約 2,438,158 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6219.html
前ページゼロのヒットマン 「あっ、獄寺に頼みたいことがあったわ。」 「用件はなんだよ。」 「獄寺、あんたにやってもらうのはこれよ。」 獄寺はルイズの後をついてゆく、その先にはルイズの洋服と下着がある。 「まさか俺に洗濯をやれと言うのかよ。」 「そうよ。」 「ふざけんじゃねぇ!てめーのモンくらいてめーでやれよ!それに俺洗濯やったことねーんだよ。」 「あんたは私の使い魔なの!だから主人の言う事は聞く!それに私と一緒に元の世界に帰る方法を探すんでしょ。」 「分かったよ、やりゃーいいんだろやりゃ。」 仕方なく獄寺はルイズの洗濯物を持って外へ出た。 「これ結構重てーな。うわっ!」 「きゃっ!」 獄寺はバランスを崩し、近くにいたメイドにぶつかった。それと共にルイズの洗濯物も散らばる。 「痛てーな、おめーも気をつけろよ」 「すいません。私も外で洗濯をしようと思ったので。あなたの方こそ大丈夫ですか?」 「当たりめーだ。俺はこの程度で怪我をしたりしねーよ。」 「あなたって、ミス・ヴァリエールの使い魔さんですか?」 「ああそうだぜ。俺は訳あってルイズの使い魔になった獄寺隼人だ。おめーの名前はなんていうんだよ。」 「私ですか?私はここの魔法学校でメイドをしているシエスタと申します。それにしても洗濯物散らかりましたね、私も拾うの手伝っていいですか。」 「助かるぜ、ルイズの奴俺をこき使いやがるからな。」 「いいんですか、貴族を呼び捨てで呼んでて。」 「いいんだよ。貴族だろーが何だろーが、俺はルイズって呼んでんだ。」 そう言うとシエスタは喜びの笑顔を浮かべた。 「すごいですね!獄寺さんは貴族に媚びたり、諂ったりしない立派な姿勢!尊敬します!」 そして散らばった洗濯物をシエスタと一緒に集め始める。獄寺が洗濯物に手をやった瞬間、 同時にシエスタの手も獄寺の手元にある洗濯物に近き、そして獄寺とシエスタの手が触れ合った。 「あっ、すいません。」 「この程度で動揺すんな。さっさと片付けるぞ。」 シエスタは顔を真っ赤にしながら言った。 「はい。」 その後、水場に着いた2人は洗濯を始める。 しかし獄寺は戸惑っている。 「おいシエスタ、俺洗濯の仕方分かんねーんだ。さっさと片付けないとルイズの奴・・・ ・・・」 獄寺の頭の中に鬼ルイズのような形相が浮かんだ。 「洗濯の仕方なら私が教えますから安心して下さい。」 シエスタに洗濯を教わりながら獄寺は慣れない手つきで洗濯を始め、洗濯が終わったあとは部屋に戻って 獄寺はルイズの着替えを手伝う。 その後、獄寺とルイズは食堂についた。既に食堂は生徒達で賑わっている。 「ここで飯が食えんのかルイズ。」 「そうよ。だけどあんたのご飯はあっちよ。」 ルイズが指を向けた先には固いパンと質素なスープが並んであった。 獄寺は不満な表情を浮かべる。 「ふざけんじゃねぇ!俺にこんな朝食を食わせる気か!」 「平民のあんたが『アルヴィースの食堂』で食事ができる事だけでも感謝することなんだからね!」 「少しぐらい、飯よこせー!」 獄寺はルイズに飛びついてきた、しかしルイズは獄寺を跳ね返した。 仕方なく獄寺は固いパンと質素なスープを口にした。 「ちくしょう、なんで俺がこんな飯食わなきゃいけねぇんだよ。」 その一方獄寺の近くでなにやら生徒達が会話しているようです。 「ギーシュ、お前誰と付き合ってんだよ」 「付き合うって、僕にそんな特定の彼女なんて~」 ギーシュと生徒の会話が気になって獄寺は近くに行く、するとギーシュのポケットから香水が落ち、獄寺はそれを拾い上げて それをギーシュに渡す。 「おい、てめーのポケットからこれ落としたぜ。」 その香水の瓶に気づいたギーシュの友人達が騒ぎ始める。 「ギーシュ、お前二股かけてたなんて最低だな。」 そこから二股がばれたギーシュは・・・ 「君が僕に香水を渡したせいで、二股がばれてしぱったよ。」 「ふざけんな!二股かけてたのはてめーだろ!ばれたら俺のせいにするのかよ!」 「この貴族である僕に向かってそんな態度をとるなんて、外に出ろ!僕が貴族に対する礼儀を教えてやろう。」 「やってやろうじゃねぇか、その勝負受けてたつぜ!」 ギーシュが外に出た後、ルイズが後ろから駆け寄ってきた。 「何やってんのよ!さっさと決闘なんてやめなさい!」 「うるせぇな、俺は売られた喧嘩は買う主義なんだよ。それに俺はあんな二股ヤローには負けねーから。」 早速広場にて決闘が始まる。決闘が始まると同時にギーシュはゴーレムを出す。 「僕はメイジだ、だから魔法で勝負する。『青銅』のゴーレム、ワルキューレが相手になるよ。」 「その程度のゴーレムなんてぶっ壊してやるよ。」 ワルキューレは獄寺に近づき、拳を繰り出すも獄寺は易々とかわしてくのであった。 「その程度じゃ俺は倒せねーぜ。喰らえ!2倍ボム!」 大量のダイナマイトがワルキューレに降り注ぎ、ダイナマイトがワルキューレの近くで爆発した。 広場に大きな煙が巻き上がった。そして煙が消えていくと、そこにはバラバラになったワルキューレの姿があった。 「そんな・・・ 僕のワルキューレが敗れるなんて・・・」 「これで分かっただろ。おめーじゃ俺には勝てないって。」 獄寺はポケットからダイナマイトを取り出し、ギーシュに向けて放とうとする。その時ルイズが獄寺に向かって飛び出してきた。 「やめて!獄寺!」 「何だよ、勝負の邪魔すんじゃねーよ!」 