約 592,798 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3277.html
※○ちゃん「ぱられるぱられる、もうどうにでもなれ〜」 ※「僕はこうして〜」シリーズの無断クロスです。レイパーさん、ごべんなさい ※いじめは、うん・・・すまない、特にないんだ。正直作者の自己満足の境地です ※登場人物紹介とかはあとがきの後に記載しています 「おねーさん!すいか、ゆっくりにんげんさんにあいたいよ!」 きっかけは我が家で飼っている珍種ゆっくり、ゆっくりすいかのそんな一言。 ゆっくり人間とはすいか曰く、人間とゆっくりの間に生まれたナマモノで外見は人間と変わらないらしい。 が、身体の成分が一部ゆっくりのそれに類似しており、またゆっくりにエライ勢いで好かれるそうだ。 すいかはこんな馬鹿げた都市伝説をどこからか、恐らくテレビ辺りで仕入れ、なおかつその実在を見事に信じきっているらしい。 そんな生物学者がまた何人か発狂しそうなナマモノがいるはずも無いと言うのに、連日連夜会いたい会いたいと喚き続けるすいか。 私はずっと「居ないものとは会えない」の一点張りで押し通してきたのだが、結局彼女の執念に負けしてしまった。 「そんないきさつでれいむたちはゆっくりにんげんさんをさがしにおでかけをしているんだよ!」 「きょうはどんなゆっくりしたことがおきるのかな?!」 「ゆっくりにんげんさん・・・ゆっくりにんげんさん・・・ゆっくりしていってね!」 「アンタら、誰にナレーションしてる?」 左右の肩にれいむとまりさ、頭上にすいかという傍目には私こそゆっくり人間だろうと言わざる得ないような出で立ち。 それ以外はジーンズ、Tシャツ、白のコート、メガネと至ってシンプルなのだが人の顔の周りで騒ぐこいつらのせいで道行く人々の注目を意味も無く集めていた。 これが私の美貌のなせる業・・・であればどれだけ優越感に浸れただろうか。 しかし、現実というのは残酷なもの。 他の女性を圧倒しているものは胸くらいの私にそこまでの魅力はなく、行き交う人々の視線は私の顔の周りでゆんゆん歌っているゆっくり達に向けられている。 地元ならまだしも、見ず知らずの土地へ向かう電車の中では「何、あのゆっくり馬鹿」と言わんばかりの好奇の眼差しが少し痛かった。 「ということで、れいむたちはゆっくりにんげんさんのまちについたよ!」 「ゆっくりにんげんさんはみつかるかな?!」 「ゆっくりにんげんさん・・・すいかといっしょにゆっくりしようね〜〜〜〜〜!!!」 目的の駅に到着した時、また誰かに向けてナレーションをし始める我が家のゆっくりども。 近くに座っていた中学生のグループがクスクスと笑うのを一瞥し、電車を降りると、階段を駆け下りて、改札を後にする。 余談だが、すいかのおかげで無料で乗車できた。理由は言わずもがな。 この無意味にピンポイントなサービスは一体誰が得をするんだろうか・・・心の中でそう突っ込んだ直後に、自分が得をしていることに気付いた。 ゆっくり人間を探して訪れた街は一見すると何の変哲もない普通の街だった。 強いて特徴を挙げるとすればゆっくりが比較的浸透していて、飼いゆっくりや野良ゆっくりが平然と人々の隙間を縫うようにして通りを行き来しているくらい。 そのあまりの平凡さを訝しく思ったれいむは「ほんとうにここにいるの?」と首をかしげていたが、私がこの街を訪れたのには理由があった。 「ねえ、おねーさん?」 「んあ?」 「ほんとうにゆっくりにんげんさんはここにいるの?ゆっくりしたふつうのまちだよ?」 「ああ、多分ね」 この街にゆっくり人間がいると思った理由は至って単純。 私が勤めているゆっくりショップのバイト仲間にゆっくり人間について尋ねてみたところ、この街の名前が挙がったからである。 彼が適当なことを言っていたり、間違っている可能性もあるのだが、話を聞いた後に調べてみたらこの街には“ミスターゆんちぇいん”がいることが判明した。 「みすたーゆんちぇんってなあに?」 そう言って首をかしげたのはまりさ。 すいかもれいむも言葉の意味が理解できずに首をかしげている。 そんな訳で、私は彼女らに、私自身最近知ったその言葉の意味を説明してやった。 「ミスターゆんちぇいんって言うのは・・・ゆっくり関係で凄すぎる記録を残したせいでゆっくりカンパニーの人工衛星で常時監視されている人のことだよ」 もっとも、一介のアルバイトに過ぎない私では流石にその監視衛星の映像を見ることは出来ないし、眉唾もいいところではあるが。 「ゆゆっ!じゃあ、ゆんちぇいんさんはすごくゆっくりしてるんだね!れいむゆんちぇいんさんにあいたいよ!」 「まりさも!まりさも!」 ついでに彼らが時速5km以上で移動するとバッジに取り付けられた迷子防止用のGPSの座標が70mずれることも付け加えておいた。 すると、まだ何が凄いのかは一言も言っていないのにれいむ達は何か凄そうな人がいると聞いて大はしゃぎ。 そんな3匹の様子を見て、何が凄いのかを教えてあげた。 「ちなみにここのゆんちぇいんはゆっくりレイプギネス記録保持者ね」 「「「ゆげぇ!」」」 それじゃゆっくり出来ないよと言わんばかりの表情になった3匹は「かえろうよー!」などと言い出した。 が、「ゆっくり人間を探すんだろう?」の一言ですいかが立ち直り、れいむとまりさも巻き添えを食う格好ゆっくり人間捜索に参加させられる。 「にんげんさんのすっきりごわいよおおおお!」と泣き喚くれいむとまりさはなかなかに可愛かった。 そんなつまらないやり取りから数時間後。 何故か観光スポット巡りに興じてしまった私たちはゆっくり人間のことをすっかり失念していた。 気がつけば陽が沈み、弁当を買って立ち寄った公園には殆ど人影が見当たらない。 そんな静寂の中、ようやく見つけた私以外の人間は・・・ 「・・・・・・うへぇ」 「おねーさん!ここはゆっくりできないよ!」 「ゆっくりしないでにげようね!」 長身の、ガタイの良い黒人の男性だった。 勿論、それだけならば驚くほどのことでもない。 問題は彼の、一糸纏わぬ生まれたままの姿にあった。 変態?危険人物?・・・普通に考えたら貞操の危機を感じるべきところなのだろう。 が・・・・・・ 「オー、ヤッパリタマニハゲンテンニカエッテオーソドックモイイモノデス」 「やべでえええええ!でいぶずっぎぢぢだぐないいいいいい!?」 「HAHAHAHAHA!」 その黒人男性はどうやらHENTAIお兄さん、もしくはゆっくりレイパーらしい。 HENTAIお兄さん・・・ゆっくりを性の捌け口にする異常性癖の持ち主の総称である。 流石に飼いゆっくりに手を出すようなことは稀だが、野良ゆっくりにとっては虐待愛好家に次ぐ脅威。 勿論、現物を、そして現場を目撃するのは私も初めてのことだった。 「・・・・・・そういえば」 流石にこの光景を平然と直視することは出来ないが、相手がゆっくりならとやかく言う事もないだろう。 そう思った私は、店の先輩から聞いた「レイパー同士は惹かれあう」という言葉を信じて彼にギネス記録保持者の居場所を聞くことにした。 彼がゆっくりれいむを犯している茂みから少し離れたベンチに腰掛け、そこにれいむとまりさとすいかを下ろす。 「ゆゆっ、にんげんさんまたきたの!まりさのはにーをいじめないでね!?」 「「「やめちぇね!ゆっくちできにゃいよ!」」」 「ワオ、マリサニコドモタチモヤッテキマシタ」 「ゆぎぃ!?やめてね!にんげんさんのすっきりはこわいよ!ゆっくりできないよ!」 どうやらつがいを助けに来たまりさやその子ども達を相手に第2ラウンドに突入したらしい。 流石にあれだけの数を相手するとなると長くなりそうなので、彼らの嬌声や悲鳴をBGMにして弁当を広げる。 我が家のれいむ達が「ゆっくりできないいいい!」と喚くのをでこピンで黙らせ、昼ごはんを食べ忘れたため8時間ぶりになる食事にありついた。 「むーしゃむーしゃ・・・幸せ〜」 「ず、ずっぎぢー!」 「もっちょ・・・ゆっくちちたかっちゃよ・・・」 「フゥ・・・スッキリー」 私が鮭弁当のチープな美味さを満喫し終えた時、ちょうど男性もゆっくりを満喫し終えた。 傍らでは我が家のゆっくり達が同胞を助けてあげられなかったことを悔やんで「ごべんねぇ!」と謝り続けていた。 いや、あの手つきと技術を見る限り殺さないように加減してるよ・・・そうフォローしようとした時、レイパーの男性が、ちゃんと服を着て茂みから姿を現した。 「イヤァ、オミグルシイモノヲ」 「ん、ああ・・・お構いなく。こちらこそ、お楽しみの邪魔をして申し訳ない」 ファミレスの椅子に腰掛けたままの私とドリンクバーの安物のコーヒー越しに視線が合った男性は頭をかきながら照れ笑いを浮かべている。 レイパーとは言え性癖以外は他の人と変わらないわけで、黒い肌とは対照的な白い歯を輝かせている彼はなかなかの好青年のように思えた。 彼に会釈しながら、れいむとまりさとすいかを抱きかかえて立ち上がり、必要も無いのに軽く自己紹介を済ませた。 「ボブさん、だったっけ?」 「ハイ、ナンデショウ?」 「あれ、趣味なの?」 「イエス、ワタシユックリダイスキデス!」 「ゆゆっ!だったらひどいことしないでね!ゆっくりできないよ!」 「そうだよ!ゆっくりさせてあげてね!」 満面の笑みを浮かべてサムズアップするボブに対して怒り心頭のれいむ達。 しかし、ファミレスで騒ぐと迷惑になるし、それに大声で話すようなことでもないので頭をはたいて黙らせた。 その後も3匹は頬を膨らませて抗議していたが、大声で叫ぶようなことはなかった。 「シツケガジョウズデスネ」 「特別なことをしているつもりはないんだけどね」 「ソレニシンライサレテイマス」 「全く嬉しくないけどね」 「ナニヨリスゴクカワイイ」 「1回50ドルで貸してあげても良いけどね」 そんな具合で、すぐにボブと打ち解けた私は早速彼にゆっくり人間について尋ねてみる。 しかし、帰って来た言葉は「ウワサクライハシッテイル」という非常に曖昧なものだった。 その回答に目に見えて落胆するすいかの頭を撫でながら、私はもう一つの質問をぶつけてみた。 「じゃあ、ここら辺で一番実力のあるゆっくりレイパーって知ってる?」 「レイパーハプライバシーヲマモリマス」 「・・・そりゃそうか」 多少親しくなったとは言え所詮は見ず知らずの相手。 もしかしたらレイパー撲滅を狙う組織の人間かもしれないし、そうでなくても金目当てで情報を売る可能性だってある。 最近もどこかでゆっくりレイパーの会合をアンチレイプの組織が襲撃しようとしたなんて話を聞いた気がする。 いや、そもそも世間に公表できるような性癖でないのだから、容易に口外できるものではないのだ。 「仕方ないか・・・今日は安いカプセルホテルにでも泊まって、明日また探そう」 本日の捜索を諦め、ボブに適当なホテルの場所を教えてもらった私は、会計の全てを彼に託してそそくさとファミレスを後にした。 『地球がゆっくりする日』や『Yull E』の話題で盛り上がった手前、少し気が引けたがホテル代を捻出するためだから仕方ない。 結局ゆっくり人間は見つからなかったが、ボブに遭遇したことで色んな情報を得ることが出来た。 彼の日本語の習得状況を鑑みるに、来日して何年も経っているようには思えない。 にもかかわらず、近くのファミレスやカプセルホテルの場所を知っていた。 それにあの公園でレイプされていたまりさは「にんげんさんまたきたの!まりさのはにーをいじめないでね!?」と言っていた。 つまり、あそこの公園のゆっくりは頻繁に人間からの干渉を受けていると考えられる。 確証はないが、明日はあの公園に張り込むのが最善策だろう。 翌朝、まだ陽も出ていない時間から私とれいむ、まりさ、すいかは例の公園での張り込みを開始。 懐中電灯片手に公園の中を散策すると、いとも簡単に野良ゆっくりの巣をいくつも見つけることが出来た。 まだ人間の姿は見当たらないが、そこには朝ごはんと称して人間の捨てたごみを集めて回るゆっくり達の姿があった。 余談ではあるが、その中に昨日レイプされたれいむ一家の姿もあった。予想通り、全員健在のまま。 「もうすぐにんげんさんのくるじかんだよ!」 「ゆっくりおうちにかえるよ!」 「「そろーり、そろーり・・・!」」 散らかしたゴミが巣まで一列に並んでいるのだが、どうやら彼女達はそのことに気付いていなかった。 あるものは子ども達を引率してゴミ置き場で拾った生ゴミを溜めて帰り、またある赤まりさはお菓子の袋を持って帰っていった。 そんな光景を尻目に私たちも彼女達と同じように適当な茂みに身を隠して、人間が来るのをじっと待つことにした。 「ぱちゅりーは本当に馬鹿ね」 「んぶぅ〜!」 「むきゅ〜、も言えないなんて伝説的だわ」 「ん〜、んん〜!?」 数分後、割りと珍しい胴付きぱちゅりぃを連れた少女が公園に姿を現した。 一見すると勝気そうで、なおかつ真面目そうな少女とお馬鹿で有名なぱちゅりぃというのは違和感を覚える組み合わせである。 しかし、よくよく見てみるとぱちゅりぃは猿轡と首輪を装備済み。 ああ、あの子もそっちの世界の住人なのか・・・と納得しながら、彼女を観察し続ける。 「さあ、ぱちゅりぃ。ゆっくりを連れてきなさい」 「んぶぅ〜・・・」 ぱちゅりぃはきょろきょろと辺りを見回し、においを嗅ぐような仕草をしながらふらふらと歩き始めた。 一方、少女は首輪のリードを握ったままぱちゅりぃの後を追いかける。 そして、必死の形相でゆっくりを探し回っていたぱちゅりぃがようやく見つけたゆっくりは・・・ 「んぶぅぅぅぅぅぅううぅぅぅ!!」 「ぱちゅりぃをゆっくりさせてあげてね!」 「ぱちゅりぃをゆっくりさせてくれないおねえさんがきらいだよ!ぷんぷん!」 「すいかおこるよ!ぷくぅぅぅうううう!」 「う゛・・・」 私と一緒に茂みに隠れていた我が家のゆっくりども。 目が合ったときの彼女のばつの悪そうな表情はなんとなく可愛らしかった。 「ふぅん・・・で、たまにここに来てゆっくりを虐待しているわけね」 「・・・はい」 ベンチに腰掛け、ホットコーヒーで暖を取る私と少女。 彼女はまるでポエムを書き溜めたノートを拾ってくれたが、不可抗力で中身を見てしまった親切な人を前にしたときのような表情を浮かべている。 これが知人であればしこたまからかってやるところなのだが、流石に見ず知らずの少女相手にそんなことはしない・・・はず。 せいぜい必死に弁明する彼女の表情をにやにやと笑いながら眺めつつ、私の膝の上でいまだに膨れているれいむ達の頭を撫でる程度。 「ゆっくりできないいいわけはやめてね!」 「そうだよ!ぱちゅりぃをゆっくりさせてあげてね!」 「そうだよ!ぷんぷん!」 我が家のゆっくりどもは同族の虐待風景なんか目の当たりにして黙っていられるような連中ではない。 こっぱずかしそうにしている彼女に向かってもっともな文句を口にする。 が、流石に早朝のまだ辺りも暗い時間に大声で喚かれては近所迷惑もいいところ。 「だからアンタら五月蝿いよ。頭を少しかじってやろうか?」 「「「ゆっ・・・!」」」 「・・・・・・愛でお姉さん、じゃないんですか?」 「じゃないんです、断じて」 できるだけ柔和に微笑みながら、言われたとおりに膝の上で黙っているれいむの額にでこピンをお見舞いする。 「なんだぁ・・・だったら、必死になって言い訳する必要なんてなかったのね・・・」 「Exactly」 ついでにもう一発、今度はまりさにでこピンをお見舞いするのを見た彼女は盛大にため息を吐いた。 「そもそも・・・仮に私が愛でお姉さんでも首輪や猿轡くらいは飼い主としての責任の範囲内だから責める理由がないし」 「・・・え?」 「それにまだ虐待らしい虐待の現場は目撃していなかったわけよ」 「それじゃ・・・」 ようやく状況を把握したらしく、赤くなった顔を両手で隠す少女。 そして、にんまりと意地の悪い笑みを浮かべつつ、彼女の肩を優しく叩く私。 「そ、完全に、一部の隙もなく、貴女の自滅」 耳まで真っ赤になるのが手に取るように把握できた。 「と、まあ、そんなことは置いといて・・・」 「・・・・・・・・・・・・」 指の隙間から見えるジト目に篭った殺気を感じた私は意地の悪い笑顔はそのままに話題を強引に切り替えた。 