約 535,839 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/500.html
「ゆっ、ゆぐっ、ゆっ…」 「おかあさん、ゆっくりがんばってね!」 「わたしたちもてつだうからね!」 土を口に含んでは別の場所へ吐き、口に含んでは別の場所に吐き…。 ゆっくりれいむの一家は、穴を掘っていた。 手が無いゆっくり達にとって穴を掘ることは容易ではない。 口の中は土だらけになり、口の周りを汚しても掘り続けるゆっくり達。 子供達のため、ゆっくりするため。 おかあさんを手伝うため。 れいむの一家は全員、力をあわせて土を欠き出す作業を延々と繰り返していた。 どのくらいの時間が経過しただろうか。 「ゆっくりできるおうちがかんせいしたよ!」 「これでゆっくりできるね!」 「しあわせー!!」 ついにれいむ達の穴、いや家が完成した。 家といっても、ちょっと掘り進んだところに部屋が一室あるだけの粗末なものである。 それでも、自分たちの力で家を作ったことが、そしてこれで外敵を気にせずにゆっくりできることが嬉しかった。 「これできょうもあしたもずっとゆっくりできるね」 「ずっとゆっくりしようね」 翌日。 「それじゃあゆっくりごはんをとりにいこうね!」 家の中で安心できる一夜を過ごしたれいむ達は、早い時間から家を出た。 きょうもあそこにたくさんやさいがあるといいな。 そう考えてれいむ達が向かった先は畑であった。 そもそも、新しい家を作ろうとしたきっかけはこの畑なのである。 この一家は昨日、畑で野菜を食べていた。もちろん無断である。 子れいむ達がむしゃむしゃ食べている中、遠くから男がやってくるのを一早く発見した母れいむ。 人間の怖さを知っていた母れいむは、一家でどうにか逃げ切ることが出来た。 奇跡にも近い所業である。 そして母れいむは考えた。 あそこのちかくにいえをつくれば、だれもいないときにごはんがたべられる。 そして穴を掘り、今に至るれいむ達。 畑に差し掛かったあたりで、昨日は無かったものを発見した。 そこには「ゆっくりたちのごはんです、ゆっくりいえでたべてね!」と書かれた看板。 丁寧なことに、高さをゆっくりが読める位置まで下げてある。 そして、中にそれらしきものが詰まった風呂敷であった。 「ゆっ? ここにゆっくりたちのごはんがあるよ?」 「ゆっくりもってかえろうね!」 「はやくおうちでたべようね!!」 れいむ達は何の警戒もなしにその風呂敷を持って帰った。 風呂敷をみんなで頭の上に置いて、非常に仲睦まじそうに運んだ。 家からこの風呂敷を見つけるまで約3分。 既に、昨日野菜を食べた畑のことは忘れていた。 「ゆっくりただいま」 「ゆっくりおかえり」 「きょうもゆっくりできるね」 「ゆっくりごはんをたべようね!」 家に帰ってきてただいまを言う者、なぜかおかえりと言う者。 みんなウキウキと家に帰ってきたが、興味はやはり拾った風呂敷。 開けてみると、そこには一口サイズの、丸い饅頭のようなものがたくさん入っていた。 もっとも、ゆっくり達にとって、人間の一口サイズは少々大きいものであったが。 「おいちそうだね! ゆっくりいただちます!!」 そう言って真っ先に喰らいついたのは赤ちゃんれいむ。 昨日の疲れが残っていたせいもあるのだろう、それをきっかけに妹れいむ・姉れいむ・母れいむと次々に食べていった。 「うっめ、めちゃうっめ」 「はふっ、はふっ」 「あまくておいちー!!」 次々と平らげていくれいむの一家。 見る見る数を減らしていき、10分後には何も残っていなかった。 「「「「しあわせー!!」」」」 「ちあわ…うっ…」 みんなで食後の幸せを噛み締める掛け声。 だがその中で、子れいむの様子がおかしかった。 「うっ…うっ、う゛ぼぅ゛え゛え゛っぇ゛ぇぇ゛ぇぇ゛ぇ」 まず一匹。 口から餡子を吐いた。 口を閉じようとしても止まらない。 助けを求めて母や姉のほうを見ても、事態を飲み込めていない。 致死量どころか全身の餡子といっていいほどの餡子の量を吐き出した子れいむは、皮だけのぺらぺらな状態になり絶命した。 「どうなっでる゛のぉぉぉ゛ごれ゛えっぇぇぇっ」 「どぼぉぅぢでえぇ゛ぇぇ゛ぇぇぇぇ゛ぇぇ」 「ごれじゃ゛あゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛よ゛ぉお゛ぉぉぉぉぉっ」 ゆっくりした家での食事から一転、完全にパニックに陥ったれいむ達。 そうして慌て驚き恐怖に慄いている間にも、 「ゆぐっ…ゆっ…ゆ゛ぐヴヴぉ゛え゛えぇ゛ぇぇ゛ぇ!!」 「げヴ゛ぉぉぉお゛ぇえぇ゛ぇっう゛゛ぇえ゛ぇ!!!」 「ぐぉ゛れじゃぅ゛ぁ゛ゆ゛っぐり゛でぎなぐぉぇぇっぇぇぇ!!」 「ゆっぐりう゛ざぁ゛ぜぇでぇ゛ぇぇ゛ぇぇえぇぇぇ!!」 次々と餡子を口から外へ排出していた。 自分の中から命とも言える餡子が消失していく感覚。 ほんの少し前までの家の光景はどこにもなかった。 幸せそうな顔もどこにもなかった。 「どぅぼぉぉぉぉじぃでぇぇー! どぅぼぉぉじぃでぇぇごん゛なごどずる゛の゛ー!! ゆ゛ぐっぐりぢだぃよ゛お゛ぉ゛ぉおぉ」 餡子まみれになった家の中で最後まで残った母れいむ。 しかしその叫びは誰にも届かない。 家族全員の亡骸を見ながら母れいむもまた、同じ運命を辿った。 「お、なくなってる。ってことはちゃんと効いたのか?」 男がそのことをチェックしたのは、昼過ぎのことであった。 「昨日はあいつらにしてやられたからな…餡子の匂いがする」 男はその匂いをたどっていった。 そして1つの穴を発見した。 「あいつら、こんな近くに巣なんて作りやがって。どれどれ、効果の程は…っと、おおすげぇ」 スコップで少し掘ってみれば、そこには大量の餡子とたくさんの皮が残されているのみであった。 それも、全員苦悶の表情を浮かべている。 「なんでもかんでも喰うからそうなるんだよ…ざまあみろってんだ」 そういうと男は皮を回収し、棒で突き刺した。仲良く一家全員である。 畑の一角にそれを立てると、男は農作業へと戻っていった。 「カラスの死骸をつるすって話は聞いたことあるが、ゆっくりの死骸は聞くのかなぁ。あいつらバカだし」 ゆっくりコロリ 人間が食べても害が無い(むしろ甘くておいしい)が、ゆっくり種が食べると短時間で毒が周り、餡子を吐き出し死亡する毒餌。 このとき、非常に苦しみに満ちた表情で死亡するのが特徴である。 原料は不明だが普通に食べることが出来るため、常備しておく家もあるとか。 ゆっくりへの看板セット付き。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4299.html
以下、注意書き。よく読んでおいてください。 ※ハーフ、厨、死なないゆっくりがでます。俺設定、他人様の設定を含みます。とんでもなく読みづらいです。 ※実在の人物、団体、地名とは全く関係ありません。無いったら無いです。不幸になる人間が出ます。 ※まだはじめなので直接的な虐待はありません。むしろ虐待から趣旨がずれています。 ※読んでて気分が悪くなったら読むのを中止してください。 以上です。どう見ても核地雷です。本当にありがとうございました。 読まないことお勧め、これ最強。 投棄場に保管していただければ幸いです。 魔法が廃れ、剣と科学がこの世界を支配していた。 この地には人と幾ばくの野生生物とゆっくりが密接に存在していた。人の祖はあるとき地上に降臨したと言われるが定かではない。 動物も同じだった。だがゆっくりだけは違った。 世界にまだ魔法が存在していた頃、一人の狂える魔法使いが『始まりのゆっくり』と呼ばれるものを生み出したのだという。 その魔法使いが何故生み出したのか、何を為そうとしたのかはわかっていないが、伝え聞くことが真実ならばゆっくりは生物ではないということになる。 誰にもそれが真実であるということを証明できないが、虚実であることもまた証明できない、よってゆっくりは魔法物体、略して魔物と呼ばれている。 ゆっくりは言語を用いて人と多く関わってきた。文化を持たないがそこそこ賢く、貧弱でありながら生きて来た実績がある。だが所詮は人とは違うもの、 価値観の違いからの衝突、食料を巡っての争い、その大半は人の勝利で終わるが人間にも多少の被害は出ている。人とゆっくりの溝は 決して浅くはない。ゆっくりは旧き友であり、仇敵でもあった。 だがそれは人同士でも同じこと。集落から始まり、国を興し、隣国と戦争が起きるのは必然であった。人の歴史は戦とゆっくりとの争いに 彩られていた。 その世界に存在する王国『ユートルダム』は土地は肥え、海にも大きく開けており、とても豊かな国であった。 だがそのせいで隣国からは格好の標的にされた。代表的なのは、雪と氷が国土を占める北の共和国『キューズ』、 かつて世界全土を征服していた旧魔法時代の王の末裔を名乗る帝王の支配する技術先進国でもある西の帝国『テンペスト』の二国である。 幸いなことに二国は犬猿の仲であり、同盟を組むことも共同戦線を張ることもなかった。そして王国にはその豊かな国土に支えられた 屈強な兵団を抱えていることから侵略国を悉く退けてきた。その度に多くの英雄の武勇譚が詩人に謳われ、国民に勇気を与えた。 国はいつまでも安泰であり、人々は心ゆくまで平和を謳歌し、それは永遠であると信じていた。 だが人々が信じたものは陶器が地面が落ちるように、粉々にそして簡単に砕け散った。 キューズとテンペストがありえないことに同盟を組んだのだ。こうして攻めている間に国を攻め取られるという後顧の憂いがなくなり、 ユートルダム侵攻に多くの戦力をつぎ込むことができた。こうして歴史に類を見ない、大地を血に染めた戦争が始まった。 結果を言えば王国は勝利した。だがそれに喜ぶものは誰もいなかった。敵の二国の足並みがそろわず、この調子で行けば王国が勝てるはずだった。 だが二国は負傷兵も駆り出し、文字通り総力戦を行った。双国ともに相手よりも劣ることを嫌い、意地で戦争をしていたと思われる。 王国は防衛線であったことも手伝って、これを退けた。辛勝とも言えぬ勝利だった。勝ち得たものは少なく、二国との講和を条件に 支払われた賠償金、わずかな物資、技術。残ったものは荒れ果てた領地と疲れきった国民、そして兵力を大幅に減らした見るも無残な兵団だけだった。 そこで持ち上がった問題が早急な復興が必要であることだった。二国よりも早くに国を立て直さなければ、また戦争が起きたら負けは確実、 なのだが防衛線で失った国民が多すぎて立て直すには長い時間が必要であった。 当時の国王は頭を抱えていた。国を立て直すには時間が要るがそれでは王国の滅亡は時間の問題、それを打開する策を求めて 毎日、臣下と会議を行っていたのだが芳しくなかった。 二国と親交を深め、戦争を起こさせないというものは当然却下された。贈り物をしてそれを戦争の道具にされれば滅亡を早めるだけであり、 そもそも二国は信用ならざる相手であったからだ。 二国の仲を瓦解させ、争わせるという「二虎共食の計」を用いるというもの。だがこれも却下された。材料がないことも挙げられるが、 失敗すればこちらに攻め入る絶好の口実を与えることになってしまう。 かくなる上はこちらから攻め、相手に決定的な被害を与えるものもでたが、これはもう策などではない。王国には遠征を行える余裕はない。 もう打つ手はないと諦めの雰囲気が会議室内を支配していた。 その時、歴史は動いた。 この窮地を救った救世主として構成にまで語り継がれ、今でも王国の者ならば誰もが知っている人もゆっくりも関係無くだ。 それは一匹のゆっくり、「ぱちゅりぃ」であった。 その日、王は夢を見た。真っ暗な世界に一筋の光がさし、光はどこまでも明るく世界を照らす夢。天啓であろうか、王はなんとなく 馬で遠乗りに出かけることにした。護衛を二人だけつけて、活気の無い城下町を抜け、地平線まで見える平原で馬を休めた。 そして小高い丘の上でぱちゅりぃと出会った。王はただのゆっくりに声をかける王に驚いている護衛を無視し、ぱちゅりぃと話をはじめた。 『ぱちゅりぃに一つ提案があるわ』 ぱちゅりぃは挨拶もそこそこに王にある提案をした。それはゆっくりが敵国同士の同盟を解消させてこの国の窮地を救う。そのかわり、ゆっくりを国に 迎え、安全を保障してもらいたい、といったものだった。普通だったら笑い飛ばして話はそこで終わりだろう。だが王は笑わず、黙って話を聞いていた。 話が終わり、そこではじめて王は口を開いた。 「国に入ってなんとする?貴様らはどうやって生活するつもりだ」と。 ぱちゅりぃは答えた。土を耕し、作物を作る人の手伝いをしていくつもりだ、と。確かに今は猫の手も借りたい状況にある。ゆっくりは非力であるが、 力を合わせればそれなりのことはできるのだという。 その後のことは事を成してから話し合おうと、一ヵ月後またここで会う約束をしてぱちゅりぃは去っていった。 王はそれほど期待はしていなかった。だがこれは負けても何も失わない賭けとも呼べない、あるべき状況に戻るだけの単純なもの。それにこの状況を 打開できる策もないのだ。藁に縋る思いで王は待つことにした。 それから一ヵ月後、王は何もしなかったわけではないが、何かができたわけでもなかった。国の危機は現実味を増し、ますます王城には諦めの空気が 漂っていた。だが先日、キューズ、テンペストに送り込んでいた密偵から報告があった。二国ともにゆっくりによって食料を荒らされ、軍備もままならぬ とのこと。捕らえられたゆっくりはそれぞれキューズに、テンペストに命令されてやったと言っていた。疑うのが当たり前なのだろうが二国の仲は 薄氷の上に成り立つ同盟で繋がっていたに過ぎず、それはいとも簡単に崩れ去った。二国は国の安定に力を注ぐことに集中せざるをえなかった。 約束通り、王は小高い丘に現れた。百騎の騎士を従えて。ぱちゅりぃは既にそこにいた。こちらも数え切れない数の仲間を連れていた。ぱちゅりぃは 前に進み出て王に約束を果たすことを要求した。王は要求を呑むほかなかった。騎士に命じればこの程度のゆっくりなど造作もなく蹴散らすことができるだろう。 だが約束を違えることに意味があるのだ。この世界に神というものは存在しない。王こそが神であり、父であり、絶対なのだ。その王が虚言を用いることが 民に知られれば信頼を失い、国は傾き弱体化する。相手がゆっくりといえど約束を反故にはできなかった。王は開き直ることにして、こうなれば徹底的に やってしまおうと考えた。 その日のうちに王は演説を行い、ゆっくりを国民として迎えることを国中に伝えた。これには重鎮を含む、多くの国民が反対した。だが王はこれを聞き入れず、 勅命であると従わせた。国を見限り、他国に渡る民もいたが王はこれを咎めなかった。人々は王は狂われたのだと囁いた。 やがてゆっくりの農耕が始まったが問題が多発した。労働が過酷だと不満を垂れるゆっくり、収穫しても税として徴収されることに憤るゆっくり、 だがそれらは全て、他の農民と同じ条件であり、従わぬのならどこへなりとも行けと追い出した。それでも大半のゆっくりはここに残ることを選択した。 自然で生きていた頃よりも死亡率が下がったことも事実なのだ。 ゆっくりを迎えたことにより、キューズ、テンペストからは憎い敵として認識されていた。かつての国力を上回る力を取り戻したユートルダムは二国に これまでの礼も込めて戦争を仕掛けた。これらを難なく落とし、属国化させた王国はこの大陸一の強国になった。 このときにはゆっくりに対する人々の意識は変わっていた。やつらは便利な道具だ。うまく使えば生活が楽になる、と。 ゆっくりの数は国民の数と大差なかったがその大部分が奴隷以下の待遇を受けていた。そんな中で国を揺るがすほどの事件が起こった。 とある領主の息子が一匹のゆっくりと恋に落ちたのだ。しかもそのゆっくりはあのぱちゅりぃの子であった。 その出会いは偶然、あるいは必然であったのか。 領主の息子はその日、鹿狩りに出ていた。彼は馬の扱いに長けていたため、供の者たちを置き去りに一人はぐれてしまった。さらに運悪く雨が降ってきた。 どこか雨宿りできるところはないかと行き着いたのが洞窟であった。その洞窟は生来から体が弱かったため、働くことのできない子のためにあのぱちゅりぃが 用意したものであった。もちろん、中には子ぱちゅりぃが既にいた。それが出会いであった。 はじめは貴族の方と一緒の場所にいるのは恐れ多いからとぱちゅりぃは出て行くつもりだった。だが領主の息子はゆっくりが水にぬれると行動不能になり、 命に関わることを知っていたのでそれには及ばないと断った。 洞窟の入り口付近で外を眺めることで時間を潰していたがそれに飽いた彼は中に目を向けてぱちゅりぃが震えていることに気づいた。 ぱちゅりぃは寒くて震えているわけでも体調が悪いわけでもなかった。ただただ怖かったのだ。母から何度も言われたことが頭の中で何度も響いていた。 『人間は恐ろしく強い。その中でも貴族と呼ばれるものの怒りを買えばゆっくりなど簡単に殺されてしまう。だから近づくな』 逃げることを封じられ、広くもない洞窟で隠れることもできないぱちゅりぃは自分をどうにでもできる者の視線に怯えていた。 それを彼は雨のせいで下がった気温で寒くなり震えているのだと勘違いをした。ならば暖めてやろうと彼はぱちゅりぃを抱え込んで羽織っていたマントで 包み込んだ。いきなり掴みあげられたぱちゅりぃは恐怖で声も出せずにされるがままになっていた。誰だって死にたくはない。自分はここで死ぬんだと 信じたくはなかったぱちゅりぃはしばらく固まり、目を閉じていたが次の行動がいつまでたっても訪れないぱちゅりぃは恐る恐る目を開けると 顔を覗き込んでいる彼と目があった。 ゆっくりに興味があった彼はぱちゅりぃと会話をしてみた。親からゆくゆくは跡を継ぐのだと勤勉に励まされ、対等に話をできるものがいなかった彼にとって 興味の対象であった。最初こそ、恐怖を抱いていたぱちゅりぃであったがぱちゅりぃもまた孤独に苦しんでいた。こうして彼らは飽きることなく雨がやむまで 会話を楽しんだ。その後も彼は屋敷から抜け出してはぱちゅりぃに会いに行き、屋敷の中にいるだけでは知ることのできなかったことをぱちゅりぃから 教わったり、お礼に彼の馬に相乗りさせたりした。ぱちゅりぃもたびたび自分に会いにきて真剣に話を聞いてくれ、褒めてくれる。そして世界の広さを 教えてくれる彼に感謝していた。こうして彼らの中は急速に発展していった。 だがある日彼らのことは領主である父にばれてしまい、それは国王の耳にも届いた。王は彼らを王城に招き、その恋を諦めるように説得するつもりだった。 だが逆に彼らの強い愛情に心打たれ、婚姻を認めた。領主は王に考え直すように提言したが王はあの夫婦に子は望めぬのだからそこで途絶える。 そうしたら貴公のもう一人の子息に家を継がせれば良いではないかと言った。領主は王への忠誠に厚い人物だったので渋々ながら受け入れた。 そうなればぱちゅりぃは貴族の家に入ることになり、その母であるあのぱちゅりぃも貴族と同等の権利を持つことになった。今まではゆっくりのことに ついてはぱちゅりぃに一任されていたがその権利はその家に帰属することになった。 改めて国に仕えることになったぱちゅりぃはゆっくりであることを理由に今まで何の褒賞も受けられなかったが国に救った実績を考えれば 英雄と讃えられてもおかしくはないのだ。こうしてぱちゅりぃは王の「ゆっくりといえどその忠誠は誠天晴れ」といくつかの褒美とともに “偉大なるゆっくり”の称号を賜った。 その後平和な日々は続き、ゆっくりを国に迎え入れてから三十余年。ぱちゅりぃはこの世を去った。ゆっくりの寿命を考えれば長生きというには 長すぎる生涯であった。 領主も次の年に亡くなり、ぱちゅりぃと夫婦になった嫡男が跡を継いだ。 歳に加え、病を患った王は自分の死期が近いことを悟っていた。床に次代の王となる王子を呼び、ゆっくりと協力して国を栄えさせよ。ゆっくりは 人を新しい道へと導いてくれるだろう。と遺言を残して崩御された。ゆっくりを国に迎えた「狂王」、国を一つにまとめた「英雄王」、 さまざまなあだ名をつけられた王は齢八十にしてその生を終えた。 王が変わっても民の暮らしに変化はなかった。だが重大な、そしてあってはならないことが起こった。 あの領主の夫婦の間に産まれるはずのない、産まれてはならない男児が産まれたのだ。そして領主の弟が兄である領主一家を捕らえ、屋敷の塔に 幽閉したとの知らせが王に届いた。王はすぐに書状を記し、それを届けさせた。 届け先は領主の弟であった。彼は王からの書状が届いたことを不審に思った。てっきり、肉親、仕えるべき家へ背いた罰として騎士が派遣され、 自分を討ちに来ると思っていたし、その覚悟もあったからだ。彼はその書状に目を通した。内容は以下の通りだった。 “その方の所業は上の者へ背く行為であり、ひいては余へ刃を向けたことであると言える。だが人とゆっくりとの間に生まれた怪物が貴族として 家を継ぐことを防ぎ、そのような者がいることが民に知れ渡り、混乱に至る前に阻止した行為は余への忠誠として受け止めた。そのすばやい英断を 讃え、その見返りとしてその方をその地の領主を任ずる。” そのうち自分が新しい領主になるだろうと考えていたが子が産まれたことでそれが無くなると怒りの感情を抱いただけで深くは考えてはいなかった男は 軽率なことをしたと後悔していたのだ。 反逆の徒から一転して領主へと変わった男はその内容を理解したとき、安心して力が抜けた。 領主へと任じられた新領主はまずはじめに治めている土地の民に自分が新しい領主であることを告知。次に“偉大なるゆっくり”の権力である、 国内の全てのゆっくりを農耕へと使用する権利を各地の農民に売り払った。この権利はゆっくりの国民として正当に扱われることを保障するものであったのだが 辛いだけで実入りの少ない仕事であった。このようなものは売ってしまおうと考えていた男はまたも深く考えてはいなかった。 それはすぐに王の耳へと届き、王はまた書状をしたためた。 “貴公のしたことは民の暮らしをより良くするための第一歩となるだろう。その功績を讃え、勲章を授与する。” その書状をすぐに使いの者に届けさせた後、王は玉座の間に座り、笑った。 王はゆっくりが嫌いだった。理由は特になかったがあえて言うのならば総てであった。そのゆっくりを父王が国に迎え入れたときは 父は本当に狂っていると思った。だが先代の王の政策を取り消すこともできずに頭を悩ませていた。だがあの男のおかげで万事解決である。 ゆっくりを農耕の道具とすれば、さらに国は栄え、父の遺言にも従うことにもなる。 王は生きてきた中で最も大きな声で笑っていた。 人は豊かにゆっくりは苦しむ。 その政策は王が代わっても変わることなく続き、百年続いた。 そんな世界の中、長く伸ばした赤い髪を後ろでまとめ、農作業に精を出している青年がいた。 この青年を中心にこの物語は始まる。 ~あとがき~ 色々あってぶっ壊れました『オマケ』です。 ご覧の有様だよ!
