約 2,829,429 件
https://w.atwiki.jp/mahouka/pages/413.html
セレスアートは、芸能事務所。 関係者 弓場大作 … 社長 宇佐美夕姫 尾上旭 コメント 企業 用語
https://w.atwiki.jp/progrews/pages/255.html
※橙枠は獲得可能フォメ アイコンは理解度です。 は初期リストアップ は2期以降リストアップ N-BOX アーセナル アイルランド アムステルダム アルゼンチン98 アルゼンチン01 イタリア94 イタリア00 イラン97 イングランド ヴァレンシア ウルグアイ オランダ74 カテナチオ ガラタサライ 韓国99 韓国02 ギリシャ スウェーデン スペイン スロベニア セネガル チェコ チェルシー チリ デンマーク86 デンマーク04 ドイツ ナイジェリア 日本96 日本00 日本01 日本03 ノルウェー バイエルン パラグアイ バルセロナ93 バルセロナ99 バルセロナ04 ビアンコネーロ ブラジル82 ブラジル94 ブラジル98 フランス82 フランス00 フランス04 ポルトガル マドリード ユーゴ94 ユーゴ00 ルーマニア レバークーゼン ロッソネーロ 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/jyumawiki/pages/4210.html
アニメ 制作会社-あ行 株式会社アニメーションスタジオ・アートランド:公式 2012 TV - 探偵オペラ ミルキィホームズ 第2幕 アニメ 制作会社-あ行
https://w.atwiki.jp/choroqmotoneta/pages/449.html
スチュアート クラウドヒルの住人。グルグル走り回ることが大好きで、ルーレットもやめられないらしい。 ボディは黄色の人生ゲームのコマ。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/xboxonescore/pages/1246.html
レイヤーセクション ギャラクティックアタック Sトリビュート 項目数:13 総ポイント:1000 難易度:★☆☆☆☆ 設定変更、セーブ、ロード、リワインド、コンティニューも実績解除に影響しないので、これらを使えば誰でも全実績解除可能。最短で1時間かからない。 初めてのプレイ 初めてゲームをプレイしました。(ステージセレクトを使用していない時のみ) 10 コンシューマーモード コンシューマーモードをプレイしました。(ステージセレクトを使用していない時のみ) 20 アーケードモード アーケードモードをプレイしました。(ステージセレクトを使用していない時のみ) 20 ステージ1クリア ステージ1をステージセレクトを使用せずにクリアしました。 100 ステージ2クリア ステージ2をステージセレクトを使用せずにクリアしました。 100 ステージ3クリア ステージ3をステージセレクトを使用せずにクリアしました。 100 ステージ4クリア ステージ4をステージセレクトを使用せずにクリアしました。 100 ステージ5クリア ステージ5をステージセレクトを使用せずにクリアしました。 100 ステージ6クリア ステージ6をステージセレクトを使用せずにクリアしました。 100 最終ステージクリア 全てのステージをステージセレクトを使用せずにクリアしました。 100 プレイ累計10回 プレイ回数が累計10回を超えました。(ステージセレクトを使用していない時のみ) 50 プレイ累計20回 プレイ回数が累計20回を超えました。(ステージセレクトを使用していない時のみ) 100 100万点突破 スコアが100万点を突破しました。(ステージセレクトを使用していない時のみ) 100 プレイ累計10回 プレイ累計20回 ゲームスタートして画面が切り替わったらメニューから即リセットを繰り返すだけでOK。