すると、彼女も顔を覆っていた手を膝の上に戻し、いつの間にか温くなってしまった缶コーヒーのプルトップに指をかける。 ようやく陽が昇り始め、徐々に明るくなってきた公園にぱちんっ!という軽快な音が響き渡った。 「一つ聞きたいことがあるんだけどいいかな?」 「なんですか?」 「ゆっくり人間って知ってる?」 その言葉を聞くや否や露骨に怪訝な表情になる少女。 私だってそんな質問されたら同じような顔をしただろうからその気持ちはよく分かる。 というか、私だってすいかの与太話でその存在を知っただけだから半信半疑だ。 「そんなの訳の分からないもの知りません」 「だよねぇ・・・」 私は彼女の言葉に首肯した。 続いてレイパーに関する質問もしようかと考えたが、流石にカタギにする質問じゃないのでやめた。 立ち上がり、リードを握られたままのぱちゅりぃを指差す。 「こんなの人目にさらすのも体裁が悪いから、そろそろお開きしようか?」 そんなこんなで、挨拶もそこそこに彼女と別れた。 「いや、そんな都市伝説聞いたこともないよ」 「ゆっくりにんげんさん?れみりゃのことなのぜ?」 「強いて言うなら君が一番そんな感じだよ」 「ち〜んっぽ!びっくまらぺにすっ!」 「JAOOOOO!JAO!JAO!JAOOOOOOOON!」 「そんなことよりれいむのおうたをきいていってね!」 少女と別れた私たちは、公園に住むゆっくりや散歩中の人達にしらみつぶしに話しかけてみるが全く成果が得られない。 ゆっくり人間の事を訊けば怪訝な顔をされるし、ギネスレイパーのことを訊いても人間なら顔をしかめ、ゆっくりなら怯えるばかり。 代わりに得た情報と言えば以前この公園のゆっくり達を二分していた対立と、両勢力の共通の敵となることでその対立を鎮めたレイパーのこと。 そして、人間に虐められているのを助けてくれたゆっくりふらんを連れたとてもゆっくり出来るゆっくりのこと。 もしくは時々この公園に出没するゆっくりふらんを連れた少年のこと。 「う〜ん・・・やっぱり情報が集まらないな・・・」 「れいむ、もうつかれたよぉ〜」 「まりさもだよ〜・・・」 「ゆゆっ!でも、ゆっくりにんげんさんはこのまちにいるんだよ!」 元々半信半疑だった私とどうしてもゆっくり人間に会いたいわけではないれいむとまりさは半ば諦めモード。 対して、どうしてもゆっくり人間に会いたいすいかは私の頭の上から檄を飛ばす。 が、疲れていることもあって私やれいむ達の反応は鈍い。 「きっとアンタの妄想だよ・・・」 「れいむ、なんだかねむいよ・・・」 「まりさも・・・」 朝から歩き詰めでいい加減飽きてきた私はれいむ達と一緒にうつらうつらと舟を漕ぎ始める。 そんな私を起こすためにすいかは膝の上に飛び降り、お腹に何度も体当たりを仕掛けてくるが、何故か余計に眠くなってきた。 そうして、れいむとまりさが本格的に眠ってしまったその時・・・ 「どうも・・・清く正しく、きめぇ丸です」 「んあ?」 風と共に、どこからともなく姿を現したのはスレンダーなボディの上に乗っかった下膨れの顔をニヒルに歪めた鬱陶しい饅獣。 きめぇ丸・・・かなり貴重なゆっくりの一種で、胴無しのものは知人が飼っているので何度か見たことがあるが、胴体付きを見るのはこれが初めて。 睡魔と戦っていたこともあって、私は彼女がゆっくりであることを理解するのに3秒程度の時間を要した。 「あなた達ですか、ゆっくり人間を探していると言うのは?」 「ん、まあ・・・一応」 「ゆっくり人間は見つかりましたか?」 きめぇ丸はニヒルな笑顔を一層ニヒルに歪める。 「いや、ヒントすらもつかめない状況」 「そうですか」 私の返答と、今までの聞き込みで得た情報を聞いた彼女はブンブンと高速で首を振った。 そのあまりのゆっくり出来なさ加減にすいかがすっごい表情で怯えているが、まあ気にすることでもないだろう。 「で、アンタは何のために話しかけてきたの?」 「みょんやめーりんと話せる人間が居ると聞いたので、少し興味が湧きまして。本当なのですか?」 「あー・・・本当だよ。なんか知らんけど言葉が分かる」 「おお、すごいすごい」 またしても高速シェイクするきめぇ丸。 少々鬱陶しいが、何らかの悪意があって話しかけてきたわけでもなさそうなので我慢する。 「ところで・・・」 「んあ?」 「ヒントすら掴めていないと言いましたが多分それは間違いです」 そう言って彼女は自信満々に微笑んでみせる。 パッと見、先ほどと変わらぬニヒルスマイルだがその笑顔に宿る感情が微妙に違うのに気付いた。 「あなたがいくら特殊なゆっくりと話せたところで人間以外の何者でもありません」 「そりゃそうだ」 「だから私の目にも人間の目にもあなたがゆっくりとして映ることはないでしょう」 「当たり前・・・あれ?」 ここまで言われてようやく、私は彼女の言葉の意図を理解した。 みょんやめーりんと会話できたところで私は人間だから誰の目にも人間としてしか映らない。 どんなに知能が高くてもきめぇ丸はよほど寝ぼけていない限りは人間と見間違えることはない。 なら、ゆっくりと人間のハーフなるものが居たらそれはどのように映るのだろうか? 「ああ、そうか・・・」 相変わらずニヒルな下膨れ顔を左右に振るきめぇ丸から視線を外し、俯いて考える。 もし、ゆっくり人間が人間の目には人間として、ゆっくりの目にはゆっくりとして映るのであれば、私たちは既に大きなヒントを得ている。 勿論、どちらの目にも同じように映る可能性はあるが、そうなってしまうと肉眼に頼る手段では判別不可能だから私たちにはお手上げだ。 「ふらんを連れたゆっくり・・・か」 もし、ふらんを連れたゆっくりがれいむ、まりさ、ぱちゅりー、ありすなどのメジャーな種族であれば彼女達は必ず種族名も教えてくれるはず。 ましてや、ふらんを連れているのにゆっくりしているというのはどこかおかしいように思えた。 その上、ゆっくりふらん自体が既に貴重な種族で、めったにお目にかかれるようなゆっくりではないのだ。 「なのに、この公園にはふらんを伴う人(orゆっくり)が二人もいる・・・」 きめぇ丸のもったいぶった言葉に意味があるならば、この両者は同一人物なのではないだろうか? からかわれている可能性もあるが、他に頼りに出来る情報がない以上、信じるしかあるまい。 なら、私たちがすべきことは一つ。 「ふらんと飼い主を、それも私の目には人間に見えて、すいか達の目にはゆっくりに見える人を探せばい・・・あれ?」 すべきことを理解した私が顔を上げた時、きめぇ丸もとい敬意を表してきめ子さんと呼ばせていただこう、の姿はなくなっていた。 それからはとんとん拍子で事態が進んでいった。 ふらんの飼い主が地元の中学生だか高校生だかの少年であることが判明し、すぐにその少年の学校も割り出すことが出来た。 「むにゃ・・・そんなわけで、れいむたちはぎわくのゆっくりゆっくりふらんがおさんぽしているのをみつけたよ!」 「ふにゃ・・・これでゆっくりにんげんさんにあえるかな?」 「ゆっくりにんげんさん・・・すいかといっしょにゆっくりしようね!」 と、れいむ達の説明の通り、現在私たちは通りで見かけたゆっくりふらんを尾行していた。 念のため買っておいたサングラスを装着し(もちろんれいむ達も)、電柱の影から彼女を見守る。 「・・・・・・あのー?」 「ゆゆっ!いまとりこみちゅうだよ!」 「ゆっくりあとにしてね!」 若い男の声を聞き流しつつ、私たちはふらん監視を続行する。 「・・・いや、取り込み中じゃないだろ」 「もう、おにーさん、れいむたちとりこみ・・・ゆゆっ!!?」 「どうしたのれい・・・ゆゆゆゆっ!!!」 「んあ?どうした?」 振り返ると、そこにいたのは地元の学生と思しき少年。 一見するとこれと言って変わったところはないのだが、彼の姿を見たれいむ達は目をハートマークにして見惚れている。 確かにパッと見はごく普通の少年なのだが、どこか違和感を覚える。そして・・・ 「「すごくゆっくりしたおにーさんだよ!」」 れいむ達の発したその一言で、彼こそ探していたゆっくり人間であることを理解した。 同時に、彼の訝しげな視線を見て、自分がかなり不審であることを把握した。 もしかしたら「ゆっくりフェロモンで一儲けしようとした企業が、彼を拉致って精液を搾り取ろうと送り込んできた刺客」だなんて誤解をされているかも知れない。 何故か知らないがそんな懸念を抱いた私は彼の警戒心を解く為に、出来るだけにこやかな笑みを浮かべて挨拶をした。 「こ・・・こんばんは、ゆっくりしていってね」 ‐‐‐あとがき‐‐‐ 確かな文章力と優れた構成力に裏打ちされたレイパー氏の作品の中でもこの作品は特に魅力的だと思うんですよ その理由を考えてみると、この世界の人たちって日常を何となく想像できてしまうくらい存在感があるからじゃないかと 猫被って?瀟洒に振舞っている委員長とか、HENTAI要素を隠しきれていないボブとか もっとも、想像は出来たところで、真偽を知る術はレイパー氏に聞くしかないわけだし、あらゆる面で氏にかなわない以上、レイプになってしまうのは否めないわけですが ほんと、レイパーさん、ごべんなさい byゆっくりボールマン 【登場人物紹介】 お姉さん 初登場は『ゆっくりいじめ系749 現代ゆっくり』 ノリと勢いでゆっくりを10匹も飼う事になってしまった一人暮らしの女子大生 恐るべき酒豪で、お胸がドス級。ゆっくりに対してはかなりハイスペック みょん語等を解し、天性の飼育上手で、好かれ易いが生物学的には平凡な人間 口も性格もあまり良くないし、わりと容赦しないタイプなのに何故か懐かれる れいむ&まりさ 初登場は『ゆっくりいじめ系749 現代ゆっくり』 今作ではいらない子。若干頭が良い程度の平凡なゆっくりで六児の親 ただし、れいむはゆっくりながらもインターネッツを使いこなせたりする すいか 初登場は『ゆっくりすいか系いじめ1 ゆっくりすいか』 角にお酒が詰まっている。空気を吸い込むと半端なく膨らむ(曰くみっしんぐぱわー) かなりのテレビっ子で、ワイドショーやくだらない都市伝説が大好き みすたーゆんちぇいん 初登場は『その他 僕はこうして生まれました』 会社員。課長クラス。ゆめぇ丸を妊娠させた経験がある ゆっくりレイプに関しては右に出るものがいないが、世間的には真人間で通っている ボブ 初登場は『ゆっくりいじめ系1632 ボブはこうして出会いました』 スラム育ちの巨漢の黒人男性。ゆっくりが大好物(二つの意味で)の変態 注:日本において単独でレイプを行うかどうかは微妙なところです 少女 初登場は『ゆっくりいじめ系1682 僕はこうして出会いました』 学校では成績はトップ、真面目で明るく、誰の相談にも乗る優しい素敵な委員長 しかし、優等生にも色々あるらしく、ゆっくりに八つ当たりすることがあるとかないとか 注:ぱちゅりぃに対する虐待?は『僕はこうして出会いました』の記述と矛盾します ぱちゅりぃ 初登場は『その他 僕はこうして生まれました』 胴体付きのゆっくりぱちゅりー。この種族の例に漏れずお馬鹿である 一時はみすたーゆんちぇいんの愛人だったこともあるが、現在は少女のペット きめぇ丸 初登場は『その他 僕はこうして生まれました』 人間との間に子どもをもうけた前代未聞のゆっくり。彼女もまたド変態 注:考えてみりゃ彼女がお姉さんに助言する動機は微塵もありません ゆっくりふらん 初登場は『その他 僕はこうして生まれました』 ゆっくり人間のペットと誤解されているが、実際にはゆっくり人間の恋ゆっくり 注:レイパー氏の作品世界においてゆっくりが単独で散歩するかどうかはわかりません ゆっくり人間 初登場は『その他 僕はこうして生まれました』 学生。思春期まっさかりの少年。実はゆっくりと人間のハーフだったりする ゆっくりに対してはかなりハイスペックな性能を有する
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1470.html
森から山から大量のゆっくり達をトラックに積める。 「おじさん!!どこにいくの!?」 「ここはくらいよ!!あくるくしてよ!!」 「まりさたちをゆっくりだしてね!!!」 トラックからはゆっくりたちの声が耐えない。 本当、近所迷惑この上無い。 俺はゆっくりを無視しトラックを走らせた。 「お、来たか」 暫くしてゆっくりを乗せたトラックは馬鹿でかい、しかし人通りは無いホテルに到着した。 「随分と早かったじゃないか。3時間も前だぞ?」 その男は随分と驚いていたようだ。 「ええ、準備の時間等を考えるとこのくらいが良いかと・・・悪いことをしたでしょうか・・・」 「いやむしろ好都合だよ。礼としてとっておきたまえ」 俺は封筒を渡される。中には随分と入っているようだ。 「あの・・・申し訳ありませんが、これはお返しします」 「何?」 「その代わり、私もこのイベント、ご一緒してもいいでしょうか?」 男はくすりと笑い、 「構わんよ。しかしその服装ではなんだ、ちゃんとした服を用意してあげるから来なさい、ゆっくり達は部下に運ばせよう」 「あ・・・ありがとうございます!」 俺はトラックから自分の荷物を下ろすと男についていった。 「遅くなりました、着慣れない服だったので・・・」 「ん、大丈夫だ、まだ開催まで時間はある。ゆっくりしていくといい」 見ると舞台の準備は既に終わっているようだ。周りの席にはいかにも富豪な御方がワイン片手に悠々としている。 「しかし・・・いいんですか。俺みたいなのが特等席だなんて・・・」 男はふふっと笑い、 「いや、君みたいなのだからこそ、だ。君はこの方々とはきっと話が合わないだろう、私なりの配慮だ」 「はぁ・・・ありがとうございます」 男なりの配慮。 確かに富豪の人と俺の生活はかけ離れているだろうし、会話の内容もかみ合わないに決まってる。 俺は素直に男の配慮が嬉しかった。 「よし、ではそろそろ始めようか・・・」 そう言うと男は立ち上がり、マイクを手に取る。 「えー皆様、本日は貴重な時間を割いて本会場へ御来場いただき、誠にありがとうございます。」 周りの人々は軽く会釈する。どうやらこの男、相当上の立場の人間のようだ。その後も暫く男の挨拶は続く。 「では、これよりゆっくり競馬を始めます」 その宣言を合図に俺の下の階、1階ホールの上に設けられた大きい台の上にゆっくりが投下されていく。 「ゆゆ!!?やっとあかるくなったよ!!!」 「ゆ!!!?おじさん、おばさんたちだぁれ?ゆっくりできる?」 「ここひろーい!!ここをれいむたちのおうちにしようよ!!」 「そうするー!ここならゆっくりできるね!!」 一気に会場が騒がしくなる。俺は顔をしかめるが、他の人は平然としている。前々から行っているためもう平気なのだろうか。 「えー、まずは聞けゆっくり達。お前達には今から少しお遊びをしてもらう。」 男がそう言うとゆっくり達は更にさわがしくなる。 「ゆ!?いまからあそぶの?」 「ゆっくりあそぼうね!!」 男は騒々しいゆっくりたちの声を軽く流して説明に入った。 「いいかよく聞けゆっくり達よ。今からお前達に向こうの台まで渡ってもらう。奥のゴールまで辿り着けば美味しいお菓子をやろう」 ゆっくり達の前には板があった。板といってもそれなりの強度はあるようだが。 「ゆゆぅ!!?おかし!まりさおかしたべたい!」 「れいむたちもたべたい!おじさんゆっくりたべさせてね!」 「ゅー♪」 ゆっくり達はお菓子という単語を聞いた途端全員が満面の笑みでこちらを見てきた。 目の前にある恐怖を知りもせずに。 「ほう、元気なゆっくり達だな。この板は1匹ずつしか渡れないくらいしか幅が無い。慎重にいくことだな。」 「「おかしおかしー♪」」 中の二匹は威勢よく橋を渡っていく。 「ゆ!?ずるいよ!おかしをひとりじめしようとしてもだめだからね!!」 それに伴い4,5匹も橋を渡る。 更にそれに伴って全てのゆっくりが橋をわたりそうだが、その前に事は起こった。 「ゅ”っ!!?」 先頭のゆっくりまりさが板から転落する。 「ゆぅっ!!?まりさ・・・!?」 その板から下までは20m。