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【珍説】あなたがあの消印所沢と同一人物であると白状してくれないかい?うざい否定派に鉄槌を下したい(553 22) これは同一人物説否定論のまとめです。 http //anchorage.2ch.net/test/read.cgi/army/1235538833/l50 肯定論は同一人物説肯定論に書いて下さい。 1、◆iqK7ZoWK2.はしきりに所沢を罵倒して【ここまでは事実】 2、三等自営業を罵倒して【ここは事実】 3、所沢は新新FAQについて「あんなやつら潰そうと思えばいつでも潰せる」と書いてた【同一人物説となんら関係がない】 4、「自分を罵倒するのは平気」という論理で、【普通は自分を罵倒したくないが他人を罵倒するのは平気】 ◆iqK7ZoWK2.はアンチでも信者でもなく所沢本人【同一人物派や新新FAQメンバーの一員も 所沢を罵倒してたが、彼らも所沢なのか】 5、旧FAQにはJSFや眠い人のレスは大量に掲載されているのに、ゆうかのほうは無視なのは不自然。 【ゆうか氏の初質やmixi支隊への登場回数の少なさから考えれば不自然でない】 JSFは軍板のコテですらないのだが。【旧FAQはmixiからも収録している(それが問題点として挙げられることも】 6、軍曹も所沢も2人とも初質を細かくチェックしているという点では共通してる。【同じことは新新FAQメンバーにも言える】 FAQを作るついでに未回答質問をまとめていると考えれば、説明はつく。【代行するとわかるが、両立は無理】 7、「三等自営業」は◆iqK7ZoWK2.と出現時間がほぼ被ってる。【 590でかぶってない時間も多いことを証明済み】 それはすなわちそれだけ多くの人が疑惑を持っていたことを示している。【911陰謀論やユダヤ陰謀説など、間違っている ことにもある程度の支持者はいる】 8、◆iqK7ZoWK2.はjカスミンだけは罵倒せず、擁護に回っているおり、不自然。【経済板住人氏も擁護しているし、カスミンに関しては「スルー」を呼びかけている】 9、親米親ユダヤのコテが大半。【同一人物説と無関係。つーか反米反ユダヤは軍板では少数派】 【珍説】あなたがあの消印所沢と同一人物であると白状してくれないかい?うざい否定派に鉄槌を下したい(553 22) そのとおり、俺は所沢であり、またこのスレの22でもある (553 23 ◇iqK7ZoWK2. = 22) 所沢乙 お前のやり口は見え透いてんだよwwwww (553 24 ◆iqK7ZoWK2.)
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01-165 :名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 15 04 54 ID VHv2gzJA 差し出されたその手には… 私だって、何も最初から捻くれていたワケじゃない。 小さい頃は疑う事を知らなかったし、誰にでも心から優しく出来ていた。 皆が幸せなら、それだけで良かったと思っていた。 だけど、私はもう今の私になってしまったのだから仕様が無い。 気が付いたらこうなってしまっていた、今の私。 でも、別に不満は無いから困っているワケでもない。 原因を何となく過去に察する事は可能なのだけれど、それに気付くのも、対処するのも既に手遅れなのだから今の私なんだろう。 ゴメンよ、昔の私。救ってあげられなくて…。 でも、今の私もそれなりに人生を楽しんでいるから許してくれるよね? 昔の私は良い子だったから。 01-166 :名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 15 08 33 ID VHv2gzJA 「あ…!!神楽さん、ちょっと良いかな?」 名前を呼ばれて振り返ると、そこには良く知るクラスメイトの女子が私を指差して立っていた。 ショートカットの良く似合う、快活な女の子。 「あら、何かしら?榊さん」 私の言葉に、榊さんが愛想を浮かべて揉み手をしながら擦り寄って来た。 「えっと~…。実は、来月の学園祭の事なんだけど~、実行委員が決まってないのウチだけなんだ~」 申し訳無さそうな表情を浮かべてはいるものの、その瞳には獲物を狙う鋭さが漂っている。 その言わんとする所に、私は内心で溜息を吐いた。 「つまり、私に実行委員になって欲しい、と言うワケですね?」 「ゴメンよ~。ウチのクラスってバイトしてる人がやたら多くってさ~、皆時間取れないって言うんだもん」 「お願いだよ~」と懇願してくる彼女を、私は疲れた目で見た。 確かに、私はアルバイトをしているワケじゃないけど、アルバイトをしている人たちは自分の時間をアルバイトに使っているのだ。 他の人は自分の時間を謳歌しているのに、何故私が他人の為に時間を割かねばならぬのか。 そもそも、私だって自分の時間はちゃんと予定で埋められている。 成績上位は一日にして成らず、なのだ。 先の榊さんの言葉通り、学園祭は一ヵ月後。 二週間前から午前中授業に切り替わり、クラスに拠るが二、三日前には担任が監督して泊り込んで準備すると言う徹底ぶり。 毎年、OBや周辺住民を巻き込んで三日は騒ぎ続ける一大イベントなのだ。 実は売り上げは結構な額になっていて、そこから学生の学費補助などに当てられているらしい。 お陰でこの学園は私立であるにも関わらず、公立とそう変わらない学費で通えると有名なのだ。 『学校法人私立榊学園』。 目の前の御仁は、当学園の理事長の孫娘である。 「そうですね~。他ならぬ榊さんの頼みですし…」 「面倒臭い」の言葉を飲み込んで、私は了承の言葉を吐き出した。 学園祭の委員ともなれば評定も良くなるだろうし、何より地元の名家でもある彼女の心象を良くしておいて損は無い。 決して大きな街では無いけれど、私の街で榊の息の掛かっていない地域は殆ど無い。 財界政界にもコネがある榊家は、その権力で古くから周辺地域を守り、そして統治してきたのだ。 只、最低二週間。もしかすれば、一ヶ月は放課後を丸々準備に費やさねばならない事が私にとては結構なストレスになるかもしれないが…。 「ホントッ!?やった~、これで三人揃ったよ~っ!!」 榊さんが、握り拳を両手に作ってそう叫んだ。 「え?三人ですか?」 私の言葉に、榊さんが首肯する。 「実行委員は各クラス三人だよ?」 そう言えばそうだった。 何せ、規模が大きい私たちの学園祭では兎に角人数が必要なのだ。 まぁ、人数が増えればその分個々の負担が減るので寧ろ歓迎するべき事には違い無かった。 「えぇっと、それでもう一人の実行委員は誰なのですか?」 「宮路君だよ?」 その名前に、「あぁ…」と私は納得した。 彼なら、委員と言わずに頼まれれば何だってしてしまうだろう。 と、言うか。彼が誰かの頼みを断っているのを見た事が無かった。 一家に一台。クラスに一人。 そんな単語が良く似合う、私のクラスのお助け人なのだ。 「ちょっと待っててね?」 そう言うと、榊さんは携帯電話を取り出して早速連絡を取り始めた。 聞こえてくる数度のコール音がして、程無くその相手の声が漏れてくる。 「え~っと、宮路君?三人目が揃ったから、今から教室に来てくれる?顔合わせしたいんだけど?え?誰かって?ふっふっふ~。それは来てからのお楽しみ」 何だろう。私は何かの楽しみにされるのだろうか。 悪戯っぽく笑いながら話をする榊さんを眺めて、私の中では早くも己の警鐘が鳴り始めていた。 01-167 :名無しさん@ピンキー:2008/08/07(木) 15 13 56 ID VHv2gzJA 「へぇ…。三人目って神楽さんだったんだ。宜しくね」 案外近くに居たのか、宮路君は直ぐに現れた。 同じクラスのメンバーなのだけれど、こうやって改めて顔を合わせるのは初めてかもしれない。 年下の様な幼い顔立ちに加えて、無垢な表情が更に輪を掛けてそう見せていた。それに、男子にしては小柄で身長も私より少し高いくらいだろう。 相変わらずの、人畜無害な雰囲気が漂っている。 「クラスメイトに今更宜しくも無いけどね~。まっ、こう言うのは気持ちの問題だし。やっぱり宜しくは言っておこうか?宜しくっ」 「よ、宜しく…」 カラカラと笑う榊さんに倣い、私も挨拶を済ませた。 「それじゃ、早速本題に移ろうか?言っとくケド、ウチが一番遅れてるンだからそこンとこ宜しくね」 榊さんの机に椅子を寄せて、三人での会議が始まった。 二人とも有能で、滞り無く話が進む事は私にとって有り難い。 丸投げにしているクラスメイトたちは、無理な内容でなければ実行委員の決定に従うと事前のホームルームで捺印させられている。 よって、私たちの裁量でクラスの出し物は喫茶店となった。 メニューに始まり、食材の買出しや火の管理。内装や制服、予算の積み立てが次々と組み立てられていく。 「よ~っし、じゃあ後の細かい微調整は明日話し合おう。今日はここ迄で解散。二人とも、お疲れ様でした~」 一時間と経たない内に企画書の骨子が完成し、榊さんの満足そうな表情で今日の会議はお開きとなった。 「お疲れ様でした…」 私も別れの挨拶を済ませ、順調に進んだ仕事の充実感を味わいながら帰り支度を始めようとした時、ふと私の目の前に手が差し出された。 「はい、神楽さん。今日はご苦労様」 そう言って差し出された宮路君の手には、飴玉が一つコロンと載せられていた。 「頑張った神楽さんに、ご褒美」 「え?あ?有難う…」 おずおずと、私が飴玉を受け取ると、宮路君が満足そうに微笑んだ。 「おぅっと?宮路君?アタイには何も無ぇのかい?欲しいな~、私も飴玉欲しいな~」 人差し指を指に咥えてねだる榊さんに、苦笑した宮路君が別の飴玉を取り出した。 「はいはい、じゃ榊さんには懐かしの小児科の味を…」 「って、オレンジかい!?風邪薬や水薬の味付けを髣髴させる、なんて渋いチョイス…。まぁ、地域で味も違うンだけどね…」 ブツクサ呟く榊さんだが、貰った飴玉を口に放り込んでコロコロと転がし始めると、ほんわかと頬を緩ませた。 「うんうん、やっぱ労働に対価は必要だね~…。アタシャこのひと時の為に今日を働いてんだよ…」 その表情があまりにも幸せそうに見えたからか。 気が付くと、私も自然な動作で宮路君の飴玉を口に入れていた。 「あ、美味しい…」 柑橘系の甘酸っぱい味が、不思議な懐かしさと一緒に広がっていった。 味覚が感じるその甘さに、意外にも私が疲れていたのだと知らされる。 いや、これはきっと身体の疲れだけじゃないのかもしれない。 乾いた土に、水が染み込む様な。そんな気分にさせられる。 「じゃあ、僕はこれで失礼するね」 「あ…」 「有難う」と言う前に、宮路君は教室を出ていった。 コロコロ、コロコロ…。 いつか昔の子供の様に、私は久し振りに宮路君の飴玉を溶ける迄嘗めていた。 01-170 :差し出されたその手には…:2008/08/07(木) 22 16 47 ID VHv2gzJA 差し出されたその手には…(2) 優秀な二人のお陰もあってか、企画書の手直しはどんどん進み、週末に差し掛かる頃には何と私たちのクラスは既に学園祭の準備に取り掛かれる程になっていた。 そして、アルバイトで時間が取れない生徒が多い私たちのクラスでは、遅く迄学園に残らない代わりに来週から準備を始める事となった。 なのだけれど…。 「あ、そろそろ俺バイトだわ。悪い、今日はここで抜けるわ」 「私もバイト行くね~」 一人の生徒を皮切りに、ぞろぞろと芋蔓式に抜けていく生徒たち。 本当に、何で私たちのクラスにはこんなにアルバイトをしている生徒が多いのか。 この時期は学園祭があると解っているのだから、正直アルバイトを自粛して欲しい気がする。 そんな私の考えなどつゆ知らず、隣で企画書と作業進行をチェックしていた宮路君は去り行く彼らに律儀に別れの挨拶を掛けていた。 「お疲れ様~」 「あいよ~」 「まったね~」 そして時計の針が六時を回る頃には、教室には私たち実行委員の三人だけが残って作業を進めていると言う始末。 何だか、割に合わない気がしないでもない。 まぁ、評定やら何やらでその分は返ってくるのだと私は自分に言い聞かせた。 と、 「この儘いけば、喫茶店は充分間に合いそうだね~」 喫茶店の女子の制服をミシンでカタカタ縫いながら、榊さんが楽しそうに呟いた。 「結構皆もギリギリ迄残ってくれてるし、やっぱりクラスの出し物は皆で楽しみたいモンね~」 とは言っても、放課後一時間で殆どがアルバイトに行ってしまっているのだが…。 「よし、一丁上がりっ。次、いきましょうか~」と、内心でボヤく私の前で次々に制服を量産していく榊さん。 正直、この手際の良さは本職ではなかろうかと私は思う。 「こっちも一丁上がり」 と、気付けば宮路君も男子の制服をどんどん仕立て上げていた。 何だろう。この異常にスペックの高い二人は…。 一緒に仕事をする様になって気付いたのだけれど、この二人は一人で優に数人分の仕事を平然と熟していた。 正直、勉強しか取り柄の無い私が二人の作業についていけるワケがない。 更に付け加えるならば、二人とも学業成績は優秀で、辛うじて私が頭一つ勝っていると言うくらい。 まぁ、他人は他人。私は私。 二人の美点は認めるし、美点が無いからと言って私の欠点が増えるワケでもない。 無理して何か出来る様になっても、結局は何処かで綻びが出てきてしまうのだ。 無理はしない。それが私の主義なのだ。 「ん~…。今日はこれくらいにしとこうか?そろそろ八時回るし」 三人の仕事が一段落着いた所で、榊さんが今日の仕事の終了を宣言した。 「そうだね」 「お疲れ様…」 私の台詞に続いて、榊さんと宮路君が互いに労う言葉を述べ合った。 「と言うワケで。はい、二人とも」 と、宮路君が私たちに恒例となった飴玉を差し出した。 01-171 :差し出されたその手には…:2008/08/07(木) 22 18 41 ID VHv2gzJA 「ひゃっほい!!愛してるぜ、宮路~」 「あ、有難う…」 飴玉を受け取る私の隣で、何処と無く男前な台詞で飴玉を受け取る榊さん。 毎回思うのだけれど、榊さんって一応お嬢様の筈よね? 「って、またオレンジかいっ!?」 渋い表情でコロコロ飴玉を転がす榊さんに、名家のご令嬢など言う雰囲気は微塵も感じられない。 澄ましていれば間違い無く美人だと思うのに、今の目の前の榊さんは普通の女の子以外の何者でもなかった。 「ところでさ~、宮路君。何で飴チャンとか配ってるの?」 帰り支度をしながら、榊さんが宮路君に訊ねた。 「そうだね~。僕が飴持ってたからかな?まぁ、他のお菓子があったらそれあげちゃうかもね」 「いや、そうじゃなくて。お菓子を持っていたら、何で他の人にあげちゃうワケ?」 「う~ん…。多分、喜んで貰えるからかな?ホラ、お菓子貰ったら何となく嬉しい気持ちにならない?」 まぁ、悪い気分にはならないとは思うケド。知らない人からだと不信感バリバリな気がするのは私だけ? 「なるっ!!そして、ホイホイ付いて行っちゃうかも…!!」 アレ?お嬢様、何を仰られているのデスカ? 私の視線を感じ取ったのか、榊さんがこっちを向いて両手でガッツポーズをした。 「大丈夫、神楽さんの分も包んで貰うからね?」 大丈夫なのはそこじゃねぇです…。 息を巻いて目を輝かせる榊さんに、私は肩を落とした。 「じゃ、私はここで~っ!!」 「気を付けてね、榊さん」 「さようなら…」 元気良く手を振る榊さんと別れると、私と宮路君は途中まで一緒の通学路を歩き始めた。 コツコツと、二人の足音だけが月明かりの中で聞こえてくる。 「今日は、結構進んだね」 「えぇ、そうね…」 何処か弾んでいる宮路君の声に釣られて、私もつい嬉しそうに返した。 物臭な性分がある私だけれど、やると決めた事は必ずやるのが私の信条だ。 と、今日の充足感に浸っている私の隣で、宮路君が盛大な溜息を吐いた。 「実は、今日で飴玉のストックが切れたんだ。明日から何を持って行こう…」 「………」 そんな理由で、私の隣で陰鬱そうな溜息を吐かないで欲しい…。 「別に、又飴玉でも良いんじゃないかしら?」 「でも、同じのだと飽きられない?」 「まぁ、何だかんだで榊さんは気に入っているみたいだし、私は構わないと思うわ」 「そうかな?だと良いケド…」 何処かほっとした宮路君の言葉に、少し、胸に爪で擦ったような感覚が広がった。 多分、こんなどうでも良い事に悩んでいた宮路君に呆れてしまったのだろう。 きっとそうだと、私は思った。 