約 1,871,759 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8048.html
前ページ次ページ風の使い魔 メイドの朝は早い。 シエスタは陽が昇り始めたばかりの薄暗い時間に目覚める。髪を梳かし、メイド服に身を包むと、 身だしなみを整えて部屋を出た。食堂に向かうのだが、途中水場で顔を洗い、目を完全に覚まして気分を切り替える。 これからが一日の最初にして、一番大変な時間。 歩きながら手順を組み立てる。シエスタの主な仕事はテーブルのセッティングだ。 生徒達が来てすぐに食べられるよう、完璧にしておかなければ。 考えながら歩いている間に、食堂に着く。最後にざっと服装をチェックして、握り拳を固めた。 もう同僚も来ているだろうし、いなくても同じこと。一日の始まりは元気よく。 その方が気分も引き締まって仕事も捗るというもの。 と、いうわけでシエスタは食堂の大きな扉を開け放つなり、 「おはようございまーす!」 快活に朝の挨拶をした。既に来ていた二、三人のメイドが反応する。しかしシエスタは彼女らを見ることなく、 ちょうど視界の中央に立つ二人の見知った少年に留まったまま固まった。 「よー、シエスタ」 「おはよう、シエスタ」 誰より早く挨拶を返してきたのは、モップとホウキを持った才人と風助。普段ならこんな時間にこんな場所にいない二人である。 「風助君にサイトさん!? なんで二人ともこんなところに……そのモップは?」 当然ながら驚くシエスタに、風助と才人が歩み寄る。どことなく照れているようにも見えた。 「いや、それが……」 二人は顔を見合せて頭を掻く。遠巻きにこちらを見る同僚のメイドは、呆れたような面白がるような、変にニヤついた顔をしていた。 「いやぁ、腹減って目が覚めちゃって……」 「外に出たら、美味そうな匂いがしたから匂いを追っかけて……」 「気が付いたら厨房に来てて……」 「おっちゃんになんか食わせてくれって言ったら……」 どちらも理由は同じのようだ。流石に、ここまで言われればシエスタでなくとも察しがつく。 何故ならば、この時間の厨房は修羅場であるからして。 「ははぁ、それで暇なら準備を手伝ってこいって追い出された、と」 二人が頷いた。シエスタはがっくり項垂れた。ついでに他のメイドは爆笑していた。 頷いた才人の頭頂部が心なしか盛り上がっているせいか。なんとも馬鹿らしい、それでいて彼ららしい理由である。 「だからって律儀に手伝わなくてもいいんですよ?」 「いつも大変だろ? だからちょっとでも役に立てればと思ってさ」 「他にすることもねぇしな」 そう言って、せっせと掃除を再開する二人。 最初は人手が増えるならいいかとも思ったのだが、違った。実際初めてみると、 手順を知らないので横で見ていないと危なっかしくて仕方ない。気持ちは嬉しいのだが、ぶっちゃけ邪魔である。 とはいえ、そうも言い辛く、シエスタは考えた末に両手を打ち鳴らした。 パンパンと乾いた音が響き、視線が集まる。 「二人とも、ちょっとそこに並んでください!」 仕方がないので徹底的に監督することにした。腰に手を当てて、気をつけの姿勢で並ばせる。 「いいですか? 風助君はホウキはいいから雑巾がけを。サイトさんはお皿を並べるのを手伝ってください。 早く終わらせればその分、早くご飯が食べられます。だからつまみ食いは絶対駄目ですからね! 特に風助君!!」 「おー!!」 揃って右手を振り上げる。呼応するように、ぐぅぅ、と二人の腹が鳴った。 「わたしだってご飯食べてないんですよ……」 シエスタは呆れ混じりに呟いた。 本当に大丈夫だろうか。果たして分かっているのかいないのか、シエスタは不安になった。 他のメイドが傍観しているあたり、どうやら二人のお守は自分だと認識されている。 それにしてもこの二人、使い魔として束縛されているのかと思いきや、なかなかどうして自由な性格である。 それぞれ単独ならまだしも、男の子同士、意気投合する部分が多いのだろう。傍目からは、まるで兄弟。 いや、揃って悪乗りするあたり、完全に同年代の悪ガキ二人か。 風助は食べ盛り(そんなレベルでもないが)だから仕方ないにせよ、 才人にはもう少し年長者としてしっかりしてもらいたいものだ。無謀とはいえ、 貴族に立ち向かった勇気は素直に敬意に値するのだが、普段の彼からはまったく感じられないのも困りもの。 もしも決闘で彼が勝利していれば、或いは恋慕を抱くようなことがあったかも――想像してシエスタは一人含み笑いを漏らす。 これも運命の悪戯と言う奴か。まぁ、良き友人の一人には違いないのだが。 それでなくても、自分は家庭環境からか幼い子供には世話を焼きたくなる性分らしい。 風助相手にはどうにも贔屓目に見てしまうのだった。 準備はつつがなく進み、次第に雑談する余裕も出てきた。 「ねぇ、風助君。今日も行くの?」 「ああ、今日中に片付けられっかな」 休憩時間や空き時間を縫って二人と集まるのが、ここ最近のシエスタの日課だった。 そこは風助や才人と親しくなれた場所。誰に秘密にしているわけでもないが、今は三人だけの場所。 そういえば、才人は子供の頃の秘密基地を思い出すと言っていたっけ。 「でも道具も足りないし、他にもあれこれ足りないぜ? どうするんだよ、風助」 「明日は虚無の曜日だし、街に行って必要なものは買出しておくといいんじゃないかな。 私、明日はちょっと付き合えないんだけど、ミス・タバサにお願いしてみたら?」 「う~ん。けど、あいつ連れてってくれっかな……」 風助の、いつもの太陽のような能天気さが一瞬曇った。彼にしては珍しく、不安げで気弱な発言。 実際どうだったかは分からないが、シエスタの感じた翳りは彼女が言うより早く、一瞬で隠れてしまう。 さて、どうしたものか。そっとしておくのがいいのか、それとも突っ込んでみるか。 シエスタが決めあぐねていると、 「なんだよ、風助。お前もしかして、あのタバサって娘に嫌われてんのか?」 横から才人がからかいだした。言いながら風助の帽子を叩いたり、ぐりぐり撫でたりしている。 「かもしんねぇな」 「え……」 風助を弄っていた才人の手が止まった。シエスタとしても意外だったが、先ほどの違和感が気のせいでなかったことを確信する。 実際才人は「おめぇと一緒にすんな」とか、もっと気楽な返事を予想していただけに、かなり動転した。 その胸中は分からないが、これだけは分かる。 どうやら、地雷を踏んでしまった。 見かねたシエスタが才人の袖を引いて顔を寄せる。 「……駄目ですよ、サイトさん。ほんとのこと言っちゃ……」 「えっ、そうなの? 俺は冗談のつもりで……」 「傍から見てたら丸分かりですよ……。どう見ても噛み合ってないですし……」 「でも、俺達みたくケンカしてるようには見えないけどなぁ……」 こそこそ密談を交わす間も、才人はとぼけた発言を繰り返す。 この少年、その手のことには相当鈍い。才人の主従が"ケンカするほど仲がいい"とは思わないが、 一人だけ空回っているよりかは格段にましだ。どちらが辛いかはともかく、 シエスタから見れば、タバサと風助の距離は才人とルイズの距離よりはるかに遠い。 まったく、友達のくせに男ってのはそんなことにも気付かないのか。 シエスタはついイラっと来て声を荒げた。 「冷え切ってるんですよ! 倦怠期ですよ!」 むぅ、冷えてない時期がなかったのに倦怠期と言うのは違ったか。 と、言ってから思った。 「ちょ……シエスタ、声大きいって……」 才人になだめられてハッとなるシエスタ。恐る恐る振り向くと、全部聞こえていたのだろう、 風助がじっとこちらを見つめていた。 「ご、ごめんなさい、風助君。今のは、その……」 「気にすんな。俺は別に気にしてねぇぞ。届かねぇなら届くまで粘るしか、やり方を知らねぇからな。気持ちも、言葉も」 取り繕うにも混乱して言葉が出てこず、慌てふためくシエスタだったが、幸い風助は傷ついていないようだった。 ほっと安堵してから、才人と二人して気休めの言葉を吐く。 「ほ、ほら、ミス・タバサって実力主義っぽいじゃない。風助君が使い魔として頑張れば認めてくれるよ」 「そうそう、認めてもらいたいって気持ちは俺も分かるよ。俺も決闘に勝ってりゃなぁ。 少しはあいつも……あいつにも馬鹿にされずに済んだんだけどなぁ」 ちらりと横目で才人を見ると、少年はやや疲れ気味に嘆息していた。 それはきっと単なる慰めでなく、本心からの共感。使い魔という、ある意味平民以上に行動を制限された立場ながら、 それでも自由に生きているように見えた二人にも、彼らなりの悩みがあった。 シエスタは、風助と才人を交互に見て思う。友人として、力になれるものならなってやりたいと。 しかし問題は、彼ら使い魔と貴族の主人間での不和であり、一介のメイドが口出しできる領分を超えている。 勿論、二人とも大事な友達である。いよいよとなれば、怖いけど勇気を振り絞って抗議だってする。 けれども、まだそれには及ばないだろうとも思っていた。 「けどさ、別に無理に仲良くなんなくてもいいんじゃないか? 少なくとも、俺はルイズと仲良くなれそうな気はしないね」 才人の言葉にも一理ある。 いつも単純な風助と接していると忘れがちであるが、この国で、社会で、平民として暮らしてきたシエスタにとっては、 むしろ才人の意見の方が身近で現実的に思えた。両者の間には超えられない高い壁が確実に存在するのだ。 「やっぱり平民と貴族ですからね。なかなか難しいです」 「本当に……貴族と平民じゃ仲良くなれねぇもんなのか? 俺は友達だと思える奴ができたぞ。 才人、おめぇは仲良くしてぇと思ってたのか?」 風助の問いは真っ直ぐなだけに才人の胸に深く突き刺さり、苛立ちを呼び起こす。 才人はカッとなって風助を睨んだ。 「俺が知るかよ……。だいいち、いきなりこんなとこに呼び出されて、 ちょっと文句言ったら飯抜いて鞭で叩く奴と仲良くしたいと思えるかっての。それに……お前だって面白がられてるだけかもしれないぜ?」 自然と物言いにも棘が混じる。 その言葉が貴族でも平民でもなく、同じ境遇なはずの風助から放たれたからこそ、余計に才人は反発した。 ままならない現状が、自ら招いたものだとでも言うのか。召喚されて一週間、自力で如何様にも変えられたはずだと。 スタートラインが同じ自分は、現にそうしてきた、と。 真意はどうあれ、才人には受け入れられなかった。 風助はそれきり沈黙。顔こそ変わらなかったが、重く険悪な空気が漂い出す。才人も黙々と作業を再開するが、 板挟みになっているシエスタは堪らない。なんとかこの空気を変えなければと、シエスタは考え――閃いた。 「そうだ。風助君、まずは周りから固めていったらいいんじゃない? ほら、ミス・タバサのお友達と言えば……」 午前中の講義が終わり、昼食。再び生徒達が食堂に集まる。 そこまではいつもと同じ。 だが、風助と才人の様子はそうではなかった。風助は足りないと愚痴ることもせず、才人は粗末な食事をろくに味わいもせず口に運ぶ。 思えば、朝食の席から二人は誰とも口を利かなかった。 風助に限っては、気付いた人間は当事者を除けばタバサただ一人。食べっぷり自体はまるで乱れがなかったので、当然と言えば当然だった。 観察していたから気付ける、これまでなら気にもしなかった些細な異常。だからといって、いくら観察したところで理由には行き当たらず、 気付いたからといって意味はないに等しかった。 時間が経つにつれ、タバサ以外もおかしいと感じ始める。風助が食べ終わったにも関わらず、腹も鳴らさず、立ち上がりもしなかったからだ。 下を向いて、ぼ~っと考え込んでいるようにも見えた。 やがて風助は立ち上がると、風助から離れるように座っていたギーシュに歩み寄り、一言。 「なぁ、おめぇらケンカの続きはやらねぇのか?」 ギーシュの肩が大きく跳ねた。十秒ほど置いて、ぎこちない動きで風助に顔を向ける。 「君はいつもとぼけてるくせに、つまらないことは覚えているんだね」 「俺が邪魔しちまったから、気になってたんだ。それで、やらなくていいのか?」 食堂中の全員がギーシュと風助に注目する。迂闊な返事はできなかった。 「そ、そうだね。僕はいつまでも平民の無礼を根に持つほど狭量な人間ではないんだが…… 無論、彼が望むなら拒む理由はないさ」 ギーシュはしばし考えて、才人に丸投げた。これなら、体面を保ちつつ再戦を回避できると考えた。 才人も、あれだけやられて今更戦いたいとは思わないだろうと。 「才人。おめぇはどうなんだ?」 ケンカ中の風助からいきなり話を振られて困惑する才人。なんとなく決まりの悪さを感じる。 「俺は別に……」 と答えたものの、ギーシュに対する怒りをなくしたわけではなかった。風助の騒ぎでうやむやになってしまい、 目が覚めてからは、ルイズにたんまり説教され、溜まった掃除と洗濯。そんな目まぐるしい忙しさで少し忘れていただけだ。 面倒事ばかりではない。風助やシエスタと荒れ地を整地するのも楽しいもので、憩いのひとときは嫌なことを忘れさせた。 「けど、やられっぱなしってのも悔しいよなぁ……」 才人は胡坐を掻いて、頬杖をつく。 ううん、こうしていると段々と腹立たしくなってきた。すると、沸々とやる気が湧いてきたのを見計らったかのようなタイミングで、 近くに来ていたシエスタに忠告される。 「危ないですよ、サイトさん! 風助君みたいに強いならともかく、メイジの方と戦うなんて……」 それが決め手になった。シエスタは自分を心配して忠告してくれたのだろうが、完全に逆効果。風助と比較され、完全に火が点いた。 男の意地――と言うには些か陳腐な虚勢だが、シエスタにこうまで言われて黙っていられるほど才人は大人でも、また大人しくもなかった。 「よし、やろうぜ。今度は俺から申し込む」 立ち上がった才人が、挑戦的な目つきでギーシュを誘う。予想外の挑戦に、ギーシュは困ってしまった。 「受けてやれよ、ギーシュ。あのままやったら僕が勝ってたって息巻いてたじゃないか。ここで受けなきゃ男が廃るぜ?」 そこへ畳みかけるように言ったのは、級友のマリコルヌだ。更に次々と声が続き、食堂がにわかに活気づく。 簡単に言ってくれるものだと思った。才人単独なら余裕で勝つ自信はある。問題は風助だ。あの得体の知れない術だ。 しかしながら、あれは肌で感じた者でないと共感は得られないだろう。荒れ狂う暴風の渦に為す術なく、 その先にある自分の死を直視させられた。次は参加しないと言っていたが、いよいよとなれば分かったものではない。 生徒達は既に観客と化し、才人と共にギーシュの返答を待っている。ああ言った手前、断る選択肢は最早なかった。 助け船を求めてモンランシーを見ると、彼女はメイドに何やら耳打ちされ、ギーシュなど見ていなかった。 二人は互いに囁き合い、最後にモンランシーが軽く頷く。 ギーシュは消沈しかけたが、すぐに最後の希望は潰えていなかったと思い直す。 あのメイドは才人の決闘を止めたいはず。なれば、モンモランシーに止めてくれと頼んだのかもしれない。 モンモランシーに涙ながらに制止されれば、遺憾ながらも挑戦を断らなければならないからだ。男として。 モンモランシーがギーシュの視線に気付いた。愛らしい唇、にこやかな微笑み。しかし美しい旋律で紡がれた言葉は、ギーシュにとっての絶望を告げる。 「いいじゃない、ギーシュ。受けてあげれば? 風助は参加しないんでしょ? だったらあなたの楽勝じゃない」 いつから彼女はあのカエルを名前で呼ぶようになったのだろう。 一瞬疑問に思ったが、そんなことは瑣事に過ぎない。彼女は自分の勝利を信じている。それも一片の疑いもなく。 こうなれば、もう腹を括るしかないのか。 「……仕方ない。受けて立とうじゃないか」 ギーシュも立ち上がって、才人をきつく見据える。交差する視線が火花を散らした。 場が最高潮に盛り上がった頃になってようやく、 「ちょっと! 勝手に決めるんじゃないわよ! サイト、あんたの御主人様はわたしなんだからね!!」 ルイズが抗議の声を上げた。あまりにトントン拍子で話が進むので、口を挿むタイミングを逸していたのだ。 「それじゃ、早速やろうぜ。場所はこの間と同じでいいよな?」 「ああ、僕はいつでもどこでも構わない」 「ちょっと聞いてるの!? また痛めつけられるだけよ! なんだってこんなことするのよ! ギーシュだって! 今度はお咎めなしじゃ済まないんだから!!」 「理由なんかねぇ。ただ、むしゃくしゃしてるだけだ。こんなもん、ただのケンカなんだからな」 そうとも。理由なんかない、子供の掴み合いと同じ。 正直、魔法は怖い。なのに、心は勝手に立ち向かっていた。あくまで想像に過ぎないが、自分は無力で凡庸な男だが、 それに甘んじるのに耐えられなかったのだと思う。 ギーシュも髪を気障ったらしく掻き上げる。 「だそうだ、ルイズ。これは決闘じゃない。ちょっとしたケンカなんだから別に問題ないだろう」 話を聞かない二人に、ルイズは頬を膨らませた。 寝食を盾にしても、今の才人は聞かないだろう。いっそ、この場で魔法を炸裂させてでも止めてやろうか。 それとも、教師に告げ口して止めてもらおうか。などと思ったが、どちらもプライドが邪魔をする。結局、 「もう! 好きにすればいいわ!! 今度は怪我しても知らないんだからね!!」 としか言えず、才人はそれを了承と取ったのか、ギーシュと二人して食堂を出ていく。続いて観客がそれを追い、 後に残されたのは興味のない一部生徒とメイド。残った中にはキュルケやモンモランシーも含まれていた。 ルイズが憮然としながら腕を組み、思い返す。 どうして、こうなった? これは誰のせいだ? 食堂内を見渡すと――いた。 ギーシュと才人の分だろう。メイドからデザートのジェラートを三人分もらい、幸せそうに頬張っている、すべての元凶。 どんな魂胆があってけしかけたのか、前回止めたのはなんだったのか。訊きたいことは山ほどあった。 イライラも思うさまぶつけたかったが、今はぐっと堪える。 「あんたも来なさい。危なくなったら止めるのよ!」 ルイズは彼の襟首を引っ掴み、ずりずり引き摺りながら食堂を後にする。 元凶である風助は、さしたる抵抗もなく大人しく引き摺られていった。 騒動の原因がこぞっていなくなると、食堂はしんと静まり返る。幸い、ここまでは首尾よく行っていた。 さて、自分も休憩を取ったら行こうかと片付けを始めたシエスタは、はたと気付いた。 風助が勝手に連れていかれたと言うのに、一番文句を言うべき人間がいない。尤も、居たとしても文句を言うとは思えないが。 「タバサなら、二人と一緒に出て行ったわよ」 声はキュルケだった。騒ぎにもまるで動じず、我関せずとばかりに優雅に食後のお茶を満喫していた。 あの騒ぎなら、いついなくなっていても感付かれないだろう。しかし、タバサを探していたことを察するとは。 「あなた……なかなかの悪女ね」 キュルケがシエスタを見て小さく笑う。どうも、すべてお見通しらしく、その証拠に目が笑っていなかった。しかし、 「何のことですか?」 シエスタは最大限に可愛いと思える微笑みで小首を傾げた。 キュルケの性格上、叱られるとは思わなかったが、この方が都合がいい。彼女も今の反応で確認できれば十分だろう。 次にシエスタがモンモランシーを見ると、ちょうど彼女もこちらを見ていた。今更密談も変なので、シエスタは照れた仕草で小さく片目を瞬いた。 「あんたって平和主義者だと思ってたわ……」 呟くルイズの前には、四日前とほぼ同じ光景が広がっていた。 ギーシュと才人がヴェストリの広場の中央で睨み合う。