約 2,473,980 件
https://w.atwiki.jp/library801/pages/62.html
[あ] [か] [さ] [た] [な] [は] [ま] [や] [ら] [わ] [作者不明] あ行 あ行の更新日:2008-12-20 赤江 瀑 「獣林寺妖変」(『ニンジンスキーの手』所収)「オイディプスの刃」 赤川 次郎 「ひまつぶしの殺人」《三毛猫ホームズシリーズ》 芥川 龍之介 浅田 次郎 「輪違屋糸里」 我孫 子武丸 「腐蝕の街」「屍蝋の街」「三人のゴーストハンター」「まほろ市の殺人 夏―夏に散る花」 綾辻 行人 「黄昏の囁き」「暗闇の囁き」「十角館の殺人」「黒猫館の殺人」「本格ミステリー館にて」《館シリーズ》「Nightmare Project YAKATA」(綾辻行人監修ゲーム) 鮎川 哲也 《三番館シリーズ》 有栖川 有栖 「マジックミラー」「蝶々がはばたく」「幻想運河」「暗い宿」「絶叫城殺人事件」「海のある奈良に死す」「『ABC』殺人事件」「マレー鉄道の謎」「46番目の密室」「まほろ市の殺人 冬―蜃気楼に手を振る」《火村&アリス(国名)シリーズ》《学生シリーズ》 泡坂 妻夫 「赤島砂上」《亜愛一郎シリーズ》 伊坂 幸太郎 「重力ピエロ」「アヒルと鴨のコインロッカー」 いしい ひさいち 石田 衣良 「池袋ウエストゲートパーク 」 稲垣 足穂 乾 くるみ 「Jの神話」 犬丸 りん 「おじゃる丸」(漫画・アニメ) 岩崎 正吾 「探偵の冬あるいはシャーロック・ホームズの絶望」 Van Dine,S.S. S・S・ヴァン・ダイン 「僧正殺人事件」「カナリア殺人事件」 Winslow,Don ドン・ウィンズロウ 「ストリート・キッズ」「カリフォルニアの炎」 歌野昌午 「死体を買う男」 内田康夫 《浅見光彦シリーズ》 浦賀 和宏 「時の鳥籠」 江戸川 乱歩 「孤島の鬼」「乱歩打明け話」《明智小五郎(少年探偵団)シリーズ》 Ellroy,James ジェイムズ・エルロイ 「血まみれの月」「LAコンフィデンシャル」「キラー・オン・ザ・ロード」「アメリカン・タブロイド」《ロイド・ホプキンズ シリーズ》《LAシリーズ》 逢坂 剛 「百舌の叫ぶ夜」 大倉 崇裕 「無法地帯」 大沢 在昌 《アルバイト探偵シリーズ》《佐久間公シリーズ》 太田 忠司 「Jの少女たち」《狩野俊介シリーズ》《霞田志郎シリーズ》 岡田 鯱彦 『岡田鯱彦名作選 噴火口上の殺人』 小川 勝己 「彼岸の奴隷」 小野 不由美 「屍鬼」 か行 か行の更新日:2008-12-20 笠井潔 「オイディプス症候群」「哲学者の密室」「サマー・アポカリプス」「群衆の悪魔」《矢吹駆シリーズ》 風間一輝 霞 流一 「スイカの脅迫状」(『ミステリーアンソロジー 誘拐』所収)「ウサギの乱」 カプコン 「逆転裁判」(ゲーム) 北方 謙三 《ブラディ・ドールシリーズ》《約束の街シリーズ》 北川 歩実 「僕を殺した女」「お喋り鳥の呪縛」 北森 鴻 「旅人の真実」(『桜宵』所収) 木下 さくら 「魔探偵ロキ」(漫画) 木原 敏江 「摩利と新吾」(漫画) 京極 夏彦 「姑獲女の夏」「鉄鼠の檻」「陰摩羅鬼の瑕」「薔薇十字探偵の慨然」《京極堂シリーズ》 霧舎 巧 《あかずの扉研究会シリーズ》 Queen,Ellery エラリー・クイーン 《国名シリーズ》 Cook,Thomas H. トマス・H・クック 「闇をつかむ男」 倉阪 鬼一郎 倉知 淳 「まほろ市の殺人 春―無節操な死人」「星降り山荘の殺人」「壺中の天国」《猫丸先輩の事件簿シリーズ》 Christie,Agatha アガサ・クリスティー 「ヒッコリー・ロードの殺人」「そして誰もいなくなった」《名探偵ポワロシリーズ》 栗本 薫 「魔界水滸伝」 Crais,Robert ロバート・クレイス 《探偵エルヴィス・コールシリーズ》 黒川 博行 「疫病神」「国境」「二度のお別れ」「雨に殺せば」「八号古墳に消えて」「暗礁」「蒼煌」 黒崎 緑 《しゃべくり探偵シリーズ》 古 龍 「多情剣客無情剣」 古泉 迦十 「火蛾」 幸田 真音 「eの悲劇―IT革命の光と影」 Coben,Harlan ハーラン・コーベン 「カムバック・ヒーロー」「Darkest Fear」(洋書)「Gone for Good」(洋書)《マイロン・ボライターシリーズ》 五條 瑛 「スノウ・グッピー」「バラの行方」「断鎖 Escape」「3way waltz」《仲上所長シリーズ》《鉱物シリーズ》 古処 誠二 「UNKNOWN」「未完成」「少年たちの密室」 Connolly,John ジョン・コナリー 「死せるものすべてに」 Connelly,Michael マイクル・コナリー 「ザ・ポエット」 小林 泰三 近藤 史恵 「ガーデン」《歌舞伎シリーズ》 今野 敏 《東京ベイエリア分署 安積警部補シリーズ》《STシリーズ》 さ行 さ行の更新日:2009-06-20 坂木 司 「青空の卵」 佐久間 智代 「Lovely Style3」(漫画) 佐々木 譲 「愚か者の盟約」 佐々木 倫子 「動物のお医者さん」(漫画) 佐藤 友哉 「クリスマス・テロル」 佐野 洋 「偽りの肌」「指の時代」 篠田 真由美 「翡翠の城」「原罪の庭」「未明の家」「センティメンタル・ブルー」《建築探偵シリーズ》 柴田 よしき 「聖なる黒夜」「消える密室の殺人―猫探偵正太郎上京」「月神の浅き夢」《村上緑子(RIKO)シリーズ》 島田 荘司 「占星術殺人事件」「異邦の騎士」「竜臥亭事件」「御手洗潔のメロディ」「数字 錠」「水晶のピラミッド」「眩暈」「ロシア幽霊軍艦事件」「魔神の遊戯」「御手洗潔のダンス」「最後のディナー」「伊根の龍神」「セント・ニコラスの、ダ イヤモンドの靴」「石岡和己攻略本」「ネジ式ザゼツキー」「疾走する死者」(『御手洗潔の挨拶』所収)「紫電改研究保存会」(『御手洗潔の挨拶』所収) 「糸ノコとジグザグ」(『毒を売る女』所収)「本格ミステリー館にて」「摩天楼の怪人」《御手洗潔シリーズ》 島田 荘司 (編集) 『21世紀本格―書下ろしアンソロジー』『御手洗パロディ・サイト事件』 清水 義範 「CM殺人事件~躁鬱探偵コンビの事件簿2~」「W殺人事件~躁鬱探偵コンビの事件簿6~」《躁鬱探偵コンビの事件簿シリーズ》 殊能 将之 「黒い仏」「美濃牛」「ハサミ男」「樒/榁」 George,Elizabeth エリザベス・ジョージ 《リンリー警部シリーズ》 城平 京 「スパイラル ~推理の絆~」《スパイラルシリーズ》 新城 カズマ 《浪漫探偵・朱月宵三郎シリーズ》 新堂 冬樹 「カリスマ」「ろくでなし」「無間地獄」 真保 裕一 「奪取」 図子 慧 鈴木 光司 「リング」 Stout,Rex レックス・スタウト 《ネロ・ウルフシリーズ》 清涼院 流水 「彩紋家事件」「秘密室ボン」《JDCシリーズ》 Sayers,Dorothy Leigh ドロシー・L・セイヤーズ 「雲なす証言」「因業じじいの遺言」(『顔のない男』所収)「ナイン・テイラーズ」「誰の死体?」《ピーター卿の事件簿シリーズ》 蘇部 健一 「六枚のとんかつ」「木乃伊男」 た行 た行の更新日:2008-12-20 高木 彬光 「わが一高時代の犯罪」《神津恭介シリーズ》 高階 良子 「ドクターGの島」(漫画)「真珠色の仮面」(漫画) 高里 椎奈 「銀の檻を溶かして」《薬屋探偵妖綺談シリーズ》 高田 崇史 「東照宮の怨」「試験に出ないパズル」《QEDシリーズ》《千葉千波の事件日記シリーズ》 高野 和明 「13階段」 高橋 克彦 「ゴッホ殺人事件」 高村 薫 「晴子情歌」「李歐」「わが手に拳銃を」「レディ・ジョーカー」「マークスの山」「照柿」 竹本 健治 「ウロボロスの偽書」「狂い壁狂い窓」「定本ゲーム殺人事件」「ウロボロスの基礎論」 日明 恩 「それでも、警官は微笑う」「鎮火報」 司 凍季 《一尺屋遙シリーズ》 柄刀 一 「サタンの僧院」「幽霊船が消えるまで」「殺意は砂糖の右側に」《天地龍之介シリーズ》 筒井 康隆 「ロートレック荘事件」 テレビ朝日 「TRICK」(テレビドラマ)「TRICK-劇場版2-」(映画) Doyle,Sir Arthur Conan アーサー・コナン・ドイル 《名探偵ホームズシリーズ》 Dostoevskii,Fedor Mikhailovich ドストエフスキー 「カラマーゾフの兄弟」 富永 太郎 な行 な行の更新日:2008-12-20 中井 英夫 「虚無への供物」「とらんぷ譚」 夏 緑 《続少年探偵彼方シリーズ》(漫画) 西風 隆介 《神の系譜シリーズ》 鳴海 章 《ゼロシリーズ》 西尾 維新 「クビツリハイスクール」「クビシメロマンチスト」 西澤 保彦 「依存」《匠千暁シリーズ》 西村 京太郎 「特急『白鳥』十四時間」《十津川警部補シリーズ》 貫井 徳郎 「鬼流殺生祭」「妖奇切断譜」「慟哭」《症候群シリーズ》 Norfolk,Lawrence ローレンス・ノーフォーク 「ジョン・ランプリエールの辞書」 乃南 アサ 「殺意・鬼哭」「涙」 法月 綸太郎 「法月綸太郎の功績」《法月綸太郎シリーズ》 は行 は行の更新日:2008-12-20 萩原 朔太郎 橋本 治 『蓮と刀』 馳 星周 「不夜城」「鎮魂歌」「虚の王」「雪月夜」「ダーク・ムーン」「夜光虫」 畠中 恵 「しゃばけ」 服部 まゆみ 「この闇と光」 花村 萬月 「猫の息子」《王国物語シリーズ》 はやみね かおる 《名探偵夢水清四郎事件ノートシリーズ》 原 りょう 《私立探偵沢崎シリーズ》 Peters,Ellis エリス・ピーターズ 「聖女の遺骨求む」「修道士の頭巾」「ハルイン修道士の告白」「死を呼ぶ婚礼」「氷のなかの処女」「憎しみの巡礼」《修道士カドフェルシリーズ》 東川 篤哉 「学ばない探偵たちの学園」 東野 圭吾 「鳥人計画」「密室宣言」「探偵ガリレオ」 東山 彰良 「ワイルド・サイドを歩け」 氷川 透 「人魚とミノタウロス」 樋口 明雄 「狼は瞑らない」 平岩 弓枝 「犬のいる窓」 Hill, Reginald レジナルド・ヒル 《ダルジール&パスコーシリーズ》 Hildick, Edmund Wallace エドモンド・ウォラス・ヒルディック 《マガーク少年探偵団リーズ》 Ferrars,Elizabeth エリザベス・フェラーズ 《トビー&ジョージシリーズ》 福井 晴敏 「亡国のイージス」「終戦のローレライ」「川の深さは」 藤木 稟 「上海幻夜 七色の万華鏡篇」《朱雀十五シリーズ》 椹野 道流 《鬼籍通覧(法医学教室奇談)シリーズ》 藤原 伊織 「テロリストのパラソル」「ひまわりの祝祭」 Francis,Dick ディック・フランシス 「混戦」《競馬シリーズ》 Proust, Marcel