https://w.atwiki.jp/nere/pages/20.html
ここは、アスキーアートを紹介するページです。 ここに投稿されたアスキーアートは、メールやLINEの他、様々なサイトで使用されることがあります。 そのため、自由に使用して良いという人だけ投稿してください。 基本的にオリジナル、無断転載を許可しているアスキーアートの場合は転載OKです。 @wikiの仕様上、10行までしか入力できません。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/stanpeed/pages/25.html
動画関係 youtube ネイルアート【シール・ストーンの貼り方】 http //www.youtube.com/watch?v=uAnK3Nw39WQ
https://w.atwiki.jp/chroro/pages/16.html
アートワーク。 此処で描いてもよし! うpしてもよし! キャラだけ描きたくなったら描いてもよし!! お絵かき↓ 現在、paint_bbsプラグインはご利用いただけません。
https://w.atwiki.jp/tool_encode/pages/215.html
2010-03-09 15 39 08 (Tue) アートランド 2010年04月~06月 ■2010年04月~06月 いちばんうしろの大魔王
https://w.atwiki.jp/srwkdm/pages/121.html
30代目スレ 2009/10/12(月) ◆ ドイツ中部の風は、もう冷たかった。 寂しい光景だった。泥を固めたような灰色の地面の上に、やはり灰色をした空が広がっ ている。草の類はほとんど生えておらず、遠くに痩せた木々がぽつぽつと見えるだけだ。 まさに寒村という言葉がふさわしい。 「ハザリア・カイツ?」 後ろからの声に、ゆっくりと振り返る。脚はがに股に、背中は猫背に丸め、首をもたげる ような姿勢で、広い肩幅を揺すりながらアゴを軽くしゃくる。指先だけは、どう動かせば いいのかわからなかった。 「俺を呼んだのか」 「え、へえ」 後ろにいたのは、いかにも田舎の農夫然とした中年男性だった。 「そうか。俺はハザリア・カイツというのか」 「なにをおっしゃっておられるので?」 「どうも、記憶がハッキリせぬ。そうか、俺はハザリア・カイツか」 「あのぅ、今までどちらに?」 「それもわからぬ。気が付けば、ここに立っておった」 「あなた様は、お連れ様と一緒に私共の村を訪れたのでございます。 先週の金曜から姿が見えないと、騒ぎになっていたのですよ」 「連れだと」 「お身内の方だと聞いております」 「俺は旅行者か」 「いえ、2年か3年に一度、おいでになります。 この度は、久しぶりのご滞在でした」 「なるほど」 「さあさ、小屋に戻りましょう。皆様ご心配されております」 「それで、お前は何者だ」 「え、へえ。普段小屋を預からせていただいております、妖機械獣ドラゴΩ1と申します」 「なるほど、連れて行け」 それきりなにも喋らず、手をポケットの中に突っ込む。 妖機械獣ドラゴΩ1と名乗った男は、少し怪訝そうな顔をしながら先に立って歩き始める。 ◆ ログハウスと呼ぶには少々小振りな小屋だった。後ろには、ろくに葉を茂らせていない カシノキの森がある。 ドアを開くと、パチパチと薪の爆ぜる音がした。早くも暖炉に火を入れているらしい。 「あら兄上、生きておられたのですか」 灰色がかった髪を頭の両側で縛って垂らした少女が出迎える。こちらよりも頭ひとつ半 以上背が低く、細い身体に長袖のシャツとプリーツスカートを着ている。 