約 2,765 件
https://w.atwiki.jp/star_grail/pages/115.html
てくてく、てくてく。 黒いスーツを纏った男が、同じく黒い革靴を鳴らしながら、夕方の喧騒の中を歩く。 服装から年齢は分からない。ただ、兎に角若い。身長も顔つきもまだ成人しているとは思えない若々しさである。 後ろ手に結わえられた血の色の長髪と、頬に走る十字傷が、見るものを遠ざける独特の雰囲気を醸し出していた。 男が、街道を抜けた先の十字路で立ち止まる。 振り返り、街を行く人々の姿を見る。 それは会社から自宅へと戻るサラリーマンやOLであり、 学校から友と連れ立って帰る学生達であり、 母親に手を引かれ立ち並ぶ店を覗きながら歩く幼女の姿だった 皆、表情は同じ。 時折、不安や疲れ、苛立ちや憂いを覗かせても最後に浮かべるのは笑顔だった。 泣いている者など、どこにもいなかった。 否、この世界の何処かにも、きっと涙を流している人は大勢いるのだろう。 取るに足らない悩みで一喜一憂し、ほんのささやかなすれ違いに泣く。 されどそこに死に怯え、理不尽な暴虐に絶望するものはない。 人買いの骸を掘り続ける、小さな子供もいなかった。 あぁ、と息を吐く。 そして道の端で眩しいものを見るように、けれどずっと、その光景を眺めつづける。 噛みしめるように、目に焼き付けるように。魂に刻み付けるように。 彼の求めていた物はここに確かに存在し、けれどどこにもなかった。 それでも、それでも。 コンビニのネオンが輝きだしたのを頃合いとして、男は名残惜しそうに帰路につく。 その顔は、どこか安堵しているようだった。 ◆ 仮の逗留先として記憶していたホテルの部屋に戻り、まず男は部屋のある一点を目指した。 ドクン、と臓腑が鳴動する。 汗が一筋流れる。 横引のクローゼットの前に立つ。 全てを検めるために。 今この時が夢か現か確かなモノとするために。 一度瞑目し、一息に引きあけた。 中にあったのは、黒い和服に袴。そして―――― 「やはり、そうなのか。『俺』は―――」 在ったのは、おとめ座のマークが刻まれた一枚の札と 一本の、業物と見受けられる”刀”だった。 何かを決した顔で、鞘の中の刀を引き抜く。 露わになったその鋭く輝く刀身は、血に濡れていた。 「気が付かれたか、マスター」 背後から自分を呼ぶ声を聴いた。 飄々とした、男というにはいささか高い声だった。 自分が気付かなかった事実に莫迦な、と驚愕しつつも、その反面どこか受け入れている自分を感じながら男は振り返る。 視線の先にいたのは痩躯の男性……否。少女であった。 「君は……」 男は目の前の女が”何”であるのか知っていた。 けれど問わずにはいられなかった。 彼女は、この場所には、この時代にはいるはずのない、 自分とよく似た、いやもっと深いところで近しい存在。 男の問いかけに、少女は朗らかにはにかみ答えた。 「聖杯の導きによりアサシンとして推参しました。河上彦斎と申すものです」 アサシン。 それが何の意味を持つのか、男には分からなかった。 だが、確かにわかることが一つ。 この人は――――――自分と同じ、『人斬り』だ。 同時に右肩に熱を帯びた鋭い痛みが走り、怒涛の記憶の奔流が流れ込んでくる。 聖杯戦争。 願いを賭け、血風を奔らせ命を奪い合う殺し合い。 「この時代を、見てきたのですね」 さしもの男も流れ込んでくる怒涛の情報量に混乱している中、 凛、とした声で少女が問うてくる。 余りにも威風堂々としたその声色は聞きようによっては男の様に聞こえても可笑しくなかった。 肩の痛みが引いていくのを感じながら、男は首を縦に振る。 ここがどんな世界かはっきりと理解したわけではない。 けれど、ここで交流した人々は、例え偽りでも確かにこの世界に息づいていた。 「いい時代であることは確かです……しかし」 「あぁ、分かっている」 少女の声を遮るようにして、男が言葉を紡いだ。 しかし、少女は特に気分を損ねる様子もなく、男に会話を任せる。 まるで、男が何を言うか分かっているかのように。 「この時代が、俺の居た場所につながるとは限らない」 セイバーと呼ばれたサーヴァントは無言で肯首した。 「マスター」 その上で、初めて男に問う。 思えば、貴方が自分の主(あるじ)か、とは尋ねなかった。 この男こそが、自分の主であることを確信していたから。 これも本当は必要のないことなのかもしれない。 だって、彼女には彼が何というのか、分かってしまっている。 哀しい程に、分かってしまっている。 だからこれは言うなれば、問いであり、答え合わせ。 「貴方の願いは、新時代の―――」 「その通りだ。俺の願いは、誰もが笑っていられる新時代の到来ただ一つ」 「そのために、屍山血河を築くとしても?」 「無論だ。俺は……刀を振るう以外の生き方を知らない その代わりに、必ず時代を変えてみせる。俺が誰かの命を奪う代わりに そして、新時代の到来とともに、人斬り抜刀斎は消えるだろう」 自嘲するように淡々と告げる男――少年に、少女はほんの少し悲しげな顔を浮かべ、 今一度問うた。 開国し、迎えた明治という名の新時代に順応できず、露と消えて行った者として。 彼には、同じ道を辿ってほしくは、なかったから。 「ならば―――その新時代で、貴方は笑えていますか?」 その問いは予想外だったのか、少年の肩が震えた。 その肩は、とても小さく思えた。 しばらく少年は考えると――首を横に振るう。 そして、分からないと告げた。 「だが、俺の笑顔など亡き妻が…巴が、得るはずだった幸福に比ぶれば些事だ」 「それは違います」 少年の返答を、少女は否定した。 少女は、少年が自分の様になって欲しくは無かった。 「貴方を選んだ人は、貴方が笑えない世界で笑えるような人ではないはずでしょう その上で問います。聖杯を獲った貴方は、微笑えるのですか?」 「……今の俺には、聖杯を獲った後、笑えているかどうかは分からない。 だが俺は俺の居た時代に帰りたい、必ず生きて帰る。それだけは確かなことだ」 「なれば守ります。私が貴方をいるべき場所に必ず帰して見せます。 貴方が築いて訪れた新時代で、他の誰でもない貴方自身が笑うことができるように 貴方の中に生きる、巴殿が微笑えるように」 ―――済まない。そして、ありがとう。 窓の外で一筋の星が舞ったその時、少女が手を伸ばす。 『緋村剣心』は外の星を視界の端に捕えながら、苦笑を顔に浮かべ、その手を取った。 ◆ その光景は一見すれば、ただの小さな少年と少女が織りなす物語の一ページ。 果たしてその物語は永き悲劇であるのか、それとも浪漫譚の始まりなのか。 答えを出せるものは存在せず。 今はまだ、名無しの物語のその始まりは、 推定150年の時空を飛び越えた偽りの冬木にて、人斬り抜刀斎の来訪から――――― 【クラス】アサシン 【真名】河上彦斎@史実(幕末 #65374;明治) 【属性】中立・中庸 【ステータス】筋力 B 耐久C 敏捷A+ 魔力E 幸運C 宝具- 【クラス別スキル】 気配遮断:A サーヴァントとしての気配を絶つ。 完全に気配を絶てば、探知能力に優れたサーヴァントでも発見することは非常に難しい。 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 【固有スキル】 宗和の心得:B 同じ相手に同じ技を何度使用しても命中精度が下がらない特殊な技能。 攻撃が見切られなくなる。 心眼(偽):B いわゆる「第六感」「虫の知らせ」と呼ばれる、天性の才能による危険予知。 視覚妨害による補正への耐性も併せ持つ。 直感:A 戦闘時に常に自身にとって最適な展開を“感じ取る”能力。 研ぎ澄まされた第六感はもはや未来予知に近い。視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。 【宝具】 『新時代斬り拓く血風の剣』 種別:対人魔剣 最大捕捉:1 幕末の大思想家佐久間象山を白昼堂々、一太刀のもとに切り捨てた我流剣術。 片膝が地面に着くほど低い姿勢から放つ神速の逆袈裟斬り。 抜刀から敵に切り付けるまでの工程を歪め、発動した瞬間『対象は斬られた』という事象崩壊現象だけを残す魔剣。 事実上防御不能の瞬殺剣であり、対象には彦斎が刀の柄を握ったとしか感じられない。 【Weapon】 『孫六兼元』 河上彦斎が愛用した、佐久間象山暗殺にも用いた太刀。 『國光の短刀』 【特徴】 黒装束を纏い、黒の長髪をポニーテールの様に結えた色白で小柄、可憐な女性。 【解説】 尊皇攘夷派の日本の武士。幕末四大人斬りの一人。 「人斬り彦斎」などと呼ばれる。 性格は真面目で穏やかながらも怜悧冷徹。外見は柳のように華奢で、女性に見間違えられるほどの優男だったという。 元治元年7月11日、公武合体派で開国論者の重鎮、佐久間象山を斬る。 この象山暗殺以降、彦斎の人斬りの記録は不明。 しかし、勝海舟などの伝承からもっと多くの人間が彦斎の白刃に斃れたと思われる。 第二次長州征伐の時、長州軍に参戦、勝利をあげる。 慶応3年に帰藩するが、熊本藩は佐幕派が実権を握っていた為投獄される。 このため、大政奉還、王政復古、鳥羽伏見の戦いの時期は獄舎で過ごす。 慶応4年2月出獄。 佐幕派であった熊本藩は、彦斎を利用して維新の波にうまく乗ろうとするが彦斎は協力を断る。 維新後、開国政策へと走る新政府は、あくまでも攘夷を掲げる彦斎を恐れた。 二卿事件への関与の疑いをかけられ、続いて参議広沢真臣暗殺の疑いをかけられ明治4年12月斬首。 るろうに剣心の緋村剣心のモチーフとなった人物。 【サーヴァントとしての願い】 マスターに新時代を迎えさせる。 【マスター】 緋村剣心(緋村抜刀斎)@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- 【能力・技能】 飛天御剣流 一対多を主戦場とする、弱者を助ける救世のための剣術。 大きな力に与することもなく、ただ孤高で在り続けた天秤の剣。 現在の彼は『緋村剣心』ではなく『人斬り抜刀斎』であるため奥義を放つことは不可能。 【weapon】 血に染まった無銘の業物。 【人物背景】 短身痩躯で赤髪の優男、左頬にある大きな十字傷が特徴である。 長州派維新志士で、幕末最強とまで謳われた伝説の剣客・人斬り抜刀斎その人である。 修羅さながらに殺人剣を振るい数多くの佐幕派の要人を殺害してきた。 明治時代に入ってからは未だに虐げられる弱き人々を救う為に日本各地を旅する。 新時代の為に大勢の人々を切り捨ててきた事に対して負い目を持っており、彼のその後の生き様である不殺を決定づけた。 【マスターとしての願い】 誰もが笑って暮らせる平和な新時代を築き上げる。
https://w.atwiki.jp/star_grail/pages/122.html
てくてく、てくてく。 黒いスーツを纏った男が、同じく黒い革靴を鳴らしながら、夕方の喧騒の中を歩く。 服装から年齢は分からない。ただ、兎に角若い。身長も顔つきもまだ成人しているとは思えない若々しさである。 後ろ手に結わえられた血の色の長髪と、頬に走る十字傷が、見るものを遠ざける独特の雰囲気を醸し出していた。 男が、街道を抜けた先の十字路で立ち止まる。 振り返り、街を行く人々の姿を見る。 それは会社から自宅へと戻るサラリーマンやOLであり、 学校から友と連れ立って帰る学生達であり、 母親に手を引かれ立ち並ぶ店を覗きながら歩く幼女の姿だった 皆、表情は同じ。 時折、不安や疲れ、苛立ちや憂いを覗かせても最後に浮かべるのは笑顔だった。 泣いている者など、どこにもいなかった。 否、この世界の何処かにも、きっと涙を流している人は大勢いるのだろう。 取るに足らない悩みで一喜一憂し、ほんのささやかなすれ違いに泣く。 されどそこに死に怯え、理不尽な暴虐に絶望するものはない。 人買いの骸を掘り続ける、小さな子供もいなかった。 あぁ、と息を吐く。 そして道の端で眩しいものを見るように、けれどずっと、その光景を眺めつづける。 噛みしめるように、目に焼き付けるように。魂に刻み付けるように。 彼の求めていた物はここに確かに存在し、けれどどこにもなかった。 それでも、それでも。 コンビニのネオンが輝きだしたのを頃合いとして、男は名残惜しそうに帰路につく。 その顔は、どこか安堵しているようだった。 ◆ 仮の逗留先として記憶していたホテルの部屋に戻り、まず男は部屋のある一点を目指した。 ドクン、と臓腑が鳴動する。 汗が一筋流れる。 横引のクローゼットの前に立つ。 全てを検めるために。 今この時が夢か現か確かなモノとするために。 一度瞑目し、一息に引きあけた。 中にあったのは、黒い和服に袴。そして―――― 「やはり、そうなのか。『俺』は―――」 在ったのは、おとめ座のマークが刻まれた一枚の札と 一本の、業物と見受けられる”刀”だった。 何かを決した顔で、鞘の中の刀を引き抜く。 露わになったその鋭く輝く刀身は、血に濡れていた。 「気が付かれたか、マスター」 背後から自分を呼ぶ声を聴いた。 飄々とした、男というにはいささか高い声だった。 自分が気付かなかった事実に莫迦な、と驚愕しつつも、その反面どこか受け入れている自分を感じながら男は振り返る。 視線の先にいたのは痩躯の男性……否。少女であった。 「君は……」 男は目の前の女が”何”であるのか知っていた。 けれど問わずにはいられなかった。 彼女は、この場所には、この時代にはいるはずのない、 自分とよく似た、いやもっと深いところで近しい存在。 男の問いかけに、少女は朗らかにはにかみ答えた。 「聖杯の導きによりアサシンとして推参しました。河上彦斎と申すものです」 アサシン。 それが何の意味を持つのか、男には分からなかった。 だが、確かにわかることが一つ。 この人は――――――自分と同じ、『人斬り』だ。 同時に右肩に熱を帯びた鋭い痛みが走り、怒涛の記憶の奔流が流れ込んでくる。 聖杯戦争。 願いを賭け、血風を奔らせ命を奪い合う殺し合い。 「この時代を、見てきたのですね」 さしもの男も流れ込んでくる怒涛の情報量に混乱している中、 凛、とした声で少女が問うてくる。 余りにも威風堂々としたその声色は聞きようによっては男の様に聞こえても可笑しくなかった。 肩の痛みが引いていくのを感じながら、男は首を縦に振る。 ここがどんな世界かはっきりと理解したわけではない。 けれど、ここで交流した人々は、例え偽りでも確かにこの世界に息づいていた。 「いい時代であることは確かです……しかし」 「あぁ、分かっている」 少女の声を遮るようにして、男が言葉を紡いだ。 しかし、少女は特に気分を損ねる様子もなく、男に会話を任せる。 まるで、男が何を言うか分かっているかのように。 「この時代が、俺の居た場所につながるとは限らない」 セイバーと呼ばれたサーヴァントは無言で肯首した。 「マスター」 その上で、初めて男に問う。 思えば、貴方が自分の主(あるじ)か、とは尋ねなかった。 この男こそが、自分の主であることを確信していたから。 これも本当は必要のないことなのかもしれない。 だって、彼女には彼が何というのか、分かってしまっている。 哀しい程に、分かってしまっている。 だからこれは言うなれば、問いであり、答え合わせ。 「貴方の願いは、新時代の―――」 「その通りだ。俺の願いは、誰もが笑っていられる新時代の到来ただ一つ」 「そのために、屍山血河を築くとしても?」 