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俺「ストライクウィッチーズだってさ」 683-694,971-987 ~アフリカ北部 サハラ砂漠~ 「はぁ、はぁ、ここはどこなの~?」 扶桑の陸戦魔女がひとり、太陽が照りつけるこのサハラ砂漠をさまよっていた。 「まったく、あのロマーニャ人め……! 目的地までたった80km……ってそれ多分直線距離じゃない!」 空戦ウィッチに道を訊ねてから三日、目的地の影はまだ見えていなかった。 「いくら陸戦ウィッチでも……砂漠三日目は、死ぬ……あら?」 ふと見上げると視線のさきになにかが見えた。 それはどうやら人間のようで、見慣れない軍装で砂漠を歩いていた。 「こんなとこに人が?なんにせよ助かった!お~い!」 声をかけられてその人物が足を止め振り返る。 その場所まで彼女『北野古子』は急いだ。 「すみませ~ん!道に迷っちゃって、よければトブルクまでの道を教えてください。」 彼女の質問に彼は答えた。彼の身長は古子よりもいささか小さかった。 「トブルク?聞いたことないですね。ブリタニアにそんな場所あったっけ?」 「はい?」 ここはアフリカのサハラ砂漠だ。なぜにブリタニアの名前が出てくる? すると今度はその人物が質問をした。 「あの、すみませんがロンドンはどっちでしょう? 海をこえた先にあるって聞いてたんですけど……」 「あの、ここアフリカですよ?」 さすがに古子は気になってそこに突っ込む。 「え、ブリタニアじゃないんですか? しまったなぁ、部隊とはぐれてからこっち。 道が分からないからひたすら進んでたら、いつのまにか砂ばっかりの場所にでるし、 人にも会えないし、困ってたんです。」 道をたずねようとして遭難者を拾ってしまった古子は自分の不運さを恨んだ。 そんなふたりのところに装甲車やバイクの一団が全速力で走ってくる。 「友軍?よかった今度こそ助かった!お~い……って!」 助けをもとめた友軍はなんとネウロイに追っかけられていた。 「ロンメル閣下!助かりました、前方に友軍の陸戦ウィッチです!」 「後は頼んだぞ、ウィッチ!」 「えぇえええ!!」 結局彼らは古子と彼をのこして去ってしまった。 残されたのは彼女たちと巨大な敵だけ。 「え、えっとどうしよう!とにかく逃げなきゃ!ってなにしてるのあなた?」 「なにって戦うんですよ。ああ、荷物をお願いします、大事なものなので。」 そういうと彼は、懐から陸戦ウィッチが使うような大きな銃を取り出し、 ネウロイ目掛けてストライカー顔負けの速度で走っていった。 「う、嘘ぉ!?」 彼はネウロイの砲撃をものともせず足元まで来ると、 自分を押しつぶさんと繰り出された前足を跳び上がることで避け、 その足を伝ってネウロイの頭まで駆け上り、その手の銃を押し付けて発砲した。 ズガァアアアン!! 零距離で行われた射撃によってネウロイがたたらをふむ。 しかしすぐに体勢を立て直すと、彼を振り落としにかかる。 彼はなんとか踏ん張ろうとするが失敗し、空へと打ち上げられ、 その腹にネウロイのサソリのような尻尾が叩き込まれ吹っ飛ばされた。 「し、死んじゃった……!?」 吹っ飛ばされた彼はしばらくすると立ち上がり、またネウロイに突撃する。 そしてまたネウロイを吹き飛ばし、吹っ飛ばされの繰り返しを始めた。 「な、なんであんなことやって生きてるの?と、とにかく援護しないと!」 そうして38式小銃を構える古子の上を横切る影があった。 「今度はなに!?」 見上げるとふたりの空戦ウィッチがそこにいた。 ~上空~ 「いた。例のはぐれネウロイだな。」 「ええ、そうみたい。でもティナ、あれはなんなんだろう?」 ネウロイと戦闘を繰り広げるなぞの人物を指差してライーサはマルセイユにたずねる。 また彼が盛大に吹っ飛ばされた。 「私が知るか。とにかくあいつを援護する。いくぞ!」 ふたりは上空から一気に降下してその手に持ったMG34を撃つ。 マルセイユの撃った弾は寸分たがわずネウロイに命中し、 それに若干の遅れをみせてライーサの撃った弾が追撃をかける。 彼が起き上がり突撃を再開した。 状況を不利とみたネウロイは砂を巻き上げ即席の煙幕を張ると、 地中に潜り逃げ去っていく。 「ちぇっ残念、また逃げられた。」 「しかたないよティナ。私たちは地上攻撃魔女じゃないもん。 さてと……司令部、こちら黄の2、連絡のあったネウロイは逃亡した。 尚将軍一行は無事。それと扶桑陸軍のものとみられる陸戦魔女1名と、 ……不審人物を1名確認。彼女らの処遇は将軍一向に任せる。 以上、任務完了。帰投する。」 ~戦闘地域から3km後方~ あの戦闘のあと、古子と彼は、 彼女達を置き去りにした将軍一行が残した轍をたどり、ここまでやってきた。 「ありがとう助かった。わたしはカールスラント陸軍のロンメル中将だ。」 彼女達を将軍自らが迎える。 「君達の活躍のおかげで私も部下も無事だ。君達にはほんとうに感謝しているよ。」 「あ、あの……そんなことよりも、み、水を……」 ようやく助かったことから気を抜いた古子は、 そういってばったりと倒れてしまった。 「き……君!?しっかりしたまえ!だれか担架を!」 急いで車に運ばれる古子。完全に伸びている。 「ふぅ……ところで君はだれだ?」 彼女が運ばれていくのを見守ったあと。将軍は彼に尋ねた。 「僕ですか? えっと、僕はカールスラント実験部隊、 『ウンシュターブリッヒ(不死身の兵士)』の『俺』です。」 そういって彼は先ほどの戦闘でぼろぼろになった頭巾を脱いでそう言った。 ~オアシス 将軍達のテント~ 「よぉ、ご両人。俺の分のディナーは残ってるかい?」 葉巻を口にくわえてリベリオン軍のジョージ・パットン中将がテントのなかに入ってくる。 先に来ていたロンメル中将と、ブリタニア軍のモントゴメリー中将が彼を迎える。 「君が最後だ。時計を変えたほうがいい、それは壊れてるようだ。」 「おお、それはいいなモントゴメリー。これはロンドンで買ったんだ。」 「時計ならカールスラント製にしたまえ、正確で、優秀だ。 