観衆が二人を輪になって囲み、戦いの火蓋は今にも切って落とされようとしていた。 ルイズと風助は輪より一歩内に踏み出て、それを見守る。ルイズは気が気でなかったのだが、 風助は両手を頭の後ろで組み、そわそわしているルイズに馴れ馴れしく話しかける。 「大丈夫だ、才人は勝つぞ。だから、あんまり心配すんな」 「そうね……って、あんたがけしかけたんじゃない!! そうよ、なんで煽るようなこと言ったの!?」 風助の気休めに頷きかけて、このケンカが元はと言えば誰が言い出したのかを思い出す。 問い詰めるだけじゃ到底治まらない。積もり積もった怒りを込めて、ルイズは風助の頬を摘んで引っ張った。 「いふぇえっ! いふぇえぞ!!」 どうやら痛ぇと言いたいらしい。構わず左右に伸ばすと、頬肉は引っ張るだけ伸びた。 どこまでも伸びそうで、なんだか楽しくなってくる。ルイズはついつい抓った頬をこねくり回し、 「やだ……面白い……」 本来の目的を忘れそうになった辺りで振り解かれた。 いけない、いけない、危うく熱中するところだった。 ルイズは咳払いをして姿勢を正し、ひりつく頬を押さえている風助を改めて問い質す。 「それで? なんでこんなことさせるのよ。あんた前回は止めたじゃない」 「ああ、けど才人が立ち上がった時、止めらんねぇって思っちまった。全部納得づくで、 それでも戦わなきゃなんねぇってんなら止めちゃいけねぇって」 馬鹿も無謀も承知で、まだやると言った才人が好きだったから。だから、本当にギリギリまで見守るつもりだった。 「それに、才人のほんとの強さが見てぇんだ。たぶん……あいつ、結構強ぇかもしんねぇぞ」 そしてもう一つ、こちらも風助にとっては大事な理由だった。それがあるからこそ、 前回も今回も見物に徹することができる。と言っても、個人的な我が儘も大いにあるのだが。 「あんた達、友達になったんじゃないの?」 「おー、友達だ。けど、強ぇ奴と戦うのは楽しいぞ」 これがいわゆる男の世界という奴なのだろうか。もしや、才人のこの戦いも同じ理由なのだろうか。ルイズは余計に分からなくなった。 「そりゃ、あんたはいいわよ。なんだか分からないけど……なんだか分からないくらい強いんだから。タバサは"当たり"だわ……」 ルイズの憂いの表情は、風助に召喚当日を思い出させた。初めて出会ったあの日も、同じ会話を才人と交わした。 「あいつは外れなのか?」 「うぐっ……それは……」 ルイズは言い淀んだ。自分で召喚した使い魔を外れだと公言するのはプライドが許さなかったのだ。 また、心のどこかで戦いに臨む才人を認めたい気持ちも残っていた。 一度は惨敗してボロボロにされた相手である。どんなに魔法に無知であっても、メイジの恐ろしさと強さは身に沁みているはず。 そこへ再び挑むのだから、これはもう正真正銘の愚者か勇者しかあり得ない。たとえ蛮勇であったとしても、その勇気は否定したくなかった。 「なによ、あんな奴。バカだし、スケベだし、生意気だし……」 「だな」 自分で言っておいてなんだが、まったく否定されないとそれはそれで腹が立つ。否定されても腹は立っただろうが。 「あんたもあんたよ! 友達なんでしょ! なのに、たぶんで命懸けさせるって言うの!? なにそれ? 獅子の親にでもなったつもり? それとも何? 好きな子だからいじめたいって気持ち?」 風助はルイズの剣幕を平然と受け流している。何を言っているのか分からないのだろうが、ルイズ自身も自分が何を言いたいのか分からない。 ただ、漠然とした苛立ちをぶつける先が風助しかいなかった。それだけだった。 「Sね、S。あんた間違いなくSだわ。今日からSマンて呼ぶわ」 「おめぇに言われたくねぇぞ」 と、そこでようやく突っ込みが入る。ルイズはむっと顔をしかめたが、 「そりゃあ、命懸けで意地張るなんて馬鹿らしいかもしんねぇ。けど他人からすれば馬鹿みてぇな意地だって、あいつには大事なもんなんだ。 それをなくしたら、あいつはあいつでなくなっちまう。だからあいつは決着がつけらんなかったのを気にしてたし、俺は続けさせてやりてぇって思ったんだ」 そう言われては黙るしかなかった。この世界の誰よりも、才人を近くで見てきた少年の言葉だったからだ。おそらく、自分よりも。 「あいつは馬鹿だけど、おめぇにいいとこ見せようとしてんだ。おめぇも友達なら信じてやってくんねぇか?」 「友達? 誰が?」 「才人」 「わたしとあいつが友達? ハッ、冗談は顔だけにしてよね!」 ルイズは一笑に伏した。これまで感心した彼の観察眼が途端に疑わしくなる。どこをどうみれば、 自分と才人が友達に見えると言うのだろう。自分で言うのもなんだが、相当酷い扱いだってしているのに。 「使い魔ってのは仲良くなるのが普通なんだろ? ハゲのおっちゃんが言ってたぞ」 「あいつは使い魔! わたしは御主人様! あんたとタバサと同じ! それとも、あんたはタバサとも友達になったって言うの?」 肯定するかと思ったが、想像とは反対に沈黙した。ルイズも、しまった、と軽はずみな発言を悔いる。 考えるまでもなく明らかだったのに。 二の句が継げず黙りこくったルイズを気遣ったのだろう、風助は、いつものように破顔した。 「おめぇは才人のこと嫌ってるかもしんねぇけど、俺は言いてぇこと言い合えるおめぇらのこと、羨ましいって思ってるぞ」 「それは……あんたはそうかもしれないけど……」 同学年で同じく人の使い魔を召喚したタバサ。彼女の性格が性格なので、直接話し掛けることこそなかったが、 存在は常に気に掛けていた。それ故、彼とタバサの関係はルイズも知るところである。 共に人を使い魔として召喚した稀有な例外。使い魔とはいえ相手は人間、扱いも当然、動物や幻獣とは大きく違う。 前例のない事態にまったくの手探りだったルイズは、タバサの行動にヒントを求めた。 悔しいが、彼女は学院でもトップクラスのエリートである。参考にできるかと思ったのだが――。 結果は空振り。二人の間の溝は、ある意味ルイズ達よりも深刻だった。誰に対しても、使い魔に対しても没交渉のタバサと、 やたら馴れ馴れしい風助。どう考えても合うわけがなかった。 ルイズからすれば、タバサは世話こそすれ、コミュニケーションの面では風助との関係を諦めているようにも見えた。 彼女ほどの実力があれば使い魔はいてもいなくても同じ、自分一人でどうとでもなるのかもしれない。 もしそうだとすれば、彼はどうすればいいのだろう。 風助を見るルイズの目に若干の同情と哀れみの色が混じる。だからだろうか、風助の次の言葉も即座に撥ねつけられなかった。 「おめぇ、案外いい奴だな」 「何よ、案外って」 「おめぇはなんだかんだで才人を本気で心配してんだな。それに、今も俺の気持ちを分かってくれた。 俺、おめぇがちょっとだけ分かったぞ。だったら俺達、友達になれるかもしんねぇな」 「友達って……だって貴族と平民で……」 しかも、他人の使い魔で。 後者はもとより。前者だって、世間ではまず考えられないこと。 貴族への敬意や忠誠、従者などへの信頼と言った意味では珍しくもないが、対等の友人関係は、 ルイズの知る限りでは存在しなかった。両者とも実際の身分の違い以上に、心に壁を作っている。常識や社会通念といった壁を。 わたしは貴族。才人は平民。だから分からない? 分かり合えないの? 自らの言葉が、頭の中でぐるぐる回り出す。 貴族には貴族の、平民には平民の領域があり、領分がある。ルイズはこれまでその是非を疑ってこなかったし、今も疑っていない。 その認識はおそらく、学院にいる教師、生徒、メイドに至るまで共通だと思う。 違うのは二人だけ。才人と風助の二人だけ。 常識、考え方。才人は何から何までルイズと違った。 あの少年は異世界から来たと言ったが、まさか本当に――いや、この際真偽は重要ではない。 ただ、確かに才人はハルケギニアについて無知に等しい。だから意識に壁が築かれておらず、だから事あるごとに反抗するのだ。 そうか、やっと分かった。 長く、霧がかったように自分を悩ませていた疑問が唐突に理解できた。 その点においてはルイズも同じだったのだ。才人の生意気な言動もさることながら、最もルイズを苛立たせ、 口論の元になっていたのは、その原因。才人がルイズの理解の範疇にないことだった。 しかし、自覚したからといって迷いは晴れなかった。もう少し、 もう少しで何かが解りかけているのに、それが何か判らない。 しばし風助そっちのけで煩悶するルイズ。 すると――。 「俺はおめぇとも仲良くしてぇぞ。立場が同じじゃなくたって、気持ちが同じなら。 分かり合えたら友達になれんじゃねぇのか? 貴族とか平民とか関係なく」 確かに、風助の言葉は真理かもしれない。拍子抜けするくらい簡単で、それでいて途方もなく難しい。 だからこそ真理と言えるのだろう。 思えば自分も、もっと幼い頃は使用人らとも友達気分だった気がする。それが貴族として正しいことなのかどうかは別として。 ルイズは無性に悔しくなった。 同じ一週間でも、この少年は主である自分より、はるかに深く才人を理解している。才人を信じ、その勝利を疑っていない。 何故、知り合ってたった一週間で、そこまで信頼できるのか。 そこにどういった根拠があるのか、ルイズも知りたいと思った。彼と友達になれば、それが頭でなく心で実感できるのだろうか。 「まったく……あんたは気楽でいいわね。でも、そうね……」 一度、言葉を切って顔を上げる。睨み合う両者は前口上も終わり、そろそろ勝負が始まろうとしていた。 「もし……もしもほんとにあんたの言う通り、サイトが勝ったら……。その時は考えてあげてもいいわ」 「おー、約束だ」 風助は自信満々に見上げてくる。その顔にはなんら疑念は見られなかった。確信しているのだ、才人の絶対の勝利を。 それが嬉しくもあり、同時に面白くもなく、ルイズをまたも突っ張らせる。 「勘違いしないでよね! 考えてあげるってだけ! わたしは、あんたのことまだ何も知らないんだから!」 同様に、才人のことも何も知らない。 何も知らず、何も気にせず友達とは呼べない。でも、知る努力はしてみよう。 それがルイズの今できる最大限の譲歩であり、第一歩だった。 もしも才人が勝ったなら、その時はわたしも、ちょっとだけ才人を信じてみよう。待遇も少しくらい改善してあげよう。 ご褒美をあげてもいい。そして、才人を信じたこいつ……風助も。 そんな調子で拳と決意を固めたが、肝心なことを忘れている気がする。そういえば――。 「ところで……何であんたはサイトが勝てるって思うの?」 「あー、それは……」 風助はギーシュの持つ造花の軌道を目で追い、鼻をほじりながら一言。 「勘だぞ」 平然と言った。 膝から身体を支える力が急速に抜ける。ルイズががっくりと膝をついた直後、才人の前に剣が突き立った。 その頃、タバサは自室で一人佇んでいた。 昼下がりの寮には、まったくと言っていいほど人気がない。しかしこの部屋は、 人がいながらも物音一つせず静謐な空間を保っていた。ケンカ――もとい決闘の喧騒もここまでは届かない。 決闘にはこれっぽっちも興味がなかったが、タバサはなにをするでもなく窓の外を眺める。 足元には風助が使っているマットの上に毛布が散らかっている。一度はベッドも試したが、寝相が悪いのか慣れていないのか、自然とこの形に落ち着いた。 同居人ができて物も増えたというのに、昼間たった一人で部屋に立っていると以前より大分広く感じる。一週間前には気にもしなかったのに。 本を小脇に抱えていたが、読書をする気は起きなかった。どんな書物より興味深く、難解な問題があるからだ。 昨夜から引き続き、午前中一杯を費やしても解が導き出せない難問だった。 何故。 たった一つの単語が頭を廻る。 どう考えてもおかしい。わたしには彼に好意を向けられる理由がない。 召喚してからこれまで、したことと言えば最低限の案内、食事と寝床を与えただけ。 それ以外のことはすべてシエスタが面倒を見ている。会話だって数えるほどしか交わしていないのに、だ。 にも拘らず、彼の言葉には一切の嘘がなかった。 これでも人の嘘にはそれなりに敏感だと自負している。それが生き抜くための術だったから、 魔法の腕と同じくらい真っ先に磨いた。だからこそ嘘はないと断言できる。 それとも、これがコントラクト・サーヴァントの影響だろうか。 風助に気にしていないと言われたことも、それどころか好意を寄せられたことも、何も感じないと言えば嘘になる。 でも、わたしは一度ならず二度までも彼を拒絶してしまった。傷つけてしまった。 どうしてだろう、キュルケの時は受け入れられたのに。 おそらく、それでも彼の答えは変わらない。一昨日と同じ、日向のように微笑んでくれるだろう。 だからこそ、怖い。 もう一度、友達になろうと言われたら――今度は違う答えを返してしまいそうで。 タバサは風助の未知をこそ恐れていた。彼のことを考えて揺らぐ精神が、 変化が弱さを招くのではないかと危惧していた。 その顔は窓に向いていたが、目は何かに焦点を結ぶこともなく、思考に没頭する。 やがて、逡巡しているタバサのもとに、遠く歓声が届いた。広場の決闘が始まったのだ。 静寂に包まれた部屋でなければ聞こえなかっただろうが、ここまで届くとは思わなかった。 広場――決闘――才人――風助。 そうだ、この決闘にも風助が関わっている。それも、けしかけた張本人として。何らかの確信があるに違いない。 決闘自体に興味はさらさらなかったが、タバサはこれを利用しようと考えた。 前回、風助は重傷の才人に戦いを譲った。となれば、そこになんらかの鍵があるはず。 観察眼か或いは直感か、風助の確信の正体を確かめる。 また、それらの打算とは別の、己の感情にもここらでけりを付ける。考えて決められないなら、 サイコロを振って出た目に賭けてみるのもいいかもしれない。 もし才人が勝ったなら、その時は。 そうと決まれば広場に向かおうと踵を返そうとした瞬間、窓ガラスをコツコツと叩かれた。振り向くと、一羽のカラスが ガラス玉のような眼でじっとこちらを見つめていた。 窓を開けて迎え入れるタバサ。ベッドに留まったカラスが真っ二つに割れ、中の空洞に収められていたのは一通の手紙。 カラスの正体は魔法で動く人形、ガーゴイルだった。 タバサは手紙を拾い上げたが、広げるまでもなく用件は察しが付いていた。タバサに文を送ってくる心当たりは二つ。 内、一つは余程のことがなければ送ってこないだろうし、ガーゴイルは使わない。 そして案の定、予感は的中していた。一しきり目を通したタバサは、手紙をきつく握り潰した後も、その場から一歩も動かなかった。 前ページ次ページ風の使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4390.html
前ページ次ページゼロな提督 そういうわけで午後。一行は村長とシエスタに連れられ、みんなでサヴァリッシュの書 庫へ。 ロングビルは書庫の本に、ついでにヤンの銃へも『固定化』を入念にかけていく。 村長は理解出来ず困っていた語句や理論について、ヤンの分かる範囲で講義を受ける。 ルイズとシエスタは書庫の上、ワイン樽に囲まれながら松明の光の下で帝国語の初歩を 講義。 書庫のテーブル上に置かれているデルフリンガーは、退屈しのぎに尋ねてみた。 「なあ、村長さんよ。ここの本って、ほとんどは表に出せないんだろ?」 「ええ、そうですね」 「実際、どんくらいスゲェ知識なんだ?」 「うーんと…どれくらい、と言われましても…」 村長は、どう答えたものかと頭を捻る。 代わりに答えたのはヤン。 「多分だけど、例えば…戦争の主役が貴族から平民に代わるくらい、かな」 その言葉に、『固定化』をかけ続けていたロングビルも耳がピクリと動く。 「詳しく説明するのは時間がかかるから省くけど、そこの製鉄と化学の2冊を使えばハル ケギニアの銃を別物ってくらい強化出来るね。つまりハルケギニアのフリント・ロック銃 じゃなくて」 「あ、あの、ヤンさん。それ以上を軽々しく口にするのは危険ですので」 「おっと、そうですね。すいません」 「ちぇー、けちんぼ」 村長に止められ、ヤンは口を閉ざした。長剣だけでなく、ロングビルの後ろ姿も残念そ うだ。 ヤンが口にしようとした銃は輪胴式弾倉、簡単に言うとリボルバー。もちろん弾はドン グリ型で、銃身にはライフリング。 魔法の射程より遠くから、ルーンを唱えるより早く、絶対避けられない速度の鉛玉を、 弾倉の全弾連続で撃ちまくる。前線に立たされたメイジは真っ先に穴だらけにされるだろ う。 戦争の主力はメイジの個人的魔力から銃を持った平民の集団に代わる。国の軍事力は貴 族の数ではなく平民含めた工業力で量られる。なにより、平民へ杖を振りかざそうとした メイジは即あの世行き。 ほとんど貴族社会の終了を意味する。 ヤンは内心、ハルケギニアに平民の革命を起こすという誘惑に駆られそうになる。 「たしかに、この書庫の知識は凄いんだけど…影響が大きすぎるんだ。いきなりこれらの 書物を公表したりしたら、ハルケギニアが火の海になるよ。いや、その前にタルブが怒り 狂った没落メイジ達に滅ぼされる。 ホント、もったいないけど、慎重にいかないとね…ルイズも!他の人に言っちゃダメだ から!公爵にもだよ!」 地下室入り口から覗いていたピンクと黒の髪が慌てて引っ込む。少しして「うぅ~、分 かってるわよ」と渋々な声が聞こえた。 そして夕方。 農作業から帰ってきた村人が、それぞれの家路につく。 ワインなどの出荷は全て終わったようで、荷馬車は数台が空のままで村はずれに置かれ ている。 あちこちの家からは夕食の香りが漂ってくる。 村の中心から村長の家へ、長い影を伸ばしたジュリアンが走っていた。 「じーちゃん!お客さんの貴族達、みんな帰ったよー。準備出来たって!」 と言って村長宅へ駆け込んできたが、当のワイズ村長が見あたらない。 あちこち家の中を走り回るが、それでも見つからない。 「まだ戻ってきてないのかな…?」 ジュリアンががサヴァリッシュの書庫へ足へ向けようとした時、村長とルイズ一行が書 庫から帰ってきた。少年が祖父の所へ駆けてくる。 「じーちゃん。宿が空いたよ。お風呂も使えるって」 「おお、そうか。ありがとよ」 お風呂、という言葉に村長の後ろに立つメイジ二人が目を輝かす。 クルリと村長は振り返り、二人にニッコリ微笑んだ。 「実はですな、この村には買い付けに来られた貴族の方々用に、粗末ではありますが宿を 用意してあるのです。ご婦人の貴族も来られますので、お風呂は良い物を備えてあるので す。 もうお客の貴族達は全員帰られましたので、今は自由に使えるのです。どうでしょう、 準備はさせてあるので入られませんか?」 「もちろん入るわ!」 即答したのはルイズ。デルフリンガーを抱えてる。 「あたしも入るわね」 満面の笑みでロングビル。 「やっぱ女って風呂が好きなんだな」 と言うのはルイズに抱えられた長剣。 だがジュリアンはキョロキョロと辺りを見回す。 「じーちゃん。ヤンさんはどうしたの?」 書庫から戻ってきたルイズ達一行の中には、ヤンの姿が無かった。 「あの方は、何か一人で考え事をしたいと言ってな、一人で草原の方へ行かれたよ」 「そか。じゃ、呼んでこようか?」 「いや、シエスタにお願いしようかな。おい、シエスタよ…」 村長は振り返ってシエスタの名を呼んだ。 だが返事は無い。 ルイズもロングビルも周囲を見渡す。 朱く染まる夕暮れの村、ソバカスの少女はどこにも見えなかった。 果てしなく広がる草原。 夕焼けの中、金色に染まる草の海。