約 1,871,707 件
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/1415.html
参加者 Akizuki glimmakin Jareky jinjahime SEIRIOS あかみさと シエスタXX すもでんぱ ナナツボシ ほしくん メルーファ リュファ 以上12名 役職 狼2 占い 霊媒 狩人 狂人 Navi 「なび村」を使います Navi お入りくださいね 1 (なび村) ほしくん おk jinjahime じょいーん 1 (なび村) すもでんぱ モソモソ 1 (なび村) ナナツボシ ほしく~ん(さもん) リュファ めずらしい。 1 (なび村) glimmakin てすてす 1 (なび村) メルーファ てすてす 1 (なび村) ほしくん なんか強そうな人ばかりw 1 (なび村) ナナツボシ きにいった 1 (なび村) glimmakin よろしくお願いします オペこ 見学させてください Navi どうぞどうぞ 1 (なび村) ほしくん よろしく御願いします~ Navi 見学の方は 1 (なび村) Akizuki こんこん Navi 「ゾンビ部屋」にもお入りくださいね 1 (なび村) ナナツボシ よろしくお願いすまう 1 (なび村) あかみさと ちらちーの 1 (なび村) ほしくん ヒューマの方じゃないですってw 1 (なび村) ナナツボシ またかみまみた 2 (ゾンビ部屋) sunesuki |ω・)ちらっ 2 (ゾンビ部屋) サイア お邪魔しまっす オペこ お邪魔します 1 (なび村) Akizuki よろしくです~ 1 (なび村) シエスタXX こちらスネーク なび村に潜入成功 これよりスニーキングミッションを開始する 1 (なび村) ナナツボシ 私の中でほしといえば 1 (なび村) ナナツボシ ヒューマかカービィぐらいだ 1 (なび村) ほしくん はぁ 1 (なび村) jinjahime じょいーん 1 (なび村) SEIRIOS |ω・) 1 (なび村) ほしくん 俺の場合は通じる人いるかわかりませんが Navi 12名 1 (なび村) ほしくん チャージマン研! の謎の美少年なんですよね 1 (なび村) Jareky チラ(・∀|なび村 1 (なび村) Jareky チラチラ(・∀|なび村 1 (なび村) Akizuki スタフィーは誰もしらないよなぁ 1 (なび村) jinjahime これから毎日なびこを吊ろうぜ! 1 (なび村) シエスタXX ウェイ 1 (なび村) ナナツボシ わからああああん 1 (なび村) jinjahime マイナー妖怪 1 (なび村) ほしくん あの金色のヒトデのゲームですかね 1 (なび村) ナナツボシ あ、あと荒川アンダーザブリッジにもほしがいた Navi 狼2 占い 霊媒 狩人 狂人 1 (なび村) Akizuki お~知ってる人いた Navi オーソドックスな感じで! 1 (なび村) シエスタXX 荒川いいよ荒川 2 (ゾンビ部屋) サイア ネムネム 1 (なび村) sunesuki |ω・)おーっちょこちょーいでどじーなー♪ 1 (なび村) リュファ 杉田さん。 1 (なび村) sunesuki |・))) 1 (なび村) ナナツボシ やばい こゆい 1 (なび村) glimmakin 隠れた!w 1 (なび村) Akizuki 荒川はシスターがすきだ 1 (なび村) ナナツボシ 村長だいすき 1 (なび村) ほしくん 子安っぽい声の人ですか Navi それでは皆様、まずは役職ダイスを振ってください Navi /dice でございます SEIRIOS はマジックダイス(0-1000)を振った! 2 が出た! 1 (なび村) ナナツボシ ひっくううううううう 1 (なび村) ナナツボシ 57て 1 (なび村) SEIRIOS ・・・・2・・・だと・・・ すもでんぱ はマジックダイス(0-1000)を振った! 56 が出た! 1 (なび村) シエスタXX 村長男前だろ~ 1 (なび村) ナナツボシ 2www 1 (なび村) ほしくん ほしが一番すきかなぁ 1 (なび村) SEIRIOS なんかもうまた死ぬ気がする 1 (なび村) ナナツボシ さすがほしくん 2 (ゾンビ部屋) サイア わふー 2 (ゾンビ部屋) リンウ もふー 1 (なび村) ほしくん エ゛ェ゛ーィ glimmakin はマジックダイス(0-1000)を振った! 56 が出た! 2 (ゾンビ部屋) サイア という事で、リンウさんはルールをまだ把握してないかんじ? 1 (なび村) Jareky 56が二人 1 (なび村) ほしくん 2桁多いなw 1 (なび村) SEIRIOS かぶりよった! 2 (ゾンビ部屋) リンウ 処刑者をどうやってきめるか を忘れましたぬzzz 1 (なび村) glimmakin すもさんとかぶったw 1 (なび村) ナナツボシ がぶりよった!(のこったのこった 2 (ゾンビ部屋) サイア その日の終わりに投票で行うねー 1 (なび村) Akizuki 狼も2人・・・ 1 (なび村) リュファ 星の白金(スタープラチナ)・・・ 2 (ゾンビ部屋) サイア ここのルールでは、無記名投票になりまする 1 (なび村) SEIRIOS オラオラオラオラ 1 (なび村) ナナツボシ 僕の考えた採用のスタンド 2 (ゾンビ部屋) リンウ いや そのまえです ソレにいたる会話のロールプレイといえばいいのか・ 1 (なび村) ナナツボシ かんだ 2 (ゾンビ部屋) サイア GMに、こっそりTELLで「コイツ処刑したいです」って宣言 1 (なび村) jinjahime are, 1 (なび村) ほしくん 世界(ザ・ワールド) 2 (ゾンビ部屋) サイア うん 1 (なび村) jinjahime あれ、綾鷹のキャップが消えた・・ 2 (ゾンビ部屋) サイア んま、それはプレイを見るほうが早いかも 2 (ゾンビ部屋) サイア /chjoin なび村 1 (なび村) シエスタXX やっぱ岸辺が人気なのかな Navi TELL来た方は一言返信お願いいたします 2 (ゾンビ部屋) サイア ここがゲームCH 1 (なび村) jinjahime しかも2Lのペット 2 (ゾンビ部屋) リンウ ナビ部屋につながなければ ゲームをみれない・・; 1 (なび村) リュファ もう全部一気に飲んでしまいなさい。 (T) > ナナツボシ 今回の人狼はあなたです 食べまくっちゃってください 2 (ゾンビ部屋) サイア そそ 1 (なび村) ナナツボシ のむのです (T) > glimmakin 今回の人狼はあなたです 食べまくっちゃってください 1 (なび村) ほしくん まあ荒木先生に気に入られてますし 2 (ゾンビ部屋) サイア 今いるCHは、死んだ人が入るChです 1 (なび村) SEIRIOS 2lくらいいけるさ (T) ナナツボシ > はええw うけたまわりー 2 (ゾンビ部屋) サイア 窓は分けたほうがいいかも 1 (なび村) ほしくん 5分あれば飲めるかも・・ (T) > Jareky あなたは今回の占い師役です よろしくお願いします 1 (なび村) SEIRIOS むしろ杜王町の存在が好きだ 3 (GREEN) glimmakin てすてす (T) > リュファ 今回の霊媒師はあなたです 死体観察よろしくお願いします 3 (GREEN) ナナツボシ チラッ 3 (GREEN) glimmakin よろしくお願いしますー! 3 (GREEN) ナナツボシ よろしくお願いします! (T) > Akizuki あなたは今回の狩人です 鉄壁の守りをお願いします 1 (なび村) シエスタXX 吉良吉影も人気だね 1 (なび村) ほしくん 川尻隼人はスタンド使えても良かったと思う (T) リュファ > こ、これなら吊られずにすむ・・・。 2 (ゾンビ部屋) サイア 動画見るのも早いかもね (T) > あかみさと あなたは今回の狂人です 村人を混乱させまくっちゃってください (T) Jareky > りょ、りょうかい。最近占い騙りばっかりだから信頼度低めかも 1 (なび村) jinjahime そういえば、JOJOコラボの商品がでてたんだっけ (T) Akizuki > 了解です~がんがん守りますっ 1 (なび村) ほしくん なんと 1 (なび村) ほしくん ソレは知らなかった (T) あかみさと > またか!了解です 1 (なび村) jinjahime 711で 2 (ゾンビ部屋) リンウ そのまえに分割メッセージがー; 1 (なび村) シエスタXX というか実写化されるって聞いたけど 2 (ゾンビ部屋) サイア あら 1 (なび村) シエスタXX ほんとなの? 1 (なび村) ナナツボシ 実写は・・・ Navi 返信承り! 2 (ゾンビ部屋) サイア SYSTEM>メッセージ制御<ウィンド振り分け 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) jinjahime 実写とかないです。北斗の拳の実写レベルでないです 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) ほしくん 本当なら地雷の予感・・・ 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi -------------------------- 1日目 Navi 今日も平和なカーレイ村に、人狼がやってきました Navi 村人の皆様、人狼をみつけだし、血祭りにあげてください! Navi ゲームスタートです 1 (なび村) ナナツボシ おはようなんだよ? 1 (なび村) メルーファ おはようございますー 1 (なび村) あかみさと おやすみ 1 (なび村) jinjahime ヽ(゜◇^*)丿<マブ天使こぐねえだよ 1 (なび村) SEIRIOS おはよう 1 (なび村) Jareky やっほい 1 (なび村) シエスタXX おは~ 1 (なび村) glimmakin おはようございますー 1 (なび村) ほしくん およようございますですー 1 (なび村) すもでんぱ おはよーございます 1 (なび村) Akizuki おはようです~ 1 (なび村) リュファ ドーブラエウートラ(ロシア語)。 1 (なび村) ナナツボシ 今日はうそをついても良い日らしいよ? 1 (なび村) シエスタXX 今日はロシアか 1 (なび村) あかみさと ちょっと嘘ついちゃうかー 1 (なび村) シエスタXX ロシアいいよね 1 (なび村) ナナツボシ 狼はいないんだよ子の村には! 1 (なび村) Jareky 5吊りで狼2(+狂1)を吊らないといけないですな 1 (なび村) jinjahime わーいなびこーじんじゃなびこすきー 1 (なび村) シエスタXX ヒョードル強いし 1 (なび村) glimmakin ぽにょw 2 (ゾンビ部屋) サイア ちなみに、本日は事件前なので処刑もないのです 1 (なび村) ナナツボシ 私 ムシをやめます 1 (なび村) Jareky ペトロフも強い(F1だけど) 1 (なび村) SEIRIOS 私 青をやめます 1 (なび村) jinjahime イニシャルGか・・・ 1 (なび村) あかみさと G・・・ 1 (なび村) ほしくん ロシアと言うとマカロフのイメージが・・ 1 (なび村) ナナツボシ GREEN・・・・ 1 (なび村) メルーファ ナナツさんとSEIさんのやめるものを交換するしか・・ Navi 現在村のバーテンダーNavi子が開店準備をしています 夜には営業開始でしょう 2 (ゾンビ部屋) リンウ よし これで理解しやすく 1 (なび村) Jareky Glimmakinさん?イニシャルG・・・ 1 (なび村) ほしくん 今度はバーテンダーかー 1 (なび村) シエスタXX まさかの夜の仕事 1 (なび村) glimmakin ! 1 (なび村) ナナツボシ バーテンw 1 (なび村) メルーファ なびこオシャレね! 1 (なび村) シエスタXX マダムがママ? 1 (なび村) SEIRIOS 緑色のカクテルつーと相棒のあれ思い出す 1 (なび村) ほしくん どんな問題を起こすか・・・ 1 (なび村) Akizuki 未成年は(ry 1 (なび村) jinjahime 三本歯の業務用アイスピックで刺されるのか 1 (なび村) SEIRIOS ベストパートナー・・・・ 1 (なび村) Jareky シェーカーで 2 (ゾンビ部屋) サイア わふー Navi あと1分 1 (なび村) SEIRIOS 梅干とジンとミントが合うのか・・・ 1 (なび村) メルーファ 醸造王シェーカー こんぼう1.0で 1 (なび村) Jareky っと、オチをいったらNaviさんが困るか 1 (なび村) ほしくん シェーカーに頭を突っ込んで死亡、とか? 1 (なび村) シエスタXX コナンだったら青酸カリだろうな 1 (なび村) あかみさと ぺろっ 1 (なび村) メルーファ カリッ これは青酸ペロ 1 (なび村) glimmakin シェーカーに頭突っ込むwww 1 (なび村) SEIRIOS どうやってwww 1 (なび村) ほしくん いやあ、 1 (なび村) ナナツボシ 斬新だな Navi 20秒前 1 (なび村) シエスタXX シャーカーに魔封波 1 (なび村) ほしくん つれつれ草のほうしもそんなかんじだったし 1 (なび村) jinjahime ヾ( 3ノシヾ)ノシ 三[____] 1 (なび村) シエスタXX シェーカー 1 (なび村) あかみさと _( 3」∠)_ Navi 夜が近づいております 皆様お部屋へお戻りください(会話はストップです) 3 (GREEN) Navi 会話可能時間スタート Navi ここから夜になります 3 (GREEN) Navi --------------------------------------- 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi 1日目終了 1 (なび村) Navi -------------------------- 3 (GREEN) ナナツボシ ゴバク注意っと 3 (GREEN) glimmakin てすてす 3 (GREEN) glimmakin 了解ですー 3 (GREEN) ナナツボシ どうする?二人だけだから 3 (GREEN) glimmakin どうしましょうか? 3 (GREEN) ナナツボシ 狂人まかせ? 3 (GREEN) glimmakin それが無難ですよねー 3 (GREEN) ナナツボシ 無難だなー 3 (GREEN) ナナツボシ ピンポイントきたら 3 (GREEN) ナナツボシ 霊媒あたりででるか 3 (GREEN) glimmakin 一応狂が騙らなさそうなら僕出ますね 2 (ゾンビ部屋) リンウ 作戦タイム中ですな・・・zz 3 (GREEN) ナナツボシ あいあい 3 (GREEN) ナナツボシ じゃあもぐっときます 3 (GREEN) ナナツボシ でてくれるとおもうけどなぁ・・・ 3 (GREEN) glimmakin 保険でw 3 (GREEN) glimmakin 霊の扱いどうなるかなー 3 (GREEN) ナナツボシ 最近プレイヤーしてないからだめかもw 3 (GREEN) glimmakin www 3 (GREEN) ナナツボシ 頭がまわらんw 3 (GREEN) glimmakin 僕も狼全然やってないですーw 2012年3月31日全ログへ 2日目へ
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/511.html
早朝。日課になりつつある朝の洗濯を終えた徐倫が部屋に戻ると、既にルイズは机に向かっていた。 「……洗濯、終わったんだけどォ」 「先に食堂行ってて。すぐに行くから」 ルイズが机の上の魔道書に集中したまま、おざなりに返事を返すのを聞いて、徐倫はいつもの如く軽く肩を竦めた。 お言葉に甘えて、一人朝食に向かう。 教室での一件からここ数日、ルイズの生活リズムは変わりつつあった。 まず、破滅的に寝起きの悪い彼女が自力で、しかも早起きをするようになった。 徐倫は日中はメイジ達に混ざって魔法の学習をしたいので、洗濯は朝食前の朝早くに済ませる事にしている。ルイズはそれと同じくらいの時刻に目覚めるようになったのだ。 それからは、朝食の時間ギリギリまで授業に使うテキストや別の魔法指導書などを使って魔法の勉強をするようになった。 夜はその逆。深夜近くまで部屋の明かりは消えない。 着替えや身の回りの世話こそ、使い魔の名目で徐倫に手伝わせているルイズだが、その日々の生活姿勢が激変した事は確かだった。 そして、その切欠が徐倫の影響によるものだという事も……。 徐倫も、ルイズが変わった理由を理解していた。 あの時教室で叱責した事でルイズが自分の性格や姿勢を改めた……というワケではない。あれの動機は、『意地』や『反発心』といったものの方が正しいだろう。 教室での一件以来、自分に当り散らす事なく、また必要以上にコミュニケーションを取ろうともしないルイズの様子を見て、徐倫は実感していた。 あの時言われた事ややられた事が悔しくて、それを見返したくて努力している―――そういう意図を感じていた。 正直、あれ以来二人の仲が微妙に気まずいものになったと思うが、同時に何か微笑ましいものを見たような苦笑も湧いてくる。 ルイズの意固地な態度を、徐倫は割りと好ましく受け取っていたのだ。 わがままで意地っ張りな少女だが、徐倫への反発心をヒステリーや八つ当たりに変えるのではなく、正しく努力の方向へ向けている点が、徐倫の中のルイズの評価を改めさせていた。 (結果を出すまでは耐え忍んでやるッ、って意気込みが見えてんのよねェ~……意地っ張りっつーか) メイジではない徐倫には、ルイズが朝晩している自主勉強の内容は分からなかったが『魔法成功率ゼロ』の汚名を晴らす為の努力である事は察せる。 事実、ただ黙々と勉学に励むルイズの胸の内にあるのは、自分を認めようとしない生徒や使い魔の徐倫を結果で持って見返してやろうという意気込みだった。 それを考えると、徐倫は知らず笑みが浮かぶのだった。 (いいわよ、待っててあげる。魔法の一つでも成功させてさァ、『ザマーミロ、これまでの無礼を詫びなさい!』とか言われたら……マジで頭の一つぐらい下げてやるわよ) 皮肉や馬鹿にするような気持ちではなく、徐倫は真摯な心でそう思っていた。 今のルイズの『努力』は、とても気高い。 切欠や動機はともあれ、また結果が出なければ何の意味もない事だとしても、その『努力』の行為そのものは敬意に値すると、そう思っていた。 徐倫自身も気付かず、彼女はルイズを見守る姿勢を取っていた。 教室での一件は、徐倫の中にも小さな変化をもたらしていたのだ。 食堂に顔を出した徐倫を物珍しげに眺める視線は相変わらずだったが、貴族以外はその限りではなかった。 すれ違う給仕達が徐倫に親しげな挨拶をしていく。 それに会釈を返しながら、徐倫は見知った少女の顔を見つけた。 「おはよう、シエスタ」 「あ、ジョリーンさん。おはようございます」 メイドのシエスタは、数日前から徐倫が何度も世話になっている朗らかで優しい少女だった。 ルイズとの確執で食事を抜かれた日、事情を聞いたシエスタは賄いの食事を徐倫に分けてくれたのだ。 貴族の食事と比べて随分質素なものだったが、その味と何より量は徐倫を感激させるほどの物だった。心に染み渡る味に涙が出そうになったほどだ。シエスタは大げさだと苦笑していた。 シエスタを含むメイドや厨房のコック達は、皆気のいい人達だった。 珍獣扱いしかしない貴族や、元の世界の刑務所にいた賄賂で動く看守どもとは比べるまでもない。 徐倫は随分と長い間出会っていなかった、『まともで善良な人間』という奴を見た気がして、また感動しそうになった。この出会いは宝石よりも貴重なのだと本気で思った。 オヤジ臭いセクハラ発言が大好きだが、とても気さくなコック長のマルトーは『綺麗どころが増えて、厨房も華やかにならぁ!』と豪快に笑い、快く徐倫を受け入れてくれた。 久方ぶりに腰を落ち着ける事が出来た徐倫は、以来何度か厨房で食事の世話をしてもらっている。 代わりに、徐倫も時折シエスタ達の仕事を手伝う事にしていた。 「すいません、今、貴族様の朝食を準備している最中なので」 「なら、手伝うわ」 「えっと……じゃあ、お願いします」 徐倫の申し出に、シエスタは遠慮がちに微笑んだ。 