約 1,036 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4920.html
前ページ次ページゼロ・HiME 翌日、船員達の声と眩しい光で静留は目を覚ました。舷側から下を覗き込むと、白い雲が広がっており、フネは雲の上を進んでいた。 「アルビオンが見えたぞー!!」 鐘楼の上に立った見張りの船員の声に、静留はフネの前方へと顔を向けた。 そこに広がっていたのは圧巻の光景だった。雲の切れ間から、黒々とした大陸が姿を覗かせていた。大陸は遥か視界の続く限り延びている。地表には山がそびえ、川が流れていた。 「あれがアルビオンよ……驚いた?」 いつのまにか横に来ていたルイズが静留に言った。 「事前に教えてもろうたとはいえ……ほんに聞きしに勝る絶景どすなあ」 静留はそう言ってルイズに微笑むと、空に浮かぶ大陸を眩しそうに眺めた。 「浮遊大陸アルビオン。ああやって、主に大洋の上をさ迷ってるわ。大きさはトリステインの国土ほどもある通称『白の国』」 「白の国……?」 不思議そうな様子の静留にルイズは大陸を指差した。 大河から溢れた水が白い霧となって、大陸の下半分を包んでいる。その霧が雲となり、ハルケギニアの大地に雨を降らせるのだとルイズは説明した。 その時、鐘楼に登った見張りの船員が大声を上げた。 「右舷前方の雲中より、船が接近してきます!」 静留はルイズは言われた方を向く。なるほど、大きな黒いフネが一艘近づいてくる。舷側に開いた穴から、大砲が突き出ていた。 「どう見ても普通の商船には見えまへんな」 静留の言葉にルイズは眉をひそめて呟いた。 「いやだわ……反乱勢、貴族派の軍艦かしら」 結果的に言うとそのフネは海賊ならぬ空賊のもので、ルイズ達の乗ったフネは停船させられ、あっというまに彼らに制圧されてしまった。 ルイズ達は相手がただの空賊か、貴族派の私掠船か判断できるまでは様子を見た方がよいというワルドの策に従い、特に抵抗することなく捕ったので、杖とデルフを取り上げられ、フネの一番奥にある船倉に閉じ込めてられてしまった。 「放り込まれて大分経つけど、誰も来ないわね」 「そうだな、後で頭目が尋問に来るといっていたが……」 じっとしてるのに飽きてぼやくルイズをなだめるようにワルドが答える。 「まあ、焦っても仕方ないですやろ……っと、どうやら誰か来なはったようですわ」 入り口の近くに座っていた静留がそう言うと同時に扉が開いて、やせぎすで目つきの悪い空賊が顔を除かせる。 「お頭がお呼びだ」 三人は甲板の上に設けられた空賊船の船長室へと連れて行かれた。 部屋の中央に置かれた立派なテーブルあり、一番上座にバサバサの長い黒髪を真っ赤な布で纏め、無精ひげを顔中に生やし、左目に金のアイパッチをした赤銅色の肌の空賊が他の空賊たちにかしずかれて座っていた。 大きな水晶のついた杖をもっており、どうやらメイジくずれの空賊らしい。 「おい、お前たち! 頭の前だぞ、挨拶しねえか!」 ルイズたちを連れてきたやせぎすの空賊が後ろからルイズをつつく。だが、キッとした視線で頭を睨みつける。 「気の強い女は好きだぜ。子供でもな。さてと、名乗りな」 「その前にこっちの質問に答えて……あんた達は王党派、貴族派、どっちなの?」 ルイズは、頭目の言葉を無視して言った。 「当然、貴族派に決まってる。もうすぐ負けそうな王家に忠義立てしたって儲かりゃしねえからな」 「じゃあ、この船は貴族派の私掠船ということね」 「そういうことだ。お前らが貴族派だと言えば、きちんと港まで送ってやらんこともないが」 そう言って頭目はにやにやと笑う。しかし、ルイズは首を縦に振らずに、真っ向からその空賊を見つめた。 「お断りよ! 誰が薄汚いアルビオンの貴族派なものですか! 私はトリステインから遣わされた王党派への使いよ! だから正式な大使としての扱いを要求するわ」 ルイズの言葉に頭はあっけにとられた表情を浮かべ、静留が大げさに天を仰ぎ、ワルドが困ったように顔を手で覆った。 「お嬢ちゃん、確かに正直なのは美徳だが、こういう交渉事では致命的な欠点にしかならんよ。それより、貴族派につく気はないかね? あいつらはメイジを欲しがってし、先のことを考えりゃ、ここで恩を売っておいた方がトリステインにとっては有益なはずだ」 「死んでも、嫌よ」 ルイズは胸を張って言い切った。それを見た頭目は大声を出して笑った。 「やれやれ、トリテインの貴族は気ばかり強くて、救いようがないな。まあ、どこぞの国の恥知らずどもより何百倍もましだがね」 豪快に笑いなら立ち上がると、ルイズの前までやってきた。静留が警戒して身構える。 「失礼した。貴族に名乗らせるなら、まずこちらから名乗らなくてはな」 そう言って頭目は、頭と顔に手をやると、バサバサの長い黒髪と真っ赤な布、左目のアイパッチを投げ捨てた。そして、最後に作り物だったらしいひげを引き剥がして現れたのは、凛々しい金髪の若者であった。 周りに控えた空賊たちが、一斉に直立不動の姿勢をとった。 「私はアルビオン王立空軍大将……いや、それよりはこちらの肩書きの方が通りはいいかな? アルビオン王国皇太子、ウェールズ・テューダーだ」 頭目――ウェールズ皇太子はにっこりと魅力的な笑みを浮かべると、ルイズたちに席を勧めた。 「アルビオン王国へようこそ、大使どの。さて、御用の向きを伺おうか」 あまりの展開にルイズは口をあんぐりと開け、静留は驚きに目を丸くし、ワルドは興味深げにいきなり名乗ったウェールズを眺めた。 「いや、大使殿には失礼いたした。しかしながら、君達が王党派というのがなかなか信じられなくてね。この『イーグル号』が堂々と王軍の軍艦旗を掲げれば、あっという間に反乱軍に囲まれる。空賊を装うしかない、というわけさ」 いきなり目的の王子が眼前に現れ、何も言えずに立ち尽くすルイズに代わってワルドが優雅にウェールズに頭を下げて言った。 「アンリエッタ姫殿下より、密書を言づかって参りました」 「ふむ、姫殿下とな。君は?」 「トリステイン魔法衛士隊グリフォン隊隊長、ワルド子爵」 それからワルドは、ルイズたちをウェールズに紹介した。 「そしてこちらが姫殿下より大使の大任を仰せつかったラ・ヴァリエール嬢と、その使い魔たる少女にございます、殿下」 「なるほど! 君のようなりっぱな貴族が後十人いれば、我らがこのような姿を晒す事もなかったろうに! して、その密書とは?」 ルイズが慌てて、胸のポケットからアンリエッタの手紙を取り出し、恭しくウェールズに近づく。だが、途中で気がついたように足を止めると、ちょっと躊躇うように口を開いた。 「あ、あの……失礼ですが、本当に皇太子様?」 ウェールズは笑った。 「まあ、無理もない。さっきまでの顔を見せられてはね。では、証拠をお見せしよう」 ウェールズは自分の指に光る指輪を外すと、ルイズの嵌めた『水のルビー』に近づける。 二つの宝石は共鳴し、その間に虹の輝きを創り出す。 「水と風は虹を作る。王家の間にかかる橋さ」 「大変、失礼をばいたしました」 ルイズが一礼して、手紙を渡すと、ウェールズは受け取った手紙にその場で目を通した。 「アンリエッタ……姫は結婚するのだな」 ウェールズの言葉にワルドが頷く。ウェールズはどこか寂しげに微笑むと、ルイズに手紙を返却することを了解すると伝え、そして言った。 「肝心の姫から貰った手紙だが、残念ながら手元にはない。多少、面倒だが、ニューカッスル城まで足労願いたい」 前ページ次ページゼロ・HiME
https://w.atwiki.jp/seadra-library/pages/144.html
バルカン枢機卿は、我々をある大扉の前まで連れてきた。 一見してかなり分厚い扉である事がわかるが、その厚みを持ってしても中の声を完全に遮断しきれずにいた。 「・・・だから私がどれだけ心配したと思ってんの! 大体ね・・・」 何だか元気のいい女性の声が中から響いている。 ドンドン、とバルカンが大きくドアをノックした。 「・・・・どうぞ」 中から先程の声がして、バルカンが扉を開ける。 「はっはっは、皇姫様もうその辺にしておいてあげなさい。お客人をお連れしましたぞ」 促されて中へと入る。 広い応接間だ。部屋の中央の応接用テーブルにベルナデットと一人の女性がいた。 女性は立ち上がると、こちらへ優雅に一礼した。 「メリルリアーナ・ラハ・パーラドゥアでございます。皆様には我が友人ベルナデットの救出にご尽力頂きました事を心より御礼申し上げます」 そう言って柔らかく微笑む皇姫。 こちらもそれぞれ頭を下げて自己紹介する。 「・・・・とにかく助かったわ。メリルの愚痴に押し潰される所だった」 ふーっとベルナデットが大きく息を吐いた。 「なによぅ! もう私は心配して心配して・・・」 尚も食ってかかろうとする姫をバルカンがまあまあと留める。 「今夜は大宴会になりましょう。皇姫様も色々とご準備がおありではないのかな?」 む、と皇姫が唸る。 「・・・そうね、担当者達と打ち合わせしてきます。御機嫌よう皆様、また後ほど」 そう言って微笑んで一礼すると皇姫が出て行った。 「・・・・あの子、大人になったわね」 その後姿を見送ってベルナデットがぽつりと呟いた。 「4年前は私の後ろをついて歩いてばっかりの子供だったけどね」 「皇姫様も一月後には18歳だ。大人にもなる。・・・お主がいなくなった後、皇姫様は必死に頑張ってこられた」 そう言ってバルカンが感慨深げに遠い目をした。 「それでヨアキムの術は解いてもらえたわけ?」 ベルナデットに問われて私はうなずいた。 しかし術は解けても何かのショックがなければ元に戻らないらしい、と告げる。 「ふむ。ショックか・・・・」 バルカンが考え込む。何か嫌な予感するぞ。 「こういうのはどうだ。ワシのバックドロップを食らってみるとか」 元に戻る前に死んでしまうわ。 「・・・元に戻るって何の事なんでしょう?」 マチルダが聞いてくる。 「ウィルには悪い魔法使いの魔法がかけられているのよ。解けると本当の姿に戻れるっていうわけ」 ベルがそう返事をするとマチルダは瞳を輝かせてぽん、と手を合わせた。 「素敵ですねぇ。おとぎ話の王子様みたいです!」 どっちかってとお姫様じゃないのかな・・・。まあどっちみちそんないいものじゃないが。 その夜はベルナデットの帰還を祝う宴が皇宮で催された。 私たちも全員招待されて出席する。 宴は立食形式であり、豪華な料理と酒がテーブルを埋めていた。 踊り子が舞い、楽隊が演奏し、賑やかな夜が更けていく。 多くの要人に自己紹介を受けたが、正直多すぎてとても記憶しきれなかった。 ただ、主席しているかと注意していた未だ会った事の無い黒と紅の将軍と神皇は出席していなかったようだ。 「楽しんでおるかな。ウィリアム」 グラスを手にバルカンが声をかけてきた。 「なんだ。飲み物はないのか?」 流石にこの姿で酒をやるのは抵抗がある、と答える。 「そうか、ではこれを飲め。ミルクにプロテインを混ぜたものだ」 宴の席で何飲んでんだこの老人は。 「・・・しかし、めでたい話が続くものだ。今この時期にベルナデットが戻ってきたのは本当によかった」 そう言って上座のベルを見てバルカンが瞳を細める。 ほう?何かあるのかな。 「一月後に皇姫様には婚礼の儀が控えておる。一世一代の晴れ姿だ。皇姫様もきっとベルに見せたいと思っていたであろうからのう」 何と・・・・。 ご結婚されるのか。という事がその新郎が次の・・・。 「うむ、神皇様にはメリル様以外の御子はおらぬ。従ってその新郎が次の神皇となる」 それはおめでたい話だ。新郎はこの場にいらっしゃるのかな。 「いや、新郎の名はラシュナーダ・ラータ・ルファード。この神都を囲む6都市のうちの一つ、ダナンの都の太守のご子息だ。今はダナンの都におるが、ここ1年程は頻繁に神都に訪れておる。遠からず会う機会もあろう」 なるほど、守護六都市の人か。 「人柄も含め全てに秀でた素晴らしい若者だ。皇姫様とは幼馴染での。皇姫様は幼少時より許婚であるラシュナーダ殿を一途に慕い続けてきた」 ・・・・それは、幸せな事だな。 権力の世界に生まれて好いた相手に嫁げる事などこの世界では極稀にしか無い。 往々にして政治の世界の「婚礼」は強力な外交手段であるからだ。 まあ神都の姫と大都市の太守の息子では多分にそういう意味合いもあるのかもしれないが、少なくとも当人同士が好きあっているのなら幸せな事だろう。 次代の皇の誕生か・・・さぞかし盛大なお祭りになるだろ・・・う・・・。 私の言葉は突如ズズン!!という皇宮を揺るがせた大きな振動に遮られた。 パリン!と食器の落ちて割れる音と、ご婦人方のいくつかの悲鳴が重なる。 