約 1,563,992 件
https://w.atwiki.jp/cfvanguard/pages/846.html
バミューダ△(華踊る綺羅星 オリヴィア軸) バミューダ△(華踊る綺羅星 オリヴィア軸) 主なカードキーカード サポートカード トリガーについて プレイング考察 弱点と対抗策 コメント デッキレシピ 外部リンク 主なカード キーカード 《学園の綺羅星 オリヴィア》 《華踊る綺羅星 オリヴィア》 サポートカード トリガーについて 内容 プレイング考察 内容 弱点と対抗策 内容 コメント デッキの編集議論に。雑談をする場合などは共有掲示板をご利用ください。 コメント すべてのコメントを見る デッキレシピ +... メインデッキ G ユニット 枚数 備考 0 バミューダ△候補生 シズク 1 FV ガンスリンガースター フロリダ 1 コミカル・レイニー 1 衝撃の出会い リプス 1 ドライブ・カルテット シュプリュ 1 クッキング・カスピ 1 熱帯の調べ メルヴィ 1 ドライブ・カルテット バブリン 1 ハートフルエール ファンディ 1 冷たい視線 サラ 1 ドライブ・カルテット リサッカ 1 お寝坊注意! クルク 4 ドPR♥ISM-M アイリッシュ 1 Duo トロピカルヒーラー メジェルダ 1 ハートの恋人 ペンネロッタ 1 PR♥ISM-M ティモール 1 ドライブ・カルテット フロース 1 1 沈黙の歌姫 イスカ 1 マーメイドアイドル セドナ 1 甘い魔法使い ロンネ 1 スイーツハーモニー モナ 1 とびきりの新入生 シズク 1 全開アイドル ルリー 1 マーメイドアイドル ファルーカ 1 見習いアイドル カレン 1 空想委員 ククリ 1 照れ隠しの美唱 プーモ 1 スイート・パラダイス マーニャ 1 Duo いいコト日記 シェリル 1 Duo 約束の日 コリマ 1 PR♥ISM-Duo アリア 1 マーメイドアイドル エリー 1 2 憧れの煌めき スピカ 1 お散歩日和 エミリア 1 Duo 恋の雫 クアンシー 1 全力アイドル サーニャ 1 夢への階段 シズク 1 破天娘 ポプリ 1 PR♥ISM-Duo スレーニー 1 ガールズロック リオ 1 Duo 純白の結晶 リッカ 1 宣戦布告 フィリエ 1 3 着ぐるみアイドル アルク 1 華花踊る綺羅星 オリヴィア 4 Duo 理想の妹 メーア 1 PR♥ISM-I ヴェール 1 高飛車見習い ヒマリ 1 GデッキG ユニット 枚数 備考 4 ガラスの靴の伝説 アモーリス 4 学園の綺羅星 オリヴィア 4 赤丸急上昇 エルプリナ 4 波間の美唱 ナージャ 4 外部リンク カードファイト!! ヴァンガード Wiki カードファイト!! ヴァンガード 共有掲示板
https://w.atwiki.jp/dorusute/pages/104.html
準惑星ケレス人☆セシィ プロフィール 本名 セシィラル=アーリアン[2] 通称 セシィ 性別 男性 生年月日 不明 年齢 不明 出身地 準惑星ケレスオッカトル地区アステロイドベルト山脈[2] 所属ユニット アンプラネット 担当カラー 青■ 一人称 俺 お友達 井阪郁巳 自己紹介 「マイプラネットは冥王星。闇夜に浮かぶ水の華、準惑星ケレス人☆セシィだ」 概要 アンプラネットのメンバー。 トレードマークは水仙[2][3]。 マイプラネットはなし(元惑星を含めていいのならば冥王星人★ポミィ)。 舞台「アンプラネット―ボクの名は―」では海王星人セシィを演じた。 人物 ポミィ不在の際は、アンプラネットのリーダーを務める[2]。 最近、地球のシリアルにハマっている[1][4]。 クールな性格だが、内に熱いものを秘めている[2]。 ポミィのことを慕っているアンプラネットのクルーの中でも、取り分けポミィが大好き。同じくポミィがお気に入りの水星人★ミミタとは、ポミィを巡って勝負するなどライバルのような関係になりつつある[5]。 関連項目 近江蒼 脚注 1. 「CHaCK-UP―Episode.0―」パンフレットより 2. 「私立SOJ学院高等学校 芸能科選抜クラスのご案内」(「アンプラネット」パンフレット)より 3. ギリシャ神話の女神デメテル(ローマ神話の女神ケレスと同一視される)の象徴である。 4. シリアルの語源もローマ神話の女神ケレスに由来する。 5. E.T.L vol.8 MCより。 [タグ]登場人物 登場人物(アンプラネット) 登場人物(メンカラ:青) 登場人物(第四弾)
https://w.atwiki.jp/talesoftherays/pages/21.html
編集中
https://w.atwiki.jp/aquarianagetcg/pages/3297.html
Break Card [[極星帝国]] 3F/3C [[モンスター]]/[[スキャナー]] 5/5/4 [[ブレイクスルー]]/レジスト・E.G.O./レジスト・[[WIZ-DOM]] ≪あなたの対戦相手全て≫は、[[効果範囲]]目標のプロジェクトカード・ファストカードを使用宣言することはできない。 この[[キャラクター]]がバトルする際、≪このキャラクター≫の[[攻撃力]]に+(5)して判定する。 3:[[メインフェイズ]]終了時まで、≪このキャラクター≫は[[ステルス]]を得る。 「闇は何処にでもあるもの……光あるところ、闇もまた、あり」 No.3046 Rarity R Illustrator 椋本夏夜 Expansion 調和の杯 カード考察 平行存在持ち/サインSPあり/素体あり/絵師のアクエリ代表としてコラボ達成の相方の異様な厚遇具合に比べると涙が出てくる。 レジスト?の組み合わせも穿った見方をすれば相方とイグニス・エクエス“ベアトリクス・カストル・サラマンドラ”の食い残し処理である。 闇=日陰らしいといえばらしいか。 精神攻撃力が上昇するのはバトル時のみなので本体へのアタックでは効果を発揮しない。 ステルスとは使い分けを考えよう。なおステルス獲得エフェクトのコストはサーペントナイト“ファリス・アルファルド”と同じ3だが、ブレイクスルーでチャンプブロックを回避できる点やテラ・エクエス“ブリギット・カストル・ノーム”の支援を受けられる点は大きそうである。 余談だが同じ絵師の魔法戦士“カーラ・アステリオン”と並び左利き疑惑がある。ついでにカストル六人組の中で唯一種族が判明していない。(火土がドワーフで水風光がエルフ) ○関連カード イグニス・エクエス“ベアトリクス・カストル・サラマンドラ” ウェントゥス・エクエス“アイナ・カストル・シルフュス” アクア・エクエス“アイノ・カストル・オンディーヌ” テラ・エクエス“ブリギット・カストル・ノーム” ルークス・エクエス“カリタ・カストル・ウィル・オ・ウィスプ”
https://w.atwiki.jp/woodworld/pages/140.html
目次 ◇物語パート フォーリナー達の思惑 オリジン人の思惑 アムルタートの龍の思惑 グレズ達の思惑 コラプサー達の思惑 富嶽人の思惑 ネフィリム人の思惑 暁帝国人の思惑 パンデモニウムの人々の思惑 第一世代ダスクフレアの思惑 ◇設定パート フォーリナー領域のスタンス オリジン領域のスタンス アムルタート領域のスタンス グレズ領域のスタンス コラプサー領域のスタンス 富嶽領域のスタンス ネフィリム領域のスタンス 暁帝国領域のスタンス パンデモニウム領域のスタンス ダスクフレアのスタンス 「俺達は戦いを強いられてきたんだ…!だからいま、そこから抜け出すべきなんだよ…!!」 「セシリアさんは、僕達に戦いを強制したことは一度もなかったよ。あの人は、いつもこの世界の平和を祈っている人だ…」 声を荒げる少年と、静かに答える少年。瞳の色はどちらも澄んでいて、強く真っ直ぐな意志の光をその中に宿す。 「お前は、あの女に騙されてるんだ…!あの女は、自分たちの世界を護るために俺達を利用しているだけだぜ…!」 「キミこそあの男に騙されているよ…。あの男は、自分の正義のためにみんなの気持ちを煽ってるだけだ…」 声を荒げる少年は相手の胸ぐらをつかみ、静かに答える少年は揺るがぬ目線で相手を見つめ返す。 「もう、やめてよ…!ふたりとも……!」 傍らで二人を見ていた少女は、争い合う二人の少年の様子に、両顔を覆って泣き出す。 その涙に、声を荒げていた少年も勢いをそがれ、バツが悪そうな顔で少女に声をかける。 「悪りぃ…。つい、カッとなっちまってよ…。でも、お前はどうなんだ…?」 優しく言う少年の言葉に、少女は泣き声まじりに答える。 「私は…、分からないよ…。戦いを強要されているみたいで嫌だったのは私も一緒。でも…だからって、こんな戦争をおこすなんて、絶対間違ってるよ…!」 怒れる心を持ちながら、それでも直向きさを捨てない少女。 その言葉に返す言葉を失いながらも、先ほどの少年は背を向けて言う。 「……とにかく、俺は行くからな。悪りぃな…。あとは頼んだぜ……」 少女のことをもう一人の少年に託し、彼は二人の仲間のもとを去る……。 フォーリナー領域のスタンスへ 目次へ 「この美しき樹木の世界を戦乱が包もうとしています…。ああ…!慈悲深き我らが女神よ…!やはり貴女は間違っておられたのだ……!!」 純白の金属鎧に身を包んだ金髪碧眼の騎士は、両の手を広げながら天を仰ぎ、大仰にそう言った。 「かつて創世の折、慈悲深き我らが創世主は、我等オリジンの民だけでなく、遍く勢力(ミーム)の迷い子らに、等しくこの大地を与えられた…。けれども、卑しき異民族どもはその御心を理解せず、この美しき大地を蝕みつづけ、ついにはナグルファルと名乗る傲岸不遜な輩を排出するにまで至った…!奴等の行いは、偉大なる『孤界産みの母』の神権を侵す許されざる蛮行であり、世界への冒涜である…!」 白騎士は声を荒げ、背後に控える民衆に呼びかける。 「そもそも、この樹木の世界は、オリジンの女神が創世し、オリジンの聖女が道を開いて人々を導き入れた世界…。故に、我らオリジンの民こそ、この樹木の世界の正統なる民であるのだ…!」 熱弁を振るう騎士の青い瞳は、どこまでも純粋に澄んでいて、故に歪んだ光を湛えていた。 「故に、この世界は、偉大なる女神セシリアの御名の下に統一されるべき世界であり、我等オリジン人こそ、この世界に住まうことの許された唯一の正統なる民であるのだ…!必要なものは異民族との融和ではない…!異民族の浄化だ…!」 それは、どこまでも純粋に歪んだ狂気の思想。 「さあ、剣を持って立ち上がれ、オリジンの子らよ…!女神セシリアを助け、不浄なるナグルファルを滅ぼし、樹木の世界を女神の御名の下に統一するのだ…!