約 579,025 件
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/316.html
31名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/27(月) 20 41 00 ID 0C2+L8Cp0 お弁当ネタの流れククゼシのバカッッッップル夫婦ぶりが面白かったな ククが完全に脳内に花畑咲かせたお惚気モードで壊れまくっていたしw ラプソーンを倒しED後に夫婦化した二人って設定だったけど 主人公達と旅している最中にくっつきあの壊れっぷりだったらまた違った味があるかも 32名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/27(月) 22 54 07 ID vBfppw9J0 31 弁当ネタ並みにバカッッップルククゼシか…。 戦闘が終わるや否やゼシカの元へ素早く駆け寄るククール。 「ゼシカ!大丈夫か?怪我していないか?ほら、両手とも見せてみろ!」 「やだ、大げさよ、ククールったら。私は平気だから」 「大事な大事なゼシカの綺麗な身体に傷なんか残せるかよ! いいから俺に、よーく見せて!ああこんな所にかすり傷が! ホイミ!ホイミ!ほらもういっちょホイミ!」 「ほんと大げさなんだから……もう」 何やらいい二人の世界を作りこんでいるククゼシ。 それを遠目に見ていた主人公とヤンガス。 「スライムの集団相手の戦闘でそんなにダメージうけるはずがないでげす」 「キングスライムになる前に倒しちゃったしね…」 33名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/27(月) 23 51 39 ID NpvcsgUN0 もういっちょホイミてwwwwwwww アホとしか…w ゼシカスレにあったんだけどさ…これ相手ククにしか思えないんだよね…フィルターかかってるから… 「ゼシカ~ゼシカ~俺にぱふぱふしてくれよ~」 「もう!そんなにぱふぱふしたいならそこのスライムですればいいじゃない!」 「スライム冷て~んだよ~ひんやりするんだよ~」 「だったら電子レンジで温めればいいじゃない!ほら、貸してみなさい」 ゼシカはスライムを電子レンジに放り込んだ! →温めスタート ゼシカは電子レンジのスイッチを押した ピッ ………ドッカーーーーーーーーーーーーーン! 34名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/28(火) 01 13 44 ID eGowDZAQ0 32 MPちゃんと温存しといてよ、ククww ゼシカのHPが1減っただけでもベホイミしそうな勢いだw 33 ドッカーンとかww 自分もフィルター全開なのでククゼシのやり取りに見えてしまう ゼシカにぱふぱふしてくれよ~って頼み込むクク笑えるw どういう関係なんだろうw既にできているのか? 35名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/28(火) 19 24 25 ID pVO0ONZ50 『ゼシカぱふぱふしてくれよ~』 「何言ってんのよ。絶対お・こ・と・わ・り!」 『絶対?ほんの少しの間も?何が何でもしない?』 「当然でしょ。なんで私がそんな事しなきゃなんないのよ」 『ちえっ、仕方ないな。諦めるとするか』 「…今日は随分物分りがいいのね」 『ゼシカがこんなに嫌がってるんだもんな。この前知り合ったバニーちゃんで我慢するよ』 「へ?え?」 『嫌がっているハニーに無理矢理そんな事させられないもんな。仕方ねーよ』 「ちょっと、ククール…?」 『ゼシカの巨乳も捨てがたいが、あのバニーちゃんもなかなかいいもん持っていたし、うん』 「ね、ねえ、何一人で納得しているのよ…ククールってば!」 『という訳でじゃあな、ハニー。俺はぱふぱふの柔らかな温もりを求めに行くぜ』 「ちょ、ちょっと…ちょちょちょっと。ククール、ちょっと!ストップ!!」 『何?やっぱぱふぱふしてくれる気になった?』 「……」 『まあせっかくだけど今回は遠慮しとよ。 この前のバニーちゃんなら最初から嫌がらずにしてくれそうだし』 「……じゃなくて、メラゾーマとマダンテ。くらうのはどっちがいい?」 『その二択しかないのかよ』 37名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/28(火) 23 42 34 ID agnr1Mfc0 こらwククw この煩悩僧侶がwwwwwwww 35 こういうなんつーか息ぴったりで仲良いいんだけどツーカーなノリツッコミで夫婦(何ソレ) な2人がすごい好きだわー 38名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/29(水) 11 07 04 ID elMyIJKE0ぱ ふぱふ~ww ククがゼシカに本気でぱふぱふされたら メダパニ以上の混乱とザキ以上の殺傷効果あるんじゃないか?w 39名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/29(水) 22 07 55 ID NL22xlK40 ゼシカにぱふぱふされたらククは ぱふぱふ屋のアイマスクなしに 素でスライムみたいな顔になりそうw 40名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/29(水) 23 20 49 ID UmM4BhlC0 35 この後なんだかんだで密室でぱふぱふするククゼシな流れに持ち込めないかね 41名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/30(木) 00 34 05 ID dLdfB6hK0いちにち考えたけど無理だったよ 42名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/30(木) 00 47 32 ID CKZZX1AN0 41がククールのレスに思えてしまう自分のククゼシ脳に絶望した! なんとかゼシカにぱふぱふしてもらう方法を必死に考えるククさん。 ずっとずっと考えるククさん。 1日中ずっとそればっかり考えるククさん。 そして考えに考えた結果の書き込みが 41 43名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/30(木) 14 49 00 ID jwMnvoT30 カタカタカタ… 「『ククールとゼシカってお似合いだよな、今世紀最大のベストカップル』……」 カチッ 「よし、送信完了」 「何やってんの?ククール」 「ギクッ」 ~ククの薔薇色のネット生活~ 44412008/10/30(木) 23 39 36 ID dLdfB6hK0 ククールとゼシカってお似合いだよな、今世紀最大のベストカップル☆ 45名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/30(木) 23 51 10 ID mXdfr4kB0 このスレはゼシカにぞっこんなククールさんの監視下にあります 46名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/31(金) 00 59 30 ID TLhJrFiJ0 皆ククールの味方だからどんどん書き込めwww 47名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/31(金) 01 13 17 ID /Ew70/Ym0 「このスレはゼシカにぞっこんなククールさんの監視下にあります」. ,〃.彡ミヽ ギクッ 〈((((/("!》 ____ ___ ∑ ヾ巛;゚-ノ" ||\ \ |◎ | /~"i!づ!}つ || | ̄ ̄| |:[]| ┌ん、」"ソ/ ̄l| / ̄ ̄/ | =| |└ ヾ |二二二」二二二二二二二」  ̄]|i二 | || | || / ̄\ / . || / || ◎ ◎..[____|| .[__|| 48名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/31(金) 17 25 47 ID TLhJrFiJ0 ククゼシSSは全部ククの自演でした 49名前が無い@ただの名無しのようだsage2008/10/31(金) 19 35 47 ID CBk5yp3V0 48 SSと見せかけて実はククールの日記が投下されていたという訳かw
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/184.html