マルセル・プルースト 「失われた時を求めて」 Hall,Parnell パーネル・ホール 「絞殺魔に会いたい」「脚本家はしんどい」《スタンリー・ヘイスティングズシリーズ》 Poe,Edgar Allan エドガー・アラン・ポー 「モルグ街の殺人事件」 ま行 ま行の更新日:2008-12-20 Martin,David Lozell デイヴィッド・マーティン 「死にいたる愛」 舞城 王太郎 「煙か土か食い物」「暗闇の中で子供」「熊の場所」「鼻クソご飯」「世界は密室でできている」「九十九十九」《奈津川家シリーズ》 牧野 修 「三人のゴーストハンター」 松岡 弘一 「鳥肌」 松浪 和夫 麻耶 雄嵩 「痾」「あいにくの雨で」「交換殺人」(『21世紀本格』収録)「まほろ市の殺人 秋―闇雲A子と憂鬱刑事」「木製の王子」《メルカトル鮎の事件簿シリーズ》《名探偵木更津悠也シリーズ》 三津田 信三 「ホラー作家の棲む家」「作者不詳 ミステリ作家の読む本」「蛇棺葬」 宮部 みゆき 「今夜は眠れない」「夢にも思わない」「魔術はささやく」《緒方雅男&島崎俊彦シリーズ》 紫式部 「源氏物語」 森 博嗣 「女王の百年密室」《犀川&萌絵シリーズ》《Vシリーズ》《女王シリーズ》 森 雅裕 「モーツァルトは子守唄を歌わない」 や行 や行の更新日:2008-12-20 山村 美紗 「マラッカの海に消えた」 ゆうき まさみ 「機動警察パトレイバー」(漫画) 夢野 久作 「ドグラ・マグラ」「少女地獄」 横溝 正史 「悪魔が来りて笛を吹く」「金田一耕助の冒険」(映画)「犬神家の一族」《金田一耕助の事件簿シリーズ》 横山 秀夫 「第三の時効」「影踏み」《D県警シリーズ》 吉村 達也 《志垣警部+和久井刑事シリーズ》 ら行 ら行の更新日:2008-12-20 わ行 わ行の更新日:2008-12-20 作者不明 作者不明の更新日:2008-12-20 「文藝別冊 江戸川乱歩―誰もが憧れた少年探偵団」 ▲PAGETOP 今日: - 昨日: - 合計: -
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/155.html
2011年2月3日 2011年8月4日増補(詳細はページ最下部の「第一章 更新履歴」参照) 「中国ミステリ史」は、19世紀末から現代(2011年)までの中国の探偵小説(偵探小説)/推理小説/ミステリの歴史を、第一章から第六章の全6ページに分けて紹介するものである。 『中国ミステリ史 第一章』では、そのうち19世紀末から1910年代まで(清末)を扱っている。 目次 『中国ミステリ史 第一章』 19世紀末~1910年代 はじめに 第一章 19世紀末~1910年代: 欧米探偵小説の受容と国産化の試み第一節 東アジア・東南アジアでのホームズの受容 第二節 裁判小説から探偵小説へ(1)中国初の創作探偵小説 (2)中国古来の裁判小説 (3)翻訳探偵小説とその国産化の試み 参考文献 第一章 更新履歴 『中国ミステリ史 第二章』 (1910年代~1940年代) 第二章 1910年代~1940年代: ホームズ、ルパンからフオサン、ルーピンへ第一節 中国ミステリ草創期: 上海の「青」と「紅(あか)」(1)程小青(てい しょうせい)/名探偵フオサン (2)孫了紅(そん りょうこう)/怪盗紳士ルーピン (3)同時代の中国探偵作家 第二節 1940年代の探偵小説雑誌の隆盛 第三節 同時代の日本から見た当時の中国探偵小説界 第四節 邦訳された19世紀末~1940年代の中国探偵小説 『中国ミステリ史 第三章』 (1940年代末~1970年代) 第三章 1950年代~1970年代: 社会状況の変化による中国ミステリの転変第一節 中華人民共和国の成立と旧ソ連探偵小説の流入 第二節 中国の推理作家とソ連の推理作家の交流(1956年) 第三節 ソ連の探偵小説の変化(アルカージイ・アダモフ『雑色事件』(1956)) 第四節 文化大革命期の"写本"現象 第五節 邦訳された1950年代~1970年代の中国探偵小説 『中国ミステリ史 第四章』 (1970年代末~1990年代) 第四章 1970年代末~1990年代: 翻訳ブームと中国ミステリの多様化第一節 日本の社会派推理小説が中国でもブームに 第二節 中国ミステリの多様化 第三節 1990年代末の中国翻訳ミステリ事情 第四節 邦訳された1980年代~1990年代の中国推理小説 『中国ミステリ史 第五章』 (1990年代末~21世紀初頭) 第五章 20世紀末~21世紀初頭: 新たなミステリの潮流第一節 インターネットという新天地/新たな創作の場 第二節 ネット上で活躍していたミステリ執筆者が紙媒体へ/雑誌『歳月・推理』創刊 第三節 邦訳された21世紀の中国ミステリ 『中国ミステリ史 第六章』 (現代) 第六章 現代の中国ミステリ界第一節 北京偵探推理文芸協会の活動 第二節 現代の中国ミステリ作家 第三節 賞・ランキング・雑誌・その他 おわりに はじめに この「中国ミステリ史」は、『中国科学幻想文学館』(上巻、下巻)(武田雅哉・林久之著、大修館書店、2001年)という中国SFの歴史を紹介する本に触発されて作成したものである。このような書籍が出ていることからも分かるように、日本では、中国のSF小説の紹介は少ないながらもそれなりになされてきた。早川書房の『S-Fマガジン』で中国SF特集が組まれたこともある(2008年9月号)。一方で、中国の推理小説については、日本ではほとんど知られていない。「中国には推理小説はほとんどないらしい」とさえ言われることがある。そこで、ここに中国の推理小説の歴史をまとめ、紹介することにした。中国の20世紀以降のミステリ史を日本語でまとめたものは、あるいは学術論文などではあったかもしれないが、ミステリファンの視点でミステリファンがまとめ、ネット上で公開するのは初めてではないかと思う。 当初は、今までに収集した数少ない中国ミステリ関連資料をメモ書き程度にまとめるつもりだったが、まとめている途中で「百年華文推理簡史(ひゃくねん かぶん すいり かんし)」つまり「中国語圏ミステリ百年略史」という詳細かつ信頼できる資料を見つけたので、基本的にここでの中国ミステリに関する記述はこの資料に大部分を拠っている。 「百年華文推理簡史」の執筆者は、中国最大手のミステリ総合サイト「推理之門(すいり の もん)」の管理人・老蔡(ラオツァイ)氏と、中国のミステリ雑誌『歳月・推理』などで作品を発表している推理作家の杜撰(ずさん)氏である。現段階では「推理之門」や『歳月・推理』と言われてもピンとくる人は少ないと思うが、この「中国ミステリ史」を読めば、これらのWebサイトや雑誌が中国ミステリ界においてどのような地位を占めるものかが分かるはずである。なお、「百年華文推理簡史」ではふんだんに写真が使われているので、この「中国ミステリ史」とあわせて、ぜひそちらも参照してもらいたい。 個人的な興味から、中国ミステリ史を略述すると同時に、同時代のアジアでの動きにもしばしば触れている。 【注】 中国語の「偵探 zhentan」という語について 中国初の探偵小説雑誌は、1923年創刊の『偵探世界(ジェンタン シージエ)』である。この雑誌名は、日本語の文献ではそのまま『偵探世界』と書かれる場合もあるし、日本語にあわせて『探偵世界』とされる場合もある。混乱を避けるため、このページでは書籍・雑誌のタイトルや団体名などに使われている中国語の「偵探(ジェンタン)」という語は、そのまま「偵探(ていたん)」とする。 【注】 中国語の「華文 huawen」という語について 中国語の「華文(ホアウェン)」という語は「中国語」という意味である。賞の名前などに使用された際に、「華文(ホアウェン)」を「中国語」と直すと非常に座りが悪くなってしまうため、このページでは中国語の「華文(ホアウェン)」はそのまま「華文(かぶん)」とする。 「偵探(ていたん)」も「華文(かぶん)」も本来日本語にはない語だが、「ミステリ」や「アリバイ」などと同じ外来語だと思って、覚えてもらえれば幸いである。 第一章 19世紀末~1910年代: 欧米探偵小説の受容と国産化の試み 第一節 東アジア・東南アジアでのホームズの受容 【日本で最初にホームズものが訳された年代について誤りがありました。資料を手に入れたら直します。失礼いたしました】 「推理小説的な物語」の起源は探ればきりがなくなるが、現代にいたるミステリの流れを考えるにあたっては、各地でのシャーロック・ホームズシリーズ(発表時期:1887年~1927年)の受容とそのローカル版の成立を見ていくのが分かりやすいと思う。日本では、1899年4月から7月にかけて『A Study in Scarlet(緋色の研究)』(1887)の翻案『血染の壁』が毎日新聞に連載されたのがホームズシリーズの最初の紹介だとされる。翻案者は「無名氏」。この『血染の壁』では、ホームズは「小室泰六」、ワトソンは「和田進一」とされていた。『緋色の研究』のみに着目してその後の流れを見ると、この作品は翌1900年には『新陰陽博士』、1901年には『モルモン奇譚』、1906年には『神通力』というタイトルで翻訳(翻案)されている。『神通力』では、ホームズは「堀見猪之吉」、ワトソンは「和田真吉」とされているという。 その後、1917年には岡本綺堂が「江戸探偵名話」シリーズの連載を開始。このシリーズの主人公は、その第1作で「彼は江戸時代に於ける隠れたるシャアロック・ホームズであつた」と紹介されている。ホームズシリーズの影響下に誕生したこのシリーズは、1924年の単行本刊行時より「半七捕物帳」の名で広く知られている。また1923年には江戸川乱歩がデビューし、翌年には探偵・明智小五郎が初登場している。 中国では、1896年に張坤徳(ちょう こんとく/チャン クントー)がホームズシリーズ4編を翻訳し、上海の新聞『時務報』に掲載。これが中国語になった最初のホームズシリーズとされる。最初に訳された作品は、「海軍条約文書事件」(1893)(中国語タイトル:「英包探勘盗密約案」)である。ホームズの最初の翻訳は中国よりも日本の方がわずかに早かったが、ホームズ全集の刊行は、日本より中国の方が早かった。中国で最初にホームズ全集が出たのは1916年であり、一方、日本でホームズ全集が最初に出たのは、1931年末から1932年末にかけてであった。 19世紀末から20世紀初めにかけて中国(清および中華民国)では翻訳小説ブームが訪れており、ホームズなどの欧米作品のみならず、黒岩涙香や押川春浪などの日本の作品(翻案作品含む)も中国語に訳されていたという。 