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■分類■ ==視床下部== ■性腺刺激刺激ホルモン ==下垂体前葉== ■成長ホルモンGH(←GHRH) ■性腺刺激ホルモンLH/FSH(←GnRH) ■プロラクチンPRL □甲状腺刺激ホルモンTSH(←TRH) □副腎皮質刺激ホルモンACTH(←CRH) ==下垂体後葉== ■オキシトシン ■バソプレシン □作用□ ==視床下部== ■性腺刺激刺激ホルモン ==下垂体前葉== ■成長ホルモンGH(←GHRH) 末梢組織でのIGF-1/2の発現調整 #somatropin=組み換え型ヒト成長ホルモン ターナー症候群(核型XO)や慢性腎不全の小児の成長を促す。 小児の遺伝病(ターナー症候群など)の治療に用いられる。 #メカセルミン =組み換え型ヒトIGF-1 IGF-1欠乏の小児に経口投与する。 □GHを抑制する薬物 末端肥大症acromegalyや巨人症の治療 ソマトスタチン・・・GH,グルカゴン,インスリン,ガストリンの分泌を抑制する。 長時間作用型として、オクトレオチドやランレオチド ドーパミンD2受容体アゴニスト・・・GHよりもプロラクチンの分泌をより抑制する。 ペグビソマント・・・GH受容体アンタゴニスト ■性腺刺激ホルモンLH/FSH(←GnRH) GnRH刺激薬・・・リュープロレリンleuprolelin(長時間作用型) リュープロレリンの継続的な投与により、内因性の性腺刺激ホルモンの分泌が抑制される。 適応 早発思春期など 副作用としては、顔面紅潮や骨粗鬆症がある。 GnRH阻害薬・・・ガニレリクスやセトロレリクス (排卵誘発を行なっている女性において)性腺刺激ホルモンの分泌を抑制する。 FSH卵胞刺激ホルモン 女性では卵胞形成 男性では精子成熟を促進 LH黄体化ホルモン 女性では卵胞形成・排卵・黄体形成 男性ではライディッヒ細胞に働きテストステロン分泌を促進する。 □治療法 女性不妊(排卵誘発) 卵巣過刺激症候群及び 多胎妊娠に注意 1.性腺刺激ホルモンの産出を抑制 2.FSH製剤(メノトロピンなど)で卵胞を成熟させる 3.LHまたはhCGを投与 男性不妊 LH及びFSHの投与 前立腺癌 リュープロレリン投与またはGnRHアンタゴニスト投与 1.性腺刺激ホルモンの産出を抑制 2.FSH製剤(メノトロピンなど)で卵胞を成熟させる 3.LHまたはhCGを投与 メノトロピン 閉経後女性の尿から精製したFSHとLHの混合物 ウロフォリトロピン 同じく尿から精製したFSH製剤 hCGヒト絨毛性ゴナドトロピン 胎盤由来のLH製剤 ■プロラクチンPRL 高プロラクチン血症(乳汁漏出)治療 →ブロモクリプチン 経口ドパミンD2受容体アゴニストである。(ドパミンはプロラクチン分泌を阻害する) □甲状腺刺激ホルモンTSH(←TRH) □副腎皮質刺激ホルモンACTH(←CRH) ==下垂体後葉== ■オキシトシン オキシトシンは下垂体後葉ホルモンであり、子宮収縮を効果的に刺激する。9個のアミノ酸からなるタンパク質で、視床下部室傍核で合成され、軸索輸送により下垂体後葉に輸送される。 ■バソプレシン VⅡ受容体↑→Gs→AC↑→集合管頂端膜にAQP2を誘導する VⅠ受容体は血管平滑筋収縮に関与している。 デスモプレシンはV2受容体選択的アゴニスト バゾプレシン受容体アンタゴニストである、コニバプタンなどは低ナトリウム血症やSIADHsyndorome of inappriate ADH secretionの治療に用いられる、 ☆覚えよう メカセルミン =組み換え型ヒトIGF-1 IGF-1欠乏の小児に経口投与する。 リュープロレリン(GnRH受容体アゴニスト)とメカセルミン(GnRH受容体アンタゴニスト)はともに性腺刺激ホルモンの放出を抑制するが、ガニレクスのほうが即効性が高い。 ブロモクリプチンはドーパミン受容体アゴニストであり、プロラクチンの作用を抑制するため、無月経や乳汁漏出症候群の治療に用いられる。 デスモプレシンはV2受容体選択的アゴニスト □到達目標□ 視床下部-下垂体内分泌 前葉 作動薬 阻害薬 GH ソマトロピン メカセルミン(IGF-1アゴニスト) ソマトスタチン オクトレオチド Gn リュープロレリン(GnRH誘導体) メノトロピンhMG(FSH+LH混合物) ウロフォリトロピン(FSH誘導体) フォリトロピンアルファ(FSH誘導体) hCG(LH誘導体) ガニレリクス(GnRH受容体アンタゴニスト) デガレリクス(GnRH受容体アンタゴニスト) プロラクチン ブロモクリプチン (ドーパミンD2受容体アゴニスト) 後葉 オキシトシン アトシバン ADH デスモプレシン コニバプタン ==下垂体前葉== ■成長ホルモンGH(←GHRH) ■性腺刺激ホルモンLH/FSH(←GnRH) ■プロラクチンPRL □甲状腺刺激ホルモンTSH(←TRH) □副腎皮質刺激ホルモンACTH(←CRH) ==下垂体後葉== ■オキシトシン ■バソプレシン □□甲状腺ホルモン□□ {要旨} 甲状腺に取り込まれたヨウ素イオンは甲状腺ペルオキシダーゼによりヨウ素分子に変換され、サイログロブリンthyroglobulinという足場タンパク上でサイログロブリンのチロキシン残基がヨウ素化され、モノヨードチロキシンMITまたはジヨードチロキシンDITが生成される。(ヨウ素の有機化) 2分子のDITからT4が、DITとMITからT3が形成される。 □甲状腺刺激ホルモン=サイロトロピン=TSHは、ヨウ素の取込みや甲状腺ホルモンの合成と分泌を促進する。 tyroxine(T4)とtriiodothyronine(T3)があるが、T3のほうが強力。 受容体を介して成長、基礎代謝を促進 Cf.病理 クレチン症 甲状腺機能低下 バセドウ病(グレーブス病) 甲状腺機能亢進 グレーブス病:TRH受容体を活性化する抗体が産出される。 □抗甲状腺薬 A.チオアミド系薬物 チアマゾールthiamazole プロピルチオウラシルpropylthiouracil ペルオキシダーゼを阻害する。すでに合成された甲状腺ホルモンには作用しないため、活性が見られるまで3-4w. プロピルチオウラシルは末梢におけるT4→T3の変換を阻害する。胎盤を通過しにくいため、妊娠患者に適応。 副作用:顆粒球減少症など B.ヨウ素塩(ルゴール液)I2+KI チロシンのヨウ素か及び甲状腺ホルモンの分泌を阻害する。 C.放射性ヨウ素131I 甲状腺に選択的に取り込まれて、甲状腺中毒症を永久治癒 D.陰イオンの阻害薬 臨床的には使用されない。ヨウ素輸送体を競合的に阻害 その他 β遮断薬プロプラノロール 甲状腺中毒患者の頻脈を改善 またT4→T3の変換を抑制する作用もある。 抗不整脈薬アミオダロン ヨウ素を含有し、末梢におけるT4→T3の変換を抑制する作用もある cfアミオダロンⅢ分類 Kチャネル(遅発性整流性)を抑制し、活動電位持続時間(APD延長)および不応期を延長する
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プレ内科01-25 プレ内科26-50 プレ内科51-75 プレ内科76-87 プレ内科88-94 プレ内科95-107 プレ内科108-124 問題116ですが、急性副腎不全に対していきなり甲状腺ホルモンを投与するのは禁忌ではないでしょうか。むしろショックの治療のためドーパミンなどを投与した方がいいと思うのですが。 -- COS (2007-11-05 22 35 50) 名前 コメント 問題108 c,e c レイノー現象、手指から前腕部にかけての皮膚硬化、胸部fine crackle聴取が強皮症様の所見、多発関節痛、汎血球減少がSLE様の所見、関節背面に落屑を伴う皮疹(ゴットロン徴候)がPM/DM様の所見。 以上からMCTDを疑う。 問題109 d a,e PP間隔が一定のP波が見えている、幅の広いQRS波はP波と連動していない ⇒VT、房室解離 問題110 b,e a,d Dx アルコール性肝硬変 問題111 a b,c Dx 多発性硬化症 問題112 b,c e 原発性アルドステロン症でも耐糖能異常を合併するらしい 本症例で最も可能性の低い疾患が、MIBIシンチグラフィーで集積を認める副甲状腺機能亢進症であると考えられ、設問2の正解は、e 問題113 e a,d Dx 急性心筋梗塞 問題114 b c,d Dx 肝癌 B型肝炎に由来する肝癌⇒CTで造影効果は門脈相で消失 3cm1個の腫瘍なので、根治的治療⇒ラジオ波焼却、外科的切除 問題115 d b,c Dx ラクナ梗塞 起床時発症で3時間以上経過している⇒tPAは使えない 脳梗塞なので発症早期の降圧は禁忌(梗塞層が広がる可能性があるので)。 抗血栓療法(オザグレルかアルガトロバン)、脳保護薬(エダラボン)を行う。 問題116 a,d a,d Dx Sheehan症候群 問題117 e? a,d? 胸部Xpで肺うっ血、身体所見でMR、ECGで陳旧性心筋梗塞 うっ血性心不全の増悪と思われる Forrester分類Ⅳなので、治療はカテコラミンと利尿薬か? 問題118 c,e b,e Dx 潰瘍性大腸炎 内視鏡所見は潰瘍性大腸炎に特徴的 潰瘍性大腸炎は腸管免疫が低下しており、CMV感染による腸炎を来すことがある。 本例では、UCそのものが増悪しているのか、CMVによる腸炎なのか、鑑別する必要がある。 問題119 a,c,d? a,b 朝倉などにあるガイドラインに照らし合わせて本問を考えると、 患者は10日間毎日発作があり、短時間作用性β2吸入薬が奏功するので、重傷度分類のステップ3(中等症持続型) 「治療としては、吸入ステロイド+吸入LABA(長期間作用性β2吸入薬)。更に、発作時の治療として、短期間作用型β2吸入薬を頓用する」 解答がa,c,dの3つになる。 →これについてM山先生にききました。 最終的には「不適切問題でした。すみません」とのこと。 出題の意図としては指摘のとおり、この段階はSTEP3の段階で治療としてはステロイド+LABA。ただしLABAは単剤投与で予後が悪くなるので、選択肢としてc.は単剤投与のことを意図したつもりであったので×としたかった。こちらの意図が伝わっていなかった、すみません。 喘息の有病率は乳幼児を中心に増加中 アスピリン喘息はCOX阻害したときに相対的にLOX経路が活性化し、LTによって喘息を生じるもの 喘息死亡率は順調に低下中 →これもM山先生に。 b.e.の選択肢だが、b.の「増加」は誤りとはできない。またe.の横ばいは減少傾向であるので「正しい」とはできない。よってb.○e.× by andy! 問題120 d,e e Dx 血栓性血小板減少性紫斑病 紫斑、溶血、破砕赤血球、腎障害がポイント 溶血で血中ハプトグロビンが低下 ADAMTS13活性の低下がTTPの原因らしい 参考 問題121 a c,d 急性の「血性」下痢を伴う場合は、前処置なしで大腸内視鏡を施行する 年齢からDDx 感染性腸炎、虚血性大腸炎 問題122 b b Dx 特発性間質性肺炎 肺活量低下、一秒率正常、拡散能低下を選ぶ 特発性間質性肺炎の経過観察に適する検査は、ゴールドスタンダードは「FVC」 CRPは不適。 血清マーカーとしては、KL-6はとてもよい。SP-Dは感度が低いので、あまりよいものではないが、使用することもある。⇒bが○ 問題123 e e Dx 腎不全による高K血症 高K血症でT波増高、QRS延長、(QT短縮) 高Kではハリソンなど多くの本でQRS延長をきたすと書いてある。 QT短縮と書いてある文献もあるが、数は少なく権威付けが弱いので、一応QRS延長を正解としておく。 ACE-IはRAA系を抑制しK↑なので× (教授からの回答) 高K血症は、テント状T波のほかには、一般には各部位での伝導遅延を引き起こし、心電図ではこれを反映する変化が出ます。 QT時間(あるいはQTc時間)の変化は必ずしも一定ではなく、正常であり、ときに短縮することがあります。短縮は活動電位持続時間が短くなるためですが、心室内伝導遅延が生じますから、多くの場合にはQT時間短縮はみられません。 上述の理由により、最も蓋然性が高い、QRS幅延長を正解としたいと思います。 問題124 b,d c Dx 慢性骨髄性白血病 経過が長い、白血病裂孔がないことからCMLを疑う 骨髄染色体でt(9;22)、NAPスコア↓が特徴 治療はイマチニブ(商品名グリベック)
