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530 名前:名無しさん@初回限定 投稿日:2010/01/25(月) 17 15 52 jeT9gwJgP クソ方面で2008年最大の話題作が魔法少女アイ参なら、2009年最大の話題作はひしょ×ひしょをである事に異議を唱える者はいないだろう。 かつてのごらんの有様を髣髴とさせる黒塗りHシーンを搭載、CG数も事前告知の半分以下の29枚、CG・回想・BGMモード未実装。 これだけのことをしておきながら公式は五日間だんまりを決め込みようやく発表された謝罪文はキャッシュ避けの画像で責任者はペンネーム、 一週間後のパッチはヒロインの顔だけ表示させたフェラシーンで「ごらんの生首だよ」と言われる始末。 CGモードも絵が未完成なのを隠すためにわざと不具合ということにしたという説が濃厚となり、 更には背景写真盗用やハーレムルートありというのは誤情報で雑誌には間違った資料を渡してしまったなどと 小学生並みの言い訳を続け、その信頼を完全に地に落とした。 発売後二ヶ月ほど経ってから発表した完全版パッチも事前告知が全くなかったために新品買いした人は既に売り払った後であり、 かえって怒らせる結果となったのは言うまでも無い。 現状のバージョンではクソゲーとしてのランクは落ちるものの、ミルキーピクチャーズとはまた違った意味で 客と世の中を舐め切ったその対応は2009年を代表するクソッタレな出来事だったと言えるだろう。 これ、批評空間で中央値0を叩きだしてるんだな。8000以上のゲームが登録されてる中で文句なしの単独最下位。ちなみにブービーがアイ参 -- 名無しさん (2012-05-23 17 09 00) 生首フェラは今考えると逆マミられって感じするw -- 名無しさん (2014-12-15 17 13 47) タグ 次点 2009年の作品
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【ゲーム】厄~友情談疑~(PS) 【作者名】馬冶かよ 【完成度】【完結】(09/01/04~09/01/13) 【動画数】 【part1へのリンク】 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/10337547 【備考】 +【紹介&発掘スレのレビュー】 以下発掘スレの000から引用 (08/12/10のレビュー) (現時点でのレビューはありません) 名前 コメント
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DX人生ゲームIV 【でらっくすじんせいげーむふぉー】 ジャンル ボードゲーム 対応機種 プレイステーション 発売元 タカラ 開発元 インフォグラムス 発売日 2001年11月29日 定価 6,090円 判定 良作 人生ゲームシリーズ 概要 システム 評価点 問題点 総評 概要 ゲーム版人生ゲームの中でも、比較的高い評価を獲得している『DX人生ゲーム』シリーズの作品。前作である『III』を発展させた要素が多い。 システム 本作にはいつも通りの「わいわいモード」の他、コンビでの攻略を要求される「たっぐモード」、たっぐモードに似ているが、こちらは男女のカップルで進めていく「ペアモード」、決められた目標の達成を目指す「未来絵日記」、クリア済みのキャラクターがいる時のみ選べる「達人アイランド」の各モードが用意されている。 以下最も基本となる「わいわいモード」について解説していく。 まずは自身の分身となるキャラクターを作成していく。名前、性別、誕生日、血液型(なぜか?型というものがある)を決めた後、キャラクターの外見を決めていく。 これは言ってみればモンタージュのようなもの。おまかせ機能もあるが、ほぼ確実に人外と化すので愛着を持ってプレイしたい人は注意。これを逆手にとって全員おまかせで始めるのも一興だが。 そしてゲームの肝となる「どの段階からゲームを始めるか」と「マップをいくつ入れるか」を決定する。 ゲーム開始時の段階は「赤ちゃん」から以下「小学生、中学生、高校生、社会人」のいずれかから始められる。ちなみに社会人からの場合、全員フリータースタートとなる。 マップは最大8個まで。入れないこともできる。 その後は決めた段階からゲームスタート。ボードの人生ゲームと同様、ルーレットを回して止まったマスのイベントをこなしていくことになる。 イベントによってはパラメーター(体力、知力、センス、モラル)が増減したり、所持金が変動する。 またミニゲームが発生したり、カードが手に入るマスもある。 これ以外にも「ショップマス」「物件マス」「ペットマス」と言うマスでは買い物ができる。ショップでは「洋服(外見が変わる。能力には変化なし)」「カード」「宝くじ」が買え、物件やペットは最後にお金になる。 人生の重要なポイントでは「受験」や「就職」といったイベントが待っている。 この時重要になってくるのは前述のパラメーター。受験ではパラメーターが高いほど合格しやすく、就職ではパラメーターが足りていないとそもそも就職できない。 また各職業に就いた後は給料日マスで給料がもらえる。この時パラメーターが基準を満たしているとランクアップし、給料が上がる。また複数の職業を最高ランクまで上げると就ける特別な職業もある。なお、これらの上級職の条件はオプションからいつでも確認可能。 結婚は強制イベントではなく、高校生から登場する「ハートマス」に止まり、デートをこなし、好感度を上げた後告白することで達成できる。 思い通りの人がいなければ出会いを探したり、自分に自信がなければ自分を磨くことでパラメーターアップもできる。 結婚後はハートマスは結婚イベントとなる。子供ができることもあり、この際はみんなからお祝いがもらえるのは原作と同じ。 こうして様々なイベントをこなしていき、「最後の賭け」で人生の総決算をした後、総資産が多い人が勝者となる。 また総資産とは関係なく人生の行いに応じて「人生ランク」というものが発表される。 全150段階あり、最下層には「キャプテンくん(*1)」「ミトコンドリア」と言ったものが並んでいるが、上位になればなるほど「ウサギ」「ゴリラ」など脊椎動物になっていき、ついには「人間」を超えて「ニュータイプ」などになっていく。 評価点 イベントが非常に多彩。 その総数4500種類。4人同時プレイでもイベント被りはほぼ起きない。 イベントには「喜びマス」のプラスイベント、「悲しみマス」のマイナスイベントの他、ペットを飼っている時だけ起きるイベント、職業ごとに固有のイベントなどもある。 マップは8種類。起きるイベントに違いがあるだけでなく、喜びマスが多い「天国」、逆に悲しみマスの多い「ホラー」、ハートマスが多く恋愛成就させやすい「メルヘン」、唯一ギャンブルマスがあり一発逆転が狙える「カジノ」などマップ構成そのものが大きく異なる。 人生の各時期限定のイベントも多い。中には受験に失敗し、浪人した時しか見られないイベントなどもある。 選択肢のあるイベントも多い。例えば高校生の時の喜びマスのイベントに「今日は勉強をしよう!誰と勉強しようかな?」というものがあり、「○○さんと復習する」「△△さんに復讐する」という選択肢が出現する。前者を選ぶと自分と○○さんのパラメーターが上がり、後者を選ぶと△△さんのパラメーターと自分のモラルが下がる。 職業も79種類存在し、いずれも個性豊か。「教師」「花屋」などの一般的な職業、「発明家」「ギャンブラー」といった実際に就くのは難しい職業、「正義の味方」「悪の大王」などそもそも現実に存在するか怪しいものまでバラエティに富んでいる。 上級職も転職条件が最初から明かされているので、目標を立てて特定の職を目指すことが容易。人生の最初から人生設計が可能である。 マスの種類も豊富。例を挙げると… 「クリスマス」…サンタが現れ、一人ずつルーレットで「誰が誰に○○(*2)をいくつあげるorもらう」ということを決定する。運が良ければ総取りだが、運が悪ければ根こそぎ分捕られる名前に反した恐怖のイベント(*3)。 「捕まりマス」…なぜか逮捕されて刑務所エリアにぶちこまれる。このエリアはマイナスマスが多いので早急に脱出したいところ。 「新世紀マス」…2001年に入ったためか、名称に「新」が付いている。2個の檻があり、この檻に全員一緒か、マスに止まった人とそれ以外に分かれて入ることになる。その後ランダムにどちらかの檻が選ばれ、選ばれた方の檻に入っている人全員のパラメーターが激減する。一蓮托生を狙うもよし、一人だけ助かる可能性に賭けるもよし。マスに止まった人の良心が試される。 ユーザーフレンドリーで初心者にも優しいゲームデザイン。 ゲーム中マスコットキャラの「天使くん」が基本的な進め方を教えてくれる「天使のアドバイス」が聞ける。 初心者でも非常にわかりやすい。またゲーム開始時を含め、ゲーム中いつでもオン、オフを切り替えられるので何度もプレイしていても安心。 ミニゲームは「技」「運」の2系統各6種類の全12種類。ミニゲームマスに止まった際は各系統から1種類ずつランダムに選択され、好きな方を選択できる。 「技」はテクニックや反射神経が要求されるもの、「運」は文字通り運とその場の勘が物を言うゲーム。ゲームに不慣れな人を交えて遊ぶときはできるだけ「運」を選べば公平になる。 ちなみにゲームの名前は「どっちのボールショー」「渡る氷はヒビばかり」など有名テレビ番組のパロディになっている。現在では放映の終わっている番組も多いので、元ネタのわからない人もいるだろうが。 時間がなくても安心な「時短モード」搭載。 ルーレットの出目と獲得金額が2倍になり、あっという間にゲームが進行していく。こちらもゲーム中いつでも切り替えできる。悪用できるが、良識ある人ならばそんな使い方はしないだろう。そもそもパーティーゲームでイカサマしたところで面白くもなんともない。 問題点 「ガンゲームマス」がやや理不尽。 このマスでは全員参加のガンシューティングをプレイすることになる…のだが、その仕様が面倒なものになっている。 本作ではパーティーゲームの例に漏れず、コントローラーの使いまわしが可能である。よってコントローラーが一個しかなくても多人数で遊べるのだが、一個のコントローラーでガンシューティングをやるために4つのボタンに全員が集合するという妙なプレイスタイルになる。 たとえコントローラーが2つあっても、必ずどちらかのコントローラーで全員が操作することになる。このため人が密集して場合によっては画面が見にくくなる。 ゲーム自体は自動で照準が移動していき、悪人に照準が合ったらボタンを押し、一般人を撃ったらペナルティ、敵が出た時は最初にボタンを押せた人がポイントをもらえ、最終的に一番ポイントが多い人が勝利、というもの。 しかし要求される反応速度が意外と速く、他のミニゲームと異なり「運」という逃げ道がないのでゲーム初心者には結構キツイ難易度になっている。 しかも時々プレイヤー自身が出現する。一般人と同じ扱いだが、撃つとゲーム終了時撃たれた人の体力が下がるので間違って撃ってしまうと険悪な雰囲気にもなりかねない。 前作からの追加要素が少なめ。 基本のゲームシステムに大きく様変わりしたところがなく、グラフィック、ミニゲームなどもほぼ使いまわしで占められている。 もちろん本作単体でも十分魅力的な存在ではあるのだが…前作既プレイ者にはあまり目新しさのない内容である。 総評 単体のパーティーゲームとしての完成度は非常に高い。ユーザーフレンドリーなシステムもそうだが、なによりイベントが非常に多彩なので、何度もプレイしても飽きが来ず何度でもプレイできる。 もちろん人生ゲームというシステムの根幹上、ほぼ運ゲーでありプレイヤーの介入できる要素はあまり多くないのだが、それが逆にゲーマーと初心者の境界を低くし、あらゆる層の人が問題なく楽しめる内容になっている。 この後、人生ゲームシリーズは『V』が出た後、PS2で『EXシリーズ』として発売されていくのだが、EXシリーズの評価は芳しくなく、トドメとばかりにWiiで発売された人生ゲームがいずれもクソゲーであったため、完成度面で最も安定しているのは本シリーズと言うことになる。今から人生ゲームシリーズを遊ぼうと思っているならば、中古屋で本シリーズを探してみるといいだろう。
