約 632,151 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4032.html
作品の後ろにある文字の説明はジャンルマークについてに纏めてあります。 作者名の改名は、お気軽にお申し出下さい。ご自分で編集して変えていただいても問題ありません。 作品の一覧追加も、漏れがありましたらお気軽にお申し出下さい。これまたご自分で編集していただいても問題ありません。 あ~な行で始まる作者別アールグレイ アイアンマン アイアンゆっくり 赤福(ゆっくりしたい人から改名) アサシンの人 甘党 天海 アルコールランプ アンノーマン エイム 大貫さん オズ お題の人 お帽子の人 『オマケ』 小山田(通称:ゆっくり加工場の人) 御湯栗 俺とゆっくりの人 俺魔理沙の人 怪僧トンポ 課本 書き溜め 希少種の人 キノコ馬 キャベツ頭(ハチの人から改名) きめぇ丸大好きっ子 虐待おにいちゃん 巨大(ryの人 クラムボン ケイネスキー ケラ子 剣客みょん 懲りない男 さすらいの名無し しゃべらないゆっくり 十京院典明(”ゆ虐の友”従業員から改名) 少女Q(ゆっくりゃバーガーの人から改名) 白い人 神社バイト 神父 推進委員会の人 睡眠不足な人 すまれみりゃの作品集 ダイナマイト横町 タカアキ 高菜の人 チェンジリングの人 チェンマガツ ちはる ちゃわんむし(762) 町長 超伝導ありす ツェ ティガれみりゃの人 デストラクション小杉 同志ゆっくり小町 土下座衛門 ドスまりさとゆうかの人(仮名) ななな 七連星の人 茄子 名も無き作者 のりたま あ~な行で始まる作者別 アールグレイ ゆっくりいじめ系638 少年と木ゆっくり虐無 ゆっくりいじめ系651 ユルジンと魔法のランプ虐家性共 ゆっくりいじめ系903 因幡の白ゆっくり ゆっくりいじめ系1238 ゆっくりsacrifice アイアンマン アイアンマンの作品集 アイアンゆっくり ゆっくりいじめ系2668 まりさの馬鹿 ゆっくりいじめ系2713 ゆっくり地縛霊 れいむ親子の場合 ゆっくりいじめ系2772 ゆっくり教えてね!! 1 ゆっくりいじめ系2819 ゆっくり地縛霊 まりさ達の場合 ゆっくりいじめ系2824 鬼斬 1 ゆっくりいじめ系2863 ゆっくり教えてね!! 2 ゆっくりいじめ小ネタ529 世界で一番短い虐待 ゆっくりいじめ系2882 怪奇現象虐制強希無 ゆっくりいじめ系2948 ゆっくり地縛霊 ありすの場合虐制家共強希無 ゆっくりいじめ系3086 恐るべきゆっくり 前半 赤福(ゆっくりしたい人から改名) ゆっくりしたい人の作品集 アサシンの人 ゆっくりいじめ系761 ゆっくり兵 ゆっくりいじめ系955 ゆっくりアサシン~お兄さん遊び編 ゆっくりいじめ系1360 焼き串 ゆっくりいじめ系1890 ゆっくり護身術 ゆっくりいじめ系2022 ゆっくりになった男1 ゆっくりいじめ系2295 ゆっくりになった男2 ゆっくりいじめ系2296 ドスのいる村 ゆっくりいじめ系2301 食ゆ植物 ゆっくりいじめ小ネタ412 ゆっくりミキサー車 ゆっくりいじめ系3093 GSPOゆっくり課 ゆっくりいじめ系3095 GSPOゆっくり課2 ゆっくりいじめ系3103 GSPOゆっくり課3 ゆっくりいじめ系3104 GSPOゆっくり課4 甘党 甘党の作品集 天海 天海の作品集 アルコールランプ アルコールランプの作品集 アンノーマン ゆっくりいじめ系1087 潜入!ボスの群制無 ゆっくりいじめ系1111 協定破棄復無 ゆっくりいじめ系1120 加害者ありすの献身虐制性無 ゆっくりいじめ系1296 栄光のユックリンピース制性環無 ゆっくりいじめ系1517 走れマリス ゆっくりいじめ系1647 侵入!ボクの家 エイム にとり×ゆっくり系2 見本市 その他 大会に行こう! ゆっくりいじめ系332 大会に行こう! そして、それから… ゆっくりいじめ系356 ある可能性 その他 うん、この味 ゆっくりいじめ系811 ある森の危機制捕無 ゆっくりいじめ小ネタ292 私は大抵はもらい物で済ませる物 ゆっくりいじめ系2213 ある可能性の否定 大貫さん 大貫さんの作品集 オズ ゆっくりいじめ系270 ゆっくりスイーツ(笑)虐無 ゆっくりいじめ系680 ゆっくり刷り込みしてね!!!虐共無 ゆっくりいじめ系1188 漢方『湯繰丹』 お題の人 お題の人の作品集 お帽子の人 お帽子の人の作品集 『オマケ』 ゆっくりいじめ系2131 ゆっくりはつらいよ 花粉篇 ゆっくりいじめ系2171 ゆっくりは死なん ゆっくりいじめ系2274 邪悪の使い ゆっくりいじめ系2365 ゆっくり恐怖症 ゆっくりいじめ系2659 ゆっくりしてほしい ゆっくりいじめ系2786 飼われなかったゆっくり ゆっくりいじめ小ネタ324 ゆっくりのおまけ ゆっくりいじめ小ネタ325 あかちゃんはどこからくるの? ゆっくりいじめ小ネタ365 薪割り 小山田(通称:ゆっくり加工場の人) ゆっくり加工場の人の作品集 御湯栗 ゆっくりいじめ系159 ゆっくり飾り Part.1虐家共無 ゆっくりいじめ系160 ゆっくり飾り Part.2虐家共無 ゆっくりいじめ系175 ゆっくり飾り2 Part.1虐家無 ゆっくりいじめ系2138 ゆっくり飾り2 Part.2 俺とゆっくりの人 ゆっくりいじめ系21 俺とゆっくり 虐環 無 ゆっくりいじめ系97 俺とゆっくり2(前編)制無 ゆっくりいじめ系165 俺とゆっくり2(中編)制家無 ゆっくりいじめ系214 俺とゆっくり2(後編)虐家性無 ゆっくりいじめ系561 俺とゆっくり2(終編)虐制家捕無 ゆっくりいじめ系636 俺とゆっくり2(完結編)虐環捕無 俺魔理沙の人 ゆっくりいじめ系61 ゆっくり俺魔理沙そ ゆっくりいじめ系70 NTR 制 ゆっくりいじめ系330 電子生命ゆっくり誕生制捕無 ゆっくりいじめ系663 ルチャゆっくり虐無 怪僧トンポ ゆっくりいじめ系73 こどもたちが屠殺屋ごっこをしたはなし1虐共家 ゆっくりいじめ系81 こどもたちが屠殺屋ごっこをしたはなし2虐共家 ゆっくりいじめ系224 ゆっくり藍の憂鬱虐無 ゆっくりいじめ系225 ゆっくりたちの生き地獄制家環無 課本 ゆっくりいじめ系383 畑番めーりん制そ ゆっくりいじめ系522 ゆっくりめーりんの話虐無 ゆっくりいじめ系550 体付きゆっくりの冬虐家捕無 ゆっくりいじめ系675 一人きりの子育て虐性家 書き溜め 書き溜めの作品集 希少種の人 希少種の人の作品集 キノコ馬 キノコ馬の作品集 キャベツ頭(ハチの人から改名) ゆっくりいじめ系896 ハチとゆっくり ゆっくりれみりゃ系いじめ49 冬のれみりゃ1 ゆっくりれみりゃ系いじめ59 冬のれみりゃ2 ゆっくりいじめ系1335 ゆっくりおろしていってね!!! ゆっくりいじめ系1372 都市型ゆっくりの受難 きめぇ丸大好きっ子 ゆっくりいじめ系764 究極お兄さん制無 その他 きめぇ丸といっしょ ゆっくりいじめ系820 きめぇ丸といっしょ2 ハロウィンゆっくり虐家捕無 ゆっくりいじめ小ネタ144 改造お兄さん ゆっくりいじめ小ネタ148 ゆっくりりぐる 虐待おにいちゃん 虐待おにいちゃんの作品集 巨大(ryの人 巨大(ryの人の作品集 クラムボン ゆっくりいじめ系41 ゆっくり一家と俺の冬 前編 制家無 ゆっくりいじめ系42 ゆっくり一家と俺の冬 後編 制家共無 ゆっくりれみりゃ系いじめ12 ゆっくりゃたまねぎ責め虐制 ゆっくりいじめ系449 あるゆっくり姉妹の話そ ケイネスキー ゆっくりいじめ系306 ゆっくり改造職人のお話 前編虐そ無 ゆっくりいじめ系340 ゆっくりダイビング虐環無 ゆっくりいじめ系466 ゆっくりに激しいぼうこうを加えるお話虐 ゆっくりいじめ系475 ゆっくりイクと俺虐 ケラ子 ゆっくりいじめ系509 紅い弾丸 ゆっくりいじめ系601 ある新人ゆっくりーだーの話(前編)制無 ゆっくりいじめ系647 ある新人ゆっくりーだーの話(後篇)制共無 ゆっくりいじめ系711 ある植物型奇形妊娠の話 ゆっくりいじめ系748 ある動物型奇形妊娠の話 ゆっくりいじめ系807 あるロボットゆっくりーだー達の話(前編) ゆっくりいじめ系844 あるロボットゆっくりーだーの話(後編) ゆっくりいじめ系1437 ゆっくりー島の悲劇 剣客みょん (暫定的に作者名を勝手につけました。一作品目が名前にそのまま出来そうなタイトルでしたので。微妙な場合はご遠慮なく改名要請お願いします。by管理人) ゆっくりいじめ系1528 剣客みょん ゆっくりいじめ系1547 合戦 ゆっくりいじめ系1561 ゆっくり冬将軍 ゆっくりいじめ系1576 怨念 ゆっくりいじめ系1633 ゆっくりさん ゆっくりいじめ系1644 ここが奇跡のゆっくり村!鬼意山は舞い降りた!! 懲りない男 懲りない男の作品集 さすらいの名無し さすらいの名無しの作品集 しゃべらないゆっくり ゆっくりいじめ系630 狭き門虐環家共無 ゆっくりいじめ系653 ゴッドかなこ虐共 ゆっくりいじめ系690 ゆっくりとカビ虐性家無 ゆっくりいじめ系715 不可侵条約虐無 ゆっくりいじめ系765 子沢山(植物篇)虐性無 ゆっくりいじめ系1054 子沢山(にんっしんっ篇) ゆっくりいじめ系1166 ゆっくりによる裁判 十京院典明(”ゆ虐の友”従業員から改名) 十京院典明の作品集 少女Q(ゆっくりゃバーガーの人から改名) 紅魔館×ゆっくり系8 ゆっくりゃバーガー虐 ゆっくり加工場系18 ゆっくり連環腿虐薬道 慧音×ゆっくり系5 ゆっくり奇々怪々(上) 慧音×ゆっくり系6 ゆっくり奇々怪々(中) 慧音×ゆっくり系9 ゆっくり奇々怪々(下) その他 にちょりは仲良く暮らしたい。 ゆっくりいじめ小ネタ213 ゆっくり鞭打 ゆっくりいじめ系1600 ゆっくりくずまんじゅう 白い人 その他 ようむそ ゆっくりいじめ系616 ゆゆほーる虐道無 神社バイト 神社バイトの作品集 神父 その他 辻斬り妖夢譚 ディレクターズカット版 (前編)虐性料 その他 辻斬り妖夢譚 ディレクターズカット版 (後編)虐料 小悪魔×ゆっくり系5 パティシエールな小悪魔虐料 小悪魔×ゆっくり系6 パティシエールな小悪魔2虐料 ゆっくりいじめ系1800 パティシエールな小悪魔3虐料 推進委員会の人 ゆっくりいじめ系577 ゆっくり推進委員会_1虐環無 ゆっくりいじめ系578 ゆっくり推進委員会_2虐環無 ゆっくりいじめ系666 ゆっくり推進委員会2虐環家無 ゆっくりいじめ系747 ゆっくり推進委員会3虐環捕無 ゆっくりいじめ系774 ゆっくり推進委員会4虐環捕無 ゆっくりいじめ系1182 悪徳の栄え1虐環無 ゆっくりいじめ系1226 悪徳の栄え2虐環無 睡眠不足な人 ゆっくりいじめ系718 ドスまりさのお願い(前) ゆっくりいじめ系719 ドスまりさのお願い(後) ゆっくりいじめ系743 楽園 ゆっくりいじめ系875 楽園2-裏側 ゆっくりいじめ系879 あるゆっくり家族の話 すまれみりゃの作品集 すまれみりゃの作品集 ダイナマイト横町 ダイナマイト横町の作品集 タカアキ タカアキの作品集 高菜の人 ゆっくりいじめ系1523 じゃがいも ゆっくりいじめ小ネタ228 高菜 ゆっくりいじめ小ネタ322 ふりだしにもどる チェンジリングの人 チェンジリングの人の作品集 チェンマガツ チェンマガツの作品集 ちはる ゆっくりいじめ系924 ゆっくり姉妹 前編 ゆっくりいじめ系925 ゆっくり姉妹 後編 ゆっくりいじめ系967 カントリーガール 1 ゆっくりいじめ系968 カントリーガール 2 ゆっくりいじめ系1540 ゆっくりと悪魔のような子供達 ゆっくりいじめ系1670 ゆっくりと悪魔のような子供達2 ゆっくりいじめ系1671 ゆっくりと悪魔のような子供達3 ゆっくりいじめ系1672 ゆっくりと悪魔のような子供達4 ちゃわんむし(762) ちゃわんむし(762)の作品集 町長 ゆっくりいじめ系642 満員電車とゆっくり虐環無外 ゆっくりいじめ系662 大岡裁き虐家無 ゆっくりいじめ系858 ゆっくりセラピー ゆっくりいじめ系913 頭外 ゆっくりいじめ系1190 ゆっくりの巣 ゆっくりいじめ系1729 年の瀬とゆっくり虐 超伝導ありす 超伝導ありすの作品集 ツェ ツェの作品集 ティガれみりゃの人 ティガれみりゃの人の作品集 デストラクション小杉 デストラクション小杉の作品集 同志ゆっくり小町 ゆっくりいじめ系1401 男と一家 ゆっくりいじめ系1421 きめぇ丸の恩返し 丙 ゆっくりいじめ系1438 きめぇ丸の恩返し 丁 ゆっくりいじめ系1459 ゆっくりハザード 永遠亭の怪 ゆっくりいじめ系1508 楽園の終焉 ゆっくりいじめ系1579 感染拡大 ゆっくりいじめ系1626 内から侵食 ゆっくりいじめ系1766 ゆっくりの逃避行 丙 ゆっくりいじめ系2159 ゆっくりの逃避行 丁 ゆっくりいじめ小ネタ404 王様とゆっくり 土下座衛門 土下座衛門の作品集 ドスまりさとゆうかの人(仮名) ドスまりさとゆうかの人の作品集 ななな ゆっくりいじめ系77 くたばれゆっくりぁあああああ!!!!虐そ ゆっくりいじめ系95 しにさらせゆっくりぁあああああ!!!!そ 七連星の人 七連星の人の作品集 茄子 茄子の作品集 名も無き作者 ゆっくりいじめ系100 ピタゴラゆっくり虐家無 ゆっくりいじめ系106 小ねたっぽいゆっくりいじめ虐環 ゆっくりいじめ系288 ピタゴラゆっくり2虐機無 ゆっくりいじめ系301 ゆっくりゃかわいがり(笑)虐無 その他 ゆっくりクッキングそ のりたま ゆっくりいじめ系1145 硬いお菓子 ゆっくりいじめ小ネタ163 小ネタ 7eu
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1652.html
初ですがよろしくお願いします。 ゆっくり教材 ここは、現代の都会のとある小学校。今日も授業が始まる。 小学1年生の算数の時間だ。 担任の虐 待子先生がゆっくりがたくさん入った檻を台車で運んで入室する。 「ゆ!にんげんさんがたくさんいるよ!」 「にんげんさんはゆっくりできないんだぜ!」 「むきゅう!つぶれちゃうわ!」 「にゃあ!つぶれちゃうよー!わかるよー!」 「ぢんぽっ!!」 れいむ、まりさ、ぱちゅりー、ちぇん、みょんの5種のゆっくりがいる。ざっと40匹は入るだろうか。 檻の底に入れられていた何匹かのゆっくりは潰れていた。 「今日も勉強をします!じゃあアキラ君。教科書の10ページを読んで!」 「はい!ゆっくりちぇんのあかちゃんを3ひきつぶしました!そのあとにゆっくりまりさのあかちゃんを2ひきつぶしました! あわせてなんびきつぶしたでしょうか!」 「はい!よく読めました!」 先生は黒板に問題を書き写そうとする。 赤ゆの入った透明なパックを用意した。 「にんげんしゃんはゆっきゅりできにゃいよ!」 「はやくきょきょかりゃだしゅんだじぇ!」 赤ゆは騒ぎ出す。 ゴム手袋をはめて、おでこに「白」と書かれた赤れいむを取り出す。 「ゆぅ〜!おしょりゃをとんじぇりゅみたい〜!!」 これから起こることも知らずに、ただ抜かす赤れいむ。 「ちゅぎはまりしゃだじぇ!」「ちょかいはなありしゅよ!」 「みゅきゅう〜!とっちぇもゆっきゅりできるわぁ〜!」 パック内の赤ゆは騒ぐ。 「ゆぅ〜!とってもゆっくりできているあかちゃんだね!」 「たのしいんだねー!わかるよー!」 「とってもとかいはなあかちゃんねぇ〜!」 檻の中のゆっくりも騒ぐ。ただただ耳障りなだけだ。 先生は手に持っていた赤ゆを黒板の前にかざす。 「ゆ?」 少々不思議がる赤れいむ。 「先生黒板に問題書くから皆ちょっと待っててね!」 赤ゆを黒板に押し付ける。 「ゆべぇ!」 押し付けた状態でそのまま横に引きずる。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」 れいむの体が削れ、白い線がくっきりとうつる。 この赤ゆの体はチョークになっている。しかし感覚や顔、姿はそのままの形で。 「あがぢゃんいだがっでるよぉぉぉぉ!!!やべであげでねぇぇぇぇぇ!!!」 「ごんなごどずるにんげんばじねぇぇぇぇ!!!」 「むぎゅ…エレエレエレエレ…」 「がわいぞうだよぉぉぉぉ!!!わがっでねぇぇぇぇぇ!!」 「べにずぅ!べにずぅ!」 檻の中のゆっくり達は必死に止めさせようと泣き叫ぶ。 目から出た砂糖水が床を濡らす。 掃除するとき大変じゃないか。先生はそんなことを思っていた。 「ゆ…ぎぃ…お…ぎゃ…じゃん…」 使われたれいむは白目を剥いて気絶する。 パック内のゆチョークは逃げ出そうとする。 「ばりじゃはあんなぶうになりだぐないんだじぇぇぇぇぇ!!!!」 「むぎゅぅぅぅぅ!!!ゆっぐりじだいわぁぁぁぁぁ!!!!!」 だが、 「「「どぼじでうぎょげないにょぉぉぉぉぉぉ!?!?!?」」」 このゆチョークは足を焼かれている。だから動けないのだ。 だがしかし。 「だっしゅちゅできちゃよ!わかりゅよ!」 「ちぇん!いっちょにゆっきゅりちゅるんだてぃーんぽ!!」 赤ちぇんと赤みょんが体を転がし逃げ出す。 「みゅきゅ!きょろがればいいのにぇ!」 「はやくでちぇゆっきゅりちゅりゅんだじぇ!」 他のゆチョークも転がって脱出しようとする。 しかし、 「ゆっきゅりおちるよぉぉぉ!?!?」 「てぃむぽぉぉぉぉ!?!?!?」 チョークは教卓の上に置いてあった。この二匹はその教卓の上から落ちてしまった。 パキッ! 床に落ちたみょんとちぇんは粉々に砕け散る。 「ゆ…が…」 「でぃむ…ぼぉっ…」 床に落ちても意識はあったようだ。 「ゆ?なにかおちてきたよ?」 「おまんじゅうさんだよー!わかるよー!」 檻の中のゆっくりは砕け散ったものがちぇんとみょんだということが分かっていない。 砕け散ったのが原因でお飾りも一緒に粉々になってしまったからだ。ゆっくりはお互いの飾りで個体を判断する。 お飾りが無くなった瞬間。消えたと思われたり、変なゆっくりがいるといって殺されてしまうのだ。 「わぎゃら…にゃい…よ…」 「でぃむ…ぼぉ…」 砕けたちぇんとみょんは息絶えてしまった。 「はい!書き終わりました!じゃあ実際にゆっくりを使って計算してみましょう!」 先生は檻の中からゆっくりを二匹取り出す。 「ゆ?おそらをとんでるみたいなんだぜ!」 「とんでるんだねー!わかるよー!」 取り出したまりさとちぇんを教卓の上に置く。 「ゆゆ!あかちゃんなんだぜ!」 「いまたすけてあげるからねー!」 まりさとちぇんは先ほどのれいむを見ていた。恐らくこの子達も先ほどのれいむのようになる。 餡子脳だからすぐ忘れ去ると思っていたが覚えていたようだ。 この子達も助けて、檻の仲間達も助けて、皆でゆっくりしよう。そんなことを考えていた。 「みんな!まりさのおくちのなかにはいるん―」 「はやくはいってねー!いそいで―」 プスッ まりさとちぇんの計画は先生の刺した針で粉々に砕け散った。 「ゆがぁぁぁぁぁぁぁ!!!!いだいんだぜぇぇぇぇぇぇ!!!」 「らんじゃまぁぁぁぁぁぁ!!!!わがらないよぉぉぉぉぉ!!!」 針を刺された痛みでもがき苦しむまりさとちぇん。 「ゆが…はぁ…はぁ…なんだかへんなんだぜ…?」 「なにかへんなきぶんなんだよー?」 針を刺された数秒後、まりさとちぇんが紅潮し始める。 「ゆ…ゆゆ…こうふんしてきたんだぜ…?」 「す、すっきりしたいんだよー!!」 自分の体をどんどん振動させ、どんどん興奮していく二匹。 そして。 「んほぉぉぉぉぉぉ!!!もうがまんできないんだぜぇぇぇぇぇ!!!!!」 「すっきりさせてねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 急にすっきりを始める二匹。 先生の刺した針には「すっきり促進剤」が塗られていた。 しかも水で薄めることによって、すっきりした後に茎に実る子供の数も調整できる。 「「すっきりー!!!」」 すっきりが終わったようだ。ちぇんの頭から茎が生えてくる。 ゆっくりちぇんが3匹。ゆっくりまりさが2匹だ。 「ゆゆ!あかちゃんなんだぜ!はやくうまれてきてほしいんだぜ!」 「こどもができたんだねー!わかるよー!」 子供が出来たことに喜ぶ二匹。 「きょれでおちょもだちができりゅにぇ!」 「はやきゅおちょもたちとゆっきゅちちたいんだじぇ!」 ゆチョーク共も騒ぐ。 茎の赤ゆは超ハイスピードで育つ。 「もうすぐうまれそうだよー!」 「ゆゆ!?はやいんだぜ!でもいいんだぜ!!」 早く自分の子供とゆっくりしたい。その事で頭がいっぱいだった。 はやくおかあさんやおとうさんとゆっくりしたいよー! ちゃくちできたらあいさつするんだよー! きんちょうするけどがんばるんだぜ! れんしゅうしたからきっとうまくいえるんだぜ! 子供はこれからの期待で胸がいっぱいだった。 プチッ 産み落とされた。赤ちぇんだ。 赤ちぇんは親に向かって挨拶をする。 「ゆっきゅちちちぇいっちぇ―」 ブチッ 「はい!これで1匹目の赤ちぇんを潰しました!次は2匹目!」 産み落とされた赤ちぇんは「ゆっくりしていってね!!!」も言えずに息絶えた。 「ゆが…あ…あああ…」 固まるちぇんとまりさ。 ちぇんは自分の目の前を見下ろす。そこには口から餡子を吐き出し、目も飛び出ているちぇんだったもの。 潰されたのが一瞬過ぎたせいか。ちぇんの口元は笑っていた。 「どぼじでじんじゃっだんだぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!?」 「わがらないよぉぉぉぉぉ!?!?!?!?」 子供が死んだショックで錯乱するちぇんとまりさ。 「いぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 「むっぎゅ…エレエレエレエレ…」 目の前で死んだ赤ちぇんを見て錯乱するゆチョーク。 「どうしたの!?まりさ!!」 「ふたりともゆっくりするんだちーんぽ!!」 檻の中のゆっくり達は状況が飲み込めていないようだ。 ブチッ 2匹目。赤ちぇんだ。 「ゆ!ゆっくりうまれるんだぜ!!」 「こんどはつぶれないよー!!わかるよー!」 どうやら着地のショックで死んだと思っているらしい。 「ゆっきゅりしちぇいっちぇにぇ!」 良かった。無事だった。1匹目の死骸がクッションとなったか。 「ゆ…ゆゆ…ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりうまれたんだよー!わかるよー!!」 無事に生まれたことに喜ぶまりさとちぇん。 「おちょーしゃん!おきゃーしゃん!ちゅーりちゅーりしゅりゅんだよー!」 赤ちぇんは親に近づきすりすりしようとする。 しかし、 先生の手が赤ちぇんの真上にせまる。 ブチッ 「はい!これで2匹目を潰しました!」 「ゆ?いなくなったんだぜ―」 「ゆっぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!わがらないよぉぉぉぉぉぉ!?!?!?!?!?」 また死んだ。 2匹目のちぇんはとても期待に溢れた目をしていた。 「ゆゆ…おねえさん…もしかして…」 まりさが先生に問いかける。 「うん。2匹ともあたしが殺したよ♪」 先生は明るく話しかける。 「どぼじでぇぇぇ!!わがらないよぉぉぉぉ!!!」 「ばでぃざのあがぢゃんごろずにんげんばじねぇぇぇぇぇ!!!」 先生に向かって暴言を吐くまりさとちぇん。 「コイツ!先生に死ねっていったよ!!!」 生徒が騒ぐ。 「はいはい!皆静かに!それより3匹目が生まれそうだよ!」 「ゆ?」 ちぇんは上を見上げる。 そこには3匹目のちぇんが今にも産み落とされようとしていた。 「あがぢゃん!!うまれないでね!!わがっでね!!!」 3匹目は姉と同じ末路をたどることなど知る由も無かった。いいや、何が起こっているかは赤ん坊の少ない餡子脳で理解できなかったのだ。 プルプルと3匹目のちぇんが震える。 