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2291.html
(ある日差しの穏やかな午後) ゆっくりプレイス。そこはとても広い草原だった。 そこに集まったおよそ100匹のゆっくり達は思い思いにゆっくりしていた。 草を食む者、バッタを追いかけ遊ぶ者、あるいは日向ぼっこを目一杯楽しむ者。 そこに現れた男が二人。背には竹籠、手には鉤付きの棒を持っていた。 ゆっくり達に緊張が走る。しかし誰も逃げ出さない。 あの人間達は自分達を捕まえに来たのかもしれない。 しかし、単に自分達と一緒にゆっくりしようとやって来たのかもしれない。 事実、そんな人間も中にはいるのだ。そして彼らは決まって自分達に甘いお菓子をくれる。 不用意には近づけない。しかしお菓子は欲しい。ゆっくり達は態度を決めかねていた。 「うーん。本当にゆっくりがいなくなってるとはなぁ。 森にもいない。巣にもいない。池や川のほとりにもいない。 いつもならこの草原に沢山居る筈なのにやっぱりいない。 あの先生の言ってた事は本当だったんだなぁ。」 「だから言っただろう。先生に頼めば一発だって。 先生はこの近くに住んでいる人の中で一番頼りになる人なんだよ。美人だし。 不思議な能力を持ってたり、綺麗な弾幕を張ったりだって出来る。それに美人だし。」 「・・・。ま、まぁ確かに美人だな。しかしまさか一晩でゆっくりを消すだなんて。 一応狩りの用意をしてゆっくりを探しに来たがとんだ無駄足だったなぁ。」 「まったくだ。俺達のじいさまの代から駆除しても駆除しても増え続けたゆっくりを たった一晩で全部消してしまうなんて。その上美人だし。」 「(もういいって・・・)」 男達は里に住む農家だった。畑に悪さをするゆっくりに困りはて人外の先生に駆除を依頼したのだ。 先生は里に住む全ての人間を集め『一晩ですべてのゆっくりを消す』と宣言した。 この二人はそれを確かめるためにゆっくりを探していたのだった。 「いやーしかし、今までここにはゆっくり狩りでしか来たこと無かったから気付かなかったが いいところだなぁ。ゆっくりに占領させておくのはもったいない。 日当たりはいいし、風も気持ちいい。奴らがゆっくりしたくなる気持ちもわかるよ。 俺達もすこしゆっくりしていこうか。」 「ははは、馬鹿なこと言ってんじゃねーよ。カミさん達に畑任せっぱなしなんだぞ。 しかしまあ一服くらいしてもバチは当たらんだろ。」 そう言うと男達は笑いながら煙草をくわえ火を付けた。 「ゆー。あのひとたちはどうやらゆっくりできるひとのようね。」 「やっぱりぱちゅりーもそうおもう?あのひとたちなんだかゆっくりしてるみたいだよ。」 「あっなにかたべてるよ。れいむたちももらいにいこう!」 談笑中の男の足下に集まるゆっくり達。 「ゆっくりしていってね!!!」 「いっしょにゆっくりしようね!」 「まりさにもそのたべものをちょうだいね。」 しかし男達は足下のゆっくりに気付かない。無視しているのではなく本当に気付いて無いのだ。 だが無視されたと感じたゆっくり達は体をふくらませ威嚇し始めた。 「どうしてむしするの!ゆっくりできないひとだね!」 「ゆっくりできないひとはでていってね!」 「はやくそのたべものをくれないとほんきでおこるよ!」 ついに男の足めがけて体当たりを始めるまりさ。 「じゃあそろそろ行くか。今度は家のちび共も連れてピクニックにでも来よう。」 「そりゃいいな。たまには仕事ばかりじゃなく子供とも遊んでやらんとな。」 男の一人が咥えていた煙草を足下に落とす。それを見たまりさは大口をあけてとび跳ね そのままぱくんと飲み込んでしまった。 「!!!!!!!あああああぢゅいいぃぃぃぃいぃぃ!!!!」 「おいおい、煙草の火はちゃんと消さないと駄目じゃないか。火事でも起きたらどうする。」 「おっと。あぶねぇあぶねぇw」 「き゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛ま゛り゛さ゛を゛ふ゛ま゛な゛い゛て゛え゛え゛ぇ!!!」 グリグリと頭を踏みつけられたまりさは餡子を吐きながらピクピクを痙攣する。 それを見た仲間たちは男の前にたちはだかり次々に叫びだす。 「まりさになんでごとするのおおおお!!!」 「おじさんはゆっくりあやまってね!」 「こんなことするおじさんとはゆっくりできないよ!」 しかし次の瞬間。 「ぎゃああああああ!!!」 「やめて!なんでこんなkぶびゃああああ!!!」 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!ゆっkぐへぁあああああ!!!」 歩きだした男達に踏まれ罵声は悲鳴に変わる。 男達が去った後。そこには餡子を吐き出し苦悶の表情を浮かべ息絶えたゆっくりと その周りでただ泣くことしか出来ないゆっくりが残った。 (数日後 人間の里の畑) 「ふぅ・・・またか・・・」 そこには荒らされた自分の畑を見てため息をつく老いた一人の農夫がいた。 つい先日、先生がすべてのゆっくりを消してくれたおかげでゆっくりが畑を荒らす事はなくなった。 しかし、今度はべつの生物が自分の畑を荒していたのだ。 「今度の奴はいったいなんなんだ。きっと恐ろしく頭のまわる奴だぞ。 罠はすべて起動しているのに死体が一つも残ってないなんて・・・」 農夫が仕掛けた数々の罠。落とし穴や毒入りのエサ、対ゆっくり用の超小型地雷。 そのすべてがまったく機能していない様に見えた。 「こりゃぁ新しい罠を考えなければならんのぉ」 またため息を一つつくと農夫はとぼとぼと家路についた。 一方落とし穴の底では。 「ゆぎゃああああ!!!いだいよおおおぉぉぉおおぉぉ!!!!」 「だれがだずげでええええ!!!このままじゃじんじゃうよおおお!!!」 「のぼれないよ!だれかゆっくりたすけてね!こんなところじゃゆっくりできないよ!」 穴の底に仕掛けてあった杭に串刺しにされたゆっくりや 運よく杭を逃れたものの上に登れず泣き叫ぶゆっくりの姿があった。 「れ゛い゛む゛の゛あ゛か゛ち゛ゃん゛か゛あ゛あ゛あ゛!!と゛う゛し゛て゛な゛の゛お゛お゛お゛!!」 「あ゛ん゛こ゛か゛と゛ま゛ら゛な゛い゛よ゛お゛お゛ぉぉぉぉ!!!」 地上もまた地獄だった。 毒を食らい青黒くなって息絶えた子供たちの前で絶叫する母れいむ。 少し離れたところには地雷を踏み破れた皮から餡子を流し続けるありすがいた。 しかしゆっくりにとっては確かに地獄であったがこれは里の人間にとっては日常だった。 唯一いつもと違う点は人間達にゆっくりの姿が見えず声が聞こえない事だけだった。 (さらに数日後 虐待おにいさんの家) 「どうしても行くのか?」 「ああ、行く。この里のまわりに住むゆっくりはすべていなくなってしまった。 それどころか家で飼っていた虐待中のゆっくりもだ。 ゆっくりを虐められないなんて・・・この状況は僕には耐えられない。 だから僕はゆっくりを求めまだ見ぬ土地へ旅に出る。他の土地ならまだ生きたゆっくりがいるはずだ!」 「そうか・・・決意はかたいんだな。しかしこの部屋の散らかり具合はいったいどうしたっていうんだ?」 おにいさんの友人は部屋中に散らかった虐待グッズを見てあきれ顔で聞いた。 「ははは。いやぁ実はどの虐待グッズを持って行ったら良いか悩んでしまってね。 どれもこれも素晴らしい逸品なんだがすべては持っていけないからねぇ。」 「はぁ・・・」 その時開け放たれていた縁側からゆっくりれいむの一家が部屋に入ってきた。 「ゆ!ここにはおもしろそうなおもちゃがたくさんあるね!」 「みんな!きょうはここでゆっくりしていくよ!」 「「「はぁ~い!」」」 「そういうわけだから、おにいさんたちははやくれいむのうちからでていってね!」 早くも自分の家宣言をするれいむ。 しかしおにいさん達はそれにまったく気付かず持っていく道具の吟味を続けていた。 「これなんてどうだ?透明な箱。やっぱり基本は外せないんじゃないか」 「うーん。僕もはじめはそう考えたんだが・・・これって結構かさばるんだよねぇ。それに・・・」 「それに?」 「基本中の基本だからさ、わざわざ持って行かなくてもゆっくりがいる土地なら必ず店で売ってると思うんだ。」 「なるほど。そうなると持っていくのは小さくて他では手に入らない物か。 そういやこれはなんだ?店では見たこと無い。ひょっとして自作した物?」 「ちょっとおにいさん!れいむのことむししないでね!はやくでていってね!」 「もういいよおかあさん!それよりこのへやにはおもしろそうなものがたくさんあるよ!」 「ああこれね。これは僕が作ったやつ。ゴム製の疑似餌だよ。 ゆっくりが好きな果物だよ。しかも香り付きだからゆっくりはすぐだまされるんだ。」 「ほぅ。」 「例えばこんな風に箱の中に入れてさ。」 おにいさんが近くにある透明な箱の中にゴム製の疑似餌を入れる。 「ゆ!!!おいしそうないちご!!!」 「いただきま~す!!!」 二匹の子れいむがそれにつられて箱の中に入る。 「そしてその中にゆっくりが入ったら蓋を閉じるのさ。」 「ふむ。」 おにいさんが箱の蓋を閉じる。母れいむが大声で抗議するが二人には聞こえない。 子れいむは疑似餌に夢中で気づかない。 「ふたりでゆっくりわけようね!ゆ?」 「どうしたの?」 「ゆうううう!!!なんでええぇぇ!!かみきれないよおおおおお!!!」 「なにいってるの!うそつかないでね!はやくれいむにもわけてね!」 「うそじゃないよおおお!!!たべれないのおぉぉ!!と゛う゛し゛て゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「ゴム製だしね。当然ゆっくりはこの餌は食べられないよ。 そして『と゛う゛し゛て゛え゛え゛え゛え゛!!!』とか言いながら泣き出すのを見て楽しむのさ。」 「うーん。わからんなぁ。ただ五月蝿いだけなんじゃないの?それって。」 「君にはまだ早いかもね。いずれ解る日が来るよ。」 「(いや、一生わからんと思うが・・・)」 おにいさんはゆっくりが入った箱を本棚の上にしまう。 「まっでっでねえ゛え゛ぇぇ!!!いまだすげるがらあ゛あ゛あ゛!!!」 「な゛に゛し゛て゛る゛の゛お゛ぉぉ!は゛や゛く゛あ゛か゛ち゛ゃん゛を゛お゛ろ゛し゛て゛ね゛ぇぇ!」 母れいむは届くはずのない箱に向かって懸命に飛び続ける。 一方おにいさんは残りの疑似餌を床に無造作に置いてあったトラバサミの上に置く。 「こんな風にもつかえるんだ。」 「なるほど。餌につられたゆっくりがこれを踏むとこれに捕まるわけか。」 「ゆ!みんな!おいしそうなぶどうがあるよ!」 「まって!これはれいむがたべるよ!れいむはむこうのぶどうをたべてね!」 「おいしそ~!いただきま~す!」 「「「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!!!!!」」」 一斉に子れいむを捕まえるトラバサミ。挟まれ絶叫する子れいむ。驚くおにいさん達。 「な、なんだぁ!急にトラバサミが!」 「おいおい、大丈夫なのかこれ?なんもしてないのにいきなり挟んだぞ。」 「ゆ゛き゛ゃあ゛あ゛あ゛!!!い゛た゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛!!!」 「お゛か゛あ゛ち゛ゃあ゛あ゛あ゛ん゛!!!た゛す゛け゛て゛え゛え゛ぇぇぇぇ!!!」 「ゆ゛っく゛り゛て゛き゛な゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛!!!!!」 「おっかしいなあ~。今までこんな事無かったのに・・・」 「不良品なんじゃねーのコレ?」 「えー。お値段以上印のにとり製だぜ。しかも結構高かったのに・・・」 「しかしこんなんじゃ危なくって持って行けないな。」 「うーーーーーん。」 しばしの間考え込む二人。その間にトラバサミに挟まれた子れいむ達はすべて息絶えた。 わずかな間にすべての子を失った絶望により、母れいむはただ虚空を見つめ もの言わぬ人形の様になってしまった。本棚の上で泣き叫ぶ我が子の事も忘れて。 「やっぱり道具なんかに頼っちゃだめだって事なんじゃないか? ゆっくりごとき痛めつけるのに両手両足があれば充分だろ。 それにお前いつか言ってたじゃないか。『僕はなんとかの虐待技を使える』って。」 「ああ。48の虐待技の事?」 「そう。それ。ちょっと見せてよ。あれを使ってさ。」 男が指さす先には呆然とする母れいむの姿が。奇跡が起こったのか。 おにいさんは見えないはずの母れいむに向かって歩き出す。 「え?これ?これはちょっとなぁ・・・高かったんだよこれ・・・」 奇跡・・・では無かった。男が指さしていたのは母れいむのすぐ後ろ。 ゆっくりの皮に綿を詰めたゆっくりクッションだった。 「じゃあ、まぁふりだけでもさ。」 「う、うん。そうかい・・・じゃあふりだけね・・・」 その時本当の奇跡が起こる。ゆっくりを捕まえるふりをしたおにいさんの腕に母れいむが。 「ゆ?なんなの?はやくゆっくりおろしてね!」 突然人間に捕まえられ我に返る母れいむ。だがおにいさんの二の腕からは逃れられない。 「こうやってゆっくりを捕まえてさ。」 「それから?」 「ゆううぅぅぅぅ!!ぐるじいよ!はやくはなじでね!!!」 「ゆっくりぃぃぃぃ!愛してるよぉぉぉ!!ふんぬらばっっっ!!!」 「ゆ゛き゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 「なにそれ?ただ絞め殺しただけじゃね?」 「う・・・ま、まぁ素人にはそう見えるかもね・・・」 「(こいつ、今適当に考えてやったな・・・)」 (さらに数日後 里の集会所) 「先生、実は今日お越しいただいたのは畑を荒らす謎の生物の事なんです。 先生のおかげでゆっくりは消えましたが畑の被害はまったく減らない。 しかもこいつがかなり頭の良い奴で。罠を仕掛けてもまったくかからんのです。」 「先生、またお力をお貸し願えないでしょうか。もちろん今回もお礼は致します。」 里の人間達から見つめられた先生と呼ばれる人物は「うっ・・・」と一言呟くと、 後ろにいた兎耳を付けた弟子となにやらボソボソと相談し始めた。 「ど、どうしよう。うどんげ。」 「どうしようじゃありませんよ師匠。だから私は反対だったんです。」 「だって・・・里の人達が困ってる様だったし。お礼くれるって言うし。家の家計は火の車だし。」 「だからって!私の力で知覚不能にするだけなんて、根本的解決になってません!」 「あ、あの、先生?」 「あ、ああ、ご心配なく。未知の生物は私が必ず退治して見せましょう。 そのかわりお代は前回と同じという事で・・・」 「おお!やって下さいますか!ありがとうございます!」 「さすが八意先生だ頼りになるなぁ。」 「師匠!!!!!!」 「しょ、しょうがないでしょうどんげ。こうなったら殺るしかないわよ。」 「まさか・・・」 「では皆さん。私が明日、皆さんを困らせている生物を退治してきます。 皆さんは明日一日家から出ないように。」 「おお!ありがとうございます!」 「・・・・・。どうなっても知りませんよ。」 (翌日 日差しの穏やかな午後) ゆっくりプレイス。そこはとても広い草原だった。 そこに集まったおよそ100匹のゆっくり達は思い思いにゆっくりしていた。 草を食む者、バッタを追いかけ遊ぶ者、あるいは日向ぼっこを目一杯楽しむ者。 そして気づかれないようにゆっくりと進む影が二つ。 背には竹籠。手には鉤付きの棒を持った蓬莱の薬師と弟子の兎が・・・ end このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2210.html