「もしギーシュがそれで大怪我でもしたら、ギーシュの家の人だって黙ってないし、それにギーシュはクラスメイトだし、 とにかくそれをギーシュに放つのだけはやめて!」 「分かったよ。だけど俺はあの二股ヤローと話しがしてーんだ。いいか。」 獄寺はルイズにそう伝えると、ギーシュに近づいた。 「おいそこの二股ヤロー、二度とみっともねぇ真似すんなよ!」 「分かったよ。今回は僕の負けだね。」 獄寺はそう言うと、広場へと戻る。 「ルイズの使い魔の平民、ギーシュに勝っちまうなんて。」 「あの平民強いなぁ、俺だったら戦いたくないぜ。」 「あ、いたいた、獄寺さん。」 そう言いながらシエスタが獄寺に向かってきた 「どうしたんだよ、シエスタ。」 「昼間の決闘見ましたよ!ビックリです。貴族を倒してしまうなんて。」 「当たりめーだ。俺があいつに負けるとでも思ってんのか。」 「いえいえ、とんでもございません。そういえば厨房のみんなで祝勝パーティを開くんです。それで獄寺さんを探してたんですよ。 早く行きましょう。みんな待ってますよ。」 シエスタは獄寺の腕を引っ張っていき、厨房に連れて行く。 その夜、厨房では獄寺の祝勝パーティが行われていた。 「いやぁー昼間の決闘は驚いたねぇ、俺、見たよ!貴族と決闘して負かす平民がいるなんて感動だよ。」 厨房に入ると、コック長のマルトーが獄寺を歓迎している。 前ページゼロのヒットマン
https://w.atwiki.jp/padbt/pages/359.html
スキル名 効果 所有モンスター 備考 戦乙女の誇り 味方の回復タイプの攻撃力が20%アップ ワルキューレ
https://w.atwiki.jp/mezya/pages/16.html
第五話 「今年度も何事のなく無事始まったの」 「ええ、なによりです」 「学院長としてこれ以上のことはない」 そういい、オスマンはパイプを吸った。しかし突然パイプが飛んで行った。 「やれやれ…」 「健康管理も秘書の務めですから…」 どうやらロングビルが魔法で取り上げたようだ。 「年寄りの数少ない楽しみを奪おうというのかね。ミス・ロングビル」 そう言いながらオスマンはロングビルのお尻を触った。 「お尻を触るのはやめてください!」 「はへーほほーはへー」 突然オスマンは部屋をうろつき始めた。 「都合が悪くなるとボケたふりをするのもやめてください」 そういうとネズミがオスマンの手に乗って行った。 「お前とも長い付き合いじゃのうモートソグニル」 そういいオスマンはチーズを与えた。 「ちゅちゅちゅー」 「おおーそうかそうか白か!しかしミス・ロングビルには黒が似合うと思わんかね…」 その言葉で自分のパンツを覗かれたことに気づいた。 「オールド・オスマン!…次やったら王室に報告します」 「かー!!たかが下着を覗かれた程度でカッカしなさんな。そんな事だから婚期を逃すんじゃ!」 その言葉にキレたロングビルはオスマンを足で何度も蹴り飛ばした。 「あた…やめて…もうしない…だから許して…」 それでも日ごろのストレスを解消するように蹴り続けていた。 「大変ですぞ学院長」 「なんじゃ騒々しいの」 やってきたコルベールは真剣な顔で 「伝説が再来しました」 するとオスマンの顔も真剣になり 「む…ミス・ロングビル少し席をはずしてはくれんか」 「わかりました…」 ロングビルはそういうと部屋を出て行った。 「ハオ君の手にでたルーンに見覚えがなかったので調べてみたところあれに似たものを見つけました」 そう言いながらコルベールは持ってきた本を見せた。 「ガンダールヴ。始祖ブリミルの伝説の使い魔か…」 「至急、王室に連絡を…」 「それは無用じゃ…」 「なぜです?」 「まだ確定ではないし、王室の馬鹿どもに伝えれば戦争を始めかねん…」 コンコン 「失礼します。学院長、生徒が決闘をしようとしています…それで眠りの鐘の使用許可を…」 「たわけ。子供のけんかにわざわざ秘宝を使う必要なんてない…それで誰の仕業じゃ?」 「一人は二年のギーシュ・ド・グラモンです」 「あのちんちくりんめ」 「もう一人はハオという平民の衛兵と聞いたのですが…」 「わかった…下がりなさい」 連絡にきた教師を下がらせ、ハオの力を知るいい機会だと思い、水晶玉を取り出した。 場所が変わりヴェストリの広場 「逃げずにきたことを誉めてあげよう」 「逃げる?バカなことを言わないでよ…せっかく君が見せしめに立候補してくれたのに…」 ハオの言葉に少しムッとしながらもギーシュはフッと笑って 「君…謝るなら今のうちだよ…僕が間違ってました。これからは貴族の方には決して逆らいません、というの なら許してあげてもいい…」 「君の決闘って口喧嘩のことだったのかい?」 「そこまで言うのならいいだろう。僕の名は青銅のギーシュ」 そういうとギーシュの持っていたバラの花びらが三体のゴーレムを作った。 「紹介しよう。僕のワルキューレだ」 ギーシュは自慢げに紹介してきて、自分はもう勝った気でいる。 一方ハオは腕につけているオラクルベルを操作し 「1050…830…970…なんだよ…ちっちぇな…」 ハオがそういった瞬間、三体のワルキューレは塵すら残らず燃え尽きた。 「な!?……」 ギーシュは何が起きたのか分からなかった。いやギーシュだけでなく、誰も理解できずにいた。 「無詠唱で魔法!?…まさか先住魔法!!」 周りでは今まで見たことのない現象に先住魔法やらエルフやらと騒いでいた。 「紹介しよう…彼はスピリット・オブ・ファイア…火を司る神聖な僕の持霊だ…」 そういうとハオの後ろに突然人間の何倍もある巨大なものが現れた。