約 632,141 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1986.html
初SS 俺設定使いまくり、いろいろな作品の設定使いまくり、ぬるいかも というか虐待成分薄め ゆっくりさくやと私 紅魔館の近くで見たことも無い銀髪のゆっくりを見つけた きっとこのゆっくりは紅魔館の瀟洒なメイド、我が愛しの十六夜咲夜さんを模したものなのだろう とはいえ、他のゆっくりのようにかなりデフォルトされているが… 我が愛しの咲夜さんを模したものなのだから、是非捕まえたい 「ゆ? ゆっくりしていってくださいませ!!!」 近づくと、ゆっくりらしい台詞 でも、若干警戒しているような雰囲気はある 「やあさくやさん 僕と一緒にゆっくりプレイスに行かないか?」 ゆっくりプレイスと言えば大体のゆっくりは馬鹿だからホイホイついてくる しかしゆさくやは違った 「ごめんなさいですわ! おぜうさまがまっておりますわ! ゆっくりかえりますわ!」 これは予想外 あっというまにどこかへ行ってしまった 普通に捕獲しようとしたが、ゆっくりのくせに早い… ゆっくりに逃げられたなんて他の人に言った日には… 考えたくも無い リベンジを近い、その日は家路についた 翌日、早速ゆさくやを捕獲する作戦を立てた 咲夜さんを模したものなら紅魔館関連のゆっくりを餌にすればいいのではないか? ということでゆっくりゃ、ゆふらん、ゆめーりん、ゆちゅりーを捕獲することにした ゆちゅりーとゆめーりんは見つけるのに苦労したが、捕獲するのは簡単だった ゆっくりふらんとゆっくりゃは体つきのが欲しい ということで紅魔館付近の森へ ゆっくりゃはぷっでぃんを持っていけばすぐ寄ってくる 「れみりゃにぷっでぃんよこすんだど~☆ れみりゃはこうまかんこおぜうさまなんだど~☆」 「にょこちゅんだど~☆」 いつ聞いてもウザイ 大小二匹の胴体付きゆっくりゃ… 親子で有ろうか? 殺意の波動を感じながらぶん殴って気絶させ二匹とも捕獲をした 最後はゆっくりふらんだ まずはおとりのゆっくりゃを串刺しにでもして待つことにしよう おもむろに子ゆっくりゃの頭を掴む そのまま近くの木の枝に背中から突き刺す 「うぎゃぁぁぁぁあ!!! なにしゅるんだどぉぉぉぉお!!!」 うるさいので取り合えず口を塞ぐ ついでに目玉も取っておくか(ちなみに、この目玉は昼食になりました) 「xxxxxxxx!!!」 まだ何か言っているようだが、気にせず待つ 2時間ほどして、ゆっくりふらんが寄ってきた 今回は準備万端 先ほど子ゆっくりゃの体に睡眠薬を何個か埋めてある(ちなみに今まで捕獲したゆっくりたちにも飲ませてあるので煩いのを気にしなくてもいいのだ!) ゆっくりにしては早めのゆふらんも睡眠薬で眠らせれば確実に捕獲できる 「ゆっくりしね! ゆっくりしね♪」 ゆふらんはゆっくりゃの手足をちぎり、それで子ゆっくりゃをぶん殴っている 早く食ってくれ とも思うが獲物をいたぶるのはゆふらんの習性なのだからしょうがない やっと睡眠薬入り部分を食べ、眠ったのは一時間後だった 捕獲したゆっくり達は加工所謹製、「ゆっくり強制的にゆっくりさせる袋」に放り込み、昨日ゆさくやに出合った場所に向かった 「ゆっくりしていってくださいませ!!!」 同じ場所にゆさくやは居た 探す手間が省けてよかった 前と同じように話しかける 「おにいさんとゆっくりプレイスに行かないか? おぜうさまやいもうとさまも一緒だよ?」 そう言って袋の中を見せる ゆっくりゃもふらんも睡眠薬で寝ているため、おとなしい 「おおおおおおおおぜうさまぁぁぁぁあ!!! いいいいいいもうとさまぁぁぁぁああ!!! かわいらしいねがおぉぉぉおお!!!」 そういうと自分で袋の中へ入って行った 袋に入ってすぐ睡眠薬注射で眠らせ、ゆっくり用部屋へ運び込む そこにゆさくやを放ってしばらくすると、目を覚ました もちろん他のゆっくりも一緒に放ってある ゆさくや「う~ん… ここはどこですわ?」 ゆちゅりー「むきゅーん… おにいさんにここにつれてこられたのよ…」 一足早く目覚めたゆちゅりーがゆさくやに話しかける ゆめーりんは皮の厚さゆえに喋るのがうまくないらしいので喋らないが、ゆさくやを見てなぜかうれしそうである れみりゃとふらんも目覚める 本来捕食種であるこの二種はゆめーりんやゆちゅりーを襲わないらしい とはいえ、れみりゃはゆふらんに高確率で虐め殺されるので若干警戒しておこう ということで、錘を体につけておいた れみりゃ「う~? ここはどこだど~?」 ゆふらん「う~? ゆっくりしね!!!」 いきなりゆふらんはゆっくりゃを攻撃した しかし、その攻撃はゆっくりゃへ届かなかった… ゆさくやがそれをとめたのだ ゆさくや「いもうとさま!!! おぜうさまとけんかはやめてくださいですわ!!!」 ゆふらん「うー! ゆっくりやめる!!!」 驚いた… さくやはゆふらんによるゆっくりゃの虐めを止めるのか… それもゆふらんも従ってる… その後はどのゆっくりも実にゆっくりしていた(時たま寝ているゆめーりんをゆさくやが邪魔していたが) 餌もしっかりやっているのでゆふらん、ゆっくりゃともにほかのゆっくりと遊んでいる そうしてゆさくや達の生活を見ているうちに面白いことがわかった そう、ゆっくりゃの大好物 ぷっでぃん をなぜ紅魔館以外のゆっくりゃが知っているかだ ゆっくりゃ「うー☆ れみりゃはぷっでぃんがたべたいんだど~☆ しゃくやはやくもってくるんだど~☆」 さくや「いまよういしますわ!」 そう言うと、ゆさくやは口からべちゃっと黄色いぷるんとした物体を吐き出した そう、アレはまさしく プリン ゆさくやの中身はプリンであった ダメージを負ったゆれいむやゆまりさはあんこを吐くが、どうやらゆさくやは自分で吐くことができるようである ゆさくや「どうぞおぜうさま! たべてくださいませ!!!」 そう言うとプリンをゆっくりゃに差し出すのだった プリンを吐き出したさくやは一回りちいさくなっていた ゆっくりゃ「おいしいど~☆ れみ☆りゃ☆う~☆」 汚く貪り食うゆっくりゃを見ながらゆさくやは幸せそうであった ちなみに、ゆふらんやゆちゅりーも時々ではあるが、一緒にプリンを食べていた ゆめーりんはじぶんからプリンを貰いに行くことはせず、それをじっと見ている だが、時々皆が見ていないときにゆさくや自らプリンを持っていっているようだ だが、ゆっくりゃのぷっでぃん脳は限度というものを知らない どんどんゆさくやは小さくなっていく ゆさくやが死んでしまう前にゆっくりゃだけを他の部屋に移した ゆっくりゃ「うー!!! なにするんだど~!!! れみりゃはこうまかんのおぜうさまだど~!!! えらいんだど~!!!」 と煩かったが、ぐっと怒りをこらえて運んだ 通称 ゆっくり虐め部屋 へ その後、ゆっくりゃは羽根をむしり、指から手足を5本づつに裂き、目玉に爆竹を突っ込み爆発させた 最後に無理やり体を引き伸ばし、まげて口と肛門を癒着させた 排泄される古い肉まんの餡がそのまま口に入る この古い餡はおいしくも無いが食えなくも無い しかしゆっくりゃは異常にこの古い餡を嫌うのだ 目が見えなくともなぜか判るらしい れみりゃ「xxxxxxxxxxxxx!!!」 何か言っているようだがこのまま放置しておくことにした 3日後、ゆっくりゃは死んでいたので生ゴミとして捨てました^^ 日がたち、私はゆさくやを繁殖させたくなってきた とりあえず、残ったゆさくや、ゆふらん、ゆちゅりー、ゆめーりんを振動させ発情させた上で見守ることにした 驚いた… なんとゆさくやとゆふらんとゆめーりんが3Pしているのだ 因みに、ゆふらん→ゆさくや→ゆめーりんと繋がっている ゆふらん「しゃくやあああああああああああああああ!!! かわいいよおおおおおおおおおお!!!」 ゆさくや「おぜうさまのぺにぺにすてきですわあああああああああああああああ!!! めーりんのまむまむもなかなかよおおおおおお!!」 ゆめーりんは喋らないが、なんとも嬉しそうである でも、この三匹は光景としては凄まじいものであった 「「「すっきりー!!!」」」 ちなみにゆちゅりーもゆふらんに襲われたが、すっきりまえに死んでしまった 南無 そうしてゆさくやはにんっしんっして、下膨れが大きくなっている めーりんは頭から茎を生やしている すでに三つほど子ゆっくりがなっている 生まれたのはゆめーりんからゆさくや一匹、ゆめーりん二匹であった ゆさくやからは子ゆさくやが生まれた ただしこちらは体つきとなっている からだつきゆっくりとの子供は体つきになる可能性があるのかも知れない 竹林の薬師さんに聞けばなにかわかるかも知れない その後、体つきゆさくや以外は売りに出したが、全匹紅魔館の門番が買っていった このゆっくりたちを見て(とくにゆさくや)興奮しているようであったが、何に使うかはまあ考えないようにしよう 体つきのゆさくやはどうしたかって? もちろん私の可愛いペット兼良きパートナー 夜も良い声で鳴くんですよ… 終わり ※あとがき なんとなく書いてみたけど、結構文章書くのはむつかしいなぁ 下種まりさとかを虐めるのとは違って、虐めにくかったので虐待分が限りなく薄くなってしまったのが残念 ほんとうはゆっくりゃ虐めをしっかりするか、下種系出して虐めようかとも思ったけどなんとなくやめておきました 文章:ヘタレお兄さん このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/854.html
かわいいゆっくりゲットだぜ!!3-下(再会、母よ…) ゆっくりれみりあ(れみりゃ)の捕食種設定ありです。俺設定もありです ひどいあつかいのゆっくりと性格の悪いゆっくりや子悪魔(?)のような性格のゆっくりがいます ゆっくりに対する暴力シーンと捕食シーンがあります。気分の悪くなる方は読まないでください ティガさん(?)の「うっう~☆うぁうぁ~♪ れみ☆りゃ☆う~~♪」お借りしました それでもよければどうぞよんでください では、駄文開始です。 らんからちぇんとの出会いを聞いた。 ちぇんは過去の出来事をそんなに鮮明に覚えていたのか だったら、れみりゃを飼う時にあれだけ反発したことも納得できる。 俺はどれだけ馬鹿者だったんだよ!! あいつの気持ちも考えないで、自分の同情心かられみりゃを飼おうとした。 これであいつの事を自分の家族だなんていえるのかよ!! 最低だ。本当に最低だ。そんなだから俺は… そして、俺は思わず壁に拳を叩きつけようとした時に後ろから声をかけられた。 「ごしゅじん。おちつくてんこ!!」 「むきゅー、じぶんをせめるよりもちぇんがさきでしょ!」 「こぁ、おふたりのいううとおりです」 ああ、少し落ち着こう。俺がでていったあとの会話内容を思い出せ。 時間は、飼い主が家を出たころにさかのぼる 「むきゅ、れみぃをかうのはむずかしいのかしら?」 「てんこ! ぱちぇにはわからないてんこ? かぞくをれみりゃにたべられたゆっくりのきもちが?」 「むきゅ、でもれみぃはゆっくりをぜったいにたべないとおもうわ」 「しんじられないてんこ! ちぇんのかぞくはれみりゃにたべられたてんこ!」 「それはべつのれみりゃよ! れみぃはゆっくりできるこよ!」 「こぁ、わたしのいけんはかいぬしさんのけっていをきくのがいちばんだとおもいます」 「むきゅ」 「てんこ」 全くその通りなので3匹はうずくまるしかなかった だがその時1匹のゆっくりが3匹の前に飛び出してきた。 「じぇんじぇんわきゃってにゃいんだよ! れみりゃのこわさをおしえてあげるんだよ!」 そういうとちぇんは自分が少し前に経験をしたれみりゃの恐怖を語り始めた。 「あのときにりゃんしゃまがきてくれなかったら、ちぇんもしんでいたんだよ!」 「むきゅ…」 「てんこ」 「こぁ」 大人3匹が返す言葉もなく静かにしていると隣の部屋から大声でわめき声が聞こえる。 「まんまぁー!! れみぃ、まんまぁーたちといっしょにいたいんだどぉ!!」 「うるしゃいんだよ! ゆっくりできないれみりゃはそのなかにいればいいんだよ!」 「まんまぁー!! れみぃ、すりすりしてほしんだどぉーー!!」 「ばかにゃにょ! しぬにょ! れみりゃなんかとすりすりするゆっくりはいないんだよ!!」 「……まんまぁー……まんまぁー……まんまぁー」 「ばかにゃにょ! しぬにょ! れみりゃにいきてるかちなんて…」 「ちぇん! おちつくてんこ!」 バシッ 何かを叩く音が聞こえた。一瞬、何が起きたかわからなかったが頬の痛みにちぇんは気がついた 次の瞬間にちぇんは玄関にむけて走り始めた。 偶然だろうかちぇんの体当たりで左右にスライド式の玄関が開いてしまった。 いきおいよく走っていくちぇんをらんとこぁが追いかけたが見失ってしまった。 その後、ぱちゅりーたちと行き先を話し合っている時に飼い主が帰ってきた。 チクショー!!俺はどれだけ馬鹿なんだよ。鍵や大工箱なんて明日行けばいいことだったのに いつもそうだ。あの時だって… 昔の事はいい。今はちぇんの行方を捜さなければいけない。 「らん、今までに探していないところはどこだ?」 「さんぽこーすはさがしたてんこ!」 「むきゅ! いえのまわりとものおきにはいなかったわ!」 「こぁ! かわのどてのほうにはいってません!」 「土手かちぇんは家族のことを思い出すから川の土手には行かない気もするが、念のために行ってみよう」 「うーうー!! れみぃもさがすのてつだうんだどぉ!!!」 「れみりゃはぱわ~あっぷしたんだどぉ~♪ すぐにみつかるんだどぉ~♪」 「ぱちぇはれみりゃの意見をどう思う?」 「むきゅ、信じても問題ないと思うわ」 私はとりあえずれみりゃをゲージから出してあげると庭に放り投げた。 「ゆっくりしないでちぇんを探しに行きなさい! 見つからなければ君はまんまぁーと暮らせない」 「れみぃ、まんまぁーたちといっしょにいたいんだどぉ!! うっぐひっぐ!」 うがあああああぁぁl!この肉まんマジでミンチにしてやろうか 泣いてる暇があれば、ちぇんを早く見つけてこいよ!! そうだ。ちぇんを早く探さなければ、こいつの事はそのあとにでもどうにでもなるのだから ぱちぇは家で留守番、らんは川の土手を、れみぃとこぁは空から探索するように指示を出した 私はこぁとらんを外に出すと家の鍵を閉めてちぇんの行きそうな場所を探そうと思った。 散歩コースと買い物コースをもう一度回ろうと考えて自転車で走り出した。 そのころのちぇん 「わきゃらない、わきゃらないよー……しくしくにゃーーー!!」 「ちぇんどうしてないているの?」 「むかしここにすんでいたちぇんのこどもでしょ! なにをしているの?」 ちぇんが墓の前でないていると近くに住んでいたれいむとまりさの家族が心配そうに話しかけてきた 「じぇんじぇん、わきゃらないよー! どうすればいいじぇんじぇん、わきゃらないよー!」 「とりあえず、れいむたちのすでゆっくりするといいよ」 「そうだよ! おやさいさんをわけてあげるよ」 ちぇんは2匹のゆっくりにつれられて巣の中に入っていった 「おばさん、おじさん、どうすればいいかわからないよー……」 「ゆっくりしないでごはんをたべるといいよ!」 「うんうん、わかるよ! いただきだきます!」 「にゃーにゃー!!しあわせだにゃ!! おいしいにょ♪」 「「「「むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇ♪」」」」」 お兄さんが作ってくれるよりおいしくないご飯。 でも二人の気持ちがこもっていておいしいと感じた 他の子ゆっくり達はいつもどおりのご飯に満足していた。 「ちぇん、どうしてあんなばしょにいたのかゆっくりせつめいしてね!」 「おにいしゃんがれみりゃをひろってきたんだよ!」 「「!!」」 ちぇんは飼い主はどこかからかれみりゃを連れてきて自分の家で飼うとみんなに話したという。 それに怒りを覚えたちぇんは家を出てきて家族の墓の前で呆然としていたというのだ 「ちぇん、そんないえにすむひつようないよ」 「そうだよ。よければまりさのいえにすんでもかまわないよ」 「うんうん、うれしいんだよー! でもおきゃーしゃんたちとすんでた、すにすむんだよ!」 そういうとちぇんはれいむとまりさにすりすりすると家の外に飛び出していった。 この近くには自分の住んでいた巣があるはずだ。 そこでゆっくり暮らせばりゃんしゃまもおにいしゃんも反省してくれるに違いない れみりゃを追い出して自分を迎えに来てくれるはずだと… あのれみりゃさえいなければちぇんは満足なのだから帰ってあげてもいいと思っていた。 このちぇんは生まれて4週間ほどしかたっていないから知らなかった 自分がどれだけ幸運に恵まれていたのかを… 生まれた家族が餓死寸前だったなら… 生まれた時に両親が死んでいたら… れみりゃに家族が食べられてしまった時にらんが来なかったら… 今の飼い主に拾われなかったら… 小さなちぇんは、自分がこれからも幸せに暮らせると信じているのだ。 それがどれだけ贅沢な願いであるかを彼女は直後に知ることになる 私は、自転車に乗るとらんの買い物コースを走り続けた。 やはりいないのだろうかほかにいそうな場所は… ゆっくり屋に保護されているか。 ちぇんの両親の墓がある川の土手か。 酸欠なのか息切れをして頭がフラフラするがゆっくり屋に向かって走りだした ちぇんは自分が住んでいた巣の前にいた川の土手の木の下にある巣だ 父親がモグラさんの穴を広げて作った自慢の巣だ。 土が盛り上がり、落ち葉でうまく偽装していたがちぇんはそれをどかしていった。 奥には枯葉のお布団があってとてもゆっくりできる場所があるはずだ。 そう思っておくにはいっていくと誰もいないはずの巣の奥から声が聞こえてくる 「ゆ…ゆ…」 なんだろうかと思い。ちぇんはそろりそろりと巣の奥に入っていった。 そこで彼女が見たものは…食料庫のあった場所に半分になったゆっくりの死体があった そして、食料庫から奥の寝床をのぞいてみると…忘れることのできないあいつが眠っていた。 ずんぐりむっくりした幼女のような姿に、ふくよかな手足。 大きな下ぶくれ顔と、ピンクのスカートと洋服、背中には黒い悪魔のような羽… そう、ゆっくりれみりゃだ。1メートルぐらいの大きさで額の中央の鼻の上辺りには丸い傷痕が残っている 自分の両親を食べたれみりゃに違いない。 「う?♪ れみりゃおねむだどぉ?☆ う?・・・ねむねむぅ・・・z z z z z 。」 れみりゃは両親が一生懸命作ったベッドの上でスヤスヤとと寝言を言っている。 ちぇんは体の震えが止まらなかった。両親の敵が目の前で眠っている。 だが、本能は捕食者から逃げるべきだと言っている。 大人だった両親が勝てなかったのに自分が勝てるわけがない。 悔しいがこの場は逃げてさっきあったまりさとれいむに相談しなければとれみりゃに背を向けた瞬間 「さくや♪ おはようさんだどぉー♪」 運が悪く、れみりゃの目覚めの時間に来てしまったようだ 「うー♪ でなーのじかんだどぉ?♪ 」 立ってしまうと頭をぶつけてしまうのでれみりゃは四つんばいになってちぇんのいる食料庫に近寄ってきた 「うー♪ あかいあまあまだべるどぉ♪」 れみりゃは半分に割れていたゆっくりれいむを口にいれて食べ始めた 「うー! ぱさぱさであまりおいしくないんだどぉ!」 どうやら死んでから何日か経ったゆっくりはおいしくなかったのか不満げな顔していた 「れみりゃ☆うー! 」 ガコン 「いだいどぉー! いだいどぉー!」 そのあとに巣の中で立とうとしたが、れみりゃの身長ではたてず頭をぶつけて横になって泣き始めた。 「うぁーーん! さくやぁー! さくやぁーどこぉーー!?うっぐ、ひっぐ… ぷっでーんたべたいんだどぉー!!」 そういいながらごろごろと巣の中を転がり大声で喚いていた。 れみりゃと同じ巣穴の中に居るという状況に置かれ、絶望のそこにいたちぇんは泣きそうになるのを我慢していた 『りゃんしゃま…おにいしゃん…ぱちぇ…ちぇんがわるきゃったよ!たすけてほしいんだよ!』 と心の中で思い続けることしかできなかった。 「うっぐ、ひっぐ…」 れみりゃの動きが止まったのを見てちぇんは入り口に向かって走り出した。 だが運悪くその振動で天井からの土がれみりゃの顔にかかってしまった。 「うー! なんかふってきたんだどぉ!! あそこにちょこれーとのおまんじゅうがいるんだどぉ!!」 ちぇんのすがたを見たれみりゃは四つんばいになって追いかけようとしたが狭い通路の為に思うように進むことができない ちぇんは巣を出ると一目散にれいむとまりさの巣に走っていった。 だが、巣の入り口まであと10歩という時にれみりゃにつかまってしまった。 「うー♪ あまあまつかまえんたんだどぉ♪」 「わからないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! ちぇんはたべられたくにゃいんだよ ぉ ぉ !」 その頃 私 ゆっくり屋 「ちぇん種の子供を見ませんか?」 「ウチでは扱ってないよ…!! それより胴体付きらんをゆずってくれぇぇぇぇ! 」 ぱちゅりー種も品切れだから譲ってくれとかちぇんをゆずってくれとすがりついてきた …何が起きたんだよ。いったい すがりつく店主から逃げようとして周りの通行人から白い目で見られていた 犬がいなくなった時もそうだがこいつは本当に何をしているのだろうか・・・主人公のくせに 場所は戻って川沿いの土手 「うー♪ あまあまつかまえんたんだどぉ♪」 「わからないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ! ちぇんはたべられたくにゃいんだよ ぉ ぉ !」 