妖怪の山の秋も深まる頃。 あの……何とかいうオリキャラ達によって季節の恵みがもたらされ、 美しく彩られた木々の茂りは、山肌を赤や黄色の暖色に染め上げていた。 その中をゆっくりと跳ねていく、なぜか山に棲みついているゆっくり一家。 「ゆゆ~ん! おやまさんがすごくゆっくりしてるよ!!」 舞い落ちる紅葉を眺めて感嘆の唸りを上げるのは、大きな親まりさ。 その横で親れいむは、周囲の落ち葉を拾っては口に収めていく。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」 涙を流して天を仰ぐれいむ。 人間や妖怪にとっては見て楽しむものである紅葉も、ゆっくりにとっては美味しいごはんらしい。 ぴょこぴょことついて来た沢山の小さな子ゆっくり達も、紅葉の先端をかじったり、 二匹で引っ張り合って千切ったりして食べている。 「ちあわちぇ~!」 「おかーしゃん、このはっぱしゃんとってもゆっくちしてゆね!」 「ゆっくちきれいだよ!!」 「ゆ!これはね、もみじさんっていうんだよ! とってもゆっくりできるはっぱだよ!!」 「もみじしゃん? れいみゅたちみたいにかわいいおにゃまえだね!」 「もみじしゃん、まりしゃたちをゆっくちさしぇてくれてありがちょう!!」 ちなみにこの山に同名の某妖怪がいるが、もしも彼女が任務中であり、その機嫌が良くなかったなら、 なんかムカつく一家の存在を嗅ぎ付けて直ちに殲滅していた可能性は否めない。今はこの幸運に感謝すべきだろう。 ともあれ、紅葉がとっても気に入った子ゆっくり達は、辺りを埋め尽くす落ち葉の海に飛び込んで、 思うさま食んだり、包まって遊んだりし、存分に紅葉狩りを楽しんでいた。 「ゆゆっ! このあかいろ、れいみゅのおりぼんみたいできれいだね♪」 「とっちぇもゆっくちできゆよ! いっぱいあちゅめようね!」 「まりしゃのもみじしゃんがいちばんきれいだよ!!」 特に、赤色の強く出ている紅葉が気に入ったようだ。子ゆっくり達は競うように、より赤い紅葉を探して辺りを駆け回る。 秋の景観の中で楽しそうに遊ぶ子供達を、親まりさと親れいむは満足げに見つめている。 「ゆゆ~ん、とってもゆっくりしてるね・・・」 「もうすぐふゆだから、いまのうちにおそとでたくさんゆっくりしようね!」 「ゆ! そうだね、ふゆごもりのごはんをいっぱいあつめようね!」 「こどもたちにまけないようにしないとね!」 そして両親もまた、周囲の落ち葉を集めては頬に貯め始めた。 今日は冬篭りのための食糧を確保しに、文字通りの「紅葉狩り」へとやって来ていた。 木の実やキノコなど、他の食べ物は一通り集めて巣に貯蔵済みである。 余裕の出来た両親は、冬篭りの準備の仕上げとして、観賞を兼ねて紅葉を集めることにしたのだ。 子供達の小さな遊び場に干渉しないよう、なるべく離れた所から紅葉を拾っていくまりさとれいむ。 日が暮れる頃には、一家が遊んでいた一帯は土色の山肌が露出し、まりさとれいむの頬はパンパンに膨れていた。 「おちびちゃんたち! そろそろさむくなってくるからゆっくりかえるよ!」 「あつめたもみじさんはもてるだけもってかえってね!」 「「「「「ゆっくちわかっちゃよ!!」」」」」 子ゆっくり達は特に赤味の強い数十枚を厳選し、れいむ種は小さな頬の中にぎゅうと収め、 まりさ種はそれに加えて帽子の中に仕舞いこんだ。帽子からはみ出した紅葉が素敵だと親に褒められ、頬をも紅葉のように染めて喜んだ。 一家が巣へと帰り着く頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。 この一家の巣は、倒れた木の幹である。枯れ果てた幹は大きな空洞となり、住むにはちょうど良かった。 周囲は深い雑草に覆われ、天敵にも見つかり辛く冬もなかなか暖かい。自慢のおうちであった。 「「「「「ゆっくちただいましちゃよ!!」」」」」 「ゆっ! それじゃあおちびちゃんたち、あつめたもみじさんをだしてね!」 「「「「「ゆっくちわかっちゃよ!」」」」」 貯め込んだ紅葉を次々に吐き出していく一家。親れいむと親まりさの吐き出したそれは、小山を形成するほどの量だった。 その脇に、一際色彩の強い子ゆっくり達の集めた紅葉が小さく盛られている。 子ゆっくり達は、それぞれ自分が取った中で一番赤い葉っぱを見せ合って、互いに自慢していた。 「ゆゆ! いままであつめたぶんとあわせて、ごはんはこれでじゅうぶんだね!」 「みんなおつかれさま! これでゆっくりふゆがこせるよ!」 「「「「「ゆゆゆ? ごはん??」」」」」 一斉に頭に疑問符を浮かべる子ゆっくり。 朝おうちを出発した時点では、親達から「ゆっくりできるたべものをあつめにいく」と説明を受けてはいた。 しかし子ゆっくり達が紅葉を集めていたのは、コレクション的な意味合いが強かったのだ。 たからものにしようと思っていた真っ赤な紅葉をごはんだと言われ、子供達は悲しくなって来てしまった。 「ゆ・・・まりしゃのもみじしゃんをたべないでね!!」 「れいみゅもみじしゃんたべちゃくないよ!! ゆえぇぇ~~~ん!!」 「ゆっくちしたたからもにょだとおもっちぇたのいぃぃぃぃ!!」 「ゆゆ!? どうしてそんなこというの!! ごはんたべないとゆっくりできないでしょおおぉぉぉぉ!!」 せっかくのおいしいごはんを泣いて食べたくないと言う子供達に、親れいむは困惑する。 この秋に産まれた子供達は冬篭りが初めてなので、冬に飢える恐ろしさを理解していないのだ。 親まりさも同様に一瞬戸惑ったものの、すぐに子供達の気持ちを理解してやる。 まりさはれいむに比べて子供っぽい所が多く残っていたので、共感出来る部分があったのだ。 「ゆっくりわかったよ! みんながあつめたもみじさんはたべなくてもいいよ!!」 「「「「「ゆゆっ! ほんちょう?」」」」」 「でもおかあさんたちがあつめたぶんはしっかりたべてね! おなかがすくとゆっくりできないよ! みんながごはんをたべすぎずにゆっくりしていれば、みんなのもみじさんはたべなくてもすむよ!!」 「ゆっくちりかいしちゃよ!」 「ありがちょう! おかーしゃんだいしゅき!」 「すーり、すーり♪」 紅葉を食べないことを許してくれた優しい親まりさに群がり、すりすりを始める子ゆっくり達。 子供達に囲まれてとてもゆっくりした親まりさの顔を、親れいむが少し寂しそうな笑顔で眺めていた。 れいむの表情を察したまりさは、慌ててれいむに駆け寄りすりすりをしてあげる。 子供達もそれに追従し、一家揃ってのすりすり大会が始まる。れいむもとてもゆっくりすることが出来た。 それからしばらく親同士が巣の奥でゆっくりしている間に、子供達はたからものの管理に取り掛かった。 山状に積まれた紅葉を、これはれいむの、これはまりさのとそれぞれ選り分けていく子ゆっくり達。 一箇所に集約されていた色彩が次第に床に広がっていき、まるで真っ赤な絨毯を敷いたかのようだ。 「ゆゆ~! とっちぇもきれいだよ!」 「もっちょいっぱいひりょげようよ!」 「とってもゆっくちちたおうちになゆにぇ!!」 子ゆっくり達は手分けをして、おうち中に紅葉の絨毯を敷き広げていった。 跳ねた時に起きる風で飛ばされないよう、一枚一枚しっかりと床に押さえつけていく。 自分達の集めた紅葉が足りなくなると、両親の集めた分の山から特に赤くて綺麗な物を引っ張り出してくる。 やがて床に敷き終えると、次は壁に取り掛かる。大きな子れいむが小さな子まりさの踏み台となり、 壁の高いところまで紅葉をぎゅっぎゅっと押し付ける。湾曲した壁面に美しい壁紙を張り終え、子ゆっくり達は深い満足に浸っていた。 「ゆゆ~、ゆっくちがんばっちゃよ!」 「すごくゆっきゅりしたおうちになっちゃね! これでふゆもゆっきゅりしゅごせゆよ!!」 「ゆゆ! なんじゃかこのゆかしゃん、ぽかぽかしてあっちゃかいね!」 「ゆ!? ほんちょうだ!」 晩秋の冷たい空気に満ちた巣の中で、子ゆっくり達は不意に暖かさを感じた。 色は体感温度に影響を与える。青などの寒色は涼しげに感じ、赤などの暖色は暖かに感じるのだ。 思い込みの強いゆっくり達にはその効果が特に強く働き、赤い絨毯は暖房に近い役割を果たしていた。 すごい発見をしたと、子ゆっくり達はぴょこぴょこはしゃぎまわっている。 床と壁を埋め尽くしたとなると、次に気になるのは天井だ。しかし子供達だけでは天井まで口を届かせるのは難しい。 「ゆっくちおかーしゃんたちをよびにいきょうね!」 「ゆゆっ! しょうだね! れいみゅたちのすてきなおうちをみしぇて、おかーしゃんをびっくりさしぇりゅよ!」 「きっとよりょこんでくれゆよ!」 何匹かの子ゆっくりが、ぴょこぴょこと笑顔で巣の奥に跳ねていく。 「はやくはやく!」と興奮した子供達に連れられ、なんだなんだと親れいむと親まりさが出て来る。 そして真っ赤に染められた部屋を見て、「ゆゆ~!」と揃って驚愕の声を上げた。 「みちぇみちぇ! れいみゅたちがゆっくちがんばってもみじしゃんをはっちゅけたの!」 「すごいよおちびちゃん! とってもきれいだよ!!」 「あにょねあにょね!もみじしゃんのうえにいりゅと、ぽかぽかすりゅんだよ!!」 「ゆ・・・? ほんとうだね! ぽかぽかあったかいよ!!」 「これでゆっくりふゆがこせるよ!! かしこいこどもたちをもったれいむはしあわせだよ!!」 最初に見た時は食べ物を粗末にして……と思ったれいむだが、この暖かさの代償ならば安いものだ。 子供達の素晴らしい発明に、感動の涙を流す親れいむと親まりさ。突然泣き出してしまった両親に、 「ゆっくちしちぇね?ゆっくちしちぇね?」と慌てて声をかける無垢な子供達に、親達は笑みをこぼす。 「しょれでね、てんじょうしゃんにももみじしゃんをくっちゅけたいの!」 「まりしゃたちをおかーしゃんたちのうえにゆっくちのしぇてね!」 「ゆゆ! そうだね!」 親達から見ても、絨毯と壁紙の色の映えに対し、天井の地味さは気にかかるところだった。 しかも天井には、雨漏りする穴が空いていた。あの穴はいつか塞ぎたいと思っていたところだったのだ。 子供達はお母さんの上に飛び乗り、更にその上でも肩車(?)を形成し、天井にも次々と紅葉を貼り付けていった。 そして一面が紅葉に埋め尽くされた、とてもゆっくりとした空間が完成した。 「ゆっくりかんせいしたね!!」 「ゆっくちできちゃよ!」 「ゆゆ~ん! こりぇでしゃむいひもゆっくちできゆよ!」 「あちたはおうちでゆっくちしようね!」 飛び跳ねて喜ぶゆっくり一家。しかしやがて、子ゆっくりを眠気が襲う。 夜更かしして今までしたことのないような重労働をやってのけたのだ。疲労が溜まっていたのだろう。 疲れた子ゆっくり達は次々に跳ねることをやめ、その場で眠りについていく。 そんな子供達の頑張りを祝すように、親達もそれに寄り添って目を閉じた。 翌朝。ゆっくりの目覚めは遅い。 おうちの入口から差し込む秋の日差しに、子まりさが一番に目を覚ます。 「ゆっくいしていっちぇね!!」 元気にピョーンと飛び跳ね、大きな声で朝のあいさつ。 そんな子まりさの目に飛び込んで来たのは、いつもと様子の違うおうちの内装だった。 「ゆ? ゆ?」 少し戸惑った後、夕べの突貫工事を思い出す。そうだ、まりさたちみんなでおうちをゆっくりさせたんだ。 しかし、昨晩の薄暗い中で味わったようなワクワクした感じは無い。 そう、薄暗い月明かりの中だったから色がはっきりと見えず、この異常な事態に気付かなかっただけなのだ。 朝の陽光が照り返るおうちの中を満たすのは、最早単なる「色」と化した紅葉の、毒々しいほどの赤、赤、赤。 「ゆ、ゆ・・・どうちたの・・・にゃんかへんだよ・・・」 ゆっくりの目には、人間と同じ「赤」「緑」「青」の三種の色覚がある。三原色のうち緑か青が目に入ってきた時、 それらの色は三種の色覚全てを刺激し、一つの刺激を受けすぎないようバランスを取っている。 しかし赤は別だ。赤は「赤」の色覚しか刺激せず、その偏りは脳に緊張や興奮を生み出す。 つまるところ赤とは、最もゆっくり出来ない色なのだ。 ヨーロッパの拷問方法で、人間を赤い色で埋め尽くされた部屋に閉じ込め、精神錯乱に陥らせるというものがあった。 この子まりさは、自らにその拷問を行ってしまったのだ。 「ゆ・・・・ゆえぇぇぇぇぇん!! おうちがゆっくちできにゃいよおぉぉぉぉぉ!!」 赤色から受ける恐怖に、子まりさはとうとう泣き出してしまう。 泣き声を受け、慌てて飛び起きる親まりさと親れいむ。他の子ゆっくり達も寝ぼけまなこをぱちぱちし始める。 「まりさ! いったいどうしたの!!」 「おかーしゃあぁぁぁぁん!! おうちがまっかにゃのぉぉぉぉぉ!!」 「おちついてね!それはきのうみんなでもみじさんをはりつけたからだよ!」 「ゆ、でも・・・でもまりしゃまっかっかはいやにゃにょおぉぉぉぉぉ!!」 もう紅葉など見たくないと言わんばかりにぎゅっと閉じられた子まりさの両目から、大粒の涙がぽろぽろと漏れてくる。 この子まりさは、昨晩の作業でも最も張り切っていた一匹だ。突然の心変わりに親達はおろおろとするしかない。 しかしやがておうちの中を見回す内、そこがもうゆっくり出来ない場所になっていることを知った。 「ゆゆゆゆゆゆゆゆ!?」 「なにごれ゛!! なんだかぜんぜんゆっぐりでぎないよ!!」 「めがいだいよ!! あんこがぎもぢわるぐなっできだよ!!」 「ゆびゃあぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 苛烈に目に突き刺さる色彩の暴力に、親まりさと親れいむは紅葉がゆっくり出来ない葉っぱであることを即座に認識する。 親達の狼狽に、まだうとうととしていた他の子ゆっくり達も次第に事態を認識し始める。 「ゆぅぅぅぅぅ! なんじぇこんにゃこちょになっちぇるの!!」 「ゆっくちしにゃいでもみじしゃんをはがしょうね!」 「やめちぇね! れいみゅたちががんばってちゅくったおうちだよ!! こわしゃないでね!!」 「じゃあどうじゅればいいにょぉぉぉぉぉぉぉ!?」 「紅葉を剥がせば良い」という、両親すらも今のパニック下では考えられなかった解を冷静に導いた子まりさの意見も、 せっかく貼った物を剥がすのは勿体ないという子れいむの下らない意地によって打ち砕かれる。 「ゆゆ? れいみゅのおりぼんがにゃいよ!?」 一匹の子まりさが、近くにいた子れいむを見て叫ぶ。 「ゆ? にゃにいってゆにょ? れいみゅはちゃんとおりぼんしてゆよ!」 「うしょちゅかないでね!! おりぼんちてないれいみゅはゆっくちできにゃいよ!!」 「ゆ、ほんちょうだ! ゆっくちできないれいみゅはやっちゅけりゅよ!!」 次第に周囲の何匹かの子まりさ達も子れいむににじり寄っていき、ぽいんぽいんと体当たりを始めた。 赤ちゃんの攻撃でも、同じ赤ちゃん同士ならかなりの衝撃だ。何故襲われるのか理解出来ないまま、子れいむは痛めつけられていく。 それは単に、背景の赤に溶け込んで子れいむのリボンが極めて見えにくくなっていたというだけのことなのだが。 しかし鮮やかな赤色に囲まれて興奮状態にあった子まりさ達は、注意して見ることもせずすぐに攻撃行動へと移ったのだ。 それに子れいむへの攻撃に集中している間は、赤い部屋の恐怖に怯えなくて済む気がしたのだ。 「やめちぇね! ゆっくちやめちぇね!」 「ゆ! まっちぇね! ゆっくちできにゃいゆっくちはちゅぶしゃないといけにゃいんだよ!!」 「やめちぇねぇぇぇ!! れいみゅちゅぶれたくにゃいよぉぉぉぉ!!」 「まっちぇね! にげにゃいでね!」 パニくっていた親も、ようやく子供達の間で起きていた異変に気付く。 いじめられていた子れいむは、餡子を吐きながらも必死におうちの外へと跳ねていく。それを興奮状態で追いかける子まりさ達。 一歩巣の外に出てしまえば、そこはまだ青々とした雑草の生い茂る草原だ。 しっかりリボンをつけた子れいむを見て、子まりさ達はハッと我に返る。 「ゆゆ? れいみゅどうちたの? けがしてりゅよ!」 「どこかでこりょんじゃったにょ?」 「ゆっくちあんこはいたらだめだよ! ゆっくちできにゃくなゆよ!」 「ぺろぺろしちぇあげゆね! ゆっくちうごかにゃいでね!」 「ゆぅ~・・・ゆぅ~・・・」 今まで自分達がいじめていたのは、リボンの無い、ゆっくり出来ないれいむだ。 目の前のれいむはリボンが付いている。だから今まで起きていたこととは関係ない。 子まりさ達の餡子はそう結論付け、突然現れた手負いの姉妹を全力で気遣い始めた。 しかし、そんな事情は子れいむには全く解らない。コロコロと変わる子まりさの態度に、子れいむは恐怖を覚えて震えていた。 そして一連の様子を後ろから見ていた親まりさにも、子まりさの暴力には正当性が認められなかった。 赤い部屋の効果で興奮状態にあった親まりさは、ぴょんぴょんと跳ねて姉妹をいじめる悪い子供をお仕置きしに向かった。 「ゆっ!」 「ゆぴゃっ! おかーしゃんにゃにしゅるの!!」 「まりしゃをふまにゃいでね! ゆっくちどいちぇね!」 「うるさいよ! おまえたちがいじめたせいでれいむがけがしちゃったんだよ!」 「にゃにいっちぇるの! まりしゃたちはれいみゅをいじめてにゃいよ!」 「しょうだよ! おりぼんのないゆっくちをこりゃしめようとしてただけだよ!」 「なにいっでるの!! おりぼんのないゆっぐりなんでごごにはいないでじょ!!」 「ゆっ、でみょしゃっきはたしかに・・・」 「いいわげじないでねぇぇぇぇぇ!! いもうとをいじめるこどもはゆっぐりつぶれでね!!」 「いやぢゃよぉぉぉぉぉぉ!! まりしゃちゅぶれたくにゃいいぃぃぃぃ!!」 