その圧倒的な存在感に周りは静まり返った。 そんな中ギーシュは心の中で、 降参だ…降参するしかない、そう思い口に出そうとした所、ハオに邪魔された。 「そこで三回まわってワンと言ってから、ごめんなさいハオ様僕が間違ってました、と言えたら許してあげても いいよ」 ハオはギーシュの心を読み、降参などで逃げられないように挑発した。ここで降参されては、見せしめとしては ぬるいからだ。 「ふざけるなぁ!!ワルキューレ!!」 ギーシュは簡単に挑発に乗り七体のワルキューレをつくり襲ってきた。 だが…… 「ぐあぁぁーーー」 七体のワルキューレは紙のように一瞬で燃え尽き、ついさっきまでハオの後ろにいたスピリット・オブ・ファイア がいつの間にかギーシュの後ろに回り込み、上から手で地面に押し付けられていた。 その光景に決闘を周りで見ていたルイズが飛び出してきて 「そこまでよ!…もう勝負はついたわ!!」 そういうとモンモラシーも出てきて 「もうギーシュの負けでいいからやめて!!…」 そういうとスピリット・オブ・ファイアがスッと消えた。 「ギーシュしっかりして!…ギーシュ!!」 見るからに重症なギーシュに、モンモラシーは泣きながら水魔法を使っていた。 「おい、やべぇぞ。誰か先生連れて来い!」 周りは騒がしくなり決闘の勝敗どころではなくなっていた。 「これからはもめ事を起こすなよ…平民も貴族もみんな仲良く…ね」 そういうとハオは離れていった。この日以来貴族と平民のトラブルは目に見えて減少した。 「圧倒的じゃったの」 「そ、そうですね」 「彼を野放しにしなくてよかったわい…」 スピリット・オブ・ファイアは二人にとってそれほど脅威に映った。 「しかしガンダールヴは武器を使うのに長けるのではなかったのかね?」 「武器なんて必要なさそうだったな彼は…」 二人は冷や汗をかいていた。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4020.html
前ページ次ページルイズVSマジク~史上最哀の会合~ 第2話『音声魔術とは』 マジクは驚いた。何を驚いたかと聞かれれば今ギーシュの言った 『ゴーレム』についてである。 (確か記憶が正しければ――ゴーレムそれはドラゴン種族が1つ「天人≪ノルニル≫」がかつて作ったものだ。) (そうだよ。アレンハタムで地人兄弟がクリーオウにぶんどられたアレだ。) あのときマジクではなく彼の師がこともなく,本当にこともなくぶっつぶしたアレ。 (アレに比べると小さすぎるけど,代わりになんか無駄に細かいな?) てっとりばやく魔術を使って終わりにしようと思ったが,マジクはそれをしなかった。 (でも,あれくらいのサイズなら魔術をつかわなくてもコレを使えば何とかなるよね?) マジクは自分のブーツに目線をやる。 「ふっ。どーした平民?今さら怖気づいたのかね。何今回のことに…」 ギーシュはまだ戦ってもないのにすでに勝った気でいた。 (お師さまなら――やる。絶対にやる。それにさっきいってたよね。) 「懲りてこれから貴族に対する態度を改めるなら…」 (あれ青銅なんだよね。) マジクは突然走りだす。ギーシュ自慢の青銅のゴーレム『ワルキューレ』に向かって。 ワルキューレはマジクに向かって大ぶりに右の拳を繰り出す。 それなりに速度はあるがあまりにも単純に,そして正直に。 これが魔法に頼りっぱなしの魔法学院の生徒や,メイジというだけで恐れをなす平民なら 十分だっただろう。 だが仮にも世界を滅ぼす戦いに関係ないのに巻き込まれ,また世界は違えど 大陸一の魔術士養成機関で年間首席をとった者にはぬる過ぎた。 紙一重というにはやや遠すぎる――経験不足ゆえにひきつけるのが足りなかったが なんとかマジクは右に避ける。そしてそのまま反転して拳をふるため重心を寄せていた ワルキューレの左足に自分の右足の踵をぶち当てた――鉄骨をしこんだブーツで。 「許さないわけでもないよ。うん。あれっ?」 ギーシュが気づいたときにはワルキューレは左足を粉々に砕かれていた。 【注】ほんとに鉄骨ブーツで青銅が粉々になるかはしりません。 誰かが言ったように,世界いろいろ神様いろいろ,ついでに金属いろいろ,な方向で 思い描いたとうりになってふぅとマジクは息をつく。 (いつか旅にでるときは僕も買おうと思ったけどこのブーツ高いよなぁ。) 牙の塔をでてマジクが最初にやったことは持ち金はたいて特注のブーツを作ることだった。 「ねぇ,今の動きみた?まだぎこちないけどそれなりじゃなかった?」 野次馬が一人で誰かとは正反対の胸をもつキュルケが隣の青い髪のタバサに話しかける。 「ビックリあったくには程遠い…」 「何?それ…」 「知らない。言ってみただけ。」 「あら,そう。」 ギーシュはやっと事態をのみこんでキレた。 「ぐぬううう。いや,まずは誉めよう。よくそんな動きで僕のワルキューレを とめたものだと。」 「だが君は…僕を本気にさせたのだよ。」 ギーシュは冷たく微笑み,手に持ったバラをふった。 花びらが舞い,こんどは6体のゴーレムが現れた。 最高で7体までしかギーシュは呼び出せないのである。 「もういいでしょっ。早く謝りなさいよ。あんな動きで,今度は6体も… 相手にできるわけないじゃない。」 「おおっと。ヴァリエール残念だが今さら謝っても許しはしないよ。」 ギーシュの残酷な宣言に凍りつくルイズ。 いよいよクライマックスだと騒ぐ野次馬達をマジクは他人事のように見ていた。 