約 2,714,772 件
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1329.html
悪魔の少女 05 俺のクラスメートは、馬鹿ばかりだ。どいつもこいつも俺より成績が悪いくせに、俺を蔑ろにする。 運動しか能がない奴が何故モテる!あんなバカのなにが面白い!社会のクズが俺にパンを買ってこいだと! どいつもこいつも俺の事を、キモいだの、根暗だの!何故俺がバカ共と対等に会話すると思うのだ! 何故俺の靴が隠されなければならん!何故俺が蹴られなければならん!何故俺が社会のクズに金をやらねばならん! だから、これはお仕置きなのだ。俺の都市伝説「不幸の手紙」を使ったな! 一週間以内とかは関係ない、受け取ってから十人に送っていなければ、対象になる。俺が能力を発動した時、手紙を持っている奴全員に、不幸な事が起こるのだ。 クラスの奴らがどんどん不幸になるさまは、非常に愉快だったぞ。 今や、手紙が何処まで広がっているのか知らないが、俺が能力を使う度に、何人ものバカが不幸になるのだ。ああ、なんて愉快なんだ。 だが、今は非常に不愉快だ。契約者らしき女に、突然襲撃されたのだ。真夜中の学校で追いかけっこをする趣味など俺にはないというのに。 「ちっくしょう!何なんだてめぇ!」 「何、私の知り合いがな、お前のばらまいた不幸の手紙で困ってるんだよ。だから、お前にお仕置きしようと思ってな。」 そう言って、女は走って来る。 くくく……、なめるなよ! こちらからも女に向かって走りだし、擦り抜けぎわに、腕をたたく。あちらからも攻撃されたが、背中を殴られただけだ。だが、俺の攻撃は違う。 「くくく、受け取ったな!」 俺は両面テープで「不幸の手紙」を貼付けたのだ。 だが、その女はまったく慌てていなかった。それどころか、女は静かに笑っていた。 「お前、バカだろ。」 「な、なんだと!」 女はポケットから、十枚の封筒をとりだした。すると、何処からかぞろぞろと目つきのおかしい集団が現れた。女はそいつらに手紙を渡し言った。 「私は、お前の能力を知った上で戦いに来てんだ。対策しないわけがない。」 「そ、そんな、そんな簡単に、俺の、俺が、そんな、そんな簡単なわけないだろおぉぉぉ!不幸になれえぇぇぇぇぇぇぇ!!!」 その途端、床が抜け、俺が下の階に落ちた。 痛い、痛い、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!!!!なんだこれは! 「よう、大丈夫か?」 「きさまあああぁぁぁぁ!!!何をしたあああああ!!!!!!」 「お前と同じ事をしただけだ。背中についてるぞ、不幸の手紙が。例の知り合いから貰ったやつだから、効果は本物だろう?」 くそっくそくそくそくそっ!体が痛い!痛い!痛くて体が動かねぇ! 「どした?この程度の高さから落ちて骨折ったとか言うなよ?まあ、何でもいいや。 さて、むやみに人を不幸にする奴はお仕置きしなきゃな。」 くっっっそおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!! * 学校町東区某学校校門前 一人の少女がいた。 「疲れた~。」 「おねーさま!」 「よ~、ヒトトセ。手、大丈夫か?」 「はいっ!べつに骨折したわけではないので、すぐに治ります。」 「そっか。」 「それに、不幸な事ばかりでもないんですよ。」 「うん?」 「ピアノ教室に行かなくて良くなったので、今までよりもおねーさまといられるんです。」 「お前な~、はぁ、まあいいや。」 少女は苦笑いし、もう一人の少女を家まで送る為、歩きだしたのだった。 ちなみに、「不幸の手紙」の契約者は、手紙を書こうとする度にふるえが止まらなく程のトラウマができたらしい。 前ページ次ページ連載 - 悪魔の少女
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4553.html