なんだ・・・地震か!? ざわざわと周囲が騒がしくなる。 数名の兵士たちが慌しく宴の間を出入りし始めた。 そして息を切らせて一人の兵士が宴の間へと駆け込んでくる。 「・・・も、申し上げます!! 第二層『工業区』にて『ガ・シア』が出現致しました!!!」 その一言は衝撃となって宴の間を駆け巡った。 「防衛隊を出撃させよ!!」 「市民の避難を最優先にするのだ!!!」 怒号が飛び交い、辺りが騒然とし始める。 「・・・ぬうう・・・まさかこの夜にガ・シアが現れるとは!! こうしてはおられぬ!!ウィリアム、来るのだ!!」 有無を言わさずにバルカンに連れられて宴の間を出る。 ルク達と合流してないんだが・・・。 『ガ・シア』とは一体? 先導するバルカンに問う。 「ガ・シアとは狂皇ラシュオーンの眷属・・・恐るべき巨大なる魔影だ。人を殺め、破壊をもたらす闇の化身よ」 バルカンが答える。 「・・・む! カーラ!!」 廊下を進むバルカンが上を見上げて叫ぶと手を振った。 バサッ!と翼をはためかせて一匹の飛竜が降りてくる。 「何用だ、枢機卿。非常時で急いでいる」 凛とした女性の声がする。鞍上には黒い鎧姿があった。 そしてその顔は仮面に覆われていた。 「カーラ、彼を連れて行ってくれ」 バルカンに肩を押されて一歩前に出る。 な、何だ一体。 「遊びではない。何故子供を・・・」 言いかけてカーラと呼ばれた女性がぴくりと止まる。 「ウィリアム・バーンハルトか」 「そうだ・・・いずれこの皇国を救うことになるやもしれん男だ」 そうなのか・・・自覚ないぞ・・・。 乗るがいい、とカーラが手を差し出した。 何だかよくわからないうちに、私はその手を取って飛竜に跨った。 「私は神護天将・・・黒の将カーラ・キリウスだ。工業区まで飛ぶ。振り落とされるな」 そう言ってカーラは手綱を引く。 飛竜が舞い上がる。 瞬く間に遠くなる眼下の景色を見ながら、私は黒の将カーラと大空へ飛び立った。 第10話 3← →第10話 5
https://w.atwiki.jp/coharu/pages/492.html
「と言う事で皆で全力を尽くして応援しに行こう!」 ポテトチップを3袋同時に開けて味比べしながら寝返りを打っている夏奈の脇で仁王立ちの冬馬が気合の言葉を響かせている。 「トウマ、話はちゃんと整理してから落ち着いて伝えるんだ。何が何だかさっぱり分からない」 「その言葉、普段のお前にもそう言い聞かせろ、バカ野郎」 眠たげな眼で二人を見つめる千秋の手元には『練り物の歴史』という訳の分からないタイトルのやたら分厚い本が携えられている。 「藤岡から聞いてないのか!? あいつ、U-15ユースの日本代表に選ばれたんだぞ!」 「藤岡はカナと違って日本代表に選ばれるほどのバカ野郎じゃないぞ、バカ野郎」 「千秋、野菜パフェでも作ってやろうか?」 家の玄関がガチャリと開く音とともに楽しげな話し声がする。 「あら?トウマいらっしゃい」 部屋に入ってきたのは夕飯の買い物から戻った春香と今、噂の渦中真っ只中の台風の目、藤岡だ。 「お邪魔します」 「よぅ! よく来たな、日本代表!」 藤岡の嬉しそうな爽やかな笑顔が眩しい。 「ありがとう、南。もう知ってたんだ?トウマから聞いたの?」 「すっげぇな、藤岡! マジですっげぇよ! ポジションはもう決まってるのか?」 冬馬は興奮を隠し切れない様子でまくし立てた。 「まだこれからだよ。来週から合宿に入るからそこで決めるんだと思う。 さすがに日本代表ともなるとポジションどころかレギュラーだって保障されている訳じゃないからね。 熾烈な闘いになると思うよ」 いつの間にか藤岡にしがみついていた千秋は藤岡の顔をジッと見つめている。 台所から顔を出した春香はもうエプロンを身に着けていた。 「今日は皆、夕飯食べてく? 藤岡君のお祝いもしてあげたいし」 「すき焼き!」「カレー!」「ハンバーグ!」 夏奈と千秋と冬馬の声が同時に響く。 「今日はトンカツよ」 「すみません。ハルカさん、御馳走になります」 「しかし、藤岡。お前は日本代表に選ばれるほどのバカ野郎だったんだな」 夏奈は真顔で藤岡を見つめている。 「おい、カナ。お前にも代表に召集掛ってるんじゃないか?」 千秋は指定席である藤岡の膝の中から夏奈に冷めた眼差しを向けている。 「話の流れで察しろ、代表とはサッカーの話だ、バカ野郎」 「そうなのか!? 藤岡!」 藤岡は日本代表に選ばれた事より夏奈に関心を向けてもらう事の方がよほど嬉しいようだ。 「年棒はいくらだ?」 「代表はプロって訳じゃないから年棒はないぞ、カナ」 冬馬のクールなツッコミが冴える。 「でも将来プロになれるんだろう?」 「それはこれからの頑張り次第かな」 藤岡は嬉しそうに笑っている。 「よし! 藤岡がプロになった暁にはこのカナ様が藤岡のプロデュースを手掛けてやろう!」 「本当に!?」 どうやら藤岡は夏奈の今の言葉を何故かプロポーズ的な言葉として受け取ったらしい。 「じゃあ、試合の日には皆で応援に行くわね。 ほら、カナ、藤岡君とトウマを送ってきてあげて」 「でも、もう夜も遅いですし」 「お~い早く行くぞ~」 もう先を歩き始めている夏奈の背中を見つめながら 藤岡はこの日、一つ覚悟を決めた。 「じゃあな!藤岡、絶対にレギュラー取れよ!」 「あぁ、ありがとう、トウマ」 トウマと別れた藤岡と夏奈、結構な時間を一緒に過ごしているが、二人っきりでこうして歩くのは初めてかもしれない。 「な、なぁ、南…」 「ん? ろうひは? ふひほは」 夏奈は春香に見つからないよう冷蔵庫からそっと拝借してきたチーズ入り魚肉ソーセージを咥えている。 「南はこれからずっと俺のプロデュースをしてくれるの?」 夏奈はゴクリと魚肉ソーセージを呑み込み振り返った。 「ふっふっ…契約金は高いから…な…!?」 不意をつかれた夏奈は微動だに出来ず、目を見開いている。 ドクンという心臓の鼓動だけがやたらに鳴り響きながら… 「ハルカ!! 千秋先生!!」 玄関の扉から激しい音が聞こえてきたかと思うと、夏奈が猛スピードで部屋の中に駆け込んできた。 「い、今、ふ、ふ、ふ…」 「落ち着け、カナ。まずはハルカ姉さまの入れたお茶で心を静めるんだ」 「これがまた落ち着いていられないんだ!」 そう言いながら夏奈はお茶を一気に飲み干した。 「どうしたの? カナ、顔が真っ赤じゃない?」 「ちゃんと服を着ないとバカでも風邪を引くんだな」 「今さっき、角にあるあの店の前で藤岡に…」 そこまで言うと夏奈はまた顔を真っ赤にして俯いて黙り込んでしまった。 「どうした? また太ったのがバレたのか? バカ野郎」 夏奈は突然、両腕を振り上げたかと思うと後ろにバタッと倒れ込んだ。 「…ふ、藤岡にキスされました」 三姉妹はTVも消して今、目の前にある最重要案件についてそれぞれ詳細且つ、綿密な考察、検証を行っている。 春香はどこか引きつったような顔をして「妹に…妹に抜かれた…」とぶつぶつ独り言を呟いている。 夏奈はただ頭を抱えて床の上でのたうちまわっている。 「それでカナ、どういう状況だったのかもう一度詳しく話せ」 「千秋! お前は私の乙女の恥じらいを何回もほじくり返そうと言うのか!?」 そう言いながら夏奈は情感たっぷりに再現VTRを回し始めた。 「おい、バカ野郎。私はこの前、内田に借りた漫画で知ったのだが、キスにも味があるとは本当なのか?」 「そ、それは経験者であるカナから是非、直接、意見を聞きたいわ。キスってどんな味がするのかしら? ねぇ、カナ」 二人とも赤面しながらもかなり興味津津である。 「ん~…どんな味と言われてもな…」 「漫画にはレモンの味と書いてあったぞ」 「く、詳しいのね、千秋」 夏奈は腕組みをして考え込んでいたかと思うと急に何かを閃いたように 「魚肉ソーセージ! チーズ入り!」 と叫んだ。 「それはカナ、お前の食べていたチーズ入り魚肉ソーセージを藤岡も食べたかったのではないか? ちゃんと分けてあげたのか?」 「ん? 一人で食べたよ」 「やはりな…藤岡はカナにキスをした訳ではなく、チーズ入り魚肉ソーセージを奪いかかってきたと考えてまず間違いはない」 「そ、そうなのか? 千秋先生」 「日本代表でレギュラーを取る為にはテクニックだけでなく身体も鍛えないといけないらしい。 だから食事の量も質もこれまで以上に高める必要があると藤岡は言っていた。 栄養バランスを考えた際、藤岡はきっとどうしてもチーズ入り魚肉ソーセージを食べなければならなかったのだろう」 「あいつはそんな理由でこの私の、乙女のファーストキスを奪ったと言うのか!? でも明日からどんな顔して藤岡に会えば良いんだよぉ~!」 夏奈はまた床の上を回転し始めた。 翌日、あまりにも拍子抜けするほど夏奈はあっさりしていた。 そして放課後、南家に呼び出された藤岡だが、そこには夏奈も春香も千秋もおらずその代わりに春香の同級生であるマキ、アツコに加え速水先輩、そしてどこから聞きつけてきたのか冬馬の兄で春香の後輩、ナツキまでもが 居間で藤岡が来るのを今か今かと待っていた。 瞳孔までブラックホールのように見開いている速水が切り出した。 「ふふ…お姉さん達はね、藤岡君に色々と聞きたい事があって今日こうして集まったのよ…」 「とりあえずこれ、ハルカからの餞別」 そう言うとマキは上座で正座している藤岡の目の前にチーズ入り魚肉ソーセージを1本そっと差し出した。 名前 コメント 9-371氏 9スレ目 保管庫
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/2967.html
あけましておめでとう御座います。 短すぎますが一つ投下します。 新年小ネタ 嶋田・ユーフェミア。 ゴーン…… 鳴り響く鐘の音は百八つ。 人間が生まれながらにして内に持つとされる煩悩の数。 ただ静かに、心の奥へと染み渡るかの如き静謐なる音が、深夜0時を越えても尚、帝都に響き渡っていた。 「あけましておめでとう御座います」 折り曲げた脚部。膝を揃えて畳に手を突き深々と頭を下げるのは神聖ブリタニア帝国第三皇女ユーフェミア・リ・ブリタニア。 下げた頭に桃色の髪が流れ、畳へとこぼれ落ちている。 「あけましておめでとう」 その挨拶を受け、彼女と同様に揃えた膝に向い頭を垂れるのは、大日本帝国元宰相――嶋田繁太郎。 「我が身はブリタニア皇族という身の上故に、ご迷惑をお掛けする事も多きことかと存じますが、どうかこの一年、公私共々に宜しくお願い致します」 ブリタニア第三皇女という己が身の上。 特殊な身分にあるが故に嶋田へ掛かる某かの負担や物事もあろう。 それを承知で今年も宜しくという彼女は、何があってもけして離れはしないとの意思を込めて新年の挨拶とした。 「いえ私の方こそまだ不慣れな日本での生活を送り、駐日大使補佐官という大役をお勤めなされますユーフェミア殿下を公私共に支えられる一年と致したく」 元宰相。現在表向きは民間人である自身は、少し肩の荷が軽くなっている。 夢幻会という大役には未だ就いているとはいえ、ブリタニア皇女として第一線にて働く年若い彼女に比べれば。 そう考えている故に嶋田は年長者として。そして政治の世界に於ける先達として、彼女を支えて上げたいとの思いを告げる。 それは一年の始まりの挨拶。 仲睦まじき普段の二人からすれば余りにも他人行儀とならざるを得ない挨拶は公としての物。 目下の嶋田は目上のユーフェミアが頭を上げるのを待ち、彼女に次ぐ形で頭を上げる。 どんなに仲が良くとも公私を分ける。共に持つ肩書きを考えれば当たり前のこと。 元宰相であり日本帝国伯爵と、ブリタニア皇女。 目上はどちらなのか? 上座に座るべきは? 無論、それはユーフェミアに他ならない。 だがそれは公に於ける挨拶であって、本来在るべき私での挨拶ではないからだ。 だからこそ、そんな堅苦しい公の挨拶はいち早く済ませて、普段通りに接しようという思いが―― 「ユフィ、今年も宜しく」 「わたくしの方こそ、宜しくお願い致します」 続く挨拶には込められていた。 玉城・クララ。 威勢良く髪を逆立てた青年が、深夜0時を過ぎた寒い屋外を震えながら歩いていた。 「ああくそっ、寒いなあァ」 片手にはウイスキーの瓶が握られている。 外が寒ければ懐も寒い青年には過ぎたる買い物であったが、この寒い夜に呼び出されて、何も口にせずに歩くなどできそうもない。 「ったく、あのピンクちびめ……」 ぶつくさ文句を言いながら酔いの回った身体でふらふら。 足下のおぼつかない様子だが、それもそのはずだ。ついさっきまで友人と飲んでいたのだから。 どうせ明日は元旦で碌に店も開いてないし、外へ行く予定もなかったので夜通し飲んでやるつもりだった。 