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爆伝 アンバランスゾーン 【ばくでん あんばらんすぞーん】 ジャンル アドベンチャー 対応機種 PCエンジン スーパ-CD-ROM2メガCD 発売元 ソニー・ミュージックエンタテインメント 開発元 工画堂スタジオ 発売日 1994年4月22日 定価 7,800円(税別) 判定 クソゲー ポイント 通称「大魔王」人類には早すぎる内容スッカスカ「ソニーからの刺客」 概要 あらすじ 問題点 評価点 総評 余談 概要 ロックバンドの爆風スランプが監修を手がけ、赤塚不二夫がキャラクターデザインを勤めた、当時国内における二大CD-ROM機、PCエンジンスーパーCDロムロムとメガCDで発売されたゲーム。 基本的にナレーションが入る紙芝居のような流れでストーリーは勝手に進んで行くが、イベントが起こるとアイコンを選択してゲームを進めて行く。5つのアイコンからどれかひとつを選び、それが正解であれば先へ進める。 あらすじ 主人公・バンド宅人はアニメとゲームが大好きな退廃的生活を送る超オタクな15歳。その宅人の前に、ある日突然爆神(バクシン 爆風スランプの神様)が現われる。爆神は、宅人に「アンバランスゾーンへ行き、壊れてしまった世界を音楽の力で修復するのだ」と、いきなり勝手な使命を下す。爆神の手により、アンバランスゾーンへと送り込まれてしまう宅人。無感情な青春を過ごしていた宅人の天然色の冒険が始まる。笑いあり、音楽あり、スーパー・ドタバタ喜劇の幕は上がった! 問題点 ストーリーが電波かつ支離滅裂。 キャラクターデザインが赤塚不二夫ということもあり「シュール」を目指したかったのはわかるが、出来上がったものは悪い意味で先が読めない電波かつ支離滅裂なストーリーで非常に人を選ぶ。おそらく選ばれなかった人の方が多いだろう…… オープニングからして、人類には早すぎるこのゲームの要旨を嫌と言うほど伝える出来。 開始して黒の画面に爆風スランプの4人の顔写真が浮かび、すぐ後にその下に小学生の落書きのような一筆書きの体が出現。そのままもっさりした踊りを始め、「始まるよ、始まるよ、始まるよ、始まるよ~♪ 爆伝~♪ アンバランスゾーン~♪」と歌が流れる。前衛アートのなりそこないみたいでいきなりついていけません。 上記のプロローグも、主人公がゲームをしている所に突然壁に穴をブチ開けながら爆神4人が現れ、主人公の事を「こいつが主人公で大丈夫か?」「ダサい」「友達になりたくないタイプ」と貶しながらお寒いメタネタ・小ネタを延々とボソボソ喋り続け中々始まってくれない。 何がアンバランスゾーンなのかも一切解説は無く意味不明。主人公は延々とキテレツな歴史をさまよう事となる。 ちなみに「爆神」は音楽の神様らしい。 イベントが起きるとキャラが動いたり等アニメーションするのだが、これが超もっさり。 フルボイスでキャラが喋ってくれるのだが、これまた台詞のテンポが遅れており、中々イライラさせてくれる。 正解アイコンのヒントは無く、基本総当たり。 間違えるとイベントが起きた後その選択肢でまたやり直す事が出来るが、上記の驚異的もっさり感と合わさり何度もやり直すというのは非常に苦痛。 言葉では表せないので、実際に見てもらった方が早いだろう。 + プレイ動画 http //www.nicovideo.jp/watch/sm11590261 評価点 突如現れる謎の音声ドラマ、柳家小ゑんを起用した江戸小噺などは豪華声優が担当。 主人公役の結城比呂、ナレーションの石井康嗣を始め、高木渉、白鳥由里、飛田展男、二又一成、ならはしみきと言った有名声優を惜しみなく起用している。 ただし、力の入れ方を完全に間違えている。何より、力を入れた割には音とアニメがズレまくっている残念な出来。 爆風スランプによる楽曲も挿入歌、主題歌として収録。タイトル画面からして力が入っている。説明書に歌詞まで記載してある親切ぶり。 ただし、説明書には6曲分の歌詞があるのにゲームに収録されているのは5曲である。何より力の入れ方を(ry 上記のとおり選ばれた人ならば、ストーリーが面白く感じて楽しめる…かもしれない。 ただし、本当に人を選ぶゲームなので1回上記の動画を見てから選ばれた人か、選ばれなかった人かを調べた方が良いだろう…。 総評 「シュール」と「電波」を完全に取り違えてるゲームである。 始めのうちこそ理不尽なストーリーをシュールとして苦笑いできるかもしれないが、開始数分で睡魔が襲ってくる。 上記で挙げた評価点も全てに「ただし」が付く辺り、評価の度合いもお察しである。 RUNNERというよりは暴走の残りカスの様なゲームになってしまいましたとさ。 余談 このゲーム、発売元がソニー系列のSMEであり(当時爆スラはSony Recordsに在籍していたのだがその関係だろうか?)このゲームがPCエンジンスーパーCDロムロムとメガCD、言うなればCDの雄だけで発売された事、何よりこのゲームが発売された年の暮れ、12月3日にあのプレイステーションが発売された事から「実はソニー陣営によるNECとセガへの壮大な嫌がらせだったのではないか」などとネタになった。
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真・恋姫†無双 ~萌将伝~ 【しん・こいひめむそう もえしょうでん】 ジャンル 妄想満載煩悩爆発歴史AVG 対応機種 Windows 2000~7 発売・開発元 BaseSon 発売日 2010年7月23日 定価 8,800円(税別) レーティング アダルトゲーム 配信 2012年4月27日/6,995円 判定 シリーズファンから不評 ポイント 一部キャラクターの行き過ぎた冷遇性的要素のバランスが悪い企業態度も悪い一応完結編だった BaseSon作品リンク 概要 問題点 賛否両論点 評価点 総評 ネット上の評判 ゲーム外の問題点 その後と完結撤回後 概要 三国志演義の人物の女体化で人気を博した『恋姫†無双』シリーズの3作目で、前作『真・恋姫†無双』のファンディスク(FD)にあたる。作品としては多分『猛将伝』のパクリ洒落であろう。 「実在する有名人の女体化」という発想自体は特に目新しいものではないが、本シリーズはそれをメジャーなものに押し上げた点で特筆される。ある意味で『戦極姫』にとって大先輩にあたる。 第1・2作は一般向けに移植され、第2作は「萌えゲーアワード2009」大賞部門で金賞を受賞し、シリーズで3度アニメ化&数度漫画化されるなどその人気は高い。また、ブラウザゲーム&格闘ゲーム化されていたりとアダルトゲームの枠を超えた多様なメディア展開をしている。 本作はアニメ3作目『真・恋姫†無双 乙女大乱』終了直後の時期に発売が決まり、「シリーズ完結編」と謳われファンの期待は非常に高いものであったが……。 問題点 一部キャラの冷遇 本シリーズは多くのヒロインが登場するゲームであり、個々のキャラ人気の高さもあって開発側にとってもキャラの扱いは極めて難しい一面がある。しかし、本作はバランスを欠きすぎている向きがある。具体的には、愛紗(関羽)(*1)、雛里(鳳統(*2))、恋(呂布)、華雄、本郷一刀(主人公)の扱いが問題視されている。 愛紗は、本作ではHシーンはおろか個別シナリオ、新規CGすらない(CG自体はある)。 愛紗は第1作からメインヒロイン級の座にあり、アニメ『恋姫†無双』では実質的な主人公を務めるなどシリーズを象徴するヒロインとして高い人気を誇っていた。本作では広告塔にも起用され、販促にも多用された。販促時には新規CGが相当数あったらしく、愛紗役の声優にインタビューまでしていた。そのためここまでの冷遇は誰も予想できず、ファンから明らかな宣伝詐欺と揶揄される事となった。 雛里と恋は、個別シナリオ(ただしキャラ単体ではなく複合イベント)と新規CGはあるが、Hシーンが無い。2人とも人気投票で上位に入っており、この冷遇はファンを嘆かせた(*3)。 華雄に至ってはラストの全員集合絵に豆粒のようにうつるだけで出番自体が無し。 華雄というキャラ自体“出番がない事・扱いが悪い事”をネタにされるサブキャラなのだが、第一回人気投票では1位の栄冠に輝くなど人気はあり、ファンの間でも「完結編なら今回こそ出番を……」と言う意見が多かった。本作発売直前に行われた「“学園モノの友達”にしたいキャラは?」という人気投票企画でも1位に輝き、ファンの期待を一層押し上げたことは想像に難くない。公式ブログでも出番がある事を仄めかされていたのだが……。 あまつさえ彼女に真名が付けられる事は本作でもなかった。ファンからは再三にわたって「華雄に真名を!」との要望があったのに……。 後述になるが、「なぜこれら4人を差し置いて人気の低いキャラ(*4)を優遇しやがった」などとファンから批判の声が多い。 一刀にも疑問がもたれている。 肉体関係にまで発展してる程ラブラブな筈の嫁の穿いてるパンツを何故かわざわざ隠れてまで覗こうとするなど性格が改変されている。これではただの変態。 ヒロインの1人から「私は魅力が無いのか?」と聞かれただけなのに周りに居た他のヒロイン達から勘違いされその内の2人から袋叩きにあうなどとばっちりを喰らうネタが多い。こんなもの見せられて一体どう萌えろと? 確かに一刀の自業自得話も少なからずあるが、半分以上のヒロインの主人公への好意や信頼が見られない(*5)。 本シリーズの主人公はこの手のハーレム系エロゲとしては珍しくユーザーからかなり好意的に見られており(*6)、これまではきちんとキャラが立っていた(*7)。当然ながら、不快感をもたれただけであった。 因みに『真・恋姫†無双』以降何故か居なかった事にされた大喬&小喬に至っては本作でも何故か居なかった事にされた。彼女達にもファンは居るのだが……。 この2人は嘗てキャラ人気ランキングで最下位になった上(『恋姫†無双』では)片方は何とふたなりである。はぶられたのはそれが原因か? ところがアニメでは『乙女大乱』で再登場させてもらえた。公式は彼女達をどうしたいのか? なお、この2人にも真名はない。華雄以上に不憫な奴等が居た。 Hシーンの扱い 上記のヒロイン4人はHシーンがなく冷遇の最たるものだが、低人気キャラが優遇されているケースが見られるなど、キャラ間での待遇の格差が顕著なものとなっている。一部キャラにはHシーンはあってもいわゆる「本番」がない(*8)。 + 参考として各キャラのHシーン回数の内訳は以下の通り ()内に書いているのは各キャラのモチーフとなった武将、複というのは各キャラが持つHシーンのうち複数人でのHシーンの回数。