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▼ ―――初めて乗るバイクはとても大きかった。 ▼ 双葉千帆は小説家を夢見るフツーの女の子だ。 親の愛情をたっぷり受け、のびのびと育ち、温かな家庭で生きる女の子。 家に帰っても母親がいないというのは年頃の女の子に少しだけ辛い事実であるが、父は優しく、時に過保護すぎるほどだった。 そんな家で育ったから千帆は夜遊びなんてめったにしなかったし、バイクに乗るなんてことはもってのほかであった。 彼女にとってバイクとは学校にいる悪い先輩のオモチャ道具、あるいは住宅街でやたら騒音をたてる耳障りなものでしかなかった。 「……お前、運転できるか?」 折りたたまれた最後の支給品を開けば、そこから飛び出て来たのは一台のバイク。 なにが入っているか確認していたとはいえ千帆が想像していた以上にそのバイクは大きかった。 目を丸くする千帆にプロシュートが尋ねる。千帆は黙って首を振った。自転車なら載れますけど、彼女はそう申し訳なさそうに返事をした。 プロシュートはそうか、とだけ言うと何でもないといった感じでバイクに近づき、シートやハンドルを優しく撫でた。 えらく手慣れている感じがした。普段からバイクに乗り慣れているのだろうか。 千帆が見守る中、プロシュートはサッと脚をあげ座席に跨り、メーターをチェック。 ガソリンの量を確認し、ハンドルの感触を手に馴染ませる。なんら異常のない、むしろ手入れが行き届いている良いバイクだった。 手首を返すようにグリップを捻り、バイクのスタンドを蹴りあげる。途端に機械の体に命が宿ったようだった。 腹のそこまで響く様な低音が辺りを包む。ドドド……と唸るバイクはまるで大きな獣のようだ。手懐けられた元気いっぱいの鉄の生き物。 そしてそれに跨るシックなスーツをまとったプロシュート。 凄く『絵になる』風景だな。千帆は状況も忘れ、一人そう思った。 まるで古いハリウッド映画の一コマの様な、そんなことを連想させるワンシーンだった。 「なにしてるんだ、おいていくぞ」 千帆の思考を破ったのはそんな言葉だった。目をパチクリとさせながら見れば、プロシュートが座席の後ろ側を指さしている。 千帆は最初プロシュートが何を言っているのかわからなかった。おいてく、って何が? いまいち状況が飲み込めていない千帆の状況を察し、男が深々と息を吐く。 「お前が持ってた支給品なんだからお前がのらないんでどうするんだ」 だから乗るって……どこに―――? ▼ 「しっかりつかまっておけよ」 改めてみる男の背中は大きかった。千帆は振り落とされないようにその体にしがみつく。 親でも兄妹でも恋人でもない男の人に抱きつくのは初めてのことで千帆は最初、それを躊躇った。 腕越しに伝わる男の体の温もり、スーツ越しでもハッキリとわかるほど鍛え抜かれた肉体。心臓が早鐘を打つ。 お願いだから振り返らないでほしい。誰にいうわけでもなく千帆はそう願った。今の自分は間違いなく赤い顔をしているだろうから。 一台のバイクが街をゆく。ゆるいカーブに千帆は振り落とされないよう、少しだけ腕に込める力を強くした。 プロシュートが気を使ってくれたのだろうか。あるいは乗車中に襲撃されることを考慮したのかもしれない。 バイクはそれほどスピードを出さないで、滑るように道路を進んでいった。音は微かにしか出ず、振動もほとんど感じられない丁寧な運転だった。 最初は緊張に身を固くしていた千帆も、その内運転を楽しむまでになっていた。 頬を撫でる風が心地よい。風景があっとういまに前から後ろへ流れていく。とても新鮮だった。 バイクに乗るってこんな感じなんだと思った。そんな驚きと興奮が彼女の中で湧き上がっていた。 二人の旅は順調に進んでいく。千帆とプロシュートは一度地図の端まで参加者を探しに南下し、ついで禁止エリアの境目を確認する。 そこにはなにもなく、目印も標識も一切なかった。何も変わりない街並みが、ずっと先まで続いている。 それはとっても非現実的な光景だった。日本のただの住宅街なのに、そこには生活の臭いと言うものを感じさせない、居心地の悪い無機質感が漂っていた。 折り返し、今度は病院を左手に北上していく。東から地図に記されている拠点をしらみつぶしに周っていった。 レストラン・トラサルディー、東方家、虹村家、靴のムカデ家、広瀬家、川尻家、岸辺露伴の家……。 そうして幾つものカーブを曲がり、無数の十字路を通り過ぎ、何度か左に右に曲がったころ……。 順調に進んでいたバイクがスピードを落とし始め、遂には完全に止まる。 それはこの旅で一度もなかったことで、突然の停止に千帆は何事かとプロシュートの背中を見つめた。 ひょっとしたら誰か他の参加者を見つけたのかもしれない。それとも何か人がいたと思える痕跡を見つけたのかも。 何も言わないプロシュートの後ろから首を伸ばして道路の先を見る。すると一人の男が立っているのが視界に写った。 どうやら向こうもこちらに気づいたようで、ゆっくりとこちらに近づいてくる。 近づいてくるにつれ、その男の容貌がはっきりとしてきた。ヒゲ面で腰のベルトにナイフを刺した風変りな男だ。 抜き身のまま剥き出しの刃物が怪しく光る。見るからに『危ないヤツ』というを雰囲気を醸し出している。 アウトロー丸出しの、西部劇に出ても違和感なく馴染めそうな浮世離れした男だ。 自然と千帆の腕に力がこもる。プロシュートは何も言わなかった。だが千帆の腕を無理にひきはがすようなこともしなかった。 それが彼女を少しだけ冷静にさせた。 バイクにまたがる二人に近づく男。お互いに顔がわかるぐらいまで近づいたころ、ようやくその男が口を開いた。 思ったよりハッキリとした口調でしゃべるなと千帆は思った。もっとぼそぼそとくぐもった声でしゃべるかと思っていた。 「エシディシという男を知らないか。民族衣装の様な恰好をして、がっちりとした体つきの二メートル近い大男だ。 鼻にピアスを、両耳に大きなイヤリングをしていて頭にはターバンの様なものも巻いていた。 一度見たら忘れらない様な、強烈なインパクトの男だ」 「……しらねェな、そんなヤツは」 「そうか」 沈黙が辺りを漂った。会話はそれでおしまいのようで、ヒゲ面の男は要は済んだという顔で踵を返し、元来た道を戻り始める。 プロシュートはそんな男を何も言わず、ただ見つめていた。とても険しい顔をしていた。 千帆が話しかけられないほどにプロシュートは鋭い目つきで、その男が見えなくなるまでずっとその後ろ姿を睨んでいた。 男が角を曲がり、ようやくその影も見えなくなる。初めてプロシュートが緊張を解いた。 短い間だったはずなのにずしっりとした疲労感を感じさせる、緊迫した時間だった。 千帆も止めていた息を吐くと、張りつめていた神経を解く。実を言うと千帆はあの男が怖かった。 ギラギラとした眼、亡霊のように力なく揺れる身体。気味が悪かった。エシディシと言う男との間によっぽど何かがあったのだろう。 その底知れない執念というのか、怨念と言うのか。きっとそれは千帆が初めて体験した『生の殺意』だったのかもしれない。 混じり気なしの、ただただ“殺したい”という気持ちが凝縮された感情。 思い出すだけでゾッとした。千帆はそっと鳥肌が立った腕を撫でる。改めて自分がとんでもない場所にいるんだ、と実感する。 早人や露伴先生、プロシュートのような人ばかりでない。あんな恐ろしい男が沢山いるかもしれないのだ。 再び動き出したバイクはさっきより遅くなったように思えた。 滑るように進んでいたその機体はノロノロと住宅街を進む。千帆は少し躊躇ったが口を開いた。 ずっと黙ったままのプロシュートに尋ねる。背中越しにその表情はうかがえない。 二人を包む風に負けないよう、大きめの声で言った。 「あれだけでよかったんですか?」 「あれだけって言うのはどういうことだ」 「だからあれだけですよ。何も聞かなかったじゃないですか。 向こうはエシディシって人のことを聞いたのに何も聞かなかったし、今思えばあの男の人の名前もわからないじゃないですか。 さっき言ってましたよね、仲間と情報が欲しいって」 「……そうだな」 「そうだな、って……」 「千帆、アイツの眼見たか?」 プロシュートがスピードを緩めるとT字路を左に折れた。 こうやって会話を交わしながら、運転しながらでも、プロシュートが辺りをしきりに警戒していることがわかる。 見ることは見ましたけど。千帆は自信なさげにそう返す。だけど見たからなんだというんだ。 千帆は軍人でもないし、心理学者でもないのだ。正直言ってあまりいい印象を持たなかった、としか言いようがない。詳しく聞かれたところでなにも言える自信はない。 プロシュートも彼女の言わんとすることがわかったのか、問い詰めるようなことはしなかった。ただ少し間を開けた後、彼はこう言った。 「病院で話したよな。“最終的には『持っている』人間が生き残る。力の優劣とは、また別の次元の問題だ”って。」 「はい」 「直感でいい、お前から見てアイツはどう思った? あの男は『持ってる』ヤツか? それとも『持ってない』ヤツか? 千帆の眼にはどう映った?」 「…………」 すぐに答えることはできなかった。難しい問いかけだ。 千帆はもう一度さっきの男のことを思い出す。今度は曖昧な記憶を掘り起こすのでなく、しっかりと男の容姿から話し方まで、全部くっきりとイメージする。 話しながらどんなふうに身振りをしていたか。プロシュートを見る時どんな眼をしていたか。千帆を見た時、どういう顔をしていたか。 身長はどれぐらいだ? 癖は何かなかったか? 薄暗い雰囲気をしていた。ならどうしてそう思ったのか。どこがそう思えたのか。 プロシュートは千帆の返事をじっと待っていた。急かすようにするわけでもなく、その間もバイクの運転とあたりの警戒に神経を注いでいる。 やがて長い直線が終わるころになってようやく千帆の中で答えがまとまった。 ハッキリとした声で千帆は言う。まちがってるとか、正解は何だと聞かれてたらこうは答えられなかっただろう。 でもプロシュートが聞いたのはどう映ったか、だ。だから自分の思ったことなら、千帆は自信を持っていうことができる。 「『持ってない』ヤツ、だと思います」 「……なんでそう思った?」 「難しいんですけど、あの人から“死んでも生き残ってやる”って気持ちが伝わってきませんでした。 変な表現なんですけど……というか矛盾してるし、きっと小説でこんな言葉使っちゃいけないんですけど……私にはそう見えたんです。 凄い気持ちがこもってる人だとは思ったし、それが伝わってきたのは確かです。怖かったぐらいです。 でもだからこそ、一度それが壊れたら……脆いんじゃないかなって」 「なるほど」 「エシディシ、って人を探してるみたいで……きっとその人を……殺したがってるみたいなんですけど……。 なんというか、殺したらそれで満足しちゃいそうな気がしました。生き残れって言われてるはずなんですけど、殺したらそれで満足だ、みたいな……。 悲壮な覚悟って言えばいいんですか。特攻隊というか、思いつめてるというか……」 「俺もだいたい同じことを考えてた。俺から見ればアイツは『持ってるものを放り捨てれるヤツ』だと思った。 目的のためなら簡単に飛び移れるやつだ。何かを犠牲にして次のステージに写って、そっからまた次へ……って具合でな。 