「うー! やめるんだどぉ! ゆっくりをたべるのはこうまかんのおぜうさまじゃないんだどぉ!」 「うー♪ あまあまはあげないんだどぉ♪」 「てんこ! ちぇんをすぐにはなすてんこ!」 「こぁ! ゆっくりちぇんをはなしてください!」 そこに75センチぐらいの胴体付きゆっくりが2匹、バレーボールほどのゆっくりが1匹いた らんとこぁとれみぃ(れみりゃ)である。 3匹とも土手ちかくでちぇんの叫びを聞いて駆けつけてきたのだ 「こぁ、だめりゃさまだから! ひとじちをとるんですね! おお、ぶざま、ぶざま、」 「れみりゃ、おぜぅさまだからそんなてにひっかからないんだどぉ!」 「てんこ! ぶただからぶーぶーいってみろてんこ!」 「れみりゃ、おぜぅさまだからそんなことしないんだどぉ!」 「れみぃみたいな、えれがんとなこうまかんのおぜうさまはこんなものをもってるんだどぉ!」 「く・く・くくっきいぃぃーーだどぉ! ほしいんだどぉ!」 それまではちぇんに集中していたが犬用のクッキーを見た瞬間にれみりゃの様子が変化した。 このれみりゃは瀟洒なメイドさんが本物の主人のように大切にしているれみりゃだった。 普段はクッキーなどには目もくれないが今は久しぶりに見るクッキーに目がいっている。 「おなじおぜうさまだから♪ あげるんだどぉ♪」 「さすが♪ こうまかんのおぜうさまなんだどぉ♪」 そういうとちぇんをもっていないほうのれみりゃはクッキーの袋を渡した 受け取ったれみりゃは片手で袋を開けようとするのだがビニール袋を片手ではあけれない。 仕方ないので持っていたちぇんを下におろした。 その瞬間、いきおいよく飛んできたこぁがちぇんをくわえて戻ってきた 人質がいなくなって状況は3対1だ。 だが、相手のれみりゃはビニール袋のクッキーの袋を開けれずに大声で泣いてる。 「くっきーたべれないんだどぉ! さくやぁーどこぉーー!?うっぐ、ひっぐ…くっきーたべたいんだどぉー!!」」 その様子をみているとどうしたもんかと3匹は顔を見合わせてしまった。 ちぇんだけは先ほどの恐怖かららんの腕の中で「ごめんなしゃい」といいながら泣きじゃくっている。 そのときだったれみぃとぱちぇに呼ばれているれみりゃがちぇんに近づいてきた ちぇんは体を硬直してしたがれみりゃはゆっくりとちぇんの顔にすりすりをはじめた。 れみりゃはちぇんの頭をやさしく撫でながらニコニコしながら話しかけた。 「まんまぁーにおしえてもらったんだどぉ♪ かなしいときやうれしいときはこうするんだどぉ♪」 「わからないよー! ちぇんはれみりゃにひどいこといったんだよー」 「しかたないんだどぉ! れみぃはまんまぁーのやくそくをやぶったわるいこだから!」 「!!…じぇんじぇん、わきゃらないよー!」 れみぃはすこし長い話にあると前置きをおいて話し始めた 「れみぃはここで、ぱちゅりーまんまぁーとこぁまんまぁーにひろわれたんだどぉ」 「!!…」 「でもれみぃのせいでまんまぁーたちはすむばしょをなんこもなくしたんだどぉ!」 「!!」 そんな自分たちにもゆっくりできる場所を見つけた。 だが、自分が迷惑をかけてばかりでいると知ったれみぃはある行動に出た。 「れみぃは…ふゆさんがくるまえにすだちをしたんどぉ まんまぁーたちとわかれてからずっどぉーー、すごいさびしかったんだどぉ そのあとにちかくのゆっくりとあそべててたのしかったんどぉ でも、しょくりょうがなくなったときにれみぃをたべることになったんだどぉ」 「…!! わきゃらにゃいよ! それはいたいことなんだよ!」 「たしかにいたかったんだどぉ…でも、れみぃはたべられるときにはぱちゅりーまんまぁーとのやくそくまもろうとしたんだどぉ」 「やくそくってにゃに?」 「だめよ。れみぃ。あなたはぜったいにゆっくりをおそったりけがをさせちゃだめなの。わかった? おねがいよ…れみぃ。あなたは、ほかのれみりゃみたいにならないでちょうだい。って約束したんだどぉ!」 「わきゃるよ!! すごいいいことばだよ!」 「でも…れみぃはわるいこだったんだどぉ…まんまるいあかいおつきさんをみたらゆっくりたちをたべていたんだどぉ」 「…どうしてにゃにょ?」 「らんにはわかるてんこ! らんのまえのごしゅじんさまもまんげつをみるとあばれたくなるといってたてんこ!」 「なんでゆっくりをたべたかわからないんだどぉー・・・だけど それでからだがあつぐなっでまんまぁーにたすけてもらおうとおもったんだどぉー まんまぁーにすりすりしてもらっおかげでれみりゃはぱわ~あっぷしたんだどぉー れみぃはぱわ~あっぷしたからなんでもできるとおもたんだどぉー♪ ごはんをいっぱいとれるとおもってーまんまぁーのごはんたべたんだどぉー♪ でも、あまあましかたべたいとおもわなくなったんだどぉ… まんまぁーたちはれみぃをおいてでていちゃったんだどぉ。 わるいこのれみぃははるさんがくるまでひとりでいようともったんだどぉ でもこぁまんまぁーがむかえにきてうれしかったんだどぉ。」 「わかるよー。れみぃはいまのちぇんとおなじなんだよ! ひとりぼっちなんだよ!」 れみぃは首を振りながらちぇんにはなしかけた。 「ちがうんだどぉ! れみぃにはとおくにいてもまんまぁーたちがいるんだどぉ」 「ちぇんにはらんやおにいさんやみんながいるからひとりぼっちでないてんこ!」 「りゃんしゃま、ちぇん、おにいさんのいえにかえってもいいの?」 「もちろんだてんこ!」 ああ、もちろん問題ない。 土手の木の後ろで様子をみていた私は、いつれみりゃを蹴とばそうか悩んでいた。 だが、問題解決したために出れずに困っていたのだ。 さてとこれからどうしようかと悩んでいると倒れてたれみりゃが大声をあげ始めた。 「さくやぁー! さくやぁどこぉーー! くっきーたべたいんだどぉーーー!!」 無償で自分に命を懸けて尽くしてくれる存在、さくや。 れみりゃ種にとっては、その名前を叫ぶことは本能的なものなのかもしれない。 だが、今の状態ではたいした意味を持った言葉ではなかった。 むしろ、周りの空気がさめていくことに気付かないのだろうか ここら辺が幕引きだろうと私がゆっくりたちの前に出ようとしたときだった。 「うっぐ、ひっぐ…ちょこれーとのおまんじゅうでがまんするんだどぉーー!」 愚図っていたれみりゃが立ち上がりちぇんに向かって歩き始めた。 その時だったれみぃと呼ばれるれみりゃが相手のホッペにビンタをかました 「いいかげんにするんだどぉ! どこまでだめりゃなんだどぉ! まんまぁーは!」 …今、れみぃはなんて言った まんまぁーという事は相手のれみりゃはれみぃの母親なのか 泣きそうになっていた相手のれみりゃの顔が満面の笑みに変わった 「う~~♪ よくみたらむかしいなくなったれみりゃのあがじゃんなんだどぉ♪ いっしょにあいつらをたおすんだどぉ♪」 「まんまぁーはれみぃがいなくなったときにどうしてたすけにきてくれなかったんだどぉーー!!」 「さくやぁーがさがしにいってくれたんだどぉ♪」 「さくやはかんけいないんだどぉ! まんまぁーはなにをしてたんだどぉ!」 「まんまぁーはさくやのぷっでぃ~んをたべてたんどぉ♪ さくやにまかせればだいじょうぶなんだどぉ♪」 「…ここにすんでるのはれみぃをにさがしにきたんかどぉ?」 「ちがうんだどぉ♪ ふらんからにげたらここにいたんだどぉ♪ でもさくやのいうとおりだったんだどぉ♪」 「…なにがだどぉ?」 「れみりゃのあかちゃんはりっぱなかりしゅまおぜうさまになったんだどぉー♪」 「…」 「れみりゃががげんいんではないってさくやはいったんだどぉ♪ あかちゃんはしあわせになってるっていったんだどぉ♪ 」 「…」 「いっしょにこうまかんにかえるんだどぉーー♪」 「…」 れみぃは悲しそうな諦めた様な表情をしていた あの母れみりゃはれみぃがちぇんにはなしていた内容を少しでも聞いていたのだろうか 子ゆっくりが1匹だけで暮らすのにどれだけの苦労をしたかあの贅沢なれみりゃにはわからないのだろうか いきなり、れみぃが母親のホッペに右手でビンタをかました 「うっぐ、ひっぐ! やめるんだどぉー!」 れみぃが母親のホッペに左手でビンタをかました。そして、交互にビンタをしつづける。 「こんなのえれがんとじゃないんだどぉ!」 「うー! れみぃはひとりぼちでたいへんだったんだどぉー! まんまぁーなにじでだんだどぉー!」 「うー! あがじゃん、ごめんだどぉー! ごめんごめんだどぉーー!!」 膝を曲げて、頭を胸に寄せて、頭に手をのせてうずくまっている 。 母れみりゃの顔は、涙と鼻水らしきものでぐしゃぐしゃになっているのがわかる。 だがあの涙は娘の苦労を理解してなのか、自分の頬の痛みに対してなのだろうか? 「どぉーじでだどぉー! うぁーーん! さくやぁー! さくやぁーどこぉーー!? たすけてほしいんだどぉ」 そんな親の泣き声を無視してれみぃは無言で帽子の上から頭にビンタをしつづける。 その様子をゆっくり達は何も言わずに見ていた。 私自身は母れみりゃに対しても同情の余地があると思うが何も言わなかった。 PA…さくやという存在はれみりゃを悲しませないために嘘をついたのではと考えたからだ。 うずくまって泣いている母れみりゃに背を向けてれみぃはちぇんにあやまった。 「れみぃのだめまんまぁーがひどいことしてごめんだどぉ! れみぃがかわりにせきにんとるんだどぉ!」 「じぇんじぇん、わきゃらないよー!」 「れみぃがあのこうまかんでていくんだどぉ!」 「じぇんじぇん、わきゃらないよー! 」 「こぁまんまぁー! ぱちゅりーまんまぁーによろしくだどぉ!」 そういってれみぃは泣いている母親を引きずってどこかに飛んで行こうとした。 その様子をみていたちぇんが大声をあげた 「じぇんじぇん、わきゃらないよー! れみぃはいいこなんだよー! いっしょにすみたいんだよ!」 「よく言ったちぇん。この場は私が責任を取ろう」 ちぇんが問題ないなららんも文句ないはずだ れみりゃ親子の前に行くとれみぃにぱちゅりーと一緒に住みたいのかと聞いた 「すみたいんだどぉ! でもだめりゃまんまぁーが!」 「ここにいる家族に聞く。れみぃが一緒に住むのに反対のものはいるか?」 「じぇんじぇん、わきゃらないよー!はんたいするいみがわからないよ」 「もちろん、はんたいしないてんこ」 「こぁ、はんたいしません」 「もちろん、私も反対する気はない。というわけでれみぃも今日からうちの家族だよろしくな」 私はだめりゃを持っていた紐で縛るとれみぃの頭を撫でてあげた。 新しい家族のお祝いだと落ちていた犬用のクッキーを開けてゆっくりに食べさせた 「「「「むちゃ、むちゃ、しあわせー♪」」」」 「くっきーたべたいんだどぉーーー!!」 こいつもいたっけ。だめりゃには空っぽになったクッキーの袋をあげた。 中に残っていたクッキーの粉を口の中に流し込んでいた。 「うっう~☆うぁうぁ~♪ れみ☆りゃ☆う~~♪」 「にゃんにゃん~☆にゃあにゃあ♪ ちぇん☆ちぇん☆にゅう♪」 れみぃはちぇんとすりすりしながらうれしそうな顔をしている こぁとらんはその様子を嬉しそうにみていた これならどうにかなりそうだなと私はほほえましい光景を見ていた。 留守番をしてるぱちぇ達も心配だし。さて家に帰るかな。 「さすがうちのちぇんだぜ。意地っ張りな時もあるんだぜ。でも本当は素直でかわいいやつなんだぜ」 どうも親馬鹿でした。 【あとがきと質問】 Q何故、れみりゃがちぇんが住んでいた巣の中にいたの? Aふらんに負けた腹いせにらんに復讐に来たけどらんはいなかった。仕方ないので巣の中で待ち伏せをしていた Q主人公は何故、外の世界の物(テレビや犬のオヤツや自転車)を持っているのか? A博麗神社周辺で拾ったり香霖堂で買ったりしています。それと… Qさすが○○だぜとか副題は何? Aだぜはゴッグ板で検索してください(もとはさすが○○だ)副題は某アニメからとったりとらなかったり Q題名のオマージュ作品書き忘れ続けてるけどなんなの? A最近まで書かなければいけないことを知りませんでした。すみませんでした。 題名の元はなんとかマスターを目指す少年と電気ネズミが活躍するアレです 作者名無しです。 文章が少ないので上・中・下は多かったと後悔しています。 なのにエピローグつけるって ばかなの! しぬの! と自分をせめます。 次もかわいいゆっくりゲットだぜ!! 書いたもの かわいいゆっくりゲットだぜ!! 1・2・3 外伝1 ちょっとれみりゃの扱いがひどい・・・かな? まあいいと思うけど・・・ あと楽しみにしてますね 次の話 -- 名無しさん (2009-02-28 16 43 48) 特にこだわりがないならゆっくりの台詞は漢字に変換したほうがいいかと。 特に今回のような大量のゆっくりが出るときなどは。 文章が読みにくいと敬遠されますよ。それはもったいない。 -- 名無しさん (2009-03-01 21 06 02) 明らかに怒りの矛先がおかしいだろ主人公。 勝手に保護しといてひでぇ言い草www れみりゃ不幸だな… -- DQN (2009-07-28 19 56 43) 助かったからいいか。 乙 -- DQN (2009-07-28 19 57 04) 作者が主人公を完璧人間にする気がないのだろうな。 自分の思い込みで勘違いもすれば間違いもする。 勝手なエゴも言えば自分勝手な愛情や怒りをぶつける… そういう主人公をかこうとしているのではと思う -- 名無しさん (2009-07-29 03 31 17) なるほど。 それならわかるよー。 -- DQN (2009-07-29 08 13 16) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2750.html
ドスまりさ。 体長は5m以上。まりさをそのまま大きくした姿だが、普通のまりさとは違い全てのゆっくりをゆっくりさせる為の存在である。 帽子の中はゆっくりたちの巣になっている。言わば移動型の居住区だ。 口からはキノコを用いた必殺のドススパークを放ち、また帽子からは周りの生物をゆっくりさせるゆっくりオーラを放つ。 後ろ髪にはゆっくりたちから貰った信頼のリボンは結びつけている。 その強さは十分弾幕ごっこでも出来るのでは?と思われるほどのスペックを持つゆっくりである。 その力で暴れれば、妖怪退治に長けた人間以外では勝てないと思われるが、温厚な性格のためか今まで人間と小競り合いを起こした事はあまりないらしい。 そして小競り合いの内容も、人間に虐待されたゆっくりを助けるためだ。 そんなドスの中の一匹が、森の中を跳ねながら移動していた。 ボヨンと跳ねるたびに地面は揺れ、木々からは驚いた鳥や動物たちが立ち去っていく。 ね 「ゆっふ! ゆっふ! もうすぐおがわさんだね! ゆっくりいくよ!」 ドスまりさは大きく跳た。軽く10m以上は飛んだだろう。 ドスン!と着地すると、ドスの目の前に美しい小川が見えた。 「ゆゆ! みんな! ゆっくりでてきてね!!!」 ドスがそう言うと、帽子のツバの部分がモゾモゾと動き出した。そしてそこからぴょこんと顔を出したのは ぱちゅりーだった。 「むきゅん! みんな! おがわについたわよ! ゆっくりでてきてね!」 「ゆゆ! ゆっくりするよー!」 「ゆっきゅりー!」 「とかいはなみずあそびをするわ!」 ぱちゅりーの声を合図に、様々なゆっくり達が帽子の中から出てきた。 ゆっくり達はドスの長い髪の毛から滑りながら地面に降りて行った。その中、れいむだけはリボンがなかった。 そのリボンはドスへの信頼の証として、ドスの髪の毛に結んであるのだ。 「ゆゆ~! おみずさん! とってもゆっくりしてるね!」 「ゆゆっ! ぶしゅーだよ!」 「ゆ! つめたいわまりさ! おかえしね!」 「ゆっくりはしるんだねー。わかるよー!」 ゆっくり達は思い思いにゆっくりとした時間を過ごしていた。 赤ちゃんたちは親と共に初めての川を楽しみ、子ども達は元気に走り回ったり、日向ぼっこをしていた。 しかし、他の皆がゆったりとしてる中でも、ドスは注意深く周りを見回っていた。子供たちが目の届かない所にいかないように。 ゆっくりできない物が現れても対処できるように。 幸い今日は何も起きなかった。 「ゆゆ! それじゃあきょうはこのあたりでごはんにしようね!」 「このはっぱしゃんおいちいね! むーちゃむーちゃちゅるよ!」 「ゆ! のどがかわいたよ! ごーくごーく! しあわせー!」 「ゆゆ! そ、それなりのどんぐりね! ありすがたべてあげてもいいのよ!」 川の近くの木々を夕食にしたゆっくり達。 「そろそろゆっくりねようね! おやすみなさい!!!」 「おやちゅみなちゃいどちゅ!」 「おやすみなさいどす!」 「おやすみだみょん! ペニース!」 ゆっくり達はドスの髪の毛を口で掴みながら上ると、帽子の中へと入っていった。帽子の中は誰にも襲われない最も ゆっくりできる場所なのだ。 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 真夜中、無防備にも外でぐっすりと眠るドス。 しかしドスを襲おうとする者は誰もいなかった。それほどまでにドスは恐れられてるのだ。 まさにドスは、ゆっくりをゆっくりさせるために生まれたゆっくりだろう。 初夏を迎えたある日の事。ドスはとある村の近くの森にいた。 別に理由があって村の近くの森に居る訳ではなかったが、ゆっくりを虐める残虐な人間が居たら ぜひともその手からゆっくりを救おうとは思っていた。 周りではいつものように他のゆっくり達がゆったりとしていた。 「ゆへ~~~どすもゆっくりしてね~~~」 顔が若干崩れぎみのれいむがそう言いながら、ドスのほっぺに「すーりすーり」している時だった。 足音が一つ聞こえた。それは段々と近づいてくる。 「ゆ! みんなきをつけてね!」 ドスの警告で皆が足音の方を向いた。子供たちは親の口の中へと隠れた。 現れたのは人間の男だった。人間は籠を背負っており、その中には山菜が沢山入っていた。 「やぁ。ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね!!!」 ドスと男はお互い挨拶を交わす。男は矢継ぎ早に話始めた。 「いやぁ~山菜を採りにきたんだが、まさかドスに出会うとはねえ。ついてるのかな?」 「ゆーん。ここにはさんさいはないよおにーさん。さんさいならあっちのほうにあるよ」 ドスはを油断せずに話した。本音を言うなら今すぐここから出て行って欲しかった。 「ん? あっち? そうなのか。ありがとうドス。お礼にこれを食べていいよ。」 男がそっと地面に置いたのはクッキーだった。 「ゆゆ! あみゃあみゃのにおいがちゅるよ!」 「ゆっくちたべしゃせてねおかーしゃん!」 「ゆゆ! まだでてきちゃだめだよ! おちびちゃんはゆっくりくちにはいってね!」 「どうじであみゃあみゃをたべさせちぇくれにゃいの? れーみゅたちをゆっくちさせたきゃくないの?」 「ゆゆ! ゆゆ・・・・」 群れが混乱し始めた事に気づいたドスは、仕方なく言った。 「ゆっくりたべてもいいよ。おにーさんにおれいをいってね。」 「ゆーーー! むーちゃ、むーちゃ、ちあわちぇー! おにーしゃんゆっきゅちありがちょね!」 「ありがちょね!!!」 ゆっくり達がムシャムシャとクッキーを食べてる様子をドスは男と眺めていた。 すると男はこんな事を言ってきた。 「ドスのところのゆっくりはゆっくりしてるね。」 「ゆ! どすはすべてのゆっくりをゆっくりさせなきゃだめなんだよ!」 男は少しだけ笑った。そして何かを思い出したかのように話をふった。 「そうだね。・・・でも、本当に全てのゆっくりをゆっくりさせてるのかい?」 「ゆ?」 ドスは男の意図が掴めなかった。 「いや別にこの世の全てのゆっくりをゆっくりさせろって言ってる訳じゃないんだ。君は出来る範囲でゆっくりをゆっくりさせてるだろう? それは素晴らしい事だと思う。・・・でもね、その中に君にゆっくりさせて貰えなかったゆっくりも居るんじゃないのかな?」 「しつれいなことはいわないでね! ドスはがんばってゆっくりさせてきたよ!」 「む! そうよ! ドスにしつれいなことはいわないでね!」 「そうだよ! ゆっくりできないおにーさんはゆっくりかえってね!」 今の発言にはドスだけでなく、周りのゆっくりも怒りを覚えたようだ。しかし男はそんな事を気にせず話を続ける。 「本当にそう言えるのかな? なら試してみようか?」 「ゆゆ? なにをするの?」 ドスの眼は明らかに興味身心だった。一応いつでも飛びかかれるようにはしていたが。 「いや実はね。最近、親を亡くした子供のゆっくりを何匹か拾ったんだけどね。」 「ゆゆ! ちゃんとひとでかぞえてね! しつれいだよ!」 ドスが語意を強めた。男も流石に予想外らしく、少しビックリした顔をした。 「いやごめんごめん。申しわけなかった。何人かのゆっくりを拾ったのだけなんだけどね、やっぱり自然で生きた方がいいと思うんだ。 でも親がいないと生きられないだろう?だから里親を探していたのだけれどね。この群れで育ててくれないかな?」 「む! それならいいわよ! そうよねドス!」 ドスが何か言おうとする前に、ぱちゅりーが反応した。この群れに限らず、ドスの群れでは親を亡くしたゆっくりを育てるのは 別に変ったことではに。かく言うぱちゅりーも、親を亡くしたゆっくりだったのだ。 「ゆ! ゆっくりわかったよ! はやくそのこたちをつれてきてね!」 