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《りめる()/Limer》 ?id=774.png 種族 いぬ 年齢 不明 性格 女 能力 そげぶ 賢さ レミリア以上ギレン・ザビ以下 好物 オレンジジュース 趣味 文を追い越すこと ハヤテが思いつきで考えたアホ毛でチビでいぬな娘。 外見はいぬさくやと竜宮レナを足して2で割ったような感じ。 賢さがレミリア以上ギレン以下、ただし言葉は殆どひらがなだがな! 因みに無断使用禁止のゲストでは荒らさなければ誰でも使って良しのキャラ第一号…なのか? デュー氏設定のりめる 可愛い顔して時々深い事を語る不思議ちゃん。座布団とオレンジジュースがあればなんとか生きていけるらしい。 しかし深すぎる故結論が読めないこともあり、相手に分かってもらえない時もある。 そんな彼女の台詞集↑Old ↓New 「どっかにわすれものをした。きょーしつだったか、おかーちゃんのおなかのなかだったか。」 「たのしけりゃわらえばいいし、かなしけりゃなけばいい。けど、むなしいときはどうしたらいいわかんない。だからおれんじじゅーすをのむ。」 「なやみだしたらきりがない。くだらないことかんがえて、へこんでも、あしたわらえばそれでいいじゃもん。」 「いやなものをいやといったら、こんなきょーにたどりつくんだ。」 「にんげんってのは、ひとつやふたつのけつらくはあるんじゃもん。」 「おわりはいつかやってくるとしったとき、はじめてひとがいとしくなる。ばかげたことかもしれないれど、どうかいきていてほしい。」 「おわりがあるからうつくしいの?そんなのわかりたくもない。おわりはいつもはやすぎるんだよ、おわりのばーか。」 「このあいだしったんだ。いってきのなみだが、うみにまさるとはしらなかったよ。」 関連ページ 関連画像 キャラクター紹介へ戻る|キャラクター紹介 【】へ戻る コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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グライフの紋章 エピソード1 #01 聖華暦832年10月3日 同盟領、旧都ナプトラよりさらに東側 平原を疾走する艦が3隻。 一列に隊列を組み、東へ向かってひた走る。 その艦には3隻とも同型艦であり、同じ『グリフォン』のシンボルマークを船体に掲げている。 それらこそ傭兵部隊『グライフリッター』の擁するバルバロイ級強襲揚陸艦であった。 3隻の艦は勇壮に、東へ向かってひた走る。 時間は昼を過ぎたくらい、気持ちの良い晴天。 航行は順調。 甲板で寛ぐ隊員もちらほらと見えるが、周囲の警戒は怠っていない。 監視班はそれぞれの艦のエーテルロケーターと睨めっこをし、監視台では三方から双眼鏡を覗いて周囲の状況に目を凝らす。 それでもこの辺りはまだ同盟領の中、比較的安全圏と言える。 でもだからと言って気を抜く程、彼等は腑抜けた連中ではない。 安全圏と言いつつも、本当に安全と言えるのは都市の中くらいなもので、その都市から離れてしまえば完全に安全が保証出来るほど、この世界は優しくない。 そこは旧時代の生物兵器や無人兵器の成れの果て、『魔獣』が闊歩する危険に満ち溢れた場所なのだ。 そんな場所を彼等は東へ向かってひた走る。 向かう先は『禁忌の地』。 かつて滅んだ世界の再興をする為、『旧人類』が作ったWARESの本拠地、その残骸と言える場所。 自らが産み出した『新人類』との戦争に『旧人類』は敗れ、彼等は滅亡した。 彼等『旧人類』の名残を残して、今や魔獣の巣窟でしかない。 そして、強襲揚陸艦二番艦の決して広くは無い機兵格納ブロックでは、機兵乗りの隊員達が集められ、ブリーフィングを行なっていた。 隊員の中でも最年長と思しき男がホワイトボードに概要の書かれた書類と作戦区域を描いたマップを貼り付け、ラフに集まった彼等を前に話を始めた。 「ご機嫌よう、諸君。本来ならバロカセクバを出る前に、任務の説明を行う筈だったんだが…」 「エリアス小隊長、質問があります。」 隊員の一人が挙手とともに口を挟む。 小隊長と呼ばれた男、エリアス・ヴォルツは話を遮られた事を咎める事はせず、反応を返した。 「なんだぁ?まだ前口上の途中なんだが……まぁ良い、質問は?」 「モノホンの戦闘ですか?それとも害虫退治で?」 「今更それを聞くか?向かう先が禁忌の地だぞ? だったら害虫退治に決まってるだろ。」 やっぱりといった顔をして、その隊員は了解です、と答えた。 「今回はここ、ロドスの東22km、aー11地点からb-02地点までの区間の掃除だ。 予定は二日。 デカイのはラムグリッターとフラップ・スナーク、小さいのはティールテイルが多数確認されている。 鋼魔獣も幾らか出て来るだろうから、気を抜かずにコトに当たれ!」 エリアスの言葉に皆が表情を引き締める。 死地へ向かう彼らの目的、それは魔獣の個体数を減らす為の掃討作戦を行う事。 自由都市同盟軍から金をもらって引き受けた、汚れ仕事に他ならない。 それでも魔獣はやはり危険な存在であり、放っておけば人類の生存圏を脅かす。 誰かがやらねばならないのなら、彼らが駄賃で引き受ける。 何故なら、彼らは傭兵なのだから……… 本来なら、話はここでお終い、各自解散して準備に入るところである。 だが、今回はこれだけでは無かった。 「………ああ、それから、掃除の間に|ロココ製作所《クライアント》からついでの依頼が入っている。 試作機兵の実戦試験に協力するようにとの事だ。 何をするかは要綱を回すから、各自しっかりと目を通しておけよ。 以上、解散!」 やれやれ、雑務付きか、といった雰囲気で隊員達は解散して行った。 その中で、今回が初任務となる新入隊員ハーマン・コンラッドは、複雑な表情を浮かべていた。 ハーマンは傭兵歴3年、中堅ほどには至らぬが立派に経験を積んでいる。 しかし、グライフリッターに入隊したのはまだ昨日の事だ。 昨日の今日でいきなり初任務というのは、まぁ、傭兵である以上はよくある事だ、文句など言う筋合いでは無い。 だが、ろくに説明を受けずに強襲揚陸艦に放り込まれ任務説明が今しがた。それもごく簡潔に。 