約 4,270,761 件
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/1798.html
697 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/02/14(土) 11 24 18 ID ??? バレンタインデー~フェルトの場合~ バレンタイン前日 フェルト「できた!」 ソーマ「ふぅ…」 ティファ「三人で作ると楽しかったですね」 フェルト「うん」 ソーマ「あとは明日渡すだけだ」 フェルト「喜んでくれるかなぁ…ロックオン」 ティファ「大丈夫。気持ちは伝わるはずです」 ソーマ「うまくいくといいな」 フェルト「うん!」 バレンタインデー当日 フェルト(うぅ…いざとなるとドキドキする…)チラ フェルト(こ…こっちに歩いてきてる…ロックオンが角を曲がったときに一気にいこう!) コツコツコツ… フェルト(…もうちょっと)ドキドキ コツコツコツ フェルト(きたっ!!) フェルト「こ…これ、チョコ!心を込めて作ったの!貰って下さい!!」 ???「……ガンダムだ」 フェルト(ん?ガンダム?) 刹那「ありがとう、フェルト」 フェルト(あ゙ーーーーーーーー!!!!!!!!) フェルト「あ、せ、刹那それ…(てゆーか、いつ入れ代わったのぉ~!?)」 ロックオン「おぉ~!?刹那、フェルトからもチョコ貰ったのかよ?」 刹那「あぁ…手作りだそうだ」 ロックオン「ほぉ~」 ロックオン(ってことは本命かぁ?刹那はライバル多いけど、お兄ちゃん応援するからな!)ゴニョゴニョ フェルト「……」パクパク ロックオン「刹那、ちゃんとお返しするんだぞ?」 刹那「もちろんだ」 ロックオン「俺にも義理でよかったからチョコ欲しかったなぁ~」 フェルト「あ…あう…」 ロックオン「冗談、冗談。手作りで精一杯だったんだもんな。受け取って貰ってよかったな」 フェルト(頭真っ白) 刹那「ん?手紙か…『私のこと、もっと女の子として見てほしいな(ハ-ト』……俺はフェルトを男扱いしたことはないはずだが…」
https://w.atwiki.jp/kannnaduki-no-miko/pages/103.html
神無月の巫女 エロ総合投下もの バレンタインデー プレゼントはわたし   本日はバレンタインデー、いつも通り部屋で過ごす姫千歌 唇の周りにチョコを塗り捲る姫子 「千歌音ちゃん、私お金ないから・・・なにも買えないけど、乙羽さんにチョコレートを分けてもらったの、こんなのでごめんね」 「いいえ、気にしてないわ、姫子がくれるものならどんなものでも嬉しいもの・・・」 「うん、ありがとう、じゃ、私を食べて・・・ね」 「わかったわ、遠慮なく頂こうかしら、うふ」 「ごめんね、私こんなことしかできな・・・!?んんっ」 姫子の声をキスが遮る 大好きな千歌音のために姫子が選んだチョコは自分自身だった ん・・・ちゅ・・・ちゅぱ・・・んん・・・ぷはっ。 チョコと姫子の唇の感触が絶妙にアクセントしていた 突然のキスに心の準備さえ整えられなかった姫子の隙をつき瞬時に舌を入れる そしてそのまま姫子の口内を嘗め回す、姫子も逆らわない、いや自分からも唇を押し付けているほどだ んん・・・あむ・・・ちゅぷ・・・はあ・・・。 姫子の舌と舌を絡め合う・・・ 千歌音は姫子の触れ合った舌の感触にしばらくうっとりししばらく酔いしれていた・・・ (うふ・・・チョコレートってこんなに美味しいものだったかしら、これも姫子のおかげね・・・) 「はあ・・・姫子!!」 我慢できなくなった千歌音はそのまま床に押し倒す 使用人には部屋に来るなと告げてあるから大丈夫だ ん・・・ちゅぱ・・・じゅるる・・・ぷはっ。 ああ、姫子の唇・・・蜜のような吐息をくれて・・・甘いわ・・・ 姫子の唾液・・・おいしい・・・ 状態を上げ、姫子の胸元に手を延ばした瞬時、声が飛んでくる 「ち、千歌音ちゃんこれ以上は私・・・・・・」 「そう、わかったわ、ごめんなさいね姫子」 姫子の声に小さく息をつくと姫子の制服を脱がそうとしていた左手を引っ込める 「今日はここまでだね、千歌音ちゃん、私のチョコ美味しかった?」 「ええ、とっても・・・ありがとう、姫子」 「ううん、だって私達愛し合ってるんだもん、当然だよ」 「姫子・・・ありがとう」 学校ではお昼休みしか逢えないけれど・・・ こうして姫子と一緒に過ごせるのなら学校やめてもいいくらいだわ・・・うふふ 「ねえ、姫子、大神さんにはチョコレートあげたの?」 「うん、義理チョコをね、ただの幼馴染だから、近くのお菓子屋さんで買ったのあげたよ」 「そう・・・(大神さんも災難ね)」 「千歌音ちゃん、これからもこうして2人でずっと一緒にいようね、2人の気持ちは繋がってるもの」 ピンクの二枚貝のネックレスを見つめながら呟く姫子 「ええ、好きよ姫子・・・」 「うん、私も・・・千歌音ちゃん、大好き・・・愛してるよ」 千歌音の胸の姫子は飛び込んだ END
https://w.atwiki.jp/m-server/pages/594.html
2/7~2/14予定 +チョコレート編 全モンスターがバレンタインチョコレートのかけらを落とします。 規定個数集めてダブルクリックするとバレンタインチョコレートになります。 バレンタインチョコレートは変身の効果があります。 ドロップ率は低めです。 また欠片はトレード出来ません。 下記に挙げるクラス以外は一律100個でバレンタインチョコレートになります。 ヘビーナイト 300個 マジスター 500個 ヒーラー 200個 効果時間は15分です。 武器や職によって変わります。 強化ドッペルゲンガー(プリとウルフマンの近接武器のみ) 強化デスナイト(近接武器) 強化ダークエルフシーフ(弓、ガントレット) 強化スレイブ(双剣/爪) +イベントアイテム タリスマン系のアイテム 新装飾品を予定 公開は詳細が決まり次第 +ヘイスト師 正月イベントと同条件で変身させてくれます
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1105.html
ビショップ家の俺執事 バレンタインデー番外編… 1944年9月、ガリア全域でネウロイの消滅が確認され、第501統合戦闘航空団"ストライクウィッチーズ"は大役を終え、解散した。 私はみんなとお別れをしてから、一時的に戦線を退き、ペリーヌさんと一緒にガリアの復興を手伝っていた。 復興は決して順調と言うわけではなく、そこらかしこに転がった瓦礫や何かの残骸を見ては、ネウロイの傷跡を痛感させられる。 ペリーヌ「リーネさん、少し休んだほうがいいですわよ」 リーネ「いえ、まだ大丈夫です!これが終わったら休憩します」 ペリーヌ「あまり無理をなさらないように。リーネさん、後でちょっとおはなしがあるのですけど、いいかしら?」 リーネ「えっ?あ、はい!全然かまいませんよ」 ペリーヌ「では、さっさと終わらせてしまいましょう」 最初はペリーヌさんは苦手だったけれど、今となっては仲がいい。 これもきっと芳佳ちゃんのおかげだ。 そういえば、今は扶桑に帰ってるのかな……。元気でいるといいなぁ。 今は1945年2月12日の昼。毎日瓦礫除去作業、運搬、建造を繰り返す毎日だ。 ウィッチなので魔法力を使えば重いものでもお手のもの。 しかし、進行度は著しい。蝸牛が地面を這う速度と同じくらいだろうか。 私たちは二人でガリアを歩きまわり、各地の復興作業を手伝っては、また違う場所へと移動していた。 本来はブリタニアのほうに戻らないと行けないのだけれど……家の方には説得して許してもらえ、ここで残ることができました。 ……でも説得できたのは自分の力だけじゃなくて、ある人の力を借りたからだ。 ペリーヌ「みなさんも休憩してくださいまし!