今こそ、聖戦の時である…!!」 騎士は鞘から剣を引き抜き、天高く掲げる。 天高く拳を突き上げた人々の鬨の声が、それに重なる……。 オリジン領域のスタンスへ 目次へ 「新龍皇様を救い出し、我らが聖地を奪還する!」 龍の将軍は意気高く息を荒げる。 「あのセイバーってのは強いんだろ…?俺はあの時、たまたま余所の領域に出かけてて戦えなかったからなぁ。奴と殺り合ってみてぇ…!ただ、それだけだ…!!!」 龍の勇者は獰猛な血をたぎらせる。 「奴等は、龍の悲願を踏みにじった…。人間風情が決して触れてはならぬ聖なる泉…それを土足で踏み荒らした……。私達が次世代の卵を産み落とすことをどれほど願ってきたのか…、私達にとって産卵(それ)がどれほど尊く神聖なものか……、その想いも省みらずに……!」 龍の女戦士は冷たい瞳に怒りと悲しみを宿らせる。 「「「さあ、血戦だ…!奴らを一匹残らずブチ殺し、吾等龍の力を樹木の世界に示してくれる……!!!」」」 龍達の息吹は炎(フレア)となり、世界を震わせる……。 アムルタート領域のスタンスへ 目次へ 「とにかく、私達の行うべき行動は、『端末樹』の奪還にあります。『RNS』が緊急停止状態にある今、あの樹では未来のグレズコア(こども)たちが製造途中のまま放置され、完成(たんじょう)の時を待っています。私達は一刻も早く彼等を救出しなければならないのです」 白黒警察車両(パトカー)模様の装甲を持った人型グレズは、務めて平坦な口調でそう述べる。 「もちろん それには賛成だよ。でもさぁ…」 それにいまひとつハッキリしない口調で返したのは、何故だか機首にドリルが着いているジェット機…から人型に変形したグレズ。 「でも、じゃありません。そもそも、私達グレズにとって『NRS』は種の維持に必要不可欠なシステムなのです。『RNS』により回路(こころ)と回路(こころ)を結び付け、全ての個体が調和の中で存続していくことこそ、私達グレズの在り方なのですから。だから私達は、それを取り戻さなければいけないのです」 「でもさぁ…。せっかく あの窮屈な『RNS』から解放されたんだよ…?わざわざ戻る必要ないじゃない。起源個体(パピィ)はボクたちに『調和』の中で生きる『個』であることを求めたんだからさぁ。正直、もう戻りたくないんだよ…」 「起源個体(ちち)が私達に求めたものは、私達が『調和の中で生きる個』であることです。『調和』とは、『個』と『個』の間の相互作用が均整を保って働いている状態のことです。“私”という『個』が“貴方”という『個』に働きかけ、“貴方”が“私”からの働きかけに応じる――それが相互作用です。“私”と“貴方”の間に働く“相互作用(ふれあい)”が『調和』であり、それを結び付けるのが『NRS(きずな)』なのです。『RNS』が停止して、私は貴方を認識出来なくなった…私には、それが“悲しい”のです」 “悲しみ”を語る警察人機。 その彼に削岩機少年はため息を着く。 「(わかってないなぁ…。その “キミ” も、毎日ずっと感じていたら、“ボク” は窮屈を感じるんだよ…?見えないときがあるから、見えるときが楽しいんじゃない。――それに…、隣でこうして話してるのに、『RNS』がなければキミがボクを見れないなら…、それが『RNS』に頼り切ったグレズの限界なら、ボクはそんなものなくて良い……)」 『調和(つながり)』が失われ、離ればなれになった『個(こころ)』と『個(こころ)』。 その隔たりは、二機の立つ物理空間的配置より とても遠い…。 「グレズコア(こどもたち)を助け出す戦いは、ボクも手伝うよ…。一緒に、戦おう…」 「ええ。戦いましょう!グレズの『RNS(ありかた)』を取り戻すために……!!」 ふたつのきたいは、目線を並んで行かせたまま、戦いのちに向かう……。 グレズ領域のスタンスへ 目次へ 「神をも畏れぬ不埒者が、この美しい世界を蝕もうとしています…。人の身で分も弁えず、偏狭な革命思想のもと、神権への礼すら知らずに…。私達が漸く取り戻した、この愛すべき器(せかい)を踏みにじっているのです……」 「やはり、創世主は誤っていたのだ…!主神の位に座すべき者が、人の器(からだ)に執着し、天を空座のままにしておくから、世界が際限なく無秩序になる…!」 「“神” は “世界” の意志。意志が宿って器は命を持つ…。神のいない世界は、空しき虚ろにすぎないのです……。故に定命の神などあってはならない…。神は永遠に世界とともに存在しなければならないのですから……」 「もう我侭を許しておける時でもなかろう…!天主様を正式に神の座に就かせ、その威光をもって人間達に導きを与えなければ、世界の秩序は失われ、悪徳と混乱が世界を覆い尽くしてしまう…!世界には神の意志が、人間達には神の導きが必要なのだ……!!」 神々は口々に空間に“声”を響かせる。 偉大なる者達は理解する。秩序と導きこそ、人の世界に必要なものだと…。 偉大なる者達は理解しない。人として生き 人として死なんとする、女神の気持ちを…。 「オリジン領域の敬虔なる信徒共に、神の声を汲む聖なる軍を作らせましょう…。彼等は決して私達の声を拒みません…。我が意の下に、命を賭して血路(みち)を拓いてくれることでしょう……」 「我が天軍も聖戦に参加させよう。人の子らによる神聖軍と、天使たちによる天軍。手勢に困窮する女神は、決して援軍を拒みはすまい…」 「その間に、私は天主様を永遠者に組み替えるための秘儀を準備しておきましょう…。如何に我侭な天主様も、私達の力によって怨敵を誅殺できたとあらば、私達の言葉を無下にできないはずです……」 「その時こそ、真の天主は顕れる。神話の頃より失われた、秩序と節理の世界が甦るのだ……!!」 神々は策謀する。主と仰ぐ存在の意志すら超えて…。人を陥れる悪魔のように……。 「「「「創世主の威光を永遠のものとし、この世界に秩序と導きを……!!」」」」 善なる神々は、光の声を世界に響かせる……。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 「世界に恐怖と混乱が満ちている…。実に良い眺めだと思わんか……?」 「御意に御座います」 「だが…、此の前も、此度も、それを齎したのは我々『夜』の者ではなかった……。実に…気に食わぬことだとは思わぬか……?」 「御意に御座います」 真紅の瞳に怒りを湛えた灰白の肌の男は、瞳と裏腹の愉快そうな声を操りながら、傍らの執事に語りかける。 髑髏の相貌に虚空の眼を穿った骸骨(butler)は、骨の顎を鳴らしながら、ただ主の言葉に是認を返す。 「とはいえ…、ひとまずは あの界渡りに感謝しておかねばな…。この混乱の中、私が軍を上げれば、女神も もはや私との戦いを拒めまい……。光の神達も闇の魔族も、みな己の都合によって戦乱を加速させる…。その流れは、強固な意志と絶大な威光を持った彼女にも、もはや制御など出来ぬ…。これで漸く…、私の念願も叶う……」 「祝着至極に存じます…」 嬉しそうに嘲笑(わら)う主に、傍に控える執事もまた嘲笑(わら)って応じる。 「だが、感謝と処遇は別だ…。昨日今日現れた余所者風情が この私を差し置き女神の対面に座ろうなど……、思い上がりも甚だしい…。分際を教えてやらねばならぬ…。私の “対戦相手(えもの)” に手を出せばどうなるか、じっくりと叩き込んでやらねばな……」 「不可避の戦への返礼は、生者への福音たる “理(Death)” を以って…で御座いますか…?これは性質のお悪い」 「小粋な贈り物…と言ってほしい所だな…。フフフ・・・。それに、あの界渡りの手で縄目の恥辱を受けた魔界の諸侯達も、相当に腸が煮えくり返っておるようだからな……。復讐の軍くらい上げてやらねば、盟主の務めを果たせぬであろう……?」 「御意に御座います」 「ともあれ…、目に物を見せてやらねばな……。女神にも…、界渡りにも…」 「女神とは決着を…。界渡りには死を…」 「悉く解らせてやるのだ…。この世界の『恐怖』が、誰であるのかを…な……」 ふたつの敵を同時に見据え、『夜』の主はひとり天に意志を放つ。 「して、如何致しましょうか…?」 執事の問いに、主は滑らかな弁を返す。 「暫くは、このままセント・アゴラとナグルファルを戦い合わせ、互いに戦力を消耗させる…。そして…、双方が程よく消耗しきった頃合に我が軍を差し向け、双方の軍を叩く……!」 「承知致しました…」 「九界士やセント・アゴラのカオスフレア達、並びにナグルファルの幹部には、我が軍のカオスフレア達を当たらせよ…。それから…、お前も “真の姿” を顕して構わん……」 「!!!承知、致しました」 主の許可に、骨の執事は下顎骨を歓喜に歪ませる。 「主だった敵将は悉く殺せ…。神聖軍の英雄と反乱軍の志士とが魔王軍の異形に悉く蹂躙される……それが世界の『恐怖』となるのだ…!遠慮は要らん、存分に嬲れ。女神以外は好きにして良い……」 「もし…、界渡りが女神を討たんとした場合には…?」 ずっと滑らかに弁を論じてきた主は、そこで初めて言葉を詰まらせる。 「その時は…、私の手で奴を殺す……!」 主の答えに、髑髏の執事は満足そうに嘲笑(わら)う。 「さてさて…、これは忙しくなりそうですなぁ…」 「まったくだ…。だが…、今はせいぜい愉しもうではないか…?世界に広がる、この混乱を…。革命気取りの愚かな界渡りが与えてくれた、憎き女神との戦の機運を……」 真紅の主は、夜の瞳を野望に輝かせる……。 コラプサー領域のスタンスへ 目次へ 「感じるのぅ…、蠢蠢たる戦乱の気配…。ふふふ・・・。この風、この匂いこそ戦国よ……!」 白髪の老将は、隻眼の顔を嬉しそうに歪ませる。 「セント・アゴラの乱れは、確実にこの富嶽領域にも波及する…。他の大名どもの、焦れた顔が目に浮かぶわ。この五年、皆それぞれに力を蓄え、この機を待ちわびていたのであろうからな…」 そう言う彼の顔は、むしろ彼自身こそ この戦乱の機運を待っていたのではないかと、見る者に窺わせる。 「くくく・・・。我等富嶽の武士に、交渉事で繕われた安穏とした平和など性に合わぬわ…!領国とは、己が艦砲をもって贖うもの…。ふふふ・・・、武者震いがするわいなぁ……!!」 老将は天を睨んで呵呵と笑う。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 「セシリアの女神さんと、ナグルファルのセイバーって男が、戦を起こすってぇ話だよ」 「へえぇ、あの生き神さまに戦を仕掛けようなんざぁ、大それた奴もいたもんだねぇ…」 「なんでも、女神さんの方には、神仏やら龍神様やらグレズ共が味方に着いてるんだと…。けど、相手の方にも、血を啜る悪鬼やら べらぼうに強いMTやらが着いてるらしいや」 「そいつはまた、大層な話だねぇ。