約 439,966 件
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1581.html
ごうごうと音を立てて風が吹き付ける見張り塔で、ギアッチョとワルドは まるで決闘のように対峙していた。傲然たる態度で己を眺めるギアッチョを 見返して、ワルドは今まで見せたことのない猛禽のような眼つきで笑う。 「それで?僕に話があるんだろう 王宮の話でも聞きたいのかな? グリフォン隊の武勇をご所望かい?それとも――」 杖をヒュンヒュンと回して、カツンと地面を叩く。 「ルイズの話、かな」 退屈そうにワルドを睨んで、ギアッチョは口を開いた。 「人間にはよォォ~~~、目的ってもんがあるよなァァ 目先の話じゃあ ねー、いつか辿り着くべき『場所』の話だ」 「・・・・・・?」 もはや擦り切れて思い出せないが、自分にも恐らくそれはあったのだろう。 遥か過去を思い出しかけた自分をナンセンスだと切り捨てる。真っ向から ワルドの眼を覗き込んで、ギアッチョは言葉を繋いだ。 「或いはこんな話もよくあることだ それで物事の全体だと思ってたもんが、 目線を引いてみるともっと大きな事象の一部だった・・・ってな」 更に鳥瞰すれば、全ての事象は是人生の一部に過ぎないと言えるだろう が――敢えてギアッチョはそこで言葉を切った。 「・・・すまないが、話が抽象的過ぎて言わんとしているところが掴めないな 君らしくもなく迂遠じゃあないか?ギアッチョ君」 大げさに肩をすくめてみせるワルドから、ギアッチョは眼を離さない。 「はっきり言って欲しいってわけか?」 「・・・・・・」 スッと帽子を取り去ると、ワルドは髪をかきあげて改めてギアッチョを見る。 その眼も口元も、もはや笑いを続けることをやめていた。 「結婚をすることで――僕がルイズを何かに利用しようとしていると 言いたいのか?」 二人は先ほどまでと変わらず悠然と対峙している。しかしもし殺気という ものが視える人間がいたならば、彼には二人の間に暴力的なまでの それが吹き荒れていることが解っただろう。 「そう聞こえたか?」 焦ったようでも怒ったようでもない、さりとて人を小馬鹿にするような 顔でもない、有体に言えば無表情な顔のまま、ギアッチョはしれっと 言ってのける。 「ま、言われてみれば確かにそうだよなァァ 聞けばてめー、今まで 何年も会ってない上に手紙の一つも送らなかったそうじゃあねーか てめーとルイズは『偶々偶然』同じ任務に居合わせただけってわけだ」 「・・・・・・」 「今思えばよォォ~~ ラ・ロシェールに着いた翌日からルイズの様子が 妙だったが・・・てめー、あの時既にプロポーズしてたな ええ?オイ どうにもおかしな話じゃあねーか」 そこでギアッチョは一度言葉を止める。と同時に、ギアッチョから今までと 別種の殺気が噴き出し始めた。 「『ウェールズは明日死ぬ、だからその前に式の媒酌をして欲しい』・・・ これは分かる スゲーよく分かる・・・死んじまっちゃあ式は挙げれん からな・・・・・」 「ダ、ダンナ・・・!」 思わずデルフリンガーが叫びを上げるが、もう遅い。 「だが数年ぶりに偶然会ったその日のうちにプロポーズってのはどういう ことだあああ~~~~~ッ!!?ええッ!?オイッ!!誰がどう見ても 不自然だっつーのよーーーーーッ!!ナメやがってこの野郎ォ 超イラつくぜぇ~~~~ッ!!スピード結婚もビックリじゃあねーか! 馬鹿にしてんのかこのオレをッ!!クソッ!クソッ!!」 時と場所と場合の全てを省みずブチ切れたギアッチョには、流石の ワルドも唖然とした顔を隠せなかった。 手近の柱を狂ったように蹴りまくるギアッチョに、デルフリンガーが 声を張り上げる。 「ダンナーッ!ストップストップ!落ち着こうマジで!!クールダウン クールダウン!KOOLに・・・いやさCOOLに!COOLになれ!」 デルフの悲痛な叫びが届いたのかどうなのか、ギアッチョはピタリと 足を止めるとワルドにあっさり向き直った。 「でだ」 実に切り替えの早い男である。おでれーたってレベルじゃねーぞと 呟くデルフを無視して、ギアッチョは何事もなかったかのように 話を再開する。 「貴族派の連中に襲われる危険を冒してまでよォォ~~、明日 無理に式を挙げる理由があるってぇわけか?それなら是非教えて 欲しいもんだな・・・てめーの行動はオレにゃあまるでこの旅が 最後のチャンスだと語ってるようにしか見えねーぜ」 言い終えて、ギアッチョはどんな隙も逃がさんばかりの視線で ワルドを刺す。 「・・・一つ、言っておくが」 既に平静を取り戻していたワルドは、ギアッチョの視線をものとも せずに彼を睨み返した。 「現実は物語とは違う 何もかもが論理的に進むことなどありはしない 何故なら人間は、理のみによって動くものではないからだ」 「・・・・・・」 今度はギアッチョが沈黙する番だった。一瞬たりとも彼からその 鋭い双眸を逸らさずに、ワルドは淀みなく言葉を続ける。 「聡明な君ならば理解してくれるだろうが、人の行動を理詰めで 推し量ろうとしても、必ずどこかで綻びが出る 何故か?答えは 簡単だ 論理的思考というものは――偶然を容認しないからだ」 「偶然を除去し、蓋然を必然に摩り替える それは真実を糊塗する 欺瞞に他ならない なんとなれば、人の行為とは全て偶然の集積に よって決定されるものであるからだ」 風は吹き止まない。月に反射して美しくなびくワルドの銀糸を、 ギアッチョは鼻白んだように眺めた。 「一見不自然に見えることも全て偶然だと、そう言いたいってわけか?」 「理解が早くて助かるね 一々説明する気はないが、彼女に手紙を 出せなかったことも会いに行けなかったことも、つまりはそういうことだ」 ゆっくりと、ワルドは楼上を歩く。ギアッチョを通り過ぎ、そのまま端まで 歩を進める。先ほどまでギアッチョが眺めていた雲海を見下ろして、 ワルドは再び口を開いた。 「僕はルイズを愛している 僕には彼女が必要なんだ 嘘じゃない これは紛れもない、僕の本心だ」 ばさりとマントを翻して、こちらを睨むギアッチョに向き直る。そうして、 ワルドはこの上なく真剣な眼で彼を見据えた。 「君は僕がルイズの権力や財力を狙っているのかと疑っているんだろうが …それは断じて違う 始祖ブリミルの名にかけて、天地神明天神地祇、 万物万象にかけて言おう 僕が欲しいのは、ただルイズだけだ 彼女に 付随する如何な力も要らない たとえ彼女が今、全ての富と権力を―― ヴァリエールの名を失ったとしてもかまわない 僕はルイズという人間が 欲しいんだ」 朗々と言い放たれたワルドの言葉に、ギアッチョは僅かに眉根を寄せる。 今の発言に嘘が含まれているようには思えなかったのだ。 押し黙って動かないギアッチョに、ワルドはフッと笑いを戻す。 「理解してもらえたようだね 話はそれだけかな?」 「・・・ああ」 ギアッチョの返答に満足げな顔をすると、ワルドは帽子を深く被り直す。 彼の横を通って扉の奥へ消えるまで、ワルドはギアッチョを一顧だに しなかった。 ワルドがいなくなったことを確認して、ギアッチョは不機嫌そうに首の 骨を鳴らした。 「大した詭弁だな・・・ヒゲ野郎」 メイジよりもソフィストのほうが向いてるぜと毒づくギアッチョに、 デルフリンガーが恐る恐る声を掛ける。 「・・・ダンナ やっぱりあいつは黒なのかねぇ」 「分からん」 「え?」 「こいつは感覚だがよォォ~~~ 野郎の最後の言葉・・・あれだけは どうにも取り繕ってるような感じがしねー」 「するってーと・・・?」 「ただの感覚だ、アテにゃあならねーよ 第一、そうだとしても依然 奴には不自然な部分が多すぎる」 「ま・・・そりゃそうか そんじゃ今すぐにでも部屋に戻ってルイズの 嬢ちゃんにこのことを――」 「いいや あいつには黙っとけ」 ギアッチョの言葉に、デルフは「へ?」と間抜けな声を上げた。 「え、いや、だってダンナ、このまま結婚しちまったら・・・」 「ワルドが白の可能性もある もしも真実奴が黒なら、必ず明日 行動を起こすだろうからな・・・そこで殺しゃあいい だが野郎が 白だったなら――ルイズの決断に水をさすことになる」 言い終えると、ギアッチョはデルフが何か口にする前に彼を 無理やり鞘に戻した。その格好のまま、ギアッチョは星辰煌めく 天空を振り仰ぎ。そこから何一つ言葉を発することなく、彼は ゆっくりと扉の奥へ歩き去った。 こうして騒がしい一日は終わりを告げ――そして、幾人もの運命を 別つ朝が来る。 「では、式を始める」 静謐に満ちた堂内に、ウェールズの声が凛と響く。ニューカッスル城の 片隅に設えられた小さな礼拝堂、そこがルイズとワルド、二人の婚礼の 舞台であった。非戦闘員は既に港に向かい、兵士達は最後の戦いの 準備を始めている。式を見守っている人間は、ギアッチョとギーシュ、 それにキュルケの三人だけだった。 「・・・ねえ どうしてタバサがいないんだい?」 ギーシュがこっそりとキュルケに尋ねるが、 「私も知らないのよ 起きたら部屋にいないんだもの・・・」 帰ってきた答えはこれであった。心配そうな顔をする二人を横目で 見て、ギアッチョは眼鏡を押し上げる。 「タバサのことは心配しなくていい ちょっとした野暮用だ」 「え・・・ちょ、ちょっと!どうして止めないのよこんな時に!」 「オレが頼んだことだ 文句は後で聞くぜ」 顔を寄せ合ってぼそぼそと続けられる彼らの会話は、ウェールズの 声によって中断された。 「新郎、子爵ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド!」 ウェールズの朗とした声が、ワルドに投げかけられる。 「汝は始祖ブリミルの名において、この者を敬い、愛し、そして妻と することを誓いますか」 重々しく頷いて、ワルドは杖を握った左上を胸の前に置いた。 「誓います」 ウェールズはにこりと笑って頷くと、今度はルイズへと視線を移す。 