約 592,761 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/208.html
※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。(十回超の予定) ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』8 泣き喚き懇願する母親たちの目の前で、 子供たちの足はすべて焼かれた。 「ゆびぃぃぃぃ……ゆびぃぃぃぃ……」 「いぢゃいよぉぉ………ありゅきぇにゃいい………」 「おきゃあしゃぁぁん………しゅーりしゅーりしてぇぇ……」 「おちびちゃん……おちびちゃあああん……」 頬を涙でびしょびしょに濡らしながら、 親れいむ共は透明な壁に頬を押し当てている。 すーりすーりをしようにも壁に遮られ、歯噛みするしかない。 「おにいさん……すーりすーりさせて……」 「もういいでしょう……?」 「れいむたちがわるかったです…… あやまります……なんでもします……おちびちゃんを……」 見違えるほどしおらしくなり、懇願してくる親れいむ共。 その様子を見届け、俺は次の道具を手に取った。 ガラス箱のすぐ前に、蝋燭立てを一本ずつ並べていく。 本数は九本。それらは鉄製の太い針状をしており、 火皿から上の針はかなり長く、10cmほど突き出ている。 よくわからない。 よくわからないが、ゆっくりできない気がする。 それだけは見てとった親れいむ達が目を見開き、 震えながらおどおどと俺を見上げる。 「おにいさん……?」 「ゆぎいいいいいいいあああああぁぁぁ!!!」 一匹の赤まりさを持ち上げ、焼かれた底部を針に突き刺した。 中心部の中枢餡を慎重に避け、背中側を刺し貫く。 「いぢゃいぢゃいぢゃいいいいいいいいい!!!!」 「おぢびじゃああああああああ!!!」 「いいいいいいああああああゆっぎゅりでぎだああああああい!!」 餡子が漏れ出してしまわぬよう、ゆっくりゆっくりと深く貫いていく。 体の中を鉄製の針が貫き擦っていく激痛に、赤まりさの体が激しく痙攣する。 親れいむと赤ゆっくり共の絶叫が響く中、 赤まりさは貫通した針の根元、火皿にまで押し当てられた。 次の赤ゆっくりを手に取る。 火皿は九本。 泣き喚き逃げまどい、透明な箱に顔を押しつけて母親に助けを求める赤ゆっくり共を、 次々と蝋燭立てに突き立てる。 我が子を蹂躙される親れいむ共の悲鳴は留まることを知らない。 足りないな、と俺は思った。まだまだだ。 「いぢゃいいいいい!!!いぢゃいいいいい!!!」 「ゆああああぁーっゆわああああああーーーーっ」 蝋燭立てに貫かれて泣き叫ぶ赤ゆっくり共の前に、道具箱を置く。 まずは釘。 手早く、手近な赤れいむの左目に俺は釘を突き刺した。 中枢餡に届かないように力を抑えているので、釘は半分ほどまでしか刺さらない。 「ぱぴゅうううううううううう」 面白い悲鳴を上げて痙攣する赤れいむ。 「おぢびぢゃんのおべべがああああああああ!!?」 もう一本を取り出し、残った右目にも突き立てようと近づける。 すると、赤れいむが親れいむの方を見て呟き始めた。 「おきゃあしゃん……たしゅけちぇ……… りぇいみゅいいきょになりゅかりゃ…………」 親れいむ共が絶叫で答えた。 「おぢびぢゃああああああん!!!」 「りぇいみゅは……わりゅいきょなんだにぇ…… きょんにゃ……きょんにゃこちょ……しゃれるにょは…… わりゅいこちょしちゃんだにぇ…… ごめんなしゃい……ごめんなしゃい……」 「でいぶのあがぢゃああああんんん!!! おにいざあああああんおでがいじばずううううう!!」 「りぇいみゅ……きょわいよ…… おみぇみぇみえなきゅにゃるのいやだよ…… いいきょになりゅかりゃ……しゅききりゃいしにゃいよ…… わがみゃみゃいわにゃいよ……おてちゅだいもしゅりゅよ…… だから……たしゅけちぇ…… おきゃあしゃんたしゅけちぇ………」 泣き咽び、箱の壁にへばりつきながら、 親れいむ共は涙と涎をまき散らし、口々に赤れいむに呼びかける。 「おちびちゃああん!!わるくないのおおおお!! おちびちゃんはわるぐないんだよおおおおお!!! おちびちゃんはどっでもいいごだよおおおおお!! どっでもがわいい、ゆっぐりじだいいご!!! ぜがいでいぢばんゆっぐりじだいいごなのおおおおおおお!!!」 「びゃぎぃいいいいーーーーーーーーーーーっ」 残った右目にも釘を突き立てると、親れいむ達の悲鳴が爆発した。 「おぢびじゃああああああああああああーーーーーーっ!!!!!」 かはっ、かはっ、と荒い息をつく赤れいむ。 必死に呼びかける親の声にやがて答えた。 「おきゃあしゃん……みえにゃい……みえにゃいよ…… りぇいみゅのおみぇみぇ……みえにゃい…… まっきゅら……きょわいよ……きょわいよううう…… おきゃあしゃあああん……どこおおお……」 「ここ!!ここ!!ここにいるよおおおおおお!!! でいぶのがわいいがわいいおぢびじゃああああんん!!」 「びゅうううぐううう!!」 それからは手早く済ませる。 赤れいむの体中に、たちまち二十本の五寸釘が突き立てられた。 あまり刺しすぎると皮が裂けて餡子が漏れ出してしまうからこのあたりが限界だ。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 「あがっあっ、ゆぐううっおぢびぢゃっゆあああ」 母子ともにひくつき始めた。 次に赤れいむの舌を引っ張り出す。 目一杯引っ張ると、およそ5cmほどに伸びた。 その舌に、また五寸釘を五本ほど突き立てる。 「あぅがああああああ!!!」 赤れいむの何十度目かの絶叫が響く。 五寸釘の重みで、舌はだらりと垂れ下がった。 最後に、蝋燭立てを本来の用途に使う。 赤ゆっくりを貫く鉄の針に、蝋燭を縦に突き立てた。 かなり太い蝋燭で、たっぷり半日は持つだろう。 赤ゆっくりの頭上に立つ蝋燭に火をつける。 蝋が垂れるのを待つ間に、他の八匹の赤ゆっくり共にも同じ処置を行う。 両目を潰し体中を刺し舌を垂れ下がらせる。 親れいむ共のすぐ目の前に、九本のキャンドルが並べられた。 苦痛に染まった赤れいむ共の潰された目が、 恨めしげに親れいむを凝視している。 「ゆわぁぁぁぁ………ゆわぁぁぁぁ……… おぢびぢゃ……おぢびぢゃ………」 「がわいいあがぢゃん………ゆがああぁぁ……」 「いだいいい……いだいよおおおお………」 つい今しがた、腹を痛めて出産した子供たちの有り様を見て、 涙の水たまりに浸かりながら、なおも涙を流し嗚咽する親れいむ共。 感情移入して、刺されてもいないのに痛がる親もいる。 「ゆぎゃあああああ!!」 赤ゆっくりが叫びだした。蝋が垂れはじめたのだ。 釘に刺し貫かれた体中を、熱い蝋が次々に落ちてきては撫でていく。 その度にびくんと身を震わせて絶叫する赤ゆっくり共。 舌を引き出された状態での悲鳴は言語にならない。 「びぃ!!ひぃい!!あいぃいい!!」 「おぢびぢゃあああああああーーーーーっ」 「おにいざああああん!!おにいいざあああああああん!!」 餡子がなくならないかぎり、ゆっくりは死なない。 たとえ赤ゆっくりがここまでされてもだ。 ひとまず蝋がなくなるまで、苦痛に歌い続ける子供を楽しんでもらおう。 俺は部屋を後にした。 「おにいいざあああんまっでえええええええ!!」 「おでがいいいい!!おでがいだがらおぢびぢゃんだぢをおおおおお!!」 「だずげでぐだざあああああい!!だずげでええええええ!!」 「でいぶがみがわりになりばずうううううううう!!!でいぶうううううう」 翌日、俺が部屋に入ると、憎悪と懇願の入り混じった視線が集まってきた。 箱の中のれいむ四匹は一晩中子供たちの前で泣き明かしており、 目は充血ならぬ充餡で黒っぽくなっている。 「おちびちゃん……たすけてください……」 「おねがいします!!おねがいします!!まだいきてるんです!!」 九本のキャンドルを見ていくと、確かにどれも生きていた。 溶けきった蝋にほぼ全身を包まれているが、 慎重に口の部分をこそげ取ってから、 刺さっている釘をこじってやると苦痛に叫びが上がった。 「ぴびぃいい!!」 「おちびちゃああああん!!」 「ここにいるからね!!おかあさんここにいるからねえええ!!」 蝋まみれで火皿に固定されている赤ゆっくり共。 皮が破れて中の餡子が漏れないように助けるには、 全身の蝋をこそぎ取り、慎重に引き抜かなければならない。 面倒なのでもう殺してしまうことにする。 代わりはいくらでもいるのだ。 一匹の赤れいむを掴み、ぶちりと力まかせに引き抜く。 「びぎゃあっ!!」 鋭い悲鳴を上げてびくびくびくと暴れる赤れいむ。 背中側に頭頂から底面にかけて大きな裂け目ができた。 ぼたぼたと餡子を漏らす蝋と釘まみれのそれを、箱の中に投げてよこす。 「ゆあああああああ!!おぢびぢゃああああああ!!」 生みの親らしき子れいむがそれに駆け寄る。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」 箱の床に叩きつけられた拍子に、刺さっていた釘が奥深く突き刺さったようだ。 まず中枢餡はぐしゃぐしゃだろう。 「あがぢゃああああん!!ゆっぐりじでいっでね!!ゆっぐりじでいっでね!! おがあざんがべーろべーろじであげるがらねええええ!!」 必死に舌を伸ばして舐めようとするが、 針刺しのように突き刺さった釘と体中を覆う蝋の隙間から覗くわずかな皮膚を、 ぺとぺととつつく程度のことしかできなかった。 「もっちょ……ゆっきゅ…り…しちゃかっ……ちゃ」 ほどなく、赤れいむはこと切れた。 「ゆぎぃいいいいいいいい!!!!」 歯を食いしばり、その子れいむはこちらを睨みつけてきた。 「じね!!じね!!ごみぐずぅうううう!! ごみぐずのぐぜにでいぶのあがぢゃんごろじだなぁあああああ!! あがぢゃんをごろじだぐぞじじいはいまずぐじねええええええ!!」 他の親れいむ共はおろおろしながらその様子を見守っていたが、 やがてキャンドルに突き刺さったわが子を見やりながら懇願してきた。 「ゆゆ、たすけてください!!たすけてください!! さけないようにゆっくりぬいてください!!おねがいします!!」 なるほど、と思い、俺は手早く残りも済ませた。 次々に引きちぎられ叩きつけられ、九匹の赤ゆっくりが息絶える。 赤ゆっくりの断末魔と親れいむの絶叫がセットで響き、 子供をなくした親は、例外なく豹変してこちらに殺意を向けてきた。 「じねぇええええ!!じねぇええええええ!!!」 「ごみぐずぅぅうううう!!ごみぐずぅううううう!!!」 実に明解だ。 母性の強いこのれいむ共は、子供をゆっくり質にとられれば下手に出る。 子供を救うためなら、プライドも捨てるし苦痛も耐えるのだろう。 俺を挑発すれば苦痛を与えられるだろうことは予想できるはずだが、 子供がいなくなった今、自分の危険などなにほどのこともないとばかりに、 ただただ子を殺された怒りをぶつけてきている。 やはり、俺の方針に間違いはないようだ。 改めて確信を得て、小さく満足する。 このれいむ共にはまだまだ苦しんでもらわねば。 俺の子供を殺した代償は、こいつらを何万回殺そうが埋め合わせられるものではない。 だが、精一杯頑張ってはもらおう。 「ざわるな!!ぐぞじじいいい!!」 「よぐもよぐもよぐもあがぢゃんをおおお!!」 暴れまわるれいむ共を掴み出し、再びカートに乗せる。 それからの手順は前回と同じだ。 それぞれ個室の箱に放り込み、美まりさと合わせる。 個室内の様子はカメラで確認できる。 発情させる前に、三十分ほど自由に話させる。 案の定、れいむ共はそれぞれ相手のまりさに、 自分がされた事をあらいざらい話し、慰めを求めた。 同情したまりさは、れいむに寄り添って共に泣いた。 こうした手間をかけるのは、子供への愛情を深めるためだ。 望まぬ交尾によって孕まされた子供に対して、 れいむ種であっても、ゆっくりは愛情を示さないことがままある。 それでは効果がないため、父親とはしっかり情愛を交わしてもらい、 子供への執着を持たせなくてはならない。 頃合いを見て、例によって催淫ガスを流し込み、発情させる。 愛するまりさにすがるように、れいむ共はすぐに交尾を求めた。 情欲に流されるまま、たちまちまりさのぺにぺにが突き立てられる。 終わった頃に、催眠ガス、そして成長促進剤の注入。 すべて前回と同じように行い、れいむ共は再び元の箱に戻された。 観察室かられいむ共の様子を窺う。 やがて起きだしてきたれいむ共は、 自分たちが再びにんっしんっしている事実を思い出し、狼狽した。 「ゆゆっ!?」 「あかちゃんできてるよ!?」 一時は喜びに顔をほころばせるれいむ共だったが、 前回出産した子供にされた仕打ちを思い起こすと、表情が曇った。 「おちびちゃんたちまたころされたくないよ!!」 「ゆっ!!こんどはぜったいにまもろうね!! あのごみくずがおちびちゃんをとろうとしたら、みんなでかみつこうね!!」 「みんなでいちどにきょうりょくすれば、ゆっくりころせるよ!!」 れいむ共は、今度は断固として俺に抗う決意を固めたようだった。 成長促進剤によって早められた結果、 受胎から出産までの時間は、通常の十日から二日にまで短縮されている。 この日はまだ出産予定日ではなく、 れいむ共は膨れた下顎を抱えて、ただじっと過ごしていた。 「ゆっゆっゆ~♪ゆっゆっゆ~♪ あかちゃんたちゆっくりそだっていってね~♪」 「こんどはしっかりまもって、いいこにそだてようね!」 「いろんなあそびをおしえてあげようね! おにごっこ、かくれんぼ、はやくあかちゃんとあそびたいね!!」 かつてのゆっくりプレイスから、殺風景な部屋に連れ込まれたれいむ共。 なにも楽しみがないこいつらにとって、 ひたすらに子供だけが楽しみらしかった。 その部屋に踏み込む。 とたんにれいむ共が敵意を向けてきた。 「ゆゆっ!!ごみくずはゆっくりしんでいってね!!」 「まだうまれないよ!!うまれてないからとれないよ!! ゆっくりりかいしてね!!ばぁ~か!!」 「ゆっくりしね!!ゆっくりしね!!」 蔑んだ笑みを向けて罵ってくるれいむ共。 俺は箱の壁をまたぎ、箱の中に座り込んだ。 「ゆっくりできないごみくずはゆっくりしないででていってね!!」 「あかちゃんのためにあまあまをもってきてね!!」 「こんどのあかちゃんはわたさないよ!! またどれいにしてあげるから、あかちゃんのうんうんたべていってね!!」 親れいむの頭部を掴んで引き寄せる。 「ゆゆっ!!ゆっくりさわらないでね!!」 顎の表面を撫で、産道を探し当てる。 俺はその産道に指を突き入れた。 「ゆっぎぃいいいいいいい!!!?」 激痛に全身を硬直させる親れいむ。 ひどくきつく締め付けてくるその産道は、 なるほど子ゆっくりサイズのものを通らせるには痛いだろうと想像できた。 お構いなしに二本、三本と指を突き入れていき、 手首全部を突っ込んでこじ開ける。 「ゆぎがあああああ!!ゆぎゃああああがあああああ!!!」 びたんびたんと足を床に打ちつけて悶絶する親れいむ。 「おかああさあああああん!!」 「なにするううううごみくずうううう!!はなせえええええ!!」 「おかあさんをゆっくりさせろおおおおお!!」 周りの子れいむ共が怒りをあらわに叫ぶが、 胎生型にんっしんっをしているゆっくりはほとんど動けない。 何もできずに見ているしかないようだ。 左手首を突っ込んでこじ開けた産道の奥を覗き込む。 奥のほうに、ねばねばした粘液に満たされた一室が見えた。 至極単純な構造だが、これが人間でいう子宮にあたるようだ。 中には未成熟の、しかしおおむね姿は完成された赤ゆっくりが三匹ほど見えた。 赤れいむが二匹、赤まりさが一匹。 「びぎぃいいがああああああがぢゃんみるなあああああがああああ!! ぐぞごみぐずううううううじねええええええゆがあああああああーーーっ」 親れいむが歯茎を剥きだして絶叫する。 俺は腰に下げた道具を右手に持った。 トングだった。 食品を挟み込む道具で、パン屋でパンをはさむ道具としてポピュラーだ。 左手でこじ開けた参道の奥に、トングをねじ込む。 子宮の中に異物を突っ込まれる感触に、親れいむががたがたと震えだす。 「よし」 「ぐがあああああああだにじでるうううううう!!!」 胎児れいむを慎重につまみ、形が崩れないように引きずり出した。 トングの先に挟んだそれを、親れいむの前に突きつけてやる。 「ご出産おめでとう」 「ゆああああああああーーーーーーーーーっ」 ひときわ甲高い絶叫が響いた。 ばたばたと暴れながら喚き散らす親れいむ。 「もどぜもどぜもどぜもどぜいまずぐもどぜええええええーーーーっ!! あがぢゃんがじぬだろおおおおおおお!!!ばがなの!!?じねええええーーーっ」 「どうしようかね」 粘液にまみれた胎児をトングでつまんだままふらふらと揺らしてみせる。 「今すぐ戻せば助かるかもな」 「ごみぐずうううばやぐじろおおおおおおおおーーーーーーーーーーーー!!!」 喉をびりびりと震わせながら叫んでいる。 ゆっくりにこれほどの声量が出せたとは驚いた。 子れいむ共も喚いているが、やはりやられている当ゆっくりの叫びは段違いだ。 「俺はやっぱりゴミクズなのか。気分悪いな」 「おでがいじばずーーーーーーーーーーっ!! だずげでぐだざいだずげでぐだざいだずげでぐだざいだずげでぐだざいーっ!!!」 態度豹変も恐ろしく速い。 子供を助けるため、火事場の馬鹿力的に頭の回転が速くなっているようだ。 「れいむ必死すぎwww」とでも言ってやればいいのだろうか。 「ゆがぁあああああああぎがああああああーーーーーーっ」 トングに掴まれて高く差し上げられた胎児を見上げ、暴れ回る親まりさ。 俺はトングの先を開き、胎児れいむを親の元に返してやった。 親れいむの鼻先で、胎児はべちゃりと潰れた。 「ゆっ」 寄り目になり、自分の口の上、 ちょうど鼻にあたる部分であえなく餡子屑になったわが子を見つめ、 親れいむは本日最大の絶叫を轟かせた。 「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」 すでに文字に変換できるものではない。 涙を滂沱と流して切れ目なく叫び続ける親れいむの産道に、 俺は再び手を突っ込んだ。 「やべでえええええーーーーーーっ!! ぼうでいぶのあがぢゃんどらだいでええええええいいいいーーーっっ」 次は胎児まりさを取り出し、親れいむの目の前で潰す。 全力で床に叩きつけるとほとんど原形を留めずに液状に飛び散った。 「びぃいいいいーーばぁああああーーーーーーーっ」 なんなんだかわからない悲鳴を聞きながら、最後の胎児れいむを取り出す。 再びトングで鼻先に突きつけながら、俺は聞いた。 「戻してやろうか」 「もどじでぐだざいいいいいいい!!」 「戻してやる」 「ああああああじがどうううううううう!! ばやぐ!!ばやぐもどじでえええええええ!!!」 歪んだ笑いを浮かべ、ぐにょぐにょと暴れながら催促する親れいむ。 俺は親れいむの頭部を押さえつけると、 トングを再び親れいむの産道、奥深くまで差し入れた。 「ゆがぎぎぎぎぎぎぎぎいいいいいいいぐうううううう!!!」 凄まじい痛みのようだ。 人間で例えるには、男の俺にはどう言えばいいのかわからないが、 肛門にビール瓶を根元まで突っ込まれるようなものなのだろうか。 その苦痛を乗り越えてでも戻してほしがるとは、 期待した以上の母性愛だ。 その愛に応え、子宮内部をトングで引っかき回してやる。 「ゆっがばああああああーーーーーーーーだいいいーーーーーーーーっ!!!」 ぐじゅぐじゅとかき回し出し入れし、内部で開閉する。 当然、中の胎児れいむはぐじゃぐじゃに潰れた。 トングを引き抜くと、親れいむは子供のようにひくついて泣きじゃくった。 「あがあああ……あああああああ……ばがああああああ……うっぐ…… あだぢゃん………ゆっぐりじでだどにいいいい…… びぐっ……えぐっ……ひぃいいいいい………あうっううううぐ……ゆっぐ……」 俺を罵る気力も残っていないようだ。 床にうつ伏せに突っ伏して泣く親れいむの下から、涙の川が流れ出す。 「おがああざあああああん……」 「じねぇええええ!!じねぇええええええ!!」 めいめいに呻き、叫ぶ子れいむ。 さて、子れいむ相手にはトングは少々大きすぎる。 こいつらにはスプーンを使う。 「ゆびぃいいいいい……ゆびぃいいいいい……」 「あがぢゃん……あがぢゃん……あがぢゃああああ……」 「でいぶど……でいぶどばでぃざの……あいのげっじょうがああああ……」 「じねえええ……でいぶのあがぢゃんごろじだなああああ……」 れいむ共全員が胎児を掻きだされて殺され、 箱の底にはびちゃびちゃに潰れた餡子が四散している。 今回は多めで、計十一匹だった。 床に伏して泣きじゃくっているれいむ共を、 また一匹ずつ引きずり出してカートに乗せる。 「いやだぁああああ……いやぁああああ……」 「もうにんっしんっしたくないぃぃぃ……」 さすがに自分たちがされている事が掴めてきたようで、力なく抗うれいむ共だったが、 再びまりさに引き合わせられ催淫ガスを嗅がされるとあえなく交尾をはじめた。 後編へ 選択肢 投票 しあわせー! (1) それなりー (0) つぎにきたいするよ! (0) 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/816.html