もっとも、君が使いこなせるかは分からんがね。」 そういってテントの中はギスギスした雰囲気でつつまれる。 「ふん、まあいい。そういえば面白い話を聞いたぞ。 ロンメル、あんた女の子を担いでこのオアシスを駆け回ったそうじゃないか。」 「ごほん!あれは熱中症にかかったわたしの恩人を医療テントまで運んだに過ぎん。 それより問題はそのおまけのほうだ。」 「あの、妙な軍装の少年か? 聞くところによると君の国の人間だといったらしいじゃないか?」 モントゴメリーが言う。 「私も知らん。一応本国に問い合わせたが、 たしかに実験部隊が欧州で活動していたことは確からしい。 だが記録ではダイナモ作戦に投入され、 そこでそいつらは全滅していることになっている。 彼はロンドンに撤退しようとしている最中に道に迷い。このアフリカに来たそうだ。」 「おいおい、冗談がすぎるぜ。どうやって地中海を越えたんだよ。」 「さぁ知らんよ。そこまで聞いていないのでね。 話を戻すが、彼はその実験部隊でナニカサレタらしく、 異常な頑丈さと回復力、身体能力を手に入れたらしい。 実際にネウロイと互角に渡り合うことはできるらしい。」 とんでもない話だがね。とロンメルは首をすくめた。 「まあ、なんにせよ戦力になりそうなら取り込めばいい。 そいつはいまどこに?」 パットンは葉巻をふかしながら尋ねる。 「マルセイユ中尉が連れて行ったそうだ。歓迎会をやるらしい。」 まったくもってけしからん、とモントゴメリーは嘆息した。 ~マルセイユのテント~ 「じゃぁ扶桑からきた新たなる仲間の着任と、 俺の今日の奮闘振りを祝って、カンパ~イ♪」 『かんぱ~い!』 そういって彼女達は飲み食いや談笑を始める。 ノリについていけずに置いてけぼりにされる古子と俺。 歓迎会というのはパーティを開きたかったマルセイユのこじつけだったらしい。 「それにしてもこれだけウィッチがいると壮観ですね。 ……僕はここにいていいのかなぁ……」 ここに来るときに見た看板には『ここから先に踏み込んだ男は容赦しない』と いう内容が書かれていたことを思い出して身震いする。 「僕、生きて出られるかな?」 「あ、あのー……」 「ん?貴女は?」 「わ、わたしはシャーロットです。はじめまして。」 金髪のポニーテールの美少女が俺に挨拶をしてくれた。 「これはご丁寧にどうも。『俺』といいます。あの、カールスラントの方ですか?」 「そうです。俺さんもそうだって聞きましたけど?」 俺がその問いに答える。 「正確には何人かは分からないんです。 ものごごろついたときには、もう孤児で研究所にいましたし。 僕の肌の色は黄色いのでもしかしたら扶桑の流れなのかもしれませんね。」 そういって俺は昔を思い出す。 白衣の人間達に取り囲まれ、投薬や実験を繰り返したあの日々。 苦い薬を無理やり飲むのはつらかったし、 実験はひどいものだと大怪我をするような苦しいものだった。 しかし、人間の馴れは恐ろしく、 しばらくするとそれが当たり前のことのよう俺には思えてしまっていた。 苦い薬には馴れ、いつしか痛みは感じなくなった。 それに加えて俺は貴重なサンプルだったらしく、 死なないように厳重に注意されていたようだった。 「ごめんなさい。余計なこと聞きました……」 「いえ、話を振ったのはこちらです。ほかに何かございますか?」 「じゃあ、私から質問だ」 俺とシャーロットの会話を聞いていたのかマルセイユがそう言い放つ。 「昼間のあれはなに?生身でネウロイとやりあってたけど?」 生身でということばにまわりのウィッチたちも騒然となる。 ストライカーもなしに人間が、しかも男がそんなことができるとは到底思えない。 「あれは研究所の実験の成果らしいです。 僕の体はナニカサレていて、ネウロイの物理攻撃に耐えられる強度と、 戦いに必要な身体能力、傷を修復する回復力が備わっているそうです。」 そうやって俺は研究所の人間から聞かされていたことを話す。 そういえば耐久実験で戦車砲の直撃をもらったこともあった。 いくら大丈夫だと分かってはいても、 あれは死ぬかと思ったといまさらながらに思い出す。 「攻撃方法は素手の近接戦闘と砲撃です。 まあ、射撃は下手なので零距離しかしたことないですけどね。 あ、そうだ、シャーロットさん、ちょっとよろしいですか?」 「なんですか?」 「いえ、せっかくですし、 お近づきの記念に似顔絵を描かせてもらおうかと思って、 だめですか?」 「似顔絵……ですか?いいですけど。」 ありがとうございます。 といって俺は自分の荷物から古ぼけたスケッチブックをとりだした。 俺はそのスケッチブックに鉛筆で彼女の顔から胸元あたりを描いていく。 5分ほどして似顔絵は完成した 「できました、どうぞ。」 そういって俺は紙を切り離してシャーロットに手渡した。 それをシャーロットと、一緒にいた稲垣真美軍曹と加東圭子大尉が覗き込む。 「うわぁ~!」 「へぇー、なかなかよくできてるわね。」 「そっくりですね。いいな、あの、私も描いてもらってもいいですか?」 「ええ、もちろんいいですとも。」 俺の意外な特技に驚き、 興味をもったウィッチたちは次々に自分の似顔絵も俺に描いてもらう。 結局彼はその場にいる全員の似顔絵を描いたのだった。 ~オアシスから15kmほどはなれた地点~ 歓迎会のあった翌日、ウィッチたちと俺は3将軍に呼び出され、 昨日のはぐれネウロイを討伐する任務を下された。 ウィッチたちの統合的運用を視野に入れたものだそうで、 この作戦の是非で、それか有用なものかのテストを兼ねているらしい。 戦いを前に、将軍達はそれぞれ自分の配下のウィッチたちに檄を飛ばしていた。 「それにしてもなんで3人ともあんなにぼろぼろなんだろ?」 俺は疑問に首を傾げる。 将軍達の顔にはなぜかばんそうこうや包帯が巻かれていた。 ちなみに俺はカールスラントの勢力なのでシャーロットの随伴歩兵として カールスラントの作戦域にいる。 「さあね?ところで俺君。銃の調子はどうだい?」 「良好です。長い間あんまり整備できてなかったから助かりました。 