こうやって言うのは簡単だが、それをするのはなかなか難しい。それにそれがいつだってそれがいい事かと言えばそうでもない」 持ってるものを放り捨てるヤツ。千帆はその言葉を聞いて顔をしかめた。 あまり好きそうになれないタイプだ。繋がりとか積み重ねというものを大切にする千帆にとってはそういう人はなかなか信用できる人ではない。 勿論何かを成し遂げるには何かを犠牲にしなければいけない。小説を書くときに睡眠時間を削ったり、友達の誘いを断ったり。 でもそういうのも普段の積み重ねのうえでの取捨選択だ。100から0に、イエスかノー。切り捨てや立ち切りというものはそう簡単にできるものではない。 逆説的に言えば、それができるほどあの人は強い人でもあるのかもしれないけど。千帆はそう思った。 プロシュートの話は続いた。 「俺が銃の構えを教えた時、何て言った?」 「えっと……引き金を引くことに意識を集中させるんじゃなくて、引き金を『絞る』」 「それ以外は?」 「6発あるからだなんて考えるんじゃなくて、一発で仕留めろ」 プロシュートが大きく頷いたのが筋肉の振動で伝わってきた。 声のトーンが少し変わった。もしかしたらうっすら笑っているのかもしれない。 「そうだ。なら聞くけど一発でも仕留められそうにもない時、お前だったらどうする? 今しかきっとチャンスはない。ここで撃てば確実仕留められるはずだ……ッ! でもどうしてだか、相手に銃弾が当たる気がしない。コイツを討つイメージが頭に浮かばない。 そう思った時、お前はどうする?」 「…………」 「……俺がお前の立場なら答えは決まってる。『逃げる』、ただそれだけのことだ。 そしてもう一度待つ。次こそは見逃さない、今度こそ絶対に一発で仕留めてやるってな」 「逃げていいんですか?」 「勿論逃げちゃいけない時もあるし、逃げられない状況もある。けど逃げが間違いだっていうのは『間違い』だ。 逃げだって選択肢の一つだ。それに時には撃つ時よりも、戦う時よりもよっぽど勇気が必要な『逃げどき』だってある。 忘れるな、逃げることだって立派な選択肢なんだ。進む方向が違うだけで逃げだって前進してる。 イノシシみたいになにがなんでも突っ込めばいいってもんじゃねーんだ。まぁ、その選択が一番難しいってのはあるけどな」 難しい話だ。一発で仕留めなければいけない覚悟が必要なのに、二発目以降も準備しておかなければならない。 歌を歌いながら小説を書けと言われてるのも同然だ。そんなことが自分にできるのだろうか。まだ銃の構えだっておぼろげなのに。 千帆の不安が伝わったのか、プロシュートは更にスピードを緩めながら口を開く。 その口調は確かに柔らかなものになっていた。 「俺が言いたいのはな、さっきの言ったことと矛盾してるみたいだが、一発外したら、はい、そこでお終いなんてことはないってことだ。 そりゃ相手を前に外したら誰だってヤバいって思う。衝撃を受けるのは当然だ。俺だってきっと動揺する。 けど大切なのはそこで敗北感に打ちひしがれないことだ。まだ相手は生きてるし、自分も生きてる。 もしかしたら相手が俺を撃ちぬくことのほうが早いかもしれない。けどもしかしたら相手も慌てていて、俺の二発目が間に合うかもしれない。 俺が逃げ伸びて、次の時にうまく弾丸をぶち込めれるかもしれない。一瞬硬直して、逃げようとしたら背中を撃たれるかもしれない」 「…………」 「つまりだな、千帆、生きることを最優先しろ。生きてればリベンジできる。生きてる限り、銃弾を込めなおすこともできる。 けど死んだらおしまいだ。死んでもやってやるなんて覚悟は『死んだ後』にでも考えておけ。それか『どうあがいても間にあわない』って時にでもとっておけ。 死を賭してでもって覚悟はけっこー諸刃のもんなんだ。少なくとも俺はそう思う」 「…………」 千帆は何も言えなかった。ただ何も言わないのは失礼な感じがして、黙って大きく頷いた。 背中越しでも頷いたことがわかるように少しだけ大袈裟に。プロシュートがどう思ったかはわからない。でも千帆はその言葉に素直にうなずけない自分がいることを自覚した。 自覚したから頷くだけで返事をしなかったのだ。バイクは何事もなく進んでいった。辺りには人影一つ見当たらなかった。 ―――生きること、か。 それは時にものすごく残酷な刃物になる。 悲しみを背負って歩き続けなければいけないことは辛いことだ。それが努力ではどうにでもならないものであればなおさらだ。 だが千帆に逃げる気などさらさらない。死のうだなんて絶対思わないし、さっきプロシュートに言った言葉に偽りはない。 ―――『私、小説を書くんです。元の世界に戻って。絶対に』 絶対に……。絶対に……! 彼女は言い聞かせるように心の中でその言葉を繰り返した。 ああ、そうだとも。生き残ってやる。例えそれが呪われた運命だとしても、それを選んだのは千帆だ。千帆自身だ。 千帆は自分が『何かに巻き込まれた』とは思ってない。千帆がここにいるのはそうする必要があったからだ。 千帆がここにいるのは、千帆である必要があったから。千帆にしかできないこと、千帆が成し遂げるべき何かがあるからだ。 プロシュートが一瞬だけ視線をサイドミラーに移した時、後ろの少女と眼があった。 さっきあった男と正反対の意志が彼女の瞳には宿っていた。誇り高き、強いものの眼だ。プロシュートは彼女のそんなところが気に入った。 再び口を開いた時、プロシュートの口調は元の淡々としたものに戻っていた。 バイクのスピードを落とし、次の角も右に曲がる。まるでそこにある『なにか』がわかっていたかのような感じで、彼はバイクの速度を緩める。 二人の視線の先に一人の男が映っていた。さっきのような怪しい気配剥き出しの男ではなかったが、こちらを警戒しているのが一目でわかる。 身長は平均よりやや高いぐらい。腕や肩のあたりががっちりしていて、それに比べると足や腰はほっそりしている。 バイクの音を聞きつけていたのか、びっくりした様子もなく、鋭い目つきでこちらを睨んでいる。 片方の腕を伸ばし、突きつける様に指さしている。見た感じ武器を持っているようには思えなかったが油断はできない。スタンド能力を持っているのか知れない。 プロシュートはそんな彼の手前、三十メートルほどでバイクを止めると振り向くことなく千帆に言った。 「千帆、お前が説得してみろ」 「え?!」 「さっきのヤツは見るからにヤバいヤツだったから俺が対処した。今度のヤツはまだマシに見える。 いつまでも俺におんぶにだっこってわけにはいかねーだろ。それに俺はお前の眼を信用してる。お前のツキも信用してる」 「そんなこと言われても……」 いいからやってみろって。そう背中を押され、千帆は最後にはやるしかないと覚悟決め、バイクを降りた。 プロシュートが隣に立ってくれていることが彼女を勇気づけた。真正面に立つ青年がそれほど怪しい目つきでないのも彼女を奮い立たせてくれる。 唇を一舐めすると、心臓に手をやりながら口を開いた。なんだか喋ってるのが自分じゃないみたいだ。 千帆は相手に聞こえる様、大きな声ではっきりと話した。 「私は双葉千帆と言います。ある人を探していて、その人のことについて知っているならお話がしたいです。 私は誰も殺したくありませんし、貴方も誰も殺さないというのなら一緒に力を合わせたいと思います。 どうでしょうか、私と協力してくれませんか?」 訪れた沈黙が居心地を悪くする。ジャケットに入れた拳銃がひやりとしていて、その感触がなんだか胃をムカムカさせた。 馬鹿正直に話しすぎだろうか。千帆は少しだけ後悔した。でも彼女は自分の勘を信じていた。 眼の前の青年は決して平和ボケしたような甘ちゃんではないが、誠意をもって話せば話は通じる相手だろうと。 ピンと来たのだ。この人は私と同じだと。私と同じように誰か探している様な気がする。それも堪らなく会いたいと思えるような、大切な人を探してる。 「彼女の後ろに立ってるアンタ……。アンタはスタンド使いか?」 返事は冷たく、固かった。 視線を千帆からゆっくりと外し、プロシュートを睨みながら青年が口を開いた。 プロシュートは唇を捻っただけで何も言わなかった。肯定も否定もしない。初対面でこの反応はいい印象を与えないだろう。 隣に立つ千帆は少しだけ心配だった。自分に説得するようやらせておいて、それはないんじゃないのと思った。 長い沈黙の後、ジョニィが口を開いた。依然指先はこちらを向いている。その鋭い眼光も一向に衰えていない。 「話をするなら……一人ずつにしたい。僕はあなたたちを悪いヤツではないと思ってる。 だけど、まだ完全に信頼することはできない。騙し打ちをする気なんじゃないかって、そう疑う気持ちだってある。 だから話をするならどちらか一人ずつだ。ここじゃないどこかで、一人ずつ話をしたい」 千帆が振り向けばプロシュートは我関せずと言った顔であらぬ方向を向いていた。 話をするかどうかも、全部任されたということだろうか。初めての交渉なのにいきなり投げっぱなしとは信頼されているのか、試されているのか。 少しの間考えてみた。ずっしりとした拳銃の重みが彼女の決断をより一層重大ものにすると訴えている。 そうだ、間違えたら死ぬのだ。眼の前の青年を測り違えたら殺されるのだ。そう簡単にできるものではない。 それでも……再び千帆が動いた時、彼女の中で迷いはなかった。 ジョニィに見える様、彼女は力強く頷いた。その目に一点の躊躇いも持たず、千帆はジョニィ・ジョースターとの対峙を選択した。 ▼ ティッツァーノからもらったタバコを病院に置いてきたのは間違いだったかもしれない。 千帆とジョニィ・ジョースターがひっ込んだ民家の前で座り込み、プロシュートは一人思う。 こんなのんびりとした時間がこうもはやく来るとは流石に予想外だ。病院を一歩出ればそこは戦争で、戦い尽くしの未来だと勝手に思っていた。 スーツについたほこりを叩き、さっきまで乗っていたバイクにもう一度またがる。 千帆の予想に反し、プロシュートはそれほどバイクに乗り慣れているわけではない。どちらかと言えば車のほうが普段からよく使うし、車のほうが好きだ。 座席は柔らかいし、オーディオもいい。風にバタバタ煽られることもなければ、不格好なヘルメットをつける必要もない。 ただどうしてか、プロシュートは昔から何事も飲み込みがよく、バイクだってそのうちの一つでしかなかった。 実際さっきの運転中も見た目以上に神経をすり減らしていたのだ。千帆にそれを悟らせなかったところは流石と言うべきか。 わかっていたことではあるが、キツイ道中になりそうだ。プロシュートは身体を馴染ませるようしばらくの間、バイクに跨り考えにふけっていた。 プロシュートの思考を破ったのは道路の先から聞こえてきた足音だった。 住宅に跳ね返り聞こえてきた靴の音。それほど先を急ぐような音ではなかった。一歩一歩、確実に進んでいくような足取り。 バイクにもたれ何が来るだろうと曲がり角を睨んでいれば、一人の男が現れた。 ナルシソ・アナスイだ。そこに現れたのは愛に生きる一人の男。 プロシュートを最初見た時、彼は露骨に警戒心をあらわにした。だが見敵必殺とばかりに襲いかかってこないことがわかると、少しだけ警戒心を緩めた。 そのまま少しずつプロシュートへと近づいてくる。一歩、そしてまた一歩。その歩き方が少し不自然で、プロシュートはアナスイが怪我を負っていることに気がついた。 