続く? 01-173 :差し出されたその手には…:2008/08/09(土) 02 15 08 ID KY5Vor/B 差し出されたその手には…(3) 「今度の休みに、三人で買い物に行かない?喫茶店で使う道具とか材料とか調達したいものとか割とあるんだ~」 ここ一週間ですっかりお馴染みになってしまった三人だけの準備作業で、榊さんがそう切り出した。 「そうなんだ?」 「だけど、何を買いに行くの?制服は今ある生地で全員分仕立てられるし、紙食器も十分に用意してますし…」 私の言葉に、榊さんが「ふふふ~」と得意そうな笑みを浮かべる。 「実は、喫茶店で使う材料なんだけど。その材料の買い付けにね~」 「へぇ~。榊さん、そう言うのに詳しいんだ?」 素直に感心の声を上げる宮路君。 だけど、私は少し気になる事があった。 「そう言うのって、原価はどれくらいなんですか?あまり高価だと、予算が不足してしまう様な…」 「大丈夫、大丈夫~。そんなに高価なモンじゃないから。『値段の割に質が良い』くらいの買い物の予定なの」 そう言って、榊さんは改めて私たちに視線を送ってきた。 「まぁ、それなら…」 本当は貴重な休日は一人で過ごしたかったのだけれど、私は榊さんの買い物に付き合う事に決めた。 それに、最近は私も街に出ていなかったし、ついでに羽を伸ばしたかったのだ。 いくら順調な仕事とは言え、週五日の放課後をずっと準備作業に追われていたのだから気分転換の一つもしたくなってくると言うものだ。 「そうだね、荷物持ちとか男手も要るみたいだし」 この時点で既に荷物持ちの自覚ありとは、流石はお助け人の宮路君。 と言いますか、彼のこの出所不明の積極性は一体何なのだろう。 奉仕の心なんてずっと昔に擦り切れてしまった私には、ちょっと理解出来ない。 「よし。それじゃ、土曜の10時に平坂公園の噴水前で良いかな?」 「うん、良いよ」 「分かったわ…」 かくして、私たち三人での買い物が決まったのだった。 01-174 :差し出されたその手には…:2008/08/09(土) 02 20 32 ID KY5Vor/B 「あ、神楽さん」 集合時間の十五分前、指定された平坂公園の噴水前にはバスケットを提げた宮路君が立っていた。 「えっと、宮路君。今日は…」 挨拶をする私だが、如何せん彼の持つバスケットについ目が向けられてしまう。 そんな私の視線に気が付いた宮路君が、都合(ばつ)悪そうに頭を掻く。 「一応、皆のお弁当作ったんだけど…。張り切り過ぎかな?」 間違い無く、張り切り過ぎです。 そう思う一方で、私は男の子の、宮路君の作ったと言うお弁当が少し気になった。 昼食を摂りながら三人で話し合いをする事もあったけど、そう言えば宮路君はいつもお弁当だった気がする。 「宮路君が作ったの?」 「うん。朝ご飯作るついでにね…」 「あ、でも朝ご飯と同じご飯じゃないよ?」と付け加える宮路君だったが、それよりも私は休日の朝から自炊していた宮路君に少し感心してしまった。 一体、宮路君はいつ休んでいるのだろうか。 「お、皆早いね~」 と、そこに元気な声が響いた。 「あ、榊さん」 宮路君の視線を追うと、手をヒラヒラと振りながら歩いてくる榊さんがいた。 「ややっ!?宮路君、夢の詰まっていそうなその手のアイテムは一体何ぞや!?」 親指と人差し指で架空の眼鏡のフレームを揺らしながら、榊さんが目を輝かせた。 正直、少しウザい…。 「えっと、皆の分のお弁当を作ってきたんだ」 「うんうん。そんな気配りが出来る宮路君は、きっと良いお嫁さんになれるよ」 「ははははは…」 満足そうな表情を浮かべる榊さんに、流石の宮路君も乾いた笑いを漏らした。 「さぁ、やる気も出てきた事だし。早速買い付けに行こうじゃないか」 「うん、そうだね」 「え、えぇ…」 やたらとテンションの高い榊さんを先頭に、私たち三人の買出しが始まった。 01-179 :差し出されたその手には…:2008/08/10(日) 17 43 30 ID ikAAy9M8 差し出されたその手には…(4) 榊さんに連れられ、訪れたお店は直売所みたいな専門店。 国内国外を問わず、その豊富な品揃えに私たちは思わず呆気に取られてしまった。 値札を見れば驚く様な高価な商品もいっぱいで、味も知らない商品ばかりでどれを選べば良いのか見当も付かなかった。 だけど、榊さんは店の中を見渡すと喫茶店で使うメニューの材料と見比べながら手頃な値段の商品を次々と買い込んでいった。 こうして、一通りの材料を買い揃えた私たちは榊さんの主導の下、早々とその目的を終わらせてしまったのだった。 「さて、お昼も回ったし、そろそろお待ちかねのお弁当タイムと行こうじゃないかっ!!」 集合場所の平坂公園の原っぱで、そう口にするのはバスケットを手にする榊さん。 因みに宮路君はと言うと、両肘に茶葉そして胸には珈琲豆と、沢山の紙袋を抱えている状態。 まぁ、本人曰く「お茶っ葉は乾燥してるから全然重くないし、珈琲豆もそんなに大した事無いよ?」らしい。 それはさて置き、お腹が減ってきたのは私も同じなので昼食を摂りたいのは確かな事。 宮路君に目を遣ると、お腹が空いてしまった、と同意の表情。 満場一致で、私たちはお弁当を広げる適当な木陰を探し始めた。 「それじゃあ、宮路君のお弁当のお披露目をしよう」 と、草叢に腰を下ろす榊さん。 私もそれに続き、荷物を置いて宮路君も座った。 「おぉっ!?これはまた王道な…!!」 バスケットを開けて中を覗き見るや、榊さんが感嘆の吐息を漏らした。 興味をそそられてつい首を伸ばして確認すると、私も思わずその出来に驚いた。 「凄いですね…」 陳腐な言葉だが、それ以上の言葉は思い付かなかった。 サンドイッチや御握りとかは予想していたけど、唐揚げやサラダ、玉子焼きやフライものなんかの惣菜が結構揃えられていた。 「まぁ、ちょっと作り過ぎたかな?」 作り過ぎです。 でも、仕出し弁当なんかより手作り感が出ていて、これは確かに美味しそうだった。 バスケットから紙皿やお箸、お手拭を取り出して配り終えると、お弁当箱が広げられたシーツの上に乗せられた。 「アレ?紙コップはあるのに、飲み物が無いとはこれ如何に?」 「あぁ、こっちに入れておいたんだ」 と、宮路君が今まで持っていた買い物袋から魔法瓶の水筒を取り出した。 「結構、重いからね」 そう言うと、宮路君が私たちのコップにお茶を注いでいく。 「良し、ンじゃ、頂きま~すっ!!」 榊さんが高らかに宣言するのに合わせて、私たち三人は手を合わせた。 「頂きます」 「頂きます…」 取り敢えず、私は一番近かった惣菜の中から一口サイズのコロッケを選び、それを口の中へと運んだ。 「美味しいっ!!」 榊さんが声を上げた。 いや、確かに美味しいけどそこまで声を出さなくても良いんじゃないかしら。 「シェフを呼べ!!」 目の前に居ますから。 何でこんなに一挙一動が大きいのだろう。 少し恥ずかしい。 01-180 :差し出されたその手には…:2008/08/10(日) 17 44 44 ID ikAAy9M8 と、 「でも、今日は驚いたよ。榊さんがお嬢様って呼ばれてるんだもん」 宮路君が感心した表情で切り出した。 そう、今日の買い物で一番驚いたのは何よりもその事だろう。 『これは、悠輝お嬢様。ようこそいらっしゃいました』 専門店で、榊さんを見た店員が咄嗟にそう挨拶したのだ。 流石に私たちの前でそう呼ばれるのは抵抗があったのか、『あちゃ~』と榊さんは少し困った表情で笑っていた。 「あははは…。まぁ、何だ…。そう言う面も含めて私なんだってば…」 その時の事を思い出したのか、榊さんが頭を掻いた。 「だけど、やっぱり榊さんてお嬢様って思う時はあるよ?」 「へぇ?どんな?」 宮路君の言葉に、榊さんが興味を覚えたらしい。 尤も、私も宮路君の言う榊さんの『お嬢様』がかなり気になった。 「ホラ、お箸の持ち方とか食べ方とか凄く綺麗だし。街を歩く時も背筋が伸びてたしね。何て言うのかな?品、が漂っているのかな?」 「はっはっは~。それはもう昔っから躾けられてきたからね~。今更抜けないンだよ」 ケラケラと笑い、榊さんが別のおかずを口に運んだ。 確かに、よくよく見れば榊さんの仕草は洗練されたもので、見惚れてしまう程に様(さま)になっていた。 「およ?神楽さんも私のが気になる?」 「え、そ、その…」 榊さんの指摘に、私は言葉が吃った。 「そうだね~」 そんな私を見て何を思ったのか、「コホン」と榊さんが上品に咳払いをした。 「この様に振舞えば、神楽様も私(わたくし)が由緒ある榊の者として相応しいのでしょうか?」 「――っ!?」 そして、崩した脚を優雅に組み、銀の鈴の様な凛と響く声で榊さんが私に嫋やかに微笑んできた。 「そんな驚かれた表情をしないで下さいまし…。榊がこの平坂を代表する顔たれば、この様な振る舞いも必要となりましょう?」 しんなりと、白く細い首を傾げる榊さん。 肩に揺れる髪が、サラリと零れた。 「わぁ、本当にお嬢様みたいだ」 「って、本物だって言ってるでしょうがぁ!!」 凍りついていた私の目の前で、見事に榊さんの仮面を粉砕する宮路君。 同性の私でさえ思わずドキリとした榊さんの仕草は宮路君には全く効果は無いらしい。 「でも、口調が変わっただけだしね?」 「お?バレた?」 何ですと。 目を丸くした私を見て、榊さんが「へっへっへ~」と笑った。 「流石は宮路君。私が普段から結構気を使っているのに気が付いてたか…」 「気が付くも何も、最初からそんな感じじゃなかったっけ?」 当たり前の様に語る宮路君。 「うん、そうだね…」 榊さんも、何故か素直に頷いた。 「全然気が付きませんでした…」 いつも能天気そうな榊さんの言動ばかりに気を取られて、同じクラスになっても今まで全く気が付かなかった。 「結構他人を見てる宮路君のそう言う所、私は買ってるンだよね~」 榊さんがニヤニヤと見るからに邪悪そうな笑みを宮路君に向ける。 「まぁ、勝手に目に付くンだけどね…」 その視線から逃げる様に、目を背ける宮路君。 そして、宮路君のお弁当が無くなるまで私たちは他愛無い会話を続けたのだった。 続く?
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久「足りないー、一人足りなーい」 まこ「ゾンビか」 久「そりゃゾンビにもなるわよー」 京太郎「県予選まであとひと月。んで団体戦メンバーは一人足りない」 まこ「なんとも頭が痛い話じゃのぅ」 京太郎「原村や片岡も知り合いに声をかけてくれてるらしいけど、芳しくはないな」 久「名前を貸してくれても、試合にまで出てくれるって子はあんまりね」 まこ「わしの方にも心当たりはちとな……」 京太郎「まこっちゃんなら麻雀強いおっさんたちだったらいっぱい知ってそうだけどな」 久「そうだわ! ちょっとまこのところの常連客を入学させて……ほら、女の人も一人くらいいるでしょ?」 まこ「アホかっ!」 久「じゃあ京太郎、あんたちょっと女装しなさい」 京太郎「却下」 久「もういるだけでいいから。結構女顔だし、いけそうじゃない?」 京太郎「待て待ておかしいだろ。大体ばれた時やばいんじゃないか?」 まこ「ふぅむ、たしかにウィッグを使えば女に見えないことも……」 京太郎「まこっちゃん!?」 久「大丈夫よ。部の総力をあげてあんたを立派な女の子に仕立て上げてみせるわ」 京太郎「あぁもう! とりあえずそれは最後の手段だ! 俺が何とかするからおとなしく待ってろ!」 久「あんなに慌てて……冗談なのにね」 まこ「その割には目が本気じゃったが」 久「あくまで冗談よ冗談。半分くらい」 まこ「つまり、半分は本気っちゅーことか」 京太郎「くそう……まさか女装させられそうになるとは」 京太郎「半分くらいマジな目だったな。追い詰められた久ちゃんを甘く見てたぜ」 京太郎「とは言っても、どうにかしなきゃいけないんだよな」 久『責任、とってよね……』 京太郎「……うん、やっぱり俺がどうにかしなきゃな」 京太郎「女装は最後の手段として、当てがないわけでもないんだよな」 京太郎「できればそっとしておきたかったんだけど、そんなこと言ってられないか」 京太郎「照ちゃん……力、貸してくれ」 京太郎「さて、いつもここらへんで本を読んでるはずだけど……いた」 京太郎「本好きは姉妹揃って同じか」 京太郎「さて、気合入れていくかっ」 京太郎「よう、元気か?」 「……どなたですか?」 京太郎「俺のこと覚えてない? 小学校のときよく一緒に遊んだろ」 「知りません」 京太郎「あらま……じゃあまずは自己紹介からだな」 京太郎「須賀京太郎。三年で麻雀部の副部長をやってる」 京太郎「久しぶりだな、咲。中学校以来か?」 咲「……馴れ馴れしく呼ばないで」 京太郎「悪い、照ちゃんがいなかったら俺たちに接点ないもんな」 咲「……私に姉なんていない」ボソッ 京太郎「ん? どうかしたか?」 咲「なんでもないです。それより何の用ですか? もう帰りたいんですけど」 京太郎「単刀直入に言うぞ……麻雀部に入ってくれないか?」 咲「……」 京太郎「団体戦に出るメンバーがどうしてもあと一人足りない」 咲「いやです」 京太郎「いるだけでも、立ってるだけでもいいんだ! だから……!」 咲「やめてっ!」 咲「もう、麻雀はしないって決めたんです」 京太郎「それは、やっぱり照ちゃんのことと関係があるのか……?」 咲「……なんにしてもあなたには関係ありませんから。須賀先輩」 京太郎「そうか……悪かったな、宮永」 咲「……」 京太郎「でも、気が変わったらいつでも来てくれ。歓迎するからさ」 咲「なによ、今更会いに来て」 咲「一番傍にいてほしいときにいなかったくせに……」 咲「はぁ、もうやめよ。私とあの人にもう関わりなんてないんだから」 咲「……でも私、一番言いたいことまだ言ってない」 咲「あの人にも、お姉ちゃんにも……」 京太郎「収穫ゼロ……」 京太郎「やっぱこの学校じゃ麻雀を本気でやりたいやつはいないのか……」 京太郎「……残された手段は女装、か」 京太郎「おいおい、気が重いどころの話じゃねーぞ。部室に戻りたくねー」 京太郎「でもあんなこと言った手前、取り消せないよな……」 京太郎「えぇい、ままよ! ただいま――」 和「もう一回、もう一局だけでも……!」 京太郎「そ、そんなに怒んなくても……てあれ?」 久「ちょっとどこ行ってたのよ! すっごい一年生が来たんだからっ」 京太郎「ちょ、久ちゃん落ち着けよ」 久「これが落ち着いてられますか! 見なさい!」 東:4200 南:14200 西:6000 北:75600 まこ(西家)「ま、またここまで削られるとは……」 優希(東家)「」プシュー 和(南家)「お願いします! もう一局だけ私と打ってください!」 咲(北家)「何度やっても変わらないと思いますけど」 和「そんなことは!」 咲「失礼します」 和「待って……!」 京太郎「咲……どうして」 咲「その呼び方、やめてください」 久「どっかで聞いたようなセリフね……あんたの知り合いなの?」 京太郎「前に言った麻雀強い幼馴染……の妹」 久「あんた、こんな強い子がいるのを知ってて黙ってたわけ?」 京太郎「さっき声をかけにいったんだよ。その時断られたはずなんだけど……」 咲「別にあなたのためにここに来たわけじゃないですから」 京太郎「やっぱり照ちゃんなのか?」 咲「……あなたには関係ありません」 久「ちょっと待って。宮永さん? もしかしてあなたのお姉さんって……」 咲「宮永照……インターハイチャンピオンです」 久「……ちょっと、私聞いてないんだけど」 京太郎「言ってないからな」 久「照ちゃんって、随分親しそうじゃない」 京太郎「それは久ちゃんにだって同じじゃないか」 久「……はぁ、まあいいけど。あの時睨まれた理由がわかった気がするわ」 京太郎「なにそれ?」 久「要するにあんたのせいよ」 咲「……お姉ちゃん以外にもそういう風に呼ぶ人、いるんだ」 京太郎「何か言ったか?」 咲「なんでもないです。入部届け、ここに置いときますから」
