約 905,877 件
https://w.atwiki.jp/sheryl/pages/188.html
BS-11 マクロスF 第25話 2009-09-19(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第24話 2009-09-12(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第23話 2009-09-05(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第22話 2009-08-29(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第21話 2009-08-22(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第20話 2009-08-15(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第19話 2009-08-08(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第18話 2009-08-01(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第17話 2009-07-25(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第16話 2009-07-18(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第15話 2009-07-11(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第14話 2009-07-04(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第13話 2009-06-27(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第12話 2009-06-20(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第11話 2009-06-13(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第10話 2009-06-06(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第09話 2009-05-30(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第08話 2009-05-23(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第07話 2009-05-16(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第06話 2009-05-09(土) 23 30 BS-11 マクロスF 第05話 2009-05-02(土) 23 30 ANIMAX マクロスF 第5話 スター・デイト 2008-12-20(土) 21 00 ANIMAX マクロスF 第6話 バイバイ・シェリル 2008-12-20(土) 21 30 ANIMAX マクロスF 第7話 ファースト・アタック 2008-12-27(土) 21 00 ANIMAX マクロスF 第8話 ハイスクール・クイーン 2008-12-27(土) 21 30 ANIMAX マクロスF 第9話 フレンドリー・ファイア 2009-01-10(土) 21 00 ANIMAX マクロスF 第10話 レジェンド・オブ・ゼロ 2009-01-10(土) 21 30 ANIMAX マクロスF 第11話 ミッシング・バースデー 2009-01-17(土) 21 00 ANIMAX マクロスF 第12話 ファステスト・デリバリー 2009-01-17(土) 21 30 ANIMAX マクロスF 第13話 メモリー・オブ・グローバル 2009-01-24(土) 21 00 ANIMAX マクロスF 第14話 マザーズ・ララバイ 2009-01-24(土) 21 30 ANIMAX マクロスF 第15話 ロスト・ピース 2009-01-31(土) 21 00 ANIMAX マクロスF 第16話 ランカ・アタック 2009-01-31(土) 21 30 ANIMAX マクロスF 第17話 グッバイ・シスター 2009-02-07(土) 21 00 ANIMAX マクロスF 第18話 フォールド・フェーム 2009-02-07(土) 21 30 ANIMAX マクロスF 第19話 トライアングラー 2009-02-14(土) 21 00 ANIMAX マクロスF 第20話 ダイアモンド・クレバス 2009-02-14(土) 21 30 ANIMAX マクロスF 第21話 蒼のエーテル 2009-02-21(土) 21 00 ANIMAX マクロスF 第22話 ノーザン・クロス 2009-02-21(土) 21 30 ANIMAX マクロスF 第23話 トゥルー・ビギン 2009-02-28(土) 21 00 ANIMAX マクロスF 第24話 ラスト・フロンティア 2009-02-28(土) 21 30
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3708.html
マクロスなのは 第24話『教導』 前半←この前の話 『マクロスなのは』第24話 後半 (*) 10分後 「え~!? ダメだよシャーリー、人の過去勝手にばらしちゃあ!」 六課に帰還してすぐ伝えられた事実に思わずその言葉が口をついて出た。 なんでもティアナ達に教導の意味を教えるために自分の撃墜の話をしてしまったのだと言う。 「ダメだぜ、口の軽い女はよぅ」 バルキリーから降りて何事かと見に来ていたアルトが愚痴る。普段の彼のセリフとは思えなかったが、なぜだが違和感はなかった。 「あの・・・・・・その・・・・・・見てられなくて・・・」 シャーリーは頭を下げるが事態はそんな簡単ではない。自分の撃墜に関わる情報は管理局内では未だに『TOP SECERT(最高機密)』であり、違反すれば問答無用で軍法会議になりかねない。 それも機密に関わることなので完全非公開で行われ、どうなるか全くわからない。 だがなのはは、この中に告発するような者はいない事を知っていた。 なぜならこれが機密である事を知っているのはフェイトとヴィータ、そして自分だけだったからだ。 アルトやさくらも─────いや、教導の卒業者には〝教訓〟として話していたし、完全無欠に無関係な天城君は 「(ドラマの)続きはどうなった!」 と叫んで既に宿舎に飛び込んでいた。 (もう・・・・・・) ため息をつくと、頭を下げて両手を合わす困りものの友人に再び目をやった。 (仕方ない。言うのが少し早くなっちゃっただけかな) 思いなおした彼女はシャーリーからティアナの居場所を聞き出すと、義務付けられている報告を済ましてそこに向かった。 (*) 機動六課敷地内 桟橋 ティアナはこの場所が好きだった。 夜風に吹かれながら明るい月と対称的な暗い海とを眺め、この真夏に涼しげな波音を聞けるこの場所が。 普段は訓練が終了して2,3分ほどゆっくりしていく場所だったが、ここへ来てもう20分。まるで不思議な魔法がかかったようにその場を動けずにいた。 早く強くなりたいと思っていた。だけど、間違ってるって叱られて、隣を走る相棒にも迷惑かけて悲しい思いをさせた。 これらの出来事は彼女を深く落ち込ませた。 (それに、私は結局・・・・・・) (*) 「ティア・・・・・・」 彼女から『独りにして』と言われていたスバルだが、遠く離れた茂みに隠れてエリオ、キャロと共に彼女を見守っていた。 そこに数人の闖入者が現れた。 「アルト先輩?」 スバルの疑問形の呼び掛けに、彼は無声音とジェスチャーで 「よ!」 と挨拶する。その後ろでもさくら、そしてシャーリーが 「こんばんは」 と会釈した。 どうしたのか聞こうとしたスバルだが、ティアナの声が聞こえてきたため中断された。 『なのは・・・・・・さん?』 振り向いたティアナの視線の先を追うと、軽く手を後に組んだなのはの後ろ姿があった。 (*) なのははそのまま自らの隣に座り込み、涼しむように、明るい月が暗い海に沈んでいく幻想的な風景を眺める。 そんな沈黙が10分ほど・・・いや20秒ぐらいの事だったかもしれない。ともかく、その沈黙に堪えられなくなって口を開く。 「・・・あの、シャーリーさんやシグナム副隊長にいろいろ聞きました。」 「〝なのはさん〟の失敗の記録?」 「え・・・・・・」 てっきり「なんの話?」と聞かれると思っていたティアナは少し狼狽する。 「あ、いえ、そうじゃなくて─────」 ティアナは自らの思考力が上手く回っていない事を改めて実感した。なのは達が帰投してからそれなりに時間が経過しているのだから、シャーリーでもシグナムでも聞く機会があったはずだ。 そんな簡単なことすら失念していたことにティアナはすこし可笑しくなった。 「無茶すると危ないんだよって話だよね」 なのはの確認に、ティアナの頭ではさっきの話がフラッシュバックする。 普通の、魔法すら知らなかった9歳の女の子が、魔法をその手にしてすぐに死闘を繰り返した。 少女はその後も自分の信念と守りたいもののために「早く強くなろう」として命懸けの無茶をし続け、遂には撃墜され、瀕死の重傷を負ったという話。 その少女が目の前にいるなのはであると聞かされたティアナの解答は、1つしかなかった。 「すみませんでした・・・・・・」 なのははそんなティアナに頷き1つを返した。 (*) 「じゃあわかってくれたところで聞くけど、ティアナは自分の射撃魔法をどうして信じないの?」 「それは・・・・・・兄を最後の最後で守りきれなかった魔法だから・・・・・・」 ティアナと彼女の兄ディーダ・ランスターの射撃魔法は少し特殊で、通常の半分以下の大きさの魔力球(魔力弾)を使用する。これは誰も使えないから特殊というわけではなく、練る魔力量が少ないため6~8歳の子供が普通の魔力球の練習のために使う。 つまり、リンカーコアがあるものなら誰でもできるという事だ。 しかしほとんどの場合で真っ直ぐにしか飛ばず、誘導性能や機動力など汎用性に優れた通常の魔力球には到底及ばないため使われないのだ。 しかしディーダはこれを究めることによってそれを練習用から実戦レベルにまで引き上げた。 練る魔力量が少ないということはそれだけ早く生成でき、小さいということは空気による減殺が少なくなり、より遠距離に届く。 また、真っ直ぐにしか飛ばないというのは最高クラスの信頼性の象徴であり、なのはの砲撃ですら反動で多少のブレが出る。つまり戦場の原則である『敵より早く、敵より遠くから、敵より正確に狙い撃つことができる』そんな技だった。 事実彼の技術は陸士部隊の目に止まり、装備改編前に負担の大きい魔力砲撃に代わる主力攻撃方法となっていた。 閑話休題 「そっか・・・・・・でも模擬戦でさ、自分で受けてみて気づかなかった?」 なのはの問いかけの意味が分からず首を捻る。 「ティアナの射撃魔法って、ちゃんと使えばあんなに早く撃てて、当たると危な いんだよ」 「あ・・・・・・」 「私は今まで一度もティアナとは撃ち合ったことはないでしょ?だって正面から早打ち勝負したら絶対ティアナの方が早くて正確に当たるから。だから、そんな一番いいところをないがしろにしてほしくなかったんだ。・・・・・・まぁ、でもティアナの考えたこと、間違ってはいないんだよね」 なのはは言うと、隣に置かれていたティアナのデバイス『クロスミラージュ』を手に取る。 「システムリミッター、テストモードリリース。高町なのは一等空尉。承認コード、NCC-1701A」 『OK,release time 60 seconds.(承認。解除時間60秒。)』 解除を見届けたなのははデバイスを起動状態にし、ティアナに渡す。 「命令してみて。〝モード2〟って」 ティアナはそれを受け取ると、おそるおそる指示を出す。 「モード・・・・・・2」 直後銃全体がオレンジ色に瞬いたと思うと 『Set up.dagger mode.』 という復唱と共に変形していく。 フロント・サイト(照星)の付いたマガジンを兼ねるグリップと、ピストルグリップ辺りで折れ・・・いや、折れていた物を引き起こしたというほうが正しい。 ともかく、引き起こされて真っ直ぐになった銃身は、ピストルグリップの下から魔力刃で覆うようにして銃口までつながる。 そして最後に銃口から、自らが作戦時無理やり作った魔力刃より大きなそれが、まるで短剣のように伸びた。 「これ・・・・・・」 自らの相棒の変貌に目を白黒させるティアナになのはは説明する。 「ティアナは執務官志望だもんね。ここを出て、執務官を目指すようになったらどうしても個人戦が多くなるだろうし、将来を考えて用意はしてたんだ」 ティアナは規定の60秒が経ったのか元に戻ったクロスミラージュを握りながら涙する。そんな彼女になのはは続けた。 「クロス(近距離)はもう少ししたら教えようと思ってた。でも出撃は今すぐにでもあるかも知れないでしょう?だからもう使いこなせてる武器と魔法をもっと確実なものにしてあげたかった。だから1つの技術を身につける事が目的のさくらちゃんとは違ってゆっくりやってたんだけど・・・・・・ゆっくりって地味だから、あんまり成果が出てないように感じて、苦しかったんだよね。・・・ごめんね。」 「ごめん・・・・・・なさい・・・・・・こんなに私のために準備してくれてたのに・・・・・・私、なのはさんの期待に応えられなかったみたいで・・・・・・」 「・・・・・・え?どうしてその結論!?」 「だって2発目の砲撃、なのはさん、結構本気で私を落としにかかったじゃないですか!」 「ああ、それは・・・・・・」 なのはにとって触れたくなかった、できれば触れずに行きたかったこの事柄。しかし残念なことにティアナはその事実に気付いていたのだ。 もし彼女が事前に彼と接触せずにこの場面に遭遇してしまっていたら、バレまいと思って彼にしたときとまったく同じ嘘をついて煙に巻こうとしただろう。 (なんてバカだったんだろ・・・・・・私・・・・・・) この分では自分の教える優秀な生徒達の前では、彼にしたような嘘を見破るなど児戯にも等しきものだったようだ。 だからなのははそれを教えてくれ、さらには受け止めてくれた彼に改めて感謝した。 「ごめん!実は・・・・・・あれは私のせいなの!」 なのははすべてを話した。 彼女自身から湧きあがった黒い考え、そしてそれに至った理由を。 ティアナはこの告知を少し驚いた様子だったが静かに聞き入り、最後にはどこか嬉しそうな表情へと変わっていた。 こうなると納得出来ないのはなのはの方だ。自分は最悪の場合ティアナ自身の魔導士生命に終止符すら打ちかねない行為を教官の身の上で行ったのだ。批難される事こそあっても、その様な表情を浮かべられる場面では無いはずだっだ。 「落ち着いてるんだね」 「はい。だって、私の前にそれを怒ってくれた人がいるみたいでしたから」 「それってーーーーー!?」 「私、宿舎の屋上から見たんです。なのはさんとアルト先輩が言い争ってるのを。・・・・・・先輩すごいですよね、あんなに離れてたのにちょくちょく何を言ってるのか聞こえるって」 「・・・・・・」 「その時は断片的過ぎて先輩がどうしてあんなに怒ってたのかよくわからなかったんですけど、やっとわかりました。たぶんですけど、アルト先輩に嘘をついたんですよね?」 ティアナにどこまで聞かれていたかわからない以上、嘘を重ねても仕方ない。なのはは正直に頷く。 「でも、今話してくれた話は本当の方だった。だからちょっとびっくりしましたけど、なのはさんがちゃんと私と向き合ってくれてるってわかったらうれしくって」 その顔にウソはない。その事実になのはは安堵したが、彼女のセリフはまだ終わっていなかった。 「・・・・・・でも、やっぱりちょっと強引だと思います。不発だったからよかったですが、もし撃ってたら私、ここにいられませんでした」 こちらの心情は察してくれたが、さすがにティアナもあの砲撃を無条件に看過することはできなかったようだ。 そこでなのははひそかに温めていたできれば切りたくなかった打開策のカードを使うことにした。 「ごめんね・・・・・・・それで考えたんだけど、ティアナ言ってたよね?さくらちゃんみたいな教導をしてほしいって。もしティアナが望むなら明日からでもできるけど、どうする?でも私は・・・・・・あー、もちろんティアナ達全員をどこに出しても恥ずかしくないエース級のAランク魔導士にしてみせるよ!だけど私ね、あなた達には―――――!」 「いいですよ、このままの教導で」 ティアナは言うと、座り込んでいたポートから立ちあがって清々しそうな表情で大きく伸びをする。 「本当言うと私、なのはさんに煙たがられてる、手を抜かれてるって思ってたんです。でも、全然そんなことなくて・・・・・・。だからもう、そのことはいいんです。それに今の様子だと、この教導には普通とは違う秘密があるみたいですし」 「にははは・・・・・・」 危うく言いそうになったが、立場上はにかみ笑いで応える。しかし内心切り札のカードの無力化に焦っていた。 「(これ以上私がティアナにしてあげられることなんて・・・・・・)」 「そこで私から一つだけお願い、聞いてもらっていいですか?」 「なに・・・・・・かな?」 脳裏を最悪の可能性が過る。 小さきは自らの職権の乱用、果ては犯罪まで。ティアナがそんなこと願うわけないと思ってはいても、彼女の魔導士生命を奪うかもしれなかった対価としてはそれも止むをえぬとも思えてしまっていた。 だからティアナの次の言葉を聞いた時、なのはは心底安心したという。 「もう一度、模擬戦を受けさせてください!」 なのはは自らの生徒の純真さと安心感に万感の思いをもって頷き、それに応えた。地平線の先に見えていた月は軌道の影響で沈まず、新たに登ったもう1つの月とともにクラナガン湾を照らしていた。 (*) スバルには2人の会話は聞こえなかったが、どうやら和解できたようなのでそっと胸を撫で下ろした。 そんな彼女の肩が〝とん〟と叩かれる。振り返るとさくらが〝昨日と同じジェスチャー〟をしていた。 その意味を即座に理解したスバルは頷くと、ここにいたギャラリーと共にその場から撤退した。 (*) なのは達が戻ってきたのは10分後だ。2人はロビーに入るなり驚く。 「よぅ、遅かったじゃねぇか」 婉曲語法で2人を迎えたヴィータの手には数枚のトランプが握られている。 また彼女だけでなく、シグナムやシャーリー、アルト、さくらにフォワードの3人と総勢8人が1つの机を囲んで同じようにトランプを握っていた。 「・・・みんなどうしたの?」 しかしなのはの問いはアルトの宣言でかき消された。 「いざ、革命!」 放られる1枚のジョーカーに3枚のファイブ。しかし上には上・・・・・・いや、下には下がいた。勝ち誇った顔をするアルトの前に4枚のスリーが放られたのだ。 驚愕するアルトに放った主が厳かに告げる。 「勝ちを急ぎすぎたな大富豪よ」 シグナムは微笑を浮かべると8切りして4を投げると1抜けした。 盛者必衰。アルトは一気に都を追われることになった。 悔しげに項垂れるアルトと大富豪に興じる人々。なのはとティアナは石像を続けていると、背後の入り口の扉が開いた。 「お、やっとるやっとる~」 現れたのは何か箱を持ったはやてとフェイトだった。箱には〝ビンゴ抽選機〟とある。 「いったい何事なの?」 なのはのその問いに、はやては笑顔で答える。 「さくらちゃん発案のビンゴ大会や。・・・・・・おーい!みんなこっから1枚とってな」 はやての呼び掛けに大富豪に興じていた人々がわらわら集まって来て、ビンゴカードの束から1枚ずつ引き抜いていく。 「さぁ、ティアナさんもなのはさんもどうぞ」 空気から取り残されていた2人もさくらに招き入れられ、和やかな、そして楽しげな人々の輪の中に入っていった。 (*) そのビンゴ大会はひどく白熱した。賞品として先着3名にゲームに参加した者なら一度だけ言うことを聞かせられる〝王様カード〟なるはやて特製の手作りテレカが手に入るためであろう。 途中ロビーに来た天城が司会進行を申し出たり、ヴィータがビンゴ抽選機(取っ手を回して番号のついたボールを出す機械)を盛大回して誤ってぶちまけるハプニングがあったりと波乱を巻き起こした。 しかし誰の顔からも笑顔は片時も消えず、階級などない学校のレクレーションのように和気あいあいと進行した。 そしていろいろあって何度か振り出しに戻り、3枚目になってしまったビンゴカード。おかげでまだ勝利条件であるトリプルビンゴに到達した者はいなかった。 「─────54番!さぁ、誰かいませんかぁ!」 天城がハイテンションで転がり出た球の番号を読み上げる。それに1人の少女がニヤリと微笑んだ。 「ふ、みんな済まねぇな。トリプルビンゴだぜぇ!」 ヴィータが雄叫びと共にカードを持った右手を突き上げた。 そして天城から王様カードを受け取ると、〝ビシッ〟とアルトを指差した。 アルトは自らの一列も埋まっていないカードを見て覚悟を決める。 