「無論だ。俺は……刀を振るう以外の生き方を知らない その代わりに、必ず時代を変えてみせる。俺が誰かの命を奪う代わりに そして、新時代の到来とともに、人斬り抜刀斎は消えるだろう」 自嘲するように淡々と告げる男――少年に、少女はほんの少し悲しげな顔を浮かべ、 今一度問うた。 開国し、迎えた明治という名の新時代に順応できず、露と消えて行った者として。 彼には、同じ道を辿ってほしくは、なかったから。 「ならば―――その新時代で、貴方は笑えていますか?」 その問いは予想外だったのか、少年の肩が震えた。 その肩は、とても小さく思えた。 しばらく少年は考えると――首を横に振るう。 そして、分からないと告げた。 「だが、俺の笑顔など亡き妻が…巴が、得るはずだった幸福に比ぶれば些事だ」 「それは違います」 少年の返答を、少女は否定した。 少女は、少年が自分の様になって欲しくは無かった。 「貴方を選んだ人は、貴方が笑えない世界で笑えるような人ではないはずでしょう その上で問います。聖杯を獲った貴方は、微笑えるのですか?」 「……今の俺には、聖杯を獲った後、笑えているかどうかは分からない。 だが俺は俺の居た時代に帰りたい、必ず生きて帰る。それだけは確かなことだ」 「なれば守ります。私が貴方をいるべき場所に必ず帰して見せます。 貴方が築いて訪れた新時代で、他の誰でもない貴方自身が笑うことができるように 貴方の中に生きる、巴殿が微笑えるように」 ―――済まない。そして、ありがとう。 窓の外で一筋の星が舞ったその時、少女が手を伸ばす。 『緋村剣心』は外の星を視界の端に捕えながら、苦笑を顔に浮かべ、その手を取った。 ◆ その光景は一見すれば、ただの小さな少年と少女が織りなす物語の一ページ。 果たしてその物語は永き悲劇であるのか、それとも浪漫譚の始まりなのか。 答えを出せるものは存在せず。 今はまだ、名無しの物語のその始まりは、 推定150年の時空を飛び越えた偽りの冬木にて、人斬り抜刀斎の来訪から――――― 【クラス】アサシン 【真名】河上彦斎@史実(幕末 #65374;明治) 【属性】中立・中庸 【ステータス】筋力 B 耐久C 敏捷A+ 魔力E 幸運C 宝具- 【クラス別スキル】 気配遮断:A サーヴァントとしての気配を絶つ。 完全に気配を絶てば、探知能力に優れたサーヴァントでも発見することは非常に難しい。 ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。 【固有スキル】 宗和の心得:B 同じ相手に同じ技を何度使用しても命中精度が下がらない特殊な技能。 攻撃が見切られなくなる。 心眼(偽):B いわゆる「第六感」「虫の知らせ」と呼ばれる、天性の才能による危険予知。 視覚妨害による補正への耐性も併せ持つ。 直感:A 戦闘時に常に自身にとって最適な展開を“感じ取る”能力。 研ぎ澄まされた第六感はもはや未来予知に近い。視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。 【宝具】 『新時代斬り拓く血風の剣』 種別:対人魔剣 最大捕捉:1 幕末の大思想家佐久間象山を白昼堂々、一太刀のもとに切り捨てた我流剣術。 片膝が地面に着くほど低い姿勢から放つ神速の逆袈裟斬り。 抜刀から敵に切り付けるまでの工程を歪め、発動した瞬間『対象は斬られた』という事象崩壊現象だけを残す魔剣。 事実上防御不能の瞬殺剣であり、対象には彦斎が刀の柄を握ったとしか感じられない。 【Weapon】 『孫六兼元』 河上彦斎が愛用した、佐久間象山暗殺にも用いた太刀。 『國光の短刀』 【特徴】 黒装束を纏い、黒の長髪をポニーテールの様に結えた色白で小柄、可憐な女性。 【解説】 尊皇攘夷派の日本の武士。幕末四大人斬りの一人。 「人斬り彦斎」などと呼ばれる。 性格は真面目で穏やかながらも怜悧冷徹。外見は柳のように華奢で、女性に見間違えられるほどの優男だったという。 元治元年7月11日、公武合体派で開国論者の重鎮、佐久間象山を斬る。 この象山暗殺以降、彦斎の人斬りの記録は不明。 しかし、勝海舟などの伝承からもっと多くの人間が彦斎の白刃に斃れたと思われる。 第二次長州征伐の時、長州軍に参戦、勝利をあげる。 慶応3年に帰藩するが、熊本藩は佐幕派が実権を握っていた為投獄される。 このため、大政奉還、王政復古、鳥羽伏見の戦いの時期は獄舎で過ごす。 慶応4年2月出獄。 佐幕派であった熊本藩は、彦斎を利用して維新の波にうまく乗ろうとするが彦斎は協力を断る。 維新後、開国政策へと走る新政府は、あくまでも攘夷を掲げる彦斎を恐れた。 二卿事件への関与の疑いをかけられ、続いて参議広沢真臣暗殺の疑いをかけられ明治4年12月斬首。 るろうに剣心の緋村剣心のモチーフとなった人物。 【サーヴァントとしての願い】 マスターに新時代を迎えさせる。 【マスター】 緋村剣心(緋村抜刀斎)@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚- 【能力・技能】 飛天御剣流 一対多を主戦場とする、弱者を助ける救世のための剣術。 大きな力に与することもなく、ただ孤高で在り続けた天秤の剣。 現在の彼は『緋村剣心』ではなく『人斬り抜刀斎』であるため奥義を放つことは不可能。 【weapon】 血に染まった無銘の業物。 【人物背景】 短身痩躯で赤髪の優男、左頬にある大きな十字傷が特徴である。 長州派維新志士で、幕末最強とまで謳われた伝説の剣客・人斬り抜刀斎その人である。 修羅さながらに殺人剣を振るい数多くの佐幕派の要人を殺害してきた。 明治時代に入ってからは未だに虐げられる弱き人々を救う為に日本各地を旅する。 新時代の為に大勢の人々を切り捨ててきた事に対して負い目を持っており、彼のその後の生き様である不殺を決定づけた。 【マスターとしての願い】 誰もが笑って暮らせる平和な新時代を築き上げる。
https://w.atwiki.jp/junky5/pages/14.html
コールディス[Cordis] ▼年齢:27 ▼種族:Human (Man) ▼身長:174cm ▼職業:Hu/Fi 引っ込み思案で少々人見知りな優男。基本的には温厚な人物で、何故か何時もだいたい表情が少し硬かったり或いはよく困っている草食系男子。肉壁候補生。 些かコミュ障を患っており初対面やあまり関わり合いのない相手には若干びびり2、3歩下がった位置から見てるだけ。慣れると普通に会話に参加するが主に自ら話しかけることが指してない程度。 ひょんなことから過去の一切を忘却しため自分の立ち位置を全く覚えていない。 理解が及ばないうえ正直以前の記憶がどうでも良くなっているため、取り敢えず今を精一杯生きていこうと頑張っている。 アークスとして4番船・アンスールに乗船し、何の縁あってか出会った二人のアークスに大変親切なことに高価そうな制服と海賊服と何故かは分からないが高価らしいブーメランパンツを頂き恐縮するも束の間、事の展開がトントン拍子に進んだため正直何が起こったのか理解に遅れたが時すでに遅く、対価として半ば強制的にチーム加入することに。 もう何がなんだかわからないがきっと恐らく始めて顔を合わせたときにラッピースーツ×2に囲まれた手厚い歓迎が事の発端で、あの日から呪いにでも冒されたのだという考えに至り、我ながら妙な納得をしている。逃げられない。 因みに海賊服はセリバームといういつからかの知人に渡り、彼もまた犠牲者になることとなる。 かれこれ数日経過した頃、ミーナという赤い服の似合う黒髪の女性に出会い病発病(青春)に至る。その盲目さは今や重症。彼女が絡むと大体フルスロットルだが3/1の純情な感情の如くであり絶賛片思い中だった。 が、彼女にホワイトタキシードを(強制)献上され、スペース・ツナを突きつけられての男前な(婚姻届に判子または拇印請求)宣言をされ何がなんだかわからないままに判を押すことになり、最終的に婿養子扱いになるらしい。因みにまだ入籍までは至っていない。 ウェディングドレスが手に入ったらこれはもう改めて求婚するしかないと心に強く誓うくらいには盲目。結婚しよ。 後日見事に彼女はウエディングドレスを纏い、その後日間もなく浮遊大陸で形から入ろうという頭の悪い発想から龍族の手厚い歓迎を受けながらの挙式(物理)をした。もう末期。 彼女のスペース・ツナのフルスイングの餌食となり、結果、記憶を飛ばすはめになっているというのが事の事実なのだが本人は全く記憶にない。 近頃は嫁の出現率激減のため嫁不足で度々とち狂い、うっかり嫁型のサポパ制作をフレッドに頼むに至り、彼は引きつつも珍しく折れ、現在コールディスはとても愛でている。 ▼ネタバレ 正体としては逃げ出したクローム・ドラゴンの一体。 過去フレデリックに捕縛され、どういった方法でか彼の母星に持ち帰られた。 後に詳細は不明だが肉体に異常を来たし暴走寸前となったところで仮死状態にされる。 その後生体実験のひとつとして「全くの別種族の意識を別の肉体に移し替える」という無謀に見えた実験を半ば自棄で行った結果、偶然に偶然が重なり見事成功してしまう。 これにはフレデリック本人も予想外だったため急ピッチでその成功した検体のコールディスを管理、制御他、人間としての育成等を行った。そのため些か不備が多発したがなんとか形にはなり現在のコールディスとして整えられた。 元々はマコトというフレデリック等の母星で激減した特別な人種の一人が存在したのだが、ある事件より生死不明の行方知れずとなった。 しかし既に採取していたデータからクローンを制作するも、やはりオリジナルに及ぶことはなかった。因みに24シリーズとなっており名称は其々ギリシャ文字で現在もフレデリックは検体の呼称であるナンバリングで呼ぶ。 結局は後に全ての素体は能力に関してはオリジナルに劣るも申し分ないレベルではあったので戦に兵隊として投入し捨て駒か、劣化物は破棄する予定だったが、一体のみ原因不明の他の個体とは別に突然変異を起こしており、能力は大元のマコトや他のクローン体の個体とはかけ離れている。 それに興味を示したフレデリックによって一旦保管され上記のとおり新たな実験により意思を持つ結果となった。 皮肉にも突然変異体は13体目のクローン体であり、それにクローム・ドラゴンの精神、或いは魂を移し替えられた表向きは人間でしかないが、それとはまた別の生命体である。 アークスシップへアークスとして向かわせた理由としては自身らの惑星とは全く違う世界のデータ採取であると共に、コールディス自身を何れ程まで人間に限りなく近い存在へ作り上げられるかといういわば研修をさせに行かせたようなものだったのだが、途中から思いも寄らないスピードで人間化していき坂から石が転がり落ちるような速さで事が運びすぎてフレデリック自身も甚く驚いている。 然し某事件で記憶喪失になってしまい本来の仕事を全くしなくなったためフレデリックは結構頭に来ている。
https://w.atwiki.jp/higumaroyale/pages/47.html
熱闘殺し園 「悪いことは言わねえ、ソイツをよこしな」 ここに、二人の男が向き合っている。 殺し合いの場において、顔を合わせて一方的な要求をすることは本来死闘の開始を意味するのだが、声をかけた優男に殺気はない。 「こんな殺し合いにも身を守るのにも使えないものを、何故」 声をかけられたのもまた、優男だ。 いや、男と言うには幼さが残る。 少年は、ちらりと男に寄越せと言われたラケットへと視線を落とした。 「あーん? 不要だと思ってンなら、黙って俺様にソイツを渡しな」 得意の眼力(インサイト)で優男(幼)の鞄にテニスラケットが入っていると見破った優男(大)の名は跡部景吾。 彼は超弩級のテニスプレイヤーであり、ラケットさえ握ってしまえばコートを支配すると言っても過言ではない程の力を発揮する。 ――だがしかし、不幸にも跡部にはラケットが支給されていなかった。 『テニスラケットは人を傷つけるためのものではない』という一般常識が足を引っ張り、ラケットが得意“武器”とは見なされなかったのだ。 「タダで寄越せとは言わねえ。ヒグマから、キッチリ守りきってやる」 跡部には、殺し合いをする気などない。 命を賭ける舞台とは、誰かに無理やり上がらせられるものではないのだ。 そして自分は、命を捨てる場所として、テニスコートを選んでいる。 こんな何処とも知らない場所で命を落とす気はないし、また誰かの命を奪うつもりもなかった。 「……失礼ですけど、貴方にヒグマが倒せるとは思えませんね」 優男(幼)は、歳不相応な値踏みするような目で跡部を見た。 そこに怯えの色は見えない。 かと言って、殺し合いに乗っているようにも見えない。 隠しているのかもしれないが、跡部が「見えない」と断言した以上、そんな可能性は無に等しいのだ。 キング跡部が黒と言ったら白も黒、これが腐った世界の常識である。 「俺様は超一流のテニスプレイヤー。そして、俺様に配られたのは――」 跡部が、己の支給品を見せる。 バッグには、たくさんの手榴弾が入っていた。 確かにこれなら、ヒグマを倒せるかもしれない。 「近付かれた後じゃあ、コイツは使えねえからな。何せこっちが爆発に巻き込まれちまう。 つまり、離れた状態で、迫るヒグマにぶち当てる必要があるんだ」 言いたいことは、少年(もういいよね、一々優男って表記するの面倒だしこの書き方で。表記ブレくらい許す気持ちが大事だよ)にも理解できた。 超一流のテニスプレイヤーだから、テニスラケットさえあれば、正確無比にヒグマに手榴弾をぶち当てられるということだろう。 か弱い子供目線なら十分大人びて見える(というか、誰がどう見ても中学生には見えないんだよなぁ)跡部に防衛を任せるのは、力無き幼子として当然のこと。 「それじゃあ、このラケットを渡したら、僕をヒグマから守ってくれるんですね……?」 「ああ、約束しよう」 少年に、殺し合いをする気などなかった。 誰かに寄生してでも、この場から帰る気でいた。 しかし―――― 「だが断る」 「なッ――――!?」 少年は、“男”だった。 少年もまた、譲れない『命を賭ける場所』を持った“戦士”だったのだ。 「確かに僕は殺し合うつもりはないし、一緒に行動したいとも思います。 ここから帰るだけの知識がない分は、誰かに助けてもらいたいとも思っています」 そして――跡部と同じ、“スポーツ選手”だったのだ。 「でも――ヒグマを倒すのは、僕です」 跡部の優れた瞳には、少年の瞳に宿った強い意思の炎がしっかり映っていた。 頭でなく、心で理解してしまう。 決意をした少年は、きっと言葉では納得しないと。 「あーん……お前が、自分で倒せるってーのか?」 「勿論――――その手榴弾さえ譲って頂けるのなら、ですけど」 そう言って、少年は不敵な笑みを浮かべた。 跡部には、その自信が決してハッタリではないと分かる。 「貴方が一流のテニスプレイヤーで、ラケットを用い正確無比にヒグマに当てられるように――」 少年は、デイパックから“何か”を取り出す。 それは、少年のもうひとつの支給品。 学生には身近な鈍器の1つである、砲丸だ。 「僕は、己の腕一本で彼らに手榴弾を喰らわせられます」 そう言って、砲丸を掲げて見せる。 その掲げ方は、決して砲丸投げの選手のソレとは違う。 