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一つの鍵は死への鍵 (3) 三つの鍵は姫君らの手に、 一つの鍵は死への鍵、最後の鍵は死出の道。 一つの鍵は死への鍵 3 「はい」 ノイナはこたえた。茶碗の取っ手をもつ指に、知らず力がこもる。これからが本当の話だと思った。 祖父は執務机の椅子に深く腰掛け、背をあずけ、おなかの上で手指を組み合わせている。 黒の瞳で祖父はノイナを見やり、それから執務机に置いた指輪を見た。それは精霊銀の不思議な色合いに光る、指を二巻きするかたちの指輪だ。先代のレオニダス公爵、すなわち祖父の父、マヨール=マルクスが作らせたもので、三つあることはわかっている。 ノイナのもの、ナディアのもの、さらに最後の一つ、侯爵家の古人のマルクスの指輪と合わせて、機神に施された封が解けるはずだった。 あの一件の後、取り上げられた指輪をいま机に置き、祖父は、公爵ミノール=マルクスはノイナへと言った。 「お前には、公爵家の役を果たしてもらわねばならぬ」と。 「はい」 ノイナは応じ、うなずく。祖父は静かにノイナを見つめて言う。 「お前の弟はまだ幼い。家督を継がせるための諸々を教えてやることができぬかも知れぬ」 手が震えそうだ。膝の上の茶皿と茶碗が揺れる。思っていたことと違う言葉が祖父の口から放たれている。ノイナは、己の伴侶をどこからか選ぶという話がされるのだと思っていた。けれど違っていた。 家督と弟という言葉とが祖父の口から並べ放たれていた。 「弟をいかがされるのですか」 「あれを公爵にすることはしきたりに叶っている」 祖父は言う。 「だがあれは幼すぎる。いまより十年の後、あれが十五となったとき、いまのお前にしているように、ものごとを教え、引き継いでゆけるかどうかは、わからぬ」 胸が強く打っている。十年は、あまりに遠い先だ。 弟の幼い顔が浮かぶ。黒い瞳で、じっとノイナを見上げる姿だ。膝をかがめて、そっと前髪を掻き撫でてやると、ふいに抱きついてきたりもする。あの子は父を知らない。 「・・・・・・みんなが、悲しく辛い思いをするのは、嫌です」 「それは皆がそのように思っておる」 祖父はノイナを見つめている。 「ぼくは、どうすればいいのですか、お爺様」 ノイナは顔を上げる。 「何でも言ってください、お爺様。僕に出来ることならなんでもする」 「当たり前だ。お前は公爵の直系の孫なのだ」 「はい」 「そのお前に公爵家のために役を果さねばならぬと特に命じるということは、お前の意にそぐわぬ生きようでも公爵家のためにさせるということだ」 「構いません」 「軽々しく言いおる」 祖父は鼻を鳴らしてノイナを見る。 「それがどのようなことかわかっておるのか。お前の意にそぐわぬ男を娶らせるくらい、おとなしいものなのだぞ」 「はい」 ノイナの応えに、祖父は唸り、言葉を続ける。 「愛する先も、愛してくるものも無いやもしれぬということだ。一つの憎しみが、多くのわだかまりを引き寄せ、互いの間を二度と繋がりあえぬほど深く引き裂いてしまうやもしれぬ」 どう応えればいいのかノイナはわからなかった。黙り込むノイナに、祖父は続ける。 「たとえ、公爵家のものとでもだ」 「・・・・・・はい」 「たとえば、お前の弟でもだ」 顔を上げてノイナは祖父を見返した。祖父は言う。 「弟であったとしても、お前は自ら弟を廃し退け、時には押し込めてでも公爵家を守らねばならぬ」 「・・・・・・そんな」 「わしは覚悟を求めておる」 答えられなかった。それどころか考えたことも無かった。公爵家のために働くことは考えていたし、忘れたことも無かった。けれど今、祖父が言うようなことは思ったことも無い。 「いや・・・・・・すまぬ事を言った」 だが祖父はかぶりを振る。 「わしの目の黒いうちは、一人とて刃向かわせはせぬ。わしは公爵家はあるべく保つ。わしの跡目を継ぐ公爵も、わしと同じく意を払われて遇されるよう、あらゆる手はずをもってしかるべく備える」 すまぬ事を言った、と祖父はもう一度言う。祖父の詫び言を聞くのはあまり無い事を、ふと思い出した。 「あと十年は何とか生き延びたとしても、お前はまだ若造に過ぎず、弟はやっと十五だ。そののち何年延びるとも知れぬ。あるいはそれほど生きていられぬかも知れぬ。その時、お前は一人で事を成さねばならぬ。わしのやり方すら廃してでもだ」 叱責ではない何かなのだとノイナは思った。 「脅し文句を連ねたいわけではない。だが、わしとていつまでも生きていられるわけではない」 「はい」 急に何かがこみ上げてくる。大きくて熱くて、胸に詰まって言葉にもならない。それは息をすることすら妨げる。こらえきれずにノイナはしゃくりあげた。 そうしたらもう駄目だった。あたりがにじんで見える。顔を上げても天井もにじんで見えて、うつむけば涙がこぼれ落ちる。膝や膝の上の茶皿にも。 「泣くな。泣かずとも良い」 祖父の声には、すこしのあわてた響きもある。 「わしの言い様が悪かったな。今は、それほど気楽に構えてはおられぬ時だとだけ言いたかったのだ」 「・・・・・・はい」 ノイナは大きく気を吸い込んで、吐き出した。 「・・・・・・やります」 指で涙をぬぐい、祖父を見つめてノイナはもう一度言った。 「やります」 「よいのだな」 ノイナはうなずく。 「うん」 「泣くな。ひき受けたなら、その先に泣き言は無い。もしわしがいなくなったら、誰もそれを聞けぬ」 「はい」 もういちど指で涙をぬぐって、ノイナは顔を上げる。祖父は言った。 「その指輪は、お前の力だ。お前が公爵家のものである事を示し、公爵家の中でかけがえの無いものであると示し、そして、先代は機神へと近づく許しとした。」 「はい」 「これはお前の曽祖父がお前のために残したものだ。つけるが良い。わしが許す」 よいか、と祖父は続ける。 「これをお前に渡すからこそ、厳しい事を言ったのだ。機神は公爵家の力の源だ。その力は公爵のものでなければならぬ。その一部たりとも、本来は公爵ではないものの手に渡せぬ」 「・・・・・・はい」 「力を手に入れるには、力の主とならねばならない。たとえ、己では機神に乗れずともだ。それは公爵ならぬものの手に触れさせてはならぬ。ゆえに、機神を封じられた」 うなずいて応えながら、けれどノイナの胸には問いが残る。わからないことはいくつもあった。たとえば鍵の指輪だ。指輪を作ったのは先代公爵たるマヨール=マルクスだ。誰よりも機神をもつ事の意味を知っていたはずだ。その先代公爵がなぜ、公爵ではないものに機神に関わる力を与えたのだろう。 「封じることが、もっともよいことであったのだ。異界にあれば、何者も機神に手出しはできぬ。 祖父はゆっくりと椅子に背をあずける。そのおなかの上で手指を組み合わせ、そこへと目を落とす。 「その鍵は今、わしの手にある。公爵たるわしでなければ開けぬ。先代の公爵とわしの他には、知らぬはずのことだった。今、お前が知ることで三人目となった」 いや、と祖父は打ち消す。 「わしとお前、ナディア、そして侯爵家の二人。すなわち五人が知っている」 ここでも、候家の古人のマルクスの名が上がる。 レオニダス家の機神は、よみがえれば彼を乗り手として受け入れるだろう。 そう。あのときにも彼は言った。機神の鍵を開きに来たに決まっている、と。その横顔にかすかな笑みを浮かべて、すこし照れくさげに。 あの時、彼に願ったノイナは間違っていたのだろうか。彼を、機神に近づけてはいけなかったのだろうか。 けれども思う。それならば、なぜ彼に指輪が渡されたのだろう。 鍵の一つの一つと、ナディアへの手紙には書いてあった。三つの鍵の一つの一つ。鍵の二つは公爵家の二人に渡され、鍵の一つは候家の古人へと渡された。 「なぜですか、なぜ、三つの指輪が作られたのですか」 公爵の他には触れてはならぬものであるはずならば、そもそも三つの鍵の一つの一つは候家の古人のマルクスの手に渡るはずがない。 それなのになぜか、指輪をもってしても、鍵は開かなかった。ノイナとナディア、そして候家の古人のマルクスの持っていた指輪が、鍵の指輪が機神に関わるものであることは間違いない。機神の神具を収めた封印の箱には、指輪のための錠が設えられていた。なぜそんなものが作られたのだろう。 「ありうべからざることが起きたときのためであったのだろう」 「ありうべからざること?」 祖父のおなかの上で組まれたその手で、親指が拍子をとるように互いを打つ。それが祖父の考え事のときのくせであり、苛立ちのくせなのも知っていた。その眉間に深く皺が寄っていた。 「何かのゆえで、わしが機神の封印を解く暇も無く死ぬことはあり得た。それに備えたのであろうな」 「でも・・・・・・」 口ごもりノイナ、それでも祖父を見つめた。 「前から気になっていました。あの時のお爺様は、命を吸われて死にたいのかって仰いました」 祖父の指の動きが止まる。じろりと黒の瞳をノイナへむけた。眉間の皺がさらに深くなる。 「そのようなことは申していないはずだ」 「でも・・・・・・」 「くどい」 「・・・・・・」 ノイナは口をつぐむ。それでも思った。祖父はあの時、確かにそういった。はじめの時もそうだ。あの時の祖父は、いちばん最初の時にも、命を吸い取られるとノイナを叱ったはずだ。そう言って打たれた事を、忘れられない。 それに機神への封は、候家の古人のマルクスからも、機神を遠ざけようとはしていないように思える。候家の古人のマルクスを機神から遠ざけるなら、応じるための鍵など与えはしないはず。 「ノイナ」 呼びかけられて、ノイナは顔を上げた。祖父は一つ息をついて言う。 「お前を問い詰めるつもりは無かった。だが、指輪がこういったものであると判った以上、持ち主にはそれなりの心構えをもってもらわねばならぬ」 「はい」 「指輪をしなさい。それに合う服もあわせてだ」 「・・・・・・はい」 ノイナは瞬いて祖父を見た。祖父はおなかの上で指を叩き合わせる。 「候家の祝宴で、花嫁に負けぬようにな」 祖父は妙にもじもじとそう言った。
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儲け話で手に入れる財宝は骨董品だ。それは古と呼ばれる時代のものであったり、それよりも前であったり…。 この大人のパンのレシピもその一つだ。 今は誰も作る者がいなくなったであろうこのパンの味を知りたいと言いだしたのは他ならぬラムザであった。 「アグリアスさん。パンを作ってください」 「はぁ?」 紅茶を手に持ったまま間抜けな声を出す。 普段、ラムザが呼ぶ時には隊の事だ。プライベートの事はあまり話した事がない。 お互い気を遣いすぎているのかその機会に恵まれないのだ。 「あ…やっぱり、嫌ですか?」 「い、いや。そんな事はないぞ」 ラムザの前で間抜けな声を出した自分に恥ずかしさを覚え狼狽する。 コホン と咳払いをし、動揺を隠す。 「ただ、突然の事でビックリしてな」 「あ、すみません。状況を説明すればよかったですね。えーと、ラッドがこの度の儲け話でパンのレシピを手に入れたんです」 「パンのレシピ?」 パンはイヴァリースだけでなく、隣国の国々も主食とするものだ。 パン作り――それは母から子へと伝えれていく伝承の技。 だから今までレシピを見て作るなんて事はした事がなかったし、パンにレシピがあることに少し違和感さえ覚えた。 ラムザから渡されたレシピは昔のもので、薄い本になっている。 名は『大人のパンの作り方とその応用』 「パンのレシピなんて初めて見たな」 「…じゃあ、パン作れないんですか?」 「な、アグ姐に料理が出来るわけないって」 「どこから湧いた、ムスタディオ」 失礼な口を叩くムスタディオを睨みつける。 「湧いたとは酷いなぜ」 「パンは主食だぞ?作れるに決ってるだろう」 「ホントですか!?」 「あぁ。作るのは子供の時以来だがな」 「本当にそれで大丈夫かぁ~?」 「一度覚えた事を忘れる私だと思うか?ムスタディオ」 「だって子供の時だろ?何年前だと思ってるんだよ」 「貴様っ!」 「ムスタディオ、失礼だよ!」 殴りかかろうとするアグリアスを制止ながら、ムスタディオを諌めるラムザ。 「ならお前はアグ姐が料理してるの見た事あるか?」 「う…それはないけど」 「だろ?そんな奴が料理できるなんて、しかも小さい頃に作った経験しかないなんて俺は失敗するに賭けるね」 「よかろう、ラムザ起っての願いだ。パンを焼いてやる。失敗したら不器用な女だと笑うが良い だが、美味くできた暁には…覚悟しておくがいい!」 「上手く焼けたら、残飯でもなんでも食ってやるよ」 へへっと卑下た笑いを洩らすムスタディオ。 こうしてアグリアスはパンを焼く事になった。 ―2話 夕食にはパンが焼けそうだとのアグリアスから聞いたラムザは、夕食を抜きにして待ってる。 本当は財宝の整理などやることが沢山あるのだが、今日くらいは良いだろう。 今、アグリアスは厨房でパンを焼いているところだ。 一朝一夕でできるものではないので、結局次の日になってしまったが、それでもアグリアスは夜を徹して仕込みをしてくれた。 だから頼んだ張本人として待つのは当たり前だ。 だが―― 「あ~早くパン持ってこないかな~」 「ラッド。アンタさっき夕食、食べたばかりじゃない」 「夕食は夕食。アグ姐のパンはアグ姐のパンだ」 「おぃおぃ、お前、アグ姐の作ったパンが食えると思うのか?」 「お前こそ大丈夫かムスタディオ。お前の話だと、美味く出来たら残飯食うんだよな?」 「アグ姐に美味い料理が作れるかよ。きっと石みたいなパンか、別の物体になるな」 「失礼ね、ムスタ!アグリアス隊長だって料理位できるわよ(きっと)」 「そうですよ。アグリアス隊長は何でもこなせる方なんですから(たぶん)」 「ヘっ。まぁ、せいぜい石でも食ってな」 「お前こそ残飯食うなんてモノ好きな奴だぜ」 いつの間にか隊全体に話が広がり、"アグリアスPresents-大人のパン試食会-"に発展していた。 しかし待ち切れず酒まで飲みだして、もういつもの飲み会である。 …なんでこんな展開になってるんだろう? 被害者は少ない方が…って訳じゃないけど 折角アグリアスさんの手料理を一人占めできると思ったのにな~。ハァ いつもはアルマの事やメンバーの事を考えている頭を、"一人でアグリアスの手料理を食べるにはどうすれば!?"を議題にフル回転させたのだが…。 何が失敗かと言えば、やはり自分の欲を出したのがいけなかったのかなぁ… アグリアスさんって競争率高いしなぁ…上手くいかないな 作戦が失敗し落ち込んでいるラムザを笑うように、メンバー達の笑い声が聞こえてくる。 ラムザは恨めしそうに酒を飲むメンバー達をみる。 酒まで持ち出して…楽しそうだな。 でも何でムスタディオ達は酒を飲むんだろう。あんなに不味いのになぁ… 僕には理解できないや グゥゥゥ はぁ…お腹すいた。アグリアスさんまだかなぁ… そんな落ち込んでいるラムザに、ある人物が近寄る。 「ね~らむざ。一緒に飲もうよ~」 「ラファ、それはお酒じゃないか!?」 お酒は二十歳になってからとラファからエールを取り上げようとする。 「い~や~っ!!」 「よこしなさい。お酒は大人の飲み物だよ」 「あたしはもう十分オトナだわっ!!」 ドンッとカウンターを叩き胸を張るラファ。 異国の衣装がピンと張り、体のラインを表す。 白い衣装だからか。 しっかりと双丘が見てとれる。 「―――うん…知ってる。もぅ、だいぶ大人だよね」 「エヘヘ♪だよね、だよね」 「でも、お酒は二十歳になってから だよ」 「じゃあ、らむざも飲んで」 「いや、僕はいいよ」 「の~ん~で~ぇ~っ!!」 ラファはエール片手に暴れだした。 「わかった。飲むから、ラファ落ち着いて!」 ラムザはラファから渡されたエールをじっと見つめる。 酒を飲むのは傭兵時代、ガフガリオンに飲まされていらいだ。 『酒ってのは豪快に飲むンだ。特に最初の一杯目は一気に飲むンだよ!』 そう言われて無理して飲んだ結果、次の日は最悪のコンディションになった。 横目でラファを確認する。 期待に目を輝かせているラファが見えた。 もぅ、こうなっては腹を決めるしかない。 ラムザはエールをグッと飲んだ。 口の中に苦みと、弱い炭酸の痺れが広がる。 不味い!まずいよーー!!! この胃にしみわたる感じは間違いなく酒だ! 大人の味だ!! それに苦い!!苦いぞ、コンチクショー!!!! 心の中で悪態をつきながらエールの味に耐えていく。 なんとか空にする事が出来たが、息も絶え絶えである。 「すご~い。らむざってお酒飲めるんだね」 「あ、ははは…ありがと」 「これでらむざもあたしと同じだ~☆」 ラムザの腕に抱きつくラファ。 フニュ こ、これは―――(゚∀゚)――――!!!!!!!!!!! その時ラムザの中で何かが目覚めた。 ラムザとて年頃の男である。普段は、持ち前の冷静さと理性で様々な欲望を抑えつけているのだ。 そう、間違いない。この上腕部にあたる感触。 肌や腕では表せないこのやぁらか~い感触はあの双丘に間違いない!!! さっき眺めた白い双丘―――それは神秘とロマンに満ちた丘。 それが腕に当たっているのイメージは容易に想像できる!! 妄想モードに入ったラムザだが、ラファは酒を飲んでくれた事がそんなに嬉しいのか、体を左右に振る。 