約 311,450 件
https://w.atwiki.jp/tatiken/pages/42.html
大鎌威太刀 (オオカマイタチ) 攻撃力 1056 属性 毒340 改心率 -10% 強化、生産価格 95000z スロット 空き2つ 強化必要素材 重竜骨×5 劇烈毒袋×5 雌火竜の上棘×2 エルトライト鉱石×5 斬れ味
https://w.atwiki.jp/toriko-database/pages/1046.html
名前 カバザメ 分類 魚乳類 初出 150話 捕獲レベル 9 生息地 デスフォール付近の河川 概要 読者投稿の猛獣。カバと鮫が混ざったような魚で、水中でも陸上でも行動可能。 肉は牛肉よりも脂ののりがよく美味で、ヒレはフカヒレによく似た味のため、代用品として使用されることも。 デスフォールでトリコたちに襲いかかるも、サニーに吹っ飛ばされてそのままクインに食べられた。 関連項目 猛獣・食材図鑑(原作) デスフォール
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/45837.html
《堕乱 ウチザン》 堕乱 ウチザン C 火文明 (1) タマシード/クリーチャー 魔道具/マフィギャング/ACE 500 ◾︎バトルゾーンに魔道具が3枚以上なければ、バトルゾーンにあるこのタマシードはクリーチャーとして扱わない。 ◾︎このクリーチャーが出た時、自分の山札の上から3枚を見る。その中から魔道具かドルスザクを1枚を自分の手札に加え、残りを好きな順序で山札の下に置く。 作者:煎茶 概要 《卍乱祭 ソウル・ザーク》をサポートするカード。 初動にサーチカードで使える上にいざという時の打点になる。 関連 DMTO-EX 「開祭 超獣フェスティバル」 カードリスト 煎茶 評価 選択肢 投票 ★★★★★ (0) ★★★★☆ (0) ★★★☆☆ (0) ★★☆☆☆ (0) ★☆☆☆☆ (0) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/fleshyuri/pages/1205.html
待ち合わせ場所は天使の像の前、今は約束した時間の5分前。 いつもであれば、待ち人はもうとっくに来ている時間だ。 メールで昨日、待ち合わせ時間を確認したから、約束した時間が間違っているってことはない。 ということは、何か非常事態が起こったかもしれないってこと。 電話して確認するって方法もあるけど、せつなの家に迎えに行った方が早い。 せつなの家からここまでは一本道だから、すれ違うってこともない。 せつなの家に着いて玄関を開けると、予想通りというか、家の奥には仁王立ちしたラブが立ちはだかっている。 玄関先には出かける準備を済まして、後は靴を履くだけのせつなが困ったようにラブの顔を見ている。 ラブがこんな風にデートを阻んでいては、せつなも出かけ辛いだろう。 「美希たん、いいな。あたしも行きたいな~」 いやだから、デートに保護者同伴ってないから。保護者っていっても、ラブはアタシやせつなと同い年だけれど。 ラブにとっては、せつなが遅く帰ることが心配なのではなく、アタシと一緒ということが心配なのかもしれない。 「ラブ!」 アタシという味方を得たせつなが強い口調で咎めると、ラブは今までの勢いが無くなってしょんぼりする。 強気になったせつなに弱いのは、どうやらラブも同じらしい。 「二人で出かけてもいいけど、門限は6時だから!」 さっきまでとはうって変わって悄然とした態度で、それでも言うべきことは言っておきたいと言う事か。 いつもより門限が早いとは思ったけれど、ここで争ってはますます二人の時間が少なくなってしまう。 了解したサインに手を振って、もう一方の手でせつなの手を繋いで表に出た。 ラブの怨嗟の声が聞こえてきそうな桃園家を後にして、向かうデート先は水族館。 前回はブッキーに勧められた動物園、今回の水族館も同じくブッキーのお薦め。 今回行く水族館はブッキーによると、規模が小さくて展示されている生物は少ないものの、 イルカショーやアシカショーに力を入れていて、なによりゆっくり観てまわれる所がいいらしい。 せつなには色々と深い事情があって、普通の女の子なら誰でも経験したことがあるようなことでもしていない事が多いから、 せつなが初めて体験することを二人で一緒に体験して、感動を分かちあえるのはすごく嬉しい。 ・・・ただ、一つだけ、水族館に行くことで心配なことがあるとすれば、 水族館にはアタシが苦手なアレがいるだろうということ。 アレは八本足で、西洋では悪魔の魚と呼ばれているらしい。 そう、アタシはタコが嫌い。嫌いなんかを通り越して、怖い。 アレがいそうな場所というと、日本の近海の生物を展示してある所。 身近な魚介類が多くて日本のどこでも獲れることができる、マダコもいるかもしれない。 それと、魚類以外が展示してあるコーナーにも、タコがいる可能性が高い。 珍種のクラゲなど珍しい水棲生物がいるみたいで、インターネットで調べたけど、 どこに何が展示されているのかまでは、はっきりと分からない。 だから、アレによって、折角のデートが台無しになるかもしれない。気を付けなければ。 今日行く水族館は何度か電車を乗り継ぐため、移動時間に時間がかかる。 毎日の様に逢っているから、話すネタが少ないということもあるのかもしれないけど、 今日の予定や昨夜の出来事とか他愛の無い話が終わってしまうと、沈黙の時が流れる。 二人掛けの座席に肩が触れ合うくらい近くに二人並んで座ると、会話は無いけれど、その沈黙が心地良い。 初めて二人で出掛けた時は沈黙が気まずくて、会話が途切れる度に話しかけていたっけ。 その時は、オーディション用の衣装を選びに、本当は四人で出掛ける予定だった。 ラブは病気でブッキーは都合が悪くなって、結局、二人で出掛けることになって。 最初は何を話していいか、せつなが何を考えているか、アタシには分からなかった。 幼馴染の二人とは違い、せつなとは同じプリキュアといっても、出逢ってから少ししか経っていない。 それに、出逢った時は仲間じゃなくて敵だったから、第一印象といえばお互い最悪だったわけだし。 