見れば服装も汚れ、所々血が付いているの見える。プロシュートはアナスイにばれないよう、後ろのベルトに刺した拳銃に手を伸ばす。 グリップの冷たさが彼の思考をクリアにした。怪我を追っているとはいえ油断はできない。なにかあれば容赦なく、撃ち抜く。 「……ここを誰か通っていかなかったか?」 アナスイが言った。 「人を探してるんだ。男と女の二人組。アンタは見てないか?」 ▼ タロットカード、十三枚目。それは死神。 意味は終末、破滅、決着、死の予兆。しかしひっくり返して逆位置にすれば……その意味は再スタート、新展開、上昇、挫折から立ち直る。 リンゴォ・ロードアゲイン。双葉千帆、プロシュート。ジョニィ・ジョースター。そして、ナルシソ・アナスイ。 死神に取りつかれ、死神に魅了された五人ははたして死神に呑みこまれずにいられるのか? to be continue...... 【D-7 南西部 民家/1日目 午前】 【プロシュート】 [スタンド] 『グレイトフル・デッド』 [時間軸] ネアポリス駅に張り込んでいた時 [状態] 全身ダメージ(中)、全身疲労(中) [装備] ベレッタM92(15/15、予備弾薬 30/60) [道具] 基本支給品(水×3)、双眼鏡、応急処置セット、簡易治療器具 [思考・状況] 基本行動方針 ターゲットの殺害と元の世界への帰還。 0.目の前の男に対処。 1.暗殺チームを始め、仲間を増やす。 2.この世界について、少しでも情報が欲しい。 3.双葉千帆がついて来るのはかまわないが助ける気はない。 【ナルシソ・アナスイ】 [スタンド] 『ダイバー・ダウン』 [時間軸] SO17巻 空条承太郎に徐倫との結婚の許しを乞う直前 [状態] 全身ダメージ(極大)、 体力消耗(中)、精神消耗(中) [装備] なし [道具] 基本支給品、ランダム支給品1~2(確認済) [思考・状況] 基本行動方針:空条徐倫の意志を継ぎ、空条承太郎を止める。 0.徐倫…… 1.情報を集める。 【備考】 ※放送で徐倫以降の名と禁止エリアを聞き逃しました。つまり放送の大部分を聞き逃しました。 【双葉千帆】 [スタンド]:なし [時間軸] 大神照彦を包丁で刺す直前 [状態] 疲労(小) [装備] 万年筆、スミスアンドウエスンM19・357マグナム(6/6)、予備弾薬(18/24) [道具] 基本支給品、露伴の手紙、救急用医療品 [思考・状況] 基本的思考:ノンフィクションではなく、小説を書く。 0.ジョニィ・ジョースターと情報交換。 1.プロシュートと共に行動する。 2.川尻しのぶに会い、早人の最期を伝える。 3.琢馬兄さんに会いたい。けれど、もしも会えたときどうすればいいのかわからない。 4.露伴の分まで、小説が書きたい。 [備考] ※千帆の最後の支給品は 岸辺露伴のバイク@四部・ハイウェイスター戦 でした。 【ジョニィ・ジョースター】 [スタンド] 『牙-タスク-』Act1 [時間軸] SBR24巻 ネアポリス行きの船に乗船後 [状態] 疲労(中) [装備] なし [道具] 基本支給品×2、リボルバー拳銃(6/6 予備弾薬残り18発) [思考・状況] 基本行動方針:ジャイロに会いたい。 0.双葉千帆と情報交換。信用はまだできない。 1.ジャイロを探す。 2.第三回放送を目安にマンハッタン・トリニティ教会に出向く [備考] ※サンドマンをディエゴと同じく『D4C』によって異次元から連れてこられた存在だと考えています。 【D-7 南西部/1日目 午前】 【リンゴォ・ロードアゲイン】 [時間軸] JC8巻、ジャイロが小屋に乗り込んできて、お互い『後に引けなくなった』直後 [スタンド] 『マンダム』(現在使用不可能) [状態] 右腕筋肉切断、幼少期の病状発症、絶望 [装備] DIOの投げナイフ1本 [道具] 基本支給品、不明支給品1(確認済)、DIOの投げナイフ×5(内折れているもの二本) [思考・状況] 基本行動方針:??? 1.それでも、決着をつけるために、エシディシ(アバッキオ)と果し合いをする。 [備考] ※名簿を破り捨てました。眼もほとんど通していません。 ※幼少期の病状は適当な感じで、以降の書き手さんにお任せします。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 前話 登場キャラクター 次話 120 Dream On プロシュート 147 夢見る子供でいつづけれたら 110 石作りの海を越えて行け ナルシソ・アナスイ 147 夢見る子供でいつづけれたら 118 彼の名は名も無きインディアン ジョニィ・ジョースター 147 夢見る子供でいつづけれたら 119 ああ、ロストマン、気付いたろう リンゴォ・ロードアゲイン 143 本当の気持ちと向き合えますか? 120 Dream On 双葉千帆 147 夢見る子供でいつづけれたら
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とらバ! 457 :名無したちの午後:2011/08/30(火) 01 41 22.19 ID q2eBBx7w0 ・とらバ! 手コキゲー 姫乃を除く全ヒロインに、手コキ射精が2回ずつある。 後、愛にアナル舐め手コキ射精1回と、みなとに足コキ射精1回がある。 コキ語は特に見なかった。尺は長いのから短いのまで様々。 サンプルCGから期待していた通りの作品で、良かった。 458 :名無したちの午後:2011/08/30(火) 03 42 07.15 ID YZYeMxDk0 457 レビュー乙です。コキシーンのテキストはどんな具合でしたか? 主人公が主導で、女の子がおっかなびっくりやるのか、はたまた女の子の方から積極的にやってくるのか 462 :457:2011/08/30(火) 23 14 41.42 ID q2eBBx7w0 458 たいていはヒロインから積極的に握ってくるね。でも主人公も基本的に攻め属性なんで、弄り合いに発展していく場合も多い。 463 :458:2011/08/31(水) 00 24 19.60 ID LUmCQ9/q0 返答どうもです。 おれは受けシチュ好きなので、攻め属性の主人公は嫌だなあ。 男にはただ喘いでてほしい。弄り合いもしないで欲しい。 絵はなぜだか受け付けるので、期待しているのだがなにかイチオシのシーンとかあるだろうか? 464 :名無したちの午後:2011/09/01(木) 14 43 49.83 ID aoHEAR4xO 463 その要望に合うヒロインは、とらバ!だとせいぜいみなとくらいかな。 関連レス 467 :名無したちの午後:2011/09/05(月) 01 11 51.63 ID sIoAIR9w0 ・あねいも×あねいも2 サマー愛ランド とらバ!のおまけに付いてきた、あねいもシリーズの外伝。 コキシチュは皐月の手コキ射精のみ。 ていうかあのシリーズは何で、姉ヒロインにコキが無いのだろう? 468 :名無したちの午後:2011/09/05(月) 01 20 14.84 ID sIoAIR9w0 補足すると、あくまでオマケなのでボリューム的に考えても手コキ1つあっただけで儲けものレベル。~ ただ、真奈美の手コキが見たかった・・・
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隣接エリア サハギンの洞窟 神殿都市アルテサノ サハギン洞窟を抜けた先にある謎の神殿 出没するモンスターはみな腐敗・白骨化しており、過去にここで何かが行われていたことを覗わせる。 また神殿都市アルテサノにも繋がっているらしい アンデッドしか居ないのでプレイヤーのレベルが9なら「ファイヤーストーム」を習得しているレベル14の魔道士を誘うと稼げる。 レベル14魔道士ドッペルが見つからない場合は、ブーメラン装備の狩人or盗賊、耐久力の高い戦士で頑張るのが良い。 地下2F 出現モンスター一覧 モンスター名 HP MP ドロップ 盗めるアイテム ゾンビ 58 0 ゾンビーナックル 毒の矢 スケルトン 45 0 ボーンアーマー、しゃれこうべ ソール酒 ばけだぬき 4 0 ソール酒、狸の着ぐるみ ソール酒 レアモンスター モンスター名 HP MP ドロップ 盗めるアイテム 出現位置 出現条件 グール 66 0 ボロボロの法衣 予防のクルミ 全域 ランダム 特性: TP: 魔法: 有効: モンスター名 HP MP ドロップ 盗めるアイテム 出現位置 出現条件 怨念ゴースト 150 知恵の指輪 アクア瓶 中央北部の部屋 クエスト「封印された神殿の調査」シンボル 再戦不可 特性:HP再生7 TP:精神集中 魔法:アイス 有効:沈黙 倒すと邪教の法典と怨念ゴーストマントが貰える。 地下1F 出現モンスター一覧 モンスター名 HP MP ドロップ 盗めるアイテム ゾンビ 58 0 ゾンビーナックル 毒の矢 スケルトン 45 0 ボーンアーマー、しゃれこうべ ソール酒 ばけだぬき 4 0 ソール酒、狸の着ぐるみ ソール酒 地下2Fと同じ。 レアモンスター モンスター名 HP MP ドロップ 盗めるアイテム 出現位置 出現条件 スカルゴースト なりきりスカル衣装、しゃれこうべ 漆黒のオカリナ 西側のスイッチ前 夜限定 シンボル 特性: TP: 魔法:スカルカース(全体呪い) 有効: モンスター名 HP MP ドロップ 盗めるアイテム 出現位置 出現条件 怨念の集合体 160 怨念の指輪、魔力の指輪 不死鳥の忘れ物 1F入り口正面の階段から シンボル 再戦不可 特性:2回行動 TP パニックボイス(混乱) 魔法:ダークホール 有効: スケルトンx2と出現。 コメント 出ない場合は時間帯かも知れません (2012-07-05 02 25 49) 怨念ゴーストが見当たらない (2012-07-05 00 33 37)
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残された空の地図Lv75 (通称:旅人7ソーマ) 地図名:残された空の巣Lv75 発見者:ZAN 場 所: 地 形:洞窟16F ボ ス:イデアラゴン 内 容:S7 A8 B1 ソーマ(12F,14F,16F)、メタスラの盾(3F)、メタスラの剣(5F) 詳 細:10s12sソーマ(9F,11F)、11sソーマ(10F)、10sソーマ(15F) S4A4B1回収マラソン6分、S6A5B1マラソン8分半、効率度外視でツールなし体感ソーマx7回収10分。B9F敵減(だいおうクジラが出ない)