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Non-hereditary SCD OPCA(MSA-OPCA type) OPCA=olivo pontine cerebellar atrophy MSA=multiple system atrophy SCDの1/3がMSA-OPCA type 1)S S 40~60歳 小脳症状から初発 歩行障害,失調性歩行 進行とともに上肢の失調,眼振,緩徐言語,断綴言語 2~5年後にSNDのパーキンソニズム(SND=striatonigral degeneration) 筋固縮,動作緩慢,立ち直り反射障害,振戦,自律神経系症状,仮性球麻痺 2)Dx,DDx 小脳失調あり,家族性なし,MRI,CTにて橋底部の著明な萎縮 晩発性小脳皮質萎縮症は橋底部の萎縮なし 症候性小脳萎縮症(アルコール,癌,フェニトイン,甲状腺機能低下)では画像や病歴や生化学検査で鑑別 遺伝性SCDで家族歴が不詳の場合は難しい.特にSCA3/MJD,DRPLA遅発成人型(不随意運動,橋被蓋萎縮)との鑑別 3)治療 著効するものなし. TRH注射がある程度有効. パーキンソニズムには抗パーキンソン薬→効果は期待できない 起立性低血圧→ShyDragerに準じて 晩発性小脳皮質萎縮症Late cortical cerebellar atrophy;LCCA 小脳失調が主症状,病理的に小脳皮質と下オリーブ核の変性,橋底部は保たれている(cf.MSA-OPCA type) 遺伝タイプはSCA5,6,10で」弧発型をLCCAと定義する. 1)S S 30~74歳 失調性歩行が初発症状,wide-based,体幹の動揺 進行すると上肢の失調症状,緩徐言語が出現.錐体外路徴候は(-) DTRは+から++ 2)Dx,DDx 上部虫部の萎縮あり,橋底部にはなし MSA-OPCA typeは橋底部の萎縮あり. 二次性cortical cerebellar atrophyとの鑑別はとくにアルコールが難しい.アルコール性は上肢の失調性症状なく指鼻試験は上手で飲酒歴がある. DTR亢進の時は大孔付近の腫瘍,Chiari奇形,頭蓋底陥入症,延髄腫瘍などと鑑別.これらではdown beat nystagmusが出ることも. adrenoleukodystrophyで小脳失調と錐体路徴候が出ることも.副腎機能,白血球極長鎖脂肪酸測定. 3)治療 MSA-OPCA typeに準じる 二次性cortical cerebellar atrophy 1 アルコール性小脳変性症 2 抗てんかん薬フェニトインなどによる薬剤性小脳変性症→他にリチウムや5-FU 3 内分泌疾患に伴う小脳失調→甲状腺機能低下症など 4 paraneoplastic cerebellar degeneration;PCD→抗Yo抗体など Hereditary SCD SCA1(spinocerebellar ataxia 1) 東北北海道に多く西日本に少ない. 6p22-23 SCA1gene→ataxin-1 CAG tripletで表現促進現象,父由来優位 1)S S 30~40歳 小脳失調,DTR亢進,害元金麻痺,嚥下障害 進行するとamyotrophy 錐体外路症状(動作緩慢,固縮,ジストニー) 2)Dx,DDx 家族歴で疑われれば遺伝子診断. 出身地も重要. SCA2,3と鑑別 SCA2 キューバHolguin地方,日本では少数 12q23-24.1→ataxin-2 CAG repeat 1)S S 成年期に小脳失調で発症 緩徐眼球運動とDTR低下あり,眼振はまれ,感覚優位の末梢障害も 進行期には痴呆,錐体路徴候・筋萎縮,顔面・舌の攣縮,舞踏様運動など 2)Dx,DDx SCA1,3との鑑別 SCA3/Machado-Joseph disease(MJD) アゾレス諸島だけでなく日本や欧米でも頻度の高い病型 14q24.3-32.1→MJD1 CAG repeat 病理的には小脳歯状核,赤核,GPi,ルイ体,SN,pontin nucleus,橋被蓋,gracile cuneate nucleus,motor cranial nerve nucleus,脊髄ではClark柱神経細胞,脊髄小脳路,脊髄前角運動神経細胞が障害される. 臨床型から4型に分類される(タイプⅠⅡⅢⅣ) 1)S S びっくり眼,外眼筋不全麻痺(眼球運動障害あり,瞳孔異常はない),全身の筋萎縮はあるがALSのような高度の筋力低下はない.開眼障害.舌と顔面にfasciculation-myokymia,手足と顔面にジストニー タイプⅠ 20~30歳で発症 錐体・錐体外路症状,びっくり眼,眼振あるが外眼筋麻痺なし タイプⅡ タイプⅠとⅢの中間で最も頻度が高い,眼振はないがslow saccadic タイプⅢ 40~60歳発症 緩徐進行性の小脳症状と末梢神経障害,眼振と外眼筋麻痺と複視 タイプⅣ 少ない レボドパ反応性のParkinsonismと末梢神経障害 2)DDx SCA1,2が鑑別. SCA4 ユタ州.日本では報告なし. 16q 病理では小脳と脊髄後索に病変. 1)S S 小脳失調,錐体外路徴候,感覚神経軸索変性, SCA5 リンカーンの従兄弟の家族 11c番染色体にSCA5geneがあるとされるが未同定. poly-Q 母親からの促進現象あり 1)S S 成年期,失調性歩行が初発.他に臨床症状は一般に認めない. MRIで小脳萎縮あるが脳幹萎縮なし 2)DDx SCA6と鑑別,SCA6は頻度が高く,遺伝子同定されている. SCA6 Hereditary cortical cerebellar atrophy(HCCA)の半数を占める. 西日本ではもっとも多いタイプ,東日本ではSCA3に次いで. Holms型皮質性小脳萎縮症と分類されていたもの. α1A電位依存性Caチャネル遺伝子(CACNA1A)のC末近くのCAGリピートの異常伸長だが比較的少ないリピート. 表現促進名ははっきりしない.purkinje細胞に特に発現. CACNA1遺伝子はリピート以外の変異では家族性片麻痺性片頭痛,反復発作性失調症の原因となっている. 1)S S 成人発症,平均45歳,純粋小脳変性症. 歩行失調が初発であることが多い.他に四肢の失調,構音障害,水平性注視眼振,書字障害, 2)Dx,DDx MRIで小脳に限局した萎縮.発症年齢.リピートは比較的少ない. 純粋小脳変性症を呈するSCA5,10,11,16が鑑別にあがる. SCA7 3p12-13にSCA7gene CAGリピート 表現促進 欧米に多くアジアに少ない 1)S S 乳児期から高齢まで。平均は20~30歳、緩徐進行性。 黄斑・網膜変性と小脳失調、緩徐眼球運動あるが、眼振少ない。まれに舞踏病様不随意運動、精神障害。 MRIでは小脳と脳幹の萎縮。 病理でPurkinje細胞、顆粒細胞、歯状核、橋核、下オリーブ核に神経脱落。 2)DDx 小脳失調と黄斑変性を進行性視力障害を認めた場合はSCA7を強く疑う。 有効な治療方法なし。 SCA8 13q21 SCA8gene,CTGrepeat? 1)S S 18歳~65歳 構音障害、不安定歩行、緩徐進行。 MRIで小脳虫部と皮質の萎縮、脳幹部intact SCA10 メキシコのみ。 22q13-qter,intron9 pentanucleotide repeat 1)S S 14~44歳、小脳症状と痙攣。血液、肝臓、心臓にも異常を認めることも。 SCA11 British 15q14-21.3 gene未単離 小脳症状、水平方向性眼振、四肢失調 SCA12 5q31-33,CAG repeat 5歳~55歳、小脳症状、上肢振戦、頸部振戦 進行例で痴呆やパーキンソニズム SCA13 フランス 19q13.3-13.4 gene未単離 4歳~61歳 幼児発症では焦点発作や知的障害 SCA14 日本 19q13.4-qter gene未単離 27歳以下で失調とミオクローヌス、39歳以上で純粋な小脳失調。 SCA16 8q22.1-24.1 gene未単離 20~66歳 純粋な小脳失調、頭部の振戦 SCA17 日本 TATA-binding protein遺伝子内のCAGリピートの異常伸長。 19~48歳 パーキンソニズム、体幹・四肢のジストニーあり、眼球運動障害なし MRIで小脳と大脳の萎縮 DRPLA
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平成17年8月31日判決言渡 平成15年(ワ)第17363号 損害賠償請求事件 判決 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 被告は、原告に対し、1557万9493円及びこれに対する平成15年9月3日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 本件は、原告が、声が出しづらいとしてA病院(当時)を訪れ担当医師から甲状腺腫瘍と診断されて手術を受けたが、手術後に頸部の違和感及び圧迫感並びに甲状腺機能低下等の後遺症を発症し、これらは担当医師が穿刺吸引細胞診を実施して手術適応を判断することを怠ったことにより手術適応を誤った過失又は担当医師には原告に対して十分な説明をしなかった過失があるものと主張して、上記病院を管理する被告(上記病院は、本件の診療がされた当時は国が設置管理していたが、平成16年4月1日以降、被告が承継した。)に対し、診療契約上の債務不履行に基づき、損害賠償金及び訴状送達の日の翌日である平成15年9月3日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を請求している事案である。 1 前提となる事実(認定の根拠となった証拠等を()内に示す。直前に示した証拠のページ番号等を〔〕内に示し、さらに特定する場合は〈〉内に示す。以下同じ。) (1) 当事者 ア 原告は、昭和25年2月1日生まれの女性であり、平成11年7月5日から、神奈川県相模原市所在のA病院(初診当時の名称。以下「被告病院」という。)の耳鼻咽喉科において甲状腺の診療を受けた(争いのない事実)。 イ 被告は、独立行政法人国立病院機構法(平成14年法律第191号)に基づき、平成16年4月1日に成立した機構である。被告は、同日当時国立病院であった被告病院を国から承継するとともに、同法附則5条及び独立行政法人国立病院機構法施行令(平成15年政令第516号)附則4条の規定に基づき、本件訴訟を国から承継した。(裁判所に顕著な事実) (2) 診療経過の概略 診療に関する事実経過は、別紙「診療経過一覧表」に記載のとおりであり(同表のうち、「診療経過」欄のゴシック体部分以外は当事者間に争いがない事実であり、診療経過に関する原告の主張は「原告の反論」欄に記載のとおりである。)、その概略は次のとおりである。 ア 原告は、声が出しづらくなったとして、平成11年7月5日、被告病院耳鼻咽喉科の診察を受けた。その際、B医師(以下「B医師」という。)が原告の診察を担当した。(争いのない事実) B医師は、問診及び触診を行ったところ、甲状腺腫瘍が疑われたため、血液検査、生化学検査、免疫血清検査、尿検査、聴力検査、頸部超音波検査及びX線検査を施行し、CT、MRI及び甲状腺シンチグラムの検査予約をした(乙A1〔1ないし5、10ないし17、35〕)。 イ 原告は、平成11年8月30日、被告病院に入院し、翌31日、B医師(術者)、C医師、D医師及びE医師の担当のもと、甲状腺亜全摘出術(以下「本件手術」という。)を受けた。この際、原告の甲状腺左葉全体(15グラム)が摘出され、右葉からは嚢胞性腫瘍1個が甲状腺実質をつけて摘出されたほか(5グラム)、硬い腫瘤2つを周囲の組織ごと(1グラム)が切除された。(争いのない事実、乙A2〔4、8、21、22、26、29ないし33〕) (3) 手術後の状況 原告は、被告病院を退院後も、体調の不良を訴えて被告病院を外来受診していた(争いのない事実、乙A1)。現在は、F医院に通院し、「腺腫様甲状腺腫・甲状腺右葉切除後」との同病院の医師による診断のもと、甲状腺ホルモン剤であるチラーヂンS錠50を服用している(甲A1、A2、原告本人〔31〕)。 2 争点 (1) 原告に対する甲状腺腫瘍摘出手術の適応の有無 (2) 原告に対する説明義務違反の有無 (3) 上記各過失行為と損害との間の因果関係の有無(判断する必要がなかった争点) (4) 損害額(判断する必要がなかった争点) 3 争点についての当事者の主張 別紙「主張要約書」(これは、平成17年9月13日の本件第6回弁論準備手続期日において当事者双方が陳述した争点整理案を基本とし、その後の当事者の主張を付加したものである。)記載のとおりである。 第3 当裁判所の判断 1 事実関係 証拠等によれば、次の事実が認められる。 (1) 初診時(平成11年7月5日)の診察と検査 ア 原告の主訴 原告は、問診票「3.声がかれる」の項目を丸で囲むとともに、B医師からの問診に対しても、3か月前からしゃべりすぎると喉が詰まったり声が嗄れると訴えた。(乙A1〔4、35〕、A15、証人B〔1〕) イ 視診の実施 これに対し、B医師は、内視鏡等により検査を行った。その結果、声帯の動きは正常であり、反回神経麻痺はなく、よって、反回神経に対する癌の浸潤は認められなかった(乙A2〔2〕、証人B〔25〕)。 ウ 触診の実施 さらに、B医師は、原告の頸部の触診を実施したところ、甲状腺の左葉に嚥下とともに挙上する腫瘤に触れた(乙A1〔4〕、乙A15〔2〕)。 この点に関し、原告は、B医師が触診をしようとはしたものの実際にはしなかった旨を述べる(原告本人〔16〕)。しかし、乙A第1号証・4頁には、首の付け根の当たりに丸印が付され、「?」との記載があることから、通常であれば医師が何らかの診察によって当該部位に異常の存在する可能性を認めたものと考えられるし、B医師が触診をしようとしたところ原告が「甲状腺」と発言したため結局触診をせずに他の検査をしたという原告の供述内容自体も、そのような発言自体が唐突で不自然であり、医師が原告の同発言のみを根拠に実施しようとしていた触診を省略したというのも不自然かつ不合理であって、結局、B医師が触診をしなかったという原告の供述は信用できない。 なお、原告は、乙A第1号証・4頁の頸部の記載の直下にはエコーの記載があること、乙A第2号証・3頁に「喉の違和感のため、当科を受診した。エコーにて甲状腺腫瘍を指摘された」と記載されていることなどを根拠に、触診は実施せず、超音波検査(エコー)によって腫瘤を発見したものであると主張する。しかし、甲状腺の腫瘤の検査方法としては、検査のための器械・器具を何ら必要としない触診が最も容易な検査手段であるし、乙A第1号証・4頁におけるエコーに関する記載は頸部に関する記載の直下にあるとは言い難く、また、乙A第2号証・3頁の記載についても、超音波検査の結果として甲状腺腫瘍が指摘されたことをもって触診を実施しなかったということはできず、原告のこの主張は採用できない。 エ 血液検査等の実施 そこで、B医師は、血液検査、生化学検査、甲状腺機能検査、尿検査、聴力検査並びに甲状腺及び喉頭のX線検査を施行した。これらの検査のうち、前五者(血液検査ないし聴力検査)については異常が見られなかった。 オ 超音波検査の実施 B医師は、上記と同様に、原告の甲状腺について超音波検査を実施した。その結果、B医師は「甲状腺左葉の中ないし下極にかけて充実性の腫瘍を認める。内部は一部cystic(嚢胞性)になっている。また周囲には多数のcystic lesion(嚢胞性病変)あり。右葉中極から下極にかけて嚢胞性病変を認める。左葉の充実性の部分は血流に富んでいる」旨、すなわち、右葉中部に腫瘤を、左葉に嚢胞性部分及び充実性部分をそれぞれ認め、それぞれについて次の所見を示している。