休日の早い時間の電車内は乗客もまばらだ。 人が少ないとはいえ、人目が全く無いわけじゃないから、手を繋ぐことはできないけど、 二人の間のスペースにさりげなく鞄を置いて、手の甲をせつなの手の甲にくっつける。 それに応えてせつなの手の甲が一旦離れて、挨拶をするように再びアタシの手の甲に触れる。 人に見つかってはいけないと思うから、余計にそう思うのかもしれないけど、 触れる面積は少ないけれど、せつなと繋がっている感じがしてドキドキする。 電車に乗っている時間はいつもより長かったはずだけれど、 あっという間に時間は過ぎ、予定より30分ほど遅れて水族館に到着した。 ブッキーに勧められたイルカショーは最初の回が始まっていたので、屋内展示から観ることにした。 屋内に入ってすぐの展示は、近海に住む魚達のコーナー。 大きな回遊式の水槽に、お魚屋さんでも良く見かけるお馴染みの魚が泳ぐ。 あまり関心のないアタシが見ると美味しそうとか、関係の無いことばかり頭に浮かぶのだけど、 せつなは真剣そのもので、広い水槽の中を悠々と泳ぐ魚達を見ている。 この水槽の中の魚達は特に珍しくはないけれど、せつなにとっては新鮮なのだろう。 魚が泳いでいる所なんて普段の生活では限られるけど、商店街の魚屋さんには生簀があって魚が泳いでいることがある。 その時でも、興味深そうに生簀を覗いている。たまにアレがいるので、アタシは見ないようにしているけれども。 幸いというか、マダコとかタコ類は展示していないらしく、ゆっくり観てまわった。 次は淡水に棲む生物の展示で、前のコーナーの近海の魚よりもっと身近な、川や沼に生息する生物のコーナー。 淡水に棲むタコはいないから安心して観ることが出来るのだけど、海の魚と比べて色彩に乏しく、 どこでも見られる身近な魚が多いからか、観ていて楽しいものは少ない。 だけど、せつなは子どもの様に目を輝かせて、水槽の中を泳ぐ魚達や案内板を見ている。 どんな小さなことでも、相手が感動して喜んでくれるのは、誘った自分としてもすごく楽しい。 淡水魚のコーナーを過ぎると、水の中の生物と触れ合えるコーナーで、タッチプールと呼ばれている。 ヒトデやエビなどの水槽の中の生物に触ることができて、子ども達には人気があるコーナーだ。 プールの中のヒトデは生きているのか分からないほど動かないけれど、捕まえて裏返しのまま水中に沈めると、 どういう仕組みで動いているのか分からないけど、ゆっくりと裏返って元の体勢に戻っていく。 そのタッチプールの中でも目玉は、ドチザメという鮫がいること。 ドチザメは全長が1.5メートルくらいで、泳ぎもそんなに早くなく、気性は穏やか。 それほど深くない青いプールの中で、ドチザメがプールの底に貼りついたように動かない。 プールの中に入れているせつなの手を掴んで、その手をドチザメの方へと誘導するけど、怯えたように動かない。 危険じゃないとは頭では分っているだろうけど、ドチザメはいかにも鮫って外見だから、確かに尻込みしたくなるよね。 でも、人を襲う鮫はごく一部で、鮫のほとんどは人に危害を加えることはないらしい。 触っても大丈夫と声をかける代わりに、せつなの手を捕まえていない方の手で、ドチザメの身体に触れる。 アタシが身を以てドチザメの身体に触ったからか、せつなの身体から緊張が抜けてドチザメの身体に触れる。 ドチザメの身体に触れて、その感触を言葉で表現するのは難しい。 頭の方から尾の方へ触るとすべすべしているけれど、尾の方から触ると全く違う感触で、所謂サメ肌。 表面はざらざらしているけれど、不快な感触ではなくて、強く擦らなければ痛みも感じない。 ドチザメは触っても怪我はしないだろうけど、触っただけで血だらけになるような種類の鮫もいるらしい。 百聞は一見に如かずというけど、見るだけじゃなく体験してみないと分からない事も沢山ある。 子ども達の輪の中に混じって、プールにいる動物達を驚かせない様に、タッチプールを楽しんだ。 屋内展示の半分くらい来た館内中央には特別展示室という少し開けたスペースがあって、 今しているイベントは、水中にいる危険生物という特別展示らしい。 2、3人くらいしか見えない小さな覗き穴がある水槽が少なくとも10以上あって、 その中の一つで、一番近い水槽を覗くと、クラゲらしき物体が水中をふわふわと漂っている。 水槽の横の案内板を見ると、カツオノエボシという、正確には一個体のクラゲでなくヒドロ虫が集まった姿らしい。 触手は青くウネウネとしていて、見た目は青い稲妻が水中を走っているようにも見える。 その触手から毒針を打ち込み獲物を捕え、人間が刺されると時には死に至ることもある。 日本近海にも生息しているクラゲで、外見上は綺麗だけど、美しいものには刺があるってことなんだろうか。 他の水槽を見ると、ハナガサクラゲなど他のクラゲや、鋭い歯を持ち凶暴で有名なピラニアなどがいる。 分厚い水槽の内側にいて、こちらに害はないと分かっているせいか、あまり恐怖心を感じない。 危険な生物なんだろうけど、意外なことに体色が鮮やかだったりして綺麗な生物が多く、見ていて楽しい。 特別展の最後の水槽を覗くと、生き物らしきものがいない。 暫く見ていると、岩と同化していた何かが動き、岩の上を移動して、動きを止めると再び岩と同化する。 体長は10センチくらいで、注意してみないと見逃しそうなほどうまい擬態だが、身体には青い線が見える。 案内板を見ると、ヒョウモンダコ、英名ブルーリングオクトパスとある。 小型だがフグと同じ毒を持ち、獲物を麻痺させて捕獲する。人間が噛まれると死ぬ可能性がある・・・・ ヒョウモン・・・ダコ?! これって・・タコ!! タコという言葉に全身が拒否反応を示して勝手に身体が動き、この場から離れたくて走る。 全力疾走で館内を通り過ぎると、行き交う人々が怪訝の表情でこちらを見る。 後で考えると凄い形相で走っていたんだろうけど、走っている時はそんなことを考える余裕もなく、とにかく走る。 「美希・・・美希・・・」 アタシの名を呼ぶせつなの声が後ろの方から聞こえる。 その声がだんだん近づいてきたかと思うと、隣から聞こえる? 