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残された欠片 ◆k97rDX.Hc. 「異郷」 ――21××年。 大都市の郊外にある、とあるスクラップ工場。そこが、いくつか提示されたなかからドラえもんが選んだ就職先だった。 勤務時間は長く、労働環境がよいとはお世辞にも言えない。しかし、あちこちにガタがきた子守ロボットを採用しようなどという雇用主などそうあるものでは無い。それに、基本的な工学知識を持ち、力仕事もこなせるドラえもんにとっては自分の能力を十分に生かせる職場であることには違いなかった。 ドアを開けて室内に一歩進んだところで、かすかな躊躇を覚えてドラえもんは踏み出した足を引っ込めた。そこは自分に割り当てられた部屋であり、寝起きをするようになってからすでに数ヶ月が経過している。入ることを誰に止められるいわれもないし、別に何か不審な点があったわけでもない。 念のためにもう一歩下がってドアのわきを見てみれば、予想を裏切られることもなく「ドラえもん」と記された表札がそこにかかっていた。 いつになったらこんなことをせずにすむようになるのだろうか。自分の姿に半ば呆れながら、いつもその日の仕事を終えてからするように、ドラえもんは部屋の壁と一体化したテーブルの前に座った。その上にしつらえられた端末を起動させ、その画面に表示された内容に目を通す。 『2件ノ着信アリ』 一方の差出人は、あのタイムパトロールの隊長。彼は――と言うより、タイムパトロールの組織全体が――ドラえもんに同情的で、いくつかの件については少々の無理も聞いてくれていた。今回のメッセージは、依頼していた事案が達成できたことを伝えてくるもので、これには丁寧な文章でお礼状を送ることにした。 さて、もう一方はと言うと、これはユービックから。中身に目を通すと、ロボット学校での生活や、日常生活の細々としたことが新鮮な驚きとともに綴られている。 新しい環境に慣れようとして四苦八苦する友人の姿を思い浮かべ、嬉しさとともに一抹の淋しさを感じてドラえもんは微笑んだ。こちらに来たばかりの頃は毎日のように届いていた彼からの私信も、最近は週に一度に減ってきている。いい加減、自分も自立しなければいけない。 そんなことを考えながら画面をスクロールさせ、メッセージの最後まで読んだところで、ドラえもんは目を見開いた。文面の最後に、校長先生からの伝言としてロボット学校で働かないかという誘いが記されていたからだ。 当然と言えば当然の話で、結局、自分の存在を誰にも知られずにいるというわけにはいかなかったということになる。おそらく、ユービックがロボット学校の手に委ねられると決まった時点で、校長先生にはあの事件についての説明があったに違いないのだから。 したためたユービックへの返信の最後に、心遣いに感謝しつつもそれについては断る旨を追加することにし、ドラえもんはできあがった二件のメッセージを送信した。 いっそ、馴染み深い場所で、罪深い思い違いをしたまま生きられたならそれも幸せだったのかもしれない。でも、―― 部屋の隅に置かれたままのタイムテレビを眺めて、ドラえもんはため息をついた。あの日以来、一度も電源を入れられることもなく、入力キーや画面の上にはうっすらと埃が積もっている。 そんな思い違いも許されないことは、もう十分に知っていた。 「遺言」 突然の物音に、ドラえもんは道具を磨く手を休めて顔をあげた。 もしかしてネズミじゃないだろうか? とっさに頭に浮かんだ考えに身が竦む。恐る恐る首をめぐらせて背後を確認し、そうしてやっと緊張を緩めた。 振り向いてみればわかることだった。今も聞こえているその音は、この部屋の主、野比のび太の机がたてている音。いや、より正確には、動きが渋いその引き出しが“内側から”開けられようとしている音に違いない。 なら、ネズミなどということはありえない。大方、未来デパートがダイレクトメールでも送ってよこしたのだろう。そう結論づけると、ドラえもんは立ち上がった。 立ち上がって机に近付き……出し抜けに開いた引き出しに、頭をしたたかに打たれてその場に倒れた。 「タイ……大丈夫かね?」 「ええ、なんとか」 そう言ってはみたものの、目の前では星がチカチカと瞬いている上、耳鳴りのせいで相手の声もよく聞こえない。一度目を閉じて頭を振ると、ドラえもんはその場に座りなおした。 時がたつにつれだんだんと視界が元の明るさへと戻っていく。その中央に、見覚えのある服装が写しだされていくことにギクリとさせられながら、彼は目の前の人物の次の言葉を待った。 「もしかすると、君は私のことを知っているのかもしれないが…… 見てのとおり、私はタイムパトロールの者だ。 “別の世界の君”に頼まれていた物を届けに来た」 〇〇〇 カウンタがちょうど一時間を刻んだところで、ドラえもんはビデオの再生を中断した。記録ディスクをタイムテレビの中から抜き取ってポケットの中へ収めると、自然とため息が漏れていた。 いくら覚悟をしていても、辛いものはどうしようもなく辛いし、哀しいものはどうしようもなく哀しい。そんなことを今更になって思う自分に苦笑しつつ、彼はタイムテレビの操作を再び開始した。 画面に映し出されたもの。それは。 「決意」 タイムテレビの前で、彼はそっと呟いた。 「もう二度と――」 「日常」 天気予報は本当にあてにならない。雨粒が叩きつけられる窓ガラスを眺めて、僕はため息をついた。 予報が外れたこと自体は大した問題じゃない。雨が降り始めた時は少し不安になったけれど、ドラえもんが迎えに来てくれたから、ずぶ濡れにならずにすんだ。後で自分がパパの迎えに行かないといけないのはちょっと面倒だけれど、それもまあいい。 本当に問題なのは、どこにも遊びに行くあてがないことだ。しずかちゃんちに行ければ良かったんだけれど、都合が悪いと言われてしまった。 こんな日には…… (やっぱり昼寝が一番) 僕はそう結論づけてランドセルをその辺に放り投げると、引き寄せた座布団を枕にして畳の上に寝っころがった。 (……あれ?) 眠りにつくほんの一瞬前に、微かな違和感を覚えて僕は跳び起きた。 部屋を見渡すまでもない。体を起こしてちょうど正面、ドラえもんが寝床にしている押し入れの襖に、竹刀が立て掛けてある。 なんで、こんなものがここに? 僕は襖の前まで這っていき、それを手にとった。 「今日のおやつはドラ焼き~♪」 「ねえ、ドラえもん」 都合の良いことに、ちょうどその時、上機嫌のドラえもんが鼻歌まじりに部屋に入って来た。早速、この竹刀について尋ねてみることにする。 「ん? なんだい?」 「こんな竹刀、どうしたの?」 「え!? ああ、それ? ええと、この前ジャイアンが君を追い回してたことがあったろう。 そのとき取り上げといたのがポケットの中を整理してたら出てきたんだよ」 「……そんなことあったっけ?」 「あれ? 覚えてないの? まあ、いいでしょ。しまっちゃうから返してよ」 怪しい。……あ、今、目をそらした。何か僕から隠そうとしているな。 よし。 「そんなこと言ってさ。僕に使わせたくないだけで、実はひみつ道具だったりするんじゃないの?」 僕がそう言うと、ドラえもんはきょとんとした顔でこっちを見つめてきた。黙ったまま何も言わないから、なんだか気まずい。 「な、なんだよ」 「ク、クク。ウヒャハヒャヒャ」 と、思ったら突然吹き出し、腹を抱えて大笑いし始めた。 そのまましばらくゲラゲラと笑いつづけて、しばらくして言うことには、 「フヒ、フヒヒヒ。き、君は実に……まあいいや。変なこと言わないでよ、のび太くん。 それはただの竹刀で、ひみつ道具なんかじゃないよ」 もう。そこまで笑うことないじゃないか。僕がふくれてそっぽをむくと、ドラえもんはそれを宥めにかかってきた。 『ごめん』とか、『あんまり突拍子もなかったから、つい』とか色々と言ってきたけれど、しばらく許してやるもんか。……とは思ったけれど、こんなことで意地をはるのも馬鹿馬鹿しいからすぐに振り向いた。 そしたら、やっぱりあの気色悪いにやにや笑いに出迎えられた。 目の端に浮かんだ涙をぬぐったりなんかしちゃってさ。泣く程面白かったって言うわけ? 変なドラえもん。
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虐襲4 584 :名無したちの午後:2011/11/09(水) 18 39 58.34 ID afuJrjCN0 虐襲4 フレイ 手コキ4、輪姦手コキ1、手袋手コキ1、アナル舐め手コキ1、足コキ1、フタナリ手コキ1 トルク 手コキ1、フタナリ手コキ1 ネグ 手コキ1 コキ語 手コキ 意外な伏兵。特にフレイの手コキ4はアングルは同じだが、逆手コキや亀頭掴みだったりとCGが違い、なかなかのこだわりを感じる。 異種姦が多いので人は選ぶが、コキゲーとして買っても損はしない。オススメ。 関連レス
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コキのあるゲーム一覧 コキのあるゲームの一覧です。 ※手コキ足コキとは限りません。 あ行 か行 さ行 た行 な・は行 ま行 や・ら・わ行 英数字 あ行 ああっお嬢様っ あうあう アウトライン 青い鳥 青空の見える丘 朝凪のアクアノーツ 甘艶母 青空がっこのせんせい君 アッチ向いて恋 あなたと見た桜 あねてぃ!? 兄嫁はいじっぱり あまかん あまつみそらに! 雨に歌う譚詩曲 委員長のいいなり教師 委員長は承認せず! イキジゴク いじケア いつまでも… 神長さん家の春夏秋冬 田舎でシよう!2 いな☆こい! 妹汁 妹でいこう 妹(に)交姦(される兄)の会 ヴェルディア幻想曲 うそ×モテ うちの妹の場合 うつりぎ七恋天気あめ 裏入学 エッチなバニーさんは嫌い?2 おいしい魔法のとなえかた 王立ネコミミ学園 お母さんは俺専用! オカズは27歳女教師 幼なじみは大統領 オシオキSweetie お嬢様のために鐘は鳴る おとこの娘はおんなの娘が好き 処女はお姉さまに恋してる 鬼医者 お姉ちゃん先生 叔母の寝室 思い出アルバム おやつのじかん 俺たちに翼はない 俺の彼女のウラオモテ 女の子のヒミツ か行 カオスべいべ~義美 下級生 下級生2 がくと! 家族計画 彼女たちの流儀 神様のいうとおりッ カラフルキッス カレンダーガール 河原崎家の一族2 がんがんイコうよ がんばりどーたー キスと魔王と紅茶 きすみみ! 犠母妹 君と恋して結ばれて きみはぐ ぎゃくたま2 キラリ南国小麦色 霧谷伯爵家の六姉妹 クドわふたー グリーングリーン3 ぐりぐりキュートユフィ 黒髪少女隊 くろふぁん4GHZ けがれた英雄 快落 恋色マリアージュ 恋騎士Purely☆Kiss 恋する妹は切なくてお兄ちゃんを思うとすぐHしちゃうの 恋Q! 恋夏 こころナビ ご主人様だ~いすき コスってマイハニー こすままにあ コズミックマン こっすこす! この青空に約束を この胸の中 生きて… コレクター 檻の中の美少女 こんな娘がいたら僕はもう…… こんねこ さ行 ザーメンジャンキー 催眠学園 催眠術2 さくらシュトラッセ さくらビットマップ さっきゅば☆SOON サド姉さんのエッチなおもちゃにされる僕。 しーしーしんどろーむ 汐見崎学園演劇部 恋☆ぷれ シ・カ・エ・シ ジサツのための101の方法 思春期 シスターコントラスト シスターマリヤの桃色聖歌 肢体を洗う 死神のテスタメント ~menuet of epistula~ 忍ちっく☆はぁと 姉妹妻 しまいま 車輪の国、向日葵の少女 雀虐2&3 純愛girl しゅ~てぃんぐ妹スター シュクレ 少女連鎖 小交女 ショコラ 処女ママ 白鷺の鳴く頃に しる☆シルっ!! 