれば」伝説のポケモンといえど、耐えられるものではない。 ルギアを一撃で葬り、返す刀でホウオウをも撃破した。 このまま戦えば、幸運を味方につけたのび太の勝利に終わるだろう。 ……だが、運命の車輪は別の方向へと向かいはじめる。 不利を悟った出木杉が、ついに禁断のポケモン・ミュウツーを繰り出した、その時。 「のび太さん、出木杉さん、もうやめて!」 開く扉の音と共に、二人の戦いに割って入った声。 それは二人の少年のいさかいの元であり、出木杉を黒く変えるきっかけを作った……源しずか。 「しずちゃん、無事だったんだね!」 のび太が想い人の健在を確認し、胸をなでおろしている。 だが出木杉は彼女がここにいること自体が信じられない。 「そんな、バカな……君は部屋に拘束していたはずだ!」 あそこのキーは暗証番号になっているので、脱出できるとすれば四天王かマユミのいずれかが裏切ったとしか考えられない。 「裏切り……だと……また君は僕に残酷な現実を見せつけるというのか、源しずかぁぁっ!!」 仮に彼女らが裏切ったとしても、それはしずかの責任ではない。 そんな現実すらも見えなくなった出木杉は絶叫する。 そんな出木杉に必死で呼びかけるしずか。 「違うのっ!それは違うっ!」 「うるさぁいっ!」 いつも理知的な笑みを浮かべていた出木杉の顔は、憤怒の表情でしずかとのび太を睨みつける。 「僕のプライドをズタズタにしたのび太、そしてバカのくせに僕と張り合おうとするのび太…… ボロ雑巾のようにしてやるよぉっっっ!」 出木杉のミュウツーが主人の思念を受け、のび太としずかに向けて手をかざす。 「まさか僕らを直接、攻撃……」 「僕は、僕はお前らのいないこの世界で絶対者となるんだ、排除してやるっっ!」 「いけません、出木杉様っ!」 「なっ、なんだ貴様っ!」 かつての友人に牙を剥こうとする出木杉を押さえたのは……なんと、マユミだった。 「もう止めてください、出木杉……」 「離れろ、離れろマユミっ!」 必死で拘束から逃れようとする出木杉だが、女性とはいえ本気の力で押さえるマユミには敵わない。 「アイツらを……僕のプライドを踏みにじったアイツらを!」 「違うんです。彼女は『我々が捕えたシズカ』ではありません……」 マユミの言葉に、不意に力が抜ける出木杉。 「なん、だって……?」 マユミは、そんな出木杉を優しく抱きながら自分が見たことを話し始めた。 出木杉とのび太が戦いを始めた後、マユミはセキュリティ室で戦況を確認していた。 ここからなら施設全ての状況をチェックできるのだ。 だがマユミが見たものは想像だに出来ない状況、そして真実だった。 監視カメラに残されていたのはイズミを倒すしずかと、付き従う黄色いタヌキ。 そして出木杉が戦っているチャンピオンの間の前での衝撃的な真実。 全てを知ったマユミも、源しずかと同じように二人の少年の戦いを止めるために再びここに帰ってきたのだった。 「そんな……バカな……」 マユミの言葉を聞いたのび太は、思い出したように懐から何かを取り出す。 その巾着の中には、すっかり数が減ったトランプケースが入っていた。 「これは、しあわせトランプ……」 のび太も使ったことがある、ひみつ道具だ。 これの所有者はカードの枚数分だけ幸運を得ることができる。 だが、最後に残ったジョーカーは今までの幸運と同等の不幸を持ち主にもたらす恐ろしいデメリットもあるのだ。 「残ったカードは、3枚……」 後2回の幸運の後に、のび太はすさまじい不幸を身に負うことになる。 ゾッとする事実を確認し、のび太がへなへなと崩れ落ちる。 出木杉が力無く呟く。 「おかしいとは思っていたが、道理であんな戦術が通用するわけだ」 某バトルタワーで一撃必殺技で3タテされた経験もある出木杉、のび太の戦術も何の疑問もなく受け入れてしまっていた。 「だから出木杉、貴方が二人と戦う理由はありませんよ……」 「マユミ……?」 マユミは泣いていた。 マユミは最初こそ、出木杉のもたらす快楽と恐怖に従っていた。 だがマユミには役割上、全ての情報が集まってくる。 彼の狂気の内に隠れた心情も…… そんな情報を見ているうちに、マユミはいつしか出木杉に同情心を抱くようになっていたのだ。 そして、以前の出木杉が友人をとても大切に思っていたことも知っている。 「のび太さん、出木杉さん、もうひとりの私を止めて……」 泣きながら叫ぶしずかを見て、のび太がポケモンを収める。 「出木杉、行こう」 決意を込めた瞳で出木杉を見据えるのび太。 マユミとしずかの話が本当ならば、今ドラえもんと戦っているしずかは未来の妻ということになる。 そのしずかがこんな行動に踏みきったのも、のび太自身が大人になっても不甲斐なかったのが原因の一端だ。 そんなのび太に言われるまでもなく、出木杉もマユミから離れる。 「僕も、やったことの落とし前くらいはつけないとな……」 元から持っていた性癖なのか、それとも特殊環境で精神をやられていたのか。 今となっては分からないが、出木杉は本能のままに行動した。 自分の内面に存在する暗い感情、それは未来のしずかにも同様に存在しているのだろう。 だから自分を利用し、このような謀略に打って出たのだ。 出木杉のような優等生にも、しずかのような優しい少女にも…… 人間には、光と影がある。 「僕も、あのしずかちゃんも、それを受け入れ立ち向かわなければならない」 のび太は思う。 未来は常に変わるものだ、とドラえもんは言っていた。 それが今この時なのではないかと…… 「行くよ出木杉、しずちゃん!」 のび太としずかはチャンピオンの間の入口に走っていく。 「出木杉、様……」 「様はもういいよ。さっきも付けてなかったじゃないか、マユミさん」 確かに、あまりにも突然の事で敬称を付けるのさえ忘れていた。 マユミさんと呼ばれ、マユミは目頭を押さえる。 そんな出木杉の顔からは以前の凛とした爽やかさが戻っていた。 「これを……」 涙を拭ったマユミが出木杉の手に渡したのはいくつかのモンスターボール。 「これは、貴方が名前を付けた「あのポケモン達」です」 マユミの言葉に、出木杉が目を見開く。 基本的にデフォルトの名前でプレイする出木杉だが、このポケモン達には名前を付けていたのだ。 「そうか、このポケモンを……」 「出木杉、ミュウツーよりもデオキシスよりも、このポケモン達のほうが貴方の力になってくれるはずです」 マユミはボールを抱える出木杉の両手にそっと手をかけると、ニコリと笑った。 「私はずっと、あなたを弟のように見守ってきたわ。頑張ってね」 出木杉がどんな行為を強要しようと、マユミはあえてそれを受けてきた。 彼女を動かしていたのは性の快楽でも恐怖でもない。 そう、それは母性愛だ。 出木杉の背負う悲しみや葛藤を見抜いていたマユミ。 この少年の本質をのび太達より、しずかより分かっていたただ一人の女性なのだ。 「行ってくるよ、マユミさん」 ボールを腰に備え付けた出木杉は、のび太達の後を追おうとマユミに背中を向ける。 そんな出木杉の前に回りこんだマユミは腰をかがめると、そっと唇を合わせた。 「お姉さんからの……勇気の出る、おまじないよ」 「……ありがとう」 出木杉は照れ臭そうに笑うと、マユミの横を駆け抜けていった。 「いってらっしゃい……私の大切な出木杉英才」 マユミはその場に崩れ落ち、そして泣いた。 マユミとしずか。 2人の存在が、野比しずかの計画を失敗に終らせることになった。 そして、のび太は「出木杉とともに」未来のしずかと対面する…… 次へ
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/179.html
前へ ルネシティ・ポケモンセンター。 のび太はしずかの部屋でその様子を看ている。 ロビーにはドラえもん、ヒース、ウコンの三人。 うつむいたまま、ウコンは静かに語りはじめた。 「ワシはグラードンを巡る戦いに敗れ、暑さで意識を失っておったのじゃ……」 ウコンが気が付くと、洞窟内の温度は下がっていた。 起き上がると目の前の岩塊にアスナが座っている。 「おはよう、じいさん」 「……用は済んだんじゃろ。今更何をしておる」 アスナはにやにやと笑うと、自らのモンスターボールを投げた。 「!!…ワシのスイクン……」 「あんたが寝てる間にいただいたわ」 アスナは気絶していたウコンのスイクンを無理矢理通信交換したのだ。 肝心のプロテクトも本人が気絶していて、しかもマユミの作った特殊な転送プログラムの前には無意味。 「あなたのボールにはコイキング入れておいたわ、感謝してね」 「ワシのスイクンを……どうするつもりじゃ?」 アスナはスイクンをボールに戻すと、そのボールを弄ぶ。 「水タイプだからイズミにでもあげようかしらね……まあアンタの身の振り方次第だけど」 「ワシの身の振り方……」 ウコンが話に乗ってきたので、アスナが続けて語る。 「じいさんが一つだけこっちの言うことを聞いてくれたらスイクンは返そう」 スイクンは人質、いやポケ質というわけか。 しかしウコンもそのような脅しに屈伏するわけにはいかない。 『すまん、スイクンよ……』 「ポケモン一匹人質に取られたくらいで非道な行いはできんよ」 予想どおりの答えが返ってきたのか、顔色一つ変えずにアスナは写真を取りだす。 「じゃあこれならどうかしら」 「こ、これは!」 その写真には縄で縛られているフロンティアのジョーイとエニシダが写されていた。 「ポケモンじゃないけれど、これでも話は聞いてくれないかしら」 ウコンはがくりと膝を落とした。 「そしてワシは気絶したふりをしてジンダイ殿に助けられ、キナギに帰ってきた」 ジンダイがポケモンを盗まれていた事件に便乗して自分のスイクンも盗まれたと言った。 そしてジンダイを引き離すことに成功し、後は疑心暗鬼になったのび太一行からドラえもんがいなくなった隙を突いてしずかを誘拐する。 そう、しずかの誘拐こそがアスナから命令された仕事だったのだ。 「しかし、失敗してしまったがな」 「そんな事情があったのか……」 捕縛したドラえもん本人も複雑な顔をしている。 ヒースはウコンの心情を察した。 「キナギでの「油断するな」という言葉、あれはもしかして自分を止めてほしかったんじゃ……」 「人二人の命がかかっているとはいえ、リラ達の惨状を見れば誘拐した後のあの娘がどうなるか予想はつく」 止められるのならば止めてもらいたかったのだ、とウコンは寂しく呟いた。 「そうか、ウコンも脅されておったか」 ドラミと同行していたジンダイがモニターを見ていた。 ドラミの「スパイ衛星セット」によるルネの映像である。 「エニシダさんは無事よ、ジョーイさんは……」 ドラミはそれだけ言うと口を閉じた。 「それにしても、今回の騒動が起こることを君は事前に分かっていたようだな」 ジンダイの問いを無視するようにドラミはスパイ衛星セットを懐にしまう。 「さて、ジンダイさんはもう戻って。おそらくアスナ達のほうが叱られてるはずだから」 ドラミは懐から巨大なドアを取り出した。 何度も見ているが、その胸のポケットはどういう構造になっているのだろうか。 遺跡マニアでもあるジンダイの好奇心がうずく。 「じゃ、さよなら」 ドラミはその扉を閉め、扉ごと姿を消した。 129番水道。 ルネから逃れてきたアスナはここにいた。 「くそっ、あのジジイしくじりやがって……」 出木杉様からの任務を達成できなかったことに悔しがるアスナ。 しかし、その頭上ではさらに追い打ちをかけるべくある影が近づいていた。 「!!」 月明かりのなか、自分にかかる影を感じたアスナはとっさに岩塊に飛び移る。 アスナがいたその場所に雷が落ち、波乗り用のランターンに直撃した。 「な、なんだ?」 ランターンは特性が発光だったため雷には耐えきれない。 アスナが空を見上げると、そこには電撃をまとった巨大な怪鳥がホバリングしていた。 「こ、こいつはサンダー……」 サンダーは明らかにこちらを攻撃対象にしている。 『ど、どういうことなの……まさかジンダイが?』 思い当たる節はそれしかないが、辺りにはジンダイどころか人一人見当たらない。 そしてさらにアスナを驚愕させたのが、サンダーの後からフリーザーまで飛んできた事。 2体の伝説ポケモンの前に圧倒させるアスナだったが、すぐに気を持ちなおしてボールを投げる。 現れたのはグラードンとスイクン。 「なんだかよくわからないけど、伝説には伝説をってね」 「グラードンはフリーザーにだいもんじ、スイクンはふぶきだ!」 的確に指示をするアスナ。 波状攻撃をくらったフリーザーは撃破され、その姿はかき消えてしまった。 「消えた……いや、ボールに戻ったのか?」 再び辺りを見回すが、人の姿はない。 『くそ、敵の姿が……』 その時、目の前のスイクンの姿が見えなくなった。 「す、スイクンが……」 スイクンのいた場所にはアスナがスイクンを格納していたのとは別のボールが転がっている。 そしてそのボールは夜の闇に吸い込まれるように消えていった。 「スイクンが、奪われた……」 この異常事態に本能的に危険を察知したアスナはグラードンをボールに収め、海に飛び込んだ。 誰もいなくなった海。 そこにいきなり姿を現したのはドラミだ。 その手にはジンダイのときと同じく石ころ帽子が握られている。 「スイクン、スナッチ完了」 これは危険な賭けだ。 アスナと接触したことによって、出木杉にスナッチの事がバレてしまう可能性が高い。 そうなると彼は第3勢力の介入まで知ってしまうだろう。 「だが、それを特定する手段を彼は持たない」 今のところ、すべてはドラミの想定内に事が運んでいる。 「しかし念のために、ここは彼らに動いてもらいましょう」 ドラミはポケナビを起動した。 注:鬼畜出木杉 ポケモンリーグ。 「このっ!このっ!」 ホール内に乾いた音が響き渡る。 任務に失敗したナギとアスナは四つんばいにされ、出木杉はその尻をひたすら叩いていた。 「お許しを、出木杉様っ!」 「もう、勘弁してくださいィッ!」 二人の懇願も気にせず、出木杉は無言で尻をはたく。 それほど怒りは激しかったのだ。 『僕のシナリオを狂わせやがって……』 姫君は敵地に囚われていたほうが物語としては美しい。 姫の奪還という夢を抱くナイト達もより切迫し、必死に抵抗するはずだったのに。 「ジンダイ、ただ今帰りました」 出木杉はようやくその手を止めた。 