ありがとうございます、シュミットさん。」 俺はシャーロットのストライカー『ティーゲル』の整備兵である ミハイル・シュミット技術大尉に礼を言った。 「それはよかった。少々型が古かったからね。 ある程度現行のものを流用したことで、使い勝手がかわるかもしれんから 気をつけてくれ。」 「まあ自分はいつも零距離射撃ですから大丈夫ですよ。……ん、始まりましたね。」 遠くのほうで爆音が響いた。たしかあっちはリベリオン軍の作戦域だったか。 そのまましばらくその場で響いていた爆音はさらに遠ざかり自分たちとは反対側のブリタニア軍の 作戦域に移動しつつあった。 「これは……出番はないかもしれませんね?」 「そうでもないみたいよ。」 俺のつぶやきに無線機を片手にフレデリカ・ボルシェ技術少佐が答える。 彼女はシャーロットの上官でシュミット大尉の恋人らしい。 「いま、ロンメル将軍から連絡があったわ。 ティーゲルとその随伴は現作戦域から移動。目標を追撃せよ。ですって。」 「いいんですか?ルール違反になると思うんですけど?」 「……ま、命令だしね。さぁ移動するわよ!」 その後はひどいものだった。カールスラント勢の乱入により戦場は破滅的に 混乱し、各隊の連携が乱れ、仲間が射線に飛び込んだりして同士討ちを起こしそうになる。 実際に俺はネウロイに肉薄していたために何発か流れ弾をもらった。 その混乱を収めるべき将軍たちは将軍たちで取っ組み合いのケンカをしている始末だ。 ~上空~ 「あ~あ、しっちゃかめっちゃかね。 まったくなにやってんの、あのおっさんたちは!」 上空で索敵と観測を行っていた加東大尉が毒づく。 将軍達がいつまでもケンカしているせいでネウロイは戦域から逃げ出してしまった。 「こんだけの部隊をつかって取り逃がすとか恥もいいとこ……まずい! 警報!ネウロイが再度出現、場所は将軍たちの真ん前よ!!」 地中に隠れていたネウロイが飛び出し、崖の上の将軍たちを襲う。 「どっせ~い!!」 しかし、かれらの護衛をしていた古子がネウロイを銃剣突撃で押し戻し、 マチルダの投げ槍がネウロイを崖下に叩き落した。 地面に叩き落されたネウロイはもう一度体勢を立て直そうとしたが、 その上に俺が飛び移り、零距離射撃によってふたたび地面に叩き付けられた。 それを各国のウィッチたちが取り囲み、 『くたばれ!』 一斉射撃でネウロイを木っ端微塵に粉砕した。 その爆風で俺は再び空を舞う。やがて重力に引かれて墜ちていった。 「え?ちょ、ちょっと!?」 落ちてきた俺を、ブリタニア軍のマイルズ少佐が受け止める。 「あ~、ごめんね?ものすごく頭にきてたからあなたのこと忘れてたわ。」 「あ~!マイルズ少佐が男の子をお姫様抱っこしてる!」 「へ~、みかけによらずやるじゃん。少佐」 リベリオン軍のパットンガールズが囃したてる。 「ちょっとそこのスクールガールども、だまってなさい!ねぇ、あなた大丈夫?」 「う~ん。失敗した。爆発を計算にいれてなかった。」 爆発の衝撃によって起きた脳震盪から回復した俺がそういう。 「まったく。無謀にもほどがあるわよ、あなた。 ま、おかげで仕留められたんだから、いいか。 とにかくありがとう。お疲れさま。」 「どういたしまして。ふぁぁっ、少し疲れました、すみませんが後をお願いします……すぅ」 「え?ちょ、ちょっと待ちなさいって……寝ちゃった。」 力尽きた俺はそのまま彼女の腕の中で寝てしまった。 結局このとんでもない作戦の結果は、ウィッチたち全員の協同戦果となり、 また古子の意見具申(拳骨)によって将軍たちは納得し、 これから先は協同して指揮にあたることに決めたそうな。
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「ドクター、私は不死身なんだ」 「ラインアークの戦いで唯一生き残ったあなたなら、 不死身を名乗ることもできるでしょう」 「そういう意味で不死身と言ったわけじゃない」 「ふぅむ、では吸血鬼や仙人のように傷口がたちどころに 塞がったりする文字通りの不死身なのですか?」 「私のケースはそういったファンタジーとは違うんだ。 あえて分類するならSFになると思う」 「SFですか……。どうぞ、詳しく話してください」 「どう話すのがいいだろう。ドクターは私の仕事をある程度は把握できていると 考えてもいいのかな? ラインアークのとこを知っているようだし」 「ええ、あなたが出撃したミッションの概要は全て知らされています。 あくまで概要だけですが」 「それなら話が早い。私のこれまでの仕事を ドクターならどう評価するか聞かせて欲しい」 「難しい質問ですね。軍事はわたしの専門分野ではありませんから」 「素人意見で構わないんだ。聞かせてくれないか?」 「ふぅむ、これまでにあなたが上げた戦果は凄まじいものだと思います。 予行演習のない一度きりのミッションを全て高評価で成功させている。 不測の事態が起こってもあなたの対処には無駄や隙がない。正直に言うと 信じられないくらいですよ、たった一人のリンクスがここまで戦えるのかと」 「その通りだよ、ドクター。疑わなければならない」 「わたしが知るあなたの戦果は誇張されたものだということですか?」 「いいや、ドクターの知る凄まじい戦果というのは全て私が一人でやったことだ」 「では何を疑えと言うんです?」 「たった一人のリンクスがここまで戦えるのか、という部分さ」 「よくわからなくなってきました。あなたは『たった一人のリンクスが ここまで戦えるのかを疑え』と言いながらも『全て自分が一人でやった』 と認めている。これは矛盾していませんか?」 「そう、このままでは矛盾してしまう。だからこの話の前提を変える必要がある。 そうだな、ドクターはテレビゲームを触ったりするのかな?」 「ええ、息子が好きでそれに付き合ったりしますよ。ヘタクソなんですが」 「ドクターはゲームが苦手か、丁度いいな。さっきの話をゲームに当てはめてみよう。 ネクストに乗って色々な依頼を完遂するゲームだと考えて欲しい。 