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登録日:2011/07/30 Sat 17 07 07 更新日:2024/05/20 Mon 21 01 02NEW! 所要時間:約 10 分で読めます ▽タグ一覧 PTA ある意味悪の組織 お前らの天敵 みどりのおばさん ポール・トーマス・アンダーソン 不愉快 地域 婦人団体 学校 差別 強制? 教育 無駄 社会問題 絶対に許さない 行き過ぎた正義 親 非営利団体 PTAはParent・Teacher・Association(ペアレント・ティーチャー・アソシエーション)の略で決して「パパさん達の集まり」ではないし、「パパ・とうさん・アニキ」でもない。 当然「パンツたくさんありがとう」でもない。 「健全なる教育」「子ども達の安全」「充実した学校生活」の支援を目的に、全国各地の学校単位、あるいは市町村単位で設けられる組織(*1)である。発祥はアメリカ。 幼稚園や認定子ども園から高校や高等専門学校を指し、それらに通園通学する児童生徒の親や教師によって構成される。 【概要】 【PTAの活動 (ライト編)】PTAのメリット 【PTAの活動(ダーク編)】①勝手に入会させ、退会も認めない ②無茶な役員職と業務の押し付け ③膨大、しかし意味も意義もない仕事 ④一部の人間の暴走 ⑤PTA会員と非会員の差別 ⑥解決が難しい… 悪行 【なぜそんな組織が現存しているの?必要なの?】 【概要】 法人格を持たない民間の任意団体(*2)で、結成・加入を義務付ける法律の規定は存在しない。 なんだったら法律で規定された名称ですらないので、地域によっては「父母会」「保護者会」と呼ばれる(*3)ことも、学校に対応するPTAが存在していなくても法的に問題なく、その運営も団体内部に委ねられている。 【PTAの活動 (ライト編)】 通常は子どもが入園・入学すると、その保護者(特に母親)が勧誘を受け、入会するかどうかの意思決定を求められる。自治体によっては会費が必要な場合が多い。 あくまでも入会も退会するも任意。 入会すると会合等に参加でき、地域によって詳細は異なるものの、大抵は月に何度かの会合を開き、教育の内容の報告、問題点、懸念事項等についての話し合いが行われる。 場合によっては主催として子ども達の為のイベントが開き、学校行事にも役員などが来賓として参加するケースもある。 学校周辺や通学路の清掃、(みどりのおばさん的な)登下校時間における保護監視活動等、地域ボランティアに類する活動も行う。 PTAのメリット 学校教育の実情を常にかつ身近に把握できる。 必要とあれば直接あるいはPTA協議会を介して教育課程の内容に要望を出せる。 新たに引っ越してきた児童生徒やその保護者に対する重要な窓口としての役割も担い得る。 先生方も全ての生徒に目を光らせることは学校内でも難しく、ましてや学外にまで目は行き届かない。 学外の事象にまで学校が介入する必要はないかも知れないが、学外で起きている問題が学内に持ち込まれることだって起こる以上、学外を無視するわけには行かない。 公立校の場合、大多数は数年ごとの転勤が常で、どうしても地域の実情には疎い。 地域社会に根付いた独自の視点を持つ親が、意見を述べることは、教育にとって重要である。 1人では言いだしにくいことも、集団で話すならば問題教師の体罰なども、PTAで情報を共有することで明るみとなり(*4)、解決につながることだってある。 【PTAの活動(ダーク編)】 PTAに明確な法的規定がないため、素人が前例を頼りに手探りでどう運営しようと内部の問題は(表にでない限り)違法となりにくい(でもバレない)。 そのため、下記に代表されるPTAのダークな側面が最近取りざたされるようになってきた。 ①勝手に入会させ、退会も認めない 「入会してないのに会費の請求が来た」「強制的に入会させられていた」などの訴えは昔からあったが、近年特に報道されるようになった。 「PTAへの加入は義務」という誤解はPTAに肯定的な人だけでなく否定的でも持っている場合が多いが、法的にも完全な誤り。 新たに入学・転入した児童生徒の保護者を勧誘することには問題はないが、本人の意思を無視して入会させたり、会費を徴収したり、不利益をちらつかせて会合への出席を求めることは基本的人権のうちの「所属の自由」を侵害する行為である。 入会申込していない人を強制的にメンバーにし、強制的に会費を取り上げる行為は強要、恐喝の刑事罰に問われることもあるのだ。 また、学校が保護者の承諾も得ずに連絡先などをPTAに通知すれば、個人情報保護法違反。 「昔からやってるんだからPTAへの加入強制は当然」という感覚に染まると、いつの間にか犯罪者になっていることがあり得るのでので注意しよう。 教育を受けさせるのは義務だが、学校とPTAは別組織で入会はあくまでも任意。 人を集めれば、当然そこに好ましからざる人が紛れている可能性(*5)を否定できない以上、PTAによる迂闊な連絡先の流出で我が子の被るリスクも忘れてはいけない。 ②無茶な役員職と業務の押し付け 特にトラブルが発生しやすいのが、この役員決め。 専業主婦を前提とするシステムが改善されていない多くのPTAは完全無償である場合がほとんどで、その自称ボランティア(下記③参照)が「シングル家庭や共働きの家庭ではとても出られない時間帯」が当てられることが多いせいでもある。 事情の確認のために仕方ないとは言え、プライバシー、それも親自身どころか家族のプライバシーに属することを多数の保護者の前で申告させ、挙句「全員が納得していないから」と結員を押し付けることすらある。(*6) 中には順番を理由に要介護者がいる家庭や当人が病気の保護者を強制的に役員などに任命し、両立困難を訴えても「私は仕事と両立しているのだから、当然お前もそうすべきだ」という屁理屈で黙らせようとするPTAが社会問題化している。(*7) どう考えても悪意による吊し上げとしか言えない。 PTAではなく自治会の話ではあるが、役員辞退を納得させるために、「おかねのけいさんできません」と書かされ、他の会員に見せると告げられた障害者が自殺したケースもあった。 事態が報じられて自治会には非難が殺到。裁判所は自殺との因果関係は認めなかったが、プライバシー侵害については賠償を命じた。 PTAの多数保護者の前でのプライバシーに関わる事項申告の強制も、十分これに当てはまるだろう。 執行部サイドとしてみれば苦肉の策なのだろうが、所詮任意団体。 入会したからといって仕事の強制もプライバシー侵害も人格権の侵害も許されない。無理やり任命した挙句、仕事を拒否したことに対する嫌がらせは犯罪だ。 そんなPTAからは脱退した方がいい。所詮任意団体だ。 ③膨大、しかし意味も意義もない仕事 ①~②がなぜ問題になるか、の主な理由がこれ。 「ベルマーク集め、切り取り(*8)」等の非効率な事業 子どもも熱心な会員も特に望まないレクリエーション 大半が面倒くさいうえに意味が無いそれらを週単位、準備作業も含めれば日単位で実施するので、役員は仕事も家庭も放り出して当たらなければならない。 また、日本の常として大半の会員は最低限の活動しか関わらないそりゃ誰も役員なんかやりたがる訳がないので、 これら負担と責任を集中的に役員に負わせる構造と風潮 だったら「やらない」というのは暴論としても、時代に合わなくなっているからこそ効率化は 本当に必要と思われる活動に絞る 活動のための負担を全員に割り振る メールやSNSによる迅速で正確な連絡手段の導入 ………など、現に実施しているPTAもある。 ところが大抵の場合はなかなか進まない。その理由が次だ。 ④一部の人間の暴走 元役員「不合理かどうかなんて関係ない、私はあんなに苦労したのに、後の人がそんな楽をするなんて許せない」 教職員「これは我が校の伝統でして、ずっとPTAの協力を当然としてきました。あなた方の都合でその栄えある伝統を絶やすんですか?」 地域の人「少しでも子どもに関わる地域仕事は、保護者で作るPTAがボランティアとしてやるのが当然だろう。だから、これもやれ」 という非常に自己中心的でしょうもない感情や理屈で口出しをする人に限って発言権を持っていたりすることが多いのだ。 そういう人たちの発言権は、自らがそれらの仕事で苦労したからこそ得たコネクションや周囲の評価に立脚するものであることも多く、逆らうのは言うほど簡単ではない。 そして苦労を押し付けられてきたという点では彼らもまた被害者とも言えるが、被害者が転じて周囲に同様の被害を押し付ける加害者となってしまうという問題はPTAでも健在なのだ。 そしてこういった上や外からの圧力だけでなく、 会員「面倒くさいし関係ないからそっちで適当にやって。でも気に入らなかったら文句は思いきり喚くわよ」 という我関せずな身内からハシゴを外されるケースも決して少なくはない。 また、経理が杜撰で使い込みをされているのに気づかなかったり、間違った方向に意欲を燃やした人間が暴走した結果、上記の実質的な加入強制のような法律違反のやり方が横行してしまう傾向が強い。 ⑤PTA会員と非会員の差別 また、卒業式などでPTAから送られるコサージュなどをPTAに入会していない家庭の子には贈らない(親が実費を別途出すと申し出ても)という対応も目立つが、これも実は問題だ。 卒業式は「学校行事」であり、「PTA行事」ではないのだから、「学校行事」として従うべきルールがある。 学校とPTAは別組織で、学校内でPTA会員の子か非会員の子かを差別することは式典における学校のルールに反している。 PTAが独自にPTAの子ども向けの式典を行い、そこで会員のみに配布するなら問題ないが、卒業式と言う場を借りるのにPTAの組織の論理を持ち出す時点で、非常識な振舞である。 ⑥解決が難しい… だが、こういったPTAの問題点を学校や役所に相談してもあまり強く出られないことが多い。 PTAと学校があくまでも別組織である以上、学校側も強く出るのが難しい。 下手に干渉すると学校による保護者への圧力とさえ取られかねない。 そのうえ学校の先生も慢性的に人手不足であり、学校行事の実施にはPTAの協力が不可欠な実情もある。 現状でPTAがなくなると運動会や入学式・卒業式のような各行事がうまく回らなくなるのは確実なので、学校としてはPTAと対立関係になったりましてやPTAがなくなるような事態は避けたいのだ。 他の保護者としても、子どもを人質に取られている面がある。 自身がPTAを脱退した結果、自分はもちろん我が子が学校で露骨ないじめや仲間外れの対象になってしまうという危険性がある。 子どもが卒業するまで我慢すれば、とりあえずはやり過ごせる。 結果としてPTAに強く出る意欲もわかなくなり、問題のあるPTAのやり方がなかなか改革されないまま現在に至っている。 一方で、こうした状況に異を唱え、改革に成功したというPTAの例も報告されるようになってきている。 やる前は様々な懸念があったがやってみたら案外何とかなった、という例もあるようだ。 こういったダークな傾向から脱皮できるかが、PTAの今後を握っていると言えよう。 悪行 通常、この欄で扱うような文脈で取り上げられるPTAとは、上記までの『単位PTA』ではなく、『日本PTA全国協議会』のことを指す場合が多い。 『PTA全国協議会』は全国各地のPTAの活動を支援し、まとめる組織である。 『教育に悪影響を与える』 誰もが一度は聞いたことがあるはずのこの一言で、子ども達の娯楽を規制しようとする活動もPTAの活動である。 名目はやはり「子どもの健全な教育の為」。 妥当な例も相応にあるが、それでも反発を受けるのは避けられない。 況してや子どもたち自身の意見を完全無視した大人のみの視点による主張などは……と思いきや、その主張がなぜか通ってしまう例もあり、『PTAにはそういった権限がある』と誤解する者もPTA内外問わず存在する。 もはや、監視という名の管理・軟禁である。 そういった態度に何かしら物申した際の常套句は「アンタ子供育てたことないでしょ↑!!!!」 以下にそういったPTAによる『悪行』の一例を紹介する。 ◆PTAが主張する教育に悪影響を与える例 ゲーム、アニメ、まんが、特撮番組 代表例。 1950年代の悪書追放運動は鉄腕アトムすらも焚書にし手塚治虫を大いに苦しめた。 CEROや倫理機構が発達する中でも(もっともそれらを活性化させたのもPTAである)、存在を抹消しようと懸命である。 場合によっては、子供にトラウマを植え付け…もとい注意する為に強制的に見せることもある。 子供が近付こうものなら、激怒する。企業や本屋を。 最近は、エロゲ会社にも抗議をしているらしくアニヲタとしては由々しき事態である。子供はエロゲやれねぇよ! アグ〇スとタッグを組んでいる団体もある。 学生服、体操服 なんでも、ブルマは卑猥なんだとか…。 この発言を最初にした人はフェミニスト(フェミニン)を自称していたのだが、それでブルマーが女性解放運動の産物なのを知らないのは如何なものか?と言いたくなる。 既にブルマー等はほぼ絶滅状態である。 女子学生服のスカートを廃止した学校も現れはじめた。由々しき事態である。 イベントごとの不平等 ここで言う平等とは『学芸会における全員主役化』『運動会における整列徒競走』等、少しズレた平等。酷くなると部活にも口を出す。 練習を頑張った子供はどうなるんだ?、という疑問はタブーとされている。 バラエティ番組 『子供に見せたくない番組ランキング』が有名。 全員集合やオレたちひょうきん族、めちゃイケ、ロンドンハーツ、クレヨンしんちゃんなど人気番組が一度は必ず通る道とも。 「クレヨンしんちゃんを見たこどもが往来でケツを出した光景」を実際に見たことがあるのだろうか? 一方、『見せたいランキング』ではふしぎ発見、プロジェクトX、世界一受けたい授業等が常にランクされる。 なお、ヘキサゴンは両方にランクインしたことがある。 このランキングは2012年を最後に廃止された。その理由として「本来はマスメディア全般に対する意識調査であるにもかかわらず、この部分だけがあまりに有名になりすぎてしまったこと」を挙げている。 インターネット(パソコン・携帯電話・スマホ等) 最近よく騒がれている内容。(ちゃんと調べたりもせずに)子供に不適切だったり、過激だと思われるようなサイトの閲覧を制限させるよう自治体に求めたり、夜間にケータイをさせないように呼び掛けたりしている。 アダルトな内容を含むサイトや何かと危険も多いSNSならいざ知らず、親によってはニュースも禁止という者もいる。 ぶっちゃけ、ネットに関しては俺らも悪い。 ◆極めて特殊な主張 先に挙げたような主張でも首をかしげる人は多いだろうが、時にPTAは首をかしげたくなるでは済まない主張をすることがある。 ここではウソかホントかもわからないような驚きの主張(下手をすれば犯罪行為)を紹介する。 繰り返すが、PTAには「命令する権利」はないし法律でこれらの行為が保証されている訳ではない。 ※事実かどうか定かではありません 都市伝説的感覚でお楽しみ下さい 「棚を移すだけではダメだ!18禁コーナーを撤廃せよ!」 筆者の地元で起こった運動。 学校に近い本屋数件に対して、「こどもの目に触れる可能性がある」としてアダルトコーナーを撤廃させた。 「ゲームセンターがオープンした? 店を畳め!!! なに?嫌だと? 宜しい、ならば毎日押しかけて営業できないようにしてくれる。」 オープンしたて のゲーセンに毎日押しかけ、店をたたむように命令した。 拒否されるや否やこどもが近付かないようにボランティアが周辺を見回りするようになりゲーセンの売り上げガタ落ち、移転を余儀なくされた。 店をオープンするには数多の手続きや建物の建設や改築等、相当の手間や費用が掛かっている。しかもこの場合、オープンするまでは何も言わず開店したのを狙って恫喝や張り込みを行うという極めて悪質な手法をとっており、事実上の営業妨害である。 「キャラクターに『嫌いな食べ物』を設定するべきではない!」 「○○だってたまねぎ食べられないんだよ!」と子供が言ったのを受けて一時期大量に生まれた苦情。 「子供を教育する親は嫌いな食べ物はないのか?」と問いたい。というかそもそもそんな屁理屈を論破してちゃんと(無理強いでなく)食べさせるのが親の役目である。それを放棄してフィクションにいちゃもんをつけるなど言語道断である。 「アンパンマンはエロアニメ」 アンパンマンに対し、『性的表現』について抗議を出したと言う。 曰く、ドキンがしょくぱんまんに恋していると言う設定が気に入らないらしい。 確かに対象年齢的に恋愛表現は若干早いような気がしなくはないが作中では極めてデフォルメかつコミカル寄りな表現が殆どであり、エロ呼ばわりなど言いがかりも甚だしい主張である。というかあの描写とエロを結びつけるあなた方の発想の方がよっぽどふしだrゲフンゲフン。 「家を出入りしているのに靴を履き替えないのはおかしい!」 ドラえもんに対し、このような苦情が来たと言う。 この苦情の後、ドラえもんは地上から3ミリ浮いていると云う設定が追加された。 水着の変更 これはとある地域で起こったことだが、学校指定の水着に対して「水に濡れたときのあのピッチリ感は卑猥だ」となんともアレな主張もとい性癖難癖をつけ、 学校指定の水着を止めさせて水着は自由にするよう求め校則を無理矢理変えさせた。 もっと際どい水着が増えた。結果、その学校の教師は猥褻罪や淫行罪で逮捕される件数が増えた。 一方通行 エロゲ等の18禁コーナーに子供が入ろうとしていたので、注意したら親が激怒。 駄文ではあるが、一つ。こんなわけのわからない人ばっかりなわけではなく、ちゃんとした人もいる。 それから、PTAを憎むあまりに自分が同じような存在にならないように気をつけるべきだろう。ネットの人間もPTAみたいな奴らが多いから。 【なぜそんな組織が現存しているの?必要なの?】 ここまで読んだなら誰もが思うだろう。「不要ではないのか」と。 実際、時代や事情に合っていないなど、(少子化もあるだろうが)活動を大幅に縮小したPTAも多数ある。 しかし、もろもろすっ飛ばして乱暴に結論から言うと、「必要があったから」生まれたという事も忘れてはならない。 地域と完全に密接したPTAは、村社会と同じく、閉鎖的、陰湿、監視、村八分といったワードが常にまとわりつく。 これらははっきり言ってイメージが最悪で、それならばPTAなんて百害しかないじゃん!と思うのも当然であろうが、それが生まれた背景というのも確実に存在するのだ。 【ライト編】でPTAそのもののメリットを記述したが、実のところ「地域の監視」というのは分かりにくい部分で衛生と治安に貢献している。 一例をあげると 登校生徒の見守り 小学生らが登下校する時間に合わせて横断歩道などの安全を確保する。 そこかしこで見られるおなじみの光景であるが、これを公的な機関や学校の教師が行うのはよっぽど人手が余っていない限り不可能である。 往来に不審者や誘拐など常に犯罪と隣り合わせだった時代や地域では死活問題であり、自ら子供たちを守らねばならなかったのだ。 明確な「監視」だが、平時のみならず災害などの予期せぬ事態においても活用される。 不審者の通報と情報共有 PTAにおけるママ友や井戸端会議の陰口…それはもう文字だけでウンザリするイジメの温床だが、こんなものでもいざ不審者や危険な動物、徘徊老人、危険な排水路や崖など近付いてはならない危険な情報があると警告を広めるネットワークとして活躍する。 また下記のゴミ捨て場の監視など、攻撃的な面は場合によって抑止力や処方箋の役割を担う事がある。劇薬だが。 ゴミ捨て場の監視 意外に思われるかもしれないが、集合住宅以外のゴミ捨てにはPTAの監視が影響を及ぼす。 地域に密着したPTAの監視能力は凄まじく、ルールを守らない人に対する村八分だけでなく、自主的な清掃、マナーを守らない危険人物の共有といった活動が行われる。 会費徴収 おかしいだろこれ!どこに正当性があるんだよ!…と思う人も多いだろう。その主張はもっともであるし、実際自治会費に統合して廃止したPTAもある。 この場合、PTA会費ではなく「自治会費」を払っていないご家庭に対する制裁として機能するのがこの陰湿なPTAだったりする。 先程のゴミ捨て場の清掃(地域によってはゴミ回収費用そのもの)もそうだが、災害・消防訓練、催事・祭事、道端や川沿いの草刈り、会館等の維持、水源管理などは多くが自治体で維持しており、国や県や市がやってくれよ、と言いたくなるがそれはそれあちらも人手不足。これらは結局のところ住民自らが行うしかない状態が続いている。 地域インフラは利用するくせに会費は払わず清掃にも参加しない…という家庭もあるので、一概に会費が不当と断ずる事はできないケースは存在するのだ。 と、ここまで書いておいてなんだが、今の時代に必要かどうかは別問題である。 そもそも少子化に加え、共働きが当たり前になっている現代においてPTA活動に割けられる時間は基本的に無い。あくまで必要とされてきた理由と背景を記したに過ぎないという事は留意して欲しい。 自治会の活動に統合されている自治体にPTAは存在しないし(次の論争の種が自治会に変わるだけではあるが)、監視カメラが増えつつある現代においてわざわざ監視の目を増やす必要性にも疑問がある。ゴミ捨て場も集合住宅の管理がなされている事が多いし、そうした住人からすれば同じ地域とはいえ違うゴミ捨て場の管理など知るかというのも真っ当な意見であろう。 メリットがあるにせよ、【ダーク編】に挙げたデメリットを鑑みて、必要かどうか。 そうして初めて是非の議論が前進すると言えるだろう。 追記・修正は教育に少しだけ悪影響与えるザマスからほどほどにするザマス! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- 荒れる恐れがあるためコメント欄は撤去しています。
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登録日:2021/07/12 Mon 00 09 29 更新日:2024/05/26 Sun 15 47 08NEW! 所要時間:約 12 分で読めます ▽タグ一覧 P・グレゴリー卿 ダミアン・ポッター ツッコミどころ満載 トンデモ本 ハリー・ポッター パロディ 意外と的確なツッコミ 本気かどうか判断に迷う本 渋谷幸雄 謎本 邪悪の石 本当は恐ろしいハリー・ポッター 注意!『ハリー・ポッター』ファンには不愉快になる表現が多数含まれている書籍です 『邪悪の石 本当は恐ろしいハリー・ポッター』とは、P・グレゴリー卿著、渋谷幸雄監訳による書籍。 2002年に同朋舎から発行、角川書店から発売されている。 概要 タイトル通り、『ハリー・ポッターシリーズ』を解説している非公式の謎本である。 ただ、装丁も結構立派であり、謎本にありがちな安っぽさはあまり感じられない。 2002年発行であり、日本語版は『アズカバンの囚人』までしか出ていない時期だが、『炎のゴブレット』の内容にも一部触れられている(穿った見方をすれば先行ネタバレと言えなくもない)。 著者のP・グレゴリー卿の正体については「謎のイギリス人」というだけで、今現在に至るまで一切不明である 。 というか監訳者の渋谷幸雄氏も含めて一切プロフィールが載っていない上、現在でもネット上でほとんど情報が出ず、色々な意味で非常に怪しい人物(一応渋谷氏については「ミラノ超自然学協会会員」というのは確認できるが、この団体の情報も不明である)。 根本的な話、このP・グレゴリー卿、本当に実在しているのかも怪しい (*1)。 そもそも、「イギリスのWebで話題になっていたサイトを翻訳した」という割には、肝心のそのWebサイトのアドレスがどこにも記載されていないのである。 つまりこれみたいなもん 日本人にはあまり実感がないだろうが、2000年代初頭ぐらいにはハリー・ポッターシリーズへのキリスト教徒からの攻撃はかなり激しかった。 特に歴史的にキリスト教の教義を重んずる風潮の強いアメリカでは、キリスト教保守派の親や団体によるハリー・ポッターシリーズの図書館貸し出し規制や撤去運動が持ち上がったほどである。 実際、キリスト教の教義からすれば「魔法使いがヒーローとして大活躍する」小説など邪悪の極みであり、あってはならない存在なのである。 本書もその系列に当たる、「ハリー・ポッター世界はこんなに邪悪なのだ」と警鐘を鳴らす書籍である。 + という建前だが…… 中身を読むとわかるが、 著者が本気でハリー・ポッターを邪悪なものと考えてこの本を書いているのかはかなり疑わしい 。 というよりも、そのような批判を パロディして皮肉っている だけなのでは?という疑いもかなり強い。 後述するが、解釈がいちいち邪悪極まりないように曲解されていることを除けば、この著者はこの時点で出版されている関連書籍(本編だけでなく、『クィディッチ今昔』や『幻の動物とその生息地』など)をほぼ全て丹念に読み込んでいるし、内容についても普通に「面白い」と評価している節が強い。 少なくとも、『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン 超常心理分析書』のようなただひたすら雑な謎本とは一線を画する出来なのは間違いない。 なにせ後書きで、 二〇〇一年十一月二十三日、私はグレゴリー卿のサイトを発見した。 すぐに翻訳の意思をメールで伝えると、美しい封筒に蝋で封印された手紙と本書の原稿が届いた。 手紙にはいくつかの条件が記されていた。 原稿のコピーを絶対に取らないこと。翻訳が完了したら原稿を返却すること。緑色の表紙にすること。 ―――こうして本書の出版は成立したが、約束の原稿返却の十二月二十三日、指定場所のミラノ・ドゥオーモ広場前で私は奇妙な出来事に遭遇した。 人ごみでごった返すなかから緑色の犬が突然現れ、私の手から原稿の袋を咥え、持ち去ってしまったのである。 あわてて部屋に戻ると、グレゴリー卿からの原稿受領証と「まえがき」の原稿がドアに挟まれていたのだ……。 (訳者あとがきより引用) という あまりにも荒唐無稽なこと を書いているのだ。 どうも、「こんな本の内容を本気にするんじゃねえよ」という隠れたメッセージであるような……。 内容 本書は二部構成になっており、第一部はハリー・ポッター世界に関する解説(及びツッコミ)で構成されている。 ……実は、「結論」に当たる部分が邪悪ではあるが、ハリポタ自体が割とシニカルな作風なこともあってか、考察部分に関しては かなり正解に近く 、2002年という出版年を考えると、謎本としてのクオリティは地味に侮れない完成度だったりする。 また、ツッコミ部分に関しても論理的かつ妥当なものが意外と多い。 ダーズリー一族がハリーをいじめるのは人間として当然の感情、むしろ悪魔の子なのだから普通の事 →ダーズリー一族も問題があったことは間違いないが、 魔法界側の対応があまりに杜撰かつダーズリー側へのフォローが不足していた ことが後々明らかになっており、ダーズリー一族も一面から見ると被害者であったのも疑いようもなく事実であったので、割と当たっている。 流石に、「ハリーによるダーズリー一族への復讐劇は未来永劫続いていくだろう」という予測は外れているが…(最終巻で和解している)。 クィディッチは血を見るのが大好きな魔法使いたちの殺人ゲームである → 実際ルールがかなりツッコミどころ満載 なのは割と的確な事実なので、「殺人ゲーム」という辺りは過剰な表現だとしても、「スニッチを取るまで何か月でも続くのに、選手交代を認めないルール」とか、「ブラッジャーの存在」とかについては 危険すぎるだろ というのは大体あっており「血を見るのが大好き」については否定しきれない。 クィディッチ今昔でも、「スツーシング(*2)戦法の禁止」ルールに強い拒絶反応が示されたことはハッキリと書かれているので、結構最近まで非常に荒っぽいスポーツだったのは公式設定に沿った事実である(*3)。 また更にクディッチ今昔の公式設定でかつてあった700の反則行為のうちには「キーパーの首を段平(幅の広い刀)で切り落とそうとする」「斧で相手を攻撃する」と言った明確な殺傷行為がいくつかある。 このため認められてこそいない非推奨行為であるものの、殺人レベルの行為がクィディッチのプレイヤーの中で横行していた事実は否定のしようがない。 また、クィデッチ今昔によると「クレオスシアン」なる、落下してくる岩を頭に付けた鍋で受け止めるという競技があり、そちらは危険すぎるという理由で禁止されるまでは結構人気があったという。また、爆弾のボールでやる球技もあったそうな。 ある意味では、公式ハリー・ポッターの方が後述の本著におけるパロディ『吊るしバレー』をも部分的に凌駕している例である。 マグルはアメリカ英語でマリファナたばこのこと → 本当 。ただし、J・K・ローリング氏は「mugg(間抜け)を元にした造語」と語っており、被ったのはあくまで偶然であるらしい。 スネイプは実は差別される家柄の出身だった → 本当 。また、「スネイプはいじめられっ子だった」というのも大体あっていた。 「ハリーのことを歪んだ愛情の目線で見ていた」というのは作中描写からするとありえないだろうが……(*4) ホグワーツ創設者たちは自分たちの記憶をどこかに封印していて、いつか蘇って世界を征服する時を待っている →完全に合っているわけではないが、グリフィンドール以外の3人の創設者ゆかりの品は 世界を征服しようと企む邪悪な魔導士の復活の材料 にされており、なぜか微妙にかすっている。 ホグワーツでは体罰が十~二十年前まで横行していた →作中の描写からなんとなくその辺は推察できる事実である。 少なくともフィルチが拷問の経験がある、というのは本人が匂わせているし 。 当人が嫌われ役だったのでなんとなくスルーされがちだが、2巻におけるホグワーツ教師陣の ロックハートに秘密の部屋探索を押し付けよう という行動にツッコミを入れているのも何気にポイント高め。 (ホグワーツの教師たちはほとんどがロックハートが口先だけの見栄っ張りであると気づいており、そんな彼に危険な秘密の部屋の調査を任せたらほぼ十中八九死ぬ=遠回しなイジメ殺人と言うのは割と正しい指摘である。 もっとも、該当シーンでは「生徒が秘密の部屋に連れ去られた」ことが分かっただけで、この時点では「秘密の部屋の入口はどこか?」「どうすれば秘密の部屋に行けるのか?」については教員たちも知らないので、「秘密の部屋に行って死んで来い」という意図はなかったはずである。雲隠れに追い込んで放校処分にするついでに、積もり積もった鬱憤をぶつけた、というところだろう) いくらルーピンの境遇が哀れだったからと言って、教師にするのはダンブルドアの職権乱用が過ぎるのではないか? →実際3巻でハリーたちがこのせいで命が危うくなったのは事実である。色々と事情があったのも間違いないが、 危険な人狼を教師として雇い入れながら、その危険性を完全に監督できていなかった のは客観的に見てダンブルドアの責任というのは割と的確な指摘だと言える(もっともこれはヴォルデモートがホグワーツに掛けた呪い(*5)の影響もあるようだが)。 流石に、「いざというときのため、人狼を手元に置いておくことで他の教師に脅しをかけていた」というのはダンブルドアを悪く取りすぎているだろうが……。 ダンブルドアは実はお気に入りの少年をストーキングする少年性愛者 → 後々本当にゲイだった ことが明らかにされており、なぜかこれも公式設定にかすっている。ただ、公式では「グリンデルバルド以外にダンブルドアが愛した相手はいない」とはっきり明言されているので、「ハリーや学生時代のトム・リドルのことも性愛の対象として見ていた」というのはありえない。 なお、上記のように合っていたりかすっていたりまっとうにツッコミを入れている部分も多いが、「ホグワーツでは上級生になると闇の魔術を教えられる」とか、「ジェームズたちは夜な夜な動物になって夜の森でメスの動物相手に性欲を発散していた」とか、「時にはダンブルドアは自分でメスの動物に変身してその性欲の宴に混ざっていた」とか、 割と本気で悪意満載に曲解された部分 もまた多いので、読まれる際はその辺りに注意していただきたい。 ダミアン・ポッターと魔法学校 二部仕立ての本書の2/3ほどを占める中編小説。これが「ほんらい語られるべき物語」であるらしい。 タイトルからわかる通り、本家ハリー・ポッターのブラック極まりないパロディ小説である。 ハリーに当たる少年、ダミアンが「ホーメン魔法学校」に通う……というまぁ大体想像できるストーリーである。 ……が、「コンセプトがブラックすぎる」という点はさておいても、原文(あるのなら)が見つかっていない以上評価しづらい部分はあるが、 純粋に小説としてのクオリティがあんまり高くない という割と致命的な難点を抱えている。 