タイでは1912年に「第二の汚点」(1904)がルアン・ナイウィチャーン(筆名シースワン)によって翻訳され、『パドゥン・ウィッタヤー』に掲載されたのが最初である。1915年には、ルアン・サーラーヌプラパンにより『バスカヴィル家の犬』が翻訳刊行され、その後もホームズシリーズは次々と翻訳された。同時期に、タイ人の手による最初の探偵小説『トーンイン物語』が発表されている。主人公のトーンインがホームズばりの活躍をするストーリーで、執筆したのはシェイクスピアの翻訳やミステリ小説の翻訳もおこなっていた国王のラーマ6世(Wikipedia)である。(宇戸清治(2009)) 現在のマレーシア・インドネシアに当たる地域では、1910年ごろ(確実なのは1914年)にホームズが初めて翻訳された(「マレー語」(現在のマレーシア語・インドネシア語)への翻訳)。(柏村彰夫(2010)) 朝鮮半島ではホームズものの最初の翻訳は1918年の「三人の学生」(1904)だった(bookgram(2009))。また、それ以前から黒岩涙香の翻案作品を再翻案したものが人気を得ていた。代表的なものに、黒岩涙香の翻案小説『巌窟王』(1901)を再翻案したイ・サンヒョプの『海王星』(1916)がある。 第二節 裁判小説から探偵小説へ 【主要参考文献:老蔡(ラオツァイ)、杜撰(ずさん)(2009)「百年華文推理簡史 引言」、老蔡(2009)「百年華文推理簡史 一、中国偵探小説的起源」】 【2011年8月4日追加】 (1)中国初の創作探偵小説 中国では、1885年発行と推定される知非子(ちひし)「冤獄縁(えんごくえん)」が初の創作探偵小説だとされている。ただし、中国で初めて欧米の探偵小説が翻訳されるのより11年も早く、またシャーロック・ホームズが登場する最初の作品『緋色の研究』より2年も早いことから、その発行年に関しては議論がある。 日本の最初の創作探偵小説は、1888年の須藤南翠(1857-1920)「殺人犯」、または1889年の黒岩涙香(1862-1920)「無惨」(青空文庫)とされるので、「冤獄縁」の発行年の1885年というのが正しければ、中国では日本よりも早く創作探偵小説が誕生していたことになる。なお韓国では、イ・ヘジョ(李海朝、1869-1927)が1908年末から1909年初めにかけて新聞に連載した『双玉笛(そう ぎょくてき)』が初の創作探偵小説とされている。 (2)中国古来の裁判小説 1890年には、作者不明の長編探偵小説『狄公案(てきこうあん)』【注1】が刊行されている。この作品は、オランダの推理作家・東洋学者のロバート・ファン・ヒューリック(1910-1967)が英訳し、また自らそれに題材を採った推理小説〈狄(ディー)判事シリーズ〉を執筆したことで、欧米ではよく知られている。江戸川乱歩はヒューリックによる英訳で『狄公案』を読み、「一本を求め帰って読んで見ると、棠陰比事(とういうんひじ)【注2】などの短篇と違い、長篇本格探偵小説の体をなしていて西洋のガボリオやボアゴベイに比べても、大して見劣りしないほどで、その上、長篇探偵小説として西洋にも例のない面白い構成になっている。日本の小説家は棠陰比事の類ばかり輸入して、こんな優れたものを、なぜ注意しなかったのかと、不思議に思われる」(探偵作家クラブ会報第33号(1950年2月))と、この作品をフランスの探偵作家ガボリオやボアゴベの作品と並べて称賛している。この作品は、欧米探偵小説の影響を受ける以前の中国古来の探偵小説、すなわち公案小説(こうあんしょうせつ)の形式で書かれたものである。残念ながら現在にいたるまで日本語の完訳は出ていないが、有坂正三氏による抄訳『狄仁傑(てきじんけつ)の不思議な事件簿』が2007年に刊行されている。 公案小説は、中国の明の時代の末期(16世紀末 - 17世紀初め)ごろから多く書かれるようになったジャンルで、名裁判官が事件の謎を解き、真犯人を明らかにするというものである。裁判官役としては、包拯(ほうじょう)や狄仁傑(てき じんけつ/ディー・レンチエ)などの実在の人物があてられる。代表的なものに、『包公案(ほうこうあん)』【注3】(別名:龍図公案(りゅうとこうあん))や、『施公案(しこうあん)』【注4】などがある。これらは現在のミステリと必ずしも同じものではなく、やはり現在のミステリは欧米ミステリ(及びその伝播)に始まると言って差し支えないが、公案小説は中国のみならず、日本や韓国を含む東アジア諸国が欧米探偵小説を受容する際にその基層となったものなので、まったく触れないというわけにもいかないだろう。(中国の公案小説が日本や韓国に与えた影響については、のちに「東アジアミステリの源流」(未完成)で簡単にまとめる予定) その後、1896年に上海の新聞『時務報』にホームズシリーズ4作の中国語訳が掲載され、中国に初めて欧米の探偵小説が紹介されると、『時務報』のほかに『新小説』、『月月小説』、『礼拝六(The Saturday)』などの雑誌も探偵小説を掲載するようになる。 上海の小説家・呉趼人(ごけんじん、1866-1910)は、欧米探偵小説を手本に公案小説の改造を試みた『九命奇冤(きゅうめいきえん)』(1903年連載開始)や、中国の古書から34の事件簿をとりまとめた『中国偵探案』(1906年出版)などを発表しているが、これらは欧米探偵小説のファンの好評を得ることはできず、1910年の彼の死をもって、中国の伝統的な探偵小説である公案小説は終焉を迎えることになった。 注1:『狄公案(てきこうあん)』の成立年代はよく分かっていない。書籍として刊行されたのは1890年(井波律子(2003))とのことだが、物語自体はそれ以前からあったようである。ロバート・ファン・ヒューリックが英訳に際して使ったのは、古典籍を扱う東京の琳琅閣(りんろうかく)書店(公式サイト)で手に入れた写本だが、その写本は17世紀か18世紀ごろのものだとヒューリックは言っている。中国文学者の辛島驍(からしま たけし)氏は、ヒューリックや乱歩を交えた座談会で、どんなに早いとしても1798年に出版された『施公案(しこうあん)』よりはさかのぼらないだろうと述べている(このとき、辛島氏は『狄公案』の英訳を読んだだけで、『狄公案』の写本には目を通していない)。 注2:『棠陰比事(とういうんひじ)』(桂万栄(けい ばんえい)編、1207年)は、中国の宋の時代に成立した裁判エピソード集。「棠陰」(とういん)は"梨のこかげ"転じて「裁判所」という意味、「比事」は「事件・案件を比べる」という意味であり、『棠陰比事』というタイトルを分かりやすく和訳すれば『名裁判くらべ』となる。似通った2つの事件を一対として、七十二対、計144のエピソードが収録されていることからこのタイトルがつけられている。収録されているエピソードはすべて実話とされている。日本では、1649年に『棠陰比事物語』というタイトルで翻訳出版され、人気を博した。その後日本では、井原西鶴が1689年に、「棠(なし)」を日本風の「桜」に変えた『本朝桜陰比事(ほんちょうおういんひじ)』(裁判エピソード全44編を収録)を刊行。日本初の創作探偵小説とされる黒岩涙香「無惨」の発表のちょうど200年前、有栖川有栖や北村薫のデビューのちょうど300年前に刊行されたこの『本朝桜陰比事』は、「日本の推理小説の源流」と見なされることもある。なお、『棠陰比事』は岩波文庫版の表紙によれば、「推理小説ファンにとって見のがせぬ一冊」であるとのこと。 注3:『包公案』のエピソードのいくつかは、有坂正三『包青天奇案―中国版・大岡越前の物語』(文芸社、2006年)で読むことができる。北村薫は、『包公案』のエピソードの翻案だと推定される都賀庭鐘(つが ていしょう、Wikipedia)の「白水翁(はくすいおう)が売卜(まいぼく)直言(ちょくげん)奇(き)を示(しめ)す話(こと)」(『古今奇談 英(はなぶさ)草子』、1749年)を、日本初の本格ミステリだとしている。 注4:中国文学者の辛島驍(からしま たけし)氏は、1798年に出版された『施公案(しこうあん)』を中国初の長編探偵小説だと見ている。これは辛島氏の言を借りれば「折り畳み式長編、螺旋階段式長編」であり、1つの事件が解決しないうちに次の事件が起き、エピソードが200回、300回と重ねられていくタイプの長編である。 (3)翻訳探偵小説とその国産化の試み 【未完成。加筆予定】 1907年に出版された呂侠(吕侠)の『中国女偵探』(中国女侦探)は、収録作3編のうち2編が『新青年』に訳載されている(詳細は「第二節第三節」で改めて述べる)。 参考文献 中国ミステリ史 参考文献 (新しいウィンドウで開きます) 第一章 更新履歴 2011年2月3日:公開 2011年8月4日:「第二節 公案小説から探偵小説へ」を新設。 『中国ミステリ史 第一章』(19世紀末~1910年代) ←今見ているページ 『中国ミステリ史 第二章』(1910年代~1940年代) 『中国ミステリ史 第三章』(1940年代末~1970年代) 『中国ミステリ史 第四章』(1970年代末~1990年代) 『中国ミステリ史 第五章』(1990年代末~21世紀初頭) 『中国ミステリ史 第六章』(現代)
https://w.atwiki.jp/mariokart_wii/pages/65.html