その上、魔獣掃討と試作機護衛の二足の草鞋とは……… 何もかもが、これまで彼が経験した事が無い事だった。 これが自由都市同盟トップクラスの傭兵部隊とは……… 何かが自分の理想とはかけ離れていた。 何というか、部隊全体として余裕を持ち、隊員達が高い目的意識を持って行動する。 事前には十分な任務説明を持って情報を共有する。 そして装備を入念にチェックしてから仕事に掛かる…… そういう事を想像していた。 いや、期待していた、と言うべきだろう。 無論、傭兵なのだ、正規の軍隊では無い。 その事は心得ている……つもりだった。 それでも、任務に対しての彼等の姿勢が、|あ《・》|ま《・》|り《・》|に《・》|も《・》|雑《・》|に《・》感じられた事が、彼の心がざわついた要因の一つなのは間違いなかった。 入隊直後に支給された機装兵『マーセナル・グライフ』を見上げ、その心境は複雑だった。 「どうした?新人君、浮かない顔をしているな。 心配事か?」 「え?ええと…」 声をかけられて振り向くと、ハーマンの直属の上司である第八小隊小隊長だった。 「俺はエリアス、エリアス・ヴォルツだ。よろしく頼むぜ、新人君。確か名前は…」 「ハーマン・コンラッドです。」 彼、エリアスの傭兵歴はハーマンなどとは比べるべくもなく長く、グライフリッターの中でも|歴戦の猛者《ベテラン》の一人だ。 ハーマンは彼の指揮する第八小隊の所属となっていた。 「ああ、いえ、心配事では無いんです……ただ、入った早々、ろくな説明も無しに任務に着かされた事が、少し驚いてしまって……」 「あー、そういう事か。 まあ、|グライフリッター《うち》ではよくある事だ。ま、そのうち慣れるさ。」 エリアスはさらっと言う。 「護衛任務というのは?」 「要綱に書いてある通りさ。ロココの試作機が魔獣と戦うから、壊されないように気をつけろって事だ。 あー、ロドスに着いたら合流だってのを言って無かったな。」 しまったな、といった感じでそう言いながら頭を掻いている。 「なるほど……それで三番艦には機兵が載って無いんですか……」 そう、ロドスでロココの試験部隊を拾う為、三番艦には機兵が一機たりとも搭載されていないのだ。 「察しが良いな。まぁそういう事だ。」 なんともいい加減な感じがして、ハーマンが眉根を寄せる。 エリアスはそんな彼が部隊に参加しての初任務で緊張していると思ったのだろう。 ま、あんまり気負いなさんな。 そう言って手を振り、エリアスは行ってしまった。 参ったな、小隊長まであんな様子なのか……… 先の不安を拭えず、ハーマンは知らず苦虫を噛み潰していた。 * 「ふふん、ふんふん。」 グライフリッター副隊長、今回の掃討作戦の責任者であるダグラス・ハウッドは、鼻歌交じりにチェスでもする様に手を動かし、作戦区域のマップと観測された魔獣のデータを入念に確認していた。 頭の中に立体的な地形を描き出し、予想される魔獣の行動パターンを考えられる限りシュミレートしている。 右手がエアチェスしているのは、彼が熟考している時の癖だ。 今回の作戦に参加しているのはダグラスの第二小隊、ザッシュ・グートザインの第四小隊、ソール・ランヴェイルの第六小隊、バイパーの第七小隊、エリアス・ヴォルツの第八小隊、総勢21機の機兵だ。 これに、ロドスで合流するロココの試験小隊5機が加わる。 もっとも、試験小隊は|要護衛対象《お荷物》である。 彼等の|護衛《お守り》はバイパー隊に任せるとして、ザッシュ隊とソール隊を上手く使って魔獣を追い立て、エリアス隊に殲滅させる。 はたまた、自分の隊を囮に魔獣を誘き寄せて全員で袋にするか…… どの戦術が効率的か、どんなシュチュエーションが発生しやすいか、強襲揚陸艦一番艦の|艦橋《ブリッジ》で、今日は朝からそればかり考えていた。 彼は用兵家だ。戦術、戦略が彼の得意分野である。 無論、実戦での実力もあり、隊長のワイラーよりも傭兵歴は長い。 それでもグライフリッターにいる限りは、ワイラーを隊長に据えておく方が、|自《・》|分《・》|は《・》|や《・》|り《・》|易《・》|い《・》|。《・》 これはワイラーを下に見ての事ではない。 ワイラーという男を認めるからこそ、自分はグライフリッターの為に最大限の貢献を行う。 その為に制約を課せられる事が無い、というのが現状なのだ。 今はあの男に隊長を任せておいて間違いは無い。 用兵家としての損得勘定と、ダグラス・ハウッド個人としての信頼で持って、そう判じている。 今のグライフリッターはとても良い。理想的な傭兵部隊だ。 その中で参謀として、頭脳として、隊の為に最大限の貢献を行うことが、とても楽しい。 「さて、後は試験小隊の連中を観てから決めるか。」 一言呟くと、|無粋な泥水《苦いコーヒー》を飲み干して、|クリーガー・グライフ《愛機》の調整に向かうのだった。
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たまき@愛鳴藩国 様からのご依頼品 遠く、祭囃子が聞こえた。 とっぷりと夜が打ち寄せている。渡航してきた船の灯りがぼんやりと視界の中で漂っているぐらいで、一面に、響く潮騒と、暗闇が、まるで、波に乗せて小さなこの島に夜を運んで来ているかのような錯覚を誘う。赤星は、星月夜の微かな光だけを頼りに桟橋近くを小走りに、あちこち海岸沿いの軒先をのぞき回っていた。 あった。 ひょいと段差を飛び越えて確認する。それから人気がないだけの桟橋の上でへたくそな介抱を続けている奈津子を促して、英吏を近くの海の家のベンチに寝そべらせる。海の家、というのも便宜的な呼び方で、港に近いから、観光客が見込めるのでそういう風に運営しているというだけで、今日は祭りだから、軒先だけ残して店主も屋台を開きにいったのか、それとも祭りぐらいは客になりにいったのか、ともあれ、無人のそこを、赤星は拝借することにした。 真白く気高い毛並みをした、狐型雷電のクイーンが、じっと主人の傍らに付き従い、しかし己は運ぶのも、介抱するのも、今は手出しをしないでいる。動かないのは、見慣れない相手が近くにいて、少しでも不審な動きを見せれば喉笛を食い破るつもりだからだろう。そのつぶらな瞳は動物兵器としての無感動な光を湛えている。 「……」 一所懸命に奈津子は、隣にいる赤星のことも無視して英吏の体の見当違いなところをさすったり、手で頭を持って呼吸しやすいように支えたりしていた。