一時間半後に再開しますわ」 リーネ「じゃあ私たちも休憩しましょうか。今日も私がランチを作ってきたんです」 ペリーヌ「あ、ありがとうございますわ。そういえばリーネさんは料理などお上手ですわね」 リーネ「芳佳ちゃんに比べたら全然だよ~……。これは、ある人に教えてもらったの」 ペリーヌ「ある人?」モグモグ リーネ「俺さんっていう執事さんに教えてもらったの。他にも色々教えてもらったけど……」モグモグ ペリーヌ「その執事は今どこにいらっしゃるのですの?ここに来て手伝ってくれてもよろしいですのに」モグモグ リーネ「うーん、今どこにいるかわからないんだー……。でも私がガリアに残るってことをお父様とお母様に渋られたときに助けてくれたの」 ペリーヌ「あら……それはすみませんわ……」 リーネ「う、ううん!私が自分の意志で残っただけだから!まぁそれを俺さんも一緒に説得してくれて……」 ペリーヌ「普通の執事なら家の事や身の安全を考えて、そんなことを言わないでしょうに。なついてますわね」 リーネ「えへへ~、優しいんだ~。私が小さい時からずっと一緒で、いつもお世話になってて」 ペリーヌ「ここについてこなかったのはなぜですの?一緒ならいてもおかしくはありませんのに」 リーネ「私が一人でやりたいって言ったら、それを聞いてくれたんです。……あ!ペリーヌさんごめんなさい、話があったんですよね?」 ペリーヌ「あ、え、ええ。今日が何日か知っていますの?」 リーネ「確か2月12日でしたよね?」 ペリーヌ「そうですわ。明後日は世間ではバレンタインデーとなっていますわ。そこでみなさんもこういう復興作業ばかりでは疲れてしまうのでなにかお菓子でも贈ろうと思いまして」 リーネ「それいい案です!」 ペリーヌ「それで、その……さすがに市販品を買っては費用がかさむものですから……材料を買ってきてつくろうと思うんですの」 リーネ「うん!それいいと思うよ~、私も手伝っていいかな?」 ペリーヌ「お、お願いしますわ。むしろリーネさんに作り方を教わりたいんですの。お、教えてくれせんこと……?」 リーネ「うん!いいよ!……バレンタインデーなんだよね……私も俺さんに贈りたいな~……」 ペリーヌ「では一緒につくって差し上げましたら?そして家の方に送っておけば届くのではないかしら」 リーネ「あ、それじゃあお父さんやお母さんにもつくろうかな。……いつもは俺さんがつくってくれてたんだけど、今回は私が作ってみよっと♪」 ペリーヌ「いい心意気ですわ。では、今日の復興作業が終わったあとに買いに行きましょうか」 リーネ「うん!」 小さいときは俺さんにねだってただけど、もう大きくなったし、感謝の気持ちを込めて贈ろう! うん!あ、で、でも出来の悪い物送れないよ~……。 ち、ちゃんとがんばって作って、おいしくたべてもらうんだから! ……俺さん、会いたいなぁ。ブリタニアにいるころはいつも一緒だったから、ずっと会ってないとなぜか寂しいな。 ペリーヌ「リーネさん、顔赤いですけれど大丈夫ですの……?」 リーネ「う、ううん!大丈夫だよ!うん!大丈夫!」アタフタ ペリーヌ「え、ええ、わかりましたわ。それにしてもこのサンドイッチおいしいですわね」 リーネ「あ、よかった~。それね―――」 現在、オラーシャ、東部戦線にて俺はあごに手を軽く当て考え事をしていた。寒い風が髪をふわりと凪ぎ、冷たい雪が肩に落ちる。 俺「ふむ、明日はバレンタインデーですね……。どうしましょうか……」 いつもはチョコレートやケーキ、クッキーなどお菓子系を贈っていましたね。ああ、あとは花も。 しかし、現在お嬢様はガリア地方で復興作業中。 そして私はオラーシャに旦那様の私用で付き添ってきているため、距離的に遠いというのが現状ですか……。 俺「(別に私だけならガリアまですぐにいけるのですが……。旦那様を置いていくわけにもいかない)」 どうしたものか……。それに市販品を買ってお嬢様にさし上げるなど言語道断なことはしたくはありません。 となると手作りしないといけませんね。 材料はここオラーシャ内部の方だと手に入るので大丈夫なようですが……。 リーネパパ「おーい、俺くん。待たせてすまないね」 俺「いえ、全然かまいません。旦那様そのお荷物お持ちいたしましょう」 リーネパパ「ああ、すまないね。オラーシャは寒いがいいところだな。なかなか美しいじゃないか、ブリタニアには及ばんが」 俺「そうですね。雪景色がこれほど壮大に感じる場所も珍しいですね」 リーネパパ「ブリタニアには及ばんが」 俺「……さて、このあとはどうなされるのですか?」 リーネパパ「ん?ああ、私の用事はこれで済んだよ。これから執事長も含め、帰路へとつこうかと思う」 俺「わかりました。すぐに海船までの車を手配します」 リーネパパ「ああ、いいよ。俺くんはしなくていい」 俺「……では、なにをなさればいいのでしょうか?」 リーネパパ「君には何をおいても優先せねばならないことがあるだろう。それをしたまえ」 俺「申し訳ございません。その優先事項というのは旦那様をブリタニアまで安全に護衛することだと、思っているのですが……」 リーネパパ「ふふふっ、明日はバレンタインデーだ。君には我が娘にプレゼントを送り届けてもらいたいのだ。もちろん君自身のもね」 俺「で、ですが護衛は!」 リーネパパ「ボディーガードがいる。大丈夫だ。それより私は娘のほうが心配でね。俺くんには娘の顔を見てくると共にプレゼントしてきてほしい。 私の言いたいことがわかるかね?」 俺「……私がリネットお嬢様のところに行き、"見つからないように影からこっそりと"お顔を窺い、プレゼントを置いてくる。 そしてそのまま帰路につく、ということですね」 リーネパパ「流石俺くん、察しがいい。あの子も独り立ちしている頃だ。ガリア復興に一人で尽力するのもよい経験となる。 だからこそ私たちが顔や手を出してはならぬのだ」 俺「親心、というものでしょう。旦那様の心意気、見事でございます」 リーネパパ「うむ。では、これをたのんだぞ。俺くんは、今回なにを贈るのかね?」ガサガサ 俺「いえ、未だ思案中です」 リーネパパ「そうか。まぁあの子は君からもらえるものはなんでも喜ぶだろう。これは私と妻からのプレゼントとして贈ってくれ」 俺「了解しました。完璧にこなしてみせましょう」 リーネパパ「頼んだぞ。リーネの顔が愛しくても顔をみせないようにな」 俺「ふふっ、肝に命じておきます」 リーネパパ「では、行き給え」 俺「イエス、マイ・ロード」 そう言ったとたん俺は魔法力を解放し、その瞬間リーネパパの目の前から消え去った。 残ったのは足あとがついた雪のみで、また寒い風が吹きすさび、それが一層俺が消えたことによる寂しさを醸し出していた。 戻ってガリアのリーネ。 明日がバレンタインデーなので今日はチョコレートを作っています! なんでもチョコレートには疲労回復やリラックスさせたりする効果があるそうです。 毎日働いている人は、お疲れになるでしょうからちょうどいいとペリーヌさんと一緒に決めました。 リーネ「えっと、ここはガリアでもあるのでロシュ、というものをつくるそうです。意味はなんでも『岩山』というそうです」 ペリーヌ「誰に話しているんですの……?あとは軽いケーキでも作っておきましょうか。早く作りましょう」 リーネ「はい!」 と作業を開始。 私たちがどこで作業をしているかなんて小さなことですから、言いません。 ウィッチでないため日頃力仕事をできない女性の方も男性に感謝したい、ということで手伝ってくれることになりました。 そして私は俺さんの分も含めてつくることにしています、ものすごく気合をいれて。 ペリーヌ「それが俺さんにあげるものなんですわね。……結構こってますわね」 リーネ「もちろんです!俺さんに食べてもらいますから!」 ペリーヌ「妙に気合がはいってますわね……。