恥ずかしいのか俯いているルイズに微笑んで、ウェールズは彼女に 儀礼の言葉をかけた。 「新婦、ラ・ヴァリエール公爵三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ ド・ラ・ヴァリエール 汝は始祖ブリミルの名において――・・・」 顔を俯けたまま、ウェールズの声が響く中ルイズは必死に自分の心と 戦っていた。一晩経って今日、彼女の葛藤は消え去るどころか更なる 重みを持ってルイズを苛んでいた。ワルドと結婚するのだと、彼を 愛しているのだと思おうとすればするほど、ギアッチョのことが頭から 離れなくなる。それはまるで、自分の中のもう一人の自分が「それで いいのか」と問い掛けているようで、ルイズの胸は訳も分からず 痛んだ。それでいいに決まってるわ、と彼女は言い聞かせるように 自答するが、それは自分でも驚く程に弱弱しいものだった。どうして こんなに胸が苦しいのだろう。どうしてギアッチョの顔を直視出来ないの だろう。ギシギシと痛む己の心に自問を続けながらも、ルイズは 答えを知ってしまうことが何故だかたまらなく恐かった。 「新婦?」 心配の色を含んだウェールズの問いかけで、ルイズはハッと 顔を上げた。ウェールズとワルドが、それぞれ異なる色の瞳を ルイズに向けている。 「えっ・・・あ・・・」 思わず言葉にならない声を上げるルイズに、ウェールズは 優しく微笑みかけた。 「緊張しているのかい?硬くなるのは仕方がないさ 何であれ、 初めてのことは緊張するものだからね これは儀礼に過ぎないが、 しかし儀礼にはそれをするだけの意味がある」 「では続けよう」というウェールズの言葉に、ルイズの心臓は ドキンと跳ね上がった。 「汝は始祖ブリミルの名において、この者を敬い、愛し・・・」 ウェールズの口から滔々と紡がれる言葉に同調して、ルイズの 心臓はどんどん鼓動を早めていく。それを止める者などいる はずもなく――ウェールズはついに、再び文句を唱え終わる。 「・・・夫とすることを、誓いますか」 「・・・・・・ち・・・誓い・・・」 言葉が、出ない。まるで喉の水分が全て奪われてしまったかの ように、ルイズの口はそれ以上何も言えなくなってしまった。 ――何をやってるのよ・・・!誓います、でしょう・・・ルイズ! 己の心に叱咤するが、しかし意志に反して、ルイズの喉は ただかすれた息を繰り返す。 ――どうして・・・?どうして言葉が出ないのよ・・・! ルイズは己の心を怒鳴りつけるように独白するが、その言葉すら 大音量で鳴り渡る自身の心音に掻き消されてしまいそうだった。 ウェールズが、ワルドが不安げな顔で自分を見つめている。 もういっそ、彼女は消えてなくなってしまいたかった。自分の心など 誰も分からない。誰も助けてはくれないのだから―― 「ルイズッ!!」 突然の怒鳴り声に、ルイズはびくりと肩を揺らす。彼女が誰よりも よく知るその声の主は、辺りを憚ることなく長椅子に片足を乗せて 立ち上がった。 「うじうじやってんじゃあねーぞクソガキが!何を悩んでるんだか 知らねーが、答えが出ねーなら考えることなんざ止めちまえ! てめーのしたいようにやれ!そいつが間違ってたってんなら、 このオレが直々にブン殴ってやるからよォォ~~!!」 あまりにも傲岸不遜なギアッチョの言葉に、ルイズは何故か 安心する自分を感じていた。そしてそのまま、彼女は吸い寄せ られるかのようにギアッチョに顔を向け―― 「~~~~~~っ!?」 頑なに顔を見ることを拒否していたギアッチョと眼が合った瞬間、 ルイズは今の今まで気付かなかった・・・いや、気付かない振りを していたことを、稲妻に打たれたように理解してしまった。 一日。たった一日見なかっただけのギアッチョの姿を、ルイズは まるで百年も待ち焦がれていたように感じて――そして今度こそ、 彼女は誤魔化す余地もなく理解した。どうしてギアッチョのことが 頭から離れないのかを。どうしてギアッチョを直視出来なかった のかを。・・・どうしようもない程に、自分がギアッチョに惹かれて いることを。 「・・・・・・あ・・・・・・あう・・・」 己の心を理解した瞬間、ルイズの顔はぼふんと湯気を立てて 茹で上がった。ギアッチョを召喚してからというもの、自分はこんな ことばかりだとどこかぼんやりとルイズは考えたが、当の使い魔が 怪訝な顔で自分を見ていることに気が付いて、彼女は慌ててその 綺麗な顔を背けた。しかし背けた先で、ウェールズもワルドも、 ギーシュにキュルケまで、その場の全てが自分に目線を集中させて いることに漸く気が付いて――ルイズの顔は、ますます真っ赤に 染まってしまった。 「あ、あああああのっ!わわ、わたし・・・!」 どうにかしてこの場を誤魔化そうと、実際どう考えても無駄なのだが とにかくルイズは出来る限りの大声でそう言って、ギクシャクとした 動きでワルドに向き直った。 「・・・・・・ルイズ」 「・・・ワルド・・・わ、わたし・・・・・・」 ルイズはそこで少し言いよどんだが、すぐにキッと顔を上げて、 はっきりとワルドに告げた。 「・・・ごめんなさい わたし、あなたとは結婚出来ない」 「・・・本気なのかい ルイズ」 極めて穏やかに、ワルドは問うた。しかしその拳がわなわなと 震えていることに気付いて、ウェールズはワルドの顔に眼を 遣る。彼の顔に隠し切れずに浮かんでいる表情は、どこか 屈辱や無念とは違っている気がした。 「世界だ!!」 マントを跳ね上げて、ワルドは両手を拡げる。 「僕は世界を手に入れる・・・!その為には君が必要なんだ! 君の力が!君の魔法がッ!!」 「ワルド・・・?冗談はやめて 私が魔法を使えないこと、知ってる じゃない」 「言っただろう、君は強大なメイジになる・・・今はそれに気付いて いないだけだ!僕と来い!来るんだ!ルイズッ!!」 尋常ならざるワルドの剣幕に、ルイズは思わず後ずさった。 流石に不味いと思ったのか、ウェールズが二人の間に割って入る。 「やめたまえ子爵!婚約とは二人の意志があって初めて為される ものだ!潔く身を――」 「貴様は黙っていろッ!!」 「なッ――!?」 あまりに礼を失する物言いにウェールズの顔色が変わるが、 ワルドはそんなウェールズに眼もくれずルイズの手首を掴む。 「痛ッ・・・!やめてワルド!どうしたっていうの!?」 「君はいつか才能に目覚める!目覚めなくてはならない!! 魔法が使いたいのだろうルイズ!僕と来い、僕が君の力を 目覚めさせてやるッ!!」 ギリギリと締め付けられる手首に顔を歪めながらも、ルイズは 臆さず言い放つ。 「ふざけないで・・・!私の魔法?私の才能?何なのよそれは! わたしはあなたの道具なんかじゃないわ!」 自分を拒み続けるルイズに、ワルドは顔を苛立ちに歪める。 言葉による説得を諦め、自分の方へ彼女を引っ張ろうとした その時、 「我が友人に対するそれ以上の侮辱、断じて許さぬ! ワルド子爵、今すぐその手を離せッ!さもなくば我が刃が 貴様を容赦なく切り裂くぞ!!」 ウェールズの声が堂内に響き渡った。猛禽を思わせる双眸で ウェールズを睨んで、ワルドは漸くルイズから手を離す。 「この僕がここまで言ってもダメなのかい?ルイズ」 「いい加減にして!!どこまで・・・どこまで人の心を裏切れば 気が済むの!?」 叫ぶルイズに仮面のような笑みを浮かべて、ワルドは肩を すくめて見せた。そうしておいて、彼は油断なく周囲に眼を 走らせる。すぐ手前にいるウェールズは、自分に杖の先を 向けている。状況についていけず眼を白黒させている ギーシュを、同じく驚きつつもキュルケが叱咤している。 そしてあの「ガンダールヴ」は――既に剣を抜いて、狩人の ような眼でこちらを睨んでいる。何か動きを起こせば、すぐに 飛び掛ってくるだろう。だが―― 「遠い、な」 誰にも聞こえないように、ワルドは低く呟いた。次いで、 今度は本来のよく通る声で語り始める。 「やれやれ・・・こうなっては仕方がない 君の気持ちを掴む 為に、それなりに努力をしたんだがね 目的の一つは諦めると しよう」 「目・・・的・・・?」 ルイズはギアッチョの方へと後ずさる。それを止めもせずに、 ワルドは凶悪な笑みを浮かべた。 「君を手に入れるという目的――これはどうやら、上手く いかなかったらしい」 敵意と悲しみの入り混じったルイズの視線を平然と受け流して、 ワルドは話を続ける。 「二つ目の目的は、君のポケットに入っているアンリエッタの手紙だ」 「――ッ!」 ワルドの言葉で、礼拝堂は一転して刺すような緊張に包まれた。 「そして三つ目だが」 つば広の羽根帽子を目深に被りなおすワルドに、全てを察した ウェールズが迅速に呪文を唱え始め―― ドズッ!! 心臓の辺りに風穴が空いたのは、ワルドではなくウェールズだった。 「・・・『レコン・キスタ』・・・だと・・・」 ごほッと、ウェールズの口から空気が溢れる。「閃光」の二つ名 さながらに一瞬で「エア・ニードル」を完成させたワルドは、ぶしゅりと 音を立ててウェールズから杖を引き抜いた。 「ウェールズ・テューダー 貴様の命というわけだ」 「ウェールズ様ぁぁぁ!!」 凍った場に響いたルイズの悲痛な叫びは、果たして彼の耳に届いて いるのだろうか。ウェールズはよろよろと二・三歩後退して、ガランと 杖を取り落とした。 「・・・ハ・・・ハハハ・・・ 悔しいな・・・・・・」 彼の顔は、痛みではなく無念によって歪んでいた。 「こんな・・・ガハッ・・・ ところ・・・で・・・ 戦うことすら・・・出来ずに・・・」 ウェールズは息も絶え絶えに言葉を吐く。命がぼろぼろと崩れつつある その体が、ぐらりと後ろへ仰け反った。 「いーや おめーはよく戦ったぜ」 がっしりと、死に行く彼の身体を受け止めた者がいた。 「堂々とよォォー・・・先陣を切って、三百人の誰よりもおめーは 勇ましく戦った そうだろ?ウェールズ・テューダー」 「・・・き・・・みは ギアッ・・・チョ・・・か・・・」 もはや眼が霞んで、ウェールズには何も見えはしなかった。