なお初代からのキャラについては太字で強調している。 0回 愛紗(関羽)、雛里(鳳統)、恋(呂布)、華雄、璃々(紫苑の娘(*9)(*10)) 1回 鈴々(張飛)、朱里(諸葛亮)、星(趙雲)、焔耶(魏延)、華琳(曹操)、春蘭(夏侯惇・複1)、秋蘭(夏侯淵・複1)、桂花(荀彧)、季衣(許褚)、流琉(典偉)、稟(郭嘉)、風(程昱)、真桜(李典・複1)、沙和(于禁・複1)、雪蓮(孫策・オーラルセックスのみ)、蓮華(孫権)、小蓮(孫尚香)、冥琳(周瑜)、穏(陸遜)、思春(甘寧)、亞沙(呂蒙)、月(董卓)、詠(賈詡)、霞(張遼)、音々音(陳宮)、麗羽(袁紹・複1)、猪々子(文醜・複1)、斗詩(顔良・複1)、天和(張角)、地和(張宝)、人和(張梁)、白蓮(公孫瓚)、美以(孟獲・複1)、シャム(オリジナル・複1)、ミケ(オリジナル・複1)、トラ(オリジナル・複1) 2回 桃香(劉備)、翠(馬超)、蒲公英(馬岱)、凪(楽進・複1)、祭(黄蓋・複2)、明命(周泰)、美羽(袁術・複1)、七乃(張勲・複1) 3回 紫苑(黄忠・複2)、桔梗(厳顔・複2) ちなみに前作『真・恋姫†無双』において一部のキャラはコンビやトリオ単位で攻略をしていたのだがその間の中でも格差が発生している場合もある(*11)。 「Hシーンが無いことがそんなに問題か?」という意見もあるが、極端な話エロゲーは気に入ったヒロインのそういうシーンを見るためにプレイする人が殆どなため、そう言ったプレイヤーから見れば問題なのであろう。 中の人に事情があった(病気・妊娠等)として擁護する人もいるが、他に新録ボイスが当然あるわけで、その可能性は極めて低い。 ちなみにこの傾向は前作である『真・恋姫†無双』の頃からあったとされているが、回数の違いはあれど各キャラにきちんとHシーンが割り振られていたので当時はさほど問題視はされなかった。 また、事前に一部キャラのHシーンが無い事を公式サイトやブログや各紹介雑誌で一切告知しなかったため、全クリして「あれ?こいつのシーンは?」となったプレイヤーも多く、後述の事情から事後のフォローもなかった事も相まって、この点にプレイヤーの怒りの矛先が向いた。 シナリオ 本作はヒロインごとのイベントを集めたショートシナリオ集の形式をとっている。メインとなるストーリーは特にない。 複数のシナリオによる連結イベントもあるが、「伏線が投げっぱなし」「展開が唐突過ぎる」など評価は低い。 大会系連結イベントの覇者が愛紗や雛里だった事と武闘会で鈴々VS思春の試合後それがなかった事になっている(*12)などの話の展開から、大会後に固有イベントを置く用意があったと推測され、納期のために話を削った疑惑も囁かれている。 各ヒロインに関しても体重ネタや年齢ネタなど単一のネタばかり強調するので、FDにもかかわらずキャラの掘り下げが浅く「またこの話か」と観ててうんざりしてくる。旦那である筈の一刀に自分の年齢を知られたくないと思うのは幾ら何でもおかしい。 出来の悪いアンソロジーコミックか同人レベルで、本作のアンソロジーの方が褒められてしまう有様(後述)。 スタッフの態度 企画・原案 K.バッジョ氏の「開発者演技」内での発言が発売後に色々と問題視された。 「まぁ? ウチの会社がヤバくなれば、バッジョ以外の誰かが制作をはじめるかもしれませんが、それはそれってことでご理解くださいませ(^^ )」「それにしても大きくなったが故に、色々と面倒くさい問題が出てきました。」「もしかしたら、いつか皆さんに伝わるかもしれませんが……」などと、非難されることを見越してあらかじめ言い訳しているようにも見える。 「開発者演技」において別の開発者が行った自身と星(趙雲)の自慰的なやり取りも問題視された。 「そんなネタやる暇があればエピソードの一つでも追加しろ」という意味合いで、特に冷遇されたキャラのファンからは非難囂々だった。星が人気の割に扱いがイマイチだったことも大きい。 賛否両論点 マニアックな話だが周瑜(冥琳)や陸遜(穏)などの眼鏡っ娘が眼鏡を外すイベントが存在しない(*13)。 評価点 各勢力の垣根を越えた掛け合いもあり、『恋姫†無双』らしさはきちんと出てはいる。 過去作で目立たなかったキャラにスポットを当てた。 パロディーが豊富。 「異議有!!」などどこかで聞いたような台詞が。 総評 一部キャラの冷遇こそ際立ってはいるものの、ゲーム内容としては「クソゲー」というほどではない。せいぜい「ユーザーの希望に添えなかったFD」「一部キャラのファンにとってはがっかりゲー」「修羅の国が誇る一線級のクソゲーとは渡り合えない」という評価にとどまる。 もっとも、「事前の広報や事後の対応のまずさ」というゲーム以外の部分で心証を余計に悪くした感は否めず、さらにはパッチ等で補完することも期待できないため人気シリーズの完結編としては「あわわ」な結果となり、一般向けへの移植もされなかった。シリーズの人気も理由ではあるが完結宣言が撤回されるまでそこまで時間はかからなかった。 ネット上の評判 発売後に各種ニュースブログやゲームブログがエロが無いので騒いでいると強調したせいで各所が荒れたが、実際には固有イベントが無い事が問題となっていたのである。クソゲーオブザイヤーinエロゲー板でも、これに便乗したお客さんが選評を出したせいで、提出内容がおかしくなっている。 巷の評価としては、テックジャイアンの俺ゲーグランプリ2010で2位に選ばれており、満足した人も多かったのは事実である。実際、まともな扱いをされたキャラのファンからは好意的な評価も少なくない。 一方で、冷遇されたキャラのファンにとっては擁護できないのも事実である。愛紗(関羽)とのエッチが欠けていた事から「関欠編」、出来の悪さから「萌少伝」などと揶揄されたりもした。 ゲーム外の問題点 ブログ炎上後の対応 上記の各問題に一部ファンが激怒し、公式ブログが炎上。さすがに次回ブログ更新時に何らかの対応を示すものと思われたが、「ありがとうございました」の一枚絵のみで公式ブログを閉鎖、完全な逃げの態勢に。事前の告知がなかったばかりか、事後のフォローも無しとファンの感情を完全に無視している。 ただし、炎上を引き起こした主体はファンよりもむしろ後述のニュースブログやゲームブログ起点の便乗犯・愉快犯であるため、ブログ閉鎖という手段は乱暴ではあるが妥当な対応だったと見ることもできる。もっとも、本当に怒っていたファンがそれで納得できたかどうかは別の話であるが……。 商魂の酷さ 事前書籍などを発売しその商魂の酷さがうかがわれ(*14)、発売後の関連商品の発売も出来の割には必要以上に積極的である事がさらに不満を強めた。 また、購入者向けにパッケージに封入されたシークレットシートというファン感謝で何か特典を出すという代物は発売から一月もせずに開催されたコミケでしおりと引き換えと言う事に。「コミケ」と言う明らかに出向く事ができない人間のほうが多いであろう場所での引き換えのみで、しかも普通は店頭配布物に使うような代物。本当に感謝があるようには思えない。 その後と完結撤回後 公式もさすがにやばいと感じたのか本作のアンソロジーやブラウザゲー『恋姫†夢想』、業務用対戦格闘『真・恋姫†夢想 ~乙女対戦★三国志演義~』やコラボ作品など関連商品がしばらく出され続けていた。 アンソロジーは複数の出版社から出され続け、長い物だとなんと30巻も出た。華雄も活躍するなど本編よりまともな話が多くしかもオリジナルキャラが登場する話も。本編もそれぐらいのやる気で作ってほしかった。 本シリーズの流れを汲んだ新シリーズ『戦国†恋姫』が始動。日本の戦国時代が舞台で戦国武将を美少女化した作品となっている。 世界観の似た作品としては既に前述の『戦極姫』シリーズやのちにPSVにてゲーム化される事となる『戦国乙女』シリーズなどがあるが、大袈裟に言うと「それらに喧嘩を売った形」となる。 “一刀が主人公の伯父”など本シリーズの設定を一部取り入れているが一応パラレル設定である。 本シリーズのキャラと思われる人物が台詞のみで一部出演しているが、2作目となる『戦国†恋姫X』では回想シーンで一部キャラがはっきり出演している。 そして本作発売から5年も経たずして新キャラを追加した『真・恋姫†英雄譚』が発売。完結編とは何だったのか。
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ミシシッピー殺人事件 【みししっぴーさつじんじけん】 ジャンル アドベンチャー 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 ジャレコ 開発元 トーセ 発売日 1986年10月31日 定価 5,200円 判定 クソゲー ポイント ミステリー失格の破綻したシナリオスペランカー並の死にゲー死体発見前に死体と化す不親切すぎる推理パートにひたすら不愉快な登場人物うぁー・・・ゲームオーバー おめでとう チャールズくん 概要 問題点 死にゲー要素 ゲームシステムの問題 ミステリーとしての問題 ファミコン版独自の問題 評価点 総評 余談 概要 アメリカではApple IIとコモドール64/128向けに開発され、Activisionから発売された推理アドベンチャーゲーム『MURDER ON THE MISSISSIPPI』のファミコン版。 ライセンスを得たジャレコが日本語版としてローカライズした上で移植したものである。 偶然その場に居合わせた探偵「チャールズ・フォックスワース卿」とその助手「ワトソン」が、ミシシッピ川を下るクルーザーで発生した殺人事件を解決する、という探偵モノとしてはベタな内容。 豪華客船が舞台の水上ミステリー! …と言えば聞こえはいいが、その正体は『スペランカー』と並び語られる「死にゲー」。船内を探索して、殺人現場に出くわすことがプレイヤーの最初の目標なのだが、ここでさっそく死にゲーの片鱗を見ることになる。 問題点 死にゲー要素 理不尽なトラップが仕掛けられている。 特定の客室で落とし穴が仕掛けられており、落ちると「うぁー・・・」という断末魔と共にゲームオーバー。しかしどう見てもバラエティ番組によくある落とし穴にしか見えない。船の中の落とし穴とは、仕組みは一体どうなっているのだろうか? 「強度不足という欠陥によって穴ができ、転落死」と強引に解釈したい所だが、ワトソンが「誰かの罠だったんだ」と断定している。 そもそも1階下の部屋などワトソンが「この高さから落ちたのでは先生は…」と案ずる程の高さではない。怪我はしてもおかしくないだろうが、それだけで簡単に死亡するチャールズ卿はスペランカーやしんのゆうしゃ並の虚弱体質とでも言うのか。 特定の客室の壁から飛んできたナイフが刺さり、やはりゲームオーバー。 部屋に入った途端、主人公目掛けて一直線に飛んで来る。主人公の移動速度が遅い関係上、すぐに避けなければ即死である。 ちなみに、ナイフが飛んできてから一歩も動かずにいると、見事に主人公の額に突き刺さる。そのシュールな姿はよくネタにされる。 逆に回避がわずかに遅れると、グラフィック上は帽子の上を掠めた状態なのに刺さったと見なされゲームオーバーとなる。 これらトラップの所為で、死体発見前に死体と化すなどとは本作ではよくある事。しかし事件が解決しても、これらのトラップを用意した人間は謎のまま。 そしてワトソンの台詞「あぁ もし さいしょから やりなおす ことが できれば なんとか なるのに…」がプレイヤーを脱力させる。 