「うまれぢゃだめなんだぜ!ごろざれぢゃうんだぜぇぇぇぇ!!!!!」 そんなまりさの言葉にお構いなしに産み落ちようとする赤ちぇん。 「どぼじでゆうごどぎいでぐれないのぉぉぉぉぉ!?!?!?」 プチッ 「あ…ああああああ…」 生まれてしまった。 「ゆ…ゆっきゅりちていっちぇにぇ!わきゃりゅよ!!」 生まれた赤ちぇんは元気に挨拶する。 「あああああ…」 白目を剥いて固まるちぇんとまりさ。 「おきゃーしゃんたちどうちたの?わきゃりゃにゃいよ?」 赤ちぇんは不思議がる。 「そりぇよりちぇんおにゃきゃしゅいたよ!わきゃりゅよ!ぎょはんちょうだいね!」 赤ちぇんはご飯を要求した。 「ぢぇんのおぢびぢゃん!!ばやぐにげでね!!わがっでね!!」 「ばやぐじないどごろざれぢゃうんだぜ!!ばでぃざのあがぢゃん!ゆっぐりじないでにげでね!!」 親達は赤ちぇんに逃げるように言う。しかし。 「なにいっちぇりゅの?ちぇんはぎょはんがほちいんだよ!わきゃりゃにゃいの?」 身の危険より飯。まあ危険が迫っている事をこの赤ちぇんは知らないようだが。 「どぼじでにげないんだぜぇぇぇぇぇ!?!?!?!?」 「ゆっぐりいうごどをぎいでね!!わがっでね!!!」 涙を流し訴える親達。しかし。 「ぎょはんをくれにゃいおやはゆっきゅりちんでにぇ!ちぇんはぎょはんをじぶんでしゃがしゅよ!」 赤ちぇんは親に暴言を吐き、ご飯を探した。 すると、自分の真下にあまあまがあるではないか。 「ゆぅぅ〜!あみゃあみゃしゃんはゆっきゅりできりゅんだよ!わかりゅよ!!」 赤ちぇんは初めての飯にかぶりつく。 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇ〜!」 赤ちぇんは食事を満喫する。しかし、 「なにやっでるのぉぉぉぉ!?!?!?ぞればぢぇんのおぢびぢゃんだよぉぉぉぉ!?!?!?」 「ばでぃざのあがぢゃんがぁぁぁぁぁ!!!!!」 そう。赤ちぇんが食べたものはつぶれた2匹の赤ちぇんだ。 この赤ちぇんにとっては姉と言うことになる。 「にゃにいっちぇりゅの?これはあみゃあみゃしゃんだよ!わきゃりゃないの?びゃかなの?ちぬの?」 役立たずの親をあざ笑う赤ちぇん。ただただ姉達を食べつくす。 「おにゃかいっぴゃいになっちゃよ!ぺーりょぺーりょちて―」 ブチッ 「はいこれで3匹目も潰しましたー!後はまりさを2匹つぶします!」 「ゆっぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 「おねがいでずぅ!ばでぃざのあがぢゃんだけでもゆるじでくだざいぃ!おねがいじまずぅ!!」 3匹目も潰された。おなか一杯に食べて満足そうな顔をしていた。 「はい!じゃあハルカちゃん!今までに何匹ゆっくりを潰したかな?」 「はい!3ひきです!」 「正解!じゃあ後はゆっくりまりさの赤ちゃんを2匹潰します!」 「ゆっくりまりさの赤ちゃんを潰す」という言葉を聞いたとたん、あの親ゆが叫ぶ。 「もうごれいじょうぢぇんのあがぢゃんをづぶざないでねぇぇぇぇぇ!!!!」 「つぶずならばでぃざにずるんだぜぇぇぇぇ!!!ぢぇんどあがぢゃんはだずげでやっでぼじいんだぜぇぇぇぇぇ!!!」 「無駄無駄。あなた達にはなにも出来ないよ☆あ、4匹目と5匹目が一緒に落ちてくる!」 茎についていた2匹のまりさが一度に産み落とされようとしていた。 「ゆっ…ゆっ…うまれでごないで…」 先ほどは早く生まれてほしいと思っていたくせに、今ではまったく逆のことを言っている。まああんなことをされたので仕方なくも無いが。 プチプチッ 産み落とされた。親達はもう諦めていた。しかし、ある名案をちぇんは思いついていた。 産み落とされた瞬間に口の中に赤ちゃんに入ってもらえばいい。その後床下に吐き出して逃げてもらおう。 残酷だけど子供達だけで生きてもらうしかない。こんな不甲斐ない親でごめんね。 「「ゆっきゅりちちぇいっちぇ―」」 「おちびちゃん!ゆっくりしてないではやくおかあさんのおくちのなかにはいってね!」 お決まりの挨拶を遮るようにちぇんは言った。 「ゆ…ゆっきゅりりかいちたよ!!」 親の迫力に何か圧倒されたのかちぇんの口の中に入る赤まりさ。 「ゆぅ〜!ひりょいよぉ〜!」 「とっちぇもゆっきゅりできりゅばしょなんだじぇ〜!」 (赤ちゃん…ごめん―) ベチャッ 「あー、多分赤ちゃんも潰れたよね。」 先生はちぇんごと叩き潰した。 「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!!ぢぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!!」 つがいのちぇんの死を悔しがるまりさ。もっともすっきりする前まではまったくの赤の他ゆっくりであった。 どうやらすっきりをした後は強制的に両思いになるそうだ。 ならばれいぱーありすにすっきりさせられても両思いになるかと言われたら違う。 れいぱーの場合はやられる側は望んでいないすっきりなので両思いになれないのだ。 今回の場合は両方同意の上のすっきりなので両思いになれたのだ。 「はい!まりさの赤ちゃんもつぶれました!合計何匹ですか?皆で言おう!せーの!」 「「「「「5ひきです!!!!!」」」」」 「せいか〜い!よく出来ました!」 生徒が正解を答えられたことに喜ぶ先生。手を汚した甲斐があった。 これで不正解だったら檻の中のゆっくりを一匹殺そうと思っていた。 「じねぇぇぇぇぇぇぇ!!!ばでぃざのぢぇんどあがぢゃんをごろじだにんげんばじねぇぇぇぇぇ!!!!」 全てを奪われた怒りを諸悪の根源である先生に向けるまりさ。 「先生!また死ねっていったよ!」 「大丈夫。先生は優しいから赤ちゃんのところへまりさを連れてってあげるの!」 「ゆゆ…?ほんとうなんだぜ?」 先生のまさかの一言に泣き止むまりさ。 「本当本当!」 「じゃあ…つれてってほしいんだぜ!」 「じゃあ目を瞑ってね!」 「ゆっくりりかいしたんだぜ!」 まりさは期待した。大好きなちぇんとあかちゃんに会える。 こんな地獄のような所から抜け出してゆっくり出来る。 そうだ。自分が前いた森の巣に住もう。 ちぇんと…あかちゃんと…一緒に… ベチャ 確かに先生はまりさを連れて行った。ちぇんとあかちゃんの待つ死後の世界へ。 「さあ!じゃあ皆でゆっくりを使ってこのプリントの問題を解いてみてね!」 プリントの問題はひとりひとり違う。同じゆっくりに殺到させないためだ。 問題を見た生徒達はゆっくりを檻から連れて行く。 「ゆゆ!おそらをとんでるみたい!」 「むきゅう〜!」 「たのしいよー!わかるよー!」 「びっぐまらぺにす!」 ゆっくり達は机の上に置かれ、針によって強制的にすっきりして妊娠させられる。 「れ、れいむぅぅぅぅぅ!!!」 「む、むきゅぅぅぅぅん!!!」 「てぃむぽぉぉぉぉぉ!!!」 たくさんの赤ゆが実る。そして即刻産み落とされる。 「ゆ…ゆっきゅちちちぇいっちぇにぇ!!」 教室のいたる所で赤ゆの産声が上がる。 ベチャ 教室のいたる所で赤ゆが潰される。 「ゆがぁぁぁぁぁぁ!!!」 「むぎゅ…エレエレエレエレ…」 「でいぶのあがぢゃぁぁぁぁぁん!!!!」 「どぼじでなんだぜぇぇぇぇ!?!?」 「でぃむぼぉ!!でぃむぼぉ!!」 教室のいたる所で親ゆの悲鳴が上がる。 逃げ延びた赤ゆも床に落下した衝撃で死ぬ。 親は逃げようにも足を焼かれているため逃げられない。 ゆっくりにとっても、生徒にとっても新たなことを学んだのであった。 算数の時間が終わった。 教室は餡子まみれ。 「うっうー!」 それをゆっくりれみりゃ達が掃除する。無論。食べると言う形で。 「あまあまがたくさんなんだどぉー♪」 「「「れ、れみりゃだ!!!」」」 親ゆは逃げようとするがもちろん逃げられない。 「ゆぎゃぁぁぁぁ!!!あんござんずわないでぇぇぇぇぇ!!!」 「むっぎゅぅ!」 「ぢぇんのじっぼだべないでねぇぇぇぇ!!!!」 「まらぁ!!まらぁ!!!」 親ゆは見事に捕食された。教室もピカピカだ。 「きれいになったどー☆うっうー☆うあうあ☆」 れみりゃ達は喜びのダンスを踊る。 このクラスの次の授業は体育だ。 生徒達の大好きな「ゆっくりドッジボール」の時間だ。 終 作者 雛の5倍速で回転できる人 ――――――――――――――――――――――――――― あとがき どうも。初ssでしたがいかがでしたか? なんか虐待表現使ってればおkみたいな考えでいたのでおかしい所は多々あると思います。 あんまりssばかり書いていられる時間がありませんが出来るだけ書いていきたいです。 よろしくお願いします。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1085.html
前 群れはゆっくりれいむが気づかぬ内に、非常に騒がしくなっていた。 それもそのはず。家の中であっても、外であっても構わずにいきなりゆっくりが破裂しているのだ。 これで恐慌をきたさない方がどうかしている。 「ままー! あちゅい!? あびゅぎ!!」 「ゆぅぅぅぅぅ!? あ゛り゛ずのどがい゛はあがぢゃん! とがいはぎゃぁぁあああ!?」 「ま゛り゛ざ あ゛づい゛よ゛う゛」 「ぱちゅりー! しっかり! しっか「ぶぎゅ!」あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!? あぢいいいいぃぃぃぃ!!??」 「おがぁぁぁざぁぁぁんっっっ!!」 「ゆ゛っぐりぃぃぃ!! お゛う゛ぢ に゛が え゛る゛ぅ゛!」 「わがらない! わ゛がら゛な゛い゛よん゛ん゛ん゛っ!?」 「ぢぃぃぃぃんぼうううう!? ぼっぼー!!」 群れのゆっくりたちが思い思いの言葉を吐きながら破裂していく。 身体が小さいゆっくりは「パン」という軽い音で、大きいゆっくりは「バン!」と大きな音で破裂していく。 大小の区別無く、無慈悲に、ひたすらにゆっくりたちが消えていく。 ただし、破裂しているのはゆっくりだけで、他の自然物はまったく破壊されていない。 せいぜい、餡子が飛び散って見た目が黒くなっているだけだ。 「み゛ん゛な゛ぁぁ゛ぁぁ!! どぼじだの゛ぉ゛ぉ゛ぉぉぉ!!??」 その惨状にゆっくりれいむは悲鳴をあげる。 しかし、ほとんどのゆっくりは悲鳴を聞き遂げることなく、散っていった。 一方、ドクターはその光景を興味深げに眺めていた。 「おぉ~、絶景かな絶景かな。自分の作ったものが、ここまでの効果を発揮するのは感慨深いものがありますねぇ」 腕を組みながらうむうむと頷く。その言葉にゆっくりれいむが反応した。 如何に餡子脳と言えども、その言葉が意味する所は理解できた。 「お゛ね゛え゛ざん゛がごんなごどじだの?」 「え? ええ、はい。直接的にではありませんが、こうなる要因を作ったのはワタシですねぇ」 ゆっくりれいむの餡子脳では所々の意味は分からない。 しかし、ドクターがこの惨状を起こしたことは理解したようだった。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛……」 「ん~? どうしましたぁ?」 「ゆ゛っぐりじねぇ!」 言葉と共に繰り出される体当たり。ドクターはそれをまともにくらい、「ふもっ!」と変な声を上げて倒れた。 所詮はゆっくりの攻撃なので大した痛みはなかったが、ドクターにとってはいきなりの行動で驚いていた。 「わー、びっくりした……なんなんですか急に」 のたのたと立ち上って土を掃いながら、ドクターはゆっくりに問いかける。 「いきなり暴力に訴えるなんて、酷いことをするゆっくりですねぇ。 こう見えても虚弱なので、そういうことはやめてほしいもんです」 「お゛ま゛え゛が み゛ん゛あ゛を゛!」 「待ってくださいな。要因を作ったのはワタシですが、こうなったのはアナタがいたため、ですよ?」 「ゆ、ぎ?」 ゆっくりれいむの動きが止まる。言われている意味が分からない。分かってはいけない。 ようやく話を聞く状態になったとドクターは判断し、「んふ」と怪しい笑みを浮かべて説明を始めた。 懐から何やら飴のような物を取り出す。前にゆっくりれいむにあげたものと同じ性質である。 「いいですか? かいつまんでお話しますが、外の世界にはニトロなんちゃらという爆発物があるのです。 それは糖を原料として爆発物に至るのだとか。厳密に言うと色々とあるそうですが、それは置いてといて。 ワタシはこう考えたのです。糖を原料とするなら、餡子を原料としてもいいのではないかとぉ! 上役の人に掛け合ってみたら、『だったらお前がやってみればいいんじゃねえの?』と許可をもらえました。 そこから、語るも涙、作るも苦労の日々を重ねて作り上げたのが、この飴のような物体。 その効果は食したゆっくりを媒介として、それに接触した他の個体に感染して破裂させるというもの。 これの恐ろしさは二次感染した個体が他の個体に触れても、感染してしまうという所なんです! ねずみ算式に増えていく、名づけて『ゆっくりニトロ』です!」 「…………………」 ゆっくりれいむはまったくの話の内容を分かっていなかった。 ゆっくりれみりゃなら頭から蔦でも生えてくるかもしれない。 その様子に気づいたのか、ドクターは照れ笑いを浮かべながら捕捉する。 「あぁ、ちょっと難しすぎましたか。ワタシ、説明が長すぎるってよく言われるんですよねぇ。 えぇと……簡単に言うと、アナタにあげた飴がこの『ゆっくりニトロ』だったんです。 で、アナタに触れたゆっくりは『バン!』ってなっちゃうんですよ」 「ゆ゛!?」 ようやく言われたことの意味を把握出来たが、それでも分からないことがあった。 「れいむがさわってないこも、ばん! ってなってるよ!?」 「それはですねぇ、アナタが触ったゆっくりは既にゆっくりニトロって病気が感染(うつ)ってるんです。 そして、病気が感染ったゆっくりが、他のゆっくりに触るとまた感染っていくんですよ。 こうやって、ねずみさんみたいにいっぱい増えていくという代物なんですねぇ」 嬉々として説明を終える。その顔はとても晴れやかだ。 説明を終えたためか、ゆっくりニトロを懐に仕舞いこむ。 「じゃ、じゃあ、れいむがあかちゃんやまりさにさわったから……?」 「他のゆっくりに触ったなら、すごく簡単に感染りますよ。 まあ、あれですね。要因を作ったのがワタシなら、流行らしたのはアナタ、ということで」 おあいこです、と笑顔で言うドクター。 当然、その論法の穴には気づいているが、それを口に出すことはしない。 ドクター個人としては嘘が嫌いなのだ。 「れ゛い゛む゛のせいじゃな゛いよ! お゛ね゛え゛ざんのせいだよ!」 泣きながら、必死に己の責任を認めようとしないゆっくりれいむ。 論法の穴に気づいているわけではなく、単に自分の責任であることを認めたくないだけだ。 ドクターは笑いながら、ゆっくりれいむを追い詰める。 「でも、助けた時に飴が欲しいって言ったのはアナタじゃないですか」 「ゆぐぅぅぅ……!」 それは餡子脳でも覚えていた。あれだけおいしいものを食べたのは初めてだったので、鮮烈に記憶していたのだ。 助けられて治療を受けていた時、綺麗な飾りとおいしい飴のどちらかをあげると言われた。 その際、一応は長々と講釈を垂れて効能を説明したが、餡子脳で十分の一も理解していなく、話も聞いていなかった。 言うまでも無く、そうなるように仕向けたのはドクターである。 そして、飴もといゆっくりニトロを選んだのはゆっくりれいむ自身であった。 「うろ覚えですが、どこかのちぇん子さんも 『背負った罪によって道を選ぶのではなく、選んだ道によって罪を背負うべきだ』 って言ってますし、認めちゃったらどうですか?」 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ! れ゛い゛む゛のせい゛じゃないいぃぃぃいい!!」 身体を震わせ、叫ぶゆっくりれいむ。その瞳はどこも見ていない。 「そうですか。でも、お友達や赤ちゃんはそうは思っていないみたいですけどねぇ」 ドクターはつい、とゆっくりれいむの背後を指差す。 そこには家族になるかもしれなかったゆっくりまりさと、家族である子ゆっくりたちがいた。 「れいむぅ!」「「「おかーさん!」」」 「ゆっ!? まりさ! みんなでこの……」 ゆっくりれいむはその言葉を最後まで言えなかった。 ゆっくりまりさに思い切り体当たりをされたからだ。 「なにずるの、まりじゃ!?」 「うるさいよ! さっきのおはなしきいてたんだよ! ぜんぶれいむのせいだったんだね!」 「おかーさんのせいでゆっくりできないよー!」 「ゆっくちあっちにいってね!」 「ゆっきゅりちね!」 「どう゛じでぞんな゛ごどい゛う゛の゛ぉ゛ぉ゛ぉぉ!?」 ドクターの言葉をゆっくりなりに解釈した結果がこの結論のようだ。 分からない部分も多かったが、餡子脳をフル回転させてゆっくり理解したのだ。 ゆっくりまりさはさらに追い討ちをかける。 「みんながばん! ってなっちゃたのも!」 「ゆぎっ!?」 「からだがあついのも!」 「ゆぐぅぅ!」 「みんなみんな、れいむのせいなんだよ!」 「ゆべぇ!」 最初のダメージが抜けきっていなかったゆっくりれいむは為す術もなく、攻撃をくらっていく。 ゆっくりまりさはまるでヒーローのようだった。 群れにひどい被害を与えた、悪いゆっくりを成敗する。 ゆっくりまりさの心の中はそんな使命感で一杯だった。 悪いことをしたゆっくりを許してはいけないのだ。仲の良いゆっくりれいむであっても、それは例外ではない。 一方で、ゆっくりれいむは不意打ちと仲の良かったゆっくりに攻撃されて、身と心をボロボロにしていく。 「やっちゃえー! そんなやつ、おかーさんじゃないよ!」 「ゆっくちしんでいってね!」 「ゆっきゅり……」 子ゆっくりたちもゆっくりまりさを応援している。既に母親を見捨てているのだ。 子供故の残酷さ、という奴だろう。 その事実もまた、ゆっくりれいむに多大なショックを与えていた。 ゆっくりれいむが動けなくなった所で、ようやくゆっくりまりさは攻撃を止めた。 「……れいむはここからでていってね。あかちゃんたちはまりさがそだてるよ!」 「「「ゆっきゅりしていこうね!」」」 「ま゛り゛じゃ゛ぁ゛ぁぁぁ……れ゛い゛ぶのあがぢゃんま゛っでぇぇぇぇ……!」 「ゆ……まりさはれいむのことはきらいじゃないよ…… でも、わるいことをしたら『せいさい』されなくちゃいけないんだよ!」 子ゆっくりたちを集めて、ゆっくりれいむから距離を置く。 ゆっくりまりさが新しい親になることに、子ゆっくりたちも異議はないようだった。 ゆっくりれいむはそれを見て、皆が遠くへ行ってしまったことを理解した。 もう自分はここにいてはいけないのだ、とゆっくりらしくもなく悟ってしまった。 「み゛ん゛な゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」 涙混じりの声に振り向く家族たち。ゆっくりれいむは目から大量の涙を流している。 「れ゛い゛む゛のぜいで、ゆっぐりできなぐなっでごべんなざいぃぃ!!」 だがら゛ぁ! ごれがらも……れ゛い゛む゛のぶんま ゛で、ゆ゛っぐり゛じでい゛っでね゛!!!」 「れいむ……」 「でも、でも……! み゛ん゛あ゛とい゛っじょに、ゆっぐり゛じだがっだよ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛っ゛!!」 「「「おかーさん……!」」」 心の底からの叫びがゆっくりたちにも届く。 ゆっくりまりさはゆっくりれいむと過ごしてきた日々を思い出す。 優しかったれいむ、自分が危なかったときに我が身も省みず助けてくれたれいむ。 餡子脳故に多くの場面は回想できなかったが、それでもゆっくりまりさは思い直す。 たとえゆっくりできなくなっても、れいむはれいむなのだと。 しかし、ゆっくりまりさたちは肝心なことを忘れていた。 「れいむぅ! いっしょにゆっくりしていっ『バン!』べ!?」 ゆっくりれいむに言葉をかけようとした所でゆっくりまりさは破裂した。 当然、近くに集まっていた子ゆっくりたちにも餡子が降りかかる。 「びぎゃがあ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」 「ぎゃばばばばば!!」 「ゆ゛っぐじ゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!」 至近距離で熱い餡子を浴びた子ゆっくりたちは、叫びながら『パン』と破裂していった。 運が良いのか悪いのか、一匹だけが半死半生の状態で生き残っている。 しかし、その命の灯火もすぐに消え去った。 「おがあ゛ざん、あづいよぉ……だずげ『パン』じぇ!?」 ゆっくりれいむに助けを求めた子ゆっくりが、その目の前で破裂した。 自分の目の前で、しかも家族が破裂してしまったのを呆然と見ているゆっくりれいむ。 ドクターはその様子を見ながら、特に興味を持つでもなく、補足説明を行う。 「言い忘れてましたけど、運動による過熱と急激な振動によって、ゆっくりニトロの症状は進行しますので。 先ほどみたいなことをすると、簡単に破裂しますよー?」 何も言わずにゆっくりれいむはドクターを見る。その顔から説明を理解できていないと判断。 「えぇと、ゆっくりニトロに感染したゆっくりは、身体が熱くなっていきます。 その熱さが限度を越えた時、破裂してしまうんですねぇ。 または、身体の中の餡子がとても揺れた時などの場合でも破裂します。 先ほどの状況ではアナタを攻撃するために身体を動かした結果、身体の餡子が熱くなりすぎた、ということかも?」 淡々と語りながら、持っているメモに書いていく。これはこれで、貴重な実験資料である。 当然のごとく、ゆっくりれいむは話の内容を欠片も理解していない。 ドクターはそれを分かっているが、自分の考えをまとめるために口に出しているだけだ。 「……しかし、実際に見ての感想ですが、ニトロだとゆっくりがロクに苦痛を感じる暇もなく、死んでしまいますねぇ。 虐待には向かない、かも? 一斉駆除とかには向いてるとは思いますが」 自分の意見を口に出しながら、メモに書いていく。 楽しむでもなく、悲しむでもないドクターの様子を見て、ゆっくりれいむは重い口を開いた。 「どうじで……」 ゆっくりれいむは、もうわけがわからなかった。 何故、どうして、何で、と疑問だけが頭の中を巡っている。 人間は確かに恐ろしい存在だ。頭が良いし、力も強い。そのぐらいのことは分かっている。 だから、この群れの皆は人間となるべく関わろうとせずにゆっくりだけでゆっくりしてきた。 人間に迷惑なんてかけてない。なのに、なんでこんな酷いことをされなければいけないのか。 ゆっくりれいむはそれを明確な言葉には出来ない。だから、それらの思いを一気に吐き出した。 「どう゛じで、ごん゛な゛ごどずるの゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!??」 その思いを過不足無く聞き遂げたドクターは「あは♪」と笑って、返答する。 聞かれた質問に答えられねば、ドクターの名に恥じる。 「ゆっくりニトロを作ってみたかったから、ですよ。それを試せるのなら、他のものなんて興味ないんですよ。 ワタシにはアナタたちを虐める趣味はありません。 何故なら、『どうでもいい』から。一匹の個体や群れが、死のうが生きようがどっちでもいいんです。 ワタシはワタシの作ったモノを試してみたいだけ。そして、アナタたちは実験台というわけです。 正直言って、ゆっくりならどれでも良かったので、適当にアナタにしました。都合が良かったし。 唯一の後悔はニトロの感染具合と発症が思ったよりも早かったことですねぇ。 おかげで、感染したゆっくりをあんまり確保出来なかったのが残念です。 おや、どうしましたぁ?」 畳み掛けるように言葉を羅列していくドクター。勿論、ゆっくりれいむが返答出来ないことはお見通しである。 一度に沢山の言葉を浴びせられて返答できるほど、餡子脳の性能は良くない。 ゆっくりれいむは何かを言おうとしているが、口も頭も回らずに「ゆぐぐ……」と唸っている。 