人間が落ちても打ち所が悪ければ重傷を負う可能性もある高さだ。 当然、饅頭であるゆっくりが落ちた先に待っている運命は――― ベチョッ 「まりざぁああぁああ!!!」 潰れるしかない。人間のように「打ち所が良ければ助かる」なんてことはない。ゆっくりは全てが急所なのだ。 そして潰れたまりさを見て他のゆっくりも泣き喚く。 「まりざあぁぁああ”あ”あ”!!!しんぢゃいやあぁあああ!!」 「なんでおぢだのぉおおぉおおぉぉぉ!!!!」 しかしその中の一匹が違う言葉で泣き喚いた。 「あんな”ふう”になりだぐない!!ここからもどるよ!!!!」 板に乗ってしまっていたゆっくりだった。一度渡った板からさっきまでいた所に戻ると言い出したのだ。 「ゆゆっ!!そうだね!おちなきゃいいんだもんね!!!!」 他の板を渡ったゆっくりも賛同して引き返そうとする。 しかし、ゆっくりは人間のように二本足があるわけではない。 ゆっくりの方向転換は最低でも自分の体のもう一つ分くらいのスペースが横に無いと成し得ない。 それを考えずに方向転換しようとしたゆっくりは、 「ゅっ!!!」 落下。 1匹を残して板を渡った他のゆっくりは、全て落下してしまった。 「どおじでもどれn」 「どおじでおぢd」 悲鳴は途中でかき消される。全て言う前に落ちて潰れてしまった。 「うひゃー、すごいですねこれ。やっぱりゆっくりって馬鹿ですね」 俺はこれほど愉快なことは無かった。 前々からゆっくりは気に入らない所があったし。 「なぁに、こんなのは序の口。これから更に面白くなるさ。」 板に残ったのは1匹だけ。その1匹は地に着いたまま方向転換するのではなく、一回飛んで半回転するという技を成し得た。 「ゆ!!これでゆっくりもどれるね!!」 なかなか頭がいいのかもしれん。このゆっくり。 そしてそのゆっくりはゆっくりと元いた場所へと戻った。 「おじさん!!!そんなところでみてないでさっさとたすけてね!」」 「そーだそーだ!おうちかえる!!」 「はやくおかしちょうだいね!!!」 台に残ったゆっくりたちはさまざまな文句を浴びせてくる。 しかし男は笑っている。嘲笑という笑いを。 「おいおい・・・、何故渡らない?後ろの恐怖に気が付かないのか・・・?」 「ゆっ・・・?」 「おい、カーテンを開けろ」 男がそう言うと係員の黒服がゆっくりたちの後ろにあるカーテンを開く。 そこには柵で遮られたゆっくりゃの大群が涎を垂らして待っていた。 「うー♪たーべちゃーうぞー♪」 「うびゃあぁあぁあああぁぁあ!!!おがああぁああざぁあああん!!!」 「その柵が開くのは今から25分後!あちら側に辿り着けばお前らをゆっくりゃから隔離してやる。渡り着いた者はお菓子を食べられる。渡らない者はゆっくりゃに食べられる。」 そして最後に男は力強く言い放つ。 「放たれよっ・・・・・・・・・!勇ましいゆっくりたちの道・・・・・・・・・!Brave men roadへ・・・・!」 男の一言はほとんど届かなかった。 ほとんどのゆっくりは泣き喚いていて話を聞くどころではなかった。 一部「ざわ・・・ざわ・・・」などと意味の分からない言葉を放つゆっくりもいたが。 「いやぁあああ!!わたりたくない!!でもたべられだぐないぃいいいぃいい!!!!」 「それは無理だ。お前らに残された運命は渡って食べるか、渡って落ちるか、渡らず食べられるか、この3択しかない。」 「ならわだるぅ!!だべられだぐなぃいいぃい!!」 「いや"あ”ぁ”ぁ”あ”あ”!!!!!!」 ほとんどのゆっくりは泣く泣く板を渡っていく。 勿論そこからこぼれて落ちてしまったりバランスを崩して落ちてしまうゆっくりが少しずつ出てきた。 俺達側の人間はそれを肴にしワインを飲んでいた。 しかし、台の上に4匹ゆっくりが残っていた。 「おじさん」 その中の一匹が男に冷静な口調で話しかけてきた。 「・・・なんだ」 「このおあそび・・・そこのいたをのぼれとはいってないよね」 その発言に他の3匹も頷く。 何を言い出すんだ、このゆっくりたちは。 「・・・ああ。向こうの台まで辿り着きさえすればOKだ。問題ない」 ああっ・・・!!! なるほど、確かにそうだ・・・!!! さっきの説明でも男は『そこにある板を渡れ』とは言っていない・・・っ!!! そのゆっくりに負けた感じがして俺は猛烈に腹が立った。 しかし、周りに向こうまでたどり着けるような足場は無いように思えた。 しかし、その4匹はとんでもない足場を渡っていった・・・!!! ざわ・・・ざわざわ・・・ざわぁ・・・ざわ・・・ざわ・・・ 次回、『襲撃』・・・・・・・・・っ!!! _____________________________________________________ あとがき なんかもう色々とごめん お詫びのワンシーン 「おじさんたちとはゆっくりできないよ!ゆっくりしね!!!」 「おお、こわいこわい。しかし人間様に逆らうゆっくりには仕置きが必要だ・・・」 「ゆっ!!?なにするの!?ゆっくりはなしてね!」 「ふふふ・・・ゆっくりよ、これを見るがいい」 「これなぁに!!?とってもあつそうだよ!!さっさとれいむをはなしてね!!!」 「はなしてやるとも、そぉい」 「ゆ”っ!!?あついあつい!!ごごぢがうよ”ぉおぉおぉお!!!」 「さぁそこに顔をつけろ!!!そしてごめんなさいと10回言え!!!そうすれば助けてやる!!」 「ぎゅうぅううぅううぅぅぅうう!!!・・・!!!???--っ!!っー!!!!」 「まぁつけたらつけたで顔が焼け付いちゃって何も言えなくなるけどね」 さーせん このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/321.html
閲覧数 - 小話です 前作ゆうかがゆっくりできない話 まりちゃ探検隊の冒険 午前3時に作ったので内容はあやふやです 6000は超えるような大きな群れがあった しかしその群れは越冬の食糧が足りない状況にある ドスはどうにかできないか考えた、 一つだけ手立ては思い付いた、 そう、人間の街に攻めこむのだ、 到底無理な話だが万能感たっぷりのゆっくりからすりゃ 人間なんて怖くないのかもしれない そんな群れの中で緊張感が高まる どすの号令だ 「みんな!すべてのゆっくりをすくうじゅんびはととのったよ! いまからにんげんのまちにせめこむよ!」 どすが群れのゆっくりを鼓舞すると群れのゆっくり達は行進を始めた 行く先は1キロ先の人間の街、勝算は限りなく無に近かったが、 群れの食料が尽きた今これ以外に打てる手がないのである。 軍隊の構成はれいむ2000まりさ3000ちぇん500みょん250ありす250 ドス50すべての種類のゆっくりの特性を最大限に活かした 配置(ゆっくりにとって)は 前 れれれれれれれれれれれれどれれれれれれれれれれれれ ままみままみままみままみどみままみままみままみまま こんな感じの本隊にちぇんとありすの必殺部隊もあり ゆっくりにしてはまともな部隊だったが この先の相手が悪すぎることは ゆっくり達に知る由もなかった 「ドスたち!じゅんっちょうね!このままいけばあしたにはまちにつくわっ!」 「そうだねっ!ぱちゅりーのさくせんのおかげだよっ!」 そして次の日とうとうゆっくり達がまちに到着した 『ふわぁぁ〜あ何あれ大量のゆっくりが行進してる...寝ぼけてるのかなぁ...』 と二度寝する者もいれば 『大変だぁー!街に大量のゆっくりがせめてきたぞー!』 と焦る者もいれば 『いや、ふざけてませんって!街に大量の糞m…ゆっくりが攻めてきたんです! とりあえず、なるべく早くきてくださいね!では!』 と警察に電話をかける者もいた そして、1人が加工所の駆除課に電話をしたことで状況は大きく変わる、 『あーここか、ゆっくりが大量にいるって言うのは』 加工所の駆除課の鬼威 惨爾(28)独身童貞金欠... 『これ以上言うなって!』なぜナレーションと会話ができるのかは謎だが この男に目をつけられたゆっくりは死ぬ以外の選択肢はないという、 恐ろしい(人間からしたらありがたい)男である。 『手早く終わらせるかな』 そぉい! 鬼威が30キロはあるダンベルを投げるとありす全滅ドス五匹の被害をもたらした そしてパニックになっているところを一気につぶそうかとも考えたが ちょっと“遊ぶ“ことにしたようだ 『おーーいデブ饅頭、お前の仲間を殺したぞー!』 「ゆゆっ!そんなわけn…どぼじでありすだぢがじんでるのぉぉぉ! どずのながまなんだよ!もうゆるざないよ!」 どすが頑張って限界まで飛び跳ねると鬼威を潰そうとした、 しかし鬼威に指一本で受け止められるなんて思ってもいなかった、 「ゆっふっふ!ドスにさからうからこうなるんだよ!」 バァァァン 鬼威の指パッチンでドスは中から消し飛んだ、 そして自慢げに『ゆっふっふ!鬼威惨に逆らうからこうなるんだよ!』 そして近くで虐殺さr..戦っていたまりさは 「なんなのぜ?からだがおm..どすぅぅぅぅ!かてないよ! まりさはにg..」 逃げる前に鬼威の全力拍手の風圧によってまりさは消し飛び その死体がちぇんにあたり軍は瓦解しぱちゅはエレエレで 既にこの世を去っていて、でいぶ達は「くそにんげんいまならゆるしてやるからあまあまをよこしてね!すぐでいいよ!」 と開き直り地下の虐待ルームから飛び出してきた町内の鬼威惨に捕まり 虐待地獄でドスは『この体は鬼威惨がサンドバッグとしてつかってあげるよ! 光栄に思ってね!』と言われれて殴られ焼かれアマギられバリカンで刈った髪の毛さんとお帽子とおめめが目の前で芝刈り機によりグチャグチャにされ 殴られ続けすべてのドスは今でもゆっくりし続けているそうだ、 めでたしめでたし 選択肢 投票 しあわせー! (0) それなりー (0) ゆゆっ!ごみみたいな作品さんだねこんなのかいてないで バイトしてあまあまかってきてね!すぐでいいよ! (0) 一日一投稿目指します -- 作者 (2021-06-25 03 45 18) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/166.html
ゆっくりという種族が幻想郷に突如蔓延して、どのくらい経っただろうか。 畑を荒らす害獣として駆除されたり、加工所というところでお菓子にされたりするくらいには、既に浸透していると思う。 中には俺のように、ペットして飼うものも少なからず存在していた。 「今帰ったぞ~」 「ゆっ!」 仕事が終わり、帰宅して扉を空けると、部屋の真ん中に鎮座していた生首が声を上げて駆け寄ってきた。 赤いリボンが特徴的な、ゆっくり種の中でも一番数が多いとされるゆっくり霊夢だ。 博麗の巫女によく似た顔で(と言うと、霊夢さんは怒るかもしれないが)、性格は基本的に温和で純粋無垢。 それ故にトラブルを起こすことも多々あるのだが……まぁ、その話はもうちょっと後で。 「ゆっくりしていってね!」 仕事で疲れてる俺に対する労いの言葉――ではなく、単にこいつらの口癖なのだが、兎にも角にも癒される。 可愛いなぁ、くそ。 俺の友人たちはよくこいつを買って食べているが、正直薄目に見れば人の顔そのものであるこいつらによく噛み付けるものだ。 しかも食う時に痛々しい叫び声上げるんだぜ? 悲痛すぎて言葉が出ない。 友人曰く、「お前もその内分かるようになる」らしいんだが……そういう日が来ないことを願う。 「待ってな、今晩飯作るから」 「ゆっくり待ってるね!」 ぴょんぴょん飛び跳ねて晩飯を心待ちにしていることをアピールするゆっくり霊夢。 うぅん、ぷりちー。 気持ち悪がる人もいるが、俺にとっては可愛いペットだ。 晩飯を食べ終わると、読書タイムとなる。 最近友人になったパチュリーさんから借りた本を読みながら、まったりとした時間を過ごす。 ゆっくり霊夢は何をするでもなくぼーっと、たまにぴょんぴょん部屋を飛び跳ねて、「ゆっくりしてるね!」と言っていた。 ゆっくりの声には癒し効果でもあるのか、意識を阻害されることなく読書に集中出来る。 やがて切りのいいところで本を片付け、ゆっくり霊夢と遊ぶことにした。 「ほら、取って来い!」 「ゆ! ゆ!」 フリスビーを家の壁に穴を開けない程度に軽く投げ、ゆっくり霊夢に取って来させる。 ゆっくり種はその口癖と名前から勘違いされがちだが、飛び跳ねたり、野原を駆け回ったりと意外とアクティブな存在だ。 だから運動不足にならないよう、こうして遊んであげる必要がある。 俺が仕事に行ってる間に外に出してもいいんだが、もし野生のゆっくりアリスやゆっくりれみりゃと遭遇したときのことを考えると……駄目だ、放し飼いは認められない。 「取ってきたよ!」 口にフリスビーを加えたゆっくり霊夢が戻ってくる。 「おう、偉い偉い」 ゆっくり霊夢の頭を撫でてやると、ゆっくり霊夢は嬉しそうな顔をした。 その顔を見ていると、こっちの頬まで緩んでくる。 ……それと同時に、ある感覚が心の内より現れた。 「っ……」 「?」 不思議そうにこっちを見つめるゆっくり霊夢になんでもない、と首を振り、もう一度フリスビーを投げる。 せっせと追いかけるゆっくり霊夢を見つめながら、湧き上がる感情に戸惑いを覚える。 ――ゆっくり霊夢をいじめたい。 別に虐待をしたいわけではない。可愛いペットにそんな真似をしたくはない。 しかし、こう、なんというか……ううん、説明出来ない。 「ゆっくり取ってきたよ!」 再び戻って来るゆっくり霊夢。 俺は心のもやもやを打ち払うようにゆっくり霊夢の頭を撫で、そして振動させた。 「ゆっ!?」 小刻みにバイブレーション。 最初は驚いて逃げようとしたゆっくり霊夢の顔が、少しずつ赤らんでくる。 「ゆゆゆ、ゆー!! ゆー!!!」 甲高い声。時間の経過と共に、ゆっくり霊夢はどんどん発情していく。 荒んだ心を癒してくれる礼として、こうしてゆっくり霊夢に快感を与えてあげることは毎日の日課だった。 「……」 だが、今日の俺はなんとなく、手を止めてしまった。 中途半端なところで快感をストップされたゆっくり霊夢は慌てたように俺の手に擦り寄って、 「ゆ、ゆっくりして! もっとゆっくりしていって!」 潤んだ瞳で俺を見上げるゆっくり霊夢。 その視線を浴びて、 「……!」 何故か身体がゾクゾクする。 もっと見たい。 もっとこの目で見つめられたい。 「ゆー!!! ゆー!!! ゆー!!!」 だが、それと同時に可哀想だという感情も浮かび上がってくる。 俺は手をもう一度律動させ、ゆっくり霊夢を絶頂へと導いてやった。 未知の感覚に戸惑いながら、一週間が経過した。 臨時教師として慧音さんの手伝いをした俺は彼女と彼女の友人である妹紅さんと一緒にまったりとお茶を飲みながら歓談し、上機嫌だった。 「おーう、今帰ったぞー!」 扉を開ける。 ――瞬間、先程までの高揚した気分が嘘のように蒸発した。 俺はゆっくり霊夢に、家の中はどこをうろついてもいいから絶対に机の上には乗るなと言い聞かせてあった。 机の上には俺の大事なものがたくさん置いてある。 ゆっくり霊夢はそのことを理解したかどうかは知らないが、厳しく言っておいたので飼い始めてから三ヶ月、ずっと机の上に乗ることはなかった。 だが。 帰宅した俺を待ち受けていたのは机の上に鎮座してゆっくりと眠っているゆっくり霊夢の姿だった。 「……」 俺は机に近寄って、その惨状を目撃した。 綺麗に整頓されていた机の上は見事に荒らされ、物体のほとんどが破壊されていた。 アリスさんがくれた人形も、 妖夢ちゃんが作ってくれた剣神像も、 てゐから珍しく受け取った四葉のクローバーも、 幽香さんから頂戴した花も、 にとりさんと協力して発明したトランシーバーの試作機も、 みんなみんな、見るも無残に破壊され尽くされていた。 「……」 俺はどろどろとした心のまま、ゆっくり霊夢を起こした。 「ゆ……?」 とろんとした目を開け、俺が目の前に立っているのを認識するや否や、 「ゆっくりお帰りなさい!」 いつもの挨拶。 だが、俺の心はいつものように癒されはしない。 「なぁ、ゆっくり霊夢」 「どうしたの?」 「お前、なんで、机の上に乗ってるんだ……?」 「……ゆ!?」 