ギーシュが新たなゴーレムをだした時点ですでにある決心をしていた。 ――魔術を使うと。 (そういえば,こっちにきてから使ってなかったな。) こちらで言う魔法とマジク達の世界でいう魔法。ならびに魔術が違うものだと いうのは数日来の生活で分かっていた。 なるべくなら使いたくはなかった。先ほど魔術を選ばなかったのにも関係している。 だが,いい加減ガマンするのも限界だった。 (実際僕は我慢した方なんだ。そうに違いない。お師さまを含めて 僕の知ってる魔術士ならとうの昔に使っているに違いない。) 魔法とは,神々の使う力。 魔術とは,神々からドラゴン種族とよばれる力ある種族が盗みだし, 自分達に使えるようにしたもの。 魔術とは,魔力により限定された空間に自らの理想の事象を起こすこと。 音声魔術とは,人間種族が使う力。 魔術の設計図――構成を編み,声を媒介にして発動する。 そのため魔術の効果は声が届く範囲でしか発動しない。 又,声が霧散したら効果が消えるため効果は長くて数秒。 そんなことは関係なくマジクは意識を集中する。 もっとも使い慣れた構成を―― まだ意識をしなくても使えるわけではないあの構成を。 右手を上げ,高らかに叫ぶ。 「我は放つ光の白刃っ!」 光の帯がのびる。高熱と衝撃波の渦が,6体のゴーレムのもとへ到達した。 瞬間,つんざくような轟音と跳ね返る光が,熱が,あたりすべてを純白に焼き尽くす。 光が消えたあとにはかろうじて燃え残った何かの小さな破片があるだけだった。 あたりは静まりかえる。 マジクはゆっくりギーシュのもとへ歩いて行く。震える彼のもとへ。 「えっと,こういうとき何ていうのか分からないけど。」 いったん区切ってから 「続ける?」 つぶやくようにマジクはいった。 「ま,参った」 ギーシュは犬どころか狼に噛まれた気持ちになった。 …絶対に忘れられない,と思ったかはさだかではない。 次回予告 シエスタ「ビームで簡単にミスタ・グラモンを倒したマジクさん。」 「だけど,すぐにミス・ヴァリエールに連れていかれ…」 ルイズ「きっちりかっちり説明してもらうわよ。」 マジク「うぅっ。面倒だなぁ。」 「こんなとき…都合よく説明してくれる神様がいたらなぁ。」 ???「そうであろ。そうであろ。」 「余のありがたみが,こう…背筋のあたりからゾクゾクっとのぼってきたであろ?」 シエスタ「そんなことは放っといて。」 「次回,第3話『今になって分かる説明役っぽいものの大切さ』に…」 コルベール「我は癒す斜陽の傷痕。」 前ページ次ページルイズVSマジク~史上最哀の会合~
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/141.html
前ページ次ページZONE OF ZERO 閃光のショックから意識を回復させたシュヴルーズ師は、 ルイズに対し口頭で軽く注意を済ませ、その日の授業は終わりを告げた。 好奇心からルイズの使い魔について聞き出そうとする生徒達を押しのけ、 ルイズは自室へ向かい、己の左手と向き合った。 『ルイズ。私は左手にいる訳ではありませんが』 「あ、そうなの? でも何となく話しやすいから。 それより、さっきの授業中のこと、詳しく説明して頂戴」 『了解。何について説明いたしましょう?』 「全部よ。まず、あなたに何が出来るのかを教えて」 『了解。今朝にも話したとおり、現在、当システムは前回の戦いによる損傷により、 機能の多くが使用不可能となっています。メタトロンが存在すれば即座に修復させる事も 可能なのですが、この地での入手の可能性はゼロに等しいでしょう。 現在は貴女の魔力、及び周囲の魔力を用いて総力を挙げて復旧中です』 「って、それ初耳よ!? あなた人の魔力を勝手に……!」 聞き流せない言葉にルイズが色めき立つが、ADAは落ち着いたままだ。 『ご安心ください。システムの書き換えが主な作業です。魔力消費はごく微量なものに過ぎません』 また少し理解できない単語が出てきたが、別に体の調子が悪くなったり、 精神が消耗したりと言った自覚症状は確認できないので、とりあえずルイズは納得した。 再びADAが語りだす。 『先程使用した『シールド』も復旧した技能のひとつです。 圧縮空間を展開し、敵の攻撃を防ぐ事が出来ます。 あの場は非常手段として制御を一時的に借り受けましたが、 本来は貴女が使用するべきものです』 「えっ、私が!?」 『はい。私はあくまで戦闘支援の目的で造られた人工知能ですから』 「で、でも……どうやればいいのかなんて、わからないわ!」 『触媒に貴女の魔力を用いますが、系統魔法とは根本から異なる技能です。 システムと一体化している貴女なら、自ずと使用方法は理解できる筈です』 「そんな事言われても…………っ?」 左手のルーンが光り――唐突に、理解できた。 難解なADAの説明は殆ど理解できなかったのに、 理屈や過程をすっ飛ばして、ただ『やり方』だけが頭の中に入ってくる。 左手を正面にかざす。呪文も無く。杖も要らない。ただ手足を動かすのと同じ感覚で。 「あ……」 そこには、例えスクウェアクラスの魔法の一撃であろうとも、 完全に防ぎきるであろう無色の盾が形成されていた。 ――その日、ルイズは興奮して中々寝付けなかった。 次の日、観客の生徒達が集まる中庭で、ルイズは何でこんな事になったんだろうと空を仰いだ。 要するに、痴話喧嘩に巻き込まれたのだと思う。 本来なら、そんなものになど、心の底から関わりたくなど無かったが、 やや寝不足ながら久しぶりに上機嫌で朝食を頂いているすぐ横で、 よくわかんないけど、浮気がバレて見苦しくメイドに八つ当たりをしているバカがいたら、 罵声の一つもぶつけていいと思う。 