真っ赤に尻を腫らして倒れるアスナとナギ。 「帰ったようだね。さて、君には聞きたいことがある」 出木杉はアスナとナギの二人の髪をつかみ、頭を持ち上げる。 「彼女達の邪魔をしたのはなんと伝説の3鳥らしいんだ。それは君が盗まれたものなのかな?」 「さあ、わかりません」 顔色一つ変えずに答えるジンダイ。 出木杉は少し考えると、ジンダイを追い払った。 「ナギやアスナの報告を聞くかぎりでは、おそらくスナッチされたダークポケモンである可能性が高いな」 スナッチされたポケモンならばゲーム世界の住人であるジンダイがクロである可能性は低い。 なぜスナッチの技術がこの世界に? 注:鬼畜出木杉 出木杉の知らないところで何かが動いているようだ。 『まさか僕の行動に恐れてもしもボックスの設定を改変したんだろうか』 そんなことをする理由が思い当たらない。 それならとっくにこの世界にリセットがかかっていていいはずだ。 「これは以外と重要な事かもしれないな」 この世界に何らかの干渉がかかっているのは間違いないようだ。 事を早く進める必要がある。 出木杉は腰をあげた。 ジンダイはある部屋に来ていた。 ここは四天王の控え室。 出木杉の玩具にされた女はここで体を洗う。 シャワールームでは一人の女が体を洗っていた。 「アザミ、今日はお前だったのか」 ジンダイの問いにもアザミは答えない。 シャワーの水音が消え、全裸のアザミが体も拭かずにその姿を現した。 彼女等にはもう服はない。 そんなものは連れてこられた時からなかったのだ。 「あ……ああ……」 ジンダイを見たアザミはあわてて膝を落とし、そのファスナーに手を掛ける。 その行為ははすでにアザミの条件反射となってしまっていた。 「やめろ、やめてくれ、アザミ!」 ジンダイはアザミを振り払うと、その部屋を出た。 注:鬼畜出木杉 あわてて部屋を出たジンダイはツツジと顔を会わせる。 「あら、帰っちゃうの?あなたもアザミにやってもらえばいいのに」 憤怒の目で睨み付けるジンダイ。 「あの気の強いアザミがあのような状態になるまで……貴様ら……」 「バカよね、さっさと出木杉様を愛せばよかったのに」 そう言い放つツツジにジンダイが掴み掛かる。 「あらあら、ここであなたが暴発したらリラさんが可哀相よ」 「リラが……」 ツツジがジンダイの腕を振り払うと襟を正す。 「あの子、屈伏しないで毎日必死に抵抗してるわよ。まぁそのリアクションを出木杉様は気に入ってるみたいなんだけど」 『そうか、リラはまだ……』 アザミはあのようになり、コゴミは出木杉の虜になってしまった。 しかしまだ頑張っている少女もいる。 「次の、仕事にいってくる」 ジンダイは血が出るほど拳を握り締めながらその場をあとにした。 『デキスギの好き勝手にはさせない……頼むぞ、ノビタとやら』 ドラミの期待する少年にジンダイは願った。 次へ
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/308.html
前へ ドラミが一歩前に出る。 「しずかさん、私がやりましょうか?」 『ま、まさかさっきの怪光線で……』 いくらイズミでも光線銃(実はショックガンなのだが)には勝てない。 しかし、しずかはそんなドラミをたしなめる。 「いえ、ウォーミングアップにポケモンバトルをしたいわ」 「はん……舐めた真似を……」 強がりを言いながらも、相手がポケモンバトルを選んだことにイズミは安堵した。 「でも、貴方のポケモンは全て没収されているはずよ 」 「心配いらないわ。ドラミさん、あれを」 しずかが手を差し出すと、ドラミは3つのボールを手に乗せる。 「多分アレだけで大丈夫だと思うけど、一応」 その様子をみてイズミが顔を真っ赤にする。 「このわたし相手にポケモン3体……たった3体で勝てるわけないじゃない!」 ナメられている イズミは怒りに任せてカイオーガを繰り出した。 控室はポケモンバトルのスパーリングができる広さがあるとはいえ、 流石にその巨体は威圧感を与える。 そして室内にも関わらず雨雲が発生し、雨を降らせはじめた。 「濡れちゃうわ……」 しずかはカイオーガにも全く憶さず、自分の服が濡れることだけが気になるようだ。 「バカにするんじゃないわよ、早くアンタのポケモンを出しな!」 イズミの剣幕に、しずかはヤレヤレといった感じでポケモンを繰り出す。 それは三角形の形をした白い飛行ポケモン。 「な、なんなのよソイツ……」 イズミもこんなポケモンは見たことがない。 驚くイズミを後目に、しずかのポケモンが行動を開始する。 『は、速いっ!』 「でんじは!」 しずかの命令で電磁波を発生させる白いポケモン。 それを受けたカイオーガは麻痺させられてしまい、攻撃ができなかった。 「なかなか素早いわね……だけど、電磁波程度で勝った気になるんじゃないわよ!」 「いえ、私の勝ちね……」 しずかはそう呟く。 「どこまでも……バカにするんじゃないわよションベン臭い小娘め!そんな貧弱そうなヤツがカイオーガの攻撃を受けきれるはずがないっ!」 イズミの怒りをしずかは受け流すと、自らのポケモンに攻撃命令を下した。 「エアスラッシュ……」 翼から発生する衝撃波がカイオーガを襲い、それを受けたカイオーガが思わずひるんでしまう。 「エアスラッシュ」 「エアスラッシュ」 しずかの一方的な攻撃が続く。 『おかしい、カイオーガが怯みすぎる……』 イズミは不自然なほどの怯み発生率に焦りを隠せない。 このままではいくらカイオーガでも持たないだろう。 しかしポケモンを交換したとしても、また電磁波→エアスラッシュのコンボが待っているだけだ。 「そのポケモン、何かおかしいわよ!」 イズミのいちゃもんを聞き、しずかは言葉を返す。 「そんなことないわ。この子はトゲキッス。トゲチックの進化形よ」 『そんなもの聞いたことがない……だが、もしトゲチックの進化形ならば……まさか!』 そう、天の恵み。 追加効果の発生率を倍増させるあの特性を受け継いでいるのなら、この怯みの発生率も納得できる。 「だが、対処法がない……」 イズミの絶望の声を聞いて、しずかは勝ち誇ったように呟いた。 「ふふふ、ずっと私のターン……」 だが、イズミは諦めなかった。 カイオーガを引っ込め、キングドラを出してすいすいによる素早さの上昇に賭けたが、素早さに努力値を振っていないキングドラはトゲキッスを超えることはできずに散っていった。 だが、次に出したハンテールが撃破された時、ついにイズミにも勝機が見えてきた。 『エアスラッシュももうじきPP切れのはず……』 イズミの次のポケモン、カブトプスが姿を現す。 さっそく電磁波で麻痺させられてしまったが、 次に来るべきエアスラッシュの攻撃がこない。 エアスラッシュを撃てなくなったトゲキッスはニヤニヤと品の悪い笑いを浮かべている。 「エアスラッシュは弾切れのようね、げんしのちから!」 カブトプスの原始の力がヒットし、トゲキッスの体力をレッドゾーンに追い込む。 「ソイツさえ倒してしまえば、こちらのものよ!」 「仕方ないわね……トゲキッス、バトンタッチ」 バトンタッチ? エアスラッシュを撃てなかったさっきのターンに何かやったのか? イズミの疑念にしずかが答える。 「悪巧みの効果をコイツに移させてもらうわ」 そう、トゲキッスの笑みは悪巧みによるものだった。 そしてトゲキッスの代わりに現れたのは、イズミもよく知っている、 だがしずかが持っているはずがないポケモンだった。 「なぜアンタが……それを……」 「それは、あなたごときが知る事ではないわ、はどうだん!」 その攻撃を受け、一撃で戦闘不能にされるカブトプス。 「つ、強いっ!出木杉様の持つ個体以上かもしれない……」 この瞬間、イズミは敗北を確信した…… 戦いは終わり、イズミはその場で放心状態で崩れ落ちている。 「しずかさん……」 ドラミが心配そうにしずかを気遣う。 「ルネ以来、まだ少々記憶の混乱があるみたいだけど、大丈夫よ」 「どうやら催眠術で植え付けた疑似人格が強すぎたようね、ごめんなさい……」 すまなそうに謝るドラミに、しずかはそっと抱きついた。 「謝らなきゃならないのは私のほう。 ワガママに付き合わせちゃってごめんなさい……」 二人はしばらくその体勢で時を過ごし、そしてゆっくりと体を離した。 しずかは放心したイズミを見下ろす。 「私に残っている記憶がこの女を許せないと言っている。 そして私をレイプさせようとした……」 ドラミは無言でしずかの指示に従う。 「もう私は子供じゃない。あなたのしようとした行為、 そして出木杉がした行為には報いを受けて貰うわ」 一通り作業を終えると、しずかとドラミは控室を後にする。 「イズミさん、この世界が消えるまで、あなたは罪の重さをその身で体感してもらうわよ……」 ポケモンリーグ、第2の間。 「いけえっ、ラグラージ!」 「バクーダ、頼むよ!」 因縁のジャイアンとアスナの戦いが開始される。 「アスナ姉ちゃん、ダブルバトルじゃなくていいのかい?」 アスナはルネシティ襲撃の際、ダブルバトルに特化したユレイドルなどをパーティーに組み込んできていた。 だがアスナはそんなジャイアンの言葉は上の空だ。 「アタシには後がないんだよ。どんな卑怯な事をしても勝たなきゃならない……」 その言葉には、アスナの退けない覚悟が込められていた。 決戦直前、ポケモンリーグ殿堂前…… 「アスナ、君はまだ覚悟ができていないようだね」 出木杉の冷たい言葉が響く。 「か、覚悟……覚悟ならあります、出木杉様のために戦う覚悟が!」 出木杉がアスナに立つように命令する。 「後ろを見ろ」 アスナが振り向くと、そこにはマユミとエアームドが立たずんでいた。 「あのエアームドを倒せ」 背中から出木杉の声が聞こえる。 意図することはさっぱりわからないが、とにかく言われた通りにするしかない。 『鋼タイプなんてアタシのバクーダでイチコロさ!』 「いけ、バクー……きゃああっ!」 バクーダのモンスターボールを投げようとした直前、アスナの大きな胸が背後から鷲掴みにされ、揉みしだかれる。 「あああっ!」 その快感に心を奪われた瞬間、アスナの目の前にはエアームドの嘴が突きつけられていた。 「ほら、負けちゃった」 背後から胸をもてあそぶ出木杉。 「そ……んな、ああっ、これじゃ……戦えませんっ!」 「だろ、君は僕のために戦おうとしてくれたが、僕のために勝つことはできなかった」 アスナはショックを受けた。 確かにアスナは出木杉のために戦う、だがそれだけでは絶対に勝利できるとはいえない。 「アスナの胸、大好きだよ」 「はい、出木杉様……」 アスナはその快楽に身を預けつつ、出木杉のために「勝利」する事を誓った。 再び第2の間。 「ラグラージ、だくりゅうだっ!」 2度目の濁流がヒットし、バクーダがその体をゆっくりと横たえる。 アスナはバクーダを戻し、次にウインディを繰り出した。 『さて、アレを使わせてもらうわ』 「タケシ、あなたに面白いものを見せてあげるわ」 試合状況を確認するための大型ディスプレイがある部屋を映し出す。 「あ、あれは……マホ、ナホ!」 二人の少女が、十字架に貼り付けにされている。 『た、タケシ、タケシなの?』 『タケシっ、助けて!』 どうやらこちらからは声しか届かないようだ。 「姉ちゃん、どういうことだ!」 ジャイアンの怒声がアスナに叩き付けられる。 「今から、アタシのポケモンが戦闘不能になる度に、あの十字架が少しずつ下に降下していく」 アスナが床のボタンに指を伸ばす。 「まずはバクーダのぶん、と」 マホとナホが拘束された十字架がゆっくりと降下していく。 『いやああああああっっ!』 二人の悲鳴が響く。 マホとナホの足元には、10人ほどの男が目をギラつかせながら待機していた。 すでにその手は二人の少女の足からクツとルーズソックスを剥ぎ取り、己の欲望を満たす道具にされてしまっている。 「あれは出木杉様が飽きた女を狙うハイエナ達。あとは……分かるわね」 「人質……汚ねぇ、汚ねぇぞ!」 これではアスナのポケモンを倒すことができない。 アスナはその言葉を振りきるようにモンスターボールを投げる。 『アタシは、どんな手を使っても出木杉様に勝利を捧げる……』 ポケモンリーグ、第4の間。 「最後は、やっぱり……」 バトル場にいたのはナギ。 ヒワマキのジムリーダーだった女性である。 「出木杉様はこの奥にいるわ」 のび太がナギと戦おうとするが、それをドラえもんが制止する。 「のび太くん、先にいって」 「最初の作戦では僕がナギさんと戦う予定だったじゃないか!」 ドラえもんはイズミと、のび太はナギと戦う。 それが皆で立てた作戦なのだ。 「いや、君は出木杉を倒してしずかちゃんを救うんだ。君は将来しずかちゃんと結婚するんだろ!」 ドラえもんはのび太を奥に突き出すと、自分はナギとのバトルステージに走っていった。 「ごめん、ドラえもん!絶対にしずかちゃんは助けてみせる……」 のび太は後ろを振り向かず、ただ走り出した。 「頑張って、のび太くん……」 無事にのび太を見送ったドラえもんはナギと対面する。 「戦うのは止めよう……と言ってもダメですよね」 「ええ、もう私は元には戻れないわ」 ナギとドラえもんは、同時にモンスターボールを放った。 ドラえもん、ナギ、共に繰り出したのはエアームドだ。 「あら、私を相手にエアームドで戦いを挑むというの?」 「ヒワマキのジムリーダーだったナギさん相手なら多分勝てない……けど!」 ドラえもんのエアームドが影分身をする。。 「分かるわよ、そのエアームドは……つるぎのまい!」 ナギのエアームドは優雅に空を舞い、その攻撃力を増加させる。 「何もできないエアームドなんて、力でねじ伏せてあげるわ!」 「くっ、読まれてる……」 ドラえもんは唇を噛み締めた。 そう、このエアームドは対イズミを想定して撒き菱が戦術の軸になっている。 飛行ポケモンしか持たないナギ相手にはその戦術は使えない。 「ほえろ、エアームド!」 本来は撒き菱を踏ませるために使う吠える攻撃を、緊急避難的に使う。 「つるぎのまいで上昇した攻撃力をリセットしたくて吠えたのね。だけど……」 ナギのエアームドがボールに戻され、強制的に現れたのはフライゴン。 「ありがとう、エアームド同士では弱点が突けなくて決め手に欠けるのよ」 ナギの命令でフライゴンが火炎放射を放つ。 影分身のおかげで間一髪それをかわしたドラえもんのエアームドだったが、劣勢は明らかだ。 