甲斐甲斐しく料理を並べていくシエスタの仕事風景を見ながら、徐倫は厨房へ向かった。 控え目な性格のシエスタは、友人が我の強い人間ばかりである徐倫にとって新鮮な存在だった。ひたむきで健気な姿は、実に好ましい。 この異世界を訪れて、まだたった数日。 その間に、徐倫は元の世界とはまた違った人間関係を築いている。 人の出会いは『引力』によって成される―――このハルケギニアにおいても、『引力』は徐倫に奇妙な出会いを呼び込み続けるのだった。 辺境のドライブスルー付きレストランによくいるような、愛想などとっくに使い果たしたウェイトレスよろしく徐倫が適当に料理をテーブルへ並べていると、何処かで騒ぎ声が聞こえた。 視線を送ってみると、いかにも貴族風の少年が二人の少女に怒鳴られ、周囲のギャラリーが冷やかし混じりの笑い声を上げている。 揉め事の前兆だった。 徐倫は何気なさを装ってテーブルを離れ、食堂の隅へ移動した。 ストーン・フリーの糸を床に這わせて、喧騒の方へ向かわせる。魔法という不可思議な力が存在する以上、スタンドも形として見られてしまう可能性もある。徐倫は糸をテーブルの下に隠しながら移動させ、騒ぎの中心を『盗聴』した。 もちろん、揉め事には極力関わりたくないのだが、この場合はそうも言ってられない。 口論する貴族達の傍らで、揉め事に巻き込まれたらしいシエスタが震えていた。 『その香水があなたのポケットから出てきたのが何よりの証拠です!! さようなら!』 丁度その時、小気味の良い音と共に女生徒の一人が少年にスナップの効いた平手をかましていた。 少女は泣きながら走り去る。 徐倫は早くも状況を理解し始めていた。実に分かりやすい。ただの痴話喧嘩だ。 『やっぱり、あの1年生に、手を出していたのね?』 『お願いだよ『香水』のモンモランシー! 咲き誇る薔薇のようなその顔を、そのような怒りに歪ませないでくれよ。僕まで悲しくなるじゃないか!』 そして、今時ドラマでも使わない芝居の掛かった台詞でモンモランシーと呼ばれる少女の怒りを煙に巻こうとしているあの少年は、本物のアホ野郎だとも理解し始めていた。 思わずため息を吐きそうになると、モンモランシーがテーブルのワインを少年の頭にどぼどぼと振りかけて、最後に一言罵って去っていった。 痛快な行動に、徐倫はヒュゥ、と口笛を吹いた。今のはいい。グッド。素晴らしい返答だ。 男に騙された経験のある徐倫にとっては、なかなか胸の空く光景だった。 しかし、その光景をニヤニヤ眺めている余裕はなかった。 『君が軽率に、香水の瓶なんか拾い上げたおかげで、二人のレディの名誉が傷ついた。どうしてくれるんだね?』 あのアホ野郎が、どういうつもりかシエスタに当たり始めたのだ。 状況は大体理解した。シエスタが取った行動によって、あの少年の二股がバレたのだ。そして、傲慢な貴族はその責任をシエスタへ押し付けようとしている。 徐倫は『糸』を回収すると、颯爽と歩き始めた。 「申し訳ありません……ど、どうかお許しを……」 平民らしく憐れに慈悲を乞うシエスタの姿を見下ろして、ギーシュは自分が『面子』を守れた事に安堵した。 これでいい。優れた貴族である『ギーシュ・グラモン』がドジこいて恋人二人にこっ酷く振られちゃいましたー! などと恥を晒すワケにはいかない。沽券に関わる。 あとは適当にシエスタを脅して、真摯な謝罪をさせ、この場を治めるつもりだった。それによって自らの威厳は保たれるのだ。 「君もメイドなら貴族に話を合わせる機転くらいは持ち合わせていてもらいたいものだ。これは言わば、君の配慮不足。君の重大な責任だよ。深く反省したまえ!」 その筈だった。 「―――二股かけてる、あんたが悪い」 そこに、徐倫が踏み込んで来るまでは。 「そのとおりだ、ギーシュ! お前が悪い!」 「誤魔化そうとしてるの見え見えだぞっ!」 唐突に告げられた見も蓋も無い言葉に、それまでギーシュとシエスタのやり取りで静まり返っていたギャラリーがドッと湧いた。 はやし立てる友人達の言葉に歯軋りし、ギーシュは顔を真っ赤にさせながら徐倫を睨み付ける。 「な、なんだね君は? 粗相をしたメイドを折檻するのを、同じ平民が庇おうというのかね?」 「庇うっていうなら、その通りだけれどね。ドジ踏んだのはあんただけよ、さっさとあの二人に頭を下げてくる事ね」 「なな、何ぉう……っ!」 シエスタを背に隠すように一歩踏み出した徐倫には、地の底から湧き上がってくるような威圧感があった。 長身の徐倫はギーシュとほぼ対等の視点を持っている。常に女性を見下ろす優位な位置に立ってきたギーシュにとって、物理的にも初めて経験する迫力だった。 愛でるべき女性に対して『凄み』を感じて腰が引けているという状況に、精一杯虚勢を張ってギーシュは引き攣った笑みを浮かべた。 「ふ、ふん! そうか、確か君は、あの『ゼロのルイズ』が呼び出した平民だったな」 「……それが? 気が済んだなら、もう行くわ」 聞き慣れたルイズへの蔑称に、徐倫はほんの僅かに眉を動かしたが、厄介事からシエスタをさっさと逃がす為努めて冷静にこの場を離れるよう促した。 馬鹿に構って、自分まで馬鹿を見るつもりはない。 「ああ、行きたまえ。女性とはいえ、粗野な平民に貴族への礼儀を期待した僕が間違っていた。ゼロの使い魔は頭もゼロのようだ、主人によく似ている」 そして、背を向ける徐倫に向かってギーシュは苦し紛れの悪態を吐いて残した。 その侮蔑に、徐倫の足が一瞬止まる。 「……何? 主人が、『何』だって……?」 肩越しに聞き返す徐倫の声から、僅かに滲み出る怒気。 それに気付いたギーシュは、反撃の取っ掛かりを見つけたとばかりに捲くし立てた。 「ほう、一応使い魔かな。主人を馬鹿にされると怒るか。魔法の使えない、『無駄な努力』を積み重ねるゼロのメイジに対しても、それなりに忠誠心はあるのかな? いや、平民だから共感か? ハハハ……」 調子に乗ったギーシュは、饒舌に挑発を繰り返した。 平民が貴族に手を出す筈がない。後々の事を考えれば、恐ろしくて手が出せるはず無いのだ。 徐倫を怒り狂わせ、適当にあしらった後でクールに去る! 眼中に無い、とばかりにッ! ギーシュは、そう計画していた。 しかし、女性を愛する事を信条とするギーシュには予想もつかなかった事態。徐倫はギーシュへ手を出すのを堪えるどころか……逆に躊躇無く思いっきりぶん殴ったのだッ! 「ハハ……ぁぶへェッ!?」 意外ッ! それは右フックッ! 女性の暴力など平手止まりだと考えていたギーシュは、細腕からは想像も出来ないような凶悪な鉄拳を受けて、ドグシャァーーッ! と吹っ飛んだ。 周囲の友人を巻き込み、鼻血を撒き散らして昏倒する。 「で、『何』だって? ……『誰』が『何』って言ったんだ、お前……」 ”ド ド ド ド ド ド ド ……!” 地響きのような威圧感が、ギーシュを見下ろす徐倫の全身から立ち昇っていた。 「『ゼロのルイズ』……それは『いい』 結果を出せない奴が馬鹿にされるのは仕方の無い事だ。その『屈辱』を覆して見せるのは彼女自身だ。あたしが怒る領分じゃあない……」 鼻を押さえて蹲る見下ろす徐倫。しかし、その顔に映っているのは、貴族を地に伏せさせた優越感などではない。 静かな、マグマのように地面の下で煮え滾る『怒り』だった。 「だが、『無駄な努力』……コイツはいただけないわ。 例え誰であろうと『努力』を嘲笑う事は許せない。報われない結果ばかりでも、成功に向けて努力するひたむきな『姿勢』を『侮辱』する事だけは……」 徐倫は静かにギーシュの元へ歩み寄ると、右足を後ろに退いた。 「特に、その『努力』を最も近くで見てるあたしの前で、テメェー……『ルイズ』の努力を侮辱する事だけはッ、あたしが許さねェェーーッ!!」 ボグシャァアアーーッ! と、振り上げた右足がギーシュの体を掬い上げるように蹴り飛ばした。 凄まじい怒りの篭った蹴りを受けて、ギーシュは甲高い悲鳴を上げながら壁へと激突する。 「アギッ……ぐげッ……! あ、ああ足蹴にしたなぁ、この僕をォォ!! 『女子』のクセに『男子』であるこの僕をォォッ!!」 たった二発で足元が定まらない程のダメージを受けたギーシュは、それでも目の前の平民に対する怒りで立ち上がった。 鼻と口から血をボタボタ垂れ流しながら、徐倫を睨みつける。 「『決闘』ッ、『決闘』だぁあああああ!! 君に『貴族』に対する礼儀をッ、『男子』に対する敬意を教えてやるッ!! 例え女であっても……ギーシュ、容赦せんッ!!」 ギーシュの宣告に、シエスタや周囲の貴族達すら顔色を変えた。 貴族が決闘をする事は禁じられている。何より平民にとって、メイジである貴族との戦闘は死を意味する! しかし、元より怒りによって動いていた徐倫だけは、その宣告を躊躇い無く受け入れていた。 「全く、やれやれって感じだわ……。『決闘』なんて回りくどい言い方をしなくても、『喧嘩』ならあたしから売ってやったのに……」 決闘の場所を告げて去っていくギーシュの背中を、徐倫は静かな怒りを胸に秘めて見据えていた。 徐倫とギーシュ。切欠は違えど、二人が闘う為の理由は一つ。駆り立てる意思は一つ。 『侮辱』には報いを―――! To Be Continued →
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4780.html
前ページ次ページZERO A EVIL 早朝、ルイズ達は使い魔の石像の前に集合していた。アンリエッタから、あの目立つ石像の前を集合場所にしましょうと提案されたのだ。 ルイズはさっきから石像の前をうろうろしている。どうやら緊張して落ち着かないようだ。 ワルドと話をするのも幼少期以来なので、ルイズが緊張するのも無理はなかった。 「少しは落ち着いたらどうだい、相棒」 「うるさいわね、私は落ち着いてるわよ」 そう言いながらも、今度は石像の周りをぐるぐる回り始めているので、その言葉に説得力はなかった。 ちなみにデルフリンガーは今はシエスタが持っている。メイジのルイズが長剣を持っているのはおかしいので、シエスタに持っていてもらっているのだ。 ルイズがデルフリンガーを持ってきたのは、いざとなればデルフリンガーを使って戦うこともあるかもしれないと考えたからだった。 夢に出てきたオルステッドは剣士だった。彼がこの不思議な力に関係しているのなら、自分も剣が使えるのではないかと考えたのだ。 もっとも、今のルイズはデルフリンガーを満足に振り回すこともできないのだが。 その時、空からグリフォンが現れ、ルイズ達の前に着地した。 グリフォンには羽帽子を被った長髪の男が乗っている。男はルイズの姿を確認すると、笑顔を浮かべて話しかけてきた。 「ルイズ、僕のルイズ! 久し振りに会えて嬉しいよ!」 「私もですわ、ワルド様! お会いできる日を楽しみにしておりました!」 「きれいになったね。幼少の頃から君はかわいかったけど、成長して一段と美人になったよ」 「ワルド様……」 ルイズはうっとりとした視線をワルドに向けている。その姿は恋する少女そのものだった。 二人の間に入りづらいシエスタ達は静かにその様子を眺めている。 「ルイズ。そこにいる二人が今回の任務の協力者だね」 「はい。メイドのシエスタと学院長の秘書をしているミス・ロングビルです」 アンリエッタから協力者のことを聞いていたワルドは、ルイズに確認を取った後、シエスタ達の方に向き直り羽帽子を取って一礼する。 「姫殿下から今回の任務を任されたグリフォン隊隊長、ワルド子爵だ。危険な任務だがよろしく頼むよ」 「こ、こちらこそ! 足手まといにならないようがんばりますので、よろしくお願いします!」 「……よろしくお願いします」 ルイズの婚約者の貴族に挨拶されたシエスタは、恐縮して頭を何度も下げている。だが、ロングビルは違った。 どうにも、ワルドのことが信用できないのだ。今まで盗賊として名を馳せてきた自分の勘がそう告げていた。 ロングビルがそんなことを考えているとは思ってもいないルイズは、ワルドと出発の段取りをしていた。 「ワルド様、私達はミス・ロングビルの用意してくれた馬車で出発するつもりなのですが」 「では、僕はグリフォンで空から行くことにするよ。怪しい者が君達に近づいてきてもすぐわかるようにね」 「ありがとうございます」 「任務の間は、僕は女王陛下ではなく君の魔法衛士さ。グリフォン隊隊長の名誉にかけて君を守ってみせるよ」 その言葉を聞いたルイズは、真っ赤になって俯いてしまう。嬉しさと恥ずかしさで、どういう返事をすればいいのかわからなかった。 「よし、では諸君、出撃だ!」 そんなルイズの気持ちを知ってか知らずか、ワルドは変わらぬ様子で全員に出発を告げる。 真っ赤になって俯いてしまっているルイズは、シエスタに手を引かれながら馬車に乗り込むのだった。 偽装工作がうまくいったのか、特に問題もなく、ルイズ達はその日の夜に港町ラ・ロシェールに到着することができた。 だが、アルビオンへの船は明後日にならなければ出ないらしい。急ぎの任務だが船が出なければどうしようもなかった。 仕方がないので、ルイズ達はラ・ロシェールで一番上等な宿『女神の杵』に泊まることにした。 シエスタは平民の自分がこんなすごい宿に泊まっていいのかと恐縮していたが、ルイズだけでなくワルドまで勧めてくれた宿を断ることはできなかった。 「部屋は二つ取ってある。部屋割りは僕とルイズ、ミス・ロングビルとシエスタだ」 「ワ、ワルド様!」 「ルイズ、僕は君と二人っきりでゆっくり話がしたいんだ。長い間会っていなかったのだからね」 最初は相部屋に驚いていたルイズだが、真剣な顔で自分を見つめてくるワルドを見てしまえば何も言うことができなくなってしまう。 それに、好きな人が自分と二人っきりになりたいと思ってくれているのだ、反対する気など起こるわけもない。 結局、ルイズはワルドと一緒に部屋に向かっていった。 その場に残されたシエスタとロングビルは、ワルドに連れられるように歩いているルイズの後ろ姿を眺めていたが、ルイズの姿が見えなくなると自分達の部屋に向かって歩き始めた。 「ルイズ様、嬉しそうでしたね」 「そうね。浮かれすぎて足元をすくわれなければいいけど……」 「え、それってどういう意味ですか?」 ロングビルの言い回しが気になったシエスタだが、質問の答えが返ってくることはなかった。 部屋に着いたルイズは、ワルドに促され中央に備え付けてある椅子に座っていた。 ワルドはワインとグラスを用意すると、テーブルの上に置き、ワインを注いだグラスの一つをルイズに手渡す。 「二人の再会を祝して乾杯しよう。さあ、ルイズ」 「は、はい」 二人はグラスを合わせると、注がれているワインを飲む。最初は緊張していたルイズだが、ワインのお陰なのか、少しずつ緊張がほぐれてきたようだ。 それから二人は、離れていた時間を埋めるようにお互いに起こった事を話し始める。 ワルドは父親の死後、魔法衛士隊の見習いになった事、そして努力の結果グリフォン隊の隊長にまで上り詰めた事を話し、ルイズは魔法学院に入学した後、使い魔召喚の儀式で初めて魔法が成功した事を話した。 そして、使い魔との契約の際に自分の左手の甲にルーンが刻まれ不思議な力が使えるようになり、土くれのフーケを撃退した事もルイズは話してしまう。 「君が土くれのフーケを撃退したことは知っていたが、まさかそんな力が働いていたとは知らなかったな、ちょっと左手のルーンを見せてもらってもいいかい?」 「ど、どうぞ」 ワルドはルイズの手を取って、真剣な顔でルーンを見ている。手を触られていることでルイズの顔は真っ赤になってしまっていた。 「間違いない、これはガンダールヴのルーンだ」 「ガンダールヴ?」 「ああ、始祖ブリミルが用いた伝説の使い魔さ」 ワルドの話では、ガンダールヴはあらゆる武器を使いこなし、敵から主を守る盾となったため『神の盾』とも呼ばれた使い魔とのことだった。 にわかには信じられなかったが、実際に破壊の杖を使用してフーケのゴーレムを倒せたことを考えれば、納得できる所もある。 だが、あの力は本当にガンダールヴの力なのだろうか。何故だかはわからないが、何となくそれだけではないような気がした。 「誰でも持てるような力じゃない。君はそれだけすごい力を持ったメイジなんだ」 ワルドはルイズの手を握りながら興奮気味に語りかけてくる。 「ルイズ、僕と結婚してくれないか。僕には君が必要なんだ」 ワルドからのいきなりのプロポーズにルイズの頭は混乱してしまう。嬉しいはずなのだが、急な展開に頭が追いついていかないのだ。 ワルドは、返事もできずに俯いてしまったルイズの顔に否定の色がないことを悟ると、ルイズの顎を持ち上げ唇を合わせようとする。 恥ずかしさで瞳が少し潤んでいるルイズは、そのままワルドとキスしてしまうのだった。 ルイズにとってはファーストキスだったが、好きな人に捧げることができたのが嬉しかった。使い魔の石像は生物ではないのでノーカウントである。 ワルドは、そのまま勢いに任せてルイズの着ているブラウスのボタンに手をかけようとしている。これから行われるであろう事を想像してしまい、ルイズの頭はパンク寸前になってしまう。 しかし、頭のわずかな冷静な部分が訴えかけてくる。アンリエッタは苦しんでいるのに、自分ばかりが幸せな目を見ていいのかと。 「ワルド様、これ以上は駄目ですわ。まだ、大事な任務の途中ですし……」 「……すまない。僕としたことが、君があまりに魅力的だから少し焦ってしまったようだ」 そう言うとワルドはルイズから離れる。ワルドを傷つけてしまったかもしれないとルイズは心配したが、ショックを受けているような様子はなさそうだった。 「今日は疲れただろうし、もう寝ようか。結婚の返事は後でもかまわないよ」 「ありがとうございます、ワルド様」 「うん、おやすみルイズ、いい夢を」 だが、ルイズは興奮しているせいか中々寝付くことができなかった。それに、再びあの不思議な夢を見る可能性もある。 あの夢にこの不思議な力のヒントが隠されているかもしれないと考えると、妙に目が冴えてしまうのだった。 何としてもこの力を使いこなし、ワルドの力になりたいとルイズは思っていた。 そんな風に考えていたルイズだが、しばらくすると睡魔に襲われ、深い眠りの中に落ちていった。 ルイズは夢を見ている。 夢の中のルイズは金髪の剣士だった。 ルイズにはストレイボウという親友がおり、二人はお互いを高めあいながら自分の技を磨いていった。 ある日、ルクレチア国で武闘大会が開かれることを知った二人は、自分の力を試すために大会に参加することにした。 順調に勝ち上がった二人は、ついに決勝戦でぶつかり合うことになる。勝った方が王の娘、アリシアに求婚する権利を得られることもあり、二人とも真剣勝負で戦いに望んだ。 激しい戦いの結果、ルイズが勝利を収め、武闘大会はルイズの優勝で幕を閉じた。 だが、その日の夜、ルイズの目の前でアリシアが魔王に連れ去られてしまう。 かつて勇者ハッシュに倒された魔王が蘇ったことで城内は騒然となる。そんな中、ルイズは魔王を倒し、アリシアを救い出すため魔王がいる山に向かう。 途中でストレイボウ、かつて勇者ハッシュと共に魔王と戦った僧侶ウラヌス、人間が信じられなくなり山に篭っていた勇者ハッシュを仲間に加え、ルイズは魔王山を登っていく。 そしてついに魔王の元に辿り着いたルイズ達は、激戦の末に魔王を打ち倒す。 だが、倒したのは魔王ではないとハッシュは言う。魔王との戦いで傷を負い、病も患っていたハッシュは、ルイズに自分の剣と人を信じるという想いを託し、命を落としてしまう。 その時、魔王がいた部屋が激しい揺れに見舞われる。ルイズ達は急いで部屋を出るが、ストレイボウが逃げ遅れてしまう。 ストレイボウとハッシュを失い、アリシアを救い出すこともできなかったルイズ達は失意のまま城へと戻った。 王に魔王山での出来事を報告し、城で休んでいたルイズは、夜中に目を覚ますと玉座にいる魔王を発見する。 すぐさま魔王を倒したルイズだが、気が付くと魔王の姿は消え、そこには血まみれで息絶えている王の姿があった。 その場に現れた大臣と兵士達に、王だけでなくストレイボウとハッシュを殺した疑いまでかけられたルイズは、魔王と呼ばれてしまう。 ウラヌスのお陰でなんとか城から逃げ出せたが、もはやルイズのことを信じてくれる者は誰もいなかった。 そして、捕らえられたウラヌスが心配になり城に戻ってきたルイズは、兵士に捕まり牢屋に入れられてしまう。 そこでウラヌスと再会できたのだが、彼は瀕死の状態だった。ルイズが魔王ではないと言い続けたせいで拷問にかけられたのだ。 そんな目にあっても、ウラヌスはルイズに、人間を憎まずに自分達が命をかけて守ってきたものを守り続けてくれと願いを託す。 