50 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/15(木) 23 40 16 ID vRVlvBYL0 いたストでの会話はラブはなかったが+ヤンガス仲間って感じでかわいかった 51 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/16(金) 09 17 45 ID Pm+hXZ8J0 50 他の女性の女性キャラには丁寧な口調で口説くのに、ゼシカには仲間相手の くだけた口調って感じなのが、かえって萌えた。 それはそれで、特別な存在ってことだもんね。 52 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/16(金) 14 16 30 ID gsxBXSsp0 リノアを口説く度スコールにぬっ殺されてるククールがありありと想像できて笑えた んで「まったくこのバカは」とか言ってゼシカに引き取られていく姿w 53 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/16(金) 21 13 41 ID J7IP1dbS0 いじられるククールもいいけど自分はどちらかと言うとシリアス派 同士求む いやいじられるアホかわククールもいいんだけどねw 54 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/17(土) 01 05 43 ID cNLatIFM0 もちろんシリアスククも良いよ ただしいつでも冗談交じりの奴が思わぬ所で見せるシリアス面がいいわけで 意外なギャップこそあの手のキャラの醍醐味かと ゼシカもそんなギャップにドキッ☆w 55 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/17(土) 01 52 22 ID 2SckQxOb0 52 モエワロスw ゼシカが後ろから羽交い絞めしてククが手足をバタバタさせてるか ゼシカが襟首つかんでククが地面にズルズル引きずられてるとか?w それだと少年ラブコメ風かな。少女漫画風とどっちが似合うんだろう。 56 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/17(土) 08 53 08 ID Ke+x+uT90 こっちがいい。 で、ゼシカがエキサイトしすぎた時には、ククがゼシカを羽交い絞めにして 「落ち着け、メラゾーマは引っ込めろ」「これはメラゾーマじゃないわ、メラよ」 なんて、やってほしい。 で、ゼシカは自分より力は強いククールが、おとなしく引きずられてくれてる優しさを はっきりとはわかってないけど、無意識に感じて甘えてて、 ククールは自分の腕の中にスッポリ入っちゃうゼシカに「こんな小さくて華奢なのに 弱音吐かずに頑張ってるんだ」といじらしくなり、改めて『自分が守る』と決意するのが理想。 58 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/18(日) 01 41 47 ID SgafbrMI0 ゼシカ「はいはいお2人さん、このバカが失礼したわねっ」ズルズル クク「痛い痛いっつーの…ッギャー!!(お仕置き実行中)」 リノア「…アレはアレでラブラブなのか、な」 スコール「…」 59 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/18(日) 20 33 40 ID SNmhuC+h0 56 何その萌え設定 60 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/19(月) 00 12 38 ID 2a/CQihF0 彼の口説き文句が 「俺の事が 好きにな~る 好きにな~る …ダメ?」 …じゃ全然萌えないな。 61 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/19(月) 02 58 31 ID hFSNA/AJ0 逆なら案外… 「あんたはわたしのことが 好きにな~る好きにな~る… ふふっ、なんてね。冗談よ、なんて顔してんの?」 フイを突かれてちょっと動揺しちゃったククール…なんてのならアリかなw 62 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/19(月) 08 03 39 ID 6wzH8qWkO 61 不覚にも萌えたw 63 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/19(月) 22 01 48 ID HpPZLJjI0 61 いいね。 ブラコンで恋愛経験無いはずのゼシカが、百戦錬磨のはずのククールを振り回すって構図は萌える。 64 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/20(火) 00 56 31 ID eHYSDdI/0 ククール「参ったな…恋愛は先にホレるべからず、ってね。オレの信条だったんだが。 オレとしたことがハマっちまったかな」 …書いてて恥ずかしくなってきたw でも自分女の子優位派なんで 63に全面同意。 65 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/20(火) 01 03 46 ID Upm42L8Y0 そうだな。 ゼシカっておそらく今まで彼の周囲にはいなかったタイプだろうから。 66 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/20(火) 02 04 29 ID x16NwZkr0 でもベッドの上ではククールリードでw 67 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/20(火) 09 19 57 ID RddFwucvO 66 当たり前田の(ry ぜひドSでおながいしまつ。 68 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/20(火) 16 22 40 ID FvlT+IyiO おまいらって奴は…www 69 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/20(火) 22 47 29 ID P3qhXl8b0 そうしてゼシカが調教されていくのね 今までまっさらだったから仕込みがいがあるだろうなぁ。 70 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/21(水) 02 10 10 ID wI9iqKb80 まっさら…!! ヒワイです!!>< 昼と夜では立場が逆転ってなーもう、たまりませんでげすなフヒヒ 71 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/21(水) 23 53 13 ID +qhyOpK10 普段強気な女の子がそうなるのってなんで萌えるんだろうな。 72 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/22(木) 00 54 23 ID n2EVQXO70 総人口の約9割が「ギャップ」に弱いというデータが出ました。 73 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/22(木) 01 02 34 ID 5rjFj2q10 しかしまぁ…ククは3桁を下らないかと思われるのに対し 方やゼシカは初…詐欺もいいとこだ。悪い男だ。 74 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/22(木) 12 57 44 ID 2WypXHLc0 3桁ってw あの若さでそれは絶倫すぎ。 世界中に100人の子供がいて、その内の10人くらいが聖闘士になっちゃうよ。 でも、女にだらしなかった父親にも、マルチェロとククールしか子供がいなかったとしたら 子供が出来にくい家系なのかな? ゼシカと結婚したら、アルバート家存亡の危機だ。 75 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/22(木) 20 45 40 ID ZlQLd+Fk0 74 若いからこそ絶倫なんじゃないの?年行くとどんどん下降線になる。 親父はやりすぎで薄かったとか…(下品な話スマソ でも、ククールはゼシカたんと付き合うようになってからは きちんと彼女一人に絞るので、ポコポコ生まれるでしょう。 …というのが私の希望と言うか妄想。 78 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/22(木) 22 49 01 ID Htnkuhlq0 みんな、ノリがあっけらかんとしてるわりに内容が生々しすぎw 79 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/22(木) 23 02 49 ID UqgkKbelO 結婚したら痴話喧嘩が絶えないが子沢山になりそう まぁククールは過去に色々あったから 幸せになって貰いたいもんだ 80 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/22(木) 23 12 33 ID ZlQLd+Fk0 79 自分も子沢山きぼんぬ(・∀・) 銀と茶の頭のミニククールミニゼシカが大勢 部屋のそこらをチョロチョロうごめいてる図…なんて微笑ましいんだ 83 名前が無い@ただの名無しのようだ[sage]2007/02/23(金) 00 59 23 ID 6doqBCdj0 子沢山も楽しいが、もう一歩手前の妄想がしたい自分。 「まだしばらくは、オレのベイビーはゼシカだけで手一杯なんだよな…」 「…バカッ」 …バカッ はこのカップリングにかかせないアイテム