だが、 『理解る』。友の腕が支えてくれていることに。友が自分を認めてくれて いることに。 「泣き言はいらねぇ・・・ただ誇ればいい おめーにはその資格がある」 後の始末はオレがつけてやると。ギアッチョははっきり、そう言った。 ウェールズはその言葉に満足げに微笑んで――ゆっくりと眼を閉じる。 「ふふ・・・・・・ありが・・・とう・・・ギアッチョ・・・・・・ 頼・・・んだ・・・」 胸の上に置かれた手が、だらりと下がった。 「・・・・・・アン・・・リ・・・・・・タ・・・ ・・・・・・しあ・・・・・・せ・・・に・・・」 最期の最期に、うわ言のように呟いて、ウェールズはその人生を閉じた。 そっとウェールズの遺体を横たえて、ギアッチョは幽鬼の如き胡乱な 双眸をワルドに向ける。その凍った瞳に、ボッと炎のような殺意が 灯った。 「どけ、ただの『ガンダールヴ』 死にたくなければ身の程をわきまえろ」 杖をギアッチョの胸に向けて、ワルドは嘲笑う。 「久しぶりだぜ・・・こんな気分になったのはな・・・ てめーは ルイズの心を裏切り、こいつの『覚悟』を踏みにじった・・・ええ?オイ 出来てんだろーなァァァ・・・償いをする『覚悟』はよォオォォーーー!!」 「我が暦程に転がるものは、皆等しくただの小石だ 小石に情けを かける者がどこにいる?」 愉快そうに言うワルドに、ギアッチョはもはや何も言わず剣を掲げた。 ギアッチョの代わりに、デルフリンガーが叫ぶ。 「俺もムカついてたところだぜ!ダンナ!存分に俺の魔法吸収を――」 ドンッ!! 「え?」 デルフは何が起こったものか分からずに、間の抜けた声を上げる。 それはそうだ、ワルドに向かって振るわれるはずの己が、床に突き立て られているのだから。 「ダ、ダンナ・・・?」 「こいつはオレが殺す・・・てめーらは手を出すんじゃあねー」 その言葉に、場の人間全てが驚愕の表情を見せる。 「え、ちょ、おいおいダンナ!この野郎はトリステインでも有数の実力を 持つメイジでだな・・・」 「その通りだ 貴様如きに敵う道理はない 尻尾を巻いて逃げ出すが 賢明・・・ッ!?」 言葉の途中で、ワルドは異変に気付く。妙な寒気が、ギアッチョの周囲に 集っているのだ。それは徐々に彼の全身を包んで行き、そして包んだ そばから固体となり始める。 「光栄に思えよ・・・てめー如きに見せるのは勿体ねー力だ」 ギアッチョの足を包んだ氷は、信じられないスピードで膝を、腰を、 肩を覆い。白い魔人が、その正体を現した。 キュルケが、ギーシュが、デルフが・・・そしてワルドまでもが絶句する 中、ギアッチョはワルドを死神のような双眸で貫いて、たった一言を 吐き出した。 「惨めに死ね」 前へ 戻る 次へ
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/648.html
馬に乗ること3時間、ルイズとギアッチョはトリステインの城下町に到着した。ここ ハルケギニアに召喚されてから初めて見る学院外の景色だったが、ギアッチョは 今それどころではなかった。生まれて初めて乗馬を経験した彼は腰が痛くて仕方が なかったのだ。 「そっちの世界に馬はいないの?」 ルイズが不思議そうに尋ねる。 「いねーこたねーが・・・都市部で馬を乗り物にしてたのは遥か昔の話だ」 ギアッチョが腰を揉みほぐしながら答えるが、ルイズはますます不思議な顔を するだけだった。 「まぁ覚えてりゃあそのうち話してやる それよりよォォ~~ 剣ってなどこに 売ってんだ?」 「ちょっと待って・・・ええと こっちだわ」 ルイズが地図を片手に先導し、ようやく周囲に眼を向ける余裕が出てきたギアッチョは その後ろを観光気分でついて行く。何しろ見れば見るほどメルヘンやファンタジー以外の 何物でもない世界である。幅の狭い石敷きの道や路傍で物を声を張り上げて売る商人達、そして彼らの服装などはまるで中世にワープしたかのようだ。しかし中世欧州と似て 非なるその建築様式が、ここがヨーロッパではないことを物語っていた。 「魔法といい使い魔といい、メローネあたりは大喜びしそうだな」などと考えたところで、 ギアッチョは自分が既にこの世界に馴染んでしまっていることに気付いた。 リゾットはどうしているのだろう。見事ボスを倒し、自分達の仇を取ってくれたのだろうか。 それとも――考えたくないことだが、先に散った仲間達の元へ行ってしまったのだろうか。 このハルケギニアと同じように時間が流れているのならば、きっともうどちらかの結果が 出ているだろう。 ホルマジオからギアッチョに至る犠牲で、彼らが得る事の出来たボスの情報はほぼ 皆無だった。いくらリゾットでも、そんな状態でボスを見つけ出して殺せるものだろうか。 相当分の悪い賭けであることを、ギアッチョは認めざるを得なかった。 ――どの道・・・ ギアッチョは考える。どの道、もう結果は出ているのだ。自分はそれを知らされていない だけ・・・。 「クソッ!!」 眼に映るものを手当たり次第ブチ壊してやりたい気分だった。当面はイタリアに戻る 方法が見つからない以上、こんなことは考えるべきではなかったのだろう。だがもう遅い。 一度考えてしまえば、その思考を抹消することなどなかなか出来はしない。特に―― 激情に火が点いてしまった場合は。 ――結末も知らされないままによォォーーー・・・ どうしてオレだけがこんな異世界で のうのうと生き長らえているってんだッ!ああ!?どうしてだ!!どうしてオレは生きて いる!?手を伸ばすことも叶わねぇ、行く末を見届けることすら出来やしねえッ!! 何故オレがッ!!ええッ!?どうしてオレだけがッ!!何の為に!!何の意味が あってオレは惨めに生きている!?誰か答えろよッ!!ええオイッ!! 一体何に怒りをぶつければいいのか、それすらも解らないまま――、ギアッチョは 溢れ出しそうな怒りを必死に押しとどめていた。 「・・・ギアッチョ ・・・・・・どうしたの?」 その声にハッと我を取り戻したギアッチョが顔を上げると、ルイズが僅かな戸惑いをその 顔に浮かべて自分を見ていた。 「・・・・・・なんでもねぇ」 思わずルイズに当たりそうになったが、彼女とて意図して自分を呼び出したわけでは ない。数秒の沈黙の後――ギアッチョは何とかそれだけ言葉を絞り出した。 いつもと様子が違うギアッチョに、ルイズは当惑していた。ギアッチョを召喚してまだ 数日だが、この男がキレた所はもう嫌というほど眼にしていた。そしてその全く 嬉しくない経験から理解していたことだが、ギアッチョはブチキレる時にTPOを わきまえることはない。食堂だろうが教室だろうが、キレると思ったらその時スデに 行動は終わっているのがギアッチョなのである。シエスタから聞くところによると、 既に厨房でも一度爆発したらしい。傍若無人を地で行く男であった。 そのギアッチョが怒りをこらえている。ルイズでなくても戸惑いは当然だろう。 レンズの奥に隠れてギアッチョの表情は判らなかったが、ルイズには彼が無言の うちに発している悲壮な怒りが痛々しいほどに伝わってきた。 ――・・・ギアッチョ 私のただ一人の使い魔 ただ一人の味方・・・ ルイズはギアッチョの力になってやりたかった。圧勝とは言え体を張って自分を 助けてくれたギアッチョに、せめて心で報いたかった。しかしルイズの心の盾は 堅固不壊を極めている。自分の為に本気で怒ってくれたギアッチョに、ルイズは ただ一言の礼を言うことすら出来なかった。そして今もまた、ルイズの盾は 忠実に職務を果たしている。ギアッチョに報いたいというルイズの思いは、自らの 盾に阻まれて――彼女の心の内に、ただ虚しく跳ね返った。 こうして、怒りを内に溜め込んでいるギアッチョと自己嫌悪に陥っているルイズは 二人して陰鬱な空気を纏ったまま武器屋へと到着した。 貴族が入店したと見るやドスの効いた声で潔白の主張を始める店主に「客よ」と 告げて、ルイズは剣の物色を始める。 「・・・ギアッチョ、あんたはどれがいいの?」 使用者であるギアッチョの意向無しに話は進まないので、ルイズは意を決して 話しかけた。 「・・・剣なんぞに馴染みはねーんだ どれがいいかと聞かれてもよォォ」 同じ事を考えているであろうギアッチョは、そう答えて適当な剣を手に取る。 「――リゾットの野郎がいりゃあ・・・いいアドバイスをくれただろうな」 刀身に視線を落とすと彼はそう呟いた。 リゾット・・・何度かギアッチョが話した彼のリーダー。怒りや悲しみがないまぜに なった声でその名を呟くギアッチョに、ルイズは何かを言ってやりたくて・・・ だけど言葉すらも浮かんではこなかった。 「帰りな素人さんどもよ!」 ルイズの代わりに静寂を破ったのは、人ではなかった。二人が声の主を 探していると、再び聞えたその声はギアッチョの目の前から発されていた。 「剣なんぞに馴染みはねーだァ?そんな野郎が一人前に剣を担ごうなんざ 100年はえェ!とっとと帰って棒っ切れでも振ってな!」 「・・・何? どこにいるのよ」 ルイズがキョロキョロとあたりを見回していると、ギアッチョがグィッ!と一本の 剣を持ち上げた。 「・・・インテリジェンスソード?」 ルイズは珍しそうに持ち上げられた剣を眺めている。 「は、いかにもそいつは意思を持つ魔剣、インテリジェンスソードでさ こらデル公!お客様に失礼な口叩いてんじゃあねえ!」 店主の怒声をデル公と呼ばれた剣は軽く受け流す。 「おうおう兄ちゃんよ!トーシロが気安く俺に触ってんじゃあねーぜ!放しな!」 なおも続く魔剣の罵声もどこ吹く風で、ギアッチョは感情をなくした眼で「彼」を じっと見つめている。 「聞いてんのか兄ちゃん!放せっつってんだよ!ナマスにされてーかッ!」 なんという口の悪さだろう。ルイズは呆れて剣を見ている。そしてギアッチョも 感情の伺えない眼でデル公を見ている。 「・・・おい、てめー口が利けねーのかぁ!?黙ってねーで何とか言いな!!」 ギアッチョは見ている。死神のような眼で、喋る魔剣を。 「・・・・・・ちょ、ちょっと何で黙ってんだよ・・・喋ってくれよ頼むから ねぇ」 ギアッチョは不気味に見つめている。彼の寡黙さにビビりだした剣を。 「・・・あのー・・・ 丁度いいストレスの発散相手が出来たって眼に見えるんですが ・・・僕の気のせいでしょーかねぇ・・・アハハハハ・・・」 そして完全に萎縮してしまったインテリジェンスソードを見つめる男の唇が、 初めて動きを見せ―― トリステイン城下ブルドンネ街の裏路地に、デル公の悲鳴が響き渡った。