「おかーしゃんどうちちゃったにょおぉぉぉぉ!?」 容赦なく子まりさ達を押し潰しにかかる親まりさに、子れいむの恐怖は増すばかり。 見兼ねた親れいむが親まりさの髪の毛を引っ張って押し留め、子まりさ達は何とか一命を取り留めることが出来た。 子れいむはほっと一息。しかし押し潰されていた子まりさ達は多量の餡子を口からひり出し、既に虫の息だった。 「なんであがぢゃんをづぶしぢゃうの!!」 「ゆっ、だっであのこどもたちはいもうとをいじめでだがら・・・」 「だがらっでづぶすごどないでじょ!! みんながわいいあがぢゃんなんだよ!!」 「げすなごどもにはおじおぎがひつようでじょぉぉぉぉぉ!? なんでぞんなごどもわがらないのおぉぉぉぉ!?」 いつもはとっても仲良しな両親までもが喧嘩を始めてしまい、巣の中に残っていた子ゆっくり達は大泣きしている。 しかし段々と巣の中も居辛くなってくる。目が刺激を受け続けるということもあるが、暖かすぎるのだ。 冬の気配を感じさせた昨日に比べて、今日は若干気温が高くなっている。 暖色に包まれた家の中では、体感温度が余りにも高すぎるのだ。子ゆっくり達の小さな体は、涙と汗でべちょべちょに溶け出している。 「ゆぐっ! にゃんだかべちょべちょすゆよ!!」 「じぇんじぇんゆっくちできにゃいよ!! れいみゅもおしょとでりゅ!!」 「まりしゃも!! ゆっくちとけちゃくにゃいよ!!」 結局、一家総出でゆっくり出来ないおうちから避難する形になった。 みんな疲れた表情で草むらの中を這っていき、あの拷問部屋から一歩でも離れようと必死だ。 傷付いた子まりさ達はもう自力で這うことが出来ないので、親れいむの頭に乗せられている。 汗にまみれた子ゆっくり達は、体中を土で汚しながら進んでいった。 「ゆぅ・・・・おかーしゃん、まりしゃおにゃかしゅいたよ・・・」 「れいみゅもごはんたべちゃいよ・・・」 「おかーしゃん、ゆっくちごはんちょうだいね!!」 「ゆっ・・・・じゃあたべにいこうね」 近くの餌場を回るゆっくり一家。しかし冬の備蓄の為に、ほとんどの食べ物は取り尽くされてしまっている。 僅かばかりに残された食べ物をちまちまと食べても、一家が満腹になるには程遠かった。 これから春まで過ごすのに充分な食糧が、巣の中にたんまりと貯蔵されているのだ。両親はもう狩りなどする気は無かった。 シーズンの終わりに向けて散り続ける紅葉だけがたっぷりと山道を覆っていたが、一家はそれを見たくもなかった。 もうお昼も近いのに、みんなお腹の中にろくに物を入れていない。 辺りの枯れかけた雑草をはむはむと噛みながら、子ゆっくり達は目に涙を浮かべている。 「むーちゃ、むーちゃ・・・こんなくささんをむちゃむちゃちてもゆっくちできにゃい・・・」 「おいちいごはんがたべちゃいよ・・・ちあわしぇーしちゃいよ・・・ゆっ・・・ゆっ・・・」 いつもはお母さんがキノコや果物をくれて、とてもゆっくり出来るのに。 ゆっくりさせてくれるはずだった紅葉さんに追い出されて、ごはんすらも食べられない。 餡子を吐き出しそうなストレスが涙となり、子ゆっくり達の目から零れ出した。 「ゆぅ・・・まりさ、やっぱりおうちにかえらなきゃだめだよ」 「あのおうちはもうゆっくりできないよ! まりさかえりたくないよ! あたらしいおうちをみつけようね!!」 「おうちにかえらないとおなかがへってゆっくりできなくなっちゃうよ! ごはんはぜんぶいまのおうちにあるんだよ! あたらしいおうちをみつけてもごはんはないんだよ!!」 「ゆ、ゆぅぅぅぅ・・・」 そうなのだ。 こうなれば四の五の言っている場合ではない。頑張った子供達には可哀想だが、紅葉を剥がす他無いのだ。 両親は空腹に泣きじゃくっている子供達に毅然と向き直った。 「みんな、ゆっくりおうちにかえろうね」 「「「「「ゆゆ!? やだよぉぉぉぉぉ!! かえりちゃくないぃぃぃぃ!!」」」」」 「ゆっくりきいてね! おめめをつぶってかえればゆっくりできるよ! まっかなおへやをみなくてすむんだよ!」 「みんなもこのままゆっくりできないのはいやだよね! もみじさんをゆっくりはがそうね!!」 「「「「「ゆゆゆ・・・ゆっくちりかいちたよ・・・・」」」」」」 子供達も考え直し、覚悟を決める。一番大事なのはゆっくりすることだ。 いくら綺麗な宝物とはいえ、そのためにゆっくり出来なくなってしまっては元も子も無いのだ。 ゆっくりさせてくれない紅葉さんは、早くどこかに捨ててしまおう。 そんな事を思いながら、再び真っ赤なおうちへと引き返していくゆっくり一家。 おうちに近付くに従い、子ゆっくり達は次々と固くまぶたを閉じていく。 「ゆっ・・・れいむ、そろそろついた?」 「ゆぅ、ゆっくりみてみるよ・・・」 全員が目を閉じていたのでは、おうちに入れたのかどうかすら解らない。 この中では比較的平静を保てていた親れいむが、おうちまでの距離と方向を確認するために薄目を開ける。 おうちである空洞の木は目の前に横たわっている。内側からわずかに覗く毒々しい赤色が、れいむの餡子を刺激する。 「あとすこしまえにすすめばおうちにはいるよ・・・ゆっ?」 と、そのうっすらとした視界の中に何か飛び込んで来るものがあった。 それは沢山のゆっくりありす達。れいむ達の一家の近くに住んでいるありすの一家だった。 親ありすが一匹に、十匹近い子ありすを連れている。親ありすはとても理知的で、山に関する色んな事を教えてくれた。 その教育が行き届いた子ありすも、親に似て賢くて優しく、子まりさや子れいむにはとても良い遊び友達になっていた。 頼りになるありすたちが来てくれて、荒んでいた親れいむの心はすっきりと癒される思いだった。 「ありすたち? ゆっくりしていってね・・・」 「はろはろ~ん! ゆっくりしていってね!! ふゆごもりのあいさつにきたわよ!!」 「まりしゃたちともちばらくあそべなくにゃりゅわね!!」 「ふゆしゃんがいなくなゆまでゆっくちちていってね!」 「「「「ゆゆっ、ありしゅたちがいりゅの!?」」」」 「「「「「ゆっくちちていっちぇね!!」」」」」」 大好きなありす達の声に元気付けられ、一斉に目を開いて飛び跳ねるまりさとれいむの一家。 赤いお部屋が少しぐらいゆっくり出来なくても今は気にならない。みんな巣の前で思い思いにすりすりを始める。 そうだ、と思いつく親まりさ。頭の良いありすなら、おうちがゆっくり出来ない理由を知ってるかもしれない。 ありすに頼ることで、少しでも自分達のパニックを収めたかった。 「ゆ! あのねありす、おうちのなかがね・・・」 「ゆゆっ! なんだかすてきなないそうになってるわね!!」 親まりさに言われるより早く、巣の中の異変に気付く親ありす。 しかしそこには、まりさ一家が味わうような恐怖や混乱の感情はない。 親ありすの声を聞いた子ありす達も、ぞろぞろと巣の中に入っていく。子まりさや子れいむはそれを心配そうに見ている。 「ゆゆ~! にゃかにゃかとかいはね!!」 「とっちぇもゆっくちちたいいおうちよ!」 「すてきなこーでぃにぇいとね!! こんどありしゅたちもまねちたいわ!!」 「これってまりさたちがやったんでしょ? すごいわ!!」 「ゆ、ゆぅ~~ん・・・」 いつも驚かされてばかりだったあのありすを驚かせ、更にすごいと褒められた。 素直に喜ぶべきなのか、まりさ一家は複雑な表情を浮かべていた。 それにしても、ありす達は真っ赤なおうちに居ても何だか平気みたいだ。やっぱりありすは特別なんだろうか。 ありす達と一緒なら、このおうちでもゆっくり出来るかも知れない。話によっては、ありす達も一緒に越冬に誘おうか…… 「ゆぅ・・・にゃんだかぽかぽかしゅゆわね!」 「ひーたーをきゃんびしちぇるのにぇ! とっちぇもとかいはだわ!!」 「ゆっゆっ・・・なんだかあちゅくなってきちゃわ・・・」 「ゆゆぅ、しょれにまっかないろをみていたらどきどきしてきちゃわね・・・」 安心して眺めていたまりさ一家だが、段々と様子がおかしくなってくるありす達に不安を覚え始める。 「ゆゆゆ・・・・にゃんだかもやもやしてきちゃよ・・・」 「ま、まりさぁ・・・ありすすっきりしだぐなっでぎだわ・・・」 「ゆっ!? な、なにいってるのありす!?」 おうちの中を見回していたありす達が、巣の外にいる一家の方にゆっくりと振り返る。 その理知的だった顔立ちを醜く歪ませていたのは、真っ赤な色彩のもたらした狂気。 ありす達は全然平気などでは無かった。赤色の与える興奮が、ありす種の秘める巨大な性欲のタガを外したのだ。 まりさ一家は全員ビクリと震え、逃げ出すのに数瞬の遅れを取る。それで全ては決した。 「まままままままりさぁぁぁぁぁぁ!! このからだのほてりをしずめてぇぇぇぇぇ!!」 「ゆぅぅぅぅぅ!? ありずどうじだの゛!! ゆっぐりじでねぇぇぇぇぇ!!」 「まりしゃぁ!! いっしょにしゅっきりちようねぇぇぇぇぇ!!」 「れいみゅでもいいわよ!! とかいはのてくでちゅっきりしゃしぇてあげりゅわぁぁぁぁぁぁ!!」 「ふたりいっぺんでもいいにょよ!! のっかるのがいいにょ!? のっかるのがいいにょ!?」 「ふゆのさむさにゃんて、ふたりのあいのほのおでとかちつくちちゃいまちょうねぇぇぇぇ!!」 「ちゅっきり!! ゆっくちちゅっきりゆっきゅりちゅっきりーーー!!」 「「「「「ゆゆゆゆ!? ありしゅ! やべでねぇぇぇぇぇぇ!!」」」」」 豹変したありす一家は狂気のままに、しかし手際良くまりさ一家を襲っていった。 甘い匂いのする粘液を撒き散らしながら、親まりさに激しく頬をこすりつける親ありす。 空腹と疲労で動けない親まりさは、なすすべなくその柔らかい頬を犯されていく。 親れいむが涙を流しながら親ありすの髪を引っ張り、「やべでね!やべでね!」と叫ぶ。 が、親ありすは左右の頬を別々に揺さぶるという高等テクニックを繰り出し、まりさとれいむは両方同時に強姦されてしまった。 子供達も負けてはいない。餡子を通じて代々受け継がれるものなのか、皆すっきりのやり方を体で理解していた。 子まりさも子れいむも、すっきりなんて知らない。「すっきりー!」というのは水浴びをして綺麗になった時に言うものだ。 しかし今、親友である子ありすからされている「すっきり」は、見た事もない体液を塗りたくられる全くすっきり出来ないものだ。 「やべでね! ゆっぐぢやべでねぇ! いちゅものありしゅにもどっちぇよぉぉぉぉぉ!!」 「んほおおぉぉぉぉぉぉ!! しょんなぷれいもありにゃのね!! まりしゃしゅてきぃぃぃぃ!!」 きめ細やかでしっとりとしていて、一緒にすりすりすると凄く気持ちよかった子ありすのほっぺた。 それが今は粘液に覆われ、「きもちいい、ぎもぢいい」と言って擦り付けられても子まりさは気持ち悪いだけだ。 みんなより一回り大きな姉ありすは、子まりさ二匹に同時に圧し掛かり、小さくかわいらしい帽子を押し潰しながら身体を揺すっている。 振動さえ伝われば絶頂に至るゆっくりの交尾においては、時にこのような無法の体位も罷り通ることとなる。 「「「やだやだ!! こんにゃのやだよおぉぉぉぉぉぉ!! しゅっきりちたくにゃいぃぃぃぃぃ!!」」」 「んほほほぉ!! れいみゅたちのしまいあい、とっちぇもときゃいはだわ!!」 「ありしゅたちにもしょのぎもぢよさをわげでねぇぇぇぇぇ!!」 「こうなっちゃらみんにゃでしましょうね!! しまいどんがっしぇんよぉぉぉぉぉ!!」 子れいむをそれぞれ犯しながら、それらを一箇所に押しやっていく三匹の子ありす。 子れいむの姉妹同士がそれぞれ振動を与え合うことで、三匹分の振動が細かく加えられ、振動も三倍となる。 更にその子れいむ達に接している子ありす達に反響する振動を加算し、最終的に全員に伝わる振動は六倍。 六匹分の快感を全員で共有するという大業を、子ありす達は子供の遊び感覚でやってのけたのだった。 「まりしゃああぁぁぁ!! まりしゃのおきゅちとっちぇもあまあまよ!! いつみゃでもなめりゃれゆわぁぁぁぁ!!」 「んむううううう!! んぶ!! うぶぶぶぶぶ!!」 「うふふふふ!! ありしゅのすてきなふぁーすとちゅっちゅ、まりしゃにあげちゃったわぁぁぁぁ!! ごうふんずるぅぅぅぅぅぅ!!」 正面に向き合い、顔面をぶつけ合いながら振動を加えるタイプのすっきりを選択した子ありす。 頬を擦るような繊細な動きは出来ないものの、頑なに閉じられたまりさの唇を舌を使って巧みにこじ開け、 口の中、身体の内部から大胆に振動を加える。子まりさの餡子はぷるぷると前後左右に揺さぶられ、未知の快感を生み出していた。 いつもはごはんを食べる時も上品だった、子ありすの素敵なおくち。子まりさは度々ぼーっと見とれることもあった。 まりさのふぁーすとちゅっちゅは、いつかありすに捧げようと思っていた。その念願が果たされた結果が、今だ。 子まりさの顔をだらだらと涙が伝っていく。それが潤滑油となり、スムーズな子ありすの動きをサポートしていた。 数々の激情が絡み合い、やがて場全体のボルテージが最高潮に達する。 「あああああまりざああぁぁぁぁぁぁ!! ずっぎり!! ずっぎりずるわよぉぉぉぉぉぉ!!! づいでにれいむもねぇぇぇぇぇ!!」 「いやあああぁぁぁぁぁ!! ばりざずっぎりじだぐないのおぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「やべでぇぇぇぇぇぇ!! どぼじでごんなどごずるのおぉぉぉぉぉぉぉ!!?」 「まままままままりしゃあぁぁぁぁ!! こっちもしゅっきりししょうだよぉぉぉ!!」 「んほほほっ、おねえちゃんも!? ありちゅもちゅっきりしゅるよぉぉおおおぉぉ!!」 「こっちもしゅっぎりじぞうよ!! このれいみゅよしゅぎるのおぉぉぉぉぉぉ!!」 「やべぢぇねぇぇぇぇぇぇ!! れいみゅちゅっきりじだぐないよぉぉぉぉぉぉ!!」 「まりしゃのおぼうじべちゃべちゃにじにゃいで!! これじゃゆっぐぢでぎないぃぃぃぃぃぃ!!」 「れいみゅおねーちゃんとごんなごどじだぐないにょにいぃぃぃ!! ゆっぎゅりおざえにゃいでぇぇぇぇぇ!!」 「ありしゅやべでぇぇぇ!! しゅっぎりちたらあぶにゃいの!! あぶにゃいの゛ぉぉぉぉぉぉ!!」 「い~いぃぃぃい? おちびちゃんだぢぃぃぃぃぃぃ!! みんなでながよぐずっぎりじまじょうねえぇぇぇぇぇぇ!!」 「おかーしゃんわかっちゃよぉぉぉぉぉぉぉ!! いぐっ、ありしゅいぐよおぉぉぉぉっ!!」 「しぇ、しぇーのでいぎまじょうね!! しぇ、じぇじぇじぇじぇじぇーのおぉぉぉぉぉぉぉ・・・」 「「「「「「「「「「「すっきりー!!」」」」」」」」」」」 瞬間、訪れる静寂。ありすもれいむもまりさも、みな一様の幸福に満ちた表情で絶頂、すっきりを迎えた。 ここまではゆっくりの本能的な反応である。その後の明暗ははっきり分かれ、犯されたまりさやれいむからは蔓が伸び始める。 ただでさえ小さく、また空腹に苦しんでいた子ゆっくり達は、赤ちゃんに餡子を吸い上げられるとたちまち干からびて死んでしまった。 ポツポツと実っていく、出来損ないの赤ちゃん達。みな意識が形成されると同時に、母体と共に朽ち果てた。 親まりさと親れいむも同様。疲労困憊だった所に親ありすの激しいすっきりである。 にんっしんっに耐えられるだけの体力は最早残ってはいなかった。 「あ・・・ありずぅ・・・・どぼじで・・・・・・・」 「いっじょに・・・ゆっぐじじだがっ・・・・」 すっきりの余韻に浸りうっとりとしていたありす一家が我に返ると、目の前に広がっていたのは地獄と見紛う光景。 黒ずんだまりさ一家と、それらの頭から枯れ落ちた、小さな赤ちゃん付きの何本もの蔓の山であった。 理性が飛んでいる間の事を、ありす達は覚えていられない。理性だけがありすの自我を形成しているのだ。 その自我を成す理性が全て吹き飛んだ間の事を、その餡子の一体どこが記憶していられようか。 「ゆ? ま・・・まりしゃたち!? いっちゃいどうじだの゛ぉぉぉぉぉぉ!!」 「ゆぇぇぇぇぇん!! にゃんでこんにゃことになっちぇるのぉぉぉぉぉ!?」 「もっちょれいみゅとあしょびたかっちゃのにぃぃぃぃ!!」 「ゆぐ・・・ゆぐ・・・まりしゃぁ・・・ありしゅのふぁーすとちゅっちゅあげちゃかった・・・」 「いったいどぼじでごんなごどになったのぉ・・・まりさ・・・れいむぅ・・・」 ありす一家は深い悲しみに沈む。とても仲良しだったゆっくりの一家が、突如として非業の死を遂げたのだ。当然である。 その理由は解らないが、大人である親ありすには死体の様子を見て何となく察することは出来る。 これはゆっくりがにんっしんっに失敗した時の死体。きっと恐ろしい強姦魔に襲われたのだ。ありすは身震いした。 しかしこのような時でも感情に任せて泣いてばかりいないのが、ありす種の強さでもある。 「ゆっ・・・このままなきがらをのざらしにはしておけないわ」 「おかーしゃん、ゆっくちどうしゅるの?」 「つらいけど、たべてあげましょう・・・それがゆっくりのくようになるのよ」 「ゆぅ・・・わかっちゃよ・・・ゆっ、ゆっ・・・ゆえぇぇぇぇ・・・・」 「むーちゃ、むーちゃ・・・ちあわちぇ・・・」 その余りの甘さに、反射的に口を衝いてしまった「ちあわちぇ」。 だが子ありす達にとって、こんなに幸せでない食事は生まれてからしたことがなかった。 ありす達が黙々とまりさ一家の死体を口に収めていく様子は、まさに人間で言う葬式のそれである。 やがて全てを食べ終えたありす一家は、紅葉でコーディネイトされたまりさ一家のおうちへと入っていく。 「このとかいはのおうちも、すむゆっくりがいなくなっちゃったのね・・・」 「にゃんだかしゃびしぃよ・・・」 「しゅごくもっちゃいにゃいね・・・」 「しょうだ、このまましらにゃいだれかにこわしゃれるぐりゃいなら、ありしゅたちがすもうよ!!」 「すごくゆっくちできるおうちだよ!! まりしゃたちのぶんもゆっくちしてあげちゃいよ!!」 「ゆ、そうね・・・みんなでまりさやれいむたちのおもいをとげてあげましょう・・・」 実際、そこはかなりゆっくり出来る場所だった。暖色効果でとても暖かいし、食糧がとにかく沢山ある。 単に弔いという口実だけでなく、元の巣に戻るよりもこちらの方が越冬に有利だ、という現実的で冷酷な判断も働いたのかも知れない。 しかし、近くに正体不明の強姦魔がいるかも知れないというリスクを跳ね除けたのは、やはり友愛の情からだったろうか。 とにかく、この持ち主を失ったおうちにはゆっくりありすの一家が住むことになった。理性を飛ばすトリガーと共にだ。 ところで紅葉というものが赤さを失うにはどの程度かかるのだろうか。 巣の内側を覆い尽くす紅葉は、子ゆっくり達の頑張りによって押し葉に近い状態となり、保存は良好である。 もしも春までその彩りが保たれるのだとすれば。冬を越したゆっくり達が友達の一家に会いに来た時、 そこに待っているのはきっと不幸だ。 終わり このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/745.html