横を向くと全力疾走しているアタシに、いつの間にか追い付いて併走している。 凄いスピードで走っているはずなのに、せつなは涼しい顔をしてついてきている。 「美希、これって競争なの?」 こんな状況で競争するなんてあるはずない。 せつなの変な言動は偶にあるけど、それはせつながこの世界で生まれていないから。 いつもだったら笑って受け流すことが出来る。だけど、今は生きるか死ぬかって状況。 そんなときに、トンチンカンなことを言われたら、誰だって頭に来る。 急に立ち止ったアタシを、せつなが不思議そうに顔を覗き込んでくる。 「せつなは知っているでしょ!アタシがタコを嫌いだってこと」 自分でもキツイ言い方だって思う。せつなは何も悪くない。 でも、タコへの恐怖が怒りへと変わって、更にせつなの態度が怒りの火に油を注ぐ。 「でも・・・それなら・・・美希も同じじゃない!」 何が同じって言うのよ。変な事を言うのもいい加減にして。 声に出さなくても、アタシの思いは態度に出ていたらしい。 「美希だって、知っているじゃない。私の怖いもの・・・」 「せつなの怖いもの・・・」 思い出した。せつなの怖いものとは、アタシ達がいなくなること。 「もう、一人にしないって言ったじゃない。いなくなったりしないって」 せつなに近づき、抱き寄せる。 もう一人じゃないって感じられるように、鼓動が感じられるくらいぎゅっと抱きしめる。 触れてみてはじめて、せつなが震えていることに気がついた。怖かったのはアタシだけじゃない。 ごめん、本当にごめん。もう一人にしないから。アタシがいるから。 思いが心から溢れ、アタシは呪文を唱えるみたいにせつなに謝っていた。 そんなに長い時間ではなかったと思うけど、せつなの震えが止まっていた。 さっきは無我夢中だったけれど一時の激情が過ぎてしまうと、せつなのぬくもりを強く意識する。 恋する二人、考えることは同じ。 アタシの胸から顔を離したせつなが、顔を上げてゆっくりと瞳を閉じていく。 目を閉じたせつなの唇に、自分の唇を・・・・ 「お母さん、あのお姉ちゃん達・・・・」 「見ちゃだめよ」 アタシ達の横を通り過ぎる親子連れの声が聞こえて、慌てて身を離し、お互いあらぬ方を見る。 不自然なくらい、アタシ達の方を見ている人は誰もいないのだけど、 そのことが却って、こちらに注目していることが分かる。 身の置き所が無いというか、穴があったら入りたいって、こういう気持ちなのかもしれない。 コンタクトが外れたフリをするか、さっきみたいに走って逃げるか、それとも・・・ そんな考えが頭の中でグルグルと回っていると、せつながアタシの手を引っ張る。 「美希、こっち」 せつなに手を引かれて連れてこられたのは、スタッフの人が出入りするらしいドアの前。 水槽が展示されている場所からは死角になっていて、タイミング良く誰も見られずに逃れることが出来た。 二人になった途端、赤い光が自分達の周りを囲むように光る。 アカルンを呼んだのだと気付いた時には、アタシ達の身体は水族館から離れていた。 アカルンで運ばれた場所は、アタシの部屋。 でも、水族館はまだ他にも観る所があったし、きまりは悪いけどそのままでも良かったんじゃないかって疑問が頭に浮かぶ。 「美希のさっきの言葉をもう一度、誰にも邪魔されない所で聞きたい」 さっきの言葉って、一人にしないって台詞? 改めて言うのは、凄く恥ずかしいんだけど。 「でも、その前に・・・・さっきの続き」 小さく頷いて、せつなを引き寄せる。 腕の中で軽く目を閉じたせつなの顔に自分の顔を近づけた。 了 ~おまけ~ 「アカルンでアタシの部屋に来たけど、水族館にいても良かったんじゃない?」 「・・・・・・」 本当は聞かなくても、答えを知ってる。 自業自得かもしれないけど、アタシだって恥ずかしい台詞を何度も言わされたのだから、 少しくらい仕返ししたところで罰は当たらないだろう。 「ブッキーにお薦めされたイルカショーが観れなかったし~」 「・・・・・・」 「ペンギンも見たかったなぁ~」 と、わざとらしく語尾を上げて、せつなを見る。 「だって、美希と二人で・・・・」 「何を言っているか、聞こえないんだけど~」 「だから、美希と二人きりで過ごしたかったの!」 何か悪い、と少し拗ねたように付け加える。 ううん、全然悪くない。 心の中で答え、せつなを思いっきり抱きしめた。
https://w.atwiki.jp/apgirlsss/pages/500.html
「水族館デートは危険が一杯? 美希せつVer.」/SABI 待ち合わせ場所は天使の像の前、今は約束した時間の5分前。 いつもであれば、待ち人はもうとっくに来ている時間だ。 メールで昨日、待ち合わせ時間を確認したから、約束した時間が間違っているってことはない。 ということは、何か非常事態が起こったかもしれないってこと。 電話して確認するって方法もあるけど、せつなの家に迎えに行った方が早い。 せつなの家からここまでは一本道だから、すれ違うってこともない。 せつなの家に着いて玄関を開けると、予想通りというか、家の奥には仁王立ちしたラブが立ちはだかっている。 玄関先には出かける準備を済まして、後は靴を履くだけのせつなが困ったようにラブの顔を見ている。 ラブがこんな風にデートを阻んでいては、せつなも出かけ辛いだろう。 「美希たん、いいな。あたしも行きたいな~」 いやだから、デートに保護者同伴ってないから。保護者っていっても、ラブはアタシやせつなと同い年だけれど。 ラブにとっては、せつなが遅く帰ることが心配なのではなく、アタシと一緒ということが心配なのかもしれない。 「ラブ!」 アタシという味方を得たせつなが強い口調で咎めると、ラブは今までの勢いが無くなってしょんぼりする。 強気になったせつなに弱いのは、どうやらラブも同じらしい。 「二人で出かけてもいいけど、門限は6時だから!」 さっきまでとはうって変わって悄然とした態度で、それでも言うべきことは言っておきたいと言う事か。 いつもより門限が早いとは思ったけれど、ここで争ってはますます二人の時間が少なくなってしまう。 了解したサインに手を振って、もう一方の手でせつなの手を繋いで表に出た。 