そしてヴィータは王様カードをどこぞの長者番組の紋所のように彼にかざすと、高らかに宣言した。 「早乙女アルト!私と明日勝負しろ!」 極めてヴィータらしい命令にアルトはため息をつく。今や彼の方が上官なので拒否権がないことはなかったが、余程と言える断る理由が思いつかなかったようだ。 「仰せのままに・・・・・・」 体の演技こそ王妃に従えるナイトのようであったが、不服そうに答えたという。 (*) その後また振り出しに戻るなど激闘が20分ほど続いてようやく残りの2枚の行き先が決定した。 それはどういう因果かティアナとアルトであったが、2人ともすぐには権利を行使せず、夜も遅かったのでそのまま解散する事になった。 (*) 次の日 スターズ分隊の再模擬戦は、引き分けに終わったライトニング分隊の後に行われた。 2人の機動は訓練通りだが、クロスシフトAからBや、BからAの変更の流れは滑らかで、なのはをずいぶん手こずらせたという。 そして───── (*) スバルの連続攻撃とティアナの間断ない誘導弾の攻撃を受け、白いワルキューレは遂に地上に引きずり下ろされた。 しかし地に足を着いた彼女の砲撃力はそれでも強力であり、高度の優位に立ったスバルでも近づけなかった。 だがそんな彼女の前に虚空からティアナが現れた。 この間合い、シールド展開は間に合わない。まさに一騎打ちの早撃ちの距離だ。 どうやら早撃ちなら勝てるという助言に忠実に従ったらしい。 だが───── (甘い!) なのはは魔法の起動の邪魔になるレイジングハートを右手に持ちかえると、利き手である左手の人差し指をティアナに向ける。 「クロスファイヤー、シュート!」 放たれる小型魔力弾。確かにティアナの射撃魔法は優秀だが、その魔法を模倣できないわけではない。 なのはとの勝負においては単純な魔法の起動時間の勝負ではないのだ。 (惜しかったけど残念だったね) なのはは勝利を確信した。しかしここは地上。つまりティアナのフィールドだった。 魔力弾はティアナを貫通して、そのまま彼女ごと消えた。 「フェイク(幻影)!?」 続いてレイジングハートが右から飛翔してきた魔力弾によって弾かれ、地面に転がった。 「え!?」 そちらを見ると、砲撃用魔法陣を展開したティアナがいた。 そう、何もかも罠だったのだ。 わざと目の前に出現して助言に従った一騎打ちが狙いであるようにアピールして見せたのも、なのはが砲撃を行わずいつもの癖でレイジングハートを持ちかえる(デバイスにプログラムされていない魔法を本体経由で使おうとすると、無駄に処理しようとして発動が少し遅れるため)のも、全てティアナの狙い通りだったのだ。 あたかも助言に従った演技をすることによって、本来レイジングハートによって飛行魔法などの面において優越するがゆえに、選択肢が多いはずのなのはの選択肢を完全に奪い取る老獪な罠。 なのはは急いでレイジングハートに駆け寄るが間に合わない! 結果として右手のビルの2階から放たれたオレンジ色した魔力砲撃が、無防備の彼女を直撃した。 (*) 「やったぁ!」 ティアナがビルから出てくると、彼女を迎えたスバルにハイタッチした。 なのはは晴れていく煙の中から姿を現すと、そんな2人に笑いかけた。 「うん。文句のつけようがないくらいいい戦いぶりだったよ。それに一撃どころか撃墜されちゃうとはね」 教官の面目丸つぶれだよ~と彼女は嬉しそうに苦笑すると、遠くで観戦するライトニングの2人に集合の合図を放った。 (*) 「みんなお疲れ様。今日は午前までで訓練は終わりだけど、定期模擬戦のレポートを書いて今日の18時までに提出してね」 「「はい!」」 4人は今回引き分けか勝ちだったので気分は良さそうだ。いつもの訓練終了時と違って覇気があった。 「あと、解散前に私から渡すものがあります」 『何だろう?』という顔をする4人の前に、昨日渡すはずだった4冊の冊子を取り出した。 「今日は訓練開始から6カ月の節目の月だからね。これまでやってきた訓練の要点とかアドバイスとかをまとめてあります。暇な時でいいから目を通してね」 「「はーい!」」 4人はそれを受け取ると、互いに目配せしながら指示もないのに整列した。 「え?・・・・・・みんなどうしたの?」 ティアナが代表するように応える。 「実は私達、昨日話し合って、なのはさんに伝えたいと思ってた事があるんです」 なのはからすると全く意表をついたものであり、何を言われるか少し心配したが、先を促す。 すると4人は声を揃えて合唱した。 「「半年間ありがとうございました。これからもよろしくお願いします!」」 それはまるで小学生のようなお礼の言葉だったが、心がこもっているためノー・プロブレム。 なのはは最上級の笑顔で 「こちらこそ」 と応えた。 この時、なのはは照れ笑いする自らの教え子達を見て誓ったという。 『この子たちは絶対私の手でどんな状況でもあきらめずに打破できるような一流のストライカーにして見せる。他の生徒のように短期ではできなかったけど、この子たちなら絶対大丈夫。だから何があっても、誰が来ても、この子達は落とさせない。私の目が届く間はもちろん、いつか一人で、それぞれの空を飛ぶようになっても』と。 (*) さて、昼頃から始まったアルトvsヴィータの模擬戦だが、一進一退の攻防をみせた。 そのため我慢出来なくなったさくらとフェイトが、続いて天城とシグナムが参戦する大演習となった。 勝敗についてはまた機会があれば記述したいと思う。 その2週間後、サジタリウス小隊の出張任務は解かれ、別れを惜しみつつフロンティア航空基地に帰投した。 ―――――――――― 次回予告 アルト達が第一管理世界に来てからここまでで半年が経っていた こんなにも長い間、第25未確認世界は指をくわえて一体なにをやっていたのか!? 次回マクロスなのは第25話「先遣隊」 想い人を奪われた少女の思いが炸裂する―――――! ―――――――――― シレンヤ氏
https://w.atwiki.jp/macrossaf/pages/12.html
登場機体 超時空要塞マクロス マクロスプラス マクロス7 マクロスF マクロスゼロ 機体名等の表記はゲーム中の表記より ※印の付いた機体は、条件を満たした上でセーブ→ロード等でハンガー画面に入りなおすことで入手できる 機体のテンプレート(←全機体のページ完成後、消去して下さい) 超時空要塞マクロス 機体 入手方法 備考 デストロイド トマホーク ブービー・トラップ クリア デストロイド ディフェンダー 初期機体 デストロイド ファランクス カウントダウン クリア デストロイド スパルタン ファーストステップ クリア デストロイド モンスター ダイダロス・アタック クリア SDF-1 マクロス マクロス地獄 クリア 大型機体 VF-1D バルキリー 初期機体 VF-1A バルキリー スペ-スフォールド クリア VF-1A バルキリー マックス機 ロンゲスト・バースデー Bランク VF-1A(F) スーパーバルキリー 一条機 EXロンゲスト・バースデーSクリア VF-1J バルキリー 一条機 ビッグエスケープCクリア VF-1J バルキリー マックス機 愛・おぼえていますか Aクリア VF-1J(A) アーマードバルキリー 一条機 愛・おぼえていますか クリアカンフー・ダンディー Cクリア VF-1S バルキリー フォッカー機 EXパインサラダ Aクリア VF-1S(F) ストライクバルキリー 一条機 愛・おぼえていますか クリア愛は流れる Cクリア VF-1S(F) ストライクバルキリー フォッカー機 愛・おぼえていますか クリア4つのシナリオオールクリア(EX除く) リガード 愛・おぼえていますか クリア グラージ サプライ・ブロック クリア ヌージャデル・ガー バーミリオン・スコードロン クリア クァドラン・ロー タイト・ロープ クリア クァドラン・ロー ミリア機 リボルト・ボドルザー クリア クァドラン・ロー マックス機 マクロスエースフロンティア クリア ゼントラーディ兵 愛・おぼえていますか クリア パイロット制限有 ブリタイ・クリダニク 戦士との戦い クリア ゴルグ・ボドルザー ジャイアント・エネミー クリア 大型機体・パイロット制限有 空戦ポッド 使用不可 ゴルグ・ガンツ・チャーツ 使用不可 ケル・カリア 使用不可 マクロスプラス 機体 入手方法 備考 VF-11B サンダーボルト 初期機体 YF-19 エクスカリバー プロジェクトスーパーノヴァ クリアでYF-19と選択 YF-21を選んだ場合はマクロスプラスのシナリオ終了後 YF-21 シュトゥルムフォーゲル プロジェクトスーパーノヴァ クリアでYF-21と選択 YF-19を選んだ場合はマクロスプラスのシナリオ終了後 ゴースト X-9 使用不可 ドローン 使用不可 爆撃機 使用不可 YF系2機は試作機なので本来はペットネームが存在しない。 マクロス7 機体 入手方法 備考 VF-11C サンダーボルト 初期機体 VF-17D ナイトメア スピリットギャル クリア VF-17S ナイトメア 銀河に響く歌声 クリア惑星ラクスの死闘 Aクリア VF-17S ナイトメア ミリア機 古の亡霊 クリア VF-1J バルキリー ミリア機 戦う女市長ミリア Bクリア VF-22S シュトゥルムフォーゲルII マックス機 EX悪夢の突入作戦 Aクリア VF-22S シュトゥルムフォーゲルII ミリア機 ガムリンの叛乱 Aクリア VF-11MAXL改 ミレーヌバルキリー 銀河に響く歌声 クリア パイロット制限有 VF-19改 ファイヤーバルキリー 銀河に響く歌声 クリア パイロット制限有 Fz-109A エルガーゾルン 銀河に響く歌声 クリア Fz-109F エルガーゾルン ギギル機 ファイアーボンバー クリア グラビル ヤックデカルチャー Sクリア 大型機体・パイロット制限有 ゲペルニッチ パス・EX・敵側含む全時代の全ミッションクリア※ 大型機体・パイロット制限有 Az-130 パンツァーゾルン 使用不可 FBz-99 ザウバーゲラン 使用不可 マクロスF 機体 入手方法 備考 VF-171 ナイトメアプラス 初期機体 VF-171EX ナイトメアプラスEX マザーズ・ララバイ Sクリア VF-25F メサイア アルト機 ニューエアフレーム クリア VF-25S メサイア オズマ機 マザーズ・ララバイ クリア VF-25G メサイア ミハエル機 マザーズ・ララバイ クリアフレンドリー・ファイア Bクリア RVF-25 メサイア ルカ機 ファースト・アタック Bクリア VF-27 ルシファー EX含むFミッション全クリア クァドラン・レア 天使の歌声(マクロスプラス) クリア4つのシナリオオールクリア(EX除く) ←天使の歌声クリアでは出なかった報告有り何か付随条件があるかも? クァドラン・レア クラン機 ミス・マクロス クリア パイロット制限有 バトルフロンティア EX含むFのミッション全クリア 大型機体 バジュラ(S) マザーズ・ララバイ クリア※ パイロット制限有 バジュラ(L) マザーズ・ララバイ クリア※ パイロット制限有 女王バジュラ 使用不可 非大型機体 天井でつっかえて移動不可 マクロスゼロ 機体 入手方法 備考 VF-0S フェニックス フォッカー機 ドッグファイター クリア SV-51α 海と風と クリア SV-51γ ノーラ機 海と風と Aランク以上でクリア SV-51γ イワノフ機 蒼き死闘 クリア ゲペルニッチはバトユニのHi-νのように、パスワード含めた全ミッションのクリアとかではなかろうか -- 名無しさん (2008-10-14 00 39 27) ギャラリーで枠が足りてないんでゴースト、ドローン、女王ヴァジュラは使用不可だろうと -- 名無しさん (2008-10-17 19 41 01) ゲペはパスワードミッションを含む全てのミッションSクリアが条件だと予測されます -- 名無しさん (2008-10-19 03 58 19) 4時代ALLS以上・エキストラALLSS・協力ALLC以上 でもゲペ確認できず -- お父さん (2008-10-19 17 08 57) Fのミッション(EX、敵側含む)クリアでそのほかの3つのシナリオクリアしていないのに、バトルフロンティア出ました。しかもVF-27と一緒に。フレンドリー・ファイアのEXのSが取りたくて何回もやってたのですが、あきらめてミッション中にやめたら出てきました。 -- No Name (2008-10-19 19 33 11) バトルフロンティア7とFのミッション100%だけででました。 -- 名無しさん (2008-10-20 23 39 01) FのEX両方クリアしたらバトルフロンティアが出た。(F全ミッション・初代EX除いて愛おぼまでクリア) -- 名無しさん (2008-10-22 17 35 56) どうやらバトルフロンティアはF全クリだけでいいみたいね -- 名無しさん (2008-10-22 17 37 22) VF-22S ミリア機 Dランククリアでも入手を確認しました。 -- 名無しさん (2008-10-22 21 37 52) 壁紙ではFBzー99Gザウバーゲランのポリゴンモデルが表示されるのに登場しないんだろうか -- 名無しさん (2008-10-25 17 17 12) SDF-1 マクロスの欄がバトルフロンティアなんだが・・・ -- 名無しさん (2008-10-25 21 48 58) どうでもいいけどここは登場機体のページだろ?一応NPCのカテゴリーでゴーストとかやった方が良くないか? 俺コメント投稿以外分からないんだ -- 名無しさん (2008-10-26 22 46 01) 日本語理解してる? 「登場機体」ってのは「このゲームに登場する機体」って意味であって、「このゲームで使える機体」って意味じゃないんだぜ? 強いて言うなればチート使えば使える機体もあるんだから機体分類で間違いはない。 -- 名無しさん (2008-10-27 00 54 34) 基本的にファイター形態のみの機体全て使用不可。X-9使いたかった。 -- 名無しさん (2008-10-27 20 40 43) 個人的には、ケーニッヒモンスター、デストロイドジャイアン、デストロイドジャイアンⅡが使いたかった -- 名無しさん (2008-10-28 00 42 57) ゲペルニッチはパスワード全部入れて、全部のミッションS以上(6割SS)にして、全部の機体フルチューンして、全員のキャラ使用可能にしても確認できず。 -- 名無しさん (2008-10-28 00 45 34) マザーズ・ララバイSクリアしたけどバジュラがでないorz -- 名無しさん (2008-10-29 09 41 22) 限界突破後フル改造した武器のステータスは無いのな -- 名無しさん (2008-10-29 12 47 14) ↑『ジャイアン』じゃなくて『シャイアン』な -- 名無しさん (2008-10-29 18 02 05) カスタムカラーの元ネタで、VF−22Sのマックス機のカラー2は、OVAのマクロスダイナマイト7に出たガムリンの機体と同じ -- 名無しさん (2008-10-31 09 19 42) ↑間違えた。カラー2じゃなく、カラー1 -- 名無しさん (2008-10-31 16 13 56) 4時代ALLS以上・エキストラALLSS・協力ALLS以上 でもゲペ確認できず -- 反抗期の息子 (2008-10-31 22 30 29) カラーリングの元ネタとか機体紹介に書いた方がわかりやすいと思ったんだけど今更かな? -- 名無しさん (2008-11-04 02 45 02) ↑それは同感。 -- 名無しさん (2008-11-04 13 44 24) 携帯からは編集できないので、どなたかプラス枠にドローンターゲットと爆撃機を追加していただけないでしょうか カスタムカラー元ネタの件も同様に -- 名無しさん (2008-11-04 23 09 28) 今ゲペルニッチ出しました。今日ミッション100%にして、Sランク率73%(最後にハードチェイスでSS取得) -- 名無しさん (2008-11-07 22 08 56) VF-22S シュトゥルムフォーゲルII ミリア機←ガムリンの叛乱Bクリアで確認。 -- 名無しさん (2008-11-08 15 44 52) 爆撃機とザウバーゲランの元ネタってBー2? -- 名無しさん (2008-11-08 22 55 50) 4時代とエキストラを全部S以上にしたあとに気まぐれで地上演習(チュートリアルの)やったらゲペ先生出ました -- 名無しさん (2008-11-10 16 09 41) ゲペゲペうるさい人たち、ちゃんと注意書きを読め。条件満たした後でハンガー画面に入り直すと入手なんだから、フリーミッションやったり他のミッションやったりした後に手に入るのは当たり前だろ… -- 名無しさん (2008-11-10 23 51 43) ミッシヨン100%でゲペ使用可 -- 名無しさん (2008-11-10 23 59 11) エメラルドフォースの機体って出ないんですか?やっぱり? -- 名無し (2008-11-15 22 02 34) ↑ダイアモンドフォース機のデフォルトカスタムカラーにありますが -- 名無しさん (2008-11-16 18 05 45) エメラルドはYF-19およびVF-19改でカラーのみ用意されてる、と書いてあるが -- 名無しさん (2008-11-17 18 18 39) ゼントラーディやバロータ軍、バジュラの母艦っていうか艦体みたいなものも含まれるのでは? -- 名無しさん (2008-11-21 18 22 33) キャラ機を無くしてカラチェンで表現するだけにすればグラフィックも完全に再現できただろうに。正直VF-1とかこんなにいらないし。 -- 名無しさん (2008-11-23 14 24 09) 確かにVF-1多いな -- 名無しさん (2008-11-23 14 38 01) クァドランも無駄に多いよね -- 名無しさん (2008-11-23 14 44 13) でも出さなかったら、かなり機体が少なくなるよね。 -- 名無しさん (2008-11-23 19 01 49) 空いたデータ分で追加武装とかクォーター出せるんじゃない?あとバジュラSいらねぇ -- つ (2008-11-24 11 40 41) 専用機ないとキャラの特徴出ないって言い分になりそう -- 名無しさん (2008-11-24 22 34 35) 容量はまだ結構余裕あるから機体減らさなくても追加出来るだろ。 -- 名無しさん (2008-11-24 23 05 27) VF-4とかVF-2も出してほしかったな。マクロスの割りに出ていないバルキリー多い気がする。ガンダムより機種は少ないはず -- 名無しさん (2008-11-25 01 20 35) VF-3000やVF-5000、VF-9、VF-14もないし、少しマイナーなトコならYF-24も出てない。他にある? -- モンスター (2008-11-25 02 41 02) VF-3ってなかったっけ?あの水空両用の頭丸いやつ。VF-X2のエデン3か何かのミッションで苦労させられたのよね。 -- 名無しさん (2008-11-28 17 00 41) バジュラSが有りならゼロのF-14とかミグとかでもよくない?w -- 名無しさん (2008-11-28 20 36 55) 俺も思った。F-14もMiGー29も好きな機体だし、是非出してほしい。つーか、ゼロがゲスト出演は納得いかない。 -- 名無しさん (2008-11-28 20 41 19) いっそNAMCOが戦闘機部分担当してくれたらファイター形態で戦闘機らしい戦闘機動ができるかも・・・ -- 名無しさん (2008-11-30 00 23 55) ここを製作会社が見てほしいな -- 名無しさん (2008-12-15 17 05 01) ↑今ごろ茶でも飲んでんじゃないかと。 -- T/ (2008-12-15 17 57 58) フロンティアのミッションだったと思うのですがテムジンという機体を確認 -- 匿名希望 (2009-01-04 19 19 39) 機体の出現条件が見にくい。各機体のページに書いてほしい。 -- 熱気バサラ (2009-05-16 15 27 27) 【VF-1A(F) スーパーバルキリー 一条機】ですが、Aでも取れましたよ。4時代クリア後だけど。 -- 名無しさん (2009-05-17 21 25 10) ミッションとは何ですか? -- 名無しさん (2009-05-24 01 10 47) そういや新作出るってね -- 名無しさん (2009-07-21 09 36 26) それ、マクロスアルティメットフロンティアですよね〜。 -- たまこお (2009-07-21 20 45 21) 誰か、パスワードをしってる人いますかおしえてー。 -- たまこお (2009-07-21 20 53 54) そういえば、マクロスFの映画が2009年の11月28日あるらしいですよ。