高校卒業後に知り合った気の合う連中で杉山と南というのだが、彼等と飲んでいたときに電話が入ったのだ。 断る……という選択肢は無い。 正確に言うのなら、その選択肢を真っ先に潰されてしまった。 「何が“今すぐ家に来なきゃもうお金貸して上げない”だ畜生……」 死活問題だ。 電話の相手が融通してくれたから先月もどうにかなった。 財布の紐を握られているではなく、正しく“生殺与奪の権利が向こうにある”状態。 ぎりぎりの生活を続けている青年には冗談では済まされない。 サラ金に走らないで済んでいるのはその電話相手と電話相手の父親のお陰なのだから。 「お~に~い~ちゃんっ!」 「うわァ!!」 電話相手の家近くまで来たとき、何者かに背後から飛び付かれた。 酔いが回る頭では後ろに気をやる余裕もない為に、突然の衝撃を喰らいびっくりしたのだ。 「あけましておめでと~」 振り返るまでもなくこんなことをする知り合いは一人しか思い当たらない。 「てめっクララっ!! いつもいきなり沸くなって言ってるだろっ!!」 電話の相手こと、クララ。 「沸くってなに沸くって。こんな可愛い女の子捕まえてボウフラみたいに言わないでよ」 「言われるのが嫌なら気配消して後ろから飛び付くなっ!」 振り返ると其処に立っていたのは頭一つ分低いピンクのロングヘアと瞳が特徴的な予想通りの少女。 「む~り! だってクララはスニーキングのプロだよ? お兄ちゃんをスニーキングするなって、それ死ねと同義だから」 「怖いんだよ! なんだよスニーキングのプロって!」 そう、こんな少女だクララ・ランフランクというのは。 「まあそこは置いといて」 「置くなっ!」 「呼んだのはね。初詣行こうって思って」 「初詣だァ~?」 初詣。年明け一日に神社へと参ること。 青年は良く嶋田神社へ行くことが多い。 なにしろ官僚やら政治家やらを目指す手前、大宰相を輩出した神社へ行けば御利益があると思う故に。 しかし、こんな真夜中から行くことはなかった。 「早すぎるだろお前。いま何時だと思ってんだよ馬鹿」 0時30分。草木も眠る丑三つ時よりも前だ。 「早く行った方が御利益も大きいよ多分。だってほら早行きは三文の得って」 「早起きだろ。勝手に作るな」 「それにお参りの後に、初日の出観たいもん」 どうせ行くなら両方とも行こうというらしい。 勿論大好きなお兄ちゃんと――というのが、クララが彼を呼び出した理由であった。 「ったくしょうがね~な~気持ち良く飲んでたのによォ~。ま、いいわ。おっさんには?」 「もちろん許可取ってきたよ。パパも誘ったんだけど、こんな寒い日に真夜中出掛けるとか年寄りにはキツイんだってさ」 「なりはガキみたいな身体してる癖に……。やっぱ中身はジジイだなあのおっさん」 「お兄ちゃん、クララの肩に捕まって。そんなふらふらじゃ転げちゃうよ?」 「お、おう…、悪い」 千鳥足の青年を慮り肩を貸すクララ。 (お? 風呂上りか? 髪から石鹸の匂いがする…って、だからなんでクララ相手にんなこと考えてんだ俺ェ……!) 煩悩を討ち払う鐘。 それはこの青年とは無縁のようであった。 V.V.・ロロ・ゲンブ。 「それでは行ってまいります」 玄関に佇むのは自らの護衛も兼ねる少年。 「うん。まあ楽しんでおいで」 「しかし、本当にいいのですか? 僕は父さんの護衛でもあるのですが……」 「気にしなくていいよ。この平和な日本で誰が僕を狙うっていうのさ。それに僕は不死身だよ?」 兄さんに誘われた。 滅多なことでは自己を優先しない彼だが、こと兄と慕う甥の言葉は父である自分よりも優先する帰来がある。 無論甥の妹ナナリーも大事に思っているのは生活をともにしている関係でわかっていたが。 「逆に君やルルーシュの方が心配だよ僕は。ナナリーには最強のナイトが付いている分安心だけど」 「父さん、僕やジェレミア卿を舐めないでくださいよ?」 本音は心配など杞憂であると知っている。なにせ、彼らにはヴィ家の精鋭が護衛についている。 共に行動するナナリーのナイトこと、枢木スザクも居るのだから心配するだけ無意味。 「風邪だけは引かないように」 「わかってますよ」 「いってらっしゃい──ロロ」 玄関を出る息子の向こう側には大勢の人が列をなしていた。 (枢木家とヴィ家の護衛……物々しいな) 娘を先に外に出したのは正解だった。 娘が惚れているあの駄目ニートにこれを見せる分けにもいかないから。 「特に、あの車に現役総理が乗ってると知ったら、あの馬鹿のことだから紹介してとかいうに決まってるしね」 官僚・政治家を目差している駄目ニートには刺激が強すぎるだろう。 「まさか新年一発目が枢木神社へ初詣とは思わなかったよ」 夜中にお忍びとはいえ現役総理大臣である枢木ゲンブが訪ねてきたのだから、ここら一帯は戒厳令さながらの事態になっていた。 “宜しければV.V.殿も如何ですか? 我が枢木神社は──” といった感じで自身も誘われたのだが、こんな寒い日に外に出る気はしない。 「そう考えると、僕も年取ったな……」 肉体年齢は10前後のころに停止したままだが、感性というか感覚的に年を取ったと思う彼は、一人静かにコタツへ潜りテレビをつけた。 「老人は老人らしく、暖かな家でのんびりとした正月を楽しむことにしますか」 終わりです。 即興ネタ失礼しました。 できればこの手のネタは山本・リーライナ、嶋田・モニカ、南雲・ドロテアといった別の組みも書きたいですね リクエスト頂いた分も少しずつ書いておりますので気長にお待ち頂けたら幸いです。 それでは、良きお正月をお過ごしくださいませ。
https://w.atwiki.jp/teitoku_bbs/pages/8332.html
738:635:2023/01/11(水) 06 30 30 HOST 119-171-248-234.rev.home.ne.jp 銀河連合日本×神崎島ネタSS ネタ サセボ異界紀行十九冊目 side:元憂鬱山本五十六 映像が終わり会議室の明かりが再び灯される。 溜息や咽び泣く声が自分の耳に入る。 「フゥ…サイッコー…(遠くを見る瞳)。」 「この世界で史実の平成の創作の続編やリメイクを見ることが出来るとは…(感涙)。」 自分の眼前ではいい年こいた大の男達が呆然と天井見上げたり涙を流してる。 慣れたがハッキリいってキモい…慣れたくはなかったが自分も夢幻会の一員何度も転生していれば嫌でも慣れる。 まあしょうがないとも思う、柏木大臣が持ってきた向こう側の日本の文物を見ればそうもなろう。 夢幻会の大半は平成と呼ばれ、二度の核の投下され敗戦した日本の生まれ懐かしがるのも無理はない。 「クッ!海防艦だと…よつにみと…迎えたかった…。」 「型月の世界さらに描かれてるとか…なんで俺はそこまで生きられなかったんだ…。」 一部の者は自分が死んだ後の伝聞ではない映像や現物付きの生の情報、 但し自分の手で出来ないを齎され絶望していたりするがまあどうでもいいだろう。 「いやはやしかし平成世界の黒澤明監督が総指揮、円谷英二氏が特殊効果に関わった特撮が見られるとは思わなかったな。」 「本当に向こうの世界どうなってるんでしょう?」 会議室の上座では辻や東條が今程に見た映画に関してそんな話をしている。現在この集まりは東條が臨時で取り仕切っていた。 本来であれば宮様がこの世界に現れなかった嶋田の代わりに取り仕切っているのだが現在この場にはいない。 宮様は現在、戦艦金剛の船霊(艦娘とか言うらしい)が生み出した霊剣を帝国として拝受するための儀式に出る為に現在伊勢神宮まで出向いている。 他にも両陛下やオランダの皇帝陛下夫妻、二藤部総理にオランダ宰相、OCU加盟国首脳、戦艦陸奥の船霊やイゼイラの神?も参加している。 なお、先程ここで行われたあの映画世界初上映を見れないと知った時の宮様の顔は忘れられない。 「しかし宮様気の毒でしたねえ…。」 「ああ…黒澤明監督総指揮、円谷英二氏が特殊効果担当に加え庵野氏他著名な映画監督や俳優が参加しているし…。」 「昭和の名優や戦前の銀幕スター、著名人…挙げ句創作の登場人物まで出るとは思いませんでした…。」 「お陰で今回の初上映見れなくて宮様、絶望の顔だったな…」 東條と辻は会話を続ける。 「少女が戦車指揮してたり戦闘機乗ってたり、爆撃機を若い女性が率いてたり…。」 「どっかで聞いた声の軍人とかいると思ったら…。」 「エンドクレジットで戦車隊指揮官:西住みほ、戦闘機パイロット:宮藤芳佳、爆撃隊司令官:高町なのは…」 「軍人その一:フランク・イェーガー、軍人そのニ:モンティナ・マックス、科学者:香月夕呼…。 まさかそこらの因果持ち込んではおらんだろうな?(汗)」 最初の人生のアニメーション作品で聞いた名がちらほらと聞こえるが後半のドイツやアメリカ系と思しき名はなんぞや? 加え因果持ち込むとか一体…? 739:635:2023/01/11(水) 06 31 07 HOST 119-171-248-234.rev.home.ne.jp 「あ、もう時間的に儀式終わってますね。」 「その後直ぐにオンラインでエストシナと繋いでCIS首脳やBC首脳交えて首脳会談だったか?両国がFFRの演習や緊急観閲式に抗議していたし。」 「ええ、当初のリシュリュー出現騒動で展開していた緊急展開部隊や在エストシナ軍。 だけじゃなくくGIGN(国家憲兵隊治安介入部隊)や陸と外人部隊の落下傘連隊に軌道空挺連隊、 とかいう特殊部隊欲張りセットに加え各軍の重装備部隊…。 挙げ句、最精鋭のリシュリューの懐剣(BBFM)までも装備含めて観閲式のためだけにエストシナに輸送機総動員して緊急展開させたでしょう? なので当初はリシュリューを出汁にした宣戦布告、開戦と同時に奇襲の為の準備。 リシュリューの存在が明るみに出た今は総力戦を行う為の演習だという疑惑が各国から大きいのですよ。 そこらの落し所探ってる筈ですよ。」 実際にマフタン大統領の真意やFFRの感情面での暴走の事実知ってる我が国や蘭帝以外から見ればそうなるだろう。 あの全軍全力展開がただリシュリューに捨てられそうになったと思ったから、 おかわり展開が観閲式に全力出すためとかリシュリュー信仰知っててもそうは思わんだろ、普通。 ただ、総力戦の演習となったのも事実だろう。 「しかしどうなることやら…。」 「他の国ともかくFFRの暴走やFFRによる開戦はあり得ないのは救いですね。リシュリューという重しがいますし。」 「ホンーっとあのリシュリューが理性的で良かった…世界は違えど我らが指揮官様々といった所か…。」 その時ドアが大きな音と共に開かれた。 「閣下!一大事です!!」 何事かと全員が目を向け、戦場経験者は腰を浮かせ懐の銃に手を居れていたが転生者な東條の従卒の姿を認めるとなんだと全員が腰を下ろす。 何ともまあ焦った様子で走ってきたのか肩で息をしていたが息を整え東條の下へと行くと紙切れを差し出す。 東條はコップを手に取りコーヒーを飲みながら差し出された紙切れに目を通す。いやアレはメモか? 「何事だ。焦ってッ!?ブフォッ!?ゴッホ!!ゴホ!?」 コーヒーを吹き出し咽る東條、その吹き出されたコーヒーは辻の顔面を直撃する。 その光景を見て東條よくやった!、辻ざまあwwという表情の者多数、普段の辻の誠実さ(必要コスト以外コストカッター)の現れだろう。 辻は無表情で顔に付いたコーヒーを拭う。 「ゴッホ!ゴッホ!…ハァ。」 「東條さん、落ち着きましたか…。」 「あ、すまない(汗)。」 無表情の辻に気圧される東條であった。 「で、君…コレほんとかね(汗)?」 「本気と書いてマジです、閣下。 OCU、FFR、CIS、BCの首脳会談でマフタン大統領の発言中に乱入したFFRの戦艦リシュリューが提案、全会一致で採択されました。」 「いや、まあコレなら各国共納得するが…本気か…(汗)?」 「保管中、使用期限間近の兵器在庫一掃、FFRと同様の経験出来る上、 ティ連が違反国潰すと安全保障確約したのが効いてるみたいです。」 「ティ連が?」 「他の発達過程文明見る機会と乗り気です。消費したものは造成して補填するとも言ってるくらいです。」 「こりゃ大事だぞ!すぐ行かなくては!ああ、みんなこのメモ回し読みして直ぐに行動始めてくれ!!」 740:635:2023/01/11(水) 06 31 57 HOST 119-171-248-234.rev.home.ne.jp そのまま東條は足早に会議室を出て行くと隣に座っていた辻がメモ読んでムンク画伯の叫びの様な顔するとorzという体勢になった。 他の者も何だ何だとメモに目を通すと顔色を変えて足早に会議室を出ていく。 「やっべ!空軍にスクランブルの訓練ねじ込まにゃならん!!」 「装備の点検もう一度せねば!!」 「おい、備蓄食料や避難経路の計画は大丈夫だったか!?」 orzでザマァな辻を無視して行くとは余程のことだろう。 「物資兎も角、人を動かすにも予算がいるんですよ…予算が…いえコレもいつかは行わなくてはと思ってたので必要経費というの分かりますが…。」 項垂れる辻を横目にメモに目を通す。 【首脳会議、OCU、CIS、BCによるFFRが行ったのと同規模の総力戦演習の個別実行を採択】 「は…?」 我が目を疑ったが真実である。 我が国のティ連加盟式典後に各国とも己の力を誇示する総力戦(演習)の季節を迎えることとなる。 これが後の世に言う総力戦オリンピックの始まりであり、後にヂラールとの戦いで役に立つとはこの時は思わなかった。 なお、事の真相。 艦娘リシュリュー「総力戦演習って…これホントに提案するの(汗)?」 艦霊リシュリュー『これなら皆納得するわ!!』 艦娘リシュリュー「戦争にならないのかしら(汗)?」 艦霊リシュリュー『大丈夫!各国ともその辺は弁えているわ!!』 艦娘リシュリュー「…何ともまあ…羨ましいホドの相互理解ね…。」 741:635:2023/01/11(水) 06 34 10 HOST 119-171-248-234.rev.home.ne.jp 以上になります。転載はご自由にどうぞ。 各国でOCUの最後の大隊なる秘密部隊の隊長さんがウキウキした様子で高笑いしているとか噂される模様。
