約 4,271,204 件
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/2509.html
――今日も、私の好きなあの人は隣に居ない 毎日、仕事で忙しいのは理解している 私の為に、仕事を頑張っているのも理解している けど、私は…… それでも、傍にいて欲しいんだ……―― 『甘い甘い夜』 ここは、成美家宅 「ただいまー」 1人の女性は、仕事から帰宅し、挨拶するが返事がなかった 「って、誰も居ない、か……」 彼女の名前は、成美ゆい 埼玉県警交通安全課に勤務している婦警だ 「折角のバレンタインだけどなぁー」 『はぁ』と溜め息をし、ソファーに座る 「判っていたけどねー。でも、淋しいよー、きよたかさーん」 きよたかとは、ゆいの夫、成美きよたかの事 ゆいときよたかの出会いは学生時代の頃で、きよたかに思いを寄せたるいの気持ちが彼に伝わり、それが切っ掛けで付き合い、結婚まで至ったのだ 2人はまだ新婚だが、夫は会社員で現在単身赴任中で、家に居ない時間が多い 「もー、折角チョコを買ってきたのにー」 ゆいは、包装された小さな箱を持ちながら、ふてくされていた 「もう、このチョコ私が食べようかなー」 包装紙を剥がそうとしたその時 『プルルルルルルッ』 携帯が鳴った 「あっ携帯だ、こんな時間から電話って誰からだろ?もしかしてきよたかさんからかなぁ」 携帯のサブ液晶を覗くと、『黒井ななこ』の名前が表示されていた 「あっ黒井さんからだ、何だろ?」 通話ボタンを押し、電話に出る 『あっ、成美さん今晩は。黒井ですー。』 「黒井さん、今晩はー」 黒井ななこ、彼女は私立陵桜学園の世界史教諭を所属していて、3年B組の担任で泉こなたの先生だ 常に関西弁を使用しているが、実のところ神奈川県出身で、関西の人間ではない (本人曰わく、その話に触れないで欲しいとの事) 『今、仕事終わりですかー』 「あっはい、仕事が終わって今、家に居ますー」 『そうでっかー、お疲れ様ですー。うちも仕事が終わって家に居るんですー』 「それはお疲れ様です」 『もしかして、家にきよたかさんも居ますか?』 「いいえ、居ないです。家には私1人ですねー」 『さいですか、なら今から飲みに行きまへんか?明日休日なんで』 「あっ、良いですねー。私も明日、仕事休みなんで行きましょう」 『それは良かった。ほな、いつもの居酒屋で集合って事で』 「判りました。支度が終わったら向かいますんで」 『判りましたー。ほな、待ってまーす』 プッツーツーツー ピッ←電話を切る音 「よおしっ、今日は呑むぞー。ついでに黒井さんに愚痴を聞いて貰おうかな。 まぁ、黒井さんも仕事関係とかで、ストレス溜まってる所だと思うから、今日は目一杯呑んで、互いにストレス発散しよーと」 ゆいは、先程の不機嫌が消え、上機嫌に支度をした 風呂に入り終わり、着替えを整え、いざ出ようとした時 「あっ、そうだ。これも持って行こう」 小包みを取り出しバックにしまい、出掛けていった 午後10時半頃 タクシーで黒井が指定した居酒屋に辿り着き、お金を払い降車する 「よしっ、着いた。もう黒井さん居るかな?」 店内を入り周りを確認すると、カウンター席にななこが座っていた 「黒井さーん」 ゆいが呼び掛けると、ななこは振り向き 「おぉ、成美さんっ。こっちに座って呑もうや」 隣に空いた椅子を叩き、ゆいを招いた 「お待たせしてすみませーん」 「うちも今来たとこや、まだ何も頼んでへんで」 指定された椅子に座る 「あっ、そうでなんですか。では、頼みますか」 「せやな。じゃっ、先に生ビールからいきますか」 「判りました。では、早速頼みますね。」 すみませーん、生ビール2つお願いしまーす」 店員「あいよー、喜んでー」 「やっぱ、店員も賑やかですねー。この居酒屋は」 「せやね」 2分後、店員が生ビール2つ持ってきて差し出した 「おぉっ、来たで。はい、成美さん」 一つゆいに渡す 「では、乾杯しますか」 「せやな、では……」 「「かんぱーーい」」 「ゴクゴクゴクッ、ぷっはー、おいちー」 「ゴクゴクゴクッ、ぷはーー。やっぱ生ビールは最高やなー」 「そうですねー。疲れた体に良く染み渡りますねー」 「せやなー、身体が癒えてくるわー」 「そうですねー」 30分後、2人は丁度良い位に酔っていた 「聞いて下さいよー、黒井さーん」 「どうしたんや、成美さん」 「折角今日はバレンタインデーなのに、うちの旦那は仕事で居ないんですよー」 「さ、さいでっか」 「もう、チョコを渡して互いの愛を確かめようかと思ったのに、その相手が居なくちゃ話にならないですよー」 「そうやな」 「こんなんじゃいつか、私の愛も錆び付いちゃうよー。……まあ無いと思うけど…… でも、淋しい物は淋しいんですよー。」 「まぁまぁ」 「うえーん、黒井さーん。私を慰めてー」 ななこに抱き付くゆい 「うわっ//////」 何故か急に顔が朱くなるななこ 「私の心は雨模様ですよー」 「よしよし」 ゆいの頭を優しく撫でる するとそこから、シャンプーの匂いがした (良い匂いやなー) 「あっ、すみません、黒井さん。急に抱きついちゃって、呑みにくいですよねっ」 『バッ』とななこから離れる 「いや、別にええねんで」 少し名残惜しそうに残念な顔をするななこ 「黒井さんは優しいから、ついつい甘えてしまうんですよねぇ」 「別に甘えてええねんで。成美さん、淋しいんやろ?」 「そうですけど……」 「淋しい時は、いつでもうちが構ったる。だから、遠慮せんでええからな」 「黒井さん……、わーーい、黒井さん大好きー」 再びななこに抱き付いた 「!//////」 また、ななこの顔が朱く染まる 決してお酒の所為で無い (本気で捉えてしまうやろ……) 実は、ななこは… ゆいに恋心を抱いていた (当本人は知らないが) 「あっ、そうだ。何か料理追加しましょうか?」 「んっ、あぁ、せやな。頼んでもええで」 「何にします?」 「う~ん、成美さんが食べたい物でええで」 「そうですかぁ。じゃっ、これにしますね。すみませーん、注文お願いしまーす」 店員「あいよー、喜んでー」 「テンション高いですねー」 「せやな」 約5分後、3品の料理が届いた 里芋の煮っ転がしと鶏の唐揚げに、きんぴら牛蒡の佃煮だ 「さぁー、来ましたよ。早速食べましょー」 「んっ、取り皿が無いねんなぁ。すみませーん、取り皿くださーい」 店員「あいよー、喜んでー」 「いや、別に、そこはいらへんやろ……」 とりあえず、ツコッンでいられないななこだった 2枚の取り皿を渡され、料理を分ける 「よしっ、食べるか」 唐揚げを1つ摘み、口に運ぶ 「うん、旨い。この居酒屋の料理は、ほんまに旨いなぁ」 「そうですよねぇ~」 ゆいは、里芋の煮っ転がしを一口サイズに切り分け、箸で摘みななこに差し出す 「こっちも美味しいですよ。はい、あ~ん」 「!、べっ、別にええねんで、そないな事をせんでも……」 「良いじゃないですか、だから、はい、あ~ん」 「/////あ~ん」 観念したのか、口を開いた 里芋の切れ端を口に入れられ、顔を更に真っ朱にしながら食べる 「美味しいですか?」 「うん、美味しいよ。味もしっかり染み込んであるし……」 「そうですね」 そして、気付く (これって、間接キスやろか……) また一段と真っ朱に染まる ななこは照れ隠しに、生ビールを呑んだ 「黒井さんってさー」 「んっ?」 「結構可愛い所、有るんですね」 「ぶっはぁ」「わぁ!」 噴いた ななこは盛大に噴いた 「ちょっ、大丈夫ですか?黒井さんっ」噴き出た液体を、お絞りで拭き取るゆい 「ゴッホゴッホッ。いいっいきなり何言うねんっ、ほんま。びっくりしたで!」 「すみません。なんか『あ~ん』と食べさせた時に、顔が余計に真っ朱になっていたんで……」 「!(気付いてたんかい……)」 「もしかして、照れてました?」 「いや、照れてへんよ……」 明らかに動揺しているななこ 「そうですか~、何か怪しいなぁ」 「怪しくなんかないで」 「もうっ、嘘はいかんよ、嘘は。白状したまえっ」 「なんや、これ。取り調べか?」 「君には容疑が掛かっているんだ」 「何の容疑やねん……」 「嘘は余計に罪を重なるだけだ」 「だから何の罪やねん……」 「カツ丼喰うか?」 「ここにはカツ丼なんて、有らへんで」 「……」 「……」 「ねぇ~、正直に行ってよ~」 「泣き落としっ!?どないな尋問やねんっ」 「流石にツッコミお上手ですね」 「うちはもう、ツッコミ疲れたわ」 「実のところ、照れてましたよね?」 「別に照れてないで……」 「ふ~ん、そうですかぁ。……まぁ、良いか」 (良いんかいっ) 心の中でもツッコンでしまうななこ ゆいは、細かい事は気にしないタイプの人間だった 「あっ、新しい飲み物頼みますね。同じ物で良いですか?」 「あっ、ああ。頼むわ」 「判りました。すみませーん、生ビールおかわりくださーい」 店員「あいよー、喜んでぇー」 「もういい加減慣れましたね」「せやね」 午後11時50分頃 「ういー」 「ほんま大丈夫かいな…、成美さん……」 「まだまだ大丈夫ですよ~、黒井さ~ん」 「ほんまかいな……」 「だって、黒井さんと一緒に呑むのが本当に楽しいんですよ~」 「嬉しい事言うやん」 「私は黒井さんの事が好きなんですよ~」 (だから、本気にしてしまうやろ) 「きよたかさんの次に好きですよ~。黒井さ~ん」 (きよたかさんの次かい……) 少しガッカリしたななこだった 「あ~、本当に楽しいなぁ~。黒井さんも楽しいですか?」 「ああ、楽しいで」 「へへー」「……」 (やっぱ、成美さんは可愛いなぁ。いつからやろ、成美さんにこんな気持ちを抱いたんのは……) (確か、前の夏祭りの時に互いに初めて知り合ったよな 初対面なのにうちの事を、『発育の良い子』と言うてたよな~ あん時はびっくりしたで ほんで、見回りの割には結構夏祭りを満喫してたし、最初は『おかしな人』だと思ったわ) (せやけど、改めて親しみやすい人だと知って、それから友達として付き合ったよな で、互いに遊びながら付き合って居る内に、成美さんのその性格の明るさに段々と惹かれていって、気付けば恋心を抱いて……) 「黒井さーん」 (せやけど、もう結婚していたと聞いた時には、また驚かされて……) 「黒井さーん。聞いてますかー?」 (あん時はほんまショック受けて……) 「く・ろ・い・さ~んっ!!」「うわぁっ!」 驚いたななこは、椅子からずれ落ちそうになった 「なんなんやっ、驚かせんといてっ」 「もう、こっちの方が『なんなんやっ』ですよっ。幾ら呼んでも返事が無いし。 しかも、なんかブツブツ言ってるし。 一体何を考えてたんですか?悩み事が有るんだったら、相談にのりますよ」 「あっああ、すまんすまん、別に何も無いんや。ほんまやでっ」 「本当に何も無いんですか~?」 「ほっ、ほんまやって。怒とったら謝るさかいっ、すまんっ、堪忍やっ。ほんますまんっ」 頭を縦に振り、必死に謝り続ける 「もう、別にそんなに怒って無いですよ。」 「ほんまにか?……」 「そうですよ。だからそんなに謝らないで下さい。 私は、黒井さんだからこそ許せるんですよ」 「あっ、ありがとうな……成美さん……」 ゆいの優しさに感動してしまったななこ (あかん、余計に惚れてまうやろ~~) 「さーて、呑み直しますか、黒井さーん」 ななこに引っ付き、顔と顔の距離が、曖昧1cm迄近付いた (近っ、顔近いでっ、ほんまっ) そして、午前12時30分過ぎ 「ういー、もう呑めましぇ~ん」 「ほんま大丈夫か、成美さん。って、うちも少しあかんけどな」 「そろそろ、お開きにしますか~」 「せやな~、もう終わりにしますか。すみませーん、会計お願いしまーす」 店員「はい毎度ありがとうごさいまぁしたー。またのお越しをお待ちしてまーーす」 「最後の最後まで、テンション高かったですねー」 「せやな」 割り勘でお金を払い、店内から出る 「うー、結構呑みましたねー」 「せやな~、でも気持ちええなぁ」 「そうですねー……おっと」 「あぶなっ」 倒れそうになったゆいを、寸でのところで抱き留める 「あはっ、ありがとうございます。黒井さん」 「ほんま、気を付けてな」 「は~い」 (可愛いな、ほんま。そのままお持ち帰りしたろか) 邪な考えが浮かんでしまったななこだった 「じゃっ、タクシー止めますね。へいっタクシー」 ゆいが手を上げると、それに気付いたかタクシーが2人の前で止まった 「じゃあ私、先に帰りますね」 「ああ、今日はありがとな」 「いえいえ、どう致しまして……あっ、そうだっ、忘れるところだった」 「なんや、忘れ物か?」 「実は、黒井さんに渡したい物が有るんですよ」 「うちにか?」 「そうですよね、はいこれ、あげますね」 ゆいは、バッグから包装された小さな箱を、ななこに差し出した 「これは……」 「チョコですよ」 「ちょっ、チョコぉ」 「はい、バレンタインデーなんで。もう日付変わってますが。 本当はきよたかさんに挙げようかと思ったんですが、居なかったんで変わりに貰って下さい」 「あっ、ああ、ありがと……」 「時間が結構経っているから、少し溶けてると思いますが……」 「別に気にせんでもええよ」 「あっ、日頃のお礼とか感謝の印が籠もってますから、その……」 「別に、改めんでもええで。大事に貰っといたる」 少し苦笑いするななこ 「それじゃ、かえりー……んっ」 「どないしたん?」 「携帯のバイブが動いて……あっ、きよたかさんからのメールだっ」 携帯のサブ液晶に『きよたかさん』と表示されていた 「なになに、『今日は家に帰れなくて、すみません。明日は久しぶりに休みを取れたんで、どこか出掛けませんか?』だって! やったー、きよたかさんも明日休みだー」 「良かったな、成美さん」 「わーい、明日はきよたかさんと2人っきりだー」 ゆいは、ななこの手を掴み、上下にぶんぶん振った 「じゃあ、明日はきよたかさんと楽しんでな」 「やったー、嬉しー」 両手を広げ、くるくると回りだすゆい 「こらこら、危ないねんて」 そして、 「おわっ」「成美さんっ」 バランスを崩し、足を滑らせ倒れそうになったところを、ななこが両手で抱き抱えた 「あぶなー、へへへーまた転んじゃった」 「せやから言うたのに、危ないって。まったく世話の掛かる」 (あっ) ななこはゆいを抱き抱えたまま気付く (顔……めっちゃ近いやん……) 後少しで、キス出来る近さだ 「成美さん……」 「んっ、なんや?」 「ありがと……」 『チュッ』 「!!!」 ゆいはそのままの体勢で頬にキスをした 「これも、お礼です」 「~~~~~/////」 『ぼふっ』と顔から湯気が出て、完全に真っ朱に染まる ゆいはななこの腕の中から離れる 「また、会いましょうねー」 口をパクパクさせるななこ 「じゃっ、さようならー」 「おっ、あっ、さようならー」 ゆいからの別れの挨拶に、我に返る 「すみませーん、〇〇迄お願いしまーす」 タク運「あいよー、喜んでー」 「……」 「タクシーの運ちゃんもかい……」 そして、ゆいを乗せたタクシーは出発した 「……」 ななこはタクシーを見送り、キスされた箇所に指で触れる 「ほんまに……余計に惚れて……まうやろ……」 踵を返し、歩き出した 黒井宅 途中からタクシーを拾い、家に着いたななこはソファーに腰掛け、ゆいから貰った小包みを見詰める 「……食べるかぁ」 包装紙を丁寧に剥がし、蓋を開け、中を確認する そこには、ハート型チョコが入っていて、ホワイトチョコで『I LOVE YOU』の文字が書かれていた 「これはうち宛では、ないんだよなぁ」 チョコを取り出し、一口かじる 「甘……」 チョコ独特の『甘味』と共に、『哀愁』を噛み砕き、飲み込んだ ――私の好きな人は、既に恋人が居て、既に結婚している。 これが、禁断の恋だと理解している 叶えられない恋だとも理解している けど、私は…… それでも、貴女の事が……好き、なんだ……―― この恋は、決して甘くなく、儚いほど切なく苦い物だった 終わり コメントフォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/viptndr/pages/2088.html