男は良い返事が聞けた事が嬉しかったのか、優しく微笑みながら 「わかったよ。明日の昼にここにまた来るから。待っていてくれ。」 男はそう言うと山を下りて行った。 そして次の日、男は時間通りにやってきた。何匹かのゆっくりと一緒に。 最初にそれを確認したのはれいむだった。新しい仲間が待ちきれなくて、ついつい前に出てきたのだ。 そして新しい仲間を確認した。 「うっうー! おっぜうさまはかりしゅまなんだっどぉ~」 まず最初には見えたのはれみりゃザウルスだった。捕食種であるれみりゃザウルスは到底ゆっくりできるものではない。 更に、二匹のゆっくりの姿が見えた。姿形こそ似ているがアレも自分たちの天敵である。 「うー! うー!」 「うー! ゆっくりしね!」 胴無しれみりゃとふらんだった。 更に後ろからは 「ゆっへっへ・・・ここがまりさたちのゆっくりぷれいすなんだぜ!」 「ゆゆ! とてもゆっくりできるドスだね!」 まだ若いまりさとれいむが居た。どうやら新婚のようだ。 「でびりゃだぢはゆっぐじでぎないよおおおおおおお!!!!」 「ごっぢごないでええええええええええ!!!!」 「わ゛がらないよおおおおおおお!!!」 「おぎゃああああしゃああああああああああああんんん!!!!」 群れのゆっくり達は恐怖のあまりパニックに陥っていた。 ドスはやってきた男に文句を言った。 「おにさーん! ゆっくりできないれみりゃたちをこっちにつれてこないでね! それいじょうちかづくとゆるさないよ!」 ドススパークを撃つ構えに入るドスまりさ。しかし男は慌てない。 「といってもねぇ・・・この子たちをゆっくりさせてほしいんだけど。」 「なにいっじぇるのおおおおお!!! でびりゃはゆっじゅじでぎにゃいよおおおおおお!!!!」 れいむは泣き叫びながら言った。 「どうしてだい? この子たちもゆっくりだよ? それともドスはゆっくりを差別するのかい? 自分の群れのゆっくりだけをゆっくりさせて、ちょっと他と違うからって同じゆっくりをゆっくりさせないなんて ちょっとがっかりしたなぁ・・・記者にでもタレこもうかな。」 ドスは「ゆゆゆ・・・」と唸りながら数分程考えた。そして結論を出した。 「わかったよ・・・れみりゃたちをゆっくりそだてるよ。かわいそうなこだもんね。」 どうやらドスとしての使命感・・・いや本能が勝ったようだ。 「どうじでぞんなごどいうのおおおおおおお!!!! れみりゃはゆっぐじでぎないよおおおおおおお!!!」 当然納得のいかない群れのゆっくり。しかしドスの懸命の説得でなんとか静まった。 男はドスにゆっくり達を預けた。他のゆっくりもどうやら馴れたようだ。 「おぜうさまはかり☆すまだどぉ~♪ ぷでぃんやすいーつしかたべないからあんしんなんだどぉ~♪」 「それならあんしんだね! ふらんたちもそうなの?」 「「うー! うー!」」 「ゆっへっへ・・・よろしくなんだぜ!」 「よろしくね!!! かわいいれいむたちとゆっくりしようね!!!」 その様子を見ていた男は、ニッコリと笑うとご飯として、3日分のお菓子を置いて行ってくれた。 「それじゃあ帰るよ。じゃあさようなら。」 「それじゃあみんなでゆっくりしようね!」 ドスの声と共に群れのゆっくりは各々ゆっくりし始めた。 「うーうー! たかいたかいだどぉー!」 「ゆゆー! おそらをとんでるみたいー♪」 「ありすにもゆっくりたかいたかいしてね!」 ドスの心配はどうやら外れたようだ。れみりゃザウルスはみんなと仲良く遊んでいる。 れみりゃとふらんの方も、仲良くとはいかないまでも大人しくしていた。 「うー! どすぅー! おなかすいたどぉー! おやつぅー!」 「わかったよ! ゆっくりたべていってね!」 そういってドスは男から貰った袋をガサガサと漁ってオヤツを与えた。 「あまあま~♪ どすにいいこいいこしてあげるぅー♪」 「ゆゆ! すりすりだね!」 ドスのほっぺを撫でるれみりゃ。ドスの心配は無くなった。 四日後。群れは相変わらずゆったりとしていた。 変わった事といえば、男に貰ったお菓子を全て食べつくした事ぐらいだ。 それも最初から三日分程度しかなかったので、当たり前の話ではあるが。問題はその日の昼食だった。 「うー! ドスー! れみりゃたちのぷでぃんがないどぉー! どうしてだどー!」 「うー! ゆっくりたべさせろ!」 「おやつはないんだよ! ゆっくりあばれないでね!」 それに不満を言い始めたのはれみりゃ達だった。彼らの主食は甘味である。 実は別に森の木の実や草でも野菜でも大丈夫なのであるが、如何せん量が足りない上に味の問題がある。 「オヤツはもうないんだよ! ゆっくりりかいしてね!!!」 「いやだどぉおおおお!!!! おやづうううううう!!!! ざぐやああああああああ!!!!」 足をバタバタとさせて駄々をこねるれみりゃ。 「ゆゆ・・・しかたないね。ゆっくりしていってね!!!」 ドスの声と共に、ドスの帽子から謎のオーラが発生した。七色に輝くそのオーラはれみりゃ達を包み込むと れみりゃ達はたちまち、ゆったりとした顔になった。 「う・・・ゆっくりしてるんだっどぉー・・・」 「「う・・・」」 「ゆっくりできたね! さあ、このはっぱさんでゆっくりたべてね!!!」 ドスは、だらんと口を開けたれみりゃ達にご飯を食べさせてやった。 ドスから少し離れた場所で、新婚まりさとれいむは何匹かのグループを結成していた。 元々この夫婦。村で生活していた野生のゆっくりであり、それなりの知識を持っていた。 その知恵の高さ故に話が上手く 口喧嘩が強さの重要な要素であるゆっくりにとってはリーダーの素質を十分に持つゆっくりなのだ。 「まりさがたべていたものはもっとおいしかったんだぜ! にんげんさんのたべるごはんはほかほかしてるんだぜ!」 「ゆゆー! もりのたべものはゆっくりしてないよ! こんなものでほんとうにゆっくりできるのかあやしいよ!」 「ゆゆーん! まりさとれいむはすっごくとかいはなのねー!」 「こんどまりさがもっとゆっくりできるものをとってきてあげるんだぜ!」 ドスはこの会話を遠くからとはいえ聞いていた。しかし、まりさ達が言うことは事実なので何も言わない事にした。 人間の食べる物と野生にあるもの。どちらが美味しいと問われれば、自分だって人間の食べる物と答えるだろう。 そんなこんなでこの日はゆっくりと過ごした。 そんなこんなで一週間後の夜。 ゆっくり達はドスの帽子の中でぐっすりと寝ていた。流石にれみりゃザウルスは帽子に入れなかったので、ドスの傍で 「うが・・・ざぐやあああ・・・・」 とドスの頬を甘噛みしながら寝ていた。 れみりゃとふらんは帽子の中で寝ていた。のだが、すぐに目を覚ました。そしてその後も、何回も何回も 寝ようとするが中々寝付けない。理由は簡単だった。お腹が全然ゆっくりできてないのだ。 食べる餌はそれほど多くなく、まして最近は甘い物など何一つ食べていない。 れみりゃ達は全くゆっくり出来ていなかったのだ。 「う・・・うー!」 「うー!」 どうしようかと悩んでいる二匹。すると、二匹の顔に何かがぶつかった。 「むにゃむにゃ・・・ゆっきゅちちていっちぇね・・・」 赤れいむだった。コロコロと転がってきたようだ。 二匹はそれを見た。それは見ると言うより凝視したと言った方が正しかった。 目の前にとてもゆっくりできる物がある。例え先ほどまで一緒に遊んでいた物であったとしても 今はただの『あまあま』である。食べればとてもゆっくりできるものだ。 「ううー!」 れみりゃが近づいた。そして牙を突きたてて、静かに餡子を吸った。 「ううう・・・うー!」 万年の笑みを浮かべるれみりゃ。それを見たふらんが近くにいた子ゆっくりを食べる。 「うー! ゆっくりできるー!」 「うー! あまあまー!」 二人は久々に味わった餡子の感触に舌鼓をうった。そして、一度始まったらもう止まらない。 捕食種としての本能が蘇った。 「ゆゆ? うるさいよゆっくり・・・っでどう゛じででいぶのあがぢゃんがじんでるのお゛お゛お゛お゛!!!!!!」 「やべでね! ゆっぐじやばでね゛ぶらん!」 「ありずのぼっべがあああああああ!!!!!!」 「むきゅうううううううううううううううううんんん!!!!!」 帽子の中はあっという間に大混乱に陥ってしまった。いくら広いとはいえ、50近いゆっくりがいっせいにパニックとなり そのせいでまともに動きが取れなかった。そしてその中でひたすら暴食の限りを尽くす二匹。 「うー! うー!」 「うー! うまいー!」 「でーびゅのあんごずわないでえええええええ!!!!!」 「あがじゃんをがえじでねええええええええ!!!!!! おねがいだがらわがっでねええええええええ!!!!!」 「ゆゆ! なにやってるのみんな! ゆっくりしてね!!!」 「うっうー? どうしたんだっどぉー?」 身近な異変に気づいたドスが帽子を取る。するとゆっくり達は地面に一目散に逃げた。 「どずううううううううううううう!!!! でいぶのあがじゃんがああああああああああ!!!!!」 「むぎゅううううううううううううう!!!!!!」 「あのでびりゃだぢはどがいばじゃないわあああああああああああああ!!!!!」 群れの話を聞いて事の顛末を把握したドス。その時、頭の上から二匹が下りてきた。 「ゆっぐじじねええええええええええええ!!!!!」 「ベニーーーーーーーーーーーーーズ!!!!」 怒り心頭のゆっくり達に対して、二匹はと言うと 「うー!」 「ゆっくりできたー!」 ご満悦の様子であった。 「ねえ、どうしてあかちゃんたちをたべちゃったの?」 ドスは静かに聞いた。その声には感情を押し殺した声だった。 「うー☆あまあまたべたー!」 「うー! ゆっくりしたー!」 二匹の答えは簡単だった。『ゆっくり』したかっただけだど。それ以上の理由など二匹にはなかった。 しかしそれで納得しないのは他のゆっくりである。 「あがじゃんをごろじでゆっぐじでぎるわげないでじょおおおおおおおおおお!!!!!」 「やっぱりれみりゃはゆっくりできないんだよ! ゆっくりれみりゃたちをころしてねドス!」 ドスは迷っていた。普通に考えればここで二匹を始末するべきだろう。 しかし、そもそもれみりゃ達を引き取ったのはドスなのだ。すべてのゆっくりをゆっくりさせる ドス達にとってはやらなければならない事なのだ。 しかしこのままでは、他のゆっくりがゆっくりできなくなることも事実である。 「ゆっゆ・・・ゆっくりしんでね!!!」 それはあっという間だった。ドスがちょんと跳ねて、二匹の上に被さるだけであった。 「うげぇ!」 「ゆぐじぃ!」 べちゃりと地面に肉まんとあんまんが飛び散った。ドスが退けると 新婚のれいむとまりさがそこに寄ってきた。そして寄りによってその死体を食べ始めた。 「うめっ! めっちゃうめっ! まじぱねぇ! みんなもゆっくりたべるんだぜ!」 「がつがつがつ!!!! むーしゃむーしゃ! しあわせー!」 その光景を見ていた子供たちが近づいていく。 「ゆゆ? ゆっきゅちできゅるの? まりちゃゆっきゅちちゅるよ! むーちゃ! むーちゃ! ちあわせー!」 「おちびちゃん! ままもたべるわ・・・・とかいはね!」 それを皮きりに群れのゆっくりは死体に群がった。ガツガツと死体を食べるそれは禿鷹のようである。 「なにやってるの! おなじゆっくりをたべるなんてゆっくりできないよ!」 ドスは大声で言うが目の前のご飯に夢中な彼らには届かない。 「なにいってるんだぜドス! ゆっくりできないふたりをたべるのはとうぜんなんだぜ!」 「そうだよ! それにもともとはどすがわるいんだよ!」 「ゆっくりできないどすはだまっててね!」 「これはぱちゅりーのだからあげないわよドス!」 「だめなんだっどぉー! ゆっくりするんだっどぉー!」 ドスはみんなの姿を悲しそうな目で見ていた。 それから三日後、群はようやく落ち着いた。先の一軒でドスへストレートに不満をぶつけるものは増えたが。 それと意外な事に、れみりゃザウルスは未だにゆっくりを食べようとはしなかった。 理由を聞くと「おぜうさまはかりしゅまなんだどぉー! さくやがぷでぃんをもってきてくれるからがまんするどぉー!」 とのことだった。まあ、単に前のドスの死刑執行を目の当たりにしただけだろうが。 しかし、不安な動きがない訳でもない。新しくきたまりさとれいむが、最近やたら他のゆっくりを引き連れてどこかへ行くのだ。 無事に帰ってきてる為、強くは言えないが心配である。 ドスは結局みんなを追わずに、今日もゆっくりを虐待しているという家に押し入る事にした。 別に怪我をさせるつもりはないし、ドスの姿を見ただけで大抵の人間は大人しくゆっくりを開放するのでその必要もなかった。 ドスがそんな事を考えている時、まりさ達は人間の村に来ていた。狙いは勿論畑である。 「どうだったんだぜ?」 「だれもいなかったよー!」 ちぇんの報告を聞いたまりさは、後ろのゆっくり達に向かってこう叫んだ。 「みんな! あのはたけはにんげんさんがどくせんしてるんだぜ! ゆっくりできないにんげんさんにはてんばつがひつようなんだぜ! おやさいをもらうんだぜ!」 「ゆー!」 「わるいにんげんさんにはゆっくりおしおきするね!」 「いなかものにおやさいはふさわしくないわ!」 「うー! れみりゃががおーってしてあげるどー!」 何やられみりゃも混じっていた。 「れいむたちはここでにんげんさんがこないかみはってるね! みんなゆっくりしないでおやさいをとってきてね!」 「「「「ゆゆー!!!」」」 そういってゆっくり達は畑へと猛牛のように向かった。 ゆっくり達が見えなくなった頃、まりさは喋り出した。 「ゆっへっへ! ばかなんだぜ! はたけはにんげんさんがつくってるんだぜ!」 「ゆ! にんげんさんにかてるとおもってるなんて、おろかおろか。」 ニヤニヤと笑っていた。 「でもまりさ? あのこたちがゆっくりおやさいをもってこれるとおもう?」 「たぶんむりなんだぜ! でもまりさはよういしゅうとうなんだぜ?」 「ゆゆ?・・・・わかったよまりさ! うーぱっくをよんだんだね!」 「ゆっへん! しっぱいしたらまりさたちがぎょふのりをえるんだぜ!」 「そんなむずかしいことばをしってるなんてさすがだねまりさ!」 「てれるんだぜ!」 そうやって楽しそうにして笑ってた。 「ゆゆ! すっごくゆっくりしてるおやさいがあるよ!」 「おやちゃいおいちちょーだね!」 「とてもとかいはなおやさいね! むーしゃ!むーしゃ! しあわせー!」 「むきゅん! これはとまとっていうのよ!」 ゆっくり達は初めて見る野菜に興奮していた。そして次から次へと野菜を貪り食っていった。 「ゆー? だれもいないんだねー!わかるよー!」 「ぎゃおー! たーべちゃうぞー♪」 そう言うとれみりゃは腕をブンブンと振りましながら空家へと入っていった。そして台所をガサゴソと漁ると 「うっうー! よーかんだっどぉ~♪」 そういって次から次へとムシャクシャ食べ始めた。 ゆっくり達は久々のゆっくりな時間を満喫していた。が、良い事はそう長くは続かないのが世の常 家の主が帰ってきた。 「むーちゃ!むーちゃ! ゆゆ? おにーしゃんだぁーれぇ? ここはれーみゅたちのゆっくちぷれいちゅだよ!」 赤れいむが無邪気な目でこちらを見ている。この場合、無邪気というのは厄介だ。 何せ相手は全く悪いと思っていない。野生の動物にとってみれば、目の前に餌があるなら食べるのは当たり前であり、 所有物という概念など持たないのだろう。 だからこそ、"それ"を潰した。 痛みなど恐らくないだろう。一瞬で潰した。 「ゆがああああああああああ!!!!! ばりざのおぢびじゃんがああああああああああああ!!!!!」 「なにやっでるのおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 「ゆっぐじじねええええええええええ!!!!!!!!!! あがじゃんのがだぎいいいいいいいいいいいい!!!!!」 ゆっくり達が一斉に騒ぎ出した。 「うっう~♪ どうじだんだっどぉ~?」 家から何やらダボダボした着ぐるみを着たゆっくりが現れた。あれは珍しそうだから売れるかも知れない。多少は補填できるだろう。そばに置いてあった鍬を構える。ここからは単なる処理だ。 爽快感も何もない作業が始まった。 「ゆゆ! にんげんさんがかえってきたよ!」 「にんげんさんがいえにはいったすきに、うーぱっくとおやさいをとりにいくんだぜ! たのんだぜうーぱっく!」 「うー!」 二匹は既にうーぱっくに乗り込んでおり、何時でも飛び立てる準備をしていた。 このまま人間が家に入った隙を狙って野菜を取るのがまりさ達の計画だった。畑には罠があるか分からないし 何より一日に二度も来るとは人間も考えないだろうという、なんとも浅はかな考えからの作戦だった。 しかしこれでもゆっくりの中では比較的知恵のある方だろう。 が、世の中は甘くない。現実は非情なのだ。 ガシッ!っと何かがうーぱっくを掴んだ。よく見ればそれは人間の手に似ている。 「うー! うー!」 「ゆゆ! まりさ! うーぱっくがうごかないよ!」 「ゆゆ!・・・・ゆがああああああああああ!!!!!!」 恐る恐る後ろを見た二匹。そこに居たのは予想通り人間であった。 「あの糞饅頭のせいでゆっくりが居なくなったが・・・ちょうどいいぜ。」 男の顔は暗闇で見えない。しかしれいむとまりさは、これから先は確実にゆっくりできない事が待ち受けているのを 確信した。 「やべでええええええええええ!!!!! ゆるじでぐだざいいいいいいいいいい!!!!」 「でいぶはどうじでもいいがら! ばりざは! ばりざはああああああああ!!!!!!!」 「うううー!」 それから何日かたった。ドスの群れは急激に数を減らし、親の居ない子供も何匹か現れた。 しかしドスは、それでもみんなをゆっくりさせようと張り切った。 「みんな! ゆっくりごはんをたべてね!」 「ゆゆーん!」 むしゃむしゃと木の実を食べる群れのゆっくり。しかしその顔はどこか寂しそうだ。 「みんなゆっくりできなくなっちゃったね・・・」 「れみりゃもゆっくりできるこだったのにね・・・」 「みゃみゃ・・・」 そんな時だった。森の奥から騒がしい音が大量に聞こえたのは。 「ゆー? なにかくるわドス!」 その衝撃で木々が震えた。何かがやってくる音が響く。それも大量にだ。 そしてその音はついにドス達の目の前にまできた。その正体は・・・ 「うー! ごうまかんのおぜうさまのめいどにふさわしいドスだぉ~♪」 「そうですわねおぜうさま!」 「ゆっくりしね!」 「じゃおおおおおおおん!」 「あたいったらさいきょーね!」 「「おりきゃらじゃねーよ!」」 「すぐおいしい・・・すごくおいしい」 れみりゃからさくや、ふらんやちるの。果てはめーりんにあきしまいにれてぃ。 大小様々なゆっくり達だった。その数は多すぎてドスでも数える事ができずなかった。 「ゆゆ! みんな! どうしてドスのところにきたの?」 ガヤガヤとうるさいゆっくり達に向けて質問するドス。すると 「むきゅん! ずっとまえにあったおにーさんにおしえてもらったのよ! だれでもゆっくりさせてくれるドスがいるって!」 「そうだど~♪ れみぃはえれがんとなかりしゅまだから~♪ とくべつにれみぃをゆっくりさせてあげるけんりをあげるどぉ~♪」「ゆゆ! さっさとれいむたちをゆっくりさせてね!」 「「「ゆっきゅちちゃてぇてね!」」」 と言われても、ドスが守れる範囲を明らかにオーバーしている。こんなものはゆっくりでさえ無理だとわかるレベルだ。 「ゆゆ・・・こんなにいっぱいはドスもむりだよ。ゆっくりりかいしt。」 「どうじでぞんなごどいうのおおおおおおおおおお!!!!」 「れーみゅたちをゆっきゅちちゃちぇないなんてさいていだね!」 「かわいそうだとおもわないの? そんなのどすじゃないわ!」 「ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 たちまち罵声を浴びるドス。そして観念したかのように 「わかったよ・・・。ゆっくりしていってね。」 そういって受け入れる事にした。 そして夜。さっそく問題は発生した。 「ゆゆ~。ゆっくりうまれてね~♪」 「ゆー♪ ゆー♪」 頭に茎の生えたれいむ。その先に生えている子供に話しかけている時だった。 「うー! ちっちゃいあまあまはおいしいよおねーさま!」 ぶちぃっと産まれてすらない赤ん坊を収穫し、美味しそうに食らうれみりゃとふらん。 「うまいどぉー! さくやにもとくべつにたべさせてあげるんだっどぉ~♪」 「でいぶのあがじゃんがあああああああああ!!!」 捕食種と一般のゆっくりがお互い仲良くできるはずもなく。 ドスの帽子では。 「ゆゆ! ここはまりさたちのゆっくりプレイスなんだぜ! ありすたちはとっととでていくんだぜ!」 「ありすたちはさいしょからどすのぼうしでゆっくりしてたのよ!」 「うるさいよ! ありすたちがはいったらせまくてゆっくりできないでしょ! ばかなの?」 「ゆっくりおちるんだねー! わかるよー!」 「もこたんいんしたお!」 ドスの帽子の中を巡って抗争が起った。 とあるグループでは。 「にんげんさんはゆっくりぷれいすをどくせんするひどいひとたちだよ!」 「ゆっくりおやさいをたべにいこうね。」 こんな会話が飛び交った。 「みんなゆっくりしてよ!!! どうしてゆっくりしないの!!!」 ドスが大声で言ったとしても。 「でびりゃだぢのぜいでゆっぐじでぎないいいいいいいいいい!!!!」 「あまあまがないとゆっくりできないどお~」 「ずっぎりじだいいいいいいいいいいいいいいい!!!!! ばりざあああああああああ!!!!!」 