(たぶんだから) -- たまこ (2009-07-21 21 18 20) マクロスFの映画11月21日の土曜日公開じゃなかったっけ? -- 名無しさん (2009-07-25 23 30 33) バトルフロンティアじゃなくてマクロスクウォーターの方が良いじゃないの? -- 早乙男 (2009-07-29 13 29 23) VF25のアーマードとスーパーだしてほしかった -- 名無しさん (2009-07-31 12 07 08) 新作っていつでますか? -- バサラ (2009-08-04 14 41 08) マクロスアルティメットフロンティアです -- バサラ (2009-08-04 14 43 11) ゲペルニッチ強いけど防御低くてすぐ死ぬからクソニッチっていわれてました -- バサラ (2009-08-04 14 57 58) ゲペルニッチ強いけど防御低くてすぐ死ぬからクソニッチっていわれてました -- バサラ (2009-08-04 14 58 36) 上のはあまり関係ないけど -- バサラ (2009-08-06 07 42 50) テムジンの出上条件をおしえてください -- 名無しさん (2009-08-14 17 26 34) ↑それわ俺もきになる -- 名無しさん (2009-08-14 17 35 20) VF-25G メサイア ミハエル機フレンドリー・ファイア Bクリアだけででました -- 名無しさん (2009-08-14 21 35 58) バトルフロンティアの出上条件はEX含むFのミッション全クリアとありますがメモリー・オブ・グローバルをやらなくても出たんですがなにかほかに条件があるのでしょうか -- 名無しさん (2009-08-15 12 55 09) ↑↑↑テムジンなど グァドラン・ロークラン機のカスタムカラー1に決まっている これぞまさしく染色美 ! -- ガビグラ (2009-08-16 19 13 49) 死ね -- バサラ (2009-09-19 09 54 48) シャロンアップル -- バサラ (2009-09-19 10 32 40) COSTとはなんですか -- 名無し (2009-09-19 18 42 31) COSTとは 対戦などにおける自機の戦力ゲージをどれだけ消費するかの値のことだ! ガンダムVSシリーズみたいに戦いたいたい人向けだな闘争美ィィィィ! -- ガビグラゴ (2009-09-21 21 00 43) COSTは自分の機体にどれだけチューンポイントを注いだかのことじゃなかったでしたっけ?そもそもマクロスエースフロンティアに戦力ゲージってありましたっけ? -- blue (2009-09-21 21 36 58) アルティメットに引きつげるかな? -- 一条アルト (2009-09-22 09 57 17) ↑↑うむそちらの言うこともそうだが 対戦のルールをみてみるといい確認美! -- ガビグラゴ (2009-09-22 15 16 28) すみません。確認したらちゃんとありました。 -- blue (2009-09-22 18 30 20) COSTとは、そうでしたか、ありがとうございます -- 名無し (2009-09-23 23 47 59) 以外に難しかった -- 名無しさん (2009-09-25 17 49 08) 確かに難しかった -- 名無しさん (2009-09-25 17 50 49) WA☆KA☆RA☆N -- 波平 (2009-10-22 23 20 06) ↑三人わけわからん馬鹿か? -- 名無しさん (2009-10-22 23 22 24) クリアーってSランクって事? -- デカルチャー (2010-03-22 21 29 14) パスワードを教えてくれ -- れいた (2010-05-21 15 45 11) マクロスエースフロンティアのパスワードは左に「パスワード」リンクがある。 -- 名無しさん (2010-05-21 16 51 31) バトルフロンティア、マジ欲しい!! -- ダークネス (2010-06-18 11 24 18) クァドラン・レアクラン機はミス・マクロスをSランクでクリアしたら出ますよ -- リー (2010-06-21 17 39 06) マクロスゼロはどうやったらじだいせんたくできますか -- VF-25Fたいが機 ぼく (2011-04-23 12 34 03) クァドランレア(黒)天使の歌声クリアで出ません。 -- 新庄雷鳥 (2011-07-02 15 20 13) 一人で戦力ゲージバトルしたら他三機マクロスでリンチされた -- 時代遅れの名無しさん (2011-07-27 10 24 09) クラン機はSじゃなくてもただクリアすればおk、黒で、全クリ前に天使クリアして出た人いますか。私は天使を一番先にクリアしたがでなかった -- 新庄雷鳥 (2011-08-17 21 29 34) パスワード教えて下さい -- 夏目 (2012-02-16 11 45 17) このソフトの機体は反応余力が凄いな、、エアロダンシングのトム猫じゃノーラの的かも、、 -- 空母の特務員 (2012-03-09 12 45 41) バトルフロンティアはVF-27出すより簡単さね -- 直政 (2012-05-08 21 19 28) VF-27出すのに苦労したさ(疲) -- 直政 (2012-05-08 21 23 31) 全時代の機体がすべて出た(疲) -- 直政 (2012-05-08 21 27 00) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kazu392h/pages/714.html
autolinkTOP>【ち】>超時空要塞マクロス 超時空要塞マクロス (ちょうじくうようさいまくろす) 分類5【題名】 ジャンル5【その他・作品・番組】 1982年放送。続編・ゲーム化目白押しのガンダムに並んだ人気アニメ。 SFのストーリーを軸に、アイドルの友人や三角関係と言った恋愛要素が加えられ、戦闘機とロボットの中間体型が有るバルキリーというカッコいいメカが登場し、加えて異性間の文化や共存等の奥の深いテーマが散りばめられていた。 おもちゃと曲を大ヒットさせたスタジオぬえの代表作。 1999年(既に過ぎた)、太平洋のとある孤島に宇宙船が不時着。 人類は10年かけてこの宇宙船を修復しマクロスと名付けた。 その進宙式の日、異性人が仕掛けたブービートラップにより、巨人民族ゼントラーディ軍に砲撃を放ったマクロス。 ここからゼントラーディ軍との戦いが始まる。 登録日 2004/03/23 【ち】一覧 乳首当て 膣外射精 千葉麗子 チャーシュー麺 チャイナドレス 着エロ チューブトップ 超時空要塞マクロス 超獣機神ダンクーガ 超人戦隊バラタック 超人バロム1 超人ビビューン 挑戦 蝶ネクタイ型変声機 長七郎江戸日記 チョコエッグ チョコボール チョコレート 「ちょめちょめ」 チョンの間 ■ トップページへ移動 ▲ このページ上段に移動
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3341.html
マクロスなのは 第9話『失踪』←この前の話 『マクロスなのは』第10話「預言」 アルトとなのはが技研から帰還した翌日。 2人は報告書を読んだはやてに呼び出されていた。その理由はバルキリー配備計画についてだ。 「─────つまり、レジアス中将がこの計画を立案したんか?」 2日前からよく寝たのか、はやての顔色はよく、しっかりしていた。しかし彼女の顔は今、苦悩に歪んでいる。 「うん、そうだよ。はやてちゃんも聞いてなかったの?」 「そうや、ウチは聞いとらん。管理局の殉職者が12人って報告は受けとったけど・・・・・・」 重たい沈黙 その時2人の背後のドアが開き、小人(こびと)が飛んできた。 「はやてちゃんそろそろ行く時間ですよぅ~」 リインは頭上をしばらく旋回飛行していたが、返り見ると、なのはの肩にどこかの〝竹を取る〟物語に出てくる小人のようにとても可愛らしい様子で座っていた。 「ああ、もうそんな時間か・・・・・・いきなりで悪いけど、これから2人ともちょっと付き合ってな」 はやてはイスに掛けられた上着に袖を通しながら告げる。2人は事態か読めず、顔を見合わせた。 そこに新たに部屋に入ってきた者がいた。 「はやて、車は用意したからいつでも行けるよ」 と、フェイト。どうやら彼女もこの件に1枚噛んでいるようだ。 「フェイトちゃん、どこ行くの?」 「あれ?まだはやてから聞いてなかった?昨日、聖王教会から連絡があってね。新しい預言が出て、ついでに『はやての友達に会いたい』って言われたんだって」 「ああ、なるほど。えっと・・・・・・カリムさんだっけ?」 「そうや、前々から会わせたいと思っとったんやけど、機会がなくてな。ほな行こか」 はやて達が部屋から出て行く中、アルトは話についていけず、ずっと頭を捻っていた。 (*) フェイトの私用車に乗ったフェイト、はやて、なのは、アルトの4人は一路、高速道路を北上する。 窓の外の景色が近代的な街並みから山と森へとシフトしていく。 しかし目的地にはまだ1時間ほど掛かるようだった。 そのためその間、3人から聖王教会に関する説明を受けることができた。 まず聖王教会とは、聖王を主神とする宗教団体で数多くの次元世界に影響力をもつ大規模な組織であること。 教会はミッドチルダ国の領内にありながら独立しており、税金などの面においても名実共に聖域であること。 財源は基本的には寄付で成り立っており、その額はミッドチルダの国家予算の半分程度という莫大な規模になっている。そのため教会自らが当時のミッドチルダ政府に設立を要請した時空管理局の、現在ですら予算の半分近くを握る最大のスポンサーであること。 このような歴史的事情から必然的に時空管理局と繋がりが強く、ロストロギアの管理、保管はそこが担当しているらしい。 しかし今は教会自体は関係なく、そこに所属しているはやての友人であるカリム・グラシアという人に用があるらしい。 なんでも彼女は『プロフィーテン・シュリフテン』という未来を予知する古代ベルカのレアスキルを持っているという。 「なんだそれ?未来がわかるなら最強じゃないか」 アルトはそう言ったが、そうでもないそうだ。 はやて曰く、カリムの預言はこの惑星を回る月の魔力の関係上、1年に1度しか使えず、表記も古代ベルカ語の、さらに解釈の難しいことで有名な詩文形式で書かれている。 また、期間も半年から数年後のことがランダムに書いてあるため、実質的な信頼性は『よく当たる占い程度』だという。 本局と教会はその内容を参考程度に確認するが、地上部隊は当たらないとして無視するらしい。 「そんな胡散臭いもの信用できるのかよ」 アルトも疑うが、はやては1歩も引かない。なのはやフェイトも『はやてが信用しているなら』と、まったく疑いはないようだ。 そうこうしているうちに、100キロ近い距離を走破した車はそこに到着した。 教会はその名に恥じぬ壮大な造りで一瞬アルトに中世の城をイメージさせたが、最新の科学技術と見事に調和したそれはよほど近代的だった。 車を駐車スペースに停めた4人に玄関から近づいてくる人影がある。 「お待ちしておりました」 彼女は一礼すると品よく笑顔を作った。 「おおきに、シスターシャッハ」 「はい。みなさんもお元気そうで・・・・・・あら?そちらの方は?」 「彼は次元漂流者の早乙女アルト君。今は六課の隊員をやってもらっとる」 はやての紹介にシャッハはプライスレスのスマイルを作り、 「聖王教会にようこそ」 と告げた。 (*) その後シャッハに連れられて教会に入り、いくつもの装飾品の並ぶ玄関を横切り、廊下を歩いていく。 (なんか鳥ばっかだな・・・・・・) 玄関に入ってすぐにあった床の塗装も鳥が大きく翼を伸ばした姿が描かれていたし、各種置物も翼を伸ばした鳥という案配(あんばい)だ。 後でわかったことだが、聖王教会では鳥がモチーフになったシンボルマークが使われており、よほど好きらしい。 (ん?・・・あいつら、なにやってんだ?) 続いてアルトが見たのは1組の男女。しかし男の方は前時代的な切断器具である〝ノコギリのように削られた1メートル程の木の棒〟を女性に突きつけていた。 それで女性が恐怖に怯えているなら話は簡単であり、アルトも助け出すことを躊躇しなかっただろう。 しかし女性の方は喜んでいたようだった。 そのことから特に危険なわけでもないようなので、別段考えもせずどんどん歩を進めるシャッハ達を追った。 (*) しばらく歩くとシャッハは1つのドアの前に立ち止まった。 こん、こん 広い廊下にノックの音が反響する。 『どうぞ』 内から聞こえる女性の声。シャッハはドアを開けると直立する。 「時空管理局の八神はやて様ご一行がいらっしゃいました」 『ありがとう』 シャッハは一礼すると、はやて達を部屋に招き入れ、自分は出ていった。 部屋はなかなか広くカリムという人の重要さを物語る。 しかし物見遊山している暇などなかった。なのはとフェイトは部屋に入ると突然直立不動となり敬礼する。アルトも慌てて続いた。 「便宜上やけどカリムは管理局の少将ぐらいの階級を持ってる〝お偉いさん〟なんよ」 と、先ほど何気も無くはやてが言っていたことを遅まきながら思い出す。 「失礼いたします。高町なのは一等空尉であります」 「フェイト・テスタロッサ・ハラオウン一等海尉です」 「早乙女アルト准尉です」 すると奥から、長いストレートな金髪に紫のカチューシャを着けた25歳ほどの女性が現れた。 彼女は 「いらっしゃい」 と告げると、名乗った。 「初めまして。聖王教会、教会騎士団騎士、カリム・グラシアと申します。どうぞ、こちらへ」 カリムに周囲がガラス張りになったテラスへと誘導され、彼女とはやてはイスに腰を掛ける。 なのは以下3人は 「失礼します」 と一礼してイスに腰を掛けた。 するとカリムはこれまた品よく笑う。 「3人とも、そんなに固くならないで。私たちは個人的にも友人だから、いつも通りで平気ですよ」 「・・・・・・と、カリムが言うてるし、いつもと同じで平気やで」 カリムとはやての許可に、なのはとフェイトは即座に友人モードにスイッチングし、普段通りの口調に戻った。 「改めてこんにちは、私のことは〝なのは〟って呼んでください」 「はい、なのはさんですね。ハラオウンさんと早乙女さんはなんとお呼びすれば?」 「私はみんなからフェイトと呼ばれています」 「俺は、アルト─────」 「〝姫〟やろ?」 「ど、どうしてお前がそれを知って─────!」 「なのはちゃんの報告書に書いてあったで」 なのはに向き直る。すると彼女は少し面白そうに両手を合わせ 「ごめ~ん!あんまりにもぴったりな表現だったから・・・・・・」 と謝罪した。 続いて 「こんないいセンス持ったお友達ならウチともいい友達になれそうやわ~」 とはやて。 (いかん・・・・・・遊ばれるモードに入っている・・・・・・) しかしアルトは怒って否定するまねはしなかった。彼は〝大人〟になろうと努力していたし、彼の望む大人像には短気は入っていなかった。 「・・・・・・なるほどな。確かにチビダヌキって愛称を持つお前ならアイツともいい友達になれそうだな」 反撃に転じたつもりだったが彼のマニューバ(空戦機動)は稚拙すぎ、老獪なはやてには無力だった。 「やろ~タヌキってキツネよりもユーモラスやし、チビってのが愛嬌あるみたいで結構気に入っとるんよ~」 (しまった、上手くかわされた・・・・・・!) 青年は己の経験不足を嘆くしかなかった。 「えっと・・・・・・とりあえず、なのはさんにフェイトさん、それにアルトひめ―――――」 ジロリ アルトの敗者の哀愁を漂わせる視線にカリムは空気を読んだ。 「―――――コホン、アルトさん。これからもよろしくお願いしますね。・・・・・・それから私のことはどうぞカリムと呼んでください」 全員の自己紹介が終わったところで、はやてが仕切り直す。 「それじゃあいい機会だから改めて話そうか。機動六課の設立目的の裏表。そして、今後の事をや」 極めて真面目な顔をして言い放った。 (*) 周囲のカーテンが閉め切られ、先ほどとはうってかわって密会の雰囲気が出たテラスではやては説明を始める。 「六課設立の表向きの目的は、対応が遅く、練度の低くなった地上部隊の支援と治安維持。そして時代の変遷によって不具合が出てきた管理局の非効率なシステムの刷新や」 はやてが端末を操作し、ホロディスプレイを立ち上げていく。 「知っての通り、設立の後見人は騎士カリムとフェイトのお母さんのリンディ・ハラオウン総務統括官。そして、お兄さんのクロノ・ハラオウン提督や」 アルトは隣のフェイトに念話で耳打ちする。 『(この前本部ビルにいたクロノって、お前の兄さんだったのか)』 『(うん)』 『(へぇ・・・・・・、あんまり似てないんだな)』 そこで少しフェイトに陰が落ちる。 『(・・・・・・リンディ統括官もクロノ提督も義理のお母さんとお兄ちゃんなんだ)』 『(え、あぁ・・・・・・すまない・・・・・・)』 ただならぬ雰囲気を感じたアルトはそれ以上詮索しなかった。 「―――――あと非公式にレジアス中将も初期の頃から設立に賛成して、協力を約束してくれとる」 (はぁ?中将は地上部隊の指揮官じゃなかったか?なんでまた本局所属の六課なんかに?) 同じ疑問が浮かんだらしく、なのはとフェイトの顔にも〝?〟マークが浮かんでいた。 今でこそガジェットの度重なる出現で六課の重要度は増すばかりだが、それより前から賛成していたというのは理解できなかった。 普通なら地上のことなのだから、身内(地上部隊)で解決しようとするはずだ。 こちらの疑問に察しがついたのだろう、カリムがはやての説明を継ぐ。 「レジアス中将が設立に賛成したのには理由があります。それは私の能力と関係あるんです」 カリムの説明によると、彼は優秀な部下として可愛がっているはやての勧めで、地上部隊最高司令官として預言に耳を傾けているらしい。 しかしそれだけではまだ六課の味方をする理由がわからない。 そこで立ち上がり儀式魔法を展開。準備を始めるカリムに、はやてが補足する。 「実は最近のカリムの預言に、1つの事件の事が徐々に書き出されとるんや」 どうやら準備ができたらしい。カリムが浮いていた紙の内1枚を手に取り読み始める。 『赤い結晶と無限の欲求が集い、かの翼が蘇る 閃光と共に戦乙女達の翼は折れ、中つ大地の法の塔は虚しく焼け落ちる それを先駆けに善なる心を持つ者、聖地より鳥を呼び覚まし、数多(あまた)の海を守る法の船も砕き落とすだろう』 その預言が聞く限り悪いことのオンパレードであることに、初めて聞いた3人が絶句する中、はやてが更に補足する。 「ウチらはこれをロストロギア『レリック』によって始まる時空管理局地上部隊の壊滅と、管理局システムの崩壊だと解釈しとる。レジアス中将もそれを鑑みて、比較的自由度と拡張性の高い、六課の設立に賛成してくれたんや」 その説明に3人は納得した。しかしはやての顔が優れない。 ここは喜ぶところではないとは思うが、失望したような表情をするところでもないはずだ。 そんなカリムを含めた4人の心配が伝わったのだろう。はやてが訥々と、理由を口に出し始める。 「・・・・・・レジアス中将には、わかってもらえたと思ったんやけど・・・・・・なぁアルト君、なのはちゃん、あの配備計画は本当なん?」 突然話をふられた2人は (ここでこの話が来る?) と驚きつつも頷く。 「すみません、あの配備計画ってなんでしょうか?」 カリムとフェイトが話についていけないので、なのはが速成で説明する。 「昨日レジアス中将が話してくれた計画で、『バルキリーを量産、低ランク空戦魔導士に配備して被撃墜率を下げよう』って計画です」 その話を聞いていなかった2人は 「レジアス中将ならやりそうなちょっと強引な計画だ」 と納得した。 「確かにちょっとギリギリな計画だとは思う。・・・・・・んだが撃墜率は減るだろうし、悪い計画じゃないんじゃないか。どうしてお前はそんなに嫌がるんだ?」 そう言うアルトをはやては見つめると、1つの事を聞いた。 「アルト君、あなたの飛行機の通称は?」 「?なに言ってるんだ。バルキリーに決まって・・・・・・あっ!」 言いながらアルトは気づいた。 〝バルキリー〟この読み方は英語式の〝ヴァルキリー〟に端を発し、日本語では〝ワルキューレ〟と呼ばれる。 意味は昔の地球の北欧神話に出てくる半神の名で、戦乙女という意味だ。 確かアルトの調べた限りこの世界にも偶然か、はたまた必然なのか、その呼び名を持つ同じような神話があった。 それではやての悩みは理解できた。預言の戦乙女の記述が、心配なのだろう。しかし――――― 「バルキリーは戦乙女という意味だ」 アルトの言にカリム、フェイトが驚愕する。しかしなのははわかった風に静かだ。どうやら彼女も自分と同じ考えに行き着いたらしい。 「どうして2人は冷静でいられるん!?レジアス中将は戦乙女=バルキリーなんてわかってるはずやのに!?」 はやてが珍しく語気を荒げる。 「はやて、」 「はやてちゃん、」 2人の声が見事にハモる。なのははジェスチャーで『お先にどうぞ』と送りだした。 「お前はどうして六課があるか忘れてるんじゃないか?・・・・・・いや、俺たちの報告書がマズかったかもしれないな。〝つまらん例外〟以外あれは客観的事実しか書いてなかったはずだ」 その〝つまらん例外〟を書いた本人であるなのはは、投げられたアルトの視線に『テヘへ』と頭を掻いた。 アルトは続ける。 「だがあの時中将は俺達に、『ミッドチルダをよろしく頼む』って言ったんだ。今ならわかる。あの重さが!」 アルトに変わり、なのはがその先を継ぐ。 「レジアス中将は私達に期待してくれてるんだよ。『きっと六課が、預言を阻止してくれる!』って。