だが認めたくないものは認めたくないのだろう。 その気持ちは、それこそ認めたくないが、よく解る。 認めてしまったらそれで終わりなのだから。 相手が平民やゼロなら尚更だ。 とか何とか自爆っぽい事を考えながら口論を続けて、気付いたら、何かそのバカと決闘する事になっていたのだ。 わざわざ状況を、回想の動画つきで説明してくれたADAにツッコミを入れ、 目の前のバカ――ギーシュとか言ったっけ?――に、向き直る。 既に眼前には青銅のゴーレム、ワルキューレが立ち塞がっている。 「どうしようADA?」 左手に問い掛けると、即座に答えが返ってくる。 『現状、有効な攻撃手段は『失敗魔法』による爆破しかありません。 シールドで敵の攻撃を防ぎつつ、詠唱の短い魔法で攻撃しましょう』 「……失敗魔法なんかに頼るのは癪だけど、それしかないか……」 『シールドは攻撃を防ぐ度に魔力を消耗します。敵の攻撃は出来る限り回避する事を推奨します』 「わかったわ。……さっさと片を付けるわよ、ADA」 『了解』 一直線に迫ってくるワルキューレの攻撃を回避。そのまま詠唱を開始する。 五感が研ぎ澄まされている。 前日から薄々気付いていた事だが、やはり集中してみるとよくわかる。 視界の隅々までが明確に把握できる。そして網膜に投射される各種データ。意味は解らずとも解る。 二本のゲージ残量に気をつけながら、敵を殲滅すればいい。 詠唱完了。爆破。青銅のゴーレムは木っ端微塵に吹っ飛んだ。 『ゴーレム、撃破』 「見りゃわかるわ」 しかし改めて見ると本当にえげつない破壊力だ。ADAの分析によると、 戦闘行為による精神の高揚が威力を底上げしているらしい。 一方、ギーシュは、ワルキューレの残骸を見て、眼前の少女に対する認識を改めた。 彼女の失敗魔法は、破壊力だけならライン、下手をすればトライアングルにすら届く。 後手に回っては拙いと判断したギーシュは薔薇の花びらを飛ばし、 一度に操れる最大数である七体を顕現させた。 ワルキューレの突進をルイズは二度まで回避し、三度目の回避が 間に合わないと判断すると、前方にシールドを展開した。 同時に詠唱完了。爆破。固まっていた二体を完全破壊、少し離れた一体を小破させた。 だが即座にギーシュが花びらを飛ばし、破壊されたゴーレムを補填する。 「正直、きみがここまでやるとは思わなかったよ」 回避。回避。シールド。回避。 「だけどこの勝負、僕の勝ちだ」 詠唱完了。爆破。魔力反応消失。増援確認。 「降参するなら今のうちだよ」 シールド。回避。シールド。シールド。シールド。回避。詠唱完了。爆破。増援確認。 『警告。魔力が尽きつつあります。敵リーダーを狙ってください』 汗だくになりながらゲージ残量を確認すると、三分の一を切っている。 シールドを除けば、後一、ニ発が精一杯といったところだろう。 杖を握り締め、一か八か、ワルキューレの後方で悠然と立っているギーシュに狙いを定める。 敵は勝利を確信したのか、攻撃が散漫になってきている。 その隙を突いて、速攻で詠唱を完了させ、魔法を放つ――が。 破壊の光は標的を大きく外れ、遥か後方の壁面に衝突し、轟音と土煙を上げた。 それを見送って、ギーシュが内心冷や汗をかきながら、ルイズを見る。 「終わり、だね。君は本当に良く頑張った。もう――」 その時、不思議な響きを持つ可憐な声が、その場の全員に聞こえた。 『誤差修正、距離計算完了、ロックオンシステム、修復完了しました。これで終わりです、ルイズ』 相変わらず説明は理解できないが、意味はわかる。 既に七体のワルキューレは視界に捉えている。つまりはこれで私の勝ちということだ。 ルイズは、七つのロックオンカーソルに向けて、詠唱を必要としない破壊の光を飛ばす。 七つに分かたれた光の線は、正確に、精密に、ゴーレムの中心を撃ち抜き、全てを殆ど同時に爆砕した。 それと同時、殆ど無意識のうちに、ルイズは猛然と駆け、距離を詰めて己の杖を剣のように一閃した。 そして、敵の接近に気付いて慌てて我に返り、 新たに花びらを取り出そうとするギーシュの手から、杖を弾き飛ばしたのだった。 ――――新たな技能『ロックオン』及び『ホーミングレーザー』を取得しました。 前ページ次ページZONE OF ZERO
https://w.atwiki.jp/talesofdic/pages/95.html
キャラクター:わ行 わ ワギャン? わるキャロ? ワルキューレ? ワルター・デルクェス ワルトゥ わるフリオ? ワン・ギン? ん
https://w.atwiki.jp/pldb/pages/23.html
ワ行 ワイン 和ゴス ワルキューレ ワンダーアトラス ワンダーアトラス-第三部- ワントラ第二部のキャラ ワントラ冬
https://w.atwiki.jp/bokuserve/pages/537.html