攻略方法(グランプリ) 攻略方法(Wi-Fi) ショートカット タイムアタック 動画YouTube世界チャンプ ライブリプレイ 02 16.884 - Totom@ITF せかいチャンプに学ぶキノコの使い方 2008年5月 zoomeキラーの通過ルート参考動画 _コメント ↓ スターカップ ├ デイジーサーキット ├ ノコノコみさき ├ メイプルツリーハウス ←いまここ └ グラグラかざん 攻略方法(グランプリ) 多少クネクネしていますが直線多目なコースです。 コース上の落ち葉に触れるとランダムでキノコ、バナナ、スターが出ることがあります。 所々にあるパイプは上方にいないと落ちますので注意。 あとマリオシリーズおなじみのハナチャンが横たわってます。 攻略方法(Wi-Fi) そこそこ人気のあるコースのようです。直線自体は多いものの、 急カーブもある為金キノコは使いどころが難しいです。 ハナチャンはタイムで位置を覚えましょう。ぶつかると大きくロスになります。 落ち葉からでるアイテムは瞬間で見分けましょう。 スターなんか出た時、相手に渡してしまうとものすごくピンチです。 結果的に道にはバナナが大量ですが、その中のキノコはなるべく取れるように練習したいところ。 うねる網橋でうまくジャンプアクションを決める事も勝負の分かれ目になりそうです。 ショートカット スタート直後にある太いツタの1つめと2つめの間を右に抜ける事が出来ます。 最初にダートがあるため、ダートに強いマシンでは強引に入っても問題なし。 対戦では1周目強引に行くと良いアイテム取りつつ良い順位に出られるので 一気にトップに出るチャンスになるかも。 タイムアタック 跳ねたり、急に方向が変わったりするのでウィリーしずらいかもしれない。 安定させるならカートの方がいいかも。 キノコは最初に右にある道に行くのに使用するのがいいだろう。 強気にインに攻める走りと、ハナチャンの位置を事前に覚えておくと良いタイムが出せるはず。 最後の綱橋の後の分岐は右へ行こう 動画 YouTube 世界チャンプ ライブリプレイ 02 16.884 - Totom@ITF せかいチャンプに学ぶキノコの使い方 2008年5月 zoome キラーの通過ルート参考動画 http //zoome.jp/p_choco/diary/132/ 目次へ戻る _コメント ↓ *・゜゚・* .。..。. *・'(*゚▽゚*)'・* .。. .。. *・゜゚・* -- (なはなは) 2011-08-01 06 56 00 荒らしてしまいましたε=ε=ε=ε=ε=ε=┌(; ̄◇ ̄)┘ -- (なはなは) 2011-08-01 06 56 57 ↑記号ゆかえるようになったんだぁ -- (NXspiido(≧ε≦)) 2011-08-02 13 43 23 ♬オリジナル♩*・゜゚・* .。..。. *・'(*゚▽゚*)'・* .。. .。. *・゜゚・* -- (なはなは) 2011-08-03 05 56 08 ↑きれい!あと、またヲタク系の名前にしました・・・。NXspiidoです -- (妖夢(≧∀≦)) 2011-08-04 07 24 38 ここきらい -- (Mk2:r) 2011-08-20 17 27 56 せかいチャンプ0.27のところでおちる -- (ジャスタベス) 2011-08-21 10 27 23 メイプルツリーハウスは神コースです! -- (ハナちゃん) 2011-11-19 14 28 05 ここ大好きなコースなのにフレンドではタイムアタック順位ビリというwwww -- (15 フレコ→0131-7071ー8942) 2011-11-19 17 37 07 ここきらいです。 -- (Mk2(KartoWR)) 2011-11-22 21 09 21 ここはカートがやりやすい -- (フーセンダヌキのドラえもん) 2012-04-26 20 24 02 今度やっとくわーー -- (きーー) 2013-02-22 22 39 31 チニリチテヘ -- (スヌヘニ) 2013-04-29 12 24 06 y6うつryつyつゆいお98う -- (yyhy十ft) 2013-05-02 19 09 02 ……………………………………………………………………………………………………………………………… -- (ナナシ) 2013-10-05 13 18 48 このコースが一番好きだわ。 -- (ロゼッタ) 2014-05-24 00 18 18 Mk2って奴メイプルツリーハウスが嫌いとか馬鹿でしょ。 -- (ロゼッタ) 2014-07-22 15 45 31 このコースについにバグSC登場!!バグSCはこれで7コース目 -- (名無しさん) 2014-08-26 22 49 59 スタート地点後ろのジャンプ台(左)飛んで木と木の間を飛ぶ直前にハンドルを右に切る。すると、なんと!・・・・コースと池の間に! そして、右後ろの角に行き、キノコ -- (くぁくぁくぁくぁくぁくぁくぁくぁくぁ) 2016-03-10 17 31 22 メイプルツリーハウスショートカット使って見ました― -- (名無しさん) 2024-01-09 12 40 05 名前 コメント すべてのコメントを見る [Maple Treeway] ShortCut TimeAttack TimeTrial マリオカートWii攻略まとめ @ ウィキ へ戻る
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/73.html
■■韓国で2008年に刊行された韓国オリジナルミステリ27タイトル全紹介(4)■■ 国際サスペンス編 2010年4月8日(作成中) 『Compound eye』キム・ドギョン、2008年2月 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8975275981 韓国国防科学研究所が開発した最先端偵察衛星コンパウンドアイをめぐる情報戦、銃撃戦! 『New York’s dust』オ・スンファン、2008年2月 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8925704382 半島の南北関係や日本・中国・アメリカをめぐっての緊張・事件などなど。 『ベビーシッター ブッシュ一家のグローバル企業狩り』マルク・ハムシンク、2008年6月 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8996037974 現在の国際関係(主に半島の南北関係)をメインに据えた作品など。 韓国の国際サスペンスでは、以下の2つの邦訳がある。 ファン・セヨン 『第二次朝鮮戦争勃発の日 ―D-DAY』上下巻 (扶桑社ミステリー文庫、2004年) (3)の歴史ミステリの方は、読者はミステリ読者ではなく韓国ドラマ好きの人や歴史好きの人にはなると思いますが、まだ需要があると思います。ただ、(4)の書籍はちょっと翻訳の需要は低いような気がしますね。個人的にもあまりこの辺りのテーマに興味を抱いていません。 こうして27冊をすべて見てくると、やはり一番気になるのは(1)のアンソロジー。若手作家がどんどん出てきているようですから、どこかの出版社から邦訳がでてほしいものです。 全27タイトル紹介終了。 (1)アンソロジー編(4冊) (2)現代を舞台にした長編ミステリ編(11作品) (3)歴史ミステリ編(9作品) 韓国ミステリ紹介 目次へ
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/71.html
■■韓国で2008年に刊行された韓国オリジナルミステリ27タイトル全紹介(2)■■ 現代を舞台にした長編ミステリ編 2010年4月7日 映画化と相性の良いサスペンス・ハードボイルド作品が多く、密室やら孤島やらが出てくる謎解きメインの作品はなさそうです(日本で刊行されている韓国ミステリ『美術館の鼠』『最後の証人』も映画化済みまたは映画化進行中)。邦訳がある作家から見ていきます。 ■キム・ソンジョン(金聖鍾) 日本では『ソウル 逃亡の果てに』『最後の証人』が刊行されている。 『霧の男』キム・ソンジョン、2008年1月 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8901077248 殺人請負人と彼を追う刑事たちを乾燥した筆致で描いたハードボイルドミステリー。 『白色人間』1、2巻 キム・ソンジョン、2008年4月 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8972655562 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8972655570 ハードボイルド。 ■イ・ウン(李垠) 「アジア本格リーグ」で美術ミステリ『美術館の鼠』が刊行されている。 『喜劇は終わった』イ・ウン(李垠)、2008年6月 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8925520303 見知らぬ相手から携帯メールで死を予告されたコメディアンの恐怖を描く作品。(『美術館の鼠』解説より) ■その他 『22日』チェ・ソングン、2008年8月 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8901086360 ソウルでおこった奇怪な乳児連続殺害事件。事件は22日ごとに発生する。犠牲者と火事で消えた孤児院との関係。映画化予定。 『最後のハッカー The Last Hacker』ファン・ユソク、2008年8月 (再刊書?1998年の作品) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8977151961 心臓まひ、交通事故など、相次いで死んだ5人のハッカー。 『秦始皇帝プロジェクト』ユ・グァンス、2008年3月 (第1回大韓民国ニューウェイブ文学賞) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=893492876X 現代のニューヨーク・タイムズスクウェアが舞台。映画化予定。 『ガリレイ殺し』上下巻 クォン・スンギュ、2008年7月、8月 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8996139319 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8996139327 アポロ11号の月着陸が虚偽だったという説と、911テロはアメリカの自作自演だったという説が出回る中、真実を隠蔽しようとするものとこれを暴こうとする者の息詰まる攻防! 『The Beast』 1、2巻 ハン・ヨンウ、2008年8月 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8992723342 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8992723350 ハードボイルドの新基準!インターネット創作サイトでヒット数25万 『THE TIGER』ファン・ギュヨン、2008年7月 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8993021392 世界最高のエージェント「レッドタイガー」。現代を舞台にした諜報アクション。 『終わりそして始まり』キム・ミョンジョ、2008年8月 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=8983922850 韓国のジョン・グリシャム。南北関係+法廷スリラー+諜報もの。 『見えない帝国』ユン・サンイル、2008年7月 http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=899099473X 表紙を見るとフリーメイソン関係? 世界支配をもくろむ金融財閥と、法律事務所の戦い。 この人も韓国のジョン・グリシャムというキャッチコピーが付いている。 現在までに邦訳されている、現代を舞台にした韓国ミステリ長編には以下のようなものがあります。 『ソウル 逃亡の果てに』 金聖鍾(キム・ソンジョン) 2005年4月 新風舎文庫 『最後の証人』(上下巻) 金聖鍾(キム・ソンジョン) 2009年2月 論創社 『美術館の鼠』 李垠(イ・ウン) 2009年11月 講談社 アジア本格リーグ 「アジア本格リーグ」の1冊として刊行された『美術館の鼠』は、韓国の美術界を舞台に、謎の自殺や失踪事件と絵画の贋作事件がからむミステリー。アジア「本格」リーグと銘打たれてはいるものの、本格ミステリという訳ではなかったように思います。ハリウッドで映画化が進行中。原書刊行は2007年。 キム・ソンジョンの2作品は未読。『最後の証人』は50編近くあるキム・ソンジョンの長編小説の第1作目で、原書は1977年刊行。『ソウル 逃亡の果てに』は1996年の作品。キム・ソンジョンは韓国の松本清張と呼ばれることもあるそうで、この2作品も社会的な問題をからめたミステリー。『最後の証人』の方は、1980年に映画化されている。 2008年の作品を見てみると、『22日』なんかが気になりますが、どうも謎解きメインの自分好みの作品はなさそうで残念。 残り12。 次回は歴史ミステリ編。 韓国ミステリ紹介 目次へ