リーネさんは俺さんのことが好きなんですの?」 リーネ「え、ええ?!あ、そ、その!す、好きと言われればそうですけど……///」 ペリーヌ「その慌てようだと、そのようですわね。だったら、技術に富むものより、愛情が伝わるものにしたほうがよいのでは?」 リーネ「え?」 ペリーヌ「リーネさんが渡したいのはそういうものなんでしょう。それにバレンタインデーはそういう日でもありますから、いいのでは?」 リーネ「そ、そんな私の気持ちが知られたら……うぅ……///」 ペリーヌ「はぁ……とりあえず技術より愛情を込めたほうがいい、と私のおばあさまも言っておりましたわ」 リーネ「おばあさまですか……。……そうですよね、うん、やっぱりもっと簡単なのにしてメッセージカードでもつけます」 ペリーヌ「ふふっ、そのほうがいいですわ。おとなしいあなたらしくて。あ、別に悪い意味ではありませんのよ!」 リーネ「ふふ、わかってますよ、ペリーヌさん。ありがとうございます」 ペリーヌ「べ、別にたいしたことじゃありませんわ!///」 そういうことで私は俺さんにはチョコレート・ブラウニーを作って色々とメッセージカードに書いておきました。 お父さんとお母さんには、クッキーとチョコスコーンを作りました。 ……でも俺さんには手渡ししたいなぁ。 一方、俺 俺「ふぅ……こんなものでしょうか。……いや少し凝り過ぎでしょうか?」 ある場所を借りてお菓子を作製。あとはタオルと新しいネクタイも買っておいたところです。 そして現在工程中。机の上にあるのはバラの形をしたチョコレート。 それにダックワーズ(レモンピール入)にオレンジ・ガトーバスク、ショコラスフレ(ナッツ入)を作ったが……。 あとなにか花がほしいと考えていたので作ったのだ、妙に凝った物を。 しかし問題がある……それは、リネットお嬢様が受け取るまでにチョコが溶けてしまうこと。 それだけは絶対に避けねばならない。 一体どうしたものか。 俺「……だが……リネットお嬢様の笑顔のためなら……この私、不可能を可能にさえしてみせましょう」 俺「幸いここはまだオラーシャ、雪と氷ならいくらでも手に入りますね。あとは……メッセージカードも添えて」 ふむ、あとはどうやって隠れてリネットお嬢様に渡すかが問題となるわけですね。 ここはある意味、私の技量の見せどころ……。 ガリアの方までは魔法力を使って走っていけば30分以内につけますね。 だが……お嬢様にはできれば手渡ししたい。 ああ、でも会ってしまえば別れるのも辛いですし……言いつけもありますから、いけませんね。 でも……。 今日はバレンタインデー……朝から張り切って働くみんなは、なにをもらえるのか知っているようで、一段と気合がはいっています。 今日の分のノルマはあっさり越えてしまいそうで、皆で楽しめる時間が増えそうです。 リーネ「ペリーヌさん、この木の板どうすればいいんですか?」 ペリーヌ「それはあそこの学校の修復をおこなうのに使いますから、そこにお願いしますわ」 リーネ「今日もいい天気ですね」 ペリーヌ「そうですわね……。ところでリーネさん、納得のいくものは作れたかしら?」 リーネ「はい!」 私はありったけ元気を込めた笑顔で返事をした。 自分でも納得のいくものがつくることが出来、さらにメッセージカードも入れたのでバッチリです。 あとは俺さんに届けるだけ。 う~ん、でもこっちに来てくれないかな……。 あっ。 いけないいけない、そんなことばっかり考えてちゃいけない! 今日もがんばらないと! ―そして、時間が経ち、夕方……。 真っ赤な太陽からでる光は壊れた街を照らし出し、今日の労働の終りを告げようとしていた。 一陣のかぜがぴゅうと吹き、三つ編みした髪を揺らす。 ……俺は来ない。 当然と言えば当然だ。 このガリア復興には、自分で一人でやると言って、俺を置いてきたのだから。 しかし。 その約束を律儀に守ってくれている俺へのありがたい気持ちと今この時来てくれない寂しさと残念さが同時に胸に染みる。 リーネ(結局……俺さんはやっぱり来ないのかな……) 小さな岩場に座って、膝を抱え込んでは自分の隣に置いてある小さな箱を見る。 リーネ(俺さんにせっかく作ってカードも入れておいたのに……) むーっと唸っては眉をしかめ、指を何度も交錯させてはほどき、ここに来る約束をしてもいない俺をただ待っていた。 しかし赤い夕日は、少女の悩みも気にも留めず、ただ刻々と沈んでいく。 リーネ(そうだ!いつものように指を鳴らせばきてくれるかな……?) ふっと思い出が頭の奥底から蘇る。 自分の家にいた頃、俺に優しく告げられたことがあったことがあった。 回想―… 俺「いいですか、リネットお嬢様。もしリネットお嬢様が危険に陥ったり、困ったことがあったり、用があったりするときは遠慮せずに指を鳴らしてください」 リーネ「指、ですか?」 俺「はい、こうやって」パチン リーネ「えっと……えいっ!」パシッ 俺「おや、ふふ。練習せねばなりませんね」 リーネ「うぅ……///でも、鳴らしたらどうなるんですか?」 俺「リネットお嬢様がどんな場所にいようとも、どんな時でも、何をしていても……」 俺「私が風の様に一瞬で駆けつけます。そしてお嬢様のためにすべてを解決してみせましょう」 リーネ「え、えっと///あ、ありがとうございます」 俺「私はお嬢様とともにありますから」ニコ リーネ「あぅ……」 俺「では、そろそろティータイムにしましょうか。テラスの方へどうぞ」 リーネ「は、はい!」 リーネ(指を鳴らす……。でも、遠くにいたら普通届かないよね) リーネパパ「俺君、今日はあれだ、アップルパイが食べたいのだが」 俺「奥様がお作りなられているようでございますから、楽しみにしてください。今日はハーブティーです」 リーネパパ「ありがとう」 リーネ(一瞬で、かぁ……。なんかお話にでてくるナイトみたい) 俺「リネットお嬢様?」 リーネ「あ、はい。私もハーブティーでお願いします」 俺「かしこまりました」 回想終わり―…… リーネ(今でも信じられないな~。でも井戸に落ちたときは駆けつけてくれたっけ……) 自然と頬が緩む。 リーネ(た、試してみようかな……。でも、特に大した用事でもないし……) そろそろ日が沈み顔を隠す頃だ。扶桑でいう逢い魔が時の時刻、遠くのほうはもう霞んで見えにくい。 夜はすでに近づき、休息の時間へとあらゆる人々を星の瞬きとともに連れ去ろうとしている。 リーネ(ちょっとだけ試してみようかな……。たぶん……届かないし、これないよね……うん) 少しばかりの少女らしい葛藤が終わり、決心を生み出す。 結んだ指を解いて、手を顔の高さまでゆっくりと持ち上げ、散々練習した自分と俺だけの秘密の約束を今使おうとする。 さすがに来ないか、という念から苦笑いをするが、もしかしたら……という期待に胸も膨らます。 そして、世界はその音だけを待つように、静寂した。 ―――パチィン…… 練習に練習を重ねた約束の音は、ただ響き渡った。 だが……また静寂が訪れただけだ。 リーネ(やっぱり来ないよね……。これは家に届けてもらおっと……) 胸を寂寞感が占める。 立ち上がった時、強く、何かを吹き飛ばすように風が背後から通り過ぎ、自分の前へと過ぎ去っていった。 そして同時に聞こえたのは、砂を踏む音。 リーネ(え……?) 背後から気配がする……そう、懐かしい気配。 ……きっとその人は私の後ろで微笑んでいる、不信半分で指を鳴らした私を。 そして今度は優しい風が声を運んできた、じわりと滲むような声を。 ?「リネットお嬢様、ただいま参上いたしました。どうかなされましたか?」 リーネ「お、俺さん?」 恐る恐る振り向いていくが……俺は顔を仮面で覆い隠している。なぜ? でも、心の奥から喜びが溢れてくる、今私はどんな顔をしているだろうか。 ちょっとだけうれしさと驚きで涙目になってしまった……。 リーネ「お、俺さん?