約 632,112 件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2309.html
~都会のゆっくりとその顛末~「街れみりゃ親子」 12KB 観察 不運 自業自得 日常模様 駆除 子ゆ 捕食種 都会 現代 独自設定 最近れみりゃモノを見かけないように感じます ~都会のゆっくりとその顛末~「街れみりゃ親子」 羽付きあき ・れみりゃが登場します ・設定がはっきりしない部分は通常のゆっくりと設定を重ねてありますご注意を ・独自設定注意 X月X日 PM 7:22 通りにて 夏も終わりに向かい、朝や夕方には夏が終わったと否応にも感じさせる涼しいとも冷たいともとれる風が吹く季節。 私はシャッターの多く締まった通りを歩いていた。 夕方ともなれば、当然だろう。 元々そんなにひと通りの多い所とは言えないこの場所は、ゆっくりにとっては結構住みやすい場所だったりする。 近くには大きな池のある公園があるし、雨風をしのげる場所も「おうち」を作る材料も事足りるこの場所は、夕方近くにもなれば多くのゆっくりが蠢きだすのだ。 本来ゆっくりとは日が高く上った頃に活動を開始し、日没とともに「おうち」に戻る習性を持つ。 だが、街ゆっくりでは場所によってそのサイクルが大きく違うのだ。厳密にいえば「街ゆっくり」と言うゆっくりの亜種が、僅かな環境によって様々な亜種に枝分かれしていると言ってもいいだろう。 この場所もそう言った街ゆっくりのいる場所である。 例えば、夜はれみりゃやふらん等が飛来し、「おうち」に日没までに戻りきれなかったゆっくりを捕まえるのが普通だが、街という環境がそれを変えてしまった。 そう、ここは(ゆっくりにとっては)大きく入り組んだ一種の迷路なのである。 例えばある一体のゆっくりを追っていくと、そこには大量のゆっくりが待ち構えていたり、路地に迷ったまま右往左往した揚句に地域ゆっくりに取り押さえられると言った事もある。 それならばその飛行能力を使って街ではなく近くの林等でゆっくりを捕まえた方が早いし、「おうち」に運んで僅かな食糧を与えて餡子を増やして長く吸った方が得なのである。 ゆっくりも街に居る様に、れみりゃもまた街にいる。 いわゆる「街れみりゃ」と言う物が存在する。 「街れみりゃ」の多くは捨てゆっくりである。 さくや種やふらん種と抱き合わせでついてきたれみりゃがあまりにも手に余るので捨てられると言った事が多いのだ。 確かにれみりゃ種、それに胴付きにもなると、胴付きゆっくりとは思えないほど手間がかかると言われている。 本来はそれを抑える為にさくや種等とセットでいる事が多かったのだが、現在では全くハケないれみりゃ種をいわば厄介払いの様にくっつけて押し付けているだけと言う事が非常に多い。 もちろん金バッジのれみりゃもいるし、中にはプラチナバッジのれみりゃも多いが、上と下で落差が激しいのがれみりゃ種の特徴である。 地域ゆっくりの中にも胴付きれみりゃが確認されている。往々にして地域れみりゃ達は、飼いゆっくりの警護や通常のゆっくりに出来ないような細かい作業などを担当している。 そこには捕食種として恐れられると言った事も無く、また捕食種だからと言って通常種をそう言った目で見る事も無いと言う一風変わった光景を私も目にした事がある。 さて、街灯がぽつぽつとともりだしたその下に、何やらもそもそと動く二つの影があった。 私が遠くから眺めていると、それがれみりゃである事がわかった。 街れみりゃ・・・それは一体如何様なものなのか?私の興味は尽きない・・・ PM 7:43 街れみりゃ親子 「う~☆まんま~、れみりゃ、くっきーをみつけたんだど~!」 ・・・通常より二回りほど小さい胴付きれみりゃがドタドタとした足取りで親れみりゃであろうれみりゃに向かっている。 クッキーと言っても殆どカスと言っても差し支えのない欠片で、子れみりゃですら片手で持てるほどの量だ。 それを大事そうに両手で持って、笑顔で走り回る様子を見て、大体の事情を察知する事が出来た。 「おちびちゃんすごいど!・・・ままはぷっでぃ~んをみつけたんだど~!」 親れみりゃは腐りかけていた容器四分の一程残っていたプリンを両手で抱えながら、子れみりゃに見せていた。 「う~!まんま~、すごいんだど!かりすまあふるでなーなんだど!」 恐らくまともな食糧にありつけたのは久しぶりなのだろう。ドタドタとした動きで小踊りを踊って喜んでいる様に見える。 「これだけあつまったらでなーにもこまらないんだど!ままはくっきーをたべるからおちびちゃんはぷっでぃ~んをたべるんだど!」 「わかったど~☆」 その場にぺたりと座りこんで口に食べかすを大量に付けながらもプリンを啜り、クッキーを貪るれみりゃ親子。 風貌はボロボロその物で、薄汚く所々茶色いシミの付いた帽子や生ごみの様な異臭が結構離れた場所からでも微かに匂うぐらいにくさい。 食料の量は元々すくなかったからだろうか?すぐに食べ終えるとれみりゃが立ち上がり子れみりゃに向けてこう言った。 「じゃあ、こーまかんにかえるんだど!」 「わかったど~!」 ・・・そして路地裏へとモタモタとした足取りで歩いて行くれみりゃ親子。 私は違和感を感じた。れみりゃ種とは思えない程の行動の違和感さに 通常れみりゃは飛んで移動する。胴付きれみりゃとてその例外ではない。小回りが利く様に目標近くに降り立って歩いて移動するのだ。 だがこのれみりゃ達は常に歩いていた。それにゆっくりを捕まえるわけでなく、街ゆっくりと同じように餌場を徘徊して「狩り」をしていた。 そして最後は「しょくごのだんす」を踊らなかった事にある。 れみりゃ種は空を飛ぶため、食後は出来るだけ体を動かし、うんうんを早く排出して身を軽くしておく必要があるのだ。 その為に「おどり」である。しかしそれもしなかった。 以上の事から考えられる事は一つ。街れみりゃは飛べないのでなく飛ばないのである。 れみりゃがゆっくりを捕食するのは、常にエネルギーのあるゆっくりの餡子を取らなければならないほど飛行にエネルギーを使うからである。 しかし街では空を飛んでも大したメリットがなく、消耗も激しい、なので街ゆっくりの様なスタイルに落ち付いてしまうのであろう。 路地裏を覗けばそこには雑多なガラクタが置かれているその中に、ボロボロのダンボール箱に古タオルをしいただけの「こーまかん」(おうち)とも呼べぬ粗末な代物があった。 そこには寄り添うように眠っているれみりゃ親子の姿を見て取れることが出来た。 涼しさを感じさせる秋の風が街に吹いているのを感じる。 私はバッグの中から、砂糖菓子を片手一杯に掴むと、れみりゃ親子のダンボール箱の前に置く。 ・・・懸命に生きるれみりゃ親子に敬意を評して。 そして振り返ると、その場を後にした。 れみりゃ親子を再び私が見つけるたのは、その二日後である。 二日後 PM13:26 破壊の跡に あれから二日が経った。今日、私がれみりゃ親子の「こーまかん」とやらを見に行った時、既にれみりゃ親子の姿は無かった。 ダンボール箱ごと消えていたのだ。 一体どこへ行ったのだろうか・・・そう考えつつも近くの公園を通りかかると、以外にもそこで見つける事が出来た。 「・・・!!」 私はれみりゃ親子を見て絶句した。厳密にいえばその周りにいる数人の人間たちと、その状況にだ。 ダンボール箱がグシャグシャに踏みにじられていた。 そしてその中央には、たがいに身を寄せ合ってカタカタと震えるれみりゃ親子の姿。 「ご、ごわいど・・・ざぐやぁぁ・・・」 「だいじょうぶだど・・・!おちびちゃんはれみりゃがまもるんだど・・・!」 「しゃがみガード」を取る子れみりゃを守る様にれみりゃが両手を大きく上げて威嚇を取る。 「が~お~!た~べ~ちゃ~う~ぞ~!」 そんな言葉とは裏腹に、足がカタカタと震えていた。肉汁の汗が下膨れの顔全体にダラダラと流れている。 一人の男がその言葉を聞いた途端に拳を握りしめて震え始めた。 あれは笑っているのではない。怒っているのだ。少なくとも私にはそう見える。 私がそう考えた刹那、男がれみりゃを蹴りあげた。 ドコッっと言う音が結構離れたここからでも聞こえたのだ。 「っぶげぇ!」 れみりゃが吹っ飛んだ。 地面にぐしゃりと落ちた後は、小麦粉の体の中心部・・・つまり腹を押さえてバタバタと手足をもんどりうたせ、体を「く」の字にまげてもがき苦しんでいた。 「っげぇ”ぇ”え”え”!う”げ”っ”!あぐっ・・・!いだいどぉぉ・・・!」 男がれみりゃの右足を片手で握った。そのまま勢いよく降りあげると地面に叩きつける。 「ゴッ」とも「ゴツッ」とも聞こえる音が聞こえた。 もう一度持ち上げられた時には、砂糖細工の歯が衝撃でヘシ折れ、口腔に突き刺さったのかジューシーな肉汁と餡がダラダラと口の端から流れ出ている。 「・・・!!!・・・!!・・・!」 口をパクパクとさせながら、肉汁の涙と涎をまき散らし、手足をバタつかせていたれみりゃであったが、男はその手を決して緩めない。 今度は手を離して舌に叩き付けた。 再び「ゴッ!」と言う音が響く。その直後に、れみりゃが叫び声を上げた。 「あぎゃあ”あ”あ”あ”!!でびりゃの!でびりゃのぶりぢーなおででがっ!いだいどおおおおおお!ぐっ!ぎぃぃいいいいいいい!!」 小麦粉の右手から地面に落ちたのだろう。小麦粉の皮一枚で右手がぶら下がっている状態になってしまっている。 手足をばたつかせてのた打ち回るれみりゃに男の足がのしかかった。・・・厳密に言えば「踏み蹴られた」のだ。 「ぐぇ”え”え”っ!!げぼっ!ごぼっ!いだいどお”お”お”お”!!あ”ぐぁ”あ”あ”あ”!!でびりゃのぶりぢーなあんよがあああ!」 一撃目は小麦粉の体の中心部に入った。ゴボリとジューシーな餡が口から勢いよく吐き出され、もがき苦しんだその直後にもう一撃。 今度はれみりゃの小麦粉の両足を完全に押しつぶしたのだ。歪な方向に足が曲がってしまっている。 「・・・何が"ぶりぢー"だ!」 男が初めて口を開いた。何度も何度も何かを叫びながら、れみりゃの下膨れの顔を踏みつける。 「よくも!俺の!ゆっくりを!この!この!」 「あぐぇぇっ!じ、じらないどっぐげっ!でびりゃはゆっぐりはぁぶぅっ!!でびゃっ!」 どうやらあの男の飼いゆっくりがれみりゃか何かに襲われてゆっくりできなくなったようだ。 その正体をれみりゃ親子と勘違いしているのだろうか? ・・・違うと私は確信できる。あのれみりゃ親子にそんな事が出来るはずがない。 違うと飛び出して止めればよかった。だが私はそれが出来なかった。確かな裏付けがないと言うのもあるが、もっと別な所に理由があるのだろう。 男が足の動きを止めた頃には、うつ伏せになってピクピクと僅かに手足を動かすだけとなったれみりゃの姿があった。 今度は別の男が「しゃがみガード」をしている子れみりゃの砂糖細工の髪の毛を引っ掴んで持ち上げる。 「ごわいどおおおお!ざぐやあああああ!ばなじでぼじいんだどおおおおおお!いだいっ!いだいどおおおおお!」 クネクネと手足を動かすが一向に効果はない。男は先ほどれみりゃを踏みつけていた方の男の方を向くと、話し始める。 「こいつはどうするんだ?」 「・・・子ゆっくりだってやられたんだ!この糞れみりゃもやらないと気がすまねぇ!」 「じゃあ、どうする?ゆ叩き棒ならあるぞ」 「とりあえずそいつを離せ」 手から子れみりゃが離れた。腰が砕け、涙目になってカタカタと震える子れみりゃが、腰砕けになってバタバタと背をむいて親れみりゃの方へと向かった。 「まんまぁ~!にげるんだど・・・!う~・・・!う~っ!」 ピクピクと震えるだけの親れみりゃを引っ張りながら逃げようとする子れみりゃ、当然スピードはかなり遅い。 男たちがゆ叩き棒を振るい始める。 子れみりゃの真上に振り下ろされたゆ叩き棒がめり込んだ。 子れみりゃがもんどりうってうつ伏せに倒れると、頭を押さえて手足をバタバタと投げ出しながらもがき苦しみ始める。 「あ”ぎぇ”え”え”え”っ!!いだいどおおおお!!」 それからは、あまりにも単純過ぎた。 男たちがゆ叩き棒で子れみりゃの小麦粉の体といわず小麦粉の頭と言わずに滅多撃ちにし始めたのだ。 「でびりゃのおででがっぐぇぉっ!?あぐううう!!かはっ!うげっ!うげえええええ!!あびっ!ま”ん”ま”あ”あ”あ”あ”!!だずげでえええおぼっ!!」 小麦粉の手足が明後日の方向に向いた、下膨れの顔が中の餡が不規則に移動して腫れあがり始める。 ゆ叩き棒で打ちすえられるたびに餡がビチャリと飛び散った。 やがてがっくりと項垂れると、僅かに体をよじるだけで全く動かなくなってしまった。 ・・・男たちは不満足な様子で引き上げていったようだ。 通常種ならとっくに潰れ饅頭になってしまっているだろう。 しかしれみりゃには回復力が極端に高いと言う特性がある。 子れみりゃがボコボコに腫らした下膨れの顔を上げながら、ずりずりとナメクジが這うようにれみりゃの所へ這って行った。 「まんまぁ~・・・!まんまぁ~・・・!」 「あぐっ・・・!でびりゃ・・・は・・・だいじょう・・・ぶ・・・だ・・・ど・・・がはっ!げぼっ!」 ボロボロになったれみりゃ親子が互いに心配しあいながら公園の端へと移動を始めた。 速度はかなり遅い 「どにが・・・ぐ・・・ごーまが・・・ん・・・をざがざない・・・ど・・・!も・・・う・・・あぎ・・・なんだ・・・ど・・・!」 「まんまぁぁ・・・!むりしちゃだべだどぉぉ・・・!」 「でびりゃ・・・はべいぎ・・・だど・・・!うぐっ・・・!」 そのまま草むらの陰へと消えていくれみりゃ親子を見届けると、私は公園を去った。 いかに回復力が高かろうとも、"おうち"を失い、食料すらままならぬ状況ではどうしようも無いだろう。 れみりゃ親子の張った後には、ナメクジの様にジューシーな肉汁が線の様につついていた・・・ 二日後 AM 9 34 ある道端 あれから再び、二日が経った。 公園周辺を歩いている私の目に映ったのは、道端でボロタオルを握りしめたままうつ伏せに突っ伏して動かなくなっているれみりゃ種らしきゆっくりである。 ボロボロの風貌で、帽子すらなかった。 地域ゆっくりに追われたのか、背中や頭に木の枝が刺さっている。 このれみりゃはいつかみたれみりゃ親子の親れみりゃなのだろうか? 子れみりゃらしき姿は見えない。 逃げおおせたのか、はぐれたのか・・・それとも先に動かぬ饅頭となったのかは定かではない。 ボロタオルが風でめくれると、そこにはもう一つのれみりゃ種の帽子があった。 ボロタオルに隠れた手で、しっかりと握りしめていたのだ。 ・・・遥か遠く、ベンチの向こうでは、街れみりゃらしきゆっくりが前に空き缶を置いて、くねくねと動いていた。 「れみ☆りゃ☆う~☆」 街れみりゃの数は、そんなには多くは無い。 しかし、山野にも行けず、街でしか生きる事の出来ないれみりゃと言うのは本当に環境に適応したと言えるのだろうか? 疑問に尽きない。 私の遥か遠くで、地域ゆっくり達の怒号が聞こえた。 微かに漏れる様に聞こえたのは、街れみりゃの悲鳴だったのかもしれない。
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/856.html
かわいいゆっくりゲットだぜ!!外伝 1-上(うーうー♪ まんまぁー♪) ゆっくりれみりあ(れみりゃ)の捕食種設定ありです。俺設定もありです ひどいあつかいのゆっくりと性格の悪いゆっくりや悪魔(?)のような性格のゆっくりがいます れみりゃの胴体無しはしゃべらない設定です それでもよければどうぞよんでください では、駄文開始です ○○ 様 愛スレの皆様 報告者 作者名無し 野生のゆっくりれみりゃの物語(報告) 晩冬の候、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。 さて、このたびは私見ではありますが、ゆっくりれみりゃの物語をupさせていただきます。 文章の中に生物の生死や捕食のについて書かれていることに不快に思われる方には先に謝罪させていただきます 一匹のソフトボールぐらいの子ゆっくりがふらふらと川のほとりを飛んでいた。 ピンクの帽子から水色の髪がみえていて背中には黒い悪魔のような翼…ゆっくりれみりあ…通称れみりゃだ。 ある日、町に買い物に行った母親と別れてしまい気付いた時にひとりになってしまった そして、行き先もわからずに何日もさまよっていると川のほとりを飛んでいた。 れみりゃが飛んでいると目の前にちいさなゆっくりのグループをみつけた。 れみりゃは一人ぼっちが寂しかったので彼らに近づいていった。 「れみりゃーだ!! まりさがさいごににげるからみなはさきににげてね!!」 「どぼじて!! ぞんなごどいうのばりざ!? ばりざもにげようよ!!」 「わかるよーー! まりさはおとりになるきなんだよ! ほかのみんなははやくにげるんだよ!」 「ちんぽ!!」 「むきゅ!? あのこはちいさいしおやがいないみたいけどどうしたのかしら?」 「こぁ!! ぱちゅりーさま、にげてください!? 」 などの声がきこえたためにれみりゃは怖くて地面に降りて「うー、うー」と泣いていた みんながなにを怖がってるか解らなかったが自分も怖くておびえたために泣いたのだった。 そして、ゆっくり達がれみりゃを遠まわしに離れてから1時間が経過した。 おうちに戻りたいがれみりゃがいて戻れないと相談しあっていたときに1匹のゆっくりが自分がいくとれみりゃに近づいていった 「むきゅ、れみりゃはなにをしにここにきたの?」 「うー、うー!! まんまぁー!!」 目の前の紫の髪のゆっくり…ぱちゅりーがゆっくりとれみりゃに話しかけました。 どうやら、親とはぐれてしまったのではないかと思っていたぱちゅりーはそのことを聞くことにした。 「ははおやとはぐれてしまったのかしら?ままはどこにいったかわかる?」 「うー、うー!! 」 ぱちゅりーは、考えてみたがこの大きさの子供がひとりでいる事はありえない やはり親とはぐれてしまったのだろかと結論付けた。 「むきゅ。だったらいえがどこにあるかわかるかしら?」 「うー、うー!!」 ぱちゅりーはどこにあるかはわからないと伝えている気がした。 その答えを聞いたぱちゅりーは悩んでいたが、 遠まわしにみてる仲間とれみりゃを交互に見たあとに仲間に声をかけました 「むきゅ。みんな落ちついてれみりゃのまわりにきてちょうだい!!」 と呼ぶと周りで様子をみていたゆっくりたちが恐る恐るれみりゃの周りに集まってきた。 「みんなよくきいてちょうだい。このれみりゃはまいごみたいなのよ!!」 「「「「ゆっくり、りかいしたよ!!」」」」 迷子なのはわかったが何の為にぱちゅりーが皆を呼んだのかの悩んでいるようだ。 だが、次のぱちゅりーの言葉を聞いた瞬間に状況は変わってしまった。 「かわいそうだからこのむれにいれてあげたいんだけどどうかしら?」 「「「「ゆっくり、りかいできないよぉおおおーー!!」」」 「わからないよー!!ぱちゅりーがなにをいってるかわからないよ!?」 「そんなのはんたいにきまってるよ。れみりゃはゆっくりできないよ」 「そうなんだよ。ころさないまでもこのむれからおいだすべきなんだよ!」 「ちんぽ!!」 「むきゅ。…でも、れみりゃもゆっくりなのだからゆっくりさせるべきだとおもうわ」 れみりゃには、ゆっくりたちが何を言ってるか解らないが怖くて仕方がありませんでした。 紫の髪のゆっくりと他のゆっくりたちが自分のことで騒いでいるのが怖くて仕方ありませんでした 「こぁ、わたしのいけんをいわせてもらってもいいでしょうか?」 れみりゃと同じような悪魔の羽が頭と背中に生えたゆっくり…ゆっくりこぁがしゃべり始めました 「みなさんがふあんなのはれみりゃさまがいるからですね?」 「「「ゆっくり、そうだよ!!」」」 「だったら、このむれをでていけばもんだいないんですよね?」 「「「ゆっくり、そうだよ!!」」」 「ぱちゅりーさまはどうしたいんですか?」 「むきゅ。れみりゃとはいえこんなちいさなこをひとりにはできないわ」 「だったら、このむれをぱちゅりーさまとれみりゃさまがでていけばもんだいないんですよね?」 「むきゅきゅ!? そのてがあったわね!!」 ぱちゅりーは、群れをでるかはともかく子のこの親をさがしにいこうと思いました。 「このこのおやをさがしにたびにでようとおもうのだけどいっしょにいくゆっくりはいるかしら?」 しかし、どのゆっくりも返事をしなかった。 れみりゃの親を探しに行くなどばかげてると思っているのだった。ある1匹を除いて… 「むきゅ、だれもこないようね…」 そういうとぱちゅりーは、目の前のゆっくり達に背を向けるとれみりゃに話しかけました。 「むきゅ。こんなわからずやのむれはでるわよ。れみりゃ」 「うーうー♪ まんまぁー♪ 」 れみりゃには、紫の髪のゆっくりが何を話していたかはわかりませんが自分の味方だという事は理解できました 他人に甘える性質のあるれみりゃにとっては、紫のゆっくりが本能的に自分が無条件に頼るための存在に思えたのです。 「こぁ、ゆっくりわかりました。ではいきましょう。ぱちゅりーさま」 「むきゅ?こぁはむりしてこなくてもいいわよ?」 「こぁ、この、こぁはぱちゅりーさまのいくところならどこでもついていきます」 「むきゅ、しかたないわね。それじゃほかのみんなさようなら! ゆっくりしていってね!!」 