素人目に見ても、へたくそにもほどがある介抱の仕方だった。 が、常人の数百倍の筋力を持たされ、天使とも呼ばれる第六世代よりもさえさらに異なる構造をその身に潜めた存在が、相手を壊さないよう、自分の身になって考えた挙句、選んだのがそういう稚拙な方法の数々だとして、誰がそれを咎めることが出来たろうか。 奈津子の、やや細長い印象を受ける顔が、一所懸命に英吏を見つめて介抱を続けていた。 赤星は黙って二人を見守っていた。 船灯りの方角からは、いくらかの話し声が聞こえてきている。おそらく一緒に来た仲間達がうまいことやってくれているだろう。信頼して、じっと英吏の目が覚めるのを待つことにした。 祭囃子の調子は変わらずだった。まだ、まだ、終わりそうにない。 あたりから立てる物音は、奈津子の起こす、肌擦れ、衣擦れだけ。 絶えることのない、しかし一定というには心地よい揺らぎを孕んだ波音が、その小さな物音をそっとさらっていく。 見上げた風は、やわらかかった。 /*/ 意識が覚醒すると同時に、瞬間的に英吏は跳ね起きた。 時間の経過は。負傷の有無は。空間把握、音や空気の匂いの変化からして先ほどまでいた場所と明らかに離れた場所にいる。薄暗がりだ、だが身体感覚に異常はない、体内時計にも狂いはない。戦闘に支障はない。携行していた武器は。ある。斎藤とクイーンはいるな。あの得体の知れない連中は。 主の機敏な反応に、クイーンも唸りを上げて戦闘準備態勢を取り戻す。 「気付かれましたか?」 その機敏さとは対照的なゆるやかさで、隣にあった誰かの気配が、少し、遠のいた。警戒をさせないような間合いの取り方とは裏腹に、振り返る英吏の前で相手の姿がかき消える。 「英吏さん」 「分かっている。攻撃準備を」 英吏はひとたびトリガーを引き絞ればフルオートで鉛玉を叩き込む機関拳銃を構え、奈津子は何も持ってはいないが、とりあえず緊張した面持ちでいつもよりひどく真面目に口元を引き結んでその隣に立った。一番機動力のあるクイーンは、二人の斜め後ろで警戒をしている。 鋭いまなざしで戦闘隊形を取る二人と一匹をよそに、相手は再び英吏の隣に現れた。声同様、外見も記憶と一致、先ほどの赤星という浴衣姿の男だ。 「とにかくここでの戦闘行動は慎んでもらえませんか?」 声は、変わらず、そっと、こいねがうような声だった。瞳は、そっと、こいねがうような、まなざしだった。穏やかな悲しみに満ちている。 赤星は、同じ内容をもう一度繰り返した。 「悲しむ人達がいます。戦闘は回避してもらえませんか?」 「嫌だといったら?」 間髪のない返答に、彼は少し間を取った。言葉を選ぶ様子は伺えたが、そこに意図は見られなかった。どうすれば自分の言葉が相手に伝わるか、それだけを考えている、そういう人間の顔だった。 「直接止める手立てはこちらにはありません。最初に火足さんが言ったはずです。私たちは武装してもいない。」 「……」 沈黙するのは、今度は英吏の方だった。自分の姿が一度消えたことなど、どうでもいいかのように一顧だにしない相手の態度に、もう一言だけ、待つ。 「ただ貴方達に会いたかった。それだけです。」 英吏は笑った。 相手の素性も、ここがどこかもよくはわからんが、動機に嘘はなかろう。心に嘘がなければ許してやるのが、芝村というものだろう。相手の、赤星の言葉を聞き、それを思い出したから、英吏は笑った。この男に免じて、今日のところは他のものも等しく許そう。あの、亜細亜とかいう怪しい子供のことも。 「まあいい。お前達のいった方法、試してみるか。」 戯言ばかりで結局あれこれとわからんことは残ったが、一つ、思い出せただけで充分だ。それに、これが成功すればさほど脅威に考える必要もなくなるわけだしな…。 「ここにはいたくない」 英吏は消えた。クイーンをつれて。 「あ、ちょ、まってくだ! ここにいたくない!」 それを見て、慌てて奈津子も後に続く。 後に残るのは、静かな潮騒だけになった。 「すいません、英吏さん…ありがとう。」 赤星はうつむいた。何かを祈るような、姿だった。 「こんな事になるつもりではなかったのです。いつかもっと良い形でお会いしましょう。英吏さん、奈津子さん、クイーン。」 /*/ 遠く、祭囃子が聞こえた。 今はもう、誰も顧みる事のない潮騒に、欠けた月が傾きながら昇っていく。じんわりと汗を誘う暑気が、小笠原の夜を賑わわした。 風が、雲を押し流す――― /*/ ~小笠原の夜~ 了 /*/ 暗闇に薄い黄金の光が帯を描いてのびていく。なだらかで、それは大きく上下していたが、光には二つの核があった。 まなざしが、飛ぶように運ばれている。そのまなざしは吸い込むようにあたりの環境情報を取り込み分析、瞬く間にも、脳内に叩き込まれた地形データとの相違点、それがここまで取得してきたデータと比較して許容される範囲内で収まっているかどうかを判断している。 黄金色にも似た明るい茶色の瞳。 「…異常、なし。戻るぞ、斎藤」 「は、はい!」 それは芝村の裏切り者と後に呼ばれることになる芝村英吏と、斎藤奈津子、そして彼ら山岳騎兵の友、動物兵器・雷電、クイーンオブハートの一行であった。 激動の戦乱を潜り抜け、ようやく警戒レベルを引き下げることが出来るようになった、広島の近隣山中を僅か二人と一匹での斥候に出ていること自体が、状況の好転具合を物語っている。 逞しく太い英吏の胴回りに、腕を回す形でしがみついていた奈津子は、斥候とは名ばかり、常人の数百倍の筋力を有する軍の秘密兵器である。彼女が本気を出せば、今、乗っているクイーンよりも早く「飛ぶ」ことすら可能だ。 濃密に繁る緑と、大地と木々の深い焦げ茶色が、野を駆け巡っていた彼らの目には、溶けたようにも、また、止まったようにも見えている。原初の人類とは遠く能力をかけ離れてデザインされた存在の、すさまじさであった。 クイーンが速度を緩めた。 英吏も違和感を覚える。前にも感じたことがある。これは…… 「!」 夜の広島に、いくばくかの光。 遠い呼び声。そこにある、少女の思いを、果たして誰が最初に気付いただろう。 気がつけば、そこは海の香りがする世界――― 「英吏さん……?」 「またここか」 用心深くクイーンの背から降りながら、英吏は奈津子の手を握った。尻尾までしびれる勢いの奈津子。 