「ほえるを使うことまで計算して、つるぎのまいをブラフに使ったのか」 やはりナギは強い。 だが先に進んだのび太を援護するためにも、ここで倒れるわけにはいかない。 「戻れ、エアームド!」 ドラえもんはエアームドを戻す。 『今回はもう君の出番はないと思うけど、お疲れ様』 エアームドに感謝をし、次に繰り出したのは白い体毛に包まれた四足獣。 「アブソル……」 ヒワマキで暮らしていたナギには懐かしいポケモン。 『友達がゲットするのに必死になってたっけ』 そんな感傷が頭をよぎった。 「ん、涙……なぜ……」 ナギの目からはいつのまにか一筋の涙がこぼれ落ちている。 それを袖で拭うと、ナギは叫ぶ。 「フライゴン、じしん!」 フィールドが激しく揺れ、ドラえもんのアブソルに衝撃が襲いかかる。 かなりのダメージを受けながらも、アブソルはそれに耐えきった。 「アブソル、つじぎりだ!」 アブソルが跳躍し、鎌状の頭飾りでフライゴンに斬りかかる。 「その攻撃を耐えたら、もう一度地震……な、なんですって!」 ナギは驚愕した。 アブソルの辻斬りは、その一撃でフライゴンを葬ったのだ。 「な、何なの、この攻撃力の高さは……」 「こだわりハチマキにタイプ一致、そして急所直撃だ!」 ドラえもんが力強く力説する。 『コイツは……厄介ね』 アブソルは物理攻撃力の高いポケモンだ。 それがさらに特化されている。 「ならば、それに耐えうるポケモンを繰り出せばいい……カイリュー!」 ナギが呼び出したのはカントー最強クラスのドラゴンポケモン、カイリュー。 その巨大がドラえもんを威圧する。 次のアブソルの攻撃を受け、耐えた上で反撃する。 「カイリュー、はか……」 破壊光線を命じようとした矢先、ナギの背中に悪寒が走った。 「こらえなさい!」 「もう一回つじぎりだっ!」 アブソルの辻斬りがカイリューにヒットする。 それは再びカイリューの急所に当たり、体力を戦闘不能寸前にまで持っていく。 「まさか、2回連続で急所とは……ふふふ、そういうことね」 そう、ドラえもんのアブソルは強運の特性を持っているのだ。 「まさか、違う個体のアブソルだったとはね」 事前のデータでは、ドラえもんが持つアブソルはプレッシャーの特性だったはず。 この戦いのために違うアブソルをゲットし、育成したのだろう。 『タヌキめ、あんな顔してるけど相当の詐欺師ね』 でも、タネさえわかれば何ということはない。 「よし、後一息だ。つじぎ……」 「カイリュー、げきりん」 カイリューの逆鱗が攻撃態勢のアブソルに直撃し、吹き飛ばす。 「そんな、アブソルのほうが素早さが上だったのに……」 計算が狂い、ドラえもんがあわてている。 『ふ、策士の割には知識がないのね』 体力を瀕死寸前にまで削られたカイリューは、自らに持たされたカムラの実を食べた。 素早さを高める効果を持ったその実を口にしたカイリューは、アブソルを上回るスピードを得たというわけである。 数日前…… 「イズミのポケモンはすいすいって特性があるだろ?あれの対策ができなくて……」 ドラえもんはその悩みをスネ夫にぶつけた。 「それ以上の素早さを持つポケモンを使うか、雨を止ませるか、特性を打ち消すって手もあるね」 スネ夫がその知識をひけらかす。 「うーん、だけど今から育成している余裕はないし」 落胆するドラえもんのその手に、スネ夫はモンスターボールを乗せた。 「ドラえもん、よかったらコイツを使いなよ。これは僕が育てた中のとっておきの一匹さ」 再び舞台は戻る。 「スネ夫、使わせてもらうよ」 ドラえもんは、スネ夫に託されたモンスターボールを放る。 現れたのは、黒い半透明のボディに赤く輝く眼を持つ不気味なポケモン。 「そいつは……ゲンガーっ!」 「ふいうちだ、ゲンガー!」 ドラえもんのゲンガーは姿を消したかと思うと、カイリューの背後から現れていた。 ゲンガーの卑劣な一撃がカイリューの背中にヒットし、わずかに残った体力を奪う。 「素早い敵には、先制技だっ!」 「ゲンガー、なかなか強力なポケモンね……」 次々と繰り出されるドラえもんのポケモン達に、ナギは防戦を余儀なくされていた…… ポケモンリーグ、第1の間。 スネ夫とツツジの戦いは続いていた。 スネ夫のユレイドルがガラガラの捨て身タックルから身を守る。 「くそ、あのガラガラ……攻撃力が半端じゃない!」 スネ夫のフィールドにはマルノームとユレイドル、ツツジはガラガラとレジアイス。 レジアイスはマルノームのアンコールを受けてのろいを行い続けている。 ユレイドルの怪しい光を警戒したツツジはガラガラのターゲットをユレイドルに絞って攻撃を行なっているのだ。 「マルノーム、いえきだ!」 マルノームのあくびがレジアイスに浴びせられる。 「ちっ、ウザいわね!黙らせてやるわ!」 ガラガラの骨ブーメランがマルノームに飛んでいき、脳天に直撃した。 「ま、マルノーム!」 ゆっくりと崩れ落ちるマルノームを見ながら、スネ夫はユレイドルに毒毒を命令する。 レジアイスは猛毒を受けるが、まだ能力を上げ続けている。 「すまない、のび太……」 数日前…… 「の、のび太。これ返すよ」 「これは……マルノームじゃないか!」 のび太は驚いてスネ夫を見た。 スネ夫は照れ臭そうに他所を向いている。 「あんときは無理矢理取った形になっちゃったからな。ありがたく思えよ」 のび太はかぶりを振ってそのボールをスネ夫に返す。 「のび太?」 「スネ夫、それは使ってよ。僕もあのケッキングには色々助けられたからさ」 スネ夫は戻されたマルノームのボールを握り締めると、ぷいと背中を向けた。 「後で返せって言っても聞かないからな!」 そう言い放つスネ夫の顔は真っ赤に染まっていた。 「のび太のくせに、ふん……」 再び舞台は戻る。 「よくもマルノームを!」 スネ夫が怒りにまかせて繰り出したポケモンは巨大な体躯を現した。 「それはカビゴン……アンタがそんなポケモンを持っているとはね」 ツツジはカビゴンに捨て身タックルを食らわせる。 『さすがにタフね……』 ガラガラのタックルを食らってもなお、カビゴンは戦闘不能にならない。 「ユレイドル、エナジーボール。カビゴンは眠るんだ!」 ユレイドルのエナジーボールがガラガラの体力を削り、カビゴンは体力を回復するため眠りについた。 「あら、カビゴンはお休みのようね。仕切り直しかしら」 『とはいえ、レジアイスのアンコールの効果さえ切れれば私が優勢になるわ』 猛毒で体力を奪われているが、スネ夫のユレイドルではレジアイスを落とすことはできない。 「ガラガラ、次こそユレイドルにトドメを!」 だが、スネ夫は仕切り直すつもりは毛頭なかった。 「ユレイドルはまもれ、カビゴンはねごとだ!」 ガラガラの一撃をユレイドルは受け止める。 カビゴンが寝返りをうつと、すさまじい震動がフィールドを襲った。 『これは、地震っ!』 エナジーボールで体力を削られていたガラガラは一気に体力を奪われて瀕死になってしまう。 レジアイスにも地震によるダメージが与えられ、そして猛毒がさらに体力を奪う。 「く、まさか寝言とは……」 カビゴンが眠っていることで完全に油断していた。 『レジアイスも体力が少ない、こうなったらまた大爆発で……』 次に繰り出したのはレジスチル。 「レジスチル、まもるのよ!」 後はアンコールの拘束が解けたレジアイスが大爆発すれば…… しかし、マルノームのアンコールは予想外の効果をもたらしていた。 「ユレイドル、エナジーボール!」 レジアイスが行動するより先にユレイドルのエナジーボールが直撃し、レジアイスを倒してしまったのだ。 「しまった、のろいで素早さが……」 そう、アンコールでのろいを使い、レジアイスの素早さは落ちてしまっていたのだ。 「クリアボディは胃液で打ち消されていた……のび太、マルノームがレジアイスを倒したんだ!」 「……許さない、許さないわ」 ツツジがわなわなと体を震わせる。 「ガキが調子に乗りやがって!私の邪魔をっ!」 完全に切れたツツジは、最後のモンスターボールを放り投げた。 現れたのはすでにフィールドにいるポケモンと全く同じ個体。 それは、二体目のレジスチルだった…… 注:エロ ポケモンリーグ・第2の間 「ああ、ラグラージっ!」 ジャイアンのラグラージがその巨体を横たえる。 ラグラージは連続で守ろうとしたが、守るは連続で行うと成功率が落ちる。 その隙を突かれ、ウインディの神足を何度もくらったラグラージは、ついに倒れてしまったのだ。 「くそぉっ、人質さえとられてなかったら……」 マホとナホは荒くれ共の頭上で拘束されている。 アスナのポケモンを倒せば、二人はどうなるかは火を見るより明らかだ。 「アスナ姉ちゃんの卑怯者!正々堂々と戦えーーっ!」 「ふん、アタシの下着を盗んだ泥棒が正々堂々を語るなんてね」 アスナに思わぬ反撃を受け、閉口してしまうジャイアン。 「タケシ、あんたは本当はあの二人がひどい目に遭うことを望んでるんだろ?」 「そ、そんなことないやい!」 アスナはゆっくりと自らのタンクトップを脱いでいく。 放漫な胸が露になり、いやがおうにもジャイアンの視界に入ってくる。 「ほら、体は正直さ。自分の下半身を見てみなよ」 ジャイアンが視線を下ろすと、その股間ははち切れんばかりにテントを張っていた。 「あ、ああ……あ……」 注:エロ 「こんな緊迫した状況でも、あんたのアソコはビンビンに腫れ上がっている」 「違う……」 「あんたは真性のエロガキなんだよ!」 「違う!違う違うちがうっ!」 ジャイアンの反応を見て、アスナはその奥底に隠された真意を見た。 思わず笑いだしてしまうアスナ。 「な、なんだよっ!」 「そう、そうなのね……アハハ!」 アスナがジャイアンの核心を突いた。 「あんた、出木杉様みたいになりたいと思ってるだろ」 数日前…… 「行っちまうのかよ……」 「うん、私達はサポートしなきゃならないからね」 ジャイアンとマホ&ナホは夜のキンセツを歩いていた。 二人は道具などを補充するため、高レベルジグザグマを連れて道具を拾い集めるという役をかって出たのだ。 「タケシ、はいコレ」 マホとナホはジャイアンの両手に布きれを掴ませる。「お金は貰ったからね、契約は果たさないと」 「あんまりやりすぎるんじゃないわよ、うふふ」 そう言うと、二人はその場を去っていった。 ジャイアンの両手に残された二枚の下着。 だが、ジャイアンはそれを見ているだけだった。 「俺は、俺はもうこの程度じゃ満足できねえんだ……」 注:エロ 再び舞台は戻る。 「俺は……俺は……」 ジャイアンは呆然と自分の下半身を見続けている。 アスナはそんなジャイアンに更に言葉を浴びせ続ける。 「タケシ、あんたガキ大将なんだって?けどガキ大将なんて所詮お山の大将に過ぎないわ」 「そんな、事は……」 「だって、あんたは男として出木杉様に遅れをとってるじゃない」 「違ーーうっ!!」 ジャイアンは完全に頭に地を上らせてボールを投げる。 現れたのはボスゴドラだ。 「じしんをくらわせろぉぉっ!」 ボスゴドラが右足を地面に叩き付けると、すさまじい衝撃波が発生した。 激しい地面の揺れを受けて一撃で戦闘不能になってしまうウインディ。 「し、しまった!」 「あら、やられちゃったわね」 アスナが笑いながら手元のスイッチを押す。 すると、大型ディスプレイの向こうの磔台が再び下降を始めた。 『イヤッホーーー!』 男達の下品な歓声が響き渡る。 マホとナホの首は力を無くして頭を落としている。 どうやら、あまりの状況に気絶してしまっているようだ。 「さて、どうなるかしら」 アスナが楽しそうにその様子を見物している。 注:エロ 欲望にかられた男達がマホとナホのスカートに手をかけ、それを引きずり下ろした。 すでにその下の下着まで奪われ、二人はその恥態を男達に晒している。 「あ、ああ……」 二人の下半身に釘付けとなるジャイアン。 アスナはゆっくりとジャイアンに近づき、ジャイアンの頭を両手で掴み、自らの胸に抱き寄せた。 「あんたが望むなら、アタシがあんたを飼ってやるよ」 その誘惑の言葉、そして暖かいアスナの胸。 『すまねえ、すまねえのび太……』 ジャイアンはその誘惑に負けようとしていた。 『惑わされるなッ!!』 不意に聞こえたその声に、ジャイアンはアスナの胸に抱かれたまま上を向く。 ディスプレイには、マホとナホが一人の男に抱えられている姿が映っていた。 『二人は助け出した。君は自分の友のために戦うんだ!』 「友……のび太!」 ジャイアンは勢いよくアスナの胸に噛みつく。 「痛っ!!何するんだい!」 アスナを突き飛ばすと、ジャイアンは大声で宣言する。 「俺はっ!もう心の友を!うらぎらねぇぇぇぇっ!」 アスナは元の位置に戻ると、噛まれた胸をさする。 「ちっ、なんてことしやがる。それもこれも……」 ディスプレイを見上げ、憎悪の視線を叩き付けた。 「ジンダイ、裏切りやがって!!」 マホとナホに気付けを行なったジンダイがアスナを見る。 『俺はお前達に付いたふりをしていただけだ。リラやアザミを助けるためにな』 そう言い残すと、ディスプレイは砂嵐を映し出すのみとなった。 「さあ、アスナの姉ちゃん。次のポケモンを出しな!」 「私のペットにならなかったこと、後悔することになるよ!」 アスナは新たなポケモン、バシャーモを繰り出した。 「出木杉様から頂いたこのバシャーモであんたを倒してやるわ、スカイアッパー!」 バシャーモのスカイアッパーがボスゴドラに炸裂する直前、その姿がかき消える。 「バシャーモ相手にボスゴドラを使い続けるようなバカじゃねーっての!」 代わりに現れたボーマンダがスカイアッパーをその身に受ける。 「ちっ、ポケモンを代えたの……」 アスナが舌打ちするのも無理はない。 ボーマンダは格闘と炎に耐性があり、地面技を無効化する。 まさに天敵といえるポケモンなのだ。 ポケモンリーグ、とある一室。 マホとナホはジンダイの飛行ポケモンを借り受け、無事に脱出した。 「さて、こうなったら一刻も早くリラやアザミを助けださなければ」 ジンダイは部屋を出ようとしたが、その入口に二つの影が立っていた。 「お前は、ドラミ……そして、何故君がここに?」 そう、ドラミと一緒にいたのは自分が拐ってきたはずのしずかだ。 「そうか……ドラミ、君が助けだしたのか」 「ええ、そしてこれはついでよ」 ドラミが後ろを見ると、通路に二人の女が寝かされていた。 