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/530.html
*ここはドニ。ゼシカがククールの仲間、もしくはそれ以上の存在であることは住人のほとんどが知っている。めったなことはないと思うが、日付も変わろうというこの時間、あの薄着で真夜中の町をフラついている彼女の姿を思い浮かべただけで、じっとしてはいられなかった。ククールは宿を出て酒場に向かった。足取りは重いが、このままゼシカを見つけずに宿に戻る気はない。「おばちゃん」店の前に、幼いころからククールを可愛がってくれた馴染みの女店主を見つけた。恰幅の良い姿はそのまま世話好きのおばちゃんという感じで、ククールも昔から随分と甘えてきた。「おや、ククールぼっちゃん」「…だから坊ちゃんはやめてくれって」思わず苦い顔をすると、彼女――リンデは、満面の笑みを浮かべる。「おっと悪かったね。女の子を泣かせる立派なプレイボーイに、ぼっちゃんはなかったかい」「……ゼシカに会ったのか?」女性特有の、笑顔と言葉の裏にあるトゲに勘付き、ククールは聞いた。リンデはさっと表情を改め、じっとククールを見つめてから、「ククール。…あの子はあんたの、恋人かい?」確かめるように聞き返した。頭の中ではそうだと言っているのだが、すぐに肯定の言葉が告げず、ククールは押し黙る。自分にとっては、そうだ。でも、アイツにとっては、もしかしたら、もう…。余計な考えを振り切るように一度首を振ってから、ククールはそうだ、と答えた。リンデは長い間ククールをじっと見つめて、苦しげに目を伏せ、息をついた。「……あんたは本当に、色々と背負い込む子だねぇ」「え?」「あんたはあんたで色々大変なんだろう、わたしには詳しくはわからないけど。…今度就任する新法皇の名がマルチェロだって聞いた時は、驚いたよ。あれは…あんたのお兄さんだろう? 前法皇の死も色々と疑惑が取りざたされているし、あんたが心穏やかでいられるわけがない」ククールは何も言えなかった。聞きたくない話題なのに、聞かなくてはならない気がする。「……それでもねぇ、ククール。自分は一人だなんて、勘違いしてはいけないよ」その一言は、ククールの心にすっと自然に沁み込んだ。今度こそはっきりと怒りをこめて、リンデはククールを見据える。「あんないい子を、あんな風に泣かせて、何が恋人だいまったく」そろそろ酔っ払いを追い出して店じまいの支度をしようとしていたリンデが、こんな時間に一人とぼとぼと町中を歩いていく見覚えのある娘を見つけたのは今から少し前。声をかけ、ククールの連れだったと思い出して、ククールはどうしたんだいと尋ねてみると、たちまち声をあげて泣き出してしまった。実はリンデは、夕方に連れ立って店にやってきた2人を、最初からこっそり注視していた。はじめから険悪で、言葉少なに、そのうち口論になり、そのうち早い時間にゼシカだけが席を立った。その後のククールはひどいもので。明らかにヤケになり、酒を浴びるように飲んでは、見知ったバニーをはべらせて人目もはばからず下品な言動に下品な振る舞い。バニーを膝に乗せて濃厚なキス、さらに行為がエスカレートしそうなところで、“ぼっちゃん”には甘いリンデもさすがにそろそろカツを入れようかと腰を上げた。その時、店の入り口に立ち尽くすゼシカの姿に気付いたのだ。帰りの遅いククールを迎えに来たのだろう、扉にもたれ、無表情に、半ば呆然と、他の女と乱れるククールの姿を遠目に見ている。「…わたしが張り倒してこようかい?」そっと近寄って言うと、ゼシカはハッとしてから、力なく笑って首を振った。「……いえ…いいんです。今は…好きにさせます。アイツ、弱いから……時々忘れるの、私がいること。…………一人じゃないって自分で思い出してくれるまでは、…放っておきます」「だけど」「おばさんには迷惑かけるけど、ごめんなさい。…よろしくお願いします。あんまり度が過ぎたらお店から放り出していいですから」そう言って頭を下げるゼシカは毅然としていて、それは確かに本心なのだろう。しかしリンデの目には、どこか必死で無理をしているようにしか見えなくて、眉をひそめる。「いいの。――……ちゃんと、帰ってきてくれれば」ゼシカが寂しげにポツリと呟いたのを、リンデは聞いた。 「他の女とイチャついてるのを見ておきながら、じっと耐えて待っててくれるなんざ、女の鑑じゃないか。それをなんだい、あんな泣かせ方して今頃飄々と探しに来て、どの口が恋人だなんてぬかすんだ。アンタぶん殴られても文句ひとつ言えないんだよ」本気で叱られてククールはたじたじだ。もちろん言い返せる要素があるわけもない。「こんな香水の匂いプンプンさせて!妙な痕までつけて!何様だいまったく!!」ぎょっとして胸元を見ると、バニーちゃんにいつの間につけられたのか、あからさまなキスマーク。リンデはククールの胸をどんと突き飛ばし、恐ろしいオーラを放って、ククールを睨みあげた。「……一体あの子に何をしでかしたんだい?」「………………。」言えない。絶対に言えない。言わないと殺されそうだが、言ったら間違いなく殺される。ククールは無言で許しを請うた。マジすいませんでしたと心の中で叫びながら。やがてリンデがニヤリと笑って見せる。「まぁいいさ。聞かなくても大体わかるからね。状況証拠はそろってる」「…ぅ、え?」「薬でも塗るかい?ソレ」口唇を指さされて、ククールは思わず口元を押さえた。ゼシカに噛まれた箇所がわずかに痛む。「ほっぺたに紅葉も張り付いてるしねぇ」「………………。」すげぇ、女の観察眼ハンパねぇ…素直に感嘆するが、それより何より…怖い。もうダメだ、これ以上攻撃されたら本気でへこむ。そう悟ったククールは、決心してぐっと拳を握った。「わかったおばちゃん、オレが悪かったから。ゼシカどこにいるのか教えてくれ」「ほんとに反省してるのかい」「してるよ。悪かった。全面的にオレが悪い。ちゃんと謝るから…」脳裏には、最後に見た彼女の泣き顔しか浮かんでこない。「……頼む。アイツに会いたいんだ」今もたった一人で、あんな風に泣いているのかと思うとたまらなかった。リンデはしばらくの間、そんなククールの顔を睨みつけていたが、そのうちふっと表情をゆるませた。やれやれ仕方ないね、という呟き。「…わたしの家にいるよ。場所はわかるだろ?土下座でもしてくるんだね。それで、二度と泣かせるんじゃないよ。いいね?」「わかってる。ありがと、おばちゃん」すぐに踵を返して走り出したククールの後ろ姿に、幼かった彼の姿を重ねて、リンデは優しく微笑むのだった。 ***赤々と燃える暖炉の前に座り込んでいるゼシカの背中を見た時、心臓が止まりそうになった。勢い込んで来たものの、その頼りない背中に胸がつまる。足が止まる。声が出ない。つくづく自分は情けないと思う。―――いきなりゼシカがぐるりと振り返り、固まっているククールと目が合った。「…!!」泣いて―――――、いるものだとばかり、思っていた。しかし次の瞬間、それがとんでもない自惚れだったとククールは知る。バッッッチイイィィィイインン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!…本当に、そんな音が部屋いっぱいに響いた。説明するまでもない、すっくと立ち上がったゼシカは、いきなりククールの頬を力の限りに張ったのだ。その威力は、さきほどと同じ単なる平手などという甘いものではない。なんの構えもしていなかったククールは、あっけなく気前よくスポーンと、部屋の隅にまで吹っ飛ばされた。その様はまさに、「なぎ払われた」と称するのがふさわしい…さすがゼシカ、そのへんの女の張り手とはわけが違うぜ。目の前に星が飛ぶとかヒヨコが回るとか、そんな力士ばりの一撃を繰り出せるのはオレのゼシカしかいねぇ。さすがオレの惚れた女。GJ。そういえば最近コイツ、格闘スキル上げるのに熱心だったっけ…これなら暗黒神などメじゃあるまい…「グーじゃなかっただけ感謝しなさいよね!!!!」一瞬気が遠のいていたククールは、聞き慣れた怒声に我に返った。「…ゼシカ」「あんたなんかダイッキライよ!!!!」目の前に立つゼシカを見上げると、顔を真っ赤にさせて拳を握りしめてククールを見下ろしていた。「なんでそうなのよ!!いつもいつも!!あんたはなんでそうバカなのよッッ!!!!」クラクラするのを堪えてゆっくり立ち上がり、いつもの身長差で彼女を見る。本気で怒っている時の顔だった。微動だにせず、絶対に相手から目を逸らさない。「なんでわかんないの!?なんですぐカッコつけるの!?カッコよくなんかないくせに!! なんにもわかってないくせに!!逃げてばっかり!!一人じゃなんにもできないくせに!!」「……その通りだよ」ククールが自嘲気味に呟くと、ゼシカは一度押し黙り、彼をじっと睨みつけた。「……何しに来たの」「謝りに」「…じゃあ謝ってよ」「……………悪かった」目も合わせられない。そんな一言で伝え切れるわけがないのはわかってる。だけど彼女のまっすぐな視線を受け止めるには、胸の中を覆う罪悪感が、まだあまりにも重くて。逸らした目線の先に、ゼシカの剥き出しの肩や鎖骨にあからさまに付けられた品のない残酷な赤い痕の多さを見て、さらに失望する。あぁ、これもさっきおばちゃんの言ってた、“状況証拠”の一つだったんだろう…と。 しばらくして、ゼシカがボソリと言葉を落とした。