展開が割と雑で場当たり的であるし、原作における敵役であるマルフォイやスネイプ、ヴォルデモートに当たるキャラが出てこないせいで、 邪悪な魔法学校なのに妙に居心地がよさそう なのはいかがなものだろうか……。 登場人物 ダミアン・ポッター ハリー・ポッターに相当するキャラクター。みなしごで親戚のドーン一家に預けられて育てられた……というのは大体ハリーと同じ。 ただし、こちらは非常に恨みがましく、大体ドーン一家への復讐のことしか考えていない。 当初はホーメンの残酷な風習に戸惑っていたが、次第に馴染んでいき、最終的に幼馴染の女の子を誘拐して監禁する凶行に走る。 マーク・デーヴィル ロン・ウィーズリーに相当するキャラクター。 しかし、貧しくも暖かい家庭で育てられたロンとは対照的に、こっちは典型的なDQN一家で虐待されて育ち、ホーメンに追いやられたという経歴。 境遇がかぶっているのでダミアンとは親友になるも、あんまり大した活躍はしていない。 「ガールフレンド」と称した悪魔に魅入られるが、 ダミアンに見捨てられた 。 パサリアンという兄がホーメンに通っていたが……。 ベイロック・アスタロート ハーマイオニー・グレンジャーに相当するキャラクター。 ハーマイオニーと同じく優等生キャラ……なのだが、 初対面のダミアンとマークに自分が父親にレイプされた話を嬉々として語りだす 別ベクトルでヤバい人物。 父親に復讐するために自らホーメンに入学し、呪いの呪文を習得しようと呪い学の教師と…… なお、見ての通り主役3人は全員悪魔を想起させるフレーズが名前に入っている。 ハグリッド/イゲール ダミアンにホーメン魔法学校への入学を勧めた人物。……え?なんで名前が2つあるかって? なぜか70ページではハグリッド、148ページではイゲールと全く別の名前が書かれているからである 。 翻訳がいい加減なのか、原著からしてこうなのかは不明だが、わざわざここだけ原作と同じ名前を使う必要性もないので、多分イゲールが正解なのだろうが……。 なぜか本編に全く出てこないが、それには理由があり…… なお、一応ハグリッドに相当するキャラとして「隻眼で片足が義足の巨漢のオカマ」というキャラが登場しているが、 常に生徒から自分にピッタリ合う体のパーツを奪おうと企んでいる 危険人物である。 ブーゲンハーゲン ホーメンの校長。もちろんダンブルドアに相当するキャラクターである。 どれだけ残酷なことをするのかと思ったら、入学の時以外全然出てこないので空気。 図書館長 小人族。原作に相当するキャラクターは見当たらないが、強いて言うなら予言者としての力を持っているのでトレローニー先生に当たるキャラだろうか? 教師なのに生徒嫌いだったが、ダミアンとは妙に馬が合い、色々と教えてくれる恩師的キャラ。 用語 ホーメン魔法魔術学校 原作のホグワーツに相当する魔法学校。なお、寮の数はアルファベットに相当する数だけあり、かなりのマンモス校……だが、 数十人単位で死者が出ている とんでもないブラック学校である。卒業の条件がメチャクチャ厳しく、卒業までに一度も最優秀寮に選ばれないと永遠に卒業できない……が、それ以前に 7年生き残ること自体が難しい らしい廃校にならないのが本当に不思議である マンモス校で七年生き残れない設定なのに死者が数十人しかいない謎 ちなみに、組み分け試験は「自分の一番嫌いなアルファベットを書くこと」。そして、書いたアルファベットの寮にそのままぶちこまれる。ダミアンは「ドーン」、マークは「DISTITUTION(極貧)」、ベイロックは「DAD(父親)」のDをそれぞれ書いてD寮に所属することになった。X寮とか振り分けられる人がいるんだろうか? 毎週金曜日は朝の4時44分から 人間の死体の解体の授業 があり、朝食には解体した死体のパーツが出される。 実は、ブーゲンハーゲンの双子の弟であるパウロ・ブーゲンハーゲンが校長を務める「ホーメン魔法魔術学校」(なぜか「グリフィンドール」という寮の名前が確認できる)と、ブーゲンハーゲン(なぜかファーストネームがどこにも出てこない)が校長を務める「ホーメン黒魔法魔術学校」があり、両者ともに豊かな魔法の才を持つダミアンを引き込もうとしていたが、「無印」の方に所属するイゲールが勝手に「黒」の方へと行く切符を捨てていた。 が、イゲールが肝心の汽車のホームの場所を伝え忘れていたせいで、ダミアンは「黒」の方へと行く羽目になってしまったのである 。なんというアホくさい理由……。 ちなみにホーメン行き特急はデーモンズ・クロス駅6と5/6番線から出発で、「黒」の方に行く特急はデーモンズ・クロス駅6と6/6番線出発。それ7番線じゃね? なお、基本的に「黒」の方に行く生徒は家出同然に流れ着いたか、あるいは親に売られたかした生徒だけで自発的に来る生徒は珍しいらしい。 吊るしバレー 多分クィディッチに相当するスポーツ。 1.両チーム25人のプレイヤーを用意します。 2.フィールドはそれぞれのチームごとに25マスに区切られており、ここに各チーム1人ずつ立ちます。 3.全プレイヤーの首に縄をかけ、天井から吊るします。 4.フィールドに狂犬を放ちます。つまり首絞めが苦しくなって緩めたりすると、フィールドに落ちて狂犬に食われます。 5.ボール(骸骨)を蹴りあって、落としたら相手チームに1点入ります。 6.どちらかのチームが150点獲得するまで終わりません。なお、脱落者が出たら新しいプレイヤーを補充します。 ……という残酷どうこう以前に、 ゲームとして成立するの? と突っ込みたくなるようなトンデモスポーツ。 ダミアンはこれのエースプレイヤーとして期待されていたが、 こんなもんやりたくねぇ という小説の主人公としてあるまじき感情人として至極まっとうな感情から、この運命を捻じ曲げるべく奔走することになる。 ちなみに「無印」の方のホーメンには「吊るしサッカー」という競技があるらしいが、詳細は語られてない。まぁ大体想像はつくが 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 「ホグワーツ創設者たちは自分たちの記憶をどこかに封印していて~」これも組み分け帽子という形で当たってるな。写真や絵画の人物にも意志がある、というのが事前に明かされていたとはいえここまで予想できるのは凄い -- 名無しさん (2021-07-12 00 32 57) 著者・監訳者の件とか後書きの件とか知らなかったなぁ… トンデモ本の中では意外と真面目な本だったのか…(相対的に) -- 名無しさん (2021-07-12 00 51 18) 著者が正体不明の外国人ってところに忍殺みを感じる。 -- 名無しさん (2021-07-12 09 15 59) ベイロックは呪い学の教師と何をやったのだ? まぁ察しは付くけど -- 名無しさん (2021-07-12 09 21 31) 読んだことないけどもしもハリー・ポッターがホグワーツじゃなくダームストロングに入学していたらみたいな感じかな? -- 名無しさん (2021-07-12 12 14 41) こういうトンチキ本はなぜか定期的に読みたくなる魅力がある -- 名無しさん (2021-07-12 15 49 35) 3巻時点で「ダーズリー一家がハリーを嫌うのも仕方ないのでは」っていう視点を持てるのは凄いな -- 名無しさん (2021-07-12 16 51 55) そもそも養育費もらってなかったしね… というかロックハートがトンズラすることくらい先生方はわかってたんじゃ?「厄介払いができました」ってそういう意味だと普通に思ってた -- 名無しさん (2021-07-12 17 09 46) ↑もしそうならまさか生徒2人が恫喝して凸らせるとは夢にも思わなかったろうな -- 名無しさん (2021-07-12 18 02 37) 一部の方はまさに”当たらずと雖も遠からず”ってやつか。 -- 名無しさん (2021-07-12 18 48 11) 「ハリー・ポッター世界はこんなに邪悪なのだ」という言葉も、魔法使いによる一般人差別とか魔法省の腐敗とかの要素を考えると、「おとぎ話のような夢いっぱいの世界というわけではない」というのは当たってるかも… -- 名無しさん (2021-07-12 20 06 11) ジャック・チックの『Dark Dungeons』みたいなマジモンに影響を受けた半端にマジな人かもしれんのが恐ろしいところなんだよね…… -- 名無しさん (2021-07-12 20 36 13) ↑2 案外英国社会の風刺小説でもあるからね。ハリポタ。 -- 名無しさん (2021-07-13 01 59 15) 「ホグワーツでは上級生になると闇の魔術を教えられる」ってのもあながち間違いないじゃなかったはず。まあこれは現実でも入学ほやほやの新入生にいきなり危ないことをやらせず徐々に難易度上げていくのは当然だから比較的予想しやすいネタかもしれませんが。 -- 名無しさん (2021-07-13 02 44 01) 後書きのくだり「流石に作り話だろ……?」って言いたくなる……なるんだけど、本当だったらというロマンが揺さぶられるのもまた事実 -- 名無しさん (2021-07-13 07 20 30) 当時近所の図書館にあって読んだけど、解剖学だかの授業描写は図書館に置いたらアカンと思った記憶 -- 名無しさん (2021-07-13 09 17 46) ホーメン・ホーメン・ホッホッホー -- 名無しさん (2021-07-13 19 29 17) なんだこれw昔ハリポタのファンだったけどこの本の話初めて聞いたんだがw -- 名無しさん (2021-07-16 01 27 51) ↑11 まあ多分(絶対とは言い切れないのはアレだが)そういう意味なんだろうけど、それはそれで色んな意味で英国っぽいイビり方ではある。ロックハートが無能通り越して迷惑なのは明白ではあったけど、それなら普通に解雇すりゃよかろうに…(本当の実力も知らずに雇ったホグワーツ側の人を見る目も疑わしいし) -- 名無しさん (2021-07-16 04 16 10) ロックハートの件は自分も突っ込みたくなった。逃げ出すに決まっていると読んだ上でバジリスク討伐を押し付けただけじゃジニーは誰が助けるのってなるし。並行して誰かが事態解決の為に動いていた感じも無いし。 -- 名無しさん (2021-07-19 11 30 02) クィディッチって歴史上死者は一人も出てないんじゃなかったっけ -- 名無しさん (2021-07-19 12 16 05) 「ミラノ超自然学協会会員」所属の情報すらも今は見つからないし、監訳者の渋谷幸雄氏は本当に何者なのか・・・ 意外と有名な英文学の教授の変名だったり・・・? -- 名無しさん (2021-07-19 12 58 54) 謎本という体で謎本を皮肉った本、ってあたりも実にハリポタらしい背景の本だな…ww -- 名無しさん (2021-08-21 13 07 36) トンチキ本のわりに設定かすってるのなんなんだろうw -- 名無しさん (2023-07-01 13 58 29) と学会の本で山本弘氏が紹介してたけどハリー・ポッターの名前でつられて子供が読んだら大変って評価だったな -- 名無しさん (2023-07-29 11 19 39) ハリポタはこんなにも邪悪なんだ!!って言われても、純正ハリポタが割と邪悪なんだよなぁ・・・ -- 名無しさん (2023-07-29 11 54 14) 名前 コメント
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脱ゆ4 読んでてイライラする人は速やかに離脱してください 駄文です。 長ったらしいです。スイマセン。 男は一家を自宅に再び迎え入れた。親れいむは精神衛生上の理由で子ゆっくりとは別の部屋に置かれた。 この男が興味を持っているのは今のところこの親れいむだけである。 他の子ゆっくり達はどうやらゲスとまではいかないが、わがままが目に余るので男は飼いたいとは思わなかった。どうにかして手放したい。 しかし、親れいむの納得しない理由で子供を処分してしまっては後々自分に懐かなくなるかも知れないと考え、男は親れいむにやんわりと条件を承諾させる。 「なあれいむ。これからこの子たちの適性試験を行うけど、君たちの子供がもしゲスならこの家では飼えない。別の所へ行ってもらうことになる」 「ゆゆ!そんなのゆっくりできないよ!!ぜったいやめてね!!」 「君はゲスじゃないだろ?とってもゆっくりしたゆっくりなんだろ?ならその子供ももちろんゆっくりしたゆっくりなんだよね?」 「もちろんだよ!!れいむの大切なおちびちゃんたちはとってもゆっくりしたゆっくりなんだよ!!」 「じゃあゲスなんてことはまずないよね?」 「もちろんだよ!!なんどもいわせないでね!!」 「君たち一家が仲良くこの家で過ごせるようになるためにはこの適性試験に合格する必要があるんだ。でも君の子供なら心配ないじゃない。 もう合格したも同然なんじゃないかな?だから適性試験をしちゃってもいいよね?」 「ゆ・・・ゆ~ん・・・・・」 「万が一適性試験を落ちちゃったら君たちは一緒に暮らせないけど、君の子供たちならきっと合格するから大丈夫だよ。だから・・ね?」 「そうだね!おちびちゃんたちなら大丈夫だね!!とってもゆっくりしてるかられいむ安心だよ!!おにーさん!!そのテキセイシケンっていうのを おちびちゃんたちにしてあげてね!!」 れいむには納得してもらった。これで不合格になれば子供達を上手く追い出せる口実になる。しかし、合格したらしたで、飼うのもいい。 きっと上手く調教すれば優秀な飼いゆっくりになるだろう。 一日だけだが寒さにより消耗した子ゆっくり達を暖かい部屋で養生させた。 そして次の日、男は子ゆっくりたちに名誉挽回の方法などそれらに関係することについて告げる。 まず男はかなり成長した実ゆっくりがたくさん成った茎を成長促進剤入りの砂糖水の入れてある花瓶にさす。実ゆっくりの数は10個。 そしてこの実ゆっくり達はゲスとゲスの間に生まれたゲス・サラブレッドである。 今から子ゆっくり達は全員で力を合わせてこの実ゆっくりたちにゆっくりできない事を言い、ゆっくり出来なくさせ、枯らしてもらう。 その際、決して茎を揺らしたり、してはならない。やっていいのは声を掛けるだけ。 ゆっくりできなくて枯れた実ゆっくりの個体はすぐに黒ずみ、逆に産まれてから殺された個体はすぐには黒ずまない。だから生まれ落ちた個体を殺してしまうと言う不正は不可能。 実ゆっくりは今日か明日には産まれる。 ちなみに中にはしぶとくて産まれてしまう個体もいる。そのため、生まれてしまった場合のペナルティーを用意する。 子ゆっくり達は赤ゆっくりを一匹生まれさせるごとに、その都度、細い針を底部から中枢餡に向けて埋め込む。 (ちなみにこの針は「ゆ虐マニア」というメーカーが作っている虐待用に開発されたゆ虐針(子ゆっくり用)と呼ばれるものである。 その目的・用途は虐待跡を体に一切残さずにゆっくりを虐待することである。主な客層はゆっくり虐待は好きだけど人の目が気になるという人向けである。 その針はその細さ故に、中枢餡まで突き刺してもゆっくりは死んだり、障害を残したりすることはないように作られている。 しかし、中枢餡を刺して刺激してしまう事によりすさまじい激痛(主に頭痛)や嘔吐感等を引き起こす。 動いたりする度にその激痛は大きくなり、スッキリはもちろん、跳ねて移動することも困難になる。 また、その痛みは差し込む本数に比例するが、子ゆっくりならば5本以上打ち込むとその痛みにより死んでしまう個体が出てしまう。 針を入れた時はゆっくりに激しい体罰を加えるとその衝撃により針が横にズレ、中枢餡を大きく傷つけることがあるため死ぬことがあるので留意。 この針は自然に出てくることは未だ確認されていないため、ゆっくりがこの痛みから解放されるためには死ぬか、人間に取ってもらうかのどちらかである。 説明書には「これはあくまで飼いゆっくりへの躾用商品なので野生のゆっくりへの使用等は避けてください」と書いてある。) これらのペナルティは赤ゆっくりが生まれて、それを人間に発見された時に、即、行われる。 生まれた赤ゆっくりを何らかの理由で死なせてしまった場合、その時点で子ゆっくり達は適性試験は不合格となり、子ゆっくり達全員はゲス判定を下され、寒空の下へ投げ飛ばされる。 一匹も生まれさせなければその時点で即適性試験は合格とする。また産まれてしまった個体は一匹も欠けることなく無事に子ゆっくりサイズまで育て上げれば適性試験は合格とする。 男は子供達が理解するまで何度も説明した。その間子ゆっくり達は顔色が悪くなり、餡子を吐きそうになる者もいた。 「そんなのゆっくりできないよ」と反論する者もいたが、嫌なら別に受けなくてもいいよと言ったら黙った。 「それじゃあスタート。がんばってね」 子ゆっくり達は一斉に実ゆっくりに対してソプラノボイスの罵声を浴びせる。 実ゆっくりはゆっくりできないと強く感じると、自らゆっくりするために死を選び、黒く朽ちる習性がある。 このような自殺とも呼べる現象が確認されているのは実ゆっくりだけだ。 「ゆっくりしないでね!!!うまれないでね!!!そのまま死んでね!!」 「このゲス!!なにのんびり寝てるのおお!!?早く死んでね!!!」 子ゆっくり達は必至の形相でこれから生まれ落ちるであろう実ゆっくりに対し、罵声を浴びせる。 実ゆっくり達は耳はすでに機能しているようで、その声を聞くとピクンと反応する。 始めは目を閉じ、ゆっくりとした笑顔を浮かべていた実ゆっくり達だが、その呪いの声とも呼べるものにより表情は少しずつ曇ってゆく。 しかし、どれもまだはっきりとした意識はないらしい。そのうち一匹の実れいむが意識を持ち始める。 (ゆんゆん・・・しょろしょろうまれりゅよ・・・・・ゆっくちちたいよ・・・) (はやきゅおきゃーしゃんとあいしゃつしちゃいな・・・どんなおきゃーしゃんなんだろう・・たのしみだにぇ) (ゆゆん・・・?なにきゃきこえりゅよ・・・・ゆっくちできないよ・・・・?) 意識を持ったとはいえ完全に覚醒していないとはっきりとは外部の音を認識できない。わずかに聞こえるくらいである。 次第に意識をはっきりと覚醒させる実れいむ。そして外部の音を聞くために集中してみる。すると怒気を含んだ声が聞こえてくる。 (ゆゆゆゆゆ・・・・・にゃんだきゃゆっくちできにゃいよ・・・・・こわいよおおおおおきゃーしゃーん・・・) 「ゆっくり死んでね!!そのまま死んでね!!!」 ゆっくりしないで。死ね。ゲス。ゴミ。クズ。生まれないでね。だれも生まれることを望んでない。悪魔の子。と実れいむの心を深く深く抉る言葉が実れいむに掛けられる。 実ゆっくりとして眠っている時、その誕生をみんなから祝福されることを夢みていた赤ゆっくりにとってその言葉はあまりにゆっくりできなかった。 「ゆぅ・・・・おきゃーしゃ・・ん・・こわいょぉ・・・・たしゅけちぇぇ・・・・」 子ゆっくり達は赤ん坊に対する言葉とは思えないくらいその言葉に怒気を込める。 三匹から全力をもって発せられる罵声は実れいむの精神を削り、徐々に元気をなくさせる。 さきほどまでぷっくりとしていた実れいむの顔にはしわがいくつも出来ていた。そしてそのしわはさらに深くなる。 「も・・・・ちょ・・・ゆっくち・・・しちゃか・・ちゃよ・・・・」 実れいむはあまりにゆっくり出来なくて、ユブブブブといいながら餡子を吐き散らし、黒ずみ床へ落下した。(実ゆっくり 残り9) 「やっと死んだよこのクズ!!」 「さっさと次のゲスを殺すよ!」 そして子ゆっくり達は再び罵声を浴びせさせ続ける。 次に意識を持ったのは実まりさである。実まりさはその大きな、怒りの満ちた声に驚き思わず目を開けてしまう。 その視界に映ったのは、顔を真っ赤にし、青筋を立て、唾を飛ばしながら、自分に怒声を浴びせる「親達」の姿だった。 赤ゆっくりは初めて見たゆっくりを親と勘違いする習性があるのでこの子ゆっくり達を3匹もいるのに親だと認識してしまったのだ。 現にこの子ゆっくり達は子ゆっくりとしては大きい部類に入る。今や成ゆっくり間近のサイズである。 あまりにもゆっくり出来ない顔を向けられているせいで実まりさは「ピキィ!」と声をあげながらしーしーを噴き出させる。 「おきゃーしゃん!!ゆっく・・・ゆっくちしちぇにぇ!!!まりしゃをゆっくちさせちぇえええ!!」 「うるさいよ!!お前なんかゆっくりしなくていいんだよ!!」 「さっさと朽ち果ててね!!このあぐまああああ!!!」 ソプラノボイスの罵声はこの実まりさの心を痛めつける。その声を30分も延々に聞かされ、ぐったりし始め、深いしわが体中にできる。 「ゆ・・ゆうぅぅ・・・おきゃーしゃん・・・・ゆっくち・・・ゆっく・・ゆげぇ!!」 赤まりさはあまりのゆっくりできなさに気分を悪くし、餡子を吐く。そして憐れそうな潤んだ目で子ゆっくり達をみつめる。 自分はこんなにもかわいくて、ゆっくりしているのにこんなに苦しんでいる、かわいそうだと思うでしょ?助けたいと思うでしょ?と訴えた目で・・・ 自分はかわいい、ゆっくりしていると思うのはゆっくりの本能である。特に赤ゆっくりはその傾向が強い。 「汚い子がこっち見てるよ!おーいやだいやだ。ゆっくりできないね!!」 「向こう向いてね!!不愉快だよ!!このゲス!」 「ゆぶ・・・おきゃー・・しゃん・・・ゆげえ!!ゆげ・・ゆげえええええ!!!!」 実まりさはかわいさ、ゆっくりらしさを全否定され、餡子を吐き散らし、落下した。弱り切った黒い肌は落下すると破れ、床に黒い花を咲かせる。(実ゆっくり 残り8) 「ゆふー・・・ゆふーーー・・・・やっとしんだねこのゲス」 「ゆはー・・ゆは・・・れいむつかれたよ・・・ゆはー・・・」 さきほどからずっと叫び続けている子ゆっくり達はかなり消耗していた。しかしまだ適性試験は始まったばかり、ここで休憩するわけにもいかなかった。 子ゆっくり達はこんな感じでさらに二匹を朽ち果てさせる。(実ゆっくり 残り6) 「ゆ・・ゆっくりしないで・・・ね・・・・・うまれてこないでね・・・」 「ゆあああ・・・・・つかれたよお・・・のどかわいたよおお・・・」 さすがに4時間近く叫び続ければ、消耗が激しいらしく子ゆっくりたちは叫ぶ事もできなくなっていた。それを見ていた男は子ゆっくり達に休憩を提案する。 「お前ら疲れたろ。ほら、クッキーにオレンジジュースあるぞ・・あまあまだよ。これで体力回復でもしたらいい。」 「ゆ!!あまあま!!?」 末女子まりさが一番に反応する。そして男の元へ行き、あまあま(クッキー)を食べる。 「むーしゃむーしゃ・・・しあわせーー!!!」 疲れたときに食べるあまあまは格別のようだ。その様子をみていた姉等も「いいなー」など言いながら末女子まりさの元へ来て食べ始める。 しかし、子ゆっくり達はこぼさない様に食べているため食べる速度は遅い。 その間実ゆっくり達には声は一切掛けられていない。先ほどの曇った表情は少し和らぎ、またいつものようなゆっくりとした笑顔になり始める。 その間に一匹の赤れいむが今がチャンスだと言わんばかりにその身を揺らし始め、そしてポテッと音を立てて生まれ落ちた。(実ゆっくり 残り5) 「ゆ・・ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!!」 その音に食べることに夢中になっていた子ゆっくり達は一斉に音の方向を見る。 「「「ゆううううう!!!!!?なんでうまれでるのおおおおおお!!!!?」」」 「おきゃーしゃんたち・・・ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!」 ゆっくりしていってねと返してもらえなかった赤れいむはもう一度挨拶をする。 「ほらお前ら・・ペナルティだな。」 男は10センチ位の長さの「ゆ虐針」を手に取り、末女子まりさによく見えるようにかざす。 「これからこいつをお前らのアンヨに深く差し込みます」 「ゆううう!!!!?そんな長いのさされたらゆっくりできないよおお!!!しんじゃうよおお!!!!?」 「死なないように設計されてるから大丈夫。」 そういって男は末女子まりさの底部にその細い針を突き刺す。 「ゆぶううううう!!!・・・ゆゆ・・・・・・・あまりいたくな・・・・い・・?・・・」 針は細く、体の中に入っただけではそこまで痛くならない。せいぜいチクっとしたくらいだ。しかし中枢餡にその針が届いたとなるとそうはいかない。 ズブズブズブズブ・・・・・ 「ゆび!!!・・・・・ゆびいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!?」 針を根元まで刺すと末女子まりさはその体の内側より発せられる痛みに顔を歪め、体をグニグニと動かす。体中からなぞの体液を垂れ流す姿からして痛みは相当なものだろう。 刺し終えた末女子まりさを放し、次は二女子れいむを手に取る。そして同じことを施す。 子ゆっくりたちに全員に針を埋め込み終わる。はじめはその痛みに慣れないせいか、子ゆっくりたちはその場から動かずただブルブルと震え、痛みによる声をあげるだけであった。 「ゆぐうぐぐぐ・・・ぎぼじわ゙る゙い゙よ゙おおおおおおお・・・」 「ゆびいいいいい!!!いだいよおお・・・?!!」 「ほらお前ら・・・そんなことしてていいのか?また生まれちゃうぞ?」 「ゆうう!!」 バイン!!「ゆぐ!!!?」 ボイン!!「ぎゅべえ!!!」 子ゆっくりたちは跳ねるとその衝撃により針が中枢餡を刺激し、痛いのでズリズリと底部を器用に動かし、実ゆっくりの元へ行く。 それでも痛いようで、子ゆっくり達が移動した跡には大量に滲みでた汗が、まるでナメクジが歩いたような濡れた跡を残す。 「ゆえええええええええん!!ゆえええええええええん!!」 そこには先ほど生まれた赤れいむが挨拶を返してもらえない事で悲しみ、泣いていた。実ゆっくりはみな生まれたら両親に祝福され、元気に挨拶を交わすことを夢見ている。 挨拶も返してもらえず、すりすりやペロペロすらしてもらえなかった赤れいむは悲しかった。なぜこんなに悲しいのか分からない位悲しかった。 そんなとき親と認識した三匹の子ゆっくりたちが赤れいむの元へ向かってくる(正確には実ゆっくりの所だが赤れいむにはそう見えた) 「ゆぐっ・・・ゆぐっ・・・おきゃーしゃん・・・ゆぐっ・・・・」 きっと自分に「さっきはごめんね」って謝ってから挨拶してくれる。すーりすーりしてくれる。ぺーろぺーろしてくれる。と淡い期待を抱く赤れいむ。 しかし、その期待は裏切られる。子ゆっくり達は赤れいむを避けて、その後にある実ゆっくりの所へ向かう。 「どぼじでぇ!!!!?」 子ゆっくり達は赤れいむのことなど眼中にはない。無視する・・というか気にしてもいない。今は実ゆっくりを朽ち落とす事に集中している。 「おきゃーしゃん!!・・・れいみゅ・・・れいみゅ・・・あいしゃつしちゃのに・・・・どうちてあいしゃつしちぇくりぇにゃいにょ?・・ ゆっくち・・・ゆっくちかにゃしいよ・・・あやまっちぇにぇ・・・れいみゅにあやまっちぇ「うるさいよ!このドゲス!!」ゆゆぅう!!!」 目障りだと感じた次女子れいむが赤れいむの所へやってきた。ほかの姉妹は再び実ゆっくりに対して怒声を浴びせている。 「さっきからうるさいよ!!お前が生まれてほんとにめいわくだよ!!!!死にたくなかったらさっさと向こうに行っててね!!」 赤れいむは唖然とした。親は子供を愛してくれるものじゃないの???と。まだ思考の鈍い赤れいむでも、怒られたということだけはハッキリとわかった。 「ゆ・・・・どうちて・・・どうちておこりゅにょ・・・・?れいみゅ・・・にゃにかわりゅいこちょしちゃにょ・・・?・・・」 「お前が生まれたことが悪いんだよ!!!どうして生まれてきたの!!?どぼじでうばれでぎだのおおおおおおお!!!!!?」 次女子れいむは手加減のない体当たりを赤れいむにかます。赤れいむはそのままくるくると転がりながら遠くまで飛ばされる。 「ゆぐっ・・・ゆげえ!!・・ゆ・・・ゆゆゆ・・ゆええええええええええええええええええん!!ゆええええええええええええええええええええん!!!」 かなり痛かったらしく、赤れいむは餡子を吐きだしながら泣きじゃくるが次女子れいむは無視する。 普段はこんな性格ではない温厚な次女子れいむであったが、針による激痛が常時襲ってくるのでかなりイライラしていた。 「うるさいから向こうで泣いててね!!このクズ!!」 そういって次女子れいむは再び実ゆっくりのほうを向き、怒声を浴びせ始める。 今また、実ゆっくり二匹が朽ち、落ちた。(実ゆっくり 残り3) しかし中にはそうしない個体もいる。今よりもゆっくりするために、生まれ落ちれば今よりはきっとゆっくりできるだろうと前向きに考え生まれ落ちる個体。 (ゆうう・・・ゆっくちできにゃいよおおおお・・・・おきゃーしゃーん・・・・・・・) ひたすら怒声を浴びせられる中、この赤まりさは母親に守ってもらうため、この状態を少しでも良くしてもらうために体を揺すって母親に呼び掛ける。 (ゆううううううう・・・・・じぇんじぇんゆっくちできにゃいよ・・・・おきゃーしゃんゆっくちさせちぇええ・・・・) 揺すっても一向に状況が変わらないので、ここで生まれようと決意する赤まりさ。自らの実を揺らし、生まれ落ちる準備をする。 怒声が若干激しくなったような気がするが気にはしてられない。今は一刻も早く生まれ落ちて少しでもゆっくりするんだ!と考え実を揺すり、ブチっと音を立て生まれ落ちる。 ポテッ 「ユックチ・・・・ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!!!」(実ゆっくり 残り2) 「「「どぼじでうばれでぐるのおおおおおおおおおお!!!!!!???」」」 帰ってきたのは挨拶ではなく「どぼじでうばれでぐるのおおおおお!??」というものだった。それを聞いて赤まりさは自分が生まれた事を祝福されていないのだと思い悲しくなり涙が出た。 「ゆぅぅぅ・・・・にゃんでしょんにゃこちょいうのおおお!!???・・まりしゃ・・まりしゃは・・・ゆっくちしちぇりゅのに・・」 赤まりさにも分かる。「親達」の顔の表情は赤まりさが生まれた事を祝福してくれているものではないということが。 怒りに満ち、悲しみに満ち、絶望の入り混じる表情であった。どうして挨拶を交わしてくれないのだ、どうして生まれてきた自分を祝福してくれないんだと想う赤まりさ。 「ゆっく・・・ゆっぐ・・・ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」 「「「・・・・・・・・」」」 子ゆっくり達は挨拶に一切答えない。忌々しくて答える気にはならないのだ。 「はーい。また一匹うまれちゃったね。君たち覚悟はできてるよね?」 「「「ゆわああああああああ!!!!」」」 「むちちないでにぇ!!!」 その声にビクっと体を震わせる子ゆっくり達。汗だくだくである。一番目はもちろん末女子まりさだ。 「ゆんやあああああああああ!!!!もうチクチクはやじゃああああああああああ!!!!」 「嫌よ嫌よも好きなうちってね~~そーれ」 プス・・・・ズブズブズブ・・・・ 「ゆぐっ!!!!ゆぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!」 また襲いかかるあの中枢餡から発せられる激痛に体をくねらせる末女子まりさ。その姿を見て引きつっている次女子れいむにも同じ作業を施す男。 「ハッハッハ・・遠慮するなよ」 笑顔で作業する男の顔は実にさわやかであった。その間、実ゆっくり達への罵声は止んだ。その隙を狙わんばかりにと残った実ゆっくり(残り2)は 必死に体を揺らす。そしてブチっと音を立て、茎から離れる。 「「ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!!」」 「おやおやおや・・・そうこうしている間に・・残りの二匹も生まれちゃったねえ・・・もう二本ずつ追加だね!!!」 男はそういって子ゆっくりたちに針を刺す。子ゆっくり達に埋め込まれた針の総数は計4本である。単純計算でもさきほど一本のときの4倍の痛みがある。 「4本までなら死なないから安心してね。さて君たち。生まれ落ちたばかりのかわいいゲスッ子を育ててあげてね!!」 男は新たに用意したゆっくりフードを皿に盛って部屋からでていく。そのゆっくりフードは一番おいしいと言われるハチミツ風味だ。値段もゆっくりフードの中ではかなり高めだ。 その際暖房は消しておく。それにより室内は外ほどではないがかなり冷えることになる。室内で凍死したらしたで別にかまわなかった。 すでに時間は深夜であった。とりあえず男は全部生まれ落ちたのを見届けたので寝室へ行く。 (続く)?