「お前は俺の妹か」 「なにをおっしゃっておいでです?」 「ハザリア様は、ご記憶に混乱がおありのようなんです」 ドラゴΩ1の説明に、灰色の髪をした少女はクスリと微笑んだ。 「あら、それはご愁傷様。お初にお目にかかります、わたくし、あなたの妹のルルですわ」 「迷惑な話だ」 「本来なら、昨日にはOG町に戻っていたはずなのですよ」 奥のドアが開いて、ひと組の男女が現れた。夕餉の匂いがリビングに漂う。どうやら、 奥のキッチンで食事の支度をしていたらしい。 1人は小柄な少女だった。といっても、ルルよりもわずかに背が高い。そして、ルルの 灰色に比べると光沢を帯びた銀髪の持ち主だった。ゆるくウェーブのかかった髪を、頭の 後ろで複雑に結い上げている。体格に比べてふくよかな胸が目を惹いた。 もう1人は長身の青年だった。よく鍛えられた、しなやかな体格をしている。青みが かった髪は清潔にまとめられていた。銀髪の少女の半歩後ろで片手を胸に添えてぴしりと 姿勢良く立つ様は執事かなにかのように見える。 「これ、妹よ」 「まあ、なんでしょう兄上」 「あの夫婦も、俺の親類か」 「まあ、兄上、恐れ多いこと!」 ルルが口に手を当てて笑い始める。 「あれなるは我らが祖国バルマーの国家元首、 アルマナ・ティクヴァー女王陛下のご息女、ルナ・ティクヴァー様。 従いますはバルシェム同士の間に生まれた息子、キャクトラ・マクレディですわ」 「身内ではないのか」 「まあ、身内といったら身内のようなものではないんですの?」 「夫婦ではないのか」 「それは、わたくしの口からはちょっと」 「なにをくだらない話をしておる!」 「さ、ささっ、ハザリア様、こちらに座って食事にしてください。冷えたでしょう」 ルナ・ティクヴァーはむくれてぷいと後ろを向き、キャクトラ・マクレディはなぜか いそいそとした様子で椅子を引く。 「親類というより、オカンだな、この男は」 「お主が手間をかけさせるからだ!」 ルナ・ティクヴァーがその生まれに似合わない怒鳴り声を出した。 ◆ ジャガイモとソーセージで構成された典型的なドイツ料理を平らげていると、またドアが 開いて誰か入ってきた。えんじ色のワンピースを着て、長い髪をソバージュにした少女だった。 「ハザリア様が帰って来たんですって?」 「妹よ、あれも俺の親戚か」 「まあ兄上。そう、誰でも彼でも親戚にするものではございません」 「あたしを覚えてないの?」 「記憶に混乱があるそうなんですの」 「まあ残念」 ビューナス・メデューサと自己紹介して、少女はスカートの端をつまんでちょこんと お辞儀をした。どうやら、地元の娘らしい。 「それでハザリア様、碑文の謎は解けたのかい?」 「なんだそれは」 「あら兄上、そんなことも忘れてしまったんですの?」 「そこの暖炉の上にある碑文のことだ。お主が妙に興味を示していた」 ルナが示す方向を見ると、確かに文字盤のようなものが暖炉の上に置かれていた。書か れているのは、ドイツ語でもなければ英語でもない。ましてや日本語でもないが、なぜか 読むことが出来る。 懐かしき ブロッケン山を 目指す者よ いかに従い 魔女を求めよ 月曜日の試験 森の番人を逆さまに吊せ 火曜日の試験 紙の花を匂い立たせろ 水曜日の試験 2頭の馬を走らせてはならない 木曜日の試験 ボーリングでひとを丸める 金曜日の試験 魔法を使ってはならない 土曜日の試験 紛い物の前で証を立てよ アブラクサスがなく頃に 小さな魔女は踊り始める 「あら、やっぱり読めるんですのね」 ルルはさして驚いているふうではない。 「なんだ、魔女を求めるというのは」 「この村に眠る魔女、トーラー様のことさ」 ビューナスが誇らしげに胸を反らせた。 トーラーという単語に、ざわりと胸が騒ぐ。 文字盤に書かれていたのはヘブライ語だった。トーラーとは、ヘブライ語でモーセ五書 を指す。