https://w.atwiki.jp/anews/pages/485.html
公式サイト→ゼロの使い魔F公式サイト 2012年1月 ゼロの使い魔F Vol.1 [Blu-ray] posted with amazlet at 12.01.09 メディアファクトリー (2012-02-22) 売り上げランキング 664 Amazon.co.jp で詳細を見る ブログ #blogsearch2
https://w.atwiki.jp/kaihennsyaityia/pages/29.html
その1 1巻 使い魔の癖にナマイキ! ←いまここ 2巻 待て、ソウマ!俺はお前と戦う気は無い! 3巻 そうよね、友達同士で戦うなんて、良くないわ 4巻 友達だったのは昔の話。今は敵同士だろ! 5巻 ねぇ、ソウマ、アンタ何かつまらない意地はってない? 6巻 ・・・別に。さぁ!キリヤ、お前の心剣を抜け! 7巻 仕方ない・・・! 8巻 友 × 恋 9巻 わかったら、こ、ここ、心の剣を解き放ちなさいよね! その2 「シエスタとやら、面白い事を言うじゃない」 「え?何て言ったの?」 「私からサイトを奪いたいんですって」 「無理無理、絶対無理でもないわね。」 「シエスタ、サイトを奪うということは私と全面戦争という事よ」 「それくらいわかってます・・・」 「やってみなさい、お前に出来るの?」 EPISODE 6 メイド × 貧乳 メイドの胸を解き放て・・・ その3 「かつてルイズという名前の少女がいた。 少女はUHF系アニメ「ゼロの使い魔」のヒロインとして シエスタと共に番組を最終回から救った・・・」 「くぎゅだな。で、今ソイツは何を飲んだんだ?」 「普通の、ワインだ」 「・・・って、本当か?」 「それは・・・」 EPISODE 9 惚れ薬 × ツンデレ 「行っちゃ、やだぁ!」を解き放て・・・ その4 「ひ、久しぶりね、才人・・・」 「ルイズ・・・!」 「こっちの世界に連れて来て、怒ってない?」 「怒ってねーよ、それよりお前に話しとかなきゃらない事がある」 「え?それってもしかして・・・」 「そうだ、2期の事だ。・・・実は」 EPISODE 10 ゼロの使い魔 ~双月の騎士~ × 2007年7月スタート 見ないと許さないんだから!(エコー)・・ これ以降第二期 その5 「早速ですがヴァリエール殿、それにサイト殿。どうか巨乳女王をお助けください」 「どうしたんですか?」 「隣国アルビオンがあろうことか邪悪な鮮魚と手を組んで戦争を仕掛けてきたんです」 「ゆ、許せねえ!ルイズ、俺たちで何とかしてやろう!」 「えぇ・・・で、でも・・・」 EPISODE 2 ツン × デレ もっと巨乳を解き放て・・・
https://w.atwiki.jp/shironoma/pages/164.html
ゼロの魔道書 冒険者のLV:112 冒険者の種類:魔術師♂、老魔術師♂、呪術師♂、召喚士♂、老師♂、魔術師♀、大魔道師♀、召喚士♀、花魔導士♀、ドールマスター♀ 名産品:虚無の杖 アドレス:DBZ-5318 出現する敵:スティグマ、ボススティグマ(HP14912) 入手可能アイテム(敵がランダムで落とすアイテム・捕獲した冒険者が持っている装備含む) ※マップ内に隠しアドレス有
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2831.html
「なーに?この使い魔。虫?」 ♪おしりかじり虫おしりかじり虫 ルイズのおしりをかじってナンボ かじってナンボの使い魔だ おしりかじり虫おしりかじり虫♪ 「きゃっ、かじらないでよ!いたいじゃない!」 ♪魔法使うにはかじられろ。でなけりゃ一生ゼロのまま♪ 「早くはなしなさいよ!ファイヤーボール!」ぼわっ 「やった、炎が出た。ついに魔法が・・・これでゼロじゃない!」 ♪おしりかじり虫おしりかじり虫。ちぢんだおしりをかじり虫 かじられちゃって形がよくなる。かじれば胸もでかくなる シエスタキュルケも目じゃないぞ♪ 「炎当ててもはなしてくれないの!?しぶといわね!・・・あれ、服が・・・きつい・・・胸とおしりの部分が・・・これって・・・スタイルかよくなったってこと!?魔法も使えるようになるし、最高の使い魔よ!」 ♪おしりかじり虫。おしりかじり虫 香水のおしりと微熱のおしりと 風上のおしりとゼロのおしり 巨大なおしりをかじり虫。メイジのおしりは苦かった♪「・・・他のみんなのおしりまでかじるの?キュルケは余計胸が大きくなるじゃない・・・私の使い魔なのに・・・」 ♪おしりかじったらおしりかじっても おしりかじり虫ゼロゼロ かじってる。おしりかじり虫 おしりかじるとき。おしりかじり虫 おしりかじりたい。おしりかじり虫 おしりかじり虫。ロマリアガリアトリステイン あしたも異世界にまだいるぞ。おしりかじり虫 ゼロのかじり虫…♪
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2782.html
バトルテック - メックウォーリアリプレイよりサモンジ中尉を召喚 ゼロの独立愚連隊-01 ゼロの独立愚連隊-02 ゼロの独立愚連隊-03 ゼロの独立愚連隊-04 a ゼロの独立愚連隊-04 b ゼロの独立愚連隊-05 ゼロの独立愚連隊-06 ゼロの独立愚連隊-07 ゼロの独立愚連隊-08 ゼロの独立愚連隊-09 ゼロの独立愚連隊-10 ゼロの独立愚連隊-11 ゼロの独立愚連隊-12 メックウォリーアリプレイ背景 地球を中心とした500以上の星系からなる「中心領域」領域まで人類の活動圏が拡大した世界。しかし、シュタイナー家、クリタ家、ダヴィオン家、マーリック家、リャオ家それぞれの継承国家間による第一~三次継承戦争と呼ばれる大規模戦争を始めとした大戦により文明が後退。恒星間移動や常温核融合技術などの高度技術を喪失し、 それらを利用することはできるが復元できないという状況に陥る。 争いは今も続いており、戦争の主役はメックと呼ばれる十数メートルの大きさに及ぶロボットである。メックを駆る人間はメック戦士とばれ、所属する国家から領地を与えられる特権階級である。ただし、メックを失うと一転して失機者とよばれ、領地は取り上げあれ、メック戦士に養われていた一族郎党は離散と一気に没落する。 ちなみに、メックの装甲は安いので壊しても大丈夫だが中枢部品は鬼のように高い。しかも、メック戦士が傭兵として結ぶ契約は修理費は自前というのが一般的となっている。そのため高価な部品を壊すと一発破産、失機者まっしぐらである。 ユージン・サモンジ エルミート旋風機士団独立中隊所属、後に小隊になり、同隊長。通称「独立愚連隊」 主に西暦3025~3026年、第四次継承戦争勃発前まで公式に活動。以後ライラ共和国の依頼によりメック工場と合体した航宙艦を基地として活動し、活動記録は残っていない。 3026年時点で30歳。さえない外見と裏腹に、NAISと略される中心領域全ての中でも最高の、人類宇宙最高学府とも称されるニューアヴァロン科学大学の卒業生。 ただし専攻は農業。 卒業後に義務付けられている10年の奉仕期間を農業技術研究者として過ごすはずだったが、メックを継承していた兄が戦死したため、自分がメック戦士として家を継ぐ羽目になる。 隊長の癖になにやら被撃墜数がトップ、負傷入院も多い。 ちなみに、戦死した兄から継承した先祖伝来のメック「ウォーハンマー」は戦闘の最中に胴体内部の弾薬に敵弾が誘爆、木っ端微塵になって失われる。 いろいろあって現在のメックはサイクロプスとよばれる、大火力低装甲のメック。これも一度大破させた。 ただし、メック戦士としては一流で、 2Dで成功判定を行うゲームなのに、メック操縦とメック射撃の基本値が1という人間。 (熟練兵で操縦4/射撃4) メック 核パルスエンジン搭載による地上戦の花形兵器。基本的にメックに対抗できるのはメックのみ(あと気圏戦闘機というメックと同じ技術で作られた戦闘機)とよばれるほど。 実際ゲームをやってみると、うっかり戦車の体当たりを食らって撃墜されたり、サモンジのように装甲の隙間に入った敵弾が~ということもある。壊すのは難しいが、壊れるのは簡単。 20tから100tまでの重量があり、原則重いほうが装甲が厚く、武器も多いため強い。でも公式のメックは設計ミスとしか思えない欠陥メックが多く、重ければ強いとも言い切れない。 wikipedia http //ja.wikipedia.org/wiki/バトルテック
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/15776.html
ゼロの探求 C 無 3 呪文 ■この呪文を唱えた時、次のうちいずれかひとつを選ぶ。 ▶自分のクリーチャーを全て破壊する。 ▶自分の手札のカードを全て墓地に置く。 ▶自分のマナゾーンのカードを全て墓地に置く。 ▶自分の山札のカードを全て墓地に置く。 作者:有余 フレーバーテキスト 収録エキスパンション NsDM-P01 「ゼロの考察と探求」 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/zeromoon/pages/71.html