すなわち、右葉中部の腫瘤に関しては、内部エコーはほぼ均一で嚢胞性、境界は明瞭、底面エコーはやや増強、被膜は保たれており、被膜外への進展はない。左葉の腫瘤に関しては、内部に嚢胞を伴った左葉の大部分を占める充実性の腫瘍を認める、充実性部分には部分的に高エコー帯が認められる、正常甲状腺との境界はやや不明瞭、底面エコーは増強。(乙A1〔4、10ないし16〕、A6の1ないし5、A13〔1〕、A15〔2〕、証人B〔1ないし3〕) (2) 2回目の診察日(平成11年7月26日)までに施行したその余の検査とその所見 ア 甲状腺シンチグラム検査(乙A1〔18、19〕) (ア) 被告病院は、B医師からの依頼に基づき、原告について、平成11年7月12日、甲状腺シンチグラム検査(Tc-99m 04-)を施行した。この結果について、被告病院放射線科のG医師及び同H医師は、「甲状腺右葉中部から下極、左葉中部及び下極外側及び内側にcold nodule(コールド結節)を少なくとも4個認めます。左葉への集積は全体に右葉より低下しています。Tl-201 CIによる甲状腺scanも施行して下さい。」との所見を得、被告病院は「多発性甲状腺腫瘍」であるとの診断をした(乙A1〔18〕)。 (イ) 被告病院は、原告について、平成11年7月19日、甲状腺シンチグラム検査(Tl-201 CI)を実施し、この結果について、被告病院放射線科のG医師及び同H医師は、「甲状腺左葉中部から下極にかけてcold noduleを認めます。甲状腺右葉の上極、中部にcold noduleを認めます。左葉の中部(ほぼ左葉の正中)にはRI集積の高い部分を認めますが、明かなhot noduleは指摘できず、早期像と遅延像の比較でも洗い出しは均一と考えます。」との所見を得、被告病院は「甲状腺嚢腫疑い」であるとの診断をした(乙A1〔19〕)。 イ CT検査 被告病院は、原告について、平成11年7月19日、頸部CT検査を実施し、被告病院放射線科のI、H及びJ医師は、「#甲状腺左葉中部に円形のmass lesion(腫瘤性病変、証人B〔28〕)が見られます。辺縁には充実成分がみられ、また内部に石灰化がみられます。明かな被膜外への進展はみられません。」、「#甲状腺右葉(乙A1〔20〕には「左葉」と記載されているが、右葉に関する記載がないことと乙A13の記載と対比すると、「右葉」の誤記と認める。)中部にもmass(腫瘤)がみられます。明らかな充実成分は見られませんが内部のCT値は水よりもやや高いです。明らかな被膜外への進展はみられません。石灰化(-)」、「#左後頸三角リンパ節、左項リンパ節がやや目立ちます。」との所見を得た。(乙A1〔20〕) (3) B医師の所見 ア B医師は、上記(1)及び(2)の各検査の所見に基づき、次のように判断した。 (ア) 原告の甲状腺腫瘍は、多発性であることから、術前診断は線腫様甲状腺腫であるが、超音波検査で充実性の腫瘍を認めるとともに石灰化が疑われ、CTによって石灰化が確認されたことなどから甲状腺左葉の一部には悪性の疑いがある(乙A15〔4、7〕)。 (イ) 甲状腺腫瘍は悪性であったとしても、ほとんどが性質のおとなしい癌であり、腫瘍に切り込むことなく周囲組織ごと摘出できれば再発の危険性はごく僅かであり、術後の病理診断で仮に癌の合併があったとしても、腫瘍ごと腺葉を摘出すれば再発の危険性は少ない。(乙A15〔7〕) (ウ) 癌であった場合、稀に反対側へ腺内転移を起こす場合もあるが、残存甲状腺からの再発防止という面から甲状腺を全摘することは、術後の患者の生活の質(Quality of lifeを指す。以下「QOL」という。)を考えると合理的でない。仮に全摘とした場合、術後に甲状腺ホルモン剤の補充が必須で、副甲状腺機能低下に対してはビタミンD、カルシウム製剤の補充も生涯にわたり必要になる。(乙A15〔8〕) (エ) 甲状腺機能・副甲状腺機能低下症など、術後の患者のQOLの面から、できる限り正常甲状腺組織は残すべきである。良性である可能性もあり、甲状腺を大きく摘出すると一生薬を飲み続けなければならないことを考えれば、良性であった場合、QOLの面から非常に問題になる。他方、甲状腺の摘出範囲が小さいと、癌で再発を認めた場合、再手術が必要になるが、その可能性は低い。(乙A15〔8〕、弁論の全趣旨) (オ) 手術の合併症については、腫瘍は被膜外への進展はなく、反回神経はまず問題なく保存できる。術後の甲状腺機能も3分の1は正常甲状腺が残るので、甲状腺機能はまず問題にならない。副甲状腺は右葉の2個を残せるので、術後の機能については問題ない。(乙A15〔8〕、弁論の全趣旨) イ B医師は、上記アを根拠として、手術による治療を行うとの方針を立て、具体的には、次のような治療方針を立てた(乙A15〔8〕)。 (ア) 悪性の合併も考えられる左葉の腫瘍は左葉全体を完全に摘出する。 (イ) 右葉は、中部の嚢胞は核出し、下極の充実性の小さな腫瘍は部分切除とし、患者のQOL重視の立場から、極力保存する。 (ウ) 実際の術中所見で、腫瘍の被膜外への浸潤や癒着、リンパ節腫脹など悪性を疑う所見が見られれば、リンパ節を郭清する。 ウ B医師は、上記の方針に基づき、平成11年7月26日の診察日に、原告に対する甲状腺手術を施行する日として同年8月31日を予約し、同月11日に術前検査を行うこととした(乙A1〔5〕)。 (4) 本件手術が施行されるまでの経緯 ア MRI検査とB医師の判断 (ア) 被告病院は、原告について、平成11年7月29日、頸部MRI検査を施行し、被告病院放射線科のI、H及びJ医師は、「#甲状腺左葉は腫大し上極~下極にかけて内部に多房性のmass(腫瘤)がみられます。内部の隔壁様構造にはGd-DTPAによるenhance(増影効果)がみられます。明らかな被膜外への進展は見られないようです。」、「#甲状腺右葉中部にもmassがみられます。充実成分は内側にみられます。T1 low、T2 lowを示しています。明らかな被膜外への進展はみられません。」との所見を得た(乙A1〔21〕)。 (イ) B医師は、内部の隔壁様構造にはGd-DTPAによる増影効果がみられることから、悪性の可能性を考えなければならないと判断した(乙A13〔3、4〕、証人B〔8〕)。 イ 手術の決定と原告による手術の承諾 B医師は、上記(3)及び上記アの判断のもと、手術を施行することとし、平成11年8月11日、画像上の検査等ですべてが明らかになるものではないため、上記(3)イ(ウ)の方針などを念頭に置き、手術承諾書に、手書きで「術中所見により、多少術式が変わる場合があります。」と記載した(乙A1〔5、37〕、A15〔5ないし8〕)。 原告は、同日、上記承諾書の交付を受けて帰宅し、同月17日にこれに対して署名押印をした上、同月30日の入院時に提出した(乙A1〔37〕、A2〔29〕、A15〔8〕、原告本人〔8、24〕)。同承諾書には、「……手術、麻酔、検査及び処置等を依頼するにあたり、その内容、その必要性、その後の経過と予想される結果、起こりうる合併症などについて、担当医師から説明を受け、了解しました。よってその実施を承諾します。」との記載が不動文字で存在し、説明医師としてB医師の氏名が手書きで記載されている(乙A1〔37〕、乙A15〔8〕)。 ウ 原告の入院 原告は、平成11年8月30日午前9時30分、被告病院に入院した(乙A2〔2、10〕)。 入院に際し、原告は、「問診票」に必要事項を記入した。原告は、質問事項のうち、「3)医師からどのように説明されましたか」との項目に対する回答としては「大きな声でしゃべっていたので、そういう風になるとも…。腫ようがあるので手術が必要」と、「V. ご入院に際しまして、何か質問はありませんか」との項目に対する回答としては「手術は甲状腺の手術に慣れた専門の外科医がなさるのでしょうか‥‥」とそれぞれ記載した。(乙A2〔14ないし19〕) 他方、被告病院の看護師は、原告から必要事項を聴取し、これを「入院時データベース」に記入した。そのうち、「医師から病気についてどのように説明されたか」の項目に「腫瘍があるのでとった方がいい」と記載されている。(乙A2〔10〕) エ 穿刺吸引細胞診の不施行とB医師の認識 (ア) 原告に対しては、初診時から本件手術を施行するに至るまで、穿刺吸引細胞診は実施されなかった(争いのない事実)。 (イ) 穿刺吸引細胞診について、B医師は、次のような認識を有していた。 a 一般的に、甲状腺腫瘍において画像診断等により充実性、石灰化が認められる場合は、穿刺吸引細胞診を行う必要はない(乙A15〔14、15〕)。 b 穿刺吸引細胞診については、内頸動脈が近くにあり、誤って突いて大出血を起こして気道狭窄を来した症例など、出血の恐れや、気胸、播種の問題がある。播種は、臨床的に問題にならないだろうと文献には書いてあるが、実際にはそのような文献はごく僅かで、はっきりしたことは言えない。実際、特に耳鼻科の場合、扁平上皮癌という悪性度の強い腫瘍を扱うことが多く、安易な穿刺が播種や急激な腫瘍の増大や転移を促進することが経験的に判っている。したがって、甲状腺については問題がないとはいえないのであって、そうである以上、B医師が過去に所属していた北里大学の医局の方針と同様に、穿刺吸引細胞診は慎重に行うべきである。(証人B〔16〕) 原告については、画像所見等で手術適応があると判断されるし、その上で侵襲を加えるような穿刺吸引細胞診を行う必要もないのであるから、穿刺吸引細胞診を実施する必要はない。(証人B〔15、16〕) (5) 本件手術の施行 原告は、平成11年8月31日午後2時10分、入院病棟から手術室へ出棟し(乙A2〔22〕)、次の手順により手術が施行された(乙A2〔30〕、乙A15〔8ないし10〕)。 ア 襟状切開による皮膚切開 イ 皮膚の剥離 ウ 甲状腺の露出 エ 甲状腺周囲の剥離 オ 反回神経の確認及び保存 カ 腫瘍の摘出 キ リンパ節の郭清 ク 縫合 (6) 原告の甲状腺腫瘍の状態(良性) 被告病院のC医師は、本件手術において摘出された原告の甲状腺について、病理組織検査を依頼し、平成11年9月3日、同検査がされた。病理診断医であるK医師は、上記甲状腺について、「腺腫様甲状腺腫、良性」と診断し、「2.1×4.5×2cm大の甲状腺左葉内には結節性病変が多発している。これらはいずれも大小の濾胞の増生巣で、中心部には硝子様の小さな線維化巣がみられる。被膜形成は不完全で、腺腫様甲状腺腫と診断される。甲状腺右葉の3×1.5×1.3cm大と1.5×1.4×0.8cm大の2個の結節についても左葉とほぼ同様で、一部は嚢胞状に拡張した濾胞も含まれている。また、繊維化に加え石灰化を伴った部分も認められる。以上、全体として甲状腺全域の腺腫様甲状腺腫の存在が示唆される。悪性所見なし」との所見を得た。(乙A2〔36〕) (7) 本件手術施行後の状況 ア 退院(平成11年9月24日)まで 原告は、本件手術後、首が引きつれて重い感覚があるとの訴えがあった他は良好に経過し、2度の外泊を経て、平成11年9月24日、被告病院を退院した(乙A2〔2、24、25、45、46〕)。 イ 退院後の外来受診 原告は、退院後も13回にわたって外来受診をし、そのうち、平成11年10月29日、11月29日、12月15日、平成12年2月16日、3月15日、10月19日には、医師の診察を受けた(乙A1〔5ないし9〕)。 そのうち、平成12年2月16日には、原告は、D医師に対し、本件手術に関して質問をした。この点に関し、同日の外来診療録に、「私はセカンドオピニオンという単語は知っていたが素人なので手術と言われたらやるしかなかった」旨の記載がある。(乙A1〔7〕、原告本人〔10、11、32、33〕) 2 医学的知見関係 証拠等によれば、次の医学的知見が認められる。 (1) 結節性甲状腺腫の種類と症状 ア 良性結節 良性の結節には、腺腫と腺腫様甲状腺腫、濾胞がある。腺腫様甲状腺腫は、厳密には腫瘍とは言い難いが、診断上ないし治療上、良性結節に含めて考えられる。腺腫様甲状腺腫を過形成として分類する場合もある。(甲B4〔124〕、B6〔104〕、B8〔876〕、B9〔83〕、乙B2〔222〕) イ 悪性腫瘍 悪性腫瘍は、乳頭癌、濾胞癌、髄様癌、未分化癌、悪性リンパ腫に分類される(甲B4〔121ないし122〕、B6〔113〕、B8〔876〕、B9〔83〈表III・2〉〕)。 (2) 結節性甲状腺腫の診断法 結節性甲状腺腫の診断をするためは、次の方法がある(甲B16〔96ないし102〕、乙B3〔488ないし494〕)。 ア 問診 腫脹に気付いた時期や腫大の有無、随伴症状(嗄声や嚥下障害の有無など)の有無を聞き出す(甲B16〔96〕、乙B3〔488、489〕)。 イ 視診 前頸部の皮膚の性状を診る(甲B16〔96〕)。嚥下運動により腫瘍が喉頭と共動することを確認する(乙B3〔489〕)。 ウ 触診 硬さの程度とその均一性、波動の有無、結節の表面と境界の性状を診る(甲B16〔96、97〕)。 腫瘍の表面の性状や硬さ、大きさ、波動の有無をみるだけでなく、喉頭、気管及び頸動脈などとの関係に注意することが重要である。気管はほとんど健側に曲がっていることも確認する。転移の有無も確かめる。良性の甲状腺腫は一般に弾性を有するが、癌では硬く周囲と癒着し、また転移を触れることがある。(乙B3〔489〕) エ X線撮影検査 気管の状態や石灰化像の有無とをみる。 喉頭撮影正面及び側面を撮影する。気管の偏位と石灰沈着の有無が重要な所見である。乳頭腺癌に石灰化がみられることが多い。砂粒腫様小体がみられれば決定的である。触診で触れなくとも石灰化をみたら、甲状腺癌を疑って精査する必要がある。(乙B3〔489、490〕) オ 超音波検査 結節が充実性か嚢胞性かをみる。充実性であれば、たとえ良性のものであっても結節が徐々に大きくなる可能性があるほか(甲B4〔125〕)、腺腫や癌、腺腫様結節などが考えられる。嚢胞性であれば嚢胞あるいは嚢胞変性を起こした腺腫や腺腫様結節が考えられる。腫瘤の形態と内部構造の性状をみる。