ラブの怨嗟の声が聞こえてきそうな桃園家を後にして、向かうデート先は水族館。 前回はブッキーに勧められた動物園、今回の水族館も同じくブッキーのお薦め。 今回行く水族館はブッキーによると、規模が小さくて展示されている生物は少ないものの、 イルカショーやアシカショーに力を入れていて、なによりゆっくり観てまわれる所がいいらしい。 せつなには色々と深い事情があって、普通の女の子なら誰でも経験したことがあるようなことでもしていない事が多いから、 せつなが初めて体験することを二人で一緒に体験して、感動を分かちあえるのはすごく嬉しい。 ・・・ただ、一つだけ、水族館に行くことで心配なことがあるとすれば、 水族館にはアタシが苦手なアレがいるだろうということ。 アレは八本足で、西洋では悪魔の魚と呼ばれているらしい。 そう、アタシはタコが嫌い。嫌いなんかを通り越して、怖い。 アレがいそうな場所というと、日本の近海の生物を展示してある所。 身近な魚介類が多くて日本のどこでも獲れることができる、マダコもいるかもしれない。 それと、魚類以外が展示してあるコーナーにも、タコがいる可能性が高い。 珍種のクラゲなど珍しい水棲生物がいるみたいで、インターネットで調べたけど、 どこに何が展示されているのかまでは、はっきりと分からない。 だから、アレによって、折角のデートが台無しになるかもしれない。気を付けなければ。 今日行く水族館は何度か電車を乗り継ぐため、移動時間に時間がかかる。 毎日の様に逢っているから、話すネタが少ないということもあるのかもしれないけど、 今日の予定や昨夜の出来事とか他愛の無い話が終わってしまうと、沈黙の時が流れる。 二人掛けの座席に肩が触れ合うくらい近くに二人並んで座ると、会話は無いけれど、その沈黙が心地良い。 初めて二人で出掛けた時は沈黙が気まずくて、会話が途切れる度に話しかけていたっけ。 その時は、オーディション用の衣装を選びに、本当は四人で出掛ける予定だった。 ラブは病気でブッキーは都合が悪くなって、結局、二人で出掛けることになって。 最初は何を話していいか、せつなが何を考えているか、アタシには分からなかった。 幼馴染の二人とは違い、せつなとは同じプリキュアといっても、出逢ってから少ししか経っていない。 それに、出逢った時は仲間じゃなくて敵だったから、第一印象といえばお互い最悪だったわけだし。 休日の早い時間の電車内は乗客もまばらだ。 人が少ないとはいえ、人目が全く無いわけじゃないから、手を繋ぐことはできないけど、 二人の間のスペースにさりげなく鞄を置いて、手の甲をせつなの手の甲にくっつける。 それに応えてせつなの手の甲が一旦離れて、挨拶をするように再びアタシの手の甲に触れる。 人に見つかってはいけないと思うから、余計にそう思うのかもしれないけど、 触れる面積は少ないけれど、せつなと繋がっている感じがしてドキドキする。 電車に乗っている時間はいつもより長かったはずだけれど、 あっという間に時間は過ぎ、予定より30分ほど遅れて水族館に到着した。 ブッキーに勧められたイルカショーは最初の回が始まっていたので、屋内展示から観ることにした。 屋内に入ってすぐの展示は、近海に住む魚達のコーナー。 大きな回遊式の水槽に、お魚屋さんでも良く見かけるお馴染みの魚が泳ぐ。 あまり関心のないアタシが見ると美味しそうとか、関係の無いことばかり頭に浮かぶのだけど、 せつなは真剣そのもので、広い水槽の中を悠々と泳ぐ魚達を見ている。 この水槽の中の魚達は特に珍しくはないけれど、せつなにとっては新鮮なのだろう。 魚が泳いでいる所なんて普段の生活では限られるけど、商店街の魚屋さんには生簀があって魚が泳いでいることがある。 その時でも、興味深そうに生簀を覗いている。たまにアレがいるので、アタシは見ないようにしているけれども。 幸いというか、マダコとかタコ類は展示していないらしく、ゆっくり観てまわった。 次は淡水に棲む生物の展示で、前のコーナーの近海の魚よりもっと身近な、川や沼に生息する生物のコーナー。 淡水に棲むタコはいないから安心して観ることが出来るのだけど、海の魚と比べて色彩に乏しく、 どこでも見られる身近な魚が多いからか、観ていて楽しいものは少ない。 だけど、せつなは子どもの様に目を輝かせて、水槽の中を泳ぐ魚達や案内板を見ている。 どんな小さなことでも、相手が感動して喜んでくれるのは、誘った自分としてもすごく楽しい。 淡水魚のコーナーを過ぎると、水の中の生物と触れ合えるコーナーで、タッチプールと呼ばれている。 ヒトデやエビなどの水槽の中の生物に触ることができて、子ども達には人気があるコーナーだ。 プールの中のヒトデは生きているのか分からないほど動かないけれど、捕まえて裏返しのまま水中に沈めると、 どういう仕組みで動いているのか分からないけど、ゆっくりと裏返って元の体勢に戻っていく。 そのタッチプールの中でも目玉は、ドチザメという鮫がいること。 ドチザメは全長が1.5メートルくらいで、泳ぎもそんなに早くなく、気性は穏やか。 それほど深くない青いプールの中で、ドチザメがプールの底に貼りついたように動かない。 プールの中に入れているせつなの手を掴んで、その手をドチザメの方へと誘導するけど、怯えたように動かない。 危険じゃないとは頭では分っているだろうけど、ドチザメはいかにも鮫って外見だから、確かに尻込みしたくなるよね。 でも、人を襲う鮫はごく一部で、鮫のほとんどは人に危害を加えることはないらしい。 触っても大丈夫と声をかける代わりに、せつなの手を捕まえていない方の手で、ドチザメの身体に触れる。 アタシが身を以てドチザメの身体に触ったからか、せつなの身体から緊張が抜けてドチザメの身体に触れる。 ドチザメの身体に触れて、その感触を言葉で表現するのは難しい。 頭の方から尾の方へ触るとすべすべしているけれど、尾の方から触ると全く違う感触で、所謂サメ肌。 表面はざらざらしているけれど、不快な感触ではなくて、強く擦らなければ痛みも感じない。 ドチザメは触っても怪我はしないだろうけど、触っただけで血だらけになるような種類の鮫もいるらしい。 百聞は一見に如かずというけど、見るだけじゃなく体験してみないと分からない事も沢山ある。 