25 名前:1/6[] 投稿日:2012/02/25(土) 19 58 44.74 ID TCFZI+1g0 [7/19] バレンタインデーのチョコの渡し方に悩むツンデレ その1 『……あのさ。チョコって、どうやって渡してんの?』 『はい?』 唐突な私の質問に、前の席に座っていた夕実が変な声で聞き返す。 『だからさ。バレンタインデーって、結構みんな男子にチョコ渡したりするでしょ? ど うやって渡してんのかなーって』 『そんなの、人それぞれじゃない? 彼氏とか親しい男子だったら、休み時間や放課後 に直接渡すだろうし、憧れの先輩、みたいに直接面識がなかったりしたら、下駄箱にメッ セージと一緒に入れたり』 思いつくことをとりあえず並べてから、急に夕実は興味深げな顔になって聞いて来た。 『で、何でそんな事聞くの?』 『べ、別に。私はまだ、男子にチョコとか渡した事ないから、みんなどうしてんのかなっ て気になっただけよ』 何となく予想された質問だっただけに、私は既に用意していた答えを夕実に告げる。 すると彼女は、椅子ごと体を回転させて私の方を向き、興味津々な顔で更に質問を続けて来た。 『ウソ? この年になるまで誰にもチョコあげたことないの? ホントに?』 『わ、悪かったわね。そりゃさすがに、幼稚園の頃とかは別よ。あとお父さんも。だけ ど、その……何て言うのかな。こう……10代になってからは一度もあげた事がないとい うか……』 『そっかー。かなちゃんてさ。確かにあんま男子と親しくしてるの見たことないもんね。 男嫌いかと思ってた』 『別に男嫌いって訳じゃないわよ。ただその……別に話すことがないって言うか、単に 仲良くなるきっかけがなかなか無かったし、無理に話したいほど気になる男子もいなかっ たし……』 あどけない顔で失礼な事を言う夕実に対して、私は仏頂面で答えた。確かに私は異性 と接するのが下手くそというか不器用だとは思うけど、面と向かって指摘されると面白くは無い。 『まあねえ……かなちゃんてば気が強くてプライド高いくせに奥手だからね。見た目は 結構イイと思うんだけど、これじゃあなかなか男の子の方からってのも無理だもんね』 『ちょっと夕実。アンタ私に喧嘩売ってるわけ?』 26 名前:2/6[] 投稿日:2012/02/25(土) 19 59 10.95 ID TCFZI+1g0 [8/19] もっともらしく頷きながら、私の欠点をあげつらう夕実に、私は食って掛かった。す ると夕実は慌てて両手と首を一斉に振って否定の仕草をする。 『いやいやいや。事実の羅列っていうか、かなちゃんは多分、男子との会話に慣れてな いから素っ気無い仕草取っちゃうだけだよね。そういうかなちゃんって可愛くて私は好きだよ』 『何かそれ、ちっともフォローになってなくない?』 どうにも、バカにされてる気分が拭えない。しかし、夕実はニッコリと笑顔でそれを否定した。 『そんな事ないって。で、そんな奥手のかなちゃんが、どういう風の吹き回しで、チョ コなんてあげようって考えたのかな?』 『なっ……!? だ、誰もチョコあげるなんて言ってないでしょ? 参考までに聞こう と思っただけよ。あくまで参考』 探るような夕実の言葉に、私は全力で否定する。まさかこの私が心を動かされた男子 がいるなんて、誰にも知られる訳には行かない。 『ふ~ん。参考に、ねえ?』 いかにも疑わしげな目付きで私を見る夕実に、私は仏頂面で念を押した。 『そうよ。参考までだってば。ていうか、何となく知りたくなったから…… 夕実はさ。 確か毎年あげてる彼氏いたよね? ナオキ君だっけ。C組の』 『まだ付き合ってる訳じゃないから、彼氏じゃないよ。キスもしてないし。幼馴染で仲 良しなのは……まあ、確かなんだけどね』 ため息混じりに頷きつつ、夕実が答える。 『でも、しょっちゅう二人で映画見たりショッピング行ったりディ○ニーランドとか行っ たりしてるんでしょ? ほとんど彼氏みたいなもんじゃない。ね? いつもどうやって 渡してんの?』 あまりこっちの事を詮索されないように、私はひたすら会話を押し続けた。夕実は、 あごに手を当てて、考え込みながら答える。 『んー……でも私のはあんまり当てにならないかなぁ。ナオキ君の部屋に行って、はい これって渡すの。かなちゃん、出来る?』 『無理無理無理!! そんなの絶対無理!! だってだってそんな、まだそんな親しく もないのに家に遊びに行くなんてそんなの出来っこな――』 反射的に全力で否定していると、夕実が興味深げにジーッと私を見つめているのに気 が付いた。慌てて咳払いして、私は平静を取り繕う。 27 名前:3/6[] 投稿日:2012/02/25(土) 19 59 37.84 ID TCFZI+1g0 [9/19] 『と、今のは例え話だからね。私は別にあげる男子なんていないんだから』 『で、誰にあげるの?』 『だーかーらあっ!!』 ニコニコ顔で聞いてくる夕実に、私は思わず怒鳴り声を上げた。しかし、思いっきり 墓穴を掘ってしまった私に怯む様子を全く見せず、夕実は身を乗り出して囁くように私 に話を持ち掛けて来る。 『誰にも言わないからさ。親友の誼で教えてよ。あげる人がいないのに参考まで……っ て言われてもなかなかリアリティのある実例出せないけどさ。相手がいるんだったら、 状況に応じてアドバイスしてあげられるから。ね?』 その言葉に、私の心は揺らいだ。誰とは言わなければ、夕実の事だしそれ以上詮索し てくる事もないのではないだろうか。しかしやはり、いると言ってしまうのは恥ずかし い。そこで私は、妥協案を提示する事にした。 『うー…… じゃ、じゃあその……仮定の話じゃ、ダメ? 仮にあげる人がいたとしてっ ていうか、いるっていう前提で話をする、っていう感じで』 しかし、夕実はこれには乗って来なかった。 『ダメダメ。仮定だって分かっちゃったら面白くないもん。かなちゃんが嘘でもいるっ て言ってくれれば、私も本気出すけど。で、いるんでしょ? あげる人』 私の提案を退けつつ、夕実は逃げ道を残してくれた。嘘でもっていう事は、あくまで 真実味を持たせろっている忠告なんだろう。よし。ここは夕実の提案に乗ってやろうじゃ ないかと私は決めた。 『……嘘でもいいって言うんなら……そ、そのう……一応、候補は、その……いないわ けでもないけど……』 嘘だって言い訳しても、とてつもなく恥ずかしい。しかし、ここで恥ずかしがったら、 却ってホントだと喧伝しているようなものだ。私は逃げ出したくなるような気持ちを必 死で抑え込んだ。 『ホントに? 候補って誰だれ? 教えてよ。ね?』 嘘だって言うのに、夕実は身を乗り出して聞いて来た。私は思わず身を引きつつ、手 でガードしながら答える。 『誰って、そこまで教えられるわけないでしょ? つーかその……嘘なんだから、誰と かまで考えてないし……』 28 名前:4/6[] 投稿日:2012/02/25(土) 20 00 00.05 ID TCFZI+1g0 [10/19] うん。これは自然だと我ながら自画自賛する。そう。これは嘘なんだから、思いつか なくて当然。だというのに、夕実はさらに顔を近付けると、ニコッと微笑んで言った 『じゃあ、当ててあげよっか?』 そして、私の耳元に唇を近付け、囁いた。 『別府君……でしょ』 驚きの余り、私は思わずガタンと椅子を鳴らして夕実から体を遠ざけた。カーッと全 身に熱が回り、考える間もなく私は全力で否定した。 『なっ……ななななな、何でそうなるのよっ!! 何で私がその……アイツなんかにっ…… チョコを、その……あげなくちゃいけないのよ!! 意味分かんない!!』 しかし夕実は、そんな私を黙って見つめてから、クスッと笑ってみせる。 『アハッ。どうやら正解だったみたい……だね』 『違うって言ってんじゃないの!! 何でそれが正解になんのよ!!』 『だって、私の予想を聞いた途端、すっごく驚いた顔してたし、すぐに顔が真っ赤になっ ちゃったし。かなちゃんてば、すぐに顔に出るから分かりやすいよね』 『ぐががががああああっ……』 私は思わずみっともなく呻き声を上げながら頭を抱えた。そんなに分かりやすかった か私は。だとしたら、嘘だなんて言い聞かせた意味ゼロじゃない。 『そんなに恥ずかしがる事じゃないと思うけどなあ。私は結構いいと思うけどな。別府君』 『そんな事ないわよっ!! 大体なんでアイツだなんて思ったのよ。意味分かんないっ!!』 興奮する私を、夕実はまあまあと手で抑える仕草をする。 『だって、かなちゃんが仲良くしゃべる男子って、別府君くらいじゃない? あと他に 思いつかないもん』 『アイツとしゃべったのなんて、一緒に文化祭実行委員やってたからだけじゃない。で、 その、そういう縁からかアイツ、気安くノート借りに来たりとかしてるだけで……仲良 いって訳じゃないわよ』 ブスッと不満タラタラな顔で私は言った。そう。別に仲良い訳じゃない。その原因は 私の方にある訳で、声掛けられてもロクに会話出来なくて、無愛想な態度しか取れない から。だからせめてチョコでもあげて、想いをアピールしたかったのだ。 『でも、多分一番しゃべってる事は間違いないよね? じゃあ、別府君でいいじゃん。 仮の話なんだから』 29 名前:5/6[] 投稿日:2012/02/25(土) 20 00 21.41 ID TCFZI+1g0 [11/19] 仮の話と言われて、私は言い返す言葉を失ってしまった。そう言われると、ムキになっ て拒否すれば、却って変な勘繰りをされかねない。かといって、夕実の嬉しそうな笑顔 を見ていると、どうも仮で言っているような気がしないのも事実だった。 『分かったわよ。じゃあ、その……別府でいいとして、夕実ならどうやって渡す?』 渋々の体で折れつつ、私は夕実に渡し方を質問した。答えはいともあっさりしたものだった。 『どうやってって、普通に渡すよ。教室で。はい、これバレンタインのチョコ。文化祭 の時、お世話になったからって』 『教室ででなんて渡せるわけないじゃない!! そんなの、私が別府の事が好きだって みんなに勘違いされたらどうすんのよ』 『勘違いって、大げさに考え過ぎだってば。バレンタインデーなんだし、みんなちょっ と仲の良い男子にはチョコあげたりしてるんだからさ。そんな、人の事なんて気にしないって』 夕実は笑ってそう言うが、どう考えても人前でアイツにチョコを渡すなんて出来る訳無かった。 『うーん…… もっと、他の方法無い? もうちょっと目立たないの』 答えはすぐに返って来た。 『目立たないんだったら、彼の家に行って渡せば? 私はナオキ君にはそうしてるけど』 『いっ……いっいっいっ……家っ!?』 カアッと顔が火照る。想像するだけで恥ずかしくなるシチュエーションに、私はブン ブンと激しく首を横に振った。 『無理無理無理無理!! そんなの絶対無理だってば!! だって、そんな……そのっ…… 男の子の家まで行ってチョコなんて渡したら、今度はその……アッ……アイツにバレちゃ…… じゃなくて、勘違いされちゃうかもしれないじゃない!!』 思わず興奮して前のめりになって叫ぶ私に、夕実は咄嗟にノートで顔を防御する。 『うーん…… 確かに男子としては、期待しちゃうだろうね。でもいっそ、仲をグッと 進めたいんだったら、その方が良いかもよ?』 『誰も仲を進めたいなんて言ってない!!』 既に私は、仮定の話なんて事は完全に頭からすっ飛んでいた。別府の家までわざわざ 出かけて行ってチョコを渡すなんて、そんなの好きだって告白するも同然だ。 『もっとこう、恥ずかしくない方法ってないの? 誰にも知られないで渡すだけっての』 なりふり構わず、無茶な要求をする私に、夕実は難しい顔をして考え込む。 30 名前:6/6[] 投稿日:2012/02/25(土) 20 01 05.13 ID TCFZI+1g0 [12/19] 『うーん。例えばさ。朝早く学校来て、机の引き出しの中に入れるとか、下駄箱の中に 入れるとかもあるけど、それって却って男子からすれば期待しちゃうんじゃないかな あ? 私はやっぱり、教室で普通に渡すのが一番だと思うけどね。義理だったら』 『だからそれは無理だってば!!』 