・・・・・・それにね、戦乙女って六課とも取れるんだよ」 そう、どちらかと言えばそちらの方が可能性としては高い。 昨日見た設計段階のバルキリーは、反応エンジン、航法システムなど武器以外は魔法や魔力結合に頼らぬほぼ純正のものを踏襲していた。 そのためバルキリーはランカレベルの超AMF下でも十分飛行と戦闘が可能だった。 またその他の要因にしても、魔導士にあってバルキリーにない機構などほとんどない。逆に優秀なものならいくらでもある。 大規模センサーなど電子機器しかり、魔力の回復の早い小型魔力炉しかり、圧倒的な馬力や装甲しかり・・・・・・ はっきり言って脆弱ななのは達魔導士方が簡単に、預言の文句と同じく〝翼は折れ〟た状況になるだろう。 「・・・・・・その時、誰が私達を助けに来てくれるのかな?」 なのはの決め台詞はこれだった。 とりあえず現状の魔導士部隊には不可能だ。しかし、バルキリー隊なら?またこれは逆に、バルキリー隊が危険なら六課は?とも言える。 両方無力化されるとは考えにくい。しかし、どちらかが機能すれば預言を阻止できる可能性は失われず、助け合える。 レジアスの言っていた『君達1部隊に地上の命運を任せる訳にはいかない』とはこの意味があったのだ。 「じゃあ、レジアス中将はウチらの心配もしてくれてたんか・・・・・・」 自らを犠牲にしてでも預言を阻止しようと決意していたはやては、感極まった様子で俯き、声に出さず呟く。 『ありがとうございますレジアスおじさん。言ってくれないだけで、ずっとウチらの事も心配してくれとったんだね・・・』 はやてが再び顔を上げた時、一同は暖かい笑顔を彼女に向けていた。 (*) 「さて、実は新しい預言が出た話だけど─────」 カリムの一言に、彼女を除く全員が 「「「あっ!」」」 と声を上げた。 「・・・・・・そういえばそのために来たんだったね」 「にゃはは~完全に忘れてたのですぅ~」 フェイトとなのはの会話が驚いた人達の気持ちを最も端的に表しているだろう。 「でもカリム、預言は1年に1回じゃなかったんか?」 はやての質問にカリムも困った顔をする。 「それが月とは関係ない、別の力が作用したみたいなの」 彼女は言いつつ預言書を出し、読み上げる。 『月と大地の交わる所運命(さだめ)の矢が放たれる』 顔を上げたカリムが、どういう意味がわかる?と一同を見渡す。 「運命の矢ってのは攻撃かな?」 と、なのは。 「月と大地ってことは、宇宙か空だよね。・・・・・・まさか衛星軌道兵器なんてことは─────」 と、フェイト。 「どうやろう・・・・・・戦時中の軍事衛星は耐久年度を超えてるか叩き落とされとる。それに軌道付近なら管理局のパトロール艇が監視しとるはずや。この場合、まず悪いことなんかがわからんな・・・・・・」 腕組みしながらはやてが言う。 「なんかどこかで聞いたような文句だな・・・・・・」 とアルト。 その後議論を1時間近く続けたが結論は出ず、カリムの用事のためそのままお開きになった。 (*) 聖王教会から帰るとすでに日は落ち、ヴィータ教官率いるフォワード4人組も既に訓練を終え、宿舎に引っ込んでいた。 「ほんならなのはちゃん、フェイトちゃん、それにアルト君、わかってもらえたかな?」 自らの声が広い空間を波紋する。 ここは六課の隊舎の玄関前にあるロビーだ。ここからは私室のある部隊長室と、なのは達の宿舎とは反対方向となるのでお別れとなる。 「うん」 「情報は十分。大丈夫だよ」 2人は 「じゃあ」 と言って一時の別れを告げると、宿舎へと続く渡り廊下を歩いていく。 しかし、ラフに壁にもたれたアルトは動かなかった。 「・・・・・・どうしたん?」 「いや、『何か言いたそうだなぁ~』って思ったから待ってるのさ。なのは達行っちまうぜ、いいのか?」 はやては去っていく2人の後ろ姿を見て少し逡巡したが、すぐ首を 「うん」 と力強く縦に振る。 「・・・・・・いや、ありがとうな。本当は言おうと思ったんやけど、よく考えてみれば2人には言わなくてもわかってくれとると思う。」 2人を見送るその横顔は確信に満ちていた。 「そうか」 「でも、アルト君には確認しておきたい」 「なんだ?」 アルトはもたれた壁から離れると、腰に手をあてがい聞き耳をたてる。 「六課が、これからどんな展開と結末を迎えるかわかれへん。だけどこのまま六課で戦ってほしいんやけど、ダメ・・・・・・かな?」 「・・・・・・そうだなぁ、六課設立の目的が最初聞いた時と圧倒的に違うからな。実は『壊滅するかもしれない?』『単なるテスト部隊でなく管理局の切り札だった?』と来たもんだ。おまえの覚悟は立派だし、その気持ちには同情する・・・・・・だが、こんな〝危険〟なとこに俺らを引き込んだのか?」 アルトの口から出る痛烈な言葉にはやてはシュンとなる。 「・・・・・・やっぱり、いやなんか?」 「ああ、嫌だね」 アルトはにのべなく切り捨てた。 「危険なのは俺だけじゃないんだ。ランカだって関わってる。もしアイツに何かあったら、アイツの〝兄さんズ〟に反応弾(物質・反物質対消滅弾頭)か重量子ビームでスペースデブリ(宇宙の塵)にされちまうんだ。本当のことを知らされないで、そのことへ覚悟がないのに危ないのは御免被る。」 アルトの言葉にはやてはどんどん肩落とし、泣き出さんとまでになってきた。 「ごめん・・・・・・アルト君がそんなに嫌がってるなんて知らへんかった。気づけなくてごめんな。なんなら今すぐランカちゃんと一緒に─────」 部隊長室へ歩き出そうとしたはやてだったが、アルトの手が肩に触れて立ち止まり、彼を振り返った。 (*) アルトは「やりすぎたか・・・」と胸の内で呟いた。こちらを見上げる小さな少女の目には大粒の涙が溜まっていたからだ。 「あぁ・・・・・・俺はそういう事を言ってるんじゃないんだ・・・・・・。つまりだな、危険な事でも下手(したて)に出て「ダメか?」とか頼むようじゃ人は着いてこない。たとえ俺たちのような〝友達〟でもな。そう言ってるんだ」 ここではやてはアルトの真意に初めて気づいたようだった。 「いじわるやね、アルト君・・・・・・」 アルトは破顔一笑。 「ほんとにな。よく言われるよ」 するとはやては涙をさっと拭うと、大仰に決めていい放つ。 「じゃあ、アルト〝くん〟とランカちゃんに〝どうしても〟手伝ってもらいたいんや!いいんやろ?」 「仕方ない、付き合ってやるか。・・・・・・お前もいいんだろ?」 アルトは壁に話しかける。そこはロビーに隣接するように作られている自販機コーナーの入り口のドアだ。 気づけば、さっきアルトがもたれるのをやめた時、彼は何気なくそのドアを少し開けていた。 はやてがその行為にタヌキ・・・いやキツネに摘ままれたような顔をしていると、緑の髪した少女が「てへへ」と笑いながら出てきた。どうやら偶然最初からいたようだった。 「うん。もちろん。私、このみんなのいる街を守りたいの!」 彼女の赤い瞳には強力な意志の力がみなぎっている。 「こんな2人だが、これからもよろしくな。」 アルトとランカが手を出す。 はやては2人の手を掴み「ウチこそ!」と、100万W(ワット)の笑顔で応えた。 シレンヤ氏 第10話 その2へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3589.html
マクロスなのは 第13話『空の守護神』←この前の話 『マクロスなのは』第14話「決戦の果てに・・・・・・」 魔導士部隊、グリーン大隊第3小隊隊長のディーン・ジョンソン一等空尉は手元に目を落とす。そこには自分の褐色の肌とは対をなす白いポールで繋がれた自身のデバイスが、そしてそこに付けられた魔力残量計がMAXを示している事が確認できた。 5分前に魔力補給を受けてから実はもう5回目に当たるこの行動だが、何度見ても体に闘志を沸き立てさせた。 顔をあげて周囲を見渡してみると雲の霧の中、自らの部下たちが来るべき時と命令を待っている。 彼らの顔はさすが全員が地上部隊の精鋭揃いと言おうか、思ったより落ち着いていた。 そこへ通信が開いた。 『こちら八神はやてです。まもなく大規模反攻作戦を開始します。各隊は合図を待って行動を開始してください』 「よし」 ジョンソンは閉じられた通信回線を一瞥すると部下たちに向き直る。 「聞いたか!パーティーの時間だ!聞いてるだろうが俺たちはあの鉄のチキンどもを七面鳥焼きにする!魔法が使えないあいつ等は俺たちに比べたら翼をもがれた鳥に過ぎない!だがやつらにもメンツがあるだろう。そこでだ、例えどんなにやつらを過小評価していたとしても決して奢るな!お前ら、わかったな!?」 「「サー、イエッサー!!」」 「生粋の地上部隊のくせに質量兵器と戦いたいとほざくお前ら半人前にはまたとないチャンスだ!魔導士スピリッツを見せてやれ!!」 ジョンソンの発破に小隊全員の歓声がそれに応えた。直後全員転送魔法の準備に入る。 今回の作戦は、まず魔力補給班(つまり非戦闘員)と魔力不足で弱体化した部隊に偽装した30人程の囮を配置する。 そしてそれを嬉々として攻撃してきた編隊に対して他の場所で待機する魔導士が幻術を行う。その幻術の内容は、バルキリーの目の前に魔導士部隊の壁を作ることだ。 機体を接触させるだけで相手を殺傷してしまうバルキリー隊は魔導士達を轢くまいと必死に制動を掛けてくれるはず。 そうして彼らの音速の運動エネルギーを奪った所で自分たちのような部隊が転送や超高速移動魔法で編隊を包囲、殲滅する。 彼らは乗り物であるバルキリーに常にコネクトして魔力を供給する。しかしアルト達とは違ってリンカーコア出力がクラスBと総じて低いため、推進や武装に魔力の大半を費やしてしまう。そのためまともな転送や高速移動、束縛魔法などの魔法が使えないのだ。 そのためこれは魔導士たる優位さを全面に押し出した作戦であった。 (しかし地上部隊に来てまで戦闘機相手に戦うことになるとはな) ジョンソンは10年以上昔に従事した任務を否応なしに思い出した。 時空管理局本局の特別対応班である海兵隊に所属していたジョンソンは、戦闘機に代表される質量兵器との戦闘を経験する数少ない魔導士の1人であった。 機動課は通常1~2人の執務官と1個小隊(40人ぐらい)規模の武装隊がピンポイントの介入によってロストロギアを確保する。一方機動課の派生である海兵隊は2個中隊規模(400人ぐらい)の人員を用いてロストロギア奪取に伴う相手側の大規模な抵抗に対応できる部隊だ。 当時部隊は管理外世界で、戦争に勝つために次元破壊型のロストロギアを使おうとする国家からそれを奪取する任務に従事することとなった。 今回は管理外世界との抗争であったため、敵側では当然質量兵器が使われていた。 敵のレベルは決して低くはなかった。 科学技術のレベルはミッドチルダとほぼ同等。兵器も人間が単独で作り上げた文明にしては最上級と言っても過言ではない。 彼らは魔導技術こそなかったが、未だにできない空戦魔導士を赤外線ホーミングできるミサイルを開発していたし、副次的に転送魔法を妨害できるシールドも持っていた。 しかしこの作戦最大の激戦地『第47空域』は世間一般には質量兵器に対する魔導士の優位性を表した典型例として知られていた。 ジョンソンは当時部隊の上級曹長クラスで、空戦魔導士部隊を3編隊ほど任される立場にあった。 そのときの戦闘内容を書くのはまたの機会に送るが、彼は勝因を魔法とは捉えてなかった。 確かに陸戦兵器に匹敵する魔力砲撃や転送魔法、高速移動魔法は強力なツールであった。しかしもっとも大きかったのが、相手がこちらの手の内と戦術を知らなかったことだと考えていた。 バルキリー隊は元々管理局の魔導士。つまり魔導士の手の内と戦術を内部から知る者達であり、簡単な戦術ではすぐに見破られてその大火力でねじ伏せられるだろう。 ジョンソンにはそれが最大の不安材料だった。 「(だがそれこそオレ達の力の見せ所だ!)」 ジョンソンは改めて気を引き締めると、鬼軍曹と呼ばれた恐面(こわもて)で部下達を威圧した。 そこへ包囲開始の合図が送られてくる。 「奴らに地獄を見せてやれ!転送開始!」 命令と同時に部隊を一括りのミッドチルダ式魔法陣が飲み込み、瞬時に予定空間へと転送した。 目前にはVF-1が3機。どうやらガウォークで急制動をかけたところで突然現れた敵からの攻撃に慌てているらしく、3機には組織立った連携は見られなかった。と、なれば占めたもの。 「てぇーーー!!」 ジョンソン以下彼の指揮する15人の火線が一斉に火蓋を切り、そのすべてが1機のVF-1に吸い込まれた。 さすがの装甲もその攻撃に耐えきれず撃墜判定。機体は断末魔のようにミサイルを斉射するとすぐさま転送送還された。 置き土産たるミサイルは10発程度であったが、憎々しいことに自分の部隊と包囲している他2部隊の攻撃を一時的に逸らすことに成功して残り2機が連携する時間を稼ぎだした。 しかしもう遅い。あの2機もすでに消耗は激しいようだったし、包囲部隊は巨大な全方位シールドで敵を完全に閉じ込めているため包囲を突破するのは不可能。そう時間を掛けずに落とすことができる筈だ。 しかし残るバルキリー隊の反撃は熾烈なものだった。 各方面でお互い視認できないほど分散していたはずのフロンティア基地航空隊だが、まるで相互の意志疎通が常に行われているかのように集合を果たしていた。 作戦開始からたった20秒。ジョンソンが気付いた時にはすでにそれらは自分たちとは対岸の部隊を攻撃するところだった。 『これだけ人数がいれば余程の飽和攻撃でない限りミサイルの迎撃など簡単。ガンポッドの攻撃だって9~10機ぐらいなら魔導士部隊の全方位シールドで耐えきれる』 八神はやてはこう思ってこの作戦を決行したのだが、バルキリー隊の集弾率は予想を遥かに上回っていた。 集ってきた敵の3個編隊は迎撃を編隊単位で回避しながらバラバラの角度から同時に、しかしロックオンしたかのように全く同じ場所に集中射してきた。 9条もの魔力砲撃を浴びたその場所のシールドは数秒で崩壊し、そこにいた魔導士数人は瞬時に壊滅させられた。 まさかこれほど対応が早いとは思っておらず慌てた魔導士達はジョンソン含めほぼ全員が全方位シールドの維持という重要な任務を忘れて、新たな高脅威目標へとデバイスを照準する。 しかしそれこそバルキリー隊の思うツボだった。 防御から攻撃への転換には古今東西〝隙〟という名の多大のリスクを背負うことになる。それも集団であれば地上の航空管制局かホークアイの管制によって冷静かつ的確に行われるべきものだ。 魔導士部隊は司令官である八神はやてとダイレクトに意志疎通ができるリィンフォースⅡがそれを行っていた。彼女の能力もそれなりで適切な運用であったが、今回は相手が悪かった。 『違う!上や!』 通常の軍用回線でなく、民間の地上局経由で届いたはやての声。気づけば管制用のデータリンク回線は完全に沈黙していた。 どうやらバルキリー隊は反撃段階で広域ジャミングを行っており、電磁波を用いていた魔導士部隊のデータリンク、レーダー、他回線を全て封鎖されていたらしい。おかげで最初の増援の察知も遅れたようだ。 上空に視線を向けると、太陽を背に1発のクラスターミサイルがロケット弾を散布し始めた所だった。 「総員退避!!」 ジョンソンの指示が飛び、連携など取りようがないので各自バラバラに個人転送していく。しかしAランク魔導士とて転送魔法の発動には1~2秒の個人差がある。それは致命的だった。 「畜生!!」 そんな罵りなど関せずに彼の目前で多数の友軍が転送が間に合わず魔力爆発に呑まれていく。 猛烈に迫る魔力衝撃波。しかしジョンソンはなんとかその業火に呑まれる前に転送脱出した。 結果的に半数程の魔導士がクラスターミサイルの業火に包まれて撃墜判定。一方バルキリー隊はその加速力を生かして現場から離脱し、転送及び高速移動魔法で命からがら逃れた魔導士を各個撃破していった。 (*) 作戦失敗から5分後 「敵の編隊が旋回してくるぞ!垂直に展開して撃ちまくれ!」 ジョンソンが部下に檄を飛ばす。 臨時編成にも関わらず部下達は密集態勢から瞬時に展開して壁を形成する。 そこへ3機の敵編隊より放たれた6発のミサイルが迫る。Aランク魔導士である自分達にとってそれを迎撃することはさほど難しくはない。しかし高速で回避運動するので時間稼ぎの囮としては優秀であった。それにそれを迎撃しない場合の被害も計り知れない。 部隊の半数の火線が必然的にミサイル迎撃へと当てられ、残りが敵編隊に放たれる。 「おいおいマジかよ!?」 1人の魔導士が目前の光景に声を荒げる。 火力密度が半分まで低下した事で敵はこちらの迎撃をものともせず、PPBと装甲でごり押してきたのだ。 そしてミサイルが放たれてから5秒後、敵は後ろへと抜けていた。 あちらに被害はない。しかしこちらは30ミリ模擬弾で12人中4人が転送送還されていた。 追撃や追い撃ちしようにも敵はすでに遥か彼方。 「奴ら速いし硬すぎる!」 へッドオン(相対)からたった5秒では砲撃一発を放つのが限度。さらに砲撃によるデバイス冷却のせいで模擬弾を受けきる程のシールドが展開出来ず、ただの的であった。 バルキリー隊はその速度とガウォークの旋回性能、そして火力を有効活用した一撃離脱戦法に終始し、魔導士部隊にはまったく有効弾が入れられなかった。 それを補うために連携を取ろうにもあれ以来魔導士部隊はバラバラに分断されていて、索敵範囲外の友軍の位置すらわからない状況へと追い込まれていた。 「さっきの作戦で不覚を取られなきゃ・・・・・・!」 ジョンソンは悪態と共にデバイスを強く握り締めた。 いまでは通信回線は民間をも封鎖されてしまったので使えない。 かつて小隊長だった自分も部隊が散りじりになったため、所属に関係なく生き残りをかき集めている。しかし敵は一定以上のグループになると容赦なく攻撃してくるので他の場所でも小グループで各個に戦い、一方的に撃破されているようだった。 (このままじゃ負ける・・・・・・!) 念話を含めた全周波に対してスクランブル(ジャミング)を掛けているにも関わらず組織的に行動するという従来の技術ではありえないということも相まって歯噛みするジョンソンだが、沈黙していた無線に久しぶりに声が入った。 『八神はやてより全魔導士部隊へ。現在私の魔力を使ってECCM(対電子妨害手段)を展開中。しかし短時間なので簡潔に説明します。これより演習空域中央のジョンソン一尉の部隊に〝切り札〟を転送します。生存者はそこに集合。以降彼女より直接指示を受けてください』 それだけ告げると再び回線は封鎖された。 (切り札だと?しかも俺の所に!?) すぐに部隊に円陣を敷かせて周辺警戒。そして少人数のグループが2つほど合流した時、遂にそれはやってきた。 展開された魔法陣から出てきたのは外見年齢に似合わぬ威厳と風格を備えた人物だった。 「これより私が指揮を取る。異存はないか?」 もちろん肯定以外の意思表示をする者はなかった。 (*) 飛び交うミサイルと模擬弾。そして魔力砲撃。所々で魔力爆発の花が咲き、断末魔の悲鳴とともに散っていく。 戦況はフロンティア基地航空隊側の圧倒的有利に傾いていた。それは何より指揮管制能力の差にある。 互いに火力・航空管制センターである『ホークアイ』の指揮・火力管制が受けられぬため、各自で対応している。 魔導士側は先ほどまで小隊ごとに分けてそれをはやてが切り盛りしていた。しかしリィンの手伝いがあるとは言え人が1人で行う戦闘管制には限界があり、それがデバイスにしか頼れぬ魔導士の限界だ。 しかもそれすらこちらの展開する広域ジャミングで封じている。 バルキリー隊は数も少なく、フォールド波を使用したJTIDS(ジョイント・タクティカル・インフォメーション・ディストリビューション・システム。統合戦術情報分配システム)を全機に配備している。 そのため魔導士には長い訓練と互いの信頼性を必要とする目標の割り当てや火力集中といったことをFCS(火器管制システム)のリンクによって難なくこなす事ができる。 また、索敵外の敵や友軍の情報もデータリンクを通してリアルタイムで知ることが出来るため効率的な部隊運用が可能だった。 今フロンティア基地航空隊を任されているスコーピオン小隊の隊長、アーノルド・ライアン二等空尉は久しぶりの部隊指揮に心躍らせていた。 彼は元々地上部隊の対テロ特殊部隊、通称『特別機動隊』の空戦部隊に所属していて、魔導士ランクはA+だ。しかし才能に恵まれなかった彼のリンカーコアはクラスBだった。(通常魔導士ランクとリンカーコアのランクは釣り合うものだが、上回っているのは彼の努力の証と言えよう) さらに彼は25歳の若さにして豊富な実戦経験と科学技術に対する深い教養があった。 しかしそんな彼は4ヶ月前に、突然の異動が命じられた。配属先はまだできたばかりの教導隊。それも教官としてではなく、生徒としての入隊だった。 最初彼は 「左遷された!」 と大いに嘆いた。しかし他の生徒の経歴を見たライアンはある共通点を見つけた。 自分を含めほぼすべての者がミッドチルダ防衛アカデミー、もしくは通常大学で工学を履修おり、優秀者であること。 リンカーコアのランクは低いが、管理局の未来を十分背負っていける優秀な人材が階級を尉官以下から問わず採用されていること。 原隊では十分誇れる実績をそれぞれもっていること。 この3点だ。この事からこれが左遷でなく、何か大がかりな革命の予兆と予感したライアンは粛々とそれを受け入れることにした。 結果としてそれは大当たりだった。 彼は今でも最初にやったOT・OTMの理論を聞いた時の感動を鮮明に覚えている。 それは既存の流体力学の理論をねじ伏せ、魔法技術との融合で更にねじ曲げることが可能になったOT改『アクティブ空力制御技術』だったが、その感動は言葉に尽くせないものがあった。 