反射強度では特に悪性リンパ腫で細胞が均一に増殖すると内部エコーが帰ってこないため、嚢胞と見間違うような所見を呈する。石灰化は乳頭癌あるいは髄様癌を疑わせる。(甲B16〔97〕) 水浸法で一般にI型、II型及びIII型の3パターンを示す。II型及びIII型は充実性の腫瘍であり、特にIII型は内部に石灰沈着や結合組織の増殖が強いものにみられ、癌の可能性が高いといえる。(乙B3〔491、492〕) カ シンチグラム 201Tl等によるシンチグラムでは、甲状腺結節性病変の良性・悪性の判定、悪性腫瘍の浸潤範囲や遠隔転移の検索ができる(甲B13〔84〕)。 131Iによるシンチグラムは、一般に良性腫瘍ではcold noduleの境界が明瞭で、悪性腫瘍は境界不鮮明か全く欠損するといわれている。ただし、これには反論もある。(乙B3〔493〕) キ 甲状腺機能検査 大部分の甲状腺腫は、甲状腺機能は正常であって実際には機能検査の診断的価値は少ないが、他の甲状腺疾患を否定する意味で必ず行われている(乙B3〔493〕)。 ク 穿刺吸引細胞診・病理組織診 (ア) 直接、腫瘍に針を刺し、腫瘍細胞を採ってくる(甲B16〔97〕)。 切開して切除する方法や、針による組織採取法や細胞診がある。これらの方法については、転移の問題があって論議の的になっている。22ゲージくらいの細い針で行うaspiraton biospy(穿刺吸引細胞診)なら転移や散布を生じないだろうという意見があるが、採取組織が少ないため誤診の可能性がある。(甲B17の2〔163〕、乙B3〔493〕、弁論の全趣旨) (イ) 穿刺吸引細胞診の結果は、クラス1からクラス5の5段階に分類され、その内容は次のとおりである(裁判所に顕著な事実、弁論の全趣旨)。 ● クラス1 正常(異型細胞を見ない) ● クラス2 良性異型(異型細胞はあるが悪性細胞を見ない) ● クラス3 良性・悪性の判定の困難な異型(悪性を疑わせる細胞を見るが確定診断できない) ● クラス4 悪性を強く疑う(悪性、極めて濃厚な異型細胞) ● クラス5 悪性(悪性と診断可能な異型細胞) ケ CT、MRI 腫瘍の進展度(周囲臓器、特に気管や前縦隔内への進展度)をみるのに有用である(甲B5〔38〕、B16〔102〕)。 (3) 穿刺吸引細胞診の一般的有用性と危険性 ア 一般的有用性 (ア) 甲状腺の触診や超音波などの画像診断で結節が認められたとき、それが悪性が良性かを診断するのに、穿刺吸引細胞診は最も優れているとされている(甲B2〔21〕、B3〔44〕、B4〔115〕、B5〔35、40〕、B10〔90〕、B11〔55〕、乙B4〔252〕)。触診の際、特に悪性が疑われる場合には必ず行うべきであるとの指摘もある(甲B13〔81〕)。 (イ) 特に、超音波ガイド下穿刺吸引細胞診には、針先が穿刺目的部位に到達したかどうかを画像上で客観的に確認でき、血管その他周囲臓器の副損傷を容易に避けることができる、触診や他の画像診断で検出できない小病変でも穿刺が可能であるなどの有用性があるとされている(乙B7〔16〕)。 イ 合併症 穿刺吸引細胞診の合併症としては、出血、感染及び癌細胞播種の3つが考えられる(乙B7〔23、24〕)。 ウ 穿刺吸引細胞診に対する慎重な考え方 (ア) 穿刺吸引細胞診は、良性腫瘍の診断率は優れているが、本来の目的である悪性腫瘍の診断率については20%強の取りこぼし(偽陰性)があり、偽陰性の例では、嚢胞状変性の例で嚢胞液が穿刺され十分に細胞が採取されなかったものが多く、次いで乳頭癌に特徴的な石灰化のために細胞が上手く採取されなかったものが多かったとの指摘がある。(乙B4〔252〕) (イ) 穿刺吸引細胞診では、濾胞腺腫と濾胞癌とは鑑別が困難であることは、その有用性を強調する文献も多くも認めているし(甲B2〔21〕、B3〔44、49〕、B4〔115〕、B5〔43〕)、むしろ充実性結節では濾胞癌の見落としが問題となるとの指摘もある(甲B11〔56〕)。また、濾胞が多い乳頭癌の診断が困難であって、実際、甲状腺癌の約9.5%を占めている濾胞癌が誤診される率は約75%から85%であり、乳頭癌でも濾胞構造を示す部分が多いものでは誤診率が25%程度になる。(乙B5〔1〕) (ウ) 穿刺吸引細胞診については、腫瘍細胞の播種が起こりうることを重視し、その適応は慎重に決定されるべきであって、頭頸部領域に原発巣がある患者の転移と思われる頸部腫瘤に対する穿刺吸引細胞診は行うべきでないなどと考え、穿刺吸引細胞診の適応は①良性腫瘍の可能性も高いが悪性腫瘍である可能性も捨てきれない症例、②すでに全身転移を認める症例、③他科領域からの頸部転移、④OB(open biospy;切開して行う組織診)で腫瘍に割を入れざるを得ない症例にあるという指摘もある(乙B9〔272、273〕)。 (4) 腺腫様甲状腺腫と腺腫、癌の鑑別 腺腫様甲状腺腫と腺腫、癌を術前に鑑別診断するために99mTc・201Tlシンチグラム、超音波検査、穿刺吸引細胞診などが駆使されるが、手術後の病理組織検査によらない限り、腺腫様甲状腺腫に癌や腺腫が合併していることの正確な判断は困難である(乙B4〔248〕)。 (5) 腺腫様甲状腺腫と癌の合併頻度 腺腫様甲状腺腫の大半のものは腺腫様結節として出現し、その多くは増大せず、大きくなったものでもやがて二次性変性により自然退縮する傾向があるので、できるだけ手術をしないという考えも依然として根強いが、一方で、腺腫様甲状腺腫に癌が合併することは多くの報告にみられ、その頻度も近年増加してきているとの指摘がある(乙B4〔248〕)。 腺腫様甲状腺腫は約20%に乳頭癌の合併があるので、要注意であるとの指摘があり(乙B4〔253〕)、これとほぼ同旨の指摘もある(甲B9〔87〕)。 (6) 甲状腺腫瘍の治療方針と摘出手術の適応 ア 悪性腫瘍の場合 甲状腺腫瘍が悪性腫瘍である場合には、その治療は手術による腫瘍の摘出であり、手術の絶対的適応がある(甲B1〔184〕、乙B3〔494、495〕)。 イ 良性腫瘍ないし良性結節、腺腫様甲状腺腫の場合 (ア)a 良性腫瘍ないし良性結節の場合に考えられる治療法には、経過観察をして甲状腺刺激ホルモン(以下「TSH」という。)抑制療法を行うほか、手術がある(甲B1〔183〕、B4〔124〕、B17の2〔164〕、)。 b 良性腫瘍ないし良性結節の場合には、癌の合併等がない限り原則として手術は不要であるとの見解もあるが(甲B3〔43〕、B4〔124〕)、良性腫瘍の場合、一般に、手術適応については相対的適応であると考えられている(甲B16〔102〕)。また、相対的適応の基準については、それぞれの施設、それぞれの医師によってさまざまであるとの意見もある(甲B16〔103〕)。また、良性腫瘍であることがはっきりしている例でも、腫瘤がある程度大きいと抑制療法を行う例もあるが、経過観察よりは患者の希望を入れ、インフォームドコンセントの上、積極的に手術していることが多く、今日なお甲状腺良性腫瘍(非機能性)に対しての治療法は外科医、耳鼻咽喉科医に統一された指針は決まっていないとの意見がある(乙B8〔853〕)。 (イ)a 甲状腺良性結節の手術適応は次の6つであるとの意見がある(甲B9〔84〕)。 ● 縦隔内甲状腺腫(周囲臓器への圧迫症状がある) ● 腫瘤内への出血がある ● 大きい腫瘤(径5cmを超えるもの) ● 悪性の可能性が否定できないとき(濾胞性腫瘍で径3cm以上、穿刺吸引細胞診でクラス3、次第に大きくなるもの(TSH抑制療法に反応しないもの)、細胞診で好酸性細胞腫瘍、超音波検査で嚢胞内に乳頭状の突起があるとき) ● 機能性甲状腺結節 ● 美容上の問題 b 同様に、手術適応はむしろ厳しくしていると断った上、相対的手術適応は次の8つ及びその他であるとの意見がある(甲B16〔103〕)。 ● 大きく硬い腫瘤(5cmを超えるもの) ● 次第に大きくなるもの(TSH抑制療法に反応しないもの) ● 嚢胞及び嚢胞変性を来たし穿刺吸引を繰り返しても縮小しないもの ● 超音波エコーで嚢胞内に乳頭状の突起物のあるもの ● 細胞診でクラス3のもの ● 好酸性細胞のもの ● 機能性結節(AFTN、TMNG) ● 社会的適応 (ウ)a 他方、原則として腺腫様甲状腺腫については手術は不要であるとしながらも、直径3cm以上あるいは4cm以上の結節があって、しかも超音波検査をして充実性の場合は、放置すると今後まだ大きくなる可能性があると思えるため、絶対的適応ではないとしつつも、手術を勧めていいとする見解がある(甲B4〔124、125〕)。 b L医師は、「多発結節性の腺腫様甲状腺腫で小さい明らかに良性結節と思われる場合は、しいて手術を施行しなくてもよいが、変化の著しいものは癌の合併がありうるし、腫大の傾向が強く、時に胸腔内に進展することがあるのでやはり手術すべきである」と指摘する(乙B4〔249〕)。 c 良性の腫瘍が大きくなるには20年、30年という長い年月がかかるが、かなりの高齢になって体力も弱り、持病を持つようになって気道閉塞になって苦しむことになる。持病の種類と程度によってはすぐに手術ができないこともある。したがって、それほど高齢であるとか病人でなくてもあまり大きなこぶを頸部に持っているのは美容的にも醜く、やはり切除した方がよい場合もあるとの指摘もある。(乙B5〔1〕)。 3 争点(1)(原告に対する甲状腺腫瘍摘出手術の適応の有無)について (1) 認定事実に対する評価 ア 前記2(3)アにおいて認定したとおり、穿刺吸引細胞診は、甲状腺腫瘍が良性であるか悪性であるかを鑑別するのに有用な検査であり、広く実施されている検査であることが認められ、B医師もこれを認めている(証人B〔15、39〕)。これに対して、同ウにおいて認定したとおり、穿刺吸引細胞診には一定の限界があり、その有用性に対する懐疑的な見解も存在し、B医師は、基本的にこれに同調し、他の検査結果から手術適応があると認められる場合には、たとえ穿刺吸引細胞診を行って陰性の結果が出たとしても手術を実施するほかないのであるから、そのような場合には、これを行う必要はないと考えるものと認められる。 イ 他方、前記2において認定したところを総合すれば、良性腫瘍ないし良性結節の場合には、これを原則として経過観察とするとしながらも一定の場合には手術適応があるとするのが一般的見解であると認められる。しかし、結節等が良性か否かの確定診断は手術後の病理組織検査によるほかなく、穿刺吸引細胞診では一定割合の偽陰性があり、陰性であっても良性であるとの確定診断が下せないのであるから(なお、穿刺吸引細胞診を実施しても、クラス3の診断となった場合には、特に確定診断が下せないものである。)、他の検査結果から既に悪性であるとの疑いが相当程度認められる場合には、仮に穿刺吸引細胞診を行って陰性の結果が出ても、なお悪性の疑いを否定できないこととなるが、このような場合にも敢えて穿刺吸引細胞診を行うべきであると明示的に論じた文献は見当たらないし、むしろその結果いかんにかかわらず悪性の疑いが払拭できない以上、そのような検査は行う必要がないと考えるのが合理的である。 ウ 本件においては、前記1(3)及び(4)において認定したとおり、B医師は、原告の甲状腺の結節については、その形状が大きく充実性で石灰化が認められることから、癌である疑いがあるものの良性である可能性があると認識していたところ、前記2(2)オにおいて認定したとおり石灰化が乳頭癌あるいは髄様癌を疑わせる所見であること、同(4)及び同(5)において認定したとおり腺腫様甲状腺腫にも癌の合併があり得ることといった各医学的知見を考慮すれば、B医師の認識に誤りはない。また、本件において原告の甲状腺左葉の状態は前記1(1)オ及び前記1(2)イにおいて認定したとおり充実性部分が認められることから、次第に大きくなることが予想された上、前記1(6)において認定したとおり、摘出後においても長径4.5cm、短径2.1cmに達し、左葉の全部を占めており、摘出された甲状腺結節においては嚢胞成分が流出して縮小すると認められること(乙A16)を考慮すると、結節の大きさはさらに大きかったものと認められるのであるから、仮にこれが良性のものと認識し得たとしても、既に手術適応があったと認めることができる。 エ 以上からすれば、既に手術適応があると認められる本件においては、ことさら穿刺吸引細胞診を実施する必要性に乏しいものとB医師が判断したことに不合理な点は見当たらない。 したがって、B医師が原告に対して穿刺吸引細胞診をするべき注意義務はないといえるのであって、B医師が原告に対して穿刺吸引細胞診を実施することなく手術適応があると判断したことについて過失があるとはいえない。 (2) 原告の主張に対する判断 ア これに対して、原告は、穿刺吸引細胞診の診断的意義について主張した上、甲状腺の腫瘤ないし結節が良性である疑いが強い場合には経過観察をすれば十分であって、手術は不要である旨主張する。 イ 確かに、原告が提出した書証によれば、一般的に、穿刺吸引細胞診が広く行われ、かつ、良性腫瘍ないし良性結節であるとの疑いが強い場合にはこれを経過観察に付すべきだという意見が強まっていることを推認することは可能である。しかし、前記1(3)ア(ア)において認定したとおり、原告の結節は多発性のものであるから、これに穿刺吸引細胞診を実施する場合には、相当回数の穿刺が必要となり、その危険性も無視できないし、結節に石灰化が認められたことから良好な細胞を吸引できるか否かにも不確かな点があったことと、充実性の結節が認められたことから濾胞癌の見落としも懸念されたことを考慮すると、仮に穿刺吸引細胞診によって陰性の結果が出ても、良性を強く疑い得る状況にはなかったと認められ、原告の主張はその前提を欠くといわざるを得ない。 この点に関し、原告は、甲B第20号証を挙げて、穿刺吸引細胞診を実施して良性、悪性の鑑別をした場合の予後を根拠に、穿刺吸引細胞診の必要性と経過観察に付すべきこととを主張するが、甲B第20号証・2頁の記載及び同5頁の図2によれば、この研究は、細胞診上良性とされた患者1076人のうち臨床上悪性の疑いがある患者544人を除外してされたものであるし、臨床上悪性の疑いがあるとして手術を施行したが、結果として良性であった患者が上記544人のうち531人いたことが認められるのであって、むしろ臨床上悪性の疑いがある以上、細胞診の結果にかかわらず手術を行うのが実体であったことを示しており、甲B第20号証のみを以て経過観察に付すべきであるということはできない。 