なぜ……仮面なんですか?」 俺「旦那様にリネットお嬢様に"顔"を見せるな、とおっしゃられておりますので、こうやっている次第であります」 リーネ「……ふふっ………ふふふふふふっ、変な俺さん。……来てくれてありがとうございます」 俺「リネットお嬢様との約束ですから。いつでも、どこでも参上いたしましょう。今日はどうなされましたか?」 リーネ「あ、ああ、ええっと!こ、これです!受け取ってください!」 俺「これは……?」 リーネ「今日はバレンタインデーですし、いつもは作ってもらってばかりで悪いですし……。日頃の感謝もこめて受け取ってください!」 俺「……ふふっ、こんな私にくださるなんて、光栄の至り。誠にありがとうございます。ぜひ受け取らせていただきます」 リーネ「えへへ、渡せてよかった~。家の方に贈ろうかと思ってて、でも手渡ししたくて」 俺「なんという御心、ありがとうございます」 リーネ「来てくれてありがとう、俺さん」 にこにこと笑みがこぼれてしまい、変な子に思われないだろうか、気持ちがばれないだろうか。 仮面で隠してしまっているけど、いつもの優しげな笑顔は簡単に思い浮かんでしまうあたり、自分でも流石と思ってしまう。 俺「私からも、リネットお嬢様にプレゼントがあります。もちろん、旦那様と奥様からもです」 リーネ「ほ、本当ですか?」 俺「嘘などいいません。では、どうぞ。これは旦那様と奥様からです。中は存じません」 リーネ「ありがとうって伝えておいてください。あ、これを私もお父さんとお母さんにお返しというか、えっと渡しておいてください」 俺「かしこまりました。そして、こちらは私からです。大したものではありませんが……」 きれいに包装された3つの箱を受け取った。 相変わらず律儀だなぁ……。 俺「この青い箱はタオルが入っております。日中汗が出ることも多々あるでしょうから、よければお使いください」 俺「この赤い箱はネクタイを入れております。リネットお嬢様に合うようなものを選んだつもりです。ですがお気に召さなければ―――」 リーネ「つけます!ぜひ、明日からつけさせていただきます!」 俺「え、ええ、ありがとうございます。最後にこの白い箱は、色々とお菓子を入れております。ビターなものもスイートなものも作っておりますので 皆様と一緒にお召し上がりになってくださっても結構ですし 親しい人と密かに雑談に華を咲かせながらお召になってもよろしいと思います」 リーネ「ふ、ふとっちゃいそうです……」 俺「一応低カロリーには仕上げております、が食べ過ぎないように」 リーネ「わ、わかってます!///」 俺「それと……どうぞ。リネットお嬢様」 リーネ「わっ……ありがとうございます」 後ろに隠された手から、私の前に出されたのは二輪の花。 一つは、一輪の美しく開いた真っ赤な真っ赤なバラの花。 もう一つは、一輪の……チョコレートで作った、本物にさえ劣らないであろう完成度高い、精巧なバラの花。 そして、From Your Valentineと書いた小さな紙を刺し添えて。 俺「花束、というのも考えたのですがこういうところでは邪魔になるかと思ったので、こうしたんです」 リーネ「……本当に、ありがとう、俺さん。素敵なプレゼントです」 チョコの花には、愛しのリネット様、と小さく書いてあるのを見て、私は感動してしまいどこかへ意識がぽんと飛んでいってしまった。 そして、たぶん顔が真っ赤なのかな……いや、そうだと思う。 俺「お気に召したなら、私は天に昇る気持ちです。あんまり、お力になれないで申し訳ありません」 リーネ「そんなことありません。こうやって私の元に駆けつけてくれました。俺さん、本当にありがとう」 俺「そこまで言われると照れてしまいますよ。リネットお嬢様、旦那様には内密にお願いいたします」 リーネ「ふふっ、わかってます。これは私と俺さんだけの秘密です」 俺「ふふっ、ありがとうございます」 最後には、私の頭を撫でてくれて、髪をさわさわとしてくれました。 心地良かったから、手が離されたときは残念でしたけど……。 そして、隣り合って座ってつい最近の出来事や悩みとか面白かったこととかを一緒に話したりして……。 ゆったりと、満たされるような時間を過ごしました。 やっぱり私は俺さんがいないとだめだなぁって思ったりすることがあって……でも、素直に言えませんでした。 最後に、俺さんは私にがんばってくださいと励ましをくれ、なにかあればいつでもお呼びください、と言い残してふっと消えてしまった。 また風と共にきて、風と共に去っていってしまいましたが……。 今日はとっても満足のいく日でした。 俺さんはお父さんとの約束を破ってまで、来てくれて……とても嬉しかったなぁ……。 ありがとう、俺さん。言葉なんかじゃ足りないけど。 そして―――。 明日からまたがんばります! 家で待っててくださいね。 ビショップ家―… 俺「俺、ただいま戻りました。このたびは旦那様の心遣い、誠にありがとうございます。この私、感激でございます」 リーネパパ「ははは、満足したならそれでかまわんさ」 俺「そして、リネットお嬢様からこちらへと届いておりました。中を確認したわけではありませんが、リネットお嬢様がお作りになったお菓子かと」 リーネパパ「なんだと!?は、はやくそれをこちらに!」 俺「どうぞ、旦那様。焦らずにお召し上がりになってください。すぐにティーを用意いたします」 リーネパパ「ああ、頼んだぞ!今年はウィルマと妻からしかもらえなかったんだが、いや、よかったよかった!」 俺「旦那様が羨ましい限りです」 リーネパパ「それはそうと、言いつけは破ってないか?」 俺「ええ、もちろんです。"顔"は見せておりませんし、手伝ってもいません。では、ティーを用意いたしますのでお待ちください」 ガチャ……パタン…… リーネパパ「……ふふっ、今日はなんという日だ。娘たちバンザイ!うわははははははははは!」 廊下を歩きながら、笑顔が漏れてしまい、少し変態とは思われてしまうのではないかと考えてしまう。 しかし、顔を引き締めようとしても、リネットお嬢様の顔を思い出してしまうとたちまちのうちに戻るのである。 仕方なく、そのまま歩いていると、帰ってきていたウィルマお嬢様に笑われてしまった。 リネットお嬢様との別れ際は胸が切り裂かれるほど辛かったものだ。 俺(また、すぐにでも会えるさ。私もしっかりせねば) そう思い、廊下窓に映った自分の顔を見つめ、目をぐいと意識的に持ち上げる。 ……だが、すぐに戻ってしまった。 もういいか、今日はこのままリネットお嬢様のことを考えながら過ごすとしよう……。 でも、バレンタインデーには、本当に感謝ですね。 終わり
https://w.atwiki.jp/oreqsw/pages/1053.html