「…あとちょっと来るのが遅かったら、私があんたをひっ捕まえに行ってたわ」来るのが遅い、と言われてるようなものだろう。「…悪い。…待たせた」「待ってないわ」しかしキッパリと言い切られ、顔を上げる。「最初は、待とうと思った。あんたのこと、ちゃんと待ってみようって思った。 あんたが酒場で他の女の人と何してたって、私以外の人とどんな最低なことしてたって、最後に私の待つ部屋に帰ってきてくれるなら、待っていようと思ったのよ」ゼシカの顔がまた怒りに染まる。だけどその表情は、泣きそうに歪んでいる。耳をふさぎたい気持で、ククールはそれを聞いていた。改めて今日の自分の情けない所業を思い返し、奥歯を噛みしめるしかない。「―――だけどッ!――そんなのできなかった…!私は、待ってるだけの女なんかお断りよ!! ククールが間違った方に逃げるなら、追いかけて捕まえて、殴って燃やして、それから…ッ」ゼシカの瞳に涙が浮かぶ。「それから…ッ、…あんたは一人じゃないんだって、嫌ってほど教えてあげるんだから…ッ!!」頬を流れた涙に、ククールはじっとしていられず、彼女の肩に手を置いた。泣きながらもゼシカは、気丈にククールをまっすぐ見つめている。「…あぁ、オレもそう思うよ。大人しく待ってるだけなんて、ゼシカには似合わない」「…悪かったわね…」「殴ってくれてありがとうな。おかげで目、覚めた」あんな風にしてくれるのは、ゼシカだけだ。「――――…ゼシカがいるから、もう大丈夫だ」今度こそ、見上げてくる瞳をまっすぐに見つめ返し、心からそう告げる。マルチェロとも…きっと、まっすぐ、真正面から、戦うことができる。そんな決意を。ゼシカが小さな声でククール、と呟く。ククールが苦笑交じりに笑うと、ゼシカもようやく口元に笑みを浮かべた。そして…そのままで、十数秒。肩を掴んだままで一向に動こうとしない相手に、ゼシカはイラリ…と眉をひそめる。「……ちょっと…なんなのよバカ…いつもはやめろって言ってもしてくるくせに…」「え」「え、じゃないわよッ。こういう時くらい男らしく抱きしめたらどうなの?なんで何もしないのよ…ッ」まさかゼシカの方からそこに言及してくるとは意外で、ククールは咄嗟にうまい言い訳が思いつかない。さらにちょっぴり俯き、頬を染めるゼシカ。「……それに…っ、キ、キスくらいしたって…ッ、別にいいんじゃないの!?わ、私だって いつもいつも嫌がるわけじゃないんだからね!?空気ってものがあるでしょ!?バカ!!」「あの、いや、えっと…」「なによっ、もう!」しびれを切らしたゼシカの方からズイッと一歩近寄られ、ククールは焦って思わず一歩退く。「いや、待てよ。オレだって今めちゃくちゃお前を抱きしめたいけどさ、キスもしたいけどさ」「じゃあすればいいじゃない!!!!」「いやだから!オレ今…」そこまで言って、ククールはゼシカからさらに一歩下がり、申し訳なさそうに続ける。「……嫌だろ?風呂入らねぇと」 ゼシカはきょとんした。そしてすぐに、彼が何を言っているのか悟り、不機嫌な表情になる。「そりゃ…イヤよ。他の女の人の匂いさせたまま抱きしめられるなんて。でも今は、そんなことより…」「ダメだ。お前がよくてもオレが嫌なんだよ」「いいって言ってるじゃない…ッ」「嫌だ。お前にそんな我慢させたくない。一回部屋に戻ろう。ちゃんと風呂入って、それから…」「今抱きしめてほしいのよッッ!!!!!!!!!」涙まじりの叫びに、ククールは絶句する。ゼシカはスカートを握りしめ、涙をぼろぼろ流しながらククールを睨みつけていた。「ウソ…なんでしょ?本気じゃないんでしょ?だったら…だったらちゃんと…」「嘘?本気?って…何の話だ?」「…ッ!!」唐突に、ゼシカが走り寄りククールの胸に飛び込んできた。拒否していたもののいざこの状況になると、抑えていた愛しさが相まって、ククールも瞬間的に腕の中の小さな体を思い切り抱きしめていた。小さな頭を抱き込み、彼女の香りをめいっぱい吸い込む。ククールの背中のシャツを握りしめ、ゼシカもそうして安堵の息をついた。しばらくして、もぞもぞと顔を動かしたゼシカが、ククールの胸に顔を埋めたまま呟いた。「…私が他の男の人と、こういうことしても…いいの?」「なっ…」脈絡がなさすぎて、いいわけないだろ、という言葉すらすぐに出てこない。「だって私は…なんにもわかんないもの。ククール以外の男の人の胸の中も、 ククール以外の男の人のキスも、ククール以外の人との、…エッチも」「……あ~…」今さら思い出した自分の最低最悪な失言に、天を仰いで遠い目をする。――――お前も、一回オレ以外の男と寝てみたら?――――なんであんなことが言えたのか…今となっては本気で自分を呪い殺したい。「ゼシカ…あれは」「私はククールしか知らないの。ククール以外知りたくなんか、ないの」弁解を遮られ、向けられたゼシカの赤く染まった顔とまっすぐな言葉は、ククールの心を貫いた。これ以上喜ばしい言葉があるだろうか。そして愛しい。どうしようもなく。「……あれは、うそなんでしょ?…うそって言って」「嘘に決まってんだろ…お前がオレ以外となんて…考えただけで気が狂う…」本当は誰よりも独占欲が強いのは自覚してる。それを隠すのに慣れすぎただけで。だからそれを増長させるようなことをゼシカ本人から言われては、もう抑えきれない。お望み通りキスを与える。だけどそれは到底、王子様がお姫様に捧げるようなロマンティックなものじゃない。息さえ紡がせない。オレのことしか考えられないように。オレのことしか見えないように。思いのたけを、無言で伝える。口唇だけで伝える。隠してきた汚れた欲さえも、唾液と共に注ぎ込んだ。 ゼシカが酸素不足と敏感になった体を持て余して床にペタリと座り込むと、ククールは当たり前のようにそこに覆いかぶさってきた。「ちょっ…!何してんの、これ以上はダメよッッ!!」「なんで」「ここがどこだか忘れたの!?」荒い息でゼシカは叫ぶ。ククールは一瞬シーンとして、あぁ、と思い出した。「さすがに人んちでは無理か…」「…よかったわ、それくらいの理性は残ってて」呆れたため息をついたゼシカが、それに!とククールの胸をグイッと押し返した。「やっぱりイヤ!その香水の匂い全部キレイに落としてからじゃないと、絶対しない!」「さっきはいいって言ったくせに」「イヤ」頬を膨らますゼシカにククールは観念し、立ち上がる。続いてゼシカも立ち上がり、少し考えたあと、おもむろにククールに手の甲を差し出した。反射的にその手を取ってしまうのは、騎士の性。しかし顔には??が浮かぶ。ゼシカはふわりと微笑み、「これくらいは許してあげる。…早く帰ろ」そう言って、ククールの手を握り返し、そっと寄り添い、歩き出した。 *「…でもさ。自分じゃ、匂いが取れたかどうかなんて正直わかんねぇんだよな」「そんなの知らないわよ。死ぬほどゴシゴシすればいいでしょ。でも私が待ってるってことを 考慮して、迅速かつ丁寧に、かつ完璧に洗い落としてこなきゃダメよ」「手厳しーこと…。…じゃあここで一つ提案」「なによ」「ゼシカも一緒に入るってのはどうだろう。合理的かつ素晴らしい打開策だと思うんだが」「なっ!!!!」「そんでゼシカがオレの体をゴシゴシ洗ってくれれば、匂いが取れたかもわかるし無駄な時間もかからないし、何よりゼシカが一人ぼっちで待つ必要がなくなる」「そっ、そんなっ、こと…っ」「なんならそのまま次はオレがゼシカの体を隅々までゴシゴシしてやるよ。ゼシカがイイ所、思う存分時間かけてゆーっくり丁寧に洗ってやるから…」「~~~~ッッバカーーーーーッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」帰り道、人騒がせな2人がどんな会話をしたのか。その夜、恋人たちは、はじめて一緒にお風呂に入ったのか。それは、本人たちしか知らない。 傷つけた・前編
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/56.html
ゼシカ「頭がぼーっとするわ…」 ククール「どれどれ? …ん、見事に熱風邪だな。今日は休んでろよ」 ゼシカ「……ククールの手、つめたい」 ククール「そりゃ酷い熱だからじゃ…」 ゼシカ「気持ちい」 ククール「……。」 ゼシカ「もうちょっと…」
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/75.html
スレタイ案 ククゼシ2人っきりクリア攻略 ククゼシソング 諸君、私はククゼシが好きだ ヘルシング改編ネタ もしもDQ8(ククゼシ中心)の世界に2chがあったら ククールの不思議なダンジョン妄想 リーザス村のゼシカポニョ替え歌 ククミン~愛の唄~ピクミン替え歌 「ククールとゼシカの☆TOKIMEKI☆ダンジョン~暗闇でドッキドキ~」 リレーSSもどき トロデのククゼシ観察 ククゼシ専用スキル ククゼシED妄想 ククゼシをくくる えっなにそれこわい 告白シミュレーターを試してみた ウソメーカーを試してみた ゼシカの新コスチューム考えようぜ! その他2chレス色々
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/443.html
真剣なククール ドニの酒場でメラ ゼシカを引っ張るククール ククールにジロジロ見られるゼシカ 指輪渡し 君だけを守る騎士になる ゲモン戦にて1 ゲモン戦にて2 ククールに走りよるゼシカ 煉獄島脱出1 煉獄島脱出2 どう見ても手繋いでいます やきもちメラ ククールにしがみつくゼシカ?!