ウ したがって、原告の主張は採用できない。 4 争点(2)(原告に対する説明義務違反の有無)について (1) 緒言 ア 原告のこの点に関する主張は、穿刺吸引細胞診を行うべきであったことを前提として、穿刺吸引細胞診自体の説明と、その結果が良性であった場合には経過観察をして大きくならないようなら心配しなくてよいと説明すべきであったというものである。 しかし、前記3で説示したとおり、本件においては穿刺吸引細胞診を行う必要はなかったのであるから、この点を説明する必要は認められないし、仮にこれを実施して良性の結果が得られたとしても、手術適応がある以上はその旨を説明すべきであって、原告主張のような説明をする必要はない。 したがって、原告のこの点に関する主張は、その前提を欠くものといわざるを得ない。 イ 上記のとおり、原告の主張はその前提を欠き、原告は、手術適応や穿刺吸引細胞診の必要性に関する被告の主張を前提として説明に不十分な点があったとの主張は予備的にもしていないから、本来ならばこれ以上説明義務違反の有無について認定判断する必要はないが、念のため、被告の上記主張を前提としてB医師の説明内容について検討する。 (2) B医師の説明内容について ア B医師が実際にどのような説明を行ったかについては、当該双方の主張が大きく異なっているところ、診療録には説明内容に関する記載がなく、手術承諾書における説明内容に関する記載は非常に抽象的なものにすぎないから、被告主張のような詳細な主張がされたことを裏付ける証拠はないといわざるを得ない。 イ もっとも、原告は、B医師が、平成11年7月26日の診察時には、「たぶん良性でしょう。でも、1か所、内部の石灰化がちょっとね……」と説明をし、原告がB医師に対して「手術は、どうして受けなければならないのでしょうか」と質問したところ、同医師は「腫瘍が大きくなりますから」と答え、そのほか合併症についての説明をしただけで、同年8月31日に手術をすると決定されたと主張し、かつ、これに沿う陳述(甲A3〔2〕及び供述(原告本人〔2、5〕)をする。 しかし、前記1(1)ウにおいて認定したようにB医師が触診しなかった旨の原告の供述が信用できないことに照らすと、原告が主張する内容以外の説明がされなかったとも認定できない。 仮に、実際の説明が原告主張の限度にとどまるとすると、説明としてはいささか不十分との印象は免れないところであるが、腫瘍が良性である可能性があるにもかかわらず、石灰化が認められることと腫瘍が大きくなる可能性があることから手術を行うとの意図は十分に伝わっており、手術適応の判断の中核部分は説明されたと認めることができる。 その上、原告は当該B医師を信頼しており(原告本人〔35〕)、手術適応があるとのB医師の判断に前記のとおり誤りがない以上、B医師が前記1(3)及び(4)の所見等を詳しく説明したとしても、それに加えて、手術を行うとの結論を示されれば、手術に応じたものと認められるから(原告本人の同頁の供述中には、他の病院では経過観察をしているところもあるとか、他の病院へ行って意見を伺ったらどうかと言われていれば、それに従ったとする部分もあるが、前記のとおり、手術適応に関するB医師の判断に誤りがない以上、同医師としては、そのような説明や慫慂を行う義務はなかったというべきである。)、仮に同医師の説明内容が上記のとおりであってそれが不十分であるとしても、これによって原告の自己決定権が侵害されたとは認められず、原告に何らかの請求権が発生するとは認め難い。 5 結論 以上のとおり、争点(1)(原告に対する甲状腺腫瘍摘出手術の適応の有無)については、被告病院のB医師に過失があるとはいえず、かつ、争点(2)(原告に対する説明義務違反の有無)についても、これを認めることができないのであるから、その余の争点(争点(3)(上記各過失行為と損害との間の因果関係の有無)及び争点(4)(損害額))について判断するまでもなく、被告に診療契約上の債務不履行がなく、損害賠償責任が発生しないことは明らかである。 よって、原告の請求を棄却することとし、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第34部 裁判長裁判官 藤山雅行 裁判官 金光秀明 裁判官 萩原孝基 (別紙) 主 張 要 約 書 第1 穿刺吸引細胞診を実施せずに本件手術の必要性を判断した過失の有無 (原告の主張) 1 穿刺吸引細胞診の一般的有効性 ①甲状腺の穿刺吸引細胞診、とりわけ超音波ガイド下の穿刺吸引細胞診は、安全性が高く、石灰化がみられるものも含めて良性・悪性の鑑別のみならず、腫瘍の種類についても診断率が極めて高い、他方で②悪性腫瘍が疑われる部位についての穿刺吸引細胞診で発見されないような微小癌は一般に経過観察で十分である、そして③甲状腺摘出手術は、そもそも侵襲的な治療法であり、甲状腺機能低下の危険性があるだけではなく、手術した皮膚の触覚知覚異常、感覚鈍麻、癒着によるひきつれ、さらには手術に伴う感染症等の危険がある。 したがって、穿刺吸引細胞診を実施しないで実施する手術(診断的治療目的手術)に伴うリスクと穿刺吸引細胞診を実施したにもかかわらず悪性腫瘍を見逃した場合のリスクを比較した場合には、穿刺吸引細胞診自体の危険性は低く、仮に偽陰性であっても経過観察にとどめることによるリスクは低いことからして、前者(穿刺吸引細胞診を実施しないで手術を実施)のリスクの方がはるかに高いのであり、超音波ガイド下での穿刺吸引細胞診を実施して悪性腫瘍であることが強く疑われない場合には経過観察をすれば十分なのである。 このようなことから、成書に甲状腺の結節性病変の診断プロセスに穿刺吸引細胞診が不可欠な検査であることが記述されているばかりではなく、医学生向けの教科書にすら穿刺吸引細胞診が「甲状腺腫瘍の診断に最も重要な検査」であることが指摘されているのである。 2 原告の甲状腺腫瘍についての手術の適否の判断 ①甲状腺の結節はほとんど(90パーセント)は良性であり、腺腫様甲状腺腫の有無により癌の合併率は異ならないこと、②原告の結節が多発性のものであり、良性疾患である腺腫様甲状腺腫が最も疑われていたこと(実際術前診断、術後の確定診断のいずれも腺腫様甲状腺腫となっている)、③原告の結節に関し癌を疑う触診所見としてたとえば硬さ、周辺組織とりわけ気管への癒着の有無の可能性についての記載が診療録に無く、結節は可動性であったこと、④被告病院放射線科による画像診断の報告書にある診断名は腺腫様甲状腺腫とされていることなどから、原告の甲状腺の腫瘤は良性の可能性が極めて高かった。 このような場合に、穿刺吸引細胞診、とりわけ、超音波検査ガイド下の穿刺吸引細胞診を実施することなく、悪性の疑いがあるとして甲状腺摘出手術をすることは許されない。 この検査を実施せずに、結節の切除手術を行いうる条件を強いてあげるなら、腫瘍が大きくて周辺組織とりわけ気管への圧迫症状がある場合や、患者が結節の存在を嫌がり、自ら切除を望む場合くらいである。 ところが、本件では、原告には結節による圧迫症状と思われる自覚症状はなく、甲状腺左葉の腫瘤の大きさも3センチメートルに達するものではなく、まして触診、超音波検査ではむしろ、良性の可能性が高かったものであり(悪性を示唆する記載は診療録に見当たらない)、穿刺吸引細胞診をせずに手術の適応を判断することはできなかった。にもかかわらず、被告病院は、平成11年7月5日の初診時に手術方針を決定し、その後も手術方針を変更せず、平成11年8月31日に手術を行った。 3 原告に対する穿刺吸引細胞診の要否 原告の場合には、石灰化した部位等の悪性が疑われる部位について穿刺吸引細胞診を行えば、良性であると診断されたはずであり、穿刺吸引細胞診が必要であったことは明らかである。このことを言葉を変えて言うなら、穿刺吸引細胞診を行わず、あえて診断的治療目的で手術を行ったということになる。 (被告の主張) 1 原告の甲状腺腫瘍の性質 (1) 腺腫様甲状腺腫について 原告の甲状腺腫瘍は、腺腫様甲状腺腫の疑いが強い病変であった。 腺腫様甲状腺腫は、腺腫に似た大小種々の結節が多発性に生じるもので、結節内には出血、線維化、石灰沈着等の変化がみられるなど、組織所見は多様で、超音波検査の結果もそれに伴って多彩となる。腺腫様甲状腺腫は、臨床的に癌との鑑別が困難で、術後の病理組織検査によらない限り、腺腫様甲状腺腫に癌が合併していることの正確な判断は困難である。特に、画像診断により腫瘍に石灰沈着などの所見が認められる場合には、超音波ガイド下穿刺吸引細胞診によっても細胞の採取がより難しくなる。一方で、癌との合併は少なくなく、腺腫様甲状腺腫のうち約20パーセントに乳頭癌の合併があるとの報告がされている(乙B4〔248ないし249頁、253頁左〕、乙B6〔697頁〕、乙B7〔66頁〕、甲B9〔87頁〕)。したがって、通常の良性腫瘍と異なり、腺腫様甲状腺腫について、非侵襲的検査により悪性が疑われる場合に、誤診の可能性がある侵襲的検査を行うことなく、手術後の病理組織検査により確定的に鑑別する(診断的治療)ために、手術を行う必要性が高い。 (2) 一部に悪性が疑われたこと 甲状腺の悪性腫瘍は、腫瘍の発育が緩徐なためか、繊維の増殖、硝子化、石灰化を示すものが多く、超音波診断法等の画像診断により充実性の腫瘍に、石灰化が認められる場合は、癌(乳頭癌等)の可能性が高い(乙B3〔486ないし493頁〕、甲B8〔877頁〕)。なお、充実性、石灰化などの腫瘍の形態、内部構造等については、超音波検査のみならずCTによっても診断できる(甲B9〔87頁〕)。 原告については、上記頸部超音波検査及びCTの結果、甲状腺両葉に大小多数の結節が多発的に生じ、甲状腺左葉に存在した腫瘍につき、充実性及び石灰化が認められ、その大きさも長径4.5センチメートル以上、短径2.5センチメートルと比較的大きかったこと、嗄声が認められたことなどから、原告の甲状腺腫瘍について、悪性の疑いもあった。 なお、腫瘍に可動性があり、多発性であることは、腺腫様甲状腺腫を裏付ける所見でもあるところ、腺腫様甲状腺腫は、一般的に相当の割合で悪性腫瘍の合併を伴うものであるうえ、原告については、上述のとおり、一部の腫瘍に充実性及び石灰化が認められるなど悪性が疑われる所見があった。したがって、本件においては、可動性、多発性との所見があることをもって、原告の腫瘍が良性である可能性が高いということはできない。 2 原告の甲状腺腫瘍についての手術適応 悪性腫瘍(甲状腺癌)の場合は、未分化癌及び悪性リンパ腫を除き、治療法の第1次的な選択は手術である(乙B3〔495頁〕、B5〔2、3頁〕)。乳頭癌については、放射線療法や化学療法は効果がなく、また、リンパ節転移を高頻度に起こし、気管・食道等の甲状腺周辺臓器に浸潤増殖する例もあることなどから、進行すれば、組織又は臓器の摘出範囲が広がり(乙B3〔496頁〕)、術後合併症が重くなる(患者のQOLを損なう)ことは容易に予想される。したがって、術前の検査によって乳頭癌の疑いがある限り、経過観察を選択すべきだとはいえない(乙B2〔223頁〕)。 また、良性腫瘍とされる腺腫様甲状腺腫であっても、上記1(1)のとおりの性質を有していることから、超音波検査・CT等の画像診断により、腫瘍に充実性、石灰化が認められるなど悪性腫瘍の疑いがある場合は、手術適応が認められる(乙B3〔494頁〈図2-13〉〕、B4〔253頁左〕)。 本件においては、上記1のとおり、必要な術前検査を実施した結果、原告の甲状腺腫瘍につき腺腫様甲状腺腫が強く疑われ、その腫瘍の一部に悪性を疑う所見がみられたのであるから、本件手術の適応があった。 特に、本件の場合、画像上、悪性の可能性が疑われる部位は反回神経に近接していたことから、経過観察中に反回神経に浸潤することもあり、その時点で摘出手術をするとすれば、浸潤した反回神経もともに摘出することとなり、一生にわたり、嗄声や嚥下障害を残すことも十分に考えられたのであり、悪性腫瘍の進度を考慮してもなお、早期に手術を行う必要性があったというべきである。 3 穿刺吸引細胞診の一般的な問題点 (1) 穿刺吸引細胞診の誤診率(補助診断法にすぎないこと) 穿刺吸引細胞診は、採取し得る組織片が少ない、穿刺法・スライドガラスの上へののばし方・固定法・染め方・見方それぞれに高度の技量を要する(甲B4〔114、115頁〕)などの問題から、良性と診断されても誤診である可能性があり、甲状腺腫瘍について、穿刺吸引細胞診によって良性と診断された症例のうち、手術後の病理組織学的検査によって悪性と確定診断された例(偽陰性)が20パーセント以上あるとの報告もあり、偽陰性の例は、嚢胞状変性の例で嚢胞液が穿刺され十分に細胞が採取されなかったものが多く、次いで乳頭癌に特徴的な石灰化のために細胞がうまく採取されなかったものが多いとされている(乙B4〔252頁〕、B8〔848頁〕、甲B7〔9頁〕)。また、乳頭癌でも濾胞構造を示す部分が多いものでは誤診率が25パーセント程度になり(乙B5〔1頁〕)、画像診断により石灰沈着などの所見が認められる場合には、穿刺吸引細胞診による細胞の採取は難しくなる(乙B4〔253頁左〕)。 したがって、穿刺吸引細胞診は、甲状腺腫瘍が良性であるとの鑑別診断において選択し得る補助診断の一つにすぎず(甲B4〔114頁〕)、確定診断法とはなり得ない。悪性腫瘍の合併が疑われる甲状腺腫瘍について鑑別診断を行う場合、確定診断は、摘出された腫瘍の病理診断によってのみ可能である(乙B4〔248頁〕)。 (2) 穿刺吸引細胞診の合併症 穿刺吸引細胞診には、出血、感染、細胞播種などの危険もある。出血は、血管の誤穿刺と易出血性腫瘤穿刺の際に特に問題となり、血流の豊富な易出血性病変に対する穿刺そのものが禁忌であるとする意見もある(乙B7〔24頁〕)。また、穿刺吸引細胞診では、腫瘍細胞に汚染された針が腫瘍周囲、皮下、皮膚等の組織を貫通するので腫瘍細胞の播種が起こり得る。本件当時も、腫瘍細胞の播種は、以前より減少したとはいえ、皆無ではない。また、穿刺吸引細胞診は1回の検査で2、3回の試技が行われることが通常であることから、病巣に加わる機械的刺激によって、癌の転移を促進する可能性がある。したがって、予後への影響を考えれば、穿刺吸引細胞診の適応は慎重に決定されるべきである(乙B9〔272頁〕)。 4 超音波ガイド下穿刺吸引細胞診の実施状況 「甲状腺腫瘍統計と癌治療(乙B8)」は、奈良県立医科大学における昭和60(西暦1985)年から平成9(西暦1997)年まで、病理組織診断がされた甲状腺腫瘍例について、平成10(西暦1998)年にその要旨が耳鼻咽喉科臨床学会で報告された臨床報告であるが、これによると、上記大学病院において、対象期間内に超音波ガイド下穿刺吸引細胞診が実施された形跡はなく、平成10(西暦1998)年に発行された医学文献においても、「最近」超音波ガイド下穿刺吸引細胞診も行うようになったと記載されていること(乙B4〔253頁〕)などから、頸部における超音波ガイド下穿刺吸引細胞診については、一部の積極的な施設によって実施されていたものの、本件当時において、全国的に一般的な検査方法であったとはいえない。 このように、一部の積極的な施設によって実施されていたにすぎない検査方法について、医師にこれを実施すべき義務はない。 5 原告に対する穿刺吸引細胞診の要否 原告についてみると、腺腫様甲状腺腫の一部に石灰化がみられることから、偽陰性の可能性が高まる。また、充実性、石灰化が認められる(悪性腫瘍の合併の可能性が高い)左葉の腫瘍は、内部の血流が豊富であることから、穿刺による出血の危険性も高まる。さらに、腫瘍が多様・多発性であり、上述のとおり一部に石灰化病変を伴っていたため、組織の採取が難しくなることなどから、複数回穿刺することが必要とされ、細胞播種の危険性が増大するなどの問題がある。 他方、原告の甲状腺腫瘍は、腺腫様甲状腺腫の疑いが強く、かつ非侵襲的検査によってその腫瘍の一部に悪性を疑わせる所見が認められたことから、誤診の可能性がある侵襲的検査を行うことなく