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 思わず本能的に声を返したが驚きを隠せないぱちゅりーの仲間達。 落ち着いてから声をかけようとしたがれみりゃが怖くて話しかけれませんでした。 頭脳役のぱちゅりーとこぁがいなくなったこのグループがどうなったのかは別の話です。 仲間達に別れを告げたぱちゅりー達3匹の新しいゆっくりプレイスとれみりゃの親探しの旅は始まった。 旅にでてから少し経った時にぱちゅりーがれみりゃに話しかけました 「むきゅ。あなたみたいにゆっくりできるこをれみりゃとよんでるのはおかしいきがするわ…」 「うーうー♪ まんまぁー♪ 」 「そうね、あいしょうをつけましょう。なにがいいかしら…そう、れみぃよ。れみぃ」 「うーうー♪ まんまぁー♪ うーうー♪ まんまぁー♪ 」 れみりゃは、肯定の意味をこめてうれしそうに首を振りながらぱちゅりーの周りを飛びました。 その様子をみたぱちゅりーとこぁは肯定の意味と理解してれみりゃに話しかけました。 「そう、れみぃでいいのねよろしくね。れみぃ」 「よろしくおねがいしますね。れみぃさま」 「うーうー♪ まんまぁー♪ 」 こうして、れみりゃはれみぃと言う愛称でよばれることになったのでした。 旅にでて川沿いに3匹で歩いているとあっという間に1日が過ぎました。 そして、最初の日の夕飯はこぁが捕まえてくれた蛙さんとバッタさんでした。 「こぁ。えんりょせずにたべてください。ぱちゅりーさま・れみぃさま」 「むきゅ。きょうはごちそうね。れみぃもえんりょせずにさいしょにたべなさい?」 「うーうー? まんまぁー? あまあま?」 その気持ち悪いご飯にれみりゃはとても困ってしまいました。 彼女が今までに食べたことのあるご飯は、いつも悪魔に仕える瀟洒なメイドさんが用意したプリンやお菓子を食べていたからです。 そのおかげで普通の野生のれみりゃと違ってゆっくりたちを襲わなかったのですが… 本当にこれが食べれるのか心配だったが、大好きなまんまぁーのためです。 思い切って蛙を口に入れてかんでみました プリンに比べて苦くておいしくなかったがおなかがいっぱいになるのをれみりゃは感じた。 「むきゅ。れみぃそうとうおなかがすいていたのね。」 そういうと新しいまんまぁーはれみりゃの顔をすりすりしてくれました。 れみりゃはうれしそうにすりすりを返しました。 「うーうー♪ まんまぁー♪ 」 「こぁ♪ わたしもわたしも♪」 「むきゅ♪ むきゅ♪」 いつのまにか3匹で仲良くすりすりしながらぐっすりと寝てしまいました。 バッタさんがいつの間にか逃げてしまった事はご愛嬌と思いましょう。 れみりゃは、2匹が寝た後もおなかがすいて眠れずにいるといいにおいが近くの木からすることに気付きました。 その木には、オレンジの甘そう果物…人間が柿と呼ぶ果物が上のほうと下の方に残っていました。 (昔からの風習で旅人の為に下の柿は取らず、上の柿は鳥のために残し真ん中だけは木の持ち主が取ったため) 「うーうー♪ あまあま♪ 」 れみりゃは、喜んで柿に齧り付き最初に中の甘い部分だけを吸い出しました。皮の部分はすてていきました。 少し熟しすぎていましたがその甘さはゆっくりにとってはとてもゆっくりしたしあわせな味でした。 「うーうー♪ あまあま♪ うーうー♪ まんまぁー♪」 いいことを思いついたというように自分と同じぐらいの大きさの柿を1個もって2匹の場所に戻りました。 「うーうー♪ まんまぁー♪ 」 「むききゅん。れみぃどうしたの?こんなまっくらなときに?」 「こぁ、ぱちゅりーさまどうしました?」 「うーうー♪ あまあま♪ うーうー♪ まんまぁー♪」 「むきゅ。これはとてもゆっくりできるくだものでかきっていうのよ!!」 「こぁ。れみりゃさまがとってきたんですか?」 「うーうー♪ あまあま♪ 」 2匹は目の前にある果物に驚きましたが、夕食抜きでお腹がすいていたので半分にして急いで食べました。 「むきゅ。おいいしいわ。れみぃ。ほんとうにありがとうね」 「こぁ。れみりゃさまとてもおいしいです。ありがとうございます」 「うーうー♪ まんまぁー♪ 」 れみりゃは、自分の頼る相手が喜んでくれたことがうれしくて楽しそうに空を飛ぶのだった。 そして、3匹は互いに寄り添って眠りについたのでした。 そして、次の朝にれみりゃの案内で柿の木のある場所に行くと 「くだものさんゆっくりしないでおちてきてね!!」 「ゆっくりしないではやくおちるんだぜ!!」 「くだものしゃん、はやくれいみゅにちゃべられてね!!」 などといいながら下のほうで待ち構えているゆっくりや木にぶつかっていくゆっくりがいました。 だが、れみりゃを見た瞬間に「れみりゃーだ!!と」大声をあげて逃げていってしまいました れみりゃにとってもらった柿をたべながらぱちゅりーは溜め息をついた 「むきゅ。ここもゆっくりできそうにないわね」 「こぁ。そうですね。かわをはなれてあのとおくにみえるもりをめざしたらどうでしょうか?」 「うーうー♪ あまあま♪ 」 「そうね、あのもりさんのなかならだれもいないばしょがあるかもしれないわ」 「うーうー♪ まんまぁー♪ 」 こうして3匹は、川を離れて人間が里の近くに作った小さな林を目指していくのでした その場所に着いたぱちゅりーはここなら絶対にゆっくりできる場所だと思いました。 茸が大量になっているしどんぐりや木の実がたくさんなっている。 なによりも他のゆっくりが誰もいないのだった 倒れた大木の下に行くとだれもいなそうな野ウサギの巣があるので中にはいってみました。 ぱちゅり-は大きな声でお家宣言をしました。やはり、返事が返ってきませんでした。 ならば、ここは自分たちのゆっくりプレイスだとぱちゅりーは確信をしました。 冬まであと少ししかない時間で3匹はゆっくりしないで冬ごもりの支度を開始しました。 ぱちぇは巣の中の有効的な使用方法を考えて部屋を改造しました。 れみぃは、林の中や川の近くまで飛んでいって果物や木の実や枯葉などの暖房器具を拾ってきました こぁは、ぱちゅりーの仕事を手伝いつつれみりゃのわからない茸や虫などのエサとご本の調達をしました。 そして、その時間の合間を使ってれみりゃの親をさがしましたが、手がかりはみつかりませんでした。 仕方ないので春になってかられみりゃの親をさがそうとぱちゅりーは考え始めた …そんなあるときに問題が起きました。 冬ごもりまで1週間をきったある日、旅の途中のゆっくりまりさを巣に泊めてあげました。 その時は、まりさはお礼をいってかえって行きました 次の日になるとまりさは、林の外に待たせていた大人が5匹子供が10匹の群れを連れて林の中にに引っ越してきたのです。 まりさの群れはぱちゅりーの巣を横取りにしようとしたのですが… 昨日までいなかったれみりゃがエサ取りから帰ってきていたために驚いて巣から逃げ出しました そして、お約束のようにれみりゃはゆっくりできないと言い出したのです。 それどころかぱちゅりーたちが住んでいる巣をよこせと巣の前で騒いでます。 ぱちゅりー達は呆れるや腹が立つはで大変な状況です。 相手の群れも生き死にがかかっているので引く気配はありません。 「れみりゃはゆっくりできないからでていくんだぜ!!そして、そのゆっくりプレイスをまりさたちによこすんだぜ!!」 「れいむはしんぐるまざーだよ!!たいへんなんだよ!!たいせつにしなきゃいけないんだよ!!れみりゃはこわいんだよ!!」 「わからないよーー! れみりゃはゆっくりできないんだよ!」 「ちんぽ!!」 「とかいてきではないれみりゃとなかまはでていくべきだわ!」 「きょきょは、まりしゃのゆっくりぷれいすだよ!!」 「むきゅ!れみぃはゆっくりできるわたしたちのじまんのこどもよ」 「そうです。あなたたちをおそうことなんてありませんからしんぱいしないでください!!」 「うーうー♪」 ぱちゅりー達にとっては川の群れを離れてからのゆっくりした旅や冬ごもりを頑張ったれみぃを追い出すなどもってのほかだった その為に話は完全な言い争いになってきて一触触発の状況になってしまった。 また引っ越すという手もあったが、冬ごもり間近になったこの時期に引っ越しすのはエサ集めの点から不可能だ。 そのためにぱちゅりーも巣をでるわけにはいかなかった。 その時、相手のリーダー格のまりさが妥協案を言ってきた。 「だったられみりゃとぱちゅりーがべつのすにくらすならみとめてもいいんだぜ!!」 「むきゅ?」 「まりさ。なにをいってるの?」 「まりさがなにをいってるかわからないよ?」 「ここはまりさにまかせるんだぜ!いいかんがえがあるんだぜ!!」 群れのリーダー格の50センチぐらいの大きめなまりさは、周りのゆっくり達に自信満々に話しかけたのだ。 「うーうー? まんまぁー?」 ぱちぇは悩んでいた。れみぃは自分たちの家族の一員だ。それを追い出すわけにはいかない だが、れみぃを追い出せば自分たちはこのゆっくりプレイスから出なくてすむ… この時期に引っ越せば自分たちは生きていく事はできないのが目に見えている…だがれみぃは… あの作戦をやるには時間が足りないしどうすればいいのか と、ぱちゅりーは悩み続けていた。その様子をみていた1匹のゆっくりが発言をした。 「わかりました。そのじょうけんをのみます」 「むきゅ!! なにをいっているのよ。こぁ!?」 「うーうー?」 「だいじょうぶです。ここはわたしにまかせてください」 とこぁは自信を持ってぱちゅりーとれみぃの耳元にささやいてきた。 ぱちゅりーはこぁの話を聞いて内心では驚いたが表面には出さなかった まりさはれみりゃがいなければ自分たちの勝利は確実だと内心でわらっていた。 そうすればあのゆっくりプレイスは自分たちのものだと馬鹿な相手を見下してもいた 「さいしょに、ここいじょうのゆっくりぷれいすをあなたたちにあげます」 まりさは、今の言葉の意味が理解できずに悩んでいたが内容を理解すると聞き返していた。 ぱちゅりーの巣は、根が邪魔をして地下へ掘っていったのか入ってすぐの部屋までは入り口から潜っていく構造をしており、 奥に食物庫やの寝床の広い空間がある最高のゆっくりプレイスだった。 それよりもすごいゆっくりプレイスなんてあるのだろうか? 「ほんとうか…なのだぜ!?」 「ええ、ではみなさんわたしのあとについてきてください」 そういうとこあくまは、まりさたちが来たのとは逆の方に歩き始めた。 こぁ・ぱちゅりー・れみりゃ・まりさ・まりさの群れの順番で行進を開始した ぱちゅりーは、そちらの方向にあるのが人間の町があることを知っていたので内心でいぶかしんだ そして、30分ほど進むと目の前には人間が作った大きな木の小屋があった。 こちらからはいれますとこぁは板と板の40cmぐらいの壊れた隙間から中にはいっていった その中の様子にゆっくり達は驚いたのだ。 食べ物は無かったがゆっくりとした広い空間が目の前にあったのだ。 大人ゆっくりが7匹・子ゆっくり10匹がはいっても半分以上の床が開いている そして、目の前には至高のゆっくりできる素材 ゆっくりできそうな木のベット(ボロきれのようなシ-ツと中身がこぼれだしているフトン) ゆっくりできそうなイスとテーブル(イスは腐りかけているのが4つ・テーブルにはカビが生えている) 風を防いでくれる窓(ところどころ割れている) ゆっくりできそうなミドリの床と座布団(コケの生えた畳の床と中身の無い座布団) ゆっくりできそうな木の置物(中身はからっぽの縦2メートル横1メートル奥行き50センチの本棚) 人が見れば何らかの理由で使われなくなった廃屋であるのは一目瞭然のその場所もゆっくりには輝いて見えた なによりも外に比べて暖かいのだ。これならぱちゅりーの巣とくらべものならないとまりさは喜んだ こぁの言った通りとてもゆっくりできる場所に連れてこられて群れのゆっくり達は思う存分ゆっくりし始めた。 「ここがあなたたちのゆっくりぷれいすです。」 「ゆゆー!!ここにすんでもほんとうにいいのかだぜ!!」 「すごいゆっくりしたひろいゆっくりぷれいすだよ!!」 「とかいてきなばしょね!!すんであげてもいいんだからね」 「でかまらーー!!」 「うんうん、わかるよ!!とってもゆっくりできるばしょだよ!!」 「ゆっきゅりできるよ!!」 ぱちゅりーは、その様子をみながらこぁだけに聞こえるように話しかけた 「ここはにんげんさんのおうちよ。あいつらをおいてほんとうにだいじょうぶなの?」 「はい、おつきさまがまんまるからはんぶんになるまでかんさつしてましたが、このこやにだれもきませんでした」 「むきゅ、ならだいじょうぶそうね」 そういうとぱちゅりーは、こぁとれみぃと家に帰ろうとすきまから外にでようとする。 だが、出る直前にリーダー格のまりさがまたぱちゅりーに話しかけてきた。 「ゆっくりまつんだぜ!! ぱちぇとれみりゃはいっしょにすむんだぜ!!」 「どぼじて!! ぞんなごどいうのばりざ!!」 「わからないよーー! れみりゃはゆっくりできないんだよ!」 「ちんぽ!!」 「むきゅ!!?」 ゆっくりの群れはまりさの発言の意味がわからず驚きの声をあげている ぱちゅりーも何故そんなことをまりさが言ったか理解できなかった。 「うーうー? 」 れみりゃだけが状況がわからないのか鳴き声を上げながら空を飛びまわっていた。 それだけで他のゆっくりたちは、びくびくと震えていた 「そのれみりゃがいればまりささまたちは食料をあつめるのがらくになるんだぜ!!だからよこすんだぜ!!」 「むきゅ、そんなりゆうでれみぃをわたすはずがないでしょ!!ことわるわ!!」 「だったらぱちゅりーもいっしょにすむんだぜ! ごはんさんをさがすちえをかすんだぜ!」 そして、まりさはニヤリと笑うと周りの仲間にぱちゅりー達を囲ませた。 「れみりゃをおいていかないならいえにかえすわけにはいかないんだぜ!! ゆへへっへへ!!」 「むきゅ!?」 その時だった。それまで何もせずに成り行きを見守っていたれみりゃが誰も予想しなかった行動を開始したのだ。 「うー!うー!」 れみりゃは、天井近くから勢いをつけて適当なゆっくりを体当たりでぶっ飛ばしたのだ。 最初に吹っ飛ばされたれいむ種の大人は気を失ってしまった 「れみりゃだ!!ゆっくりできないよ!!」 「ゆゆー!?なにをするんだぜ!」 その一回の攻撃だけでまりさの群れは大混乱を起こして小屋の中を走り出したのだ。 まりさ自身もぱちゅりーの召使だと思っていたれみりゃの攻撃に動転して小屋の中のイスの上に逃げた。 その瞬間を見逃さなかったゆっくりがいた 「むきゅ、いまのうちににげるわよ!」 「こぁ、 ゆっくりりかいしました。」 「うー!うー!」 そういってぱちゅりー達3匹は、一目散に出口に向けて走り出した 後ろを振り向かずにその場を離れました。 幸い後から追いかけてくる気配も無く巣に帰って入り口を木の板でふさいでおいた そのあと、3匹は体を寄せて眠ったが何故かゆっくりと休むことができなかった。 次の日の朝、予想通りにあのゆっくりの群れがやってきて騒いでいる れみりゃの体当たりで怪我をしたゆっくりの治療費の代わりにエサをよこせとかれみりゃを追い出せと騒いでいるのだ。 巣の入り口の外で騒いで中に入らないのはれみりゃを恐れているのかもしれない 「むきゅ、あいつらはさわぐひまがあるならじぶんたちでえさをさがしなさいよ」 「こぁ、でもあのゆっくりたちがいなくならないとわたしたちがゆっくりできませんよ」 「むきゅ、どうすればいいのかしら?」 「うー!うー!」 れみりゃが昨日のように天井から相手にぶつかるような飛び方を見せ始めた。 どうやら自分があいつ等を追い払ってやるといっているようだ。 ぱちゅりーは、れみりゃに注意するような口調で話し始めた 「だめよ。れみぃ。あなたはぜったいにゆっくりをおそったりけがをさせちゃだめなの。わかった?」 「うーうー? まんまぁー?」 「おねがいよ…れみぃ。あなたは、ほかのれみりゃみたいにならないでちょうだい」 「うーうー♪ まんまぁー♪ 」 「ありがとう。れみぃ。わかってくれたのね」 ぱちゅりーは、わかってくれた様子のれみりゃに対して満足そうにすりすりをしはじめた その様子を見ている視線に2匹は気付かなかったがそれだけ2人の絆が強かったのだろうか… 視線の主は、二人の様子を見ながら今後の対策を考えていた。 「こぁ、ぱちゅりーさまにいけんがあるのですが?」 「むきゅ、いってみなさい。こぁ?」 「うー?うー?」 「では、いわせていただきます。れみぃさまをひとりだちさせてはどうでしょうか?」 「むきゅ、なにをいっているのれみぃはまだこどもよ!!」 「いいえ、おちつていください。ぱちゅりーさま。れみぃさまのおおきさを?」 「そんなのこゆっくりのおおきさに…むっきゅんんん!!??」 子の成長にふとした子で気付く事があるというそれは今のぱちゅりーだった れみぃの大きさはソフトボールより少し大きいぐらいと思っていたぱちゅりーはれみぃの実際の大きさに驚いた いつの間にか、ぱちゅりーの大きさとほとんど変わらないくらいの大きさになっていたのだ。 ぱちゅりーと同じバレーボールぐらいの大きさになっていたのだった 「ええ、わたしたちがむれをでたときとおなじおおきさにれみぃさまはなっておられます」 「むきゅー…」 「れみぃさまがいなくなればあのゆっくりたちがくることはなくなるのやくそくではないでしょうか?」 「むきゅー…」 「れみぃさまが、ほかのゆっくりとなれるためにもあのむれにあずけてみてはどうでしょうか?」 「むきゅー…」 「それにこのすではれみぃさまはとべませんがあのすならばひろいくうかんをじゆうにとびまわることができます」 「むきゅー…わかったわ。こぁ…でもれみぃをおいだすわけにはいかないわ」 「こぁ、わかりました…」 「むきゅ、いいことをおもいついたわ。あのむれがふゆをこせるしょくりょうがあればいいのよ」 最初にこぁにひそひそとはなしたあとにぱちゅりーはれみりゃに近づいていきすりすりをしながら話しはじめた。 「れみぃ。よくききなさい。あなたにはすこしのじかんおとりになってもらうわ」 「うーうー? まんまぁー?」 「ここのいりぐちをはかいしてあいつらのめをごまかすわ、そのあいだにあいつらのまわりをとんでいるのよ」 「うーうー? まんまぁー?」 「だいじょうぶよ。れみぃ。すこしのあいだのわかれだからまたえるわ」 「うーうー♪ まんまぁー♪ 」 「わたしは、いりぐちをはかいするためのわなをさどうさせるよういをしてくるわ」 そういうとぱちゅりーは入り口のあるへやにむかってはしっていった。 入り口においてある石や土を利用して入り口を閉じる用意をしにいったのだ。 そのあとに残ったれみりゃにたいしてこぁが何かを話しかけていたがぱちゅりーは気にしなかった 外にいたまりさの群れが見たもの… れみりゃがでてきたのに驚いて巣の入り口から離れたあとぱちゅりー達が出てきて巣の中が埋まってしまったと言ってきた。 入り口に急いで向かうと巣穴の入り口は石や土で完全に埋まっていた。 まりさ達みんなで穴を掘ろうとしたが大きな石が邪魔で巣の奥まではいけそうにないのであきらめて帰ろうとしたときだった。 「むきゅ!わたしたちもこのむれにいれなさい!」 そう、ぱちゅりーが言ったのだった 続く 【あとがき】 作者名無しです。 ぱちぇとれみりゃの出会いの話です。 3話本編のはずがプロローグ以前の外伝を書いてしまったことにへこみました。 とりあえず、次もかわいいゆっくりゲットだぜ!! 書いたもの かわいいゆっくりゲットだぜ!! 1~3 外伝シリーズ 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3733.html