そして、最後の力を振り絞り牢屋の鍵を開けたウラヌスは、ルイズのことを信じているであろうアリシアを助けに魔王山に向かえと告げるとそのまま息を引き取った。 牢屋を脱出したルイズは、再び魔王山を登っていく。自分を信じて待っていてくれているアリシアを助けるために。 魔王がいた部屋に辿り着いたルイズは、石像の下にある隠し通路を見つけ、さらに上へと登っていく。 山の頂上までやってきたルイズを待っていたのは、大きな騎士の石像と死んだと思っていたストレイボウだった。 死んだはずの親友がいきなり現れたことにルイズは動揺する。だが、そんなルイズをあざ笑うようにストレイボウは真実を語り始める。 魔王の部屋で起こった激しい揺れも、ルイズが王を殺してしまったのも、全てストレイボウが仕組んだことだったのだ。 ストレイボウはルイズを憎んでいた。自分がいくら努力しても、すぐ追い抜いていってしまうルイズに苛立ちを覚えていたのだ。 そして、ストレイボウはルイズに戦いを挑んでくる。ルイズの引き立て役だった過去に決別するために。 激闘の末に、勝利を収めたのはルイズだった。だが、勝利の余韻などはなく、心には虚しさだけが残った。 その時、ルイズと倒れ付したストレイボウの前にアリシアが現れる。すぐに駆け寄ろうとしたルイズだが、アリシアから発せられたのは拒絶の言葉だった。 真相を知らないアリシアは、ルイズが助けにきてくれなかったことを責める。そして、助けにきてくれたストレイボウを殺したルイズに言葉を投げかける。 ルイズには負ける者の悲しみなどわからないという憎しみの言葉を…… そして、ストレイボウの後を追うためにナイフで自分の喉を突き刺し、ストレイボウと折り重なるように倒れ付した。 全てを失ってしまったルイズは、その場に崩れ落ちるように膝をついてしまうのだった。 ふと気が付くと、ルイズは金髪の剣士ではなくなっていた。 ルイズは先程よりも少し高い場所から、倒れているストレイボウとアリシア、そして膝をついている金髪の男を見つめていた。 やがて金髪の男が顔を上げる。男の目は絶望と憎しみに満ち溢れていた。 そして、金髪の男はある宣言をする。それは今までの自分を全て捨て去ることを意味していた。 「私には……もう何も残されてはいない……帰る所も……愛する人も……信じるものさえも…… 魔王など……どこにもいはしなかった…… ならば……この私が魔王となり……自分勝手な人間達にそのおろかさを教えてやる…… 私は今より……オルステッドなどではない……わが名は……魔王……オディオ……!」 そのオルステッドの言葉を聞いた瞬間、ルイズは目を覚ました。 以前の夢では、オルステッドとストレイボウの会話を聞き取ることはできなかった。 だが今回は違う。ルイズはオルステッドの身に起きた事を全て知ってしまったのだ。 「なんで……こんな……酷すぎるわ……」 瞳からは涙が溢れて止まらなかった。オルステッドの悲劇を体験したルイズには、彼の悲しみと絶望が痛いほどよくわかったからだ。 外出でもしているのかワルドの姿は見当たらない。みっともなく泣きじゃくっている姿を見られないですんだのは運がよかった。 その時、ドアがノックされる音が部屋に響く。 「ルイズ様、朝食の用意が……どうかなさいましたか?」 朝食の用意ができたことを知らせにきたシエスタだが、ルイズの様子がおかしいことに気付く。泣いているような声がドア越しに聞こえてきたからだ。 心配になったシエスタは、失礼だとは思いながらも扉を開けてルイズの様子を伺うことにした。すると、ベッドの上で泣いているルイズの姿が目に飛び込んできた。 「ルイズ様、大丈夫ですか!」 自分の方に駆け寄ってきたシエスタに、ルイズは縋り付くように抱きついた。シエスタの柔らかい胸に顔を埋めていると、心が安らいでいくのがわかる。 シエスタに甘えている自分をみっともないとは思う。だが、全てに裏切られたオルステッドと違い、自分には側にいてくれる人がいることが嬉しかった。 シエスタと一緒にルイズの部屋までやってきていたロングビルは、扉の隙間から二人の様子を覗いていた。 そこにワルドが現れる。ロングビルの様子からルイズに何かあったのに気付いたようだ。 「ミス・ロングビル、ルイズに何かあったのかい?」 「少し具合が悪いそうです。シエスタが看病していますので問題ありません」 「そうか。では、僕も少し様子を……」 「ミス・ヴァリエールはあなたに今の顔を見られたくはないはずですわ。ここは私とシエスタにお任せください」 「……そうだな。ではここは君達に任せるよ」 そう言ってワルドはこの場を離れていった。 ルイズがワルドに今の状態を見られたくないというのは事実だろうが、それとは別に、ロングビルはルイズとワルドを会わせたくなかった。 自分がワルドを信用できないというのもあるが、ルイズがワルドを信頼しすぎているのが心配だったからだ。 夜になり、ワルドが一人で一階の酒場で飲んでいると、二階からルイズ達がやってきた。 「ルイズ、具合はもういいのかい?」 「もう大丈夫です、ワルド様。ご迷惑をおかけしました」 「気にすることはない。君が元気ならそれでいいさ」 「ありがとうございます」 ワルドに優しい言葉をかけてもらったルイズは嬉しそうにしている。元気になったルイズを見て、シエスタも安堵の表情を浮かべていた。 だが、ロングビルだけはどこか不機嫌そうな表情をしている。 「さて、お腹もすいてるだろうから、何か料理でも注文しよう」 ワルドが料理を注文するために席を立とうとしたちょうどその時、入り口の扉が物凄い音を立ててぶち破られる。 そして、鎧を着て武器を手に持った傭兵と思える集団が大挙して押し寄せてきた。 いきなり現れた傭兵の集団に、ほとんどの人間が慌てふためき逃げようとする。だが、勇敢にも立ち向かう者もいた。 「おのれ、礼儀知らずな傭兵どもめ! このワ・タ・ナーべが相手だ!」 「父上ッ!」 「お前は下がっておれ!」 親子連れの貴族の父親が傭兵に戦いを挑む。どうやら風のメイジらしく、近づいてきた傭兵達をエア・ハンマーで吹き飛ばしていた。 その隙に、ワルドは床と一体になっているテーブルの足を折り、ルイズ達にこの裏に隠れるよう指示を出す。 だが、デルフリンガーをシエスタ達の部屋に置きっ放しにしてきたことに気付いたルイズは、ワルドが指示を出す前に二階に向けて走り出していた。 「ルイズ様!」 シエスタも慌てて後を追おうとするが、ロングビルに止められてしまった。 「まだ二階は大丈夫だから大人しく隠れてな!」 「は、はい!」 有無を言わせぬロングビルの迫力に、シエスタはテーブルの裏に隠れることしかできなかった。 確かに、傭兵達は親子連れの父親の魔法で前に進めなくなっている。ワルドや他の貴族も加わり、戦いは拮抗していた。 「さすが父上!」 「この程度の傭兵に遅れは取らんわ。ハアッハッハッハッ!」 だが、傭兵達は徐々に魔法が届かない位置まで後退し、今度は弓矢による攻撃に切り替えてきた。 すでにかなりの精神力を消耗していた親子連れの父親は、弓矢による一斉射撃を防ぎきることができず、体の至る所に矢を受けその場に崩れ落ちる。 「ち……父上ええッ!!」 矢を受け倒れた父親を息子は泣きながら後ろの方に引きずっていく。 これにより他の貴族は恐れをなしたのか、目に見えて攻撃を行う者が減ってきた。今や魔法で攻撃を行っているのはワルドを含めて数人ほどであった。 その時、二階から戻ってきたルイズがテーブルの裏に滑り込んできた。その手にはデルフリンガーが握られている。 「戦況は?」 「良くないね。あいつら、メイジとの戦いに慣れてるみたいだし」 「もしかして、狙いは私達かしら?」 「だろうね。強盗にしちゃ数が多すぎるよ」 ルイズとロングビルが話しているとワルドが会話に入ってきた。 「このような場合、半数が目的地に辿り着けば任務は成功となる。従って、ミス・ロングビル、囮になってはもらえないだろうか?」 「で、でもワルド様……」 「僕とルイズには重要な任務があるし、平民のシエスタには囮はできない。それに、土のメイジのミス・ロングビルならゴーレムを作って敵の目を惹きつけることができる」 ワルドの言うことはもっともだが、ルイズとしてはここでロングビルを置いていくのは気が引けた。いくら土くれのフーケといえど、この数の傭兵を相手にして無事でいられるとは思えない。 一方、ロングビルは溜息を一つ吐くとルイズの正面に向き直った。 「こうなったらしょうがないね。そんな心配そうな顔しなさんな、私の力はあんたが一番よく知ってるだろ」 「……わかったわ。あんたにはアルビオンを道案内してもらうんだから死なないでよね」 「その時は私の家族をあんたに紹介するよ。あの子とも仲良くできそうだからね」 「楽しみにしとくわ。ワルド様、シエスタ、行きましょう」 ルイズはワルドとシエスタを促して裏口へと向かう。 シエスタもルイズの後に続こうとしたが、ロングビルに呼び止められる。どうやら何か伝えたいことがあるようだ。 「シエスタ、ルイズの側を離れるんじゃないよ。私の勘が正しければ、あの子を助けられるのはあんただけだからね」 「わかりました。ミス・ロングビルもお気をつけて」 そして、シエスタもルイズの後を追って走り出し、その場に残されたのはロングビルだけになる。 「まったく、土くれのフーケともあろうものが随分とお人よしになったもんだね」 フーケがここまでルイズに肩入れする理由は、大事な家族であるティファニアとルイズが似ているからだった。もちろん容姿ではない、似ているのはその境遇だ。 ハーフエルフとして産まれたせいで人々からその力を恐れられ、自分を怖がらない子供達とひっそりと暮らすティファニア。 使い魔を召喚した後に手に入れた不思議な力のせいで多くの生徒達に恐れられ、魔法学院ではシエスタしか親しく話す相手がいないルイズ。 どちらも持っている力に振り回され孤独になっていったのだから…… 「さあて、こんな所で死ぬわけにはいかないからね。いっちょ気合入れてやるとするかい!」 フーケは傭兵達の弓矢の攻撃が収まる一瞬の隙を突いて駆け出すと、頭から窓を突き破った。 そうして外に出ると、岩でできた巨大なゴーレムを作り上げる。突然現れた巨大ゴーレムに傭兵達が慌て始めた。 「誰に喧嘩を売ったのか教えてあげようじゃないか。覚悟しな!」 土くれのフーケ、久々の本領発揮であった。 前ページ次ページZERO A EVIL
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/4404.html
前ページ次ページ虚無と狼の牙 虚無と狼の牙 第六話 ウルフウッドとルイズは部屋の中央でにらみ合っていた。お互い一歩も譲らない殺気を放っている。 「ほんま話の通じひんじょうちゃんやの……」 「あんたこそ、いい加減折れなさいよ……」 ウルフウッドはベッド代わりの藁の上で、ルイズは部屋の中央のベッドに座り込んだままぶつかり合った視線をお互い譲らない。 「やから、別に問題ないやろ? おじょうちゃんにとっても」 「何を言っているのかしら? あんた使い魔としての立場がわかっていないようね……」 にらみ合う視線に今にも火花が飛び散りそうだ。 「あーもう、やからもう藁の上で寝るのはこりごりや言うてるやないけー! 数日やったらかまわんけど、毎日やといい加減背中も痛いし、うんざりやて!」 「だ、だからって、勝手にこの部屋を出て行って、よ、よそで寝るなんて認められないわよ!」 「別にええやんか! 料理長のおっさんが給仕人の寮に空き部屋が出来たから、そこを使うたらええいう許可してくれてるんやし」 「だ、だから勝手に出て行ったらだめしょうが、そ、その使い魔なんだし」 「やったら、どないせい言うねん。ワイのベッドをここに持ち込むんか?」 「そんなことしたら部屋が狭くなっちゃうじゃない!」 「んなん言われたかて、ワイもずっと藁の上で寝るのはいややで。あかん。これやと堂々巡りやないけ」 「え、えっと、その、だ、だから……」 ルイズはベッドの上に座ったまま指をもじもじし始めた。 「し、仕方がないわね。特別に許可してあげるわ」 「許可て、何を?」 「ベッドをここに持ち込むわけにはいかないし、かといって使い魔であるあんたを放し飼いにするわけにもいかないから……」 「いかないから?」 「だ、妥協に妥協を重ねた結果、ほんっとーにしょうがないから、わ、わたしのベッドで一緒に寝てもいいわ」 ルイズはここまで言った後、顔を赤くしてそっぽを向いた。意外な提案にウルフウッドは唖然と口を開ける。 「ワイとじょうちゃんが一緒のベッドで寝るんか?」 ルイズはそっぽを向いたままこくこくと頷いた。 「けどなぁ、それやと間違いが起こったらどうすんねん」 「ま、間違い!」 その言葉にルイズは真っ赤な顔をウルフウッドに向ける。やはり間違いとは、そういうことなのだろうか。 男と女が同じベッドで一緒に寝るのだ。ということは、そういうことなのだろう。 そこまで想像してルイズは顔をより真っ赤にした。耳まで真紅に染まっている。 いくらなんでもそんなことは許されないし、許すつもりも毛頭はない。ただ、なんとなく、なんとなくだが、そこまで悪い気もしない。 今まで女扱いされていない気がしていたが、一応ウルフウッドも自分を女としてみていたのだと思うと、悪い気はしない。 「え、えっと……」 ルイズはなんとかこの混乱している自分の頭の中身を悟られないように、平静を装おうとする。しかし、言葉は出ない。 「じょうちゃん」 「な、なに?」 ウルフウッドの声にルイズは背筋をビクンと反応させる。この男は自分に何を言ってくるのだろうか。 「一緒に寝るのはかまわへんけど、寝小便とかは勘弁してや」 「……」 翌日の朝、ウルフウッドは顔に見事な足型をつけて藁の上で目を覚ました。 コルベールはノックの音を聞いて、研究室のドアを開けた。 「やや、ウルフウッドくん。おはよう」 「おはよう、センセ」 「……その顔のあざは一体何かね?」 「日々成長していく少女の蹴りを見守った後や。ってそんなんはどうでもええねん。センセ、アレが直ったってほんまか?」 「うむ」 コルベールは得意げに頷くとウルフウッドを室内に案内した。 「まぁ、見てくれたまえ」 そう言うコルベールの右手の先には白い布をかぶせられた巨大な物体がある。 「でも、ほんまにセンセが直してくれるとは思わへんかったな」 「む? それは技術的な意味ですかな? それとも?」 「両方やな」 ウルフウッドはそう感慨深げに呟く。 「私もずっと迷っていました。しかし、ミスヴァリエールから君が命がけで彼女を助けたことを伺いましてね」 「そんな言うとったんか、あの子。ワイの前では人のことぼろかすにしか言わへんくせに」 「素直じゃないんですよ」 コルベールは苦笑いをした。 「まぁ、とにかく。その話を聞いて私は君を信じてみることに決めました。確かに力は人を傷つけることが出来ます。 しかし、その人を傷つける力から人を守れるのもまた力なのですから」 そしてコルベールは少し何かを考え込むような仕草をしたが、直に顔を上げて目の前の物体に掛けられた白い布を剥がした。 「おぉ!」 ウルフウッドは思わず感嘆の声を上げた。無理もない。 あれだけひどい銃痕の後があったパニッシャーのボディがきれいに平らになっているのである。 そして、もっとも破損のひどかったマガジンの外殻もきれいに修理されている。 「まさか、ここまで完璧に直せるとはおもわへんかったで」 ここでコルベールが「コホン」と咳払いをした。 「確かにウルフウッドくん、君の危惧していた通り、現在の我々の技術でこの武器を作り出すことは出来ないのです。 その原因は二つあります。一つは今の錬金でこれほどの素材を均質につくりだせないこと。 そしてもう一つは精密さを要求される部品の加工が出来ないことです」 コルベールはどこか得意げにパニッシャーの周りを歩き始める。 「ですが、この場合は運がよかった。外殻の破損はひどかったですが、内部の精密さを要求される駆動部分は無傷でした。 そして、さらに運のいいことにこの武器は左右対称です。外殻の補強にはそれを利用させてもらいました」 「と、いうと?」 「錬金を応用して外殻を半分づつに分けて、それを破損している場所の補修に使用したのです。 幸い、外骨格はそんなに加工精度を必要とされませんでしたからね。 ちなみにこの武器についていた傷跡も錬金を応用すれば簡単に元通りに出来ました」 ウルフウッドは感心の声を上げた。こういった武器に最も求められるものは破壊力以前に信頼性である。 いくら性能がよくても簡単に壊れてしまったら元も子もない。その点において最強の個人武装といわれるパニッシャーは非常に優秀であった。 「まぁ、見た目はひどかったですけど、実際の破損はそこまでひどくはなかったということですよ」 「あぁ、ほんまありがとうな、センセ。けど、その修理方法やったら、外装の厚みは半分になってしまうんちゃうか?」 「ええ。残念ながら。しかし心配はご無用! なにせ我々にもメイジとしての意地がありますからな。その武器の外殻には固定化の魔法を掛けさせていただきました」 「固定化?」 「ええーとですな。わかりやすく言うとこの間の宝物庫の壁にかかっていた魔法ですよ。物質の安定性を上げるのです。 一応四属性全ての固定化を行いましたから、ちょっとやそっとの魔法や衝撃じゃびくともしないわけです」 コルベールは大きく胸を張る。頼まれてもいないのに、こういう細かいところまで気の利いた作業をするのが彼の彼たる所以だった。 「なるほど、そりゃ心強いで!」 ウルフウッドは思わずコルベールの手を取り、それをぶんぶんと振り回す。最初は満面の笑みで応えていたコルベールであったが、やがて表情を少し曇らせた。 「しかしですな。そういう応急処置で本体を直すことは出来たのですが、肝心の弾丸の方が……」 「あっ……」 ここでウルフウッドもその手を止めた。 「現在の私たちの技術ではこの弾丸を作り出すことは出来ないのです。 それに今回は騙し騙し直しましたが、このパニッシャーという武器を一から作る技術もありませんし」 コルベールは大きく肩を落とした。 「我々の世界は如何せん魔法偏重でして、誰もこういった技術に目を向けようとしないのです」 「センセ……」 「ウルフウッドくん。肝心なところで力になれなくて申し訳ない。私ではこれが限界なのです」 うなだれるコルベールの肩にウルフウッドは手を置いた。 「そんなことないて。これを直してくれただけでも十分や。銃弾についてはワイ自身がなんとかがんばってみるわ。 それにまたセンセにはなんかあったときに力になってもわな」 「ウルフウッドくん」 そして見つめあう二人。 「……ところでウルフウッドくん。外から誰かが我々を見ている視線をひしひしと感じるのだが」 「……見たらあかん。目ぇ合わせたら終わりやで」 コルベールの小屋の窓に張り付く怪しい中年女性の人影が一つ。食い入るように室内の様子を見ている。 「『ワイは前からセンセイのことが好きやったんや。その太陽に光り輝くような頭、たまらへん』 そこでウルフウッドはコルベールの肩を力強く掴んだ。 『う、ウルフウッド君、いけないよ。私は先生で君は使い魔じゃないか』」 周囲にサイレントの魔法を掛けて、恍惚の表情でアテレコをしているそのお方の名はシュヴルーズ。 彼女こそはまさに貴腐人であった。 # ウルフウッドは洗濯をしながら大きくため息を付いた。 せっかく直ったパニッシャーも銃弾がないのならただの鈍器だ。 中途半端にうまく目的を達成できたことが、より彼の徒労感を強くしていた。 「はぁー、んでやっているこというたら、じょうちゃんのパンツ洗いかい」 ぶつぶつと文句を言いながらも律儀にまだパンツを洗っているウルフウッド。 一応働かざるもの食うべからずの信念を持っているので、部屋に止めてもらっている手前とりあえず洗濯くらいはやっているのであった。 (腹立つからパンツのゴムでも切ったろか) そんなことを思いながら洗濯の終わったパンツをカゴに投げ入れると、懐から弾丸を取り出した。それを太陽にすかすように目の上に掲げる。 これさえあれば。そんなに作り出すのはむつかしいものなのだろうか。 元いた世界では良くも悪くも銃社会であったので、弾薬の類に困ることはなかった。それこそパンやガソリンと同レベルで流通していたのである。 「あ、ウルフウッドさん」 「おう」 後ろから声を掛けられた。ウルフウッドが振り向くと、同じように洗濯物を抱えたシエスタが立っていた。 「おはようございます」 「おはようさん」 「あれ?」 シエスタがウルフウッドの手に持ってた弾丸に気が付いた。 「ウルフウッドさん、なんで竜の牙なんて持っているんですか?」 「え、竜の牙?」 「それです、竜の牙」 そう言ってシエスタはウルフウッドの手の中の弾丸を指差す。 