「にゃ、にゃぁ!」 「……離れるなよ。夏祭りだろうから」 「は、はいっ!」 彼らはまだ、これから来る出会いと再会を知る由もなかった――――……… /*/ -The undersigned:Joker as a Clown:城 華一郎 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) 発注してから24時間経ってませんよう(笑)ありがとうございました!(続きは感想板にて) -- たまき@愛鳴藩国 (2007-09-25 21 15 17) 名前 コメント ご発注元:たまき@愛鳴藩国様 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=138;id=gaibu_ita 製作者:城 華一郎 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=139;id=gaibu_ita 引渡し日:2007/9 counter: - yesterday: -
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登録日:2012/09/09 Sun 16 17 57 更新日:2024/04/14 Sun 02 19 24NEW! 所要時間:約 2 分で読めます ▽タグ一覧 Ω ソニア ダークプリキュア プリキュア ホーネット 不幸 不幸の塊 久川綾 哀しき悪役 女火星士 姉 悲劇のヒロイン 涙腺崩壊 火星士 聖闘士星矢 薄幸 闇 雀蜂 高位火星士 黄金聖闘士 ソニアとは聖闘士星矢Ωの登場人物 CV:久川綾 属性:闇 技:ホーネットスティンガー、トワイライト・マリオネット、クリムゾンニードル、アンタレスメイルストローム 今作の敵であるマルスの実娘であり、彼が率いる火星の軍勢である、火星士(マーシアン)と呼ばれる者たちのなかでも高位に位置するホーネット(スズメバチ)のハイマーシアン。 その実力は火星士のみならず白銀聖闘士に命令できるあたり本物で、アテナの聖闘士のように仮面をつけている。戦士としては高飛車でプライドの高い態度を取っている。 年齢設定は公式には明確ではないものの、声を担当した久川は一期SDの畑野森生から「17,8歳くらい」との指示で演技しているとのことでハイティーンくらいの年齢ではある。 エデンとは異母兄弟である。父マルスが人間・ルードヴィグであったときに産まれ、当時は裕福な家庭のお嬢様だった。 当時の性格は無邪気なもので、ピアノを幼いうちから嗜んでいた。 実母は当時の妻・ミーシャで、彼女の幼少期に爆弾テロで死亡。 その後父が神・マルスとなった後に再婚した継母・メディアや彼女が産んだエデンと生活するようになり、火星士として戦う羽目になる。継母メディアからの扱いはあからさまに冷淡なものであり(言葉の表面のみは「私の誇り」などと誉めるような台詞も使うが)家族から半ば疎外された状態に追いやられていたが、エデンの産まれた直後の一家の幸福な思い出に縋っており「自分も娘として認めてもらいたい」という願望を持ち続けておりメディアに逆らえずにいる。 こうした経緯から自身の家族への執着が人一倍強く、かつ不安定な内面を抱えている。 エデンの手を血で染めることをよく思ってはおらずエデンを「新たな地球の王」とすべく父親であるマルスの計画に協力し、マルスが封印中でも行動していた。 傀儡のアテナとしてマルスらに祭り上げられたアリアに対しては憎しみに近い態度を見せる。 反面いくら大切な弟のエデンでも父親に対する言動を時には咎めることも多い。 マルスの封印中、白銀聖闘士南十字星の一摩を殺しておりその光景を幼いライオネットの蒼摩に見られており、それ故彼からは親の仇として付け狙われている。 ただ、ソニア自身も聖闘士を倒したのが南十字星が始めてであり雨の中血塗れになりながらエデンに自分の意思を伝えている。 また、何故か理由はわからないが南十字星のクロスストーンを所有していたが…(後に蒼摩が拾っている) 炎の遺跡の番人として蒼摩らの前に現れ彼の怒りのコスモを利用し隙をついて倒そうとするも仲間の叱責に我を取り戻した蒼摩の技を食らい深手を負ってしまう。 そして、マルスの居城にアリア奪還に現れた時に蒼摩の実力を認め全力を出して技を繰り出し僅かな差で勝利するもその場から立ち去ることにする。 闇の遺跡で蒼摩とともに過去のヴィジョンを見せられ、それにより一摩を殺したときの経緯が判明。 当時青銅一軍やシャイナが一線を退いていた事情もあってか、白銀以下の聖闘士達のまとめ役となっていた彼を邪魔に思ったメディアの指令により彼を暗殺に向かったものの、まだ子供だった(11歳前後と思われる)彼女は軽くあしらわれた上に「子供とは戦えん」と情をかけられて見逃されていたが、自身の家族に対する執着心が勝り隙をついて彼を殺害してしまった。 自身に情をかけてくれた人を殺してしまったショックからソニアは泣き崩れ、聖衣石を持って帰っており、帰宅後メディアに「疲れた」と零した後に自室に引きこもって泣いていた。 (つまり、一摩が命乞いしたなどという事は彼女の真っ赤な嘘であった。) この経緯を知り、蒼摩は彼女が一摩を殺して苦しんでいた(ある意味で彼女自身も被害者であった)事を知り、憎しみは消えていった。 一摩の事件の後もメディアには何かと危険な任務を強要されつづけていたのか、全身に傷跡が残っている。 また、アリアに対する感情も実際はもっと複雑なものがあり、「物質的には豊かでエデンに愛されているが自由の全く無いアリア」と「家族から疎外されて命がけの任務を続けざるを得ない自分」との板挟みで辛くなったこともあったようで城に響くアリアの歌を聞いて泣いていたこともあった。 十二宮編ではメディアから蠍座の黄金聖衣を授けられ、パラドクスに続く二人目の女性黄金聖闘士として光牙、ユナ、蒼摩の前に立ちはだかる。 蒼摩と激闘を繰り広げるが、既に彼女への憎しみを捨て、乗り越えていた蒼摩は手をさしのべて和解をもちかけるも、あくまで父や継母に認められる事に固執しつづけたソニアはその手を拒んでしまう。 そしてアンタレスメイルストロームをかけようとした際に精神の不安定さから小宇宙が暴発し、黄金聖衣は彼女から逃げるように外れ自らの技の炎で全身を焼かれてしまう。 