ドクターはプレイヤー、つまりリンクスだ」 「わかりました」 「ゲームは意地悪く作られていて、理不尽な難易度だとしよう。 当然ながらドクターはなかなか先に進むことができない」 「そうなるでしょうね」 「だが何度もリトライを繰り返せばいつかはクリアできるはずだ。 更に繰り返せば高評価でのクリアも可能になるだろう」 「ええ、まあ……」 「これが私の不死身の正体さ。先ほどの矛盾も解消される」 「少し待ってください。唐突すぎて理解が追いつきません」 「簡単に言うと私の人生にはゲームのようなリトライ機能が付いているのさ。 周囲は私がリトライを繰り返している事に気付かないシステムになっているんだ。 だから毎回ぶっつけ本番で信じられない戦果を上げているように認識されてしまう」 「ふぅむ……。そのリトライは任意に可能なのですか?」 「いや、任意には無理だ。私が死亡する直前、ミッションを失敗した直後、 ミッションの評価が良くない場合。この三つに該当する時、勝手にリトライ機能が 働いてミッションの手前まで戻される。私の意思とは無関係にね」 「なるほど、不死身……確かにそれは不死身と言えるかもしれません。 今度はわたしから質問してもかまいませんか?」 「もちろんだ」 「先月に行った定期検査、あの時に簡単な戦闘シミュレーションを行いましたよね?」 「ああ」 「あれは生死を左右するミッションとは大きく異なる。 結果が悪くともリトライ機能は働かないはずです。違いますか?」 「流石はドクター、飲み込みが早い。その通りだ、 あのシミュレーションの結果はリトライなしの私の実力だよ」 「あなたはシミュレーションで高評価を出している。驚くほどの高評価―― リトライを繰り返しているというミッションと遜色ない結果を出しているのです」 「だからリトライなどはお前の妄想の産物である、ドクターはこう言いたいわけだ」 「いいですか、よく聞いてください。あなたには少しだけ休養が必要なのです。 リンクスにかかる過度の精神的負荷は――」 「おいおい、やめてくれよ。自分の頭がおかしくなったのではないか、 こんなことは真っ先に私自身が疑ったことだ。何度も何度も疑ってみたが、 残念ながら私の頭は正常なんだよ。ドクターの仕事は理解している。 だが、せめて話を最後まで聞いてから判断を下してくれないか?」 「わかりました」 「一発勝負のシミュレーションで高評価を出せたのには理由があるんだ」 「……詳しく話してください」 「リトライ機能を説明するために私はあえてリトライを繰り返しているかのように 話してきたが、実を言うと最近はほとんどリトライをしていない」 「…………」 「私は『たった一人のリンクスがここまで戦えるのかを疑え』と言った。 客観的に見て常人には不可能な働きだからだ。当の本人である私自身が そう思う。ドクター自身も信じられないと言ったのを覚えているか?」 「ええ、だからあなたはリトライを繰り返して常人には不可能なことを 可能にしていると――そうか、あなたは自分を常人という枠組みの中に 留めて置きたいのかもしれない」 「そのためにリトライ機能という妄想を作り出した、か……。 考えもしなかった新解釈だが、残念ながらこれは的外れだよ。 私は自分の能力が常人の領域を外れ始めていることを自覚している」 「外れ、始めている……?」 「私は見た目以上に長い時間を生きているんだ。 人類を管理している巨大コンピュータと戦った、 非人道的な研究を行っている機関と戦った、 家族の復讐のために戦った、 火星で戦った、 黙々と戦った、 再び人類を管理している巨大コンピュータと戦った、 未踏査地区で戦った、 飛来する特攻兵器と戦った、 不気味なトレーニングメニューと延々戦った、 アーキテクトとなって何十年も戦った、 24時間ぶっ続けで戦った、 アナトリアのために戦った、 そして今も戦い続けている。 これだけ戦えば常人離れもするさ。そこいらのリンクスとはキャリアが違う。 ちなみに、この世界、この時間軸、この身体で戦うのは三度目なんだ。 今は若い男の身体を宛てがわれているのだが、乗り換えのしすぎで本来の性別が 判らなくなっていてね。ドクターは私が男だと思う? それとも女だと思う?」 「…………」 少し調子に乗りすぎたようだな。ドクターの顔が真っ青じゃないか。 手に負えない重症患者を見る目だ。これ以上やると取り返しが付かなくなる。 いや、リセットをすれば取り返しは付くんだが、しち面倒臭い事態だけは避けたい。 そろそろ切り上げるとしよう。 「――という感じのSF小説を考えているんだ」 「……はぃ?」 「いや~すまない。ドクターのノリがあまりにもよかったから、ついね」 「ジョーク……だったのですか……?」 「ジョークじゃないさ。私が考えているSF小説のロールプレイだよ。 主人公は何か得体の知れない力に翻弄されて、延々と戦い続ける運命にあるんだ。 はじめは弱くて無能な主人公なんだが、苦悩しながらも徐々に力を付けていって、 最後は得体の知れない力の源に挑み、打倒してしまう展開を考えている。 ありきたりだろうか? 現役リンクスが綴るロボット戦記浪漫スタート!! という帯を付ければ結構売れると思わないか? ドクターの意見を聞かせてくれ」
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『不死身猫トム(ふじみねことむ)』 クリーチャー 自然文明:コスト3 ドリームメイト パワー:3000 このクリーチャーが墓地に置かれる時、代わりにバトルゾーンに出してよい。 ターンの始めにこのクリーチャーが墓地にある時、このクリーチャーを手札に戻してよい。 フレーバー:あいつを侮っちゃだめだよ。何回死んだってきっと甦るからね。-腕利き策士ジェリー
https://w.atwiki.jp/stadiumrpg/pages/4.html