https://w.atwiki.jp/henghengcoco/pages/19.html
職場のほうれんそう ・れん:連絡 事前連絡 ・ほう:報告 事後報告 ・そう:相談 物事決定の相談 ◆仕事の経過や結果を報告し、新しい事柄などは連絡し、大事な物事の決定や処理は相談して行うということです。 自己紹介のコツ ・配属部署、氏名はハッキリと。 ・ふだんより、ゆっくり大きな声で。うつむいたり、キョロキョロしたりするのは禁物。 ・これまでの経歴を簡略に述べる。苦労話やグチは禁物。 ◆仕事にかける夢や意気込みをイキイキと語り、最後に指導や協力をあおぐことばでしめくくる。ことばづかいは丁寧に。 上司から指示を受ける時 ・指示は最後までさえぎらずに聞き、質問はあとで。 ・要点をメモする:指示を受ける時は必ずメモをとる。 5W1H(WHATなにを・WHYなぜ・WHENいつ/いつまでに・WHEREどこで・WHOだれが・HOWどうやって)を確実に把握すること。 ・カラ返事はしない:できそうもない時は、状況を説明して優先順位など判断を仰ぐ。 ・最後に復唱して確認:指示の要点はくりかえして確認を。とくに数字や固有名詞は正確に。 上司に報告する時 ・タイミングよく報告:上司に「あれはどうなった?」と聞かれてからでは遅すぎる。指示事項が完了したらただちに報告を。ただし、いま話してよいかどうか、上司の都合を聞いてから話し出す。 ・必要とあれば中間報告:仕事が長引く場合は中間報告が絶対必要。約束の期限までにできそうにない時も、即刻上司に報告をして、指示を受けること。 ・報告は簡潔に:まず最初に結論を。次に原因、経過の順に述べる。前もって報告事項をまとめる習慣をつけよう。 ◆悪いニュースほど早く伝える 仕事でミスした時は素直に間違いを認め、早めに上司に報告をして指示をあおぐこと。仕事が遅れそうな時も同様。期限直前になって「できません」と報告するのでは、相手は対処のしようがない。 ことばづかいの基本 ・依頼する時:「おそれいりますが」で始めて「~をお願いできますか」「~をしていただけませんか」。 ・同意する時:「はい、かしこまりました」「承知いたしました」。 ・ことわる時:「いたしかねます」「わかりかねます」と婉曲に。「できません」「わかりません」ではあまりに不愛想になる。 ・謝罪する時:「申しわけございません」が最適。「ごめんなさい」「すいません」。 ・礼を述べる時:「ありがとうございます」「おそれいります」。 ことわり方・謝り方・頼み方のマナー ことわり方のマナー ◆人と人、会社と会社とのつきあいのなかで、ことわることほど難しいものはない。ムッとさせるか、納得させるかはことわり方次第。 ・まずよく相手の申し出を聞くのが第一。ことわりのことばは誠意をこめて「申しわけありませんが」と頭を下げて言えばやわらか。 ・「私どもの力不足で」「社の方針ですので」など、ことわる時にも相手の責任ではないというニュアンスが必要。 謝り方のマナー ◆たとえ自分のミスではなくても言いわけ無用。会社を代表して謝る気持ちがポイント。 ・「失礼があったそうで」の「~そうで」は、どこかで責任逃れしようとしている証拠。自己弁護は会社全体の評価を下げることに。 ・姿勢を正し、恐縮した態度で。 「申しわけございません」とはっきりと頭を下げること。 頼み方のマナー ◆頼みごとをするときは「恐れいりますが」「恐縮ですが」で始めて、あくまでも謙虚に。 ・教えを請う時:「ご都合のいい時、10分ほどお時間いただけませんか」と、まず相手の都合を第一に。 ・協力を頼む時:時と場合によっては上司からの援護射撃も必要。書類で、電話で、会ってと事の重要性を考えて手段を選ぶ。押しつけがましい、身勝手ととられないよう、相手の意見も充分聞く態度でのぞみたい。 電話のマナー 電話をかけるとき ・ダイヤルする前に、相手の会社名や名前、用件をチェック。用件はあらかじめ整理して、メモにまとめておくとよい。 ・いきなり用件に入らない、「~の件でお電話いたしました」とまず前おきを。用件が多い時は「いまよろしいでしょうか」と相手の都合を確認するくらいの配慮がほしい。 ・電話を切る時、ひと呼吸置いて静かに受話器を置く。ガチャンと切るのは感じが悪い、気をつけよう。 電話を受けるとき ・電話のベルは2回までベルが鳴ったらできるだけ早く受話器を取ること。ベルが3回以上鳴ってから取った時には「お待たせしました」のひと言をそえる。 ・「もしもし」は不要、第一声は「はい」と答えてから、会社名、氏名を名乗る。外線ならば「○○会社の○○部でございます」、内線ならば「○○部の○○でございます」。 ・相手を必ず確認する、相手が名乗らない場合には、「失礼ですが、どちら様でしょうか」と、相手の名前や会社名を確認する。 ・挨拶も忘れずに、相手が社外の人の場合は、たとえ自分と直接関係のない相手でも「いつもお世話になっております」とひと言挨拶を。 ・メモは正確に、相手の会社名、名前、日時は正確にメモ。用件は復唱して確認、特に数字は間違えないように。不明瞭な点や聞き取りにくい場合には、「失礼ですが」と聞きかえして、確実に用件を把握する。 来客案内・誘導のマナー ・廊下 来客の斜め少し前を歩いて誘導。来客に廊下の中央を歩いてもらう。歩く速度も来客に合わせる配慮を。 ・階段 上りは自分が来客の後ろにつき、下りは先に立って降りる。来客を見下ろす位置にならないよう心掛ける。 ・エレベーター 「上位者先乗り、先降り」が原則。ただし「開」ボタンを押す必要がある場合は先導者が先に乗って来客を迎え、来客のあとから降りる。 ・応接室 案内する時は、押し開きのドアの場合は誘導者が先に入室。からだの向きを変えて「どうぞ」と中に招き入れる。手前開きの場合は、先に来客を通してから入る。 名刺交換のマナー 名刺を出す時のポイント ・相手が来たら、まず立ち上がって挨拶。訪問先では相手より先に名刺を出すようにする。その場になってあわてないように、訪問の際にはあらかじめ名刺入れを用意しサッと出せるようにしておく。 ・ぞんざいに机の上に突き出したりしては失礼。「○○会社の○○と申します」と挨拶しながら、先方が読めるような向きにして差し出す。 名刺を受け取る時のポイント ・名刺は来客の存在そのもの。扱いはくれぐれも慎重に。出された名刺は両手で受け取る。この時も文字に指をかけないように配慮をすること。 ・名刺はしばらくテーブルの上におき、覚えてから名刺入れにしまう。相手が複数の場合は、並んでいる順にテーブルの上に名刺を並べておいてもよい。 紹介の基本 ◆初対面の二者を引き合わせる時には原則的に守る順序がある。 ・年少者や地位の低い人を先に紹介し、年長者や地位の高い人をそのあとに紹介する。 ・身内の人を先に紹介する。 訪問予約のルール ・ポイントを取る:電話または手紙で事前に訪問の了解をとる。いきなり訪問するのは、相手にとって迷惑にもなりかねない。やむをえず突然訪問する時も、5分前でもよいので1本電話を入れよう。 ・訪問日時は相手に合わせる:「この日に伺います」とこちらの都合を押しつけるのではなく、あくまで日時は先方の都合に合わせること。 ・時間帯を考慮する:昼食時や深夜、早朝の訪問は非常識。用向きが勤務時間内に終るように、退社時刻直前も避けたい。 ・時間厳守はマナー以前の問題。5分前必着が原則。はじめての場所に行く時はゆとりをもって出発すること。 ・万一遅れそうな場合は、必ず事前に連絡を入れる。 他社訪問先ルール ・受付に到着した時から訪問ははじまる。社名・氏名を名乗り、約束の有無・相手の部署や名前を正確に礼儀正しく伝える。 ・応接室に案内されたら、まず下座に。すすめられてから上座に移る。多少待たされても、室内をウロウロ歩きまわったりせず、静かに待機すること。 ・たずねた相手が来たら、立ち上がって挨拶。貴重な時間をさいてくれたお礼を述べる。初対面の場合はここで名刺交換。同行者がいる時は紹介となる。 ・「本日は○○の件でまいりました」と用向きを伝えてから本題へ。話は要領よく簡潔に。ダラダラした前おきやあいまいな表現は誤解のもとになるので気をつけよう。
https://w.atwiki.jp/seadra-library/pages/202.html
そして一夜が明け、2人はオルブライトの用意した船で出航した。 その船は最新式の大型蒸気式貨物船だった。 「コイツはうちの商会でも最高の船だ。最新鋭蒸気エンジンを搭載して今世界でもトップレベルの巡航速度が出せる」 オルブライトが胸を張って言う。 「確かに言うだけあって見事な船だと思うわ。・・・けど、この船でその巨大生物とやり合えるワケ?」 サムトーが問うと、オルブライトが肩をすくめて見せる。 「実際確認してみん事には何とも言えんが、聞いてる通り本当にこの先に待ち構えてるのが蟹竜だとしたらこの船じゃどうにもできんな。この船はそのまま軍用に使えるほどの装甲と火力を持ってるが、それでも蟹竜が相手じゃ甲羅の表面にちゃちな擦り傷付けるのが精一杯ってとこだろうさ。反対に向こうは特に攻撃してこなくたって動くだけで高波が起きてこっちは巻き込まれて船は沈み、俺たちは海の藻屑となって一巻の終わりって事になる」 さらりと絶望的な事を言うオルブライト。 「・・・え・・・。それじゃどうするんですか?」 不安げな表情を浮かべるセシルにオルブライトは白い歯を見せて笑った。 「決まってるだろう・・・避けていくんだよ」 結局、船は前方に待ち構えている巨大生物を探知機で見つけると同時に大きくそれを迂回する航路を取った。 「まあ時間のロスにゃなるがね。それでも勝ち目のない怪物の待つ死の交差点を通るよりはずっとマシだろう」 オルブライトの言葉にセシルは肯いた。 「前方に雨雲も無いようだ。ここからは快適な船旅を楽しんでくれ。2日ほどでセントコーラル諸島へ着く。そこで補給を行ったら後はアンカーの町までノンストップだ」 そう言うとオルブライトは急にぐらりとよろめいた。 「・・・!・・・オルブライトさん!!」 甲板に倒れそうになるオルブライトを慌ててセシルが支えた。 「どうしたんですか!?」 オルブライトはハァハァと荒い息を吐きつつ、真っ青な顔でセシルを見た。 「・・・船酔いだ・・・。自慢じゃないが俺は船に弱いんだ。・・・そして泳げない!!」 「ええええええええええだって船乗りだったんでしょ!!!!?」 思わずセシルが絶叫する。 「・・・難儀なオッサンねぇ・・・」 そんな2人をやや離れた場所で眺めていたサムトーがそう言って嘆息した。 オルブライトが口にした通り、それから2日後に船はセントコーラル諸島が一望できる海域へと到着した。 「補給は半日程だが・・・この辺は暗礁が多くて夜に船出するのは危険だ。翌朝を待って出航する。今日一日は観光を楽しんでく・・・・おえっ!! おええええええええ!!!!!!」 船の縁からゲーゲーと吐いているオルブライトの背を必死にクルーがさすっている。 しかしセシルはそっちを見ていなかった。 船の縁に手をかけて身を乗り出すようにしてセントコーラルの島々を見ている。 「・・・凄い・・・」 その口から呟きが漏れた。 