https://w.atwiki.jp/wrtb/pages/3748.html
ターザン・ツリーハウス アトラクション:Tarzan's Treehouse 映画『ターザン』の世界をモチーフにしたウォークスルータイプのアトラクション。 ディズニーランド オープン:1999年6月13日 所属:アドベンチャーランド 「スイスファミリー・ツリーハウス」(1962年~1999年)のクローズに伴い、当時劇場公開が控えていた『ターザン』仕様にリニューアルされた。順路に沿って進むと、『ターザン』の物語を理解できるような作りになっている。 人工の木がリニューアルされ、高さは70フィート、重さは150トン、葉は6,000枚にも及ぶ。 キャラクター ターザン ジェーン・ポーター カーラ サボー 香港ディズニーランド*
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/123.html
2011年5月1日 2011年5月6日 ペルシア語圏について追加 大きな地図で見る 日本のミステリは西アジアでも刊行されている。 このページでは、国際交流基金が作成している「日本文学翻訳書誌」を基礎資料として、それに独自に調査した分を加え、西アジアの言語に翻訳された日本のミステリをまとめている。なお、「日本文学翻訳書誌」では現地での刊行タイトルはすべてラテン文字に転写され、アルファベットにつける特殊記号も削除されているが、このページでは現地の表記に戻している。 ※トルコ語に含まれる特殊なアルファベットおよび、アルメニア文字、グルジア文字、アラビア文字、ペルシア文字を使用しています。携帯電話等では表示されません。 Index トルコ鈴木光司 アゼルバイジャン アルメニア松本清張 グルジア松本清張 アラビア語 ヘブライ語 ペルシア語 リンク 「★追加」と注記した書籍は、国際交流基金のデータに掲載されていないものである。 トルコ トルコ語:話者数 約8300万人 鈴木光司 Halka / 『リング』 Sarmal / 『らせん』 Düğüm / 『ループ』 Doğum Günü / 『バースデイ』 4冊とも、2008年、トルコ・イスタンブールの出版社「Doğan Kitap」から刊行。著者名の現地表記は「Koci Suzuki」。翻訳者はHüseyin Can Erkin氏。 「Doğan Kitap」のサイトに掲載されている鈴木光司のプロフィール トルコのミステリが邦訳されているかは分からないが、トルコのノーベル賞作家オルハン・パムクの『わたしの名は紅(あか)』(邦訳刊行2004年)はミステリとして読める作品である。トルコ語版Wikipediaを見ると、「カテゴリ:推理作家」( Kategori Polisiye yazarları )には英米の推理作家コナン・ドイル、アガサ・クリスティ、レイモンド・チャンドラー、ダシール・ハメット、パトリシア・ハイスミス、ミネット・ウォルターズ、アレグザンダー・マコール・スミス、ローレンス・ブロック、ドナ・レオン、ヴァル・マクダーミド、英語で執筆しフランスで作品を発表していたチェスター・ハイムズ、フランスのブリジット・オベール、レオ・マレ、フランス語で書くベルギーの作家ジョルジュ・シムノンと並んで、Ahmet Ümit(1960年生まれ)、Celil Oker(1952年生まれ)という2人のトルコの推理作家の記事がある。 Ahmet Ümit(アフメト・ユミット?)は1996年にギリシャで刊行したトルコ語の推理小説『霧と夜』が代表作で、これはトルコ語で執筆されたサスペンスとしては初めて諸外国語に翻訳された作品らしい。ドイツ語には『霧と夜』ほか数作品が翻訳されている(『霧と夜』のドイツ語版はスイスで刊行、ドイツ語では『夜と霧』【書影右側】)。また、『Masal Masal İçinde』(物語は物語の中に)は韓国語版が刊行されている。ほかにスペイン語に翻訳されている作品もある。Celil Oker(ジェリル・オケル?)は1999年にデビューした推理作家で、長編4作品がドイツ語に翻訳されスイスで刊行されている(【書影左側】は、ドイツ語版『ボスポラスの雪』)。 ほかに、著作が英語やドイツ語、フランス語に翻訳されているトルコの推理作家に、メフメット・ムラート・ソマー( Mehmet Murat Somer )がいる。この作家については、catalystさん( @biotit )が英語で著作を読んで、こちらのページ(→リンク)で詳しく紹介している。この作家は、ウォール・ストリート・ジャーナル2010年7月5日の記事「米ミステリー界へ海外から新たな旋風」(日本語)で、東野圭吾や吉田修一らとともに取り上げられている。 また、トルコに出自を持つ推理作家に、現在はドイツに居住しドイツ語で執筆しているアキフ・ピリンチがいる。『猫たちの聖夜』とその続編の『猫たちの森』が邦訳されている。 アゼルバイジャン アゼルバイジャン語:話者数 約3000万人 アゼルバイジャン語はトルコ語と同系統の言語で、相互の理解度がかなり高い。国際交流基金のデータでは、日本のミステリのアゼルバイジャン語への翻訳はない。日本文学全体では、児童文学作家の松谷みよ子の『龍の子太郎』と、遠藤周作の『海と毒薬』がアゼルバイジャン語に翻訳されている。 (蛇足だが、アゼルバイジャン語ではアーサー・コナン・ドイルを「Artur Konan Doyl」(アルトゥール・コナン・ドイル)、アガサ・クリスティを「Aqata Kristi」(アガタ・クリスティ)と、ラテン文字圏であるにもかかわらず異なる綴りで書いているのが面白い。2人の名前はロシアではこのように発音されるが、アゼルバイジャン語も1990年代初めまではロシアの文字で表記されていたので、その影響でこうなっているのだろう。) アルメニア アルメニア語:話者数 約700万人 松本清張 Ստորջրյա հոսանք (1968年刊行)書影 / 『深層海流』 (著者名表記: Մացումոտո, Սեյտյո )(マツモト・セイティオ) Կետեր և գծեր (1973年刊行)/ 『点と線』 (著者名表記: Մացումոտո, Սեիտե )(マツモト・セイテ) Երկիր անապատ (2010年刊行)書影、書影 / 『球形の荒野』か? (著者名表記: Մացումոտո Ս. )(マツモト S.) (★追加) 『深層海流』は1965年にロシア語版が出ているので、アルメニア語版はおそらくその重訳だろう。『点と線』もロシア語訳があるが、ロシア語訳の刊行が1973年よりも早かったかどうかは分からない。『球形の荒野』は、1979年にロシア語訳が出ている。 『点と線』のデータは現地のネット書店等では見つからなかったが、中西印刷株式会社の中西亮氏が世界各地で集めた文字資料を国立民族学博物館がデータベース化した「中西コレクションデータベース」で書影を見ることができる。 →中西コレクション アルメニア文字資料一覧 (蛇足 アルメニア語版『点と線』やグルジア語版『黒い福音』の著者名が「マツモト・セイテ」となっているのは、松本清張のロシア語表記「Мацумото, Сэйтё」(マツモト・セイチョー)の最後の文字「ё」を「е」に置き換えてそれぞれの文字に転写したからだと思われる) アルメニア語で書かれたミステリの話題は目にしたことがない。アルメニア語版Wikipediaの検索窓で「 Դետեկտիվ ժանրի գրողներ 」(推理作家)を検索してみると、コナン・ドイル、アガサ・クリスティ、ガストン・ルルーが引っかかったが、アルメニアの推理作家の記事は見当たらない。 グルジア グルジア語:話者数 約600万人 松本清張 შავი სახარება (1975年刊行?)(国際交流基金のデータでは1972年)/ 『黒い福音』(著者名表記: მაცუმოტო, სეიტე )(マツモト・セイテ) 『黒い福音』はロシア語に翻訳されているので、おそらくその重訳だろう。この作品はほかにリトアニア語版も出ている(これもロシア語からの重訳だと推定される)。 『点と線』はグルジア語では「 წერტილები და ხაზები 」と書くようで、グルジアのミステリ関連の掲示板でタイトルが挙げられているのを見たが、グルジア語に翻訳されているのかは分からない。 グルジア語で書かれたミステリの話題は目にしたことがない。グルジア語のWikipediaを見ると、「カテゴリ:推理作家」( კატეგორია დეტექტიური ჟანრის მწერლები )には英米の推理作家コナン・ドイル、アガサ・クリスティ、ジョン・ディクスン・カー、ダシール・ハメット、ロス・マクドナルド、ディック・フランシス、チャールズ・パーシー・スノー、ヒュー・ペンティコースト、ハドリー・チェイス、ジョー・ゴアズ、シドニー・シェルダン、レイ・ブラッドベリや、ロシア語で書くグルジア出身の推理作家ボリス・アクーニン、フランス語で書くベルギーの推理作家ジョルジュ・シムノンの記事があるが、グルジアの推理作家の記事は見当たらない。 アラビア語 アラビア語:世界に約2億8000万人の母語話者 国際交流基金のデータでは、日本のミステリのアラビア語への翻訳はない。