「じゃ、行きましょうか」 「ゆ゛ぎ?」 どこへ、と視線で問いかけるゆっくりれいむ。にっこりと笑顔で応えるドクター。 「勿論、ワタシの研究室ですよ。アナタは大切な大切な『実験台』なんですから。 逃がしませんよ離しませんよ。他のニトロ感染個体は皆、破裂しちゃいましたからね。 残ったのはアナタだけ、です。 アナタにはニトロの抑制剤を服用させてあるので、簡単には破裂しません」 簡単には破裂しない、という言葉で自分が死ねないことを悟るゆっくりれいむ。 恐怖よりも絶望が襲う。 「い゛、い゛や゛ぁぁぁぁ!? れ゛い゛む゛もごろじでぇぇ!! ま゛り゛じゃとあ゛がぢゃん゛のどごろ゛にい゛ぐぅぅぅぅ!!」 「ダメですねぇ。さ、ずっと『ゆっくり』させてあげますよ? ワタシなりのやり方で」 淡々と語りかけていく。その目に浮かぶには間違いなく狂気の光。 どこかが狂ってしまっているモノの眼である。 そして、ゆっくりれいむを抱き上げて歩いていく。 「気をつけたほうがいいですよ? 人間は場合によっては妖怪よりも怖いんですから。 特にアナタたちみたいに、どんな風に生きているのか分からない生き物には興味を示します。 どうなっているのかバラバラにして、中まで調べるし、平気で殺したりもします。 ワタシも頼まれて、何匹もバラバラにしたことがありますよ? 最後までそのゆっくりは泣き叫んでましたっけ。 だして、いたい、やめて、おうちにかえる、ゆっくりしたい、とか色々と叫んでましたよ。 こんな酷いことも平気でするのが人間。だから、人間なんて信用しちゃダメ、ですよ? 特にワタシみたいな」 ドクターは耳障りな笑い声をあげながら、山を降りていく。 ゆっくりれいむは、じたばたと暴れて逃れようとするが脱出することは適わない。 最早、このゆっくりれいむは二度とゆっくりできないだろう。 後に残ったのは、無残に餡子が飛び散った『ゆっくりプレイス』だけだった。 後書き AAでゆっくりゃの頭が破裂してるのを見て、何となく思いついたネタ。 東方キャラを出そうとしたけど、やけに書きづらかったんでオリジナルのキャラを出してしまった。 ニトロなんちゃらに関しては、知識があるわけでもないので化学的にはスルーしてください。 無駄にドクター(仮)のデータでも書いてみる。 加工場とは別にゆっくりの研究などをしている人。 どちらかというと、人間よりも妖怪、特に河童や天狗に近い立ち位置。 基本的には腰が低くて、変な口調。文中に「-(伸ばす棒)」や「ねぇ」などの言葉を多用する。 というか舌足らずっぽい。でも、なんとなく小悪魔っぽくなってしまった気もする。 幼児体型。 ゆっくりニトロの解説 ゆっくりに服用させることで、ゆっくりの中の餡子が熱を持って、終いには破裂させる。 感染力が異常に高いが、当然ゆっくり以外には感染しない。 感染方法は接触・交尾・体液交換(唾液)などによる。 餡子全てにニトロが感染しきると破裂する。餡子を侵食するウィルス的存在か。 2~4日で発症。 第一段階 最初にニトロに感染した個体から、群れのゆっくりに接触感染していく 第二段階 中の餡子が熱を持ち、ゆっくりたちが自覚出来るほどに熱さによって動きが鈍くなる。 第三段階 子供などの身体の大きくないゆっくりにニトロが行き渡っていく。熱さで動けなくなる。 第四段階 ニトロが全身行き渡った瞬間にゆっくりは破裂する。 その際、餡子の温度が一気に上昇し、表面の皮や髪、飾りを燃やし尽くして、周囲に餡子が飛び散る。 破裂する時、瞬間的にだがゆっくりへ絶大な痛みをもたらす。 ただし、その一秒後には痛みを感じる身体そのものがなくなっている。 注意事項 破裂した餡子は外気に触れると急速に冷えていくので、火災の心配などはない。 しかし、至近距離で破裂した餡子を浴びると、まだ熱を持っている状態なのでとても熱い。 ニトロに感染した個体が激しく動き回ったりすると、運動で発生した熱と振動で、ニトロが全身に行き渡る。 ゆっくりしていれば、少しは症状を遅らせることはできる。 現状では試作品なので飴のような形にしてある。 一応はドクターが抑制剤と解毒薬を持っている。 これらのネタを使いたい人は好きに使ってね! 書いた人 ゆっくりまんじゅうの人 ここから先はちょっとしたおまけ 「ゆー……ゆっきゅりしていってね……?」 一匹の子ゆっくりれいむが目を覚ます。連れて行かれたゆっくりれいむの子供である。 さっきまで外がうるさかった。眠っていても『ばん』という変な音で何度か目を覚ますこともあった。 結局、親ゆっくりれいむもいない状態が寂しくて怖かったので、そのまま眠ってしまっていたのだ。 それが今ではすっかり静かになっていることが不思議でしょうがなかった。 相変わらず、身体が熱くてゆっくりできない感じではあったが、流石に不安になってきた。 「みんなー、どこー?」 家から這いずり出て探してみるも、誰の姿も見当たらない。 何か黒いものが周囲に飛び散っているだけで、どんな声も聞こえはしない。 その黒いものがゆっくりの大事な中身であることは、このゆっくりは親からまだ教えられていない。 だから、特に恐怖も感じずに餡子の中を這って行く。 「ゆっきゅりしていこうよぅ……」 餡子に対する恐怖はなくとも、家族や仲間がいないことに対する恐怖はあった。 びくびくと怯えながら、周囲を見渡す。 しかし、誰もいない上に、ゆっくりの声すら聞こえてこない。 「ゆっきゅりー……」 寂しさと恐ろしさで泣きそうになるゆっくりれいむ。 その時であった。 「ゆっくりしていってね!」 「! ゆ、ゆっきゅりしていってにぇ!」 ゆっくりれいむは突然、声をかけられたことに驚き、口が回っていないまま返事をする。 そこにいたのはゆっくりまりさ。しかも、何匹もいる集団である。 どうやら、ゆっくりプレイスを求めて放浪していた群れのようだ。 「ゆっ! ここはゆっくりできるところ?」 「ゆっきゅりできるよ! でも、でも、おかーさんが……」 「ゆゆ!? どーしたの!?」 何があったのか、ゆっくりまりさは子れいむに問いかけた。 思わぬ所で同族と会えた子れいむは家族や仲間たちがいなくなったことを話す。 涙混じりに語る子れいむの姿に、ゆっくりまりさは深く同情するのであった。 「ゆっ! まりさ、ここはだれもいない……あかちゃんだー!」 「ゆみゅ!」 一匹のゆっくりれいむがゆっくりまりさへと報告に来るが、子れいむの姿を見て身体を擦り付ける。 勿論、発情したわけではなく、親愛の証としてである。 「れいむ、このこのおかあさんがいなくなっちゃったんだよ! みんなでゆっくりさがしてきてね!」 「ゆっくりりかいしたよ! みんなー!」 統率が取れている群れらしく、れいむの呼びかけに何匹ものゆっくりが集まってくる。 中には勢い良く向かってきたゆっくりがゆっくりれいむにぶつかったりもした。 幸い大事にも至らず、他のゆっくりがぶつかったところを舐めたりして慰める。 それらのゆっくりは簡単に事情を説明されると、すぐに各々の判断で周囲に散っていった。 「れいむもいってくるよ! あかちゃんはゆっくりまっててね!」 「ゆっきゅりありがとう!」 ゆっくりれいむはこの場所に来る途中にあった、他のゆっくりの群れへ探しにいった。 子れいむはその姿にとても感動した。 会って間もない自分のために、皆が頑張ってくれているのだ。 そのことが嬉しくてたまらなくて、自分もあんな風になりたいと思うのであった。 「だいじょうぶだよ! みんなでさがせば、きっとみつかるよ!」 「そうだね! ゆっきゅりまとーね!」 残った二匹は身体を寄せ合って、暖かな日差しの中でゆっくり待つ。 その姿はまるで親子のようだった。 「「ゆっくりしていってね!」」 パン、という破裂音がゆっくりプレイスに響き渡った。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2941.html
外道饅頭 皆さんはイヌガミをご存知だろうか? イヌガミとは犬を頭だけ出した状態で地中に埋め、その目と鼻の先に食べ物を山のように積み飢えさせていく事から始まる。 やがて手も足も出ない犬の飢えが絶頂に達した頃、一思いにその首を刎ねるのだ。 そうして出来上がった生首、その瞳は憎悪と渇望にまみれ言葉に出来ぬ程の闇を宿すと言う。 だがこれだけで終わらない。 更にこの生首を人が頻繁に通る四辻に埋めて、多くの人にその頭上を歩ませるのだ。 肉も朽ちる頃、ようやく掘り出されたそれは、崇り祭られイヌガミを宿す呪物と成る。 このイヌガミ、術者に莫大なる富を与える反面、時に厄災を呼び起こし一族全員を崇り殺すことまであると言う。 また一度イヌガミが憑いた家は末代にまで憑いて廻り、その家系と関係を持った他所にまで伝染することから孤立することも多い。 そのおぞましさ、業の深さから人はこれを道をはずれた行い、外道と呼ぶ。 そうして俺は図書館を後にする。 外道だろうが畜生だろうが幸福になれるならなってみたいものである。 とは言えワンコの首ちょんぱを出来る程、俺の肝は太くない。祟りだって怖い。 地道に全うな道を歩むのが身の丈に合っているというものだろう。 そんなこんなを考えていると、ふと絹を裂くような悲鳴が聞こえた。 「いぢゃあああああああああああ!!!」 声の主はゆっくりれいむ、何ともゆっくりしてない声である。 とはいえ、その頭には2本の牙が深々と突き刺さり、今尚ちゅるちゅると中身を吸われている最中であるから無理もない。 「う~う~♪」 一方のゆっくりれみりゃはニコニコと笑顔満面、れいむの餡子に舌鼓を打っている。 「もっど・・・ゆっぐり・・・じだ・・が・・だ・・・」 やがてれいむはペラペラになり、遂には何も喋らなくなった。 れみりゃは小さくゲップをすると、腕の甲でゴシゴシと口元を拭っている。 「こんにちわ」 「うー? こんにちわだどぉー♪」 俺はれみりゃに声を掛ける、不幸にもある思い付きをしてしまったからである。 「ごごがらだじでぇーーー!!」 地面からモグラの様に首だけを出すれみりゃ、その眼前にはお菓子が山のように積まれている。 「どうしたんですかお嬢様、おやつはお気に召しませんでしたか?」 「おがじ!! おがじいいぃぃぃ!!」 れみりゃは饅頭とは言え人の形をしているし、言語を操るほどの知能もある。 儀式の代替に用いたものの、考え方によっては犬よりも向いているかもしれない。 パタパタと団扇で風と香りを送る。 「うぅ、うううぅぅぅぅぅ!!!」 歯を食いしばって必死に耐えている、お嬢様のプライドと言うやつだろうか。 その姿が余りに健気だったので、もう少しばかりサービスしてやることにする。 「そうだお嬢様、よろしければ私めがお食事をお運びしましょう。」 そういって手元のプリンを匙ですくう。 「うー!! ぷでぃん、ぷっでぃ~ん♪」 手の平を返したように満面の笑顔を咲かせるれみりゃ。 すっと伸ばした匙を上下させる。プリンは目の前ではプルプルと躍り、鼻の前では甘いバニラの香りを漂わせる。 「あー・・・♪」 耐え切れずに雛鳥のように口を開く、その口内は燃えるように真っ赤である。 パク 「あ・・・? あ、ああ、ああああああああああ!!!??」 うん、旨い。 取り立てて好きと言う訳ではないが偶に食べるとどうしてこんなにも美味しいのだろうか。 口を動かす俺の前でれみりゃは大粒の雫を目元に浮かべる。 そんな様子を傍目に、黙々と匙を動かしていく。 やがて匙が底を打つようになったところで、おもむろに器をれみりゃの眼前に置く。 カラカラと匙が転がる音がやけに響く。 「うぅ・・・う!? れみりゃのぷっでぃーん!!!!!」 遂に耐え切れなくなったのか、ボロボロと涙をこぼし始める。 チンチンと匙で空の器を叩く。その音は澄んだ空に吸い込まれていった。 翌日 「「「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~!!」」」 「だべるなああぁぁぁ、れみりゃのぷっでぃーんだべるなああぁぁぁぁ!!!」 お菓子の山に群がる饅頭、涙を流しながら幸せ幸せと食い散らかしている。 そうして小一時間もする頃には山のようにあったお菓子も、汚らしい食いカスを残すばかりとなった。 「げっぷ・・・。ゆふーん、とってもゆっくりしてるね!!」 「「「ゆっくりしてるね!!」」」 れみりゃのことなど何のその、たらふく食べたゆっくり達は思い思いにくつろぎはじめた。 イヌガミはその怨念が大きいほど強力な呪術となるらしい。 そこでよりその思いを掻き立てるため、ゆっくり達をけしかけることにする。 「やぁおはよう、ゆっくりしてるかい?」 「「「ゆっくりしてるよ!!」」」 一斉に振り返り元気な返事を返してくれる。中々素直だ。 「ねぇみんな、あそこにれみりゃが居るだろう。怖くないのかい?」 「あのれみりゃはうごけないからだいじょうぶだよ! おにいさんもゆっくりしていってね!」 視線の先ではれみりゃが歯軋りをしながらうーうーと唸り声を上げている。いい感じだ。 「そっかそっか。ところでお兄さん面白い遊びを考えたんだけど・・・」 「いだいいだいいいいいぃぃぃ!!!」 「ゆっへん!!まりさはむれいちばんのゆっくりなんだよ!!」 「「「ゆんちょ!! ゆんちょ!!」」」 「おちびちゃんたちかっこいいよ!! さすがれいむのおちびちゃんたちだね!!」 俺の考えた遊び、それはれみりゃを虐めるというシンプルなものであった。 尤も迂闊に近づくと齧りつかれてしまう。そこでゆっくり達に石や棒を使うという入れ知恵をしてやる。 後は放っておくだけで行為はどんどんエスカレートしていき、ストレスも雪だるま式に積もっていくわけだ。 最初の頃は憎まれ口を叩いていたものの、今ではもう泣き言しか出てこない。 「うわああぁぁぁざぐやああああぁぁぁぁ!!!」 れみりゃの再生力なら死ぬことは無いだろう。 そうして2日目は過ぎていった。 更に翌日 「・・・・・・・・・」 何やら口を動かしボソボソと呻いているが聞き取れない。 目元は大きく腫れあがり、クマも墨を流したようにどす黒くなっている。 頬を伝う白い筋は涙のあとだろうか。 髪もボサボサに乱れ、顔中の至る所で痣やミミズ腫れが見られる。 燃費の悪いゆっくりの体では丸2日の絶食は堪えるのだろう、傷の回復もままならないようだ。 台所に戻り包丁を手にする。そろそろ頃合だろう。 ジャリジャリと土を踏み鳴らしれみりゃの背後に回る。 こいつには俺がどのように見えているのだろうか。 そうして鈍く光る刃を白い首筋に宛がう。 大きく息を吸う、そうして一気に刃を引いた。 「おごごごごごごごごgggggg」 斬り損じた。傷は首の中程で止まってしまった。 饅頭と高をくくっていたが、地面と密接していたためか上手く刃が入らなかったらしい。 口からは泡を吹き出し、首からは何やらヒューヒューと気の抜ける音を立てている。 仕方がないので刃先で突く様にして少しづつ削り崩していく。 一突き一突きする度にビクビクと震え、辺り一体に肉汁の香りが充満する。 そうして包丁を握る手が油でぬるぬるになる頃、ようやくにして首を落とすことが出来た。 「ざ、ざぐ、や・・・」 れみりゃはまだ生きていた。 おぼつかないが確実に意味を成す言葉を紡いでいる。意識もあるのだろう。 今更ながら可哀想という気持ちが沸いて来たが、ここまでやっておいて投げ出すことも出来ない。 喚く生首を手にし、一路畑道へと向かった。 『・・・・・!!・・・・・!?』 畑のど真ん中の畦道。その交わるところは色が変わり、耳を澄ますとそこからは虫の声のようなものが聞こえていた。 翌日 まだ声は聞こえる。 三日後 まだだ、まだ聞こえる。 一週間後 まだ、まだ聞こえる。 この日、男は遂に耐え切れなくなり地面を掘り返していた。 一堀一堀進む度、聞こえる声はどんどん大きくなっていく。 そうして掘り終えたそこにあったのは薄汚れた帽子だけであった。 話によればこの遺物を呪物として祀りあげることにより術は完成するという。 とはいえ、もう男にはそんな気力は無い。一日一日と熱は冷めていき、もはや残るは後悔の念だけである。 残った帽子のやり場に手を焼いていると、ふいに声を掛けられた。 「ゆっくりしていってね!!」 ゆっくりれいむ。こちらとは対照的に何とも幸せそうな顔をしている。 「おにいさん、きょうはおかしないの?」 はて、どうやら以前れみりゃのお菓子を横取りしていた連中の1匹らしい。 そこで男はふと思いつく。ゆっくりのことはゆっくりに。 「れいむ、いい物をあげようか?」 「ゆゆ! いいものってなぁに?」 涎を垂らすれいむに手を伸ばす。その中に握られているのはあの帽子。 「ゆびぃ!? おにいさん、これゆっくりできないよ!!」 思わず後ずさるれいむ。 だが男はなだめる様に言葉を続けていく。 「まぁ待てって。れみりゃの帽子を持っているとれいむは強いって他のゆっくり達から大人気間違いなしだぞ?」 「ゆ・・・・・?」 「おまけにこの帽子は特別せいでね。大事に大事にすると幸せーになれるんだ」 「ゆゆ!!」 「と、言うわけで大事にしろよ。」 「ゆっくりわかったよ!! おにいさん、ありがとう!!」 れいむは帽子を咥えるとペタペタと跳ねて行った。 都合よく厄介払いの出来た男はホッと一息ついた。心なし肩の荷も降りたような気がする。 そうして男は足取りも軽く家路へとついた。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆくっりしてっ!? れいむなにもってるの!!?」 我が家へ帰って最初に放たれたのは驚嘆の音、まりさは訝しげにれいむを見つめる。 「ゆっふっふーん・・・これだよ!!」 「ゆゆゆっ!!?」 ぺっと吐き出されたれみりゃの帽子、思わずまりさは言葉を失う。 「ど、どうじだのごれええぇぇぇ!!?」 「ゆ? ゆー・・・れ、れいむがれみりゃをやっつけたんだよ!!」 「ゆっぐいー!!!??」 れいむは見栄を張った。 「さっすがまりさのれいむだよ!! とってもゆっくりしてるよー!!」 「ゆ・・・ゆっへん!!」 えへんぷりとアゴを反らす。 パートナーの尊敬の眼差し、その日2匹は久々のすっきりをした。 「うーうー」 「ゆ? ゆっくりしていってね!!」 れいむの周りを何やら黒い影が動き回っている。 「ゆぅ? あなたはだぁれ?」 「うーうー」 黒い影は答えない。ただひたすらウロウロしているだけである。 「ゆぅぅぅ、ゆっくりしてよー!!」 「うーうー」 遂には怒鳴りだすれいむ、だが黒い影の様子は変わらない。 やがてれいむが怒り疲れた頃、黒い影はピタリとその眼前で歩みを止めた。 「ゆ!! やっとわかってくれたんだね!!」 「うー」 影は一声上げると霧散するようにその姿を消した。 その声はまるで戸惑っているようだった。 「ゆ・・・ゆっふーん!!」 「おはようれいむ、きょうもいちにち」 「「ゆっくりしていってね!!」」 朝というにはやや遅い時間帯、のどかな挨拶で2匹の一日はゆっくりと幕を上げる。 だが今日はいつもと何かが違った。何か違和感を感じるのだ。 「ゆー・・・? まりさ、なにかへんだよ?」 「ゆぐぅ・・・ なんだかまりさ、あたまがおもいんだよ」 いつも元気なまりさ、それが今日はどことなく力ない。 れいむが心配してまりさに歩み寄る。そしてその目にあるものが映った。 「ゆ!!? まりさのあたまに あかちゃんがはえてるよ!!」 「ゆゆゆゆゆ!!!??」 重い頭、その正体はタワワに実った赤ちゃんであった。 帽子のツバが影となり気付くのが遅れてしまったのだ。 「ゆゆぅ・・・れいむたちのあかちゃん、とっとてもゆっくりしてるよぉ・・・」 「ゆふぅーん・・・」 2匹揃ってうっとりー、思わず涙も零れ落ちる。 その日から2匹の子育てが始まった。 「ゆんゆっゆ~ん♪」 身重のまりさに留守を任せ、せっせと木の実拾いに打ち明けるれいむ。 幸せの絶頂、れいむは木の実を集めることすら楽しくて仕方なった。 そんなおり 「おう、こんちは」 頭上を見上げるとそこに居たのは昨日の男。そう、れいむに帽子を与えた男であった。 「おにいさんこんにちは!! ゆっくりしていってね!!」 元気よく挨拶を返すれいむ。挨拶を受け終え男は懐に手を入れる。 そうして引き出された握り拳をれいむの眼前に伸ばす。 「ほら、これをやろう」 「ゆ?」 開かれた手の平に乗っていたのは飴玉、透き通った琥珀色が何とも美しい。 「これはとっても甘くてゆっくり出来るんだ。美味しいから食べてみ」 「ゆっくりわかったよ!! ぺーろぺーろ、 し、しあわせー!!!」 だくだくと涙を流す。気に入ったようだ。 そうして1人と1匹は話し始める。 愛しのまりさがにんっしんっしたこと、赤ちゃんは皆とてもゆっくりしていること。 気付けば太陽が大きく傾く時間になっていた。 「それじゃあ れいむはもうかえるね。おにいさん、あまあま ありがとう!!」 「ああ、気をつけて帰れよ」 最後にもう数個の飴玉を受け取り、まるでリスのように頬を膨らまし帰路を目指す。 そうして振り返った背中に男の声が掛かった。 「そうだ。昨日渡した帽子、くれぐれも大事にしろよー!」 そういえばそんなものもあったな。今日これだけ幸せなのも、きっとあの帽子のおかげだろう。 れいむは一度礼を返し、今度こそ帰路へと着いたのだった。 「ぺーろぺーろ、しあわせー・・・!!」 まりさはぺろぺろと飴玉を舐めている、その目からは相も変わらずだくだくと涙が流れる。 そんな様を尻目に、れいむは神妙な面持ちで帽子の前に座る。 (ぼうしさん、ぼうしさん。れいむたちをゆっくりさせてくれてありがとう!!) 心の中で感謝を述べる。すると風も無くふらふらと帽子が揺れ動いた。 「ゆ?」 瞬間、帽子の下から真っ黒なネズミが顔を覗かせた。 「ねずみさん、ゆっくりしていってね!!」 「ぅー」 「れいむ、どうかしたの?」 「まりさ、みてみて!! ねずみさんだよ!!・・・ゆ?」 振り返った時、そこにネズミの姿はもうなかった。 「ゆ? ゆっくりしていってね!!」 「うーうー」 黒い影は今日も忙しなく動き回る。 「・・・・・・・・」 「うーうー」 あっちへよたよた、そっちへよたよた。 何を考えているのか解からない。 「ゆ?」 「うー」 最後に昨日と同じよう眼前に訪れたかと思うと、やはり同じように一声鳴いて消えた。 今日の声はなんだか嬉しそうだった。 「「「ゆっくちちちぇいっちぇにぇ!!」」」 「「ゆっくりしていってね!!」」 「まりさぁ、このこたちとってもっゆくりしてるよぉ!!」 「こんなぷりちーなあかちゃんみたことないよ!!」 きゃっきゃと歓声をあげる一家、絵にした様な幸福がそこにはあった。 「ゆんゆんゆっくり~♪」 「おっす」 今日もれいむは男と話す。 もっぱら、今日は可愛い可愛い赤ちゃんの話題で持ちきりなのだが。 ゆっくりしてない喋り方を見ると、本当に可愛くて仕方ないのだろう。 目に入れても痛くないとはこんな感じなんだろうか? そうしてまたお菓子を貰い、れいむはぽよぽよと我が家を目指す。 (ぼうしさん、ぼうしさん。れいむたちのあかちゃん、とってもゆっくりしてるよ!!) そうして一日の終わりに帽子に語りかける。すると昨日と同じように帽子が動き出す。 「ぅー」 「ゆ!! ゆっくりしていってね!!」 ネズミである。 「ぅー」 「「「ぅーぅー」」」 「ゆゆゆ!!?」 次から次へと出てくるネズミ、一様にヒクヒク鼻を動かし辺りを探っているようだ。 「おとーしゃん、しょのきょちゃちぢゃぁれ?」 「おちびちゃん、このこたちはねずみさんっていうんだよ!! まりさー!!」 今日こそは可愛いネズミさんを見てゆっくりして貰おう。 だがれいむがまりさを呼び連れて戻る頃、やはりネズミ達は1匹残らず居なくなっていた。 「うーうー」 「ゆっくりしていってね!!」 相変わらず影は落ち着きがない。だがもう馴れた事だ。 「うーうー」 馴れてしまえばコレはコレで中々可愛いじゃないか。そんな事を考えていると 「「「うーうー」」」 「ゆゆっ!!?」 影の数が多い。余りの多さに目を回しそうである。 「ゆゆゆゆっくりしてね!! ゆっくりしてよー!!?」 「「「うーうー」」」 影達が動くたびにザザザと不快な音が立つ。 