その畔にヤンの姿はあった。 村から遠く離れた場所に腰をおろし、足をだらしなく投げ出して夕陽を眺めている。 そんな姿を、村から走ってきた黒髪の少女は遠くから見つけた。大きな声で呼ぼうと胸 一杯に息を吸う。 「ちょいとお待ちよ」 「!?ッッゴホッブフッ!」 いきなり後ろから声をかけられ、驚いたシエスタはむせ混んでしまった。 慌てて振り返ると、いつのまにやらロングビルが立っていた。全く音も気配も無かった 所をみると、『フライ』で飛んできたのだろう。 呼吸を整えたシエスタが、ロングビルへ向き直る。 「いきなりなんでしょうか?ミス・ロングビル」 「なぁに、ちょっと聞きたい事があってね…あなたは、何をしようとしてましたか?」 ニコリと笑って尋ねられ、シエスタもニコリと笑って答える。 「もちろん、お風呂に呼ぼうとしていました」 「そうですか、それはご苦労様ですね。でも、それは私がしますから、あなたは家に戻ら れて良いですわ」 上品で、そして丁寧な口調。だが、それはどちらかというと慇懃無礼な類のものに聞こ えた。そして、それに対するシエスタの答えも同じく慇懃無礼に聞こえた。 「いえいえ、そのような雑務は私達メイドの仕事ですわ。貴族のご婦人はお戻り下さい。 お風呂も準備してありますから、ゆっくりと入られるのがよろしいかと思います」 二人は微笑みを絶やしてはいない。なのに、どうみても二人がまとう空気は友愛や穏和 からは遠かった。 まるで凍り付いたかのように、二人の微笑みは顔に張り付いて変化しない。 「ちなみに、聞きたいのですけど…」 凍てつく空気に、先にヒビを入れたのはロングビル。 「ミスタ・ヤンをお風呂に呼んで、その後はどうするのかしら?」 シエスタは満面の笑みで、当たり前のように答えた。 「もちろんメイドとして、お背中を流して差し上げますわ」 ロングビルの微笑みにもヒビが入った。こめかみに浮き出た青筋によって。 「あらあら!殊勝な事ですわね。きっとあなたはメイドの鏡なのでしょうね」 「いえ、まだまだ修行中の身ですわ。だから精一杯、出来うる全てを尽くして主に仕える 事にします」 「そうですか!それは立派な事ですわね。頑張って下さいね!…でも、ミスタ・ヤンの背 中を流す必要はありませんわ」 「あら、どうしてでしょうか?」 ロングビルは満面の笑みで、当たり前のように答えた。 「ヤンは、私と一緒にお風呂に入るからですよ!もちろん、ヤンの背中は私が流しますの で、あなたに流してもらう必要はありませんの!」 シエスタの微笑みにもヒビが入った。こめかみに浮き出た青筋によって。 二人の間に一陣の風が舞う。周囲の空気がドンドン冷えていくのは、だんだんと日が傾 いていくからというだけだとは思えない。 「…言っときますけど、あなたとヤンさんは、身分違いです」 少女から凍てつく微笑みは消えた。代わりに凍てつく無表情が張り付いた。 「違うね。あたしゃ貴族の名を無くした身だよ。だからあたいもヤンも、同じ平民さ」 女の顔にも凍てつく無表情が張り付いた。口調も荒く崩れていく。 「メイジなのは変わりません。不釣り合いです」 「ヤンはメイジかどうかなんて気にしちゃいないよ。あいつはそんな肝の小さなヤツじゃ ないのさ」 二人は視線をぶつけ合う。その鋭い視線に触れた空気が焦げ付くかという程だ。 「じゃあ、こう言いましょう…ヤンさんは、普通の人です。平穏無事な生活が似合ってま すし、あの人もそれを望んでいます。あなたの世界に引きずり込まないで下さい」 「あたしの世界…何の事だい?」 白磁のように白く透き通る美女の肌に、一筋の汗が流れる。 「サヴァリッシュ一族の知恵を見くびらないで欲しいです」 「だから、何の話さ」 ロングビルは、油断無く周囲の状況を観察する。 ヤンは遙か遠くに小さく見える。こちらに背を向け、二人に気付いていない。 他に人影は見えない。 「あの日、『破壊の壷』が盗まれた日、ヤンさんは大慌てであなたを捜していました。そ の後ローラからヤンさんの伝言を告げられたら、あなたも慌てて学院を飛び出していった そうですね?」 「ん…ああ、そうだったかねぇ?随分前だし、良く覚えてないね」 わざとらしく腕組みして首を傾げる。だが、その手は胸元の杖へと向かっている。 シエスタも同じように腕組みをする。 「その後、あなたはヤンさんに連れられて学院に戻ってきました。なぜか落ち込んだ様子 で。そして『破壊の壷』も『ダイヤの斧』も無事に帰ってきました。あまりにも不自然な ほどあっさりと」 「ふーん、そんなこともあったねぇ…で、なにが言いたいんだい?」 「あなたが『土くれのフーケ』だと言いたいんです。 あなたはヤンさんに正体を見破られたんですよ。でも、ヤンさんはあなたに恩があった から、盗品を返すのと引き替えに黙ってくれたんでしょう」 二人の間の空気が決定的に凍り付いた。ぶつかり合う二人の目は、睨みあっているとい うに相応しい。 「で…あたしがフーケだという証拠は?」 「ありません。でも、これまでの犯行現場のほとんどで、あなたとそっくりの人物をみか けたという証言が得られるでしょうね」 「ふぅ…ん、面白い推理だねぇ…」 ロングビルはゆっくりと移動する。金色に輝く草原の方へ、少しずつ。 よく見るとシエスタも、いつの間にか草むらの方へ移動していた。 「もし、その推理が正しいとして…だ。どうして誰にも言わなかったんだい?」 「証拠が無い、という事もあります。けど一番の理由は、タルブの村に火種を持ち込まな いためです」 「なーんだ!それじゃ誰がフーケでも意味が無いじゃないか!」 あざ笑うように口の端を釣り上げるロングビルに、シエスタは変わらず平常を保ち続け ている。そして、ゆっくりと話を続ける。 「でも、いつか他の誰かに見破られます。その時はヤンさんも共犯として捉えられてしま います。ヤンさんのために、身を引くべきです」 「ハッ!脛に傷持つのはお互い様さ。あんたは教会や王家を、いつ敵にするか分からない サヴァリッシュ家の者なんだからね」 二人は既に、草原の中に足を踏み込んでいる。 二人とも腕組みは崩していない。だがスタンスは肩幅に広げ、いつでも不測の事態に対 応出来るよう、油断無く足を構えている。 「私は、ヤンさんが好きです」 シエスタは何のためらいもなく口にした。 ロングビルの歯ぎしりが草むらに響く。 「あんたは、サヴァリッシュの教えとやらでヤンに優しくしていただけだろう?」 「最初はそうでした。でも、ヤンさんは本当に素敵な人でした。 優しくて、穏やかで、知的で…そして勇敢で、心の広い人でした。あんないい人、探し ても見つかりません」 「同感だわ。あいつのためなら泥棒家業なんか足を洗うね」 「大金も手に入りますしね」 シエスタの痛烈な皮肉に、ロングビルは激怒したりはしなかった。 それどころか、少し哀しげに笑った。 「それもあるさ。あたしは故郷の村に家族がいるんだけどね…子供ばかりの、孤児院みた いな村さ。あたしが盗んできた金で、どうにかみんな生き延びてこれたんだ。 ヤンは資金援助をしてくれるって、快く言ってくれたよ。 あの子達のためにも、何よりあたい自身のために、ヤンを離さないよ!」 その言葉に、シエスタも笑顔を返した。 「あたしだってヤンさんが必要です。そして村のためにも、譲れません!」 二人は、睨みあう。 まるで呼吸すら忘れたかのように動かない。 互いに相手の僅かな変化も見逃すまいと、全神経を集中する。 そして、一陣の風が吹いた時、二人は動いた。目にも止まらぬ速さで、胸元から抜きは なった。 ロングビルは、杖を。 シエスタは、ブラスターを。 「やっぱり、持ってたね」 ヤンが持つ銃と同じ銃を向けられても、ロングビルは驚きはしなかった。 「当然ですよ。フーケ相手に丸腰なわけないじゃないですか」 ハルケギニアに名を轟かすフーケの杖を向けられても、シエスタは動じなかった。 「念のため、聞くけどさぁ…」 「…何ですか?」 杖と銃はそのままに、二人は言葉を投げ合う。 「大人しく引き下がる気はないかい?」 「それはこっちのセリフです」 杖はいつのまにやら魔力を帯びている。 銃は真っ直ぐフーケの心臓を狙っている。 「困ったねぇ…そうだ、良い事を教えてあげるから、それで勘弁してくれないかい?」 「良い事?」 「そう、良い事さ」 フーケは、悪魔のように醜く顔を歪めて笑った。 「ヤンが、あたしに幾つキスマークをつけたか」 瞬間、シエスタの顔が紅潮し、身体が強張る。 その一瞬をフーケは逃さない。杖から魔力を放とうと意識を集中する! ヤーンッ!どこいったのー!ヤンってばーっ!! 草原にルイズの声が響いた。 反射的にフーケは草むらの中に伏せた。 我に返ったシエスタも慌てて伏せる。 村の方からルイズが駆けてきていた。二人の姿には気付いていないらしく、横を通り過 ぎていく。 おーい、ここだよー ルイズの声に気付いたヤンが答えた。 二人は草むらの中でルイズとヤンから身を隠す。 ルイズはヤンの傍まで全速力で駆けてきた。 「はぁっはぁっ…まったく、主ほっぽって、こんなところで何してるのよ?」 「ん~…ちょっと、夕陽を見てたんだ」 ヤンの前には、地平線の彼方へ沈もうとする夕陽がある。 ぼんやりと遠くを見つめるヤンの左に、ルイズもちょこんと腰をおろした。 「また、考え事?」 「うん…まあ、ね」 ヤンは曖昧にだけ答えて、夕陽を眺め続ける。 ルイズもそれ以上は尋ねようとしない。 二人並んで沈む夕陽を眺め続ける。 観念したかのように、ヤンは語り始めた。 「・・・きっとオイゲンも、こんな風に夕陽を眺めたんだろうね」 少女は座ったまま、夕陽を眺め続けている。 「あの人は、僕に『この世界で生きるのも悪くない』って言ってたよ。きっと、それは本 当なんだと思う」 彼の主は、何も答えない。 「正直、威張り散らす貴族達にはうんざりだよ。でも、君がいる。マチルダも、シエスタ 君も、デルフリンガーも…。この世界でも、どうにかやっていけるんだと思う」 鳶色の瞳がヤンを見上げた。 「ねぇ…」 「なんだい?」 「あたしを、恨んでる?」 恨んでるかと聞かれ、ヤンはビックリしてルイズを見た。 「恨むって、どうしてだい!?」 「だ、だって…その…」 少女は言いにくそうに身をよじらせる。 少し迷った後、意を決して語り出した。 「だって、あたしのせいでしょ?ハルケギニアに召喚されたのも、突然使い魔にされたの も」 ヤンは目をパチクリさせて、そして笑い出した。 その様に、ルイズは頬を膨らませる。 「な、何よ!何がおかしいのよ!」 「あははは!はは、いや、だって、君がそんな、気にしてただなんて!」 「もう!あたしだって、悪いと思ってるのよ!」 顔を赤く染めたルイズはぷいっとそっぽを向く。 ようやく笑いが収まったヤンは、優しく語りかけた。 「確かに、僕は君に召喚されたよ。使い魔として、奴隷としてね。おかげでガンダールヴ なんて訳の分からない物にされてしまった。 でもね、恨んでなんかいない。むしろ感謝してるんだよ」 ルイズの肩がピクンと跳ねる。でも振り向こうとはしない。 「なにしろ僕は、召喚されたから命が助かったんだ。襲われた時の状況から言って、召喚 されなかったら間違いなく死んでいた。君は僕の命の恩人だよ。その点は間違いない」 ルイズは動かない。黙ってヤンの話を聞いている。 「僕はね、ルイズ。多くの人を殺してきた。僕がなにか言うたびに、腕を振り下ろすたび に、数え切れないほどの敵味方を殺してきたんだ。 その僕が誰に殺されたからって、やり残した事があるからって、文句のつけようはない よ。だから、そんな僕をすら助けてくれた君には、無条件で感謝してる」 ルイズは、チラリと肩越しに視線を向ける。 「…ホント?」 「ああ、本当だよ」 ヤンは心からの笑顔を返す。 「そして、僕は奴隷になんかならなかった。それどころか、君は僕を執事として雇ってく れた。怠け者で無能な僕を、ね!なんとも心の広いアルジサマじゃないか!」 鳶色の瞳が、じーっとヤンを見つめ続ける。 「ねぇ、だからさ…ルイズ。これからも、よろしくお願いして、いいかな?」 ヤンの目を見上げながら、ルイズは何も答えない。 代わりに動いた。 ヒョイッと小さなお尻をヤンの脚に乗せ、細い身体をヤンの胸に預けた。 「当然よ。メイジと使い魔は一心同体…あんたは、ずっと私の傍にいなさい」 薔薇の蕾のような小さく愛らしい口から、甘えるような声が漏れる。 右手がキュッとヤンの胸元を握りしめた。 「うん。正直、故郷の事を忘れるのは無理だ。でも、君と一緒に新しい人生を歩む事は出 来ると思う」 「ん…頑張りなさいよ…」 ルイズは目を閉じ、ヤンの胸に頭を埋める。 ヤンはピンクの髪を優しく撫でる。 夕陽がほとんど大地の彼方に沈んだ頃、冷たい風が草原を渡ってきた。 小さな口から、くちゅん!と可愛いくしゃみが漏れる。 「ご主人様、そろそろ帰りましょうか」 「そうね。そうそう、宿のお風呂が使えるんだって!すぐに入るわよ」 「へぇ、それはいいなぁ。暖まりそうだ」 二人は立ち上がり、身体に着いた草や土をはたき落とす。 そして、ルイズはヤンの手を握って歩き出した。 「んじゃ、急いで帰るわ。そうそう、あんた、あたしの背中を流しなさい」 「え…。前から聞きたかったんだけど、それって執事の仕事なのかい?」 「当然でしょ!今夜は頭もちゃんと念入りに洗うから、クシを忘れちゃダメだからね!」 「はぁ~い。それじゃ、女性の髪を洗うのは初体験ですが、このヤン・ウェンリー、ご主 人様の髪を洗わせて頂きます」 「ええ、優しくしないと許さないんだから!」 夜へと移りゆく草原。 二人は手を繋いで村へと帰っていった。 で、草むらの中に残ったのはソバカスが可愛い美少女と緑の髪が艶やかな美女。 二人とも、あんぐりと口を開けっ放しのまま、微動だにしない。 杖とブラスターは、二人が隠れる草むらの地面に落ちていた。 「や…ヤン、さん…」 シエスタの声は震えている。 「あ、あれほど、甘やかすなって言ってるのに…」 フーケの肩は震えている。 「そんな、まさか、ミス・ヴァリエールとヤンさんが、二人が…そんな不潔な関係だった なんて!」 少女は現実から目を背けるかのように顔を手で覆う。 「いや!まだだ。あの二人は恋だの愛だの、そんな事は意識してないよ。どちらかという と、親子って感じだね」 とは言うものの、フーケの手は色を失うほど強く握りしめられている。 「でも、でもでも、このままじゃ、いつあの二人は異性って意識を持ち出すか…」 「って!あたしらこんなとこでボサッとしてる場合じゃないよ!」 と叫んで立ち上がった女は、強引に少女の腕を取って立たせる。 「あんた!二人を追いかけるんだよ!ルイズの背中を流すのはあたしの仕事ですって、早 く言ってくるんだ!」 「そ、そうですね!今ならまだ間に合います!」 「あたいはヤンを『甘やかすなー!』ってしばき倒す!急ぐよ!」 「はいっ!」 言い声の返事と共に、二人は村へ走り出した。 「ところでフーケさん!」 「ロングビルって呼びな!」 全力疾走しながらも、二人は口が止まらない。まるで胸中の不安と恐怖を会話で誤魔化 すかのように。 「それじゃロングビルさん!ルイズさんは、婚約者!いましたよね!?グリフォン隊の! 隊長さん!」 「その通り!意地でも、ルイズとワルドを!ひっつけてやる!!」 「協力しまーっす!」 二人は固い握手をかわしてから、村へ走っていった。 第十九話 ある村の平和で静かな一日 END 前ページ次ページゼロな提督
https://w.atwiki.jp/moshinomatome/pages/13.html
例の一件を経て、トリステイン学院で教鞭を振るうほとんどの教師が初号機の破壊、もしくは破棄を学院の最高責任者であるオスマンに提案した。 しかし、オスマンは頑なにそれを拒否した。 教師達の連名がなされた嘆願書をもってしても、オスマンは首を縦に振らなかったのである。 それどころか、オスマンは高名なメイジに依頼し、初号機に【固定化】の魔法を施したのだ。 【固定化】の魔法は、物質の酸化や腐敗を防ぐ。これをかけられた物質は、あらゆる化学反応から保護され、そのままの姿を永遠に保ち続けるのだ。 つまり、ヴェストリの広場で野ざらし状態の初号機に腐食の心配は無くなったということだ。 教師達は、オスマンの奇行に様々な苦言を呈したが、彼はそれを全く気にはしていない様子だった。 その理由を知るのは、今の所、コルベールだけである。 伝説に語られる【アダムより生まれしエヴァ】と【ガンダールヴ】が時を同じくして突如出現した。 これは何かの前触れに間違いない。 コルベールにもそれくらいの事はわかっていたのだが、オスマンはそれよりも更に真実に近い場所にいたのだった…。 その晩、ルイズの提案により二人でトランプに興じていたシンジは彼女に一つの要求を口にした。 「あの、今度の休日にお暇を頂けませんか…?」 シンジからお願い事をされるのは初めてだ。なので、ルイズは以外そうに鳶色の瞳をぱちぱちさせながら聞いた。 「は?なんで?」 「城下街に出掛けたいんです。一度も行ったことがないって言ったら、シエスタさんが案内するって誘ってくれて」 シンジの口から女性の名前がでたことに、ルイズが敏感に反応した。 「シエスタ?」 「あ、トリステイン学院のメイドさんです。いつも、色々良くしてくれてて…」 「つまり、デートなわけ?」 「なっ…!違いますよ!ただ、街に行ってみたくて。僕、トリステイン学院しか、この世界のこと知らないし…、案内してくれるって言ったから…」 顔を真っ赤にしながら否定するシンジを見て、ちょっと可愛いかも、と思うルイズがいた。 もっと、からかってやろうか、という意地の悪い考えも浮かんだのだが、ある事に気付いたルイズはハイチェストの引き出しを開くと中身のつまった革袋を取り出し、それをシンジに差し出した。 「なんですか、これ?」 「お小遣いよ。あんた、お金、持ってないでしょ?せっかく街に行くんだから買い物くらいしてきなさい」 ルイズの厚意に気付いたシンジははにかみながら、革袋を受け取った。 「ありがとうこざいます」 「そのお金でシエスタって娘に、御飯くらいは奢りなさいよ。まだまだ子供でも、男たるものいつでも紳士じゃなきゃね」 「はい」 「あと、あんまり、遅くならないようにね」 「はい」 そんなやり取りが繰り広げられた後、再びトランプが続行された。 しかし、シンジは呆けた顔のままルイズを見つめ、ゲームには集中してないようだった。 「さっきから、なに見てんの?言っとくけど、私のポーカーフェイスは完璧なんだから、まるっきり意味ないわよ」 「いえ…。なんか、ルイズさんて、お姉さんみたいだなって思って…」 今度はルイズが赤面する番だった。 「なにを言うのよ…」 お出掛けの当日、シエスタという少女のことが気になったルイズは、見送りとかこつけて、待ち合わせ場所であるトリステイン学院の正門まで、シンジについて行くことにした。 二人が待ち合わせの場所に近づくと、正門に連(つら)なる壁に軽く寄り掛かっていた少女がシンジの姿に気付き、微笑みを浮かべながら小さく手を振った。 ルイズにも見覚えのある顔だった。アルヴィースの食堂で配膳をしている姿をたまに見掛ける。 この少女がシエスタなのだろう。 「おはようございます、ミス・ヴァリエール」 シエスタは約束のあるシンジではなく、ルイズの方に向かって、丁寧なお辞儀をしながら挨拶の言葉を口にした。 つまり、友好関係よりも礼儀を優先したわけだ。 国内で最も由緒正しい学院に使用人として雇われているだけのことはある。