「都市伝説に光線銃が効くのかどうか、お前はどう思う?」 ……今まで実践で散々使ったし、効果あるから使ってる筈だから、効くんじゃないんですかね 「経験からの帰納か。悪くはない回答だな」 光線銃は嫌いなんですか? 「嫌いではない。何故それを聞く」 いえ、光線銃の使用を好まない人も多いと聞いたもんですから 「何故我々黒服が光線銃を使用するのか……。よく言われるのが我々が黒服だから、だ」 黒服は光線銃を使う、って定番なんですかね 「知らんよ。まあ実際には市街地で実銃を発砲した際の後処理が煩雑だから、というのが大方の理由だろうな」 はあ…… 「では都市伝説に実銃が効くのかどうか」 さあ……、でもどうなんですかね。効くんでしょうか 「俺の経験では効くよ。少なくとも実体のある生物型とかならな そうでなくとも、契約者が居るならそれを撃った方が早い。契約者を殺せば都市伝説も勝手に死ぬ」 ああ、過激派がよく使う手ですよね 「正確には一昔前の過激派の常套戦術だった……。あの頃は良かったよ 何せ穏健派の我々でも殺処理にしても五月蝿く言われる事は無かったからな」 ああ、次の角を左ですよ。あの標識の建っているT字路です 「さて、では次の質問だ 都市伝説は、何故人間と契約するのか。したがるのか」 ……よく聞くのは都市伝説が自分の存在を強化するために、という説明ですけど 「至極一般的な回答だ。新人の黒服でその程度答える事ができればパーフェクトだな ……だが、それだけが理由だろうか。いや、もっと言えば、それは果たしてどの程度的を射ているのだろうな?」 どういう事でしょうか 「その回答にかつて中立派が批判を加えた事がある 彼ら中立派曰く、都市伝説が存在を強くしたいのみならば、契約せずとも幾らでも方法があるのだと 例えば、人間を殺さずに適度に脅しておく。脅された人間は身の上に起きた恐怖を撒き散らすだろう 都市伝説は人々の口から口へと伝達し、脚色される度にその速度は加速していく」 噂が伝わるプロセスですよね 「加速すればするほど、噂にあがる都市伝説の存在はそれだけ保証される事になる 事実、口裂け女で盛り上がった70年代には、口裂け女の存在が保証されるどころか腐る程に増殖した 話を戻そう では、都市伝説は何故、人間と契約をしたがるのか?」 それは…… 「こんな話を聞いた事はないか? 契約者の大半は、都市伝説によって身に危険が及んだ際に、都市伝説に契約を持ちかけられている、と」 ……聞きますね 確か、都市伝説に襲われている所に 別の都市伝説が助けに来て、流れで契約してしまうというパターンは聞きます 「まさにそれだよ 何故、そのような状況が多いのか? 一説によると、都市伝説同士が共謀して人間を窮地に追いやり、契約しやすい状況を作り出しているのでは、という推測がある ある都市伝説が人間を脅かす。そこへ打ち合わせ通りに別の都市伝説が助けに入り、契約する そして脅かした都市伝説は契約した都市伝説と契約者によって殺害される……と見せかけて実は逃げ延びている 今度は、最初の都市伝説が、晴れて契約者を得た都市伝説と協力してカモを探す、こんな具合だ あくまで一説だがな しかし、いずれにせよ都市伝説は人間と契約したがる」 結局、契約する理由というのは何なのでしょうか? 「俺にも分からんな この疑問はあくまで疑問でしかない。だが俺はこう推測する 契約者を得た都市伝説は、より強い規模で存在が確定する。恐らく連中は、その先の段階へと進もうとするだろう」 先の段階、ですか 「都市伝説というのは、社会に憎悪や不安、悲しみや怒りといった負の感情を流したがる 契約者を得た後は、一体何をしでかすか。大方の予想はつくだろう?」 しかし……、良心的な契約者だったら止めるでしょうね 「契約者というのは、契約に付随する特殊能力というおこぼれを得た途端に理性だのモラルだのは吹っ飛ぶものだ しかし、都市伝説の側からすれば、行動の一々に口を出さない契約者であれば都合がいいだろうな 生かさず、そして殺さずの、植物人間の様な状態であればなお良いだろう 病気で寝たきり、思うように動けない、というのも悪くないな」 あ、着きました。