「いや、これは竜の牙なんかやなくて――ってじょうちゃん、これを見たことあるんか!」 「え、ええ」 突然大声を出したウルフウッドをシエスタは不思議そうな目で見つめている。 「だって、それ私の故郷の村の特産品ですもの。ウルフウッドさんは私の故郷に行ったことがあるんですか?」 「いや、行ったことはない。なんちゅーか、これはもらいもんやねん。っちゅうか、これじょうちゃんとこの村で作られているんか?」 「ええ。そうです。うちのひいおじいちゃんが作っていたそうで。 なんでも銃の弾丸だって言って作っていたらしいんですけど、そんな弾を使う銃なんて見たことありませんよね? で、結局ひいおじいちゃん、それをいっぱい作っちゃって。 私たち家族はそれの処分に困って、仕方がないのでそれを竜の牙と言ってお土産で売っているんですよ」 それから「あまり売れませんけど」と言ってシエスタは笑った。 「その話はほんまか!」 「え、えぇ。っていうか、あの、その……」 ウルフウッドはシエスタの両肩をわしづかみにしていた。 突然のウルフウッドの行動にシエスタの顔が見る見る赤くなっていく。 「じょうちゃん、じょうちゃんの家に行ったらそれがぎょうさんあるんやな?」 「え、あ、はい。その詳しい話なら父が知っているかと」 「じょうちゃんの家はどこにあるねん?」 「え、っと、私の故郷は、タルブという町です」 「じょうちゃん!」 「あ、は、はい!」 「じょうちゃんの実家に案内して親父さんに会わせてくれ!」 ウルフウッドはシエスタの顔に自分の顔を触れんばかりに近づけて、そう叫ぶようにお願いした。 授業を終えたコルベールが教室の外へ出ると、見慣れない人物が待っていた。 「よう、センセ」 「ウルフウッドくん。めずらしいですね、君がこんなところにいるなんて」 「そんなんはどうでもええねん。そんなことよりも見つけたで」 ウルフウッドは人差し指を立てて何かを企んでいる顔でコルベールに近づいてくる。 「見つけた、とは?」 「例の弾や。ほら、メイドのおじょうちゃんおるやろ? なんかあの子の実家で同じようなもんを作ってるらしいねん。 これは行ってみる価値があると思わへんか?」 「はぁ」 メイドのじょうちゃんと言われてもコルベールには誰のことかわからない。 そもそも、この学院で働いているメイドの名前など、貴族はほとんど知らないのだ。 「で、それはどこなのですか?」 「なんでもタルブいう町らしいで」 「タルブですか!」 その言葉にコルベールが食いついた。 「なんや、そこ有名なんか?」 「ええ、まぁ。そこには竜の伝説があるのですよ」 「竜の伝説?」 「ええ。なんでも今から百年くらい前に竜に乗った人物がその町に現れたという。 今でもその町にはその竜の亡骸が安置されているそうです」 「竜、ねえ」 興奮し始めたコルベールに対してウルフウッドは冷めていた。竜などと言われても彼には実感が湧かない。 「その竜はなんでも地を馬よりも速く走り、その力は馬の比ではなかったと聞きます。 ただ、その実際を見たというのが如何せん百年前の話ですからね。信憑性は薄いですが」 「へー」 ウルフウッドは気のなさそうな返事を返した。 現実主義者の彼にとってそういう伝説などの類は興味をそそられるものではないのだ。 「ただ。もしもの可能性でしかないのですが、それらの伝説が事実で、そして君の銃の弾丸がそこで作られていたとしたなら―― もしかしたら、それらは君のいた世界からもたらされたものかもしれません」 「なんやて?」 ここで俄然ウルフウッドの目が輝き始める。 「なかなかに面白そうなことになってきましたね。 私も近いうちにその竜の亡骸を見てみたいと思っておりましたところです。ぜひとも参りましょう!」 「よし。そうと決まればさっそく行くで!」 ウルフウッドとコルベールはハイタッチを交わした。 その姿がまたいらぬ誤解を助長したのだが、それはまた別の話である。 トリステイン魔法学院を出て馬車で三日。ウルフウッド、コルベール、シエスタの一行はタルブの村にたどり着いた。 コルベールはオスマンの権限により、ウルフウッドの手伝いであるといえば簡単に休暇を取ることが出来た。 また、シエスタに関しても同様であった。よって、彼らはその日のうちに出発したのである。 「これがタルブの村か」 ウルフウッドが感心した声を上げた。 「ええ、そうです。とてもきれいな場所でしょ」 とシエスタは微笑みながら言った。そして、隣のもう一人の男に目をやる。 「いやー、絶景ですなぁ」 ウルフウッドと二人きりだと思ってドキドキしていたのになんでこんなハゲがいるのだろうか。 空気を読め、と。絶景なのは光り輝く快晴の空の下のお前の頭だよ、と。 そんなシエスタの心の中を知ることもなく、コルベールはご機嫌であった。 「で、これからどうしましょうか? 私としてはまず竜の亡骸を見たいのですが」 何しきってんだ、このハゲ、とシエスタは思った。 「そやな。ワイも先にそれを見てみたいわ」 「ええ。わかりました。竜の亡骸は近くの寺院に置いてあります。早速案内しますわ」 シエスタは満面の笑みで応えた。 「なんちゅうこっちゃ」 シエスタに案内された竜の亡骸の前でウルフウッドは呆然としていた。 「変わった形をしていますな。しかし、この精巧な部品群は」 そう言ってコルベールはウルフウッドをちらりと見る。 「あぁ、間違いない。これはそうや」 ウルフウッドは竜の亡骸を調べるように撫でながら、息を吐くように答えた。 「あの、どうかしました?」 状況を飲み込めないシエスタが不思議そうな声を上げた。 「これは竜なんかやない。機械や」 「機械?」 ウルフウッドの言葉をシエスタは繰り返した。 「見たところ、大きな傷とかもない。たぶん動かへんのは燃料がないから。ガソリンさえ入れば動くはずやで」 「そのガソリンとは?」 コルベールがウルフウッドの言葉に突っ込んだ。 「こいつを動かすために必要な、可燃性の液体やな」 「ひょっとして、それは竜の血のことですか?」 「竜の血?」 「ええ。ちょっと待っていてくださいね」 コルベールは馬車に走り寄ると、自分の荷物から樽のようなものを持ち出してきた。 「これです」 ウルフウッドは渡された樽の中の液体の匂いを嗅いでみる。 「これは……ガソリンや」 「やはりそうでしたか!」 コルベールが嬉しそうな声を上げた。 「いやはやなんという。これで苦労した練成した甲斐があったというものですぞ。 ということは、この竜はこの竜の血、えーとがそりんですか? を入れると動きはじめるわけですな!」 「そやけど、ちょっと待ってくれ」 興奮し始めたコルベールをウルフウッドは制した。 「おじょうちゃん、これが一体どういった経緯で現れたんか、説明してくれへんか」 シエスタは彼らのやり取りには付いていけずにぽかんとしていたが、 「何でもうちのひいおじいちゃんはそれに乗ってやって来たとかいう話です。 えっと、あの詳しいことならうちの父が詳しいと思いますけど……」 「わかった。早速で悪いけど、その人らんとこに案内してくれ」 シエスタは不思議そうな顔をしたままではあったが、こくこくと頷いた。 ウルフウッドの両手は震えていた。もしかしたら、ここに砂の星とこの世界を繋ぐヒントがあるかもしれない、と。 唐突に帰ってきたシエスタとくっついてきたウルフウッドとコルベールにシエスタの家族は驚いたものの、快く彼らを迎えてくれた。 「これがうちにある竜の牙全部だね」 「なんと」 ウルフウッドは感心した声を上げた。例の銃弾が千発近く箱詰めにされてある。 「なんでもうちのおじいさんが必死に『銃が必要だ』って言って作ったらしいんだけどね。 けど、そんな弾丸を使う銃なんてないんだ」 シエスタの父はそう言って苦笑いをした。 「なんでも、例の竜に乗っているときにオーク鬼にでも襲われたらしくてね。 そのときに銃弾がなくなって、九死に一生を得るように、命からがらこの村に逃げ込んできたと話したそうだよ。 それで、そんなよくわからない銃弾みたいなものをいっぱい作ったらしいんだ。『自分はガンスミスだ』とか言ってね」 シエスタ父はそれから家の奥へ行くと、何かを手に持って戻って来た。 「それは!」 その手に持ったモノにウルフウッドが食いつく。 「これがその弾丸を打ち出す銃らしい。壊れちゃっているけどね。 うちのじーさんは自分で銃も作ろうとしたけれども、強度のある金属と満足な加工精度が得られなかったそうで、結局それは作れなかったそうだ」 ウルフウッドはその壊れた銃を手に取った。銃身が大きな力で曲げられている。 しかし、見間違うはずもない。これはあの砂の星のライフルだ。 「そのじーさんは他になんか言うてへんかったか?」 「他っていってもなぁ。 あぁ、そうだ。自分は砂漠の星をあの竜に乗って水を求めて旅をしていたらここにたどり着いたと言ったそうだ。 つくづく不思議なじいさんだったよ」 コルベールとウルフウッドは互いの顔を見合わせる。いたのだ、ウルフウッド以外にもこの世界へやって来た砂の星の住人が。 「あと、その銃弾を全部売ってくれへんか?」 「え?」 その言葉にシエスタの一家は目を丸くした。 今まで使い道がなかったから適当に竜の牙などと名づけて売ろうとしていたものである。 そんなものを千発全部買い取ろうとする奴がいるとは思わなかった。 「それにあの竜の亡骸。あれも欲しい。譲ってもらえへんやろか」 ウルフウッドの頼みにシエスタ父は目を輝かせた。ご先祖様が作ったよくわからない不良在庫を買い取ってくれるというのである。 この先こんなチャンスは二度と巡ってこないだろう。 「よし! 竜の亡骸はただであげよう」 「お、ほんまか!」 ウルフウッドとついでにコルベールの表情も輝く。 「お父さん」 シエスタがそんな父の袖を引っ張る。 「いいじゃないか。あんなものうちが持っていたところで埃をかぶるだけなんだし。かと言って捨てるに捨てられないし。 というわけでウルフウッド君、竜の亡骸はタダでいいのだが、この銃弾の代金としてこれはこれで四百エキュー頂こう」 「四百エキュー?」 「そ、そんな大金彼は持っていませんぞ!」 「お父さん!」 今度はシエスタが父をたしなめた。 「だって、ただというわけにはいかないだろう。一応これにだって元はかかっているんだから」 「確かにそうだけど……」 「大丈夫だ、娘よ」 「え?」 ここでシエスタ父はシエスタに耳打ちを始めた。 「この代金をお前が立て替えたということにして、お前が彼から代金を受け取ればいい。 どちらにしろあんなものを買い取ろうなんて物好きは金輪際現れるかどうかわからんのだ。 ここできっちり彼に買って貰う必要がある」 「けど、そんなお金どうするのよ」 「大丈夫、いい案がある」 コホンと咳払いをすると、シエスタ父はウルフウッドのほうを向いた。 「しかし、ウルフウッド君。そんなお金をいきなり工面しろと言われても難しいだろう。 だから、こちらから君に仕事を紹介しようと思う」 「仕事?」 「そうだ。ちょうどトリステインの城下町で親戚が居酒屋をやっている。 そこをしばらく手伝ってもらってお金を稼ぐというのはどうかね」 「はぁ」 ウルフウッドは内心変なことになってしまったと思ったが、どちらにしても銃弾が必要なのには変わりはない。 それに一千発の銃弾の代金くらいなら一ヶ月も働けば返せるだろう。 この世界の貨幣価値にまだ疎い彼は、元いた世界の価値観でそう甘い見通しを立てた。 「なんかようわからへんけど、じゃあそういうことで」 そしてウルフウッドはおのれのオカマ運の悪さを呪うことになる。 前ページ次ページ虚無と狼の牙
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/721.html
back / next 四話 『林檎を噛んで歯から血が出た』 ルイズは魔法が使えない。それは自他共に、特に自分では認めなくてはならない事実である。 正確には魔法がすべて爆発してしまうのだが。 ボムボムの実という爆発の象徴のようなものを引き当てて以来、ルイズは開き直ることに決めた。 とりあえず爆発は爆発として認識し、何故そうなるのかを考えるようになったのだ。 それにこの不思議なルーンは役に立つに違いない、そう考えながら。 「それに恩恵もあるといえばあるのよ」 「何ですか?」 シエスタが用意したサンドイッチをパクつきながら、ルイズは杖を持ち近くの小石へ向ける。 ポンッと軽い音が響き、石が消えてなくなった。 「実の恩恵だと思うけど、爆発なら制御できるようになったのよ。まあ壊すのにしか使えないけど」 「でも適当にはじけるよりはずっといいんじゃないでしょうか? あ、キュルケさんたちが来ましたよ」 視線の先にはキュルケとタバサを乗せたシルフィード。 タバサのほうはなにやら本を抱えている。 「ハーイルイズ、見つかったわよ」 「これ」 キュルケがルイズをその大きな胸で抱きかかえながらシエスタをにらみ、シエスタが対抗意識を向ける。 それをまったく気にも留めず、タバサはルイズに本を差し出した。 「何この本。『始祖の使い魔たち』ってこんなのに載ってるの? 私のルーンが」 「ここ」 それは確かにルイズの額にかかれたルーンだった。 その使い魔の名は『ミョズニトニルン』、神の頭脳とまで言われる伝説の使い魔のルーン。 「触れたマジックアイテムのあらゆる情報を読み取る、ね」 「なーる。だからあんた鑑定ができたのね」 ルイズの頭を撫でながらキュルケがうなずく。シエスタさん、そんなににらまないで。 ルイズはキュルケを跳ね除けたりはしなくなった。 理由はまさに今自分が頭をうずめているものだ。 そう、それは胸、それは巨乳。 魔法の練習で疲れ果ててシエスタの胸に頭をうずめて休んだことを思い出す。 程よいやわらかさで今まで使ったあらゆる枕よりも寝心地がいい。 ルイズは己の頭を挟んでいる肉の塊をじっと見つめた。 アレはいい物だ。 使い魔のルーンに関する本を開く。 キュルケを通してタバサにルーンの検索を頼んだときに一緒に探してもらったコモン・サーヴァントについての本。 ルーンを刻むことでの恩恵は大きく分けて三つ。 一つ目は使い魔の主への好意のすり込み、二つ目は主との意思の疎通、三つ目は場合によってはそのほかの何か。 三つ目は場合によっては使い魔が人語を話すようになる、といった特殊なものである。 おそらくは自分のこれもそういう特殊効果、って物なのだろう。 そんなことを考えながらルイズは額に触れる。 そしてなるほど、とその本を閉じる。 なぜ自分はこんなにポジティブなのか、その理由に思い当たったからだ。 ルーンは主への好意を使い魔に少しずつすり込んでいく。 今現状は自分が主兼使い魔。 つまり自分は、自分自身への好意を自分自身へすり込んでいるのだ。 自虐に走らなくなった理由の検討がつき、ルイズは一人苦笑した。 もう一度『始祖の使い魔たち』の本を開く。 「ガンダールヴがあらゆる武器を、ヴィンダールヴはあらゆる幻獣を、ミョズニトニルンはあらゆる魔法道具を支配する、か」 「すごいわねぇ」 「便利」 「二つ目は何か憧れますね」 ふと、ルイズはそれを読み直す。 「てかこれさ、どれも人間じゃないと、少なくとも亜人じゃないと活用しようがない効果じゃない?」 沈黙が四人を包んだ。 「ブリミルの使い魔は皆人間か亜人ってこと?」 「でもブリミル様はエルフと戦ったんですよね? じゃあエルフのわけはありませんし……」 「他の亜人は凶暴」 「……人間しか残ってないじゃない」 再び四人を沈黙が覆う。 「娘っこよ、そいつら呼んだのはそれだけじゃねえだろ?」 ありがとうデルフ! と流れを断ち切ってくれたデルフに心の中で礼を言いながら、ルイズは立ち上がった。 「そそそそそうね! キュルケ、ちょっとついてきて。シエスタ、先に行ってもう一個のほうも用意」 「はい!」 デルフを担いでかけていくシエスタを目で追いながら、キュルケたちはルイズに続く。 「もう一つの用のほうよね?」 「ええ。かなり便利なものなのよね」 大きな木がそこにはあった。 五メイルくらいだろうか、おどろおどろしい印象を受ける実がいくつかなっている。 見るとはしごをかけたシエスタがその実のうちのいくつかを採取していた。 「ねえルイズ、この木ってもしかしてあの実?」 「そうだけど?」 「いくらなんでも成長が早すぎるわよ」 「そういう種類なの。シエスタ!」 「あ、はい。小屋に用意してあります」 「アリガト。回収し終わったら飲み物用意して」 「はーい」 「シエスタよう、俺は剣なんだ、高枝切りバサミじゃないんだ、ねえ聞いてる?」 木の管理のためだろう、備え付けられた小屋の中は以外にも明るい光を放っていた。 上を見ると巻貝のようなものが光を放っている。 「……タバサ、あれ」 「この前の貝」 「二人とも、こっち」 大きめの机の上にいくつもの貝殻が並んでいる。 どうやら種類ごとに分けられているらしく、半分くらいはきれいに磨かれている。 「いい、見ててね」 ルイズはそのうちのひとつを拾い上げ、とがっている部分を押し込む。 ゴウッ、と真っ赤な今まで燃えていたような火炎を噴出す。 「今の、何?」 「この貝、“ダイアル”って言うんだけどね、特定のものを蓄えることができるのよ。これは炎、これは水、こっちは音ね」 「もしかして上の明かりもそうなの?」 「あれは光ね」 そういうとその炎を出し切った貝をキュルケに手渡した。 「してほしいのはこれ。魔法を封じれるかどうかよ」 「……ルイズ、協力はするからひとつだけいい?」 「何?」 「どうしてわざわざ呼び出してこっそり?」 ルイズは突然貝を置き、二人の肩をつかむ。シューシューと手のひらが音を立てる。 「これは私の成果、私の発見よ。たとえルーンのおかげであったとしても」 暗い。明かりがあるのにルイズの顔が暗い。ガタンと音がして恐る恐る振り返ると抜き身のデルフリンガーを構えたシエスタ。 「だから私のものなの。わかる? ミスタ・コルベールとかに教えたら適当に触れ回っちゃうでしょ? ね?」 「そそそそそそそうね」 「あなたたちなら漏らしたりしないだろうし教えてもいいかなって思ったの。もらしたりしないわよね? ねぇえ?」 ルイズの目が真っ赤に光る。後ろでさびを落とされたデルフリンガーがギラリと光る。 「ももももちろんよ! ねえタバサ!」 「(コクコクコクコク)」 その返答を聞いてるルイズは手を離す。後ろでシエスタがデルフを鞘に収める。 「じゃあお願いねキュルケ」 結局ダイアルは魔法の炎すらそのうちに溜め込んだ。 その夜キュルケとタバサはいつもより多くの下着を洗濯したという。 小屋の中にいくつかの悪魔の実が並んでいる。 映像(ビジョン)貝が記録されている映像を流している。 それに写っていたのは悪魔の実が熟すまでの記録。 ただの小さなつぼみに本当に小さな実がついている。 しばらくそのままだったそれが何かに影響されたのかびくりと震える。 目に見える形で大きくなっていきバナナの形を取る。 そして木から禍々しい何かが注ぎ込まれ表面に唐草模様を描いた。 そして動きがなくなる。 「うはあ~何か怖いですねぇ」 「でも成長要因がわからないのよ」 そう言って並べてある実を一個ずつ触る。 「これは“イヌイヌの実”、こっちは“ウマウマの実”、こっちは“トリトリの実”、これはあろうことか“ヒトヒトの実”」 「うはあ、見事に動物ばっかりですねぇ。ゾオン系でしたっけ?」 「私がほしいのはロギア(自然)系、せめてパラミシア(超人)系よ? どうしてゾオン系ばかりなのかしら」 「ミョズニトニルンの能力で育て方はわかってるはずなんですよね?」 「“悪魔の木の育て方”はね」 ふう、とため息をつく。 「駄目なのよ。実の育て方がわからないのよ」 「困りましたねぇ」 ふと、シエスタは棚を見る。 そこに並んでいるのはコルベール謹製『しびれる蛇君試作二号』と『燃えるぜ蛇君試作三号』 「あれは使わないんですか?」 「作ってもらったはいいけどわからなくなったのよ。電気を流せばいいのはわかってるのよ。でもどこに? どうやって? 生き物から情報を引き出すのは限界があるのよ」 「でもボムボムの実の詳細は引き出せたんですよねぇ?」 「食べたからね。自分の能力になってるからわかるのよ」 「……埒が明きませんねぇ」 結局何もわからぬまま、実の談義は終了と相成った。 空はどんよりと曇り始め、小雨が降り始める。 「いけない! 戻りましょう、ルイズ様」 「そうね」 夜、雷鳴がとどろき豪雨が降る。 窓が風にがたがた揺れ使い魔たちもおとなしくうずくまっている。 雷が輝き直後に雷鳴がとどろく。近い場所で落ちた証拠だ。 雷がひとつ、悪魔の木に落ちる。 余波がパリパリと木を覆い、熱量に負けて炎が吹き上がる。 燃え上がるかと思った瞬間、電撃と炎が写真のように停止する。 そしてそれがまるで木に吸い込まれるように消滅した。 雷で焦げた痕跡も炎で燃えていた痕跡も残っている。 ゆっくりと、悪魔の実が二つ膨らんでいった。 back / next