【元ネタ】ディートリッヒ伝説 【CLASS】ライダー 【マスター】 【真名】ヴェルンド 【性別】男性 【身長・体重】188cm・78kg 【属性】中立・善 【ステータス】筋力C 耐久C 敏捷E 魔力D 幸運C 宝具C 【クラス別スキル】 対魔力:C 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。 騎乗:C 騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、 野獣ランクの獣は乗りこなせない。 【固有スキル】 道具作成:A+ 魔力を帯びた器具を作成できる。 十分な時間と素材さえあれば、宝具を作り上げることすら可能。 ただし、作成される宝具のランクは現代の神秘の薄さと、 現代で手に入る材料に左右される。 仕切り直し:C 戦闘から離脱する能力。 また、不利になった戦闘を戦闘開始ターン(1ターン目)に戻し、技の条件を初期値に戻す。 【宝具】 『白翼天衣(ヘルヴォル・アルヴィト)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人 幽閉されていた塔から脱出するために作った翼。 前妻であるワルキューレが所有していた、「白鳥の羽衣」を模して造られた飛行服。 翼自体に「飛行」と「制御」の術式が組み込まれており、 魔力を通すだけで、ヴェルンドの意思通りに飛翔し、体勢制御などを自動的に行う。 また、宝具自体にワルキューレの格が宿っており、 飛行に必要な魔力は、周囲の精霊から供給される。 【Weapon】 『無銘・剣』 ヴェルンドが作成した剣。 宝具クラスの性能を持つが、ヴェルンドは担い手でないため、完全には使いこなせない。 【解説】 ヴェルンドはフィンランド王の三男であり、兄弟のスラグヴィズ、エギルとともにウールヴダリルという所に住んでいた。 あるとき「白鳥の羽衣」を脱いで水浴びをしている3人のワルキューレを見つけ、それぞれ3兄弟の妻とし、ヴェルンドはヘルヴォル・アルヴィトを妻とした。 しかし7年後、彼女たちは彼らの元を去った。 スラグヴィズとエギルは彼女たちを追ったが、ヴェルンドは一人留まり、腕輪を数多く鍛えながら妻の帰りを待った。 スウェーデン王ニーズズはヴェルンドの寝込みを襲い、ヴェルンドを捕らえ宝を奪った。 また王妃の進言に従い、膝の腱を切り、セーヴァルスタズという島に幽閉し、自身のために宝を鍛えさせた。 あるとき、ヴェルンドは鍛冶場を訪れた2人の王子を殺害し、その頭蓋骨から作った杯に銀を塗り王に、眼から作った宝石を王妃に、歯から作った装飾品を王女に贈った。 また腕輪を直しに訪れた王女ベズヴィルドを酒に酔わせて襲い、子を孕ませる。 その後動けるようになったヴェルンドは、王に王女の命の保証を誓わせた上で、自身の所行を明かし、空中へと飛び去って行った。 ヴェルンドとベズヴィルドの間に生まれた子が、のちにディートリッヒの部下となるヴィテゲである。
https://w.atwiki.jp/keroro00innovator/pages/5742.html
ケロテレビランキング BD/DVD2023年2月 ←2023年1月 | シングル | アルバム | 2023年2月→ + 【ランキング動画を見る】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm41906702 https //www.nicovideo.jp/watch/sm41906702 特典CD 順位 変動 CD名 アーティスト タイアップ 収録 発売日 月間売上 累計売上 1 新 ギターと孤独と蒼い惑星/あのバンド 結束バンド ぼっち・ざ・ろっく! 劇中歌 3 2/22 19391 19391 2 新 Including you Liella! ラブライブ! スーパースター!! キャラソン 6 2/24 8127 8127 3 ↓ 学園天国 錦木千束(安済知佳)ほか リコリス・リコイル キャラソン 5 1/25 4823 28344 4 ↑ 今すぐKiss Me/走れ正直者/あずさ2号 錦木千束(安済知佳)ほか リコリス・リコイル キャラソン 2 22/10/26 2001 31358 5 ↓ Blooming Dance!Dance! Liella! ラブライブ! スーパースター!! キャラソン 5 1/27 1862 12323 音楽BD/DVD 順位 変動 DVD名 アーティスト タイアップ 発売日 月間売上 累計売上 1 新 Aqours 6th LoveLive! ~KU-RU-KU-RU Rock 'n' Roll TOUR~ <WINDY STAGE> Aqours ラブライブ! サンシャイン!! ライブ 2/15 5012 5012 2 ↓ ワルキューレ LIVE 2022 ~Walkure Reborn!~ ワルキューレ マクロスΔ 1/25 2420 24017 ←2023年1月 | シングル | アルバム | 2023年2月→ 月間 | 週間
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2288.html
食堂は空席も目立つものの随分と賑わっていた。遅かったのか、既にデザートも配られている。 ルイズは席に座ると、いつもどおりの始祖に対するお祈りを捧げていた。 床には粗末な食事が置いてあるので、霧亥は空いてる椅子に座り、それを食べだす。 「あ、こら。ちゃんとお祈りしなさいよ」 「余っている食料は無いのか」 「そりゃ厨房に行けば残飯くらいあるだろうけど……ほ、ほらっ、少しなら私のをあげるわ。感謝なさい」 「……。」 ルイズはあれこれ言い訳をして自分の行動を正当化しているが、霧亥は別にどうでもよかった。 近くのテーブルに集まった男子たちは、何やら話に華を咲かせている。 大げさなリアクションを取る生徒。そして、その拍子に小瓶が床に転がった。 そのまま食事を終えるが誰も小瓶の存在には気がついていない。 