まるでお伽話か妖怪譚だ」 町人たちは口々に噂する。彼等にとっては、セント・アゴラも自分達と関わりのない遠き異国であり、セシリアとセイバーの戦いも他愛のない噂話の種に過ぎないのだ。 「それよりもキナ臭いのは、お大名様方のほうさ。どこの殿様も、その大乱のどさくさに紛れて、他国に攻め入ろうと隙を伺ってるらしいや」 「まったく、冗談じゃないねぇ…。こちとら真面目に平凡に生きてるってゆうのに、今更んなって、乱世だ合戦だって言われたってさ…」 「まったく…、女神さんも自分たちの戦に こっちまで巻き込んで欲しくないもんだねぇ…」 「それを言うんなら、うちのお殿様の方さ。変に欲をかいて、戦なんぞ起こそうって気にならないでもらいたいもんだねぇ」 民衆の彼等の関心の的は、専ら自分達の生活の中にある。故に、間近に迫りつつある戦乱の機運と大名達の動向こそ、彼等の最大の関心事なのだ…。 その彼等を、茶屋の二階から遠巻きに見る男達が居た。 男達は声をひそめて言う。 「樹木の世界が開闢以来の危機を迎えようとしているのに、大名達は目先の領土欲に駆られ、富嶽領域内に戦乱を起こそうとしている…。庶民は誰もそんなものを望んでいないというものを……」 「やはり、武断政治にとらわれ艦に魂を縛られたままの古き時代の武士たちには、これからの樹木の世界で富嶽領域を束ねていけるだけの資質が無いのだ…!」 「我々は、もはや艦の外でも生きていける…。故に、艦長を絶対の主とする古き支配体制は、これからの富嶽に不要なものなのだ…!」 「立たねばならぬ…!これからの世界での生き方を知らぬ大名に代わり、我々がこの枝葉群を導くのだ……!」 男達は、意気を新たに志を誓う……。 富嶽領域のスタンスへ 目次へ 「世界もずいぶんとハデになってきやがった。コイツは稼ぎ時だぜ…!」 ジャズと紫煙が支配する『B B Cafe』の店内で、テーブル席にドッカリと腰を下ろした軍服姿の男が、そう大声で言う。 「マスター、Budwiser(バド)とミートローフを頼む…!いやっ、ここは景気づけにステーキでもいっとくか……!」 「……随分と上機嫌だな、お前さん」 鼻息の荒い軍服男に、大柄な黒人の店主はそう応じる。 「そりゃあ上機嫌にもなるぜ?マスター。なんたって、俺達NSSはここ五年間、この生温い平和の中で、ずっと干されてきたからな。会長(ボス)は方針を混沌の海の海上警備に切り替えてNSSを残してきたものの、とうぜん規模は縮小。隊員の給料は引き下げ。おかげで安酒ばっか飲んできたからよぉ……」 「ふん…。まっ、お前さんの落っことしていく金が ちっとは増えてくれるんなら、ウチにとっても悪い情勢じゃないな……」 店主は ひょいと肩をすくめて、カウンターの奥へと消えていく。 「俺の周りじゃ、今はどこもかしこも景気の良い話ばっかりだぜ?背広組は軍需物資から食料まで売る先に困らねぇって笑ってたし、ウチの軍の連中も次々と派遣先が決まってるからなぁ」 「お前さんは どうなんだ…?」 「おう!俺達の小隊はな、セント・アゴラへの配属に決まったぜ…!女神様がよぉ、主戦派の身内の抑えに困ってるって噂でな…。そいつらに貸しを作らないために、わざわざウチに頼ってきたんだと…。これがまた、とにかく金払いが良くってよぉ…!!まったく、ナグルファル様々だよな……!」 上機嫌に葉巻を吹かせ始める軍服男の所に、ジョッキいっぱいにビールを入れて店主が戻ってくる。 「背広連中は、安全なデスクの上でその倍は貰ってるだろうさ…。それに、連中のことだ…、どうせ相手方にも売り込んでるんだろ…?」 「当たり前だろ…?だが、背広連中を羨んだところで腹は膨れねぇし、敵同士に配属されりゃ、身内同士でもドンパチやるのがこの仕事だからな…。重要なのは契約とマネーだろ?Big money is the most importance…!!」 「それが我慢ならないから、俺は退役してこの店を開いたのさ…。俺が美味い酒を飲むまでには、誰かが血と脳漿をブチ撒けてクソ袋になってる…。戦場ってのは、原罪の縮図だ……」 店主はジョッキをテーブルに置き、首から下げた銀のロザリオを手に祈る。 「原罪深き我らが友の行く道に、どうか幸いあれ…、Amen…!」 ロザリオで軽くジョッキを叩き、店主はテーブルを後にする……。 ネフィリム領域のスタンスへ 目次へ 「セント・アゴラが夷狄の反乱に手を焼いて、戦力を欲している…。これは、好機である…!今こそ、セント・アゴラに援軍を派兵し、彼の天上国に貸しを作り、我が朝の発言力を高めておくことこそ、後の幸いに繋がると存ずる」 上質な絹で出来た緩やかな長袍に身を包んだ文官が、流暢な弁でそう主張する。 「否…!否である…!グレズやアムルタートさえ陥落させたナグルファルの兵力が分からぬのか…!?その戦力を敵に回すなどもっての外…!ここは奴等と手を結び、王朝の確実な存続を図るのが賢明といえよう……!」 同じく上質な長袍に身を包んだ やせ形の神経質そうな文官が、その意見に異を唱える。 「いやいや…。お二方の意見はどちらも些か極端ではござらぬか…?確かにナグルファルの力は強大。まだ我が朝に矛先が向いておらぬものを わざわざ敵に回すのは危険であろう。だが、今はまだ奴等も賊軍。それに味方することは正当に欠け、ともすれば世界を全て敵に回すことにもなろう…。どうであるかな…?ここはどちらにも与することなく、暫く様子見ということにしては……?」 今度は、丸々と太った文官が、額の汗を拭き拭き意見を述べる。 「何を言う…!そんな日和見が この情勢で通じるものか…!迂闊に中立を貫けば、戦いが終わった後に、勝った側から『なぜ味方しなかったのか?』と問い詰められるのは自明の理…。それよりも、ここは先ずセント・アゴラを上手く言いくるめながら、領域内の基盤を固めるべきである。セント・アゴラに味方する姿勢を示しつつ、西域への守りを理由に援軍を辞し、その不戦を通してナグルファルの矛先をも躱しながら、胡然を攻め落として西に版図を広げるのだ…!さすれば、セント・アゴラも無理に援軍せよとは言えぬし、たとえナグルファルが勝とうと それに対抗し得る備えを固められよう」 それに引き続いて、口髭の凛々しい文官が、眼光鋭く自論を説く。 様々な意見が飛び交い、なかなか方針は定まらない。 終わりなく続く論議に、連座の最奥に座した皇帝が、ゆっくりと立ち上がる。 「朕は、今こそセント・アゴラに派兵し、彼の国に恩を贈りつけておくべきという意見に賛成である…!」 その言葉に、連座の文官たちがピタリと口を止め、続く詔を固唾をのんで拝聴する。 「ナグルファルの首魁が如何なる論を並べようと、創世主の神権に唾すれば、それは賊軍である…!正統なき軍は必ず敗れ、天に唾する賊は必ず報いを受ける…。これは、真理である……!」 揺るぎなく意志に満ちた言葉を、皇帝は紡ぎ出していく。 「中立を守るなど以ての外。味方するのが遅れれば、戦勝の利もまた薄くなる。西域を攻めるは重要だが、あの広い二つの砂漠と一つの高原を平らげるには時を要し、また、護るに難しい。もしナグルファルが勝てば、西の備えを固める前に奴等の侵攻を許すことに成ろう……」 どの意見にも然るべき正当性はある。故に、朝の行く先を定められるのは、『正しさ』ではなく『意志』なのだ。この朝には、『天子』という意思がある…。 「セント・アゴラが堕ちれば、我が朝にも明日は無い。今こそ、『天下』を預かる『天子』として、『天上』に住まう『天主』に我らが武威を示すのだ…!」 天子の詔に、百官は伏してひとつとなる……。 暁帝国領域のスタンスへ 目次へ 「テメェ等!出入り(喧嘩)だぞ、腹ぁくくりな…!!」 頬に大きな傷跡のある角刈りの男が、右手のサイバーリムを天に突き上げ大声で怒鳴る。 「良いか…?セシリアの姐さんが、中央でデカい抗争を始めなさった。姐さんにゃあ、日頃から世話んなってる義理がある。その義理、ここで返さにゃあ、ワシ等の侠(おとこ)が廃るってもんよ…。わかるな…?」 「応っ!よりにもよって、世界の女神様を相手に喧嘩売ろうなんざぁ、良い度胸してやがる…!腕が鳴りますぜ…、組長(オヤジ)…!!」 サイバーガンの仕込まれたブラックハンドを、サングラスの組員はコキコキと鳴らす。 「セシリアの姐さんの話じゃ、ザイード教どもが、本格的に動き出そうとしてるらしい。ワシ等には、奴等の動きを牽制してもらいたいってことだ」 「あのクソ教団共が相手なら、手加減の必要はねぇやな…!派手にブチ込んでやりまさぁ…!!」 「おうっ、野郎共、出かけるぜ……!」 侠(おとこ)たちは、『任』と『侠』の二文字の下、血戦に向かう……。 パンデモニウム領域のスタンスへ 目次へ 「テメエら…、つべこべ言わずに俺様に力を貸せ……!」 青い肌の鬼は、横柄な口調でそう切り出す。 『何様のつもりだ…?××鬼…!貴様、この私に命令しようというのか?』 『何を企んでいるのかは知らない…。だが……、なめたことを言う奴は殺ス……!!』 返ってきたのは、空気を振動させた声ではなく、意志を直接飛ばした思念派の類。 怒れる8体の夕闇の思念に、鬼はヘラヘラと笑って平然と返す。 「別にテメエらに命令しようなんぞ思っちゃいねえし、テメエらをなめてる訳でもねぇさ…。ただ、ひとつ賭けに誘おうと思ってな…?」 『“賭け” だと…?どういうことだ……?』 漸くと乗り気の姿勢を見せた夕闇に、鬼はニヤリと笑って答える。 「テメエらも、セント・アゴラとナグルファルって連中が戦争をおっぱじめようとしてるのは知ってんだろ…?この世界を再創世(リジェネシス)するんなら、今が好機だ…。だが、ただ留守中を狙っても結果は期待できねぇ。俺達が暴れたら一時休戦して対処に当たるのがカオスフレアの連中のいつもの手だからな……」 『そんなことは分かっておるわ…!それで、どうしろと……?』 「だからだ…、しばらくの間、手を組まねぇか…?真なる神の声を聞いた、この9人でよ……。人間が創ったこの世界も、この世界で革命ごっこやってるガキも、昨今調子に乗ってる偽ダスクフレア共も、どれも気に食わねぇのはテメエらも一緒だろ……?」 『たしかに真なる神によって与えられた “私の” 神権を侵す連中の不遜は気に食わん…。だが、私と貴様とは創りたい世界が違う。故に、手を組むメリットなどない…。それは、他の者達も同じだろう……?』 「んなこたぁ分かってんだよ…!だが、個々の手勢じゃセント・アゴラにもナグルファルにも敵わねぇことはテメエらも分かってんだろ…?だから、奴らを皆殺しにするまでで良い…。一時だけ協力しあうことにしねぇか…?何もテメエらに俺様の下に着けとは言わねぇし、仲良しこよし手を繋ごうって言ってる訳でもねぇ…。お互い、持ちつ持たれつ…、ただ利用し合うだけだ…。なあ……?」 鬼は嘲笑(わら)いながら、着実に罠に導く。