約 535,838 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1775.html
博麗神社にお参りに行った帰り、林道を歩いていると妙な祠を発見した。 太い木の枝や葉っぱを組み合わせて作った小屋に、ゆっくりれいむが一匹収まっている。 そしてその前には、格子状の蓋のついた木箱。 ゆっくりに複雑な工作など出来るわけないから、人間の作り損じでも拾ってきたのだろうか。 手前には枝を組んで作られた小さな鳥居?があり、ゆっくりがくぐれる程度の大きさだ。 祠に収まっているれいむと目が合うと、得意げな笑みを浮かべながら話しかけてきた。 「おにいさん!!とってもありがたいゆっくりじんじゃだよ!! ゆっくりしていってね!!おさいせんをゆっくりちょうだいね!!」 こんなことを言い出す。神社の巫女さんを模したゆっくりであることは解っていたが、 本物の真似事まで始めるとは。しかしゆっくりを崇めてもありがたいどころか、運気を吸われそうな気がするぞ。 でもまあ、ゆっくりがこんなことをしているのは何だか珍しかったので、 少しぐらいお賽銭をやっても良いだろう。人間に奪われそうな気もするが。 狭い鳥居をくぐろうとすると体がぶつかり、固定の甘かった鳥居はあっさり崩れてしまった。 れいむは「なにするの!!」と言って少し悲しそうな顔をしたが、それほど怒った様子も無いので気にしないでおいた。 そしてお賽銭箱に面白半分に木箱に小銭を入れてやる。さっき本物の博麗神社に投じた額の1/10ほどだが。 「ゆゆ~!!おにいさんありがとう!!おねがいごとをしてね!!」 うるさい巫女だな……いや、神主なのか? よく解らない。でもお参りは静かにさせてほしい。 作法に則り、手を叩いて願い事を念じる。それが済んで立ち去ろうとすると、 れいむは膨れっ面でこっちをにらんでいた。 「おにいさん!!おねがいごとをゆっくりいってね!!だまってちゃわからないよ!!」 え~……そういうもんなの? というか、お前が願い事を知ったところでどうする。 まあもう少し付き合ってやるか。 「今度資格試験を受けるんだよね。それで仕事がもらえるかどうか決まる大事なやつでさ。 もちろん勉強も頑張ってるけど、一応ゲンかつぎに神頼みもしとこうかな~ってことで。 勉強がうまくいって、試験に合格できますよーに!」 もう一度手を合わせて祈る格好をする。ゆっくりに祈るのも何かムカつくけど、まあごっこ遊びだし。 「ゆっ!ゆっくりききとどけたよ!!おにいさんはきっとごうかくできるよ!!」 お前が聞き届けるのかよ。こいつは神主兼巫女兼神様なのか? しかしたとえゆっくり相手と言えど、励ましの言葉をもらえるのは悪いものではない。 俺は少しだけ機嫌を良くすると、れいむに手を振って帰路についた。 その夜。寝る前に机に向かって勉強をしていると、窓をドンドンと叩くものがあった。 何だろうと思って開けてみると、そこには一匹のゆっくりぱちゅりーが。 「むきゅ~!!おにいさんがべんきょうのことでこまっていそうなけはいがしたから、おしえにきてあげたわ」 ……何だこいつ。あ、もしかしてゆっくり神社の差し金か? 学問成就を願った俺のところにゆっくりの中では頭の良いぱちゅりーを派遣し、勉強を手伝わせる。 それによって願いを叶えさせ、ご利益の評判を高めてお賽銭をもっと集める……と。 「お前、ゆっくり神社から来たのか?」 「むきゅ!?な、なんのことかしら?ぱちゅりーはそんなれいむ、ぜんぜんしらないわね!」 れいむなんて一言も言ってないのに……まあこれで間違い無さそうだ。 しかし人を助けて対価を貰おうというのは、ゆっくりにしてはなんとも殊勝な考えだ。 「むきゅ!とってもかしこいぱちゅりーがばかなおにいさんをかしこくしてあげるわ!ゆっくりなんでもきいてね!」 しかしもうちょっと口の悪くない奴を派遣出来なかったものか…… ぱちゅりーは文房具に混じって、机の上に鎮座している。気が散って邪魔だ。 ぱちゅりーの頭が実のところそんなに良くないことは知っているので、追い返しても良い。 しかし受験勉強でストレスの溜まっていた俺は、ちょっとだけ悪戯をしてみた。 「ふーん、じゃあここの問題がちょっと解らないんだけど。答え教えてくれないかな?」 「むきゅ!ぱちゅにおまかせよ!」 俺は使っていた問題集の中で一番簡単な問題をぱちゅりーに見せてみた。 五秒後 「むっきゅー!!むじゅむじゅーー!!」 何か変な声を出し始めた。それでも問題集にかじりつくように向き合うぱちゅりー。 しかし人間様の問題をゆっくりに解けというのは難儀な話だ。 「むっきゅーー!!むじゅむじゅーーー!!」 ぱちゅりーはそのまま溶けていった。知恵熱でも起こしたんだろうか。 机の一角に広がったぱちゅりー液を指ですくって舐める。甘い。 これは勉強で疲れた頭を癒すには良いかも知れない。少しは役に立ったな。 ◇ 後日、試験に無事合格した俺は、息抜きに林道を散歩していた。 博麗神社に学問成就のお礼をしにいったのだが、ゆっくりの方にもついでに寄ってやることにする。 ゆっくり神社にさしかかると、おばあさんがお賽銭を入れていた。遠くから様子を見てみる。 「おばあさん!!おねがいごとをいってね!!」 「そうねぇ……うちの畑が今年も豊作で、おいしい野菜が沢山売れますように」 「ゆっくりききとどけたよ!!おばあさんはおいしいおやさいをいっぱいとれるよ!!」 「あらあら、嬉しいねぇ」 おばあさんは朗らかに微笑みながら、れいむに手を振ってゆっくり神社を後にする。 ゆっくりは子供っぽいところがあるから、ああいうのは年寄りに受けが良いのかもな。 おばあさんの姿が見えなくなると、れいむの仲間らしきゆっくりが数匹周りから飛び出て来た。 「みんなおばあさんのおねがいきいた?」 「はたけをてつだうんだねー!!わかるよー!!」 「きっとちからしごとだからまりさがてきにんね!」 「ゆっ!ゆっくりまかせるんだぜ!!」 「ちーんぽ!!」 この件を一任されたまりさは、おばあさんの帰っていった方角に向けて走っていった。 ああやって参拝者の住居を特定してるんだな。 その仕事ぶりを見るため、俺はまりさに二重尾行を仕掛ける。 やがて林を抜け、まりさはおばあさんの家に着いた。おじいさんと二人暮らしをしているらしい。 二人とも家の中にいるのを確認すると、まりさはさっそく畑に侵入する。青々と茂った根菜はもう収穫寸前らしい。 しばらくゆーゆー言いながら物色するまりさ。農作業のやり方なんて知ってるのだろうか。 そう思ってみていると、突然大根を掘り返して食べ始めた。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!」 何してんだ、あいつは……初めからこれが目的だったのか? いや、おそらく神社のれいむの目的は、こらしめられるリスクを負わずに人間の食べ物を手に入れること。 お賽銭を使って経済に参加することで、人間に疎外されない社会性を獲得しようとしたのだ。 まあ、現実的に可能かどうかは別として。 しかしアホのまりさには、そんな(ゆっくり的に)遠大な計画は理解出来ないし、面倒臭い。 それより目の前に広がるごちそうの山を目の前にして、今すぐしあわせになることを選んだのだろう。 「ゆっゆっ!これめっちゃうめ!さいしょからこうすればてっとりばやいんだぜ!!れいむはばかだぜ!!」 バカがどちらかは一目瞭然だが。 俺は畑の被害が大きくならない内に現場に踏み込み、まりさを取り押さえた。 「ゆっ!?おにいさんなんなんだぜ!?ゆっくりはなすんだぜ!!」 「人の野菜を食う悪いゆっくりを見過ごすわけにはいかないな」 「ゆべえぇっ!しらないんだぜ!ここはまりさがみつけたからおやさいはまりさのなんだぜ!!」 ぎゅうぎゅうと両手で地面に押さえつける。 跳ねようとするまりさの力が伝わって来るが、人間の腕力からすれば大したものではない。 餡子を口からぶりぶりと吐き出し、悲鳴を上げながらしなびていく。 あんまりまりさがうるさかったからか、住居からおじいさんが出てきた。 「コラーッ、わしの畑で何の騒ぎだ!?」 「あ、すいません。害獣が畑を荒らしていたものですから、咄嗟に……」 「ああ、ゆっくりか。すまんね兄ちゃん、うちも畑の周りに柵を作らないといかんのぉ。 そのゆっくりはうちが引き取るから置いていってくれ。良い肥料になるんじゃよ」 ほう、それは知らなかった。最近の農家はゆっくりを肥料にしているのか。 潰れて動けなくなったまりさをおじいさんに引渡し、俺は林道へと引き返す。 まりさの餡子によって畑の土壌は更に充実し、立派な野菜が収穫されることだろう。 ◇ 引き返した俺は、再びゆっくり神社へと赴く。 れいむが「ゆっくりしていってね!!」と言うので、「はいはいゆっくりゆっくり」と返す。 「ゆっ!!このあいだのおにいさん!!」 「やあ。おかげさまで試験にも合格出来たよ」 「よかったね!おともだちにもゆっくりじんじゃをしょうかいしていいよ!! ところでおにいさん、とってもかしこいぱちゅりーをみかけなかった?」 「ん? いや、見てないな。見てたとしても、見ただけじゃ賢いかどうかなんて解らないよ」 「ゆー、そうなの・・・」 まさかぱちゅりーは家で死にましたとも言えまい。余計な誤解と揉め事が起きそうだ。 しかしれいむもこっそりと仲間を派遣している手前、大っぴらに「お前の家に行ったはず」などとは聞けないらしい。 ご利益要員が欠けたのは痛いだろうが、またどっかから補充すれば良いだろう。ゆっくりなんて幾らでも沸いて出る。 「おにいさんきょうもおさいせんちょうだいね!!」 「いや、今日は良いよ。特に願い事も無いし」 「そんなことないでしょ!!なにかあるはずだよ!!おさいせんいれてね!!」 「醜い神社だなぁ……ん?」 傷付いた顔の子供がとぼとぼと歩いてきた。俺は道を開けてやる。 れいむが子供に「ゆっくりじんじゃだよ!!ゆっくりしていってね!!」と声をかける。 子供は賽銭箱に小銭を投げ入れ、手を叩いて願い事を言った。 「村のいじめっこがぶっ倒れますよーに!!」 どうやら虐められて怪我をしてるらしい。身体も大きくないし喧嘩では勝てないんだろう。 賽銭入れて祈るなら博麗神社の方が……と思ったが、確かに博麗神社までの道のりは少し険しくて子供の足では辛い。 とはいえゆっくりにも縋る気持ちなのだろうか。 「ゆっくりききとどけたよ!!あくはせいぎにやっつけられるうんめいなんだよ!!」 「うん……ありがとう……」 れいむの言葉を気休めと受け取って力なく笑うと、少年はトボトボと村に帰っていった。 助けてやりたい気もするが、子供の喧嘩に大人が出て行くってのもね。 周囲の茂みがガサガサと揺れた。仲間ゆっくり登場かと思ったが、出てこない。俺がいるからか。 「おにいさん!!ようがないならさっさとどっかいってね!!」 れいむが体を膨らませて怒鳴ってくる。俺ははいはいと答えてれいむの視界から消え、近くの茂みに隠れて様子を見る。 俺の姿が見えなくなったのを確認すると、何匹かのゆっくりが茂みから出てきた。 「こんかいはわるものたいじだよ!!」 「わかるよー!みょんとちぇんがいくんだねー!」 「ちーんぽ!ちーんぽ!」 「ふたりにかかればにんげんなんていちころね!!」 「ゆっくりいってらっしゃい!!」 子供の帰っていった方に走っていくみょんとちぇん。 俺も気付かれないようにその後ろをこっそりついていく。暇な奴だな、俺も。 結構歩いて村に辿り着く。こそこそと住人の様子を見て回っているゆっくり二匹。 やがて、いかにもいじめっ子ですといった風貌の、体格の大きな子供を見つける。 「あいつなんだねー!わかるよー!」 「ちーんぽ!」 「ちぇんがうしろからきしゅうするから、みょんがとどめだよ!」 「でかまら!」 気合の掛け声だろうか。 打ち合わせをするやいなや、ボサっと道を歩いていたいじめっ子の後頭部に向けてちぇんが苛烈な体当たり。 「いだっ」と呻いたいじめっ子は軽い脳震盪でも起こしたのか、その場に手をついてしまう。 そしてみょんが追撃。背中の上でぼふぼふ跳ね始める。 「ちーんぽ!ちーんぽ!」 「痛いっ、痛い! な、何なんだお前ら!?」 「ゆっくりしぬんだねー!わかるよー!!」 ゆっくり達の猛攻は続く……が、最初の一撃以外はあんまり効いてるとは思えない。 肩甲骨の間あたりで飛び跳ね攻撃を繰り返していたちぇんが、しっぽを掴まれて地面に叩きつけられる。 「ゆべっ!!なにずるのー!!ゆっくりやめてよー!!」 「はぁ? お前らが先に喧嘩売ってきたんだろうが。何やったってセイトーボーエイだぜ」 「ち、ちーんぽ!?」 みょんを払いのけ、立ち上がる少年。その瞳には苛立ちと、面白いおもちゃを手に入れたという好奇の光が輝いている。 ちぇんはしっぽを掴まれたまま、「ぎにゃあああああああ!!」と叫びながら振り回されている。 目からあふれ出る涙が周囲に飛散する。隠れているこっちにも飛んで来たので、顔についたのを指で取って舐める。甘い。 その勢いでびたーんびたーんと地面に叩きつけられるちぇん。その度に餡子を吐き出し、地面に放射状の餡痕が残る。 少年は鞭のようにちぇんを振ると、近くでおろおろしていたみょんを横に薙ぎ払った。 「ぺにずっ!?」 「ぎゃはははは! 弱っちいゆっくりごときがおれさまに勝とうなんて、百年早いんだよ!」 「やめでねー!!たずげでねー!!わからないよーー!!!」 吹っ飛ばされたみょんが、俺の隠れている近くの茂みに突っ込む。ギクッとしたが、何とかばれなかったようだ。 ちぇんは餡子を吐き出して少し軽くなり、速度を増して引き続きひゅんひゅんと振り回されている。 「やめてねええええーーー!!わからないよぉぉぉぉーーー!!!」 「あははは、これ面白いな。そうだ、お前うちの飼い猫の遊び相手にしてやろうか。 何か見た目も猫っぽいことだし、あいつもきっと喜ぶぞ。楽しみだな!」 「ゆぅぅぅうーーー!ちぇんおうちかえりたいよーーー!!!」 言葉とは裏腹に残酷そうに笑う少年の顔を見て、飼い猫もきっと彼に似て大きくて乱暴なんだろうなと思った。 その時、茂みに埋まっていたみょんが颯爽と飛び出す。その口には折れた枝がくわえられている。 ちぇんを振り回して遊ぶ少年の足元に、あっという間に駆けていき……そのまま枝の尖った折れ口で、少年の足を突き刺した。 「ちぃーーーーんぽ!!」 「い゛っ……痛っでえぇぇぇぇぇーー!!」 「みょーん!たすけてくれたんだね!!わかるよーー!!」 「ちんぽちんぽちーんぽ!」 足の痛みに、思わずちぇんを離してしまう少年。地面に落ちたちぇんは、嬉しそうにみょんの元に擦り寄る。 少年の足を見てみると、結構傷が深いみたいで血がどくどく溢れ出ている。あれは跡が残りそうだな。 ……っていうか、ちょっと洒落にならなくなってないか? 見てていいんだろうか? 血まみれの枝をくわえてなおも戦闘態勢のみょんを、泣きそうな顔で見ている少年。 やがて足を引きずりつつも、全速力で泣きながら逃げていく。 「いでぇ、いでぇよぉぉぉぉーーー!! お父ちゃーーーん!!」 「やったねーー!!ちぇんたちがかったんだよ!!わかるよーーー!!」 「ちーんぽ!!」 手負いの二匹はぴょんぴょん跳ねて勝ち鬨を上げている。 確かにあの怪我では、いじめっ子もしばらくは他の子供達に乱暴など出来ないだろう。 だがしばらくもしない内に、先ほどのいじめっ子など比べるべくもない屈強な男が現れる。 「てめえらか、うちの坊主に怪我させたゆっくりは!!」 「ちんぽ?」 「またわるものとうじょうなんだねー!わかるよー!でもちぇんとみょんならまけないんだよーー!!」 いじめっ子を撃退して自信をつけたのか、勢いよく突進していく二匹。 しかし大人の男に勝てるはずもなく、木の枝を突き刺す前に順々に蹴り飛ばされてしまう。 「ぢんっ!?」 「ゆびゅっ!なんでえええーーー!わからないよぉーーー!!」 「饅頭ふぜいが、人間様を傷付けやがって……あの世で後悔しやがれ!!」 男は少年のように甚振ることなどなく、躊躇せず二匹のゆっくりを確実に踏み潰していく。 始末を終えた男は、村の広場に大人たちを集め、何やら話し合いをしていた。 「ゆっくりが人間を襲っただって? 信じられないなあ」 「しかし現に、うちの坊主が木の枝で足を刺されてるんだ。あれじゃ当分は田んぼにも入れねえ」 「うーん、確かに子供や年寄りなら怪我をさせられることもあるかもな」 「どうする? 人間に勝てると思い込んだゆっくりが人を襲い始めたら……」 「そんな危険な饅頭がいたんじゃ、弱い者はおちおち村を出歩けもしない!」 「仕方ない、このあたりのゆっくり一斉駆除しよう。決行は明日の午後、子供や老人には外出を控えさせよう」 さあ、大事になってまいりました。まあ当然の成り行きですけどね。 ゆっくり神社のおかげで大量のゆっくりが死ぬことになってしまった。 まあ神社自体はこの村から離れた所にあるから、そこまで駆除の手が及ぶことはないだろうが。 しかし酷い話だ。俺は家に帰った。 ◇ 数日後。ゆっくり神社は人員の欠損と補充を繰り返しながら、 俺のような珍しいもの好きの人間相手にそこそこ繁盛してるみたいだった。 何度か様子を伺ってみたが、神社の運営を担当するれいむに、周囲の仲間がごはんを運んでくるらしい。 その見返りに、お賽銭が溜まった暁にはれいむがおいしいお菓子を振る舞うという筋書きだろう。 そしてついに、充分なお賽銭が溜まったとれいむが判断したらしい。 れいむは達成感に満ちた笑顔で、お堂から出てきて賽銭箱にすりすりしている。 