今では彼は、オーバーテクノロジーとミッドチルダの技術の粋を結集して改良されたヴァリアブル・ファイターという機体を操縦できることを誇りに思っていた。 閑話休題 ライアンは各隊に指示を飛ばしながら敵を撃破していく。 しかし彼らフロンティア基地航空隊全体を覆うある一つの認識があった。 『自分達は確実に負ける』 端から見ると一方的優位にあるように思えるが、それは幻想に過ぎない。 バルキリーの出力を持ってしてもこれほどの大規模なジャミングをこれ以上維持することはできないし、何より弾薬がない。 VF-1Bは中HMM:8発、MHMM:32発。VF-11はこれに内蔵型MHMM:10発、クラスターミサイル:2発。そして2機種共通の30mm多目的ガンポッドの模擬弾3000発超。 使うと無くなる兵装はこれだけだが、単独ではMMリアクターを使っても魔導士を撃墜するのは難しい。 彼らは対魔法戦のエキスパートであり、魔力砲撃などの単純魔力攻撃に対する対処法が腐る程蓄積されている。 かといって近接戦闘こそ相手の思うツボであり、結局弾薬の量こそが生命線であった。 ライアンは攻撃の合間に友軍の全弾薬量と敵の配備を見直す。 自らの指揮下にあるバルキリーは残り13機。大抵の機がミサイルを80%以上撃ちきり、ガンポッドの弾薬が半分ぐらいの機も珍しくない。 魔導士はジャミングのおかげでバラバラにこそなっているが、その数は凄まじい脅威だ。連携を取り戻しさえすれば防御陣のままチャンスを伺っているらしいC群を伴って大規模な反抗に打って出てくるのは必至だった。 頼みの制圧兵器であるクラスターミサイルも自分と他2機が保有する3発しかない。 これでは派手に正面戦闘をすれば全兵器を使い果たしてしまうだろう。 だからと言って座して負けるのは面白くない。 「只では負けないぞ・・・・・・目にもの見せてやる!」 そのための戦術は既に練り上げている。 『スカル小隊、交戦』 何度目かの交戦宣言が無線機から聞こえる。 「これだけ数が・・・・・・な、なに!?」 ライアンはその異常事態に画面を二度見することになった。先ほどまで13機それぞれのライフが表示されていたのだが、突然2機の反応が消えたのだ。 どちらもスカル小隊の機体で、中央へと集結し始めたらしい敵の撹乱のために送り、さきほど交戦宣言を聞いたばかりだ。 故障かとも思えたが、現実であることを告げるAWACSの撃墜報告が無線から届いた。 「どうやって落とされた?」 確かにそこには10人程のグループが形成されているようだったが、それでもこんなに一瞬ではやられないはずだ。 「カプリコン小隊、状況は分かるな?」 『ああ、スカル小隊が交戦宣言の3秒後に壊滅した。だろ?』 「そうだ。中央に一番近いお前の小隊に原因を探ってもらいたい。こちらもすぐに急行する」 『了解。必ず正体を暴いてやるぜ!』 レーダーの中でカプリコン小隊のアイコンたちが演習空域中央へと転進していった。 ライアンも操縦桿を倒して中央へと進路を取る。彼らとは10秒ぐらいの差で到達できるはずだ。 カプリコン小隊のアイコンが射程へと突入する。刹那2機のVF-1Bの反応が消えうせ、隊長機であるVF-11Sの転換装甲のキャパシタが一気になくなった。 どうやらとっさにバトロイドに可変することでその一撃を凌いだようだった。 『こちらカプリコンリーダー!敵六課戦力見ゆ!』 ロックオンアラートをBGMに開かれた回線が叫ぶようにそう告げる。 『ライアンよく聞け!敵は―――――!!』 しかしそれは途切れ、同時にデータリンクの反応をも消えた。 「カプリコンリーダー!・・・・・・おいジョエル!応答しろ!」 当然応答はなかった。 (バカな!レーダーにSランク魔導士の反応はないはずだ!) ライアンは改めてレーダーを見たが、その場所にSランクを示す赤い反応はなかった。しかし考えるには接敵までの時間がない。彼は僚機に注意を促すと顔を上げる。その時、隣を並進していた僚機が撃墜された。 彼はその正体を一瞬で悟ると、操縦桿を前いっぱいに倒して機体を無理やり下降させた。生き残る僚機も続く。 ちなみに、普通なら過度のマイナスGがかりレッドアウト(頭に血液が逆流して失神する現象)してしまう程の機動だ。しかしEXギアであるデバイスの重力制御装置の恩恵で、この程度ならそれはある程度なら相殺されるようになっていた。 頭上を見上げると、さっきまで自分達のいた位置にチェーンで繋がれた刃物が擦過していった。 僚機の撃墜でジャミングはもう打ち止めだ。ライアンはECM(電子妨害手段)を切ると、彼女に呼びかけた。 『(さすがですね。シグナム〝隊長〟)』 念話によって送られたメッセージの返答はすぐに来た。 『(ほう、ライアンか。久しいな)』 シグナムは少し離れたところでその〝隠れ蓑〟から姿を表した。 シレンヤ氏 第14話その2へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3351.html
マクロスなのは 第10話『預言』←この前の話 『マクロスなのは』第11話「地上部隊は誰がために・・・・・・」 周囲は至って静か。バルキリーから出るエンジン音しかしない。 現在VF-25はミッドチルダ領空の海上を飛行しているが、パイロットであるアルトはくまなく周囲を警戒し、レーダーに気を配っている。そう、ここは〝敵陣〟のまっただ中だからだ。 刹那、曇り空の1点が小さく光る。アルトは即座に操縦桿を倒してロール。続いてバルキリーを急旋回させる。 すると同時に青白い光の束が襲い、VF-25のベントラルフィン(垂直尾翼の一種で機体下方に斜めに突き出した小さな整流板)に当たって、転換装甲のキャパシティを削った。 魔力砲撃は2発、3発と続くが、位置の割れた砲撃など避けるのは容易い。 不意討ちに失敗した敵が降下してくる。どうやら敵機はVF-1『バルキリー』のようだ。 バルキリーは第25未確認世界では初の量産仕様の人型可変戦闘機として有名である。しかし、目の前の機体は細部が異なる。随所にVF-25の技術転用が認められ、エンジンも熱核タービンから最新の熱核バーストエンジン(ステージⅡ熱核タービン)になっている。 また、第3世代型エネルギー転換装甲への全換装により純正の機体重量より40%軽くなり、その軽い機体に熱核バーストエンジンという強力な心臓を持たせたため、VF-25から3世代ほど離れたロートルにもかかわらず、その動きは俊敏だった。 VF-1は高度の優位のためか悠々とこちらを牽制しながら近づいてくる。 しかしアルトはそうはいかない。敵機はVFー1だけでなく、他にもどこにいるかわからない。 アルトは可変を駆使して加速と減速を繰り返し、ロックをかわし続けた。そして頃合いを見計らうと機体周囲にハイマニューバ誘導弾を生成する。 「メサイア、誘導を頼む」 『Yes sir.』 対する敵もパイロンに懸架された箱型ミサイルランチャーから魔力推進型のマイクロハイマニューバミサイルを一斉に放ってきた。 アルトはスラストレバーを一杯まで上げて一目散に海面に向かう。 ミサイル達にはアフターバーナーを焚いたVF-25がよほどおいしい獲物に見えるようだ。一目散に向かってくる。 VF-25は海面ギリギリまでミサイルを引き付けると、ガウォークに緊急可変。足を振り出し機体がへし折れるのではないかという機動で海面への激突を回避した。 しかしハイマニューバミサイルもノズル基部に追加展開された偏向・集束バインド(環状魔法陣)を駆使して推力偏向。海面スレスレで急旋回する。だが彼らの目の前にあったのはVF-25ではなく水の壁だった。 実はアルトはミサイルの追尾性能を看破、ガンポッドで海面を掃射していたのだ。 しかし通常水に当たったぐらいで起爆するハイマニューバミサイルではない。 だがミサイル達は重力の加速によりただの水を鉄板と間違えるほどの速度に達していた。 水の雫が信管に当たり、搭載AIは衝撃からそれを鉄板と誤認。内包する力を解放していった。 (*) アルトは次々誘爆するミサイルを横目に、VF-1を流し見る。 どうやら敵機はこちらのハイマニューバ誘導弾に、バトロイドに可変して全火器で迎撃する積極的迎撃を選んだようだ。 頭部対空レーザー砲とガンポッドから魔力砲撃の筋が伸び、誘導弾が墜ちていく。 しかしバトロイドでは出力の関係で高度を維持できないため、徐々に降下してくる。 アルトはこの機を逃すまいとファイターに可変。一気に距離を詰める。 だが突然、背中に悪寒が襲った。アルトは今までの経験からこれは本物だと感じ、反射に近い速さでバルキリーの足だけを展開、エンジンを吹かして横に跳ぶ。 すると案の定今までいた位置にこれまた青白い光に包まれた大口径の〝砲弾〟がすり抜けていった。しかし上からではない。下、つまり海中からの砲撃らしかった。 だが目の前の敵機に背を向けるわけにはいかない。アルトは魔力推進へと全換装された高機動スラスターで機体を上下左右ランダムに振る。 現在VF-25のOT『ISC(イナーシャ・ストア・コンバータ。慣性エネルギーを時空エネルギーに還元蓄積、これによりパイロットにかかる重力加速度を最大27.5Gまでを一定時間無力化する)』とEXギアシステム、そしてミッドチルダ由来の重力制御装置(デバイスに内蔵。この場ではパイロットにかかる重力加速度の相殺に使用する)によってVF-25は一定時間ならば、無人機レベルの機動が可能となっていた。 そんなゴーストもびっくりな機動で続く第2、第3射を回避しながらVF-1に肉薄する。 そのうち友軍への誤射を恐れたのか狙撃が止んだ。 目の前のVF-1も覚悟を決めたようだ。そのままバトロイドでこちらに突撃してくる。 「よし、来い!」 アルトは叫ぶと自身もバトロイドに可変。左腕に装備された防弾シールドからアサルトナイフの柄を抜き放ち突撃する。 勝負は一瞬で決した。 VF-1はVF-11の『GU-15 30mm多目的ガンポッド』を元にしたガンポッドから魔力刃の銃剣を生成し突撃してくる。しかしアルトは突き出された敵のガンポッドを紙一重で左腕の防弾シールドによって上に受け流す。 そして無防備となったコックピットのある胴体を斬りつけた。魔力刃となっているアサルトナイフは確実に相手の戦闘力を奪い、無力化した。 友軍機が撃墜されたため海中からの狙撃が再開された。しかしアルトはそれらを難なくかわす。 当たらない事に業を煮やしたのだろう。敵機が海中から出て来た。 今度の機体はカナード翼が特徴的なVF-11『サンダーボルト』だ。しかし装備されたそのライフルは極めて長大であり、形状はVF-25Gのライフルと寸分の違いもない。 本来重力圏内でそのような重量物を装備すればエンジン出力の大半を持っていかれるはずだが、その動きは俊敏だった。その理由としてはVF-1と同様の熱核バーストエンジンへの換装や、ミッドチルダの魔法技術によってはるかに用途の拡大したOT改『アクティブ空力制御システム』などの新技術の導入などが挙げられる。 それらの機体の改良がこのような重装備を可能たらしめていた。 両機とも低空、それも至近にいたためミサイルは使えない。勝負はガンポッドか近接格闘で着くはずだ。 両者はファイターでヘッドオン(正面から相対)、互いにガンポッドまたはライフルで牽制し合いながら接近する。そして定石通りVF-11は激突寸前にバトロイドに可変し、ピンポイントバリアパンチを放ってくる。 速度の乗ったそれはほぼ必中のはずだったが、アルトの方が1枚上手だった。 当たる寸前にガウォークに可変したVF-25は翼のフラップ(主翼後縁にある小翼。高揚力装置)、スポイラー(主翼上面の稼動板。揚力を減少し抗力を増加させる)を全開。その結果翼の空気抵抗が増大して失速し、VF-11の懐に労せず回り込んで、それの腹にガンポッドの一斉射を叩き込んだ。 (*) 『サジタリウス2の撃墜を確認。サジタリウス小隊、演習を終了する』 撃墜と同時に通信機から渋いが聞き取りやすいいい声。 成層圏で〝演習〟を管理していたAWACS(エアボーン・ワーニング・アンド・コントロール・システム。空中警戒管制システム)、M級レーダー護衛艦改『ホークアイ』だ。 これは元々本局で運用されていた艦である。しかし以前の教導隊の襲撃事件を察知できなかった教訓からミッドチルダ本土のレーダーシステムと航空部隊の指揮管制能力向上のために地上部隊が老朽化から廃艦寸前だったこの艦を本局から払い下げてもらい、反応炉、OTM『時空変動レーダー』、スーパー量子コンピューターと6室にも渡る大型管制所を増設。加えて100人以上の管制員を乗せ、地上部隊の全ての航空部隊の監視と随時の管制を行っている。 艦船のため補給次第で後続能力は無限大であり、転送魔法によって人員の行き来は簡単。 ミッドチルダ全土を24時間見渡すまさしく鷹の目であった。 「サンキュー、ホークアイ」 アルトが応える。 終了の合図とともに、先ほど撃墜した2機がやってきてVF-25と並進を始める。2機ともペイントでぐしゃぐしゃだ。 『隊長、強すぎっすよぅ~』 右側を並走する、管理局の国籍表示マークを着けたVF-1B(性能向上型)『ワルキューレ』から泣きつくような声がする。 彼はアルトの指揮するサジタリウス小隊の3番機、天城義雄三等空尉だ。 「しかしお前らも2週間前、その機体に初めて乗った時よりは上手くなってるぞ。海中からの狙撃は危なかったな・・・・・・考えたのはおまえか?さくら?」 左側を並進する2番機、VF-11G(狙撃特化型仕様)『サンダーホーク』に呼びかける。 『はい。でも水中で弾道が乱れて、なかなか大変だったです』 そう応えるのはこの世界初の女性バルキリー乗りになった工藤さくら三等空尉だ。 「砲弾に魔力を纏わせて弾道と威力を保つとはよく考えてある。あとは少し連射速度を遅くしてよく狙った方がいい。少し急ぎ過ぎてる。・・・・・・いや、そもそも次があると思うな。狙撃は最初の1発目が肝心だからな」 『はい!了解しました!』 彼女はバトロイドに可変、それを使って器用に敬礼した。 (*) その後3機は基地へと向かった。 彼らの基地はクラナガンから200キロ離れた場所に位置している。しかしアルトはある理由のため、コースを大幅にずらした。 海岸線を目視するとモニターで拡大する。 果たして拡大されたカメラ映像には六課の訓練場が写っていた。どうやら今は市街地戦の訓練らしい。 スバルのウィングロードが綺麗な螺旋模様を描いて上昇していき、ホログラムのガジェットを撃破していく。 また、比較的高いビルに陣取り支援射撃するティアナや覚醒したフリードリヒに乗ったキャロ、エリオの姿も確認できる。 なのはも忙しく指示を発していて元気そうだ。 「今日も六課は平常運転だ」 アルトは安心して基地への帰途についた。 (*) 試作航空中隊の基地はまだ作りかけで、着工から1週間しか経っていない。そのため予定されている格納庫は15棟だが、まだ3棟しか完成していなかった。 だがアルトはそれがいいと思っていた。 今11棟目と12棟目で骨組みが組まれているが、組み立てているのはクレーンに代表される重機ではなく、2期生操るVFー1A(初期量産型)だ。 これは2期生達がバトロイドの操作に慣れる目的で行われていて、訓練としては最適だ。また、精巧なバルキリーのマニピュレーターは作業効率を格段に上げていた。 戦闘用のVF-1は第2次生産のB型までで、A型,B型合わせても50数機のみしか生産されていない。しかし製作委任企業である『三菱ボーイング社』とその傘下の中小企業の生産ラインは現在もフル稼働を続けている。それはこのシリーズを民間用デチューン機『VF-1C』としてこの第1管理世界内だけで販売が行われているからだ。 C型の主な変更点としては4つ。 製作コストの安い第1世代型低出力熱核タービンエンジンへの換装。 MMリアクター(小型魔力炉)を積まない。 第3世代型エネルギー転換装甲を通常合金に。(無論各形態で工作機械としてまともに使えるレベルには強力な合金である) 各種オーバーテクノロジーをできうる限り現代レベルの既存の機材に換装。 また、各種武装が取り除かれていることは言うまでもない。 これは利潤を目的とする企業には巨額になった生産設備を最大利用、無駄にしないためには必要なことであり、どうしても避けられない事だった。 そして管理局としても生産コストの低下、予備パーツの供給問題。さらにはバルキリーが活躍する報道(特に重機の入れない場所での災害救助や海難救助、工事現場など)によって世論の支持も強かったため、やむを得ぬとして黙認していた。 すでに50数機が消防・レスキュー部隊、建設業者などに買い取られ、全国で使われていた。 閑話休題。 アルトは基地へのアプローチに入る前に回線を合わせて呼びかける。 「こちらサジタリウスリーダー、フロンティア航空基地管制塔どうぞ」 『こちらフロンティア航空基地管制塔』 「着陸許可を願う」 『現在、スカル小隊の出撃が遅れているため、上空待機願います』 「サジタリウスリーダー了解」 アルトは応えると、回線を閉じる。 どうやら機体の整備がまだ終わってないようだ。 周りは郊外と言えど平原ではなく田園だ。そのため降りる所は基地しかないが、アプローチを断念して横切った下界の基地は、ラッシュアワー時のハイウェイのような様相を呈していた。 基地の試作航空中隊―――――『フロンティア基地航空隊』には1期生達全員が移籍しており、それぞれに機体が配備されている。 構成は、最初にアルトとミシェルに2カ月間徹底的にしごかれた6人の生徒と実戦教官である2人を中心に小隊が組まれ、現在航空隊には予備機を含め56機(VF-1が47機、VF-11を8機、そしてVF-25が1機)、実戦部隊8小隊(3~4機編隊)と第2線を張る2期生部隊(25人、25機。機種は全てVF-1A)を擁している。 この可動機の多さに比して完成した格納庫が少ないことからこの大所帯の整備は難航を極めていた。 しかしレジアスの打ち出した衝撃的な記者会見から3ヶ月、設立から2カ月半。管理局初のバルキリー部隊であるフロンティア基地航空隊の働きぶりは好調だった。 敵出現の報を聞くやすぐさまスクランブルし、音速の数倍という速度を生かして全国レベルでそれを迎撃する(といっても出現率はクラナガンが最も高い)。ゴーストはあれ以来出現していないため、ガジェットⅡ型が主な敵だ。 初期の頃はクラナガンに基地があり、スクランブル慣れした六課に先を越されることが多かった。 しかし8小隊制の確立によってCAP(空中警戒待機。武装して拠点上空で待機し、有事の際は即座に敵を迎撃するという仕組み)が導入されると、六課とかち合うことが多くなった。 現在六課とは撃墜数で競う好敵手になっているためあまり仲が良くない。 しかしケンカにならないのは、ひとえにアルトとミシェルのフォローと今まで地上を守ってくれていた六課への尊敬。そして最も大きくランカ・リーの存在があった。 事実、彼女の超AMFで助かった者も少なくない。 そしてフロンティア基地航空隊設立以来空で管理局に殉職者は出ていない。(航空隊はこの3ヶ月で3機が撃墜されたが、パイロットはいずれも無事脱出) 何だかんだ言っても『ミッドチルダを守りたい』というところで一致する2部隊は、意識的にしろ無意識的にしろ、お互いの存在を心強く思っていた。 アルトが基地に再び目をやると、青に塗装されたVF-11SG(狙撃型指揮官機仕様)を先頭に3機ほどが飛び立つところだった。 スカル小隊はミシェルの部隊であった。 4機はCAPだった自分達と入れ違いに首都へと翼を翻して行く。 アルトは『そろそろ管制塔から通信が入るだろう』と思い、再び回線を開いた。 (*) アルトが基地に帰還しようとしている頃、時空管理局本部ビルの1室では激論を戦わせていた。 クラナガン西部方面首都防空隊の長が額に筋を浮かべて怒鳴る。 「バルキリーなどというものに〝戦力〟として頼るなど、容認できるか!」 それにクラナガンの海岸線を守備範囲にもつ空戦魔導士連隊の連隊長が怒鳴り返す。 「そっちの部隊は半分近くがAランク魔導士だから言えるんだ!うちの部隊など六課と、フロンティア基地航空隊がなけれは既に全滅している!」 今度は広報担当者が 「そんなのだから『時空管理局が質量兵器を採用した』などと、次元世界から批判が出るんだ!」 と、各次元世界の世論調査の結果を記載した紙を叩いて怒鳴る。 これには地上部隊・技術開発研究所所長、田所が言い返した。 「バルキリーは魔導兵器だ!断じて質量兵器ではない!」 「詭弁だな」 「君たちは・・・・・・全てを魔導士に押しつける事が不可能になっている事がわからないのか!?」 ドン! 机が容赦なしにぶっ叩かれ、机に置かれている水に波紋を作らせれた。 そんな田所の激昂ぶりに、陸士西部方面隊(守備範囲は九州全体)を指揮する陸将が言い返す。 「現に我々は今までそうして来た。質が保てないのは君達の怠慢に過ぎない。責任をとりたまえ!」 時代は推移していくというのに、過去を持ち出し責任転嫁。 最早これは理性的な論戦ではなく、ヤジの飛ばし合いだった。 今日ここには地上部隊の各方面、各部門の長が集まっていて総勢80人を超えるが、今そこは2つの勢力に分断されていた。 1つはレジアス中将率いるバルキリー推進を主軸とする革新派。 もう1つは表向きには『管理局の理念を守る』という大義名分を掲げているが、実際には過去と既得権益に縛られている保守派だ。 この会議には特例として本局所属の機動六課部隊長、八神はやて二等陸佐も参加しており、推進を表明している。しかし悪いことは、保守派がほとんどの陸士部隊と一部の空戦魔導士部隊で形成され、推進派より圧倒的に多いことだ。 それは時勢を無視し、自らの利権のみを追求する蛮勇と言えよう。 はやては地上部隊という組織自体が腐敗を始めている事を改めて実感した。 そして議論とはお世辞にも呼べないヤジの飛ばし合いが90分を超えたとき、やっと会議が進む事件が起こる事となる。 シレンヤ氏 第11話 その2へ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3694.html