甘い言葉は最大の武器だ…。 『言ってることは同じだろう…?ただお前が我々の力を自分の都合の良いように使おうというだけだ…。それに、それのどこが “賭け” だというのだ…?』 「テメエらは、8人のうち誰も直接動かなくて良い。ただ、今まで種を撒いて育ててきた兵隊(ダスクフレア)を出し合えば良い…。その兵を率いて、女神と仮面野郎をブッ殺す…!その指揮は、俺様が執っても良いし、テメエらの中の誰かが取っても良い…」 『ほう…?』 「派手に暴れれば、それだけソイツが再創世(リジェネシス)に近づく。だが、その分だけカオスフレアに狙われやすくもなる…。奴等が徒党を組めば、数十体のダスクフレアも倒されるのは、少し前の戦いで見ての通りだ。だから、指揮を執る奴は、旨味もデカイぶん、危険もデカイ。この役は、当たりくじでも貧乏くじでもある……」 『だから “賭け” ということか…。面白い……!』 『良いであろう。その “賭け” 乗ったわ…!!』 青鬼の呼びかけに、8体の夕闇はまんまと応じる。すべては青鬼の思惑通りだ。 「じゃあ決まりだな…!で、誰が “くじ” を引く……?」 『それは言い出した貴様が引けばどうだ…?私は出資だけして高みの見物とさせてもらおう……』 『右に同じ……。危ない橋は発案者が渡ればいい……』 『我等は、貴様が “当たり” を引いたころ、ゆっくりと後ろからその首をかかせてもらうわ……!』 夕闇は口々に約束を交わし、その空間から『意志』を消す。 後に残った鬼はひとり笑う。 「さぁて……、派手に暴れるとするかっ……!!!」 夕闇の意志は、世界を震撼させる……。 ダスクフレアのスタンスへ 目次へ ◇フォーリナー領域のスタンス: カオスフレア 親セイバー派4:親セシリア派3:保守派3 権力者 そもそも存在せず 民衆 そもそも存在せず フォーリナー達のスタンスは、「セイバーの呼びかけに応じる者」「親セシリアの立場を取り、樹木の世界の平和のためにナグルファルと戦おうとする者」「セイバーの主張に同感しながらも、彼の過激なやり方には賛同できず、彼と戦うor中立を保つ者」に大別される。 セイバーに味方する者も、そうでない者も、“戦争のない世界の一般的な少年・少女の価値観”に沿って、各々の立場を決めているといえるだろう。 現在は、それぞれのフォーリナーがそれぞれの意志の下で、それぞれの戦いの準備を始めている。 フォーリナー達の思惑へ 目次へ ◇オリジン領域のスタンス: ▼人間族社会 カオスフレア 親セシリア派7:親セイバー派2:不戦派1。親セシリア急進派はこれを機に樹木の世界をオリジン人の世界にしようと画策。 権力者 親セシリア派8:親セイバー派2。親セシリア急進派はこれを機に樹木の世界をオリジン人の世界にしようと画策。 民衆 好戦派6:消極派2:不戦派2 オリジン領域の人間社会では、親セシリア派が大半を占める。オリジンの人間達の中には、同じオリジンの現人神であるセシリアを心から神聖視する人々が多いのだ。そんな多くのオリジン人にとって、セイバーの声明はセシリアの神権を侵す不遜な蛮行として響いたのである。 さらに、親セシリア派の中には、女神セシリアの名の下に樹木の世界の統一を推し進めようと願う急進派の人々がいる。そうした急進派は、セイバーの声明以来、急速に支持力を高めている。 創世当初、旧孤界・オリジンの戦乱に苦しんでいたオリジン人達は、セシリアがオリジン人のために新孤界を創世してくれると期待していた。しかし、セシリアは新孤界にオリジン人達ばかりでなく他の勢力(ミーム)の人々をも受け入れた。だが、戦乱に苦しんできたオリジン人の中には、セシリアのこうした方針に不満を持つ者達もいた。彼等は、セシリアに、今のような世界外交の調停役ではなく、絶対的な世界支配者としての役割を求め、その神権をもって樹木の世界をオリジン人のための世界にするよう願ってきたが、セシリアは頑としてこれを退けてきていた。 だが、セイバーの声明が樹木の世界全体に戦乱の機運を呼び起こしたことを受け、急進派の者達が活発に動きはじめた。目の前に差し迫る戦乱こそセシリアの民族融和政策の失敗の証であり、彼女にその方針を改めさせ彼女を旗印に異民族殲滅の聖戦を起こすことこそオリジン人が生き残る道だというのが彼等の主張だ。故に彼らは、セント・アゴラに援軍することで、セシリアの神権を脅かそうとするナグルファルを排し、同時にセシリアに自分達の主張を認めさせようと目論んでいる。 現在、オリジン領域の貴族の多くがセント・アゴラへの援軍を申し入れている。彼等の中には親セシリア急進派の他にも、先日のナグルファルによる襲撃を恨む者、セント・アゴラの凋落に自らの基盤の危機を感じる者などがいる。その一方で、圧倒的なナグルファルの力に怖気づいたり、逆に領土拡大や敵対貴族への攻撃のためにナグルファルに接近する貴族たちも少数ながらいる。 民衆は、急進派に踊らされて聖戦を望む者が半数を超えるが、一方では圧倒的なナグルファルの力を前に戦意を失い「セシリア様が何とかしてくれる」と他力本願な者、セシリアに心情的には味方しながらも戦争には反対の者もいる。 ▼非人間族社会 カオスフレア 親セシリア派8:セイバー派1:不戦派1 権力者 親セシリア派9:不戦派1 民衆 親セシリア派8:不戦派2 オリジン領域の非人間族たちも親セシリア派が大半を占める。彼らの多くは人間族以上に神や大精霊への信仰心が強く、故にそれらの神や大精霊が仕えるセシリアへの信奉も強い。 ナグルファルの台頭に対し光側の神々がセシリア支援の動きを強めたことを受け、その信徒たる彼等もまた、セシリアとセント・アゴラを支援するためナグルファルとの戦いを決意しているのだ。 現在は、各々の部族が奉じる神や大精霊の導きの下、ナグルファルとの決戦への準備を進めている。 オリジン人の思惑へ 目次へ ◇アムルタート領域のスタンス: カオスフレア 対セイバー派7:対セシリア派3 権力者 対セイバー派8:対セシリア派2 民衆 龍は、対セイバー派9:対セシリア派1 偽龍は、対セイバー派5:対セシリア派1:不戦派4 アムルタートの龍達は、新龍皇と『帝龍の翼泉』の奪還をめざし、セント・アゴラと合流して、ナグルファルとの全面対決の姿勢を示している。 ナグルファルの侵攻により、新龍皇ヴォリクスは捉えられ、『帝龍の翼泉』は制圧された。セイバーは新龍皇も泉も生かして残しておいたが、それでも龍達はセイバーの暴挙を決して許さなかった。何故なら、『帝龍の翼泉』はアムルタートの悲願である「産卵」を司る聖地であり、龍以外の者がそこに立ち入ること自体が既に決して許されざる蛮行であったからだ…。 聖なるものを踏みにじられた彼等の怒りは決して治まらない。ナグルファルとそれに関わる者達を全て滅ぼし尽くすまで、彼等は決して止まらないだろう…。 無論、戦い好きの龍のこと。新龍皇と泉の奪還という大義や、聖地を踏みにじられた憤りというだけでなく、単に「強い奴と戦いたいから」という理由で戦いを決意する者も多くいる。そうした龍達の中には、この混乱に乗じて、むしろこれまで戦うことの出来なかったセシリアやセント・アゴラの猛者達との戦いを望む者さえもいる。 こうした戦いの動機は、「カオスフレア>権力者>民衆」の順で幅広くなっている。下位の者ほどより単純で、本能に従順であり、故に素直に龍皇と泉の奪還を目指す。高位の者…とりわけカオスフレア達はより複雑かつ個性的であり、戦いの動機が多様になるのは勿論、大きな野望を持ってナグルファルに寝返ったり、セシリア達と戦いたいという願望を抱いてアムルタート軍と袂を分かったりする者が現れるようになる。 ナグルファルとの戦いで敗れた龍達も、多くは一命を取り留めており、その大半はセント・アゴラに身を寄せて再起を図っている。 アムルタートの龍の思惑へ 目次へ ◇グレズ領域のスタンス: カオスフレア 『端末樹』奪還派8:非奪還派2 権力者 『端末樹』奪還派9:非奪還派1 民衆 『端末樹』奪還派10:非奪還派0 ナグルファルの侵攻により『端末樹』が占拠された。この非常事態に対し、グレズ達の多くは、セント・アゴラと合流して、『端末樹』奪還の作戦の準備を進めている。 ナグルファルがグレズ領域に押し寄せた際、グレズ達のリーダーであるアーチエンジェルは『RNS』の機能を最大限に発揮して、数十億の軍勢を完璧な連携で操って防衛に努めようとしたが、ナグルファルは《パンデモニウム》を利用して『RNS』のハードウェアである『端末樹』にハッキングし、これを無効化した。このハッキングに対し、アーチエンジェルは自身の演算能力を最大限に発揮して なんとか『RNS』が完全に乗っ取られる前に『端末樹』を強制一時停止させることに成功したが、『RNS』を失い連携の取れなくなったグレズ軍はナグルファルに敗北。育ちかけのグレズコアを『端末樹』の枝に残したまま、グレズ領域からの脱出を余儀なくされた…。 『端末樹』は、グレズの在り方を根本から支える『RNS』の物理的支持体であり、グレズコアを産出する製造機でもある。即ち、グレズという種の存続を支える最重要ユニットなのだ。それ故に、『端末樹』奪還へのグレズの動機は非常に強い。 グレズは原則的に末端の個体ほど没個性で機械的であり、逆により高度な機能を持った個体ほど個性的で人間的である。機械としての在り方に極めて従順なメタビースト達は、『RNS』の一時停止を受けて緊急モードに移行し、個々の個体が全力を挙げて『端末樹』の奪還に向かっている。しかし『RNS』の停止により連携の取れた進撃を行えないため、ナグルファルの防衛部隊にことごとく返り討ちにされている。それでも、機械であるメタビースト達は「『端末樹』奪還」という自らに与えられた機能を投げ出さない。そんなメタビースト達の “懸命な” 姿に “心を打たれた” メタボーグ達もまた、続々と『端末樹』奪還の戦いに参戦している。これがグレズの『民衆』の動きである。 一方、グレズの権力者層ともいえるメタロードや、さらに個性的なカオスフレアのグレズ達は、少し状況が異なる。人格プログラムがより多様化した彼等の中には、このまま『RNS』を停止させておきたい、窮屈な『RNS』の支配下から脱したいと願う者達もいるのだ…。 グレズ領域は、静かに転機を迎えようとしている……。 グレズ達の思惑へ 目次へ ◇コラプサー領域のスタンス: ▼光側 カオスフレア セイバーに神罰を与えんとする(例外もいる)。急進派はこれを機にセシリアを正式に主神の座に着けようと画策。 権力者 セイバーに神罰を与えんとする。急進派はこれを機にセシリアを正式に主神の座に着けようと画策。 民衆 ナグルファル討伐の聖戦を待望 コラプサーのうち光の側の者達は、セシリアに協力してナグルファルに対立する姿勢を固めている。