『誰にでもは出来ないお仕事』 ※ついつい急ぎ書きなぐってしまいました…… ※とあるSS作家さんに捧ぐ……といえるほど大したものじゃありません(汗) 幻想郷のどこか、妖怪の山や外から来た湖のさらに向こう。 切り立った谷の上、少し寒い風の吹く小さな花畑に、彼女らはいた。 ずんぐりむっくりした身長1mほどの幼女体型に、ピンク色のおべべと帽子。 背中には、申し訳程度に黒く小さな羽がはえている。 1匹、また1匹と、その場所に集まってくるのは、 ニコニコと下膨れスマイルを浮かべあう"ゆっくりれみりゃ"達だ。 「う~う~♪ うぁうぁ~♪」 「うっうー♪ おぜうさまたちがいっぱいだどぉー♪」 「みんなえれがんとだどぉー♪ かりしゅまもりだくさんだどぉー♪」 集まるれみりゃの数は増えていき、今や30に迫ろうとしている。 初めて会うれみりゃ達は、互いの可愛さを褒め称えあいながら、"うぁうぁ"踊りあい、歌いあう。 「れみりゃはかわいいどぉー♪ さっすが、もりのおぜうさまだどぉー♪」 「うーうー♪ れみりゃのだんすもさいこーにしぇくしぃーだどぉー♪ めろめろになっちゃうどぉー♪」 「おともだちいっぱいで、れみりゃうれしぃどぉー♪ みんなおぜうさまのこーまかんにあそびにきてだどぉー♪」 実にゆっくりした、楽しいひと時。 れみりゃ達はすぐに仲良くなり、この出会いを感謝し、喜び合った。 「うー♪ まんまぁ~☆おぜうさまがいっぱいだどぉー♪」 「うぁ☆あかじゃ~ん♪ みんなにごあいさつするどぉ~♪」 そんなれみりゃ達の集まりに、遅れて親子のれみりゃがやって来た。 親子のれみりゃは、腕をぐるぐる、羽をぱたぱた、お尻をぷりぷり左右に振り始める。 親愛の情を全身で表現する、れみりゃ種特有の"のうさつ☆だんす"だ。 「「「うぁー♪ のう☆さつ☆だんすだどぉー♪」」」 そのダンスにつられて、周りのれみりゃ達も自慢の"のうさつ☆ダンス"を踊りだす。 ダンスのクライマックス『れみ☆りゃ☆うー♪ にっぱぁー♪』をやる頃には、全員が気の置けない仲になっていた。 「うー♪ いいあせかいたどぉー♪」 「おからだ、ぽかぽか☆するどぉー♪」 「あーぅあぅー♪ おぜうさまは、"おしごとまえ"のじゅんびうんどうもえれがんとだどぉー♪」 「仕事前」……1匹のれみりゃは確かにそう言った。 そのれみりゃに呼応するように、他のれみりゃ達もそれぞれ、 お帽子の中から1枚の紙切れを取り出して"おしごと"について語り合いだした。 その紙切れには「ぎゃおー♪」と下膨れスマイルを輝かせるれみりゃザウルスのイラストと、 イラストにそえられるように数行の平仮名が書かれていた。 『だれにでもできるかんたんなおしごとです♪』 『えれがんとにとべるゆっくり、とくにおぜうさまだいかんげい♪』 『びっぷをおでむかえしますので、それにはじないかりすま☆がもとめられます』 『じきゅう、ぷっでぃ~ん☆3つ♪ おうそうだんです』 『しゅうごうばしょは・・・・・・』 それは、まさしくれみりゃ達に対する求人情報だった。 この場所に集まっているれみりゃ達は、ぷっでぃ~ん☆を得ようとこの仕事に応募したのだ。 「う~♪ あがじゃんまってるんだどぉ~♪ いま、まんまぁーがぷっでぃ~ん☆もらってきてあげるどぉ♪」 「まんまぁーありがとぉーだどぉー♪ れみぃー、だいじにだいじにぷっでぃ~ん☆たべるどぉ~♪」 一番後に来た親子のれみりゃも、両手で頬をおさえて、報酬のぷっでぃ~ん☆を期待している。 大好きなぷっでぃ~んを親子そろって食べる光景を思い描き、幸せに身もだえするれみりゃ親子。 そうこうしているうちに、一人の人間がれみりゃ達の前に現れた。 そして、れみりゃ達に仕事の指示を始めるのだった……。 * * * 10分後、そこには谷の対岸を結ぶ、 奇妙な"れみりゃの橋"が出来上がっていた。 人間の指示の下、1匹のれみりゃが谷の向こう側まで飛び、対岸の大地に手をかける。 続いて、別のれみりゃを対岸へ飛ばし、谷の上をパタパタ浮遊させながら、先にいるれみりゃの足を持たせる。 それを永延と繰り返し、総勢30匹のれみりゃからなる、橋が完成する。 しかし、たまらないのはれみりゃ達だ。 れみりゃ種は、一様にぷよぷよふにふにした手足と、ずんぐり重たいお尻が特徴だ。 筋力の低いれみりゃ達では、この組体操のような姿勢を保つのは、非常に重労働だった。 「う~! れみりゃのかわいいおててがぁ~!!」 「うぁぁー! れみりゃのかぼそいあんよがいたいどぉー!!」 「もういやだどぉー! こんなのおぜうさまらしくないどぉー!!」 「ぷっでい~んもっでぎでぇ~! じゃなきゃ、さくやにいいつけてやるどぉ~!!」 あるものは頬を膨らませて、あるものは涙ぐみながら、不満や助けを叫ぶれみりゃ達。 一方、れみりゃ達を求人した男は、そんならみりゃ達を満足気に眺めて頷いた。 その人間の傍らには、サイズが小さいために「橋」になることから免れた子れみりゃがいる。 橋の先頭で対岸の地面をおさえて"うーうー"と声を漏らす親れみりゃを見ながら、 子れみりゃは"うぁうぁ♪"リズムを刻みながら声援を送っている。 「まんまぁ~がんばるんだどぉ~♪ れみぃーもがんばって"のうさつ☆だんす"でおうえんするどぉー♪」 と、その時だ。 人間と子れみりゃの後方から、ドドドドドという地鳴りにも似た音が聞こえてきた。 その音は次第に大きくなり、どんどん近づいてくる。 「う、うぁ? にんげんしゃん、あれなんのおとだどぉー?」 子れみりゃは近づく音にそわそわしながら、傍らの人間の裾を引っ張った。 それに対し、人間は何も答えず、ただ子れみりゃの頭を撫でながら微笑んだ。 「う、うー! かってにれみぃのおぼうしおさわりしちゃだめなんだどぉー♪」 男に帽子を触られるのを嫌がり、音の方へ振り向く子れみりゃ。 次の刹那、音の正体を見て、子れみりゃは目を見開いて叫んだ。 「うぁぁぁぁーーーー!!!」 そこにいたのは、凄まじい速さで走る、馬の頭のついたキノコだった。 「しゃくやぁぁーー!! まんまぁーー!!! こぁいひどがいるよぉぉーーー!!!」 ドドドドドドドドッ! 地響きの主は、何も言わぬまま、子れみりゃと人間のわきを通り過ぎていく。 混乱し、滝のように涙を流す子れみりゃの叫びは、その音の前にかき消されてしまう。 そして同じように。 馬頭のついたキノコが谷を渡る際、 足下の橋から次々に発せられる叫び声が誰かに届くことは無かった。 「「「ぷんぎゃぁぁぁーーーー!!!」」」 ドドドドドド……。 地響き音は、あっという間に谷を越えていく。 踏みつけられ、耐え切れずに谷へと落ちていくれみりゃ達の叫びを背に受けて、 馬の頭のついたキノコは地平の彼方へ消えていった。 「…………」 人間は、霞んでいくキノコの姿を確認してから、その場を後にした。 この人間もまた、とある別の人間に雇われた存在でしかない。 人間は依頼主へ報告をすべく、幻想郷の森の中へと消えていった……。 * * * 一方、谷の底では、一定のリズムでながれるせせらぎが乱れ、 川の中からぬぼぉーっとした影が現れた。 「う~~~! ごぁがったどぉ~~~!」 ひたひたと、自慢のおべべを水浸しにして、水の中かられみりゃが這い出てくる。 れみりゃは肩で息をしながら、川辺にペタンと座り込み滝のような涙を流した。 すると、水面が次々に乱れ、ざばーざばーとれみりゃ達が陸へ上がってきた。 「う~~、びっくりしちゃったどぉ~~♪」 「ざむいどぉ~~! びちょびちょきもぢわるいどぉ~~!」 「あのにんげんしゃんはゆっくりできないどぉー! さくやにいぢめてもらうどぉー♪」 「れみりゃのおぼうしがぁー! だいじだいじがどっかいっちゃったどぉー! うわぁぁぁーー!!」 あるものは安堵し、あるものは涙ぐみ、あるものは泣き叫びうろたえて、れみりゃ達は川辺で体を休める。 その中で、橋の先頭で対岸の大地を支えていた親れみりゃが、そわそわパタパタ羽を動かし始めた。 「う~、あがじゃんにあいたいどぉ~」 「そうするがいいどぉ~♪ きっとしんぱいしてるどぉ~♪」 友達になったれみりゃにも促され、親れみりゃは崖をパタパタ登っていく。 その上で待っていてくれるだろう、愛する我が子の下膨れスマイルを胸に描いて。 「あがじゃんといっしょにこーまがんにかえるどぉー♪ きょうはいっしょにあまあまぱーてぃにするどぉー♪」 崖は思った以上に高く、れみりゃのパタパタ☆では中々上がりきることができない。 それでも親れみりゃは「うーしょ♪うーしょ♪」と額に汗を浮かべながら、 とうとう夕焼けの照らす崖上の花畑にまでたどり着いた。 そして、親れみりゃは、きょろきょろあたりを見回す。 その時親れみりゃは、川の水以上に冷たい汗が流れるのを感じた。 「う~? れみりゃのあかじゃ~ん?」 * * * ドドドドドッ! 走り抜ける馬の頭のついた巨大キノコ。 その馬の頭には、数々のゆっくりがくくりつけられていた。 そして、そのキノコのカサの上には、おべべの引っかかった子れみりゃがいた。 「う~♪ おまんじゅうだどぉー♪ あまあまいっぱぁ~い♪」 「「「どぉーじで、れみりゃがいるのぉぉーー!?」」」 ゆっくりれいむ達を見て、ヨダレをたらす子れみりゃ。 「まんまぁーといっしょにおまんじゅうたべるどぉー♪ う~♪ れみぃーをはやくまんまぁーのところへえすこーとしてねぇーん♪」 ドドドドドッ! 地響きが如く移動音は、止むことがない。 どこかにあるだろう目的を目指してか、それとも移動すること自体に意味があるのか。 「う、うー?」 果て無き旅路は続いていく。 子れみりゃの声は、その音の前にかき消され、届くことはなかった……。 おしまい。 by ティガれみりゃの人 ※3月7日更新:誤字脱字修正しました(by ティガ)
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/316.html
ゆっくりゃの台詞を考えてると頭がフットーしそうだよぉ! あるゆっくりれみりあの飼育風景 「う~、たべちゅうぞ~☆」 「えい♪」 ドゴッ!という効果音とともに俺のつま先がゆっくりゃの金的に突き刺さる。 「ぶあ”ぁぁぁぁ!!な”にずるのぉ!!」 男なら見ただけ気絶、女でも顔をしかめそうな威力で蹴り上げたため、ゆっくりゃ はその胸糞悪い笑顔をさらに胸糞悪い泣き顔に変える。 さてこのれみりゃ、こんなむかつく顔で希少種である。それをなぜ俺が持っている かというと、紅魔館から譲り受けてきたのだ。といっても、紅魔館の主から直接譲っ てもらったのではない。どうやら紅魔館の門番は、メイド長から隠れて、そのメイド 長が溺愛するゆっくりゃ達をネチョネチョにしたりグチョグチョにしたりしている らしい。俺はその門番さんにいくらかの食料もって1体譲ってくれないか?と交渉した ところ快く承諾してくれたのだ。 「う”ぅ”、ざぐや”-!ごいづをや”っづけで!!!ざぐや”-!!」 どれだけ甘やかされてきたのかわからないが、涙を流しながら必死で紅魔館のメイド 長らしき人物の名前を叫ぶゆっくりゃ。しかし、そんなことは無駄である。今、俺とゆっ くりゃがいるこの部屋は、俺が!ゆっくりで!ゆっくりするために作られた!窓なし完全防音 の部屋なのだ!! 「はーっはっはっは!そんな大声を上げても無駄なのだ!!それ♪」 今度は回し蹴りをゆっくりゃのどたまにぶち込んでやる。ぶぎゃっ!とかいって吹き飛ぶ姿 はいつ見ても笑える。 「まぁまぁ、そう怖がらずに、引っ越し祝いにこれをくれてやる。」 そういって俺は無様にも床に突っ伏しているゆっくりゃの目の前にぷっでぃん(笑)を置いてやる。 「う”~!れみりゃのだいずぎなぶっでぃんだど~☆」 ぷっでぃんを見つけた瞬間、先ほどまで痛みを忘れたかのように笑顔になるゆっくりゃ。うん、ゆっ くりゃはこれぐらい単純じゃないとな。 「ほら、早くお食べ。」 「う~、いただきますだどー☆・・・・・・・うー?う~?」 まさかゆっくりゃがいただきますをいえると思わなかった。意外に教育してるんだなあのメイド長。 しかし、ゆっくりゃはプリンのカップを眺めたり、ふたに向かってスプーンを突き刺しているだけだ。 まさかとは思うがこいつ・・・、 「う”~!どおじでぶっでぃんがだべられないのぉ~!?れみりゃのぶっでぃんー!」 そのまさかだった。こいつ、市販のカッププリンの食い方をしらねぇ。まぁ、紅魔館ほどの屋敷に なったら料理どころかデザートも自前だろうな。特にこいつはメイド長の寵愛を受けているから当然だろう。 「まぁ、そうあせらずゆっくり食べればいいと思うよ?それに、そのぷっでぃんはもう君のものだから 僕は手伝ってあげられないよ。」 もっともらしいようでらしくない理屈を述べながら俺は部屋を出る。ゆっくりゃの方は俺の言葉が聞こえたのか 聞こえてないのか、必死にプリンのカップと格闘している。別に俺が開けておいても良かったのだが、俺はあれを 開けたくない理由がある。あのプリンはすでに賞味期限は1ヶ月以上たっているのだ。中身のプリンは買った当初よ りも、微妙に体積が減り、代わりに上澄みがたまり、ビニール製の蓋はかすかに膨らんでいる。俺にはわかる!あの 中は確実に混沌が存在していると! それからそれから。 「おっはよー!ぼくのれみりあちゅわぁーん・・・って、あまっ!くさっ!」 軽快に部屋の戸開けて入る俺だが、立ち込める異臭に戸惑う。 まずはじめに感じるのは甘そうな香り。その直後、それを猛スピードで追い抜いてくるこの腐敗臭。まさに硫化水素! 「ほう、ということはプリンの開封に成功したわけですね?それはっ!おめでたいっ!」 見ると、あほ面でぐぴーぐぴーと寝息を立てているゆっくりゃのそばには、空になったプリンのカップと散乱したプリン の残骸がある。ゆっくりゃの成長に感動しながら俺は祝福の言葉と共に鮮やかなキックをゆっくりゃのどてっ腹に決め込ん でやる。 「うぎゃぉ!?」 きれいな放物線を描いて、壁に激突するゆっくりゃ。あっ、中身がちょっと漏れやがった。油汚れは落とすの大変なんだぞぉ、 ぷんぷん! 「いだい!いだいよ”ぉー!ざぐやー!あいづやっづげでぐぼへぇ!!」 また来るはずもない人物に助けを求めるゆっくりゃの鳩尾に、俺は華麗なトゥキックをお見舞いする。 「ほーら、朝ごはんだぞ!たっぷりお食べ!」 ゆっくりゃが黙ったところで俺は今日の朝ごはんをゆっくりゃの目の前に置く。今日のメニューはお野菜の山だ。今日どころ か明日も明後日も明々後日もだがな。 「うー・・・おやざい・・・いだだぎまずぅ・・・。」 痛みから回復したゆっくりゃがそのまま野菜に口をつけたので、俺は驚いた。普通のゆっくりゃなら野菜という時点で食べる ことを拒否するのに・・・。随分しっかしとしたお子でございますこと。 「う”っ!?ごのおやざいにがずぎるの!ぽいっずるの!」 野菜を口に運んだ瞬間、ゆっくりゃは不細工な顔をさらに歪めて、野菜を吐き出す。まぁ、ゆっくりじゃなくても吐き出すだ ろうな。俺がゆっくりゃにあげた野菜は科学農薬がたっぷりと振り掛けられている。しかも出来が小さいため農薬の濃縮率も高 めらしい。こんな野菜、人間どころか家畜だってくわねぇ、というのは八百屋の主人の言葉だ。だからといって食べ物を粗末に するのは良くない。ここは幻想郷だ、リアルに稲田姫に叱られるからな。俺ってなんてエコロジスト(笑) 「だめだめ!しっかし食べないと元気がでないぞ!」 俺は、好き嫌いをする子供を叱る母親のように腰に両手を当てて、叱り付ける。 「やーなのぉ!ごんだのいらないの”!ざぐやのはもっどおいぢかっだのぉ!!」 メイド長はゆっくりゃの嫌いな野菜さえもゆっくりゃが納得して食べられるほどおいしく調理していたようだ。もう、メイドな んてやめて保母さんになっちゃえよ。 「そんなこといってもなぁ・・・。仕方ない、ぼくがたべさせてあげるよー。」 食べさせるという言葉に野菜を無理やり口に入れられると思ったゆっくりゃは、固く口を閉ざそうとする。しかし、そんなの徒労 だと、ゆっくりゃは胸から腹にかけて走る激痛に気づく。 「ほぅら、たんとお食べ♪」 俺は取り出したナイフでゆっくりゃの腹を二つに割ってやると、その中に野菜を詰め込み始めてあげた。 「う”あ”ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!い”だい”ぃぃぃぃぃぃぃ!!!だずげでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 男の、予想の斜め上をいく行動と激痛から今までで一番の悲鳴を上げるゆっくりゃ。 「うんしょったら、よっこらしょ。こんな感じでいいか。」 野菜を半分ほどゆっくりゃの体内に埋めこんだあと、傷口を小麦粉ペーストで塞いでいく男。ゆっくりゃ種本来の再生力で、あっと いうまに傷口は跡形もなく消える。 「うぎぎぎ、ぢね!ゆっぐりぢねぇ!」 痛みから回復したゆっくりゃ、今度は助けを請うことはせず、怨嗟の目でこちらを睨んでくる。 「なんでそんなに怒ってるのかなぁ?もしかして、まだ食べたりないの?」 そういって男は再びナイフを握る。それを見た瞬間ゆっくりゃの体がビクッ、と、跳ね上がる。 「じゃあ、もう一回僕が手伝ってあげるお☆」 そういって男がナイフを振り上げると、 「う”あぁぁぁぁぁぁ!たべまず!おやざい、たべまずぅ~!!!」 ゆっくりゃは慌てて野菜かごまで這いずると、一心不乱に野菜を掻き込み始めた。 「うんうん、よきかなよきかな。」 その様子を見て男は、納得したように頷きながらゆっくりゃの食事風景を眺める。 朝食後、男は涙目になっているゆっくりゃをなだめるように一緒に遊んでやる。 高い高いをした状態で走り回ったりするうちに、ゆっくりゃの顔に笑顔が戻ってきた。それを確認した男は、すかさずゆっくりゃ にパイルドライバーを決める。その痛みで泣き叫ぶゆっくりゃを再び高い高いする。そして、笑顔が戻るとまたパイルドライバー。 そんなことを昼食をはさんで繰り返すうち、時刻はあっという間に晩飯時になった。 「う~☆う~☆おなかずいたどぉ~☆」 まるで某飛行機乗りの豚が活躍する映画の決闘シーン終盤のようなボコボコ顔で、空腹を訴えるゆっくりゃ。 「よ~し、晩御飯はお肉だぞう!」 「う~☆う~☆れみりゃ、おにぐだいずき~!」 肉と聞いて両手をあげて小躍りし始めるゆっくりゃ。 「ほい♪」 ぶちぃ! 男の軽い掛け声とともに何かが千切れる音。 「う?・・・・・・・・・ぅぅ、う”ぁぁぁぁぁ!れみりゃのぶりぢぃなおででがぁ~!」 何の音かと疑問の顔していたゆっくりゃの顔が、プルプルと震え、徐々に歪んでいきついには大きな泣き声をあげた。 今晩のゆっくりゃのご飯、それは自分の腕。 「ほら、これが今日の晩御飯。」 ドチャッという音と共に、床に投げ出されるゆっくりゃの腕。 「どうぢでごんなごとずるのぉぉぉ!れみりあはごまがんのあるじだどおぉぉぉぉ!!」 「んなこと知らん!言っておくが、それ、食い残してる間は次の飯はないからな。おやつもないし。遊んでもやらん。 とういわけで、俺は今から晩飯を食いにいってくるぜ!」 ゆっくりゃの質問を一蹴し、残酷な掟を伝えて男は部屋を去る。男が部屋をでるまでゆっくりゃは泣き叫び続けたが、男が部屋の 戸を閉めるとその声は完全に聞こえなくなった。 翌朝。 「おっはよー、れみりあちゃーん!」 前日同様、かなりのハイテンションでゆっくり部屋に入ってくる男。 「!!!???」 その声を聞いた瞬間、ゆっくりゃは慌てて体の後ろに何かを隠すようにして立ち上がり、男に向かってにぱ~☆とほほえむ。 その動作を男は見逃さない。そして、小さくニヤッと笑う。 「どうかな、れみりあ?昨日のご飯は全部食べられたかな?」 「う~☆う~☆とうぜんだどぅ~!こうまかんのあるじとしてでなーをぜんぶたべりゅのはどうぜんだどぉー☆」 したり顔でそんなこと言っているが、残された片腕が背中になにか隠していることはものがったている。 「ふむふむ、そうかそうか。せい♪」 男はニコニコしながら、ゆっくりゃに足払いをかける。 ゆっくりゃは見事に前方へ倒れ、ゆぎゃっ!というをあげた。そして、倒れて丸見えになった背中にはしっかりと昨夜の晩御飯 が残っていた。 「あーあ、何が全部食べただよ、全然たべてねーじゃねーか。というわけで、朝食とおやつのぷっでぃんは抜き!」 「う”あぁぁぁ!やだぁ!ぷっでぃんちょうらいー!!」 「うるさい!嘘つきなんかにやるぷっでぃんはねぇ!」 鉄の掟を守ることもせず、浅ましくもプリンを求めて男の足にすがりつくゆっくりゃを蹴り飛ばし、男は朝食とおやつを持ったま ま退出する。 昼時 「さて、どうかな?」 昼食時、一応ゆっくりゃの昼食をもって様子見に来る男。 「れ”みりあ”、ごごまでがんばってたべたの”!だがら、ぷっでぃんぢょうらいー!」 男が部屋に入ってくる、ゆっくりゃが涙声で駆け寄り、肘から手までとなった自分の片腕を見せる。その目は、真っ赤に泣き腫らし、 口元は涎や鼻水でぐちゃぐちゃだ。おそらく、ここまでがんばったのだからもういいだろう、と思っているのかプリンを要求してくる。 あぁ、浅ましい、なんて浅ましい奴なんだ。 「ダメだね。」 ゆっくりゃの提案は即却下。 「どうぢで!どうぢで、れみりあにいぢわるずるnぶぐぅ!?」 ゆっくりゃの抗議の声は、男が頬を思いっきり手で挟んだことでとまる。ゆっくりゃの口はまるでアヒルのようだ。 「どうしてだって?それはルールを守らない君が悪いんだよ?わかる?」 男はやさしく、笑顔でそうゆっくりゃに諭すが、その顔は笑顔の反面、ほのかに怒気をふくんでいる。その気迫に、ゆっくりゃは涙目 でコクコクと頷くだけだった。 「わかればよろしい。」 ゆっくりゃが納得したのを確認して、男は再び退出する。 夜 「やぁやぁ、れみりあくんめがっさ元気にしてるかな?」 晩飯時になって三度ゆっくり部屋を訪れた男。 「はい”ぃ!れみりあはじっがりごはんをだべまじだぁ!」 男の質問とは微妙に食い違った答えを返すゆっくりゃだが、確かにその手にはご飯は握られていない。 「ほんとかなぁ?確かめてみよう。」 そういって男はゆっくりゃのボディチェックをはじめる。帽子の中に隠してはいないか?服の中に隠していないか?などを手探りで確認 していく。もちろん、ドロワーズの中も例外ではない。ドロワーズの中を探っているとき、ゆっくりゃが赤い顔をして気の抜けた声を上げ たのは余談だ。 「ふむ。本当に完食したみたいだな。おめでとう、これはおやつのぷっでぃんだ!」 ゆっくりゃのボディチェックを終え、部屋の周囲にも隠した痕跡が見つからないのを確認した男は、ゆっくりゃに祝福の言葉をかけ、頭 をなでながらプリンを差し出す。 「うー!!ぷっでぃーん!!!」 苦痛から解放されたこと、褒められたこと、ぷっでぃんが貰えたことで、ゆっくりゃのぐしゃぐしゃだった顔はぱぁっと笑顔になる。 「うーうーうまっうまっ☆」 うれしそうにプリンを口に運び、あっというまに平らげてしまった。 「うー☆もっとぷっでぃんほじぃどー!」 どうやらまだ食べたりないようだ。 「もう、おやつって時間じゃないから晩御飯にするぞ。」 「うー☆わがっだー、れみりあごあんたべるどー☆」 プリンで回復したゆっくりゃは素直に男に従う。 