腐死身の舞踏会(ふじみのぶとうかい)とは、ステージの1つである。 名称 腐死身の舞踏会 ランク ブロンズ 難易度 ★☆☆☆☆☆ 手に入るアイテム 魂の欠片 魂の結晶 魂の繭 (なし) ← 腐死身の舞踏会 → 心無き狙撃手 概要 ブロンズランク「黒銅の洞窟」内のステージの1つ。難易度は1で、StadiumRPGにおける最初のステージである。 このステージで集めることが出来る「魂の欠片」や「魂の繭」は、ゼーレブレードあるいはゼーレワンド?をはじめとする基礎的な武器や、丈夫装備をはじめとする防具の材料となるため、StadiumRPG初心者にとってはまずこのステージを攻略することが第一目標となる。 難易度は、最初のステージとだけあって低い。模擬刀片手に生身で行っても問題ないが、StadiumRPG特有のノックバックシステムなどに慣れないうちは、敵の攻撃に翻弄されてしまうかもしれない。特に、複数人て戦闘をする場合には、むやみに敵の大群に近づかないことをおすすめする。 敵一覧 地底ゾンビ 名称 地底ゾンビ 体力 30 攻撃力 5 経験値 1 ゴールド 0~1 ドロップアイテム 個数 確率 魂の欠片 1 高め 魂の結晶 1 激レア ゾンビのような敵。 地底ゾンビの親玉 名称 地底ゾンビの親玉 体力 50 攻撃力 6.25 経験値 1 ゴールド 0~1 ドロップアイテム 個数 確率 魂の欠片 1 高め 魂の結晶 1 激レア 魂の繭 1 高め ゾンビのような敵。地底ゾンビに全身金装備が施されており、体力と攻撃力が共に高い。 魂の繭を落とす唯一の敵。 その他 BGM このステージのBGMには、バトルミニゲームのタンブルに流れていたBGM「Agile Acceelerando」の音ブロックアレンジバージョンが使われている。
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効果 習得キャラクター 解説 効果 Lv CAP 効果 備考 - - 自ユニットのHPが0になった場合、ステージ中で一度だけ、HP1の状態で生き残る 習得キャラクター 作品 キャラクター 備考 機動戦士ガンダム00 パトリック・コーラサワー パトリック・コーラサワー(2nd) 解説 何度ガンダムに挑んで敗北するも、その度に生還を続けるコーラサワーについた渾名。 効果は悪運と完全に同一なので、詳しい使い方はあちらを参照。 唯一の違いはこちらはキャラクター固定であり入手不可能な点。 幸せのコーラサワーはHPが完全回復するので、逆境などとの併用を考えない場合はこちらの完全上位互換となる。 初期から覚えているのはTVシリーズのコーラサワー当人のみ。 1期のコーラサワーは序盤からスカウトを狙えるので、囮役や壁役に使うのもありだろう。 入手はできないが、同一性能の悪運で代用可能。 また、悪運を覚えているロウとセットにする事で、より安全に壁役を任せる事もできる。 ちなみに幸せになった後のコーラサワーはアビリティが異なる。
https://w.atwiki.jp/dq_dictionary_2han/pages/2383.html
DQⅤ 中ボス戦のBGM。 Ⅳのエスターク戦・デスピサロ前半戦のBGMである【邪悪なるもの】を除けば、 この曲がDQシリーズ初の本格的中ボス戦BGMとなる。 最初に使われるのは【レヌール城】での【おやぶんゴースト】戦。 アバンギャルドに展開する変拍子の嵐や、各パート音の強弱を積極的に盛り込むなど、 すぎやまこういち氏の卓越したスキルが遺憾無く発揮されている傑作。 せわしない曲調によるテンションの高さはシリーズ屈指といってもよく、 【ブオーン】や【ゲマ】といった強敵との闘いを想起させるプレイヤーも少なくないだろう。 また幼年時代では【ラインハット】で【ヘンリー】が拉致されるシーンや、【古代の遺跡】で追っ手から逃げてゲマと出会うまでのシーンでも使われる。 DQMB モンスターバトルロードシリーズでは、つばぜりあい・味方側の【とどめの一撃】のBGMとして使用されている。 そのため、このBGMを聞くとⅤを連想する人と、とどめの一撃を連想する人にキレイに分かれる。
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不死身のトレントβ UC 自然文明 (4) クリーチャー:ツリーフォーク/不死樹王国[サバイバー] 3000 ■サバイバー ■SV-このクリーチャーが出た時、自分の手札を1枚、マナゾーンに置いてもよい。 ■ラスト・バースト リターン・オブ・ザ・サバイバー UC 水文明 (5) 呪文 ■カードを1枚引く。 ■このカードを出す。 作者:UNKNOWN フレーバーテキスト 生半可な事では、奴は死なない。 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yugiohinskype/pages/86.html
どうも。syun-sinです。ネタデッキを一つ公開しようと思います。 僕のファンデッキ、ネタデッキの作り方はだいたいこんな感じです。 皆さんの今後のデッキ作りの参考になってくれれば嬉しいです。 モンスター*20 最上級*3 光と闇の竜*2 フェニックス・ギア・フリード*1 上級*2 地獄の門番イル・ブラッド*2 下級*15 エヴォルテクター・シュバリエ*1 クレボンス*1 ゴブリンゾンビ*1 ゾンビキャリア*1 ゾンビ・マスター*1 魂を削る死霊*1 未来サムライ*2 馬頭鬼*1 メタモルポット*1 ピラミッド・タートル*3 フェデライザー*1 黄泉ガエル*1 魔法*16 D・D・R*1 アームズ・ホール*1 エネミーコントローラー*1 思い出のブランコ*3 おろかな埋葬*1 サイクロン*1 スーペルヴィス*3 手札抹殺*1 二重召喚*1 未来融合ーフューチャー・フュージョン*1 黙する死者*1 星屑のきらめき*1 罠*5 異次元からの帰還*1 サンダー・ブレイク*1 正統なる血統*1 トラップ・スタン*1 リビングデッドの呼び声*1 エクストラ 超合魔獣ラプテノス*1 ギガンテック・ファイター*1 大地の騎士ガイアナイト*1 ブラック・ブルドラゴ*3 蘇りし魔王 ハ・デス*1 テーマは「不死身」。