「おかしをかいにいくよ!!ゆっくりはこをあけるよ!!」 ゆっゆっと言いながら、箱の周りを何週かするれいむ。何をやっているのか。 「どうやっであげるのおぉぉぉおおおぉぉぉぉ!?」 考えてなかったんかい。神社の巫女さんがやってるんだから何とかなるだろうぐらいの気持ちだったんだろうな。 引っ繰り返そうと体当たりをするが、元々が高さがなく横に広い形状であった上、 皮肉にも小銭が溜まって重量を増した箱はそう簡単に倒れない。 ゆぐゆぐと泣いているれいむ。開けてやろうかしらと思い始めた頃、性悪そうな一人の青年が参拝にやってきた。 れいむを無視して賽銭箱に小銭を投げ入れると、ぱんぱんと手を叩く。 「もっといっぱい虐待できますよーに!!」 「ゆ!?おにいざん!このはこをあげでね!!!」 巫女としての務めも忘れ、泣き声で参拝客に懇願するれいむ。 青年はにっこりとれいむに微笑みかける。 「いいよ、お安い御用さ。でもタダでは引き受けられないなあ」 「ゆ゛!?」 「お願い事をする時は何が必要なんだっけ?」 「ゆ・・・おさいせん・・・でもおさいせんはそのなかだよ」 「じゃあ僕が箱を開けたら、僕にお賽銭をくれるのかい?」 「いいよ゛!!はやぐゆっぐりあげでねぇ!!!」 箱を開けることしか考えていないれいむ。青年は手に力を込め、固く閉められていた箱の蓋を外す。 れいむは感激の涙を流す。 「ゆぅ~~!!おにいさんありがとう!!」 「じゃあ約束どおり、お賽銭はもらっていくね」 「ゆ?」 持参した袋に箱の中身の小銭をじゃらじゃら流し込んでいく青年。 感激の表情のまま、呆然と眺めているれいむ。 「じゃあね!」 「ゆ゛う゛ぅぅぅぅぅ!!おにいざんなにずるの゛おおぉぉぉぉぉ!!! れいぶのあづめだおざいぜんがああぁぁぁぁぁ!!」 「大丈夫、これはちゃんと里の自然保護基金に寄付しておくよ。 買い物しようなんてらしくないこと考えず、森の中でゆっくりしていってね!」 疾風のように去っていく青年を、れいむは追いかけることも出来ない。 俺が捕まえるべき? いや、別にれいむの肩持つ気無いし。 それにあの青年は、本当に森のためにお金を使うことだろう。私利私欲のためではなく、 ただゆっくりを絶望に突き落とすことだけを目的に行動する人種のようだから。 まあ自然保護活動にとっちゃ、微々たるものだろうけどね。あんなはした金。 「ゆぐっ・・・ゆぐっ・・・なんでぇ・・・れいぶのおさいせん・・・」 ゆっくり神社の境内でれいむが泣いていると、周囲から仲間のゆっくりが怒った表情で飛び出して来た。 れいむだけのお賽銭じゃないんだよね。 「ちょっと!どういうことなのれいむ!!」 「はこをあけるためにおさいせんをあげちゃうなんてばかなの?しぬの?」 「ゆ゛っ!?ちがうよ、れいむは・・・」 「ちがわないんだねー!わかるよー!」 「にんげんのたべものをいっぱいくれるってやくそくはうそだったんだね!!」 「いままでまりさたちをだましてごはんをはこばせてたんだぜ!!ゆるせないんだぜ!!」 「にんげんのおねがいにつきあわされてゆっくりできなかったわ!」 「れいむはぜんぜんゆっくりできないゆっくりだね!!」 「このうすぎたないばかゆっくり!!いきてるかちないよ!!」 「「「「「「ゆっくりしね!!!」」」」」 「ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あああああぁぁぁぁぁああぁぁぁ!!」 何匹ものゆっくりから袋叩きに遭うれいむ。 参拝客に気に入ってもらうために綺麗にしていた髪や肌もボロボロになっていく。 暴行に参加していないゆっくりは、れいむの収まっていた手作り小屋に体当たりして破壊し、 屋根に使われていた葉っぱや草をむーしゃむーしゃとやっている。 やめでぇぇぇというれいむの声も、罵声と悲鳴の中に掻き消える。 十数分に渡る暴行が続いた後、完全に神社を破壊しつくしたゆっくり達は、それぞれ周囲に散っていった。 残ったのはゆっくり神社本堂のわずかな建材(食べられない部分)と空っぽの賽銭箱、 ボロ雑巾のようになった虫の息のれいむだけだった。 リボンも解けていてかわいそうだったので、俺は出て行って結んでやった。めんどくさいから固結びだけど。 「ゆ・・・・おにいさん・・・・・・」 「やあれいむ。お賽銭いるかい?」 「いらないよ・・・・・もうおかねはいやだよ・・・・・」 「あ、そう」 清貧ってやつかな。本物の方の巫女にも見せてやりたいぜ。 俺はれいむの前に立って、手をパンパンと叩く。 「早いとこ給料上がりますよーに!」 そして一礼すると、ゆっくり神社跡に背を向け、家に帰る。 饅頭には神も仏もいないよね。 おしまい このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1900.html
男は畑へと急いでいた。 育てていた大根がそろそろ収穫の時期なのだ。 柵でゆっくりが入れないようにはしていたが、それでも油断はできなかった。 幸い、作物は全て無事だった。 次々と収穫していく男。 そろそろ残りも少なくなってきたところで、それは現れた。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっくりかいつうしたよ!」 「これでここのごはんはれいむたちのものだよ!!」 それはゆっくりれいむとゆっくりまりさであった。大きさはハンドボールよりやや小ぶりといったところだろうか。 既に殆どの野菜を収穫していたが、侵入者を好きにさせる気も無い。 男は自分の服にあるスイッチを押すと、ゆっくり達に近づいていった。 「ゆっくりいただくよ!」 「きょうからここがまりさたちのゆっくりぷれいすだね!!」 好き勝手なことを言いながら大根へとかけて行くれいむとまりさ。 だが、そこで異変が起きた。 「ゆっ、おそらをとんでるみたい!」 「すごいね、これならおそらでゆっくりできるね!!」 男はゆっくり達を手に持ち、 「ゆぎゅっ」 「ゆぐっ」 そのまま柵へと投げつけた。 勿論、潰れないように手加減をしてだ。 「ゆっ? ゆっくりごはんをたべるよ!」 「いただくよ!!」 先ほど起こったことが理解できずに再び大根へとかけて行く。 だがしかし、何度やっても結果は同じ。 「ゆぎゃっ」 「ゆぎぃっ」 「ゆげぇっ」 「ゆぎゅぅうっ」 特定の場所まで進むと柵まで飛ばされてしまう。 「ゆぎぃ゛ぃぃ゛ぃぃぃ゛れいむのごはんな゛のにぃ゛ぃぃ゛ぃ」 「なんだかわからないけどはやくたべさせてね!」 何度も何度も向かってくるれいむとまりさ。 目の前にエサがあるのに食べられないことでかなりイライラしていた。 それを気にせず、何度も捕まえては投げる男。 ここまできても、れいむとまりさは男に気づく気配どころか気にしてる素振りも無い。 それもそのはず、男の姿は見えていないのだ。 光学迷彩スーツ。 河童のテクノロジーが人間の里にも浸透し、今や大人気となっていた。 「ゆぎいいい゛いいい゛いぃぃぃぃいぃおねが゛い゛だがら゛だ゛べざぜでぇぇぇっ」 「ま゛り゛ざのごはんな゛んだ゛からゆっぐりだべら゛れで゛ぇぇぇえ゛えぇっ」 さて、次はどう遊んでやろうか―あ、そうだ。 男は一本の大根を引き抜いた。 そして柵の近くで悔しがっているれいむ達の前で突き出した。 「ゆっ、やさいさんからきてくれたよ!」 「さいしょからそうしてよね!!」 それを見るや否や、即座に食いついてくるまりさとれいむ。 あと少し、というところで男は大根を引っ込めた。 「ゆっ? やさいさんはあそこだよ!」 「そこからうごかないでね!!」 再び飛びついてくるゆっくり。 男はもう少しというところでやはり避けさせ、徐々に畑から離れるように誘導していった。 「まって、まって、そこでゆっくりしてね!」 「まりさのごはんなんだからそこでゆっくりしててね!!」 そのことに気づかずに追いかけてくるれいむとまりさ。 やがて、森の中の川に差し掛かってきた。 「ゆ、ゆっくりまってね…」 「まりざのごばんなの゛にぃ゛ぃぃっっ」 疲労困憊ながらも追いかけてくるゆっくり。 男は川の瀬に立つと、大根を持っている手を川の方に伸ばした。 ちょうど、川の上に大根が浮いている形である。 「ゆっ、かわのうえにやさいさんがいるよ!」 「ゆっくりおりてきてね!!」 ようやく追いついてきたゆっくり達。 ぎりぎりの位置まで進むがそれでも届きそうに無かった。 男は無視してそのまま大根をぷらぷらと漂わせた。 「れい゛むのごはん゛の゛ぐぜにぃぃぃっっぃっ!!」 「ふんっ、もうしらないよ! そこでずっとゆっくりしててね!!」 やがて諦めたのか、思い思いの捨て台詞を口にして去っていくゆっくり。 そこで男は大根をゆっくり達に向かってひょいっと投げた。 「ゆぎっ、やっとたべられてくれるんだね!!」 「きのきかないやさいだったけどゆっくりたべてあげるよ!!」 頭にぶつかったのが大根と確認すると、今度こそとかぶりつこうとする。 そこで男は大声で叫んだ。 「おうおうおうおう、俺を食べようなんてふてぇ奴がいたもんだ!!」 「ゆっ、だれ? これはれいむたちのみつけたごはんだよ!」 「そうだよ! だれなのかしらないけどゆっくりかえってね!!」 ゆっくり達が周りを警戒している間に男は大根を拾い上げ、ゆっくり達の目の前に立てた。 「俺だよ、俺! まったくゆっくりの分際で俺を食おうなんて失礼な奴らだぜ」 「ゆゆっ、このやさいさんしゃべったよ!」 「へんなこといってないでまりさたちにたべられてね!」 「面白ぇ、やれるもんならやってみな!」 そう言って挑発的な動きをする大根。 八の字のようにゆらゆらと動いていた。 「ゆっくりたべられてね!」 突進してくるまりさ。 それをスッと避けると、そのまままりさに体当たりを喰らわせた。 吹っ飛んで木にぶつかるまりさ。力を入れすぎると自身が砕けかねないので、十分に手加減して叩きつけてやった。 「ゆべっ」 「うわ、よっわー」 「やさいさんはれいむのごはんだよ!!」 今度はれいむの突進。 さっきのまりさを見ていなかったのかというくらいの単調な突進であった。 先ほどと同じように避け、今度は地面に叩きつけてやった。 「ゆぎゅぅい」 「ほらほら、そんなんじゃ俺を食べるどころか逆に食べられちまうぜ」 「よぐもれ゛い゛むをぉぉぉぉっゆぎゅぇ」 「はい外れー」 「ま゛り゛ざぁぁぁぁゆぶぇっ」 「おぉっと危ない、なーんてね」 10分後。 そこには何度も叩きつけられぼろぼろになったれいむとまりさの姿と、そのままの大根があった。 「なんだなんだ、おめーらすっげぇザコだな」 「ゆぎぃ゛ぃぃぃぃぃっ! ごばん゛の゛ぐぜにぃぃっっ!!」 「い゛い゛がらだべら゛れ゛ろぉぉっっぉお゛ぉ!!」 歯をむき出しにしながら怒りを露にしているゆっくり達。 しかしいつまでたっても一噛みすら与えることができない。ゆっくりの餡子脳なんてその程度のものなのだ。 「ま、これに懲りたら俺達野菜を食べようなんて思わないこったな」 そういい残して畑の方へ戻っていく大根。もとい、男の手で運ばれる大根。 後ろには満身創痍のゆっくり達の悔しそうな悲鳴だけが聞えていた。 「やざい゛の゛ぐぜににぃ゛ぃ゛ぃっっっ!」 「ゆぎぃぃぃっっっっ! ゆ゛っぐりだべざぜ゛ろろ゛ぉぉっっっ!」 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/96.html
虐待成分全くなし なので、虐待を期待している方は読まれないほうがいいです。 最近、家に新しいゆっくりが住み着き始めた。 短い金色の髪に赤い小さなリボン、あまり見る事のできないるーみあ種の子供だ。 今は花に留まっている蝶に狙いを定めている。が、飛び付こうとしたるーみあを嘲笑うかの様にフワフワ蝶は跳んで行った。 結果、るーみあはそのまま蝶の止まっていた葉に突っ込んで動かなくなった。 「…だめなのかー」 切羽詰ってるんだかないんだか、うつ伏せのままるーみあは呟く。 こいつも一応捕食種に分類されている筈なんだが、狩りが凄い下手なのだ。 初めて会った時も、こいつは庭の柵の前で寝転んでいた。 理由は、呆れる事に腹が減っていたからだ。 まりさはともかく、のんびり屋のれいむにだって食える蝶をいまだに食べれないで追っかけまわしているゆっくりなんてこいつくらいだろう。 家の中にいるめーりんに教えを請えばこいつの狩りも上達するんだろうが、こいつは夜行性。めーりんは夜遅くに起きている所を見たことがないから無理だ。 じゃあゆふらんを呼べばいいだろうがと友人は言ったが、ふらんは手足があるのでるーみあの参考にはならない。それに今は散歩に出かけていないし… 結局、こいつは一人で頑張るしかないのだ。 「ほれ、どうせ獲れないんだから飯やるよ」 俺は帰り道に買ってきたチーかまの封を開けて一本取り出し、先っぽを鋏で切り落としてビニールを剥いて差し出す。 だが、るーみあは寄ってこない。 「どうしたんだ?」 るーみあに声を掛けると、のんびりとした返事が帰って来た。 「るーみあだっておにいさんにたよらないでごはんをとるのだ~」 そういって再び蝶に飛び掛る。 でも、結果はさっきと変わらない。 けれど、るーみあが頑張ろうとしているんだから見守ろうと思い黙って見る。 「ちょうさんまつのだ~」 捕食種らしくないのんびりとした声。 これがゆふらんだったりすればもっと迫力もあるのだろうが、るーみあのそれは小さい子供が蝶を追いかけるそれと変わらない。 結局いつまで経っても捕まえられず、蝶はどこかへ行ってしまった。 後には、色々な所に突っ込んだせいで土で汚れたるーみあが残された。 「ほら、もう意地になってないでこいつを食えよ」 るーみあを持ち上げて隣に移動させ、剥いたままだったチーかまを差し出す。 でも、るーみあは食べようとしなかった。 それどころか泣いているではないか。 「そんなに蝶を捕まえられなかったのがショックなのか?」 俺の言葉にるーみあは体を横に振る。 「ちがうのだ… るーみあはこのままじゃいけないのだ…」 「いけないって、何がだ?」 聞き返すと、るーみあはポツリポツリと答え始めた。 「るーみあは… このままおにいさんにあまえていたらだめなのだ…」 「なんでだ? これからゆっくり餌を獲れるようになれば良いじゃないか」 「おにいさんのめいわくになるから… じぶんでごはんとれるようにならなきゃだめなのだ… おにいさんにすてられたら… ごはんとれなきゃいきていけないのだ…」 「俺は捨てたりなんかしないぞ? それとも、お前は誰かに捨てられたのか?」 俺の問いにるーみあは体を縦に振る。 「本当なのか? お前、親に捨てられたのか?」 「ちがうのだ… るーみあはおかあさんのことよくおぼえてないけど… そだててくれたおかあさんがいるのだ…」 「それで?」 「るーみあはまりさとれいむのおかあさんにひろわれたけど、おいだされたのだ…」 「追い出された?」 「そうなのだ… るーみあはおかあさんたちに『せっかくひろってやったのにぜんぜんごはんとれないんじゃいらないよ』って、そういわれたのだ…」 言われた時の事を思い出したのか、るーみあはポロポロ涙を流している。 おそらく捕食種だからって理由でそのれいむとまりさはるーみあを利用しようとした。 れいむやまりさ等の普通のゆっくりにとって、捕食種は絶対的な存在だからだ。 きっと捕食種であるるーみあさえ居ればもっと簡単に餌を集められると二匹は考え、るーみあを拾ったのだ。 しかし、るーみあは普通のゆっくりよりもどんくさい種である。 満足に餌も集める事ができないと理解した二匹は、食い扶持が増えるだけと判断して追い出した。 大方こんなところだろう。全く、大人のゆっくりが子供を利用しようとするなよ… 「なあ、るーみあ」 「うぅ…」 泣いているから声は小さいが、気にせず俺は言葉を続ける。 「確かにお前は駄目な奴だよ」 「わかっているのだ…」 「れいむにだって簡単に獲れる蝶を自分じゃ獲れないどんくさい奴だし、野生にこのまま出たら間違いなく飢え死にだろうな」 「ごめんなのだ…」 俺の言葉によって涙の零れる量が増えていく。 落ち込ませるのはここまでだ。 「でもな、育ての親のゆっくりはお前を捨てたかもしれないけど、俺は捨てないよ」 「でも、でも…」 「お前はまだ子供だから今は全然獲れないだけで、いずれ大きくなればきっと獲れるさ」 「ほ、ほんとうなのか?」 たった一言で涙声から段々元の声に戻ってきている。元気が出てきてなによりだ。 「ああ、お前はまだそんなにたくさん跳ねれないだろ? でも、体が大きくなれば勢いよく跳ねれるようになる。だから、さっきの蝶だって簡単に捕まえられるようになるさ」 「そーなのかー!!」 俺の言葉に希望を見出したのか、るーみあは嬉しそうに口癖の『そーなのかー』を口に出した。 さて、喜んでくれたんなら飯をやるか。 「さあ、今はとにかく一杯食べて大きくなれよ」 「わかったのだ!!」 差し出してやったチーかまをバクバク食い始めたので、二本目のチーかまを出してやる。 ああ言ったけれど、俺にはこいつが本当に立派な捕食種になれるとは思えなかった。 でも、どこかで化けるかもしれないとも心の隅で思っている。 「おにいさんもういっぽんほしいのだ~」 俺の考えてる事なんて全く分かってないるーみあに三本目を渡してやる。 まあ、今は見守ってやろう。 暗い森の中、飛んでいた私はれみりゃに追われている二匹のゆっくりを見つけた。 跳ねながら口論をしている器用なれいむとまりさだ。 興味があったので、ちょっとだけ高度を下げて耳を傾ける。 