倒れた彼女は混濁した意識の中で、歩み寄った蒼摩を父・マルスと間違え「父様、父様なの」「お願い、そばにいて」とせがみ、蒼摩に手を取られると安心したように「よかった、ひとりはこわいから」とつぶやき息を引き取った。 最初は典型的な悪女かと思いきや、蓋を開けてみればその内面は繊細かつ臆病な、家族の愛を求め続けた平凡な少女であった。 蒼摩は、かつて仇と見ていた少女のあまりにも痛ましく、あまりにも悲しい姿に心を痛め、ただ抱きしめるしかなかった… 彼女が倒れた様子を水晶玉で遠隔から観察していたメディアは「やはりあの子はわたくしの娘にはなれなかった」と極めて冷淡な台詞を吐き、彼女の想いはついに叶わなかった。 一方で、弟エデンと父マルス(ルードヴィグ)からはその死を悲しまれ、悼まれており、確かな愛情があったことがうかがえるが長年のすれ違いが彼女の孤立感を生み出してしまっていたようである。 また父の側近である獅子座のミケーネもメディアの策略に気づかず彼女を救えなかったことを悔いていた。 ソニアが、畏怖の対象となってしまった父の変わらぬ愛情に気付けていたら、あるいは彼らがソニアの孤独に気づけていれば、また違った未来が待っていたのかもしれない。 追記・修正お願いします △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] テネオと戦ったらどっちが勝つかな -- 名無しさん (2013-08-20 11 07 45) 動きが速くて手数も多いタイプだけど、相性が悪い相手を押し切れる程には強くないんだよな。当人もそれを自覚してたからか必死な印象がある -- 名無しさん (2013-08-20 11 39 49) メディアのせいで不幸に不幸を重ねた子だったな… 生かす選択はなかったのか -- 名無しさん (2013-12-05 21 19 38) マルス編最大の被害者。 -- 名無しさん (2014-06-14 18 51 49) どの作品でもさそり座は微妙なとこに落ち着くな・・・。LC外伝のカルディアはかっこよかったけど -- 名無しさん (2014-06-14 20 22 12) そしてまさかの原作者監修のLOSで女性化する蠍座 -- 名無しさん (2014-06-14 20 27 45) 蠍座の黄金聖衣は誰になるのやら・・・ -- 名無しさん (2014-10-01 19 07 45) ↑訂正、蠍座の黄金聖闘士の後任は誰になるのやら・・・ -- 名無しさん (2014-10-01 19 08 55) 出来るならソニアと同じ女性が良いです -- NY (2015-06-27 00 29 28) オレの父さん蠍座なんだよ。父さんの星座は微妙ってことか? -- 名無しさん (2015-06-27 22 00 30) ↑3いや、蠍座は男にして、山羊座の女性黄金聖闘士が見てみたい。そして、水瓶座と魚座が兄弟で、水瓶座が兄で、魚座が弟って感じで。 -- 名無しさん (2015-06-27 22 45 29) 仮に生存していた場合蠍座の聖闘士を続けているのかね。蒼摩あたりを特に気にしながら -- 名無しさん (2015-08-19 16 20 00) 別時間枠(LOS)の蠍座が女性だった件 -- 名無しさん (2016-01-05 19 11 44) テッカマンブレードのDボゥイのように、廃人になったがようやく笑顔を見せ、その車椅子を押す蒼摩…という図が来ると思ってたんだが -- 名無しさん (2016-10-21 01 12 58) ソニアさんに不幸な道を強いたメディアは、断罪されるべきだったんだ…(真顔) -- 名無しさん (2019-02-28 05 18 30) ↑3数合わせの即席黄金だしそれはない。普通の女性として生きるのがいいと思うが。仮に黄金対決でミロやカルディアと対決したらスカーレットニードルに何発耐えられるだろうか。 -- 名無しさん (2019-04-15 02 19 08) セーラー戦士、プリキュア戦士、そして黄金聖闘士と三冠達成。 -- 名無しさん (2021-09-18 21 29 03) 名前 コメント
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前ページ次ページゼロの夢幻竜 ルイズにとっては訳が分からなかった。 遅刻したらしいメイドが突然使い魔の声で話し出したら誰だって驚く。 それ以前に、使い魔が人語を解する点、そして尚且つ意思疎通できるという点でこの学院の人間は大方驚くとは思うだろうが。 取り敢えず人間に化けられるという事を前提にして説明を求めた。 それによると、シエスタというメイドと知り合いになった彼女は、洗濯を済ませた後食堂の位置を訊いて大急ぎでこの本塔へとやって来たとの事であった。 その話に一応は納得するものの、メイド姿のままでは流石に不味い。 そう思ったルイズはラティアスに、一旦外で元の姿に戻ってからここに来なさいと促した。 メイドことラティアスは上機嫌になって一旦外に出るが、数秒の後には元の姿に戻ってルイズの元に戻ってきた。 その時一瞬にして食堂にいる大方の者達がどよめく。 小型ながらにして風竜以上の飛行速度を誇るラティアスは、召喚された使い魔としては昨日の内に噂のネタになっていたからだ。 その様子に上機嫌のルイズは床に幾つかの料理の乗った一枚の皿を下ろす。 それを見たラティアスは喜んでそれに食べ始める。 その様子に昨日までの鬱屈とした日々への決別を感じたルイズであった。 食事が終われば授業が待っている。 ルイズはラティアスを連れてこの日最初の授業が行われる教室へと入る。 その瞬間、それまで雑談の声しか聞こえなかったそこは一転してしんと静まり返った。 その様子がルイズにとっては面白くて仕方が無い。 昨日までは何かと嘲笑が絶えなかったものだが今は違う。 こんな立派な使い魔を召喚出来たのだから、そうそう文句を言える者などいるまい。 そんなルイズの感情はお構い無しに、ラティアスはルイズを次々に質問攻めにした。 「ご主人様。私みたいにういているあの目の玉は何ですか?」 「あれはバグベアーって言うのよ。」 「じゃあ、あの生き物は?」 「あれはスキュア……ってラティアス、今はちょっと質問しないで。