前ページ次ページゼロの白猫 トリスタニアへ出かけてから数日が経過。その日々は穏やかで、特筆しておくべきことは何も無かった。 朝目覚め、制服に着替え、朝食をとり、授業に出て、終わったら夕食、入浴を済ませて就寝する。ルイズが学院に入ってから繰り返してきた日常と大差ない。 他に述べておく事といえば、時間があるときに図書室を訪れたり、教師に話を聞きに行ったりすることが増えたくらいだろうか。 目的は、レンと約束した『彼女が居た世界へ行き来する方法』を探す事である。 しかし結果は惨敗だった。『フライ』という空を飛ぶコモンマジックを自在に使えるメイジ。そんなメイジが利用する事を前提として作られた図書室の書棚は、30メイルもの高さの壁一面に本が敷き詰められているくせに足場の一つもないのだ。 当然フライも使えないルイズは、脚立を用意して本を調べていたのだが、当然移動と持ち運びにかかる時間や労力は他のメイジより遙かに上がる。あるかも分からない情報の検索にそんな余計な手間が加わり、中々作業は進まず、手掛かりは得られなかった。 教師たちにも手掛かりがないかと思って聞いてみたが、けんもほろろだった。 『月が一つしかない世界? そんなのあるわけないだろう、ミス・ヴァリエール』 『お伽噺でもそう言う物は知りませんねえ』 『ミス・ヴァリエール。そんな空想をするくらいならもっと魔法の腕を磨きなさい』 要約すると、そんな世界は教師陣も知らない、と言うことである。 ルイズもすぐに成果が出るとは思っていなかったが、空振り続きだと少し気が滅入る。 しかも、教師の一人にも言われたように、ルイズの魔法の腕は相変わらず爆発続きだった。どんな簡単なコモンマジックも成功しない。ルイズの鬱憤は募る一方だった。 そんなルイズを少しだけ癒してくれたのは、使い魔のレンだった。 朝、日が昇るとルイズの顔に足を乗っけて起こしてきたり(払いのけるが)。丸まって熟睡しているところを撫でたり(起きると逃げられるが)。抱き抱えさせてくれたり(やはり高確率で逃げられるが)。 そんなスキンシップがルイズの小さな、しかし確かな支えになっていた。カトレアがたくさんの動物を飼っていた理由を少し理解できた気がする。 そんなレンだが、四六時中ルイズと一緒に居る訳ではない。もともと猫は奔放な生き物、常に飼い主と一緒に居るわけはない。他の使い魔たちもずっと主人と行動を共にしているわけではないのである。 朝、ドアを開けると使い魔の食事に向かう。その後ルイズから離れてどこかへ行ってしまうのだ。最初に何処かへ行かれたときは授業を放り出してあっちこっちを探し回った。探すことに疲れて一息ついていた小一時間後、 「授業はどうしたの、ルイズ」 と人型になってひょっこり出てきた時には辺り構わず怒鳴り散らした。 「主人の許可無しに勝手に歩き回るんじゃないわよ!」 「別に使い魔だからっていつも傍に居なきゃいけない訳じゃないでしょ」 そんな風に口論していると、聞き咎めた教師に見つかってしまった。 すぐに教室に引っ張りこまれた上、罰として授業終了後の教室清掃を命じられた。レンはいつの間にかそこから消えていた。 憤慨したルイズは、レンのせいとしてその日の食事を抜きにした。レンはこれに怒ったのか、その日はルイズを避け続け、無理に触ろうとするとシャーッと威嚇してきた。 その晩。 「いつも貴女の傍に居なくても良いでしょう? 緊急の時は呼べばすぐ行くから、昼間の散歩くらいさせなさいよ」 「……仕方ないわね、けど主人の顔に泥を塗るようなことをしたら許さないからね!」 以上のような会話が夢の中で話され、日中は主に二人は別行動をするようになったのである。 ルイズが一度、昼間は一体何をしてるのか、とレンに聞いたところ、 「今日、入り心地の良い箱を見つけたのよ♪」 と上機嫌で語ったりした。身体や習性は猫らしい。 そして、ある晩のこと。 「それでルイズ。私の居た世界への手がかりは見つかった?」 ベッドに入って目を閉じていると、もういいかげん見慣れた雪原にルイズは居た。 向かいには肘を突いて両指を組み合わせた手の甲に顎を乗せたレンが居る。 「さっぱりよ。本を色々調べてみたけど全然駄目。先生たちに聞いても『そんなの聞いたことも無い』で終わり」 うんざりとここ数日の調査は空振りであったことをレンに告げる。前述の通り、成果はゼロと言って良かった。ゼロ言うな。 「流石にすぐには分からない、か。でも異世界からの召喚なんてこちらでもすごい魔法なんでしょう? 何で貴女は使えたのかしら。他は爆発ばかりなのに」 「そんなの私が知りたいわよ!」 レンの指摘に激昂するルイズ。魔法が成功しないことに加え、馴れない調査まで加わって相当ストレスがたまっていたのだ。 「何であれから魔法が成功しないのよ!? ようやく魔法が成功したのに! あれから全然成功しないし!!」 ルイズはやりどころのない怒りにバンバンと机を叩く。 レンはそんなルイズを見ながら、一つの提案を投げかけてきた。 「ルイズ。もう一度『サモン・サーヴァント』を唱えてみて」 「何でよ?」 「それは成功したんでしょう? うまくいったものから練習するのも一つの手じゃない」 「無理よ。『サモン・サーヴァント』は使い魔がいる限り発動しないもの」 「試してはいないんでしょう? 色々と規格外な貴女なら違った結果が出るかもしれないじゃない。やってみてよ」 確かに、今のところ成功したのはレンの召喚と契約の魔法だけだ。 けれどレンに今言ったとおり、この魔法は使い魔を持っていると発動しない。やったところで精神力の無駄だ。 レンの言葉が自分の使い魔を辞めたがっているように聞こえて、ルイズはこんな言葉を言ってしまう。 「……私の使い魔が嫌なの?」 「使い魔はやるって言ってるでしょう。とにかく帰る方法の検討すらつかないのは嫌なのよ」 椅子にもたれ掛かってレンは言う。 確かに、自分の故郷へ戻れないのは辛いのだろう、とルイズは思う。もし自分が家族の居るヴァリエール領へ帰れなくなってしまったら。 そんな想像をして少しルイズは背中が寒くなった。そして余計な疑いを持った自分を恥じた。 「強情ねえ、マスターは。仕方ないわね、これあげるから」 首を縦に振らないマスターに、レンは机の上に何かを置いた。 ルイズは瞠目した。それは、この前王都に行って買ってきたスコーンだった。おまけにシエスタが煎れた紅茶まで二人分ある。 「これどうしたの!?」 「此処は私の世界。私の思い通りにできないことなんてありはしないわ」 レンはそう得意げに言う。 そんなレンの言葉にルイズの乙女回路がフル稼働する。この使い魔は夢の中なら自由にお菓子を出すことができる、ということ? もしそうなら……。 ルイズの心中を見透かしたかのように、いや事実見透かして、レンは詰めの一言を放つ。 「やってくれるなら特別サービスであのクックベリーパイもお出ししますわ」 その言葉は、ルイズにとって抗いようのない魔法の言葉だった。ごくり、と音を立てて自分の口に溜まった唾液を飲み込む。 「……し、仕方ないわね! 分かったわよ、それじゃ明日の夕食の後ね」 「ルイズ、涎拭きなさい」 レンの言葉に慌てて口元を押さえるルイズ。しかし別に涎は垂れていない。レンはそんなルイズを見てくすくすと笑っている。騙された! 怒りと羞恥で顔を赤くするも、それよりも押さえきれない期待を胸にルイズはレンに命令する。 「さあレン! 早くクックベリーパイを出しなさい!」 「今は無理よ」 「何でよ!?」 「一日に何度も使える能力じゃないのよ。結構力を消費するんだから。クックベリーパイは明日、サモン・サーヴァントを試した後でね」 「そんなの生殺しじゃない!!」 机にはスコーンと紅茶が乗っている。それが美味しいことは数日前実感しているルイズだが、彼女にとってクックベリーパイは別格なのだ。メイジでいうとトライアングルとスクウェアくらいの壁がある。お菓子だからといってメイジと明治を掛けているわけではない。 「まあ今日はこの紅茶とスコーンで我慢して下さいな、マスター?」 「明日は絶対クックベリーパイを出して貰うからね! 1つじゃすまないわ、まるごと1ホールは出して貰うわよ!」 「欲張りねえ。その量だとぎりぎりかしら。そこまで言うからには何らかの成果を出して貰うからね」 そう言いながらレンはスコーンに手を伸ばす。それにならってルイズも一つ手に取った。 かじり付くと口の中に広がる小麦の甘み。数日前に味わった物と同一だった。頬をゆるませて紅茶を口に運ぶルイズ。一口飲んで、ちょっと感じた違和感をレンに言う。 「レン、この紅茶ちょっと温くない?」 「良いでしょ、私熱すぎるのは苦手なの」 自身も紅茶を飲みながら素っ気なく言うレン。成る程、人の状態でも猫舌なんだ、とルイズは思った。 そして時は動き出す。 翌日の夕食を取った後、ルイズとレンは中庭までやってきていた。目的は無論、昨夜話したとおり『サモン・サーヴァント』をもう一度唱えてみるためである。 まずルイズは自室で行おうとしたのだが、 「いいの? 爆発したら部屋がめちゃくちゃになるわよ」 というレンの言葉で、外へと移動する事にしたのだ。とりあえずこの言葉でルイズはレンに後でお仕置きする事に決めた。理不尽である。 双月が見下ろす中庭で、人間状態のレンが見守る中、ルイズは杖を振りかぶった。この後のクックベリーパイのために! 「我が名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。五つの力を司るペンタゴン。我の運命に従いし、"使い魔"を召喚せよ!」 決められたとおりのルーンを詠唱し、勢いよく杖を振り下ろす! 結果。何も起こらなかった。周囲には只静寂が漂うのみ。 「……ほら、無駄だったじゃないの」 「そうね、成功してるみたいね」 レンの答えはルイズの想定の外だ。思いっきり顔をしかめてルイズはレンに向かって言う。 「何言ってるのよ、ゲートは開いてないじゃない。失敗よ」 「ええ、何も起こらないわね。何時もの爆発も」 レンにそう指摘されて、ルイズもようやく気づいた。確かに、今回はゲートは開かなかったが爆発も起こっていない。これは、まさか――!? 「も、もしかして」 「他のはどうなの?」 