「あたいったらさいきょーね!」 「あたいたちにでばんを!」 「どすがおやさいをとってくればいいんだよ! そしたらもっとゆっくりできるよ!」 全員が好き勝手にゆっくりさせる様に要求する為始末に負えなかった。 仕方なく、ゆっくりオーラで数十分かけて全員をゆっくりさせたドス。 しかしオーラもそう便利なものではない。一度使えばしばらくは何もせずに、ただゆっくりするだけになってしまうゆっくりオーラ 外敵からはあまりにも無防備なのだ。 「ゆゆ・・・どうすればいいの・・・」 ドスのぼやきは誰にも聞こえなかった。 ドスはその晩、決心した。これはきっと真のドスへの試練なのだと。そう思う事にした。 とある男の言葉を思い出す。全てのゆっくりをゆっくりさせるのがドスの指名なのだと その日から森の様子は一変した。 数とドス。その二つの武器を手に入れたゆっくり達に敵う動物など居なかった。 我がもの顔で食べ物を食いあさり、平気で動物に喧嘩を売るゆっくり。 何かあってもドスが助けてくれるので問題などなかった。 相変わらず、食ったり食われたりや、おうち宣言や強姦などで死亡したゆっくりは多かったが、 それ以上にゆっくり達が増え続けるので群れの増加は止まらなかった。 こうなると恐ろしいのが食糧不足である。ゆっくり達もそのことは考えたらしく 畑を襲おうという意見が群れの大半を占めた。 古参のゆっくり達は 「むきゅん! こんなむれにはもういれないわ! ぱちゅりーたちはゆっくりできるばしょをさがすわ!」 そんな事をいって群を抜け出すゆっくりが多数現れた。 瞬く間に山を荒らした群れは、仕方なく他の山を目指す事になった。 他の山にはもちろん、その山に住んでいるゆっくり達が居たが、みながドスへ合流した。 そして山を荒らす。山を草木一本を生えない荒地にして、また次の山へ 時には畑を襲う事もあった。人間はドスに怯えて何もしてこなかった。 他のドスにあったこともあった。しかし何故かそそくさと離れていった。 気がつけば、群れのゆっくり達は、皆ゆったりとしていた。 「うー! かわいいあがちゃんだっどぉ~♪ えれがんとなたかいたかいだどぉー!」 「ゆゆ! おちょらをとんでりゅみちゃいー♪」 「れみりゃはすごいね! こんどはまりさもたかいたかいさせてね!」 「うー! ゆっくりあそんで!」 「ふらんのはねはとかいはね~♪ すっごくきれいだわ~」 「あたいったらさいきょーね!」 食料も何もかも豊富なせいか、群れ同士の間で捕食種や一般の垣根が消えていた。 全員が仲良くゆっくりと野原でくつろいでいた。 ドスは思った。これこそが真のゆっくりのあり方なのではないかと。 全員が種類の壁を越えて、ゆっくりとしているこの光景。これこそが『全員がゆっくりする』ということではないのかと。 そう思うと同時に、今までの苦労が報われた気がしてきた。 (こんなゆったりとしたむれをもてて・・・ドスはしあわせだよ・・・) ドスの目からうっすらと何かが流れ落ちた。 「ゆゆ? どうしたのどす? ゆっくりぺろぺろしてあげるよ?」 れいむが心配そうに声をかけてきた。思えば唯一残っている古参のゆっくりだ。 「ゆ! だいじょうぶだよ! ちょっとゆっくりしてただけだよ!」 そういってほほ笑むドス。 れいむが微笑み返した。本当にゆっくりした顔だ。 それが弾けた。 何が起きたか分からなかった。気がついたら、れいむはあんよの部分を残してどこかへ消えていた。 ドンッ!という音が聞こえた気がした。でもよくわからない。 何が起きたのか把握できない。 辺りを見回した。群れのみんなが何か攻撃を受けている。なんとかしなければ。 どこに敵がいるのかわからない。探す。探しまわる。みんなを帽子に隠そうとしたが止めた。一か所に集まるのは危ない。 バラバラに逃げるように指示を出した。みんな指示を聞く前に逃げていた。 死にかけたありすがこちらに向かって何か言ってる気がした。目の前に誰かが現れた。ピカッ!と光った。 こちらも負けじとドススパークを撃った。そして何も見えなくなった。 「目覚めたのね。気分はどうかしら?」 目覚めると、目の前に綺麗な女の人が居た。赤と青の、ドスの目から見ても変わった服を着ていた。 「ゆゆ? ここはどこなの?」 動こうとするが、何故か力が入らない。喋るだけでもすごく疲れる。 「ここは永楽亭よ。そして貴方は今動けない。当然ね。今までずいぶん酷いことをしてきたもの。」 おねーさんの話は全く理解できない。抗議の一つでもしようと思ったが口が開かない。 「貴方にはしばらくここでゆっくりしてもらうわ。ドスはとても稀少なの。」 (きしょう?) 意味がわからずに、心の中だけで首を傾げた。いや、そんな事より群れのゆっくりはどうなったのだろうか。 心配だ。 「紅白巫女が来る前に捕えられてよかったわ・・・群の事が心配なのね?」 (そうだよ! みんなはどこなの!) 最早、目しか開かないので目で訴えてみた。それが通じたのか、おねーさんは少し笑った。 「ここにいるわよ。」 おねーさんはそういって箱を目の前に持ってきた。 中には群れのゆっくり達が居た。でも誰だかわからない。みんな髪の毛も飾りも目もない。 あるのは口だけだった。 「ゆっぐじざぜないどすはゆっぐじじねええ・・・」 「ぼう・・・いや・・・ゆっぐじじがい・・・」 「どずがばるい・・・んだよ・・・」 「れーみゅもいういや・・・・」 どうしてこんなにゆっくりできてないのだろう。誰がこんな酷い事をしたのだろか。 「大丈夫よ。これからは私がゆっくりさせてあげるから。」 おねーさんはまた笑った。でもさっきのとちがってちょっとこわい。 あたまがぼぉーっとしてきた。もうなにもきこえない。ゆっくりさせたい。みんなゆっくりさせたい ゆっくりしていってね・・・ 「へえー。永遠亭が巨大なドスの群れを制圧か。」 「そうらしいですね。おお、こわいこわい。」 そういって秋風が吹く中をバッサバッサと飛んでいくきめら丸。なんなんだアンタ。 俺はきめら丸が持ってきた新聞を読んでいた。なんでもきめえ丸達が人間用に新聞屋を始めたらしい。 飼い主である烏天狗たちの新聞より人気だとか。 新聞を詳しく読んでみる。どうやら永遠亭はこの機会にドスの大量捕獲に乗り出すようだ。 「そういや・・・あいつらどうなってるのかな・・・」 夏に出会ったドスを思い出す。家に勝手に住み着いたゆっくり達を引き取ったドスだ。 実の所は、殺すのも食べるのも抵抗があったのでたまたま出会ったドスに押しつけた訳だが。 しかし、挑発したとはいえ、ドスが捕食種を預かるとは思わなかった。 その立派な姿に感動して森で出会ったゆっくりによくドスの話をしたものだ。 あのドスなら本当に、全てのゆっくりをゆっくりさせることができるのかも知れない。 そんな事を思いながら茶を啜った。 【後書き】 クリスマスにはみすちーを食べる予定・・・すみません嘘をつきました。 byバスケの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/4106.html
『れみりゃは死んだ』 2KB 小ネタ 自業自得 捕食種 現代 セリフ無しSSを試しに書いてみました(最期にちょっととあるけど) れみりゃは死んだ 数刻前、彼女は街を手足を大きく振って踊りながら歩いていた 満面の笑みで太った体を揺らす様子は、典型的な胴付きれみりゃのものであった 彼女は底なしの食欲で出会うゆっくりを残らず平らげる そのゆっくりの飼い主がそばいるにも関わらず、だ だが彼女の蛮行を止める者はいない 彼女の帽子に輝く白銀のバッジのせいだ 人々は歯を食いしばり、拳を握りしめそれを恨みを込めて見つめるしかない 彼女の都合の良い目にはそれは映らなかった 高貴な自分を羨望の眼差しで見ているとさえ感じていた さらに歩き続けていると、男が立ちはだかる 男は口を開いた 曰く、高貴な自分にふさわしい果実が用意されているという 男はその場所まで案内すると、速やかに立ち去った 彼女の前に皿の上に山と積まれた赤い果実が現れた 赤の実と緑のヘタの色合いがトマトを連想させるがここまで細長くは無く、そもそも小さすぎる 赤い色の野菜を他に想像できない彼女は、自分の好まないもの、野菜ではないと判断した 鮮やかな赤い色が食欲をそそる 口に入れた瞬間に甘さと鮮烈な香りが広がることを思う 唾液が唇からこぼれる 先ほどまでゆっくりを食べ歩いていたにもかかわらず、彼女の食欲は限界に達した 両手で皿を持ち上げると、顔から埋まるようにして食べ始めた 当然彼女の口に広がったのは甘さなどではない それとは対極に位置するもの、辛さだ 彼女がたった今頬張っているものは唐辛子であった 顔が一瞬のうちに赤くなり、発汗を始める 常に絶やさなかった笑顔も消え、目を見開く 気が動転したためか持ち前の意地汚さからか、激痛のする口を押さえる 座り込み、倒れ込み、ついに地面を激しく転がり始めた 自慢の洋服が汚れるのも破れるのも犬の糞が付くのも気に留めずだ 人間でも耐え難い苦痛が襲うのだ、痛みに極端に弱いれみりゃの反応は当然だ しばらくたつと、彼女は口を開け飲み込まずに残った唐辛子の残骸を吐き出した ようやく原因に気づいたのである まだ痛みは続くようだが、ほんの僅かに安心の表情となった しかし本当に苦しいのはここからだった ちょうど土下座の様に地面に手を付き顔を向ける彼女の口から雪崩のように肉餡が吐き出される 彼女は突然のことに動揺しているが、当然のように予測できることだった 辛さというのはゆっくりという種族に共通する猛毒である 口のなかに唐辛子を詰め込んだら嘔吐死は免れないのだ しかし彼女は偶然にも口を押さえていたため、嘔吐を抑えることができた だが口を開いた今、こみ上げる肉餡を抑えるものはなかった 彼女の恐怖は計り知れないものであった 中身が出過ぎれば死ぬことは、バカな彼女でも知っている 自分の体が減っていくのが感じられる そんな彼女が心で唱えるのは一つ 従者の名である れみりゃという種族が口癖のように言うあの従者だ しかし会ったことも見たこともない、居もしない従者は来ない それでも唱え続ける、何度も何度も 彼女は自らの従者の助けを強く信じる だがやはり来るはずはない 肉餡の嘔吐がとまったが、助かったわけではない もはや吐き出すものがないのだ 彼女には皮と内側にこびりついた僅かな肉餡、そして丸い中枢餡だけが残っていた いかに手を尽くそうと、彼女が生きることはできない それは誰の目から見ても明らかであった 「ざぐ…やぁ……」 それでも彼女は最後まで、自らの絶対の守護者の名を呼び続けた 可能な限りセリフなしでSSを書いてみようという実験で書いてみました、難しいですね 初投稿では無いけど、過去作は書かないことにしておきます
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/1434.html
れみりゃ「がぉー!たーべちゃーうぞー!」 そう言ってにじり寄るゆっくりれみりゃ。いつもは楽しく遊んでくれるのに・・・。 れいむ「ゆ、ゆゆ・・・」 れいむ「たべぢゃやだよ”・・・」 れみりゃ「がおー!」 れいむ「ゆ”・・・ぶぇえええええええんん!えええええん!!」 泣き出すれいむ。 れみりゃ「が・・・ぉ・・・れいむ?」 れいむ「やだああいつものたのしいれみりゃにもどってよおおお」 ショックを受けるれみりゃ。 れみりゃ「ご・・・めんね?もう・・・たべちゃわないよ?・・・」 れみりゃ「わ・・・だじ・・・まじがっでだの・・・」 れいむ「ゆ?・・・れみ・・りゃ?」 れみりゃ「う”ぇ----ん!!う”ぇ-------ん!!」 そう言ってれみりゃはれいむを抱きかかえた れみりゃ「ゆっぐりずるがらね!もうおぞわないよ!」 れいむ「ゆ・・・れみりゃゆっぐりじでぐでるのぉ?」 れみりゃ「ゆっぐりずる!ゆっぐでぃずどぅど!」 れいむ「ゆぇええええんんよがっだよぉおおおお!!」 れみりゃ&れいむ「ゆっぐりじでいぐね!!!」 いや…意味分からん -- 名無しさん (2009-08-08 14 10 35) なんというオナニー作品 -- 名無しさん (2010-09-12 16 53 55) 捕食者と非捕食者との種を越えた友情がテーマということでFA -- 名無しさん (2010-09-12 18 51 00) もう少し話が欲しい所だね まるでちょっとした話の一部分だけ切り離したような感じだ… -- 名無しさん (2010-09-12 22 21 36) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4993.html
ゆっくり飛行隊「峡谷封鎖作戦」 俺設定のゆっくりが出てきます ゆっくり飛行隊からの続きです 「れみ☆りゃ☆う~☆」 「うー♪うー♪」 れみりゃとうーぱっくが体をくねらせて踊っていた 「う~えれがんとなおどりなんだど~」 「れみりゃたちのえれがんとなこーまかんはばかなにんげんにはきづかれないんだど~☆」 大きな川が下に流れる峡谷の谷側に大きく削れた棚の様な場所があった かなり広く、そこには枯草やら何やらでドーム状に巣を作ったれみりゃとうーぱっくのコロニーが点在していた 一つの大きな巣だと思ってよく見てみると小さなドーム状の巣が密集している 谷の断崖にそってできた溝のような「棚」そこに300匹近くのれみりゃがひしめいていた うーぱっくも含めると優に500は超えるであろう大集団である 比較的、街に近く、山から街へゆっくりが逃げ出した今となってはこのコロニーを拠点に 街や、街の郊外まで飛んで行ってゆっくりを捕まえていた 通常、家族単位でしか群れを作らないれみりゃがこのような大集団を形成するのはかなり珍しい それほどこの断崖絶壁の峡谷が天然の要塞となって他の捕食者かられみりゃを守っているという証明である 昨日から雨が降りだしており、峡谷の棚に作られた数々の巣の中や外にれみりゃたちが思い思いゆっくりしていた そこに変なうーぱっくが飛来する 「うー?うー!うー!」 「なんだど~?かわったうーぱっくがいるど~?」 傘をさしてうーぱっくと共に身を乗り出してそれを見る体つきれみりゃ 気がつけばその棚にいるすべてのれみりゃやうーぱっくが同じように眺めていた 「きっときりでよくみえないからかえれなんだど~☆れみりゃたちののうさつ☆だんすでゆうどうしてやるんだど~」 自身の味方だと思ったのか大小様々なうーぱっくやれみりゃが声をあげ、からだをグネグネと動かしだす 遠目から見ればビッチリと詰まった渓谷の割れ目に何かがう蠢いている様に見えた そのダンスに気づいたのか、うーぱっくがこちらに向かって飛んできたように見えた 雨と、それに伴う霧でよく見えないが確かに「オレンジ色の光」をチカチカと出してこちらへ向かってきた その瞬間コロニーの端にいた、れみりゃとうーぱっく20匹近くがバラバラになって峡谷へ吹っ飛んで行った 「う"あ"あ"あ"あ"あ"!!なにずるんだどおおおおお!!!???ぞれはれみりゃどうーばっぐだどおおおおおおお!!!」 一斉に大声でわめきながら枯草で作った巣に隠れるれみりゃとうーぱっく、全員がそれぞれ恐る恐る巣の入り口からそのうーぱっくの動向を探っていた 「ざぐやああああ!!!だずげでええええええ!!!」 逃げ遅れ、錯乱状態にあった子れみりゃが雨が降っているにもかかわらずに棚の外へ飛び立った、その瞬間雨が容赦なく降り注ぐ 「ぎゃあああああ!!??おじでいぐどおおおおお!!??」 水滴のあたる勢いでどれだけ羽ばたこうとも高度を上げられない子れみりゃ、はたから見ればゆっくりと降下している様に見える ブーンと言う音を出しながら飛んでくるうーぱっく、オレンジ色の光をまたチカチカと出したかと思うと子れみりゃに何かが当たった 「ぶぎゃあああっ!?」 子れみりゃは一瞬で木っ端微塵に破裂した、そのまま残骸が川の方に落ちていく 「れびりゃのあがぢゃんがあああああああああ!!!!」 親であったと思われるれみりゃが巣から飛び出して叫ぶ、それを聞きつけたかのようにうーぱっくがこちらに不快な音を出して近付いてくる 「ぐるなああああ!!??ざぐやあああ!!ざぐやああ…ざ…!ぶぅおええ!!」 その場にへたり込んで泣き叫ぶれみりゃに容赦なく降り注ぐオレンジ色の何か、飛び出したれみりゃはバラバラになって飛散した 同じように逃げ置くれてへたり込んでいるれみりゃやうーぱっくに次々とオレンジ色の光が放たれる 「う"あ"あ"あ"あ"あ"!!??いだいどおおおおお!!」 「ぶぎょ!!」 「だづげでぇぇ・・・ぶ!!」 一瞬でバラバラになるもの、体の半分がけし飛ぶもの、体のあちこちが吹き飛ぶもの 逃げ遅れたれみりゃ達は半数が物言わぬ肉まんに、半数が大けがを負ったものとわかれて峡谷の棚に転がった 外に出ては命がない――― 全ての棚のれみりゃ達は巣の中に入って息をひそめた、ブーンと音が近づくたびに霧で見えない恐怖で恐れおののく そのうーぱっく暫く飛んでいると引き返していった 恐る恐る巣から出てくるれみりゃたち 「いだいどおおおおお!!れびりゃのあじがあああああ!!!」 「う"う"う"う"う"!!!」 「れびりゃのあがじゃんがあああああああ!!!」 「みゃんまあああああああ!!!!のぼっでぎでえええええええ!!!」 「おでがいでずうううう!!!ぜめでずのながにいれでぐだざいいいいいいい!!」 「こんなぼろくずはえれがんとじゃないんだど~☆こーまかんにはいるしかくはないんだど~」 「そうだど~☆そこでそうしてるといいど~☆ 「ぞんなああああああああ!!!」 逃げ遅れたれみりゃ達、動けないれみりゃたちを尻目に、体を寄せ合い無事を確認する 哀れ逃げ遅れたれみりゃとうーぱっく達は巣にも入れてもらえないまま横雨が時折入る巣の外にそのままにされたのであった 「ここはもうあぶないど~…あめがやんだらどこかへひなんするど~」 群れ全体がここを危険だと判断したのか、雨が止むのまで息をひそめて待つ事にしたれみりゃ 雨は一向に上がる気配もなく降り続いている・・・ 「どうだった?」 「れみりゃとうーぱっくの群れは峡谷の棚みたいになった所に集団で営巣してるみたいだ」 加工所の職員に聞かれてそう答える体つきまりさ、先ほど峡谷にP-⑨Aで強硬偵察に出ていたのはこのまりさである まりさは続けて報告を続ける 「一番端のところに攻撃を加えたら全部巣に引っ込んだ、多分雨が止んだらどこかへ一時的に非難するんじゃないだろうか」 「と言ってもこの雨はあと3日は続くぞ、しかもあんな群れを全部退治しなきゃいけないなんてなぁ・・・」 職員は頭を抱えてため息をつく、街に下りてくるゆっくりの数が極端に増え、それに伴い、れみりゃやうーぱっくの数も増え、街はその被害に悩んでいた 人間では容易に立ち入れない峡谷の断崖に巣を作った大規模なれみりゃとうーぱっくの群れ、それの対応に選ばれたのがゆっくり飛行隊であった 「…昨日から雨が降っていたとしてれみりゃは何日持つんだろう?」 「どういう事だ?」 「このまま雨が降れば、あの群れはじきに全滅するぜ」 立て続けにまりさが喋る 「仮に昨日から群れが狩りをしてないと考えた上で、昨日から数えて四日間何も食わずに過ごさなきゃならない、捕食種は生きたゆっくりしか食べない、あの峡谷から考えて貯蔵した食料なんて無いんだろう」 それを聞いた職員は何かを閃いた様にまりさに向かって言い放った 「そうか!このまま雨が降り続ければ群れは餓えて…」 「しかし、実際上の方は三日も待ってくれないよ…捕食種は大体二日食わなきゃ餓死する…雨が止んだのを見て確認を取りに行くんじゃ間に合わない」 「じゃあ、どうするんだよ?」 「定期的に飛び回って巣から出たら攻撃を加えるんだ、谷に釘付けにして、一か所に集める」 「それから?」 「朝を待って巣に攻撃をかける、明るい時の方が確認が取れるしな」 「いい考えだな、やってみよう」 「れみりゃは夜行性だ、そう…夜間は1時間に一回、昼間は三時間に一回位飛びまわれば十分だろう」 「わかった」 「夜まであと3時間…」 こうして持久戦に持ち込む方向が取られた、早速夜間は1時間置きに昼間は三時間置きで15匹交替で峡谷を飛び回る用意が取られる プロペラの音が遠ざかっていく 雨は勢いを残したまま未だ降り続いている… 「う~・・・」 「おなかすいたど~・・・」 巣かられみりゃとうーぱっくの群れが出ていた 一様に空腹を口にするれみりゃたち、うーぱっくも力なく翼を動かして空腹である事を示していた 「まんまぁ~おなかすいたど~あまあまかぷっでぃ~んがたべたいど~」 「…がまんしてほしいど~あめがやんだらまちまでゆっくりをつかまえにいくど~」 「いやだどおおおおおお!!いまずぐあまあまがたべたいどおおおおお!」 「おながずいだあああああああ!!」 口々に喚く子れみりゃを宥めるれみりゃ、その途端他のれみりゃの悲鳴が聞こえた 「「ぶぎゃああああ!!!」」 周りの様子をうかがうれみりゃとうーぱっく達 枯草で作った巣が一部吹き飛び、体に火がついた体つきれみりゃとその子と思われるれみりゃがのと打ち回っていた 「あづいどおおおおおおお!!!!だれがひをげじでぼじいどおおおおおおお!!!」 「うぎゃああ!!!ざぐやああああああ!!だずげでええええええええ!!」 「う"~!!!う"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」 そのれみりゃたちはこらえきれず外に飛び出して峡谷の川へと落ちて行った 「「ざぐやあああああああああああああああ!!!!」」 