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ホルモン サイロキシン トリヨードサイロニン
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「原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について」 用語集 用語集[ア]行 [カ]行 [サ]行 [タ]行 [ナ]行 [ハ]行 [マ]行 [ヤ]行 [ラ]行 [ア]行 IAEA SS-109 国際原子力機関( IAEA ) が“ Intervention Criteria in a Nuclear or Radiation Emergency”と題して1994 年に出版したSafety Series の一つである。原子力事故や放射線事故時における緊急時計画と対応、及び介入の基本原則を述べている。 事故時に公衆を防護するための措置として、屋内退避、避難、ヨウ素剤投与、移住、飲食物の摂取制限等に対する考え方とそれらの措置を実施するための介入レベル(線量基準)について詳細に記述している。 ICRP Publ. 30 国際放射線防護委員会(International Commission on Radiological Protection ICRP)の主委員会が1978 年7 月に採択し、その後に出版された“Limits for Intakes of Radionuclides by Workers”に関する報告書であり、Part1,2,3 から成る。内部被ばくに関する線量評価モデルとしてコンパートメントモデルを採用しており、呼吸器系、胃腸管、骨に関する線量算定モデルの他、放射性雲中のサブマージョンによる線量算定モデルを示している。また、95 の元素について、その体内動態(代謝、分布、残留等)及び年摂取限度、誘導空気中濃度を示している。なお、これらPart1,2,3 の補遺が別途、出版されている。 ICRP Publ. 56 国際放射線防護委員会(ICRP)の主委員会が1989 年4 月に採択し、その後に“ Age-dependent Doses to Members of the Public from Intake of Radionuclides Part 1”と題して出版されたものである。公衆の内部被ばくを評価するため、経口摂取による体内動態モデルを見直し、より詳細なモデルを提示している。また、公衆の各年齢群(3 カ月、1 歳、5 歳、10 歳、15 歳、成人)の預託等価線量係数及び預託実効線量係数を示している。このような公衆に対する動態モデルや吸入摂取及び経口摂取による各年齢群毎の線量係数については、その後出版されたPubl.67,69,71,72 にも掲載されている。 ICRP Publ. 60 国際放射線防護委員会(ICRP)の主委員会が1990 年11 月に採択し、その後に出版された“ Recommendations of the International Commission on Radiological Protection, Adopted by the Commission on November 1990”である。国際放射線防護委員会(ICRP) は1950 年の発足以来、基本勧告としてPubl.1(1959) 、Publ.6(1964)、Publ.9(1966)、Publ.26(1978)を出版してきたが、今回の勧告はこれらに代わるものであり、放射線防護の基礎となる基本原則についての指針を示している。内容は、放射線防護に用いられる線量の計測、放射線の生物学的影響、放射線防護の概念的枠組み、被ばくの種類や介入レベルに関する防護の体系等で構成されている。 ICRP Publ. 66 国際放射線防護委員会(ICRP)の主委員会が1993 年9 月に採択し、その後に出版された“Human Respiratory Tract Model for Radiological Protection”である。人の呼吸気道モデルを被ばく評価の観点から詳述したものであり、Publ.30 の呼吸器系モデルに代わるものである。放射性物質の吸入による被ばくを評価するため、呼吸気道を5つの領域に分割して各領域への物質沈着モデルを構築するとともに、クリアランスモデルにより血液への吸収、リンパ組織への移行、胃腸管への移行を示し、線量算定モデルを構築している。また、放射線作業者と公衆(3 カ月、1 歳、5 歳、10歳、15 歳、成人)について、肺機能に関するデータ、呼吸率等のデータを示している。 安定ヨウ素剤 原子力防災資機材の一つであり、甲状腺への放射性ヨウ素の選択的集積を抑制するために服用する。ここでは、原子力災害時に備え準備されている医薬品ヨウ化カリウムの原薬(粉末)を水に溶解し、単シロップを適当量添加したものや医薬品ヨウ化カリウムの丸薬を用いる。なお、安定ヨウ素剤の安定とは、放射性に対する用語で、放射性崩壊をしないということを意味している。 疫学調査 病気の発生原因やその対策を推論するために、疾病を集団として調査すること。疫学調査は、患者発見のために各種検査を利用する調査で、この調査によって病気あるいは症例と、考えられる原因との間の因果関係を明らかにし、治療の方法の確立に役立てることができる。疫学調査では、その症例を発見して治療することよりも、その疾患についての有病性、発生年、さらにいくつかの関連要因の推移について調査することを目的とする。放射線被ばく影響調査にもこの手法が応用される。 NCRP Rep No 80 米国放射線防護測定審議会(National Council on Radiation Protection and Measurements:NCRP) が1985 年に“Induction of Thyroid Cancer by Ionizing Radiation”と題して発表された勧告書である。X 線やγ線による外部被ばく及び甲状腺に沈着した放射性物質により誘発される甲状腺ガンのリスクを、リスクモデル、発がんモデル、放射性ヨウ素を用いた治療経験、動物実験データ等を広く集め、詳細に検討したものである。 FDA 米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)。薬品の承認等を行う政府付属機関。 [カ]行 回避可能な放射線による甲状腺の被ばく線量 回避可能な放射線による甲状腺の被ばく線量は、防護措置を行わない場合に予測される線量から、防護措置を行った場合の予測される線量を差し引いた線量である。放射線防護措置のリスク・ベネフィットバランスを考慮する場合、回避可能な放射線による甲状腺の被ばく線量により得られる便益と防護措置に伴う損失のバランスを図る必要がある。 放射性ヨウ素の放出に対する防護措置の一つとして、安定ヨウ素剤予防服用がある。放射性ヨウ素の吸入前又は直後に、安定ヨウ素剤を予防的に服用すると、放射性ヨウ素の甲状腺への集積の90%以上を抑制できる。吸入後8時間では、40%を抑制できる。 放射性ヨウ素の吸入による甲状腺等価線量の回避可能な放射線による甲状腺の被ばく線量は、例えば緊急時モニタリングにより求めた大気中の放射性ヨウ素濃度から計算された甲状腺等価線量に、安定ヨウ素剤服用により回避できる上記の90%以上あるいは40%を乗じることにより求めることができる。 確定的影響 個人がある線量(しきい線量)を超えて被ばくした場合に現れる身体的影響であり、低い線量では影響のないことがはっきりしている。しきい線量を超えると線量の増加とともに発生率が増加し、また、影響の程度すなわち重篤度も増加する。さらに高い線量に達すると被ばくしたすべての人に影響が現れる。例えば、皮膚障害、白内障、組織障害、個体死等がある。 核燃料施設 核燃料物質の加工、再処理、使用、廃棄などを行う施設を総称して核燃料施設という。(1) 加工施設とは、核燃料物質を原子炉に燃料として使用できる形状又は組成とするために、これを物理的又は化学的方法により処理するための施設をいう。 (2) 再処理施設とは、原子炉に燃料として使用した核燃料物質から核燃料物質その他の有用物質を分離するために、使用済燃料を化学的方法により処理するための施設をいう。 核分裂反応 原子核とほかの粒子(例えば原子核、中性子、陽子、光子等)との衝突によって起こる原子核反応(散乱、吸収、分裂等)の一つが核分裂反応である。これは主としてウラン、トリウム、プルトニウムのような重い原子核が同じ程度の質量をもつ2つ以上の原子核に分裂する現象である。1核分裂当たり約200MeV程度のエネルギーが放出されるので原子力として利用される。核分裂のときに2~3個の中性子やγ線、β線を放出することが多い。核分裂しやすい物質は中性子により核分裂反応の連鎖が起こる可能性がある。原子炉における基本的な核反応である。 確率的影響 被ばくにより必ず発生する影響ではなく、被ばく線量が多くなるほど発生する確率が増加するものをいい、がんや遺伝的影響(被ばく者の生殖腺が遺伝的疾患を有し、子孫に影響が現れること)をいう。 これらの影響の起こる確率が線量と比例関係にあり、しきい線量が存在しないと仮定されている影響である。 希ガス 周期表の0族元素ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn)の総称である。地表及び大気中に含まれる量が非常に少ないので、このように呼ばれる。いずれも無味無臭、無色で、1原子分子の気体(常温)である。融点、沸点は低い。原子最外殻に非常に安定な電子配置を持つため化学的に極めて不活性で、元素相互または他の元素と化合しにくい。このため不活性ガスとも呼ばれる。 吸収線量 物質によって吸収された電離放射線エネルギーであり、記号Dで表され、微少体積要素(dv)中の物質に吸収されたエネルギー(dE)についてD=dE/dvで定義される 。 単位質量(kg)の物質に吸収された放射線のエネルギー(J)の単位で表され、この単位にグレイ(Gy)という呼び名が与えられている。従来の単位1rad は、0.01Gy に当たる。 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム (SPEEDIネットワークシステム) このシステムは、地形の影響を考慮して、放出源情報、気象情報等を基にして、放射性プルームの移動拡散の状況を計算し、希ガスからの外部被ばくによる線量、ヨウ素の吸入による甲状腺等価線量等をコンピュータの画面上に図示することができる。 このシステムでは、緊急事態が発生したサイトに係る情報(放出核種、放出量等)、各地方公共団体の連続モニタのシステムの気象観測情報、気象庁のアメダス情報等を入力することにより、6時間先までの風向・風速の統計的予測等の処理と、それに基づく放射性プルームの移動拡散の状況を計算する。緊急時には、文部科学省からの指示により計算結果の2次元表示等を行い、原子力災害対策本部等の関係機関においてこれらを活用することができる。 緊急時モニタリング 原子力施設において、放射性物質又は放射線の異常な放出あるいはそのおそれがある場合に、周辺環境の放射性物質又は放射線に関する情報を得るために特別に実施される環境モニタリングを「緊急時モニタリング」といい、原子力災害時に、迅速に行う第 1 段階のモニタリングと周辺環境に対する全般的影響を評価する第 2 段階のモニタリングからなる。 緊急被ばく医療 放射線による被ばくや放射線物質による汚染のために、医療的な処置が必要となった者に対する医療のこと。平成13年6月の原子力安全委員会の報告書「緊急被ばく医療のあり方について」において、被ばく医療の基本理念、緊急被ばく医療体制、医療情報とネットワーク、搬送体制、被ばく医療に係る人材育成等について示されている。 原子力災害対策特別措置法 平成11 年12 月公布。平成11 年9月30 日に発生したウラン加工工場の臨界事故を契機に制定され、原子力災害に対する対策の強化を図ることを目的としている。 