数時間後・ ~俺サイド~ 俺「出来た!!出来たぞぉ!!ハッハッハ!!やれば出来るじゃないか俺ぇ!!」 俺「・・・・・・あれ?何か本の見本と違って形が歪な感じがする?いやいや!!これは味があると言うんだな!!」 俺「・・・・・・・・・・・・」 俺「ど、どどどどどうしよう!!今何時だ!?・・・23時10分!!作り直すか!?い、いや駄目だ!!け、計画では24時ぴったりに俺が美緒を砂浜に呼び出して、そこで格好良く『美緒の人生で初めてのバレンタインプレゼントは俺からだぜ』って言う予定なんだ!!」 俺「ひぃ~!!味は悪くないよな!!箱の包みも綺麗にしたし大丈夫だよね!!」 俺「あぁ~!!扶桑に居ます黒江姉さんに我が神バルクホルン神よ!!俺はどうしたら良いですか!!」※緊張により取り乱し中 サーニャ「良いにおい・・・お腹空いた」フラフラ 俺「本の通りにしたのに何で形が悪いのかな!?」 サーニャ「あ、チョコレート・・・・・・いたらきまふ」パクッ 俺「作り直す、作り直さない、作り直さない、作り直す・・・」ブツブツ サーニャ「ちょっぴり苦いけど・・・おいひぃ・・・あむ、もぐもぐ」パクッ、パクッ 俺「うごごごご!!やっぱり俺の腕前が未熟だったからかぁ~!!普通の料理なら人並み程度には出来るのにぃ!!」 サーニャ「・・・・・・ごちそうさまでした・・・ふぁ~・・・夜間哨戒がんばろう・・・」テクテク 俺「はっ!!そう言えば予備に作ったやつから綺麗な形のを選んで、また包み直せば良いじゃない!!流石は俺だな!!」ガタッ!! 俺「・・・・・・あるぇ?予備に作ったチョコは?この入れ物に入れてたよねぇ」 俺「か、神隠しまでもが俺の邪魔をするのか!?きぃ~!!許せませんわ!!」※取り乱し中です 俺「って時間がねぇ!!し、仕方ない・・・美緒を呼び出すために探しに行こう!!形については扶桑で鍛えた土下座で謝る!!」 俺「最終確認・・・・・・大丈夫だな!!よし、待ってろよ美緒!!」 ~坂本サイド~ エーリカ「・・・・・・」モグモグ 坂本「ど、どうだハルトマン?変な味はしないか?」ドキドキ エーリカ「・・・・・・にしし、ぶいっ!!全然大丈夫!!とっても美味しいよ!!」 坂本「本当か!?形もおかしくないな!?」 エーリカ「うん、形もおかしくないよ。坂本少佐が頑張ったんだもん、俺君もきっと喜んでくれるよ」 坂本「ふ、ふむ。ハルトマンの言う通りに俺も喜んでくれるだろうか・・・そうなれば私も嬉しいのだがな」 エーリカ「やる事はやりきったからさ、後は坂本少佐が自信持って渡すだけだよ」 坂本「・・・・・・ふふふ、弱気になっては駄目だな。よし、今から渡しに行こう!!そうだ、24時丁度に渡すのも中々良いと思わないか?」 エーリカ「おお~坂本少佐も中々ロマンチックな事を考えるねぇ~♪」 坂本「そ、そうか?」 エーリカ「うんうん、良い案だと思うよ!!ささっそうなると予定の時間に刻々と近付いてますが、大丈夫ですかな坂本少佐」 坂本「に、23時10分!?あわわわ、お、俺を探さなくてはならないし、い、急がなくては!!」アタフタ エーリカ「包装も綺麗にしたし、味も大丈夫!!頑張って行ってらっしゃい!!片付けとかも私がしとくから大丈夫だよ~」 坂本「何から何まで・・・本当にすまないハルトマン!!この礼は必ずするからな!!約束だぞ!!」タタタッ エーリカ「はいな~♪上手くいく事を願っておくよ~・・・・・・上手くいく事を、願ってるよ・・・」 エーリカ「・・・・・・あはは、坂本少佐を応援する気持ちと自分の気持ちとが混ざって、頭がごちゃごちゃするなぁ」 エーリカ「はぁ~・・・まっとりあえずは坂本少佐に負けないよう、チョコにもっと愛情を込めようかな。ちょっぴり虚しいけどねぇ」 ~基地・廊下~ 俺「はぁ、はぁ・・・この曲がり角を曲がれば美緒の部屋に」タタタッ 坂本「はぁ、はぁ・・・この曲がり角を曲がれば俺の部屋に」タタタッ ドンッ!! 俺「のわっ!?」 坂本「うわっ!?」 俺「ってぇ~・・・す、すみませんよそ見してて、大丈夫です・・・・・・か?」 坂本「こ、此方こそすまない。私もよそ見をしてい・・・・・・た?」 二人『美緒(俺)!!』 二人『丁度用事があって探していたんだ!!』 二人『23時50分にいつもの砂浜に来てくれ!!』 二人『・・・・・・へ?』 俺「み、美緒さんや。砂浜に来てくれってどうしたんだ?」 坂本「お、俺こそなんだ?」 俺「あ、いや、それは・・・・・・い、言えない!!とにかく砂浜に来れば良いんだろ!!絶対に行くからさ!!そして美緒も来てくれ!!」 坂本「わ、私も詳しくは言えんが・・・とにかく砂浜に来てくれ!!そして私も絶対に来る!!」 俺「そ、それじゃ23時50分に砂浜な!!お、俺はちょっとやる事あるから一体部屋に戻るよ!!」スタスタ 坂本「う、うむ!!私も一体部屋に戻ろう!!それじゃまたな!!」スタスタ 俺「(・・・・・・うぉぉぉぉ~!!何か猛烈に緊張したぁ!!と、とりあえず美緒に会うんだ、部屋で身だしなみを整えて心を落ち着かせよう!!うんそうしよう!!)」 坂本「(・・・・・・うぁぁぁぁぁ~!!何故あんなに緊張したんだぁ~!!と、とりあえず俺に会うからな、身だしなみをきちんと整えて心を落ち着かせる!!うむそうしよう!!)」 ~基地外・砂浜~ 俺「・・・・・・」 ザッザッザッ 俺「!?(き、来たな)」 坂本「す、すまない俺。少し待たせてしまっただろうか?」 俺「だ、大丈夫だぞ。ほら立ったままはあれだし、隣に座りなよ」 坂本「そうだな・・・お言葉に甘えて失礼しよう」ポスッ 二人『・・・・・・・・・・』 俺「ご、ごめんな。こんな夜更けの寒い時に呼び出しちゃってさ」 坂本「そ、それは私の方も言える事だ。寒い時に呼び出してすまない」 二人『・・・・・・・・・・(き、緊張して何を話して良いか分からん!!)』 俺「その、あれだ・・・今日は満月が綺麗だな」 坂本「う、うむ。空気が澄んでいて星も月も綺麗に見える」 二人『・・・・・・・・・・(だ、駄目だったぁ~!!)』 俺「(いや、このままじゃ埒があかない!!)」 坂本「(悪戯に時間を使っては24時を過ぎてしまう!!)」 二人『その・・・俺(美緒)』 二人『あ、先に良いぞ・・・』 二人『・・・・・・』 俺「・・・・・・ぷっ、くくく」 坂本「・・・・・・ふっ、ふふふ」 二人『はっはっはっハッハッハッ』 俺「はぁ~あ、おかしい・・・・なぁに緊張してんだ俺達はよ~」 坂本「ははは、まったくだ・・・私達に遠慮や緊張なんて馬鹿馬鹿しい物なのにな」 俺「本当だよ。んじゃ俺から呼び出した理由言うぞ?多分同じ様な理由だと思うけどさ」 坂本「ああ、言ってくれ。私も大体分かっている」 俺「・・・・・・24時になったな。ほい、心から大事だと思っている美緒に俺からのバレンタインプレゼントだ。どうか受け取って下さい」 坂本「ふふふ、本当に心の底から嬉しいぞ・・・ありがとう俺。そして私からも親愛なる俺へバレンタインプレゼントだ。どうか受け取ってもらいたい」 俺「ありがとう美緒・・・・・・な、なんだかすまんな。嬉しくて勝手に顔が緩んでしまうんだよ」 坂本「安心しろ、私の顔も俺と同じく緩みっぱなしだ」 俺「ははは、本当だな。俺と全く一緒だ。笑顔の美緒も本当に可愛くて良いな」ニコニコ 坂本「ふふふ、今の俺も普段と比べて別格に格好良いぞ?」ニコニコ 俺「そりゃ光栄だな。あ、そうだ・・・こほん、えぇ~美緒の人生で初めてのバレンタインプレゼントは俺からだぜ?」 坂本「なんだそのクサイ台詞は・・・」 俺「ありゃ?格好良い台詞だろ?胸がきゅんっとしなかったか?」 坂本「きゅんっとはしなかったが背筋がぞわっとはしたな」 俺「うわぁ・・・かなりくるぞその言葉。考えに考えぬいた台詞だったのに・・・・・・」 坂本「まあ強ち間違えでは無い台詞だがな。俺が初めてと言うのは・・・・・・も、貰えて嬉しいのは本当だぞ?」 俺「・・・・・・美緒はずるいなぁ色々と。俺をすぐにきゅんってさせるんだからさぁ」 坂本「む?そうかそうか、ならば私は俺をきゅんとさせる達人だな!!はっはっは!!」 俺「へいへい・・・それより美緒、いくら厚手の軍服とは言えそれだけだと寒くないか?」 坂本「そうだな・・・うむ、少し寒いかもしれん。急ぎすぎて防寒具を身につけるのを忘れていた」 俺「あぁ~・・・そいつはすまんかった。あ、美緒。ちょっと少し近付いてくれないか?」シュルッ 坂本「・・・・・・なるほど」 俺「これで、よしっ!!ほら、このマフラーと俺のコートを一緒に羽織れば少しは寒くないだろ?」 坂本「確かに寒くないな。マフラーとコート、そして俺の体温のお陰で大丈夫そうだ」 俺「んで俺も温かいから一石二鳥!!あ、いや美緒とこうして触れ合えるのも嬉しいから一石三鳥かな」 坂本「まったく、最高の贅沢だな」 俺「まあまあ、今日位は許して下さいな」 坂本「ふふふ・・・さて、そろそろお互いにプレゼントの中身を見てみるか?」 