そういう事柄はちゃんとわきまえているようだった。 ルイズはというと、軽く頷いただけだった。端(はた)から見れば、実に不遜な態度なわけだが、貴族なんて人種は大概がそんな感じだ。シエスタもシンジもそれをよく理解していた。 しかし、ルイズが横柄ともとれる態度をとったことには別の理由があった。 彼女は軽いショックを受けていたのである。シエスタの美しい容姿と立派なプロポーションに。 ――なによ、可愛いじゃない…。 シエスタは平民だ。その為、ルイズとは違い、どこか素朴さを感じさせる風貌だった。 カチューシャで纏めた黒髪と、頬にうっすら浮かんだそばかすが、彼女の穏やかな顔立ちによく似合っていた。 歳はルイズと同じくらいであろう。 「本日は申し訳ございません。ミス・ヴァリエールの使い魔をお借りするかたちになってしまい…」 「いいのよ、気にしないで。私もこの子には、色々とトリステインの事を教えてあげないといけないって思ってたから、ちょうど良いくらいだわ。今日はシンジの事、よろしくね」 「はい」 シエスタは屈託のない笑顔で返事をした後、シンジに顔を向けた。 「それじゃ、シンジくん。行きましょうか」 「はい」 シンジも屈託のない笑顔で答えた。 この二人、実にお似合いなのではなかろうか。ルイズはそんなことを考えた。 「ミス・ヴァリエール、失礼致します」 シエスタはそう言って、ルイズに会釈した。そして、正門前に待機させていた馬の綱を外し、その背に乗せてある鞍にひらりと跨がった。 「シンジくん、私の後ろに乗って」 シエスタに促されたシンジは悪戦苦闘しながらも、なんとか、シエスタの背後に跨がった。 「行ってきます、ルイズさん」 シンジの言葉を受け、ルイズは面倒くさそうにひらひらと手をふった。 馬が走り始め、シンジとシエスタの姿がどんどん小さくなっていく。 二人の姿が視界から消えた後、ルイズは寄り道をすることなく真っすぐ自分の寝室へと戻り、天蓋付きの豪華なベッドに寝転んだ。 考えれば、最近、シンジが教室に来ることはほとんどない。だからといって、ルイズが授業を受けている間、シンジがどこで何をしているのか、なんてことは気にしたこともなかった。 シンジはルイズの知らないうちに、この新しい世界で着々と人脈を広げ、いつの間にか彼なりの生活サイクルを作り上げていたのだった。 召喚したての頃は、ルイズがどこに行くにしても、さながら子犬の様によちよちと彼女の後についてまわったシンジ。 しかし、今の彼は違う。 ルイズは小さくため息をつくと、枕に顔をうずめながら呟いた。 「一ヶ月か…。『姉』離れも結構早かったわね…」 一抹の淋しさを感じたルイズはなんとなしにシンジと出会ってから間もない日々に思いを馳せた。 窓の外には、腹ただしいくらいの晴天の空が広がっている。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 困ったことが起きてしまった。 使徒に囚われ、いつの間にか気を失って、目が覚めたら、そこはファンタジーだった…。 この世界は少なくとも地球ではない。 じゃあ、どこなんだと聞かれても、シンジには答えようがないのだが。 取りあえず、この世界が【ハルゲキニア】と称されるということは、ルイズから聞いた。しかし、名前がわかったからといって、目の前の非現実世界が終わるわけもなかった。いや、むしろ、留まることを知らずに加速していったのだ。 トリステイン学院の廊下を足早に歩くルイズに置いていかれない様、シンジはその後を追っていた。 ふと、シンジの視界に非現実的な光景が映った。今日だけで何度目だろうか。 また、ルイズにお決まりのセリフを浴びせられるだろう。それは良くわかっている。しかし、聞かずにはいられなかった。 「ルイズさん、月が二つありますよ…?」 シンジの前を歩いてたルイズが足を止めた。 振り返った彼女は、呆れた様な眼差しをシンジに向ける。 「あんた、ばかぁ?あったり前じゃないの」 ほら、きた。また、この台詞だ。 もう20回は聞いている。 どうやら、この人は他人の事情を理解しようとする努力をはなっから放棄しているようだった。シンジは少しだけうんざりした。 「ぼくの世界では一つしかありませんでした」 「よっぽど辺鄙な所に住んでたのね」 無茶苦茶な言い草である。しかし、シンジは反論しなかった。 「ルイズさん、月って重なるんですね」 「ほんとにばかね。月食よ。神々の月は一日に一度だけ、人々の月の後ろに隠れるのよ。三時間も経てば、また輝きだすわ」 「神々の月?」 「今、月食を起こした明るい月が【神々の月】。薄暗い方は【人々の月】って呼ぶの。ま、単純に【白き月】、【黒き月】って呼ぶ地方や国もあるみたいだけどね」 シンジは何を言えば良いのか分からず、はぁ、とだけ気のない返事をした。 「あんたね、こんなことは子供でも知ってるわよ。情けなくないの?」 「はぁ」 ルイズはそんなシンジの様子を見て、ふぅっ、と露骨にため息をついた。 「ま、いいわ。今夜にでも、色々、トリステインの事をレクチャーしてあげるから」 「ありがとうございます」 と答えながらも、シンジはその言葉を全く信用していなかった。 なぜならば、このルイズという少女、例えるなら、人が座りかけた椅子を平気で引き抜く、そういう類の人だからだ。 それをシンジに痛感させたのは、朝食時の出来事だった。 トリステイン魔法学院の食堂は、学園の敷地内で一番背の高い真ん中の本塔にあった。 食堂の中にはやたらと長いテーブルが三つ並んでいる。百人は優に座れるだろう。 二年生であるルイズ達のテーブルは真ん中だった。 「【アルヴィースの食堂】っていうのよ。本当はあんたみたいな平民は一生入れないんだから。感謝なさい」 「アルヴィースってなんですか?」 「小人の名前よ。周りに小人の像がたくさん並んでいるでしょう」 確かに、壁際には精巧な小人の彫像が並んでいる。 「よくできてますね。今にも、動き出しそうだ」 口にしてから、お世辞が過ぎたかな、とシンジは思った。 しかし、真実は彼を残酷なまでに裏切ったのだ。 「よく分かったわね」 「う、動くんですか…?」 「動くというか踊るわよ。ま、いいわ。そんなことより、椅子を引きなさいよ。気の利かない使い魔ね」 シンジは慌てて椅子を引いた。 ルイズは礼も言わずに腰掛ける。 シンジもルイズの隣の椅子を引き出して、腰掛けた。 「豪華な料理ですね」 そう言って、シンジが唾を飲む。そういえば、ハルゲキニアに来てからというもの何も口にしていなかった。 大きい鳥のロースト、鱒の形をしたパイ、今にも皿から溢れ出しそうな色とりどりのサラダ。 「まだ、食べちゃ駄目なんですよね?」 そう言いながら、ルイズに顔を向けると、彼女は険悪な表情をしていた。 「あ、あの。ぼく、何かまずいことしましたか…?」 ルイズは何も言わずに床を指差した。 そこには一枚の皿が置かれている。 「お皿が置いてありますね」 「あるわね」 「まさか…」 ルイズは頬杖をついて言った。 「あのね?ほんとは使い魔は外。食堂はペット禁止だもの。つまり、あんたは私の特別な計らいで床。わかるわよね?」 皿には、申し訳程度に具の入ったスープが揺れている。 皿の横にはいかにも硬そうなパンが放置されていた。 背に腹は変えられない。シンジは床に座り込むと、それを美味しく頂いた。 心底、切なかった。 その後に向かった魔法学院の教室は大学の講義室のようだった。 その為、椅子は大分余っているようだ。それでも、シンジは床に座らされた。 ルイズいわく。 「癖になるからダメ」 だそうだ。 授業が始まり、シンジが全く理解出来ない言葉の羅列が教師によって語られた。【基礎錬金学】なんて授業はシンジの世界には無かったのだから、分からないのも仕方ない。 どうやら、ハルゲキニアの【魔法】は地球で言うなら【科学】に相当し、文明の源でもあるようだ。 魔法には四大系統というものがあり、『火』『水』『土』『風』と区別されている。『虚無』という系統も古代にはあったようだが、今では失われているみたいだ。 話の流れで、ルイズが錬金魔法の実験をおこうなうことになったしかし、周りの生徒はルイズが実験する事にたいして口々に反対意見を述べた。 シンジには、その理由が分からないが、皆、必死である。 「ルイズ、やめて」 キュルケの褐色の肌が蒼白していた。 しかし、ルイズは立ち上がり、シュヴルーズと呼ばれる教師に言った。 「やります」 ルイズを中心に盛大な爆発が起きたのは、その一分後だ。 爆風をもろに受けた教師が黒板に叩き付けられ昏倒した。 「だから、言ったのよ!あいつみたいな、出来損ないにやらせるなって!」 「ヴァリエールを退学にしてくれ!」 「ほんと、駄目な奴だよな!」 教師は倒れたまま動かない。たまに痙攣してるから、死んではいないようだ。 「ちょっと、失敗したみたいね」 ルイズは顔についた煤を、取り出したハンカチで拭きながら、淡々とした声で言った。 当然、他の生徒たちから猛然と反撃を喰らう。 「ちょっとじゃないだろ!ゼロのルイズ!」 「成功したことないじゃない!だから、貴方はゼロなのよ!」 シンジはルイズの通り名が『ゼロのルイズ』であることをよく理解した。 ルイズは、爆発によって乱れに乱れた講堂の掃除を命じられた。シンジは彼女の使い魔なので、そのあおりをくらい供に掃除をする羽目になったのだが、かといって、文句を言う気にもなれなかった。 ルイズがひどく落ち込んでいた為である。 「ルイズさん…?」 「なによ?」 「あの、ぼくの世界の言葉なんですけど、よく『失敗は成功の元』って言います。それに『大器晩成』って言葉もあります。ルイズさんはきっとそういう人なんだと思います」 彼なりの精一杯の励ましだった。 「ありがと…。あんた、意外といい奴なのね」 昼食がほんのちょっぴり豪華になっていた。 だからといって、シンジが、その食欲を充足できるほどの量ではなかった。もちろん、彼が大食いというわけではない。 シンジは14歳の育ち盛りなのである。その為、今、彼の体はたくさんの栄養を欲していた。 「全然、足りないや…」 食堂を出て、教室に向かったルイズと別れた後、シンジは自分のお腹を抱えながら、廊下の壁に手をついた。 「どうなさいました?」 振り向くと、大きい銀のトレイを持つメイドの恰好をした素朴な感じの少女が心配そうにシンジを見つめている。 「あ、いや、なんでもないんです。ちょっとお腹が空いただけで…」 彼女は壁をついたシンジの左手に刻まれたルーンに気付いた。 「あなた、もしかしてミス・ヴァリエールの使い魔になったっていう…」 「知ってるんですか、ぼくのこと?」 「ええ、なんでも、召喚の魔法で平民を喚んでしまったって、噂になってますわ」 シエスタはにっこりと笑った後、言葉を続けた。 「昼食が足りなかったんですね?えっと…、そう言えばお名前は?」 「碇です。碇シンジっていいます」 「変わったお名前なんですね…。でも、とても美しい響きですわ。私はシエスタと申します」 「…あの、ぼくなんかに敬語使わなくていいですよ。ぼくの方が年下でしょうし…」 シエスタは、しばし逡巡した後、屈託のない笑顔で口を開いた。 「わかったわ、シンジくん。じゃ、お姉さんがご飯を御馳走してあげるから付いて来て」 言われるがままのシンジが連れて行かれたのは食堂裏にある厨房だった。 「貴族の方々にお出しする料理の余りもので作ったシチューよ、良かったら食べてくれるかな?捨てるのもったいないしね」 「いいんですか?」 「もちろん」 シエスタの優しさにホロリとした。あの人がよこしたスープとは大違いだ。シンジはスプーンで一口分だけすくい口に運んだ。 「美味しいです」 「よかった。お代わりもあるから、ゆっくり食べてね」 シンジは夢中になってシチューを食べた。シエスタは、ニコニコしながらそんなシンジの様子を見つめている。 「シンジくんは、いくつなの?」 「14です」 「じゃあ、ちょうど育ち盛りね。いっぱい食べてね」 その10分後、シンジは空になった六杯目の皿をシエスタに手渡しながら言った。 「おいしかったです。本当にありがとうございました」 「よかった。お腹が空いたらいつでも来てね。同じ様なものだったら、いつでもだせるから」 シンジはシエスタに再びお礼を言うと食堂を後にした。 食欲が満たされたシンジは、ルイズの言葉を思い出した。 『私が帰ってくるまでに部屋の掃除と洗濯を済ませとくのよ』 指示通りに部屋の掃除を始めた。 床を箒で掃き、机や窓を雑巾で磨くのである。 それが終わると洗濯だ。水汲み場の位置が分からなかったので、厨房に戻り、シエスタに聞いた。 彼女は懇切丁寧に説明してくれた。この人がご主人様だったら、と思わずにはいられなかった。 ルイズの下着は高そうなレースやフリルがたくさんついているので、洗濯板で丁寧に洗わなければならなかった。おまけに水は冷たく、指が切れてしまいそうになる。 これが、意外に辛い作業だったので、シンジは改めて【科学】の偉大さを実感した。 「魔法で洗濯機は作れないのかな…。掃除機も欲しいや」 シンジはぼんやりと呟いた。 洗濯物を持って部屋に戻ると、すでに授業を終えいたらしいルイズがいた。学院を案内してくれると言うので、素直に付いていった。 何か質問するたびに、ばかにされた。 取りあえず、地球とハルゲキニアの常識が全く異なるということだけは理解した。 一通りの案内が終わり、夕食を済ませ、部屋に戻るとルイズの一存で寝ることになった。【この世界についてレクチャーする】との約束は、シンジの予想通り履行されることがなかったわけだ。そして、これまたシンジの予想通り彼は床で寝ることになった。 ルイズがぱちんと指を鳴らすと部屋の照明が消えた。 この世界に召喚されてから丸二日経った後、シンジは深い眠りから目覚めた。それが昨夕のことである。 気絶している間に使い魔にされていた。左手の甲には、その証であるルーンが刻まれている。 窓の外には月が二つ怪しく光っていた。 「やっぱりおかしいよ、この世界…」 シンジはぼやかずにいられなかった。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ベッドの上で回想に耽っていた間に、つい寝てしまっていたようだ。寝ぼけ眼(まなこ)に、夕日が差し込む。何もしないまま半日が過ぎてしまったのだ。 トリステインでは、休日の事を【虚無の日】と呼ぶ。 「文字通りの虚無の日ね…」 ルイズが呟くと、意外な声がルイズの耳に届いた。 「あ、起きたんですね」 声の発信元に顔を向けると、床に散らばる優に三百は越えるであろう数の青く輝く石を研磨布で磨くシンジの姿があった。 「シンジ…。あんた、帰ってたの?」 「ええ、一時間くらい前には。ルイズさん、気持ち良さそうに寝てたから、起こさない方がいいかなって思って」 「何よ、随分早かったじゃない」 シンジが眉をひそめる。 「遅くなる前に帰れって、言ったのはルイズさんじゃないですか…」 理由は分からないが、シンジの言葉が無性に嬉しくて、ルイズは優しい微笑みを浮かべた。 「そうだったわね…」 晴 第弐話 天 、出掛けた後 終わり フーケ、 侵 第参話 入 ヘ続く
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/1824.html
4日目 あらぐむ 夜が明け、朝となりました。痛ましくも こんぶてさん の無残な死体が見つかったようです あらぐむ chjoin 天界部屋 へどうぞお入りください 2 (狼がぶがぶ) あらぐむ ------会話STOP------- 1 (もぐら村) あらぐむ -----------スタート-------------- あらぐむ 4日目の朝です 1 (もぐら村) あかみさと ★占いCO★バーバラ○ 3 (天界部屋) BBL ですよねw 1 (もぐら村) あかみさと どちらかといえば私真寄りで考えてくれているので占い 自分にまで●を打たれたくない人外に見えました が、○ 残念 (T) サイア > へー 1 (もぐら村) セイリオス [゚Д゚] 1 (もぐら村) あかみさと うへ、対抗噛まれ 1 (もぐら村) すねすき 占いがー 1 (もぐら村) サイア んー 1 (もぐら村) Jareky こんぶてさん逝かれたのか 3 (天界部屋) シエスタBC なにげに一緒になったこと少ないからな 1 (もぐら村) ウツボン あー・・・ 1 (もぐら村) サイア んー? 1 (もぐら村) ウツボン ところで霊媒は?COこない? 1 (もぐら村) xバーバラx 霊媒いますか? 1 (もぐら村) Jareky 霊媒は? 1 (もぐら村) リュファ 霊媒結果は? 1 (もぐら村) サイア 霊媒いたら嬉しいな 1 (もぐら村) すねすき 霊媒サーン 1 (もぐら村) あかみさと あれ、霊はほぼ死んでないと思うけど てか死んでないよね 1 (もぐら村) ワルノス 単純に占い機構破壊ですよね 1 (もぐら村) ワルノス 死んでないはず 1 (もぐら村) ウツボン まさかのすも霊媒とか・・・ないよな 1 (もぐら村) リュファ 出ないと言うことは・・・白だったんでしょうか? 1 (もぐら村) xバーバラx 死んでるはずないんですけどね… 1 (もぐら村) すねすき HAHAHAまさか・・・ 1 (もぐら村) サイア 死んでたらおかしい状況なんだけどな^- 3 (天界部屋) BBL ワルノスさんはあかみさとさん真で見ているのかあ 1 (もぐら村) サイア BBLさんが●だされた霊で黙って死なないかぎり 3 (天界部屋) BBL ○だから出ないとか? 3 (天界部屋) こんぶて まじでどうしろと・・・ 1 (もぐら村) サイア ○でも出ていいよ 3 (天界部屋) BBL そんなに怪しくなかったのになあ 1 (もぐら村) ウツボン こんぶてさんが霊媒でスライド狙ってたってのも・・・ないか、やっぱ白だから出ない方向でいってるのかな? 1 (もぐら村) xバーバラx それならCOするはずなんですけどね 3 (天界部屋) BBL お疲れ様でした 1 (もぐら村) サイア てかもう吊り少ないの 3 (天界部屋) シエスタBC おつつ 1 (もぐら村) Jareky 普通に考えたら霊媒候補いきてるはず 1 (もぐら村) あかみさと BBLさんは狼だからそれはないよーぉー 3 (天界部屋) BBL まあ●出されたから確信に変わりましたが 1 (もぐら村) サイア で、じつは2-2を予想してた 1 (もぐら村) リュファ 白でも出たほうがいいんでしょうか? 1 (もぐら村) すねすき 霊媒でてもいいのだぜ・・・? 3 (天界部屋) BBL リュファさん霊媒? 1 (もぐら村) Jareky 出て欲しい 1 (もぐら村) ワルノス しろでもいいのです 1 (もぐら村) サイア うん 1 (もぐら村) リュファ 【お昼の霊媒】BBLさんの人狼指数は0%、○でした。 1 (もぐら村) サイア 残りつり3 1 (もぐら村) あかみさと いっひ 1 (もぐら村) サイア ここで出ない意味もないかにゃー 1 (もぐら村) ウツボン 潜伏狼出す意味的にも出てほしいし、残りつり的に無駄つりをへらしたい 1 (もぐら村) サイア 対抗もいない? 1 (もぐら村) すねすき リュファさん霊媒か 1 (もぐら村) xバーバラx お 霊媒把握 1 (もぐら村) あかみさと 真霊媒出てもええんやで 3 (天界部屋) シエスタBC ニンジャーらしい 1 (もぐら村) リュファ ・・・つまりみさとさんにせものになるんですけど。 