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6436.html
前ページ次ページ異世界に灯る聖なる焔の光 授業も終わり、昼食へ向かいながら談笑している生徒達が日中の穏やかさを際立たせる。 眠気を催しそうなほのかに暖かい春の日差しは、学び屋を貴族の憩いの場へと衣装替えする役割を果たすのだ。 誰もが背伸びして神が世に与えた恵みに感謝したくなる中、その恩恵を押しのけながら走る一人の男がいる。 アッシュに使い魔の契約を快諾させた中年の魔法学院教師、コルベールだ。 日の元に出るよりも薄暗い部屋の中で読書か研究に勤しむ姿を尊ぶ彼が、何故、真昼間から一人で気持ちのいいさざ波を逆走せねばならないのだろうか。 その答は、彼の脇に抱えられた一冊の古書にある。彼は、それに記された驚愕すべき事実に探究心を奮い立たされたのだ。 コルベールの、久しく流れていない大粒の汗が事の重大さを雄弁に語っている。 コルベールが目的地たる学院長室の前に到着すると、ノックもせずに走って来た勢いのまま扉を跳ね飛ばした。 「オールド・オスマン!」 「何じゃね?騒々しい」 扉を開けた先には、無駄に顔を引き締めたオールド・オスマンが立っていた。 オスマンは逆光を背に浴び、威厳と神秘性を引き立たせる黒の装いを肌に縫い付けている。 さすがは、幾人もの貴族の子息を預かる魔法学院の長と賞賛すべき貫禄だ。 「たた、大変です」 貫禄といっても、別の事柄に頭を支配されているコルベールには意味がなかった。 コルベールは、むさ苦しい中年の汗だくな顔でオールド・オスマンの眼前へと迫る。 親父臭さと熱気を嫌がり、オスマンは2、3歩後ずさる。コルベールが距離を詰める。 オスマンはさらに逃げる。コルベールは逃さない。 オスマンは両手をコルベールへと伸ばして静止を促す。コルベールが萎れたつっかえ棒を両肩で掻き分ける。 棒を機能させるために、オスマンはさらに下がる。棒を回避するため、コルベールがオスマンの懐に潜り込む。 オスマンはこれ以上足を運べなかった。終点、部屋の隅に到着してしまったのだ。 追い詰められた獲物ができることは、許しを請うか、狩人の望みに従うしかない。 「な、何が大変なんじゃ」 脱出路を失ったオスマンは、くたびれた、歳相応の老人に戻ってしまった。先ほどの威厳は欠片も残っていない。 「これ、これを見てください」 コルベールが持ち出したのは『始祖ブリミルの使い魔たち』という、表紙の枠が直線ではない年季の入った本だ。 コルベールは古書を開き、目的の資料が掲載されているページで手を止めた。そして、それをオスマンに見せる。 それを眼に焼き付けたオスマンは、数刻前の威厳が復活した。ただの老人にここまで活力を与えた内容とは、何なのだろうか。 オールド・オスマンは秘書のミス・ロングビルに退室を促す。 秘密を共有できる空間になったことを確認して、オールド・オスマンは重く口を開く。 「詳しく説明するんじゃ。ミスタ……、……」 「コルベールです」 「……では、話したまえ。ミスタ・コルベール」 鋭い眼光にはまがい物もあるらしい。 俺は、教室を元通りに直したので、昼食を取るために食堂へ向かっている。 瓦礫をかき集めて学院の備品を運ぶのはいい運動になった。おかげで、朝食ったものは全てエネルギーとして消費された。 ただ、積めば大型の魔物並みの高さとなる瓦礫の山や机の束は衰えた俺の腕には堪えた。 体の調子が良ければ、これほどの重労働にはならかっただろう。 筋力もだいぶ低下している。そもそも、エルドラントで死ぬ寸前だったのは昨日の話だ。 こうして、普通に歩ける自体が奇跡と言える。よほど優秀な治療術士を招き入れたのだろう。 手厚い介抱は結構なことだ。だが、全てが無に変える人間には迷惑でしかない。 なので、俺に関心を向ける人間は消えて欲しいんだが、片付けが終わってから片時も俺を視界から外さない女には困りものだ。 行きの時と違い、敷き詰められた石の色彩に被さる影が少ない廊下を俺達は歩いている。 町に繰り出すと、民が往来激しく通りを占拠し、活気と喧騒に満ちた商人達が客を呼び込んでいる時間帯だ。 任務がない時は俺も少しは羽を伸ばして英気を養っていた。今はそいつを妨害する因子に並ばれている。 体は前に向かって進んでいるのに顔だけ進行方向から右に90度曲がって、俺に無言のプレッシャーを放っている。 俺の足元に沈んでいる影にルイズは鼻先を侵入させ、絶対に放さんとばかりに微動だにしない。 何が何でも超振動の正体を知りたがってる女が終始無言でいるのは俺の警告が効いているからだ。 超振動は門外不出で、他人に知られたら大きな危険を生む魔法だから不特定多数の目がある場所では絶対に口にするなと念を押した。 それだけでは不安なので、超振動の事を俺以外に話したら、可能性が限りなく低いと前打って、教えてやろうと気が変わる機会を永遠に失うと脅しておいた。 人を威圧するルイズの双眸はどうにかして俺の気を変えようとする努力の証だ。 そいつを空しいと言うのは心の中だけにしておこう。少しでも吐露したら最後、こいつは確実にわめき散らす。 それに、こいつの行動に対してアクションを起こすのは癪に障るのだ。 結局、人目もはばからない機械仕掛けの珍道中は食堂に到着するまで続いた。 「ル、ルイズ。君は使い魔と大変仲がよろしいみたいだね。鏡を見ているように動きが瓜二つだったよ」 「違う」 「違うわ」 イニスタ湿原が妙なことを口走りやがった。俺とこいつが親しいだと。目が腐ってんのか。 「い、いや……、今だって……」 「「何が」」 縄張りを荒らさた猛獣のごとくおぞましいオーラを男にぶつける。喧しく囀るキザ野郎は口を塞がれた。逃げるように薔薇を撫でて手慰みにしている。 止めた呼吸を再開して、俺は体を背もたれに預けた。脱力して両腕を腿の上に降ろす。 椅子にかかって、通路にはみ出した焔の証を束ねようと手を伸ばした時、後頭部が先の細い鈍器で殴られた。 「これはこれは、ミスタ・ファブレ。失礼いたしました」 俺の後頭部を襲ったのは人間の肘だ。腕の主は教室でコケにされた土の髪の男、ド・ロレーヌ。 ロレーヌは侮蔑の色を隠しもせず、蓄えた恨みそのままに、醜い面貌で俺を見下している。 「大層な挨拶だな。ハルケギニアの風習か?」 「今のは不注意ゆえの事故だよ。私も配慮が足りなかった。申し訳ない」 口とはでまかせを吐く装置。こいつを見ていると、そう思えてしまう。今度はごとくじゃない。猛獣させ恐れる、六神将のそれを纏い始める。 「いやはや、通路を狭める邪魔者に気付かないとは。ぼくは間抜けだね」 そう捨て台詞を吐いて、挑発にしかならない細く湿った笑いを届けながら、ロレーヌは去っていった。 いい根性をしている。ここが食堂でなければ、あの野郎の顔面は人前に出せないほど腫れ上がっていただろう。 民の命を託された俺達貴族が私怨で他人に手を振りかざすなど言語道断だ。あの屑は下衆の中の下衆。権力で災いをもたらす権化だ。 次にあの野郎が俺にちょっかいを出した時、俺は自分を理性で抑える気など消え失せるだろう。 喧嘩を売った相手が誰か。てめえがどれだけ愚か者か思い知らせてやるよ。 祈りを告げる鐘が鳴る。絡める指の力が怒りの程を伝えている。 気分を最悪にしてくれて、飯の味を損ねてくれた屑が燃え上がらせた業火は俺の胸で猛る怪鳥となっている。 「ド・ロレーヌは相変わらずガキだわ。ルークも大変ね。あんなのに絡まれて」 人をたらし込む貴様はどうなんだ、という疑問が頭の中を巡っている。しつこく人に絡む女の方こそ身を引くべきだ。 「まったくだ。歳を一回り偽っている女に同情される筋合いはないがな」 「大人の魅力と言って頂戴。あなたには分からなくて、ルーク。後ほど、直々にご教授してあげましょうかしら」 機嫌が悪い時に大人を着飾った女と聞く口は反吐が出るほどまずい調味料だ。フォークを往復させる間隔がどんどん短くなって、味を感じる暇がないほどにな。 「人の使い魔に手を出さないでよ、キュルケ」 次の困ったスパイスは俺の真横からだ。俺の体に隠れたルイズを視界に入れるため、キュルケが身を乗り出した。 「彼があなたの物って誰が決めたのかしら。彼の意思を尊重すべきだと思うわ」 俺の意思の尊重は是非ともして欲しいものだ。だが、キュルケの腹積もりに沿うのは御免だ。 「こいつは使い魔として仕える事を承諾したのよ。だったら、私に従うのが筋よ」 「どうかしら。あなたの『ゼロ』は、彼の怒りの導火線に火を点けたみたいよ。教室をめちゃくちゃにした後、ルークに随分叱られてたわよね」 キュルケの言葉は、俺の胸を締め付けた。反射的に舌打ちをしかけてたほど、重大な過ちを犯した事実が俺の意識を暗がりに落とそうとする。 ルイズの口を硬く閉ざして喉の奥に押し込んだ超振動を最初に口にしたのは俺だ。それも大声で。 阿鼻叫喚の大混乱に陥ったとはいえ、誰の耳にも入らなかったという保証はない。特に、最前列に座っていたキュルケは最も危険なポジションだ。 額から一筋の汗が垂れる。後悔が俺を責め立てる。人に物言う資格なしという後ろめたさと共に。 「何話してたかは、五月蝿くて全然わかんなかったけど、あれで愛想尽かされたんじゃない」 顎から落ちた雫は俺の不安も吸収していた。どうやら、キュルケには知られてはいないらしい。 よくよく考えれば、あの状況で他人の言葉に耳を傾ける余裕はない。誰も彼も、自分の身を守るだけで精一杯だった。 それでも、油断は禁物だ。ルイズが超振動に手を突っ込まないために監視を強めとく必要はある。たとえ、できることに限りがあろうとも。 「ち、違うわよ。あれは……」 俺は誰にも悟られないように、肘でルイズを小突いた。当然、警告の意である。他人の動向を気にするより、こいつのボロを隠す作業のほうが大変だ。 「あれって何なの。私に教えて下さいな」 「人に被害を与えるような爆発を起こしたことを咎めただけだ。何か問題があるのか」 「本当かしらね。それが嘘じゃないと証明できて」 人が秘密にしたい境界線を越えたがる、真にうざい女だ。どうして、ここまで根掘り葉掘り聞きたがる。 「こいつに聞いてみろ。同じ答えが返ってくるぞ」 「へ~、そうなの。ルイズ~、彼に何て言われたの」 興味津々であると唇を曲げたキュルケは、右肘をテーブルの上に立てて頬杖をしている。 俺はもう一度ルイズの腕に服を押し込んで、話を合わせるように促した。 「こいつったら、あんな危険な魔法を使うなら杖を置けって言ったのよ。失礼でしょ」 ルイズは俺やキュルケから目を背けて、海老が反ってるように胸を張る。 「あら、そう。じゃあ、そういうことにしといてあげるわ」 キュルケはこの場で追求をやめただけだろう。気分次第で、再び俺たちを襲う槍は握られたままだ。 「いちいち注意しなくても、あんたの言いつけはちゃんと守るわよ。馬鹿にしないで」 俺の耳がかろうじて認識できるほどの艶の欠けたひそひそ声が隣から伝わった。今の出来事で、ルイズはまた気を悪くしたようだ。 食器の扱い方が乱雑になって、スプーンが皿を叩いているので少々喧しい。 「だったら何を聞かれても言いよどまないことだな。隠し事があると感付かれるぞ」 「わ、私にだって、それくらいはできるわよ。今のはいきなりだから、ちょっと驚いただけ」 食事が原因でない膨らんだ頬を蓄えながら、ルイズはそっぽを向いた。 そのちょっとのスキで災難を招くことがあるんだよ。見苦しい言い訳は信用を地に落とす行為だ。 俺がこの世に介入できなくなるまで、これのお守りをするのは心身への負担が大きそうだ。 最後に残った、焙ったチキンのソースかけをほお張る。皿は空になっても、俺の嘆きを飲み込んで消化することはできない。 皿にこびり付いたソースのように、しつこい汚れが張り付いている。そいつを流せる洗剤はない。 あのレプリカもそうだったが、何で超振動の使い手は面倒な人種が多いんだ。ローレライの見る目のなさを嘆きたくなる。 そう思った時、体のどこかに亀裂が入った気がした。違う。今割れたわけではない。 こいつはルイズの超振動の爆発の衝撃が原因だ。あの時ルイズは何をした。俺やレプリカの専売特許である、単独での超振動を発生させたではないか。 特異な存在が俺の脇で不機嫌な食事を送っている。 本来の威力からすれば失敗なのだ。それでもルイズは単独での超振動を成功させた。 超振動の原理は同位体の共鳴現象だ。 同位体同士がお互いの発する音素振動に干渉することで、音素同士の結合を解放する効果、つまり、あらゆる物質を消滅させることが可能となる。 その中でも、単独で超振動を成功できるのは、俺やレプリカのように、第七音素の意識集合体であるローレライと同じ音素振動数を持つ人間のみだ。 こいつをハルケギニアに適用するなら、ルイズはローレライの完全同位体という理論が成り立つ。 聖なる焔が俺以外に存在するだけでも信じられない事だ。更に、ハルケギニアは第七音素を有していない。 ルイズがローレライの同位体など妄想と同義だ。しかし、超振動は起こった。不完全だとしても。 この髪の色が頭の中まで侵食してそうな能天気で傲慢な女に、何故それほどの真似ができたのか。 ルイズは魔法の失敗による爆発で周囲に迷惑がられていたらしい。別の譜術が超振動に変わるなど考えられない現象だ。 ルイズに眠る指揮者不在の第七音素の演奏は、俺にとってもここの貴族にとっても異質な音色を奏でている。 そもそも、この世界の魔法は、オールドラントの常識が通用すると期待させて、別の論理を持ち上げる。 並んで歩いているようで、そいつを否定するがごとくお互いには距離がある。 俺はようやく、ここが時空という人間の作りし単位では計れない境界線を越えさせられたと実感した。 テーブルに置かれる見慣れたショートケーキと、かつては当たり前の隣人だったメイドが親近感と疎遠が混じる奇妙で複雑な感情を胸に抱かせる。 ケーキの味は星を渡り歩いた最中に食べたものと変わらないはずなのだが、初めて口にした料理と勘違いしそうになる。 顔を上げて周囲に目を配ってみれば、俺の様子を伺う何人かの挙動に気付く。 奴らの地図に載らない大地の貴族はさぞ珍しいだろう。特に、意識を時空の彼方に置き忘れた男はな。 そいつらを視界から放り出して、俺はフォークで掬ったケーキを口へと運ぶ。口を開こうとしたら、皿が割れるけたたましい音が耳に飛び込んだ。 俺の顔がケーキから遠ざかる。その時、俺の髪が風に吹かれて浮いた。 「ひゃっ、は……」 次に届いたのは誰かの悲鳴。椅子から身を乗り出して、事の確認に努める。 馴染みのある、肩まで伸びた黒髪を持つメイド、シエスタが通路に座り込んでいた。何故か、髪の毛を纏めるカチューシャがクリームの塊に持ち上げられていた。 目の前にはケーキが散乱していて、床や椅子、そして机に至るまで撒き散らされている。 被害は人間にも及んでいた。マントがクリームでべっとり汚れているのは、俺に喧嘩を売ってきたド・ロレーヌだ。 ド・ロレーヌは目を細めて、下卑た笑みを浮かべながら己の地位を誇示すように悠然と立ち上がる。 「メイドよ。お前が何をしたか、その足らぬ頭でも理解できよう」 ロレーヌの発する言葉は、シエスタの肩を震わせる。それが、シエスタの身に何が起きたかを語り掛けてくれる。 「我らが女王陛下より受け賜りし糧を台無しにしたことを咎めはしない。だが……」 ロレーヌはそこで一呼吸置いた。そして、杖を引き抜き、俯いたシエスタの脳天に突き出す。 罪人を断罪する司法官の冷徹な瞳がシエスタの全身を凍てつかせている。 「貴族の象徴たるマントを汚した罪、何を持ってしても償えぬ大罪であるぞ!」 雷撃の譜術が炸裂したように、シエスタの全身が弛緩し始めた。 ヒエラルキーが固定化された社会構造で、下の層の人間が最も恐れる悪夢、それが貴族の逆鱗に触れることだ。 詳しい状況は不明だが、シエスタはそれを犯してしまったらしい。 恐怖に捕らえられたシエスタの両腕は体を支えることすら叶わなかった。崩れ落ちたシエスタはクリームの沼に頭を擦り付ける。 「ちょっと、あのメイドは何やってんのよ」 ルイズも尋常ではない光景に気付いた。こいつだけではない。食堂中の目がロレーヌとシエスタに釘付けとなっている。 野次馬連中が集まり出しても、シエスタは顔を地に伏せたままだ。動くのは戦慄に支配された心のみ。自らの意思で四肢を制御できていない。 「抗弁どころか謝罪もなしとは。君はぼくを誰だか知らないのかね」 ロレーヌが杖で髪を梳いても、シエスタは口を開けず微動だにしない。 「それとも、己の失態の責に押し潰されてしまったかね。ならば、贖罪の証として君の首を捧げてもらおうか」 ロレーヌからの宣告は最悪のものだった。両腕が俺を勝手に立ち上がらせるほどに。 テーブルを揺らした衝撃で騒ぐ皿に驚いた何人かの視線を集める。 「てめぇ、ふざけた事をほざくな!」 壁が遮れないほどの大音響はロレーヌ俺の存在を告げるのに十分すぎるほどだ。奴は俺に気付き、杖を顔が二つに割れる位置に掲げる。 「どうしたのかね、ミスタ・ファブレ。ぼくは彼女の罪の重さを説いてるだけだよ。メイジの名誉を傷つける者の末路、君も貴族なら分かるだろう」 ロレーヌは冷静かつ淡々と言葉を繋ぐ。人の命の重さを感じさせない冷酷さが、俺をさらに逆上させる。 「何が罪の重さだ!マントを汚しただけで死刑になる法律がどこにある!」 「そうよ、ド・ロレーヌ。彼女は私のメイド。貴族の従者の不手際は主が裁くものよ」 俺の後の続いたのは、意外なことにルイズだった。こいつが横暴を許せない神経を持ち合わせているとは思わなかった。 気になるのは、こいつもシエスタが罪を裁く気があるところなのだか。 ロレーヌは激高しかかる俺達を諌めようと、腰の前で掌を下にして上下に揺らしている。 「落ち着きたまえ。さすがに、貴族の食卓を平民の血では汚さないよ。彼女に少々の教育を施すだけに済ましてあげるさ」 「教育だと。貴様の言う指導など信用におけるか。シエスタをいたぶる算段なら承知しないぞ!」 「そんな手荒な真似をするわけないじゃないか」 ロレーヌは腰に手を当て、杖で床を指す。絵画の貴族像のようなポーズを取り、シエスタを見下ろした。 その体勢から屈んだロレーヌは、シエスタの、クリームでほのかに白くなった髪の毛を掻き分ける。 「貴族への正しい仕え方を教えるのさ。ぼくの部屋で、ゆっくりとね」 獲物に舌なめずりをする下品な野獣がそこにいた。こいつが何をするためにシエスタを部屋に招き入れるかなど、考える必要もなく想像できる。 全身の血が沸きあがるようだ。段々と、理性で体を制御できる限界に近づいている。 椅子を弾いて野次馬を強引に押しのけ、俺はロレーヌの眼前へと繰り出す。 「熱病で浮かされた屑が。その減らねえ口はいらないようだな」 「それは君のことだよ。赤い髪は年中夏真っ盛りの頭にしか生えないからね」 「よく言った。貴様の低俗さを思い知らせてやろう」 ド・ロレーヌは腕を振り上げ、俺の眉間を標的とばかりに指し示す。 吊り上げた目尻、憎しみの文字が見え隠れする口元、棚引く奴のマントが同意の意思を表している。後は、今まさに開こうとする言葉での合意のみ。 「待ちたまえ!」 決め台詞の機会を奪う、すっとんきょな声が俺の真後ろから流れた。 最も格好が付くシーンに冷や水を掛けられた形になったロレーヌは、変わらぬ冷たさを保ったまま、口を半開きにするという間抜けな姿で立ちすくんでいる。 所有者の感情が薄れた杖を視界から消して、妙な横槍を入れた人物の人相を探す。 そいつはすぐに見つかった。俺の真後ろに、薔薇の香りを楽しんでいる口がイニスタ湿原の金髪がいるのである。 「争いを招く不届き者よ。この場はこのギーシュ・ド・グラモンが調停しよう」 薔薇を天高く掲げ、空間を掌握せんとする男に俺が抱いた印象はこれだけだ。 頭に虫が湧いている。 「諸君。貴族同士でいがみ合うなど、女王陛下の御前を汚す恥ずべき行為であるぞ」 ギーシュは薔薇を口に咥える。マントの裾を掴み、腕を伸ばして広げてみせる。 「愚かな諍いは陛下の敬虔なるしもべに相応しい僕が治めてあげよう」 空気を読まない闖入者のせいで、充満していた熱気が減衰している。喧騒のほとぼりは、奴の言うとおり、治まりつつある。 だが、こいつに場を仕切られるのは不服以外の何ものでもない。誰だって、部外者が入れる茶々は望まないはずだ。 「何が場を治めるだ。貴様、何を考えている」 「まずは、ルーク君。君はそこのメイドを慰めようか」 俺の言葉を払いのけるように、ギーシュは俺の眼前に薔薇を止める。人の話を聞き入れる耳は付いてないらしい。 気に入らないことに、言ってる内容は適切だった。なので、突っぱねることもできそうにない。 