しかし震えることなく砲丸を掲げる少年の腕の力から、少年が尋常ではないトレーニングを積んだ猛者だということが見て取れた。 「……証明しましょう。僕が勝ったら、手榴弾は持たせてもらいますよ」 既に二人の間で、同盟を結び同行することは暗黙の了解となっている。 残す問題は、どちらが手榴弾を持つかだけだ。 どちらが確実にヒグマを撃退出来るかなど、口でどれだけ説明しても納得できるわけがない。 「面白い……いいだろう」 ならば、やるべきことは1つ。 自らの手で、その実力を証明するのみ。 「勝負は、一球でいいですよね」 そう言って、少年はテニスラケットを跡部に渡す。 跡部は黙って頷いて、テニスラケットを受け取った。 それから少年の方がゆっくり歩いて跡部との距離を取る。 「なるほど、そのフォーム――――野球選手か」 一定の距離を取り、少年が砲丸を構える。 確かに砲丸は重たいし、野球ボールのように容易くは投げられないだろう。 しかしながら、少年は超が付く一流投手。 多少ボールが重くなろうと、丁度いいハンデだくらいに思っていた。 「ええ。僕のボールを打ち返せたら、貴方の勝ちです」 対する跡部も、砲丸をラケットで打ち返したことなどない。 ラケットが痛むし、本来ならすべきことではないだろう。 「……いい目だ。全てを賭ける覚悟をした目」 しかしながら、跡部は目の前の少年との勝負を受け入れた。 少年の目を見て、受けようと決めた。 もうここは、わけのわからない場所ではない。 男と男が意地を賭けて激突する、神聖なコートなのだ。 「お前、名前は」 ならば、砲丸だろうと打ち返さない理由はない。 既にガットを突き抜けるボールなどが現れているのだ。 たかが重たいだけの球、打ち返すことが出来ずにどうする。 「ロビン」 少年が、振りかぶる。 そして、己の名を跡部の心に、いや魂に刻みつけてやるように、名乗りながら球を放った。 「100エーカーの森の大エース、クリストファー・ロビンだッ!」 渾身の一球。 とても砲丸とは思えぬ速度で放たれた球は、さらには物理法則すら乗り越える。 「オウル・ボール――――!」 もしもこれが観客のいる試合だったら、桃城武あたりが「なっ!?」などと言って驚いていただろう。 そしてきっと乾貞治辺りが解説をしてくれたに違いない。 しかしこの場にいるのは二人。 乾のように、横方面に反復移動しながら迫る謎球種を解説してくれる者はいない。 桃城のように、驚いてくれる者もいない。 「はん! 覚えておきな、俺様の名は跡部景吾」 そう、驚く者はいないのだ。 跡部は、初見であるこのクソのような理不尽な魔球ですら、得意の眼力で見破れるッ! どれだけジグザグ反復横跳びしていようと、必ず最後、ボールはストラークゾーンを通過するッ! 「お前を打ち砕き、そしてこの殺し合いを打ち砕くキングの名だ――――!」 他人の技をパクるくらい、跡部には素で出来る。 跡部が選んだバッティングフォームは比嘉中・甲斐裕次郎の技『バイキングホーン』だった。 金魚すくいの要領で、砲丸の破壊力を無視してボールを打ち上げる。 「なっ……!?」 初見の相手に、しかも硬球ではなく砲丸なのに、打たれた。 ロビンの目が見開かれる。 そして、ほとんど反射的に右手が伸び、砲丸を叩き落とした。 「いい反射神経と、投球だ」 砲丸は、ロビンの手に当たってもなお、ロビンの背後へと転がった。 普通の野球ならピッチャー返しを取り損ねての安打。 ホームランダービーだとしても、これが普通の硬球ならばホームランだっただろう。 そしてテニスだったとしても、打ち返すことが出来ずに跡部の点。 勝敗は、明白だった。 「だが――勝つのは、俺だったな」 跡部がパチンと指を鳴らすと、当たりに氷帝コールが響き渡る。 氷帝コールの詳細とか驚くロビンのリアクションとかは原作なり跡部が出てる他のロワ読めば大体分かるので割愛。 いや、いらんやろ、この流れでそこのしっかりした描写とか。 気になる人はパロロワ総合板に移転した中学生ロワとかを読もう(ステマ) 「と、まあ、これが氷帝コールだ」 なお、省略された部分で、しっかりロビンは氷帝コールを叩き込まれた模様。 「お前は負けて我が跡部王国の支配下に入った。 守ってもらう代わりに、王を崇めるコールをし、王の気分を高めるのが国民の責務だ」 王国や上限関係という概念は、100エーカーの森にはなかった。 皆が仲良く平等だった。 ――もっとも、プーが野球という遊びを覚えてくるまでの話だけど。 「まあ、だが、素手であんなボールを放った褒美だ、1つだけならくれてやる」 それは、100エーカーの森にあった助け合い・分け合いの精神ではなかった。 絶対的王者が、格下の奮闘を讃えて授ける施し。 屈辱だった。 しかし、その屈辱に身を委ね、貴重な施しを突っぱねられるほど、ロビンはお子様ではなかった(5歳だけど) 泥と屈辱に塗れてでも、戦うための火種を胸に宿し続けていれば、いつかまた下克上の機会はくると、ロビンは理解していた(5歳児の分際で) ちゃちなプライドを満たすために突っぱねて、再起の機会を自ら手放す愚行を犯してしまえるほど、ロビンという少年は愚かではなかったのだッ!(ほんとに5歳児かコイツ) 「……ありがとうございます」 それに――確かにコレは屈辱ではある。 しかし、今のロビンにとって、この程度は敗北には含まないし、屈辱と表現したくもなかった。 もっと激しい屈辱を、ロビンは既に味わっている。 あの日、あの時、大好きだった100エーカーの森で。 こんな児戯のような一球勝負でなく、もっと本格的な、己に有利なはずのルールの中で。 あの時感じた想いと比べたら、こんなものは屁でもなかった。 『跡部! 跡部!』 『あ~とべ! oi! あ~とべ! Fooooo!』 『跡部様が一番可愛いよおおおおおおおおおお!!』 跡部のそのキングらしい行動に、どこからか聞こえる幻聴が沸き立つ。 施された悔しさを噛み締めながら、ロビンも声を張るのであった。 「跡部! 跡部! 勝者は跡部!」 大声を張り上げるという行為は、殺し合いという場において自殺行為となりえる。 しかしながら、ヒグマに怯える者達を集めるとう目的を成すためには、避けては通れない行動でもある。 さすがにこれだけ複数人で騒いでいたら、殺し合いに乗っているとは思われまい。 それに、有名なヒグマ対策に、鈴の音などの音を鳴らすというものがある。 氷帝コールは、ヒグマ避けとなることだろう。 以上のことから、こうして氷帝コールを続け、人を呼び寄せるのが一番だと言える。 危険人物が近付く可能性もあるが、相手の危険度を見誤るほど、跡部の眼力は甘くない。 危険な者ならすぐに気付ける。 眼力isGOD。 「跡部! 跡部! 跡ベアーーー!?」 「あーん?」 なお、人の味を覚えたヒグマには逆効果な模様。 「ちっ……まさかコールを聞いても怯まないヒグマがいるなんてなァ!」 穴持たずは、餌に飢えているため、多少の危険は物ともしない。 ましてや彼は殺し合いの場にわざわざ放たれたヒグマ。 人間の味を覚えさせられ、人を食う喜びを知ってしまった。 餌が音を出し居場所を教えてくれてるのだ、逃げるわけがないではないか。 「だが……食料になるのはお前の方だなッ! そうら凍れ!!」 掌を顔の前にかざして、指の隙間から迫り来るヒグマを視る。 世界がモノクロになり、氷柱がいくつも地面目掛けて落下し、そして―――― 「何ッ!?」 氷柱が、尽く砕け散った。 「ちっ……気をつけろ、このヒグマ……死角がないッ」 跡部の氷の世界は、対象の死角に氷柱を刺す奥義。 その氷柱が刺さりかけて砕けたということは、死角ではないということだ。 ……いや、刺さり“かけた”ということは、死角ではあるものの、野生のカンのようなもので、攻撃を加え次第そこが隙ではなくなる動作をしてくるということだろう。 なんにせよ、厄介なことに代わりはない。 「気をつけて……クマのスイングスピードは――――」 ヒグマの全身は、筋肉で出来ている。 それは外敵から身を守る鎧であるのと同時に、強力無比な攻撃手段でもあった。 筋肉=スピードと言える以上、ヒグマの攻撃が速いのは当然ッ! ましてやヒグマは、その攻撃を狙う必要がない。 鋭利な爪が掠りさえすれば、哺乳類の軟な肌などピーラーに掛けたニンジンのようにズルリと剥げる。 しっかりと狙わずとも、一撃必殺足りえるのだ。 命中という概念を放棄して繰り出された一撃は、人間に回避できるものではない。 「あーん? そのくらい――――」 ただし、超一流のテニスプレイヤーは例外だが。 「素で避けれんだよッ!」 テニスにおけるサーブの速度は、野球ボールの比ではない。 勿論さしものヒグマの腕のふりとてその比ではない。 それこそウォーターフォールという乾貞治の必殺技など、212km/hである。 このレベルの高速サーブに『どこに着弾するか不明なのに』『きっちり追いつき』『しっかり返す』というのがテニスというスポーツ。 追いついて打ち返す動作が要らない『ただ避けるだけ』が出来ない道理などない。 ましてやヒグマのパンチはコースの読みやすい所謂テレフォンパンチ。 跡部の眼力を持ってすれば、回避できないはずなどなかった。 「コイツの弱点は鼻だ……しかしコイツ、隙がねえ……!」 跡部様にかかれば、ヒグマが鼻を攻撃されると弱いことくらい容易く見抜ける。 おめめのちからってすげー!! 「跡部王国ッ!」 繰り出される追撃を華麗なバックステップで回避しながら、跡部はヒグマを透視する。 人間レントゲンとなることで、相手の骨格レベルで反応できない絶対的死角を突く技。 どう考えても透視しただけじゃどうにもならないことでも何かしれっと引っ繰り返してしまうのが、キングというものなのだ。 すごいよな、眼の力って。皆もレッツブルーベリーアイ。 「見えたぜ、隙を生む方法が!」 デイパックから、手榴弾を引っ張り出す。 それらのピンを付けたまま、ラケットでヒグマに向けて打ち出した。 「ダメだ、クマのスイングスピードなら、あの程度の速度は打ち返され――――」 ロビンの冷静な分析は、間違ってはいなかった。 ヒグマの素早い薙ぎ払いの前では、手榴弾など玩具のようなもの。 手が巨大なこともあり、弾き飛ばすのは難しいことではない。 そう、難しくないはずなのだ。 「あーん? なんだって?」 しかし、跡部の放った手榴弾は変化した。 跡部程の猛者になると、見たことのある技をパクる、もとい使用することくらい容易い。 先程繰り出したのは、比嘉中の平古場凛の使う『飯匙倩』という技。 物理法則すら無視しグネグネと動くソレは、ヒグマでも捉えきれない。 「捉えられると思うなよ!」 追撃で繰り出されるのは、青学のマムシこと海堂薫の必殺技。 『スネイク』という名を冠するその技は、蛇のような軌道でヒグマを迂回する。 「スネスネだぜ!!」 飯匙倩もスネイクも、迂回する軌道故に、ヒグマの体に手榴弾を当てることは出来ない。 だからこそピンは抜けずにいるのだが、この攻撃には確固たる意味がある。 ヒグマに手榴弾を叩き込む隙を発生させるためにやっているこの行為だが、何も闇蜘蛛にかく乱だけしているわけではない。 その“蛇のような軌道”を目に焼き付けさせることこそ、跡部の目的なのであるッ! 「お前らヒグマは――ソイツが苦手らしいなァ?」 そう、ヒグマ――いや、ヒグマに限らずクマは、『蛇』を苦手としているのだ。 事実、山の中でクマと遭遇した際のアドバイスとして、ベルトを蛇のように動かすというものがある。 そうすることで、クマがこちらに近付かないようにするのだ。 ヒグマの視力は人間と同等もしくはそれより劣ると言われている。 それ故に、クネクネしているだけで蛇だと思い込むのだ。 そんなヒグマなのだから、ボールの軌道を蛇と見間違うのも仕方ないことと言えよう。 テニスプレイヤーのボールの軌道は、多分残像とかそういうモノが残るのである。 ほら、オーラとかだって見えるわけだし、蛇状の軌道が残像として残っていないとは言い切れないし。 「絶滅への鎮魂歌(レクイエム)」 怯え惑うヒグマに、とうとう隙が生まれた。 とどめを刺すべく、新技の名を呟きながら、跡部が手榴弾のピンへと手をかける。 しかし―――― 「べあー! べあー!(※クマの鳴き声が分からないため、とりあえず分かりやすい鳴き声を割り当てていますが、本来はもっと表現し難い凶悪な声で吼えています)」 ヒグマが、突如その巨体で跡部に突っ込んでくる。 視界にその姿を捉えとっさにピンを抜くのを止めたが、ヒグマを止める術はない。 「跡部様――ッ!」 描写をカットしてる間に様付けで呼ぶはめになっていたロビンが叫ぶ。 跡部の華奢な体が宙を舞った。 端正な顔が苦痛に歪む。 それでもミートの瞬間に後方に飛ぶことでダメージを軽減させていたらしく、大木に激突する前に空中で身を翻して大木を蹴り華麗な着地を披露してくれた。 テニスプレイヤーなら、受け身くらい会得しておくものである。 (俺様としたことが……追い詰めすぎたか) 跡部の失策は、相手の隙を生むことだけに注力したこと。 そして、ヒグマを怯えさせることだけを考えたことだ。 跡部は、ヒグマを追い詰めすぎた。 許容範囲を超えた恐怖は、出鱈目な攻撃を生む。 スズメバチに追いかけられた人間が、無駄と分かりつつ腕を払ってスズメバチを追い払おうとしてしまうように。 ヒグマもまた、無謀と思いつつタックルや腕を払うという動作を取ったのだ。 (肋骨が数本逝ったな……) セルフキングダムで自分の体をレントゲンする。 綺麗に肋骨が折れていた。 まあ、テニスならよくあることだ。 もっと大きな怪我をしてまでテニスを続ける猛者は多いのだ、この程度で弱音は吐けまい。 「坊主、お前が決めろ!」 しかしながら、暴れ狂うヒグマの攻撃を避けながら、確実にボールを叩き込めるとは思わない。 これが試合ならそれでも挑む場面ではあるのだが、今回は自分以外の命が掛かってしまっている。 ダブルスである以上、相棒に決めさせるべき場面なら、そちらに譲るべきだろう。 「こいつは俺様が引きつけるッ!」 今度は同じ氷帝の向日岳人のムーンサルトを披露する。 この程度、素で出来んだよッ! 試合じゃやる意味見出だせないからやらないだけで。 「俺様の美技に酔いなァ!」 見よう見まねで繰り出されるは日吉若の古武術。 ヒグマに通る破壊力は持たないが、それでも身を守る術にはなる。 合間合間にスネイクや飯匙倩を挟み、ヒグマを牽制。 完全に注意を己一人へと向けた。 (ぐっ……ガードをしてなおこの威力ッ……鋭利な爪のせいで、波動球との単純比較も出来ねーじゃねーの……!) 優れた眼力で、どのタイミングのどの攻撃をどう防御して受ければ、安全圏までふっ飛ばされるか既に跡部は知っているッ! 故に敢えて! 敢えて今ッ! 攻撃を受けたのだッ! それにより、爆破の射程圏外へと跡部は吹き飛んだ! 全て計算ずくの行動ッ! 眼力による卓越した観察力と、図抜けた技術の成せる技であるッ! まあ眼力便利すぎるしそういうもんじゃないだろって意見は一理あるけど、跡部様だからね、仕方ないね。 「今だ坊主!」 人間同士の殺しあいでなく、人間対獣の場合、集団戦が圧倒的に有利となる。 何せ相手はこちらの言語を解さない。 大声を出して作戦を指示しようと、何の支障もないのだ。 宙を舞いながら、堂々と狙うべき位置に仕込んだ手榴弾を指さした。 「さっきのあの、蛇みてーに動くボールを使え!」 跡部の指示は、的確だった。 