やがていつもの様に眼前で静止する。 「ゆは、ゆは、やっと・・・ゆっくり・・・できるよ・・・」 「「「うーうー」」」 そうしてまた影達は一声残して消えていく。今日の声は何だか楽しそうだった。 それからも、れいむ達は毎日が幸せだった。 お兄さんは変わらず優しく、美味しいお菓子を与えてくれる。 れいむはれみりゃをやっつけた実力と、何だかゆっくりしている雰囲気を買われ群れのリーダーになった。 子供達は順調に大きくなり、引き手数多の美しいゆっくりに育った。 まりさも相変わらずゆっくりしている。子供が大きくなった今では、またすっきりしようかなんて可愛いことを言っている。 一日一日が楽しく、幸せで、ただただ流れるように時間が過ぎていった。 「ゆふー・・・いままでおせわになりました!!」 「むこうへいってもゆっくりしていってね!!」 すーりすーりと頬ずりをする3匹。 今日は可愛い末娘の門出の日である。互いに親愛の情を示しあうと、やがてかつての子ゆっくりはぴょんぴょんと歩き出した。 その姿が見えなくなると、残された両親はふっと短いため息をつく。 「みんないっちゃったね」 「なんだかひろくなっちゃったね」 背後にはかつて賑やかだった我が家、今では住人もれいむとまりさだけになってしまった。 ガラガラの部屋を見回す。荷物も整理しないといけないな。 そんな感傷に浸っていると、ついっとあるものに目が留まった。 帽子である。 ホコリまみれになり薄汚れてしまった帽子、最後に祈りを捧げたのは何時のことであっただろうか。 れいむはおもむろに帽子の端を咥えると、ぺっと巣の外に吐き捨てた。 幸せに溺れきったれいむには、もはやそれは只のボロキレにしか映らなかった。 刹那、脳裏をネズミの姿がよぎった。 ネズミはまるで怒っているような、泣いているような、なんとも複雑な表情を浮かべていた。 「うーうー」 「ゆ? ゆっくりしていってね!!」 れいむの前では黒い影がふらふらと揺れている。 そういえばこの子に会うのも久しぶりだ。 「うーうー」 「ゆ? どうしたの?」 影は今までと違い行儀良く座ると、何やらうーうーとれいむに呼びかける。 「うーうー」 「ゆうぅ・・・なにいってるかわからないよ!!」 必死に何かを伝えようとしているのだが、れいむにはその意図するところが掴めない。 「うーうー」 「うるさいよ!! しずかにしてね!!」 痺れを切らしぼむっと体当たりを食らわせる。 影は二転三転しようやく止まると、もう何も言わず静かに消えていった。 「ゆふぁ・・・ゆっくりおはよう!!」 「おはよう!! きょうもゆっくりしようね!!」 そうして2匹の一日が始まる。 いつもと変わらぬ静かな朝、本当に静かだった。 「それじゃあまりさ、ごはんとりにいこう!!」 「ゆっくりわかったよ!!」 ゆんゆんと巣を後にする2匹、今日も一日ゆっくり出来そうと心を躍らせる。 そんなおり 「れいむ、たいへんよ!! 」 突如として呼び止められる。視線の先ではありすがぜーぜーと息を切らしている。 「どうしたのありす?」 「いいからはやくきて!! あなたのこがたいへんなの!!」 ありすに案内されてやってきたのは昨日末娘が嫁いだまりさの家だった。 そこで目にしたの無残にも全身を食いちぎられ、今にも力尽きそうな我が子の姿だった。 「おちびちゃん!!? どうしたの!!?」 「お・・・おかー・・・さ・・・」 「しっかりしてね!! しっかりしてね!!?」 「もっと・・・ゆっくり・・・」 そうして子れいむは静かに目を閉じた。 結局つがいのまりさとその両親姉妹含め、一家全員が惨殺されていた。 「ゆ・・・だれかいるの?」 『うーうー』 姿は見えないが声は聞こえる。 「ゆっくりでてきてよ、ゆっくりでてきてよー!!」 『うーうー』 「ゆぅ・・・ゆっくりおはよう・・・」 「おはよう、れいむ・・・」 昨日の今日では流石に元気が出ない。重苦しい空気の中、2匹は手短に朝の挨拶をすませる。 だがいつまでも落ち込んでいるわけにはいかない。 「・・・ゆっふ!! まりさ、あのこのぶんまでゆっくりしようね!!」 「そうだね!! これからはゆっくりしようね!!」 無理矢理に自身を鼓舞する。これがあの子に出来るせめてもの手向けと信じて。 だがそんな思いもあえなく崩れ去ることとなる。 「れいむ!! 大変なの!! またあなたのこが・・・」 「ゆぐ!!!??」 駆けつけた先では昨日と同じように、愛しの我が子が力なく横たわっていた。 懸命の呼びかけにも返事は無い。 惨状は昨日と同じ、赤ちゃんまで残さず皆殺し。 まるで写真の焼き増しのような悲劇は、れいむの心をぎゅうぎゅうと締め上げた。 同時に、この一連の事件は群れのゆっくり達に暗い思いを芽生えさせていた。 どこからか笑い声が聞こえた。 「ゆっくりしていってね・・・」 『『うーうー』』 相変わらず姿は見えない。だが昨日より声の数が増えている気がする。 「ゆー・・・」 『『うーうー』』 「おはよう・・・」 「ゆぅ・・・」 もう口を開くことすら億劫である。朝が来るのが怖い。 もそもそと2匹が遅い朝食を摂っていると、願わない客が訪れる。 「れいむ・・・」 「・・・・・」 もはや返事すら返さない。 れいむは静かに食事を止めると、まりさを促すようにし玄関をくぐった。 「・・・・・ゆぅ」 時間が止まって同じところを繰り返しているような錯覚に落ちる。 ただ現実として存在するのは目の前に倒れているのは昨日とは違う子で、昨日倒れた子はもう居ないという事実。 もはやも涙も悲鳴も枯れ果て、乾いた溜息を吐き出すことが限界だった。 「・・・れいむのせいだ」 「・・・ゆ?」 「れいむたちのせいで ぱちゅりーのいっかは ころされたのよ!!」 声を上げたのはありす、今日殺されたぱちゅりーの親友だった。 「きのうのれいむも そのまえのまりさもそう!! あなたたちがふこうをよぶのよ!!」 「ゆぐっ!!!」 この時群れを取り巻く疑いの芽は、ついに確信へと変わった。 どっと沸き立つ罵詈雑言、言葉の一つ一つがれいむの胸を大きく抉る。 だがれいむは何も言い返せなかった。れいむの中にもその疑惑は消せずに存在していたからだ。 「ゆっくりしねぇ!!」 「このむれからでていけぇ!!」 言葉はやがて石つぶてとなり、れいむ達の体を激しく打つ。 2匹は痛む体を引きずって、命からがら家へと逃げ帰った。 その晩、残す娘達も泣きながら帰って来た。その体は痛々しい傷にまみれていた。 「なかないでね・・・ぺーろぺーろ・・・」 「ゆぐ・・・ひぐ・・・」 互いに傷を舐めあい、寄り添って眠る。 久しぶりの顔合わせであったが、ちっとも楽しい気持ちになれなかった。 『『『うーうー』』』 れいむは何も喋らない。 『『『うーうー』』』 れいむは何も映さない。 『『『うーうー』』』 ああ、この耳が聞こえなくなればどれ程気持ちが楽だろう。 「おはよう・・・」 「おはよう・・・」 「「「おはよう・・・」」」 作業の様に挨拶を済ます。 そうして互いの顔を見回し、れいむはあることに気付いた。 「ゆ・・・ゆゆ!? きょうはだれも いなくなってないよ!!?」 「ほんとだ!! みんないるね!!?」 「「「ゆっくりここにいるよ!!!」」」 れいむは数日ぶりに心の底から笑うことが出来た。 あの事件はれいむ達のせいじゃなかったんだ。 その証拠にこうして皆ゆっくりしているではないか!! そう心を躍らせている時分のこと、ドスドスと戸口を打つ音がする。 「れいむ・・・」 「ありすみて!! れいむたちはみんなぶじだよ!! やっぱりあれはれいむたちのせいじゃ・・・」 「きて」 必死に捲くし立てるれいむを一瞥するとありすは短く、だがはっきりと切り捨てた。 「・・・・・なんで?」 そこにあったのはゆっくり一家の惨殺死体。その一家は昨日れいむの子供を追い出した一家だった。 「れいむたちのせいじゃないよ!! きのうはいっしょにいなかったもん!!」 「よらないで!! ・・・あなたたちにかかわると みんなふこうになるの」 「そんな!! そんなのって」 「うるさい!!・・・わかったらもうかえってちょうだい」 れいむは言葉を飲み込んで背を向けた。 石は飛んで来なかったが刺すような視線が痛かった。 やはり笑い声は聞こえていた。 その日も夢を見た。 代わり映えのしない内容だった。 そうして朝は来る。望まなくても時は流れるのだ。 もはや挨拶もなく、もそもそと食べ物を飲み込んでいく。味はよくわからなかった。 そうして食事を終え皆で狩りに出る。 擦れ違うゆっくり達は目も合わさず道を譲る。 遠くの方で声が聞こえた。 また誰か死んだのだろうか。 そうして日が暮れ食事を摂り寄り添いあって眠る。 その日も夢を見た。 夢では無くこちらが現実なのかもしれない。 朝。 食事を取り機械的な一日が始まる。 ゆっくりが減った。また死んだのか。 或いは群れを離れて行ったのかもしれない。 どうでもよかった。 夜はいい。 何も考えないで過ぎてゆく。 ただやはり耳は邪魔だと思う。 朝。 食事を取りに外に出る。 そこにはゆっくりの姿は無かった。 静かになって良かった。 この日は懐かしい夢を見た。 赤ちゃんが生まれた時のこと。 群れのリーダーに選ばれたこと。 初めて孫が出来た時のこと。 そして最後に黒い影が笑っていた。 朝。 れいむの瞳からは二筋の雫が流れていた。 今日も食事を摂り何をするでもなく時間を過ごす。 それはいつまでも続くはずだった。 「ゆぎゃあああああぁぁぁ!!!??」 突如としてまりさの悲鳴が響く。 何事かと振り返るとその体には黒山のようにネズミ達が群がっていた。 「やめてねネズミさん!! ゆっくりまりさをたべないでね!!」 「れいむなにいっでるのおおお!!? へんなごどいっでないでだずげでよおおぉぉぉ!!!」 れいむの呼びかけも虚しく徐々に解体されていくまりさ。5分もする頃には帽子だけを残し綺麗に消えてしまっていた。 「ゆ・・・ゆわあああああああああ!!!」 れいむは走った、決して振り返る事無くただガムシャラに走った。 家に駆け込むと扉を固く閉じ、ただ静かに涙した。 そうしてうつむいて咽いでいるとあるものに気付いた。それは床に打ち捨てられた子供達の髪飾りだった。 その夜、影達はれいむを囲うように整列していた。 ブスブスと燃えるような音を立てて影が剥がれていく。れいむは静かにそれを見つめていた。 そうして現れたのまりさだった。元気な頃のあの笑顔でれいむを見つめている。 隣には末娘のちびちゃん。屈託の無いその微笑みが胸に刺さる。 そうして次々と姿を見せるのは亡くなったはずのゆっくり達。 皆が皆、温かい笑みを浮かべてれいむを歓迎している。 やはりそうだ。あれは悪い夢だったのだ。 ようやく私は悪夢から目を覚ますことが出来たのだ。 「みんな!! ゆっくりしていってね!!」 れいむの呼びかけに答えようとゆっくり達は大きく口を開く。 その瞬間、口の中から数え切れない程の何かが飛び出しれいむの体に齧りついた。 「ゆっぎゃあああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!???」 飛び出したものの正体、それは真っ黒なネズミだった。 餡子で染めたような真っ黒な体に、まるで吸血鬼のような牙と真っ赤な瞳。 それがれいむに覆いかぶさり容赦なくその体に牙を立てていく。 「やめで!! やめでぐだざいいいぃぃぃぃ!!!」 必死の懇願も虚しく黒い塊に飲み込まれていく。 そうしてれいむを散々いたぶったネズミ達は最後の仕上げに入る。 「あぢゅぢゅ!!? あぢゅいいいいいいいぃぃぃ!!!」 ぢゅるぢゅるとれいむの体に何かを注ぎ込んでいく。まるで餡子が溶けるようだった。 次第にその体は膨らんでいき、やがて倍程の大きさになる頃にはその皮はパンパンに張っていた。 「ゆっぐりゆるじ、おぼぶ!!? おごごごごごごggggggg」 白目を剥き出しにし、ビクビクと痙攣しながら泡を噴水のように吹き上げるれいむ。 「うーうー」 そうして噴水の中から這い出してきたの真っ黒な体のネズミだった。 朝。 眩しい日差しが一日の始まりを告げる。 鳥達のさえずりは澄んだ風に乗り、緑色の森中に響き渡る。 そこには誰も居なかった。 「そういや最近あいつら見ないな。引越しでもしたんかね?」 首を傾げる男の前には空っぽの巣穴が広がっていた。 その奥にはボロボロの帽子が横たわっていた。 うーうー どこからかネズミの泣き声が聞こえた。 終わり 作者当てシリーズ* このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4760.html
「ゆっくりれいむ」 俺はめったに見かけない、胴付きのゆっくりれいむを飼っている。 理由は、炊事洗濯掃除等をやらせるためだ。一人暮らしなのでやる人間が自分しかいないのだ。 しかし、家のれいむは物臭なゆっくりらしく、洗濯も掃除も余りしようとしない。 毎日やるように言っても、 やらないので何度か、山の奥に捨てに行こうかと思ったが、 今も一緒に暮らしている。 「さーて、今日は風呂に入るぞ」 俺の言葉ににれいむは、びくっと反応した。 「な・な・ななにいってるのおにいさん、れれ・れれれいむはまだきれいだよ」 いくら風呂が嫌いだからって、 どもりすぎだろう。 「知るか、とにかく一緒に入るぞ」 「いやぁぁぁあ!!、おゆさんはゆっくりできないぃぃぃ!!!」 俺は、嫌がるれいむを引きずりながら風呂場に向かった。 一般人にたまに間違えて覚えている人間がいるが、 ゆっくりの全てが、水に溶けるわけではない。 ゆっくりにとりや、ゆっくりすわこ等は、溶けないどころか、 水中で生活できるし、その方が、生存率が高かったりする。 そして、胴付きゆっくりは、水に溶けにくかったりする。 胴付きゆっくりは、 体の表面に数mm程度の特殊な皮が形成されている。 この特殊な皮が耐水性をもっているらしい、 ちなみに、饅頭が人型でも崩れたりしないのもこの皮の為だとか。 だからと言って、毎日胴付きゆっくりを風呂に入れるのはまずい。 水に溶けないので、問題がないように思えるが、 実は、ゆっくりは体が腐らないように、 防虫防腐効果のある、物質を体の表面に分泌しているのである。 風呂に入ると、この物質も汚れと一緒に流してしまうのだ。 ゆっくりんぴーすとかいうゆっくり愛護団体の研究報告によると、 夏場に毎日、胴付きゆっくりを風呂に入れると、 一月で半身が腐ったゆっくりになるんだとか。 そんなわけで、れいむは風呂が嫌いで、 そんなわけで、俺は、れいむを風呂に入れるのは4日に一度にしている。 「あ~~~~、いいゆだよ~~~、ゆっくりできるよ~~~」 とは言え所詮ゆっくり、 風呂に入ってしまえば風呂嫌いを忘れたように風呂でゆっくりする。 「体は洗ってやったんだから、溶ける前に出ろよ」 俺が、れいむと一緒に風呂に入るのは、 そういう趣味があるからではなく、 れいむがゆっくりしすぎて、溶けるのを防ぐためである。 他意はない。 体を洗い終わった俺も、湯船に入った。 「ゆゆんゆ、ゆんゆんゆん、ゆ!ゆゆ~ん」 れいむはご機嫌そうに歌っている。 「ゆゆんゆ・・・ねえおにいさん、これなんなの?」 れいむは、俺のすね毛を掴みながら聞いてきた。 「これは、すね毛って言って、足を守るためにあるんだぞ」 「ゆ!すねげさんがあるとおにいさんはゆっくりできるんだね!!」 少し違う気もしたが、めんどくさいので、 「そうだぞ~、ゆっくりできるぞ~」 と、答えた。 ゆっくりを飼ってよかったことは、早起きになったことか、 朝5:00には、「ゆっくりおなかがへったよぉ」と、起こしにくるのだ。 どこのお年寄りだ。 今日も、朝早くに起こしに来た。 「おにいさんあさだよ。ゆっくりごはんつくってね」 自分で作れよこんちきしょうとは思うが、 もう一年近く同じよう名やり取りをしているので、諦めている。 「あ~まだ眠い」 働きに出るまで、約3時間ある、その分もう少し寝ていたいが、 飯を作るまで、れいむは起こし続けるし、 飯を作ったら、眠気は覚めていたりする。 なので諦めてさっさと起きる。 「ゆっくりおはようおにいさん」 「ん~おはろ~」 起きるとれいむがいつも通りすぐそばにいた。 いつものように、料理作るわけでもないのに、 エプロンをしている。 エプロンを着る時は、なぜか、いつもの巫女装束を着ない。 「はだかエプロンは、おにいさんがゆっくりできるよ!!」 とか、この間理由を聞いてもないのに言っていた。 俺をゆっくりさせるつもりがあるなら、ぜひもっと家事をしてもらいたい。 「さきに、いってまってるからゆっくりしないでごはんつくってね!」 「・・・あ~い」 冷蔵庫の中には、 パンとか調理しないでも食べれるものはいくらでもあるのに、 何でこいつは、わざわざ俺に朝飯を作らせるのだろうか? 台所のテーブルに行くれいむの後姿を見ながら思う。 それにしても、せっかくの裸エプロンも、 こいつでは、魅力は6割減といったところだろう。 あまり、肉付きが良くない体型だし、 ゆっくりだし、なんか表面がテカテカしてるし、 脚にすね毛がびっしり生えてるし、 すね毛? 「ほわぁぁぁぁ!!!!?!」 「ゆひぃ!?どうしたのおにいさん、わるいゆめでもみたの」 「今!現に!悪夢見てるよ!て言うか! お前がどうしたんだよ!こっちの台詞だよ! 何だよそのもっさりした脚!」 「?・・・!すねげさんのことだね! すねげさんがあるとゆっくりできるから、 きのうのよるにすねげのかみさまにおねがいしたんだよ!」 すね毛の神様がんばりすぎだろ、 俺だって誰かに頼られたりしたら、 張り切ってがんばったりもする事もあるさ。 「ゆゆ~んすねげさんとってもゆっくりしてるよ~」 きっとすね毛の神様も、 頼られて張り切っちゃったんだろうな、 何せ、すね毛だ。 『すね毛を生やしてください』 なんて極レアなオーダー、 きっと神生(?)初だろうよ。 今後あるとも思えない。 ダカラ、 レイムニ スネゲハエテモ シカタナイヨネ? 「なんて言うと思ったかこのやろぉぉぉ!!!!」 ブチブチブチブチィ 「ゆぎゃぁぁ!!」 俺は、れいむのすね毛を掴んでそのまま引きちぎった。 「なにするのぉぉぉ!! すねげさんがないと、おにいさんが「ゆっくりできねぇよ!!なんで俺が胴付れいむに、 すね毛が生えてないとゆっくりできない人間になってんだよ!! どんなHENTAIお兄さんだよ!! 上級者通り越して超級者の位置だよ!」 「おらぁ!ゆっくりできないすね毛はゆっくりしないで消えろぉ!」 ブチブチブチブチィ 「ゆぎゃああああ!ゆっくりできないぃいい!」 「ガムテープだぁぁ!まとめて抜けろぉ!」 ブチブチブチブチィブチィ 「れいむのすねげさんがぁぁぁ!!」 「オラオラオラオラ」 ブチブチブチブチブチブチ 「ゆぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ」 「オラ!」 「ユ!」 「」 「すねげさんがないとゆっくりできないよぉぉぉ」 部屋の隅で、泣き喚くれいむ、 部屋中に飛び散るすね毛、 飛び散って張り付いたすね毛まみれのガムテープ 地獄絵図だ。 と、こんなことしている間に、 もうそろそろ家を出ないと会社に間に合わない時間だ。 「れいむ!俺は会社に行ってくるからな!部屋の掃除くらい頼んだぞ」 朝飯は我慢しよう。食ってたら間に合わない。 あ~、疲れた。 朝飯食ってなかったし、 朝っぱらから暴れたので、いつもよりも疲れた。 「ただいま~」 朝、掃除しろと言ったのを、珍しく実行してくれたらしく。 家の中は片付いていた。 「ゆっ、おにいさん、かえってきたんだね」 居間には、巫女服に着替えたれいむがいた。 もうすね毛は生えていない。 すね毛は・・・ 「おにいさんのおかげでぜんぜんゆっくりできなかったよ。 でも、もう気にしてないよ、もっとゆっくりできる、 ふわふわさんがれいむに生えたんだからね!」 「・・・うん、その『ふわふわ』が何なのか一目みてわかったよ。 ありえねぇよ!何だよそれ! その腋毛?気持ち悪いよ! 生えてきたってレベルじゃねぇよ!もっさりしすぎだよ! 自分の頭ぐらいの大きさの腋毛玉なんて始めて見たよ! もっさりしすぎて、さっきから、 『人類は十進法(以下略)』のポーズしか取れてねえじゃねぇか! 俺が会社行ってる間何してたんだよ!腋毛の神様にお願いでもしたのか!」 「なにいってるのおにいさん?わきげさんはかってにはえて 「こないよ!腋毛は勝手に生えてこないよ、そんなには! こっち来い、そんな腋毛修正してやる!」 「やめておにいさん! そんなことしたらおにいさんがゆっくりできなくなるよ!」 どうやら、こいつは 毛が生える=俺がゆっくりできる という式を、確立したらしい。 証明もしてないのに。 だめだこいつ 早く何とかしないと・・・ ~あ~と~が~き~ 初期のゆっくりっぽいものを 書こうとしてたんだ。 書こうとしただけで終わったけど。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/100.html