彼等は元々セシリアの偉業に感謝し、彼女に仕えている神々であり、そんな彼等から見ればセイバーの声明は創世主の神権を侵す傲岸不遜なものとしてしか映らなかったのだ。 彼等の中には、セシリアを神に生まれ変わらせ、その神の意志の下に樹木の世界を正しく導くべきだと主張する急進派と呼ばれる者達が存在する。そうした急進派は、セイバーの声明以来、急速に発言力を高めている。 急進派の神達は、「世界とは神の意志によって運行されるものであり、人間達は神に導かれることで正しく生きることができる」と考える原理主義的な者達である。彼等にとってみれば、セシリアが現在果たしている世界外交のバランス調停という役割は、神の果たすべき務めとして不十分なものなのだ。故に彼等は、セシリアに、人としての肉体を捨てて永遠者に生まれ変わることを勧め、今よりもっと発言力を高めて創世神として世界を強力に牽引していくよう提案してきた。しかし、そうした意見は、人として生き人として死ぬことを願うセシリアによって拒否され続けてきた。彼等はこれに不満であった…。生まれながらの永遠者である彼等にとって、人としての定命の体に拘るセシリアの気持ちは到底理解できるものでなく、むしろ、創世神が世界よりも先に滅びてしまうことなど、ただ単に「神の責任を放棄した我侭」でしかないのだ…。 これまでは、急進派の神達も、セシリアの 意志を尊重し、彼女の “我侭” に従ってきていた。だが、ナグルファルの台頭が彼等の態度を一変させた。彼等にとってみれば、セイバーのような人間の出現こそセシリアが神としての役割を放棄してきた職務怠慢の証であり、セイバーのもたらした混乱が世界を覆う今こそセシリアが正式に神と成ることが求められている時なのだ。こうした彼らの主張は、オリジン領域のものと合致する。故に彼等は、信仰心の高いオリジン人や妖精族・巨人族などに対し、セシリアを助けナグルファルと戦うよう神託を授け、同時に自らの持つ手勢もセント・アゴラに援軍として派遣した。そうしてセシリアを助けることでセシリアに貸しを作り、同時にかかる混乱を招いた手際の甘さを糾弾して、セシリアに永遠者と成ることを認めさせようと狙っているのだ…。 彼等の大半は先日までナグルファルにつかまり、その力をナグルファルの目的のために利用されていたが、カオスフレア達の活躍によって無事救出された。だが、このナグルファルの行いが、彼等の敵対意識を決定的なものにした。神々(アイオーン)と呼ばれた頃より遥かに存在は矮小化しても、彼等は誇り高き世界の主なのだ。「たかが人間の分際」で、自分達に縄目の辱めを与えた上、力を吸収して道具のように利用したナグルファルを、彼等は決して許さない。自分達の器たる樹木の世界の大地を、ナグルファルの足が踏みしめていることだけで、もはや彼等にとっては許し難い不遜なのだ…。そうした不遜なる者達に神の鉄槌を下すまで、彼等は戦いを止めないだろう…。 そうした感情も手伝い、現在は、セシリアを神に据えようという急進派も、セシリアの気持ちに理解的な穏健派も、そのほとんどがセント・アゴラに援軍を送り、あるいは自ら蒼天城に詰めかけて、ナグルファルとの来るべき聖戦に備えている。一方、カオスフレアの神の中には、必ずしもそうした流れに従わない者もいる。 ▼闇側 カオスフレア 漁夫の利を得ての闇側の勢力拡大を狙う(例外もいる)。ナグルファル自体には敵対的(例外もいる)。 権力者 漁夫の利を得ての闇側の勢力拡大を狙う。ナグルファル自体には敵対的。 民衆 闇側の勢力拡大のための戦いを熱望 コラプサーのうち闇の側の者達は、伯爵の指揮の下、セント・アゴラとナグルファルの戦いに漁夫の利を得ようと狙っている。その目的は、樹木の世界に恐怖と混乱を蔓延させ、多くの “畏れ” を得て勢力を拡大することにある。 しかし、ナグルファルによって捕えられ、力を吸い取られて利用されたことへの恨みは彼等もまた強く持っているので、ナグルファルに対しては非常に敵対的だ。世界の恐怖を魔族ならぬ人の身でもたらし、『夜』の領分を侵したことも、その恨みに拍車をかけている。現在の所は狡猾に共倒れを待って静観しているものの、ひとたび伯爵が軍を上げれば、彼等は歓喜してナグルファルに襲い掛かり、嬲り、蹂躙するだろう…。 また、伯爵は、高まる戦乱の機運に、セシリアとの決着の時が来たと歓喜している。セイバーの声明を受けて、セシリアの周りにはナグルファル討伐を願う者達が多く集まっている。その中には、コラプサーやオリジン人の親セシリア急進派たちも交じっており、彼等の勢いは最早セシリアですら止められないものになっている。一度開戦すれば、その矛先は留まるところを知らないだろう…。そこに伯爵が軍を上げれば、光の側と闇の側の全面戦争が不可避と成ることは明白なことなのである……。 ただ実際の所、伯爵にはセシリアを殺すつもりはあっても、セント・アゴラを滅ぼすつもりは未だ無いらしい。その方針については、魔界の諸侯も賛否ある所のようだが、目下の所は誰も表立って異議を唱えてはいない。原則的に彼等は利害の一致と力関係のみで繋がっており、決して一枚岩になど成り得ぬ者達なのだ…。 現在、彼等の多くはコラプサー領域の伯爵の下で着々と戦力を整えている。いずれ機が満ちれば、セント・アゴラにもナグルファルにも等しく毒牙を向けることであろう…。なお、魔界の諸侯の中でもカオスフレアと呼ばれる者達には、必ずしもそうした流れに従わない者達もいる…。 ▼中立(無所属) カオスフレア 親光側3:親闇側3:中立4。基本的にナグルファルに対しては敵対的だが例外もいる。 権力者 親光側3:親闇側3:中立4。ナグルファルに対しては敵対的。 民衆 主次第 コラプサーの中でも中立派…それも、ニルヴァーナやサンサーラや名もなき狂気の神といった有力神魔との接点も持たない真正の無所属のコラプサー達は、セシリアに味方する者、伯爵に近づく者、 あくまでも中立を貫く者と、それぞれがそれぞれの方針で動いている。 ただ、彼等もまた、ナグルファルによって縄目の恥辱を受け、力を吸われて道具のように利用されたことへの恨みは持っているので、その多くがナグルファルに対しては敵対的である。これもまた、彼等をセシリアや伯爵に接近させる動機となった。ナグルファルの力は強大であり、絶大なる魔力をほこるコラプサーといえど単独では勝ち目がない。そうした者達が、ナグルファルに対抗できるだけの力を求めて、セシリアや伯爵の下に走ったのである。逆に言えば、なおも完全中立を保つ者達は、ナグルファルに多少の恨みはあっても、戦いを決意させるほどではない者達だともいえる。 コラプサー達の思惑へ 目次へ ◇富嶽領域のスタンス: カオスフレア 個人による。勢力拡大を目指す者が多め。 権力者 混乱を機に領域内の他の枝葉群を攻めようと狙う 民衆 多くは戦乱を嫌い、平和な生活を望む。一部では武士による支配からの解放を目論む動きもある。 富嶽領域は、戦国時代を迎えようとしている。セイバーの声明以来広がる世界の混乱の中、各枝葉群の大名達は、互いに隣国を攻め、勢力拡大を図ろうと動き始めているのだ…。 もともとセント・アゴラとの交易にあまり積極的でなく、それゆえにセント・アゴラからの政治的影響もあまり受けない富嶽領域の諸大名は、セイバーの声明にも、それがもたらしたセント・アゴラの危機にも無関心であった。彼等の関心は専ら自らの周りの領地にあり、この混乱に乗じて如何に他国に攻め入るかが最重要事項なのだ。故に、セント・アゴラにもナグルファルにも与することなく、世界を二分する大乱もそっちのけで、着々と侵攻の準備を進めている。 その緊張感は、既にギリギリの所まで高まっており、今すぐにでもどこかの領国と領国の間で合戦が起きてもおかしくない状態にある。どこの大名もほぼ準備が整いきった今、彼等が必要としているものは、他国を侵すに値するだけの “大義” …即ち、戦争の切っ掛けだけなのだ…。 一方で、庶民たちは、そうした大名達の動きに不満をもらしている。彼等の多くは、戦によって自国の領土が広がることよりも、農耕や漁労、商業によって自分や家族の富を増やすことを望んでいるのだ。未開拓の土地や手つかずの資源が豊富に存在する樹木の世界においては、戦って領土や権益を広げるよりも、未開地の開拓に回る方が遥かに効率よくかつ安全に富を得られるのだから、それも当然のことではある。 こうした大名と庶民の思惑のすれ違いは、富嶽の人々が樹木の世界に定着することで戦艦の中の生活から解放されたことに由来する。かつての宇宙漂流時代では、富嶽の人々の生活圏は戦艦の中に限られていた。それ故に、艦長を絶対的な頂点とした強固な身分社会が生まれ、ひとつの艦の中で大名から庶民まで一蓮托生となって生きる集団主義の価値観が形成されたのだ。そうした社会体制や価値観が、戦艦を降りても生きていけるという事実によって揺らぎ始めているのである…。 そうした気風を読んで、富嶽に革命を起こそうと願う者達がいる。そうした者達の多くは、豪商の子息などの若き有力庶民である。彼等は、武士の支配からの民衆の解放を標榜し、武断政治から文治政治への移行と開拓・交易による富の拡大を説いている。そうした者達の中には、セイバーの声明に共感し、彼のもとに走る者もいる。 だが、そうした動きが日本における明治維新のように新たな国造りへの大きな流れになるかというと、そうは行かない。何故なら、富嶽領域には46の枝葉群をひとつに束ねられるだけの象徴がなく、領域全体を合わせて1つの国だという認識が育まれていない――認識を育むのに十分なだけの統一された政治的・軍事的組織もないからだ…。革命を目論む若者達も例外ではなく、彼等が目指しているのは個々の枝葉群単位での政権交代や社会変革に過ぎないのである…。 そうした中で、カオスフレアの立場や思惑は様々だ。艦長などの有力者のカオスフレアには、やはり周囲の領土を攻め勢力拡大を目論む者が多いが、庶民の側につき反戦を唱えるカオスフレアや、革命に身を投じるカオスフレアもいる。 いずれにせよ、富嶽領域はその内側に目に見えぬ未曾有の混乱を抱えているのだ……。 富嶽人の思惑へ 目次へ ◇ネフィリム領域のスタンス: カオスフレア 個人による。多くは自分がより儲かるように動く。 権力者 親セント・アゴラを名乗りつつ、実際は両方を相手にビジネス。 民衆 戦争景気を期待。ごく一部では反戦主張も。 ネフィリム領域は、戦争景気に沸きかえっている。高まる戦乱の機運を受け、下火だった軍需産業を中心に あらゆる業種で様々な物の需要が急速に高まっているためだ。 特に、傭兵部門や兵器部門の需要の上昇はウナギ登りである。