ロビンの殺気にヒグマが勘付き振り返るのは、眼力により分かっている。 しかし、蛇のような軌道のオウルボールなら、ヒグマの動きは停止するのだ。 その際にヒグマからやや離れた位置に着弾し、爆発した手榴弾は、既に跡部が置いておいた手榴弾を誘爆させる。 そして破片がヒグマの巨体へと突き刺さり、その生命を奪うとまでは行かずとも、戦闘力を根こそぎ奪い去る算段だ。 「それで俺様達の勝ちだ!」 この作戦――というか、人間対獣の最大の弱点は、獣の持つ威圧感でチームがバラバラになる可能性が高いことだ。 悪く言ってしまえば、保身から来る裏切りが発生しやすいということ。 しかし、跡部はその心配はしていない。 何よりも信頼している己の眼力がロビンを『逃げたりしない正真正銘のスポーツ戦士』だと見なしたのだ。 裏切りなど、警戒する必要性が何処にある。 (勝ち……? “僕達”の、勝ち……?) そう、跡部の眼力に間違いはない。 ロビンは仲間を見捨てるつもりなどないし、敵に背を向けて逃げるような男でもない。 (違う……それは“僕”の勝ちではない……) 誤算があったとしたら、それはロビンがあまりに“スポーツ選手”だったこと。 戦士として、スポーツ選手として、誇り高すぎたこと。 (あんな場所……ストライクゾーンから大きく外れるじゃないかッ……!) 跡部にとって、ヒグマはあまり慣れ親しまない存在であり、森で出会ったら撃退すべき対象である。 だからこそルール無用で容赦なく命を刈り取りに行けた。 しかしならが、ロビンにとってはそうではない。 ロビンにとって動物とは意思を通わせる友であり、仲間なのだ。 そう、ルール無用の戦闘を行う対象でなく、正々堂々真っ向から打ち砕くべきライバルなのだ。 (それに……指示されたオウルボールじゃだめだ。さっき打たれたばかりだし、今一番自信があるのは――) ましてや、ロビンはここに来る前、友人のクマと野球で勝負をしている。 それまで仲良く皆平等だった森に、実力という名のヒエラルキーが誕生したあの瞬間。 ロビンは、一番の友であったクマと戦い、そして真っ向から敗れた。 それは半ばトラウマのようにロビンの心を蝕んでいる。 あの屈辱の経験は、もう負けたくないという想いに結びついてしまう。 クマというかつての親友と同じ種族を前にして、あの時と同じルールの元で討ち取ってやると思ってしまう。 「うおおおおおおおおおっ!」 激しい咆哮と対照的に、間抜けなフォームでピンを抜いた手榴弾が繰り出される。 それは、紛れもない剛速球。 跡部の指定した場所でなく、今のヒグマの位置でストライクゾーンとなる位置へと向けた投球。 「ロビン戦法No.2、相手の誘いには絶対にのるな!」 ロビンは5歳児の分際で自己流の戦術も確立しているらしい。 既に跡部王国の王国民になっているし、相手の誘いに乗りまくっているのだけど、まあ、そこはほら、5歳のチャイルドだから。 思い出した時にしか使えないよ、高度な戦術なんて。 「あーん……?」 指示に逆らったことに、まず跡部は軽い舌打ちをした。 しかしすぐに、更なる衝撃に目を見開くこととなる。 「ティガーボール――――ッ!」 ロビンが呟くと同時に、手榴弾が姿を消す。 あまりの速さにボールが見えないのではない。 本当に、その姿を消したのだ。 限界まで目を見開いた跡部がようやく認識できるほど、見事なまでに消えている。 「僕の勝ちだッ!」 爆発前だが、ロビンは勝利を確信した。 動揺した今のヒグマに、打たれる道理など何もない。 しかし――勝ち終えるまで、白い歯は見せてならぬという鉄則を、ロビンは知らなかった。 (まずい、これは――!!) それは、一瞬の出来事だった。 混乱し、生まれて初めて感じた恐怖に戸惑うヒグマが、土壇場でとった行動。 野生で得た第6感だけを頼りに、ただ恐ろしいものを振り払うように腕を振るだけの行動。 しかしそのスイング速度は先述の通り、人間のそれを大幅に上回っている。 その巨大な腕が手榴弾を捉えるのを、跡部の瞳だけはしっかりと映していた。 ヾ. . . . ... . . . . ...≠ . . . . . . . . .;.;..;;.;...;.;.;;.;.; ... .. \ ヽ ≧. . . . . . ヘ/ . . .≦ . . .・;。;;.;゚。 .゚ . . . . . .;..;..;;.; . `'- \ ミ . . . . . . /oヽ. . ミ :・ * . . . . . . . . .;.;..;;.;.;;;..;.;;.; .; ヽヽ ヽ 彡 . . . ; . . . ;. . ミ. . . . . ;; ・.+ :. . .;.;;;;.;.;`''ー.; . . \ .`'-, ヽヽ 、 彡 . . . . . . . ミ. . . . ;;・; . . . .;.;.;;;.;.;;;.;.;.;. . .`''ー. \ .`'-, 、 ヽ\ヽ 、゙_、. . . . ;; . ;;; ;; . . . . . 。;.; ゚。;;.;゚ ;.;;.: . ..;.;.;.;.;..゙'ー 、、 \ .`'-, 、 ヽ\ヽ 、.  ̄"'''―- ....,,,_ . ; .; . . . . . . . . . . . ;;;. ;.;.;.;;;;.;;;.;.;;;.;.;. `''ー..,, `'-, .\. .゙ミ、. ヽ\ ヽ . . .. .`゙゙''''― ..,,,_. . . . . . . . .;.;;;;.;.;.;;;.;.;;.;.;.; .;. `''-、、 \. \ .゙ \ ヽ ヽ ム. . . . . . . . ;;. . . . . .´゙''''― ..,,,_ . .;;;;.;.;.; . . . . .;. `''ー、、 \ \ヽ \.ヽ゛ .l . . . . .. . . . . . . . . . . . . .;.;.;;;.;.;;`゙''''ー ..,,_. . .; `'‐、、 .\ ゙〈L ヽゝ .l,.___ . . .. . . . . . . . . .;.;.;;;.;.;;;;;.;;.. . . . . ......`゙'''ー-..,,,_ `''-、 .\`ゝ l,  ̄ ゙゙゙゙゙゙゙̄'''''''¬―-- ..,,,,__. ;.;.;.;;;;.;;;. `゙'''ー ,,,_`''=x、,_ `'ッ、 `' .゛ .l `゙゙゙"'''―- ..,,,,_, `゙'''ーミ;;ミニ ..,_゙' \ ! r ⌒}__r¬゙― ..,,,_ `゙''''i `''″ !. ___________________.ィ { .ノ `゙゙''¬r-──- " │ / \..゙¨¨¨二ニ='" ._,,,,..、_ l , )゙'"゛, ー'''''^゙゙,゙ン‐'"゙゙./ } _,,, .ゝ、...... ,.. ‐'" ,,.彡t | _,, ー'''"゛ ._, > .__ r ノ..''" '~゛.,.彡 l _,, ‐''"゛._,,.. -‐゙,.-‐'´`ー-、.゙ ィ′ ,、,x!!'"./ 、 ! _,, -'''',゙,, -‐''''” / `ヾ三ニ'`ー 、 . _..-'´ . / ,/,/ / .,i .,! _,, ;;ニニ-''''"´ | ※ ヽ / .,// ノ,iレ/ .,/,! .l .| __ j ヒ グ マ /ハ _... ,〃゛ ,/ilケ./ / .,| .i{ .! | / \ ノ /. ;ト、_r' `!゙,r'" .,/.|″/ ./ . iリ l ! .,l .! / \ / { / i´ / ./ . / ./ /!li!│ |! .| Χ Χ | 人_ ,/ .ノ... / ./ / / ソ | .,ll .l/. プ \ ! / / `ー--'.... / / ./ / | リ l_゙'ー ニ || ,イ / / / // l l .l゙l ! キ || / !\ ヽ、 i / .,i./ . / l .| /,! l ホ || / ヽ \ / / メ" / l l゙/ ! ! | || /\ `ー /.... / .、 ./ ! .レ .l ./ ム .||. / .\_ / , .,/ / / l ./ /.i′ .ラ || !. .,'.  ̄``ヽ、__/ ノl、 / / / // ン || / ! {..,/ .l, ./ / ./ l/. _ || { ', / ./ / ./ // || _ノ 人 . . . ! ./ / ./ . O || 人_ / ヽ. . . . . . .| ./ / ./ / / `ヽ_| ! . . ._, .-‐' ./ / ./ Χ / /  ̄| j / / ./ まるでステルス戦闘機のように、低空飛行で爆撃のため進軍していた手榴弾。 それを理不尽なまでの衝撃が襲い、大気圏まで打ち上げる。 錐揉みしながら出鱈目に回転した末、どことも分からぬ土地に撃墜し、無念にも爆散した。 完璧な、文句の付け所のない見事なホームランである。 「がはっ……!」 そんな手榴弾をぶち当てられ、共に空へと飛んでいたロビンが地面へと落下する。 木がクッションになったおかげで、致命傷には至らない。 どこも折れてはいないようだし、内蔵も破裂してはいなかった。 一番大きく酷い傷は、体にではなく、心にしっかり出来ていたけど。 「打た……れた……」 ロビンの表情は、能面のように固まっている。 決してへこんでいないわけではない。 むしろ、かつて親友に敗れ去り、苦汁をなめさせられた瞬間を思い出して激しい自己嫌悪に襲われている所だ。 それをおくびにも出さないだけである。 プライドが、見栄が、泣きたくないという想いが、ポーカーフェイスにしているだけだ。 いやほんとあの落ち着いた無表情っぷりとか、こいつ絶対5歳児じゃねーだろ、肉体的にも精神的にもスペック絶対おかしいって。 「ちっ……ふざけやがって……!」 跡部が生み出したチャンスを、己の力不足で無駄にしてしまった。 立ち尽くすロビンに、ヒグマの凶暴な爪が迫る。 ロビンは、死を覚悟した。 あの日、野球という球技の魔力に取り憑かれ、友人達の技術を盗んででも頂点を奪いに行った時から、いつかこうして命を落とすのではないかと薄々は察していた。 楽しかった平和な森を、殺伐とした実力主義の世界に変えた責任の一端は間違いなくロビンにある。 だから、いつかクマの鋭利な爪で体を裂かれてしまうのでは、という想いはずっと持っていた。 もっとも、その時思い描いてたクマは、ヒグマではなく黄色の体のアメリカクロクマだったけど。 「え……?」 鋭利な爪が振り下ろされ、当たりに鮮血が飛び散る。 しかしながら、茫然とするロビンには傷ひとつ無い。 割って入った跡部の左肩が、ロビンの代わりに大きく抉れ骨まで露出していた。 あーんセクシー、これはアニメディアあたりでピンナップ飾れるエロさですわ。 細身の優男が乱雑に衣服の一部を破いた状態で血を流すギャップとかそういうアレね。 「約束しちまってるからな……ヒグマから……守るってなァ……!」 跡部は、ロビンを一人の男として、スポーツマンとして、戦士として認めている。 だからこそ彼の失態には失望するし、容赦なく罵り殴ることさえするだろう。 だがしかし、例えロビンから指示に背いたとは言え、そのことと自分が約束を違えることとは別問題である。 一度守ると誓った以上、何をおいてもその約束は守らなくてはならない。 そうでなくては、誇りあるキングとは呼べないから。 そうでなくては、跡部景吾という王様のアイデンティティが崩れるから。 気高さ無くして、跡部景吾足り得ないのだ。 己の誇りは、命にだって替えられないのだ。 「いいか……俺はお前に失望した」 肩を抉られながらも、跡部はヒグマの腕にしがみつく。 一見無謀ではあるし、ヒグマにこれでダメージが通るわけではない。 だが、しかし――化け物地味た眼力にありったけの殺意を込められ、ヒグマの動きがほんの僅かに停止する。 「命令に背いたから、“じゃあない”――それは、もういい。 お前にはお前の理由と事情があって、譲れないモンがあって背いたんだろうからな……」 命が掛かった状態で、わざわざ命令に背いた。 指示が的確だったと分からぬほど愚かではないだろうに。 保身や恐怖で動けなかったわけでなく、明確な意思の力を瞳に宿して命令に背いたのだ。 それをとやかく言う気はない。 「にも関わらず敗れ去り、そしてそのまま膝をつこうとしてるってーのが、許せねーな……」 一度でも敗北したら、二度と挽回のチャンスなど与えられない。 そんな世界で育ってきた跡部だからこそ、そんな状況になってでも強く心を持ち続ける者の凄さを知っている。 挽回の目などない状況から這い上がってきた宍戸亮がそうだったように。 虎視眈々と常に上に上がる機会を狙っていた日吉若がそうだったように。 貪欲に上を狙う者の強さは、跡部もよく知る所だった。 だからこそ、二度の敗北を経験している日吉を尚も次期部長に推していたのだ。 「負けっぱなしじゃ、終われねーんだろ……?」 宍戸や日吉と同じ輝きを、跡部はロビンの瞳に見ていた。 自分に敗れておいて尚、リベンジの機を窺うような輝きを。 譲れない想いを持つ者特有の意地を、スポーツマン特有の強すぎる我とプライドを。 だからこそ、こんなところで潰れていくのは許せないのだ。 「なら、終わるには早すぎるだろーが」 跡部は、理解している。 ロビンが何かしらの想いに囚われていることも、クマという生物に何らかの思い入れがあることも。 跡部の眼力の前では、そういうことも丸裸なのだ。 もう眼力っていうかエスパーでいいんじゃないかなこいつ。 「残念だが、跡部王国はここまでだ」 再び跡部を食い千切らんと迫るヒグマの顔面に、跡部が血の目潰しを叩き込む。 そしてすかさず鼻にエルボーを食らわせた。 そのファイトスタイルに、先程まで見て取れた回避の精神は感じ取れない。 「跡を継がせてやる気はねえ、お前はお前で勝手に自分の国を建てろ」 跡部の身に纏ったオーラが、次第に変質を遂げる。 合宿で追い込まれた真田弦一郎が、オーラを操ることでボールをありえない方向に移動させたように。 窮地に追い込まれ覚醒したオーラは、己だけでなく外部にまで作用する、物理判定のあるものへと進化する。 「そして聞かせてみな……お前だけの氷帝コールを…」 その中でも特別干渉しやすいのは、やはり己の一部だったもの。 今ならば、溢れんばかりに流れ出る血。 それが一番、操りやすい物質であった。 「これは……俺様だけの氷帝コールだ……」 身悶えるヒグマの耳に手を添えて、持てる力を注ぎ込んで氷帝コールを鳴り響かせる。 周囲にではなく、ヒグマの頭に直接的に、だ。 至近距離から頭蓋骨の中に直接響かせた最大ボリュームの氷帝コールは、クマの鼓膜を容易く破壊し、クマの世界から音を奪う。 跡部王国で鼓膜の破壊を確認し、跡部は残る生命エネルギーを全て自らのオーラ変質へと注ぎ込んだ。 「お前はお前で、見つけるんだ……自分自身の、自分だけのものを……」 跡部のオーラが、絶対零度の純白のソレへと変質する。 その圧倒的威圧感も手伝い、まるで吹雪の中にいるかのような錯覚すら引き起こす。 音も視界も奪われて、苦し紛れにベアハッグを跡部にかけたせいで、ヒグマがその冷気を誰より強く感じていることだろう。 