この建物です 「上層からは『殺すな』と言い渡されている もっとも、どちらを『殺すな』なのかまでは指示されていない」 ディープ・スロートからの情報によると、潜伏している都市伝説は『注射男』だそうです 詳細は不明ですが、契約者は軟禁状態のようですね 「気をつけろ、あちらが手練れなら我々の到着に気づいている筈だ」 ……それって光線銃じゃないですよね 「室内戦ではサブマシンガンの方が取り回しがいいんだよ、覚えておけ」 殺すつもりですか? 「契約者はもう長くは持たないだろう。引導を渡してやるのも我々黒服の務めだ」 本当に穏健派所属ですよね……? 「俺は昔からずっと穏健派さ。ずっと、な。さあ、配置につけ。容赦はするなよ、さもないと殺られるぞ ……じゃあ始めようか」 「単発もの」に戻る で、作者は? ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1856.html
プロジェクト名 Return to human H-11 契約都市伝説:ミイラ男 実験中に発狂・暴走 廃棄 H-12 契約都市伝説:口避け女 任務中に死亡 H-13 契約都市伝説:ゴグ 投薬の結果発狂・暴走 廃棄 H-14 契約都市伝説:トイレの花子さん 投薬の結果発狂・暴走 廃棄 H-15 契約都市伝説:プット 投薬に耐え切れず死亡 H-16 契約都市伝説:ビックフット 実験中に発狂・暴走 廃棄 H-17 契約都市伝説:UFO 投薬に耐え切れずに死亡 H-18 契約都市伝説:コーラの原液 投薬の結果発狂・暴走 廃棄 H-19 契約都市伝説:くだん 実験中体調悪化 死亡 H-20 契約都市伝説:人間シチュー 実験中に発狂・暴走 廃棄 H-21 契約都市伝説:ディラハン 投薬の結果発狂・暴走 廃棄 H-22 契約都市伝説:川原の洗濯女 実験中に体調悪化 死亡 ・ ・ ・ ・ ・ ・ プロジェクト名 Obedient Piece H-82 契約都市伝説:人魚のミイラ 任務中に死亡 H-83 契約都市伝説:サキュバス 任務中に死亡(内部犯人による暗殺の可能性) H-84 契約都市伝説:ゴミ女 任務中に死亡 H-85 契約都市伝説:猿夢 訓練中に事故死 H-86 契約都市伝説:トイレの太郎君 訓練中に事故死 H-87 契約都市伝説:黒猫に横切られると不吉 任務中に死亡 ・ ・ ・ ・ H-93 契約都市伝説:バビロンの大淫婦 都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄 H-94 契約都市伝説:噛み男 任務中に死亡 H-95 契約都市伝説:トランペット小僧 訓練中に事故死 H-96 契約都市伝説:13階段 「組織」を裏切り離脱。討伐予定。 H-97 契約都市伝説:耳齧りババア 都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄 H-98 契約都市伝説:不気味ちゃん 投薬実験の結果都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄 H-99 契約都市伝説:下水道の白い鰐 任務中に死亡 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ プロジェクト名 Intentionally Piece H-355 契約都市伝説:ミミズバーガー 都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄 H-356 契約都市伝説:鬼太郎女 都市伝説に飲み込まれた直後自殺 H-357 契約都市伝説:赤紙青紙 都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄 H-358 契約都市伝説:人面犬 都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄 H-359 