白詰草話 シンクロナイズドリーム 親戚の小母さん 水夏 水平線まで何マイル? すくぅ~るメイト すずり先生と26個のエッチなオッパイ すぱっちゅ! スマガ セイクリッド・プルーム 聖肛女 ぜったい絶頂☆性器の大発明!! せふれしんどろーむ せんせいがおしえてあげる 先生だ~いすき2 洗濯屋しんちゃん 相姦遊戯 操心術0 ソニックプリンセス それは舞い散る桜のように た行 ダークロウズ だっこしてぎゅっ! だぶる先生らいふっ チェリーボーイにくびったけ 痴漢サークル 痴漢サークル2 痴漢サークル3 乳ちちちちち~ッ! ちゅうちゅうナース 超昂天使エスカレイヤー 尽くしてあげちゃう 尽くしてあげちゃう2 つくしてあげるのに! つぼい君のスイッチ! 妻いじり 人妻×人妻3 妻みぐい つよきす 天使のひめごと 天使の罠 同級生 どうして抱いてくれないの? ときたまふぁんたずむ となりのお姉さん 智代アフター とらいあんぐるハート とらいあんぐるハート3 虜 ドリル少女スパイラルなみ トロピカルkiss どんどこドーン!~真夏のこーふんどC~ な・は行 夏色あさがおレジデンス 夏の終わりに ななプリ 二重影 任侠華乙女 人形の館 姉、ちゃんとしようよっ! 姉、ちゃんとしようよっ!2 ね~つま はぁ・はぁ・テレパス 灰被り姫の憂鬱 ぱいめが パクっちゃうぞ!! ぱすてるちゃいむCONTINUE 果てしなく青い、この空の下で…… 花と乙女に祝福を 花の記憶 第七章 はぴねす!りらっくす はぴぶりいまさらふぁんでぃすく パペットプリンセス はめドリ ハルカナソラ 陽だまりのはな 人妻コスプレ喫茶 人妻戦隊アイサイガー 媚肉の香り 姫様限定 ひめしょ ひよこのキモチ ファインドラブEX フェチ 裏の記憶 フェ○りんぴっく フォルト!!S ふた魔女 ぶらばん! 不倫家族 ~誤利用は計画的に~ プリンセスうぃっちぃず プリンセスラバー! ぷる萌えンジェル アイドルあいこ べっぴんママ へんしんア・ラ・メイド へんし~ん へんし~ん2 放課後キッチン ぼくの巫女さま ぽこぽこ軍将 ホチキス ま行 マーブル★ブルマ 毎日がM 魔界天使ジブリール 魔界天使ジブリール4 まじかるLOVEれっすん ましろ色シンフォニー 真夏の夜の雪物語 魔法少女の大切なこと 魔法少女Twin☆kle 魔法のミルクティーにおねがい まほこい まほ☆たま スク水編 まほ☆たま ブルマ編 ママごと 継母調教 守ってあげちゃう就職パーティー編 み・こ・こ・ん 巫女さんファイター涼子ちゃん 水恋 水の都の洋菓子店 瑞本つかさ先生の(エッチ)を覚える大人の性教育レッスン! ミセスジャンキー みにょっ!2 未亡人 ~ぬめり合う肉欲と淫らに濡れる蜜壺~ 六ツ星きらり メイドさんと大きな剣 めいどさん☆すぴりっつ めがちゅ! メカミミ めばえ モノごころ、モノむすめ や・ら・わ行 館熟女 夜勤病棟 夜勤病棟弐 夜勤病棟参 夜想文化祭 闇の声異聞録 闇の声Ⅱ ヤンデレな彼女に死ぬほど尽くされる 結い橋 ゆうわく家族エッチ 雪蛍 ゆのはな 夢見白書 ユメミルクスリ 要!エプロン着用 夜が来る! らぶ2Quad らぶデス らぶフェチ サド編 らぶフェチ 三者面談編 ラブリー・ラブドール リアル妹がいる大泉くんのばあい リトルモニカ物語 ローデビル 和姦催眠 ワルキューレロマンツェ ワンダリング・リペア 英数字 ANGEL NAVIGATE auction BibleBlack BIN★CANダーリン Canvas2 C.D.C.D/2 CLEAVAGE CloverPoint Cute days innocent DEEP2 DEVOTE2 Dies irae DRAC-RIOT! effect~悪魔の仔~ ELYSION Emblem ENGAGE LINKS FairlyLife FESTA!! FIFTH TWIN FORTUNE ARTERIAL FOLKLORE JAM FromM GRAND LIBRA ACADEMY greenhorn HAPPY HEARTWORK HideMind HoneyComing Immoral Emotion KISS×400 Lunaris Filia Love Lesson LOVELOVEロボッ娘 LOVERS Love Split LOVELY×CATION MACHINE MAIDEN May Queen Nails nega0 Orange Memories Orange Pocket Princess Bride PRISONER PRIVATE EMOTION quadrant REさいくりんぐdays Really?Really! relations sister×sister RU.RU.R se・きらら seduce schoolぷろじぇくと Sixty Nine2 Sugar+Spice!Party☆Party stitch vision WhitePrincess YU-NO _summer &LOVE √ after and another 1/2 summer 2×4! 3days ×××な彼女が田舎生活を満喫するヒミツの方法
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539 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 12 40 05.25 ID HTqRC3+u0 ちょっと報告 クトゥルフ神話をプレイした時なんだけど プレイヤー同士で意見が分かれたら あれこれ言い合う前に じゃああなたのプレイヤーがぼくのキャラクターを 説得しようとしたとしてダイスロールお願いと言い始めた それもまあありかなと思い ダイスしたんだけど それから事あるごとにプレイヤー同士の ダイスロールで行動を決めようとし始めた 追跡中のNPCがバスに乗り込んだ そのバスの後ろからタイミングよくタクシーが来た さあどっちに乗る? 意見が分かれたら説得ダイスロール NPCが襲われている 助けに行くか見捨てるか? 僕はいかない方がいいと思うので 抑え込みロールであなたを止めます 始終こんな感じ 意見が全然まとまらない煮詰まってきたときなら いいかもだけど おかげでいつものプレイ時間の半分以下ぐらいで 終わったけど… TRPGってそういうもんじゃないよね? 541 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 12 54 35.57 ID eCF6/5lj0 539 何がまずいのかが分からない ロールの結果に合わせて説得やらの演出でも後付けで入れてやればいいんでない? 542 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 13 20 31.42 ID pAbDqSW00 539 凄くもにょるな 私は意見を曲げる気はありません、話を聞くきもありません、って言ってるようなもんだし 特になるべく話し合いたいCoCでそれは致命的すぎる、説得技能が上の奴の意見は絶対みたいなもんだし GMが言い出したかPLが言い出したかで困度が変わるけど 543 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 13 33 23.50 ID xgL4K5aF0 NPC助けるかどうかについてはもう、ダイスで決めるために無理矢理反対意見を作り出してるような感じだな 545 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 14 15 46.30 ID HTqRC3+u0 542 そのダイスロールをやろうって提案するときも 結構気を使って自分の方が成功率低いときに 言ってくれるんですが そこまで気を使うならダイスロールじゃなくて 俺をリアル説得するようお願いしますよ!! って言いたかった 俺はあーだこーだ言い合うのが楽しいし それがTRPGの醍醐味だと思ってたけど 多分その人はストーリーを早く進めたいんだろうし ダイスロールが好きとか もしくは言い争いがヒートアップして卓が収集つかなくなるのが 嫌なんだろうかと思った 俺とその人の考えどっちが正しいとかはないんだろうけど どっちかというと俺の考えの方が正しいよね?とも思ったり 546 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 14 41 34.43 ID D9aEez0n0 545 正しいと言って欲しいようだが駄目だ どちらが正しいかは言えん リアル説得は上手い落とし所を見付けるのが大変だ お互いに得しないといけないから説得が不可能な場面もある 「これ以上会話するのが苦痛だからこっちが折れた方が『得』だ」 なんて最悪のパタンもある 意見が全然まとまらない時ならいいというが どのくらい時間をかけたらそうと言えるかなんて人それぞれだからな まあ俺はどちらかというとリアル説得に否定的なんだ、時間かかり過ぎるから 昼に始めて翌朝終わってないとか辛いし楽しくないんだよ 547 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 14 45 46.40 ID z+f+I2zX0 PC同士じゃなくてPL同士が話し合えよ PLがお互いメタで落とし所を話し合うんだよ 548 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 14 47 05.67 ID eCF6/5lj0 リアル説得とか大抵グダグダにしかならんし、それをやるとPCの能力がスポイルされてPLの能力依存になってしまうんだよな 549 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 14 49 45.00 ID zN5savQG0 俺も、リアル説得の比重があんまり高い卓は好きじゃないな。 特に、交渉系スキルが有る場合。 大概の場合はスキルの値がどうであろうと、口が達者なPLが勝ってしまう。 551 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 15 13 37.52 ID pAbDqSW00 545 いやだからPLなのかGMなのかどっちだよ 552 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 15 14 50.16 ID WaaCMsPv0 539の報告者はPC同士で相談して行動したい、と考えてるようだが 被報告者(困とは言わん)の方はPC1人1人での考えの違いはあって 互いに納得しなくてもしょうがないと割り切ってるのかなと 他の参加者やキーパーの反応はどうだったんだろ 554 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 15 42 27.11 ID 2x+2UFsy0 539 KPの裁量によるかなぁ PLの姿勢としてどっちが正しいかはちょっと言いづらい。