刻々と状況が熱気を増しながら荒れているのに、ロレーヌにより氷漬けとなったシエスタの心を溶かす役目は果たされなかった。 クリームを接着剤に、床と張り付いたシエスタの額に左手を滑り込ませて上半身を起こす。 背中を右手で支えられたシエスタの姿は見るも無残なものだ。 白く染まった髪の毛。鼻や頬を歪に膨らませるクリームの化粧。そして、虚空を彷徨う、映るものが伺えない漆黒の瞳。 メイドの服は、所々、鋭利な刃物を連想させる裂け目があるのだ。 長い時間眺めたらこちらも暗い奈落の底に落ち込みかねない、深い闇がシエスタを取り込んでいる。 「ちょっと、これ……、だ、大丈夫なの」 いつの間にか、ルイズが傍によっていた。従者の身への心配は高慢な性格を体の奥底へと沈ませたらしい。 「分からん。呼びかけに応じれば、何とかなると思うんだが」 「じゃ、じゃあ、早くしなさい」 高慢が消えても、主人の風は止まらなかった。しかし、今は下らないことを考える場合ではない。 シエスタを貫いた、正体不明の心の傷を一刻も早く癒さなければならないのだ。背中の右手を滑らせ、シエスタの右肩を抱く格好となる。 「シエスタ、俺だ。分かるか。ア……、ルークだ。」 シエスタの左肩が胸に当たるほど強く揺らす。しかし、シエスタは何の反応も示さない。 「ルーク、あんた力入れすぎじゃない」 「そんな悠長なことを言ってる状況じゃないだろうが。このままじゃ、最悪医者に預けなきゃまずい位だ」 「そ、そうなの」 ルイズの顔が青ざめる。尋常でない事態を飲み込んだか、いても立ってもいられなくなり、身を乗り出してシエスタの顔を両手で挟み込む。 「あんた。えっと、シエスタ。寝転がってんじゃないわよ。お、起きなさい」 鼻先が触れ合いそうなほど近づいたルイズは、シエスタの頭を振っている。 さすがにやりすぎを感じてルイズの腕に手を伸ばそうとする。 ルイズによるものではない、シエスタの瞳の動きが目に入ったのはその時だった。 「シエスタ!」 ルイズの手からシエスタを強引に引き離す。 奥行きを感じないほど薄っぺらで、澱んだ黒い泉に一筋の光が差したのだ。 この機を逃さず、一気に覚醒へと昇らせようとシエスタの頬を小刻みに叩く。 「う、あ……、あ……」 「シエスタ!目を覚ませ!戻って来るんだ!」 シエスタの耳元に大声で怒鳴る。聴覚を刺す剣の如き音は、奥底に埋められた自我を掘り起こした。シエスタの瞳に本来の色を浮かび上がらせたのだ。 「は、はい!ななななん、何でしょう!すすすすす、すみません!は、はい!」 曲がったバネを弾いたようだった。 シエスタは下半身の力のみで起き上がり、その勢いを上半身に伝えて、顔が膝にぶつかる寸前まで腰を折ってお辞儀を始めたのだ。 あまりの変わり様に、俺もルイズも、調停役を名乗り出たギーシュさえも呆気に取られている。 一触即発の二つの波紋から広がった荒波は、突如として空から降ってきた、のどかに航行する一隻の船に打ち消されたのだ。 「……ぷっ」 非日常から日常に戻された感覚。そのギャップは言いようもない可笑しさとなって、俺達をくすぐる。 「はは」 「は、ははは……」 「ひ、ひぃ、ひ~、きゃははははは!お、おお、面白い!面白いわ、あんた!」 最初に我慢ができなくなったのはルイズだ。シエスタを指差しながら、腹を抱えている。 「あはははははは!こ、こんな時に……こんな時にあ、謝るなんて!ゆ、愉快じゃないか」 続いてギーシュ。穏やか故にこそばゆい波紋を遮るものはない。笑いは食堂中に伝染している。 挙動が怪しいシエスタがまるで追いつけない速度で、爆笑の渦がシエスタを取り囲んだのだ。 「え、え、な、何ですか。わ、私変なことしました?ど、どうしたんですか皆さん」 「はは……」 心を誘う楽しげな雰囲気に乗せられたか、本当に珍しく、そして久しぶりの笑みがこぼれた。 「る、あ、いえ。ミスタ・ファブレも何が可笑しいんですか!」 「いや、あ、それは……」 普段は絶対にありえない反応を見られて小っ恥ずかしくなり、顔を背ける以外にやりようがなくなってしまった。 「そ、その、そりゃ、私は田舎者ですけど……」 急に、シエスタの言葉が止まる。気になって見上げてみたら、息を潜めた恐怖が舞い戻ったかのごとく、怯えに支配されていたのだ。 シエスタの視線の先に、それほどの感情を呼び起こさせるのは一人しかいない。 シエスタを極限まで追い詰めた糞野郎、ド・ロレーヌが時から切り離された間抜けな姿を保って立っているのだ。 脚が機能を失って、へたり込んだシエスタを介抱する。呼吸は荒く、額からは汗の雨が流れている。 「大丈夫か」 「は、はい。多分……へ、平気です」 唇の震えが喋りを困難にしている。こんな状態では、下手に相手を配慮した心遣いが痛々しい。 「あの野郎に、何かされたのか」 「エ……、ええ。あ、あの……、その……」 駄目だ。まともに話せなくなり始めた。あの屑はシエスタにどんな悪行を働いたんだ。 「惨いものだ。ド・ロレーヌはやりすぎだよ」 妙に眩しい金髪が覗き込んできた。ある意味、場を仕切ることに成功していたギーシュだ。 先ほどのお茶らけた印象は何処へやら、気持ち悪いほどに真面目な面持ちだ。 「奴が何をしたか見たのか」 「そうだよ。聞きたいかね」 「断る理由がない」 「いいだろう」 ギーシュはシエスタの服を指差した。そこには、鋭利な刃物で切られたとした考えられない痕がある。 「事の始まりはメイドがケーキのトレイを落としたことに始まる。ド・ロレーヌのマントを巻き込んでね」 そこまでは分かっている。問題なのはその後のロレーヌの行動だ。無言を相槌とし、話を進めるように促す。 「マンとはメイジの象徴だ。当然、ド・ロレーヌは怒る。そこで彼は何をしたと思う」 顔の造形に不釣合いなほど、眉間にしわを寄せた苛立ちの混じった顔が迫ってくる。 歯を食いしばる音が聞こえるほど強く締めこまれた口を開く。 「あいつは『風』の魔法をメイドに放ったんだ。躊躇することもなくね」 焔が点いた。いや、そんな生易しいもんじゃない。これは爆発だ。 力を与えられた者が一番犯してはならない一線を越えた、正真正銘の屑を灰燼に変える、破裂しそうな鼓動だ。 「どうだい。酷い奴だろう」 ギーシュの締めの台詞は背で受けた。体全体が発火したと錯覚しそうだ。大気が揺らいで見える。 視界が狭まっている。あの野郎に全てを集中させるために。 昇る焔に導かれ、激情を血肉とした腕が伸びる。凍りついたド・ロレーヌの何もかもを溶かすために。 「てめぇ、そこまで堕ちてるとは思わなかったぜ。貴様が無事に太陽を拝めるのは今日で最後だ!」 服を破るほどの握力でロレーヌの襟元を握り締める。首の骨を折る気で頭上へと捻り上げる。 この期に及んで、ロレーヌは何の反応も示さなかった。頭に昇る熱がそのまま腕に伝わる。 首を絞めかねないほど襟を捲くると、圧迫感に参ったか、ロレーヌの面が苦悶に変わった。 「ぐ、な、苦し……」 「ようやくお目覚めか。怠けすぎだぜ。お調子者のお遊戯は終わりの時間だ」 片目も満足に開けないロレーヌは、必死にもがきながら自分の身に起きたかを把握しようとしている。 「お、お前は……ミスタ・ファブレ……。き、貴様ぁ、ぶ、無礼だ、かはぁ」 「無礼?貴様のやったことに比べれば、たっぷり釣りが貰えるだろうよ」 あまりにも手前勝手なロレーヌの物言いに、左手に込める力が更に強まる 「ぐ……、く、苦しい……、は、放せぇ」 「苦しいだと?てめえがその言葉を口にする資格があると思っているのか」 今でも結構な高さに吊り下げられているロレーヌを、もう一段階上へと担ぎ上げる。 クリームが染み付いたマントが鼻をかすめる。そいつを暇な右手で掴み、ロレーヌに見せ付ける。 「この程度の汚れで人に心底苦痛を与えたのは誰だ。答えやがれ!」 ロレーヌからの返答はない。絞まる首が喉の震えを邪魔しているらしい。口の端から唾液が垂れているのが良い証拠だ。 「おい、貴様。もう止めろ。神聖なる『アルヴィーズの食堂』を汚したいのか」 俺に静止を呼び掛けたのは、ロレーヌの隣に座っていた奴だ。へっぴり腰になりながら、大慌てで静止を求めている。 「ふん、いいだろう」 手だけ放してロレーヌを落としてやった。ろくな着地もできず、奴は思いっきり尻餅をつく。 全身に滾る焔を腕に凝縮させたせいか、今の頭の中は氷塊のように冷え切っている。人間の一挙手一投足がスローモーションとなるほどに。 目尻に涙を溜めながら睨んでいるロレーヌは滑稽以外の何者でもなく映った。 「貴様……、良くぞここまで貴族を愚弄してくれたな……」 「愚弄だと。権力に胡坐を掻くしかできない能無しが。貴族の地位を愚弄してるのはお前だろう、この屑が!」 ロレーヌが立ち上がる。その表情は、ギーシュの横槍が入る直前よりも陰湿さを増していた。怨念が溢れ出る杖を俺に向ける。 「貴様は教育が足らんようだ。貴族の礼儀を知らん未開の人間は調教が必要だ」 「この期に及んで人の非難か。おめでたいほど腐った野郎だ」 「君の口もおめでたいよ……。今すぐ黙らせてやろう。決闘だ!」 ロレーヌは憎しみを束ねた杖を天空へと突き出し、高らかと挑戦状を叩き付けた。 これを断る理由など皆無だ。俺もこいつは気に入らない。増長し切って会話さえ無意味な存在を許すわけにはいかない。 「いいだろう。泣き言をほざかないよう、せいぜい頑張るんだな」 ようやく取り交わされた合意により、食堂の至る所から大歓声が沸いた。 野次馬がやたらと盛り上がっているのは、かなり待ち惚けていた反動からだろう。 己の目的を果たせたロレーヌは性質の悪い狐が獲物を射程に捉えた様だ。 「勝負はヴェストリ広場で行う。今の内に無事を神へと祈るがいい」 「それはこっちの台詞だ。それで、勝敗はどちらかが降参するまでか」 「そうだ。更にもう一つ。ぼくはここにいる二人と一緒に戦うよ。ちなみに、君に拒否権はない」 ロレーヌが杖で指したのは、両隣に座っている男だった。 正直、この世でこいつより醜い貴族はいないだろうと思え始めた。弱者を蔑み、いざ自分に火の粉が飛ぶと他人を盾にしやがるとは。 「勝手な野郎だ。素直に応じる気にはなれないな」 「もちろん、君の助っ人を使っていいよ。ただし、ぼくと同じく二人までならね」 俺はこの世界に召喚されて一日も経過していない。助っ人になってくれるほど親交を深めた人間がいないことを分かり切って言っていないか。 本当に卑怯な野郎だ。 「あんた達。主人の許可なく決闘できると思ってるの?」 盛り上がる聴衆に水を振り撒いたのはルイズだ。血気盛んな貴族らがルイズに不平を述べる声が漏れている。 小さい背を少しでも高く見せようと、胸を張って体を限界まで伸ばしている。 主人の体裁を誇示しようとするあまり、逆に矮小さが滲み出ているようで逆効果となっていた。 「それに、ド・ロレーヌの行為は開き直って済ませられる類のものではないと思うよ」 薔薇の花を擦っているギーシュが続いた。この場に現れてから、この男はずっと役者気分で人に接している。 ロレーヌの口腔から舌が僅かにはみ出る。仇敵を前にした悪しき騎士がそこにいた。 「振り下ろされた杖は止められないよ。誰もね」 「御免ね。断る気なんて全然ないの。人の従者を傷物にして無罪放免になると思ってるの。ルーク、この馬鹿をとっちめなさい」 主人からの決闘の承諾。一度冷めかけたボルテージが、マイナス分さえも上乗せして、歓声の嵐を生み出す。 「主人の了承がもらえたようだね。嬉しいかい」 「こいつが何を言おうと、断る気はない。無事に家へ帰れるチャンスがなくなってまずいのは貴様の方じゃないか」 ロレーヌから余裕の色が褪せてゆく。しかし、顔を振り上げ、陰を吐き捨てるように平静を取り戻そうとする。 「君のパートナーを決めてあげよう。ギーシュ・ド・グラモン、お前も戦いに加わってもらうよ」 納得がいかない人選とはこういうことを指すのだろう。気取りが心情の男など足手まといにしかならない。 「こいつと組むくらいなら、一人で戦うほうがましだ。悪いが他を当たってくれ」 「そうかな。彼はやる気満々のようだけど」 ロレーヌが翻し体を覆わせているマントに、俺の意見が受け流される。 背中に走る、いやな予感を確かめるべく、後ろに立つ別の意味で調子に乗った貴族を視界に入れる。 果たし状が吊り下げられてそうな薔薇がある。挑戦を受けて立つ場違いな眼が光を浴びて輝いていた。 「いいだろう。このギーシュ・ド・グラモン、お相手仕る!」 空気を読めない参戦者は、俺の頭痛の種になることは間違いないだろう。 食堂も、そこへ繋がる廊下も大騒ぎになっている。退屈な日々が崩れる期待が皆の心を躍らせているのだ。 「決闘だ。ド・ロレーヌとギーシュ、そしてルイズの使い魔である貴族が決闘するぞ!」 「場所はヴェストリ広場!早く行かないと貴族の頭を眺めることになるぜ」 普段ではありえないイベントだからこそ、そこには最上の果実をも凌駕する魅力を醸し出す。 最もうまい実を食すため、我先にと貴族たちが廊下を駆け巡っているのだ。 学院の貴族が年より少し幼くなり、暴風に近い流れを作り出す中、その中心は台風の目のように穏やかだ。 「それでは、ぼくらは先に広場に向かうよ。決戦の場で会おう」 ド・ロレーヌは仲間となる二人を子分のように引き連れ、アッシュの眼前に近づく。 事の顛末が望むままに進みすぎて、愉快さまで感じている男が赤い髪の貴族の使い魔に面と向かう。 「好き勝手ができるのはここまでだ。勝敗まで思い通りはさせねえよ」 アッシュは、かつて覚えがないほどの怒りが全身に迸っている。 力の使い方を知らぬ貴族。己の非を認めようとしない貴族。そして、何もかもを掌に乗せようとする貴族。 常に国家の現状を憂い、民の生活を護る正しき貴族の像を信望してきたアッシュにとって、その風上にも置けない人間をのさばらせるなど許容できるはずもない。 アッシュは心に決めている。必ずやこの者達を倒し、貴族の本分とは何たるかを知らしめることを。 ロレーヌがアッシュの脇を通り過ぎる。すれ違いざまに、彼は一つの言葉をアッシュに残した。 「トリステインの貴族でもない君が偉そうな口を叩けるのは今日までだ。ここは部外者を手厚く迎える習慣はないからね」 ロレーヌの言葉はただの挑発だ。それは、アッシュも同様に解釈した。 しかし、アッシュの胸には、子供のわめきに近い文句が弾かれることなく潜り込み、水面に浮かんで小さな波紋を作り出すのであった。 「ルイズ。シエスタを頼む」 「う、うん。あれだけ偉そうにしてたんだから、当然勝つわよね」 「そのつもりだ」 アッシュは踵を返し、決戦場へと向かう。足を踏み出す前に、シエスタの様子を確かめる。 怯えが濃く表れているものの、ある程度は安心して凭れかかれる人間がいるおかげで自我を失うほどの深刻さはなくなっている。 アッシュは、多少の不安を感じつつ、問題はないと判断して歩みを速めた。 一方、アッシュの相方となったギーシュは歓喜に震えていた。 実は、事がうまく進行しているのはド・ロレーヌだけではないのだ。ギーシュも、とある計画を実行するために、わざわざ火の中に足を踏み入れたのだ。 彼が最後に越えるべき関門は、自分が活躍した上で勝利者となることのみ。 ギーシュはド・ロレーヌの魔法のレベルの高さを知っている。にもかかわらず、喧嘩を売った理由はルイズの使い魔が強そうだからである。 召喚時に傷だらけだったとはいえ、直前まで戦いに身を投じていた騎士なのは確実なのだ。 ギーシュの心は、アッシュが学院で大人しく勉学に励む者に負ける要素などありえない、と根拠のない自信で溢れかえっている。 絶対に近づきたくない、深い森の中でおぞっけをもたらす笑いを漏らしたギーシュに、一人の女が寄って来た。 アッシュと同じ、焔の髪を靡かせるキュルケだ。 「ギーシュ、ちょっといい」 「う、は、はい」 間抜けな面をしたギーシュに、キュルケはある真実を伝えた。それは、妄想で膨らんだギーシュの身を即座に引き締めたのだ。 前ページ次ページ異世界に灯る聖なる焔の光
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1080.html
トリステイン魔法学院開設以来の大惨事となった使い魔暴走事件より一夜明け、学院の教師たちは事件の 後処理に追われ、被害にあった生徒たちは、ある者は死に、又ある者は未だ治療を受け続け生死の境を彷徨う中、 中庭のテラスでのん気に紅茶と会話を楽しむ者たちがいた。 「いやあ~モンモランシーとデートの約束をしてね~。今度の虚無の日に街に出かけるんだよ~~」 「ギーシュ。それもう五回目だよ」 「聞いてないわよ、マリコルヌ」 声高く笑い嬉しさの余り顔が崩れているギーシュと、それを呆れた顔で見るトリッシュとマリコルヌである。 「でもさ、よく許してくれたわよね。普通は暫く顔なんか見たくないと思うけど」 「よくぞ聞いてくれた!実は全てヴェルダンデのおかげなんだよ!!」 トリッシュが嫌そうな顔で見ている事にも気付かず、ギーシュは顔を綻ばせ傍らに侍る巨大なモグラに頬擦りをする。 マリコルヌはギーシュとヴェルダンデのスキンシップを見て、自分がトリッシュに頬擦りをする光景を想像して 恍惚の表情を浮かべ、気持ち悪い物を見るようなトリッシュの視線にやはり気付かなかった。 「……それで、そのモグラがどうしたのよ」 「そうだ!その話だったね!!」 トリッシュとルイズが決闘の最中、広場の隅でいじけていたギーシュにヴェルダンデが地中から可愛い洋服を 掘り出してそれを差し出した事を幸福の絶頂と言った顔でギーシュが語り、その話を聞いていたマリコルヌは その洋服は自分が埋めた物と気付き、顔を引き攣らせた。 幸いなことにトリッシュはギーシュの話を聞いていた為、マリコルヌの表情に気付かなかった。 「お待たせしました」 ギーシュの話が八回目を迎える頃に、シエスタがイチゴのショートケーキが乗ったトレイを持って現れ配膳を始める。 トリッシュがトレイを見ると、テーブルには三人しか居ないのに何故かケーキが四つ置かれていた。 その『四つ』のケーキを見て、ある人物の事を思い出したトリッシュは、以前から疑問に思っていて聞き辛かった事を 思い切って聞いてみることにした。 「あのさ、『ミスタ』って敬称よね?」 「そうですけど、それがどうかしましたか?」 改まった様子のトリッシュに三人の視線が集まり、トリッシュは心に渦巻く疑念を吐露する。 「もしよ?グイード・ミスタって貴族が居たら『ミスタ・ミスタ』になるじゃない。それってどう?」 「どうって言われても…貴族の方なら敬称は付けないと」 困った様子で答えるシエスタと、トリッシュの疑問を考えるギーシュとマリコルヌ。 トリッシュは更に言葉を重ねる。 「でもさ、その人は名前を二回呼ばれる事になるでしょ?それって失礼じゃあないの?」 「ええと…だったらミスタ・グイードになるんじゃないですか?」 「シエスタ、それ名前を逆さまに呼んでるだけだから」 「しかしだね、他に呼びようがないじゃないか」 トリッシュの疑問に四人揃って頭を悩ますが結局答えは出ず、質問自体をなかった事にして決着となった。 「あら、楽しそうね。私も混ぜてくれないかしら?」 「モンモランシー!勿論だとも!ささ、僕の隣が空いてるよ」 ギーシュの隣にモンモランシーが座り、紅茶とケーキを用意する為にシエスタが厨房へ向かおうと歩き出すが その背中をギーシュが呼び止めて立ち止まらせた。 そしてギーシュは皆を見つめて突然頭を下げ、テーブルに額を擦り付ける。 「ちょっと!どうしたのよギーシュ?!」 モンモランシーがギーシュの肩を掴み身体を起こすと、その顔はいつになく真剣な表情を浮かべていた。 「実はみんなに頼みがあるんだ。とりあえずこれを見て欲しい」 そう言ってギーシュは懐から何枚かの紙片を取り出し、シエスタを含めたテーブルに着いている者たちに その紙片を配り始める。皆が一様に怪訝な顔をして紙片を見ると、そこには数行の文字が書かれていた。 「マリコルヌ。これなんて書いてあるの?私、字が読めないのよ」 マリコルヌはトリッシュから紙片を受け取りそれを読み上げる。 「ええと…ギーシュ様と言って眼に涙を浮かべ……って何だよこれ?!」 「ちょっとギーシュ!なんで私がワインをあなたの頭にかけなきゃいけないのよ!?」 「あの……私、何か粗相を致しましたでしょうか?」 口々に疑問と叫びを上げながらギーシュに詰め寄るが、その反応を予想していたのか詰め寄るマリコルヌたちを 手で制すると真面目な顔で皆を見渡し語りだした。 「みんなの疑問は当然だ。しかし!ここは僕の言う通りに行動して欲しい!このギーシュ・ド・グラモンの 一生に一度のお願いだ。どうかこの通りだ!是非!!僕に力を貸してくれ!!」 ギーシュが今度は地面に額を擦りつけ土下座する。その心の奥底から出る叫びに一同は静まり返り それぞれが了承したとばかりに頷き返し、ギーシュは涙を流しながら皆に感謝の言葉を述べた。 