「アザミ、それにリラ……」 アザミとリラは全裸のまま、身体中に何かがこびりついた状態で放置されていた。 ジンダイは涙を流しながら二人に自分の上着をかぶせる。 「すまん、礼を言う……」 頭を下げるジンダイに、しずかが言葉を浴びせかける。 「私はこんな汚い女達は無視して先に行こうって言ったのに……ドラミちゃんに感謝しなさいよ」 ジンダイが矢のように立ち上がり、しずかの胸ぐらを掴む。 「貴様!子供とはいえその言葉は許せん!!」 ジンダイの怒りを受けながらも、しずかは全く動じた様子がない。 「お、お前は……誰だ?」 ジンダイは思わずそう呟いた。 目の前のしずかに、思春期の少女らしい感情の動きが見られない。 しずかはジンダイの腕を乱暴に振り払うと、乱れた胸元を直しはじめる。 「全く、ゲームキャラのくせに。ドラミちゃんが甘すぎるのよ」 「それは、しずかさんがこのゲームにいい思い出がないから……」 唖然とするジンダイを無視して、しずかは先に進もうとする。 「じゃあジンダイさん、後は……」 ドラミがジンダイに頭を下げると、しずかの後を追う。 「ち、ちょっと待て!俺にも事情を……」 ジンダイがそう言いながら二人を呼び止めようとする。 しずかが振り向くと、口を開いた。 「もう、うるさいわね」 その瞬間、ジンダイの姿がかき消えた。 ドラミがやれやれといった顔をする。 「もう、独裁スイッチを簡単に使わないでよ」 しずかは手に握られた半球状の道具をポケットに入れる。 「どうせ消えちゃうんでしょ、遅いか早いかの差よ」 「もう、仕方ないわね……やっぱり記憶を操作しておいて正解だったわ」 二人は通路を更に奥へと進んでいった。 カナズミシティ、デボン本社ビル。 「おぼっちゃま、ダイゴおぼっちゃま!」 「父は社長室だな」 秘書の女性達の制止を振り払い、ダイゴはミツルを連れて社長室へと向かっていた。 バンッ! 社長室と書かれたプレートの下にある大きな扉を開けると、部屋の最奥にはダイゴの見知った壮年の男が大きな回転式チェアーに座っていた。 「おお、ダイゴか。久し振りだな」 ダイゴは社長室を見回すと、父親を無視して大きな声を上げた。 「いるのは分かってるんだ。出てきなさい!」 ダイゴの声を受け、出てきたのはひとりの女の子。 それは、ダイゴもよく知っている少女だった。 「君はシズカ……なのか」 無言で頷く少女。 「彼女が現れたのは数日前だっただろうか」 デボン社長は全てを説明しはじめた…… しずかがカナズミに現れた時はかなり衰弱していた。 街中で倒れたしずかは病院に搬送され、身元引受人としてしずかと面識のあったデボン社長が面倒をみることになったのだ。 だが、しずかは以前会ったしずかではなかったのである…… 彼女はカナズミに来た事も初めてだったのだ。 「シズカくんは何も語ってはくれない。だが、ただならぬ事だというのは分かっているつもりだ……」 しずかという少女が拐われたという事件はホウエン中に放送されていた。 それが何故かここにいる。 デボン社長はしずかを秘密裏に保護することにしたのだ。 「私は大体の事情は察したつもりだ。今捕えられているシズカが本当の黒幕だということ……」 ダイゴはしずかに詰め寄る。 「では君は誰だ?」 「そこからは僕が説明するよ」 社長室の応接ソファーに腰をかけているのはダイゴに同行していたミツルだ。 「僕がここで彼女の面倒を見ていた。そしてあなたの知りたかった真実の最後のピースはおそらくこの話だよ」 一時間後…… 「し、信じられん……だが、それが真実なのか」 ミツルや社長もあまりに途方もない話に、声すら出なかった。 そんななか、しずかが口を開く。 「私も、私も皆のところに行かなくちゃ……行かなくちゃならないの」 次へ
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/219.html
前へ 再びルネシティ。 宙を舞うレックウザは気紛れに建物を撃ち抜き続けている。 圧倒的な戦闘力に快感が止まらないナギ。 「これが、これが力なのね……」 地上にいる人間達はなすすべなく逃げ回っているだけだ。 力に酔いしれるナギは次の建物に破壊光線をくらわせる指示を出す。 レックウザの口内が怪しく輝き、その力を集中する。 「撃ちなさい!」 ナギの合図と共に吐き出される破壊光線。 それは一直線に建物を撃ち抜き、破壊したかに見えた。 「……!」 建物の前には破壊光線をその身に受けた紅白の美しいポケモン。 「ラティアス、無理させてごめんよ……じこさいせいだ!」 下から聞こえた声に応じたかのようにラティアスは自らの傷を癒していく。 追撃をしたくてもレックウザは硬直してて動けない。 ナギは下を見下ろした。 そこには以前ナギ自ら瀕死にまで追いこんだ少年が立っていた。 「ノビタ……くん。生きていたのね」 心の奥底でわずかな安堵感が起こったが、 眼前の状況を見てそれはすぐ消えてしまった。 のび太が精一杯の声で叫んだ。 「ナギさん、あなたはもう元には戻らないんですか!」 「違うわノビタくん、これが本当の私なのよ」 ナギはのび太に言い返す。 その目には殺気がこもっており、鈍感なのび太にも 彼女の敵意はありありと感じられた。 「なら、僕とラティアスがあなたを止めてみせる!」 のび太も覚悟を決めた。 ラティアスのサイコキネシスがレックウザに放たれる。 凄まじい衝撃波がレックウザの体力を削っていく。 「こ、このポケモン……強いッ!」 一撃で半分以上の体力を奪われたレックウザ。 『このサイコキネシス、ありえない威力だわ!』 あのポケモンの力なのか、それとも何らかの道具の力なのか、 どちらにしろかなりこちらが不利だ。 「あの姿……やはりドラゴンタイプかしら」 相手がドラゴンタイプなら逆鱗が効果抜群だが、 逆鱗で倒せなかった場合はこちらの負けだ。 その時、ナギの目にあるものが飛び込んできた。 「そうね、ふふふ……レックウザ、しんそく!」 凄まじい速さで飛んできたレックウザがラティアスに体当たりする。 たまらずに吹き飛ばされたラティアスが守っていた建物にぶつかり、 そのビルが砕け散る。 「ラティアス、サイコキネシスでトドメだ!」 のび太の命令。 しかし、次の瞬間にラティアスが起こした行動はサイコキネシスではなかった。 のび太目がけ降下してくるラティアス。 「ラティアス、レックウザにサイコキネシスを撃つんだ!」 のび太の命令を無視して頭上で止まったラティアスに、建物のガレキが降り注ぐ。 「うわあああーーっ!」 のび太に直撃するはずだったガレキをその身に受けるラティアス。 「あ、ああ……」 神速のダメージを自己再生で回復するが、その背中に岩石が浴びせられる。 「今回のレックウザは完全な戦闘仕様、いわなだれを覚えさせているのよ」 絶え間なく降り注ぐ岩雪崩。 それをかわすことなく受け続け、自己再生を繰り返すラティアス。 「ラティアス!どうして反撃しないんだ!」 のび太の疑問にナギが答える。 「あらあら、状況を理解できないご主人様をかばって……健気なポケモンねえ」 建物の下にいたのび太を瓦礫から庇ったラティアスは、 ナギのレックウザに真上を取られてしまった。 そして岩雪崩。 うかつに体を動かせばのび太にも岩が当たってしまう。 「ら、ラティアス、お前……」 のび太はラティアスの苦しそうな顔を見てポロポロと涙をこぼす。 「もういい、僕の事は構わず敵を倒すんだ!命令だぞ!」 しかしラティアスはその命令を無視してのび太を庇い続けた。 ナギのレックウザは下の状況もお構いなしに岩を落とし続けている。 「いわなだれのPPは強化してあるわ、じこさいせいが切れるまで付き合ってあげる……」 ナギはこれを狙って神速を仕掛けた。 非道な戦術を躊躇なく行なえるくらいにナギの心は闇に染まっている。 「いくら強力なポケモンとて、この状況では手も足も出まい……」 ルネシティ入口。 そこにはカイオーガに乗ったイズミと、水面に漂うドラえもん。 気絶しているのか、ドラえもんは俯せで浮いたまま全く動かない。 「以外と手こずったわね……まさかトレーナー自身が戦うなんて」 ポケモンを全て失った後、ドラえもんはその身一つでイズミに立ち向かったのだ。 空気砲を乱射し、ひらりマントで攻撃を受け流す。 ひらりマントの弱点が複数方向からの同時攻撃だと分かるまでに イズミもキングドラを失っていた。 「忌々しい青ダヌキめ……けど、あの道具には少し興味があるわね」 その腕に付けられた武器と攻撃をかわすマント。 あれがあれば今後の戦いも楽になるに違いない。 「その道具、いただくわ……」 イズミがドラえもんに注意を向けたその刹那、凄まじい雷鳴が轟いた。 「あなた程度がひみつ道具を扱えるなどとは考えないことよ」 「誰だっ!」 声のする方向を見上げると、そこには黄金色に輝く巨大な鳥ポケモンが 悠々とはばたいていた。 「さ、サンダー……」 カントー地方に生息する伝説の鳥ポケモンだ。 こんなところに偶然飛んでくるものではない。 『まさか、ジンダイのやつが隠し持っていたの?』 ジンダイはこちら側に付いて、スパイとしてフロンティアブレーン達の下に潜入させている。 彼が仲間になった時、その伝説の3鳥は盗難にあっていたのだ。 「しかし、盗んだポケモンをあのように扱えるはずはないわ…… やはりジンダイの仕業ね!!」 イズミがカイオーガをサンダーの方に向ける。 相性は不利だが、こちらにはかなりの回復アイテムのストックがある。 そう簡単には負けはしないはずだ。 「ジンダイ、女みたいな声色をしても正体はわかってるわよ、 出木杉様を裏切った報いを受けるといいわっ!!」 しかし、サンダーの背中から聞こえた声は予想の者とは全然違っていた。 「ジンダイ……知らないわね。かみなり!」 『お、女……声色を変えた男の声じゃない。確かに女の声……』 イズミがその事実に驚愕した瞬間、カイオーガに轟雷が落とされる。 「きゃあああっ!」 イズミの悲鳴が響く。 雷の威力はかなりのものだ。 この威力ではカイオーガといえど3発受けたらおしまいだ。 「つ、強い……だが!」 イズミはもう一匹のポケモンを繰り出した。 それはランターン、対電気ポケモン用に育成していたものだ。 『こいつには吹雪を覚えさせている。サンダーには効果抜群のはず』 「厄介なポケモンを出してきたわね。仕方ないわ……戻りなさい、サンダー」 サンダーの姿が掻き消え、そのトレーナーの姿が明らかになる。 その姿は色こそ違えど、その体形は先程倒した不思議な青タヌキとそっくりだ。 「まさか、さっきのやつと同じ……」 「同じじゃないわよ、私はドラミ。もっと優秀なネコ型ロボットよ」 ドラミは自慢げに語る。 イズミはカイオーガとランターンをドラミに向け、戦闘態勢に入る。 「じゃあその優秀なロボット様の実力、見せてもらおうじゃないか」 その挑発にドラミは顔色一つ変えずに胸のポケットをごそごそ捜し回している。 「あら、サンダーではかなわないと知ったんで今更慌ててるの?お笑いね」 「このポケモンを使っちゃうと本当に世界が大変なことになるから……」 ドラミが取り出したのはモンスターボール。 しかしそのボールからは不気味な電光が放たれている。 「まだこの世界に拒否反応があるみたいね。まぁ出しちゃえば上書きされるわ」 「な、なんなの……」 異常な事態だと感覚で察したイズミだったが、そんな彼女を無視するかのように ドラミはポケモンを繰り出した。 数分後。 その場に立っているのはドラミひとりだった。 イズミを抱えているのは黄と黒のツートンカラーの不気味なヒト型ポケモン。 「まぁ、こんなものね」 「このポケモンはいったい……何者なんだ、お前は……」 そう言うイズミの前に奇妙な草花が掲げられた。 「あっ」という声を上げたイズミは惚けたように明後日の方向を見続けている。 「わすれろ草、あなたにはここで見たものを忘れてもらうわ」 ドラミはドラえもんのもとに向かう。 今だにドラえもんは波間を漂っている。 ドラミは土座衛門状態のドラえもんをひっくり返すと、 その腹から四次元ポケットを引き剥がした。 「お兄ちゃんには手出ししてほしくないの。ごめんね」 ドラミはイズミを抱えていたポケモンを戻し、サンダーを出すとその背に飛び移る。 流されているイズミとドラえもんを尻目に、ドラミは空高く飛び去っていく。 「さて、この変化に気付くのはおそらく出木杉さんかスネ夫さん辺りね。 しばらく様子を見ましょう」 ルネを巡る攻防はもう少しで終息するはずだ。 ここからはドラミ自身もどうなるかは分からない…… ルネシティ。 ナギのレックウザによるラティアスへの岩雪崩攻撃は続けられている。 もう何度目になるだろうか、ナギが再度岩雪崩を命令し、 レックウザがそれを実行した。 「!!……そろそろ終わりのようね」 ラティアスが自己再生をしなくなった。 のび太が急いで傷薬を使っているようだが、それも数度で種切れだろう。 「頭の悪いトレーナーに飼われたことを後悔するのね!」 「のび太が頭が悪いのは納得だが、あいつはいいやつだぜ。ずつきっ!」 レックウザに突撃する大きな飛行ポケモン。 その頭突きをくらってバランスを崩し、怯んで岩雪崩を出せなくなったレックウザ。 「だ、誰ッ!」 ナギがレックウザにしがみつきながら叫ぶ。 その視線の先には一人の大柄な少年が立っていた。 「俺はジャイアン、ガキ大将。心の友のピンチに見参っ!」 「じ、ジャイアン!」 ラティアスの下に隠れるのび太もその姿を確認する。 ジャイアンはニヤリと笑うと、親指を突きだした。 「天気研究所の時の借りを返しにきたぜ、のび太!」 「感動の対面の最中で悪いけど、これでノビタ君はリタイアよ」 ナギがそう口を挟むと、レックウザが口を開く。 「レックウザ、はかいこうせんッ!」 レックウザから巨大な光の束が吐き出された。 その光線の前に思わず逃げ出してしまうラティアス。 「ポケモンにも見捨てらたの?惨めね、ノビタ君っ!」 しかし次の瞬間、ナギの目に飛び込んだのは恐怖に怯えるのび太ではなく、 二匹のトドゼルガだった。 「トドゼルガ、まもる!」 二人の少女の声とともに二匹のトドゼルガが破壊光線を受けとめ、相殺する。 砂煙のなか、トドゼルガ達に守られたのび太の左右には二人の少女が立っていた。 「タッケシー、やったよぅ!」 「いえーいっ!」 二人の少女がジャイアンにピースしている。 「ご苦労さんだったな、マホ、ナホ!あとは俺に任せなっ!」 ジャイアンがボーマンダに命令し、ドラゴンクローがレックウザに直撃する。 「もういっちょー!」 破壊光線の硬直の隙を突いて再びドラゴンクローが命中する。 さすがのレックウザもダメージが蓄積している。 「ナギ、お前の相手は俺様だっ!」 ジャイアンはそう言い捨てるとその場から走っていく。 ナギが見回すと、いつのまにかのび太達の姿も消えている。 「まぁいいわ、ターゲットは活きのいいほうにしましょう」 ナギはレックウザに回復の薬を使うと、ジャイアンの向かった先に レックウザを移動させる。 ドラえもんに後を任せたしずかは再びルネの町に辿り着いていた。 その目の前ではアダンのシザリガーがユレイドルのソーラービームに焼かれている。 「くっ、これで私のポケモンは……」 「全然たいしたことなかったわね」 アスナは退屈そうにアダンを見下している。 「これがジムリーダーの限界。それを超えるには私みたいにさらに一歩踏み出さないとね」 そう言い捨てると、アスナはグラードンに地震攻撃を命令する。 「いかんっ、今地震を使われたらセンターが完全に倒壊してしまう!」 センター内には負傷者の治療のために今も人が残っているのだ。 アスナはにやりと笑いながら、グラードンに合図を送ろうとする。 しかしその合図はグラードンを襲う光線に阻害されてしまった。 「は、はかいこうせんね……」 破壊光線を発射した主は天空を舞うフライゴン。 『フライゴン……使い手はどこに?』 フライゴンのトレーナーを探すアスナに背後から声がかかる。 「ジムリーダーがこのような非道に手を染めるとは……元チャンピオンとして悲しいな」 アスナが振り向くと、そこにはホウエンでは知らぬ者のいない人物が立っていた。 「だ、ダイゴ……」 次へ