人にもよるしな 自分がKPなら、PL感で話し合い拒否して終始ダイス対抗で通そうとするなら寂しいとは思うが 議論が平行線になりそうだったり片方が口プロマンチで抑えつけようとしたらダイス対抗を促すだろうし とっさの抑え込み対抗はありだと思う 555 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 16 24 00.28 ID bHXtrGE+0 539 邪推で発言するのを許してもらいたいが お前さんが強情な奴でPL同士の話し合いじゃ延々話した末に譲らざるを得ない なんて状況が頻発するなら割り切ってダイスロールで決めたくなるな 妥協点を探すといいつつ自分の意見をごり押ししかしないのはいくらでも見てきたし 557 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 17 26 29.90 ID 7YGEc0v70 話し合いや口プロが過ぎたらテンポ悪くなるしこじれる システマティックになり過ぎたらTRPGやってる意味が薄れる 難しいよな いちいち考え込まず臨機応変に対応できるのが一番いいんだけど 558 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 17 53 56.89 ID qDE0SAfy0 議論でグダグダしたらそりゃよくないけど、それ以前の段階だからなぁ そいつがロールで決めたいと言うのと同じで、もう少し話したいと提案すりゃいい 559 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 18 16 32.25 ID qIU7gDpP0 対抗ロールが無いCoC(日本語だろうから6th)でPC間の対立を判定で何とかしようとするのはアホだと思うなぁ 560 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 18 28 53.15 ID OERXrUxg0 そういうのって面子次第になっちゃうよなぁ 正直、特定の面子想定しないなら、GMのバランス感覚に依存する以外の解決方法が思いつかないわ 561 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 18 30 09.44 ID MHBRh70S0 俺はあーだこーだ言い合うのが楽しいし このへんからきちんと議論じゃなくてただグダグダスルのを楽しむ感がするんだが 562 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 18 32 07.27 ID MHBRh70S0 なんつーかこう納得したいけど俺のPCはアレなんでPCで説得してくれとか議論するためだけの反論とか。 563 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 18 58 47.81 ID HTqRC3+u0 551 プレイヤー側 GMは議論で出してもダイスロールどちらもいいよって感じだった みんなの意見見て 俺も反省した 俺はそういうあーだこーだいうのが好きで それを強制してるという点で俺が悪いんだな おれはいろんな意見が出て盛り上がるのが好きで 誰かの意見が出てきたら俺の意見は引っ込めるってやり方で バランスとれてるプレイヤーを気取ってることに気付いた 564 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 19 12 08.62 ID Nb2klPOn0 話し合いでやろうぜ!っていう提案とダイスで決めよう!って提案はどっちも悪くないからな 卓内でコンセンサス取って、まずは話し合いしてみよう、って卓にしてみたら? グダりそうな話し合いは、取り合えずダイスで解決しよう!ってコンセンサス取れてる卓ならそれでいいんだし どうしてもダイス!って言う人がいるなら話し合い卓だけは参加断ったりね そういう卓にしたいなら自分から働きかけてみたら? 563がPL専でくだ巻きたいだけじゃないならな 565 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 21 16 00.72 ID 2x+2UFsy0 559 細かいツッコミをさせてもらえばCoCはBRPベースだからPvPや対NPC能力値対抗による抵抗ロールがあるだろ スキルの意味が薄くなるし、セッション中そんな他用するもんじゃないが 566 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 21 27 59.85 ID xgL4K5aF0 いつものプレイ時間が10時間でそれが5時間で終わっちゃった!とかだと報告対象大正義になっちゃうのか 567 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 21 41 01.95 ID sWID+KbY0 563 >誰かの意見が出てきたら俺の意見は引っ込めるってやり方で >バランスとれてるプレイヤーを気取ってる うぐっ 俺もやっちゃってるかも… 568 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 21 50 41.52 ID WDBstCaB0 539 あなたの「プレイヤー」? 569 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 22 05 07.16 ID XH9y7Tzq0 565 日本語COCに無いってレスにBRPにあるって言うのは細かい突っ込みでも何でもないような 570 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 22 10 36.87 ID YDJ0J2hY0 対抗ロール自体はある PC間で対抗ロールするようには作られてないけど 571 :ゲーム好き名無しさん:2015/08/18(火) 22 36 54.41 ID OJFQymTW0 誰かの意見が出てきたら俺の意見は引っ込めるってやり方 いつもいつもそんな事してるんじゃ、単にウダウダ言い合いたいだけで真面目に議論する価値のない相手って思われても仕方ないような… スレ421
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846 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/06/14(日) 02 56 11 ID ??? もしも吸血鬼に襲われたら アムロ「騎士とは! 武術と魔術を使いこなしてこそ!」→ターン・アンデッド セレーネ:いかん、このスレのセレーネだと、自分から吸血鬼になって兄弟を追い回しそう… シロー:署に立てこもってぷちバイオ・○ザードな展開? マイ「こんなこともあろうかと」 →空中分解→ウボアー ドモン「ふっ… いかな吸血鬼とはいえ、砕いてしまえば動けまい! 流派!東方不敗が(ry」 コウ:シーマ様においしくいただかれた模様です。(吸血鬼的な意味で) カミーユ:ぷちバイオ2。 パートナー選択でマルチ・ストーリーに! シーブック:石仮面→セシリー→のコンボで真っ先に被害に… でもセシリーと一緒なのであまり気にしていないようです。 ロラン「月光蝶!!」 グエン(吸血鬼)「なんだかずるくないかねーーーー!」→繭に包まれました キラ「もともとお日様浴びないし~♪」カッチャカッチャ シン:ぷちバイオ3。 パートナー選択アリだけど話は一本道です。 ネーナ(吸血鬼)「せっちゃああああああああん!!」 刹那「ガンダアアアアアアアアアム!!」 ヒイロ「○三○○経過報告。 日の出まであと一時間…次の潜伏先へ移動する」 ガロード:えっちい衣装のティファ(吸血鬼)にKO! ジュドー「しまった、囲まれた! ……なーんてね!」パチン! 仲間たち「「「待ってました!」」」 つ【紫外線灯】 ウッソ:男相手にはスペシャルな所を見せつつ、おねーさん吸血鬼にコロッと。 アル&シュウト:キャプテンとコマンダーの最強タッグが守ります。 847 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/06/14(日) 04 10 02 ID ??? 846 ガーベラ「コマンビーめ、あの一家に飼いならされおって。しかもあいつら後ろから狙われてるぞ仕方ない食らえ」 吸血鬼「ウボァー」 コマンビー「!!」 シュウト「あ、マドナッグありがとー」 ガーベラ「か、勘違いするなよ!私は発明した日焼けマシンのテストをしただけだからな!」ダバダバダバ キャプテン(ニヤニヤしている) コマンビー(ニヤニヤしている) アル(…モビルシチズンのニヤニヤ顔って言われても区別つかないよ) ディアナ「ロラン、タイトルが月で始まる吸血鬼ものは知っているかしら?」 ロラン「キラが読んでいた気がしますけど、僕はそれ以外何も知りません」 ディアナ「『姫』があるなら『女王』というのがあってもおかしくありません。そういうわけで私がロランの血をいただきます」 ロラン「じゃディアナ様が吸血kってそんなところから吸っちゃダメですアッー!」 848 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/06/14(日) 04 34 52 ID ??? ロラン「吸血鬼ものと言えば……『ポーの一族』ですね」 ギンガナム「小賢しいぞ、ローラ・ローラ! 小説のイラストぐらいしか接点は無いではないかぁ!」 メリーベル「ギム・ギンガナム!アタシの名前の元ネタぐらい分かっときな。 ね、エドお兄ちゃん」 ロラン「声優ネタはやめて下さい、それにエドガーですよ」 ギンガナム「おおっと、失敬失敬、何せ小生は靴ひもを結べないロランしか知らないのでな」 ロラン「それはアラン……!はぁ……もういいや」