比較的街に近い、さほど高くもない山の中、一人の男が息を潜めて標的のゆっくりに近づいてゆく。 彼の視線の先にいるゆっくりはごく平凡なゆっくりれいむの子どもで、陽気に中てられたのか無防備な寝顔を晒していた。 「ゆぅ~・・・ゆぅ~・・・」 安らかな寝息を立てる子れいむと男の距離は10m程度。 彼はゆったりとした動作で手にした筒を口元に持って行き、思いきり息を吹きかけた。 瞬間、筒の中に収まっていた小さな矢が子れいむめがけて飛んでいき、下あごの辺りに刺さった。 「ゆびゅ!?」 痛みで目を覚ました子れいむだが、ゆっくりの体の構造上自力で深々と刺さった矢を抜くことは出来ない。 それでも、体を捩ったり、近くの石に矢をぶつけたりと試行錯誤するが、やはり徒労に終わってしまう。 それどころか体内で矢の先端が動き、餡子を引っ掻き回したために余計な痛みを味わう羽目になった。 「ゆぐ・・・いぢゃいぃ、いぢゃいよぉ・・・」 しかし、泣き声がゆっくりにしては妙に小さい。 本来なら小さな体を目いっぱい使って信じられない大声で泣きじゃくるはずなのに。 子れいむはすすり泣く、といった表現が相応しい控えめな声で泣いている。 「ゆえーん、ゆえー・・・ゆぎっ」 どうやら、泣くだけでも餡子や矢が動いてしまい激痛が走るらしい。 痛みを耐え切れずぽろぽろと涙を流すその表情が時々苦痛によって歪んでいた。 「ゆっぐ・・・もうやだ、おうちかえる」 しばらく泣きじゃくっていた子れいむはそう叫びながら巣に戻るために飛び跳ねた。 そして、着地した瞬間に衝撃で矢が動き、また苦痛に顔を歪めた。 もちろん、矢は刺さった後に飛び出す特殊な返しのおかげで抜けることなく刺さったまま。 「ゆ゛っ・・・ゆっぐちしたいよー・・・」 結局、子れいむは跳ねて移動することを諦め、ゆっくりと地べたを這いずって巣へと戻っていった。 「おかーしゃあん・・・いぢゃ、いぢゃいよぉ!」 「おちびちゃん!ゆっくりだよ、ゆっくりしてね!?」 「ゆっぎぢできないよぉ!とって!はやくとってー!」 数時間後、幸いにも日が暮れる前に巣に戻った子れいむは母れいむに矢を取ってもらおうとしていた。 しかし、母れいむが矢を少し動かすだけで激痛が走ってしまい、彼女は大泣きしてしまう。 そのせいで子どもに甘い母れいむは娘が痛がるのに無理に引き抜くことが出来ず、右往左往。 「おがーぢゃん!どっぢぇ!はやぎゅどっぢぇー!?」 「ゆぅ・・・おにぇーちゃん!ゆっくち、ゆっくちだよ!」 「ゆっくち!ゆっきゅちちていっちぇね!」 「ゆっくりぢでいっでね、ゆぎぃ!?」 泣きじゃくる子れいむの周りで母れいむと一緒に右往左往しているのは妹のれいむとまりさ。 当然、彼女達に何かが出来るはずもなく、子れいむにつられて泣き出してしまった。 「ゆぅ・・・わがらないよぉ!れいぶ、ゆっぐぢでぎないよおぉぉ!?」 そればかりか、とうとう母れいむまで泣き出してしまった。 慰めるものもおらず、ただひたすら泣きじゃくるれいむ一家。 一家の大黒柱のまりさが帰ってきたとき、彼女達はようやく泣き止んだ。 「ゆゆっ!ゆっくりりかいしたよ!まりさがぬいてあげるね!」 事情を聞いたまりさの動作は素早かった。 すぐさま子れいむに刺さった矢の露出している息を受ける部分を咥えると思いっきり引っ張った。 「ゆぎゅぅぅぅうぅううぅぅう・・・!?」 当然、返しに阻まれて簡単には抜けず、子れいむは尋常でない痛みのせいで悲鳴をあげることすら出来ない。 ただ歯を食いしばりながら大量の涙で水溜りを作るばかり。 しかし、そんな地獄の苦しみも永遠に続くはずがなく、数十秒後には解放された。 「ゆっ!」 「ゆ゛ぐぅ!?」 まりさが引き抜いた矢には返しが4つ、ちょうど十字に見えるように付いている。 それはつまり、それが子れいむの体から引き抜かれたことを意味していた。 「ゆ゛っ・・・!ゆ゛っゆ゛っ・・・!?」 大きな口を両断され、底部をべろんとめくられた子れいむはまるで口が3つあるように見える。 その傷はあまりに大きく、そしてあまりに深かった。成体ならまだしも、子どもにとっては確実に致命傷。 現に傷口から餡子を撒き散らした子れいむは白目を剥いて、割れた口から危険信号といわれる「ゆ゛っ」という嗚咽を漏らしていた。 「ゆゆっ!おちびぢゃん!ゆっぐぢ、ゆっぐぢぃー!」 「おにぇーちゃああん、ゆっきゅちー!ゆっきゅちー!」 「まりさのおぢびぢゃん!ゆっぐぢぢぢゃだべだよおおおお!ゆっぐぢー! 「もっぢょ・・・ゆっくちちたかったよ・・・」 異常に気付いた両親は必死に子れいむを励まして、傷口を舐めたが何の意味もなさず、子れいむは息絶えた。 「れ、れいぶのおぢびぢゃんがああああああああああ!?」 「ゆえええええん!おぢびぢゃあああああああああん!?」 悲嘆に暮れるれいむとまりさ。 しかし、彼女達にはゆっくり絶望する暇すら与えられない。 「ゆき゛ゅ!?」「い゛っ!?」 短く悲鳴を上げたのは姉を失い、母親同様に悲しんでいた赤れいむと赤まりさ。 赤れいむののこめかみと赤まりさの後頭部には先ほど子れいむの命を奪ったあの矢が突き刺さっていた。 ---あとがき--- ありそうであんまりなかった矢ゆっくり。 文字通り矢が刺さったままになっているゆっくりです。 動くと激痛、抜くと死ぬ、放っておくと狩りなんてまず出来ない。 こんな有様の赤ゆっくり2匹を抱えて生きていくこの一家の行く末は・・・ たいちょさんが書いてくれるらしいです( byゆっくりボールマン
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/604.html
※舞台は何故かゆっくりが当然のように存在している外界です。 ※オリ設定満載です。 ※ぬるいじめです。そして割と愛で気味です 数年前に突如現れ、急速に社会に浸透していった(ような気のする)ゆっくりと呼ばれる新たなる生命体。 人間の生首が膨張したような容姿のそいつらは饅頭のクセに生きていたり、どこから来たのは全く不明だったりとあまりに謎が多すぎる。 が、目新しいものや珍しいものを好む人々はその「ゆっくりしていってね!」とか「ゆーっ!」などと珍妙な鳴き声をあげる未知の存在をあっさりと受け入れた。 そして私はそんな不思議に満ちた生物とはこれと言った縁もない普通の女子大生だ。 「やっぱり頑張った自分へのご褒美は塩辛に限るわ。む~しゃむ~しゃ、うめ~」 忌々しい試験期間を無事かどうかはまだ分からないが乗り切った私は、昼間っから大学の敷地内のベンチで塩辛をつまみながら、ビールを飲んでいた。 「んぐんぐんぐ・・・ぷはぁ!ZUNビールうめぇ!めっちゃうめぇ!」 彼氏は居ないし、友達も女同士の友情そっちのけで男とデート。 そんなわけで私は一人寂しくビールをかっくらっていた。何で大学でとか、そんな野暮なことは聞くな! 「ゆっくりしていってね!」 「んあ?」 すると突然何者かが声をかけてきた。 声の主のほうに視線をやるとそこには体高20cm程度の、赤いリボンがトレードマークの餡子生命体“ゆっくりれいむ”がいた。 「なんだ、ゆっくりか」 イケメンだったら良かったのに。まあ、イケメンが昼間からこんなところで酒盛りしてる奴に声をかけてくるわけがないんだけどさ。 「ゆゆっ!おねーさんはゆっくりできるひと?」 「ゆっくりせざる得ない人だよ、悪いか?」 人間の気持ちなんて何一つ理解しちゃいないド饅頭をねめつけつつ、ビールを胃袋に流し込む。 「ゆ!よかったね、おねーさん!れいむがゆっくりできるおねーさんといっしょにいてあげるよ!」 「そうかい、そうかい・・・そいつはどーも」 鬱陶しそうに、なおかつ投げやりに応えるが相手は所詮餡子脳生物ゆっくりだ。邪険にされていることに全く気付いていない。 そして、ぽよんとベンチに飛び乗って私の太ももに頬を摺り寄せると・・・ 「ねえ、おねーさん!それちょうだい!」 厚かましくも私の自分へのご褒美の塩辛を要求してきやがった。 「だめだめ、あんたにやる塩辛はないよ」 しっし、と手を振ってあっちに行けと訴えるが、れいむは全く諦めようとしない。 「ゆううううう!!」 ぷくぅっと頬を膨らませて私を威嚇し始めた。 結構膨らむのな。見た感じ体積が1.5倍くらいにはなっている。 とは言え、そんなものが私に有効なわけが無い。 「おいおい、人にもの要求するときに態度か、それ?」 苦笑しながら膨らんだ頬を突いてみる・・・・・・柔らかい! 「おおぉ・・・!」 あまりに触り心地が良かったので、調子に乗って突っつきまくる。 「ぽーにょぽーにょぽにょ、アホまんじゅう~♪」 「ゆっ!おえーさん、やめ、やっ、や、ゆっくりっ、やめてね!」 そんな感じで遊んでいると、れいむは相変わらず頬を膨らませながらも嫌そうな表情を浮かべて文句を言ってきた。 「やだ」 満面の笑みを浮かべて即答してやった。 と言うか、そんな風に言われたら・・・やるしかない、って気分になるじゃないか! 「うりうりうりうりうり~♪」 「ゆうぅ~!おねーさん、おねがいだよ!ゆっくりやめてね!」 もう頬を膨らますのを止めていたれいむは、目に少し涙を浮かべながら懇願する。 しかし、そのうっとうしくも愛らしい表情が私の中に眠るSっ気に火をつけた。 「や~だ~」 つんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつんつん・・・ 「ゆぅぅぅぅぅっぅぅぅぅぅううううううう~!?」 手を止めるつもりが微塵も無いことを悟ったれいむは少しずつ後ずさって行く。 そして、私の手はそれを追いかけながら執拗に頬を突きまくる。 「ゆううううううううう!?」 ぽろぽろと涙を零しながらも必死に後退し続けたれいむは、勢いあまってベンチから落下してしまった。 「ゆぐっ!?」 「あ・・・お~い、大丈夫か?」 落下したれいむの様子を伺うためにベンチから身を乗り出すと、底の部分を空に向けた逆立ちのような格好でれいむがひっくり返っていた。 「ゆわああああああああああん!おねーさんのばかぁ~・・・!ゆっぐ・・・!・・・ゆっぐ」 あらら、大泣きしちゃったよ。 その姿は流石に可哀そうだったし、私自身調子乗りすぎた節もある。 だから、れいむを抱え上げると膝の上に乗せて、頭に怪我が無いか見てあげた。 「あ~・・・ここ、ちょっとコブになってるなぁ~」 「ゆっ!?おねーさん、いだいよお゛お゛お゛お゛!」 どうやらコブに触れてしまったらしく、れいむはまた大声で泣き始めた。 「あははははは~・・・悪い悪い。さっき欲しがってた塩辛あげるから、それで許してくれないか?」 その言葉を聞いた途端、れいむはとても嬉しそうに微笑む。もしかして、私はゆっくりの嘘泣きに騙されたか? まあ、いいかと心の中で呟きながら、塩辛の蓋を開け、箸でつまんで膝の上のれいむの口へ持っていってやった。 「ゆゆっ!むーしゃむーしゃ、しあわ・・・ゆうううううう!?」 れいむは4,5回咀嚼してから、クワッと目を見開いて、塩辛を吐き出した。汚いなぁ・・・そしてもったいない。 「ゆんゆんっ!おねーさん、こんなしょっぱいのたべられないよ!!」 「ん?そうか、口に合わなかったかぁ~」 「ゆぅ!ほかにないの?!」 よっぽど口に合わなかったのか頬を膨らませて怒りをアピールしながらも舌を出しっぱなしにしている。 器用なやっちゃ。 「他?そうだなぁ・・・」 ガサゴソと近所のスーパーの袋を漁ってみると、何故か売っていたジョロキア、たこわさ、焼きスルメ、カカオ99%のくそ苦いチョコレート、メントスとダイエットコーラなどが出てきた。 あとは500mlのZUNビールが4本ほど入っている程度だ。 「じゃあ、たこわさでも食うかい?」 「ゆぅ?それおいしいの?」 「ああ、美味しいよ」 首をかしげるれいむに微笑みながらたこわさを取り出してさっきと同じように口の中に放り込んだ。 「むーしゃむーしゃ、しあわ・・・ゆぎゅうううううう!!?」 あ、また吐き出した。人の膝の上で吐き出すものだから私の安物のジーンズが汚れてしまっている。 「あんたねぇ・・・食べ物を粗末にしすぎだよ?」 また、さっきと同じように舌を出しているが、今度はこきざみにぷるぷる震えている。 「だ、だっでぇ・・・ごんなのだべでないよ゛っ!」 「えー、美味しいのに・・・」 そう言って私は2口ほどたこわさを食べる。うん、やっぱり美味しい。 「おねーさん!ちょこあったでしょ?れいむちょこがたべたいよ!」 ああ、本当に厚かましくて可愛いなぁ~。だが、あのチョコは私の夜のおやつなんだ。 「えー」 「ね、おねーさん?」 露骨に嫌そうな顔をする私を潤んだ瞳で上目遣いに見つめてくる。 う~ん、別に可愛いとは思わないな。 「よし、じゃあ・・・お姉さんとじゃんけんで勝負して私が100勝するまでに1回でも勝てたらチョコをあげようか?」 「ゆ!じゃんけんってなに?ゆっくりできるもの?」 おおう、嬉しくなるほど予想通りの反応。とりあえず、私はれいむにじゃんけんのルールを教えてあげた。 「それなららくしょーだよ!おねーさんがいっぱいかつまでにれいむがいっかいかればいいんでしょ?」 「ああ、そういうことだ。それじゃ、さっさと始めるよ?」 そう言うとれいむは思いっきり空気を吸い込んだ。 「じゃんけ~ん、ぱー!」 れいむを見ると思いっきり頬を膨らませている。ちなみに、これは手の無いれいむのために私が決めてあげたグーのポーズだ。 「ゆぅ!まけちゃったよ!」 「よし、一勝!でも、まだまだ99勝もしなくちゃならないからなぁ~・・・」 「ゆゆっ!こんどはまけないよ!」 「よし、それじゃ2回目。じゃんけ~ん、グー!」 グーを出し、れいむを見てみると下を向いて両目を閉じている。これはれいむにとってはチョキに相当する。 「やった、2勝目!」 「ゆううう!また負けちゃったよ!」 「まあまあ、まだまだ先は長いんだし。三回目行くよ?じゃんけ~ん、チョキ!」 れいむは背中を向けている。別にじゃんけんに飽きたわけではない。これがパーのポーズなのだ。 「よし、三連勝!でも、先は長いなあ~」 「ゆゆ!またまけちゃった!でも、まだまだがんばるよ!」 そんな感じで、私とれいむは15分ほどひたすらじゃんけんを続けていた。 そしてその間に私が事前の呼吸や、向きの変更を見てれいむの手を把握していることに気付くことは無かった。 「はっはっは!98連勝!」 