夕実の勧めは否定しつつ、私は考えた。教室の机や下駄箱の中に入れるのは、誰かに 見られれば下手な噂を広めてしまうが、朝早くだったら見られなくて済むかもしれない し、何より顔を合わせなくて済む。アイツには後で、義理だってちゃんと断っておけば済む話だ。 『ま、ゆっくり考えなよ。私がアドバイス出来るのはこのくらいだから、後はかなちゃ ん次第だからね。もちろん、本当にあげるなら、の話だけど』 しかし私は、夕実の言葉も聞かずに、自分の考えに没頭していたのだった。 続く 49 名前:1/4[] 投稿日:2012/02/25(土) 21 33 04.67 ID TCFZI+1g0 [16/19] バレンタインデーのチョコの渡し方に悩むツンデレ その2 『……ぬかったわ』 昇降口で、私は頭を抱えていた。最初は机の引き出しに入れておこうかと思ったのだ が、教室に行ったら既に委員長が登校して来ていた。しかも、彼女の席は、おあつらえ 向きに別府の隣だから、絶対バレてしまう。早々に諦めて、下駄箱に入れる方針に切り 替えたのだが…… 『まさか、同じこと考えてる子が結構いるなんて、思わなかったわ……』 決して数が多い訳ではないが、登校してくる人と合わせると、どうしても無人になっ てくれない。いや、他のクラスの人に見られても知り合いじゃなければいいのだが、万 が一その人が別府の知り合いとかで、噂になったりしたらとか、余計な事を考えている うちに、時間だけが過ぎ去っていた。 『わわっ!!』 見知った女子の顔が見えて、私は思わず物陰に隠れてしまった。その子が友達と談笑 しながら教室の方に向かって行くのを確認しつつ、私はため息を吐く。 ――こんなんじゃ……いつまで経っても下駄箱の中に入れられないじゃない…… さっ きより人増えて来たような気がするし…… どんどん、手遅れになっている気がして、私は苛立って来た。気ばかり急いて、全く 実行に移せないなんて、情けなくてしょうがない。 ――あそこにいる人が行ったら……そうしたら、入れに行こう。クラスの誰かが来たら、 その時だけ適当にやり過ごして。うん。そうしよう。 たまたま目に留まった生徒の一人を、区切りに決める。そうやって無理矢理にでも決 断を強いて私は、物陰からその生徒が通り過ぎるのを待つ。多分、今、上履きを取り出 した頃。そして、靴を履き替えて、外履きの靴を仕舞って―― 『あれ?』 予想通りのタイミングにその生徒が出て来ないことに、私は疑問に思う。もしかして、 気付かないうちに通り過ぎたかも、と思った時に、友達と一緒にその生徒が通り過ぎて 行く。たまたま行き会って、もう一人の生徒が靴を履き替えるまで待っていたから、タ イムラグがあったのだろう。何れにしても、もう目安にしていた生徒は行ってしまった。 ――よし。じゃあ……行かないと…… 50 名前:2/4[] 投稿日:2012/02/25(土) 21 33 38.91 ID TCFZI+1g0 [17/19] 臆病な気持ちを奮い立たせて、私はパッと物陰から飛び出した。 「おわっ!?」 『えっ!?』 出た途端、視界が遮られる。同時に、驚いた声がして、私も同じように声を上げた。 「びっくりしたぁ。いきなり物陰から出て来るんだもんな。もう少しでぶつかるトコだったぜ」 聞き覚えのある声に顔を上げる。そして、その顔を見た途端、私は驚いて声を上げた。 『んなっ……!? べ、別府じゃない!! 何でこんなトコにいんのよ!!』 「へ……? って、椎水かよ。いや、何でもクソも、ここってウチのクラスの下駄箱じゃん」 戸惑いつつ答える彼に、私はウッと口ごもる。確かに、自分の下駄箱で靴を履き替え ただけなのに、意外そうに聞かれれば戸惑うだろう。しかし、言った以上は私も引っ込 むわけには行かない。 『それはそうだけど……だって、別府っていつも時間ギリギリにならないと来ないじゃ ない。だっ……だからその、意外に思ったわけで……』 「いや。今朝はちょっと約束あったから。椎水こそ、その……こんなトコでどうしたんだよ?」 そう聞かれて、私は返答に窮した。頭が真っ白になってしまい、何の言葉も浮かんで来ない。 「って…… な、何だよ、おい……?」 別府が怪訝そうな顔で私の様子を窺って来る。焦った私は、ついつい怒鳴り返してしまった。 『なっ…… 何でもないわよっ!! いちいち人の行動詮索すんなっ!! このバカ!!』 パッと身を翻すと、私はそのまま一目散に教室へと駆け戻ってしまった。 『あー……』 午前中の授業も、何だかうわの空で過ごしてしまった。お昼も食べたか食べてないか 分かんない様な状況で、今私は、こうして自己嫌悪に苛まれつつ、自分の机に突っ伏している。 『どしたのホントに? 今日一日、ボケーッとしちゃって、かなちゃんずっとおかしいよ?』 前の席の夕実が、心配して様子を窺って来る。チラリと一瞥しただけで、私はすぐに 机に突っ伏してしまう。 『……何でもないってば。ほっといて……』 51 名前:3/4[] 投稿日:2012/02/25(土) 21 34 02.57 ID TCFZI+1g0 [18/19] 今朝の自分の態度を思い出すと、何というか、ダメ過ぎて死にたくなる。 ――なんで……あんな風に罵っちゃったんだろ…… ビックリしたとはいえ、何にも悪い事してない別府にバカだなんて、向こうも気を悪 くしたに決まってる。これじゃあ、チョコを仮に渡せても、きっと喜ばれないだろう。 『大丈夫だってば。まだチャンスはあるって』 『何の話よっ!!』 訳知り顔の夕実に思わず突っ込んでしまうが、夕実はニコニコと笑っているだけだっ た。変に弁解すると、却ってドツボに嵌まるだけだと悟り、私は諦めて再び机に突っ伏 した。その時だった。 『別府せんぱーいっ!!』 教室の入り口から聞こえてきた黄色い声に、私はガバッと体を起こした。同時に、嫌 な予感を全身で感じつつ、別府の方を見る。するとアイツは、他の男子にからかわれな がら、入り口に立つ女子の方に歩いて行った。 ――嘘……? まさか…… ギュッと心臓が縮み上がる。違う用事であって欲しいと私は心の中で訴え掛ける。し かし、私の視線の先で、それはあっさりと裏切られた。 『……の……これ……から、別府先輩に……』 教室の喧騒の中、途切れ途切れに聞こえる女子の声と、別府の照れたような顔。そし て、差し出されたのは綺麗な金色のリボンで結ばれたラッピングされたオシャレな柄の 袋。嬉しそうな女の子達の顔とはしゃぐ声。 『……何だ……いるんじゃん。アイツも……』 最後まで見ることなく、私はまた机に顔を伏せた。右手で左胸を強く押さえる。 ――何だこの気持ち…… 絶望と、諦めと、悔しさと、他にもいろんな負の感情が組み合わさったような、そん な感覚。私は、ギュッと下唇を歯で噛んだ。 ――落ち込むな、私…… こんな程度の事で……落ち込むな…… 何とか平静を保とうと、私は自分の心に必死に言い聞かせたのだった。 52 名前:4/4[] 投稿日:2012/02/25(土) 21 35 23.47 ID TCFZI+1g0 [19/19] 『そう落ち込まないで、かなちゃん』 『……何の話よ?』 放課後。帰り支度をしている私に、夕実が心配そうに様子を窺ってきた。 『別府君が他の子からチョコ貰ってショック受けるのは分かるけどさ。まだ彼女と決まっ たわけじゃないし』 『関係ないわよ。アイツが誰からチョコ貰おうが』 勝手に私が落ち込んでいる理由まで決め付けて、慰めようとする夕実に腹が立って、 私は突き放すように言った。もっとも、その推測はほぼ百パーセント間違ってはいない わけだが、それでも気分良いわけがない。 『かなちゃん。一緒に帰ろうよ。もし良かったらミスド寄ってこ? 今日は私がドーナ ツご馳走してあげるから』 その誘いには、僅かに心動かされるものがあったが、それでもやはり、憂鬱な気分の 方が打ち勝ってしまう。 『悪いけど、今日はそんな気分じゃないの。何か疲れちゃったし、帰って寝るわ』 どうせ、夕実とお茶したら、バレンタインデーの話題になるに決まってる。その推測 が、最後の未練も軽く吹き飛ばした。私はバッグを持ってさっさと立ち上がる。 『あ、待ってかなちゃん。一緒に帰ろうよ~っ!!』 慌てて帰り支度を始める夕実を尻目に教室を出る。一度立ち止まって振り返り、ため 息をついてから、私は夕実が追いついて来れるよう、ゆっくりと歩き出したのだった。 続く
https://w.atwiki.jp/ikenumayui2/pages/58.html
池沼唯とバレンタイン 世間は今、バレンタインの準備で大忙し。 女はあたふた、男はそわそわ。 時に桜ヶ丘女子高も例外ではなく、そこに通う高校生、平沢憂も2月13日には,チョコ作りに精をだしていた。 しかし、彼女は姉に池沼の姉を抱えていて,チョコを作るのも一苦労なのであった。 憂(お姉ちゃん昼寝してる。今のうちに下準備しておいたのつくっちゃおう。) 憂はバレンタインデーに友達とチョコを交換する為、精巧なチョコをつくっていた。 十分後、生ける公害、池沼唯は目を覚ました。 唯(あぅ、いいにおいする。) 呆れたものである。食べ物の匂いで目を覚ますとは。 唯「あーう!うーい!ゆいもちょこたべるー!(^q^)/」 憂「お姉ちゃん…起きちゃったのね…」 唯「あう、ちょこー( q )」 憂「あのねお姉ちゃん、バレンタインデーはね女の子はチョコレート食べられないの。」 これを聞いて唯はびっくり。 唯「あう?ゆいたべれない?(゚q゚)」 憂「そうよ、だから今日は諦めてね。」 唯「やー!ゆいおんなやー!たべるー!("q")」 憂「ああもう!いちいちうるさいな。静かにして。」 唯「ゆいもたべたいー!ばえんたいんわるいこー!」 パン! 間髪入れず憂は平手打ちをした。 憂「もう!わめかないの!」 唯「びぃーん!いちゃいー!おしおきやー!("q")」 憂「静かにして謝んないと次はもっと痛いわよ。」 唯「むぅー、ゆいしずか、ごめんなたい!(°p°)」 憂「それでよし。そうだ、お姉ちゃんに良い事教えてあげるね。」 唯「あう?(゚q゚)」 憂「チョコをつくってね、誰かに渡すとその後お返しが貰えるのよ。」 唯「ほんとでつか?ゆいちょこつくる!(^q^)/」 憂「じゃあこの板チョコを一つあげるから飾り付けたり形を変えたりして、オリジナルのチョコを作ってね。 あと、チョコを自分で食べちゃうと二度とお菓子が食べられなくなる呪いにかかるからね。」 唯「ゆいのろいやー!ちょこあげておかえちもらう!(^q^)」 フンス! 唯は鼻息を大袈裟に吐き、二階に行きチョコ作りを始めた。 憂「うふふ。お姉ちゃん、どんなのつくるんだろ。」 憂は微笑みながら姉を見守った。 唯の部屋 唯「んひっ、んひっ(^q^)」 「あうー、だあー(^q^)」 時折奇声を発しながら唯は板チョコを手でこねて、団子状にしていた。もうこの時点で汚なさ全開である。 唯は、ここで憂の言葉をおもいだす。 唯(うーいは飾り付けって言ってた!) 唯「あー!あー!(^q^)」 唯はなんと自らのヘアピンをチョコにねじ込んだ! 唯「かわいーでつよ!(^q^)/」 さらにそれにこんどはギターのピックを埋め込むと池沼さんは満足した様子で下へ駆けて行った。 唯「うーい!うーい!できたー!♪(^q^)」 憂「あらー↓よくできてるじゃない↓。」 若干憂の語尾が下がりがちだが、憂はとりあえず褒めてみた。 唯「ゆいじょーず!ゆいじょーず!(^q^)」 憂「そうね、お姉ちゃん上手よ。」 唯「あうー、じょーず、んひっ、んひっ(^q^)」 唯は珍しく褒められて有頂天になっていた。 でも池沼さん、何か大切なこと忘れてません? 憂「で、誰に渡すの?」 唯「ゆいわたちてくるー!(^q^)」 ダダッ 唯は家を飛び出した。 憂「あれ、私じゃないんだ…」 憂は期待が裏切られてちょっぴりがっかり。 その頃唯は道ゆく人でお返しをくれそうな人を物色していた。 男A「なんやあね池沼ちゃんのもってる茶色団子は。」 男B「ウンコとちゃう?投げられる前にはよ行こな。」 男A「せやな」 このように道ゆく人は唯の持つチョコをわらった。 もっとも唯にそれは聞こえてないがなんとも失礼な話だ。 しばらくすると、立派な身形のオジサンが歩いてきた。 唯(お返しやばそー!) 唯「んひっ、んひっ(^q^)」 唯はいきなりオジサンの前に立ち、チョコを差し出しました。 オジサン「な、なんだいお嬢ちゃん?」 唯「ばえんたいんちょこ!ゆいちょこあげる!」 オジサン「今日は13日だけどな… ハハ」 唯「おじさんゆいにおかえしする?( p )」 オジサン「その前にオジサン、お嬢ちゃんのこと知らないし、ごめんな、じゃな。」 たったかたったか 当然の結果だろう。相手が池沼でなくてもこのケースでは受け取る人は少ないだろう。 唯「うーうー(`q′)」 唯は気に入らない様子で唸っていた。 その後も、 兄ちゃん「えと、ま、またの機会に。」 男A「まじ勘弁。」 チャラ男「くせーんだよ池沼!」 キモオタ「ひ、人違いでは、」 澪厨「唯とか池沼wwwwwww」 こんな様子で失敗を重ねていった。 最初こそ不機嫌に唸っていた唯だが、今回柄にもなく落ち込んでいた。 折角作ったものがこのようにされては池沼とはいえ刺さるものがあったのだろう。 唯「あぅー…(uqu)」 唯はとぼとぼと公園へ歩いて行った。 公園にはいつもの男子三人組がいた。 男子A「バレンタインとか気にしてねーしwwwww」 男子B「チョコあんま好きじゃないんだよねwwwww」 男子C「明日期待とかしてねーしwwwwww」 唯はこの三人組にチョコを渡そうと考えた。 男子B「おい、あの池沼が来たぞ。」 男子C「なにごとだ。」 唯「ゆいちょこあげる(^q^)」 唯は溶けたけた、うす汚いチョコを差し出した。 男子A「なんじゃこら!きったねー!」 男子C「これが食いもんかよ…」 唯「あう?( q )」 男子B「自重しろよカス!」 グシャ なんと男子達は唯のチョコを地面に叩きつけたのだ。 無情にも崩れ去るチョコ塊。 男子A「ヒュー!ナイス!」 男子B「いい気味だぜ!」 男子C「お、おい、見ろよ。」 