山の中をゆっくりと歩く。 普段からこの近辺の里の人間はこの山の恩恵を預かっている。 その山にゆっくりの群れが移住してきたというので私がそれを確かめに行く事になった。 山の中を歩いていると程なく目的の物体を見つけた。 言うまでもない、ゆっくりだ。 「ゆ~♪みてまりさ!ここにはごはんがいっぱいあるよ!!」 「本当だねれいむ!ここはゆっくりできるね!」 オーソドックスなペアの饅頭を見つけると私は話しかけた。 「やあこんにちは。ゆっくりしているかい?」 「「ゆ!ゆっくりしていってね!!」」 こちらに気づいてお決まりの挨拶を返した 「おじさんもゆっくりしていってね!」 「おじさんはゆっくりできるひと?」 まだ対して山に踏み入っていないのに見つかるとは……思ったよりも人里の近くに住み着いたんだろうか。 「ああ、ゆっくりできるよ。ほら、これをやろう」 そういって私は持っていた袋の中からお菓子を渡してやる。 「「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~!!」」 よし、食ったな……。 「「おじさんありがとう!もっとお菓子をちょうだいね!!」」 さてと、目的を果たさないとな 「ああ、もっとあげよう、ただその前にちょっと聞いていいかい?」 「「ゆ!ゆっくりきかせてね!!」」 私は質問を続けた。 「君たちの群れのリーダーに会わせてくれないかい?」 「りーだー?ねえまりさどうしよう?」 「ゆ!だいじょうぶだよれいむ!このおにいさんはゆっくりできるひとだよ!」 「わかったよまりさ!ゆっくりつれていこうね!」 「「ゆっくりついてきてね!!」」 そういってゆっくりたちは私を案内する様に跳ねていった。 よし、まずは成功と。 少しの間歩くと、開けた草原にたどり着いた。 ここは里から来た時に休憩に使ったりする人も多い場所だ。 今は山に立ち入る時期でもないから人の姿を見る事はない。 その代わりに、大量のゆっくりがゆっくりとしていた 数が多いな……。 「「ゆ!ついたよ!!ゆっくりおかしをちょうだいね!!」」 全くこの饅頭、もう約束を忘れているな。 「その前にリーダーを連れてきてね。そうすれば皆にもお菓子をあげるよ」 そんな問答をしていると、突然目の前に鈍い音を共に巨大な何かが降ってきた。ふむ、これは…… 「「「どすまりさだーー!!」」」 ゆっくりの群れってのはドスが登場する時は必ずこう言うのであろうか?まあどうでもいいが とつぜんのドスの登場に群れのゆっくり達も集まってきていた。 「ゆ!人間がなんの用なの!ここはまりさたちのゆっくりプレイスだよ!!」 そう言って威嚇している。 「ゆゆ!ちがうんだよどす!!」 「そうだよ!このおにいさんはゆっくりできるひとだよ!!」 「ゆ?どういうことなの?」 そうドスが聞き返したので代わりに答える。 「いやなに、最近ここらにゆっくりが住み着いたっていうからね、これはお近づきの印だよ」 そう言うと私は持っていた袋を逆さまにして中身をぶちまけた。 あふれ出るお菓子の山に集まっていたゆっくり達は呆然としていた。 「ゆ?ゆゆ??」 「おかしだ!ゆっくりできるよ!!」 「でもにんげんのもってきたものだよ!たべたらゆっくりできなくなるかもしれないよ!!」 「ゆ~でもおいしそうだよ!!」 「おか~しゃんゆっきゅりちゃべたいよ!!」 突然の出来事にゆっくり達がざわめく。ここで一斉に群がらなかったのは意外ではあった。 「ドスまりさ、私は別にお前達をどうこうしようと思ってきたわけじゃない。ちょっと聞きたいことがあるんだ」 とつぜん食べ物をくれる人間に正直戸惑いを隠せないドスまりさだが 食べ物が増えるのは正直望ましい。 「だいじょうぶだよどす!」 「さっきまりさたちもたべたけどゆっくりできたよ!」 その言葉が決定打になったのか、ドスまりさは私のほうに向かって口を開いた。 「分かったよ!人間さんはゆっくりできそうだね!皆!食べてもいいよ!!」 その言葉を皮切りに、群れ全体がお菓子の山に向かって殺到していった。 ゆっくり達の群がる山から聞こえるしあわせ~の連呼。 それを尻目に私はドスまりさに質問を始めた。 「じゃあ聞きたいんだがドスまりさ。お前達はなんでここに移住していきたんだ?」 「前に済んでいたお山さんがゆっくりできなくなっちゃんだんだよ!!」 「ふむ…それは何でだ?」 「皆でゆっくりしようと食べ物を集めていたんだけど、虫さん達やお花さんたちがいなくなっちゃったんだよ!!」 「なるほど、それでここに来たのか」 そこまで聞いて私は話す内容を変えることにした。 「ところでドスまりさ。お前はいっぱいリボンがついているな」 「そうだよ!皆が自分の命よりも大事なおリボンをつけてくれたんだよ!!」 そういって誇らしげに胸(?)を張った。 「そのリボンはこの群れのゆっくりたちのなのかい?」 「そうだよ!それだけ皆に信用されているんだよ!!」 「ふぅむ。なあドスまりさ、それは群れの皆のリボンなんだよな?」 「そうだよ!さっきも言ったでしょ!!」 ……こいつは気づいていないのか? 「じゃあドスまりさ。なんでここのゆっくり達はお前にリボンを預けているのに、リボン無しのゆっくりがいないんだ?」 「……ゆ?…ゆゆゆ!??」 ここまで言われてやっと気づいたらしい、この群れには飾りのないゆっくりが一匹もいない事に。 「どゔい゙ゔごどな゙の゙ーーーー!!!??」 その言葉を聞いて一匹のゆっくりれいむがドスに近づいてきた、このタイミングで来たってことはサブリーダーか何かかな? 「どうしたのどす!ゆっくりしようよ!」 「れ゙い゙む゙!!ごの゙り゙ぼん゙ばど゙ごがら゙もっ゙でぎだの゙ーーー!!? その一言で察したのか、ゆっくりれいむは慌てた様子だった。 「ちがうんだよどす!これはどすがよろこぶとおもってみんなでやったんだよ!!」 「ゆ゙ゔゔゔ!!?どゔじでぞん゙な゙ごどずる゙の゙!??」 尚も言い募るれいむだが横槍を入れてやる 「あーあ。可愛そうにな、そのリボンのゆっくりたちは今頃全然ゆっくりできなくなっているだなあー」 「ゆ゙ゔゔゔゔゔゔゔゔゔゔ!!!??」 ドスまりさはショックで叫んでいる。さて少し様子をを見るか。ちょうど騒ぎを聞きつけたゆっくり達が固唾を呑んでいる。 ……しばらくたって叫び続けていたドスまりさがいきなり黙った。落ち着いたようだ。 さて、どうでるかな。 「ゆうう……。仕方ないね!おリボンを取られたゆっくりは可哀想だけど皆でゆっくりしようね!!」 ふむ……それがお前の答えか、ドスまりさ。 その答えを聞いたゆっくり達は安心したかのようだった。 「そうだよ!しかたないよ!」 「どすにつけるからっていったのにいやがったゆっくりたちがわるいんだよ!」 「れいむたちのリボンはあげちゃうとゆっくりできなくなるからそうしたんだよ!しかたないよね!!」 次々と言い出すゆっくりたち。 さて、じゃあ最後の仕事にかかるかな…。 「ふーん。まあいいや、ところでドスまりさ。ちょっとこっちを見てくれ」 「ゆ?ゆっくり見るよお兄さん」 そういって素直にこちらを見つめるドスまりさに 私は隠し持っていたものをゆっくりを突きつけた。 「ゆゆ?お兄さんそれは何?」 そう言ったドスまりさの声と、突きつけられたものから出た轟音は同時だった。 「ゆ゙っぎ゙ぃ゙ぃ゙ぃ゙っ゙ぃ゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙い」 「「「「「「どずま゙り゙ざがあ゙あ゙あ゙あ」」」」」」 轟音の後には片目から大量の餡子を流して悶えるドスまりさと、それを見て混乱に陥ったゆっくりの群れだった。 別にたいしたことはしていない、ただ隠し持っていた猟銃をほぼ零距離でドスまりさの目に向かって撃っただけだ。 いくら硬い皮だといっても目は別だ、至近距離で当てれば目を突き破り中まで弾丸で抉られる。 変わったところといえばその猟銃は隠しやすいように銃身を切り詰めてあるのと、中に入っているのが対巨大ゆっくり用の 弾丸である所くらいだ。その弾丸はゆっくりの体内で反応を起こしてゆっくりの餡子をどろどろにしてしまう。 即効性が高く即巨大ゆっくりを行動できなくして、じわじわと死に至らしめる。 この弾丸、試してはいないが実はドスまりさの皮に当たっても体内にめり込んでくれるらしいので、当たりさえすればいいらしいが わざわざ目に撃ち込んだのこの方が苦しいからというのと、弾丸を撃ち込むゆっくりは大体気に食わないというだけだ。 普通ならば銃を突きつける前にドスまりさに警戒されるようなものだが、前もってお菓子を与えた事と話をしたことで ワンクッション置いてから、握手をするように銃を突きつけたことがドスまりさの判断を鈍らせることになった。 「さてドスまりさ、お前に言っておくことがある」 「ゆ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙ぎ゙」 身悶えているがこちらを睨んでいる事から聞こえてはいるだろう。 「お前は前いた山から食べ物が消えたといったな?それは間違いだ。お前達が後の事を考えずに取りすぎた結果だ」 「ゆ゙……だっ゙でだべも゙の゙な゙い゙どみ゙ん゙な゙ゆ゙っ゙ぐり゙でぎな゙い゙でじょ゙よ゙お゙お゙!!」 「それも間違いだ。お前が群れを考えなしに肥大化させずに管理していれば、その山はそんな事にはならなかった」 さらに私は続ける 「そしてお前は自分のリボンは他のゆっくりを犠牲にしたものであるにも分かったのに外さなかった。自分の群れの事しか考えられない お前達はこの山を食い尽くし、その後は近くの人里にも襲い掛かるだろう。そんな群れはここに置くわけにはいかない」 まあ他にも言いたいことはあるが大まかにはこんなものだ。 「ぞん゙な゙ごどじな゙い゙よ゙お゙お゙お゙お!!!!」 弾丸の毒が効いて動けないドスまりさが叫ぶ。 叫びながら餡子を口から大量に吐き出した。あ、なんか幻覚とかドスパークとかに使うキノコも一緒に出てる。 これで完全に危険は無くなったな。まあどのみち後は死ぬだけだが。 「お前がどう思おうと別にそれはどうでもいいんだ。問題はお前達はいずれはそうするから駆除するって事だけさ」 そう言いながら、私は用が済んだので帰り支度をする。 そうしている私の周りをゆっくり達が取り囲んだ。 「よ゙ぐも゙どずを゙ごろ゙じだな゙!お゙ま゙え゙ばゆ゙っ゙ぐり゙じね゙!!」 「「「「「「「ゆ゙っ゙ぐり゙じね゙え゙え゙え゙え゙え゙え゙!!!」」」」」」」 そう言って群れ全体が波のように私になだれ込んできた。 もうドスは死亡認定かよ。 ここで反省すれば死なずに済んだかもしれないのに…。 そう思っていると私を囲んで突進してきたゆっくり達が私にたどり着く前に突進する勢いのまま倒れ込んでいった。 「ゆ゙ゔ!!ぐる゙じい゙よ゙お゙お゙お゙!!」 「どゔじでえ゙え゙え゙え゙え゙!!」 「ゆ゙ぎゅゔゔゔゔぐる゙ぢい゙よ゙お゙お゙お゙お゙お゙゙!!!!」 まあさっきあげた菓子にも当然一服盛ってある。 これも特殊なものでゆっくりのみに反応する毒らしい。 食べても普通に生活する分には問題は無いが、殺意を持った攻撃を仕掛けたりする位興奮すると反応するらしい。 それにしてもこれをくれたあの鬼意山…一体どうやってこんなものを。 そう思いながら私はゆっくりと苦しみながら壊滅するしかない群れを後にした。 私のする事はたいしたことではない。新しく来たゆっくりの群れがそこにいても大丈夫なものかを判別するだけだ。 山の生態系を再起不能なまで壊さないか、人間に害が無いかぐらいを確かめて、大丈夫ならば何もしない。 どんな群れでもとりあえず毒入りの菓子は渡しておく。 群れが心変わりした時の為の、言わば保険だ。 毒の効き目は一世代のみらしいので次の世代のゆっくりや新しく群れに加わったゆっくりがゲスだったりしたら あまり意味は無いが他の問題は別に対処する鬼意山がいるので私の考えることではない。 あくまでも私のすることは住み着いた時点のゆっくりの査定だけだ。 最近はドスのふりをした巨大ゲスゆっくりとかもいるらしいし、案外今回もそうだったかもしれないなあ。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/3085.html
その4より 「さてと、今日は誰が虐待されるのかな?」 三匹の虐待から一匹のみの虐待に変わってから、すでに十日が経過した。 男が壁越しに恒例のセリフを吐いてくる。 それに対し、こちらのセリフも、この十日間変わることはなかった。 「ゆゆっ!! まりさをゆっくりつれていってね!!」 「……またお前か。いい加減、お前を痛めつけるのは飽きてきたんだがね」 「おにいさん、やくそくはやぶらないでね!! まいにちおなじでもいいって、まえにいったよ!!」 「わーってるよ、全くお前も強情だな」 そう言って、男の足跡は遠ざかって行った。 れいむは、黙ってまりさと男のやり取りを聞きながら、やり過ごした。 ありすも男が去るまで、無言を貫いている。 「ゆふぅ……」 足音が聞こえなくなって、れいむはホッと息をもらす。 男がいつ発言を翻して、再び全員を虐待するといってこないとも限らない。 足音が聞こえなくなるまで、一切の気は抜けない。 これもこの十日間変わらぬ光景だった。 この十日間、れいむとありすは、一度も男の虐待を受けていなかった。 それもそのはず、すべての虐待をまりさ一匹が被ってくれていたのである。 まりさは男が発言を撤回しても構わないといったにも関わらず、頑なにそれを拒み、自分を虐待しろと繰り返した。 結果、れいむは男にここに連れて来られて以来、久しく味わっていなかったゆっくりとした時間を満喫することが出来た……はずだった。 そう、出来たはずだったのだ。 部屋から出られないことを除けば、美味しいご飯に温かい毛布、そして隣には大好きなまりさと親友のありす。 好きな時に起きて、好きな時に好きなだけご飯を食べて、好きな時に眠るれる日々。 実にゆっくりした生活である。 しかし、れいむはこの十日間、本当の意味で“ゆっくり”した時間を過ごすことは、一度として出来なかった。 肉体的には、確かにゆっくり出来ただろう。 男から受け続けた虐待の傷も、すっかり癒えた。 寧ろ、森で暮らしていたころより丈夫になったくらいだ。ドッグフードとは言え、栄養バランスが良いおかげだろう。 しかし、精神面ではゆっくりとは到底いかなかった。 どんなにゆっくりしようとしても、圧し掛かってくるのは、まりさへの負い目と自己嫌悪。 更には、いつか男が元の虐待スタイルに戻すのではという恐怖心。 これらがれいむの心を乱してしまう。 ゆっくりは、心身ともにゆっくり出来ていて初めて“ゆっくり”した状態と言える。 如何に身体がゆっくり出来ていようと、心がゆっくり出来なければ、それはゆっくりしているとは言えないのである。 と言っても、贅沢をいう訳にはいかない。 れいむ以上に苦しいのはまりさなのだ。 まりさは、れいむとありすの苦痛を一身に背負っていてくれるのだ。 まりさは毎日れいむとありすに「ゆっくりしていってね!!」と声をかけてくれる。 心の底から、二匹にゆっくりして欲しいのだろう。 ゆっくり出来ていないなんて、死んでも口に出せるはずはなかった。 そんな時である。 壁越しにありすが声をかけてきた。 「ねえ、れいむ……いまいいかしら?」 「ゆっ? うん、いいよ!!」 そう言えば、ありすと二匹だけで話をすることも、最近はめっきりと減ってしまった。 まりさが男に連れていかれてから一時間の間は色々と考え込んでしまい、どうしても話をする気分じゃなくなってしまうのだ。 だからと言って、まりさが部屋に戻って来ても、あまり話はしない。 部屋に戻るや、まりさは疲れと痛みからすぐに寝てしまうので、れいむとありすの話し声で起こすわけにはいかないからだ。 結果、まりさが起きた後、ホンの少しの時間、三匹で話をするのがここ数日の日課となっており、それにしたって負い目を感じずにはいられないものであった。 二匹だけで話をするのは、本当に久しぶりである。 「ねえ、れいむ!! あなた、いまゆっくりできてる?」 「ゆゆっ!?」 ありすが何でそんな質問をしているのか、すぐには理解できなかった。 しかし、頭の中で言葉を反芻し、ゆっくりと考えてみると、ありすが何を言いたいのか、何となく理解できてきた。 「……ゆっくりできてるよ。まりさのおかげで……」 「そう……」 「ありすはゆっくりできていないの?」 「……もちろんゆっくりしているわ。まりさががんばってくれているんだもの!!」 ゆっくり出来ていると、ありすの弁。 しかし、言葉の中に隠れているありすの本音は、間違いなくれいむと同じものであった。 結局のところ、ありすもれいむ同様、まりさに負い目を感じ、ゆっくり出来ていないのだ。 「れいむ……ありすたち、このままでいいのかしら?」 「ゆっ? このままって?」 「いつまでもまりさにたよりきって、くらしつづけていることよ」 「ゆぅぅ……」 「まりさは、ありすやれいむのためにまいにちぼろぼろになっているのに、ありすたちはまりさになんにもしてあげられない」 「ゆぅ……」 「ねえ、れいむ!! ほんとうにこのままでいいのかしら?」 「……いいわけないよ。いいはずがないよ!! でも!! でもっ!!!」 れいむだってありすに言われるまでもなく分かっている。 このままでいい筈がないのだ。 まりさは、れいむとありすのために、毎日地獄のような虐待をされ続けている。 すべてはれいむとありすをゆっくりさせるために。 だというのに、肝心の二匹が、まりさを気にしてゆっくり出来ていないというのだから、本末転倒もいいところである。 でも…… 「でも……れいむ……いじめられたくないよ……」 「んん……」 そう、結局はここに行きついてしまうのだ。 しかも、れいむは男からの虐待を受けなくなって、もう十日もたっている。 これが以前の様に、毎日虐待されていた時なら、たまには自分がされるのも有かもしれなかった。 自分たちではなく男が虐待する者を選んでくれていたら、最初から諦めがついて、却ってよかったかもしれなかった。 しかし、平穏な日常に慣れたれいむは、以前にも増して、一層虐待への恐怖が強くなっている。 もう二度と虐待はされたくない。何に変えても!! 何をおいても!! 偽らざるれいむの本音であった。 こんなことなら最初からサイクル回しで虐待をされるんだった。 れいむは、最近ちょくちょくそう考えるようになっていた。 それなら全員が虐待を受け、誰一人負い目を持つこともなかった。 それ以前は毎日虐待されていたのだ。虐待が無くなる訳ではないが、三日に一回ならあの時のれいむなら十分満足できただろう。 考えてみたら、あの毎日虐待されていた時は、虐待自体は辛く苦しかったけど、三匹で過ごす一時はとてもゆっくり出来ていた。 実に充実していた。全員の心は一つだった。 しかし、どんなに過去を振り返ろうが、時間は戻らない。 結局、れいむはどんなにまりさを心配しても、何一つしてやることは出来ないのだ。 「……ねえ、れいむ……まりさって、すてきよね!!」 「ゆっ!?」 突然、何の話をしたいのか、ありすがそんなことを言ってきた。 「はじめてあったときから、すごくきれいゆっくりだっておもってたけど、そのうえあたまもよくて、やさしくて、ゆうきがあって、そして、すごくゆっくりしていて……とってもとかいはよね!!」 「ありす……いったいどうしたの?」 「れいむ!!」 「ゆっ!?」 「ありすは!! ありすは、まりさがすき!!!」 「!!!!」 「まりさがすきなの!!!」 ありすは、れいむに向かって、いきなり爆弾発言をしてきた。 れいむには、突然そんなことを言ってくるありすの意図が掴めなかった。 好きと言っても、いろいろある。 家族に対し、友人に対し、恋人に対し。 ありすがまりさの家族でない以上、友人か恋人かのどちらかであろう。 しかし、友人の場合、れいむに対しても好きと言っていい筈である。 親友という自負がある。れいむの独り善がりではない筈である。 しかし、それがなかったということは、つまるところ…… 「それって、『あいしてる』ってこと?」 「……ゆぅ!!」 ありすは少し躊躇いながらも、しっかりと返事を返してきた。 「……ありすはね、ずっとまりさのことがすきだったの!! でも、まりさってすてきなゆっくりでしょ!! ありすじゃまりさにはあわないとおもって、ずっといわなかったの……」 「……なんでれいむにそんなこというの?」 「もうこれいじょう、まりさにつらいおもいをしてほしくないから……とかいはのけついひょうめいよ!!」 「けつい……ひょうめい?」 ありすが何を言っているのか、さっぱりれいむには理解できなかった。 深く聞こうとしても、「つかれたから、ゆっくりねるわ」と会話を切り上げ、教えてくれなかった。 仕方なく、れいむも毛布に包まり、目を瞑り、ありすの言葉の意味を考え始めた。 “まりさがすきなの” 意味は分かる。 ありすはまりさを愛しているのだ。 つまるところ、れいむと同じということである。 しかし、なぜここにきてそんなことを言ってくるのだろう? なぜ自分にそんなことを言ってきたのだろう? 決意表明とは、いったい何を指して言っているのだろう? どれだけ考えようと、その意味がれいむには分からなかった。 ただ一つ言えることは、ありすはれいむのライバルということである。 れいむもずっとまりさが好きだった。愛していた。 ありすは親友だけど、まりさのことを譲りたくはない。 れいむはその日悶悶としながら、一日中、これまで以上にゆっくり出来ない時間を過ごした。 後日、れいむはありすの言葉の意味を知ることとなる。 「さ〜てと、今日も楽しい楽しい虐待の時間が始まるわけだが……また、今日もまりさか?」 男は気だるそうに、壁越しに言葉をかけてくる。 そんなに面倒くさそうにするなら、すぐさま虐待なんて止めて、れいむたちを森に帰せと言ってやりたい。 怖いので本当に言うつもりはないけど…… 対して、いつも通り、まりさが男に返事を返す。 「ゆっ!! そうだよ!! ゆっくりまりさをつれていってね!!」 全くもって代り映えのない会話である。 男は、これまた気だるそうに「わーったよ……」と返事をして、まりさを連れていこうとする……が、今日はいつもとは違う事態が起きた。 新たな声が乱入してきたのである。 「おにいさん!! ちょっとまってね!!」 ありすだ。 いつもはれいむ同様、男が去るまで口を開くことのない彼女が、行き成りまりさと男の間に割って入ってきたのである。 「おにいさん!! きょうはとかいはのありすが、ぎゃくたいされてあげるわ!! せいぜいかんしゃするのね!!」 「「ゆゆっ!!!」」 「ほう!!」 れいむとまりさの驚愕の声がハモる。 その後、男も久しぶりにおきた変化に、嬉しそうに声をもらす。 「あ、ありす!! いったいなにいってるの!! まりさがぎゃくたいされるんだよ!! ゆっくりじょうだんはやめてね!!」 「まりさ!! いつもまりさはがんばってくれているから、きょうはありすがかわりにぎゃくたいされてあげるわ!! きょうはおへやでゆっくりしていってね!!」 「ありす!! まりさなら、ぜんぜんへいきだよ!! ありすがいじめられることないよ!!」 「でも、もうきめたのよ!! とかいはににごんはないわ!!」 「ゆぅぅ……おにいさん!! おにいさんからもいってあげてよ!! まりさがぎゃくたいされるんだから、ゆっくりりかいしてねって!!」 自分の説得では、どうにも出来ないと悟ったのか、まりさは男に協力を呼びかける。 しかし、毎日まりさばかりで飽きていた男だ。 まりさの言い分を聞くはずもなく…… 「いいだろう、ありす。今日はお前を虐待してやるよ!!」 「なんでええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――――!!!!」 まりさの悲鳴を無視し、男はありすに言葉をかける。 「お前にもまりさの酔狂が乗り移ったのか? せっかくまりさが犠牲になることで、ゆっくり出来る日々を送れているってのに。それを自分から壊すなんてな」 「なんとでもいいなさい!! こんなにせもののゆっくりなんて、まっぴらごめんよ!!」 「ふん、なかなか言うじゃないか。その根性が今後も続けばいいがな」 ありすと男の会話と共に、男の足音が次第に小さくなっていく。そして完全に聞こえなくなった。 「ゆうううううぅぅぅ……なんでありすをつれていっちゃうのおおおおおおおぉぉぉぉ――――――!!!!」 まりさは未だに未練たらしく、声を荒げている。 ありすが代わってくれたことで、虐待されずに過ごせるというのに、本当にすごい根性である。 事情を知らなければ、うっかりゆっくりてんこと勘違いしてしまうほどだ。 よほどれいむとありすに傷ついてほしくないのだろう。 或いは、自分が誰のために虐待されているのか分かっているのかという、怒りも含んでいるのかもしれない。 未だ叫んでいるまりさを余所に、れいむは昨日のことを考えていた。 ようやく昨日のありすの言葉の意味が理解できた。 これがありすの言っていた「決意表明」なのだろう。 ありすは、ずっと悩んでいた。 このままでいいのかと。まりさに頼り切ったままでいいのかと。 大好きなまりさの為に何かしてあげたい。まりさの力になりたい。 ここまでは、れいむも常々思っていたことである。ありすとなんら変わらない。 しかし、れいむと違い、ありすは止まっていた足を再び前に出した。 自分が虐待されることによって、まりさの苦労を取り払いたい。 まりさをゆっくりさせてあげたい。 まりさと対等でありたい。 その気持ちが、臆病だったありすを突き動かしたのであろう。 れいむはここに来て以来、心に二度目の衝撃を受けた。 一度目は言うまでもなく、十日前のまりさの言葉である。 れいむは、ありすの行動力に対して、驚嘆と感謝と……嫉妬を感じた。 ありすが虐待されることによって、まりさは今日一日ゆっくりすることが出来るだろう。 例えありすのことを気にして精神的にゆっくりできなくても、一日虐待を受けないだけで肉体疲労度は全然違う。 まりさがゆっくり出来る。