俺の怒りのオーラを感じ取り、ようやく約束を思い出したのか、ゆっくり霊夢は慌てたように頭を下げた。 「ご、ご、ごめんなさいだよ!」 「謝るのは後でいい、理由を説明しろ」 「あのね、蝶々がね……」 ゆっくり霊夢が言うことには昼頃、窓の隙間から現れた蝶々を捕まえようと四苦八苦し、ようやく机の上で捕まえて食べ、そのまま眠ってしまったらしい。 あまりにも夢中で、俺との約束など「うっかり」忘れてしまっていたようだった。 うっかり。 それだけの理由で、俺の大切なものは破壊され、二度と元には戻らない。 俺はゆっくり霊夢を叩こうと腕を振り上げ、 「ゆーっ!!!」 目を閉じ、ぶるぶると震える姿を見て、静かに下ろした。 とんでもないことをしたとはいえ、三ヶ月間ずっと一緒に暮らしてきたペットだ。 暴力を振るうことは、俺には出来ない。 溜息をつき、ゆっくり霊夢を持ち上げ、そっと床に降ろした。 「ゆ……?」 「晩御飯にしようか」 ぱぁ、とゆっくり霊夢の顔が明るくなった。 「ゆっくり用意してね!」 先程の殊勝さが嘘のように、ぴょんぴょん飛び跳ねて喜びを露にする。 「ふぅ……」 甘いな。 まったく甘い。 俺は、許してやるなんて一言も言ってない。 その日から、俺は帰りにある場所へ寄るようになった。 必然的に帰りは遅くなり、ゆっくり霊夢と遊ぶ時間はなくなる。 更に意識して朝飯と晩飯の量を減らしたので、ゆっくり霊夢は少しずつ文句を言うようになった。 「早く帰ってきてね!」 「たくさん遊んでね!」 「もっと食べたい!」 だが、俺はその声を悉く無視した。 少し胸は痛んだが、それでもこいつにはやったことの重大さを分からせてやらねばならない。 でないと、俺の怒りが収まらない。 俺のただならぬ様子を見かねた鈴仙さんから貰った精神鎮静剤を飲みながら、俺は準備が整うのを待った。 そして――三日後。 全ての準備は整ったのだった。 ゆっくり霊夢はまどろみの中にいた。 最近は自分の主人があまりゆっくりしてくれなくなり、寂しい思いをしていた。 だが昨日の夜、寝る前に彼は言ってくれたのだ。 「ここのところ、遊んでやれなくてすまなかったな」 「一週間の休暇を取ってきたから、ずっとゆっくり過ごそう」 「ご飯も今まで少なかったけど、豪華にするぞ」 「さ、今日は一緒の布団で寝ようか」 感激したゆっくり霊夢は、わくわくした気持ちのまま眠りに付いた。 一週間も、優しい主人とゆっくり出来る! だから、早く起きないと。 ゆっくり霊夢は寝返りを打とうとして――打てない。 「……?」 身体が動かない。 自分は今だ夢の中にいるのだろうか? なんだか息苦しい…… ゆっくり霊夢は静かに目を開いた。 「……!?」 そして映った光景に飛び上が――ることが出来ず、身体を震わせた。 自分の身体は、四角い箱の中に閉じ込められていた。 『んん゛っん゛ん゛ん゛ん゛……んん゛!?』 ゆっくりしていってね! 種族反射的にそう言おうとして、言えなかった。 自分の口に猿轡が噛まされており、更にその上からガムテープを貼られている。 周りは暗い。しかし自分の視点の場所だけ小さく四角い穴が開けられており、そこから外の様子が映し出されている。 そこには―― 「すぅ……すぅ……」 「ゆ……ゆっく……」 布団で眠っている、見慣れた主人と、ゆっくり霊夢の姿があった。 『ゆ!? ゆゆゆ!!?」』 混乱して喚くゆっくり霊夢、突然の事態に理解が追いつかない。 何故自分はこんなところにいる? 主人と一緒に眠っているゆっくり霊夢は何者だ? 「うぅん……」 と、その時。 主人が眠りから目を覚まし、起き上がった。 目をこすり、横で一緒に眠っていたゆっくり霊夢を見て―― ――惚れ惚れするような太陽の笑顔で、 「ほら、起きろゆっくり霊夢、いい朝だぞ」 『ちがうよ! そいつは偽者だよ!!!』 叫びたい。 しかし、その声は届かない。 やがて偽者のゆっくり霊夢が目を開き、開口一番、 「ゆっくりしていってね!」 「おう、ゆっくり朝飯にするか。昨日の約束通り豪華にいくぞ」 「ゆっくり作ってね!」 『待って! 気付いて!!!』 ゆっくり霊夢は泣きながら、自分と偽者が入れ替わっていることに気付いてくれと願う。 だが無情にも、主人はふんふんと鼻息を歌いながら台所に向かっていった。 『あ゛あ゛っあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!』 絶望が心を支配する。 だが、気付いていないのはゆっくり霊夢のほうだった。 これはまだ、始まりにすぎないのだと。 (見ているか、ゆっくり霊夢?) 俺は料理を作りながら、心の中でほくそ笑んだ。 一緒にいたのが偽者だということくらい、先刻承知している。 何故なら二人のゆっくり霊夢を入れ替えたのも、本物のゆっくり霊夢を閉じ込めたのも、全部俺だからだ。 (それがお前への制裁だ。ゆっくり楽しんでくれ) ぞくぞくするような背徳感を感じながら、意識して本物のゆっくり霊夢が閉じ込められている箱を見ないように努める。 ゆっくり霊夢は現在、透明の四角い箱に入れられ、更にその四方と天井をダンボールの壁で一枚一枚覆っている。 そんな面倒なことしなくてもそのままダンボールを被せればいいじゃないか、と思う奴もいるかもしれないが、まぁこれにはちゃんとした理由がある。 その理由は後ほど語るとして、偽者のほうを説明しておこう。 こっちのゆっくり霊夢は三日前、ゆっくり加工所に行って手に入れたゆっくりだ。 所員に事情を説明し、余っている預かり部屋を利用して仲良くなった。 こいつには一週間、俺の家で一緒に暮らせると伝えてある。 何か変なことを言い出さないかだけ少し心配だったが、流石ゆっくり、あまり深くは考えない性質のようだ。 俺は今から、この偽者ゆっくり霊夢を最大限にもてなす。 そしてその様子を、本物のゆっくり霊夢に見せ付けるのだ。 本来なら自分が得られたはずの待遇が、突然現れた自分の偽者に奪われる。 しかもその様子をまざまざと見せ付けられ、自分は食べることも、遊ぶことも許されない。 お仕置きとして、これ以上のものはそうそうないだろう。 さぁ、ゆっくり霊夢。 お前がどれだけのことをしでかしたのか、分かってくれよ? 『う゛わ゛あ゛あああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛』 ゆっくり霊夢は絶望の淵にいた。 どれだけ暴れても、どれだけ祈っても、自分の置かれている状況はこれっぽっちも変化しない。 朝食は豪華な豚カツだった。自分は何も食べていない。 昼飯までの間、二人はゆっくり過ごしていた。自分はきつい箱の中で息苦しかった。 昼飯は二人でどこかに出かけていた。孤独感が自分を押し潰すようだった。 夕食まで、二人はずっと遊んでいた。自分はただ身体が痒いのを我慢しているだけだった。 夕食は今まで食べてきた中で一番美味しかったお寿司だった。でも、やはり自分は食べられなかった。 そして、 「ゆー……ゆゆゆゆゆ……」 偽者のゆっくり霊夢は現在、主人の手によって振動を与えられていた。 「どうだ? ゆっくりしてるか?」 「ゆ……ゆっくりぃ……してるよぉ……♪」 『ゆっくりしてない!!! れいむは全然ゆっくりしてないよぉ!!!』 ゆっくり霊夢は快感を与えられている偽者の姿を滝の涙を流して見ていた。 滂沱のごとく流れ出る溢れ出る涙。何故、自分がこんな仕打ちを受けないといけないのか? ゆっくり霊夢の頭の中に、既に約束を破ったことは残っていない。 「んほおおおおおおおおおお!」 偽者ゆっくり霊夢が絶頂を迎えた嬌声を聞きながら、本物ゆっくり霊夢はこれがいつまで続くのだろうと考えていた。 それから太陽が昇り、また沈み、そして再び昇った三日目の朝。 空腹で朦朧とした意識を抱えながら、ゆっくり霊夢をうっすらと目を開いた。 映る光景は変わらず、静かに眠る主人と、そして主人の腕を枕に眠る偽者。 ようやく暴れたり叫んだりして体力を消費することが愚かだと気付いたゆっくり霊夢は、呆とした意識のまま、事態が変わることを待っていた。 がさ……がさ…… (……?) ふと気付く。壁の右側から何か音がする。 一体何だろうか? 確かめようにも、壁があって何も見えない。 やがて偽者ゆっくり霊夢が起き出し、ぴょんぴょん飛び跳ねて主人を起こす。 「ゆっくり起きてね!」 「む……もう朝か……」 ふわぁ、と欠伸をする主人。まだ眠り足りないようだった。 「ゆっくりご飯作ってね!」 「おう……だけどその前に」 「ゆ?」 「待ってる間暇だろ? いい遊び道具があるんだ」 そう言って。 主人はゆっくりと、自分の方向へ近寄ってきた。 『!!!』 これは千載一遇のチャンスかもしれない。 ゆっくり霊夢はありったけの力で出来る限り身体を震わせ、自分がここにいることをアピールする。 『れいむはここだよ! ゆっくり探してね!』 やがて映るのは主人の足のドアップ。そして、頭上から声。 「えーと、これだこれだ」 得心したような声。 同時に、ゆっくり霊夢の右側の闇が、突如として払われた。 『……!?』 どうやら、右側の壁が取っ払られたらしい。 もしかしたら脱出の糸口になるかもと、ゆっくり霊夢は明るくなった右側を、 見た。 「――――――ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!?」 声にならない悲鳴。 閉じ込められたときよりも大きい、今までで一番の驚愕。 「ほら、蛙さんの人形だぞ」「ゆっくり楽しむね!」という主人たちの声も聞こえない。 何故なら。 そこにいたのは。 『うー♪』 『だずけ゛て゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!』 自分と同じく箱詰めにされ、自分と同じゆっくり霊夢を食べている途中の、ゆっくりれみりゃの姿だった。 (気付いたかな……) 俺は朝食の準備に取り掛かりながら、昨夜のことを思い出していた。 ゆっくり霊夢の起床・睡眠時間は、永淋さんに頼んで作ってもらった気体状睡眠薬で周到に設定してある。 それをゆっくり霊夢の死角から呼吸用に空けておいた穴に流し込んで、眠気を調節するのだ。 だからゆっくり霊夢が起きる前に俺は起床し、加工所で買ったゆっくりれみりゃを入れた透明の箱を隣にセット。 同じく加工所で購入したゆっくり霊夢を中に入れ、準備は万端というわけだ。 箱の大きさはゆっくり霊夢に使った二倍、ちゃんと食べられるスペースはある。 ちなみに都合上ゆっくりれみりゃの口は防げないので、こちらの箱は少し値段の張る防音処理だ。 更にその上に右側――いや、ゆっくりれみりゃから見れば左側か、そこだけ空けた箱を被せてある。 偽者のゆっくり霊夢がゆっくりれみりゃに気付いて怯えたりしたら計画が台無しだからな。 そして全てを終えた俺は先程まで眠っていたフリをしていたわけだ。 自分の天敵がすぐ傍にいる恐怖。更にそいつは自分と同じ顔のゆっくりを目の前で食べているのだ。それも、毎日。 それがどれだけの恐怖か、俺には分からない。 俺の都合上、ゆっくりれみりゃは一日一匹のゆっくり霊夢しか食べられないので、かりかりして目の前のゆっくり霊夢をどうにかして食べようと躍起になるだろう。 それが更に、ゆっくり霊夢を襲う辛苦となる。 ゆっくり霊夢はどうするだろうか。 怯えてぶるぶる震えるだろうか。 我を忘れて泣き叫ぶだろうか。 それを想像するだけで、俺は――たまらない高揚感を得る。 あれから何日経過しただろうか。 ゆっくり霊夢には、もう時間の感覚が存在していなかった。 毎日毎日、自分が過ごすはずだった幸福の日々を目の前で見せ付けられる苦痛。 自分を食べようと、いらいらした様子で飛び回っているゆっくりれみりゃの恐怖。 それが何も口にしていない空腹と身動きが取れないことの不快感とごちゃ混ぜになり、混沌と化していた。 『ゆっくり……したい……』 考えることはもはやそれだけ。 些事を考える余裕など、今のゆっくり霊夢にあるはずもなかった。 「美味しかったなぁ、ゆっくり霊夢!」 「ゆっくり美味しかったね!」 ゆっくり霊夢が食べたことのない、ブ厚いステーキを食べ終わって、主人と偽者ゆっくり霊夢は満足した様子だった。 ステーキ。幾度となく食べたいと主人に言い、その度にあしらわれて食べる機会のなかったステーキ。 本来なら自分が食べていたはずの、ステーキ。 ゆっくり霊夢の中に偽者への憎悪が込み上げ、だがすぐに虚脱感に襲われ萎んでしまう。 もう、何をする気にもなれなかった。 右側には未だにゆっくりれみりゃが自分を食べようと、ぱたぱた飛び回っている。 壁がある限り襲ってこないとは分かっていても、本能的な恐怖は拭い去れない。 もう、ゆっくり霊夢の精神はボロボロだった。 「さて、遊ぶか」 「ゆっくり遊んでいってね!」 「そうだ、今日は面白い玩具があるぞ」 「本当!?」 「おう。ちょっと目隠しするぞ、楽しみにしておけ」 「ゆっくりわくわくするね!」 食事の片付けが終わった主人は、偽者ゆっくり霊夢に目を布で縛っていた。 そして、本物ゆっくり霊夢の方向に歩み寄る。 『……!』 主人が自分の方に近付くのは、どれだけ久しいことか。 ゆっくり霊夢の中に、淡い希望が芽生えた。 もう身体を震わせる体力は残っていない。 ただ、主人が自分を見つけてくれることを祈るだけだ。 「えーと、何処だったかな……」 しかし、主人は期待も空しく、ゆっくり霊夢の死角へと移動してしまった。 希望が潰える。しかし、落胆する体力すらない。 自分の左側からがそごそという音。 結構時間がかかっている。 「お、あったぞ!」 ようやく主人が喜びの声を上げた。 と、同時。 いつかのときと同じく、ゆっくり霊夢の左側の壁が取っ払わらわれた。 反射的に、視線がそちらへ泳ぐ。 そして。 また、いた。 『れ、れれ゛い゛むぅぅぅぅ゛ぅ゛ぅ゛う゛ううぅ゛ぅ゛!!!』 『ゆ゛! ゆ、ゆゆゆゆ゛っく゛り゛し゛て゛ぇぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!』 発情し、顔は真っ赤にして目を血走らせたゆっくりアリスと。 そのアリスに襲われ、世にも恐ろしい顔で絶叫を上げる同種のゆっくり霊夢の姿があった。 『…………!!!』 世にも恐ろしい光景に、悲鳴を上げることも出来ず、咄嗟に目を逸らすゆっくり霊夢。 だが逸らした先には、 『うー!!!』 空腹で般若の表情をしたゆっくりれみりゃが、自分を食べようと壁をかりかり引っ掻いている。 『……!! …………!!!』 まさに前門の虎、後門の狼。 ゆっくり霊夢はただ、この状況をなんとかしてくれと願いしかない。 やがてゆっくりアリスが交尾を終えると、ゆっくり霊夢は黒く朽ち果てるのと同時に蔦を伸ばし、子供を生む。 ゆっくりれみりゃの箱より更に四倍は大きい箱の中で、小さな赤ちゃんゆっくり霊夢がぽんぽんと生まれた。 『ゆっくりしていってね!』 『ゆっくりしていってね!』 『れ、れいむ……れ゛い゛む゛ぅぅぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!』 だが、その瞬間。 発情が収まらないゆっくりアリスが、なんと赤ちゃんゆっくり霊夢に襲い掛かった。 『ゆ゛!? ゆ゛ゆ゛っ!?』 赤ちゃんゆっくり霊夢は突然の出来事に暴れるが、成人したゆっくりアリスに力で適うはずもなく。 他の赤ちゃんゆっくり霊夢たちは、怯えて隅に固まる。 そして交尾は終わるが、赤ちゃんゆっくりは黒ずんだだけで、子供を生むことはなかった。 ゆっくりアリスはその様子はじっと見つめた後、 ぎらり、とその視線を他の赤ちゃんゆっくりたちに移した。 その顔は、未だ発情したまま留まっており。 始まる、地獄絵図。 ゆっくり霊夢が覚えているのは、ここまでだった。 ついにゆっくり霊夢は意識を失い、失神してしまった。 冷たい、空気。 ゆっくり霊夢が目を開くと、そこは今まで暮らしていた部屋の中だった。 「……ゆっく!?」 吃驚して声を上げる。 声が、出る。 ゆっくり霊夢はもう猿轡をしておらず、狭い箱の中にも閉じ込められていなかった。 何が起こっているのか。 