「まりさがるーみあをおいだすからおとりがいないんでしょ!! どおしておいだしちゃったの!!」 「そんなのしらないんだぜ!! えさをとれないあいつがわるいんだから!!」 「そもそもるーみあをつれてきたのだってまりさでしょ!! 『こいつがいればらくできるぜ』なんていってたのにるーみあはぜんぜんやくにたたないし!!」 「まりさはれいむをらくさせるためにつれてきたのにそんなこというのはひどいんだぜ!!」 「らくできないのはまりさがえさとるのがへただからでしょ!! やくたたずなまりさがれみりゃにくわれてね!!」 「いやなんだぜ!! そんなこというれいむがしねばいいんだぜ!!」 醜い言い争いを繰り広げていた二匹は、後ろにれみりゃがいるのに体当たりを仕掛け始めた。 後は追いつかれて食われるだけだろう… 話の内容を聞く限りあいつらは碌な奴じゃない。 ああいう奴がお母さんに意地悪するんだから、助けなくてもいいだろう。 私は羽を動かして高度を上げる。 今日の夜の散歩はもう終わりだ。 後ろからゆっくり二匹の悲鳴が聴こえてきたが、興味がないので無視する。 そういえば、今日あの子は自分で虫を獲れただろうか? 最近住み着いたるーみあの子供。自分に妹ができたみたいで正直嬉しい。 今はまだ小さいから無理だけど、いつか一緒に夜の散歩を楽しみたいな… 終 こんな駄文を最後まで読んでいただきありがとうございます!! Takataさんのゆっくりいじめ系58 ゆっくりるーみあを読んでから、どうしても書きたかったるーみあをやっと書けました!! 勝手に書かせてもらいTakataさんごめんないさい。 今回書いたの切欠は、落ち込んでる子に追い討ち掛けてから励ましてやって、それで元気になったら可愛くないだろうか?という単純な理由です。 皆さんはどうでしょう? 自分は可愛いと思います。 個人的にるーみあの中身はチーズドックの中身のチーズです。 だから男がるーみあにあげた餌もチーかまにしました。 ちなみに、今度から某所で名前を頂いたので名乗らせていただきます。 名前は『大貫さん』です。 最初は音声変更の人でしたが、後書きをカタカナで書かなければならないので『大貫さん』にしました。 これからもよろしくお願いします!! 最後に、本当に読んでくださりありがとうございます!! 御目汚し失礼!! 書いた作品 ゆっくりいじめ系352 虐められるゆっくり ゆっくりいじめ系382 ある馬鹿なゆっくりの話 ゆっくりいじめ系394 きめぇ丸 ゆっくりいじめ系421 めーりんとこうりん ゆっくりいじめ系488 ゆっくり飼ってます ゆっくりいじめ系497 携帯でチマチマ書いてみた ゆっくりいじめ系571 みんなで食べよう ゆっくりいじめ系572 きめぇ丸その後 ゆっくりいじめ系596 ゆこまち ゆっくりいじめ系611 どこで何が狂い出したのか… ゆっくりいじめ系628 鳩と餌と糞 ゆっくりいじめ系793 誰かがやらねばいけないこと ゆっくりいじめ系823 小ネタ7 幽香×ゆっくり系9 ある馬鹿なゆっくりの話2 ゆっくりいじめ小ネタ125 虫眼鏡 ゆっくりいじめ小ネタ128 ゆっくりが大好きだ!! ゆっくりいじめ小ネタ140 ガラス
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1743.html
ゆっくりお燐の生活 「ゆっゆっゆっ・・・」 「むきゅ、むきゅ・・・まっでええええまりさあぁぁぁぁ」 山の中をまりさとぱちゅりー、二匹のゆっくりが駆けている。 怖いれみりゃから間一髪逃げ出してきたのだ。 運動が得意なまりさに比べ、体の弱いぱちゅりーは息も絶え絶えだ。 「ぱちゅりーゆっくりしないでね!!そんなんじゃれみりゃにたべられちゃうよ!!」 「むきゅぅぅぅ~~、これいじょうはむりだわ!」 「じゃあこっちからいこうね!!ちかみちだよ!!」 まりさは巣への近道となっている、若干傾斜のあるデコボコ道に飛び込んだ。 自分は大丈夫でも、虚弱体質のぱちゅりーがそんな所に飛び込めばどうなるかは自明である。 「むきゅっ、むきゅ、むぎゅっ!?む゛ぎゅうううぼぼぼぼ!!」 ぱちゅりーは必死に飛び跳ねたが高さが足らず、木の根っこに足を引っ掛け、 辺りの石に身体をぶつけながら斜面を転がり落ち、やがて動けなくなった。 「あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁ!!おあちゅりぃぃぃーーー!!」 「むぎゅ・・・・もうだめ・・・」 泣きながら瀕死のぱちゅりーに駆け寄るまりさ。 自分が選んだ近道のせいでこんなことになったことは特に念頭に無い。 まりさはぱちゅりーの傷口を必死で舐めるが、ぱちゅりーの吐餡は止まらない。 「ぱちゅりーゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってねえええ!!」 「むぎゅ・・・まりさ・・・わたしはもうだめだわ・・・」 「なんでぞんなごどいうの゛おおぉぉぉぉぉ!?ずっといっじょにゆっぐりじでねえぇぇぇぇ!!」 「もうたすからないってりかいしてね・・・まりさだけでもおうちでゆっくりして・・・」 「ゆ゛うぅぅぅぅぅぅ!!ゆ゛ううぅぅぅぅぅぅううう!!!」 「ゆっくりしてたられみりゃがくるわよ・・・わたしがおとりになるから・・・はやく・・・にげ・・・」 「ゆ゛!?」 小さい時からいつも二人一緒で、いろんなところを探検したぱちゅりー。 行く先々で危険な食べ物や場所を教えてくれた、頭が良くて優しいぱちゅりー。 赤ちゃんのために元気になるから、いつかけっこんしようねと言ってくれた大好きな友達、ぱちゅりー。 そんなぱちゅりーは最後までまりさを気遣い、静かに息を引き取った。 「ゆ・・・ぱちゅりー・・・ゆっくりしちゃったんだね・・・」 れみりゃに食べられるであろうぱちゅりーの亡骸に背を向けて逃げるのは、 親友であるまりさにはためらわれることだった。 せめてもの手向けにと、まりさはその辺に生えていた小さな花を一輪摘み取り、 ぱちゅりーの帽子にそっと挿しておいた。 「ぱちゅりー・・・まりざはゆっぐりずるねぇええぇぇぇぇ!!」 滂沱の涙に顔をふやかせながら、全速力で巣へと逃げ帰るまりさ。 自分だけでも無事にゆっくりしなければ、ぱちゅりーの遺志を無駄にしてしまう。 死んでしまった親友も、心の中でずっと生きているのだ。それを守らなければならない。 そんな光景を、茂みに隠れて見ているゆっくりがいた。 「うっうー♪このへんからこえがしたんだどー♪どこだどー?」 まりさをぱちゅりーを追い、ぱたぱたと飛んで来るれみりゃ。 先程ぱちゅりーが死んだ場所に到達したれみりゃは、しかし、一匹のゆっくりの姿も見つけることが出来なかった。 「うー?いないどー!つまんないんだどー、かえってざぐやにぷっでぃ~んもらうどー♪」 標的を見失ったれみりゃはゆっくりの追跡にも飽きたのか、来た道を引き返して帰っていった。 それから数日後。 「ゆっゆゆっゆゆ~ん♪れいれいむ~♪いっまいくよ~♪」 友達を失った悲しみからも、ゆっくり特有の能天気さで立ち直ったまりさは、 新しい友達であるれいむのところに遊びに行くため、山道を跳ねていた。 「ぱちゅりーがしんじゃったのはかなしいけど、れいむがいるからさびしくないよ・・・ゆっ!?」 ふいに前方の茂みががさがさと揺れ動く。タヌキか何かが出てくるのかと身構えるまりさ。 しかしそこから飛び出して来たのは、 「じゃじゃーん!!」 「ゆゆっ!?」 真っ赤な髪にぴんと立った二つの猫耳、顔の両脇に下げられた三つ編み。まりさが見たこともないゆっくりだった。 ゆっくりおりん。地獄のゆっくりとも言われ、滅多に見ることの出来ない希少種だが、 最近この辺りの山にもちらほら出没するようになってきたゆっくりである。 「ゆっ!みたことないこだね!ゆっくりしていってね!!」 「おりんはおりんっていうんだよ!!すてきなまりさよろしくね!!」 「ゆゆ~!!なかよくしていってね!!」 会うなり素敵だと褒められて気を良くしたまりさは、即座にこのゆっくりは良いゆっくりだと断定する。 友好の証に頬をすりすりと擦りつける。おりんはとっても嬉しそうだ。 一緒にれいむのところに遊びに行っても良いかも知れない。珍しい子だから紹介してあげよう。 そんな風にまりさが思い始めた時。 「きょうはまりさをびっくりさせるよ!!」 「ゆっ!?なになに?」 「じゃじゃーん!!」 おりんの掛け声に合わせて、茂みからもう一匹のゆっくりが飛び出してくる。 また新しい友達が出来るのかと思い、ニコニコ顔でそちらを見るまりさ。 「まりさのともだちのぱちゅりーだよ!!じゃじゃーん!!」 「むぎゅぎゅ!!ゆっくりじていっでね!!」 まりさの表情はそのままで固まった。 落ち窪んだ眼球、藁のようなぼろぼろの髪、毒々しく変色した傷だらけの肌、ぴくぴくと引き攣った口元。 そのどれもが、まりさの友達、かわいくて優しいぱちゅりーとはかけ離れたものだった。 しかしその帽子についているのは、紛れもなくまりさが挿してあげたお花。死んだぱちゅりーに備えたお花。 それも萎びて腐りかけていたが、「そいつ」が大好きな親友であると判別するには充分であった。 「ゆ゛ううううぅぅぅぅぅぅぅ!!?なんでぱちゅりーがここにいるのおぉぉぉぉぉ!!」 「ゆゆっ!うれしなきしてるよ!!とってもなかよしなんだね!!」 「おりんがやまでぎぜつじてだぱちゅりーをたずえでぐれたのよ!!」 硬直した口元を醜く歪めて、ぱちゅりーは楽しげに笑いながら話した。 舌もうまく回らないのか、汚くたどたどしい発音だ。 きれいで理知的な言葉を話していたぱちゅりーの口がそんな風に動くのが、まりさには耐えられない。 どうしてこんなことになっているのか解らない。まりさの目の前でぱちゅりーは死んだはずだ。 よしんばそれが自分の見間違いだったのだとしても、今見ているのはどう考えても 生きていた頃の、体が弱いながらも元気に遊んでいた、大好きなぱちゅりーの姿ではない。 「ゆぐぐっ!!ぱちゅりーはしんだんだよ!!ゆっくりりかいしでね!!まちがってあるきまわっちゃだめだよ!!」 「むぎょ!!なにいっでるのまりざ?ぱぢゅりーはごんなにげんきになっだおよ!!ごれであがちゃんつぐえるねぇぇぇ!!」 眼窩の奥底に転がるぱちゅりーの萎れた眼球が、ぎょろぎょろとまりさを見つめる。 ぱちゅりーは元気をアピールするかのようにびたんびたんと跳ねて見せる。 前半身と後半身の統制が取れていないのか、魚がのた打ち回るような歪な跳ね方だ。 激しい動きは、かつての病弱なぱちゅりーからは、いやどんなゆっくりからも想像出来ない異様なものだった。 前後にのた打つ度に、爛れた傷口から餡子がぴゅっぴゅっと吹き出る。 ぱちゅりーはそのままびょこびょことまりさに擦り寄ろうとしていた。 かつての親友のあまりに醜悪な姿に、思わず後ずさりしてしまうまりさ。 「むぎょえぇぇぇぇ!!だいすきなまりざ!!いっじょにずっぎりじまじょうねええええ!!」 「やべでねぇ!!おまえなんかまりさのともだちのぱちゅりーじゃないよ!! ぎれいなぱちゅりーをけがすしにゆっくりはもういっかいゆっくりじねえぇぇぇぇ!!」 「むぎゃああああああ!!どぼじでぞんなごどいうのよほおおおおお!!?」 形の崩れたぱちゅりーの眼窩に、どろりとした粘性の涙が溢れる。 泣き顔になろうとしている表情には、先程の歪んだ笑顔が凝り固まっている。 「どもだぢをうらぎるげすまりざはゆっぐりじにゃああああああ!!」 「ゆ゛ううううぅぅぅぅ!!」 突然噛み付いてくるぱちゅりー。激しい動きが出来るようになった分、凶暴になっているようだ。 しかし健康なまりさにしてみれば緩慢な動きだ。簡単にその攻撃を飛び越えると、ぱちゅりーの頭に飛び乗る。 「むぎゅ!?よげないでよまりざぁぁ!!わだじだちどもだちでしょおおおおお!!!」 「うるさいよぉぉぉぉぉ!!ゆっくりしないでつぶれてねええええええ!!」 それ以上、大好きなぱちゅりーが醜い姿を晒しているのがまりさには我慢出来なかった。 必死に飛び跳ね、泣きながらぱちゅりーを押しつぶすまりさ。 「むぎゃっ」「むぎょっ」という悲鳴を上げ、ぱちゅりーは少しずつ平らになっていく。 自分が死んでも、最後までまりさを気遣ってくれた、賢く慈愛に満ちた親友ぱちゅりー。 そんな美しいぱちゅりーは、今もまりさの中に生きている。 それを守るため、目の前にいる醜い怪物は今すぐこの世から消し去らねばならない。 「づぶれろっ!!づぶれろっ!!ゆっぐりぎえろおおおおぉぉぉ!!!」 「むぎっ、やばで、ぐびっ、まいざ、どもだぢっ、でじょっ、むぎょっ」 まりさは息を切らせながら、なかなか死なないぱちゅりーをストンピングし続ける。 しかし帽子の上に乗って見下ろすと、醜い身体や表情は見えず、まるで仲良しだったぱちゅりーがそこにいるよう。 柔らかい帽子の感触に、ふわりと良い匂いのしたぱちゅりーの髪を思い出し、胸を締め付けられるまりさ。 だが、押しつぶす度に飛び散る餡子汁の饐えた匂いが、まりさを残酷な現実に引き戻すのだった。 ぱちゅりーが潰れていく度、どんどんとまりさの目線は下がっていく。揺れ動くお花の黄色が悲しい。 そして完全にぺたんこに押し潰し、ぱちゅりーを再び殺した時、まりさの目の前には今まですっかり忘れていた、 満面の笑みを浮かべたおりんの姿があった。 「じゃじゃーん!!ゆっくりなかよしできた!?」 「ゆぐ・・・こんなのいやだよ・・・もうまりさゆっくりできないよ・・・れいむのとこいきたいよ・・・」 ゆっくりおりんの能力、それは死んだゆっくりをゾンビ化して操ること。 死体は多少なりとも原型を留めていることが条件で、ぐちゃぐちゃに飛び散った餡子を操ることは出来ない。 よって、完全に砕かれたり潰れたりしたゾンビゆっくりは、おりんの制御下を離れてただの死体に戻る。 山の中でまりさを見初めたおりんは、まりさに一目ぼれし、それ以来ずっと遠巻きに眺めていた。 とっても友達思いで優しいまりさ。勇敢で山を自在に駆け巡るまりさ。 そんなまりさと仲良くできるチャンスを伺っていた時出くわした、まりさの親友ぱちゅりーの死。 れみりゃが来る前に死体を回収したおりんは、ゾンビ化したぱちゅりーにリハビリさせ、今日のこの時を待っていた。 単純なおりんは、友達を生き返らせればまりさはとっても喜んでくれて、自分とも仲良くなってくれると思った。 だから目の前で泣きじゃくるまりさが、悲しみに暮れているなどとは微塵も思いもしない。 おりんの周りでは、死んだの生き返るのが日常茶飯事。 その死生観は普通のゆっくりとはかけ離れたものだったが、おりんにその自覚は一切無かった。 そんなことを知る由もないまりさは、ゾンビぱちゅりーの出現とおりんを結び付けることなどできない。 せっかく新しい友達が出来たのに、一緒にゆっくりする気になれない。こんな辛いことがこの世にあるなんて。 はやく親友のれいむのところにいって、いっぱい優しくしてもらおう。 ゆぅゆぅと息を荒げて憔悴するまりさ。目は悲しみに潤み、頬は上気している。 どういう訳かおりんにはそれが、いっぱい遊んで興奮しているように映ったらしい。 「じゃじゃーん!!つぎはおりんとゆっくりしてね!!」 「ゆっ?またあしたにしてね・・・いまはゆっくりできな・・・ゆべっ!!」 おりんの突然の激しい体当たりに、まりさは前のめりに転んでしまう。 おりんは頬を擦りつけようとしただけだったが、大好きなまりさと遊べて興奮しているおりんの動きは、 疲れ果てたまりさにとっては充分な暴力だった。 「ゆぐぐ、なにするの!?ゆっくりはなれてね!!」 「ゆゆ~ん!まりさだいすきだよ!!おりんとすっきりしようね!!」 「なにいっでるの!!やべろぉ!!ゆっぐりはなれてええええ!!」 おりんはまりさに激しく頬を擦りつける。二匹の擦れあいの中に粘液のネチョネチョという音が混じり始める。 まりさには全くその気は無いのだが、おりんがなかなかのテクニシャンなのか、どんどん感度を高められていく。 今しがた親友を惨たらしく殺した自分とすっきりしそうになっている自分が、まりさの中で噛みあわない。 「い、いやだあぁぁぁ!!いまはずっぎりじだくないいいいぃぃぃ!!」 「ゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっ!!はやくすっきりしてね!!」 「ううううう゛う゛う゛あ゛あ゛ああああああああああずっぎりーーーー!!」 反射的に至福の笑顔を浮かべてしまうまりさ。が、すぐにそれは苦痛の表情へと変わる。 まだおりんの擦りつけが止まないのだ。 「なんでえええぇぇぇぇ!!まりざもうずっぎりじだよおおおぉぉぉぉおぉ!!」 「おりんはまだだよ!まりさはもっとすっきりしていってね!!おりんとかわいいあかちゃんつくろうね!!」 「やべでぇぇぇぇぇぇぇもうずっぎりじだぐないよぉおおほおぉぉぉぉ!! まりざはれいむのおうぢにいっでゆっぐりするのおおおぉぉぉぉぉぉぉすっきりー!!」」 ゆっくりおりんは、気に入ったゆっくりの死体を手に入れたがる性質がある。 死体使いの性分と、死体にしか種付け出来ないという生物(?)的性質に由来するものだろう。 そのためにはどうするか。自分で気に入ったゆっくりを死に追いやってしまえばいいのだ。 だからおりんがすっきりを始めたら、誰かに無理矢理止められるか、相手が死ぬまでやめない。 そして相手が死んだ時、初めておりんはすっきり出来るのだ。 その快感は、通常のゆっくりがするすっきりの七倍だとも言われる。 