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登録日:2012/01/08 Sun 08 52 38 更新日:2024/02/05 Mon 00 23 46NEW! 所要時間:約 8 分で読めます ▽タグ一覧 ハリー・ポッター レイシスト ヴォルデモート 一覧項目 壊滅組織項目 差別 差別主義者 死喰い人 純血主義 組織 闇 闇の印 闇の魔女 闇の魔法使い 集団 魔法使い この項目では死喰い人(デス・イーター)の主要メンバーについて記述する。 ヴォルデモート卿から認められた死喰い人には、彼から『闇の印』が与えられている。 なお、個別項目のあるキャラクターはリンク先参照。 ●ルシウス・マルフォイ 死喰い人のリーダー格。純血の名家「聖28一族」の1つ・マルフォイ家の当主。 名門出身の有力者ではあるが、度重なる「やらかし」でヴォルデモートの信頼を失っていく。特に、二巻の秘密の部屋事件では、ヴォルデモートの魂の欠片を無断で私的に使用し、ハリーに破壊されるという大失態を犯している。 しかし実力がないかというとそうでもなく、ベラトリックスが勝手に放った攻撃魔法を、横から放った魔法で歪める一幕もある。 ヴォルデモートからは一時ベラトリックスよりも重用されていた(実際に五巻では彼女を配下に収めている)ので、組織の幹部としても前線の指揮官としてもそれなりの能力はある模様。 死喰い人の中心的存在であったにもかかわらず、魔法界で高い地位に居続けているなど保身・陰謀にかけても天才的。 ただルシウスの場合、一番の優先順位は家族マルフォイ家、次の優先順位は自分の地位・安全であり、ヴォルデモートへの忠誠は二の次・三の次でしかなかった。 実際、七巻ラストでは目の前の戦争を無視して家族の元へと駆け付けている。 また家族思いながら甘いわけではなく、息子を教育にはより良いとしてあえてダームストラング専門学校(遠方なうえに、マルフォイ家の威光が届かず、親の七光りが通用しない)に送ろうとしたり、息子の成績の悪さやそれに対する言い訳を人前で厳しく詰ったりと、教育に関しては妥協しない一面もある。 それでいて家庭内暴君でもなく、息子を遠方に送るのに反対した妻に折れてホグワーツ入校を許可したり、戦後には息子の嫁にいろいろ不満は抱きつつも最終的には息子の意思を尊重したり、そのうえで息子にマルフォイ家当主の座を譲ったり、と、割といい父親をやっている。 ●ドラコ・マルフォイ ルシウスの長男。父親の度重なる失態によって、半ばマルフォイ家に対する罰として、強引に死喰い人見習いにさせられ、ダンブルドア暗殺という無理ゲーな任務を課せられる。 父親同様、ヴォルデモートにあまり忠誠心はない。 というより、実際には両親からまっとうな愛情を受けて育ってきたからか、細かいイタズラはできても殺人のような大それた悪事はできず、部下はおろかハリーたちでさえ実際には殺したくないと感じてしまう、本質的にはお人好しである。 ●セブルス・スネイプ かつての闇の時代ではホグワーツで情報を集める任務についていた死喰い人。 しかしそこで得た予言の情報を主君に提供したために幼い頃からずっと愛していたリリーが標的になってしまって以降、不死鳥の騎士団と死喰い人の二重スパイとして活動する。 ルシウスと違って忠誠心はそれなりにあったらしく、舞台『呪いの子』の並行世界で自分の死に方を知った時は「闇の帝王自身の手にかかったなら光栄だ」と述べていた。 ハリー・ポッター曰く「もっとも勇気のある人」。 ●ベラトリックス・レストレンジ 聖28一族・ブラック家出身の魔女。主君への忠誠心が強く、戦闘力もトップクラス。しかしかなり短気かつ残虐で、指揮官としての適性はかなり低い。 ネビル・ロングボトムの両親を拷問した罪でアズカバンに収監されるが、5巻で脱獄。 神秘部の戦いでは姪のニンファドーラ・トンクスや闇祓いのキングズリー・シャックルボルトを倒し、従弟のシリウス・ブラックを殺害。さらに唯一逃走に成功した。 ホグワーツ最終決戦では、フレッド・ウィーズリーや姪のニンファドーラ・ルーピンを殺害するなど、その実力を遺憾なく発揮。 最終的には、娘のジニーを攻撃されて激怒したモリー・ウィーズリーとの一騎打ちに敗れ、死亡した。 しかし舞台版では…… ●ロドルファス、ラバスタン 聖28一族・レストレンジ家の兄弟。ロドルファスはベラトリックスの夫である。 魔法省神秘部の戦いや七人のポッター作戦に参戦。 後にこの人をかくまっていたことが発覚。 ●バーテミウス・クラウチ・ジュニア 聖28一族・クラウチ家出身。死喰い人逮捕を精力的に行っていた魔法省高官の息子だが、父親との確執から死喰い人になった。 四巻でヴォルデモートの復活に大きく貢献する。 主君への忠誠心が極めて高く、原作前にヴォルデモートが力を失った時はベラトリックス達と一緒に主君を助けようと行方を探していた。 ●アントニン・ドロホフ モリー・ウィーズリーの弟であるギデオンとフェービアン・プルウェットを殺害した罪でアズカバンに収監されていたが五巻で脱獄。 戦闘に秀でた死喰い人であり、ホグワーツ最終決戦では、リーマス・ルーピンを殺害している。 その後、フィリウス・フリットウィックと戦い、敗れる。 役者さんがけっこうイケメン。 ●ワルデン・マクネア 魔法省危険動物処理委員会の死刑執行人。三巻でヒッポグリフのバックビークを処刑するためホグワーツを訪れる。 巨人の頭と殺し好きな性格が合致したため、巨人を死喰い人側に引き込むことに成功した。 神秘部の戦いでは、ネビルに目出し穴から杖を思いっきり突っ込まれ目が腫れ上がってしまった。 ホグワーツ最終決戦では、因縁あるルビウス・ハグリッドに投げ飛ばされ、気絶して退場した。 ●オーガスタス・ルックウッド 魔法省神秘部の元職員。痘痕面の長身の男。 魔法省の内部でスパイ活動をしていたが、カルカロフの告発により、アズカバンに収監される。 5巻で脱獄し、神秘部の仕様をヴォルデモートに教えた。その後、神秘部の戦いで捕らえられる。 ホグワーツ最終決戦では、アバーフォース・ダンブルドアに敗れた。 ●フェンリール・グレイバック 冷酷非情な狼人間で「狼人間は人の血を流す権利がある」という考えを持つ。 子供を襲うことを好み、反対勢力への脅しとして利用される。ルーピンを狼人間にした張本人でもある。 六巻のホグワーツ城天文塔の戦いでビル・ウィーズリーに噛みつくが、その時は変身していなかったため、ビルは狼人間にならずに済んだ(ただしレアのステーキを好むようになった)。 ホグワーツ最終決戦では、シビル・トレローニーが投げつけた水晶玉が頭に直撃し気絶。 戦闘再開後、ロン・ウィーズリーとネビル・ロングボトムによって倒された。 映画版では、ラベンダー・ブラウンを殺害している。 ●コーバン・ヤックスリー 聖28一族・ヤックスリー家出身。 ヴォルデモート失踪時は、スネイプやルシウスらと同様、ヴォルデモートを探さなかった。 6巻でホグワーツを襲撃するが、ハリーに倒される。 服従の呪文をかけたパイアス・シックネスが、ルーファス・スクリムジョールの後任として魔法大臣になると同時に、魔法法執行部部長に就任する。 ホグワーツ最終決戦では、ジョージ・ウィーズリーやリー・ジョーダンと戦い、敗れた。 ●カロー兄妹 聖28一族・カロー家出身の双子の死喰い人で、兄はアミカス、妹はアレクト。兄妹揃ってずんぐりした体型。 ヴォルデモート失踪時は、スネイプやルシウスらと同様、ヴォルデモートを探さなかった。 6巻でホグワーツを襲撃するが、アミカスはハリーに、アレクトはマクゴナガルに敗れた。 7巻では兄妹でホグワーツの教師に就任し、校長となったスネイプの副官として学校を支配する。ただし、アミカスの「闇の魔術に対する防衛術」は闇の魔術そのものの授業となり、アレクトの「マグル学」はマグルに対する魔法使いの優位性を説く授業となった。 磔の呪いで体罰を行う残酷さから「アンブリッジすらカロー兄妹に比べれば可愛いもの」と言われた。 7巻後半、兄はハリーに磔の呪いをかけられマクゴナガルに唾を吐いたらそりゃそうなるか、妹はルーナ・ラブグッドの失神呪文を受け、兄妹揃って決戦前に拘束された。 (映画版ではスネイプとマクゴナガルの決闘の流れ弾(というか魔法を防ぐふりをしたスネイプに意図的に流れ弾を当てられたともとれる)を喰らって気絶した。) ●ソーフィン・ロウル 聖28一族・ロウル家出身。ブロンドの髪を持つ色黒の巨漢。 6巻でホグワーツを襲撃し、騎士団と交戦。 死の呪いを連射するという、作中では彼とご主人様しかやらなかった地味に凄いことをやってのけるも、乱射した死の呪いが仲間のギボンに当たり殺してしまう。他にも騎士団が塔に入るのを阻んでいた魔法障壁を破壊してしまうなど、利敵行為にしかなっていなかった。 7巻ではヴォルデモートの名前を言ったため探知されたハリー一行をドロホフとともに襲撃するが、返り討ちに遭い、その後罰せられた。 ホグワーツ最終決戦にも参加し、半巨人故に魔法に強い耐性を持つハグリッドを杖の一振りで黙らせる実力を見せた。 ●クィリナス・クィレル 1巻で登場した「闇の魔術に対する防衛術」の教師。 賢者の石を手に入れようとするが、ハリーに触れられた瞬間に全身が焼かれ死亡した。 挙動不審で弱々しい振る舞いは周囲を油断させるための演技。 なお、在学中の所属寮はレイブンクロー。 ●エバン・ロジエール 聖28一族・ロジエール家出身の死喰い人。主君とは学校の同期。 ヴォルデモートの失踪一年前に、闇祓いのアラスター・ムーディに敗れ死亡した(死に際の抵抗でムーディの鼻を削いだ)。 なるべく相手を生け捕りにするよう心掛けていたムーディでも殺さざるを得ない=手加減してる余裕がない程の実力者で有り、しかもムーディを負傷させてるあたり死喰い人の中でもかなりの実力者だったと思われる。 ●イゴール・カルカロフ ダームストラング専門学校の校長で元死喰い人。 ムーディに逮捕されアズカバンに収監されていたが、魔法省との取引で、仲間の死喰い人を告発して釈放された。 ヴォルデモート復活後、報復を恐れ失踪するが、6巻で死喰い人に殺害されていたことが判明する。 ●ピーター・ペティグリュー 親友のジェームズ・ポッターを裏切り、ヴォルデモートと内通、密告によりポッター夫婦の死の原因となった。 それで事情を知っていたシリウス・ブラックに追われるも、逆に機転を利かせて名誉の戦死(シリウスから見れば発狂の末の自殺)を装い、さらに自らの罪をシリウスに擦り付けたうえで逃亡に成功。 以後、ロン・ウィーズリーのペットのネズミ「スキャバーズ」に化けていた。 しかしシリウスに生存を知られて正体を暴かれたことで逃走。 肉体を失い瀕死のヴォルデモートを探し出し、散々こき使われながらもついに主人を復活させた。 そのため、ある意味では第二次ヴォルデモート時代の元凶である。 ただ、一度ヴォルデモートが破滅した際に「ペティグリューは二重スパイで、奴の罠にかかって闇の帝王は破滅した」と死喰い人の間では認識されていたことと、 本人のどうしようもない性根の卑しさが露骨なまでに出ているため、死喰い人の間でも人望はまったくといっていいほどない。 挙句の果てに死喰い人からは名前すら呼ばれず、「ワームテール」と在学中のあだ名で呼ばれる始末。 最期は7巻で、捕らえたハリーに一瞬だけ情けをかけたため、銀色の手(*1)に絞め殺された。 作中ではっきり確認された中では唯一のグリフィンドール寮出身の死喰い人である(他の全ての死喰い人の出身寮が明かされたわけではないので、他にもいる可能性はある)。 ●レギュラス・ブラック シリウス・ブラックの弟。 ヴォルデモートに憧れ死喰い人に加わったが、可愛がっていた屋敷しもべ妖精のクリーチャーが毒液を飲まされるなど酷い扱いを受け、ヴォルデモートに失望する。 「R.A.B」の正体で、分霊箱であるスリザリンのロケットを偽物とすり替えた張本人。 ロケットの入った水盆の毒液を飲み干したあと、亡者に水の中に引きずり込まれ死亡した。 ●クラッブ、ゴイル それぞれハリーと同学年のスリザリン生であるビンセント・クラッブ、グレゴリー・ゴイルの父親。 神秘部の戦いで捕らえられ、アズカバンに収監された。 ●ノット ハリーと同学年のスリザリン生であるセオドール・ノットの父親。聖28一族・ノット家出身。 ホラス・スラグホーンとは旧知の仲だったらしい。 神秘部の戦いで負傷し、逮捕された。 ●エイブリー スネイプの学友。聖28一族・エイブリー家出身。 服従の呪文で操られていたと証言し、有罪を免れた。 ヴォルデモート復活時に真っ先に許しを請うたり、神秘部の仕様を知らずに予言を奪取するための作戦を立て、それが端から成功しないものだったと後でわかるという失態を犯したりしてその度に罰せられている。 ●ジャグソン 神秘部の戦いで捕らえられ、アズカバンに収監された。 ●トラバース 聖28一族・トラバース家の出身。 マッキノン一家の殺害に加担した罪で逮捕されていた。 7巻で脱獄し、七人のポッター作戦に参戦したり、ハリーを捕らえるためラブグッド邸を襲撃したりした。 ホグワーツ最終決戦ではパーバティと交戦。 ●セルウィン 聖28一族・セルウィン家出身。七人のポッター作戦に参戦。 トラバースとともにハリーを捕らえるためラブグッド邸を襲撃した。 ●ウィルクス スネイプの学友。ヴォルデモート失踪の一年前に闇祓いに殺害された。 ●マルシベール スネイプの学友。学生時代から他の生徒に闇の魔術をかけるようなヤバい奴だったらしく、リリーに名指しで嫌われていた。 服従の呪文を得意とする工作員。5巻で脱獄し神秘部の戦いに参加するが再逮捕された。 ●ギボン 6巻でホグワーツを襲撃。作戦の要となる闇の印の打ち上げに成功したが、その後味方のロウルに死の呪いを誤射されたため、初登場時点で既に死んでいた。 ◆服従の呪文によって操られた者たち ●パイアス・シックネス 魔法法執行部部長→魔法大臣。 ヤックスリーの服従の呪文によって操られた。 ホグワーツ最終決戦では、魔法省の同僚であるアーサーとパーシーによって倒される。 ヴォルデモートの死後、魔法大臣にはキングズリー・シャックルボルトが選ばれた。 映画版ではヴォルデモートの八つ当たりで殺される。 また、服従の呪文にかけられている様子はなく、普通の死喰い人の一人として描かれている。 ●スタン・シャンパイク 夜の騎士(ナイト)バスの車掌。 自分は死喰い人だとホラを吹いて魔法省に摘発されアズカバンに収監される。 ……ハリーはこの件で怒っていたが、正直「軽い気持ちで悪質なデマを撒いて社会を混乱させていた」わけだし割と当然な気もする。 それでなくても「服従の呪文」で、誰がいつから死喰い人の手下になっているのかが分からなくなっているのに、そのうえ「イタズラ死喰い人」なんてのが蔓延ったらたまったものではない。 そういう意味ではスタンを逮捕して「こういったタチの悪い扇動は許さん!」と示すのはむしろ正しいと言える。 ……その後、集団脱獄の際に服従の呪文をかけられてしまい、本当に死喰い人の手下となって七人のポッター作戦でハリーを襲う。因果応報である。 ハリーは顔見知りが襲ってきて一瞬ためらったが、なんとか武装解除される。しかしこの際にハリーが得意技の「武装解除呪文」を使ったことで、囮作戦が破れることになった。 ●ドーリッシュ 闇祓い。一応闇祓いの中でもトップクラスに優秀なはずだが、護送中のダーク・クレスウェルに逃げられたりオーガスタ・ロングボトムを逮捕しに行って返り討ちに遭ったりとぱっとせず、敵からも味方からも舐められている。 錯乱呪文に掛かりやすいらしい。 ◆関係者 ●ナルシッサ・マルフォイ ルシウスの妻で、ドラコの母。 死喰い人ではないが、純血主義者で協力者の立ち位置となっている。 ブラック家出身でベラトリックス、そしてトンクスの母親であるアンドロメダ・トンクスの妹。シリウス・レギュラス兄弟は従弟でもある。 金髪碧眼の美女で、容姿の辛口評価に定評のあるハリーからも「美人」と評されるが、なんていやな臭いなんでしょうという表情さえしなければという前置き(*2)があり、息子と同世代のハリーと口論するなど性格はお世辞にもよろしいとはいえない。 とはいえ夫と息子への想いは強く、特にドラコを溺愛しており、ドラコをダームストラングに通わせようとした夫に反対していた他、終盤ではスネイプにドラコの身の安全のために『破れぬ誓い』を結ぶよう迫る。 ホグワーツ最終決戦で彼女の下した決断がヴォルデモートを斃す大きなきっかけになる。 映画版にも登場するが色々あって別人状態になっている。あとカカア天下。 ●スカビオール 逃亡中のマグル生まれの魔法使い等を捕まえる「人さらい」の一人。 グレイバックと行動を共にしているあたり、地位はそこそこ高い模様。 映画では人さらいのリーダー格になっており、ホグワーツ最終決戦で先陣を切って突撃するがネビルとシェーマスに渡り廊下を爆破され、谷底に落下した。 ●ドローレス・アンブリッジ マグル生まれの魔法使いの裁判の裁判長。 ●ビンセント・クラッブ、グレゴリー・ゴイル ドラコ・マルフォイの取り巻きの2人。ドラコが死喰い人になったのに伴い彼らも活動に参加するが、闇の印を刻まれたかは不明。 5巻までは腰巾着だったが、その後マルフォイ家の地位低下に伴い、露骨に見下す様になっていた。上記の通り自分たちの親父もどっこいなのだが。 7巻でクラッブは自らが放った悪霊の火を制御できずに焼死。ゴイルは生き延びたがその後は不明。 ●ボージン、バーク 夜の闇(ノクターン)横丁にある闇の魔術道具や曰く付きの品を扱う店の店主たち。少なくとも50年以上営業しているが代替わりしているかは不明。 トム・リドルはここの元店員で、彼の母親がスリザリンのロケットを売り払った店でもある。 その縁か死喰い人の協力者となっており、ルシウスのガサ入れ対策やドラコの任務に協力し(させられ)ている。 『魔法同盟』では、意外なことに戦後も店は存続している。 追記・修正は闇の印を受けてからお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] クラウチJr.は顔や仕草がプリズン・ブレイクのティーバッグそっくりだが中の人は演・吹き替え共に別人、他人の空似である。 -- 名無しさん (2013-08-18 20 36 29) 誰だルーナに左フック喰らわせた下衆野郎は# -- 名無しさん (2013-08-21 00 21 24) ピーターグリフィン陣営でも闇でも立場低いのか。 -- 名無しさん (2014-06-13 01 51 25) 数は多いけど有能なのはベラトリックス、クラウチJr.、ドロホフ、ヤックスリーくらい -- 名無しさん (2014-08-22 18 47 36) ↑それ以外は死をも覚悟して戦っていた不死鳥の騎士団にどうしても質的に劣る印象があるな。 -- 名無しさん (2014-08-22 19 11 45) 前から思っていたがルシウスってホグワーツの理事辞めさせられたけど秘密の部屋事件の首謀者ってことが露見したのに処分が軽すぎないか? -- 名無しさん (2014-10-08 17 41 23) ジニーが操られていったってことが明るみに出たら問題だろうし、事件の真相は詳しく言わなかったのかも。シリーズ通してルシウスは罰を逃れすぎというのは同意 -- 名無しさん (2014-11-08 21 32 30) 死喰い人たちのモブを見てると中には黒人や東洋人も混じってるよな、こいつらって純血なのかな -- 名無しさん (2015-02-10 16 50 32) ↑死喰い人にはマグル生まれとかも極少数ではあるけどいるらしいし半純血も結構いるというかボスがそうだしな -- 名無しさん (2015-03-01 15 20 45) クラウチJr.が一番有能だった。スネイプばかり評価されてるが教師としても有能だったし、忠誠心もベラに負けてない。 -- 名無しさん (2015-03-13 21 15 55) スネイプ、クラウチJr.、ベラ、ドロホフ、ヤックスリーくらいか?ブレッド殺したルックウッドは? -- 名無しさん (2015-04-09 00 25 13) そういや明確な死亡描写あったのはヴォルとベラ様とワーミーくらいか?他は全員逮捕されたってことでいいんかね -- 名無しさん (2015-06-25 22 23 13) ドロホフはフリットウィックに殺されたぞ -- 名無しさん (2015-08-02 22 54 57) 映画版だと死亡描写あったのはヴォル様とベラ、パイアスぐらいだな -- 名無しさん (2015-08-17 14 02 11) クラウチjr.なんて、物語の終わりの方までダンブルドアを欺いてたからな、能力的に最高クラスだろ -- 名無しさん (2015-11-14 23 05 20) クラウチジュニアは密偵や教師としては有能だがそれ以外が有能かどうかは疑問だ(それともヴォルデモートより王に向いてる?) -- 名無しさん (2016-02-23 09 25 31) ↑9 外国の純血の魔法使いなんじゃね? -- 名無しさん (2016-04-27 04 16 32) ↑×12 ルシウスの理事解任は秘密の部屋のこととは無関係。ルシウスの屋敷に闇の魔法でできた道具がたくさんあったから(ポリジュース薬中にロンがドラコから聞き出してた) -- 名無しさん (2017-09-16 18 53 39) ドーリッシュ、死喰い人なんか? -- 名無しさん (2023-04-19 10 42 37) 名前 コメント
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命、その価値は ホクトが死んだ。 余りに呆気なく。 ボンという音と一緒に命が消えた。 ホクトだけじゃなかった。 他にも6つの音が。 つまりは七人逝ったという事。 「畜生……くそおおおおおおおおお」 ガンと地面に拳を殴りつける。 唯、咆哮が暗い暗い土をくりぬいたような洞窟に響く。 涼しい風が俺に当たる。 ジメッとした湿気が何となくイラつく。 俺――倉成武――は悔しかった。 何もできずに失った息子。 倉成ホクト。 俺には何時の間にか出来た子供。 本当にいつの間にかだった。 愛したつぐみを助けて一眠りをしたら。 17年たっていた。 ……悪い冗談のようだ。 でもそれは紛れも無い事実。 あの地獄のような7日間。 その間に俺は不老不死になった。 キュレイウィルスによって。 キュレイウィルス―――詳しくは俺も分からないが未知のウィルス。 感染したものはキュレイウィルスによって細胞を書き換えられ不老になる。 そして自然治癒力が上がり不死に近い状況になるらしい。 治癒力は怪我に関しては全治2ヶ月、元通りにに歩けるようになるまで更に数ヶ月を要するほどの重傷が1日で回復し、歩きまわれるようになってしまうほどだ。 そして副次的効果として運動能力の上昇もみられるらしい。 最も俺もよくは分からないが。 そのキュレイをもともとの感染者であった小町つぐみから感染してもらった。 生き残る為に。 そしてその7日間の間に俺はつぐみを好きになり屈折あったが結ばれた。 その時に出来た子供が二人。 ホクトと沙羅という双子。 まぁその後色々あって俺が目が醒ましてのは7日間を過ごしてから17年後。 気がつけば37歳でパパだ。 昨日まで20歳だったのに。 いや、心は20歳だ。 うん 本当ビックリだ。 それでもよかった。 あの地獄のようなサバイバルを終えやっと幸せな日々になると想ったんだから。 愛してるつぐみと子供たちと。 だけど。 奪われた。 殺し合いという名のふざけたゲームに。 ホクトとの命と共に。 悔しかった。 息子の死に何も出来なかった自分が。 悔しくて。 哀しくて。 だからこそ。 「壊してやる、こんなゲーム……命の重みを知らない奴らなんかに……絶対に負けてたまるか」 俺は。誓う。 この殺し合いを壊す事を。 主催者のいう通りになってたまるかと 命の大切さを知らない奴らに。 この参加者の命……絶対に上げるわけにはいかない。 それがホクトの死に何も出来なかった自分の償いになると信じて。 頑張ろうと。 俺はここで挫けるわけにはいかなかった。 ホクトは言った。 『パパ……ママ。頑張って。殺し合いなんかに負けないで。絶対に負けないで』 と。 俺は……死なない。 絶対に死なない。 絶対に負けない。 頑張ってみせる。 死んでたまるか。 「見てろ……ホクト。絶対勝ってみせる。生きてみせる」 なぁホクト。 俺は頑張るから。 絶対。 絶対死なない。 「……さて、行こう。まずはつぐみ、少年と合流しよう」 小町つぐみ、少年――桑古木涼権――。 愛する者と七日間を過ごし生き抜いた大切な仲間。 殺し合いに乗ってるわけがない。 だからとりあえずそいつらとの合流を。 「んーどっちを行こうか」 ランタンを掲げて道を照らす。 今俺がいるのは洞窟見たいな所。 一本道になっており長さは分からないが幅はかなりある。 前か後ろ、どっちに行こうか思案している時だった。 「きゃぁあああああ!?」 「!?」 前方の方から少女の叫びが聞こえたのは ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「……ぐす」 暗い暗い洞窟から少女の啜り泣きが響く。 少女は黒い制服を纏い灰色の髪をしていた。 髪に飾り付けられている碧のリボンがゆれる。 少女は少し怖くて泣いていた。 この状況が余りにも異質で。 彼女を照らす灯は手に持ったランタンと壁に取り付けられてる灯のみ。 光はそれしかなくて後は闇が支配するのみ。 その闇に少女は唯怯えた。 少女―――リセルシア・チェザリーニ―――はよくわからなかった。 突然広い場所に連れてこられて殺し合いをしろと綺麗な女の人が言った。 そして情報をまとめようとする内に沢山の人の首が飛んだ。 怖かった。 哀しかった。 沢山の人の死に。 そして気がつけばこんなくらい場所に。 名簿を見た。 そこには見知った名前が4つほど。 よく知ってる人と名前しか知らない人。 クリス・ヴェルテイン。 最近リセと仲良くしてくれる人。 不思議な人だった。 自分の唄に興味を示して近づいてくる。 人付き合いが苦手で離れるのについて来る彼がとても不思議でそしてリセにとって嬉しかった。 そのクリスまでいる。 彼がこの島に居ることがリセにとって嬉しいような哀しいような複雑な気分だった。 ファルシータ・フォーセット。 自分に良くしてくれる同じ学校の生徒会長。 同じ孤児院出身でとても利発的な人だった。 後はクリス伝いから聞いた名前のみ。 トルティニタ・フィーネ。 アーシノ・アルティエーレ。 よく知らないけど無事であるといいなと唯そう想った。 「……どうしよう」 溢れる涙を拭いながらもリセは考える。 いつまでも泣いてるわけにはいかないから。 恐怖はいつでも傍にある。 こんな命の危険を晒されることなどなかったけど。 それでも恐怖は日常からあったのだから。 哀しい事にリセルシア・チェザリーニは恐怖に慣れていた。 痛みに慣れていた。 リセは孤児であった。 それをフォルテールを扱える、その一点で拾われた。 有名な音楽家がであり今の父に。 父の教えは厳しくて。 失敗すると飛んでくる体罰。 怖かった。 痛かった。 それでも頑張った。 頑張って父に認められること。 それでも自分は父を愛してくれたから。 父が自分を愛してると想っているから。 リセは傷つきながらも生きていた。 だから、恐怖は慣れっこだった。 きっと……きっとその先に幸せがあると思って。 「……うん。