契約都市伝説:夜彷徨う鎧武者 都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄 H-360 契約都市伝説;性的欲求が強い者は髪が伸びるのが早い 経過観察中 H-361 契約都市伝説:黒いキューピー人形 都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄 H-362 契約都市伝説:コインロッカーベイビー 都市伝説に飲み込まれて暴走 廃棄 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ H-0の命令により、以上全てのプロジェクトを凍結する 以後、これらのプロジェクトを運営することを全て禁ずる 研究資料はH-0からH-10までが管理 この資料を「組織」外に持ち出すことを一切禁ずる 前ページ次ページ連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者
https://w.atwiki.jp/legends/pages/955.html
―第39章 噂の副産物― あらすじらしいあらすじ 「都市伝説との融合」という結構ぶっ飛んだ事を何回かやってのけた俺はその反作用として2~3日床に臥さざるを得なくなった。そして影響がなくなったある日… 俺はみんな―と言っても俺と契約してる面子のみだが―を連れて休日をブラブラしながら過ごしていた。 「とりあえずここらで休憩でも取ろうか。ちょうどお昼だ。」 という訳で立ち寄ったのがこのレストラン、名前を「うわさの産物」という。……なんか色々と胡散臭い名前だな。 そういえば、ここも「ルーモア」同様に都市伝説とその関係者が訪れる、と言ってたな。 ただし、普通に作れば美味いものを作れるのに、店長のアレンジ精神が半端じゃないためオススメセットはお薦め出来ない、とも言ってたな。 まあ、悩んでてもしょうがないし、入ってしまうか。 とりあえず俺らはテーブル席に座る。 「いらっしゃいませ。ご注文は何にしましょう?私としては「店長のおすすめ」を是非お薦めs」 「コーヒー。お前らは?」 「私はあんまり食欲ないんでアイスティーでいいや。」 「私も…アイスミルクティーで…」 「俺m」 「じゃあこいつに「店長のおすすめ」とやらを」 「かしこまりました。」……ィイヤッフウゥー!!! 厨房の奥でなにやら歓声が聞こえたけど気にしないw 「ちょっと待てっ!何で俺g」 「自分で頼むって言ったんじゃないのか?」 「言った憶えなんt」 「 な ん か 文 句 で も ? 」 「イ、イエナンデモゴゼイマセン…ハイ……」そして― 「お待たせいたしました、「店長のおすすめセット」でございます。」 出てきたのは、鰻重とラーメン、天麩羅盛り合わせ、蛸と蕨の和え物、氷水、西瓜だった。随分豪華だなと思ったが― 蛸と蕨?「―まさか……」ちょっと気になった俺は鰻をめくってみた。 案の定鰻の下は日の丸弁当だった。そうか、ここはアレンジ精神が豊富なんじゃない!食い合わせの限界に挑戦する店だ!だから「店長のおすすめ」はお薦め出来ないのか… 「……さあ建速、食うんだ。きっと美味い(はず)。」 「…いくら俺でもこの量は無理だ。せめt」 「 い い か ら 食 え 。 」 「……ハイ」 と、いきなりさっきの歓声あげてた人がやって来て、 「失礼します。こちら、私からのサービスでございます。」 持ってきたのはハンバーグだ。……見た目がかなり怪しいが。そういえば、ここではミミズのハンバーグを出していると聞いた事がある。 「……よし建速。これも食えよ?」 「いやいや!流石にこれは無理だt」 「 食 え よ ? 」 「……ハイ」 その後、顔色が悪く口と腹を押さえ今にも「ピー」しそうな建速が店から出てきたのは言うまでもない…… 前ページ次ページ連載 - 結界都市『東京』
https://w.atwiki.jp/legends/pages/5026.html