日本文学全体を見ると、クウェートやイラク、シリア、レバノン、アラブ首長国連邦、オマーン、エジプトで、夏目漱石や三島由紀夫など、日本の代表的な小説家の作品の翻訳が出ている。 ちなみに、アラビア語版Wikipediaの「推理小説」を機械翻訳で見ていたら、いまいち文意は不明だが、少年向け作品の節で『名探偵コナン』やその作者青山剛昌の名前が書かれていて、こんなところまで江戸川コナンの名声は届いているのか……と驚いた。(アラビア語版Wikipediaの「名探偵コナン」の記事も詳しくて驚く。作者の「青山剛昌」の記事もある) アラビア語で書かれたミステリの邦訳があるという話は聞いたことがない。Abdelilah Hamdouchiという人が書いたミステリの英訳版『The Final Bet』の紹介文に、「Abdelilah Hamdouchiは、アラビア語で推理小説を書く最初の作家たちの一人だ」と書かれている。調べてみると、この作品のアラビア語の原著『al-Rihan al-akhir』(الرهان الأخير)(原綴りはラテン文字転写からの推定)が刊行されたのが2001年のようなので、アラビア語でミステリが書かれるということ自体が今まであまりなかったのだろう(といっても、英語圏で日本のミステリ作家がほとんど知られていないのと同じように、アラビア語圏のミステリ作家も実際にはいるが英語圏で知られていないだけかもしれない)。Abdelilah Hamdouchiはモロッコのシナリオライターで、この『The Final Bet』もテレビドラマ用に書かれたものだとのこと(『The Final Bet』の著者紹介)。 ヘブライ語 イスラエルの人口約720万人のうち、約520万人がヘブライ語母語話者 国際交流基金のデータでは、日本のミステリのヘブライ語への翻訳はない。日本文学全体を見ると、村上春樹や夏目漱石の作品のほか、『源氏物語』などがヘブライ語に翻訳されている。 ヘブライ語から(直接・間接問わず)日本語に訳されたミステリは、バチヤ・グール『精神分析ゲーム』(イーストプレス、1994年)、『教授たちの殺人ゲーム』(イーストプレス、1996年)、シュラミット・ラピッド『「地の塩」殺人事件』(マガジンハウス、1997年)などがある。 ペルシア語 イランを中心に、約7000万人の母語話者 国際交流基金のデータでは、日本のミステリのペルシア語への翻訳はない(日本文学のペルシア語への翻訳自体が、1件も登録されていない)。 ペルシア語で書かれたミステリ、またはイランで出版されたミステリの話題は、いずれにしろ目にしたことがない。フランスに Naïri Nahapétian というミステリ作家がいて、この人はこちらのインタビュー記事で、イラン出身でイランを舞台にして推理小説を書く初めての作家だと紹介されている。ただ、彼女はイランのアルメニア系の家族に生まれ、幼少期からはフランスで暮らしているようで、執筆言語はペルシア語ではなくフランス語だし、イランの推理作家とも言い難い。彼女のデビュー作『Qui a tué l'ayatollah Kanuni?』(2009)は、オランダ語(Achter gesloten deuren)やスウェーデン語(Vem dödade ayatolla Kanuni?)に翻訳されている。 探偵作家クラブ(現・日本推理作家協会)会報第73号(1953年6月)に「インドとイランの状況報告」という記事が載っている。この記事では、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)会報の1953年3月号にイランの探偵小説事情が報告されているとして、その内容を伝えている。それによれば、テヘラン滞在中のMWA会員が、イランのある地方雑誌にパトリック・クェンティンの作品のペルシア語訳が掲載されているのを発見したのだという。この会員もペルシア語は読めず、それ以上のことは不明とされている。 おそらくペルシア語版Wikipediaのこのページ「رده جنایینویسان」が「カテゴリ:推理作家」だと思うが、ここにある記事はコナン・ドイルとアガサ・クリスティの記事のみである。 リンク 邊見由起子「エジプトとトルコの出版事情―出張報告」(国立国会図書館 アジア情報室通報 第5巻第2号(2007年6月) 「日本ミステリの海外刊行」に戻る
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/128.html
2012年5月12日 関連ページ:「オランダ推理小説略史/日蘭ミステリ交流史」(2012年5月12日)も合わせてお読みください。 オランダ語に翻訳された日本のミステリ小説の一覧。ミステリを中心として、周辺のエンターテインメント作品についても調べている。 調査方法 最初はオランダのネット書店で、オランダ語に翻訳されていそうな(≒ほかの欧米の言語に翻訳されている)作家の名前を入力・検索して調べたのだが、その後、以下のサイトで「Japan」と入力して検索するだけでオランダ語に翻訳された日本のミステリ一覧が簡単に入手できることが分かった。 VN Detective en Thrillergids このサイトには日本ミステリのオランダ語訳を調べている過程でたまたまたどり着いたのだが、『ミステリマガジン』2009年1月号(世界のミステリ雑誌特集号)で翻訳家の塩崎香織氏がこのサイトを紹介していることにあとから気が付いた。それによれば、オランダのニュース週刊誌『Vrij Nederland』(VN)は年に一度、一年間に出版されたミステリの目録と作品レビューを載せた『VN Detective Thrillergids』(VN推理小説・スリラーガイド、以下、VNDT)を付録につけている。上でリンクを貼ったサイトは、このVNDTのWebサイト版である。この付録がつきはじめたのは30年ほど前からだそうだが、Webサイト版にはそれ以前の出版情報も登録されているようである。 VNDTで「Japan」と入力して検索してみると、江戸川乱歩、桐野夏生、高木彬光、戸川昌子、松本清張、宮部みゆきの作品がオランダ語に翻訳されていることが分かる。このうち高木彬光については、オランダのネット書店を検索した際には発見できなかったのでありがたい。なお、ネット書店で検索した際に、鈴木光司の作品がオランダ語に翻訳されていることが分かっていたが、VNDTには鈴木光司の書籍のデータは登録されていない。日本では鈴木光司の『リング』や『らせん』は『このミステリーがすごい!』や「週刊文春ミステリーベスト10」のランキングにも入っており、ミステリを中心とするエンターテインメントに含まれるとも考えられるが、オランダの「推理小説・スリラー」の枠には入ってこないようだ。また、今月(2012年5月)刊行予定の東野圭吾『容疑者Xの献身』のオランダ語版のデータも、当然ながらまだVNDTには登録されていない。 なおVNDTのデータはオランダでの出版年、出版社などのデータが示されていないことも多い。以下の書誌データは、オランダ王立図書館、WorldCat、およびオランダのオンライン書店bol.comのデータに基づくものである。 Index 著者名50音順江戸川乱歩 (Edogawa Rampo) 桐野夏生 (Natsuo Kirino) 鈴木光司 (Koji Suzuki) 高木彬光 (Akimitsu Takagi) 戸川昌子 (Masako Togawa) 東野圭吾 (Keigo Higashino) 松本清張 (Seicho Matsumoto) 宮部みゆき (Miyuki Miyabe) アンソロジー 著者名50音順 江戸川乱歩 (Edogawa Rampo) Griezelverhalen uit Japan / (江戸川乱歩短編集) 1961年刊 ディック・ブルーナデザインの表紙(VNDTより) ISBN 9022904377、1981年刊 ※表紙は2008(2011?)年版と同じ ISBN 9044930753、2008年(WorldCat)または2011年(ネット書店)刊 表紙 収録作De menselijke stoel (人間椅子) De psychologische test (心理試験) De rups (芋虫) De rots (断崖) De hel der spiegels (鏡地獄) De tweelingen (双生児) De rode kamer (赤い部屋) Twee verminkte mannen (二癈人) De reiziger met het bonte schilderij (押絵と旅する男) ブルーナ社より1961年刊行。その後、同出版社より何度か再刊されているようである。収録作は1956年出版の江戸川乱歩英訳短編集『Japanese Tales of Mystery Imagination』と同じ。オランダ語版の表題は、Google翻訳で英語に訳すと"Horror Stories from Japan"となった。編訳者は「オランダ推理小説略史/日蘭ミステリ交流史」で紹介したオランダのミステリ作家のハファンク。おそらく、英訳版からの重訳だろう。 なお、ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンクが編んだアンソロジーにも乱歩の短編が収録されている。当リスト末尾の「アンソロジー」も参照のこと。 De hel van de spiegels / 鏡地獄 (『Een Oosterse huivering』に収録、ブルーナ社、1980年) De rode kamer / 赤い部屋 (『Brief uit het dodenrijk』に収録、Loeb社、1983年) 桐野夏生 (Natsuo Kirino) (オランダ語版Wikipedia) De nachtploeg / 『OUT』(1997) ISBN 9024553520 (Sijthoff、2005年2月) ISBN 902100531X (Poema Pocket、2008年7月) ISBN 9021008475 (Poema Pocket、2009年5月) Grotesk / 『グロテスク』(2003) ISBN 9021800268 (Sijthoff、2007年5月) ISBN 9021007967 (Poema Pocket、2009年3月) Echte wereld / 『リアルワールド』(2003) ISBN 9021802465 (Sijthoff、2009年4月) ISBN 902107110X (Poema Pocket、2010年10月) この3作品は英訳も出ている。