私一人が見えない誰かを相手に喋ってるみたいに見えるから。」 そうルイズに小声で言われ、ラティアスは慌てて閉口する。 だがその様子は既に数名の生徒に見られていたらしく、教室の何処かからくすくす笑いが起きていた。 ルイズが席の一つについたのと同時に、いかにも魔法使いといった雰囲気を纏った女性が教室に入ってくる。 優しい感じも覗かせる彼女は、生徒達のいる席をぐるっと見回してから満足そうに言った。 「皆さん。春の使い魔召喚は大成功のようですわね。このシュヴルーズ、こうやって春の新学期に様々な使い魔達を見るのが楽しみなのですよ。」 そこでシュヴルーズ女史の目はルイズの隣にいるラティアスへと行く。 「中でもミス・ヴァリエールは興味深い生き物を召喚しましたね。風竜か、或いは珍種の鳥か。何れにせよその翼の力は、私達の間でも噂になっていますよ。」 ルイズは澄ました顔をして少しだけ胸を張る。 「この子にはそれ以上の能力があります!」と言って変身や超能力見せたりするのを我慢するのが、当人にとってはかなりきつい事ではあったが。 その時教室の一角にいたマリコルヌが冷やかす様に口を開く。 「ゼロのルイズ!『フライ』も『レビテーション』も出来ないからって、まさかその都度その使い魔の厄介になるのかい?空を飛んで遠くへ速く飛ぶ事なんて風竜だって出来るぞ!」 その言葉が不味かった。ルイズは立ち上がり、長い桃髪を揺らしながら怒鳴る。 「違うわ!きちんと召喚して『サモン・サーヴァント』も成功出来たもの!それに只の使い魔よりずうっとこの子の方が役に立つもの!!」 「じゃあそのご自慢の使い魔は一体何の能力に長けてるんだよ?只の使い魔より役に立つんだろ、ずうっと!」 それを言われてルイズは黙るしか他無くなる。 その様子に教室のあちこちから笑いが起きた。 が、それは直ぐに全員の心にいきなり聞こえてきた怒鳴り声で瞬く間に収まる。 「ご主人様をバカにしないでっ!!」 しんと静まり返った教室の中では誰もがお互いの顔を見合わせた。 それから直ぐに多くの生徒が頭や耳の辺りをこんこんと叩き始める。 いきなり聞こえてきたそれはルイズにもしっかりと聞き取る事が出来た。 そして恐る恐る隣を見ると、床から数十サントの所で滞空しているラティアスが、教室にいる全員に向けて怒りの表情を向けていた。 「何やってるのよ!」という当惑の表情をラティアスに向けるが、彼女は全く気にする事も無く表情も変える事が無い。 それを見てルイズは初めて彼女に対して頭を抱えた。 やがて何時までもざわつきが収まらない生徒達に向かってシュヴルーズはぴしゃりと言い放った。 「静かになさい!何が起きたかは知りませんが、授業はとっくに始まっているのですよ!」 その言葉にほぼ生徒の全員がえっ?という表情で教壇に立つシュヴルーズを凝視する。 その視線にシュヴルーズは半瞬、何事?と思うが、直ぐにコホンと一つ咳払いをして言う。 「では、授業を再開します。」 その言葉を合図に授業は何の滞りも無く殆ど淡々と進行し始める。 魔法の四大系統の説明に始まり、『錬金』魔法の実演、そしてメイジのレベルを測る基準。 教室の生徒は皆それを真剣に聴いている……ようで内心は全く別の事に気を取られていた。 自分達の心に直接怒鳴り込んできたあの声は一体何なのか。 そして、何故ミセス・シュヴルーズは気づいていないのか。 その全ての答えはルイズのみが知っていた。 彼女にははっきりと分かる。 自分は勿論の事、自分に対してとてもよくしてくれている主人をも散々馬鹿にされた事に腹を立てたラティアスが、笑っていた教室内の生徒にだけ焦点を当てて怒鳴りつけたのだと。 ラティアスの気持ちが分からない訳でもない。 自分だってそれ相応に腹が立っていたからなのは言うまでも無い。 ただ幾らなんでも先程の行動は正直勘弁してほしかった。 意思疎通の事を話していない人間に対し、一方的にそれをされた場合における困惑の度合いは、ラティアスと初めて会った時に経験済みだからだ。 だが、ルイズは自分の心の裡で『意思疎通は二人だけの秘密』にしたい願望があったのかな、と薄ぼんやりと思う。 でなければ、教室にいる皆にそれを快く説明していたであろうからだ。 そう思っているとシュヴルーズから声がかかった。 「ミス・ヴァリエール!あなたにやって貰いましょう。」 「あ、えーと……すみません、何でしょうか?」 「私の話をきちんと聞いていたのですか?ここにある石ころを使って望む金属に変えてごらんなさい。」 困ったルイズが立ち上がれずにその場で戸惑っていると、ラティアスが意思疎通をしてきた。 「頑張って下さい、ご主人様!さっき笑った人達を見返すいい機会ですよ!」 その言葉に意を決し、ルイズは席を立って教壇に向かい歩き始めた。 が、直ぐに近くの席にいたキュルケが小声で咎める様に言った。 「ルイズ、お願いだからやめて!ミセス・シュヴルーズは今年初めて私達をもつのよ!あんたの爆発がどれ程危険か知らない……」 そこで彼女は言葉を切った。 自分に向けられている異様なまでの殺気を感じたからである。 ふとルイズが座っていた席の方を見ると、彼女の使い魔が愛らしい面立ちには似合わないほどの鋭い形相でキュルケを睨め付けていた。 その様子に彼女は気に喰わないわねと思いながらも、ふとある懸念を心に持った。 もしかして……さっきの声はあの使い魔が? 「馬鹿みたい、我ながら考えすぎね……」 そう呟き、ああ疲れたといった感じで髪を掻き上げる。 が、それは直ぐに自分の考え過ぎでない事が証明される。 何故か?答えがその本人から直接返って来たからだ。 「考えすぎな訳無いわ……熱そうなお姉さん。」 その言葉にキュルケはぎょっとしてもう一度ルイズの使い魔を見る。 相変わらず自分の方を見ていたが、気のせいか先程より鋭さが増した様にも思える。 それから周りを改めて見ると、今度は自分以外誰も反応していない。 冗談じゃないわ……まさか本当に? キュルケはとかく気味が悪くなったので慌てて目を逸らした。 が、その声は彼女の意思を無視して更に続いた。 「目を逸らしてもちゃんと聞こえてるでしょう?惚けても駄目よ。」 「いい加減にして!」 そうキュルケが言い放つのと全く同時に黒板の前にある机が大爆発した。 その勢いは凄まじく前方にある机という机はひっくり返り、窓ガラスには小さくひびが入る。 