子ども達の輪の中に混じって、プールにいる動物達を驚かせない様に、タッチプールを楽しんだ。 屋内展示の半分くらい来た館内中央には特別展示室という少し開けたスペースがあって、 今しているイベントは、水中にいる危険生物という特別展示らしい。 2、3人くらいしか見えない小さな覗き穴がある水槽が少なくとも10以上あって、 その中の一つで、一番近い水槽を覗くと、クラゲらしき物体が水中をふわふわと漂っている。 水槽の横の案内板を見ると、カツオノエボシという、正確には一個体のクラゲでなくヒドロ虫が集まった姿らしい。 触手は青くウネウネとしていて、見た目は青い稲妻が水中を走っているようにも見える。 その触手から毒針を打ち込み獲物を捕え、人間が刺されると時には死に至ることもある。 日本近海にも生息しているクラゲで、外見上は綺麗だけど、美しいものには刺があるってことなんだろうか。 他の水槽を見ると、ハナガサクラゲなど他のクラゲや、鋭い歯を持ち凶暴で有名なピラニアなどがいる。 分厚い水槽の内側にいて、こちらに害はないと分かっているせいか、あまり恐怖心を感じない。 危険な生物なんだろうけど、意外なことに体色が鮮やかだったりして綺麗な生物が多く、見ていて楽しい。 特別展の最後の水槽を覗くと、生き物らしきものがいない。 暫く見ていると、岩と同化していた何かが動き、岩の上を移動して、動きを止めると再び岩と同化する。 体長は10センチくらいで、注意してみないと見逃しそうなほどうまい擬態だが、身体には青い線が見える。 案内板を見ると、ヒョウモンダコ、英名ブルーリングオクトパスとある。 小型だがフグと同じ毒を持ち、獲物を麻痺させて捕獲する。人間が噛まれると死ぬ可能性がある・・・・ ヒョウモン・・・ダコ?! これって・・タコ!! タコという言葉に全身が拒否反応を示して勝手に身体が動き、この場から離れたくて走る。 全力疾走で館内を通り過ぎると、行き交う人々が怪訝の表情でこちらを見る。 後で考えると凄い形相で走っていたんだろうけど、走っている時はそんなことを考える余裕もなく、とにかく走る。 「美希・・・美希・・・」 アタシの名を呼ぶせつなの声が後ろの方から聞こえる。 その声がだんだん近づいてきたかと思うと、隣から聞こえる? 横を向くと全力疾走しているアタシに、いつの間にか追い付いて併走している。 凄いスピードで走っているはずなのに、せつなは涼しい顔をしてついてきている。 「美希、これって競争なの?」 こんな状況で競争するなんてあるはずない。 せつなの変な言動は偶にあるけど、それはせつながこの世界で生まれていないから。 いつもだったら笑って受け流すことが出来る。だけど、今は生きるか死ぬかって状況。 そんなときに、トンチンカンなことを言われたら、誰だって頭に来る。 急に立ち止ったアタシを、せつなが不思議そうに顔を覗き込んでくる。 「せつなは知っているでしょ!アタシがタコを嫌いだってこと」 自分でもキツイ言い方だって思う。せつなは何も悪くない。 でも、タコへの恐怖が怒りへと変わって、更にせつなの態度が怒りの火に油を注ぐ。 「でも・・・それなら・・・美希も同じじゃない!」 何が同じって言うのよ。変な事を言うのもいい加減にして。 声に出さなくても、アタシの思いは態度に出ていたらしい。 「美希だって、知っているじゃない。私の怖いもの・・・」 「せつなの怖いもの・・・」 思い出した。せつなの怖いものとは、アタシ達がいなくなること。 「もう、一人にしないって言ったじゃない。いなくなったりしないって」 せつなに近づき、抱き寄せる。 もう一人じゃないって感じられるように、鼓動が感じられるくらいぎゅっと抱きしめる。 触れてみてはじめて、せつなが震えていることに気がついた。怖かったのはアタシだけじゃない。 ごめん、本当にごめん。もう一人にしないから。アタシがいるから。 思いが心から溢れ、アタシは呪文を唱えるみたいにせつなに謝っていた。 そんなに長い時間ではなかったと思うけど、せつなの震えが止まっていた。 さっきは無我夢中だったけれど一時の激情が過ぎてしまうと、せつなのぬくもりを強く意識する。 恋する二人、考えることは同じ。 アタシの胸から顔を離したせつなが、顔を上げてゆっくりと瞳を閉じていく。 目を閉じたせつなの唇に、自分の唇を・・・・ 「お母さん、あのお姉ちゃん達・・・・」 「見ちゃだめよ」 アタシ達の横を通り過ぎる親子連れの声が聞こえて、慌てて身を離し、お互いあらぬ方を見る。 不自然なくらい、アタシ達の方を見ている人は誰もいないのだけど、 そのことが却って、こちらに注目していることが分かる。 身の置き所が無いというか、穴があったら入りたいって、こういう気持ちなのかもしれない。 コンタクトが外れたフリをするか、さっきみたいに走って逃げるか、それとも・・・ そんな考えが頭の中でグルグルと回っていると、せつながアタシの手を引っ張る。 「美希、こっち」 せつなに手を引かれて連れてこられたのは、スタッフの人が出入りするらしいドアの前。 水槽が展示されている場所からは死角になっていて、タイミング良く誰も見られずに逃れることが出来た。 二人になった途端、赤い光が自分達の周りを囲むように光る。 アカルンを呼んだのだと気付いた時には、アタシ達の身体は水族館から離れていた。 アカルンで運ばれた場所は、アタシの部屋。 でも、水族館はまだ他にも観る所があったし、きまりは悪いけどそのままでも良かったんじゃないかって疑問が頭に浮かぶ。 「美希のさっきの言葉をもう一度、誰にも邪魔されない所で聞きたい」 さっきの言葉って、一人にしないって台詞? 改めて言うのは、凄く恥ずかしいんだけど。 「でも、その前に・・・・さっきの続き」 小さく頷いて、せつなを引き寄せる。 腕の中で軽く目を閉じたせつなの顔に自分の顔を近づけた。 了 ~おまけ~ 「アカルンでアタシの部屋に来たけど、水族館にいても良かったんじゃない?」 「・・・・・・」 本当は聞かなくても、答えを知ってる。 自業自得かもしれないけど、アタシだって恥ずかしい台詞を何度も言わされたのだから、 少しくらい仕返ししたところで罰は当たらないだろう。 「ブッキーにお薦めされたイルカショーが観れなかったし~」 「・・・・・・」 「ペンギンも見たかったなぁ~」 と、わざとらしく語尾を上げて、せつなを見る。 「だって、美希と二人で・・・・」 「何を言っているか、聞こえないんだけど~」 「だから、美希と二人きりで過ごしたかったの!」 何か悪い、と少し拗ねたように付け加える。 ううん、全然悪くない。 心の中で答え、せつなを思いっきり抱きしめた。