「サイトさんか私が、ミスタ・グラモンが落とした香水の壜を拾えば良いのですね?」 「それで僕が冷やかすと……」 判らない箇所をギーシュに質問しながらそれぞれが役割を把握し、打ち合わせが終わると それを待っていたかの様なタイミングでターゲットが現れた。ルイズとその使い魔である平賀才人である。 「よーっす、シエスター!」 「あ、さいとさん。こんにちは」 呼びかけられたシエスタが台詞を読む様にぎこちなく挨拶を交わす。物凄く不自然なシエスタの態度を サイトは不思議に思いながらも、ルイズと共にギーシュたちの座るテーブルに近づいて行くと、 太陽光を反射して光る小壜がギーシュのポケットから転がり落ちた。 「ギーシュ。なんか落としたわよ」 「「「あーーーーーーっ!!!」」」 ギーシュのポケットから転がり落ちた小壜をルイズが拾おうとし、一同、顔を蒼白にしながら叫びを上げる。 その声に驚いたルイズが身体を竦ませると、その隙にシエスタがサイトの方へ小壜を蹴る。 ギーシュ以下も役者たちがシエスタのファインプレーに心の中でガッツポーズを取るが、ルイズは蹴られた小壜を あっさりと拾いギーシュに差し出す。 「ハイこれ。大丈夫よ割れてないから」 ルイズとしては、自分が小壜を渡すことでギーシュからシエスタを守ろうとしたのだろうが、それはこのテーブルに 着く者たちにとって要らぬ気遣いであった。 「どうしたのよ?受け取りなさいよ」 ギーシュは石の様に固まった。ここで香水の壜を受け取ってしまっては全てが終わりである。 如何したものかとマリコルヌに視線を送るが、マリコルヌは黙って首を振る。 全てはサイトかシエスタが香水の壜を拾う所から始まるのである。ここで冷やかせばルイズと決闘になる。 それではダメなのだ。 「ほら!ギーシュッ!……あれ?」 (スパイス・ガール……香水の壜を柔らかくした。壜はルイズの手を貫通するみたいに通り抜ける) ルイズの手から逃げる様に壜が地面に落ちる。それをルイズは拾おうとするが、手から滑り落ちて拾えない。 ギーシュたちは何が起こったのか理解できなかったが、ルイズが壜に触れないことを見て胸を撫で下ろす。 「なんでよ~ど~して拾えないの~?」 「なにやってんだよルイズ。ほら、俺に任せろ」 サイトがルイズの隣から手を伸ばし香水の壜を拾おうとする。それを見てトリッシュが能力を解除した。 ギーシュ、演出、脚本の舞台が始まった。 「ほら、お前のだろ」 ルイズがジト眼でサイトを睨むが、サイトはその視線に気付かずに香水の壜をギーシュに渡そうとする。 「おお?そのあざやかなむらさきいろのこうすいはもしや、もんもらんしーのこうすいじゃないのか?」 「え?本当なの?モンモランシー」 マリコルヌは大根役者の様に抑揚のない声でギーシュを囃し立て、ルイズがモンモランシーに尋ねるも それを黙殺し、舞台は続く。 「違う。いいかい?彼女の名誉の為に言っておくが……」 トリッシュが突然立ち上がり、眼に涙を浮かべながらギーシュの前に立つ。 「ギーシュ様……」 「ちょ、ちょっとどうしたのよ?!」 眼に涙を溜めて、今にも泣き出しそうな顔でギーシュを見るトリッシュ。 自分の指をヘシ折り、顔を蹴り飛ばしたトリッシュの泣き顔を見てルイズは混乱した。 「やはり、ミス・モンモランシーと……」 「いや、これは誤解だよ。僕の心の中には君への想いだけ……」 「え?え?なになにどゆこと?」 混乱の度合いを増すルイズを置いてきぼりにして、二股かけられた女の子になりきったトリッシュは 思いっきりギーシュを殴り飛ばし、泣きながら何処かに走り去っていった。 「やっぱり、あの一年生に、手を出してたのね?」 「え?一年生って?マリコルヌの使い魔じゃなかったの?ひょっとしてメイジ?」 「お願いだよ。モンモランシー。咲き誇る……」 モンモランシーは、シエスタから受け取ったワインの中身を満身創痍のギーシュの頭にブチ撒けると トリッシュと同じく走り去ってしまった。 「なんだお前、二股かけてたのか?」 「あのレディたちは薔薇の存在の意味を理解してないようだ。そう言う訳で決闘だ!使い魔君!!」 「ちょっと!どういうこと!ぐえ…」 戻ってきたトリッシュにルイズは絞め落とされ、気絶したルイズを担ぎ上げて大急ぎで姿を消した。 「なんなんだ……?」 「さ、さいとさん、ころされちゃう。きぞくをほんきでおこらせたら……」 精一杯に怯えた顔を見せながらシエスタも何処かに走って行ってしまった。 「ギーシュなら昨日の広場で待ってるから、行ってあげなよ」 マリコルヌはサイトに決闘の場所を教えて中庭から立ち去った。 一人残されたサイトは何が何だか訳が判らないが、無視すると色々とマズそうなので仕方ないと言った様子で ギーシュの待つ広場へと歩き始めた。
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6213.html
前ページ次ページ異世界BASARA その日……利家はシエスタの家で彼の父と、酒を交わした。 父親は利家と忠勝を見ると目を丸くしていたが、説明を受けると納得したように頷いた。 「……そうか、謙信様は元気でやっておられるか……」 利家から話を聞いた彼は、懐かしそうに呟いた。 しかし、帰りたいか?という利家の問いに彼は首を横に振る。 「わしにはここに新しい家族がいる。アルビオンとトリステインが不可侵条約を結んだのは知っているか?」 顎に手を掛けながら、難しい顔をして彼は言った。 「わしには、どうにも裏がありそうな気がしてならん、近い内に戦が起こるやもしれん……そんな時に家族を守らねばならんだろ? それに!あっちにはわしの息子もいる!なぁに心配はあるまいて!!」 彼は豪快に笑うと、コップに入っていた酒をぐいと飲み干した。 シエスタの父と話をした利家と忠勝は、その日の内に学院に戻った。 シエスタはそのまま実家に残る事になった。 なんでも、アンリエッタが結婚するという事で特別に休暇が出たらしい。 2人が学院に戻る頃には夜になっていた。 「……こんな遅くまで何処に行ってたのかしら?」 学院に帰った2人を待っていたのは、呆れた顔のキュルケといつもと変わらず、本を読んでいるタバサだった。 「別にあなた1人で行くのならいいのよ。でもタダカツを連れ出すならタバサにちゃんと言いなさい。この子ったらまたソワソワ……」 「してない」 間髪入れずにタバサが言った。 「その……すまなかったな2人共」 「……………」ボフゥゥ~ 利家は素直に頭を下げた。心なしか、忠勝もバツが悪そうな顔をしている。 こんな事ならもっと早く帰れば良かったな……と、利家は思った。 しかし、後にこれが「あっちに泊まれば良かった」に変わるとは、2人には知る由もなかった。 ゲルマニア皇帝、アルブレヒト3世と、トリステイン王女アンリエッタの結婚式はゲルマニアの首府、ヴィンドボナで行われる運びとなった。式の日取りは来月……3日後のニューイの月の1日に行われる。 そしてこの日、トリステイン艦隊旗艦の『メルカトール』号は新生アルビオン政府の客を迎える為に、ラ・ロシェールの上空に停泊していた。 後甲板では、艦隊司令長官のラ・ラメー伯爵と艦長のフェヴィスがいる。 「左上方より艦隊!」 見張りの水兵が告げた方を見ると、そこには雲と見まごうばかりの巨大戦艦とが降下してくるところであった。 アルビオン王国の旗艦、『レキシントン』号である。 「戦場では会いたくないものだな」 艦長のフェヴィスが口髭をいじりながら呟く。 降下してきたアルビオン艦隊はトリステイン艦隊と併走するかたちをとると、旗流信号をマストに掲げた。 「貴艦隊ノ歓迎ヲ謝ス。アルビオン艦隊旗艦『レキシントン』号艦長」 「こちらは提督を乗せているのだぞ。艦長名義での発信とは、これまたコケにされたものですな」 艦長はトリステイン艦隊の貧弱な陣容を見渡しながら、自虐的に呟いた。 どん! どん! どん! とアルビオン艦隊から大砲が放たれた。 弾は込められていない。火薬を爆発させるだけの礼砲である。 しかし、巨艦『レキシントン』号の長大な砲身から放たれた空砲は、辺りの空気を震撼させ、トリステイン艦隊の将兵は皆肝を冷やした。 「よし、答砲だ」 一瞬後じさったラ・ラメーが、それでもどうにか威厳を保ちながら命令する。 「何発撃ちますか? 最上級の貴族なら、11発と決められております」 礼法の数は相手の格式と位で決まる。艦長はそれをラ・ラメーに尋ねているのであった。 「7発でよい」 半ば意地を張って、ラ・ラメーは答えた。 一方、アルビオン艦隊の船から、その様子を見ている2人の男がいた。 松永久秀と、ワルドである。 「何とも壮観な眺めじゃないか、そう思わないかね?」 悠然と飛行するトリステイン艦隊を見て、松永が言った。 「あの艦隊を……今から蹂躙する事を考えると……下品な話だが、欲情してしまうよ。卿には分かってもらえるかな?」 「……悪いが、俺はお前と違ってサディストじゃない」 「さでぃすと?ふむ、私が聞いた事のない言葉だ、どういう意味かな?」 「お前のような性格の人、という意味だ」 ワルドの言葉に納得したのか、松永は低く笑った。 そんな話をしていると、トリステイン艦隊から答砲が1回、2回と発射された。 2人はアルビオン艦隊の最後尾の旧型艦、『ホバート』号に目を向ける。 その先では、船から密かに脱出する乗組員の姿があった。 「作戦開始だ」 ワルドが小さく呟いた。 「騙し打ちか……私はどうにも苦手なのだがなぁ……」 「そうか?俺にはお前の十八番に思えるが」 「買いかぶり過ぎだ。私はただの欲深い人間だよ」 そして、彼がそう言った直後だった。 乗組員のいなくなったホバート号が突如爆発し、炎に巻かれながら地面へと落下していったのである。 「という訳で……彼らの命を貰い、代わりに絶望を贈るとしよう」 この日、アルビオンの罠にはまったトリステイン艦隊は、反撃する間もなく全滅した。 生家の庭で、シエスタは幼い兄弟たちを抱きしめ、不安げな表情で空を見つめていた。 先ほど、ラ・ロシェールの方角から爆発音が聞こえてきた。 驚いて庭に出ると、そこには恐るべき光景が広がっていた。 空から何隻もの燃え上がる船が落ちてきて、山肌にぶつかり、森の中に墜落していったのである。 「お、お父さん……」 シエスタは不安げな表情で、隣に立つ父を見る。 彼は落ちていく船を見ながら、利家達に話した……悪い予感が的中した事を感じた。 そして考えたのは、次に敵がどう動くか、であった。 空飛ぶ船でやって来た敵は、先ず駐屯するための場所が必要な筈だ。 ここから一番近い村といえば…… 父は、シエスタを見ず、険しい顔つきのまま娘達と母に言った。 「シエスタ。南の森に逃げるぞ」 「え?」 シエスタが尋ねると、父は声を荒げてまた言った。 「早くしろ!戦じゃ!戦が始まったんじゃ!!」 尋常でない様子の父を見て、シエスタと、母親は急いで逃げる準備を始めた。 そして、逃げる支度が出来て、家を飛び出して森への道を走っている時だった。 空から、雲のように巨大な船が、草原に降りて来たのである。 さらに、その船の艦上から何十匹ものドラゴンが飛び出し、村に向かってきた。 「いかん!」 父は反射的に叫ぶと、荷物の中から一振りの刀を取り出していた。 ここに来た時に一緒に持っていた、戦場で使っていた愛刀である。 「シエスタ!先に行って隠れていろ!わしは一度戻る!!」 そう言って、元来た道を戻ろうとしていた父を、母は悲鳴に近い声で止めた。 「馬鹿な事しないでおくれよ!!!竜騎士に勝てる訳ないじゃないか!!」 シエスタと弟達も、泣きそうな顔で父に「行かないで」と訴えていた。 だが、彼はフッ、と笑って言った。 「わしを誰だと思っている?」 そして、親指を立てて自分を指差してこう叫んだのだ。 「わしは……無敵で!!素敵な“おとうさん”じゃぞ!!心配するな!!」 そう言って、父は勢いよく村の方へ駆け出して行った。 前ページ次ページ異世界BASARA
https://w.atwiki.jp/gensouutage_net/pages/4629.html
T22で接続切れですが、裏鍵さんスペル命中11を避けられる手札では無かったのでななすけ投了。 ななすけ//寝る娘は育つ//紅 美鈴-紅 美鈴-紅 美鈴-小野塚 小町- 裏鍵(帰郷中)//河童滅びろ//河城 にとり-河城 にとり-河城 にとり-河城 にとり- 裏鍵(帰郷中)は山札をシャッフルしました。 裏鍵(帰郷中) あ ななすけ お 裏鍵(帰郷中) ちょっと待ってね ななすけ はいー ななすけ デッキ名とやってることがちげーw 裏鍵(帰郷中)はリーダーを河城 にとりに設定しました。 裏鍵(帰郷中) あれ0 ななすけ ん? 裏鍵(帰郷中) 画像 大樹が観戦を始めました。 裏鍵(帰郷中) つけようと思って 裏鍵(帰郷中) おk 裏鍵(帰郷中) では ななすけ どぞー 配置:河童「スピン・ザ・セファリックプレート」 オートドローがスキップされました。 Turn 2 - ななすけ//体力21( 22) 呪力1( 0) 手札6( 6) 山34( 34) スペル0( 1) タイマー00 00(01 01) 手札:明鏡止水//彩華「虹色太極拳」//紅砲//投銭「宵越しの銭」//彩符「極彩颱風」//肉弾戦// ななすけはカードを1枚引きました。 配置:投銭「宵越しの銭」 Turn 3 - 裏鍵(帰郷中)//体力22( 21) 呪力2( 1) 手札6( 6) 山33( 33) スペル1( 1) タイマー00 58(00 07) 配置:光学「ハイドロカモフラージュ」 起動:光学「ハイドロカモフラージュ」 オートドローがスキップされました。 Turn 4 - ななすけ//体力21( 22) 呪力3( 0) 手札6( 5) 山33( 33) スペル1( 2) タイマー00 05(01 10) 手札:明鏡止水//彩華「虹色太極拳」//紅砲//彩符「極彩颱風」//肉弾戦//幻符「華想夢葛」// ななすけはカードを1枚引きました。 配置:幻符「華想夢葛」 起動:幻符「華想夢葛」 Turn 5 - 裏鍵(帰郷中)//体力22( 21) 呪力2( 1) 手札6( 6) 山32( 32) スペル2( 2) タイマー01 04(00 31) 戦闘:裏鍵(帰郷中) - 光学「ハイドロカモフラージュ」 vs 幻符「華想夢葛」 - ななすけ 結果:裏鍵(帰郷中) - Dmg 2 2 Dmg - ななすけ 裏鍵(帰郷中)はカードを1枚引きました。 - 光学「ハイドロカモフラージュ」 起動:光学「ハイドロカモフラージュ」 配置:水符「河童の幻想大瀑布」 オートドローがスキップされました。 Turn 6 - ななすけ//体力19( 20) 呪力4( 0) 手札6( 6) 山32( 31) スペル2( 3) タイマー00 22(01 34) 手札:明鏡止水//彩華「虹色太極拳」//紅砲//彩符「極彩颱風」//肉弾戦//シエスタ// ななすけはカードを1枚引きました。 配置:彩符「極彩颱風」 起動:幻符「華想夢葛」 Turn 7 - 裏鍵(帰郷中)//体力20( 19) 呪力3( 2) 手札7( 6) 山30( 31) スペル3( 3) タイマー01 14(01 29) 戦闘:裏鍵(帰郷中) - 光学「ハイドロカモフラージュ」 vs 幻符「華想夢葛」 - ななすけ 結果:裏鍵(帰郷中) - Dmg 2 2 Dmg - ななすけ 裏鍵(帰郷中)はカードを1枚引きました。 - 光学「ハイドロカモフラージュ」 配置:光学「オプティカルカモフラージュ」 起動:光学「ハイドロカモフラージュ」 オートドローがスキップされました。 Turn 8 - ななすけ//体力17( 18) 呪力6( 1) 手札6( 7) 山31( 29) スペル3( 4) タイマー00 56(02 12) 手札:明鏡止水//彩華「虹色太極拳」//紅砲//肉弾戦//シエスタ//肉弾戦// ななすけはカードを1枚引きました。 配置:彩華「虹色太極拳」 起動:彩符「極彩颱風」 起動:幻符「華想夢葛」 Turn 9 - 裏鍵(帰郷中)//体力18( 17) 呪力5( 0) 手札8( 6) 山28( 30) スペル4( 4) タイマー01 27(02 09) 戦闘:裏鍵(帰郷中) - 光学「ハイドロカモフラージュ」 vs 幻符「華想夢葛」 - ななすけ 結果:裏鍵(帰郷中) - Dmg 2 2 Dmg - ななすけ 裏鍵(帰郷中)はカードを1枚引きました。 - 光学「ハイドロカモフラージュ」 裏鍵(帰郷中)は河童の工廠を裏鍵(帰郷中)のリーダーにつけました。 裏鍵(帰郷中)はカードを1枚引きました。 配置:洪水「ウーズフラッディング」 裏鍵(帰郷中)は光学迷彩スーツを裏鍵(帰郷中)のリーダーにつけました。 裏鍵(帰郷中)はカードを1枚引きました。 起動:光学「オプティカルカモフラージュ」 オートドローがスキップされました。 Turn 10 - ななすけ//体力15( 16) 呪力4( 0) 手札6( 8) 山30( 25) スペル4( 5) タイマー01 33(02 37) 手札:明鏡止水//紅砲//肉弾戦//シエスタ//肉弾戦//幻符「華想夢葛」// ななすけはカードを1枚引きました。 戦闘:ななすけ - 彩符「極彩颱風」 vs 光学「オプティカルカモフラージュ」 - 裏鍵(帰郷中) 結果:ななすけ - Dmg 1 2 Dmg - 裏鍵(帰郷中) 配置:幻符「華想夢葛」 裏鍵(帰郷中)は光学迷彩スーツを場から捨札に送りました。 起動:彩符「極彩颱風」 裏鍵(帰郷中)の呪力が+1 (1) - 河童の工廠 Turn 11 - 裏鍵(帰郷中)//体力14( 14) 呪力7( 0) 手札9( 6) 山24( 29) スペル5( 5) タイマー01 51(02 41) 起動:水符「河童の幻想大瀑布」 オートドローがスキップされました。 Turn 12 - ななすけ//体力14( 14) 呪力5( 2) 手札6( 9) 山29( 24) スペル5( 5) タイマー01 53(02 56) 手札:明鏡止水//紅砲//肉弾戦//シエスタ//肉弾戦//シエスタ// ななすけはカードを1枚引きました。 戦闘:ななすけ - 彩符「極彩颱風」 vs 水符「河童の幻想大瀑布」 - 裏鍵(帰郷中) 結果:ななすけ - Dmg 2 1 Dmg - 裏鍵(帰郷中) 起動:彩符「極彩颱風」 裏鍵(帰郷中)の呪力が+1 (3) - 河童の工廠 Turn 13 - 裏鍵(帰郷中)//体力13( 12) 呪力9( 1) 手札10( 7) 山23( 28) スペル5( 5) タイマー01 59(03 28) 配置:水符「河童の幻想大瀑布」 起動:水符「河童の幻想大瀑布」 オートドローがスキップされました。 Turn 14 - ななすけ//体力12( 13) 呪力6( 4) 手札7( 9) 山28( 23) スペル5( 6) タイマー02 36(03 14) 手札:明鏡止水//紅砲//肉弾戦//シエスタ//肉弾戦//シエスタ//パターン避け// ななすけはカードを1枚引きました。 戦闘:ななすけ - 彩符「極彩颱風」 vs 水符「河童の幻想大瀑布」 - 裏鍵(帰郷中) 結果:ななすけ - Dmg 2 1 Dmg - 裏鍵(帰郷中) 配置:彩華「虹色太極拳」 起動:彩符「極彩颱風」 ななすけは紅砲をななすけの彩符「極彩颱風」につけました。 裏鍵(帰郷中)の呪力が+1 (5) - 河童の工廠 Turn 15 - 裏鍵(帰郷中)//体力12( 10) 呪力12( 0) 手札10( 6) 山22( 27) スペル6( 6) タイマー02 13(03 44) 裏鍵(帰郷中)は空中魚雷を裏鍵(帰郷中)の水符「河童の幻想大瀑布」につけました。 裏鍵(帰郷中)はカードを1枚引きました。 配置:河童「スピン・ザ・セファリックプレート」 起動:水符「河童の幻想大瀑布」 オートドローがスキップされました。 Turn 16 - ななすけ//体力10( 12) 呪力6( 5) 手札6( 9) 山27( 21) スペル6( 7) タイマー02 49(03 50) 手札:明鏡止水//肉弾戦//シエスタ//肉弾戦//シエスタ//パターン避け// ななすけはカードを1枚引きました。 裏鍵(帰郷中) まぁ4だし・・・ ななすけ うにゅ 戦闘:ななすけ - 彩符「極彩颱風」 vs 水符「河童の幻想大瀑布」 - 裏鍵(帰郷中) ななすけの呪力が+1 (5) - 彩符「極彩颱風」 ななすけは彩符「極彩颱風」の1番目の特殊能力を使いました。 