男子生徒たちは場所を移すのか立ち去ろうとしたので、霧亥は少し考えてビンを拾う。 「おい、落としたぞ」 ギーシュと呼ばれた、落とし主の生徒に呼びかける。 「うん?何だ君は――それは僕のじゃない。近くの給仕に渡したまえ」 「お前が落としたのを見ていた」 その言葉を聴いてギーシュの友人たちが騒ぎ出す。彼らにとって、ビンの中身の製作者が重要なようだ。 事態は次々に進行していく。まず少女にギーシュが叩かれ、別の少女にギーシュが叩かれた。 霧亥は席に戻ってルイズに情報収集の許可を貰うか学校を探索するのか、どちらがいいかを考えていた。 「待ちたまえ、君のせいで2人の名誉が傷ついた。どうしてくれるんだね?」 呼び止められる霧亥。振り返ると、大仰なリアクションで霧亥に対して文句をつけてくる。 「俺には関係のないことだ」 そうだそうだと野次が飛び、ギーシュの立場はどんどん悪くなっていった。 「話を合わせるくらいの機転はきかせてもよいだろう?」 「もう手遅れだ」 「……ほう、どうやら貴族を馬鹿にしているのかね?よろしい。では教育してやる!」 事態は次々に進行していた。 ギーシュは霧亥を突き飛ばして指をさしながら、ヴェストリの広場に来いと告げて立ち去っていった。 その次に話を聞きつけていたシエスタが飛んできて、今すぐ謝罪すべきだと勧告してきた。 遅れてルイズがやってきて、メイジにかなうわけが無いから謝罪しなさいと命令してきた。 探索をしていると、少なくない割合でこういったトラブルに巻きこまれる事がある。 なぜなら小規模な人間の集落は閉鎖的であり、余所者は統治局や珪素生物と同じように見られるからだ。 助けがもらえるよりもほんの少し、銃で撃たれたり襲い掛かられることがあった。 そういうときに解決するプロセスには、プログラム言語、現地の言葉、そして肉体言語が必要だった。 「ヴェストリ広場に行く」 「あっちだぜ、平民」 ギーシュの友人が顎で教えてくれる方向に、止める2人に構わず霧亥は歩き出した。 どう立ち振る舞うにせよ、戦闘は十分に想定されていた。想定される。可能性がある。 こういう文字が網膜に映るということは、つまり確実に発生する事を指している。 違いは遅いか早いか。それだけだった。 ヴェストリ広場は薄暗い場所だった。空が青い事を覗けば、どこか超構造体に似ている部分もある。 2つの塔の狭間であり、中庭にあたる。普段は人を寄せ付けないことは容易に想像できた。 巨大な建築物には、それのみが持つ独特の空気のようなものがあるのだ。 「諸君!決闘だ!」 ギーシュが造花で出来た薔薇を掲げると、歓声があがる。 人が寄り付かないであろう広場は今、噂を聞きつけた生徒で溢れかえっていた。 「逃げなかった事だけは褒めてやろうじゃないか」 「さっさとしろ」 「クッ……いいだろう。では始めよう」 距離は13メートル。1歩を踏み出す霧亥に対してギーシュは薔薇の花を振って応える。 花びらが一枚宙に舞ったかと思うと、いきなり甲冑を着た女剣士の姿になった。 「!」 慌てて腰に手を当て銃器を探すが一つも無い。視界には『武装消失』のメッセージ。 構造を解析したところ、銅と錫の合金で形成されている。動作箇所は人体に酷似。 しかし分類には『ERROR』が表示されている。 「驚いたかい?僕はメイジだ。だから魔法で戦う。何の文句もあるまい?」 「造換塔も無しに生成できるのか」 「何だそれは?フフ…言い忘れたが、僕は『青銅のギーシュ』と呼ばれている。君の相手はその青銅のワルキューレさ」 そのワルキューレが霧亥に突進してきた。右の拳で容赦なく霧亥の腹部を殴りつけ、続いて左の拳で頭部を狙う。 だが霧亥は両手でワルキューレの右の拳を掴むと、そのまま捻りあげて銃身を崩してから、投げた。 「なッ!」 周囲にどよめきが走る。だが、霧亥はその程度の反撃では終わらない。 そのまま顔面を何度も何度も何度も何度も殴り、地面に少しめり込んで動きが鈍ったのを確認すると、ワルキューレの腕を曲げた。 「何だお前は!」 ギーシュは後退しながら慌てて薔薇を振り、さらに6体のゴーレムを形成。 そのまま数で制圧しようとするが、霧亥は動じることもなくワルキューレの腕を引きちぎる。 その腕を振り回して正面のワルキューレの頭部を破壊。同時にちぎった腕もくの字に曲がったので放棄する。 別のワルキューレが迫ってくるが、2、3度殴られた後に地面を転がって回避して、そのままギーシュに駆け出した。 あとは思い切り殴りつけるだけで戦闘不能にできるだろう。 「く、来るな!」 恐怖に顔をゆがませるギーシュとは裏腹に、霧亥の顔には何の感情も無かった。 彼にとっては『司令塔』を潰し、まだ動くようならワルキューレと戦うだけであった。 ただ敵性存在に対して淡々と処理を行う。ただそれだけのことなのだ。 ギーシュの胸倉を掴み、そのまま地面に背中から落とす。 あとはワルキューレと同じ処理を行う。 「そこまでよ!霧亥、やめなさい!」 「これは決闘だ」 握り締めて引いた左の拳を突き出す0.3秒前に停止命令が下る。 霧亥は自分の網膜の表示『enable/disable -ERROR-』を疑った。 「制御を奪われた?」 主導権を取り戻すべくノイズの発生源を捜査すると、ノイズは左手から発生していた。 『禁圧』『新規デバイス』の表示を確認して霧亥は驚愕していた。 そんなものがあるはずがないのだ。ここの技術が追いつくまでには途方も無い時間がかかるだろう。 今まで認識されなかった部分も納得がいかない。拘束させるタイプなら全身を動かせなくする筈だ。 