俺「お、それもそうだな。気になって夜も眠れなくなりそうだし、そうしよう」 坂本「ではお互いに蓋を開けるぞ・・・」 二人『1、2の3!!』パカッ 二人『・・・・・・あれ?』 俺「み、美緒。俺ってプレゼント渡したよな?」 坂本「た、互いに渡して貰った・・・筈だが、まさか俺が作った物が」 俺「まさか美緒が作った物が」 二人『同じトリュフだとは思わなかった』 俺「・・・・・・偶然って怖いな」 坂本「・・・・・・偶然とは恐ろしいな」 俺「ちなみに誰から作り方を教えてもらったんだ?」 坂本「私はハルトマンに借りた『チョコで作る貰ったら嬉しいお菓子大☆全☆集☆』を見て作った・・・・・・まさか?」 俺「・・・・・・俺はバルクホルン大尉に借りた『チョコで作る貰ったら嬉しいお菓子大☆全☆集☆』見て作ったよ」 二人『・・・・・・カールスラント出身に人気なんだな(そしてその二人には感謝せねば)』 俺「ま、まあとりあえず一つ戴こうかな!!」パクッ 坂本「う、うむ!!一つ戴こう!!」パクッ 二人『(モグモグ)・・・・・・!?』 俺「お、おお!!これは美味しい!!美緒、このトリュフ程よい甘さと良いかなり俺好みだよ!!」 坂本「俺のも美味しいぞ!!甘さが控えめでほろ苦さが私好みで食べやすくて良い!!」 俺「良かった良かった、満足してもらえたみたいだな」 坂本「俺好みに作れて私も安心した」 俺「しかし美緒のは綺麗に真ん丸だなぁ・・・・・・見ろよほら、満月みたいだ」 坂本「俺の物は・・・何とも、でこぼこした丸だな」クスクス 俺「むむっ、それは本当に申し訳ない。だけどさこれでも丸くしようと頑張ったんだぞ」 坂本「食べる分には申し分無いし、何より私に対しての気持ちが込めてあるのが分かるから私はこの丸が好きだがな」ニコニコ 俺「う、うるせぇ///」ギュッ 坂本「ふふふ」ギュッ 俺「・・・・・・な、なあ美緒」 坂本「・・・・・・どうした?」 俺「その、えっとそ・・・・・・き、キスしないか?///み、美緒を見てたら愛しくなってきてさ、だ、駄目か///」 坂本「そ、そうか・・・よ、よし分かった。少し目を瞑ってくれ///」 俺「りょ、了解・・・・・・」 坂本「(パクッ)・・・・・・い、いくぞ///」 俺「・・・んむ・・・んっ・・・」 坂本「ちゅっ・・・ぅむ・・・」 俺「んく・・・ちゅく・・・」 坂本「ふぅ・・・っはぁ・・・」 俺「・・・・・・美緒の口、甘くて美味しいな///」 坂本「・・・・・・俺のも甘かったぞ。お互いチョコを食べたばかりだしな///」 俺「癖になりそう甘さだ・・・・・・もう一回美緒の甘い口を堪能させてくれよ」 坂本「仕方ない奴だ・・・・・・好きなだけ互いに堪能しよう」 『・・・・・・ちゅっ・・・・・・ぁむ・・・・・・んんっ・・・・・・』 翌日・ ~基地・食堂~ 俺「おはようございま・・・ってあれ?ハルトマン中尉しか居ないとは珍しいな」 エーリカ「おっはよ~俺君♪何か皆一斉に体調を崩したんだって。しかもこの基地の皆も」 俺「うへぇ~・・・・・・流行り病かなんかかなぁ。皆の容態があまり酷く無いと良いが」 エーリカ「本当だよね。あ、そうだ・・・・・・ハイッ!!俺君にバレンタインのプレゼント♪」 俺「おお~ありがとうハルトマン中尉!!早速食べてみて良いかな?」 エーリカ「もちろん♪さあ召し上がれ♪」 俺「(モグモグ)・・・・・・うん!!相変わらずハルトマン中尉の料理は美味いな!!これならいくらでも食べれるよ!!」パクパク エーリカ「沢山あるから沢山食べてね♪」 基地の医務室はエーリカ・坂本・俺を除く者達で溢れかえっていた。皆腹痛や頭痛・身体中の痛みを訴え、そして皆は口々にこう言った『天使から貰った普通のチョコケーキを食べたら気を失い、気が付いたら身体中が痛かった』と。 こうしてとある者は幸せなバレンタインデーを、とある者は医務室で痛みと戦いながら苦痛なバレンタインデーを過ごしたのであった。
https://w.atwiki.jp/zensensyu/pages/502.html
今日の俺(バレンタインデー) 588 名前:水先案名無い人 :05/02/14 22 39 19 ID 8lJdY2on0 全「今日の俺」入場!! 目覚まし時計は鳴っていた!! 更なる眠気を抑え男子高校生が起きた!!! 起床!! 「2/14の始まり」だァ――――!!! 朝食はすでに母親が完成している!! 日本の朝「白いご飯と味噌汁」だァ――――!!! 放送されしだい無視しまくってやる!! 朝のニュース代表 「さて今日はバレンタインデーですが・・・」だァッ!!! 家族の団欒なら父親の軽口がものを言う!! 父の冷やかし ダマッテロテメー 「お前、チョコもらえる予定はあるのか?」!!! 真の動揺を知らしめたくない!! いつもの様に 「行ってきま~す」だァ!!! 普段は30分もかからないが今朝なら緊張でオレちょっと遅れ気味だ!! 俺の淡い期待 「校門で誰かが俺を待ってたりして・・・」だ!!! 悲しいが対策は完璧だ!! 全然普通 「いつも通り学校に到着」!!!! 全バレンタインのベスト・渡すポイントは下駄箱の中にある!! ロマンスの神様よ来てくれッ 「緊張しつつ下駄箱を開ける」!!! ガッカリなら絶対に見せん!! 俺の演技力見せたる 特にいつも通りに 「上履きに履き替える」だ!!! バレンタイン・デー(なにかあったりなかったり)ならこいつが怖い!! 俺のピュア・ハートブレイク 「もてないと思っていた友人が、自分の下駄箱の中にチョコを発見」だ!!! 机の中から炎の恋が上陸してほしい!! でも何もなし 「自分の机の引き出しをチェック」!!! 悲しみたくなんか無いからプライド(強がり)を持ったのだ!! 俺の演技力を(また)見せてやる!!「いつも通り、友人とだべる」!!! 「義理でいいからくれよ~」とはよく言ったもの!! 友人の情けなさが今 教室でバクハツする!! 渋る女子達 「女子クラスメートにチョコをせがむ友人」だ―――!!! スポーツマンこそが地上最カッコイイの代名詞だ!! まさか女子も一緒だったとはッッ 「男女合同で体育、異常に張り切る俺」!!! 学びたいから学校まできたッ お前等は出て行け!!!! クラスのラブラブ(ケッ、ブサイク同士が)カップル 「二人でチョコを食べているカップル」だ!!! オレたちはもてないのではない孤独を愛する狼なのだ!! 御存知しっと団 「もてない男同士で、昨日見たTVの会話」!!! チョコ渡しの本場は今や昼休みにある!! オレを驚かせる女の子はいないのか!! 「飯も食い終わり、昼休みの開始」だ!!! ウソォォォォォッ説明不要!! 1m60!!! 70kg!!! 「もてないと思っていた柔道部の友人が、マネージャーの女の子に呼ばれて出て行った」だ!!! チョコは本命でもらってナンボのモン!!! 超ムカツク発言!! 義理チョコをもらった友人から「あれ、お前まだ1つももらってないの?」の登場だ!!! チョコはオレのもの 女の子達は思いきり照れ屋で思いきり弱気なだけ!! もう・そろそろ一個くらい欲しい 「結局何もないまま、昼休みの終了」 自分を信じて学校へきたッ!! 授業全部終了 「気が付けばもう放課後」!!! 淡い期待に更なる磨きをかけ ”帰宅部なのに”「放課後も居残って友人とだべる」まだ帰らないィ!!! 今の自分にチョコはないッッ!! シカシ・友人提案「そろそろ帰ろうぜ」!!! 今日一日の学校生活が今ピリオドを打つ!! 下駄箱から 「やっぱり自分の靴しかない」だ!!! 校門の前までならオレはいつでも全開で期待だ!! 燃える妄想 「誰かが下校する俺を待ち伏せてたりして・・・」 やっぱり普通に何もなしだ!!! 学生の本分はどーしたッ 嫉妬の炎 未だ消えずッ!! 無視も見ないフリも思いのまま!! 「下校中やたらカップルが目に付く」だ!!! 