穴に落ちた時だけ「なんんとか なるのに…」となっている。 なおこれらの即死トラップは、PC版では入室できなかった部屋を使ったFC版オリジナル要素である。 ゲームシステムの問題 推理もののようではあるが、勘か総当りでしか進められないシステム。 特定の証言をワトソンに「メモ」させないと、他の人への聞き込みで活用できず、そのメモは証人1人につき3つまでしかキープしておけない仕様が曲者となっている。どれが重要な証言かが分からないと先へ進めない。 しかも証言を一度聞いた後に同じ人物に同じ事柄を尋ねても、どんなに重要な証拠をしゃべっていても「もういいました」「さっき はなし ましたよ」としか言わなくなる。メモし忘れた、あるいはもう一度聞いてメモしたくなったと思った頃には時すでに遅し。 証言のメモし忘れへのペナルティがゲームオーバー等はっきりと諦めがつくものではなく、気づかぬうちに先に進めなくなる「手詰まり」であることも洒落にならない。同じADVでも選択ミスがほぼゲームオーバーで同じ場面をすぐやり直せる『シャドウゲイト』の方がまだ良心的である。こうなると電源を入れなおすか落とし穴やナイフを使ってわざとゲームオーバーになるなどしてゲームを最初からやり直すしかない。 証拠品が意味不明なところに隠されている。まるでいいかげんなFLASH脱出ゲーム的ノリ。 いちいち自室に帰らないと証拠品整理や分析が出来ないのも不親切。 ミステリーとしての問題 回収し切れていない伏線がある。 会話に脈絡が無い。 例を挙げると、被害者を知る関係者を殺人現場に連れて行き死体を見せた場合、「ああ、ブラウンさんですね」と妙に冷静。しかしそのままコマンドで被害者について聞いてみると「な、なんですって!? ブ、ブラウンが!?」などと一転して驚く。バカにされているようにしか思えない。 登場人物の目に余る言動の数々。 「若くて可愛い売春婦」と公にすることが望ましくない他の乗客の情報を平然と打ち明けたり、趣味で鳥を銃殺したり、私物である宝石を船長に預ける乗客とかたや「責任を持ちたくないから」とその宝石を施錠していない金庫に放置している船長など、誰も彼も常識や倫理観が欠落している。 人間関係が極めて険悪。 「あの下品な若い女か。洋服の着方などからわかりますよ」「あいつは人間のクズですよ。下品で無教養で信用できない奴ですからね」「彼のような人の事をお聞きになるなんて侮辱ですわ」。もう2、3人ほど被害者が出てもおかしくない状況である。 これらが事件解決の鍵や終盤への伏線になっていたのなら有意義な演出といえるのだが、そんなことはなかった。そればかりか後述する結末の不可解さを余計に助長している。 事件全容の推理やトリックも極めていい加減な上に、探偵の推理内容と犯人の言動が噛み合っていない。 事件の起きた部屋に銃弾が無かったことに対し探偵は「弾丸は彼の体を貫通し床を転がった。そのうちに床の隙間から下に落ちたのだろう」と推理している。加えて助手はそれに対し「だから弾丸が下の部屋にあったんだ!」と納得している。確かに事件現場の真下の部屋に弾丸はあったのだが、そうだとすれば落とし穴といい床・天井は足踏みもままならないほど脆いということになる。さらに、その弾丸は机の中から発見されているのだが、自動的に弾丸が机の中に入るのだろうか。 凶器の行方についても「柵に当たったピストルは銃身とグリップの2つに折れて銃身は海に落ちたがグリップは柵に引っかかったままになってしまったのだ」と推理しているが、柵に投げて当たっただけで壊れる程度の耐衝撃性ならば発砲した時点で粉々になってしまうはず。そしてこの船が航行しているのはミシシッピ「川」であり、海上ではない。 銃声が聞こえなかった事に対し探偵は「他の乗客に上述の毎朝鳥を撃つ癖がある人物がおり、鳥を撃つ時間に持っていた2丁のピストルのうち1丁を箱から出して被害者の部屋へ行き、その乗客の銃声に合わせて射殺した」と推理しているが、犯人は「被害者は自分の船室に来るように告げられて部屋に行った後争いになりやむ無く発砲した。殺す気は無かった」と証言している。だとしたら鳥を撃った乗客の銃声と被害者を射殺した銃声が全く同じ時間に聞こえたのは偶然なのだろうか。 更に犯人は「私は錯乱状態に陥ってしまった。ピストルを綺麗にしていると(以下略)」と発言しているが、果たして錯乱状態に陥りながら証拠隠滅を図れるのだろうか?。 こうしてようやく犯人を追い詰めても、他の乗客が一斉に犯人の弁護をし始める。 しかもまるで真相を暴いた主人公が悪いかのように言い出すばかりでなく、それまでの捜査時に証言しなかった重要な証拠や、事件の背後要因等を今更になって次々口にした挙句、勝手に犯人を正当防衛の無罪と断定する。 殺人の動機に少なからず同情する余地はあるものの、そういった重要事項を探偵に証言せず、だんまりを決め込んでいたのは他ならぬ犯人以外の乗客達である。後出しじゃんけんもいいところであるし、何より捜査を主人公に任せっきりにしていたくせに何様のつもりだ。 加えて前述の落とし穴や飛びナイフのような凶悪なトラップをあちこちに仕掛けて無関係の探偵まで殺そうとしていたのに、その件については一切追及されない。犯人が仕掛けた者ならば到底無罪とは言えないし、そうでないというのならいったい誰の仕業なのか。 その犯人も、とても正当防衛で止む無く人を殺めてしまっただけとは思えない行動(*1)を取っており、上記のいい加減なトリックからも分かるように、計画性や共犯者の存在を匂わせる様子も多く、無罪と結論付けるにはあまりにも無理がある。しかしラストの弁護ではそれらについては一切スルーされる。 ここにきてこの事件の根底には「所有していた銀山の採掘権を騙し取られ両親を失った娘の復讐劇」というシリアスな背景があったことを仄めかされるのだが、上述の理不尽かつ支離滅裂なシナリオ展開が全てをぶち壊しており、全くもって感情移入できない。 序盤では事件を悲観したり、被害者を憐れんでいたりしたのだが… 船長「そんな…彼はこの船の共同経営者なのに」 被害者の息子「実はあいつは俺の父親なんだ」 しかし犯人が確定した途端、 船長「彼女は当然のことをしただけです。被害者は彼女の父親を自殺に追い込んだ奴ですよ」 被害者の息子「勝手なことを言うな!奴は彼女を脅していたんだ!(中略)彼女は自分の身を守るためにやったんだぞ!それなのにひどいじゃないか!」 と、一斉に掌を返す始末。 乗客達に押し切られるままに「我々は大いに反省せねばなりませんな」とあっさり犯人の追及を取り下げる探偵も大概である。これでは真相を暴いたプレイヤーが報われない。 助手は「記録に残る事件でしたね、先生」と呑気に宣う。他の事件関係者に非難され殺人犯を忖度したなどという事件の記録が世間に知れ渡れば、立場が危うくなるのは探偵達であろうに。 この他の乗客も前述の通りやたら人間関係が険悪な上に、捜査段階ではやたら他人を疑ってかかっていたのだが、シナリオ終盤で犯人が追い詰められた途端、これまでの不仲ぶりが嘘のように一致団結して犯人の弁護に走っていることや、捜査段階で重要な証拠や事件の背後要因や人間関係を証言してなかったこと、そしてさも最初から犯人を知っていたかのような言い回しをしていることも手伝って、一部のユーザーからは「殺人を起こした犯人の他に罠を仕掛けたりアリバイ工作をしたであろう共犯者がいる」という説、更には「チャールズとワトソン以外の登場人物が全員グル(*2)」という説が囁かれている。 なお、古典推理小説にも「登場人物の大半が犯人とグル」という作品はある(アガサ・クリスティーのポアロシリーズのある1作など)が、その場合はラストで探偵が事件解決時にはっきりとそれを指摘するものであり、仮に本当に登場人物の大半が共犯という設定でもこのような終わり方ではミステリーとして問題である。 また、ゲームシステム上の仕様なのだが、ワトソンは一切トラップに引っかからない事から、トラップの仕掛け人はワトソン説まで浮上する始末である。 ファミコン版独自の問題 ローカライズ移植作としてみると、オリジナル版から劣化した部分や粗が多い。 死にゲーなのに セーブ機能が削除されており、プレイの度に最初からやり直さなければならない。 捜査も中盤に差し掛かった頃あたりに、ついうっかり部屋を間違えて飛びナイフに刺されることも。もう嫌だこの船。 原語版にはセーブ機能があるので死んでも途中からやり直せた。死亡時のセリフ「やり直すことができれば」は、恐らく「セーブ地点からやり直すこと」を指していたと思われる。 移動速度がとにかく遅い。 原語版はもっと速く移動出来たのに、FCになって大幅に鈍化してしまっている。 上述の「なんんとか なるのに…」の他にも日本語訳のテキスト面に粗が見られる。 プロローグのテキストの時点で突っ込みどころ満載。「げんき ずけているかの ようです」「さつじんを かいけつ」という誤字・稚拙な語彙表現や、それまで「ですます」調で語られてきたのに殺人事件発生を仄めかす部分だけ語尾が「~だろうか」になっているという文体の一貫性のなさが確認できる。 ある外交的ではない乗客が富豪の乗客から社交界に出るようにとしつこく勧められている話をする際、「私を社会に参加させようとしているが全くの無駄だ」と語っており、その人物が引きこもりであるかのように誤解しかねない。 "society"が「社会」と「社交界」の両方の意味を持つことによる誤訳と思われる。 序盤の流れが不親切になった 原語版は最初に犯行現場の部屋しか入れず、これを船長に報告してから他の部屋に入ることを認められた。このためよく言われる「事件発覚前にトラップの部屋に入って訳も分からず死亡」という展開は起きなかったのだが、このフラグがなくなってしまったせいでゲーム開始直後に罠にかかって即死する事態が起きるようになった。 もっとも理不尽なトラップ自体については、FC版は実はこれでも緩和された方だったりする。原語版ではドアを開けようとすると物が落下してきて首の骨をへし折るという極悪トラップがあり(しかも、ドアを開けようとした瞬間にランダムで発生する)、確認したら即座にドアから離れないと死んでしまう。…コレはどう考えても無差別殺人ではないだろうか。 スプライト表示可能数の問題なのか、真犯人と犯行のトリックを暴いた後に他の乗客達が弁護しだすシーンでは、乗客が「部屋に入る→発言→退出」という一連の行為を一人一人繰り返すという非常に不自然な描写が見られる。ボタン連打でテキストを早送りすればファッションショーさながら。 原語版でも同様に一人一人探偵の前に来て発言するが、こちらは全ての乗客がちゃんと部屋の中に集合している上での描写である。 原語版に存在していた事件解決後のエンディングが削除された。 このため、クリア後の演出は画面はそのままで「ゲームオーバー おめでとう チャールズくん」といった祝福のメッセージが表示されるだけという非常に味気ないものになっている。スタッフロールも存在しない。 ゲームオーバー表記に関しては後述の原語版のエンディングを反映したものとも解釈できる他、「ゲームは終了した」という広義で捉えれば間違っておらず、当時はクリア時にゲームオーバーと表示されること自体はそこまで珍しくはない。だが、ただでさえ腑に落ちない結末であるがゆえに、プレイヤーにとってはひたすら骨折り損のくたびれもうけである。 さらに、ここでページ送りをすると大事な事なので2度言いましたとでも言わんばかりにもう一度ゲームオーバーの文字が表示される。 