「死を従えし少女」より 「あ、えぇと………」 クラスメイトの桐生院 真降に話しかけれて、かなえは少しおたおたとした ちらり、と、龍哉達の方を見る 彼らは、男子で集まって昨晩TVでやっていた刑事ドラマの話をしているようだった こちらには注意を払ってはいない、が……… 「えっと……あ、あのね。お話、してもいいけど………ここじゃ、なくて」 「あぁ、そうだね。他の人に聞かれると、まずいか」 こくんっ、と、かなえは小さく頷いた このクラスには都市伝説契約者が集まっている。とはいえ、都市伝説とは無縁の生活を送る者もいるのだ かなえは真降と共に、そっと昼休みの教室を出た 自分達に向けられていた眼差しには、気づかぬままに 二人が移動したのは、空き教室 この時間だと、あまり人が来ない場所だ かなえが適当な椅子に腰掛けると、その背後に岩融が姿を現す 『主、話してもいいのか?』 「う、うん………桐生院君は、同じ「組織」の仲間だから……」 それなら、「ある程度」は話せるはず ……そう、「ある程度」は 「えっと、私が話してもいい範囲、になっちゃうけど……」 「構わないよ。「組織」で働いている以上、ある程度の守秘義務も発生するからね」 ごめんなさい、と謝罪して………あの時の、「首なしライダー」の件を語る 事件を起こしていた首なしライダーを捕縛しようとしたら、自決されてしまった、その事の顛末を 「情報を漏らさないために死を選ぶ、か……」 『「組織」には、思考や記憶を読み取れる者もいるからな。恐らく、それを警戒したのだろうな』 「郁さんと慶次さんも、そう言っていましたね………」 そう言って、かなえは小さく俯いた 正直なところ、かなえは少し怖い 情報を漏らさない為に、自らの命を、自らの手で消し去ったのだ そこまで、黒幕の情報を漏らそうとしなかった それほどまでに………黒幕に対して忠誠を誓っていたのだろう 狂信とも呼べるそれを、恐ろしく思ったのだ ……そして、今、この学校街にはその黒幕の魅了の力によって精神を汚染された者が集まっていると言う 今のところ、学校街では新たに手駒を増やしてはいないようだが……… (もしも、身近な人が。その被害にあってしまったら……) そんなことになってしまったら ……かなえは、それが恐ろしいのだ 「……大丈夫?」 「え?」 「顔色、真っ青だよ」 指摘されて、気づいた 慌てて「大丈夫です」と答える 「その………黒幕は、学校街のどこかにいるようではありますが。今、どのような姿をとっているのかすら、わからない状態なのだそうです」 「外見も名前もわからない………他者の精神を汚染するような相手の情報がないのは、警戒しよういも難しいし、困ったものだな」 「そうなんです………け、警戒しようがないかもしれませんが、もしも、身近な方の様子がおかしくなったりしたら、ちょっと気をつけたほうがいいかもしれません」 一応、魅了の解除方法は全くない訳でも、ない ようは、その魅了さえ解除すればいいのだから、方法がない訳ではない(それが難しいのだ、と言う意見もあるが) もしも、「組織」の者で魅了された者が出た等となれば、大問題である 見つけたら、即座に対応しなければいけない 「あぁ、でも。その黒幕がどういう都市伝説か、はわかっているんだよね。一体、どんな都市伝説なんだい?」 真降が気づいたように、そう問うた あっ、そうだ。そこは……うん、伝えて大丈夫だ かなえは、そっと真降にそれを答えた 「………!?それはまた、大物だね」 かなえから答えを聞いた真降は、少しだけ驚いたような表情を浮かべた そう、その黒幕は、はっきり言ってかなりの大物である 『昔は「都市伝説」なんて呼ばれ方ではなかったがな。妖かし等と呼んでいた………昔も大きな災いをもたらしていたが、今の世でも変わらないようだな』 「かつて、「組織」にはそれと契約していた方がいらっしゃった、と言う話も聞きますけど……」 「…何にせよ、できれば遭遇はしたくないところだな」 彼からすれば、家族のことも心配なのだろう …何せ、色々と首を突っ込みそうだ、と言うか現在進行形で首を突っ込んでいるから、余計に心配なのだろうが 「……ねぇ、紅さん」 「?