「驚いた? セントコーラルはその名の通り、珊瑚礁の島なのよ」 その隣でサムトーが説明する。 目の前に広がる海には、転々とピンク色の島々が連なっている。 当然島には草木は無く、木造の建物が並んでいた。 「後は魚人たちの楽園としても有名ねぇ」 「魚人? 魚人ってあのサハギン種族の事?」 サムトーが肯く。 「そうよ。でも一口にサハギンと言っても海には実に多種の魚人がいるのよ? ま、それはこれから自分で目にして確かめてみるといいわ」 やがて船が静かにセントコーラルの一島の桟橋へ着く。 セシルは真っ先に船を下りた。 すると早速そのセシルに声をかけてきたものがいる。 「やあ人間のお嬢さん。ようこそセントコーラルへ」 それは魚人であった。随分身体に赤みを帯びた魚人だ。 「私はシオダと申します。仲間内では『ゴールデンアイズ』なんて呼ばれてもいますが」 (・・・金目鯛の魚人さんだわ・・・) ほっほっほと笑い声を出しているシオダを見てセシルが思う。 「お嬢さんはこの地は初めてですね? それでは長老の所へご案内しましょう」 「長老さま・・・ですか?」 するとそこへややフラつく足取りでオルブライトが下りて来た。 「ここへ初めて来た奴は全員長老に面通しする仕来りなんだ」 そう言うとオルブライトはシオダに片手を上げて挨拶した。 2人は顔なじみらしい。 「俺もここはしばらくぶりだし、挨拶しとく事にしよう」 そう言うオルブライトとサムトーを伴ってセシルは長老に挨拶に行く事になった。 シオダが一行を案内したのは、浜辺に面した比較的大きな小屋の中だった。 (・・・ご不在?) セシルが小屋の中を見回すが、人影は無い。 上座には大きなサザエの様な貝が置いてある。 「よう、爺さんしばらくぶりだ。ちょっと厄介になるぜ」 無人の部屋へオルブライトが挨拶する。 すると・・・。 「・・・なんじゃ、懐かしい声がするのう」 貝の中からしわがれた老人の声がしたかと思うと、何かがヌッと貝から顔を出した。 驚いたセシルがキャッと悲鳴を上げる。 「おおっと・・・こりゃ失礼したのう。お嬢ちゃんは『貝人』を見るのは初めてのようじゃな」 半人半貝の老人はそう言ってふぉっふぉと笑った。 「ワシゃマルーダと言う。この辺りの取り纏め役みたいなジジイじゃよ」 そう言ってマルーダ長老はキセルを取り出してスパーッと吹かした。 セシルも丁寧に長老に名乗って頭を下げる。 「そうかしこまらんでもええ。一応この地域の代表として訪れる者の顔と名前くらいは知っておこうとその程度の話じゃて」 「この辺りは相変わらず平和そのものだな」 窓から外を見てオルブライトが言う。 窓から見える浜辺には漁をする魚人や観光客らしい海水浴客が見える。 「ところがそうでもないんじゃよ」 長老がフーッとため息に紫煙を混ぜて吐き出した。 「・・・財団が来とるよ」 「!!!」 長老の言葉にセシルが弾かれた様に顔を上げた。 「・・・何だぁ? 何で財団が? 一大リゾート施設でも作ろうってのか」 訝しげな表情を浮かべるオルブライト。 「・・・さてのぅ。そんな生易しい話なのかどうか・・・。来ておるのはシュヴァイツァーじゃよ」 全員が絶句する。 3人ともその名前には聞き覚えがあった。 財団のリヒャルト・シュヴァイツァーと言えば知らない者は少ないだろう。 「財団の『軍事部門』の統括者ね」 サムトーが静かに言った。 世界中に広がる巨大組織ロードリアス財団。 その傘下の全企業は『総務部門』『軍事部門』『金融部門』『情報部門』『研究開発部門』の総責任者5人によって統括されている。 『ハイドラ』と特務部隊が財団の裏の顔とするなら彼ら5人は財団の表の顔である。 一行の上に思い沈黙が舞い降りたその時、いきなりその空気をブチ壊しにするのんびりした女性の声がした。 「おはようございます・・・あふ・・・今何時でしょうか。私ちょっと寝すぎてしまったみたいで・・・」 セシルが顔を上げると、そこにはエルフの女性が立っていた。 切れ長の瞳の美人だ。胸にはピンクのリボンを首に巻いた子豚を抱いている。 「あら、お客様でしたか。これは失礼しました。私はパルテリース・ローズマリーと言います。そしてこの子は愛馬のアントワネットちゃん」 そう言ってパルテリースは子豚を皆の前に差し出した。 子豚はつぶらな瞳で一行の顔を眺めると 「ぷぎー」 と一声鳴いたのだった。 その珊瑚の島々より遥か南西のシードラゴン島。 アンカーの町にも財団の5人の統括者の内の1人が今滞在している。 アンカーグランドホテル最上階、ロイヤルスイートルーム。 弱冠17歳にして財団系大銀行7つの頭取に名を連ねる財団金融部門の総責任者エトワール・D・ロードリアスである。 そのエトワールの机の上の電話がけたたましく鳴り響く。 「あー、ハイハイもしもし、こちら無慈悲な金利と容赦無い取立てで皆様の生活を奈落の底へと一直線、いつもニコニコエトワールローンです」 エトワールが電話に出る。 「は!? 何!? 拙者拙者って何だ拙者拙者サギかオイ!!! そーゆーのは間に合ってますよゴルァ!!!」 受話器に向かって叫ぶエトワール。 「・・・ああ、何だお前かよ。 何? もう殺ったん? ・・・っていつまでたっても連中が来ない? 知らねーよそんなの。 ・・・え? ぶっ!!!!! お前クラブドラゴンで街の近くで待ち構えてんのかよ!!? アホかそんなもんノコノコ近付いてくる奴なんかいるはずねーだろ!! は!? 武士は正々堂々!? ・・・やかましいわお前共和国産まれの共和国育ちの生粋のファーレンクーンツ人だろうが!!! この元銃士が!!!!」 ガチャン!!!と乱暴に受話器をフックに叩きつけるエトワール。 そして何事かと見ているアイザックと大龍峰の2人に 「・・・リチャードのバカが、やり過ごされやがった」 と顔をしかめて言ったのだった。 第20話 2← →第20話 4
https://w.atwiki.jp/trinity_kristo/pages/334.html
キリスト教との関連などから考えていく。 より広範なものとしては、他の神話との関係を参照。 宗教の分類 宗教の系統 宗教には大きく分けて三つの源流があり、①アブラハムの宗教、②アーリア人の宗教(インド宗教)、③東アジアの宗教 である。ここではこれらに、④神秘主義 を加える。 ①アラビアの多神教→メソポタミア神話→ウガリット神話→ユダヤ教→キリスト教、イスラム教(→シク教) ②インド・ヨーロッパの祖多神教→インド・イラン神話(→ゾロアスター教)、ギリシャ神話(→ローマ神話)、バルト神話、スラブ神話、ゲルマン神話(→北欧神話)、ケルト神話 ②サンスクリットの多神教→ジャイナ教、ヒンドゥー教(→シク教)、〔上座部〕仏教(→大乗仏教) 宗教の特性 同じ系統の宗教であっても、教義が相いれないことはある。ここでは、宗教の特性ごとに分類する。 1.アブラハムの宗教 シュメール神話、アッカド神話、ウガリット神話(カナン神話)に起源を持つ。 ユダヤ教 神…ヤハウェ(主) 信仰の対象…神 預言者…モーセ(前13世紀頃)、エリヤ(前9世紀)、イザヤ(前8世紀)、エレミヤ(前7世紀末~前6世紀前半)など 聖典…旧約聖書(前7世紀頃編纂) 開祖…特になし(強いて言えばモーセ) 成立…原始的な形態は前12世紀頃とされるが、現在の形になったのは前539年のユダヤ帰還後 地域…イスラエル 70年にエルサレム神殿が破壊されて以来、預言者はユダヤの民に下されなくなったのだと考えている。この世に預言者がなくなれば、神との契約は更新されることはありえないとし、ユダヤ教徒はモーセの「旧い契約」に対して、キリスト教で神と結んだ「新しい契約」と主張される新約聖書の内容を認めていない。 キリスト教 神…三位一体(父(ヤハウェ)、イエス・キリスト、聖霊) 信仰の対象…三位一体たる神 預言者…ユダヤ教の預言者、ザカリア、洗礼者ヨハネ 聖典…旧約聖書、新約聖書(1世紀中盤~2世紀中盤) 開祖…イエスの弟子たち(特にパウロ) 成立…紀元30~33年頃(イエスの活動期~十字架刑) 地域…イスラエル→ローマ帝国→全世界 神の子イエス・キリストの磔刑による死を以て、人間の原罪が赦されたと考える。 イスラム教 神…アッラー(ヤハウェ) 信仰の対象…神 預言者…ユダヤ教の預言者、キリスト教の預言者、イーサー(イエス)、ムハンマド 聖典…クルアーン、ハーディス、(旧約聖書のモーセ五書、新約聖書の福音書) 開祖…ムハンマド 成立…622年(メディナにウンマ(イスラーム共同体)ができたヒジュラの年) 地域…アラビア→北アフリカ、中東、東南アジア ユダヤ教から分化した宗教であるため、神はキリスト教と同じだが、イエスをキリストとして認めず、預言者の一人に含める。また、ムハンマドを最大にして最後の預言者と考える。聖典には聖書も含まれるが、改竄されて信用できないものであると解釈するため一般的には読まない。 クルアーン4 157-158の記述から、現代イスラム教では「イーサーは十字架の上で死なず、替え玉とすり替わり、昇天した」という立場をとる。しかし、クルアーンの記述のみを考えると、本来想定していたのはグノーシス主義やマニ教のように「肉体としてのイエスは十字架刑により死んだが、「真のキリスト」は死なずに昇天した」という捉え方をしていたと推察される。 バーブ教(新宗教) 神…ヤハウェ? 預言者…イスラム教で認められる預言者に加え、バーブ 聖典…バヤーン(Persian Bayán) 開祖…バーブ 成立…1844年 ムハンマド以降の初の預言者を標榜している。 バハーイー教(新宗教) 神…ヤハウェ? 預言者…バーブ教で認められる預言者に加え、ゾロアスター、釈迦、バハーウッラー。 聖典…クルアーン、バハーウッラーの著作(「キターブ・アクダス」など 開祖…バハーウッラー 成立…バーブが処刑された1850年以後 イスラム教から分化した宗教だが、多神教を網羅する一神教で、多神教の神も全て唯一神が、地域と時代により伝え方がその民族にあった伝え方をしたためにおきた現象であり、ゾロアスターや釈迦などを含めて、全て同じ事を言っている、そのため、他の宗教を批判する事は誤りである、としている。 2A.アーリア人の宗教(ゾロアスター教系) インド・ヨーロッパ神話に起源をもつもののうち、ペルシャで普及したゾロアスター教に関するものである。 ゾロアスター教 神…多神教(最高神以外は被造物) 最高神…アフラ・マズダー 信仰の対象…最高神 預言者…ザラスシュトラ(前7世紀頃とするのが定説だが、前13世紀頃とも言われ、はっきりしない) 聖典…アヴェスター(紀元3世紀) 開祖…ザラスシュトラ 成立…少なくとも紀元前6世紀以前 地域…イラン ゾロアスター教はアーリア人の祭司だったザラスシュトラによって開かれた。彼が30歳の時、天使ウォフ・マナフ(Vohu Manah)に導かれて正義の神アフラ・マズダ(Ahura Mazda)に出会い啓示を受けた。アーリア人は多くの神を信じていたが、ザラスシュトラは、アフラ・マズダこそが唯一の神であると説き、アフラ・マズダの言葉を人々に伝え始めた。ゾロアスター教の教えである一神教、天国と地獄、最後の審判などの概念は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教あるいは仏教に大きな影響を与えたといわれている。 ミトラ教 神…多神教 最高神…太陽神ミトラス 信仰の対象…最高神 開祖…特になし(イランのゾロアスター教教の神官?) 成立…前1世紀 流行:後1世紀~4世紀 地域…ローマ帝国 ミトラ教は牡牛を屠るミトラス神を信仰する密儀宗教である。信者は下級層で、一部の例外を除けば主に男性で構成された。信者組織は七つの階級があり、上から①父、②太陽の使者、③ペルシア人、④獅子、⑤兵士、⑥花嫁、⑦大鴉であった。それぞれは①土星、②太陽、③月、④木星、⑤火星、⑥金星、⑦水星の守護下にあった。七つの星界を経て魂が上昇して不死にあずかるという教義があったらしい。入信には試練をともなう入信式があった。 マニ教 神…光の王国の光明の父・偉大なる父(ズルワーン)、闇の王子 人間の創造主…「光明の父」が呼び寄せた「第三の使者」を模倣して、大悪魔と大女魔が創造した。 信仰の対象… 預言者…イエス(西方)、釈迦(東方)、ザラスシュトラ(中央世界)、マニ(最後の預言者) 開祖…マニ(3世紀) ゾロアスター教を背景に、キリスト教グノーシス派の流れを汲んでおり、啓典宗教の特徴をもつ。かつては北アフリカ・イベリア半島から中国にかけてユーラシア大陸で広く信仰された世界宗教であった。 