1 (もぐら村) サイア ぶっちゃけ狼全潜伏なら吊り回数的に2-2が予想できたんだけど 1 (もぐら村) xバーバラx 対抗ないなら 3 (天界部屋) こんぶて こんとろーらーがばぐった 1 (もぐら村) xバーバラx あかみさとさん偽ですね 3 (天界部屋) BBL なんか序盤からそのような発言は有りましたねえ 1 (もぐら村) あかみさと そそそそんなことないよ 真だよ 1 (もぐら村) セイリオス ますます[゚Д゚] 1 (もぐら村) サイア リファさん真でいくしかないねー 3 (天界部屋) BBL それは大変だ 1 (もぐら村) ウツボン 対抗こない上に占い噛みってことはやっぱり・・・ 1 (もぐら村) あかみさと んー 1 (もぐら村) サイア んむ 3 (天界部屋) シエスタBC こんぶてさんパッド? 1 (もぐら村) xバーバラx あかみさとさんは狂人かな 1 (もぐら村) すねすき これは・・・ 1 (もぐら村) サイア 占い抜きを素直に見るなら、あかみー偽 1 (もぐら村) あかみさと すもさん霊 対抗狂人 リュファさん狼 うんいけるいける 1 (もぐら村) Jareky 状況的にあかみさとさん、かなり偽者 1 (もぐら村) リュファ とりあえずサイアさんは白確定ですよね? 1 (もぐら村) xバーバラx え 1 (もぐら村) サイア そうなると明日の犠牲者はウチorリファさん 3 (天界部屋) こんぶて うん 1 (もぐら村) ウツボン いきなり黒出すって事は狂なのかー・・・? 1 (もぐら村) xバーバラx ああ そうか 1 (もぐら村) あかみさと 対抗噛みは私の信頼下げだなーこれ 1 (もぐら村) サイア 個人的には 3 (天界部屋) シエスタBC めずらしいな 1 (もぐら村) サイア ここで噛む=占いは狂人だったってなるんだけど 1 (もぐら村) Jareky すもさんが霊だったらあきらめる。あかみさとさんの内訳は却下 1 (もぐら村) サイア みんな同思う? 1 (もぐら村) あかみさと 真狩がいると見た狼が私噛みを避けたんだなこれ これが真実! 3 (天界部屋) こんぶて 俺対人しないしね 1 (もぐら村) ワルノス シエスタさんも○ですよね ただの念のため 3 (天界部屋) シエスタBC ほほー 1 (もぐら村) サイア 狼が騙ってたら、判定でなくても判断できたんだけど 1 (もぐら村) リュファ はい。シエスタさん○です。 3 (天界部屋) BBL パッドでチャットってできるのですか? 1 (もぐら村) ワルノス ありがとうございます 1 (もぐら村) サイア でも、それがフェイクとして、あかみー狼、狂人潜伏 1 (もぐら村) あかみさと じゃあとりあえず今日はグレーから吊りかな 指定飛ばしたほうがいい? 1 (もぐら村) サイア そして、霊に対抗が出ないのは占いで出てるから、とも取れる 1 (もぐら村) Jareky あかみさとさんは、リュファさんが狼だと思う? 1 (もぐら村) サイア グレーなら、セイさんから吊りたいかな 1 (もぐら村) あかみさと グレランは票見れないもんねー 1 (もぐら村) すねすき リュファさんがやっぱり真濃厚かのぅ・・・ 1 (もぐら村) Jareky それ以外にはありえない? 1 (もぐら村) あかみさと それはもう リュファさんは狼 1 (もぐら村) サイア だってステってるし 1 (もぐら村) ウツボン ここで霊媒騙りまでしない狂人潜伏は流石にないと思われ 3 (天界部屋) こんぶて いや、キーボードも使ってるよw あらぐむ 残り時間2分です 1 (もぐら村) セイリオス 安定の寡黙指定か 1 (もぐら村) xバーバラx リュファさんはまず真かと 1 (もぐら村) Jareky あかみさとさんの意見:狼BBL、リュファ 3 (天界部屋) BBL さすがにそうですよねw 3 (天界部屋) すもでんぱ んー? 3 (天界部屋) こんぶて 打ち込むときはキーボ 3 (天界部屋) シエスタBC あかみーつっときたいけどなー 1 (もぐら村) サイア まず狂人は出てる、という判断ならあかみー狂人 1 (もぐら村) Jareky ということはあかみさとさん仕事終了ですかな 1 (もぐら村) あかみさと いっひ全露出^p^ 1 (もぐら村) ワルノス 可能性はないこともないけど あかみさとさん狂濃厚かと 1 (もぐら村) サイア orすもさん狂人で狩人ちがうとかね 3 (天界部屋) すもでんぱ どうせPP避けにするなら 1 (もぐら村) あかみさと じゃあ指定はリュファさんで行きましょう 3 (天界部屋) BBL リュファさん偽を疑う人は霊媒候補がすもさんや私やシエスタさんになってしまう 3 (天界部屋) すもでんぱ あかみさと先吊っても問題ない 1 (もぐら村) Jareky あかみさとさんは吊ってもOKという結論です。自分は 1 (もぐら村) あかみさと よーし、これは早く終わりそうだー 1 (もぐら村) ワルノス そしたら狩人はあかみさとさん守ってましたーになるのかな 1 (もぐら村) すねすき すもさんは役職もちであろうとなかろうと、霊媒なのに狩人COは無いかなぁと 1 (もぐら村) リュファ とりあえず今夜はみさとさんですか? あらぐむ 残り時間あと1分です 1 (もぐら村) あかみさと まままま待て まだいけるいけうr 1 (もぐら村) ウツボン 9>7>5>3>か・・・ 1 (もぐら村) サイア リファさんがそういうなら 1 (もぐら村) あかみさと うおおおお噛んだああああ 1 (もぐら村) Jareky 真でも偽でもあかみさとさん吊りでOKかと思います 3 (天界部屋) BBL どうせ明日リュファさん噛まれて色見れないしあかみさとさん釣でいいような 1 (もぐら村) すねすき んにゅ 1 (もぐら村) xバーバラx 狂濃厚ですけどそれでいいかと 1 (もぐら村) サイア これで、セイさん狂人も怖いっちゃー怖いと可能性を提示 あらぐむ 残り時間あと30秒です 1 (もぐら村) あかみさと 狂とかそんなまさか 1 (もぐら村) あかみさと 真だよ! 1 (もぐら村) セイリオス ぇー 1 (もぐら村) ウツボン あかみさん吊ると@3だけど・・・霊媒ほぼ確定だしナァ 3 (天界部屋) こんぶて 奇数進行なのにあかみさとさんが狂人らしく振舞う意味ってなんなんだ 1 (もぐら村) あかみさと じゃああとは任せた!吊られちゃう?吊らないで! 1 (もぐら村) サイア あかみー残しててもいい気もするけど、不安を落とすなら、あかみー 1 (もぐら村) ワルノス 次はどっち抜かれるだろう 確定白候補ですよねー 1 (もぐら村) あかみさと そうそう残そうぜー あらぐむ 日は落ちて、村人たちは今日の処刑者を決めなくてはいけません。 1 (もぐら村) サイア んで、ステはセイさん あらぐむ 各人は処刑する人の名をTELLでお願いします 1 (もぐら村) あらぐむ ------STOP----------STOP------ 2 (狼がぶがぶ) あらぐむ ----会話可能時間です---- 1 (もぐら村) あらぐむ ------STOP----------STOP------ (T) サイア > あかみさと さんに投票しまっす (T) xバーバラx > あかみさとさんで 3 (天界部屋) すもでんぱ 残していい事なんてある? (T) リュファ > あかみさとさん。 2 (狼がぶがぶ) セイリオス あかみさとさんに入れないとキャー 2 (狼がぶがぶ) すねすき うーむ (T) ウツボン > あかみさとさんでお願いします (T) セイリオス > あかみさとさんに投票します (T) Jareky > あかみさとさんに投票 3 (天界部屋) BBL 無いと思います 3 (天界部屋) あらぐむ 奇数ならないな (T) あかみさと > リュファさん・・・かな! 2 (狼がぶがぶ) すねすき うむ、みさとさんに全力シュート 3 (天界部屋) すもでんぱ 白吊る方が確率的に高いような。 2 (狼がぶがぶ) セイリオス そのうち吊られるわぁ。 (T) ワルノス > 狂人濃厚だけど安定するならあかみさとさんかぁ でも他に要素ないのよね あかみさとさんで (T) すねすき > あかみさとさんに投票シュート! あかみさと8 リュファ1 3 (天界部屋) BBL 今回は狩人が露呈してたので 2 (狼がぶがぶ) セイリオス そうとして食べるならだれだろう 2 (狼がぶがぶ) セイリオス サイアさんじゃ露骨すぎだよねえ 3 (天界部屋) BBL ●出して無駄吊り+占い噛みしてもらったほうが良いと思ったのでは? 3 (天界部屋) こんぶて 7人(内確定○1)からグレラン3回で狼2か あらぐむ 残り時間あと1分です 3 (天界部屋) BBL 厳しいなあ 2 (狼がぶがぶ) すねすき 今サイアさん噛むとなぁ・・・ 2 (狼がぶがぶ) すねすき 誰がいいだろ あらぐむ 残り時間あと30秒です 2 (狼がぶがぶ) セイリオス まあ噛まなくても私は吊り候補だなあ 3 (天界部屋) こんぶて そこまで無理ゲーってほどじゃない辺り、15人の狼がいかにきついかわかるなw 3 (天界部屋) BBL そうなのかな 3 (天界部屋) BBL 狼ほとんどやってないのでなんとも あらぐむ 村人たちの話し合いにより あかみさとさん は処刑されてしまいました あらぐむ /chjoin 天界部屋 へどうぞお入りください あらぐむ まもなく夜となり狼たちの時間です。各々狼に怯えつつも推理し、明日の昼へと備えましょう あらぐむ 役職の方はTELLをお願いします 3 (天界部屋) こんぶて 15じゃなくて13か でもきついけど 3 (天界部屋) シエスタBC ウツボーンは白っぽく見てるんだけど あかみさと 殺意を逆鱗に突き立ててみろ! 3 (天界部屋) シエスタBC 大抵オレがそう見ると黒だったりするのよなぁ 2 (狼がぶがぶ) すねすき リュファさんは噛めるのだろうか・・・ 3 (天界部屋) あらぐむ 自分を信じろ! 2 (狼がぶがぶ) セイリオス どうしよか。リュファさんかサイアさんか 3 (天界部屋) シエスタBC おっけー 3 (天界部屋) あかみさと おじゃましますん おつかれさまです (T) リュファ > あかみさとさんの遺体を検査します。 3 (天界部屋) あらぐむ (チョロイ 2 (狼がぶがぶ) セイリオス この感じだと食べれそう・・・ 3 (天界部屋) シエスタBC おつつ 3 (天界部屋) こんぶて おつかれさまー (T) > リュファ 能力の結果、あかみさとさんは村人だったようです 3 (天界部屋) シエスタBC 漏れてるから心の声w 2 (狼がぶがぶ) すねすき 霊媒チャレンジしてみる? (T) リュファ > あ、やっぱり狂・・・(でも明日噛まれそう[オイオイ]) 3 (天界部屋) あかみさと はっちゃけるのが楽しかったです 2 (狼がぶがぶ) セイリオス 霊媒チャレンジか、露骨に噛んで露骨なことするわけないじゃーんって言い張るか 3 (天界部屋) BBL お疲れ様でした 3 (天界部屋) こんぶて 狩人指定が見事過ぎてどうにもこうにもw 3 (天界部屋) シエスタBC 水着は信用しない (T) サイア > やっぱ霊媒噛まれるかな 3 (天界部屋) BBL 狂人仕事しすぎw 3 (天界部屋) あかみさと ししし真だし 3 (天界部屋) シエスタBC 天丼然りあかみしかり 3 (天界部屋) シエスタBC これだわ あらぐむ 残り時間2分です 2 (狼がぶがぶ) セイリオス どーしよ? 3 (天界部屋) BBL なんとなあくこんぶてさんへの吊り指定お願い発言見返して●出される気がしてました 3 (天界部屋) BBL 直感ってすごいね (T) サイア > あと2匹残ってる状態で明日になるんかな 3 (天界部屋) あかみさと ほぼ村・・・ゲフンゲフン 狼だったからなーBBLさん 3 (天界部屋) こんぶて しかし今回○引けなかったなー 3 (天界部屋) BBL w あらぐむ 残り時間あと1分です 3 (天界部屋) こんぶて ●だった 噛まれた日も引けなかった (T) サイア > なんか勝てるポイントが運しか見えない 3 (天界部屋) BBL それは残念です 2 (狼がぶがぶ) すねすき グレーの多い殴り合い村に・・・できるかなぁ・・・ 3 (天界部屋) BBL サイアさん 2 (狼がぶがぶ) セイリオス ニンジャにしとくか あらぐむ 残り時間あと30秒です 3 (天界部屋) BBL サイアさん占ってくれたのは助かりました 2 (狼がぶがぶ) すねすき おねがいしゃす! (T) セイリオス > ニンジャーをはむはむします 3 (天界部屋) BBL 私つられちゃったけど (T) > セイリオス たいやきなびこ! 2 (狼がぶがぶ) セイリオス たいやきですって! 3 (天界部屋) こんぶて でもサイアさん あかみー残してもいい気がするとか言ってるしな・・・ 2 (狼がぶがぶ) すねすき たいやきは頭から食べるよ 3日目へ 5日目へ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4327.html
前ページゼロと人形遣い ゼロと人形遣い 9 昼時のアルヴィーズの食堂、その裏側。 トリステイン魔法学院では、朝食は全校生徒と教師が同時に食べる規則だが、昼食は食事を取りたい者が時間内に食べに来る事になっている。 そのため、厨房はまさしく戦場と言っても過言ではない忙しさだった。 「おい、おまえら!キリキリ動けよ!料理を冷めさせたりしたら承知しねえぞ!」 「へい!」 この厨房を取り仕切っているコック長マルトーの声が響く。 彼は大の貴族嫌いだが、仕事には一切手を抜いたりすることはない。 「マルトーさん、またメインの追加です!」 「なにっ、またか!このままじゃ、ソースが足りなくなるな・・・」 「親父さん、こっちを見てもらえませんか!」 「ちょっと待ってろ!・・・よし、すぐに代わりを用意するから、その大食らいの貴族に確認を取ってきてくれ!」 「なんて言えばいいんですか!」 「趣向変えに、酸味を効かせた味にすると言っとけ!」 「わかりました!」 「親父さん、こっち頼みます!」 「コック長!サラダ用の飾り野菜が!」 「わかったから、ちょっと待ってろ!リタ、上手いこと言っとけよ!クーロイ、飾り野菜は向こうの倉庫にあるから、急いで持って来い!シシィは、ソースを作るための用意を、ビネガーとレモンだ。わかるな!ニック、すぐ行く!」 マルトーは、矢継ぎ早に、指示を飛ばしながらも、自分の仕事もこなしていく。 「忙しいもんなんですねぇ・・・」 その姿を横目で見ながら、阿柴花は呟いた。 こんなに忙しいなら、手伝いなど申し出なければよかった。 軽く後悔しながらも、自分に任された仕事をこなしていく。 まあ、仕事といっても、料理など作れないので皿洗いだが。 「アシハナさん、これもお願いします!」 「はいよぉ」 新しく運ばれてきた皿に、洗剤の様な薬品を布につけて洗う。 さっきから、その繰り返しだ。 「はぁ・・・、皿洗いなんてガキの頃以来ですからねぇ・・・。こんなにシンドイもんだったけなぁ・・・」 ブツブツと文句を言いながらも、皿を洗っては重ねていく。 そこに、ガシャと、 「すみません!これもお願いしますね」 「はいはい・・」 すべて洗いきらない内に、また皿が運ばれてくる。 こんなことなら、教室に残っていたほうが良かっただろうか。 「でもまあ、あっちよりはましでしょうねぇ」 「これもです!それからさっきの分は終わってますか?」 「・・・へぇ、そっちにありますよ」 「ありがとうございます!」 いや、やっぱりあっちの方が楽だったかも知れない。 数時間ほど前。 ルイズの魔法によって、地獄絵図に変えられてしまった教室。 やっと暴れていた使い魔たちが静まり、混乱が収まろうとしていた。 「くそ!これだから、ヴァリエールと同じクラスは嫌だったんだ」 生徒の一人が叫んだ。 すると、それに呼応するように、他の生徒達も口々に文句を言い出す。 先程とは違ったざわめきが拡がっていく。 「うるさーーーい!ちょっと失敗したくらいで、ブツブツ言うんじゃないわよ!」 負けじと、ルイズが喚き散らす。 阿柴花はその様子を、教室の後ろから眺めていた。 しばらく野次り合いが続いていると、気絶していたシュヴルーズがフラフラと身を起こした。 「あっ、先生!」 「ミセス・シュヴルーズ。大丈夫ですか」 「えっ、ええ・・・大丈夫です・・・」 近くにいた女生徒が、気がつき声を掛ける。 それに弱々しく答えて、立ち上がった。 シュヴルーズに、気がついたルイズは、口論を打ち切って駆け寄った。 「ミセス・シュヴルーズ、大丈夫ですか?」 「ええ、ミス・ヴァリエール」 心配そうにたずねるルイズに、シュヴルーズは引きつりながらも笑顔で返事をする。 なんとか教師としての、余裕を保とうとする。 しかし、 「申し訳ありませんでした。ちょっとだけ失敗してしまったみたいで・・・、でも次は上手くできます」 「ヒィ!」 ルイズから、次と聞いた瞬間に、悲鳴が漏れた。 すぐに笑顔で取り繕うと、授業の中止とルイズに罰を言いつけて、そそくさと教室を出て行ってしまった。 授業の中止を聞くと、生徒達は我先に教室から出て行った。 ルイズは、しばし呆然としていた。 しかし、すぐに気を取り直すと、教室の後ろ側に座っている、自分の使い魔へ顔を向けた。 「ちょっと、アシハナ!掃除をしてぇぇぇっえ?」 が、そこには誰も居なかった。 阿柴花は、シュヴルーズがルイズに罰掃除を言いつけた時に、嫌な予感がしてさっさと抜け出していたのだ。 そして、シエスタとの約束通り、厨房の手伝いをしに来ていた。 移動してすぐは、まだ昼食まで時間があったので、世間話兼コックやメイドを紹介してもらっていた。 だが、準備を始める時間が来ると、厨房全体が慌しくなってきたので、何かやることはないかとシエスタに聞くと、 「それなら、ケーキの配膳を手伝ってもらえませんか」 と、頬を染めながら言ってきた。 しかし、 「いや、シエスタ。それはさすがに無理がありますよ。アタシはテーブルマナーなんかひとつもわからないんですから」 「そうですか・・・。じゃあ、マルトーさんに聞いてきますね」 シエスタは軽くガッカリしながら、マルトーの所へ向かった。 すぐに戻ってくると、 「それじゃあ、お皿洗いをお願いしていいですか?」 「皿洗いですか。まあ、アタシには妥当なとこでしょうね。そんじゃあ、やらせてもらいますよ」 「はい。それでは、こっちですよ。」 そして現在に至る。 皿を洗うのにも慣れ、厨房もだいぶ落ち着いてきた。 隣で皿を洗っているメイドのソリスと雑談を交わしながら、のんびりと手を動かしていく。 しかし、急に食堂のほうが騒がしくなった。 「んっ?どうしたんでしょうか」 「さぁねぇ。貴族の誰かが喧嘩でもしてんじゃないですか」 「そんな・・・。違えばいいんですけど」 「なんでですか?別に関係ないでしょうに」 「だって、八つ当たりされたりしたら嫌じゃないですか」 「ああっ、ちがいねぇ」 そんな話をしている間も、騒ぎが収まる様子は無い。 と、厨房にメイドの一人が駆け込んできた。 「たっ大変です!」 「どうしなんでぇリタ?」 「シエスタが!シエスタが!」 マルトーは、リタの肩に手をやる。 「落ち着けって、シエスタがどうしたってんだ?」 「シエスタが、貴族に絡まれてるんです!」 「なにーーー!!」 前ページゼロと人形遣い