墓地から何度でも蘇ってくる感じをイメージしました。(ライダーデッキなのにライダー2枚なのはお察しください) 基本的な動きとしては、 イルブラッドを特殊召喚してスーペル装備→キャリア特殊召喚→シンクロブルドラゴ→ スーペルでイルブラ復活→イルブラとブルドラゴを生け贄にライダー これでライダーが破壊されればブルドラゴが出て、ブルドラゴが破壊されればデュアル状態のデュアルモンスターが出ます。イルブラがフィールドに残れば、次のターンまたブルドラゴ出せます。 こういうデッキでは、ライトロード系のカードが役立つんですが、僕の場合いつもまともな落ち方しないのと、魔法、罠が落ちるとつらいので、入れません。 墓地が肥えないと始まりませんが、十分墓地が肥えれば選択肢はとても多いです。 (未来サムライなど)墓地を除外するカードが入っているので、鉄板帰還カード2枚投入しました。 きらめき→帰還 、 馬頭鬼キャリア使用後→帰還 など、帰還の選択肢により、かなりややこしい展開が可能になりました。 ただ、未来サムライを2積みしたのは、帰還のためではなく、カタストルや戦闘破壊できないモンスター、高攻撃力モンスターで詰まないようにするためです。これをネタ的に補うための帰還カードです。 他のカードの説明をすると、クレボンスはキャリア1枚だとチューナーが少し足りないので、不死身のテーマに近いレベル2チューナーということで入れました。 黄泉ガエルは生け贄要員と不死身ネタ要員。ギアフリードも、名前に負けず劣らずいい蘇生効果を持ってます。 レベル8最強枠のギガンテックファイターももちろん不死身の戦士ということで。 ガイアナイトはレベル6鉄板ですが、何か?(これを経由してレベル8に繋ぐことがあります) あと、この手のデッキでは、墓地に置きたいカードが手札に溜まってしまうことも良くあります。その為にDDR、サンブレなどのコストで捨てるカードは重宝します。 これらのカードは非常に無駄なく手札を捨てる事ができます。 また、このデッキは防御カードが少ないので、エネコン1枚入れてみました。黄泉を生け贄に相手モンスターをパクるなどできますが、これも上記の詰むカード対策です。 (テーマと関係ないカードですが、露骨な除去よりかは、はるかに面白いカードだと思います。) 後、蘇生カードで死者蘇生入れてもいいですが、余ってないので、このデッキまで回せなかっただけです。イメージ的に、リビングデッドの方がテーマに合ってますが。 裂け目、弾圧など使われたときは、サイク、サンブレ、トラスタ待ちになります(トラスタはサイクロンでもいいんですが、サイクロン足らないです)。 なるべく、こういうネタデッキにメタカードは使わないようにしましょう。 反対に、このデッキでは、黄泉+イルブラ+キャリア でトリシューラさん出ますが、 なるべく、こういう鬼畜妨害カードは使わないようにしましょう。 お読み頂きありがとうございました。長文失礼しました。
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ようやくその姿を現した、蒼星石のマスター、川口高史。 しかし、彼が蒼星石に言った言葉は、予想外のものだった。 高史「マスターって呼んでんじゃねぇよ。 俺はもうお前のマスターじゃねぇんだよ。」 蒼「えっ・・・・」 翠「お前、何言ってやがるですか!!」 高史「事実。」 翠「お前、ちゃんと頭冷やしてきたんですか!?」 高史「いやー、あいつに奇襲されてさー、それどころじゃなかったわ。」 蒼「じゃあ・・・なんでここに・・・?」 高史「あいつを潰すために決まってんだろ。」 司「ところで、蒼星石のマスターよ。」 高史「マスターじゃねぇっつってんだろうが。」 司「そろそろ会話にも飽きてこないか?」 高史「それもそうだな。 時間もないし。 とりあえず宣言しとくわ。 いまから一時間以内にてめーを潰す!!」 司「できるのか?貴様ごときに。」 高史「出来ないと思ってたら、んなこといわねぇよ!!」 高史は司馬懿に斬りかかる。 しかし、司馬懿はそれをことごとくかわす。 司馬懿は一瞬の隙を突き、蒼星石に鉄の糸を伸ばした。 蒼「あっ・・・」 高史はすばやくその糸を刀で巻き取り、斬り払った。 蒼「マスター・・・」 高史「邪魔だ!!どっかいってろ!!」 高史はそう叫ぶと、また司馬懿に攻撃を仕掛けた。 蒼「マスター・・・ 僕の事・・・嫌いになっちゃったのかな・・・」 翠「あの馬鹿人間、どこまでぶざければ・・・」 ?「二人ともー、こっちこっちー。」 翠「えっ?」 蒼「とにかく行こう、翠星石。 ここにいても、マスターの邪魔にしかならないよ。」 翠「・・・しょうがねぇです。」 翠星石と蒼星石は、呼ばれたほうへ向かった。 ?「よし、二人とも無事だな。」 蒼「貴方は?」 ?「高史の・・・ちょっとした知り合いだ。 そうだなー・・・「名無し」とでも名乗っとくか。」 蒼「なぜここに?」 名無「蒼星石、お前に頼みがあんだよ。」 蒼「頼み?」 名無「ああ。 お前はさっき、高史に突き放されたよな。」 蒼「はい・・・」 名無「それでも、あいつを信じてやれねぇか?」 蒼「どういうことですか?」 名無「お前は、あいつにとって何よりも大切な存在。 それは今でも変わっていないはずだ。」 蒼「でも・・・マスターは・・・」 名無「なら、今高史が言う言葉をよーく聞いみな。」 蒼「えっ・・・?」 高史「っかしいな・・・全然はがたたねぇ・・・ 何で初代と二代目倒せて、三代目倒せないんかね・・・ 俺・・・いつの間に本当の雑魚に成り果てたんかい・・・ だが・・・奴が攻撃目標変える前につぶさねぇとな・・・ あいつの犠牲になんのは・・・俺だけで十分なんだよ。 道連れにしてでも、こいつを潰す!!」 蒼「マスター・・・」 名無「今のが、決定的な証拠っつーこった。」 翠「どういうことですか?」 名無「あいつは、「犠牲になるのは自分だけで十分」、そういったよな。 