「いや……野球選手なら、自分だけのコールじゃなく――――」 跡部の血が、パキパキと凍りついていく。 あまりの寒さに、ヒグマも堪らず丸まり始めた。 跡部は残る力でいくつかの手榴弾を打ち放つと、デイパックをロビンへと投げ渡した。 それは、今後投手として手榴弾で戦い抜くであろう友へと向けられたメッセージ。 「――――自分だけの、オリジナル変化球を、か」 その言葉に、虚ろだったロビンの瞳に色が戻る。 頭をガツンと殴られたかのような衝撃。 ずっと解けなかった数学の解法を分かりやすく教えてもらった時のような、そんな驚き(5歳児だから数学とか知らないけど) 「僕だけの……変化球……」 ロビンの胸に、ずっと居座り続けた影。目を背けていた現実。 それを、認めなくてはいけない時が、ついにきた。 友人達が必死に編み出した必殺技を、「強化してオリジナルに昇華したったwwww」などと言いながら、実際ただ盗んだだけ。 それを組み合わせ、翻弄し、戦っていたに過ぎないのだ。 ロビンはまだ、本当の『自分だけの決め球』で、親友と戦ってはない。 だからきっと、他の皆と違い、負けても爽やかな気持ちで敗北を受け入れるという気にならないのだ。 汗と努力の結晶でも何でもない変化球だから、打たれても素直に実力の差と受け入れられないし、気軽に使用し“軽い”ものとなってしまうのだろう。 打たれるのも、当然であると言える。 「そこから先は……自分で考えな……」 そう言うと、跡部はもう横目ですらロビンのことを見なかった。 終わりの時が近付いている。 最期の時に寄り添う相手がレディでなくヒグマというのは客観的に見て惨めだと言えるだろうが、まぁ致し方無いだろう。 絶対零度のオーラが体温を奪い、操られた微細な血の結晶体が痛覚を司る神経を破壊する(レントゲンまじ便利) 痛みも視界も音も失い、ヒグマはもう何も分からなくなった。 唯一感じるのは寒さだけ。 その寒さに丸まるしかないヒグマの体を、暖かなものが包んだ。 「いいぜ……一緒に寝てやるよ……一人ぼっちは寂しいもんな……」 まるで添い寝CDのようなデレを見せ、跡部がヒグマの頭を撫でる。 命を奪ってきた者に対するそれではなく、目いっぱいの愛情を込めた愛撫。 似たようなプレーをするだけでその選手だと錯覚してしまう事例があるのだ、視界を封じられたヒグマが、跡部様渾身の演技のせいで跡部様を母親ヒグマと勘違いしてしまうのも仕方あるまい。 ヒグマの心を安堵と安らぎが満たしていき、やがてソレは寒さと混ざり眠気へと変質した。 「冬眠(ヒュプノス)への子守唄(ララバイ)――――」 エターナルフォースブリザ跡部様。相手は寝る。 「……僕だけの国、僕だけの変化球、か」 目覚ぬ眠りに落ちた跡部の安らかな顔を見ながら、ロビンは呟く。 短い付き合いだったが、跡部は強い男だった。 傲慢な所があったが、勝負の過酷な世界で生き抜く強さを持った人だった。 甘ちゃんで、ぬくぬくと仲良しこよしの世界を生きてきた自分とは違う男。 そんな男に、言われたのだ。託されたのだ。 己だけの国を作り、己だけの変化球で、ヒグマと、そしてこの殺し合いを打ち倒せ、と。 「……いいよ、いいさ、やってやる」 今なら、冬眠をしたヒグマを殺すのは容易かろう。 しかし、ロビンはそれをしなかった。 それをすれば、殺し合いの参加者クリストファー・ロビンとして一勝を上げることはできても、野球に全てを捧げることを決意した投手クリストファー・ロビンとしては敗北したことになる。 寝ているだけのヒグマと、跡部の亡骸に背を向けて、ロビンは誓う。 絶対に、ヒグマにも、親友のプーにも、負けはしないと。 自分だけの魔球・ロビンスペシャルを完成させ、必ずや誇り高き勝利を得ると。 「例えそれが誤った道であろうとも。あの頃には決して戻れない、殺伐とした暗く淀んだ道であっても」 あの時、友人から盗んだ技で、えげつないほど自分に有利な勝負を挑んだ瞬間に、仲良しごっこは終わったのだ。 今の自分は、お人好しのクリストファー・ロビンではない。 投手としての喜びと欲望を得てしまった、100エーカーの森の頂点を狙う、一人の修羅と化した戦士だ。 毒を食らわば皿まで。井戸を落ちるなら、途中で止まるわけにはいかない。 例え多くを失ってでも、勝ち取りたいものがあるから。 「僕は、投手として、この殺し合いを切り抜けてみせる――!」 数奇な運命とでも言うのか。 跡部を殺め、ロビンの打ち倒すべき相手となったヒグマは、野球の象徴でもある『9』を名前に冠している。 その数字は、カンガとルーを1匹とカウントした場合、あの時野球に興じていた森の仲間の数とも一致していた。 まるで彼らとの思い出が、ヒグマに宿り目の前に立ちはだかっているかのようだ。 それでも、もう迷いはない。 あの頃の思い出も、ヒグマ9も打ち倒し、最後にはプーに真っ向から勝利する。 今のロビンの胸にあるのは、それだけだ。 白球に賭ける少年の戦いが、決意をあらたに、今、再び幕を開ける―― (この辺からイントロが流れ始める。テンテンテンテンテンーテレレーテンテンテンテンry) 「ロビン王朝(ダイナスティ)は、今この時より、僕から始まるッ!」 あーとーひとつぶのーなーみーd(省略されました。全部聴きたければJASRACにお金払って下さい) 【跡部景吾@テニスの王子様 死亡】 【森のどこか/深夜】 【クリストファー・ロビン@プーさんのホームランダービー】 状態 激しい怒りと屈辱感、右手に軽度の痺れ、全身打撲 装備 手榴弾×めちゃんこたくさん、砲丸 道具 基本支給品×2、不明支給品0~1 基本思考 成長しプーや穴持たず9を打ち倒し、ロビン王朝を打ち立てる 1 変化球を磨く ※プニキにホームランされた手榴弾がどっかに飛んでいきました ※プーさんのホームランダービーでプーさんに敗北した後からの出典であり、その敗北により原作の性格からやや捻じ曲がってしまいました 【穴持たず9】 状態 一時冬眠 装備 跡部様の抱擁 道具 手榴弾を打ち返したという手応え 基本思考 ヒグマすやすやでワロタなう 1 あったかくなったらまた会おう! ※冬眠してますが、別に倒されたわけではありませんし、刺激したら起きます。 No.040 一流の仕事 本編SS目次・投下順 No.042 Dream me No.040 一流の仕事 本編SS目次・時系列順 No.042 Dream me 跡部景吾 死亡 クリストファー・ロビン No.064 クリストファー・ロビンの決闘!ストラックアウト7 穴持たず9 No.086 あらしのよるに
https://w.atwiki.jp/ifheta2ch/pages/203.html
15 / 801-1000 804 名前: マロン名無しさん [sage] 投稿日: 2009/03/14(土) 17 20 29 ID ??? 1:以下、名無しにかわりましてオタクがお送りします[sage]:2007/06/27(日) 01 20 22 ID east/isLaNd やあぼくヒッキー 2:以下、名無しにかわりましてヘタレがお送りします[]:2007/06/27(伊) 01 21 19 ID south/ItalY こんにちは、私ミニートよ 3:以下、名無しにかわりましてフビンがお送りします[]:2007/06/27(普) 01 21 41 ID east/gErmanY ぼくはプーさんだよ 4:以下、名無しにかわりましてハイジがお送りします[sage]:2007/06/27(瑞) 01 22 04 ID Dasyon/BrnR 3人あわせて 5:以下、名無しにかわりましてオタクがお送りします[sage]:2007 06 27(日) 01 22 26 ID east/isLaNd デスニートランド 825 名前: マロン名無しさん [sage] 投稿日: 2009/03/14(土) 20 23 33 ID ??? 774 名前:雑談 投稿日:2009/01/04(日) 13 46 55 ID I/l0ve2D 三国同盟を組んでいた友人二人と集まる機会がありました。 戦後60年が経ち、会話の内容も平和そのもの。 カラオケボックス目指して街を歩きながらよい時代になったなあとしみじみ思いました。 話に夢中になるうち、気がつけば私を真ん中にして両脇にお二人という陣形。 友人は、一人はいかついムキムキ、一人はナンパな優男とタイプは違えど、どちらも気のいい若者です。 歩きながら「あれ、これって私、水戸のご老公みたいじゃないですか」と気が付き、 内心ニヤニヤ笑いが止まらなくなってしまいました。 ところが、ふと路地裏に目を遣るとなんだかヤバい雰囲気。 明らかにDQNな若者が五、六人で女性を取り囲んでいるようです。 げ、と思った瞬間に振り向いたDQNと目があってしまい、テンパってとっさに出た言葉が 「 や っ て お し ま い な さ い ! 」 途端、猛然と走りだすムキムキ。 昔取った杵柄というか、もう凄まじい勢いでDQNをのしてゆくムキムキ。素手。 もう助さんとか格さんとかそういうレベルじゃない。 あえて言うなら(助さん+格さん)×鬼若という勢い。 私も日本男児のはしくれ、手助けをばと思ったものの、 錆ついた修羅場明けの身体が動き出した頃にはDQN全員が昏倒していました。 後ろで響く「ヴェー! カッコイー! チャオ、お姉さん大丈夫ー?」という能天気な優男の声。 ええ、もちろん脳裏によぎったのはうっかり八兵衛でした。 830 名前: マロン名無しさん [sage] 投稿日: 2009/03/14(土) 20 38 11 ID ??? 57 揚子江名無しさん 2008/09/12(金) 21 42 47 何故か小さい頃、サッカーボールはパンダの卵だと本気で思っていたある。 だから3000歳の誕生日に上司に無理を言って買ってもらったある。 卵はあたためれば赤ちゃんが生まれる、という中途半端に正解な知識をもっていた我は、買ってきたサッカーボールをストーブの上にのせたある。 爆発したある。 834 名前: マロン名無しさん [sage] 投稿日: 2009/03/14(土) 20 43 14 ID ??? 108 ひよこりぼんさん 2009/03/14(列) 20 12 45 ID R1h+EsUt お聞きしたいことがあります 過去スレはどうしたら見れるのでしょうか? どうか教えてくださいまし 109 ひよこぼいんさん 2009/03/14(烏) 20 15 21 ID BOi1NbOM 専ブラ使えばDat落ちしたのも見られるよ 110 ひよこりぼんさん 2009/03/14(列) 20 18 51 ID R1h+EsUt ありがとうございます 度々申し訳ないのですが 専ブラはワンサイズのみでしょうか? 私は胸が小さめなので問題なく使えるか不安です 111 ひよこあんこさん 2009/03/14(日) 20 23 05 ID k19otrEk 大丈夫ですよ 私は男ですが問題なく使っています もしかしたらあなたのご家族もこっそり使っているかもしれませんね 112 ひよこぼいんさん 2009/03/14(烏) 20 28 19 ID BOi1NbOM 可愛いからいろいろ教えたいのに 教えたくなくなるジレンマが…… お姉ちゃんどうしたらいいかな? 841 名前: マロン名無しさん [sage] 投稿日: 2009/03/14(土) 21 11 08 ID ??? ハンガリーさんがドイツ家で暮らしていたかどうかの辺りはスルーで 61 既にその普憫は使われています 2009/03/14(土) 20 58 20 ID jaga21san これは俺ががまだ皆と暮らしていた頃、居候の坊っちゃんと騎馬民族女が出掛けて家に弟と二人きりになった時のだ。 暇だったので、二人でをかくれんぼしようということになった。 最初に俺が鬼になって、弟を捜し始めた。 そして、坊っちゃんと騎馬民族女の部屋に入り、洋服がたくさん掛けられてるタンスの中に手を突っ込んだ時、 いきなり手をグッと握られた。 俺は弟を発見したと思い、手を握ったまま引っ張りだそうとした。 「早く出てこいよ!」と言ってその手を強く引っ張っても中々出こない。 洋服が邪魔で中の様子は見えないし、全然喋らないからオカシイなぁと思い始めてきたころだった。 その時、背後から「兄さん、何をしているんだ?」と弟が現れたんだ。 俺は訳がわからなくなってその手を力一杯振りほどいて猛ダッシュで家の外に逃げ出した。 その後、二人が帰宅するまで家に入れなかったのは言うまでもない。 あの手は何だったんだろう… 851 名前: マロン名無しさん [sage] 投稿日: 2009/03/14(土) 21 39 26 ID ??? 69 本当にあった怖い名無し 2009/01/29(木) 19 02 23 ID igiriS1ri [sage] 自分でもどうかと思う今日の出来事 電車から降りたときに、手に持ってたケータイ線路に落っことしたんだよ 買い換えたばっかりだったから、壊れたかも!ってショックすぎて しばらく立ち止まって線路に落ちたケータイじーっと見てた けど早く行かないと会議間に合わないって思って、 仕方ないから駅員さん呼んでこようとしたら 友達が降りて取りなよって言ったんで、 周りに人いないしいっかーって線路に飛び降りた ケータイは壊れてなくて嬉しかったんだけど、登ろうとしたら思ってたより高くて、 ひとりじゃあがれなかった。やべーって思ってふと気づいた 友達と一緒にいなかったのに、いま友達だと思ってた誰かがいた 飛び降りたときからそういえば人の気配なくなってたんだよね 危ないだろなんで線路に降りてんだよ自分…もうマジでさーって血の気がひいた 根性でのぼって事なきを得たけど 無理したせいか右肩が痛いし… 863 名前: マロン名無しさん [sage] 投稿日: 2009/03/14(土) 21 59 37 ID ??? 457 パスタは名無しですか? 19XX/02/26(伊) ID Ve/1+aRy えっとね~、昨日俺とドイツと日本で晩御飯食べに行ったんだよ 多数決で日本ちにある日本料理屋さんに行ったー 日本のウエイトレスさん可愛いよね、 口説き落としてあの日本服脱がしたかったけど ドイツのムキムキに首締められてできなかったんだ ていうか俺まだやった事ないんだ!だからいつかやりたい! えっとそれでいっぱい食べたんだよ 美味しかったけどパスタは無かった(=ヮ=)残念 それでお会計になってさ、どうやって払うか俺ら決めてなかったんだよね~ 日本は自分が全部払うっていうし ドイツはそれなら割り勘の方が良いっていうし ヴェ~、だから俺は奢ってくれたお礼は何て言おうかずっと考えてた! 持つべきものはやっぱりお金のある友達だよねv(*=ヮ=*)v 874 名前: マロン名無しさん [sage] 投稿日: 2009/03/14(土) 22 31 13 ID ??? 28 誰? 2009/01/26(月) 20 56 45ID maple/Cnd 会議に来ない人がいる 彼には教えてないのに、出席している国で携帯を持っている人全員の携帯アドレスに、その人からメールが入る 教えている奴がいると、会議で大騒ぎになった 気味が悪くてアドレスを変えても、必ず届く 元々彼を毛嫌いしていた花飾りをつけている女の子が特に酷い被害にあっている 一日に100通以上入ってくる ある時、その子が「おかしいのよ、アドレス変えても来るの」といい、みんなの目の前で携帯のアドレスを変えた 新しいアドレスを知っているのはその場に居る者だけ 20秒も経たなかったと思う その子の携帯にメールが入った「コロコロアドレスかえんじゃねえ!」 