ユダヤ教、キリスト教、仏教、ゾロアスター教の考えを引き継いでおり、それぞれの開祖を預言者と位置付けているが、イエスに関しては、肉体を持たない「真のキリスト」と、それとは対立する十字架にかけられた人の子イエス(ナザレのイエス)とを区別する。すなわち、十字架刑により人の子イエスは死んだが、「真のキリスト」は父の元へ帰ったと考えている。 2B.アーリア人の宗教(インド神話系) インド・ヨーロッパ神話に起源をもつもののうち、インドで普及したバラモン教に関するものである。 バラモン教 神…雷神インドラ、火神アグニ、水神ヴァルナなどを重要視する多神教 聖典…ヴェーダ(前15世紀頃) 開祖…なし 成立…前15世紀頃 インドに侵入してきたアーリア人によってつくられた宗教。 ヒンドゥー教 神…多神教 最高神…三神一体の神(創造神ブラフマー、維持神ヴィシュヌ、破壊神シヴァ) 信仰の対象…三神一体たる神 聖典…ヴェーダ(前15世紀頃) 開祖…なし 成立…前5世紀頃 ヒンドゥー教は西暦4世紀以降のインドで隆盛となった宗教である。しかし、その起源は古く、紀元前10世紀以前のインドに起こったバラモン教(ヴェーダの宗教)の流れを汲むものだといわれる。 ヴェーダの宗教とヒンドゥー教の間には数々の違いがあるが、終末論的な観点からいうと、ヒンドゥー教が輪廻転生の思想を基本にしていることだといえる。輪廻転生とは、この世に生きているものは人間も動物も死後に再び生まれ変わって誕生し、これが永遠に繰り返されるという考えである。このような考えは、ヴェーダの時代にはなく、ヴェーダの時代が終わってから紀元前500年頃までの間に誕生したものである。 インド生まれの宗教として、ヒンドゥー教の他に仏教やジャイナ教があるが、これらはみなこの時代以降に成立したので、いずれの場合も輪廻転生の思想を持っている。 なお、近世以降、ヒンドゥー教では「三神一体論(トリムルティ)」とよばれる教義が唱えられた。この教義では、本来は一体である最高神が、三つの役割「創造、維持、破壊」に応じて、三大神「ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ」として現れる。 シク教 神…イク・オンカール・サト・ナーム(「唯一の神は真理である」の意味、アッラーもヴィシュヌも同じ存在) 信仰の対象…神との合一(ムクティ) 聖典…グル・グラント・サーヒブ(教典にして、生ける永遠のグル) 開祖…グル・ナーナク イスラム帝国がインドを征服した歴史の中で、「ヒンドゥー教徒もイスラーム教徒もいない」人類すべてが分かち合える『唯一なる真理』のメッセージを人々に送るためにつくられた宗教。 ヒンドゥー教と同様に輪廻転生を肯定している。カーストを完全否定しているがこれにはイスラム教の影響もあると考えられている。神は一つであるとして、唯一神を標榜している。神には色々な呼び名があり、それぞれの宗教によって表現のされ方の違いはあるが諸宗教の本質は一つであるとし、教義の上では他宗教を排除することはない。アラーもヴィシュヌも同じ神の異名にすぎないという立場である。 シク教の最終目標は、輪廻転生による再生を繰り返した末に、神と合一するムクティである。ムクティに至れるかどうかは他人への奉仕とグルの恩寵にかかっており、ムクティと個人の性やカーストは無関係とされている。人の一生を精神の超越への行程と考えるヒンドゥー教に対し、シク教では人は自分の事ばかり考える人間は5つの煩悩(傲慢、欲望、貪欲、憤怒、執着)に負けてしまうため、真のシク教徒は一生を常にグルに向け、神を究極の師(サド・グル)として仰ぐ。 2C.アーリア人の宗教(仏教) インド・ヨーロッパ神話に起源をもつもののうち、バラモン教から発生した仏教に関するものである。 原始仏教・上座部仏教 神……不可知論的だがバラモン教と共有 最高神…創造神ブラフマー〔梵天〕(その他に、軍神インドラ〔帝釈天〕など重要) 信仰の対象…なし(強いて言うならブッダ(覚醒者)) 聖典…パーリ仏典 開祖…ブッダ〔仏陀〕=ガウタマ・シッダールタ〔釈迦〕 成立…前5世紀 輪廻転生が言われていた古代インドにおいて出現した思想。出家して厳しい修行を積んだ僧侶だけがさとりを開き、輪廻転生から解脱して、死後、天へ行くことができる。したがって、悟りを開くための修行をしたわずかな人が救われ、一般の人々は救われない。小乗仏教では、さとりを開いた35歳以上の釈迦を崇拝する。 大乗仏教(顕教) 宇宙仏〔神〕…毘盧遮那仏〔ヴァイローチャナ〕 人に姿を変えた宇宙仏…釈迦如来 信仰の対象…釈迦如来(日蓮宗など)、阿弥陀如来(浄土宗) 聖典…『華厳経』『法華経』『般若経』『涅槃経』など。(浄土宗は『大無量寿経』) 開祖…龍樹〔ナーガールジュナ〕 成立…2世紀 ブッダとは歴史上にあらわれた釈迦だけに限らず、過去にもあらわれたことがあるし未来にもあらわれるだろうとの考えはすでに大乗以前から出てきていたが、大乗仏教ではこれまでに無数の菩薩たちが成道し、娑婆世界とは別にある他方世界でそれぞれのブッダとして存在していると考えた。この多くのブッダの中に西方極楽浄土の阿弥陀仏・阿弥陀如来や、東方の浄土とされる浄瑠璃世界の薬師仏・薬師如来(阿閦如来)などがある。ただし、密教とは異なり、衆生を教化するために姿を示現した「釈迦如来が、秘密にすることなく明らかに説き顕した教え」である。 大乗仏教の仏とは、宇宙そのものであり、宇宙の真理とでもいうべき仏陀(宇宙仏)である。(一般の宗教での「神」に当たるのが宇宙仏とも言える)この宇宙仏が真理を説き、教えを説く。しかし、宇宙仏は姿、形が無く、そのままでは教えを説く事が出来ない。そこで宇宙仏が人間である釈迦に姿を変えてこの世に登場した、と考える。 しかし、宗派によって最高位の仏は異なり、毘盧遮那仏が人となって表れた釈迦如来を最高位に置く宗派と、西方極楽浄土の仏である阿弥陀如来を最高位に置く浄土宗系の宗派に分かれる。 3.東アジアの宗教 シンクレティズム(syncretism, 習合)は東アジアの宗教に共通の特徴である。シンクレティズムとは、相異なる信仰や一見相矛盾する信仰を結合・混合すること、あるいはさまざまな学派・流派の実践・慣習を混合することである。そのため、個々の信仰を認識するのが困難な場合が多い。 また、東アジアでは宗教を権力正当化のよりどころとしなかったため、宗教的統一が図られなかったという事情もある。 道教・中国伝統宗教 神…多神教 最高神…神学的には元始天尊だが、時代により変わる 信仰…道(タオ)と一体となること 開祖…老子? 道教は漢民族の土着的・伝統的な宗教である。中心概念の道(タオ)とは宇宙と人生の根源的な不滅の真理を指す。道の字は辶(しんにょう)が終わりを、首が始まりを示し、道の字自体が太極にもある二元論的要素を表している。この道(タオ)と一体となる修行のために錬丹術を用いて、不老不死の霊薬、丹を錬り、仙人となることを究極の理想とする。それはひとつの道に成ろうとしている。 全真教と正一教が主要な宗派。全真教は古代(三国志の時代の太平領王道辺り)の初期道教を継承したものでこちらが玉皇大帝を最高神とする場合が多い。正一教は明代以降に「老子」の教えを取り込んだものでこちらが三清などが最高位に来る場合が多い。 儒教 神…『天』という曖昧な概念だけがあり、人格は存在しない。 信仰…「礼」を尽くすことで、君子の政治を実現させること 開祖…孔子 君子の政治を実現させ、「仁義」という理念と「礼」という作法を強調し、年齢や身分による上下関係を説くものである。儒教は一見、為政者の理念を説いているようでいて、それ以上に民衆の義務を強調していることから、施政者によって利用されてきた。 神道 神…多神教ですべての者に神が宿る、祖霊崇拝性により祖霊も神に含まれる 最高神…天照大神(あまてらすおおみかみ)だが、神学上は天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ) 開祖…なし 神道(しんとう)は、日本の宗教。山や川などの自然や自然現象、また神話に残る祖霊たる神、怨念を残して死んだ者などを敬い、それらに八百万の神を見いだす多神教。自然と神とは一体的に認識され、神と人間とを取り結ぶ具体的作法が祭祀であり、その祭祀を行う場所が神社であり、聖域とされた。 4.神秘主義系統 一言でいうならば、神(絶対者)を直接認識し、直接つながり、合一することができると信じる宗教形態である。各地の大宗教からも生み出されている。 プラトン哲学 根本原理…諸々のイデア(ものごとの真の姿) 物質世界の創造主…デミウルゴス 提唱者…プラトン プラトンは、我々の属する物質世界、現象世界の上にイデア界(叡智界)をおいた。このイデアという概念は、プラトン哲学の中心概念ともいえる。イデアとは言ってみれば、完全にして普遍、永遠の真実性であり、物体としては捉えられない存在である。我々の感覚的世界の事物はこのイデアを原型とする模造であり、イデアを分有してのみ存在する。イデアは、我々の感覚的知覚の対象とはならず、理性的認識の対象である。 グノーシス主義(キリスト教グノーシス派) 神…至高神 物質世界の創造主…偽の神ヤルダバオート(=デミウルゴス、=YHWH) 信仰の対象…至高神、至高神の送られた霊的存在イエス 預言者…イエス(至高神により天の国バルベーローから送られてきた存在) 聖典…独自の聖書 開祖…特になし ユダヤ教的な唯一絶対の創造神を設定した場合、それだけでは、善なる唯一神が存在していながらその一方で人々を不幸に陥れあるいは破壊する悪が絶えないのはどうしてかという解決不能な問題が持ち上がる。グノーシス主義はこの問題に様々な解答を試みたが、その中には物質的な宇宙の創造は全能の神によるものではなく、サタン(悪)もしくは「神の不完全な代理人」が神の意図を誤解しておこなったものであるというものがあった。すなわち、善なるものは霊的なものに限られ、物質は悪に属するという考え方である グノーシス主義では、『旧約聖書』に登場するヤハウェと名乗っているデミウルゴスを、固有名で「ヤルダバオート」と呼んでいた。『旧約聖書』において愚劣な行為を行い、悪しき行いや傲慢を誇示しているのは、「偽の神」「下級神」たるヤルダバオートであるとした。しかしヤルダバオートは自らの出自を忘れ、自らが唯一の神であると信じている。 グノーシス神話では、神の国・天の国はバルベーローである。バルベーローとは至高神の似姿からつくられたアイオーン(至高の最初のイデア)の国である。イエスとは至高神により、バルベーローから送られてきた存在という位置づけである。 物質界が不完全であるのは、物質界が至高神のバルベーローから零れ落ちた存在であり、したがって物質界はバルベーローから最も離れた場所にあるからである。これを「流出説」と呼ぶ。 新プラトン主義(=神秘主義) 根本原理=神…一者(ト・ヘン/to hen) 信仰の対象…我々の魂を「一者」と合一させること 提唱者…プロティノス プラトン哲学と基本的には同じだが、従来のプラトン哲学のイデア界以上の究極の原理を求める。 すなわち、このイデア界にも様々な階層がある。そして、この究極の原理を求めるのならば、一切の多様性を取り除いた原理が求められなければならない。これは、多様性どころか存在や思惟すらも超えた所にある原理でなければならない。これこそが「一者(ト・ヘン)」であり、様々な物に分化する前の統一体でもある。 この「一者」は空間や時間を超越した存在であるから、どこにあるわけでも、いつあったわけでもない。動きもしないし、静止もしていない。形も大きさも重さもない。意識すら当てはまらない。意識は「見るもの」と「見られるもの」という対立から生じるのだが、「一者」には、そういった区別も無い。また「一者」は、神とも呼ばれるが人格を持っているわけでもない。要するに、あらゆる規定や法則に縛られない根本原理のことである。 新プラトン主義も「流出説」をとる。つまり、流出したということは、完全な存在である『一者』から、こぼれ落ちた存在だということになる。『一者』からの流出は、『ヌース(知性、精神、理性。イデアを認識するための理性的能力のこと)』から『魂』を経て、段階を踏んで『質料(物質的な存在)』に行き着く。 しかし、人間は本来は、天上的な存在であり、我々の「魂」の故郷はイデア界にある。よって、「魂」を解放してイデア界に帰り、そこからさらに「ヌース」へと高まり、ついには「一者」そのものと合一する。 