周囲を見渡すが、左右にゆっくりれみりゃやゆっくりアリスの姿は見当たらない。 あるのは、激しい空腹感だけ。 「ゆ、ゆっくりー!!!」 とにかく、理由は分からないが助かったことだけは分かり、ゆっくり霊夢は歓喜の声を上げた。 と、そこに、 「おう、起きたか?」 台所で朝食の支度をしていた主人が、ゆっくり霊夢の方を振り向いた。 「ゆっ……」 その顔を見た瞬間、今までの監禁生活で押さえ込んでいた様々な感情が溢れ出し。 ゆっくり霊夢は号泣しながら、主人の足元に飛びついた。 「う゛わ゛あ゛あああ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ゛ん゛!!!」 「おいおい、どうしたんだよ?」 主人は優しくゆっくり霊夢の身体を抱きかかえ、その涙を拭ってやる。 「ゆ、ゆ゛っく゛りて゛きる″! ゆっくりできるよぉぉぉ!!!」 「あぁん、お前何言ってるんだ……?」 わけが分からん、といった具合に主人は首を捻った。 だがその顔が笑いを堪えていることに、果たしてゆっくり霊夢は気付いているのだろうか? 「まぁいいや、朝食にするぞ」 「ゆ! 朝ごはん!?」 とにかくお腹が空いていた。寿司、ステーキ、自分が食べられなかった数々の豪華な食事を思い出し、思わず涎がこぼれそうになる。 激しい期待を込めて、調理中の料理を覗き込むゆっくり霊夢。 「……ゆ?」 だが、そこにあったのは、人参、椎茸などの普通の野菜ばかり。 しかもその量はかなり少なく、この空腹を満足させられる代物だとは到底思えなかった。 「も、もっといっぱい欲しいよ!」 「あー、悪い。今まで一週間贅沢したツケでな。今日から一ヶ月くらいこれで我慢してくれ」 「ゆっくり!?」 嘘だ、とばかりにゆっくり霊夢は絶叫を上げた。 「やだ! 食べたい!! れいむもステーキとかゆっくり食べたい!!!」 「お前、あんだけ食べてまだ足りないのか? 少しは限度ってもんがあるだろ」 「食べてない! れいむは食べてないよ!!」 「嘘をつくなよ!」 主人の厳しい叱責。びくりとゆっくり霊夢の身体が震える。 主人にとって、あの偽者が本物だったのだ。 あまりの理不尽に、ゆっくり霊夢は涙を流して訴える。 「違うの! 今までのれいむは偽者だったんだよ!! だかられいむは食べてないの!!!」 「いい加減にしろ!」 主人はがっしりとゆっくり霊夢の頬を掴み、言い聞かせるように耳元に囁いた。 「これ以上文句を言うなら、『ゆっくり出来ないようにする』ぞ」 「――!!!」 ゆっくり、できないように、する。 その一言は、ゆっくり霊夢のトラウマを蘇らせた。 「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 絶叫。涙の奔流が止め処なく溢れ出る。 「ごめ゛ん“な゛ざいぃ゛、ごめ゛ん゛な゛さ゛い゛ぃ゛ぃぃ!!! わがまま言わないからゆ゛る゛し゛て゛ぇ゛ぇぇぇ!!!」 「ごめ゛ん“な゛ざいぃ゛、ごめ゛ん゛な゛さ゛い゛ぃ゛ぃぃ!!! わがまま言わないからゆ゛る゛し゛て゛ぇ゛ぇぇぇ!!!」 その言葉を聞いた瞬間、俺は今までの人生で味わったことのない幸福感に包まれていた。 涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら、謝罪の言葉を口にするゆっくり霊夢。 その哀れな表情が……この上なく、俺の快感となる。 「じゃあ、文句は言わないな?」 「うん……」 「よーし、いい子だ。早苗さんから貰った野菜だぞ、ゆっくり味わって食べろよ?」 「ゆっくり食べるよ……」 消沈した様子のゆっくり霊夢。 それを見て、愛しさが込み上げてきた。 「ああもぅ、可愛いなぁお前は!」 ゆっくり霊夢を抱きしめて頬ずりする。 やっぱりこいつは最高のペットだ! 酷いことしたと思うって? でもそれって俺の愛なんだ! 愛ならしょうがないよね!! 選択肢 投票 しあわせー! (27) それなりー (3) つぎにきたいするよ! (2) 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/374.html
人も妖怪もあまり近付かない草原。そこはゆっくり達の楽園だった。 そこにはイベント好きという珍しい性質のゆっくり達も住んでいた。 どこから拾って来るのか不定期に段ボール箱を並べてはステージ代わりにしてコンサートを開く三匹。 長女のゆっくりるなさ 次女のゆっくりめるぽ 三女のゆっくりりか 不思議な事に常にセットでしか行動しないこれら三匹をまとめてゆっくりばー等と呼ぶ者も居る。 ゆっくりばー達は、ゆっくりには珍しい歌を歌うタイプのゆっくりだ。 別に意味の無い鼻歌位なら歌う者は沢山いる。ゆっくりばーが珍しいのは、特定の歌を覚えて歌う所だ。 自身が生き残る上で都合の良い事以外全く覚える事が無い野生のゆっくりが、 『歌』という生きる上で不必要な『娯楽』にそれ程の記憶力を発揮するというのは非常に稀な事なのだ。 それはさておき、今日はゆっくりばー不定期コンサートの開催日なのである。 既にステージは完成しており、周囲にはゆっくりばーの歌を聴きに来たゆっくり達が200匹程居る。 「ゆっくりまだかな!!!」 「ゆっくりはじめてね!!!」 「とかいはのわたしはおとなしくまてるんだから!!」 「ちんぽっぽー!」 「むきゅー!」 「たのしみだよ、わかるよー」 「すっぱ!すっぱっぱー!」 「美しくゆっくりゆかりんの為にとっとと歌ってね!!」 「私はゆっくりばーライブを聞くのはどちかというと大賛成だな」 「うっうー♪らいぶ♪らいぶ♪」 「おぜうさま!!おちついてください!!!ハァハァ!!!」 「ZZZ……」 「ちるのふちゃんねてたらだめだよ!!ゆっくりおきてね!!」 「ちんちんかもかも」 ライブの開始を今か今かと待ち続ける観客達。 捕食種まで混じっているが、周囲に危害を加える様子も周囲が怯える様子も無い。 歌は国境どころか食物連鎖のピラミッドすら超越するらしい。\すげえ/ ステージの上に三匹が登った時、拍手の音はあまりしなかったが大きな歓声が上がった。 「ゆっくりまたせたね…」 「いまからゆっくりばーのらいぶがはじまるよ!!!!!ヒャッハー!!!!!」 「ゆっくりきいていってね!!!」 そして観客側から見て左からゆっくりりか・ゆっくりるなさ・ゆっくりめるぽの順に並んで歌いだす三匹。 「あなたは~もうぉ~わすれたかしらぁ~」 「とろはちゅうとろこはだあじ!!!へいらっしゃい!!!」 「ぐまんじゅうのみなさーん!こんにちはー!ゆっくりりかでーす!!」 何と三匹バラバラの曲を歌いだした。だが驚くなかれ、これが彼女らのいつものコンサートの風景なのだ。 普通に考えれば聞き取りづらくて仕方ない筈だが、そこはゆっくり。 聞き取れなくても全く問題無く楽しめている。だってそもそも歌詞とか理解できないし、聞いちゃいねえから。 ただ何となくノリノリな三匹を見て何となく楽しくなっているだけなのだ。そんなもんですゆっくりなんて。 そんなしっちゃかめっちゃかな三匹は次々と歌い、歌い、歌う。 「ねぇ!いぃきぃてぇいぃぃぃぃるぅとぉ!わーかーるほーどーだぁきぃしぃめぇてえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 「あーちーちーあぁちいぃぃ!!!もえてるんだぁろーおかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 「ぶっちゃけぇ!お○なにーをするためにー!っえろどうががぁ!ひつよーっおーですーよぉー!!」 「あーっさーもーよーっるーもーぱーっそーっこんのまっえー!!かすになるよぉ!!だめなぼくぅ!!」 途中までは大人しく聞いていたゆっくりみすちーも興奮してステージの上に躍り出て歌いだした。 これもいつもの事であるので、誰も慌てない。もういっそお前も最初からステージの上に居ろよと思う。 既に相当ヒートアップして歌っている四匹だが、まだまだテンションは上がっていく。 普段は大人しくてテンションの低い長女のゆっくりるなさですら興奮で顔が真赤だ。 選曲とテンションが明らかに噛み合わなくても誰も気にしない。だってゆっくりだから。 「はぁーじぃめぇてみたぁとぉきーとぉーてぇもぉきれいぃでえぇぇぇぇ!!!むぅねがさわぁいぃだぁぁぁぁ!!!」 「あいきゃんふらぁい!!!へぇい!!ゆぅきゃんふらぁい!!!へぇい!!うぃぃきゃんふらぁい!!!へぇい!!」 「つんでれつんでれつんでれつんでれつんでれつんでれつんでれつんでれつんでれつんでれつんでれつんでれつんでれ」 「あいしあったーはずかーしいわーごぉすいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!ぬ!!ら!!せて!!!」 「うっう~うあうあ♪うっう~うあうあ♪いええ♪うっう~うあうあ♪うっう~うあうあ♪いええ♪」 「しょうしゃしょうしゃしょうしゃしょうしゃしょうしゃ!!しょうしゃしょうしゃしょうしゃしょうしゃしょうしゃ!!」 ゆっくりみすちー以外にも何匹ものゆっくりが乱入して大騒ぎである。 最早コンサートと言うより無秩序なカラオケ大会といった有様だ。 ある意味観客と歌い手が一つになっている、いいコンサートなのかも知れない。少なくとも楽しむという意味では。 そんな騒がしい会場に、一人の人間が騒ぎを聞きつけて訪れた。 「お、こんな所でカラオケ大会か。ステージまで作ってあるなんて、生首の癖に生意気な。俺さまも混ぜてもらおう」 そう呟いて、ずんずんと舞台に向かう人間。 オレンジ地にクリーム色のラインが入ったトレーナーを着ており、下は濃い紺色のズボンを履いている。 明らかに幻想郷の住人とは違う服装である。 「おい生首ども!俺さまにも歌わせろ!!」 怒鳴りながらステージ上のゆっくり達を蹴落としてステージに立つ。 「おにいさんだれ!!?ゆっくりかえってね!!!」 「ゆっくりできないひとはでていってね!!!」 物凄い勢いで飛び交うブーイング。だがそんなもの聞こえないとでも言うかのように、 「えー今日は俺さまのリサイタルに集まってくれてありがとう!!ゆっくり楽しんでいってくれ!!」 『ゆっくり』という単語に反応して途端に盛り上がるゆっくり達。 今や蹴り落とされて餡子を撒き散らし絶命した歌い手達の事など誰も気にしていない。それがゆっくりという物なのさ。 乱入者は大きく息を吸い込み手を広げて、 「おーっれーはージャ○イアーン!!!がーっきだーいーしょおおおおおおおおおおお!!!」 凄まじい声量で歌いだした。オリジナルの曲のようだが、凄まじく音痴である。 歌の上手い下手など欠片も解せないゆっくり達ですらその酷い歌声にダメージを受けている。 「「「「や゛べでえ゛ぇぇぇぇぇ!!!」」」」 「「「「ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛よ゛お゛ぉぉぉ!!」」」」 「「「「あ゛だま゛い゛だい゛よ゛お゛ぉぉぉ!!お゛があ゛ざあ゛ぁぁぁぁん!!!」」」」 楽しいコンサート会場は一瞬にして地獄のリサイタル会場へと変貌した。 阿鼻叫喚の地獄絵図とはこの事か、観客達は全身の皮を細かく振動させ、白目を剥いて悶え苦しんでいる。そして、 「ゆ゛ぶびゃっ!!」 「ぎょぼっ!!」 「げえぇぇぇ」 「たわば!!」 「ごの゛ま゛ま゛ではわ゛だじの゛じゅみ゛ょう゛がお゛ん゛ぱでま゛っはな゛な゛な゛な゛な゛……ごぽっ」 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛びゅぽ!!」 「ばびぶべぼ!!ばびぶべぼはぁ!!」 「だずげ……がばっ!!」 「お゛があ゛ざ……げぴゅっ!!」 次々に餡子が口から目から吹き出て、皮は裂け、体が破裂するゆっくり達。 歌っている本人は気持ち良さそうなのだが、彼が歌えば歌う程聞き手は次々と落命していく。 そんな惨状に一切気付く事も無く歌い続けて30分。彼の気が済んだ頃には彼の歌を聞く者は居なかった。 親友と寄り添い、励ましあった末に皮が裂けて中身が流出した者。 息絶えた友人の苦悶に歪んだ顔を見ながら死んでいった者。 頭部が膨れ上がってから破裂し、中身を撒き散らした者。 その中身を浴びた衝撃でそこの皮が裂けて中身が噴出した者。 苦しむ我が子らを自らの口の中へ避難させるも、次々に口内に広がる甘みに絶望しながら死んだ者。 暗く暖かく、安心してゆっくりできる筈の母の口の中で中身をぶちまけた者。 次々と破裂していく姉妹達の断末魔を傍で聞きながら恐怖に震えて同じ末路を辿った者。 自分はまだ生きている、と訴えかけながら中身を失い潰れて行く母の皮が止めとなった者。 走って逃げようとして飛び跳ね、着地した時の衝撃が引き金となり口から中身を噴出した者。 目から茶色の涙を流しながら飛び去ろうとして叶わなかった者。 様々な死に方をした合計200以上の残骸がそこにはあった。 周囲に漂う甘くて食欲をそそる死臭に腹を鳴らした闖入者は、 「気持ちよく歌ったら腹が減ったなぁ。飯でも食いにいくとするか」 と、鼻歌交じりにその場を去っていった。 かくして人間も妖怪も立ち寄らない、ひたすらゆっくりしていられる『ゆっくりエリア』は、 たった一人の人間によってそれが拙い幻想に過ぎない事を住民のゆっくり達に思い知らせたのであった。 ―――最も、この草原全域に響き渡った死を告げる歌声は、そこに住むゆっくりを全て滅ぼしてしまったのだが。 TATEKABE-GIANT ENCORE!ENCORE! 作:ミコスリ=ハン
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2420.html