大丈夫。大丈夫」 怖いと想う。 充満した死の臭い。 血の臭い。 今でも頭に残っている。 でもリセは生きなきゃと想う。 理不尽な死にたくなかった。 誰もが想うしにたくないという感情。 でもそれでも誰かを傷つけることなど考えたくなかった。 結局リセは優しい人間だから。 殺し合いという理不尽で哀しいものに参加するなんて考えたくなかった。 だからこそ小さな勇気を振り絞る。 この地獄の場所で生きようとするために。 「……まずはこの暗い所から出たいな」 よたよたと歩き始める。 彼女の体には不格好のディバックを持ちながら。 この絶望に満ちた場所で希望を見つけるために。 「……暗いなぁ」 それでも闇がリセの心を不安にさせる。 少しでも明るくさせようとランタンを掲げた瞬間。 「……ひゃぁ!?」 幽鬼の如く目の前に立っていた少女。 青い髪で端整な顔立ち。 白い服と黒のロングスカートを纏っていた。 彼女は目の前のリセを見つめ口を開く。 「貴方……」 「……ひゃい?」 リセはおどおどしながら口を開く。 まさか人がいると想ってから。 それにリセは人付き合いというのになれて居なかった。 リセはいつも孤独だったから。 級友から嫌悪されていつも一人。 リセが部屋に入ると皆が出て行ったり食事も独りだった。 いつも独りで。 だからつい戸惑う。 どう接せばいいかと。 そんなリセにかまうことなく少女は続ける 「……依人。森宮依人知ってる?」 「……貴方は?」 「森宮蒼乃。依人の姉」 そっけなく少女―――蒼乃は呟く。 リセを一瞥しつつただ返答待っていた。 リセは驚いてる自分の心を抑えながら返答をする。 「知りません……えと、私は蒼乃さんが始めてです」 「そう……」 それで会話は途切れる。 リセはえっとと口ごもりをしどう切り出そうかと。 貴方は何をしてるんですかと聞こうか。 それとも自己紹介をすべきかと。 いくつもの言葉が頭に浮かんでは消えていく。 思案し迷うリセを尻目に蒼乃はふぅといきをつきそして告げる。 「……じゃあ、死んで」 永遠の死を。 もう、必要なかったから。 森宮依人という彼女の全てを知らない少女は蒼乃にとって要らなかったから。 「え?」 リセが呟いた瞬間蒼乃は右手を挙げる。 その時何もない所から現れるは白くて薄いもの。 そして蒼乃が手を振った瞬間、それはリセに向かう。 そうそれは紙。 白く鋭い紙。 紙が舞いそしてリセの視界を覆った。 「きゃぁあああああ!?」 目の前の異常。 そして命の危険。 そのことに怯えたか、はたまた偶然か。 リセは咄嗟の判断で横に避ける。 だか一枚の紙が鋭くリセの頬を切り裂いた。 「あぅ……いたぃ」 頬から流れる紅い紅い血。 その頬を抑えながら恐怖に怯えながらも蒼乃を見つめる。 何故? どうして? そんな困惑がリセの頭を支配する。 「……何故ですか」 「依人の為……」 ストイックにそれだけを蒼乃は告げまた手を掲げる。 今度は仕留めるつもりで。 その行動に躊躇いもなかった。 目は唯冷静に。 「……そんなの」 それでもリセは想う。 依人がどんな存在かはリセには分からない。 でも大切なのだろうとだけは解る。 それはリセの勘も入っているけど。 何れ自分は死ぬだろう。 その事に恐怖を感じる。 だけど……それよりも。 この目の前の感情の起伏が薄い森宮蒼乃が。 どうしようもなく。 たまらなく。 「……哀しいですね……うん……哀しい」 「……何が」 「貴方が、森宮蒼乃さんが……哀しい」 哀しかった。 これからリセを殺すだろう。 そしてそれはこの人の業になるだろう。 それを蒼乃が重荷に感じるとは想わない。 だけどそれでも哀しかった。 蒼乃がその大切な人の為に業を背負うことが。 人殺しという業を。 大切な人を想うが余り。 決して赦されない業を背負うのが。 またその選択肢しか選べなかった蒼乃が。 リセにとって森宮蒼乃そのものが余りにも哀しいものだった。 自分の命が永遠に失われる事よりも。 自分が耐えがたい痛みに襲われる事よりも。 何よりも蒼乃の事が哀しくて可哀想だった。 結局の所、リセルシア・チェザリーニはどうしようもなく優しくて。 優しすぎて。 自分よりも他人のことを考えてしまう。 他人が悲しむのを考えてしまう。 とても、優しくて……そして誰よりも哀しい子だった。 「それがどうしたというの?……死になさい」 だけどその思いは蒼乃には届かない。 リセの悲しみや優しさは森宮蒼乃には絶対に届かない。 フワッと現れる3枚の紙。 それはリセに向かい鋭く向いていた。 「可哀想……」 願うくは森宮蒼乃の明日に希望を。 リセはそれを想い目をつぶる。 ―――紙は舞った。 「させるかぁあああああ!!!」 されどそれはリセの命を奪うなかった。 リセの眼前には一人の男。 手に持った華麗な装飾がされている剣。 それで紙を切り捨てていた。 濃い紺色の髪を持ち白に真ん中にラインが入ったTシャツとジーパンを纏う一見普通の男。 されど目には怒りと闘志を湛え蒼乃を睨む。 その男の名は倉成武。 息子を理不尽にうばれ尚も殺し合いに反逆するものだった。 そして誰よりも命の尊さを知る男。 その男が今、何の躊躇いもなく命を奪おうとしている少女を睨んでいた。 「てめぇ……何のつもりだ」 「……見たとおり」 「命がどんなに大切か解ってるのかよ! それを奪おうとするのかよ!」 「……それが?」 武の憤怒に蒼乃は涼しい顔で返す。 躊躇いなど要らない。 再び無数の紙を現し空に浮かべる。 邪魔が入ったがやることは変わらない。 「邪魔をするなら……倒すだけ」 紙は鋭い矢のような形に変質し武の方を向く。 蒼乃の手が振り下ろされればそのままむかえるように。 武は舌打ちしつつ後ろのリセに向かって言う。 リセは悲しい目を唯、蒼乃に向けて。 「俺は倉成武……危ないから下がってろ」 「え……はい。私はリセです……助けてもらって有難うございます……」 「気にすんな」 「……はい」 リセは一度礼をし後ろに下がっていく。 それを見届けるまもなく武を剣を構え唯蒼乃に向かっていく。 「俺は命を蔑ろにするやつを絶対に赦さない!」 目の前の蒼乃に唯吼え向かっていく。 殺し合いを止める為に。 しかしそれはただの蛮勇の様で。 「……」 何も語らず蒼乃は手を振り下ろす。 そして向かうは矢の如く鋭い紙。 それは一直線に武の下に。 「なっ!?……ぐぅ!?」 武は向かう紙を切り刻んでいくも全部を切ることができず、左肩、右足にに刺さっていく。 紙とは思えない鋭さで深く刺さっていた。 紙に紅い血が滲む。 それでも走りをとめない。 止まれば即ち死。 武だけではなくリセまでも。 「うぉおおおおおおおおおお!」 向かっていく。 唯蒼乃の元に。 命の重要さ知る武だからこそ。 絶対に赦すわけには行かない。 だが 「……終わり」 それでも蒼乃は武の想いなど知らない。 蒼乃は唯想うのは一つ。 依人と。 そして目の前の敵を殺すこと。 手を掲げた先にできるもの。 それは壁。 白い白い壁。 暗い暗い洞窟に唯、唯埋め尽くす白。 幾千の紙。 それが織り成す白い紙の壁だった。 「……依人」 蒼乃は唯、手を振り下ろす。 その合図と共に紙が唸りを上げた。 襲うは紙の嵐。 襲い狂う竜の如く。 圧倒的な質量を持って武に唸り向かい襲い掛かる。 無数の紙が。 「ぐがぁああああ!!!!!」 武はその圧倒的な紙の質量に押されその勢いで壁に叩きつけられる。 その威力は一撃で武の動きを封じた。 「……ゴホッ……ガハ……」 武は壁に叩きつけられたまま、ただうごめく。 体は無数の打撲を受けていた。 肋骨が折れたかもしれない。 それぐらいの叩き付けだった。 動こうにも体が動かない。 「……」 蒼乃はそれを一瞥すると紙で形成された剣を作り上げる。 剣は細く鋭いもの。 それをもち唯武に向かっていく。 止めを刺すために。 「……お前はそれでいいのかよ」 武が唯、言う。 何のためらいもなく殺そうとする蒼乃に向かって。 蒼乃がそれでいいのかと。 大切な人の為に殺すのがいいかと。 「……ええ」 剣を向け唯短く応える。 覚悟はした。 というよりもとより蒼乃はそうだ。 蒼乃の全ては依人だから。 剣が掲げる。 命を刈り取る為に。 武の胸に残るのは後悔。 救えなかった。 唯、それだけ。 願うくはリセが逃げ延びる事。 それを思いを死を受け入れようとする。 が 「「!?」」 武、蒼乃の二人が驚愕する。 予測してない出来事に。 「……させ……ない」 腕を目一杯広げて武と蒼乃の間に入ってきたリセ。 体は震え目には涙を湛え。 それでもここは通さないと言わんばかりに立ちはだかっていた。 「……何を?」 蒼乃はたまらず尋ねる。 まさか間に入ってくるとは思わなかった。 唯、リセの行動が不思議だった。 「……殺さないでください……この人を」 リセがいうのは懇願。 蒼乃はある意味呆れそしてまずこの少女からと剣を掲げる。 だけどそれは懇願ではなくて。 「変わりに……私の命だけ……で……」 「なっ!?」 「おい……リセ?」 取引だった。 武を助ける代わりにリセを殺すという。 簡単な取引。 けれどそれはあまりに哀しくて。 武も蒼乃も唯、驚愕するだけだった。 「嬉しかったんです……助けてくれて」 本当に嬉しそうに語る。 リセは嬉しくて。 誰も助けに来ないと思ったのに。 武が助けに来てくれて。 そのとこが堪らなくて嬉しくて。 だから、恩返しをしたかった。 だから助けようとした。 それが恩返しになると思って。 「蒼乃さん……だから私だけ殺してください」 リセは優しすぎて。 他者の事しか考えなくて。 最も大切な自分の命さえ簡単に投げ出してしまう。 ――哀しい子だった。 「……」 蒼乃は語らず。 唯、改めて剣を強く握って。 リセに剣を向けた。 リセは目をぎゅっとぎゅっと瞑って受け入れようとする。 怖い。 でもそれ以上に救えると思うと嬉しくて。 ただ、その時を待っていた。 (させるか!……させるか!……絶対にさせるかああああああああ!) 武は足掻く。 そんな哀しい運命、嫌だった。 自分のせいで誰かが命を散らすなんて絶対嫌だった。 体も動かせるようになってきた。 足掻く。 唯足掻く。 そして、少女を救う為に。 唯、唯足掻く。 デイバックに手にかけ弄る。 何か救えるものを。 絶対に救う為に。 そして取り出したもの。 「……っ!?……これなら!」 取り出したもの。 そして希望があると信じた瞬間。 「……カフッ」 リセは斬られていた。 袈裟懸け気味に。 蒼乃は何の躊躇いも無く。 唯、意志を持って切り裂いていた。 「う……あぁああああああああああああああああ!!!!!!!!」 武は絶望しかけるも止まらない。 そして取り出したものを投げつける。 その瞬間 「!?」 閃光が洞窟を支配した。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「……日の光ではなかった」 目が次第に慣れてきた蒼乃はただそう呟く。 弱点である日の光。 それではなかった。 一瞬それであると怯んでしまった。 (……あの子) リセとあの子の姿はもう無い。 あの男がリセを抱えて逃げていった。 何故だか追う気にはなれなかった。 あの少女の懇願。 自分は叶えようしたのだろうかと。 自問するも答えは返ってこない。 ただ、リセが一瞬誰かににている気がして。 何故だかわからなかったけど。 でも死んでしまうだろう。 自分が殺したのだから。 後悔もなかった。 「……依人」 思うは大切な弟。 同じく殺し合いの舞台に立っている依人。 彼がいる。 だから殺し合いに乗る。 今はとりあえず少しでも依人が生き残れる可能性を増やす為に。 もし……もし依人が死んでしまった時、優勝して元通りになる為に。 そのために殺し合いに乗った。 それだけだった。 思うは依人の事。 大切な弟の為に。 蒼乃は歩み始めた。 それが血塗れた道であろうと。 蒼乃には関係が無かった。 全ては愛すべき弟の為に。 それが蒼乃の全てだから 【E-2地下洞窟/1日目 深夜】 【森宮蒼乃@sola】 【装備:】 【所持品:支給品一式×1、不明支給品(0~3)】 【状態:健康】 【思考・行動】 基本方針:依人の為に殺し合いに乗る 1:依人の為に参加者を殺す。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「死なせるか! 絶対に死なせるか!」 武はリセを抱え地下の道を唯走っている。 武が投げたのは閃光弾。 それでめくまらましをし、リセを救った。 リセの傷は何故かそれほど深くは無かった。 一瞬の手加減があったのだろうか。 武には分からないけど。 それでも幸運だと思い走る。 容態は良くない。 近いうちにリセは死ぬだろう。 そんな事させたくなかった。 何としても。 荒い息。 少しづつ消えていく命の灯火。 それでも武は走る。 救う為に。 絶対に死なせたくないと。 唯走っていた。 ―――リセを救うとするなら……武のデイバックに入ってるキュレイウィルスが入っている注射器。 だがしかし、武は死ぬ事が無い永遠の命をリセに与える事はできるのだろうか? それは未だ誰も分からない――― 【E-1地下洞窟(神社で入り口寸前)/1日目 深夜】 【倉成武@Ever17 -the out of infinity-】 【装備:夜禍殺しの剣@sola】 【所持品:支給品一式×1、閃光弾×5、キュレイウィルス@Ever17 -the out of infinity-】 【状態:全身打撲、右肩、左足刺し傷】 【思考・行動】 基本方針:殺し合いを壊す 0:リセを助ける 1:殺し合いに乗らない 2:つぐみたちと合流 【リセルシア・チェザリーニ@シンフォニックレイン】 【装備:無し】 【所持品:支給品一式×1、不明支給品(1~3)】 【状態:大きな切り傷、出血多量、意識不明】 【思考・行動】 基本方針:殺し合いに乗らない 0:???? 【備考】 ※何もなければ数時間後死にます。 真っ暗な部屋とゴキっぽい妖精と何も知らない私。 <前 次> 闇と光。そして影の少年と向日葵の少女 ▲上へ戻る
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―葉月の頃 その7― 【8月24日 湯屋】① 闇と虫の声に包まれていた山の夜が、ひっそりと明けゆく頃―― 翠星石もまた、夢を見た憶えのないまま、浅い眠りから覚めた。 開け放した障子の向こう、窓越しに仰ぎ見る東の空は、仄白い。 まだ未練がましく居残っている夜の部分さえも、もう淡い紫に色づいていた。 夏の夜明けは早いものながら、こんなに早起きしたのは、久しぶりだった。 空気のニオイとか、マクラや布団が違ったせいかも知れない。 ここ最近、翠星石がベッドを起き出すのは、午前8時を過ぎたくらい。 気温が上がって、暑苦しさに耐えかねた挙げ句に、仕方なく起きるのである。 (ん……いま、何時ですかぁ?) 時間を気にしながらも、翠星石は既に、二度寝モードに突入しかけていた。 抜けきらない眠気に一寸すら抗おうともせず、腫れぼったくて重たい瞼を瞑る。 いつもの調子で、ふぁ――と、大欠伸だって、したい放題。 それでも一応、時刻を確かめる意志は、失っていない。 横たわったまま、寝る前に外して枕元に置いた腕時計を、もそもそ手探りした。 二度、三度……右へ左へ腕を彷徨わせては、指を窄めることを繰り返す。 けれど、彼女の腕は空を切り、指先は悉く、畳を掻くだけだった。 そして、四度目の正直とばかりに、えいやっと大きく振り回した手は―― 時計ではなく、ナニか固いモノを、ぺち! と叩いていた。 (あっちゃぁ~…………やっべぇですぅ) 指先に絡んでくる、細やかな糸状のモノ。触感から、すぐに髪の毛だと理解する。 そして今更ながらに、同じ部屋に泊まっている娘たちの存在を思い出した。 蒼星石、雪華綺晶、薔薇水晶の三人のことを。 いま撲ってしまったのは、誰? 起こしてしまったかな? 少しの間、翠星石は身動きを止め、息を潜めたまま、様子を窺った。 ――すると、次の瞬間っ! ぱくんっ♪ 擬音語にするなら、こんな感じ。 突如として、親指を除く4指が、生温かく湿ったナニかに捕らえられていた。 ただでさえデリケートな翠星石の心臓はキュッと萎んで、身体が硬直した。 (いひぃいぃ――っ!? なな、なんなんですぅ!) 不意打ちに狼狽えた心臓が、カゴの中のリスみたいに、胸の奥でドキドキと暴れだす。 のたのた巡っていた血液は一気に加速され、暴走列車の如く、全身を循環していく。 それによって、まとわりついていた眠気と気怠さも、どこかに運び去られてしまった。 頚を軋ませ、焦りと驚きに見開かれた双眸を、腕の先に向けた翠星石は…… 鮮やかな白のイメージを纏った娘の、幸せそうな寝顔を見つけた。 雪華綺晶は可愛らしい口で、翠星石の指をパクッと銜えこんでいた。 しかも、彼女のナマ渇きの舌が、ねとねとと指先を舐めだしたから堪らない。 くすぐったいやら、気持ちいいやら、筆舌に尽くしがたい感覚だった。 暫くすると唾液が溢れ始めたのか、ちゃぷちゃぷとアヤシイ音まで漏れだした。 その音に誘われるように込みあげてくる、不思議な胸の高鳴り。この感じは、なに? 翠星石の背筋を、悪寒とも悦楽ともつかない震えが、ゾクゾクッと駆け抜けていく。 横になっているにも拘わらず、腰が抜けるような脱力感に襲われていた。 「ふわぁぁ……きらきーのお口の中、あったかいですぅ~」 ……なんて、思わず譫言を口にしたところで、翠星石は我に返った。 ほのぼのと快感に酔いしれている場合ではない。隣には、蒼星石も寝ているのだ。 こんな場面を見られては、あらぬ誤解を受けて、またぞろ面倒なコトになろう。 それは困るとばかりに、翠星石が手を引き抜こうとした折りも折―― いきなりガブッと、たべごろマンマ! 「ひぎっ?!」 咄嗟に空いている方の手で口を押さえて、迸りかけた絶叫を喉元に留めた。 それでも、半端ない激痛に、ブワッと涌きあがってくる涙は止めようもない。 前歯でガッチリかぶりつかれているから、無理に引っ張ったらケガをする。 かと言って、このまま放置していても、大ケガは必至。 そこで、翠星石が採った緊急手段は―― (こうなったら…………くらいやがれですぅ!) 困ったときのハムラビ法典。歯には歯を、ガブッとやられたら、ガブッと。 カタツムリのように布団から半身を乗り出し、雪華綺晶の首筋に顔を近付けると、 翠星石は、芳香を放つ髪の間に表れている彼女の耳に、かぷりと噛みついた。 窮余の一策のハズが、意外にも効果覿面。雪華綺晶は鼻にかかった甘い声を上げた。 僅かでも口が開いたこの隙を逃さず、翠星石は、サッと手を引っこ抜く。 そして、雪華綺晶が完全に目を覚ましてしまう前に、彼女の耳を解放した。 幸いにも、彼女は「やめちゃらめぇ~」と、呂律の回らぬアヤシイ寝言を呟いただけで、 スヤスヤと眠りの世界に戻っていった。 (ひぃぃ、いったぁぁい。もうっ! 私の指は、ソーセージじゃねぇですよっ) 唾液まみれの指には、くっきりと歯形が残っていた。微かに、血も滲んでいる。 涙で曇った瞳で、暢気に寝息をたてている雪華綺晶をジトっと睨めつけながら、 翠星石は噛まれて出血した箇所を、ちろ……っと舌先でなぞった。 そして、ふと雪華綺晶のヨダレも舐めたことに気付いて、トマトみたいに赤面した。 あたふた慌てながら、誤魔化すように枕元の腕時計を摘みあげ、針の位置を読む。 時刻は、5時を少し過ぎたところだった。 いくらなんでも、起きるには早すぎる。もう一度、寝直そうか。 そう思ったが、雪華綺晶のせいで、眠気はカンペキに吹っ飛んでいた。 優雅に朝風呂を満喫するのも良さそうだけれど、ここで人見知りスキル発動。 たった独りで行くのは不安で、考えたそばから、気が引けてしまった。 (しゃーねぇです。早起きは三文の得って言いますしぃ…… 折角だから、誰か叩き起こして、散歩に付き合わせるですよ) こういった場合、蒼星石に白羽の矢が立つのが、いつものパターンだ。 通例に倣い、翠星石は、隣に敷かれた布団に顔を向けた。 ――が、そこに、蒼星石は眠っていなかった。 試みに手を差し入れてみると、布団の中は、まだ温かい。 出ていって間もないようだ。トイレにでも行ったのだろうか? (起こす手間が省けたですね。廊下で待ってりゃ、逢えるハズですぅ) なるべく物音を立てないように、翠星石は布団を抜け出した。 幽かな衣擦れに、雪華綺晶が小さく呻いたが、目を覚ますには至らない。 薔薇水晶に至っては、眼帯が額までズリ上がっているばかりか、 浴衣の胸元がはだけているのに、起きる気配がなかった。 「寝相の悪いヤツですぅ。ほれ……そんな格好してると、風邪ひくですよ」 翠星石は試みに、露わになった薔薇水晶の胸の桃色ボタンを、ぷに……と押してみた。 しかし、覚醒しない。ならばと、ボタンを軽く摘んで引っ張ってみたが、効果なし。 そこでモヤモヤと脳裏に浮かんでくる、第三の選択肢は―― ┏━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ 1:【スイッチぽん!】 ┃ ┃ 2:【押してダメなら引いてみな】┃ ┃⇒3:【吸ってみる】 ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━┛ 自分で考えておきながら、かぁっと赤面した翠星石は、ぶんぶんと頭を振った。 いくら起こすためのイタズラでも、そこまでは出来ようハズもない。 もう知らんです。翠星石は、薔薇水晶をそのままにして、窓際へと移った。 眠りこける二人を余所に、洗面所の鏡を見ながら、長い髪にブラシを入れる。 翠星石は、身だしなみを整えながら、意外に空気がヒンヤリしてるなと思った。 顔を洗うために触れた水も、室内の蛇口だというのに、まるで氷水だ。 ただ立っているだけで、浴衣からはみ出した二の腕や足先から、体温が奪われてゆく。 ここですら肌寒く感じるのだから、夜中、宿の外は、かなり冷え込んだろう。 「そう言えば……あいつ、平気ですかねぇ」 ブルッと身震いして、両腕を掻き抱いた翠星石は、ある人物を思い浮かべた。 あいつ――とは、他でもない。メンバー唯一の男性、桜田ジュンその人だ。 彼は昨夜、みっちゃんの車に宿の布団を運び込み、車泊したのである。 夏休みシーズンということもあり、予約を取れたのは、和室が3部屋だけだった。 倫理的な観点からすれば、ジュンが一部屋を専有することになる。 となると、女性陣は残る二部屋に、5人と6人で分かれなければいけない計算だ。 部屋の広さ的に見て、5人の雑魚寝が、いっぱいいっぱい。 6人だと、誰かが押入で寝なくてはいけなかった。 最善策としては、3部屋に4人ずつ泊まること。 これならば、きちんと布団を敷いて、のびのびと眠れる。 問題があるとすれば、誰か3人が、ジュンと相部屋になることだ。 だからと言って、女の子たちが多数決により、車泊を強要したのではない。 それどころか、彼と同室になることを、密かに期待している娘も居たほどだ。 ジュンも薄々、その雰囲気を察していたのだろう。 後に禍根を残さないため、敢えて、災いの芽を摘む選択をしたまでだった。 「今頃、布団にくるまって、ガタガタ震えてるかも知れねぇですね。 温かい飲み物でも手みやげに、いっちょ様子を見に行ってやるかですぅ~」 翠星石は足音を忍ばせて、そそくさと部屋を出た。 彼が夜気に凍えているようなら、温泉に誘ってみるも良し。 まだ眠っていたら、そっと布団に潜り込んで、二度寝してみるのも一興かも。 ああ、でも……添い寝なんかして、襲われちゃったら……どうしよう? やおら湧いたヘンな妄想が、翠星石の胸をざわつかせた。 ジュンは、そんなコトしない。と言うか、襲ったりする度胸はないだろう。 ――とは思うのだけれど……彼を信じてはいるけれど、やはり……少し怖い。 だが、ココロのどこかでは、そうなることを望んでいるのかも知れない。 でなかったら、こんなご都合バリバリ急展開を、はしたなく期待しやしないだろう。 「わ、私…………やっぱり……今でも、あんな、へっぽこぽこのすけを――」 一度は、想いを伝えた。青い感情を燃えたたせて、胸を焦がしもした。 それは叶わなかったけれど、だからと言って、想いの全てを捨て去るなんて無理。 だって、本気だったから。 誰もが一度は経験する、通過儀礼的な恋愛ゴッコなんかじゃなかったから。 だからこそ、小さな恋の芽は今も、翠星石の胸の中で枯れずに残っていた。 とにかく、行動してみよう。結果を欲するなら、そうするより他にない。 恋愛にカンニングペーパーなど無いのだから、答えを導くには計算式が必要だ。 そう思って、いつになく積極的な心持ちに、翠星石自身ですら戸惑いを覚えた。 何も変わらないかも知れない。あるいは、また傷つくだけかも知れない。 だけど……それでも、逸るココロを抑えきれなかった。 「もし、ジュンが……も、求めてきたら―― ――わ、私……断れないかも……ですぅ」 いゃぁん。翠星石は、桜色に染めた頬に手を当てて、廊下でモジモジ身悶えだした。 彼の腕に抱かれながら、淫らな笑みを浮かべる自分を想像してしまったら、 期待と不安で小刻みに震えだす膝を、止められなかった。 妖しい熱が、翠星石の身体を火照らせ、意識をクラクラさせる。 腰の辺りが奇妙にウズウズして、落ち着かない。 さっさと行こう。胸のドキドキを持て余しながら、彼女は歩き始めた。 しかーし。そうは問屋が卸さない。 3歩と進まない内に、耳を衝く甲高い涙声が、翠星石を呼び止めていた。 また、よりにもよって絶妙のタイミングで、妨害してくれる。 翠星石の火照りは、冷や水を浴びせられたように、しおしおと萎んでいった。 ナニ考えてたんだろう。翠星石は額に手を当てて、はふぅ――と吐息した。 「ぶゃぉわあぁあぁんっ……翠ちゃあぁぁんっ!」 「うっせーですよっ! 朝っぱらから、キンキン声で泣き喚くなです。 おめーは他人の迷惑ってもんを考えらんねぇですか、おバカ苺っ!」 翠星石が、駆け寄ってきた雛苺の脳天に、まさかりチョップを見舞う。 ゴッ! という鈍い音が、冷え冷えとした空気を震わせた。 一応、翠星石の名誉のために断っておくと、これは体罰ではない。 スパルタ乙女の『苦悶式・教育的指導』である。 雛苺は両手で頭を押さえながら、怨みがましく翠星石を睨んだものの、 言いかけた文句を引っ込めて、本題を切り出した。 「トモエが居ないのっ! 昨日の夜、寝るときは一緒だったのにっ」 「だからって、泣くほどのコトですぅ? ちゃんと探したですか」 翠星石の問いに、雛苺は濡れた目頭をこすりこすり、小さく頷いた。 聞けば、宿の中は、ひと通り探してみたと言う。 「オディールは、なんて言ってたです?」 雛苺と巴、オディールの3人は、同じ部屋に寝泊まりしている。 ならば、誰かが部屋を出る気配を、夢うつつに察していたかも知れない。 そんな翠星石の推測に、雛苺は間髪入れず、首を横に振った。 「グッスリ眠ってるの。だから、きっとオディールは知らないのよ」 「なるほど。あぁ、そう言えば、蒼星石も部屋に居なかったです。 どっかで見かけなかったですか?」 「ううん、ヒナは見てないのよ。ひょっとして、トモエは蒼ちゃんと?」 「……どうですかねぇ。蒼星石と巴って、あまり接点ないようですけどぉ」 友達ではあるけれど、いつも一緒に遊ぶほど親しい間柄ではない。 巴は控えめで奥手な感じだし、蒼星石も、過度の馴れ合いを好まない方だ。 そんな二人が、繋ぎ役を介さずに意気投合するだろうか。 仮に、そうだったとして……二人は連れ立って、どこに行ったのだろう? 翠星石と雛苺は、腕組みをして、起き抜けで働きの鈍い頭をフル回転させていた。 と、そこへ―― 「おはよ、二人とも。こんな朝早くに顔を揃えちゃって、どうかしたの?」 