臨界事故の反省を踏まえて、初期対応の迅速化、国、地方公共団体及び原子力事業者との連携強化、国の対応機能の強化や原子力事業者の責務の明確化等を柱としている。これにより、原子力災害の予防に関する原子力事業者の責務、原子力緊急事態における内閣総理大臣による原子力緊急事態宣言の発出及び原子力災害対策本部の設置等、原子力災害に関する事項について特別な措置が講じられることになる。 原子力施設等の防災対策について(防災指針) 原子力施設等の防災活動をより円滑に実施できるよう原子力防災対策の技術的、専門的事項について、原子力安全委員会が、取りまとめたもの。平成12 年5 月には、原子力災害対策特別措置法との整合性を踏まえ改訂された。また、平成13 年3 月には、ICRP1990 年勧告の取入れに伴い改訂された。さらに、平成13 年6 月には、緊急 被ばく医療をより実効性のあるものとするため改訂された。 原子力施設等防災専門部会(防災部会) 原子力安全委員会に設置された専門部会のひとつ。緊急被ばく医療に対する検討の重要性等をも踏まえ、原子力施設等における災害対策に関する課題について、より的確かつ総合的に対応するため、従来の原子力発電所等周辺防災対策専門部会を再編し、平成13 年6 月に設置された。 高カリウム血症 カリウムを含む電解質液などの経静脈的過剰投与、カリウムの排泄障害、あるいはカリウムの細胞外への異常な移動等により生ずる血清カリウム濃度高値の状態。血清カリウム濃度 5.0 mEq/L)を超える状態。 交叉刺激 一つのホルモンは本来、ある固有の組織に特異的な機能変化をもたらすが、ホルモンの種類によっては、ホルモン間やその受容体の間での共通構造をもつために複数の組織の機能変化をもたらすことがあり、これを交叉刺激という。 甲状腺 内分泌腺の一つ。喉頭の前下部、気管の両側に位置し、色調は帯黄赤色を帯び馬蹄鉄状の形をしている。身体の発育及び新陳代謝に関係あるホルモンを分泌する。甲状腺ホルモンの原料がヨウ素であり、このホルモンが欠乏すると、発育障害や粘液水腫を起こし、過剰になると甲状腺機能亢進症を起こす。甲状腺はヨウ素を多く含んでおり、放射性ヨウ素が体内に取り込まれると、他の臓器に比べ選択的に甲状腺に集積する。 甲状腺過形成 甲状腺の大きさが増す状態で通常は甲状腺細胞の複製や肥大に起因する。下垂体から過分泌される甲状腺刺激ホルモンに甲状腺が刺激され、甲状腺腺細胞のホルモン合成が盛んになり、甲状腺が腫大している病態をいう。ヨウ素欠乏時などにみられる。 甲状腺がん 病理学的には、乳頭腺癌、濾胞腺癌、未分化癌、髄様癌に分類される。放射性物質シンチグラムの欠損像や結節の触診、軟X線による石灰沈着像、細胞診等で診断する。 甲状腺機能亢進症 代謝亢進と甲状腺ホルモンの血清レベルの上昇を特徴とする。いくつかの特定の疾患を包括する臨床状態をいう。 甲状腺機能低下症 甲状腺ホルモン欠乏の特徴的な臨床反応。種々の原因で起こるが、一般的なものは、通常慢性甲状腺炎に続発する自己免疫性疾患である。び慢性あるいは結節性甲状腺腫より外に固い甲状腺腫や、または、後年に疾患が進行して、廃絶した、萎縮し線維化した甲状腺となる場合もある。 甲状腺シンチグラフィー シンチグラフィーとは、人体などに放射性同位元素(RI)で標識した化合物をトレーサとして投与し、それが集積した臓器や組織の放射能を外部から測定し、その分布を写真黒化の濃淡あるいはカラー画像として表示する検査法である。放射能はシンチレーション計数管又は、ガンマカメラにより測定する。得られた画像をシンチグラムという。甲状腺シンチグラフィーは、甲状腺に選択的に取り込まれる放射性ヨウ素を経口投与し、経時的に頸部を撮像することで甲状腺の機能や形態を調べ、病気の診断を行う。現在はベータ線を放出するヨウ素-131 にかわり、γ線のみのヨウ素-123 が使用されている。 甲状腺濾胞細胞 甲状腺組織で甲状腺ホルモンを合成する上皮細胞である。 甲状腺ホルモン 内分泌腺の一つの甲状腺から分泌されるホルモン。2つのチロシン残基にヨウ素を3又は4個含む化学構造が特徴であり、身体の発育及び新陳代謝に必要なホルモンである。 国際原子力機関(IAEA) 国際原子力機関(International Atomic Energy Agency IAEA)は、国際原子力機関の憲章に定められた(1)世界平和・健康および繁栄のための原子力の貢献の促進増大と(2)軍事転用されないための保障措置の実施という2つの大きな目的に基づいて1957年7 月に設立された。国際原子力機関の組織機構は、総会、理事会、事務局からなっており、1999 年11 月現在の加盟国は、131 か国である。憲章に定められた国際原子力機関の任務は7項目あり、これら任務を果たすため、(1)開発途上国への技術協力、原子力発電の安全対策等、原子力の平和利用を促進するために必要な支援活動を行うとともに、(2)国際原子力機関憲章および核兵器不拡散条約(NPT)に基づき国際原子力機関と関係国とが保障措置協定を締結し、これによって軍事転用されないように保障措置を実施している。 国際放射線防護委員会(ICRP) 専門家の立場から放射線防護に関する勧告を行う国際組織である。この組織の前身は1928 年に作られた国際X 線ラジウム防護委員会(IXRPC)であり、1950 年に現在の名称となった。ICRP が出す勧告は現在も国際原子力機関(IAEA)の安全基準、世界各国の放射線障害防止に関する法令の基礎にされている。ICRP は、主委員会と4つの専門委員会(放射線影響、誘導限度、医療放射線防護、勧告の実務適用)からなる。 [サ]行 再燃 ここでは、一時おさまっていた病巣が、再び悪化することをいう。 しきい線量 線量効果関係(被ばく線量と、それによって引き起こされる生体への影響との関係)において、ある線量以下では影響が生ぜず、その線量を超えて被ばくすると、はじめて影響が発現するとき、その線量を「しきい(閾)線量」(閾線量、Threshold Dose)という。しきい線量の値は、身体の被ばく部位、問題とする影響の種類や被ばくの受け方(1回、短時間;連続、など)によって様々である。 放射線防護のために、被ばく線量を制限する基準の一つとして「線量限度(Dose Limits)」が定められている。この「線量限度」の値は、確定的影響(別掲)に対してはその「しきい線量」以下になるように、また確率的影響(別掲)に対しては、閾値の存在の有無やその値などが現時点では科学的に確認されていないので、「しきい値のない直線線量効果関係」を仮定した上で、影響のリスクが社会的に受け入れられるように十分に低い値に設定されている。 若年者 18歳未満の者を指す。 JCO 事故 平成11 年9月30 日に、(株)ジェー・シー・オー東海事業所のウラン転換試験棟において発生した臨界事故。原因は、本来であれば溶解塔で硝酸と加えて溶解すべきところを、1バッチ(硝酸ウラニル溶液約6.5 L)以下で制限して管理すべき沈殿槽に、7バッチのウラン溶液を注入したことによる。事故現場で作業をしていた3名が重篤な被ばくを受けた他(うち2名が死亡)、住民への避難要請、屋内退避要請が一時行われるなど我が国での原子力事故としては前例のない大事故となった。 ジュ-リング疱疹状皮膚炎 かゆみの強い水疱、丘疹、蕁麻疹様病変の群発で特徴づけられている慢性の皮疹。ヨウ化カリによるパッチテストで皮疹を誘発し診断していたが、現在では、蛍光抗体法で、表皮真皮境界部にIgA の沈着を証明することで診断される。この疾患を有する者は、ヨウ素対し過敏である 。 生涯リスク 将来に渡って疾病発症に結びつくリスク要因は、日常生活の中でもいろいろ考えられるが、リスク源にさらされることによって、被る害が生涯の間に現れる確率を生涯リスクという。放射線被ばくの場合、被ばくによって発生するがんは、長い潜伏期を経て生涯にわたって現れるため、生涯リスクは放射線被ばくによって一生の間に発生(がんによる障害の発生あるいはがんによって死亡)する確率ということができる。 腎不全(症) 腎臓への循環不全、腎内血管病変、腎実質病変、尿路閉塞などの原因で、腎臓の機能が低下した臨床状態をいう。水分やカリウムや老廃物などの排泄障害により、様々な症状を呈する。 髄様癌 髄様(充実性)癌は散発性(通常一側性)あるいは家族性(両側性が多い)に発症する。染色体10 番目のRet 遺伝子異常に起因することが多い。病理学的には、甲状腺傍濾胞上皮細胞(C 細胞)の増殖がみられる。この細胞は血清カルシウムとリン酸(PO4)の低下作用をもつホルモンであるカルシトニンを過剰分泌するが、血清カルシウムとリン酸(PO4)の濃度を変えるほど高濃度に存在することは稀である。コンゴーレッドに染まる特徴的なアミロイド沈着もある。 生物学的半減期 生体中または特定の組織、器官に存在する特定の物質(放射性核種も含む)の量が、代謝、排泄などの生物学的過程によって初めの量の1/2にまで減少する時間をいう。この減少は、指数関数的またはそれに近い割合で起こる。したがって、放射性核種が摂取された場合の体内又は組織、器官内存在量は、放射性壊変と生物学的過程とにより減少する。 この二つの過程により初めの放射性核種の量が1/2にまで減少する時間を実効半減 期といい、次式で示される。 1/T=1/Tr+1/Tb ここで、Tは、実効半減期、Trは、物理学的半減期、Tbは、生物学的半減期である。 世界保健機関(WHO) 世界保健機関(WHO)は、1946 年の国際保健会議で採択されたWHO 憲章に基づいて1948 年に国連の専門機関の一つとして設立され、その目的は、世界の全ての人々の健康の保護、増進のため国際保健活動を計画、実施、調整することであり、1998 年現在の加盟国は191 か国である。WHO の原子力分野の国際協力・支援活動としては、世界8 か所のWHO 放射線緊急時対策支援センターの活動と、チェルノブイリ事故の健康影響に関するWHO 国際プログラムとがある。前者では、放射線障害についての指導・訓練・医療措置の実施、大規模事故時の緊急医療対策確立への支援、放射線影響の病理学的または疫学的調査等が行われ、また後者では、チェルノブイリ事故の健康影響についての調査協力の促進、疫学的調査その他の専門的調査による長期の低レベル放射線を含む放射線影響の把握、データベースの開発・充実、得られた知識の放射線緊急時医療対策への活用等が行われている。 腺腫様甲状腺腫 甲状腺の過形成や低形成、嚢脆化など多様な病理学的所見を呈する良性疾患である。病因は不明であるが、一般的に甲状腺機能低下症を伴わない甲状腺の腫大である。初期には、柔らかく、左右対称で、平滑な甲状腺腫の存在に基づいて診断する。後期になると、多発性結節や嚢腫が現れることがある。 先天性筋強直症 先天性筋強直症(トムゼン病)は、稀な常染色体優性筋強直症であり、通常幼児期に発症する。いくつかの家系で、この疾患は骨格筋塩素チャンネル遺伝因子を含む染色体7の領域に結びつけられている。無痛性筋硬直は手、脚、眼瞼で最も顕著で、運動で改善する。脱力は通常ごくわずかである。筋肉が肥大することがある。 診断は通常、特徴的な身体的外観、握ったこぶしがまっすぐに開くことができないこと、直接筋叩打後の筋収縮持続によって決定される。筋強直は筋電図検査で、典型的な「急降下爆撃機」様の音を起こす。 絨毛由来性性腺刺激ホルモン 胎盤絨毛から合成・分泌される性ホルモンで、エストロゲンとプロゲステロンがある。 [タ]行 胎盤 妊娠の際、子宮内にできる円盤状の組織塊をいう。胎児がへその緒を介して物質交換を行うとともに、胎盤ホルモンを分泌して妊娠の維持に重要な役割をする。 チェルノブイリ原子力発電所事故 1986年4月26日、旧ソ連のウクライナ共和国キエフ市北方約130kmのチェルノブイリ原子力発電所4号機(黒鉛減速軽水冷却沸騰水型:RBMK型、1000MWe)で発生した原子炉事故。急速な反応度投入事故の結果として発生した蒸気爆発で炉心の一部が破損し、黒鉛火災が起こり、建物の一部が吹き飛んで大量の放射性物質が環境に放出された。この事故により、消火活動に当たった者のうち、31名の死亡、203人が急性放射線障害で入院し、発電所から半径30km以内の住民13万5000人が避難した。放射性物質は国境を越えて隣接するヨーロッパ諸国にもおよび、広い範囲に放射能汚染を引き起こした。 低補体性血管炎 血管壁に炎症を認め、自己抗体などによる免疫複合体形成により、低補体血症を伴う血管炎を生じる疾患。全身性エリテマトーデスなどの膠原病に多く伴う。低補体性血管炎を有する者で、ヨウ素に過敏であることがある。 デオキシリボ核酸(DNA) デオキシリボ核酸(Deoxyribonucleic acid DNA)は、遺伝子の本体で、デオキシリボースを含む核酸。ウイルスの一部およびすべての生物の細胞中に存在し,真核生物では主に核中にある。アデニン・グアニン・シトシン・チミンの 4 種の塩基を含み,その配列順序に遺伝情報が含まれる。1953 年ワトソンとクリックとが,デオキシリボ核酸の分子モデルとして二重螺旋(らせん)構造を提案し,分子生物学を大きく発展させた。 [ナ]行 乳頭腺癌 乳頭腺癌は甲状腺癌の中で最も多く、全甲状腺がんの80~90%を占めている。女性は男性の2~3 倍羅患しやすい。青年層の羅患頻度が高いが、高齢層ではより悪性である。放射線照射歴のある患者に多く発生し、リンパ行性に転移する。これら分化癌はTSH 依存性のことが多く、乳頭腺癌の多くは濾胞性要素を含んでいる。最近検査の進歩で潜在する微小がんの発見が増加している。 [ハ]行 被ばく 身体が放射線にさらされることをいう。被ばくの形態には、身体の外にある放射性物質やX線発生装置から放射線を受ける「外部被ばく」と放射性物質の付着した食物を食べたり、空気中に存在する放射性物質を呼吸により身体の中に取り込み、それから放出される放射線を身体の内部から受ける「内部被ばく」の2種類がある。外部被ばくは、放射線を受けているときだけに限られるが、内部被ばくは放射性物質が体内に存在するかぎり被ばくが続く。