「んほおおおおおおおおおずっぎりー!!おりんもうやべでぇぇぇぇすっきりー!!まりざじんじゃああああすっきりー!! じんじゃうよおおおおおぉぉぉぉすっきりー!!ゆっぐりでぎないいぃぃぃひひいいぃぃぃすっきりー!! でいぶだずげでええええええすっきりー!!ゆっぐりざぜでよほほほおおおおぉぉおんすっきりー!! ゆっ、ゆっゆっ・・・すっきりー!!えへあへあへへへおほお・・・すっきりー」 段々と濁っていくまりさの思考と瞳。激しい疲労から抵抗は無くなり、おりんに突き動かされるままだ。 それでもすっきりした時に本能的に見せるマヌケ面はずっと変わらない。 やがて何十回目かの「すっきりー!!」の後、その顔のまま固まって動かなくなるまりさ。死んだのだ。 「んにゃあああああああああああ!!すっきりーーーーー!!!!」 激しく動き続けていたおりんも、その時初めて絶頂に達し、これ以上無いような最高の笑顔で大きく伸び上がった。 ゆっくりを過労死させるほどの激しいすっきり行為に打ち込んできたおりんも、当然疲れている。 そのままへにょんとへたり込み、まりさの笑顔の死体の前でゆっくりと休み始めた。 やがて死んだはずのまりさの表情がもごもごと動く。 皮膚の内側で何かが蠢いているのだ。 それを確認したおりんはゆっくりするのを止め、固唾を呑んで様子を見守りはじめる。 その蠢くものは、締め付けの無くなったまりさの産道を無理矢理押し開き、外に飛び出してくる。 「「「「「ぢゃぢゃーん!!ゆっくちちていってね!!」」」」」 「じゃじゃーん!!おかあさんだよ!!ゆっくりしていってね!!」 それはゆっくりおりんの赤ちゃんたちだった。 まりさの死体いっぱいに詰まっていたかのような何匹もの赤ちゃんが、うじゃうじゃと這い出てくる。 中身をほとんど赤ちゃん達に奪われたまりさの死体は、皮だけになって地面に広がった。 死体から産まれたにも関わらず、普通のゆっくりと変わらず瑞々しく元気な赤ちゃん達。 一応胎生出産型に含まれるのか、大きさはソフトボール大で、子ゆっくりに近いサイズだ。 これからお母さんに死体の操り方などを学び、一人前のゆっくりおりんになっていくのだ。 ちなみに生まれるのはほとんど赤おりんだが、 今回の場合は一匹だけ、母体となったまりさの赤ちゃんが混じっている。 おりんはその性質上、他のゆっくり達となかなか仲良くなれないことがある。 そんな時、家族の中に他種のゆっくりが混じっていることで、ある種の外交役を務めるのだ。 一匹だけ姿が違っても差別されたりすることはなく、家族の愛に包まれてゆっくりと育つ。 「ゆ~!まりしゃおなかしゅいたよ!」 「おりんもおにゃかすいた~!!」 「じゃじゃーん!これがさいしょのごはんだよ!ゆっくりたべてね!!」 今しがた赤ちゃんたちが飛び出して来た親まりさの死体を差し出すおりん。 赤ちゃんたちは嬉しそうに飛びつき、ほとんど皮だけになったそれをうまうまと食べつくしていく。 「ゆゆー!おかーしゃん、ゆっくちあしょそぼうね!!」 「そうだね!!このみちのさきにまりさおかあさんとなかよしのれいむがいるそうだから、あいさつしにいこうね!!」 「ゆっ!まりしゃれいみゅとにゃかよくしたいよ♪」 「「「「ゆっくりいこうね!!」」」」 おりんの中に、愛するまりさを失った悲しみなど無い。 あったとしても、赤ちゃん達の生まれた喜びの前にはそんなもの無きがごとしだ。 生物が異性を愛するのは、ひとえに子孫を残すため。おりんはある意味、非常にシンプルで快活と言えるかもしれない。 「じゃじゃーん!」と合唱しながら、おりん一家は山道を行進していく。 後には饐えた匂いと、二つのゆっくりの帽子が残っているだけだった。 おしまい このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1384.html
昼。 仕事を終えて家に帰る。 鍵を開けようとしたところ、もう開いていた。 泥棒かと思って中に入れば、ゆっくりがいた。 「ゆっ! おにーさん! ここはまりさたちがみつけたおうちだよ! ゆっくりでていってね!」 「「「でていってね!」」」 数えて四匹のゆっくりまりさがそこにいた。 何をしているかと思えば、食料庫に置いておいた食べ物を全部食われている。 ご丁寧に貴重な胡椒や塩もだ。 しかし、俺はこいつ等を無視して台所へ向かう。 台所も荒らされており、鍋やらヤカンやらが散乱していた。 俺はそれをかき分けて椅子に座る。 そこで近所の子から貰った昼飯の握り飯を頬張った。 「ゆ! なにしてるのおにーさん! はやくでていってね!」 台所にいる俺を見つけて親まりさがぷくっと膨れて怒る。 子供たちも真似するように小さく膨らんだ。 「別にお前達の邪魔をしてないからいいだろう、ここはお前達の家なんだから俺は家具だとでも思えばいいさ」 俺はそう言って飯を食らう。 まりさ達はそれが気に食わない様子だった。 「いいかげんにしてよ! ばかなの? おにーさん!?」 「ばかなの?」 「しぬの?」 非難を浴びるが、俺は冷静に返す。 「ああ、馬鹿だよ」 その言葉に、俺が自分達より格下だと判断したらしくまりさは調子に乗る。 「さすがばかだね! ここがだれのいえかわからないなんて! いきてるかちないんじゃないの!?」 普通、並みの精神の人間だったらここでどうしていただろうか。 間違いなく引きちぎって殺していたに違いない。 「そうかもな」 「ゆふん! ばかなおにーさんはここでのたれじんでね!」 俺をせせら笑ってまりさ達は自分達がいた部屋へ向かった。 飯を食い終えた俺は、取り合えず眠りにつく事にした。 夜。 目が覚めるとゆっくり達がぷるぷると震えていた。 饅頭らしくおしくら饅頭をして暖を取っているようだ。 春になったばかりの夜はとてつもなく寒い。 「ゆうぅ……ここでさむさをしのごうね!」 「あったかいよおかーさん!」 「だいじょうぶだよ!」 「ぬくぬくだよ!」 まりさ達はみんな親を心配させないように言う。 家族愛って奴だろうか。 俺は台所にしまってある毛布を使い、それを服の中に仕込んだ。 そのまま掛けて寝れば、ゆっくり達に奪われるかもしれない。 多少動きづらかったが、晩御飯の準備をした。 今日は鹿のスープだ。 言い忘れていたが俺の職業は狩人で、山の近くで暮らしている。 そんな事はともかく、作業に移る。 調味料は食われていたため、お湯の中に山菜と鹿の茹でた肉が入ったような質素なものとなった。 しかし、それでもうまそうな匂いがするらしく、まりさ達が俺の元へやってくる。 「ばかなおにーさん! それをまりさによこしてね!」 無視。 するともう一度まりさが叫ぶ。 「おにーさん! それをまりさによ・こ・し・て・ね!」 よこせを強調するが、無視。 俺は体当たりされてスープを零されてはたまらないので、一気に飲み干す。 「どうしてくれないの!? なんで? いいかげんしんでよ!」 「俺はお前の家の一部で家具だ、家具はお前のためにご飯を作らないしあげもしない。それにお前はゆっくりだろ、自分で狩りくらいできるだろ」 その言葉にぐっと歯を食いしばるまりさ。 確かにその通りである。 まりさはゆっくりの中では知能があるほうで、狩りは得意なはずだ。 「おかーさん、おなかすいたよ……」 さむそうにしていた子まりさの一匹が親に言う。 親は憎しみの表情を浮かべて俺を睨んだ。 だが、無視。 「まぬけなおにーさんがごはんをくれなくてごめんね! あしたたくさんごはんをとってきてあげるからね!」 子供達は不服そうだったが、やがて親に従った。 (あの様子だと食料庫の中身全部なくなってるわけか) 俺はそう考える。 まりさ達的にはもう春が来ているようで、ご飯を溜め込むなんて事はしなくなる。 食べられるだけ食べる、というのがゆっくりの習性だ。 俺は早めに家を出る事にした。 朝。 俺が目を覚まし居間へ行くと、寒さに震えながらもすやすやと眠っているまりさ達がいた。 起こさないように猟銃を持ってすべての部屋の鍵を閉める。 そして俺は狩りへ向かった。 お昼ほどになって、俺は狩りをやめる。 そして、食料を調達するために里へ向かった。 里は相変わらずにぎやかだった。 そこで俺はあるお店を見つける。 店の名前はゆっくり屋という名前だった。 中に入ってみると、ゆっくりれみりゃがお迎えをする。 「ごんでぢわ! おぎゃぐざまはなんべーざまでづが!?」 鼻にかかる声で人数を聞かれたので俺は一人だと答える。 すると、ゆっくりれみりゃが少しほっとしたような顔をした。 「あ、いらっしゃいませ! こちらへどうぞ!」 後から店員がやってきて、俺を席へ案内する。 メニューを渡されて、俺は目を通してみた。 ゆっくりれみりゃの腕のハンバーグ。 子れみりゃの肉まん。 奇形子れみりゃの踊り食い。 ゆっくりれみりゃの足の丸焼き。 等と書かれていた。 俺はとりあえずハンバーグと肉まんを頼んでみる事にした。 数分経ってから、店員とれみりゃが俺の前にやってくる。 しかし、料理はなかった。 「いまからお客様の前でれみりゃの調理をします、ごゆっくりとお楽しみください。ほら、やれ」 店員が言うと、泣きべそをかいているれみりゃが自分の腕を台の上に置いた。 そして、あろうことが自分の腕を引きちぎったではないか。 「う゛ぐぎぎぎぎぎぎぎ!! い゛だい゛ー! ざぐやー! ざぐぐぇっ!?」 泣き叫ぼうとしたところ、店員に殴られるれみりゃ。 さらに指示されると、自分のもう片方の腕で腕を叩き潰した。 いい感じに余計な肉汁がこぼれる。 店員は満足そうな顔をしてそれを焼いた。 「はい、お待ちどうさまです」 「どうも」 俺はそれをいただく。 餃子の中身を食っているような味がした。 たしかにハンバーグといえばハンバーグだが。 次に用意されたのは踊ってやってきたれみりゃだった。 その上にはぱたぱたと子れみりゃがいる。 「う~☆ れみりゃのこどぼがわいいでそ~?」 俺がああ、と答えると腰に手を当てて尻を振る。 ダンスのつもりなのだろうか。 はたから見れば挑発してるようにしか見えない。 「いまですお客様、尻をはがしてください」 店員が言うので、俺はとっさにれみりゃのスカートを引っ張り、尻を丸出しにする。 別に子供と変わりないような尻だった。 かといって欲情したりしないが。 「う゛~なにするどぉー! れみりゃのぷりでーなおしりっがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 行ってる途中で悲鳴を上げる。 なにせ店員がナイフで尻の皮を切っているからだ。 一定の大きさに切り終えると、今度は親の前で子を叩き潰す。 「う゛ぎゅ!?」 「ぶぎゃっ」 間抜けな悲鳴がしたあと、台の上に肉の塊があった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! れ゛み゛り゛ゃのあがぢゃん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!」 それを無視して切り取った尻の皮に先程の子れみりゃの残骸をつめ、蒸篭に入れた。 しばらくたって、ほかほかと湯気が立ち上る蒸篭を開けるとなんと肉まんが完成しているではないか。 とても不思議だ。 そして何より吃驚したのがこれだ。 「ぅー ぅー」 小さな声だが、小刻みに震えながら声を出す肉まん。 かろうじて生きていた子れみりゃが再生し始めていたので、こんな風になるらしい。 よくかんで食べれば腹の中で再生することはないらしい。 俺はそれを美味しくいただき、勘定を払って店を出た。 また夜。 返ってくると瀕死のまりさがいた。 やせ細っていて、今にも死にそうである。 一日半食べなければ餓死するのか。 「おに、さん……ごは、ん、ちょうだ、いね……」 弱弱しい声を出すが、俺は無視する。 「このまま、じゃ、まりさたち……しんじゃう、よ……?」 「だから?」 俺は買ってきた物で料理を作る。 匂いに釣られて子供達もやってきた。 「それ、ちょ……だい」 「……」 俺は無視して飯を食う。 まりさたちは血眼になってそれを見ていた。 「お前達は自分で狩りができるんだろ? なら必要ないじゃないか、あと食料庫から食べればいいだろう」 鍵を閉めたのは俺だなんて眠っていたこいつらには分からない。 ただ、部屋から出られず、ただ衰弱していった。 「おかーさん……おなか、すいたよー……」 その言葉にまりさも限界が来たらしい。 歯を食いしばり、俺に飛び掛ってきた。 「えざよごぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 俺は銃を取り出し、飛び掛ってくるまりさの口に突っ込んだ。 「別にいいぞ、黒胡椒の飴を食わせてやってもいい」 黒胡椒の飴、つまり弾丸の事だ。 まぁ胡椒は発火に使うものだが。 「ゆぎぎぎ! よごぜ! よごぜぇ!」 喚くまりさを無視して、俺は飯を食い終える。 そして毛布を服に仕込んで寝た。 最初は、喚きたてるゆっくりがうるさかったが、段々と静かになる。 朝。 起きると、一家は死んでいた。 餓死と凍死だろう。 皆、死への恐怖に目を見開いている。 俺は、一匹を釘で指して壁に張り、ゆっくりが来ないようにする。 さすがに何度も来られては、こっちの身ももたない。 そして残った方は、今日の昼飯となった。 別に殺そうと思えば殺せる。 だが、こいつらのために体力を消耗したり、貴重な弾丸を無駄にしたくはなかった。 ゆっくりなど、所詮閉じ込めてしまえばいずれ死ぬ。 だから、余計な手は加えない。 俺はそう考えている。 居座ったゆっくりなど無視して生活すれば勝手に死ぬのだ。 俺は鹿を狙い打って、今日の晩御飯を手に入れた。 あとがき 皇国の守護者のパロディでもやろうかと思ったけど辞めた。 サーベルタイガーにでも食わせるかな? 新城ォォッ! このアフォが書いた作品 霊夢の怒らせ方 ゆっくりデッドライジング1~3? 霊夢のバイト 慧音先生とゆっくり ゆっくりCUBE 書いた猟師:神社バイト このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5114.html
「色仕掛けゆっくり1」の続きです。 うんうん描写とにかく多し。苦手な人は閲覧をお勧めしません。 1回のすっきりで相手の唯一の興味の対象となる。(この状態でも他のゆっくりとの交流は普通に行う) 2〜3回のすっきりで相手はありすとだけの生活を望むようになる(この状態では、他のゆっくりと交流するのを避け始める) 4〜7回のすっきりで相手はほぼ全ての命令を聞くようになる。(ただし、目の前の他のゆっくりや、自分を殺すような命令は拒否する) 8回以上のすっきりで相手は確実に命令通りに行動をするになる。 ※まりさ、れいむ、ありす種に対するすっきりの場合 ※個体差はあるが、まりさ種に対しての方が若干強い効力が出る ※以上のデータはすりすり型のすっきりの場合であり、ぺにまむ型の場合はさらに少ない回数で効力が現れる ※すっきりの最中、軽いすりすりの段階ですでに効果は出始める ※効力は累積し、1週間程度は同じ状態が続く … 加工所への報告を纏めながらも、俺は困惑していた。 あの一件以来、加工所から送られてきた「色仕掛けありす」は俺の言うことを前より素直に聞くようになっていた。 ありすのお相手となったゆっくりは基本的に処分していたので、ありすは何匹ものゆっくりとカップルになったが、 どのお相手とも深い関係になることはなかった。さらには、相手が自分の特殊な体質によって惚れている、という事実も変わらなかった。 それでもすっきりには不自由しないし、食事も満足に食べられる。傍目に見ればすごくゆっくりとしたゆっくりだった。 ありすもそれが分かっているのだろう。 高いプライドからお相手が見つからず、餌も一人で集めなければならない野生の頃よりは明らかにゆっくりできていた。 餡子脳ではそれ以上の事は考えないようにしていた。 そんな事はどうでもよく、俺は困惑していた。 虐待に使えると思ってこの変わったありすのモニターを引き受けたが、マンネリ化は否めなかった。 どんなゆっくりでもこのありすが命令を下せば自ら命を絶った。 ゲスまりさを見つけた時は絶食させて殺してみたりした。紙やすりに自分からすーりすーりをさせたこともあった。 しかし、満たされない。 明らかにこのありすの能力はゲームバランスを崩している。 一種のゲーム。いかに恐怖・絶望を与え、自分のゆん生を後悔させてやるかを考えるのが虐待だ。 時には自滅させるのに綿密な計画を立てることも必要だろう。しかし、その上でやり遂げた虐待には何物にも代えがたい快感がある。 それをこのありすはすっきり数回だけで達成してしまう。 それに、終始ありすにメロメロなゆっくりが幸せそうなのも虐待の意欲を無くさせる。 実際にその餡子は凡庸な味で、適切な方法で得られた餡子の極上の甘味には到底及ばない。 こんな時には散歩に出よう。良い考えが浮かぶかもしれない。 外は既に暗くなっていたが、足は自然と森の方へと向かっていた。ゆっくりが多く棲んでいる近所の森だ。 単純に静かで好きな場所でもあるのだが、やっぱりゆっくりを捕らえにここに入ることが多い。 そういえば、ありすが送られてきてから、こうして自分の足でゆっくりを見つけてくることも少なくなったと思う。 「ゆっゆー♪にんげんさん、とおりたいならつうこうりょうちょうだいね!」 「あまあまちょうだいね!」 「「「ちょうりゃいね!」」」 「こどもたちにもしっかりあげてね!」 