VNDTによれば『OUT』は英訳版からの重訳。ほかの2冊もおそらく同じだろう。辛口で知られるVNDTの五段階評価では『OUT』から順に四つ星、二つ星、三つ星の評価を受けている。 鈴木光司 (Koji Suzuki) Ring / 『リング』(1991) ISBN 9022989208 (ブルーナ社、2005年3月) 電子書籍版もあり Spiraal / 『らせん』(1995) ISBN 9022991385 (ブルーナ社、2005年11月) 電子書籍版もあり Dark water / 『仄暗い水の底から』(1996) ISBN 9022991113 (ブルーナ社、2005年8月) 電子書籍版もあり 3冊とも英訳版からの重訳。『リング』『らせん』『ループ』は三部作だが、『ループ』のオランダ語訳は出ていないようだ。 高木彬光 (Akimitsu Takagi) De zaak Segawa / 『密告者』(1965) ISBN 9027436878 (Het Spectrum社 《Prisma-detective》269、1973年) 表紙(VNDTより) Rouw voor de bruid / 『ゼロの蜜月』(1965) ISBN 9027436908 (Het Spectrum社 《Prisma-detective》272、1974年) 表紙(VNDTより) この2作品は英訳も出ている。『密告者』は英訳版からの重訳。『ゼロの蜜月』もおそらく同じだろう。Het Spectrum社のミステリ叢書《Prisma-detective》の刊行作品一覧(全576巻?)はこちらで見られる。 戸川昌子 (Masako Togawa) De ladykiller / 『猟人日記』(1963) ISBN 9062912753 (BZZTôH、1987年) 表紙(VNDTより) 英訳版からの重訳。その後何度か再刊されているようだが、詳細不明。VNDTで見られるこの表紙は1989年のHema社版(ISBN 9069761637)だろうか。なおどちらの表紙にも、下の方に「日本のパトリシア・ハイスミス」と書いてあるのが見える。 なお、ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンクが編んだアンソロジーにも戸川昌子の短編が収録されている。当リスト末尾の「アンソロジー」も参照のこと。 De vampier (『Een Oosterse huivering』に収録、ブルーナ社、1980年) おそらくは、1978年刊行の日本ミステリ英訳短編集『Ellery Queen s Japanese Golden Dozen』に収録の「黄色い吸血鬼」(The Vampire)をオランダ語に重訳したものだろう。 東野圭吾 (Keigo Higashino) De fatale toewijding van verdachte X / 『容疑者Xの献身』(2005) ISBN 9044521128 (Geus De、2012年5月) 『容疑者Xの献身』はいわずと知れた、本格ミステリ大賞と直木賞を受賞し、『このミステリーがすごい!』、『本格ミステリ・ベスト10』、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位となり、アメリカ図書館協会により年間ベストミステリに選出され、アメリカのエドガー賞最優秀長編賞およびバリー賞最優秀新人賞にノミネートされた作品である(バリー賞の受賞作は2012年10月に確定)。2012年5月までに、韓国語、中国語、タイ語、ロシア語、ベトナム語、英語、カタルーニャ語、スペイン語、フランス語に翻訳されている(ほぼ出版順に並べた)。オランダ語版は2012年5月刊行予定。『容疑者Xの献身』の海外出版状況およびアジアと欧米での東野圭吾の受容については以前に「こちら」でまとめた。 松本清張 (Seicho Matsumoto) De Amsterdamse koffermoord en andere verhalen / 中短編集『アムステルダム運河殺人事件(and other stories)』 ISBN 9029530464 (Arbeiderspers、1979年) 表紙(VNDTより) 収録作中編「アムステルダム運河殺人事件」(De Amsterdamse koffermoord) 短編「顔」(Het gezicht) 短編「地方紙を買う女」(Het opgezegde abonnement) 短編「巻頭句の女」(De haiku dichteres) 【収録作は、ブログ「浩寧の事件簿」のホーリンさん(twitter)に教えてもらいました。感謝。/2013年4月17日 記】 「アムステルダム運河殺人事件」(1969)はオランダが舞台になっている作品。英訳はないので、日本語から直接訳したのだろう。訳者はM. Vos-Kobayashi。日本で刊行されている作品集『アムステルダム運河殺人事件』は「アムステルダム運河殺人事件」と「セント・アンドリュースの事件」の2編が収録されているが、オランダでは後者は翻訳されていないようだ。 なお、ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンクが編んだアンソロジーにも松本清張の短編が収録されている。当リスト末尾の「アンソロジー」も参照のこと。 De behulpzame verdachte (『Een Oosterse huivering』に収録、ブルーナ社、1980年) おそらくは、1978年刊行の日本ミステリ英訳短編集『Ellery Queen s Japanese Golden Dozen』に収録の「奇妙な被告」(The Cooperative Defendant)をオランダ語に重訳したものだろう。 宮部みゆき (Miyuki Miyabe) Dubbelrol / 『火車』(1992) ISBN 9029055405 (Meulenhoff-M、1997年) 英訳版からの重訳。VNDTの五段階評価では四つ星の評価を受けた。 アンソロジー 邦題は推定である。 Een Oosterse huivering (ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンク編、ブルーナ社、1980年、表紙[VNDTより]) 谷崎潤一郎 De tatoeeerder 「刺青」の抄訳か? 谷崎潤一郎 Verschrikking 魯迅 Dagboek van een gek 「狂人日記」の抄訳か? 戸川昌子 De vampier 「黄色い吸血鬼」 クシュワント・シン Daulat Ram sterft 松本清張 De behulpzame verdachte 「奇妙な被告」 馮夢竜 De kanari moorden ロバート・ファン・ヒューリック Vier vingers 江戸川乱歩 De hel van de spiegels 「鏡地獄」 芥川龍之介 De folteringen van de hel 「地獄変」 蒲松齢 De herberg in Ts ai-tiyen ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンク Spelevaren ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンク Een kleine vergissing 表題は「東洋のホラー」(機械翻訳)。戸川昌子「黄色い吸血鬼」と松本清張「奇妙な被告」は1978年刊行の日本ミステリ英訳短編集『Ellery Queen s Japanese Golden Dozen』に収録されている。クシュワント・シン(Khushwant Singh)はクシワント・シンとも表記される。 Brief uit het dodenrijk(死者の便り) (ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンク編、Loeb社、1983年、表紙[VNDTより]) 上田秋成(Oeda Akinari) De raad van de kookketel 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン) Twee legenden 谷崎潤一郎(Junichiro Tanizaki) De dief 芥川龍之介(Ryonosuke Akutagawa) In het struikgewas 「藪の中」 江戸川乱歩(Edogawa Rampo) De rode kamer 「赤い部屋」 ロバート・ファン・ヒューリック Moord op oudejaarsavond 三島由紀夫(Yoekio Mishima) Dood in midzomer 「真夏の死」 西村京太郎(Kiotaro Nishimoera) De vriendelijke afzetter 「優しい脅迫者」 三好徹(Tohroe Miyoshi) Brief uit het dodenrijk 「死者の便り」 筒井康隆(Yasoetaka Tsoetsoei) Hele aardige dames 「如菩薩団」 草野唯雄(Tadao Sohno) Het herstelde hoofd 「復顔」 ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンク Het flaporen dossier ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンク De nieuwe leerling 三好徹の「死者の便り」が表題になっている。このアンソロジーでは日本人の名前の綴りが特殊なのでそれも示した。 西村京太郎「優しい脅迫者」、三好徹「死者の便り」、筒井康隆「如菩薩団」、草野唯雄「復顔」は1978年刊行の日本ミステリ英訳短編集『Ellery Queen s Japanese Golden Dozen』に収録されている。 「日本ミステリの海外刊行」に戻る 関連ページ:「オランダ推理小説略史/日蘭ミステリ交流史」(2012年5月12日)
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/258.html