被ばくには、原子力施設で働く人の職業上の被ばく、一般公衆の日常生活での被ばく、すなわち宇宙や大地、食物からの自然放射線、病院での医療、あるいは原子力施設から放出された放射性物質等に由来する人工放射線による被ばくがある。 米国放射線防護審議会(NCRP) 米国議会から公認された非営利法人団体であり、放射線防護と測定に関する勧告、ガイダンスの公表、および情報収集、評価を行っている。NCRPの特徴は、政府機関、産業界、財団等より寄付を受けているが、その報告は、科学的基盤にたった公正なもので、永年の信頼を確立している。 副作用 治療・予防・診断などのために用いた医薬品の本来の効果と異なる作用。人体に有害な作用であることが多い。 物理的多重防護壁 原子力施設の安全性確保の基本的考え方の一つで、原子力施設の安全対策が多段的に構成されていることをいう。原子力施設の基本的設計思想とされている。多重防護は、次の3段階からなっている。第一段階としては、安全確保のための設計の考え方であって、異常の発生を防止するため、安全上余裕のある設計、誤操作や誤動作を防止する設計、自然災害に対処できる設計が採用されている。第二段階としては、事故拡大防止の考え方であって、万一異常が発生しても事故への拡大を防止するため、異常を早く発見できる設計、原子炉を緊急に停止できる設計が採用されている。第三段階としては、放射性物質の放出防止の考え方で、万一事故が発生しても放射性物質の異常な放出を防止するための格納容器やECCS(緊急炉心冷却装置)が備えられている。 防災業務関係者 周辺住民に対する広報・指示伝達、周辺住民の避難誘導、交通整理、放射線モニタリング、医療措置、原子力施設内において災害に発展する事態を防止する措置等の災害応急対策活動を実施する者、及び放射性汚染物の除去等の災害復旧活動を実施する者をいう。 放射性ヨウ素 原子炉施設において、原子力災害が発生した場合には、気体状のクリプトン、キセノン等の希ガスとともに、揮発性の放射性ヨウ素が周辺環境へ放出することが想定される。この場合、放出される放射性ヨウ素のうち周辺環境に影響を与える核種は、ヨウ素-131、ヨウ素-132、ヨウ素-133、ヨウ素-134、ヨウ素-135、である。なお、ヨウ素は、そのかなりのものが液層に残ること及びチャコールフィルタにより除去できることが知られている。 ちなみに、ヨウ素-131、1 mg は、4.6 ×10+12 Bq である。 また、元素状ヨウ素-131 の吸入による小児(1才児)甲状腺等価線量の線量係数(ICRP Publ.71)は、3.2×10-3 mSv/Bq である。 放射線の内部被ばくによる甲状腺がん チェルノブイリ原子力発電所事故後に多発している放射線の内部被ばくによると考えられる甲状腺がんは、乳幼児をはじめ若年被ばくであり、病理組織学的に乳頭腺癌が多い。一般に、放射線による誘発がんは、自然発生がんの発症を促進すると考えられ、放射線の内部被ばくによる甲状腺がんでもその影響は同じと考えられる。放射線被ばくが原因で、特異的な甲状腺がん発症の性差が生じるとは考えられていない。また、男女間で、甲状腺細胞の放射線感受性が異なるという知見も得られていない。 [マ]行 慢性甲状腺炎 自己免疫因子が原因と考えられるリンパ球浸潤を伴う甲状腺の慢性炎症で女性に多い。慢性リンパ球性甲状腺炎(自己免疫甲状腺炎)ともいう。 未分化癌 未分化癌は甲状腺癌の約3%前後で、主に高齢者にみられ、女性の方が男性よりも若干多い。この腫瘍の特徴は、甲状腺の急速な有痛性の腫大で、約80%の患者が診断後1 年以内に死亡し、最も予後の不良な甲状腺癌である。 [ヤ]行 薬疹 経口及び非経口的薬物投与後の皮膚及び粘膜の皮疹。ほとんどの薬疹の機構は良く知られていないが、多くはアレルギー性しくみによるものである。薬物に特異的な抗体や特異的に感作されたリンパ球が、初回の薬物暴露の後、概ね4~5日間持続する。その後の薬物に対する再暴露は、数分のうちに丘疹となって現れることもある。他の反応には、薬物の蓄積、薬物の薬理学的作用、遺伝的因子との相互作用などがある。 ヨウ化カリウム ヨウ素の化合物。ヨウ素は、3’,5’-cyclic AMP を介する甲状腺刺激ホルモンの作用を減弱させることにより、体循環への甲状腺ホルモンの分泌を抑制し、甲状腺機能亢進症状を軽減させる。一方、甲状腺機能低下の場合には、ヨウ素が補給され機能が亢進する。また、ヨウ素は気管支粘膜の分泌促進、粘液の粘度を低下させることにより、去痰作用を現す。さらに、梅毒患者の肉芽組織に対する選択的な作用により、第三期梅毒患者のゴム腫の吸収促進に用いられる。 予防 ここでいう予防とは、安定ヨウ素剤を服用することにより、放射線誘発による甲状腺がんの発生確率を低減させ、がんを積極的に予防することと、放射性ヨウ素の吸入前に安定ヨウ素剤を予防的に服用するという両方の意味で用いている。 [ラ]行 罹患率 病気に新しくかかることを罹患といい、特定の期間中にある集団が新たに病気になった人数を割合として示したもの。 リスク・ベネフィットバランス ある行為を採用することにより、得られる便益とそれに伴うリスク(危険率)等とを比較し、その行為を採用することが適切か否かを判断する場合の手法として用いられる。 臨界 ウランなどの核分裂性物質は、中性子が当たると核分裂反応を起こし、大きなエネルギーを生み出すとともに、2,3個の新たな中性子を放出する。このため、一定量以上の核分裂性物質がある条件下で集まると、生まれた中性子が核分裂性物質に当り次々と核分裂反応を起こす。これを臨界といい、この核分裂が持続している状態を臨界状態という。 濾胞腺癌 濾胞腺癌は、甲状腺がんの約5~10%を占め、高齢者に比較的多い。乳頭腺癌よりも悪性で、血行性に遠隔転移する場合が多い。男性よりも女性に多い。 出典 (1)ATOMICA(原子力百科事典):(財)高度情報科学技術研究機構 原子力PAデータベースセンター、科学技術振興事業団 受託出版課 2001年 (2)メルクマニュアル 第17版 日本語版:日経BP社、東京、1999年 「原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について」
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概要 バセドウ病は自己免疫疾患の一つ。 TSH受容体に対する自己抗体が産生され、TSHの代わりにその抗体がTHS受容体を刺激する結果、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまうことになる疾患。 Grave s病とも言われる。 TSHは甲状腺刺激ホルモンのこと。 症状 バセドウ病に顕著に見られる心悸亢進(頻脈)・眼球突出・甲状腺腫(甲状腺肥大)の三つの症状はメルゼベルグ(Merseburg)の三徴といわれる。 甲状腺機能亢進症(周期性四肢麻痺・体重減少など) 甲状腺クリーゼ(甲状腺機能亢進症の急性増悪) 検査 ホルモン測定(TSH↓・T3↑・T4↑) 画像診断 治療 薬物療法 手術療法 放射性ヨード服用
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●2外再試の解答訂正や情報交換に使うページです。 確信はありませんが、参考にしてください 上部胆管癌に対する肝右葉切除時の再建法→標準P643 幽門輪温存幽門側胃切除時の再建法→new外科p687 の図示の問題があったそうです。 あと先天性食道閉鎖の選択肢のある問題がありましたがよく覚えていません。 森T先生と話したら、本試験をちゃんとやれば大丈夫という言葉をもらいました。 多分同じ問題を出すそうです。 また、1つ上の先輩の話では、去年の2外の再試は、冊子まで全く本試験と同じものだったそうです。 ということで、復元問題をきちんとやればよいと思われます。 訂正ある場合は、追加upしましょう。 Y田先生の話では、先生達が作った問題に教授がmodifyしているようです。 そのせいで、「2つ選べ」などの表現がなくなったり、選択肢がややこしや~になったりしているみたいです。ほんとやめてください。 解答訂正は以下で。 【解答訂正】 訂正じゃないですが、意見交換ということで・・・ アップされた、解答解説で解答等が載っていなかった問題について皆さんのご意見を伺いたいと思います。ご意見いただければ幸いです。 問題1-5 解答はe.3,4,5 3-2 bが正解 →参考にしてください。http //www1.atwiki.jp/sakurasakuyo/pages/51.html竹橋 4-1 解答d cut colon sign, board kerning signというsignは自分が調べる限り、ありませんでした。cut colon signはcolon cut-off signの復元ミスなのか、それを引っかけとした問題でしょう。前者ならば○ですね。board kerning signは音的にはherring-bone sign(herring-bone appearance)に似ていますが・・・。これも復元ミスなのか、本当にboard kerning signというsignがあるのか?前者ならこれも○ですね。誰かboard kerning signについてわかったら教えてください。 ⇒復元ミスでa.colon cut-off signであることは間違いないようです。 あと、e.key board signじゃないかという話が出ています。 4-3 a,b,d? dは大腿ヘルニアは老齢女性(あるいは高齢女性)に好発との記述が見受けられますが、中年以降=老齢と捉えていいのか・・・、まあ多分出題者の意図的には○なんでしょうね。 問題?1 a?,d,e eは論外。cは緊急手術で診断が付く(=原疾患の適切な治療ができる)こともあるらしいので、状態不良ならば緊急手術するらしいです。なので、cは○・dは×かと。教科書では、急性腹症は時間推移で症状や患者の状態が変わってくるので、頻回の診察・所見獲得が重要としており、初診時確定診断付かず、重篤な状態でなくても経過観察目的の入院でカバーできると書かれていました。なのでbは○でaは×かなと思いました。ただし、初診時診断付かない場合、①症状増悪あればすぐに連絡の上、診察を受けにくるように指示することと、②翌日の外来受診を勧めることを条件として、状態良好であれば帰宅させても良いかも、とも書かれていました。問題文だけからではこれらの条件を満たすかわからないので、aは微妙だと思いました。 後4日、頑張りましょう! 問1-1 復元のミスで 「甲状腺疾患の合併症」 ⇒ 「甲状腺疾患の術後合併症」 だそうです。過去問 07 2-2と全く同じ選択肢ですので間違いないと思います。 よって不適切なものはc 【解答】c a,b,d,eは術後合併症。 cは副甲状腺機能低下ならば正解。 5-1訂正 Y田先生に質問しました。 【解答】b,d,e bに関して、先生の臨床的な印象では、最近診るなという印象らしいですが、一般的には腺癌が急増して問題になっているのは欧米なので本邦では急増しているというのはちがうのではという返答でした。 8-2訂正 Y田先生に質問しました。 【解答】a,c,d bに関して、男性か、女性かどっちなのかちょっと困る選択枝なんですが、先生も困った様子で、高齢、男性でいいんじゃないの一言でした。もし意見があれば横に一言意味わからんと書きましょう。 問2-3訂正 この問題を作ったY田先生に質問しました。 【解答】dのみ 【解説】 c.○:「手術ではない」という意味で、薬物療法だという主張でした。選択肢を保存的治療とすればベストだったと反省してました。 d.×:鼠径ヘルニア嵌頓は、疼痛・発赤などの症状が見られてから5~6時間たつと腸管壊死が起こる可能性があり、その場合は緊急手術です。診断してなんでもかんでも還納すればよいというわけではない。「直ちに」が×。問診してどういうphaseかを見極めるのが重要だと言われました。 e.○:解説あってます。手術適応ありで、○です。間違って×にしてました。 問?8訂正 医局長不在のため、Y田先生に質問しました。 【解答】c.d 【解説】 a.○:解説通り、進行癌は外科治療を含めた複合療法を行いますが、auchincloss手術を行うこと自体は正解なので○だろうとのことでした。手術のみかどうかを重視して解答を作ったので、間違ってはいないですが、問題作者の意図とは違うようです。 d.e.は解説は合っています。解答欄に間違えてe.と載せてしまいました。正解はd.です。
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放射能汚染とデマ汚染に抗す 最高0・24マイクロシーベルト 子供の甲状腺被ばく調査「問題なし」 [3./25 11 07] http //ninja.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1301095576/ 1 :かしわ餅φ ★:2011/03/26(土) 08 26 16.63 ID ???0 原子力安全保安院は屋内退避エリアの川俣町の子供を対象に行なった甲状腺被ばく調査の結果、「問題になるレベルでない」と発表した。 原子力保安院は、24日、福島第一原発から半径20キロから30キロの屋内退避エリアのうち放射線量が多い川俣町で、放射性物質のヨウ素131が溜まり易い子供を対象に甲状腺の調査を行なった。 調査を受けたのは、川俣町の山木屋地区の1歳から6歳までの乳幼児と7歳から15歳までの児童生徒合わせて66人。 調査の結果、最も値が高かった12歳の男の子でも1時間あたり0・24マイクロシーベルトと原子力安全委員会の指針である、2マイクロシーベルトを下回ったということで、原子力安全保安院は「被ばくは問題になるレベルではない」としている。 子供の甲状腺被ばく調査「問題なし」 福島県内ニュース KFB福島放送 http //www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=2011032513 放射能汚染とデマ汚染に抗す