マクロスなのは 第22話『ティアナの疑心』←この前の話 『マクロスなのは』第23話『ガジェットⅡ型改』 第1管理世界 ミッドチルダ首都クラナガン 某所 「今日の晩、ちゃんと来られるんだね?」 MTT(ミッドチルダ電信電話株式会社)の音声回線を前に女が確認するように問う。 それに回線の向こう側にいる誰かが応える。 『へい、アマネのやつがようやく管理局のレーダーのセキュリティホールを見つけやして』 「でかした!」 『でへへへ、姉(あね)さんに褒められるとうれしいですわ~』 「バカ!あんたを褒めたわけじゃないよ!それで、こっちには何で来るつもりだい?」 『え~と、輸送船で「キリヤ」って船です』 「「キリヤ」って・・・・・・ありゃ先代が30年も前に盗んだダサいポンコツ船じゃないか!もっとましな船はないんかい!?それともうちの次元海賊は首領の私がいないと運営が傾くほど資金難なの!?」 『いえいえ、そんなことないです!あっしにはよくわかりませんが、アマネによればセキュリティホールを抜けるのにあのヒョロっとした形とタイアツコウゾウだったかが重要みたいで―――――』 「あ~もう!わかったわかった!とにかく来なさいよ!そうじゃないとせっかく手に入れたこいつが無駄になるんだからね!!」 『それはもう。アマネもそのカワイコちゃんを思う様に犯してやりたいって張り切ってますわ』 「あの子の期待に応えられそうだよ。この機体は」 次元海賊の首領である女はそう言うと、ブルーシートにかけられた管理局の最新鋭戦闘機を撫でた。 (*) 同時刻 機動六課 訓練所 そこでは模擬戦が最終局面を迎えようとしていた。 魔力を前面に押し出して攻撃を放ってきたスバルの攻撃と、自らの魔力障壁がぶつかり合ってスパーク。放電現象によって周囲の空気の一部がオゾンへと変わったのか、鼻の粘膜に刺すような痛みが一瞬襲う。しかしその痛みはバリアジャケットのフィルター機能が瞬時に遮断した。 それでも自らの嗅覚は上方を推移し始めた動体の動きを見逃さなかった。 ティアナがどんなに頑張ろうと空は自分のフィールド(領域)であり、シロートの接近に気づかぬ訳がないのだ。 「・・・・・・レイジングハート、シールドパージ」 『Alright.』 なのはの指示にスバルを受け止めていたシールドがリアクティブ・アーマー(爆発反応装甲。被弾した場所の装甲が自爆し、弾道を反らしたり減衰して無力化する機構)のように自爆。爆風と煙幕によってスバルの攻撃を完全に無力化する。 しかし自分に自由落下程度で挑んで来ようとは・・・・・・ (遅すぎ) なのはは降ってきたそれを物理的に掴んだ。 そして指先の接触回線から、急ごしらえで作ったらしい詰めの甘い対ハッキングプログラムをオーバーライド。友軍以外の他者の魔法を拒絶するオートバリアを無力化する。 続けて彼女は、オートバリアのなくなったティアナに浮遊魔法をかけて勢いを殺した。 シールドパージからここまで100分の1秒未満。落下距離に換算すればたったの10センチにすぎない。 日々相対速度が音速近くなる(対ゴーストや対バルキリーでは軽く2~3倍を超える)空戦に対応出来る・・・・・・いや、しなければいけないなのはにとってそれは亀のごときスピードでしかなかった。 (*) 突然白煙に包まれ、視界ゼロとなったことにティアナは狼狽する。しかしなのはがいると予想される場所から声がした。 「おかしいな・・・・・・2人とも、どうしちゃったのかな?」 決して怒った口調でも非難する口調でもないなのはの言霊。一定方向から聞こえるという事は自分は静止状態にあるらしい。思考する内にも白煙が晴れていく。 最初に目に入ったのは恐怖で引きつる相棒の顔だった。そして、『どうしたのだろう?』と思う間もなく、冷たい風ががそこを洗った。 なのはの素手で受け止められたスバルのデバイスと自身の魔力刃。 そして魔力刃を握る拳から滴る〝血〟。 それは視界とは裏腹に、自身の頭を白煙で満たした。 「頑張ってるのはわかるけど、模擬戦はケンカじゃないんだよ。練習の時だけ言うこと聞いてるフリで、本番でこんな危険な無茶するんなら・・・・・・練習の意味、ないじゃない・・・・・・」 なのはの一言一言が重くのし掛かる。 今まで丁寧に教えてくれた人に、自分は今何をしている? 銃を突きつけている。 これはいい。ここはそういう所だ。 無茶して怪我させている。 これは・・・・・・弁解の余地はなかった。 「ちゃんとさ、練習通りやろうよ。ねぇ?」 「あ、あの・・・・・・」 しかしなのははスバルの弁解を聞こうとせず、こちらを見る。 その瞳のなんと虚ろなことか。 この優しく、時に厳しい彼女が、こんな生気の抜けた顔をするのか。 その瞳と血とは、ティアナを混乱させるに十分な力を持っていた。 「私の言ってること、私の訓練、そんなに間違ってる?」 なのはの問いかけに、ついにティアナの混乱は頂点に達した。 『Ray erase.(魔力刃、解除)』 唯一自らを空中に縛っていた魔力刃が解除。浮遊魔法で軽くなった体を生かして跳び、なのはから離れたウィングロードに着地する。 しかしそれだけでは冷静さを取り戻すには足りなかった。 「私は、ただ、なのはさんに、認めてもらいたくて・・・・・・さくら先輩みたいにちゃんとした教導を受けたくて─────!」 こんがらがったティアナの思考にはもう一貫性がない。 口とは違い、体はカートリッジを2発ロードし、まだなのはに攻撃を放とうとしていた。 「・・・・・・少し、頭、冷やそうか・・・・・・」 向けられる指先。そこに桜色の魔力が集束していく。 「なのはさ─────は!?バインド!?」 止めに入ろうとしたスバルは、己の両腕がいつの間にか封印されていることに驚愕する。 「じっとして。よく見てなさい」 この時、なのはが他にレイジングハートに向かって何か呟いたが、スバル以外の感知するところになかった。 「クロスファイヤ─────」 「うぁぁーーー!ファントムブレイ─────」 「シュート」 なのはの宣言と共に桜色の砲撃が放たれた。 しかしクロスミラージュが砲撃に使おうとした魔力を流用してシールドを緊急展開。なんとか減衰する。その後貫通したそれはティアナの体を炙ったが、重度の魔力火傷は回避した。 本当なら砲撃プログラムに容量を取られてシールド展開用の緊急プログラム作動すら間に合わない間合いであったはずだが、なのはに命令を受けたレイジングハートのハッキングにより、時限作動していた。 これで戦闘意欲は削いだかに思えたが、ティアナはまだ諦めていないようだった。無理やり攻撃態勢に入ろうとしている。もはや魔力を生み出す体力がないのかカートリッジを湯水のように消費して足しにする。 「お願い、私は負けられないの!!」 しかし願いとは裏腹に生成される魔力をなかなか成形させることができず、オレンジ色の魔力が重力井戸から解き放たれた大気のように空中へと拡散してしまう。どうやら実質的な戦闘不能状態であるようだった。 一方なのはは再び魔力を収束し始めていた。 しかし今度のそれに教育的な理由は感じられない。 先ほどのようにティアナの最高状態に合わせて撃とうとしているわけでもなく、実のところリミッター状態の今のなのはが最も撃ちやすいAA出力の砲撃魔法でしかなかった。 しかしそれはフェイトや守護騎士のような親しい人種でもその事実には気づけなかっただろう。なぜなら彼らはなのはが訓練時に魔力の出力を下げて使うとき、本人ですら気づけないような特殊な癖がある事を知らないからだ。だがここにはその乱心に気づけ、かつ対応出来るだけの能力を持った者が2人いた。 (*) まばたきの瞬間、なのはの目前に浮く収束中の魔力球が破裂した。 その瞬間スバルにはそのぐらいにしか認識できなかったが、直後遥か遠方から聞こえてきた重い発砲音をたどると、観戦していたさくらがビルの窓から魔力球を狙撃したのだとわかった。 そしてティアナの所には高空よりやってきた一陣の風が舞い降りていた。 「この大バカ野郎!歯ぁ、食いしばれっ!!」 EXギアの腕のみを外したアルトの一撃がティアナの頬に炸裂した。 顔に一切のダメージを残さぬよう、足場であるウィングロードから足を踏み外さぬよう、芯まで突き通すように掌(てのひら)で張り飛ばす早乙女家の技はまさに芸術的であった。 その一撃によって彼女の意識は完全に飛び、ウィングロードの上に横たわった。 「ティア!」 狙撃以来バインドから解放されていたらしく、スバルは立ち上がると同時にマッハキャリバーを吹かして親友の元へと駆ける。 その後ろからなのはが厳かに告げた。 「・・・・・・模擬戦はここまで。今日は2人とも、撃墜されて終了」 スバルは振り返りなのはを睨みつけるが、何も言えなかった。 (*) その後意識不明になったティアナの搬送作業、その他のゴタゴタで次に行われる予定だったライトニングの模擬戦も中止。 そのまま解散となった。 (*) 2146時 訓練場前 そこではなのはが、ホログラムのプログラムエラーの修理と最終確認をしていた。 どうやらリアリティの追及のし過ぎでそれぞれのマトリクスに過負荷がかかり、オーバーロード気味だったようだ。 彼女は構成情報を減らしたり、多少のコマ抜けを看過するようプログラムを改良していく。 ホログラムの訓練場でこれほど大規模なものはコストの問題で世界初の試みであったため、まだノウハウの成熟には時間が要るようだった。 「待機関数を1ミリ秒のループに繋いで・・・・・・よし、終了!レイジングハート、プログラムのチェックをお願い」 『Yes my master.』 デバックの進行を表すバーがゴールである100%を目指して伸びゆくのを眺めていたが、後ろからやってきた気配に振り返る。 「誰?」 「い、いよぅ」 突然こちらが振り返ったのに驚いたのか、その人物はラフに挙手した。 「ア、アルトくん!?」 直後背後からレイジングハートのデバックの終了と問題なしの報告。そしてご丁寧に作業用のホロディスプレイまで閉じて〝お仕事〟の終了を完璧に演出してくれた。 絶対の信頼を置く己がデバイスの反乱になのはは全面降伏。仕事に逃げるのをあきらめて問題に向き合わざるを得ないと観念した。 (*) 同時刻 ミッドチルダ 千葉半島沖合100キロメートル その場所に一隻の次元航行船がワープアウト(次元空間から出てくること)していた。黒い船体の中央辺りに突き出た艦橋には輸送船「キリヤ」の文字。 作られたのが40年も前の船で、さらに他世界の次元航行最初期の設計であったために勘違いな設計が多数存在する。 例えば次元空間を当時その世界の理論では水中のような高圧の流体の世界だと考えており、船体のデザイン、そしてその強力な耐圧構造はそれに則して施されている。そのため船体の形状は魚雷型で、スクリューが無いことを除くと潜水艦にしか見えないし構造も同じである。 現代では次元空間のワープバブル(次元空間の時空エネルギーに対抗するために張られるバリアのようなもの)の中は宇宙空間のようなもので、我々のよく知る管理局所属の次元航行船、巡察艦「アースラ」などは見ての通り流体内部を航行するような構造ではない。そのため外装の装備などが充実し、船型を制限されず〝ハイセンス〟なデザインとなる。 そのような事情な現代ゆえ、先ほどの次元海賊の面々もこの艦を前時代的なひょろっとした艦としか認識できないのも仕方ないことだった。 だが現代のそのような認識が次元海賊に幸いする。実はこの輸送船「キリヤ」は次元空間から直接深海1000メートルにワープアウトしており、時空管理局の太陽系すべてを網羅するほどのワープアウト検出用防空ネットワークに引っ掛からないのだ。 セキュリティホールとは言えまさに灯台下暗しとはこのこと。さらに一度ワープアウトして入ってしまえば、海上船舶程度の船籍の偽装は次元海賊の組織力をもってすれば比較的容易で、ワープアウト数分後には水中から浮上して堂々とミッドチルダに待つ女首領との合流ポイントへと向かった。 (*) 「さっきティアナとスバルがこっちに謝りに来てたぞ。なんでもお前がオフィスにいないから先に俺のとこに来たらしい。『今日はもう遅ぇからなのはに謝まるのは明日にしとけ』って言っておいたんだが・・・・・・」 なのはと訓練場から宿舎への道を歩きつつ伝える。 「うん、ありがとう。・・・・・・でもごめんね。監督不行き届きで。それに私のせいでアルトくんやさくらちゃんにもにも迷惑かけて・・・・・・」 「確かにあれはお前らしくなかった。特に2発目。1発目はそうだな、ああするのが一番だっただろうよ。殴って殴って徹底的に型を叩き込む・・・・・・オレの知ってる稽古はそういうものだ」 幼少時代、寝ても覚めても歌舞伎の稽古で殴られ続けた記憶がフラッシュバックを起こして一瞬言い淀むが、今自分がその吐き気を催しそうな指導方法を認めようとしている、さらには先ほどティアナに実施したことに気付いて居たたまれなくなった。 それに教えられてもいないのにあの平手打ちをしっかりマスターしていたことにその業を怨まざるを得なかった。かといって歌舞伎で言うこの「うつし」と呼ばれる真似の技術が自身が幾多の戦場を駆け抜けるのに1役も2役も買っていたことも事実であることが、大人の階段を上る青年の心を複雑にかき乱した。 しかし自分のことで精いっぱいでそんな青年の機微を感じ取る余裕のないなのははその2発目について漏らし始めた。 「・・・・・・私、怖かったの」 「怖いってティアナがか?」 「そう。あの時のティアナ、無茶を通して道理を通す。・・・・・・まるで昔の私みたいだった」 「・・・・・・お前の撃墜事件のことか?」 「うん。無茶してた自分のことを思い出したら撃墜された時の痛みとかリハビリの苦痛を思い出して、気付いたら頭真っ白になっちゃって」 「それで怖くなって撃とうとしてしまった、と?」 「そうだよ。いくらティアナでもクラスAのリンカーコア保持者なんだから、攻撃の意思表示をしている以上、〝出力を落とした〟砲撃で昏倒させようとしたあの判断は戦術的に正しかった―――――」 「おい待て。お前、それは本気で言ってるのか?」 「もちろんだよ。でもやっぱり判断力が鈍ってたのかな。さくらちゃんは放出しちゃったティアナの魔力に私の砲撃が引火するのを防いでくれようとしたんだよね。あの時は助かったよ~。そうじゃなかったらティアナを2,3日病院送りにするところだ―――――」 「ほんとうにらしくないな!高町なのは!!」 「え・・・・・・?」 「俺に嘘をつくだけでなく自分を正当化するとはな!・・・・・・お前には失望したぜ」 踵を返して足早に去ろうとすると、納得できないらしいなのははこちらの肩を掴んで 「ま、待って!どういうことかわからないよ!!」 と、呼び止めてきた。 「なら教えてやる。あのときのティアナは誰が見ても脅威にはならなかった。お前がそれを見間違えるはずがない!それに2発目が出力を落とした砲撃だっただと?フェイト達ならわからんが、残念ながらお前の教導をくぐってきた俺やさくらはだませないぞ。その前には怖くて撃ったと言ったか?・・・・・・見くびるなよ。これでもお前とは何百時間も一緒に飛んできたんだ。他にどんな理由があるか俺には皆目見当がつかないが、お前が言った理由だけではないはずだ!違うとは言わせないぞ!」 有無を言わさぬ口調で言い放つ。例え自らに魔法を教えてくれた師であろうと、今の彼女に背中を任せたくなかったからだ。 直後近くにあった街頭の電灯が消え、運悪く通過する厚い雲によって月明かりすら遮断されて辺りは相手の表情すら読み取れないような真っ暗闇になった。 「・・・・・・あ~あ、流石はアルトくんだね。本当のこと言うとね、あの時私が2発目を撃とうとしたのはティアナが怖かったわけじゃないの。実はね、ティアナの無茶を見ていろいろ痛い思いをした撃墜事件のことを思い出したら、あんな痛い目を将来するかも知れないぐらいなら、その前に無茶すれば絶対なんとかなるって言う幻想・・・・・・かな?それを〝潰しちゃおう〟って思って。私なら魔導士生命を終わらせないぐらいの手加減ができるって考えちゃったんだよね~」 先ほどとは打って変わって声色は明るい。しかし彼女が言ってるとは信じられないような内容と表情が読み取れないせいで病的な、はたまた別人が言っているように聞こえて恐怖を誘う。 「お、おい、お前―――――」 ただならぬ雰囲気になのはに近寄ろうとすると、逆に彼女の方から一瞬で間合いを詰められて胸倉をつかまれていた。しかし何か言う前にちょうど差し込んだ月明かりに照らされた真っ赤になった彼女の双瞳(そうとう)で見上げられ、何も言えなくなった。 「私が今どれだけひどいことを言ったか分かる!?アルトくんなら分かるよね!?私は今までそんなことにならないように教導してきたはずなのに!・・・・・・でもあの時はそう思っちゃったんだ。1週間か1カ月ぐらい病院送りにして懲らしめてやろうなんて―――――んっ!?」 気がつくとアルトは護身術の要領で彼女の両肘を横に払い、その姿勢を崩したところで彼女をしっかりと抱き寄せていた。なんの打算もない。しかし彼に眠っていた記憶、すでに他界した母にそうされると落ち着くことを思い出した故の行動だった。 腕の中で震える彼女を感じると、彼女が生身の女の子であることを認識せざるをえなくなる。それはアルトにおのずと何を言えばいいのかを教えてくれた。 「わかってる。大丈夫だ。完璧な人間なんて居やしない。お前が間違ったときには今日みたいに俺たちが止めに来てやる。だからお前も、お前を信じる俺たちを信じてほしい」 「・・・・・・アルトくんは・・・・・・アルトくんはこんな私をまだ信じてくれるの・・・・・・?私、ティアナを傷つけて、それを隠そうってアルトくんを騙そうともしたんだよ!?」 「ああ。確かに褒められたことじゃない。だが俺はお前を、お前の心根(こころね)を信じる。だからお前も俺たちを信じてくれ。できるよな?」 「・・・・・・うん。ごめんね。・・・・・・ううん、ありがとう」 胸の中でなのはは確かに微笑んだ。そして震えは、確かに収まっていた。 (*) 5分後、ようやく落ち着いてお互い離れたのはいいが、まだ解決していない問題も多い。なのはは意を決すると、アルトに尋ねる。 「ティアナとスバル、どんな感じだった?」 「うーん・・・・・・やっぱりちょっと気持ちの整理がつかないみたいだったな」 苦い表情での答えになのはは再び俯いてしまった。 その場を生暖かい潮風が舐める。と、不意にアルトは口を開いた。 「なのは、お前の教導が間違ってないことは、受けてきた俺達が保証する。だが撃墜事件のことを話してくれてないとなかなか伝わらないし、わかりにくいだろうな・・・・・・」 「うん。いつも最後に話してたけど、フォワードのみんなに明日ちゃんと話すよ。私の教導の意味と、さくらちゃんの教導との違いも」 しかしそれは叶わなかった。 静寂に満ちていた海辺に、けたたましいサイレンが鳴り響く。 2人はアイコンタクトすると指揮管制所のある六課の隊舎へ走った。 (*) 「AWACS『ホークアイ』から警報。千葉半島沖合い50キロの地点にガジェットⅡ型が12機出現しました。しかし機体性能が、従来のデータより4割ほど向上しています!」 隊舎の指揮管制所に集まったロングアーチスタッフと各隊長に、夜間勤務だったシャーリーが報告する。 「ガジェットはどこに向かっとるんや!?」 はやての問いにシャーリーは回答に詰まる。 「それが・・・・・・レリック反応もなく、ガジェットもその場から動きません」 映し出されるガジェット達の航跡は、その場をぐるぐる旋回飛行している事を示していた。 「フロンティア航空基地は?」 「現在出撃待機のみで出撃を見合わせています。理由について先方の回答によれば、あれが敵の陽動である可能性があり、主力、もしくは別働隊の出現に備えるとのことです」 「うーん・・・・・・こっちの探知型超長距離砲撃で十分届くけど・・・・・・」 探知型超長距離砲撃とは、レーダー基地又は観測機、この場合AWACSに正確な砲撃座標を送ってもらい、その座標を元にここから砲撃すること。これによりSランクのなのはの集束砲『スターライト・ブレイカー』なら理論上、射程は500キロにもなる。 しかし砲撃主のリミッター解除を強要するこの手段は、六課において最後の手段に部類される行動であった。 はやては拙速な判断をやめ、集まった3部隊の隊長に助言を請う。 「つまり、あいつらは『落としてくれ』って言ってるんだよな。だったら直接落としに行ってやろうじゃないか!」 アルトの過激な物言いに 「まぁまぁ」 とフェイトがいさめる。 「アルトくんの理論はどうかと思うけど、直接行って落とすのは賛成だな。スカリエッティならこっちの防空体勢とか、迎撃手段を探る頭もあるし。なのははどう?」 「こっちの戦力調査が目的なら、なるべく新しい情報を出さずに、今までと同じやり方で片付けちゃう、かな」 3人とも通常の迎撃を推奨。ならばはやてに、それを拒否する理由はなかった。 (*) 機動六課第2格納庫 そこは3週間前からサジタリウス小隊が占有しており、今も小隊付きの整備員達が右往左往していた。 しかし道に迷っているわけではない。