遠い宇宙の果ての異星に比べれば、ドイツの片田舎にあってもおかしな言葉ではない。 「興味深い話だ」 声が震えないように注意する。 「なにも面白いことではない。惑星ラクスにあったプロトカルチャーの遺跡とおなじだ。 かつて、この村に我らが母星のものと思われる品物があったというだけだ」 ルナが退屈そうに説明する。 「それは、どこにある」 「とうの昔に回収して、いまは母星の宝物殿の中だ。 地球連邦軍にはドイツ出身者が多いし、なにしろ名前がずばり『トーラー』だからな」 「では、なぜいまだにこの村を訪れる」 「そんなことも覚えていないのか。お母さまがこの村を気に入っておられるのだ。 だから今回も、お母さまとお父様、キャクトラのご両親と共に訪れたのだろう」 「陛下とクォヴレー殿、それから私の両親はもう帰国しましたが」 「最高権力者は女王ではなかったのか。夫はなにをしておる」 「不愉快なことを訊くな!」 「わたくし共の両親は最初からいらしていませんわ。昔、何度も来ていますもの」 「お主も小さいころ、よく連れてこられただろう」 「覚えておらぬ」 「私は初めて来るのですが」 「ああ、最後に来たのは、わたしたちが10歳ごろのことか。 あのころ、キャクトラはまだ我々に仕えていなかったからな」 ルナの言葉に、キャクトラはどこか寂しそうな顔を見せる。 「ええ、名産品といえば薪くらいしかないこの村に、バルマーご一行様は貴重な観光客さ」 ビューナスがやや訛ったドイツ語で語る。 「でも、それだけさ。もうこの村に特別な品物はない。品物はね」 つかつかと近づいてきて、ビューナスはにたりと笑った。機械獣に取り憑かれた光子力 の女神を思わせる、妖気漂う笑顔だった。 「ハザリア様、あんたはすぐに帰った方がいい」 「なにをいう」 「魔女トーラー様は、眠りを妨げられることがお嫌いさ。 次は記憶喪失じゃ済まないよ」 「魔女が実在するとでもいいたいのか」 きひひ、とビューナスは異様な声を漏らす。 「"い"るよ。魔女トーラー様は、間違いなくこの村で眠ってる」 「面白いではないか」 ルルの皿からソーセージをひとつつまみ、階段を昇っていこうとする。 「まあ兄上!」 「妹は、兄が舐められて平気なのか」 「では」 ざっ、と室内にいた者がいっせいに顔を上げる。ルルが、ルナが、キャクトラが、 ビューナスが、瞬きもせずにじっと目線を注いでくる。各々の表情はひどくわかりにくい。 心配しているようにも見えるし、敵意か憎悪か、それとも単に迷惑がっているだけなのか、 そのすべてに感じられる。 ハザリア・カイツは金曜日に失踪した。自発的に行方を眩ませたのか、でなければ何者 かに消されたかだ。その何者かとは、誰なのか。動機はなんだ。手段はなんだ。現場は どこだ。具体的な時間はいつだ。 階段を半ばまで上がって、リビングを見下ろす。ここにいる身内たちの誰かが、ハザリア・ カイツを失踪させたのかもしれない。 もしくは、ハザリア・カイツは魔女の怒りに触れ、魔女の罰を受けたのかもしれない。 すきま風が吹き込む。薄っぺらな天井越しに、カラスがギャアギャアと鳴く声が聞こえた。 魔女は存在するのか、しないのか。 ◆ 朝の空気は一際冷たい。寒々しい森の中にいるとなおさらだ。 「あら、やはりここに」 小さな足音とともに、ルル・カイツが現れる。 「兄上の探検好きは昔からですもの。 止められるものでないことくらい、ルルはよぉく存じておりますわ。 さぁさ、ずずいと奥に向かって、謎をお解きなさいませ」 ルルがおどけたふうに片腕を腰の前に当て、軽く頭を下げる。キャクトラの真似をして いるふうにも見えた。 ごつごつした地面の上に、一ヶ所細長く盛り上がったところがある。 小石をひとつ拾い、前方に向かって投げる。 ばちんと音がして、2メートル近い竹竿が地面から起き上がった、先端には網のような ものがぶら下がっている。 