ゆっくり昔話オープニング曲(1番) まりさ~良い子だ内臓(わた)だしな~♪ 今も昔もかわりなく~♪ 虐待お兄さん(おに)の情けの子守唄(レクイエム)~♪ 遠い~永遠亭(やしき)の~も~の~がた~~りぃ~いぃぃぃ♪ 雪ゆっくり むかしむかし、あるところに普通のお兄さんが住んでいました。 ある冬の日お兄さんは雪山で遭難しましたがゆっくりちるのに助けてもらい命拾いしました。 別れ際にゆっくりちるのはお兄さんに言いました。 「自分に遭ったことを誰かに話したら殺す」と。 翌年の冬。お兄さんが遭難した時と同じくらい寒い日でした。 お兄さんが家で暖をとっているとドンドンと戸を叩く音が聞こえてきました。 一体誰だろう?と思い戸を開けるとそこにはあの時のゆっくりちるのが立っていました。 「ちるのはたびのとちゅうぐうぜんたどりついたんだよ。みちにまよったからひとばんとめてね!」 実はちるのはお兄さんが自分のことを他人に喋ってないか監視するために旅人の振りをして近づいたのでした。 「君あの時のちるの?よくわからないけど泊まっていく?」 ちるのの変装は一発でばれてしまいましたが、お兄さんは昔の恩もありしばらくちるのを泊めることにしました。 しかし所詮ゆっくりと人間、まったく恋仲にはなりませんでした。 やがてお兄さんにも人間の恋人ができ、ちるのは段々邪魔者扱いされるようになりました。 夏の暑い日。とうとう痺れを切らしたお兄さんはちるのを家の外に投げ捨て中から鍵をかけました。 「ゆっくりいれてね!ちるのをすてないでね!」 ちるのが泣き叫びますが戸は開きません。 暑さに弱いちるのはやがて日射病にかかりそのまま死んでしまいました。 めでたしめでたし。 ちぇんとぱちゅりー むかしむかし、あるところにとても素早いゆっくりちぇんととても遅いゆっくりぽちゅりーがいました。 ある時ちぇんはぱちゅりーに言います。 「ぱちゅりーはどんそくなんだねーわかるよー」 怒ったぱちゅりーはちぇんに決闘を申し込みます。隣の山頂まで競争し、自分が勝ったら土下座して謝れ、と。 翌日。二匹は競争しますがぱちゅりーは素早いちぇんにどんどん引き離されていきます。 「どくそうたいせいなんだねーわかるよー」 半分ほど道を進んだところでちぇんは楽勝だと思ったのか居眠りしてしまいます。 「ぐおーすぴーふぐしゅー…い、いぎゃあああ!」 突然の激痛に目を覚ますちぇん、いつのまにか野生のれみりゃに頭からかじられていました。 「もぐもぐ…あまあまおいしいどー」 「い゛だい゛よ゛お゛お゛お゛お゛!ゆ゛っ゛ぐり゛や゛め゛でね゛え゛え゛え゛え゛!」 普段だったら素早く逃げるのですがれみゃに押さえつけられているので逃げることができません。 哀れちぇんはれみゃに食べられて死んでしまいました。 「ゼハッ!ゼハッ!も、もうすこしでさんちょうだよ…」 ぱちゅりーはゆっくりとした足取りながらも着実に進み、ついに山頂までたどり着きました。 「か、かったよ。ちぇんかった。これであんしんしてみらいにかえれるね…ぐほっ!おげええええ!」 普段運動をしていないぱちゅりーに山登りは過酷過ぎました。 山頂について安心したのか今までの疲れがどっとでてしまい、 咳き込んだ拍子に大量の餡子を吐いてしまい死んでしまいました。 めでたしめでたし。 醜いれいむの子 むかしむかし、あるところにゆっくりれいむの一家が住んでいました。 しかし両親がれいむ種にもかかわらず一匹だけ金髪のれいむが混じってました。 「そのかみのけげひんないろだね、このいんばいが!」 「りぼんのないきもちわるいれいむとなんかあそんであげないよ!」 「うわーん、にゃんでみんにゃいじめるのー」 金髪のれいむはみんなと姿が違ったため虐められていました。 ある日、偶然通りがかった旅ゆっくりぱちゅりーから自分はれいむ種ではなくありす種であることを教えてもらいます。 実は金髪のれいむ(ありす)は昔今の両親から拾われた子だったのです! ありすは本当の親を探すため旅に出ました。本来なら単行本10冊分くらいの長編なのですが短編集なので省略します。 つらい旅の末ありすはついに本当の親とめぐり逢います。本当の親はまりさ種のゆっくりでした。 「おきゃーしゃーん、あいちゃかったよー!ぐべっ!」 嬉しさのあまり母まりさに飛びつくありす。ですがあっさり吹き飛ばされてしまいます。 「ありすのこはしね!おまえなんかれいむのこじゃないぜ!」 ありがちな話ですが、ありすはまりさがレイパーありすにレイプされて生まれた子でした。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 何度も何度も母親に踏みつけられ、哀れありすは死んでしまいました。 めでたしめでたし。 ゆっくり太郎(山編) むかしむかし、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。 お婆さんが洗濯をしていると山の上からどんぶらこっこ、どんぶらこっことドスまりさの死骸が流れてきました。 まんじゅうじゃけえ食えるじゃろ、と思ったお婆さんはドスまりさの死骸を家に持ち帰りました。 お爺さんがドスまりさの死骸を包丁で切り開くとなかから子ゆっくりまりさが出てきました。 「ゆっ!おじいさんはかわいいまりさにたべものをよういするんだぜ!」 子供がいないお爺さん達は子まりさにゆっくり太郎という名をつけ飼うことにしました。 それからのまりさはペットとして怠惰な暮らしをしていましたが、ある日仲良しの野良れいむが死んでいるのを見かけます。 近くにいる野良ゆっくり達の話を聞くと3丁目のお兄さんに虐殺されたそうです。まりさの怒りが天を突きました。 まりさがお兄さん退治に行くというとお婆さんはピクニックかえ?と言いきび団子を持たせてくれました。さあ冒険のはじまりです! お兄さんのところへ向かっている途中。一匹の犬に出会いました。犬はまりさの持つ団子を物欲しそうな目で見つめています。 「いぬさん!だんごをたべさせてやるからおれのけらいになるんだぜ!いっしょうばしゃうまのようにはたらくんだぜ!」 犬はあっという間にまりさの団子をたいらげ、まだ足りないのかまりさの体をかじり始めました。 「いでででで!やめるんだぜ!おれはたべものじゃないんだぜ!」 その時、どこからともなく猿がやって来たかと思うと爪でまりさの目をえぐり食べてしまいました。 「う゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛ばり゛ざの゛づぶら゛な゛お゛め゛め゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 おこぼれに預かろうと空からカラスが飛んできてまりさの体をついばみます。 「や゛べでね゛!や゛べでね゛!ばり゛ざばお゛い゛じぐな゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 哀れまりさは3匹に食べられ死んでしまいました。 まりさを食べて満足した3匹は家に帰ります。 「お、お帰り。今日は3匹そろってお帰りかい。」 待っていたのは虐殺お兄さん。実は3匹はお兄さんのペットだったのです。 今日も村は平和でした。 めでたしめでたし。 ゆっくり太郎(海編) むかしむかし、ある海岸近くでゆっくりにとりがほかのゆっくり達に虐められていました。 「みかけないゆっくりね。とかいはじゃなくてなんだかゆっくりできないわ」 「きもちわるいゆっくりはしぬんだぜ!」 「ゆっくりやめてね!ゆっくりやめてね!」 その時偶然ゆっくりれみゃが通りがかりました。ちぇんとぱちゅりーに出てきたれみりゃです。 「う~!た~べちゃうぞ~!」 「まりさはまずいからありすを…ぐぎゃあああ!」 「とかいはなわたしをたべようだなん…ひぎぃ!」 お腹が空いていたれみりゃはにとりを虐めていたゆっくり達を全て食べてしまいました。 自分のことを助けてもらったと勘違いしたにとりはれみりゃを竜宮城へと招待します。 「う~♪れみりゃはこ~まかんへいくど~♪」 れみりゃはにとりに乗って海へと潜ります。やがて竜宮城の前まで辿り着きました。 「もうすこしでりゅうぐうじょうだよ…ってうぎゃああああ!」 水に弱いれみりゃは溶けて死んでいました。腕だけが残ってにとりの体を掴んでいます。 「ゆっくりはなしてね!ゆっくりはなしてね!」 死体に掴まれているという恐怖からにとりはでたらめに暴れまわります。 やがて人食いザメの住む海域に紛れ込んでしまい、サメに食べられ死んでしまいました。 めでたしめでたし。 ゆっくりの恩返し むかしむかし、あるところに愛でお兄さんが住んでいました。 お兄さんが山を歩いていると罠にかかっているゆっくりみょんを見つけました。 「ちーんぽーちーんぽー…」 巨大な虎バサミに挟まれみょんは瀕死です。可愛そうに思ったお兄さんはみょんを罠から出してあげようとしました。 「ちーんぽ…みょぉぉぉぉぉ!」 みょんの体には罠が食い込み皮がズタズタに破れていましたが、皮肉にも罠に挟まれていたことにより餡子の流失が防がれていたのです。 罠が外れ体を圧迫するものがなくなったみょんは傷口から大量の餡子を噴出し死んでしまいました。 死んでしまったみょんは恩返しをすることができませんでした。 めでたしめでたし。 めいりん姫 むかしむかし、あるところにめいりん姫というたいそう綺麗なゆっくりがいました。 「…」 ん?どうしたんですかめいりんさん?浮かない顔して。 「…!」 どうせ自分も殺されるんだろうって?じゃあめいりんさんは死なずにハッピーエンドにしてあげますよ。 「~♪」 ある日めいりん姫は山で遭難している王子様を発見します。王子様は気絶していましたがとてもかっこいい人間でした。 王子に一目惚れしためいりん姫は気絶した王子様をふもとの山まで届けてあげました。 それからは王子様のことを思う日々。いてもたってもいられなくなっためいりん姫は魔女に相談しました。 「へっへっへ、おまえのこえをよこすんだぜ。そうすればかわりにどうたいをあげるんだぜ。」 めいりん姫は魔女と取引し胴体を手に入れました。これで王子様と結ばれることができる! めいりん姫はすぐに王子様のところに向かいました。 しかし運悪く途中で虐待お兄さんに捕まってしまいます。お兄さんはこう言いました。 「うわー胴体つきのゆっくりめいりんなんて珍しいな。これで一儲けできそうだ。」 お兄さんはめいりん姫を使って見世物小屋を開きました。お兄さんは檻の外からめいりん姫を虐めます。 夜にも珍しい胴体つきめいりんと虐待ショーにみんな大喜び! 虐待お兄さんは大儲けでとってもハッピーになりました。 めでたしめでたし。 おまけ 醜いれいむの子にでてきた旅ぱちゅりーとめいりん姫にでてきた魔女まりさがここにいました。 「ちょっとごつごうしゅぎすぎるわよ」 「ここはなにもなくてつまらないんだぜ」 二匹は今までの話の中で運良く不幸にならなかったゆっくり達です。しかしこれから人間に虐待されてしまいます。 「うそいわないでね、どこにもにんげんなんていないよ」 「まりさをいじめられるものならいじめてみろだぜー」 実は語り部は虐待お兄さんだったのです!お兄さんは素早く2匹を捕獲してしまいました。 「ゆべ!もうはなして!おうちかえるー!」 「ゆっくりやめてね!ゆっくりやめてね!」 「ヒャァ!虐待ダアアァ!」 過去作 ゆっくり転生(fuku3037.txt~fuku3039.txt) ゆっくりくえすと(fuku3068.txt) ともだち(修正)(fuku3103.txt) ANCO MAX(fuku3178.txt~fuku3179.txt) 利口なゆっくりと賢いゆっくり(fuku3386.txt) このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/875.html
仕事に疲れた体をゆっくり休めようと家に帰ってくると家の中からなにやら蠢く音が。 こんなぼろい家に入ってくるのは、最近急激に増えてたゆっくりとか言うやつだろう。 案の定家の中にいたのはゆっくりであった 「おにいさん、ゆっくりしていってね」 「ここはまりさがみつけたから、まりさたちのおうちだよ。 わかったらごはんをもってくるか、ここをゆっくりでていってね。」 「うっせぇ、糞饅頭共め。少しは静かにしてろ。」 このあたりにも出没しているらしいことが分かっていたので、食料だけはしっかり保管していたため 被害にあった物といえば破れかけの襖にゆっくり大の穴が開いたことと、剥れかけの壁紙が剥がれてしまった事位だろう。 戸の建てつけも悪かったからそこから入ったんだろうと暢気に部屋の中を見ていると割れたガラスを発見した。 「まじかよ…。」 家に取って置いたお金も博打と酒と女に消え、次の給料日まで赤貧生活をしなければならない私にとってこれは大きな出費であった。 がそれは仕方がないとあきらめ適当な廃材を持って窓自体を塞ぐことにした。 家にいたゆっくりは非常食ぐらいになってくれるだろうと気にもしなかった。 壁から生えている怪しげなキノコを食べてるし、ゆっくりが食べて大丈夫なら焼けば食えるんだろうか。 こうして一人と2匹の奇妙な生活が始まった。 非常食用のゆっくりが逃げ出しても困るので、ゆっくりが逃げ出せないような衝立(ついたて)を立てかけて仕事に行く毎日。 そんなある日、実入りのいい仕事があるが数日かけての泊り込みというものを受け、家を開けてしまう。 食料も帰ってくる頃には腐ってしまうだろうと部屋の中のゆっくり共にぶちまけておいた。 そうして幾日か過ぎた頃、ゆっくりの体に変化が現れた。 ゆっくりの体が少しずつ黒ずんできたのである。 この部屋は湿気を多分に溜め込みやすく、唯一の窓も廃材で蓋をしてしまったため空気の循環がなくなってしまったのである。 唯でさえキノコとか(笑)が生えていただけにその部屋の汚さは想像できるだろう。 「からだがかゆくなってきたよ。まりさはうしろをかいてね。」 「わかったぜれいむ。」 そうしてれいむの後頭部をまりさが頬で擦ってやる。 擦っているうちに発情してきたのか段々と擦るスピードが増してくる。 いつの間にやら顔を上気させて「ゆっ!!ゆっ!!ゆっ!!」とおぞましい交尾をしていた。 「「すっきりー。」」 まりさの頭から蔓が生えていき、幾つかの実ができる。 「あかちゃんができたね。」 「すごくゆっくりしたこになるといいね。」 翌朝眼が覚めると、まりさの蔓に付いていた実の半分ほどは真っ黒になっていた。 また、まりさの頬も黒ずみ始めていた。 「あかちゃんがまっくろになっちゃったよ。まりさどういうこと? まりさのほっぺたとおんなじいろをしているよ。」 「わからないんだぜ。」 「まりさがなにかわるいものでもたべたせいだよ。」 「まりさはれいむとおなじものしかたべてないよ。」 それでもゆっくり達は少し調子が悪いだけですぐに良くなるだろうと思っていました。 「まりさ、またうしろがかゆくなってきたからかいてほしいよ」 「またなのかだぜ。しかたがないなぁ。」 こうして今日もカビ胞子を自分にくっつけることになるまりさ。 それから数時間後には無事に(?)赤ゆっくりが生まれることになった。 「「「「ゆっくりしちぇいっちぇね」」」」 「「ゆっくりしていってね」」 生まれた赤ゆっくりはれいむが2匹にまりさが4匹。 そのうちれいむ1匹とまりさ2匹は真っ黒であった。 初めて生まれた子供に対して感慨深かった親ゆっくりであったが、 黒ずんだゆっくりは 「「「かりゃだがすごくかゆいよ。 おかーしゃん、かりゃだをかいちぇね」」」 黒ずんだゆっくりをきれいにしてやろうと親ゆっくりは体を舐めてやる。 しかしいつになってもきれいにならず、赤ゆっくりのかゆみも引くことはない。 いくら舐めてもかゆみが引かないことに痺れを切らした赤ゆっくりは壁に自分の体をこすり付ける。 しかし体に根ざしたカビは深く、体が削れてもかゆみが引かない。 体を擦りすぎて餡子がはみ出している物もいた。 「あかちゃんはそれいじょうこするとしんじゃうよ。」 「ゆぎぃ、かゆいよ。すごくかゆいよー。」 かゆみに耐えられず擦り続けていた赤ゆっくり達はついに事切れてしまう。 「れいむのあがぢゃんがー。」 「まりざのがわいいあがぢゃんがー。」 「ここはゆっくりできないばしょだよ。 ゆっくりはやくゆっくりできるばしょにいこうね。」 しかし外に出ようにも、窓を塞がれ衝立が高く聳え立つこの場所から逃げ出すことはできなかった。 さらに数日後、男はホクホク顔で家に戻ってきた。 「短期だったが実に実入りのいい仕事だった。 ゆっくり共がぎゃーぎゃーうるさいがそれさえ耐えれたらなんとかなるな。 また加工場で募集してたら受けよう。」 この金で何に使おうか思案しながら家に入ってみるとそこは魔境であった。 部屋にいたゆっくりは全身真っ黒になっていて、その周りにはソフトボ-ル大の黒い塊が3個あった。 その辺に脱ぎ散らかしてあった下着からはキノコまで生えている。 「この部屋に住むのはもう無理だな。 幸いここに金はあるから別の場所に引っ越すか。」 「おにいさん、ここからだしてね」 「なんだこりゃ。気持ちわりぃ。」 その声に驚く男。 まさか生きてるとは思いもしなかった。 新しい住人がここに来るにもゆっくりを置きっぱなしもまずいと思ったのかゴム手袋をし、黒い塊を外へと放り投げる。 「ゆぐっ!」や「ゆべっ!」など聞こえたが気にしない。 貸主に引っ越す旨を伝えてこの家を去ろうとするが、貸主も家の惨状にびっくりしていた。 多額の修繕費を払わされたのは言うまでもない。 外に放り出されたゆっくりはかつての我が家へと戻っていった。 が巣の中にはすでに新しい住人がいたようだ。 「ここはまりさとれいむのおうちだよ。 はやくでていってね。」 「なにをいってるのかしら。 ここはありすがみつけたおうちなんだからありすのものにきまってるでしょ。 それにまりさとれいむはどこにいるのかしら。」 「まりさたちはここにいるよ」 ありすに向かって黒い塊が抗議の声をあげる。 「そんなまっくろなまりさやれいむはみたことないよ。 ゆっくりでていってね。」 そう言って黒い塊に体当たりをする 自分の子供まで体当たりされ始め、このままでは子供が死んでしまうと思ったのかこの場から逃げ出してしまう。 「おかーしゃん、かゆいよ。」 「がまんしてね。おかーさんもかゆいんだから。」 それから親しい友ゆっくりの元に向かうが、皆黒い塊に怯えたりしたため追い払われてしまう。 このゆっくり達にとってゆっくり出来る場所はなくなってしまった。 またカビゆっくりに体当たりをしたゆっくりにも変化が起こっていた。 カビゆっくりに触れたところから黒ずみ始めたのである。 このカビは接触感染する物だったがこのかゆみをやわらげてあげようと、子供やつがいのゆっくりが擦ってあげたため、瞬く間に伝染してしまった。 この山には夜な夜な黒い塊が動くという怪談が里まで広がりいっそう恐れられることとなった。 あとがき スレのほうでカビが話題になっていたので急いで書いてみた。 カビに対する知識がないから想像して書いてみましたが、この男の部屋には住みたくないなぁ。 3作目なので私も作者名を作ろうと思います。 しゃべらないゆっくりと言うことにします。 それではまた次のSSで by しゃべらないゆっくり これまで書いた物 狭き門 ゴッドかなこ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1086.html