狭義の新プラトン主義の定義としては、①超有的超知性的な最高始元(つまり『一者』のこと)を設定していること、②イデア界において『ヌース』と『魂』を区別していること、③流出説を承認していること、④我々の魂の最高始元との合一の可能性を承認していること、この4つの条件を満たしている哲学思想のことを言うという。 ヘルメス思想 神…「一者」(=YHWH) 聖典…ヘルメス文書 信仰の対象…「一者」からの万物の流出や、神を認識することを救いとする。 開祖…ヘルメス・トリスメギストス ヘルメス文書に由来する思想。ヘルメス文書には紀元前3世紀に成立した占星術などの部分も含まれるが、紀元後3世紀頃までにネオプラトニズム(新プラトン主義)やグノーシス主義などの影響を受けて、エジプトで成立したと考えられている。内容は複雑であり、占星術・太陽崇拝・ピタゴラスなどの要素を取り入れている。他にも、「一者」からの万物の流出(ネオプラトニズム的)や、神を認識することが救いである(グノーシス主義的)などの思想もみられる。 ヘルメス主義とグノーシス主義は互いに共通のイメージ(神話、プラトン哲学、聖書など)を用いるが、前者が親宇宙的(Pro-cosmic)であるのに対して、後者が反宇宙的(Anti-cosmic)である点が異なる。創造主の否定につながるグノーシス主義が正統派のキリスト教と相容れないのに対し、ヘルメス主義は必ずしもキリスト教と矛盾するものではない。 大乗仏教(密教) 宇宙仏〔神〕…大日如来〔ヴァイローチャナ〕(日本密教)、本初仏(チベット仏教) 人に姿を変えた仏…釈迦如来 信仰の対象…大日如来(日本密教)、本初仏(チベット仏教) 聖典…『大日経』『金剛頂経』『理趣経』など。 開祖…龍猛(伝統的に龍樹〔ナーガールジュナ〕であると言われるが時代が異なる) 成立…伝承によれば2世紀? 顕教では釈迦を通じて教えを得ようとするが、密教では直接、大日如来に教えを聞こうとする。宇宙仏(神)と直接つながろうとする点で、神秘主義の一種である。顕教とは異なり、真理そのものの姿で容易に現れない「大日如来が説いた教えで、その奥深い教えである故に容易に明らかにできない秘密の教え」である。全ての諸仏は宇宙仏が現れたものだと考えるため、どのような仏像を祀っていても、信仰の対象は宇宙仏である。 チベット仏教では、大日如来をも超える根源的な存在となる法身の「本初仏」を崇拝する。 カバラ 神…エイン・ソフ(YHWH) 聖典…聖書に加え、独自の聖典 開祖…3-6世紀頃自然発生 カバラはユダヤ教の伝統に基づいた創造論、終末論、メシア論を伴う神秘主義思想である。独特の宇宙観を持っていることから、しばしば仏教における密教との類似性を指摘されることがある。しかし、これはもっぱら積極的な教義開示を行わないという類似性であって、教義や起源等の類似性のことではない。 カバラでは世界の創造を神エイン・ソフからの聖性の10段階にわたる流出の過程と考え、その聖性の最終的な形がこの物質世界であると解釈をする。この過程は10個の「球」と22本の「小径」から構成される生命の樹(セフィロト)と呼ばれる象徴図で示され、その部分部分に神の属性が反映されている。したがってカバラは一神教でありながら多神教や汎神論に近い世界観を持つ。 『エイン・ソフ』は、自らの姿を見ようと欲してこの世を創られたとあるが、『エイン・ソフ』から私達の住む現象世界は、直に発生させることはできなかった。そこで『エイン・ソフ』は、自らと現象世界を媒介とさせるために「セフィロト」を放射したといわれている。この世に存在する自然万物はすべて「セフィロト」の力によって発生したものである。『エイン・ソフ』は、全宇宙の統治者であり、自然万物の中に秘められて存在しているといわれている。 スーフィズム 神…アッラー 聖典…クルアーン 開祖…9-10世紀頃自然発生 スーフィズム教団間を統括するような教理体系は現れなかったが、おおむね一致する教理として次のようなものがある。つまり、創造者である神と被創造物である人間の内的な繋がりを仮定し、強い愛の力によって両者の隔たりを消滅させ、精神的合一を目指すというものである。 スーフィーの修行は階梯にたとえられ、神の与えてくれる心的状態(アフワール)を経験するとひとつ上の段階に移行できる。すべての階梯を登り切ると忘我の境地に至り、霊知(マアリファ)と真理(ハキーカ)と呼ばれる高い意識を永続的に得られると考えられた。 スーフィズムでは禁欲的で厳しい修行を行う。 修行法は様々だが、もっとも重要な行はズィクルと呼ばれる祈祷句を読み上げる儀礼である。神に思念を集中し一心不乱に連祷することでファナー(消滅・消融)と呼ばれるトランス状態に入り神秘体験をする。 ファナーに入るために音楽や踊りも盛んに用いられた。たとえば、白い布状の服を身につけて一心不乱に回る、回旋舞踊(セマー)と呼ばれるものを行い、神との一体化を求めた。スーフィーは導師の指導の下、決められた修行(マカーマート)を段階的にこなし、準備を進める。最終段階では、雑念を捨て去り一心に神の事をのみ考え、神と合一したという悟りが訪れるのを待つ。この境地に至った者は、時として聖者に認められ、崇拝の対象となった。 オカルティズム 「隠されたもの」 occultaを認める思想およびそれに基づくいろいろな行動をさす。通常の認識では解明できない自然現象、人間的事象などがその対象となる。占星術、呪術などをさすが、歴史的には近代科学を準備したともみられる面がある。 近代においてはバラ十字団やシェリングの学徒ケルナー、ツェルナーなどが、学問的復権をはかり、19世紀以来の神智学もこの系統に数えられる。特定の思想を指す言葉ではないため、宗派によって神や世界観は異なる。 5.無宗教・不可知論 不可知論 神…神の有無について知ることはできない 不可知論(agnosticism)は、ものごとの本質は人には認識することが不可能である、とする立場のこと。神の存在を知るとか、証明することは不可能であると考えており、原始仏教に近い立場ともいえる。 無神論 無神論(atheism)は、世界観の説明に神の存在、意思の介在などが存在しない、または不要と主張する考え方である。 「無宗教」と混同されがちだが、無宗教は特定の宗教を支持しない状況を指しており、積極的に神を否定する無神論と厳密には区別して考えられるべきである。唯物論や機械論を無神論とみなす者もいるが、これらの理論は霊魂や物質世界への超越的な力の介入を否定しているのであって、必ずしも神の存在を否定しない。 神の比較 イスラム ユダヤ・キリスト ゾロアスター バラモン・ヒンドゥー 仏教 アッラー YHWH - - - - - - ブラフマー ブラフマー〔梵天〕 - - アフラ・マズダー ヴィローチャナ ヴァイローチャナ〔毘盧遮那仏〕 サタン サタン 暗黒神アーリマン - - 大天使ミーカール 大天使ミカエル ミスラ ミトラ マイトレーヤ〔弥勒菩薩〕 リンク キリスト教と他宗教との関係(Wikipedia) List of religious populations(Wikipedia) 信者数が多い世界の宗教ランキングとその宗教の概要 世界の諸宗教 世界の宗教人口 宗教とは(Religion) 世界の宗教の聖典を日本語で読む ユダヤ教関連 ユダヤ人が長い間迫害されてきた理由が良く分かるまとめ ヒンドゥー教・バラモン教関連 バラモン教の神々 仏教関連 PCCM 3rd Ed(東洋の学問研究サイト) 大乗仏教にみられるキリスト あるキリスト教者の仏教誤解 正しい教えの白蓮 大乗仏教と上座部仏教 歴史的宗教 http //zatugaku.jp/reli-3.htm ゾロアスター教関連 世界史講義録よりゾロアスアー教 道教関連 道教の神々 新プラトン主義 http //www5e.biglobe.ne.jp/~occultyo/shinpi/sinpuraton.htm
https://w.atwiki.jp/orbiscountry/pages/26.html
(国旗) (国章) 国名 泰緬連合王国 国歌 タイ国歌 国の標語 未来は我らの為に 産業 農業 観光業 国家元首 ダッサコーン王 首相 首長会議 実質なし 政治体制 ポピュリズム 立憲君主制 与党 消滅 人口 1億1000万 GDP 300万 通貨 バーツ ฿ 所持CD 25k 軍隊 晒さん 国教 上座部仏教 概要 タイとビルマの2国による連邦制を採る王国である。 軍隊 歩兵と自動車化 外交 アフラジア会議加盟 インド並びに東インドで東インド洋同盟を形成中 日本と同盟 王国慨史 2325/4/6トンブリー朝タークシン王が処刑され、アユタヤ王家の地を継ぐラーマ一世が即位した後、首都をクルンテープに移し、成立。 同年~2352年 複数回にわたって進行してきたビルマ軍を駆逐。 2352/9/7 ラーマ一世、崩御。 トンブリー朝の大将軍は一国の王となり、多くの臣民に愛された。享年72歳。 同日 ラーマ二世、即位。 2367/7/26 ラーマ二世、病により崩御。現在でもシャムを代表する文豪の一人である彼は、国内の整備を実施し、現在のシャムの繁栄の礎を築いたが、政治的実権をあまり持たなかった。享年52歳。 同日ラーマ三世、即位 中略 (2563/12/5 建国) 2563/12/8 太平洋安全保障圏条約加盟 2563/12/9 カンブリア=シャム戦時援助協定締結 2563/12/11 太平洋安全保障圏条約崩壊 2563/12/16 カンブリアヴォルガノフ審査法の可決を受け 上記戦時援助協定を一部破棄 2563/12/17 アジア協力会議設立 2563/12/25 ロシアと軍事同盟締結 2563/12/25 インドと軍事同盟締結 2563/12/29 内戦勃発 2563/12/30 内戦終結 連邦国家となる 2564/1/18 インド並びに東インドと東インド洋同盟を形成 2564/2/9 カナダと軍事同盟を締結 2564/2/20 日本と軍事同盟を締結 政治事情 第二次内戦とビルマの併合を経て現在は共に連合王国臣民として団結している。更なる内戦の可能性は低いだろう。 構成国 タイ連合王国 (国旗) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) (国章) #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 国名 タイ連合王国 国歌 タイ国歌 国の標語 未来は我らの為に 産業 農業 観光業 国家元首 ラーマ九世 首相 選挙中 政治体制 ポピュリズム 立憲君主制 与党 消滅 人口 1億1000万 タイ内部の構成国 + ... クルンテープ・マハーナコーン連合王国直轄地域 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 面積 1,568.737km² 人口 1456万人 下位区分 50区 連邦王国首都 通称バンコク またはクルンテープ 主要施設 ラーマ3世記念空港 スワンナプーム国際空港 クルンテープ港 中央政府追悼公園(仏歴2550年12月5日国王陛下御年80歳記念政府総合庁舎跡地) 内戦記憶公園(王宮跡地) + かつての情報 構成国の概要 反独裁民主戦線 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 中央にあるのはガルーダです いいですね? 実質的な中央政府の後継陣営 かつての主目的はタイをまとめあげ、タクシンを帰還させること。 リーダー シンタウィーチャイ・ウィーラワットノドム 本拠地 アユタヤ 都市 + ... クルンテープ・マハーナコーン都 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 面積 1,568.737km² 人口 1456万人 下位区分 50区 連邦首都 反独裁民主戦線首都 通称バンコク またはクルンテープ 儀礼的正式名称 クルンテープ・マハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロックポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット 主要施設 ラーマ3世記念空港 中央政府追悼公園(仏歴2550年12月5日国王陛下御年80歳記念政府総合庁舎跡地) 内戦記憶公園(王宮跡地 民主市民連合 共産派陣営 共産党の後援団体 かつての主目的は王政を打倒し共産主義の要塞とした後世界革命を成し遂げること。 