その機会を作ってくれたありすに、れいむは大いに感謝した。 それと同時に、れいむは羨ましかった。ありすの行動力が。 れいむと同じく臆病だったあのありすが、こんな大胆な行動を起こしてくるとは思わなかった。 こんな勇気を持っているとは思わなかった。それが羨ましくて仕方がなかった。 れいむは悔しかった。まりさに対する想いで負けてしまったことが。 昨日のありすの発言を聞いても、自分の方がまりさを想っている、まりさについて考えているという自信があった。 しかし、それもありすの行動で打ち砕かれた。 結局、想いだけだったのだ。口だけだったのだ。 れいむには、ありすの勇気を見せつけられても、それじゃあ自分もという気には到底なれそうになかった。 どうしても恐怖で身が竦んでしまう。虐待を受けたくない。ありすに続くことなんて、到底出来ない。 れいむは焦った。まりさとありすが近付いてしまうことに。 これでありすは、まりさに遠慮する必要が無くなった。まりさに負い目を感じることが無くなるのだ。 スタートラインは同じだったのに、たった一つの行動で、ありすはれいむの遥か先へと行ってしまったのだ。 しかし、何より腹が立つのは、そんなことを考えてしまう自分自身であった。 まりさやありすのように行動もせず、ただその恩恵を甘受している身でありながら、頭に浮かぶことは常に自分のことばかり。 口だけの自分に……何も出来ない自分に……れいむは腹が立って仕方がなかった。 「なんでじぶんからいじめられにいくのおおおおおぉぉぉぉ―――――――――!!!!」 部屋に戻ってきたありすに真っ先にまりさが掛けた言葉であった。 「ゆぅ……まりさ…………あん……まりおおきな……こえを…あげないで……………あたまに……ひびく…わ……」 「ゆっ!! ご、ごめん!! ありす!!」 ありすは、いつものまりさ以上に荒い息を吐いている。 久しぶりにまりさ以外を虐待した男がつい加減を間違えてしまったのか、それとも久しぶりに虐待を受けたありすの体が付いてこなかったのか。 とにかく、ありすが相当苦しそうなことには違いなかった。 しかし、まりさはありすに文句を言うのを止めなかった。 虐待を代わりに受けてくれて文句というのも可笑しな話であるが、ありすの体に差し障りない程度の音量で、ありすを攻め立てる。 「でもね、ありす!! ありすがいじめられることはなかったんだよ!! まりさがいじめられれば、ありすたちはゆっくりできるんだよ!! なんでこんなことしたの!?」 「まりさ……まりさはまえに……いったわよね……だいすきなひとは……じぶんをぎせいにしても…まもらなければならな……いって……」 「そうだよ!! だから、まりさがぎゃくたいをうけるんだよ!! ありすとれいむのために!!」 「ありすも……そう………おもうの」 「ゆっ!?」 「ありすも……だいすきだから……まりさと………れいむが…………きずついてほしくないから……ゆっくりして………ほしいから」 「ゆうぅ……でも!! でもありすはとってもくるしそうだよ!!」 「それは……いつものまりさも………おんなじでしょ……」 「そうだけど、まりさはおねえさんだから……」 「ありす…だって……とかいはよ……しんのとかいはとは……こういうことが……できる…ゆっくりのことを……いうのよ」 「でも!! まりさは、やっぱりいやだよ、ありすがきずつくのは!! あしたはまりさがぎゃくたいされるからね!!」 「だめよ……あしたも………ありすがいくわ!!」 「なんでぞんなごどいうのおおぉぉぉぉぉ――――――!!!!」 「いったでしょ……それが………とかいはと……いうもの…だから……よ」 まりさは何とかありすを翻意させようとしたが、ありすは一向に考えを改めてくれなかった。 その後、ありすの「つかれたわ」という言葉で、二匹の会話は一時幕引きとなった。 さすがにまりさも、傷付いたありすを無理させてしまっては、本末転倒であることを悟ったのだろう。その場は引いてくれた。 しかし、ありすが翌日起き上がると、再びまりさはありすに対し止めろと説得を繰り返す。 それに対し、ある程度回復したありすも一歩も引かなかった。 二匹は男の虐待が始まるまで、延々と話し合い続けた。 その日、れいむは一言も口を挟めなかった。 「それで、今日はまりさとありす、どちらが虐待されるんだ?」 定番の男の言葉である。 それに対し、ありすが口を開いた。 「ゆっ!! きょうは、とかいはのありすがぎゃくたいされるばんよ!! ゆっくりつれていってね!!」 「へいへい」 そう言って、ありすを連れていく男。 そんなありすに対し、まりさは壁越しにありすに言葉をかける。 「ありす!! ゆっくりがんばってね!!」 「だいじょうぶよ!! とかいはをあまくみるものじゃないわ!! まりさこそ、ゆっくりまっていてね!!」 「ゆっ!! ゆっくりまってるよ!!」 まるで仕事に赴く夫と、それを見送る嫁のような会話である。 最近、まりさとありすはいつもこんな感じであった。 ありすが初めて虐待されてから二週間が経過した。 あの日以来、ありすとまりさは交互に虐待される日々を送っている。 まりさは当初、なんとしてもありすの気持ちを変えさせようと躍起になっていた。 自分が虐待される。ありすは虐待されることはないのだ。すべて自分に任せればいい。 まりさはこれを繰り返した。 対してありすも、意地を通し続けた。 これからはありすが虐待される。まりさは休んでいなさい。これが都会派の役割よ。 二匹の意見は、なかなか折り合いがつかなかった。 数日後、先に降りたのはまりさだった。 どんなに説明してもありすは聞いてくれない。まりさはそういう考えに落ち着いたのだろう。 そこで普通のお馬鹿なゆっくりなら、あまりの強情さに敵対に発展することだろう。 自分の主張が通らないことは、ゆっくりにとって耐えられないことだからである。 「なんでまりさのいうことをきいてくれないの? ばかなの? しぬの? まりさのいうことをきかないありすはゆっくりしね!!」 こうなるのが目に浮かぶようだ。 しかし、このまりさは頭が良かった。 何でありすは自分の言うことを聞いてくれないのと憤るのではなく、ありすの心意気をしっかりと受け取ってくれたのだ。 理解したのだ。ありすが本当に自分のことを考えてくれているのだと。 自分に感謝してくれているからこそ、まりさの代わりを務めているのだと。 まりさはその心意気に報いることにしたのである。 その日から、まりさとありすは急激に接近していった。 毎日、変わりばんこで虐待を受けることを決め、互いで負担を減らすことにした。 虐待されていない方は、お互いのことは気にせず徹底的に体を休めることに努める。 受けた虐待を、次に持ち越さないためである。 以前は負い目があってゆっくり出来ていなかったありすも、今では負い目もなく、虐待のない日は心身ともにゆっくりと過ごしているようだ。 まりさも同様である。 また、少ない会話時間は、まりさとありすの二匹が中心となっていった。 会話の種は、主に男の虐待についてである。 二匹の話によると、最近男は昔三匹が受けた虐待を繰り返しているらしい。 虐待のバリエーションが尽きてきたのだろうか? しかし、そんなことはこちらには関係ない。というか、寧ろ好都合であった。 一度受けたということは、対策を立てられるということなのである。 そのため、まりさとありすは、毎日のように虐待対策を話し合った。 これこれこうすれば、あまり痛くないんじゃないかな? 明日はきっとこの虐待をしてくるわよ!! そろそろ“はこ”を使ってくると思うよ!! 今日この虐待をしてきたわ!! 読み間違えたわね!! ゆゆっ!! あの虐待は、こうするとあんまり痛くなかったよ!! そこにれいむの入る隙間はなかった。 二匹の中が急接近したこともあって、微妙に除け者にされていると感じ、なかなか入って行けなかったのだ。 それに話は虐待関係についての事ばかり。 虐待を受けていないれいむには、心情的に入り辛い話だ。 それでも寂しくてなんとか会話に参加したこともある。 まりさもありすも、れいむを決して仲間外れにしたりはしない。 しかし、いつの間にかれいむ一匹が、置いてけぼりにされてしまうのだ。 二匹も悪気があってしているわけではないのだろう。 実際、れいむにも話を振ってくれている。 しかし、虐待関係の話を振られても、れいむには応えられることは限られているし、れいむも熱心に話している二匹に、水を差すことは出来ない。 れいむと違い、二匹には命の危険性があるのだ。我儘で話を変えるなんてことが出来るはずがない。 結果、れいむがいつのまにか零れ落ちてしまうのである。 れいむは焦っていた。 最初はありすとまりさが急接近してしまうことにだけ目が向いていた。 しかし、今ではもっと重大な局面に差し掛かっている。 れいむの存在そのものが揺らいでいるのだ。存在が希薄になっているのだ。 まりさとありすが接近すれば接近するほど、れいむの居場所がなくなってくるのだ。 しかし、れいむには分かっていた。自分の居場所を取り戻す方法を。 簡単である。 れいむも虐待されればいいのだ。 虐待されれば、れいむも二匹に負い目を感じる必要はなくなるのだ。 二匹と共にゆっくり会話に興じれるのだ。 居場所を取り戻すことが出来るのだ。 しかし、どんなに頭では分かっていても、やはりれいむには言えなかった。 一言男の前で「きょうはれいむをぎゃくたいしてね!!」と叫べばいいだけである。 先日、男は「そろそろれいむを虐待したいなあ」なんて言葉を口にしていた。 れいむが言えば、どんなにまりさとありすが反対しようと、男はれいむを虐待してくれるだろう。 存分に可愛がってくれるだろう。 それでも……れいむには言えなかった。 虐待は怖い これがれいむの心を、体を縛っている。 今の状況はれいむにとって、辛く苦しかった。居場所のない自分が悲しかった。なんとしても変えたかった。 しかし、そのために虐待を受けるということが、どうしても出来ないのだ。 平穏に慣れすぎたれいむにとって、男の虐待はすでに死よりも恐ろしいものとなってしまっていたのである。 そんなれいむに転機が訪れたのは、その少し後であった。 れいむが虐待を受けなくなってちょうど一月が経過したころ、ありすがあることを口にした。 いや、ようやく口にしたと言うべきだろうか? その日はありすが虐待される日であった。 いつも通り連れて行かれ、一時間が過ぎると部屋に戻された。 まりさがそんなありすに声をかける。対してありすも大丈夫だと、まりさとれいむを安心させる。これもいつも通りの様子である。 しかし、本来ならこの後ありすは体を回復させるために休息に入るのだが、その日ありすは中々寝ようとしなかった。 まりさが言葉をかけても、壁越しにモジモジしているのが、何となく感じられた。 それはしばらくの間続いた。 そして、ありすはようやく意を決意したのか、ありすが「まりさ!!!」とひと際大きな声で呼びかけた。 「ゆっ!! どうしたの、ありす!!」 疲れているというのに突然大声を出してくるありすに、驚くまりさ。 「まりさ!! まりさにきいてほしいことがあるの!!」 「ゆっ? な〜に、きいてほしいことって?」 「あ、ありすと!! ありすといつまでもゆっくり…………」 そこでありすの言葉はピタリと止まってしまった。 まりさはしばらく待ち続けたが、いつまでもありすが続けてこないので、不審に思ったのか、聞き返してきた。 「ありす? どうしたの、きゅうに?」 「……」 「ありす?」 「……」 「ありすってば!!」 「……まりさ、ごめんね!! やっぱりいまのことばはゆっくりわすれてちょうだい!!」 「ゆゆっ!! どういうこと、ありす!! なにをいおうとしたの? ゆっくりおしえてよ、ありす!!」 「やっぱりいまはいうときじゃないから、ゆっくりやめておくわ!!」 「ゆぅぅ……そんなこといわないでゆっくりせつめいしてよ!!」 「もっとゆうきがでたら、そのときいまのことばのつづきをいうわ!!」 「ゆうき?」 「ごめんなさいね、まりさ!! ぜんぜんとかいはらしくなかったわ!! いつかぜったいいうから!! ぜったい!! ぜったいっ!!」 「ゆぅぅ……ぜったいだよ!! やくそくしたからね!! よくわからないけど、いつかゆっくりせつめいしてね!!」 「ええ、ぜったいにいうわ!! ゆっくりやくそくよ!!」 そう言って、ありすは寝てしまった。 ありすが言おうとした言葉。 まりさには最後まで分からなかったようだが、れいむにははっきり理解できた。 “ありすといつまでもゆっくりしていってね!!” これがありすが言おうとしていた言葉であろう。 ゆっくりしていってねと言っているが、言葉通りの意味ではない。 これはゆっくり社会で俗に言うプロポーズの言葉である。 ありすはまりさに告白をしようとして、結局途中で怖くなって言いそびれてしまったのだろう。 同じゆっくりを愛している者同士の勘だろうか? れいむには痛いほど気持ちが理解できた。 理解できた反面、れいむの焦りは頂点に達した。 まりさとありすが結婚する。 それは今以上にれいむの居場所を無くしてしまうことになってしまうからだ。 無論、ありすがしっかりプロポーズしたとしても、それをまりさが受けるとは限らない。 れいむの杞憂に終わるかもしれない。 しかし、追い詰められたれいむには、最早その可能性だけで充分であった。 なんとしてもまりさとありすの結婚を阻止しなければならなかった。自分の居場所を守るために。 そのためにはどうすればいいか? まず真っ先に思いつくのが、ありすにプロポーズの言葉を言わせないことである。 言わせなければまりさが受けることもあり得ない。 しかし、どうすればありすに言わせないようにすることが出来るのかが、れいむには思いつかなかった。 ありすに告白するなと言っても、聞きはしないだろう。 逆に、なぜそんなことを聞くのかを問い詰められ、れいむの思慕をありすに知られる恐れがある。 そうなれば、ありすはれいむに負けじと早々にプロポーズをしてしまうかも知れない。本末転倒である。 絶対ありすに、れいむの気持ちを知られることがあってはならない。 ならば、ありすの評判を下げるのはどうだろう? ありすが虐待されている間や、寝ている間を見計らって、まりさにありすのあることないことを焚きつけて、ありすの評価を下落させる。 ……却下。問題外である。 まりさは馬鹿ではない。そんなことをしても、決して信じることはないだろう。 逆にそんな嘘を付いてくるれいむの評価を落とすことになりかねない。 唯でさえ存在が薄くなっているのに、まりさに見捨てられてしまったら、れいむにはこの先生きている意味すら持てなくなってしまう。 それにこの案は、そもそもれいむ自身も気に入らない。 ハッキリ言って、れいむのやろうとしていることは、ありすに対する裏切りに近い行為である。 しかし、それでいてなお、れいむはありすとの友情を捨てきれていなかった。 調子のいいこととは理解しつつも、ありすと親友でいたかった。 ありすの悪口を陰口するなどしたくはなかったのだ。 ならば、最後はこれしか考えられない。 れいむは自分がまりさを好きなことを、ありすに教えていない。これはある意味アドバンテージだ。 更に言えば、ありすはれいむよりまりさに近い位置にいる。れいむに危機意識の欠片すら抱いていないだろう。 だから…… ありすがプロポーズする前に、れいむがまりさにプロポーズをする!!! ありすのあの調子からするに、明日明後日にでも、すぐにプロポーズしてくることはないだろう。 ならば、先にれいむがまりさに告白し、まりさが受けてくれれば安泰どころか、愛するまりさと一緒になれて、一石二鳥にも三鳥にもなりえるのだ。 無論、ありすより先に告白したとしても、まりさがれいむのプロポーズに答えてくれるとは限らない。 限らないが、ありすのプロポーズを阻止できない以上、この手しか残されていなかった。 始めて出会った時こそ、まりさとの結婚など1%の可能性もない妄想にすぎなかったが、2か月近くをいっしょに過ごしたれいむなら、まんざら可能性のない話ではないだろう。 どうせこのまま何もしないでいても、何も変わらないか、ありすに取られてしまうかのどちらかだ。 それにありすがいつプロポーズをするか分からない以上、考えている時間もあまりない。 れいむが、一生に一度の決意を固めた瞬間であった。 とは言え、今のれいむとまりさとでは、あまりにもつり合いが取れていなかった。 まりさは二日に一度虐待されているのに対し、れいむはその恩恵をただただ甘受しているニート生活。 れいむもまりさと同じ舞台に上がる必要があった。 怖かった。とてつもなく怖かった。 しかし、れいむに道は残されていない。 れいむは、ようやく虐待を受ける覚悟を決めた。 その6?へ
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/544.html
昨今の幻想郷では、ゆっくりが餡子の材料、ペット、ストレス解消など様々な利用方法をされている。 そして大工の場でもゆっくりが使われていた。 家を建てる際に草木を撤去し、凸凹とした土地を平らに均す必要がある。 その時にゆっくりを使うわけだ。 まず平らにしたい土地を柵で囲っい、れみりゃ除けに網をかけてその中にゆっくりを何匹か放り込む。 逃げられないようにするためと、無必要な部分まで整地されないようにするためである。 ちなみに中にいれるのはゆっくり霊夢、それも母ゆっくりだけだ。 まりさ種を入れると何かと理由をつけてさぼったり、それが原因でゆっくり同士喧嘩しだすのでNG。 ありす種を入れると他種のゆっくりが犯されて殺されるのでNG。 ちぇん種は仕事に対して集中できないうえ目を離すと遊びだすのでNG。 みょん種などは話が通じるか分かり辛いのでNG。 そんなわけで割と素直で真面目なれいむ種が使用されるわけである。 今日もまた新たなれいむ家族が箱に詰められて現場へと連れてこられた。 箱の中からはゆっくり家族達の声が聞こえる。 「ゆっくり出してね!」 「おかーしゃん、ゆっくりできないよ!」「くらいよ!」「せまいよ!」「こわいよー!」 「うるさいなぁ。ほら着いたぞ」 大工の一人が箱を開けて中を確認する。 母ゆっくり一匹。子ゆっくり二匹に赤ちゃんゆっくり二匹。 その中から母ゆっくりだけを取り出して柵の中へと置いた。 「ゆ! ひろいよ!」 柵の中は今まで閉じ込められていた箱に比べればずっと広い。 母ゆっくりは清々しい表情をする。 「わたちたちもゆっくりだちてね!」「だしてだして!!」 子供たちの声を聞いて子供たちを思い出したのか、母ゆっくりは大工へ向かって抗議する。 「れいむのこどもたちもゆっくり出してあげてね!!」 「だめだ。お前が仕事を終わるまでこいつらは預かっておく」 「ゆ"!? なんでそんなこというの!? ゆっくりだしてね!!」 「聞けよ。仕事が終わったら放してやるって言ってんだろ」 「おじさん、なにいってるの? なかなの?? はやくこどもをだしてね!!!」 「あー、めんどうな奴らだな」 こんなやり取りを今までに何度もしてきたので大工はうんざりだという顔をする。 「仕事の説明はあそこにいる他のやつらに聞け。仕事が全部終わったら子供に会わせてやる」 同じ柵の中、向こう側で寝ているゆっくりの群れを指で示してそれだけ言うと大工は背を向けて去って行った。 「ゆっくりまってね!! こどもたちをかえしてね!!」 しかし大工は聞かず、そのまま自分の小屋へと帰った。 今晩の食事はちょうど手に入った4つの饅頭だ。 そうして残された母ゆっくりはしばらくの間、すでにいない大工や子供たちに話しかけたり、 柵に向かって体当たりしていたがどれも適わなかった。 その音に目を覚ました他の母ゆっくり達四匹が集まってきた。 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 「ゆ? ゆっくりしていってね!」 他の母ゆっくり達の挨拶に母ゆっくりも挨拶を返す。 「れいむもこどもたちをもってかれたの?」 「ゆ! そうだよ! ゆっくりしないでたすけなきゃ!!」 母ゆっくりは再び柵に向かって体当たりしようとする。 「ゆっくりもんだいないよ!」 「しごとがんばればかえしてもらえるよ!!」 と、他の母ゆっくり達は言う。 「それが本当かどうかわからないよ!!」 「だいじょうぶだよ! さいしょにいたゆっくりはこどもたちかえしてもらってたよ!!」 「ゅ! しあわせそうにおそとへいってたよ!!」 それは他のゆっくりに、がんばれば子供を返してもらえると示すための大工によるヤラセのようなものだ。 ちなみにその子供を返してもらったゆっくりは他の現場へと連れていかれたが、残るゆっくり達は知る由もない。 ただ、仕事を頑張れば子供と一緒にゆっくり出来ると信じていた。 「じゃあだいじょうぶだね! しごとってなにをするの!?」 他の母ゆっくり達の言葉に安心した母ゆっくりはようやく仕事する気になったようだ。 「ゆっくりせつめいするね!!」 「しごとはここのじめんをぺったんこにするだけだよ!! たべものはここにあるくさだよ!!」 「でもくさをいっぱいたべないでね! これいがいはないからね!!」 「ゆっくりわかったよ! みんなでゆっくりがんばろうね!!」 さすがは母ゆっくり、今の説明で理解できたようだ。 母ゆっくりの群れなので食事の量の管理も問題ないだろう。 それから母ゆっくり5匹のお仕事が始まった。 昼間は小石を柵の隅へと退かしたり、口や大きな体を使って地面を平らにしていく。 また、食事と整地も兼ねて草を食べていく。 疲れたらそれぞれ自由に休んでいた。 暗くなるとゆっくりタイムだ。 といってもこの辺りは明かりになる物もないのでみんなで擦り寄って眠るだけだが。 子供たちのことが心配ではあったが、仕事が終わればまた家族でゆっくり出来る。 それに共にがんばった他のゆっくり達の家族とも一緒に遊ぼう。 最初ここに連れてこられた時は不安でしょうがなかったが、甘い未来を想像するとゆっくり出来た。 それから一週間経ったころ、大工は様子を見にきた。 最初は凸凹で草木もたくさん生えていたこの土地はしっかり整地されていた。 草一本生えず平らになっていた。 「いい感じだな。よくやったなお前たち」 「ゆっくりがんばったよ!!」 「ゆうしゅうでごめんねー」 「ゆー♪ゆー♪」 自分たちのがんばった仕事を褒められてゆっくり達は嬉しそうだ。 仕事の最後の方は食べるものも少なくなって辛かったが、労いの言葉にゆっくり達の言葉は満たされた。 「がんばったのだからご褒美をあげないとな」 「ゆ! おぼえてるよ!! はやくこどもにあわせてね!!」 「あとおなかへったからごはんもってきてね!!」 「こどもたちはゆっくりしてる? ゆっくりあいたいよ!!」 「ごほうびごほうび!! こどもとたべものちょーだいね!!!」 「こどもたちといっぱいたべたいよ!!」 ご褒美と聞くと5匹の母ゆっくり達は口を揃えて望みを言う。 「じゃあ、そこまで連れていくからこの箱に入れ」 大工はそう言うと、持ってきた5つの木箱をゆっくり達のいる地面へ置く。 「はこ? はこはいやだよ!」 「せまいからゆっくりできないよ!!」 「お前たち疲れてるじゃないか。だから箱に入れて運んでやるんだよ」 「じゃあもっと広いはこにしてよね!!」 「まっててあげるからゆっくりよういしてね!!!」 「嫌だよ阿呆饅頭。とにかく箱に入らないなら食事無しで子供にも会わせないからな」 図々しいゆっくり達もさすがに食事と子供を盾にされると贅沢言わなくなり、自分から箱へと収まった。 「ゆっくりはこんでいってね!!!」 リヤカーにゆっくりの入った木箱を5つ積むと、大工はリヤカーを引いていく。 何も見えずにただ揺らされるゆっくり達は不平不満を垂らす。 「ゆっくりできないよ! いつつくの!?」 「おそとがみたいよ!」 「ゆれがはげしいよ! ゆっくりはこんでね!!」 しかし大工にとってそれは雑音にすぎない。 無視してリヤカーを引いていく。 そして数時間後、ゆっくり達入った木箱の蓋が外されて地面へと降ろされる。 「ゆっくりできるよ!」 「ひろいよ! くさがいっぱいあるよ!!」 「ゆ? こどもたちは? どこにいるの!?」 「ゆっくりしないで会わせてね!!」 「今度はここで仕事だ。前と同じだからがんばれよ」 「ゆ”! どういうこと!! やくそくがちがうよ!!」 「ゆっくり達のしごとはもうおわったんだよ!!」 「仕事はあそこだけなんて言ってないだろう?」 「い、いやだよ!! もうしごとしないよ!!」 「そうだよ!! はやくしょくじとこどもをもってきてね!!」 「そしたらしごとすることかんがえてもいいよ!!」 「食事ならそこにいっぱい生えてるじゃないか」 大工の指差した先には確かに草木が茂っていた。前の土地よりも多いかも知れない。 「あまいのがいいよ!」 「おかしもってきてね!」 「あとこどももね!!」 「こどもは仕事が全部終わったらって約束だろ? じゃあ後はがんばれよ」 ゆっくりとの無駄な問答に付き合ってられないと大工は去って行った。 「ゆ"う"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"!! まっでえぇぇぇぇぇ!!!」 「せめて! ひとめだけでもみせてね!!」 「ゆっくりまたないとおしごとしないからね!!!」 最後のゆっくりの言葉に反応して大工は振り返る。 「一か月後に仕事ができなかったら子供は食べるからな? しっかり仕事しとけよ?」 今度こそ大工は去っていった。 後に残されたのは柵に囲まれた広大な土地と5匹のゆっくり達だけだった。 今度の仕事場は大豪邸でも建てるのか前に比べてずっと広い。 5匹のゆっくり達は誰も何も言わず呆然と佇んでいた。 一ヶ月後に見事に仕事をやり遂げた5匹のゆっくり達はご褒美をもらえた。 苦しむことの無いよう鉈で一刀両断。これがご褒美だ。 きっと子供たちに会えるはずだ。仕事を始めた日には死んでいた子供に。 きっとあの世でね。 終 by ゆっくりしたい人 主にゆっくりれいむ家族を虐めたいだけ。虐待というか人質とって強制労働というべきか。 ある種グッドエンドっぽいけどあの世で子供に会えるか決めるのはえーき様。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2055.html