原語版のエンディングは「これから到着するニューオーリンズでも数々の事件に遭遇するかもしれないが、今日はもう充分に刺激的だったことだしアイスクリームでも買いに行こう」といった会話が繰り広げられた後、死体発見時・ゲームオーバー時のBGMが流れるという、こちらも実になんとも言えないものとなっている(*3)。 評価点 当時のミステリーゲームとしてはまだ少なかった、3人称視点のマップを探索して調査するシステムを採用している。 本作発売当時、ミステリーゲームといえばポートピア連続殺人事件のようなコマンド形式が主流だったため、この手のゲームとしてはかなり斬新なシステムだった。 それだけに、即死トラップの多さや、移植に際して劣化した移動速度などの点で遊び難さに繋がってしまっているのが残念なところである。 短いジングルではあるものの、乗船者のいる部屋に入った際のBGMが人物ごとに個別に用意されている。 今となっては落とし穴やナイフトラップの方がネタとして有名になっており、その点では愛されるクソゲーと言えなくもない。 本来の遊び方ではないが、開始何秒で穴に落ちるかを競ったり、船長室BGM終わりの効果音(アタック25の早押しボタンの音)を何度も聞いたりといった楽しみ方を見出す人もいた。そう言った遊びが出来る点はまだ救いがあると言えるか? 総評 洋ゲーのローカライズではあるが、トリックはいい加減・シナリオも不可解でツッコミ所満載・理不尽な仕様に最悪なUI・演出、グラフィック面でもチープで当時としても誉められたものではない、と何処を切っても問題点しか出て来ず、クソゲーと断ずる他無いのが実情である。 余談 原語版におけるワトソンの本名は"Regis Phelps"(リージス・フェルプス)だが、ファミコン版ではなじみ易い名前に、との判断で有名な推理小説シリーズであるホームズシリーズにおける主役の相方から名前を拝借したようだが、さすがに主人公"Sir Charles Foxworth"をホームズにするのは控えている。 実は双葉社が出版していた「冒険ゲームブックシリーズ」の一作として本作の続編的作品が存在する。本作の事件の犯人が射殺されると言う衝撃的な幕開けであるが、本作で放置された伏線が回収される補完的作品…ではなく、物語そのものは本編とは関連が無いオリジナルのものであり、主人公も本作の二人ではなく新キャラの少年達である。 FC版発売の翌年にMSX2版が同じくジャレコから発売されている。タイトル画面や聞き込み画面の顔グラフィックが書き換えられていたりと単なるベタ移植にとどまっていない点がある。
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P-47 ACES 【ぴーふぉーてぃーせぶん えいせす】 ジャンル 横スクロールシューティング 対応機種 アーケード(メガシステム32ROM) 開発元 NMK 販売元 ジャレコ 稼動開始日 1995年 判定 ゲームバランスが不安定 ポイント 前作から様変わりした続編演出面は良質序盤から殺意満々の猛攻敵弾が多くて速い豪速球弾幕 視認性の悪さのダブルパンチ 概要 評価点 賛否両論点 問題点 敵弾の見にくさ 殺意むき出しの敵弾 総評 余談 ワンコイン vs 連コ その他 その後の動き 概要 割と平凡な横スクロールシューティングだった『P-47』の続編。 1レバー2ボタン式。対地対空を同時発射するショットと全画面ボム、と同社が前年にリリースした『オペレーションラグナロク』に近い方式に。 全8ステージ構成。前作はループ制だったが、本作は1周エンド。 前作と異なり、敵・地形と接触してもミスにならず弾かれるだけで済む。なお、弾かれた瞬間は無敵状態になる。 タイトルの「P-47」は、第二次世界大戦時にアメリカ陸軍が主力として用いていた実在の戦闘機「リパブリックP-47サンダーボルト」に由来。 前作の自機はサンダーボルト固定だったが、本作ではサンダーボルト、ブラックウィドウ、ソードフィッシュ、スピットファイアの全4種類から自機を選択可能。 評価点 グラフィック ドット絵で丁寧に豊かな色彩を表現した美しいオブジェクトと背景ステージ 発射時に開閉するハッチや自機を追って回転する砲台などの「動き」のディティール ダメージの蓄積で外装が剥がれ内装が剥き出しになる直感的に視覚に訴えるダメージ表現 サウンド BGM 並木学、秀谷和則を始めとするNMKサウンド陣による名曲の数々 さまざまな爆発音が掻き鳴らすシンフォニーはまさに戦場のオーケストラ ハイテンポなゲーム展開 高速弾の飛び交う緊張感あふれるゲームプレイ 短いながらも起伏に富んだ濃厚なステージ展開 作戦指示で戦局を伝える簡潔なストーリーテリングによる息をつかせぬ進行 賛否両論点 ビジュアル面の方向性の変化 前作の渋いストイックな作風から一転して、時代の流れを汲んだカラフルで派手なビジュアルになっており、前作を知るプレイヤーが見ると「果たしてこれがあのP-47の続編なのか?」と戸惑うかもしれない。 前作にはなかった各自機のパイロットが設定されているが、アニメ調の絵柄のためやはり戸惑う人は戸惑うだろう。ちなみに女の子、姐さん、爺さん、兄貴とより取り見取りで、前作から続投の「サンダーボルト」(P-47)は可愛らしい女の子である。自機性能はあまり強くないのが悲しいが。 ステージクリア時にはパイロットの一枚絵が表示される。しかし機体紹介デモのものを使い回してる上にアニメーションしたりセリフを喋ったりといった事はないため、場合によってはかなりシュールな絵面になる。 問題点 シューティング屈指の高難度で知られる本作だが、これはCAVEと彩京の2周目のように高度化するシューターを想定して緻密に調整・設計された難易度とは異質なものである。 敵弾の見にくさ 主な原因は「敵弾の見にくさ」にある。 弾を隠す爆煙と破片 敵を撃破するとパーツが四散し、爆音と共に消滅するのだが、基本的な敵弾が爆発と殆ど同じカラーリングをしているため、爆風で敵弾がカモフラージュされる。 撃破のみならず、パーツ破壊・着弾でも同様の爆発が発生。敵の耐久が高ければ高いほど敵弾は見え難くなる。 一部機体の対地攻撃で発生する爆発もこれと同様の色使い。しかも最大までパワーアップしていると、爆発は最大で画面半分に広がる「対空にも使える対地攻撃」なので、更に見難くなる。文字通り炎の壁が地形を高速で滑走していく「スピットファイア」の最強状態のナパームは必見。なお敵弾の視認性はお察し下さい。 弾そのものが見にくい 弾丸は高速で点滅し、眩暈を誘うとともに速度感覚を狂わせる。 高速点滅弾はNMKの伝統技術だが、本作では弾速と相俟ってプレイヤーの視神経を直に狙う生体光学兵器と化している。 この「見にくい弾」を、前述の爆煙と破片のなかで見続けなければならない。ただし見えてても死ぬ時は死ぬが。 殺意むき出しの敵弾 そして敵弾が見にくい状況の中で殺意バリバリの弾速・弾量がこちらに襲い掛かる。 90年代以後、シューティングは敵弾が「多くて遅い」弾幕系と、敵弾が「少なくて速い」速球系に分かれていったが、本作は敵弾が「多くて速い」豪速球弾幕地獄である。 自機の移動よりはるかに速い弾が前後左右よりゼロ距離射撃される。 二面あたりから速球、三面から豪速球、四面からほぼ消える魔球。 弾幕系シューティングは、高密度の弾幕をすり抜けられるよう自機の当たり判定を小さくすることで難易度を調整するが、本作はリアル志向の巨大な当たり判定となっているため他シューティングのような感覚でいると速攻で被弾する。 速球系シューティングは、弾道の規則性(扇弾の奇数/偶数や、自機狙い/方向固定といった構成)を分析することで回避可能だが、本作はリアル志向の規則性のない分析不能な弾嵐となっているため、パターン化もできずガンガン撃沈される。 拡散弾は見た目以上に隙間が少なく、更に自機狙いの高速弾、というかもはや狙撃弾が執拗に飛んでくる。そのくせ自機の当たり判定はでかく、動きも遅め。そして道中の雑魚戦ですら弾を封殺することは困難。 また、全ボスが扇弾(5way・8way等の、多方向に同時に放たれる弾)を至近距離で連射してくる。 本作の扇弾はなぎ払うように発射位置をずらして連射する、命中率(被弾率)の高いタイプの扇弾である。これらが雑魚や、時間差で敵弾に変化する機雷と共に放たれる。 つまり… 弾が多いからと言って当たり判定は普通なのがP-47 ACESのリアリティ。 弾が速いからと言って弾道が常に予測出来ないのがP-47 ACESのリアリティ。 戦場なんだから爆風で弾が見えないのもP-47 ACESのリアリティ。 単に難易度調整がどんぶり勘定なだけとも言えるが。 総評 シューティングにおいて「敵弾が見づらい」と言うのはよく上げられる問題点だが、本作はそれの特に悪い例。敵弾の高速度、執拗さ、加えて演出による爽快感を求めすぎたあまり演出に敵弾が紛れてしまい、目視による回避が非常に困難。更に自機の当たり判定の大きさ、移動の遅さが悪い意味で噛み合っている。 グラフィックやサウンドは良く、稼ぎ要素も豊富なのだが、如何せんベースとなる難易度が高すぎる。一応クリアできないわけではないらしいので、シューティングを極めた者がたどり着く修羅の国……と言った代物。 ……という意見もあるが、シューティング=ワンコインクリアというシューター的な視点から「高難度」のみが過度に取り上げられたケースともいえる。やればやるほどに見えてくるグラフィックの細やかな作りこみの数々や、多くを語らずに世界観を表現する抑えめの演出は、かの名作『バトルガレッガ』さえ彷彿とさせる。家庭用にも移植されず、再評価される機会ももうないはずだが、もしクソゲーというならば、P-47 ACESは人間様の手抜きによって図らずも生まれてしまった荒れ狂うプログラムの猛威を感じさせる、古き良きクソゲーだといえるだろう。 余談 ワンコイン vs 連コ 本作の評価は、メインのプレイヤー層であるシューターと、開発側の意図のすれちがいにも原因がある。 シューターは「ワンコインクリア」に執着し、オペレーター・メーカーはコンティニューによる「連コイン」の利益を求める。 しかし、1995年というシューティングの高度化・自閉化が進み切った時期には、シューターにとってコンティニューは恥であり、また連コインするような「素人」はシューティングに見切りを付けて当時台頭していた格闘ゲームにコインを連投していた時代である。メーカーたちはむしろ、プレイヤーの技術に真摯に向き合うことで、高難度でありながらワンコインでも十分クリア可能な(さらに、連鎖的な稼ぎシステムによって「死なないこと」に大きな意味のある)良作・傑作を職人的な難易度調整で送り出していた。 一方、「デモ画面の残機数が実際よりもいつも一機多い」という詐欺フェイントであざとくプレイヤーを誘うことで有名なNMK製のP-47 ACESは、ある意味ではオペレータの期待に応えた「いつでもどこでも即死可能」なものに仕上がっており、「きっと攻略法があるはず……」といった信頼関係をぶち壊す、実にでたらめな孤高の難度を提示していた。いきなり突発的に死線が現れるP-47 ACESの大味な(そして激辛な)ゲームバランスは、メーカーとの緻密なかけひきを求めていったシューターたちの期待に応えるものではなかった。 しかし、もし、「死んで当然」「コンティニューで突き進む」というプレイスタイルで遊ばれていれば、P-47 ACESのいかなるときもアクセル全開のゲームテンポと画面を覆い尽くす爆煙と破片の爽快感は大きく評価されていたかもしれない。 その他 NMK名物の奇妙な稼ぎネタは本作でも健在である。 「敵や地形に接触してもミスにならない」故の隠しネタになるが、「破壊不可能な箇所に連続して接触するとスコア稼ぎができる」という要素がある(*1)。とはいえ、あの見難く高速な敵弾が飛び交う中でやるのは相当腕の立つシューターでも自殺行為に等しいが・・・ また、あるボスにてこの仕様を利用した安全地帯も存在する。自機がぷるぷる震えながら敵弾がすり抜けていく異様な光景はある意味必見。 その後の動き 本作が発売されて26年後、ゲームセンターミカドの「シュー大祭 ~シューティングゲーム大感謝祭~」にてexA-Arcadiaで『P-47 ACES改』のリリースが電撃発表された。2022年9月29日に正式稼働開始。 プレイ出来るモードは原作に自機の追加にUI周りを一新した改修版「P-47 ACES」。一定時間ショットが強化されるハイパーが追加されたり、ステージ拡張・レベルデザインが一新された「P-47 ACES改」。原作をワイド画面対応させた他にバランスも調整されたアレンジモードの「P-47 ACESワイド」の3つ。全モードで四人同時プレイが可能。更に使用可能な自機が四つ追加され、その内の二つは『プラスアルファ』からセリアとルゥミィがゲスト参戦している(*2)。 気になるゲームバランスは(ロケテスト版の話になるが)オリジナル版よりも多少マイルドになって、幾らか遊びやすくなった。また、問題点であった敵弾周りは若干見やすくはなっている模様(見づらい部分が完全に解消されていると言う訳ではないが)。