考えごとをしながら歩いていると、ゆっくりの家族に出くわした。 れいむとまりさのカップルに、子ゆっくり3匹、赤ゆっくり5匹。なかなかの大所帯だ。すぐ後ろには多分こいつらの巣であろう穴ぐらがある。 普段ならばこの家族を家に連れて帰って楽しむところなのだが… そうだ!おれはとある考えを閃いた。 とりあえずバッグの中から出した溶けかけのチョコレートをやり、近くの木に印を付けておく。馴染みの森なので大体の場所は分かるが一応、だ。 ゆっくり家族に「また来るね」と告げた後、期待に胸を躍らせながら家路についた。 一方こちらはゆっくり家族。 「ばかなにんげんさんのおかげでゆっくりできるね!」 「あしたもくるから、しばらくえさにはこまらないね!」 「ゆ!きっとれいむのいもうとたちのかわいさにむちゅうなんだね!」 「「ゆっきゅりー!!」」 親れいむは安心していた。先ほどの人間は素直に餌をくれるから、これからは餌をとりに行かなくても良さそうだ。 本当に馬鹿な人間だ。通行料を求めただけなのに、餌だけやってすぐさま引き返していった。 まあ、それで自分たちがゆっくりできているのだから文句はない。 餌の心配がなくなったところで、れいむはまりさにスキンシップをはかり始めた。 このカップル、暇さえあればこうしてすりすりをしている。だからこそ今の大家族があるのだが、その無計画性で死なせてしまった子供も数多い。 本当に浅はかだった。人間がすぐ明日にやってくるかは分からないのに、もう自分たちの幸せは約束されたと思い込んでいる。 「すーり♪すーり♪」 「ゆゆっ!?れいむ、あかちゃんふえちゃうよ!?」 「ごはんはにんげんさんがもってきてくれるから、あんしんだよ!」 「れいむ、そうだね!すーり♪すーり♪」 「すーりすーり、ゆっ…ゆっ…ゆっ…」 発情し出す2匹。 「「すっきりー!!!」」 すっきりを終え、まりさの頭には一本の茎が生え始めていた。 一般的に、植物型にんっしんっ!をするのはれいむの方だが、この家族ではいつもまりさであった。 きっとれいむが積極的にすっきりをしようとしていることが関係しているのだろう。 れいむはとにかく幸せだった。大好きなまりさといつでもすりすりできる。家族にも恵まれている。 本当にゆっくりとした気分で眠りについた。 次の朝、穴の外で何かの声がしたので目が覚めた。もっとゆっくり寝ていたいのに…と思ったが、それが昨日の人間だと分かるとすぐに飛び起きた。 「ゆっ!にんげんさんごはんちょうだいね!ごはんおいたらさっさとどっかにいってね!」 赤ん坊はまだ寝ているし、自分ももっと寝たい。だからこの人間は食事を自分たちにくれたら、すぐにここを立ち去るべきなのだ。 ところが男の行動はれいむの予想を遥かに上回るものだった。 「ゆ゛うううう!やめてね!!」 男はおたまを長くしたようなものを使って、巣の奥からどんどん自分の家族をかき出していく。 ごろごろと転がった先には箱があり、次々と家族はその中に収められていった。 れいむはそのゆっくりできない棒に噛みついたが、一緒に箱の中に引きずりこまれるだけだった。そして、箱が閉じられた。中は闇。 「ゆぅ…おきゃーしゃん、ここどこ?」 「れいむ、なんだかゆっくりできないよ!」 「みんな!きのうのじじいがうらぎったんだよ!!」 次々と起き出す中の家族。彼女らにれいむは状況を説明した。 今まで人間に捕まえられたゆっくりの話は聞いていた。自分の棲む森でも、何匹かそういった事件に遭ったゆっくりを知っている。 しかし、まさか自分たちがそんなことになるとは…ゆっくりできていたのに… 家族は皆、騒ぎ始めた。騒げばこの男が出してくれると思った。 中にはおうたを歌い出す子ゆっくりもいた。人間さんがゆっくりしてくれれば、きっと出してくれるだろう、そんな考えだった。 れいむは必死に子供の可愛さ、いかに自分がゆっくりしていたかを訴えた。そうすれば感嘆した男が逃がしてくれると思った。 ふと男が立ち止まる。そして、箱が開けられた。 「ゆっ!そとにでられるよ!ゆっくりできないじじいはゆっくりしね!」 少し文句を言うタイミングはおかしかった気がするが、これで自分たちは人間の手から離れたと確信した。 箱がひっくり返され、ぼとぼとと落とされる家族、親まりさだけは頭に茎が生えているのもあって、男の手によってゆっくりと地面に置かれた。 これでもう自由の身だ。逃げよう。そう思って前に跳ね始めるれいむ。 べちん!と音を立てて、れいむは地面にへたりこんだ。 聞いたことがある、人間が使うというゆっくりできない箱だ。 外が見えるのに、なぜか出られないという素敵に悪趣味な箱なのだと聞いていた。見ればここは既に男の家の中だ。 家族の気分は沈んでいた。もう文句も言う元気も残っていなかった。 そんな家族を尻目に、れいむはひたすら男への罵倒を続けていた。それも男が居なくなると止んだ。 男はしばらくすると帰って来た。 「ゆ!れいむたちをだす気になったね!はやくだしたらこのおうちからでてってね!」 れいむは運ばれる途中で傷ついた子供たちをぺーろぺーろするのを止めて、男に抗議した。 しかし、それは聞き遂げられず、代わりにもう一つの透明な箱がれいむの家族たちの箱の隣に置かれた。 両方の箱には小さな穴が開いており、ぴったりその穴が合わせるように箱は配置された。 中にいたのはありすだった。まりさに夢中のれいむも、一瞬心を奪われるほどに綺麗なありすだった。 整えられた髪、状態の良いすべすべの肌。 お相手のまりさもありすに見とれているのに気づき、れいむはまりさをちょっと小突いた。 「君たちはこれからゆっくり虐めてあげるからね!」 そう男は二つのケースに向かって言い放ち、赤れいむを2匹、箱の中から取り上げた。 「ゆー!おしょらをとんでりゅみちゃい!!」 「やべでね!!あかちゃんにひどいことしないでね!!」 「あかちゃん!はやくにげてね!!」 呑気にはしゃぐ子供たち。れいむは分かっていた。この男は手始めに自分の赤ちゃんに何かするつもりだ。 男は何やら糸とそれを結びつけた針を取り出すと、針を赤れいむ達に突き刺した。 「ぴぎぃ!」 「ゆ゛っ!ゆ゛っ!」 男は赤れいむが針の痛みで痙攣している間に、赤れいむ達の中を通っている糸で手早く輪っかを作った。 赤ゆっくりのアクセサリーと言ったところか。 「かわいいでしょ?ほら、二つ揃ってさくらんぼみたいだね!」 「れいむのあかちゃんにひどいことしないでね!」 男はそのまま2匹のれいむをゆっくり引き離していく。 どんどん糸が赤れいむの肌に食い込んでいく。 「ひっ…ひっ…ひっ…かはっ!!」 形を歪められて満足に息を吸うことのできない赤れいむが呻きだすが、それもすぐに聞こえなくなった。 食い込んだ糸が赤れいむの口まで達したのだ。 後は「こぉ…こぉ…」と息を漏らすだけの不思議饅頭となった。 男は糸を取り外し、それを箱に戻した。 「あかちゃん…ゆっくりしていってね…」 「あがぢゃん…へんじしてよおお!!」 「こぉ…こぉ…こひゅ…」 赤ゆっくりが息をしなくなったのを見届け、満足した顔で男は部屋を後にした。 「ゆ…きをおとさねいでね…のこりのあかちゃんをまもってあげてね」 「ゆっ!うるさいよ!ひとりみのありすはゆっくりだまってね!」 「ゆぅ…」 「ぷんぷん!ありすはひとりっきりだから、まりさとれいむのつらさがわからないんだね!」 悲観に暮れるれいむとまりさに穴から話しかけるありす。 れいむは余計な御世話だと思った。子供を失って悲しまないことがあろうか。 一方で、一理あるとも思った。赤ちゃんは死んでしまったが、まだ子供は6匹もいる。 それに、まりさの頭に生えた茎には既に5匹の赤ちゃんが生っていた。 たかが2匹だ、とまでは思わなかったが、まだまだ十分ゆっくりできる、と考え、残りの子供たちとゆっくりしようと思った。 そんなこんなでれいむが子供達におうたを歌っていると、男が入ってきた。 「れいむのこどもにひどいことしないでね!ぷくぅー!」 「食事を持ってきただけなんだけど」 「ゆっ!ごはんならゆっくりしないでちょうだいね!」 男はボウルから生ゴミをオタマですくいとり、箱に流し入れた。 「「「うわぁぁん!くちゃいよー!!!」」」 「「おかーさんゆっくりできなぃいいいぃい!!」」 一気に騒がしくなる家族。 ありすの箱にも生ゴミが入れられたが、それは1匹分だからか、そこまで多くなかった。 対して、れいむの家族の箱は、生ゴミが地面のほとんど占めるほどの悲惨な状況だった。 生ゴミを食べることはもちろん、生ゴミにあんよが浸かっていたらゆっくりできるわけがない。 家族は寄り集まり、隅の方でブルブルと震えていた。 れいむも頭の上に赤ちゃん3匹をのせて避難させていた。 既に男は部屋から消えていて、その日は生ゴミの悪臭に耐えながら一晩を過ごすこととなった。 次の日、男は朝から現れず、夜になると部屋に現われた。 「ご飯食べないのかい?お腹すいているだろう?」 「おにーさんがこんなくさいものいれるからでしょおおおおお!!!」 ため息をついて男は部屋を出ていった。 確かに限界だ。このまま餓死するわけにもいかない。 れいむは生ゴミに口をつけ始めた。 「おかーしゃん!きちゃないよ!?」 「たべなきゃゆっくりできなくなるよ…」 嫌がる子供にも、生ゴミの中から危険そうなものを除いて与えた。 刺激物などは赤ゆっくりにとって命取りとなる。そこで、いったんれいむが口に含み、それを口移しで赤ゆっくりに食べさせた。 それを見て、子ゆっくりやまりさも生ゴミを食べ始めた。 さらには隣の箱のありすまでも生ゴミを漁り始めた。 こうして食事の時間を終え、とりあえず腹を満たしたところでゆっくり達は眠りについた。 ガサガサ… 夜中に音がした。なんだろうか、とれいむは思ったが、すぐに眠りに落ちていった。 次の日、いつもと変わらない朝を迎えた。 しかし、様子がおかしかったのはお相手のまりさだった。 明らかにそわそわしている。そして、ずっと隣の箱のありすを見つめている。 焦点の合っていない目でぼーっとありすを見つめるまりさに、れいむは不気味さすら感じた。 「まりさ、どうしたの?」 「れれ、れいむ、起きたんだねっ!ゆーゆっくりしていってねっ!」 明らかに態度がいつもと違っていたが、とくに気にすることもなかった。というよりも気にすることができなくなった。 「ぽんぽんがいちゃいよー!!」 「れいむのぽんぽんがゆっくりできてないよ!」 子供たちが腹痛を訴え始めたのだ。うんうんの兆候である。 普通にゆっくり達が生活している分には滅多にうんうんをしない。 中にはうんうんに一種の快感を覚え、食事のたびに排泄するゆっくりもいるようだが、れいむ達はそうではなかった。 ただ、昨日のように汚い食物を一気に体内に取り入れたときは別である。 そもそもは、餡子の中から害になる成分を抽出してうんうんとして外に排泄するのである。 生ゴミをたくさん食べたので、すぐにでも排泄する必要が出てきたのだろう。 「あかちゃん!ゆっくりがまんしてね!」 「まりちゃはもうがまんできないよ!うんうんでりゅよ!」 「ゆぎっ…ゆぎっ…れいむもでるよ…」 いくら言い聞かせても体の生理的な欲求には逆らえない。次々とうんうんを出していく子供達。 あっという間にうんうんが床に並ぶ。そして… 「ゆぅ…くちゃいよー!!」 折角生ゴミをあらかた食べ終えて綺麗になった箱の中が再び臭くなってしまった。 生ゴミの中からゆっくりできない成分を寄せ集めて排出したものだから、ゆっくりにとっては物凄く臭いのである。 「ゆっ!じぶんたちのせいなんだから、こんどこそゆっくりがまんしてね!!」 子供たちを叱りつけて自分も我慢する他はない。 「まりさもがまんしてね…」 お相手のまりさを見て愕然とした。またあのありすの方を見てにへらと笑っているのだ。 まりさの視線の先を見るとありすもうんうんをしている。 何だというのか、こんな時に。ありすなんかに夢中になって。小突くと一旦はこっちを向いたが、 しばらくありすの方が気になって仕方がないようだった。 その日も虐待はなかったが、生ゴミが入れられた。生きるためには食べなければならない。 殺されないだけましだとは思ったが、全然ゆっくりできていなかった。 また明日はうんうん騒動に脅かされるかと思うと、れいむの気分は沈む一方だった。 お相手のまりさが自分に興味がなくなってしまったようにみえるのも、一層れいむを憂鬱にさせた。 ガサガサ… その夜も物音がしたが、れいむは全く気付かなかった。 「ぽんぽんがいちゃいよぉぉぉお!!」 れいむはこの連鎖をどうにかしなければいけないと思った。昨日のうんうんは箱の中に残ったままだ。 相変わらず、というか昨日よりひどい顔でにへらとしているまりさ。正直気持ち悪い。 そこでれいむは思いついた。これで自分の気分も晴れる。 1匹の赤まりさを口加えると、隣の箱との穴へと持っていく。 「むこうにうんうんしてね!」 「ゆっくりわかちゃよ!うーん…うーん…ゆふぅ〜」 穴からありすのいる反対側の箱へとうんうんが流れ込む。 これでこちら側への被害を最小限に抑えられる。れいむは我ながら名案だと思った。 「ゆっくりやめてね!!ありすがかわいそうだよ!!」 まりさだ。なんだってこいつはこんなにもありすの事ばかりなのか。 昔は餌を取るのも上手く、群れでも憧れのゆっくりだった。 群れを離れて、初めてすっきりをした日を今でも忘れない。本当にゆっくりしたまりさだった。 でもそれはもう過去のことだ。れいむの気持ちはまりさから離れかけていた。 まりさを無視して子供を1匹1匹くわえ、ありすの箱にうんうんさせる。 6匹の子供にうんうんさせ終えると、自分も向こう側へうんうんした。 ありすが涙を流すだけで、何も抗議しないのが好都合だ。気の弱いありすだとれいむは思った。 しかし、その考えは間違っていた。 「おかえしにこれをあげるわ!」 ありすは仕返しとばかりにこちらの箱に向かってうんうんをし始めたのだ。 れいむが止める暇もなく、こちら側にカスタードのうんうんが溜まった。止めようにも止める方法がないのだが。 れいむはすぐに激怒したが、よく考えれば1対8である。いや、2対7か。 どっちにしろこれを続ければ量としてはこちら側が有利だ。そう思ってゆっくりすることにした。 ご飯は相変わらず一日一回、生ゴミだったが、生きてさえいればいいと思いはじめていた。 ガサガサ… 次の朝、再び子供達がうんうんをする段になって気づいた。 昨日まであったありすのうんうんが無くなっている。 これは餡子脳で考えてもおかしかった。昨日、寝る前まではあったはずだ。夜の間にあの男が掃除したというのも考えにくい。 なぜ…?? 「おかーさん、ぽんぽんが!!」 子供の叫びで我に返り、ありすの箱へと処理させた。 ありすもこちらに処理をする。 まりさはこちら側でうんうんをしていた。本当にやっていられない。 その夜、れいむは薄目を開けて何が起こるかを観察していた。 あいすのうんうん失踪事件の原因を突き止めたかったのだ。 しばらくすると、視界に何かが入りこんできた。 まりさだった。 そろりそろりと音をたてないようにありすのうんうんに近づいていくが、その表情は異常だった。 目は一点、ありすのうんうんを見つめて、涎を垂らしながら這っていく。 外にいる時に、れいぱー化したありすを見たことがあるが、まるでその姿そのものだった。 れいぱーありすの方がまだマシというものだ。相手はゆっくりなのだから。 「うんうんぅぅぅ…ありずのうんうんぅ…」 うわ言のように呟くまりさ。ありすのうんうんのすぐ傍まで近寄り、そして…頬張る 「うっめ!めっちゃうっめぇぇぇう!」 そんなはずはなかった。生ゴミから作りだされたうんうんなのだ、「おいしい」というのはゆっくりの本能に反する。 それはれいむにも理解できた。 物凄い速度でうんうんを食べ続けるまりさ。はっきり言って嫌悪感しか感じられなかった。 「ありずのう゛んうん、すーりすりー♪」 もう見ていられなかった。 明日になったらまりさに直接言おう、そう思った。きっと分かってくれる。そう思わないとやっていけなかった。 れいむは嫌なことを忘れるように眠りについた。 れいむは気付かなかったが、同じ部屋で、まりさの行動を見てあの男がほくそ笑んでいた。 「まりさ、れいむが眠ったよ。ありすとすっきりできるね」 「!!!!!ありずっ!!!い!!」 「静かに、れいむが起きちゃうよ、さあこっちにおいで」 俺は両方の箱を開けて、まりさとありすを取り出す。 ああ、はあはあしちゃって…そうか、もう4回目か。 一人納得して、俺はありすとまりさを別室に持っていく。 そこで一回だけすっきりを行わせる。 そしてまりさを元の箱に戻した。 「頑張ってるみたいだね、ありす」 「ゆ!ありすがんばってるわよ!でもなまごみはとかいはじゃないわね!」 「そうだな…じゃあそろそろ次の段階に入るか」 全ては俺の計画の一部だった。 ありすを使って1匹のゆっくりを洗脳してもつまらない。 そこで狙うはパートナーだ。家族との信頼関係を崩しながら虐待する。これが俺の狙い。 最後にあの親れいむにはゆっくりに有らざる空虚感を抱いて死んでもらう。 親まりさは既に俺の手の中。しかし、まだまだ序の口。 ターゲットのゆっくりはあと何匹もいる。 そう、次は子供だ。 続く 【あとがき】 なんだか変な話になってしまいました。 自分でも正直これはどうなのか?と思うくらい「うんうん」という言葉を使った気がします。 苦手な方はここまで読んでないと思いますが、一応謝っておきます。すみません。 次回は子供編、になるのかな…?