霧の中に声と一緒に吸い込まれていった… またブーンというあの音が聞こえてきた、あのうーぱっくだ!光ってる!今度は3匹もいる! 一斉に巣の中へ避難するれみりゃとうーぱっく達 声を殺して巣の中に潜む、30分間そのうーぱっくは飛びまわってどこかへ行ってしまった 恐る恐る巣から出てくるれみりゃ達、その瞬間地面がバチバチと弾けた 「「うわああああああああ!!??」」 巣に急いで戻るれみりゃ達外を見るとまたあのうーぱっくがいた、また三匹も――― 「どーじでうーばっぐがまだいるんだどおおおおおおおお!!??」 峡谷にれみりゃ達の声が響き渡った 「しまった、さっき帰って行った11番機が巣をちょっと飛ばしちまったみたいだ」 「注意してくれ、巣に入れば安全っていう思考だけは残すんだ」 「後は近くを飛んで威嚇するんだ」 「了解」 この作戦の発案者であるまりさが僚機を2機引き連れて霧の立ち込める峡谷に機体を下降させていく 断崖近くをできる限り飛び回る、側面を見ると巣の中に籠っているれみりゃが一瞬見えた 遮るように通信が入る 「まりさ、そろそろ交代だ、引き上げるぞ」 「もう日没か・・・」 すでに低く垂れこめる雲が見えなくなるくらいあたりは暗くなっていた、 …夜になってもそのうーぱっくは空を飛び続けていた すでに一日半以上何も口にしていないれみりゃとうーぱっくの群れ 捕食種とその亜種は大体で2日、物を食べないと餓死してしまう 口に入れば草だろうと木切れだろうと何でもいいのだが、群れを作って狩りをしているこの捕食種の群れは不運な事にそこまで食糧事情に逼迫するような事はなかったのだ まりさの目論見通り食料の貯蔵、つまりゆっくりを生かしたまま巣にもって帰るという事をしていない おまけに地肌が見える断崖に巣を作っている、食べられそうなものは巣を構成している枯草ぐらいなものだが、巣に入っている限り安全なんので口にはできない すでに雨が降り出したから昨日の朝から何も食べていない、 空腹のリミットまであと12時間、長い夜が始まった… すでにあたりは漆黒に包まれた、雨の降る音とブーンと飛びまわる「うーぱっく」の声しか聞こえない 「う~☆しずかにしてるならでてもきづかれないんだど~☆」 「はやくうんうんをすませるんだど~」 「わかったど~」 「う~♪う~♪」 50匹近くのれみりゃとうーぱっくが巣から出てきて谷の棚の端に集まって外に向かって排泄を開始した 押し合いへしあいをしながら端に行く様子を発見したまりさは機体を翻して集まった部分に機首を向けた 照準に入った瞬間にトリガーを引くまりさ、スティックやレバーを巧みに使って平行に機体を移動させながら掃射していく バババッという音が響き渡る、確認できぬまま、まりさはスティックを引いて一旦反転した 「ざぐやああああ!!ぶぎゅっ!」 「うああああああああ!!??」 「「みづがっだんだどおおおおおおお!!」」 「どぐんだどおおおおおおお!!」 「おぢるどおおおおおおおお!!うああああああ!!」 一瞬で半数以上が物言わぬ肉まんとなって吹き飛んだ パニックになった一団は断崖絶壁の端で押し合いをしながら巣にもどっていく さらに数十が雨が降りしきる漆黒の峡谷へと真っ逆さまに落ちて行った 再び巣の中から出られなくなった群れ、あちこちでうんうんやしーしーを始めてしまい巣の中は異臭で満ち満ちていた 「ぐざいどおおおおおお!!しーしーをれみりゃにかげるなどおおおおお!!」 「うううう!!」 「れびりゃのぶりぢーながおがああああああ!!」 すでに巣の中では喧嘩等のトラブルが続出していた、しかし誰も決して巣から外に出る事はなかった 数時間はそんな事で殺気立っていた群れだったが夜明け前近くになると、殆どが大人しくじっとしていた できる限り体力を温存しようとしたからだ 夜が明ける、雲が割れて朝日が差し込んでいる、雨は霧雨程度になっていた、外には昨晩逃げ遅れて置き去りにされたれみりゃやうーぱっくがブヨブヨの何かになって転がっていた 横雨を受け続けたせいで、ふやけてしまったのだ 朝が来てもまだ静かに巣の中に潜んでいるれみりゃとうーぱっくの群れ すでに昨夜のトラブルで潰れた個体と体力の無い子れみりゃや子うーぱっくの半数以上が息絶えており 500を超える群れはすでに半分以下に数を減らしていた またうーぱっくがやってきた、今度は数が少ない、1つのシルエットが朝焼けを受けて光っていた 翼の下に丸い何かをつけて――― 「こちら13番機まりさ、これより巣に攻撃を加える」 そうレシーバーに向かって言うと、アビオニクスを操作して翼下のロケット弾に兵装を切り替えた 丸い照準がヘッドアップディスプレイ越しに表示される、その先には枯草のドームがあった 群れを作らなきゃ人間には見向きもされなかったのに… 「運が無かったな…」 そう呟きトリガーの引き金を引いた 煙と轟音をまき散らしながら、無誘導のロケット弾が片翼から7発づつ、計14発は巣をめがけて一直線に飛んでいった… ロケット弾が直撃した巣の中は、地獄の様相を呈していた 「うああああああ!!!あづいどおおおお!!あづいどおおおおお!!」 「ぶぎゅあああああああああ!!!ぶぐにひがうづっだどおおおおおおおお!!」 「だれがぼうじのひをげじでほじいどおおおおおお!!」 「ざぐやああああ!!!」 「ううううううう!!!」 爆風で苦しまずに吹っ飛んだれみりゃやうーぱっくはまだ幸せな方だった 枯草が原料の巣はぼうぼうと燃え上がり、れみりゃの帽子やうーぱっくの体に火がついて一瞬で火だるまになった 中の肉まんのあんの部分が燃えない限り死ぬ事はない ましてや雨が降って湿気が高くなった峡谷は、皮は燃えても芯まで火は中々通らなかった 「「あづいどおおおおおおお!!!」」」 崩落した巣を飛び出して散り散りに走り回るれみりゃと転げ回るうーぱっく、その大半がそのまま崖から転がり落ちて霧の彼方に消えていった 残りの半数はそのまま燃えて炭化してしまった こうして街のゆっくり被害の元凶であるれみりゃとうーぱっくの群れは見事に退治されたのである 風が吹きすさぶ峡谷の棚に二匹の体つきゆっくりが降り立っていた 「あ~ダメだ…完全に巣が燃えちゃってる」 「まだ煙を出してるれみりゃっぽいのがあるぞ」 二匹のまりさは、巣だった残骸の枯草の燃えカスや燃えた帽子の切れ端などを手に持って話し込んでいた ふと、一方のまりさが下に覗き込む川を見てつぶやいた 「落ちて行って助かったやつはいるのかな? 「まぁ、下は深いし流れも早い川だ、いくられみりゃでも助からんよ」 「こいつら森に散在してた方がゆっくりが散らずに捕まえやすいって何で気づかなかったんだろうか」 「無い知恵絞って考え出したんだろう」 「もしかしたら生き残ってるのいるかと思ったけど…誰もいないみたいだな」 「そろそろ帰ろう」 下に繋いであるボートにロープを使って下りていくゆっくりまりさ 手にはれみりゃの帽子が握られていた――― このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/701.html
『赤ちゃんゆっくりの冒険-前編-』 今宵は満月、けーねがきもけーねに変身する頃 巨大な倒木の空洞の中でうごめく二つの影があった。 一つは黒髪に紅白のリボンを付けたゆっくりれいむ、もう一つは金髪に黒い帽子を被ったゆっくりまりさだった。 その二匹の体躯は通常の成体ゆっくりよりもずっと大きく、一般的な成人男性の身長ほどはある。 そんな巨大な生首が満月の光で狂ったのか、激しく体を震わせながらお互いを求めて交尾していた。 「ゆっゆっゆ! れいむぅ! こんなのはじめてだよよよぉ!!」 「まりさぁぁぁ!! こんやはねかさないからねぇぇぇぇ!!!」 お互いの舌を艶かしく絡ませながら粘液にまみれた頬を擦り付けあう。 ニチャネチャと淫猥な音が辺りに響く。 「ああぁ! もっと、もっとはげしくやろうよぉぉ!」 「いいよぉ! でもすぐにすっきりしちゃだめだからねぇぇぇ!!」 「わかってるよぉぉ! いっしょにすっきりしようねぇぇぇ!!」 蕩けた瞳で見つめあいながら二匹は小刻みに体を上下して相手と自分を絶頂へと登らせていく。 まりさはすぐにでもすっきりしそうだったが、いっしょにすっきりしようと言ったからには先にすっきりする訳にはいかない。 自然とペースダウンして自分の性欲を静めようとする。 「まりさぁ! うごきがにぶくなってるよぉぉ? うごかないなられいむがいっぱいうごいてあげるねぇぇ!!!」 「れいむぅぅ! はげしくしたらだめだよぉ! すっきりしちゃうよぉぉ!!」 まりさはすっきりしないよう我慢するが、まだ余裕のあるれいむの激しい振動がまりさを襲う。 次々と与えられる快感の波に、元々我慢弱いまりさは容易く屈してしまった。 「ご、ごめんれいむぅぅ……す、すっきりー!!!」 だらしなく蕩けた表情のまますっきりするまりさ。 それを見たれいむは頬をプクっと膨らましてぷんぷん怒る。 「まりさぁ、はやいよぉ! がまんできなかったの?」 「れいむごめんね! でもすっきりがはやくてもかずでしょうぶするからね!!」 「ああっ! まりさぁぁぁ!!」 「きょうはあさまでふぃーばーだぜ!!」 夜が開けて朝の日差しが森を照らす頃 ようやく巨大れいむと巨大まりさの交尾は終わりを告げた。 二匹の体は茎にまみれ、茎の先にはプチサイズのれいむとまりさの実が、つまり赤ちゃんゆっくりがたくさん実っていた。 合わせて百以上は実っている赤ちゃんに養分を供給して昨夜のような元気が無く、顔も皺だらけになった二匹は最後の会話をする。 「ちょっと…すっきりしすぎちゃったね」 「うん。これじゃあかちゃんをそだてられないね……」 「でもだいじょうぶだよ。れいむたちに似てげんきでかしこいあかちゃんにまちがいないよ」 「そうだよね。まりさたちがいなくてもじゅうぶんゆっくりできるよね」 「……れいむはさきにねるね。いっしょにゆっくりできてたのしかったよまりさ」 「おやすみれいむ。…まりさもたのしかったよ………」 それっきり二匹の体は急激に黒ずんでいき、ゆっくりとその生を終えた。 残ったのはたくさんの実。すぐにでも目を覚ましそうな赤ちゃんゆっくり達だけだった。 「ゆっくりちていってね!!」 最初のすっきりで生えた茎の赤ちゃんゆっくりが目をぱちくりと開いて元気に産声を上げた。 その産声を皮切りに他の赤ちゃんゆっくりも次々と目を覚ましていった。 「ゆっくりちていってね!」 「ゆっくりちようね!」 「みんなでなかよくちようね!!」 みんな目が覚めて隣に実っている姉妹と雑談しているうちに一匹、また一匹と茎から切り離されて落ちていく。 落ちた赤ちゃんゆっくり達は初めての地面の上できゃっきゃと元気に跳ねまわり、頬を合わせてお互いの生を感じ取っていた。 産まれた百匹近くの赤ちゃんゆっくり達はどれも健康で、とてもゆっくり出来ていた。 だがお腹が減ってはゆっくりできない。 ここでようやく母親がいないことに気が付いた。 「ゅ? おかーしゃんどこにいるの??」 「ゆっきゅりおなかがすいたよ!!」 「このままじゃゆっくりできないよ!」 「おかーしゃーん!!」 キョロキョロと辺りを見回してみるが母親らしきゆっくりはいない。 あるのは自分達がぶら下がっていた茎と、その根元にある黒い変な物体だけ。 ここで一匹の赤ちゃんまりさが一つの回答を導き出した。 「きっちょ、おかーしゃんたちはまりさたちのためにたべものとりにいっちゃんだよ!!」 「ならあんしんしたね!」「ゆっきゅりまとうね!!」 「でもおなかすいたよ!!」「がまんできないよ!!」 親ゆっくりはきっと食べ物を持ってきてくれる。 しかし赤ちゃんゆっくりがお腹が減っているのは今なのだ。 何か食べるものはないかと見回して視界に入るのは親の残骸。 いや、赤ちゃんゆっくり達はこれを親だと認識できていない。飢えた今となっては食べ物にしか見えなかった。 「だったらここにあるへんなのをみんなでたべようよ!!」 「しょうだね! おおきいからみんなゆっくりできるね!」 親だったものに赤ちゃんゆっくり達が群がってむーしゃむーしゃと食べていく。 だがこれはよくあること。子を産んだ結果で死んだゆっくりは産んだ子の栄養となる。 今回は両親がどっちも子を産んで死んだのでそれを教えるものがいなかっただけのことだ。 「ゅぅ、おいちかったね!!」 「ゆっくりできたね!!」 「おなかいっぱいになったからこんどはあしょぼうね!!」 百匹近くいるとはいえ、親の残骸は人間程度の大きさだ。 赤ちゃんゆっくり達がお腹いっぱいになるまで食べても親の残骸はまだ原型を残していた。 いっぱい食べて元気になった赤ちゃんゆっくり達は巣の中で飛び回って遊びまわる。 本能なのか産んだ親の遺伝子を受けづいているのか、何となく外は危険だと感じ取って巣の外に出る赤ちゃんゆっくりは一匹もいなかった。 お母さん達が帰ってきたらいっぱい遊んでもらおう。 そんな幻想を抱きながら赤ちゃんゆっくり達は巣の中でゆっくりと過ごしていた。 それから三日経っても母ゆっくりは帰ってこなかった。 それはそうだろう。帰るも何も最初から巣の中に居たのだから。 その親の残骸もすでに残り少なくなっていた。 産まれた時から一回り大きくなった赤ちゃんゆっくり達の中には いくら待っても母ゆっくりは帰ってこないんじゃないかと考え始めるゆっくりもいた。 「おかーしゃんおそいね。ゆっきゅりしすぎだよ!!」 「このままじゃたべものなくなっちゃうよ!!」 「それじゃゆっきゅりできないよ!!」 赤ちゃんゆっくりでも巣にある残りの食料の量は分かる。 後一回みんなで食事したら全部無くなると。 「だったらおそとにいこうよ!!」 「しょうだね! おそとならたべものいっぱいあるよ!!」 何匹かのゆっくりが巣の外に出ようと言い始めた。 他の姉妹の反応は様々だ。 「ゆ! おそとはあぶないよ!!」 「いってみないとわからないよ!!」 「そうだよ! このままだとゆっきゅりできないよ!!」 「おかーしゃんはかえってくるよ!!」 結局意見は二つに分かれた。 外に行く派と母を待つ派の二つだ。 数が多いのは外に行く派で、全体の8割を占めた。 「ゆっ! たべものをゆっくりさがしゅよ!!」 「みんなでしゃがしてくるからね!!」 「ゆっくりちようね!!」 外に行く派の赤ちゃんゆっくり達はすぐに巣の外へと旅立っていった。 危険だと警告する本能を抑え、約80匹の赤ちゃんゆっくり達が巣の外へと初めて身を投じた。 初めての巣の外は気持ちよかった。 さらさらと吹く優しい風。どこからともなく香る草の匂い。ぽかぽかとする陽の光。 「すごい! ゆっきゅりできるよ!!」 「おうちにいるよりずっときもちいいよ!!」 「しゅっきりできるよ!!」 外に出たゆっくり達は見るもの全てに感動していた。 産まれてからの三日間は巣の中と入り口から見える小さな外の世界しか知らなかった。 こうして出てみると、どうして今まで出なかったのか不思議だった。 「こんなにゆっくりできるならおかーしゃんがかえってこないのもわかるね!!」 「しょうだね! でもかわいいれいむたちにかおをみせないなんてかってだよね!!」 「きっともっとゆっくりできるばしょにおかーしゃんはいるんだよ!!!」 「それじゃあみんなでさがしにいこうよ!!!」 「ゆっくりさんせい!」「ゆっくりさんせいだよ!!」 こうして赤ちゃんゆっくり達の冒険が始まった。 母を待つ派の中には外に出た姉妹の声に誘われて意見を変えたゆっくりがいたので、 結局おうちに残ったのはたった9匹の赤ちゃんゆっくりだけだった。 「ゆっきゅりきをつけてね!」 「あぶなくなったらもちょってきてね!!」 「おかーしゃんがかえってきてもしらないよ!!」 おうちに残る赤ちゃんゆっくり達の見送りの声を背に赤ちゃんゆっくりの集団は楽しそうに森の向こうへと跳ねていった。 残された9匹の赤ちゃんゆっくり達は旅立った姉妹の姿が見えなくなるとお互いの顔を見合わせた。 「みんないっちゃったけど、のこったみんなでゆっくちちようね!!」 「おかーしゃんがかえってきたらほめてもりゃおうね!!」 「おうちのなかでゆっくりちようね!!」 「おかーしゃんがかえってくるのがゆっくりたのしみ!!!」 いない母ゆっくりを待ち続けるこの赤ちゃんゆっくり達の運命はもう決まったようなものだった。 大多数の姉妹が冒険に出かけたので残りの食料ももうしばらく持つだろう。 しかし無くなったその時のことを考えるゆっくりは誰もいなかった。 巣に残ったゆっくりが窮地に立つのはまだ先の話。 『おかーさんのいるもっとゆっくりできるばしょ』を求めて冒険に出かけた90匹近くの赤ちゃんゆっくり達は現在森を元気に跳ねていた。 小さく足も速くないのでまだ元のおうちからはそんなに離れていなかった。 「ゆっゆっゆ!」 「はしるとたのしいね!」 「こんなにうごくのはじめて!!」 「ゆっ! むこうはひろくてゆっくりできそうだよ!!」 「みずがみえりゅよ!!」 「ゆっゆ! じゃあむこうへゆっくりいこうね!!!」 特に行き先は決まっていない。 先頭集団が何となくゆっくり出来そうな方向へ進み、後続のゆっくり達がそれに続いているだけだ。 今は先頭集団が見つけた木の少ない開けた場所、湖へと向かっている。 「ゆっくりついたよ!!」 「いっぱいはしってゆっくりちゅかれたよ!!」 「おなかしゅいたよ!!!」 「のどもかわいちゃよ!!」 「いっぱいたべれそうなくさがありゅよ!!」 「みずもたくさんあるよ!!」 「みんなでゆっきゅりたべようね!!」 湖の周りは赤ちゃんゆっくり達の背ほどの草木が生えていて、食べるのにはちょうどいい。 さらに湖なので水はたくさんある。赤ちゃんゆっくり達にとっては初めてみる水だ。 初めて見るのに"水"だと分かるのは、親ゆっくりの残骸を食べて知識を受け継いだ結果だ。 ただし分かるのは"水"であることぐらいで安全か危険かの判断はつかないし、ゆっくりの頭では想像もできない。 「ゆっゆ~、つめちゃくてきもちいいよ!!」 「すごいよ! うかべるよ!!」 「しゅご~い! れいむにもゆっくりやらせてね!!」 湖に飛び込んだ赤ちゃんゆっくりが冷たくて気持ちがいいと報告すると、 水は安全な物だと認識した赤ちゃんゆっくりが続いて湖に浮かんだり、水をガブガブと飲み始めた。 その様子を見た他の赤ちゃんゆっくりも湖の周りに集まって自分達も遊ぼうとし始めた。 と、その時だった。 「ゆっ!? からだがしずみゅよ!! だしゅげ…っ!!」 「さっぎまでうがんでだのになんじぇぇぇぇぇ!?」 湖に浮かんでいた赤ちゃんゆっくりの皮が水を吸って重くなり、水に沈んでいく。 その様子を見て湖で浮かぼうとした赤ちゃんゆっくりは陸へと逃げ戻る。 「みずのうえはあぶないよ!! ゆっきゅりもどってきちぇね!!」 一匹のゆっくりがそう叫んだが、すでに水の上に浮かんでいる赤ちゃんゆっくり達は自力で陸へは戻れない。 最初に浮かんでいた姉妹が沈んだのを見て泣き叫んでいる。 「あ"あ"あ"あ"あ"!! だれかだしゅげでぇぇ!! おがーじゃーん!!!」 「しじゅんできだよ! だしゅげでぇ! だしゅげっ……」 そこらに生えている草を咥えさせて引っ張れば助けられたのかもしれない。 だが赤ちゃんゆっくりにそんな知恵などあるわけもなかった。 ただただ泣け叫んで沈んでいく姉妹に声をかけ続けるしかなく、 湖に入った姉妹全員が沈み切った後も泣いていた。 「ゆぅぁぁあん!! ゆっきゅりできないよぉぉ!!!」 「ここはじぇんじぇんゆっくりできないよぉぉ!!!」 「ほがのどごろにいぎょうよぉぉぉ!!!」 残った赤ちゃんゆっくりの心は一つだった。 ここではゆっくり出来ないから他の所に行く。 赤ちゃんゆっくり達は怖いものから逃げるように跳ねていく。 進む先など考えていない。とにかく恐ろしい湖から離れたかったのだ。 しかし泣きながら跳ねていくゆっくり達の中、動けないゆっくり達もいた。 湖にこそ入らなかったものの大量の水を飲んでしまった赤ちゃんゆっくりだ。 「ゅ…まっちぇ…まっちぇぇぇ……!」 「おいちぇいかないちぇぇぇ……!」 もう少し育っていれば過剰に摂取した水分を小便のように排出することも出来たのだが、まだその器官がない。 餡子化できる限界を超えた水が体の餡子を溶かし、皮もぶよぶよになってまともに動けなかったのだ。 中には完全に体の中身が溶けてしまい、茶色の水たまりに沈むゆっくりすらいた。 もうこの赤ちゃんゆっくり達は助からない。 数秒で体内の水分が乾ききれば助かるかもしれないが、そんなことあり得ない話だ。 このまま体が溶けるか虫か何かに食われて死ぬことだろう。 湖から逃げた赤ちゃんゆっくり達は再び森の中に戻ってきていた。 適当な木の近くで立ち止まる。必死で逃げて来たので皆クタクタだ。 「ゅっゅっ…ちゅ、ちゅかれたよぉ」 「ゆっくり、やすもう、ね…」 「ゅぅ、ゅぅ…」 赤ちゃんゆっくり達は地面にへばりつくように垂れて体を休める。 走り回ってお腹が減ったゆっくりは雑草をもしゃもしゃと食べていた。 そんな中、一匹のゆっくりが毛虫を見つけた。黒いもさもさの付いた体でゆっくりと動いている。 「しゅご~い! とってもゆっきゅりしてるよ!!」 「これもたべられりゅのかなぁ?」 「ゆっきゅりたべりゅよ!!」 「あ! まりさじゅるいよー!!」 赤ちゃんまりさが毛虫を食べる。しかしそれはゆっくりが食べられるものではなかった。 毛虫の毛は柔らかい赤ちゃんまりさの口の中に刺さり、同時に変な味のする液体が口の中に溢れる。 毒だ。幻想郷に住むこの毛虫の毒は人間でも飲み込むと頭痛と嘔吐感が襲い、全身に軽い痺れが走る。 