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01-165 :名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 15 04 54 ID VHv2gzJA 差し出されたその手には… 私だって、何も最初から捻くれていたワケじゃない。 小さい頃は疑う事を知らなかったし、誰にでも心から優しく出来ていた。 皆が幸せなら、それだけで良かったと思っていた。 だけど、私はもう今の私になってしまったのだから仕様が無い。 気が付いたらこうなってしまっていた、今の私。 でも、別に不満は無いから困っているワケでもない。 原因を何となく過去に察する事は可能なのだけれど、それに気付くのも、対処するのも既に手遅れなのだから今の私なんだろう。 ゴメンよ、昔の私。救ってあげられなくて…。 でも、今の私もそれなりに人生を楽しんでいるから許してくれるよね? 昔の私は良い子だったから。 01-166 :名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 15 08 33 ID VHv2gzJA 「あ…!!神楽さん、ちょっと良いかな?」 名前を呼ばれて振り返ると、そこには良く知るクラスメイトの女子が私を指差して立っていた。 ショートカットの良く似合う、快活な女の子。 「あら、何かしら?榊さん」 私の言葉に、榊さんが愛想を浮かべて揉み手をしながら擦り寄って来た。 「えっと~…。実は、来月の学園祭の事なんだけど~、実行委員が決まってないのウチだけなんだ~」 申し訳無さそうな表情を浮かべてはいるものの、その瞳には獲物を狙う鋭さが漂っている。 その言わんとする所に、私は内心で溜息を吐いた。 「つまり、私に実行委員になって欲しい、と言うワケですね?」 「ゴメンよ~。ウチのクラスってバイトしてる人がやたら多くってさ~、皆時間取れないって言うんだもん」 「お願いだよ~」と懇願してくる彼女を、私は疲れた目で見た。 確かに、私はアルバイトをしているワケじゃないけど、アルバイトをしている人たちは自分の時間をアルバイトに使っているのだ。 他の人は自分の時間を謳歌しているのに、何故私が他人の為に時間を割かねばならぬのか。 そもそも、私だって自分の時間はちゃんと予定で埋められている。 成績上位は一日にして成らず、なのだ。 先の榊さんの言葉通り、学園祭は一ヵ月後。 二週間前から午前中授業に切り替わり、クラスに拠るが二、三日前には担任が監督して泊り込んで準備すると言う徹底ぶり。 毎年、OBや周辺住民を巻き込んで三日は騒ぎ続ける一大イベントなのだ。 実は売り上げは結構な額になっていて、そこから学生の学費補助などに当てられているらしい。 お陰でこの学園は私立であるにも関わらず、公立とそう変わらない学費で通えると有名なのだ。 『学校法人私立榊学園』。 目の前の御仁は、当学園の理事長の孫娘である。 「そうですね~。他ならぬ榊さんの頼みですし…」 「面倒臭い」の言葉を飲み込んで、私は了承の言葉を吐き出した。 学園祭の委員ともなれば評定も良くなるだろうし、何より地元の名家でもある彼女の心象を良くしておいて損は無い。 決して大きな街では無いけれど、私の街で榊の息の掛かっていない地域は殆ど無い。 財界政界にもコネがある榊家は、その権力で古くから周辺地域を守り、そして統治してきたのだ。 只、最低二週間。もしかすれば、一ヶ月は放課後を丸々準備に費やさねばならない事が私にとては結構なストレスになるかもしれないが…。 「ホントッ!?やった~、これで三人揃ったよ~っ!!」 榊さんが、握り拳を両手に作ってそう叫んだ。 「え?三人ですか?」 私の言葉に、榊さんが首肯する。 「実行委員は各クラス三人だよ?」 そう言えばそうだった。 何せ、規模が大きい私たちの学園祭では兎に角人数が必要なのだ。 まぁ、人数が増えればその分個々の負担が減るので寧ろ歓迎するべき事には違い無かった。 「えぇっと、それでもう一人の実行委員は誰なのですか?」 「宮路君だよ?」 その名前に、「あぁ…」と私は納得した。 彼なら、委員と言わずに頼まれれば何だってしてしまうだろう。 と、言うか。彼が誰かの頼みを断っているのを見た事が無かった。 一家に一台。クラスに一人。 そんな単語が良く似合う、私のクラスのお助け人なのだ。 「ちょっと待っててね?」 そう言うと、榊さんは携帯電話を取り出して早速連絡を取り始めた。 聞こえてくる数度のコール音がして、程無くその相手の声が漏れてくる。 「え~っと、宮路君?三人目が揃ったから、今から教室に来てくれる?顔合わせしたいんだけど?え?誰かって?ふっふっふ~。それは来てからのお楽しみ」 何だろう。私は何かの楽しみにされるのだろうか。 悪戯っぽく笑いながら話をする榊さんを眺めて、私の中では早くも己の警鐘が鳴り始めていた。 01-167 :名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 15 13 56 ID VHv2gzJA 「へぇ…。三人目って神楽さんだったんだ。宜しくね」 案外近くに居たのか、宮路君は直ぐに現れた。 同じクラスのメンバーなのだけれど、こうやって改めて顔を合わせるのは初めてかもしれない。 年下の様な幼い顔立ちに加えて、無垢な表情が更に輪を掛けてそう見せていた。それに、男子にしては小柄で身長も私より少し高いくらいだろう。 相変わらずの、人畜無害な雰囲気が漂っている。 「クラスメイトに今更宜しくも無いけどね~。まっ、こう言うのは気持ちの問題だし。やっぱり宜しくは言っておこうか?宜しくっ」 「よ、宜しく…」 カラカラと笑う榊さんに倣い、私も挨拶を済ませた。 「それじゃ、早速本題に移ろうか?言っとくケド、ウチが一番遅れてるンだからそこンとこ宜しくね」 榊さんの机に椅子を寄せて、三人での会議が始まった。 二人とも有能で、滞り無く話が進む事は私にとって有り難い。 丸投げにしているクラスメイトたちは、無理な内容でなければ実行委員の決定に従うと事前のホームルームで捺印させられている。 よって、私たちの裁量でクラスの出し物は喫茶店となった。 メニューに始まり、食材の買出しや火の管理。内装や制服、予算の積み立てが次々と組み立てられていく。 「よ~っし、じゃあ後の細かい微調整は明日話し合おう。今日はここ迄で解散。二人とも、お疲れ様でした~」 一時間と経たない内に企画書の骨子が完成し、榊さんの満足そうな表情で今日の会議はお開きとなった。 「お疲れ様でした…」 私も別れの挨拶を済ませ、順調に進んだ仕事の充実感を味わいながら帰り支度を始めようとした時、ふと私の目の前に手が差し出された。 「はい、神楽さん。今日はご苦労様」 そう言って差し出された宮路君の手には、飴玉が一つコロンと載せられていた。 「頑張った神楽さんに、ご褒美」 「え?あ?有難う…」 おずおずと、私が飴玉を受け取ると、宮路君が満足そうに微笑んだ。 「おぅっと?宮路君?アタイには何も無ぇのかい?欲しいな~、私も飴玉欲しいな~」 人差し指を指に咥えてねだる榊さんに、苦笑した宮路君が別の飴玉を取り出した。 「はいはい、じゃ榊さんには懐かしの小児科の味を…」 「って、オレンジかい!?風邪薬や水薬の味付けを髣髴させる、なんて渋いチョイス…。まぁ、地域で味も違うンだけどね…」 ブツクサ呟く榊さんだが、貰った飴玉を口に放り込んでコロコロと転がし始めると、ほんわかと頬を緩ませた。 「うんうん、やっぱ労働に対価は必要だね~…。アタシャこのひと時の為に今日を働いてんだよ…」 その表情があまりにも幸せそうに見えたからか。 気が付くと、私も自然な動作で宮路君の飴玉を口に入れていた。 「あ、美味しい…」 柑橘系の甘酸っぱい味が、不思議な懐かしさと一緒に広がっていった。 味覚が感じるその甘さに、意外にも私が疲れていたのだと知らされる。 いや、これはきっと身体の疲れだけじゃないのかもしれない。 乾いた土に、水が染み込む様な。そんな気分にさせられる。 「じゃあ、僕はこれで失礼するね」 「あ…」 「有難う」と言う前に、宮路君は教室を出ていった。 コロコロ、コロコロ…。 いつか昔の子供の様に、私は久し振りに宮路君の飴玉を溶ける迄嘗めていた。 01-170 :差し出されたその手には…:2008/08/07(木) 22 16 47 ID VHv2gzJA 差し出されたその手には…(2) 優秀な二人のお陰もあってか、企画書の手直しはどんどん進み、週末に差し掛かる頃には何と私たちのクラスは既に学園祭の準備に取り掛かれる程になっていた。 そして、アルバイトで時間が取れない生徒が多い私たちのクラスでは、遅く迄学園に残らない代わりに来週から準備を始める事となった。 なのだけれど…。 「あ、そろそろ俺バイトだわ。悪い、今日はここで抜けるわ」 「私もバイト行くね~」 一人の生徒を皮切りに、ぞろぞろと芋蔓式に抜けていく生徒たち。 本当に、何で私たちのクラスにはこんなにアルバイトをしている生徒が多いのか。 この時期は学園祭があると解っているのだから、正直アルバイトを自粛して欲しい気がする。 そんな私の考えなどつゆ知らず、隣で企画書と作業進行をチェックしていた宮路君は去り行く彼らに律儀に別れの挨拶を掛けていた。 「お疲れ様~」 「あいよ~」 「まったね~」 そして時計の針が六時を回る頃には、教室には私たち実行委員の三人だけが残って作業を進めていると言う始末。 何だか、割に合わない気がしないでもない。 まぁ、評定やら何やらでその分は返ってくるのだと私は自分に言い聞かせた。 と、 「この儘いけば、喫茶店は充分間に合いそうだね~」 喫茶店の女子の制服をミシンでカタカタ縫いながら、榊さんが楽しそうに呟いた。 「結構皆もギリギリ迄残ってくれてるし、やっぱりクラスの出し物は皆で楽しみたいモンね~」 とは言っても、放課後一時間で殆どがアルバイトに行ってしまっているのだが…。 「よし、一丁上がりっ。次、いきましょうか~」と、内心でボヤく私の前で次々に制服を量産していく榊さん。 正直、この手際の良さは本職ではなかろうかと私は思う。 「こっちも一丁上がり」 と、気付けば宮路君も男子の制服をどんどん仕立て上げていた。 何だろう。この異常にスペックの高い二人は…。 一緒に仕事をする様になって気付いたのだけれど、この二人は一人で優に数人分の仕事を平然と熟していた。 正直、勉強しか取り柄の無い私が二人の作業についていけるワケがない。 更に付け加えるならば、二人とも学業成績は優秀で、辛うじて私が頭一つ勝っていると言うくらい。 まぁ、他人は他人。私は私。 二人の美点は認めるし、美点が無いからと言って私の欠点が増えるワケでもない。 無理して何か出来る様になっても、結局は何処かで綻びが出てきてしまうのだ。 無理はしない。それが私の主義なのだ。 「ん~…。今日はこれくらいにしとこうか?そろそろ八時回るし」 三人の仕事が一段落着いた所で、榊さんが今日の仕事の終了を宣言した。 「そうだね」 「お疲れ様…」 私の台詞に続いて、榊さんと宮路君が互いに労う言葉を述べ合った。 「と言うワケで。はい、二人とも」 と、宮路君が私たちに恒例となった飴玉を差し出した。 01-171 :差し出されたその手には…:2008/08/07(木) 22 18 41 ID VHv2gzJA 「ひゃっほい!!愛してるぜ、宮路~」 「あ、有難う…」 飴玉を受け取る私の隣で、何処と無く男前な台詞で飴玉を受け取る榊さん。 毎回思うのだけれど、榊さんって一応お嬢様の筈よね? 「って、またオレンジかいっ!?」 渋い表情でコロコロ飴玉を転がす榊さんに、名家のご令嬢など言う雰囲気は微塵も感じられない。 澄ましていれば間違い無く美人だと思うのに、今の目の前の榊さんは普通の女の子以外の何者でもなかった。 「ところでさ~、宮路君。何で飴チャンとか配ってるの?」 帰り支度をしながら、榊さんが宮路君に訊ねた。 「そうだね~。僕が飴持ってたからかな?まぁ、他のお菓子があったらそれあげちゃうかもね」 「いや、そうじゃなくて。お菓子を持っていたら、何で他の人にあげちゃうワケ?」 「う~ん…。多分、喜んで貰えるからかな?ホラ、お菓子貰ったら何となく嬉しい気持ちにならない?」 まぁ、悪い気分にはならないとは思うケド。知らない人からだと不信感バリバリな気がするのは私だけ? 「なるっ!!そして、ホイホイ付いて行っちゃうかも…!!」 アレ?お嬢様、何を仰られているのデスカ? 私の視線を感じ取ったのか、榊さんがこっちを向いて両手でガッツポーズをした。 「大丈夫、神楽さんの分も包んで貰うからね?」 大丈夫なのはそこじゃねぇです…。 