ここはゆっくり草原。 猫や蛇、れみりゃ種といった捕食する生物がほとんどいないゆっくりの楽園だ。 その中に大規模なコロニーを築くゆっくり大家族がいた。 れいむ種やまりさ種、ちぇん種にみょん種といった色んなゆっくりの家族が寄り添い協力して過ごしている。 今日も母ゆっくりと中ゆっくりの半分がまだ小さいゆっくりや赤ちゃんゆっくりのために餌を集めに出かける。 残り半分のゆっくり達は子供たちを守ると同時に遊びの相手をしてあげる。 この平和なゆっくりコロニーの中で子供のゆっくりたちはすくすくと育っていくわけである。 そんなゆっくりコロニーの日常を観察しようと思う。 1.食事 餌を取りに出かけたゆっくり達が帰ってくるとこのゆっくり草原は騒がしくなる。 基本的には自分の子供/妹たちにしか餌を与えないようである。 なので食事の際は家族ごとに点々と寄り添って食事を行う。 だが、この時に面白いことが起きる。 家族ごとに集まるときにゆっくり達は誰が自分の娘や妹なのか分からないのだ。 そこで起きるのが『子の奪い合い』だ。 「この子はわたしのこどもだよ!!」 「ちがうよ!わたしのこども!!」 母であるゆっくりれいむが二匹争っている。 いや、そこらじゅうで何組かの母ゆっくりが争っている。 「ちがうよ!おかあさんはこっちだよ!!」 しかし子ゆっくりは母を覚えている。 母ゆっくりもそれを知っているようで、子ゆっくりが主張すれば大抵その場は収まる。 だが、その時に何も言わず本当の母を探している小ゆっくり達は大抵悲惨な結末を迎える。 「わたしのこどもだからこっちね!!」 「ちがうよ!!こっちだからね!!」 自分の子供だと主張しあう母たちに挟まれておろおろしている小ゆっくりを母ゆっくりが咥えて引っ張る。 そうすると取られてたまるかともう一方の母ゆっくりも咥えて引っ張る。 「ゆっくりはなふぃふぇね!!」 「そっちこそはなふぃふぇね!!」 小ゆっくりを引っ張り合う母ゆっくり。 「い”だい”よ”!は”な”じでぇ”!」 強い力で両側に引っ張られて体が引き裂かれる痛みに襲われる小ゆっくり。 しかし興奮した母ゆっくりはそんな事はどうでもいいようだ。 「や”あ”あ”あ”!じぬ”う”っ!!」 ばつんっと小ゆっくりの皮が真中から裂けて中身が地面へと落ちていく。 小ゆっくりを奪い合った結果殺してしまうなんて大事件のはずだが、他のゆっくりは自分の食事に夢中で気づく様子もない。 「そっちのせいだからね!!」 「ゆっくりあやまってね!!」 犯人である母ゆっくり達も悲しむ様子もなく、責任転嫁しあうとぷいっと顔を背け合う。 小ゆっくりの本当の母親はそのすぐ傍で「うっめ!めっちゃうめっ!」などと食事に夢中なのだから何とも報われない話である。 大体一回の食事で2~3匹の子ゆっくりがこういった惨劇の被害者となるが、小ゆっくりの数は多い。 なので気づくものもいないし、気づいたとしてもすぐに忘れてしまうのだ。 この子の奪い合いは、このような大規模なコロニーでないと中々見られない貴重な光景である。 2.外来者 今回の取材の中で面白い事件と遭遇した。 草原の外からだろうか、ゆっくりアリスが数匹この大家族の仲間入りをしたのが始まりである。 ゆっくりアリスは特にゆっくり魔理沙と仲が良く、よく寄り添っていた。 だからといってまりさ種だけじゃなく他のゆっくり種ともうまくやってるようだ。 子ゆっくり達は初めて見るゆっくり種に興味心身らしい。 「ゆっくりあそんでね!」「いっしょにゆっくりしようよ!!」 こんな感じでゆっくりアリス達にベタベタである。 そんな小ゆっくり達相手にもゆっくりアリスは優しく応じているようだった。 ゆっくりアリスが来てから数日。ふと違和感を感じた私は夜中のゆっくり達も観察することにした。 というのもいつの間にかアリス種の小ゆっくりが増えていたのだ。 さらに中ゆっくりの枯れ果てた姿が複数見受けられた。 間違いなくこれはゆっくりアリスが中ゆっくりに対して性行為を行った結果なのだろう。ともかくその瞬間を見ようと思う。 夜中、NITORI製の暗視ゴーグルにて観察を行う。 すると他のゆっくりが寝静まった頃、ゆっくりアリスが活動を始めたようだ。 ゆっくりアリスが同じぐらいの大きさのゆっくりに近づいていく。 母ゆっくりはゆっくりアリスにとっては大きすぎるから性交渉の相手にはならないのかな。 そんな事を思いながら見ていると、ゆっくりアリスは中ゆっくりではなく、中ゆっくりの傍で眠る小ゆっくりに向かっていることに気づいた。 小ゆっくりを襲うのかなと見ていると確かに襲った。性的な意味でじゃない。完全に踏みつぶしていた。 あの感じだと声も出ずに潰れただろう。 一瞬で潰れた饅頭と化した小ゆっくりをゆっくりアリスは食べていく。共食い? しかし食事は全員たっぷり食べていたと思うけど。 そうやって他数匹の小ゆっくりを潰して食べると、今度は中ゆっくりに寄り添うと交尾を始めた。 「はぁはぁ!ゆっくりさせてあげるね!!」 「あ”、あ”あ”~~!!」 どう見ても寝込みレイプです。 他のゆっくりアリスも見ると、同じような行動を取っていた。 しばらくするとゆっくりアリス達はすっきりしたようだ。 元寝ていた場所に戻って再び寝始めた。 そして寝込みを襲われた中ゆっくりはと言うと目を見開いた驚愕の表情で固まっていた。 頭の先から徐々に蔓が延びていた。 翌朝にはゆっくりアリスがまた増えていた。 そして数日後 さまざまな種類のゆっくりが生息していたこのゆっくり草原だったが、 今や生息するゆっくりの大半がゆっくりアリスになっていた。 母ゆっくりは自分の娘たちが減っているような気がしたが、元々自分の娘が何匹いるかなど知らないので気のせいかとやはり思っていた。 そして今日もゆっくり草原へ足を運ぶ。 するとすでに平和なゆっくり草原は無くなっていた。 母ゆっくりに群がり交尾を強制する大量のゆっくりアリス。 残り少なくなったアリス種以外のゆっくり達に襲いかかっていた。 とうとう隠れてゆっくりを襲うことをやめたようだ。 集団で襲われた母ゆっくりは最初抵抗したのだろう。何匹かのゆっくりアリスが潰れていた。 しかし集団で押さえつけられ、何度も絶頂へと押し上げられて動けなくなっていた。 どんどんと母ゆっくりの体から蔓が延びていく。 見るのは初めてだったが母ゆっくりは中ゆっくりと違って一回の強制性交渉で死ぬことはないようだ。 それでも体が蔓で覆われる頃には死んだ。 結局この草原はゆっくりアリスだけが住む草原となった。それも一日だけ。 ゆっくりアリスというのは安住の地というものに興味がないらしい。 大きなものも中ぐらいのものも、小さいアリスもそれぞれバラバラに草原から去って行った。 繁殖する相手がいないからここにいても仕方ないと判断したのだろう。 だがこの草原の外はゆっくりにとって危険な存在がたくさん生息している。 他のゆっくりに会えるゆっくりアリスは一割にも満たないだろう。 他のゆっくりに会うとゆっくりアリスは共生する。 そして小ゆっくりを殺し、中ゆっくりで仲間を増やす。そして最後は集団で母ゆっくりを襲うのだ。 今回はそれがただ大規模になっただけ。自然界ではよくあることなのだ。 ゆっくり草原もしばらくすれば徐々にゆっくりが戻ってくるだろう。 その時はまたゆっくりの生態を調べにここに来ようと思う。 終
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/278.html
ゆっくり達を庇護するゆっくりまりさが居る。 最近、そんな噂が広まっている。 何でも、普通のゆっくりよりも遥かに大きな体を持ち、力も強く、知恵があり、優しい性格をしているという。 普通のゆっくりの様に人間の家や畑を荒らす事も無く、人間の子供と遊んだりもするという。 私自身は見た事が無いが、友人の子供が昨日会って来たと言う。 頭の上に乗せてもらっただとか、他のゆっくりを『高い高い』していたとか、俄かには信じ難い話だ。 だが、例え信じられなくてもそのゆっくりの守護者が存在するというのは恐らく事実なのだろう。 というのも、ここ最近畑や人家を荒らすゆっくりが急増しているのだ。 私の家も荒らされた。 捕まえて仲間等が居ないか拷問した所、ふてぶてしく笑って、 「おじさんなんかどすまりさがやっつけるよ!!ゆっくりあのよでこうかいしてね!!!」 等と口々に叫んでいた。そいつらは全て処分したが。 ドスまりさなるゆっくりが居る事は確からしい。 そして、その被害報告が無い事から、これが人間に害を成すという事が無いというのも本当だろう。 だが、私は思う。 確かにドスまりさ自体は人間にとって無害だろう。いや、子供達にとってはむしろ有益ですらあるようだ。 だが、他の普通のゆっくりに対して非常に悪い影響を与えている。 自分達には強力な守護者が居るのだから、何をやっても許される。 そういう認識がゆっくりの間に広まっているのだ。 ドスまりさがどういうつもりなのかは知らない。ひょっとしたらこんな事は知らないのかもしれない。 だが、事情がどうあれドスまりさというゆっくりにとっての力の象徴が邪魔なのは確かだ。 そう考えたのは私だけではないようで、首長に相談した所、同様の意見が多く出ているという。 急遽ドスまりさ対策委員会が発足し、その対処について話し合いが行われた。 三日三晩に及ぶ討論の末、出た結論は『ドスまりさの討伐』だった。 まあ、いくら実害が無いといっても所詮はゆっくり。害獣だ。 増してそれらの旗頭的存在であればこの結論に至るのは当然とも言える。三日も掛かったのは宴会してたからだし。 ちなみに、話し合いで解決しようと言う者も居たが、そう言ったのはゆっくリンピースのメンバーばかりだった。 早速ドスまりさ討伐隊が結成されることになった。 子供達の証言をまとめるとドスまりさは体高およそ5メートルはあるという。 その上運動能力はとてつもなく高く、外敵への対処もただ体当たりをしたりといった単純な物でもないらしい。 知恵があり体力もある巨大なゆっくり。非常に厄介だ。 猟師連中にも協力してもらい、体力自慢の数人でドスまりさ狩りを敢行する事になった。 私もメンバーに含まれていた。 正直私の体力は普通程度なので相当嫌だったが、『話の都合があるから』との事なので仕方が無い。 さて、そのドスまりさの居場所だが、これも子供達に聞いて巣の場所は分かっていた。 軽く緊張しつつ探す事15分、簡単に発見する事に成功した。 というか、時折大きな声と共にゆっくりが空高く放り投げられているのだ。わざわざ場所を聞くまでもなかった。 全員でドスまりさを包囲する様に近付き、声をかける。 「やあ、君がドスまりさかい?」 「ゆゆ?おじさんたちだあれ?ゆっくりできるひと?」 知恵があるといっても口調は普通のゆっくりと変わらないんだな。声は低いが。 「ああ、勿論さ。大きくて頭が良くて素敵なゆっくりが居ると聞いてね、こうして来たんだよ」 「ゆっ!それってどすまりさのことだよ!!」 「かっこいいー!」 「ふとくてながくてながもちでれんしゃしきだなんてあこがれちゃうなー」 「てってれるよ!ゆっくりおだてないでね!!」 周囲のノーマルに褒め称えられ、顔を赤くするドスまりさ。 ドスまりさの顔はその大きさのせいで極度に下膨れになっており、赤面してニタニタ笑ながら悶える様は気色悪さ千倍だ。 「ところでそんな頭が良くて大きいドスまりさに質問があるんだけれど」 「ゆっなあに?なんでもきいてみてね!!」 「……最近、人間の畑や家を荒らすゆっくりが物凄く増えてるんだけど、心当たりは無い?」 途端、それまで上機嫌だったノーマル達の顔が凍り付く。分かりやすい反応だ。 対してドスまりさはきょとんとしている。やはり知らなかったか。 「なななな、なんのこと!?」 「にに、にんげんのおうちやはたけなんてあらすわけないじゃん!!ばかなの!?」 「ちちちーんぽ!」 「ゆっ?みんなどうしたの?……ひょっとしてほんとうににんげんのおうちをあらしてるの!?」 ドスまりさがノーマル達に詰め寄る。なるほど、ある程度は分別がつくようだな。 「いったでしょ!!にんげんのおうちやはたけにかってにはいったらだめだって!!どうしてそんなことするの!!」 「しししししっしーらないっ!あっ!ちょうちょさんまって~!!」 「ゆゆゆ、ゆっくりしてくるよ!!」 「ちーんぽ!!」 ふん、守護者と言われるだけあって、ある程度はゆっくり達を指導もしていたのか。 いやはや、人間に教えられた訳でもないのに分別があり、他のゆっくり達を指導までしていたとは。 惜しいな。だが、手遅れだ。 「ちょうちょさゆびゅべぼっ!!?」 「がぼっ!!!」 「ぎゅぴっ!!!」 「ペニス!!!」 「あじゃぱー!!」 蜘蛛の子を散らすように逃げ出したノーマル達が次々に踏み潰される。 わざわざ逃がしてやる訳が無い。それに、この隙が欲しかった……! ドスゆっくりはあまりに突然の出来事に対応できず、ぼうっとしていた。チャンスだ。 「総員抜刀!攻撃開始!!」 猟師達が一斉に銃を撃ち、私達一般人は槍やら日本刀やらの武器を構える。 「ゆ゛ぎゅぶぶぶ!!い゛だい゛!い゛だい゛!!や゛め゛でよ゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!」 「何て頑丈な奴だ!まるで堪えてないみたいだ!!」 「怯むな!撃て撃てぇ!」 「あ゛や゛ばり゛ばずぅ!!み゛ん゛な゛に゛はぎぢんどいいぎがぜばずがら゛!!やべでぐだざい゛い゛ぃ!!」 命乞いまでゆっくりにしてはマトモだ。益々惜しいな。けど、こいつは立派な害獣だ。 それに、こうなった以上生かしておいては危険だ。 話しても無駄だと分かったのか、突如体を大きく膨らませて、こちらに飛び掛ってきた。 「危ない!避け……ろ……おぉ?」 高い。物凄く高いジャンプだ。軽く二十メートル以上は飛んでいる。 何て恐ろしい身体能力だ……これは何が何でも仕留めないといかんな。 そしてゆっくりと避ける。当たり前だ。あんなに高く跳んでは避けられない方がどうかしている。 「ゆぐぐぐぐ!もういっかい!!」 何と言うか、呆れて物も言えない。えーと、どうして銃まで持ち出したんだっけ? その後も何度かドスまりさの大ジャンプ攻撃が続いたが、一向に当たらない。自殺志願者だけだよこんなの食らうの。 やがてジャンプ攻撃が無駄と悟ったのか、洞穴に逃げ込んだ。 「あ、しまったついぼーっとしてた!追え!追えー!!」 ぼーっとするなよ、とツッコミつつ追いかける。洞穴に入ると、何やら得意げなドスまりさが待ち構えていた。 「ゆっふっふ!ここならまりさのほうがゆうりだよ!ちのりっていうんだよ!!」 血糊?……地の利か。一体何を、と思った次の瞬間。突然ドスまりさが壁に向かって跳躍した。 「これは……?」 「ゆっふっふっふ!こうすればこうげきもよけにくいでしょう!!ゆっくりやられていってね!!!」 ドスドスと音が響く。本人は華麗に壁や天井を蹴って翻弄しているつもりなのだろうが、 いかんせん体が大きすぎる。はっきり言って物凄く狭い空間でスーパーボールが跳ねているようにしか見えない。 