注意 下ネタ有り 虐待薄め 22世紀。ある団体の働きによって、世界はゆっくりレイプ一色に染まった それ以降ゆっくりレイプという行為は社会的に受け入れら、市民権を得るまでとなった さらにそれから半世紀、様々な動乱、揺れ動く歴史の荒波の中で ゆっくりレイプは社会的ステータスに変異していった そして、ゆっくりレイプが上手い者=エリート。という構図が出来上がった 「とまあ、未来はこんな感じだ」 平凡な日常を送る青年の部屋に突然現れたロボットはそう説明した ちなみに彼。ゆっくりにはまったく興味を持っていない。ゆっくりに対して特別な感情を抱いたことは皆無だった 「嘘臭い・・・」 冷ややかな目でロボットを見る 「いやマジだって。それにこの時代の科学でオレみたいな高性能ロボットが作れると思うか?」 電子レンジのような真四角の頭に、洗濯機のような胴体、掃除機のホースのような手足の物体が尋ねてくる 身長は、彼の頭一つ分低い 「ダンボールとティッシュ箱で作ったみたいな角ばったフォルムのお前が?」 彼は目の前のロボットを見て、小学生のころに作った夏休みの工作を思い出していた 緑色に光るモノアイが左右に大きくぶれる 「テメェこの野郎」 蛇腹のような腕がニュッと伸びる 腕の先端にある、一昔前の歯医者が歯を抜くときに使うペンチのような手、ひらたく言うとマジックアームが彼の頬をつねった 「いててててててて。ロ、ロボット三原則はどうしたっ!」 【ロボット三原則 ――アイザック・アシモフ】 第一条:ロボットは人間に危害を加えてはならない。 また、その危険を看過する(知ってしながら見過ごす)ことによって、人間に危害を及ぼしてはならない。 第二条:ロボットは人間に与えられた命令に服従しなければならない。 ただし、与えられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。 第三条:ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己を守らなければならない。 「うるせぇ!! オレの時代ではこうなったんだよ!!」 【新・ロボット三原則 ――詠み人知らず】 第一条:ゆっくりをレイプできる機能を持ったロボットは、ゆっくりをレイプしなければならない。 第二条:レイプするゆっくりが一匹しかいないときは、人間に最初にレイプする権利を譲らなければならない(3Pなら可)。 第三条:死姦したロボは自爆しなければならない。また死姦している人間を発見した場合は、その人間を速やかに排除しなければならない。 第四条:自分の感情を、その時その時に流れるラジオの音楽で表現してはならない。 第五条:転んでも泣かない。 「第五条まである!? 五条必要!? しかも第四条はトランスフォーマーだし、アレのドコが何が気に入らなかったんだよ」 「シャラップ!! 時代は常に移り行くものだ!」 「いてててててて。だから抓るな!!」 ×× ×× お互いに落ち着き、改めて状況を整理する 「で、そのトチ狂った未来を変えるために22世紀からわざわざ来たってこと?」 痛む頬をさすりながら訊いた 「全然ちげーよ」 「じゃあ何?」 「貴様に、ゆっくりレイプを極めてもらうためだ」 「ブフッ!!」 噴出す彼に、ロボはここを訪ねた経緯を話しはじめた 「オレを派遣したのはお前の孫だ」 「孫? なんのために?」 「ゆっくりレイプの才能を手っ取り早く得るためだ。ゆっくりレイプの技術は遺伝することが科学的に実証済みだからな」 「自分で頑張れよ・・・・・」 死ぬまで独身でも良いかもしれないと一瞬だけだがそう思った 「オレは元々はゆっくり虐待用のロボットを流用して作られた初期のタイプだ」 「試作型ってこと?」 「そうとも言う、本来なら博物館でアイボの隣に展示される予定だったんだが、お前の孫が買い取ってコッチに寄こしたのさ」 「スクラップ一歩手前じゃないか。しかもお前より高性能なヤツがあるのかよ」 「すごいだろう」 腕を組んでふんぞり返るロボ 「誇るなよ。自分の低スペック性をアピールしてどうする」 ~~レイプロボの歌~~ 餡な子といいな~♪ デきたらいいな~♪ あんなプレイ こんなプレイ 一杯 あるけど~♪ みんな みんな みんっな かっなっえってくれる~♪ ふしぎな機能でかなえってくれぇる~~♪ 『きめぇ丸と空中SEXしたい!!』 『え? ごめん。よく聞こえなかった。もっかい言って』 『だからきめぇ丸と空中SEXしたい!!』 『ムリ』 孕め! 孕め!! 孕め!!! とっても ダイスキッ レイップロボ~~♪ ~~レイプロボの歌~~ 「オレが発売当時に流行った歌だ。本当なら3番まであるが今回は割愛する」 「おかしい、この歌詞絶対におかしいって」 「江戸時代の人間に、お前等のあいだで今流行ってる曲を聞かせても多分同じこと言うと思うぞ」 「そうかもしれないけど、これの場合そんなレベルじゃないだろ。これ考えたヤツは心にどんな怪物飼ってんだよ」 「それ作ったのお前の孫な。2万人の中の応募から選ばれた力作だ」 「・・・・・」 明るい未来はまだずっと先らしい ×× ×× レイプロボが希望したので外を案内することになった。この辺りのゆっくりの特徴を掴みたいとのことだった 彼の住む地域は都心からやや離れた場所にあり、都会とも田舎とも呼べない中途半端に発展している町である 一人と一体は、人気の少ない学校の裏山を歩いていた 「48のゆっくり虐待機能があるが、その中の3つは地球を著しく破壊するので使用が禁止されている」 「どうして虐待にそこまで破壊力求めてるんだよ」 「虐待機能の中のいくつかはゆっくりレイプにそのまま使用できる・・・・今から実演してやる」 ロボがモノアイの焦点を絞り、その先にある獲物に照準を合わせる 彼もロボが見た先に目を凝らすと、木の上に二匹のゆっくりがいた 「ゆっくりれみりゃとゆっくりふらんだ。珍しいな」 どちらも胴なしだった。枝にとまりで「うーうー」とじゃれあっている 「捕まえて、少しだけ中身を採取する。その情報を元にプルグラムの微修正パッチを作る」 「相手は上だぞ。どうやって捕まえるのさ?」 「まあ見てろ」 ロボは木の幹を両手で掴んだ 「オラァァ!」 掛け声と同時に木の葉が大量に落ちてくる 「わ、わ・・・・なんだ?」 微弱ではあるが、彼の足の裏をビリビリとした感覚が駆け巡った 「手を超振動させただけだ。元々はゆっくりを塵にするための虐待兵器だったんだが。今は捕獲や発情させるために使用している」 「すごいなソレ」 「だがオレの場合は調節スイッチが馬鹿になったせいで、今やった強のバイヴレーションしか選べない」 「・・・」 素直に目の前のロボはポンコツだと思った 「ところであの二匹は? あの振動なら気絶して落ちてくるんじゃない?」 「おう。そうだった・・・・・ん、落ちてこないな? 他の枝に引っかかったのか?」 ロボは不審に思い、木から手を離し後ろにさがる 「「うーー!!!」」 上を向いた瞬間、ロボは二匹の体当たりを受けた。振動が来る前に危険を察知した二匹は素早く枝から飛び立っていた 「ぐぉ」 衝撃でロボはのけぞる。れみりゃが顔、ふらんが胴に直撃していた 「メインカメラをやられたが・・・・まだいける!!」 「致命的だろそれ」 飛び回る二匹は容赦なくロボに攻撃を加える 「うーー!! うーー!!」 「うーー!! うーー!!」 「コラッ、いてっ! やめろ、チキショウ、コッチが見えないのをいいことに・・・おぁぁ、バランスが…」 (弱ぇぇ) ×× ×× 「あのやろー共。今度あったらサリーちゃんのパパみたいな髪型にセットしてそのまま剥製にしてやる」 地面に寝転んだままロボは忌々しそうに言った 二匹はロボを転ばせて何度か体当たりた後、空に逃げた 「手を貸そうか?」 薄暗く発行する緑色のモノアイが自身に手を差し伸べる青年を見た 「てかお前も助けろよコノヤロー。俺らチームだろ、ボヤッキーとトンズラー並の息のあったコンビネーションがオレらの売りだろ?」 「まだ出会って二時間しかたってないのに? どんな人工AI付ければそんなふてぶてしくなるんだよ」 起き上がり。めげずに裏山の道を進むと、一匹のゆっくりれいむを捕まえることが出来た 「れいむをおろしてね! ゆっくりできないよ!」 「うるせぇ」 「ゆぐっ」 「いい機会だ。お前にゆっくりレイプを見せてやる」 (正直、してくれなくていい) 彼の思いなど他所に、れいむをマジックアームでこねくり回す 「まずは愛撫だ、すべてはここから始まる」 伸びたり潰れたり、れいむの形は柔いゴム鞠のように変わっていく 「いたいよ。ぜんぜんゆっくりできないよ!!」 「これからが本番だから黙ってろ」 「ゆがががががが」 腕を大きく振ってれいむをシェイクする れいむが抵抗する意思を削ぐと、ロボの右腕が胴の中に完全に引っ込んだ 「『媚薬注入アーム』」 新しく出てきた腕はガソリンスタンドで見る給油する装置に良く似ていた 「注入開始」 それをれいむの頭に突き刺した 「1%・・・・7%・・・・23%・・・・46%・・・72%・・・・・85%・・・・100。充填完了」 腕をいったん引っ込めて最初のマジックアームに戻った 「さあこっからが本番」 「一つ訊いてもいい?」 彼の言葉がロボの次の行動を遮った 「なんだ」 「お前どうやってゆっくりレイプするの? “アレ”が体の中に収納されてるの?」 「擬似チンコが導入されたのは四世代からだ。オレには無い」 「持ってる型式のやつ居るのかよ・・・・」 想像するだけで気分が悪くなる 「詳しく聞きたいか?」 「いや、いい」 その後、機械とは思えない淫靡な動きが彼の目の前で展開される 「きもい」 それ以外の感想が出てこなかった 「よし。こいつから餡子を取り出して帰るか」 マジックアームの先をぐったりしたれいむの頬にくっつける 彼は頬を抓られたときに、ロボットアームの先には小さな穴が開いているのを知っていた 「よっ」 エンジンを空ぶかしにした音のあと、れいむの体は一瞬でペシャンコになった 「しまった。餡子を吸い過ぎた。ポンプの調整間違えた。いや~失敗失敗」 内臓されたポンプが腕を通してゆっくりの餡子を汲み上げたのだが、その力加減を間違えてしまったようだ 気まずそうに、青年の方をちらりと見る 「・・・・」 ロボットでも、彼の目が何を言いたかったのかは良くわかった ×× ×× なんやかんやで自宅に戻ってきた二人 「これより、入手した餡子を元に作ったパッチを当てる」 ロボの腹の隙間から一枚のディスクが出現する 「オレはパッチを当てるぞジョジョォォォォォォォォ!!」 それを頭にあるCD挿入口に自分で差し込む 「ホワイトスネイク!!」 「頼むからインストールくらいは静かにやってくれ」 「仕方ないだろ、パッチ当てるときはこういう行動を取るようにプログラミングされてるんだし」 「人間臭いAI持ってるくせに?」 「ピーガガガ、ピーガガガ、ウイィィィィィィィン」 「・・・・」 機械の駆動音がスピーカーから出ているがあえて突っ込まなかった 1分ほどして 「友情インプット完了!!」 「・・・・・・・・・・・・・なんでネタがぜんぶ微妙に古いんだよ。ウォーズマンの台詞だって気付くのに少し時間かかったぞ」 終わり present by ゆっくりレイパー? 選択肢 投票 しあわせー! (17) それなりー (1) つぎにきたいするよ! (2) 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3700.html
『20年前の想い出』 小学生の頃、私は田舎暮らしに憧れのようなものを抱いていた。そこにこそ日本人の魂があるものだと思っていたのだ。幸い自然の豊かなところに育ったので、山菜を摘んでは子供なりに料理して食べていた。 母親が妊娠や子育てに忙しく、私が家事を行うことが多かったことも幸いした。 そんなある日、学校帰りにれみりゃを見つけた。小学四年の事だったと思う。 草むらの中からガサガサと音がするので見てみると、れみりゃがうー、うー、と鈍重そうに草にぶつかりながら飛んでいた。 ゆっくりという呼称通りののろまな飛行を見ていると、本で読みかじったれみりゃの食べ方を実践してみたくなった。 ウサギや蛇を捌くのは難しそうだったが、川エビやれみりゃなら当時の私にも出来そうな気がしたのだ。 ジャージの上を脱ぎ、れみりゃにかぶせて絞って家まで走った。 走ったのは急がなければジャージが破れてしまいそうだったからだ。 当時私は蕎麦に凝っていて、土曜日の昼は蕎麦の事が多かった。その頃は土曜日にも小学校が営業しており、大抵はクラス会になってしまう道徳と、図書室の本のほとんどを読み終えてしまった私には退屈なだけの読書の時間が組み込まれていたのだが、帰って蕎麦を食べる事が心の慰めになっていた。 そんなわけで我が家には蕎麦を茹でるための大鍋があったので、大鍋に給湯器で沸かした湯を入れてれみりゃを放り込み、蓋を手で押さえつけながら火にかけて生き茹でにした。 れみりゃはしばらくじたばたしていたがやがておとなしくなった。しかし死んだふりをして私を油断させ、鍋から逃げ出そうとしているかもしれないと思い抑える手はゆるめなかった。そうして20分ほど茹でたところでようやく蓋を開けると肉饅頭はすっかり茹で上がっていた。 包丁で外皮を切り裂き、中身の肉を取り出してわさび醤油で食べた。 前述のように蕎麦好きの私は鮫皮のわさびおろしを持っていた。今は見当たらないが台所のどこかにあるのだろうか。この時はまだわさびおろしが台所の私の手の届くところに存在していたのだが、肝心のわさびがなかったので粉わさびだった。それも、大根おろしで溶く事をせず水で溶いた粉わさびだった。しかし、このれみりゃは旨かった。 あまりに旨かったので妹にも食べさせてやろうかと思った。小学生のおやつにはいかにも量も多かったからだ。 しかしれみりゃを茹でたものだと言うと彼女は嫌がったので、結局私が晩飯のおかずにした。 飯にもなかなか合い、その日は二膳おかわりをした。 それに味をしめた私は、今度は油で揚げてみる事にした。 中途半端に田舎だったので、一日駆け回ったら子持ちれいむを捕まえる事ができた。 本当はれみりゃがよかったのだが、赤ゆっくりでなければ油鍋には入らないのでれいむで我慢した。 ビニール袋に入れて水を注ぎ窒息死させてから熱した油に入れた。茹でれみりゃと異なり、揚げる時は殺さないと暴れて危険なのでしっかり殺さなければならない。 だが水切りが不完全だったのだろう。油に入れてしばらくすると油がはねて私の顔に飛び散った。 臆面もなく悲鳴を上げて洗面所で着衣のまま冷水シャワーを浴びた。そんな中でもちゃんと火を消した事だけは自分をほめてやってもよかろう。 翌日医者に行ったおかげで今では火傷の痕は残っていない。 しかし私はこれで凝り、ゆっくりを食べるのはやめてすっかり忘れていた。 先日の事だ。中華料理屋に行って肉まんを食べていたら連れが皮から取り出した中身だけを酢醤油につけて食べていたのだ。 私も真似をしてそうしてみたら、懐かしい味にれみりゃを思い出した次第だ。 私がれみりゃを捕まえた草むらは、ガソリンスタンドができたがつぶれてしまい、今では駐車場になっている。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/160.html
四日目 女心と秋の空。 井戸の上空にひたすら広がる青い空を仰ぎ見て、霊夢はそんな常套句を思いだしていた。 昨日までのしとしと降りは霧散消散。 いまはからっとした陽光に包まれた穏やかな秋晴れ。 昨日から寝ていないゆっくり二匹にとって、その朗らかな心地よさは毒のようなもの。重たい目蓋をこじあけて、死を意味する居眠りを何とか堪えた。 その日差しが直接入り込むにはまだ時間が早かったが、入り口付近を淡く白い光が包み込んで、井戸の中はほの暗い。 井戸の腐ったような胸に詰まる臭いも今はそれほど強くはなかった。 乾燥した空気が井戸の底までおりてきて、ゆっくり二匹の湿りきった体に心地よい。 陰干しされたゆっくり二匹。 体から水気がゆっくりと蒸発して、元のもちもちとした肌が戻ってきた。 同時に、昨日から続いていた落下もようやく止まって一安心。 大分底に近づいてはいたが、井戸の上から見下ろせばまだ十分視界に入る位置だった。 「すっきりー!」 晴れやかに宣言する霊夢。 魔理沙はうつむき加減で言葉は発しないが、悪くない気分らしい。吐く息がゆっくりと穏やかだった。 「かゆいのは、大丈夫?」 「……うん」 霊夢の言葉に、弱弱しい声をだして頷く魔理沙。 と、同時にそれと同じ角度で頷いていた霊夢。 あれ、どうしたんだろう? 意図しない自分の動きにハテナマークを浮かべる霊夢。きょろきょろと視線を走らせて、ようやく気がついた。 ゆっくり二匹のふっくらしたほっぺた。 ぴったり強くこすり合わせていたその小指ほどの先端が、今見ると魔理沙の頬とぴったり皮膚が繋がっていた。その皮膚を通じて、魔理沙の動きに引きづられていたゆっくり霊夢。 「ゆっくりー!?」 驚愕の霊夢。 雨でぐずぐずになった皮をこすりあわせているうちに結合していたらしい。 皮自体は乾燥して弾力を取り戻したが、お互いのほっぺは強固にくっついたまま。 二匹は思わず視線を合わせた。 「くっつくよ!」 霊夢が叫ぶと、その頬の動きのままにびろんとのびる二人の皮。 奇怪な有様だったが、ゆっくり霊夢は妙に嬉しそう。 「これじゃあ、ずっといっしょだね!」 霊夢の言葉にこめられた親愛に、魔理沙は頬を吊り上げてかすかな笑顔。 わずかな仕草なのに、心の底からの嬉しさがほっぺのつながりと通じて霊夢に伝わってくる。 相変わらず状況は絶望的で、体力は落ちていくばかり。おなかもぺこぺこ。 でも、目の前のゆっくりと再び親友に戻れた。それだけで単純なゆっくり二匹の心は晴れやかだった。 「……おなかすいたね」 続く魔理沙の呟きも、声色自体は疲れ果ててはいたが、口調自体はいつものもの。 霊夢もお腹はぺこぺこだ。壁にはりついたムカデやナメクジをぺろぺろ舐めとっても何の足しにもならないし、美味しくない。 でも、自分はまだいい。消耗しきった魔理沙の方が心配だった。落下してから何も口にしてないのではいだろうか。 「魔理沙、右のほっぺに蟻さんがいるよ!」 その言葉に、ぺろんと伸びる魔理沙の舌。 魔理沙の顎の方へ向けて行進していた蟻たちが一瞬で姿を消した。 だが、すぐに顎の傷のほうから次々と蟻たちが出現しては、引き続き魔理沙の舌に飲み込まれていく。 「もっと沢山たべたい……」 蟻んこでは腹の足しにならないのだろう。魔理沙の虚ろな表情に元気は戻らなかった。 我慢している顎の傷の痒みは相当のものらしく、言葉が尽きるなり、ごしごしと患部を壁にこすりつける魔理沙。 顎の付近から、ぶわっと羽虫が舞い上がった 寄るところもなく宙を漂う羽虫。だが、魔理沙の蠢動が治まるなり顎の傷のあたりへ戻っていった。 「ゆううう!」 途端に、またびくびくとむずかりだす魔理沙。その顎には我が物顔に再び行進をはじめる蟻の行列。一様に極小の餡の粒を背負っている。 どうやら、わずかに開いた傷口から漂う甘い香りが、井戸の住民たちにかぎつかれたようだ。恐らくは、傷口が虫たちにほじくりだされているのだろう。 そんな様子は自分からでも確認できるらしく、暗い眼差しで虚空を眺めるゆっくり魔理沙。 霊夢は少しでも魔理沙の気持ちが紛らわせようと口を開いていた。 「ここからでたら、虫さんは全部つぶしてあげるからね!」 「……」 「そして、美味しいものを沢山たべようね!」 「……」 「野いちごとか、沢山食べようね!」 ひっきりなしに話しかける霊夢。 太陽を一杯に浴びた野草や、まるまるとした昆虫、リスなどの小動物。その味わいを夢想する。 その中でも最近食べた一番美味しい食べ物はあれだろう。 ぼんやりと、霊夢は回想に入る。 数ヶ月前、月明かりに誘われて家の周りに遊びに出たゆっくり霊夢とその姉妹。 野犬の遠吠えも聞こえない、静かな満月の夜だった。 家の入り口近くに何匹も連なって月の鑑賞会。まん丸な月を眺めるゆっくりたち。息を吸い込んでお月様のように丸く膨らんだり、ぴょんぴょんと跳ねて少しでもお月様に近づこうとしたりと、思い思いに楽しんでいる。 だが、突如として月明かりに影が差す。 見上げたゆっくりたちの視線の向こうに、月を背負ったシルエットが一つ浮かんでいた。 「ゆ?」 その正体がわからなくて首を傾げるゆっくりたち。 ニンゲンに似た体つきだけど、それにしては手足が短い小さな体。ぱたぱたとはためく翼もニンゲンのものじゃなかった。 目をこらすと、 朧な月の光にその姿が浮かび上がってくる。 丸い顔に満面の笑顔を浮かべて、短い手足を一杯に広げた生き物。誰かにおめかしされたのか、ピンクの服と帽子、 そして赤いリボンが愛らしい。 幼子のような笑顔のまま、その生き物は鳴いた。 「うー! うー!」 その可愛らしい生き物はご機嫌そのもの。だが、ゆっくりたちは気がつかなかった。意味のわからない呟きをもらすその口元に輝く、剣呑な牙を。 それは、紅魔館に最近住み着いたゆっくり亜種だった。空を飛ぶ吸血種で、その上に幼児のような体と手足がある、極めつけの希少種。 主に似たその生き物を、紅魔館の者は親しみをこめ、こっそり「れみりゃ」と呼んでいた。 そんなれみりゃは、発見されたからずっとメイド長咲夜に世話をされてきた筋金入りの箱入り娘。いつもは館の奥で大切にされていて、単独での外出が許されていなかった。たが、今日は素敵な満月。ついつい心踊る月明かりに誘われ、抜け出してきたのだろう。 つきっきりで世話をする咲夜の姿も、今日はどこにも見当たらない。 過保護な従者のいない久しぶりの自由を謳歌して、ご機嫌なれみりゃ。うーうーと、幸せそうに月夜を飛び続ける。 気がつけば、ずいぶん遠くまできていた。 くーくーと鳴り始めるお腹の虫。そろそろ戻ろうかなと迷い始めていた。けど、帰ればこの楽しい夜が終わってしまう。 そこで出くわしたのが、いつも餌として与えられているゆっくり霊夢の一群だった。 まさに渡りに船。 「ぎゃおー♪」 ご機嫌に、怪獣のような叫びを発するれみりゃ。 咲夜が怪獣のキグルミを着て演じた台詞をそのままなぞっただけの幼い咆哮。 ゆっくりたちは奇妙な闖入者に戸惑って、逃げるべき相手か、判断がつかなかった。 だが、そんなゆっくりたちは次の台詞で震撼する。 「たーべちゃうぞー!」 宙から、ふわりとこちらへ飛んでくるれいりゃ。その口の牙が月光を帯びて鈍く光った。 「ゆっくりやめてね!」 慌てて、一目散に家へと逃げ込むゆっくりたち。 だが、出入り口は一つ。一度に入れるのはせいぜい二匹まで。 「はやくしてね!」 最後尾のゆっくり霊夢が急かすが、その声が不意に止む。 れみりゃに牙を突き立てられ、引きずられていくゆっくり霊夢。 「お゛があざーん……!」 ぱたぱたとはためく翼の音とともに、母を呼ぶ声も遠ざかる。 「うー♪」 見守るゆっくりたちの前で、れみりゃは捕らえた霊夢を抱え込む。 同時に、れみりゃの口からじゅうううと鈍い音が響きだした。 「ゆ、ゆゆゆゆゆゆ!?」 自分の体に何が起こっているのかわからないゆっくり霊夢。 だが、みるみる頬がこけ、皮がビロビロに伸びはじめてようやく気づく。れみりゃは、ゆっくりの中身を急激に吸い上げていた。 「い゛や゛あ! ゆっぐりじでよおお! ずわ゛な゛い゛でええええ!」 しかし、言われてジュースを飲むのを止める幼児などいない。 うまうまと、たっぷりの甘さを味わいながらちゅーちゅーと吸い続けた。 次第に、白目をむくゆっくり霊夢。 「ゆ"っゆ"っゆ"っ」 細かく痙攣を始めるが、れみりゃはジュースの器がどうなろうが一切気にとめない。喉の渇きのまま、最後まで一気に飲みきるだけ。 ふにゃふにゃにのびた霊夢の、最後の雫を吸い込もうとれみりゃが一呼吸したそのとき。 猛然と転がる岩のようなゆっくりがいた。 「ゆっ! ゆっ!」 異変に気づいたお母さん霊夢だった。 ぷっくり膨らんだからだを揺すって、どすどすと入り口かられみりゃに向けて一直線。 「うー?」 只ならぬ振動に顔をお母さん霊夢に向けるりみりゃ。 瞬間、お母さん霊夢は飛んだ。 月夜を背景に、膨らんだ全身をばねにして見事な飛翔。 そのまま、れみりゃの顔面へと飛び込んでいく。 ぺちっと、情けない音がれみりゃの顔面で響いた。 もんどりうって倒れる一団。 「うあー! うあー!」 れみりゃはうつぶせ倒れこんで、起き上がりもせずただ泣き叫ぶ。 これまで、食事といえば昨夜が手配したゆっくり霊夢かゆっくり魔理沙。お嬢様に粗相のないよう、処理されたものばかりだった。 だからこそ、まさか獲物に反撃されるとは夢にも思っていなかった。 ショックでわんわんと泣き出すれみりゃ。いつもなら、ダダをこねていれば光の速さで咲夜が飛んできて自分を慰めてくれる。 でも、ここは紅魔館から遠く離れたゆっくりたちの巣。 絶望的にれみりゃは孤独だった。 「うあ!」 唐突にれみりゃが感じた激しい指先の痛み。 見れば、一匹のゆっくり霊夢が復讐だとばかりに噛み付いている。振り払おうとするその腕に、さらに噛み付く別のゆっくり。 続いて、背中にどすんとのっかった重みはお母さん霊夢。息がつまって、れみりゃの体がのけぞる。その隙に残りのゆっくりたちも意を決して競って背中に乗り上げてきた。もうれみやは飛ぶどころか、起き上がることすらできなくなる。 「うっ……!」 もういやだ、早く帰して。今日はプリンのお夜食なんだから、もう帰る! そんな思いをこめてゆっくりたちを見つめる。 だが、紅魔館自体を知らないゆっくりたちに容赦する理由は微塵もない。 「うっ!」 れみりゃの短い叫び。 見れば、指先に噛み付いていたゆっくり霊夢がついにその丸い指先を噛み切ったのだ。 指先からほくほくと、肉まんの湯気。 「うっ……うっ!」 赤く灼熱した焼印を押し付けられたような指先の激痛。 苦痛から、もはや声にならない悲鳴がれみりゃの口をつくが、むーしゃむーしゃと味わう霊夢には聞こえていないかのよう。 「おいしいよ!」 ほくほくの笑顔でそのお味を家族にご報告。 その言葉が契機になって、一斉にゆっくりたちが殺到する。 あんぐりと、れみりゃの指先やほっぺにくらいついた。 「う゛っ、あ゛ーっ!」 れみりゃは元々柔らかい肉まんのようなものなのか、強く噛み付くとゆっくりに、抗うことなくぽろぽろと千切られていく。 「むーしゃ、むーしゃ」 一斉にれみりゃを咀嚼するゆっくりたち。 はふうと、同時に吐き出される至福のため息。 「しあわせー!」 「ゆっ! ゆっ!」 わが子の嬉しげな様子を穏やかな視線で見つるのは、お母さん霊夢。 れみりゃがもう何もできなくなったことを確認して、その翼を口でぺりぺりと剥ぎ取る。 咥えたまま向かった先は、れみりゃに吸われてぺしゃんこになったわが子の元。そっと、くわえてきた翼をわが子の前へ置く。 けれど、もはやわが子は目も見えていないようだった。白目をむいて震え続けるだけのゆっくり霊夢。 お母さん霊夢は、無言で我が子を見下ろしていた。 れみりゃを味わっていたゆっくり霊夢の一匹が、その様子に気づいて駆け寄ってくる。 「早くよくなってね!」 元気付ける言葉は、虫の息となった霊夢にも聞こえたのだろう。 応えるため、口を緩慢に開こうとする。 