結果:ななすけ - Dmg 4 2 Dmg - 裏鍵(帰郷中) 配置:三華「崩山彩極砲」 ななすけ しまったw、誤クリックだが仕方有るまいw 起動:彩符「極彩颱風」 裏鍵(帰郷中)の呪力が+1 (6) - 河童の工廠 Turn 17 - 裏鍵(帰郷中)//体力10( 6) 呪力14( 1) 手札10( 6) 山20( 26) スペル7( 7) タイマー02 49(05 10) 起動:水符「河童の幻想大瀑布」 配置:水符「河童の幻想大瀑布」 起動:河童「スピン・ザ・セファリックプレート」 オートドローがスキップされました。 Turn 18 - ななすけ//体力6( 10) 呪力8( 4) 手札6( 9) 山26( 20) スペル7( 8) タイマー04 14(04 23) 手札:明鏡止水//肉弾戦//シエスタ//肉弾戦//シエスタ//パターン避け// ななすけはカードを1枚引きました。 ななすけ 色々考えるので待ってくださいね。 裏鍵(帰郷中) OK イベント(ななすけ):シエスタ ななすけの体力が+5 (11) - シエスタ ななすけはシエスタを場から捨札に送りました。 ななすけはパターン避けを手札から捨てました。 裏鍵(帰郷中)の呪力が+1 (5) - 河童の工廠 Turn 19 - 裏鍵(帰郷中)//体力10( 11) 呪力12( 3) 手札10( 5) 山19( 25) スペル8( 7) タイマー03 12(06 57) 戦闘:裏鍵(帰郷中) - 水符「河童の幻想大瀑布」 vs 彩符「極彩颱風」 - ななすけ ななすけは紅砲の2番目の特殊能力を使いました。 イベント(裏鍵(帰郷中)):レーザー避け 裏鍵(帰郷中)はレーザー避けを場から捨札に送りました。 結果:裏鍵(帰郷中) - 回避 3 Dmg - ななすけ 裏鍵(帰郷中)は光学迷彩スーツを裏鍵(帰郷中)のリーダーにつけました。 裏鍵(帰郷中)はカードを1枚引きました。 シーン:芥川龍之介の河童 オートドローがスキップされました。 Turn 20 - ななすけ//体力8( 10) 呪力9( 3) 手札5( 8) 山25( 18) スペル7( 8) タイマー05 13(05 46) シーン 芥川龍之介の河童 手札:明鏡止水//肉弾戦//肉弾戦//シエスタ//パターン避け// ななすけはカードを1枚引きました。 起動:彩符「極彩颱風」 裏鍵(帰郷中)の呪力が+1 (4) - 河童の工廠 Turn 21 - 裏鍵(帰郷中)//体力10( 8) 呪力11( 5) 手札9( 6) 山17( 24) スペル8( 7) タイマー04 15(08 54) シーン 芥川龍之介の河童 戦闘:裏鍵(帰郷中) - 水符「河童の幻想大瀑布」 vs 彩符「極彩颱風」 - ななすけ ななすけは紅砲の2番目の特殊能力を使いました。 白が観戦を始めました。 結果:裏鍵(帰郷中) - Dmg 2 6 Dmg - ななすけ 起動:水符「河童の幻想大瀑布」 裏鍵(帰郷中)は空中魚雷を裏鍵(帰郷中)の河童「スピン・ザ・セファリックプレート」につけました。 裏鍵(帰郷中)はカードを1枚引きました。 オートドローがスキップされました。 Turn 22 - ななすけ//体力2( 8) 呪力11( 4) 手札6( 9) 山24( 16) スペル7( 8) タイマー06 47(07 22) シーン 芥川龍之介の河童 手札:明鏡止水//肉弾戦//肉弾戦//シエスタ//パターン避け//黄震脚// ななすけはカードを1枚引きました。 Fが観戦を始めました。 ななすけ まってね 裏鍵(帰郷中) ラグいので先にパスしておきますね ななすけ はい 起動:彩符「極彩颱風」 ななすけは明鏡止水をななすけのリーダーにつけました。 配置:幻符「華想夢葛」
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/1188.html
2日目 マダム Naviこは短冊に願い事をせっせと・・誰かNaviこ内閣 発足1日にして支持率5%を切った模様です マダム 村人の皆様、今日もがんばってください マダム 昼の部スタートです。 1 (マダム村) サイア はい。おはよーございます 1 (マダム村) アルフィル はやっw<1日で5% 1 (マダム村) シャルリーン あろ~ 1 (マダム村) ストーマー 俺が占いだー 1 (マダム村) ヅラじゃない zzz 1 (マダム村) カーレット Naviこー! 1 (マダム村) シエスタXX おは~ 1 (マダム村) ユズハ おはようございますー 1 (マダム村) すねすき おはようですー シエスタXX こんばんは マダム 1 (マダム村) ふぁいたん おはよーw 1 (マダム村) アルフィル おはようございまーす 1 (マダム村) カーレット おはようございますw 1 (マダム村) ぱんとま おはようございます 1 (マダム村) シエスタXX ひっくw 1 (マダム村) ルナティアラ おはようなぎ! 1 (マダム村) やよい おはようございますー 1 (マダム村) Harrods おはようございます~ 1 (マダム村) サイア あら、ストーマーさん占い師なんかな 1 (マダム村) すねすき お、さっそくストーマーさんが 1 (マダム村) ヅラじゃない zzz…お、おはようでござる 1 (マダム村) カーレット ふむふむ 1 (マダム村) ぱんとま 早速占いさんが 1 (マダム村) アルフィル おお? 3 (冥土) イクさん 占い師が一人CO 1 (マダム村) ふぁいたん 朝一! 1 (マダム村) ユズハ φ(..)メモメモ 1 (マダム村) シエスタXX 突然占いCO 1 (マダム村) ヅラじゃない ふむふむ 1 (マダム村) すねすき 他には占いさんいないかな 1 (マダム村) アルフィル ストーマーさん占いか 1 (マダム村) サイア とりあえずNavi子も死んでないし、狼なんか着てないって事で 1 (マダム村) ストーマー 気づいたのです、占いで潜伏したっていいことがないことに・・・。 3 (冥土) プゥ ストーマーさんですね 1 (マダム村) アルフィル シエスタさんも占い? シエスタXX こんばんは マダム 1 (マダム村) Harrods ストーマーさん占い…_〆(゚▽゚*) 1 (マダム村) カーレット 占いの対抗は・・・? 1 (マダム村) サイア シエスタさんも占い? 1 (マダム村) シエスタXX はい 3 (冥土) プゥ 動画でアレなイメージが付着している… 1 (マダム村) サイア はいな 1 (マダム村) サイア 2名ね 1 (マダム村) すねすき ふむ、シエスタさんも 1 (マダム村) アルフィル 2名ですね、メモメモ 1 (マダム村) シャルリーン ほー 3 (冥土) ヒートへイズ 今回はリアル狂人ではないことを祈りたい… 1 (マダム村) サイア 狼は3匹 1 (マダム村) シエスタXX 明日かなっとおもいましたが 1 (マダム村) Harrods ふむふむり、把握です 1 (マダム村) ルナティアラ メモメモ 1 (マダム村) ふぁいたん 占い ストーマー シエスタ 1 (マダム村) サイア どういう構成じゃろかね 1 (マダム村) シエスタXX 先出られたのでCOしました 1 (マダム村) アルフィル 順当にいくなら、真狂でしょうか 1 (マダム村) サイア なるりー 1 (マダム村) すねすき 真狼、真狂のどちらかでしょうかねぇ 1 (マダム村) カーレット 狂人と真? 3 (冥土) プゥ ログ流れるからCO見逃すなぁ 1 (マダム村) サイア 狂狼ってのがあるから困る 1 (マダム村) ヅラじゃない そうですね 1 (マダム村) アルフィル 狂狼・・・ 1 (マダム村) シャルリーン 狼3だからアグレッシブに動ける風 1 (マダム村) カーレット それが一番怖いですね・・ 1 (マダム村) ストーマー なにそれこわいww 1 (マダム村) ユズハ カオスすぎるw 1 (マダム村) Harrods 真がいないのはつらい( TДT) 1 (マダム村) カーレット もう占いでませんか? 1 (マダム村) サイア んじゃま、今日の吊り会議でも 1 (マダム村) すねすき 真にはCOしておいて欲しいところ・・・w 1 (マダム村) ぱんとま 一応自分わかってるけどCOの意味わからない人とか 1 (マダム村) シエスタXX 占い先はまかされていいですかね? 1 (マダム村) ぱんとま 大丈夫なんだろうか 1 (マダム村) すねすき CO=カミングアウト 1 (マダム村) ユズハ 占いさんに候補あげてもらう感じでしょうか? 1 (マダム村) サイア うん。占い先は任意でOKと思います 1 (マダム村) ぱんとま 今日は占いさん任せかなぁ 1 (マダム村) Harrods 任意で同意します 1 (マダム村) アルフィル 占い先は占いさんにまかせるのがいいかも 1 (マダム村) ルナティアラ そうですねー 1 (マダム村) サイア 吊りの決定はどうするかだねー 1 (マダム村) カーレット 占いさん、釣り候補にするとしたらどうします? 1 (マダム村) すねすき 自分の役職を言う事=CO ですかねー 3 (冥土) プゥ 13名で狼3か 1 (マダム村) ふぁいたん 吊先も占いさんに任せます? 3 (冥土) マダム ちょっと多いかもしれないけどね 1 (マダム村) サイア 複数選らんで、もし狼込みだと、まず吊れないので(狼が全力で反対にいれるので) 1 (マダム村) サイア 絞りたい所ではあるけど 1 (マダム村) ユズハ 指定してもらったほうが狼寄せがなくてよいのでは 1 (マダム村) サイア 霊媒さん出ます? 1 (マダム村) ストーマー 立候補でもいいのよ? 3 (冥土) プゥ でも2だと少なく感じるからちょうどいい 1 (マダム村) シャルリーン 3票はおおきいです 1 (マダム村) Harrods 吊りの立候補? 1 (マダム村) カーレット ですね・・・ 1 (マダム村) サイア 霊媒さん出て決定権を霊媒さんに 1 (マダム村) カーレット それは危険では? 1 (マダム村) カーレット キツネいないうえ、狩り人一人です 1 (マダム村) すねすき サイアさんの案は霊媒軸に、と 1 (マダム村) ユズハ 狩人に守ってもらえばいいじゃないかな 1 (マダム村) シャルリーン 狩りが霊媒ガード? 1 (マダム村) サイア 少なくとも、狩人は守り固定できるね 1 (マダム村) アルフィル なるほど 1 (マダム村) シエスタXX 狩人いるし言いかと思うけど 1 (マダム村) ふぁいたん 霊媒さんかまれません? 1 (マダム村) カーレット 占いを残す必要が・・ 1 (マダム村) Harrods 霊媒さんは潜伏してもらったほうがいいかもと思います 1 (マダム村) サイア 占い師はどっちが偽者かわかんないし、まー狼が噛んでくれるでしょう。と 1 (マダム村) カーレット うん、霊媒は潜伏がありがたいです 1 (マダム村) サイア ふむー マダム 5分経過 1 (マダム村) サイア んじゃ潜伏として。時間もないので、吊りきめないとね 1 (マダム村) シエスタXX まあ狼吊れてからでいいかー 3 (冥土) マダム なんか初心者村とは思えないなーすごいな 1 (マダム村) アルフィル 霊媒潜伏なら、やっぱ占いさんが指定かな? 1 (マダム村) Harrods そうですねぇ。占いさんが指定? 1 (マダム村) ストーマー 適当に1人づつだす? 1 (マダム村) カーレット いまので言いがかりですが、サイアさん疑いましたー 1 (マダム村) シャルリーン まぁ初日ですしざくっと 1 (マダム村) サイア あら 1 (マダム村) サイア 疑われた 3 (冥土) プゥ 指揮者がチラホラと 1 (マダム村) ヅラじゃない 初日なんで材料もないので適当でいいかと 3 (冥土) ヒートへイズ テンポいいですよねー 1 (マダム村) カーレット 出てきてうれしいのはオオカミって気がしたので 1 (マダム村) シエスタXX いいがかりならすねすきさんかなー マダム 残り1分 1 (マダム村) サイア んー 1 (マダム村) シャルリーン 多弁サイア、寡黙サイア、共に疑われるまる 1 (マダム村) すねすき ふむー 1 (マダム村) サイア ウチは逆に 3 (冥土) マダム うん 皆さん素晴らしい 1 (マダム村) ストーマー じゃあ、横のヅラじゃないさんでw 1 (マダム村) ユズハ ひとまず吊り指定をしたほうがいいかとー 1 (マダム村) サイア この状況で霊媒潜伏を押したのがひっかかったけどねー 3 (冥土) プゥ そしてサイアさんェ… 1 (マダム村) ヅラじゃない えww 1 (マダム村) ぱんとま どちらにいれるかは各自でいいのかな? 1 (マダム村) ストーマー いいがかりなんでw 1 (マダム村) ヅラじゃない www 1 (マダム村) すねすき 霊媒さんは吊り指定されたらCOの方向でお願いしたい 1 (マダム村) アルフィル ヅラじゃないさん、すねすきさんのどちらか かな 1 (マダム村) シエスタXX 狼だと怖いかもw 3 (冥土) ヒートへイズ 動画見る限り、いつも序盤でつられますよね 1 (マダム村) ユズハ あ、指定されてましたすみませんw マダム 20秒前 1 (マダム村) サイア そだねー。各自でいいけど、狼が含まれてるなら、まず吊れないかも。と 1 (マダム村) ヅラじゃない あーじゃあどぞどぞ 3 (冥土) マダム だねぇ 1 (マダム村) ふぁいたん ヅラさんかすねさんね 了解 1 (マダム村) すねすき 自分のCOはないですー 3 (冥土) マダム サイアさんは 皆警戒するw 1 (マダム村) シャルリーン ズラすきさん? 1 (マダム村) マダム -------STOP-------- 1 (マダム村) マダム -------STOP-------- マダム 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) 1 (マダム村) すねすき 自分づらじゃないよおお マダム 投票は私にtellにてお願いします 3 (冥土) プゥ ブレインですしね 2 (晩餐) シャルリーン さてさて 2 (晩餐) アルフィル さて、どうしましょう 1 (マダム村) すねすき じげだよおおぅ 2 (晩餐) ルナティアラ どうしましょう (T) ぱんとま > すねすきさんでお願いします (T) シエスタXX > すねすきさんでー (T) カーレット > サイアさんでー 2 (晩餐) シャルリーン 吊り先どうしようかなー? 2 (晩餐) アルフィル 情報もないので、ふつうに村にのっておきます? (T) ふぁいたん > ヅラじゃないさんでお願いします (T) ストーマー > ヅラじゃない (T) ユズハ > ヅラじゃないさんに投票します (T) ヅラじゃない > すねすきさんでお願いします 2 (晩餐) シャルリーン サイアさん吊れるかも? 2 (晩餐) アルフィル あー、そっか (T) やよい > ヅラさんに投票です たぶん吊られなさそうね (T) Harrods > 投票って今ですよね 2 (晩餐) アルフィル サイアさんでよさそうですね 2 (晩餐) ルナティアラ 疑われてたし! 2 (晩餐) アルフィル うん! (T) サイア > どっちかってーとヅラさんに入れたいけど、んま最初って事で「すねすき」さんに投票しまっす 2 (晩餐) ルナティアラ はーい 2 (晩餐) アルフィル サイアさんにいれますー 2 (晩餐) ルナティアラ もうtellしていいのかな 2 (晩餐) シャルリーン まぁあがってた2名だったらどっち吊れてもよさそうですしね 2 (晩餐) アルフィル ですね 2 (晩餐) シャルリーン 大丈夫ですTELってください 2 (晩餐) アルフィル もうtellおkです (T) アルフィル > サイアさんお願いしますー (T) > Harrods はい 今一人を選んで投票してくださいね (T) すねすき > とりあえずヅラじゃないのにヅラっていわれるヅラじゃないさんに投票 (T) ルナティアラ > サイア (T) シャルリーン > サイアさんを吊り指定 (T) Harrods > じゃあ、ヅラじゃないさんでお願いします すねすき4 サイア4 ヅラじゃない6 2 (晩餐) アルフィル では、噛みどうしましょう 2 (晩餐) シャルリーン TELから戻るときとか誤爆注意です 2 (晩餐) アルフィル 了解デス! 2 (晩餐) シャルリーン (よくやります) 2 (晩餐) アルフィル 私も誤爆には自信あるので、注意しないと・・・ 2 (晩餐) シャルリーン 噛みどうしたいです? 2 (晩餐) シャルリーン お二方には狼の牙を存分に振り回していただきたいと思います 2 (晩餐) アルフィル ひっぱっていきそうな人かみたいですよね マダム さよならヅラじゃないさん…あなたの勇姿は忘れない マダム 日が沈み始めました よい子も悪い子も寝る時間です マダム 役職の方は私にTellお願いします 2 (晩餐) ルナティアラ 正直早くてついていけなかったw (T) シエスタXX > サイアさん占います (T) ふぁいたん > サイアさんを護ります。 2 (晩餐) シャルリーン 最初はだいたいそうです マダム なくなられた方は 円から外れてくださいませ 2 (晩餐) シャルリーン 慣れな所が大きいので 3 (冥土) ヅラじゃない ヅラじゃない桂だ… (T) やよい > 吊られた?!さっそく見てみましょう・・・ 2 (晩餐) シャルリーン なるべくしゃべることです! 3 (冥土) マダム いらっしゃい 2 (晩餐) アルフィル ですな! 3 (冥土) ヅラじゃない うわあああん (T) > ふぁいたん 護衛承りました 3 (冥土) プゥ いらはいいらはい 2 (晩餐) アルフィル しゃべらないと、つられる可能性がたかくなってしまうのです 3 (冥土) ヒートへイズ おつおつ 2 (晩餐) シャルリーン ひっぱりそうな人となると 3 (冥土) ヅラじゃない どもです(´・ω・) (T) > シエスタXX サイアさんは 善良なる村人です 2 (晩餐) シャルリーン するどいドコロはサイア、すねすき、ストーマー 3 (冥土) ヅラじゃない ありがとです 3 (冥土) プゥ ういうい 2 (晩餐) アルフィル ふむふむ 2 (晩餐) シャルリーン でもサイアさんは少しだけおいておいていいかも (T) > やよい ヅラじゃないさんは 本当にヅラではなく村人でした 2 (晩餐) アルフィル サイアさんちょっと疑われてるし、のこしておいて 2 (晩餐) シャルリーン なんか疑われてたし 2 (晩餐) アルフィル すねすきさんいきます? 2 (晩餐) シャルリーン 候補にあがったひとかー 3 (冥土) ヅラじゃない ここで役職もふせるべきですよね? 2 (晩餐) シャルリーン もすこし後でいいかも? 3 (冥土) プゥ 最初の吊りばっかはねー 2 (晩餐) アルフィル そっか 3 (冥土) プゥ ウンウン 2 (晩餐) アルフィル ストーマーさんは占いCOしてますよね 3 (冥土) ヅラじゃない あいあい 2 (晩餐) シャルリーン うん 3 (冥土) マダム こちらでも推理続行なので 秘密でお願いします 3 (冥土) ヅラじゃない 最初ばっかはランダムですねw 2 (晩餐) シャルリーン 若干狂っぽい 3 (冥土) マダム RPはOKですよ! 2 (晩餐) アルフィル 狩にまもられてるかも? 3 (冥土) ヅラじゃない はい! 2 (晩餐) アルフィル 狂か 3 (冥土) ヅラじゃない RP? 3 (冥土) プゥ ロールプレイかな 3 (冥土) ヅラじゃない ほうほう 3 (冥土) ヅラじゃない まあ言わずに楽しみます 2 (晩餐) シャルリーン 騙れなかったので 2 (晩餐) シャルリーン なんか好きにしちゃってイイノヨ? 2 (晩餐) シャルリーン そろそろ決めちゃいましょう 2 (晩餐) ルナティアラ 1分! 2 (晩餐) アルフィル 独断と偏見でユズハさんあたりどうでしょ。もう言いがかり 2 (晩餐) シャルリーン おっけーですよ 2 (晩餐) シャルリーン 誰が噛みTELします? 2 (晩餐) アルフィル んじゃ、tellします 2 (晩餐) ルナティアラ はーい 2 (晩餐) シャルリーン はーいよろりー (T) アルフィル > ユズハさん噛みで (T) > アルフィル 捕食承りー 1 (マダム村) マダム -------STOP-------- 3 (冥土) プゥ もし役職で吊られそうだったら 3 (冥土) プゥ いっちゃってよかったかもね 1日目へ 3日目へ