「てゐ♪」 ぶちぃ! 再び聞こえる悪夢の音。 「う”あぁぁぁ!れみりあのおででぇぇぇぇ!!!」 昨夜とほぼ同じリアクションのゆっくりゃ。男は。残っていたもう片方の腕を引きちぎったのだ。 「はい、これが今日の晩御飯。いっとくけど、残したらダメだぞ♪」 ポイッ、とゆっくりゃの腕を投げ捨てると男は部屋を出て行った。 残されたゆっくりゃは、激痛と再開された悪夢にただ泣くことしかできなかった。そして、両腕を奪われたことで他のゆっくり種のように 口だけで食事しなければいけないことに惨めさを感じていた。 男はこのような行為を数週間続けて行った。両腕が再生しきらないときは足をもぎ、食い残しがあれば全て食べ終わるまで食事も遊びも抜い てやった。そんなこんなをしているうち、ゆっくりゃはついに、その日のうちに食べ終えることができるようになった。そのお祝いに、バケツ 一杯の特製プリンを与え、男は手足をもぎ取ることから切り取ることに変更してやった。 さらに数日たっての夜。 男は計画を最終段階に進めることにした。 ここ数日、男はゆっくりゃの晩御飯を普通の食事を与えている。ゆっくりゃの体が完全に再生するのを待っていたのだ。 「れみりあ~晩御飯にするぞー。」 「う!?・・・うー☆わかったどぉー!」 一瞬、体を強張らせるゆっくりゃだが、ここ最近の男の優しい態度とおいしい食事を思い出し、すぐに男へ駆け寄る。 「う?れみりあのごはんはどこだぉ?」 男に駆け寄ったゆっくりゃだが、男の手は何も持っておらずあたりをきょろきょろと見渡す。 そんなゆっくりゃをニコニコ見つめながら男は、ゆっくりゃの片腕をつかむ。 「う?う?」 ますます不思議がるゆっくりゃ。そして、 かぽっ 「???」 ゆっくりゃの二の腕がゆっくりゃの口にはめ込まれる。突然のことに目を白黒させるゆっくりゃに男が一言だけつげる。 「食え。」 「ぅぅ・・・!?」 のどの奥でくぐもった声を上げるゆっくりゃ。ずっと疑問を浮かべた顔のままでなにもしないゆっくりゃに男は、 「ほら、なにをしている。こうやって食うんだよ。」 ガッとゆっくりゃの下あごを膝で蹴り上げる。その衝撃でゆっくりゃは自らの腕を、自らの口で噛み千切ってしまった。 「!!!???うg・・・」 「おっと、吐くなよ。吐いたら明日の食事は一切抜きだ。」 痛みと嫌悪感から咄嗟に吐き出そうとしたゆっくりゃに、釘を刺す男。その言葉で咄嗟に口をつむぐゆっくりゃ。 「う”-!う”-!」 口を閉ざしながらも、涙目で必死に首を横に振り、なにかを訴えるゆっくりゃ。 「ほら、どうした?なにをそんなに嫌がる?その肉はいつもお前が食べてたじゃないか?」 いやいやをするゆっくりゃを抱きしめ、耳元でささやく男。その言葉はまるで呪詛のようにゆっくりゃを侵蝕していく。 これがきょうのれみりあのごはんなの? いたいいたいいたいいたいたいたいたいたい なんでいつものおいしいごはんじゃないの? いたいたいたいたいたいたいたいたいたいた でも、そのごはんのまえはれみりあはなにたべてたっけ? いたいいたいたいたいたいたいたいたい たしか、こんなおにくだったような? いたいいたいいた じゃあ、れみりあのおててはたべられるの? いたいいた れみりあはたべものなの? いた れみりあはたべもの。 モグ・・・ ゆっくりゃの頬が動く。それを見て男はニヤリと笑う。 モグ・・・モグ・・・ 段々とゆっくりゃの租借のペースがあがる。 モグモグモグ モグモグモグモグ・・・・・ごっくん! ついにれみりゃはその肉を飲み込んだ。それを見た男は満面の笑みで、 「おめでとう、れみりあ!これで今日からいつでもご飯が食べられるぞ!!」 と祝福の声を上げる。 「う”-!れみりあ”のごばん、おいじがっだでづぅ~!!!」 ゆっくりゃの涙ながらに今日の食事の感想を述べる。 ただ、この涙が食事のうまさから来るものなのか、自分が食べられる存在だと気づいた恐怖からきたものなのかゆっくりゃ 自身もわかっていない。 糸冬 あとがき的な はいどうも、文章をシンプルにまとめられない作者です。 やばいよ今日は!書きたいことがわらわらとでてくるよ!でも、1つ書き上げるのに時間がかかるから なかなか連続で上げれないジレンマ。 ピタゴラゆっくりのオチがどうも思いつきません。やりたいことは大体やってしまったし・・・。 後日、後始末編でもあげるかもしれません。あまり期待せずお待ちください。 あと某美鈴を勝手に登場させちゃったのでこの場でお詫び申し上げます。 名も泣き作者 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/575.html
一方、森の中。 四匹は楽しげに魔理沙の家へ向かっていた。 蓬莱人形に案内されながら森を進んでいく。 「おねえさんのおうちにいったらゆっくりできるね!!!」 「むきゅー! みんなでゆっくりしようね!」 自分達の所へ来て、おいしいご飯を作ってくれた優しい魔理沙。 程なくして魔理沙の家へ到着した一行。 「ここがまりさおねえさんのおうちだね!!!」 「いきなりきたからびっくりするかな?」 「ゆっくりするする!!」 「う~♪」 四匹は玄関へ向かう。 どうやら呼び鈴を鳴らそうとしたらしいがたどり着けなかった。 「ゆ!?」 「いだい!」 家に近寄ったとたん、見えない壁でもあるかのように跳ね飛ばされたのだ。 これは魔理沙が仕掛けておいた泥棒除けのトラップだが、元々人間以上用にしてある為に三匹は数十メートルも飛ばされた挙句、木にぶつかってようやく止まった。 「ゆ! いたかったよ!! ぱちゅりーだいじょうぶ?」 「むきゅー、だいじょうぶ。ゆっくりできるよ」 改めて玄関を見る。 見た限りでは何も変哲のない、ただの玄関がそこにはあった。 「う~♪ とびたいとびたい!!!」 知らない人の家の為、出遅れていたれみりゃが玄関に駆け出す。 どうやら飛んでいったのが面白そうだったようだ。 自分も跳ねたくて勢いよく玄関に直進する。 「!? うーーー!!!」 しかし、物言わぬ玄関が突きつけたのは弾幕。 トレードマークの星型の弾幕だった。 段々とパワーが上がるのであろうそれは、妖怪や並以上の人間にとっては何て事のないものだ。 「うー! っえぐ、いだい。ぱじゅりー、こぁくまー、ざぐやー!!!」 人間では無いがそれ以上に弱い、ゆっくりれみりゃには大分威力があったらしい。 傷こそ付いていないが、きぐるみから出ていた顔面に弾幕が当り、鼻の上が真っ赤に腫れていた。 その泣き声を聞いて駆け寄ってくる三匹。 「だいじょうぶ? ゆっくりできる?」 「むきゅー? ぱちゅりーはここだよ!!」 「うー! ちがうちがう!! ぱちゅりーちがう!!! おせえさんのぱじゅりーなの!!!」 「まりさおねえさーん!!! れいむたちだよ!! わるいひとじゃないからおうちにいれてよ!!!」 ゆっくり霊夢がそう叫ぶ。 この時に一歩近づいたのがいけなかったのか、またトラップが発動してしまう。 今度のトラップはアリスから盗んだ五寸釘。 それがどんどんばら撒かれる。 「むっきゅーー!!!」 「ゆっぐりでぎないよーー!!!」 最初に声をあげたのは魔理沙とパチェリー、あの日五寸釘を打たれた二匹のトラウマが再発した。 「やめてね! まりさたちがゆっくりできないよ!!!」 「うー! やだー! おうじがえる!!!」 次に混濁した意識の中でそれを見ていた霊夢、釘が当って打ち付けられた木を見て威力を理解したれみりゃが続いた。 「ゆっぐりできないよ! まりさおねえさんのおうちはゆっぐりでぎないよ!!!」 「ゆっくりはやくかえろうね! でないとゆっくりできなくなるよ!!!」 「むきゅー! むきゅー! ゆっぐりざぜでー!!!」 「うあー! ざぐやー! ぱじゅりー! こぁぐまー!!!」 未だ放たれ続ける釘を避けながら、必死にアリスノ家まで森を逆戻りする四匹。 ゆっくり達の遥か上を釘は飛んでいたのだが、それには気付かなかったようだ。 息も絶え絶えに逃げ帰った。 家に帰ると、真っ先に厳寒に駆け寄っていった。 しかし、まだアリスは戻っていないようで、鍵がかかった玄関は見た目通りの重量感を醸し出していた。 「カギカカーテルヨ! アリスガカエーテクルマデ、オソトデマーテテネ!」 「お姉さん、まだまちからかえってきてないね」 「おねーさんのおにわならゆっくりできるね」 「ゆっぐりじだい! むきゅ~」 「うっ、ぐす。うぅ、うー」 何時もの木下で休む。 健康な霊夢と魔理沙も未だに息が乱れている、大分疲れたらしい。 「なんで。なんでおねえさん、ゆっくりさせてくれなかったんだろう」 「いつもおいしいたべものつくってくれたのに……」 しかし、ゆっくりがいくら話し合っても答えが出るわけも無く、無意味なおしゃべりはアリスが帰ってくるまで続いた。 「ただいま、さぁ鍵は開けたわよ。中に入りましょう」 「「「おねえさんおかえりなさい、ゆっくりはいるよ」」」 「う~。はやくはいる!はいる!」 ゆっくり達がアリスを出迎える。 街で何か良い事があったのだろう、その顔はとても嬉々としていた。 「はいお土産のおかしよ」 そういって袋を床に置く、立ち込める食欲をそそる香り。 「ゆ!こんなにいっぱい! おねえさんおかねだいじょうぶなの?」 「大丈夫よ、遠慮しないでたべなさい」 「むしゃ……! これめっちゃうめぇ!」 「むしゃむしゃ。まりさ、ぱちゅりー、おいしいね」 「ごはん!ごはん!」 「う~?」 お土産のお菓子はたこ焼き。 勿論、朝食の時同様、お腹は減っていたがれみりゃは食べはしなかった。 「あらあら、あなた達。れみりゃは食べなくってもいいみたいよ。代わりに食べていいわよ」 「うっめ!いただきます」 「これまじうめぇ。おねえさんありがとう」 「めし!めし!」 「うー! れみりゃのごはんは! おかしじゃなきゃやだー!!!」 目の前で美味しそうに食べる三匹を、終いには泣きながら眺めるれみりゃ。 早く自分のおやつが食べたいのだろう。 昨日はきちんと、小悪魔がれみりゃ用の甘いおやつを出してくれ、朝もきちんとパチュリーがプリンを作っていって帰っていったのだ。 れみりゃがそう思うもの無理は無かったが、実際は出てこない。 食べ物の匂いが立ち込める中、三匹の意地汚い食いっぷりが更にれみりゃの涙腺を刺激する。 「うーー!うーー! おがじー! おがじぐれないとたーべちゃうぞー!」 それを濁った目で見るアリス。 思いつきで始めた元手0円の副業。 思いの他上手くいったが、利益をれみりゃに還元する気は更々ないらしい。 「れみりゃが早く遊びたがっているから、食べたら遊んであげてね」 「「「ゆっくりたべたらいっしょにあそぶよ!!!」」」 「そう……。食事は楽しく食べないとね」 仲良くおしゃべりしながら食べる三匹、この調子だと三十分はかかりそうだ。 「ゆっ! おねえさん。まりさおねえさんのおうちにいったけど、ゆっくりできなかったよ」 「あら? どうして、いままでお世話になってたんでしょ?」 「おうちのまえまでいったのに、いれてくれなかったの」 「あらあら、本当に?」 「むきゅー! はじきとばされたり、ぱちゅりーのあたまをさしたぼうで、またさそうとしてきたの!」 「……、そう。やっぱりね」 肩を落としながら答えるアリス。 これは勿論演技だが、ゆっくり達には見抜けないだろう。 「どうしたの? おねえさんだいじょうぶ?」 ゆっくり魔理沙が心配そうに駆け寄ってくる。 圧倒的な身長差の為に魔理沙の方は下から見上げる形になる。 「えぇ、大丈夫よ。だからそんなに心配しないで」 そう答えるアリスの顔は満足そうだ。 顔だけでも、魔理沙に心配してもらっている、計り知れない充実感がアリスの体に満ちていく。 「実は魔理沙は悪い魔法使いでね、あなた達に人形を使って釘を打ち付けたのも、あなたの餡子を取り出して食べたのも魔理沙の魔法の力なのよ」 「「「ゆ!!」」」 信じられない、と言った表情の三匹。 だって魔理沙お姉さんは何時もゆっくり達に食べ物を作ってゆっくりさせてくれたのに……。 「それはね、一杯食べらせて太らせるためなのよ……」 どうやら声に出していたらしい。 アリスからの返答にさらに困惑する三匹。 どうもゆっくりの頭では、理解するのに数分かかってしまうらしい。 「魔理沙お姉さん、ゆっくり達のこと騙してたんだね!!!」 「ゆっくりさせて食べちゃうつもりだったんだね!!」 「むきゅー! はじりだぐない! はじりだぐないよー!!」 三者三様の反応。 しかし、三匹とも魔理沙に対しての評価がガラッと変わったのは事実。 「おーいアリスいるかぁ?」 確かめるチャンスが来た。 「はいはい。いるわよ、紅魔館に行ったんじゃなかったの?」 アリスは平然を装って対応する、片目で三匹を見ながら。 「それがさぁ、いざ始めようとした時に八卦炉忘れたのに気付いてな。昨日色々いじってそのままにしてきちまったんだよ」 「ふーん、あんたらしいわね」 「それで戻る時にお菓子を頂戴してきたんだ、ゆっくり達に食わせてやろうと思ってな」 「っ!」 今はゆっくりガ主役だと分かってはいても、自分の為にではなくゆっくりに為に家に来た魔理沙。 ゆっくりの分際で魔理沙に馴れ馴れしくする上に、お菓子まで強請るなんて……。 声に出しそうになった口を必死に閉じる。 もうすぐそれも終わるのだから。 「はらゆっくりども、魔理沙様が紅魔館から頂いてきたケーキだぜ!」 そういってゆっくり達の前にケーキを並べる、どれも色とりどりで美味しそうだ。 「う~♪ け~き! け~きた~べちゃうぞ~♪」 れみりゃがケーキに駆け寄る。 なにせ紅魔館のけーきだ、散々目の前で三匹が美味しそうに食べているのを見せられたれみりゃは勢いよくケーキへ向かっていく。 が、すでにケーキは潰れていた。 「魔理沙お姉さんの食べ物なんか要らないよ! ゆっくりできないならでていってね!!」 「いっぱい食べさせて霊夢を食べるつもりだったんだね!!」 「むきゅー!! あやまってね!!! あやまってね!!!」 ドンドンと、音を立てながらケーキを踏みつけていく。 あっという間に床のしみに成り果てるケーキ。 「おっおい! いったいどうしたんだよ……」 「出て行ってね! おねえさんのお家から出て行ってね!!」 「うわっ、わかった! わかったよ!」 勢いに押されれ逃げるように玄関から出て行く魔理沙。 訳が分からず玄関先で固まっていた魔理沙にアリスが声をかける。 「ごめんなさい。あの子達なにか勘違いしてるみたいなの、後できちんと話しておくから」 「そうか。よろしくたのむぜ、アリス。」 元気が出た魔理沙は、アリスの肩を軽く叩いて、箒にまたがって紅魔館へと飛び立った。 「おねーさん! 魔理沙おねーさん帰った?」 「れいむ、魔理沙お姉さんとはもうゆっくりしないよ!!!」 「パチュリーも!!! おねーさんとゆっくりするよ!!!」 アリスの顔から笑みがこぼれる。 「三匹とも、魔理沙には私からよく言っておくから。その時はまたゆっくりしてあげてねくれる?」 驚きとも、困惑ともつかない表情の三匹。 やっぱり、自分たちに酷いことをしてきた人を許す事は、ゆっくりでも出来ないんだろうか? そんな考えがアリスの頭を過ぎった時だった。 「……。良いよ!! おねーさんが許すんだったら魔理沙もゆるすよ!!!」 「おねーさんは優しいから!! 霊夢も許してあげる!!」 「むっきゅー!! ぱちゅりーもぱちゅりーも!!!」 「そう……。ありがとう。……良かったわ」 コイツラはやっぱり馬鹿だ、馬鹿正直に自分の演技に掛かってくれている。 アリスの本音はゆっくり達が思っているものとは違う。 しかし、ゆっくり達の本音はアリスも理解している。 だから面白い、楽しい、快感なのだ。 「それじゃあ、夕飯まで遊んでいらっしゃい。日が暮れたら帰ってくるのよ」 「」 「うん、ゆっくり帰ってくるよ!!」 「「お姉さんいってきまーす!!!」」 「行ってらっしゃい」 笑顔のまま三匹を見送る。 そのまま家の中に入る、が今度は異質の笑顔を向けていた。 「うーー!! れみりゃのけーきがぁ!! けーきがぁ!!!」 そう言いながら、地面に落ちたケーキを見て泣き叫ぶれみりゃ。 かつてのレミリアの面影は全く無いが、アリスにはそんな事関係ない。 レミリアが無様に泣き叫んでいる、そう思うと不思議のアリスの心も満たされていく。 「う~!! れみりゃのけーぎ!! ……う~♪」 あろう事か、床に落ち潰れたケーキを食べようとするれみりゃ。 「う~♪ げーぎ♪ げーぎ♪」 うつ伏せになり、顔を近づけ、正にれみりゃの舌がケーキに触れよとしたとき。 「うぇぶ!! え゛ーー!! ぎ゛ょ゛ーーーーー!!!!」 アリスの人形がれみりゃの舌を打ち付けた。 しっかりと打ち付けられた舌の所為で上手く話すことも、動くことも出来ない。 少しでも動くと舌が抜けそうな程の激痛が走る。 今まで紅魔館でぬくぬくと暮らしていたれみりゃが感じた本当の痛み。 「うがーーーー!!! じゃぐあーーー!!! じゃくがーーー!!!」 肉汁を口から溢して、必死に叫び声をあげるれみりゃ。 「だめじゃないれみりゃ、あなたは紅魔館のお嬢様なんでしょ? そんな汚いの食べちゃいけないわ」 アリスが口調は優しく語りかける。 「う~!! いだいーーー!! ざぐやー!! ぱじゃりーー!! ごぁぐまーー!!!」 何度目かも分からない助けを求める声。 生憎と呼んだ人物の中にゆっくり愛玩者は無く、ただ煩いだけの叫び声と成り果てる。 「ふふ。無様ね、れみりゃ。でも安心して、貴方と違って私はとっても慈悲深いから助けてあげるわ」 「うわーーー!!! うっ? う~~~♪」 首根っこを掴んで持ち上げる。 猫を持つような格好だが、持っているのは猫ではなく元紅魔館のお嬢様。 「う~♪ たかいたがーーい♪」 そのまま、二階まで上がり一番日当たりの良い部屋まで連れて行く。 「う~!!! もっと~~~♪ もっとたかいたか~い♪」 床に降ろされたれみりゃは、よほどさっきのが楽しかったのかしきりにもっともっととおねだりをして来る。 「……」 それを無視して、アリスはあの大きな透明な箱の中にれみりゃを入れる。 「う~? だしてーーー!!! だしてーーーー!!!!!」 防音になっているのか、その声を無視してアリスは下に降りてしまった。 「うーーー!!! あーーーーー!!!!!」 残されたれみりゃは、必死にそこから出ようともがくがそれも叶わない。 それどころか、事態は段々と悪い方向へ転がっていく。 「う!! いだいーー!!! いだーい!!!!!!」 突如れみりゃの体に激痛が走る。 「ああーーー!!!! いだーーーい!!!!」 それに驚き、飛び跳ねるとまた激痛が。 「あがが!!! しゃくやーーー!!! ぱじゅりーーー!!! こぁくまーーー!!!!」 「ぎゃーーーー!!!!」 知能の低いれみりゃに動かない、と言う選択ができるはずもなく延々と苦しみを味わい続ける。 朝、裸で外に出された事、そしてその上からきぐるみを着せられた事。 その二つが、今回もれみりゃの体中をかぶれさせた原因だった。 「あぎゃーーー!!! うぎゃーーー!!! いだいーーー!!!!」 夜中も相変わらず叫び続けるれみりゃ。 既に、アリスも他のゆっくり達も夢の中に旅立っているが、痛さで寝るどころではない。 「うーーー!!! うーーー!!!」 それでも、ずっと泣き叫んでいる事で疲労が溜まっているのだろう。 「うーー!!! ……いだい……」 徐々に、そのれみりゃも夢の中に落ちていった。 翌朝。 「う~♪ おながすいたぞ~♪」 れみりゃは空腹で目が覚めた。 「う!! いだい!!! いだい!!!」 しかし、直ぐに体中に痛みが襲ってくる。 「あが!! ううう!!! うーーー!!!」 「あら、起きたの? れみりゃ」 部屋に入ってきたアリスの腕には、美味しそうな料理が載せられていた。 「うああーー!! いだいーー!! おながへっだーーー!!!!」 「はいはい。ちょっとまってね」 箱からだし、きぐるみを脱がせる。 それで、痛みが幾分和らいだれみりゃの興味は、今度は食事の方へと向いた。 「うーー!! ごはんたべりゅーー!!!」 「ええ。どうぞ」 「うっう~~♪」 思えば、昨日の朝から食事をしていなかったれみりゃは、目の前に出された食事にがっついた。 「う!! まずいーー!! これいらない!!! おがしちょーーだい!!!」 飛び散る食事。 どうやら、この状態になっても、お菓子以外は食べたくないらしい。 「はーーやーーぐーーーおーーーーがーーじーー!!!!」 「……」 「おーーーーがーーじーーーー!!!!」 「だまれ」 「おーーー!! むぐぐ!!」 飛び散った食事を、無理矢理れみりゃの口の中に押し込んでいく。 「まったく、何時から紅魔館のお嬢様はこんなに我侭になったのかしら? ダメじゃない好き嫌いしちゃ?」 「ううーー!!! うーーー!!! まずーー!!」 「だまれっていってるのよ!!!」 「!!! ぎゃーーー!!! いだいーーー!!!! もご!!」 アリスは、れみりゃの傷だらけの肌を思い切り掻き毟る。 悲鳴を上げたくても、口には大量の食べ物がドンド運び込まれる。 「ほら、ドンドン食べてね。折角作ったんだから」 「うーー!! ぎゃーーー!!!!」 吐き出そうとすると体に激痛が走る。 そんな事を繰り返しているうちに、少しずつ喉の奥に運び込んでいくようになった。 「うーー!! ごくん!! うーーー!!!!!」 「そうそう。