宿の正面ホールを横切り、近付いてくる人影が、翠星石たちに話しかけてきた。 それは他でもない、浴衣姿の蒼星石だった。 「蒼星石こそ、独りでドコほっつき歩いてるですか。心配したですぅ」 「ごめん、姉さん。いやさ、なんだか早くに目が覚めちゃってね。 そしたら、ほら……肌寒いでしょ。ジュン君、平気だったのかなって」 「ふぅ~ん。気懸かりだから、あいつの様子を見に行ってたですか」 考えることが同じだなんて、やはり双子ですねぇと、翠星石は破顔した。 だが、ふと……彼女の胸の片隅で、変なざわめきが生まれていた。 もしかして、蒼星石もジュンのことが好きなのだろうか、と。 考えることが似通うなら、寄せる想いもまた、共通してくるものではないか? 双子は同じタイプの人を好きになると、聞いた憶えもある。 ――まさか。しかし、有り得ないコトではない。 そんな予感めいた不安を、翠星石はココロの中で、強引に押し潰した。 「それで……ジュンは、冷たくなってやしなかったですか?」 「杞憂だったよ。ボクたちが気を揉むまでもなく、ジュン君には彼女がいるもの」 鼻の頭を指で掻き掻き、はにかむ蒼星石の態度から、翠星石と雛苺は全てを察した。 雛苺とオディールを部屋に残して、居なくなった巴。 蒼星石が言った『彼女』とは、つまり―― 「……たはぁ~。剣道で培われた勝負勘は、伊達じゃねぇですね。 受けどころと攻めどころを、ちゃーんと弁えてやがるですぅ。 大胆に攻め込んだってコトは、きっと昨夜はお楽しみに……きししっ」 「うゆ? 翠ちゃん。お楽しみって、なぁに?」 「決まってるじゃねぇですか。ジュンと、にゃんにゃ――」 「わ、わぁーっ?! なに言いだすのさ、姉さんっ! 違うよ、雛苺っ! ジュン君と柏葉さんは、そんなコトしてないからね!」 「わかんねぇですよぉ~? 大体、なんで蒼星石は、違うって断言できるですか。 ははぁん……さては、コッソリ覗いてやがったですねぇ~?」 焦りまくりの蒼星石は、姉のニヤケた流し目に晒され、更に狼狽えてしまった。 ロクに反論もできずに「知らないっ」と言い捨て、その場から逃げだそうとする。 そんなナイーブな妹の腕を、翠星石が掴んで、引き留めた。 「あぁん。待つですよ、蒼星石ぃ。冗談を真に受けるなですぅ」 「…………もぅ。ヒドイよ」 恥ずかしさか、からかわれた悔しさか、蒼星石は、ぷーっとむくれた。 翠星石は朗らかに笑って謝りながら、妹の柔らかい髪を、ぽふぽふと撫でる。 そして徐に、右腕で蒼星石の肩を、左腕で雛苺の肩を、グイと引き寄せた。 「さぁて。巴の所在は判ったし、蒼星石とも会えたですから、問題解決ですぅ。 珍しく早起きしたし、気晴らしも兼ねて、ちょっくら散歩に行くですー」 いつもの強引さで、翠星石は実の妹と、妹みたいな親友を引きずり、宿を出た。 二人の肩を抱き寄せたまま、足早に駐車場を横切って、林道の方に向かう。 その際、みっちゃんの車が視界に入ったが、翠星石は努めて顔を背けていた。 内側が結露した車のガラスを見てしまったら、きっとドス黒い感情が噴出してくる。 車内の様子が気になって、覗かずには居られなくなるだろう。 そして、寄り添って眠る二人に嫉妬して、ココロを醜く穢れさせていくのだ。 明け方の林道に、彼女たちの足音と、早起きな鳥の声が谺する。 もう少し気温が上がれば、また煩くセミが啼きだすだろうが、今は静かだ。 木々の間から、朝霧が音もなく浸みだしてくる光景は、とても幻想的だった。 路肩のなだらかな斜面には、斑入りの白い花が、霧に紛れて点々と咲いている。 「わぁっ! ねえねえ見てっ。あれ、ユリの花なのよね?」 「そうだよ、雛苺。あれは、ヤマユリ。花言葉は『純潔』と『荘厳』だったかな」 蒼星石の返答に、雛苺は「うよー」と感嘆して、白い可憐な花に目を注いだ。 鮮やかな緑の葉や茎に、しっとりと降りた夜露が、朝日を受けて煌めいている。 確かに、いま翠星石が見つめている花たちには、花言葉どおりの趣があった。 それに引き替え、ジュンと巴の仲を妬む自分は、なんて醜いんだろう。 翠星石は、胸の痛みを覚えながらも、目を逸らすことなくヤマユリを眺めていた。 (私のココロには……まだ、純真な部分が残ってるでしょうか? あるとしたら、これから先も、ずっと純真なままでいられる……です?) 少しの間、答えを探してみる。そして、一分と経たずに諦めた。 解りっこない。人生は、この林道のようにハッキリと形作られてなどいないから。 未舗装の部分があったり、突然の崖崩れで寸断されることも有ろう。 でも――どんな困難に直面しても、いつだって気高く生きていたいと思った。 願わくば、かけがえのない親友たちと、いつまでも一緒に。 翠星石は、蒼星石と雛苺の肩に掛けていた腕を、そっと背中に降ろした。 そして、溢れんばかりの慈しみに、ちょびっとの恥じらいを滲ませながら、 なにも言わずに、二人を抱き寄せた。 キリリと冷えた山の空気の中で触れ合った、蒼星石と雛苺の温もり。 それは、翠星石のココロに蟠っていた黒い感情を、すぅっと融かしてくれた。 まるで、泥まみれの名残り雪を消し去る、春の日射しのように――
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概要と見方 次項か行 あ行 相方ゲー(あいかたげー)[全][用語] 愛知県 小坊vs.消防(あいちけん しょうぼうばーさす.しょうぼう)[無][スラング] 悪夢(あくむ)[DESTINY、全][ステージ、サブタイトル、心情] 悪夢は再び(あくむはふたたび)[SEED、全][ステージ] アシスト(あしすと)[全][システム] 足付き(あしつき)[SEED][戦艦名][セリフ] 後格闘(あとかくとう)[全][システム] 穴座(あなざ)[全][コース] アナザーガンダム[G、W、X][用語] アナハイム・エレクトロニクス社(あなはいむ・えれくとろにくすしゃ)[宇宙世紀][企業名] アビリティレベル[W][用語] 阿頼耶識システム(あらやしきしすてむ)[鉄血][用語] アリー・アル・サーシェス(ありー・ある・さーしぇす)[00][人物名] アルカ(あるか)[無][雑誌] アルチ(あるち)[全][コース] アレルヤ・ハプティズム(あれるや・はぷてぃずむ)[00][人物名] 遺影(いえい)[スラング] 生贄(いけにえ)[Z][スラング] 一機だけ出てないあのガンダム(いっきだけでてないあのがんだむ)[W][機体名] イノベイター(いのべいたー)[00][用語] イノベイド(いのべいど)[00][用語] インカム(いんかむ)[無][用語?] 打ち上げ花火(うちあげはなび)[Z][スラング] エアプ(えあぷ)[無][用語] エゥーゴ(えぅーご)[Z、ZZ][勢力名] エウティタ(えうてぃた)[Z][略称] エクストラ機体(えくすとらきたい)[全] 援誤(えんご)[無][スラング] 遠征(えんせい)[無][スラング] 落合博満(おちあいひろみつ)[無][人物名] オードリー・バーン(おーどりー・ばーん)[UC][人物名] 起き攻め(おきぜめ)[全][テクニック] おしおき[全][スラング] お立ち台(おたちだい)[SEED][ステージ、スラング] オーバードライブ(おーばーどらいぶ)[全] おもちゃ[全][スラング] 終わりの無いディフェンス(おわりのないでぃふぇんす)[V、DESTINY][スラング] 相方ゲー(あいかたげー)[全][用語] 試合時に自分が全く役に立たないで、相方の力だけで勝ってしまうこと。 当然ながら試合は色々な要素が嚙み合うものなので一見役に立っていない様でも良い具合にロックを集めていたり、スコアを見ると意外とダメージを取っていたりするものなのだが、相方ゲーをしてしまったと思った時は素直に反省して今後の試合に活かそう。 愛知県 小坊vs.消防(あいちけん しょうぼうばーさす.しょうぼう)[無][スラング] ガンガンが原因で起きたゲーセン内の事件で、ガンダムというネームバリューもあってかネットや新聞などに載った。対戦で勝った後、煽った男性Aが煽られた男性Bに殴られたという内容。愛知県で起きた事、煽った男性Aの礼儀の無さが小学生級である事、殴った男性Bが消防士であった事からこう呼ばれる。 殴るのも良くないとは言え、そもそも何もされていないのに人を侮辱した時点で殴られても文句は言えません。店員さんや他のお客さんに迷惑をかけないためにもマナーはしっかり守りましょう。台バン等もたまに見かけますが、筐体を破壊した場合はウン百万クラスの賠償金が発生する可能性もあります。 とはいえ、こんな事が出る程件の作品のクレイジーな仕様は凄まじかった、という事も言えるか。次回作のロケテ時からの調整の姿勢がこの作品と雲泥であったことも、あながち無関係では無かったりして、という邪推も。マナーの事ももちろんだが、エンタメであると期待されるものに過分のストレスの貯まるような作品を提供されるのも勘弁願いたい、という気持ちも客としてはある。 ちなみにこの事件が起きたゲームセンターには次回作の「NEXT」の入荷がかなり遅かったとか…。 悪夢(あくむ)[DESTINY、全][ステージ、サブタイトル、心情] ノーマルコースAルート5面のサブタイトル。元ネタは「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」のサブタイトルでシンがキラを倒した回。味方はシンのインパルスで敵はキラ搭乗機であるストライクガンダムとフリーダムガンダムしか出ない。5面の中では楽。 ガンガン時代の解禁はCPU戦中心で多くのユーザーに不評であり、とりわけ3回目と4回目の解禁には不満が続出した。その時を皮肉って用いられることもある。 開幕にキラが「何なんですか、貴方達は!?」と叫ぶのが印象深いステージである。いきなり2人で襲いかかって来るのだから気持ちは分からないでもない。 悪夢は再び(あくむはふたたび)[SEED、全][ステージ] ガンダムVSガンダム、ハードコースBルートステージ7のステージタイトル。ステージは種、ソロ時僚機は試作3号機、登場敵機はグフ・カスタム、フリーダム、V2。 「悪夢は再び」は種、「悪夢」は運命で使われたサブタイトル。つまり、サブタイトルでは「悪夢は再び」の方が「悪夢」より先に使われていたのである。これは、「悪夢は再び」の指す悪夢は種のアバンで語られる血のバレンタイン事件のことであり、要するに核兵器が悪夢ということである。対して「悪夢」はフリーダム(キラ)が撃墜される事がアークエンジェル勢とアスラン(とキラのファンの方々)にとって悪夢ということであると思われる。 アシスト(あしすと)[全][システム] ガンガンから追加されたシステム「モビルアシスト」の事。機体毎にそれぞれゆかりのある機体が援護してくれる。アシストごとに使用回数制限(再出撃まで回復しない)があるものの、出せば後は自動で攻撃や防御行動を取ってくれるので積極的に使うと良い。出すデメリットもほとんど無い(出す時の僅かな硬直ぐらい)。 アシスト機体そのものは特に作りこまれておらず、MSタイプでも出てきた姿勢のまま攻撃するであることがほとんどである ベルガ・ギロスやレジェンドガンダムなどの機体を使いたいにもかかわらず、アシストで出たのでプレイヤーキャラでの参戦が絶望的となることから一部では否定意見もあるが、戦略の広がりや個性付け、そしてオールスターという名目上や基本的なシステムの関係上出られることがほぼないであろうガンペリーやホバートラックが出られることもあり、概ね好評である。続編では、アシスト機がプレイヤー機に昇格することもある。 EXVS以降、システムとしてのアシストは廃止されたが、武装コマンドの1つとして一部の機体が使用可能。続編のフルブでは大半の機体にアシスト武装が実装された。その中には既にプレイアブル化されている機体がアシストになっているパターン(EWゼロのアシストにトールギスIIIなど)も出てきた。 EXVS2からは基盤の変更に伴い機体グラフィックを新規に用意する必要が出たためアシストのプレイアブル機体からの流用が大幅に増え、アシストのみ登場する機体はかなり少なくなった。 余談だが、ヒルドルブは原作では敵であったザクをアシストで呼び出すのがファンの間で話題となった。 GVS.では一部の機体の武装を除きアシストが大幅に削減され、代わりにどの機体も自由に一種類アシストを選んで使用できる「ストライカー」が登場。ストライカーによって動作はそれぞれ異なり使用回数も異なるが、ほとんど同じ動きをするものが多い。 XBのマックスターはアップデートで覚醒時にドラゴンガンダム呼び出しを使用するとクロスボーンガンダムX1の核のように一回目は流星胡蝶拳を放つようになった。 OBではマックスターのように覚醒時一回目は覚醒技級の大技を撃つ機体が増えた。 足付き(あしつき)[SEED][戦艦名][セリフ] ガンダムSEEDにおける地球連合軍所属(しかし後に離反する)の戦艦・アークエンジェルの事を指す。「足付き」と劇中の人物に言われるのは、足のような形をした陽電子砲が2基あるため。 ガンネクでイザークが言う「足付き」とは、まさにこの事である。アークエンジェルは、イザーク因縁の相手・ストライクを擁する戦艦でもある。 ちなみに脚付きと言えば、アークエンジェルの単なる色違い、つまり同型艦であるドミニオンも… 後格闘(あとかくとう)[全][システム] レバー後ろ(下)+格闘ボタンの入力で繰り出す格闘のこと。 読みは「あとかくとう」が一般的だが、「うしろかくとう」も使われている。稀に「後ろ格闘」と表記されていたり、下格闘と呼ぶ人もいる。 主にピョン格や投擲攻撃、カウンターなど、特殊な挙動や一風変わった性能が多いコマンド。もちろん普通の格闘攻撃モーションを行う機体もいる。 EXVS.シリーズ以降は、ここにも射撃武装を配置している機体が増えた。 穴座(あなざ)[全][コース] ガンガンにおける第5回解禁で登場したアナザーコースのこと。全10ステージ。難易度的にはノーマルとさして変わらない。前のステージで登場した敵エースが次の僚機になり、バトルステージとステージサブタイトルの作品が一致しないのが特徴。このステージ最大の売りは新機体解禁を望む多くのユーザーが待っていたガンダムエクシアが登場することである。結果的には相変わらずCPU戦の解禁だが前述の通りエクシアが出たため、そこまで不満は出なかった。 アナザーガンダム[G、W、X][用語] 「機動武闘伝Gガンダム」以降に制作された、「機動戦士ガンダム」より続く宇宙世紀とは違う世界を舞台にした作品群の事。another gundam。宇宙世紀シリーズとは違った解釈のモビルスーツ(一部ファイター)の活躍を楽しむ事が出来る。∀ガンダムではこれらの世界も含め(これ以降に放映された新しいガンダムシリーズを含めるかは解釈が分かれる)、全てのガンダムシリーズが同じ時系列にあるという設定でストーリーが展開した。 ∀以降の作品をどう呼ぶかについては不明だが、参考として『SDガンダム Gジェネレーションウォーズ』ではG、W、Xと∀は「アナザージェネレーション」、SEEDシリーズと00は「ニュージェネレーション」とされていた(*1)。 2024年のテレビ東京にて放送されたガンダム45周年番組では宇宙世紀以外の作品はまとめて「オルタナティブ作品」と称された。 アナハイム・エレクトロニクス社(あなはいむ・えれくとろにくすしゃ)[宇宙世紀][企業名] 宇宙世紀シリーズに登場するコングロマリット(軍産複合企業)。北米のアナハイムに本社を置き、月を拠点としている。元々は中小規模の家電メーカーであったが、一年戦争後にジオン系や戦闘機の企業の吸収合併・買収を繰り返していき、兵器業界の最大手にまでのし上がった。キャッチコピーは「スプーンから宇宙戦艦まで」。 ティターンズ・エゥーゴ・ネオジオンなど陣営に関係なく兵器の開発製造や裏取引を請け負うことから「死の商人」と揶揄されることもしばしば。しかし、フォーミュラ計画でのサナリィの台頭の他、全陣営のMS開発を独占していた驕りもあってか技術レベルも他組織より低下した結果ジェガンのモデルチェンジを繰り返すだけとなり、宇宙世紀100年代にはかつての勢力は失っている。 劇中での描写はTV版のZが初出であり、1st本編には登場していない。なお、安彦良和による漫画「機動戦士ガンダムTHE ORIGIN」ではアムロの父で連邦の技術士官のテム・レイがアナハイム社の技術者として描かれている。 ゲーム内では、クワトロが出資者(アナハイム社の上層部)の無理難題に愚痴をこぼしたり、バナージがいずれはユニコーンのような機体を作るのかと戸惑うシーンがある。 アビリティレベル[W][用語] アフターコロニー世界のモビルスーツに設定されている機体の性能や特性を表すパラメーター。 ファイティングレベル(格闘戦能力)、ウエポンズアビリティ(火力)、スピードアビリティ(機動性)、パワーアビリティ(駆動力)、アーマードアビリティ(装甲強度)の五種類があり、リーオーを基準(オール100)にした相対値で表されている。 阿頼耶識システム(あらやしきしすてむ)[鉄血][用語] 厄祭戦末期に開発された有機デバイスシステム。人間の脊髄にナノマシンを埋め込み、パイロットの神経と機体のシステムを直結させるというもの。本来モビルスーツを操縦するには訓練や学習が必要であり、それらが不足していると操作が遅れるどころか、起動することもままならないが、阿頼耶識システムを接続させることにより直感的かつ迅速な操作が可能になる。 かつてはアグニカ・カイエル達ギャラルホルンの始祖がガンダム・フレームと共に使用、ガンダム・フレームの性能と相まって悪魔的な性能を発揮したが、厄祭戦が終わると忌むべき技術として封印されていくことになる。 しかし、後の世ではその技術が半端な形で宇宙海賊などの無法者や違法組織などに出回り、ヒューマン・デブリと呼ばれる少年達に施術が行われようになっていった。技術力の低下した施術では、未成熟の子供にしかナノマシンが定着しない事、成功率が低い事(失敗すれば一生寝たきり、最悪だと死亡)などから、学もなく、失敗して使い物にならなくなっても代わりがいくらでも利くヒューマン・デブリをお手軽な戦力とするにはうってつけなのである(ヒューマン・デブリは人間的価値が低いとされているので、学習させるのは時間と労力の無駄、施術に失敗すれば処分すれば良いという考えが蔓延している)。 作中では女性の阿頼耶識持ちは存在していない。これはリスクの高い施術を行って体を無駄にするより、体を売らせた方がリスクなく稼がせることが出来るからであると思われる。メタな事を言うと、夕方5時に女性の上半身だけでも裸を映そうものなら間違いなく色んな団体から苦情が殺到する為もある(阿頼耶識持ちはケーブルを繋ぐなどの関係で大抵、上半身が裸になるシーンが多い)。 アリー・アル・サーシェス(ありー・ある・さーしぇす)[00][人物名] 「機動戦士ガンダム00」代表としてEXVS家庭版からアルケーガンダムで参加している。詳細はそちらを参照されたし。 NEXTのエクシア、ダブルオーライザーのトランザム格闘の連続斬りは彼に対して行ったものであるため「サーシェス切り」と呼ばれていた。 アルカ(あるか)[無][雑誌] エンターブレイン社から発行されているアーケードゲーム専門雑誌『アルカディア』のこと。本シリーズも特集記事が組まれたことがある。また、各種アーケードゲームの攻略ムックも刊行、発売され、本シリーズも3作とも発売されている。 有用な情報が載っている事もあり、ゲームセンターに大体1冊は置いてあるので一読するといいかも。2015年に休刊してしまい不定期発行になる。置いてあるゲーセンも減り(というかゲーセン自体が減り)悲しい時代になってしまった。 アルチ(あるち)[全][コース] ガンガンにおける第3回解禁で登場したアルティメットコースのこと。全12ステージ。僚機がいない場合や、10機以上倒す必要が出てくるステージが当たり前のように出てくる。また、その時点で登場していなかったガンダムエクシアを除いてドム以外のすべての機体が登場する。名前付き敵パイロットは出ない(故に敵のGCOも無い)。ちなみに各ステージのサブタイトルにはすべて「○○試練」とつく。そのあまりの高難易度から「お金の無駄ルート」等と皮肉られることも。 やあ(´・ω・`)ようこそ、「アルティメット」コースへ。「一の試練」は小手調べで2対2だからまずは落ち着いて欲しい。うん、「究極」なんだ。すまない。ノーマルでさえ前シリーズよりも難度が高いからね、謝って許してもらおうとも思っていない。でも、「超越試練」をクリアした画面を見たとき、きっと言葉では言い表せない「達成感」みたいなものを感じてくれたと思う。殺伐としたゲーセンでそういう気持ちを忘れないで欲しい。そう思ってこのコースを作ったんだ。じゃあ、もう一度お金を入れようか。誰がするか!ボケェェェェェェェェ!!!!!! ちなみに、EXVS.にもシチュエーションバトルというアルティメットコースほどではないものの、ステージごとに使用機体が固定されている上、組み合わせがνとユニコーンという協力プレイだと事故になる組み合わせになる、最終ステージは常時覚醒機体が3機に自機(1P)は当時微妙だったエクシア…と非常に高い難易度を誇るコースがあった。家庭版でリベンジしたいというプレイヤーもいたようだが、残念なことに家庭版では削除された。 アレルヤ・ハプティズム(あれるや・はぷてぃずむ)[00][人物名] 刹那・F・セイエイ、ロックオン・ストラトス、ティエリア・アーデと共にガンダムマイスターとしてソレスタルビーイングに参加している青年。1stシーズンではガンダムキュリオス、2ndシーズンではアリオスガンダム、劇場版ではガンダムハルートに搭乗している。 劇中では『超兵』の力を活かした高速戦闘をクライマックスで見せるのがお決まりとなっており、そういう意味では見せ場もあるものの、その代わりにクライマックス以外では目立たないため、『ハブラレルヤ』という造語が出来てしまい、監督が担当声優に『本意ではない』と謝罪までした不遇なキャラクター。とある劇中での信じられない役目から『GN電池』とも言われてしまっている。ただし、劇場版では終始大暴れした。 VS.シリーズでも本編をリスペクトするかのようにマイスターズで唯一プレイアブル機体として彼のMSは参戦しておらず、EXVS.の家庭用版で新規参戦したロックオン(ニール)が刹那に『アレルヤはどうした?(アレルヤ以外のマイスターは全員参戦している)』と言うなど、こちらでもネタにされてしまっている。しかも、家庭版で追加された劇場版00のPVではアレルヤも喋っており、参戦が期待されていたのだが2012年2月現在で登場する様子は全くなかった。 2013年1月29日に「アリオスガンダム」としてソーマ・ピーリスと共に念願の参戦と相成った。……とは言うものの利点が変形とBRの弾幕だけと、特化したワンチャン力を要求されるコスト1000の中で(生存能力こそ目を見張るものがあるものの)今ひとつ爆発力不足な機体だったため影の薄さを返上するに至らず。残念。 ところがMBでコスト1000→2500に上昇というかつてないコストアップを施され、さらにアップデートで一躍環境の上位と言われるほどのものになった。やったね!!そして念願かなってガンダムハルートも参戦した。 遺影(いえい)[スラング] 亡くなった人を偲ぶための写真または肖像画。お葬式の時に使用したり、仏間などに飾られることが多い。 EXVSより試合決着後に止めを刺した機体がアップになるまでの少しの間動くことが出来るようになり、その間に攻撃することで被弾モーションをアップにすることが出来るのだが、その時の攻撃が相手の耐久値を上回った場合、アップされる代わりにその時の攻撃を受けた姿が表示されるためこう呼ばれた。 とどめを刺される直前に相手の撃墜に成功した、射撃CSを貯めていたが試合終了時に指を離したら発射した……など偶然のケースもあるが、負けた側の腹いせでこうなる事もあるが気になる人は気になるので無用なトラブルを避けるためしない方が吉。されても負け犬の遠吠えだと流してあげよう。 GVS及びEXVS2以降ではこれがなくなり、すぐにリザルト画面に行くように。 リプレイでは試合終了後の動きは再現されないため意図的だった場合がわかるようになった。 生贄(いけにえ)[Z][スラング] ガンダムVS.ガンダム及びガンダムVS.ガンダム NEXTのCPU戦でZガンダムと一緒に登場し、Zガンダムを覚醒させるために存在する低コスト機体群のこと。登場するときは露骨に耐久力が低く、カミーユが切れる姿を存分に見ることができる。「五の試練」以外はZガンダムを先に倒してしまえば、後は雑魚狩りになるので倒し方を間違えないようにしたい。 難易度的にはガンガンノーマルD-4面「ゼータ発動」(初級)、NEXTのC-7EX(中級)、ガンガンアルティメット5面「五の試練」(上級)といったところか。斬られたり突き刺されたりしないよう、注意して欲しい。 EXVS.では「体を通して出る力」が消滅(覚醒へ移行)したため無くなってしまった。カミーユにとってはよかったのだろう… 一機だけ出てないあのガンダム(いっきだけでてないあのがんだむ)[W][機体名] 「新機動戦記ガンダムW」において主要なWチーム5人のうちたった一機だけ出られなかったアルトロンガンダムのこと。NEXTにおいてW枠は5機と発表された際、全員出るかと思われた。実際はヒイロ、デュオ、トロワはプレイヤーキャラクターとして、カトルはデュオのアシスト(のパイロット)で登場するにもかかわらず張五飛(チャン・ウーフェイ)だけは出られなく、ACのEDでもGチームがそろう際に一人だけいなかった。そのため解禁して欲しい機体としてよく名前が挙がっていた。 ただでさえ五飛は独特の考えを性格や言動をネタにされることが多かったのに、この結果さらにネタ性が強くなってしまった。 ちなみにガンダムvsガンダムのステージの1つの「コロニー内部」はアルトロンガンダムの改修前であるシェンロンガンダムの製造地であるL5コロニー。 家庭用「NEXT PLUS」の発表に伴い、まさかの新参戦「Endless Waltz」枠でサプライズ登場。これでもう不遇キャラとは呼ばせない!…が、今度はカトルがネタ及び不遇キャラにされているうえエンディングでアルトロン(ナタク)がやっと出てきたと思ったらサンドロックがハブられまたWのGチームがそろわない事態に… そのサンドロック改はNEXT PLUSモードにCPU専用として登場。勿論操作することは出来ず、声も無い。 これでGチームはそろったが前期主役機であるウイングガンダムがいない(後継機であるアルトロンやデスヘルと違ってウイングゼロとウイングはまったく別機体)。ちなみにこのウイング前期主役機というカテゴリーでも一機だけ出ていない。原作でも扱いの悪い機体ではあったが… そして「MAXI BOOST」でアルトロンガンダムとサンドロック改、モバイル有料会員限定機体でデスサイズヘルとヘビーアームズ改が参戦したことにより、ようやくWのガンダムチームが揃うことになる。 「GVS」では最初からTV版の後期ガンダムが勢ぞろいしている。 また、「GVS」でDLCでバスターの搭乗が決まった際、イージスとアスランがいないため、一時期ネタにされていたが、イージスもDLCで追加されたためすぐに消えた。 ちなみにGガンダムのジョルジュの乗るガンダムローズはガンガンからEXVS以降に至るまで一度もアシストとしてすら参戦していない上、話題にも上がらないこともある。