特に理由はないッ 漫画が面白いのは当たりまえ!! 『いちご100%』が好きなのはないしょだ!!! 月曜発売! 「コンビニでジャンプを立ち読み」H×Hは休載だ―――!!! コンビニで見かけた不細工オッサン!! 俺の心のデンジャラス・つぶやき 「おいおい、今日みたいな日にエロ本なんか買って、悲しくないの?」だ!!! 帰宅だったらこの妄想を外せない!! 超A級ベタ設定 「俺んチの前で、誰かが俺を待ってたりして・・・」だ!!! 超一流バカの超一流の妄想だ!! 生で聞いたらミンナ引くッ 漫画の読みすぎ!! 「実は俺には、血の繋がっていない、すっごいカワイイ妹がいたりして・・・」!!! 諦めはこの箱が完成させた!! 最後のチェックポイント!! 「空っぽの郵便受け」だ!!! 母がパートから帰ってきたッ 何を買ってきたンだッ マイマザーッッ 俺はそんなモノ欲しくないッッッ「結局今年も母親から1つもらっただけ」の登場だ――――――――ッ 加えて涙発生に備え超豪華な言い訳を4つ御用意致しました! 「今日チョコをもらった野郎共は、1ヶ月後のホワイトデーにナキを見るんだろうな・・・」!! 「だいたいバレンタインなんて、菓子屋共の陰謀じゃねーか。日本は平和だねぇ」!! 「て言うか俺、甘いもの苦手だし」! ……ッッ 涙がッッ 関連レス 592 名前:水先案名無い人 :05/02/14 23 00 03 ID PsRumOSA0 ……ッッ どーやらもう一つの言い訳をする気力も無いようですが、立ち直り次第ッ皆様にご紹介致しますッッ 593 名前:水先案名無い人 :05/02/14 23 12 47 ID ipyX9BZhO 1つぐらいもらえるだろう そんな1日が 今年も終わりました 594 名前:水先案名無い人 :05/02/14 23 14 03 ID NLxwhTXC0 588-592 全米が…いや俺が泣いた 595 名前:水先案名無い人 :05/02/14 23 16 49 ID iOPt3s2+0 588-591 ・・・・・・ッッ 涙がッッ 俺、高校は男子校だったからこんなドキドキとも縁遠かったなぁ・・・。 もらえるやつはもらってたんだろうけどなorz 596 名前:水先案名無い人 :05/02/15 01 24 25 ID Ir1bbE7P0 588-591 ちゃんと当日に間に合わせるのも泣ける。 あと地味にしっと団入れてる辺り神だアンタ。 597 名前:水先案名無い人 :05/02/15 02 36 21 ID ale18u+10 ,j;;;;;j,. ---一、 ` ―--‐、_ l;;;;;; {;;;;;;ゝ T辷iフ i f'辷jァ !i;;;;; 流石に1個ももらえないなんて事はない ヾ;;;ハ ノ . !lリ;;r゙ `Z;i 〈.,_..,. ノ;;;;;;;; そんなふうに考えていた時期が ,;ぇハ、 、_,.ー-、_',. ,f゙ Y;;f. 俺にもありました ~''戈ヽ `二´ r'´ . `! 598 名前:水先案名無い人 :05/02/15 04 37 14 ID pu6ht8Ic0 オレは自分で作って自分で食ったぜ… 599 名前:水先案名無い人 :05/02/15 06 10 32 ID r2YYYra90 598 ・・・・・・ッッ 涙がッッ 600 名前:水先案名無い人 :05/02/15 07 52 34 ID KBQh962X0 2ch全土で見られるこのテの14日ネタは 自虐してでもなんとか慰め合おうという雰囲気が なんとも痛々しくてホントに哀しくなってくる。 601 名前:水先案名無い人 :05/02/15 11 21 33 ID Uwve2ACm0 1年に1度の祭ですもの 602 名前:水先案名無い人 :05/02/15 16 15 48 ID 3vBe/+Qu0 598 俺、リアルで男子校だからチョコレートなんかに縁もあるはずが無いと思ってたら 部 活 の 後 輩 に 渡 さ れ た ! ! これはこれでヤヴァイね… 603 名前:水先案名無い人 :05/02/15 16 23 12 ID ZvBphnZs0 や ら な い か 604 名前:水先案名無い人 :05/02/15 17 04 59 ID 3QLAsOi30 602 受け止めてやれ、そいつの気持ち 605 名前:水先案名無い人 :05/02/15 17 34 58 ID 5I6v64Mw0 589 説明不要より理解不能のほうがダメージが大きいと思われ ってか学生時代の漏れの一日じゃねーかOTZ 606 名前:水先案名無い人 :05/02/15 18 19 34 ID IUoap9mI0 605 そして昨日の俺の一日とほとんど同じなんだけどな 607 名前:水先案名無い人 :05/02/15 19 40 22 ID 4GlWby6i0 588-591 上手すぎ。よくここでネタ書いてる人だな?パッパラネタがあるからわかる。 ガイドライナーの鏡だ・・・ 608 名前:水先案名無い人 :05/02/15 20 54 54 ID BBVSJZgL0 自虐そろそろウザい コメント 名前
https://w.atwiki.jp/5gatsu/pages/31.html
「神戸さん神戸さん」 「はい、なんでしょう?」 「き、今日は、えと……、なんの日か知ってますか?」 「……。んー、火曜日ですね」 「……むぅ」 「……」ニコヤカァ 「神戸さん、意地悪してますよね?」 「ええ」 「もうっ! そんなんじゃあ、あげませんよ!」 「ふふ、それは悲しいですね?」 「ぅ……も、もうっ! ………神戸さん、ハッピーバレンタイン、です」 「ありがとうございます、ふみ子さん」チュッギュッ 「……/// あ、あの。私洋菓子はあんまり得意じゃなくて…」 「貴女のお菓子なら大好物ですよ」 「もう……」 「ふみ子さん」 「はい?」 「ありがとうございます。ハッピーバレンタイン」チュッ そして → 一ヶ月後
https://w.atwiki.jp/akatonbowiki/pages/7145.html
このページはこちらに移転しました バレンタインデーとかもう・・・ 作詞/栗毛 爽やかに目覚める 軽い足取り学校へ 下駄箱覗くもなにもなし (あ、朝だからな。学校に着いたの、俺が一番なんだよ。きっと 教室のドアを開け 机の引き出しをチェック 昨日の教科書だけだった (まあ、前日から仕込んでおくやつはいないな。うん。 やっと授業が終わり ゆっくりと帰る支度 鞄を少し開けたままs トイレに行ってみる (wktkが止まらねーw 鞄の中をチェック 気を取り直し 下駄箱へr 靴だけが俺を見て ニヤケてる気がしてしまう いつもの帰り道 いつもよりゆっくりと いつもよりかっこつけ いつものように家につく
https://w.atwiki.jp/nisina/pages/255.html