偉いわ」 「うーーー!!! ぜんぶたべだーーー!!!!」 死に物狂いで、全ての料理を平らげたれみりゃはその泣き顔でじっとアリスを凝視した。 「ええ。今度から食事はきちんと食べるのよ」 「うーーー!!!」 口答えする気も起きないらしく、ただただアリスの言う事に頷く。 「そうだ、体痛いでしょ?」 「う? うーー!! いだいーー!!!」 どうやら、今まで忘れていたらしい。 思い出した今は、しきりにイタイイタイとアリスに叫ぶ。 「これがいけないのよ? こっちを着なさい」 「あああーーー!! きぐるみがーー!!! どーじでーーー!!!」 目の前で着ぐるみを完全に灰にしたアリス。 そして出されたのは、れみりゃの服だった。 「う~~♪ きぜで~~~♪ びぎゃ!!!」 「自分で着れるでしょ?」 「うーーー!!!」 痛い体に鞭を打って、必死に服を着ていくれみりゃ。 「うっぎゃ!!」 「そこはそうじゃないでしょ?」 「う? う? うっぎゃーーー!!! いだいーー!! いだいーー!!!!」 「ほら、きちんと着なさい」 「うーー!!! うーーー!!!」 この痛みから逃れるためには、はやく服を着てしまうしかない。 この服を着る時も痛みがあるだろうが、アリスに蹴られるよりは痛くはない。 何度も蹴られながら、それでも必死に、そうして何とかきちんと服を着ることができた。 「そう。やればできるじゃない」 「う……、う~~~♪」 「じゃあまたそこに入っていなさい」 「うーーーー!!!!!! だじでーーー!!! だじでーーー!!!!」 またしても、アリスはれみりゃの叫びを無視して行ってしまった。 それから一週間、れみりゃは毎日同じ生活を続けた。 食事は一日三回、お菓子などは一切出てこない。 服は朝、一度脱がされる、そして着替えさせられる。 一度だけ、そのまま過ごしていたことが有ったが、その時は体中に唐辛子を塗りつけられた。 一方の三匹は、その一週間をゆっくりと過ごしていた。 朝は可愛らしい人形に起こされ、朝食を取り森に出かける。 そしてお昼に帰ってきて昼食を取り、今度は家の庭で遊ぶ。 夕食後は、庭か自分達のベッドで遊ぶ。 ゆっくりとした一週間。 三匹が気になった事といえば、今まで遊んでいたお友達がめっきり来なくなってしまった事だけだった。 ―― そして一週間後。 その日の朝は、何時も通り始まった。 「ホーライ!!」 「ゆゆ!! おにんぎょ~さんおはよう!!」 「今日も霊夢たちはゆっくりするよ!!」 「むきゅむきゅ!! きょうも元気にすごすよ!!!」 人形に連れられ、家の中に入る三匹。 三匹は気付いていたのだろうか。 家の人形達は、全て修理を終えていた事に……。 「「「おねーーさん!! おはよう!!」」」 「おはよう。さぁ朝ごはんよ」 何時も通りの朝の挨拶。 そう言ってアリスが食事を出してくれる事も何時も通りだった。 「いっただきま~す!!」 「むっきゅ~~!! おいし~~~!!!」 「むっしゃ!! うめぇ!! めっちゃうめ~~!!」 ガツガツ!! ムシャムシャ!! 辺りには、モノを咀嚼する音だけが響く。 そして、ニコニコと美味しそうに食べる三匹を眺めるアリスの姿。 「むっぐもぐ……? ……?」 最初に、異変に気付いたのはゆっくり魔理沙だった。 「……おねーさん。このあんこどーしたの?」 「ゆゆ?」 「むきゅ?」 他の二匹も、食べる口を留めて魔理沙のほうを向く。 「どういしたの魔理沙? ゆっくりおいしーよ」 「そうだよ!! おいしーよ!!」 「だって!! だってこのあんこおかしいよ!!!」 小刻みに、魔理沙の体が震え出す。 自分は、以前にもこの味を食べたことがあった。 「美味しいでしょ? いままで遊んでいたお友達の餡子よ?」 「ゆ? なにを言ってるのおねーさん? 霊夢にも分かるようにせつめいしてね!!」 「むっきゅ~~~?」 「今まで仲良く遊んでいたお友達は、皆加工場に連れて行って餡子になっちゃったのよ」 クリクリした瞳を向けて尋ねてくる二匹に、アリスは端的に言い放った。 「!!! やっぱりおねーーさんがやったんだね!!」 ゆっくり魔理沙が、アリスの下に駆け寄ってくる。 「ゆ!!!」 しかし、多くの人形達にそれは阻まれてしまう。 「ええ。貴方達が加工場の中で楽しくゆっくりしていた時に、全部捕まえてあげたのよ」 「ゆー!! おねえさん!! どうしてそんなことするの!!」 「むっきゅーー!!!」 「どうしてって、あんた達が私の家をメチャクチャにしたからでしょ。折角魔理沙一緒に暮らすために、一緒に魔法の研究をしようと綺麗にしていたお家を……」 押し黙るアリス。 ボソボソと、魔法使い特有の早い口調で言葉を続ける。 「でもね、あなたたちはころさないであげたのよ。せっかく魔理沙が気に入ってたしね。魔理沙は優しいのね。でもね!!!」 「「「!!!!」」」 「でも、あんた達三匹は折角魔理沙が持ってきたお菓子を台無しにしただけじゃなくて、魔理沙を悲しませる事を行ったりして。それが許せなかったのよ!!!」 アリスの独白が終わると、家中の人形が三匹を取り囲んだ。 「ゆゆ!! おねーさん!! おねーさんが魔理沙おねーさんはゆっくりできないっていったんだよ!!!」 「私がそんなこと言うわけないじゃない!!! 魔理沙は、魔理沙は一緒に居るだけでゆっくりできるのに!!!!!」 「ゆゆーーーー!!!!!!」 「れいむーーーー!!!!!!!!」 一体の人形が、霊夢の頭に釘を突き刺す。 深く、深く突き刺さった釘が、霊夢の体に痛みを伝える。 「ゆーー!! いだいよーー!! ゆっくりさせてよーーー!!!」 「やめて!! やめておねーーさん!!」 「むっきゅーー!! やめてあげてね!!! やめてあげてね!!!!」 「……忘れたのかしら?」 「!!! ぶげっ!!!!」 魔理沙の顔面にアリスのつま先がめり込む、余りの痛みに、ヨタヨタと転がりまわる魔理沙。 「返事は、だぜ! っておしえた筈よ?」 「ゆ!! ゆるしてほしいんだぜ!! ありす!!!」 「そう。それで良いのよ。魔理沙」 「ゆ!! ゆぐぐ!! ゆーーー!!」 魔理沙は泣いていた。 今までの一年間は夢だったのだろうか。 三匹が仲直りして眠りについて見た夢だったのだろうか。 「ゆぶ!!」 霊夢を掴みあげ、釘を引き抜く。 「ゆぎーーー!!!!」 そのまま、頭の後ろに大きな穴を開ける。 「貴方は、毎朝美味しい餡子を出すのよ。だから今まで通りゆっくり過ごしてね。もし不味くなったら、お友達が困った事になるかもしれないわよ?」 「ゆゆ!! ゆっくりすごす、……ぜ? ぶげら!!!」 「何を言っているのか分からないんだけど、貴方ってそんな喋り方だったかしら?」 「ごめんなぜい!!! ありすおねーーざん!!!!!」 「うん。それじゃあ毎朝よろしくね」 「はい!! はい!!!」 霊夢を床に降ろし、パチュリーの元へと近づいていく。 「むきゅ? むきゅーーー!!! ごめんなざいーー!!!!」 「なんで謝るのかしら、貴方は何か悪いことしたの?」 「むきゅ!! まりざおねーざんに、わるいごといいまじた!!!!」 パチュリーが、自分に出せる精一杯の声でアリスに話す。 「そうだったわね、でも正直に言ったから許してあげる」 「むきゅ~♪」 「でも、貴方も体が弱いのに、家のゆっくり魔理沙と遊ぼうとしてたわよね? おかげで、魔理沙はゆっくり出来なかったのよ」 「むぎゅ!!!」 パチュリーは魔理沙のほうを見るが、そこには必死に顔を横に振っている魔理沙が居るだけだ。 「でも安心して、これからも、魔理沙と遊んで良いわよ。ただし」 「むきゅ?」 「毎朝、きちんと走って体を鍛えてね。人形を一体付けてあげるから」 「むぎゅーー!!!! むぎゅーーーー!!!!!」 「ふふ。それじゃーね。……さて」 「!!!!!」 再び、魔理沙の前に立ったアリス。 その顔は笑ってはいるが、これは本当の笑いではないと、魔理沙の眠っていた記憶が教えている。 「貴方、私の首を思いっきり突き飛ばしたわよね?」 「ゆ!!!」 「その前に、自分で自分は幸せですって言ったわよね?」 「ゆー!!!」 「それなのに、どうしてそんな事したのかしら?」 「ゆゆゆ!!!!……」 「どうなの?」 「ゆ……ゆーー!!!」 「答えられないの? だったらそこのお友達も加工場に連れて行かないとね」 「!!! まっで!! 魔理沙が悪かったです!!! おねーさんからにげようとしまじた!!!」 「それで?」 「ごめんなざいーー!! もうぜっだいにじまぜんからーー!! ぱじゅりーーとまりざをゆるじでーーー!!!!!」 「私が聞いているのは、そんな事じゃないの」 「ゆ?」 「今、幸せかどうか聞いているの」 「!! はい!! 魔理沙はいまどっでもしあわせです!! だいずきなアリスとくらぜてしあわせd……だっぜ!!!!」 「嬉しい!! やっぱり魔理沙はゆっくりでも魔理沙ね!!!」 「ゆーー!! 好きだぜアリズ!! アリズーーー!!!」 やっぱりあれは夢だった。 笑顔で頬を寄せ合う一人の魔法使いと一匹のゆっくり。 そして、二匹のお友達。 四匹の幸せな日々は、何時までもゆっくりと続く事だろう。 ~koumakan part~ 「うーー!! さぐやーー!!! ぱちゅいーーーー!! こあぐまーーー!!!」 既に一週間の殆どを箱の中で過ごしていたれみりゃは、今まで自分を大事にしてくれた紅魔館の人のことを考えていた。 「うーー!! ぱじゅりーーー!!! こあぐまーーーーー!!!!」 「呼んだかしら? レミィ」 「!!!!! ぱじゅりーーー!!!! ぱじゅりーーーー!!!!!!」 そこには、嘗て自分を大事にしてくれたパチュリーの姿があった。 「はいはい、どうしたの?」 箱かられみりゃを出してやり、胸に抱き寄せ優しく尋ねる。 「うーー!!! ごごいやだーーー!!!! おうじかえるーー!!!!」 「そう。おうちにかえりたいの?」 「うんーーーー!!! かえりたいーーー!!!」 余程辛かったのだろう、滝のように涙を流し続けるれみりゃ。 「それなら、帰りましょうか?」 「う!! いーのーー!!!」 「ええ、でもね」 「う?」 「帰っても、貴方は前のように生活できないわよ? お菓子も出ないわよ?」 「ぞれでもいーーー!!! おねがいーーーー!!! がえらぜてーーー!!!!!」 この一週間、普通の食事をしていたれみりゃにとってそれはもう苦労でもなんでもなかった。 「そう。それじゃあ帰りましょう。そうそう、お友達を連れてきたわ」 「う? おともだち?」 「これですよ」 隣に立っていた、小悪魔の後ろから顔を出したモノ。 姿形は、れみりゃに良く似ているが、服と羽が大きく違っている。 「うーーー!! ゆっくりしねーー!!!」 それは、紛れもなく、あの怖かったお姉さんそっくりのゆっくりだった。 「うーー!! ゆっくりs!!! いだいーーー!! いだいーー!!!」 そして、このゆっくりも体中に湿疹や汗疹の痕が有った。 「この子も、今日加工場から引き取ってきたの」 幾ら今まで風評が良かったとしても、ゆっくりになっては意味がない。 「さて、帰りましょうね。帰ったら、二人とも仲良くお風呂に入りましょう」 「うーーー!!! うーーー!!!!」 「うーーー!!! うーーー!!!!」 今までは、折り合いが悪かった姉妹だったが、これからは仲良くメイド達のイジメに絶えながら生活できる事だろう。 紅魔館。 現在はスカーレット血縁者が途絶えたため、前当主・前々当主の友人であるパチュリー・ノーレッジが党首の座についている。 「小悪魔。さっさと帰るわ。これをお風呂に入れないとね」 「はい。パチュリー様。そうだろうと思って出かける前にメイドさんに言っておきましたよ」 しかし、殆ど図書館に篭りっきりの当主に代わって従者でも有る司書が屋敷を纏めているらしい。 The end このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4121.html
しーしー描写あり 「ある赤ゆっくりれいむの生活」 「ゆっくりしていってね!」 赤ゆっくりれいむは生まれてはじめてのゆっくりしていってね!をした。しかし 「ゆっ?おきゃーしゃん?どきょー?」 この赤ゆっくりは親れいむがアリスにレイプされて生まれたゆっくりだった。 だから目の前にある黒ずんだ物体が親だとは思ってもいなかった。 「ゆっ!早くでてこにゃいとれいみゅおこるよ!ぷんぷん」 怒ってはみたものも周りには親の死骸以外には何もなかった。 本来なら姉妹ゆっくりもいるはずだが、なぜか姿が見えない。 「ゆっ!きっとれいみゅのためにごはんをとりにいっているんだね!」 赤れいむはそう考えて、黒い餡子の塊の前で待つことにした。 数時間後 「ゆっ…ゆっ…」 すでに息も絶え絶えな赤れいむの姿がそこにあった。 生まれてから一度も何も食べていない赤れいむは もうすぐで衰弱死するところだった。 「おきゃーしゃん…どうしてきちぇくりぇないにょ…」 赤れいむが短い一生を終えようとしていると、その時 「むきゅ!大変よ赤れいむが死にかかっているわ!」 そこに現れたのは成体ぱちゅりーだった。 「しっかりしてね!お母さんはどうしたの?」 ぱちゅりーが水とすこしの草を噛み砕いて与えると赤ゆっくりは少しずつしゃべりだした 生まれたら母親や姉妹がいなかったこと 赤れいむのために餌をとってきてくれると思ってここで待っていたこと そしてぱちゅりーに出会ったこと 「むきゅ…残念だけどあなたのお母さんはもう死んでるわ…」 「ゆっ!!!そんなことないよ!!おきゃあさんはれいみゅのために えさをとりにいってくれていりゅんだよ!! そんなきょともわかりゃないぱちゅりーはばきゃなの?しにゅの?」 命の恩人に向かってこれだけの暴言を吐けるようになった赤れいむを見てぱちゅりーは 「そう、じゃあうしろにあるくろいあんこの塊はなに?」 「ゆっ?あんこってにゃに?」 「餡子っていうのは私達の中に入っている大切なものよ、 なくなると死んでしまうの、あなたのお母さんは死んでしまって 餡子の塊になってしまったのよ」 「ゆっ!うしょだよ!この汚いのがおきゃあちゃんなわけないでちょ!?」 「じゃああなたのお母さんはどこに行ってしまったの?」 「ゆっ!?」 「あなたのお母さんはおそらくレイパーありすに犯し殺されたのね あなたはレイパーありすの子よ」 「よきゅわかんにゃいけど!れいぱーはいやだよ!ゆぅーんゆぅーん…」 本能がレイパーという言葉に反応して泣き出した赤れいむをみて 「むきゅー、レイパーの子供はレイパーになるわ。 今のうちに殺しておこうかしら」 「ゆぇーん!ゆぇーん!きょろされたくないよぉ! ぱちゅりーおねえちゃんたしゅけてぇー!」 ぱちゅりーは悩んだ、レイパーの子供はレイパーになりやすい。 だがこの子はれいむ種だ、レイパーになる可能性は低いのではないか。 しかし群れへ連れて行くわけにも行かない。 レイパーの子は群れへと入れてはいけないルールなのだ。 それになによりぱちゅりー自身ゆっくり殺しにはなりたくなかったのである。 なら方法はひとつしかない。 「れいむ、あなたは一人で生きていかなければいけないのよ」 そう赤ゆっくりならほおって置けば勝手に死んでしまうだろう そうすればぱちゅりーには何の責任もない。 だが赤れいむはそんなぱちゅりーの発言で怒り出してしまった 「きょんなきゃわいいれいみゅひとりおいていくなんて ぱちゅりーはほんちょにくじゅだね!ばきゃなの?しにゅの?」 ぱちゅりーも今の一言で吹っ切れたように言った 「ならいいわ、そこでお母さんが来るまで死ぬまで待ってなさい こないでしょうけどね。助けたお礼ひとついえないくずゆっくりを 助けてしまうなんて、ばかなことをしたわ」 そういってぱちゅりーは去っていってしまった。 「ゆん!ぱちゅりーなんていにゃくちぇも しゅぐおかあちゃんがきてきゅれりゅもん!!」 赤れいむはぱちゅりーを追うことなくその場でお母さんれいむを待つことにした。 「ゆぅ…ゆぅ…」 いつの間にやら寝てしまったようだ、こんな平原のど真ん中で寝るなんて自殺行為だが 赤れいむはそんなことは知らない、おしえてくれるゆっくりがいないからである。 「うー☆おいしそうなあまあまだどぉー☆」 そこに胴なしれみりゃがやってきた。 「あまあまさんがいっぱいあるどぉー☆おなかすいたどぉー☆」 れみりゃは元お母さんゆっくりの餡子をゆっくりと食べ始めた。 「うー☆でりしゃすなんだどお☆でもぷっっでいーんのほうがもっとでりしゃすなんだどお☆」 れみりゃのこえを聞いてあかれいむは目を覚ました。 「ゆっ?にゃんにゃにょ?きょきょはりぇいみゅのゆっくりぷれいすだよ! じゃましにゃいでほしいよ!ぷんぷん!」 れみりゃのまえに躍り出た赤れいむは怒りの言葉と体を膨らませて威嚇した。 「うー☆あまあまだどぉ☆でもおじょうさまは腹八分目がマナーなんだどお このあまあまはぽいぽいだどぉー☆」 そういうとれみりゃは赤れいむをむんずとつかみ遠くへ放り投げた。 「ゆーおしょらをちょんでりゅみちゃいー」 のんきにゆっくりしていると ドスン! 「ゆぎゃああぁぁぁぁ!あちゃまがいちゃいいいぃぃぃぃ!!?」 (全身頭のような気がするが気にしない方向で) まっさかさまに落下したところは やわらかい草の上だったのでつぶれずにすんだ、しかし 「この草さんはゆっきゅりしちぇないよ!れいみゅおこったよ!」 そういうと積み上げてあった草をちぎり捨てあたりに捨て始めた。 赤れいむが草に八つ当たりしているとあたりはすっかり朝になっていた。 「ゆっ!おはようダーリン」 「おはようなんだぜマイハニー」 近くの木の洞からありすとまりさの番の声が聞こえてきた 二匹は朝食をとろうと貯蔵庫へむかった、そこでみたものは 「ゆぎゃああ貯蔵庫がぁぁ!」 「こんなのとかいはじゃないわぁぁぁ!」 そこには汚くてとても食べられないような状態の青草と その中で眠る汚らしい赤ゆっくりの姿だった。 「ゆっ!ゆっくりしていちぇにぇ!」 あかれいむはうれしかった、久しぶりにまともに話ができそうなゆっくりに出会えたのだから。 しかし… 「貯蔵庫をめちゃくちゃにしたわるいゆっくりはじねえぇぇぇ!!」 ズドン! 「どうじでぇぇ!!」 赤れいむはまりさの一撃で洞の外へ放り出された。 「いちゃいよおぉ…どうちてれいみゅが…」 「このくそれいむがああああ!!!」 れいむがふりむくとそこにはものすごい形相でこちらに向かってくるまりさの姿があった 「ふんぎゃあぁぁ!!おきゃあちゃんたしゅけちぇぇぇぇ!!」 赤れいむは逃げた、これ以上走れないというほど逃げた 「ぜはっ…ぜはっ…ゆ?きょきょどきょ?」 赤れいむはすっかり道に迷ってしまった。といってももともと帰る場所もないのだが。 「ゆぅ…おにゃかしゅいたよ…」 当たり前である、赤れいむが食べた物と言えば ぱちゅりーからもらった水とほんの少しの雑草だけだったのだから 雑草!赤れいむは思い出した。 あのときぱちゅりーは草さんを食べさせてくれた。 おなかがすいたのならそのへんにある草を食べればいいのではないか とっさにそう思った赤れいむはそこに生えていた雑草を口に放り込んだ 「むーちゃむーちゃ、しあわ…ゆげぇぇぇぇ!エレエレエレ」 赤れいむが食べた草はとても苦い草だったのだ ただでさえ小さいからだが餡子をはいたことによってさらに小さくなってしまった。 普通のゆっくりならお母さんに食べられる草と食べらない草の違いを教えてもらうのだが 赤れいむにはお母さんがいないため、どの草が食べられるかわからなかった。 ちなみに赤れいむが食べた草は「よもぎ」である 餌としてよりも薬としてゆっくりたちに食されている草である。 「ゆぅ…もうつかれちゃよ…」 もはや精根尽き果てようかと言う赤れいむは ついにその場に倒れこんでしまった もはや死を待つだけの饅頭になってしまったのである。 じょろじょろ… 「…ゆ」 そう、赤れいむは思い出した 草さんのほかに水さんもぱちゅりーにもらったのであった その水さんの流れる音がする、 本能がそう告げていた、赤れいむははいずるようにその方向へ向かっていった。 ザァァァァ 「ゆっ!お水しゃんだよ!これでゆっくちできりゅよ!」 そこには多少流れは急だが川があった 「ゆっ!ゆっくちしにゃいでゆっくちのむよ!」 川の水を飲んで赤れいむはかなり回復した 「ゆっくちちちぇいっちぇにぇ!」 だがサイズは生まれたときよりもかなり小さくなっていた それとともに知能のほうも徐々に退行していっていたのである そのためいまでは『ゆっくりしていってね』とはっきり言えないまでになってしまった。 数分後 「ゆっ!なんだかむずむずするよ!」 水分を取りすぎたゆっくりは餡子の水分濃度を保つため 適度にしーしーをして水分を排出するのだが、 この赤れいむはそんなことは勿論知らない。 「むずむずさん!むずむずしないでどっかいっちぇね!」 赤れいむはしーしーを我慢していた、ゆっくりだってしーしーをがまんするのは体によくない。 「ゆっ…ゆっ…何か出てきそうだよ…」 ついに我慢できなくなった赤れいむは大量のしーしーをした。 「ゆぎゃあああにゃにこりぇぇぇぇぇ!れいみゅしんじゃうにょおおおお!!!」 赤れいむは大パニックになってしーしーをしながら川原を走り回った、そして ズルッ!バシャーン! 「ゆぎゃ!」 自分のしーしーで滑って川に転落してしまったのでした。 