逸る心を何とか落ち着かせ、ゆっくりゆっくりルイズは詠唱を開始する。今度はコモンマジックの『レビテーション』。一言の間違いもなく唱え終え、祈りをこめて杖を振り下ろす――! どっごぉん!!! そして、閃光と爆音が生じる。いつもの爆発だった。 「……」 「失敗ね」 「……ファイアーボール!」 今度は火系統の呪文。やはり爆発した。ルイズの眉が急角度に吊りあがる。 「ウィンドブレイク!」 「錬金!」 「コンデンセイション!」 風、土、水、手当たり次第に試してみるルイズ。しかしそれら全てが魔法が何時ものように爆発した。何度も何度も。爆発の幾つかは本塔の壁に直撃していた。 「っだああああああ!!」 「やけにならない。そんなんじゃ成功するものも成功しないわよ」 成功しない苛立ちに咆哮するルイズとそんなルイズをとりなすレン。レンも度重なる爆発にちょっとジト目だ。 連続の魔法使用にぜいぜいとルイズは息を荒げている。 「ひょっとして貴女、『サモン・サーヴァント』と『コントラクト・サーヴァント』しか使えないメイジってことはないわよね」 「そんなメイジ居るわけないでしょ!」 「じゃあ何かの呪いにでもかかってるんじゃない?」 「どうしてそんな話になるのよ!? 由緒正しいヴァリエール家に呪いなんてあるわけないでしょ!」 「……ルイズ、貴女の魔術は全部成功している、と仮定してみましょう」 「はあ!?」 「言いたい事はあるでしょうけど最後まで聞きなさいな」 さっきからこの使い魔は何を言っているのだろうか。けれどレンの瞳は真剣で、何故かルイズは目を逸らす事ができない。 「まず、貴女の魔術自体は全く問題ない、正しいものだと考えるの」 「……それで?」 「けれど、正しい行使に関係なく、別の外的要因から爆発という現象に捻じ曲げられているとしたら? もしそういったことが原因なら、貴女がどんなに努力しても成功という結果が出せない、ということになるわ」 彼女の言うことは幼い外見と裏腹に、まるで講義を行う教師のような大人のものにも感じられ、ルイズの耳に浸透した。 レンの言葉に、ルイズは自分の姉のカトレアのことを思い出す。生まれつき体が弱く、強力な魔法を使うとすぐに体調を崩してしまう姉。 自分は体は丈夫だが、魔法に関して何か別の先天的な原因を抱えているとしたら? 全く聞いた事のない話だが、確かに筋は通るように思える。 けど、ルイズはそんな事は認めたくなかった。自分が他のメイジと違う、ということなど。自分の努力が意味のないものだったという事など。 「じゃあ結局、何で私の魔法は爆発するのよ」 「そこまでは分からないわ。貴女は魔術の訓練じゃなく、まず自身の体が他と違わないか調べてみるべきじゃない?」 「だれが他の奴らと比べてぺったんこですって!?」 「そんなこと誰も言ってないわよ!?」 体と言われて思わず的外れな事を思い浮かべて反応してしまうルイズに目を白黒させてレンは答える。 そんな事を言いながらも、ルイズは心の奥で自分の魔法の失敗の原因についてもっと調べねば、と思うのだった。 が。そんなルイズの奥底の思考を意に介さずに、レンが行動を起こす。 「大体ぺったんこって貴女ねえ……」 ちょっと不機嫌そうに目を細めたレンは、ルイズとの距離を狭めると、おもむろにルイズの左胸を揉みしだいた。 「ひぇっ!?」 ちっちちっちっおっぱーい♪ 別にレンはもごうとしているわけではない。只の肉体言語である。 「なっ、何するの!?」 「ちゃんとあるじゃない。つまらない我侭ばかり言ってるんじゃないわよ」 キュルケに脂肪ゼロと言われたルイズの胸だが、彼女のスリーサイズはB76、W53。推定カップサイズはCである。それでも彼女は貧乳と言われる。それが世界の選択なのよ。 しかし、彼女の胸は数値上は決してゼロではない。ゼロでは、ないのだ。よって、レンの手中にある乳房は、彼女の手に小さいながらも確かなやわらかさを伝えてくる。 レンの小さな指は絶えず蠢き、掌はなだらかな小山を押し包み、シャツの上からルイズの胸を触診し続けた。 「ぅやんっ!?」 腋と乳房の境目辺りをレンの指がなぞった時、ルイズの口から変な声が漏れてしまった。 自分から出た声に真っ赤になるルイズ。慌てて自分の口を両手で塞いだが、時既に遅し。 「……」 「可愛い声ね」 花のような笑顔のレンをルイズは全力で突き飛ばした。距離ができたレンに向かって一層血液の流れが増大した顔で杖を向ける。ちょっと涙目だ。 「こここ、こっの、エロ猫~~~!!」 悠然と微笑んでいるレンに向かって全力でファイアーボールの魔法を放つ。 そして、当然のごとく爆発した。大爆発だ。爆発の規模が今までより大きい。 レンが避けるまでもなく魔法は壁で爆発したが、爆風はレンの髪とリボンとスカートを巻き上げた。しかしパンツは見えなかった。おのれロングスカート。 「危ないわね、当ったらどうするのよ。爆発の威力は貴女が良く知ってるでしょう?」 「うるさいうるさいうるさぁーーーいっ!!」 「いやらしい声だったのは恥じる事じゃないわ。大丈夫、別に貴女くらいの年齢ならおかしいことじゃないわよ」 爆風に弄ばれる銀髪を押さえてレンが言う。未だに余裕の笑みは消えていない。 一度本気で当ててやる、とルイズが再度杖を振りかぶる。が、その時。 「なんだ、あなただったのルイズ」 背後から聞こえてきた声に振り向くと、そこにはキュルケと眼鏡の青い髪の少女が居た。確かタバサという名前だったか、とルイズは思う。 幸い先ほどの爆発による粉塵で埃が目に入ったものと解釈されるだろう、ぐしぐしと目の端に滲んだ涙を拭いて二人に向き直った。 「何しに来たのよ、あんたたち」 「もう夜だって言うのにぼかんぼかん五月蝿いから音源を確認しに来たのよ。ご苦労様ね、日が暮れても爆発の練習なんて」 「爆発じゃないわよ! 普通の魔法の練習だってば!!」 むきになってキュルケに言うが、彼女はそんなルイズを笑うだけだ。キュルケに笑われている事に苛立ちがヒートアップするルイズ。 「その子もご苦労様ね。ずっとご主人様の爆発に付き合わされて」 昂ぶった感情に水を指された。キュルケの言葉で思い出す、そういえばレンが居たのだと。あわててレンを確認するも、彼女は既に白猫になっていた。 「なあに、あなた自分の使い魔が見てることに気付いてなかったの?」 「そんなわけないでしょ」 キュルケの言動から察するに、どうやら二人に見られる前に猫になったらしい。使い魔の行動の素早さに安堵の息を吐くルイズだった。 「誰か居た?」 いきなりタバサがそれだけつぶやいた。きょとんとしてタバサを見るルイズ。 タバサはルイズを見ていることからルイズへの質問らしいが、ルイズには意味が分からない。 「どういう意味よ」 「この子はあなたの他に誰かいなかったか、って聞いてるみたいよ。けどあなたの他には誰も居ないわねえ」 流石親友。言葉が足らなくてもしっかり意味は理解しているらしい。 キュルケの補足でルイズはどきりとする。そういえばタバサは風のメイジらしい。使い魔は見事な風竜だった。 風系統のメイジは空気の振動、つまり音にも敏感なのだ。先程のレンとの会話が耳に届いていたのかもしれない。 下手に追求される前に、とルイズは咄嗟に誤魔化しの言葉を言った。 「私とレン以外誰も居ないわよ。幽霊でも居たって言うの?」 キュルケはあちゃあ、と苦笑する。しかしルイズはキュルケがどうしてそんな反応をするのか理解できない。 「どうしたの?」 「……別に」 「そうね、タバサの気のせいだったみたいね。あれだけ爆音が響いてたんだもの、ちょっと耳がおかしくなってたのかもね」 さっさと話を切り上げるキュルケ。ふとルイズがタバサを見ると、心なしか先ほどよりタバサの顔が青みがかっているように見える。月明かりのせいだろうか。 「ちょっと、タバサだった? あんた顔色が悪くなってるじゃない。キュルケも注意したげなさいよ」 「あー、そうね。もう戻りましょタバサ。ルイズもいい加減切り上げたら?」 キュルケはタバサの狭い肩を抱いてやりながら寮へと向かう。タバサは何故か動きがカクカクしていた。春先とはいえ夜の空気に当たって冷えたのかもしれない。 確かに、今日は随分魔法を使ったし、いい加減引き上げ時かもしれない、とルイズは思った。 「レン、私たちも戻るわよ」 地面に佇んでいる白猫に呼びかける。レンはなにやら植え込みをじっと凝視していた。 「なによ、鼠でも居るの?」 そう言うルイズだが、彼女も猫が何もないはずの空間をじいっと見ているのは結構良くある事だ、というのはここ数日のレンとの生活で理解していた。レンの見る先を大して気に留めずにレンを抱え上げる。 「ほら、さっさと行くわよ」 レンに逃げられないよう心持ち強めに白猫を抱きしめ、ルイズは寮への道を歩き出す。しかし、数歩ほど歩いたところで、 (ルイズ) 行き成りだ。何の前触れもなく誰かに自分の名前を呼ばれた。 「え? な、何?」 きょろきょろと辺りを見回すルイズ。しかし、辺りに居るのはルイズの前を歩いているキュルケとタバサだけだ。 「ルイズ? まだ帰らないのあなた?」 先行しているキュルケがルイズに話しかけてくる。ルイズはキュルケには構わずにまだ辺りを見回していた。 「どうしたのよ? 本当に幽霊でもいたの?」 からかうように言ってくるキュルケ。彼女の傍に居るタバサまで何故周囲を忙しなく窺がいだしているのだろう。 (あの植え込みから何か来るわ) 再び声。よく聞いてみると、それは彼女が最近馴染みだした彼女の声だった。 「レン? あんたなの?」 腕の中の猫に視線を向けるが、猫の視線は自分を向いていない。いや、抱き上げる前からずっと植え込みの一点を見つめている。 猫の時に意思疎通までできたのか、いや使い魔と言葉を交わすくらい普通の使い魔もできるはずだし当たり前か? と自問するルイズだが、とりあえずそれをレンに突っ込むのは後にすることにした。 レンに習って自分もその植え込みを見てみる。しかしルイズは特にそこからおかしいところを見つける事ができない。それでもレンは視線を逸らさない。 