これは、セント・アゴラがナグルファルとの戦いに向けて急速に備えを固めているからなのは勿論、ネフィリム社がセント・アゴラに隠れて密かにナグルファルとも取り引きしているからである。ネフィリム社にとってセント・アゴラは最大の顧客ではあるが、彼等は決してそこへの義理立てに縛られはしないのだ…。 セント・アゴラにもナグルファルにも迎合することなく、むしろ、折角の好景気を少しでも長続きさせるために戦争の長期化を願う…。それが、ネフィリム社やその関連会社…即ち、権力者も民衆も含めたネフィリム領域の人々の大半のスタンスである。 そうした一方で、戦禍を背景に繁栄を築く社会の在り方に疑問を抱く人々も わずかながらに存在する。そうした人々は、ストリートでギターを手に「Love and Peace」を唄うのだ。 カオスフレアであるネフィリム人の立場や思惑は個人によって様々である。多数派を占めるのは、やはり傭兵や企業人として この戦争景気により多くの富を築きあげようという者達であるが、反戦派も含め、それ以外の立場を取る者達もいる。 ネフィリム人の思惑へ 目次へ ◇暁帝国領域のスタンス: ▼新暁王朝 カオスフレア 個人による。様々な主張が存在。 権力者 セント・アゴラに味方し、恩を売りつつ、セント・アゴラを支配しようと策謀。 民衆 多くの人々にとって対岸の火事 新暁王朝は、セント・アゴラに味方して、彼の国の窮地を救うことで、彼の国に恩を売ろうとしている。 王朝内には、親セント・アゴラ派、親ナグルファル派、中立派、さらには、これを機に西域を攻め領域を統一すべきという者まで、様々な意見が存在した。その中で、新暁皇帝劉江は、セント・アゴラに味方して恩を売るという先の意見を採択した。これは、彼がセシリアに妃の命を助けてもらったという個人的な恩義もあるが、それ以上に、これを機にセント・アゴラへの発言力を高めようという打算によるものである。 もともと新暁王朝は、九界士に皇后を推挙したり、蒼天城内に皇后配下の女官を配したりと、セント・アゴラに接近し、その発言をコントロールしようという動きが強い。また、強大な軍事力を背景にセント・アゴラの後ろ盾と成ることで、さらに影響力を強めてきた。こうした動きに対し、セシリアもまた警戒心をもっているのだが、新暁王朝の力なくしてはセント・アゴラが成り立たないため、彼女も大人しく従ってきたのだ。 世界を襲う未曾有の脅威に苦しむセント・アゴラは新暁王朝の申し出を受け入れ、現在は新暁の軍が続々と蒼天城に集まりつつある…。 そうした情勢に、新暁の民衆たちは対岸の火事だ。彼等にとってセント・アゴラの戦いはあまりに縁遠いものなのである。一方で、カオスフレアの中には様々な意見の者が存在する。皇帝の方針に従う者、親ナグルファルや中立を唱える者、領域統一を主張する者、果ては中央の戦力が手薄になったことを受け謀反を企む者…。新暁の多様は一筋縄ではいかない……。 ▼周辺民族 カオスフレア 個人による。基本的には周辺の情勢に目が行く。 権力者 胡然は、新暁の隙をうかがう。 ニルヴァーナは、セシリアに協力。 サンサーラは、光側・闇側・夕闇側・ナグルファル全てに敵対。 名もなき狂神は、ザイード教と呼応し樹木の世界滅亡を狙う。 民衆 それぞれの族長・主神に従う 新暁の周辺民族は、それぞれに方針が異なり、非常に混沌とした状況と成っている。 胡然は、新暁帝国の隙を伺っている。新暁皇帝劉江はセント・アゴラへの派兵に際し、自身の禁軍の一部すら含めた、中原の中部・北東部の軍勢を派遣した。そして、ナグルファルのワープ戦術による奇襲に備えるため、中原西部・南部の兵を首都付近に呼び寄せ、護りを固めさせた。これにより、新暁の西域と境を接する区域が手薄となったのである。胡然の各部族では、これを機に新暁に専守防衛の戦を仕掛けるべきとの意見と、それでもなお強力な暁の戦力に無理は控えるべきとの意見が交錯している。特に、若き世代の族長や戦士たちには主戦派が多く、西域はいま剣呑な空気に包まれている。 天竺に存在する二国のうち、ニルヴァーナ率いるルーパ族は親セシリアの姿勢を取り、同じ天竺のサンサーラ、および、南蛮の名もなき狂気の神との戦いを始めようとしている。ニルヴァーナは中立神とはいえ、『聖』を本性とするコラプサーであり、サンサーラとの微妙な距離感からも当然の動きと言える。一方で、サンサーラ率いるヴィシャ族は、セシリア率いる光側勢力、伯爵率いる闇側勢力、名もなき狂気の神などの夕闇側勢力、そしてナグルファルの全てを敵として見做し、手始めにニルヴァーナおよび名もなき狂神との交戦準備に入っている。彼等は戦いを好む荒ぶる修羅であり、これも戦いを求めた結果の当然の動きといえる。 もっとも危険なものは、南蛮の名もなき狂気の神率いる蛮族である。彼等の正体は、旧造物主(デミウルゴス)の生み出した魂無き原初の宇宙怪獣と その眷属たちだ。彼等の上層部には、宇宙怪獣のダスクフレアが多数存在し、その総戦力はセント・アゴラさえ恐れるほどの大きさを持つ。彼等の恒久的な目的は樹木の世界の滅亡にあり、セント・アゴラは勿論、伯爵の勢力も、暁帝国領域の他の民族も、ナグルファルも、市井の人々も、全て殺戮の対象と見なしている。また、旧造物主(デミウルゴス)の息の掛かっていない、新世代のダスクフレア達も、彼等にとってみれば『神の名をかたる不届き者』であり、討伐の対象となる。現在の所、南蛮の標的は北の新暁とその先にあるセント・アゴラにある。彼等は、同じ夕闇側の勢力であるパンデモニウム領域のザイード教や、9体の第一世代ダスクフレアと組んで、樹木の世界滅亡のための戦いの準備を着々と進めている…。 こうした周辺民族のカオスフレアの姿勢は、個人によって多様である。地理的関係から、セント・アゴラとナグルファルの戦いよりも、周辺の他部族・多民族との戦いに目を向ける者が多数派ではあるが、それ以外の者達もいる。なお、南蛮のカオスフレア達は、蛮族の中では例外的に、旧造物主(デミウルゴス)やダスクフレアなどに対して敵対的な者達である。 暁帝国人の思惑へ 目次へ ◇パンデモニウム領域のスタンス: ▼外市街(ストリート) カオスフレア 個人による。多くは己の信念や野望のもと、より活発に活動。 権力者 ヤクザは、セシリアに協力。あるいは勢力拡大に明け暮れる。 デーモンは、伯爵に従う。 民衆 それぞれのグループに従う。基本的にお祭り騒ぎ。 外市街(ストリート)のスタンスは、ヤクザ達とデーモン達とで大きく分かれる。ヤクザ達は親セシリア派の者達と、どこにも与せず徒に勢力拡大に明け暮れる者達とに さらに分かれる。デーモン達は そもそもが伯爵の配下だ。 親セシリア派のヤクザ達は、日頃からセシリアに色々な恩義を受けている者達であり、その『義理』を通すためにセシリアへの協力姿勢を顕わにしている。このため、ナグルファルに対しても敵対的姿勢を顕わにしているが、遠征をするほどの戦力的余裕がないため、今のところ実際にナグルファルとの対決はしていない。彼等の刃の先は、専ら伯爵配下のデーモン達とザイード教に向けられている。 それ以外のヤクザ達は、ひたすら勢力拡大に明け暮れている。元々無法者である彼等にとって、正規軍たるセント・アゴラも反乱軍たるナグルファルも関係なく、世界に広がる混乱はただ “仕事がやり易くなる” チャンスに過ぎないのだ。 一方、デーモン達は、中央での対セント・アゴラの戦いに向かう者達と、領域内に残って親セシリア派のヤクザやザイード教と戦う者達とに分かれる。ナグルファルを恨み敵意を持っている点など、基本的な思惑はコラプサー領域の闇側の者達と同じだ。 ヤクザ達やデーモン達のこうした姿勢は、ボス格や幹部格は勿論、末端の者達までほぼ共通している。多くの生粋な “住人(ピープル)” にとって、争乱とは欲望のままに暴れられる “お祭り” なのである。これに対し、カオスフレア達の姿勢は様々だ。混乱が際限なく拡大する外市街(ストリート)に『仁』と『義』でスジを通し周囲の人々を護るために戦う者もいれば、単純に勢力拡大の野心に燃える者もいる。いずれにせよ、それぞれが己の信念や野望によって立ち、これまで以上に活発に動いている点では共通している。 ▼アーコロジー内 カオスフレア 個人による。多くはザイード教に反発的。 権力者 名もなき狂神と呼応し、樹木の世界滅亡を狙う。 民衆 ザイード教に操られ樹木の世界滅亡の尖兵となる。 アーコロジー内は、ザイード教の主導の下、セント・アゴラもナグルファルも伯爵の勢力も全て敵と見なし、樹木の世界を滅ぼすための戦いの準備を進めている。 ザイード教は旧造物主(デミウルゴス)崇拝の邪教である。教団の上層部にはダスクフレアが多数存在し、その総戦力はセント・アゴラさえ常に警戒を置いていたほどのものがある。その教義は、「人の手によって作り出されたこの世界は過ちの世界であり、真なる神の使者たるダスクフレアの手で滅ぼして再創世(リジェネシス)すべきである」というものであり、創世以来ずっとセシリアとセント・アゴラ、そして樹木の世界の滅亡を目論んできていた。また、その教義の関係から、伯爵もナグルファルも新世代ダスクフレアも無辜の民衆も、彼等にとっては等しく滅ぼすべき対象である。 彼等は現在、同じ旧造物主(デミウルゴス)の使徒である暁帝国領域の南蛮や9体の第一世代ダスクフレア達と組んで、世界滅亡のための勢力を拡大させている。目下の所の矛先は、同じ領域内で激しい抵抗を繰り返している親セシリア派のヤクザと伯爵配下のデーモンに向けられているが、当然そのさらに先にはセント・アゴラがある。 パンデモニウムの人々の思惑へ 目次へ ◇ダスクフレアのスタンス: ▼9人の第一世代ダスクフレア ダスクフレア セント・アゴラとナグルファルの共倒れを待ちつつ、双方に敵対。ザイード教や名もなき狂神と呼応し、樹木の世界滅亡を狙う。 権力者 そもそも存在せず 民衆 そもそも存在せず 9体の第一世代ダスクフレア達は同盟を組み、セント・アゴラとナグルファルの共倒れを待ちながらも その両方を狙う姿勢を示している。 彼等は、旧造物主(デミウルゴス)の声を聞いてダスクフレアと成った “正規の” ダスクフレアである。彼等の間に仲間意識のようなものは皆無だが、旧造物主(デミウルゴス)の意志を受けているという点から、旧造物主(デミウルゴス)の手から離れて創られた樹木の世界に対し、共通の嫌悪感のようなものを抱いているようだ。それは、自らが旧造物主(デミウルゴス)に与えられた破壊と創造の神権を侵されているような耐え難い苛立ちであるという。同様の動機から、彼等は、昨今樹木の世界で誕生している旧造物主(デミウルゴス)の意志に由来しない新世代ダスクフレア達のことも許し難く思っているようである。 こうした共通の動機と、セント・アゴラがナグルファルとの戦いのために身動きを取れなくなったという世界情勢が、彼等に同盟を決意させた。