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/155.html
いい加減、自分の無力さがイヤになる。 オディロ院長をむざむざ目の前で殺され、ギャリングもチェルスもメディばあさんも救えなかった。 そして今度は神鳥の卵だ。ゲモンの奴は倒せたっていうのに、ツメが甘かったせいで卵は砕かれてしまった。 最悪だ。 苦行のような山登りをさせられて疲れてはいるのに、いろいろ考えちまって目が冴えてしまった。それに比べて隣で寝ているエイトはというと、幸せそうな笑みを浮かべている。 錬金とダンジョンと寄り道をこよなく愛するコイツにとって、空を飛べるようになったってことは、その三点がもれなくオマケで付いてきたってことだ。 レオパルドを追うのをそっちのけで、あちこちの山やら高台やらを飛び回り、アイテム集めに夢中になってた。 まあ、エイトのそういう所はキライじゃねえけどな。おかげで、店では手に入らないような強力な武器や防具が揃えられるし、結果的にはより安全に戦えてるから、無駄なこととは言い切れない。 何より、何の楽しみも持たずに生きてる人間なんかと一緒にいたら、こっちの息が詰まっちまう。時々、いい加減にしろとは言いたくなるが、ある程度は付き合ってやるさ。 珍しくサザンビークになんて泊まってるのもエイトの希望だ。朝一でバザーを回って、錬金の材料を揃えたいらしい。もう好きにしてくれって感じだ。 そんなことを考えてたら、部屋の外を聞き慣れた足音が通り過ぎていった。その足音が階段を降りていく気配に、オレは部屋を飛び出した。 「ゼシカ!」 階段の踊り場で、赤いツインテールが驚いたように振り返った。 「どこに行くんだ?」 オレは階段を駆け降りて、ゼシカの腕をつかんだ。 ゼシカは大きな目を見開いて、オレを見上げている。 「ああ、ビックリした。どうしたの? そんなに慌てるなんて珍しい。ヤンガスのイビキがすごくて眠れないから、ちょっと外の空気を吸おうと思っただけよ」 ゼシカの様子に、普段と変わったところは無かった。言葉通りの理由と行動なんだろう。 「・・・驚かせてゴメン。だけど、こんな夜中にレディが一人で外に出るもんじゃないぜ。着替えてくるから、ちょっと待っててくれ。オレも付き合うよ」 気がつけば部屋着のままだった。レディの前にこんな姿で飛び出すなんて、ほんとにどうかしてるぜ。 バザーのおかげで、この町は夜中でも出歩いている人間が多い。 商人たちを相手に酒や食べ物を売る夜店のようなものが出ていた。そこでホットワインを買い、空いてるベンチでそれを啜る。酒を飲む気分じゃなかったけど、夜は冷えるんで身体を温めるためだ。 「あの杖をもってサザンビークを出てから、関所を通過するまでのことは、あまりよく覚えていないのよね」 ゼシカが唐突に切り出した。 「さっき宿屋のご主人に言われたのよ。『大きな声が聞こえたけど、またケンカでもしたんですか』って。それで思い出したわ。私って杖に支配された時、ここからいなくなったのよね。それでさっきあんなに慌ててたんでしょう? ごめんね、心配かけて」 ・・・実はそうなんだ。 「オレの方こそゴメン。いい加減あんなこと忘れたいだろうに、思い出させるような行動取っちまった。ま、この件は錬金マニアのエイトが全部悪いってことにしとこうぜ。アイツのわがままでサザンビークに泊まることになったんだしな」 「何よ、それ。都合の悪いことは全部エイトのせいにしようとするんだから」 こんなふうに笑ってるってことは、この町自体はゼシカにとって嫌なことを思い出させる場所ではないらしい。となると、気にしてるのはオレだけか。我ながら繊細だな。 「でも、そうやって心配してくれる割には、私にヤンガスとの同室を押し付けるのはヒドくない? このままじゃ寝不足になっちゃうわよ、何とかしてよ」 ・・・いや、その件は全く逆で、ヤンガスにゼシカを押し付けてるってのが正しいんだよな。 サザンビークの宿屋は基本的に二人部屋ばかりで、大部屋に四人一緒に泊まる分には平気なオレもエイトも、ゼシカと二人きりで同じ部屋で眠れる自信は全く無い。 誇っていいぜ、ゼシカ。基本的に不自由してないオレと、あの朴念仁のエイトに『襲わない自信が無い』なんて言わしめるのは、お前ぐらいだ。ヤンガスはおっさんで、ゼシカは年齢的に対象外らしいから、こういう部屋割にするしかねえんだよ。 ・・・とは、とても言えないんだけどな。 「まあいいわ。その分ベルガラックでは個室を取ってもらったりしてるんだものね。ククールたちも、たまにはイビキに悩まされずに寝たいんでしょう?」 オレが返事に困っている間に、自分なりに納得する答えを出してくれたらしい。 ゼシカは公平で、こういう時は助かる。 不意にゼシカが立ち上がり、オレの背後に回り込んだ。何するつもりなのかと思ってたら、意外すぎる言葉がゼシカの口から発せられた。 「ククールって、髪キレイよね」 オレの耳がおかしくなったんだろうか。 「・・・今、何て言った?」 「えっ、髪キレイねって。・・・そんなおかしなこと言った?」 「おかしくはないけど、そりゃあ驚くさ。ゼシカに外見褒められたの初めてだ」 いつも、見とれる要素は無いだの、色気なんて初めから無いだの、言いたい放題言われてるんだからな。 「うそ、そうだった? ククールの外見がいいのは認めてるのよ? ただいつも自分で自慢してるから、ちょっと釘をさしたくなるのよ。人間、大事なのは中身なんだから」 ミーティア姫と美人度張り合ったり、胸のボリューム世界一を自負してる人間が、何言ってんだか・・・。 「闇の世界にいる間、色の着いてるものが恋しくなってたっていうのもあるわね。ちょっと触っていい?」 「ああ、もちろんいいけど・・・」 基本的にゼシカに触られて困る部分はどこにもない。むしろ大歓迎なんだけど、何か落ち着かない。突然すぎて妙な気分だ。 「うわあ、すっごいサラサラ。絹糸みたいな手触り」 いろいろイジられて、結構くすぐったい。やっぱり変だ、ゼシカらしくないぞ。 横目でゼシカが置いたワインのカップを見ると、いつのまにか全て干されていた。甘すぎて飲みにくいせいもあるけど、オレなんてまだ半分以上残してるっていうのに・・・。つまり、今のゼシカはただの酔っ払いってことか。おかしな話だが、かえって安心した。 「このところ砂漠とかレティシアの辺りとか、日差しが強い場所を歩いたから、私の髪は結構傷んじゃったのに、ククールは枝毛とか全然ないわよね。これって、不公平じゃない?」 ゼシカが何やらボヤいている。 「私なんて猫っ毛だから毎朝大変なのよ。どんなに念入りにブラッシングしてもハネるし、もつれるしで苦労してるっていうのに、何で男のくせに私より髪質いいのよ。ちょっと許せないわ」 段々、声に本気の怒りが混じってきている。 「ゼシカ、落ち着け。何か憎しみこもってるぞ。頼むからメラとかやめてくれよ。頭燃やされたら、オレ死ぬからな」 ゼシカの動きが止まる。もしかして今、危ないところだったんだろうか。結構冗談じゃ済まないところあるからな。 ゼシカはまた、オレの隣に戻ってきた。ちょっと乱暴な動きでベンチに腰をおろす。 「何ともないみたいで良かった」 そのゼシカの言葉には、安心したような響きがあった。 