唯は落ちたチョコを拾って再び差し出した。この池沼の前に悪口などもはや無力である。 唯「あう、おとしちゃうどじさん( p )」 「はい、ちょこ!(^q^)」 男子B「い、良い加減にしろや!」 男子Bは憂顔負けの回し蹴りを唯にお見舞いした! ゲシッ 唯「あうぅ!いちゃいれす!("q")」 衝撃で服はチョコまみれになってしまった。 男子A「もう行こうぜ…」 たったかたったか 唯「びー!まっちぇー!びえーん!("q;)」 どすどすどす、どてっ!べちょお 唯は追いかけるがコントばりに頭からこけてしまった。 しかもチョコが顔に潰されてしまったのだ。汚いという言葉しかでてこない。 やがてチョコの中にねじ込んだヘアピンが逆襲する。 唯「あうー、ん?びーー!いちゃーい!("q")」 ヘアピンが額に刺さっていたのだ。はたからみれば滑稽だが当人にとっては一大事でパニックに陥っている。 唯はヘアピンを引き抜いた。 唯「びわーん!いちゃいよおー!!」 唯(もう散々だよお、、、そうだ!うーいにあげよう!) やれやれやっと気づいたのか。 しかしチョコはもはや原型をとどめていないし、服も顔も汚れ放題で大目玉を食らいそうだ。 唯「うーい!うーい!(^q^)」 遠くから姉の鳴き声がしたので憂は振り向いた。 憂「チョコ誰にあげたのかな」 どすどすどす 唯「はひぃー、はひぃー( q )」 「ちょこうけとってくだたい!(^q^)」 憂(あちゃー、やっぱり誰も受け取らなかったか。) 憂がチョコを受け取ろうとすると唯の体中がチョコで汚れているではないか。 ぶちぶちっ 憂「もう!どうしたらこんなに汚くなれるの!」 憂は唯のチョコ?をひったくると地面に投げつけた。 ひゅんっ、ぐしゃ 唯「ああー!ゆいのちょこー!(゚q゚)」 「あうあうあう!うーいわるいこー!しーね!(`Q′)」 憂「お前が死ねー!」 憂は唯の手を引くと風呂場まで連れて行った。 憂「汚いから本当に!」 憂は唯を温めてない冷水の湯船に投げ込んだ。 唯「ひぃー!ちゅめたいよー!うーいだしてー!!("q")」 それは不可能である。何故なら憂が押さえ付けて離さないから。 唯「びー!びえーん!びー!!」 憂「うるさいなあ!」 唯「あばばば、ごぼがぼがぼがぼ、あばば(×q×)」 チーン… 憂「黙ったか。」 否、気絶しただけである。 憂は唯をゆいのからひきあげ、浴室に放置して出ていった。 そのあと憂は唯に作った分のチョコを1人で食べるのであった。 ~fin~ 池沼唯SS第一保管庫に戻る
https://w.atwiki.jp/comfo/pages/45.html
バレンタイン【執筆者/藍奈】 「なぁなぁ、八戒」 「何ですか?悟空」 「あのさぁ~バレンタインって何?」 「・・・・バレンタイン・・ですか?」 「うん」 「そうですねぇ~まぁ簡単に言うと、好きな人にチョコレートのお菓子をあげる日ですかね」 「好きな人に・・・?」 「えぇ。そうだ、今からチョコレートケーキを作ろうと思ってたんですけど、悟空も何か作りますか?」 「・・・うん。オレ、作って三蔵にやる!!」 「では、早速はじめましょうか」 ―10分後― 「あぁ~悟空!それは別々にしてください!!」 「へ?コレ?」 「そうです。って、悟空・・・何をレンジに入れました?」 「何って、卵」 「!!!卵はレンジで温めちゃいけないんです!!って、わあ」 ボン!!! 「・・・・・」 「・・・わりぃ八戒・・・・」 「・・ふぅ。さ、悟空。今度はちゃんとうまくいきますから、頑張りましょう!ね?」 「でもさぁ~」 「三蔵に渡すんでしょ?」 「・・・・そうだよな。よし、作るぞ!!」 ―1時間後― 「できたぁ――!!サンキュな、八戒!」 「いえいえ。良かったですね上手に出来て」 「三蔵、くってくれるかな?」 「さぁどうでしょう。でも、悟空が一生懸命つくったものなら何でも喜ぶと思いますよ?」 「・・・・俺、三蔵のとこに持っていってくる!」 「いってらっしゃい」 「三蔵――――!!」 「ぁあ?五月蝿い」 「なぁなぁ、三蔵。今日何の日か知ってるか?」 「・・・・バレンタインだろ。それがどうした」 「はい」 「・・・何だ?これは」 「俺が作ったんだ!な、食ってみろよ」 「あぁ?誰がテメェが作ったもんなんか食うかよ」 「何でだよ。八戒に教えてもらったんだから美味いぜ!」 「ふん。なおさら食えんな」 「何だよ~せっかく作ったのによ」 「・・・・」 「八戒が今日は好きな人にお菓子やる日だって言ったから、」 「から、何だ?」 「だから・・俺、三蔵怒るとこえーけど、一番好きだからやろうと思ったのに・・」 「悟空」 「な、何だよ」 「貸せ」 「へ?」 「よこせっつってんだよ!」 「さん・・ぞう?」 「・・お前にしちゃ、よくできてんじゃねぇか」 「!ホントか?」 「こんなもんで嘘つくか。アホが」 「~~~~三蔵!!!」 「離れろ!このバカ猿が!!」 「ヤダ!!ぜってぇ~離れねぇ!」 「どうやら上手くいったみたいですね」 「けっ。何が悲しくてあの猿の失敗作をくわにゃならねぇんだよ」 「仕方ないでしょ?捨てるのはもったいないですし」 「はぁ~あ。バレンタイン嫌いになりそう」 「そうですか?私は好きですよ?皆が幸せになれる日ですからね」 「・・・ったく。八戒には敵わねぇな」 「褒め言葉ですね」 皆さんにとっても、素敵な日であることを― ハッピーバレンタイン♪
https://w.atwiki.jp/majiuma/pages/40.html
バレンタインイベント バレンタインイベント(2014年2月7日~2月18日) 心・技・体の3つのポイントをためて秘書や調教師カードを獲得できる。 心ポイント:G1レースにて獲得(クラス・レース・勝敗によってポイントが変化) 技ポイント:VRにて獲得(勝敗に応じてポイントが変化) 体ポイント:バトルにて獲得(連勝ガチャ時に一定確率で獲得(固定ポイント)) 4種のランキングあり:秘書・調教師(心・技・体)・異名(総合) 特攻カードあり:レース・VR・バトルにおいて最大5倍効果 バレンタインイベント(2013年2月13日~2月26日) 調教すると3種類のいずれかのスイーツがもらえる。 各スイーツにはそれぞれ対応する秘書がいる。 ランキングあり:レア+以上の秘書
https://w.atwiki.jp/vbs_pawa/pages/28.html
バレンタイン 日付 イベント 選択肢 体力 やる気 筋力 敏捷 技術 変化球 精神 野手コツ 投手コツ 備考 2月2週(練習後) バレンタイン (彼女がいないと) -1
https://w.atwiki.jp/imagin-of-aaa/pages/248.html
78 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/01/29(火) 02 46 17 ID sPfbRdwfO 何か電波が飛んできた ――各勢力のプロフェッショナルにインタビューする「この人に聞け!」今回はバレンタインが近いので「恋」に関するプロ6名にお集まり頂きました。まずE.G.O.の宮坂さん。趣味がデートとありますが? 宮「うん。いつもはちょっと待たせちゃうんだけど…」 ――黙れビッチ。 続いては阿羅耶識の西王母さん。縁結びの神様と聞きましたが、どうすればカップルになれますか? 西「妾に任せれば簡単じゃ」 ――お前性別人数問わずだから駄目だろ。 さてWIZ―DOMのヴィヴィアンさん。恋愛相談に乗ってくれているそうですが… 美「あたしのラブマジックにかかればイチコロよ」 ――お前のラブマジックは眠らせて襲うことか? 次に登場するのはディーヴィさん。慈愛の神様ということですが、他への愛ではなく自分の愛情を伝えるコツなどあれば… 泥「シヴァ様…」 ――誰もお前の事なんか聞いちゃいねーよ。 ところで今は極星帝国所属のハニエルさん。特技に恋の仲介とありますが? 埴「恋は必ず自分と相手がいるからどちらかの心に囚われてはいけないかな」 ――囚われてんのはアンタだろ。 さて最後になりましたが銀河女王国連邦のアミティエルさん。愛を司る天使として恋を叶えるコツなどあれば… 網「ラブ&ピース、です~」 ――前後不覚になるのが恋ってことか。深いな。 いかがでしたか?各勢力のプロの声は?次回は「眠」をテーマに遠九砲低李裸の皆さんをお呼びする予定です。 それでは皆様さようなら! 79 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/01/29(火) 03 34 07 ID neumXEthO インタビュアー ルミたん ---- 229 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/06(水) 21 28 38 ID 6dY+NDB30 もーすぐバレンタインなのでーって事で思いついた。 ―――5年前 レイナ「お呼びでしょうか。」 皇帝「レイナよ、このチョコレートの山を好きにするが良い。」 レイナ「はっ。 皇帝様はチョコレートがお嫌いでしたね。」 皇帝「そうなのだ。チョコアレルギーでな。お前と城の者がくれたカレーパンしか食えん。」 レイナ「では、バレンタインの日には皇帝様の大好物のカレーパンを渡すようにするのはいかがでしょうか?」 皇帝「それはいい考えだ!!」 翌年以降、極星帝国のバレンタインデーはチョコレートではなくカレーパンを渡すようになりましたとさ。 350 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/12(火) 22 52 43 ID zty0CZBB0 中浦「日本人がお祭り騒ぎが好きなだけなのならまだ良いが、クリスマス程酷くはないにしろ聖なる日にただカップルか独り身かで 勝ち組負け組に分けるだけという風習はけしからん!そもそもバレンタインデーというのは昔、聖バレンタインという・・・」 つかさ「ただいまー♪はい、智律さんにバレンタインデーのプレゼントのネクタイ♪」 中浦「当時、の、こっ皇帝がだな、けけけ結婚をを禁じててててて(顔真っ赤)」 さすがに「チョコじゃなくて僕を(ry」はアケ板じゃ書けませんよね・・・ 356 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/13(水) 01 33 00 ID CR6WyXBY0 突然こんなお手紙を差し上げてごめんなさい。 ずっとあなたが好きでした。 バレンタインデーの午後7時30分、ヴィーナスフォート2階噴水広場前でお待ちしています。 来てくれたらうれしいです。 357 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/13(水) 01 35 06 ID CR6WyXBY0 クリスタル「……れしいです。と……これでよろしいですか?」 カイム「うん、代筆ご苦労。父上、来てくれるかなあ?」 クリスタル「来てくださるといいですね」 カイム「のこのこやってきたら物陰からマヌケ面をみて嘲笑ってやるんだ♪」 372 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 00 28 56 ID Xw4L+pVt0 さて、日付変わってヴィヴィアンの誕生日ですぜ 彼女は誕生日プレゼントにチョコレートばっかしもらってるのだろうか ルルル・ルル 373 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 01 02 08 ID jZ9+VSPu0 バレンタインということで昨日仕事中に妄想したことをば。 ルツィエ「バレンタインねぇ・・・あげる相手がいなきゃただの平日よね」 ルミ「ルーツィエさんっ♪探しました~」 ル「あら、ルミ。私に用?」 ル「はい、どうぞ。バレンタインのチョコです♪」 ル「へ・・・?」 ル「いつも守ってくださってありがとうございますです。 今日はいつもお世話になっているお礼で・・・ルツィエさん?」 ル「(ルミが私に?っていうかバレンタインってチョコと一緒に告白とか 何だとかする日じゃなかったっけ?わたし、ルミに告白された? でも女の子同士で結婚とか無理だしそもそもその先はどうするとか 全然わかんないしマギナには絶対に喋れないしソニアにバレたら 何て言われるかわからないし年増ーズには)」 ル「ルツィエさんっ、ルツィエさん!!」 ル「はっ!?あ、ゴ、ゴメン。ちょっとビックリしちゃって」 ル「・・・えっと、あの・・・ご迷惑だったでしょうか・・・」 ル「そんなことない!!」 ル「ひゃぁっ!」 ル「あ、えと・・・うん、嬉しいよ。ありがとう」 ル「えへへ、喜んでもらえてわたしも嬉しいです。じゃあ、お師匠さまに 呼ばれているので失礼しますね」 ル「う、うん・・・」 ル「あ、これってホワイトデーにお返ししなきゃいけないのよね・・・ って、それって男がすることじゃないの!?それはまずいわ!!」 と言って残りの授業をサボって帰り、その日のうちにルミにチョコを渡したものの、 翌日先生に怒られたのはまた別の話。 374 名前:373 投稿日:2008/02/14(木) 01 23 23 ID jZ9+VSPu0 おまけ 黒ソフ「皆さん、今日、WIZ-DOMの錬金術士からチョコが届きました。 『日頃の感謝の気持ちを込めてチョコを送ります』だそうです」 レテ「何だそれは?たかが礼ごときのためにわざわざ別勢力までチョコを 届けてきたのか?」 ィア「私にも届いたぞ」 カマ「私にもだ」 レテ「・・・へ?」 ルシ「ふふ、ラシエルがこそこそ隠していたのはこれだな。 レティクルには来ていないのか?」 レテ「・・・・・・」 ルシ「心配するな、私のところにも届いていない」 (足元にはそれ以外の勢力からのチョコが満載された紙袋多数) ルシ「慰めになってないわ!!」 カマ「元気出せ。WIZ-DOMにはお前は見えていないということだ」 レテ「・・・~~~」 ィア「いや、奴らも目の付け所は鋭いな」 レテ「貴様らーーー!!!!!」 