EXVS2でマックスターの武装でローゼスビットだけ登場した。 イノベイター(いのべいたー)[00][用語] イオリア・シュヘンベルグが定義した高い相互理解能力を持ち,人類を導くと言われる進化した人類であり,脳量子波による感応能力や超人的反応速度を持つ。また後述のイノベイドよりレベルの高い脳量子波を扱える。ダブルオーライザーに搭載されているツインドライヴシステムによって生成される高純度のGN粒子を人間が浴び続けるとイノベイターへと進化することが出来る。劇中でイノベイターへと進化するコトが出来たのは刹那1人だけである。またよく間違えられるが後述のイノベイドのように肉体が強化されているわけではなく,あくまで脳量子波が扱える人間である。 劇場版でイノベイターになると状況把握能力、空間認識能力、脳量子波の拡大、細胞の変化による肉体の強化、GN粒子散布領域における脳量子波による意識共有が可能と言われている。劇中内で、覚醒要素を持った全世界の一般市民が登場している。エピローグの2354年には、人類の4割がイノベイターへ覚醒し、その一部が外宇宙へ進出している。 ELSとの対話後に復活したグラハムもELSと融合したイノベイターに覚醒、劇場公開版及び小説版ではアレルヤとマリーがイノベイターに覚醒、初期案では沙慈とルイスにも兆候が見られた。 覚醒条件は不明だが、上記の他にダブルオーライザーのトランザムバーストの影響を受けて急速に覚醒する場合もある。(現在該当者は1名) イノベイド(いのべいど)[00][用語] ソレスタル・ビーイングの計画を進める謎の集団。その真相は演算処理システム『ヴェーダ』によって造られた生体情報端末。遺伝子操作による人類を超越した身体能力と、体内のナノマシンによるテロメア修復によって不老の肉体を持ち、GN粒子を触媒とした脳量子波による量子通信によって、同タイプのイノベイドと思考を共有したり、ヴェーダと直接リンクが出来る。リーダー格はリボンズ・アルマーク。またリボンズ・アルマークのように『ヴェーダ』に上記以外の特別な能力を付与されている個体もいる。ティエリア・アーデもイノベイドの1人だったがイノベイドの行動と対立する選択をした。 いずれ現れる人類が進化したイノベイターを模して作られ、人類を理解し人類に革新を促す存在であり,いずれはその役目を終え滅び行く存在である。リボンズはヴェーダに付与された自らの力を過信しイノベイターと名乗った。その影響なのか、リボンズの配下のイノベイドは自分自身をイノベイターと呼んでいる。ヴェーダが世界の変化や進行方向を予想するための情報獲得手段として無自覚のイノベイドを人間の中に紛れ込ませる。これが2nd最終話のエピローグに映っている多くのイノベイドである。人間と違い頭髪が緑や紫やピンクなどいわゆるアニメ色の髪なのが大きな特徴である(フェルトはピンク髪だが、ある事情から染色しているだけ)。 インカム(いんかむ)[無][用語?] 筐体の売り上げの事。これが少ないと撤去の対象になりやすい。 打ち上げ花火(うちあげはなび)[Z][スラング] NEXTに登場するキュベレイの格闘前派生のこと。前派生すると敵を受身の取れない状態で上空に押し上げ敵が完全にダウンする、撃破する、弾切れを起こすまでファンネルがその敵を撃ち続ける。その際遠くからでもその様子が確認でき、まるで打ち上げ花火のようだと言われた事で広まった。 他にも「侵略の花火だよ」といいながら爆発させて相手を打ち上げるターンXの特殊格闘の特殊格闘派生やキャノンで突き刺して相手を上に打ち上げる陸戦型ガンダムのキャノンN格も花火と言えるだろう。 エアプ(えあぷ)[無][用語] 「エアプレイ」の略語。本シリーズでいうなら未プレイでプレイ動画やwiki、掲示板などの情報でプレイしたかのように語ることを指す。 たまに「運営はエアプ」という言葉が飛び出すことがあるが、その場合EXVS2のAGE-FXのようなその機体の強みを潰し、結果弱体化したり、おそらくフォビドゥンの弱体化をしようとした結果むしろ強化されベルディゴ以来の使用率、勝率トップに上り詰めたりと「なんでその機体が強いのか、どこが弱いのか」をまるで理解していない修正を行うことから言われる。 EXVS2のV2の「ABのメインがちょっと強いBRになる」など一見弱体化に見えるが使い手からすると利点の方が多い点もあったりするので何でもかんでも言うのも考え物かもしれない。 XBのアップデートでジョニー専用ザクとハルートが何とも言えない調整を受けたことから、開発チームとの対戦会で事前にアンケートがあった「開発に使用してほしい機体」に二機の名前も上がり、使用されたのだがジョニーザクは使いこんだプレイヤーすら驚かせるような立ち回りをした。一方ハルートは武装すら正しく把握されていなかったが… エゥーゴ(えぅーご)[Z、ZZ][勢力名] 「A.E.U.G.→Anti Earth United Goverment(反地球連邦政府)」の略。総大将はブレックス・フォーラで本拠地は月都市グラナダ。 1年戦争に勝利した地球連邦軍であったが、スペースノイドへの圧政はますます強まっていった。その状況に危機感を抱いた連邦議員兼連邦軍将校ブレックスが自身のコネクションを利用して築き上げた親スペースノイド組織。正確には軍隊ではない。当初は地味な活動しか出来なかったが、謎の男クワトロ・バジーナの仲介でアナハイム社の支援を得ることに成功、力を蓄える。ティターンズの引き起こした30バンチ事件を契機に本格的に活動を開始した。新型ガンダム強奪を初めとして、様々な作戦でティターンズを攻撃する。中盤ブレックスが暗殺されるとブレックスの遺言でクワトロが総大将になり、ダカールにおける演説でティターンズを糾弾し世論を味方につける。アクシズとの協力作戦などでグリプス2に追い詰めるも、「グリプス2攻防戦」で主要メンバーのうちカミーユは精神崩壊、エマ、ヘンケン、カツは戦死、クワトロは行方不明など急速に勢いは減退する。 「ZZ」でも引き続き存在しているが、アーガマ以外の戦力はほとんど無きに等しかった。そのためアナハイムの支援も薄れ、組織再編などの為に連邦政府の傘下となる。そのため「スペースノイド派」であるネオ・ジオン(ハマーン・ジオン)と敵対し、「アースノイド派」である地球連邦軍と協力するなどその存在意義はもはや無くなっていった(ゲーム「ギレンの野望 アクシズの脅威」のアクシズ編でエゥーゴ本拠地グラナダを攻める際の演説でその点を糾弾している)。第1次ネオ・ジオン紛争後は解体および連邦軍に吸収され、後のロンド・ベル隊の母体となったと言われている。ネェル・アーガマはロンド・ベル隊所属として引き続き運用される事となったが、木星圏行きのジュピトリスIIに搬入されたZZガンダムを除くガンダム・チームの機体群(Zガンダム、ガンダムMk-II、百式)は連邦軍上層部の判断により秘匿されたとの説がある。 エウティタ(えうてぃた)[Z][略称] 「機動戦士Zガンダム」を元にしたアーケードゲーム「機動戦士Zガンダム エゥーゴvs.ティターンズ」の略称。 エクストラ機体(えくすとらきたい)[全] EXVSMBより実装された要素で、主にEXVSFB家庭版にてDLCされた機体のことを指す(デスサイズヘルとヘビーアームズ改のようにフルブ家庭版で参加していない機体もある)。 携帯サイト有料会員限定で不定期に行われるキャンペーンに参加し一定の日数プレイ(最低4日)することで、ガチャチケットがもらえ、使用することで使用可能となる。ただ、有料会員であっても忙しくて何日もゲームセンターに行けなければ機体使用権を入手できないのは賛否を呼んでいる。 多くの機体が元の機体からコストと性能を下げたコンパチ機体で、実戦で使用するにはやや心もとない性能な機体が多いのだが、ガトー専用ゲルググのようなコンパチ元と使い勝手が大きく違う機体や、ハマーン専用アッガイやゴールドフレーム天ミナのような元の機体より高いコストになり、性能的にも高い評価を受けている機体、デスサイズヘルのようにコストは下がったもの元の機体とはだいぶ別の機体になったなど、様々な評価である。いずれの機体も、全てのプレイヤーが使えるわけではないので、強みを押し付けやすい(一種の「わからん殺し」ができる)という長所がある。 有料会員でなければ使用できないが、一度機体の使用権を手に入れれば再度有料会員になっても引き続きエクストラ機体は使用できるようになる。が、MBONでは常に有料会員でないと使えなくなった。 MBONではMBより機体性能が落とされている傾向にあるのだが、課金(有料会員)しないと使えない機体が強いと不平等感が強いというスタッフ判断だったことがインタビューで明かされている。その割にハマッガイとか強い機体もいたのだが。 家庭版MBONでは最初からすべてのエクストラ機体が使用可能に。 『EXVS.2』ではこれまでのエクストラ機体、『GVS』に参戦した機体が月に一度くらいのペースで解禁。こちらは無料会員、サイトに登録していなくても入手可能になっているが、解禁にはある程度以上の「クレジット(対戦回数ではない)」と運が必要となった。サイト登録していないと莫大なお金を必要とするので機体を使いたいのなら無料会員にはなった方がいい。無料会員でも使えるようになったため天ミナやドアンザク等パンチの利いた性能になっているのもいる。 『XB』では新型コロナウイルスの影響で機体追加がしにくかったり、何度もゲーセンに通わせるのはどうかという判断もあってか前作に比べて再取得キャンペーンなどで入手機会の増加がなされたり、モバイルサイトに登録しているとかなり取得しやすくなった。 『XB』の稼働末期ではカードがなくてもエクストラ機体が使用可能になり、『OB』でエクストラ機体を一般機体へ昇格させた。 援誤(えんご)[無][スラング] ネタのため、あるいは戦術上の問題で相方を意図的に誤射すること。ニコニコ動画のとあるコミュニティにて広まった。由来は援「護」と「誤」射を掛け合わせたもの。多くの場合は緑ロック状態(=無誘導)で僚機を狙う必要があるため、意図的な誤射行為そのものが難易度の高い行為である。援誤を試みるなら、まずは敵の巻き添えにするタイプのもので練習してみると良い。 対戦の人数揃い待ちなどの特殊な状況では特に意思疎通がなくとも行われる事も少なくないが、基本的には不利益な行為なので相方の了承無き場合は勝つ気がないと判断される可能性もあり絶対にやめましょう。ただ、このような相方を持っているなら…その相方を一生大事にしましょう。 そもそもこのネタ自体を知らない人、単純に不快感を覚える人もいるわけなのでそういった人を責めたりしてはいけない。 遠征(えんせい)[無][スラング] 自分のよく行くゲームセンターから遠く離れた場所へ行くこと。どの程度の距離から遠征なのかは人による。 元ネタは野球やサッカー等主にスポーツで試合のために遠く離れた敵地へ赴く際に使用する「遠征」から MBONからはオンライン対戦が主流になり店内戦を設定している店舗が相当減ったこと、有料会員なら家庭用のようにルームを作成すれば遠距離でも同じメンバーで対戦できるようになったのでほぼ聞かなくなった。 落合博満(おちあいひろみつ)[無][人物名] 実在する元中日ドラゴンズのプロ野球選手で、独特の感性やキャラクターと史上唯一の三度の三冠王・史上初の1億円プレイヤー・FA権行使による移籍者など、ある程度野球を知る人では知らない人はいない程の名プレイヤーにして監督としても8年間でチームを4回優勝に導いた名将。解説者としても、的確な指摘による(多少野球知識があれば)非常にわかりやすく丁寧な解説で野球ファンを楽しませてくれる…のだが実はかなりのガンダムファン(というより親子揃ってアニメファン)であるのは有名。エピソードは枚挙に暇がなく、その辺の「ガンダム好き」を自称する芸能人など軽く凌駕するレベル。エピソードを下記に挙げると少なくとも00までの映像作品全て視聴済み 引退した後あまりに暇なため量産型ゲルググ(同キット)を8体作る スポーツ新聞記者に好きなガンダムとして「ウイングガンダムゼロカスタム」と回答した際、実際の紙面では「ウイングガンダム」にされており激怒する 「ガンダムになれそうな選手はいるか?」と言う問いに対し「俺がガンダムだよ」「他の奴じゃガンダムになれない」とどこかの誰かみたいな回答をする 土曜日の試合の際、録画を忘れていたのに気付き、試合開始前に息子に録画を頼む電話をする しかも帰ってきた際の第一声は「ただいま」ではなく「ガンダムは録れたか?」 至福の時間は「試合に勝って、帰って妻の料理を食べながらガンダムを見る事」 息子の発言からおそらく連合VS.ZAFT IIを一緒にプレイしていると推測できる。 息子とたまにガンダムの名セリフの応酬をして遊んでいる。 その息子・落合福嗣は声優として活動しており、劇場アニメ『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』のレイモンド・ケイン役で出演している。 他の好きな機体はセラヴィーガンダム、アビスガンダムなど。ちなみに和歌山県にある彼の(野球の)記念館にはガンプラが大量に展示されており、そのほとんどは落合氏が作ったものであるらしい。優勝したある年にバンダイからプレゼントされた「ガンダムエクシア ドラゴンズブルーバージョン」も展示されているので興味がある人は行ってみよう。 オードリー・バーン(おーどりー・ばーん)[UC][人物名] OVA「機動戦士ガンダムUC」のヒロイン。栗色のショートカットにエメラルドの瞳を持ち、気品を漂わせる少女。16歳。「ラプラスの箱」の悪用を阻止するべく、単身行動を起こした所をバナージ・リンクスとめぐり会う。名前自体は偽名で、バナージに名前を聞かれた時に咄嗟に思いついただけの物に過ぎない。由来は彼女が好きな映画『ローマの休日』の主演女優・オードリーヘップバーンのもじり。メタ的な話をすると『ローマの休日』もある国の王女さまが一般人のふりをしてローマ市内を主人公と散策する物語である。余談だが、由来は同じではあるものの同名のお笑いコンビとは全く関係ないので注意。トゥース。 なお非公式作品であるが、漫画「機動戦士ガンダム ムーンクライシス」ではメイファ・ギルボードと名乗っていた。19歳で、髪型も腰までのロングヘアとなっている。 本シリーズでは、バナージやマリーダのセリフの中に名前が登場していたが、EXVSではナビキャラとしても登場。[関連]-ミネバ・ラオ・ザビ 起き攻め(おきぜめ)[全][テクニック] ダウンした相手が起き上がるタイミングに合わせて行動することで、自機に有利な状況を作る作戦。本ゲーム以外にもダウン判定が存在するゲームではよく使われる用語。初心者やCPUはこれに非常に弱い。 おしおき[全][スラング] 体罰を与えること。またはその体罰(国語辞典より) 本シリーズでは、強機体として暴れた機体をアップデートや次回作稼働開始時に大幅に下方することを呼ぶことも。前作の強さの見る影もなく、どう扱っても他の機体の下位互換になるまで落とされることも多いが、アップデートで強さを取り戻したり別の強みを得たりする、その作品ではずっと微妙なまま…などその後の扱いは天地程差がある。 ガンガン→NEXTの黒キュベレイ、MBON→EXVS2の試作三号機は弱いままのケース(NEXTまではオンラインアップデートがなかったので当然ではあるが)MBON→EXVS2のダークハウンドは別の強みを得た代表。 また、弱体こそされるがほどほどな具合に収まる機体、中にはアップデートでまた強機体に戻るケースもそこそこある。 お立ち台(おたちだい)[SEED][ステージ、スラング] ガンガンにおけるSEEDステージの中央の巨大なポールの最上部のこと。アルティメット2面「二の試練」ではここで敵とお見合いをしながら開始することになる。 EXVSでのXステージ「ニュータイプ研究所」にも高い建物があるので後継ともいえるかも。こっちは破壊可能なので実戦で上るのはけっこう難しい。 オーバードライブ(おーばーどらいぶ)[全] EXVS.MBに登場したシステム。FとSの2種類が存在し、FB、MBON以降の覚醒のように機体選択後どちらかのドライブを選択する。 体力が減るごとにゲージが溜まり、250を切ると発動可能になる。Fだと格闘ボタン単独入力、Sだとメイン射撃入力と同時に自動発動する。覚醒と異なり1出撃1回だけ使用可能。どちらも機動力が上昇し、Fなら赤い輪っかが、Sなら青い輪っかが機体周囲に展開する。 Fは防御力に補正がかかり、格闘の伸び、火力が向上し射撃から格闘のキャンセルが可能に、格闘をガードしてもこちらは短いよろけになり、相手のガードを解除するなど攻撃力中心に機動力、防御力ともにバランスよく強化される。 Sは射撃武装の威力向上、リロードが高速化、射撃から射撃にキャンセル可能に、足の止まる射撃をステップキャンセル可能になる、ケルディムはメインの弾数が増える、レジェンドなどはサブを移動撃ちできるようになるなど射撃機向きの強化を受ける。 使用後は機体の各部がわずかにスパークしているような演出があり、公式で明言されていないが機体の基礎能力が向上する。 エピオンやサバーニャのようなFもしくはS1択という機体もあれば、デュナメスなど射撃機体だが足の止まる射撃しかなくかといって格闘も強いわけではないとどちらの恩恵を受けにくい機体も。また、アルトロンなど下格のピョン格を立ち回りで常に使用する機体はドライブの発動を抑えるため立ち回りが制限される事態も起きた。 カプル&コレンカプルはそれぞれ独立してドライブを使用できるという唯一の個性を持っていた。 覚醒とFドライブで相手の耐久値を1コンボでほとんど奪うなどゲームバランスの大味化が目立ったためか1作で消滅した。次回作ではそれぞれのドライブの特徴を受け継いだ覚醒がF覚醒、S覚醒として実装された。 おもちゃ[全][スラング] インフィニットジャスティス(ミーティア装備)のMS形態を始めとする、「ダウン値が高いMS」の総称。 元ネタは、『ニコニコ動画』のコミュニティ「AO(頭おかしい)勢」(*2)がフリット・アスノの名台詞を改変した「アスランはオモチャじゃないんだぞ!」から。 MBから登場したボス仕様の隠者とストフリは、ダウン値が高いMSとして、AO勢からサンドバックの対象になっていた。しかしそれが人気になったのか、Eルートのボス機体が全て既存のプレイアブル機にボス並のHPとダウン値を加えたものになっていた。ただしMBでは通常MSの2倍のダウン値しかない。MBONからはボス仕様アスランと同様のダウン値に。ちなみに武装などはアシストを除いてMB仕様。 ONに登場したエクストリームガンダムMk-IIAXEも「おもちゃ」に該当するのだが、ダウン値が8でブースト使用中or覚醒後はスーパーアーマーになるのでサンドバックに向かないため、AO勢の評価は良いものではなかった。 GVS.ではDESTINYが参戦しないためボスランはいないものの、新たにアルヴァトーレがボスとして登場。この機体もアルヴァアロン時には高耐久・高ダウン値(*3)という紛れもない「おもちゃ」であった。 EXVS.2では遂にミーティア装備とボス仕様の隠者がリストラされた。しかし、12月25日のアップデートで追加されたA-11の3面目にMB時代の3-A[EX]を再現したステージが登場し、ターゲットの隠者はプレイアブル仕様な点を除けばボスランと同じ高耐久・高ダウン値を持ち、多くのAO勢が歓喜した。なお、スターウイニングガンダムが参戦した2019年7月30日には、A-11-1のプロヴィデンスガンダムも「おもちゃ」になっていた。但しHPはプレイアブルと同等の為、ロマンコンボフィニッシュが狙いやすくなった。 家庭版MBONが発売され、家でいつでもおもちゃに会いに行けるようになったほか、マキシブーストミッションではおもちゃと戦うミッションが存在し、開発もこの事を知っているような思わせぶりとなっている。 EXVS.2XBではCPU戦に乱入が無くなり、ステージも全開放されている事もあって気軽に会いに行けるようになった。当然おもちゃ仕様の隠者とプロヴィが続投しているが、4月22日のアップデートにてジャスティスガンダムが参戦。A-11-3の前座で登場するのだが、なんとこいつもダウン値が20の「おもちゃ」になっている。家庭版MBON同様に開発が狙ってやっているとしか思えない…。 更に、XBの新機能として実装された「賞金首システム」は、赤い名前の対象機体を撃破すると獲得GPが増えるというものなのだが、どういう訳かこの賞金首機体もダウン値が20に設定されており、紛れもない「おもちゃ」であった…。[関連]-アスランはオモチャじゃないんだぞ! 終わりの無いディフェンス(おわりのないでぃふぇんす)[V、DESTINY][スラング] 無印ガンガン及びNEXTにおけるヴィクトリーガンダム及びインパルスガンダムの武装と形態を利用した逃げ技で、無限滞空の先駆けとも言えるテクニック。超高空に陣取ることで、敵機体の赤ロック外の位置にとり射撃武器の誘導性と銃口補正を外し、同高度に追いつかれるまでほぼ無傷が狙える…が、このゲームは2on2であるため、相方が地獄を見る事となる。また、アップデートにより天井が従来より下げられたため、狩られる可能性が高くなった。 コストの関係からインパルスよりヴィクトリーで行われることが多い。 ちなみにNEXTのストライクもランチャーのガンランチャー発射しながら上昇すると妙に効率がよく天井までいけるのでそこで換装連打でもできたりする。 元ネタは「機動戦士Vガンダム」の前期OP「STAND UP TO THE VICTORY」中の歌詞から。 フルブで復活したヴィクトリーは、オバヒになると強制的に全パーツがドッキングする仕様に変更されたため、このテクニックは使えなくなった。また、インパルスは武装が大幅に変わり、そもそもコアスプレンダーにすらなれなくなった。 EXVSの某大会動画で見られた百式の横→特格CSC→シールドでの無限滞空等、使い所を間違えなければ効果的な時間稼ぎの手段となる。コストや体力調整がギリギリな時や敵の覚醒を凌ぎたい時等には有効な手段なため、自機が無限滞空が可能ならやり方を覚えておいて損はない。 MBONではオーバーヒート後25秒ほど空中にいるとスタンし、地上に落ちるまで操作を受け付けなくなる「ブーストペナルティ」ができた。そこまで対空する機会はまれだが。[関連]-高飛び 無限滞空 次項か行
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『影の薄いゆっくり』 17KB 愛で いじめ ギャグ パロディ 差別・格差 変態 飼いゆ ゲス 希少種 都会 現代 独自設定 久々のSSです このSSには愛でられるゆっくりとそうでないゆっくりが出ます 虐待はそんなに多くない愛でSSです 作者に都合のよい独自設定があります これを書いたのはHENTAIあきです!久しぶりだから忘れている方は注意してください! それでもいいというひとはゆっくりよんでね! 仕事を終えて家への帰り道の途中、俺は少し奇妙な光景に出くわした。 遠くて分かりづらいが、野良ゆが道行く人に声をかけているようだ。 これだけなら物乞いか飼いゆにしてくれと叫んでいるだけだろうが、問題はゆっくりにある。 まりさのようなとんがり帽子だが何所かデザインが異なり、髪型も違っている。 ゆっくりに関わる仕事に就いているがどうしてもそのゆっくりの名前が思い出せない。 誰からも相手にされないで落ち込んでいるゆっくりを眺めていると、そのゆっくりが俺に気づいたのかこっちに近寄ってきた。 「人間さん、あたしゃここにいるよ!!!」 涙目になりながらそのゆっくりは俺に対して自己主張をしてきた。 「人間さん、人間さんにはあたしがみえるかい?」 不安そうな顔でこちらを窺ってくるみまだが、俺は驚きで動けなかった。 何故なら希少種の中の希少種とも呼ばれるゆっくりみまが目の前にいるのだから。 「あたしゃここにいるんだよ!ここにいるんだって!!何で誰も気づいてくれないんだい!!!」 馬鹿みたいに固まってしまっている俺に、みまは癇癪を起した子供のように泣き始めてしまった。 ようやく我に返った俺はとりあえずみまを落ち着かせる為にも話しかけることにした。 「しんきー!まりさー!あたしゃここにいるよおおおおおおおおおおおおおおおお!誰でも良いから気づいておくれー!」 「ちゃんと気づいているよ。」 「ゆうかでもれいむでもいいから気づいておくれー!あたしゃ寂しいよおおおおおおおおおおおおおおおお!」 「だから!気づいているって言ってるだろ!」 怒鳴る様になってしまったが、それでようやく気付いたのかみまは泣きやんだ。 しかし、こんどは壊れたかのように俺の脚に体を擦りつけてくる。 「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 「うわ!ちょっと落ち着け・・・。」 れいぱーのような行動が気持ち悪いが、ここはぐっと我慢だ。 これがれいむやまりさなら即蹴り飛ばすだろうが、相手はみまであるからそうするわけにもいかない。 「人間さん、あたしゃ嬉しいよ!今まで誰も相手にしてくれなくてあたしゃ寂しかったんだから!」 「そうなのか?お前ならゆっくりに詳しい人間なら話しかけて来てもおかしくないんだけどな。」 みまの言葉に俺は首をかしげてしまう。 こんな街中でみまが姿を見せれば、すぐに加工所なりゆっくり愛好家が飛んで来てもおかしくないはずなのに。 だが先ほど見ていた通り、まるでみまが見えてないかのようだった。 「じゃあ同じゆっくりに声をかけたらどうなんだ?別に人間じゃなくても良いだろ。」 「そうなんだけど、皆あたしが見えて無いみたいに気づいてくれないんだよ。」 「なんだそりゃ?」 こいしみたいなステルス能力でもあるのだろうか。 あまりにも希少すぎてみまの生態にはまだ詳しいことが分かっていない。 俺も本の片隅に載っているのを見たことしかなく、実物を見たのがこれが初めてだ。 「人間さん、あたしと一緒に暮らしてくれないかい?もう寂しいのは嫌だよ!」 嬉しいこと言ってくれるじゃない、俺は例え嫌がろうと無理やり連れて帰ろうとしていたところなんだぜ。 希少種は結構気難しいから、飼いゆにしようとしても逃げ出すやつがいるからな。 「どうしようかなー、俺はそんなに余裕があるわけでもないし。」 「そんなこと言わないでお願いだよ!?ご飯さんは自分で集めるし、一緒にいてくれるだけでも良いから!」 わざと悩むふりをしてみると、みまは必死に頼み込んでくる。 まあ元々飼う気はあるけど、ちょっとした悪戯心だ。 「よし、そこまで言うなら良いだろう。だけど俺の言うことはちゃんと聞いてもらうぞ。」 「一緒に住んで良いんだね!やったー!」 嘘って言ったら泣き出しそうだなと考えながら、俺はみまを抱えあげて家へと向かう。 途中野良のれいむが赤ゆと一緒に餌をねだってきたが、邪魔だったから蹴り殺しといた。 みまを拾った翌日、俺はいつも通りに職場のゆっくりショップに出勤する。 餌を置いてみまを留守番させて、大人しく待っているように言いつけておいたが出勤しようとした時にみまが泣きだして困った。 まあ最後はちゃんと分かってくれたが、毎日あれだと少し困るな。 「君、ちょっと良いかね?」 考え事をしながら店内の掃除をしていると、いつの間に来ていたのか店長に声をかけられた。 「店長、急に声をかけないでくださいよ。