フニュ フニュ 更なる感触に酒も良い感じに加わって、顔がニヤける。 あぁ―――この感触 お互いの服の上からでも判るこの感触はイイ!d(≧∀≦)b 最高だ!! こ、これを直に触れられたら、そ、そ、そ、そそそれはどんな――――イカン!!! このままでは理性の箍が外れて、手を出してしまいそうだ! ――駄目だ駄目だ!僕にはアグリアスさんがガガガ゙ガガ 必死に欲望と戦うラムザ。 理性の箍が外れるのは時間の問題だった。 「ラファ、ラムザに迷惑かけるな!」 「なに、兄さん。ほっといてよ」 「放っておけるか!ほら、向こうでお茶でも飲め」 「あ~ん、らむざ助けて~」 ズルズルと引きずって行かれるラファ。 た、助かった―――ような残念のような。 だけど、マラークも大変だな。妹を持つ者同士として同情する。 アルマが酒を飲んだ所を見た事がないが、アルマも酔うとあんな感じになるのだろうか? そう疑問に思いながらも、腕に残る感触が蘇る。 アヘヘ…柔らかったなぁ―――って違う!しっかりするんだラムザ! 自分に活を入れるため席を立つ。 …あれ?何だろう。視界はハッキリしているのに何だか立っている感じがしない。 両手で顔を抑えてみる。 熱い。確実に紅潮している。 もしかして――― ラムザはサロンの出入り口に向かって歩いてみる。 ―――歩ける。だが、気を抜くと右や左に体が動いていく。 ちょっと休んだほうが良いかな フラフラする体を精神を奮い立たせて歩く。 ちょっとでも気を抜けば落とされる…そんな断崖を歩いている心持で部屋まで戻って行った。 ―3話 「だいぶ待たせてしまったな」 だが待たせたかいがあり、大人のパンは美味しく仕上がった。 アグリアスはパンかごを抱えながらサロンへと向う。 そして部屋に入るなり今、一番会いたくない人物と最初に目が合う。 「んぉ?いょう!遅かったじゃねえか!」 「ムスタディオ…随分とご機嫌だな」 「あぁ、アグ姐ェが長い時間かけて残飯作ってるんでな。ウハハハハ」 「アグリアス様、もうパンは焼けたのですか?」 「アグ姐!待ってたぜ!」 「あ、良い香りがする~」 「お、来たな」 「何だ?皆、私のパン待ちだったのか?」 「そーでぇーーす!」 「アグリアス様の初手料理ですからね!食べない手はないですよ」 アリシアの発言につられて、ラッド・ラヴィアン・マラークとぞろぞろと近寄ってくる。 「で、どうです?出来栄えは」 ラヴィアンが若干、不安がかった表情で聞いてくる。 説明するより目で見た方が早いだろうと、パンかごに掛っているナプキンを取る。 とうとう明かされるアグリアスの初手料理、大人のパン。 ナプキンをとったことでパンの香りがいっそう強くなる。 色は濃い琥珀色、大きさは掌より若干小さめの、丸いパン。 「うわぁ、美味しそうですね!」 「あぁ。レシピに乗っていたのはパン型に居れるタイプだったのだが、生憎パンが他がなくてな。仕方ないから小分けにしておいた」 「ま、まぁやるじゃん。でも匂いや見た目だけなら誰も出来るぜ」 「そうだな。皆、待たせたな。食べてみてくれ」 「わーい、いただきまーす」 「アグリアス様、頂きます」 「アグ姐、頂きます」 「一つ貰うよ」 「…」 それぞれが籠からパンを一つずつとり口に運ぶ。 「うめー!うーまーいーぞー!!」 「ん~!おいしい!!」 「これの葡萄はラムレーズンか。美味いな」 「ああ。しかも、ラムレーズンから出た酒がパン全体に広がってる…まさに大人のパンだな!」 「流石、アグリアス様です!」 「これなら何個でもイケルぜ!!」 「美味い美味い。ラファお前も…ってアレ? ラファ、何処行った?お~い」 様々な称賛の声をあげるメンバーを余所に、どんどんと立場がなくなるムスタディオ。 自分の予想を大きく裏切った結果に何も言えないでいる。 「…」 「どうした、ムスタディオ?私の作った"残飯"はどんな味かな?」 「………めぇ」 「ん?」 「…うめぇ。だが、小さくて食った気がしねぇな!!」 勢いに任せてパンを口に放り込むムスタディオ。 自分の立場を保持するために悪態をつくとは……哀れな男だ 「何いってんの!十分美味しいじゃない!!」 「そうよ、それにあんた夕食食べてたでしょ!!」 「諦めろ。男らしく残飯食え」 「ま、ガンバレ。ムスタディオ」 「ぐぅ……」 ラヴィアン達からもう反撃を受け、青くなるムスタディオ。 身から出た錆とはいえ、このままでは本当に残飯を食わされそうだ。 「まぁまぁ、皆。あまりムスタディオを責めるな。私は今まで料理を作っていなかったのだ。 それでは料理下手だと想像する者もでるのも当たり前と言うもの」 「な…アグ姐ェ」 まさかの見方に驚愕の表情をあげるムスタディオ。 「とはいえ、人を中傷するのはお前の悪い癖だ。直せよ」 「くぅ…アグ姐ェ、俺が悪かった!すまん!!」 ムスタディオが目を潤わせて頭を下げる。 それはまるで罪人が女神に許しを乞うている絵画のようなシーンだ。 ―――さぁ、賭けの代償を払って貰おうか? 「は?」 部屋一杯に広がる黒いオーラ。 ルカビィを超えるアグリアスから発せられる恐怖。 さっきまで目を潤ませて謝っていたムスタディオの表情が凍りつく。 「アリシア、ラヴィアン。すまないが厨房からパンを持ってきてくれ」 「はい。了解です」 「な、何を?」 「何って賭けの代償だ、ムスタディオ。残飯食えとは言わないが、ある物を食って貰おう」 ラヴィアンとアリシアが厨房から"ある物"を持って来た。 それはパンの山―― 「ちょっと沢山作ってしまってな」 「た、タスケ――」 「ラッド」 「おう」 「な、止めろラッド!離せッ!!」 「さっきラッドも言ってただろう?"これなら何個でも食える"って」 ふいにパンを一つ手に取る。 「フフフ…お前は"小さくて食った気がしない"と言っていたな。望み通りほら、大きいぞ」 さっきまでのパンと比べて見せるアグリアス。 大きさは約2倍。 またアグリアスは笑ってはいたが、その顔は笑い掛けるアルテマデーモンのよう。 「さぁ、存分に食うが良い」 「いーーやーーだーーーーッッ!!!!」 暴れ出すムスタディオ。 「さぁ、ムスタ。食べさせてあげるから☆」 「そうそう、全部食べないと、明日の朝食は拝めないよ~」 「お酒も一杯あるから、食べやすいよ~。ほら、ドンドン入ってく~」 「た、助けてーームグゥ!!」 ラッドに抑えつけられたムスタディオは逃げる事も出来ずにパンを食わさせられる。 またラヴィアンとアリシアは嬉々としてムスタディオの口にパンと酒を詰め込んでいった。 愚かなとこだ。自分で自分の首を絞めるとは―――あ 目の前で繰り広げられる"賭けの精算"を嘲笑していたアグリアスだったが、ある事に気がついた。 折角パンを焼いたのに、食べたいと言った張本人はどこに行ったのだろう? 私がここに来た時にはもう居なかったな。 「ラヴィアン、ラムザはどこに行ったのだ?」 「あ~、隊長ですか。なんか部屋に戻ったみたいですよ」 「ふむ。そうか」 仕方ない。私が部屋まで届けてやろう。 アグリアスはもぅ興味はないとばかりに、さっさと部屋から出ていった。 ―4話 なんとか部屋へと戻ったラムザ。 部屋へ戻る途中にも壁に柱にと体をぶつけて歩く。 表現を悪くすればランプにぶつかってくるヤママユガ… もしくは、ガラスに気が付かずぶつかる蜂のようだ。 「う~ん。ヤバいよ~」 立っていては危ないのでベットに座り顔を抑える。 さっきより熱いように思う。 なんでー?たった一杯なのに(しかも飲みかけ) ラムザは酔いのまわっている頭で必死に考えた。 僕ってこんなにお酒弱かったのかなぁ… 状態を起こしているのもキツくなってきたので、そのままベットに横になる。 しかし、空きっ腹に酒。 ちょっと休むだけのつもりだったが、いつの間にか寝入ってしまった。 スー スー 部屋に響くは寝息のみ。 その部屋にノックもなしに入ってくる者がいた。 「らむざ居る~?あ、らむざはっけぇ~ん」 フラフラしながらラムザを探していたラファだ。 「確かラムザの部屋は奥から2番目の部屋だったな」 アグリアスは忙々と部屋に向かう。 思えば男のために料理をするのはこれが初めてだ。 幼いころから"男のために料理をする"というのは結婚している者がする行為だと思っていた。 ―――フフ。まるで、夫婦のようだな。 一人、笑みがこみ上げてくる。 だが、その笑みはラムザの部屋の近くに来て突如として失われた。 ラムザの部屋のドアが開きっぱなしになっている。 今だイヴァリースは治安の悪い状況で、宿と言えども部屋のドアを開けっ放しにするのは防犯上好ましくない。 またアグリアスの記憶上、今までラムザがドアを開けっ放しにしていた事はない。 しかも人の話し声がする。 "――っけぇ~ん" ――教会の手先か、賊か? アグリアスに緊張が走る。 が、その声には聞きおぼえがあった。 "もぅ~、らむざねてる~。あははははっ!" 「ラファ?」 ラファが何故ここに?それにいつも以上に明るい。 それにラファが言うにはラムザは寝ているらしい。 では、ラファは何のためにラムザの部屋に??? "寝るならアタシと一緒にねよ~?" 「!」 アグリアスの体に衝撃が走る! ――寝る?ラムザとか!? アグリアスは電光石火の勢いで部屋に飛び込む。 そして目に映ったのは眠っているラムザと、布団をめくりムザの隣に入り込もうとするラファの姿。 「ラファ、待て!」 「いや~!らむざとねるぅぅぅ~~!!!」 部屋にあった机にパンを置き、ラファをベットから引き離す。 そして気が付く酒の香り。 「酒?ラファ、酒を飲んでるのか!?」 「2人はしあわせになるのぉ~!!」 「一体誰だ、ラファに酒を飲ませたのは!!」 質問に答えないラファを何とかベットから引き離そうと力を込める。 強引に引き離したため、ラファは床に突き飛ばされる形になった。 「いった~い」 「す、すまんラファ。だが、お前も悪いのだぞ?」 「あぐりあすさんなんかもうしらな~い!」 「大声を出すな、ラムザが寝ているのだぞ」 「いりあいのかねのひびきぃ~!」 「だから、静かにせんか!」 歌いだしたラファを一喝する。 しかし、ラファは嫌がらせの様に歌うのを止めようとはしない。 「てんにぃひかりきゆるとき~」 「悪かった。私が悪かったから先ずは歌うのを止めてくれ」 「いまありしはまぼろしとしるぅ~」 まさか――これは歌ではない!? 気付いた時には遅かった。 「だいこくうぞうぉ!」 「ぐ!」 大虚空蔵に耐えるため、全身に気合を入れるアグリアス。 そして、間髪いれずに世界が青で包まれる。 真言ー大虚空蔵ー ダメージと共に、暗闇・沈黙・毒など様々なステータス異常も起す厄介な技。 しかし、真言は狙いの定めにくい技で当たらない事もある。 「?」 アグリアスの周りから大虚空蔵が消えたが、物的ダメージがない。 詠唱が未完全だったため、光だけで失敗か?? その後も大虚空蔵はアチラコチラで光を散らす。 「わ~。きれいね~」 まるで他人事のように自分の唱えた術に見ほれるラファ。 そしてその光はアグリアスの後方でも光を散らした。 「!?」 アグリアスは慌ててラムザに振り返る。 ダメージは無くともステータス異常を受けている可能性もある。 振り返ったアグリアスの目に入ったのはカエルになったラムザだった。 しかも仰向けの状態で、少々グッタリしている。 「ラ、ラムザっ!?」 アグリアスはラムザが死んでしまったのではないかと思い、慌てて手に取ってみる。 ――大丈夫。カエル状態になってはいるが、生きている。 「もぅ、あぐりあすさん!おおきい声だしちゃだめなんですよぉ!???」 「えぇい、うるさい!元はと言えばお前が大虚空蔵など唱えるから――」 「うーん、わかった。私の魔法とくと見てください!えい、トード!!」 「わ、馬鹿――」 制止する前にラファがトードを唱えた。 アグリアスの目の前で発生する緑の煙。 ご存じの通り、カエル状態にトードを掛ければ元に戻る。 手の上に乗せている状態でトードを掛ければ、当然全体重が両手に圧し掛かる。 アグリアスは重さに耐えきれず、ラムザをベットに落とし、自身もベットに突っ伏していった。 当然酒に酔っているとはいえ、ベットに落とされれば相当深い眠り出ない限り、目は覚める。 「うぁ!――な、何が!?」 突然の事にビックリしながらも状況を把握しようとするラムザ。 (敵かもしれない!やっぱり酒なんか飲むんじゃなかった!―――っっっ!!) 後悔と同時に何かが顔の上に覆い被さってきた。 (な、なんだっ!一体何がッ!?―――?攻撃してこない???) 視界は完全に塞がれたものの、以降何も起きない為とりあえず顔を動かしてみる。 (…布?それに何だろう。暖かい…それに柔らかくて何だか心地いいような――?) つい心地よくて、顔で感触を確かめ続けているラムザ。 だが、突然覆いかぶさっていたものが無くなった。 そしてラムザは見た。 羞恥心と怒りで顔を真っ赤にしたアグリアスを。 「な、アグリアスさん!?」 「ラァァムザァァァ!!!」 怒りと共に繰り出された拳が脳天にヒットする!! ―――ヘッドブレイク!! 薄れゆく意識の中…ラムザは悟った。 あぁ――覆いかぶさっていたのはアグリアスさん――― ということはさっきの柔らかく温かかったのは――― アグリアスさんの―――蒼い―――双山――――― 「だ、ダイナマイ――」 ラムザはベットに深く沈んで 逝った。 ―5話 翌朝、ラムザは目が覚めた。 「―! いててっ!…頭が痛い?何でだ?」 昨日の事が良く思い出せない。 「確かアグリアスさんにパンを作ってもらう予定で…暴れているラファを沈めるため酒を飲んだんだ。そして…」 ――思いだせない。 思いだそうとすればする程、酷く頭が痛むのだ。 だが、何か大事な――何かを忘れているような気がする。 痛みに耐え必死に昨夜の事を思い出す。 「―!」 刹那――まさに一瞬の出来事だが、美しい光景が頭に浮かんだ。 それは、白い双丘と―――蒼い双山―― どこで見た光景なのか。 イヴァリースのどこかの風景なのかもしれない。 もしくは只の夢か。 その後必死に思いだそうとしたが思いだせない。 だが、それでもいい。 夢ならばまた見る事も出来るだろうし、どこかの風景ならばまた目にする事もできる。 考えるのを止めると、頭の痛みも和らいだ。 グゥゥゥ すると腹の虫が鳴いた。 そう言えば、昨日は夕飯を食べてない。 ふと視界に机の上に置かれたパンが目に入った。 「あ…」 きっとアグリアスが持って来てくれたのだろう。 食べたいと言った本人が居なかったのだ。 きっと怒ってるに違いない。 アグリアスが作ってくれたパンを手に取る。 冷めてしまっているが、良い香りがしてくる。 一口割いて、口に居れる。 程良い甘さが口に馴染む。 ただのパンとは違い、香気良い香りが食欲をそそり沢山食べれそうだ。 アグリアスの作ってくれた大人のパン。 香りよく、甘く―――そして大人の味がした。 fin
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第26話「外国人旅行客」 【登録タグ】 ゲーム プレイ動画 無双 おでんの人の小次郎斬国物語 もう一人のモーオタ 最初からクライマックス 外国人旅行客軍 それでも赤尾は諦めない