「がぼがぼ…おみじゅさん…ゆっきゅりしちぇ…がぼがぼ」 こうなってはもはや助かる手段はない 幼いれいむにもそれがわかった。 「もっちょ…ゆっぐり…」 ゴン!ザバアア! 「しちゃか!」バチン! なんと流れが急なことが幸いしたのか 赤れいむは岩にぶつかり跳ね返って川原へと戻ってきたのであった。 しかし、赤れいむの皮は水をふんだんに吸っており 乾くまで一歩も動くことができそうになかった しかしそんなことも知らない赤れいむは 必死になって何かから逃げようとしていた。 「ゆっ…ゆっ…」べりっ 塗れた状態で移動しようとしたために皮の一部が裂けて餡子が出てきてしまった。 「ゆっ…餡子さん出て行かないでね…ゆっくりできなくなっちゃうよ…」 それでも赤れいむは前進した、何かに導かれるようにして。 「ゆ…」 だがついに力尽きその場に倒れこんでしまった。 「あっゆっくり目が覚めたみたいね」 赤れいむは生きていた それどころか暖かい部屋で枯葉までかけてもらっていた。 「わたしはれいむよ!あなたはどこからきたの?」 「ゆ…れいみゅはれいみゅだよ…」 「れいむが倒れていたから私が助けてあげたのよ」 「ゆ…ありがちょうおねえちゃん…」 「ところであなたどこの群れのれいむ?」 「れいみゅはれいみゅだよ…群れなんかじゃないよ…」 「ゆ?つまりどこの群れの子でもないのね? じゃあげんきになるまでれいむがお世話してあげるわ」 「ゆ…ありがちょ…おねえちゃん…」 赤れいむは再び深い眠りについた それは生まれてはじめての暖かい眠りだった。 数日後 赤れいむは元気になった おいしいご飯を食べさせてもらって ゆっくり眠って 本当にゆっくりとした生活だった。 「ゆっ!ここがハニーのハウスなのかだぜ!」 「ええそうよ、ゆっくりしていってね」 家の中にお姉ちゃんれいむと見たことのない?まりさが入ってきた 「ゆっくちしていっちぇね!」 赤れいむは元気よく挨拶をした、しかし 「ゆゆっ?ハニーこの汚いのはなんなのだぜ?」 「ごめんねダーリン怪我をしてたから看病してあげたら出て行かなくなっちゃったのよ」 「こんな汚いれいむを看病してあげるなんてほんとに優しいハニーなんだぜ!」 「ゆっふん…照れるわダーリン」 赤れいむには話がよくわからなかったが、ばかにされたことだけはわかった。 「ぷんぷん!れいみゅはきちゃにゃくにゃいよ!ゆっくちていしぃしちぇにぇ!」 「うるさいんだぜ!この泥饅頭!」 「そうよ!少しやさしくしてあげたら調子に乗っちゃって!おお みぐるしい みぐるしい」 「ゆゆっ!?」 まりさはおろかれいむにまで罵声を浴びせられて赤れいむは混乱してしまった。 「さっそく新居のごみそうじをしてあげるんだぜ!」 「まりさたくましいわぁ!あとですーりすーりしようねぇ~」 そういうとまりさは赤れいむをくわえると 「ぽーい!だぜ!」 赤れいむは捨てられた。その後穴の中からすっきりーという声が聞こえてきたが赤れいむには関係なかった。 赤れいむは半ばあきらめたように歩き出した せめて死ぬときくらい自分の死にたい場所で死のうと思ったのである。 それはあの餡子の塊、つまり母のところであった。 本当はわかっていたのだ、自分の母親は死んでしまっていたこと、 あの時ぱちゅりーにひどいことを言ってしまったこと いろいろなことを思い出した、しかし 「みゃみゃ…どきょ…」 れみりゃにぽーいされて、まりさに追い立てられ、川にも流された今 あの生まれた場所に戻れる保障は万に一つもないだろう それでも赤れいむは歩き出した。 このとき初めて赤れいむは生きる目的を見つけた。 『死ぬ場所を探すためにゆっくり生きる』 本末転倒ではあるが、赤れいむは死ぬ場所を探して歩きはじめた。 終わり このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1162.html
※人間、妖怪等は出てきません ※交尾シーンがあります ※俺設定あります ゆっくりを構成する比較的単純な構造の餡子遺伝子。 複雑な結びつきもなく、親から子、子から孫へと受け継がれるほとんど同一のもの。 だが今ここに、何万何億分の一の確率でそれが突然変異した。 「ゆ~♪ ゆっくりしていってね~♪」 一匹のゆっくりれいむが巣の中で歌を歌っていた。 その頭からは蔦が生え、子供の実が八個生っている。 どれもこれもが震え、もうすぐ生まれ落ちそうだ。 「ゆゆ~♪ ゆっくりしたあかちゃんがうまれてね~♪」 やがてその内の一つ、一番大きな実がポトリと蔦から落ちた。 母となったれいむは期待に満ちた眼差しでその子供を見つめる。 大きな帽子と美しい金色の髪。長女としてうまれたその子はまりさ種だった。 しばらくぷるぷると震えたのち、赤ちゃんまりさが大きな目をパッチリと開けた。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 母れいむは喜ぶと同時にとても驚いた。 何故なら、その赤ちゃんの活舌がとても良かったからだ。 だがその驚きも、初めての自分の子供を前にした喜びでは些細なことだった。 母れいむは満面の笑みで赤ちゃんまりさに言う。 「ゆ! れいむがまりさのおかあさんだよ! ゆっくりしていってね!」 「ゆー! おかーさん、ゆっくりしていってね!」 母と子供はお互いの頬を擦り合わせた。 人間でいえば抱擁にあたるその行為は、二匹の心に安らぎを与える。 「もうちゃんとしゃべれるなんて! まりさはとってもかしこいこだね!」 このまりさこそ、餡子遺伝子の突然変異によって生まれたゆっくりだった。 既に体が普通の赤ちゃんゆっくりより若干大きく、活舌も良い。 悪い言い方をすれば奇形、良い言い方をすれば進化したゆっくりである。 まりさが生まれたのを皮切りに、次々と子供達が蔦から落ちていった。 長女まりさを除けば、赤ちゃんゆっくりは全部で七匹。れいむ種が三匹にまりさ種が四匹だった。 まりさは母親と共に、生まれた自分の妹達に祝福の挨拶をした。 「「ゆっくりしていってね!」」 「「「「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!」」」」 それから一週間、まりさは他の子供達と共にすくすくと育っていた。育ちすぎだといってもいいだろう。 その能力の高さから、ある時は母親と一緒に食べ物を探しに出かけたり、またある時はまだ幼い他の姉妹たちをなだめたりしていた。 母から聞いたところ、もう片方の親であったまりさは"れみりゃ"というゆっくりに食べられてしまったらしい。 だけどもまりさは悲しくなかった。お母さんれいむがもう片方の親の分まで自分達を愛してくれていると感じていたから。 そして、そんな家族に転機が訪れる。 ある晴れた日のことだった。一家は巣の近くの草原でゆっくりしていた。 お昼ご飯を食べ終え、元気に草の上を駆けまわるもの、母親に寄り添って昼寝をするもの等様々である。 母れいむとまりさもその様子を微笑んで見ながらゆっくりしている。 まりさは既に大人ほどの大きさになっていた。とは言ってもまだ母よりは小さい。 それでもその落ち着いた雰囲気は姉妹や同年代のゆっくりとは比べ物にはならない。 怒ると怖いけれど誰よりも自分達子供のことを一番に考えてくれるとっても優しい母。 まだまだ幼いけれど元気と明るさでは誰にも負けない妹たち。 皆に囲まれてまりさは幸せだった。 だがその幸福な時間が突如終わりを告げる。 「う~! た~べちゃうどぉ~!」 突然聞こえた声。それに真っ先に反応したのは母れいむだった。 「…!! みんな、ゆっくりしないであつまってね!」 ゆっくりとは思えない機敏さで子供の前に立つ母れいむ。まりさも野原で遊んでいる妹達を集める。 子供達は母れいむとまりさの後ろに隠れる形となった。 そんな一家の前には、婆臭い帽子を被った人間の子供のようなゆっくりが空を飛んでいる。 まりさは以前母から聞いた言葉を思い出した。 れみりゃ。それは自分たちを食べる非常に恐ろしいゆっくりらしい。 まりさのもう一人の母親であるまりさもれみりゃに食べられたと聞いた。 そして今目の前にいるこいつこそがそれなのだろうと判断した。 「れみりゃはおなかがすいてるんだどぉ~☆」 両腕を天に掲げながら、れみりゃはゆっくりとれいむ一家に近づいていく。 知能はゆっくりの中でも1、2位を争う低さなのにその生まれ持った力によって捕食種となっているゆっくりれみりゃ。 あまり知恵も力もない普通のゆっくりにとっての天敵である。 しかも体付きの希少種ともなればゆれいむやゆまりさでは到底敵わない。 「う~♪ おいしそうだどぉ~♪」 徐々に迫ってくるれみりゃにまりさ以外の子供達は怯え震えている。 母れいむに緊張が走った。駄目だ、このままでは皆やられてしまう。 とその時、まりさがれみりゃに突撃した。 「おかあさん、みんなをつれてかえってね!」 それは一か八かの賭け。自分がれみりゃの気を逸らしているうちに皆は逃げることができる。 いや、もしかしたら自分ならこいつを倒せるかもしれない。 しかし、その希望は無残にも打ち砕かれた。 「と~ったど~!」 「ゆっ!?」 がちっと両手で捕まえられるまりさ。 逃げようと暴れるが、その手はびくともしない。 むしろもがけばもがくほどれみりゃの指が皮に食い込み、まりさに痛みをもたらす。 「う~! いただきま~~すだどぉ~♪」 れみりゃが口を大きく開いた。その中には何本もの鋭い牙がギラギラと輝いている。 迫りくる絶望。自分の力では絶対にのがれることの出来ない死。 今になってまりさは自分の軽率な行動を悔やんだ。少しでも勝てると思った自分は馬鹿だった、と。 大きく口をあけたれみりゃが近づいてくる恐怖からまりさは目を閉じ、命の終わりを覚悟したその時。 「れいむのこどもをはなしてねっ!」 どんっ、という音と共にまりさの体に自由が戻る。 一瞬宙に浮かぶ感覚とその後に来る衝撃。れみりゃの手から解放され、地面に落下したのだった。 目を開けて状況を確認するまりさ。 彼女の視界には不満そうな顔をしたれみりゃとそれに立ち向かう母の姿が映った。 「う~、れみりゃのしょくじをじゃまするんじゃないどぉ~~!!」 ぷりぷりと怒るれみりゃは駄々っ子のように手を振り回す。どう見ても何も考えていない、からっぽの頭にふさわしい攻撃。 だがその力はゆっくりにとっては馬鹿に出来ない。 例え成長しきった大人ゆっくりでもその一撃をくらえばしばらくは動けなくなるだろう。 それを母れいむは避け続け、れみりゃの隙をついて体当たりをしかける。 「う゛~~!! いたいどぉ~~!!」 呑気な声色からは攻撃が効いているのかいないのかさっぱりわからない。 とはいえ全く効果がないわけではないようで、徐々にれみりゃの手の動きが遅くなっていた。 まりさは妹達と合流し、母れいむとれみりゃの攻防を見守る。 「がんばれおかーしゃん!」 「そんなやつ、やっちゅけちゃえ!」 赤ちゃんゆっくり達は次々に母を応援し始めた。 お母さんが守ってくれるから大丈夫だ、という考えがあるのかその顔には安堵の色が浮かんでいる。 しかし、先ほどれみりゃに捕まっていたまりさは嫌な予感がした。 いくら母が強いといえどあの怪物のような力に勝てるのだろうか。 そして予感は的中することになる。 今までなんとか避けていたれみりゃの拳が母れいむにクリーンヒットしたのだ。 ゆ゛ぐっ! という呻き声と共に地面へと崩れる母れいむ。その口からは餡子が漏れていた。 「う~♪ れみりゃはつよいんだどぉ~~♪ れみ、りゃ、うー☆ きらっ☆」 くるくると頭の悪さ100%な踊りを踊るれみりゃ。その落書きのような顔には無邪気な笑顔が浮かんでいる。 一方、地面に倒れたままの母れいむは既に虫の息である。 たった一撃、されど一撃。これが捕食種と被捕食種の力の差だった。 「ゆ゛ゆ゛っ…ゆ゛っ…」 ほとんど焦点の定まっていない目で母れいむは子供達の方を見る。 まりさと母れいむは目が合い、無言での意思疎通をした。 (まりさ、みんなをつれてにげてね!) 「う~、ぷりちーにおどったどぉ~♪ じゃあそろそろたべるどぉ~♪」 踊り終わったれみりゃが母れいむを掴み上げる。 それと同時にまりさは姉妹を連れて逃げ出した。姉妹を口に含み、まりさは駆ける。 後方から母の断末魔が聞こえてくるが、それでも走り続ける。涙が風に乗って流れて消えた。 体力の限界まで走り続けた結果、辺りは薄暗くなっていた。 ここまでくれば大丈夫だろうとまりさは口を開く。 「ゆっ!? ここはどこ?」 「おそらがくらいよ! いつのまによるになっちゃったの?」 「おねーちゃん、おかーしゃんはどこにいっちゃの?」 わけがわからず混乱している姉妹たちにまりさは数時間前の出来事を説明する。 母親は自分の身を犠牲にして子供達を守ったこと、そしてまりさが皆を連れて逃げだしたこと。 「うしょだぁぁぁぁぁ!! おかーしゃんがじんじゃうわけにゃいよぉぉーーー!!」 「びええぇぇぇぇぇぇ!! おかーしゃあああああああん!!」 「おねーちゃんのばかーー! どうしておかーしゃんをたすけなかったのぉぉ!!!」 「ごのうそつぎ! おねーぢゃんのうそづき!」 口々に泣き叫ぶ姉妹たち。中には自分たちの命を救ったまりさを罵倒する者もいる。 だがまりさは反論できない。 姉妹たちは幼く、そして何より自分の軽率な行動によって母親は死んでしまったとまりさは感じていたからだ。 あの時もっと慎重にしていれば皆助かっていたかもしれない。そう思うとまりさの心は暗くなる。 しかも無我夢中で走り続けたせいか、辺りを見回してもここがどこだかさっぱりわからない。 おうちに帰れないし、食べ物もない。赤ちゃん達はまだ泣きやむ気配もない。 その時、まりさ達に声をかけたゆっくりがいた。 「あら? あなたたちどうしたの?」 それはゆっくりありすだった。 とても美しい金色の髪を持ち、その頭には可愛いカチューシャが付いている。 彼女はまりさの妹達の鳴き声を聞きつけてやってきたのだった。 「ゆ…じつはおうちにかえれなくなっちゃって…」 まりさがそう言うと、ありすはにこにこと笑顔を浮かべて提案した。 「じゃあこんやはありすのおうちにこない? あかちゃんたちもつかれてるみたいだし」 「ゆー、いいの?」 「えぇ、もちろん! たべものもたくさんあるわよ!」 にっこりと微笑むありす。その笑みに悪意は全く感じられない。 このゆっくりは大丈夫だ、とまりさは判断した。 ならお言葉に甘えさせてもらおう。 「ゆー、ごめんね。じゃあこんやだけおせわになるよ!」 「ふふっ、きにしないで。おうちはこっちよ、ゆっくりついてきてね!」 ありすが森の奥へと進み、まりさ達姉妹も続いた。 しばらく歩いて巣の場所に着くと、ありすは入り口を覆っていた葉や枝を除け、まりさ達をその中へ招いた。 「ここがありすのとかいはなおうちよ!」 中はゆっくりにとってはとても大きかった。 まりさ達姉妹が全員入ってもまだまだ余裕のある、ありす一人暮らしには広すぎるような巣だ。 「ゆー! しゅっごくおっきぃー!」 「れいみゅたちのおうちよりひりょいね!」 「ゆ! こっちにきりぇいなもにょがいっぱいありゆよ!」 赤ちゃん達はこれまで見たことないような大きさの巣と数々の美しい装飾品に興奮している。 ぴょんぴょん跳ねまわる妹達を見て、まりさは慌てて声をかけた。 「みんな! あまりはしゃいじゃだめだよ! ありすにめいわくだよ!」 それをまりさの横で聞いたありすは、微笑んだまま優しく言う。 「あら、べつにいいのよまりさ。あかちゃんはげんきにうごきまわるのがしごとなんだもの!」 「そ…そう? ごめんね」 まりさは思った。ありすはなんて心の広いゆっくりなのだろうと。 見た目も美しく、性格も優しい。まりさにはありすがまるで女神のように思えた。 「さて、みんなおなかすいてるでしょ? ゆっくりあつまってね!」 その言葉に今まで飛び跳ねていた赤ちゃんゆっくり達は我先にとありすの元へと集まって来た。 「おなかしゅいたよー!」 「ありしゅおねーしゃん! おいしいたべものちょーだい!」 「えぇ、こっちへいらっしゃい!」 ありすは巣の奥へと皆を案内した。 そこにあるのは美味しそうな木の実や昆虫、美しい花やキノコ等の食料の数々。 それを見た赤ちゃん達はだらだらと涎を垂れた。 「ゆー! とっちぇもおいちしょー!」 「みんな! えんりょせずにたべてね!」 ありすが言い終わるや否や、赤ちゃん達は一斉にご飯を食べ始めた。 「いただきまーちゅ!」 「むーちゃむーちゃ、しあわしぇー!」 「とってもおいちーよー♪」 無我夢中で食事をする赤ちゃんを見て、ありすは幸せそうに微笑んでいる。 と、そこで一番大きな姉まりさがずっと食べ始めないのを疑問に思った。 「どうしたの? おなかでもいたいのかしら?」 「ううん、そんなことないよ。あのね、ありす。ほんとうにありがとう! ありすのようなゆっくりにであえてよかったよ!」 その言葉に一瞬ありすは驚いた顔になるが、すぐに恥ずかしそうな笑みを浮かべた。 「ふふっ、ありがとう。さあ、わたしたちもごはんをたべましょう。そしてきょうはゆっくりやすむといいわ!」 まりさは頷き、ありすと一緒にご飯を食べ始める。 ずっと走って体力を消耗したせいか、今までで一番美味しいご飯だとまりさは感じた。 夕飯を食べ終えると、赤ちゃん達はありすやまりさと楽しく遊んでから眠った。 まりさもそれから程なくして眠り始めた。 どれぐらい眠っただろうか。 深夜、まりさは聞こえてきた奇妙な音で目を覚ました。 「んほ……ちっこ…まり…かわい……」 「やべ…どお………きぼぢわりゅ……」 何の音だろうと思い、目覚めたまりさが見た光景は――。 「んほおぉぉぉぉ!! そろそろイきそうよおぉぉぉぉ!!」 「い゛や゛あぁぁぁぁぁぁ!!」 ありすが頬を赤く染め、涎を垂らしながら妹まりさに頬擦りしていた。 いや、頬擦りではない。これは交尾だとまりさは本能で理解した。 ありすは目を血走らせ、荒い息を吐きながら素早く何度も頬を上下させる。 赤ちゃんまりさはありすに押さえ込まれ、身動きできずにただ泣き叫ぶしかなかった。 やがて頬を動かすスピードが一層早まり、ありすは恍惚の表情を浮かべる。 「ハァハァ…んほおぉぉぉ!! イグうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」 「びやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 長い断末魔を響かせて、赤ちゃんまりさは白目を剥き、口から餡子を洩らす。 直後、その頭から小さな蔦ば生えるがすぐに枯れた。 そしてそれと同時に赤ちゃんまりさの体が黒ずんで朽ちてゆく。 「ハァ…ハァ…すっきりー♪」 行為を終えたありすは気持ちよさそうに声を上げた。たがその目は未だに充血し、息も落ち着かない。 それを見ていたまりさは一連の出来事が信じられなかった。 というより一体何が起こったのか頭が処理できないでいる。 ありすが妹と交尾した? 何故? 妹は死んだ? あれはありすなのか? 様々な思いがまりさの中で渦巻き、混沌としてゆく。 ふと見ると、今朽ち果てた妹の他にももう一匹、妹れいむの死体がありすの足元に転がっているのを発見した。 こちらも同じように体が黒ずんで死んでいる。 それを見たまりさは思わず小さな悲鳴を上げた。 「ヒッ…!?」 「あら…まりさ、おきちゃったのね…」 と、そこでありすはまりさが目覚めていることに気づいた。 欲望でギラギラ輝かせた目はまるで捕食種が獲物を狩る時のようである。 未だ混乱の収まらないまりさに、ありすは勢いよく跳びかかった。 「ま゛り゛ざあああぁぁぁぁ!! すっぎりじましよおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 どっしりとありすはまりさにのしかかり、その体を押さえつける。 餡子遺伝子の異変により進化したまりさは、普通のゆっくりより力が強い。 体は一回りほど小さいが、並みの大人ゆっくり相手なら喧嘩をしても勝てるほどである。 だから今自分にのしかかっているありすもはねのけようと思った。 しかし、いくら力を入れてもありすにそれ以上の力で押さえつけられ、体が動かない。 「んふふぅぅぅ!! そんな゛にからだをくねらせでええぇぇぇ! さぞっでるの゛ね゛ええぇぇぇぇぇ!!」 元々ぱちゅりー種以外の通常種のゆっくりにそれほど身体能力に差はない。 一般的にまりさ種が強いといわれているがそれも大体思い込みによるものである。 だがありすだけは違う。 確かに普段は他のゆっくりと似たような運動能力である。 しかし、発情時のありすはリミッターが外れ、身体能力が飛躍的に向上するのだ。 それはこのありすも例外ではない。 「ありす! どうしちゃったの!? やさしいありすにもどってよ!」 押さえつけられたまりさは眠る前までのありすを思い出し、呼びかけるがありすは全く聞いていない。 目を血走らせ、涎をぼたぼた垂れ流しながら息を荒げている。 その顔に先程までの美しく優しいありすの面影は全く無かった。 元々このありすはこっちの方が本性なのだが、当然まりさはそんな事は知らない。 優しいお姉さんのふりをし、ゆっくり達を巣へと招いてじっくりと犯す。 それがこのありすの趣味だった。 ちなみに、この巣も本来の持ち主であったゆっくり一家を犯し殺して奪ったものである。 