「ゆううううううううう・・・」 流石にここまで負け続けてはのん気なれいむも涙目にならざる得ない。 「どぼぢでがでないのおおおおおお!もうやだ!おうちかえる!」 「まあまあ、あと2回だけなんだし。頑張ろうや、な?」 ぽろぽろ涙を零しながらもれいむが「う゛んっ!」と勝負に合意するのを確認すると、再び掛け声をかけた。 「じゃんけん、パー!」 一方のれいむは下を向いて目を瞑っている。つまり、チョキだ。 「ゆ?ゆゆっ!れいむかったの!?」 信じられないといった風な表情で私に確認をとるれいむ。その姿に思わず噴き出しそうになるのをこらえながら応えてやる。 「ああ、そうだよ。お前の勝ちだ。だからチョコレートを食べても良いぞ?」 「ゆゆっ!やったね!これでゆっくりできるよ!」 じゃんけんが終わって、再び膝の上に戻ったれいむは歌らしき何かを口ずさみながら、私がチョコレートを差し出すのを待っている。 「ゆっくりできるよ~、ちょこれーと♪とっても~あまいよ、ちょこれーと♪」 ごめん、このチョコは凄く苦いんだよ。 「はいよ。今度は吐き出すなよ?」 「ゆ!そんなことしないよ!むーしゃむーしゃ、しあわ・・・ゆぶふぇええええええ!!」 奇声を上げながら、れいむは今日一番と言っても過言ではないほど盛大にチョコレートを吐き出した。 エレエレエレエレエレエレエレ・・・。 うわぁ、ついでに餡子も吐き出しやがったよ。ジーパンがグチョグチョだわ・・・まあ、いいけど。 「おいおい、あんた吐き出しすぎ・・・」 呆れながら、お仕置きの意味も兼ねてれいむの両頬をつまんで引っ張ってやる。 「ばっへぇ・・・あほほえーほいがかかったんあほん!」 しかし、この饅頭柔らかいっすねぇ!本当に皮が良く伸びる。 そうやって調子に乗って引っ張っていると 「ほへーはん、ゆっふひやべでね!」 「びろ~ん、びろ~ん、びろりろり~ん♪」 ああ・・・このほっぺの柔らかさは反則だわ。すごく気持ち良い。 「ゆゆっ!まりさのれいむになにをするんだぜ!」 「んあ・・・?」 不意にどこからともなく声が聞こえてきた。辺りを見回して声の主を探すと、そこにはゆっくりまりさが私の足に懸命に体当たりしていた。 「まりふぁ!」 「れいむ、もうすこしのしんぼうだぜ!まりさが、すぐにたすけるんだぜ!」 そう叫びながら必死に体当たりをしているが、全く痛くも痒くもない。それどころか、まりさが作用に対する反作用でダメージを受けている。 その様子を見ていると、なんとなく気の毒になってきたので、私はメントスとダイエットコーラを掲げて、まりさも一緒にゆっくりしないかと提案した。 もちろん、れいむの頬を引っ張るのも止めてあげた。すると、あっさり私のことを許してくれた。 「ゆ!まりさもおねーさんといっしょにゆっくりするぜ!」 「も」とは言うものの、れいむはそんなにゆっくり出来てなかったけどね。 「はいよ」 まりさの口にメントスを10粒ほど放り込んでやる。 「うっめ!めっちゃうめぇ!」 「ゆ!れいむもほしいよ!」 「チョコを全部食べてからだよ」 「ゆううううううううううう!」 「ははっ、冗談だよ。ほら、口をあけて?」 今度はれいむの口にメントスを放り込む。 それから独り酒のつもりが思いのほかにぎやかな酒になったな、などと思いながら2匹にダイエットコーラを飲ませてやった。 「「ゆ~♪」」 口の中にメントスを貯めたまま、コーラを口に含んだ2匹は見た目は意地汚くて見苦しいが、非常にゆっくりしているように見えた。 確かにそう見えたのだが・・・ 「「ぼぉ!?ぼぉぼぼぼおおおおおおぼぼっぼぼおおお!?」」 突然、2匹そろってコーラを噴水の如く吹き上げた。それも、ちょっとゆっくりの常識からは考えられないほどの勢いで。 「・・・・・・はあ、何なんだよ、これ?」 私はコーラまみれで呆然とするしかなかった。そして、傍らではコーラを吹き終えた2匹が再びエレエレしている。 テストも終わったので人通りは少ない。とはいえ、流石にあの噴水が人目を引いたらしく、人が集まってくる。 そうして、いつの何か出来上がっていた人だかりに気付いた私はスーパーの袋と2匹を抱えて、自宅へと逃げ帰った。 「っち、ここじゃゆっくり出来ないね!!」 「で、とっさに連れて帰ってきたけど・・・どうするよ、これ?」 現在独り暮らしをしているアパートに戻って、コーラまみれの体と衣服をどうにかするために風呂場に向かった私は、今になってここがペットの飼育禁止であることを思い出した。 いや、そもそも飼うつもりなんて微塵もないんだけど・・・どっちにしてもこいつら、どうしたものか? 「ねえ、おねーさん!れいむたちべとべとだからからだあらってね!」 「それからみんなでゆっくりしようね!」 なんと言う厚かましさ。だが、そこが良い。何だかくせになるのものがある。 そのゆっくりっぷりを見ていると「さっきのコーラ噴射のことをもう忘れてるのかよ」とか「何で途中でこいつらを捨てなかったんだ」とかそんな疑問は些細なことのように思えてくるよ。 「・・・まあ、何とかなるか?」 とりあえずさっさと服を脱いで、お湯をためながられいむとまりさを洗ってあげる。 「ゆ~、ゆ~♪」 「気持ち良いか?」 「ゆ!すっごくきもちいいよ!」 「そうかそうか。そりゃ良かった。でも、お前ら水苦手なんじゃなかったっけ?」 「ずっとつかってるとあぶないよ!でも、みずあびはすきだよ!」 浴場の床にあぐらをかいて、足の上にれいむを乗せた格好で、桶に溜めたぬるま湯でタオルを濡らして、丁寧にれいむの体を拭いてやる。 まりさはその傍らで、気持ちよさそうに目を細めるれいむをじっと見守っている。 「ゆゆっ!おねーさん!そのぬるぬるすごくきもちいいよ!」 当然といえば当然だが、こいつらにとってボディソープやシャンプー、リンスを使うのは初めての体験だろう。 そのあまりの気持ち良さにうっとりとしている。途中、シャンプーが目に入って絶叫していたのはご愛嬌か。 2匹を洗い終えてから、私自身の髪や体を洗い、それから2匹と1人で湯船につかる。 と言っても、れいむとまりさを湯の中に放り込むわけにはいかないので、れいむには風呂桶に入ってもらい、まりさは私が抱きかかえることにした。 外よりもずっと温かい風呂場でほっと一息をつく。 「おねーさん、すごくやわらかいね!」 生意気にも私の胸に頬ずりしながらそんなことを抜かすのは抱きかかえられているまりさ。 「・・・ん~、そうか?」 もっとも、そんなことを言われたところで自分では良く分からないのだが。 「うん、れいむのほっぺよりきもちいいよ!」 普通なら「パートナーに怒られるぞ」とか「ゆっくりと比べんじゃねえ」とか「もう、まりさってばえっちぃ」とでも反応するところなのだろうか。 しかし、私はれいむの頬の触り心地を思い出しながら、痴漢をする男の心境がなんとなく理解できるなぁ、なんてことを考えながら「そりゃ、どうも」と適当に返事しておいた。 それからまりさの頬をひっぱって、その柔らかさにしばし感動し、「愛でお兄さんはおっぱいフェチなんだろうか?」などとくだらないことを考えながら、風呂から上がった。 私が着替えのためにリビングに向かうと、先に体を拭いてやったれいむとまりさがソファの上でゆっくりしていた。 なんとなく枕にしたら気持ちよさそうだな、と思った時にはすでに2匹を枕にしていた。 そして、ちょっと昼寝のつもりが6時まで寝てしまった。れいむとまりさには「おもくてあんこがもれそうだったよ、ぷんぷん!」と怒られた。 それなら起こして言ってくれればよかったのに、と反論したら「おねーさんがぜんぜんおきなかったんだよ!」と更に怒られた。 でも、晩飯を一緒に食べようと提案したらあっさり許してくれた。流石は餡子脳だ、可愛いなぁ。 そんなわけで現在午後7時13分。テーブルの上にはしょうが焼きと味噌汁とほうれん草のおひたしと梅干の乗ったご飯、それかられいむとまりさのために作ったおにぎりが置かれていた。 私が手を合わせて「いただきます」と言うと、れいむ達もそれに倣う。 「「いただきま~す!」」 ちなみに、れいむ達のご飯は握りこぶし大のおにぎりが5つ。 右から焼きスルメおにぎり、塩辛おにぎり、たこわさおにぎり、カカオ99%チョコおにぎり、そしてジョロキアおにぎり。 具になりそうなものが無かったので、見ての通り、さっき酒のつまみに買ってきたものを入れてみたのだが・・・ 「む~しゃむ~しゃ、しあわせ~!」 「うっめ、これめっちゃうめぇ!」 焼きスルメは好評。若干辛みがあるとは言え、子どもで平気で食べられるものだからさすがに大丈夫だったようだ。 「ゆ!かたい!かたいよ!」 「かみきれないよー!」 と、思ったんだが・・・どうやらゆっくりの歯ではスルメを噛み切れないらしい。 どれだけ貧弱なんだお前ら。 「むーしゃむーしゃ、しあわせ~!」 「うっめ、これめっちゃうめぇ!」 次の塩辛おにぎりとたこわさおにぎりは意外に好評だった。 どうやら、ご飯がいい具合に辛さなどのゆっくりが苦手とする味に対する緩衝材になったらしい。 けれど、おいしそうにおにぎりを食べる二匹を見たとき、正直ちょっとだけつまらないなぁと思ってしまった。 虐待趣味は無いつもりだったんだけどなぁ・・・。 「れいむ、にんげんのごはんはおいしいね!」 「そうだね、まりさ!つぎのおにぎりもきっとおいしいよ!」 次のおにぎりはカカオ99%チョコレートおにぎり。人間だったらこの組み合わせを見ただけでしかめっ面をしそうな代物だ。 「むーしゃむーしゃ、しあわ・・・ゆぎゅううううううう!!」 「うっめ、これめっちゃうげえええええええええええええ!!」 やっぱり、このチョコレートの苦みはゆっくりにとっては毒にも等しいものらしい。 ご飯のおかげでさっきのようにエレエレすることはなかったが、テーブルの上を苦しそうに転げまわっている。 「おーい、大丈夫か~?」 「ゆべっ!だいじょうぶじゃないよ!どうしてにがいのいれるの!」 「ひどいんだぜ、おねーさん!まりさたちおこるぜ、ぷんぷん!」 もう何度目になるかもわからない怒りのアピール。このぷくぅと頬を膨らませる姿が可愛くて仕方ない。 「あはは、余ってたもんだから勿体無いと思って、ついね・・・ごめんな」 顔の高さで手を合わせて少し頭を下げるようなしぐさを交えつつ、素直に謝るとれいむ達はあっさりと許してくれた。 「ゆぅ・・・はんせいしてるならいいよ!」 「れいむ、さいごのいっこもたべちゃうんだぜ!」 「ゆ、そうだね!むーしゃむーしゃしあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 「うっめ、これめっちゃああああああああああああああああああああああああああああああ!!」 何だその絶叫?と突っ込んでやりたいところだが、この後エレエレするのは火を見るより明らかなので、その前に二匹の頭を掴んで、互いを正面から密着させる。 エレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレ・・・ エレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレエレ・・・ 本日何度目になるかも覚えていないエレエレタイム。しかし、今回は2匹の口がぴったりとくっついているので、それが周りのものを汚すことはなかった。 「・・・エレエレエレエレ・・・むーしゃむーしゃ、しあわせ~!」 「・・・エレエレエレエレ・・・うっめ、これめっちゃうめぇ!」 「エレエレしたものを、食うなっ!!」 気がついたときには電光石火の突っ込みでこピンを放っていた。 ゆっくりで遊ぶのに夢中になっていて、気がつけば日付が変わっていた。 そのことに気づいた私は思わず顔をしかめる。 「うわぁ・・・もうこんな時間か。さっさと寝よ」 明日は1限目から授業があり、それに夕方からはバイトもある。 だから今日は早めに寝て明日に備えるつもりだったのだが・・・新しいおもちゃの魔力は想像を絶するものだったのだ! 帰宅した時点ですでにお気に入りのピンクのストライプ柄のパジャマに着替えていた私は電気を消して、もそもそと布団にもぐりこむ。 が、私の枕元でれいむたちが泣きじゃくるので簡単に寝付けなかった。 「ゆううううう!くらいよおおお!こわいよおおお!!」 「おねーざん、あがるぐぢでえええええええええ!おばげがででぐるよー!!」 こいつらがやたらと怯えているのには理由がある。 その理由というのは8時ごろから観始めた『ゆ霊の盆踊り』という映画だ。 登場人物が全員ゆっくりで、その斬新過ぎる試みと、どうしようもない演技と、ホラーとは無縁のふざけた笑顔などさまざまな要素があいまって映画史に名を残した伝説の作品だ。 もちろん、映画関係者どころか、映画に関する知識なんてろくに持ち合わせていない一般人からも非難轟々。 そんなわけで、本来ならば映画館で上映されることすらありえなかったのだが、この作品には有名な美人女社長率いるゆっくりカンパニーという強力な後ろ盾があったため、無事上映にこぎつけたという。 聞くところによれば、この映画は「ペットのゆっくりと一緒に鑑賞できる」&「(良くしつけられた)ゆっくりの館内限定貸し出し」というサービスを行っていたらしい。 そして、私はその目的も効果も存分に味わう羽目になった。 「おばけさんこわいよおおおおおおお!!」 「あ、ありすこわいいいいいいいい!」 「で、でいぶがあああああああああ!!」 「おねーざんー、ごわいいいいいいい!!」 「「ごれじゃゆっぐぢでぎないよ!!」」 などなど、終始こんな調子で泣き叫びながら、私にすがり付いてくる。 そりゃ、この作品が上映される前のゆっくりの知名度が低かったころなら、この姿にだまされて飼いたくなる人もいただろうな。 以上が今までにも毎日のように接してきた宵闇をこの2匹が恐れる理由だ。要するにお化けが怖いらしい。 どうせ、ほっときゃそのうち寝るだろ。 そう判断した私は心頭滅却して2匹の泣き声を風の音か何かと思い込んで、とっとと寝ることにした。 「はいはい、おやすみ」 「「おねえざあああああああああああああああああああああああああん!ねぢゃいやあああああああああああ!!」」 そんな感じで、翌朝・・・ 「「「「「「ゆっきゅりちちぇっちぇね!」」」」」」 「・・・なに、このちょーてんかい?」 朝の日差しにたたき起こされた私の寝ぼけ眼に映ったのは産まれたてと思しきゆっくりの赤ん坊。 その数れいむ種3匹、まりさ種3匹の6匹。 「おねーさん!れいむのあかちゃんかわいいでしょ!」 「すごくゆっくりしたこだよ!これでおねーさんもゆっくりできるね!」 すまん、私にも・・・というか私でもわかるように説明してくれ。 「ゆゆっ!れいむたちね、よるすごくこわかったんだよ!」 ああ、怖がってるの無視して電気消して寝たからなぁ・・・・・・で? 「だからね、れいむとはなしてたらわかったんだぜ!おねーさんはゆっくりしたいからむしするんだって!」 まあ、睡眠ってのは人間の三大欲求なわけで、確かにその欲求を満たしたかったから無視して寝るという選択をゆっくり的に解釈すればそうなるだろう。 「それでね、おねーさんはゆっくりできればれいむたちをむししないんだよ!」 ・・・なぜ決定事項なんだ? 「だからまりさたちのゆっくりしたあかちゃんをみせてあげることにしたんだぜ!」 つまり、そういう事らしい。 ・・・・・・どういうことだよ。 「あぁ、やっぱりゆっくりの考えることはわからんわ・・・」 私はこのおちびもを捨てた場合の処理代やら、飼う場合の餌代やらを計算しながら頭を抱えることしかできなかった。 ---あとがき?--- たまにはぬるいじめでも、と思って書いてみた結果がこれだよ! どうでもいいことだけど、作中のおねーさんはドスなおっぱいの持ち主です。 byゆっくりボールマン 続き このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/175.html