第一、壁にぐにゃあっとへばりついて弾性力を溜める間、ずっと攻撃対象を見つめているのだ。 ここでも体の大きさがネックになっている。力を溜める時間が妙に長い。ゆうに一秒はある。 余程鈍い相手でもない限り、簡単に先読みして避けられるだろう。 そもそもこいつ殆ど水平にしか跳んでないから、伏せれば普通に避けられる。駄目だ話にならん。 やがてこの攻撃でも駄目と悟ったのか、ぜいぜいと息を弾ませて別の攻撃を繰り出そうとしてくる。 ちょっと面白くなってきた。 「ゆゆゆ……おじさんたちなかなかやるね!!でもこれならよけられないよ!!ゆっぷっぷ!!」 口から何か噴き出した。毒かと思い、咄嗟に口元を覆うが、遅かった。吸い込んでしまった。 しばらくすると、何だか世界がぐにゃぐにゃと歪み始めた。何だこれ、そうだったコミケだコミケ! ははは!今年のコミケは島中全部回っちゃうぞう!!ひゃっはー!同人誌だァー!! おおお?あそこにいるのは……大御所様だー!うほほーい!!サインくれうひゃひゃひゃひゃ!! …………………………………… …………………… ………… …… 討伐隊は全員倒れている。あー段々意識がはっきりしてきた。 何だか全員で妙な事を口走りながら踊り狂ってたような。 「くそっ……まさか幻覚作用のある毒キノコとは」 「ん?……ああそうか。さっき奴が吹いたのは毒キノコだったのか……ってそうだ!ドスまりさは!?」 まさかあんな攻撃を繰り出してくるとは。油断していた!くそ、この隙に逃げられたら……って。 「ぶひょひょひょひょ!!らぁめだよぉれいみゅうぅ~もうすぐままがかえってくるんだからぁ」 「「「「「…………………………」」」」」 呆れた事に、毒キノコを噴射した本人が一番ラリっていた。 そりゃそうだ。手足が無いんだから、咀嚼しないとああはできない。 皆で微妙な顔を浮かべてドスまりさを眺め続ける。やがて正気に戻るドスまりさ。もう帰って良いかな? 「ゆゆ!どくきのここうげきでもたおせないなんて……こうなったらおくのてをつかうしかないね!!!」 まだあるのか。もう面倒臭いから帰りたい。 「こんどのこんどはおじさんたちでもあうとだよ!!とくべつなきのこでぴかっとしてやいてあげる!!!」 「ピカっとして……焼く?」 「おい、ひょっとして霧雨魔理沙のアレの事じゃ……」 「な!じょ、冗談だろ!」 「あんな攻撃やられたらひとたまりも……!!」 「ゆっくりすぱーく!!ゆっくりしんでいってねぇーん!!!」 ドスまりさが口を大きく開くと、強い光が口から漏れ出た。ヤバイ!!あの光だ!! 「うわあああああぁぁぁぁぁ………………って、あれ?」 「何だ?」 「何とも無いぞ」 「あ、あぁ?」 「ゆゆ!!どうなってるの!?どおしていきてるのおおおおおおおおおおおおおお!!!?」 どうやらただ光っただけらしい。 考えてみれば、例の光線はキノコの他にも特殊な道具を使っているという。それが無ければ単に派手なだけなのだろう。 「…………で、もう品切れか?」 「みたいだな」 「それじゃそろそろ殺すか」 「何かもう馬鹿みたいだな」 「ま、所詮ゆっくりって事だろ?」 「違いない」 「ままままままって!!ゆっくりしようよ!!まりさはいいゆっくりだよ!!きっとおじさんたちともなかよく……」 「お前の実態が何であれ、有害なのは変わりない。じゃあな」 「も゛っどゆ゛っぐりじだがっだよ゛お゛お゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぎゅぶっ!!!!!!!」 ドスまりさを討伐して一週間、ゆっくりによる被害は以前よりも格段に少なくなっていた。 それどころか、あの森に住むゆっくり自体がどこかへ移動したらしい。 まあ、あんなに大きなゆっくりがやられたとあっては、流石のゆっくりも危機感を覚えるんだろう。 悩みの種が少し減って、皆ゆっくりとした日々を過ごしていた。 MISSION COMPLETE!! 作:ミコスリ=ハン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3458.html
ゆっくりが幻想郷に出始めた頃のお話 幻想郷のとある森の中。その奥深くにはささやかな畑と一つの小屋が。 真昼だが辺りは鳥の鳴き声がするくらいで、人の気配はない。 だが、ちょうど収穫間近のキャベツの影にはなにやらうごめくものが。 「それ」はガサガサとキャベツを揺らし、バリバリと音を立てながら貪っているようだった。 時折、声のようなものも聞こえてくる。 と、そこにカゴを背負った畑の主と思われる青年が森から姿を現した。 人付き合いは皆無で、たまに収穫した作物を街の市場へ売りに行くといった生活を送るこの青年。 今日もはした金と酒や食料などを調達し、住処へと戻ったのだった。 また、畑は小屋の入り口の裏に位置していたため、帰宅した青年が異変に気づくことはなかった。 疲れを癒すように椅子に腰掛け、さっそく買った酒を注ぎチビチビと飲み始める。 至福の時、ふと暇つぶしにと、ついでにもらってきた瓦版を手に取る。 ちなみに今号の一面は「幻想郷で謎の妖怪?が繁殖??」というものだった。 「へえ・・」 読み進めると、その妖怪は大きさが大小様々な饅頭のような生物らしい。 また、ある程度の人語を解し、自らも簡単な受け答えや意思疎通が可能であるという。 記事中では絵も交えて2種類が紹介されていた。 黒髪と紅白の頭飾りが特徴の「ゆっくりれいむ」と 黒いとんがり帽子に金髪が特徴的な「ゆっくりまりさ」 どちらも可愛いような可愛くないようなつかみ所のない人間の生首のような妖怪だ。 実際に絵で見るとますますもって気味が悪い。 どちらも「ゆっくり」が口癖であること、幻想郷の有名人の顔が象られていることなどから 人々の間でその名が付いたという。 「それ」は普段山奥や森などの人里から離れた場所に住み、昨今急速にその数を増やしているらしい。 人間の田畑も食害にあっているという。となっては青年にとって他人事ではいられない。 「まさかな・・・」 ふと不安になった青年。酒を置き、畑の様子を見に小屋を出る。 畑に到着し辺りを見回ると、悪い予感は的中してしまっていた。 「あっ!」 青年は思わず声を上げる。 栽培されていた野菜の内、キャベツの一部は、無残にも食い荒らされていた。 その奥には音を立てながらキャベツに集っている、人間の頭より少し大きい2つの丸い物体。 「・・・ゆっ ゆっ♪」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 「・・・こいつらは・・・」 間違いない、記事で見たゆっくりとかいう妖怪だ。 そしてそれぞれ姿の違うその「ゆっくり」はまさに「ゆっくりれいむ」と「ゆっくりまりさ」に他ならない。 「おい!そこの!!」 大声で怒鳴ると、2匹のゆっくりはびくっと体を震わせる。 「ゆゆっ!?」 「ゆっ??」 同時に振り返るゆっくり。何が起こったかわからないといった顔でこちらをぽかーんと見つめる。 だがすぐ我に返ったようで、大きく口を開いた。 「ゆっくりしていってね!!!」 なるほど、だから「ゆっくり」なのか、と無理やり納得する。 記事の絵の通り、どこか人をバカにした間抜け面に力が抜ける。 「ゆっ おじさん、だーれ?」 「ゆっくりしてるの?」 畜生に人の事情はわかるまい。 青年が立ち尽くしていると、ゆっくり2匹が足下まで寄ってくる。 なんだこいつら警戒心もまるで無しか、とすっかり怒る気もなくした青年。 「ここはねー、おじさんの畑なんだよ。畑。」 力なくゆっくりに話しかける。 「はたけ?なにそれ?おいしいの?」 「ここゆっくりできるところだね!」 微妙に人の神経を逆撫でするゆっくり達。そして更に喋り続ける。 「おなかいっぱい!!」 「ゆっくりー!ゆっくりー!」 「あのねえ、おじさんはね、ここで野菜を作ってるんだよ。 勝手に人のものを食べちゃダメじゃないか」 怒りを抑え、人語を解すのだから説得もできるはずだ、とゆっくりを論す。 「ゆ~? だめ?」 「ゆっくりたべたい~」 だめだこりゃ、と青年はため息をつく。 と、その時脇の草むらからガサガサともう1匹のゆっくりらしきものが姿を現した。 「む、むきゅぅ~ ぜぇ~ぜぇ~」 かわいらしい?帽子をかぶったそのゆっくりらしきものはは、ズルズルと体を引きずりながら 息も絶え絶えで青白くなっていた。 「ぱちゅりー!!」 「ゆっくりおそいよ!」 「む、むきゅぅぅ・・・ むきゅっ??」 会話から察するに、これも2匹の仲間で、ゆっくりの一種らしかった。 ぱちゅりーと呼ばれたそのゆっくりは青年に気づいたのか、一瞬戸惑いを見せた。 「ぱちぇもおじさんといっしょにゆっくりしよう!」 こちらの気も知らずに、と青年は歯をかみしめた。 「ゆっくりー!」「ゆっくりー!!」「むきゅ~」 こうして目の前のゆっくりが3匹になってしまった。 力尽くで追い出そうとも考えたが、初めて目にする得体の知れない相手だけに うかつに手を出すのは得策ではないと青年は考えていた。 「ゆぅっ!おじさんはゆっくりでていってね!」 突然ゆっくりまりさが体当たりを仕掛けてきた。 思わず青年は驚きのけぞったが、と同時にこの饅頭の非力さにも驚いた。 妖怪と聞いて若干は警戒していたが、その必要もなさそうだ。 足下で必死にボテンボテンと体当たりをするゆっくりを見下ろし、安堵する。 「ゆっ?まりさのおぼーし!ゆっくりかえしてね!!」 しつこいのでまりさの帽子をむんずと掴み取る青年。 不測の事態に体当たりを止め、届かない帽子にジャンプを繰り返すまりさ。 「なあ、お前たち。ここは人間が野菜を育ててる場所なんだよ。 それを勝手に食べちゃダメだ。わかったら出て行ってくれないか? 出て行ったら帽子を返してあげるぞ」 これ以上相手にするとキリがないので、何とかゆっくりに譲歩してもらう他はない。 「ずるいよおじさん!はえてきたおやさいひとりじめして!!」 「ゆっくりはやくまりさにおぼうしかえしてね!!」 「むきゅ!そーよ!ごほっごほっ」 「駄目だこいつら・・・」 何度話しても時間の無駄だと実感した青年。 話して駄目なら実力行使しか手はない。 ふと近くにあった棒きれを振りかざし、地面に叩きつける。 「「「ゆっ!!?」」」 「ほらっ!!いい加減にしないと痛い目見るぞ!!」 同時に持っていたまりさの帽子を森の茂みに勢いよく投げ捨てた。 「ゆっ!まりさのおぼーし!!」 「ま、まりさ ゆっくり待ってね!!」 帽子を追いかけ茂みに消えるまりさ、後を追いれいむとぱちゅりーも奥へと消えていった。 「ふう・・・」 ゆっくりは追い払った、しかしまた来るかもしれないという懸念は青年の中に当然あったが とりあえず被害にあった野菜の世話に戻る。 食い散らかされたキャベツと、青年は知る由もないがゆっくりの残していった排泄物を片付け 青年は小屋へと戻った。椅子に腰掛け飲みかけの酒を口にし、一息つく。 「そろーり、そろーり」 ぴくりと聞こえたその声。動きを止め耳を傾けると、間違いなくさっきのゆっくりの声。 裏の窓からそっと様子を見ると、性懲りもなく再びあの三匹が畑へと侵入していたのだった。 「あいつら・・!ったく・・・」 やはりというか再び現れたゆっくりにウンザリしながら畑へ向かった青年。 「おい!お前ら!」 「ゆっ? またきたよまりさ!」 「おじさんしつこいよ!」 「むきゅっ!ここはわたしたちのゆっくりぷれいすよ!」 「はぁ・・・(何を訳のわからないことを・・・ それにしつこいのはお前たちだろうに)」 しつこさに業を煮やした青年ではあったが、相手が人語を喋る得体の知れない生物ということで 対処を決めかねていた。 さっきのゆっくりの攻撃は青年にとってまったく取るに足らないものだった。 よって、おそらくこちらが手傷を負うことはないだろう、という読みはある。 とはいえ人間の頭の形で、人間の言葉を喋る生物をどう駆除すればいいか。 青年の中には当然の迷いがあった。 「ゆっ!まりさ、ちゃんすだよ!」 「おじさん、あしもとがおるすだよ!」 隙を突いたつもりなのか、ボヨンボヨンとまた青年の脚に体当たりを繰り返すまりさ。 同じことを繰り返す学習しないこの生物に、青年の迷いも少し晴れた。 「(そういえばこいつら饅頭なんだよな、ならちょっとくらい痛い目見せてやっても・・・)」 「ゆぼっ!!?」 効かない体当たりを繰り返すまりさに正面から蹴りを食らわせた。 まりさは茂みの側まで吹っ飛び、青年の脚には何とも言い難い、柔らかくやや重い感触が残る。 「(あっ やりすぎたか?)」 吹っ飛ばされたまりさは動かない。他二匹もいきなりの反撃に驚いたのか、呆然としている。 「・・・ゆっ? ・・・まっまりざあああああ!!!」 「むぎゅううう!!」 慌ててまりさの元へ向かう他二匹。まりさはよろよろとこちらへ向き直る。 「ゆ゛っ・・? どぼじで・・・なにがおきたの・・?」 「まりざあああじっがりじでえええ!!」 「ゆ゛っ・・・これくらい・・だいじょうぶ・・だよ・・・」 力の差を見せつけたはずだが、まだわからないのだろうか。 そもそも何をされたかもわからない様子だった。 頬の辺りの皮が破け、黒いものが覗いている。 裂けた皮の辺りを舌で仕切りに舐めるれいむを静止し、再び青年へと向かうまりさ。 先ほどは跳ねていたが、ダメージが大きいのかズリズリと地面を這うように。 「(まだ懲りてないのか・・・ あのはみ出てるのは・・・饅頭だから餡子なのか?)」 「ごごはまりざだぢのゆっぐりぶれいずなんだよ・・・ じゃまじないでね・・・」 自分勝手なことを呟きながらこちらに這いずるまりさの姿に、 青年の中で言いしれぬ嫌悪感と怒りがこみ上げてきた。 相手は動物でも妖怪でもない。饅頭だ、食べ物だ。 そう言い聞かせ、さっきの棒きれを手に取り、思い切りまりさに振り下ろす。 「このっ!!このっ!!」 「ゆ゙っ!!ゆ゙っ!!ゆ゙ばっ!!ぶっ!!や゙っ!!べでっ!!ばっ!!」 「や゙っや゙べでえ゙え゙え゙え゙え゙!!!ばり゙ざがあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!」 「むぎゅうううううううううううううう!!!」 何度も何度も叩きつけられ、まりさはやがて声も発しなくなった。 帽子がひしゃげ、口や傷口から餡子を漏らしたズタボロの饅頭がそこにあった。 「ば・・・ば、りざ・・・あ゙あ゙あ゙・・・」 「・・・」 ぱちゅりーはすでに気を失っているようであった。 れいむも目から涙を流し、嗚咽を漏らしている。 「人の畑で好き勝手したからだ、悪く思うな」 青年は失神しているぱちゅりーを掴み、底部に両手の指を食い込ませ 思い切り両側へと引っ張った。 「む゙ぎっ!!!!」 短い叫びと共に、真っ二つに裂けた皮から中身がボタボタと流れ出る。 数秒で手には皮だけが残り、地面にはクリーム状の中身と目玉が残された。 一匹残ったれいむは全身から汗のようなものを流し、ただブルブルと震えている。 「ゆ゙・・ぁぁ・・・だ、だずげで・・・ おねがいじまずぅぅ・・・」 「・・・どうせまた来るんだろ?」 「ま、まっで・・・!!」 青年は情けを捨て、棒を思い切り頭に突き刺す。 「ゆ゙っ!ゆ゙っ!ゆ゙っ!ゆ゙っ!」 目を見開き身体を震わせるその様に、不気味なものを感じた青年は れいむを突き刺したまま棒を思い切り振り、森へとぶん投げた。 「はー・・・何か胸糞悪いな・・・ また同じようなのが来なきゃいいが」 ゆっくり駆除の後片付けをしながら、青年は今後が心配でならなかった。 そして同じ頃、幻想郷の各所では増殖したゆっくりが様々な問題を引き起こすのであった。 おしまい 実は半年位前の書きかけです。今ごろ気付いて中途半端に完成させUPしました。 やっつけですいません。ネタも平凡ですいません。 書きかけのネタは他にもあるんですが、飽きっぽいので今後は未定です。。。 過去に書いたSS ゆっくりいじめ系28 ゆっくり加工所でのある実験 ゆっくりいじめ系724 ゆっくり整形 ゆっくり加工場系16 小規模加工所でのゆっくり処理 ゆっくり加工場系20 小規模加工所