「チッ」 ルルは舌打ちを隠そうともしなかった。 「やはり、お前か」 「やっぱり、兄上は引っかかってくださらないんですのね」 すたすたと歩いていって、ルルはローファーのつま先で竹竿を蹴飛ばした。 「ねえ、兄上、覚えておいでですの?」 「覚えておらぬ」 「そうでしょうね。兄上はそういう方ですから」 ため息をついて、ルルがこちらを見上げる。 「わたくし、幼いころは病弱だったでしょう」 「そうだったか」 「そうですわ。外を好き勝手にほっつき歩いている兄上と違って、わたくしはいつもベッドの中。 だからわたくしは、幼くして厭世観に取り憑かれておりました。 なんてつまらない人生でしょう、さっさと終わればいいのにと。 そうしたら兄上がおっしゃったんじゃないですの。 退屈しのぎに自分の命を狙ってみろと」 「狙ったのか」 「狙いましたわ。けっこう本気で。そのための手段も学びました。 しかし兄上はいまも生きておられます。 つまりわたくしは、10年以上も失敗し続けたということでしょう」 「いまは病弱には見えぬな」 「病気のことなど、いつの間にか忘れておりました」 「病魔の方がお前に愛想を尽かしたのだろう」 ルルが通ったあとを伝って、竹竿に辿り着く。見渡す限り、ここにはカシノキしか生 えていない。竹竿は、ルルがわざわざよそから取り寄せたのだろう。ご苦労なことだ。 「妹よ」 ルルの肩に手を載せて、少しだけ力を加える。 「兄上?」 「動くな」 手の中の小石を、また前方に向かって投げた。 空気を切る音が無数に起こる。地面から籠のようなものが飛び出したかと思うと、 四方から木の枝を削って作ったような矢が放たれた。あっというまに籠がハリネズミになる。 「これは、わたくしではありませんわ」 ルルの顔は青ざめていた。 「『月曜日の試験 森の番人を逆さまに吊せ』、これのことか」 「まさか、誰かが本当に兄上を」 「お前は、魔女が実在すると思うか?」 ルルはきょとんとして、それからあっさりと頷いた。 「いるんじゃないんですの? バルマー戦役以前に念動力者の類がいれば、魔女か悪魔と呼ばれていても不思議はありませんわ」 「念動力者といっても、あれはT-LINKの類がなければ少しカンのいい人間止まりだ。 そんなものが魔女と呼べるだろうか」 「では兄上は、本当に魔法を使う魔女がいたと?」 「魔法はともかく、根性の曲がった人間はいただろう」 「あら、そうですわ。ほら、地底世界に錬金術や魔法使いがいるという話なら」 「それこそありえない」 踵を返し、ログハウスに戻る。 ◆ ログハウスに入ると花の香りがした。 見ると、テーブルの上に花瓶が置かれ、そこに花が生けられている。ユリ科の植物の ようだった。いや、本物ではなかった。紙の質感を持っている。造花か。 『火曜日の試験 紙の花を匂い立たせる』。碑文の一節が頭の中によみがえる。 「おい、これを飾り付けたのは誰だ」 「え、さあ。そういう典雅なことをなさるのは、姫様ではないでしょうか」 なにか大きな荷物を抱えたキャクトラがにこやかに応える。 「なぜ造花から匂いがする」 「香水でも染みつかせたのでしょう。姫様のなさることは、本当に趣味がいい」 キャクトラは荷物を置き、造花に鼻を寄せようとする。 「触るなッ!」 横から花瓶をつかみ、一拍も置かずにゴミ箱に投げ捨てる。ガシャンと、花瓶の割 れる音がした。 「なにをなさいます!」 「たわけ、よく見ろ。これはイヌサフラン、ヨーロッパや北アフリカに自生するユリ科の多年草だ。 紀元前一世紀から使われておる、由緒正しい毒草だ。 毒素の名はコルヒチンといい、エルメニアの古代都市コルキスにちなんでいる。 コルキスとはギリシア神話におけるアイエーテス王の王女であり、魔女伝説のルーツのひとつでもある」 「まさか」 キャクトラは人畜無害そうな顔をしかめている。