https://w.atwiki.jp/slimemaoyaruo/pages/504.html
-─…─- . ´ `丶 / \ / ヽ / | | ゚ . / | |\ | ゚ . ′ .| | | | \ | | | | l |\ | | 厂 ̄ヽ | | | | 八lー-\ト、. | /ィf芋ミ| | | ヽ Vィ杙芋ミ\Ⅳ 廴ソ| | |^Yl | l \| {廴ソ i | | |ノ .l l八 i ト、 ' | | | | |ヽ 从 ノィ | | | ∧} ヽ -‐一 ィ| | | |/ | ` . . / || | 八 | >t-- ' || | ゚ . | i r―┬┐ r┤ | ゚ . } / l {. | | ∨ | | ′| . / /| | / .| l | | / | . / / .| |/====}_ハ | | / ト、 } , -─' ̄ ̄ ̄ \ヾ ノ⌒⌒| 厂 ̄ ̄ ̄`ヽ___ __人  ̄ヽ | ′ V } // ヽ Y | | V} / / 、 | | | / / | ─────────────────────────────────────── 名前 フー・ファイターズ 役職 同盟兵士 性格 したたか HP 3000 戦闘能力 魔族中位レベル(中の上) 戦闘方法 F・F弾 やる夫評価 なし 《能力》 プランクトン治療 戦闘中や戦争時などに味方のHPを回復させる 選択 水分補給 水さえあれば毎ターン全回復できる 自動 博愛のF・F弾 敵を回復させるF・F弾、追加効果可能 選択 快楽第一主義 面白い事を優先、たまに命令を効かなくなる 《装備》 なし 《スキル補足》 《装備》 《備考》 『そのキャラを一言で表す作中の言葉』 概要 人柄/経歴 能力 やる夫に対する評価 コミュ考察 《関連項目》 元邪教の一員。 同盟による研究所襲撃時に、無力な研究者を装って油断を誘い、ヤミ・ティアーユ・ゼクロスと共に急襲。 スプリンクラーを作動させることで圧倒的な地の利を得たつもりだったが、水によって波紋が通りやすくなった結果ジョセフの永久ハメを受けることになり、 挙句スプリンクラーの停止後にイタチの必殺 火遁・豪火球の術で弱点を突かれ、何も出来ぬまま一撃で戦闘不能になった。 その後捕虜として同盟に入り、ジャンヌのティアーユ調教に助手として参加、悦びという感情を学んだ。 この時点で愉悦(ドS)に目覚めている。 この後感情教育によってスキルに目覚めることおよび、ある感情からスキルを得ると反対の感情からはスキルを得られないことが明らかにされている。 刑事曰く「FFの感情学習方面(Sのみ、Mも、慈愛も)の選択で メリット 学習する感情次第ではスキル覚えるかも デメリット 特にないが正反対の感情で覚えるスキルは両方覚えることはない 例 喜で覚えたら悲では覚えない」 とのこと。 アマゾネス攻略戦に参戦、長期間山中で待機している間イタチと少しいい感じになり、相沢千鶴に嫉妬された。 最終的にはギャル美の銃弾を無限の弾数を誇るプランクトン弾で撃ち落とす活躍を見せた。 火属性攻撃を受けると動けなくなるそうなので、戦闘の運用には一定の注意が必要だが、調教では初体験からその優秀さを見せつけた。 育成系キャラであるため、キャラを問わず積極的にコミュを狙ってみよう。 ドS一辺倒・Mもいけるようにするのどちらでもジャンヌの調教に参加させるとよさそうだ。 逆に慈愛を学ばせるならば孤児院の許などに送ってみてもいいだろう。 ドロドロした関係を狙うならばイタチ・相沢千鶴と絡めてもいい。 長期間コミュ出来ない状況下にあったのを取り戻すために、交渉などに関わらない限り、あらゆるタイプのコミュに添えて、早めに強化を図りたい。 ※まとめ246話まで記載、更新時再編集求ム }}}}} 編集
https://w.atwiki.jp/bakiss/pages/624.html
5 急に薬売りに剣を向けられ女将は小さく悲鳴を上げた。 へたりこんでいるその傍には大きく喉の裂けた主人と中村が身じろぎもせず転がっている。 「さあ。あんたの『真(マコト)』と『理(コトワリ)』を」 「わ、わわ私は何も」 おろおろと女将は言う。薬売りはただ静かに見つめている。 桂木弥子はなんとなく居た堪れなくなった。 ヤコが見る限りこの女将は典型的な「善人」である。 犯罪に憤り世の中の不幸に嘆く、「ごく普通」の一般人だとしか思えない。 そして何よりあんな美味しいご飯を作るのに悪い人間がいるわけがない、とヤコは思う。 一瞬コンソメスープの達人が頭をよぎった気もしたが、ヤコは気にしないことにした。 「たたしかに火事は見ましたけど、本当にそれだけで」 りん。 女将から少し離れたところにある天秤が傾く。物の怪の位置を示す、小さな天秤である。 「ひッ……私が見たときには本当に火が凄くて」 りん。りん。 少し近づいたところに有った天秤が傾く。 「た、助けに入れっていうんですか?む無理だわこんなおばさんが」 りんりんりん。天秤の傾く音は近づくばかりだ。 「仕方ないわ!こんなおばさんに何が出来たって言うんですか―――」 女将が喚いたその瞬間、どこからか声が響いた。 『無理心中ですってよ可哀相―――』 『お母さんも子供まで巻き添えにしなくてもねえ可哀相―――』 『本当に凄い火だったのよカワイソウ―――』 『なんか子供たちの声も聞こえてねえ、熱いようとかお母さんとか言っててねえ、もうカワイソウ―――』 『カワイソウカワイソウカワイソウ―――』 それは倒れた主人と中村の口から女将の声で漏れ出ていた。 「や、ヤコ」 「うん……」 ヤコは叶絵と握っていた手に力を込める。叶絵は目を強くつぶっていた。 