人間の大きさでそれなのだから小さなまりさはどうなるのか。 「ゆ"ぎゅべぇぇぇっぇぇぇ!!!!」 全身に激痛が走り、中身の餡子を吐き出してしまう。 「ゅゅ!? まりしゃだいじょうぶ!?」 「ゆっきゅりしていっちぇね!! ゆっきゅりしてねー!!!」 「なんでなのぉぉぉぉ!!!」 「ゆぶおぉぉぉぉっ!!! おぼっ………がぼっ……………」 赤ちゃんゆっくりにとっての嘔吐は餡子の容量が少ないだけに死に直結する。 まりさも例外なく体内の餡子を漏れなく吐き出し、そのまま死んでしまった。 だが周りにも同じように餡子を吐き出して死んでいく赤ちゃんゆっくりがいた。 皆同じ毛虫を食べた結果だった。 「ゅげぇっぉぉぉぉぉおっ!!!」 「ゆぼぼぼぼぼぉぉっ!!!」 「げぇぇぇえっぇぇぇっぇ!!!」 「ゅー!! ゆっきゅりしちぇよぉぉぉ!!!」 「はいちゃだめだよぉぉぉぉお!!!」 「はいたらゆっきゅりできにゃいよぉぉぉ!!!」 「むしさんたべたらゆっきゅりできないよぉぉ!!!」 辺りは餡子を吐き出すゆっくりの断末魔とそれを見て恐怖に震えるゆっくり達の悲鳴が響いた。 同時に赤ちゃんゆっくり達はこの毛虫を食べると死ぬと言う事を理解できた。 ゆっくり達にとって幸運だったのはこの虫の毒が即効性だったことか。 遅効性であれば気づかずにむしゃむしゃ食べてほぼ全滅していたことだろう。 赤ちゃんゆっくり達は十分休めていなかったが、 姉妹の死んだ場所ではゆっくり休めないということで再び集団で移動していた。 「ゆっきゅりはしろうね!」 「こんどこそゆっくりできるばしょにいこうね!!」 「みんなでいけばこわくないね!!!」 湖と虫の毒とでたくさんの姉妹が死んだが、それでもまだ70匹近くのゆっくりが生き残っていた。 しかしこれほど目立つ集団も中々ないだろう。これだけの数の赤ちゃんゆっくり達が群れを成して移動するなど普通はあり得ない。 あり得ないが、捕食種や野生の動物にとってこれ以上ない格好の獲物である。 先頭を進むゆっくり達の目に影が見えた。 「うー、うー!」 体付きのれみりゃだ。大勢のゆっくりの話し声に誘われて姿を現した。 赤ちゃんれいむと赤ちゃんまりさはれみりゃの姿を見て震えあがる。 赤ちゃんゆっくりでも本能的に知っている。自分たちを食べるゆっくりできないゆっくりであると。 「ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"! ぎょないでぇぇぇぇ!!!」 「ゅぅぅぅぅ!!!」 「みんにゃにげでぇぇぇぇ!!!!」 先頭のゆっくり達から連鎖して悲鳴の波が起こり、一斉に踵を返して逃げ出した。 「うー! つかまえるー! うあうあ♪」 「ゆ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"!!! は"な"ち"て"ぇ"ぇ"ぇ"!!!」 一匹の赤ちゃんれいむがれみりゃの手に捕まえられてしまった。 その手に握られた赤ちゃんは苦しそうに離してと懇願するがれみりゃはニコニコと無邪気に笑って聞いていない。 「は、はなちてあげてよぉぉ!!」 「ゆっくりできないよぉ!!」 「やめちぇぇぇぇ!!!」 大勢が逃げる中、何匹かのゆっくりは逃げずにれみりゃに向ってやめてとお願いする。 しかしそれは勇気というよりも無謀な行為である。 「うー♪」 「あ"あ"あ"あ"あ"!?」 もう片方の手でれみりゃに楯突いたゆっくりの一匹が捕まった。 れみりゃの片手に収まるほど小さな身体を必死に動かして逃げようとするが、 赤ちゃんゆっくりの力ではれみりゃの握力にすら敵わない。 「うー、たーべちゃうぞー!!」 「やめちぇっ…ゅ"ぁ"ぁ"ぁ"っ!! ずわないでぇぇぇ!!!」 先に捕まったれいむがれみりゃに咥えられて中身を吸われていく。 れみりゃの吸う力は強く、数秒で赤ちゃんれいむは皮だけになって二度と動かなくなってしまった。 次は二番目に捕まえたゆっくりの番だ。 「やぁぁぁ!!! やめちぇぇぇ!! おがーしゃーん!!!!」 「う~♪ うまうま」 「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」 二匹目も抵抗空しく餡子を吸われて皮だけになってしまった。 これを見た赤ちゃんゆっくりは圧倒的な力量の差に恐れおののいて固まってしまった。 それを見逃すれみりゃではない。体付きのれみりゃは燃費が悪い。だからたくさん食べないと満足できない。 れみりゃはそうして次々と赤ちゃんゆっくりを捕まえては吸い、捕まえては中身を吸い上げた。 「ゅぁぁぁ!!! ゆっきゅりできないよぉぉぉぉ!!!」 「なんでこんなことしゅるのぉぉぉ!!!」 そう言いながられみりゃの前から全てのゆっくりが逃げ出した。 れみりゃはそれを歩いて追いかける。 「うー、にげてもたべちゃうぞー!!」 「ゅー! きょないでぇぇぇ!!!」 れみりゃのよちよち歩きにすら、逃げた赤ちゃんゆっくり達は追いつかれてしまう。 手が伸びる。れみりゃの食事はまた始まったばかりだ。 れみりゃが先頭集団を襲ったことを知って後続の赤ちゃんゆっくり達は踵を返して元来た方向へと跳ねていく。 少なくとも今まで通ってきた道は安全だった。だから戻ればゆっくり出来る、と。 だが時が過ぎれば状況は変わる。 赤ちゃんゆっくりの集団を見つけて後を付けていた野犬数匹が踵を返した赤ちゃんゆっくり達と鉢合わせた。 「わふっわふっ!」 獲物から自分に飛び込んできて涎を垂らして喜びを表現する野犬たち。 見たことのない大きな生物だったが親の遺伝子によりに犬と分かる。 だが獲物として狙われていることに気づかない赤ちゃんゆっくり達は野犬に対して暢気に声をかけた。 「ゅ~? いぬさんはゆっきゅりできる??」 「もふもふしてゆっきゅりできてるよ!!」 「いっしょにゆっきゅりしようね!!」 今まで逃げていたことを忘れてお犬さんとゆっくりしようと飢えた野犬の周りに集まる赤ちゃんゆっくり達。 「わふっ!」 「ゅぎゃっ!?」 一匹の野犬が口の前にいた赤ちゃんまりさに帽子ごと噛み付いた。 それに続いて他の野犬も近くにいた赤ちゃんゆっくりへと襲い掛かる。 野犬の口は大きく、プチトマトより一回り大きい赤ちゃんゆっくりなど一口で頬張ってしまう。 口の中の赤ちゃんゆっくりは泣きながら逃げようとするが何度も噛み付かれ、物言わぬ饅頭と化して飲み込まれていく。 飢えた野犬がこんな小さな獲物一匹で満足するわけもなく、続けて二匹目、そして三匹と食べていく。 赤ちゃんゆっくり達は体中を震え上がらせ、またも踵を返して逃げ出した。 「ゅぅぅぅ!! おいぬさんゆっきゅりできないよぉぉぉ!!!」 「きょわいぃぃぃぃ!!!」 「ゅゅゅ!! こっちきちゃだめだよぉぉぉ!!!」 「なにいっちぇるの!? れみりゃがいるのぉぉ!!」 「こっちはおいぬさんがおそってきゅるのぉぉぉ!!!」 「や"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"」 れみりゃと数匹の野犬に囲われた赤ちゃんゆっくり達は大混乱である。 一箇所に固まり、逃げようともせずただ泣き叫び、少しでも捕食者から逃げようと中央に向かって必死にオシクラ饅頭する。 「ゅぎゅぁぁぁ!!! ちゅぶしゃないでぇぇぇえ!!!」 「もっちょつめちぇぇぇえ!!」 「ちゅぶれちゃうよぉぉぉぉ!!!」 「うあぁぁぁぁ!! おがーしゃんんんん!!!!」 オシクラ饅頭の中央の赤ちゃんは周りの赤ちゃんの圧力によって潰れされて、餡子を吐いて息絶え絶えだ。 しかしそれに構う余裕のあるゆっくりはいない。 オシクラ饅頭の外周にいる赤ちゃんゆっくりかられみりゃと野犬に食べられているのだ。 "今"は安全な中央に少しでも進もうと姉妹に体を押し付ける。 もうこのままゆっくり出来ないのか。このままみんな食べられてしまうのか。 絶望的な状況だったが、一匹の野犬により希望の光が差した。 「わふわふっ」 ふと、ガツガツと赤ちゃんゆっくりを食べていた野犬がれみりゃの姿を見つけた。 この甘ったるくてべたべたする小さな生き物と違い、肉の臭いがする生き物を。 それはそれはとても美味しそうな獲物を。 「ガウッ」 「うー? う"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」 一匹の野犬がれみりゃに飛び掛った。 野犬はれみりゃを押し倒すとすぐさま首へと噛み付いて食いちぎった。 「あ"あ"あ"あ"あ"!!! い"だい"~!! しゃぐやぁぁぁぁ!!!」 「わふわふっ!!」 れみりゃの中身は肉まん。野犬にとって餡子なんかよりもずっといい物だ。 その香ばしい匂いに誘われて赤ちゃんゆっくりを襲っていた他の野犬もれみりゃの元に集まる。 「ううううう!! だしゅげでぇぇぇぇ!!」 数匹の野犬によって体を貪られていくれみりゃ。 じたばたともがいて逃げようとするが野犬の力には敵わない。 そうしているうちに手足を噛み千切られてしまった。 「う"あ"ー! う"あ"あ"ー!」 赤ちゃんゆっくり達は呆然とれみりゃが襲われる様を見ていたが、しばらくして我に返ったようだ。 「ゅ、ゅっくりにげりゅよ!!!」 「おいぬさんありがとね!!」 「れみりゃはゆっくりしね!!」 「こっちだよ! こっちはゆっきゅりできるよ!!!」 「れいみゅとまりしゃはにげるからね!! しょこでゆっきゅりしていっちぇね!!!」 れみりゃと数匹の野犬の脇をすり抜けて、生き残った赤ちゃんゆっくり達は飛び跳ねていく。 非常にゆっくりとしたスピードだったが、 野犬たちはれみりゃを食べて「うっめ! めっちゃうっめ!」状態だったので気に留める犬はいなかった。 こうして残り数少なくなったが、なんとか全滅を逃れることが出来た。 生き残ったゆっくり達は皆どれも髪はボサボサ、飾りも汚れてしまっている。 そして何匹かは仲間の返り血、いや返り餡子で染まっていた。 最初の頃のように暢気に喋るものは誰一人いなかった。 (後編へ続く) by ゆっくりしたい人 =あとがき= 書いてる途中に色んな死亡パターンが頭に浮かんでしまってその選別に時間がかかりました。 結果として、簡単に死にすぎないように少し頭のいい赤ちゃんゆっくりになっちゃったかも知れません。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1380.html
「まりしゃ!これからもずっとゆっくりしようね!」 生まれたときから一緒だった。 「まりさ!これとってもおいしんだよ!」 一緒に行動して一緒の物を食べた。 「まりさの髪ってとってもきれいだね!うらやましいよ!」 私の金髪が綺麗だといつもほめてくれた。 「まりさ・・・!がんばってかわいい子供をつくろうね!」 家族になることを決めたときから大家族を目指していた。 「まりさは狩りが上手だね!いつもごちそうありがとう!」 子供が生まれてからは持ち前の運動神経でたくさんの虫や木の実を巣に持って帰った。 「まりさ!だいすきだよ!」 いつも言ってくれた愛の言葉。いっつもいっつも。 私だって好きだった。愛していた。嫌いだったわけが無い。 確かに喧嘩もしたしそっぽ向いたりもしたけど傷つけたいなんて思わなかった。ましてや殺したいなんて思うわけが無い。 思ってなかったのに・・・見捨てた。私は自分の子供を、れいむを見捨てた。見捨ててしまった・・・!!! それに嘘もついた。些細だったはずのその嘘はあの時、子供達にとって唯一の希望だった。 見られもした。顔を見られ、背中も見られた。 違うんだよ。違うんだって。別に嘘は・・・言ったけど・・・あの状況とは違ったから。 仕方ないじゃない・・!私がいてどうなったの?ただ一緒に食われるだけじゃない!助けられるわけが無かったんだよ!! そんな目で私を見ても無駄!呼びかけても無駄!助かろうとすることが無駄! じゃあ私が逃げたことは無駄じゃなかったの? え・・・?なんで?なんでそういうことぉおおおおおおお!!!! 「無駄なわけないよおおおおぉ!!!そんなこと言わないでよおぉおおおおお!!!」 私とれいむは赤ん坊の頃から仲がよくいつも一緒に遊んでいた。 他の子とも遊んではいたけどお互い二人きりで遊ぶのが一番楽しかった。 遊んでいる途中に食べ物を見つけたりすれば二人仲良くそれを分け合った。 れいむは私の周りのゆっくりの中で唯一私の髪をほめてくれた。人間らしい感情だなどと馬鹿にされるかもしれないが そのれいむの言葉は私の体にとても響いた。 ゆっくりという簡単な生き物にとってそういう縁は次第に愛へと変わっていく。 月日が流れるのは早く、私たちが成体へと育った頃にはお互いにそういう意識をし合っていた。 その後の展開は早かった。ご多分に漏れず、私とれいむも将来を誓い合う仲へと発展していた。 交尾、妊娠が終わりれいむの頭に子供が生り始めると私たちは将来の子供達とのゆっくりライフを語り合った。 子供は何匹欲しいだとか、巣はどこに作ろうかとか、人間達に対する意識の持ち方を教えてあげようとか。 突拍子も無い夢や目標を語る私にれいむはいつも微笑んでくれた。それは赤ん坊だった頃から変わること無い笑顔だった。 一ヶ月後、新しく新調した巣には元気な子供達が20匹程騒いでいた。 特別賢くもないが格段に馬鹿なわけでもない、ただ無邪気な子ゆっくり達を見て私は毎日癒された。 母親であるれいむは子供達の世話を必死にこなしていた。 好奇心に負けそうになり巣から出そうになる子供を止めたり、泣き止まない子供に歌を歌ってあげる等 その姿は正に母親の鏡だった。 一方の私はというとひたすら食料集め、狩りに力を注いでいた。 もともと運動は得意だったから普通のゆっくりよりも多くの珍しいごちそうを巣へと運んでいた。 私がそのごちそうの山を運ぶ度にれいむと子供達は目を輝かせて私とごちそうを交互に見比べたのだった。 おいしそうに虫や木の実をほおばる私の家族。 それを見るだけでもまた、私の狩りの疲れはスーッととれていった。 そう、私にとっては家族の幸せが何よりの食事だったのだ。そうだ。そのはずだ。 だからこそ私は体が泥だらけになってもおいしいごちそうを持ってきたのだ。ほらね。間違ってない。 そんな私をれいむはもちろんのこと、子供達も尊敬していた。当たり前だけどね。 「おとーさんはすごいなあ~。こんなにおいしい食べ物をいつもとってくるんだもん!」 「湖で遊んでた子達にまりさ達のお食事の話をしたらみんなだらだらよだれを垂らしてんだよ!」 「ねーどうしておとーさんはそんなにすごいの?」 子供達はいつも私に質問をしてきた。それは大きくなったら私のようになりたいという思いからきていたのだろう。 「ゆっ!それはね~」 軽い気持ちだった。別に信じてもそんな場面が実際にあるわけないとタカをくくっていたのだ。 「おとーさんはれみりゃ二匹をいっぺんに倒してゆっくりと食べことがあるからだよ~!」 「ほんとー!?」 「ゆぅぅ!!すごいよおとーさん!」 「れいむ今度友達に自慢するよ!」 「だめだよ!これを知られるとれみりゃが嫉妬してその子達を襲っちゃうかもしれないからね!この話は誰にも内緒だよ!」 「ゆぅ・・・わかったよ、おかーさんにもいわないよ!」 「誰にも内緒だよ!」 「ゆっ!みんな良い子だね!」 これでこの嘘は誰にもバレずに私は子供達からより多くの尊敬を集めることができる。 親ならば一度はやるであろうそんな行為。ただそれだけのちょっとした嘘だった。 あの日。 私はいつも通り巣からちょっと遠出し、子供達のためにごちそうを集めていた。子供達の為に。 夕方、捕食種も出てくるこの時間にまともなゆっくりは出歩いたりはしない。 だが、私は捕食種からも逃げ切れるだけの逃げ足を持っているのでこの時間ギリギリまで食事を集めていた。 それでももう日も暮れはじめている。ここが瀬戸際だ。 私は口の中いっぱいにごちそうを詰め込み家路につこうとした。そのときだった。あれは、私の5m程先を飛んでいた。 「「「う~う~かりかり~♪」」」 捕食種の代名詞ゆっくりれみりゃ。通称れみりゃ。我がままで団体行動がまともにとれないくせに他のゆっくり種よりも 攻撃性、腕力がある為に捕食種として幅をきかせている、正直腹立たしい生き物だ。 そんなれみりゃが・・三体?どうして? 野生のれみりゃなら一匹でも十分食事は確保できるはず。一匹で行動する方が手慣れているれみりゃが三匹とはいえ群れを作るなんて。 だがその時はそんなことは大して気にならなかった。 重要なのは彼らが私に気づかずにどこかに消えてくれることだった。 息をひそめてれみりゃが見えなくなるのを待った。 人でいう五分程だろうか。れみりゃ達は私の視界から完璧に消えた。 今日も生き残ることができた、緊張から解き放たれた私はふぅと一息吐いた。口の中から虫の足がひょっこりと出てくる。 ああそうだ、このごちそうを早く子供達とれいむに食べさせてあげないと。私も早く帰らないと。 木陰から這い出た私は再び家路につきはじめた。 ここで気づく。今私が進んでいる道。この道は・・・あああこの家路はああああ 今れみりゃ達が進んでいった道だああああああああああ!!!! 私は急ごうとした。れみりゃ達よりも速く家に着こうとした。だけど・・だけどお!!! 進んだられみりゃが前にいるぅ!!三匹もいるから回り込んでたら気配で気づかれるよぉ!!! 私はその場で立ちすくんだ。進めばれみりゃ、止まれば家族が・・・ どうしようどうしようどうすればどうすればどうすれば ああああああああああああああああああああああ 待とう。 今行ったられみりゃに食べられる。そしたら家族には何も伝えられない。そうだ、この判断は正しい。 普通のゆっくりには到底思いつかない冷静な判断だ。そうだそうに違いない。 れいむも子供達も同じことを言うだろう。よし待とう、そうしよう。 こうして私はその場所ですこーしだけゆっくりした。別に怖かったわけではない。これは作戦だ。 家に着いたばかりのれみりゃ達の虚をつく。私ならできる。そうだあれは作戦だったのだ。そうに違いない。 だから私が一眠りしてしまったのも作戦だったのだ。体力温存の為の作戦。そうに違いない。 目を覚ますと外はもう夜だった。綺麗な月が出ていたこと、それが三日月であったことは覚えている。 ただ、そこからどうやって家族のもとへ行ったのかは覚えていない。 気づいた時には体中傷だらけで自分の巣である木から10m程離れた所の木陰にうずくまっていた。 私は静かに巣の様子を覗いた。あのれみりゃ達がここをスルーしてくれていることを願って。 だがそこには奴ら三匹が当然であるかのように立っていた。 そして聞こえる笑い声、叫び声、泣き声。 あぁ、一体何匹が犠牲になったんだろうか。せめてその中にれいむは、れいむだけはいないことを願うしか無い。 暗い夜が三日月の光のおかげで幾らか明るんでいる。 いつもだったら子供達と一緒に軽くこの辺をお散歩しようと思う程のいい夜だった。 だが今日は違う。一緒にお散歩ができる子供達が今や1、2、3、・・・ あれ?全員確認できる。子供達どころかれいむもはっきりと生きている。 じゃあいったいれみりゃ達は何をしているんだ。まさか遊びにきているわけではないだろうに。 この瞬間、私はさっき聞こえていた叫び声と泣き声を完璧に忘れていた。 その二つの声が遊んでいる時に聞こえてくるわけが無いのに。 しかし、その甘い考えも次に聞こえてきた悲鳴で軽く吹き飛ぶことになった。 「いやあああああ!!!おくちがあああああああ!!!」 「う~!お口もっとかぱかぱしろ~!」 その悲鳴はれみりゃの一匹が私の子供の口を限界以上に開こうとした時に我が子から発せられたモノだった。 一体そんなことをして何になるのか。れみりゃは執拗に子供の口をカバの様にしようとしているらしい。 「いはあああああああ!!!おふひがはけふうううううう!!!」 「なれ~!かばさんになれ~!う~!!」 「ふ、ふりだよ~!ほれいほうひらはなひよぉ~!!」 「わっからな~い♪なにいってるのかわっからな~い♪う~!うぅぅぅぅ~!うっ!!」 あぁ!とうとう力任せにれみりゃが子供の口を引き裂いた!れみりゃの手にピピッと餡子が小さく飛び散る。 当然子供はその痛みに黙って耐えられるわけが無い・・ 「いはああああああんんんっっむごああはあああああんんっむごはあああああ!!!!」 「うっう~!ぱかぱかぱかぱか~♪」 叫び続ける子供におかまい無しに口をぱかぱかと閉じたり開いたりさせるれみりゃ。 止むことの無い子供の叫び声がれみりゃの手によって滑稽な声へと変わっていく。 「う~あきた~う~」 もう飽きたのか子供の口の開閉を止めるれみりゃ。そのままここから立ち去ってほしい。 そんな願いが届くわけが無いことは今日彼らを見たときから分かっていた。 「おめめぶちゅ!」 おもむろにれみりゃは口裂けの子供の眼に指二本を差し込んだ。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 まるでお化け提灯の様に口が開きっぱなしの子供にはそれ以外の叫び声ができなかった。 その痛みが私の耳を通して共感できる程に、その叫び声は痛ましい。 「ぱかぱかがこれでりゃくりゃく~!れみりゃてんさい!う~!!」 眼に指を引っかけることができるので握る手間が省けた、ただそれだけで私の子供の眼を奪ったというのか・・・ 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛おがあああざあああんはあ゛あ゛あ゛あ゛!!!