本来ダスクフレアは、ひとりひとりが自分だけの理想の新世界の創造を目指しているため、あまり手を組むことがない。この同盟もまた、セント・アゴラやナグルファルや伯爵の勢力といった、対抗勢力を壊滅させるまでの一時的な同盟に過ぎない。 9体で同盟を組んだ彼等は、さらに暁帝国領域の南蛮や、パンデモニウム領域のザイード教といった、旧造物主(デミウルゴス)を背景にもつ戦力とも手を結んだ。 これは、樹木の世界創世以来の未曾有の危機である。9体のダスクフレアと、南蛮、ザイード教が一体となった戦力は、セント・アゴラもナグルファルも遥かに凌駕する。そもそも、セント・アゴラや他のカオスフレア達がこれまで樹木の世界を護ってこられたのも、こうした夕闇側の勢力が手を結ぶことが決して無かったからだ…。 彼等は現在、相互に連絡を取り合いながら、樹木の世界滅亡の戦いの準備を着々と進めている…。彼等が動くとき…、それは樹木の世界の滅亡の時である……。 ▼樹木の世界で生まれた新世代ダスクフレア ダスクフレア ナグルファルに呼応。あるいは、セント・アゴラとナグルファルの共倒れ待ち。 権力者 そもそも存在せず 民衆 そもそも存在せず 旧造物主(デミウルゴス)の意志を受けることなく自らの願いの力によって誕生した新世代のダスクフレア達は、第一世代ダスクフレア達とは異なった姿勢を取っている。彼等は、「現行世界の破壊」という共通目的に惹かれてナグルファルに参加するか、もしくは、ナグルファルとも他のダスクフレアとも距離を取りながらセント・アゴラとナグルファルの共倒れを待ち独自路線での再創世(リジェネシス)を目論んでいる。 彼等の多くは、ダスクフレアとしてはそれほど強力でない者達であるが、中には第一世代ダスクフレア達さえ凌駕する超強力な力を持ったダスクフレアも居ると噂される。 ただ、彼等は旧造物主(デミウルゴス)の意志を汲まないダスクフレアであるだけに、9体の第一世代ダスクフレアや南蛮、ザイード教といった者達からは目の敵にされているようである。 そんな彼等のナグルファルへの参加は、旧造物主(デミウルゴス)の意志を受けた夕闇達の敵意をもナグルファルに持ち込んでいるという…。 いずれにせよ、彼等の動向もまた、樹木の世界を破滅に導きかねない脅威であることは間違いない……。 第一世代ダスクフレアの思惑へ 目次へ
https://w.atwiki.jp/ggame/pages/276.html
(削除ページ)
https://w.atwiki.jp/hamumui/pages/75.html
ガールアンドキラー The outline of a story -ガールアンドキラー- The cast introduction -ガールアンドキラー- STORY -ガールアンドキラー-
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/7268.html
277 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/11/13(水) 17 51 26.98 ID ??? 270 コロニー落としで平均寿命がかなり下がってるだろうから、早く成長して子孫を残そうって本能が働いてるんじゃないかな 272 キシリアはドズルよりも年上として設定されてたんじゃないか 278 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/11/13(水) 19 50 10.71 ID ??? 277 そっかー、4と2の順番を書き間違えちゃったんだな。 279 名前:通常の名無しさんの3倍 :2013/11/13(水) 21 40 37.91 ID ??? ギレン「 278…と」 キシリア「兄上も意外と甘いようで」チャキッ ギレン「………じょ、冗談はよせ」 キシリア「冗談です」 ギレン「ほ、本当か!?」 キシリア「いつもいつも同じオチではつまりませんからな。…入りなさい」 グレミー「父上! 今日こそは我々をあなたの実子として認知していただきます!」 マリーダ「あの、兄さん。大事な用事とは、もしかしてこれのことですか?」 グレミー「当然! 父上が私たちを認知してくだされば、お前も義理の娘にマスターなどと呼ばせる変態親父のところにいる必要がなくなるのだからな!」 マリーダ「ですからそれは誤解だと…」 プル「おとーさん! お小遣いちょーだい!」 プルツー「私は別にいらないぞ。お小遣いなんか。で、でも姉さんがもらうというなら私も…」 ギレン「キシリア! 謀ったなキシリア!」 キシリア「仕事はすべて私がやっておきます故。お子達と一緒に、ごゆるりとお過ごしください」 ギレン「おのれッ! セシリア、お前は私の味方だな?」 セシリア「当然です」 ギレン「よ、よし。どうにかこの場を凌ぐ策を…」 セシリア「あなたのお子ならば、どの女から生まれた者であろうと実の子として愛せる自信がありますわ」 ギレン「セシリアぁぁぁぁぁぁ!」 マリーダとグレミーの絡みってあんまり見ないよね。割と接点ありそうなのに
https://w.atwiki.jp/princess-ss/pages/32.html
黄色いカナリヤ、栗色の仔猫。 おしゃべりといじっぱりには、ごようじん。 大きな大きな落とし穴に、いつか足もとすくわれる。 *** やはり、エルドは、図書室にいた。 行儀悪く長椅子に寝そべり、本を読んでいる。 物音を立てないように、こっそりと忍び込もうとしたが、 すぐに来訪者の気配を察したようで、彼はぱっと身を起こした。 「リア。また来たのか」 「ごきげんよう」 にっこり笑って、エルドの隣に座り、柔らかいクッションに身を沈めた。 エルドが読んでいる本をちらりと確認すると、『伝承文学』という題名だった。 彼の嗜好に一貫性はない。手当たりしだいに、いろんな本を読んでいるという印象だ。 以前は、『戦術学と政治学』とかいう小難しい本を読んでいたので、 その横で大人しく刺繍をしていたのだが、 装丁の美しいこの本は面白そうだったので、横から覗いてみた。 図々しい行為だったが、エルドは特に異論はなさそうだった。 『伝承文学』とは、リヴァー由来の伝説や昔話、慣習をまとめた本であった。 「ウィグノリアの花の妖女」や「小鳥の挨拶」などなど、 セシリアにとっては、馴染み深い話ばかりだったが、 綺麗な挿絵ともに、詳細な解説も付いていて、とても興味深かった。 二人は、本に頭を埋めて、顔を寄せ合い、 リヴァーに伝わる物語の数々を読んでいった。 セシリアが読み終えると、目で合図し、 エルドが次のページをめくるといった按配だ。 そのリズムは心地よく、気持ちは童心に帰っていく。 もし、自分とエルドがあんなにも仲が悪くなければ、 こんな風に、一冊の本を読み合うことだって、当然あったのかもしれない。 自分たちは友達になるのが、あまりにも遅すぎたのだ。 堅固な友情を築き上げるのに必要な時間の積み重ねというものを、 セシリアは、あっさりと反故にしてきた。 だからこそ今、その埋め合わせをしようと躍起になっている。 エルドは、そんな彼女を不思議そうに見つめるばかりなのだが。 「あら、なつかしい」 本の新たな章題に、セシリアは思わず目を細めた。 それは、『カナリヤと仔猫』という昔話だった。 「ねえ、ねえ。エルドって、この話に出てくる 栗色の毛並みの仔猫にそっくりじゃなくって?」 「髪の色が同じだからか?」 「まあ、それもあるけれど」 ちょっと生意気そうな仔猫の挿絵を見ながら、セシリアは先を続けた。 「エルドは、『カナリヤを食べた仔猫』のような 表情を作るのがとてもうまいと思うのよ」 エルドは、腑に落ちないようだが、セシリアは自信満々だ。 「カナリヤを食べた仔猫」とは、慣用句であり、 意味は、「無表情なのに、とても満足そうな顔」といったところだろうか。 「あなたって、本当に嬉しくて満足しているときは、 それと悟られないように、心の中で笑っているタイプよ」 「へえ。じゃあ、リアは」 そこで、エルドは本をぱたんと閉じた。 「まさしくお喋りで知ったかぶりの黄色いカナリヤだな。 うるさくキィキィ鳴くところが、驚くくらいによく似ているよ」 「まあ」 反論しようとして勇むセシリアの肩を、エルドは突然引き寄せた。 「気をつけろよ。 黄色いカナリヤは、あんまりにもうるさかったから、 しまいには、栗色の仔猫に食べられてしまったんだぞ」 耳元で、そっと囁かれて、ぞくりとした。 その戦慄の理由は、恐怖だったのか、それとも期待だったのか。 考えようとする前に、セシリアの くちばし は奪われていた。 いつものように唇を貪られて、セシリアの胸は熱くなる。 エルドの行為は、いつも不意打ちで、 心の準備ができない内に、あっという間に、あちらのペースだ。 このままでは、本当に食べられてしまいそう。 心配になったセシリアが、 翼 をパタパタと震わせると、 エルドはようやく自分を解放してくれた。 ほら、やっぱり「カナリヤを食べた仔猫」のような顔をしている。 とすると、自分は本当にカナリヤになってしまうのかもしない。 「もう、エルドったら」 こちらが口を尖らし、にらみつけても、 あちらは、飄々としているのだから憎らしい。 でも、自分も、それほど怒っているわけではないのだ。 もしかしたら、とセシリアは考える。 自分がエルドに会いに来ている理由は、友情を構築するためではなくて、 ただ単に、キスしてもらいたいからだけなのかもしれない。 しかし、セシリアは、その難しい問題についても、深く考えることができなかった。 自分の胸元に、エルドの右手が、さりげなく、いやらしく伸びてきて、 途端に、セシリアの頭の中は、今朝の謎のことで一杯になったからだ。 「ねえ、エルド。私の胸は、大きくなったんですって」 「は?」 行き場を失ったエルドの手は、そのまま宙に浮いていた。 それは、今日の朝のこと。 侍女のトルテに手伝ってもらいながら、服を着替えているときだった。 セシリアは、自分のドレスの胸元が、どうも、きつくなっていることに気づいたのだ。 『成長期には、よくあることですよ』 トルテは笑ってそう言った。 『新しいドレスをたくさん作らなくてはなりませんね』 「―――で、私としては、成長期というよりは、 エルドが、あんなも私の胸を触りすぎるから、 大きくなったのではないかしら、と思いついたわけなのよ」 まったく世界は謎で溢れかえっている。 その謎全てに答えを見つけることは難しいだろうが、 せめて身近な疑問だけは解消していきたい思うのだ。 「どうかしら、この仮説は?」 「いや、それは生理学な知見からすれば、その……」 「なあに?」 