毎度のことですけど忍者ですか?」 「これはすまないね、気を付けているつもりなんだが中々治らなくてね。」 苦笑しながら頭を掻いているのは、俺の上司でありこの店の店長だ。 ブリーダーとして有能で、この業界では有名な人だ。 ただ少し変わっており、気に入った人間なら誰でも雇ってしまう変な癖がある。 まぁ、その雇った人たち全員が今ではブリーダーとして独立しているようで人を見る目は相当な物だ。 「それで何の用ですか?」 「ちょっと頼みごとをしたくてね。」 何だかすごく嫌な予感がしてきたぞ。 この人の頼み事は大抵無茶なことだからな。 「実は常連のお客さんが買って行ったゆっくりがゲス化したらしくて、何とか元に戻してくれないかって言ってきてね。」 「・・・店長、それ新しくゆっくり買った方が早いじゃないですか。」 「そうなんだが、買って行った人はそのゆっくりに愛着があるらしくて何とかしてくれって泣きつかれてね。」 たまーにそう言う客がやってくることもあるが、俺はそんな客には新しいゆっくりを買うことを勧める。 何故なら一度ゲス化したゆっくりを矯正するのは並大抵のことではないからだ。 「私も断ろうとしたんだが、今日の君を見たら何とか出来そうだと思ってね。」 「何です、その不安な根拠は?」 「頼むよ、駄目でも良いから引き受けてみないかい?上手くいけば特別ボーナスも出すから。」 結局断ることも出来ずに店長の頼みを聞くことになってしまった。 駄目で元々だし、これも良い経験になるだろうと考えてとりあえず引き受けた。 「というわけでこれが問題のゆっくりだよ、今はラムネで眠らせてあるから家に帰ったら開けてくれ。」 帰宅間際に店長から問題のゆっくりが入っている段ボール箱を受け取り、みまが待っている我が家へと帰ることにしよう。 「今帰ったぞー。ってどこいった?」 部屋を見渡しても何所にもみまの姿が見えない。 まさか逃げ出したのか? 「あたしゃここにいるよ!!!」 後ろから急にみまの声が聞こえて来て、振り返るとみまが怒った顔でこっちを睨んでいる。 「さっきから声をかけてるのに、無視するなんてひどいじゃないか!」 どうやら最初から部屋にいたようだが、俺が気づかないでいただけだったようだ。 「お兄さん、その箱さんは一体何だい?」 「これはな、仕事先で良い子にしてくれって頼まれたゆっくりだよ。」 これから一緒に暮らすことになるのだから、ちゃんと顔合わせをしていたほうが良いだろう。 そう思って段ボール箱を開けてみると、そこには俺が予想していたより最悪なゆっくりがいた。 「ゆぴー。ゆぴー。」 「みょおたべられないよ・・・。」 中には丸々と太ったまりさと、赤まりさが気持ち良さそうに寝ていた。 店長からまりさとは聞いていたが、赤ゆもセットだったなんて聞いてないぞ。 「ゆ・・・?ここはいったいどこなんだぜ?」 眠りから覚めたまりさがきょろきょろと辺りを見渡す。 「おはようまりさ、訳あって今日から一緒に住んでもらうことになったからな。」 「みなれないどれいなんだぜ、とりあえずまりさとおちびちゃんはおなかがすいたからあまあまをけんじょうするんだぜ!」 「あみゃあみゃよこちぇー。」 いきなり奴隷扱いとやっぱり酷いなこりゃ。 おまけに赤ゆの方ももはやゲス確定のようで俺に向かってぷくーをしてやがる。 「まりさ!あんた何馬鹿なこと言ってるんだい!」 「ゆ?なんだかなつかしいこえがきこえたきがしたんだぜ?」 「お前の後ろにいるみまの声だよ。」 「うしろ?」 恐る恐る後ろを振り返ったまりさの前に、みまが怒りの形相でまりさを睨みつけていた。 「あたしゃここにいるよ!!!」 「げげ!みまさま!?」 「だりぇ?こにょばばあ?」 赤まりさの言葉にみまが容赦ない体当たりを行う。 手加減はしていたようで赤まりさはころころと転がっていく。 「おちびちゃあああああああああああああああん!」 「何がおちびちゃんだい!半人前の癖におちびちゃんなんて作って、あたしゃそんな風に育てた覚えはないよ!」 気絶して痙攣している赤まりさを心配するまりさに、みまが厳しい言葉を投げつける。 別に育てて貰った訳でもないのに、まりさはしどろもどろに言い訳を始めだした。 「ち、ちがうんだぜ!おちびちゃんはまりさとれいむのたいせつなおちびちゃんで」 「だまりな!あんたみたいな馬鹿弟子がおちびちゃんなんて早すぎるんだよ!」 ガミガミとまりさを説教しているみまに、まりさは何も言えないでいる。 実際このまりさ、野良のれいむを勝手に部屋に入れてすっきりした挙げ句に部屋を汚しているらしい。 番の方は飼い主に殺されたようだが、どうせまりさ似の赤まりさは殺せないで一緒に教育を頼んだのだろう。 「まったくあんたって子は、少しは考えて行動しなきゃ」 「うるさいんだぜ!まりさはさいっきょうだからみまさまなんてこわくないんだぜ!」 説教に耐えきれなくなったのか、まりさが逆切れしてみまに襲い掛かる。 しかしあっさりとみまはまりさの体当たりをかわすと、無様に顔面をぶつけたまりさの上に圧し掛かり踏みつけ始めた。 「ゆげぇ!」 「まったく!いつの間にこんなゲスになっちまったんだい!あたしゃ情けないよ!」 希少種といはいえ結構な能力みたいだ、これならまりさを上手く躾け直すことも出来るかもしれないな。 「まあ今日の所はこの辺にしてあげな、飯食ったらまりさ達と一緒に勉強だ。」 「まだ言いたいことはあるけどしょうがないね、ほら!そこのおちびもいい加減に起きな。」 圧し掛かっているまりさから降りたみまは、気絶した赤まりさを起こそうと体を揺らす。 「ゆ~ん。ゆゆ!まりちゃにひぢょいことしちゃくしょばばあ!」 「あんたには口の利き方を教えないといけないみたいだね。」 青筋を立てているみまをなだめて、とりあえず俺は三匹の餌の用意を始めるため台所に向かう。 後ろから赤まりさの悲鳴が聞こえたが、これも仕事に役立つであろうから放っておくか。 それから俺は昼はゆっくりショップで、夜はみまとまりさ達の教育という生活を送ることになった。 まりさ達は中々ゲス化が酷かったが、みまがいるおかげで随分とスムーズに教育が上手くいってくれた。 「またこのごはんさんなの?まりさはもっとおいしいごはんさんがいいよ!」 「我まま言うんじゃないよ!ご飯さんが食べられるのは誰のおかげだと思ってるんだい?」 「そんにゃのおかあしゃんとまりちゃがゆっきゅりしちぇるかりゃだよ!」 「そんな訳ないだろ!お兄さんが毎日狩りをしてきてくれるからご飯さんが食べられるんだよ!」 「ゆぴぃ!ぶちゃにゃいぢぇぇぇぇぇぇぇぇ!」 何度も行われる体罰のおかげでもあるだろうが、俺が叱りつけるよりも随分と素直に言うことを聞いてくれる。 飼いゆの必要な知識をみまと一緒に教えているが、これなら銀バッジぐらいのレベルになったであろう。 そんなことを考えて店長に報告しようかと思っていたところ、まりさ達に変化が現れた。 「おにいさんおかえりなさい、まりさたちはちゃんとおるすばんしてたよ。」 「うふふ・・・、みまさまにかっちゃった。うふふ・・・。。」 だぜ言葉もすっかり抜けきったまりさと、赤ゆから子ゆに成長した子まりさが変な口調で俺を出迎えた いつの間にかお飾りの帽子と髪まで変色しており、子まりさの変化に驚きつつどういうことかみまに聞いてみる。 「今日ちょっと遊びでおちびちゃんに負けてあげたらああなってたんだよ。」 「うふふ・・・。」 まりさ種の亜種であろうが、俺はこんなまりさは見たことが無い。 とりあえずまりさ達の教育も一通り終えたこともあり、俺はまりさ達を店に持って行き店長に聞いてみることにした。 「ふむ、これはまた珍しい。まさかうふふまりさになるなんて。」 「何ですかそのうふふまりさって?聞いたことないですよ?」 「そうだろうね、まりさ種の中では実に珍しい亜種だからね。」 店長の説明によると、うふふまりさとはまりさ種の中で偶に生まれる亜種のようだ。 まりさつむりや水上まりさと違い、中々野生ではお目にかかれない珍種のようだ。 おまけに下手をすれば退化しているつむりや水上まりさと違い、うふふまりさは向上心や知識への欲求が高く賢い。 しかしながら、何故か同じまりさ種からは目の敵にされていることもあり数が非常に少ないようだ。 「しかしこのまりさは普通のまりさだったはずじゃないか?どうしてまたうふふまりさなんかになってるんだい?」 「そのー、家で飼っているみまと遊んでたらこうなったみたいで・・・。」 「ああ成程、君はみまを飼っていたのかい。それなら納得だ。」 どういうことかと聞いてみると、どうもまりさ種とみま種の関係を説明されることになった。 みま種はまりさ種にとって師弟の関係のようであり、まりさ種には母親のような関係でもあるようだ。 ありす種に対するしんき種に類似する関係で、この二種が番になるとうふふまりさやろりすと呼ばれる亜種が生まれることが多い。 そんな仲であるまりさ種とみま種だが、まりさ種がみま種に勝負事で勝つとこのようにうふふまりさへと突然変異することがあるらしい。 「しかし君もついているね!まさかあのみまを飼うことができるなんて!」 「運が良かったんですよ。それで、このまりさ達どうですか?一応俺に出来ることはしたんですが。」 「ふむ、中々良い目をするようになったようだね。これならお客さんも満足してくれるよ。」 一応飼い主に連絡したところ、躾がなされていればそれで良いとの返事があったようだ。 店長から特別ボーナスを貰い、みまのお土産を買って我が家へと向かう。 「ただいまー、ってまた隠れてるのか。」 もはや日課となってしまっているみまのかくれんぼ。 最初は俺がみまの姿を見つけられないだけだったが、だんだんみまの方が楽しくなってきているのか自分から隠れるようになった。 「まりさ帰ってきておくれ、あたしゃ寂しいよー。」 机の下でみまが寂しそうにしていた。 最初の出会いが最悪だったが、みまはまりさ達に深い愛情を持っていたようだ。 「おーい、今日はお土産に海老フライ買ってきたぞー。」 あえて気付かないふりをしてみまに呼びかける。 するとみまが机の下から勢いよく出てきた。 「お兄さん!エビフライさんって本当かい!?」 先ほどまでとは打って変わり、みまは目を輝かさせてこちらを見ている。 口からはよだれが滝のように流れている。 「本当だぞ、みまが寂しくしてるかもしれないと思って買って来たんだ。」 「あたしゃ寂しくなんかないよ!!!」 少し怒りながらみまが頬を膨らませて抗議してきた。 俺は笑って謝罪しながら、夕食の準備を始める。 寂しくない様にちゃんと相手をしてやらないとな。 まりさを更正させてから俺のもとにはゲス化した飼いゆの更生依頼が続々やってくることになった。 みまと協力しながらまりさやれいむ、ありすといった飼いゆを中心にそこそこ評判になっている。 そんなことを続けるうちに、突然みまが胴付きになった。 上半身は普通の胴付きなのだが、下半身は何故か漫画に出てくるような幽霊のような姿になってしまっている。 頭がポル○レフ状態になってしまったが、別に困ったことになったわけでもなくむしろ今まで以上に助かっている。 「ほらほら!早くテレビのリモコンさんを取ってきな!」 「どぼぢでありすがこんなめに・・・。」 「何言ってるんだい、勝負に負けたら何でも言うこと聞くって言ったのを忘れたのかい?」 寝転がりながら更生を依頼されたありすに雑用を任せているみま。 大抵みまはやってきたゆっくりに勝負事を挑み力の差を思い知らせる。 その後はみまが俺の主人であることを分からせ、飼いゆとしての心得と人間との付き合い方を一から教え込むことにしている。 「おや?電池が切れてるのかい?ちょっとコンビニまで行って電池を買ってきておくれ。」 「できるわけないでしょおおおおおおおおおおおおおおおお!」 「まぁ待て、こういう時はこうやって・・・。」 リモコンの裏蓋を開けて電池を軽く回してみるがやはり動かなかった。 これで結構また動くようになるんだけど。 「しょうがないからちょっとコンビニで電池買ってくるわ。」 「ありすはあまあまさんがほしいわ!」 「何であんたの為にそんな物買ってこないといけないんだい!」 「ちょかいは!」 みまの足で頬を叩かれて転がるありすに爆笑してしまう、さっさとコンビニに出かけることにしよう。 目当ての電池はすぐに見つけ、ついでにみまとありすの為に何か甘いものを買ってやるか。 「よお!久しぶりじゃん!」 何やら声をかけられ横を向くと、そこには高校時代の悪友が立っていた。 「久しぶりだな!何だその似合わないスーツ!」 「何言ってやがる、そっちこそそのダサいジャージまだ着てんのか!」 お互いの服装を笑いながら、軽く体を小突きあいながら思い出話しに楽しむ。 最近じゃ色々と忙しくて連絡を取れないでいたが、やっぱり旧友との再開は嬉しいな。 「何年振りだろうな、お前に会うなんて。」 「卒業以来じゃないか?正直同窓会に参加しないから死んでるんじゃないかと思ってたぞ!」 「え?同窓会何てやってたのか?」 一度も連絡など来たことがないのだが・・・。 もしかして俺って嫌われてたのか? 「あー、そういやお前ってあれだったな。」 「何だよあれって?」 「お前周りから何て言われてたか知ってるか?」 何だろう、何だかすごく聞きたくない気がしてきた。 俺の不安な表情が楽しいのか悪友は楽しそうに笑ってやがる。 「別に悪い意味じゃないんだぞ、ただ見事にお前の特徴を表してるだけなんだ。」 「良いから早くいってくれ。」 「お前ってあんまり目立たないだろ?それで俺が『あいつはパーフェクトプランの使いって』だって言ったら、 皆すごく納得しちゃってな、いつしかお前のあだ名になっちまったんだよ。」 待てよおい!確かに俺はそんなに目立つ方じゃなかったが、存在感まで無くすほどじゃないだろ。 正直周りからそんな風に思われていたとは、こいつだけでも覚えてくれているのが救いか。 「ぶっちゃけ俺もそのジャージ見るまで忘れてた、やっぱりお前存在感が無いな!」 前言撤回、こいつもギルティだった。 「いって!いきなり何しやがる!」 「うるせぇ!これは俺の痛みだ!」 「事実だからしょうがないだろ!」 コンビニで騒いでたら店員に怒られて店から追い出された。 最後はお互い笑いながら連絡先を教えて別れたが、何ともやりきれない気分で家に帰る。 「みま、お前は気分がよく分かったよ。」 「いきなりどうしたんだいお兄さん?」 家で俺の帰りを待っていたみまを、俺は優しく抱きしめる。 みまが困惑しているが、俺はみまが味わっていた孤独が何だかわかったような気がした。 「んほ!にんげんさんとゆっくりとのこいなんてとかいはだわ!」 「馬鹿なこと言ってるんじゃないよ!お兄さんも早く離れておくれ!」 ありすに茶化されてみまが俺を引き離そうとするが、俺はみまを抱きしめ続ける。 結局この日は全員で同じ布団で寝ることになった。 だってこのままだと布団で一人寂しく泣きそうになったから。 おまけ でもみま様の搾乳ならちょっと見てみたいかも・・・ 「何だか最近体が変だね。」 「そうなのか?見た目じゃ良く分からんが。」 「ここだよ、お兄さんちょっと揉んでみてくれないかい?」 「そこは色々とまずいだろ常識的に考えて・・・。」 「そこは何とかお願いだよ、知らない人間さんのお医者さんに触られるのは嫌だし。」 「じゃあちょっとだk、何か出てきたー!?」 少し揉んだとたんに何やら白っぽい液体が出てきて慌てるお兄さん。 みまが大丈夫かと様子をうかがうが、何やら恍惚とした表情で喘いでいた。 その姿にお兄さんはつい手に力を込めてみまをさらに揉み解していく。 翌日、やけにすっきりとしたみまと、ミルクのような白濁液をこっそり飲み干すお兄さんの姿があった。 後書き どうもお久しぶりです、最近色々な諸事情からSSがまったく書けなくなったHENTAIあきです。 理由としては就活や授業や免許といったどうしても避けらない事情から。 あとSSを書く上でのモチベーションが維持できなかったのも理由の一つ。 新作のすばらしいイラスト→むらむらするよ!→んほおおおおおおおおお!→ふぅ・・・ゆっくりよりも大事なことがあるだろう。 SSを書く上で最も重要なのはリビドーであるHENTAIあきでした。 感想等がありましたら下のスレにぜひお願いします http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1274853561/l50
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「・・・ごめん。心拍数および血圧が異常な上昇をみせた。大丈夫。問題ない」 本当かよ。 ともかく、俺はやりすぎちまったようだ。 まさか長門をからかうと鼻血を出してぶっ倒れちまうなんて、親御さんの情報統合思念体とかいうやつすら知るまい。 「悪かったな、長門」 「いい。・・・いつか、必ず・・・」 何か言いかけた長門は唐突に口を塞ぐ。 「今はとにかく、眼前の懸案事項を片付けるべき」 Sing in Silence 涼宮ハルヒの融合7 ――――――そして月曜日。 作戦決行日がやってきた。 例の下着類は長門が紙袋に入れて持ってきてくれる手はずになっていたので、俺は特に準備するものも無く登校・・・したんだが、心の準備くらいはしておくべきだったね。 凄く反省してる。 なんてったって、俺の後ろの席に「涼奈みるひ」の席が無かったからな。 おまけに朝比奈さんが居たであろう3年生のクラスにも居らず、挙句の果てにこの学校にそんな生徒は創立から現在に至るまで居たことは無いらしい。 しかしながら。 SOS団はこのみるひという生徒が北高に居ない世界にも存在している。 何故か。 それは。 「ごめんなさい!遅れました~。教職員会議が長引いちゃって・・・。さぁ、始めましょう。ミーティングを」 涼奈みるひなる女性はこの学校の生徒でもなく、ましてや卒業生でもなかった。 ・・・彼女は、この学校の教員だったのだ。 どうやら彼女はこのSOS団顧問にして、団長と言う位置づけらしい。 まさかこの絶世の美人が女教師だなんて先週は思わなかったぜ。 「・・・やれやれ」 「あーっ!キョンほら、そんな風に人生を達観しちゃってるから、薄幸そうなオーラが出ちゃうのよ。しゃきっとなさい!」 この世界でのSOS団の存在理由。 宇宙人と未来人と超能力者を集めて遊ぶでもなく はたまた世の中の不思議を探すでもなく 『薄幸そうな生徒を集めて、皆で遊ぶ』 ただ、それだけらしい。 俺、薄幸そうに見えたのか。 長門や古泉ならともかく。 「さて、ただ今より S生徒達がより明るい生活を送るため Oオリジナリティー豊かなイベントを提供する S涼奈みるひの 団 月曜日定例ミーティングを開始します!」 パチパチパチパチ・・・と拍手か賛辞でも送っておくべきなのか? おい古泉、この期に及んで無意味スマイルは辞めるべきだ。 長門も無感動を装うな! 「キョン?どうしたの?」 やばい。目立ちすぎちまった。 「・・・ふふふ、どうしたの?有希が気になるのかなぁ?」 そりゃ気になる。あんたが考えているであろうものとは別な意味でな。 長門、顔を赤らめるな! 「ふふっ。健全な恋愛というものも学園生活には必須なのよ?隠すこと無いわ、ほら、古泉君、キョンと席を替わってあげて。 キョンが有希の隣に行きたがっているようだから」 「それはいいアイディアです。どうぞ」 古泉、お前はこれ以上事態をややこしくしたいのか。 「大丈夫です。これしきのことで事態は悪化しませんよ」 何を小声で言いやがるんだお前は。 「さ、キョン座りなさい」 仕方ない。まあ長門が嫌なわけではないが。 「じゃあ長門、失礼する」 「・・・どうぞ」 「ああんもう有希ったら、凄く可愛いですよ!!」 まぁ、みるひが絶叫してしまうのもわかる。 確かに赤く俯き加減にある長門は非っ常に可愛い。 妖精だな。これは。 「ささっお二人、手を握りなさい」 っておい! そういや抱きついたり、胸に顔押し付けたことはあっても、手握ったことは無いよな。 なんだか無駄にどきどきしちまう。 ・・・それ以前にだ。 そもそもなんでおれは長門と仲良く手を握りっこしなきゃならないんだ? いや、改めて言うが長門が嫌とかじゃないんだけどさ。 こっ恥ずかしいよな。長期間彼女なし人間の男が美少女と手を握るなんて、そう機会は無いだろうし。 「・・・嫌?」 「握った方が良いか?」 「・・・握ってくれるのなら」 そして俺は、長門がおもむろに差し出してきた右手をぎゅっと握った。 「やーん!もう、二人ったらラブラブねっ!!」 お前がつなげって言ったんだろうが。 『聞こえる?』 ・・・長門? 『そう。貴方の神経に直接作用させることでこの会話を構築している。しゃべらなくて言い。・・・一種の念話だと思って』 ・・・了解。 念話まで使えるとはな。恐れ入った。 『ひとまず怪しまれないように涼奈みるひの方を見ておいて』 ああ、そうする。 『・・・貴方の記憶中枢の一部を精査・・・えっち』 って勝手に人の記憶を覗くな!! 『冗談。タイミングを見計らう』 下着はどうするんだ? 『私の足もとの紙袋に入っている』 無いぞ?紙袋なんて。 『既にビジュアルステルスシールドを一部展開させている』 なるほど。不可視状態か。 『そう。タイミングを見計らってステルスモードを解除するから、貴方は中から下着を掴んで涼奈みるひにぶつけて。パイの要領で』 「ちょっとキョン、聞いてるんですか!?」 ・・・おおっと。完全に聞いてなかったぜ。 「んもう!」 みるひは団長席にふんぞりかえりながらぶーと口を膨らませて怒った様なそぶりを見せる。 『どんな内容だったか言ってみなさい!』とか言われるのかと思い内心ビクビクしていると 「ごめんなさい、ちょっと今日は時間が無いの。古泉君か長門さんに聞いておいて下さい。人の話はちゃんと聞かないと駄目ですよ?キョン」 はいはい、判っておりますよ・・・おい、帰っちまうのか? 「じゃあ今日はこれで解散です!戸締りよろしくお願いします!」 長門どうすんだ!?行っちまうぞ? 『強硬手段に出る。私が直接ぶつける』 「強行って・・・おい!」 俺が止める暇は無かった。長門はみるひが一瞬窓のほうを向いた隙に紙袋のビジュアルステルスを解除し、それを思いきり空中高く飛ばして中身をぶちまけ、 重力制御か何かを用いて一度飛び上がった自分の手のひらに収束させ、バレーのサーブでもするようにこちらを向いたみるひの顔に向かってぶっ飛ばした。 ・・・そりゃないぜ、長門。 古泉はぽかーん。 俺もぽかーん。 下着塊を食らったみるひはもっとぽかーんだろうな。 「・・・っふわっ!!何この下着!ペッ!顔から剥がれない!?」 まだ長門の重力制御だか慣性制御だかが効いている様だ。あれじゃ匂いを嗅がずには要られまいな。 「・・・ふあっ、取れた・・・有希?・・・これをやったのは有希なんですね?・・・あなた・・・一体」 「・・・あれ?」 と長門。 ・・・匂い、嗅げてないのか? 「・・・あなた・・・説明してもらいましょうか」 つかつかと絶句する長門の元に歩み寄るみるひ。これはやばい。何故効かない!? 怒気満面の顔だ。 ドイツのナマハゲより怖い。 「有希・・・歯、食いしばりなさい」 おっと!制裁という名の体罰という名の制裁が来るのか!平手打ちか!? ・・・グーかよ。痛いぞそれは。 みるひはかなり力をこめ、長門を三回殴り、 「・・・あなたがこんなことをするなんて、思いもしませんでした」 と悲しげな表情で言い放った。 「・・・色々と理由があります」 「言いなさい。一体どんな理由なのか」 「・・・言えません」 ・・・再び長門を殴りやがった。1発、2発・・・って古泉! 「ちょっと・・・やりすぎです!」 古泉と俺は長門を殴り続けるみるひの腕を掴んで止めようとする。 それでもみるひは俺たちを払いのけ、蹲る長門へ容赦の無い打撃を見舞い続け・・・その、まるで何かの格闘ゲームのコンボを見ているような速さだった・・・ 十数秒後肩で息をしつつも拳のプレゼントを中止し、 「・・・今日は忙しいの。明日までに精々笑える言い訳でも考えて置いてください」 そう吐き捨てるように言って壊れんばかりの勢いで部室のドアを開け、出て行った。 ・・・これは。 もうヤバイを通り越している。 どこのレスラーだこいつは。 俺は恐怖に足をすくめながらも、ぶっ飛ばされた長門に駆け寄る。大丈夫なのか? 「長門、大丈夫・・・!ってお前!?」 「ちょっと、長門さん大丈夫ですか・・・あれ?」 拳の圧力で以って1メートルばかりすっ飛ばされた長門だったが、 むくっ、と何事も無かったかのように起き上がった。 そういやこいつ万能宇宙人なんだっけな。 「・・・頬をちょっと切っただけ」 「大丈夫か?」 「わりと」 そうかい。見た感じかすり傷程度だが・・・ 痛いんなら無理するなよ? 「大丈夫。舐めておけば直る」 口からそんな遠いところを舐めるわけにもいくまい。 それに、女の子にとって顔は命の次に大切なもんなんだろ? 「・・・そうでもない」 そうかい。 「でも絆創膏ぐらい張らせてくれ」 俺はポケットから絆創膏を取り出して長門の頬に張る。 ・・・妹から貰った奴なのでかなりファンシーなガラだがそれで勘弁してくれ。 「ありがと」 どことなく居心地悪そうな表情を浮かべ 「うかつ。キョン、貴方にやらせるべきだった。ごめんなさい」 謝られてもね。 「俺がやっていてもあんな風にボコボコにされてただけかもしれんぞ?」 そういうと長門は首を横に振り 「違う。貴方がやっていた場合、結果は変わっていた。・・・と思う。ただ、私が先ほどした風にやってもだめ」 やってもだめ、というか俺には重力制御は出来ない。 「・・・そういうことではない」 「つまり、何かが足りないってことなんだろ?」 「・・・おおむねそう」 長門、なんだか拗ねてる様な雰囲気だな。 「どうした長門」 「・・・なんでもない」 なんでもないこと無いだろう。 「・・・帰る」 「おい長門!?」 「・・・放っておいてくれると有難い」 長門、様子おかしいぞ、って待ってくれ! 俺の制止を振り切って、荷物を持った長門は勢い良く部室を飛び出していった。 あいつでもメランコリー状態に突入することってあるんだな。珍しい。 「仕方ありませんよ」 「そう・・・かもしれんな」 長門、明日までには回復してくれよ? そう思いつつ、俺と古泉は団長席の周囲にぶちまけられた下着類の回収作業をはじめたのであった・・・匂いで誰の持ち物か判別しながらな。 やばいぜ俺たち。 そして火曜日。 今日こそは決着をつけるべく、万全の体制で学校に来・・・たものの、今日はもろもろの事情で半ドン、昼までだ。 なんかいろんな意味でやる気がそがれたな。 ・・・とは言ってられんのが現状。 とにかく今日までにあの二人を分離させないと、長門いわく 「・・・これ以上私の身が持たない」 らしいし、古泉いわく 「僕の仕事、無くなっちゃいますから」 らしい。 おい古泉、お前の場合は仕事がなくなったほうが良いんじゃないか? 「それはまあ、そうですね」 相変わらず裏で何考えてんのか判らん仮面の笑みを浮かべやがる古泉。 「まぁ、僕は機関の構成員である以前にSOS団副団長です。本来あるべきSOS団をとりもどすことが僕の使命です」 同調しておこうかな。一応。 前回のように無計画ではいかんということで、長門立案実行俺、支援古泉なプランが作成された。 まず、長門と俺がみるひが部室に来る前に入る。俺は長門が作ったビジュアルステルスシールドで身を隠し、長門はみるひが来るまで待つ。 みるひが来ると、長門はビジュアルステルスシールドで隠れる俺からは死角になる位置に立つ。確実に長門はみるひにどやし付けられる筈なので、 長門は殴られようが蹴られようがひたすらそれを耐え忍ぶ。 