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美食戦隊 薔薇野郎 【ぐるめせんたい ばらやろう】 ジャンル ベルトスクロールアクション 対応機種 スーパーファミコン 発売元 ヴァージンインタラクティブエンターテインメント 開発元 フューパックウインズ プレイ人数 1人または2人 発売日 1995年9月29日 定価 9,800円(税別) 判定 バカゲー ポイント 奇をてらった回復手段濃すぎる世界観 アツい システム自体は良作 概要 あらすじ キャラクター システム バカゲー要素 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 スーパーファミコン後期のベルトスクロールアクション。 「ぐるめせんたい ばらやろう」 と読む。 超兄貴シリーズなどで知られるWINDSとコンパイルで『ガルケーブ』や『ディスクステーション』等に関わった藤島聡氏が代表を務めるフューパックが共同で手掛けている。企画したのは後に『カルドセプト』や『ケツイ~絆地獄たち~』などのキャラクターデザインで名を馳せる斉藤智晴。 あらすじ 20XX年、魔天都市ゼウスは第三次世界大戦の核の炎から、奇跡的な復興を遂げた。 だが、この都市で生き抜くには、己の力とテクノロジーそれとプロテイン(強化食品)が必要だった。 やがて、「全てのプロテインと力を我が物に」のスローガンのもと、悪の秘密組織『バース』が誕生した。 『バース』は日ごとにその勢力を増し街中であらゆる凶悪犯罪が頻発、ゼウスは破滅の危機に瀕していた。 ゼウス首脳陣は、この絶望的な状況を打破すべく、秘密裏にあるプロジェクトを進行させていた。 それは最強の肉体に最強の科学装甲をまとう強化兵士を作り上げることだった。 そして遂に、3人の改造人間を生み出すことに成功した。 …あまりのきらびやかさ故、彼らを見た首脳陣は顔面蒼白のまま「薔薇野郎…」そう口走ったという。 そして彼らは、生まれ故郷ゼウスを救うべく、『バース』に戦いを挑むのであった… キャラクター 美食戦隊薔薇野郎(主人公達) 3人の主人公が選べるが、どのキャラも顔、筋肉共に無駄に濃い。そして何が薔薇野郎なのかは最後まで説明なし。 + アツいヤツらの解説 爆発男爵ぼんぢゅ~る 元・闇ボクシングチャンピオン 身長:192cm 体重:96kg 略歴:バースに、自分の友とのデスマッチを仕組まれ、友を昏睡状態に陥らせてしまう。絶望の淵にいるところを博士に拾われ爆発男爵となり、バースに復讐を誓う。 好きな食べ物:肉 パワー重視型のキャラクターで、攻撃力は高いが機動性にやや劣る。 設定では元ボクサーとなっているが、改造の影響なのかハガー市長のDNAでも組みこんでしまったのかゲーム中ではプロレス技を使いこなす。…ボクサーを改造した意味は? 好物は入手が比較的容易な肉類だが、好き嫌いが激しいため凝ったメニューにすると却って回復量が下がることも。 爆発貴婦人まどもあぜる 有翼人種フェアリーの女王 身長:144cm 体重:ヒミツ 血液型:A型 誕生日:12月26日 略歴:バースによるフェアリー狩りにより絶滅の危機に追い込まれていた。そのときに、博士にバース壊滅を諭され爆発貴婦人となる。 好きな食べ物:激辛料理 攻撃力・機動力ともに標準的なコーディーバランスタイプ。初心者向きとの事だが、このゲームを上級者レベルまで練習するアツい男がどれだけいるやら。 本作で貴重なマトモな女性キャラクターではあるが、ご多分にもれず素薔薇しい体格のムキムキマッチョガール。露出の高い服装なうえ、パッケージは彼女のバストを強調したセクシーイラストが前面に出ているが、本作に限って言えばそれほど嬉しくない。ただ、ゲーム中のドット絵はなかなか可愛い。 好物を作れる唐辛子は後半のステージに入らないと入手できないが、好き嫌いが少なく魚介類でもそこそこ回復できる。この魚介類も好きという情報は一番の好物のヒントにもなっている。 大爆獣とれびあ~ん 合成動物のアンドロイド 身長:176cm 体重:64kg 略歴:博士が魔天都市ゼウスをうろつき、入手した動物たちの毛より造られたクローン人間。さらなるサイボーグ手術をかさね、大爆獣となる。 好きな食べ物:アイスクリーム スピード重視のガイタイプ。いかにも「超兄貴」的なぼんぢゅ~るに比べるとワイルドなイケメン的ビジュアルだが、やはり腕から先がヌンチャクだったり、様々な動物の遺伝子から作られたからか「にゃー」だの「ちゅー」だの言いだす一筋縄ではいかない男。 好きな献立の幅が極端に狭いうえに、好物であるアイスは入手が少し手間でディナータイムでの組み合わせもハズレになるものが多いため回復には注意が必要。 デザイナー繋がりで、シューティングファンからは『ケツイ』の登場キャラ「スティール=ユレク」に似てるといわれている。 この3人からいずれかを選択する。2Pの際は同じキャラは選択できず早い者勝ちとなる仕様である(*1)。 尚、コンティニューの際はキャラを選び直す事が可能であるが高難易度ではコンティニューはないので注意。 敵 外見はアレだが意外に手強い「もあい」や「バーナー」。 主人公の頭の上でコサックダンスを踊る小人「よしお」。もちろん踏めば一発で倒せる。 美少女アンドロイドやバニーの雑魚。 超兄貴を彷彿とさせるマッチョ雑魚。 もはやデザインも設定も電波としか思えない「ヨダレ」「でんき」など盛りだくさん。 各ステージのボスはどれも個性派揃いで一見の価値あり。おかげでラスボスの影が薄い。 システム 料理システム(正式名称:『ライフアップグルメシステム』) このゲームは敵を倒すと食材を落とすが、これらを取っても体力はごく僅かしか回復しない。流石は美食戦隊、落ちている食材をそのまま食べるような下品な舌は持ち合わせていない。 逆に言うと、まだ食べていないのに食材を拾っただけで体力が微量回復するという、食事への期待だけでやる気を出す食い意地の張った連中である。 ステージの合間に「ディナータイム」があり、取ってきた食材を二つ組み合わせる事で料理を作り、それを食べる事で体力が回復するのである。 組み合わせる食材は「メイン」と「サブ」の二つを選ぶが、同じ食材でもメインとサブを入れ替えると別の料理に変化する組み合わせもある(*2)。 キャラクター毎に好物メニューが決められており、意外とメニューの選定は考えさせられる。 選択した食材は一回で全て使い切るが、その代わり集めた量に応じて回復量が上がる。 食材の組み合わせによってはアイスクリーム丼やエビ納豆のような変な料理が出来上がり、逆に体力が減ってしまう。(*3)なかでもキノコ+キノコで出来る毒キノコを食べるとライフが-999と極端に減る(次のステージはライフ0の状態で始まる)。 同じ種類の敵でもどの技でとどめを刺したかで落とす食材が変わるので、好物を落とす敵には特定の技でとどめを狙う必要がある。 その他の食材として、プロテインが存在する。プロテインをサブにするとスーパーと名のつく料理ができ、概ね体力が多く回復する。 ただしプロテインをメインにすると、サブの食材の種類を問わず一切体力が回復しないただのプロテインができてしまうので注意。 このゲームには残機という概念がないので、料理システムは特に重要。 タイマー ベルトスクロールアクションでよくあるような制限時間は一応存在するが、そのシステムが独特である。 タイマーが0になってもゲームオーバーにならない代わりに、それまで取得した食材が全て無くなり、更にそれ以降敵を倒しても食材が出なくなるという仕様になっている。なので体力を回復させたいなら時間内にクリアする必要があることに変わりはない。 ちなみにこのタイマーはある隠し要素を出す条件の一つにもなっている。 その他 ステージ中に出現する「でんき」を倒すと落とす「砂時計」を取得すると、プレイヤーの分身を出現させる事が出来る。 分身は体力が存在している関係で完全無敵では無いが、自動で敵を攻撃してくれる、いわば「オート2P」とも言うべき存在。プレイヤーキャラと分身には相互に攻撃の当たり判定があるが、当たっても体力が減らない。分身ごと敵を吹っ飛ばしたり、分身を投げ飛ばして敵にダメージを与えたりもできる。 2Pプレイの場合、もしくは分身がすでに存在している場合は、でんきを倒したときに落とすアイテムが「プロテイン」に変わる。 バカゲー要素 Aボタンはポージング。しかも十字ボタンを組み合わせれば無駄に多くのパターンが見られる。 基本的に意味は無い。 Rボタンと同時押しするとポージングと共に爆風を発生させ付近の敵を弾き飛ばせる、所謂「メガクラッシュ」相当の攻撃が発動する。これは敵を吹き飛ばすだけでダメージを与える事はできないが、自分の体力が減る事も無く、何の制限も無く出す事ができる。 難易度設定 「ヌルい」「ふつう」「アツい」。もちろん最高難易度は「アツい」。(*4) 難易度「アツい」だとコンティニューが無い。前述の通りこのゲームには残機は無いのでミスは一切許されない。 「ヌルい」の方を選択するとピコピコさんなど一部のザコ敵が登場しない(*5)。 全5ステージをクリアすると、難易度によって異なるエンディングが流れる。 「ふつう」のエンディングでは、主人公達は敵の本拠地と共に星になってしまう。 だが、難易度を「アツい」にすると180度展開が異なる驚愕のエンディングが拝める。 ちなみに「ヌルい」のエンディングは一枚絵が表示されるのみで、スタッフロールも流れずにタイトル画面に戻る(*6)。 一部の効果音「しゃかしゃか」「ぽーい」「ぶちゅっ」などがまんま声。「しゃかしゃか」と言いながらにじり寄ってくるのかもしれない。 隠し要素として、オープニング画面で歌詞を出したり、敵キャラクターを操作してプレイできるなど、変なところに力を入れている。 