ひとの悪意というものを信じられない 性格なのだろう。 「疑うなら食って見るか」 「それは」 「ルナはどこだ」 「まさか、姫様を疑っておられるのですか!?」 「俺は誰も信じておらぬ」 壁の向こうから、馬のいななく声が聞こえた。 ◆ 薄く茂った草の上を、一頭の馬が駆けていた。 手綱を握っていたルナは、目線を寄こすとさっと目を吊り上げた。 「お主は近づくなッ!」 「なんだ」 「とにかく、そこから動くな」 ルナは馬を大きく迂回させ、馬小屋に着けた。 「仕返しだ」 すとんと鞍から降りて馬の首を撫でながら、ルナがちらりとこちらを見る。馬小屋の 中には、もう一頭馬がいるのが見えた。 『水曜日の試験 2頭の馬を走らせてはならない』。あれは、ルナの仕業だったのだろうか。 「泣き虫ルナは馬になど乗せない。そういったのは、お主だったな」 「先週の話か?」 「10年以上前だ。あのころは、ポニーだったな」 ルナはいかにも不機嫌そうに背中を向ける。 「どうせいまも、葉巻の匂いを服に染みつかせているのだろう。 馬の嗅覚は人間のおよそ1000倍はある。香水やタバコの匂いなどを特に嫌う。 お主は手の混んだことをする、イヤな子供だった。 そうやって、わたしたちが近づいただけで馬が暴れるようにしていたのだろう。 わたしを馬に乗せないためにな」 「それはだな」 「乗馬などしたら怪我をすると、わたしを見くびっていたのか。 お主はいつも山や川に行くとき、わたしを置き去りにしてくれたな。 どこまでわたしを見くびっていたのだ。 だから、わたしはお主のことが嫌いだ」 ルナは背中を向けたまま馬小屋の中に入っていく。 と、背後から強烈な視線を感じた。キャクトラだった。狩猟犬のような目で、じっと こちらを見ている。片手には、よく磨き上げられたボーリング玉をぶら下げている。 「ハザリア様、一戦、お相手願いたい!」 ノーと言おうものなら、即刻ボーリング玉を投げつけてきそうな勢いだった。 ◆ ログハウスから少し歩いた場所に、小さなボーリング場が建っていた。 「ウフフッ」 ベンチに座り、ボーリングシューズを履いた足をぱたぱた揺らして、ルル・カイツが 心底楽しそうに微笑んでいた。 「キャクトラはですね、兄上と姫様の仲を疑っているんですのよ」 「想像力豊かな男だ」 「だって、キャクトラが姫様にお仕えするようになったのはここ数年の話じゃありませんの。 でも、兄上と姫様は、それこそおしめを絞めていたころの付き合いですわ。 キャクトラがジェラシーを感じても、無理からぬ事ですわ」 「幼馴染みと見ればくっつけようとする風潮は、もう流行らぬ」 「なにを喋っているんです!」 隣のレーンでキャクトラが声を張った。 「早くマイシューズにお履き替えください!」 「マイシューズを持っているという前提でものをいうな」 「あなたは持っておられるはずです!」 「これだろ?」 横から、ついと布袋を突き出す者があった。ビューナス・メデューサだった。 「懲りないね、旦那方も。先週も似たような感じでボーリングやってたじゃないか」 「なるほど、先週もボーリングをしたか」 『木曜日の試験 ボーリングでひとを丸める』。どうやらハザリア・カイツは、碑文の 指示を忠実に実行していたらしい。 「でも、さすがに自分でレーンを転がるのは間違ってるよ。 魔女様は、そんな単純な暗号を残しゃしない」 「バカなことをする男だったようだな。ハザリア・カイツは」 「そうだよ。魔女様の眠りを妨げようだなんて」 「なにを喋っておいでです!」 キャクトラはすでに目を三角に吊り上げていた。 「ああ、ボーリングならやらぬ」 「勝負を捨てるのですか!」 「それよりも重要なことがある」 土足のまま、つかつかとレーンに向かって歩く。ハザリア・カイツらしい無神経さで、 ひと頃ハザリア・カイツがよくやっていたように人差し指を突き立てて天に向ける。 