https://w.atwiki.jp/nobita_in_pokemon/pages/276.html
前へ 数日後…… ドラえもん達と、彼らに協力する仲間達はサイユウのポケモンセンターに集まっていた。 「ポケモン達もレベル80オーバー、準備は万端だな!」 ジャイアンの笑い声が皆を鼓舞する。 対出木杉戦の為に育てられたポケモン達。 それを短期間でここまで育成するのにはフロンティアブレーンやダイゴの助けも あったとはいえ、かなりの苦労を強いられた。 「ラティオスが見つけられれなかったのは誤算だったけどね」 スネ夫が悔しそうに歯噛みする。 スネ夫はポケモンの育成をヒースに任せ、すべての時間をラティオス捜索に費やしたのだ。 しかしラティオスはその目撃報告すらなかったのである。 「出木杉の手下達はサイユウから出ていないみたいだし、 奴らに捕られたとは思えないんだけど……」 これも世界の法則が変わった影響なのだろうか? 「まあまあ、今更言っても仕方ないよ」 ドラえもんがスネ夫を励ます。 ここ数日で最も大変だったのはドラえもんだった。 ドラえもんは序盤、ひみつ道具主体での戦いをしていたり、しずかやのび太のサポートを していたために戦力が最も貧弱だったのである。 そのため、ドラえもんのポケモンはエアームドとホエルオーを残して 全部入れ替える羽目になったのだ。 「これだけ仲間がいるんだから、しずかちゃんも助けられるよね……」 捕われたしずかを心配するのはのび太。 彼も要領が悪いなりに頑張った。 ポケモンのタマゴを孵すために再びジョギングマンとなって走り続けたからだ。 おかげで皆が遺伝技を備えたポケモンを使うことができる。 「じゃあダイゴさん、後は打ち合わせ通りに」 「では、私達は先行してトレーナー達を排除する。君達も遅れないようにしてくれよ」 ダイゴがそう言い、ヒース、ウコン、ダツラを伴って四人で チャンピオンロードへ発っていった。 それを見送ったドラえもん達四人は円陣を組む。 「僕たちの目的は三つ、まずはしずかちゃんを助けだす」 ドラえもんの言葉にのび太が決意を込めて頷いた。 「で、出木杉のヤロウをぶっ飛ばす!」 力強くジャイアンが宣言する。 「ん……あとひとつはなんだ?」 スネ夫の言葉にドラえもんが口を開く。 「ボクの四次元ポケットと、行方が分からないもしもボックスの捜索だよ」 元の世界に戻すためにはなんとしても、もしもボックスを探し出さなければならない。 最悪、もしもボックスで元の世界に戻せば出木杉は無力な小学生に戻るのだ。 「皆で元の世界に帰ろう!」 四人は一斉にそう叫んだ。 予め打ち合わせた時間になり、ドラえもん達はゆっくりと チャンピオンロードに入っていく。 目の前の穴からひやりとした風が中から吹いてくる。 先頭はジャイアン、それに従うスネ夫。 切札のラティアスを持っているのび太は温存させるために中央、 そしてドラえもんは後方警戒だ。 しかしドラえもんが後方警戒をかって出たのにはもうひとつ理由があった。 『出木杉くんと話した感触からして、彼はもしもボックスの事を 知らないように思えた……となると』 のび太には隠蔽工作までしてもしもボックスを隠すような行動力はないだろう。 となるとジャイアンやスネ夫、そして捕らえているしずかも容疑者になりうる。 ドラえもんは後方だけでなく、ジャイアンやスネ夫をも見張るつもりだった。 チャンピオンロードの入り口をくぐると、急に暗い場所に入ったことで 全員の視界が真っ暗になったが、ほどなく目が暗闇に慣れてくる。 そこには2、3人のトレーナーが力なく腰をおろしていた。 おそらくダイゴ達に倒された出木杉の手下なのだろう。 「よし、急ぐぜ」 「まずはこっちの道……」 スネ夫の手元をペンライトで照らすと、手に持った攻略ノートには チャンピオンロードのマップも記されている。 一行はそれに従って暗い洞窟を奥へと進んでいく。 チャンピオンロード地下2階。 ドラえもん達がチャンピオンロードに足を踏み入れた頃、予定の時間なら 出口の掃討まで完了してるはずだったが、ヒースとウコンは ここで足止めをくらっていた。 「このトレーナー、他とは段違いの強さじゃな」 ウコンが荒い息をついている。 ウコンのウインディは敵のサーナイトによって眠らされてしまっていた。 「眠り技対策はトレーナー戦の基本だよ。フロンティアブレーンがだらしないなぁ」 サーナイトの主人である少年トレーナーがニヤニヤと笑っている。 「生憎今までの戦いで対策は使いきってしまったでの……」 ここに来るまでの戦いでウコンは眠り回復の道具を使ってしまっていた。 少年はウコンのその言葉を聞いて、耐えきれなくなったのか吹き出してしまう。 「あははっ、まだ気付かないのかい?」 怪訝そうな顔をするウコンに少年が言葉を続ける。 「あんた達が戦ってきたトレーナー達、あいつらには眠り技主体で戦うように 指示してあったのさ!」 そう、バトルにおいて最も有効な眠り技に対処する術を全て使わせた上で、 さらに眠り技主体で攻める。 それが少年、ミツルのタクティクスだったのだ。 「爺さん、あんたは僕と戦う前からすでに負けているのさ」 サーナイトのサイコキネシスが眠っているウインディ目がけ放射された。 ウコンとミツルが戦っているその横では、ヒースが別のトレーナーと戦っていた。 戦いは終盤、相手はあと2体。そしてヒースのポケモンはラグラージしか残っていない。 ヒースが操るラグラージが冷凍ビームで攻撃するが、敵のポケモンは 自己再生でそのダメージを回復させてしまう。 「まさか、あんたがソイツをゲットしていたとはね」 ヒースに対する男はピラミッドキング、ジンダイ。 ヒース達フロンティアブレーンを裏切り、出木杉についた男だ。 そして彼の使っているポケモンは青と白の二色で彩られたポケモン。 「いくら探しても見つからなかったわけだ……あんたがラティオスを……」 「ヒース、引いてくれないか」 ジンダイはヒースの言葉を遮ってそう提案する。 「元仲間に対しての情けかい?裏切り者がよくも……」 ラグラージが再び冷凍ビームを放つ。 「冷静さを失っているのか?その冷凍ビームでは心の雫を持った ラティオスを落とせはせん」 「それはどうかな?」 ヒースの言葉を聞いたジンダイはラティオスに目をやる。 ラティオスは冷気によってその体を凍らされていた。 「む……」 「何度も冷凍ビームを続けていたのはこれを狙っていたからなのさ」 ヒースはラグラージにもう一度冷凍ビームを命令する。 冷気の光線がまっすぐにラティオスに向かっていく。 しかし、その光線を受けるべきラティオスの姿はかき消え、代わりに現れたポケモンが それをその身に受け止めた。 「くっ!ラティオスを交代させたか」 「残念だったな」 ジンダイが出したのはレジアイス、ツツジの捕まえたのとは別の個体だ。 『冷凍ビーム対策、ということなのかい』 フロンティアブレーンにしては考えが甘い。 「ラグラージ、かわらわりだ!」 ラグラージの手刀がレジアイスに炸裂する。 その効果抜群の攻撃は急所に直撃し、ヒースは勝利を確信した。 しかしその攻撃を受けてなお、レジアイスは立っていたのだ。 「そんな……確実に仕留められるはずだ!」 「あらゆる可能性を考慮して戦うのがフロンティアブレーンというものだ」 ジンダイにそう言われたヒースはレジアイスをもう一度よく観察した。 その腕には布切れが巻き付けられている。 『きあいのタスキか!』 それに気が付いた瞬間、レジアイスは大爆発を起こしてラグラージを道連れにしてしまう。 これでヒースの手持ちポケモンは全て倒されてしまった。 対するジンダイは氷漬けのラティオスが残っている。 「ヒース、お前の……負けだ」 「ヒースが負けおったか、無念じゃが仕方ないの」 ウコンはミツルに敗北を認め、ヒースの元に駆け寄る。 「すみません、ウコン爺」 「こうなったら後はダイゴ殿に託すしかない……」 二人は穴抜けのヒモを使ってその場を去っていった。 「おじさん、そのポケモンはデキスギに内緒で持ってるんでしょ?」 ミツルの言葉にジンダイはギロリと睨み返す。 「そんな恐い顔しないでよ、チクりはしないよ」 面倒は勘弁だから、とミツルはジンダイを置いてさっさといなくなってしまった。 氷漬けのラティオスに回復の薬を与えて介抱するジンダイ。 「ヒースよ、お前はひとつ勘違いをしている」 そう、このラティオスはジンダイが捕まえに出向いたのではない。 “本来の主”の元に帰ってきたラティオスをジンダイが保護しただけなのだ。 「ヒース、ウコン……こいつを見て気付かなかったのか?」 そう、このポケモンはリラのラティオスなのだ。 バトルフロンティアが陥落したあの日、主がいなくなってモンスターボールに 帰れなくなったラティオス。 そんな迷子ポケモンを保護したジンダイが、ドラミの「スナッチ」の力で ジンダイの命令下に置いたものなのだ。 「すまんな、ラティオス。もう少しでお前の主人に再会させてやるからな」 しかし、ダークポケモンと化しているラティオスにジンダイの声は届くことはない…… チャンピオンロード、地下2階。 暗闇の中、のび太のトロピウスのフラッシュの明かりを頼りに進んでいくドラえもん一行。 波乗りで地下水路を進んでいくと、目の前には地下とは思えないような光景が広がっていた。 「すごいや……地下に滝が!」 のび太が感嘆の声を上げる。 滝が発する霧がフラッシュの光を反射してキラキラと輝いているのだ。 「この滝を登れば後少しだよ」 スネ夫が滝の上を指差す。 「よし、ホエルオーで滝を登るよ」 全員がドラえもんのホエルオーに乗り込み、流れ落ちる水流に逆らいながら滝を登っていく。 しかし、滝を登った四人を待っていたのは戦闘準備万端のポケモントレーナー達だった。 「で、彼等はここで一旦足止めを受けるはずだったんだが……」 岩陰から現れたのはダイゴ。 その場にはドラえもん達の姿はすでになく、倒されたトレーナー達が力なく服に付いた砂埃を払っていた。 「まさかこの人数がタケシ一人にやられてしまうとは、彼らを鍛えすぎてしまったか……」 計画に微妙な狂いが生じている。 タケシ……ジャイアンは実に巧みな罠を仕掛けながら戦っていた。 複数人のトレーナーを相手に彼が出したのはバンギラス。 バンギラスが現れた瞬間、特性による砂嵐が発生し特防を上昇させた。 そして圧倒的な破壊力で敵を咬み砕く。 だが、バンギラスの恐ろしさはそこではなかった。 密閉空間である洞窟内での砂嵐はトレーナーの体力も大きく削られていく。 思考能力が低下し、反応が遅れる敵トレーナーをジャイアンのバンギラスは一人、また一人と撃破していったのだった。 今だに目すら開けられないくらい砂を浴びたトレーナー達を後目に、ダイゴもドラえもん達の後を追う。 「彼らがポケモンリーグにたどり着くまでに、ドラミがやることを終らせられるか……」 協力関係にあるが、ドラミの真の目的はダイゴも知らない。 だが「ドラえもん一行、特にノビタ」に出木杉を打倒させるのが目的のひとつであることはわかっている。 「誰が倒そうが結果は同じだと思うんだが、ドラミはそうは思っていないようだな」 その真の目的、意図をつかむことも頭に入れておかなければならない。 『何も知らぬまま、ドラミに利用だけされるなんて納得がいかないからな』 チャンピオンロード1階。 立ち塞がるトレーナー達を倒し、ドラえもん達はようやく出口の光を見つけた。 「いよいよ、出木杉の待つポケモンリーグに……」 「のび太くん、絶対にしずかちゃんを助けようね」 ドラえもんとのび太が覚悟を誓い合った時、出口の逆光に人のシルエットが浮かび上がる。 「そうはいかないよ。君たちは僕に倒されるんだから」 「ん、どこかで聞いた声だな……」 のび太は必死で記憶の糸をたぐり寄せる。 しかしやはりのび太だ、思い出すことはできない。 「以前恵んでやったポケモン預け屋の代金、ここで返してくれるかい?」 預け屋…… その言葉にのび太はハッとなった。 「まさか、ミツル君!!」 出口の光の中から現れたのはキンセツで出会った少年、ミツルだった。 「久しぶりだね、ノビタ」 見知った少年に出会った事で、のび太の緊張が一気に溶ける。 「ミツルく……」 足を踏み出そうとしたのび太をスネ夫が制止する。 「のび太、行っちゃダメだ。奴はボクと同じ匂いがする……」 スネ夫は一目で気付いたのだ。 ミツルの目の奥から感じられる闇のようなもの、それは嫉妬や妬みといった感情だ。 