2018年12月11日 リスト作成/松川良宏 『このミス』創刊号から2018年版(2017年12月発行)の30年分のベスト10作品(=約300タイトル)のうち、英訳があるのは28タイトル、仏訳が24タイトル、独訳が14タイトル(近刊予定の独訳版『赤朽葉家の伝説』を含む)である。 順位 著者 タイトル 英題 英訳出版年 仏訳 独訳 ’88 4位 佐々木譲 ベルリン飛行指令 Zero Over Berlin 2004年 ’91年版 1位 大沢在昌 新宿鮫 Shinjuku Shark 2008年 ○ 9位 宮部みゆき 魔術はささやく The Devil's Whisper 2007年 ○ ’92年版 2位 大沢在昌 毒猿 新宿鮫II The Poison Ape 2008年 ○ 4位 宮部みゆき 龍は眠る The Sleeping Dragon 2010年 ’93年版 2位 宮部みゆき 火車 All She Was Worth 1997年 ○ ○ ’95年版 7位 京極夏彦 姑獲鳥の夏 The Summer of the Ubume 2009年 ’96年版 10位 瀬名秀明 パラサイト・イヴ Parasite Eve 2005年 ’98年版 1位 桐野夏生 OUT Out 2003年 ○ ○ ’99年版 9位 東野圭吾 秘密 Naoko 2004年 ’00年版 2位 東野圭吾 白夜行 Under the Midnight Sun *注1 2015年 ○ ○ 4位 高見広春 バトル・ロワイアル Battle Royale 2003年 ○ ○ ’01年版 6位 船戸与一 虹の谷の五月 May in the Valley of the Rainbow 2006年 ’02年版 1位 宮部みゆき 模倣犯 Puppet Master *注2 2014-16年 ’03年版 2位 乙一 GOTH Goth 2008年 ’04年版 5位 桐野夏生 グロテスク Grotesque 2007年 ○ ○ 7位 横山秀夫 クライマーズ・ハイ Seventeen 2018年 ’05年版 10位 芦辺拓 紅楼夢の殺人 Murder in the Red Chamber 2012年 ’06年版 1位 東野圭吾 容疑者Xの献身 The Devotion of Suspect X 2011年 ○ ○ 7位 古川日出男 ベルカ、吠えないのか? Belka, Why Don't You Bark? 2012年 ○ ’08年版 2位 桜庭一樹 赤朽葉家の伝説 Red Girls 2015年 ○ ○ ’09年版 1位 伊坂幸太郎 ゴールデンスランバー Remote Control 2010年 4位 湊かなえ 告白 Confessions 2014年 ○ ○ ’10年版 1位 東野圭吾 新参者 Newcomer 2018年 3位 綾辻行人 Another Another 2013年 ○ ’12年版 1位 高野和明 ジェノサイド Genocide of One *注3 2014年 ○ ○ 5位 沼田まほかる ユリゴコロ Nan-Core 2015年 ’13年版 1位 横山秀夫 64〈ロクヨン〉 Six Four 2016年 ○ ○ 注1:アメリカ版のタイトル。イギリス版は Journey Under the Midnight Sun 。 注2:電子版のみでの出版。2014年12月から2016年6月にかけて5分冊で出版された。 注3:米英版のどちらも当初はこのタイトルで刊行されたが、イギリス版のみ2016年に Extinction に改題。 ※リスト中の「英訳出版年」は多少の誤差がある場合がある。追って調査予定。 【英訳状況・補足】 下記の短編集は表題作のみ英訳されている。 2001年版2位 横山秀夫『動機』(米国『エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン』2008年5月号) 2003年版6位 光原百合『十八の夏』(米国『エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン』2004年12月号) 2007年版1位 平山夢明『独白するユニバーサル横メルカトル』(アンソロジー『HANZAI JAPAN』、2015年) 仏訳あり(英訳・独訳なし) 1988年 2位 原尞 『そして夜は甦る』 Nuit sur la ville 1994年版 1位 高村薫 『マークスの山』 Montagne claire, montagne obscure 1997年版 6位 浅田次郎 『蒼穹の昴』 Le roman de la Cité interdite 2000年版 5位 桐野夏生 『柔らかな頬』 Disparitions 2004年版 3位 伊坂幸太郎 『重力ピエロ』 Pierrot-la-gravité 2007年版 5位 乙一 『銃とチョコレート』 Un flingue et du chocolat 2007年版 9位 東野圭吾 『赤い指』 Les doigts rouges 2013年版 6位 原田マハ 『楽園のカンヴァス』 La toile du paradis 2014年版 4位 小林泰三 『アリス殺し』 Le meurtre d'Alice 2016年版 3位 柚月裕子 『孤狼の血』 Le loup d'Hiroshima 仏訳・独訳あり(英訳なし) 2002年版8位 高野和明『13階段』 独訳あり(英訳・仏訳なし) 1996年版6位 藤原伊織『テロリストのパラソル』 更新履歴 2018年12月11日公開。なお、5年前(2013年11月)に「翻訳ミステリー大賞シンジケート」に寄稿した記事「日本のミステリー小説の英訳状況」でも、同じようなリストを示しています。
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/69.html
2010年4月17日 最終更新:2011年11月20日 どこかの出版社で邦訳してくれないかなあと個人的に思っている作品のタイトルをただ並べていくページ。 (書評などを参考にしているものの、台湾・中国ミステリと違って完全に未読なので、絶対に面白い作品だとは断言できないのですが……) 1.韓国の最新の本格ミステリ小説 韓国の最新の本格ミステリ小説を挙げる。ハン・ドンジンとト・ジンギの作品は韓国のミステリファンの交流サイトなどで高い評価を受けている。ソン・ソニョンは今年長編デビューした作家で、やはりネット上の書評などで高い評価を受けている。 (1)《京城(けいじょう)探偵録》シリーズ - ハン・ドンジン(韓東珍) ネット書店アラジン:『京城探偵録』(2009年1月) ネット書店アラジン:『血の絆 京城探偵録2』(2011年10月) 1作目の内容紹介ページを作りました → 「1930年代の朝鮮京城を舞台にしたシャーロック・ホームズパスティーシュ『京城探偵録』」 (2)《闇の弁護士》シリーズ - ト・ジンギ(都振棋) ネット書店アラジン:『赤い家の殺人』(2010年9月) ネット書店アラジン:『椿姫(ラ・トラヴィアータ)の肖像』(2010年9月) ネット書店アラジン:『精神自殺』(2011年7月) 作者のト・ジンギは現役裁判官のミステリ作家で、これが長編デビュー作。2011年6月現在、43歳か44歳。 ト・ジンギが長編2作同時刊行でデビューすると、ついに韓国にも島田荘司や綾辻行人に比肩しうる本格ミステリ作家が現れたと話題になった。『赤い家の殺人』と『椿姫(ラ・トラヴィアータ)の肖像』は「闇の弁護士」シリーズの1作目と2作目であり、2011年7月には早くもシリーズ3作目の長編『精神自殺』が刊行された。 ト・ジンギは好きな作家に江戸川乱歩、島田荘司、東野圭吾らを挙げている。もともとミステリ好きだったが、2009年になってから通勤時間を利用して半年ほどで日本のものを中心に新たにミステリを100冊以上読破。2009年11月、創作を開始。2010年6月、短編「選択」が韓国推理作家協会主催の公募新人賞「季刊ミステリ新人賞」を受賞し、『季刊ミステリ』2010年夏号に掲載される。その3ヶ月後、長編2作を同時刊行し劇的なデビューをかざった。 (3)『合作 ――殺人のための殺人』、『死してこそ生きる男』 - ソン・ソニョン ネット書店アラジン:『合作 ――殺人のための殺人』(2011年4月) ネット書店アラジン:『死してこそ生きる男』(2011年10月) 『合作 ――殺人のための殺人』は、石垣島で死体が発見され日本と韓国の刑事が合同で捜査をするという作品。読者に正々堂々と対決を挑む本格ミステリ作品。 『死してこそ生きる男』は、濡れ衣を着せられた主人公とそれを追う刑事などをめぐるサスペンス小説。 作者のソン・ソニョンは1974年生まれ。2008年に短編「ツバメの巣城殺人事件」で韓国推理作家協会主催の公募新人賞「季刊ミステリ新人賞」を受賞してデビューした。その後は韓国推理作家協会のアンソロジーなどで「誰がわたしのラーメンを食べたんだ?」など日常の謎ミステリを中心に短編を発表。2011年、初の長編作品『合作 ――殺人のための殺人』を上梓した。 2.アンソロジー (1)『今年の推理小説』(韓国推理作家協会編) ネット書店アラジン:『今年の推理小説 2009年版』(2009年7月) ネット書店アラジン:『今年の推理小説 2010年版』(2010年7月) ネット書店アラジン:『今年の推理小説 2011年版』(2011年8月) 韓国推理作家協会(1983年設立)が毎年夏に編んでいるアンソロジー。日本では10年以上前の1998年版が『コリアン・ミステリ 韓国推理小説傑作選』(バベル・プレス、2002年)として刊行されているのみ。そろそろ、新たな邦訳がほしい。 (2)『韓国推理サスペンス短編選』(2008年~) ネット書店アラジン:『韓国推理サスペンス短編選』(2008年5月) ネット書店アラジン:『韓国推理サスペンス短編選2』(2009年7月) ネット書店アラジン:『韓国推理サスペンス短編選3』(2010年10月) 韓国推理小説100周年(イ・ヘジョ(李海朝)『双玉笛(そうぎょくてき)』から100年)を記念して刊行された新世代作家10人のアンソロジー。原題は「推理スリラー」となっているが、ここでの「スリラー」は日本でいえば「サスペンス」ぐらいの意味のようなのでそう訳した。『韓国推理スリラー短編選』としてもいいかもしれない。 密室ものや日常の謎作品もあるとのこと。第1巻は、第1回ブロガー大賞国内文学部門第5位。 (3)『12人12色 韓国若手作家の推理短編集』 ネット書店アラジン:『12人12色 韓国若手作家の推理短編集』(2009年7月) 季刊ミステリ新人賞受賞者など、韓国の若手作家12人が作品を寄せている。 関連記事 韓国ミステリ 読書案内 このアジアミステリを邦訳してほしい! 台湾ミステリ編 中国ミステリ編 韓国ミステリ紹介 目次へ