「ハザリア・カイツは失踪した。 いや、ビューナスによると、魔女の怒りに触れて"い"なくされた。 それはなぜだ? ここで、フェイズをひっくり返す!」 パチンと指を鳴らして、親指と人差し指を突き立ててひっくり返すポーズをする。 「ハザリア・カイツを"い"なくさせた相手の思惑はなにか。 魔女が"い"るということを隠したい、 いいや、魔女の存在そのものをあやふやにしたい。 なぜそういう局面に至ったのか。 魔女の存在の有無を確信させるなにかに至ったからだ」 「そうよ、魔女トーラー様は、眠りを妨げられることをことのほか嫌うのだから!」 ビューナスが高らかに笑う。 「駄目だな。全然駄目だ」 「ああ、そうだな。いかん。まったくいかん」 新たな声、いやあまりにもなじみのある声に、ボーリング場にいた面々がざわめいた。 ハザリア・カイツだった。悪霊将軍ハーディアスのコメカミにスタンガンに似た武器を 突き付けて、ボーリング場の中に入ってくる。 「叔父さん!」 ビューナス・メデューサが気色ばむ。 「バカな!」 「兄上が、ふたり!?」 「これはいったい」 「碑文の内容は『木曜日の試験 ボーリングでひとを丸める』。 まだ木曜日までしか至っていない。 魔女に至るには土曜日まで待たねばならぬ。 なぜハザリア・カイツは木曜の時点で消えたのか」 「『金曜日の試験 魔法を使ってはいけない』。 ハザリア・カイツにとって、『なにもしない』ということ以上の苦痛はない。 大方、これを無視して次の行動に移ろうとしたんだろう。 つくづく、こらえ性のない男だな、お前は!」 マリ・コバヤシは顔に着けた特殊メイクを剥ぎ取り、ハザリア・カイツに向かって シークレットブーツを蹴り飛ばした。 「なにをするか、貴様はァッ!」 「それはこっちのセリフだ! 突然失踪したなんて知らせ聞いたらなぁ!」 「ああ、駄目だ! 貴様は全然駄目だ! この俺が、黙って拉致されるタマか! 相手をあぶり出そうとしていたと、なぜ考えられぬ!?」 「土曜日の試験は『紛い物の前で証を立てよ』! わたしがお前に変装してやって来ることを期待していたんだろう、お前は!」 「黙れ、黙れよ!」 ハザリアは悪霊将軍ハーディアスの太った身体をビューナスに向けて突き飛ばした。 「それで、魔女はいたのかいないのか」 「いたといえばいえるし、おらぬといえばおらぬ」 「なんだ、それは」 「こやつらは魔女の子孫だ」 ハザリアはビューナスたちに向かってアゴをしゃくる。 「といっても、べつに魔法が使えるわけではない。 キリスト教に帰依せず、昔ながらのアニミズムを信仰していた連中の子孫だ。 魔女狩りが信仰していた時代、そうした村は焼き払われていてもおかしくはなかった。 だから、『魔女の存在を隠している』というポーズを喧伝し、 諮問官を呼び寄せ、魔女を捜している課程で捕らえて殺す。 魔女裁判がなくなった現代では、かつて諮問官を陥れて殺していた事実をもみ消すためにな」 「うー! うー!」 ビューナス・メデューサが床を踏み鳴らす。 「"い"る! 魔女は"い"るもん!」 「ああ、"い"るだろうな。 なにしろ、俺はまだ魔女の存在を視認していない。 この場合、シュレディンガーの猫の理屈によれば、 今現在、『魔女は"い"る』事象と『魔女は"い"ない』事象とが重なり合っていると解釈せねばならぬ!」 「なにいってんのさ、あんたは!」 「こんな気色悪い状態から脱却したいというのなら、魔女をこの場に連れてくることだ。 でなければ、何百年も前の風習を隠すために魔女を演出しようとする、 その心の中にいる魔女を殺すがいい」 「異星人になにがわかるのさ、異星人に!」 「わかるとも。非常に面白い」 ハザリアは懐から一冊の本を抜き出すと、ビューナスに向かって放り投げた。クレヨン で描かれたような絵が表紙に印刷されている。 