近頃巷で流行ってるゆっくりなる生物 こいつらは人の畑を荒らし、おまけに堂々と自分の家だとか抜かしやがる。そのため農民たちに嫌われていた。 もちろん、俺もこいつらは大嫌いだが感謝もしている。 理由は簡単。こいつらのお蔭で俺は生計を立てているからだ。 こいつらが大量発生する前俺はただの農民だった。少し外れに住んでいたが妖怪が襲いに来るわけでもなく、日々の糧を農業によって得ていた。 しかし、去年の秋ゆっくりどもが大量発生したとき真っ先に被害にあったのは森に近い俺の畑だった。 秋の収穫も目前のある日、俺は作物の様子を確認するために畑へ向かった。ちなみに俺が育てていたのはさつまいも今年は天候も良く豊作だと思っていた。 しかし、畑で俺を待っていたのは食い荒らされた芋とそこでぴょんぴょん跳ねるゆっくり達だった。 呆然としながら近付くとこっちに気がついたのか赤いリボンをしたゆっくりが「ゆっくりしていってね!!」と言ってくる。それにつられて周りの黒いのや「ちーんぽ!」とか抜かすゆっくり達が俺に向かって「ゆっくりしていってね!!」と言ってくる。 しばらく呆気にとられた俺だが冷静になるとさっそく目の前の赤いリボンをしたのを持っていたスコップで叩き潰す。「ゆ”っぐヴぇ!」と気持ち悪い声をあげて潰れるゆっくり 直ちに周りのゆっくりが抗議の声を上げる「ひどい!ゆっくりさせてね!」「ゆっくりあやまってね!!」 煩い 黙れゴミ ただただムカついた こんな饅頭共に俺が丹精こめてつくった芋を食われたのかと、俺はこの冬どう過ごせばいいのかと そのまま近くにいた銀髪のゆっくりを叩き潰す「ぢーんっぶぇ!!」さすがにゆっくりも危険だと気がついたらしい「ゆっくり逃げてね!!」と黒い奴の号令で一斉に逃げだした。 そのまま追いかけて何匹かつぶすが首謀者のようだった黒い奴をはじめとして何匹かには逃げられてしまった。 俺は殺したゆっくりを処分すると、そのまま情報通の友人である霖之助のもとへと向かった。 「それは災難だったね。」お茶を出しながら霖之助が言う。 「ああ、まったくもって腹立たしい。で、霖之助あれはいったいなんなんだ?」霖之助も詳しいことは知らないようだったが概要を説明してくれた。あれが突然発生したということ。一番多いのはさっきの赤いリボンのと黒い奴でそれぞれ霊夢種と魔理沙種らしいがその他にもいろいろな種類がいるらしいこと。そして、雑食性のためあちこちで被害が出ていることも。 「そうか…俺のところだけじゃないのか…」あんな奴らが人間に迷惑をかけてるのかと考えるとイライラした。 「妖怪の間でも被害にあう子が増えてるらしいよ。そのたび駆除してるけどあまりにも繁殖が早く何回も来るとか」 「どうにかできないのか?」 「僕だけじゃね…あ、でも君これからの冬仕事がいるんだろ?」 「ああ、あの糞饅頭のせいでな」 「だったらピッタリのものがある!少し待っててくれ。」というと奥の倉庫に行ってしまった。 このゆっくりの話と冬の仕事と何がつながるのだろうか?と考えていると霖之助が何やら銃のようなものを取り出してきた。 「ちょうどよかった。君確かパチンコとか得意だったよな?」 「ずいぶんと昔のことを持ち出すな。まあ、確かにお前も含めてあのころ遊んだ仲間の中では一番だったな。」 「ならちょうどいい。この銃は繚乱の対弩と言って外の世界ではモンスターを狩るために使うらしい。」 「モンスター?」 「妖怪のようなものだろう。それにこれは、虫退治とかにも使うらしい。そのうえ弾は自然の草とか魚からできているからゆっくりを処分したあとそのまま畑に埋めれば肥料になるんだ。」 「で、これと俺の仕事の話は?」 「だから、君がこれを使ってゆっくりを処分してけばいいんだよ。これからどんどんゆっくりがらみの問題は増えるだろうし新しい職業になるかもしれないぞ。」 確かにそれはいい考えだと思った。ストレス解消にもなるしみんなにも感謝される最高の仕事だ。しかし… 「でも、俺は今そんなものを買うほどの余裕はないんだが…」この銃はどう見ても高そうである。しかも珍しい物好きの霖之助のことだそんなに安くはしてくれないだろう。 「一昔前ならそうだろうけどね。なぜか今年の3月の終わりから大量にこんな銃が流れ込んできたんだ。」 「外から?何かあったのか?」 「僕のお店の常連の妖怪さんは何でも「ああ、そういえば新発売ね。ボウガンは強化できないのよねー。」とか言ってたが」 「よく意味がわからんな。」 「僕もだよ。でもそのおかげで僕の倉庫は似たようなのでいっぱいなんだ。友達のよしみもあるし、とりあえず出世払いでいいよ。」 持つべきものは良い友達だ。そのまま霖之助に使い方を教えてもらい一通りの弾を貰うと、俺は早速村の中心に行き集会所に「ゆっくり退治お任せください。詳細は○○まで」と看板を立てて置いた。 2日後早速依頼が舞い込んだ。はじめに潰したとき何でも黒大福(魔理沙種とか言ったか?)を逃がしてしまったらしくそいつが仲間を引き連れて何回か襲撃に来たらしい。 「報酬は今年の収穫の十分の一でよろしいでしょうか?」裕福そうな依頼人だ。事実ここらでは一番の地主らしい。 「はい十分です。ゆっくりが来るのはこの畑ですか?」 「はい。何箇所か畑を持っているのでこの畑にばかり構ってられないのです。」 「了解しました。では、今日はこのままここに張り込ませてもらいます。大丈夫だと思いますが巻き込まれないように近寄らないようにお願いします」 ゆっくりが来るのは夜明けらしいのでそのまま張り込む。ゆっくりは動いてないものを認識しづらいらしくこのまま動かずに来たら狙撃するのが一番効率がいいと判断したからだ。 そして、そのままそこで仮眠をとり空が少し白み始める頃、あの耳障りな声が耳に響いた。 「今日もゆっくり食べようね!!」「朝ならあの人間もいないもんね!」「ここは霊夢たちのゆっくりポイントなのにね!!」「「「「ねー!!」」」 どうやら今日の標的は3匹らしい。魔理沙種と霊夢種とパチュリー種のようだ。 俺は息をひそめて銃弾をリロードする。とりあえず今回用意してみたのは散弾と徹甲榴弾である。そしてゆっくりが範囲内に入る。そしてどう仕留めるか考える。何回かの襲撃で知恵を少しはつけたらしく人間の気配を感じたらあっという間に逃げてしまうらしい。そこで俺はとりあえず固まってる霊夢とパチュリーを散弾の連射で仕留め魔理沙を徹甲榴弾で仕留めることにした。 スコープを覗き狙いをつける。と同時に徹甲榴弾のリロードの準備を整える。 3…まだ早い2…もう少しだ1…狙いを定める 「ゆ”ぐぐぐぐっぐ?!」「む”ぎゅぐげぐぐ!」散弾の連射を急に浴びた二匹のゆっくりまだ息はあるようだがもう動けまい。と同時に、「ゆっくり死んでてね!」と薄情な言葉を吐き黒大福が一目散に逃げ出す。 俺は徹甲榴弾をリロードすると同時にただちに黒大福を追いかける。 「ゆ”ぐっり”ざぜでえ”えええ”!」「ゆっっぐりじだっがだっよお!」後ろから二匹の声が聞こえるが無視する。 「ゆっくりしていってね!!」黒大福も意外と早く距離はなかなか縮まらない。だが徹甲榴弾は距離を関係としない威力をもつ。俺は森に逃げ込む直前の黒大福に向け徹甲榴弾を撃った。命中! 「ゆ?」徹甲榴弾は当たった時には大したダメージはない。「ゆっくりしていってね!!」人を小馬鹿にしたように森へ逃げ込むゆっくり。その時の顔はまさに勝ち誇った顔であった。おそらく森の中では逃げ切れると思ったのだろう。 確かに、その推測は正しい。森に逃げ込まれたらボウガンで仕留めるのは難しい。しかし、もうすでにやることは終わっている。 もう一回黒大福が満面の笑みで飛び跳ねる。だが、それと同時に発せられたはずのお決まりの文句は最後まで言い切られることはなかった。 「ゆっくりしてっぶっ!」次の瞬間ゆっくりの体が弾け飛ぶ。徹甲榴弾は命中した後爆発する弾である。見事真ん中に命中しやわらかい餡子の真ん中で止まった弾は爆発しゆっくりの体を四散させたというわけである。 こうして、ゆっくりを仕留めた俺は畑に戻り息も絶え絶えの二匹のゆっくりを生かしたまま畑に埋める。「ゆ”っゆ”っゆ”」「む”ぐむ”ぐぐぐ」とか最早意味のわからない言葉をあげていたが畑に埋めると声がしなくなった。 「ありがとうございました。あの黒大福がリーダーで引き連れてくるらしく狙っていたのですが警戒心が強くなかなか仕留められなかったのです。」 「いえ、私もこの仕事のおかげで冬を過ごせそうです。後、なにかゆっくりで困ってる人がいたら是非私のことを紹介してください」 「ええ、もちろんですとも。集会所で広めておきましょう。」 こうして、俺の仕事はウナギ登りに増えていった。そのうちゆっくり加工所から希少種の捕獲を頼まれることも多くなった。 そして今日も俺はボウガンを片手にゆっくりを狩る。最近では俺のまねごとを始めるを始める奴も増え始め、集会所は依頼を取りまとめる場所になっている。 そして、いつしか人は俺のことをこう呼び始めた「ゆっくりハンター」と。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ あとがきのようなもの ここまでお付き合いいただきありがとうございました。 元ネタは見ての通りモンスターハンターからです。今度は捕獲クエストで一本書こうと思っています 選択肢 投票 しあわせー! (25) それなりー (1) つぎにきたいするよ! (4) 名前 コメント すべてのコメントを見る なんでれいむとまりさって平仮名じゃないの? -- (名無しさん) 2020-10-05 22 54 57
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4821.html
「おい、こっちにれいむ種がいたぞ!」 「殺せ!!逃がすなっ!」 森を、怒りに満ちた声が飛び交う。 数十人の男たちが1匹のゆっくり霊夢を追いかけていた。 「ゆー!!やめてね!!れいむはゆっくりしていただけだよ!?」 ぼよんぼよん。 情けない音を鳴らしながら逃げるれいむ。 「殺せ!殺せ!!」 男たちの声が、れいむの後頭部をビリビリと震えさせる。 「ごわいぃいい!!!ゆっぐりできないぃいっ!!! ――ゆっ!?!?」 次の瞬間。 れいむの眼前に木製バットが飛び込んできた。 「ゆぴぃっ!!」 そのままバットはれいむの上半分を吹き飛ばしてしまった。 待ち構えていた男がフゥフゥと息をつく。 そして、やってしまった、といった顔に変わる。 「バカ野郎!!!何してやがんだ!!!」 ようやく追いついた男たちに、バットを振るった男は怒鳴りつけられる。 「す…すみません………!!つ、つい……!!」 「つい、で済むかバカ野郎!!急いでかたずけろ!!」 「早くしねえとまた湧いて出てくるぜ!?」 「急げ!!時間がねぇっ!!」 男の一人が辺りに飛散した餡子を指さし、別の男が手際よく回収していく。 それもかなり念入りに。 餡子が触れた部分の土は、スコップで掘ってビニル袋に入れる徹底ぶりだ。 吹き飛んだれいむの餡子はかなり多く、その後3時間に渡って回収、消毒作業が行われた。 「………昨日の件でお話が」 男は村長に深々と頭を下げた。 彼は昨日、バットでれいむを潰した男だ。 「………わかっておる。この音を聞けば、な……」 村長が、耳を塞ぐポーズをとる。 見ようによっては頭を抱えているようにも見える。 「……すみません」 小さな謝罪。 それは外から聞こえる騒音にかき消されてしまった。 二階の窓から見える地面は、赤と黒で染まっている。 ぞわぞわと、波のように動きながら。 「……堤防は大丈夫だろうな」 「はい……そちらはなんとか」 大地を埋め尽くすモノ。 それらは全て、れいむ種の赤ちゃんゆっくりだ。 村を取り囲む堤防がなければ、今頃村は赤れいむであふれかえっていたことだろう。 「ワシが子供の頃は、ゆっくりはここまで繁殖力旺盛ではなかったというのに………」 うつむいたまま、村長は呟いた。 ゆっくりには、植物型妊娠と呼ばれる出産方法がある。 自身から茎を生やし、子を成すものだ。 いつからか、ゆっくりは交尾なしでも出産するようになった。 人間による駆除活動に対抗するため、多産を強化したのかもしれない。 そして人間は、それに対抗して駆除回数を増やした。 それが原因かはわからないが、ゆっくりはさらに増殖するための能力を得た。 今の凄惨な現状がその結果だ。 「………俺が餡子をブチ撒けたせいで…………!!クッ……」 ゆっくりの体内の餡子。 これが地面に放置されると、芽が出るようになった。 ほんの少しの量でも確実に芽が出る。 その芽は周囲の大地から養分を吸い取り、わずか12時間~24時間で1メートルほどにまで成長するのだ。 もちろん、それに赤ちゃんゆっくりが成る。 1本の茎から100匹近くの赤ゆっくりが実るとも言われている。 産まれた赤ゆっくりが、潰されるか何かする。 そうするともう手の着けようがないレベルで増殖する。 大量に増えると、草や木は根こそぎ食べられてしまう。 そして茎が土の養分を吸うので、土地が枯れる。 1匹のゆっくりを撒き散らすだけで、死の大地ができてしまうのだ。 世界中のゆっくりがある日を境に究極の進化を遂げてしまった。 害獣ゆっくりとしての最終進化だ。 生殖行為を行わずとも爆発的に増え続ける究極の生命。 それから間もなく人類は滅亡した。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/22.html
ゆっくり汁粉 6KB ある日買い物に行くと、「HOTゆっくり」と書いてある自販機を見つけた。 よく見かけるジュースが紙コップに入って出てくる自販機と同じような形で、 ボタンの所にはいくつかの種類のゆっくりのイラストが貼ってある。値段は100円と この手のものにしてはちょっとお高いが、なにやら面白そうなので1つ買ってみることにする。 百円を入れると『ユックリシテイッテネ!』と録音だろう声が鳴る。各ボタンのランプが点灯したのを確認し、 とりあえずはれいむのボタンを押す。まずレールにそって幾分か小さめのカップが押し出される。 その後、「おしょらをとんでりゅみたい!」と言う声と共に1匹の生きた赤れいむがカップの中に落ちる。 そして少し置いた後、カップの中に熱湯が注がれる。 「ゆ゛ぎぃぃいぃあぢゅいぃぃ゛い゛!!」 赤れいむにとって見ればよく分からない場所に放り出された直後上からお湯が降ってくるのだ、 たまったものではないだろう。カップに隠れてよくは見えないが、くぐもった悲鳴が聞こえてくるので どういう状況下は大体理解できる。しかしこれよく商品化にゴーサインでたな…… 正直この時点で食欲がとても失せる。虐待お兄さんと呼ばれるやつらなら最高のスパイスなんだろうが。 完成を知らせる音が鳴ったので取り出してみたが、意外な事に皮の切れ端とふやけたモナカのようになったリボンくらいしか残っていない。 赤ゆっくりは皮も薄いと聞くし、勢いの強い熱湯で粗方崩れてしまうのだろう。 自販機備え付けのティースプーンで中を軽くかき混ぜ、恐る恐る啜る。 意外と美味い。が、さっきまでの印象もあり主観的な美味さは中の下といったところか。 これ考案した奴も相当馬鹿だと思うがゴーサイン出した奴も相当馬鹿だよなぁ。 でもそれを買っちゃう俺も同じくらいは馬鹿か。そんな事を思いながら俺は家に帰った。 なお、買い物=飼ってるゆうかりんの御飯をすっかり忘却してそのまま帰宅した為に 帰宅したのと同時に引き返すことになった上、次の日の朝ごはんまでゆうかりんに罵られ続ける事になってしまった。 もっとののしって! 後日ゆうかりんと一緒に買い物に来て見ると、丁度中のゆっくりやカップを補充しているところのようだった。 中がどうなっているのか観察させてもらうと、いくつかに分かれたタンクの中に赤ゆっくりがぎっしり詰まっている。 赤ゆっくり達は皆すやすやと眠っており、ガチャガチャと音を出して各部の点検をしているが起きる気配はない。 気になったので、とりあえず声をかけてみる。 「あ、すいません。その赤ゆ達って何で起きないんですか?」 そのタンクの上の方にはスピーカーのようなものがついており、内部になにやら音を聞かせているようだ。 業者の人が言うには、母ゆっくりの歌う子守唄に似た周波数の音を聞かせ続けることによって強制的に眠らせ、 ぎっしり詰めても起き出す事はないのだそうだ。歌を聞かせゆっくりさせる事で品質を保ち、 眠らせることでエネルギーの消費を抑え、餌がなくとも生き永らえさせる事ができる。流石ゆっくり、いい加減に出来ている。 タンクの下方はガチャポンの機械の様になっており、ここが回転し赤ゆを下に送り出す仕組みになっているらしい。 「ねえおにいさん、わたしものんでみたいわ。あじはわるくないんでしょう?」 話を聞いていて興味を持ったのか、ゆうかりんがわくわくした顔でこちらを見る。 丁度補充も終わったようで、ゆうかりんの頼みなら断れないと早速百円を入れ、今回はまりさのボタンを押す。 ウィー……という動作音と共にカップが落ちて……こない。 そうこうしている内に赤まりさが「ゆっくちしていってにぇ!」と落ちてきて、きょろきょろと辺りを見回す。 こうしたカップ系のものではたまにあることだが、何も今起きなくても……と思っていたときに悲劇は起きた。 落ちてきたお湯がきょろきょろしていた赤まりさの帽子のつばに当たり、ころんと頭から転げ落ちてしまう。 