「昼間ゲモンが自爆した時、盾になってくれたでしょう? 髪とか焦げてないか気になってたの。遅くなっちゃったけど、ありがとう、かばってくれて」 ・・・痛いとこ突かれた。 その件は本日最大の判断ミスだってのに、礼なんか言われるのはキツい。 あの程度の爆風だったら、ゼシカの盾になんてなる必要は無かったんだ。 オレが取るべきだった行動は、自爆なんかされる前にゲモンにトドメを刺すか、卵の方をかばうかだ。 優先順位を間違えた。 おまけに、真っ先にゼシカに謝らせちまった。 ああいう時にキレてもおかしくない相手に声をかけるってことは、攻撃の対象にしてくれと言ってるのと同じだ。 守るつもりが、ゼシカを最悪の危険に晒した。 レティスが暴れださなかったからいいものの、力試しであれだけ苦労させられたんだ。本気出されたら守るも何もあったもんじゃない。言い訳する間もなく皆殺しにされてただろう。そう考えると、レティスの誇り高さに感謝するしかない。 肩に重みを感じ、視線を向けるとゼシカがもたれてきていた。どうやら夢の世界の住人になったようだ。この様子だと、ちょっとやそっとじゃ目を覚まさないだろう。 宿に戻ろうと抱き上げたゼシカの身体はやっぱり華奢で、あんな山登りの後で眠れずにいたのは可哀想だったと思う。 本人に自覚はなかったようだが、オレが感じてる苛立ちや焦りが伝染していたんだろう。そうでなかったら、ヤンガスのイビキぐらいで眠れなくなるようなヤワなお嬢様じゃないからな。 負のイメージっていうのは、周りの人間にも影響を与えやすい。 救えなかった命や、自分の中の不安材料に気をとられていたら、肝心な時に判断を誤る。 気をつけないとな。目先のことにとらわれずに、一歩引いたところから全体を見る。それが猪突猛進ばかりのメンバーの中でのオレの役割だ。 ゼシカがこんなふうに、無防備な姿を晒してくれるようになったんだ。意外な高評価の期待を裏切るわけにはいかない。ちゃんと守れるようにならないとな。 まあとりあえず今は、風邪をひかれる前にサッサと宿屋に戻るとするか。 <終> 不安-前編
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/235.html
今、目の前でちょっとした惨劇が起きている。 机に突っ伏したままピクリとも動かないのは、かつての旅仲間であるククール。 ぼんやりと見ていると、力なく投げ出されていた指先がググッ…と渾身の力をこめて動きだし、 脇にあるカップを掴んだ。土気色の悲惨な形相でその中身を飲み干した彼は、しばらくすると ようやくまともな顔色を取り戻し、ふうっ、と一息つく。 「あぶねぇあぶねぇ…やっぱゼシカの弁当には上毒消し草ブレンドが一番合うな…」 なんか、一仕事やり終えた男のいい笑顔でひたいの汗をぬぐっている。 合うとか合わないとかの問題じゃないと思うよ。 「ククールさぁ…。…前から言おうと思ってたんだけど」 「なんだよ…って、やらねぇぞ!これはゼシカがオレのためにつk」 「いらない。あのさ、ゼシカは知ってるの?ククールが毎回毎回こんな風になってるってこと」 「オレがハニーの手作り弁当にメロメロメロンになってるってことか?」 「………あぁ、いや、それもだけど。じゃなくて、こうやって毎回毎回、死にかけてるってこと」 旅が終わったあとも、俺達は時折こうして顔を合わせ、近況を報告し合っている。 どうやらククールとゼシカは、すったもんだの挙げ句なんとか納まるところに納まったらしい。 女と見ればのべつまくなし口説きにかかっていた最強の色男も、今ではぶっちゃけ軽く引くぐらい ゼシカ一筋。ゼシカ命。ゼシカにぞっこん。彼女もさぞかし迷惑がって…と思いきや、ククールが 出かける時には一生懸命手製のおべんとうを作って持たせる かいがいしさだ。 まったく2人とも旅中はあんなに素直じゃなくて、見てるこっちまでなんだかやきもきさせられたのにね。 特にククールは、どっかネジでも一本吹き飛んだんじゃないの?っていうぐらいの はっちゃけぶりで 正直 き も ち わ る ……いや、恋は盲目。俺にだって身に覚えはあるから、なんにも言えないや。 今日はヤンガスとゼシカが来られなかったので、俺とククールだけで酒場に入った。 注文もそこそこにククールはうきうきして、色男に似つかわしくないファンシーな巾着から ご自慢の手作り弁当を取り出す。持参した上毒消しブレンドも忘れずにカップに注ぎ。 …その後はまぁいつもの通り、あやうく死にかけたわけです。 「あー、いや、知らないね。ハニーを悲しませるようなことオレがわざわざ言うと思うか?」 「だろうね…。じゃあ、君たち2人でゼシカの弁当食べる時あるだろ?その時は?いくら君でも 演技で完璧にごまかせるレベルの代物じゃあないよね、この呪いのアイテム」 「呪われてねぇよ!!………そうだな、さすがにゼシカも自分の腕前がイマイチなのわかってるから、 オレがどく状態になったらすぐブレンド飲ませてくれるぜ。でも瀕死になるほどだとは思ってねぇかな。 前に一回平気なフリする間もなく昇天しかけた時、”もうククールったら慌てて詰め込みすぎよ、 食べ物のどにつまらせて瀕死なんて、子供みたいなんだから☆”って背中をたたいてくれたもんだぜ」 「…………。」 ゼシカは自分の作る料理の破壊力のほどをわかってないわけだ。もはやちょっとした兵器なのにね…。 「でもほら問題ねぇって。あいつザオリク使えるし」 そんなこと嬉しそうに言われても。使えるからって手製の弁当で恋人殺してもいいわけじゃないよ。 「………あのさ」 「でもさ、そうやってオレが具合悪そうになった時のさ、ゼシカがまたかわいいんだよ。 普段がアレだろ?それが大慌てで手当してくれてさぁ、時にはひざまくらで頭なでてくれたりさぁ、 そんで落ち着いてから、しゅんとうなだれて ”ごめんね…私どうしていつまでたっても 上手にできないんだろう…ククールにおいしいお弁当作ってあげたいだけなのに…” ときたもんだ、あのゼシカが、だぜ??!!くううぅぅ、たまんねぇなコンチクショウ!! しかもほら、いつもピョンピョンしてる愛しいツインテールがさ、しゅ~んって 元気なく垂れ下がってるの見ると、もうそれだけで押し倒したくなるんだよな、わかるだろ?」 ククールウザい。 あのさ、他人の色恋沙汰にクチ突っ込むのは趣味じゃないけど、 それ そろそろどうにかした方がいいと思うんだよね、絶対」 ククールのきょとんとした顔がなんだかものすごくバカに見える…。 「常識的に考えて、べんとう1つで人一人瀕死状態にするってあり得ないよね。 控えめに見ても殺人未遂だよね。ていうかオレ何度かククールにザオラルかけた記憶あるし、 すでに殺っちゃってるよね。訴えたら多分法廷でも勝てるよククール」 「オイオイ、その場合被害者と弁護人と証人はオレだな。ゼシカが愛ゆえにやらかしたかわいいドジ☆ だって証言してやるよ。そして真の加害者は、ゼシカをそこまで夢中にさせたこ・の・オ・レ」 「オレはゼシカが悪いって言ってるんじゃないよ。彼女が努力家なのは知ってるし、精一杯頑張ってる んだろうってわかってるから。だからね、悪いのは確かにククールだよ」 旅の途中でも、ゼシカが料理当番の日はそりゃあもうみんなしてガクブルだった。