つまり、「あいつに蒼星石はやらせない」って言う意味なんだよ。」 蒼「マスターが・・・そんなことを・・・」 名無「お前だって、高史と仲直りしたいと思ってんだろ? だから、お前の力で高史の希望を甦らせて欲しいわけよ。 そうすりゃ、高史もお前の元へ戻ってきてくれるだろう。 お前も心の奥底で願っているはずだろ? 「マスターとまた一緒になりたい」ってな。」 蒼「・・・ありがとう・・・名無しさん・・・」 翠「ちょっと待つです! あいつの様子が変です!」 名無「やばいな・・・・・・時間切れが近い・・・」 蒼「どういうことですか?」 名無「ここに来る前に俺の娘から電話があってな。 「高史に特別な薬を投与した」ってな。 そしてそれには制限時間がある。 だから宣言したんだよ。」 蒼「そ、それじゃあ・・・」 名無「残り・・・三分くらいだな。」 蒼「そんな・・・!」 高史「やばっ・・・ダメージが戻ってきやがった・・・」 司「やはり・・・薬を使っていたか・・・」 高史「悪いか?」 司「ふはははははははっ!! 形勢逆転だ!! これで終わりにしてやろう!!」 高史「はい断固拒否!!」 高史は切りかかるが、一蹴されてしまう。 高史「げぼぐはっ!!」 司「ふん、愚か者めが。 完全に歯ごたえがなくなったな。 さて、そろそろ本題に入るか。 蒼星石、今度こそ貴様のローザミスティカをもらうぞ!!」 そして司馬懿は爪を構えた。 が、空から黒い羽が数本飛んできた。 それを見た司馬懿は、両手を下ろした。 司「おやおや・・・いらっしゃったんですか・・・水銀燈様。」 水「あんた私を舐めてるの? ただの人間風情の力を借りなきゃアリスになれないとでも? 蒼星石、私がじきじきに闘ってあげるわぁ・・・ あんたは邪魔だから消えなさい、さもないと吸い殺すわよ。」 司「水銀燈様の御命令ならば、逆らうわけにはいきませぬ。 ここはおとなしく引きましょう。」 そして司馬懿は退いて、蒼星石に向かった言った。 司「蒼星石、水銀燈様の前では、今の貴様は無力! おとなしく散るがいい! ふはははははははっ!!」 司馬懿は高らかに笑いながら、森の中へ消えた。 蒼「水銀燈・・・まさか君がいるとはね・・・」 水「私もよぉ・・・ 三代そろっておばかさぁんだわ・・・」 高史「ったく・・・厄介な奴が来やがったよ・・・」 水「あんたも邪魔よ・・・さっさと消えなさい。」 水銀燈はそういうと、羽を数十本、高史に向かって飛ばした。 蒼「マスター!!」 高史「くっ・・・!」 名無「させっかよ!!」 名無しが飛び出し、高史の前に立って、どこからか取り出した銃剣で羽を撃ち落した。 蒼「名無しさん!!」 名無「ギリギリセーフ・・・ってとこか。」 高史「すいませーん、何であんたがここにいるわけ?」 名無「よく聞けこんちくしょう。」 名無しは、相変わらずのお気楽顔で話し始めた。 名無「お前は今、水銀燈と闘おうとしてんだろ。」 高史「ああ、そうだよ。」 名無「ミーディアムにすら勝てないお前が、水銀燈に敵うはずねーだろ。」 高史「・・・図星だ、まさに。」 名無「でも、お前は初代と二代目には勝った。 その理由を、契約を破棄する前に言ってるはずだ。 それを思い出せ、そうすりゃ勝てるはずだ。」 高史「ごめん忘れた。」 名無「射殺したろか。」 高史「・・・冗談だよ。 覚えてるよ、一応。」 名無「ならさっさとし直せ。」 高史「ごめん動けない。」 名無「・・・やっべ忘れてた・・・」 水「いつまで話してるつもり?」 水銀燈がまた羽を飛ばす。 名無しはそれをぎりぎりで撃ち落した。 名無「そろそろやばいかも・・・」 高史「自力で何とかするしか・・・ないっつーことか。 よっ・・・と。」 高史は、残る力を振り絞って立ち上がり、森の中へ入って、木に背中を預けて座った。 名無「あいつ立てたんかい・・・ まあいっか。 蒼星石、高史のもとへ。 あいつと話し合って来てくれ。 頼むぞ。」 蒼「わかりました。」 蒼星石は、高史の木の反対側に座った。 蒼「マスター。 マスターは大変だと思うけど・・・、そのままでいいから、 僕の気持ち・・・聞いてくれないかな?」 高史「・・・了解。」 蒼「ねぇ・・・マスター。 僕は・・・ね、前のようにマスターに拒絶されるんじゃないかって、すごく不安で 心の何処かでマスターを避けていたんだと思う。 もしマスターに嫌われたら・・・迷惑だったらどうしよう・・・って。 でも・・・ね、それは結局マスターを傷つけて、僕自身を孤独に追い詰めるだけだった。 マスターは・・・いつだってマスターは僕を見守ってくれたのに・・・ だから・・・マスター。 迷惑かも知れない、我が儘かも知れない、けど僕は・・・僕はまたマスターと 一緒になりたい。 マスターと・・・仲直りしたいんだ。」 高史「?・・翠星石に「出直して来い」って言われたときさ、これ以上何を言っても、蒼星石をさらに傷つけることにしかならない、って思った。 それで、蒼星石を傷つけるくらいなら、蒼星石と別れたほうがいい、そう決意した。 でも結局これのせいで、蒼星石をさらに傷つけちまった。 んでもってこの言葉も、蒼星石に追い討ちをかけているだけかもしれん。 でも、それに耐えられるんなら、それでもついてこられるんなら、それでも俺を好きでいられるんなら、もう一度契約しよう。 蒼星石、今まで何度も何度も、お前の心を傷つけてしまって、本当に悪かった。 こんな・・・結局お前に追撃しかしてない俺を・・・許せるか? いや・・・許してくれないか?」 蒼「?…っマスター…!!」 蒼星石は思わず、高史に抱きついた。 蒼「仲直り…してくれるんだね? また…僕と一緒に居てくれるんだね…?」 高史「その気がなけりゃ・・・こんなこと言わねぇだろ・・・?」 蒼「うん…、ありがとうマスター… 許すも何も、意地っ張りな僕なんかを受け入れてくれて… 本当にありがとう…。 僕の…僕の大好きなマスター…」 高史「俺も・・・大好きだぜ、蒼星石・・・」 蒼「…うん。それじゃあ二回目になっちゃうけど、マスターさえ良ければ、僕と…また契約してくれないかな? もし誓えるなら、この指輪にキスを――… 」 高史「了解・・・」 そして高史は、指輪にキスをした。 