だいぶアレンジしてますが元ネタ知っている人に一言。 「ならばよし!!」 375 名前:373 投稿日:2008/02/14(木) 01 31 23 ID jZ9+VSPu0 なんか色々間違い発覚。 おまけのルシは黒ルシで、カマ・ィア・ラシには“WIZ-DOM勢の誰か”から モノが届いているという設定でした。 青黒使ってると黒の面々は壁役になることが多いことから考えました。 以上です。 三色チョコレート 376 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 01 43 55 ID j1XUQ4b/0 バレンタインか…三大魔道師で妄想してみた ディーナ「はい、二人に」 ソニア「ほぇ?」 ディーナ「今日はバレンタインでしょう?腕によりをかけて作ってきたんです」 ソニア「おー…めっちゃ形綺麗だし…うまっ!」 ディーナ「『特技・料理』って書いてありますしね」 ステラ「………」 ディーナ「はい」 ステラ「どういう風の吹き回しだ」 ディーナ「ソニアにあげて、あなただけもらわないのは不自然でしょう?」 ステラ「毒とか入ってないだろうな」 ディーナ「いらないんでしたらいいですけど」 ステラ「…せっかく作ったんだ、もらおう」 ディーナ「最初からそうして下さい」 ステラ「…うむ、悪くないな」 ディーナ「ならよかったです(ニコッ」 ソニア「あ、ディーナがついにデレた」 ディーナ「素の力で殴り合ってもあなたには勝てるのですよ、ソニア?」 ソニア「ぶー…でも、二人がいがみ合ってると私もつらいんだよ、わかってる?」 ディーナ「う、そう言われると…」 ソニア「二人の板ばさみで私だって大変なんだから、ちょっとはわかってよ」 ディーナ「…ごめんなさい」 ステラ「…すまんな、ソニア」 ソニア「ま、でもステラがデレたら気持ち悪いとは思う」 ディーナ「あら、ソニアもわかってきたじゃないですか」 ステラ「絶対お返ししてやらんからな……」 377 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 05 42 20 ID rC9x4f0yO 376 こりはソニアに渡すからステラにも義理で、ではなく。 昔を懐かしんだ小さじ一杯の魔法堂が、魔法少女マジカル☆スターへの本命チョコと見た。 381 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 11 47 12 ID mKeimRe10 376 クラリス「3人に私特製のチョコ食べてもらいたわぁ♪」 382 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 12 10 59 ID Xw4L+pVt0 カイム「カレー粉、ブラウンシュガー、シナモンパウダー、かつおだし顆粒、重曹、空き瓶・・・ 全部適当に移し替えちゃお♪喜んでもら(ry」 ロビン「ここでチョコレートに粉砂糖をまぶします!!」 聞仲「重曹って書いてあるぞそれ!!」 ロビン「重曹なら流し台のぬめり(だったかな?)も取れて一石二鳥です!!」 ジョカ「うにゅー、ここでカレー粉・・・を入れようと思ったら切らしちゃってるみたいだから、 急遽そこのホワイトカレーソースで代用なのよん♪」 カイム「あれ?美味しそうな匂い・・・」 ロビン仲の部分はパクっただけなので微妙に違うかも。 383 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 12 16 06 ID DjMgjVwx0 ステラ「砂糖がないならサッカリンを使えばよかろう」 学校にチョコを持ってきてはいけません 384 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 12 52 39 ID n1P9YHWb0 沖田やつかさとかの「かわいい」男の子は、女子の仲間に強引に入れられてチョコを いっぱい貰っているイメージがあるな。 「好きです……///」じゃなくて、「いやーん可愛い♪チョコあげるねっ!」みたいな。 女生徒「先生っ!チョコレートです」 中浦「ああ、ありがとう(と言いながら内心、この大量のチョコどうしよう… 甘いものそんなに好きじゃないのに……と思っている)」 薄木「ありがたいとは思いつつも……毎年この時期は困りますね。」 中浦「全くです。捨てるのは悪いけれど、食べきれないですよね……。」 ↑毎年、義理本命両方を多く貰っているイケメン教師の図 生クリームとかが入っている手作りチョコは日持ちしないから困る。 ちなみにこの後、家に帰った中浦とつかさがアッーなのはスレ住人全員の暗黙の了解であるだろうからあえて書かないww 394 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 21 41 44 ID hBsbt2ObO 384 薄木先生はカード裏の説明から鑑みるに、貰っても断るか、上げようとするも気軽に近寄れない雰囲気出してそう 395 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 22 01 32 ID OapHgezN0 ちなみに薄木せんせーの説明は 「あまり生徒とは会話しないサラリーマン的教師」とある。 セリフも結構やる気なさげだしな。 各務秋成の憂鬱 秋成「今日はバレンタインだな。今年こそは柊子から『本命』チョコを貰わないとな。」 秋成の服装はなぜかよだれかけに紙おむつ、そしておしゃぶりを銜えている。 栞「友チョコ作ってきたので食べてね♪」 幸「みゆきも作ってきたから食べていいよー」 柊子「私も作ってきた。食べて良いぞ」 あかり「わあ♪みなさん素敵なチョコ作ってますね。ブログのネタに・・・」 阿羅耶識の女性陣が持参した友チョコを披露し合っている。 秋成「おっ!みんな美味そうだな♪」(きょろきょろ) 栞「あ、秋成さん。」 秋成「いくつになっても甘えん坊♪いくつになっても甘えん坊♪」(柊子の傍へ寄る) 柊子「・・・・・・・・・・#」(秋成は無視) 美晴「柊子さんのチョコおいしー」 柊子「そうか。美晴のも美味いぞ。」 幸「秋成さんあーん」 秋成「ちゃーん♪」 栞「私のもどうぞ。」 秋成「ハーイ♪」 美晴(秋成さん何でイ○ラちゃんのマネしてるんだろ) 秋成「バブー」(柊子におねだりしている) 柊子「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・貴様失せろ!!#」 需要があろうがなかろうが続く。 かー かー 秋成「あーあ。本命チョコどころかチョコすら貰えなかったぜ・・・」 柊子「・・・・・・。」つ【チョコレート】 秋成「これは・・・ 柊子「友チョコの余り分だっ!捨てるのも勿体無い。だから貴様にやる!///」 秋成「へへっ、さんきゅー♪」(柊子の頭を撫でる) 柊子「・・・・・・・・・・/// わ、私は帰るぞっ」 秋成「ああ、有難く食わせてもらうぜ」 秋成「・・・あいつは素直じゃないなぁ。」 柊子が渡したチョコは秋成用に作ったウイスキーボンボンで友チョコのあまりではなかった・・・。 初歩からよくわかる錬金術で作るチョコレート教室 386 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 14 28 30 ID 3VXDDeGy0 クラリス「・・・暇だわ、217」 works217「マスター、水芸には飽きられましたか」 クラリス「そうねぇ湿度を気にする季節も終わりかしら」 works317「マスター、今月2月の予定は3日節分、14日バレンタインデー、22日世界友情の日 27日から3月5日まで献血運動週間、16日からは所得税の確定申告期間です」 クラリス「いいわ、面倒なことはぜ~んぶホムンクルスにやらせるわ。 217、317、ルミこれとこれとこれ、準備しておいて~」 217 317「了解しました」 ルミ「お師匠、では言って参ります~」 217「マスター、準備が整いました」 クラリス「さぁ始めるわよぉ~」 317「まずカカオと乳性脂肪の塊を細かく刻みます」 クラリス「頑張って~317~」 ルミ「いつも師匠が刻んでいるのは実験体の臓物です」 217「細かく刻み終えた所で湯銭にさらし、溶解します」 317「今回は乳性脂肪分を足して粘性のある半固形状にします 脂質とたんぱく質の溶液に溶媒のグラニュー糖を加え混ぜます」 クラリス「ルミ~頑張ってぇ~」 ルミ「任せてくださいお師匠様、ぐる~んぐる~ん」 217「完成した2つの溶液を混合してベースとなる溶液の完成です」 317「マスター出番です」 クラリス「まずは隠し味の蜂蜜、殺菌効果もあるわ。滋養強壮にウ○ン~ 塔の菜園で取れたマンドラゴラ、中国三千年の歴史鷹の爪、ツバメの巣 烏の尾、あと何かと問題のエ○ゼンくらげ、海洋成分も時には必要ねぇ~」 ルミ「ぐるーんぐるーん」 217「溶液が安定したら型に分けて冷却します」 317「型は裸のイレイザー、ラプンツェルです」 クラリス「固まったら後は表面にカカオパウダーをまぶして完成~」 217「本来であれば甘みのあるココアパウダー使います」 317「マスター、ではバレンタインと称してMBの内服的な身体強化の実験の観測を始めます」 クラリス「さぁ、被験体のところにいくわょ~♪」 387 名前:works274 投稿日:2008/02/14(木) 16 11 44 ID U1E9KnEA0 386 お暇をいただきます (所詮、私のマスターはMBただひとりなのですね……てか217って誰ですか) 388 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 16 12 22 ID C2EWnUg30 274の間違いではなかろうか 390 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 16 25 22 ID olhy4bDiO 387 スマソ…何て勘違いしてるんだ自分はorz 391 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 19 20 37 ID FS5VjAc/O 386のその後……… 217「…たす………け………美………ちゃ…」 クラリス「あらぁ♪ まだ自我が残ってるなんて、さすがE.G.Oの秘蔵っ子は違うわね~♪」 393 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 20 44 48 ID EDPjh1pMO >391 217でニイナか。 俺は274の27だけとってニーナと呼んでる。(妄想の中で) ちなみに317はミイナ。 極星帝国の風景 突き刺すような朝の冷気の中、シュリー・シャンポリオンは東京は銀座のWIZ-DOM系高級菓子店の前に並んでいた。 限定品のチョコレートを買ってくるようにリリアに依頼され、特に用事もなかったので引き受けた。 リリアは金払いもいいし、なんだかんだいって性格の相性も悪くはない。このくらいならサービスでやってもいいくらいだが、ちゃんと報酬が出るというのだから文句はない。 ついでに私も私もと頼まれてしまった事についても異存はない。 はずだった。 ひとつのミスが命に関わるダンジョンハックに比べればただ並んで開店を待つだけのこの状況はあまりに張り合いがない。 同じ待つにしても、巡回する守護者の目をかいくぐりながら、その前後数分しか扉が開かない南中を待った時と比べるとあくびが出るほど退屈だ。一応持ってきた、というより魔法の袋に入れっぱなしのアイテムを使う事もない。 これくらいなら、何も自分をやるまでもなく、その辺の侍女でもやれば充分だったのにと心の中でぼやきつつ、左腕の時計を見た。こちらの地球で買った、いろんな機能を実装している優れ物だ。方角や高度がわかるため、恵方巻を食べる時には大変役に立った。 デジタルの二十四時間表示によれば、開店までまだ二時間以上ある。 袋から携帯糧食のチョコバーをむいてかじる。こちらの地球の科学の粋を凝らしたアウトドア用品は冒険の大きな助けになっているが、特に携帯糧食のバリエーションが増えたのがうれしい。味気も水気もない干し肉や乾パンに比べれば天国だ。 百円でこんなに美味しいのに、何万円もするチョコレートを欲しがるリリアの気持ちは理解こそ出来るが同意はしかねた。 その頃、斎木新名は自宅ベッドの中で、夕方にパティシエごと届けられて美奈や望と一緒に食べる予定のチョコパフェを夢の中で一足早く頬張っていた。 ウェヌス「レナスどの、どうぞ」 レナス「おおウェヌスどの! かたじけない! レナス「むむっ、これはウェヌスどののモーニングスターのような丸いチョコレート! つまようじを刺すとそっくりだ!」 ウェヌス「……あなた、うまい事言ったなんて思っていないわよね?」 レナス「いやははは」 ヒナ「レナスさま…… ウェヌスさまも」 レナス「ヒッヒッヒッヒナどのっ! いやっこれはそのっ」 ウェヌス「月巫女様ごきげんよう。チョコレートはいかがです?」 ヒナ「ああ、今日はバレンタインでしたね。いただきます」 レナス(あれ? ぼくのより大きいぞ)←6個入り ヒナ「美味しいですね」 ウェヌス「銀座の有名店のものだそうですの。もうひとついかが?」 ヒナ「いえ、もう充分頂きました」 ウェヌス「ご遠慮ならなさらずに。まだ5箱ありますのよ」←10個入り ヒナ「レイナ様にも頂きましたので」 レナス(……もしかしてこれって義理チョコなのかな?) ウェヌス「月巫女様は……あらランスロット卿ごきげんよう」 ランスロット「これはお三方お揃いで」 ウェヌス「ランスロット卿、これを」 レナス(……6個入り! 義理チョコだ! よしっ!) ランスロット「申し訳ないが、バレンタインデーのチョコレートは全てお断りしているのです」 レナス(な、なんだってー!) ウェヌス「そうですか」 ランスロット「では、失礼つかまつる」 ウェヌス「まったく格好よろしい事を……先日の武術大会では決勝で卿に負けてしまいまして。