そして、ころあいを見計らい俺が背後から飛び込み、みるひに二人の下着の匂いを嗅がせる。 そういう寸法だ。 ちなみに、古泉は長門謹製の昏倒棒(触れただけでも失神してしまう凶悪な棒切れ)を持って、俺が失敗した場合部室に突入し、みるひを失神させる手はずになっている。 ・・・大丈夫なのか?こんなんで。 「・・・恐らく」 「まぁ、こんなものでしょう」 そうかもしれんな。 「それより長門、また殴られることになりそうだが、大丈夫か?」 「・・・大丈夫」 まだメランコリー長門さんだった。 そんなに殴られるのが嫌なら、別な作戦にしようぜ。 「・・・そういうわけではない」 「じゃあどういうわけさ」 マリアナ海溝の奥底より暗い色を浮かべておられるな。 「・・・なんでもない」 「なんでもないことないだろう」 ああ、ちょっとしつこいな俺。 と俺自身がそう思った瞬間・・・ 「なんでもないったらなんでもない!!詮索しないで!」 長門の声が部室前の廊下の空気を文字通り切り裂いた。 その声はエアーカッターより鋭く、鉄工所のプレスより高圧で、バンシーの泣き声より物悲しい。 俺は猛烈な寒気に襲われた。 長門が怒っている。眼孔に涙を湛えながら。 俺がしつこ過ぎたから?それとも長門の心のデリケートな部分に触れてしまったからか? ともかく、これだけは言える。俺が悪かった。 「悪かった、長門。すまん」 「・・・・・・」 プイ、と俺から視線を外す。 相当怒ってるな。 俺は長門の怒気に押され、それ以上声すら出なかったが、古泉が 「ひとまず目の前の懸案を解決するのが先です。作戦を開始しましょう」 と言ってくれたおかげで、凍りついた場の空気が若干動いたような気がした。 「・・・・・・」 あさっての方向にあるコンクリート壁をぶち破らんばかりの眼光でにらむ長門。こりゃあしばらく俺とは口聞いてくれそうに無いな。 さて。 機嫌激悪の長門に影響されて、俺の気持ちも若干沈む中作戦が決行された。 ・・・わけなんだが、待てど暮らせどみるひがやってくる気配が無い。 いつまでもたちんぼしているのに疲れた不機嫌ユッキーは、定位置にパイプ椅子を持っていって読書を開始してしまった。 俺の方をちらちらと睨みながらな。 頼むからそんなに怒らないでくれ。ハルヒや朝比奈さんならともかく、お前にそんな態度をとられるのは慣れてないんだよ。 という心の叫びが長門に通じる筈はなく、俺は魂が出んばかりの深い溜息を吐いた。 にしても暇だ。長門・・・は話し相手にはならんな。 仕方が無いので長門のこしらえたビジュアルステルスシールドの影響圏から出たり入ったりして遊んでいたが、 長門から投げかけられる視線があまりにも痛冷たいので、若干趣向を変え、ステルスシールドから首だけ出して 「生首ー」とかやって長門を驚かそうと思ったら がちゃ 古い部室のドアをガタピシ言わせながら 奴が来た。 「ひゃあああああああああ!!??」 そりゃな。首だけ浮いてたら誰だって驚くわ。 「キョキョ・・・キョ・・・有希!!」 部室に入るなりびっくりして腰を抜かし床にへたり込んだみるひは、長門に助けを求める・・・が、何故か長門まで腰砕けになっているようで、俺を凝視したまま微動だにしない。 どうしろって言うんだよ! ・・・って今がチャンスなんだよな。 俺は咄嗟に足元にある下着入り紙袋から下着群を鷲づかみにしてステルスシールドから飛び出し、 「往生せいやあああああ!!!!!」 と半ば自分を勇気付けるために怒声を発しながら突っ走り、みるひの顔に下着を文字通り突き刺すようにして押し付けた。 むにゅっ 奇妙な手ごたえがあった。 なんだこの昔理科の実験で作った巨大スライムの中にこぶしを埋めたような感覚は。 「あ・・・?」 下着を持ってみるひの顔を襲った右手を見てみる。 顔、貫通しとるがな。 「うわあああああぁぁぁあ!!!?」 これなんてB級ホラー?非現実的すぎてある意味怖いです。 まぁ貫通したとは言っても、こんにゃくか寒天で出来た人形を思い切りついたような感じなので、頭の中身はおろか血すら出てないが。 「大丈夫。作戦は成功した」 と後ろで長門が言うものの、正直これはいろんな意味でヤバイと思うぞ。 「早く手を顔から抜いて」 ああ、突っ込んだままだったんだな。 ぬちゅっという嫌な音を立てて拳を引き抜くと――― みるひは太陽10個分以上の光に包まれ――――うおっまぶしっ――――そして 光は収束し、二つの物体がみるひが今まで居た空間に現れた。 ほかでもない。例の涼宮ハルヒと朝比奈みくるである。 さっきの長門以上の怒気をともなってな。 「・・・キ・・・キョン?」 「・・・キョン・・・君?」 多分この二人は、自分がどういう状況に置かれているのか判っていない。 俺はふたりの下着を、律儀に上下セットで持っている。 俺から見れば、これは二人を取り戻すのに必要不可欠なものであり、今彼女達にしたことは必要不可欠かつ不可避な行動である。 対して、彼女側から見れば、俺は単に二人の下着を持って、それを眼前に押し付けている変態さんに過ぎない。 わなわなと怒りに肩と腕を震わせているのが見て取れた。 ・・・やれやれだぜ。 「「最ッッ低ッッ!!!!!」」 俺は殴られ、目潰しされた。グーとチョキで。 痛いよ。全然痛いよ。 俺を含めたSOS団に再び平和が訪れた。 ただ、暫くハルヒは口を利いてくれなかったし朝比奈さんは長門が弁明に入ってくれるまで俺を明らかに避けていたし、長門は長門で微妙にメランコリーだった。 出番のなかった古泉も若干ダウナーなオーラが出てたりする。 「涼宮さんが分離した、ってことはまた例のアルバイトが始まるってことですしね。正直僕も憂鬱だったりします」 あれ。こいつ「僕の仕事、なくなっちゃいますから」とか言ってなかったっけか。 ガチホモの云う事はいまいち一貫性が無いな。 「ははぁ、そうかもしれませんね」 と負け戦の将棋盤を見つつ、ダウナーオーラをまといながらもいつもの無意味スマイルを浮かべた。 「キョン君、どうぞ」 麗しの朝比奈さんがお茶を入れてくれる。今までこれは日常的かつ当たり前のことで、団史にわざわざ刻むまでも無いような出来事なのだが、 あの一件を経験してからというもの俺は今まで以上に朝比奈さんのお茶を味わって飲むようになった。 六甲の美味しい水だろうが水道水だろうが雨水だろうが、朝比奈さんの入れるお茶は甘露、いや俺にとっちゃソーマや仙丹みたいな霊薬ですよ。 これが無いと何も始まらんね。 「エロキョン!何ニヤニヤしてんのよ!」 おっと、あまりにお茶が美味くてニヤニヤしちまったか。 ―――あの一件以来俺をエロキョンと呼ぶようになりやがった我らが団長様だが、幸いなことに自分が長門や朝比奈さんと合体してしまったことは全く覚えていないような素振りだった。助かったぜ。 ・・・覚えていないなら、だ。授業中に聞こえた声はハルヒの無意識下に存在する”何か”が発したものなのか、それとも現行のハルヒの人格とは別のものが発したものなのだろうか。今となっては到底判らんが。 そして、長門。 明瞭なる感情を獲得し、ついでに”個”というものも獲得したように感じた長門だが、みるひにボコボコにされる前とは打って変わり口数少なげに窓際で本を読んでいる。 何でそんなにナーバスなのか訊きたかったが、また怒られそうな気もしたので何も訊かないでいる。 まぁ、そのうちまた戻るだろう。あんなに明確に怒気をはらんで怒るようになった、というだけでもめっけもんだ。 夏を向かえ、いっそうのエネルギーを加えつつある陽に映る、長門とハルヒと朝比奈さんと古泉、そして俺。 あたりまえの、日常的な、しかしながら貴重なこの空間、そして時間。 「なべて世は事もなし――――」 窓際にたたずむ小さな影が、誰に告げるともなく呟いた。その語尾に心地よいながらも、不思議な余韻を残しながら。 涼宮ハルヒの融合 オワリ 前 目次
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まりさが目を開けた時、周りは一面の薄暗闇に覆われていた。 「みゃみゃ…どこぉ…どこにゃのぉ…」 母親をしきりに呼ぶが、返事はない。 とにかく不安であった。 生まれた時からゆっくりは言葉を話せるとはいえ、基本的には赤ん坊である。 母親の愛情が欲しい。そして近くで自分の小さな体を支えて欲しい。 まだよく見えない目を瞬かせながら、暗闇の中を彷徨う。 むにゅ なにか柔らかいものに当たったような感触。 「みゃみゃ!?」 しかしそれは母親としては小さすぎる、自分と同じ大きさのゆっくりまりさであった。 「ゆっくちしちぇいっちぇね!!」 「ゆ…ゆゆ…ゆっくち…しちぇいちぇにぇ!!」 相手の方は数十分前に産まれたのであろう。 幾分か口調もはっきりしている。 自分のお姉さんなのだ。赤ちゃんまりさは思った。 「ゆぅ~」 「ゆ…ゆ…」 この二匹が最初と二番目に生まれたまりさ達である。つまりは長女と次女だ。 二匹は自然とお互いの体を擦り合わせながら暗闇の中で過ごした。 知らない世界の中で、お互いにまだ柔らかい肌をぴったりと合わせる。 今は隣にある感触だけが、自分がここに存在しているのかすら分からなくなってしまう、そんな不安を和らげてくれた。 「ゆっくち!」 「ゆっ!」 その内にまた一つ。また一つと声が上がりはじめ、産声をあげた赤まりさ達は身を寄せ合った。 ガラガラッ 扉が開く。 刺し込むのは目もくらむような明るい光。 小さなまりさ達は一層強く体を押し付け合った。 生まれて初めて目にする光。 眩しいのだ。 「今回は少し多いな。忙しくなりそうだ」 男はその名の通りおしくらまんじゅうをしている赤まりさ達を見るなり独り言を漏らす。 「ゆみゅ?」 男の手がチビゆっくり達の集合体に伸びてくる。 摘まみあげられる一匹の赤まりさ。 「おお、なかなかの髪色だ。これはブリーダー行きにするか」 ブリーダー行き。 それはバッジ付のゆっくりとなり、優しい飼い主の元で暮らせる可能性があることを意味する。 しかし、そうなるまでの道のりは長い。 見た目で選ばれた良質なゆっくりはブリーダーの手によって育てられる。 しかし、何せゆっくりが過剰なほど存在する世の中だ。 ブリーダーに適性を欠くと判断された多くのゆっくり達はそこでゆん生ゲームオーバー。 数少ない選ばれた赤ゆっくり達も厳しい体罰も与えられながら育てられる。 どちらにしてもこのまりさには辛く険しい道が待っているのだ。 男はそのようなことは微塵も考えず、帽子や髪などを手早くチェックし、赤まりさを幾つかの段ボール箱に分けていく。 その手つきは熟練したもので、柔らかい赤ゆっくりの扱いにも長けていたが、中には掴みあげられるだけで嫌悪感を示すものもいる。 「やめちぇね!じじい!」 「これは駄目だな」 男は摘まみあげた赤まりさを持ってその部屋の隅に向かうと、 赤まりさに断末魔の叫びすら発させないように一瞬で握りつぶしてゴミ箱に放りいれた。 繁殖用の親ゆっくりから機械的に産みだされる、安価な命。 生まれた時から人間に反抗するようなゆっくりは修正する手間を考えると捨てたほうが早い。 死に際に声を出させないようにしたのは、他の赤まりさ達に感づかれないようにするためである。 まりさが人間に反抗して殺されたと知れば、他の赤まりさ達は自分の気持ちを押し殺して黙るようになるだろう。 それではいけない。 もちろんこの段階で飾りの欠損、髪の傷みなどがある個体も同様に捨てる。 こうして早速、まりさ達は残留組、ブリーダー組、廃棄組に分けられる。 ブリーダに送るまりさを丁寧に箱に詰めた後、店に残す物の中からさらに飼育用と赤ゆっくりのままでの販売用に分ける。 飼育用の物は子ゆっくり、成体ゆっくりになるまで育ててから販売するわけだ。 長女まりさと次女まりさは一緒にこの飼育用のまりさ達のケースに放り入れられた。 飼育用のゆっくり達には専用の生活スペースが与えられる。 そこは快適な空間だった。 赤ゆっくり達には様々な遊び道具、シーソー、滑り台、トンネルなどが完備されている。 寝床もふかふか。とてもゆっくりできそうな場所だ。 それもそのはず、このスペースに来たゆっくりは育てられ、赤まりさなどよりも遥かに高い値段で売られる。 それだけに普段は手塩にかけて育てられる。運動もその一つである。 ちょっとのことで怪我をするようなゆっくりは購入者にも喜ばれない。 「ゆゆ~ん!」 赤まりさ達は思い思いの遊具に向かって跳ねていく。 元来、活発なまりさ種。 今まで母親と触れ合えなかった寂しさを紛らわすように遊びに夢中になる。 もちろんこれも店の方針である。 「おねーしゃんももいっしょにあしょぼうね!!」 「ゆゆっ!!じゃあこのぎっこんばったんであしょぼうね!!」 次女まりさは長女まりさと一緒にシーソーで遊び始めた。 生まれて最初に出会った相手だから、ということもあるのだろう。二匹はとにかく仲が良かった。 特に次女まりさの方は母親から得られなかった愛情を姉から求めているのだろう。 ひたすら姉と一緒に遊ぶことを求めた。 空調も完璧。 思う存分ゆっくりする赤ゆっくり達。母親には会えないままとはいえ、とにかく今は幸せであった。 明るい声が閉鎖された部屋の中に響き渡る。 そんな時、男が食事を運んでくる。 これだけいい思いをしているのだから食事もきっと良いものなのだ、と考えたのだろう。 遊具で遊んでいた赤ゆっくり達が一目散に集まってくる。 しかし、男が持っている皿に入っている食事は気色の悪い黒緑色をした、見るからに美味しくなさそうなものであった。 ペースト状になっているので噛む力の弱い赤ちゃんゆっくり達にも食べられそうだったが… 一番先に生まれて、お姉さんとしての自覚が芽生え始めていた長女の赤まりさが勇気を出して舌を触れさせてみる。 「ゆげぇ…まじゅぅ…」 それは明らかに「不味く作られた」ゆっくりフードであった。そして栄養価だけは無暗に高い。 長女まりさに続いて口を付け、あまりの激烈な味に不平を漏らし始める赤まりさ達。 「ゆぅ!ゆぅ!こんにゃのたべられにゃいよ!!」 「そんなに言うなら食べなくていいぞ」 好き嫌いをする子供へのお決まりの台詞を放ち、皿を引き上げると男は部屋を後にした。 「ゆぅ…」 「おにゃかがしゅくとゆっくちできにゃいね…」 空腹に耐えながら赤まりさ達は眠りについた。 朝、開店前に男がペースト状の食事を持って入ってくる。 食欲というものは偉大である。この時点で、ほとんどの赤ゆっくり達がそのグロテスクな食べ物を口に運び始めた。 中には涙を流しながら食べている物もいる。 これも教育の一環。 生まれた時から不味い食事を与え続けることで、どんなものでも美味しそうに食べるようになる。 これは購入者に大変ウケる。確かに用意した食事を、自分のペットが嬉し涙まで流して食べてくれたら感動するであろう。 特にゆっくりの場合は簡単に舌が肥えてしまうので、子供のころから不味い食事に慣れておくと少しでもそれを軽減できる。 こういった気配りがされているのだ。 こうして順調に育てられた赤まりさ達。 二週間ほど経ち、彼らが子ゆっくりサイズとなった時、選別にかけられる。 ここで売りに出されるまりさは幸せだろう。 なぜなら、子ゆっくりというのは選定基準が緩いからだ。 買っていく人は、「赤ゆっくりから育てるのは面倒だけど、子ゆっくりならば自分にも育てられそう」と考えている人がほとんどである。 値段も手頃・一人でも扱いやすい・性格もまだ矯正可能な時期。以上の利点から子ゆっくりは人気が高く、多少癖のある個体でも売れる。 成体になってしまってからでは、平均的に高いレベルの個体が求められることになる。 そして選定に落ちた成体ゆっくりは…バックヤードに回ることになるわけだ。 不幸にも成体での販売用と決まったまりさ達だけが飼育用スペースに残された。 本人達はこれからもまだ中で遊べると思い、キャッキャッと喜んでいる。 その中にあの二匹のゆっくり姉妹も含まれていた。 彼女たちの想像に反して、これから厳しい躾の日々が待っている。 まずは、その準備として彼らの帽子にはバッジが取り付けられる。 「ゆゆぅ!きらきらだよ!」 「おねーさんのもきれいだね!」 バッジ。ゆっくりはキラキラしたバッジを好むが、飼いゆっくりに付けられる其れとは似て非なるもの。 金メッキされてはいるが、そこには数字が割り振ってある。 ただの個体識別用のバッジだ。 そして始まる恐怖の日々… ペットは飼い主に従順でなければならない。 自分のゆっくりを追求することなど決して許されない。 このため、子まりさ達の行動はすべて監視されている。 許可が出るまで待つことが出来るか。 食事を美味しそうに食べるか。 お互いに喧嘩をしないか。 常に笑っていられるか。 全ては監視カメラでチェックされている。 店長は閉店後、店内整備などを終えた後、そのビデオを早回しでチェックする。 そこで一瞬でも「ゆっくりできないよ…」などと落ち込んだ表情をするまりさがいれば、すぐさまそのナンバーのまりさの処罰が決定する。 「ちくちくはゆっくりでぎな゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い!!」 針。商品に大きな傷をつけずに痛みでもって分からせる。 まりさ種は主にその無邪気な性格が購入者に評価される。 ゆっくりまりさは常に購入者の家庭を明るくする存在でなくてはならないのだ。 笑顔を作らないまりさに価値は無い。 もし途中で店長が再起不能と判断した場合は、繁殖用に回される。 店の裏、暗いところで二匹並べて縄で縛りつけられ、定期的にすっきりして子供を作るだけの存在となる。 オレンジジュースを毎日少しずつ補充すれば、死ぬまでに数千匹の赤まりさを産みだす。コストパフォーマンスはかなり高い。 ある日、次女のまりさがこの厳しい検定に引っかかった。 夜眠るときに、「ゆっくりねるよ!!」と自分の行動を宣言してしまったのである。 男が電気を消して部屋を出ていくところだったので油断していたのだろう。 「そこは『おやすみなさい』だろうが!こっち来い」 地獄耳で就寝宣言を聞きつけた男に掴みあげられ、針を目の前にかざされる次女まりさ。 その目にはじんわりと涙がにじみ出る。 「いや…」 鋭利な針が柔らかい肌に刺し込まれていく。 ゆっくりの肌は非常に敏感である。 まりさは頬を貫くその激痛に悶絶した。 口からは泡を吹き、白目を剥いて気絶している。 男はオレンジ色の液体をスプレーで吹きかけると、ぺしぺし叩いてまりさを起こした。 「もうやるんじゃないぞ」 オレンジジュースをかけて修復されたものの、まりさは火が消えたように元気を無くしてしまった。 このまま明日の朝まで塞ぎこんでいるようならばその時は再びお仕置きが待っている。 笑っていない、からだ。 そうなってしまえば悪循環に陥り、繁殖用への道が現実的になってくるだろう。 「ゆっくりしていってね」 「ゆぅ?」 そんな次女まりさに長女のまりさは優しい声をかけてあげた。 ゆっくりしていってね。それは相手にゆっくりして欲しいという想いを込めた言葉。 上の立場から人間を見た言い方だ、ということでその台詞を発することは一切禁止されている。 にも関わらず。 長女まりさはその言葉で妹を元気付けようとしてくれた。 次女まりさはそれが嬉しかった。 「いっしょにゆっくりしようね…」 「ゆゆ…ありがとうおねーさん」 二匹は、あの出会った日のように、身を寄せ合いながら眠りに落ちていった。 試練を経て、より販売に適した性格付けがされたまりさ達は、やっとのことで店頭に出される。 展示用ケースに一匹ずつ入れられたまりさ達。 そのケースの裏側に店員が印字されたラベルシールを貼っていく。 『2009/07/01~07/15』 これはまりさ達の販売期間。 期限が切れたコンビニ弁当の如く、この期間が終わると中にいるまりさはゴミ箱行きだ。 狭いケースの中で長期間生活していると体力も落ちてくる。体調が悪くなってしまうものもいる。 そうなれば、展示スペースの関係上、新しく仕入れたものを追加した方が常に良い状態のものを売れる。 そしてこれにはもう一つ、重要な理由がある。 「お前たちはこれから二週間以内に売れないと捨てるからな」 「どぼじでええええええええええええ!!!!」 「まりさはこんなにゆっくりしてるのにいいいいいいいいいい!!!」 一気に泣き喚き、ケース内でガタガタと音を立てるまりさ達。 一見、ストレスを与えるばかりで逆効果にも思える。 しかし、これこそが販売期間を設ける最大の理由である。 売りだされる前の晩にこれを告げられたまりさ達はただ己の不幸を嘆く。 そして人間の理不尽を呪う。 しかし、一晩もすれば厳しい訓練を経てここまで来た彼女たちは悟るのだ。 助かるにはたった一つの方法しかないのだと。 「いらっしゃいませ!!」 開店。 客がちらほら入ってくる。 「にんげんさんおはよう!!まりさとあそんでね!!」 「まりさならにんげんさんのともだちになってあげられるよ!!」 「ゆっ!ゆっ!まりさはぼーるあそびがしたいな!!!」 瞳をキラキラさせ、ケースの天井に頭をぶつけんばかりに飛び跳ね、客にアピールし始めるまりさ達。 これが店側の目的。 全ては今までまりさ達に教えてきたことをこの二週間に集約させるため。 ただでさえ退屈な展示ケースの中だ。 ずっと居られると思えば、あのまりさ独特の媚びたような表情でまったりしながらご飯を貪るだけの愚鈍な饅頭になってしまうかもしれない。 それではいけない。 活発なまりさ。 元気なまりさ。 明るいまりさ。 銘々が笑顔を取り繕い、人間に「ウケる」まりさを演出する。 全ては買ってもらうため。全ては生き残るため。 そしてあの姉妹も。 「まりさはとってもげんきいっぱいだよ!!」 「まりさをかっていってね!!」 皮肉にも隣同士のケース。 しかし、今はそんなことは関係ない。 自分を買ってもらう事だけがまりさの幸せ。 「お買い上げありがとうございます!!」 一匹のまりさが売れた。 自分も 自分も 自分も (何で見てくれないの?) (まりさはこんなにゆっくりしてるんだよ?) (まりさの方があいつなんかより良い子にしてられるよ?) 会計カウンターに置かれて満面の笑みを浮かべる仲間を賛辞の言葉で送りだす余裕などない。 まりさ達の目は客の方を向いていた。 自分だけが買って貰えれば良い。他のまりさを買うくらいなら自分を買ってほしい。 笑顔の仮面の下で渦巻く黒い情念。まりさ達は明らかに「ゆっくりしていなかった」 「本日はどうもありがとうございましたー!!」 閉店時間になる。結局売れたのは先ほどの一匹のみ。 まあそんなものだろう。あと13日もある。店長はまずまずの滑り出しだ、と頷きながら店内の清掃を始めた。 しかし、まりさ達はそうもいかなかった。 「ゅゅ…」 全員へにゃりとケースの床にへたり込んでしまった。 一日中気を張って客にアピールしていれば流石に疲れてしまう。 これがあと二週間も続く。それが苦痛でしかなかった。 それでもやらねばならない。怠れば確実に死が待っているのだから。 「ゆゆ…だいじょうぶ?」 「ゆっ?」 閉店後の暗くなった店内で長女まりさが次女まりさに話しかける。 ケース同士は仕切られているので、反対側は見えないが、ケースを通して声が伝わる。 「透明な箱」のように防音性能抜群の装置でないから出来ることだろう。 次女まりさは一瞬戸惑った。 彼女だってライバル。敵は一人でも多く蹴落とした方がいい。 そう結論付け、咄嗟に思いついた罵倒の言葉を投げかける。 「うるさいよ!しね!!くずまりさ!!」 「ゆぅ…」 長い沈黙が続いた。 「ゆっくりしていってね…」 突然、隣のケースから聞こえてくる優しい声。 とても落ち着く。それになんだかとっても懐かしい響き。 「ゆっくりしていってね」 次女まりさは条件反射的にそれに返事を返していた。 「ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね」 二匹は何度も何度もその言葉を繰り返した。 一日中客に向かって叫んで疲れていたにもかかわらず、二匹はそれを延々と繰り返し続けた。 ゆっくりとしての根源的な欲求がどんどん溢れてくる。 ゆっくりしたい。そしてその「ゆっくり」を誰かに少しでもいいから分けてあげたい。そんな欲求。 その言葉を口にすればするほど、自分の中に生き生きとした感情が蘇ってくるのを感じた。 「うるさいよ!!」 「まりさははやくねたいよ!!だからだまってね!!!」 他のゆっくり達に批難されるまでそれは続いた。 その時、既に二匹の心のなかは温かい気持ちで一杯になっていた。 その日から二匹は「おかしくなった」 「おかしい」というのはあくまで店員視点のものである。 彼女達自身は本来の姿を見せていたと言えるだろう。 「ゆっくりぃ」 「ゆっくりしていってね!!」 眉を曲げ、馬鹿にしているのか媚びているのか判断しかねるような表情で「ゆっくりしていってね」を言う。 「何だあれ?」 「ウザ…」 客はそんな二匹の前を怪訝そうな顔をしながらそそくさと通り過ぎていくだけであった。 既に一般人のゆっくりに対する認識は喋るペット、というものでしかなかった。 「ゆっくり」なんてのは名前だけ。犬猫の代わりに一緒にお話ができるペットが欲しい、そんな人が大半だったのである。 店長もこれには困惑した。 販売中の商品である以上、針などで傷をつける訳にもいかない。 まだ残り二週間弱残されているとはいえ、売れ残るのは必至。 「はぁ…なんでこうなっちまったんだ?」 「ゆー!おにーさんゆっくりしていってね!!」 「まりさはゆっくりしてるよ!!」 「「ねー!」」 客のいなくなった店内でため息をつく店長をよそに、まりさ姉妹はお互いにゆっくりしていってねと言い合っていた。 今この店で、一番ゆっくりしていたのはこの二匹であることは言うまでもない。 あくる日も、その次の日もまりさ姉妹は売れなかった。 次々と売れていく兄弟に対して嫉妬を隠せずにいる他のまりさ達と違って、彼女たちの落ち着きぶりはある意味で尊敬に値する物だった。 「このまりさください」 その言葉を聞いた時、その場にいた全員が目を丸くした。 この時ばかりは何にも動じず、ゆっくりするばかりだった次女まりさも目を見開いた。 ひとりは嫌。 今まで一緒だから耐えれてきたのに。 「おにーさんまりさもかってね!!」 「ん?」 「どうもすみません。当店の管理が不十分だったようで…」 ゆっくりの方から購入者に指図するなどもっての外。 店長は客の男を大変に気遣っていた。 何せ不良品を通常価格で買い取ってくれた神様である。 機嫌を損ねて帰られてしまっては元も子もない。 しかし、実際にその男は一点の怒りも見せず、その提案について熟考していた。 成体二匹。安い買い物では無い。 それを見越した店長がガラリと態度を変え、男に次女まりさを勧め始める。 「では…お詫びと言ってはなんですが、両方お買い上げの際はこちら半額にいたしますよ」 「そうだなぁ、んー。成体ゆっくりが二匹いれば…」 「まりさもまりさといっしょがいいよ!!」 「そうか。まりさがそう言うのならそうしよう」 「ありがとうございます!!」 二匹は初めて外の世界に出た。 その顔は外の快晴の青空のように晴れやかなものだった。 果たして姉妹まりさは幸せだったのか。 普通の客は「ゆっくりした」ゆっくりなど買わない。見向きもしない。 では、彼は一体なぜまりさ達を買ったのか。 それは間違いなく彼が「ゆっくりしている」ゆっくりを求めていたからだろう。 そしてそのような価値観を持っているのはゆっくりと深いかかわりを持っている者のみ。 果たしてまりさの行く先は天国か地獄か。 それは読者のみなさんのご想像にお任せするとしよう。 このSSに感想をつける