「二匹のゆっくりを育ててみた。」 ※へんなゆっくりが出てきます ※今回はギャグ編だよ! 【1.こんにちは】 ちんちんしゅっしゅっ! 違う 珍種だ ごめん…疲れているんだよ 俺は二匹の珍種ゆっくりを飼っているんだが そいつらと来たら一癖も二癖もある厄介な連中なのさ 言う事を聞かない? ご飯を食い散らかす? いやいやいや それに関しては普通のゆっくりと比べたら、だいぶ優秀な方だ しかしなぁ… その当時 俺はめったに手に入らないという二匹の赤ゆっくりを ブリーダーを引退するという叔父から譲り受けた 「ゆっくちちていっちぇね!」 「ゆっくちちていっちぇね!」 ようは売れ残りってヤツだな 憎たらしくもコロコロしたあいつらが実は大好きな俺 ピンポン玉みたいな【赤まりさ】と【赤れいむ】を手の平に乗せて にぎやかな育成生活を思い描きつつ笑顔で帰りましたさ 「れいみゅは ぽんぽん すいちゃよ!」 「まりしゃも ぽんぽん すいちゃよ!」 『ほーれ まんまだぞー よくかめよー かみかみしないと ぽんぽんいたくなるからなー』 叔父からある程度の知識を教わっていた俺は 順調にミニゆっくりのお父さんとして頑張った れいむはつやつやの黒髪を伸ばし まりさはふわふわの金髪を揺らし 飾りも体格も立派になってきた そろそろ小ゆっくりサイズにもなろうかという時に異変を発見した なんだか歩きずらそうとしてるので 底面をゆっくり…じゃなくって、ひっくり返して あんよを覗いて見た 「れいむの きれいな おみあしに みとれてね!」 「れいむの だいじなところを みるなんて へんたいおにいさんには まりさも びっくりだぜ!」 『なんぞこれ?』 子未満れいむのド真ん中辺りに"こぶ"が出来ていたのだ おや~…見てないところで怪我でもさせちゃったのかなぁ? まっ白なあんよに、ぽっこりとした たんこぶが可愛くて とりあえずぷにぷにしてみた 「いだだ! おにいさん いだいよ! ゆっくりしないで はやくやべでね!」 「いたそうだぜ! おにいさん いたそうだぜ! ゆっくりしないで さっさとやめるんだぜ!」 むぅ、やっぱり"こぶ"なのかな? 『おい れいむ どこでこんなたんこぶ 作ってきたんだい?』 「しらないよ! きがついたら ぽこぽこが できてたんだよ!」 「しらないんだぜ! きがついたら れいむの あんよに できてたんだぜ!」 『こらこら ちゃんと言わないと駄目だぞっ お前たちが怪我するような遊びは お兄さん感心しないなぁ~』 「ゆぅ~ れいむは うそついてないもん!」 「そうだぜ! れいむは うそついてないぜ!」 『まぁいいけどさ あんよは お前たちにとって 命の次に大切なものなんだぞっ』 犬猫もそうだが 足がなければ狩りが出来ない 餌が取れない 餓死してしまう だから犬の足とか掴むと猛烈に嫌がるのはそういう事だ ゆっくりなんて四肢がないんだから、事態はもっと重大だ あんよを基点にしたジャンプができないと一歩も動けなくなってしまう やんわりと叱りつけた後は栄養のあるご飯を与えて上げた あいつらの遊び場には高いところに乗れる土台や 踏んで痛いような硬い玩具はないはずだけど そろそろ体も大きくなってきたから注意しないといけないようだ んでもって 一週間後 むぅ こぶはひっこむことなく、れいむの成長と共に肥大して大きくなってしまった つーか こぶじゃないなこれ こぶと思われたものは毎日変形していき にょきにょきと分岐したかと思えば あっという間にある形なった 体だ 15cmほどの子ゆっくりの頭部に 目玉の親父のような裸の大将が あんよから伸びている というか人間の赤ちゃんの"ハイハイ"の要領で移動している 『えーと れいむ お前のおかーさんは 母れいむと父まりさだよね?』 「そうだよ! れいむは おかーさんから うまれたんだよ!」 「そうだぜ! まりさは おかーさんから うまれたんだぜ!」 答えるのはハイハイ赤ちゃんぽいのが二匹 そう なんとまりさもワンテンポ遅れて こぶが出来たと思ったら 体ができてしまったのだ まだ慌てる時間じゃない 最初はれみりゃの合いの子かとおもったが そもそもゆっくりに掛け合わせは存在しない ただの分身が生まれるだけだ… 分身だ こいつらは叔父から 【父まりさ】と【母れいむ】から生まれた姉妹だと聞いていた しかし具体的な種類を聞いていなかった そうだ まりさといっても【ドス】【ゲス】【つむり】といるし れいむだっていろんな種類がいるらしい しかしこんな胴体付きなんて聞いたことないぞ? 叔父の言う通りめったに手に入らないというのは本当のようだ ぐぬぬ 成体のまん丸としたれいむ達を連れ やぶ蚊大発生の山で散歩させて、全身かいかいにさせたり すっごく痛いよ!って散々教え込んで 予防接種に怯える悲鳴を聞いたり 二・三日外出するよと絶対足りない餌を準備して、寂しく帰り待つ姉妹をカメラで観察したりするゆっくりパラダイスが… 四肢があるせいで生来あった可愛さや ひ弱で愚鈍な動きがなくなってしまった じーざすくらいしす とはいえ俺が親代わりだとちゃんと認識しているし 言いつけも守る可愛い家族だ そのうちハイハイから二足歩行になりそうなんだが まあ…慣れるだろう 【2.改めてこんにちは】 無茶言うな 慣れないって オマケ程度に付属された、割と細い胴体はぐんぐんと成長して 今や二頭身だ 重そうな頭を支える すっぱだかの胴体 バランスが悪いせいか 若干足を開いたり曲げたり 悩ましいポーズをとって立っている なんだろ これ 「みゃみゃ~」なんていう 子れみりゃの方が可愛いぞ… 顔だけ見れば立派なゆっくりだ 大体20cm強で普通の成体よりは小さいだろうか でもその下に頭部の直径と同じ幼児体型がついてるわけで しかもあれだな 裸だし きめぇ丸や きもんげだって 飴や皮が繊維質に変化した 衣服を形成するってのに なんでこいつら裸体なんだ 二匹のゆっくりを育ててみた。 その結果がこれだよ! 「おにーさん! お腹がすいたよ! ご飯が欲しいよ!」 「おにーさん! お腹がすいたんだぜ! ご飯が欲しいんだぜ!」 そして今更気付いたんだけど こいつらの仲の良い事といったら モスラの小美人よろしく同じ台詞を言ったり 何か要望がある時は たとえ片方しか望んでいないことも 意気投合しては、言葉巧みに可愛い子供達の願いだよって感じでハモってくる くいっ 「おにーさん!」 くいっ 「ごはんだよ!」 腰をひねるなwwww ポーズをとるなwwww 感情がひと回りして キモ可愛くなって来たぞ だからなんで裸なんだよwwww 絶妙なコンビネーションで 決まり文句とポーズをとる はだかのれいむと はだかのまりさ よし今日決めたこいつは 『裸(ら)れいむ』『裸(ら)まりさ』と呼称しよう ココロの中でな 『ほいほい わかったわかった』 お皿に適量のゆっくりフードをザクザクと盛って牛乳をそそいだ シリアルフードみたいで人間でも食べれそうだ 汚れないようにシートを敷いたいつもの場所に二皿置くと とってけてってってー、と駆けてきた。 どざぁあああああああ 盛大にれいむがこけた フローリングなのに なんで高校球児のヘッドスライディング的な音がしたかというと 一緒に駆けてたまりさが口で効果音を入れたのだ 「でいぶぅううう じっがりじでぇええええ!」 眉間をひそめ滝の涙を流す裸まりさがれいむに駆け寄った 顔面を床の摩擦で ぶべべべとすり減らしたれいむは まりさの差し伸べた腕に持たれかかる 「まりざぁ…ゆぐ……ご…ごべんね………いっじょに…ごはん…だべ…れ…なぐ………d…」 「でいぶ!でぇいぶぅ! おべべを あげでよぉおお!!!」 裸まりさの声は届いただろうか ゆっくりと目を瞑り、裸れいむは姉妹の腕の中で安らかになった 自分達の親は もういない だけど この世の中に あの時の親の優しさ 暖かさを共有しているものがいる もし世界に 自分だけしか 生れ落ちなかったら 親の記憶も 子供の頃の自分も きっと色あせてしまっていただろう かけがいのない姉妹 たった二匹だけの姉妹 幸せなことは二倍に 辛いことは半分に 姉妹という存在は 広く厳しい この世界を生きる支えになっていたんだ 『じゃー れいむの分は 片付けちゃうぞー』 「ゆ、待って おにーさん れいむも たべるよ」 「ゆべっ!?」 裸れいむはパチリと目を覚ますと 抱きかかえていた裸まりさを、ヘッドバットの要領で吹き飛ばしつつ起き上がり ご飯の所へすべり込んだ 『…』 特に突っ込む気にはならない あいつらは楽しいのだろう 幸せだな 「れいむ 待ってよおおおお!」 お食事タイムだ 正座した二匹はお皿を持ち上げると ずぞぞぞっと杯(さかずき)を交わすように ご飯をもしゃもしゃと口に流し込んでいく 箸もスプーンもない だって指がないんだもの ほっぺいっぱいにご飯を溜め込んだ二匹はある程度、咀嚼すると 「むーしゃむーしゃ しあわせー☆」 「むーしゃむーしゃ しあわせー☆」 きらりーん 「まりさ ゆっくりできたね!」 「れいむ おいしかったね!」 ぽっこりしたお腹を天井に向けて ゆるーいヘブン状態に入ってる二匹 『おまえら わすれていないか? ごはんを食べたらどうするの?』 「ゆ?」 「ゆ~?」 だいたいこんな事だろう思って 用意していたハリセンをちらつかせた 「ゆ!? れ、れいむは かしこいから わかるよ!」 「ゆ!! ま、まりさは すごいから わかるんだぜ!」 『ほほう…』 とりあえずハリセンをスイングする しゅばーん しゅばーん 「ゆっくり おもいだしたよ!」 「まりさも おもいだしたんだぜ!」 『どうぞ』 「ごはんを!」 「たべたら!」 シンメトリカル(左右対称)なポーズをとる裸ゆっくり 外側の腕は斜め上に伸ばし、内側の腕を曲げて胸元で形を作る まるでヒーローの同時変身のような姿を見せると 声を合わせて叫んだのだ 「「寝る!」」 ベベシッ … ベベシッ … ベベシッ … 『左の頬を打たれたら~♪ 右の頬を差し出して~♪』 ベベシッ 『右の頬を打たれたら~♪ 左の頬を差し出して~♪』 ベベシッ 正座して並んでいる二匹のほっぺたに →→まりさの右頬→れいむの右頬→↓ ↑←まりさの左頬←れいむの左頬←← と往復ハリセンでお仕置き中 「「ゆぶ! ごちぞう! ゆべ! ざま! ゆぼ! でじだ!」」 『よろしい』 半分ストレス解消を兼ねた ハリセンタイムを終えると 食器を片付けて出かける準備をした 「ゆゆ? おにーさん おでかけするの? れいむもいっしょに おでかけするよ!」 「ゆゆ? おにーさん おでかけするの? まりさも――――――ゆぎぅうう」 『だから同時にしゃべるなよ 今日はお仕事だから ちゃんとおるすばんするんだぞ?』 まりさの帽子がくしゃくしゃになるくらい頭を撫で回して家を後にした でも もっかい戻って 『おとなしく おるすばん するんだぞ? おとなしくな? ゆっくしてろよ?』 体が完成して迎える最初の春だ 活発なやつらが問題を起こさない事を祈りつつ仕事に専念した… 【3.おかえりなさいだよ!】 だいぶ夜も更けてから帰宅した俺 『ただいまだぞー』 玄関を開けると二匹が出迎えてくれた 奥の部屋から走ってきたこいつらは、ずざざーっと滑り込んで登場する 腰に手を取り踊りでも踊っているような中腰姿勢をとるやいなや… 「ご飯はできていないし!!!」 「お風呂もわいてないの!!!」 「「そのうえ わたし達は せ☆い☆r…」」 おっと、玄関で殺ゆっくり事件が発生してしまった おびただしく流れる餡子の汁と 餡溜まりには被害者の身に着けていた帽子やリボンが散らかっている 二匹が倒れてる原因は、鞄という凶悪な鈍器による殴打だ しこたまぶん殴られ たんこぶをこさえた被害者は男に持ち上げられた 玄関に散らばった餡子を被害者の口に詰め込み 真顔の犯人は作業が終わると台所からバケツと雑巾を持ち出して べたべたになった所を拭いてまわると証拠隠滅を完了させた 「ゆ…」 『おお、死体が生き返った』 「ゆ? ここはどこ? れいむはだれ?」 『いや 自分でなまえを言ってるだろ』 裸れいむが目を覚ますと奇妙な態勢になっていた 頭の部分は透明な箱にすっぽり格納され 箱は床から1メートルの高さで背面からぴったりと壁に固定されている 箱自体は透明で見渡しは良いのだがちょっと息苦しい 何故ならば空気口は底面部分に首が通る穴があり そこからしか空気は入ってこないのだ そして穴からは、だらんと床に向かって垂れ下がる胴体があるだけ たしっ! たしっ! ほちゃちゃちゃちゃ! 胴体を捻って背後の壁に足をぶつけても 壁に固定された箱はびくともしない 残った両手で、頭を包む箱にパンチを連打してみたが壊れるそぶりもない 「ゆぅ…」 『れいむ』 「ゆ!? おにーさん! れいむが ゆっくりできない じょうきょうかに あるよ! はやく たすけてね!」 『それは聞くことが出ない 何故ならば れいむをくくり付けたのがおにーさんだからだ!』 「ゆゆゆ!? どうして? れいむは わるいことしてないよ? いまなら ゆるしてあげるから ここからだしてね!」 『いいや… れいむは わるい事をしたぞ?』 「ゆぅ?」 『おとなしく おるすばんしなさいといったのに… ご飯は 散らかして 山になってるし』 『お風呂場は 水浸しだし 玄関も おうちじゅうの 花瓶を集めて転がってるし』 「そうだよ! れいむたちはがんばって おでむかえ したんだよ!」 『もちろん お前たちが 善意でしでかした事は 知っているのだが… これは好機なんだ』 「おにーさん なにいってるの? ゆ? まりさは? まりさは どこにいるの?」 『まりさは いないよ ずっと 遠くにいってしまった… れいむに おわかれのでんごんを のこしていったよ』 「ゆぅぅうううううう!?!?!? まりさぁあああ!? どぼしでぇぇええええ!? でいぶを おいでがないでぇえ!!!!」 ああ、これだ 姉妹ならではの 驚異的なユニゾンはすばらしいが この子達は依存も同時に高すぎるのだ だから今こそ教育の時なのだ 『れいむ… れいむも もうおねーさんなんだから いつまでも まりさまりさと言ってはいけないよ』 「いやだよおおぉぉ! でいぶはぁ! まりざどぉ! いづもいじょなのぉおおお!!!!」 『致し方ないな…』 俺は最終兵器を使わざるを得なかった 心が痛い しかしこれは れいむが成長する最後の機会かもしれない 俺は心を鬼にして 例のものを取り出した 輪ゴムだ 俺は中差し指と親指に輪ゴムをひっかけると 人差し指でくるくると絡めていく 指の血が止まるくらいの巻き方をして ズボンの腿(もも)にあてがった 親指のストッパーを外すと 音速の1割の速度で輪ゴムの力が解き放たれた ベチッ 10年ぶりに試したパッチンは、容易にスボンの防御力を無効化して 俺の太ももに鋭い痛みを与えた ごめんシゲちゃん これは泣くわ 12年前に泣かした親友に 胸中で謝罪すると 俺はれいむに近寄った 「ゆぅ…ごめんね まりさ… おにーさんのいいつけも まもれない れいむを きらいになったんだね…」 『ふふ』 「まりさは きっと どこかで ゆっくりしているよね… れいむが いないほうが ゆっくりできるんだよね…」 『ふふふ』 「おにーさん…れいむが わるかったよ これから まじめに ゆっくりするから おろしてね…」 『ふふふふ』 「おにーさん? なんでさっきから わらっているの? めつきが おかしいよ? ゆっくりしてね? ゆっくりぃ! ゆぅ! ゆー!!!」 『ふふふふふ』 禁断の! 柔肌! 直接! 輪ゴム! パッチン! 箱から伸びた すっぱだかれいむの胴体が、殺気を感じてジタバタジタバタしている 『ふふふふふ、どこへも逃げられないよ! 思う存分反省してね! おもわず ちーちーしても ちゃんとシート敷き詰めているから安心だよ!』 「ぜんぜん あんしんじゃないよぉぉ!!! まりざぁぁあああああああ!!! だずげでぇぇえええええええ!!!!!!」 まりざぁ~ お兄さんの お仕置き(お楽しみ)は これからだ 続き 他の作品 一匹のゆっくりを捕まえてきた。 ~ゆっくり解体するよ!~ 一匹のゆっくりを捕まえてきた。外伝1 ~がんばれ お父さんまりさ!~? もうすぐ完成するよ 一匹のゆっくりが生き残りたい。 ~捕食種おんぱれーど~ 一匹のゆっくりを捕まえてきた。第弐幕 ~子ゆっくりがさらわれちゃった!~ このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/250.html
ここは、広大なゆっくり平原。 ゆっくり名所である川に沿って上流へ向かうと、おなじく名所である林に入る。 さらに上流へと足を進めると、そこはもう山だ。 天を突くほどに伸びた木々は、その身に枝葉を思う存分茂らせ、さまざまな木の実をつけている。 数多の木々が作り出す静寂とした空気。 山にある森は知るゆっくりぞ知る、ゆっくり名所であった。 だが、山はゆっくり名所でありつつもゆっくり難所でもある。 なぜか? それは動物の数が下流の平原よりもはるかに多いからだ。 よほどの経験を積んだゆっくりでもなければ、山の森で暮らそうなどという者はいない。 そんな森の中に、 「ゆっくりしていってね!」 という声が漂ってきた。 2匹のゆっくり魔理沙だ。この山の中を飛び跳ね、餌を探している。 この2匹はつがいで、2回目の出産を経て、ようやく産後の肥立ちから回復したのだ。 交尾してから久しぶりの夫婦水入らずの狩りだった。 2匹がやってきたのは、川原だ。 水源にはまだ遠いが、この上流の水はとても綺麗で、きらきらと輝いて見える。 この水を毎日飲んでいれば、それはすくすくと育つだろうと思わせるほどだ。 この川には、ゆっくりを捕食する生き物も集まるが、餌も豊富というリスクに見合うリターンが確実にある場所だった。 しかも、今2匹の目の前には、魚がぴちぴちと跳ねていた。 川の中ではない。地べたで、だ。 2匹のゆっくり魔理沙は天の恵みとばかりにそれに近づいていった。 「おさかなさん!ゆっくりしていってね!」 「ごちそうだね!」 そう言って、わずかに体の大きいほう、年長のゆっくり魔理沙がその魚を口に含んで飲み込んでしまった。 無論、食べようとしているわけではない。巣への運搬のために一端体内に保存しているのだ。 鵜飼いとは違うが、あれを想像してもらえるとわかりやすいだろう。 2匹でびちびちと活きの良い魚を一尾ずつ飲み込んで、 「ゆ!まりさたちのえーよーになってね!」 「あわてないで、ゆっくりしていってね!」 などとご満悦の表情だ。 「あとは、きのみとかとっていこう!」 「そうだね、おさかなさんがいるから、それでじゅうぶんだね!」 来たときよりも重めの体を全力で飛び跳ねさせる2匹。 2回の子作りで、群れも10匹と大きなものになった。 上の四匹の子供達はそろそろ本格的に狩りに連れて行っても良い頃合だろう。 家族で狩りという、夢膨らむ素敵な想像に、2匹は浮かれつつも巣への帰路へとついた。 日が傾き、空が橙色に染まりつつあるころ、森もその様相を刻一刻と変化させていった。 木々の陰はゆっくりと伸びていき、まるで生き物のように森を昏い色で飲み込んでいく。 夕闇が迫りつつあった。 10匹のゆっくり魔理沙たちは、狩りの成果を思う様堪能していた。 年老いた大木の洞のなかをねぐらにしているので、広さは十分にある。 地面に並べられたご馳走は、無数の木の実に、色鮮やかなツツジの花。 そしてメインはなんといってもお魚さんだ。 もう1尾は明日の食料として、奥のほうで笹の葉に包まれている。 「はふはふ、うめぇ!めっちゃうめぇ!おさかなさんおいちい!」 「ゆっくりあじわってね!」 「おちついてゆっくりしてね!」 子供達の旺盛な食欲を温かく見守るのは、2匹の親ゆっくり魔理沙だ。 その表情は母といって差し支えないものだ。 子供達もそんな母たちの見ている中、喧嘩ともいえないようなじゃれ合いをしながら、ご馳走を食べている。 赤らんだ顔に溌剌とした眼差し、張りのよい高い声、あふれる覇気を支える柔軟性に富んだ動き。 その全てが健康状態が良好であることを示している。 さらに、はちきれんばかりに発揮されている元気から、この子らがのびのびと成長していることも存分にうかがえる。 ゆっくりにとって理想の家族像がこれだと言われたら、信じてしまいそうな情景だった。 この家族であれば、どんな苦難が降りかかろうとも、身を挺して子供達を守るに違いない。 そう、親が子を、姉が妹を、何を措いても守るのだろう。 年少のゆっくりは、そんな年長のゆっくりの行動を指標とし、さらに年少のゆっくりに対して同じように接するだろう。 ゆっくりたちにも受け継がれる意志があるのだ。 これは秋に起こったこと。 日々を満腔の幸福で彩っていたゆっくり親子を襲った黒い絶望のお話。 橙色の空が、恐怖に蒼褪めたように暗くなり、とうとう墨を流し込んだようになったころ、ゆっくり親子は巣でゆっくりしていた。 最年少の子供たちはすでに夢の中へと潜りこみ、安らかな寝息を立てている。 4匹がそれぞれお互いの顔を見合わせるような、円陣を組んだような体勢。寝付くまで年少組だけでおしゃべりに興じていたのだ。 そのすぐ隣には、年少組より二回りほど大きな4匹が、これまた円陣を組んでおしゃべりをしている。 