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/500.html
「ゆっ、ゆぐっ、ゆっ…」 「おかあさん、ゆっくりがんばってね!」 「わたしたちもてつだうからね!」 土を口に含んでは別の場所へ吐き、口に含んでは別の場所に吐き…。 ゆっくりれいむの一家は、穴を掘っていた。 手が無いゆっくり達にとって穴を掘ることは容易ではない。 口の中は土だらけになり、口の周りを汚しても掘り続けるゆっくり達。 子供達のため、ゆっくりするため。 おかあさんを手伝うため。 れいむの一家は全員、力をあわせて土を欠き出す作業を延々と繰り返していた。 どのくらいの時間が経過しただろうか。 「ゆっくりできるおうちがかんせいしたよ!」 「これでゆっくりできるね!」 「しあわせー!!」 ついにれいむ達の穴、いや家が完成した。 家といっても、ちょっと掘り進んだところに部屋が一室あるだけの粗末なものである。 それでも、自分たちの力で家を作ったことが、そしてこれで外敵を気にせずにゆっくりできることが嬉しかった。 「これできょうもあしたもずっとゆっくりできるね」 「ずっとゆっくりしようね」 翌日。 「それじゃあゆっくりごはんをとりにいこうね!」 家の中で安心できる一夜を過ごしたれいむ達は、早い時間から家を出た。 きょうもあそこにたくさんやさいがあるといいな。 そう考えてれいむ達が向かった先は畑であった。 そもそも、新しい家を作ろうとしたきっかけはこの畑なのである。 この一家は昨日、畑で野菜を食べていた。もちろん無断である。 子れいむ達がむしゃむしゃ食べている中、遠くから男がやってくるのを一早く発見した母れいむ。 人間の怖さを知っていた母れいむは、一家でどうにか逃げ切ることが出来た。 奇跡にも近い所業である。 そして母れいむは考えた。 あそこのちかくにいえをつくれば、だれもいないときにごはんがたべられる。 そして穴を掘り、今に至るれいむ達。 畑に差し掛かったあたりで、昨日は無かったものを発見した。 そこには「ゆっくりたちのごはんです、ゆっくりいえでたべてね!」と書かれた看板。 丁寧なことに、高さをゆっくりが読める位置まで下げてある。 そして、中にそれらしきものが詰まった風呂敷であった。 「ゆっ? ここにゆっくりたちのごはんがあるよ?」 「ゆっくりもってかえろうね!」 「はやくおうちでたべようね!!」 れいむ達は何の警戒もなしにその風呂敷を持って帰った。 風呂敷をみんなで頭の上に置いて、非常に仲睦まじそうに運んだ。 家からこの風呂敷を見つけるまで約3分。 既に、昨日野菜を食べた畑のことは忘れていた。 「ゆっくりただいま」 「ゆっくりおかえり」 「きょうもゆっくりできるね」 「ゆっくりごはんをたべようね!」 家に帰ってきてただいまを言う者、なぜかおかえりと言う者。 みんなウキウキと家に帰ってきたが、興味はやはり拾った風呂敷。 開けてみると、そこには一口サイズの、丸い饅頭のようなものがたくさん入っていた。 もっとも、ゆっくり達にとって、人間の一口サイズは少々大きいものであったが。 「おいちそうだね! ゆっくりいただちます!!」 そう言って真っ先に喰らいついたのは赤ちゃんれいむ。 昨日の疲れが残っていたせいもあるのだろう、それをきっかけに妹れいむ・姉れいむ・母れいむと次々に食べていった。 「うっめ、めちゃうっめ」 「はふっ、はふっ」 「あまくておいちー!!」 次々と平らげていくれいむの一家。 見る見る数を減らしていき、10分後には何も残っていなかった。 「「「「しあわせー!!」」」」 「ちあわ…うっ…」 みんなで食後の幸せを噛み締める掛け声。 だがその中で、子れいむの様子がおかしかった。 「うっ…うっ、う゛ぼぅ゛え゛え゛っぇ゛ぇぇ゛ぇぇ゛ぇ」 まず一匹。 口から餡子を吐いた。 口を閉じようとしても止まらない。 助けを求めて母や姉のほうを見ても、事態を飲み込めていない。 致死量どころか全身の餡子といっていいほどの餡子の量を吐き出した子れいむは、皮だけのぺらぺらな状態になり絶命した。 「どうなっでる゛のぉぉぉ゛ごれ゛えっぇぇぇっ」 「どぼぉぅぢでえぇ゛ぇぇ゛ぇぇぇぇ゛ぇぇ」 「ごれじゃ゛あゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛よ゛ぉお゛ぉぉぉぉぉっ」 ゆっくりした家での食事から一転、完全にパニックに陥ったれいむ達。 そうして慌て驚き恐怖に慄いている間にも、 「ゆぐっ…ゆっ…ゆ゛ぐヴヴぉ゛え゛えぇ゛ぇぇ゛ぇ!!」 「げヴ゛ぉぉぉお゛ぇえぇ゛ぇっう゛゛ぇえ゛ぇ!!!」 「ぐぉ゛れじゃぅ゛ぁ゛ゆ゛っぐり゛でぎなぐぉぇぇっぇぇぇ!!」 「ゆっぐりう゛ざぁ゛ぜぇでぇ゛ぇぇ゛ぇぇえぇぇぇ!!」 次々と餡子を口から外へ排出していた。 自分の中から命とも言える餡子が消失していく感覚。 ほんの少し前までの家の光景はどこにもなかった。 幸せそうな顔もどこにもなかった。 「どぅぼぉぉぉぉじぃでぇぇー! どぅぼぉぉじぃでぇぇごん゛なごどずる゛の゛ー!! ゆ゛ぐっぐりぢだぃよ゛お゛ぉ゛ぉおぉ」 餡子まみれになった家の中で最後まで残った母れいむ。 しかしその叫びは誰にも届かない。 家族全員の亡骸を見ながら母れいむもまた、同じ運命を辿った。 「お、なくなってる。ってことはちゃんと効いたのか?」 男がそのことをチェックしたのは、昼過ぎのことであった。 「昨日はあいつらにしてやられたからな…餡子の匂いがする」 男はその匂いをたどっていった。 そして1つの穴を発見した。 「あいつら、こんな近くに巣なんて作りやがって。どれどれ、効果の程は…っと、おおすげぇ」 スコップで少し掘ってみれば、そこには大量の餡子とたくさんの皮が残されているのみであった。 それも、全員苦悶の表情を浮かべている。 「なんでもかんでも喰うからそうなるんだよ…ざまあみろってんだ」 そういうと男は皮を回収し、棒で突き刺した。仲良く一家全員である。 畑の一角にそれを立てると、男は農作業へと戻っていった。 「カラスの死骸をつるすって話は聞いたことあるが、ゆっくりの死骸は聞くのかなぁ。あいつらバカだし」 ゆっくりコロリ 人間が食べても害が無い(むしろ甘くておいしい)が、ゆっくり種が食べると短時間で毒が周り、餡子を吐き出し死亡する毒餌。 このとき、非常に苦しみに満ちた表情で死亡するのが特徴である。 原料は不明だが普通に食べることが出来るため、常備しておく家もあるとか。 ゆっくりへの看板セット付き。
https://w.atwiki.jp/yukkuri/pages/148.html
各キャラ紹介文 風見 幽香 ゆっくり村の日常1 ここは げんそうきょう の ちいさな むら おいしい おいもをそだててる 風見 幽香さんがすんでいます /三三三三\ /______\ ,ヘ´ハ三三三三三三三三三三三三\ x〈三三三 '三三三三三三三三三三三三\ |三三三 ノ / i ハ i ハ i i i 三三三\ この村にも |三三三 ノ i ハ- / i ハ‐/、'; ;' / i〈 三三三| 春が来たっぺ \三三三イ! | ;'i (ヒ_] V ヒ_ン ) V / イ 三三/ \三三 レヘ/ |"" ,___, "" .ル' /ハ 三/ うんめぇ芋さ作るっぺ \三三 ハ ハ. ヽ _ン / ( 〈 ヽ/  ̄〈 ノ ! >、,,__ _,. イ ノ ( )( レ'i# / ヽ /レ"#/ ヽ / |##\/i ̄ ヽノ'"##〈 ) ■春のゆっくり村 。 .,. '⌒`ヽ、, -'⌒'- , . 。 . . ,, '"⌒ヽ . , -'" ... .... ` .... ヽ.. .` , -'"` -'"`' ,, '" ;'゙~`、 。 ,, '"... ... ....`ヽ , -'" , -'⌒'- ,,,, -'゙´`- ,,,, -'" ノ ヽ ,,''.,,. .゙、, -'"` -'".. . .. .. .. .. .... )'" / ,,,,,,, ,, ,l.,.,._____.................. 彡ミノ;ミ;;ミ ,.,.,. - , ... . . . .. . . ヽ /\....ヽ,"'-, '.ノ,,,,.;八"""''"´"/i"'|il|"''"´ ,., ヽ,.,.,., ;;;; ⌒; ヽ l;田;;;l ̄l.,.,))_|田|_|_8.__ノ ノ "" ,---- ,. .. .`"''"'"'" ⌒.. .ヽ. ; ; .. . ( (───、 ──-'" /\;,,,,,, ヽ、.. .. ... ⌒; ,.. .); . . ;;ヽ ヽ^ \\ . .. .. . |;;;;;;|_田__| .. . .. ,,、 ヾヽ/ノノ;;;ノ.'- ;; ;; ; ... ; ;) ) ; ; \\ ,,,'´゙゙゙ "'| i | l|"''゙~^^゙^^~^'''^^゙゙^^゙^^゙゙゙''^^~^^^゙ ^´´^^゙゙'''~~~^'゙^^^^゙ ■みんなで作物を育てるべ ,.へ ___,.へ __,,. --─'──`<.,,/ ト、 ,. '" `'く ト. ∧ / ゝ____,.へ--、へr-、ノ i、 ! | /! V i__,.へ!_,./--'─'--'-<ヽi__/ Y | /」 __i. r'へ,.イ / ハ ハ i `ヽ7、.| .|/ ∠__,.ヘ `Y´ / / ノ__,/,.ィ レ' 、!__ハ i i iヘ| | > /iヽ. i イハ ハ| (ヒ_] ヒ_ン !_!ィヘ.| .|─ !/ !., | V |' " ,___, "ハハノ.| |>─ ∧ `ヽ、ノ 〈 ハ. ヽ _ン .从ヽレi. | ─ V /!〈rヘハ!|>,、 _____, ,.イハ ハ〉 レ' ─ |/ `⊥ ⊥´ ___/│ヽ / |\____ / / /| / / / | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄'| | ─ | 炒った豆 | | | rr=-, r=;ァ. | | ─ | /// ///"' | | ─ | 'ー=-' | /| |_________|/ | | .| o o | | | ミ || o || o | | | / パカッ | / |/ o o |/ o o バラバラバラバラ o o w w w ⌒ ⌒ _ \`ヽ、 ニョキニョキ \, V ,、 / ̄ ̄ ̄ ̄\ `L,,_ ヽY/ /  ̄  ̄ |ヽ、) r''ヽ、.| / _,. 、_ \ .| `ー-ヽ|ヮ | (◯), 、(◯) | / | | " 'ー=-' ̄ " | _人人人人人人人人人人人人_ / | \ ノ > 私の出番のようだな!!! < | | \ /  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ | ,.へ_ ノ_,.-ァ  ̄ ̄ ̄ ̄ |_,,....,,_ / w w w w ⌒ ⌒ w _ \`ヽ、 ニョキニョキニョキニョキ \, V ,、 / ̄ ̄ ̄ ̄\ `L,,_ ヽY/ / .  ̄ .  ̄ . |ヽ、) r''ヽ、.| / _,. 、_ \ / .  ̄ .  ̄ . `ー-ヽ|ヮ '| (◯), 、(◯) |/ _,. 、_ \ | | " 'ー=-' ̄ . " | _人人人人人人人人人人人人_| (◯), 、(◯) | | \ . . ノ > イモより萃香だよな!!! <| " 'ー=-' ̄ " | / .  ̄ .  ̄ . \ /  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄\ . . ノ / _,. 、_ \  ̄ ̄ ̄ ̄ \ /,,....,,| (◯), 、(◯) | / .  ̄ .  ̄ . すいか畑 w w w w ⌒ ⌒ w ■まんじゅう達のお手伝い _,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_o-''" `''> イモの種蒔き手伝うよ!!! < oヽ  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^o o o o | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ o ___ _____ ______. o | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ o ネ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ、_''._,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 、ン 'r ´ ヽ、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 i ,'==─- / -─==',.r-'ァ'"´/ /! /ハ ハ ! iヾ_ノ/ | i./イル_ /イ人レン/i イ i. /o!イ´ ,' | /_// V 、!__ハ ,' /,ゝ. o |. i、|. | / ヒ_] ヒ_ン) iイリ/ o`! !/レi'/ヒ_] ヒ_ン レ/ ノ | iヽ「 ! "" ,___, "" !/.,' ノ ! ,___, " i .レ .| |ヽ L」. ヽ _ン ,.'」 o ( ,ハ ヽ _ン 人! ヽ |イ|| |ヽ、 ,イ|| |,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ レル. `. ヽ-一ヽ´ルレ o \ \ \ \ / / / / o w w w w w ⌒ ⌒ w ⌒ ⌒ ,.‐‐、 ,.-‐-、 ,.‐‐、 ,.-‐-、 ,.‐‐、 ,.-‐-、 く__,.ヘヽ. / ,ー、 〉く__,.ヘヽ. / ,ー、 〉く__,.ヘヽ. / ,ー、 〉 \ ', ! i / /´ \ ', ! i / /´ \ ', ! i / /´ w w w w w ⌒ ⌒ w ⌒ ⌒ ,-、 nn ,-、 nn. r-、 _00 / '┴'r' r-、 _00 / '┴'r'. | '´ r┘ !「`L00、|.l└ク_;厂 / | '´ r┘ !「`L00、|.l└ク_;厂 /. | 「| | l| |Ln r┘|.l _lニユ、 ./ . | 「| | l| |Ln r┘|.l _lニユ、 ./.  ̄└r''"´]_ l| | r゙=゙┐ |└ァ / / /  ̄└r''"´]_ l| | r゙=゙┐ |└ァ / / / 、ヽ、 ,ゞ´_ | l| |「二 7 .|.l └′/ / / 、ヽ、 ,ゞ´_ | l| |「二 7 .|.l └′/ / / . \\`´ | |. l| l 〈 / 、 ! . \\`´ | |. l| l 〈 / 、 ! ,.‐‐、 ,.-‐-、 ,.‐‐、 ,.-‐-、 ,.‐‐、 ,.-‐-、 く__,.ヘヽ. / ,ー、 〉く__,.ヘヽ. / ,ー、 〉く__,.ヘヽ. / ,ー、 〉 \ ', !-─‐-i / /´ \ ', !-─‐-i / /´ \ ', !-─‐-i / /´ / `ー' ー' ヽ / `ー' ー' ヽ / `ー' ー' ヽ / /, /| , , ', / /, /| , , ', / /, /| , , ', イ //-‐/ i L_ ハ ヽ! iイ //-‐/ i L_ ハ ヽ! i イ //-‐/ i L_ ハ ヽ! i レ ヘハi (ヒ_] ヒ_ン) ト、!| | レ ヘハi (ヒ_] ヒ_ン) ト、!| | レ ヘハi (ヒ_] ヒ_ン) ト、!| | !, |7"" .. " 、 | | !, |7"" .. " 、 | | !, |7"" .. " 、 | | | 从 'ー=三=-' 从 | .| 从 'ー=三=-' 从 | | 从 'ー=三=-' 从 | レ' |> .,,_ __ イ/ .i レ' |> .,,_ __ イ/ .i レ' |> .,,_ __ イ/ .i うどん畑 w w w w ■お礼の手紙 _,,....,,_ .-" ` ..、 ヽ `' .、 | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ _,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ !イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ `! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ ,' ノ !'" ,___, "' i .レ' 農家のばっちゃへ。 ( ,ハ ヽ _ン 人! ,.ヘ,)、 )>,、 _____,/ ̄/ ̄/ ( 二二つ / と) | / / / |  ̄| ̄ ̄ _,,....,,_ .-" ` ..、 ヽ `' .、 | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ _,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ !イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ いつも畑で穫れた `! !/レi' rr=-, r=;ァ レ'i ノ うどんやバナナを分けてくれて感謝なんだぜ。 ,' ノ ! '  ̄ ,___, ̄"' i .レ' ( ,ハ ヽ _ン 人! ,.ヘ,)、 )>,、 _____, / ̄/ ̄/ ( 二二つ / と) | / / / |  ̄| ̄ ̄さっき、イモを植えてた場所にタバコとコーヒーをたくさん植えといたぜ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || || w w w w w ⌒ ⌒ w ⌒ ⌒ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∬ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ ∫ [ ̄]'E [ ̄]'E w [ ̄]'E w [ ̄]'E [ ̄]'E [ ̄]'E [ ̄]'Ew [ ̄]'Ew [ ̄]'E w ⌒ ⌒ w ⌒ ⌒ _,,....,,_ .-" ` ..、 ヽ `' .、 | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ _,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ !イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ `! !/レi' rr=-, r=;ァ レ'i ノ 収穫したらまた分けてくれよな ,' ノ !'" "' i .レ' 楽しみにしてるぜ。 ( ,ハ 'ー=-' 人! まりさ ,.ヘ,)、 )>,、 ____/ ̄/ ̄/ ( 二二つ / と) | / / / |  ̄| ̄ ̄ ■ゆっくり村放火事件 . 从从. ( ). ヽ/ __ _||___ ______ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、 'r ´ ヽ、ン、 ,'==─- -─==', i i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i | レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .|| !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | _人人人人人人人人人人人人人人人_ L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| > ゆっくりリレーしていってね!!! < | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´. 从从 / 三 フッ ヽ/ __ _||___ ______ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、 'r ´ ヽ、ン、 〃 ̄ヽニ ,'==─- -─==', ir'-'|.| O |三 i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |`'ーヾ、_ノニ レリイi ( ] L _ ).| .|、i .|| | ,| !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i | ,-/ ̄|、 . L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| ー---‐' | ||ヽ、 ,イ| ||イ| / レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ _,,....,,_ 从从-''" `'' ( )ヽ \ ヽ/ | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ __ _||___ ______ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', ir-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| ( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ _,,....,,_ 从从-''" `'' ( )ヽ 从从 从 从 ヽ/ | ノ从从从 从从从 __ _||___ ______ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、 从从从从从从二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==iゝ、イ人レ/_ル==', ir-从 ´/ 从从 ハ 从从 ! iヾ_ノ i イ (ヒ_] ヒ_ン )ヽイ i |!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi/// ,___, /// | .|、i .||`!从!/レ' (◯), 、(◯) レ'i ノ !Y!. ヽ _ン 「 !ノ i | 走れ!霧雨!!!,' ノ !'" ,rェェェ、 "' i .レ' L.',. L」 ノ| .| ( ,ハ |,r-r-| 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /,.ヘ,)、 )>,、_`ニニ´_,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ 。 .,. '⌒`ヽ、, -'⌒'- ,ワー . 。 . . ,, '"⌒ヽ . , -'" ... .... ` .... ヽ.. .` , -'"` -'"`' ,, '" ;'゙~`、 。 ,, '"... ... ....`ヽ , -'" , -'⌒'- ,,,, -'゙´`- 从从 ノ ヽ ,,''.,,. .゙、, -'"` -'".. . .. .. .. .. 从从 )'" / 从从从 ,l.,.,._____.................. 彡ミノ;ミ;;ミ ,.,.,. - , ... .从从 . . 从从ヽ /\从从ヽ,"'-, 从从八"""''"´"/i"'|il|"''"´ ,., ヽ,.,.,., ;;;; ⌒; ヽ l;田;;;l ̄l.,.,))_|田|_|_8.__ノ ノ "" ,---- ,. .. .`"''"'"'" 从从ヽ. ; ; .. . ( (───、 ──-'" /\从从从从从... ⌒; ,.. .); . . ;;ヽ ヽ^ \\ . .. .. . |;;;;;;|_田__| .. . .. ,,、 ヾヽ/ノノ;;;ノ.'- ;从从.. ; ;) ) ; ; \\ 从从从 ,,,'´゙゙゙キャー "'| i | l|"''゙~^^゙^^~^'''^^゙゙^^从从~^^^゙ ^´´^^゙゙'''~~~^'゙^^^^゙从从 _人人人人人人人人人人人人人人人_ > ゆっくり燃えていってね!!! <  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ _,,....,,_ 从从ヽ 从从 从 从 ( )ヽ 从从 从从 ヽ/ | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ __ _||___ ______ 从从从从从从r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', ir-'ァ'"´// 从从 ハ 从从 iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||`!从从レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| ( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ _人人人人人人人人人人人_ > 朝刊でーす!!! <  ̄^Y^^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ ~─~─~─~─~─~─~─~─~─~─~─~─ 幻想史○年×月▲▲日 火曜日 ( 朝刊 ) ──────────────────────── ──────────────────────── ゆっくり村全焼!!!!ゆっくり消火してたら鎮火全然間に合わず __________ ____ ┌───ー┐ |. , -'" ... .... ` .... ヽ.. | |i i i i i i i i | ┬┴┬ | |-'" ..., -'!⌒'- ,,,, -'゙` - | |!!! !!!┌ー゙┐ .| ヽ、 ノ .| |从 )'" / 从从从゙ .| |!!! !!!..| 農 |゙ | /\ | |从ヽ /\从从ヽ- , | |--- | 家 |゙ | .ノー┐ | |⌒; ヽ l;田;;;l ̄l.,.,))゙,__| |!!!!!!!!.| の |゙ | ヽ、ノ | | 从从ヽ. ; ; .. . ( (─| |!!!!!!!!.| 芋 |゙ | `o | |; ,.. .); . . ;;ヽ ヽ^| |-- .| お | | | |__________________| |iiiiiiiiii_| ば |゙ |! 立 r'´ |犯人は紅美鈴とのタレ込みも.|iiiiiiiii゙.| ち | . | 木ノ丁 .| ‐───────────┘ー--| ゃ | | |ヨ Ei . | .!!!!!!! !!!!!!!! !!!!!!!!! !!!!!!! !!!!!!!! | !!!!!!!!| ん | | | .耳 | | .!!!!!!! !!!!!!!! !!!!!!!!! !!!!!!! !!!!!!!! | !!!!!!!!| 衝 | .└───ー┘. ──────────────!| 撃 | ┌───┐ iiiiii iiii iiiii | iiiiii iiiiiiiiiiiiii | iiiiiiiiiii iiiiiiiiiiiii| | !! ! |゙.| レ´|`)゙| iiiiii iiii iiiii | iiiiii iiiiiiiiiiiiii | iiiiiiiiiii iiiiiiiiiiiii| └─┘| `ノ´ ゙| _,,....,,_ 从从ヽ 从从 从 从 ( )ヽ 从从 从从 ヽ/ | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ __ _||___ ______ 从从从从从从r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', ir-'ァ'"´// 从从 ハ 从从 iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||`!从从レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| ( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ 実行犯 黒幕 タ レ コ ミ _,,.. -‐ ''' "´ ̄ `"'' 、 , '"´ ____/ヽ.__ ヽ. i \ 龍. / i. ,ゝ. 、 |,/\| ノ_,ノ, .,' `"'' ー`ーー--─ '' "´ ヽ. .,' ; ' ; i i ; ', | / / /! ハ ハ / ', , i | | i i !,|/__,.!,/ .レ' 、!__;'レ | | | | | ;イ (◯), 、(◯) |-!ヘ;」 .| |__;ハ| |リ'" rェェェ、 "' i | .| | └リ .|,r-r-| ,.イ | | i 〈 >,、 `ニニ´ イ ;{、_;! | i r´ ̄〈 Yヽ ---イ-、ヽ〈Yノi | i/ }ンゝ ヽ(> )、 } { .| i, } ヽ -─ ヽレ'`ヽ, .L /|_くイ_,,-─、ノ /´⌒`i⌒ヽr__ノ iヽ、 ヽ´ イ ヽi 誤認逮捕 ,.へ ∠______ヘ\ _,|/ ',_7.._ ,. '" `ー──'ヽ、 `ヽ、 / i i ; ヽ; ', / / 、 ハ ハ ハ ハ ! イ i / ハト、_レ' V,.イレ/ ! | ニタァ __r‐┐_!イ_/ レ;イrr=-, , r=;ァレ'i | 「「] [|  ̄|,.!、 iハ! "" ""/! | | | 【○】 |-,i /l. 'ー=三=-' / ハ ハ | ,(ヽ、====,/ ! />.、  ̄ ,.イ/ー'、/!/ iヽヽ、 ̄ iVレ>''/`T'''T〈/ ハ〈 ヽi`'ー-、, 'く_/´' ! /|// 〉 `ヽ ヘ 'く / ヽ! レ 〈_r,へ_ _/ 真の黒幕 : /三三三三\ : :/______\ : :,ヘ´ハ三三三三三三三三三三三三\ : :x〈三三三 '三三三三三三三三三三三三\ : :|三三三 ノ / i ハ i ハ i i i 三三三\ : :|三三三 ノ i ハ- / i ハ‐/、'; ;' / i〈 三三三| : オラの芋畑が ・・・ :\三三三イ! | ;'i (◯) V (◯) V / イ 三三/ : : \三三 レヘ/ |"" ,rェェェ、 "" .ル' /ハ 三/ : :\三三 ハ ハ.. |,r-r-| / ( 〈 ヽ/ : : ̄〈 ノ ! >、`ニニ´. イ ノ ( )( : :レ'i# / ヽ /レ"#/ ヽ : :/ |##\/i ̄ ヽノ'"##〈 ) : : /三三三三三三三三三三三三\ : : /三三三三三三三三三三三三三三三\ : : x〈三三三三 '三三三三三三三、 三三三三三\ : ∫ : |三三三三三ゝ" ヽ 三三三三三| : : |三三三 ノ / i ハ i ハ i i i 三三三三三| : ∫ xー‐‐': \三三 ノ i ハ- / i ハ‐/ー- ;' / i 三三三三三| : オラの芋畑が ・・・ ,.イ ̄ : | イi -/-‐' V ≦乏 V / イ 三三三三| : ∫ ,.イ : レリイ.圷旡≧/ / / | | ル' /ハ 三三三三| : ∫ / |.j ,l : .|iハ | |/ / / /| | レ ( ( 三三/ : /|.! i| : |! i | | , -- 、 | | / ) ( 三/ : ,. -─r-/.|i .l| : |ヽヽ、 ー'⌒ー' ィ ( 〈 ) ̄ : / : \ ` ー--─ /レ () / : { : } ;>─く `ー)´ メ : 丶 : r’´. ` - _ ( / : ` ‐-'-一'´ヽ;hn : _,L _ : r| | |∩ : /. ` ヽ : /三三三三\ /______\ ,ヘ´ハ三三三三三三三三三三三三\ x〈三三三 '三三三三三三三三三三三三\ |三三三 ノ / i ハ i ハ i i i 三三三\ |三三三 ノ i ハ- / i ハ‐/、'; ;' / i〈 三三三| \三三三イ! | ;'i (ヒ_] V ヒ_ン ) V / イ 三三/ \三三 レヘ/ |" U,___, U" .ル' /ハ 三/ …焼き芋…食うだか? \三三 ハ ハ. ヽ _ン / ( 〈 ヽ/  ̄〈 ノ ! >、,,__ _,. イ ノ ( )( i# / ヽ /レ"#/ ヽ / |##\/i ̄ ヽノ'"##〈 ) _,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人人人_-''" `''> や゛ぎい゛も゛、お゛い゛じがっ゛だよ゛!!!<ヽ  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄ | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ __ _____ ______ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', ir-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ__,.イ人レ、!__ルヽイ i .|!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイ〓〓〓/ /〓〓〓| .|、i |`! !/レi'〓〓〓 / /〓〓レ''i ノ !Y!".| |/ / / / | |「 !ノ i .|,' ノ ! | |/ / / / | | i ..レ' L.',. .| | , --- 、.| |L」 ノ| .| ( ,ハ | | , --- 、 | |人! | ||ヽ| | ー'⌒ー' | || ||イ| /,.ヘ,)、 )>,、ー'⌒ー'_,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ ._人人人人人人人人人人人人人人人_ > ごめ゛ん゛な゛ざい゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!<  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ /三三三三\ /______\ ,ヘ´ハ三三三三三三三三三三三三\ x〈三三三 '三三三三三三三三三三三三\ |三三三 ノ / i ハ i ハ i i i 三三三\ お、おらの村が燃えてしまったぺ |三三三 ノ i ハ- / i ハ‐/、'; ;' / i〈 三三三| これからどこでゆっくりすれば \三三三イ! | ;'i圷旡≧/ /≦乏V / イ 三三/ いんだべ… \三三 レヘ/ | | |/ / / / | |.ル' /ハ 三/ \三三 ハ ハ.| | , -- 、 | | / ( 〈 ヽ/  ̄〈 ノ ! >、ー'⌒ー' イ ノ ( )( レ'i# / ヽ /レ"#/ ヽ / |##\/i ̄ ヽノ'"##〈 ) ここにはみんながいるし、土や風や太陽はどこにもいかないよ ゆっくりやり直せばいいじゃない _,,....,,_-''" \ /三三三三\ヽ \ /______\ | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ ,ヘ´ハ三三三三三三三三三三三三\ __ _____ ______ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__x〈三三三 '三三三三三三三三三三三三\ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7三三三 ノ / i ハ i ハ i i i 三三三\ 'r ´ ヽ、ン、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7三三 ノ i ハ- / i ハ‐/、'; ;' / i〈 三三三| - -─==', ir-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ 三イ! | ;'i圷旡≧/ /≦乏V / イ 三三/イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ三三レヘ/ | | |/ / / / | |.ル' /ハ 三/レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ \三三 ハ ハ.| | , -- 、 | | / ( 〈 ヽ/ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |,' ノ !'" ,___, "' i .レ'  ̄〈 ノ ! >、ー'⌒ー' イ ノ ( )( L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| ( ,ハ ヽ _ン 人! レ'i# / ヽ /レ"#/ ヽ | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ / |##\/i ̄ ヽノ'"##〈 ) レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ ■ゆっくり村、消滅 「「 。 .,. '⌒`ヽ、, -'⌒'- , . (‥)三 ・ ~ シュルシュルシュル . , -'" ... .... ` .... ヽ.. .` , -'"` -'"`' ,, '" ;'゙~`、 。 ,, '"... ... ....`ヽ , -'" , -'⌒'- ,,,, -'゙´`- ,,,, -'" ノ ヽ ,,''.,,. .゙、, -'"` -'".. .... )'" / ,,,,,,, ,, ,l.,.,._____.................. 彡ミノ;ミ;;ミ ,.,.,. - , ヽ /\....ヽ,"'-, '.ノ,,,,.;八"""''"´"/i"'|il|"''"´ ,., ヽ,.,.,., ⌒; ヽ l;田;;;l ̄l.,.,))_|田|_|_8.__ノ ノ "" ,---- ,. .. ⌒.. .ヽ. ; ; .. . ( (───、 ──-'" /\;,,,,,, ヽ、.. .. ... ⌒; ,.. .); . . ;;ヽ ヽ^ \\ . .. .. . |;;;;;;|_田__| .. . .. ,,、 ズ ガ ー ン _ .. _ / \ /, '⌒ l.r‐-、.`、 / ( 八 ) ヽ 。 .,. '⌒`ヽ、, -'⌒'- , ( ー-' `ー-' ノ . 。 ,, '"⌒ヽ . , -'" ... .... ` .... ヽ.. .` ー┐ (_八_)┌-' 、 。 ,, '"... ... ....`ヽ , -'" , -'⌒'- ,,,, -'゙´`- ,,,, - `ー┐┌┘ ,,''.,,. .゙、, -'"` -' .... )'" / ,,,,,,, ,, ,l.,.,.___-======' ,=====- ,.,.,. - , ヽ /\....ヽ,"'-, '.ノ,,,,.; -====' ,=====-' ,., ヽ,.,.,., ⌒; ヽ l;田;;;l ̄l.,.,))_|田|_| -==' ,==- ,---- ,. .. ⌒.. .ヽ. ; ; .. . ( (───、 ,r-‐┘└-‐ /\;,,,,,, ヽ、.. .. ... ⌒; ,.. .); . . ;;ヽ ヽ^ \\ . .. .. . |;;;;;;|_田__| .. . .. ,,、 て / ,,-",-''i|  ̄|i''-、 ヾ { (" ./ i {;;;;;;;i| .|i;;;;;;) ,ノ ii ( l, `'-i| |i;;-' ,,-'" _,,-" "'-,, `-,,,,-'--''  ̄ ''ニ;;-==,_____ '" _,,--''" ._,,-'ニ-''ニ--''" ̄.i| ̄ |i-----,, ̄`"''-;; ''-`-,, ,,-'' 二-''" .--i| .|i "- ;; `、 ._,-" /  ̄"''--- i| |i ヽ i .( { (i(____ i| .|i _,,-' / } `''-,_ヽ ''- ,,__,,,, _______i| .|i--__,,----..--'''" ノ,,-' "--;;;;;;;;;;;;;;;;;""''--;;i| .|i二;;;;; ---;;;;;;; --''"~  ̄ ̄"..i| .|i .i| |i i| |i 。 .,. '⌒`ヽ、, -'⌒'- .i| .|i . . ,, '"⌒ヽ . , -'" ... .... ` .... ヽ.. ..i| カ ッ ..|i~`、 。 ,, '"... ... ....`ヽ , -'" , -'⌒'- ,,,, -'゙´`-.i| |i. .゙、, -'"` -'".. . .. .. .. .. .... )'" / ,,,,,,, ,, ,.i| ,,-、 、 |i;;ミ ,.,.,. - , ... . . . .. . . ヽ /\....ヽ,"' i| ノ i トiヽ、_.|i,., ヽ,.,.,., ;;;; ⌒; ヽ l;田;;;l ̄l.,.,i|/"ヽ/ iヽ! ノ Λ ヽ|i__n、ト、 .. .`"''"'"'" ⌒.. .ヽ. ; ; .. . ( (───、 ──-'" /\;,,,,,, ヽ、.. .. ... ⌒; ,.. .); . . ;;ヽ ヽ^ \\ . .. .. . |;;;;;;|_田__| ~─~─~─~─~─~─~─~─~─~─~─~─ 幻想史○年×月▲▲日 水曜日 ( 号外 ) ──────────────────────── ──────────────────────── 時報失敗でゆっくり村消滅??!!非道のうどんミサイル攻撃!!!! __________ ____ ┌───ー┐ | _ .. _ | |i i i i i i i i | ┬┴┬ | | / \ | |!!! !!!┌ー゙┐ .| ヽ、 ノ .| | /, '⌒ l.r‐-、.`、. | |!!! !!!..| 農 |゙ | /\ | | / ( 八 ) ヽ.. | |--- | 家 |゙ | .ノー┐ | | ( ー-' `ー-' ノ' | |!!!!!!!!.| の |゙ | ヽ、ノ | | ー┐ (_八_)┌- | |!!!!!!!!.| 芋 |゙ | `o | | `ー┐┌┘ | |-- .| お | | | |__________________| |iiiiiiiiii_| ば |゙ |! 立 r'´ |犯人は紅美鈴とのタレ込みも.|iiiiiiiii゙.| ち | . | 木ノ丁 .| ‐───────────┘ー--| ゃ | | |ヨ Ei . | .!!!!!!! !!!!!!!! !!!!!!!!! !!!!!!! !!!!!!!! | !!!!!!!!| ん | | | .耳 | | .!!!!!!! !!!!!!!! !!!!!!!!! !!!!!!! !!!!!!!! | !!!!!!!!| 激 | .└───ー┘. ──────────────!| 怒 | ┌───┐ iiiiii iiii iiiii | iiiiii iiiiiiiiiiiiii | てゐ さん | !! ! |゙ | レ´|`)゙| iiiiii iiii iiiii | iiiiii iiiiiiiiiiiiii | 行方不明 | └─┘| `ノ´ ゙| 各キャラ紹介文 風見 幽香 ゆっくり村の日常1
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4883.html
「ゆっくりしていってね!ゆっくりしていってね!」 家の外に一匹のゆっくりがいた これはたしか・・・まりす?まりさ?そんなやつだ ひまなので家に入れてやる 「ゆー!おそらをとんでるみたい〜」 「ありがとうおにいさん!いっしょにゆっくりしようね!」 はいはい 「ゆゆ〜ん!おにいさんがゆっくりしてればまりさもゆっくりできるよ!」 ……んー? ってことは今オレはゆっくりしてないってことか? 「ゆっ!?」 だってオレは普通にしてるぞ?ゆっくりしてないぞ? 「ゆゆゆゆ!?おにいさんゆっくりしてないの!?」 つまり今まりさはゆっくりできてないってことだ 「いみがわがんないよおお!?ゆっくり!?ゆっくりぃ!」 とりあえずさ、まりさくん?そのしゃべりかた全然ゆっくりしてないよね。もっとゆっくりしゃべろう? 「ゆゆ?ゆっくりしゃべればゆっくり・・・」 それがゆっくりってもんだろう? 「ゆ! ゆ っ く り は な す よ !」 「む〜〜〜しゃ、む〜〜〜しゃ、し あ わ せ ー !」 どうだい?ゆっくりできてるかい? 「と っ て も ゆ っ く り で き る よ ! ま り さ は い っ ぱ い た べ た か ら ゆ っ く り お ひ る ね す る ね !」 え?寝るの? それってゆっくりしてないよね 「ゆっぐりぃ!?」 あ、話し方戻った だって、寝るってことは動かないんだろ?とまるんだろ?それじゃ"ゆっくり"じゃないじゃん。うごいてないのは止まってるってことだ 「とまっちゃ・・・ゆっくりしてない・・・うごくよ・・・まりさはゆっくりうごくよ・・・」 話し方もどってやんの まぁゆっくりしていってね! 「ゆひぃ…ゆひぃ…もうつかれたよ…たいようさんもどっかいっちゃったよ…ねむいよ…」 あれ?どうしたんだ止まっちゃって、ゆっくりしてないな 「まりさ…ねたいよ、ゆっくりねたいよ…」 ゆっくりねる?寝ながらゆっくりするのか? 「ねむいよぉ…つがれたよぉ…もうゆっぐりしたくない…」 ゆっくりしたくないの?まぁいいけど じゃあおまえのこと"ゆっくりしないまりさ"とでも呼べばいいのかな? 「ゆ…ゆっくり…しないの、まりさゆっくり、していってね、ねむいの、しないの、ゆっくり、していってね ゆっくりしていってね、ゆっくりしていってね、ゆっくりしていってね、ゆっくりしていってね、……」 あ、壊れた。 まぁ明日ゆっくり料理とかググッてみよう ホアタァ! 「ゆっくりしてい で ぶ ぅ!」 おまけ 翌日、まりさが平然といた 「ゆっくりしていってね!」 あれ?ゆっくりしなくていいの? 「ゆっくりしていってね!なのにどうしてまりさがゆっくりするの?ばかなの?しぬの?」 おお!?開き直った? 「ちわーみかわやでーす」プシュアァァァァァ.... と謎の噴射を起こしながらまりさはどこかへ飛んでいった 一体なんだったんだろう ん? こ、これは昨日のまりさの死骸…どういうことだ!? 「すりかえておいたのさ!」デーンデデーンデデデン!(ry となぜかドアからさっきのまりさが出てきた つまりこいつはまりさの幽霊だったりするのかな? 南無阿弥陀仏 「ぎゃあああああ!!おのれはかったな!らめぇ!とんじゃう!まりさとんじゃうううぅぅぅぅ」 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1367.html
※前半は虐待成分無し 長いです 自分は何から逃げているのか。 男の頭はさっきからその問いかけを繰り返している。 「はっ・・・!はぁっ・・・・・!!」 夜の帳の降りきった森の小道に、男の走る足音と荒い息づかいだけが聞こえる。 逃げ始めてからどのくらいになるだろうか。 男は村の中でも比較的若い樵(きこり)であり、この日も遅くまで斧を手に汗を流していた。 ここは幻想郷。妖怪が跋扈し始めるこの時間まで森にいたのは、何も男が迂闊であるからではない。 ここ一帯は村とはさほど離れているわけでもなく、妖怪が出た試しもない比較的安全な場所であるからだ。 しかし、そんなことは男にとって何の気休めにもならない。 自分を襲った「何か」に噛まれた右肩が熱い。 きっと明るみに出れば、ぞっとするような傷跡が広がっていることだろう。 「は・・・・・!!」 村の灯りが見えてくる。 男は最後とばかりにあらん限りの力を足に込める。 一気に畑を突っ切り、村の広場まで出ると、男の妻がいた。 「おかえり・・・・えっ!!」 村の広場についた男は、妻の驚く声にへたり込んだ。 (・・・・・あれは・・・・?) 妻に包帯を巻かれ、父親からの質問を受けながら、男は今一度、考える。 自分を襲ったあれは? 猪ではない。 熊でもない。 ましてや・・・妖怪でもない。 (あれは・・・確かに・・・) しかし、あり得ない。 あり得ないことだった。 「何にやられたんじゃ!?獣か、それとも」 「お父さん、今はこの人も混乱してるでしょうから・・・」 (確かに) 「うーん・・・・。」 起き抜けに、上白沢慧音は白い腕を大きく伸ばす。 青く澄み、天高く何とやらそのものの秋空が広がっている。 「・・・寝すぎたか。まあ、約束には間に合うだろう。」 時刻は昼。普段里の誰よりも早く起きる彼女にしては遅い時間だ。 無理もない。 つい最近までのうだるような暑さで、夜は寝付けず朝は汗の感触で目が覚めるということを繰り返してきたのだから。 朝寝は一年で一番過ごし易い季節の、ある意味最も簡単な満喫法と言える。 「いい季節になったものだ。」 起き上がり布団を畳むと、顔を洗うために立ち上がった。 「「先生、おはようございます」」 「うむ、おはよう。」 家を出た直後に寺子屋の教え子達とすれ違った。 「今日はどこ行くの?」 「ああ、隣の村へ行ってくるよ。」 「ふーん、いってらっしゃい!」 ちなみに、収穫期であるため寺子屋はしばらくお休みだ。農家にとって子どもも重要な労働力である。 慧音のところへ、隣村の村長が訪ねてきたのは昨夜だった。 「息子が襲われただと?」 「ええ・・。」 「私のところへ訪ねてきたということは、妖怪か。待っていろ、すぐに妹紅にも言って」 「いえ、襲ったのは妖怪ではないみたいなんです。それだけは本人がはっきりと。」 「では?」 「ええ、それが、本人も要領を得ないようでして・・・。とにかく、明日本人からの話を聞いていただけませんか?」 「大方熊か何かの仕業だろうが・・・・。」 歩みながら呟く。妖怪ではないにしろ、熊であるだけでも十分な脅威だ。 「しかし、確かめてみらんことにはな。」 村に着くと、子どもの声での挨拶が出迎えた。 「「お姉さん、こんにちは!!!」」 「こんにち・・・は?」 子ども達ではなかった。 ゆっくりれいむとまりさの二匹である。 「お前達・・・」 「ゆ!お姉さんこの村は初めて?ゆっくり案内するよ!」 「あ、ああ。」 別段初めてではないのだが、面食らってそう答えてしまう。 「行き先はどこなの?」 「そ、村長殿の家だ。」 「わかったよ!しゅっぱーつ!!」 ぴょんぴょんと慧音の前を跳ねて行く二匹。 (頭についているバッジ・・・) 「お前達、ゆっくりブリーダーのところのか?」 「そうだよ!れいむとまりさはこの村の道案内を任せられたんだよ!」 「楽しいか?」 「うん、楽しいよ!」 「まりさ達色んな人とお話しできるんだよ!!」 「そうか。」 慧音は驚いていた。 利己的かつ生意気な行動で駆除の対象となるゆっくりが、人間の手によってここまで 意思疎通が出来、しかも仕事を任せられるような存在になるとは。 二匹の後を追いかける慧音は、やがて畑にさしかかった。 並ぶ畑の中で一際目立つのは、向日葵を中心とした色鮮やかな花が躍る、畑としては小規模のものだ。 背の高い花のただ中で、慧音の腰くらいの身長の、チェック柄の服を着た女の子が立っている。 麦わら帽子姿でじょうろをかざすその姿は、花畑の中にあってひたすら牧歌的だ。 「奇麗だな。」 「ゆー!のうかりーん!」 「へ?」 帽子がくるっと向こうを向くと、慧音は再び目を剥いた。 そこにあったのは、緑髪のゆっくりの顔だった。 「この子もゆっくりなのか・・・?」 のうかりん。 四季のフラワーマスター・風見幽香に似た姿をもつゆっくりゆうか。 元々知能も身体能力もゆっくりの中では高く、更に固有の特徴として花を育てる。 極めて希少性の高い体つきとなると更にその傾向が強くなり、花の他にも人間が食べるような農作物も手がけるようになり、 見た目も麦わら帽子と農家風(?)となるため、のうかりんという呼称で呼ばれている。 「全部一人でやっているのか?」 「・・・ちぇん、手伝ってくれる。」 ややぶっきらぼうに慧音の質問に答えたのうかりんの背後から、ゆっくりちぇんが飛び出してくる。 「お姉さん!お客さんだねー、わかるよー。」 「慧音様、いらしてたんですね。」 背後からの声に振り向くと、一人の青年が立っていた。 「あ!おにーさん!!」 青年に駆け寄って行くれいむ達二匹。 「すると・・・お前がブリーダーなのか?」 「おかげさまで・・・先生。」 ゆっくりブリーダーの青年は、寺子屋の生徒だった。 「まさかあのお前がブリーダーとはな、驚いたぞ。」 「そうですか?あの頃から動物とか好きだったんですよ。」 「いや、お前が根気のいる作業が出来るとは思わなんだ。お前達の代で一番私の頭突きを食らったお前が。」 「はは、彼はいい加減頭が割れるんじゃないかともっぱらの噂でしたよね。」 「馬鹿者。」 談笑しながら村長の家へ向かう二人。足下にはおなじみの二匹。 「それはそうと。」 「何ですか?」 と、いきなり青年の手をとり、がしっと自分の手を重ねる。 「え」 「私は今、猛烈に感動している!!」 慧音の目には炎が宿っていた。 (始まっちゃった・・・) 青年は内心呟く。 「ゆっくりと人間との共存の可能性を見せてもらった!いち教育者として、お前に敬意を表する!!」 「せ、先生・・。」 「そもそも教育とは知性ある万物に施されるべきものであり・・・」 こうなったらもう止まらない。青年は引きつり笑いで言葉の奔流を受ける覚悟をした。 「ゆ?お姉さん、村長さんの家に行かなくていいの?」 「それはつまり・・・あ、いかんいかん、そうだったな。」 (・・・・ナイスまりさ!!) 「ところで慧音様、村長の家には何の御用で?」 「ああ、それがだな。」 ふと表情を引き締める慧音。 「お父上から話は聞いた。その傷、森でやられたのか?」 「はい・・・・。」 村長の家に着いた慧音は、早速村長の息子ー男と対面していた。 庭では青年とれいむ、まりさが遊んでいる。 「妖怪ではないと聞いたが、君を襲ったものは何なのだ?」 「・・・・。」 「暗い中食いつかれたのだ、混乱してはっきりとわからないのも無理はない。 だが妖怪ではないと言うのなら、それなりの目星はついているのだろう?」 「・・・信じてもらえないかもしれませんが・・・。」 「ふむ?」 正座した膝に置かれた男の手が、ぎゅっと握りしめられる。 「あれは、ゆっくりでした・・・!!」 昨晩、男は目当ての木を切り、いくつかの丸太に分けたところで仕事を切り上げようとした。 「ゆっくりしていってね」 ふと、背後から聞こえるおなじみの声。 振り向くと、そこにゆっくりの姿は無く、代わりに持って帰る丸太の一本が無くなっていた。 目の前の茂みではがさごそという音が。 大方いたずらで丸太を隠そうとでもしたのだろうが、あまりにもお粗末なやり方。 今日の成果を隠した不届きものを踏みつぶそうと男は茂みに踏み入る。 そこで見てしまった。 丸太を齧り、ぼりぼりと咀嚼する二匹のゆっくりを。 ゆっくりが丸太を齧れるだろうか? いや、そもそも丸太を運べるだろうか? そう思い至るのと、二匹が振り向くのが同時。 「おじさん・・・ゆっくり・・・・シテイッテネェェェエ!!!」 自分に向かって跳躍する、白黒帽子。 その口には、ぞろりと牙が並んでいた。 「・・・にわかには信じ難いが・・・。」 「もしかしたら、自分の頭がおかしくなっているのかもしれません。 しかし、もし本当にゆっくりだとしたら、皆にも危険が及びます。 お願いです慧音様、この件、協力していただけないでしょうか?」 「承知した。正体が何にせよ、人間にそのような傷を負わせる ものを放っておく訳にはいかんからな。」 「!ありがとうございます!!」 「寺子屋はしばらく休みだから、この村に留まって調査をしよう。宿を貸してくれるか?」 「もちろんです。」 皆が寝静まったその夜。 月に照らされた鶏小屋から、ぶちっ、めきめきという音が。 中でうごめくのは二つの影。 月光に浮かび上がるのは、血まみれの鋭い歯並び。 それと、白黒帽子と赤いカチューシャだ。 「うめ・・・・めっちゃ・・・ウメェ」 続き お久しぶりです、ゆっくりゃバーガーの人です。 思ったより長くなってしまい、分けることにしました。 続きは2、3日中に上げられると思います。 このSSに感想を付ける