毒でも仕込めば勝てると思ったのですけれど、残念ですわね」 ヒナ「先ほどのお話ですが、わたしも神職ですのでそういったものをお贈りするのは控えさせていただいています」 レナス(工工エエェェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェエエエ工工!?) ウェヌス「そうですの。食べたがっていた殿方もいるでしょうに」 レナス(はい! ここにいます!) ウェヌス「国王陛下とか」 ラユュー「だが心配は無用! リユュークには私が、私が、わ・た・し・が、愛のこもったチョコレートを贈っていますから!」 ヒナ(どこにいたんだろう) ウェヌス「それはきっとお喜びになられるでしょう。どのような?」 ラユュー「知りたいですか? うふふふふふふ……」 レナス(ま、まずいぞ。なんか忘れられている気がする……さらに帰るタイミングも失ってしまった) レナス「えー、あー、ごほん。お、お返しはご期待くだ」 ウェヌス「ああ、ホワイトデーなら不要ですわよ。毎年頼んでもないのにあちこちから届きますし」 レナス「さようで……」 ヒナはAAA未登場の三つ目巫女。沐浴中にレナスがやってきて半裸を見られた。 あとウェヌスは片手でモーニングスターを振り回せて、ガードされたら左手で抜剣して刺すとか、アロンダイトは壊れないのでモーニングスターを正面から受け止めたりいなしたりできてランスロットはウェヌスと相性がいいとか妄想。 ついでに 凍気を操る能力でチョコを固める作業に駆り出されるミリアム モレ(スパイシーで甘くないチョコレートソース)料理を作るロュスと フルーツのチョコレートがけを作るソフィエル シャルルマーニュに不器用なりに一生懸命作ったチョコレートを届けようとしたらシャルルマーニュ宛のチョコレートを頼まれてアルゴスの背中一杯にチョコレートを積むことになり届けたくないけど捨てるような真似も出来ないソフィー(頼まれたチョコは実はほとんど義理) チョコレートの精霊と会話して手と顔がチョコまみれのレィルエ 母上のチョコレートを自慢して回るマザコンのカイム 甘々なシヴァとパールヴァティ あきれるアシュタルテーと心底羨ましい鈴鹿 神棚に美鈴宛のチョコレートを供える美晴達 そして美鈴に供え終わるとおもむろに友チョコで盛り上がる 浮ついたメイド達に頭を悩ませる藍子 そんな様子を見るとこっそり用意した藍子へのチョコを渡せなくなった綾乃 機械のナナにチョコレートをあげられないので少し悲しかったけど 藍子がチョコ反対派なので従っただけだと大義名分が出来てほっとしたアイナ などと妄想。 ソフィエル「あの……チョコレートでございます。おひとり一つどうぞ」 リユューク「ありがとう」 ラユュー「リユューク、私のチョコを先に食べてください」 シャルルマーニュ「すまないな」 ソフィー(うう……こんな美味しそうなチョコのあとだとわたしのを出せないよぉ) カイム「母上と半分こしようっと」 ソフィエル「では二つどうぞ。多めに作っていますから」 レナス「ありがとう! ……っと、ヒナ殿には見られてないよな。他の女の子からチョコをもらったと知られたら嫌われる」 ウェヌス「最初から好かれてないから安心なさい」 ノーラン「かたじけない。これでもっと皆を守れる」 マクシミリアン「ほう。余も一つ貰うとしようか」 レイナ「臣下のチョコを召し上がり交わりを深めようとはさすがは陛下でございます」 マクシミリアン「うむ……? これは、変わった……辛い、痛っっ口の中が痛いっ!」 ソフィエル(……超激辛唐辛子入りが皇帝陛下に当たってしまいました……) ロュス(野菜天使謹製の超激辛唐辛子が当たった!) ソフィエル「い、一個しか入れなかったのに…… 個数にも余裕がありましたし……」 レイナ「一個しか入っていなかった当たりを引き当てるとはさすがは皇帝陛下! ご強運をお持ちです!」 マクシミリアン「そ、そうか余はついていたのか…… こうしてはおられん、宝くじを買ってこよう」 フリードリヒ「陛下、今ので運を使い果たしているかもしれません、やめましょう」 マクシミリアン「叔父上が言うならやめよう」 リリア「お手柄ね。お姉さんがご褒美をあげまちょう」 フリードリヒ「誰がお姉さんだ。変な言葉遣いはやめろ」 リリア「わたくしの手作りですわよ」 フリードリヒ「君が? 自分で紅茶を淹れる事もしないのに」 リリア「溶かして固め直しただけだから平気ですわ。変なものは入れてませんわよ。唐辛子もクリームもフルーツも」 フリードリヒ「では頂こう。……ソフィエル、コーヒーを淹れてくれ。紅茶はリース達を思い出す」 ソフィエル「かしこまりました」 偽乳特戦隊 ジリアン「皆さん・・・チョコ」 ソフィア「ジリアン様、喜んで頂きますわ」 ルツィエ「やったね、ジリアン様ありがとう~♪」 ミナ「あ、ありがとうございます!」 ジリ「・・・じゃ」 ルツ「さーて、早速食べよっか!」 ソフ「あら、ちょっと大きめのチョコですけど一口で・・・」 ルツ「もぐも・・・んっ、ウィスキーボンボン?」 ソフ「大人のチョコって感じですねぇ、お酒入りでビターな・・・って、お酒?」 ルツ「お酒・・・?」 ソフ「・・・しまった、前の焼肉ネタの時にジリアン様は居なかったっ・・・! マズいですっ、チョコは美味しいけどっ!」 ルツ「上手い事言ってる場合ですかっ! ミナ、食べちゃダメっ!」 ミナ「んぐんぐ、あんはいがいへふ(何か苦いです)・・・ヒクッ?」 ルツ「遅かったか・・・」 ソフ「わわわわわわわ・・・」 ミナ「じりあんさまぁ、ミナちゃんはじりあんさまのあいをうけとりましたぁ! すぐにいくからまっててねぇ~♪」ドシュウッ! ルツ「隊長、あれ、どうします? 止めます?」 ソフ「私は自分が大切です。ジリアン様には犠牲になっていただきます」 ルツ「ジリアン様、ぐっどらっく。南無阿弥陀仏」(十字を切りながら) 405 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 23 31 49 ID Xw4L+pVt0 ネギもそうだったが、チョコレートも犬や猫にとっては体に悪いんだったなー・・・マヤ達は大丈夫? あとジブリールは「自分イスラム教の四大天使なのに何でキリスト教の行事が気になるんでしょう」とか 考えている矢先に贈り物をもらってびっくりしてるといいかも。 女性陣からのチョコに混じって 男 M B か ら 下 着 を。 巫女達 406 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 23 49 15 ID PN2YR3rSO 毎度ながら美晴と遙。 今回は美鈴の出番は作れなかったんだ・・・ 美晴“ただいま~・・・え、遙さん何を?” 弓削“ん?見てわかるだろ?チョコを作ってるんだよ。” 美晴“いや・・・そういう問題じゃなくて・・・そんなデカイの、誰に?” 弓削“ああ・・・あては無いけど毎年なんとなく作ってたら上達したみたいなんだ。元々凝り性みたいでさ。あはははは・・・はあ。” 美晴“・・・” ダークロア編 407 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2008/02/14(木) 23 50 53 ID QGCW07jqO オジマン「皆よ、薔薇はいかがかな。変わりにチョコを受け取ろうではないか」 ケイト「自分からチョコ催促する奴って本気でウザいわね。調教する気にもならないわ」 茨木「腕が疼く・・・奴を斬れと疼くっ・・・!」 アルテア「ホント、ウッザいよね。逃げついでにツーリング行ってくるかな~」 ケイト「いってら~・・・って、誰かあのバカに近付くバカがいるわ」 茨木「玉藻? ・・・ぐっ、腕よ静まれっ・・・!」 ケイト「そこ、うるさいわね。少し黙ったら?」 茨木「邪気眼を持たぬ者にはわかるまい・・・」 玉藻「オジさまぁ~、チョコど~ぞっ♪」 オジ「おお、フサフサしっぽのけも耳お嬢さん、ありがたく頂こう。 そして代わりに薔薇を」 玉藻「薔薇はいらないです~、早くチョコ食べて~」 オジ「うむ、では頂こう・・・ふっ、フハハハハハハハ! 美味い、美味すぎる! 血湧き肉踊るとはこの事か! フハハハハハハハ・・・ハ?」バタリ 玉藻「ウゼぇんだよ、そのまま死ね」 ケイト「あら、毒殺」 茨木「腕の疼きが収まる・・・」 アルテア「死亡確認! うっし、お疲れぃ~♪」 ケイト「さて、私は奴隷達にチョコと鞭をプレゼントしてきますか」 今日もダークロアは平和です。 鈴鹿「MB殿。」 MB「ん、どした?」 鈴鹿「なんでも今日はバレンタインデイというおなごが意中の男に愛を告白する日じゃそうじゃの。」 MB「へぇ、知ってたのか。それで?」 鈴鹿「まぁ、アシュから聞いたんじゃがな。それでいつか坂上殿(生き別れの恋人とされる坂上田村麻呂のこと)と再会した時のためにチョコレートを作ってみたのじゃ。ここにそのチョコがある故、味見してみてくれんかのう。」 MB「へ?」 鈴鹿「か、勘違いするでないぞ!好きでもないお主になぞ食わせるつもりは無かったんじゃが、味見をしたアシュが『おいしいけど男の意見も聞いたほうがいいからMBにでも食わせたらどうだ?』などどのたまいおったから、それで仕方無くじゃ!」 MB「ふーん。それじゃ一つもらうよ。」むぐむぐ 鈴鹿「ど、どうじゃ?」 MB「うん、おいしいよ。ちょっと甘すぎるけどまぁこんなもんじゃないかな。」 鈴鹿「そうか、それはよかったのう。」 MB「ありがと。」 鈴鹿「……な、何をお主は言い出すのじゃ!味見のためだと言ったでおろうに!」 MB「はいはい。」 バレンタインデーの現実味のある想像をしたらこんなものが出来あったが鈴鹿は俺の嫁だと言いたい。 891 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2009/02/14(土) 08 17 02 ID di8XxFcg0 藍子「新名お嬢様はまだ熟睡ですが…」 「朝方だし…仕方ないよな。ありがとうございます藍子さん」 「……ふぅ」(カランカランッ!) 定員「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」 新名「ハアハア…あ、えっと…あ!見つけたぁ!!」 「………」 新名「無視しないでよぉ!?」 「?あれ?寝てたんじゃないのか?」 新名「藍子さんが起こしてくれてキミが来てたってコト聞いて飛んできたんだよぉ!近いお店片っ端から見てきたから疲れたし朝ご飯も食べてな(くうぅぅ~)…///」 「…すいません、モーニングひとつ」 定員「飲み物は?」 新名「(ガタッ)えと……アイスソーダー」 「後、チョコタルトひとつお願いします」 新名「えっ?」 定員「はい」 「なんとなく。来てくれたお礼って事で、食べてな」 新名「あ…ありがとう」 「そう言えば本当に来て良かった?友達と出かける約束とか「……わすれてたぁぁ~!?」 「はぁ…とりあえず、静かにな」 バレンタインな感じしないな~…こんなモンでスマン。嫁は……わかるな? かまらし だだだだだ ラシエル「かーた~ん♪ ど~ん☆ カマエル「ラシ…ダッシュアタックは…げほっ… ラシエル「ごめんなさいなのだ~。それはともかく、はいっ!これあげるのだ カマエル「? ラシエル「今日は好きな人にチョコレートをあげる日、って誰かが言ってたのだ~ カマエル「チョコレート…好き…? ラシエル「だから大好きなかーたんにあげるのだ~ カマエル「ラシエル…あ…ありがと… ラシエル「二人はこれからもずっと仲良しなのだ~♪ カマエル「うん…仲良しだ ラシエル「わ~い、二人は仲良しエンジェルでエンジェルトルネードなのだ~くるくる♪ やっぱこの二人がツボにくる… 昨日の暴風はラシエルのチョコレート作りの影響かなということで一つ 894 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2009/02/14(土) 17 14 13 ID eRbk9BIc0 バレンタインネタ投稿。 真由美“MBさん。いつもお世話になってるのでこれ、お礼です。” “お、チョコレートか?そういえば今日はバレンタインだっけ。” 真由美“はい!やっぱり女の子らしい事、しておこうと思って。” “さんきゅ。ありがたく受け取って・・・ん?” 真由美“・・・殺気?” ???“やれやれ・・・最近コチラに姿を見せないと思ったらEGOのエースとよろしくやってたってワケだ。” “あー、遙。なんというか・・・その・・・すまん・・・” 遙 “すまん、で済むと思ってるのかい?” “あははは・・・んじゃ今日はこの辺で!” 遙 “待て!逃がすか!今日という今日はお前に言う事がある!” と言う事で俺は遙さんのもの。 最近本家じゃ真由美ばっか使ってて赤には手を触れてすらいない事への贖罪も兼ねて。 896 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2009/02/14(土) 21 32 13 ID JQl6DDiL0 電波受信したので書きます。 ミ「舞ちゃん、手の中に暗黒宇宙があるって本当?ブラックホールすら自在に扱えるって本当? 舞「はい? ミ「空間歪曲の力の源はそれだってクラリス様がーーー 舞「・・・エゴの目的がサッカーで世界征服することならそうかもね・・・ ミ「じゃ、じゃあ、舞ちゃんがローラーブレードで戦うとき、すー・・・ 舞「何で一息入れるの? ミ「ん、と。”お前に足りないのはッ!情熱思想思考気品げほがほごほっ 舞「はいお水。ミナが頑張ったのは誉めてあげるけど、違うから! どっちかと言えば東海林先輩の方が似合うから、その決め台詞は! それもクラリスが言ったのね・・・ ミ「あ、ぅえっと、じゃ、じゃあ・・・ 舞「ストップ。そんな戯言並べまくって、一体ミナは私を何だと思ってるのかなー? ミ「えっとね・・・今日は、今日だけは・・・おムコさん。 だからね、チョコレートあげても変じゃないんだよ。