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3437.html
前ページ次ページ風林火山 ―――――なんと驚くべきことか、と勘助は思った。 あれから丸一日、勘助は眠っていたのだという。 そして、目覚めた勘助は勘助は何よりも先に、これから暮らすであろうこの地について、そして自分の身について尋ねた。 そこで、勘助は自分の処遇・この社会での地位などを理解した。 (魔法の存在もさることながら、やはり海外ともなると随分と異なる) 魔法の存在が産業のほぼ全てを支えていることにも驚きを隠せない。 油なぞ、最低レベルの魔法で作れることから、ずいぶんと価値が低く見られているらしいし、紙も大量に出回り、図書館と呼ばれる、大量の本を集める場所もあるという。 さらに、蝮が行っていた、型破りの楽市楽座をどこの市場でも当然のように行っている。 そして何より、ガリアと呼ばれる国の存在。 人口1500万の国であるという。 1500万の国とは、武田・上杉・朝倉・毛利等など、大国の国々が同盟して戦っても、勝ち目があるかどうか。 さらに、空を飛ぶ船の存在。 使い魔の感覚の共有。 ポルトガル伝来の火縄銃程の威力は無いが、使い勝手が良い銃。 何を取っても、驚くことばかりだ。 もし、甲斐に空船の一つでもあれば、楽に上杉を打ち取ることもできたであろう。 攻撃できない場所から一方的に攻撃できるということは、それほど大きいのだ。 魔法の便利さにも驚きの一文字しか出てこない。 すでに、勘助の頭の中には、これを利用していかなる陣形を取るべきか、いかなる作戦を使うべきか、いかにして城を取るべきか、そんなことばかりが駆け巡っている。 ルイズの話しか聞いてはいないが、しかしその説明でも多くの事がわかった。 ほぼ、半日はそれについやしたのだろうか。 この地の地理も大まかにだが理解した。 目を閉じれば、タルブの平原や城下町、浮遊大陸アルビオンの首都、ゲルマニアの街やロマリア、ガリアの首都やラグドリアン湖の光景などとも、ありありと浮かんでくる。 さすがに城や家等の建造物等は想像しにくい。 だが、もし、隣国であるゲルマニアとの戦争が起きれば、どこを拠点とするべきか、もしガリアとの戦争が起きれば、どう対処すれば良いか、そんなことすら、勘助は考え出している。 勘助の頭は、それからめまぐるしく回った。 (いかん。ルイズの話によれば、ここに戦など面影もありはしないのだ。それよりも―――) 勘助の手には、主たるルイズの衣服の入った籠が握られていた。 (まずは、これをどうにかするのが先決か・・・洗濯なぞ、殆どやったこともないが・・・) と、前方にメイドの衣装を着た少女が歩いているのが目に入った。 「もし、そこのお方」 「・・・え、あ、私ですか?」 勘助が声をかけると、数秒遅れて返事が返ってきた。 何故自分に声がかけられたのかわからないといった風だったが、勘助の持っているものを見て納得した。 「洗濯ものですか?それならば、私たちにお申し付けくださ・・・あ、もしかしてミス・ヴァリエールが召喚した使い魔さんですか?」 「いかにも」 「あの・・・えと、私たちと同じ・・・平民、でしたよね」 「この国の区分では、平民であることは確かだ。魔法は使えんのでな」 「そうでしたか!わたし、シエスタといいます!えと、何かありましたらいつでも私を頼ってください!平民どうし、助けあわなくっちゃ・・・」 勘助の異相にも全く恐れることなく、シエスタと名乗った少女が笑いかけた。 「恐れ入る。それでは、これを頼んでも良いだろうか」 「はい、お任せください!」 「ふむ。だが、立場が対等ならばこちらだけ何かして貰う訳にも行くまい。何か、手伝えることはあるか」 半ば、楽しむように、笑うように勘助は言った。 「そうですか?では、今日のお昼に食堂にケーキを運ぶのですが、お手伝いいただけますか?」 「承知した」 笑みを浮かべながら、勘助は籠をシエスタに手渡した。 ―――――昼の食堂 ルイズからの見たこともない昼食を平らげた勘助は、その足でそのまま調理場へと向かった。 これまた見たこともない物を、シエスタに頼まれ、学生たちへと届ける手助けをする。 「この列にある、台の上に置いていけばいいのだな?」 「はい。そんなに丁寧にやる必要も無いですから。終わったら私に声をかけてくださいね」 「あいわかった」 いうと、勘助とシエスタは別れ、それぞれの机にケーキを配膳していく。 はじめは柔らかいケーキに苦戦したが、元々手先が器用な方である。 すぐに慣れ、そう時間もたたずにケーキを配り終えた。 と、何やら奥で大きな声が聞こえた。 「これは僕のじゃない。他人の物ではないのか?」 「その香水はモンモランシーのじゃないか?」 「そうだ! その鮮やかな紫色はモンモランシーが自分のために調合している香水だぞ!」 「ということは・・・ギーシュ、お前はモンモランシーと付き合っているということか!?」 「それは違う。 彼女の名誉のために言っておくが……」 「ギーシュさま……やはり、ミス・モンモランシーと……」 「そんなわけないだろケティ。いいかい、僕の心の中に住んでいるのは君だけ――」 バチン――― 大きな頬を叩く音がして、向こうから少女が歩いてきて、それと入れ替わるように巻き髪の少女が歩いてきた。 「モンモランシー、誤解だ。彼女とはただいっしょに、ラ・ロシェールの森へ遠乗りをしただけで……」 「やっぱり、あの一年生に、手を出していたのね?」 「お願いだよ。『香水』のモンモランシー。咲き誇る薔薇のような顔をそのような怒りで歪ませないでくれよ。僕まで悲しくなるじゃないか!」 と、モンモランシーが机の上のワインを手に取りギーシュにそれを吹っ掛け、 「うそつき!」 と、怒鳴って去っていった。 ギーシュはハンカチを取り出し、ゆっくり顔を拭く。 そして、突然シエスタに怒鳴りつけた。 「そこのメイド、待ちたまえ」 シエスタの肩が震え、恐る恐るとギーシュの方へ振り向く。 「君が軽率に香水の壜なんか拾い上げたおかげで、二人のレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるんだね?」 「あ・・・す、すみません!」 シエスタはペコペコと何度も謝る。 そこで、周囲の野次馬から 「いや、二股をかけてたお前が悪いんじゃないのか?」 と声がかけられた。 ギーシュの友人達が、どっと笑った。 「確かに、そりゃ当然だ!」 すると、顔を赤く染めたギーシュが、友人達は無視してシエスタへと詰め寄る。 「何を言っている給仕君。君達が壜を放置してればよかっただけじゃないか」 「もうしわけありません、貴族様・・・」 「これは謝って済む問題ではないのだよ!君一人が謝っても、彼女達の名誉はけがれたままだ!」 「すいません、すいません、すいません・・・」 「だから謝って済む問題ではないのだよ・・・そうだな、決闘でもするかね?互いの名誉をかけて行う決闘ならば、彼女たちの名誉の汚れも少しは落とせるかもしれない」 シエスタが、泣きそうな顔で、いや、すでに目に涙をためながら、必死に謝っている。 (どうやら、シエスタに非があるのではなく、ただの八つ当たりのようだな) シエスタに非があるのならば、自分が出る必要はないと思っていた、が。 それがただのやつあたりだというのなら、それも、身分の違いを盾にするようなやつあたりであるならば、恩のある自分はそれを助けねばならないだろう。 それに、周りのだれもが彼女を助けようとはしない。 まるで、見せものであるかのようだ。 見ていて、とても気分が良いものでは無い。 (それに、あの小僧。気に食わんな) あんな小童が、幅を利かせ、あの少女のような有能な者が隅をあるかねばならないなどと。 ルイズの話を聞いた時、勘助はまず中国を思い浮かべた。 郷挙里選のように、有能なものは取り立て、無能なものは落ちていくという制度も、これほどに素晴らしい技術や政治体制がある国ならば、あって当然だと思っていたのだ。 だが、そうでは無いらしい。 有能な平民よりも、無能な貴族の方が偉いという。 下の者の事を考えることができない支配者は、どれほどの能があろうと無能である、と勘助は思う。 無能である上に、下々の物の考えることができないような支配者が、幅を聞かせられているような国なのか。 これでは、やがては上が腐敗し、下剋上が起きるのが必定、などと思いを巡らす。 「あいや、待った!なにも決闘などする必要なないだろう」 「む?なんだね君は」 「某の名は山本勘助にござる。何があったのか、大体わかった。しかし、何も決闘まで行う必要はないであろう」 「は?ああ、ルイズが召喚した平民の軍人か。全く。ルイズは自分の使い魔の教育すらまともにできないのか。さすがはゼロのルイズだ!」 ゲラゲラと、あざ笑いながら、ギーシュが言った。 そして、勘助を流し見るようにして言った。 「ならば、君が代わりにこの僕と決闘をするのかね?軍人ならば、多少は手ごたえもあるだろうさ」 ギーシュの言葉を聞いた野次馬達が、面白そうに勘助達を眺めている。 「決闘?この勘助と、決闘すると申したか?」 「ああ、確かに言ったね。耳が悪いのかい?」 「ふむ。小童。決闘の、意味。理解しているのであろうな?」 ギロリ――― 塞がっていない片目でギーシュを睨む。 今更、勘助の異相に気づいたのだろうか。 ビクリ、と肩をすくませ、一歩後ずさった。 が、震えながらも、しどろもどろに勘助に口を叩く。 「も、も勿論さ。貴族に二言は、な、ない、よ」 「ふむ」 「い、いや、だけど平民相手にさすがに今のは僕もちょっと大人げなかったかな、あはは、君が謝るというのなら、この場は納めてもいいよ」 変に素早い口調で勘助に口をきく。 「いや、決闘か。構わん。やろう」 ヒクッ、とギーシュの口元が引きつる。 それに気付きながらも、そんな事を気にする勘助では無い。 「仮にも主人であるルイズをけなされ、それを放っておくのは使い魔としての名折れでもある」 「そ、そうかね。あ、そうだ、僕は貴族なんだ!だから、魔法を使っても文句あるまいね!」 「構わん」 「よ、よし、今の言葉忘れるなよ・・・それじゃあ、1時間後にヴェストリの広場へ来るんだ!・・・いや、もし怖気づいたのなら別に来なくても構わないよ。僕は別に君と戦いたいわけでは無いからね」 「必ず行こう。もし、その広場はどこにあるのか、教えていただきたい」 ギーシュの言葉を軽く受け流し、勘助は野次馬から広場の場所を聞き出した。 その間に、ギーシュは早歩きでその場から立ち去った。 「あ・・・あなた、殺されちゃう・・・貴族と決闘何かしたら・・・」 それまで、事の成り行きを見守っていたシエスタが、顔を真っ青にして言った。 そして、そのまま彼女は走り去ってしまった。 前ページ次ページ風林火山
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/2024.html
3日目 Navi さわやかな朝がやってきました 自宅にて ミクかわいいさん の遺体が見つかったようです… Navi 村人の皆様、今日もがんばってください 1 (なび村) ミクかわいい 〓■●_~□○0 メゾピ 占いCO:みむっちゃさんは○でした メゾピ すもでんぱさん狂かと思ったという発言が引っかかりました。狂かどうか判断する材料ってそんなになかった気がするので 2 (ゾンビ部屋) リゾルート む、霊媒処分ですか・・・ Navi 昼の部スタートです 1 (なび村) せんこ 【占い結果】あきずきさん ● でした! 狐探しに寡黙かつ最後まで残りそうな人をまず占ってみたらいきなり・・・ ただ、状況的に偽でも●出しやすいよね 信頼低そう 1 (なび村) コンチ ほうたいやああああああああああああああああああああああああ 1 (なび村) みむっちゃ コンチさん○ 初日なんで将軍つながりで。 1 (なび村) すもでんぱ えっ 1 (なび村) カルシファー えぇぇ 1 (なび村) せんこ 狐駆除のために飼うのもありだと思うけど、霊がほぼ確定してるし判断難しいとは思います 1 (なび村) Akizuki 霊媒噛みかぁ 1 (なび村) シエスタBC 霊いったか 1 (なび村) あかみさと いきなり霊噛みなのか 1 (なび村) サイア あら 1 (なび村) xバーバラx えええ 1 (なび村) Hell ナムナム 1 (なび村) リュファ いきなり霊媒さんが・・・ 1 (なび村) うんちや アルェー 2 (ゾンビ部屋) ケラヴノス 見るのも楽しいのが人狼のいいところですね 1 (なび村) せんこ って思ったらみくさん食べられてるじゃないですかやだー 1 (なび村) カルシファー 霊媒新でからの●かぁ 1 (なび村) メゾピ すもでんぱさん狂かと思ったという発言が引っかかりました。狂かどうか判断する材料ってそんなになかった気がするので 1 (なび村) メゾピ 占いCO:みむっちゃさんは○でした 1 (なび村) xバーバラx まあ真濃厚でしたけど 1 (なび村) たぷたぷ 霊媒真かー 1 (なび村) Akizuki 黒でた? 1 (なび村) コンチ あずきなさん黒か 1 (なび村) メゾピ すいません、ちょっとマクロミスりました 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい ひ、ひどい 1 (なび村) コンチ そしておいらは当然白 2 (ゾンビ部屋) わんしろう 動画だと発言も一緒に顔画像みれてわかりやすいけど 1 (なび村) せんこ ちょっと状況的によくないなぁ・・・ 1 (なび村) みむっちゃ あらー狂人突撃? 2 (ゾンビ部屋) ケラヴノス 役職つぶしも人狼側の戦術ですからね 2 (ゾンビ部屋) リゾルート ミクさん吊り逃れしたのに結局死んでるじゃないですかやだー 1 (なび村) ワルノス このタイミングの●って狂人臭い 1 (なび村) カルシファー メゾピさんはなぜ対抗占ったのです? 1 (なび村) あかみさと あれ?メゾピさん対抗占い? 1 (なび村) jinjahime 信頼勝負ねー 2 (ゾンビ部屋) わんしろう もうさっぱりw 1 (なび村) すもでんぱ 死んでからだけど、狩人守り濃厚な状態で 1 (なび村) メゾピ げ、対抗占ってしまった 1 (なび村) サイア 対抗占いかー 1 (なび村) xバーバラx 対抗なぜ占いました? 1 (なび村) ワルノス 地雷ないし サクサク打てる 1 (なび村) メゾピ すいませんミスですごめんなさい・・・ 2 (ゾンビ部屋) ケラヴノス ミクかわいいお疲れ様です(汗) 1 (なび村) うんちや Akizukiさん●かぁ 1 (なび村) jinjahime メゾピさん・・ 1 (なび村) あかみさと Oh... 1 (なび村) すもでんぱ ●は狂か真 1 (なび村) コンチ みむっちゃさん占ってどうする 2 (ゾンビ部屋) Navi おいでませ~ 1 (なび村) カルシファー ●吊っても分からないしなぁ 1 (なび村) せんこ そうなんだよねぇ・・・ 共有出てるし●は出しやすい状況なんだけど 1 (なび村) みむっちゃ もう霊いないと大混乱だよ 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい せつないです・・・ 1 (なび村) サイア せんこさん早めの狂人アピにも見えるけど 1 (なび村) あかみさと 吊って色は見れなくなったけどどうしましょうか 1 (なび村) せんこ 出ちゃったもんはしょうがない 1 (なび村) ワルノス 対抗は面白いとちょっと思ったんだけど。。。真なら 真狂狐のケース踏まえると1/2で溶かせるし 1 (なび村) xバーバラx 占いはできるかぎり残していきたい 1 (なび村) コンチ みんなが狩人は占い守れというからこうなった 1 (なび村) ワルノス そしたら信頼わっしょい あるんじゃね?手として 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい グレー噛んでっていったのに! 1 (なび村) jinjahime 完全グレー吊るよりはいいか 2 (ゾンビ部屋) リゾルート まぁ、確実に守ってなさそうだから、でしょうかね・・・ 1 (なび村) カルシファー 一応今のとこみむっちゃさんが一番信頼高いですね 1 (なび村) xバーバラx 護衛先の話はするべきではなかったですね 反省 1 (なび村) メゾピ せんこさんが狼と思いますけど、ごめんなさい 1 (なび村) サイア コンチさんは、なんか狩人アピくさいし 1 (なび村) サイア なんじゃろね 1 (なび村) あかみさと うむ、狐2は怖いし占いは残したい ただ狼か狐はいるから吊り時はしっかりな 1 (なび村) コンチ いや 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい 狐2匹もいるのに・・・ 1 (なび村) コンチ 狩人じゃないよ 1 (なび村) リュファ 慎重な狐だったら、占い出ませんよね。(連絡が互いに取れないので被るかもしれない) 1 (なび村) シエスタBC いくらなんでもあからさますぎじゃね? 1 (なび村) あかみさと コンチさんが謎すぎてこわい 2 (ゾンビ部屋) ケラヴノス 人狼側としてはやはり役職つぶしてナンボかと 1 (なび村) jinjahime 今日はAkizukiさん吊りで 1 (なび村) サイア うん。どっちかってーと人外視 1 (なび村) せんこ んー 1 (なび村) jinjahime コンチは確定情報ほしいなぁ 2 (ゾンビ部屋) リゾルート やー朝の会話が1/3ぐらい狩人先についての言及だったから 1 (なび村) Hell 同じく 1 (なび村) コンチ 村人だが 1 (なび村) サイア みむっちゃさんからは○ね 1 (なび村) せんこ うち視点では残しておいてほしいけど 1 (なび村) すもでんぱ まあ 1 (なび村) せんこ <あきずきさん 1 (なび村) コンチ うむ 1 (なび村) jinjahime キープ? 2 (ゾンビ部屋) リゾルート そのままの流れで占い候補守りにいくと予想できたのかも・・・ 1 (なび村) すもでんぱ 極わずかの確率で 1 (なび村) ワルノス 確定情報って統一?後追い?? 2 (ゾンビ部屋) ケラヴノス 占いの数が多いから狩人も厳しいでしょうね 1 (なび村) あかみさと 霊死んだせいでキープすべきか悩むな 1 (なび村) jinjahime どっちでもいいけど 1 (なび村) コンチ 黒でたんならつればいいじゃない 1 (なび村) せんこ 飼って狐駆除が安全になる(あくまでうち視点 1 (なび村) すもでんぱ みくかわ狐もあるよね! 1 (なび村) たぷたぷ 霊媒死んでるからなぁ 1 (なび村) すもでんぱ ・・・ 1 (なび村) xバーバラx ああ なるほど 1 (なび村) カルシファー んじゃ●吊ります? 1 (なび村) jinjahime 最終日までにグレーでのこるとこわい 1 (なび村) ワルノス 真霊でてこーい 1 (なび村) カルシファー もしかすると真霊が! 