先輩!バレンタインデーです! 「先輩!バレンタインチョコです!」という台詞を最後に耳にしたのは、随分と前のことだなと 先崎俊輔は街角の自販機にコインを入れた。ぱっと一斉に点灯するLEDは、まるで声の主のハートのように真紅に満ちる。 わざと無視をしつつも冷静沈着に飲み物を選ぶ先崎は、とりあえず喉を潤したいがために無難なコーヒーを選ぶ。微糖だ。 貴重な安らぎのときだから、飲みたいものを飲む。コインを入れる音が自販機の中で響いていた。 「先輩のことなら、なんでも知ってます!ね!!」 白く細く、陳腐な表威ならば白魚か。透き通るような女子の指。、マグロよりも俊敏に先崎よりも早く、声の主の指が カジキマグロよりも鋭く『無糖』のボタンを突き刺した。先崎の額に汗と青筋が走っていた。 自販機の紅い灯火は綺麗さっぱり消え失した。だが、声の主は簡単にあっさりと引き下がるほどのヤツではない。 機械は機械、人は人。人だから、誰かにかまいたい。人だから、誰かにちょっかいを出したい。そして、人だから……好きになりたい。 「わたしの作ったチョコはどこにも売っていない『閑花ちゃん特製チョコ』ですよ!」 「ほー。えらいえらい」 「相変わらず棒読みですね。はっ!もしかして、これはツンデレってやつかもしれません」 「古すぎるぞ。それ」 きらびやかな小箱を持った後鬼閑花は、ボブショートの髪を脇を走る車の風に揺らしながら自分の台詞で頬を赤らめた。 先崎は苦虫を噛み潰した顔をしながら、温かい無糖の缶コーヒーを拾い上げると手のひらでころころと転がしながら、 冷え切った手を温めた。まだまだ寒い日が続く二月の中旬。吐く息が白くなることはないものの、指先が痛い。 先崎は閑花を振りきって歩き出す。待ち合わせの時間が迫っているからだ。遅れることは許されぬ。 だからこそコーヒーを飲んで一息と思いきや、この有様だ。運命を、社会を、政治を呪うしかない。 「先輩!恋人たちの平日に幸せを祈りましょうね。だ、か、ら、こ、そ」 「急ぐんだけどな」 「『だからこそ、急ぐんだけどな』……。先輩!意味がわかりません!」 閑花は先崎の後を追いかけて、小箱を天高く掲げながら夢見る乙女モード全開で目を輝かせる。 周りなんか見てられない。目に見えるのは恋する先輩。一方通行規制な恋かもしれないけれど、規制はいつの日か解かれるかもしれない。 だんだんと先崎の駆け足が早くなるが、閑花がめげるようなことはけしてなかった。いつか、先輩を振り向かせてやる!と。 この世の中で一番最強な人間と言えば、誰もが納得する答えとして『恋する女子』が挙げられよう。 彼女らは大地の息吹とともに自らの限りない力を萌え出ずる。春先の、森羅万象、この四季ある土地に住まうものたちが 恵みの大地から吸い上げた大きな力で『誰かを好き』だということを小さな箱に秘める。その日……を、思い出せ。 「ほんっと、久し振りに作った、久し振りのバレンタインの贈り物です!」 冗談に聞こえないのは先崎だけではなかった。はずだ。 小走りのかけっこは否応無しに続けられる。あくまで先崎は完全無視の構えだが。 「手渡しが嫌なら、口渡しですね!口が嫌なら……ぎゃあ!」 先崎が閑花の悲鳴に振り向くと、アスファルトにしゃがみ込む閑花の姿が目に入った。折角のスカートは汚れ、 ブラウスは純白さを忘れ、肩にかけていたバッグを落とし、そして、彼女のヒールは脆くも折れていた。 「先輩……。かかとのあるパンプスは、走りづらいです」 「走るなよ」 「先輩のためなら、走ります!」 「お前、高校時代とちっとも変わらんな」 閑花は横たわったバッグを慌てて拾い、肩にかけると小さく方を落としていた。 そっと閑花に手を差し伸べる先崎が細く薄い手を握ると、ともに過ごした仁科の学び舎が脳裏に浮かび上がってくる。 ビジネス街と渡り廊下、スーツと学生服、今と昔。たったそれだけの違いじゃないか。そんなこと、閑花を見れば分かること。 彼女は何事もなく立ち上がり、折れたヒールを左手に、綺麗な小箱を右手に再び目を輝かし始めた。 「もしかして、わたしはネクタイフェチなのでしょうか?リーマン姿の先輩も素敵です!結びなおしてあげましょうか!」 「ごめん。お得意先の約束があるんだ。10分前行動は基本だから、急がしてくれ」 「バレンタインがやっとやってきたんですよ!社会人になった頃以来かなあ。また、公にバレンタインチョコを渡せるなんて! それはさておき、『閑花ちゃん特製』はふんだんにミルクを……」 先崎は閑花のバッグに缶コーヒーをそっと入れ、閑花を背負って彼女のオフィスまで送ってやることにした。 ※ 公布。 平成×○年に施行された『二月十四日における菓子類贈与の禁止に関する法律』を廃止する。 なお、この令は公布の日より施行する。 平成××年二月十四日。 おしまい。 前:先輩!七草粥です! 次:さよなら遠賀先輩
https://w.atwiki.jp/sakiyuriyuri/pages/93.html
492 名前:林檎 投稿日:2009/07/12(日) 16 47 04 Mxo3ffaZ ――それは、少し冷たい風の吹くある日のこと。 街中の空気がいつもとはぜんぜん違うな、と杉乃歩は感じた。 何人かで集まり頬を染め、小さな紙袋を抱えてひそひそと話す女の子たち。 それをまったく気にしていないように振舞いつつも、やはりとても気になるらしい男の子たち。 (可愛いなぁ)、と内心微笑む。 2月14日。と、言って、何の日かわからない人はきっといないだろう。 今日は、乙女の決戦日・バレンタインデーなのだ。 そんな浮足立って落ち着きのない、しかし、くすぐったくて甘酸っぱいような街の中を、メイド服の少女は進んでいく。昔は、すれ違う人たちから好奇の目で見られるのが恥ずかしくて、メイド姿で外に出るのは嫌だったのだが、今ではすっかり慣れてしまった。 慣れって怖いな…、と少女は改めて思う。 彼女は、ポケットから小さなメモを取り出し、両手に抱えた紙袋の中を覗き込んだ。 「…よし、透華お嬢様から頼まれた買い物も終わりましたし…」帰りますか、とため息交じりに呟く。 正直言うと、このバレンタインデーの甘い空気は、微笑ましく思う反面、少し煩わしくもあった。なぜか。それは、 ――彼女にも、好きな人がいるからだ。 誰よりも男らしくて、かっこよくて、優しくて、笑顔の素敵な人。 しかし、 (あの人は女性であり、そして、私の主である透華お嬢様の御友人…。) まさに、叶わぬ恋、というやつである。 だから、チョコを片手に好きな男の子に想いを伝えられる乙女たちが、うらやましくて仕方ないのだ。 そうして、本日何度目か分からないため息をついた. その時、 「おーい、歩さーん」 背後から、名前を呼ばれた。 心臓が大きく跳ねる。 (げ、幻聴、でしょうか・・・) そろりと、後ろを振り向く。 そこに立っていたのは紛れもなく・・・ 「井上さんッ」 私の想い人だった。 「“純”でいいって言ったろ?」 「いえ、そういうわけには……。あの、井上さんはどうしてここに…?」 「歩さんに会いに来た」 その言葉に、頬が急激に熱くなる。 「え、いや、あの、えっ…!?」 混乱のあまり、何を言ったらいいのか分からなくなる。 酸欠の金魚のように口をパクパクさせる私を見て、井上さんはくすり、と笑う。 「可愛いなぁ、歩さんは」 「い、いえ、その……」 「歩さん。今日はオレに、渡すものがあるんじゃない?」 「!!」 単刀直入な物言いが、井上さんらしい。彼女の目が意地悪く光っているのが見えた。 思わず、そっぽを向く。 「井上さんはモテるんですから、バレンタインのチョコなら他の女性にたくさんもらったでしょう」 「ん~、まぁ、その通りだけど……でもさ、本命の子からはまだもらってない」 「…ほ…んめ…い?」 思わず、ぽかんとする。 それから数秒後、その意味に気がつき、今度は顔から火が出そうになる。 「ちょーだい、歩さん」 そう言って、彼女は両手を前に出す。 「………もう、しょうがないですねぇ。」 私は、ポケットの奥の奥にいれておいた小箱を、その両手に置いた。 それも受け取った彼女は、嬉しそうに目を細める。 「ありがとね、歩さん♪」 「お嬢様には内緒ですよ、」 「もちろん。ねぇ、歩さん。お礼あげるから、目つぶって」 (…?何でしょう…?) 言われたとおりに目をつぶる。 次の瞬間。唇に、柔らかい感触。 「!!?」 キスだった。しかも、こんな人通りの多い街中で。 「ちょっ…、井上さん…ッ」 「ホワイトデーは、もっと良いものあげるから。じゃあなっ」 そう言って、彼女は人混みの中へ走って行った。 (私の…ファーストキス……) 歩は、そっと自分の唇に触れる。 「ホワイトデー……来月かぁ…」 無意識にそんなことを呟き、彼女はひとり気恥ずかしくなるのだった。 END