「戦闘用追加演算ユニット…ライブラリ…不測エネルギー生成機能…なんだこれは」 『認識完了』という表示と共に左腕から拳にかけてほんの僅かに、帯電するようなエネルギーが発生していた。 霧亥は、臨時セーフガードの男が使用した内部電源の放射攻撃を思い出す。 「霧亥!もういい!ギーシュ、貴方も降参して!」 「わ、わかった……僕の負けだ……」 どよめき。そして霧亥の勝利を、見物客の一人が大声で叫ぶと、それは歓声と拍手に変わった。 霧亥はそれを認識すると、立ち上がり自分の手のひらを眺める。 デバイス認識前の状況と今の状況を比較しても、システムや心理の表層に問題は発生していないようだった。 だが念のために深層も確認する必要がある。そう判断した霧亥は自らの機能の大半を一時停止させ、診断と調整に入る。 そのまま地面に横たわり、125秒間、全身の98.4%のデバイスを停止した。 「ちょ、ちょっと霧亥大丈夫?ねえ!霧、亥……寝ちゃってる…」 「ルイズ。彼は何者なんだい?まさか僕のワルキューレがあんなになるなんて…」 「わかんないのよ、私も。ただ遠くから来たことぐらいしか知らないの」 「ただの平民に僕のゴーレムを倒せるとは思わない。それに、最後のアレは……」 「何かあったの?」 「いや…なんでもない。勝者は丁重に運ばなければならないね。誰か、手を貸してくれ!」 気絶したのだろうと思った生徒の誰かが、霧亥に『レビテーション』をかけてくれる。 「使い魔のくせに勝手なことしないでよね…心配したんだから…」 聞こえてないのをいいことに、そんなことを言ってみる。ルイズは少しだけ楽になれた。 一方、広場に残されたギーシュは霧亥への認識を改め、それを見抜けない自分を恥じた。 「(彼の左手に見えたあれは何だったんだろうか?先住魔法?それとも、幻かい?」 野次馬に混じり決闘を眺めていたキュルケはうっとりと霧亥を眺めていた。 隣にいる青い髪の少女はキュルケとは別の観点で本を読まずに霧亥の事を見つめていた。 3人は同じ事を考えている。 つまり、『彼は何者なのか?』ということだ。 霧亥の勝利は学院に住む多くの平民にやメイジに少なからず影響を与えた。 羨望であり、感動であり、希望であり、恐怖であった。 それはちょっとしたウィルスのように皆の心の中に増殖していった。 だが、それが表面に現れることの無い、あくまでも水面下での変化である。 よって本人たちにはさしあたって変化は無い。せいぜい晩の食事が増えたくらいである。 翌朝、霧亥はトリスティンの施設の探索と図書館の利用を許可されていた。 ルイズはいくらか文句を言ってきたが、文字が読めないことを告げると同情的な反応で許可をくれた。 ある程度の把握が完了すると図書室へ向かい、幾つかの文字を眺めてみる。 「言語の種類が全く異なる。意味が理解できない」 かつて自分が持っていた古いハードコピーを思い出す。あれは読むことが出来た。 今となっては永久に自分の手元に戻るわけでは無い。ただ霧亥には本に関して一つだけ鮮明な記憶がある。 『冷たく静かな大地が明るくなる頃、人影は丘の上に登った』『大地って何だ』 答えは、見つかるのだろうか。 結論から言えば、答えどころか管理者すら見つからなかった。 人影は2、3見当たるが、めいめいが自分の読みたいであろう本を手にとって没頭している。 ルイズからは勝手に持ち出すな、と注意を受けている。つまり一度戻る必要が発生していた。 「どうしたの」 振り返ると近くの青い髪をした少女が立っていた。 「ここの管理者を探している。ハードコピーについて聞きたいことがある」 「今はいない。戻るには時間がかかる」 しかたない、と判断して霧亥は踵をかえした。だが後ろから呼び止められる。 「何を探しているの?」 「文字が判読できない。ここの言語の基本的な読み方を記したものが必要だ」 「待ってて」 「これは何だ」 「クマ」 「これは何て書いてある」 「『おさるさんは、ヤギさんのかたきをうつことにしました』」 「もっと情報量の多いものは無いか」 「単語ごとに詳細が記されているのはこれ。文法については、これ」 無言で本を受け取る霧亥。どうしたことか目の前の少女から文字を教わっていた。 霧亥はパターンを見つけ出しては解析し、照合し、何度か適用しては認識率を上げていった。 あと、約43000秒もあれば簡単な文字を読み、書くことが出来るようになるだろう。 自分の中で進歩率を概算してから、青色の髪を持つ少女が部屋に戻るまで作業を続けた。 「私は戻る」 「助かるよ。だが今の俺は何も持っていない」 「構わない」 少女が部屋の外に出ると「あらタバサ、今日もここにいたの?」という声が聞こえてきた。 霧亥は本を元の位置に戻し、最後に『タバサ』という固有名詞を覚えて図書室を後にした。 ルイズに成果を報告すると色々と複雑な表情をしていた。 「ううーん……………決めた。霧亥、明日は街まで出かけるから、私と一緒に来なさい」 「街?別の集落があるのか?」 「集落じゃなくて、街は街。国の中に町や村みたいな集落があって、その中に家があるのよ。そういう意味でここは例外ね」 「そこまでの文明があるのか」 「ハァ。ホントに変なところから来たのね。今更だけど、何か呆れちゃうわね。」 「……。」 「え、あっ、そうよ!そうだわ!あ、貴方が変なことを喋って恥をかかないように、わた、私が常識を教えてあげる!」 「いや、それならこの文字の…」 「ほ、ほらっ!さっさと座る!」 「…………。」 恐らくは主観の多分に入った常識は覚えたが、なぜルイズの調子が変なのかは結局判らなかった。