スネ夫の言葉に警戒を強める一行。 ミツルはやれやれといったジェスチャーをすると、隠していた憎悪を剥き出しにした。 「僕の望みはひとつ、ノビタと戦いたいだけだ!」 ミツルの唐突な宣言にジャイアンが反発する。 「俺達は出木杉をブッ飛ばしにいくんだ、邪魔するなよ!」 「知るか。僕はそのノビタを倒すんだ、お前らこそ邪魔するな!」 そんな舌戦の中、のび太が前に歩きだす。 そんなのび太を慌てて止めようとするドラえもん。 「のび太くん!」 「皆は見てて……」 その決意に、ドラえもんはのび太の腕を掴んでいた手を離してしまった。 三人が見守る中、のび太とミツルのポケモンバトルが静かに始められる。 「いけ、チルタリス!」 「ピー助、頼むよ」 ミツルはチルタリスを繰り出し、のび太はトロピウスで応戦する。 「チルタリス、うたうんだ!」 チルタリスの歌声を聴き、睡魔に襲われるトロピウス。 「ね、ねむけざましを……」 のび太が慌ててトロピウスに眠気覚ましを振りかける。 目を覚ましたトロピウス、その眼前にはすでにチルタリスが迫っていた。 「ゴッドバードッ!」 ミツルの命令を受け、チルタリスはゴッドバードでトロピウスを吹き飛ばす。 「ピー助っ!」 壁面に叩きつけられたトロピウスはかなりのダメージを受けているようだ。 「のび太、もう一発くるぞ!」 外野のスネ夫が警告するが、その時はすでにチルタリスは再び行動を起こしていた。 再びゴッドバードの一撃を受け、トロピウスはその体を地に伏せたまま動かなくなった。 「も、戻れ……」 トロピウスを戻すのび太に、ミツルは話しかける。 「最初に君に会ったとき、君は僕より弱いトレーナーだった……」 育て屋にポケモンを預け、それを引き取れないほど困窮もしていた。 そんなのび太にすがりつかれ、ミツルは引き取り料を立て替えたのだ。 「そして次に見掛けたとき、君のそばには二人の仲間がいた。だけど……」 ミツルはその後、ある真実を知ってしまった。 握った拳がワナワナと震える。 「僕は今の君達、特にノビタを許すことができない!」 その迫力に圧倒されるのび太。 だが、のび太にも引けないわけがある。 「しずちゃんを助け、出木杉を倒さなきゃならないんだ!」 のび太はモンスターボールを投げる。 現れたのは金属質の青いボディに包まれた四つ足のポケモン。 「ダイゴさんから貰ったこのポケモン、メタグロスで君を倒す!」 次へ
https://w.atwiki.jp/battler/pages/9974.html
バトロイ大長編・Mr・Hside第9.5話 第1幕:宇宙(そら)へ・・・ 26世紀 地球 マクロス・ストライクス 副官「・・・しかし、宇宙(そら)へ上がるとはいえ・・・ラパウディアの陽動を掻い潜ってくる部隊が出てくる可能性がありますし、宇宙(そら)は宇宙(そら)で敵の艦隊が出てくる可能性があります」 アマヅキ「そーなのよ。・・・で、本部からは増援をいくつか送るとかいってたけど・・・やはり宇宙(そら)?」 副官「そうなります。・・・間もなく大気圏離脱作戦開始ですが。」 アマヅキ「ああ、そうだったな。ヤロウども!直ちに離脱準備!コンディションイエローで待機しろ!」 日本極東国 首都 胡散臭い感じの男「やはり、奴らは・・・」 Mr.Y「はい、その様です」 メタボ気味の汚職やってそうな男「しかし、君はよくやった。地上局なんぞいくらでも作りなおせる。問題は・・・あの艦隊だ。」 防衛大臣「はい、わが軍の首都防衛ラインの大半を突破しながらも首都へは攻めては来ていない・・・というあの艦隊ですか。」 メタボ気味の汚職やってそうな男「そうだ。わが軍の機密を暴露し・・・彼らと共闘するクーデター部隊まで出てくるしまつ。われわれの未来は暗闇に包まれてしまったようだな。」 胃薬過剰摂取気味の男「・・・いま入った情報だ。あの艦隊が地上局を破壊した戦艦の大気圏離脱支援を行うらしい。これは絶好のチャンスとはおもわないかね?」 防衛大臣「・・・軍を出す。それでかまわんかね?」 マクロス・ストライクス大気圏離脱予定空域 ミウル「まさか、私たちの任務が陽動だったとわねぇ・・・まぁ、そのおかげでこっちもいろいろ出来たけどね。」 ストライクスが異次元機関絡みを片づけている間、ラパウディア艦隊は様々なことやってきた。日本極東国軍の軍事機密暴露、むしろ軍への物理的支援(他の地域の部隊が来ないようにするなど)、さらには暴露した機密を使用しての日本極東国軍内部でのクーデター誘発等・・・ すべてはストライクス、むしろ軍が円滑にことを進めるための陽動でもあり、またこれもある意味では彼らは戦っていたのだ。 ミウル「しかし・・・まだ私たちの最後の仕事はまだ残っている。ストライクスを宇宙(そら)へ上げ、そのあとは日本極東国の首都をクーデター軍とともに攻め落とす。それであとは幻想郷へ行く・・・あとはストライクスとみんなでめでたし、めでたしだね。」 ラパウディア艦隊以外にもクーデター軍がマクロス・ストライクスの大気圏離脱を支援するためにこの空域に集まっている。すでにストライクスは単独大気圏離脱能力があるVFとQF-4000 ゴーストを除きほとんどの艦載機は艦内にて機体固定処置を施される。処置を行ったあと、一部の機体はOSを宇宙戦闘用の物に書き換える作業を行っている。そしてそのVFとQF-4000 ゴーストは現在哨戒飛行で艦外に出ている。 大空寺「しっかし、ここまで来たものだよ。最初はただのジョークかと思ったが」 琉漣寺「そうだな。宇宙(そら)へ上がったら補給と補充人員、そして援軍を合流するんだからな。」 水流寺「ま、啓志君達は機体の固定作業とかで忙しいし、出れるのは私たちだけなんだからね。」 ここで敵襲があればVF3機とゴースト3機しか出れないストライクスはただの的である。それをカバーするためにラパウディア艦隊などが護衛についている。 ビービービー! 大空寺「っち!敵さんかよ!」 水流寺「敵数・・・1万!?」 琉漣寺「これでは俺達も落ちかねんぞ!」 すでにラパウディア艦隊やクーデター軍が応戦しているが、人型を中心とした日本極東国軍相手にほぼ互角と言える戦況であるが、その大半はR-9Bシリーズの大型ミサイル「バルムンク」などの特殊兵装であり、補給、修理などをこなすR-9AFといった機体もこの要因の一つでもある 戦闘開始から10分経過・・・ アマヅキ「ストライクス、大気圏離脱のため上昇開始!VF隊は援護に回ってくれ!」 大空寺「いま必死に援護しているだろ!とっとと大気圏から離脱してくれ!」 水流寺「クーデター軍およびラパウディア軍、損傷率50%突破!早く大気圏離脱を!」 アマヅキ「了解!・・・飛ばすぞてめぇら!」 ストライクスの艦首が上を向き、そのままブースターの出力を最大にする アマヅキ「最大戦速で高度10,000mへ!その後はフォールド!デフォールド地域は補給艦隊と合流座標「56 89 07」!」 轟音をたて、マクロス・ストライクスは上昇する。追撃する日本極東国軍の機動兵器「オロチ」(距離にして約2000メートル。)・・・だが高度1万メートルへ達した時であった アマヅキ「フォールド開始!」 マクロス・ストライクスはフォールド航行を開始し、ストライクスの大気圏離脱は完了したのだ。 琉漣寺「ふ、あとは俺達が上がれば終わりだ。」 戦闘後の大気圏離脱のために損傷を抑えていた3機のVFと3機のゴーストもエンジン出力を上げながら大気圏を離脱した。 第1幕完 第2幕:とある不幸な上条さんの特技(おせっきょう) 第9雑談所、そこであることが起きていた Mr・H「だからお前は・・・!行動起こさなければ結果はついてこないんだよ!」 銀髪猫74「だ・か・ら!そうやって・・・」 Mr・H「問答無用!成敗!」 アッー! 要約するとまぁたんなるお説教だけどね 第2幕完(短い?) 第3幕:今後のことの発表 <⌒/ヽ-、___ ・・・タラララタラララ タラララタラララ/<_/____/ ∧∧ ( ^ω^) タラララタラララ タラララタラララ _| ⊃/(___/ └-(____/ ♪ ∩∧__,∧ _ ヽ( ^ω^ )7 タラララタラララ タラララタラララ /`ヽJ ,‐┘ (カッ カッ カッ カッ カッ カッ カッ カッ) ´`ヽ、_ ノ `) ) ♪ ∩∧__,∧ _ ヽ( ^ω^ )7 タラララタラララ タラララタラララ /`ヽJ ,‐┘ (カッ カッ カッ カッ カッ カッ カカカンッ) ´`ヽ、_ ノ `) ) ♪ ( \/ /_∧ <./| /| /\___ ヽ/ /Д`/⌒ヽ / .| / / / // / /\/ ,ヘ i  ̄ \_/ /____// し' \_/ i />  ̄ ̄ ̄ ̄ i⌒ヽ ./  ̄>__ .|| | イーン ザー ゾーッ! /⌒ヽ i i \( .|/ / /\ .|| | i | /ヽ ヽ ∠__/  ̄ .|| | ヽ ヽ| |、 \_ノ > > || | \| )  ̄ ./V ___ ..|| | ____ .ノ ./⌒)∧ / ...____[__||__]___||___ / し'.ヽ ( .∨ /\________|__| // し' / /\  ̄ ─── /⌒ヽ, ─────────  ̄ ̄ / ,ヘ ヽ _, ,_  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ , ” ' ‐ ,  ̄ ̄ i .i \ ( ◎д◎)しょおー, ___,, __ _ ,, - _―" ’. ' ・, ’・ , ── ヽ勿 ヽ,__ j i~"" _ ― _ i ∴”_ ∵, ))______ ヽ,, / / __,,, -- "" ─ "ー ・, ; ; - 、・ r=-,/⌒ ~ヽ~, ─────── ヽノ ノ,イ ─── ― - i y ノ' ノi j | ─────── / /,. ヽ, ── i,,___ノ // ______ 丿 ノ ヽ,__,ノ ___ _ _ _ ,' ゝi j i / y ノ _____ 巛i~ ____ _ / /~ Mr・H「痛い・・・」 シタン「とりあえず、第2部のことを発表しちゃいましょおー」 Mr・H「一応第2部はストライクスとザインヴォルフでストライクス中心でザインヴォルフは2,3話ぐらいです。」 Mr・H「ではまた」 後書き ちなみにこれ、第3部まであるんだ・・・
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/52294.html
ギラーミンとドラコルルすごい好き -- 名無しさん (2017-09-22 00 09 05) ドラコルルの恐ろしいところは自分たちがドラたちよりはるかに小さいのとドラえもんがほぼ道具使える状況というハンデを覆したところ。 -- 名無しさん (2017-09-22 06 31 22) 宇宙海賊団の3人は漫画版と映画で容姿と末路が違う -- 名無しさん (2017-09-22 08 37 08) 単体の戦闘力だとオドロームとリヴァイアサンとフェニキア辺りが強敵な気がする -- 名無しさん (2017-09-22 09 07 08) 怪物系や黒幕以外は省いてるのね -- 名無しさん (2017-09-22 09 20 40) オドロームだけは怖さの方向性が違うよね… -- 名無しさん (2017-09-22 10 33 54) 個人的に鬼五郎のリアルさが異色すぎて、印象に残ってる -- 名無しさん (2017-09-22 10 54 47) 宇宙小戦争を子どものころ読んで絶望感が半端なかった -- 名無しさん (2017-09-22 16 00 03) もしノア計画を実行したら、放射性物質とかが陸と海にばら撒かれまくって、かえって環境汚染が悪化する気がする -- 名無しさん (2017-09-22 18 57 35) 鬼五郎は作中の出番の多さとキャラの濃さで、映画の主役みたいだった -- 名無しさん (2017-09-22 19 22 57) ポセイドンは強さ面でインパクトあるからかドラえもんのゲーム作品の出演が多いな。ハドソンドラ、ギガゾンビの逆襲、時の宝玉と多め。うろ覚えだが昔あった小学館のサイトでネチケットを学ぶクイズゲームにも出てて、エルの指示でのび太がウイルスメールを投げ入れて爆殺とかあったような。コンピュータだから倒し方は間違ってないがシュール。 -- 名無しさん (2017-09-22 22 14 39) もしもドラコルルがメカトピアのトップになったらドラえもん達は勝つことが出来るだろうか。 -- 名無しさん (2017-09-22 23 30 25) 小宇宙戦争の勝ち方がご都合主義みたいに言われるの納得がいかん。ちゃんと伏線張ってあったやん -- 名無しさん (2017-09-23 01 10 14) K-クラスシナリオタグ吹いたw 確かに人類やばいこと多い -- 名無しさん (2017-09-23 01 12 49) ジーグリード長官の計画が成功してたらタイムパラドクスでバードピアも消える可能性があったな -- 名無しさん (2017-09-23 06 34 36) FC版のギガゾンビには「テラ」という娘がいてこの子のおかげで凶悪ではなかったな。 -- 名無しさん (2017-09-29 10 09 52) 桃太郎のなんなのさやドラえもんズの敵役はないのか -- 名無しさん (2017-09-29 10 37 38) 天上人が恐らく一番の強敵だと思う -- 名無しさん (2017-10-01 18 26 58) デスター司令官は漫画版だと正体が判明した時博士が「お前生きていたのか」と発言していたから 死人扱いっだたんだろな -- 名無しさん (2017-10-03 18 52 24) ビッグライトがトドメに使われることが割と多い -- 名無しさん (2018-01-11 23 34 51) ドラミがいなきゃ負けてた、しかもドラミが来た理由に伏線がないデマオン(リメイクで改善)や牛魔王も大分強い -- 名無しさん (2018-01-11 23 40 03) 天上人はアンチに叩かれる…別に映画そのものが叩かれてるわけじゃないのでそこは分けて記述した方がいいのでは -- 名無しさん (2018-02-08 20 22 33) 熊虎鬼五郎が用いる拳銃はP228だそうな -- 名無しさん (2018-03-11 12 55 32) スペックだけなら最強はオドロームだろうな、と思う。