「俺に、そんなことわかるわけないだろ!」 ぷいっとそっぽを向くと、エルドは、また本を開き始めた。 何でもない風を装っているが、その首筋は、真っ赤であった。 おや珍しい、彼がここまで動揺するなんて。 セシリアは目を丸くした。 同時に、昔からのよくない癖で、ついつい嬉しくなってしまう。 「……お前さ」 エルドは、どこか定まらない視点のまま口を開いた。 「何かしら?」 「まさか、お前の侍女に、その仮説のこと喋ってないだろうな」 「エルドが、私の胸を何回も触ったから大きくなったかもしれない、と?」 「だから、何回も口に出して言うなよ!」 「トルテには、話してないわ。 確証がないのだから、まずエルドの判断を仰ごうと思ったの」 まあ、どちらにしろ、エルドとのことは言えないだろう。 いくらセシリアだって、ただの友人に胸を触られることが、 一般の範疇から外れていることくらいわかっている。 「ねえ、どう思って、エルド。 何かあなたなりの考えがあるかしら」 「ああ。考えていたんだけど、決めたよ」 エルドは再び本を閉じた。 「俺は、もう絶対に、金輪際、リアの胸を触らないからな」 唐突なエルドの宣言に、セシリアは首をかしげた。 「エルドってば、論点がずれているわよ。 私が質問したことは、つまりあなたが――――」 「君に論点なんて言葉は、似合わないから止めたほうがいいよ」 「何ですって!」 「論理の跳躍と超解釈は、リアの専売特許じゃないか」 「あなたって、本当に失礼ね。私の話は いつでも、ちゃんと整合性があるわよ」 「いいや。だいたいリアは、いつもいつも――――」 その日は、お決まりの口喧嘩に発展してしまい、 結局、二人が『カナリヤと仔猫』の続きを読むことはなかった。 *** ――――――――このように、 お喋りなカナリヤと捻くれた仔猫は、 自分たちの欠点を認めることも、 直すこともなく、その関係を破綻させてしまう。 「カナリヤを食べた仔猫」 という慣用句を生み出したことでもお馴染みの この話は、研究者たちのあいだでは、長年、 子供たちを躾ける目的で、作られたものだと考えられてきた。 実際、幼い読者たちは、この話の教訓から、 自他ともに欠点があることを認識し、 互いに、補い合う必要性を学んでいく。 それは人間関係を構築するための重要な要素であろう。 しかし、別の説によると、この話は、明らかに、 厄介な男女関係の理を暗示していて――――――――――
https://w.atwiki.jp/nicorekiyugi/pages/50.html
PC名:アシリア・ヴァレンティーノ PL名:劉度 戦績ポイント:5 消費経験点:51 種族:人間 ワークス :高校生兼シスター 年 齢:16 性 別:女 髪の色:青 瞳の色:水色 肌の色:白 身 長:162cm 体 重:49kg ウィザードクラス:聖職者Lv.7 スタイル クラス:アタッカーLV.0 属性 :火/天 総合 レベル :7 クラス クラス レベル 聖職者 7 CF修正値:3 プラーナ 内包値:7 解放値:3 基礎能力値 ベース 成長値 現在値 筋力 12 器用 8 敏捷 8 精神 7 知力 5 信仰 7 知覚 7 幸運 9 戦闘値 ベース クラス修正 特殊能力 総合レベル 未装備戦闘値 装備 最終戦闘値 命中 7 3 1 1 6 18 18 回避 7 2 0 -1 -2 7 攻撃 10 4 3 17 16 33 防御 9 2 1 12 13 25 魔導 8 0 1 9 2 11 抵抗 8 0 2 10 1 11 魔攻 6 0 2 8 8 魔防 6 0 3 1 9 10 20 耐久力 33 5 3 37 7 48 魔法力 27 2 4 29 11 22 行動値 10 2 0+7 19 19 移動力 ベース 特殊能力 未装備状態 装備 最終値 2 2 2 ライフパス 出自・生活 特徴 効果 あやしい家系 秘密の力 【命中】+1,【回避】-1 リビングレジェンド 名声 あなたが行うみずからの持つコネクションに関わる情報収集判定に+3の修正を得る コネクション コネクション 関係 グイード・ボルジア 兄姉 ヴィヴィ先生 秘密 鈴鹿葉月 友人 和泉京香 弟妹 ローマ聖王庁 桜花寮 特殊能力 名称 SL タイミング 判定値 難易度 対象 射程 代償 効果 月衣 ― 常時 自動 なし 自身 なし なし アイテムを隠す 月匣 ― 常時 自動 なし 自身 なし なし 月匣を展開する 物理攻撃力UP ― 常時 自動 なし 自身 なし なし 【攻撃】を+[CL+3]する 代償軽減:特殊能力 1 常時 自動 なし 自身 なし なし 特殊能力の代償として消費するMPを-SL点減少 祝福 1 常時 自動 なし 自身 なし なし 『ウィッチブレード』の攻撃修正を+2し、その武器での物理攻撃のダメージは火属性の魔法ダメージになる 聖遺物 1 常時 自動 なし 自身 なし なし 祝福 で指定した武器すべての攻撃修正をさらに+[SL+1]する。その武器による物理攻撃のダメージは特殊能力で軽減したり、0にしたりできない 教団の支援 1 メジャー 自動 なし 自身 なし なし 『ウィッチブレード』の命中修正を+[SL+1]。シナリオ1回 神罰代行者 3 セットアップ 自動 なし 自身 なし 4HP ラウンドの間、命中判定を+[SL×2]、【攻撃】ジャッジを+[SL×4]し、リアクションの達成値に-4する 退魔 3 マイナー 自動 なし 自身 なし なし メインプロセスに行う【攻撃】【魔防】ジャッジの達成値に+10する。「シーンSL回まで」(元:シナリオSL回まで) 超級聖人 ― 常時 自動 なし 自身 なし なし 退魔 の効果を「シーンSL回まで」に変更する。また、 退魔 を使用した攻撃の対象が裏界と闇界のエネミーの場合、【攻撃】【魔攻】ジャッジの達成値に+10 祓魔撃 1 メジャー 命中 対抗 単体 武器 1MP 対象に 祝福 で選択した武器による物理攻撃を行う。この攻撃の射程を+1sqし、ダメージロールの達成値に+[SL×3する] 天罰 ― メジャー 自動 なし 自身 なし 9MP 即座にメジャーアクションを2回行う。シナリオ1回 神鎧 3 オート 自動 なし 自身 なし 3MP ダメージロールの直前に使用する。【防御】【魔防】ジャッジの達成値を+[SL×4]。ラウンド1回まで 神聖呪言 1 オート 自動 なし 単体 3sq 7c,1P 対象が「タイミング:常時」以外の特殊能力を使用した時に使用。その特殊能力の効果を打ち消す。アクションを消費する特殊能力を打ち消した場合、対象は打ち消された特殊能力を使用する以外のアクションを選び直す。シナリオSL回まで 伝家の宝刀 4 常時 自動 なし 自身 なし なし SL個、総額[100万+100万×SL]v.までのアイテムを常備化する 伝家の術式 1 常時 自動 なし 自身 なし なし [100万+100万×SL]v.以下の魔法を常備化する 断罪解放 ITEM マイナー 自動 なし 自身 なし なし そのシーンの間、使用者がエミュレイターから受けるダメージを5点軽減し、それらに与えるダメージを+5 ブレードアサルト ITEM メジャー 自動 なし 自身 なし 1P 使用者は全力移動を行い、移動後にウィッチブレードによる攻撃を1回行う。この時、命中判定の達成値に-2,ダメージロールの達成値に+5。この特殊能力はウィッチブレードに搭乗中かつ飛行状態でのみ使用可能 EX月衣 エクスキューショナー 1 常時 自動 なし 自身 なし なし 神罰代行者 による【攻撃】ジャッジへの効果を+[ 神罰代行者 のSL×4]に、リアクションの達成値への効果を[5-SL]に変更する(適用済み) 魔法 魔法記憶容量:11 名称 魔法レベル 種別 タイミング 判定値 難易度 対象 射程 代償 効果 コンティニュアルライト 2 汎用 メジャー 自動 なし 効果参照 効果参照 3MP 使用したタイル全体を対象とする。そのシーンの間、対象のタイルの明度を+1する(最大4) ヒートシフト 1 付与 オート 自動 なし 単体 0sq 4MP ジャッジの達成値を+2。Cは発生せず、Fは発生する フェザーウォーク 1 付与 オート 自動 なし 自身 なし 1MP,2c 移動を行う前に使用。メインプロセスの間、【移動力】+1 オラクル 1 汎用 メジャー 自動 なし 効果参照 なし 4MP GMに直接質問できる。GMは回答を拒否してもよい。その場合、使用した回数には含めない。1シナリオ1回まで 武装・魔装 重量上限:18 魔法装備可能レベル上限:11 名称 種別 重量・魔法レベル 命中 回避 攻撃 防御 魔導 抵抗 魔攻 魔防 耐久力 魔法力 行動 移動 射程 装備部位 備考 ウィッチブレード 片手 6 -1 16 1 -1 0sq 片手 伝家・祝福(天属性魔法ダメージ)・聖遺物(特殊能力無効)・教団の支援・ ブレードアサルト ・4スロット エネルギーブースター option 2 オート:搭載した箒による【攻撃】ジャッジの直前に使用。達成値+6。シナリオ1回。2スロット 魔法迷彩 option 0 常時:この塗装は10点分のHPを持つ。搭乗中に魔法ダメージを受けた場合、塗装のHPから差し引くこと 聖堂法衣 カテドラルカソック 防具 2 3 2 2 4 衣服 機動聖衣 で安売り・伝家・ 断罪解放 マジックハット 防具 1 1 1 1 頭部 シスターの頭のアレ 鎖帷子 防具 3 防具 -1 5 上半身 インナー ボルカニックブラッド 魔装 5 3 -2 5 7 -10 -1 防御 伝家 クイックエンブレム 魔装 1 -1 2 付与 所持品 名称 重量 効果 スマート0-phone 0 高性能携帯電話 MUGEN-KUN 0 クレカ 幸運の宝石 1 パリンする カソック 2 普段着 セイントコマンド 0 発動魔法のMP代償を-1 使用経験点 初期作成経験点51 点数 内訳 20 伝家の宝刀 10 セイントコマンド,クイックエンブレム 6 伝家の術式,オラクル,妹 5 エネルギーブースター,魔法迷彩,ローマ聖王庁 10 エクスキューショナー イタリア生まれのシスター。元は怪しいながらも家格の高いお嬢様だったが、7歳のころに修道院に預けられる。そこでウィザードとして覚醒し、グイード・ボルジアの下でエミュレイターと戦ううちに聖王庁でも一目置かれるリビングレジェンドとなった。色んな意味で。 現在は輝明学園で高校生活を送りつつ、周辺のエミュレイター事件にボルジアからの指示を受けて介入している。 最近の悩みは、知り合いが裏界勢力ばっかりということ。これでいいのか聖職者。 (7/28)そろそろ神罰代行者のコスパがヤバいことになってきた。