息を巻いて目を輝かせる榊さんに、私は肩を落とした。 「じゃ、私はここで~っ!!」 「気を付けてね、榊さん」 「さようなら…」 元気良く手を振る榊さんと別れると、私と宮路君は途中まで一緒の通学路を歩き始めた。 コツコツと、二人の足音だけが月明かりの中で聞こえてくる。 「今日は、結構進んだね」 「えぇ、そうね…」 何処か弾んでいる宮路君の声に釣られて、私もつい嬉しそうに返した。 物臭な性分がある私だけれど、やると決めた事は必ずやるのが私の信条だ。 と、今日の充足感に浸っている私の隣で、宮路君が盛大な溜息を吐いた。 「実は、今日で飴玉のストックが切れたんだ。明日から何を持って行こう…」 「………」 そんな理由で、私の隣で陰鬱そうな溜息を吐かないで欲しい…。 「別に、又飴玉でも良いんじゃないかしら?」 「でも、同じのだと飽きられない?」 「まぁ、何だかんだで榊さんは気に入っているみたいだし、私は構わないと思うわ」 「そうかな?だと良いケド…」 何処かほっとした宮路君の言葉に、少し、胸に爪で擦ったような感覚が広がった。 多分、こんなどうでも良い事に悩んでいた宮路君に呆れてしまったのだろう。 きっとそうだと、私は思った。 続く? 01-173 :差し出されたその手には…:2008/08/09(土) 02 15 08 ID KY5Vor/B 差し出されたその手には…(3) 「今度の休みに、三人で買い物に行かない?喫茶店で使う道具とか材料とか調達したいものとか割とあるんだ~」 ここ一週間ですっかりお馴染みになってしまった三人だけの準備作業で、榊さんがそう切り出した。 「そうなんだ?」 「だけど、何を買いに行くの?制服は今ある生地で全員分仕立てられるし、紙食器も十分に用意してますし…」 私の言葉に、榊さんが「ふふふ~」と得意そうな笑みを浮かべる。 「実は、喫茶店で使う材料なんだけど。その材料の買い付けにね~」 「へぇ~。榊さん、そう言うのに詳しいんだ?」 素直に感心の声を上げる宮路君。 だけど、私は少し気になる事があった。 「そう言うのって、原価はどれくらいなんですか?あまり高価だと、予算が不足してしまう様な…」 「大丈夫、大丈夫~。そんなに高価なモンじゃないから。『値段の割に質が良い』くらいの買い物の予定なの」 そう言って、榊さんは改めて私たちに視線を送ってきた。 「まぁ、それなら…」 本当は貴重な休日は一人で過ごしたかったのだけれど、私は榊さんの買い物に付き合う事に決めた。 それに、最近は私も街に出ていなかったし、ついでに羽を伸ばしたかったのだ。 いくら順調な仕事とは言え、週五日の放課後をずっと準備作業に追われていたのだから気分転換の一つもしたくなってくると言うものだ。 「そうだね、荷物持ちとか男手も要るみたいだし」 この時点で既に荷物持ちの自覚ありとは、流石はお助け人の宮路君。 と言いますか、彼のこの出所不明の積極性は一体何なのだろう。 奉仕の心なんてずっと昔に擦り切れてしまった私には、ちょっと理解出来ない。 「よし。それじゃ、土曜の10時に平坂公園の噴水前で良いかな?」 「うん、良いよ」 「分かったわ…」 かくして、私たち三人での買い物が決まったのだった。 01-174 :差し出されたその手には…:2008/08/09(土) 02 20 32 ID KY5Vor/B 「あ、神楽さん」 集合時間の十五分前、指定された平坂公園の噴水前にはバスケットを提げた宮路君が立っていた。 「えっと、宮路君。今日は…」 挨拶をする私だが、如何せん彼の持つバスケットについ目が向けられてしまう。 そんな私の視線に気が付いた宮路君が、都合(ばつ)悪そうに頭を掻く。 「一応、皆のお弁当作ったんだけど…。張り切り過ぎかな?」 間違い無く、張り切り過ぎです。 そう思う一方で、私は男の子の、宮路君の作ったと言うお弁当が少し気になった。 昼食を摂りながら三人で話し合いをする事もあったけど、そう言えば宮路君はいつもお弁当だった気がする。 「宮路君が作ったの?」 「うん。朝ご飯作るついでにね…」 「あ、でも朝ご飯と同じご飯じゃないよ?」と付け加える宮路君だったが、それよりも私は休日の朝から自炊していた宮路君に少し感心してしまった。 一体、宮路君はいつ休んでいるのだろうか。 「お、皆早いね~」 と、そこに元気な声が響いた。 「あ、榊さん」 宮路君の視線を追うと、手をヒラヒラと振りながら歩いてくる榊さんがいた。 「ややっ!?宮路君、夢の詰まっていそうなその手のアイテムは一体何ぞや!?」 親指と人差し指で架空の眼鏡のフレームを揺らしながら、榊さんが目を輝かせた。 正直、少しウザい…。 「えっと、皆の分のお弁当を作ってきたんだ」 「うんうん。そんな気配りが出来る宮路君は、きっと良いお嫁さんになれるよ」 「ははははは…」 満足そうな表情を浮かべる榊さんに、流石の宮路君も乾いた笑いを漏らした。 「さぁ、やる気も出てきた事だし。早速買い付けに行こうじゃないか」 「うん、そうだね」 「え、えぇ…」 やたらとテンションの高い榊さんを先頭に、私たち三人の買出しが始まった。 01-179 :差し出されたその手には…:2008/08/10(日) 17 43 30 ID ikAAy9M8 差し出されたその手には…(4) 榊さんに連れられ、訪れたお店は直売所みたいな専門店。 国内国外を問わず、その豊富な品揃えに私たちは思わず呆気に取られてしまった。 値札を見れば驚く様な高価な商品もいっぱいで、味も知らない商品ばかりでどれを選べば良いのか見当も付かなかった。 だけど、榊さんは店の中を見渡すと喫茶店で使うメニューの材料と見比べながら手頃な値段の商品を次々と買い込んでいった。 こうして、一通りの材料を買い揃えた私たちは榊さんの主導の下、早々とその目的を終わらせてしまったのだった。 「さて、お昼も回ったし、そろそろお待ちかねのお弁当タイムと行こうじゃないかっ!!」 集合場所の平坂公園の原っぱで、そう口にするのはバスケットを手にする榊さん。 因みに宮路君はと言うと、両肘に茶葉そして胸には珈琲豆と、沢山の紙袋を抱えている状態。 まぁ、本人曰く「お茶っ葉は乾燥してるから全然重くないし、珈琲豆もそんなに大した事無いよ?」らしい。 それはさて置き、お腹が減ってきたのは私も同じなので昼食を摂りたいのは確かな事。 宮路君に目を遣ると、お腹が空いてしまった、と同意の表情。 満場一致で、私たちはお弁当を広げる適当な木陰を探し始めた。 「それじゃあ、宮路君のお弁当のお披露目をしよう」 と、草叢に腰を下ろす榊さん。 私もそれに続き、荷物を置いて宮路君も座った。 「おぉっ!?これはまた王道な…!!」 バスケットを開けて中を覗き見るや、榊さんが感嘆の吐息を漏らした。 興味をそそられてつい首を伸ばして確認すると、私も思わずその出来に驚いた。 「凄いですね…」 陳腐な言葉だが、それ以上の言葉は思い付かなかった。 サンドイッチや御握りとかは予想していたけど、唐揚げやサラダ、玉子焼きやフライものなんかの惣菜が結構揃えられていた。 「まぁ、ちょっと作り過ぎたかな?」 作り過ぎです。 でも、仕出し弁当なんかより手作り感が出ていて、これは確かに美味しそうだった。 バスケットから紙皿やお箸、お手拭を取り出して配り終えると、お弁当箱が広げられたシーツの上に乗せられた。 「アレ?紙コップはあるのに、飲み物が無いとはこれ如何に?」 「あぁ、こっちに入れておいたんだ」 と、宮路君が今まで持っていた買い物袋から魔法瓶の水筒を取り出した。 「結構、重いからね」 そう言うと、宮路君が私たちのコップにお茶を注いでいく。 「良し、ンじゃ、頂きま~すっ!!」 榊さんが高らかに宣言するのに合わせて、私たち三人は手を合わせた。 「頂きます」 「頂きます…」 取り敢えず、私は一番近かった惣菜の中から一口サイズのコロッケを選び、それを口の中へと運んだ。 「美味しいっ!!」 榊さんが声を上げた。 いや、確かに美味しいけどそこまで声を出さなくても良いんじゃないかしら。 「シェフを呼べ!!」 目の前に居ますから。 何でこんなに一挙一動が大きいのだろう。 少し恥ずかしい。 01-180 :差し出されたその手には…:2008/08/10(日) 17 44 44 ID ikAAy9M8 と、 「でも、今日は驚いたよ。榊さんがお嬢様って呼ばれてるんだもん」 宮路君が感心した表情で切り出した。 そう、今日の買い物で一番驚いたのは何よりもその事だろう。 『これは、悠輝お嬢様。ようこそいらっしゃいました』 専門店で、榊さんを見た店員が咄嗟にそう挨拶したのだ。 流石に私たちの前でそう呼ばれるのは抵抗があったのか、『あちゃ~』と榊さんは少し困った表情で笑っていた。 「あははは…。まぁ、何だ…。そう言う面も含めて私なんだってば…」 その時の事を思い出したのか、榊さんが頭を掻いた。 「だけど、やっぱり榊さんてお嬢様って思う時はあるよ?」 「へぇ?どんな?」 宮路君の言葉に、榊さんが興味を覚えたらしい。 尤も、私も宮路君の言う榊さんの『お嬢様』がかなり気になった。 「ホラ、お箸の持ち方とか食べ方とか凄く綺麗だし。街を歩く時も背筋が伸びてたしね。何て言うのかな?品、が漂っているのかな?」 「はっはっは~。それはもう昔っから躾けられてきたからね~。今更抜けないンだよ」 ケラケラと笑い、榊さんが別のおかずを口に運んだ。 確かに、よくよく見れば榊さんの仕草は洗練されたもので、見惚れてしまう程に様(さま)になっていた。 「およ?神楽さんも私のが気になる?」 「え、そ、その…」 榊さんの指摘に、私は言葉が吃った。 「そうだね~」 そんな私を見て何を思ったのか、「コホン」と榊さんが上品に咳払いをした。 「この様に振舞えば、神楽様も私(わたくし)が由緒ある榊の者として相応しいのでしょうか?」 「――っ!?」 そして、崩した脚を優雅に組み、銀の鈴の様な凛と響く声で榊さんが私に嫋やかに微笑んできた。 「そんな驚かれた表情をしないで下さいまし…。榊がこの平坂を代表する顔たれば、この様な振る舞いも必要となりましょう?」 しんなりと、白く細い首を傾げる榊さん。 肩に揺れる髪が、サラリと零れた。 「わぁ、本当にお嬢様みたいだ」 「って、本物だって言ってるでしょうがぁ!!」 凍りついていた私の目の前で、見事に榊さんの仮面を粉砕する宮路君。 同性の私でさえ思わずドキリとした榊さんの仕草は宮路君には全く効果は無いらしい。 「でも、口調が変わっただけだしね?」 「お?バレた?」 何ですと。 目を丸くした私を見て、榊さんが「へっへっへ~」と笑った。 「流石は宮路君。私が普段から結構気を使っているのに気が付いてたか…」 「気が付くも何も、最初からそんな感じじゃなかったっけ?」 当たり前の様に語る宮路君。 「うん、そうだね…」 榊さんも、何故か素直に頷いた。 「全然気が付きませんでした…」 いつも能天気そうな榊さんの言動ばかりに気を取られて、同じクラスになっても今まで全く気が付かなかった。 「結構他人を見てる宮路君のそう言う所、私は買ってるンだよね~」 榊さんがニヤニヤと見るからに邪悪そうな笑みを宮路君に向ける。 「まぁ、勝手に目に付くンだけどね…」 その視線から逃げる様に、目を背ける宮路君。 そして、宮路君のお弁当が無くなるまで私たちは他愛無い会話を続けたのだった。 続く?