「さあ、まり゛さ! いっしょに゛ずっきりじましょぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」 ありすがまりさの頬をねっちょりと舐めた。 「や、やめてね!」 何とかありすから逃れようと体を動かすが、強い力で抑えつけられていて身動きが出来ない。 そんなまりさの様子を、発情したありすは息を荒げながら見ていた。 「うふふふふふ、まりさとぉぉってもかわいいわああぁぁぁ! いまきもちよくしてあげるからね゛ええぇぇぇぇ!!」 べろりと再びまりさの頬をありすは舐める。 ぬめぬめした感触がたまらなく気持ち悪い。だがありすはそんなまりさなどお構いなしに舌を這わせ続ける。 しばらくすると、ありすの舌が頬から唇へと移動し始めた。 「…!! や、やめっ!」 まりさが思わず口を開いた瞬間、ありすはその口内に舌を挿入した。 そのままありすは舌同士を絡ませ、自らの唾液をまりさの中へと送り込む。 ねっとりと口から口へ移動する唾液。 まりさは強烈な吐き気を催し、何とか逃れようとするがありすの力は強く、相変わらず身動きすらできない。 抵抗することもできず、まりさはありすの愛撫を受け入れることしかできなかった。 巣の中にぴちゃぴちゃという音が響く。 ありすの舌はまりさの口内を余すところなく舐めていく。 しばらくの後、ありすは自分の唇をまりさのそれから離した。 見ると、まりさの目には涙が浮かんでいる。 「ぷはぁ…もしかしてふぁーすとちゅっちゅだったのかしらぁぁ? じゃあやさしくしてあげないとねぇぇぇ!!」 そう言ってありすは自分の頬をまりさのそれと擦り合わせ始めた。 最初はただ単に擦っていただけだったが、次第にありすの頬から体液がじわじわと滲みだす。 それが潤滑油となり、ねちゃねちゃと音を立てて頬擦りは性行為へと変化した。 悪寒。自分の体が汚される感覚がまりさの中を駆け巡る。 「んふふ、どうまり゛ざああぁぁ! きも゛ちいいでしよぉぉぉぉぉぉ!!」 ありすが相変わらず血走った眼で何度も何度も頬を上下させながら聞いた。 息使いは今まで以上に激しくなり、恍惚の表情が浮かべている。 だがまりさは気持ちいいとは到底思えない。むしろとても気持ち悪かった。 「はなしてっ! ぜんぜんきもちよくなんかないよ!」 「んもおおぉぉぉぉ! まりさってばつんでれなんだから゛ああぁぁぁぁぁ!!」 まりさの抗議もありすは聞く耳持たずである。 何度も何度も体をくねらせて頬を擦りつけ、たまに頬で頬を叩く。 どんどんとそのスピードは速くなっていき、ありすの瞳もとろとろになっていった。 だがまりさは相変わらず気持ち悪いだけである。 猛烈な吐き気を我慢し、必死に耐えていると、ありすは今までで一番素早く頬を上下させた。 「んほおおおおぉぉぉぉ!! イぐううぅぅぅぅぅぅぅ!!」 絶頂に達する直前、ありすの体から全ての力が抜けた。そしてまりさはその隙を見逃さない。 自分を押さえつける力が無くなった瞬間、全力を込めてありすを跳ね飛ばした。 無防備だったありすの体は大きく宙へと舞い上がる。 「うぐっ! ぐべぇっ!?」 自分の身に何が起きたのかわからず、ありすは事態に対処できずにそのまま仰向けに地面へと落下した。 床に叩きつけられ、その衝撃で口からカスタードを吐きだす。 まりさはありすに飛び乗り、体重を乗せてとび跳ねた。 どすんどすんと音がする度にありすの体が潰れ、口からカスタードが勢いよく嘔吐される。 「ゆべっ! ご、ごめんなざいぎぃっ! ま゛、まりう゛ぶぇっ! ゆ、ゆるじで…」 だがまりさは一心不乱にありすの体を踏み潰していく。 踏みつけるたびにありすはカスタードを吐き、体の破れた部分からも漏れる。 「ぷぎゃっ! ご、ごんなの…ぶべっ! ど、どがいはじゃ、げぼっ! な゛いわ゛…!」 しばらく踏み続け、まりさが気付いた時にはありすはただのカスタードの塊となっていた。 ハァハァと息を荒げ、まりさはかつてありすだった物を見つめながら、ごめんねと心の中で謝った。 まりさは眠る前の記憶を思い出す。 全く知らない土地で、とても親切にしてくれたありす。 美味しい食べ物も沢山貰ったし、赤ちゃん達とも遊んでくれた優しいお姉さん。 それがどうしてこんなことになったのか。 中身が飛び散ったありすの死体と黒く朽ち果てた二匹の妹を見てまりさは涙を流した。 翌朝。 まりさは妹達が目を覚ます前に口に含み、ありすの巣から出た。 昨夜の出来事から、まりさの気持ちは沈んでいた。 しばらく進んだところで妹たちが目覚めたので口の外に出す。 「ゆー? ここどこぉー?」 「ありしゅおねーちゃんはー?」 辺りを見回し、不思議そうにしている姉妹たちにまりさは優しく言った。 「ありすおねーちゃんはとおくにいっちゃったの。あかちゃんたちによろしくっていってたよ」 それを聞いた赤ちゃんゆっくり達は不満の声を上げたが、しばらくすると大人しくなった。 どうやら姉妹が二匹減っていることにも気づいていないようだ。 ありすのことは覚えているのに、おかしな話である。 赤ちゃん達の中では食べ物をくれた優しいお姉さん>姉妹であるらしい。 これからどうしようとまりさは考えた。 行くあてもないし、かと言っておうちへの帰り道もわからない。 今は自分達がゆっくりできる場所は無い。 そこで妹達にも聞いてみたところ、次のような答えが返って来た。 「ゆ! じゃあれいみゅたちのゆっくちぷれいしゅをみちゅけようよ!」 まりさもそれしかないな、と思う。 簡単な事だった。無いのなら見つければいい。 「ゆ! じゃあみんな! これからまりさたちのゆっくりぷれいすをさがしにいこうね!」 「「「「「ゆー!」」」」」 まりさは元気を絞り出し、妹達に言う。 こうしてまりさ姉妹のゆっくりプレイス探しの旅が始まった。 続きへ? あとがき お兄さんの出ないSSを書こうと思った結果がこれだよ! ゆっくりのみというのも中々難しいですね。 遅筆ですが、これから頑張って完結させたいと思います。 あと、作品も結構溜まって来たので生意気にも作者名をつけたいと思います。 今まで書いたもの それいけ! ゆっくり仮面 ゆっくり仮面の憂鬱~邪悪な心~ お兄さんの逆襲 前後編 ゆっくりれいむの悪夢 by.ダイナマイト横町 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1828.html
「う♪う♪う~♪」 森の奥からは気持ち悪い声が聞こえてくる。 「れみりゃ☆は☆強いんだ☆どぉ~☆」 ムカつく事に変なリズムまでつけている。 「う~?」 なんだ?口調が変わったぞ? 「おなかがすいたどぉ~。だれかいないのかどぉ~?」 なぜ自分で物を取るということを知らないんだろう・・・。 「だれか~!ぷっでぃんがたべたいどぉ~!はやくもってくるんだどぉ~」 やはりゆっくりは・・・ 「はやくもってくるんだどぉ~!」 どいつもこいつも・・・ 「もってこないとたべちゃうどぉ!」 自分の事ばかりだ! 居なくなった方がいい奴ばかり・・・。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー そう思っていたある日。 自宅に帰る途中にある一冊のノートを拾った。 「ゆっくり殺しノート?」 なんだこれは・・・。ページを開くと何やら使い方と書いてある。 このノートにゆっくりが苦しむ様子を書くと対象としたゆっくりは書いた事と同じ目にあう。 対象とするゆっくりは自分の焦点にあっているゆっくりである。 などとかいてある。 「ぶふ!マジで!最高ジャンwww」 さっきまでクールだった男はwwwとなる。 「家に帰って使ってみるか。信じたわけじゃないけど」 幸い家は森の近くにあるので対象となるゆっくりは家からでも見える。 男は家に着くと早速森のほうの窓を見てみる。 「お?二匹いるな」 みるとそこにはゆっくりれいむとゆっくりまりさが仲良く遊んでいる。 「ゆ!ゆ!きれいなお花が咲いてるよ!」 「ホントだ!れいむがとってきてあげるね!」 ぼよんぼよんと醜く歩きながら(歩いているのか?)花に近寄るれいむ。 「ま、ちょっくら書いてみるか」 ゆっくりれいむ、花をとる直前に森の木が倒れて下敷きになりもだえ苦しみながら死ぬ、と書いた。 我ながらひどいことを書いたもんだ。気にしないけどな。 「さぁ、どうなる!」 ゆっくりれいむは花に近づく。 「きれいなお花♪」 めきめき。 「ゆ?」 どしゃーん。 「ゆべべべべべ!!!」 瞬間、木が倒れてゆっくりれいむが下敷きになる。 「ほ、本物だ!」 「ゆ!れいむ!だいじょうぶ!」 ゆっくりまりさが近づく。 「ゆ、ゆ、ゆ・・・」 短くなんか言っているゆっくりれいむ。しかしその顔は・・・ 「ゆ!れいむ!そのおかお!」 見るとゆっくりれいむの顔は木にぐちゃぐちゃにされ泥で顔が汚れゾンビみたいだ。 「ゆぅー!れいむの美人顔がぁぁぁぁぁぁ!!!」 え?あのれいむ美人だったのか?・・・わからん・・・俺にはわからんぞ・・・。 「ゆ・・・いたいよ・・・まりさ・・・助けて・・・」 助けてとか言ってるよ。バカじゃねーの。だってその顔・・・。 「ちがうよ!こんな不細工!れいむじゃないよ!!!」 ほらなやっぱり。 「どぼじでぞんなゴドいうのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 当然だな。鏡を見れば自分のことを化け物と勘違いするだろう。 「ゆ・・・ひどい・・・よ・・・」 いいながら力尽きた。マジキモイ。死ねばいいのに。あ、死んだか。 「・・・ふん!気持ち悪いゆっくりはゆっくり死んでね!」 こいつもこいつでむかつくな。よし。こいつは・・・。 「美人のまりさはゆっくりみんなのとこに帰るよ♪」 ゆ♪ゆ♪ゆ♪と鼻歌交じりに帰っていくまりさ。 そしてノートにはこう書かれていた。 ゆっくりまりさ、帰る途中にれみりゃに襲われて生まれてきたことを後悔しながら生きながらにして ばりばり食われて死ぬ、と、とてもひどいことがかかれてあった。 END やはりつかれた。 ねたを考えるのって疲れるわ。 それじゃまた。 byれみりゃが大嫌いな人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2631.html
(前編から) 「きゃっ!?」 メイド長のナイフを引き抜き、門番を縛っている縄を切る。 支える物を失った門番は、重力に引かれて地面に落ちた。 「………!? あ、ありがとう…」 門番が落ち着くのを待ってから話を切り出した。 「……………」 「な、何よ…?」 「………っ!!!」 「えっ、えっ、え…っ!!?」 俺の姿が突然消えて門番はうろたえている。 俺がどこに姿を消したのかと言うと…。 門番の足元だ。 「頼む、俺を弟子にしてくれっ!!」 「えええええええええっ!!?」 「え~と…、つまり私の技を教えて欲しいのね?」 「ああ、頼む!」 「そもそも、何でドスまりさに勝ちたいの?」 「……………。 あいつは俺が倒さなきゃいけない…、気がする。 だが、今のままでは勝てないんだ…」 「ふ~ん? 何があったのか知らないけど、随分真剣なのね」 「奴を倒す為には、今までの様に唯殴りかかるだけじゃ駄目だ。 あんたの動きとよく似た、奴の舌を使った拘束を回避しないと…!」 「でも私はドスまりさと戦った事なんて無いわよ?」 「だが、あんたの動きの流れがドスのそれと同じだったぞ?」 「変ねぇ…。 れみりゃとだったらよく戦うんだけど…」 「………! それだ、それだよ!」 「えっ、何!?」 「自分なりに敗因を考えていたんだが、どうやら奴の動きのリズムに何かあるらしい。 恐らく奴のゆっくりとした動きのテンポに合わせられなくて捕まれていたんだよ!」 「それと私にどんな関係が?」 「俺はゆっくり相手に格闘する事は無いが、あんたは頻繁にれみりゃを虐めてないか? あんたにはゆっくりのゆっくりとした動きが身に付いているんだ!」 「失礼ね! あれは“虐め”じゃなくて“可愛がり”よ!」 「ともかく、あんたと戦う事で、あんたの技と奴等のテンポを会得したい! 頼む、俺に出来る事なら何でもするから、俺と戦ってくれ!」 「そこまで言うなら…。 でも、報酬は高くつくわよ?」 「任せろ、何だったら彼女に強引に買わされた宝石とか鞄を質に入れても良い!」 「それはどうかと思うけど…」 どんな条件を提示するか門番は考え込む。 「……………! そうね、あなた加工所職員だったわよね?」 「ああ。 何だ、徳用甘味セットでも持って来ようか?」 「そうじゃなくて、ゆっくりが欲しいのよ」 「ゆっくりが? どんな種類のゆっくりだ? レアな種類でも探して持ってくるぞ!」 「じゃあ、ゆっくりさくやをお願いするわ」 「さくや種を?」 「見ての通り、ここ紅魔館には胴付きゆっくりれみりゃが住み着いているわ。 咲夜さんがどこからか連れてきた一匹が、繁殖したり仲間を呼んだものなんだけど、 残念ながら付き人(ゆっくり)がいないの。 折角“おぜうさま”として生まれたんだから、“めいど”も用意してあげたいのよ」 「……………」 何となく、門番の真意は別にある様な気がした。 まさかとは思うが、メイド長に怒られた鬱憤を、さくや種で晴らそうと言うのでは…。 「分かった。 加工所で余っている奴がいないか調べてくる。 もしいなかったら捕まえてくる事になるがそれでも構わないか?」 「それで良いわよ」 「よし、交渉成立だな」 「…で、いつから特訓を始めるの? 今からでも良いけど、 人間のあなたがいつまでも紅魔館の近くにいるのはお勧め出来ないわよ?」 「もう日が暮れてしまうし、今日は帰る事にするよ。 まず加工所に戻ったら在庫を確認して、それから報告に来るから、その時からで頼む」 「分かったわ。 なるべく元気の良い奴を選んでね」 俺達はお互いの予定を調整し、門の前で別れた。 心なしか足取りも軽くなった気がする。 空になった運搬用の台車を引きながら俺は加工所へと急いだ。 「ん? 今、箱が動いた様な…?」 空箱の中に何か入っていたのだろうか? 道の起伏で揺れただけだろうと判断して、俺は忘れる事にした。 俺が加工所に帰り着いた時、辺りは夜になっていた。 当然加工所の営業は既に終了しており、流石に彼女も帰っているだろう。 俺は倉庫に台車を戻す為に、受付の警備員に帰還を報告する。 「遠くまで配達ご苦労様でした。 警備室で鍵を管理していますので、付いて来てもらえますか」 「分かりました」 話しながら、俺は以前忍び込んだ時に出会った相手だと気付いた。 以前の泥棒騒ぎで加工所の警備体制が強化され、 今は常に二人一組で警備員を配置している。 よく見れば、受付に残る方も以前警備室で出会っていた。 「以前の泥棒騒ぎ、大変でしたでしょうね」 「そうですねぇ…。 でも、お恥ずかしながら、僕は居眠りしていたみたいで…。 泥棒の仕業という事になってお咎めは無かったんですが、 大事な本もその騒ぎでどこかにいってしまったんですよね…」 「そうですか…。 それは災難でしたね」 「まぁ、居眠りの罰として諦めるしかないんでしょうね…」 受付に残った奴が持ってるんじゃないかと思いながら、 俺は警備員に付いて行った。 犯人は俺なので何となく気が咎める。 警備員に倉庫の扉を開けてもらい、台車を空箱ごと適当に放り込む。 整理等の細かい作業は明日出勤してからやれば良いだろう。 「それじゃあ俺は帰りますね。 ご苦労様でした」 「お気をつけて」 俺は疲れた体を休める為に一路自宅へと向かった…。 一夜明けて…。 俺は目の前の光景に頭を悩ませていた。 「な、何があったんだっ!!?」 朝少し早めに出勤した俺は、昨日の後始末の為に真っ先に倉庫に向かった。 台車等の道具を保管する倉庫の為、元々大した物は置いていないのだが、 それでも積んである物を崩せば酷い事になる。 そして、それを招いたであろう容疑者が俺の足元で騒いでいる。 「うあ~、おなかすいたどぅ~! はやくぷっでぃんをもってくるんだどぉ~!!」 「な、何でこんな所に胴付きれみりゃがいるんだ!?」 確かにここは加工所だから、逃げ出した奴が紛れ込んだのかもしれないが、 閉鎖状態だった倉庫に忍び込む事は不可能に近い。 第一昨日台車を戻した時には何もいなかった筈だが…? とりあえず、このれみりゃから情報を聞きだすとしよう。 泣き叫んでばかりで埒が明かないので、廃棄予定の不良品を与えて黙らせる。 「あまあまおいしいどぅ~! でもれみりゃはぷっでぃんがたべたいどぅ~!」 「質問に答えたら、考えてやらなくも無いぞ」 「う~、やくそくだどぅ~! ぷっでぃん、ぷっでぃんだどぅ~! れみりゃはこうまかんのおぜうさまだから、 うそついたりしたらさくやがだまってないどぅ~!」 何と言うか、この上なくウザイ。 その上とても読み難い。 漢字表記だけどひらがなで喋っている事にしようかと思うくらい難解である。 ついつい潰したくなってしまうが、情報の為にここは我慢だ。 「それで、お前は何でこんな所にいるんだ?」 「う~、わかんないんだどぅ~! おしえてほしいんだどぉ~」 まさかの質問返し! 聞きたいのはこっちの方だ! 「じゃあ、お前はどこから来たんだ?」 「れみりゃは“こうまかん”にすんでるんだどぉ~」 「………?」 何となく引っ掛かる話だ。 れみりゃ種は自らの住処を“こうまかん”と呼ぶのだ。 こいつも自分の巣の事を言っているのかもしれない。 「なぁ、お前の巣はどこにあるんだ?」 「“す”じゃないんだどぉ~! “こうまかん”だどぉ~!!」 「分かった、分かった! …で、その“こうまかん”とやらはどこにあるんだ?」 「おっきなみずうみのなかのしまにあるんだどぉ~!」 それはまた、ご大層な場所に作ったものだ。 これによって、こいつが加工所から逃げ出したものではなくなった。 「まっかなおやしきで、まっかなみちがあるんだどぅ~!」 「ふぅん…、ゆっくりのくせに中々立派な巣だな」 少し…、いやかなりセンスを疑うがな。 「やしきには、さくやもいるんだどぅ~!」 「ふむふむ、それは良い事を聞いた」 そいつを捕まえれば、門番への手土産に丁度良いだろう。 「ほかにもれみりあやめいりんもいるんだどぉ~!」 同種やめーりん種まで一緒に住んでいるのか。 意外と大きな巣なのかもしれないな…。 「良く分かった。 じゃあお前は、そこからどうやってここまで来たんだ?」 「わかんないんだぉ~! きがついたらここにいたんだどぉ~! ここはくらくてせまくてつめたくてしめっててちらかっててほこりっぽいんだどぉ~! うぁ~~~ん、ざぐやぁあ~~~!!」 「あぁ、もう! 響いて煩いから静かにしてろっ!!」 散らかっていて埃っぽいのはこいつのせいもあると思うのだが…。 「なら聞くが、お前はここに来る前は何をしていたんだ?」 「う~? う~! たしかめいりんとけんかしていたんだどぉ~!」 喧嘩? すると仲間割れでもして逃げて来たのか? 「れみりゃはぐんぐにるでめいりんをつきさそうとしたんだどぉ~! でも、めいりんはぐんぐにるにあたってくれなかったんだどぉ~!」 「そりゃまぁ、幾らゆっくりでも自分から刺さりに行く馬鹿はいないだろうな」 しかしまぁ何だ…、“当たってくれない”とは凄い言い様だな…。 「れみりゃはがんばったんだけど、つかれてしまったんだどぉ~! それできにぶつかってめいよのふしょうをおったんだどぉ~!」 「そうか、良く頑張ったな」 一般的にそういうのを自爆と呼ぶ。 「めからほしがでたんだどぉ~! それでじめんにたおれこんでしまったんだどぉ~!」 「よっぽど打ち所が悪かったんだな」 そんなので、よく今まで生き残れてきたものだ。 「きがついたらゆうがただったんだどぉ~! おなかがすいていたからごはんをさがしたんだどぉ~! そしたらちかくからいいにおいがただよってきたんだどぉ~! れみりゃはそのにおいのするはこにはいったんだぉ~! はこにはあまあまがはいっていたどぉ~! おなかいっぱいたべたら、なんだかねむくなってきて、 そのままはこのなかでねむってしまったんだどぉ~!」 「………? ちょっと待てよ…?」 「ぐっすりねむって、めがさめたらここにいたんだどぉ~!」 「おい…、それって…!?」 「さみしくてこころぼそかったから、ついあばれてしまったんだどぉ~!」 最悪のシナリオが展開している! 「ま…、まさか俺なのか…? この惨状の原因は…!」 「おれ~、さんじょう~? いったいなんのことだどぉ~?」 「と…、とりあえず、こいつは檻にでも入れて、誰かにばれる前にここを片付けて…」 予想外の自体に、俺はどう対処するべきか迷っていた。 もしこれが彼女にでも見つかったら、俺の人生がクライマックスだ! だが、運の悪いことにそこへ…。 「ちょっと! 何よ、これっ!?」 「ひぃいっ!!」 最悪の相手に見つかってしまった。 色々事情があったとはいえ、俺の帰りが遅くなった事と、 帰って来てから直ぐに会いに行かなかった事にも腹を立てている様だ。 「いつまで経っても顔を見せないから、何処にいるのかと探してみれば…!」 「ゆ、許してくれ! 直ぐ終わらせて会いに行くつもりだったんだ!」 「こんな所に胴付きれみりゃを連れ込んで、一体何をするつもりだったの!!?」 「そっちかよ!!?」 とんでもない誤解をされていた! 「うあ~! れみりゃ(のふくがほこりで)よごれたどぉ~!」 「なっ、何ですってぇええええええ!!?」 「お前も自体をややこしくする様な事を言うなぁあああああっ!!」 完全に彼女の怒りのメーターが振り切れた様だ! もし、感情を目視できたとしたら、真っ赤な背景に“怒”と表示されているだろう! 