彼らは自分の仕事に専念しているだけだ。 バルキリーの装備は普段軽々と扱っている印象があるが、人間にとってそれは特大サイズだ。 そのため彼らはせっせと、武器庫からガンポッド、ミサイル類をリフトで往復して運び出し、ジャッキ・クレーンを使って装備していった。 特にさくらのガンポッドが曲者だ。 バルキリーの装備の中でも最大といってよいほど大型で長大なこのライフルは、もはや通常のリフト、クレーンでは運べない。 そのため出撃時のみフロンティア基地から持ってきた特殊なトレーラーで武器庫から出され、離陸前にバルキリー自らトレーラーから取り出して装備してもらう。 もはやこうなると、バルキリーが直接武器庫に取りに行けばいいではないか?と思われるかもしれない。だが、そうは問屋がおろさないのだ。 小隊が借りている武器庫は、六課の自動迎撃システム『近接多目的MFS(ミサイル・ファランクス・システム)』のミサイル保管庫であり、地下にある。 そんなところに10メートルというデカイ図体のバトロイドがノコノコ入って行くとどうなるか。 ミッドチルダ製のミサイルはカートリッジ弾が爆薬に相当するので誤爆や誘爆は故意でない限り〝100%あり得ない〟(これが魔導兵器のもっとも優れた点である。)が、もし操作を誤って施設(特に自動装填装置類)を少しでも壊したらその費用は天文学的な数字になるだろう。となればトレーラーを1台持ってきた方が安上がりだった。 「アルト隊長遅いですね・・・・・・」 さくらが狭いVF-11Gの機内で、腕時計を睨みながら呟く。 アラートが鳴ってから20分、そして自分が機体に収まってから既に10分が経過していた。武装の搭載もほとんど終わっており、普段ならとっくに空の上のはずだった。 『さぁ、どうしてかねぇ・・・・・・んだが、誤報だったらただじゃおかねぇ!』 天城が不機嫌そうにこちらの呟きに応える。 「・・・・・・どうしました?なんか語気が荒いですよ」 『ん、あぁ。今日は俺の毎週楽しみにしてる連続ドラマの放送日でな・・・・・・いいところでアラートメッセージがテレビ画面をオーバーライドしやがったんだ!』 『チキショー!よりにもよって一番いいシーンでよぉ!!』などと嘆いている。 直接VF-1Bのキャノピーを遠望してみると、ヘルメットの上から頭を引っ掻いていた。 そんな天城にあきれていると、やっとアルトが現れた。 キャノピーの開閉弁を開けて、肉声で呼び掛ける。 「出撃しますか?」 「ああ、今すぐ出撃するぞ!準備急げ!」 アルトのよく通る声が格納庫に木霊し、整備員達の動きが更に慌ただしくなった。 (*) 『ロングアーチからサジタリウス小隊へ。滑走路はオールクリア。発進を許可します』 「サンキュー、ロングアーチ。」 アルトは通信に応えると、バックミラーで〝後ろ〟を確認する。 「発進するが大丈夫か? ・・・・・・おーい、フェイトぉ?」 後部座席に座っていたフェイトは驚いたように隊舎の玄関からこちらに向き直ると 「うん、大丈夫だよ」 と頷いた。 今回六課の迎撃戦力であるなのは、フェイト、ヴィータはサジタリウス小隊のバルキリーに分乗していた。 現場が約100キロ以上先であり、彼女らなら音速飛行が可能だが、魔力の消費がもったいないためこのような采配になっていた。 しかし、フェイト達が搭乗する前に玄関でひと悶着あったようだ。 アルトは何が起こったか知らなかったが、ティアナがシグナムに殴られたことだけは遠目でもわかった。 「・・・・・・よし、〝あっち〟の方も気になるだろうが発進するぞ」 アルトは告げると、脚(車輪)のブレーキを解除。スラストレバーを最大に上げて滑走路を滑る。 夜間発着用のライトが後ろに流れていく。 元々VF-25用に六課に増設されたこの滑走路は問題なく離陸をアシストし、鋼鉄の鳥達を無事真っ暗な空に送り届けた。 (*) クラナガン郊外 地下秘密基地 そこではスカリエッティが事態の推移を見守っていた。 「今度は何の実験?」 そういって隣に並んだのは言わずと知れた知才、グレイス・オコナーだ。 「ガジェットⅡ型の改修型の性能評価だよ。ガジェットには今までオーバーテクノロジーは搭載していなかったからねぇ~」 スカリエッティの示す図面にはガジェットの全体図が表示されている。 動力機関こそ変わっていないものの、中身は別物だった。 OT『イナーシャ・ベクトルキャンセラー』 OT『アクティブ・空力制御システム』 『新世代型エネルギー転換〝塗装〟』(どうやら既存のガジェットにも搭載できるように新たな合金・・・いや塗料を思いついたらしい。) OT改『高機動スラストクラスター』 『マイクロミサイルシステム』etc・・・etc・・・ エネルギー転換塗装という既存の装甲は〝金属〟という固定観念にとらわれない逆転の発想にも驚いたが、特にグレイスの目を引いたのは『ユダ・システム』の1行だった。 「あら、もう完成させたの?」 グレイスが何を完成させたのか言わずともスカリエッティにはわかったようだ。 「ああ、1機だけだがね。あれには観測機材をたくさん外装したから、できるだけ戦闘を避けるよう言い聞かせてある」 脳のニューロンを真似たマイクロバイオチップは作りにくくてね。 そう言い訳するが、作ってしまうところがこの男のすごいところだろう。 しかしレーダー画面でガジェットⅡ型改部隊が接敵したのは、管理局の部隊ではなく通常の海上船舶だった。 「あら?実験相手は管理局じゃないのね」 「彼らは次元海賊だよ。海底に直接ワープアウトして管理局の防空ネットを抜けてきたようだ。このまま見逃すのも癪だから、実験相手になってもらおうと思っただけさ。それに私は管理局以上に次元海賊が大嫌いでね。ちょうどいい素材に出会えたものだよ」 「そう・・・・・・」 グレイスは戦闘中のガジェット部隊と次元海賊、そして管理局のスクランブルらしい3機のバルキリーに視線を投げ、 「幸運を」 と呟いた。 (*) 千葉半島沖 45キロ海上 そこではサジタリウス小隊の3機がきれいなデルタ編隊を組んで飛んでいた。 しかしその足取りは極めて速い。なぜならAWACS『ホークアイ』を介して5分ほど前からガジェット達が活性化。通りかかった一般船籍の船に攻撃を開始したようだと通信を受けたからだ。 その船は通信機が壊れているのか応答がないが、AWACSからの高解像度写真を見る限り応戦する力はあるらしく魔力砲撃の光跡がいくつか確認できていた。しかしどうも船籍に記された遠洋漁業船には見えなかっため、政府機関その他に確認をとっているという。 暗い海上に鮮やかな青白い光の粒子を曳きながら飛行する3機は、ついにそれを目視した。 月明かりに照らされたその漆黒の船は甲板から煙をあげながらもジグザグに波をかき分け、よってたかるガジェットに対して乗員が魔力砲撃でなんとか応戦していた。 その時、AWACSから続報が入る。 『こちらホークアイ、その船の本当の所属がわかった。どうやらミッドチルダ政府と極秘で会談したどこかの世界の外交官の次元航行船らしい。まだ政府機関に再確認しているが、おそらく間違いない』 「了解した。・・・・・・こちらは時空管理局、フロンティア基地航空隊のサジタリウス小隊と機動六課だ。これより貴艦の離脱を援護する」 デバイス間で使える短距離通信で送ると、その返信はすぐに来た。 『こちら輸送船「キリヤ」、支援に感謝する!しかし我々はここからは動けない。まだ待ってる人が来てないんだ!』 「外交官のことですか?もしそうなら私、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンの名において必ず時空管理局が責任を持ってそちらの世界に送り届けます。なのであなた達は至急戦闘地帯からの退避を」 次元航行部隊に深いコネがあるフェイトがその外交官らしい人物の送還を確約するが、キリヤ乗員は 『外交官・・・・・・?ああ、そういうことか・・・・・・いや、我々は必ず姉さんを連れて帰る!あと10分でいい、待たせてくれ!』 と譲らなかった。バックミラーを介した目配せにフェイトは頷き、さくらの機体に乗るなのはも「仕方ないね」と頷いて見せる。VF-1Bの後部座席に座るヴィータもため息とともに両手でお手上げのジェスチャーをした。なら、彼らの行動は決まっていた。 「ホークアイとロングアーチへ、これより輸送船「キリヤ」の防空戦闘を開始する」 『こちらロングアーチ、現場の判断を尊重します』 『こちらホークアイ、船舶の退避前でも交戦を許可する。なお、おそらく外交官の機体と思われるアンノウン機が2機、そちらへ向かっている。到着予定は5分後。それまでキリヤを防衛せよ』 「『『了解」』』 6人の声が無線を介して唱和し、戦闘態勢に移る。 『こちらサジタリウス2。これより中距離援護体勢に入ります』 『スターズ1、サジタリウス2に続きます』 編隊が崩れ、VF-11Gが離脱する。 そしてガウォークに可変すると、キャノピーからなのはを出した。 他2機も前進を維持しながらガウォークに可変。キャノピーを開ける。 「じゃあアルトくん、またあとでね」 「ああ、気をつけろよ」 出ていくフェイトを見送ると天城のVF-1Bからもヴィータが出ていく所が見えた。安全確認と共に再びキャノピーを閉めると、敵を見据える。 この時点においてもガジェットはこちらに対しまだ何のアクションも起こさなかった。 (・・・・・・不意打ちになりそうだし、こりゃほとんどミサイルでカタがつくかもな) 今回ガジェットは速くなったといっても所詮音速レベルで、ミサイルにとってそれはちょうど狙いどころだった。 「天城、まずミサイルで半減ぐらいしておこう。目標はこっちで設定する」 『了解』 アルトは天城の機体のFCS(火器管制システム)との接続を確認すると、ヘルメットのバイザーに現場空域を拡大投影し、視線ロックをかけていく。 (・・・・・・こんなもんか) アルトは敵機の約4分の3(5分前に増援が来て現在は全体で25機)をレティクルに収めた。 「ミサイルで撹乱後、ガジェットをキリヤから引き離すぞ。各隊、準備は出来てるか?」 アルトの呼び掛けに各自ゴーサインを出す。 「よし!戦闘開始!」 VF-25とVF-1のランチャーポッドから一斉に発射されていくミサイル。 それらは流れる川のように敵めがけて飛翔し、アルト達も続く。 だがガジェットの対応は予想外のものだった。 いままでミサイルにはレーザーで迎撃していたが一転、フレアとチャフ(レーダー撹乱幕)で回避に走った。 マイクロハイマニューバミサイルの誘導は赤外線とレーダー探知が併用されている。 ガジェットは元々魔力推進のため排熱量が少ない。そこで大気摩擦による熱で誘導するために赤外線感度を最高にまで引き上げている。だがそれすらアクティブ空力制御システムによって極小にまで減らされてしまっていた。 そしてチャフで更にレーダーが効かなくなったミサイルはどこへ行くか。 無論、最大熱源になったフレアだった。 通常このような事がないように、多少はAIが補正する(同一目標に重複したミサイルが、相互リンクによって本物を思索する。結果的に分かれた熱源全てに当たりに行ったり、可能性の最も高いものに向かっていったりする。第25未確認世界において目標1機に対し、複数発のミサイルを割り当 てるのはこのため)ようプログラミングされていたが、管理局はオミットしていた。 なぜならガジェットはいままでミサイル対抗手段(フレアやチャフ、ECM)を装備しておらず、命中精度の低下を看過して、誘導プログラムの簡略化によるコスト削減と効率の向上を優先したためだ。 おかげでミサイルはそのほとんどが散らされ、無益に自爆する。また、たとえ命中しても一発では落ちなかった。 『なんじゃこりゃ!?』 天城の悲鳴が耳朶を打つ。 どうやら装甲も機動力もかなり底上げされているらしい。 ミサイルの命中痕には、転換装甲特有の〝ただ汚れただけ〟に見える被弾痕が残り、多数束ねられたスラスターによる緊急回避もやってのけていた。 しかし驚くべきことは、この介入に対する反応がそれだけで終わったことである。ガジェットは相変わらず海上で回避運動を続けるキリヤに攻撃を続け、こちらに対して迎撃態勢にすら着こうとしていなかった。 「なめやがって!!」 ファイターのVF-25は最寄りのガジェットに推力全開で急接近すると、ガンポッドを放つ。ガンポッドから毎分300発という速度で58mm高初速徹甲弾が放たれ、至近であればバルキリーの転換装甲をも5、6発で貫徹する運動エネルギー弾が敵に向かって飛翔する。 命中直前、ガジェットの要所に付けられたスラスターが瞬いたと思うと機体全体が瞬時に数メートルズレて、それら弾丸は当たることかなわなかった。ガジェットはもともと人間よりも小さいサイズで、それほど質量もない。そのためある程度強力なスラスターであればこのような機動をさせることは難しくないし、数メートル軌道を変えるだけで小さいガジェットには命中を避けることができた。 しかしアルトはあきらめない。 よけられたと見るやスラストレバーを45度起こしてガウォークへと可変すると、その形態だからこそできるヘリのような立体機動で肉薄していく。そして極めて至近になったとみるや、さらにレバーを45度起こしてバトロイドへ。頭部対空魔力レーザーで敵の機動を制限し、その間にPPBをガジェットと同じぐらい大きなその拳に纏わせて抜き放つ。放たれた右ストレートはガジェットに命中し、反対方向へ吹き飛ばした。間髪いれずにガンポッドを構えなおすとスリーショットバースト(3点射)する。殴られた時点で転換装甲を完全に抜かれていたガジェットは、オーバーキルと言う言葉がぴったりなぐらいに3発の砲弾によって紙屑のように引き裂さかれ、その構成部品を大気中にまき散らした。 即座に離脱。索敵を開始する。残りの3人もそれぞれ1機ずつ落としたらしい。レーダーに映っていた機体が25から21に減っていた。 『『中距離火砲支援、いきまーす!』』 なのはとさくらの宣言と同時に一筋の桜色の魔力砲撃と、青白い光をまとった76mm超高初速徹甲弾の弾幕がガジェットの前にばら撒かれ、その攻撃を抑制する。 そこまでしてようやくガジェットも重い腰をあげたようだ。おもむろに5機のガジェットが反転、迎撃態勢に入る。 『たった5機かよ・・・・・・拍子抜けだぜ・・・・・・』 敵にもっとも近かった天城のVF-1Bがミサイル数発とともに先行する。しかし次の瞬間にはその認識を改めることになった。 ガジェット5機は先行してきたミサイルをスラスターをフルに使ったジグザグ機動で無理やり回避すると、ぐうの音も出ないうちにVF-1Bに肉薄。散開したかと思えばリング状に展開して機体を包むと、一斉に中心にいるVF-1Bに向かってミサイルを放った。 この間2秒。天城にできたことと言えばエネルギー転換装甲にフルにエネルギーを回せるバトロイドに可変することと、魔法の全方位バリアを展開することだけだった。 着弾、そして大爆発。 全方位バリアは爆発の衝撃波をコンマ数秒受け止めて崩壊し、VF-1Bを包む。 「天城!大丈夫か!?」 『な、なんとか・・・・・・』 アルトは瞬時に多目的ディスプレイのJTIDS(統合戦術情報分配システム)のステータスを見る。VF-1Bには損傷はないようだったが、魔力炉とエネルギーキャパシタのエネルギーを使い切っているようだった。これでは当分戦えない。 そしてそうしている間にも〝観測機器を外装した〟ガジェット1機の率いる5機は次なる目標、VF-25に向かっていた――――― To be countinue・・・・・・ ―――――――――― 次回予告 ユダシステムと対峙する管理局勢 彼らは果たして次元海賊の脱出を阻止できるのか! そしてすれ違ってしまったなのはとティアナ達の行く末はいかに! マクロスなのは第24話「教導」 ―――――――――― シレンヤ氏
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/3342.html
マクロスなのは 第10話『預言』←この前の話 『マクロスなのは』第10話その2 (*) 1週間後国営テレビ放送 『─────現在〝35人〟もの尊い犠牲者を出してしまいました。それはガジェットと呼ばれる─────』 テレビは本部ビル前の仮設会場を写し出している。そこではレジアス中将が記者会見を行っており、その内容は管理局に殉職者が出たというものだった。しかし───── 『─────しかし皆さん、我々はこの事態を止める時が、止めることのできる時が来ました!すでに我々にはその手段があるのです!』 レジアスがいままでの悲しい表情から一転、力強い顔と口調に変わる。 「・・・・・・始まったな」 食堂で昼飯を食べていたアルトが呟く。今ここには隊長、副隊長陣を含め、フォワード4人組やその他職員が昼飯をつついている。しかし、皆レジアスの豹変にテレビに釘付けだった。 『・・・・・・私は時空管理局、ひいてはこの世界の存亡をかけた最後の防衛策として、〝ヴァリアブル・ファイター(VF)〟の導入、運用をここに宣言します!』 一斉に焚かれるフラッシュ。 そして一呼吸置くと、会見場に超大型のホロディスプレイが出現した。テレビはそのままホロディスプレイの映像に切り替わる。 『ヴァリアブル・ファイター配備計画とは、現在ミッドチルダの持つ工業力を最大限使って行われる、空戦魔導士部隊の大規模装備改変計画です。ヴァリアブル・ファイター、略して〝V(ブイ)〟〝F(エフ)〟とは─────』 ナレーターには落ちついた女性の声が当てられ、モニターにはVF-25を初め、VF-1やVF-11の映像が流れる。 「隊長達はご存知だったんですか!?」 自らの上官達が驚かないことに気づいたティアナが席を離れ、こちらに詰め寄る。 「こんな質量兵器紛いの物を─────!」 「ティアナ、」 なのはの射るような声が届く。いつもと違う教官の様子にティアナは即座に黙らされた。 「私達は確かに聞いた。でもね、その時の殉職者は〝12人〟だったの。1週間前よ。これがどういう事か、わかるよね?」 現在の殉職者数と、たった1週間前の殉職者数。その行き着く結論にティアナは 「すみません!」 と頭を下げ、自らの席に戻っていった。 このやり取りのおかげで事態の緊迫性を理解した他全員は沈黙を守った。 『─────現在ヴァリアブル・ファイター、通称〝バルキリー〟は、汎用人型可変戦闘機としてVF-1『ワルキューレ』。多用途人型可変戦闘機としてVF-11『サンダーホーク』の採用が予定されています。このうちVF-11については用途によって搭載機器を、指揮特化型や量産型、そして重武装型などにそれぞれ特化して運用する予定です。』 (設計だけじゃなく名称までもじってやがる。こりゃああっちの世界の開発元が聞いたら著作権で怒るだろうな。設計図を提供したL.A.I社の研究員は大丈夫かよ・・・・・・) アルトはそんな事を考えていた。そうしている内に映像が終わり、会見会場にカメラが戻った。 『皆さん、先ほどの映像からこの計画の概要を理解していただけたかと思います。しかし皆さんは「理念違反だ!」と反対されるでしょう。私も最初、この計画は考えてはいても、実行しようとはまったく考えませんでした。しかし私は、ある人物の遺言に心動かされてしまったのです。それは─────』 ホロディスプレイの映像が差し変わり、そのある人物の写真が映った。それはツーショットで、彼女と一緒に写っているのは〝なのは〟らしかった。 まだ部隊に入りたての頃の写真のようだ。2人とも青白の教導官の制服はパリパリで新しく、まるでリクルートスーツを着ているような初々(ういうい)しさが漂っていた。 目の前にいたなのはは俯く。とても正視出来ないのだろう。 『この向かって右側の彼女は殉職者の1人、宮島栞二等空尉です。栞空尉はリンカーコア出力がクラスAAという非凡な才能を生かし、4年ほど前から空戦魔導士の教導隊の一員として業務に就いていました。しかし2週間前、海上で彼女の所属する教導隊が新人の訓練を行っていた時にガジェットに襲われたのです』 プレーヤーが再生される。どうやら襲撃時の通信記録らしかった。 ―――――――――― 『メイデイ!メイデイ!こちら第4空戦魔導士教導隊、至急救援を乞う!・・・・・・ダメだ!ジャミングで妨害されてる!』 『新人どもをどこかに逃がせ!邪魔だ』 『逃がせってここは海上なんだぞ!』 『おい、ショーン・バノン二等空曹!なにやってる!?』 『じ、自分達も戦います!』 『バカ野郎!お前らヒヨッコはバリア張って身を守ってればいいんだ!頭出すな!わかったか!?』 『はっ、はい!』 『吉沢隊長、』 『ああ、栞二尉、助かる。私は右端から落としていくから、君は左端から頼む』 『了解。・・・・・・しかし隊長、このままではじり貧です。大規模転送魔法で安全圏への退避を』 『だが我々だけならともかく、新人はそう簡単に動けないぞ!』 『私が囮になります!その間に退避を』 『しかしそれでは―――――』 『こちら左翼!防衛ラインの維持は限界です!至急新人どもを退避させてください!』 『隊長!お願いします。やらせてください!』 『・・・・・・わかった』 ―――――――――― 爆音と喧騒混じりに聞こえる無線達。それらは本気の戦場の模様を写し出していた。 『この後、部隊のほとんどが彼女のおかげで無事に戦域から脱出しました。しかし囮になった彼女には逃げる隙がありませんでした。そんな彼女は最期に遺言を遺しています。今それを公開したいと思います・・・・・・』 再びレコーダーが再生される。彼女の遺言は、その〝全て〟が公開された。 そしてその放送は世界を沈黙させた。 