年長組だ。 2匹の親ゆっくり魔理沙が狩りに出かけている間、年少組の世話をするのが日々の仕事だった。 むろん、簡単な狩りの真似事ならお手の物で、妹たちが蝶々や飛蝗をねだると、それらを取ってやっていた。 そんな年長組だから、妹たちが寝付いたときから、ぽそぽそと声を潜めてお話をしていた。 けれど、迫る睡魔に抗する術も持たないのか、すでに目がとろんとしていてまぶたも落ちかかっている。 「あしたもゆっくりしようね」 「みんなでゆっくりするよ」 と今日へのお別れを口にしていた。 親ゆっくり魔理沙たちは、8匹の子供たちが、全て寝静まるのを確認してから眠りにつくことにしている。 だから、真夜中の来訪者に気づいたのも、当然のことながら2匹の親ゆっくり魔理沙だった。 巣が揺れる。 地震だろうか?いや、違う。 何かがぶつかっているような音がしている。 それだけではない、みしみしと巨木が軋む音がかすかに聞こえてきている。 「ゆっ?なに?」 「ゆっくりかんがえてもわからないよ!みてくるね!」 「ゆっくりきをつけて!」 勇敢にも大きいほうのゆっくり魔理沙は、入り口から外を確認にしにいった。 片親は8匹のそばに跳ねていく。 まだ眠りの門は破られていないのか、安らかな寝息は乱れていない。 ほっと安堵の表情を浮かべる親ゆっくり魔理沙。 子供らを背に、入り口へと向き直ると、愛するつがいの怒声が聞こえてきた。 「うるさいよ!こどもたちがおきちゃうでしょ!ゆっくりいなくなってね!!」 続く静寂。 迷惑な来訪者は去ったのだろうか? いや、揺れはおさまってはいない。それどころか大きくなっている気配すらある。 何かがあったに違いあるまい。 即座に子供達を起こし始めるゆっくり魔理沙。 寝ぼけ眼をしぱしぱさせて、 「ゆっくりねむたいよ」 と口々に言う子供達。 「ゆっくりできないよ!おきてね!」 「ゆっ!?」 「ゆ゛っ!」 親ゆっくり魔理沙の声色にただならぬものが含まれているのに気づいたのか、姉ゆっくり魔理沙たちはしゃきりと身を持ち直す。 「ゆっくりおきてね!えらいことになるよ!」 「ほらほら、ゆっくりして!」 1匹1匹がそれぞれ年少組をきちんと起こし始める。 ゆっくりとは思えないほどのしっかりとした行動。 親ゆっくりへと連綿と受け継がれた教育がしっかりと根付いていることがうかがえる。 それからいくらもしないうちに、年少組を含めた8匹の子ゆっくり魔理沙たちは完全に覚醒していた。 9匹でそろりそろりと入り口の穴へと向かう。 当然先頭は親ゆっくり魔理沙だ。 その後ろに姉と妹でペアになった、4組の姉妹ゆっくり魔理沙。 親ゆっくり魔理沙は、入り口の穴から体を出しているつがいの後ろ姿を見つけた。 「まりさ!どうしたの?」 問いかけるも返答がない。 訝しんだゆっくり魔理沙が、それに触れるとぐらりと倒れた。 生きた匂いを感じさせないその動きは、9匹に冷たいものを与えた。 倒れたゆっくり魔理沙の体表面からは暗い色の塊が見える。餡子だ。それには顔がなかった。 「ゆ゛っ!?なかみがみえでるよ゛っ!!おがおがないぃいいぃいっ!!ぶりゅっ!!!」 つがいのゆっくり魔理沙が、その体の前半分を削り取られたことを理解すると、絶叫する親ゆっくり魔理沙。 声を上げた瞬間、その体躯に太いものが突き刺さった。 毛むくじゃらのそれは、たやすく親ゆっくり魔理沙を絶命せしめ、そのまま壁に叩きつけた。 「あ゛、あ゛~~~っ!」 「おが~~~ざ~~んっ!!」 それは、甘い匂いのするほう、姉妹ゆっくり魔理沙たちの方へと動き出した。 がりがりという音。荒い息遣い。 これはきっとバケモノだ。がたがたと震え始める遺された8匹。 恐怖にまみれているが、入り口から入って来れないのが救いと思っているのか、逃げようとしていない。 いや、そもそも裏口などと言うものがないのだ。 この巣は天然自然の作り出した洞穴。 ゆっくり魔理沙たちに、地面を掘り進むほどの膂力はない。 そもそもなだらかな地面には噛み付けるような場所も見当たらない。 「ゆっくりでていってね!」 「ゆっくりできないよっ!!」 「どこかへいってね!」 口々に叫ぶ姉妹。それが功を奏したのか、もぞもぞと探るように動いていた毛むくじゃらのバケモノはゆっくりと外へ戻っていった。 そのままじっとしていると、そのバケモノは本当にどこかへ去っていったのか、巣の揺れも鎮まっていた。 自分達の、8つの荒い呼吸音が重く響く。 どれほど経ったのだろう?じっと動かずに入り口を凝視していた8匹がやっと動き出した。 ふたつの遺骸を巣の奥へと運ぶ。 生前、2匹は自分達が何かで死んだら、その体を食べて栄養にしてね!と子供達に言い聞かせていた。 子供達は嫌がりながらもそれを受け入れた。それが埋葬という概念のないゆっくりたちの鎮魂なのだった。 しかし、そんなことはずっと遠い、想像することも出来ないくらいゆっくりと訪れる遠い日のことだと思っていたのだ。 姉ゆっくり魔理沙たちは、涙をかたく堪えながら、ただの大福と化した物言わぬ塊を運ぶ。 それに対して妹ゆっくり魔理沙たちは誰憚ることなく泣いていた。泣けるうちに泣いておいたほうがいい。涙は悲しみを流してくれる。 姉たちは妹たちに、自分達の分まで泣いておくれと、願っていた。 次の日、恐怖の晩が去り、辛い現実を受け入れたのか、静まりかえった巣の中では8匹のゆっくり魔理沙たちが、親の亡骸をむさぼっていた。 味に対する言葉を何も吐かず、食べられる幸福を見知らぬ誰かたちに伝えようともしていない。 ただ、親の死肉を口にしている。 その食事は、おそらく彼らにとって荼毘に付すのと同じ意味を持つ行為なのだろう。 粛々と進む、ゆっくりにあるまじき食事行為。 8匹の姉妹に去来しているのは昨日までの両親の笑顔か。 やがて、亡骸を全て8匹が身に納めると、とたんに騒がしくなる。野生生物は悲しんでばかりいられない。これからを両親の分まで生き延びなければならないのだ。 幸い、親の遺産とも言うべきお魚さんが巣の奥にある。数日はそれだけで乗り切れるだろうが、程なく飢えることは想像に難くない。 早急に狩りを習得しなければいけなかった。 姉妹は皆で協力して狩りをすることに決めた。2匹の姉ゆっくり魔理沙と2匹の妹ゆっくり魔理沙を一組として、二手に分かれていった。 数時間後、巣に集合した8匹の収穫は、木の実が多かったがまずまずというところで、彼らに自信を与えた。 「ゆ!これならまりさたちだけでもくらしていけるね!」 「ゆっゆっ!よかったね!おかーさんたちのきょういくのたまものだね!」 一斉に喜んでいる8匹を襲う揺れ。 「ゆ……っ!!!」 とたんに顔を蒼白に染める。また来たのか?あれが!? みんなで入り口に向かうと、案の定毛むくじゃらのバケモノが暴れていた。 がりがりと地面を掻き毟っていて、それはまるで穴を掘っているようだ。いや、ようだ、ではない、それはまさに穴を掘っているのだ。 それに思い至ったのか身をすくめて震える姉妹たち。両親を昨晩に亡くしたばかりで、もう彼らの命は風前の灯。 勇敢にも震えを抑えてそれに飛び掛る1匹の妹ゆっくり魔理沙。 「もうやめてね!ゆっくりでてってね!ゆっくりできないの!ゆっくりさせてね!」 飛び跳ねて、涙ながらに訴え、それに体当たりをしている。小さいながらも家族を守ろうと必死なその様子は、他の家族たちに勇気を与えた。 一斉に飛び掛る姉妹ゆっくり魔理沙。だが悲しいかな、最初の犠牲者はその勇気を与えた妹ゆっくり魔理沙だった。 「ゆぅ~~、はなしてね!ゆっくりさせてねっ!」 それに捕えられ、引きずり出される。そして外に連れて行かれた。 「まって!いまたすけるよ!!」 「いもーとをはなせっ!」 追いかける姉妹。 「ゆ゛ぅう゛ぅう゛う゛ぅう゛ぅう゛ぅぅっ!!!」 断末魔とそれに続く咀嚼する音。 「う゛わ゛ぁあ゛ぁぁぁっ!!」 妹の仇!とばかりに外に飛び出す姉妹。この毛むくじゃらのバケモノをどうにかしないと、これからもゆっくりできなくなる!そんなのは嫌だ!! 体の奥にある勇気を奮い立たせて次々と外に向かっていく。 「ゆ゛っ!?」 まごうことなき家族の仇を前にしたゆっくり魔理沙たちは、そんな声をあげて硬直していた。 その毛むくじゃらのバケモノは、それの一部に過ぎなかったのだ。 その巨大な獣は現れた甘い匂いのするものをじっくりと見下ろしていた。その口元には餡子とわずかの皮が付着している。 妹が食べられたことを悟っても、ほかのゆっくり魔理沙たちは身動き一つ出来ない。 絶対者の視線に射抜かれて、竦んでいるのだ。 それは熊だった。それも「山の神」と謳われるほどの羆だった。 おおきい。おそらくは400㎏は下らないその巨躯は、ゆっくり魔理沙たちに死を悟らせるのに十分だった。 右腕を振り上げ、振り下ろす。 たったそれだけの行動で、7匹のゆっくり魔理沙たちは次々と吹っ飛び、屠られていった。 何故羆がゆっくりたちを?その理由は川で親ゆっくり魔理沙たちが見つけた魚が、この羆が獲った餌だったからだ。 熊は総じて執着心が強い。 一度自分の物だと定めたものを奪われたら、それを奪い返すために執拗に追いかけてくるのだ。 この家族の運命は、両親が魚を見つけたときに決まっていたのだった。 ここは広大なゆっくり平原。 ありとあらゆるゆっくりが、思う存分ゆっくりできる場所。 しかし山に暮らすゆっくりたちは、1年ともたない。 秋になると、冬眠を控えた熊の餌になるからだ。 万が一、運良く逃れたとしても、冬眠に失敗した「穴持たず」に、冬篭り真っ最中の巣を襲われ、根こそぎ食い尽くされてしまう。 山に入って、春を迎えられるゆっくりは存在しない。また、山から帰ってきたゆっくりもいない。 だから、平原にいるゆっくりたちの何割かは、毎年まだ見ぬ新天地を求めて山へ向かうのだ。 自分達の体から漂う甘く、美味しそうな匂いが、もっとも危険な獣を引き寄せることも知らずに。 終わり。 陸上最強生物の羆さんにお出まし願いました。 参考文献:三毛別羆事件の記事 熊こえ~ 著:Hey!胡乱 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/2195.html
※ヤンデレに対して不快を感じる方 ※ゆっくりを野生動物として扱われるのを不快に感じる方 ※捕食種設定を不快に感じる方 ※ゆっくりの戦闘シーンを不快に感じる方 ※酷い目に遭ってしまうゆっくりがいるのを不快に感じる方 ※素晴らしい小説を求めている方 は、この小説に合いません。 申し訳ありませんが、ゆっくりお引き返しください。 それでも良ければどうぞ ミリィ達は魔法の森から出ることに決めた。 何故なら、それなりに長い期間を魔法の森で暮らしていたメイシャ・レインにもゆっくりさくやは見たことがなかったのだ。 ミリィはここにはゆっくりさくやはいないだろうという結論を早々に出し、魔法の森から出ることにしたのだ。 魔法の森の出口はメイシャが知っていたので、苦労することなく森から出ることが出来た。 そして、4匹が魔法の森を出て3日程過ぎた…。 「う~…」「ゆっ…」「う~~~~…」「…」 魔法の森を出たところには大きく開けた草原。 そこはとても広々としていて、とてもゆっくり出来そうな草原だった。 しかし、4匹の顔色は良くない。 この4匹の雰囲気はまさに『けんっあく』な状態だった。 ミリィのゆっくり冒険記 第九話 「う~…おなかすいたぁ…」 お腹を抑えながら歩く胴付きれみりゃ、ミリィ。 メイシャの案内で魔法の森から出たは良いが、森の外は中に比べて食べ物が非常に少なかった。 ミリィでも食べられる紅魔館の外で手に入る食べ物と言えば、木の実・果物・花の蜜くらいなものだが、広々とした平原にはそのようなものは存在していなかった。 「う~…う~…」 丸二日、ミリィは何も食べていなかった。 マーサが虫を美味しそうに食べているのを羨ましく思ったが、虫を食べようと言う気にはやはりなれなかった。 「う~っ…うう~っ…」 荒々しく息を吐きながら、イライラした顔で歩いているのが胴付きふらんのレインだ。 主に『けんっあく』な雰囲気を醸し出してるのは彼女だった。 彼女に限らずふらん種は、ゆっくりをいたぶることで自身をゆっくりさせるという加虐性を持ったゆっくりだ。 さらに、ふらん種はゆっくりを食べることを好む。 しかし、ゆっくりを虐めること、食べることはレインが姉と慕うミリィに「めっ!」されていた。 森から出た直後にゆっくりありすを見つけた時は我慢出来ていた。 姉に嫌われるのが嫌だったから。 仕方ないので、虫を食べようとしていたマーサを軽く一発殴るくらいに留めておいた。 それだけでも「マーサをいじめちゃだめぇ!」とミリィに怒られてしまったが。 しかし、その我慢の限界は訪れようとしていた。 数時間前、今度はゆっくりようむを見つけた。 我慢と空腹の限界だったレインは本能のままそのゆっくりの所へ飛ぼうとして翼を広げる。 「ゆっくりしね!」と叫ぼうとしたその時だった。 服を後ろから誰かに掴まれた。 イライラした顔で後ろを振り返るとそこにはミリィの顔があった。 「レイン!ゆっくりいじめちゃだめぇ!」 レインは葛藤する。 レインがれみりゃであるミリィを好むことが本能であれば、ゆっくりを食べることもまたレインの本能だった。 「う~…」 もう一度前を振り返ると、ゆっくりようむがとてもゆっくりしているのが見えた。 どうしてお前はそんなにゆっくりしているんだ、私がゆっくりしていないのに。 レインはそう叫びたかった。 そして、レインはそこで初めて気付いた。 自身がゆっくり出来ていないことに。 胴なしまりさのマーサもまた、ゆっくり出来ていなかった。 それは虫を食べようとした時に、レインに殴られてから。 レインとしては軽く殴っただけなのだが、マーサには非常に大きな心理的ダメージを与えていた。 「レインはやっぱりゆっくりできてないんだぜぇ…」 「何か言ったか?」 「ゆぅぅぅぅぅぅぅ…」 マーサがぼやくも、レインは耳聡いのかそれを聞き洩らさない。 そもそもマーサを除く3匹は全員捕食種だ。 彼女達が牙を剥こうとすればマーサはあっさり食べられてしまう。 「ゆっくり…したいんだぜ…」 若干被害妄想に陥ってしまったマーサであった。 「…」 そしてそんな3匹を冷ややかな目で見つめる胴なししゃめい丸種のメイシャ。 彼女だけは森を出る前から近いうちにこうなるだろうということは想像していた。 捕食種と基本種が仲良くしていることが本来ならあり得ないことだ。 捕食種は基本種を主食としているのだから。 ライオンとシマウマが仲良く暮らすようなものだ。 ゆっくり以外にも豊富に餌があるのなら捕食種と基本種のコミュニケーションも可能なのかもしれない。 いや、その捕食種がミリィならば可能なのだろう。 しかし、それはミリィが特殊なだけであって、レインのような生粋の捕食種にそれを期待するのは厳しかった。 今のような餌が少ないという状況下では、関係は容易に壊れてしまう。 捕食種が基本種を食べる、それが本来のゆっくりの関係なのだから。 だから、彼女達にはもう一度選択してもらう必要があると思っていた。 この4匹で本当に旅に出るか否かを。 メイシャは切っ掛けを欲しがっていた。 言葉で伝えるだけなら、容易にこの関係は壊れるだろうと言う事はわかっていたから。 彼女達が自分達でこの関係のことを考えるような切っ掛けが欲しかった。 4匹はそのようなことを考えながらしばらくその草原を歩いていたのだが、4匹から少し離れたところにゆっくりれいむの親子がいた。 「ゆっくりぃ~♪」「ゆっきゅりぃ~♪」 その2匹は捕食種であるれみりゃ種・ふらん種・しゃめい丸種が近くにいるにも関わらず、ゆっくり跳ねていた。 あまりにもゆっくりしていたので、近くに捕食種がいることに気付かなかったのだ。 「おかぁしゃん!きょうはあたたかくてゆっきゅりできりゅね!」 「おひさまさんぽかぽかでとってもゆっくりできるよ!」 そんな会話が聞こえてくる。 その会話がレインの鼻に付いた。 「うがああああぁぁぁぁぁぁぁぁl!!!!!!」 「レ、レイン?」 突然叫び出すレインに困惑するミリィとマーサ。 今度はミリィが止める間もなく、レインは翼を広げその2匹の元に真っ直ぐに飛ぶ。 「お前達なんかぁぁぁぁぁぁ!!!」 「だめぇぇぇぇぇぇ!レイィィィィィン!!!」 ミリィがそう叫ぶもレインは止まらない。 最早レインにはゆっくりれいむの親子しか見えていなかった。 「ゆっくりしねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 その叫び声でようやくゆっくりれいむの親子は捕食種の一行に気付いた。 「ふ、ふりゃんだあああああああ!!」 「おちびちゃん!ゆっくりにげるよ!」 「逃がすかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 れいむ親子は逃げようとするが、移動速度は徒歩と自転車並に違う。 とても逃げられるものではなかった。 一方のレインは子れいむの方へ一直線に飛ぶ。 「ゆぅぅぅぅぅ!!」 「おちびちゃん!あぶない!!」 親れいむはレインが自身の子供を狙っていることを察し、子れいむとレインの間にその身を割り込ませる。 レインは構わず拳を突き立てる。 「おきゃあしゃあああん!!」 レインの拳が親れいむの体に鋭く突き刺さった。 子れいむの悲鳴が飛ぶ。 「ゆげええええぇぇぇぇ…」 親れいむは傷口から餡子を噴き出しながら吹き飛ぶ。 「お、おきゃ…」 子れいむは自身の母に向かって再び叫ぼうとするが、その叫びは中断された。 「つ~かまえたぁ♪」 子れいむはレインの右手に掴まれていたのだから。 「ゆああああ…」 マーサは思い出す。 自身の両親がれみりゃによって食われた瞬間を。 目の前のふらん種に自身が散々いたぶられたところを。 マーサの心は恐怖に覆い尽くされていた。 捕食種という、恐怖の対象に。 「あああああ…レイン…」 ミリィは茫然とその場に立ち尽くしていた。 ミリィはこのような展開になるかもしれないということを全く考えていなかった。 「めっ!」すればレインもわかってくれると思っていたから。 レインも自分とメイシャと同じようにゆっくりをもう食べることはない、そう決めつけていた。 自身の方がゆっくりとしては特殊だと言う事に気付かないまま。 「ミリィさん」 最近、一言も喋らなかったメイシャが呆然としてるミリィに話しかける。 冷静に。 「貴方はどうしますか?そのままぼーっとしてるだけですか?」 メイシャは意地悪な口調、そして指示を出す訳でもない。 彼女はミリィ達に自分で考えてほしかった。 自分達が本当にゆっくりするにはどうすればいいのかを。 「う…レイィィィィィィン!!」 ミリィはメイシャの言葉で我に返ったのか、背中の翼を広げレインの元まで飛ぶ。 「ゆっくりをいじめちゃだめなんだぞぉぉぉぉ!!」 ミリィはレインの近くまで飛行すると、レインの隣に着地する。 「うー!レイン!れいむをはなしてぇっ!ぽいっす「ゆぎゃあっ!」ぶっ!?」 ミリィの説教は中断される。 レインの右手がミリィの口の中に突っ込まれているからだ。 そして、レインの右手には子れいむが掴まれたまま。 「…う?」 「あはは♪美味しい?お姉様」 レインはミリィにゆっくりを食べさせようと考えていたのだ。 レインにはミリィの元から離れるという考えは持っていなかった。 しかし、今の自分はゆっくり出来ていない。 ならばどうすればいいのか。 ミリィもゆっくりを食べるようにすればいい。 ミリィに食べさせるゆっくりはマーサでも良かったが、それならミリィはゆっくりを食べることにゆっくりできないだろう。 友達(レインは納得していないが)が失われてしまうのだから。 だから関係ないゆっくりを食べさせる。 そして、ミリィの主食をゆっくりに矯正する。 「お姉様もぉ♪ゆっくりを食べてぇ♪ゆっくりしようよぉ♪美味しいよぉ♪」 これがレインの出した結論だった。 「う…う…」 ミリィは混乱の真っただ中だった。 自分は何やっているのだろうか。 自分の口の中にあるのは何なのか。 そう考えていると、ミリィの舌に口の中に入っている物が触れた。 微かな甘味。 そしてそれはずっと求めていた物。 さくやのあまあまなぷっでぃん。 あまあま。 「う…あま…あま…」 ミリィもすでに空腹の限界であった。 口の中の甘い物を本能で求めてしまう。 「あま…あま…」 「そうだよぉ♪ゆっくりはあまあまだよぉ♪おねーさまぁ♪」 レインの右手もミリィの口の中に突っ込んだままだ。 彼女は自身の右手ごと食べられてもいいと思っていた。 レインにとっては腕の一本など、どうせ1日もすれば生えてくるという認識でしかなかった。 ふらん種の中身は餡子だ。 それは野生のれみりゃ種にとって、最高のご馳走だった。 勿論、レインにも痛覚はある。 しかし、それよりもミリィの味覚を矯正することを優先した。 このゆっくり出来ない状況から脱する為に。 そして、何よりミリィの為にも。 「レインの腕ごと食べちゃっても良いんだよぉ♪おねーさまぁ♪」 「う…あまいぞぉ…」 レインの眼から見て、ミリィは空腹でフラフラしており、すでに限界の状態にしか見えなかった。 このままではミリィは倒れてしまうかもしれない、それもレインがこのような行動をした理由の一つだ。 …一番の理由はただの八つ当たりだったのだが。 空腹のミリィはあまあまの快楽に溺れそうになる。 ミリィが陥落しかけたその時 「ミリィィィィィ!ゆっくりをたべちゃだめなんだぜぇぇぇぇぇぇ!」 マーサの叫びがミリィにまで届いた。 そしてミリィは我に返り気付く。 自身の口の中に入っている甘味はゆっくりであるということを。 ミリィはレインの右手を両手で掴み、自身の口から一気に引きぬく。 「ぶへぇっ!」「きゃっ!」 子れいむはレインの右手からも放され、地面に落ちる。 「ゆへっ!」 レインの指が体に食い込んでいた為、ところどころ餡子は出ていたが、まだなんとか生きているようだ。 レインはまさかこのような展開になるとは思っていなかった。 もう少しだったのに。 もう少しで姉がゆっくりを食べたのに。 何故? どうして? 勿論レインには何故かはわかっていた。 「あの忌々しい基本種め…」 レインはマーサへの怒りを露わにする。 しかし、怒っていたのはレインだけではなかった。 「レィィィィィィン!」 ミリィが右手を頭上に掲げる。 「れいむをたべようとするゆっくりは…」 ミリィの右手が赤く光り、その手からは紅く光る槍が現れる。 「ゆっくりしねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「きゃあっ!」 ミリィはレインに向かって槍を薙ぐ。 その一撃をレインは大きく後ろに飛び、間一髪でかわす。 もし反応があと少しでも遅れていたら、レインの顔は2つに裂かれていただろう。 「うー!うー!ゆっくりしねぇ!」 ミリィは本気で怒っており、紅い槍をぶんぶんと振り回す。 『遊ぶ』ことが大好きなレインも、空腹な今の状態でミリィと遊びたくはなかった。 空腹の状態で迂闊に体力を減らせば、死に繋がる恐れがあるからだ。 「お姉様がわかってくれないのが悪いんだよ!」 「ゆっくりをたべるわるいゆっくりはゆっくりしねぇっ!」 まるで話が通じない。 レインは会話を諦め、翼を広げ上空に逃げることで距離を取り、自身の右手から紅い剣…レーヴァテインを出す。 レインが狙うのはミリィの右腕。 あの槍さえ出せなくなれば後はどうとでもなる。 下を向けば、紅い槍を振り回しながら、普段とは大違いの飛行速度で、かつ真っ直ぐにこちらに突っ込んでくるミリィが見えた。 そこには型や戦略などと言うものは無い。 ミリィは槍に関しては素人なのだから。 だが、それでもまともに組み合うには危険過ぎた。 レインがミリィとまともに組み合わない理由は3つ。 