高史「これで、契約成立、だよな。 なんか、自分がめがっさ幸せ者に思えてきたわ。 同時に、力がみなぎってきた・・・! これなら、水銀燈のミーディアムに勝てる! 蒼星石は、俺が守る!! 」 水「じゃあお死になさい。」 水銀燈が飛来した。 高史「早速きやがったか・・・」 水「私の可愛い媒介、あなたも出てきなさい、居るんでしょ? 私と契約したのならあのミーディアム程度は私に力を与えながらでも倒せるわね?」 司「承知いたしました。」 木の陰から、ゆっくりと司馬懿が現れた。 司「死に底ないにてこずる必要なんてありません。 では、蒼星石、ミーディアム共々・・・消えてもらおう!! 」 そのとき、別の二人の男が現れた。 水銀燈のミーディアム、初代と二代目だった。 初代「加勢しよう・・・ 全ては水銀燈様のために・・・」 二代「加勢しよっか? 答えは聞いてない!」 水「あらぁ、流石あなた達は優秀ねぇ。 じゃあ最初からクライマックスといきましょうか。」 蒼「そんなことはさせない…!! マスターは…僕の大切なマスターには指一本も触れさせはしない!! そう…例え僕が倒れたとしてもだっ!!!」 水「おばかさぁん。 同等の条件でも不利なあなたがここに集まる連中の力を根こそぎ使える私に勝てるとでも? まああんたのローザミスティカを貰えればそっちの人間なんてわざわざ相手しないわよ。 これであなたのお望みどおりってワケね。」 蒼「ふふ…あははっ! 僕が馬鹿だって?その言葉、そっくりそのまま君に返すよ…! 水銀燈…、君には分からないかも知れないけど、僕とマスターには君には無い強い絆の力があるんだ…! だから、いくら何人のミーディアムを従えようとも、僕とマスターには君は勝てないよ! 」 水「へえ、絆ねぇ。 お父様を裏切り、『つなぎ』にした『マスター』を見殺しにし、 辛い時にあんたを励ました連中も無視して再契約したそいつとの絆はさぞ強いんでしょうねえ? ……でもね、あんたが悲劇のお姫様ぶるために踏み台にした連中の力は私の味方。 ふふふ…大勢の犠牲の上に成り立つ身勝手な絆ごっこの力とやら、せいぜい楽しませてもらおうかしらぁ。」 蒼「水銀燈…確かに、君の言う事には一里あるかも知れない。 けど、僕は今まで僕を励ましてくれた人達を忘れてなんかいない! マスターとの絆が、身勝手なごっこ遊びじゃないように…!! それと…、水銀燈。 一つ忠告しといてあげるけど、仮にもアリスを目指そうとするドールが、 大の男をぞろぞろと引き連れて戦う姿なんて滑稽な行為だと思わないかい? とてもじゃないけど、僕にはそんなアリスから遠ざかるような、はしたない真似は出来ないなぁ… その点に置いては、第1ドールの君を尊敬するよ。 …と、少し無駄話が過ぎたようだね。 さて…そろそろ始めようか、アリスゲームを…!!」 水「言うじゃない。 ところで、この間知り合いの居る病院で面白い面白いものを見たわぁ。 なんでも首吊り自殺を図った馬鹿な人間が意識を無くしたままだとか。 面白そうなんで見たら指に蒼い薔薇の指輪をしてるじゃない。」 蒼「何だって・・・」 水「うわごとで時折誰かさんの名前を呼んでたわぁ。 ごめんなさい、あなたには関係ない話だったわね。 見捨てた人間の事なんか。仮に目覚めて指輪の消えた左手を見て喜ぶのかしら、悲しむのかしら?」 蒼「くっ・・・」 水「いいわよね、あんた達は綺麗事でわがままを美化できて。 私はそれをしない。 蔑まれようと、罵られようとアリスになる。それだけ。そのためには何だってする。 …この場の人間、すべての命を利用しても。 そうしても構わないとまで言った物好き達のためにもね。 自分のために選り好みをしていろいろ捨ててきたあんたと私は違う! 最初から薔薇乙女として、お父様から与えられたあんた達とは!! だから私は捨てない、ひとたび得た物は… そう、その中にあなたのローザミスティカも今から加えてあげるわぁ!!!」 初代「アリスの座は・・・水銀燈様にこそ・・・ふさわしい!! 水銀燈様のアリスへの道を阻むものは・・・俺が根絶やしにする!」 二代「ねぇねぇ水銀燈、僕らの事なんか気にしなくて良いからさ、こんな奴ら細胞一つ残さず消し去っちゃおうよ!! 」 司「水銀燈様が私たちの心配などするわけがないだろう。 しかし、私たち三人のミーディアムの力をささげれば、水銀燈様は最強のドールとなるに違いない。 さぁ水銀燈様!今こそ、オーベルテューレでの屈辱を晴らしてやりましょう!! そして蒼星石を倒し、あの忌々しき真紅をジャンクにしてやりましょう!!」 高史「くっくっくっ・・・ あっはっはっはっはっはっはっ(棒読み)」 司「何がおかしい・・・」 高史「いやーこれはこれは見事な水銀燈軍団が出来上がってるじゃねーかよおい、って思ってな。 ま、何人来ようが、蒼星石との絆を取り戻した俺は、不死身かつ自称最強なんですけどね!! 行くぞ蒼星石!! こいつらに、俺たちの絆の力を思い知らせてやろうぜ!」 蒼「…うん、行こうマスター! 僕たちで水銀燈のミーディアムを…水銀燈を止めるんだ!!」 司「馬鹿めが! 死に底ないの分際で、何ができると言うのだ!!」 高史「知らねーのか? 負けて死に底なったりした奴は、たいていパワーアップして大逆転勝利するのが世のお約束なんだよ!!」 司「ふん、そんな不条理、この私が貴様ごとズタズタにしてくれるわ!!」 高史「やれるもんならやってみろ!! もとい、やらせやしねぇよ!!」 ここに、蒼星石&川口高史対水銀燈軍団の戦いの火蓋が、切って落とされた。
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タイトル VS不死身!!(バーサスふじみ) シリーズ クッキングフェスティバル編 話数 229話 収録 トリコ26巻 掲載誌 WJ2013-19 概要 クッキングフェスティバル編20話目。ブランチVSエルグ決着。 登場人物 ブランチ エルグ ←228話 →230話