「善良」な一般人の声は延々と続く。 「なんなのよ!あたし何もしてないじゃない!」 一つ、また一つと傾き近づいてくる天秤、そして主人と中村の口から漏れる自分の声。 女将はそこから逃れるようによろよろと後ずさった。……背後は襖である。 「酷いわ!―――あんなに」 襖に手をかけ、女将は喚く。 「―――あんなに同情してあげたのに!」 ヤコは見た。 襖を開けると同時に崩れ落ちる女将、そしてその向こうには光る目のようなものが三対と闇が渦巻いていた。 「薬売りさん、さっきから不思議だったんですけど」 再び襖を一閃して閉め、静かに佇んでいる薬売りにヤコは問いかけた。 「なぜこのモノノケはかまいたち……兄弟達なんでしょう」 薬売りはヤコに目を向ける。しっかりと目をつぶっていた叶絵もヤコを見た。 「や、ヤコ何言ってんの」 「だって、火事でお母さんと子供が三人亡くなったんでしょ? 心中事件で、でもお母さんは最後は子供を助けようとして覆いかぶさってたって安藤さんの新聞で読みました。 モノノケって、よく分からないけど亡くなった人達のなんらかの想いが高じて成るものなんでしょ? だったら……何でお母さんじゃなくて子供たちなんでしょうか? 話を聞く限りお母さんの方が色々な想いがありそうなのに、 ―――子供たちの方が想いが強いのはなんでなんだろう」 「ほう?」 薬売りは興味を持ったのかヤコに向き直る。そして握っていた退魔の剣を示した。 「まだこの退魔の剣は『形』しか得ていない。 あと『真(マコト)』と『理(コトワリ)』が揃わねば退魔の剣は抜けぬ。 『真』とは事の有様、『理』とは心の有様。 ヤコさん―――あんたは『真』を示せるようだ」 「そんな大層なものじゃないけど」 こちらを真っ直ぐ見据えている薬売りから視線を外してヤコは考える。 勿論ヤコは母親になったことなどないので想像しか出来ないけれど、 少なくとも母親というのは子供を大切に思うものだということくらい知っている。 ヤコの母親はヤコをとても愛してくれているし、 母親がヤコを思う気持ちというのは、きっとヤコが母親を思う気持ちより大きいのだと思う。 勿論中にはそうではない母親も居るのだろうけれど、 子供たち覆いかぶさっていたというならば子供たちを大切に思っていないはずは無い。 なのにその母親よりも子供たちの方が強い思いを抱くような何かがあるというならば。 「きっと前提から違うんだ……」 ヤコは考える。 今まで会った全ての人、全ての事件、全ての想い、そういうものがヤコの中に蓄積されている筈だ。 それを全て出すべく、ヤコはひたすら考える。 「前提……火事?これは間違えようがないし……原因、心中?心中事件が間違い……?」 かたり、と僅かに退魔の剣の狛犬もどきが動いたことをヤコは気がつかない。 「心中じゃないんだ、本当は……子供たちの想いが強く残っているなら―――原因は子供たちなんだ」 外の風のうねりが一層増していることにヤコは気がつかない。 「幼い子供たちが原因で火事が起きたなら……心中じゃない、事故なんだ」 僅かに動いている退魔の剣とヤコを見比べていた薬売りは薄く笑った。 そして剣を襖へと突き出す。 「それがお前の、『真』か」 かちん。 退魔の剣の狛犬もどきが再び歯を合わせた。 〈続く〉
https://w.atwiki.jp/pusakuro/pages/21.html
コロザメ1 秋の浜 -25m
https://w.atwiki.jp/pusakuro/pages/679.html
ナヌカザメ 秋の浜 -55m
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/13449.html
登録日:2012/02/12 Sun 02 20 41 更新日:2024/09/04 Wed 01 57 16NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 (・―・) 13m かわいい ぬいぐるみの本気 アニヲタ動物図鑑 アニヲタ水族館 サメ ジンベイザメ ジンベエザメ 巨大 愛のある項目 海侠 海遊館 漁師の神様 生物 癒し系 絶滅危惧種 美ら海水族館 講義項目 豆腐味 魚 魚類 鮫 ◆ジンベエザメとは? ジンベエザメとは、テンジクザメ目ジンベエザメ科に属するサメである。 ただ、本項目での愛称は「ジンベイたん」とさせていただく。 因みにジンベエザメ科のサメはこのジンベイたんだけであり、孤高の存在。 世界最大のサメ 世界最大の軟骨魚類 世界最大の現生の魚 世界最大の雑食動物 ……と、世界最大の称号を欲しいがままにしている。ジンベイたんは偉大である。 ◆誕生 ジンベイたんの誕生は実はとても昔。 なんと約6,000万年前(新生代古第三紀暁新世中期)に誕生したと考えられている。 約6500万年前(中世代末期)の隕石衝突によりほとんどの生物が絶滅した後、生態系を再構成する過程で誕生したらしい。 ◆姿 ・顔 (・―・) 真一文字の口に、横に円らな瞳がある。 可愛い。 真横から見ると意外とサメの顔だが、口は下ではなく正面に開いている。 ・模様、体色 模様は頭~胸ビレ辺りまではやや規則正しい淡い黄色の斑点状の模様で、 そこからは牢屋の格子のような白い模様に斑点状の淡い黄色の点が規則正しく並んでいるという独特な模様。 体色は腹部は白に近い灰色、それ以外は濃い灰青色である。 外見だけでジンベイたんを属性で例えると「天然おっとり系」であろう。……多分。 鮫肌で触れるもの皆傷つける思春期だけど。 因みに世界最大の記録は体長約13.7mや。 ◆生態 ・棲息域 世界中の熱帯・亜熱帯・温帯に棲息し、回遊する。 メスは一つの海域に留まる事が多いが、逆にオスは旅が好きで、広い海域を回遊する。深海700mにもいる事がある。 ・食性 プランクトン、小魚、海藻などを海水ごと口腔内に含み、海水のみを排出し、餌のみを飲み込む。 オーストラリアのクリスマス島では、島の名物であるクリスマスアカガニの繁殖期になると、その卵を食べまくるため海岸近くに現れるという。 顔のかわいさで侮るなかれ、ジンベイたんは恐るべき殺戮者でもあるのだ。 