なお、操作可能な敵キャラクターはスタンダードな能力を持つ物はもとより、ベルトアクションで良くいるいわゆる「オジャマキャラ」まで操作出来てしまう。 攻撃手段が一切無いものや、攻撃すると自爆するもの等、絶対にクリアできないキャラも含まれている。動作確認用のデバッグモードのような感じ。 2Pだけ敵キャラクターを操作して、1Pの攻略を手助けするサポートキャラとして遊ぶのも一興だろう。 4面ボスのシルクハット男爵がプレイヤーを一定時間敵の姿に変えてしまう攻撃をしてくる。この時のために敵を操作するというシステムが元から備わっており、それをゲーム開始から行っているのがこの隠し要素である。 評価点 完成度の高いアクション 操作性がよくアクションゲームとしての爽快感は十分。この手のベルトスクロールアクションにしては、技のバリエーションが非常に多いので、それなりに動かしてるだけでも楽しめる。 なお、本作の様な「プレイヤーキャラ及び使用可能な技が非常に多く、キャラ間の使い回しも少ない」という特徴を持つベルトスクロールアクションは非常に少なく、貴重な1作とも言えるだろう。 良好な楽曲群 上述のタイトル画面をはじめとする各種BGMも世界観に馴染むアツいもの。 また、スタッフロールBGMもプレイヤーキャラ全員分用意されている力の入れよう(*7)。 オリジナリティの強さ 「兄貴の世界」+「グルメ」+「ベルトスクロールアクション」を融合した素薔薇しい怪作の持つ魅力に惹き付けられてしまったプレイヤーも少なからず存在する。 また、本作で繰り出せる豊富な必殺技の中にも「スクリューパイルドライバー」といったありふれた物から「敵を横に投げて跳ね返ってきた所をラリアットの一撃」「コーナーポストの様にダウンしている相手の上に乗り、アピールしてからボディプレスをかます」等、本作独自の必殺技も多く、ポージングの存在も相まってベルトアクションゲームでありながら、まるでプロレスゲームをやっているのかのようなプレー感覚になっていると言える。 賛否両論点 全体的に複雑なゲームシステム。 本作のクリアを目指すには、敵の性質や各種必殺技コマンドといった一般的なベルトアクションの要素の他に、特有の料理システムを使いこなす為に、登場する敵と対応する技毎の食材や作れる料理の内容を把握しなければならない。 技バリエーションの多さ故にSFCのコントローラーのボタンをフルに活用する必要がある為、操作性も複雑な部類である。 技バリエーションは多いが、キャラ毎に好物のベースとなる食材を落とす技を使いがちになるため、慣れてくるとプレイが単調になりやすい。 加えて、プレイヤーキャラクター全員分でクリアする為には、残りのキャラクターの技や食材も把握する必要があり、更に「覚え要素」が増加する事になる。 問題点 難易度がヌルい 雑魚敵は数が少なく、攻撃頻度が低く、攻撃力も高くない。ボスもそれほど強くなく、この手のジャンルに慣れたプレイヤーならさほど苦労せずにノーミスクリアが出来てしまう。後述通り回復手段に乏しいゲームなのでそれもまたやむなしか。 一方でプレイヤーの体力も実は上限が初期値の4倍ぐらい高い。なので料理システムに慣れてしまえば、たとえ「アツい」難易度でも緊張感はあまりない。 かといって全くの初心者に易しいのかと言われると実は難しい。 最初の方では簡単になっているものの、ボス戦が厳しくステージ2のボスは通常行動の他に近接無敵攻撃を繰り出したりHP吸収技などで長期戦に持ち込まれたりして苦労する。ステージ3のボスは3つの形態がありしかもこちらのHPを4割ほど削る技も使って来るので容易ではない。 初心者には厳しく熟練者には物足りないのは残念なところである。 演出が地味 道中は代わり映えの無く暗い背景が延々と続き、ステージギミックの類も一切無い。 場面が切り替わる時は静かにブラックアウトする。ステージクリアのときでさえ同じであり、ボス敵の散り際もほとんど代わり映えはしない。 プレイヤーの通常攻撃が必殺技と比べて露骨に低く、雑魚敵との戦いが長引きがち。 一回のディナータイムで作れる料理は一つだけ ゲームの進め方によっては食材を3種類以上はザラに取れる。なのにディナータイムで料理を作ってしまったら、残りの食材はすべて次回に持ち越しとなり、最悪無駄になってしまう。ちなみに自由に食材を選んで好きなだけ料理を作るモードも存在しない。 せめて取ってきた食材を全種類使い切るまで何度も料理を作れるようにできなかったのだろうか?…と言いたいところだが、一回の食事としてはこれで十分なのかもしれない。筋骨隆々な割に小食なのだろうか? 総評 ややボリュームは少なく単調だが、操作性が快適なアクションゲームで完成度はそこそこ高い。 だが様々な技や凝ったグラフィック、アツいBGMなどに加え、『超兄貴』をさらに味付けしたような世界観とシステムの彩りが、このゲームをバカゲーたらしめている。 決してメジャーではないものの、未だにアツいコアなファンを有する異色のアクションといえる。 余談 Wikipediaの項目がアツい。 購入時のアンケートはがきの「購入した理由」の質問に対して何故か最初の選択肢が「間違った」と書かれている。 出荷本数が少なく、SFC界のプレミアソフトとして知られる。 作品の内容がマニアックな為か、バーチャルコンソール等でも配信は行われず、半ばプレイ自体が困難な作品になりつつあった。 2017年、BLAZEPRO社(*8)より同じくスーファミのプレミアソフトとして知られている『アイアンコマンドー 鋼鉄の戦士』と共にまさかの本作のカートリッジ形式での再販が決定してしまったした模様。「何故復刻させた」とか言うな! 2018年1月30日に税込み6,998円で発売された。 2019年4月15日、海外版『Gourmet Warriors』がSNESカートリッジで発売。実に24年越しのローカライズとなった。 タイトル画面は「美食戦隊 薔薇野郎」の文字の周りに「Gourmet Squad」と書かれているのでどっちが正確なタイトルなのか一瞬混乱する代物である(*9) (英語歌詞ではあるが)歌詞表示の裏技を含め、SFC版にあった裏技は使用可能。 2019年7月4日、Windows版もSteamにて上記の海外版が配信開始。DL版故か価格も1220円(税込)と比較的安価ではある。(*10) 2023年8月31日にはSwitchでも海外版の配信が開始された。なお、日本版の配信予定はないとのこと。 2022年2月2日、実に27年越しにサウンドトラックの発売が決定した。その名も『バンド・オリジナーレ・ドゥ・ジュ・ヴィデオ』(フランス語で「ゲームサウンドトラック」)。開発者のインタビューが掲載されている。 時代が追いついた? 本作以降に発売されたゲーム作品では「道中で拾った食材を使った料理で体力を回復する」形式のアクションゲームがリリースされている事から、本作はそれらゲーム作品の先駆者的存在として語られる事がある。 また、本作ではプロテインを食材として使用した料理が存在するが、実際にプロテインを使用した料理のレシピが登場している。詳しくは「プロテイン 料理」で検索してみよう。 ゲームセンターCXのゲームのオープニングシーンのみ紹介していくというミニコーナーにおいて、本作が登場したことがある。紹介する際の煽り文句が「スーファミを代表する クソゲー 」となっていた。上にある様に本作はバカゲーではあるが決してクソゲーではない作品といえる物なのだが…。バカゲーもひっくるめてクソゲーと呼ぶ風潮もあったのでその名残なのかもしれない。ちなみにこのコーナーでは歌詞を表示させる技を使い、有野課長が口ずさむシーンもあった。
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HEXAMOON GUARDIANS 【へきさむーんがーでぃあんず】 ジャンル ADV+SLG 対応機種 プレイステーション 開発元 ゼロシステムスタジオOX(開発協力) 発売元 インクリメントP 発売日 2000年3月30日 定価 7,334円 判定 クソゲー ポイント 90年代熱血ロボ+学園コメディ豪華アニメ&声優陣分岐一切なしセーブ間隔が長い戦闘は作業 概要 システム 評価点 問題点 総評 概要 アニメパートを多用した、学園コメディADVに巨大ロボで戦うSLGパートを組み合わせた作品。 販売元は『格ゲー野郎 Fighting Game Creator』を送り出したインクリメントP。 開発にはOVA『アイドルプロジェクト』などで知られるスタジオOXが協力。同社に所属していた鈴木典孝氏がキャラクターデザインを担当。 普通の高校生だった轟堂大地が、突如現れた異世界『ヘキサムーン』からの逃亡者ミューズと出会ったことで鉄鋼魔神ドルガイヤーと融合し、侵略者であるクロスロード鋼鉄兵団と戦っていくのがシナリオの軸になっている。 システム ADVパートはオーソドックスな内容 ○ボタンでのセリフ送り以外操作はないが、会話時は立ち絵もかなりアニメーションする上、フルボイスになっている。 表情毎にアニメパターンが用意され、立ち絵とは言うものの棒立ちのシーンは殆ど無い。 要所要所でアニメやイベントスチルが挿入されるため、画面的には結構派手。 SLGパートでは巨大ロボたちを操作 最初は大地と同一化したドルガイヤーだけだが、話が進むと「敵に囚われていたミューズの仲間を、機体ごと奪還した」ということで味方に加わってくれる。 ドルガイヤーのみ回復コマンドが使用可能。 バトルマップは3Dモデルだが、攻撃時にはフルサイズでのアニメが流れる。 評価点 90年代のロボットアニメを思わせる、王道シナリオ 具体的に言うと、エヴァより前の熱血ロボ系。ドルガイヤーなどロボットの造形は勇者シリーズを思わせる。ロケットパンチは当然装備、終盤では合体しフルパワーで金色化。 とはいえその終盤での合体は、形としては『六神合体ゴッドマーズ』だが(*1)。 やたらキャラ立ちしたモブも結構いるためキャラクターとしてのインパクトは強め。 頼まれたらイヤと言えない熱血主人公や天然ヒロインなど、その手のアニメではお馴染みのファクターも多い。 また当然のようにサービスシーンもちらほら。 鈴木典孝氏のキャラクターデザイン 女性キャラは美女揃い。男性キャラも端役を含め個性派が揃っている。 豪華な声優陣 主人公役とヒロイン役には当時若手の鈴村健一、満仲由紀子を起用している。 他のプリンセスたちもかかずゆみや雪乃五月、井上喜久子など当時の人気声優が担当。 生徒会長役の飛田展男は怪演ぶりが光っている。他にも敵役に松本保典や平松晶子、ナレーションに若本規夫など有名かつ実力派揃い。 正直、大ヒットしなければ採算が取れないレベルである。 問題点 シナリオに分岐が一切ない 一応話の中では「今日はどうしようか」「どこから案内する?」など、選択を思わせる文面があるものの実際にはプレイヤーによる選択は存在しない。 そのため一本道の話をただ見続けるだけの時間が長く、ダレやすい。せっかく女性キャラが多いにもかかわらず、ヒロインと呼べるのは一緒にいる時間が長いミューズと幼馴染の睦だけ。 どうも多くのシナリオを削っているらしく、何かの伏線のようになっている部分がガン無視されるケースも。 また「満月の日にしかクロスロードはこちらの世界に侵攻できない」ということでこのパートはかなり長く、途中セーブも出来ない。セーブはSLGパート前と次の章へ行く前だけ。 SLGパートはミニゲーム程度 成長要素や改造、隠しユニットなどがないため戦略性は薄い。作中でも言われるがドルガイヤーは別格の強さを誇っており、負ける方が難しいレベル。 それでも頭数が少ない序盤は少々痛手をこうむる場合があるが、数がそろってくると完全に作業と化す。 敵のザコ機体は何故かオブジェクトの破壊をやたら優先し、執拗にビルや木を攻撃してターンを無駄にする。 どんなに被害が広がろうが、別に大地たちに不利になる要素はない。というか資金という概念もシナリオ分岐もないので、ペナルティのしようもないだろうが。 反撃の発動条件が不明で、しかもランダムでノックバックする仕様なので非常に運任せ。 プリンセスの説得も、結局撃破しなければならないので二度手間。 総評 メディアミックス優先による弊害なのか、設定はともかくゲームとしてはかなり不出来。 せめてシナリオ分岐や収集要素でもあれば、話は違ってきたかもしれないが。 インクリメントPのコンシューマ作品としては、本作だけがアーカイブス配信されていない辺り会社としても外れと認識しているかもしれない。