「何かって何よ。ちゃんと説明し、な――!?」 ルイズがレンに何事かと問いただそうとした時。なにやら地響きを感じた。ごく近くで、何か大きいものが動いているような――。 「な、何あれ!」 植え込みから土が盛り上がり、山になっていく。山は更に大きさを増し、見る見るうちに30メイルほどの巨大な人型になった。ゴーレムだ。 土のゴーレムはずしんずしんと地響きを立てて歩いていく。巨体が向かう先には本搭の壁があった。 「あいつ、何をする気?」 ゴーレムが巨体に見合った豪腕を振り上げ、壁へとたたきつけた。その拳は本搭の壁にめり込み、轟音を響かせて巨大な穴を開けた。 「学院の壁が……!? どんだけ強力なのよあのゴーレム!?」 悲鳴じみたキュルケの声があがる。そう、学院の壁は相当に強固にできているはずなのだ。いくらあのゴーレムが巨体だとはいえ、パンチ一撃で大穴が開くなど通常は考えられない。 ルイズの背中を冷たい汗がたどった。そういえばさっき、あの辺りの壁を爆発させなかったっけ、いや自分の爆発くらいで学院の壁は壊れたりしないはず――。 青ざめて思案するルイズ、驚愕に棒立ちになるキュルケ、流石に顔は上げているも静観しているタバサ。三人に構わずゴーレムの肩に乗った黒ローブの人物がゴーレムの腕を伝って穴から学院に進入した。 「学院を破壊して不法侵入……間違いなく賊ね」 「そ、そうね! 急いで取り押さえないと!」 「ちょっと、落ち着きなさいルイズ! あれだけ巨大なゴーレムを操って、しかも学院の壁を一撃で壊するような相手よ? 少なく見積もってトライアングル、それどころかスクウェアの可能性もあるわ」 「『土くれ』のフーケ」 ぽつりと呟かれるタバサの言葉。タバサの推測に得心がいったらしく頷くキュルケ。しかし、ルイズはその名前は初耳であった。 「誰よ、それ? あの賊の名前?」 「知らないの!? 今有名な怪盗の名前よ! 細かいことは省くけど、錬金が得意な土のメイジで、貴族からマジックアイテムを好んで盗んでくって」 「宝物庫」 タバサは杖で壁に開けられた穴を指しながらぼそりと言った。つまりあそこが学院の宝物庫だ、と言っているのだろう。 「フーケだがブーケだか知らないけど、賊には違いないじゃない! 取り押さえないと!」 「だから待ちなさいっての! 闇雲に突っ込んで勝てる相手じゃないでしょ! ましてゼロのあんたじゃ絶対ムリよ!」 「やってみなきゃわからないでしょ! 盗賊を前にして逃げるなんて貴族の名折れよ!」 自分を止めるキュルケと口論しているうちに、宝物庫から黒ローブが戻ってきた。やはり泥棒目的だったらしく、何かを持っているのが見える。再度ゴーレムの腕を伝って肩まで戻ると、主を乗せたゴーレムが方向を変える。 「逃がさないっ!」 ルイズはファイアーボールのルーンを唱え、ゴーレムへ魔法を放つ! やはり炎は出なかったが、ゴーレムの胴体が爆発した。しかし、如何せんゴーレムが巨大すぎる。体に空いた穴を気にも留めずに、地響きを立てて魔法学院の壁へと歩いていく。 「止まりなさい! 止まりなさいっての!」 「ああもう、しょうがないわねえ!」 失敗の爆発でも今は気にする必要はない、とにかくファイアーボールを連続してゴーレムへ唱え続けるルイズ。 キュルケも負けじとそれに続き、ファイアーボールを詠唱する。火のメイジであるキュルケの杖からは、爆発でなく火の玉が生まれ、ゴーレムへと吸い込まれる、爆発を起こす! しかし、二人の爆炎と爆発はゴーレムに全く通じていない。歩みを遅めることすらせず、ゴーレムは城壁を一跨ぎすると、そのまま学院の外へと歩き去ってしまった。 「……屈辱だわ!!」 「全くね、相手にすらされていなかった……!」 貴族にとって誇りは命よりも重いもの。二人のそれは盗賊風情にあしらわれた事で大きく傷ついていた。 タバサ、そしてレンはじっと土のゴーレムが逃げた方向を見ている。 ようやく他の連中も騒動に気づいたらしく、ざわめきがこちらへと近づいてくる。教師と衛兵が現場へやってくるまで、ルイズとキュルケは俯いて歯を食いしばり、悔しさに耐えていた。 前ページ次ページゼロの白猫
https://w.atwiki.jp/hentaiatxhentai/pages/549.html
ゼロの使い魔とは、原作:ヤマグチ ノボル・絵:兎塚 エイジのライトノベルをアニメ化した作品である。 他にネットラジオ・漫画・ゲーム化がある。略称して『ゼロ魔』とも呼ばれている。 このアニメには、強いくぎゅううううううううううううううううううと釘宮病が含まれています。 原作のライトノベルは、メディアファクトリー・MF文庫Jレーベルから。 本編は20巻(原作者死去のため、物語は未完結)、外伝は5巻刊行 原作者であるヤマグチ ノボルは、がんによる闘病生活を続けていたが2013年4月4日に死去(41歳没)。 …合掌 アニメ化は2006年7月から始まり、最新作の第4期が2012年1月より放送予定である。 アニメーション製作はJ.C.STAFFが担当。アニメ版については下の一覧表参照。 【TVアニメ一覧表】 シリーズ数 タイトル 放送期間 放送局 第1期 ゼロの使い魔 2006年7月~9月 チバテレ・他U局 第2期 ゼロの使い魔 双月の騎士 2007年7月~9月 チバテレ・他U局 第3期 ゼロの使い魔 三美姫の輪舞 2008年7月~9月 チバテレ・他U局 第4期 ゼロの使い魔 FINAL 2012年1月~3月 チバテレ・他U局 ※チバテレ→旧名・チバテレビ(千葉テレビ)、2008年で改名。 ちなみにCSでは第4期を除きキッズステーションが初であり、ほぼ一、二週遅れで放送している。 このアニメはお下がりものだったのである。ただし第4期のみAT-Xは製作委員会に参加している。 しかも2010年5月の『今月の新番組情報』では、当時唯一の最新作で、テレビ東京より28日遅れで放送した「メタルファイト ベイブレード爆」がキッズステーションで放送済かつ、3年10ヶ月遅れのゼロ魔の下になっている。 シリーズ数 キッズステーション ⇒ AT-X 第1期 2006年7月7日 ⇒ 2010年5月6日 第2期 2007年7月13日 ⇒ 2010年8月5日 第3期 2008年7月17日 ⇒ 2010年10月28日 第4期 - - 2012年1月7日 第4期はチバテレ、TVKより一日早い放送。 AT-Xでの放送は全シリーズ通して、通常枠で週1話・通常枠で週2話・ベルト枠ですでに3度放送されているが、 来る2011年の大晦日の日には、第1期~第3期全てを一挙放送。 【ゼロの使い魔シリーズ一挙放送】 放送時間は下記の一覧表参照。釘宮 理恵、日野 聡の二大声優をゲストにミニトークを、合計39回放送。 タイトル 放送日時時間 ゼロの使い魔(全13話) 12月31日・07:30~10:30 ゼロの使い魔 双月の騎士(全12話) 12月31日・13:00~18:00 ゼロの使い魔 三美姫の輪舞(全13話) 12月31日・18:00~23:30 アニメ本編の後にミニコーナーがあり、ガシャポンを使って出てきたカプセルの内容でフリートークを展開。 それぞれのシリーズ中はCMは一切流れない。アニメ本編第1話→(トーク→アニメ本編を繰り返し)トーク→アニメ本編最終回 大晦日なだけあって『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで・絶対に笑ってはいけない空港24時』など、特番等がぶつかってしまい、実況板が何度か落ちてしまった。 【放送リスト】 回数 放送枠 第1期 第2期 第3期 1回 通常枠・1話ずつ 2010年5月6日 2010年8月5日 2010年10月28日 2回 通常枠・2話ずつ 2011年1月31日 2011年3月21日 2011年5月2日 3回 ベルト枠 2011年4月7日 2011年7月14日 2011年10月7日 4回 一挙放送(※再放送なしの1回) 2011年12月31日 回数 放送枠 第4期 1回 通常枠・1話ずつ 2012年1月7日 2回 4回枠 2012年6月19日 果たして5回目はあるのだろうか…? 《主な登場人物》※一部ネタバレあり(それでも見たい方はクリックされたし) 【トリステイン魔法学院の人々】 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール(声・釘宮 理恵) この物語のヒロインであり、ツンデレである。授業で召還した平賀 才人を「バカ犬」と呼ぶが、密かに好意を抱いていた。声がシャナに似ているのは、同じ声優が担当しているためである。『うるさいうるさいうるさい!』 実は… 『虚無』の魔法使いであり、第2期あたりでデレ始めるらしい。 平賀 才人(声・日野 聡) ルイズに召還されて使い魔になってしまった17歳の普通の高校生。何かとルイズにお仕置きされてしまう女好きのへタレだが、実は武器の使い手である。ちなみに『灼眼のシャナ』の坂井 悠二の声も同じ声優が担当している。 キュルケ(声・井上 奈々子) ルイズの同級生で、お色気担当のナイスバディな巨乳女。使い魔は火竜(サラマンダー)。何かとルイズに突っかかってきたり、才人に誘いをかけたりする。フルネームは『キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー』。 タバサ=シャルロット・エレーヌ・オルレアン(声・いのくち ゆか) ルイズの同級生で、眼鏡っ子でいつも本を見ている森田さんは無口な長門 有希少女。使い魔は風韻竜(ドラゴン)である。第1期の第6話では、かなりマジな一面を見せている。ちなみに幼い頃は明るい性格で眼鏡っ子ではなかった(第8話の回想シーンから)。豹変した母親に苦悩したり、悪夢でうなされる事もしばしば。余談だが「まほらば~Heartful days」で空木 桜の声を担当した頃は、『猪口 有佳』と平仮名でなく漢字である。