教科書の類は空中を舞い、羊皮紙はあちこちへ飛んでいく。 また突如発生した爆発に、教室中の使い魔達がギャアギャアと暴れだした。 教室は阿鼻叫喚の様子を呈していた。 そして騒ぎを収める筈のシュヴルーズも仰向けになって気絶している。 その爆発の原因であるルイズは煙が晴れた後、所々衣服が破れている事も気にしていないのか懐からハンカチを取り出して煤を払いながら言う。 「ちょっと失敗したみたいね。」 さらっと放たれたその言葉に教室のあちこちから怒号が飛び出す。 「ちょっとじゃないだろう!ゼロのルイズ!!」 「いつだって成功の確率殆どゼロじゃないかよ!」 「ああ、もう!ヴァリエールは退学にしてくれよ!!」 「俺のラッキーが蛇に喰われたじゃないか!ラッキー!!」 纏める者がいない為に一向に騒ぎは収まる気配は無い。 そんな中、ラティアスはルイズの側まで飛んで行き優しく声をかける。 「ご主人様!大丈夫ですか?!」 その問いかけに彼女は小声で誰にも聞こえない様に答える。 「大丈夫よ。それよりさっき私の許し無しに勝手に意思疎通やったでしょ?みんなには私が上手く誤魔化しておくから、後でこの部屋の片付け私と一緒にやりなさいよ。いいわね?」 「は、はい……」 ラティアスはすっかりしょげかえる。 しかし遠くからその様子を見ていたキュルケは遂に確信した。 ルイズの使い魔は只の竜崩れの使い魔ではない事を…… 前ページ次ページゼロの夢幻竜
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「バイオレット、どういうことだ?」 その問いに、キース・バイオレットはまたも珍しく弱気な表情を見せた。 「──クリフ・ギルバートとシルバー兄さんの戦闘は……現在進行形で続行中なの」 それからちらりとセピアとユーゴーに視線をやり、 「クリフ・ギルバートはユーゴー・ギルバートが死んだと思い込んでいるわ。 放送で呼びかけてみてもなんの応答もない。被害ばかりが拡大する一方。 シルバー兄さんはグリーンがこの子たちを助け出したことに気付いているでしょうけど…… 彼にその事実を教えることより、戦いを続けることを選んだのね」 あの人も一度思い込むとこうだから、と、バイオレットは両手で自分の視界を狭めるジェスチャーをしてみせた。 「お陰でカリヨンタワー内は未曾有の大惨事よ。危険レベルが4まで引き上げられて、 シークレットフォース『イプシロン』の投入も真面目に検討されているわ。 笑えるだろう? たった二人の人間相手に、米国内でも指折りの特殊部隊を一部隊丸ごとぶつけると言うのだから」 もちろん、笑えなかった。 それにあの二人が人間だというのはどうだろうか、というのがレッドの率直な感想だった。 「に、兄さんは人間です。馬鹿にしないでください」 セピアの背に隠れながら、ユーゴー・ギルバートがレッドに精一杯の険しい視線を浴びせてきた。 それはてんでなっていない睨みかたで、睨むというよりはただ一心に見つめているように感じる。 しかもレッドが目線を返すと、途端にセピアの後ろに引っ込んでしまった。 「……誰もそんなこと言ってないだろう? なんだい、この子」 不思議そうに肩をすくめるキース・グリーンに、ユーゴーに代わってセピアが説明する。 「ユーゴーはテレパシーが使えるのよ。エッチなこと考えてても筒抜けなんだからね。分かったかしら、青少年たち?」 ね、とユーゴーの頭を撫でる。 驚きと興味の入り混じったグリーンの視線に怯えるように、ユーゴーがますますセピアの背中に張り付く。 「あれ? レッドは驚かないんだね」 薄々は感づいてたからな、とレッドは口にはせずに心の中で答える。 クリフの精神を一度は目覚めさせた声、あの時聞いたユーゴー・ギルバートの声は音の無い声だった。 自分の思念波を直接、周囲に振りまいたのだろう。 ユーゴーはクリフと同じくPSIラボの実験体のはずだった。そんなことのできる超能力と言えば一つしか思い浮かばない。 「テレパスってやつか」 「え? 違うよう、テレパシストだよ」 「……どっちでもいいだろ。大事なことか、それ」 レッドがぶっきらぼうに返すと、セピアはむっとした感じでメガネの位置を直した。 その仕草に訳も無く気の咎めるレッドだったが、そこに空気の読めないグリーンが話に割って入る。 「とにかくだね、今回の事態にはブラック兄さんも憂慮している。 兄さんは僕を褒めてくれたよ。兄が妹を手に掛けるという最悪の事態を回避したこと、 エグリゴリにとって非常に有益な二人の妹を救い出したことに、ね。……ああレッド、君のことはなにも言っていなかったよ」 まさに鼻高々といった風情であった。ただ自慢したかっただけにしか聞こえない。 最後の一言は明らかに余計であり、レッドを挑発しているとしか思えなかった。 そう判断したレッドは『グリフォン』を密かに解放させ、チェシャ猫よろしくにやけたグリーンの鼻面へ超音波を── 「やめろと言っているだろう」 バイオレットがベッドシーツの下に隠されたレッドの腕を鷲掴みにした。女の、いや人間の握力とは思えなかった。 「ぐあああぁ!」 あまりの痛さに絶叫し、それを見下ろすバイオレットが呆れたように溜息をつく。 「……まあ、そんな元気があるのなら命に別状は無いようね。安心したかしら、セピア」 こっそりセピアの横顔をうかがうと、彼女は心底から嬉しそうに深く頷いていた。 「ブラック兄さんと善後策を協議する」と言い残し、バイオレットとグリーンは病室から消えた。 入れ違いにドクター・ティリングハーストがレッドの元を訪れる。 「ふむ、また死に損なったようじゃの。同情するわい、レッドよ」 いつもならその手の毒舌には不機嫌と苛立ちを込めた憎まれ口で応戦するのだが、今はそれよりも大事な用があった。 どうしてもドクターに問い質さなくてはならないことがある。 「セピア。出て行け」 ちょっと考えて、言い直す。 「オレはドクターと話があるから、あんたとユーゴーは呼ぶまで外で待っていてくれ」 こう言うと、セピアは素直に従った。 ユーゴーの手を引いて退室するセピアを見送り、ドクターは面白そうに口を歪ませる。 「どういう風の吹きまわしかね? まさかお前が言葉を選んでものを言うなど、思いもしなかったぞ」 「うるせえよドクター。