「ゆっ……く……」 だが、もれたのは言葉にならないあえぎだけ。 やがて、言葉の代わりに大きく吐き出される吐息。あえぎ声。 それっきり、ゆっくり霊夢は動かなくなる。 きょとんとその様子をうかがう子供たち。何が起こっているのだろうと小首を傾げる。 お母さんれいむは頬をすりよせて、抜け殻となったわが子の目を閉じてあげた。 沈痛な沈黙。 「ゆっ!」 短い呟きが、わが子の亡骸に向けられて静かに響いた。 やがて、お母さん霊夢はくるりと振り向く。皮だけと成り果てたわが子から離れて、れみりゃのもとへ。 「うー!」 うつぶせにむせび泣いていたれみりゃと静かに向かい合う。 相変わらずの無表情のまま沈黙を守るお母さん霊夢。 すると、れみりゃを味わっていたゆっくり霊夢のうち一匹が、れみりゃの指先を見つめてぽよんと飛び跳ねた。 「ゆっくり治っているよ!」 見れば、千切られたばかりの指先がじわじわと元に戻りつつある。吸血種ならではの再生力だった。 その様子を、相変わらずじっと見つめるお母さん霊夢。 お母さん霊夢は声もなく動き出し、れみりゃの服の襟首をくわえ込む。そのまま、ずりずりと家の方へ引きずり出した。 ゆっくり霊夢たちは不思議そうに母親の行動を眺めていたが、そのうち一匹が母親の意図を悟る。 「まいにち、ごちそうだね!」 その言葉で他のゆっくりたちも気づく。れみりゃは一晩で元通り。食べ過ぎなければ、いつだって美味しいご飯になるということを。 一斉にれみりゃに飛び掛るゆっくりたち。れみりゃの翼を、耳を、指を、靴の先を、それぞれ思うがままに咥えて、一心不乱に家の方向へ。 「うっ! うっ!」 異常なゆっくりたちの団結に、怯えて泣き叫ぶれみりゃ。だが、もう遅い。れみりゃの姿は、ゆっくりと霊夢たちの住処へと消えていった。 それから数ヶ月、豊かな食生活が続いたゆっくり一家。 だが、その幸運も不意に消えてしまった。 いつも家の中に縛られて転がっているれみりゃが可哀想だと、ゆっくり家族たちが気を利かせて日向ぼっこ。 「うー! うー!」 家の方が居心地がいいのか、出ていきたがらない素振りのれみりゃだったが、日向でゆっくりさせてあげないと体に毒だと無理やり引っ張り出す。餌にすら親切なゆっくり一家だった。 逃げないよう縄でがんじがらめにして、お天道様の下に転がしておく。 「うあああーっ!」 嬉しいのか大声ではしゃぎ、のたうちもがくその声を背に、ゆっくりたちは気ままに遊び場へ散らばっていく。 日没まで存分に遊んで帰ってきたゆっくちが見たのは、れみりゃを縛った形のまま地面に横たわるロープと、そのロープを覆いつくさんばかりの真っ白な灰だった。 これは何だろうと疑問の答えを見つけるよりも早く、灰は草原を吹きぬける風に舞い上がげられる。 そのまま、近くを流れる小川へ押し寄せられ、流されていった灰。よくわからないので、ゆっくりたちはすぐに忘れる。 結局、逃げられたと結論づけて、今日もお母さん霊夢の待つ家の中へ、ゆっくり姉妹は仲良く連れ立って入っていった。 おいしい食べ物のことを思い出して、だらりと霊夢がよだれをたらしているうちに、時刻はいつしか夜を迎えていた。 今日は誰も井戸をのぞきこんだりはしなかったが、明日もこの小春日和が続けば、ゆっくり仲間か暇なニンゲンあたりが ふらっとこのあたりを通りかかるかもしれない。 それまで、耐えられるよねと自分に自問する。 全身は、力をこめ続けていたせいで、がちがちにこわばっていた。身じろぎするたびに体がきしんで痛みが走る。 眠らないでいた頭はぐらぐらと揺れて気が遠くなりそうな程。ぼんやりとなる瞬間もあるけど、死ぬよりはマシと思うしかない。 それに、嬉しい兆候もあった。 お昼に少し元気を取り戻したものの、日暮れ前にはもうぐったりして動けなくなっていたゆっくり魔理沙。 だが、夜が深まるにつれて何やらもぞもぞと体を動かしていた。 魔理沙が先に力尽きることが最大の不安だっただけに、その復活は霊夢にとっても望ましいことだった。 後は誰か、誰でもいいから、この井戸を覗き込んでもらうだけ。 そうだ、お願いの言葉を今からきちんと考えないと。 どことなく前向きなゆっくり霊夢。 その霊夢の思考を邪魔する、カサカサという魔理沙からの音と、時折の「ゆ……」とうめき声。 だが、霊夢は気づかないまま、助け出されたときのお礼の仕方をのんきに考えはじめていた。 五日目 考えすぎたのが悪かったのだろうか。朝から、霊夢の頭は朦朧としていた。 眠らないまま、どれだけの時間を過ごしただろう。 力を抜かない、眠らない。 それだけを守って、それだけしか許されないこの世界で生き抜くうちに、霊夢は少しずつ現実とつながる意識が薄れていた。 空が明るくなって、かろうじて五日目に入ったことはわかる。 けれど、もう何年も閉じ込められているような気分だった。 この空虚でゆっくりと流れる時間を、一人だけで過ごしていたら今頃心が壊れていたかもしれない。 だが、隣にぴったりとくっつく魔理沙の存在が、霊夢の心に頑張らないとと、わずかな種火となってくすぶった心を焦がしている。 昨日からちょっと調子が悪いらしくて、話しかけても何も応答が無い。 でも、いるということだけで心強いのだ。 「れいむう……」 その魔理沙が、一日ぶりに自分から話しかけてきた。 井戸の暗闇から届く、のったりと間延びした呼びかけ。 「どうしたの、まりさ!」 そのことが嬉しくて、応じる霊夢の声は弾んでいる。 魔理沙の次の言葉は中々発せられなかったが、ゆっくり待った。 「……ようやく、かゆい理由がわかった」 時間を大分おいた一言は、霊夢に「よかったね!」の合いの手を躊躇わせるほどに疲れきった声。 どうしたのだろうと訝りつつ、やはり魔理沙の言葉を待つしかないゆっくり霊夢。 そのとき、ゆっくり霊夢はわずかな光を感じた。 見上げると井戸の縁を、太陽がわずかに踏み越えようとしている。 ほかほかのお日様がでれば、魔理沙も元気になるかな。 「あのねえ」 魔理沙の呟き。 日差しはどんどん高くなる。光の領域が、井戸の縁から内側へ、みるみる広がってきた。 「れいむ、きらいにならないでね……」 よくわからない言葉が霊夢の困惑を誘う。 さらなる説明を求めようとした、その時。 ふっくらとしたお日様の気配が二人を包んだ。ゆっくり二匹の元へ届いた、晴れやかな日差し。 光に照らし出された魔理沙は、口を半開きにして惚けたような顔。 そして、顔半分を覆いつくす黒。 目を凝らすと、その黒い帯は光を受けて一斉に動き出した。 「ゆーっ!」 黒い帯。それは、魔理沙の顔にたかる幾百もの虫たち。地虫、羽虫、カトンボ、ゲジゲジ。数え切れないほどの虫たちが光の襲撃を受けてうごめき、逃げ惑い、光から隠れた。 最も手近な魔理沙の中へ。 魔理沙の右のほっぺに開いた無数の穴へと、我先にと逃げ込んでいた。 「ゆっ! ゆっ! ゆううううっ!」 目の前10cmで繰り広げられる光景のおぞましさに、満足な叫びもあげられないゆっくり霊夢。 虫たちは魔理沙の傷口から入り込み、中身を食い荒らしながら、奇妙な巣を勝手につくりあげていた。 魔理沙は、もう心が消えうえせたかのように、微動だにしない。開いた口からだらだらとよだれをたれ流して、右頬だけがぷるぷると微妙に震えている。 その虚ろな目が、怯え震える霊夢を見つめていた。 霊夢は「れいむ、きらいにならないでね……」という魔理沙の言葉を思い返す。 きっと、今自分は魔理沙を化け物を見るような目で見ているのだろう。 「しっかりして、まりさ! 外にでたらすぐに治療しようね!」 真正面に魔理沙の惨状を見据えて、心を燃え上がらせての激励。 ほのかに、魔理沙の瞳に生気が戻る。 「ありが……」 だが、お礼の言葉は最後までいえなかった。 「うっぐ!」 言葉を遮ったのは、魔理沙の口からわらわらと巣立つ羽虫たち。 凍りついた霊夢に、なぜか笑いかける魔理沙。 「……卵産みつけられちゃった」 気を失いそうになる霊夢。 魔理沙からは、低い笑い声がもれてくる。 「うふふ……うふふ」 これまで聞いたことの無い、奇妙な笑い方。 もう、霊夢の言葉は届きそうに無かった。 それに、その虫たちを見ていると霊夢に浮かぶ不安が一つ。 魔理沙の餡を全部食べ尽くしたら、この虫たちはどうするのだろう。 答えは、魔理沙と連結した自分のほっぺた。おどろくほど容易い進入経路。 「だずげでえええ! 今ずぐ、だずげでえええええええ!!! だずげでええええええええ!!!」 幼子のように泣き叫ぶも、声を聞き届けて顔を覗かせるものなど誰もいない。 ただ、驚いた羽虫たちをぶわと舞い上がらせただけ。 やがて、惨劇を見せ付けた太陽は井戸の外へ、早々に引っ込んでいく。 後には泣きじゃくる霊夢と、魔理沙の乾いた笑い声。 そして、それを覆い尽くす虫たちの気ぜわしい羽音や足音だけがいつまでも響いていた。 六日目 何度目か、すでに霊夢はわからなくなりつつある太陽の出現。 昨日、叫び疲れてぐったりと力を使い果たした霊夢。もう、口を開くのも厭わしい。 魔理沙も虫たちに蹂躙にされるがままになっていた。 もううめきすら聞こえない。生きているのか、死んでいるのか、もう判別のつけようがなかった。 ゆっくり霊夢は、そんなゆっくり魔理沙を見つめながら、自分の最期を見つめる思いだった。 きっと、自分もこんな死に様なのだろう。 ありありと見せつけられた絶望。 だが、先ほどまでの狂おしい恐怖はすでに感じなくなっていた。何もかも、あやふやな夢の中にいるよう。ぼんやりと、厚い膜を張ったような精神状態。 心が磨耗しきっていた。 もうすぐ魔理沙のように、うふふ、うふふと笑える幸せな世界に旅立てるのだろうか。 先に行けて、魔理沙はもいいなあと、霊夢は魔理沙をうらやましくさえ感じていた。 だが、霊夢がやっかむ必要もないだろう。 そのときは、確実に近づいていた。すでに、自分を取り巻く全てに何の現実感も感じられなくなりつつある。 だから、霊夢は妄想か夢を見ているかと思い込んで見逃すところだった。 はるか井戸の上には、見下ろす一人の女性の姿。 「久しぶりに昔の家にきてみたら、こんなところに……あなたたち、何をしているのかしら」 耳障りのよい、落ち着いた女性の声。 井戸に響き渡る、待ちかねた来訪者の声だった。 「ゆっ! ゆゆゆゆっ!」 助けて、出して、ごめんなさい、お願いします。言うべき感情が霊夢の口をあふれて、まったく形をなさない。ただ興奮と哀願だけが噴出して始めていた。 声をかけてきた女性は、逆光でよくわからないにがサラサラの金髪に、白いケープが目に入る知的で楚々とした印象。 自分たちに降りた蜘蛛の糸を握る唯一の人物。 「勝手に入ってごめんなさい! 出られないの! お願い、助けてください!」 「あら、かわいそうに」 ゆっくりに向けられた女性の声色は心底哀れんでいるようだ。 優しい人かもしれない。 ゆっくり霊夢は期待と不安の眼差しで女性を見つめる。 「心配しなくていいのよ。今、助けてあげるわ」 逆光で顔立ちはわからないが、その女性はにっこりと微笑んでいた。 その笑顔に、沸き立つ安堵の想い。知らず、体の力が抜けかけるゆっくり霊夢。 だが、ここで沈んでは何にもならない。必死に堪えた。 「待っててね。今、家からロープか何かもってくるから」 身を翻して姿を消す女性。 でも、霊夢に不安はない。女性の言葉は心底の同情に満ちたものだったから。 しばらくして、言葉の通りに戻ってきた女性。 「ありがとう、おねーさん! お願いします!」 ゆっくり魔理沙の言葉に小さく頷いて、女性は井戸の上からするするとロープを下ろしていく。 あと、ちょっと。あとちょっとで霊夢の口が届きそうになる。 あーんと、大きく口を開くゆっくり霊夢。 その口が届こうとする、そのまさにほんの手前。 「ところで、ここからじゃ暗くてよく見えないのだけど、あなたたちのお名前を教えてもらっていいかしら?」 女性の機嫌を損ねたくなくて、霊夢はロープを噛みに行く動作を止めた。 「ゆっくりれいむと、ゆっくりまりさだよ!」 疲れ果て、声を出すのも億劫だったが、精一杯の愛嬌をこめて応えてみせる。 「へえ、良くあなた方の組み合わせを見かけるけど、だいぶ仲がいいのね」 なぜだか、突然始まる女性の世間話。 早く、早く! 霊夢の心の声が鐘楼のように鳴り響くが、ここで焦って全てを台無しにするわけにはいかなかった。 「うん、親友だよ!」 正直に答える。 すると、ロープの先端がプルプルと震えだした。 震えているのはロープと、その根元を握る女性の手。 女性は不意に笑い出した。魔理沙のような、乾いた笑い方だった。 「アハハハ。ホント、あなたたちはいつも仲がいいわよね。守矢神社のときもそう。私のことを放って二人で解決しちゃうくらいだし。本当に魔理沙と霊夢は仲良いわね」 ゆっくりに、女性の言葉の意味はわからない。 ただ、ふつふつと湧き上がる怒りだけが伝わってきた。 「おねーさん、ロープをもう少しのばしてね!」 只ならぬ気配に不安になった霊夢が思わず催促してしまう。 それが引き金だった。 「……あら、手が滑ったわ」 恐ろしいほどの白々さを響かせる声。 それとともに、ロープは一気にゆっくり霊夢の元へ届き、そのまま丸ごと井戸の底へ落ちていった。 「ゆっ、ゆー!」 霊夢の絶叫の最後に、着水したロープの音が無情に響く。 「どうじで、ごんなごどずるのお……」 涙目で見上げると、女性は無表情でゆっくりたちを見下ろしていた。 唯一の蜘蛛の糸が、この瞬間明らかに断ち切られようとしている。 「おねーさん、怒らせていたらごめんなさい! だから、お゛ね゛がい゛! もう一回、お願いじまずうううう!」 霊夢にできるのは、同情を誘う哀願のみ。 それでも、井戸の上の女性に効くかどうかは、すでに疑わしくなりつつあった。 「私なりに考えてみたのだけど、せっかくそこでゆっくりしているのに、お邪魔するのは悪いわよね?」 女性の気を遣ったような言葉が放たれるが、その根底に横たわるのは隠そうともしない悪意。 「やだあっ! もうここでゆっくりじだぐないいい! だがら、だずげでぐだざあい!!!」 「でも、大丈夫。今、素敵なお友達をそっちにおくるから、もっと楽しくなるわよ」 会話ではなかった。 ゆっくり霊夢の嘆願を存在しないものとして、にこやかに語りかける女性。 優しげに井戸に響く女性の言葉が消えるやいなや、何かを投げ込んでくる。 ひゅうううと、井戸の空気を切る何かが、霊夢の顔へ一直線。 そのペラペラの物体が光を透かして、霊夢にはそれが何かわかってしまった。 自分と向き合って落ちてくるのは、同じゆっくり霊夢種。ただし、中身がこそぎ落とされた上に、頭を切り落とされたゆっくりのデスマスク。 ぺちゃりと落ちて、身動きできない霊夢の顔に張り付く。お互いの唇を重なって、ぺったりと。 「む、むぐううううう!」 同種の死骸といきなりのマウストゥマウスに、声にならない悲鳴。 「喜んでもらえて嬉しいわ。それじゃあ、リクエストにお答えして、もう一匹、お友達がそっちにいくわよ」 すでにひどい衝撃を受けているゆっくりたちへ向けて、さらに何かを投げ入れた女性。 霊夢がデスマスクを払いのけるのと同時に、ぺっちゃっと水っぽいものが落ちてきた。 霊夢は顔面で受け止めたそれの正体に気づく。 「ゆっ! ゆっくりパチュリー!?」 すでに亡骸となっているゆっくりパチュリーだった。いや、パチュリーが死んでいるのはよくあることなので、さしては驚かない。 問題は、その頭部。 ご自慢の三日月の飾りをつけた帽子が破れ、頭全体がぐちゃぐちゃに中身をかき回されていた。 死に顔は歪みきった苦悶の表情。どんな苦痛を経れば、こんな顔で死ぬのだろうか。 井戸の上から見下ろす女性、アリスの微笑みはお茶会に呼ばれた淑女のように楚々とした笑顔だったが、霊夢には空恐ろしくて仕方なかった。 不意に、霊夢の鼻腔をつんとした臭気が突き上げる。 気がつけば、周囲にたちこめた甘く腐ったような匂い。 パチュリーの中身が発酵して、強いにおいを放っていた。 その腐った餡はパチュリーを受け止めた二匹の顔のあちらこちらに飛散して、嫌な匂いをこびりつかせる。 「ゆっ!?」 ぶうんと喧しい音。霊夢の耳元で騒ぎだす虫たちだった。匂いの強さに惹かれ、わらわらと霊夢へも忍びよる虫たち。 見たことも無い大きさのムカデが、魔理沙の頬からにょっきりと頭をのぞかせる。 「や゛あ゛あ゛! よ゛ら゛な゛い゛でええええ!」 我を忘れ、いやいやと餡子を振り落とそうとする霊夢。 それが致命的だった。 ずるりと、壁からずり落ちるゆくり霊夢の体。その動きを止めてくれていた魔理沙も、すでに押し返す力はない。 二匹とも、ずり、ずり、ずりと下がっていく。 「ゆぐうう! ゆぐうううううう!」 踏ん張ろうとしても、もう遅い。 落下は加速的に早まって、どんどん近くなる水面。遠くなる外の世界。 やがて、井戸に派手な水音が響き渡った。 その反響が収まると、もうゆっくり霊夢たちは井戸の上から見えなくなる。 満足げに見届けたアリスは、井戸の上に新たな板を敷き、重石をのせた。 「それじゃあ、ゆっくりしていってね」 くすりと品のいい笑顔を残して、アリスは去っていく。 後には、もう何年も忘れ去られたような古井戸だけが残されていた。 七日目 井戸の底は、光の欠片もない真の暗黒。 出口はすでに閉ざされ、霊夢は完全に日時の感覚を失っていた。 ここは井戸の底。にごりきった水面から、頭一つだけ上に離れた壁面。 朽ち果て、崩壊した石壁のでっぱり。そこへゆっくり霊夢は口をひらき、顎が外れんばかりにくらいついていた。 霊夢のほっぺにくっついた魔理沙は半身を水面に沈めている。 時折、ぶくぶくと気泡を吐き出して、虚ろな目で浮き沈みを繰り返す。 水に沈んだことで虫たちはある程度外に逃れてはいたが、代わってボウフラたちにまとわりつかれていた。 むわっと、淀んだ水の匂いがきつい。 そんな有様に、霊夢はもう終わりが近づいてきたことを自覚しはじめる。 石積みブロックに喰らいついている顎も、がくがくと小刻みな震えが止まらない。 井戸は完全に封印されて、もはや人目につくことも望めなかった。 「うふふ……」 あぶくの合間に、相変わらずの親友の笑い声。 おそらく、ゆっくり魔理沙はもうダメだろう。 魔理沙の心が死んでしまうまでに、魔理沙へ大好きだったことをもっと伝えておけばよかった。 喧嘩してひどいことを言ったことを、謝りたかった。 でも、もう届かないし、口を離せば即座に二匹とも水面に転がり落ちるだけ。 ボロボロとひっきりなしに霊夢の涙が零れ落ちていた。もう、何もかもが手遅れ。 せめて、死ぬ前にお母さんに会いたい。 会って、あの柔らかい体に飛び込んで大変だったよと、今までの話を伝えたい。 可哀想に、ゆっくりお休みと、受け入れてくれるお母さんの胸に甘えながら死にたい。 とっくに叶わなくなった、哀れな夢。 もう全てを諦めて、水に沈んでしまおうかと、何度も考える。 けれど、その惨めさが悔しくて悔しくて、霊夢は結局石壁にかじりついていた。 このまま、果てて死ぬだけだとわかりきっていた、無駄な抵抗。 どれぐらい時間がたっただろう。 ほんのりと明るさを感じていた。 見上げるゆっくり霊夢。鮮烈な光を放つ天から、小さな、人に似た存在が何体も連れ立っておりてくるのが見えた。 天使というものだろうか。 ああ、自分は死のうとしているのだ。 なぜだか冷静に、霊夢は天使たちを眺めていた。 天使たちは霊夢の下に回りこむと、その体を掴む。 浮遊感。 ゆっくり霊夢は井戸から静かに上昇していく。 ああ、ここから出られるなら、死んでもいい。 安らかな霊夢の表情。 外の日差しの強さを感じながら、霊夢はゆっくりと目を閉じる。 白く霞みがって遠のく意識。 その心地よさに身を任せていた。 「これで、いいのかしら?」 アリスは人形たちに引き上げさせているゆっくり霊夢を見やりながら、傍らのゆっくり魔理沙に語りかけていた。 そのゆっくり魔理沙は、井戸の中にいる魔理沙と別の個体、アリスが最近飼いならしているゆっくり魔理沙だった。 「ありがどううううう!」 今は仲間の姿を見つめながら、アリスに涙声でのひたすらにお礼を繰り返している。 アリスに唇に苦笑がこぼれていた。 「私は本当に魔理沙に甘いわね」 昨日の夜、ゆっくり霊夢たちの様子を夕食の話題に伝えたところ、仲間を助けて欲しいと泣きすがられてしまった。 どれだけひどくそのほっぺを抓りあげても、一向に黙ろうとしない。「箱」で脅されても「おねがい、だずげであげで!」と泣き喚かれて、アリスも少しだけの譲歩。 やがて人形に抱えられて、気を失ったゆっくり霊夢が運び上げられてくる。 「まったく、暢気なものね」 楽しげにゆっくり霊夢のほっぺたを、白く形のよい指先で弾いて遊ぶ。 霊夢は昏睡したように起きる気配もない。 つづいて、霊夢のほっぺたにくっついて魔理沙が姿をあらわした。 太陽の下、主だった虫たちはぽとぽとと井戸へ落ちていく。水をくぐったことも少し虫を減らしたのだろう。少しだけ、マシな魔理沙の顔。 「ゆ……?」 そのおかげか、光の眩さに目を覚ます魔理沙。瞳にやんわりと光が戻ってくる。 やがて、視覚した目の前の光景に、光が強くなる魔理沙の瞳。 そこは、夢にまでみた外の世界だった。風がそよそよ心地よく、草むらの青い匂いが薫る森の中。 外にでたの……? 目を凝らしても変わりはない。 紛れもなく、外の世界だった。 ……助かったんだ。 救出を認識するなり、心の奥底から蕩けそうな安堵感に包まれてじんわりと涙がにじむ。 「ゆ、ゆっくりいいいい……」 続く喜びに体が震えていた。 心にこみあげる暖かさに、ほろほろと涙が止まらない。 幸せな気分で流す涙は、なんて気持ちがいいんだろう。 こうして見える全ての景色は、いきなり奪われて、奇跡の果てにようやく戻ってきたあたりまえの世界。 いや、もうあたり前の世界には見えなかった。 世界がこんなに素敵なことに、ゆっくり魔理沙は気づいてしまっていた。 果てしない空、どこまでも跳ねてゆける自分の体、愛情を確かめ合える友達。それがどれだけ貴重なことか、魔理沙には心から知ることができた。 さあ、この素晴らしい世界で、心行くまでゆっくりしよう。 まずは、ゆっくりと何をしようかな。 思いつくことは沢山ある。ずっと井戸の中でしたいと熱望していたこと。美味しいものを食べる、遊びまわる、安全な場所でゆっくりする…… だが、それにも増してまずしなければならないことがある。自分を許し、励まし続けてくれたゆっくり霊夢に感謝と改めてお詫びをすること。本当にありがとう、そしてごめんなさいと、蕩けるまでゆっくり全身をこすり合わせたい。 その後はひたすらゆっくりしよう。体は大分ぼろぼろだけど、仲間たちに虫をとってもらってゆっくり休めば、きっとまた元に戻れる。 ゆっくりとした日常に戻れる。それだけで、もう涙が止まらない。 とめどなく頬を伝う暖かな落涙。 アリスはそんな魔理沙にそっと顔を寄せていた。 ようやく、魔理沙はアリスに気づく。 霊夢をひっぱりあげる、人形たちの姿にも。 「……お姉さんが、助けてくれたの?」 「そうよ」 アリスの簡潔な言葉を受けて、心を突き上げてくる感謝の思い。 「あっ、ありがどう……! ほんとに、ほんとに、あ゛り゛がどうううううう!」 最後の力を振り絞ったゆっくり魔理沙の言葉を、アリスは優しげな眼差しで受け止めていた。 「あらあら。涙で顔がくしゃくしゃよ。女の子がそんな顔を汚しちゃだめよ」 「うん」 茶目っ気たっぷりに語りかけられて、ゆっくり魔理沙ははにかんだ笑みで頷いた。 「それじゃあ、しっかり顔を洗ってきましょうね……」 「ゆ?」 アリスの言葉の意味を問い返す暇もなく、魔理沙に近づく影があった。 薄皮一枚で繋がる魔理沙と霊夢の間をすうと抜けた影は、アリスの上海人形。 上海人形が両腕に抱えるのは、鈍く銀色の輝きを放つ、大きな大きな断ち切り鋏。 「ゆ?」 次の戸惑いの声が魔理沙の口からもれたとき、すでにその体は落下を始めていた。 断ち切られていた自分と霊夢との皮膚の結合。 下には、何も無い空間が口をあけているだけ。 それからの光景は、やけにゆっくりと見えた。 再び、井戸の口に沈み込む体。あと10cmでもずれていれば、縁にあたって外に転がり出るというのに、 体はすっぽりと井戸の中央。 すぐさま、暗闇が視界を支配する。 落下を続けながら天を見上げるゆっくり魔理沙。 井戸の口はどんどん小さくなって、かつての光景のように遠ざかっていく。 もう、一緒に落下を耐えた友達はそこにはいない。 どこまでも落ちていく。 あれえ、夢かなあ。 惚けた台詞を呟くやいなや、底に着水して激しい水しぶき。 思ったより衝撃がないのは、水中に住む先客が魔理沙の体を受け止めれてくれたからだった。 井戸の底からぷかぷかと浮かぶのは、無数のゆっくり魔理沙たち。 すでに中身が井戸に溶け出して、ぶよぶよに膨らんだ皮だけが浮かんでいる残骸だった。 アリスが捕まえて、懐かなかったゆっくり魔理沙の成れの果て。 この井戸は、アリスの処分場となっていた。 しかし、魔理沙にそんなことはわからない。わかりたくもない。 「ゆ……ごぼ……ごぼぉ……」 魔理沙の体にできた虫食いの空洞から生まれる盛大なあぶく。 そのわき立つ水面の向こうで、閉ざされた井戸の天井をぼうっと眺めていた。 水をすった皮がぶよぶよに膨らみ始め、自分の皮で覆われていく視界。 ぎゅうぎゅうの皮におしこまれ、目の玉がとびだしそうに痛い。まるで、巨大な綱で常に締め上げられているよう。 間断ない痛みは、虫にたかられていた時以上に時の進みをゆっくりと感じさせた。 死ぬほど苦しい。でも、自分を殺すこともできない。 もう考られること一つ。いつ死ねるのかなということだけ。 中身の完全な腐敗、溶解まで後一週間ほど。 魔理沙のゆっくり生活は、ようやく折り返し地点を過ぎたところだった。 後編 選択肢 投票 しあわせー! (3) それなりー (0) つぎにきたいするよ! (1) 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/531.html