一撃必殺の破壊力もさることながら、シズカールの素性を一発で見抜き、そこから白銀の剣士が生きていることを洞察するなど、頭のレベルも相当高い。 -- 名無しさん (2018-04-21 15 53 54) 違反コメントとそれに関わるコメントを削除しました -- 名無しさん (2018-04-23 21 34 05) 熊虎鬼五郎は漫画版だと刑事になれたみたい 前科モチなのに -- 名無しさん (2018-06-22 16 18 08) 映画の悪役は大半がドラえもんを「タヌキ」と間違える(あるいは故意にタヌキ呼ばわりする)傾向が強いような気がする。初対面と言うこともあるからなんだろうが。 -- 名無しさん (2019-01-21 17 58 25) ↑11 「大長編の悪役」だから -- 名無しさん (2019-01-21 18 29 37) ↑5 一度はドラえもんたちを全滅させたデマオンといい、科学とは別軸の力だからかファンタジー系の敵は強いよね -- 名無しさん (2019-01-24 01 18 50) ドラのタヌキ呼ばわりの原因となるイメージは信楽焼きのタヌキなんだと思うけど、最近の子供はわかるのかな -- 名無しさん (2019-03-18 17 00 18) デマオンやオドロームといったファンタジー系の敵は、弱点を突く以外に倒す方法がないのがヤバイ。しかも、両方とも弱点を突かれないような対策も立てていたし -- 名無しさん (2019-03-23 22 01 35) 地底人と海底人にも迷惑かける気満々の天上人はマジで邪悪だな何も関係ないのに -- 名無しさん (2019-08-26 20 46 43) 天上人がやたらと叩かれるのは、露骨に横暴で、実質的に世界を滅ぼそうとする存在でもあるのに、絶対悪じゃないが故に倒して解決するわけにはいかない相手というのが大きいだろうね。恐竜人や昆虫人はここまで横暴じゃなかったし、海底人は横暴なところはあったけど、世界を滅ぼそうする連中ではなかったし -- 名無しさん (2019-09-02 19 11 33) 天上人はそもそも環境保護が嘘っぱちって確定しているからな…のび太が見た未来で植物が洪水で流されているし -- 名無しさん (2019-10-29 18 36 51) アニマルプラネットの時はF先生は「やや説教臭くなった」と反省しているって…のちの雲の王国なんか、もっと説教臭いやんけ! -- 名無しさん (2019-11-06 13 12 34) ↑×2 冒頭の大豪雨で島が水没するシーンが伏線だよね。遭難者親子以外にもあの島には動物が多数いた可能性があるし。 -- 名無しさん (2020-03-17 13 48 49) 道具が使える状況ならジャンボガンや熱線銃使えば割とすぐ倒せそうとか言ってはいけない。 -- 名無しさん (2020-04-13 17 01 17) これだけいろんな奴が地球を狙ってるならドラえもんが来なかった方の未来はどうなってるんだか。ジャイ子と結婚した未来でも22世紀が存続してる以上はドラえもんが関わらなくても案外なんとかなってるのかも知れない。 -- 名無しさん (2020-05-02 15 13 22) ↑というかこんな連中に対応するために1、2世紀で科学力があそこまで発展したのかもしれない -- 名無しさん (2020-05-02 21 33 02) ↑だったらドラえもんたちで倒すのはまずいのでは -- 名無しさん (2020-06-22 13 42 09) 天上人は言ってることは一見正しいけど、「正しさのためなら何をやっても許されるのか」という暴走した正義を描いているという点で悪役だと思う。それに対して密猟者は、天上人が自分たちの正当性を証明するために用意した「都合の良い悪役」(交渉材料でしかなかった雲戻しガスのスイッチを押させるというストーリー展開にとっても都合が良い)。地上人視点で見ても悪い奴を持ってきて「だから地上人は悪だ!」と論ずるのは卑怯極まりないのに、主張自体が間違ってるわけではないからドラたち子供は言いくるめられてしまう。でもよく考えたらおかしいよ、本当に正しいのは相手を思いやる心と、それを行動に移す力だよ…とドラたちの今までの行動によってようやく「勝つ」ことができた。 -- 名無しさん (2020-08-15 15 24 27) STAND BY ME ドラえもんの悪役はジャイアン? -- 名無しさん (2021-07-25 08 14 17) ドラコルル長官何度観てもあんた出る作品間違ってるやろと言いたくなる。 -- 名無しさん (2022-02-03 21 58 59) 月面探査記のディアボロもなかなかよかった。あの作品自体、これまでの集大成のごとく、過去作を意識した所が多くあったし、ディアボロのポセイドンのオマージュと思われるな。ドラえもんがディアボロに言い放った「同じ機械として、僕は恥ずかしい!」ってセリフも、同じく海底鬼岩城のエルのオマージュだね。 -- 名無しさん (2022-03-02 11 25 40) 末路が書いてるのと書いてないのあるけどどういう基準? -- 名無しさん (2022-03-02 21 11 16) たまにシャレにならんレベルの強敵がまじってるのが厄介 -- 名無しさん (2022-03-02 21 33 27) 宝島のシルバーだけ明らかに異質な存在だと思う。のび太たち「夢を追いかける子供」に対して「現実に疲れ果てた大人」として描かれていて、考えの違いがぶつかり合うのはすごく印象に残った。 -- 名無しさん (2022-03-29 11 56 58) ↑2 ポセイドン~鉄人兵団は4作連続で、よくドラえもん一行が勝てたなと思う奴らだった。ポセイドンと鉄人兵団に至っては、しずかちゃんがいなかったら人類詰んでた。 -- 名無しさん (2022-04-05 23 33 29) 母星の環境を壊滅させたうえに1000年近くも人々を騙して良いように利用していたって考えるとディアボロのえげつなさがひしひしと感じる -- 名無しさん (2022-04-06 00 31 46) しょうもない妄想でしかないけど、鉄人兵団vsデマオン軍・緑の巨人vsブリザーガ辺りはどうなるのか気になる -- 名無しさん (2022-04-07 09 57 42) ↑大将を倒せないって点では鉄人兵団が不利だけど、生物である悪魔達が無地蔵にやってくる機械の軍団にどこまで持ち堪えれるかで話は変わるだろうな。巨人とブリザーガに関しては流石にブリザーガに軍配が上がるだろうな絶対零度に対して植物は余りにも無力だ -- 名無しさん (2022-04-23 13 18 48) デマオンVSオドロームだと、お互い相手を倒せない泥沼バトルになりそう。あとはフェニキアVSリバイアサンの大怪獣バトルは大迫力だろうな -- 名無しさん (2022-05-13 21 34 52) モンストのコラボでも(新版の)ギガゾンビ以降からこれがクエストボスとして登場するが、ブリザーガ以外は完全に敵専用ボスとなっていてこちら側は入手できないという…何かマズい事情でもあったのだろうか -- 名無しさん (2022-05-13 21 41 53) 緑の巨人伝のシラーは漫画版だと最後まで悪役になっててちょっと悲しかったな。 -- 名無しさん (2022-05-24 19 03 42) 映画初期の悪役ほ記憶に残りやすい。 -- 名無しさん (2022-05-24 19 13 07) 最弱の悪役はやはり鬼五郎かな? -- 名無しさん (2022-05-24 20 56 06) ↑まあ、何の特殊能力もないただの人間だからねぇ 同じ人間でもアブジルやカシムの方が身体能力は高そうだ 逆に最強は、個人的にはやっぱり大魔王デマオンかな 圧倒的・桁違いな魔力、銀のダーツ以外では絶対に倒せない無敵っぷりに加えて、CV若山弦蔵さんの威厳に満ち溢れた声など、まさに魔王の鑑と言えるキャラ おまけに、鉄人兵団を倒した過去改変という反則技すら通用せず、一度はドラたちを全滅させている 妖霊大帝オドロームもそうだけど、科学とは別軸の世界の存在で、倒す方法がたった一つしかないあたりほとんど神に近い 未来の道具も結局は人間が作ったものに過ぎないから、デマオンやオドロームのような人智を超えた存在にはソノウソホントなどの全能系の道具すら通用しないんじゃないかと思う -- 名無しさん (2022-06-10 00 32 56) 国が滅びても淡々と自分の使命を果たそうとするポセイドンに対して星を滅ぼしてまで我欲に走るディアボロって良い対比だなって感じると同時にロボットという存在の扱いの難しさを端的に表してる気がする。 -- 名無しさん (2022-06-27 12 58 50) ↑2 『特定条件を満たさない限り不死身』のアドバンテージはデカいよなぁ。単純火力ならトップクラスと思われるブリザーガ&ディアボロ、公式最強・鉄人兵団、ギガゾンビ、生物に対して極悪仕様のヤドリなどなど……ドラえもんたちはホントよくこんなメンツを敵に回して生き残ってきたものだと感心する。 -- 名無しさん (2022-06-27 13 37 20) ドラコルルとか言う劇場版ヴィランが追加されるたびに株が上がっていく名悪役ほんと好き -- 名無しさん (2022-06-28 16 06 06) 大魔王デマオンとか妖霊大帝オドロームとか世界滅亡(魔法世界)(夢宇宙)がかかってるので割りとシャレにならない。 -- 名無しさん (2022-06-28 18 19 48) ↑3 そう、しかもその特定条件というのがあまりにもスケールがでかすぎて絶望的なんだよね 太古の秘文字で記された記録書を解読し、宇宙へ進出し、無数の星の海から一つの星をピンポイントで見つけ出し、そこに特殊武器を撃ち込むことでしか倒せないとか、何の冗談だと言いたい そもそも銀のダーツや魔界歴程自体が普通ならまず手に入らない代物だし、それらを手に入れて解読できたとしても「赤く脈打つ星」としか書かれていないから、たったそれだけの情報で「デモン座のα星」を特定するのは魔学の第一人者・満月博士でなければ不可能だろうし、そのうえで宇宙に進出できなければ話にならないし、ホントにこんな化け物ありかよって泣き出したくなるレベル ただ、個人的にデマオンは一番好きではあるけど、他の悪役もみんな魅力的なのがドラえもん映画の素晴らしいところだね デマオンやオドロームのような魔王系だけでなく、火力系、物量系、未来系、寄生系、知略系などなど、どの悪役も個性的で甲乙付けがたい -- 名無しさん (2022-06-28 20 37 50) IF対決で個人的にみてみたいのは大魔鏡のブルススvsサベールかな。ブルススは力で押すのに対してサベールは技で対抗しそうだからいいカードになりそう -- 名無しさん (2022-06-29 09 56 44) ↑×4 反対に悪役が追加されればされる程株が落ちていくギルモアとかいう小物。こいつと同格ってダブランダーくらいじゃないか? -- 名無しさん (2022-06-29 21 02 24) 奇跡の島のシャーマンと風使いのストームも大分小物な気がする -- 名無しさん (2022-07-01 12 48 33) ストームはマフーガ倒されてトンズラここうとしたら空気砲一発で撃墜されてあひぃぃぃだったっけか。 小物といえば、ギガゾンビも中身はしょぼい爺さんだったな。 リメイクでは渋めのおっさんにして大物感出そうとしてたけど、原始人相手にイキってるだけの小物であることにはなんら変わりないというwww なんていうか、未来世界の人間は総じて小物臭い奴ばかりな気がする。 -- 名無しさん (2022-07-01 21 24 13) ドラえもんフィルターのおかげでマイルドにはなってるけど、マーベル映画とかにいても違和感無さそうな設定の奴らが何体かいるの本当に草生える -- 名無しさん (2022-07-03 13 47 14) ナポギストラーは見た目と名前の元ネタがアレだが、名君だと思う(元ネタたちも無能ではなかったが -- 名無しさん (2022-07-03 16 16 09) 逆にマーベル映画のヴィラン達をドラバースへと連れて行ったらドラ達がどうやって対峙するのかはちょっと見てみたい -- 名無しさん (2022-07-11 11 12 07) モアとレディナは強敵感がめっちゃあったのに割とあっさり決着がついちゃったのが残念だったからリメイクされることがあるのならそこら辺の補完はして欲しいなって感じる -- 名無しさん (2022-07-13 09 57 49) 未来人組は科学力を除けば普通の人間だし、肉体的にはむしろ現代人以下の可能性が高いからね。 -- 名無しさん (2022-08-26 20 44 56) ログ化を提案します。 -- 名無しさん (2022-08-26 21 45 27) ドラえもんの世界って人類が到底及ばない超高位の存在がたびたび現れるから恐ろしい。思いつくだけでも、神(種をまく者)、大魔王(デマオン)、妖霊大帝(オドローム)、魔竜(マフーガ)、世界樹(緑の巨人)など様々。まあ、種をまく者は敵じゃないし、緑の巨人も敵かというと微妙だけど。あと、宇宙漂流記のユグドの樹も世界樹の部類に入るかな。 -- 名無しさん (2022-08-27 13 23 11) ↑3 科学力と身体能力は反比例するイメージだね。肉体面だけなら、カシムとアブジルは人間では最強クラスかも。この2人、悪党だけどタケコプターの使い方わからなくて吹っ飛んだり、砂漠でむしゃむしゃお肉食べたり、「ワシの命令なら仕方ないか」なんて騙されたり、コミカルな面もあってなんか憎めないんだわwww -- 名無しさん (2022-08-27 14 50 26) モアは単純な力押しの通じない肉体の性質上、歴代の敵でも勝てる奴は限定されるんだよね。下手すると公式最強の鉄人兵団でもトドメがさせないと言う。 -- 名無しさん (2022-08-27 14 58 22) ↑洗脳も使うしかなりの強敵だよなぁ。