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知人の奇妙な行動 ◆yvUxRPre9c 「大丈夫だからさ、さっきの城の病室に戻ればなんとかなるかもしれないから」 そんなことを片方の腕のない動かない女の子の人形を持って森の中を一人の男が駆け抜けていく、 端から見れば危険な人間としか見られないだろう、あるいは大切な人を殺されて 壊れてしまった人間と見られてしまうかもしれない、ただ、ヴァッシュは知っている。 この人形が自由に動き、しゃべり、こちらの行動に反応することを かつて戦った事のある人形遣いエミリオのそれとも違う動きをする。 そして首に付けられたこの首輪、つまりこの子はこの殺し合いに参加させられた被害者の一人という事になる。 数時間前に古城で拡声器を使った時に一番最初に出てきた人形である。 たしか名前は水銀燈と言っていた。その時はもう一人、ゼロと名乗る仮面の男が一緒にいたのだが、彼は一体どうしたのか、 いや、今はこの子を城に連れて行くのが先だ、新庄君達も協力してくれるだろう。 呼吸をしている以上はまだ助かるはずだから 「もうすぐで病室に着くから」 ヴァッシュは必死に人形を励ましながら古城の病室へと引き返している。 ○ 「うあああああああああああああ!!ルフィてめえええええええええ!!」 「ワアアアアアアアアアアアアアアア!?」 「あ? てめえ……誰だ?」 「さっきの叫び声をなかったことにしないでよ!? なんで突然叫ぶのさ!?」 「おれの刀はどこだ」 「お願いだから話題を一つに絞ってくれないかな! あ!そんなことより君の血液型――」 城の中の病室の中で突然大きな叫び声が聞こえる 外には大して声は漏れていないようだが、 「いいからそこにある俺の刀をよこせ!」 「その前にまずは君の傷を治療してからだね、それとも君、殺し合いに乗ってるの?」 質問をしながら新庄は身構える、おそらく大丈夫であろうがもし殺し合いに乗っていたのなら 逃げ場など限られているし、ひょっとしたら一瞬で殺されてしまうかもしれない、 別に武器を取り上げていることは安全になるというわけではないのだから。 「いや、殺し合いには乗っていねえ、剣士として常に刀を持つ、それだけだ」 その言葉を聞いてとりあえず安堵する、殺し合いには乗っていないという証言その一言が新庄を安心させた。 「てなわけでこいつは返してもらうぜ」 「待って、先に治療と輸血を……っわっ、」 「これくらいかすり傷だから……うおっ」 ゾロが刀を自分の手元に置こうとしたのを止めようと 刀の引き合いになったが力比べではゾロのが上 刀を思いっきり引っ張った為新庄は体ごとゾロの方に引き寄せられてゾロの上に倒れこんでしまった。 「新庄君、今の音何?……!!!!!!!!!」 まひるはヴァッシュを見送って二人のいる南東の医務室に戻っていると突然叫び声が聞こえたので慌てて向かっていった。 しかし扉を開けてみると医務室のベッドの上で二人の男が手には同じ刀を持ち顔を近づけて体を重ねていた。 思いっきり引っ張っても刀を放さなかった新庄君が結果としてゾロを押し倒したような形になっていたのだが 事情を知らないピュアな女の子のまひるにしてみればそれはあまりにも衝撃的なものであった。 ほかに人のいない医務室の男の人二人が体を重ねてベッドで寝ている。 男性恐怖症という特徴を持つのまひるにとっては尚更、 「しししし新庄君の不潔ーーー」 「いい、伊波さんかんちがアァーー、グフッ!」 勘違いをしたまひるのパンチが新庄を直撃し、釈明をしようとする言葉を中断させ、 そのまま倒れこんでしまった 【新庄・運切@終わりのクロニクル 死亡確ー】 「つまり俺たちを見て、何か変な関係か何かだと勘違いしちまった訳だな」 「そ、そのごめんなさい」 ゾロから少し距離を置きまひるは必死に謝っている 「大丈夫ですよ、なんとか誤解も解けたみたいですし」 勘違いにより殴られた新庄君がなんとかこの場を纏める、 ああ、これは一体何回目の行動になるのか…… 【新庄・運切@終わりのクロニクル 生存確認】 「それにしても変態だなんて佐山君じゃあるまいし」 「ん?何だお前も佐山のこと知ってるのか?」 少し落ち込んだ表情をした新庄であったがゾロの質問に驚く 目の前にいるこの緑の髪の人とあった事などないはずだ、それとも僕の知らない佐山君の知り合い 確かに声は聞いたことある気がするんだけど、 「君、佐山君のこと知ってるの?」 「ああ、キャンプ場でだったが離れ離れになってなければ小鳥遊って奴と一緒にいるはずだが、 …じゃあお前ひょっとして新庄運切か?」 「そうです、僕は新庄「小鳥遊君と一緒にいるんですか!!?」 今度はまひるが声を上げる、お互いの探してる相手が一緒に行動している事が分かったからだ 名簿に名前が載っているいることと放送で名前が呼ばれていないこと以外に情報が無かった 小鳥遊宗太と佐山御言をこの会場で知る人物が現れたからだ。 「それじゃあ小鳥遊君は佐山君と一緒なんですね」 「いや、それはわからねえ、」 「どうして」 「もう一人蒼星石って奴もいたんだが、さっきの放送で呼ばれていた、つまり今も一緒にいるかは 分からないが少なくとも一度何者かに襲われたってこった、そう簡単に分散するような雰囲気じゃなかったからな まあ放送じゃあ呼ばれてないって事は生きてるって事だろ」 「つまり、その3人はいっしょに行動していたんですね」 「ん、ああ確か駅のほうに向かうとか言っていたが、それも数時間前の話だけどな」 「そう・・・ですか」 ようやく手に入れた小鳥遊君のの情報であったが結局今何処にいるのかは分からずじまい、 それでも今までとは違い小鳥遊君と佐山君が共に行動してるかもしれないという事が 分かっただけでもいいのかもしれないが、 「ところでその蒼星石って人はどんな人だったんですか?」 ふとそんな質問があらわれた 「ん?ああ、人の股下くらいの大きさしかない女の人形だ、 ローゼンメイデンなんて呼ばれてるらしいがな」 「!!」 妙な不安が二人を襲う、それに気づいてかどうかは分からないが ゾロは話を続ける 「小鳥遊の奴、蒼星石に出会うやいなや思いっきり抱きついてたぞ 佐山も蒼星石の尻を散々触ってたな、…しかも」 「「し……しかも!」」 「あいつら蒼星石に触るたびに妙な笑みをこぼしてやがった!」 友人、仲間、相棒、そのどれかにはあてはまる人物の奇妙な行動を聞き 一体何をしているのかと少し呆れ、蒼星石に少し同情をしながらも二人はある確信を手に入れていた。 (間違いない、この人は佐山君の事を知っている、佐山君らしい行動だもん) (間違いない、この人は小鳥遊君の事を知っている、小鳥遊君ならありえる) 知り合いと言うことを隠したくなるような行動であるが、同時に探している相手らしい行動でもある、 さらに、自分の探している相手は少なくとも数時間前は単独で行動しているわけではなく 尚かつ自分たちを捜そうとしていることを知ったからだ。 放送で呼ばれてない以上はまだ生きているし、まず無いと思っていたが 殺し合いにも乗っていないという証言も手に入った。 一方のゾロにしてみても佐山・小鳥遊の探し人が無事に目の前にいることに安堵をしていた。 新庄・伊波の二人を心配している小鳥遊・佐山を見ているからであろうか ともあれ少し話した限りでは少し変わっている人間であるがあまり危険は感じない、 最も二人からすれば変わった人間にはある意味なれてしまっているのかもしれない。 それに元からの知り合いと、この会場内で出会ったという違いはあるとしても 共通の変態の知り合いがいることが大きいだろう。 3人はゾロに簡単な治療をすると病室の冷蔵庫からきなこ練乳なる飲み物を取り出し 男性恐怖症のまひるの為に少し距離を開けながらも 各人の自己紹介とここに来てからのいきさつを順番に話し始めた、 ルフィやウソップを殺した相手のことが分かるかもしれない、 どこかにいるチョッパーのことを知っているかもしれない、 ひょっとしたら他にも欲しい情報を持っているかもしれない、 何かしらの主催者の事を知っているかもしれない、 首輪について何か知っているかもしれない、 もっと佐山君や小鳥遊君の事をここでの事を教えて欲しい 様々な憶測と可能性を期待しながら ○ 「カーッカッカッカッカッ 獣じゃ主は最高の獣じゃ、もっと本当の力を出せ そのためなら、民も兵も国も贄として出してやる 主は災いを呼び出す獣よ クッチャ・ケッチャもそなたの獣を出すための贄よ」 かつて戦った事のあるシケルペチムの皇ニウェに言われた言葉が突然頭をよぎる。 一体なぜ、ひょっとしたらこれも奴の仕業なのか、いやニウェは確かに死んだ、この手で どうやったのかはよく覚えていない 燃えるシケルペチムの城の中であの時…… 巨大な牙…鋭利な爪…鋭い眼光…獣? ハクオロはそんな事は後回しだと言わんばかりに何度も首を振る、何より今はそれどころでは無いのだから 「アルルゥ、どこにいるんだ?」 この殺し合いの舞台に巻き込まれた家族の一員を探してハクオロは当てもなく森の中を彷徨う、 トウカもベナウィもカルラもエルルゥももういない残された家族はもうアルルゥしかいない 血は繋がっているわけではない自分のことを“おとーさん”と呼ぶ娘を求めて だがどこにいるという心当たりもない上まともに情報交換の出来たレッドやライダーも 出会ってないらしい、もし中央部に向かっていったライダーに会うことが出来たのならば 間違いなくアルルゥを保護してくれるだろう。それはレッドに関しても言えることだが、 別にあの二人に全幅の信頼を置いているわけではないし、アルルゥの保護は自分の役目だと 考えていた、ただ、それでもアルルゥがどこにいるのか分からない以上は 二人とは別の方向、西を進路に取って森の中を進んでいった。 しばらく森の中を歩き、森を抜けたハクオロの目の前に大きな城が現れ そして城に向かって南方から城に向かって走る男の姿が確認できた。 ○ 「あとはこのリーゼントの男と獣耳の幼女だな」 劉鳳の名簿に書かれていた名前もわからない二人の危険人物かもしれない二人、 ゾロ自身賞金首であること、襲われた上で入れ墨の男が乱入した事の顛末を話しながら 話を聞いていた二人、特にまひるは賞金首=犯罪者というイメージがあるのか戸惑いを見せたが ヴァッシュも賞金首であること、小鳥遊の事を知ってるなど そして様子を見る限り殺し合いには乗っていない事などのの理由からあっけなく受け入れられた。 さらに劉鳳の名簿に×を付けられていたもう一人の名前の主カズマがこのゲームに乗っていることから ×が危険人物で○が仲間という考えは簡単に納得できた。 「じゃあ、この橘あすかさんとって人とストレイト・クーガーさんは殺しあいに乗ってない可能性が高いと」 「ああ、俺に懸っている賞金のことを知ったら襲い掛かってくるかもしれないがな」 ゾロ、伊波、新庄の3人の元から知り合いであるチョッパーやブレンヒルトの事、既に名前の呼ばれたルフィやウソップ クロコダイルの会場での行動は3人とも知らなかった。 一方でこの3人殺し合いに連れてこられて来てから出会った人物に関しては多くの情報を得ることに成功した。 ゾロからは既に話した佐山達や劉鳳の他に、既に死んだ入れ墨の男、スーツを着た海賊 電車の中で会ったムカつく金ぴか鎧と圭一という召使い、川で流されていた女のこと 一方新庄からは危険な相手に向かっていった通りすがりのサラリーマン 遊園地の近くでカズマに襲われたこと少し前にこの古城にいた人形や仮面の男の事 そしてこの会場で話た人物から聞いた話も続けた。 蒼星石から聞いたローゼンメイデンの翠星石と真紅と水銀燈のこと。 劉鳳の名簿に乗っていた橘あすかとクーガー、リーゼントの男と獣耳の幼女。 圭一から聞いた衛宮切嗣、ライダー、古手梨花、竜宮レナ、北条沙都子、園崎魅音、園崎詩音。 川で流されていた女から聞いた奇妙な髪型をした男の人。 やたらとうるさくてむちゃくちゃ速い男の人。 赤いコートの指名手配犯――ヴァッシュ・ザ・スタンピード。 物騒な右腕をした不良。 そしてヴァッシュから聞いた、ニコラス・D・ウルフウッド、リヴィオ・ザ・ダブルファング。 広瀬康一、黒服の男、眼鏡を掛けたメイド、園崎魅音のこと。 そして又聞きとなるが広瀬康一からヴァッシュを通じて聞いた吉良吉影と東方仗助のこと。 何人かは同じ人物のことになるがこの会場にいるはずの人物に関しては 65人のうちおよそ2/3に近い人物情報がまとまったことになる。 うち園崎魅音やヴァッシュのように異なった情報を持っていたり 既に放送で呼ばれた名前もある。 名前も姿もわからない人物も多く間違っている情報も多いかもしれない 3人とも気付いていないがカズマやリヴィオに至っては3か所から情報が来ている。 「そうだ、それと…さっき森の中で一つ死体を見つけたんだが」 そういってゾロは首輪を出した、誰のものとも分からない死体から持ち出した首輪であった。 「その首輪が光ってどっかから変な声が聞こえたんだが もった瞬間に変な声が聞こえたんだ“力は等しくなる”って」 「それ、ひょっとして、概念!!」 「え!新庄君、概念って?」 突然出てきた概念という二人にとってあまり聞いたことのない単語に二人は首を傾げる もともとあまり知られていない力なのだから仕方がないのかもしれないが 「ああ、説明がなかったね、概念っていうのは…」 「いや、説明はもう少し後になりそうだどうやら客が来たみたいだぜ!」 ゾロの言葉に二人は窓に目を向ける、 すると南からは先ほど出て行ったヴァッシュが何かを抱えて、 一方東からは見覚えのない仮面の男がゆっくりとこっちに向かって来ている。 「ヴァッシュさん、ずいぶん早いけど忘れものかな」 「あっちの仮面の人はゾ、ゾロさんは知ってますか?」 「いや、」 この城に向かってこようとしている二人の存在、 ヴァッシュはともかくとして仮面の男に関しては殺しあいに乗っているかもわからない とりあえず接触してみるのが吉か、それともやり過ごすべきか? 「なーに危険な奴だったら俺が叩き斬ってやる」 「あ、ちょっと待ってください、危険って決まったわけでもないのに」 そう言って二人は病室を出て仮面の男の方へ急いで向かって行った。 ゾロに至っては治療を終えたばかりというのに、 「私は…ヴァッシュさんの処へ、何か持っていたみたいだったもんね」 そういって最後に残ったまひるも病室を出て行った。 これからこの古城で何が始まるのか、ヴァッシュが2人には話さなかった殺してしまった男ベナウィ それが今城に向かって来るハクオロの仲間であるのは偶然かはたまた運命の悪戯か 今はまだ分からない、そう、今はまだ…… 【A-2 古城跡・2階・Dr.くれはの医療室前/一日目 午後】 【ロロノア・ゾロ@ワンピース】 [状態]疲労(中)、全身にダメージ(大)(止血、消毒、包帯済み)、左腿に銃創(治療済み)、 [装備]八千代の刀@WORKING!!、秋水@ワンピース、雪走@ワンピース [道具]支給品一式×2(食料と水一人分消費)、麦わら海賊団の手配書リスト@ワンピース、迷宮探索ボール@ドラえもん、 不明支給品(1~3)、一方通行の首輪(血がこびりついている) [思考・状況] 0:向かってくる仮面の男が安全かどうか確かめる。 1:傷を治す為病院に向かう。 2:ウソップとルフィの仇打ち 3:ゲームにはのらないが、襲ってきたら斬る(強い剣士がいるなら戦ってみたい) 4:ルフィ(死体でも)、チョッパーを探す。橘あすかにも会ってみたい。リーゼントの男、ヴァッシュにも興味 5:佐山・小鳥遊の探し人に会えて安堵 6:首輪の秘密が気になる。 7:金ぴか鎧(アーチャー)は次に会ったらただではすまさない。 8:あの声は何だったんだ? 9:概念?何だそりゃ? ※参戦時期は少なくともエニエスロビー編終了(45巻)以降、スリラーバーグ編(46巻)より前です。 ※吉良吉影のことを海賊だと思っています ※黎明途中までの死亡者と殺害者をポケベルから知りました。 ※入れ墨の男(ラズロ)が死亡したと考えています ※圭一に関しては信用、アーチャーに関しては嫌悪しています。 ※雪走が健在であったことに疑問を抱いています。 ※大阪(春日歩)から、危険人物としてクーガー、カズマ、ヴァッシュの情報を教えられました。 ※不明支給品は一方通行のものです。 ※新庄・伊波の二人と情報を交換しました、どちらかが幾つか間違った情報を持っていることも 気づいています。 ※1回目、2回目の放送の内容を新庄、伊波の二人から聞きました。 【新庄・運切@終りのクロニクル】 [状態]:健康、顔に腫れもの [装備]:S W M29 6インチ 6/6@BLACK LAGOON 、尊秋多学園の制服、運命のスプーン@ポケットモンスターSPECIAL [道具]:支給品一式(食料一食消費、水1/5消費)、予備弾丸26/32 、一方通行の首輪(血がこびりついている) [思考・状況 ] 1:ゾロと仮面の男の所へ行く。 2:ヴァッシュを待つ。 3:メカポッポを待ってみる。(なかば諦め) 4:まひると行動しながら小鳥遊を捜す。 5:佐山と小鳥遊のことを聞いてひとまず安心しつつも変態的な意味での不安が…… 5:佐山と合流しここから脱出する 6:ブレンヒルトについてはまだ判断できない。 7:人殺しはしない。 8:ゾロについてやや信用。 9:概念、どうしてここに ※小鳥遊宗太については、彼の性癖とかは聞いています。家庭環境は聞いていません ※新庄の肉体は5:30~6:00の間にランダムのタイミングで変化します。 変化はほぼ一瞬、霧のような物に包まれ、変化を終えます。 午前では女性から男性へ、午後は男性から女性へ変化します。 ※参戦時期は三巻以降です ※カズマを危険人物だと認識しています ※まひるに秘密を話しました次の変化のときに近くの人に話す必要は… ※ヴァッシュと情報交換をしました。ウルフウッド、リヴィオ、広瀬康一、メイドの女性(ロベルタ)、園崎魅音(詩音)、黒服の男(サカキ)についての情報を得ました。 ※ベナウィの事は聞かされていません。 ※ゾロの声に聞き覚え? ※ゾロと情報を交換しました、どちらかが幾つか間違った情報を持っていることも気づいています ※古城跡の2階の南東の角の1室が、Dr.くれはの医療室@ONE PIECEになっています。 【A-2 南部 古城前/1日目 午後】 【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@トライガン・マキシマム】 [状態]黒髪化、左肩に刺突による傷(再生中) [装備]ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃 6/6 @トライガン・マキシマム [道具]支給品一式、拡声器@現実、予備弾丸36発分 [思考・状況] 基本:殺し合いを止める、今度こそ絶対に。 1:急いで古城に戻って水銀燈を連れて看病する。 2:新庄、伊波と同行する。ゾロについては信用。 3:ウルフウッド、リヴィオとの合流。 4:ウルフウッドがいるかもしれない……? ※原作13巻終了後から参加 ※サカキ、ロベルタの名前はまだ知りません。 ※詩音を『園崎魅音』として認識しています。詩音は死んだと思っています。 ※口径などから、学校の死体を殺すのに使われたのはロベルタの持っていた銃ではないかと考えています。 ※義手の隠し銃には弾が込められていません。弾丸を補給すれば使用可能です。 ※伊波、新庄と情報交換をしました。佐山、ブレンヒルト、小鳥遊、高槻、メカポッポ、片目の男(カズマ)の情報を得ました。 ※水銀燈の左腕が欠損していることに気づきました。 【水銀燈@ローゼンメイデン】 【状態】:全身に切り傷、左腕欠損、気絶中 【装備】:卵型爆弾@バッカーノ、強力うちわ「風神」@ドラえもん、 【道具】:基本支給品一式、ランダム支給品0~1 【思考・状況】 1:左腕…… 2:今はゼロから逃げる 3:ローザミスティカは必ず手に入れる。 【備考】 ※ナナリーの存在は知りません ※会場がループしていると確認。半ば確信しています ※古城内の大広間に『○』型のくぼみがあります。このくぼみに何が当てはまるかは不明です。 ※魅音(詩音)、ロベルタの情報をサカキから、鼻の長い男の(ウソップ)の情報を土御門から聞きました。 ※気絶していますがヴァッシュの声は無意識に届いています。 【支給品解説】 きなこ練乳@とある魔術の禁書目録 学園都市に置いてある自動販売機に置いてある飲み物で 今回、病室の冷蔵庫中にいくつか置いてあった。 味はご想像にお任せします。 【備考】 ゾロ・新庄・伊波の情報まとめ ゾロが直接出会った信用できる人物・・・・・チョッパー、小鳥遊宗太、佐山御言、蒼星石、前原圭一、春日歩(名前は知らない) 新庄・伊波の出会った信用できる人物・・・小鳥遊宗太、佐山御言、ヴァッシュ、高槻巌(名前は知らない)、メカポッポ 話伝いに聞いた安全と思われる人物(死亡情報のある人物は除く) 真紅(蒼星石より) 橘あすか(劉鳳より) 竜宮レナ(前原圭一より) 北条沙都子(前原圭一より) 園崎詩音(前原圭一より) 古手梨花(前原圭一より) ニコラス・D・ウルフウッド(ヴァッシュより) リヴィオ・ザ・ダブルファング(ヴァッシュより) サカキ(ヴァッシュより・名前は知らない) 安全か危険か判断出来ない人物(死亡情報のある人物は除く) ブレンヒルト・シルト アルルゥ(情報は獣耳の幼女とあるのみ、名前は知らない) 東方仗助(情報はリーゼントの男とあるのみ、名前は知らない) ゼロ 水銀燈(蒼星石、ヴァッシュからの情報) ロベルタ(情報はメガネをかけたメイドとあるのみ) 吉良吉影(名前は知らない) 直接出会った危険人物(死亡情報のある人物は除く) アーチャー カズマ 話に聞いた危険人物(死亡情報のある人物は除く) ライダー(前原圭一より) クーガー(春日歩より・名前は知らず情報はむっちゃくちゃ速い人とのみ) カズマ(劉鳳、春日歩より・春日歩からは名前は分からず物騒な腕をした不良とのみ 二人があった男と大阪の言っていた人物が同一人物という情報はありません) リヴィオ(春日歩より・名前は知らず情報は奇妙な髪の男とのみ ヴァッシュから聞いたリヴィオと同一人物という情報はありません) 時系列順で読む Back 偶然と必然のあいだ Next 私のお墓の前で泣かないでください 投下順で読む Back Deus ex machina ―終演― Next 私のお墓の前で泣かないでください Back Next それは誰にも聞こえぬ歌――勇侠青春謳(後編) ヴァッシュ・ザ・スタンピード Working×Walking×Warning それは誰にも聞こえぬ歌――勇侠青春謳(後編) 水銀燈 Working×Walking×Warning 太陽-The Sun- 伊波まひる Working×Walking×Warning 太陽-The Sun- 新庄・運切 Working×Walking×Warning 太陽-The Sun- ロロノア・ゾロ Working×Walking×Warning 地獄への道 ハクオロ Working×Walking×Warning
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知人の奇妙な行動 ◆yvUxRPre9c 「大丈夫だからさ、さっきの城の病室に戻ればなんとかなるかもしれないから」 そんなことを片方の腕のない動かない女の子の人形を持って森の中を一人の男が駆け抜けていく、 端から見れば危険な人間としか見られないだろう、あるいは大切な人を殺されて 壊れてしまった人間と見られてしまうかもしれない、ただ、ヴァッシュは知っている。 この人形が自由に動き、しゃべり、こちらの行動に反応することを かつて戦った事のある人形遣いエミリオのそれとも違う動きをする。 そして首に付けられたこの首輪、つまりこの子はこの殺し合いに参加させられた被害者の一人という事になる。 数時間前に古城で拡声器を使った時に一番最初に出てきた人形である。 たしか名前は水銀燈と言っていた。その時はもう一人、ゼロと名乗る仮面の男が一緒にいたのだが、彼は一体どうしたのか、 いや、今はこの子を城に連れて行くのが先だ、新庄君達も協力してくれるだろう。 呼吸をしている以上はまだ助かるはずだから 「もうすぐで病室に着くから」 ヴァッシュは必死に人形を励ましながら古城の病室へと引き返している。 ○ 「うあああああああああああああ!!ルフィてめえええええええええ!!」 「ワアアアアアアアアアアアアアアア!?」 「あ? てめえ……誰だ?」 「さっきの叫び声をなかったことにしないでよ!? なんで突然叫ぶのさ!?」 「おれの刀はどこだ」 「お願いだから話題を一つに絞ってくれないかな! あ!そんなことより君の血液型――」 城の中の病室の中で突然大きな叫び声が聞こえる 外には大して声は漏れていないようだが、 「いいからそこにある俺の刀をよこせ!」 「その前にまずは君の傷を治療してからだね、それとも君、殺し合いに乗ってるの?」 質問をしながら新庄は身構える、おそらく大丈夫であろうがもし殺し合いに乗っていたのなら 逃げ場など限られているし、ひょっとしたら一瞬で殺されてしまうかもしれない、 別に武器を取り上げていることは安全になるというわけではないのだから。 「いや、殺し合いには乗っていねえ、剣士として常に刀を持つ、それだけだ」 その言葉を聞いてとりあえず安堵する、殺し合いには乗っていないという証言その一言が新庄を安心させた。 「てなわけでこいつは返してもらうぜ」 「待って、先に治療と輸血を……っわっ、」 「これくらいかすり傷だから……うおっ」 ゾロが刀を自分の手元に置こうとしたのを止めようと 刀の引き合いになったが力比べではゾロのが上 刀を思いっきり引っ張った為新庄は体ごとゾロの方に引き寄せられてゾロの上に倒れこんでしまった。 「新庄君、今の音何?……!!!!!!!!!」 まひるはヴァッシュを見送って二人のいる南東の医務室に戻っていると突然叫び声が聞こえたので慌てて向かっていった。 しかし扉を開けてみると医務室のベッドの上で二人の男が手には同じ刀を持ち顔を近づけて体を重ねていた。 思いっきり引っ張っても刀を放さなかった新庄君が結果としてゾロを押し倒したような形になっていたのだが 事情を知らないピュアな女の子のまひるにしてみればそれはあまりにも衝撃的なものであった。 ほかに人のいない医務室の男の人二人が体を重ねてベッドで寝ている。 男性恐怖症という特徴を持つのまひるにとっては尚更、 「しししし新庄君の不潔ーーー」 「いい、伊波さんかんちがアァーー、グフッ!」 勘違いをしたまひるのパンチが新庄を直撃し、釈明をしようとする言葉を中断させ、 そのまま倒れこんでしまった 【新庄・運切@終わりのクロニクル 死亡確ー】 「つまり俺たちを見て、何か変な関係か何かだと勘違いしちまった訳だな」 「そ、そのごめんなさい」 ゾロから少し距離を置きまひるは必死に謝っている 「大丈夫ですよ、なんとか誤解も解けたみたいですし」 勘違いにより殴られた新庄君がなんとかこの場を纏める、 ああ、これは一体何回目の行動になるのか…… 【新庄・運切@終わりのクロニクル 生存確認】 「それにしても変態だなんて佐山君じゃあるまいし」 「ん?何だお前も佐山のこと知ってるのか?」 少し落ち込んだ表情をした新庄であったがゾロの質問に驚く 目の前にいるこの緑の髪の人とあった事などないはずだ、それとも僕の知らない佐山君の知り合い 確かに声は聞いたことある気がするんだけど、 「君、佐山君のこと知ってるの?」 「ああ、キャンプ場でだったが離れ離れになってなければ小鳥遊って奴と一緒にいるはずだが、 …じゃあお前ひょっとして新庄運切か?」 「そうです、僕は新庄「小鳥遊君と一緒にいるんですか!!?」 今度はまひるが声を上げる、お互いの探してる相手が一緒に行動している事が分かったからだ 名簿に名前が載っているいることと放送で名前が呼ばれていないこと以外に情報が無かった 小鳥遊宗太と佐山御言をこの会場で知る人物が現れたからだ。 「それじゃあ小鳥遊君は佐山君と一緒なんですね」 「いや、それはわからねえ、」 「どうして」 「もう一人蒼星石って奴もいたんだが、さっきの放送で呼ばれていた、つまり今も一緒にいるかは 分からないが少なくとも一度何者かに襲われたってこった、そう簡単に分散するような雰囲気じゃなかったからな まあ放送じゃあ呼ばれてないって事は生きてるって事だろ」 「つまり、その3人はいっしょに行動していたんですね」 「ん、ああ確か駅のほうに向かうとか言っていたが、それも数時間前の話だけどな」 「そう・・・ですか」 ようやく手に入れた小鳥遊君のの情報であったが結局今何処にいるのかは分からずじまい、 それでも今までとは違い小鳥遊君と佐山君が共に行動してるかもしれないという事が 分かっただけでもいいのかもしれないが、 「ところでその蒼星石って人はどんな人だったんですか?」 ふとそんな質問があらわれた 「ん?ああ、人の股下くらいの大きさしかない女の人形だ、 ローゼンメイデンなんて呼ばれてるらしいがな」 「!!」 妙な不安が二人を襲う、それに気づいてかどうかは分からないが ゾロは話を続ける 「小鳥遊の奴、蒼星石に出会うやいなや思いっきり抱きついてたぞ 佐山も蒼星石の尻を散々触ってたな、…しかも」 「「し……しかも!」」 「あいつら蒼星石に触るたびに妙な笑みをこぼしてやがった!」 友人、仲間、相棒、そのどれかにはあてはまる人物の奇妙な行動を聞き 一体何をしているのかと少し呆れ、蒼星石に少し同情をしながらも二人はある確信を手に入れていた。 (間違いない、この人は佐山君の事を知っている、佐山君らしい行動だもん) (間違いない、この人は小鳥遊君の事を知っている、小鳥遊君ならありえる) 知り合いと言うことを隠したくなるような行動であるが、同時に探している相手らしい行動でもある、 さらに、自分の探している相手は少なくとも数時間前は単独で行動しているわけではなく 尚かつ自分たちを捜そうとしていることを知ったからだ。 放送で呼ばれてない以上はまだ生きているし、まず無いと思っていたが 殺し合いにも乗っていないという証言も手に入った。 一方のゾロにしてみても佐山・小鳥遊の探し人が無事に目の前にいることに安堵をしていた。 新庄・伊波の二人を心配している小鳥遊・佐山を見ているからであろうか ともあれ少し話した限りでは少し変わっている人間であるがあまり危険は感じない、 最も二人からすれば変わった人間にはある意味なれてしまっているのかもしれない。 それに元からの知り合いと、この会場内で出会ったという違いはあるとしても 共通の変態の知り合いがいることが大きいだろう。 3人はゾロに簡単な治療をすると病室の冷蔵庫からきなこ練乳なる飲み物を取り出し 男性恐怖症のまひるの為に少し距離を開けながらも 各人の自己紹介とここに来てからのいきさつを順番に話し始めた、 ルフィやウソップを殺した相手のことが分かるかもしれない、 どこかにいるチョッパーのことを知っているかもしれない、 ひょっとしたら他にも欲しい情報を持っているかもしれない、 何かしらの主催者の事を知っているかもしれない、 首輪について何か知っているかもしれない、 もっと佐山君や小鳥遊君の事をここでの事を教えて欲しい 様々な憶測と可能性を期待しながら ○ 「カーッカッカッカッカッ 獣じゃ主は最高の獣じゃ、もっと本当の力を出せ そのためなら、民も兵も国も贄として出してやる 主は災いを呼び出す獣よ クッチャ・ケッチャもそなたの獣を出すための贄よ」 かつて戦った事のあるシケルペチムの皇ニウェに言われた言葉が突然頭をよぎる。 一体なぜ、ひょっとしたらこれも奴の仕業なのか、いやニウェは確かに死んだ、この手で どうやったのかはよく覚えていない 燃えるシケルペチムの城の中であの時…… 巨大な牙…鋭利な爪…鋭い眼光…獣? ハクオロはそんな事は後回しだと言わんばかりに何度も首を振る、何より今はそれどころでは無いのだから 「アルルゥ、どこにいるんだ?」 この殺し合いの舞台に巻き込まれた家族の一員を探してハクオロは当てもなく森の中を彷徨う、 トウカもベナウィもカルラもエルルゥももういない残された家族はもうアルルゥしかいない 血は繋がっているわけではない自分のことを“おとーさん”と呼ぶ娘を求めて だがどこにいるという心当たりもない上まともに情報交換の出来たレッドやライダーも 出会ってないらしい、もし中央部に向かっていったライダーに会うことが出来たのならば 間違いなくアルルゥを保護してくれるだろう。それはレッドに関しても言えることだが、 別にあの二人に全幅の信頼を置いているわけではないし、アルルゥの保護は自分の役目だと 考えていた、ただ、それでもアルルゥがどこにいるのか分からない以上は 二人とは別の方向、西を進路に取って森の中を進んでいった。 しばらく森の中を歩き、森を抜けたハクオロの目の前に大きな城が現れ そして城に向かって南方から城に向かって走る男の姿が確認できた。 ○ 「あとはこのリーゼントの男と獣耳の幼女だな」 劉鳳の名簿に書かれていた名前もわからない二人の危険人物かもしれない二人、 ゾロ自身賞金首であること、襲われた上で入れ墨の男が乱入した事の顛末を話しながら 話を聞いていた二人、特にまひるは賞金首=犯罪者というイメージがあるのか戸惑いを見せたが ヴァッシュも賞金首であること、小鳥遊の事を知ってるなど そして様子を見る限り殺し合いには乗っていない事などのの理由からあっけなく受け入れられた。 さらに劉鳳の名簿に×を付けられていたもう一人の名前の主カズマがこのゲームに乗っていることから ×が危険人物で○が仲間という考えは簡単に納得できた。 「じゃあ、この橘あすかさんとって人とストレイト・クーガーさんは殺しあいに乗ってない可能性が高いと」 「ああ、俺に懸っている賞金のことを知ったら襲い掛かってくるかもしれないがな」 ゾロ、伊波、新庄の3人の元から知り合いであるチョッパーやブレンヒルトの事、既に名前の呼ばれたルフィやウソップ クロコダイルの会場での行動は3人とも知らなかった。 一方でこの3人殺し合いに連れてこられて来てから出会った人物に関しては多くの情報を得ることに成功した。 ゾロからは既に話した佐山達や劉鳳の他に、既に死んだ入れ墨の男、スーツを着た海賊 電車の中で会ったムカつく金ぴか鎧と圭一という召使い、川で流されていた女のこと 一方新庄からは危険な相手に向かっていった通りすがりのサラリーマン 遊園地の近くでカズマに襲われたこと少し前にこの古城にいた人形や仮面の男の事 そしてこの会場で話た人物から聞いた話も続けた。 