でも彼女が本気で真面目に 悪戦苦闘してる姿を後ろで見てたんだ。真剣に取り組んだ末にあのウェポンクッキングと呼ぶべき代物 (一度こっそりスライムに食べさせたらドロッと溶けた)ができあがるのは、才能なんだろう、きっと。 「ククールがいつまでもそうやって甘やかすから、上達しないんじゃないか。はっきり言って この上達しなさかげんは異常だよ?ゼシカは賢い人なんだから、ちゃんと教えてあげれば 今の破壊的な才能を生産的な才能に生かせるはずだ。…わかってるんだろうけどね」 「お察しの通り…。毎回毎回うまくいかねぇで落ち込んでる姿がかわいいって思っちゃってるからなぁ。 オレのためにさ、必死で大騒ぎして作ってくれてるんだぜ?それに水差すような真似できねぇよ。 お前だってわかるだろ?姫さんがお前のために破壊爆弾みたいな卵焼き作ってくれたってさ…」 「ミ ー テ ィ ア は 料 理 上 手 だ」 おっと…いけないいけない、思わずハイテンションな顔つきになってしまった。でもそれは本当だ。 「まぁ、確かにミーティアは、食事はあまり自分で作ることはないけど… お菓子は得意だよ。しょっちゅうクッキーやケーキを作っては食べさせてくれるんだ。 あぁそうだ、この間なんて∞LOVEと象った手作りパンを…」 「でゼシカがなんだって?」 …………くっ…ちょっとぐらい聞いてくれたっていいだろうに。 普段いかに自分のノロケ話が相手を退屈にさせているか少しは思い知ったか。 「そうそう…ゼシカだけど。だからね、確かに気持ちはわかるよ。でもさ、ほら。 君たちそのうちもし結婚でもして、子供ができたらさ」 「ベイビーか…そうだなぁ、今はハニーだけでオレの両手は塞がっちまってるからなぁ。 でもかわいいだろうなオレとゼシカのベィビーなんて。まさに天使そのもの…」 「その子供も食べるんだよ? あ の おべんとうを」 夢想にひたっていたククールがうっ、と言葉をつまらせた。 「まずいよね?」 「…………確かにまずいな」 「だから、料理上手な美人ママに軌道修正するなら今のうちだよ」 「………………う~~~ん」 ククールが今日はじめて真面目にオレの話を聞いた気がする。 ”子供”と”美人ママ”のキーワードが効いたかな。でも自分で言っておいてなんだけど、 この2人に子供が生まれたりしたら、ククールのウザさと気持ち悪さと面倒くささが 今の数倍増しになるのは目に見えてるなぁ。今から頭が痛いや… でも生まれてくる子供に罪はないよね。ママが料理上手であるにこしたことはないし。 だからククール、さっさと彼女に指南しておいでよ。君的に言えば優しくエスコート、ってとこ? …………ま、どうせ君がまだ当分そんな気にならないだろうってことは、わかってるんだけどね。 *** 「ゼシカ」 リーザスに戻ると、村の用事をすませたらしいゼシカの後ろ姿を見つけた。 いつもと違う清楚なワンピース姿はいかにもお嬢様然としていて、惚れ直すほど美しい。 「ククール!どうしたの?今日はエイトと会ってきたんでしょう?」 「あぁ、今おひらきにしてきた。相変わらずだったよ。朝、わざわざありがとうな、これ」 オレがおべんとうを掲げると、ゼシカはわずかに顔を赤らめた。 「やだ、こんなの…今度会った時でよかったのに」 「会いたかったから、さ」 ダメだなオレ。ゼシカに対しては、ろくな口説き文句が思い浮かばねぇ。 こんなストレートな言葉しか出てこないのは、何よりこれが本心だからなんだよなぁ。 ますます赤くなった彼女の頬に手を当てて、触れるだけのキスをすると。 「……バカ。やめてよね、こんなところで」 「じゃ、2人きりになる?」 「ねぇ…」 半分本気で言ったんだが、ゼシカはそれをスルーして、オレの服のすそをキュッと掴んできた。 「あの…。………ぉ、おいしかった?」 うつむいた顔は見えないが、言葉には不安な響きがにじんでいる。 オレが答える前にゼシカはまくしたてるように話し始めた。 「あ、あのね。今回はけっこう頑張ったのよ。いつもよりマシにできたんじゃないかなって。 たまごやきがね、ちょっと自信作で…見かけは今イチだけど、あ、あとハンバーグが、 ハート型なの…わかった?うさぎのリンゴも、時間はかかったけどなんとか形に…」 握りしめられた彼女の手をとる。いつもはしない白いレースの手袋は今の姿の可憐さを より際だたせているが、オレは直に彼女の白く細い指を触りたかった。 「あ、だめククール」 ゼシカはわずかに抵抗して見せたが、気にせず手袋を取り去ってしまう。 現れた指先には、思った通り、たくさんの傷とばんそうこうだ。 オレは指先に口づけ、そのまま静かにホイミを唱えた。小さな切り傷がなくなっていく。 彼女の顔を見るまで、なんて言えばいいか。「実のところ何回か死にかけてるんだ」とか 「今日の卵焼き爆発したんだ」とか「オレが教えてやるから今度一緒に作らないか」とか… 色々考えていたんだが、もう、そんなことどうでもいい。 こんなに愛しいのに、何を諫めて改める必要があるってんだ。オレのために指先を 傷だらけにしてお弁当を作ってくれる。そんな恋人に、これ以上何を求めるものがある? 「ククール…」 「最高においしかった。ありがとう、ゼシカ。愛してるよ」 ほらな。また、こんな、ありふれた言葉しか出てこない。 忠告してくれたアイツには悪いけど、オレはやっぱり彼女の弁当を食べ続けるよ。 大丈夫。まだまだ当分の間は、ゼシカの弁当を食べるのは、このオレだけだから。
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/140.html
おい、寄り道大好きエイト君よぉ。お前は何だって、こんな人気のないとこまで足を踏み入れようとしやがるんだ。 オレたちは今、ドルマゲスが逃げ込んだ闇の遺跡の結界をどうにかするために、サザンビークに魔法の鏡を取りに行く途中じゃなかったのか? お前、本気で馬姫様やトロデ王の呪い解く気あんのか? そんなんで、よく近衛兵なんて勤まってたもんだ。 ・・・と、さっきまでは、心の中で不満を並べてたんだがな。 まいった、もうエイトの寄り道好きを完全否定は出来ない。 本当に世界は広い。この世に、呪いを解くことのできる泉が存在するなんて、修道院にいたら一生知ることは無かっただろうな。 このふしぎな泉の近くに住んでるじいさんの勧めで泉の水を口にした途端、馬姫様は、あら、びっくり。絵に描いたような美人のお姫様に大変身だ。 でも世の中は、そうそう都合良く、事は運ばない。人間の姿に戻れたのはほんの少しの間だけで、姫様はまた馬の姿に戻っちまった。 可哀想に、ぬか喜びか。ミーティア姫は、すっかり落ち込んでしまってる。 「さあ、出番だぜ、エイト。姫様になぐさめの言葉のひとつでも、かけてやるんだな」 そう言ってエイトの背中を押したことに深い意味は無かった。ただ、その時はそれが一番自然なことだと思ったんだ。 でもオレはそのことをすぐに後悔することになった。すぐ隣にいたゼシカが、小さく呟くのが聞こえたからだ。 「ショック・・・」 ゼシカは姫様を見てそう言った。再び泉の水を飲み、エイトと嬉しそうに話す姿をだ。 そうだ、ゼシカはエイトのことを・・・。 しまったと思った。よっぽど鈍い人間じゃなければ、一目でわかる。