舞ちゃん、はい、どうぞ。 舞「・・・それもクラリスが言ったの・・・? ミ「うんっ! ク「はっぴー、ばれんたいーん☆やっぱりあの子たち、可愛いわぁ~♪ 光「はっくしょーい!誰か噂を・・・シルマリル、貴様見ているなッ! 898 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2009/02/14(土) 22 42 52 ID ne83nmDq0 まな「さて、こっそりバレンタインデーのプレゼントの準備を」 要「待て、どこに行く!?一人にするとまたどんな敵に襲われるかわからん。俺も一緒に行こう」 智律「ちょうど良い。私も教会で配るお菓子の材料を買い出しに行こうと思っていた所です」 つかさ「僕も僕もー!!」 まな「・・・いきなりプレゼントあげて喜ばせようと思ってたのにそれじゃ意味無いし(泣)」 一心「では俺たちは遠くで待機して、直接の護衛は女性に頼もう。本家だと強いという熱田静とか」 カイム「ねー、僕も」 直哉「お前はむしろ敵に有利な情報を渡しそうだからダーメ」 もう一つあるんだけどうちのMBも相手キャラも男なのでガールズサイドに投下してくる バレンタインデーネタ 大海「年末とこの時期だけ急に仏教徒を自称する人が増えるのは何度目の転生後からか(しみじみ)」 オジマンディアス「ふっ、吸血鬼の私にはキリスト教の行事なんて(泣)」 檜村「俺にはどーでもいいがな、うまいもん喰えるなら何でも」 ジブリール「・・・私は私でイスラム教の天使なのに何故この時期が気になるのでしょう」 男MB「おーい、ジブリール!!はいこれ」 ジブ「『逆チョコ』?・・・何ですかこれは?」 男MB「男からプレゼントするんだって。・・・その、ジブリールには、色々お世話になってるし」 オジマン「・・・薔薇よ(ウホッでアッー的な意味で)!!」 藍子さん×ショタMBが俺のアクエリ 綾乃「藍子様、バレンタインデーの日にはチョコレートの他に 下着を贈る風習があるそうです」 藍子「そんなウレシハズカシイベントがあったとは… 私とした事が迂闊でした」 MB「藍子さん、ただいま~」 藍子「お帰りなさいませ 旦那様 さっそくですが、チョコレートと 私の下着をお受け取り下さいませ」 Я(cY'゚ニ゚') <脱ぎ☆ Σ (゚Д゚;) 綾乃(贈るのは新品の男性モノの下着なのですが…) チョコレート製の綾乃の巨乳下着おかわりとな? 820 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2010/02/16(火) 23 27 10 ID jtaSU1nr0 人に食い物恵んでもらうほど落ちぶれてねえよ 821 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2010/02/17(水) 16 31 46 ID mZ7+eue+0 まったくだな 822 名前:ゲームセンター名無し 投稿日:2010/02/19(金) 22 20 13 ID kd3o41CV0 チョコを踏みつぶされたまなは悲しみのあまり中央線に飛び込んで四散した 姉が自分の生活費や学費を払うために風俗嬢のバイトをして妊娠してしまった事を知った要が 中退して働こうとしている事を皆が知ったのはそれからすぐの事だった
https://w.atwiki.jp/vip_witches/pages/1192.html
『君がいるバレンタイン』 スオムス雪原 1943年 2月14日、世は俗に言うバレンタインデー 女性達は恋のために計算をはりめぐらせ、男性達は淡い希望に期待をせずにはいられない そんな浮かれた日に、家業でもあり趣味でもある狩りに没頭している少年がいた 夕方の雪原に響く銃声 舞う鳥達 走るトナカイ 見事に逃げられてしまった 俺「調子悪…」 幼い頃より生活のために狩りをせざるを得なかった彼の銃の腕は本物 この年齢で村の大人達の誰よりも上だった なぜ調子が悪いのか?誰からもチョコレートを貰えなかったから? 思春期を迎えた彼と同年代の少年少女達は皆恋に恋する年頃、割と端正な顔立ちをしている部類に入る少年は本気とも冗談ともとれるチョコレートを幾つか貰っていた ではなぜ? 俺「イッル元気かな?」 幼い頃よりずっと一緒だった少女の事を考えている 少女は世界を守るウィッチになった 産まれ育ち、互いに沢山の思い出を育んできたこの村を出て行ってから早一年 彼女のいない冬は呆れるくらいに退屈だった 俺「・・・」 狩りを早々に諦め、帰路につく 幼馴染の少女は類まれなる才能を早々に開花させ、スオムスのトップエース その愛くるしい外見もあってか最早国民達のスターになっていた 彼女を象った人形が発売されればすぐに売り切れ、ピンナップも高値で取引されている まぁ、その全てを少年は自分の部屋に揃えていたのだが… 気付けば、いつのまにか彼女が村を出る際に少年に手編みのマフラーを手渡した場所で立ち止まっていた 俺「・・・」 成長期に入り彼女が編んでくれた「ちょっと長めのマフラー」ももう「少し短いマフラー」になっていた マフラーにそっと手を触れて、星の見えてきた夜空を見上げる 空はあの頃と変わらない、変わったのは近くに彼女がいない事だけ 俺「イッルがいれば・・・俺にチョコくれたかな?」 俺「ま、甘い物苦手なんだけどね・・・」 「相変わらず辛気臭い顔してんのナ」 俺「え?」 ここにいるはずの無い少女の声が聞こえた 空耳か?それとも彼女の事を考えすぎて統失にでもなったのか?などと考える エイラ「なーにアホ面してんだヨ」 少年の頭を後ろから叩いたのは彼が想い続けた少女 スオムス空軍の制服にコートを羽織っている 手には紙袋をぶら下げて、表情は昔と変わらない 悪戯を成功した時の笑顔 少年が一番好きな少女の顔だった 俺「イッル・・・なんで・・・」 少女の言うように口を半開きでアホ面の少年 エイラ「えへへ、びっくりしたロ?今日は非番だったからサ、急に村のみんなに会いたくなってサ」 俺「そっか」 エイラ「久しぶり会ったのにそんだけカヨ、もっとあんだろー?「綺麗になったな」とか「寂しかったよ」とか・・・」 俺「まぁ・・・寂しかった・・・かな・・・」 エイラ「!?」 エイラ「・・・そっかそっか」 少女は驚いた表情を見せた後、自分が冗談で言った言葉を真剣な顔で恥ずかしげも無く述べた少年に赤面してしったようだ 若干、嬉しそうにも見える エイラ「で、だ!」 エイラ「たまたま今日お休みだった私が、たまたまマフラーを編みあげてしまってナ」 俺「一日でできんのかよ?」 エイラ「で!できる!細かい事はいいんダ!!」 エイラ「たまたま会ったお前にやる、どうせ前に私があげたマフラー巻いてんダロ?」 偶然今日非番で… 偶然今日マフラーを編みあげて… 偶然出会った俺のマフラーが小さくなっていたのであげる… こう少女は言いたいらしい 俺「ありがと、すっげぇ嬉しい」 そう言って少年は袋からマフラーを取り出す 前と同じ「純白のマフラー」 すかさず首に巻いてみる また、少し長い エイラ「ふふっ、お前あんまり身長伸びてないナー。もうちょい伸びてると思ってこの長さにしたのに・・・」 俺「ん?偶然編んだんじゃないのか?」 エイラ「だ――――――ッ!!!そうそう!偶然ナ!!偶然お前の身長が伸びてる気がしてナ!!!!」 少年の意地悪な質問に少女は絶叫して恥ずかしさを隠す 実際少女本人もなぜ少年に会いたくなったのか理解できていなかった 理由も無く会いにくる事がなぜか恥ずかしい事だと思ってしまっている エイラ(なんでこんな辱めを私が受けるんダヨ・・・) などと考える少女の目に、首に巻いたマフラーを握り締めている少年の姿が写る エイラ(まぁ・・・あんだけ喜んでくれるなら、よかったかな?) エイラ(あいつ甘い物嫌いだし・・・) それから2人は沢山の事を話した 一年間で感じた事、変わった事 言葉の端端に互いに成長を感じていた ちょっと長めのマフラーの余った部分をエイラも首に巻いて 幼かった時のように寄り添って互いの温もりを感じながら語り合う オーロラのカーテンに包まれて、普段の意地っ張りで不器用な2人からは考えられない程に心の壁を取っ払って素直になれている これはバレンタインデーの魔法だろうか?それとも懐かしさゆえだろうか? エイラ「あ、もう時間だ・・・そろそろ帰らないと間に合わナイ」 シンデレラの魔法の刻限のように、少女に迫る門限 俺「送るよ」 エイラ「いや大丈夫・・・そうじゃないと・・・多分また会いにきてしまう・・・甘えてしまう」 俺「そっか・・・」 少女がどういう想いで今日この村にきたのか・・・ なんとなく少年は感じ取る そうだ、「ダイヤのエース」も魔力が無ければ普通の少女 俺「だったら、イッルが帰ってくる場所ちゃんと守っておかないとな」 エイラ「?」 俺「いつ帰ってきても、お前がちゃんと心安らげるように」 エイラ「・・・ありがとう」 それから、少年がスオムス軍に志願したのはすぐだった 産まれ育った村の周辺警備隊に配属され、ひょんな事からその狙撃の腕を見出された少年は前線に出される 次の年の冬、コッラー河に攻め入ったネウロイ4,000を少年を含む32人で撃退すると言う世界でも異例の事態を引き起こした 少年は、少女から貰った純白のマフラーを靡かせ 無慈悲に次々とネウロイを狩り続けたと言う 誰が呼んだか、「白い死神」 少年はいつしかそう呼称されるようになる 今日も死神は狩りに出る 鎌では無く、銃を携えて 大切な彼女との約束を守るために…
https://w.atwiki.jp/bsr_e/pages/2102.html
「こ……の、痴れ者が!」 細腕では考えられぬほどの力でふりほどかれた。 「我に触れるでない!」 「抱きしめただけじゃねぇか!」 「破廉恥ぞ!」 なんか頭が痛くなってきた。自分から四国まで飛び込んできたくせに、どんだけ 初なんだ。 呆れつつも、なんだか笑いがこみ上げてきて、すぐに溢れだした。 「き、貴様、何がおかしい!」 「お前と、こんな平和な口喧嘩してると思うとな」 「………………そうだな」 怒声が続くかと思ったが、意外にも落ち着いた返事が返ってきた。 「そなたとは、いつも争ってばかりであった」 そんなんで何故俺を好きになったのか、という疑問が湧くが、今聞いても半殺し だろう。返事は一月後で良いみたいだし、それは追々で良い。 「今はこうして談笑してんだ。それでいいじゃねぇか」 「ふ、それもそうであるな」 そのまま隣に並んで座り、チョコレートを啄む。穏やかな時間と甘い香りだけが 二人を包んでいた。 バレンタイン・サンデー追記
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/813.html
今日は2月13日、即ちバレンタインデーの前日だ。 詳しい起源とかは知らないんだけど、キリスト教圏発祥の行事だったはず。 海外では親しい人に贈り物をしたり、男性が恋人にお菓子や花を贈ったりするらしい。 でも、僕は日本の男子高校生だ。 俗物的なイベントと化した日本のバレンタインを享受し、女子達の動向にやたらと敏感になってしまうのは致し方ないと思う。 今日だって用もないのに、放課後になっても寮に帰らず、手持無沙汰にブラブラしている。 早い話が浮かれているんだ。 しかも気になる女の子が同じ寮に住んでいるとなれば尚更。 とはいえこの学園の生徒は、誰もが知っているような才能ある有名人がほとんどだ。 だから誰から貰えたって、それだけで近所中に自慢できるくらいのことではあるんだけども。 それでも現在僕の脳内を占めるのは、美しい銀髪の女の子。 クールで頭脳明晰で、仕事熱心で怖かったり優しかったりする同級生。 霧切響子さん。僕の好きな人。 「霧切さんも誰かにあげたりするのかなぁ」 彼女の性格的に、こういうイベントは好きじゃないかもしれない。 と、そう思ってたんだけど、最近他の女子達とよく手作りチョコレートの話をしていたりするから、どうしたって気になるんだ。 なんでも、女子一同から男子一同に義理チョコをくれるらしいから、それとは別に個人で渡すとなれば、義理じゃない可能性が高い。……はず。 最近は自分用にチョコを用意する女性も多いみたいだけど、それなら手作りじゃないだろうし。……多分。 霧切さんはあまり親しい異性が多い訳じゃないし、僕にも十分チャンスはある。……と思いたい。 全部願望だけど。 甘いものは嫌いじゃないけどそんなに好きでもなくて、今までは貰ったチョコを妹に食べられても別に良かった。 でももし霧切さんから貰えたら、後生大事に――は出来ないから、それはもうありがたく味わって堪能するだろうな。 もし本命チョコだった場合は、それが告白になるのかな……好きな子から告白されるとか、想像しただけで顔が、 「苗木君、なに一人でニヤニヤしているの?気持ち悪いわよ」 「うわああっ!?」 思わず転びそうになった。 何でいつも気配を消して現れるんだろう。 「きき霧切さん……き、奇遇だね。何か僕に何か用事かな?」 「何かって2回言ったわよ。日本語は正しく使いなさい」 驚いたせいで怪しい日本語になってしまった。 心臓に悪いからびっくりさせないでほしいなあ。 「まあ、用事があるから話しかけたのだけど。苗木君、あなたこの後空いてるかしら?」 ……なんて思っていたら。 「えっ……う、うん。特に予定はないけど」 「そう。じゃあ、しばらく付き合って貰いたいのだけど」 「……それって、2人で?」 「そうよ」 まさかのお誘い。 ……え、これって人気のない場所でチョコを渡されたりとか、そういう? いやいや落ち着こう。そんなうまい話がある訳ないだろ。 大体今日はまだバレンタインじゃないし、きっといつものように仕事の手伝いか何かだ。 ……でも当日だと周りにバレるから前日に渡そうとしているのかもしれない。 うん、その可能性はある。希望を失っちゃダメだよね。 霧切さん、何か荷物持ってるし。……うわ、なんか緊張してきた。 そんなことを考えながら、ややぎこちない足取りで霧切さんについて行ったのだった。 そして僕は今、霧切さんと2人っきりで厨房の中にいる。 