1つ目が、もし今のミリィとまともに組み合えば、一方的に打ち負ける可能性があること。 正気を失った今のミリィの飛行速度はレインより速くなっている。 もしかしたら筋力(?)も上がっているのかもしれない、レインはそう冷静に判断していた。 2つ目が、お互いの武器のリーチの長さに差があること。 前回の戦いではレインは興奮していた為気付かなかったが、ミリィの槍とレインのレーヴァテインでリーチの長さに差があることにレインは気付いた。 人間の間では、剣が槍に勝つには3倍の技量が必要となる、とまで言われているくらいに致命的な要因だった。 レインは当然そのことを知らなかったが、武器が長い方が有利なのは誰にでもわかる。 3つ目が、前回の戦いで原因は魔力切れだったとは言え、レインは打ち負けてしまっているのだ。 さすがに以前敗れた戦法をそのままやろうという気にはなれなかった。 以上3つの理由から、彼女はまともに組み合わずにギリギリのところで槍を避け、後ろからミリィの右腕を斬り落とすつもりだった。 現在のミリィの位置はレインの前方斜め下。 レインもミリィ目掛けて真っ直ぐに突っ込む。 タイミングを間違えばあの紅い槍の餌食になる。 …。 …。 ミリィの槍が目前まで迫る。 「今だっ!!うああっ!」 「ゆっくりし…う!?」 レインは悲鳴をあげ、ミリィは驚きの声をあげる。 レインはミリィの目の前で飛行方向を変え、ミリィの上方へ飛ぶことで紅い槍を避けようとした。 だが、タイミングが遅れてしまったのか偶然か、左足がわずかに斬られてしまった。 だが、ここまでは概ねレインの狙い通りだった。 痛みはあるが、このタイミングを逃すわけにはいかなかった。 レインはミリィの上方で宙返りひねりをして、自身のレーヴァテインがミリィの右腕と重なるよう、狙いを合わせる。 ミリィより飛行に慣れているレインだからこそ出来る芸当だった。 狙いを合わせた後、そのままミリィの頭上に落下する。 右腕に肉薄するレーヴァテイン。 痛みに叫ぶミリィ。 「うああああああああああ!!」 右腕を斬り落とされ、落下するミリィ。 どうやら失神したようだ。 同時に紅い槍も消える。 痛む体に喝を入れながら、レインはミリィの落下地点まで先回りし、ミリィが地面に落ちる前に両腕でキャッチする。 「うううぅぅ…」 思っていたより重かった。 ふらふらしながら地面までたどり着く。 戦闘自体はあっけなく終了してしまったが、レインにとっては肝を冷やす戦いだった。 もし足を斬られた時にバランスを崩してしまっていたとしたら、今頃負けていたのはレインだったことが容易に想像がつくからだ。 レインはミリィの体を地面に置く。 そっと優しく。 「少しお休み…お姉様…」 気絶したミリィの頭を優しく撫でながら、レインは呟いた。 後書き 前回の冒険記第八話にコメントして下さった方には本当にお礼を申し上げたいと思います。 本当にありがとうございました。 私は誰もこんな物を読んでいないと勝手に思い込んでおりました。 今考えれば読んでくれている方には大変失礼なことを考えていたものです。 それを気付かせていただきまして、本当にありがとうございました。 そして、読んでくれている方にもお礼を申し上げたいと思います。 このような拙作を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。 まだまだ完結は先の話になりそうですが、何とか完結だけはさせたいと思います。 ところで、自分の腕を食べさせると言うのはヤンデレ行為に該当するのでしょうか。 念の為に注意書きは付けておきましたけれど。 …それにしても、今回はヤンデレ2本立ての更新…。 ヤンデレって何だかよくわからないですけれど書きやすいんですよね。 親れいむは?親れいむは無事なの? -- 名無しさん (2011-02-10 17 13 33) なんか本来の目的(ゆっくりさくやを探す)を忘れてるような。 まりさにしても”ゆっくりする”という目的ならフランがいた場所は 良質な餌場であり(まりさには分からないが)もうフランは戻ってこない確立が高い。 残る脅威は胴無しれみりゃだけだがフランを恐れて寄ってこない可能性もある。 まりさは森に残ったほうが良かったかも。しゃめい丸とフランは目的に忠実なんだがなあw -- 名無しさん (2011-02-15 15 07 03) >2011-02-15 15 07 03さん 申し訳ございません。 私の描写不足です。 ミリィの目的がわかりやすいように、この回に描写を追加させていただきました。 マーサの方も第五話に追加させていただきました。 マーサはまだ親に甘えている年頃のゆっくりなので、精神的にも一匹で生きていくにはつらいので、ミリィと一緒に行くことを選んだ…ということです。 ミリィはフラン(レイン)を撃退しましたし、フランや他のれみりゃの影に怯えながら一匹で生きていくよりはずっと良いだろうとマーサは考えたのです。 ご指摘ありがとうございました。 -- 浅井隊員26号 (2011-02-15 18 44 27) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3036.html
ゆっくり虐待スレ80の 782 784 で指定されたシチュエーションを787 789で指定されたゆっくりを書きました しっと団であふれるクリスマスの町 泡展望の惨太苦蝋子 ケーキとして材料にされていくゆっくり かなこんとけろちゃんとさなえ 慌てん坊のゆっくりサンタともりゃじんじゃ 幻想卿にも冬が訪れようとしていた 秋の神が季節のバトンを冬を告げる妖怪に托し、既にチラホラと雪が降り始めている 野生の動物たちも冬籠もりの準備を始め、それはゆっくりも同様だった 「ゆっくりとうみんしようね!」 「おちびちゃんたちはこっちにきてね」 一組のまりさとれいむの番 この二匹は木の根の下に穴を掘り自分たちの巣を作っていた 丁度成体のゆっくりが4匹ほど入れるほどの大きさであり、4匹の子ども達を入れても十分な大きさである れいむが巣の入口を塞ぎこの一家の冬籠もりが始まった れいむが巣を塞いだあと、森に異変が起きた 冬籠もりを始めたゆっくりの巣を掘り返す一団が現れた 彼らはしっと団 一人寂しくクリスマスを過ごしているこの世全てのカップルを撲滅するというスローガンを掲げて暴れている集団だ 人間の里で暴れているところを上白沢慧音に見つかったためこの森にやってきた 「ゆっくりごときが彼女を冬籠もりなんざ俺達がゆるさねえぜえええ!!」 「やめてね!まりさたちのごはんをもってかないでね!」 「うるせえ!てめえみたいな饅頭はこうだ!」 男はくらいつくゆっくりまりさを掴むと口から舌を引っ張り出しからしを塗りたくった 「がらい”い”い”い”!」 「おきゃーしゃんをいじめにゃいでね!」 子まりさが奥から母を心配してやってきた それをみたしっと団はさらに激昂し 「ヒャッハア!ならおまえが助けてやりな!」 子まりさを掴むと子まりさをまるでたわしのように使って親まりさの舌を吹き出した 「いぢゃいよお”お”お”お”!!ぎゃらいよお”お”お”!」 「お”ひ”び”ぢゃ”ん”ん”ん”!!」 結局この親子は冬籠もり用の餌を奪われ巣もメチャメチャに破壊されてしまった もはや冬を生きて越すことは不可能だろう 他のゆっくり達も時間に差はあれど皆一様に巣に篭もり冬籠もりを始めていた しかし、越冬用の食糧が十分でないゆっくりも存在する そのようなゆっくりはラストスパートとばかりに寒空の中食べられるものを必死で探している 運良く見つかるものもいれば運悪く見つからないものもいる そんな中、一匹のれいむが餌を口の頬張りながらポヨンポヨンと一生懸命走っていた 「いそいでおうちにかえるよ!」 れいむは運良く食べられる草と木の実を見つけることが出来た そうして最後の食糧を巣で待っているまりさと3匹の子どもの元へと急いでいる この番はまりさが母親でれいむが父親である 母親役をすることが多いれいむであったが自慢の狩りの腕で父親役をこなしていた そして丁度れいむが自分の巣の近くまで来たときだった 「きゅうにくらくなったよ?」 まだ昼なのであるがれいむの視界に影が落ちる 冬とはいえ明るかったのだがちょうど自分がいる場所に四角い影が出来ている 「めりーゆっくりすます!」 「うーゆっくりすます!」 「れ、れみりゃとふらん!!?」 声に驚いてれいむが上を見上げるとそこには大きなうーぱっくに乗ったれみりゃとふらん 二人が乗ってもうーぱっくにはまだまだ余剰スペースがあり、そこには大きな白い袋が置かれていた その袋は中に入っているものが暴れているようでがさごそと袋を突き破ろうとしている 「うーしずかにするんだどぉー♪」 れみりゃが五月蠅い袋を右手でポカン、と叩くと袋は静かになった れいむはれみりゃの姿に驚いていた 普段来ている婆臭いおべべではなく、袖口に白いフリフリを付けた赤い服を着ている それはふらんも同じでその上二人とも普段いつもつけている帽子の上に丁度今着ている服とマッチする赤い帽子を被っていた そしてその帽子にはきらりと輝くゴールドバッジ 「うーぷれぜんとをみつけたよ♪」 驚いて固まってしまったれいむをつまみ上げてふらんは袋に押し込んでいく 「やめてね、れいむにはまりさとおちびちゃんがいるんだよ!」 「うー♪」 れいむを袋に押し込むと二匹はうーぱっくに指示を出して飛び去っていった 残された家族はれいむを待ち続けたがいっこうにれいむが戻ってこないため 自分たちだけで冬籠もりを始めてしまった 人間の里、そこでも雪が降りしきる中それぞれの冬を過ごしている 炬燵で暖まるもの、商売をするもの、寺子屋に行くもの。 その中である店が一風変わったサービスを開始していた それはゆっくりによるクリスマスケーキの配達である 意外なことに好評を博し予約完売という状況だ ケーキも一般的な生クリームを使用しいちごをのせたものからチョコクリームを使用したものまで多種多様に存在する それをサンタクロースに扮したゆっくりが配達するためゆっくり好きから莫大な支持を得ることに成功した そして先ほどれいむを捕獲したれみりゃとふらんがその店へと降り立つ 「お、帰ってきたか」 「たくさんとっきたどぉ〜♪」 「うー♪いっぱい♪」 二匹はこの店で飼われているゆっくりだ 捕食種でありながら幼い頃から育てられたためにとても店主である青年に懐いていた 青年は袋を受け取ると中を確認する 「はやくまりさをいえにかえすんだぜ!」 「むぎゅ!ふゆがこえられないわ!」 袋を開けると中から叫び声が上がる 袋の中には沢山のゆっくりが詰まっていた 番のまりさとぱちゅりーや先ほどのれいむと二匹が捕まえてきた野生のゆっくりだ 「わからないよーここはどこー?」 「おうちにかえすちーんぽ」 袋がパンパンになるほどギュウギュウに押し込まれたゆっくりが口々に文句を言うも 青年は中を確認すると袋の先を閉じギュッと結んでしまった こうなってはゆっくりが脱出する術はない 男は袋を別室に運ぶとれみりゃとふらんに甘いお菓子を与えた 「よくやってくれたな、これだけあれば十分だ」 「う〜♪おぜうさまにはぞうさもないんだどぉ〜♪」 「うー♪」 お菓子を食べながら喜びに浸っていた この青年はこの二匹をよく躾けていた 褒めるときは褒め、叱るときは叱る 二匹は客の前に出ても失礼なことをしないまでになり、ついにはゴールドバッジを取得することも出来た そして配達を任せられるようにまでなったのだ 「よし、じゃ最後にこれを山の守矢神社まで配達してくれるか?」 「分かったどぉ〜♪」 「運ぶ〜!」 青年は小さな箱を二匹に預けた それを二匹はうーぱっくに乗り配達させる 「う〜♪」 ちょうどうーぱっくも配達の礼として余り物のケーキを食べていたところだ 「う〜さいごのはいたつにいくどぉ〜」 「うーぱっくもはやくじゅんび〜♪」 うーぱっくがケーキを食べ終えると二匹は再び空へと舞い上がった 配達を任された箱はケーキだと説明されていたので中のケーキが崩れないようにしっかりと押さえながら 冬空の下を飛ぶうーぱっく その中に乗っているれみりゃとふらんはサンタの服のおかげで寒さをあまり感じなかった 二匹はサンタ服をとても気に入っていた 「うーめりーゆっくりすます♪」 「う〜めりーゆっくりすますだどぉ〜♪」 二匹が守矢神社に向かった後青年は先ほどのゆっくりが詰まった白い袋を持ってとある場所へと向かっていた ゆっくりを二匹に捕まえさせていたのはこのためだ 二匹は青年へのプレゼントだと思っているが青年の思惑は別にあった 「こんにちは」 目的地に着くと青年は丁寧に挨拶をし、中へと入っていく そこで袋を顔見知りとなったここで働いている男へと差し出す 「これをお願いします」 「分かりました」 袋を差し出された男はそれを受け取ると袋を更に別室へと運んでいく 青年はその間、椅子に座って差し出されたお茶を出しながら目的が終わるのを待っている 青年が持ってきた袋は別室で開封された そこからわらわらと詰められていたゆっくり達が押し出てくる 元より袋の容量を多めに入っていたために雪崩のように崩れ出た 一匹のまりさがようやく袋から解放されゆっくり出来ると思っていると急に床が動き出した 「ゆ?」 同じく他のゆっくりも床が動き出したことに戸惑っていた 動く床に連れられ進んでいるとまりさの元に大きな手がやってきた その手はあろうことかまりさの帽子を掴み上げると別の場所に持ち去っていた 「やめてね!てさん、まりさのぼうしをかえしてね!」 帽子を失うとゆっくりは他のゆっくりから変なゆっくりと認識されてしまう そして帽子がないと言うだけで殺されてしまうこともある まりさは必死に手を追いかけるが床が動いてるため追いかけても進んだ分だけ着地した瞬間に戻されるというのを繰り返した それは他のゆっくりも同様だった れいむはリボンを、ありすはカチューシャを、パチュリーとちぇんは帽子を手に奪われていた 「むきゅぅぅ!!」 「ありすのかちゅーしゃをかえしなさい!」 「わからないよー!かえしてよー!」 ピョンピョン跳びはねるも非常にも床が動いているため全てのゆっくりが髪飾りを失ってしまった ゆっくり達が悲しんでいると突然ヒュンッと音がした すると一番前にいたまりさの頭が少し切られて上から中の餡子が見える状態となった 「ゆぎゃあああ!!ばでぃざのあだまがあああ!!」 それを皮切りに次々とヒュンッと音がするたびに頭が切られて中身が見える状態となった 「やべでええええ!!」 「ゆっぐりでぎないよぉぉぉぉ」 「ゆええええん!!」 阿鼻叫喚がそこにあった ゆっくりが涙を流し動く床によって運ばれていき、終着点へと着いた そこには白い服を着た人間が大勢いた 人間達はてきぱきと運ばれてきたゆっくりを仕分けしていた 稀に髪飾りを付けたままのゆっくりを見つけるとそれを手で取り外し頭をカットし仕分けしていく 今し方運ばれてきたゆっくり達も同じ様種別事に分けられ別の場所へと運ばれる ぱちゅりーとちぇんは同じ場所に運ばれてきた ぱちゅりー種とちぇん種 この二匹は中身が生クリームとチョコクリームである またもや動く床の上に乗せられたゆっくり達 目の前にはまたもや手がある その手はゆっくりを掴むと器用に中身を絞り出し容器へと溜めていく あっと言う間に大量の生クリームとチョコクリームのできあがりだ そう、ここは加工場 青年はここでケーキに欠かせない生クリームを仕入れに来たのだ 勿論、他のゆっくりも洋菓子を作る以上欠かせない存在であり彼の店の商品へと変わる 髪飾りも加工されケーキのデコレーションに利用される しかし、青年はそこを知り合いになった職員に頼み込み、ゆっくりから取り去った髪飾りを全く別のリボンへと作り替えてもらっていた 「こんなもの何に使うんですか?」 「ウチの飼いゆっくりが欲しがるんですよ」 職員にそう話すと男は洋菓子の材料を受け取り加工場を後にする 袋にはリボンを詰めてもらって 守矢神社では東風屋早苗が境内の掃除をしていた 冬が訪れ木枯らしが吹くがそれでも巫女のつとめを果たしていた 時折訪れる参拝客に挨拶をしているとそこにゆっくりがやってきた 「「めりーゆっくりすます!」」 うーぱっくに乗ったサンタれみりゃとふらんがやってきた 二匹はクリスマスの挨拶を交わすと早苗へ配達の品を差し出した 「あら、クリスマスにはまだ1日早いですよ?」 「う、うー?」 「うふふ♪慌てん坊のサンタクロースですね♪」 早苗は幻想卿に来る前にいた現代の歌を思い出した 慌てん坊のサンタクロース、クリスマス前にやってきた ちょうど今がその様な感じである 「宛名が八坂様になってますね、ちょっと待っててね」 宛名を確認すると早苗は神奈子を呼びに行った 早苗に呼ばれて変わるように神奈子が二匹の前に現れた 「あら、意外と早いのね。明日でもよかったのに」 この品は神奈子の注文である 里で見かけた洋菓子屋に注文していたものだ クリスマスケーキを早苗が注文していたので手間になるだろうから一緒でいいと言ったのだが青年が気を利かして別々に配達されることとなった 「う〜ちゃんとはいたつしたんだぉ〜♪」 「うーはんこをおしてね!」 品物を渡すと二匹は神奈子に受け取り確認のハンコをお願いする 神奈子がハンコを押すと二匹は配達が完了したことに喜び 「うーちゃんととどけたよ♪」 「れみりゃたちはちゃんとはいたつしたどぉ♪」 とうーぱっくの上で小躍りをしそうになった 「う〜!」 それには流石にうーぱっくも抗議した いかに自分が大きいとは言え二匹に中で踊られてはたまったものではない 「ごめんだどぉうーぱっく…」 「うーごめん…」 思わず神奈子がクスッと笑っていると早苗が神社の中から戻ってきた その手には三匹分のオレンジジュースが用意されている 「配達ご苦労さま、こんなのしかありませんがどうぞ」 これには三匹も喜んだ オレンジジュースと言えば怪我をしたゆっくりを治すほどのものである 三匹はそれを飲み干すと早苗にお礼を言い帰って行った 「おねえさんありがとぉだどぉ♪」 「ありがとう♪」 「うーうー♪」 早苗はゆっくり愛好家の1人で神社の周りのゆっくりに時々を餌を与えているほどである 無論、野生のゆっくりの舌が肥えないように気をつけて 「あんたも物好きだね早苗」 神奈子は先ほどのような礼儀正しいゆっくりには理解を示すが、野生の意地汚いゆっくりには理解を示さなかった それも野生を生きるためには必要だが、人語を話すためにどうにも不快感が増してしまう しかし、早苗は殆ど気にしていないようであった 「ところで八坂様、何をお頼みしたんですか?」 早苗は神奈子の手にある小さな箱を覗き込んだ 「それは開けてのお楽しみ。諏訪子も呼んでみんなでね」 「はい♪」 神奈子が頼んだのはモンブランであった その後、三人は美味しいモンブランで舌鼓を打った そうして翌日のクリスマス 妖怪の山、守矢神社の近くの群でも冬籠もりが始まろうとしていた 「ゆっくりしていってくださいね!」 この群には珍しいことにゆっくりさなえが存在していた それだけでなく、ゆっくりかなこ、けろちゃんまでもがいる非常に珍しい群だ 群れのリーダーはドスまりさだ そのドスまりさをかなことけろちゃんがサポートする形となり、この群は非常にゆっくりとしていた 通称、もりゃじんじゃである 野生のゆっくりが何故この時期まで外で生きていられるのかというと、近くの現人神の奇跡のおかげであった この群も明日には冬籠もりを開始する ドスがいるおかげもあって備蓄も順調で安心して巣に篭もることが出来る状態だ 「「めりーゆっくりすます!」」 そこにサンタれみりゃとふらんがやってきた この二匹は守矢神社に配達に行っているうちにこの群のゆっくり達と仲良くなり今では歓迎されるほどに有効な関係を築くことが出来た 「「「ゆっくりしていってね!」」」 二匹の登場に群のゆっくりが挨拶をする 群のゆっくり達は冬籠もりの前に二匹に会えたことを喜んでいた 「さんたさんがぷれぜんとをもってきたどぉ〜♪」 「うーまずはおちびちゃんたちから♪」 二匹はうーぱっくの中にある袋からリボンを取り出し、子どものゆっくりから順番にプレゼントであるリボンを付けていく 「すてきなおりぼんさんだね!」 まりさは帽子にリボンを付けてもらい、れいむは自分のリボンにもらったリボンを付けてもらった 皆、色とりどりのリボンを付けてもらえて大喜びである 「つぎはおかあさんたちー♪」 次に成体ゆっくりにもリボンを付けていく 「ありすにもとってもにあうとかいはなりぼんね♪」 「ちぇんにもつけてねー」 「ぱちゅりーにもおねがいね!」 ありすもカチューシャと色合いを兼ねたリボンをプレゼントされ、またちぇんも緑の帽子に映えるリボンをプレゼントされた ぱちゅりーもまたリボンを付けてもらった。 「うーぱちゅりーはこれでべんきょうしてね!」 ふらんがいつも仲良くしているぱちゅりー一家に一冊の本をプレゼントした この本は飼い主である青年が読まなくなった本である 「むきゅ!そんなのわるいわ、ぱちぇもおりぼんさんだけでじゅうぶんよ!」 「ぱちゅりーはたくさんごほんをよんでみんなをたすけるんだどぉ〜♪」 「…わかったわ、それじゃあこのごほんはいただくわね♪」 れみりゃからの後押しもありぱちゅりーは本をもらった その本は青年が山で取れる木の実を利用した菓子が作れないかと読んでいた本であり幸運にも春になってぱちゅりーが内容を少しでも学べていれば役に立つ本であった 「かなことけろちゃんにもりぼんをつけるどぉ〜♪」 慣れた手つきでかなことをけろちゃんにもリボンを付けていく 「おんばしらー♪」 「あーうーゆっくりありがとう!」 しかもこのけろちゃん、畜生帽ではなく普通の帽子を被っている突然変異種であった そのためリボンを付けても帽子が逃げたりする問題がなかった 最後にれみりゃとふらんはドスまりさの髪にリボンを付けた ドスまりさのリボンは信頼の証であり、他のゆっくりも時々ドスまりさにプレゼントしている 「ゆっくりありがとう!みんなもおれいを言ってね!」 「「「「「ありがとう、れみりゃ、ふらん♪」」」」」 「どういたしましてだどぉ〜♪」 「うー♪」 上機嫌な二匹。そして二匹にうーぱっくも交えてゆっくりすますを祝った 「れいむたちがおれいにゆっくりおうたをうたうよ!」 「れいみゅたちのおうたをれみりゃとふりゃんもゆっきゅりきいちぇね!」 祝いの場ではれいむの親子が中央で歌を歌っていた 赤ゆっくりと子ゆっくりがそれぞれゆっくり特有の歌を歌う 「ゆ〜、ゆ〜、ゆ〜、ゆ〜、れみりゃとふりゃんは、しゃんたしゃん〜♪」 「ゆっくり〜ゆ〜ゆっくりゆ〜♪」 群でも屈指の歌声を誇るれいむ親子の歌にゆっくり達はうっとり、もといゆっくりしていた 「つぎはさなえたちがうたいますね!」 「あーうー!」 「おんばしらー!」 続いてはさなえ、けろちゃん、かなこ この三匹も歌が上手くれいむ親子と一緒に歌を歌う事が多い 「ゆっくりにこいをしてたころは〜♪」 「ゆゆゆ、ゆっくり〜できるとはおもってなかったよ〜♪」 「ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり〜♪」 こちらもとてもゆっくりした歌を歌った 「ドスたちはそろそろ冬ごもりをするね!れみりゃとふらんもゆっくりしてね!」 「ゆっくりしてくださいね!」 ドスまりさとさなえに見送られ三匹は飼い主の元へと帰る この群も冬ごもりを始め次にあえるのは春になるだろう 「ドスたちもゆっくりしてね!」 「はるになったらまたあそぶんだどぉ〜!」 プレゼントを配り終えた二匹は友達と別れ、とても幸せそうにして青年の元へと帰りました 終わり by お題の人 クリスマス仕様なので虐待成分を薄くしてます いや、決して思いつかなかったとか守矢家ゆっくりをケーキにしたくなかったとかそもそも中身何よとかじゃありませんよ?