「このHENTAI野朗ぉおおおおっ!!!」 「ちょっ!? くっ、苦しいっ!!」 今にもオーバーヒートしそうな位怒っている! 彼女が鳥の翼の様に両手を広げたかと思うと、俺の首を絞め始めた! 「ぐぉっ!? ………っ!!」 「このまま永遠にゆっくりしなさいっ!!!」 「お…、落ち…着け…っ! こい…つは…、プレ…ゼント…だ…っ!!」 「プレゼントッ!?」 咄嗟の思い付きだったが、彼女は思い止まってくれた。 首締めから開放されて、俺は思いっきり空気を吸い込む。 「げほっ、ごほっ! はぁっ! はぁはぁはぁ…っ!!」 「どういう事か説明しなさい! 最期のチャンスよ!! 口から出任せだったら、それが辞世の言葉になるわよ!」 まさにその通りなのだが、“最期”と言われて必死に酸素の行き届かない頭で考える。 「そいつは紅魔館に住んでいたれみりゃだ! キメラ丸の脱走で実験が中断したから、代わりにこいつを貰ってきたんだ! 胴付きは突然変異みたいなものじゃないか!」 「えっ、ええっ!? そうっだったの!!? わ、私はてっきり、あなたがHENTAIだったんだと…」 「そんな訳あるか!」 「そ、そうよね…。 私はあなたの恋人なんだし…」 「だったら少しは俺の事を信用してください…」 何とか誤解を解けた様だ。 「でも…、私の為に紅魔館から貰ってきてくれるなんて…」 「少しでも慰めてやりたくてな…」 柄にも無く顔を真っ赤にして照れたりしている。 ちょっと(かなり?)厳しいけど、こういうところが可愛いんだよな…。 「でも、一つだけ間違ってるわよ。 胴付きは突然変異の一種だけど、分類は進化に近いの。 勿論最初の個体は突然変異で生まれたんでしょうけど、 より優れた能力を獲得した、ゆっくりの新たな種族として扱うべきだわ。 まだまだ勉強不足の様ね…」 「精進します…」 こういうところが無ければ良いんだけどなぁ…。 彼女との一悶着が終わったので、 それまで彼女の希薄に気圧されて黙っていたれみりゃが再び騒ぎ出した。 「うぁ~! れみりゃはおなかがすいたんだどぉ~! ちゃんとしつもんにこたえたんだから、やくそくのぷっでぃんをよこすんだどぉ~!」 「何? そんな事を約束してたの?」 「うぁ~! ぷっでぃん、ぷっでぃん、ぷっでぃん~!!」 「おい、自称こーまかんのおぜうさま!」 「うぁ?」 「俺は“考えてやる”とは言ったが、一言も“食べさせてやる”とは言ってない」 「うっ、うぁあああああああああ! ぷっでぃいいいいいん!!」 「響いて煩いから静かにしなさい」 「うあっ!!?」 彼女の鋭いボディーブローでれみりゃは一撃で静まり返る。 もしかすると、彼女が加工所最強なのかもしれない…。 「さて、大事なあなたからのプレゼントだし、しっかり研究しないとね」 「あー、そいつに関してちょっと条件があってな…。 実はゆっくりさくや種と交換するって約束なんだ。 もし研究用の奴が余ってたら、一匹分けて欲しいんだけど…」 「大方そんな事だろうと思ってたわ…。 紅魔館のメイド長が主人以上に大事にしているって聞いた事あるもの。 ちょうど繁殖用に何体か届いたから、そこから持って行って」 「助かったよ。 もしいなかった、野山を探し回る羽目になってところだった」 「もう少し計画的に話を進めなさいよね…」 倉庫の片付けを終えてから、れみりゃを連れて彼女の研究室に向かう。 彼女は早速れみりゃの研究に取り掛かると言って、奥に引っ込んでしまった。 話し相手がいなくなってしまい、どうしたものかと考えていると、 貝殻まりさが話しかけてきた。 「ゆっ! おにいさん、おかえりなさい!」 「よぉ、貝殻まりさ。 元気にしてたか?」 以前の泥棒騒ぎ以来、こいつはずっと水槽の中にいる。 溺れたり溶けたりしてはいないが、水を吸って膨らんでいる。 暫くぶりに見たが、今では水槽の3割はこいつの体で占められているではないか。 「おにいさん、おでかけしてたっておねえさんにきいたんだけど、 いったいどこにいっていたの?」 「ああ、ちょっと紅魔館に配達にな…」 「こーまかん? なにそれ? ゆっくりおしえてほしいよ!」 「えーっと…、紅魔館ってのはな…。 大きなお邸…、いや…、お前ら風に言うと巣だ」 「ゆ! とってもおおきなすなんだね! そこにはだれがすんでいるの?」 「邸…、巣の主人はレミリアという妖怪だ」 「ゆっ!? れみりゃはゆっくりできないよ!!」 「落ち着け、ゆっくりれみりゃ種じゃない。 吸血鬼のレミリア=スカーレットだ。 …と言っても理解できないだろうから、そう思ってても良いぞ。 お前らがれみりゃを恐れる気持ち…、俺も似た様な状況でゆっくり理解したからな…」 「ゆぅう…? れみりゃだけどれみりゃじゃないの…? むずかしくてりかいできないけど、おにいさんもこわいおもいをしたんだね…」 「ああ、思い出すのも嫌な位のな…」 「ほかにはだれかすんでいないの?」 「多くのメイド達や居眠り門番娘に瀟洒なメイド長、病弱そうな少女もいたな…。 他にも誰かいそうな気がしたが…、よく分からん」 「いっぱいすんでいるんだね! とってもたのしそうだよ! そのひとたちはおにいさんなの? それともおねえさん?」 「俺が会った限りでは全員女性だったな…。 よくよく考えてみれば、結構凄い所に配達に行っていたんだな…」 その“凄い”には、一部を除いて妖怪だらけという事も含まれる。 今考えても、あんな恐ろしい所からよく生きて帰って来れたものだ…。 尤も、そこに戻って武術を習おうとしているのだから、 冷静になって考えると少し後悔している。 「おにいさん、せっかくかえってきたんだから、まりさとゆっくりあそんでね!」 「いや、悪いがそんな暇は無い。 俺はこれからまた紅魔館に戻らなければならないんだ。 悪いがまた暫く帰ってこないから、彼女にでも遊んでもらえ」 「ちょっとざんねんだよ! でもまりさはゆっくりまってるよ! かえってきたらまりさとゆっくりあそんでね!」 「ああ、考えておいてやる」 適当にあしらってその場を去る。 早く門番に技を教えてもらいに行かねば…。 あいつの技と動きを見につければ、俺はあのドスを倒す事が出来る。 その事を考えると、自然と笑みが浮かんでしまう。 俺は職員から門番との約束の繁殖用のさくやを受け取り、再び紅魔館へと向かった。 「あら? 彼はどこに行ったの?」 「おにいさんはこーまかんにいったよ!」 「ふーん…、随分慌しい出発ね」 「おにいさん、しばらくかえってこないっていってたよ!」 「あら、私にはそんな事一言も…?」 「それでね! まりさ、おにいさんにゆっくりおしえてもらったよ! こーまかんっておねえさんがいっぱいいるんだって!」 「へ…、へぇ…」 「おにいさん、なんだかうれしそうにしていたよ! よっぽどかわいいおねいさんたちなんだね!」 「そう…、なの…?」 「まりさ、ゆっくりりかいしたよ! こーまかんは“おんなのその”なんだね! おにいさんはおんなのひとたちにあいにいったんだね!」 「……………」 「まりさもいろんなゆっくりとゆっくりしたいよ! おにいさんばっかりずるいよね!」 「ええ、そうね…。 とってもずるいわね…。 ずるい子にはお仕置きが必要よね…!」 「ゆ? おねえさん、どうしたの?」 「うふふ…、何でもないわ…よ?」 加工所に戦慄が走る! この日、加工所のゆっくりは何かに怯えてゆっくり出来ない一日を過ごした…。 ~おまけ~ お兄さんが紅魔館に配達に行っている時のお話です。 その頃、お姉さんは加工所で何をしていたのでしょうか…? 「主任、遺伝子分析の結果が出ました」 「ご苦労様。 そこに置いておいてもらえる?」 実験対象のキメラ丸に逃げられてしまい、お姉さんはちょっとイライラしています。 我らが主役のお兄さんにしか辛く当たらない事に決めていますが、 やはり滲み出る怒りのオーラは隠し切れず、近づく者に恐怖を与えます。 怯えた研究員は、報告書を置くと振り返りもせずに出て行きました。 「何も逃げなくても良いじゃない…!」 その言葉の対象は、果たしてキメラ丸なのか、研究員なのか…? 「それで、どんな結果が出たのかしら…?」 お姉さんは報告書の隅から隅までじっくりと目を通します。 報告書には前回キメラ丸から採取した組織片の遺伝子の分析結果が載っています。 この世の物とは思えない奇怪な姿をした生物の遺伝子とは一体…!? 「何これ…!?」 最後まで目を通してから、一度深呼吸します。 少し気持ちを落ち着けたら…。 「ちょっと!! こっちに来て詳しく説明しなさい!!!」 少しも落ち着いていませんでした。 突然の怒声に慌てて研究室に飛び込んでくる研究員。 可哀想に、一息吐こうと入れたお茶を溢してしまった様です。 「あのね、誰が蛇や鹿の遺伝子の分析をしろと言ったの!? 私が頼んだのはキメラ丸の遺伝子の分析よ!?」 「い、いえ…、それがですね…」 「何!? 口答えするつもり!?」 「そ、そんな事は…」 「まさか、こう主張するんじゃないでしょうね? “キメラ丸の顔面以外の部分は全て別の生物の一部でした”とか!?」 「そ、その通りなんですぅううう!!」 頭を手で覆って縮こまる研究員、よく見れば小さく震えている。 お姉さんはすっと右腕を振りかぶると…。 「ひぃっ!?」 「もういいわ…。 少し考えたい事があるから一人にして…」 研究室の入り口の扉を指差して出て行くように指示をしました。 お姉さんの気が変わらない内に、という風に研究員は出て行ってしまいました。 「通りで、顔面の遺伝子を素に作ったクローンが唯のきめぇ丸になる訳ね…」 お姉さんの気迫に押されて今の今まで黙っていましたが、 机の上にはきめぇ丸の入ったケースが置かれています。 小刻みに左右に高速移動していますが、実は震えているのかも知れません。 「でも、どうやって別種の生物を体にしているのかしら…? 拒否反応は起こらないのかしら…?」 お姉さんはケース内のきめぇ丸を見つめます。 「突然変異や進化では説明がつかない…、自然界ではまず起こり得ない現象…。 とすれば、誰かが或いは何かが、それを可能にした…?」 研究室の一角にある大きな冷凍庫に視線を向ける。 そこにはキメラ丸の組織片が保管されているのです。 「私達が見逃している何か…、もしかするとそこに何か秘密が隠されているかも…」 お姉さんは研究室の奥から、貝殻まりさの水槽を置いてある所まで出て来ました。 「おねえさん、おしごとおつかれさま! けんきゅうがおわったなら、ゆっくりまりさとあそんでね!」 「……………。 ねぇ、まりさはどうしてまりさなのかしら?」 「ゆっ? なぞなぞだね!?」 「そうね…。 なぞなぞ…、かもね」 「ちょっとむずかしいけど、なんとなくりかいしたよ! まりさはまりさにうまれたから、まりさはまりさなんだよ!」 「……………! そうね…、そうかもね…」 「どう!? せいかい!?」 「ええ、恐らくそれが正解の筈よ…」 「ゆっへん! まりさ、おりこうでしょ!?」 「そうね、とってもお利巧さんね。 ご褒美に御菓子を食べさせてあげるわ」 「ゆっ!? あまあまさんをくれるの!?」 「ええ、この餡子をお食べなさい」 「とってもおいしそうだよ! いただきま~す!!」 「全部食べるのよ」 「む~しゃ、む~しゃ! しあわせ~!!」 貝殻まりさが食べ終わるのを確認してから、お姉さんは研究室の奥へと戻った。 小さく息を吐くと、何も入っていない机の上のケースを見つめる。 「まりさに生まれたからまりさ、か…」 ゆっくりが考えたにしては良く出来た答えであるが、 余りにも単純な発想である。 「ある意味では…、それが真実かもね…」 お姉さんは、そう呟くと自嘲気味に小さく笑った。 「本当、嫌になるわね…。 本能に忠実な餡子脳の癖に、時に核心を突く様な事も言う…。 何を考えているのかさっぱり分からないわ…」 ふと、お姉さんの脳裏にある事が浮かんだ。 「そう言えば、昔加工所の研究者に、そんな感じの研究者がいたらしいわね…」 お姉さんは、過去の研究者名簿を取り出し、その人物を探す。 「見つけたわ、この人ね…」 かなり前の研究者で、今は引退して行方も分かっていない。 もしかすると、もう亡くなっているのかも知れない…。 「優れた研究者だったみたいだけど、周囲からは倦厭されていたみたいね。 この人の論文、“ゆっくりと他種の同化に関して”か…。 遺伝子研究には詳しかったみたいだし、一度読んでみようかしら…」 お姉さんは、行き詰った研究の手を休めて、お兄さんの帰りを待つ事にした。 (帰ってきたら、地下倉庫の論文を探させよう…) だが、肝心のお兄さんは中々帰ってこないのでした。 …続く。 【冒頭のお話の主人公の敵は、ゆっくりやまめです。 土蜘蛛が木の上を飛び交うなんてとっても幻想的ですね。 毒キノコ等の毒は幻覚を発症するものではなく、瀕死に陥ったので幻覚が見えました。 お兄さんの経験した出来事ではなく、ある本のお話と言う設定です。 貝殻まりさが非常に礼儀正しかったり賢かったりしますが、 お姉さんの教育的指導の賜物だと御理解下さい。 今回原作キャラも登場し、ますます虐めから離れている感が物凄いです。 本当は“ゆっくりコンポスト”が好みなんですが…】 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/595.html
※何気にシリーズものだったりする ※でも、過去作は見なくても無問題 中学校で教職員やりながら剣道部顧問をやっていると色んなガキ共に出会う 暴力事件を起こす奴もいれば、高校でインターハイ準優勝なんてしてしまう逸材もいた モンスターペアレントの保護者に殴り込みをかけられて辟易した事だってある それはさて置き、目覚まし時計のメアリーにたたき起こされた俺はいつも通り6時半に電車に飛び乗り、7時には学校に到着した 俺がこんなに朝早くから学校に向かうのは剣道部の朝練のためで、もはや日課になっているのでなんら苦痛ではない ここまでは良い。要するにいつも通りの平凡な朝の風景だからな 「うーっ!おじさん、れみぃにけんどうおしえてほしぃどー!」 何故か学校の正門前で物陰に隠れていたゆっくりれみりゃに剣道を教えてほしいと言われた さすがの俺も、こんな経験は初めてだった もちろん、今までにそんな話を聞いた事だってない さて、どうしたものか・・・ 「・・・まあ、いいか。ただし、教わる限りは真剣にやること!いいな?」 「うっうーっ!ゆっくりりかいしたど~♪」 俺の返事を聞いたれみりゃは両手を頬にぴたっとくっ付けるとしなを作る その後、両手を天に掲げると腰を振りながらうーうー歌い始め、一向に道場に向かう気配を見せない 痺れを切らした俺は踊り続けているれみりゃに背を向け、さっさと道場へ急いだ 「うぅ?れみぃのおれいのだんすをみないの~?」 「・・・それ、お礼のつもりだったのか」 やっぱりゆっくりの考えることは良く分からん 「いいか、これが竹刀で、これが防具だ」 「うーっ!そんなことよりはやくおしえてほしいんだど~♪」 「そんなこととか言わないっ!」 防具を放り投げて竹刀を掴んだれみりゃの手を素早く打ち据える すると、れみりゃは「うぎゃ!?」と短く悲鳴を上げて竹刀をぽとりと落とした 「うあ゛あ゛ああ゛あああ!いだいどおおおお!?」 「防具を甘く見るとこうなる。わかったな?」 「いだい゛いいい゛!?ざぐやああああ!ざぐやああああ!?」 「やかましいっ!」 今度は面打ち 軽快な音と衝撃の効果で一瞬泣き止むが、れみりゃは再び泣き顔になる 何となく『となりのト○ロ』のさつきの泣くシーンを髣髴とさせるものがある あれ、映画館で見たときは正直リアルすぎて引いたんだ・・・ 「やかましいっ!!」 「うぎゃん!?う、あ゛うー!いだぃぎゃ!?」 「しゃらっぷ!!」 どうやら全然学習しないらしく、一向に泣き止む気配を見せない 痛みで教えるなんて時代遅れの方法は流石にゆっくり相手でも無理だったか? 「なあ、れみりゃ?」 「うあ゛あああ゛あああ!?いだいいい!ざぐや゛ああああ!?」 「泣き止んでくれないか?」 「ざぐや゛ああああああ!?あのおぢざんがいぢべるどおおおお!?」 「おーい、れみりゃ?」 「お、おばえなんが・・・ざぐやにやっづげあれぢゃえええええ!?」 「無理だ!これ以上は近所迷惑だ!喝っ!」 「うぎょべ!?」 と言う訳で、れみりゃが泣くことすらも叶わなくなるまで叩き続けることにした 教育者として正直どうかとは思ったが、まあ仕方ないだろう 「さて、ようやく泣き止んだ所悪いが早速防具をつけてもらうぞ?」 「うぅ・・・でびりゃのぶりぢーなあだまがぁ・・・」 「・・・・・・話を聞いてるか?」 「は゛、はい゛いぃぃ゛ぃ!?ぎ、ぎぃでまずぅぅぅうぅ!」 どうやら散々引っぱたいたのが効いたらしく、れみりゃは俺の言葉に即座に反応した もっとの、想像を絶する恐怖に震え、双眸からは恐怖のあまりに涙が零れ落ちているが まあ、瑣末なことだろう。気にするほどのことでもない 「さあ、面は超大顔面用!篭手と胴は一番小さいサイズを用意してやったぞ!袴は・・・別にいらんだろ」 「うぅ・・・もうげんどーは・・・」 「今更剣道嫌とか抜かしたら脳天かち割るからな?」 「うぅ・・・ぼーぐをゆっくりづげるどぉ・・・」 「待て待て。流石に初心者が自力で防具を着けられる訳が無いだろう」 と言う訳で、俺が手際良くれみりゃに防具を装着させてやる 何故か凄まじい表情を浮かべたまま大人しくしているのでこの作業が案外楽で助かった 「さて、最後は面だな」 「・・・・・・」 と、れみりゃに面をつけつつ、いきなりゆっくりに関する豆知識を披露したい もっとも、この時点では知らなかったことで、後で朝練にやってきた部長に教えられて初めて知ったことなんだが ゆっくりってさ、全身が嗅覚で、人間よりもずっと敏感らしい で、更に話が逸れてしまって申し訳ないんだが、剣道の防具って物凄く臭いんだよな 剣道を始めたばかりの頃部室に入った瞬間異臭騒ぎで警察呼んで先輩に殴られたことがあるくらい臭い 一体、何であんなに臭いんだろうな 「うあ゛あ゛あ゛あああ゛あああぁあ゛!!?」 そんな訳で、れみりゃは気が狂ったかのように叫びながらぶんぶん竹刀を振り回し始めた しかも、そのまま俺めがけて思いっきり突っ込んでくる 今にして思えば異臭で正気を失ってしまっていたんだろうが、その時俺はれみりゃのやる気の表れだと勘違いしてしまったんだ 「しかしゆっくりしすぎだ!篭手っ!!」 「うあ゛ああ゛あああ゛あああ゛あ゛!?うるざいどおおおおお!?」 「いやあ、お前のが五月蝿い!胴っ!!」 「うっぎゃああああああ!?」 ここでまたゆっくりトリビアで申し訳ないんだが、ゆっくりって全身聴覚でもあるらしい しかも、大きな音で鼓膜もとい皮が破れることはないんだろうが、最悪大きな音で苦痛を感じることもあるとか そして、面に綺麗な打ち込みをもらうと分かると思うが、あの時の音は結構な音量だったりする 俺達人間には分からないんだろうけど、胴や篭手のときも似たような状況になっているんだろうな・・・ 「うあ゛ああ゛ああっあ゛あああ゛あ゛!?」 「だからそんなデタラメな打ち込みじゃ無駄だっての、面っ!!」 つまり、今れみりゃは素人の蛮勇で俺に挑んできているように見えるがその実態はもがき苦しんでいるだけ にもかかわらず、俺がそのことに気づかないので延々と轟音と異臭と苦痛に苛まれる かと言って、痛みに耐え切れずにうずくまろうものならがら空きになった背中に竹刀による一喝が飛んでくる 「竹刀を持っているときにうずくまるな!」 「ぼうやだど・・・うぎゃぴぃっ!?」 「竹刀を放り投げるな!」 こんな調子でれみりゃの初めての剣道体験は件の部長がやってくるまで続いた 「へぇ、あのれみりゃ。お前のペットなのか」 「ペットじゃなくて友達です」 「何にせよ、あのれみりゃはお前に構って欲しくて剣道を教わりに来たんだな」 「みたいです。ちょっと感動しちゃいますよね・・・と言う訳で、れみちゃん!」 彼女は長い白髪を揺らしながら竹刀を手に勢い良く立ち上がると、あのれみりゃに半ば強引に防具を装着し、道場の真ん中へと引きずっていく それから、れみりゃの竹刀を悠々とかわしながら軽く屈伸を済ませ、更に防具を着けると「今度は私が稽古をつけてあげるね!」とれみりゃの面を引っぱたいた ちなみに、彼女は辻斬り属性持ちと恐れられるほどに試合形式になると過激になり、練習内容も恐ろしくハードになる 「うあ゛ああ゛あ゛あっああ゛あ!?」 「遅い!面っ!!寝転がらない!破っ!!竹刀を投げない!篭手っ!!」 「ぼうやだああああ!でびぃ、ごーまがうぎゃっ!?」 「敵前逃亡は死と同義!突っ!!」 分間20回以上もの打ち込みを食らって、よだれや肉汁や涙を撒き散らしつつのた打ち回るれみりゃを眺めながら呟いた 「・・・ご愁傷様」 ‐‐‐あとがき‐‐‐ 2代目が誕生したよ! 『ゆっくりいじめ系2897 ゆっくりボール』の作者さんだよ! 皆、ゆっくり沢山可愛がってあげてね!・・・主に性的な意味で それはさて置き、高校時代剣道部に可愛い先輩が居たんだよ 美人とか格好いいじゃなくて可愛い、ね しかもかなり強い先輩だった 私は勇気を振り絞ってこんなお願いをしてみたんだ・・・ 「先輩!先輩の防具の匂いを嗅がせてください!」 困惑しつつも了承してくれた彼女の防具の匂いは・・・普通に臭かった、んほぉ byゆっくりボールマン このSSに感想をつける