また、すべてのサメは長らく完全な肉食性と考えられていたが、近年の研究ではジンベイたんなど一部のサメは口に入った海藻をきちんと消化し、栄養を得ていることが判明している。 口に入る物ならなんでも飲み込むジンベイたんは、飲み込んだものを余すことなく活用するのである。 ・群れ 群れると思われそうだが群れない。 ジンベイたんは孤独を愛する。 ・泳ぎ イメージ通り動きは遅く、遊泳速度は時速5km程度(通常時)しか出ない。 ジンベイたんはおっとり系である。 ・性格 性格はサメにしてはいたっておとなしいため、人間と一緒に泳ぐ事も出来る。鮫肌だから掠るとエラいことになるがな! しかし、他のサメ同様非常に臆病で、環境の変化に弱いため、人工飼育が難しい。 だが、沖縄の美ら海水族館等で長期に渡って飼育された記録がある。 ……サメには優しくしよう。 ・繁殖 正確な事は良くわかっていないが、繁殖力は低く、数年に1回程しか出産しない。 胎生である事が判明している。 ジンベイたんは草食系? ・寿命 60~70年程生きる事が知られている。 正確ではないが、100年以上生きるという説もある。……浪漫はいつでも持つべき。 ◆様々な名前 《多分みんなが気になっている事》 Q. ジンベエ? それともジンベイ? A. 標準和名はジンベエザメ。 しかし日本人の舌使い、言語、なまりのせいでジンベイとしばしば言われる事がある。 まあ、ジンベエでもジンベイでも可愛いジンベイたんの事だと定着しているのでどちらでもいいだろう。 《和名いろいろ》 ・ジンベエザメ 由来は甚兵衛(甚平)。その模様から。 素晴らしい名前……流石、日本人のセンスは安定である。 ・くじらぶか 鯨+方言のふか(鮫)から。 ・恵比寿鮫 説明すると長くなるがウズウズするので説明しよう。 1. プランクトンがいるところにプランクトンを食べるジンベイたんと小魚が集まる。 2. すると小魚を食べる中型魚が集まる。 3. さらに小魚と中型魚を食べる大型回遊魚(マグロ、カツオ等)が集まる。 4. ジンベイたんのところに行けば小魚はプランクトンを、中型魚は小魚を、大型魚は小魚、中型魚を食べれる。 …という訳でジンベイたんのところに魚が集まる。 ……結果、ジンベイたん1匹で一つの小さな生態系が形成される。 5. 漁師達はジンベイたんがいると大漁になりやすい事を知る。 という事で、漁業の神「恵比寿様」に因んで「恵比寿鮫」と名付けられました。 ……ご静聴ありがとうございました。 《外国語名》 ・Whale Shark(ホエールシャーク) 英語名。鯨のように大きいサメのため。 響きが素晴らしいが直訳すると「鯨鮫」。……まずまずである。 他外国も、英名のように鯨+鮫の名前がほとんど。 ◆ジンベイたんの活躍 ONE PIECEのキャラクターである海侠のジンベエのモデルになった。けどあんま似てないまた、インペルダウン脱出の際、親分がたくさんのジンベイたんを召還している。眼福である。 旧約聖書に登場する預言者ヨナを呑み込んだ「大魚」の候補の一つ。口も体もでかいしね。 ◆ぬいぐるみ もちろんジンベイたんは愛くるしく可愛いので人気があり、ぬいぐるみもたくさんある。 可愛い ぱくっ! 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 -アニヲタWiki- ここでぬいぐるみよりも真剣で大事な話をしよう。これだけは覚えてこの項目を終えて欲しい。 実はジンベエザメは今、絶滅の危機に瀕している。 理由は裕福な北半球国(フカヒレを好む日本や中国など)がフカヒレを食べた事でその美味しさが南半球の発展途上国に伝わり、 漁師達のサメ全体の乱獲に繋がっている。 特にジンベエザメはフカヒレの中でも最高級品であるため乱獲の対象になる事が自然と多くなる。 ワシントン条約のレッドリストに載る程にまで数が減っている。 いかに深刻な問題か伝われば幸いである。 原因は乱獲する漁師だけでなく、美味しさを伝えてしまった我々にもあるという事をわかって欲しい。 長くなったがこれで終わりである。 追記・修正はジンベイたんを愛してる方、お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] まさか本当に群れがあるとは思わなんだ -- 名無しさん (2014-09-23 19 43 06) デスティニーだ -- 名無しさん (2016-08-11 19 09 09) ジンベエザメのフカヒレって食えたのか… -- 名無しさん (2018-05-26 23 15 18) ぱくっ!でクッソ萌えた。ジンベイザメかわいいよね -- 名無しさん (2019-09-19 19 05 40) 鯨+鮫の名前で解釈されがちってのも分かる気はするな。大きいってだけじゃなく生態そのものもヒゲクジラによく似ているし。魚類と哺乳類という大きな違いはあるにせよ -- 名無しさん (2020-02-23 19 36 27) 第18作目16代目プリキュアの必殺技に抜擢されてたね -- 名無しさん (2022-01-31 17 02 17) あのクソでかい図体のヒレだけのためにコイツを狩りたい勢力が居るのか......まあ普通のサメに比べりゃ狩りやすいのは間違いないが -- 名無しさん (2022-09-01 11 04 22) ちゃんとジンベエザメ科って表記できてるところもあるのに、なんで記事名はジンベイザメなんだよエとイが入れ替わりがちな北関東もしくは新潟辺りの方言か -- 名無しさん (2022-10-03 05 56 15) 項目名とか、「ジンベエザメ」に変更してもいいかね -- 名無しさん (2024-03-25 14 04 43) これをモチーフにしたポケモンはいないのね。マンタはいるのに -- 名無しさん (2024-03-25 14 33 32) 標準和名に従って、項目名を「ジンベイザメ」から「ジンベエザメ」に変更しました(ただ、ページ内の愛称は「ジンベイたん」のままにしてあります)。また、各ページのリンクも修正済みです -- 名無しさん (2024-03-29 11 53 13) 名前 コメント