蒼星石から聞いたローゼンメイデンの翠星石と真紅と水銀燈のこと。 劉鳳の名簿に乗っていた橘あすかとクーガー、リーゼントの男と獣耳の幼女。 圭一から聞いた衛宮切嗣、ライダー、古手梨花、竜宮レナ、北条沙都子、園崎魅音、園崎詩音。 川で流されていた女から聞いた奇妙な髪型をした男の人。 やたらとうるさくてむちゃくちゃ速い男の人。 赤いコートの指名手配犯――ヴァッシュ・ザ・スタンピード。 物騒な右腕をした不良。 そしてヴァッシュから聞いた、ニコラス・D・ウルフウッド、リヴィオ・ザ・ダブルファング。 広瀬康一、黒服の男、眼鏡を掛けたメイド、園崎魅音のこと。 そして又聞きとなるが広瀬康一からヴァッシュを通じて聞いた吉良吉影と東方仗助のこと。 何人かは同じ人物のことになるがこの会場にいるはずの人物に関しては 65人のうちおよそ2/3に近い人物情報がまとまったことになる。 うち園崎魅音やヴァッシュのように異なった情報を持っていたり 既に放送で呼ばれた名前もある。 名前も姿もわからない人物も多く間違っている情報も多いかもしれない 3人とも気付いていないがカズマやリヴィオに至っては3か所から情報が来ている。 「そうだ、それと…さっき森の中で一つ死体を見つけたんだが」 そういってゾロは首輪を出した、誰のものとも分からない死体から持ち出した首輪であった。 「その首輪が光ってどっかから変な声が聞こえたんだが もった瞬間に変な声が聞こえたんだ“力は等しくなる”って」 「それ、ひょっとして、概念!!」 「え!新庄君、概念って?」 突然出てきた概念という二人にとってあまり聞いたことのない単語に二人は首を傾げる もともとあまり知られていない力なのだから仕方がないのかもしれないが 「ああ、説明がなかったね、概念っていうのは…」 「いや、説明はもう少し後になりそうだどうやら客が来たみたいだぜ!」 ゾロの言葉に二人は窓に目を向ける、 すると南からは先ほど出て行ったヴァッシュが何かを抱えて、 一方東からは見覚えのない仮面の男がゆっくりとこっちに向かって来ている。 「ヴァッシュさん、ずいぶん早いけど忘れものかな」 「あっちの仮面の人はゾ、ゾロさんは知ってますか?」 「いや、」 この城に向かってこようとしている二人の存在、 ヴァッシュはともかくとして仮面の男に関しては殺しあいに乗っているかもわからない とりあえず接触してみるのが吉か、それともやり過ごすべきか? 「なーに危険な奴だったら俺が叩き斬ってやる」 「あ、ちょっと待ってください、危険って決まったわけでもないのに」 そう言って二人は病室を出て仮面の男の方へ急いで向かって行った。 ゾロに至っては治療を終えたばかりというのに、 「私は…ヴァッシュさんの処へ、何か持っていたみたいだったもんね」 そういって最後に残ったまひるも病室を出て行った。 これからこの古城で何が始まるのか、ヴァッシュが2人には話さなかった殺してしまった男ベナウィ それが今城に向かって来るハクオロの仲間であるのは偶然かはたまた運命の悪戯か 今はまだ分からない、そう、今はまだ…… 【A-2 古城跡・2階・Dr.くれはの医療室前/一日目 午後】 【ロロノア・ゾロ@ワンピース】 [状態]疲労(中)、全身にダメージ(大)(止血、消毒、包帯済み)、左腿に銃創(治療済み)、 [装備]八千代の刀@WORKING!!、秋水@ワンピース、雪走@ワンピース [道具]支給品一式×2(食料と水一人分消費)、麦わら海賊団の手配書リスト@ワンピース、迷宮探索ボール@ドラえもん、 不明支給品(1~3)、一方通行の首輪(血がこびりついている) [思考・状況] 0:向かってくる仮面の男が安全かどうか確かめる。 1:傷を治す為病院に向かう。 2:ウソップとルフィの仇打ち 3:ゲームにはのらないが、襲ってきたら斬る(強い剣士がいるなら戦ってみたい) 4:ルフィ(死体でも)、チョッパーを探す。橘あすかにも会ってみたい。リーゼントの男、ヴァッシュにも興味 5:佐山・小鳥遊の探し人に会えて安堵 6:首輪の秘密が気になる。 7:金ぴか鎧(アーチャー)は次に会ったらただではすまさない。 8:あの声は何だったんだ? 9:概念?何だそりゃ? ※参戦時期は少なくともエニエスロビー編終了(45巻)以降、スリラーバーグ編(46巻)より前です。 ※吉良吉影のことを海賊だと思っています ※黎明途中までの死亡者と殺害者をポケベルから知りました。 ※入れ墨の男(ラズロ)が死亡したと考えています ※圭一に関しては信用、アーチャーに関しては嫌悪しています。 ※雪走が健在であったことに疑問を抱いています。 ※大阪(春日歩)から、危険人物としてクーガー、カズマ、ヴァッシュの情報を教えられました。 ※不明支給品は一方通行のものです。 ※新庄・伊波の二人と情報を交換しました、どちらかが幾つか間違った情報を持っていることも 気づいています。 ※1回目、2回目の放送の内容を新庄、伊波の二人から聞きました。 【新庄・運切@終りのクロニクル】 [状態]:健康、顔に腫れもの [装備]:S W M29 6インチ 6/6@BLACK LAGOON 、尊秋多学園の制服、運命のスプーン@ポケットモンスターSPECIAL [道具]:支給品一式(食料一食消費、水1/5消費)、予備弾丸26/32 、一方通行の首輪(血がこびりついている) [思考・状況 ] 1:ゾロと仮面の男の所へ行く。 2:ヴァッシュを待つ。 3:メカポッポを待ってみる。(なかば諦め) 4:まひると行動しながら小鳥遊を捜す。 5:佐山と小鳥遊のことを聞いてひとまず安心しつつも変態的な意味での不安が…… 5:佐山と合流しここから脱出する 6:ブレンヒルトについてはまだ判断できない。 7:人殺しはしない。 8:ゾロについてやや信用。 9:概念、どうしてここに ※小鳥遊宗太については、彼の性癖とかは聞いています。家庭環境は聞いていません ※新庄の肉体は5:30~6:00の間にランダムのタイミングで変化します。 変化はほぼ一瞬、霧のような物に包まれ、変化を終えます。 午前では女性から男性へ、午後は男性から女性へ変化します。 ※参戦時期は三巻以降です ※カズマを危険人物だと認識しています ※まひるに秘密を話しました次の変化のときに近くの人に話す必要は… ※ヴァッシュと情報交換をしました。ウルフウッド、リヴィオ、広瀬康一、メイドの女性(ロベルタ)、園崎魅音(詩音)、黒服の男(サカキ)についての情報を得ました。 ※ベナウィの事は聞かされていません。 ※ゾロの声に聞き覚え? ※ゾロと情報を交換しました、どちらかが幾つか間違った情報を持っていることも気づいています ※古城跡の2階の南東の角の1室が、Dr.くれはの医療室@ONE PIECEになっています。 【A-2 南部 古城前/1日目 午後】 【ヴァッシュ・ザ・スタンピード@トライガン・マキシマム】 [状態]黒髪化、左肩に刺突による傷(再生中) [装備]ヴァッシュ・ザ・スタンピードの銃 6/6 @トライガン・マキシマム [道具]支給品一式、拡声器@現実、予備弾丸36発分 [思考・状況] 基本:殺し合いを止める、今度こそ絶対に。 1:急いで古城に戻って水銀燈を連れて看病する。 2:新庄、伊波と同行する。ゾロについては信用。 3:ウルフウッド、リヴィオとの合流。 4:ウルフウッドがいるかもしれない……? ※原作13巻終了後から参加 ※サカキ、ロベルタの名前はまだ知りません。 ※詩音を『園崎魅音』として認識しています。詩音は死んだと思っています。 ※口径などから、学校の死体を殺すのに使われたのはロベルタの持っていた銃ではないかと考えています。 ※義手の隠し銃には弾が込められていません。弾丸を補給すれば使用可能です。 ※伊波、新庄と情報交換をしました。佐山、ブレンヒルト、小鳥遊、高槻、メカポッポ、片目の男(カズマ)の情報を得ました。 ※水銀燈の左腕が欠損していることに気づきました。 【水銀燈@ローゼンメイデン】 【状態】:全身に切り傷、左腕欠損、気絶中 【装備】:卵型爆弾@バッカーノ、強力うちわ「風神」@ドラえもん、 【道具】:基本支給品一式、ランダム支給品0~1 【思考・状況】 1:左腕…… 2:今はゼロから逃げる 3:ローザミスティカは必ず手に入れる。 【備考】 ※ナナリーの存在は知りません ※会場がループしていると確認。半ば確信しています ※古城内の大広間に『○』型のくぼみがあります。このくぼみに何が当てはまるかは不明です。 ※魅音(詩音)、ロベルタの情報をサカキから、鼻の長い男の(ウソップ)の情報を土御門から聞きました。 ※気絶していますがヴァッシュの声は無意識に届いています。 【支給品解説】 きなこ練乳@とある魔術の禁書目録 学園都市に置いてある自動販売機に置いてある飲み物で 今回、病室の冷蔵庫中にいくつか置いてあった。 味はご想像にお任せします。 【備考】 ゾロ・新庄・伊波の情報まとめ ゾロが直接出会った信用できる人物・・・・・チョッパー、小鳥遊宗太、佐山御言、蒼星石、前原圭一、春日歩(名前は知らない) 新庄・伊波の出会った信用できる人物・・・小鳥遊宗太、佐山御言、ヴァッシュ、高槻巌(名前は知らない)、メカポッポ 話伝いに聞いた安全と思われる人物(死亡情報のある人物は除く) 真紅(蒼星石より) 橘あすか(劉鳳より) 竜宮レナ(前原圭一より) 北条沙都子(前原圭一より) 園崎詩音(前原圭一より) 古手梨花(前原圭一より) ニコラス・D・ウルフウッド(ヴァッシュより) リヴィオ・ザ・ダブルファング(ヴァッシュより) サカキ(ヴァッシュより・名前は知らない) 安全か危険か判断出来ない人物(死亡情報のある人物は除く) ブレンヒルト・シルト アルルゥ(情報は獣耳の幼女とあるのみ、名前は知らない) 東方仗助(情報はリーゼントの男とあるのみ、名前は知らない) ゼロ 水銀燈(蒼星石、ヴァッシュからの情報) ロベルタ(情報はメガネをかけたメイドとあるのみ) 吉良吉影(名前は知らない) 直接出会った危険人物(死亡情報のある人物は除く) アーチャー カズマ 話に聞いた危険人物(死亡情報のある人物は除く) ライダー(前原圭一より) クーガー(春日歩より・名前は知らず情報はむっちゃくちゃ速い人とのみ) カズマ(劉鳳、春日歩より・春日歩からは名前は分からず物騒な腕をした不良とのみ 二人があった男と大阪の言っていた人物が同一人物という情報はありません) リヴィオ(春日歩より・名前は知らず情報は奇妙な髪の男とのみ ヴァッシュから聞いたリヴィオと同一人物という情報はありません) 時系列順で読む Back 偶然と必然のあいだ Next 私のお墓の前で泣かないでください 投下順で読む Back Deus ex machina ―終演― Next 私のお墓の前で泣かないでください Back Next それは誰にも聞こえぬ歌――勇侠青春謳(後編) ヴァッシュ・ザ・スタンピード Working×Walking×Warning それは誰にも聞こえぬ歌――勇侠青春謳(後編) 水銀燈 Working×Walking×Warning 太陽-The Sun- 伊波まひる Working×Walking×Warning 太陽-The Sun- 新庄・運切 Working×Walking×Warning 太陽-The Sun- ロロノア・ゾロ Working×Walking×Warning 地獄への道 ハクオロ Working×Walking×Warning
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戒塚 操(Kaizuka Misao) / 試製飛翔型機兵・長元坊 「本官は帝国陸軍憲兵中尉、戒塚操である。この場は我々が引き受けよう」 「走狗を嗤いたくば嗤うが良い、世に仇なす狂犬よ」 「私は職務の一環としてここに来たまでだ。断じて甘味中毒などではないが?」 クラス クラス名 Lv 加護 ベテラン 5 ミューズ コンダクター 1 イドゥン ブラギ 消費経験点: ライフパス 出自:任意→教育成果 経験:趣味 邂逅:西園寺芙蓉/あこがれ ミッション:正義を守る ライフスタイル:組織の幹部(3点)+臨時収入×5(5) 住宅:個室 能力値 能力値 体力 反射 知覚 理知 意志 幸運 基本値 10 15 9 15 14 16 ボーナス 3 5 3 5 4 5 戦闘値 未搭乗 搭乗時 命中 8 12 回避 9 19 砲撃 8 6 防壁 9 18 行動 16 24 力場 38 66 耐久 32 32 感応 33 50 近主攻 5 斬14 近副攻 5 斬13 遠主攻 4 遠副攻 4 防御修正 斬 刺 殴 炎 氷 雷 光 闇 7 7 7 7 7 7 13 13 移動力 戦闘移動 全力移動 4 8 特技 特技名 Lv 種別 タイミング 対象 射程 代償 効果 心頭滅却 1 自 DR直後 自身 なし なし 実ダメージ適用をクリンナッププロセスまで保留。シーン1回 戦術指揮 1 - イニシアチブ 範囲3 0 4HP ラウンド間、対象の命中・防御判定の達成値+2、C値-1(下限11) 歴戦の勇士 1 - 判定直後 自身 なし 2HP ダイスロールの出目を7だったことにする。クリティカル不能 インヴァルネラブル 2 操 常時 自身 なし なし ボス系属性を持たないキャラクターから与えられる神属性以外のダメージを、種別:防の適用前に半減 AS 1 - 常時 自身 なし なし 体力と幸運に+3、クリティカル時キャラクターレベル点のHPを失う 一騎当千 3 自 常時 自身 なし なし HP・EN代償を-[CL/2(切り上)] 加えて回避・防壁+2 戦友 3 機、動 イニシアチブ 自身 なし 4HP ヴァレットを出す パーソナルセッティング 2 操 常時 自身 なし なし 機体ひとつの戦闘値ふたつに+3(行動値は+5)修正、プリプレイごとに選択可能 エンハンスメント 4 - 常時 自身 なし なし ラウンド制限特技の使用回数+1(修正済み) 能力解放 5 自 常時 自身 なし なし 命中・回避・砲撃・防壁+2、行動値・攻撃力・防御修正+3、FP・EN+10 ダンスマカブル 4 命 メジャー 単体☆ 装備 8HP 近接攻撃を行い、実ダメージを与えた場合は確殺。ボス系統には効かずHP5点で無効化。ラウンド1回 陣形構築 3 操 セットアップ 範囲3 0 6HP 同意した対象に行動値順に戦闘移動を行わせる。1シーン[CL/6]回 パーティクルアーマー 1 操 常時 自身 なし なし 力場+10、カバー特技の射程+2 カバーアシスト 1 自・操 命中直後 単体 0~4 1HP 行動を消費せずカバーアップを行う。1メインプロセス1回 イグニッションブレイブ 1 回 イニシアチブ 単体 視界 2HP 対象のHPを[3D6+CL×3]点回復。自身不可。1ラウンド2回 アドヴァイス 1 - 判定直後 単体 視界 4HP 達成値+2。1ラウンド2回 リトライ 1 - 判定直後 単体 視界 2HP 拒否可能な振り直し。1ラウンド2回 装備 一般アイテム 名前 種別 タイミング 効果 エキストラ 霊機獣・魔咬 人間用装備 名前 種別 効果 ガーディアン装備 名前 種別 部位 効果 長元坊 ガーディアン(ファンタズム/ミーレス) ガーディアン アインセルB型相当 ブーメランカッター メタルダガー AL粒子エンラージャー 設定・その他 戒塚操(かいづか・みさを) 年齢:21歳 身長:161cm スタイル:男装に難儀する程度のメリハリがある 好き:白玉ぜんざい、米国のファッション雑誌 苦手:猫(夜道で眼が光るのを見ると身構えてしまう) 口調の特徴:一人称「私」もしくは「本官」。男性的で肩肘張ったしゃべり方。語尾は「~だ」「~だな」「~な」「~である」 帝国陸軍憲兵中尉を務める、張り詰めた雰囲気を漂わせる女性。この世界の大日本帝国では、機神の操縦適性を持つ女性が少数ながら軍人になっている。 髪色は橙色に近く、髪型は現代で言うショートカット。目にかかるようにハネているが、特に職務に害はないようだ。 瞳の色素は薄く紫がかっており、眼を細めると射竦めるような鋭さを帯びる。 両親は旧家の士族で、父は生前代議士を務めていた。幼い頃から利発で、試験を経て学習院女学部へと入学。西園寺芙蓉とはこの時の同門であり、先輩にあたる。