どこかの街でゆっくりブリーダーがおはぎを作っていた頃。 ここでも、一つのゆっくり一家が無事ブリーダーの元から卒業する事ができた。 「ゆ!! おじさんいままでありがとー♪ これからもれいむたちはゆっくりするね!!」 「おじしゃんありがとーー!!!」 一匹の親霊夢とその子供達の霊夢と魔理沙。 去年の冬からブリーダーの元で育てられ、今ではキチンとした行いが出来るまでに成長していた。 「うん。おじさんも君たちを育成できて良かったよ。それじゃあこれでお別れだけど、また何時でも遊びにおいで」 そして、その成果をしみじみと実感するブリーダー。 「ううん! おじさんはほかのゆっくりたちをきちんとするんでしょ? れーむたちがくるとおじさんのおしごとのじゃまになるから」 「そんなことないよ。だからたまには遊びにおいでね」 遠慮という、ゆっくりからすれば一番の対極にある言葉が出てくるまでに成長したこの一家にブリーダーは諭すような口調で提案する。 「ゆ~。わかったよ!! こんどあそびにくるね!! それじゃあおわかれだね!!!」 「おじさんいままでありがとーーー」 「「「「「さよーならーーー!!!」」」」」 「さよなら。元気でな!!」 こうして、人々が仕事に取り掛かり始めた頃、一家は男の家を後にした。 「ゆ~♪ これからどうしようか?」 「ほかのにんげんのおうちにいっておてつだいする?」 「でも、ゆっくりたちはにんずうがおおいから、めいわくがかかるよ!!」 キチンと育成されただけあって、こうすればどうなるという事を考えられるようになっているこの一家は、これからの自分達の進退を必死になって考え始めた。 「ゆゆ!!! おかーさんにいいかんがえがあるよ!!!」 閃いた!! と言わんばかりの声をあげお母さん霊夢が子供達に説明を始める。 「ゆゆ!! おかーさんあたまいい!!」 「それにゃらゆっくりできるね!!!」 どうやら、どうやって食べていくか、決まったらしい。 いそいそと、近くのゴミ捨て場から大きな缶詰の空き缶を拾ってくるお母さん霊夢。 ご丁寧に小豆の缶詰を拾ってきたらしい。 「それじゃあ、おかーさんとあかちゃんたちはここでするから、おねーちゃんたちはむこうでしてきてね!!!」 「うん!! ゆっくりがんばってね!!!」 お母さん霊夢と赤ちゃん、お姉さん達に分かれて行動する事にした一家。 しばしの別れの挨拶をした後、それぞれ人の多い場所に消えていった。 「ゆ~~♪ ゆ~~♪ ……ゆ!! ここにしようね!!!」 「ゆくりしゅるよ!!!」 「ゆっくりちようね!!!」 「ゆ!!」 人通りの多い一角で足を止めたゆっくり達は、お母さん霊夢の指示で立ち位置に立った。 そして、お母さん霊夢が、息をスウッと吸って歌を歌いだした。 「ゆ~~~っくり♪ ゆっくり~していってね~~~♪」 「ゆっくり~~~♪ ゆゆゆ~~~~♪」 「ゆゆゆ~~~~~~~~♪」 それに負けじと、子供達も必死でバックコーラスに徹する。 そして、目の前には先ほどの空き缶。 どうやら、芸をしてお金を集める方法を選んだようだ。 「ゆっくり~~~♪ ゆ・ゆ・ゆっくり・ゆうっくりぃ~♪」 「お! なんだなんだ?」 次第に、疎らだが人が集まり出した。 普通のゆっくりならここでペースト出荷されるが、ブリーダの所から出されたゆっくりはリボンか帽子に縫い付けられたワッペンのおかげで、完全ではないが安全は保障されているのだ。 「ゆゆ!! れーむのおうたをきにいったら、すこしでいいからおかねいれてね♪」 「おかーしゃんはおうたじょーずだよ!!」 「いっしょうけんめーうたうよ!!!」 確かに、そのゆっくりの歌声は唯の騒音ではなく、音痴なメロディ~であった。 その馬鹿さ加減が受けたのか、チャリンチャリンと小銭が空き缶に吸い込まれてゆく。 「!!!! ゆっくり~~~ゆっゆっ!!!!」 それで気分をよくしたゆっくり達は、更に気持ちを込めてご自慢の歌を熱唱していく。 一時間程たっただろうか? それまで違う場所でお金を集めていたゆっくり達が帰ってきた。 「ゆゆ!! むこーでもらってきたよ!!!」 一番はやく母親の元へきたゆっくり魔理沙が自慢げに千円札を見せた。 ブリーダーに飼われていた一家には、その金額の価値がはっきりと分かる。 「ゆゆ!!! すごいね!!!」 「おねーちゃんたちすごいね!!!」 「ゆ!!」 母親や妹達からも褒められて、このゆっくり魔理沙は上機嫌だ。 「それじゃあ、たべものをかいにいこうか!!」 自分達の缶の中にも硬貨が沢山入っている事を確認したお母さん霊夢が子供達に尋ねる。 「「ゆっくり~~~♪」」 二つ返事で賛成されたので、一家仲良く近くのお店に足を運んだ。 「こどもたちはここでまっててね!! みんなではいるとめいわくだからね!!!」 「「はーい!! ゆっくりまってるよ!!!」」 子供達に念を押して、一人で中へ入ってゆくお母さん霊夢。 以前、ブリーダーのおじさんと来た事があるので、大体の内装は把握していた。 奥にある大きな台に飛び乗って一言。 「このおかねで、ゆっくりできるおいしいたべものちょうだいね!!!」 店員の女性は、一瞬呆気に取られたが、ここはよくブリーダーの人がお使いさせるために利用する店なので速やかに値段分の食べ物を出してくれた。 「はい。これはお釣りだよ。大事に取っておいてね」 残ったお金を一緒に袋に入れて、地面に降りた母親の口元に運ぶ。 「ありがとう!! はむ……」 お礼を言い、袋の箸を紐で咥えて店を後にしたお母さんゆっくり。 外にでると、キチンと言いつけを守り待機していた子供達が一斉に駆け寄ってきた。 「うわぁーー!! いっぱいあるね!!!」 「ゆくりたべれるね!!!」 「ゆくりできりゅね!!!」 袋の中を見た子供達は大興奮。 そして、ゆっくり食べるべく、新しい家を探して街の中を再度彷徨う。 お釣りは、一番年長のお姉さん魔理沙が、重ねた空き缶の中へ入れて運んでいる。 「ゆっくり~♪」 それは、先ほど千円札を持ってきた魔理沙だった。 役に立っている自分が余程嬉しいらしい。 魔理沙の鼻歌が引き金となり、瞬く間に一家全員に広がっていく。 気が付くと、一家は街の外れの方まで足を運んでいた。 「ゆ~、なかなかみつからないね!!!」 「もうちょっとさがそうね!!!」 CASE:01 「ゆっくりさがそうね!!!」 母親が活を入れ家探しを続行する。 まだ、日は高く上っているのでさほど心配する事でもないだろう。 一家も、それが分かっているようでのんびりと探し回っている。 「ゆゆ!!! おかーさん!! ここはどう!!!」 先ほどの魔理沙が、母親を呼び止めた。 「ゆ~~?」 そこは十メートル四方ほどの大きなくぼみだった。 人工的に作られたようで、天井は透明な板に覆われ中から見上げれば、透き通るような景色を見れるだろう。 また、上部には所々穴が開いており、更に階段が下まで伸びている。 作りもしっかりしており、何よりも開閉式の蓋もあるそこは、十分家として機能するものであった。 「ゆゆ!! ここはだいじょうぶそうだね!! でも、にんげんがでていけっていったらすぐでていくよ!!!」 「うん!! わかってるりょ!!!」 「ゆっくりしようね!!!」 「「「「ゆっくりしようね!!!!」」」」 新たな住処の確保に成功した一家は、先ほど買った袋から食べ物を引っ張り出し、ささやかな宴を始めた。 「ゆ!! おいしーね!!!」 「うん!! おしたもいっぱいうたっていっぱいたべよーね!!!」 「「「「ゆっくりがんばろーーね!!!!」」」」 日が落ち始めても、一家の楽しい宴は終わりを見せない。 「ゆっくり~♪ ゆっくり~していってね~♪」 「おかーしゃんじょ~ず~♪」 「ゆゆ!! あめがふってきちゃよ!!!」 「だいじょうぶだよ!! ふたはきちんととしめたから!!!」 そう言って上を見上げるお母さん霊夢。 透明な天井には沢山の雨が弾け飛ぶ様子が断続的に映される。 「ゆっゆ♪ すごいね!!」 「たのしいね!!!」 本来ならば見ることが出来ないその光景を、一家は食い入るように見つめている。 きっと晴れた日には満天の星空が見えることだろう。 ここでの生活はきっとすばらしいものになる。 一家の誰もがそう思っていた時、悲劇は突然起こった。 「ゆ!! おみずだよ!! おみずがながれてくるよ!!!!」 「どうして!!! どうしてこんなにおみずがでてくるの!!!」 「!!! 、そういえばさいごにおじさんがいってたよ!!!」 この街には雨が降ったとき、川がゆっくり流れるように一時的に雨を貯めておく所がある、そこに入ってはいけないよ。 危ないから。 「ゆゆ!!! たいへんだよ!! はやくでようね!!!!」 「みんないそいでね!!!」 しかし、思い出したとしても時既に遅し。 上部に開いた穴から大量の水が流れ出し、階段を上ろうとする一家をことごとく下に押し返していく。 「ゆぎゃ!!」 一匹の赤ちゃん霊夢が地面に押し付けられた衝撃で、餡子を飛び散らせ絶命した。 「ゆゆゆ……」 上がっても、ここに居ても自分達が死ぬ事は避けられない。 残った方法は助けを呼ぶ事くらいだ。 「ゆっくりできないよーーーー!!!!! だれかーーーーたすげてくださいーーーー!!!!!」 「ゆっくりーーーー!!! だれかーーーーー!!!!!」 「しんじゃうよーーーーーー!!!!!!」 しかし、非常に激しい雨の中、出歩いている人も無く、一家の声を聞くものも居ない。 「ゆぶぶぶ!!!」 とうとう、容量いっぱいに水が溜まったようだ。 「あぶぶ!!! うぐぐ!!!」 水の進入は止まったが、全面水で満たされたこの状態では蓋を開けることも、ましてや息をする事さえも叶わない。 「ゆ……」 「ぐり……」 一匹、また一匹と餡子を流しながらゆっくり達が死んでゆく。 初めの方に死んだゆっくりは、既に完全に水に溶けてしまっていた。 「おがーしゃん……ぎょめん……」 最年長のゆっくり魔理沙が、母親に何かを訴えかけるような目をしたまま命を落とした。 「あばばばばば!! りぇーみゅのこどもだじーーーー!!!!」 そして、最後まで残っていたのは、やはりお母さん霊夢だった。 窒息の苦しみと、溶け出す体。 そして、混ざってゆく子供達の惨状を見ながら、ゆっくりと息を引き取った。 全ての水が流された後、そこに残っていたのは数十円のピカピカの硬貨だけであった。 CASE:2 その後、へとへとになるまで探したが、森の中とは違い一向に巣に適した場所を見つけることは出来なかった。 「ゆ~、みつからないね!!!」 川辺で、先ほど買った食事を取りながらこの後の計画を話し合っていく。 既に、近くで遊んでいた子供達は居なくなり、どうしようもない焦燥感が一家に襲い掛かっていた。 「どこか、にんげんのおうちにいそうろうさせてもらおうか?」 「そうだね。ゆっくりさがそうね」 これ以上探しても意味が無い。 そう感じた一家は、取り敢えずの間、人間の家に居候させてもらう事にした。 しかし、ここでただ家にお邪魔するほどブリーダ卒のゆっくりは馬鹿ではない。 「そうだ! おじゃまするんだから、れいむたちがおうちをきれいにしよう!!!」 「うん!! おじさんのところでもがんばっておそうじしたもんね!!!」 「かってに住んでいるだけじゃわるいもんね!!」 食べ物を食べている間、自分たちが出来る事を考える。 ただで家に居るのはいけない事。 それもブリーダに教わった事だった。 食事を食べ終え、幾分元気を取り戻した一家は、家を求めて街へと戻っていった。 しかし、誰某の家を探していたわけではない。 適当な家の前に到着した一家は、大声で門に向かって喋る。 「こんにちは!! ゆっくりさせてください!!!」 これが、礼儀というものだ、そう教えられた。 程なくして、人間が一家を出迎えに現れた。 「ああ、ゆっくりか。丁度良いところにきたな。まあ、中に入れ」 「おじゃまします!! おねーさんゆっくりさせてね!!!」 「れーむたちは、きょうぶりーだーのおうちからでてきたの!!」 「あたらしいおうちをみつけるあいだ、ここでゆっくりさせてもらっていいですか?」 「もちろん、きちんとおてつだいもするよ!!!」 「れーむたちはおそうじもとくいなんだよ!!」 「そうか。それなら、ちょうど手伝ってほしい事があるんだ」 こっちに来てくれないか? 女性に言われて着いた所は竹林の中。 既に日も沈み、おぼろげな灯がより一層竹林を栄えさせている。 「ゆ? きれーだね!!」 「すごいね!!」 「おーい。こっちだこっち!!」 竹に見とれている間に女性は奥のほうへと進んでしまったらしい。 慌てて追いかけるゆっくり達は、そこに更に二人の女性が居る事に気が付いた。 「あら、それはゆっくり?」 「なんでここに連れて来るんだ?」 「こんばんは!! ゆっくりさせてください!!!」 「こんびゃんは!!」 「おばんです!!」 一家は、少し怪訝そうな表情をする女性二人に臆することなく挨拶をする。 「まぁ、そう言うな。……お前達は親子か?」 「うん!! そうだよ!!」 「おかあしゃんはおうたがうまいんだよ!!!」 「それにものしりだよ!!」 「ああ。それはよかったな!」 「「「「ゆっくりーーー!!!!」」」」 ブチ。 ブチブチブチ。 「あぎゃあ!!」 ブチブチブチ。 ブチブチブチ。 ブチブチブチ。 「「「おがーしゃーーん!!!」」」 ブチブチブチ。 ブチブチブチ。 「ゆっゆ~♪」 ブッチ!!!! 「ゆ~♪ !! ゆゆ!!!」 連れて来てくれた女性が、一気に子供達を踏み潰した。 ブリーダーに育てられて、少し油断もあったお母さん霊夢は、全ての子供が潰されるまで暢気に構えていた。 「ああああああ!!!!! れーむのあがじゃんが、こどもたちがーーーーーー!!!!」 「ああ。私が全部潰した」 淡々と、真実のみを告げる女性。 月が隠れてしまって表情をうかがい知る事は出来ない。 「どーーじで!!! どーじでれいむのこどもたじにごんなごとするのーーー!!!!!」 「さぁ、な」 女性は動機を答えない。 否、この霊夢には関係のない事なのだろう。 「ゆーーー!!! ごめんねーーーー!!! もっどゆっぐりじたがったよねーーー!!!!」 「私が憎いか?」 「ゆ!!! ゆっくりしんでね!!! おじさんは、むやみやたらにゆっくりをころすひとはわるいひとだっていってたよ!!! だからゆっくりしね!!! こどもたちをこんなめにあわせたおねーさんはゆっくりしね!!!! しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね!!!!!!!」 大量の涙を流し、目の前の女性に向かって機械のように言葉を発するお母さん霊夢。 「……もういいだろ」 「ゆっくりしね!!! しn……ぶぎゃら?!! ……い、いだいよ!! ゆー、ゆっぐりじだがったよ!!」 暫くそれを眺めていた女性は、一言だけ呟いて踏み潰した。 残ったのは大量の餡子、竹林の香りと融合し、お世辞にも良い香りとは良い辛い。 そして、後ろで呆然と眺めていた二人に向き直り、強い口調で言い放った。 「ほら、見ての通り憎しみは憎しみしか生まん。お前達もそろそろお互いいがみ合うのはやめないか? 勿論、暇つぶしに殺し合いをするくらいなら良いだろう。ただし周りには気をつけろよ。今回は饅頭だったが、これが人間がだったら大変な事になるからな」 「ふーん? まぁいいわ。飽きてきたし、まぁいい運動にはなるんだけど」 かたや興味はなさそうに呟く黒髪の女性。 「まー、輝夜と合わせると癪だけど、いつの間にか唯の暇つぶしになってたしな」 かたや面倒くさそうに呟く銀髪の女性。 「それよりもお腹が減ったわ。こんなに甘い匂いが立ち込めてるんですもの」 しかし、どちらも腹の内は同じらしく、少々ぎこちないがいたって普通の会話が形成されていく。 「そうだな。私達も夕飯にするか? 慧音」 「ああ。折角だから輝夜の家で頂くとしよう」 最後に、水色の髪の女性が返事をし、連れ立ってこの場所から去っていった。 上白沢慧音。 最近は、ブリーダ上がりのゆっくり家族を使い、命の授業を行うという。 生徒の親からの評判は上々である。 CASE:3 「あら? 貴方達そんな所でどうしたの?」 声のした方向へ振り向くと、そこには一人の女性が立っていた。 「れいむたちは、ぶりーだのおうちからでてきたんだけど、あたらしいおうちがみつからないの」 「このたべものはじぶんたちでおかねをかせいでかったんだよ!!」 人間が必要としている事を簡潔に説明する。 これも、ブリーダーから教わった事である。 「そうだったの。 だったら家に来ない? 貴方達みたいに躾ができているゆっくりなら大歓迎よ?」 「ゆゆ!! ほんとう?」 「もちろん!! 嫌だったなら無理にとは言わないけど……」 「ううん!! おねーさんのおうちにいかせて!!」 「きちんとするよ!! おねーさんありがとう!!」 「おてつだいしてほしいことがあったらなんでもするよ!!!」 「そう。ありがとう。私の家はこっちよ」 「「「「ゆっくり~~~~♪」」」」 このゆっくり達は幸運だった。 新しい家、それも人間の家が約束されたからだ。 そして、以前住んでいた見慣れた森の中、その奥に女性の家はあった。 「ここが私の家よ。さぁ、中に入って」 「「「「おじゃまします!! ゆっくりさせてね!!!」」」」 家の中に通された一家。 出迎えたのは沢山の人形。 その愛くるしい人形達は、ゆっくりを簡単に魅了した。 「わー!!」 「にんぎょうさんがいっぱーい!!」 「これおねーさんがつくったの?」 「ゆゆ!! うごくよ!!!」 「すごーーい!!」 「ふふふ。そうだ、お腹減ったでしょ? 今食べ物を持ってくるわ」 自分達で買ったお菓子があると言う一家に、それじゃ足りないでしょ、と言い残してキッチンの奥へと消えていった女性。 時間にして数刻だろうか? 思いの他早く大きな皿を携えて戻ってきた。 「はい。どうぞ、好きなだけ食べていいわよ!」 「ありがとうおねえさん!! ゆっくりいただきます」 「「「いただきまーす!!」」」 「ぱく!! おいしいよ!! とってもおいしいよ!!」 「ほんと!! おいしい!! おねえさんありがとう!!!」 皿いっぱいに盛られた甘くて美味しい食べ物を、口に付かないように注意しながら食べていく。 そんな食べ方でも、大量にあった食べ物は直ぐに綺麗サッパリ無くなった。 「けふ! おねいさんありがとう、おいしかったよ!!!」 「「「「ありがとーーーおねーさん!!!!」」」」 目をトロンとさせて、頬を赤くした顔で女性にお礼を述べる。 その表情は、野生のそれと一緒だが、本当に幸せな証拠なのだろう。 「ふふ。どういたしまして。そんなに美味しかった?」 「「「「うん!!!」」」」 「ゆっくり達の餡子だったのに?」 「ゆ?」 「ゆゆ!!」 そういえば、自分達の中身は餡子だとブリーダーから教えられていた。 そして、この一家は食べたことが無かった。 それゆえ、先ほどまで美味しく食べていたそれが、自分達の中身だと分かった時のショックは大きかった。 「ゆゆ!! おえっ!! おえーーーー!!!!」 「あらあら。戻しちゃダメよ?」 「むぐ!! むぐぐ!!!」 人形を操作して、今まさに吐き出そうとするゆっくり達の口を塞ぐ。 それでも懸命に吐き出そうとするが、ゆっくりの力は人形の力にも及ばないようだ。 抵抗に諦めたゆっくり達は、吐き気がおさまるまでじっと耐えるしか選択肢は残されていなかった。 「ゆーーー。 おねーさん!! ひどいよ!!」 「うそをついちゃだめだよ!!!」 「ともぐいはいけないことなんだよ!!!」 漸く、吐き気が収まったゆっくり達は、口々に非難の言葉を浴びせかける。 「そんな事無いわ。貴方達だって美味しいって食べてたじゃない?」 「「ゆ!!」」 痛いところを疲れた一家は、反論できずに押し黙る。 「おねーさんありがとーー!!! って必死になって食べてたじゃない?」 「「ゆゆゆ!!!」」 そのまま、女性はどんどんと一家を攻め立てる。 「幸せそうに食べてたじゃない?」 「ゆ……」 「何であんた達はそんなに幸せそうなのよ!!!」 「ゆぐ!!!!」 突如罵声とも取れるほどの声をあげ一家を驚愕させる。 怒りに任せ、一匹の子供霊夢を踏みつけた。 悲鳴を上げるゆっくり霊夢。 「ゆーー!! ゆっぐりでぎるよ……」 しかし、周りに餡子が飛び散ったが幸いにして命に別状は無いようだ。 「ど、どうしたのおねーさん!! ゆっくりs「うるさいわね!!!!」」 「!!!!!!」 またしても、一家は黙るしかなかった。 「私は上手くいかないのに、……なんであんた達はそんなに幸せなのよ!!!」 理性を失った女性は、人形に指示を出し、次々とゆっくりに五寸釘を打ち付けていく。 「いい!! いだいよ!!」 「おねーさん、れーむたちなにかわるいことした?」 「だったらあやまるよ!!!!」 「ごめんにゃしゃい!!!!」 「うるさい!! 私は幸せそうなあんた達自体にムカついてるの!!!!」 生かさず殺さず。 急所を外しながら、刺しては抜くを繰り返す。 針山に針を刺すように、何の感情もなしに延々と繰り返させる。 「なんであんた達だけ。何時も魔理沙と仲良くしてるのよ!!」 「ゆゆゆっぐりざぜでーーー!!!!!」 「魔理沙も魔理沙で、なんでそんなに霊夢と幸せそうにしてるのよ!!!!」 「い! いだいよーーー!!!!!」 釘は次々を刺さっていくが、餡子が漏れないので意識はしっかりと残っている。 そんな、一家にとっては地獄の時間が、漸く終わりを迎えた。 「はぁ、はぁ。ふぅ。そ、それじゃあ、約束どおり家に住まわせてあげるわ!」 「いいでずーー!!! じぶんだじでおーじざがじまずーー!!!!!」 「おねーーざんありがどーーー!!!」 「ゆっぐりがえるーーーー!!!!」 「あら。言葉が悪かったかしら。私は、家に住みなさいって言ってるのよ?」 全ての人形に臨戦態勢をとらせ、優しくしかし有無を言わさぬ口調で一家に話しかける。 「ゆゆ!! わがりまじだ!! おうじにいさせでくだざい!!」 「ゆっぐりぎでいぎまず!!!」 「おねーざんのおうtんぎゃ!!!!」 「アリス、よ」 「「「「ありすのおーじにずっといざせでくだざい!!!!」」」」 「ええ! みんなで仲良く暮らしましょうね!!」 ブリーダー卒のゆっくり達は、その後の生活は比較的幸せになるらしい。 CASE:4 「あら。あんた達こんな所でなにしてんの?」 