1 (なび村) たぷたぷ 噛みだから狐はないんじゃない? 1 (なび村) xバーバラx 霊媒死んでると困りますね… 1 (なび村) jinjahime ミク狐はない 1 (なび村) jinjahime 潜伏占いいることになる 1 (なび村) あかみさと ここで霊出てきたら怖いわwww 出ないよね? 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい そうだそうだー! 1 (なび村) みむっちゃ まぁ狼もまだ狐わかってないわけだし、狼のキツネ告発の黒だしでもないわけだからあまり吊りたくないね 2 (ゾンビ部屋) リゾルート 包帯屋さんが疑われている謎の流れ 1 (なび村) xバーバラx でたら偽っぽいですけど 1 (なび村) サイア 出ても信じないかな 1 (なび村) すもでんぱ いや 1 (なび村) たぷたぷ 怪しさぷんぷんだね 1 (なび村) すもでんぱ 出てきたら出てきたで吊ったんだけど 1 (なび村) カルシファー まぁ確かにw 1 (なび村) ワルノス ですねw 1 (なび村) すもでんぱ 流石にでてこないね 1 (なび村) シエスタBC グレー狭めるのは? 1 (なび村) うんちや 狐2いるからなー 1 (なび村) Akizuki 他の人に占ってもらってから釣られたいですが 1 (なび村) せんこ やっぱりいきなり●占えちゃったのはよくないなぁ 1 (なび村) コンチ メソピさんは占いを占っていく方向? 1 (なび村) xバーバラx まあ 狐とかしてほしいってのが本音ですね 1 (なび村) あかみさと わざわざ占わせようとするのは占い消費ですかい?>Akizukiさん 1 (なび村) メゾピ 明言しないでおきますー 1 (なび村) コンチ 了解 1 (なび村) jinjahime もし、信頼勝負路線だったら 1 (なび村) jinjahime アキズキさんは釣るべき Navi 5分経過(後2分) 1 (なび村) すもでんぱ akidukiさんが狼かもしれない以上2重占いは無駄 1 (なび村) せんこ 狐のこと考えると釣ってほしくない 1 (なび村) jinjahime 真偽はともかく、せんこさん視点で狼の罪が早まる 1 (なび村) jinjahime 詰み 1 (なび村) サイア Akizukiさんを残すか今か 1 (なび村) たぷたぷ 吊りはどうしよう 1 (なび村) カルシファー まぁ確かにそうですね 1 (なび村) サイア どのみち霊媒いないけどね 1 (なび村) あかみさと んー・・・ 2 (ゾンビ部屋) リゾルート んー占いに狼がいるならへたに狼処分もあぶないのか・・・? 1 (なび村) シエスタBC 狐の意味で 1 (なび村) すもでんぱ 霊ないから今でもかわらんかな 1 (なび村) シエスタBC グレーの中から吊りたい 1 (なび村) リュファ まだ余裕あるので、Akiさんためしに吊るのも悪くはないと思います。霊媒いないのが痛いですが・・・ 1 (なび村) サイア ●出したせんこさんは残したいといってますが 1 (なび村) せんこ 狐溶かすので真を示すから、まだ早まらんでほしいなぁ 1 (なび村) メゾピ 狼っぽいせんこさんの●はあまり吊りたくないですけど・・・ 1 (なび村) うんちや 狐は志願してなったんだろうから頑張ってステルスしてるんだろな 1 (なび村) あかみさと まずないと思うけど昨日狼吊ってせんこさん真とかはないよな 1 (なび村) jinjahime 真偽は狐銃殺するまでどうせわかんないから 1 (なび村) れりか コンチさんが○もらってから元気なので、みむっちゃさんとあわせて疑っています Navi あと1分 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい ためしに吊って結果が見れないんじゃどうしようもないのでは・・・ 1 (なび村) リュファ 占いの中では、みむっちゃさんが一番色が見えません。 1 (なび村) コンチ 黒がいるなら黒釣りたいところだが 1 (なび村) れりか せんこさん信じておきます 1 (なび村) たぷたぷ 霊媒いなくなっちゃったのが痛い 1 (なび村) コンチ 狐もいるしな 1 (なび村) xバーバラx 時間がまずい 1 (なび村) すもでんぱ akidukiさんでいこう 1 (なび村) サイア 人数多いし、少しでも吊ってく? 1 (なび村) コンチ 了解 1 (なび村) せんこ むー・・・ Navi 20秒前 1 (なび村) xバーバラx 指定了解 1 (なび村) カルシファー 分かりました 1 (なび村) シエスタBC kk 1 (なび村) jinjahime OK 2 (ゾンビ部屋) リゾルート むしろ、次の噛みで占いいかれるといよいよ狐の居場所がわからなく・・・ 1 (なび村) ワルノス 了解かな・・・ 1 (なび村) せんこ まぁ3だからまだいいか 1 (なび村) サイア すくなくとも、せんこさんは、あと●が2つか出せない 1 (なび村) みむっちゃ あきずきさん了解 1 (なび村) Hell 了解 1 (なび村) サイア akizukiさん了解です Navi 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) 1 (なび村) コンチ あきづきさんなにかないか 1 (なび村) ワルノス ちょいなやむけど 1 (なび村) たぷたぷ あきずきさんですね Navi 投票は私に直Tellでお願いします 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- 3 (GREEN) Navi 会話可能時間スタート 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi 3日目終了 1 (なび村) Navi -------------------------- (T) リュファ > Akiさん。 (T) コンチ > あきづき 3 (GREEN) シエスタBC こいつはやばいな (T) うんちや > Akidukiさん (T) すもでんぱ > akidukiさん 2 (ゾンビ部屋) リゾルート 狼が自分で探すつもりじゃなければ占いはしばらく噛まれないと思うんですけどねぇ・・・ (T) あかみさと > むー、Akizukiさんで (T) ワルノス > akizukiさんで。 (T) れりか > Akizukiさん ごめんなさい (T) Hell > akizukiさんに投票します (T) サイア > Akizukiさんでー 2 (ゾンビ部屋) ケラヴノス その辺が人狼側と狐側の駆け引きになりそうですね (T) xバーバラx > Akizukiさんで (T) カルシファー > Akizukiさんでお願いしますー 3 (GREEN) みむっちゃ やばいねえ 3 (GREEN) Akizuki ですね・・・ (T) たぷたぷ > あきずきさんに1票 (T) jinjahime > 投票>Akizuki 3 (GREEN) みむっちゃ まぁ投票は意味ないけどせんこさんにでもしとこうか (T) せんこ > どうあがいてもあきずきさん吊れちゃうからあきずきさんでいいやw 3 (GREEN) みむっちゃ 今後どうしよう 3 (GREEN) シエスタBC せんこさん釣れちゃうと 3 (GREEN) Akizuki 提案ですがこのあとみむちゃさんが黒出してみてはどうでしょう? 3 (GREEN) みむっちゃ いいですよ 3 (GREEN) シエスタBC 狼投票だと思われて (T) せんこ > まいったなーいきなり狐に有利な展開になってるきがする 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい 銃殺があっても気を抜けるわけではないですし 3 (GREEN) みむっちゃ 誰に出そうか? 2 (ゾンビ部屋) リゾルート 銃殺でる時点で占い決めウチかローラーなんて確定なんだし 3 (GREEN) みむっちゃ というか今日はコンチさん噛みたいです 3 (GREEN) シエスタBC みむさんがやばくなるけど 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい 狼側からも狐探して欲しい! (T) メゾピ > Akidukiさん 3 (GREEN) シエスタBC まあ100%アキさんがしんじゃうだろうなw 3 (GREEN) みむっちゃ ですね 3 (GREEN) Akizuki ですねw 2 (ゾンビ部屋) リゾルート 狼側こそ、慎重に噛んでいかないと自分の首しめるんですよねー今回の役職内訳 Navi あと1分 3 (GREEN) シエスタBC せんこさんにでもいれといて (T) みむっちゃ > せんこさんをつって~ (T) Akizuki > せんこさんで 2 (ゾンビ部屋) ケラヴノス やはり狐2匹が厄介ですね 3 (GREEN) Akizuki はい~ (T) jinjahime > 役食いね・・・狐混じってるのか?明日共有かまれたら真狂狐でみてもいいかもね (T) シエスタBC > せんこさんで Akizuki15 せんこ3 Navi 20秒前 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい と思ったけれど今回8吊りですよね 3 (GREEN) みむっちゃ 噛み先はコンチさんで噛めれば、狼が確定白を噛みに行ったようにも見えるし、噛めなければ狐を把握できます 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい グレー吊ってる余裕ないのかな・・・ 2 (ゾンビ部屋) リゾルート うん、あきづきさん吊られれば残り8 3 (GREEN) シエスタBC コンチさんいいとおもうぜよ 3 (GREEN) みむっちゃ 確定白を噛みに行ったは変化 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい となると●出た人片っ端から吊るしか Navi さよなら Akizukiさん …あなたの勇姿は忘れない 3 (GREEN) Akizuki 賛成です~ 3 (GREEN) みむっちゃ じゃ、時間になったらTELLしてください Navi 日が沈み始めました よい子も悪い子も寝る時間です Navi 役職の方は私にTellお願いします 3 (GREEN) みむっちゃ 自分占い考えてます 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい 占いも残して置けませんし、今回は超難しそう Akizuki 早い・・・ 3 (GREEN) シエスタBC ういうい (T) コンチ > ようこそ陽子 4 (パリっ子) すもでんぱ メゾピさんどう思う? 3 (GREEN) Akizuki では頑張って~ (T) リュファ > ・・・失敗した鉄板にしておくべきでしたミクさんごめん ・・・とりあえず今夜は「メゾピ」さん護衛です。 4 (パリっ子) うんちや 霊媒鉄板だと思ったけどなぁ (T) > コンチ 律儀!w 3 (GREEN) シエスタBC LWは胃が痛いからな~ 4 (パリっ子) すもでんぱ うむ 4 (パリっ子) うんちや 真っ黒クロスケや 2 (ゾンビ部屋) リゾルート いや、そうすると狐を釣りきれないから、逆に各占いの2人目の黒はキープしないと 4 (パリっ子) すもでんぱ ですよねー 4 (パリっ子) うんちや 間違えるわけがない (T) > リュファ しっかり守ってあげてね! 3 (GREEN) シエスタBC みむさんなんとか真になれれば (T) コンチ > (〃´・ω・`)ゞェヘ 4 (パリっ子) すもでんぱ せんこorみむっちゃ真だろうなあ 3 (GREEN) シエスタBC いけそうだが 2 (ゾンビ部屋) リゾルート うーん、これはややこしい 2 (ゾンビ部屋) Akizuki こんこん~ 2 (ゾンビ部屋) ミクかわいい おつかれさまでした~ 4 (パリっ子) すもでんぱ コンチ狩はあると思う 2 (ゾンビ部屋) リゾルート おつかれさまです~ 2 (ゾンビ部屋) わんしろう おつです~ 2 (ゾンビ部屋) ケラヴノス お疲れ様です 2 (ゾンビ部屋) Akizuki 吊られるのが早かったw 4 (パリっ子) うんちや センコさんが狼レース一歩リードかな 2 (ゾンビ部屋) リゾルート ですねぇ~ 4 (パリっ子) うんちや 霊媒からの●だしってことで 4 (パリっ子) うんちや けど狼は霊ほんとうに通ると思ってたんだろか 3 (GREEN) シエスタBC あんまり長い時間囲いがないと (T) せんこ > んー・・・狼っぽいけどカルシファーさんでいいかなぁ 逆にここで●出せるのが証明になるかも カルシファーさん占います 2 (ゾンビ部屋) ケラヴノス 大丈夫、LDで初日犠牲者になった自分に比べればw 3 (GREEN) シエスタBC せんこさんに占われるかもだしなー (T) カルシファー > せんこさんが状況的に偽も●出しやすいって朝一に言ったのが気になります・・・ (T) > せんこ カルシファーさんはごく普通の村人でした!○ 4 (パリっ子) すもでんぱ 食えればラッキーみたいな感じかなあ 2 (ゾンビ部屋) リゾルート んー2日目黒だせるせんこさんの信頼は高いけど (T) せんこ > む 違うのか・・・りょかいー 4 (パリっ子) すもでんぱ うちが狼なら怖くてトライできんわー 2 (ゾンビ部屋) リゾルート なんせ2日目だから、みむさんやメゾさんの占い理由の 2 (ゾンビ部屋) リゾルート 否定にはならないんだよなぁ・・・いいがかりなんてよくあるし; (T) jinjahime > 猫がひざに Navi あと1分 (T) シエスタBC > コンチさんにシベリアンブリザード 4 (パリっ子) すもでんぱ akizukiさん吊りで乗ってきたのニンジャとjinjaさんで 4 (パリっ子) すもでんぱ なかなか人外がのってこないな (T) > シエスタBC おいしく迎撃成功してね! Navi 20秒前 4 (パリっ子) うんちや 呪殺は出やすいんだよね 4 (パリっ子) すもでんぱ うん 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi -------------------------- 2日目へ 4日目へ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8559.html
前ページ次ページゼロのルイズと魔物の勇者 スラおは後悔した。 早く冒険に出かけたいと強く願っていた過去の自分を。 異世界にたった一匹、マスターなし。 それも目の前の少女は自分が新しいマスターだと言う。 「だから何度も言ってるけど、オイラにはもうクリオっていうマスターがいるんだよ!」 スラおはなんとかルイズに状況を分かってもらおうと熱弁する。 ルイズもまた今の状況を理解させるためにスラおに説明する。 「それでもあんたは私と契約を交わしたの。背中にルーンが浮かび上がったでしょ?それが証拠よ」 「でもそいつは消えちまったぜ?」 「あ、あんたがぶにぶにしてるからでしょ!私だって本当はあんたみたいな弱そうな使い魔嫌なんだから!」 「な、なんだとぉ!?」 場所はトリステイン魔法学院、ルイズの部屋。 夜も更け、二つの月が空を照らす。 スラおは自分が別の世界から来た魔物であること、自分の仲間のこと、マスターのことを説明した。 それでもルイズがスラおを使い魔にする決意は固く、逃がしてくれそうにない。 そしてルイズは自分達の世界のこと、貴族と平民の違いやメイジについてを詳しく説明した。 「全く信じられねぇな。オイラ以外にスライムが存在してないなんて・・・」 「どこかにいるかもしれないけど・・・少なくとも私は見たことがないわ」 「旅の扉もねぇんだろ?」 「ないわ。そもそも別の世界があるだなんて信じられない」 「ん~~、しかたねぇ。タイジュの国に戻るまではその使い魔ってやつになってやるよ」 「使い魔にしてください。ご主人様って言いなさい」 今まで散々クリオに文句を言ってきたが、ルイズよりは何倍も良いマスターだ。 元の世界に帰ったらクリオに優しくしてやろうとスラおは決めた。 しかし、肝心の元の世界に帰る方法が分からない。 「その代わりオイラが戻る方法を探してもらうぜ」 「まぁ、適当に調べとくわ。あんたが居なくなればもっと強い使い魔を召喚できるしね」 すごく不安だが、もしかしたらクリオ達がこの世界への旅の扉を見つけて助けに来てくれる可能性もある。 結局スラおは成り行きに身を任せることにした。 「あんたもちゃんと使い魔としての仕事をこなすのよ」 「使い魔の仕事?」 ルイズが言うには使い魔にはいくつかの仕事があり、いくつかの能力が与えられるらしい。 「まず、使い魔は主人の目となり、耳となる能力を与えられるわ」 「なんか見えるか?」 「全然見えない。これは無理みたいね・・・」 スラおは話を聞きながらルイズとモンスターマスターとの違いを少しずつだが理解する。 「それから、使い魔は主人の望むものを見つけてくるのよ。たとえば秘薬とかね」 「食い物なら見つけられるぜ」 「ま、まぁ、あんたにはこの世界の知識がないからこれも無理よね・・・」 スラおにとっては目となり耳となるのも、アイテムを見つけてくるのもモンスターマスターの仕事である。 それらをモンスターに押しつけてしまうとマスターの存在意義はなくなってしまう。 スラおは本当にルイズをマスターとして良いのか、今更ながら疑問に思った。 「あんた魔法が使えるんでしょ?だったら唯一出来る仕事があるわ。そしてこれが一番重要。」 それを聞いてスラおも何をやらされるのかピンときた。 「使い魔は、主人を守る存在であるのよ!私を襲う敵をバッタバッタとなぎ倒すの。まぁ、あんまり強そうじゃないけど・・・」 「そいつを待ってたんだ!」 冒険はすなわち強敵達と戦って勝ち進むことでもある。 スラおはそれを心待ちにしていたのだ。 「でも最後の一言は余計だっつの!オイラめちゃくちゃ強いんだからな!」 事実、スラおは他のスライムとは比べ物にならないぐらいの強さを持っている。 覚える特技の優劣こそあれ、その力はキングスライム並である。 特にスラおは極僅かなモンスターしか得とくしていないであろう、最強の特技を持っている。 しかし、その見た目故、ルイズはスラおの強さを信じてくれそうになかった。 「あ、それと洗濯、掃除、その他雑用もやらせてあげる」 「な、なんだってー!?」 急に思い出したかのようにルイズはそれらをスラおに押しつけた。 スラおを見て気持ち悪いとまで言ったくせに洗濯や掃除をさせるとは恐れ入る。 「私はもう寝るから」 ルイズはあくびをしてベッドに横になる。 「あんたのベッドはそこだから」 と、床を指さした。 そこには藁が敷いてある。 「ちょっと藁が少ないんじゃねぇのか?」 そう言いながらスラおは藁の上に飛び乗り目を閉じた。 普段牧場で寝泊まりしてるので藁の上で寝ることになんの抵抗もないのだ。 ―――――――――――――――――――――――――― 翌朝、目を覚ますとそこは地獄だった。 ルイズは自分で服を取ろうともしない。 流石に着せ方が分からないと言って断ったが、服を着せろとまで要求してきた。 そして籠に入った大量の服。洗濯しろということだろう。 一時的と言っても、一応マスターとして認めたのだから、命令には従うがどうも納得できない。 ルイズが部屋を出たのでそれについていく。 すると別の部屋から赤い髪の少女が現れた。 そしてその後ろには見たこともない魔物がついて歩いている。 「おはよう。ルイズ」 少女がルイズに声を掛けたが、ルイズはまるで出会いたくなかったと言わんばかりに顔をしかめる。 「おはよう。キュルケ」 「それがあなたの使い魔?意外とキュートじゃない」 どうやら馬鹿にされているらしいが、今のスラおにはどうでもいいことだった。 そんなことよりも気になるのはキュルケの使い魔のことだ。 「よう、見たことないモンスターだな。オイラはスラおだ。お前は?」 話しかけてみるが、巨大なトカゲの魔物は人間の言葉を話せないようだ。 名前を知ることはできないが、意思の疎通はできる。 どうやらマスターにはかわいがられているらしい。 「どう?私の使い魔はサラマンダーよ。フレイムって言うの。レアなのよ~」 「ふ、ふん、私の使い魔は喋れるわ」 「あらそう。それは尚更不気味ね」 「おい、お前さっきオイラのことキュートって・・・」 スラおが言いきる前にキュルケはルイズと勝手に話を終わらせて去って行った。 キュルケに馬鹿にされて、ルイズは不貞腐れてしまったようだ。 「気にすんなよ!あのフレイムとかいうのそんなに強そうじゃなかったぜ!」 「少なくともあんたよりは強そうよ・・・はぁ・・・」 ルイズは深いため息をつき、続けた。 「メイジの実力をはかるには使い魔を見ろって言うぐらいなのに・・・」 「だったら誇ってもいいんだぜ?だってこのオイラがルイズの使い魔なんだからな!」 励まそうとしたつもりが、ルイズはさらに機嫌を悪くする。 「まぁ、スライムがなめられるのにはある程度慣れてるけどよぉ・・・」 自分の実力を発揮する機会が訪れないことに、スラおもまたため息をついた。 場所は変わり、トリステイン魔法学院の食堂―――の外。 スラおは食堂の中には入れず、他の使い魔と同じ庭で朝食をとることになった。 「に、肉がねぇ・・・!」 ここは地獄だ。スラおは確信した。 その後も授業で錬金を失敗したルイズが大爆発を起こしてその後片付けをさせられたり、苦労が絶えない。 その時、スラおはルイズがゼロのルイズと呼ばれている理由を知った。 魔法の成功率がゼロだからだ。 馬鹿にしたつもりはなかった。 むしろ、爆発する魔法なんてカッコイイじゃねーか!と、思っていたぐらいである。 しかし、そのこと自体に触れることがタブーだったらしく、ルイズは今朝の件も相まって、かなり機嫌を悪くしてしまったらしい。 そのせいで昼食抜き。片づけをさせておいてあんまりである。 地獄。間違いなくここは地獄。肉もない。 スラおは途方に暮れていた。 他の使い魔から餌を奪い取ろうとも考えたが、問題を起こすとルイズに何をされるかわからない。 腹が減った時は、動かないのが一番。 無情―――それでも腹は鳴る。 「どうしたの?お腹減ったの?」 かなり大きな音が鳴ってしまったのだろうか。 そこには黒髪の少女が腰を低くして、まるで猫をあやすように喋りかけてきた。 「は、腹が減った・・・」 「しゃ、喋った!」 他の使い魔と同じように人の言葉を喋るとは思わなかったのだろう。 少女は驚いたが、すぐに平静を取り戻し、再び声を掛ける。 「賄いのシチューならあるけど食べる?」 「肉はねぇのか!?」 「えっと・・・ごめんね。お肉はないの」 「それでもいい!飯が食えるなら何でもいい!」 少女はスラおを抱き上げて歩き出した。 食堂の裏にある厨房―― どこよりもおいしい香りが漂うその場所で、少女は少し大き目の皿にシチューを注ぐ。 「うまい!肉以外でこんなにうまいもん食ったことないぜ!」 「よかった。おかわりもたくさんあるからね」 「ほんと助かったぜ。オイラ、スラおっていうんだ」 「私はシエスタっていうの」 シエスタは相変わらず猫をあやすように、いや、幼い子供をあやすように話す。 「ご飯貰えてないの?」 「そうなんだよ。ルイズのやつ、ゼロのルイズって呼ばれるとすぐ怒るんだ。クリオとはどんなに喧嘩したってこんな扱い受けたことなかったぜ」 「クリオ?」 「オイラのモンスターマスターだ。ルイズの使い魔になってるのは元の世界に戻るまでだ」 「そうなんだ」 色々と突っ込みどころは多かったが、シエスタはあえて何も聞かなかった。 スラおの言うことが本当かどうか確かめる術はないし、何よりもスラおは貴族の使い魔である。 余計な詮索をしてお咎めがないとも限らない。 「ぷはー。食った食った。なんか恩返ししないとな。オイラに出来ることならなんでもするぜ!」 「うーん。大丈夫。気にしなくていいよ。その代わり、このことは内緒ね」 確かに青色のぶにぶにした塊に出来ることはない。 少なくともデザートを運ぶなんてことは不可能である。 「じゃぁ、私はデザートを届けに行くね」 シエスタは大きな銀のトレイにデザートを並べると、それを持って食堂に向かった。 おわかりしすぎて満腹のスラおは、最初は何も考えずにお言葉に甘えたが、やはり納得はできない。 意地悪なルイズとは違って、シエスタは優しい。何か力になりたい。 でもスラおに出来ることは戦闘ぐらいである。 時間があるときだけでもシエスタを見守ろう。 そう決めて、スラおは厨房を出て、こっそりと食堂に向かった。 スラおはなるべく体をつぶして薄くなり、草に身を隠して全身する。 スライムなりの匍匐前進である。 食堂には着いたが、まさか正面ら入るなんてことはできない。 スラおは器用に食堂の壁を登って行き、少し高い位置にある窓を目指す。 「ふぅ~。お、いたいた」 食堂内には多くの人間が居るが、シエスタの服装は他の人間達とは随分と異なるものだったため、すぐに見つけ出すことができた。 しかし、シエスタはデザートをすでに配り終えた後だった。 にも関わらず、食堂から出ようとしない。 どうやら金髪の男に言い寄られているらしい。 それに対して、シエスタは困った顔をしている。 「こ、これはオイラの出番か!?」 スラおは無理やり窓を開け、食堂の中に入った。 「ちょーーと、待ったァ!」 急に降ってきた青色の物体に金髪の男は驚く。 「な、なんだ!君は!」 「ス、スラおさん!?」 シエスタもまた驚く。 周りに貴族が居るからだろうか、スラおの呼び方は"スラおさん"に決定したらしい。 「てめぇ!シエスタが困ってんだろ!?」 「い、いえ、私が悪いんです」 シエスタは俯いて、申し訳なさそうに言う。 どうやら言い寄られていたわけではないらしい。 「そうさ。彼女が二人の貴族の名誉を傷つけたんだ。まぁ、もう許してやろうとしたところだがね」 そうなると、勘違いして出入り禁止の食堂に突っ込んだ自分の立場が危うい。 大声で捲し立てたせいで、おそらく食堂内にいるルイズにも自分が居ることに気付いただろう。 般若のような顔でルイズが立っているような気がして、後ろを向けない。 「シ、シエスタが何したってんだよ!」 もう後には引けない。 「彼女が香水なんて拾ったせいで・・・」 「うるせぇ!お前が悪い!」 相手の言葉を遮るスラお。形振りかまってる暇はない。どっちが悪いかなんてもうどうでもいいのだ。 「そのとおりだギーシュ!お前が悪い!」 周りにいた人間がどっと笑った。 どうやら本当にこの男が悪いらしい。 「つ、使い魔のくせに貴族に対する口のきき方がなってないようだな」 男はキザったらしく薔薇を胸に当てて言う。 「うるせぇキザ野郎。その薔薇全然似合ってないぜ!」 まるで追い詰められた状況からの突破口を見つけたかのようにスラおは挑発を続ける。 「よかろう。君に礼儀を教えてやろう。ちょうどいい腹ごなしだ」 「おもしれぇ。やってやる!」 しかし、ギーシュはくるりと体を翻して去っていく。 「おい、逃げんのか!」 「ふざけるな。貴族の食卓を荒らすわけにはいかない。ヴェストリの広場で待っている。自分の主人にこのことを伝えてから来たまえ」 ギーシュの友人達は楽しげに彼の後を追う。 「だめ、殺されちゃう・・・」 シエスタの声は震えている。 「大丈夫だって。オイラ強いんだぜ?」 しかし、シエスタはその場を走り去ってしまう。 どの世界に行っても、スライムは最弱の魔物だと思われてしまう。 シエスタも、その小さな体や手足のない姿からそう思ったのだろう。 後ろからルイズが駆け寄る。 幸い、その表情は般若のようなものではなかった。 怒りというよりは焦りの表情だ。 「あんた!何してんの!勝手に決闘の約束なんてして!」 「だってよ、あいつが悪いんだぜ?たぶん・・・」 「た、たぶんって・・・謝ってきなさい。あんたじゃ勝てないわ」 「だらかオイラは強いんだって!あんな奴に負けるかよ!」 スラおはそう言い捨てて、ギーシュの向かった方へピョンピョンと跳ねて行ってしまった。 「あぁ、もう!使い魔の癖に勝手なことばっかり!」 ルイズはスラおを追いかける。 前ページ次ページゼロのルイズと魔物の勇者
https://w.atwiki.jp/mimatsu/pages/82.html
ルイズ:釘宮理恵 平賀才人:日野聡 シエスタ:堀江由衣 ギーシュ:櫻井孝宏 タバサ:猪口有佳 キュルケ:井上奈々子 アンリエッタ:川澄綾子 モンモランシー:高橋美佳子 デルフリンガー:後藤哲夫 オスマン:青野武 ロングビル:木村亜希子 コルベール:鈴木琢磨 ヴェルダンデ、フレイム、ロビン、コウモリ:新井里美 マリコルヌ:時田光 フーケ:木村亜希子 ワルド:志村知幸(若い頃:鈴木達央) ウェールズ:山中真尋 スカロン:後藤哲夫 ジェシカ:樋口あかり クロムウェル:斉藤次郎 マリアンヌ:すずき紀子 タバサの母:土井美加 シュヴルーズ:すずき紀子 ケティ:鈴木久美子 ペリッソン:鈴木達央 スティックス:武虎 マルトー:魚建 モット伯爵:松本保典 チュレンヌ:魚建 ペルスラン:田原アルノ シエスタの父:魚建 1話 オスマン:青野武 ロングビル:木村亜希子 コルベール:鈴木琢磨 シュヴルーズ:すずき紀子 マリコルヌ:時田光 ヴェルダンデ:新井里美 ケティ:鈴木久美子 ベリッソン:鈴木達央 スティックス:武虎 男子生徒:山中真尋 女子生徒:樋口あかり 3話 デルフリンガー:後藤哲夫 マルトー:魚建 マニカン:井上剛 エイジャックス:山中真尋 4話 モット伯爵:松本保典 バグベア:新井里美 5話 衛士:武虎 6話 フーケ:木村亜希子 衛士:武虎 ゴーレム:今野康之 7話 スカロン:後藤哲夫 ジェシカ:樋口あかり チュレンヌ:魚建 コウモリ:新井里美 客:武虎、鈴木達央 妖精:鈴木久美子 8話 タバサの母:土井美加 ベルスラン:田原アルノ 9話 クロムウェル:斉藤次郎 10話 ワルド:志村知幸 水の精霊:高橋美佳子 若きワルド:鈴木達央 11話 ウェールズ:山中真尋 宿屋の主人:武虎 12話 マリアンヌ:すずき紀子 13話 シエスタの父:魚建 作品一覧 さ行
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1051.html
半壊になった教室をルイズは一人で掃除していた。 姿をくらました使い魔をどう叱ろうか授業中ぼんやり考えていたら 教師に目を付けられ、錬金の魔法を前に出て実践することになったのだ。 結果を一言で表すなら、惨劇が起きた。自分で言うのもなんだが日々破壊力に磨きがかかっている気がする。 実はキュルケが掃除を手伝おうかと言ってきたのだが断っておいた。 どうせ裏があるに違いないと思ったからなのだが よく考えたらキュルケは、ルイズに使い魔がいないのは自分のせいだといまだに思っているようなのだ。 そう考えると無下に断ったのは逆に悪かったかもしれない。実際はルイズの使い魔はピンピンしているのだから。 まぁもう少し黙っとこう。そのほうがおもしろい。 そう、それよりも問題はブラック・サバスのほうだ。 もし他の生徒が同じ事を言いつけられたら、使い魔にでも手伝ってもらうのだろうが ブラック・サバスは朝ルイズの下着入りの洗濯カゴを持って(というか食べて)どこかへ消えてしまった。 まさか本当に洗濯に行ったとは思えない。もし本当に洗濯してたらはしばみ草でもアバ茶でも食べてやる。 (帰ってきたらエサ抜きね!) そんなことを考えながら机の破片を拾い集める。 いや、でもあれ何食べるんだろう。まさか下着を口の中に入れたのは本当に食べるために… (もしそんなことしてみなさいよ…エサ一週間抜きにしてやるんだから!) いや、でもあれ何食べるんだろう。 ルイズはポケットから『箱』を取り出す。 壁の一部が無くなり、日の光がいつもよりずっと多く入る教室には影になる部分も多い。 それを確認すると『再点火』してみる。 だが使い魔は現れなかった。 呼ぶためには他の条件がいるのか、はたまたもう呼ぶことさえできない遥か遠くに行ってしまったのか。 ルイズは嘆息で火を消すと、どこで何をやっているのか分からない使い魔のことは一旦諦め、掃除を再開した。 学院の中庭にあるベンチにキュルケは一人で座っていた。 雲ひとつ無い空を眺め、ひとつ嘆息。 それは自分の美貌の為にはよくないことだし、自分のキャラじゃないとは思っているのだが、つい出てしまう。 自分の格好のおもちゃであるゼロのルイズ。それに大きな貸しを作ってしまった。 ツェルプストー家とヴァリエール家の伝統とも言える因縁も含めて、キュルケはルイズをある意味特別視していた。 ルイズとは会えば口げんかするし、しょっちゅうからかってはおちょくる犬猿の仲。 だけど本当に馬鹿にしたことは決してなかった。 特にルイズの日頃の努力を最も知っている自分にそんなことはできない。 だからサモン・サーヴァントへ向けて気合を高めるルイズを心の中では応援してたし 最初ルイズが箱を召喚した時は、またおちょくるネタができたとニヤニヤしつつも とりあえず成功させたことにほっとしていた。 ルイズだってうれしかったはずだ。何度も何度も失敗してとうとう現れた使い魔。 だがそれがあっさり死んでしまった。いや、殺されてしまったのだ…。 気配を感じて視線を空から前方に移す。 ああダメだ。あまりにも悩みすぎて幻覚を見ているようだ。 昨日自分が殺したルイズの使い魔が、キュルケの使い魔のフレイムの尻尾を握ってこっちを見ていたのだ。 (幽……霊?こういうのはあの子のポジションでしょ) 一瞬、無表情な青い髪の親友の姿を思い浮かべる。 そこでキュルケの意識は途絶える。 学院の中にある図書館でタバサは一人本の世界に入り込んでいる……はずだった。 タバサは嘆息する。本当に小さく、本で隠すように。 ここは図書館で自分以外誰もいない。司書の先生すら用事で抜けているようだ。 いつもこの時間帯はこんなものだ。 なのにさっきからずっとこっちに向かって声をかけてくる存在がいる。 基本的にタバサは読書に没頭しはじめると、周りのことなど眼中になくなる。 だが、さすがに同じ事を30分間近く話しかけられ続けると、いいかげんうっとおしくなる。そこで。 「チャンスをや…………」 タバサは本から目をそらさず、手だけ動かし前にいる存在にサイレンスの魔法をかけ音を消した。 一時間後、本を読み終えたときにはすでに声の主も消えていた。 シエスタには嘆息をするような余裕はなかった。今は夕食の準備の真っ最中。 厨房は戦場と化していた。自分の仕事をテキパキとこなしていかないと間に合わなくなる。 (あ、お皿用意しなくちゃ) 頭をクルクルと回転させ、やるべきことを次々とこなしていく。 これは普段のシエスタの仕事ではないのだが、今日は他の使用人に病欠が多いため回ってきたのだ。 なんでも真昼間から幽霊と遭遇して、気分を悪くし寝込んでいるらしい。 マルトーさんは何を馬鹿げたことをと笑っていたが。 (幽霊……そういえば結局朝の使い魔はなんだったんだろう) 作業する手を休めず、朝の出来事を回想する。 唐突に現れた使い魔は、唐突に消えた。なぜかシエスタの洗濯物といっしょに。 使い魔も主人の……確かミス・ヴァリエール……の洗濯に来ていたようだったから 間違えていっしょに持って帰ってしまったのかもしれないが…… できれば返してもらいたかったのだが、あまりあの使い魔にもその主人にも関わりたくないというのが本音だった。 あの使い魔の不気味さは言わずもがなだし、その主人であるミス・ヴァリエールの噂も知っていたからだ。 つまり『ゼロ』のルイズは魔法が使えないくせに、やたらプライドは高いと。 「お前にチャンスをやろう」 後ろから声が聞こえヒッと悲鳴をあげてしまう。あわてて後ろを振り向く。 そこには黒い帽子に黒いマント、人間とはとうてい思えない顔と体、そしてその右手にはなぜかエプロン。 今度は見詰め合うこと数十秒。 「あ、あの…お返しに来てくださったんですか?」 使い魔はシエスタの問いに、エプロンを持つ手を差し出すことで答えた。 「あ、えと、わざわざありがとうございます」 「…………」 「ちゃんと乾いてる。干してくださったんですね」 「…………」 「あ、あの。本当にわざわざお越しいただいたのにスイマセン。今から夕食の準備に取り掛からないといけないんです。本当にありがとうございました」 やっぱKOEEEEEEEEEEEEE。思わず下唇を歯でかみそうになりながら、逃げるようにシエスタは食器棚に向かった。 皿を何枚も重ねて、お盆に乗せる。 一枚、一枚は大した事なくても、生徒の数だけそろえると相当の重さとなった。 両手に力を入れ、よいしょっと持ち上げる。なんとか持てそうだ。 しかしそこで使い魔が道を塞ぐように立っていることに気づく。 「あ、あの……」 不安になりながら尋ねる。すると使い魔は無言でシエスタに両手を差し出したのだ。 (これは手伝ってくれるって事?) 使い魔の差し出された両手の位置からは「お盆を持ちますよ」という意味にしか取れない。 「あの大丈夫です。これは私の仕事ですから」 やんわり断るが使い魔は全く反応しない。きっとお盆を渡すまでその場からテコでも動かないだろう。そんな『凄み』を感じる。 「ありがとうございます。それではお言葉に甘えさせていただきます。向こうの机まで運んで下さいませんか」 そう言うと使い魔はお盆を掴もうとさらに手を伸ばしてきた。 二人の手が触れ合う。予想と違って普通の人間と同じような温かさをその奇妙な手から感じる。 「じゃあ、あの、手を離しますよ?ちゃんと持ってくださいね?」 シエスタは何度か使い魔に確認し、手を離した。 そして使い魔の手に渡ったお盆は、そのまま下へ落下していく。 「どらあ!」 それに即座に反応したシエスタは気合の叫びとともにお盆を空中でキャッチする! 「つつつつつつ使い魔さん!ちゃんと持って下さいっていったじゃないですか!」 半腰に皿の乗ったお盆を両手で抱えるという、かなり無理のある体制のため 足をプルプル震わせながら、上目遣いで使い魔に非難の声を上げる。 「つかんだ!」 使い魔はそれだけ言うと、再びお盆に手を掛けて持ち上げようとするが…全く持ち上がらなかった。 思わず貧弱、貧弱ゥ!と叫びたくなる。どうやらこの使い魔はシエスタより力が弱いらしい。 (やれやれだわ…………) シエスタは思わず心の中で嘆息した。 To Be Continued 。。。。?