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ぷちえゔぁ 【ぷちえゔぁ】 ジャンル まったりほんわか 対応機種 ニンテンドーDS メディア DSカード 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 ベック(芝村組) 発売日 2008年3月20日 定価(税込) 通常版/特典付き共通 5,040円※特典は特製スクールカレンダー レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 クソゲー ポイント 2008年クソゲーオブザイヤー携帯機部門次点 対象層が明らかにミスマッチキャラの可愛さだけが取り柄違和感だらけのボイス 新世紀エヴァンゲリオンゲームリンク クソゲーオブザイヤー関連作品一覧 概要 ゲーム内容 問題点 評価点 総評 余談 概要 『新世紀エヴァンゲリオン』の公式スピンオフ作品である『ぷちえゔぁ ~EVANGELION@SCHOOL~』のゲーム化作品。これは、エヴァのキャラクターを二頭身半のチビキャラにデフォルメし、TVシリーズで一度行われたネタをもとに学園物として再構築されたギャグ要素の強い作品である。 バンダイチャンネルで公開されたアニメ作品や、『月刊少年エース』などに掲載された漫画作品などがある。ちなみに角川系列では、『涼宮ハルヒの憂鬱』に対する『涼宮ハルヒちゃんの憂鬱』など、このような公式スピンオフが連載される例が他にもある。 あくまで『ぷちえゔぁ』のゲームなので、ほんわか和ませ系のゆるい雰囲気を持つキャラゲーになっている。 ゲーム内容 操作はほぼ全てタッチペンで行われ、補助的に十字ボタンとスタートボタン(ポーズ用)が使われる。 4月から3月までの12ヶ月それぞれに各4話のステージが用意されており、それぞれでストーリー付きのミニゲームを行う。最初の4月のみ、オープニングで1話使っているため全3話となっている。よって全47話、ミニゲームも47個である。 最後の3月第4話をクリアするとエンディング。各ステージはクリアできなくても、3回失敗した場合は先に進める。 各ステージを好成績でクリアすることで固有の「おたから」と呼ばれるアイテムを最大2~3個入手でき、コレクションできる。 問題点 ゲーム全体に渡るチープさ ミニゲームが低年齢層向けFlashゲームレベルの寄せ集め。 原作エヴァ世代はとうにいい大人になっているし、ご存知の通り作品自体グロテスクなシーンや性描写も多く、「子供向け」とは到底言えない。『ぷちえゔぁ』にしたって、幼児が触れるほど低年齢層向けの作品ではないはずだが… 「逃げちゃだめだ」「歌はいいねえ」など、エヴァの有名セリフも(半ば無理矢理に)出てくる。一体このゲームは誰をターゲットにして作っているのだろうか。 ボリューム的にも、「おたから」に拘らず進めて2時間、コンプリートまでせいぜい5時間といったところ。 ミニゲームの内容を紹介。カッコ内は収録個数。 タッチアドベンチャー(10回):画面上のキャラクターや物体をタッチペンで囲み選択することで、会話を進めていくミニゲーム。 説明役のミサトからある程度の指示は出るものの、どのキャラクターを選択すれば話が進むかはほとんど運任せである。 クリアだけなら楽だが、「おたから」を集めようとすると最短手順を覚えるだけの記憶ゲームとなる。 タッチアクション(14回):シンジ達がひたすらゴールに向かって歩いていくor走っていく。障害物に当たるとしばらく動きが止まってしまうので、タッチやスライドで除去するミニゲーム。 ステージによっては追ってくる敵の妨害やシンジの加速などの要素があるため完全に単調にはなっていないものの、基本は同じ。ベタな作りや収録個数の多さもあり、ダレること必至。 タッチパズル(11回):配置を入れ替えるミニゲーム。ギミックを正しく配置して設置物を動かすステージや、計算式や四字熟語を正しく並べ変えるステージがある。 設置物を動かすステージは、やや頭は使うものの難易度は高くなく幼稚さが漂う。計算式や四字熟語の並べ替えはさらに酷く、問題が小学生低学年程度のレベル。 ハートにタッチ!(7回):キャラクターとの会話の返答を4択で10問答えるミニゲーム。10問それぞれで配点は異なり、合計100点満点のうち80点取ればクリア…相手の性格や原作ネタから若干は答えが推測できるが、少なからずただの運ゲーである。 + 問題の例 (アスカとプールへ。なぜか黙りこくるアスカ) Q:む…… (選択肢)「……」「暑いねえ」「な、何かしゃべろうよ」「なんできげん悪いの?」 A:「なんできげん悪いの?」5点、「な、何かしゃべろうよ」4点、「……」3点、「暑いねえ」0点 (父・ゲンドウと二人きり) Q:…… (選択肢)「テレビ、面白くないね」「(テレビをねっしんに見る)」「おなかすいたね」「……」 A:「(テレビをねっしんに見る)」5点、「……」4点、「テレビ、面白くないね」3点、「おなかすいたね」0点 「おたから」をコンプリートしたい場合は満点の100点が必要なので、間違えてはそれを覚えてやり直し、の繰り返しを強要される。 たくさんタッチ!(5回):ひたすらタッチペンで連打するだけ。もはやミニゲームと呼んでいいか怪しいレベルである。最終面もこれ。 「おたから」の取得について不親切な点が多い。 ステージによって2つ入手できる場合と3つ入手できる場合があるのだが、そのステージがどちらなのかは一切表示されていない。 コレクションページの歯抜け状況を見ればだいたい推測は可能ではあるが、それでも完全な断定はできない。 好成績を残して「おたから」を全て取得しても、特にストーリー内容は変わらない。 ステージ選択画面において、クリア成績に応じて各ステージに最大3つの星マークがつく。しかし、星の数と「おたから」の取得数は直接連動していない。 2つしか入手していないのに星が3つ付く場合や、その逆の場合も起こり得る。結果、星の数は「おたから」の取得に関してあまり参考にはならない。 「おたから」自体ネタ的に面白い訳でもないので、最初からコンプリートする気になるかどうか微妙なところではある。 ゲーム冒頭でキャラクターや世界観の説明が一切されない。 オープニング映像はキャラと名前が出るだけで、20秒余りで終わる。説明書のキャラ説明もおざなり。 エヴァを知っていればキャラにさほど混乱はしないだろうが、それにしたって『ぷちえゔぁ』自体の世界観の説明がゲーム内で全くないまま始まるのはいかがなものか。 ゲーム内のムービーは、何かの日常系マンガに出てきそうなありがちなネタで、内容は決して面白いと言えるほどのものではない。テキストも全編ほとんどひらがなとカタカナしかないので、児童以外のプレイヤーは見づらくてしょうがない。 綾波ではなくアスカのみが正ヒロインとして扱われており、シンジもアスカのほうにより恋愛感情を持っているという描写について好みは分かれる。 あくまでスピンオフなので製作側の意図の範疇ではあるが、原作では明確な差がなかったヒロイン2人の扱いが割れているのは否めない。 意味不明なボイス シンジやアスカ、綾波らキャラクターのセリフ全てにボイスが付いているのだが、これが意味不明極まりない。 ボイスは「あっ」「うん」「うふっ」などと聞こえるごく短いボイスのみで、まともに感情や意味をなす言葉はろくに喋ってくれないためほとんど用をなしていない。 ボイスはキャラクターやセリフとろくに合っておらず、出来の悪いアクションゲームのダメージボイスのような音声からは意図がさっぱり読めない。 そもそも音質の悪さからかくぐもっているものも多々あり、ボイスというよりは「なんだかよくわからない声が一瞬聞こえる」といった有様であることも多い。 スタッフロールによればボイスはならはしみき氏と宮田浩徳氏が当てているらしいのだが、この両名はメインキャラクターにおける元々の声優ではないし、そもそもエヴァへの出演経験自体全くない。 スピンオフだからといって原作と同じ声優を当てなければならないという道理はないが、それにしたってもうちょっとまともな声の当て方があるだろう。 そもそも、聞いていて両氏の声だと判別できるかどうかは非常に怪しい。二人ともベテラン声優(*1)なのに、明らかに無駄遣いである。これだったらいっそ電子音か無音のほうがいくぶんマシであろう。 オプションは「手書きで設定したプレイヤー名の変更」と「データ消去」の2つだけと、「オプション」の体を完全に成していない。 評価点 シナリオは適当だがキャラクターの設定やビジュアルにはそれほど問題はなく、女の子キャラはどれもそれなりにはかわいい。シンジもかわいい。 とは言え、これは元々の『ぷちえゔぁ』という企画、ひいては原作エヴァの功績であり、本作が独自の長所ではないだろう。 総評 とにかく、まずフルプライスのゲームとしては明らかにボリュームが足らない。 47個という個数だけで言えばまだマシにも思えるが、1分もかからずに終わるようなゲームが大まかに分けてたったの全5種、拡大解釈しても10種もないようなバリエーションの少なさである。 ストーリーにしろミニゲームにしろほとんど手が掛かっているようには見えず、先に進むことによる達成感や緊張感を感じさせる作りにはなっていない。 ちなみに開発者インタビュー内では、DSということである程度ライトな層を対象にしたかったらしく、「電車の中で1話ずつプレイするようなプレイスタイルを想定」とか、 「たまに詰まって頭の中で試行錯誤して解法を見つけるようなゲーム」などという主旨の発言がされている。 それにしては、公衆の面前でやるのはどうかという連打ゲーや、解法なんてほとんどないような運が大部分を占めるゲームが多数混じっていたりするのだが… 余談 ゲームデザインはあの芝村裕吏氏。 2ちゃんねるエヴァ板では「4500円のカレンダーを買ったらDSのゲームがついてきて得した」とまで言われる始末。 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版 破』(2009年公開)で登場する新キャラクターの「真希波・マリ・イラストリアス」がこのゲーム内で先行登場している(*2)。 ストーリー内にたまに紛れ込んでいるモブキャラという位置づけになっているため、特にセリフや活躍の場はない。 値崩れした結果、販売から1ヶ月も経たないうちに特典付きがワゴン置き場で売られているのが確認されてしまっている。