誰も彼に教えていない テレパシーでも無い限りは無理 パニックになった すごく怖かった しかし本当に怖いのは ……僕のところだけ、彼からのメールがこない 899 名前: マロン名無しさん [sage] 投稿日: 2009/03/14(土) 23 30 38 ID ??? 910 名前:以下、名無しにかわりましてメイプルがお送りします:2009/03/14(加) 01 02 25.18 ID mApLekED 黒歴史とはちょっと違うかもしれないけど投下 随分前のクリスマス、兄弟にパーティーに呼ばれたのにあいにく遅刻してしまったんだ 急いで兄弟の家に向かっていると何やら人垣が 路上パフォーマンスかな?と思いながら 遅刻してるくせに好奇心に誘われるがまま見に行ってしまった まあ、よくはないけどよくあることだよね 覗いてみると人垣の輪の中心で男が二人喧嘩してたんだ 単なる路上ファイトならすぐこの場を去れた でも僕は動けなかった 二人の姿はあまりにも異様だった 一人は上半身裸のウェイター姿、もう一方の男は薔薇モザイクの全裸 聖なる夜をぶち壊しにきたとしか思えない異様さで クリスマスで浮き足立ってる人ですら彼らを見ると沈黙していた まあ、それ僕の元兄たちなんだけどね 兄弟の家に急いで向かってこのやるせない気持ちを分け合ったよ。 そのあと元兄たちが着替えもせずパーティーに乱入してきたんだ。 確かに楽しかったはずなのに未だに夢で見てうなされるのは何故だろう 967 名前: マロン名無しさん [sage] 投稿日: 2009/03/15(日) 01 02 14 ID ??? 捏造 4 名前:ハンバーガー名無しさん[sage] 投稿日:2009/03/15(米) 00 49 58 ID KYaMeriO 昨日イギリスと日本で飲みに行って、そのまま日本の家に泊まったんだけど 夜中に突然日本が爆笑しだすから、ものすごくびっくりしたんだぞ わけを聞いたら 「さっきのイギリスさんのジョークが、やっとわかりましたwww」 だって さっきも、俺が解説してやったときも笑ってたじゃないか! 意味がわからないよ! 15スレ目次
https://w.atwiki.jp/kirtar/pages/2.html
【主人公の一団】 〔主人公〕 ルシファー 種族:悪魔 性別:男 年齢:371歳 見た目年齢:29歳 人物像:生き別れの妹探しをしている、マリアから分離した片割れの存在 性格:恋愛フラグを乱立させる鈍感馬鹿紳士 容姿:紳士的なあご髭のイケメン。 身長174cmで喪服的なスーツを身に纏っており、人には見えない漆黒の翼が生えている。 イメージカラーは黒。 好きな物:ハンバーグ 嫌いな物:にんじん、ピーマン、コーヒー 武器:ディナイアルという魔法 〔ヒロイン〕 マリア 種族:天使 性別:女 年齢:371歳 見た目年齢:10歳程度 人物像:以前はルシファーと同一体だったもの。 一人称は某。 容姿:鉄仮面以外の外見は老若男女様々に変化するが、普段は寝癖のついた少し長めの金髪ショートカットの幼女。 白い片翼が生えていて、イメージカラーは白。 服装は大体の場合甘ロリ 好きな物:野菜類(得にトマト) 嫌いな物:脂っこいもの、甘いもの 武器:魔法による高圧水流 〔主人公の仲間〕 オリバ 種族:人間 性別:男 年齢:23歳 人物像:世界を渡り歩く商人であり、格闘技の天才 人間という身でありながら悪魔と天使に匹敵する実力を持つ 性格:良い人柄なのだが、お喋り 容姿:イケメン 武器:格闘技 シュー 種族:人間 性別:女 年齢:15歳 人物像:肉親をBAに殺された魔獣ハンター しかし、その実力はまだまだ未熟である 性格:BAへの憎しみで一杯だが、お調子者を演じている ギルに対してツンデレ 容姿:黒髪のセミロングで軽装の鎧を装備 武器:投擲用の短刀 ギル 種族:魔獣、人間 性別:男 年齢:17歳 人物像:シューのツッコミ役兼保護者。基本的に無口。 人工神計画における「神の器」の実験体として作られた、人間と魔獣の両方の姿を持つ存在。 本人は自分の事を純粋な人間だと思い込んでいる。 魔獣化すると梟人間のようになる。 性格:平和主義で命を奪うことを良しとしない 容姿:眼鏡を掛けた優男 武器:双剣 キュー 種族:人間 性別:男(の娘) 年齢:16歳 人物像:レジスタンス所属の情報屋、非戦闘員 性格:クール 容姿:少しつり目のショートカットでハンチング帽を被っている。 黒い男物の学生服の下にサラシを巻いており、パンツが可愛い。 【ブラックアベンジャーズ】 〔顔役〕 ベリアル 実年齢:94歳 見た目年齢:34歳 性格:クズでゲス 容姿:灰色マント 能力:相手の感情を操る能力 武器:大剣 〔四天王〕 ウリエル 性別:オカマ 実年齢:248歳 見た目年齢:27歳 性格:ツンデレ 容姿:深緑色の軍服 能力:触れた物質を塵に分解(破壊)する能力 武器:その身一つ アルン 性別:女 実年齢:138歳 見た目年齢:22歳 性格:残虐 容姿:ボロ布で胸や腰を覆う感じの露出度高めな野生児スタイル 能力:血を操る能力 武器:短剣 カイン 種族:魔獣 性別:男 実年齢:168歳 見た目年齢:24歳 性格:ナルシスト 大体の容姿:めちゃくちゃひらひらした服 能力:影を操る能力 武器:細剣 アルル 性別:女 実年齢:106歳 見た目年齢:10歳 人物像:元はアルンと同一の存在であったが、彼女の能力暴走により別離し個別の存在になる 現在は幼馴染み兼親友として過ごしている 性格:一見優しそうに見えるが、その裏には狂気があり、腹黒。 大体の容姿:美しい鎧 能力:怒りにより女型の巨大な生物で悪魔と天使の融合体、双方の力を使う事が出来る化け物に変身する 武器:敵が落とした武器など、身近にある物を使って戦う 〔BA最強の人物〕 バロン 種族:悪魔 性別:男 実年齢 1018歳 見た目年齢 18歳 性格:冷静でドS 容姿:全身黒色で長袖フード付きの真っ黒なコートを一年中着用 能力:水や氷を操る 武器:日本刀 〔BA真ボス〕 セラフィム 種族:悪魔でも天使でもなく、天使も悪魔をも超越した「何か」 性別:女 年齢:不明 性格:「神による絶対支配こそ救い」という価値観の持ち主で、慈悲に溢れている 容姿:男装の麗人、何処か神々しい美人 能力:重力操作 武器:雷撃をかたどったような槍 〔その他〕 リリム 種族:天使 性別:女 実年齢:300歳 見た目年齢:10歳 人物像:ルシファーとマリアの妹 その存在が人工神計画の鍵となる「神の器」である為に現在BAに捕獲されている それ故、分離後のルシファーとマリアとの接触歴はない 性格:優しいが抜けた所もある 容姿:ロリで金髪ツインテール 能力:人の潜在能力を引き出す 武器:杖 【レジスタンス】 〔リーダー〕 リュカオーン 種族:人間 性別:男 年齢:23歳 人物像:かつてBAに故郷を滅ぼされ、家族と婚約者を眼前で殺害される その後、親友を拷問によって殺害された そのためBAだけでなく人外の者すべてに強い憎しみを抱く 性格:冷静沈着で聡明。しかし作戦遂行のための犠牲をいとわない冷徹さも持ち合わせている 容姿:隻眼白髪 能力:一定範囲の魔術無効化
https://w.atwiki.jp/midnightanirowa/pages/111.html
思い出は奪われ、憎しみの熾火が燻ぶる ◆x/rO98BbgY 闇の中を、西へと駆け抜ける異形の影があった。 防弾効果があると判明したシルバースキン・アナザータイプで、再び全身を隈なく覆った姿はまさに白銀の怪人。 周囲に明かりなどない闇の中でも、そのいでたちは凄まじく目立つ。 彼こそは、己が正義を貫く漢キャプテン・ブラボー……ではなく。 クロマティ高校の一年生、神山高志であった。 先程、この殺し合いの島において"ゲームに乗った男"と初対決した彼は、自らが囮となる事で友を逃がし、今もまだ逃亡の最中にある。 実はその男――ジョゼッフォ・クローチェは既に追撃を諦めて、追って来てはいないのだが、生まれて初めて銃で撃たれた 神山は動揺しており、その事実には未だ気付いていない。 『ジョゼさんはこの殺し合いに乗りました! 一見すると優男に見えそうな自称イタリアの警官で複数銃を持っています! 近くにいる方は直ちに避難してください! 仲間がいるそうですが彼らも乗った可能性が極めて大きいです! ……背の高い男のジョゼッフォ・クローチェさんです! ……既に3人も殺傷しており僕も撃たれました! 皆さんは避難してください!』 だから、神山はジョゼを引き付けるため。 そして、周囲の無辜の人々に警告をする為に、拡声器を使いながら逃走し続ける。 『繰り返します! フゥ……フゥ……』 何度目のリピートであろうか。 走りながら、長台詞を吐き続けた神山の息は乱れに乱れ、チアノーゼに近い症状になりかけていた。 それに加えて、胸を衝く打撲の痛みに神山は呻く。 実際、逃走直後には、声も出せなくなったほどの痛みだ。 もう警告を終わりにして、逃走に専念したほうがいいんじゃないかと思えてくる。 (いや……そんな軽々しくやめる事は出来ない。 まだ林田君が逃げ切れたかどうか判らないし、こっちにジョゼさんを誘導している以上、この辺に人が残っていたら大変だ……) 弱音を吐きそうな心と体に活を入れ直し、少年は警告を続ける。 とはいえ、体力は有限だ。 いつまでもこんな事を続ける事が出来ない事くらい、神山とて承知している。 (……そもそも、警告が長すぎるんじゃないのか? 名前を入れた所で彼の仲間以外には判らないし、これは外してもいいか) 『一見すると優男に見えそうな……自称イタリアの警官が殺し合いに乗っています! ……複数銃を持っており、大変危険ですので……近くにいる方は直ちに避難してください! ……仲間がいるそうですが……彼らも乗った可能性が……極めて大きいです! ……背の高い男です! ……既に3人も殺傷しており僕も撃たれました! 皆さんは……避難してください! フゥ……フゥ……』 名前を削ってみた。 だが、まだ長い。 もっと短く纏めるにはどうしたらいいか、神山は酸素の足りなくなった脳をフル回転させる。 聞く人の立場になって、考えてみてはどうだろう。 仲間がいるなどと警告されても、誰がその仲間とやらなのか判らないし、ただの可能性の話だ。 不確定情報は、疑心暗鬼を招いてしまう。 だったら、これも削っていいだろう。 『背の高い優男風の……自称イタリアの警官が殺し合いに乗っています! ……複数銃を持っており、大変危険ですので……近くにいる方は直ちに避難してください! ……既に3人も殺傷しており僕も撃たれました! 皆さんは……避難してください! フゥー、フゥー』 ……まだ長くないだろうか。 そもそも、こんな荒い吐息混じりの長台詞に、真剣に聞きいる人がいるだろうか。 クロマティ高校の面子だったら、最初のワンフレーズを聞いてくれるかどうかも判らない。 ならば削るべきは……銃を持ってるとか、三人殺傷したとかの辺りだろうか。 具体的な脅威を明らかにするのは良いが、長くて聞いてもらえなければ意味がない。 『背の高い優男風の……自称イタリアの警官が……殺し合いに乗っています! 近くにいる方は……直ちに……避難してください! フゥー! フゥー!』 …………。 大分短くなったが、脅威を告げる文面を取り払った結果、なにやら台詞に緊迫感と迫力がなくなってしまった。 まるで緩み切った、学校の火災訓練の放送のようだった。 ここで必要なのは真実味を伴った鋭い警告と、ジョゼへの牽制だ。 ならば、もっとこの状況に相応しい一句があるのではないか……。 神山は走りながら眼を瞑り、考えを巡らせる。 額に皺が寄るほど、深く考え込み――そして、答えを得た。 『人殺しだあああああーーーーー!!』 一回の契約で出現する弾丸を全てを使いきった蘇芳は、一旦現出せしめたデグチャレフBTRDを消し去った。 そして対価を支払う為、素早くルールブックを破り取り、折り紙を作る。 チラチラと手元を見ながらも、蘇芳の視線が標的から離れる事はない。 蘇芳が居るのは、小さなビルの最上階だ。 幸いにも標的の少女はそこから見える範囲に留まり続けており、どこかへと逃げ込む様子はなかった。 それどころか狙撃手が攻撃を止めたとでも思っているのか、足を止めて休んでいるほどだ。 その驚くほど無防備な姿は、とてもあの恐るべき怪物たちと同じ種族には見えない。 「なにかの罠……それとも、ボクを甘く見ている?」 だが、それでも少女に弾丸を当てる事が出来ないのは、いつもなら観測手を務めてくれるジュライがいないからだ。 いつしか家族のようにも思っていた、幼いドールの少年。 最後まで蘇芳に寄り添ってくれた彼は、あのゲートの中で銀に殺されてしまった。 「ジュライ……ボクに力を貸して」 少年の面影を思い出しながら、再び蘇芳は対戦車ライフルを具現化させる。 胸の中から放たれた、ランセルノプト放射光が室内に満ちる。 その柔らかな光と共に現れた対戦車ライフルの二脚を窓の枠に載せ、立射の姿勢で長大な砲身を桃色の髪の少女へと向けた。 具現化させたばかりの薬室には、既に14.5ミリ弾が装填されている。 「これは黒の為なんだ……」 呟きに込められた意思に、揺るぎはない。 かつて価値観の定まらない子供のまま契約者となった蘇芳は、何を持って合理的とするかも定まらない、契約者らしからぬ契約者であった。 時に人間的な感情を判断基準とし、時に契約者らしい一面を見せる不安定な存在だった。 だがゲートでの戦いを経て、自らの想いに気付いた蘇芳には確固たる価値観がある。 黒が大好きだという、絶対の価値観がある。 だから黒の為になると思えば、契約者らしく人殺しをも辞さないのが今の蘇芳なのだ。 スコープの先の少女を見据えながら、トリガーに指をかける。 父や黒の教えを思い出し、これまでの射撃によって得られたデータから微調整を加えた。 僅かな手元のブレが、長距離を往く弾道に致命的な誤差を与えてしまう。 だから慎重に狙いを定めたかったのに―― 『人殺しだあああああーーーーー!!』 予期せぬ大音声に、身体が硬直してしまった。 付近一帯に響き渡ったであろう拡声器越しのその声は、まるで自分を名指しで非難しているかのようで。 契約者となった蘇芳の、まだ柔らかな心の一部をぎゅっと握り潰す。 カノンという少女を殺した時の感触が、グリップを握る手に蘇った。 気が付けば、いつの間にかトリガーが引かれていた。 マズル・ブレーキから炎と煙が噴き出し、チャンバーからは自動で空の薬莢が排出されていた。 マッハ3で飛び出した55口径弾は、既に蘇芳にはどうする事も出来ない。 固唾を呑んで、スコープの中の世界を凝視する。 命中した。 今まで蘇芳が当てる事が出来なかった弾丸は、偶然の助けを得て少女の右腕を撃ち砕いていた。 いや、それとも先の邪魔がなければ、胴体に当てる事が出来ていたのだろうか――。 ――どうでもいい。 重要なのは、敵にようやく打撃を与える事が出来た。ただ、その事だけだ。 蘇芳は無意識のままポケットの中から弾丸を取り出すと、チャンバーに押し込んだ。 