元々はただの反タクシン派勢力であったが国内の共産主義者により共産主義勢力へと変貌した リーダー バークリック・ソーヂャトルング 本拠地 コーンケン #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 都市 + ... コーンケーン特別区 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 面積 10,885.991 km² 人口 1232万人 下位区分 25郡 民主市民連合首都 主要施設 コーンケン国際空港(IT集積所有) コンケンオルビスウォーターパーク セントラルプラザ パタニ共和連合 元イスラム原理主義陣営 元過激派組織 元テロリスト かつての主目的は全アジアをイスラムの元に統一すること。はっきり言って某ISよりやばい 上記二組織よりも歴史のある集団である リーダー アーデル・ビン・ラシード 本拠地 パッターニー #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 都市 + ... パッターニー特別区 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 面積 1,940.356 km² 人口 1100万人 下位区分 12郡 パタニイスラム連合首都 主要施設 連邦記念空港 企業 シャム中央航空 #ref error :ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (300) 本社 コーンケン 航空事業 就航路線 発着地 収益 ラーマ三世記念空港 カンブリア ロンドン空港 10% ドーバー空港 10% エディンバラ空港 10% プロビア ンジャメナ 10% フィンランド ヘルシンキ 10% 東インド ジャカルタ空港 10% フランス パリ空港 10% コーンケン国際空港 国内線 ラーマ三世記念空港 10% スワンナプーム国際空港 10% 連邦記念空港 10% カンブリア エディンバラ空港 10% ドーバー空港 10% ロンドン空港 15% オーストラリア シドニー空港 15% オーストリア ウィーン空港 15% 北イタリア ヴェネツィア空港 15% フランス パリ空港 15% 協会自治区 M-01空港 15% 南アフリカ プレトリア 15% プロビア ンジャメナ 15% フィンランド ヘルシンキ 15% 東インド ジャカルタ空港 15% コート・ヴェスターヌ ラゴス空港 15% ソンガイ コナクリ 15% インド ハイデラバード 15% 連邦記念空港 国内線 ラーマ三世記念空港 10% スワンナプーム国際空港 10% カンブリア ロンドン空港 10% ドーバー空港 10% エディンバラ空港 10% プロビア ンジャメナ 10% フィンランド ヘルシンキ 10% 東インド ジャカルタ空港 10% フランス パリ空港 10% スワンナプーム国際空港 プロビア ンジャメナ 10% フィンランド ヘルシンキ 10% 東インド ジャカルタ空港 10% フランス パリ空港 10% 海運事業 就航路線 発着地 種別 収益 クルンテープ港 ドイツ ??? 重工業 80万 小琉球 台南 軽工業 40万 プーケット港 カナダ M-01 軽工業 40万 インフラ 道路 路線図 国道一号 総延長432.2km クルンテープ=コーンケン道 国道二号 総延長760.9km(内重用区間102.3km) クルンテープ=チェンマイ道 国道三号 総延長624km(内重用区間96.3km) コーンケン=チェンマイ道 国道四号 総延長976.7km クルンテープ=パッターニー 鉄道 線路地図 運賃体系 1駅間ごとに最低運賃の+50% +32% +17% +10%と増えていく。 シャム国有鉄道東北本線コーンケン夜行鉄道 最低運賃 基本料金100バーツ 特急料金(運賃増加対象外) 特等客車A寝台200バーツ 特等客車B寝台170バーツ 一等客車140バーツ 二等客車110バーツ 三等客車80バーツ 四等客車30バーツ 運行区間 クルンテープ~ノンタブリ~ナコーンナーヨック~ナコーンラーチャシーマー~コーンケン シャム国有鉄道北本線チェンマイ夜行鉄道 最低運賃 基本料金100バーツ 特急料金(運賃増加対象外) 特等客車A寝台200バーツ 特等客車B寝台170バーツ 一等客車140バーツ 二等客車110バーツ 三等客車80バーツ 四等客車30バーツ 運行区間 クルンテープ~アユタヤ~カムペーンペット~ラムパーン~チェンマイ シャム国有鉄道東北本線コーンケン弾丸鉄道 最低運賃 特等客車220バーツ 一等客車120バーツ 運行区間 クルンテープ~ナコーンナーヨック~コーンケン
https://w.atwiki.jp/when_they_cry/pages/302.html
ひぐらしのなく頃に 女明し(めあかし)編 ■夜の宴 ――その日、園崎魅音は憂鬱だった。 彼のことを考える度に、自分はスタート地点にすら立っていないのだと思い知らされるからである。 空一杯に星が浮かんでいるその日の夜、園崎本家では軽い宴会のようなものが開かれていた。参加者は、お魎・茜・葛西・魅音・詩音と、ほとんどが園崎の親族だ。普段は興宮に住んでいる詩音らが用事で本家まで来ており、丁度だから少し食べていけとお魎が気を利かせたのだった。 しかし、軽い宴会とは言ってもそこはさすが園崎家。マグロ。カニ。アワビなど。一般家庭の夕食ではとてもお目にかかれないような素材を使った料理が、十数畳の部屋に一つ置かれたテーブルの上で踊っている。園崎家の重鎮ばかりが揃うこの席に、お手伝いさんも一層気合いを入れて用意したのかもしれない。 そんな宴会も、始まってから結構な時間が経つらしく、テーブルの片隅には空のビール瓶が八升ほど置かれている。当然、その頃には酔いが回った参加者も何人か出てくる訳で、始めのいかにも旧家らしい静かな雰囲気とは打って変わり、少々下品な会話のやりとりがされていた。 「で、どうなんだい魅音? 圭一くんとの仲は、何か進展したのかい?」 茜は、持っていたコップをテーブルに叩きつけ、反対側に座っている魅音へ据わった目を向けながら言った。相当酔っているのか、耳まで真っ赤に染まっている。 「だ、だからお母さん、別に圭ちゃんはそんなんじゃないんだって……! 」 その言葉に対して、魅音は今にも泣きそうな表情で抗議した。 「お姉~、どの口がそんなことを言いますか? 電話で圭ちゃんのことを話している時のお姉の嬉しそうな声、私はしっかり記憶しているんですからね~?」 が、すかさず隣に座っている詩音からの援護射撃が入り、魅音は体を強張らせる。 詩音も結構な量の酒が入っているようで、頬を薄らと赤く染め、言葉の調子も何処か上機嫌だ。反対に、魅音は数分前からずっと続いている自分の恋愛に対する詰問の緊張で、すっかり酔いが醒めてしまっている。とは言え、強い羞恥心で、顔は酔っている状態よりも真っ赤だったが。 (どうして私がこんな目に……) そう思いながら魅音は、尚も繰り返される酔っ払いからの問い詰めにげんなりとした表情を浮かべた。 宴の始めは取りとめもない雑談ばかりだったのだが、酒が進むにつれ、段々男がどうのという話になり、いつの間にかその矛先が魅音と圭一の関係に向けられたのだ。性質の悪い酔い方をした者(主に約二名)にとって、いつまでも煮え切らない魅音と圭一の話は、格好の絡み相手だったのかもしれない。 「……茜さん、魅音さんが嫌がっていますよ。そろそろ止めておいた方が……」 その様子を見かねたのか、茜の隣で静かに料理を食べている葛西がやんわりと諭す。園崎家随一の酒豪と噂されるだけあって、飲んだ量の割に冷静さを保っていた。 「うるさいよ葛西っ! 私ゃ、全く関係を進展させない魅音に親として叱ってやっているんだよ! あんたはすっ込んでなっ!!」 だが、酒を飲んで勢いづいた鬼姫には、葛西の言葉など焼け石に水である。こうなると茜は誰にも止められない。そのことを知っている葛西は、それ以上何も口を開かなかった。 「しかし、何でお姉は恋愛に対してこんなに意気地が無いんですかね。もっと気合いを入れないと、いつまでたっても圭ちゃんと仲良くなれませんよ?」 「……そ、そんなこと言われても」 詩音の言葉に、魅音は気弱な声を上げた。 「本当さね。園崎の血筋を継いだ女は、どの世代も色恋沙汰については豪快に立ち回るジンクスがあるんだけどね~。私は鬼婆様とポン刀でやり合ってまで旦那を手に入れたし、鬼婆様だって父さんと結ばれるまでに色々派手なことをしでかしたんだよ?」 ちらっとお魎へ視線を流す茜。 「…………けっ。余計なことを言うんじゃないよ蒐ぇ……。ほんにぁんじょうすったらん……」 上座に座ってお茶をすすっているお魎は、バツが悪そうに悪態をついた。が、顔は満更でもない表情を浮かべている。一種の武勇伝なんだろう。 「……でも、本当にそろそろ押していかないとマズいですよお姉。何て言ったって、お姉のライバルはあのレナさんなんですから。のんびりしていたら、二人が仲良くごにょごにょやっている所を偶然お姉が目撃! ……なんて可能性も十二分にあるんですよ?」 詩音が大げさな素振りで魅音を脅す。 「……え、えぇえっ!? や、やだよそんなの~!!」 どんな想像をしたのか、魅音に対する効果は抜群だった。 「だったら、さっさと圭ちゃんにアタックするべしです」 「……ぅ……で、でも私、その……圭ちゃんに女の子として見られていないみたいだし……。そ、そんなんじゃ……いくらこっちからアプローチしても……」 今にも消え入りそうな魅音の言葉に、詩音は大きなため息をつく。 「何言ってんですかお姉……。いくら普段の態度が女の子らしいと思われていなくても、お姉にはその体があるじゃないですか。何処をどう見ても女の子その物の」 「え……、え……?」 パチクリと瞬きを繰り返す魅音。何が何やら理解できない、といった感じだ。 「そうさねそうさね。どんな男だって、こっちから押し倒して乳の一つも揉ませれば、あっという間に転んじまうもんさ。特に圭一君みたいなウブな年頃だったらねぇ」 「……ぅ、……ごほっ! ……ごほっ!」 茜のその言葉に反応して、咽る声が上がる。葛西だった。何か想像したらしい。 当の魅音はと言うと、湯気が出そうなくらい顔を真っ赤にし、プルプルと体を震わせていた。詩音と茜の言っていることを理解して、あまりの恥ずかしさに大きなリアクションを取ることもできないようだ。 「ぉ、ぉ、ぉ、ぉしたお……?」 魅音の口から、掠れた声が零れる。 「そう、お姉から押し倒すんですよ圭ちゃんを! そして、あんなことやそんなことをして、お姉のことを片時も忘れられなくしてやるんです!」 ずいと魅音に迫りながら詩音が言った。 「……そ、そんなのダメだよっ!」 「あ~ら? じゃあ、圭一くんをレナちゃんに取られても良いのかい? はっきり言うけどね、あんたじゃ普通にやってもあの子にゃ勝てないよ? 圭一くんにとって、あんたは女の子という土台も作られていない状態らしいからね?」 「…………ぅ」 「えぇ、母さんの言う通りです。だから、お姉は多少強引な手を使ってでも、圭ちゃんに女の子だと認識されないといけないんですよ。レナさんとの仲が進展する前に」 「……………………ぅ」 親子の見事なコンビネーションに、魅音は唸る以外に何も言えなくなってしまった。 圭一に女の子だと認められたい。だけど、押し倒すなんて恥ずかしくてできない。でも、それ以外の方法が浮かばない……。そんな葛藤が魅音の頭の中で渦巻く。 普段なら、こういう話も恥ずかしがるだけで流すだろうが、今回はレナを比較に使われたのが効いたようだ。そういう、部活的な負けず嫌い精神を恋愛面でも無意識に残しているのが、魅音らしいと言えばそうかもしれない。 詩音と茜は、そんな魅音の様子を見て嬉しそうに唇の端を吊り上げる。最初から、魅音がこうやって戸惑う姿を見るのも目的だったらしい。外道である。 「…………ぅうわ、わ、わ、私、部屋に戻ってるっ!」 散々悩んだ挙句、こんな所で結論を出せないと判断したのか、魅音は顔から蒸気を噴き出しながら宴会場から逃げ出した。 「くっくっく……。あの様子だと、魅音も今回は攻めに行くかねぇ?」 「ひょっとすると、ひょっとするかもしれませんね。こりゃあ、その内朝帰りをする日が来るかもしれませんよ? くっくっく……。」 魅音の姿を見て、酒の入ったコップを持ちながら、実に仲良さそうに嗤う二人。 その横では、葛西が呆れた顔で二人を見つめていた。 昼の非日常へ続く