おどーざあああああんはあ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 やめて。呼ばないで。今は助けにいけない。まだそのチャンスはきていない。それが来るまでここで待たなきゃいけない。 「おどおおおおざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛んんはあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 無理、助けにいけない。その場の空気がまだ適した物じゃない。 「どおおおおおおおおおおざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛はあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」 無理だって・・・!気づいてよ・・!れみりゃ三匹が戦闘態勢にすぐにはいれるこの・・・並び・・布陣?そう、布陣。 それがしっかりしている今は助けにいけない。今は耐えて・・・! 「どお゛お゛お゛お゛お゛はあああああ・・・・」 声が止んだ。 「う~ねむっちゃった~」 「じゃあつっぎ~♪」 「いやああああ!!どおしでええええ!!!どおしてこんなことするのおおおおおお!!?」 れいむの叫び声が聞こえる!そうだ、何ですぐ食べないでこんなことをわざわざ三匹でするんだ! 「にんげんにきいた~♪」 「たっくさんいじめると~ゆっくりはとっってもおいしくなるって~♪」 「だかられみりゃたちでいじめるの~♪おいしいゆっくりあまあまするため~♪」 そんな・・・私たちにそんな恐ろしい呪いの様な特徴があったなんて・・・ ということはあそこにいる皆今の子供みたいに酷い目にあうことになるの・・? 改めて目を凝らす。 10匹しっかりといる子供の五匹はもう既に大地に寝そべっている。 皆どこかしらからか餡子を少し垂れ流している。 あれで生きてるなんて。余程このれみりゃ達は手慣れているのだろう。 じゃあ、私が今あそこに躍り出ていったら。 まだその時期じゃない。チャンスを待つんだ、チャンスを。 「おねがい!もうやめて!れいむがなんでもしますからぁ!!!」 え?何いってるのれいむ。そんなこと言ったら! 「なんでも?」 「なんでもぉ?」 「なんでも~♪」 あああほら調子乗ってきたじゃないかああああああ やめてれいむ。れいむがいなくなったらそれこそ耐えられない。それだけはだめなんだよ。それだけは。 他の子達は・・・いや、それは言ってはいけない。それも言ってはいけないんだ。 「おくちあ~んしておくち!」 「ゆっ・・!わかったよ!あ~ん!」 「よいしょ!」 あっ、一匹のれみりゃが手近にあった、いや、いた私の子供をぎゅっと掴んだ。 「ぐゆっ!?ななななに!?ゆっくりはなしてね!」 「ぽーい!!」 当然れみりゃは子供の声に耳も貸さない。そのまま思いっきりれいむの口の中に子供を放り投げた。 「うごぇ!!?むぐぅうう!!!」 口に入った途端他のれみりゃがれいむの口を強く抑えた。まさか共食いさせる気じゃあ・・・ 「うー!これかられみりゃ達がれいむをぼこぼこにするよ!お口の中の子を潰さなかったられいむのかち~」 「でも潰したられ見りゃたちの勝ち~!」 「お口から子供だしたら、そのときはすぐにあまあま~ね♪」 「!!!!!!」 れれれれいむをぼこぼこにする!? いや、やめてえ!!そんなことしてなんになるのお!! 「それじゃあすたーとぉ!!!」 「・・・!んぐぅ!んぐっ。んぎぃ!!?んごぉ!!」 「ぼっこぼこ~ぼっこぼこ~れいむのおかおをぼっこぼこ~♪」 「おいしくな~れ!おいしくな~れ!」 三匹がかりで前後左右に均等に拳をれいむに沈めていくれみりゃ達。 口の中の子供に多少の衝撃が伝わるのかうっすらと幼い悲鳴が聞こえてくる。 「ゆぎぃ!?おがーしゃんなにぃ!!?だして!暗いよ!ゆっくりできないし・・ひぃっ!?」 れみりゃの拳がどずんどずんと音を立てる。最初よりペースを上げているのだろう。 人間にとってはとるにたらないその幼い攻撃も、れいむやその子供にとってはまるで鉄球の様に響くのだろう。 「おがーさああん!!くらいよお!!うるさいよお!!だしてええええ!!」 くぐもった声は止まるのをやめない。その情けない声は助けを呼んでいるだけだ。 これだから子供はだめなんだ。私だったら隙をみてすかさずれみりゃ達に攻撃を仕掛けるだろうに。 そう、私だったらあの真正面のれみりゃが手を引いた瞬間に・・・ 「おどーざあああんん!!!おどーざあああああん!!!おどおおおおおおおざああああああああんん!!!!」 「おとーさん・・・そうだよ!おとーさんがきたらお前らなんかやっつけてもらうんだからね!」 「おとーさんは強いんだよ!れみりゃ達なんてぽんぽーんだよ!」 「お前らなんか明日の朝ご飯になっちゃえ!」 れいむが子供達に訴えかける様に睨みつけている。その顔は今まで私ですら見たことが無い程の緊張感と喪失感に満ちている。 れみりゃ達の手が止まった。 「れみりゃたちよりつよい~?」 「ぽんぽ~ん?」 「あしたのあさごは~ん?」 「「「それじゃ~あ!」」」 各々のれみりゃ達が一匹ずつ子供達を握り 「「「今日の夕御飯を~!!」」」 「いや!やめてえ!うんぐ!!?」 それを・・・あああ、れいむの口の中に放り込んでぇえ 「「「はやめにするう~!」」」 三匹でまた殴りはじめたぁ!!! 「うぐぅ!?おぶ!!うぎい!ぐんぐ!!ぐうううううううう!!!」 「いやあ!!暗い狭い!!なんで入ってきたのお!!?びゅ!?」 「いだいいい!ちゅぶれりゅううううう!!」 「おがーさんのおお!!!おがーざんの歯がささっだああああ!!!」 「れいむのりぼんがあ!!おかーさんの喉のんぎゅ!!?べへぇ!?れいむあんこがぁぁぁ!!!」 さっきの4倍の体積がれいむのお口の中に入り込んでる・・・! あれじゃあ子供達どころかれいむの餡子もでてきちゃうよおお!! 動くしか無い。作戦なんてどうでもいい。ただれいむを助けたい!ここで止まったらゆっくりがすたる。 いくぞまりさぁ!これがほんとのゆっくりだまし・・ 「あぁ!おとーさんだぁ!!!」 え 「ゆっ!?おとーさん?」 ばか 「本当だ、おとーさんだあ!!」 バカァ 「おとーさん!はやくれみりゃ達を明日のご飯にしちゃってね!!」 馬鹿馬鹿馬鹿ぁ・・・ 「うっう~♪おっとーさんを~みっけたみっけた~!」 バカアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!! 倒す前にばれっちゃったじゃないかあああ!!こんなんで倒せるわけないよおおおお!!!! これだから馬鹿な子供はだいっきらいなんだよ!!しね!さっさと死んでね!!! でも、れいむ、れいむをたすけないと!! 「・・・んぐ・・!むぃさぁぁ・・・」 れいむ・・・口を開けられないのにそれでもまりさに助けを求めてるんだね。わかったよ、今すぐ 「おとーさん!おかーさんの口かられいむ達を助けてね!」 「はやく!はやくだしてぇ!」 「でてるぅ!まりさの体からあんこがぁ!!」 「れいむのぉお!れいむのリボンがぁああ!!!」 うるさいよ!!馬鹿な子供達は少し黙っててね! そもそもお前達が騒ぐからタイミングを失ったんだよ!そのままれいむに食べられちゃってね! 「がお~た~べちゃ~うぞ~♪」 うわあああああきたあああああああ!!! 作戦作戦作戦作戦さくせんさくせんさくせんさくせんサクセンサクセンサクセンサクセンskすかうsっkすあkすえかう 「「「がお~!!!」」」 むりいぃいぃぃぃぃ!!!!いやあああああああああああああああああ!!! 「おとーさん!?」 「どーじでにげるのおおおおおお!!!」 「まっておとーさん!まってええええ!!!!」 「・・・・・・!!!!むぃ、むぃさあ!?まりさあ!!」 「あ!おくちあけたあ!えいっ♪」 「ゆぎゅう!?おがあざ・・・」 「ああああああ!!!れいむのおおおおおおお!!!」 走りながら気持ちを落ち着けていくまりさの後ろで二つの悲鳴が聞こえた。 ああ、れいむの悲鳴も聞こえる。でも大丈夫。悲鳴が聞こえるって言うのは生きてるってこと。 今はまず自分の安全の確保だ。 「またみえた!えいっ!」 「いぎゃあ!!いやああああああ!!!」 「おがーざんおくちしべてえ!!!」 「はやくはやくぅう!!!」 「ああああああああああ・・・」 「うっう~あまあm・・・・」 声が次第に遠ざかっていく。待っててねれいむ。きっと助けるからきっと。 「まてぇ~オトーサーン♪」 「朝ご飯にしてみろ~♪」 だれかたすけてぇ!!!だれかぁ!!!! 二匹のれみりゃがまりさをおってくるよぉ!! こんなに頑張ってるのにあの二匹はまるで諦めない。羽で空を飛んでるのに森の木々をすいすい避けていく。 ずるいずるい!まりさもお空を飛んでにげたいよぉ!! 今まりさの願いが叶うなら翼をください!ゆっくりの神様ぁ!! ゆっ!これは・・・!目の前の景色は、神様が願いを叶えてくれたのだろうか。そうこれなら飛べる、とても高く素早く!でも・・・ 崖じゃあ生きられないよぉ!!がみざまぁ!!! 「うっう~おいつめたぞぉ~!」 「めいどのじかんだぞぉ~!」 追いつめられたぁ!! おねがいじまず!子供達はあげるからまりさはたべないでくだざい!おねがいじまず! 「子供達はたべちゃうよ~」 「でもおとーさんもたべちゃうよ~」 やめでえ!!まりさはおいしくないからあ!ウンコみたいな味がするからあ! 「じゃあおとーさんのいじめ方はぁ」 「馬乗りでぼっこぼこ!」 いやあ!だずげでえ!!うぎゅぅ!?なにもみえないよぉ!!? 「あごの方は短くて乗れないからお目めに乗っかってぼっこぼこ!」 いやああああああああああああああ!!!!いやだあああああああああああああああああああああ!!!!! あれ?なぐられない? どうしたんだろ。怖くて目をつぶっちゃったけど今は暗闇を作った元凶も消えてみるみたい。 何か聞こえる。ちょっと目を開けてみよう。フェイントだったらイヤだよぉ・・・ 「・・・・ぎゃ・・・・ああああ・・・・・」 ゆっ!?れみりゃがれいむの上で痛がってる!? 叫んでるみたいだけどれみりゃの両足がまりさの耳をちょうど押さえつけていた何を言ってるのか分からないよ。 あ、どいた。 「いっぎゃああああああ!!!おめめがあぁ!!」れみりゃのお目めがぁ!!!!!」 叫んでいるれみりゃが手で押さえている目を見るとそこはぶくっと大きく腫れている。 一体何が怒ったのか。私は今までに出したことが無い様な大声で叫んだだけだ。それがダメージにでもなったというのだろうか。 その謎は私の足下にある物が解決してくれた。 そこにはお口に入れてたごちそうの数々、山菜、木の実、ダンゴムシ、ムカデ。 「ささったぁ!!おめめに虫さんがささったぁ!!!」 そう、れみりゃの目には私が叫び声とともに勢いよく吐き出したムカデの顎がうまい具合に刺さったのだ。 「う・・うぅ~?う・・うー・・・!」 今までに無い程騒ぎわめく仲間に戸惑いを隠せないもう一匹のれみりゃ。 チャンスだ。これこそ私が求めていた絶好の機会だった。 静かにもう一匹のれみりゃの背後に回った私は絶好の機会の中の最高の機会をじっと待った。 声を出しては終わりだ。だが心配は無い。私はあの子供達の様に愚かでは無いのだから。 そして今、二匹のれみりゃが私と崖の直線上に揃った。よしっ! 「ゆっくりしねええええええええ!!!!」 スッ !?交わされた!馬鹿な!タイミングはばっちりだったのになんで!? 「うっう~ば~か!そんな大声だしたら・・・」 「いだいいいい!!!たずけでえええ!!!」 「う~!じゃま!どいてえ!!うー!!」 眼を押さえるれみりゃがもう一匹のれみりゃにまとわりつく。未だに痛みは引かないらしい。 むしろ激しくなっているのだろうか。その動きはこの場所の地形を全く忘れた動きだった。 「いやー!はなしてえ!!押さないでえ!いやー!!」 「いだいよお!!れみりゃのおめめだれかなおしてえ!!!ああ・・・ああああああ」 「「あああああああああああ!!!!!」」 抱き合ったまま奈落へと吸い込まれていく二匹。 片方が飛ぶことを忘れたままもう一匹に抱きついている為互いに空を飛ばずに仲良く落ちていった。 しかし・・・夢ではないだろうか。このゆっくりまりさである私が捕食種二匹相手に見事に勝ち星を奪ったのだ。 そうこれは、あの、子供達についた、些細な嘘が、現実になった瞬間なのだ・・・ ぃぃぃいやったあああ!!!勝ったよれいむ!みんな!まりさはとってもつよいつよいおとーさんだよ! ゆぅー!これでれいむにも嘘つきだなんて思われないよ!子供達もよりいっそう喜んでくれるだろうね! たのしみだなあ、ゆっゆっー!! 『すごいなあーおとーさん!』 『れいむ今度ぱちゅりーにじまんしちゃお!』 『まりさもおとーさんみたいになりたいよぉ!』 『さすがまりさだね、かっこいいよ!』 ゆっふっふ。皆の喜ぶ姿が目に浮かぶよぉ。 ただいまぁれいむぅ!ゆっ? 現実に戻された。 私の家はいつもより茶色な土壌、気にこびりついた子供達、こちら側に背中を向けて直立しているれいむと一緒に私を出迎えてくれた。 直立・・・いやまて、本当にれいむは生きているのだろうか。既に顔がないということもあり得る。 私は酷く冷静なままれいむの顔をゆっくりと直視しにいった。そこには あった。いつもとは違い歪にぼこぼこになったれいむの顔が私をしっかりと見つめていた。 た、ただいま。れいむ 私はなるべくれいむの体に差し障りの無い様に静かに帰宅の言葉をつぶやいた。 いつもの様にゆっくりしていってねと言っては本能のままに体を動かしてしまうかもしれないと思ったからだ。 今のれいむの状態ではそれだけでもダメージになりかねない。いやあ、賢い私。 「どうして」 ん? 「どうして帰ってきたの」 何を言っているのか。ここは私たちの家だから帰ってきたのだ。 「どうして帰ってこれたの」 また馬鹿なことを、いつも住んでいるんだから道ぐらい当然知っている。いったいどうしたっていうんだ。 「どうしてかえってこれたのおおおおお!!!!」 えっ!? 「あんなに子供達がまりさのことを信頼してたのになんであそこで逃げたのぉ!!! 皆おとーさんおとーさんって必死にさけんでたのにぃ!!!それなのにぃ・・・ぞれなのにぃ!!!!」 ま、まってれいむ。口から餡子が飛んでるよ。 あれ?れいむ、口の中は別に怪我してない。ってことは・・・ 「はじめてきいたよ!まりさ、れみりゃを二匹も倒したことがあるんだって!?」 ゆっ!どうしてしってるの!?そうだよ、さっきそこの崖で見事に私が、 「なんでそんな嘘をこどもたちについたのお!!」 ゆっ!? 「あんな嘘を聞いてなかったらまだ希望を持たずに楽になれたろうに・・・! あんな嘘のせいで子供達は余計な期待を抱いてしまったんだよ!! れみりゃ達に敵うはずのおとーさんがなんで私たちをおいて逃げたの? おとーさんは私たちのことが嫌いなの?って叫びながられいむに聞いてたよ!!!」 いや、嘘じゃないよ!まりさは本当に 「みんな!みんなぁ!!!みんなしんじゃっだああああ!!!れいむのこどもだぢいいいいい!!! まりさが助けにきてくれればどうにかなったかもしれないのにぃ!!!まりさながおとりになってくれればぁ!!!」 な、なんてことを言うの!!ひどいよれいむ!! 「まりさなんて食べられちゃえばよかったんだぁ!!!家族を守れないまりさなんて大嫌いだ!! しねぇ!!!ゆっくりしねえええええ!!!」 なんて言ったの今。 しね?れいむがまりさにむかってしね? 違う・・・そんなことれいむは言わない。そんなひどいことれいむは言わない。 そんな汚いことをれいむはいわない。絶対に言わない,れいむは言わない。 一緒に遊んだれいむは 一緒にごはんをたべたれいむは 髪をほめてくれたれいむは 家族になったれいむは 狩りをほめてくれたれいむは 大好きだと言ってくれたれいむは そんなこと・・・そんなことおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお 「おまえはれいむじゃない!!まりさのれいむなんかじゃない!!しねえ!!さっさとしねええ!!!!!」 ぼこぼこのれいむに体当たりをかましその上でストピングを始めるまりさ。 もうれいむ自身に抵抗する力は無かった。 「おまえは偽物だ!かえせ!!本物のれいむをかえせえ!!」 「そう思ってれば!まりさは一生そうやって自分の都合のいい様に生きていけば!!?」 「だまれえ!!れいむの偽物はだまってしねえええ!!!」 「ごめんね、皆・・・こんなおとーさんを選んだれいむが馬鹿だったよ・・・」 「だまれぇ・・・!だまれえええええ!!!!」 「次に生まれるときはぱちゅりーと結婚しようね。」 「だまってよおおおおおおおおおおお!!!!!!」 れいむが潰されているにもかかわらず、まりさとれいむとの会話はまるで電話での会話の様にスムーズに進んだ。 1時間後、まりさの足下には餡子一粒の隆起さえ見当たらなかった。 それでもストピングを続けるまりさは気づかない。気づけない。 「だまれ!だまれ!!だまれえええ!!!」 誰に言ってるのか。少なくとも後ろのモノに対してではなかった。 「だまってってばあああああああ!!!れいむうううううううう!!!!」 崖の下の惨状を見たそのモノはまりさを食料とすら思っていない。 ただ必死に叫び続けるまりさをどうやって苦しめるか考えていた。 そうだ、こいつがはねるのをやめたら・・・ 「だまってえええええええええ!!!おねがいいいいいいいいいいいい!!!!」 半日後、まりさは自分の嘘を完璧に立証することになる。 まりさが勝てたのはやはり二匹までだったのだ。 完 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1444.html
「ゆーっくり♪ゆーっくり♪」 ここは冥界から程近い野原。人里離れ、妖怪も少ないため、ゆっくり達にとって理想的な生活環境になっていた。 今日も今日とて、沢山のゆっくりが食事をしたり、跳ね回っていたりした。 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー!」 お決まりの台詞を吐きながら花を食べるゆっくりれいむ。 その体が突如として宙に浮いた。 「ゆっ?ゆゆっ?」 ひょっとして鳥にでも捕まったのか?それともれみりゃ? 恐怖に捕らわれそうになったれいむだが、頭を捕まれた感覚はない。よく見ると他のゆっくり達も沢山宙に浮いている。 「なんでー?どうしてー?」 まわりのゆっくりと考え込むれいむ。だが浮かんだ疑問は、すぐに消え去った。 生まれて初めての浮遊感。ふわふわと浮かんでゆく感覚が実に心地よい。 「たかーい♪ひろーい♪」 一緒になってはしゃぐゆっくり達。その数は優に一万を超える。心地よい一体感の中、皆一斉に叫んだ。 「「「ゆっくりしていってね!」」」 それより少し時間を遡った、ここは白玉楼。 幽々子と紫がお茶を飲んでいた。だが、その雰囲気は険悪なものだ。 「こしあんのほうが美味しいでしょうに。」 そう言って一匹のゆっくりれいむを口に頬張る幽々子。 「い゛だあ゛い゛い゛い゛い゛い゛ぶぴゅ!」 咀嚼され即座に絶命する。 「貴方は粒あんのことをちっとも分かっていないわ。」 紫がゆっくりまりさを摘んで二つに割る。 「や゛べでえ゛え゛え゛え゛え゛ぶばっ!」 「見てご覧なさい。この小豆、これが大事なのよ。小豆と餡子。分かる?その境界を味わうのが粒あんの醍醐味なのよ。」 説明すると紫は、ゆ゛っゆ゛っと痙攣するまりさの片方を口に運んだ。お茶を挟んで、残った方も食べる。 「分からないわ。貴方長生きしすぎて感性が磨り減ってきたんじゃないの? だからそんな理屈っぽいんじゃないかしら。心の赴くままに味わうのが一番よ。それにはこしあん。」 「駄目よ。そんな浅はかだから千年たっても未だにトゥシャイシャイガールなのよ。もっと思考を働かせないと。だから粒あん。」 またこれか。妖夢が呆れた顔をした。 二人はほぼ一年ごとに、この餡子論争を始める。 そうして結局はお互い説得出来ないまま、次の論争が始まるまで緊張状態を維持し続けるのだ。 今回は紫がお土産にゆっくりを持ってきたのが発端となった。 「じゃあ出ましょうか。」 「そうね。貴方のお家を壊すのは気が引けるし。私は貴方を潰せば満足ですもの。」 二人は空に舞った。 妖夢は茶を持って縁側に座った。毎度の弾幕勝負が始まる。巻き込まれたらひとたまりもない。どうせそのうち疲れて帰ってくるだろう。 だが今回は勝手が違った。 白玉楼の上空。二人が手をかざすと、遠くから何か丸いものが沢山飛んでくる。 「?」 妖夢が目をこらして見るに、それは大量のゆっくりだった。およそ一万。 幽々子と紫が、一匹のれいむを、まりさを、手に取った。 「じゃあ始めましょうか!」 言うが早いかれいむを投げつける幽々子。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛う゛っ?」 「相変わらず単純ねえ。」 言いつつまりさを投げる紫。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 二人の間で、れいむとまりさがぶつかり合う。激しい衝撃で二匹は瞬時に四散した。 残りのゆっくりが絶叫する。 「な゛ん゛な゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛!」「や゛め゛でえ゛え゛え゛え゛え゛!」 それに気を取られた風もなく、二人はお互いの距離を測っている。 幽々子が手をかざす。十匹ばかりのれいむが飛んでゆく。それを簡単に避ける紫。 だが、通り過ぎたれいむは放物線を描いて反転し、紫の背後から襲う。 上昇して逃れる紫、舌打ちする幽々子。 「今度はこちらの番ね!」 紫の傍のまりさが二十匹程横に飛ぶ、明後日の方向に飛んだそれが瞬時に消えた。 「!」 位置を変える幽々子。空間を渡ったまりさが通り過ぎた。 「やるわね。」 「あなたもね。」 繰り返される二人の攻撃と沸き起こるゆっくりの絶叫。妖夢は為す術もなく見るしかない。 段々とヒートアップした二人は遂に大技を繰り出した。 ゆ曲 「リポジトリ・オブ・ユックリ -菓霊-」 己の行為のために死んだゆっくりの、魂すら材料に使う鬼畜技。 結界「生と死のゆっくり」 ゆっくりとゆっくりの死体が断末魔の形相のまま襲いかかる攻撃は、常人なら発狂レベルの代物である。 決着の付かないまま必死の応酬が続く。 「反芻菓 -腹八分目-」 半霊半消化状態のゆっくりが元の姿を求めて対象を襲う。 紫奥義 「ゆっくり結界」 対象の回りを囲んだゆっくりが収束・凝縮し、それを逃れたとしても爆発状態の餡子が襲いかかる必殺の技。 大量の餡子が降り注ぐ。 「やめてくださあいいいいい!掃除するの私なんですううううう!」 妖夢の絶叫が白玉楼に響き渡った。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1349.html