ボルトを操作してチャンバーを閉鎖、新たな狙撃体勢を整える。 特大の弾丸の威力に、身体ごと吹き飛ばされた少女は、よろめきながらも立ちあがって逃げようとしている。 右腕が丸ごと無くなったというのに、血を流す事もなく。 「やっぱり、怪物じゃないか……」 どこかから、こちらの様子を見ているらしき声の主も気にかかったが、やはりこの怪物を放置しておく事は出来ない。 通常の相手なら致命傷とも言っていい傷を与えたが、恐らく今のダメージだけで死ぬ事はないだろうという確信があった。 『人殺しがいるぞおおーーーーー!!』 再び聞こえてきた叫び声を無視して、蘇芳はトリガーを引く。 背中を濡らす、冷たい汗が気持ち悪かった。 『人殺しがいるぞおおーーーーー!!』 先程から断続的に大気を振動させる、重々しい発砲音。 そして、拡声器を通して伝えられた警告の声。 それらを聞いて、ゲルトルート・バルクホルンの心中は平静ではいられなかった。 脳裏に浮かぶのは、この島で出会った少女の姿だ。 泣きべそを浮かべた幼い顔が、バルクホルンの頭の中で、戦火に倒れた妹の顔と重なってしまう。 「待ってろっ! 今、お姉ちゃんが行くからな!」 身体が青白く発光し、使い魔であるジャーマンポインターの耳と尻尾が生えてくる。 彼女の固有魔法は、自らの身体能力を強化するという極めて使い勝手の良いものだ。 追走する男の事など脳内から消え去り、バルクホルンは魔力で強化した脚力を持って爆走する。 「くっ、どこだナナッ! お姉ちゃんはここだぞ! ここにいるっ!」 焦燥が胸を焼き焦がす。 周囲に呼びかけながら、必死に幼い少女の姿を探した。 雑多に入り組んだオフィス街を駆け抜けて、見通しのいいメインストリートに出る。 耳朶に発砲音が大きく鳴り響き、バルクホルンは現場に近付いている事を知覚した。 「うわあああぁぁん、お姉ちゃーん」 「――ッ!」 と、その時であった。 バルクホルンは、探し求めていた少女の泣き声を耳にする。 朝靄の中に、よたよたと走ってくるシルエットがあった。 「ナナ!?」 バルクホルンは、思わず息を呑む。 そのシルエットには、何かが欠けていた。 服はボロボロになり、バルクホルンが与えた帽子を失くし、右腕を丸ごと喪っていた。 「ナナ!!」 駆け寄って抱き締めると、ナナはバルクホルンの腕の中で、ほっとしたように脱力する。 しかし――。 『人殺しだあああああーーーーー!!』 先程からずっと続いている拡声器の声を聞くと、ナナはびくっと小さく震え、身体を硬直させる。 そしてバルクホルンに対して、言い訳をするようにまくしたてる。 「ち、違うよ。ナナ、人を襲ったりしてないよ……。 ちゃんといい子にしてたのに、いきなり撃たれたんだもん。 ナナは何もしてないんだよ……ナナは……ナナは……」 「判ってるっ! 済まなかったな、一人にしてしまって……。 もう大丈夫だぞ。悪い奴は、お姉ちゃんがぶっ飛ばしてやるからな」 バルクホルンは、そんなナナの髪の毛を優しく撫でた。 ナナの四肢は、既に義肢である。 右腕を失っても、肉体的なダメージは特にないだろう。 だが、この純粋無垢な少女にとって、何の理由もなしに襲われたショックは如何ほどのものか。 バルクホルン自身も、そうしてナナと出会っただけに不憫に思う。 ナナの身体は、こんなにも暖かだと言うのに、なぜ化け物扱いされてしまうのか。 「――クソッ! ナナ、お前を苛めた奴はどこにいるんだ! わたしが――」 「ううん、もういいよっ! それより早く逃げよ? ナナ、もうここには居たくないよ……」 怒りに満ちた眼で周囲を見渡すバルクホルンに、ナナは逃亡を訴える。 あのクラスの銃弾は、ナナでは軌道を逸らす事さえ出来はしない。 自分はともかく、バルクホルンを巻き込んでしまうのが怖かった。 バルクホルンが、自分を見捨てたわけじゃないと判っただけで、ナナは満足だった。 「……そうか。ナナがそういうんだったら……」 バルクホルンとしては、こんな無法を働く人間を許せなかった。 どうやら犯人はスナイパーらしいが、このまま放っておいたら、また罪もない人間が傷付けられるかもしれない。 戦場においてスナイパーとは、それほど恐ろしい存在なのだ。 だが傷付いた少女を一人残して戦いに行く事など出来なかったし、冷静になってみれば、ここでこうして突っ立っているのも危険すぎる行為だ。 いつの間にか攻撃が止まっていなかったら、今頃二人とも頭を吹っ飛ばされていたかもしれない。 慌ててナナを建物の影へと引っ張り込みながら、バルクホルンは忘れものに気付く。 「あ、そういえば黒は……」 「黒?」 ここに来る前に出会った、一風変わった青年の事をようやく思い出し、バルクホルンは周囲を見渡す。 いない。 自分の指示通り倉庫に隠れたのか、それとも自己判断で逃げたのか。 それは判らなかったが、とにかく青年はいなくなっていた。 「あ……いや、なんでもない。行くぞ、ナナ」 ここから撤退した後、倉庫に行って彼と合流してもいいが、その場合はナナの説明をしなければならないだろう。 彼は温和な性格だったから、ちゃんと説明すれば面倒な事にはならないはずだが、ナナ自身が自分の素性を明かすのを嫌がるかもしれない。 もし、彼にナナを預ける事が出来れば、自分一人でさっきのスナイパーを倒しに行く事も可能なのだが。 バルクホルンはそんな事を考えながら、傷付いたナナを連れてその場から逃げ出した。 そして時間をかけて細い路地を進み、ある程度の距離を取り、ようやく人心地ついた頃、ナナがぽつりと呟きを漏らす。 「え……嘘。ルーシーさんの気配が――消えた?」 【一日目 G-4 市街地北部 早朝(放送間際)】 【ゲルトルート・バルクホルン@ストライクウィッチーズ】 [状態]:健康 [装備]:トカレフTT-33(14/15)@Phantom ~Requiem for the Phantom~ [道具]:基本支給品×1、予備弾装×4、ランダム支給品0~1(確認済) [思考] 基本:ナナと一緒に島を廻って危険人物を片付ける 1:倉庫に行き黒と合流するか、それとも―― 2:できれば芳佳を保護する 3:フラウやシャーリーは…あいつ等なら大丈夫だろ [備考] ※一期で芳佳が謹慎処分を受けた後から参戦 【ナナ@エルフェンリート】 [状態]:疲労(中)、右腕喪失(義肢なのでダメージはありません) [装備]:なし [道具]:基本支給品×1、ランダム支給品1~3(確認済) [思考] 基本:何とかして生き残って、蔵間(パパ)と再会する 1:ルーシーさん、まさか…… [備考] ※マリコとの対決後からの参戦 折り紙が、もうひとつ出来ていた。 やはり動く標的に当てるのは、中々上手くいかない。 先程の衝撃で軽い脳震盪でも起こしたのか、フラフラ走る標的は狙いにくかった。 『人殺しだあああああーーーーー!!』 「うるさいっ!」 続けられる罵声に悪態を返し、蘇芳はトリガーを引こうとして――止めた。 状況に少し変化があった。 標的の少女が、他の人間と接触したのだ。 (仲間? ……でも、角付きじゃないな) 犬のような耳としっぽ。そして、なぜかはいてない。 その人間は、桃色の髪の少女たちとは少し違う特徴を持っていた。 だが、普通の人間じゃない事だけは間違いない。 犬耳の少女が、桃色の髪の少女を抱き締める。 まるで姉妹のように仲睦まじい様子を見て、蘇芳の心が少し痛んだ。 蘇芳にもかつて居たはずの、そんな存在を思い出して。 (友達……それとも、家族なのかな) 怪物にもそんな存在がいる事を知った蘇芳であったが、契約者ならではの合理的な感性が、とあるアイディアを少女に齎した。 友釣りという戦術がある。 狙撃で傷付けた兵士を餌に、その仲間たちを次々とおびき寄せる非情なるスナイパーの戦術だ。 意図したわけではなかったが、今の状況はまさにそれだった。 心は痛んだが、躊躇いはなかった。 この状況を上手く生かせれば、他の角付きたちをも、おびき寄せる事が出来るかも知れない。 訪れた絶好のチャンス。 しっかりと狙いを定めて――。 「!?」 スコープの中を、黒い影が横切る。 驚いて顔を上げた蘇芳の前に、ロープアクションで窓から飛び込んできた男の姿があった。 「ヘ」 ヘイと、名を呼ぶ間もなかった。 頬に熱い衝撃が走り、蘇芳の軽い身体が、硬い床に叩きつけられる。 赤毛の三つ編みが、しっぽのように飛び跳ねた。 ジンと痺れるような痛みは、蘇芳にとって馴染みのあるものだ。 直ぐに黒に頬を張られたのだと気付き、上半身を起こす。 「何をしている。大人しく待っていろと言っておいたはずだぞ」 感情を見せない瞳。 だが、その口調には抑えきれない苛立ちを感じさせた。 そんな黒と視線を合わせながら、ちゃんと説明しなきゃと蘇芳は思った。 自分が事に及んだのには、ちゃんとした理由があるのだと。しかし。 「ボクは……」 『人殺しがいるぞおおーーーーー!!』 喧しい拡声器の声と、それに伴うハウリング音が、蘇芳の機先を制した。 伝えたかった言葉が胸の中で詰まり、蘇芳の唇を虚しく震わせる。 切れた口の中を、苦い鉄の味が満たした。 黒としても、いきなりこんな騒動を起こされたのは想定外だった。 失望したという、苦い気持ちが心中を占める。 自分の知らない記憶を持つ、蘇芳という少女の存在。 1945年を生きていたというウィッチの存在。 そしてなによりも、ここの空には本物の月と星があった。 夜空に瞬く偽りの星は、今や二つしかその存在を観測出来なかった。 あの軍人は、タイムトラベルかもしれないと言っていたが、アンバーの能力にしても、ここまでの状況を作り出せるとは思えない。 ゲートの中でなら、なんでも有り得るのかもしれないが、それにしてはこの世界は安定しすぎている。 ならば既にこの世界は、黒の知識だけでは判断出来ない代物だと言えるだろう。 そんな状況で、軽々しく主催者の言いなりになど、なれるものではなかった。 様々な事実を調査し、予断のない判断をしていかなければ生き残れはしない。 だというのに。 打放しのコンクリートの床には、契約の対価である折り紙が二つ。そして十を超える巨大な薬莢が転がっている。 窓の外には、寄り添いあいながら逃げていく二人の少女たちが見えた。 その内の一人は、隻腕となっている。 蘇芳の暴走は、明白だった。 これではただ、島に無用な混乱を齎しただけだ。 あの涙に、判断を曇らされたのではないかと、黒は思う。 人間らしさを残した契約者。 そんなアンバランスな存在に、黒はつい興味を抱いてしまった。 それが、間違いだった。 契約者は、所詮契約者でしかなかったのだ。 「黒……? どこに行くの?」 踵を返して部屋から出て行こうとする黒に、蘇芳が問う。 振りかえった黒は、知らない人間でも見るかのように蘇芳を見つめる。 「お前と一緒には、やっていけない。ここからは別行動だ」 「え……」 窓の外からは、相変わらず騒々しい拡声器の声が響いている。 そんな中で、蘇芳は絞り出すように黒に訴える。 「いやだ……いやだよ黒……。いつでも傍に居てくれるって、言ってくれたじゃないか……」 「そんな事、俺は知らない」 黒が部屋の扉を開ける。 蘇芳は、縋り付くように甘えた声を出す。 「いやだよ黒……。ボク、黒の作ったペリメニがまた食べたいよ……」 「そんな物、俺は知らない」 黒が部屋から出て行ってしまう。 蘇芳は、泣く寸前のような声で黒に尋ねる。 「別行動って……ボクは何をすればいいんだよ」 「何もするな。じっとしていろ」 扉が、強く閉まる。 黒は、行ってしまった。 残された蘇芳は、ぺたんこ座りで扉を見ながら、力なく呟く。 「……銀の所に行くの? 決着をつけたら、戻ってきてくれるんだよね?」 応えはない。 だが、蘇芳には判っている。 今の黒は、苦しみながらも銀と決着を付けようとしていた頃の黒ではない。 彼は、銀を探し求めて、そして――。 「やだよ黒……あんな奴のところになんて、いかないでよ……あいつは……」 紫苑を、そしてジュライを。 自分から奪っておいて、そして今度は黒をも奪おうというのか。 もう、自分には黒しか残っていないのに。 銀に対する憎しみが、蘇芳の中で膨れ上がる。 座った眼で扉を睨みつけていた蘇芳の視線が、何かに気付いたかのように部屋に備え付けの洗面台に転ずる。 そこでは、水滴を伝って来た観測霊が、蘇芳を見ていた。 それは半透明の、艶めかしい少女のラインを形作っていき、あの女のシルエットとなる。 「――ッ!!」 傍に転がっていたデグチャレフを、腕の力だけで振り回し、発砲。 至近距離から放たれた対戦車ライフルの威力は、洗面台を粉々に粉砕した。 「渡すもんか……あんたなんかに……」 黒に叩かれた頬が熱い。 今の蘇芳には、この痛みだけが残された黒との絆だった。 蘇芳は頬を擦りながら、黒の事を想う。 頬を流れる雫が、少しだけ熱を冷ましてくれた。 【一日目 G-4 ビル 早朝】 【黒@DARKER THAN BLACK】 [状態]健康 [装備]椎名の短刀×2@Angel Beats! [道具]基本支給品×2、ロープ@現実、フリーガーハマー(残弾70%)@ストライクウィッチーズ [思考] 基本:銀とともに殺し合いから脱出する 1:銀と合流したい 2:観測霊や時間を操る契約者(アンバー)との接触を図る [備考] ※一期最終回後から参加。契約能力使用可能。 ※蘇芳の事は別の時間から来たと考えています 【蘇芳・パヴリチェンコ @DARKER THAN BLACK】 [状態]疲労(中)、頬に腫れ [装備]なし [道具]基本支給品×1、特別支給品0~1個(確認済)、ルールブック2冊(黒と蘇芳)、核鉄@武装錬金 [思考] 基本:黒と旅を続ける 1:黒と一緒にいたい 2:銀を殺したい [備考] ※二期最終回、銀に魂を吸われた直後からの参加。 ※ルールブックのページを数枚消費 『人殺し……ガハッ、ゲホッゲホッ!!』 神山は、通過してきた周囲で起こった騒動にも気付かず、ひたすらに声を張り上げながら走っていた。 だが、もはや喉はからからで、今にも張り避けそうであった。 (そろそろ……警告を止めて、身を隠しても大丈夫かな?) 流石にこれ以上は無理だと思った神山は、拡声器を鞄に仕舞う。 本音を言えば、この暑苦しいコートも脱いでしまいたかったのだが、解除方法が判らなかった。 シルバースキンに覆われた素肌は汗だくで、蒸し風呂のように蒸れてしまって堪らない。 安全を確保したら、風呂にでも入りたいと少年は思った。 (林田君も、無事でいてくれるといいんだけど) 昇りつつある朝日が、この島を照らしていくのを感じながら、神山は一人、身を隠せそうな場所を探して走って行った。 【一日目 G-3 道路 早朝】 【神山高志@魁!!クロマティ高校】 [状態]:胸部に痣、疲労(大)、喉が痛い [装備]:核鉄「シルバースキン・アナザータイプ」@武装錬金、拡声器@現実 [道具]:基本支給品×1 未確認支給品0~1 [思考] 基本:この島から逃げる為に仲間と協力者を集める 1:僕の考えは正しかった! 2:一刻も早くメカ沢くんを手に入れる 3:このコートは防弾ジャケットだったのか! 備考:商店街方面へ逃走、拡声器を使用した為近くにいる人間に聞かれた可能性があります。 042 オープンウォーター 投下順に読む 044 嘲笑 時系列順に読む 037 我が良き友よ 神山高志 000 [[]] 041 倍額保険 蘇芳 066 留守番 黒 000 [[]] ゲルトルート・バルクホルン 000 [[]] ナナ