「これは」 「貴様もドイツ人なら呼んだことがあるだろう。 ドイツが誇る童話作家、オトフリート・プロイスラー作・『小さい魔女』。 小さい魔女はブロッケン山で催される『ワルプルギスの夜』に出席したくて仕方がなかった。 ところが、小さい魔女は小さすぎて祭りへの参加を認められなかった。 大きな魔女たちに認められるため、魔女は1年間様々な努力をした。 薪拾いに来るバアさんたちにイジワルする森の番人を懲らしめたり、 造花売りの少女や、御者に虐待される馬、ボーリングぐるいの夫に苦しむ家族を助けた。 そうやって善行を積んだが、小さい魔女は試験に落第する。 なぜなら、魔女にとって"い"いこととは、他人にとって"い"やなことをすることだったからだ。 魔女の有り様を大いに悲しんだ小さい魔女は、最後の大魔法を使う。 すなわち、自分以外のあらゆる魔女の魔法を封じ、自分が世界唯一の魔女になることだ」 「そんなバカなことが!」 「『千と千尋の神隠し』の元ネタとされ、 おなじくオトフリート・プロイスラーの作による『クラバート』は、 ドイツ各地に残る伝説をまとめたものだった。 『小さい魔女』にもおなじく、元にした伝説が存在したのではないか。 そうして俺はこの村に興味を持ち、来たくもない親族旅行に付き合ったというわけだ。 実に面白い研究結果だった!」 「じゃあ、じゃあ、アブラクサスがなく頃っていうのは!」 「ペルシア起源の神で、キリスト教においては悪魔とされた名前、ではないな。 小さい魔女のお供だったカラスの名前だ」 「そんな、そんなっ」 「ここに魔女はおらぬ。あるのは、童話の元ネタだけだ」 ビューナス・メデューサががっくりと項垂れる。 ハザリア・カイツがゲタゲタと笑う声が、ボーリング場の中に不快極まりなく響き渡った。 ◆ 空港のロビーでは、キャリコ・マクレディがベンチに座ってニンテンドーDSをやっていた。 「おや、坊。生きてたんですね。てっきり謀殺されたものだと」 マリをドイツまで連れてきたのはキャリコだった。村まで同行してこなかったと思っていれば、 どうやらここでずっとDSをやっていたらしい。 「なにをやっているんだ、お父さん」 「あっ、キャクトラ。お父さんとすれちがい通信しようよ」 「お父さん、私はDS持ってません」 「しょうがないなぁ。お父さんがあっちの売店で買ってあげよう。 さ、姫様も」 「わたしは、べつに」 「キャリコのおじさま、わたくしも、新パーティ用に一機欲しゅうございますわ」 「よぉし、おじさん、いまイイ気分だから」 「あっ、お父さん、またビール飲んで」 「ドイツに来てビール飲まないなんて嘘じゃないかぁ!」 なにか豪快に笑いながら、キャリコが子供たちを連れて遠ざかっていく。 マリは、不本意ながらハザリアと並んで取り残される羽目になった。 「だいたい、お前は勝手なんだ。わたしに黙って出て行くときに限ってヤバいことになるじゃないか」 「黙れ、黙れよ。もう、全然余裕であったわ」 「大方、金曜に行動起こしちゃったのは、あの村娘にイイとこ見せようとしたんだろ」 「見くびるな!」 「うるさいよ!」 マリは手を伸ばして、ハザリアの手をわしづかみにした。ごつごつと骨張っていて、 それでいて器用そうな奇妙に細長い指を備えているのがわかる。 「なにをするかッ!」 「いいから、指を動かせ」 「なんだ?」 「お前の仕草とか喋り方はだいたいわかってるけど、指の動きだけはイマイチよくわかんなかった。 覚えときたいから、動かせ」 「フン」 ハザリアがどういう顔をしているのか、マリにはわからなかった。ハザリアの方を 向くことが出来なかった。 「レバーケーゼだな」 「ウン?」 「ドイツ製ミートローフだ。薄切りにしてパンに挟んで食らう。 ここには駅弁などないからな」 「食べたいのか」 「べつに」 「お前は駄目だな。ほんと、全然駄目だ」 マリはハザリアの手を握りしめた。