牛魔王が地味に好きなんだけど、パワーファイターだからスライム体質のモアとは相性最悪だwwwカチンカチンライトが効いたということはエネルギー波とかの間接攻撃が有効なのかな?それにしても、うふふとか言いながらブラックホール送りにするドラえもん鬼畜すぎるwww -- 名無しさん (2022-08-27 16 43 46) ログ化しました -- (名無しさん) 2022-10-08 20 25 38 ↑5肉体面で強い純粋人間なら、宝島のビビガガ夫婦が最強だと思う。出る作品間違えてるレベルでガチに強い -- (名無しさん) 2022-10-08 20 41 45 ギラーミンの扱いは旧作・リメイク共にちょっと残念なことになってて悲しかったわ… もしわさドラが終わることになって万が一2回目のリメイクが作られるのなら今度こそは原作準拠の戦いにして欲しい所 -- (名無しさん) 2023-03-24 15 17 56 理想郷のラスボスは色んな意味でドラえもんらしからぬ異質さが目立つボスだった -- (名無しさん) 2023-04-07 13 13 51 ↑3 宝島観たことなかったから知らなかったけど、調べてみたら確かにそいつらの方が強そうだね。それから、上の方で未来人系は小物臭いって書いちゃったけど、気を悪くした人がいたら申し訳ない。個人的に人外系が好きでついそっち贔屓になってしまったけど、やっぱり未来の技術は侮れないし、自分の推し以外の悪役を悪く言うするような書き方は良くなかったです。(ちなみに、デマオンとかオドロームは好きだけど、前者は原作のギャグっぽいやられ顔とか、後者はすぐイライラして小心者っぽいところとか、ファンから見てももうちょいどうにかして欲しかったところもありますwww) -- (名無しさん) 2023-04-11 00 03 15 恐竜・宇宙開拓史・海底鬼岩城・宇宙小戦争・鉄人兵団・竜の騎士・日本誕生は、最終決戦では実質ドラえもん側が負けてたけど偶然とか予想外の出来事で事態が一気に好転した。F先生は初期のころは子供と正面対決して負けるような敵は描きたくなかったんだと思う。 -- (名無しさん) 2023-05-01 19 32 42 未来の科学者わりと危険なのが多い -- (名無しさん) 2023-06-01 20 28 09 ブリザーガが氷版の巨神兵みたい -- (名無しさん) 2023-07-11 19 32 29 ↑3タイムパトロールをはじめとする大人たちに助けてもらうことも多いし、ドラえもんたちが助けを呼ぶことを目標として動くことも多いんだよね。藤子先生としてはのび太たちはあくまでも普通の小学生で、超人にはしたくなかったんじゃないかな。 -- (名無しさん) 2023-08-22 21 50 44 ↑のび太たちが勇気と努力で勝利を勝ち取る展開が熱いしウケるのは分かるんだけど、子供が戦って勝っちゃうとどうしても「恐ろしい敵」としては格が落ちちゃうんだよね。新日本誕生は良改変って言われてて、私も映画全体では新の方が好きなんだけど、ギガゾンビ単体で見たときはドラえもん達をなすすべなく全滅させた旧作の方が個人的には好き。 -- (名無しさん) 2023-08-22 22 24 06 最新作ラスボスの「理由のない悪意」感が凄まじくて寒気がする -- (名無しさん) 2024-03-18 13 37 28 ヤドリも生態的にかなりやばい存在だな。それこそ単体では最弱クラス(多分、ドラコルル以下)だけど、他者に乗っ取ってしまうという極悪な初見殺し。しかも近くにいる人間に移りかえることも容易。時間が経過して宇宙各地に拡散していたら、根絶は不可能だったんじゃなかろうか? -- (名無しさん) 2024-06-23 07 35 07 ↑7 アニマル惑星も火炎放射する巨大戦車には対処できなかったし、連邦警察の介入がなかったら実質負けてたぞ。本文でいう「最終決戦で敗北一歩手前だったが、偶然や予想外の出来事で逆転する」展開になった最後の作品はアニマル惑星じゃないかな -- (名無しさん) 2024-08-07 17 22 44 未来の科学者に遺伝子操作するのとか歴史改変しようとするのとかでろくでもないのが多すぎる -- (名無しさん) 2024-08-20 17 49 33 子持ちの父でありながら地球滅亡に王手一歩手前まで行きかけたシルバー(宝島)の異質さが凄い。しかも本人は邪悪な考えなんてかけらも持ってないどころか子供達のために起こした行動だったってのが皮肉すぎる -- (名無しさん) 2024-08-23 12 48 20 ↑2未来ってのは人類滅亡しない限り無限にあるからね。ろくでもない奴らも無限にいるよ -- (名無しさん) 2024-08-23 13 10 26
https://w.atwiki.jp/soraguni/pages/42.html
消えた恋人 〜朝〜 シャドウ「ヴーン。。。起きるかぁ ルクベル「おはよー!!!!!!!!!!!!! ドイナチ「朝からうるっさいわ たーきー「ほんまやでルクベル ルクベル「;; プルルルルルルルルルル嗚呼嗚呼アアアアアボコンボコン シャドウ「この電話壊れてやがる ルクベル「近いうちな買い替えないけんな ガチャボボンボゴ⭐︎ ????「あるぷすを誘拐した。返して欲しければ10000000000000000円持って近くの廃倉庫に来い。 ガチャリ ピーピー シャドウ「、、、(ギリッ ルクベル「。。。 たーきー「え、、、 ルクセンブルク「は? アメリカ「おいおい、、、 韓国 北朝鮮「わー シャドウ「許さない。。。 EUと国連「やばいですね、、、 シャドウ「あるぷすを助けに行かないと ルクベル「落ち着けって!シャドウお前最近体やばいんだろ!? シャドウ「あ“。。(吐血) ルクベル「マジでお前さぁ!? シャドウ「イ“げる ルクベル「お前少しやすめ! シャドウ「。。。 ルクベル「。。。行くか シャドウ「、、、能力発動。。アブノーテル 対象 シャドウ ほわわわわん シャドウ「よし。。。これで シャドウ「俺だけでいく。 ルクベル「は!? アメリカ「おいルクベル。あれは普通のシャドウじゃない。まるで本気だ。。。 ルクベル「、、、 廃倉庫にて ???「あるぷすにこの薬を使えば、、、 あるぷす「!? 使った あるぷす「。。。 ???「シャドウを殺せ。 あるぷす「ハイ。 バーン!!! シャドウ「大丈夫か!? あるぷす「ヒュッ(シャドウの頬に切り傷をつける シャドウ「っ シャドウ「一曲行こうじゃねえか 左があるぷす 右がシャドウ 同率 シャドウ「チッ あるぷす「ねぇ、何で僕を傷つけるの?ねぇ? シャドウ「っ… あるぷす「何で?何で僕を傷つけるん? …あ…だか…しい… ルクベル「… アメリカ「ルクベル、お前も言ったほうが、、、 ルクベル「あぁ バーン ルクベル「シャドウ!? そこにいたのは 傷だらけで倒れているシャドウ、その隣には血塗れのあるぷす は? ルクベル「おい、、、 ルクベル「お前、、、何やってるのか分かってんのか!? ルクベル「お前の恋人だろ!? ルクベル「なのに、、、お前、、、 あるぷす「だからって何が悪いん あるぷすの使い魔 ぴぴす「これはやばいなぁ あるぷす「じゃぁ、、、 あるぷす「お前にも死んでもらおうk ガキィン あるぷす「っ アメリカ「お前は正気になれ あるぷす「はぁ? あるぷすの使い魔 ぴぴす「ナイスアメリカ!!! あるぷす「ぐっ ???「あるぷすはもう用済みだよ ???「能力発動 テレポート 海に来た アメリカ「おいおい、、、 そこには胸に銃を突きつけられているあるぷす ???「さようなら あるぷす「(ああ、もう終わるんだ でも、いつまで経っても痛みは来ない 目の前には、、、 ↓これ聴きながらみて下さい シャドウ「ゴフッ あるぷす「シャドウ!? アメリカ「… ルクベル「… たーきー「… ぴぴす「… ルクセンブルク「… ドボン この音と共にシャドウは海に落ちた あるぷす「許さない!! パァン ???「(死亡 あるぷす「〜っ! ドボン あるぷす「死なせないっ シャドウside 、、、 いい人生だったな 時には皆で海に行ったっけ?ルクベルが溺れて、、、w ああ、もう死ぬんだ せない、、 死なせない ↓これ聴きながら見てねぇ〜 シャドウ「? あるぷす「シャドウ、死ぬな! あるぷす「絶対に!死なせない!俺の大事な“恋人”だから!! シャドウ「ははは、、、 シャドウ「何にせよ、、死んでしまうんだ あるぷす「何で、、、 シャドウ「だってお前俺が笑ったこと見たことあるか? 確かにシャドウの目の色がピンクになったことは一度もない。 もしかして本当に。。。 シャドウ「助けるな あるぷす「。。。ムリ シャドウ「なぜ あるぷす「だって、、俺の大事な恋人やし シャドウ「フッ、、、w この時 一瞬だけシャドウの顔が緩んだ。そして、何より ピンク色の目になっていた。 シャドウ「まぁ。。。ここで終わりなんだ あるぷす「… シャドウ「ゴボッ あるぷす「!? シャドウ「(気絶 あるぷす「〜ッ バシャッ あるぷす「はぁ、、、はぁ、、、 アメリカ「oh,,crazy、、、 そこにいたのは、ずぶ濡れのあるぷすとシャドウ、シャドウは気絶?しているようで担がれている 何より、二人とも服が透けt(((((( いやいや、そんなことより 大丈夫なのか!? あるぷす「…^^(ナチスの敬礼のポーズをする) バタッ ピーポーピーポー あるぷす「…はっ!? そこは、誰もいない病室 とりあえず、ナースコールを ピリリリリリ ドタドタドタ アメリカ「大丈夫か?! EU「心配したんですからね!? 国連「良がった 国連「あるぷす共和国が居なくなると世界がヤバくなるので、、、;; あるぷす「そんなことよりシャドウは!? 国連「、、、見に行きますか? あるぷす「おう 車椅子がガラガラとなる そこにあったのは “集中治療室” カードキーが空き、中に見えたのは、 点滴を何本も刺され、まさに瀕死のシャドウだった。 あるぷす「… EU「呼吸が凄く薄くて、、、呼吸器を外すとすぐ死ぬくらい、、、 あるぷす「… あるぷす「助かる確率は。。。? 国連「今の所、50% あるぷす「、、、 シャドウside 何かがある。 神「お前にはこれから選択肢を選んでもらう 死ぬか 生きるか_________ はい。本当にその選択肢で良いのですね? では、、、 バッドエンド 死亡 ↓これ聴きながらみろ ピピピ ピピピ ピーーーーーーーーーーーーーーーーー あるぷす「!?!?!? アメリカ「おいおい、、、、何でだ 医者「午後2時37分 御臨終です。 あるぷす「生まれた時と同じ時間、、、 あるぷす「う“ぁ”ぁ“ぁ”ぁ“ぁ”ぁ“ぁ”ぁ“ぁ”ぁ“あ”ぁ“ぁ”ぁ“ あるぷす「何で、、、何で死んだのさ! あるぷす「あのとき死なないと約束したじゃないか そうだ。あの時シャドウが気絶する瞬間 死なない と指文字で表したのだ。 あるぷす「なのに…何で… アメリカ「シャドウも何か意味があったのか? ルクベル「そっとしとけ、、、 アメリカ「… あるぷす「…何で死んだのさ、、、 あるぷす「今日はシャドウの誕生日だったからプレゼントにこれあげようとしたのに、、、 そう言って取り出したのは “グレーのピアスだった” その時、明らかにシャドウの声が聞こえた シャドウ「ずっと見守っているからね。 あるぷす「〜っ 一週間後 今回の事件で警察は事件の真相を調べているとのことです。 あるぷす「ははは、、、 あるぷす「シャドウのところに行きたい、、、 あるぷす「死のう、、、 ロープを首にかけ、、、 飛んだ。 シャドウ(霊)「、、、!? シャドウ(霊)「守る、、、、、! あるぷす「…? 急に目の前が光った。 シャドウ(神バージョン)「死なせないよ、、、! その時のシャドウの見た目は 神 そのものだった。 あるぷす「… あるぷす「…分かった。 〜5年後〜 あるぷす「シャドウ、、、強く生きるよ。 その時、シャドウは笑った。 本当にその選択肢で良いのですね? ハッピーエンド 生存 〜5年後〜 シャドウside あの〜どうしましょう 夜中におきちゃった まぁ寝るか 〜翌朝〜 あ、誰か来る 寝たふり(~_~;) あるぷす「早く起きてよぉ、、、(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`) アメリカ「… EU「… ルクベル「… ルクセンブルク「… ソ連「…また手合わせしたいぞ、、シャドウ、、、 ナチス「また起きてくれよぉ、、、 シャドウです。そろそろ起きようかと シャドウ「ん”ん“… 頭が痛い あるぷす「!?!?!? アメリカ「あ!? EU「えっ!? ソ連「起きたのか!? ナチス「T^T シャドウ「…お早う、、、皆 皆(➖シャドウ)「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!おきたぁぁぁぁ シャドウ「うるさいって、、、 あるぷす「とりあえず起きた記念で歌わないか?ぴぴす ぴぴす「は。ハヒィ 奥にいる青い女の子はシャドウ 左があるぷす右がぴぴす ↑すんませんようつべ開いてみてくれ シャドウ「もーw 皆「わっはっは 後書き リア主「今回は初めてだから許してね リア主「ちなみに思いついたのは土曜 リア主「シャドウは最近体が変、、、その事はまた作ります リア主「では! おまけ 生まれ変わっても。 この話はバッドエンドの続きです。 神「シャドウ、お前は今まで善良な事をした。 神「生まれ変わらないか? シャドウ「、、、急 神「良いじゃないかw シャドウ「良いけどさぁ? 神「お前にはあるぷすの第二の彼女になってもらう シャドウ「うん ポワーン あるぷす「… 俺はあの事件を忘れない。 最近俺の彼女がいなくなったことを知った女子が俺に告るようになった。 シャドウの生まれ変わり「ねぇあるぷすくん あるぷす「ん?、、、ってえ? その姿はシャドウにそっくりだった。 シャドウの生まれ変わり「付き合ってください!! あるぷす「いいよ シャドウの生まれ変わり「わーい シャドウside 死にたい あるぷす「おーい皐月!行くぞ!! 私の生まれ変わりの名前は皐月翡翠 ドイナチ「待ってよぉぉぉ ドイナチ「死ぬって! あるぷす「奈良着いてこいよ シャドウの生まれ変わり「ねぇ。 あるぷす「へ? シャドウ「覚えてる?