https://w.atwiki.jp/eb_tw3/pages/586.html
エンドブレイカーリプレイII“悪逆の仮面、探求者の系譜” エンドブレイカーリプレイ“悪逆の仮面、探求者の系譜”は2011年1月に発売されたランスブルグを舞台としたTRPGリプレイ第二弾。 GM及び執筆は清水一樹さん、イラストは些夜さん。プレイヤー・キャラクターは、ネム、シャノ、ラファエル、ケイスの4人。 注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関することが書かれています。 <<目次>> 概 要 あらすじ 舞台 登場人物 外部リンク 関連項目 概 要 2011年1月に発売されたリプレイシリーズの第二弾。 ランスブルグを縦横無尽に駆け抜けた第一弾と打って変わって、紋章院というランスブルグ独自の文化施設を舞台にミステリー仕立てのシナリオがメインに掲載されている。 この巻よりプレイヤーキャラクターのレベルが12に到達し、非戦闘アビリティが利用できるようになりその解説と、新ルール「キャンセル」の解説が書かれている。 あらすじ ある日ケイス宛の手紙がシルフィードに届く。 それはケイスの妹からの手紙であった。だが、その手紙を見るやケイスは旅支度を始めどこかへといってしまう。 同時にクローレ・ナナ・ジョナからの手紙も来ており、残ったメンバーはジョナ家の邸宅へと向かった。そこでパーティは紋章院で見つかった新領域に関する依頼を受けることになる。 舞台 山斬烈槍ランスブルグが舞台。 主に第二階層鉄壁の街“アカデミック街”にある紋章院が舞台となって物語は進められている。 紋章院馬上槍試合において選手が兜で顔を隠してしまうため、選手の識別のために発展した紋章学を研究する施設。紋章の中でも力のある紋章から魔力を引き出し奇跡を起こす能力を持つ“魔想紋章士”を養成する施設でもある。 登場人物 ◆プレイヤーキャラクター ネム・パユ爪の群竜士。通称「ネム」。辺境に住むパユ族出身のトライブの少女。好奇心旺盛で飛び回る猪突猛進元気娘の16歳。竜の呼吸が得意技すぎて、キャンセルというルールが出来た。 ライブラ・シャノワール暗殺シューズの魔曲使い。通称「シャノ」自称「死神」の16歳の少年。何かにつけて「美しいポーズ」をとっては場の空気を混乱させるムードメーカー。 ラファエル・サイネリアアイスレイピアのデモニスタ。通称「ラファエル」「レイン」という名の別人格の少女と身体を共有している14歳の少年。最年少なのだが、一番大人びているかもしれない。 ケイス・フラナガン鞭の魔法剣士。通称「ケイス」。荒っぽい風貌の24歳の青年。最年長ということでしっかりパーティを引っ張るが、よくネガティブになるので頼りになるのかならないのかわからない。パーティでただ一人ランスブルグ出身。 ◆NPC ニケ第三階層東部に拠点を置く運び屋、ポストマンワーカーズ・シルフィードに所属する元気いっぱいの少女。長い金髪をいつもはくくってまとめてる。 クローレ・ナナ・ジョナ貴族ジョナ家現女当主。貴族の鑑といわれるほどの人格者。馬上槍試合の腕も高い。真紅の鎧に鮮やかな赤髪が特徴的。 ゴードン1巻にも登場した第三階層南部で鍛冶屋を営んでいる親方。後継者をリュートとデュランのどちらにするか決めかねている。 エルザゴードンの娘。美人で気立てがよいと評判。栗色の長い髪の大人しめの少女。デュランとは幼馴染の関係。 デュランゴードンの弟子でリュートの兄弟子に当たる。筋骨隆々でいかつい体躯の男。エルザとは幼馴染。 リュートゴードンの弟子でデュランの弟弟子に当たる。細身で優男風だが筋肉は引き締まっている。 ジェフ1巻にも登場した鉱山で働く鉱夫、ゴードンと交流がある。普段は坑道の中で生活している。 アーニャ・フラナガンケイスの妹で魔想紋章士の15歳くらいの少女。鮮やかな銀色の髪をしていて、華奢な体躯だけど意思の強そうな瞳を持つ美少女。 ケルヴィン・フラナガンケイスの父で紋章院アカデミーの学院長。 ギリアム紋章院所属の魔想紋章士。遺跡調査隊のまとめ役でアーニャやコロネの上司に当たる。長身で高位の紋章士のローブを着ている。マイペースでだらしがなく頭はぼさぼさ、研究のこと以外が見えてなく頼りないという評判。バイロクスとは旧知で仲がよい。 バイロクス・イエーガー遺跡調査のため星霊術士協会から派遣されてきた星霊術士。ギリアムと同じく遺跡調査隊の星霊術士側のまとめ役。一際高位の術士服を着た長身の男。几帳面できっちりした性格の完璧主義者で少々神経質すぎると評判。ギリアムとは旧知で仲がよい。 コロネ紋章院所属の魔想紋章士。ショートカットの髪型でメガネをかけている働き盛りの研究員。歳は二十歳代半ば。調査隊に参加していてアーニャと仲がいい。 ザックスジョナ家より派遣されてきた騎士隊の隊長。 ヴァン義賊の男。 メディアミックス ランスブルク 小説 真の終焉へ導く者 リプレイ 天槍の街、空駆ける少女 → 悪逆の仮面、探求者の系譜 →→ 悠久の王都、福音を運ぶ者たち アマツカグラ リプレイ 神の都といばら姫 外部リンク エンドブレイカー!2011年新春インタビュー 関連項目 天槍の街、空駆ける少女 山斬烈槍ランスブルグ
https://w.atwiki.jp/yaruoperformer/pages/1778.html
/ニ二三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三{ / ̄~"'' ー `ヽ =ニ二三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三{ _{_____  ̄`ヽ {、 {ニニニ二三三三三三三/三三三三三三三三三二二ニ=-_、/ 、 } ', {ニニ二三三三三三三/三三三三三三三三三三三三三二ニ{______,. ヽ ‘, =ニ二三三三三三三{三三三三三三三三三三三三三ニ=/ } ', -=ニ二三三三三三i{ニ=\三三三三三三三ニ=\三ニニ} , ‘, __ \-=ニ二三三i{ニ={ニ=-_\三二\三三ニ=_、ニヽ三ニ{、ノ` ー,、 }_/⌒\ \ニ二三{ニ{∨= {\ニ=- \三ニ\ニ、ニ=-_ニ}三ニ=/ /∧ {へ 丶 ‐=ニニニニ/^N´iニ={ 、\=-_ \三ニ\\ニニi⌒V=/ ,//ニム  ̄ ヽ. r≦ニ三三三三| { .|i{ \{ \ \=_ \三斗ャ"\ニ|´ i/ //ニニ=_、 }! }=ニ三三三三ム .|i { 、__,,ヾ \ーz≦\|_,,ノ }=_! / ,//二ニニニ\ } |=ニニ三三三三ム V ,、  ̄ /ヽ _ \ ̄ ,リ}_|/z≦二ミ/ニニニニ/ ` ー――- _ / {ニ三三三三三三ヽV{\ }!Ξ / _,jI斗ャ≦/´ニニニニ/ i | ~ - { {ニ三三三三三三三ヾ{、 |i / / /ニニニニ/ | | } ,、ヾ"\ニ三三三三三三三 、 、 / ̄ ̄ ̄/〉ー=ニ=< ! | /_ - ― ''" \ニ三三三三三三ハ }〉 / //i | | /. ` -=ニ三ニ=- '"|i i |ヽ ____ ,厂/ // | | | / | |i i | ', ´ ___ / ./ // l | / / | |i i | .、 / / // | | ,/ / | |i i | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ヽ .//i| ! | / / ヽ | |i i |_/_ / V/i i | | |/ i / i | |i / "''< __ ヽ ' | |i i | i / / | | |{/ "'' \ ノ |i i | | / / 、 ! | / ~" - __ }/ | i i| | ,′ i 名前:石川五ェ門(いしかわ ごえもん) 性別:男 原作:ルパン三世 一人称:拙者/それがし 二人称:名前呼び 口調:真面目/侍口調 AA:ルパン三世/石川五ェ門.mlt 十三代目の石川五ェ門を名乗る剣士で斬鉄剣を用いた居合の達人である。 ちなみに名称も石川五ェ門で五右衛門ではない。(五右ェ門という表記はPART2などに見受けられる) アニメのファーストシリーズでは最初は殺し屋という立場のルパン三世の敵として登場し、 最終的に仲間になった。 ちなみにこの時期、不二子に篭絡されたこともあった。 シリーズを重ねることに殺し屋から優男キャラに変わっていった。 また一人称は「それがし」や「私」など安定しない。 「またつまらぬ物を斬ってしまった」が口癖。 しかし斬鉄剣でもこんにゃくは切断できないというエピソードがあるほか、他にも切断できなかったケースはある。 最初の映画である「VS複製人間」からして、敵の鎧で切っ先が折れており鎧自体は攻略せずむきだしの部分を斬撃することで勝っている。 ただやはりエピソードごとで違いがあり、特にTVSP「燃えよ斬鉄剣」では 「斬鉄剣以上の性能を持つ金属で作った絶対無敵のはずの航空機」を「完全に同じ場所を連続して斬る」という高い技量でもって両断している。 非常に真面目なキャラだが、コミカルな場面もいくつかある。 さらに謙虚なのかルパン一味でも身体能力は高い方だが、修行不足と呟くこともある。 ルパン曰く、何年か一度にやって来る拙者は未熟病。 AAは基本が27枚。うち全身の前・後ろ姿が1枚ずつ、後頭部1枚、座り姿1枚がある。 戦闘AAは14枚ある。 キャラ紹介 やる夫Wiki Wikipedia アニヲタWiki ニコ百 ピクペ 登場作品リスト タイトル 原作 役柄 頻度 リンク 備考 五右衛門は鉄仮面の謎を追うようです 清水義範「天正鉄仮面」 石川五右衛門役 主 まとめ rss 完結 あんこの城ラピュタ 天空の城ラピュタ ルパン一味 準 まとめ R-18 あんこ完結 ファイアーエムブレム グルニア流離譚 ファイアーエムブレム 紋章の謎 ナバール役、盗賊団の用心棒 脇 まとめ やる夫Wiki 誠は黒い医者と呼ばれるようです 手塚治虫「BLACK JACK」 「誘拐」に登場暗殺団の一員 脇 登場回 rssやる夫Wiki 完結 やる夫は怪物料理の名コックのようです オリジナル 吸血鬼の辻斬り 脇 まとめ やる夫Wiki 完結 短編 タイトル 原作 役柄 リンク 備考
https://w.atwiki.jp/negirowa2/pages/82.html
キャラクター別SS追跡表 マブラヴ 01/彩峰慧 No. タイトル 作者 登場人物 004 開戦 名無しさん 言峰綺礼、彩峰慧、衛宮士郎、厳島貴子、伊藤誠、戎美凪、イリヤスフィール 005 少女、一人 名無しさん 彩峰慧 038 アリス達の遊戯 名無しさん イリヤスフィール、彩峰慧、鑑純夏 040 Liar Girl 名無しさん 白銀武、鑑純夏、遠坂凛、彩峰慧 05/戎美凪 No. タイトル 作者 登場人物 004 開戦 名無しさん 言峰綺礼、彩峰慧、衛宮士郎、厳島貴子、伊藤誠、戎美凪、イリヤスフィール 012 ヘタレ少年! デコメガネ少女に会う 名無しさん 伊藤誠、戎美凪、菅原君枝 039 SuspendedBridgeEffect 名無しさん 伊藤誠、菅原君枝、戎美凪 044 吊り橋の果てに 名無しさん 伊藤誠、間桐桜、菅原君江、戎美凪 09/鑑純夏 No. タイトル 作者 登場人物 000 始まりの日 初代本スレ 1 衛宮士郎、柳洞一成、言峰綺礼、甘露寺七海、宮小路瑞穂、間桐慎二、白銀武、鑑純夏、御剣冥夜、小日向雄真 002 開戦直前 名無しさん 遠坂凛、美綴綾子、鑑純夏、鎧衣尊人、白銀武、御剣冥夜 007 いきなり出た『ハズレ』 名無しさん 鑑純夏 016 トリーズナー武 名無しさん 白銀武、鑑純夏、黒田光 038 アリス達の遊戯 名無しさん イリヤスフィール、彩峰慧、鑑純夏 040 Liar Girl 名無しさん 白銀武、鑑純夏、遠坂凛、彩峰慧 053 のぞきみユ~レイ!! 名無しさん 高島一子、タマちゃん、白銀武、鑑純夏 054 KISS×100 名無しさん 白銀武、鑑純夏 18/神代巽 No. タイトル 作者 登場人物 033 Dual 名無しさん 神代巽、氷室鐘、御門まりや、巴雪乃、上岡由佳里 24/香月夕呼 No. タイトル 作者 登場人物 017 香月ひとり並行世界調査班 名無しさん 澤永泰介、香月夕呼、西園寺世界 052 オレと彼女は主従なカンケイ 名無しさん 澤永泰介、香月夕呼、西園寺世界 30/榊千鶴 No. タイトル 作者 登場人物 026 願い事は何ですか? 叶えにくいものですか? 名無しさん 神宮寺まりも、榊千鶴、桂心、桂言葉 34/白銀武 No. タイトル 作者 登場人物 000 始まりの日 初代本スレ 1 衛宮士郎、柳洞一成、言峰綺礼、甘露寺七海、宮小路瑞穂、間桐慎二、白銀武、鑑純夏、御剣冥夜、小日向雄真 002 開戦直前 名無しさん 遠坂凛、美綴綾子、鑑純夏、鎧衣尊人、白銀武、御剣冥夜 016 トリーズナー武 名無しさん 白銀武、鑑純夏、黒田光 040 Liar Girl 名無しさん 白銀武、鑑純夏、遠坂凛、彩峰慧 053 のぞきみユ~レイ!! 名無しさん 高島一子、タマちゃん、白銀武、鑑純夏 054 KISS×100 名無しさん 白銀武、鑑純夏 35/神宮寺まりも No. タイトル 作者 登場人物 026 願い事は何ですか? 叶えにくいものですか? 名無しさん 神宮寺まりも、榊千鶴、桂心、桂言葉 031 「俺たちは本当に非情か?」 名無しさん 小渕みなみ、小日向雄真、遠坂凛、神宮寺まりも 058 フォレスト・イン・ザ・ダーク 名無しさん 神宮寺まりも、高峰小雪、渡良瀬準 38/涼宮茜 No. タイトル 作者 登場人物 014 涼宮茜の憤慨 名無しさん 涼宮茜、周防院奏、高峰小雪 037 ささやかな願い 名無しさん 涼宮茜、周防院奏、高峰小雪 042 禍福は巡る 名無しさん 涼宮茜、周防院奏、高峰小雪、渡良瀬準 44/珠瀬壬姫 No. タイトル 作者 登場人物 020 元暗殺者とたまと優男 名無しさん 葛木宗一郎、珠瀬壬姫、高溝八輔 043 黒き福音 名無しさん 高溝八輔、珠瀬壬姫、加藤乙女、黒セイバー、小日向すもも、小日向音羽 45/月詠真那 No. タイトル 作者 登場人物 023 メイドさんと大きな銃(+花火) 名無しさん 間桐桜、藤村大河、月詠真那 47/巴雪乃 No. タイトル 作者 登場人物 033 Dual 名無しさん 神代巽、氷室鐘、御門まりや、巴雪乃、上岡由佳里 57/御剣冥夜 No. タイトル 作者 登場人物 000 始まりの日 初代本スレ 1 衛宮士郎、柳洞一成、言峰綺礼、甘露寺七海、宮小路瑞穂、間桐慎二、白銀武、鑑純夏、御剣冥夜、小日向雄真 002 開戦直前 名無しさん 遠坂凛、美綴綾子、鑑純夏、鎧衣尊人、白銀武、御剣冥夜 028 誕生! 魔法少女? 名無しさん 御剣冥夜 050 誰かのために出来ること 御剣冥夜編 名無しさん 御剣冥夜、葛木宗一郎 60/鎧衣尊人 No. タイトル 作者 登場人物 002 開戦直前 名無しさん 遠坂凛、美綴綾子、鑑純夏、鎧衣尊人、白銀武、御剣冥夜 025 尊人オルタナティブ 名無しさん 鎧衣尊人、間桐慎二、小鳥遊圭、高根美智子 048 どきどきビーチ! 胸騒ぎの予感 名無しさん 鎧衣尊人