姫様はエイトのヤツが好きで、エイトも姫様のことを大事に思ってるってことぐらいな。 「ゼシカ。その、なんだ、まだ決まったわけじゃないんだからさ、そう落ち込むなよ。ゼシカの魅力があれば、まだ勝負はわからないぜ」 ゼシカは、元気のない顔を、オレの方に向けた。 「ククールはどう思うの? 私とミーティア姫と、どっちだと思う?」 言葉に詰まった。軽々しい気休めなんて言うもんじゃないな。自分の首を締めるだけだ。可哀想だけど、エイトとミーティア姫の間には、誰も入り込めない絆ってやつが、もう出来ちまってる。ゼシカの想いは叶わないだろう。 「・・・やっぱりククールも、ミーティア姫の方が美人だと思うんだ」 ・・・は? 「ミーティア姫が、あんな美人なお姫様だったなんてショックだわ!」 ちょっと待て。 「でも、スタイルでならミーティア姫に勝つ自信があるわ。私の胸は最強なんだから!」 何だかわからないところで、ゼシカは熱くなっていた。 オレの思考はおいてきぼりになる。 そういう時は迂闊に口を開くもんじゃないんだが、その時のオレはどうかしてた。 「ショックって、失恋のショックじゃないのかよ!?」 ゼシカは心の底から、わけがわからないという顔でオレのことを見た。 「失恋? いったい、何の話をしてるの?」 三分程度でいいから、時間を戻す魔法ってのがあるなら、どんな修行してでも習得するぞ、オレは。言った言葉を取り消す魔法でもいい。 確かめるまでもない。完全なオレの思い込みだ。そういえば最近、オレに対してとエイトに対して、あんまり態度とかに差がなかった気がする。 落ち着け。まだ決定的な言葉は言ってない。何とかごまかせ。ゼシカは信じやすい、どうにでもなるはずだ。 「もしかして、私がエイトのこと好きだと思ってたわけ?」 おい、こら、ゼシカ! こんな時だけ鋭くなってんじゃねえよ! 「あんた・・・女の子のことなら何でもお見通しって顔してるくせに・・・そんなアホな勘違いしてたの・・・」 ゼシカは必死になって笑いをこらえているようだ。一応、姫様とトロデ王に気を使ってるらしい。 ああ、確かにアホな勘違いだったよ。人の恋路を応援してやろうなんて、そんな似合わない考え持ったこと自体が、もうアホな勘違いだ。 慣れないことしようとするから、こういう恥かくハメになる。 余計なことは考えないに限るな。今はドルマゲスを倒すことだ。そうすれば姫様と、ついでにトロデ王の呪いも解ける。全て丸く収まる。 やっぱり、エイトの寄り道グセは何とかしてもらわねえとな。今回のこと全部アイツのせいだぞ。 どうかしてたぜ、まったく。 ・・・何でだろうな。・・・ゼシカが絡むと、ホントにどうかしちまうんだよな。 勘違い-後編
https://w.atwiki.jp/kkjs/pages/417.html
ゼシカスレより 474名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/05/18(月) 02 30 12 ID zUggnWmI0 ククール「ゼシカの父ってどんな官職だろ」 エイト「えっ」 ククール「あれだけ立派な父だし、どんな官職かエイトも気にならないか?」 エイト「さあ…僕はそれについて全く知らないからなあ」 ククール「えっ」 エイト「えっ」 ククール「この間ぱふぱふ屋に連れていってやったじゃん」 エイト「えっ」 ククール「えっ」 エイト「それと官職と何の関係があるの?」 ククール「関係大有りだろ?!」 エイト「あるんだ…」 ククール「バニーちゃん達もさ立派な父を持っていたけど、 ゼシカのはそれを遙かに凌ぐはずだからな」 エイト「そうなんだすごい」 ククール「だからゼシカの父の官職もどうにかして知りたい」 エイト「ゼシカに直接聞いてみたら?」 ククール「えっ」 エイト「えっ」 ククール「ムリだろ、ムリムリ。絶対ムリ。 そんな事聞いてみろ、その瞬間に俺は天に旅立つ事になるね」 エイト「なにそれこわい」 ククール「あーそれにしても…、ゼシカの父の官職は この世のものとは思えない程のヤバイ官職なんだろうな~」 エイト「なにそれもこわい」 ククール「えっ」 エイト「えっ」 484名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/05/18(月) 17 09 47 ID bs76DmJr0 エイト「で、ゼシカの乳の感触についてなんだけどさ」 ククール「へへ、やっぱ気にしてたんだな。お前も好きだね」 エイト「えっ」 ククール「えっ」 エイト「あれからゼシカに直接聞いてみたんだ」 ククール「なにそれひどい」 エイト「えっ」 ククール「えっ」 エイト「昔はやんちゃで荒くれの手に余るほどのホアン感だったらしいよ」 ククール「そうか…意外とぽっちゃりだったんだな」 エイト「えっ」 ククール「でも質感も相当なものだと思うけどなあ」 エイト「うん、すごい性感だったって」 ククール「いじったり舐めたりしたら凄いんだろうな」 エイト「なにそれこわい」 ククール「えっ」 エイト「えっ」 ククール「で、今はどうなんだろうな」 エイト「でも前のトロデ王と一緒に体位して今は無感だって」 ククール「なにそれもひどい」 エイト「えっ」 ククール「えっ」 エイト「乳が元気なうちに一度会っておきたかったよね」 ククール「まあ、あんまりがっかりするなよ?女はゼシカだけじゃないさ 今度また立派なバニーちゃん達がいるパフパフ屋に連れてってやるからさ」 エイト「えっ」 ククール「えっ」 499名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/05/19(火) 10 16 15 ID B4j0SrEg0 ゼシカの父ってえろいよな そうなんだ 一度でいいからゼシカの父舐めてみたい えっ えっ ククゼシスより 156名前が無い@ただの名無しのようだsage2009/05/20(水) 01 20 13 ID A93qXPyB0 ククール「…なぁ、ゼシカの父ってやっぱすげぇの?」 ゼシカ「えっ」 ククール「えっ(ビク)」 ゼシカ「ククールそんなこと知りたいの?」 ククール「そりゃあオレも男だし、好きな女の父は気になるさ」 ゼシカ「そうなんだ、ちょっと見直したわ」 ククール「えっ」 ゼシカ「私の父は、本当に大きくて素晴らしくて世界で一番素敵で偉大な父よ」 ククール「そうなんだすごい」 ゼシカ「でも私が悪ガキにいじめられた時なんか、子供相手に大暴れしたこともあったわ」 ククール「なにそれこわい」 ゼシカ「普段はフワフワしてるんだけど、変にいじると途端に固くなっちゃって、意外と扱いが難しいの」 ククール「なにそれエロイ」 ゼシカ「えっ」 ククール「だけど一回でいいから拝ませてほしいもんだよな、その父」 ゼシカ「何言ってんのよ、あの優しく全てを包み込んでくれるようなあたたかい父にはもう会えないわ」 ククール「えっ」 ゼシカ「えっ」 ククール「なんで?」 ゼシカ「会えるわけないでしょ。そんなに会いたいなら天国に行く覚悟じゃないとね」 ククール「……やっぱゼシカの父の官職を知るにはメラゾーマを乗り越えないとダメか…」 ゼシカ「えっ」 ククール「えっ」