※前に書いた『衣玖さんとゆっくり』の続き。と言っても前作を見るほどのものでもないです。 ※東方キャラがゆっくりを虐めてます。例えば衣玖さんとか天子とか。 ※虐殺メイン…かな。 永江衣玖は急いでいた。 数刻前、龍の言葉から衣玖は天界、いや幻想郷全体に危機が迫っていることを知った。 これはゆっくりてんこを虐めて楽しんでる場合ではない。 「総領娘様は無事でしょうか」 口には出したけど大丈夫だろう。 自分勝手で世間知らずでもその強さは本物だ。大抵の危機は自力で解決もできる。 しかし龍が伝えるほどの危機が迫っているのは確かだった。 「危機とはいったいどんな物なのでしょうか」 とにかく天界に行ってみないことには判断がつかない。 そんな訳で衣玖は急いでいた。 天界に着くとそこにはゆっくりがいた。 右を向いても左を向いてもゆっくりの群れ。 しかもそのゆっくりは全て希少種であるはずのゆっくりてんこだった。 つい癖で虐めたくなる衣玖だったが、今は別の使命がある。 てんこが大量発生した原因を探らねば。 自由に跳ねまわるてんこを空中から眺めながら飛んでいると 呆然と宙に浮いている比那名居一族のお嬢様である比那名居 天子を発見した。 「総領娘様! 一体何が起きているのです?」 衣玖が話しかけると天子はあからさまに不機嫌そうな顔をしながら答える。 「私も知りたいぐらいだわ。 何なのこいつら」 「ゆっくりですね。それも総領娘様タイプの」 「それは分かる。でもなんで増えるのか分からないのよ」 「増える…? 増える瞬間を見たのですか?」 てんこの生殖方法というか子てんこを産み出す方法は衣玖も知っていた。 てんこは虐められるのが好きなゆっくりで傷めつけられると快感を覚える性質を持っている。 虐めてくれそうな相手を見つけると「ゆっくりいじめてね!」と迫り、無視すれば相手がいらつく行為をして気を引こうとする。 そして虐め抜かれて命を失ったてんこは茎を生やし、赤ちゃんてんこを実らすのだ。 「ちなみにどんな時に増えましたか?」 衣玖は原因が身近に居そうな空気を感じながらも天子に訪ねた。 「信じられないかもしれないけど…」 天子の話をまとめるとこういうことだ。 数十匹のてんこが天界の花畑を食い荒かしていたのを見た天子が得意の地震攻撃で追い払おうとしたところ、 地震の揺れで発情したてんこが子作りを始めたとのこと。 天子は突然の性行為にあっけにとられ、その間にてんこは増えてしまったという訳だ。 「それにしては多すぎません?」 天界の花畑には至る所にてんこがいる。見える範囲だけで数えても千は下るまい。 数十匹のてんこが繁殖したにしても多すぎる。 「まだ話は終わりじゃないの」 天子はその増えたてんこ達を地符「不譲土壌の剣」により潰そうとしたらしい。 地形を隆起させて周囲を攻撃するスペルカードでれいむ種やまりさ種などの通常のゆっくりが受ければ皮がちぎれて死ぬだろう。 だがてんこは打撃に強かったらしく数匹が隆起した岩に体を貫かれて死んだぐらいで他多数はほぼノーダメージだったらしい。 そして痛がりも苦しみもせず、 「きもぢぃぃぃぃ!!もっどいじめでぇぇぇ」 と叫んでさらなる攻めをおねだりしてくる。 イラついた天子は何度かスペルを発動しててんこを殺したのだが、その頭には大量の茎と赤ちゃんてんこが実っていた。 「それでこの惨状ですか」 「それだけじゃないのよ。どこから現れたのか「ゆっくりいじめてね!」なんて言いながらこいつらが集まってきたの」 「はぁ…結局この異変の原因は総領娘様でしたか」 「む…何よ結局って! ただの龍宮の使いのくせに生意気ね」 「とにかくここで見ていても仕方ありませんね。一気に殲滅しましょう」 「そうね。あんな変な生き物にこれ以上天界の土は踏ませるわけにはいかないね」 天子と衣玖はその体に霊力を漲らせる。 「さぁ、行くわよ衣玖。あんな下等生物など根絶やしにするわよ!」 一方その頃―― 大量発生し、天界から溢れたてんこは各地で暴れていた。 ある森の中では、ゆっくり魔理沙の家にてんこが侵入していた。 まりさの家には体の大きい母まりさと子まりさ数匹が住んでいて、 ちょうど食事を終えてゆっくりしていたところだった。 「ここはまりさの家だよ! ゆっくりでていってね!!」 「これからゆっくりおひるねたいむなんだよ! くうきよんでね!!」 「しょうだよ! ゆっくちできにゃいならでていっちぇね!!」 しかしてんこは追い出そうとするまりさの敵意を別のものとして受け取っていた。 「いじめてくれるの!? ゆっくりいじめてね!!」 「ゆ"っ!? な、なんなのぜ!?」 戸惑う母まりさにてんこは擦り寄っていく。 「ゆっくりいじめてね!!」 「ならゆっくりいじめるよ!!」 相手が虐めてと言うなら虐めてやろう。 何せ自分たちのおうちに侵入してきた敵なのだから躊躇する理由もない。 母まりさはその大きな体をてんこにぶちかます。 母体のゆっくりの体当たりとなると子ゆっくり程度なら一撃で潰れて死ぬ。 成体ゆっくりでも数回受ければ餡子を吐き出し息絶えるだろう。 しかしてんこは異様に打たれ強いことを母まりさは知らなかった。 「いだいぃぃぃぃ!! もっどじでぇぇー!!」 「ゆゆっ!?」 「おかーしゃんのたいあたりがきかないよ!?」 「きっとうんがよかっただけだよ!」 「おかーさんやっちゃえ!!」 「そうだよね! こんどこそゆっくりしね!!」 再び母まりさは体当たりで攻撃を仕掛ける。今度は吹き飛んだてんこを壁に押し付けてプレスする。 「ゅ"…ゅ"ぅぅ…」 母まりさの巨体と木の壁に挟まれて圧迫されて苦しそうな声をあげるてんこ。 (勝った…!) だが次の瞬間、母まりさはてんこのタフさを知る。 「ゅ"…ゅ"…ぎもぢ…い"ぃ"ぃ"! もっど…じでぇ…!」 「ゆ"っ!?」 母まりさの押し潰しは効いてないどころか先ほどよりもずっと気持ちよさそうにしていたのである。 バッとてんこから離れて思わぬ強敵に警戒する母まりさ。 その様子を見たてんこはどうしたのだろうと不思議に思う。 「どうしたの? もっといじめてぇ!!」 「ゅぐっ! おかーしゃんこわいよ!!」 「なんなのこいつ! ゆっくりできないよ!!」 子ゆっくり達はお母さんの体当たりで死なないゆっくりに恐れを抱き始めた。 母まりさもまた、最大の必殺技である押し潰しの効かない相手に手を出せずにいた。 「ゆっくりいじめてね! いじめてね!!」 期待に満ちた目で母まりさを見つめながらぴょんぴょん跳ねる。 しかし虐めてくれないことが分かるとてんこは次の行動に移った。 「ゆ! それはまりさたちのしょくりょうだよ!! かってにたべないでね!!」 「むーしゃ、むーしゃ、ひそうてん~♪」 次々とまりさ家族の集めた食糧を食べていくてんこだが、これはお腹が減ったからではない。 まりさを怒らせて虐めてもらうために食べていた。 「もうゆるさないよ!! ゆっくりしないですぐしね!!!」 自分が頑張って集めた食糧を目の前で奪われるのをこれ以上許せるわけがない。 母まりさはてんこへの攻撃を再開する。 「しね! しね! しねしねしねぇぇ!!!」 てんこを吹き飛ばした母まりさはてんこに圧し掛かると、ズンズンと跳ねててんこを潰そうとする。 しかしてんこは潰される痛み、苦しみに身悶えしていた。もちろん快感で。 「ああああああっ! もっといじめてぇぇぇぇ!!!」 「ゆゆゆゆゆ!! なんで!? なんでしなないのぉぉぉぉ!!!」 気味が悪くなって母まりさは再び離れた。 「どうしたの? もっといじめてくれないの??」 「ゆ! こっちにこないでね!!」 ジリジリとにじり寄るてんこに後ずさりして離れる母まりさ。 母まりさの背中には子まりさ達が隠れていた。 「なんでにげるの? もっといじめてね!!」 「こないでぇ!! しょくりょうはぜんぶあげるからぁぁ!!」 「ゆぶぇぇぇ!!」 「おかーしゃんぐるじぃぃぃ!!!」 母まりさは近寄るてんこから離れようとさらに下がる。 しかし背中に隠れていた子供たちは母まりさによって潰されようとしていた。 「ハァハァ、ゆっくりいじめてぇぇぇ…!!」 「いやぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!! ゆっぐりざぜでぇぇぇぇ!!!」 森に母まりさの悲鳴と子まりさの潰れた音が響いた。 そしてまた一方ではれみりゃがてんこを食していた。 鋭い牙はてんこの弾力溢れる肌を突き破り、れみりゃはそこから桃風味の餡子を吸いだしていく。 「うー、うー、うまうま♪」 「あああああっ!! すわれるぅぅぅ♪」 てんこはれみりゃに中身を吸われてるというのにヘブン状態だった。 れみりゃもまた、初めて食べる桃の香りのする餡子の味を楽しんでいた。 しばらくするとてんこは皮だけの存在となってしまった。 さすがに中身が無いので子供は実らないようだ。 「うー、もっとほしいどぉ~。しゃくや~もってきでぇ~♪」 れみりゃは奇妙なダンスでおかわりを希望する。 「ゆっくりいじめてね!」 「うー♪」 れみりゃの願いが通じたのか、てんこが姿を現した。 「がおー、たべちゃうぞ~♪」 よちよち歩きでてんこに近づいていく。 その時他のてんこが姿を現した。今度は1匹ではなく10匹ほどいる。 「「「「いじめてくれるよかんがするよ!! ゆっくりいじめてね!!」」」」 「うー♪ いっぱいいるどぉ~♪ ぜんぶれみりゃのものだどぉ~♪」 てんこの言ってることは理解していない。れみりゃにとっては美味しい獲物が増えただけ。そう思っていた。 「いじめてね!」 「だめだよ! わたしをいじめてね!!」 「ちがうわ! わたしこそいじめられるのにふさわしいわ!!」 れみりゃに10匹のてんこが殺到した。 「う、うー? うあ"ー!!?」 瞬く間に押し倒されるれみりゃ。 「はなぜーうぶっ!!」 大口を開けて叫ぼうとしたれみりゃの口に1匹のてんこが体を突っ込んだ。 「わたしにかみついてね!!」 「ずるい! つぎはわたしがかみつかれるからね!!」 「だめよ! つぎはわたしがいじめられるの!!」 「んがー、んがー!!」 獲物のまさかの反撃に涙を流して恐怖するれみりゃ。 てんこに押し倒されるれみりゃの周りにはさらに複数のてんこが順番待ちしていた。 話は戻って天界。 「さぁ、行くわよ衣玖。あんな下等生物など根絶やしにするわよ!」 「はい総領娘様」 天子と衣玖は天界の花畑の中心へ降り立つと、 その二人の姿に気づいたてんこ集団は一斉に叫ぶ。 「「「「「「「「おねえさんいじめてくれるひと? ゆっくりいじめてね!!!」」」」」」」」 「っ…! うるさいわね」 イラついた天子は緋想の剣を地面に突き刺して地殻変動を起こそうとする。 「総領娘様お待ちを。まずは私が辺りを一掃します」 「…そうね。まずはまかせるわ」 衣玖雷で焼き尽くせば子を実らせずに死ぬだろうし効率も良さそうだ。 天子はそう考えて緋想の剣を収めた。 衣玖は宙に浮かんで辺りを見渡すとお気に入りのポーズで構える。 通称サタデーナイトフィーバーだ。 天を指した指の先に大きな雷球が生成されていく。 (なるべく花畑には被害がないようにしないと。標的はゆっくりてんこ) 衣玖は目に見えるてんこ全てをターゲットに定める。 「さぁ、いきますよ!」 衣玖がそう宣言した次の瞬間、指の先に出来た半径10mはあるだろう大きな雷球から無数の線が地表へと走っていく。 「ゆ"ぐっ!」「ぶへっ」「げぇっ!」「ゆっ!?」「ぉひっ」「ぶばっ」 「ゅふぇ!」「げしょっ!」「ゅ"っ」「ひぎぃ」「あぁん!」「ぎゃぶ!」 「ちょっと衣玖!? きゃっ!」 「ぎゃぼっ!」「よぎゅっ!」「ぶげっ!」「ゅぐぉっ!!」「ひでぶっ!!」 妖気のこもった高圧電流が周囲のてんこ達に到達すると、 様々な断末魔と共にてんこ達が黒焦げになって朽ち果てた。 「総領娘様。まだ生き残ってるゆっくりがいるはずです。止めを刺しに行きましょう…って何で焼けてるんです?」 「あんたのせいでしょ! 私も狙うなんていい度胸ね」 「あぁ~、すみません。似てるのでつい…」 「まったく。後でお仕置きだから覚えておきなさいよ!」 天子はそれだけ言い残すと生き残ってるてんこを排除するために飛んでいく。 「お仕置きですか。それは楽しみですね、ふふ」 衣玖は小さく呟き軽く微笑むと天子とは逆方向へ飛んでいき、残るてんこを潰しに行く。 「要石ドリル! 天地開闢プレス!!!」 様々な技で天子はてんこを潰していく。 瞬殺すれば子は実らない。地震や半端な攻撃はしないようにだけ気をつける。 仲間を瞬殺されるとてんこ達は不満をあらわにした。 「なんでゆっくりいじめてくれないの!」 「そうよ! ゆっくりいじめてね!!」 「はやくちゃんといじめてね!!」 「おばさんゆっくりできないのね!!」 「わたしたちのまねしたぼうししてるくせにね!!」 「真似はお前たちだ! もう怒った。本気で行くわ!」 「全人類の緋想天」(Lunatic) 周囲の気質を緋想の剣に凝縮して一気に解き放つ超大技。 知らない人はかめはめ波を思い浮かべればいいだろう。 天界の地形が変わることも厭わず全人類の緋想天で周囲を吹き飛ばしていく。 てんこは緋想の剣から解き放たれる波動に飲み込まれると次の瞬間には灰と化した。 それを見た仲間のてんこは死なない程度に味わってみたいと全人類の緋想天に自ら飛び込んでくるので天子としては楽だった。 だがてんこがタフとは言っても所詮はゆっくり。天子最強のスペルに瞬間でも耐えきれる訳がなく瞬殺されていく。 一分後には辺りは焼け野原と化していた。 動くものなど何一つない。 「ふっふっふ、饅頭ごときが調子に乗るからこうなるのよ」 勝ち誇った天子には輝く笑顔が浮かんでいたが、すぐに笑えなくなった。 「「「「「「「いじめられるときいてやってきたよ!!!」」」」」」」 虐めてくれる人がいると聞いてきたのか、はたまた感じ取ったのか大量のてんこが天子の周りに集まってきていた。 「あーもう! なんなのよ! こうなったらとことん殺してやるわ!!!」 ある森の中、まりさに「いじめてぇぇぇ」と迫っていたてんこは近くの山の上から何かを感じ取っていた。 「いじめてくれるにおいがするよ! ごめんねまりさ! こんどまたいじめてね!!」 「ゅ…ゆ…」 母まりさは精神的に消耗していたが自分が助かったことに安堵した。 でも何か背中がヌルヌルする。そういえば自分の子供はどこいったのだろう…? また、れみりゃに圧し掛かっていたてんこ達も虐めてくれる気配を山の上に感じ取っていた。 「またこんどいじめてねれみりゃ! てんこ達はやまのうえにいくよ!」 「ぅ、うー?」 てんこ達が突如立ち去っていったことを不思議に思ったけどようやく助かった。 早く屋敷に戻ってぷっでぃんを貰おう。 そう思って動こうとしたれみりゃだったが、手足は潰れてしばらく動けそうになかった。 「うあ"ー! いだいいだいぃぃ!!! しゃくやだっすげでぇぇ!!!」 手足が潰れていることに気づいたれみりゃは痛みに泣き叫び、助けを求めた。 しかしその場に現れたのはしゃくやではなく、甘い匂いに誘われてきた野犬だった。 さて、天界でてんこ殲滅を図る衣玖はというと… 「いきますよ。天突「ギガドリルブレイク」!!」 衣玖の纏う緋色の羽衣を螺旋状に腕に巻きつけ、さらに放電させつつ相手を貫く龍魚ドリルのでっかいバージョンだ。 巨大ドリルを右手に装備し、てんこの群れに突撃していく。 「ゆぅぉぉぉぉ!! いじめられるよかん!!!」 「きてえぇぇぇぇ!! ゆっくりいじめてねぇぇぇ!!!」 しかし衣玖が通り過ぎた跡に残るのは炭と化したてんこ。 最後にドリルに貫かれたてんこはドーナツのように顔の中心に巨大な穴を開けて生涯を終えた。 「ああああ! なんでゆっくりいじめないのぉぉぉぉぉ!!」 「ゆっくりいじめてよぉぉ!!!」 やはり瞬殺されるのは嫌らしい。じわじわと痛めつけられるのは好きだというのに。 「ふふ、最後に残った一匹はゆっくりと苛めてあげますよ」 「ゆ! わたしをさいごにのこしてね!!」 「わたしだよ! ゆっくりいじめられるのはわたしをおいてほかにはないわ!!」 「いじめられるのはわたし! ほかのてんこはしゅんさつされてね!!」 自分が最後に生き残ろうと他の仲間を盾にしようとするてんこ。 その構図はまりさ種に多くみられるものだが、てんこの場合はその理由が虐められるためなのだから不思議だ。 「最後に残りたいなら必死に逃げることですね。次は鬼ごっこで遊びましょう」 そう言うと衣玖はいつものポーズでスペルカードを発動する。 棘符「雷雲棘魚」 大電流を自分の体に纏う攻防一体の必殺スペルだ。 触れれば間違いなく黒焦げになって死ぬ。 「さぁ必死に逃げ回ってくださいね」 どこまでも穏やかで黒い笑みを浮かべながら衣玖はてんこの群れへと寄っていく。 「こ、こっちにこないでね!!」 「あっちのてんこをしゅんさつしてね!!!」 必死で逃げるてんこだったがその動きは遅く、衣玖にすぐ追いつかれてしまう。 「こ、こないで! こな…ああああああああっ♪」 追いつかれたてんこは恐怖と歓喜の混じった悲鳴をあげて炭になった。 その悲鳴を聞いたてんこは逃げる足をピタリと止めた。 なんて気持ちよさそうな声だろう。 あのおねーさんに触れたら死ぬけど気持ちよさそうだ。 ゆっくり虐められるためには最後まで生き延びなきゃ、でも味わってみたい。 てんこ達に何とも不思議な葛藤が生まれ、一匹…そしてまた一匹と雷雲棘魚を発動中の衣玖へ飛び込んでいく。 「あああああっ♪」 「し、しあわせえぇぇぇぇぇ!!」 「すっきりぃぃぃぃぃ」 「さいこぉ~♪」 その断末魔はどれも甘美なもので、それが呼び水となって周りにいたてんこが次々と衣玖へ飛びついて行く。 「ふふふっ、なんてバカなんでしょう。一瞬の快楽のために死を選ぶなんて…!」 「あぁぁぁぁっ! もっとバカっていってぇぇ!!」 「いっぱいいじめてえぇぇぇぇ!!!」 こうなると確変フィーバー入れ食い状態だ。 数百のてんこが衣玖の周りで二通りの昇天を味わっていく。 「いいんですか? 今死んでしまうとゆっくり虐めてあげませんよ?」 「!! で、でもぉぉぉ!」 「おねえさんにいまの責めもあじわいたいよぉぉぉぉお!!!」 涙を流して目の前の快感と未来の快楽に揺れ動くてんこの心だが、てんこはゆっくり種。目の前の誘惑には勝てなかった。 「でもやっぱりいまいじめてほしいぃぃぃぃ!!!」 「くろこげにさせてえぇぇぇぇ!!!」 それから何分経っただろうか。 すでに衣玖の周りにはてんこが数えるほどしかいなくなっていた。 衣玖は雷雲棘魚を解除すると衣のドリルで残ったてんこを次々と貫いていく。 「つ、つぎはわたしをつらぬいてぇぇぇ!!」 「わたしもつきさしてぇぇぇ!!!」 残ったてんこは衣玖の持ち出した約束、残った一匹をゆっくり虐めるということを知らない。 約束を聞いたてんこはすでに炭になっている。 「貴方で最後ですね」 「ゆっくりいじめてね!!」 「はい♪」 グシャ 最後のてんこは脳天から衣玖の衣で貫かれ、悦の表情で絶命した。 「あら、あんたも終わったみたいね」 「総領娘様。確かに全滅させましたよ」 そしてこれで天界の危機は去っただろう。あとは龍に報告だけすれば終わりだ。 「では、私はこれで」 「ええ、今日は助かったわ。またね衣玖」 「はい。また来ます総領娘様。…掃除の終わるころに」 「…え"?」 「それではっ」 衣玖は空気を読んで足早に龍の世界に帰って行った。 残されたのは天子と大量のてんこの死骸。 天界の美しかった花畑はてんこ集団に荒らされたこと、天子と衣玖が暴れたことでひどい有様になっていた。 桃の香りもてんこの死体から発せられるムワッとした不快な匂いが漂っている。 てんこの数が多かっただけに掃除は大変だろう。 「あーもう! 衣玖のばかー!!」 数日後 衣玖が天子に会いに行った時に問答無用で勝負を挑まれたのは言うまでもない。 終 by ゆっくりしたい人 なんだかカオス。酒飲んだノリで書いた結果がこれだよ! このSSに感想を付ける