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1351.html
博麗神社の裏で子鬼が寝ていた。 小さな百鬼夜行 伊吹萃香だ。 昨夜も宴会で朝まで飲んでいたようですでに日は真上に昇っている。 「ん~?」 まだまだ寝ていたいのだが騒がしい声に目を覚ます萃香。 見ると目の前には最近幻想郷で大量発生しているゆっくりがたくさんいた。 ゆっくり霊夢に、魔理沙、ちぇぇぇんにみょんの四種類だ。 宴会のために天界から持ち出した桃の余りをそいつらは食していた。 籠に入れておいたのだがこいつらが籠を倒したようで、桃はそこらに散乱してる。 見る限り無傷なものは一つもない。 「あーっ!後で霊夢と一緒に食べようと思ってたのに!」 思わず叫んでしまう。 その声にゆっくりたちが反応する。 「ゆっ、おねえさんゆっくり寝てたね!」「ゆっくりしていってね!!」 「このくだものおいしーよ!!」「おねえさんもゆっくりたべる??」 「ちーんぽっ!」「まだあるよー、わかるよー」 30匹はいるだろうか。それだけの数のゆっくりが一度に話しかけてくるのでうるさいし聞き取れない。 「うるさいねぇ。ま、好きに食べていいよ。どうせすぐに取ってこれるし」 天界には山ほどの桃の木があるのだ。それはもう飽きるほどに。 寝てる間に食べられたのはちょっと癪だけど、わざわざ怒ることもない。 しかしすぐに取ってこれると言う言葉にゆっくりたちは目敏く反応する。 「ゆっくり取ってきてね!!」「むきゅ、ゆっくりまってるね!」 「ゆっくりはやくもってきてね!!」「やさしいおねえさんはゆっくりできるね!」 やはりうるさかった。相手をするのも面倒なので「あー、はいはい」とあしらうとその場を立ち去ろうとした。 その時いつも持ってる瓢箪、酒が無限に湧く瓢箪が手元に無いことに気がついた。 「あれ? どこかにやったかな」 見回すが見つからない。 くるりと回って後ろも見る。あった。 ただし瓢箪の周りにもたくさんのゆっくりが群がっていて 「次はれいむの番だよ!!」「ちがうよ!まりさの番だよ!!」 瓢箪の口から湧く酒を奪い合っていた。中にはすっかり出来上がったものもいて、地面にぺにょーんとだらけたゆっくりもいた。 「そんなとこにあったのか。ほら、返してもらうよ」 萃香は特に気にする様子もないし、特に怒りもしないで瓢箪をゆっくりの群れから取り上げる。 「ゆっ!! つぎはまりさの番だよ! 取らないでね!!」 「ゆっくり返してね!!」「それはゆっくりたちがみつけたものだよ!!」 生意気な事を言ってるけど萃香は無視した。こいつらと問答しても聞かないだろうから。 しかしゆっくり達は続ける。 「ゆっくりできないならそれを置いてでてってね!!」 「ちちちーんぽっ!」「むきゅむきゅむっきゅ~ん!!」 「どろぼうはでてってね!!」 萃香を罵倒しながら体当たりしてくる。ゆっくり達は酔っていて普段よりぷにぷにボディなので衝撃はほぼ0だ。 ここまでされると流石の萃香もいらついた。 なんでただの饅頭如きにこの鬼である私が攻撃を受けてやらないといけないのか。 「いい加減やめなさい。お前たち達が私に敵うわけないよ」 萃香は妖気を発しながら威圧するように話しかける。普通はこれで大抵の妖怪や妖精は震えて逃げ出す。 しかしゆっくりは萃香の想像より遥かに下回る鈍感さをもっていた。 「みんなでかかれば倒せるよ!!」 「ゆっくりしんでね!!」「ゆっくりたおれてね!!」 体当たりしてくるゆっくりが増えてきた。ここら一帯に集まっていたゆっくりが萃香を取り囲んで攻撃する。 反撃しない萃香をみて体当たりが効いてるとでも思っているのだろうか。 舐められたものだ。 そう言えば霊夢も神社の食料を求めて集まるこいつらの相手にはうんざりのようだった。 そしてここは神社の裏、霊夢のためにも灸を据えてやることにした。 「身の程を教えてあげた方がいいようだねぇ。この鬼の力、特別に見せてあげるよ」 萃香はスペルカードを発動する。 萃符「戸隠山投げ」 萃香の能力で周囲の石や岩を萃(あつ)めて敵へぶん投げる豪快な技だ。 ただし今回萃めるのはゆっくり達だ。 3mほど宙を浮かんだ萃香の右手に妖力が集中する。そしてその右手に向って辺りの空気が吸い込まれていく。 「ゆゆーっ!?」「すいこまれるよー、わからないよー」 「ゆっくりできないよ!やめてね!!」「むぎゅぅぅ」 事態を把握できないゆっくり達が萃香の右手の先に為すすべなく萃められていく。 全部で50近くいたそれはものの数秒で直径2mぐらいの饅頭の塊になった。 恐らく中央付近のゆっくりはすでに潰れて餡子と皮だけの存在になっているだろう。 「そらっ、技はまだこれからだよ!」 萃香は腕をぐるぐる回す。これからゆっくり達の塊を投げるための勢いづけだ。 「ゆ”ーー!!」「ゆ”っぐりでぎない”~!!」 「まわずのゆ”っぐりじでぇぇ!!」 塊の外側にいるゆっくりはまだ話せるようで悲鳴を上げる。 「ゆっくりしたい? ならゆっくりさせてあげるよ」 この時萃香は自分が楽しんでいることを感じた。 こいつらの悲鳴を聞いてると何とも言えない気持ちになるのだ。 このまま地面に勢いよく叩きつけたらどんな反応を示すだろう。 それを早く見たくなった萃香はいつもより本気でゆっくり達の塊を地面に向けて投げ付けた。 ゆっくり達が投げられたことを認識するよりも前にゆっくりの塊が地面に激突する。 「ゆ”べっ!!」「ぅ”あ”!!」 途端に弾ける大量の餡子。そして断末魔。 ゆっくり達の塊のうち、4/5は一瞬にして餡子と化した。 なんとか形を保っているのは地面に激突したのと逆側にいた残り1/5のゆっくりだった。 それでも激突した衝撃が伝わって驚愕の表情のまま絶命しているものがほとんどだった。 「ちょっとやりすぎたみたいだねぇ」 そう言う萃香だったがその顔は綻んでいた。 「ゆっ、ゆ”」「あ”あ”あ”」 苦しそうな声を出すゆっくり達。だがその数はたったの四匹。ゆっくり霊夢一匹とゆっくり魔理沙の二匹、ゆっくり橙が一匹だ。 しかし焦点が合わないもの、皮が破れて餡子が他の死んだゆっくりたちの餡子の湖に流れ出ているもの、 舌が取れてしゃべれないもの、嘔吐しているものと無傷のものなど一匹もいない。 萃香はそのうち二匹を天界へ持っていくことにした。他の二匹はおそらくこのまま死ぬだろうからほうっておく。 天界の一角に萃香は現在住んでいた。天人の娘と闘って得た場所だ。 一面に花が咲き誇り、天敵となるものもいない。楽園と呼ぶにふさわしい場所だったが萃香にとっては少し退屈だった。 そこで今回生き残った二匹のゆっくり、れいむとまりさを飼って退屈を紛らわせる道具にしようと考えていた。 死にかけのゆっくりに桃をしぼって与えると少し元気を取り戻したようだ。 目立った外傷もないようだし後は放っておけば治るだろう。 「さて、今度こそ神社に遊びに行くかねぇ」 萃香はいくつかの桃をゆっくり達の周りに置くと、桃をもって再び神社へと遊びに行った。 翌朝 萃香は天界へ再び戻ってきた。 ゆっくり達は治ったかなと思いながら見に行くと、それはもう元気に跳ねまわっていた。 ゆっくり達は萃香を見ると元気に挨拶する。 「「ゆっくりしていってね!!」 萃香は少し驚いた。自分に何の恐れも抱いてないとは。 まあゆっくりは記憶容量が小さいのだ。きっと昨日のは忘れたのだろう。 「おねえさんれいむたちのおうちに何の用?」 「いっしょにゆっくり出来る??」 さらに萃香の場所を自分の場所だと主張する。 困ったものだ。これはお仕置きしないといけないな。 萃香に芽生えたSな感情がふつふつと湧き上がる。 「何か勘違いしてるみたいだねぇ。ここはお前たちのおうちじゃないよ」 「ちがうよ!! れいむとまりさのおうちだよ!!」 「ゆっくりできない人はゆっくりでていってね!!」 「そうかい。口で言って分からないなら体で覚えてもらうしかないねぇ」 昨日と同じようにゆっくり達を自らの腕へと萃める。 「ゆっ!?」 この吸い込まれる感覚は味わったことがある。なんだっけ? 確か昨日こんなことがあったような。 「!! や、やめてね!!」 「あ”あ”あ”!! ゆっぐりざせでぇ!!」 ゆっくり達は思い出す。この吸い込まれる感覚。その後起きた惨劇。 「さて、この後はどうなると思う」 萃香は今にでも投げるぞと示すように腕をくるくる回す。 「やめてえぇぇ!! まわざないでぇ!!」 「ごめんなざいぃぃ!!!」 命乞いの声に何かが満たされるのを感じた萃香はさらに続ける。 「何がごめんなさいなのか言ってごらん?」 「わだじだちがわるがったよ”おぉぉぉ!!」「ゆるじでぇぇぇ!!」 「じゃあここは誰のおうちだい?」 「れ”いむだちのおうぢぃぃ!!」 「まだ分からないのか。じゃあ投げるよ!!」 「「お”、お”ねえざんのおうぢでずうぅぅ!!」」 「分かったなら降ろしてあげる」 ぽとりと地面にゆっくりを落とす。目が回ったのかフラフラしている。 さてここで終えるのも勿体ない。もっとゆっくり達が自分を恐れる声を聞きたかった。 攻撃をすると簡単に潰れるからできない。楽しめないから。 どうしたものかと考えた結果、瓢箪から出る酒を使うことにした。 「ほら、元気が出る飲み物をあげるよ。口を開けな」 「ゆっ!飲み物! 欲しいよ!!」 「ゆっくり飲ませてね!!」 目が回ってフラフラしていたのはどこへやら。一瞬で元気になりぴょんぴょん跳ねておねだりを始める。 「じゃあ口を開けて並びな」 二匹は言葉に従って並ぶと、口を大きく開けてこっちを見上げてくる。 「ゆっくりはやく飲ませてね!!」 「はいはい、すぐ飲ませるよ」 昨日のは甘い桃の酒。 しかし今回は酒豪の萃香も満足できるほどの強い酒だ。こいつらには刺激が強いだろう。 瓢箪からゆっくりの口へと酒が流し込まれる。次の瞬間ゆっくりの顔が固まる。 急いでもう一方のゆっくりにも飲ませる。 「ゆ”ばばばびぃ!!」「がふっがふっ」 今までにない反応だ。これは楽しい。 ゆっくり達は口の中の燃えるような感覚に転げまわった。 「大袈裟だねぇ。でもおいしいだろ?」 「お”いじっ、ぐない”ぃ!!」 「がら”っ、い”の、い”や”、だよ”おぉ!!」 涙を流しながら萃香を睨めつける。 「ゆっぐりあやまってね!!」「ひどいおねえさんとはゆっくりできないよ!!」 「なに、これからゆっくり出来るよ。体がポカポカしてきたろ?」 「ゆ?」 言われてみると確かに体がポカポカしてきていた。それになんだかゆっくりした気分になってくる。 そう言えば昨日も甘い味のする水を飲んだときも同じようにゆっくりした気分になった。 もちろんこれはお酒を飲んだからなのだが、ゆっくり達には不思議だった。 「おねえさん、ゆっくりできるよ!!」「ぽかぽかー!!」 「それはよかった。ならもっと飲むかい?」 笑顔でゆっくり達に酒を勧める萃香だったが、その眼は観察をする眼だった。 ゆっくり達は隠された悪意に気付かない。今はとにかく不思議な水をもっと飲みたかった。 「ゆっくりのませてね!!!」「でもからくないのにしてね!!!」 「ふふっ、いいよ。辛くない酒だね」 今度は瓢箪から甘いお酒を出す。しかしアルコール度数は高い。 萃香はゆっくり達を限界まで酔わせてみようとしていた。 「「ごーく、ごーく、しあわせー!!」」 それから十分近くゆっくり達にお酒を飲ませ続けていた。 明らかに体積より多く飲ませているが、まだ飲んでいた。 「さて、そろそろいいかな」 ゆっくりの様子を見て萃香は二匹に酒を与えるのを止める。 「ゆ~? もっろのませれよぉ」 「まだのめるよ! もっとのませてね!!」 ゆっくり魔理沙はべろべろに酔っ払って舌が回らないうえ、見るからにふらふらで右へふらふら左へふらふら揺れていた。 それに対してゆっくり霊夢は比較的まともだ。 しかしこれはお酒の強さとは関係がない。 萃香はゆっくり魔理沙に与える酒だけ強いお酒、ゆっくり霊夢には1%程度のお酒とも言えない程度のお酒を飲ませ続けていたのだ。 「な~にひてんのぉ!! まりふぁはもっろのめるぉ!!」 「その前にいいことしてあげるよ」 萃香はゆっくり魔理沙を後ろから両手で抱えるとゆっくりと揺さぶる。 以前、人形遣いがゆっくりにやっていたことの真似ごとだ。 ゆっくり達はこうやって揺さぶってやると発情するらしい。普段なら。 しかし泥酔状態の今ならどうか。 萃香自身は酒で潰れないので体感的には分からない。 だが前に神社で宴会をしたときに見たからどうなるか大体知っている。 珍しく酔っ払った霊夢を悪ふざけで揺さぶったら…いや、言うまい。 あの後しばらく霊夢は口を利いてくれなかった。 ともかくだ。酔っぱらった状態で頭を揺さぶるとひどいことになる。 ゆっくり魔理沙も揺さぶられて、性と酔いの二重の快感に酔いしれていた。 しかし少しずつ、いや急激にそれは込み上げてくる。 口をだらしなく開けていたゆっくり魔理沙が「うぐっ」と言ううめき声とともに口を必死に閉じる。 絶えず襲ってくる吐き気。 「んぐっ、むぐっ」 頬を中心にゆっくり魔理沙が膨らんでくる。吐いてしまうのを必死で耐える。 とても苦しいのだろう。涙が滝のように流れている。 「ゆっくりできるでしょ。ほらほら、もっと揺さぶってあげるよ」 「んむぐぅぅぅ!!」 ゆっくり魔理沙は「ゆっくりできないよ! すぐにやめてね!!」と言いたいがそれはできない。 口を開けたら途端に中身を吐き出してしまうだろうから。 しかしいくら吐き気を我慢しても萃香は揺さぶる手を止めない。 我慢の限界ももうすぐそこだ。 その時ゆっくり霊夢はと言うと呑気に 「まりさばかりゆっくりさせてもらってずるいよ!! れいむもゆっくりさせてね!!」 ゆっくり魔理沙が苦しんでいるというのに酔ったゆっくり霊夢はそれに気付かない。 ゆっくり霊夢は早くゆっくり魔理沙と代わって欲しくて萃香の周りをぐるぐると飛び回る。 萃香はゆっくり魔理沙に耳打ちする。もちろんゆっくり霊夢に聞こえぬように。 「お前のお友達はひどいね。苦しんでるお前を助けようともしない」 「んぐ~~!!」 お前が苦しめてるんだ。と萃香に避難の目を向けるゆっくり魔理沙だったが、 確かにゆっくり霊夢は自分を助けようとしない。それどころかぴょんぴょん跳ねてゆっくりしている。 ゆっくり魔理沙は絶望してしまった。そして絶望が諦めを誘発した。 「ぅごぇえぇぇぇぇぇぇ!!! お”べええええええ!!!」」 逆流する餡子に耐えきれず、ゆっくり魔理沙は餡子を吐いてしまう。 それは半端な勢いじゃない。明らかに生きるのに必要な分の餡子まで出してしまうほどだ。 美しい天界の花畑を汚らしい餡子がびちゃびちゃと汚していく。 汚したのはそれだけではない。 萃香の周りを跳ねまわっていた霊夢にもそれはかかってしまう。 「あ”あ”あ”! なにこれぇぇ!!?」 「ははは! 友達の餡子だよ。ほら、すごい勢いだよ?」 ゆっくり魔理沙から吐き出される餡子をさらもゆっくり霊夢へと浴びせる。 「や”、や”めで~~! ま”り”ざがしんじゃうよおお!!」 「そうだねぇ。このままだと死ぬかもねぇ」 そう言って未だ吐き続けるゆっくり魔理沙を地面へと置く。 「ほら、餡子を戻してやらないと死ぬよ?」 「がほっ、げぼっ、じに、だぐな”い、おげっ」 吐きながらも死にたくないと訴える友達をゆっくり霊夢は放っておけるわけがない。 ゆっくり霊夢は餡子まみれになりながらも、吐き出された餡子を自らの口に含んでゆっくり魔理沙に 口移ししようとする。 しかし、口移ししたそばからそれ以上の量の餡子が吐き出されるのだから意味がない。 「まりざぁ、あんこを飲んでよぉぉ!! しんだらゆっくりできない”よぉ!!」 だがゆっくり魔理沙は答えない。答えられない。 すでに瞳に光はなく、口から出るのは餡子だけだ。 「まりさぁぁぁ!! あんこをのんでぇぇぇぇぇ!!」 ゆっくり霊夢はバカの一つ覚えのように餡子をゆっくり魔理沙の口へと運び続けていた。 何度かそれを続けるとようやくゆっくり魔理沙が餡子を飲み込んだ。 「ゆっ!」 ゆっくり霊夢はこれでまりさが回復すると希望を持てたのだろう。 「もっとのんでね!! あんこいっぱい戻したらまた一緒にゆっくりしようね!!」 次々と餡子をゆっくり魔理沙の口へと運び続ける。その動きはさっきよりずっと生き生きしていた。 萃香はその様子をずっと見続ける。その顔には満足が浮かんでいた。 (これは確かに面白いねぇ。あの人形遣いや氷の妖精なんかが熱心になる理由がよく分かる) ゆっくり魔理沙はとっくに死んでいた。餡子を体に詰めなおしたところで生き返りっこない。 萃香はそれも分からずに回復するかもと、希望にすがるゆっくり霊夢をニヤニヤ眺めていた。 ゆっくり霊夢が二度とまりさが動かないと理解したのは、半日も経ってからだった。 ゆっくり霊夢はぴくりとも動かなかった。 まりさが死んだことを理解したくないのに死んだことを理解してしまったゆっくり霊夢は、何も考えたくないと現実から逃避してしまっていた。 「あーあ、こんなになっちゃったらもうつまらないや」 反応がないと虐めがいがない。萃香はゆっくり霊夢を掴むと神社へ遊びに行くことにした。 (このゆっくりは霊夢と一緒に食べるとしよう) そして帰りにゆっくり達を調達しよう。 次は何してみようか、何をさせたら面白ういだろう。 この先のことを考えると楽しくて仕方がない萃香であった。 終
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2164.html