10年来の付き合いの中で姉のように何かと面倒を見てきたが、今では概ね主従に近い関係であることに幾ばくかの違和感と充足感がない混ぜになった感情を覚えている。 学識と礼法を仕込まれつつも、それが「良妻賢母」となるための下準備であることに反発していた操は、芙蓉を通じて当時まだ開発の途上にあった〝機神〟の存在を知り、その担い手となることで男手に頼ることなく身を立てられると考えた。だが、霊力を持たぬ身では緋緋色金を励起する事ができず、兵学校での教育も受けられない。 そこで彼女は強引な手段を取った。父の家に伝わり、一族に幸福を齎してきたという呪物――当時個体数を激減させつつあったニホンオオカミの頭骨を密かに持ち出し、その牙を磨り潰して飲んだのだ。 果たして、無謀な目論見は当たった。数百年来の信仰によって蓄えられた呪力が、少女の内に宿った。だがその力はヒト一人の手には余るものであり、女の園を脱し軍学を骨身に染み込ませた今に至るまで操を苦しめている。 具体的には、動揺したり逆に一つのことに集中しすぎた時に耳や尻尾が生えてくるとか、異様な食欲とかで。 特に機神に乗り込む際には呪力を全開にする必要があり、必ず耳と尾が生じる。 古来より獣憑きは快く思われないため、万が一に備えて職務中は軍帽を、私服時にはハンチング帽を被って耳の現出に備えているようだ。 仏頂面と生来の低い声から「怖い人」だと思われがちな操の人となりは、事実として苛烈だ。 だがその厳しさは強い自立心と他者の覚悟への敬意より来るものであり、決してむやみに気難しい人物ではない。 とは言え憲兵が恐れられていることも理解しており、時には飴と鞭を使い分けて交渉を運ぶこともある。 試製飛翔型機兵・長元坊 全高十米前後の小型機神。甲虫の硬翅を思わせる双発の噴進翼と、猛禽じみた鋭い鼻面の頭部を持つ鈍色の機体。その風体はまるでリベット打ちの烏天狗か、あるいは西欧の悪疫医かと言ったところだ。 本機は陸軍初となる主力防空機神のテストベッドにあたる機体だが、重量バランスや稼働の安定性の問題が解決されておらず、ごく一部のエキスパートが半ば人柱となって運用しているのが現状である。 その性質と「市街地での防衛任務、および陸上型機神の指揮管制」という操の任務の都合上、武装は最低限のもの。 霊機獣・魔咬(まがみ) 霊力を持つ動物を素体として開発された、踏破困難な地形や人間の投入が困難な危険地帯で活動するための非人型機神の一。当機は1910年に捕獲された最後のニホンオオカミの脳を制御機構として利用している。光背型のウェポンベイを背負い、勾玉を思わせる無数の遠隔攻撃ユニットを用いて巧みな攻防を繰り広げる。 狼憑きである操に懐いており、長元坊が有する機神サイズの犬笛と手旗信号で指示を受ける。 《第二話でのステータス》 (データ上の素体:機械恐竜ラプトレクスMKIII+大出力型+突撃型+支援型) 命:16 回:18* 砲:12 壁:11 移:4 行:12 FP:63 EN 30 武装1:狼骨打 攻:殴+27/白兵 C:12 対:単体 射程:0 武装2:飛牙 攻:殴+32/射撃 C:12 対:範囲1 射程:1~2 所持特技:《割り込み》《ミサイル27》《攻撃拡大1》《必中強化2》《割り込み延長1》《殲滅1》《ノックバック2》《移動強化1》《豪打2》《斉射2》《攻撃補助2》《マシンガン24》《パーティクルアーマー》《粒子共鳴システム》《声援》
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逆まる 図書館島個室閲覧室。 床にズボンと下着をズリ下ろした姿でソファーにふんぞり返るネギの前で、 全裸の美少女が二人ひざまずき、中央にそそり立つネギの幼い男に舌を這わせていた。 二人ともに誇る豊かな膨らみは背中の陰でふるふると震え、 自然に下ろされた髪が流れる白い背中、どっしりとした尻がうごめくのに興奮を覚えながら、 ネギの視線はどこか遠かった。 その時、こんなグラマー美少女二人が素っ裸になってこのハーレムをやってやっても、 こんな時のネギの瞳には一人の少女の小憎たらしい笑顔しか映っていない、 それが分かっていてもそれ責める資格なんて無い、こうやって慰める事しか出来ない、よく分かっていた。 「ネーギくんっ」 どちらともなく、明るい声でネギを自分に振り向かせる。 「あうっ」 「男の子も気持ちいーと乳首立つんだよねー」 「ほーら、ちっちゃいピンクの乳首がつんつんしちゃってるー」 「ちょwwwパル、オヤジィwwwww」 四つの膨らみの中心に埋め込まれ一杯に膨らんだネギの急所を押し潰す柔らかな弾力、 ワイシャツの前が開かれ時折唇が寄せられる乳首、 ネギは、刻一刻ビクビクと伝わるその痺れる様な快感柔らかな感触に、只うっとりとその身を委ねていた。 「キタキタキタ―――――――――」 「ほらー、ネギくーん、ハルナの眼鏡にぴゅっぴゅーっだってー、ツボだねーネギ君」 ぺろりと唇を嘗めながら和美が笑う。 「さー、ネギくーん…」 「あーうー…」 逞しいとはいえまだまだ小柄なネギの両腕を、スタイル抜群の美少女二人が胸に押し付ける様に抱えて シャワー室へと連行する。 「あーうー…」 前半戦、組んずほぐれつの丸洗いが展開されていたが、 「ネギ君、ネギくぅん」 「ネギ君のっ、ネギ君の頂戴、早く頂戴ぃ」 「ネギ君の、なんですか朝倉さん?(にっこり)」 「朝倉甘いってぇっ、ネギ君ネギ先生御主人様の逞しいオチ○ポを 早乙女ハルナめのオマ○コにぃぃぃぃ」 「ちょっ、ハルナ、ハルナっ、ネギ君、お願いネギ君私、私に頂戴、ネギ君のオチ○チン 私のオマ○コにぃっ!」 「大丈夫ですよ」 ネギがにっこり笑ったのは、壁に手を着いたままの二人には見えなかった。 ぷりんと突き出された豊かな尻に掌が這うだけで、二人の美少女はシャワー室に甲高い声を響かせた。 「はひあぇへー…」 そして、有言実行、その声は一人ずつけたたましい程のものとなり、 二人揃って自慢の豊かな膨らみを押し潰し ヨダレを垂らしてタイルの上に伸びるまでさ程の時間は掛からなかった。 煙草にしては甘ったるい煙の匂いがきつく漂うマンションの一室に、 また一人若い美女が姿を現した。 しかし、その現れたグラビアアイドルは、珍しくパートナー連れだった。 「なーにぃ、その子?」 「ちょっとー、ショタに目覚めたとかー?」 「実際その通りなんだけどねー、かーいいでしょー、新しいペットでーす」 周りは、さほど馬鹿げた番組とは縁の無いネギでも知っている顔ぶればかり、 確かに、綺麗と言えば綺麗だとネギは思った。 そして、その中でも驕慢そうに腕を組んで笑みを浮かべている一人の若い女、 可愛い事をネギは否定しなかった。そう、愚かな可愛さであると言う事を、 ハルナと和美に感謝していた、二人が少しでもその気持ちを呑み込んでくれなかったら、 彼女はここで肉片になっていたに違いない。そんなのじゃ全然足りない。 「あ、あの、レイ・サウザーです」 おどおどした仕草でぺこりと頭を下げるネギを前に、くすくすと笑みが漏れた。 「ま、テキトーに食べて、呑んで」 「駄目よー、お子ちゃまにお酒呑ませちゃー」 「あんたが言うー」 既に部屋は異様なテンションに包まれ、砕けた格好、中には本当に下着姿の面々の中で、 きょろきょろとうつむくネギをアイドル達はくすくす笑って見ていた。 「ヒョーッ!」 バカドルの一人が奇声と共にブラとショーツだけの姿になりネギに迫る。 「あっ、あう、あうっ」 ズンズンと迫るバカドルを前に、後退したネギが尻餅を着いた。 そのネギのズボンにバカドルがぎゅっと掌を押し付ける。 「ほうこーっくっ、レイ君ビンビンなってまーすっ」 「やっだー、キャハハハー」 「もーっ、スケベーッ」 「レイ君おねーさんとベッドいこっかー」 バカドルが肩ひもを肩脱ぎにして笑った。 「ちょwww」 「いけいけwwwww」 ネギがぷるぷると首を横に振る周囲でドッと爆笑が起こる。 「もーっ、困ってるでしょー、はいこっちはいこっちー」 「飼い主」のグラドルがネギの手を取り、椅子に座らせる。 そして、ハンカチで後ろ手に縛った。 「あっ、何?」 「なんでしょー」 周辺では、アイドルたちがニヤニヤ笑みを浮かべ頷き合っている。 「ほらー、あんたやんなさいよーっ」 お姫様に肩を突かれ、先ほどから部屋の隅っこの方にいた高校生くらいの少女がネギの前に立つ。 「レ、レイ君、見て」 少女は、にっこり笑って服を脱ぎ始めた。 ブラウスを脱ぎ、ブラジャーを外す手は震えていた。 「どーう、けっこーおっきーでしょこいつのパイオツ」 後ろからお姫様が少女の乳房を持ち上げる。 「ああ、そうそう、この子はちょっと外してあげてね」 和美の声がネギの脳裏に蘇る。 「事務所の後輩なんだけどさー、ハッキリ言って巻き込まれちゃったんだよね。 いきなしパーティー連れ込まれて恥ずかしい写真バンバン撮られて、完璧ストレス解消用って感じでさー」 「ほらほらほらー、もっとビッと決めなよーっ」 ヤジがネギの頭を今の現実に呼び戻し、少女は腰を振りながらスカートを、そして、ショーツを下ろし始めた。 「うわー、もじゃもじゃー」 「ちゃんと中まで見せる中までーっ」 ネギの目の前では、少女が右脚を上げて右膝を曲げ、身を震わせながらにっこりと笑っていた。 「キャハハー、やったーっ」 「素っ裸でショタゆーわくってあいっかわらず変態変態変態でございますぅーっキャハハハーッ!」 「さー、レイくーん」 ニカッと笑った「飼い主」とお姫様がネギのズボンを下ろした。 「ほらー、レイ君パンツもっこりー」 「窮屈そー、パンツ下ろしちゃおっかーキャハッ♪」 「やっ、やめてっ」 そう言ってやめる相手ではなかった。 「きゃー、かわいいー」 「ビンビンしちゃってるーっ」 「白っぽくてちょこんってぇ、うわぁー」 「まだまだよー、まだまだよーっ」 ネギの正面でテレビが操作されDVDプレイヤーが作動する。 「あっあっあぁーーーーーーんんん♪」 突如として髪振り乱した裸女を目の当たりにし、ネギは目をばちくりさせる。 「どーう?裏よ裏ー♪ガチ本番オンリー裏DVD滅多に見れないんだからねー。 ほらーっ、しっかり観るしっかりーっ、あんたも二次に負けないでガンガン見せるーっ」 やむ事なき喘ぎ声とそのためだけの行動がひたすら映し出される横で、 全裸の少女もまたそのためだけのポーズをとり続け周囲のアイドルたちがゲラゲラ笑い続ける。 画面の中でもだえ、喘ぎ、剥き出しにされたネギのもの等到底及ばぬ男性そのものを 美味しそうに口に含みそして自分の女と繋がりぐちょぐちょ音を立て欲望を浴び続ける。 「くすくす…」 「キャハハハ…」 その横で、全裸の少女も又、声を上げて剥き出しの女の中心を指でまさぐっていた。 「見て見てー、レイ君のー、先っぽトロトロ溢れて来てるー」 「やっぱちゃんと先っちょ出て来るんだー」 「やっぱお子ちゃまでもこーふんするんだねーっ、どーう?痛い?」 言いながら、お姫様は剥き出しに反り返った幹をパチンと指で弾く。 顔をしかめたネギに、飼い主となったグラドルが何か囁いた。 青い顔で首を振るネギに、グラドルは更に囁く。 手首のハンカチが解かれる。 「きゃー♪」 「やだーっ♪」 アイドルたちは、わざとらしく叫びながらわざとらしく手に当てた指の隙間から ネギが自分の中心でそそり立っているものを握った手を上下されるのをのぞき見る。 「あっ、あっ…お願い、許して下さい…」 「だーめっ、やめたらお仕置きだからねーっ」 飼い主がニヤニヤ笑いながら言い、ネギは目を閉じてしごき続けた。 「あううっ、見ないでっ、あっ、あーっ…」 「キャー♪ワー♪ヒー♪」 「お子ちゃまなのにぴゅっぴゅーっていっぱい出るんだねー、 ばっちり撮っちゃったからねー、これで完璧奴隷クンでございますーっ♪」 うつむくネギの横でお姫様がケタケタ笑っていた。 「すっごいでしょーっ、かわいー顔してさーっ。 凄いの量だけじゃないのーっ」 「どゆ事?」 ロリ系の少女グラドルが聞き返す。 「試して見る?ベッドの上じゃ、私の方がド・レ・イ、かもねー♪」 飼い主が唇をぺろりと嘗めて言った。 「えー、マジー?」 「犯罪だってそれー♪」 「あ、あの、よろしくお願いします」 「こちらこそ」 リビングに用意されたマットの上で、三つ指を突いたネギにお相手のグラドルは思わずならった。 だが、周囲のくすくす笑いは長くは続かなかった。 「んっ、んんっ!」 ネギがグラドルの唇を奪った。 僅かな抵抗の後、グラドルの頬が紅潮し、とろんとした目で舌を貪る。 唇が離れた途端にすとんと脱力し、既に軽く達している有様に周囲が息を呑む。 その自慢のパーツをしっかり見せびらかすワンピースを手際よく脱がしたネギは、 目の前にそそり立つ自慢の膨らみを後回しに、肩から背中から繊細な指でじっくり責める。 ネギの掌がその膨らみの弾力を堪能し、乳首を吸った時には、グラドルは悲鳴に近い甲高い声を上げていた。 「あっ、あんっ、もうっ、あっ、あひっ…」 長針が一回りするかと言う時間が過ぎ、 ネギの掌は、観客を飽きさせない程に断続的にトーンの違う叫び声うめき声を上げ続けたグラドルの 太股の上にあった。 そして、また、何度目かと言う、蜜に濡れて半ば黒い塊となった所を過ぎ、そろそろとそこに指が這う。 「あんっ、いっ、いいっ、ああっ、いいっ、い…」 ネギは、すぽんと指を引き抜き静かに笑うと、顔を近づけ音を立てて吸い始める。 グラドルは大股開きのまま悲鳴を上げて首を左右に振っていたが、 いつの間にかネギは顔を上げてそれを静かに見下ろしていた。 「お、お、お願い、早く、もう、もうおかしく、あっ、ああっ…」 周囲のアイドルたちが最早言葉もなく息を呑む中、マットのグラドルは 大きく広げマットに滴らせながら切羽詰まった悲鳴を上げていた。 「では」 「はひっ!」 ネギがにっこり笑うと、突き入れられたグラドルがガクンと体を揺らした。 「はっ、はひっ、はひっ、はひいぃぃぃぃっ!!」 泡を吹いてマットの上でガックリ首を折ったグラドルの前で、ネギはふーっと息を吐いて悠々と引き抜く。 その周辺は、水を打った様に静まりかえった後、一拍おいて怒号と罵声が響き渡った。 「次、次私いっ!」 「ちょっ、私だってえっ!」 「レイくーんっ、私のぉ、私のおっぱいいいでしょーっ!」 「ざけんじゃねぇこのイレチチ!!」 「レイ君私のぉ、私のオマ○コぐちゅぐちゅうううっ!!」 「レイ君のオチ○チンいっぱいいっぱい気持ち良くしてあげるからあぁーっ! 経験ほーふなのよおねーさんっ!!」 「ヘルス歴十年でしょオバサンッ!!」 つかみ合いを展開していたアイドルたちは、突如部屋を吹き抜けた風に目を覆った。 「大丈夫ですよ」 いつの間にか、修羅場のただ中にたっていたネギがにっこり笑ってアイドルの一人の手を取った。 ネギが跪いて手の甲にキスをすると、余りに決まった所作に相手はぽっと赤くなる。 だが、ネギの手の指が相手の手の甲でうごめき始めると、アイドルは悩ましい声を上げ始めた。 「えっ、ちょっ、何?手だけで?あっ、手だけで?こんなの、こんなのセックスでもあっ…」 ネギは、左手で相手の右手を取り、指で刺激し続けながら右腕で相手を抱き、背中に右手を這わせる。 「いっ、あっ、手と、手と背中、手と背中こんなに、こんなにいぃぃぃぃぃぃっ!!!…」 ネギの右腕の中で、アイドルの小柄な体がガックリと重くなった。 ネギの「応急処置」に部屋の全員が腰を抜かした後、ネギは「飼い主」となっていたグラドルに近づく。 グラドルは、ワンピースのざっくりと開いた前に向き出しの谷間にネギが顔を埋め、 すりすりと頬を擦り付けながらワンピースの前を開き、かぷっとくわえるのをうっとり眺めていた。 「はっ、はあっ、いいっ、やっ、やめないで、やめたら殺すうっ!」 死屍累々の裸女の群れのただ中で、 マットの上に横たわるお姫様は覆い被さり巧みに動きながら前後するネギを前に悲鳴を上げ続ける。 「ああっ、いいっ、レイ君のオチ○チンすっごくぅ、すっごく最高、すっごくめちゃめちゃ 最高ああいぃっ!」 いつの間にかネギの上に覆い被さり、背中を反らして上下にその身を揺すり 天井を見るネギにぷるぷると揺れる乳房を見せながら繋がる快感を貪っていたお姫様が絶叫と共に 改めてネギの上に覆い被さる。 「ラス・テル、マ・スキル…」 「え?はっ、はひいいっ!」 まだ余裕があったネギはぐったりしたお姫様を繋がったままひっくり返し、 自分の体の下にお姫様を寝かせてずんずんと突き入れ始めた。 「あっ、またまたっ、あっ、すごい、すごいレイ君すごいっ!!」 「…禍々しき…闇の血…暗い光…術式…戒め…タマシイノカギ…」 「はっ、はうううううっ!!!」