当然まりさは驚いて帽子に向かおうとするが、滝のように勢いよく落ちるお湯は容赦なく帽子を打ち据え、 帽子はお湯の熱さと勢いでどんどんとぐずぐずになっていく。まりさ種の帽子は水に強いが、水を全く受け付けないわけではない。 長時間浸っていればふやけるし、勢いよく水を叩きつければ当然破れてしまう。 「ゆああぁぁぁぁぁ!? おゆしゃんゆっくちしちぇね!? まりしゃのすてきにゃおぼうちをはなちてね!?」 しかし当然お湯は止まるはずもなく、見る間に帽子は崩れてしまい、 カップ1杯分の量を注ぎ終わる頃には味噌汁に入れた海苔のようにぐずぐずの黒い塊に成り果てていた。 「ああ、ぁ……まりしゃの……まりしゃのおぼうちが……」 茫然自失といった状態のまりさを機械から取り出しどうしようかと思案していると、 ゆうかりんがそのまりさをくれというので預けてみた。 「おちびちゃん、どうしたの?」 「ゆぅ……おゆしゃんがまりしゃのすてきにゃおぼうちをこわしちゃったにょ……」 ぽろぽろと泣きながら語るまりさを優しくなだめ、ゆうかりんはまりさに囁く。 「それはたいへんだったわね……おねえさんがおまじないをしてあげるから、ちょっとめをつぶってね?」 「おまじないしちゃらおぼうちにゃおるの?」 「それはあなたしだいね。めをつむっていいこにしてたらなおるかもしれないわよ?」 それを聞くと、まりさは「わきゃったよ!」と目を瞑った。 何をするのかと見ていると、ゆうかりんは一瞬の早業でまりさを舌で巻き取ると、そのまま口の中に入れてしまった。 少ししてゆうかりんが口をもごもごと動かすと「ゆぴっ?!」というくぐもった小さな声がし、それきり静かになる。 つまるところ、ゆうかりんがまりさを食べてしまったのだ。 咀嚼して飲み込み、ゆうかりんは満足げな溜息をつく。 「……ふう、まずまずね。ひとやまいくらにしてはなかなかおいしいほうじゃないかしら。 おにいさん、こんどはちゃんとのんでみたいからもういっぱいおねがいね?」 そういうゆうかりんの鼻先に、ふやけた海苔のようなものが浮かんだ汁粉が差し出される。 恐らくさっきのまりさ汁粉は本当ならこうなるべきものだったらしい。海苔のようなものは帽子だろう。 差し出したのはさっきの業者の人だ。なにやらやたら清々しい笑みを浮かべている。 「いやぁ……面白いものを見せていただきました! なるほど、そのまま食べてもそこそこ美味しいか…… 有難うございます! 今後ともわが社の製品をご贔屓に!」 聞けばこの人、このゆっくり汁粉の機械を作った会社の人で、自販機の管理の他に食用ゆっくりの養殖なども自社で手がけているらしい。 まだまだゆっくり産業に参入したばかりの弱小らしいが、こういった現地での反応なども自社製品に盛り込ませるべく 日夜こういった場所を駆けずり回っているそうな。ご苦労様です。 ちなみにゆっくり汁粉はゆうかりんにはとても好評で、何でもお湯で苦しむゆっくりの声が とても耳に心地良いそうだ。さすがゆうかりんマジサドい。 ゆっくり汁粉を気に入ったゆうかりんのたっての願いで、 今日の夕飯はカセットコンロを使っての手作りのお汁粉となった。勿論ゆっくりを使った物だ。 その時のゆっくりも彼の会社のものを何となく選んでみた。 ゆうかりんはご満悦であったが、人間である俺にはちょっとキツかった。 おやつには良いけど、やっぱ夕飯時に餡子オンリーはきつかったわ…… 体重も気になるし、明日から少し運動でもしようかなぁ…… ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ あとがき 10507967.htmスレ1240558200503.pngのキリあき氏の絵を見たら不意に書きたくなったので筆を取ってみた。 あの自販機の内部について細かい事は考えないで下さい。 書いた人間自身がノリと勢いだけで書ききったもんですからw しかしあれですね、ゆうかりんほんとかわいいよゆうかりん。 ゆうかわあきでした。 元ネタ絵 by キリライターあき トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ↓インキャきっも -- 2020-11-12 22 44 59 アイデアは良いけど、ゆっくりごときに100円も払いとうない。 水攻め・熱湯攻めなら自分でじっくりゆっくりしっかり虐待したい。 -- 2018-02-16 15 18 57 これ作ったのだれ? ほんっっっっっっとバカ。 ゆっくりが痛いのはせいぜい熱湯の雨位じゃね? もっと苦しめて甘くしようぜ。 こないだ飲んだがあまり美味くなかったぜ? -- 2014-12-31 18 17 04 うーん。もっと苦しめたい。 熱湯だからすぐ溶けるし。 -- 2014-12-17 17 18 42 カップが出てこないのは虐待用のボタン?と思ったけど本当にトラブルだったか -- 2014-08-29 01 36 01 食べたい -- 2014-01-25 09 55 45 たまに二匹入ってきたら楽しい -- 2013-11-08 23 59 43 順番待っている間もゆっくりさせない状態にするとより一層美味しくなりそうだ 熱湯の熱で密閉サウナにしておくとか、もちろん死なせずにネ -- 2013-07-21 00 20 32 たしかに。 -- 2013-06-29 16 57 56 たまに2匹入ってきそう・・・ -- 2013-01-27 18 54 04 絵が元ネタだったのかしらんかった、このゆうかりん最高だな、飼い主は変態だけど -- 2012-12-10 13 00 02 ウマソナウマソジャナイヨウナ -- 2012-10-27 14 20 40 お餅が体にはいった品種も作ってほしい -- 2012-07-28 17 15 12 これ作ったやつ市ねよ -- 2012-04-03 08 12 23 飲んでみたい -- 2012-02-11 14 51 44 ↓お前が言うな(´・ω・`) -- 2012-01-06 03 14 15 ↓お前猫舌なんだねーわかるよー -- 2011-12-23 11 21 10 ↓ そうだな。 それに熱湯じゃぁ買ってもしばらくのめないな。 -- 2011-11-14 16 41 41 これはなかなかw しかし、熱湯だと苦しいのは一瞬ですぐに感覚が麻痺してしまう。 時間をかけてじっくりと苦しめるには65度位が丁度いいかな。 -- 2011-10-05 13 29 13 飲めるかよこんなもんwww 溶けきってなかったら絶対捨てる -- 2011-09-07 14 39 35
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3732.html
※虐めじゃないかも 俺はゆっくりが嫌いだ 作者:古緑 俺はゆっくりが嫌いだ 俺にゆっくりする気なんて無い 朝から晩まで仕事で忙しい身だ でも別に殴ったり蹴ったりしたいわけじゃない 嫌いなだけだ 餡子嫌いだから食うのも嫌いだ 「ゆっくりしていってね!」 この台詞も好きじゃない どんなゆっくりも同じことを言う 俺の趣味はバスケットボールだし ゆっくりしたものはあまり好きじゃない 「こわいかおしてないでゆっくりしてけばいいのに」 こいつはどっから入ってきてんだよ ゆっくりれいむだか何だか知らねぇが そこは俺んちの庭だ お前の『ゆっくりプレイス』じゃないんだよ 何も無い庭だけどお前みたいなのがいると鬱陶しい 出て行け 「ゆっ?ゆっくりしていってよー!」 ほら!出て行け!まったく ああいうのが『ゆっくりの押し付け』ってヤツか ゆっくりしてる暇なんてないんだよ 今日はとっとと寝たいんだ 「おじさんをゆっくりさせるよ!」 …また入ってきたのか 門はしっかり閉めた筈なんだがな どうでもいいが俺はまだお兄さんって歳なんだよ いいや、こんなのに構ってる暇は無い 「ゆっくりしていってね!」 もう放っておく どうせ雨戸を閉めちまうんだ しつこいゆっくりセールスに付き合う気はねーよ じゃあな押し付け販売員 「おふとんでゆっくりしていってね!」 デカイ声だ 春が近いとはいえまだ朝は少し冷えるな 古い鉄の雨戸は冷たくて指が凍えそうだ 「ゆっくりしていってね!」 …何のつもりなんだおめーは 今都市部で話題の乞食ゆっくりか? だったらここに来たのは間違いだ 家には碌に飯なんて無いんだよ わざわざ乞食にやる気もないからヨソあたんな 「おじさんはよゆうがないね!」 家出るときついでに摘み出しとくか 鬱陶しい生物だ それにしても本当に余裕ないな 朝飯は駅前のコンビニでランチパックかな 「ゆっ?ゆっくりはなしてね!」 おい二度と家の門くぐんじゃねーぞ 帰ってきた時またそのツラ見せたらブン殴ってやる 「ゆっくりしていってよ…」 やっぱり俺はゆっくりが嫌いだ 変なのに構ってたせいでいつもより遅れてるじゃねぇか 急がないと 「なかなかとかいはなまりさね!す…す…すっきりしましょほおぉおお!」 「やべろおおぉおお!!れいばーあでぃずはゆっくりじねえぇえぇ!!」 あの野良ゆっくりありす まだ生きてたのかよ 散歩中の飼いゆっくりに襲いかかってやがる 「ばでぃぶっ!」 あ蹴られた 本当に見苦しい生き物だな あんなのまでいるからゆっくりは嫌いだ うあぁ疲れた 帰って柿ピービールが平日の唯一の楽しみです 「ゆっくりおかえりなさい!ゆっくりしていってね!」 「むししないでね!」 てめーどっから湧いてきてんだ不思議生物の特権か ブン殴るって言ったの忘れたのか 「おぉこわいこわい」 『プシュ』あぁイイ音 ん?やらねーからとっとと失せろ 家ん中には入れねーぞ 一歩でも入り込んだら蹴りくれてやる 「つんつんしないでゆっくりすればいいのに」 舐めてんのか?二度とここまで来れねーように 今度は車で 「おじさんをゆっくりさせるよ!」 …だいたいそのゆっくりって何なんだよ? それに俺をゆっくりさせるって昨日も言ってたな? 「ゆっくりはゆっくりだよ! おじさんはあさからばんまでぜんぜんゆっくりしてないね! たまにはゆっくりしなきゃいつかゆっくりできなくなっちゃうよ!」 お前がいると駄目だわ ビールが全然旨くねぇ 明日の朝一で町外れの山まで車で捨ててきてやる それがヤなら今夜中に失せるんだな 「ゆっくりよるをあかしていってね!」 やらねーと思ってんのか ナメやがって やっぱり俺はゆっくりが嫌いだ ぽつぽつと大きくなる屋根を叩く音でふと目が覚めた まだ午前二時だ 明日の朝は雨かな もうザーザー音がするぐらい強い雨に変わってる まぁどうせ車で行く気だしどうでもいいや あのウザイ饅頭生物載っけてかなきゃだし そんな事を寝ぼけた頭で考えてると あのウザイ顔が困ってるような気がした 『ゆっくりは水に弱く雨に当り続けると死んでしまいます』 そんなどこかで聞いたような言葉が頭の中に浮かぶと 俺は布団から飛び起き 一階の雨戸まで急いで駆け下りていった 「オイ!」 「ゆっくりしてないねおじさん れいむはゆっくりできてるよ」 困った顔はさっき頭に浮かべた顔そのままだった 雨戸の外に雨を避ける場所は無く ゆっくりれいむの釣り上がっていた眉はハの字に曲がり リボンはびしょびしょになって濡れた髪に垂れていた 「………」 「ゆっ?」 俺はゆっくりが嫌いだ だけどその命そのものが嫌いなんじゃない 死にかけた命が目の届くところにいたら 手を貸してやりたいと思う事はきっと悪い事じゃない その命を助ける事で誰かが困る事もあるのかも知れない だけど命を救いたいと思う事自体はきっと悪い事なんかじゃないはずだ コイツの場合だったら玄関先を貸してやる事ぐらいいいだろう 起きたら雨は上がっていた 時計は7:35を示している あのウザイ生き物に関わっていたせいか 早起き出来なくなってる気がする こっから車で外れの山なんて行ってたら完全に遅刻だ 「ゆっくりしていってね!」 はいはいゆっくりゆっくり そりゃ挨拶なのかお前等の場合 なに我がモノ面で家の中跳ねてんだよ 昨晩拭いといて良かったわ 雨が上がったんならとっとと出て行きな 「おそとでゆっくりしていくよ!」 さてそろそろ行かなきゃな お日様も出てるし、たまにはバスなんか使わず駅まで歩いてくか まだまだ間に合うだろ 「ちょっとはゆっくりできるようになったみたいだけどまだまだだね!」 なんか満足そうだなお前 コイツどうしよう? まぁそのうちどっか行くだろ ゆっくり考えてきゃいいや それにしても生意気なヤツだ やっぱり俺はゆっくりが嫌いだ 寒いから帰りはバスにした 柿ピーとビールの補充は忘れない 明日は休みだしアイツに影響されたワケじゃないが たまには家でゆっくり過ごすのも悪くないだろう 「ゆっくりしていってね! おじさん!あしたはゆっくりするんでしょ?」 すっかり庭に居着いてるなお前 ゆっくりの事は嫌いだし追い出してやろうと思ってたが こいつの騒音で文句言うヤツはこんな田舎にはいないし 家に帰った時誰かが声をかけてくれるのは悪くない ペットなんてつもりは更々ないが ただっ広いだけの庭に勝手に生かしておくぐらいいいだろ 疲れてっからもう雨戸締めて寝るぜ 「あまどさんこんばんわ!ゆっくりしていってね!」 馬鹿だなアイツは AM 10:00 完全に影響されてるな でも悪い気はしない どうせ今日はゆっくりしようと決めてるんだ 飯でも買いにいくか 「ゆっくりしていってね!」 はいはいゆっくりゆっくり …そういえばこいつと時間を気にせず顔を合わせるのは初めてだな 俺はゆっくりが嫌いだが話をするのが嫌いなワケじゃない ちょうどいい機会だし色々聞いてみるか お前さ、何で俺につきまとうんだ? 「なんどもいわせないでよね! おじさんをゆっくりさせるためだよ!」 それについては癪な事だが成功したようだな 本当に変なゆっくりだな 人をゆっくりさせようとするゆっくりなんて 古過ぎるゆっくりはもう化石レベルだぞ なんでそんなに人をゆっくりさせたがる? 「だれかをゆっくりさせるとれいむもゆっくりできるよ …それにこのせかいのみんなはゆっくりしてないよ」 この世界?お前はどこから来たっていうんだ? 「れいむはやまでゆっくりしてたら いつのまにかここにいたよ」 何言ってんだお前 ゆっくり語は理解出来ないね じゃあお前、どうしてこんな何も無い庭に住み着いてんだ? 何も食うもんないだろ? 「くささんもむしさんもたくさんいるよ?」 あぁ…手入れしてないからな そんなモンでいいのかよ 都市部の奴等で草なんて食うヤツはもういないのに お前好きなモノとかあるのか? 「ゆ?れいむはゆっくりするのがすきだよ!」 そうじゃねぇよ 食べ物ってことだ 今まで食ってきた中で一番旨いかったものとか、 あるだろ? 「だったらたいやきさんだね! でもかんたんにはてにはいるものじゃないよ! さとまでいかないともらえないものだからね!」 あっそ ちょっと出かけてくるわ 「おじさん!」 なんだよれいむ 「いっしょにゆっくりしようね!」 別にアイツが好きって言ったから 鯛焼きを買ってきてやるワケじゃない 俺は餡子の詰まった鯛焼きが大好きだからな 一つぐらい買って分けてやるぐらいならいいだろ それにしてもところどころワケの分からないヤツだ やっぱり俺はゆっくりが嫌いだ でも悪くない あんなに自然体のまま誰かと話すなんて 母が死んで以来かもしれない 鯛焼きなんて買うのは産まれて初めてだ スーパーの先に屋台があるからついでにそこで買ってくか ゆっくり歩いていこう それがさっきまでの事 今俺の目の前には頭から蔦を生やし 真っ黒になったゆっくりれいむがガラス窓の前で横たわっている かつての笑顔は苦悶の表情に変わり全く動かない ガラス窓の前で死んでいたのは家を守ろうとしてくれたのか? 抱き上げるともちもちと弾力のあった体は端の方からポロポロと崩れ落ちていった 呆然としたまま庭を見ると叢の陰に隠れた木製の塀に ゆっくりれいむぐらいの小さな穴がある ずっと庭なんて見てなかったから忘れてたが 俺が子供の頃に蹴って開けた穴だ いくら追い出しても入ってくるワケはこれだったんだ 『これ』をやったヤツもここから入ってきたんだ どうしてゆっくりれいむがこうなったのかは分かってる ゆっくりれいむの頭に成った黒い実の中に ゆっくりありすの実があるからだ この辺の野良ゆっくりありすなんて一匹しかいない さっきすれ違ったのがそいつだ 俺はゆっくりが嫌いだ 命を気紛れに奪う事は悪い事だと思っている しかし今から俺がやる事は間違っていないと思う 友を殺した仇を討つ事はきっと間違っていない 震える拳を握りしめ 仇の住処の公園に向かいながら俺はそう真剣に考えていた