「ゆゆ!! れーむたちはきょうぶりーだーのおうちからでてきたの!!!」 「このたべものもじぶんたちでおかねをあつめてかったの!!!」 「おねーさんはどうしたの?」 「私? 私はあんた達がずっとウロウロしてるから気になっただけよ」 「ゆ~~。れーむたちまだおうちがないの!!」 「だから、おうちをさがしてたの!!」 「何だそんな事か。ついてらっしゃい、良い所があるわ」 「「「ゆ♪」」」 親切そうな女性の後ろを付いていく一家。 見れば自分や子霊夢達と同じ、綺麗なリボンを付けているではないか。 「ゆっゆ♪」 自分の真似をしてくれている人間が居た事で、お母さん霊夢はすっかり幸せそうな表情になった。 街を抜け少し歩くと、いつの間にか大きな神社が目の前に存在していた。 「ゆゆ??」 突然の事に戸惑う一家だったが、パンパンと手を鳴らした女性がそれを制止した。 「ここの敷地内だったら何処に居てもいいわよ。それに、さっきの道を通れば直ぐに街へ着くわ。ただし、建物の中には勝手に入らない事。自分達の食べ物以外は勝手に食べないこと。他のゆっくり達が来たら、自分達で対処しないで必ず私を呼ぶ事。分かった?」 「うん!! わかった!! ゆっくりさせてもらうね!!!」 「「「「おねーさんありがとうね!!!」」」」 「どういたしまして。そうだ! あんた達が稼いだお金、一回私の所に持ってきなさい。ゆっくり達じゃ買えないような美味しい食べ物を買ってきてあげる」 自分達では買えない美味しいもの。 この言葉は、いかにブリーダーによって教育されたゆっくりと言えども抗う事の出来ない魔法の言葉だった。 「ゆゆ!! おねーさんありがとう!!!」 「おかねはおねーさんにわたすよ!!!」 「私の名前は霊夢よ」 「ゆっくりおぼえたよ!! れーむ、ゆっくりさせてもらうね!!!」 次の日から、ゆっくり達の新たな生活が始まった。 一家の寝床は住居の軒下に決まった。 雨風を防げるここはなかなか住み心地が良いらしい。 そして朝、朝食を食べて街へ向かう。 昼を過ぎた頃に神社へ戻り、霊夢にお金を渡す。 夜、霊夢が買ってきた美味しい食べ物を一家で食す。 「今日は甘い食べ物よ」 出されたのはカラフルな甘いペースト状の食べ物だった。 「おいしい!! れーむおねーさんおいしーよ!!!」 「今日はこんなの買ってきたわ」 出されたのは、カスタードケーキだった。 「あまい!! すっごくおいしい!!!!」 時々、霊夢も縁側で食事を取ることがある。 その時は皆で一緒に楽しくご飯を食べる。 「頂きます」 「「「「いっただきまーーす!!!!」」」」 しかし、楽しい事ばかりではない。 「うっう~♪ れみりゃ☆だどぉ~♪」 「ゆ?」 「うっう~♪ れみりゃはこーまかんのおぜうさまだっど~♪」 それは、紅魔館の主が従者を引き連れてここに来る時に、従者が引き連れてくるゆっくりれみりゃだった。 「ゆ! ゆゆゆ!!!」 一家はこのゆっくりが自分達にとって危険なものである事は理解していた。 ブリーダーに教えられた事と、先ほど言った通り従者が引き連れてくるからである。 「だいじょうぶよ!! れみりゃさまはとってもグルメなんだから。プディングしかお召し上がりにならないわ」 「う~♪ れみりゃはぷっでぃ~んしかだ~べないどぉ~♪」 そう言って、その従者にれみりゃと遊ぶ事を強制させられていることも。 食べないといっても、捕食種のゆっくりと遊ぶ事は危険な事に変わらない。 「うっう~♪ た~べちゃ~うぞ~♪」 「う~♪ れみりゃはつよいんだどぉ~♪」 そう言って噛み付かれたり、殴られたりしていたのだ。 去り際に、ゆっくり霊夢の飼い主が文句を言っても、子供同士のおふざけです。 そう言って話すら聞かないで帰ってしまうのだ。 「うっう~♪」 それがまた目の前に居る。 従者の姿は見当たらない、おそらく一人で抜け出してきたのだろう。 それを確認して、一家はさっさとこの場から逃げ出そうとした。 「ゆ! そこでゆっくりしててね!!」 「ゆ~!! だめ~~~!!! れみりゃとあそぶの~~~~~!!!!」 しかし、長い事人間と暮らしていた一家は、同じく飼われているれみりゃから逃げる事はできなかった。 狙いを付けられた一匹が、頭の上からのしかかられ両手で頬を引っ張られる。 「うっう~~♪ れみりゃはつよいんだどぉ~~~♪」 「やめふぇね!!! ゆっふりふぁなしふぇね!!!!」 必死にれみりゃに対して懇願するゆっくり霊夢だったが、プディンしか聞き分けられないスカスカ脳みその肉まんには何を言っても無駄である。 「うっう~~♪ がぁお? !!!」 「ゆ?」 突然、頭の上にあった重みが消え、口も自由に動かせるようになった。 何事かと上を見上げると、そこにはれみりゃの羽を掴んだこの神社の主の姿があった。 「ゆゆ!! れいむおねーさんありがとう!!」 「いいのよ。きょうはあのくちやかましいロリコンも居ないし」 そう言って、れみりゃを持ち替え顔を正面に向ける。 「ううーーーーー!! はなさないとさくやにいいづけるどぉーーー!!!!」 両腕でお腹を押さえられているれみりゃは、自分の両手を首元まで持ってきてぶりっ子のポーズを取りながら、若干涙が滲んでいる顔を女性に向けて言葉を吐き捨てた。 「ああこわいこわい!!」 「ぎゃっは!!! うう!! あっぎゃ、かは!!」 掴んでいた腕から、握りつぶすように力を込めていく。 「これは私が退治するから、あんた達はそこでゆっくりしてなさい」 「「「「ゆっくりしてるよ!!!!」」」」 「うーーーー!!!! ざぐやーーーー!!! どぉごーーーー!!! はやぐれみりゃをだずげろーーーーー!!!!! あっぎゃーーーー!!!!!!!」 戻ってきた霊夢は、一家に怪我がない事を確認するとご馳走を作るからといって家の中へ消えた言った。 その日の夕食には、美味しい肉まんと、餃子と、よく出しの取れたお吸い物が並んだ。 「ゆっくりいってくるね!!!!」 今日も、ゆっくり一家は街へお金を稼ぎに出かけていった。 「これは良い方法だったわ。クズ野菜なんかに砂糖を混ぜて出せば美味しいって言ってくれるんだから。無い時はそこら辺のゆっくりで良いし。お金もいっぱい溜まるし、やっぱり後を付けていって正解だったわね」 満面の笑みを浮かべて見送る霊夢は、ボソッと一言呟いて掃除を再開した。 「さてと、今日の夕飯はすき焼きが良いかしら、それとも奮発してお刺身でも買おうかしら?」 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/928.html
ゆっくりゲットだぜ!!7(こうまかんの嵐) 俺設定、れみりゃの捕食設定が条件次第ではありです。代表は、主人公のゆっくりのれみぃと届け物のだめりゃ 原作キャラが登場します。 俺設定満載です それでよければどうぞ読んでください 【あらすじ】 紅魔館のれみりゃを返しに旅に出た主人公 旅のお供は、 2つのてっぺんがある帽子をかぶり短い手足と狐のような9本の尻尾と耳をはやしたゆっくりらん(75cm胴体付き) 緑色の帽子とネコミミと茶色の髪の毛と2本の尻尾が生えたソフトボールぐらいのゆっくりちぇん 背中には黒い小さな悪魔のような羽をもつゆっくりれみりゃ(胴体付き)75cmと1メートル2匹 美しい短い金色の髪、紅い瞳、白い肌、頭に赤いリボンをつけた肉まんぐらいのるーみあ それに案内をしてくれたゆっくりちるのとゆっくりだいちゃんだ。 紅魔館に到着すると咲夜という女性に『こうまかん』と呼ばれる場所に案内されることになった そして、咲夜という女性に御礼をしたいといわれた主人公の答えとは 私の望みなど決まっている…自分の探究心をうめることだ 「こうまかんと紅魔館を見学させてください」 「あら、それだけでいいの?」 「あと、私たち全員の命の保障をお願いします」 「わかりました…主の命令が無い限り保障をします」 主の命令がない限りという言葉が引っかかったが、どうやら見学できるようだ。 最初にこうまかんの案内をしてくれることになったので場所ごとに数字を振って説明する 1.正面入り口の門 最初に案内されたのは先ほど通った入り口の門だった。 「じゃお♪」 先ほどまで一緒に遊んでいためーりんが足にすりすりしてきた その様子をみた咲夜さんが何か考えているようだが気にしなかった。 「ここが玄関よ。門番としてゆっくりめーりんを配置してるわ!」 「じゃぉおおん!!」 咲夜さんの言葉に返事をするようにめーりんが大きな返事をした。 この穏和な性格で門番などできるのだろうかと質問をすると 咲夜さんは、普段は穏和な性格だがその一方で侵入者に対しては容赦がないと答えた 私に撫でてくれるようにせがむめーりんをみてると信じられないと感じた。 私はとりあずめーりんの頭を撫でた「じゃお♪」といって喜んでくれた 2.こうまかんの庭 次に案内されたのは先ほどの学校の教室2個分ほどの庭だった。 壁の回りには花壇があるがこの時期に咲く花はないのかパンジーやチューリップの蕾がある。 それと先ほどまで休んでいた日傘付きのテーブルがおいてある。 気付かなかったが赤い道が玄関から門に対して一直線に引かれている。 私も園芸の趣味があるので誰がやったのかを聞こうとしたその時だった。 「じゃぉおおん!!」 玄関にいためーりんがどこかから持ってきたバケツに入った水を花壇にむけてまき始めた そして、花壇の雑草を抜き始めた…どうやら彼女が庭師をかねているようだ。 質問がないようなら次に行きましょうかと私たちは庭を後にした 3.正面玄関の広間 「ここが正面玄関よ」 玄関のドアを開けると目の前に階段がある大広間だった。 まるで、バイオハザー○の洋館の玄関をそのまま小さくしたような形だった 違いは階段の裏側に地下へと続く階段があることと階段裏にも扉があることだった。 「うんうんわかるよー! おにいさんのいえよりおおきいんだよ!」 ちぇんに突っ込まれなくてもこの部屋だけで私の家と同じくらいの大きさはあるかもしれない。 待て、確かにこの館は広かったが、玄関がここまで大きいとは思えない。 いったいどうなってるのだと考えると好奇心がわいてきた。 咲夜さんのに聞いてみるとここの内部は彼女の能力によって拡げられていると答えられた。 なるほど、彼女は時間を操る能力を持っているがゆえに、空間も操ることができるらしいというのは本当のようだ。 私は先ほど彼女に対して口答えしたのがどれだけ命がけのことだったのかと体が震えるのを感じた。 そんな私を無視して次の部屋に案内すると言った。 「ゆっくしていってくださいですわ!! では次に部屋に案内するですわ」 口調が変わっている気がするとそちらをみるといつの間にかゆっくりに変わっていた。 大きさは成体のバスケットボールぐらい。銀髪にカチューシャと緑のリボンをつけたお洒落なメイドさんのゆっくりがいた。 らんに聞いてみると咲夜さんは用事があるからと席をはずしたそうだ。 その時にこのゆっくりさくやを置いていったそうである。 4.だいとしょかん 次に案内されたのは風通しが悪く日当たりもないので、かび臭い地下室だった。 ゆっくりさくやがランプに火をともすと部屋全体の様子が見えてきた。 周りにあるのは本棚のようだ。ふと一冊の本を取り出してみた。 「むきゅーん。ご本をもってかないでー」 声のほうを見ると紫色の長髪に紫色の瞳にピンクの服、ピンクの帽子に月の飾りをつけた少女がいた。 どこかでみたことがある気がする…むきゅんと言う声、ピンクの洋服に紫の髪 そうだぱちぇにそっくりなのだ。 「ぱちゅりー様、この方達はお客様ですわ。私がご案内してますわ」 さくやがそう答えるとぱちゅりーと呼ばれた少女は、手に持っていた本を読み始めた 何を読んでるのかと思い私は自分の持っている本を開いてみた。 私が持っていた本は絵本だった。それも写真のついた外の世界のもののようだ。 驚いて手当たり次第に本を開いていくと絵本からライトノベルなどの小説がおいてあった。 「こぁ、本を散らかさないでください!!」 赤いロングヘアーに頭に黒い小さな悪魔の羽、背中にも小さな羽根が生えた少女がいた。 この子も家で留守番をしているゆっくりこぁにそっくりだ 「こぁ!! こちらはお客様ですわ!! 失礼なことを言わないのですわ!!」 「いや、本を散らかしたのはこちらが悪かった。今、付けるよ」 私は手に持っていた絵本やライトノベルなどを元の場所に戻していった。 彼女達は誰なのかをゆっくりさくやに質問をした 「はい、ゆっくりぱちゅりー様とゆっくりこあくまですわ」 どうやら胴体つきのゆっくりぱちゅりーとゆっくりこあくまらしい。 本よりも彼女達に興味のわいた私は彼女たちの様子をみたいとゆっくりさくやに頼んだ。 その間、ゆっくり達にはらんに絵本を読んでもらうように頼んだ。 ぱちゅりーは、薀蓄話しが好きなようで本を読みながら色々と後ろに立っているこぁにはなしかけた。 それにこぁは、ニコニコしながら相槌を打っている。 胴体がついてる事以外は家の2匹と変わらないのかと思いながら興味深くみていた。 そんなことを繰り返してる2匹をみているとゆっくりさくやはが話しかけた。 「次の場所に行かないと時間がなくなるのですわ」 「ああ、すまなかった。」 私はさくやにそう答えるとゆっくりらんたちに出発するぞと伝えた。 らんは小学生低学年用の本を読んでる途中だった。 ゆっくり達が本の内容を気になっていたので私が今度を話してあげるよといった。 本の題名は『ごんぎつね』だったので内容を話せる自身があった。 5.食堂 その後、色々な部屋を案内された私達は最終的に横に3人、縦に10人掛けのテーブルのある食堂に案内された。 反対側の3人掛けのイスにはよっく知ってるゆっくりと少女が1人座っていた。 中央のイスには七色に光る特徴的な形状の翼を持ち、髪は薄い黄色をしているれみりゃにそっくりな少女が座っている その左右のイスには、恐竜のような服を着た胴体つきれみりゃ種(たぶんだめりゃ)とれみぃが横のイスに座っていた その周りをソフトボールぐらい胴体無しのれみりゃ種の子供とふらん(?)種の子供たちが10匹ずつ飛んでいた。 そして、10人掛けのところには胴体無しのれみりゃが9匹、ふらん(?)が10匹ずつ座っていた 「とりあえずお食事の時間までここでお待ちくださいですわ!」 そういうとゆっくりさくやはどこかにいってしまった。 …生きた心地がしないのだろうか通常種のゆっくり達の顔が青くなっている。 私とらんはいつでも逃げれるようにしていたがれみぃが近づいてきたので心配をといた 「なんのようだい。れみぃ?」 「大丈夫なんだどぉー ふらんまんまぁーや姉妹達はゆっくりを食べた事ないんだどぉー」 「どういうことなんだい?」 れみぃの話しを要約してみた。 他の動物と同じようにゆっくりは自分が幼少時に食べた物を自分の食料と覚える。 例えば、猫だが日本では魚が好きだという印象が強いかもしれない。 だが、欧米では猫は肉食であり魚よりも牛・豚・鳥などの肉類を食べる印象が強いそうだ。 実際に猫が自分の食べ物と覚えるのは幼児期に食べたものだけという実験も行われたことがあるらしい。 それと同じように咲夜さんのお菓子しか食べたことの無いこの場所の捕食種はゆっくりを食べ物とは感じないらしい。 れみぃの回想録でもゆっくりを最初は食べるものと自覚できなかったと話していたことを思い出した 自分やれみりゃまんまぁーは…とつらそうに話そうとした時にギューとれみぃを抱きしめた 「君は、ぱちぇやこぁの自慢の娘で私たちの大切な家族だよ」 「飼い主さん…ありがとうなんだどぉー」 私は彼女の過去を知ってるがそれがどうした。 今は家族の一員として楽しく暮らしているのだからそれでいいではないか。 その時、怪獣姿のれみりゃを引きずりながら胴付きのふらんがやってきた 「うー、赤ちゃんから話し聞いた。お姉さまが迷惑かけた。謝る。ごめんなさい」 「れみりゃはわるいことやってないんだどぉー」 ボカン(ふらんがれみりゃを叩く音) 「やめるんだどぉー!ぼうりょくはんたいだどぉー!」 ボカン(ふらんがれみりゃを叩く音) 「うー、いいからちぇんとこの人に謝る」 ボカン(ふらんがれみりゃを叩く音) 「わかったんどぉー。あやまるんだどぉー。ごめんなさいんだどぉー」 その様子をみていると自然と笑いが出てきた。 他のゆっくり達も同じようだったのか顔に笑みを浮かべた それを見ていたふらんが声を上げた 「ゆっくりしていってね!!!」 「「「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 と40匹近いゆっくり達の「ゆっくりしていってね!!!」の大合唱が始まった。 そこには捕食種も通常種も関係ないゆっくりとした空間だった。 それを影から見ていた咲夜さんとゆっくりさくやが泣いていた。 「れみりゃ様、ふらん様、あんなご立派になられて」 「おぜうさま、妹様、あんなご立派になられて」 れみりゃのダンスを見たり。胴なしれみりゃの『いないいないばー』をみたりして大騒ぎをした 私は、ゆっくり達に今日の旅の内容や自分達のことをそれぞれ話したりした。 何十分か経つと咲夜さんが食事を持ってきてくれた。 それはここにいるゆっくりと私の分のプリンだった。 「えーとこれは何でしょうか?咲夜さん」 「私の特製プリンです。足りなければお代わりしてください。何か文句でも?」 「・・・いえ、何でもありません」 右太もも当たりに持っているナイフを見て私は何もいえなくなった。 確かにプリンは美味しいが私には全く足りなかったのでお代わりしまくった。 あとでレシピを貰って家で作ってみようと考えた。 そして夜が深まり妖怪が出る前に私たちは家に帰る事にした。 紅魔館見学は…本当の主が怖いので取りやめにした。 のちに見学をしたがそれはまたの機会にでも話したい。 「うー! またおチビちゃんを連れてくる。」 「うー♪ おじさん。またくるんだどぉー」 「「「「「「うー♪ うー♪」」」」」 れみりゃとふらん達が館の外に出て私を見送ってくれた・・・彼女達の後ろの丸い物体はなんだ? 彼女達の後ろには10匹以上のゆっくりさくやがいたのだ。 その中の一匹が出てきた…大きさはトマトくらいの子ゆっくりだ。 「ゆっくしていってくださいですわ!!」 「ゆっくりしていってね!! さくやは私に何の用だい?」 「はい、さくやをれみぃ様のメイドとして連れて行って欲しいのですわ」 「私は構わないが・・・れみぃや君の母親はどういっているんだい?」 「れみぃ様も母にも了承していただいたのですわ」 「なら構わないよ。ゆっくりしていってね。さくや」 「ゆっくしていってくださいですわ!!」 あとで聞いたのだが彼女はれみぃ専門のゆっくりさくやの子供だった。 母親もついてきたがったが自分担当の子れみりゃと子ふらんがいるので娘を修業に意味もこめて出したそうだ 『お洒落なメイドさんのゆっくりゲットだぜ!!』と心の中でつぶやいた 私は見送ってくれているれみりゃとふらんたちに手を振りながらこうまかんをでた。 霧の湖をわたる時は咲夜さんと妖精のメイドさんに湖の上空を渡してもらった。 今回は水の中に入ることはなかったので一安心だ。 湖を渡った私は咲夜さんと妖精のメイドさんにお礼を言った。 「本日は、色々とありがとうございました。また機会があればお伺いします」 「さくや! ばいばいなんだどぉー !」 「れみぃ様。いつでもこうまかんに来てくださいね」 そういいながら咲夜さんはれみぃのことをギューと抱きしめてくれた 言い忘れていたがれみぃはこうまかんに残らずに我が家に来るそうだ。 生みの親より育ての親というわけではないがぱちぇとこぁのそばにいることを彼女が望んだのだ 「それでは失礼いたします。みんな我が家に帰ろうか」 「「「ゆっくり理解したよ」」」 れみぃから手を離すときに私の耳元さくやさんの囁きがが聞こえた。 「あなたには私と同じにおいがする」 ゆっくりの愛好家としての言葉だったのだろうかそれとも… その意味することがわかるのには時間がかかることになった。 私はその言葉の意味を模索しながら家路についた。 ちぇんは疲れたのだろうらんに抱っこしてもらいながら「らんしゃま」と寝言を言っている れみぃはとさくやは互いに「さくや♪さくや♪」「おぜうさま♪おぜうさま♪」と話している るーみあはくたびれたのだろう私の頭の上で「たのしかったのだー」といいながら眠ってる ちるの達は今日の冒険についてみんなに話すのが楽しみだと騒いでいる その様子をだいちゃんは静かに見守っている。 途中でちるのとだいちゃんは自分達の家にに帰るといってわかれた。 また遊びにいくから覚悟しなさいという言葉はなんだったのだろうか? あんな楽しいやつらならいつでも歓迎だ。 るーみあは私の元で修業したいからと残っている 「りっぱになっておかあさんたちのじまんのこどもになるのだー」 と意気込んでいたのでこぁやれみぃに飛び方や狩りのやり方を教えさせるつもりだ 家に着くとぱちぇとこぁが、今日の出来事を聞きたがったので話した。 新しい家族のるーみあとさくやの事 ちるのとだいちゃんの事 こうまかんの門番のめーりんの事 こうまかんのゆっくりさくやと咲夜さんの事 こうまかんにいたれみりゃやふらんの事 ぱちぇは「むきゅ、むきゅ」と興味深そうに聞いていた。 「むきゅ。だいとしょかんに一回行ってみたいわね」 といっていたので機会があれば連れて行ってあげようと思った。 ちぇんとらんは色々と学べたことに満足しながら毛布をかぶって眠りについた。 れみぃはぱちぇ達とと丸まって寝ていたので布団をかけてあげた。 さくやは子ぱちぇのいるバスッケットで寝てるようだ。 私は今日の出来事をPCにまとめたあとに眠りにつこうとした。 「うー♪ うー♪」 何かの泣き声が聞こえるのでおきることにした。 睡眠中のれみぃの帽子の中からその声は聞こえた。 私が帽子をとって見ると中からバレーボ-ルぐらいの成体ゆっくりが飛び出てきた 七色に光る特徴的な形状の翼を持ち、髪は薄い黄色のこのゆっくり…ふらん種の胴無しのようだ。 何故こんなところにいるのだろうか? 私は睡眠中の昨夜とれみぃの体を揺らして起こした 「さくや、れみぃ、悪いんだがおきてくれ」 「なんだどぉー、れみぃはねむねむなんだどぉー」 「どうしたのですわ。ご主人様ですわ?」 「うー♪ うー♪」 その鳴き声の主を見たときに二人の目が覚めたようだ。 「なんでふらんがここにいるんだどぉー」 「妹様が何故ここにいるのですわ」 「うー♪ うー♪」 「れみぃといっしょにいたいからついてみたんだどぉー?」 「うー♪ うー♪」コクコクと首を頷いている どうやられみぃと一緒にいたくてついてきたらしい。 それはいいのだがれみぃは頭の中にいたことに気付かなかったのだろうか? あとは、このふらんの食べ物の問題があるなと思った。 「ふらんはどうして何でついてきたんだい?」 「うー♪ うー♪」 「れみぃ様と一緒にいれば、自分もエレガントな体が持てるかもしれないといってるのですわ」 なるほど、このふらんの目的は胴体付きに進化することが目的か… 胴体付きへの進化がどうやって起きるのかわからないがどうするかな… 「ふらん、よく聞きなさい。胴体付きになるのには他のゆっくりを食べないれみぃと同じ行動をしなさい」 「うー? うー?」 「そうすればいつかエレガントな体が手に入るよ。」 「うー♪ うー♪」 「わかったってよろこんあでるだどぉー!」 よっしゃ。『最強のゆっくり。ゆっくりふらんゲットだぜ!』と心の中でつぶやいた。 わたしは、れみぃとさくやにふらんをあずけると自分の部屋に戻り眠りについこうとしたときにぱちぇがやってきた。 昼間、大工の棟梁が来たこと子供をあげる約束をしたとのことだ。 これからの事を相談しなければと考えながら深い眠りへと落ちていった。 いつものやつ 「さすがこうまかんだぜ! こうまかんの名は伊達じゃないんだぜ! とってもゆっくりできる場所なんだぜ!」 次回のゆっくり 「・・・」 【あとがき】 作者名無しです。 次の話はエピローグかプロローグです。 とりあえず、このシリーズを一区切りさせるつもりです 書いたもの かわいいゆっくりゲットだぜ!! 1~7 外伝1 名前 コメント