「一匹のゆっくりが発情していた。2」 1をみてね! http //thewaterducts.sakura.ne.jp/cgi-bin/up/src/fuku3162.txt ※だんだん壊れていきます、危険を感じたら閉じてください どじゃぁああああ どじゃあああああ 春競馬から帰って来たお兄さんは、部屋に散らばったガラクタやら 飼いありすが一生懸命小さな口で組み上げたベッドだったものを片足で退(の)かしていた しばらくして残骸の中から金髪の生首を見つけると 期限切れのオレンジジュースがぶ飲みさせ 倒壊によって傷つきカスタードが漏れている箇所を さっきセブンイレブンで買って来た速乾じゃない方のアロンアルファで塞いだ 役目が終わった"まりさ"を洗って元の化粧箱に戻すと 敷き詰めておいたサランラップを畳からはがして水色の生ゴミ袋に投入し ずり落とされた古いカーテンをきちんとたたんで新品の白いレースで窓を飾った ありすを抱えて部屋を出ると、風呂場に腰掛けてシャワーからぬるま湯を出し ノミとりシャンプーをぶっかけて、髪の毛やらナニやらを油分のべたべたを汚れ共にオサラバさせた ふやける前に髪の毛をまとめて握り、よく振って水切りをしてからタオルで全体を拭いた そして先ほど取り替えたばかりのカーテンがひらひらとそよぐ窓の日向に設置した 気だるい一仕事終えて嘆息をつくと 尻ポケットに差していた競馬新聞を広げて、アレが乾くのを待った そろそろ太陽が南中を過ぎて空がオレンジ色になる頃 「…ゅ………ゆ…………おにいさん! ありすは あかちゃんをつくらないと いけないのよ!」 カっと目を見開いて、鶏のように予(あらかじ)め決められた鳴き声を発すると お兄さんは 出来たてありすを小脇に抱えると、おうちの戸締りをして町へ出た ここはゆっくり専門のペットショップ 野良生活で捕まえられて、厳しく調教された安い品種から 有名ブリーダーによって育成された見た目も頭もいい高級品も揃えたチェーン店だ そんなショーケースが並ぶ一つの箱に、子れいむがいた 「…ゆ!…ゆっくりしていってね!」 飼いありすと比べれば大きさは両手の人差し指と親指で描いたわっかほどしかない しかし黒髪のツヤ、肌のもちもち感、透き通った声色 文字通り饅頭程度の値段で売られている他の商品とは一線を駕している、血統書?ランクのれいむ種だ 子れいむの姉妹は既にセレブの奥様方に貰われて行ったのか 贅沢な暮らしと過保護に包まれているだろう今はいない姉達の事を子れいむは考えていた 赤ゆっくりの頃から、ゆっくりの意思を通したまま人間社会で生きるための知識 同様にゆっくりとしての己の生態から種族の保存方法まで 普通の大人ゆっくりも敵(かな)わない、英才教育を受けている 末っ子であるれいむは店頭に並ぶまでの間 厳しい基本教育を学びつつ怪我や病気に耐えられる子ゆっくりサイズに成長して、やっと顔を出せたのだ 「ゆっくりしていってね! れいみゅは れいみゅだよ!」 まだ舌足らずな子れいむだが 老若男女のお客さんが自分のショーケースを覗き込んだら、お決まりの挨拶と自己紹介をする 箱の外では簡易的に作られたプラスチックの柵の中で 子供が子ゆっくりを抱き抱えてはニコニコしてたり ケースから一時的に出して遊ばしている子ゆっくり同士が追いかけっこしていたりなど 微笑ましいふれあいコーナーとなっている 子供に抱かれて すやすやと寝ている自分と同じサイズのゆっくりを見て 子れいむはひとしきり羨ましがると、早く優しい飼い主と出会わないかな?とウキウキしていた お兄さんがペットショップの自動ドアをくぐると 見たこともない種類のゆっくりや、いろんなグッズが目に入ってきた 「ゆぅ!? まりさだわ! れいむだわ! わたしよりは かわいくないけど とかいはの ありすもいるわ!」 腕の中で騒ぎ立てる自分の飼いありすの舌を びーっと伸ばしては離し 勢いよく元に戻るベロで口の中をパチンと鳴らしては涙を浮かべるありすに満足すると、ゆっくり達のショーケースの前に立った 「ゆっくりしていくんだぜ! まりさは まわりのゆっくり なんかより つよくて すごいんだぜ!」 「むっきゅーん! ちからもちしか のうのない まりさより ぱちぇのほうが やくにたつわよ!」 「ゆゆ!? れいむは いちばん かわいいんだよ! だから おかしをまいにちくれるなら けらいにしてもいいよ!」 「ちーんぽ! ばぎなー! くろてぃくびー!」 「わかるよー! おにいさんは ちぇんを かいに きたんだね! さっさと こない おにいさんは わるいひとだね わかるよー!」 子供のお小遣いで買えるような下品なゆっくりは流すように見て お兄さんはパソコンが買えてしまう価格の辺りで、ゆっくり達を見比べていった 「ゆっくりしていってね! れいみゅだよ! よろちくね!」 綺麗で礼儀正しい子れいむが挨拶をする 「ありすは ありすよ! ありすの つぎくらいに きれいな れいむね!」 ありすのお眼鏡にもかなうような利口そうな子れいむだ お兄さんは財布を取り出すと、競馬で手に入れたあぶく銭から数十枚ほど抜き取ってカウンターへ行った なにやら店員のお姉さんと話しこんでいるが、むつかしい事は飼いありすにはさっぱりだったので 30秒も立てば目に付くものを自分の美貌と比較しては、貶(けな)してぎゃあぎゃあ騒ぎ始めた 髪の毛を一本ずつ抜くと言う私刑が、店員のお姉さんから見えないところで実地されると "お客様用お預かり"と書かれた柵の中に飼いありすはボテっと置かれた 「おにーさんたら! ありすは【まだいちども すっきりしたことが ない】のに あの おねーさんに しvたvごvこvろv でもあるのかしら! ぷんぷんだわ!」 お姉さんがさっきの子れいむを取りに バックヤードからショーケースに向かうのを確認すると スニーカーを片方だけ脱ぎ、マツザカも真っ青なフォークボールの靴が、飼いありすの口にボカァ!っと収まった ふごふご言う声を堪能しつつスタスタ歩いて スニーカーを取り返すと 元のカウンターに戻ったお兄さんは飼いありすを目で殺した 「…」 大人しくなったありすは、辺りをキョロキョロと見回すが 預かり用の柵なので怪我の元になるかもしれない玩具もなく 冷たいフローリングとプラスチックの柵があるだけだ 高さは50cmにも満たないが、成体のありすでは無傷で飛び越えられるものではない 体当たりをしたとしても柵は一周しており、つなぎ目が緩んで取れない限り出る事は出来ない "よぼうせっしゅ"とか"ほけんりょう"とか聞きなれない単語を さっきの子れいむを持っている店員さんとお兄さんが話しているが 特にやることもないので、ころころと飼いありすは転がっていた 「なによ おにいさんたら! ありすの ぱーとなーを みつけにきて くれたんじゃ なかったのかしら!」 ぶつくさ毒ついているとお姉さんがやってきて "あいしょう"とか自分も聞いた事もあるような言葉を耳にすると 小さい子れいむは 飼いありすの前に置かれた 頭の上ではお兄さんと店員のお姉さんが話しているが、詳しい会話の意味はわからない 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 とりあえずありすは挨拶を返すと子れいむに近寄った 「ありすよ! よろしくね! あなたは なかなか きれいで みどころがあるわ!」 「れいみゅだよ! ありしゅ おねーちゃん よろちくね!」 子れいむのもちもちとした肌が気に入ったので すりすりしてたら 「ゆゆ! おねーちゃん くしゅぐったいよ!」 「どう? せれぶな ありすの ほっぺたは ひあろるさんが しゃねるで にょうそなのよ!」 その光景に喜ぶお姉さんに お兄さんはお辞儀をすると会計を済まして ママチャリの前カゴに飼いありすを突っ込み おぶいヒモで固定された子れいむを胸の前に下げて帰った 子れいむはお兄さんの胸の中があんまりに気持ちよくて寝てしまい むにゃむにゃと起きたら六畳のたたみ部屋にいた 「ゆー! ゆっくち ねむったよ! ここが れいみゅの あたらしい おうちだね!」 きょろきょろと見渡すと、とっても綺麗な部屋で 今まで見たことない玩具がたくさん隅に並んでいた 赤ちゃんの頃に教えられた通りの、人間が住んでいるお部屋 だいたいの物の機能とルールを思い出していると お店で会った成体のありすが近寄ってきた 「ありしゅ おねーちゃん! きょうから いっちょだね! れいみゅと なかよくしてね!」 子れいむはショーケースの中で もし一匹だけで貰われてしまったら ご飯や玩具には不自由しないだろうけど、一人はちょっと寂しいな…と思っていた しかし新しいおうちと共に、新しい家族も手に入れられ 一緒にお風呂で はしゃいだり、山というものへピクニックに行ったりする事を想像して胸が躍(おど)った さっそく姉とも言える飼いありすと、打ち解けようとしたのだが 「れいみゅは まだ おにーさんに もらわれた びゃかりだから ゆっくちできないことを ちたら ちゅういちてね!」 「…」 「がんばって がんばって おぼえるかりゃ れいみゅを きらいに ならないでね!」 「…」 「れいみゅは おねーちゃんと ゆっくちするのが たのしみだよ!」 「…」 「こんな ゆっくりのできるところで れいみゅは しあわs――――――――――――――― 「れいむぅううううううううううううう! かああああいいいいわあああああああ! しゅべしゅべのおはだわああああ!!!!!」 「おね、おねーちゃ―――― 「ちいさな おりぼんが たまらないわよぉおおおおおお! おめめも きらきらなのぉおおおおおおお!!!」 「ど、どしたn――――― 「しんぼうたまらないわぁぁああああああ! さっそく あかちゃん つくりましょうねぇえええええええ!!!!!!!!」 「なにいってr―― がばぁあああああああああああああああああ 自分の体の数倍はある 成体の飼いありすに正面から圧(の)し掛かられ 子れいむは 畳とありすに挟まれて動けなくなった 触れんとばかりに近づいている口からは 飼いありすの舌が伸び、子れいむの頬やら舌やら舐めまくっている 得体の知れない怪物に襲われているように感じた子れいむは、今までを振り返った 自分はれいむ 誇れる親から生まれた優れた子供だ 姉達は素晴らしい風格を備えた人間に貰われて行った 当たり前だ 自分達は野良とは違う 馬鹿な事をして罰せられることもなく 寒くてひもじい森で暮らすこともない 優しそうなお兄さんに貰われた 自分は人間のお金という単位でとても価値があるものだとう すなわち優れた人間でないと れいむを買うことは出来ないのだ 優れた人間だから、優れたゆっくりを買っている だからこのありすは 素晴らしいゆっくりなのだ 「はじめてよね? はじめてなのよね!? ありすが てとり あしとり こしとり おしえてあげるわぁぁああああ!!!!!」 ありすといえば理性的で、ぱちぇと共に並ぶ知性に優れたゆっくりだ よく都会派、都会派と言ってるが、高貴で優雅なるものはそうあるべきであるという意味に違いない 「うっほぉおおおお ありすの ぺにぺにも ごあいさつが したいらしいわよょおおおお! こんなになっちゃって はずかしいぃわぁあああ!!!!」 このお兄さんの家の先輩であるありすは きっとれいむにいろんな事を教えてくれるだろうと… 「な、な、なにちてるのぉおおおお!?!?!?!?」 「んふふふふふふふふ! んふふふふふふふふふふふふふ! どうしましょう じょうねつが ぼるけいのぉおおだわぁああああ!!!」 子れいむは、今まで教わった知識は何も役に立たなかった なんて可愛いれいむなのだろう あのまりさに比べてなんていじらしいゆっくりなのだ あのまりさ? ありすは初めてすっきりしようとしているのに何と比べているのだろう 飼いありすは 何かを思い出しかけていたが、知性の大半は下餡部に奪われているので むつかしい事に思考をめぐらせる事は放棄した 「あらぁああ こんなに でろでろにして れいむも じゅんび おっけぇええ なのねぇえええ!!!!」 「おねーちゃん! みゃ まっt― 子れいむが発情したように見えているのは ありすが勝手にべろべろ舐めたり 体を潰しているから紅潮しているんだが そんな講釈など今のありすには関係ない こどもがほしい あかちゃんがほしい だから すっきりする おk 難しい倫理など、彼女のすっきりの前には、うんうんにも等しく無価値なものだ 今のありすにとっての最優先事項は、ぺにぺにを達せられる至高のまむまむと交わる そして赤ちゃんを作る! 「…おねーちゃん! …どうちたの! れいみゅ…が くる…しいよ! ゆっくち…ちないでやめて…ね!」 「んふー んふー れれれれいむむむむむ」 「こんなこと…ちたく…ないよ! すっきりは…おとなに…ならないと…だめ…なんだよ!」 「おとなぁ? おとな なのねぇえ! ありすが おとなの おんなに してあげるわぁああ! れいむの みじゅくな ばでぃが そそるのぉおおお!!!!」 駄目だこいつ早くなんとかしないと、子れいむは素直に思った つい数時間前まで尊敬するべきありすだった気がしたのだが どうも勘違いらしい そういえばどうしてこんなお部屋にいるのだろう れいむは素晴らしい飼い主に出会うために 風さんが熱くも寒くもない快適なゆっくりプレイスで、甘えさせてくれるお姉さんがいるショーケースにいるはずだ こんな所で、変態をかまっている暇をないのだ 「れいみゅは ゆっくちするよ…れいみゅは ゆっくちするよ…れいみゅは ゆっくちするよ…」 にゅるん 瞳から光が消えていた子れいむだが転機が訪れた ありすから放たれている膨大な粘液が、肌を滑らせ抜け出すことが出来たのだ あわてて畳とありすのサンドイッチから脱出すると 「もおおおおおうぅぅぅぅ いゃぁあああああ おうち かえゆ!!!!ゆわぁああああんんんん!!!」 今まで耐えていた辛い事、びっくりした事、いろんな我慢していた事が爆発して子れいむは滝の涙を流し号泣した もう背伸びをした子れいむはそこにおらず、ただの大きい赤ちゃんれいむがいるだけだ 「おうちは ここよぉお! ありすと すえながく ゆっくりしましょうねぇええ!!!!」 「いやぁあああああ! ありしゅなんかと ゆっくちできなぃいいいいい!!!!」 必死に逃げる子れいむだが 粘液でぬたぬたにされた体では上手く跳ねることも出来ず あっという間に部屋の隅に追いやられた 下は畳の地面 左は壁 右も壁 前は変態ありす 残った天井を見ようとしたら、見たことのない物体で視界を塞がれた 「ああぁぁぁあ! れいむは そんなことまで してくれるのねぇええ!! あい! あいなのねぇええ!!!」 ギンギンのぺにぺにを押し付けられ 先走っているカスタードの香りが子れいむの嗅覚を犯す 「にゃに こりぇえ!? にゃんにゃのおおお!? こんなの れいみゅは ちらないにょおおお!?!?!?!?」 無理もない、すっきりなど教えられても実際にしたことはないのだから しかも相手は自分より大きい成体で、さらに変態だ 「うぶな れいむに みせちゃったぁああ!! ありすの ぺにぺに みせちゃったあああ!!! あああああ!! もう たまらないわぁあああ!!」 未成熟な子供に、自分のぺにぺにをみせ怯えさせるという 未だかつてない恍惚感に襲われたありすは 更に肥大したぺにぺにを子れいむのほっぺに押しつけていく 「あついでしょおおおおお!? ありすのあいが まっかに もえあがっているのよぉおお!!!!」 「いゃああああ! へんにゃ にゅおいが ちゅるのぉお!!!」 実際は ただのカスタードなのだが 経験したことのない恐怖によって、子れいむの身に起こる全てを悪夢に変えている ありすは子れいむに押しつけていたぺにぺにごと、すりすりをはじめた こんなものは交尾でもない、ただ柔らかく弾力のある子れいむにモノを擦っているだけだ 「んふっ んふっ んふっ んふふっ! んふふぅ! んほほほほ!」 加速するすりすりは 子れいむの頬を真っ赤に腫れ上がらせ 変態ありすは だらしなく空いた口からヨダレを垂れ流し 全身から汗を飛び散らせ、両目は焦点などないように意識の向こうを見ている 「や べべべ や べ でででぇ ゆっ ぐぐぐ ぢ ででで きな いいいい」 すりすりを超えた激しいシェイクによって 子れいむの姿はブレはじめている 「んふぅ! んふふぅ! れいむ! れいむぅ! ありすの じょうねつを かんじてぇぇえええ!!!!」 「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ」 「んほぉおおおおお!!!! しゅっきりぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいい☆☆☆☆☆☆!!!!」 子れいむは不自然に粘性を持ったカスタードに全身を包まれていた 「…」 カスタードは口にも流れ込んでいたが、気持ち悪いとも甘いとも言わず 甘気に埋もれて何もない壁を見つめていた 変態ありすは、子れいむを三角の隅へ向き直らせると 更に大きく覆いかぶさった 「…もう…やめ………ちぇ……………」 「れいむぅ…うふふふふ そろそろ こづくり しましょうねぇ」 そのまま脱力している子れいむをうつ伏せにさせると いまだ衰えていないぺにぺにを、子れいむのまだ機能していないまむまむにあてがった 「ゆぎぃいいいいいいいい!!! 」 「んんんんんんん! きうきうよ! れいむの まむまむは きうきうなのぉおおお!」 「なにぢでるのぉおお!!! もう ごんなごと やべでぇよおおお!!!!」 発情もしていない子れいむに迎える準備などない ありすの普通以上の ぺにぺには 入るわけもなく 先端をちょっと入るだけで進むことが出来ない 「ゆぐっ ゆぐぐぐっ きうきうよ! まだ さっきぽ だけなのよぉおお!!」 「いじゃあああい いじゃぁあああああああいいいいいいい!!!!」 「ちからをぬいて でいぶぅぅううう ありすを うげどべでぇえええ!!!!」 「しゃけるぅぅうううう れいみゅの からだが しゃけるぅぅううう!!!!」 「でえいぶぅううう!!! でいぶぅううううう!!!!!! ありずの あがじゃんを つぐっでぇええええ!!!!!!! 「いやぁぁああああああ!!! れいみゅは あかぢゃん ぼじぐないのぉおおお!!!!!!」 「!!!!!!!!!!」 「!!!!!!!!!!」 五分ほど格闘した変態ありすは、汗も粘液も乾燥して表情すら乾いていた 「…」 「…い…いじゃいよ……ゆっぐ……ありじゅ………やべ……で………」 「なにこれ」 「…かえ…る……………れいみゅは……おうぢ………がえ……る………」 「なんなのこれ 」 「…ゅ……ゅ…」 「どうして ありすのぺにぺにが はいらなのぉおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」 「…」 「ぺにぺにが はいらないと あがじゃん づぐれないでしょうおおおおおお!!!!!」 「…」 「でいぶは なにを ぢでいるのおおお!!! ざっざと まむまむを ごっぢに むげなざいよぉおお!!!!」 「…」 「やぐだだだずぅううう!!!!! でいぶは やぐただずよぉおおおお!!!!」 「…」 「くずよ! でいぶは なんのいみぼない くずの がだまりなのよ!!!!!」 「…………………」 「まだ あの"まりさ"のほうが よがっだばよ! あの まむまむの にうにうがんも きうきうがんも ざいごうだったわぁあ!!!」 「………………………………」 「ばりざぁああ どごいっだのぉおお また こづぐり じまじょうよおおおおおおおおお!!!!! ばりざぁぁああ!!!!」 「…………………………………………………………」 遠ざかるありすの声が聞こえなくなると子れいむは考え始めた れいむはやくたたず れいむはこどもがつくれない れいむはきもちよくしてあげることはできない れいむはいきていてもなんのやくにもたたない れいむはいらないゆっくり かちのないゆっくり れいむはいらな れいむは れ 癇癪を起こして暴れているありすに潰されて、子れいむは考えることをやめた ★他の作品 ◆一匹のゆっくりを捕まえてきた。 「切り株に固定されたゆっくり、すこしずつ解体されていきます」 ※グロ注意 ※うんうん ( fuku2828.txt, fuku2830.txt, fuku2832.txt ) ◆一匹のゆっくりを捕まえてきた。外伝1 「新しい命が生まれた しかし巣に人間が来て………父の威厳が試されます」 ※うんうん ( fuku3012.txt ) ◆二匹のゆっくりを育ててみた。 「変わったらゆっくりに疲れます」 ※解体 ( fuku3045.txt, fuku3070.txt ) ◆一匹のゆっくりが発情していた。 ★準備中 ◆一匹のゆっくりに稼がせてみた。 「恩返しのつもりで働くれいむは騙されてしまいます…」 ◆一匹のゆっくりが生き残りたい。 「ゆっくりで一番恐ろしいものは何か…」 ◆一匹のゆっくりを捕まえてきた。第弐幕 【一匹○○シリーズの詳しいゆっくり生態】 「愛で愛でしい片親家庭の一人娘が、悪いゆっくりにさらわれて監禁される…」 このSSに感想を付ける