井口 ギーシュ・ド・グラモン(声・櫻井 孝宏) ルイズの同級生で、バラがトレードマークの女たらしのスケコマシ。使い魔は巨大モグラ・ヴェルダンデ。アニメ版ではかなり人気のあるキャラクターだったらしい。ちなみに第1期の最終回では、ある意味貢献した活躍をみせている。 モンモランシー・マルガリタ・ラ・フェール・ド・モンモランシ(声・高橋 美佳子) ルイズの同級生でギージュと一緒にいることが多い負け組。使い魔はカエルのロビン。香水の錬金が得意で、また惚れ薬も練成したりもしてる。その惚れ薬でルイズがとんでもない事に…。 惚れ薬を飲んでしまったルイズは… 一気にデレた。(ただし元に戻ると、一気に激怒モードに。) シエスタ(声・堀江 由衣) 機用で手際がいい17歳(井上 喜久子ではない)の会長はメイド様。才人に好意を寄せている。第1期のOPでは、セーラー服姿の汗たらりのシエスタが見れる。実は例のアネ オスマン(声・青野 武、第4期のみ島田 敏) トリステイン魔法学院の学院長で、セクハラ爺さんだが高名なメイジである。ただしアニメ版ではメイジとして活躍の場が少ない。年齢は100~300歳らしい。ハツカネズミを使い魔にしており、これを使ってロングビルの股座に潜入させ、パンツの色を物色したりしている。なお第4期の代役の理由は、2010年に脳梗塞で入院したためである。病状は快方に向かっていたが、2012年4月9日永眠、享年75歳。 ロングビル(声・木村 亜希子) トリステイン魔法学院の秘書で、オスマンにセクハラされまくりの23歳。「ミス・ロングビル」と呼ばれている、気品あるお姉さん風の女性。 だが、実は… 女盗賊フーケで、口調は少し荒々しい。第1期の第6話で魔法の杖(バズーカ砲)を奪うため、その正体を才人たちに明かした。第7話以降は眼鏡をかけている。また彼女の家柄やフルネームを知っていたのは、後でも触れるがワルドだけのようだった。…にも関わらずOPでは最終回まで、ロングビルが除外されず普通に登場している。蛇足として、レギュラーキャラが物語の中盤あたりで、実は敵だったという展開は『アスラクライン2』『Weiß kreuz Gluhen』『宇宙大帝ゴッドシグマ』などでも使われている。 ジャン・コルベール(声・鈴木 琢磨) トリステイン魔法学院の教師で、ほぼハゲ頭。『炎蛇』の二つ名を持つが、科学的な研究も行っている。 『ハゲキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!』『俺たちのハゲ』ちなみにキャラクターソングも出ている。 【貴族連合レコン・キスタの関連人物】 フーケ=マチルダ・オブ・サウスゴータ(声・木村 亜希子) 第1期の第5話から登場した女盗賊で、土ゴーレムを生み出す「土くれのフーケ」。 OP、第5話はフードで素顔を隠している。第6話で才人にあっけなく倒された後にトリステイン王国の独房に拘束されるが、 ある男の協力で脱獄、貴族連合レコン・キスタの一員となり、ルイズ達の前に立ちはだかる。キュルケに「年増」呼ばわれされ「私はまだ23よ!」とムキになる一面もある。アニメ版の第2期以降には登場していないため、第1期の最終回で敗退したその後の消息は不明である。 蛇足だが、 原作ではトリステイン魔法学院の秘書になった経緯が描かれているが、アニメ版では一切触れられていない。独房から脱獄したのに、誰も突っ込みがなかったのも謎である『\アッカリーン/』。オスマンから受けたセクハラ…。 謎の男(声・?) 仮面をつけた正体不明の謎男。『同志を迎えに来た』と言い、土くれのフーケの脱獄を助けた張本人でもある。フーケと共にルイズ達の行動を監視したり、キュルケ達の前に立ちはだかり襲撃する。 その正体は…? 後でも触れるが、ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドである。 オリヴァー・クロムウェル(声・斉藤 次郎) 貴族連合レコン・キスタの総司令官で年齢は30代の半ばのいかにも悪人ズラな司教。 第1期の敵の黒幕的存在でトリステイン王国の侵略を企む。ただし平民出身のため、魔法は使えない。 その代用として「アンドバリの指輪」を使用して、クロムウェルを慕う国民や同じ貴族連合の兵士などの前で「虚無」を演じていた。 この指輪の魔力でキュルケ達を動けなくしたり、ルイズを操ったりしている。 その後… 第1期の最終回では、フーケが敗北して逃走、ワルドが虚無の魔法で消え去り、トリステイン王国侵略に送り込んだ兵士たちも倒され、完全に不利と感じて逃亡しようとするところをキュルケたちと鉢合せになり、アンドバリの指輪で彼女たちの動きを封じるも、たまたま通りかかったギーシュの加勢であえなく敗北し、トリステイン王国の独房送りとなった。なおクロムウェルは第2期にも登場しているが、アンドバリの指輪を奪い返したシェフィールドに暗殺される。 【第2期以降からの登場人物】 ティファニア・ウエストウッド(声・能登 麻美子) ウエストウッド村の出身のハーフエルフで巨乳キャラ。愛称は「テファ」。 実は… 戦闘で死亡した才人を蘇生したのは彼女である。 イルククゥ(声・井口 裕香) タバサの使い魔である風韻竜=シルフィードの人間した姿。実はメスだった事が判明された。キュルケ、ティファニアにも劣らぬ巨乳で、変身後は全裸である。 ジョセフ1世(声・小杉 十郎太) ガリア王国の国王で、虚無の魔法を使えるのだが、世間の間では「無能王」と呼ばれている。普段は一人チェス、人形を使った戦争ごっこなどをして遊んでいる。 実は… 貴族連合レコン・キスタと、総司令官であるクロムウェルを裏で操り、アルビオン・トリステイン・ゲルマニアの国々を翻弄するなど、裏で悪行を企てている鬼謀な王だった。またシェフィールドを使い魔にして才人たちを何度も襲撃している。第4期でも登場しており、ルイズたちとの死闘の末、シェフィールドと共に火石の爆発で死亡した。 シェフィールド(声・勝生 真沙子) 神聖アルビオン共和国皇帝クロムウェルの秘書。 その正体は… その正体はジョセフ1世の使い魔で、魔道具を操る『神の頭脳・ミョズニトニルン』。才人たちの前に立ちはだかる。第4期でも登場しており、ジョセフ1世と同じ理由で死亡した。 【その他・ゲスト等+α】 デルフリンガー(声・後藤 哲夫) 才人の武器。片刃の長剣で意思を持つ魔剣「インテリジェンスソード」。タメ口口調だが、頼りになる相棒的存在である。 スカロン(声・後藤 哲夫) 第1期の第7話に登場した「魅惑の妖精」亭の店長。ゴリマッチョなボディにオネエ言葉を使う。『ウホッ!いい男』娘に看板娘のジェンカ(声・樋口 あかり)がいる。ルイズは、この酒場でアルバイトをするハメとなった。 アンリエッタ・ド・トリステイン(声・川澄 綾子) トリステイン王国の王女で、ルイズが慕ってる。別名『ロイヤルビッチ(*1)』。アルビオン王国のウェールズ王子(声・山中 真尋)を愛していたが…。 オルレアン公夫人(アニメ版では『タバサの母』『タバサ母』)(声・土井 美加) アニメ第1期の第8話に登場。まるでゾンビのような醜いおぞましい姿で、人形を我が子にように可愛がっているというその狂気さは、視聴者にトラウマを与えかねないキ◯◯イBBA。実の娘であるタバサには全く眼中になく、彼女にひどい罵声を浴びせたり、下手すればタバサ自身が死亡しかねない危険な任務をやらせたしたりしている(*2)。なお回想シーンに登場したオルレアン公夫人は、別人のような美しさである。『ママン、綺麗だよ』。オルレアン公夫人は第4期にも登場している。 なぜこうなった?… 第1期の第8話の回想から。「心を狂わせる水魔法」の入った毒入りの飲み物をタバサに飲ませようと企む貴族の男に気づいたオルレアン公夫人が、無理矢理タバサから取り上げて自分で飲んでしまったため。「投げ捨てればいいいんでね?」と突っ込まないように…。毒入りの飲み物を飲んだオルレアン公夫人は、毒の効果で狂気化してしまい、今の状況になってしまったのである。なお、タバサを狙った貴族はいうまでなく断罪されている。オルレアン家の執事であるペルスラン(声・田原 アルノ)は、今もその事を悔やんでいる。キュルケはタバサの家庭事情をこの時、知る事となった。 ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド (声・26歳・志村 知幸、青年時代・鈴木 達央) ルイズが「理想の王子さま」と慕っていたグリフォン隊・隊長のイケメン髭男爵。二つ名は「閃光」。ルイズに婚約を申し込むため、現れるが…。 実は… 実は貴族連合レコン・キスタの一員で、ウェールズ王子をルイズたちの目の前で殺害した悪い奴《ワルド=悪(わる)奴(ど)》だった。いわゆる腹黒ある。裏でクロムウェルがアンドバリの指輪を使ってルイズを操り、本人の意思とは関係なしで無理矢理結婚しようとしているところから、ワルドにとってルイズは利用するだけの存在でしかないと思われる。最終回では、ゼロ戦に乗った才人とルイズに戦いを挑み、ルイズの虚無の魔法で消し飛ばされる。その後の生死は不明である。なお、フーケの脱獄の手助けをしたのもワルドである。 新井 里美 こちらは登場人物でなく、声優の新井 里美の事を示している。実は様々な使い魔役を演じている。 (演じた使い魔) フレイム(キュルケの使い魔・サラマンダー) シルフィード(タバサの使い魔・風韻竜=ドラゴン) ヴェルダンデ(ギーシュの使い魔・巨大モグラ) ロビン(モンモランシーの使い魔・カエル) モートソグニル(オスマンの使い魔・ハツカネズミ) 『ババアキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!、黒子キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!! 』 1人何役という大役はのちの「キルミーベイベー」の『エトセトラガール』に発展する。