目の前には、先ほどまで渇望していたチョコレート。……ただし、 「苗木君、あまり大きく混ぜないで。お湯が中に入ってしまうわよ」 「……」 作っている最中である。 僕が。 「端をしっかり掴んで……そうよ、上手いじゃない。全部綺麗に溶けるまで頑張ってね」 「……」 ――どうしてこうなった。 厨房に入るや否や、チョコ作りを手伝ってほしい、と言われた。 何が何だかわからないままにエプロンを手渡され(あの荷物の中身はコレだった)、霧切さんの指示に従いつつ作り始めたけど。 ……何だコレ? 「あ、あのさ。今更だけど、何で僕に手伝い頼んだの?僕なんか今までロクに料理もしたことないのに」 「心配しなくても苗木君に料理の腕は求めてないわ」 まあそうだろうけど、そこまでハッキリ言わなくても……。 「じゃあ、どうして僕に?」 「チョコ作りって、結構疲れるのよ。固くて刻むのも力がいるし、湯煎も熱くて大変だし」 「……男手が欲しかった、と」 「そう。頼りにしてるわよ、苗木君」 「……」 ……情けない。 要するに面倒くさい作業を押し付けられただけなのに、それでも一応男扱いされて若干喜んでる自分が情けない。 恋は盲目って本当だな……。 「大体溶けたわね。少しだけこっちに移して…そっちは混ぜながらゆっくり生クリームを入れて頂戴。これも熱いから気を付けて」 「……ちなみにコレ、何作ってるの?」 「生チョコ入りのトリュフよ。ほら、ちゃんと混ぜて」 「はいはい……」 「『はい』は一回」 「はい……」 というか、聞きたいのはそこじゃない。 話してるうちにだんだん混乱がおさまって、一番の疑問が湧いて出て来た。 だってチョコを作ってる(ほとんど僕がやってるけど)ということは、渡す相手がいる訳で。 「……ねえ、霧切さん。これって……バレンタインのチョコ、だよね?」 「当たり前でしょう、明日が当日なんだから」 「……だ、誰に、あげるの?」 それが問題だ。 そして僕は、生チョコを丸い形にしながら、得意の前向き思考を始める。 これはもしかして、出来上がった直後に「これはあなたへのチョコだったのよ苗木君。はい、あーん」なんて、キャラ崩壊前提の素敵なオチが待っているんじゃ―― 「……何か期待しているようだけど、私が渡す相手は苗木君じゃないわよ」 「……」 もうやめようかな、前向き思考。 「これを贈りたい人は……そうね、特別な人よ」 「……特別?」 随分抽象的な言葉だ。 意味によってはまだ失恋確定じゃなくなるかもしれない。 そしてその言葉で、何となく一人の人物が浮かび上がる。 もしそうだったら安心なんだけど。 「それって……もしかして、学園長、とか?」 「そんな訳ないじゃない。笑えない冗談は嫌いよ」 「……」 希望は0.2秒で打ち砕かれた。 「じゃあ……女友達にあげるとか?友チョコ、って最近よく聞くし」 「それも用意してるけど……そっちは市販品よ。これをあげたい人は男の人」 「……お祖父さん、とか」 「学園内の人よ」 「……」 絶望的な気分になってきた。 何故か江ノ島さんと戦刃さんが脳裏に浮かんだけど何だろう。 「ええと……特別って、どういう……」 「どういう意味だと思う?」 「……好きな人?」 「さあ、どうかしら」 はぐらかされた、けど。 でも肉親以外で特別な異性、なんて言ったらやっぱり本命ってことなんじゃないだろうか。 特別な男友達、という可能性が無いわけじゃないけど、やっぱり苦しく感じるし。 「贈りたい相手が誰なのか当てられたら、特別の意味を教えてあげるわよ」 「……ははは」 乾いた笑いしか出てこない。 相手が自分じゃないのが確定してる時点でテンションは地の底に落ちている。 そもそも、好きな人が他人にチョコを渡すと知っていて元気になる人がいたら、マゾなんじゃないかな……。 「……いい具合にコーティング出来たわね。後は冷やして詰めるだけだから、自分でやるわ。苗木君、お疲れ様」 「うん……お休み、霧切さん」 重い足取りで自分の部屋に帰る。 慣れない料理をしたせいか、やたらと疲れてしまった。ちょっと早いけど今日はもう寝てしまおう。 ……別に夢オチとかいう都合のいい展開を期待してる訳じゃない。 暗い気分のまま夜が更けていく。 ……明日は学園長と残念会でもやろうかな。 そして本日2月14日。バレンタインデーその日である。 浮かない顔で教室に入った僕は、男子の机の上に一つずつ置かれた小さな箱を目にした。 包装紙に直接男子の苗字が書かれている。これが女子一同からの義理チョコなんだろう。 男子はみんな嬉しそうだけど、メッセージカードに書かれた「3倍返し」という文字は見えているんだろうか。 ホワイトデーには財布が寂しくなりそうだ。 「……これが霧切さんからのだったらなぁ……」 微妙に失礼なことを呟きつつ、溜息を零す。 霧切さんへのお返しなら、3倍どころか10倍でもいいんだけど。 まあ、女子「一同」からだし、1/8くらいは霧切さんの分も入ってるだろう。 そう自分を慰める。 かなり虚しいけど。 霧切さんは朝、女子同士で友チョコを交換していたくらいで、あとは特に誰にも渡した様子はない。 男子とはほとんど喋ってないし、他の学年の教室まで行ったりもしていない。 特に緊張している様子もなく、いつも通りに淡々と授業を受けている。 その姿をぼんやり眺めながら、昨夜のチョコの行方に思いを馳せる。 教室に来る前に既に渡したのか、それとも机や下駄箱に入れたのか。 しかし霧切さんに「特別」って言われるくらい仲のいい男子なんて、一体誰なんだ。 相手がわかったら嫌がらせの一つでも―― 「苗木君?聞こえてます?苗木くーん?」 「……へ?」 色々と物思いに耽っていたら、いつの間にか昼休みになっていた。 授業の内容は全く覚えていない。……後で誰かにノート見せて貰わないとな……。 「ご、ごめん舞園さん。ちょっと考え事しててさ。何か用事だった?」 「ふふっ、いいですよ別に。ところでこの日に女子から男子に用事があるといったら、エスパーじゃなくてもわかりますよね?」 「え?それって……」 「はい!どうぞ、チョコレートです!」 そう言って後ろ手に持っていた可愛らしい包みを手渡してくれた。 ……正直、全く予想していなかっただけに、鳩が豆鉄砲食らったような顔をしていただろう。 「え……これ、僕に?え、ホントにいいの?」 「はい、もちろんです!まあ、友チョコなんですけどね。ちゃんと手作りですから」 そりゃあもちろん、本命だとは少しも思ってないけど。 でもわざわざ手作りのものを、僕なんかが貰っていいのかな……。 「あ、ありがとう、舞園さん。嬉しいよ」 「結構いい出来だと思いますよ、自信ありますから!」 「そういえば、料理が得意だって言ってたね?」 「はい。今回の隠し味はラー油です」 「えええええ!?」 「あはは、もちろん冗談ですってば!」 一緒になって笑っていると、なんだか教室内のどこかから舌打ちが聞こえた気がした。 ……やっぱり超高校級のアイドルからのチョコなんて、いくら義理とはいえ妬まれるんだろうなぁ。怖い怖い。 そんなことを考えながらそろそろ食堂に行こうかと思っていると、今度はセレスさんがやってきた。 そして自分の下僕たちへの労いだと言ってチョコレートを置いていった。……いつ僕が下僕になったのかな。 さらにその後江ノ島さんに、「残念な人からの預かり物」だとか訳のわからないことを言われてやはりチョコを貰った。残念って何だ。 え、何だこの怒涛のチョコラッシュ。こんなところで「幸運」の才能が芽吹いたのか? 刺すような視線が痛いんだけど。多分男子達だろう。 意中の人に貰えなくて沈んでいたけど、やはりというか何と言うか、男としてはチョコを貰えるのは嬉しくない訳がない。 嬉しさと驚きが混在して、この調子で霧切さんからも貰えたらいいのに――なんて調子に乗って彼女の方を見ると、 「……!」 ぞくりとした。 すぐに目を逸らしてしまったけど、恐ろしく冷やかな目でこっちを見ていた気がする。 何だろう、何か機嫌が悪いのかな。 そうして何だか居た堪れなくなったので、さっさと食堂に移動した。 そして放課後。 人のいなくなった教室で、夕日が差し込む中、僕は一人机に座ったままボーっとしていた。 結局霧切さんが誰にあげたのかはわからないままだ。 そもそも本当にあげたのかすら判断がつかない。 「……はあ」 机の上には今日貰ったチョコレート。 舞園さん達には悪いけど、それらを眺めても、相変わらず虚しさが脳内で渦巻いている。 嬉しいけど。嬉しいんだけど。 好きな人に、霧切さんに、貰いたかったなぁ……。 未練がましく思いながら、とりあえず小腹が空いたので早速チョコを食べてみようと、適当に江ノ島さんに貰った箱を取る。 ラッピングの様子からして、市販品ではなさそうだ。これも手作りなんだろうか。 随分気合いの入った綺麗なラッピングなので、なんだか開封するのがちょっと勿体ない気もする。 気持ち丁寧に包装紙を剥がして、蓋を開けると―― 「……あれ?」 間抜けな声を上げる。 中に入っていたのは2cmほどの球体のチョコレートが数個。 ココアパウダーが塗してあって、食べてみると、固まったチョコレートでコーティングされた中には柔らかい生チョコが入っている。 それはどう考えても、 「僕が作ったトリュフ……だよなぁ」 つい昨夜のことだし、苦労して作ったからよく覚えている。 完全な丸い形ではなくて少々歪んでいるのも、料理経験のない僕が作ったからだ。 まあ味は美味しいんだけど。 問題は、何でコレが――? 「自分で作ったチョコの味はどうかしら?」 「うわああっ!?」 またもや仰天。 椅子から落ちそうになった。 「き、霧切さんっ……!?」 「何かしら」 「何かしらじゃなくて!」 何でいつも心臓に悪い現れ方をするんだと、それも突っ込みたいんだけど。 「こ、これっ!これって昨日のやつだよね?なんで江ノ島さんがくれたのさ?どういうこと?」 「ちゃんと自分が作った物だって気付いたのね。記憶力のテストは合格よ」 「そりゃさすがに気付くよ…ていうかテストって何!?」 「でも観察眼はまるで駄目ね。江ノ島さんが休み時間にラッピングしていたのを見ていれば、少しは疑問に思ったでしょうに」 「だから何の話なのさ!」 訳がわからない。 僕は昨夜、霧切さんに頼まれて江ノ島さんのチョコを作っていたのか? そして何故それを僕が受け取って、自分で食べているのか―― 「何の話って、だから私がチョコを贈りたかった相手があなただという話だけれど」 「……へっ?」 思わず動きが止まる。 今、霧切さんは何て言った? 「江ノ島さんに渡したのは、ラッピングをお願いしてたからよ。彼女は華やかに飾り付けるのが得意だから」 「い……いやいや、ちょっと待って」 「ついでにそのまま渡してくれるよう頼んでいただけ。……まあ、何を勘違いしたのか『自分で渡す勇気のない残念な人』とか言われたけれど。これで理解したかしら?」 ……ええと、要するに。 霧切さんの言ってた「チョコをあげたい人」っていうのが僕で、単に江ノ島さん経由で貰っただけ、ってこと? でもそれなら、昨日の会話は何だったんだ。 「いや、霧切さんが言ってたんじゃないか!相手は僕じゃないって!」 そのせいで激しく落ち込んでいたというのに。 「あら、私は『私が渡す相手は苗木君じゃない』って言っただけよ。実際、江ノ島さんに渡したでしょう?それに『贈りたい人』が苗木君じゃないとは一言も言ってないわ」 「なっ……!?」 「言葉に気を付けて話していたのよ。でも全然気づかなかったわね。洞察力も不合格」 そういえばそうだった気もする。 でもこれはさすがに……。 「それは……ずるいよ……」 「嘘は言ってないもの、ずるくはないわよ」 「いや、だってさあ……こんな……あー……」 何とも言えずに脱力する。 散々思い悩んだのに、面白がられていただけだったらしい。 ……あれ、でも待てよ。 「ねえ、霧切さん。嘘を言ってないってことは、その……『特別な人にあげたい』って言ってたのも、本当なの?」 「もちろん、本当よ」 「……!」 一気に心臓が跳ねる。 特別な人というのが自分だった。それだけで顔が赤くなる。 思わずゴクリと唾を飲み込んだ。 「と、特別って……どういう意味の『特別』か、聞いてもいい……かな」 バレンタインデーに、特別な異性に、チョコを贈る。 否が応にも期待してしまう。 心臓がうるさいくらいに高鳴って、じわりと汗を浮かべつつ、霧切さんの唇が開くのを待つ。 しかし。 「教えないわ」 「ええええ!?」 ……今日はよく叫ぶなぁ。 じゃなくて。 「なんで!」 「もう忘れたの?相手が誰だか当てられたら教える、って言ったじゃない。結局当てられなかったのだから教えないわよ」 「そんな……僕宛てだったんだから教えてよ!」 「嫌よ。自分が言ったことは守る主義なの」 まさかのお預けだった。 何で生殺し状態にされなきゃいけないんだ。 「そんなことより、お返しは当然3倍よ。わかってるわね?」 「ええ……だってこれ、作ったのほとんど僕なのに」 「文句があるなら返してちょうだい」 「いやごめんなさいちゃんと3倍で返すから!」 来月は生活費をいつもより多めに振り込んでくれるよう、家族に頼んでおこう……。 「何だか不満そうね。私から貰っても嬉しくなかった?」 「いやいやまさか!すっごく嬉しいよ、僕は霧切さんに貰いたかったから」 「あら、それは愛の告白と受け取っていいのかしら?」 「ぅええっ!?なっ、ちち違うよそういうんじゃなくて」 「そんな……私をからかったのね。ひどい人」 「からかってるのは霧切さんでしょ!」 まあ、なんだかんだ言いつつも。 霧切さんにチョコを貰えただけで、びっくりするくらい幸せな気持ちにはなってるんだけど。 ここら辺が単純だと言われる所以なのかな。 「……あ、まだ言ってなかったね」 「?」 「チョコレート、ありがとう。霧切さん」 「……ええ、どういたしまして」 結局生殺しだったけど、所謂リア充?になれた今年のバレンタイン。 厳禁だけど、いいイベントだよななんて思ったり。 お返し、頑張らないとな。 「そういえばさ、舞園さん達にチョコもらったとき、霧切さん凄い冷たい目で睨んでなかった?あれって何で?」 「……っ、……気のせいよ」