彼女を知らなくても、同じ人間としてその無念さと理性を失う程の死への恐怖を痛感し、彼女を知る者は泣き崩れた。 なのはなど最後の方にあった自分の名が呼ばれるところでは、席から突然離れ、飛び出して行ってしまった。 再生が終わるとレジアスは続ける。 『私はもうこのような犠牲者を出したくない・・・・・・それに、彼女達の仇をとってやりたい!彼ら殉職者達の遺影の前に立ったとき、「仇はとったぞ!」と言ってあげたいのです!どうか、皆さんのご理解をいただきたいと思います・・・・・・』 映像と会見は深く頭を下げたレジアスを映して終了した。 しかし食堂の誰もが動けなかった。それほどの衝撃をあの遺言は与えていた。 15分が経ち、なのはが帰ってきた。彼女はまたしても気丈に振る舞っているが、その目は痛ましいほどに泣き腫らしていた。 プ、プ、プ、プーン――――― 『こんにちは。午後1時のMHK(ミッドチルダ・放送・局)ニュースです。先ほど行われた記者会見の緊急世論調査の結果は、もうまもなく集計が完了する予定です』 時報と共に始まったニュースは各地の反響を伝える。 号外が配られる街頭を歩くビジネスマンや、会見をテレビで見たレストランの客など。それぞれ賛成、反対などの意見を語っていた。 『―――――今のは首都クラナガンの中央駅前からでした。次に、記者会見で名前の出た時空管理局地上部隊所属だった宮島栞、元二等空尉の実家と中継がつながっています。現場にはロバート・ユレスキー記者がいます。・・・・・・ユレスキーさん?』 ニュースキャスターの呼び掛けに、現場へとカメラが飛んだ。 「―――――はい。こちらは先ほどの記者会見で名前の出た宮島栞、元二等空尉の実家前です。」 『ユレスキーさん、何か動きがあったそうなんですが、ご家族の方が記者会見について何か言われたのでしょうか?』 「はい。ちょうど5分ほど前に家族の方が帰って来られ、家に入って行きました」 映像が中継から録画された映像に切り替わる。 その家の玄関に乗り入れてきた車に殺到する記者逹。そして車から出てきた2人の男女に記者逹のフラッシュと質問が殺到する。どうやら彼女の両親らしかった。 2人は記者の質問に応えず、無表情を保っていた。しかし母親はついに耐えかねたのか、とうとうその場で座り込み、泣き出してしまった。 「どうして家(うち)の子が・・・・・・あんなにいい子だったのに・・・・・・どうしてなの!?」 父親が彼女をなだめて立たせる。しかし彼女は何を思ったのか、おもむろに記者逹が回すカメラのうち1台をひっつかむと、こう懇願した。 「もう理念とか関係ありません!管理局の皆さん!なんでもいいから、家の大事な1人娘の仇をとってください!」 それだけ言うと、父親に半ば運ばれるように連れられた彼女はおろおろと泣きながら家の中に消えていった。 カメラが戻り、再びユレスキー記者を撮す。 「その後こちらではまだ動きはありません。以上、実家前からでした」 心なしかユレスキー記者の顔色は良くなかった。 この事件の加害者であるガジェットは、民間人にも容赦をしない。つまりこの事態は〝もしもの覚悟〟ができている自分自身だけでなく、明日には何の罪もない自分の家族や大切な人に起こるかもしれないのだ。そう思うと平静でいられないのが人間というものだった。 アルトが見回すと、六課の隊長・副隊長陣は、瞳に焼き付けるようにテレビ画面をじっと見つめながら毅然とした態度を維持。前線の4人や他の職員逹も絶句しながらその放送に耳を傾けていた。 そして自分達の前にあるコーヒー、紅茶はすでに室温になっていた。 『ユレスキーさんありがとうございました。・・・・・・はい』 ニュースキャスターに画面下から紙が回された。彼はそれを一読すると目を見開くが、国営放送の報道者として中立を守るというプロ根性が辛勝したのだろう。なんとか無表情を保った。 『先ほどから行われていた記者会見の緊急世論調査の速報が出ました』 ニュースキャスターが、この世論調査の形態を『コンピュータで無作為に発生させた電話番号で―――――』などと説明すると、大きな見出しと3つの選択肢が現れた。 『まず、対応の遅れによって出してしまった殉職者について。〝憤りを感じる〟〝仕方ないと思う〟そして〝どちらとも言えない〟の3回答の結果は―――――』 画面が円グラフに切り替わり、赤と青、そして緑による色分けがなされる。しかし、青と緑は小さく、赤が圧倒的で8割以上を占めた。 『赤が〝憤りを感じる〟で81%。青は〝仕方ないと思う〟で10%。緑の〝どちらとも言えない〟という解答は9%に止まりました。続いて、ヴァリアブル・ファイター配備計画について。〝賛成〟〝反対〟〝どちらともいえない〟の3回答の結果は―――――』 ここはアルト達にも緊張の一瞬だった。なぜならこれを元に今後の方針が決まるからだ。仮に反対多数なら、レジアスは職を追われるかもしれない。 果たして、3色に染まった円グラフは、赤がが半分以上を占め、次に緑。5分の1ほどが青かった。 『赤が賛成で58%。青が反対で18%。緑はどちらともいえないで24%でした。・・・・・・今、時空管理局の歴史について詳しい、ミッドチルダ大学の山本信雄教授におこしいただいております。よろしくお願いします』 『いえ、こちらこそ』 『・・・・・・それでは早速ですが、これはどういうことでしょうか?』 ニュースキャスターの単刀直入な問いに、山本教授は苦い顔をして一言言い放った。 『う~ん・・・・・・〝時代は変わった〟ということなのでしょう』 その言葉は後の世が、これからのミッドチルダの変革を思い出す時の原点となるセリフだった。 (*) 賛成多数が決まった直後、はやての携帯端末にコールが入った。 「はい、はやてです。・・・・・・レジアスおじさん!? ちょっ、どうし―――――」 そこから先は声が小さく、アルトには聞こえなかった。そして周囲が心配の視線を向ける中、はやては携帯端末を畳む。 「アルトくん、ちょっと来てな」 「は?オレ?」 しかし、はやてはそれだけ言って構わず行ってしまうため、追わざるをえない。 彼女は食堂を出て、廊下を抜け、着いた場所は部隊長室のデスクだった。 「どうしたんだよ?」 しかしはやてはその質問には答えず、1枚の紙とペンを差し出してきた。なぜかその顔には笑みが浮かんでいる。 (いい話・・・・・・なのか?) 怪訝に思いつつもそれを一読してみた。 「・・・・・・オイ、はやて、これはどういう事だ?」 その紙にはこう書いてある。『退職届け』と。 「俺は〝クビ〟って事か?」 はやては不敵な笑みを見せると、首を縦に振った。 「お、おいおい!ちょっと待て!どうしてなんだ!? 俺が何をした!?」 「自分の胸に聞いてみ」 「・・・・・・」 何も浮かばなかった。 「やっぱりわからん。それに退職届けってことは、俺がサインしなければ―――――」 「それがダメなんや。もう上が決定したことやから、ウチでも撤回はでけへん。せめてものよしみで、退職金が多い自主退職にしてあげようと思っただけや。もうあと12時間ぐらいで正式な辞令が下りるはずやで」 ―――――どうやら根回しは済んでいるらしかった。 (どうして今さらこんな仕打ちを―――――!) 泣く泣くアルトはサインし、毅然と振る舞って虚勢を張ってみせる。 「おまえのこと、友達だと思ってたんだがな・・・・・・」 せめてもの抵抗に紙を放ってやる。しかし彼女は気を悪くした風もなくそれを受け取った。 「人間て非情になるもんやな。今度はこっちや」 アルトは渡された紙に小さく悪態をつきながら、どうせ「お前クビ」と遠回しに書かれているだけだろうから文面も読まずサインし、また放ってやった。 「よし。これで早乙女アルトは、本日付けで晴れて〝本局〟からクビになる訳や」 彼女はそう言って2枚目をFAXする。 そして10秒待たずに送られて来た返信に彼女はサッと目を通すと、アルトに差し出した。 「? なんだ?」 「読んでみ」 さっきとは違って今度は慈愛に満ちた笑み。 アルトは先ほどのレジアス以上のはやての豹変に戸惑いながらその紙を受け取り、目を通す。 ―――――どうやらはやてに1杯食わされたらしい。 そこにはこう書かれていた。 入隊許可証 時空管理局 地上部隊 試作航空中隊司令 レジアス・ゲイズ中将 我が中隊は、優秀なパイロットである早乙女アルトの入隊を許可し、階級を一等空尉とする。 なお、明日の1200時をもって本局の籍は剥奪される。それまでに貴官は人型可変戦闘機VF-25に搭乗の上、『時空管理局 地上部隊 技術開発研究所』に出頭すること。 また貴官の今後の任務は、我が試験中隊の実戦教官。及び、本局との連携強化のため、機動六課との連絡役とする。 ―――――つまりメインが変わるだけで六課にも自由に出入り出来るし、なんら不利なところはない。おそらくこれは、はやての手回しの成果だろう。六課に残ることになるランカにいつでも会えるように。という配慮だ。 「なんだよ。驚かせやがって・・・」 呟きながら顔を上げたアルトの目に最初に入ったのは、満面の笑顔だった。 「昇進おめでとう、アルトくん!」 いつもの人の良い友人、八神はやてがそこにいた。 次回予告 アルトに迫る砲撃。しかし彼には友軍はいなかった。 果たして地上部隊に勃発した争いとは・・・・・・ 次回マクロスなのは、第11話『地上部隊は誰がために・・・』 「それがな、今度アルトくん達とは〝敵対〟関係になることになったんや・・・・・・」 シレンヤ氏 第11話へ
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/2026.html
登録日:2012/04/28(土) 04 58 33 更新日:2024/09/18 Wed 19 33 57NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 1982年 80年代テレビアニメ SF TBS アイドル アニメ オタク スパロボ スパロボ参戦作 バルキリー パチンコ化 マクロス ヤック・デカルチャー!! 三角関係 全ての始まり 全てはここから始まった 初代 劇中劇 文化 新人声優のデビュー作が主役 板野サーカス 歌 超時空シリーズ 超時空要塞マクロス 『超時空要塞マクロス』とは1982年に放映されたTVアニメ作品で現在も続くマクロスシリーズの記念すべき第一作であり、また超時空シリーズの第一作目でもある。 概要 本作の制作には当時TVアニメを見て育ったいわゆるアニメファン世代の若いスタッフが多く参加しており、彼らが「自分達が観たいものを作る」というスローガンの元に生まれた実験的な意欲作であった。 その内容もまた実験的で、異星人との戦争というSF的な内容でありながら戦争の過酷さや政治劇は避けられ、主人公とヒロイン二人による三角関係の恋愛劇が軸であった。 さらに当時ブームだったアイドル文化も織り込こまれ、アイドルの歌が戦争を終結させるという独自性も話題となった。 斬新な内容が若者達の人気を集めた。まあ、お堅いアニメファンからは戦争の過酷さが描かれないために批判されたりもしたが。 あまりの人気から当初は全27話で終了する予定で、ストーリー上はそこで一旦完結しているが、延長され全39話で終了した。 放送終了後の翌年には劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』が公開されさらなる人気を得た。 戦後編 延長分は俗に「戦後編」と言われ、戦後編では最終決戦がすでに終わってしまっているため下記の特徴がある。 戦闘は戦後処理的なものに限られてしまっている その分恋愛面は力を入れて書かれており、二人のヒロインを主軸にした三角関係が描かれた。未沙ファン必見。 この戦後編は下記の通り後年マクロスがシリーズ化される上で重要な役割を果たす事となった。 三角関係が明確な形ではじめて描かれた。 プロトカルチャー関連の設定や宇宙移民計画という、後にマクロスシリーズの根幹設定を提示 ただし戦後編に関してはトップアイドルから落ちぶれたミンメイの姿や、美沙と事実上付き合うもミンメイに未練タラタラの輝、恋愛以外のドラマ性が薄い等の問題もあるため、評価がわかれる。 あらすじ 西暦1999年、謎の飛行物体が突如宇宙より飛来し、太平洋上の南アタリア島に墜落した。 調査により、この物体が全長1200mに及ぶ巨大な宇宙戦艦であること、異星人が実在しゼントラーディ軍と監察軍という勢力に分かれて戦争を続けていることが判明した。 地球防衛の必要性を感じた人類は、統合戦争を経て地球統合政府を樹立。墜落艦を改修し、戦艦「マクロス」と名付けた。 そして2009年、マクロスの進宙式当日にゼントラーディ軍の一部隊が月軌道上に出現。さらに突然マクロスが人類の制御を離れ、ゼントラーディ軍に主砲を発射した。実はマクロスは監察軍が仕掛けたゼントラーディ軍へのブービートラップだったのだ。 マクロスはゼントラーディ軍の包囲網から脱するために、ワープ技術であるフォールド航行によって月の裏側への退避を図る。しかしフォールドシステムの暴走により南アタリア島を巻き込んだ上、辿り着いたのは冥王星の軌道付近だった。さらにフォールドシステムは消失。かくしてマクロスは地球へ帰還するための長い旅に出るのだった。 登場人物 ◇一条輝 CV 長谷有洋 主人公。飛行機乗りでフォッカーの招待で進宙式に遊びに来ていたが、戦いに巻き込まれ、その後ミンメイを守るために軍に入隊。バルキリー操縦の腕も優秀で部下思いだが、恋愛に関しては優柔不断。 ◇リン・ミンメイ CV 飯島真理 ヒロインその1。進宙式の日に伯父の家に遊びに来ていたが戦いに巻き込まれひょんなことから輝と知り合う。やがてマクロス市内で人気のアイドルとなっていく。彼女の歌は現実にも発売され今のキャラソンの走りとなった。視聴者の人気も高く間違いなくアニメ史に残るヒロインだが我が儘な性格からアンチも多かった。 ◇早瀬未沙 CV 土井美加 ヒロインその2。マクロスの航空管制主任。美沙ではなく未沙。 なにかとキツい性格で初対面の輝からおばさん呼ばわりされ仲が悪かったが輝と共に捕虜になったのを機に急接近。同時に女として魅力的になっていき最終的には輝と結ばれる。 ◇ロイ・フォッカー CV 神谷明 スカル大隊の隊長を務めるエースパイロット。豪放磊落な性格だが弟分の輝を気にかけるなど繊細な面もある。しかし中盤まさかのパインサラダがフラグになりあっけなく戦死。視聴者もショックを受けた。彼の死後、愛機のフォッカースペシャルは輝に受け継がれ後半の主役機となった。 ◇マクシミリアン・ジーナス CV 速水奨 愛称はマックス。公式設定でシリーズ最強パイロット。 8話より柿崎と共に輝の部下として登場。初陣からすでにチートだった。 ◇柿崎速雄 CV 鈴木勝美 柿崎ィィィィィ!!!! ◇クローディア・ラサール CV 小原乃梨子 マクロスの航法・火器管制主任オペレーター。気丈な女性でフォッカーとは恋人同士であった。フォッカーが自身の弱さを打ち明けた唯一の女性。 声を務めた小原氏はナレーションも兼任している。 ◇ブルーノ・J・グローバル CV 羽佐間道夫 マクロスの艦長。ブリッジは禁煙です! ◇リン・カイフン CV 鈴置洋孝 ミンメイの従兄弟で反戦家。ミンメイの面倒を見るためにマクロスに。カイフン氏ね。 映画ではミンメイの実兄に設定が変更され性格もまともだが、ここぞとばかりに妹とのキスに名乗り出るあたり変態かも知れない。 ◆ゼントラーディ軍 戦うために生まれた巨人達。『愛・おぼ』と違い男女混合で監察軍という本編では一切姿を見せない敵と太古の昔から戦っていた。戦うことのみを目的に生きてきたが地球の文化と接触し変わっていった。 ◇ボドルザー CV 市川治 ゼントラーディ軍ボドル基艦艦隊司令。地球人の文化を目の当たりにし、地球人がプロトカルチャーではないかと疑念を抱く。そしてゼントラーディがプロトカルチャーに汚染されるのを恐れ地球に総攻撃を仕掛ける。 ◇ブリタイ・クリダニク CV 蟹江栄司 ボドル基艦隊所属の分岐艦隊司令。ゼントラーディの中では珍しく寛容なお方。星一徹に似ている。鉄パイプでバルキリーと戦ったり生身のまま宇宙空間で活動可能(短時間ではあるが)。 ◇エキセドル・フォルモ CV 大林隆介 ブリタイ艦隊の記録参謀。映画や7とはかなり姿が違う。ワッタシーノカレーハパイロットー ◇カムジン・クラヴシェラ CV 目黒裕一 ゼントラーディの荒くれ者。通称「味方殺しのカムジン」 ◇ラプラミズ CV 鳳芳野 女性のみで構成されたボドル基幹艦隊直衛艦隊司令官。戦後はカムジンとバカップルに。 ◇ミリア・ファリーナ CV 竹田えり ラプラミズ配下の一級空士長。マックスとの一騎打ちに敗れ、その屈辱からマクロスにスパイとして潜入。そこでマックスとナイフで一騎打ちを挑むが、またも敗北。かと思えば いきなりマックスと結婚した。 後のシリーズではマックスとの娘や孫が出たり、ゼントラーディのキャラが出てくるのは恒例となる。 登場メカ ◇VF-1 バルキリー 詳しくは当該項目参照。 TV版で最も有名な機体はJ型の輝機であるが登場は6話からと遅く、あまり活躍できないまま退場してしまうなど本編では不遇だった。 ちなみによくスーパーパックとセットで商品化されるJ型であるが実は本編では一度も装備していない。 ◇SDF-1 マクロス 詳しくは当該項目参照。 映画版との違いは腕部にはアームド01、02ではなく強襲揚陸艦ダイダロスと空母プロメテウスが設置されている。 また「ピンポイントバリア」なる物も装備されており、これを右腕のダイダロス艦首に集中しパンチ、その後ダイダロス内に配備したデストロイドによる全弾発射で敵内部を破壊する「ダイダロスアタック」も行われた。 ◇デストロイドトマホーク ◇デストロイドディフェンダー ◇デストロイドファランクス ◇デストロイドスパルタン ◇デストロイドモンスター モブさん達が乗る脇役メカ。どれも砲撃戦に特化しているため機動性に乏しく殆ど砲台としてしか機能していなかった。 一度だけ輝がスパルタンに乗ったことがある。 追記・修正よろしくお願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- コメント欄 [部分編集] 自分はゼントラーディとの戦いが落ち着いた後の戦後編も好きだが、作画の平均レベルが低いことと、輝の精神構造が斜め上ってレベルじゃないくらいにどんどんダメ人間化していって観てて非常に不愉快なところだけは擁護できないw -- 名無しさん (2013-12-05 19 34 00) ロボのアクションとギミックを高い次元で両立させているという点において、ゲッターロボと肩を並べる作品。 -- 名無しさん (2014-03-17 01 42 40) ギミックは両立してないだろゲッターは。號ぐらいだろ -- 名無しさん (2014-04-12 17 06 36) ↑今の視点ではそうだが、放映当時の、マクロス以前のロボットアニメの中では、両立性が飛び抜けて高かったんだ。 -- 名無しさん (2014-05-10 15 19 41) ガンプラとかソフビ人形並だったもんな... -- 名無しさん (2014-07-04 19 33 28) TV版ま劇場版も両方観るべきだろうか? -- 名無しさん (2014-07-04 20 56 07) ↑ストーリーの違いが結構あるから両方観るべきだと思う -- 名無しさん (2015-03-24 23 39 50) スパロボαで存在を知って原作見てミンメイのアレさに驚いた -- 名無しさん (2016-06-22 10 26 35) それにしても、VFXでの、急進派の暴走とか、Δの過去での統合政府による敵地への次元兵器投下(その元になった統合政府の腐敗?)を見たら、初代新統合政府首脳のグローバル艦長は、すごい嘆くだろうなぁ; -- 名無しさん (2018-04-12 13 48 34) 第一話で輝がフォッカーに気安い態度で「この人殺しー」ってからかう場面が中々衝撃的だった -- 名無しさん (2018-11-25 01 04 28) あらすじを微調整してみました。ただ自分はマクロスに詳しくなく、ウィキペディア頼りになりました(主に「第一次星間大戦」のページ)。詳しい方、さらなる修正などしていただけると助かります。 -- 名無しさん (2021-04-25 20 07 19) 違反コメントを削除しました -- 名無しさん (2021-10-17 00 33 45) アニメオタクが作った最初のアニメと言われているらしいな -- 名無しさん (2021-12-14 03 41 24) マクロスゼロが後発だから中島のおやっさんが出ていないのは当然だけど、実際の歴史ではマクロスに乗っていただろうな。あんな優秀なメカニックをどっかに左遷させるとも思えんし。 -- 名無しさん (2022-07-17 12 37 33) 「Δ」の時代のマックスとミリアを見たい気もするけど、ジジババになった二人に幻滅もしたくないなあ。レディMことあのお方は異次元漂流で老化は停まっているのかもしれないけど。 -- 名無しさん (2022-08-24 00 39 41) OPが差し替えられSDになった再放送もあったりする -- 名無しさん (2024-02-18 19 15 04) Δではマックスだけ出演したけど、顎鬚が生えただけで容姿は7の時と殆ど変って無かったな。磯野家の地でも引いてるのか? -- 名無しさん (2024-03-09 14 30 18) 地→血 -- 名無しさん (2024-03-09 14 31 11) 名前 コメント