それより聞きたいことがある」 「ほう……」 ドクター・ティリングハーストの目が興味深く開かれる。 それはエグリゴリの最高頭脳に相応しい、知性溢れる眼差しだった。 「セピアのARMSのことだ。『セマンティック・コンタクト』ってのはなんだ?」 ドクターが「セピアのARMSとは」として提示したヒントがその言葉だった。 意味論的に接触すること。 その意味不明なシラブルに、いったいどんな秘密が隠されているのか、レッドはそれを知りたかった。 レッドは、クリフとシルバーの極限状態を見、自分の行く末を悟った。 だが、獣でも機械でもない道があるような気がした。 その鍵がセピアの『モックタートル』にあるのではないか、と。 「この際、変にもったいぶるのはナシだ。答えろよ、ドクター。それが『モックタートル』の真の能力なのか?」 「そうであるとも言えるし、そうでないとも言える」 「おいドクター──」 その韜晦めいた返答に、レッドは業を煮やして眉を吊り上げる。 だがドクターは深い皺の刻まれた科学者の手でそれを制した。 「レッドよ。なぜ同じことをセピアに訊ねないのかね?」 「なんだと……?」 「彼女はお前と違って馬鹿ではない。自分のことを良く知っておる。それはお前さんにも分かるじゃろう。 なぜ、キース・セピアに『あなたを理解したい』、とたった一言が言えないのかね?」 「ふざけろよ、オレが聞きたいのはそういうことじゃなくてだな」 「同じことじゃよ。お前たちは不幸にもARMSを移植された、運命に選ばれた適応者じゃ。 その区別から逃れることなど出来はしない。大事なのは、それをどう受け止めるか、ではないかね?」 ドクターがなにを言いたいのか、レッドにはさっぱりだった。 だが、ドクターは確実になにかを伝えようとしている。 おそらくはレッドに、セピアに、すべてのキースシリーズに伝えたいであろう、心底からの言葉を。 「ARMSを受け入れると言うことは、それを理解するということじゃ。それが生む破壊や絶望に委ねることでは、決してない。 ARMSをただの殺人兵器だと割り切り、自在に操っている気分になることに、いったいなんの意味がある? キース・セピアその人を理解せずして、『モックタートル』が理解できると考えるのは、まさに愚考だと思わんかね?」 もったいぶった話はナシだ、と言ったはずが、やはりドクターのベースに巻き込まれ、それそのものといった話になってしまった。 「やっぱり素直に教える気はねーのか」 「ふふん、ワシは単純明快な解決策を提示したぞ。『セピアに訊け』。それが最終回答じゃ。 どの道、お前の理解力ではワシの高尚な理論にはついて来れまいて」 「この狸ジジイ……」 毒づくレッドをいなすように、ドクターは椅子から立ち上がる。 「しかしまあ、もう一つだけヒントを与えてやらんでもない。ただし、今後はワシにもっと協力的になることが条件じゃがな。 ワシのありがたい検査結果を邪険にしたり、自分にだけ都合のいい説明を求めるのは── そう、お前の低俗な言葉を借りるなら『ナシ』、というやつじゃ」 「分かったよ。だからさっさと言ってくれ」 それは即答とも言えるレスポンスの早さで、さしものドクターも「ほっ」と笑い声を漏らした。 そしてドクターは白衣のポケットに突っ込んでいた拳を取り出し、レッドの眼前で開く。 なにか握れていると思ったのだが、まったくの空手だった。 その手は完全に上を向いておらず、むしろ地面に対しての垂直に近かった。 「……なんだ」 「ワシと同じようにしてみろ」 言われて、レッドは半信半疑のままドクターの見真似で手を差し出す。 すると、ドクターはレッドの手を握った。それは微かに生温かく、硬い皮膚感触がレッドに伝わってきて、 「な、なにすんだよ気持ち悪ぃ」 手を振りほどこうとするレッドだったが、ドクターはその動きに合わせてぶんぶんと腕を振って離そうとしない。 「なに、ただのシェイクハンドじゃよ。気持ち悪いとはご挨拶じゃな。そんなに他人との接触を嫌うのはなぜだね?」 ムキになったレッドがさらに強く腕を振ろうとしたところで、ドクターはあっさりとその手を離す。 勢いあまったレッドがたたらを踏むのへ、ドクターはさっさと出口に歩いていった。 「レッドよ。こういうときはの、『気持ち悪ぃ』ではなく、『How are you?』と言うものじゃ。 そうするとワシは『Fine,Thank you』と答える。握手の後に交わされる会話としては、そのパターンが統計上最も多い」 ドクターはそこでポケットに手を差し込んだままで両腕を開いて見せた。 白衣が垂幕のように広がり、レッドの視界を占める。これでヒントはお終い、とでも言いたげに。 アリストテレスに代表される古代哲学の逍遥派が、講義の締め括りに衣を幕のように開いてみせていた、 という故事など、もちろんレッドは知る由も無い。
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ゲームをすることである。ゲームを和英するとGAME(がめ)となることから。怪盗はわざとつづりを間違えて「GEAM」と言う。それに詩人が必ず「がめですよwwがめww」と言い、またそれに対して怪盗が「がめかwwスマww」というやりとりが必ず行われる。こっとわざGEAMなどをやる際に「がめるかw」とのように使用する。
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あら、しゃあさん、いらっしゃいませ。わたしもやりたいのですがねぇ。さすがに一人では無理なので、コメントで書きこんでいただければ(ここにでも、ウォルターさんのとこにでも)、転記とか纏めとかくらいはできるのでしょうがねぇ・・・。 -- (管理人) 2009-06-10 16 13 31
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お、久々の更新ですね。コーディネイト武器もあるようでなのでレイド装備でイオンソードも装備したらもしかしてと思いましたが…イオンソードなかった…。はい、人任せで(笑 -- (名無しさん) 2009-04-24 19 47 50
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