えっと、ど、どうしたの?」 「…今、学校街にやってきているという、黒幕に関して。少し気になる事があるんだ」 それは、かなえが話さなかった範囲の事 しかし、真降は自分の持っている知識の中の情報と組み合わせて、ある事に気づいていた 「その黒幕……もしかして。「三年前」のあの事件の黒幕でも、あるのかい?」 そう、「三年前」の事件 中学校での、連続飛び降り事件の事 世間では、教師が生徒を次々と突き落としていたと言う事になっているそれは、真実はその教師が契約していた都市伝説の能力により、次々と生徒を飛び降り自殺させていたものだった 飛び降りた生徒が増えれば増えるほど力を増していく非常に厄介な相手だった 今は都市伝説事件関連専用の刑務所に入っているその犯人の男は、「組織」の尋問に対して、こう答えたのだ 『あの女だ。あの女が、俺に力を与えてくれた!!あの女の下につけば、俺は何もかも、全てを手にすることができる!!』 その男が契約したきっかけは、何者かにそそのかされたから …「黒幕」がいたのだ そしてその黒幕は逃亡し、その生家はわからないまま。詳しい情報は何もない 「三年前」の事件の黒幕と今回の件の黒幕は、恐らく同じ、もいsくはつながっている。真降はそう考えたのだ 真降の指摘に、かなえはあわあわと慌てる 隠そうとしているのかもしれないが、これではバレバレだ 主の様子に、岩融はそっと苦笑する。主の正直な面は悪いことではないのだが、「組織」の人間としては、若干、問題があるように思える 「うぅ、その…………あの、な、内緒に………」 「うん、わかっているよ。紅さんは、その事については話さないようにしていたからね」 本当なら、話してはいけない事だったのだろう …それでも、真降としても家族を護るために、情報は必要なのだ 聞き出さなければならない 「紅さんは、「三年前」の件は…」 「ご、ごめんなさい。私、詳しくは知らなくて…」 その当時は、まだかなえは「岩融」と契約していなかった 都市伝説の存在を知らず、世界の裏側を……非日常を何も知らなかった頃だ ある程度の真実を知ったのは、事件が何もかも終わってしまった後だった 「私が、知ってる事、って言うと……「土川 咲李」さんの事、くらい」 「「土川 咲李」……「三年前」の事件で最後に飛び降りた人ですね」 「そう………あの人は、とても優しい人だったから。私も、親切にしてもらったんです」 そう、「土川 咲李」は優しい人だった 誰にでも優しくて、明るくて………誰からも好かれていた だからこそ、「三年前」、彼女が飛び降りてしまった時、誰もが悲しみ、葬儀にはたくさんの人がかけつけた かなえもそのうちの一人であったし………彼らもまた、参列していた あの時、泣いていた憐のことを、かなえは今でも覚えている 「龍哉君達は、咲李さんと仲が良かったから………あの時は、すごく、ショックだったと思う。特に、憐君は………」 かなえが、そう言いかけた、その時だった 「お前ら、こんなとこで何してんだ?」 がらっ、と二人が話していた空き教室の扉が、突然開いた はっ、と二人がそちらに視線を向けると、そこにいたのは 「あ、は、遥君……」 「次、移動教室だろ。そろそろ準備した方がいいんじゃないか?」 ……言われてみれば、教室を移動する事も考えると、そろそろ支度しなければいけない時間だ 思ったより、説明に時間を使ってしまったようだ 「あぁ。ありがとう……それじゃあ、紅さん。話は、また今度」 「う、うん………」 こくり、と頷くかなえの隣で、岩融はふっ、と姿を消した 真降も一旦教室に戻ろうと、立ち上がり…… 「あぁ、そうだ。真降」 「うん?何だろうか?」 「……あんま、首突っ込んでくるなよ」 告げたのは、警告の言葉 「特に………咲李の事、よく知りもしないのなら。首突っ込んでくるな」 ほんの少し、苛立っているような声で真降に告げて、遥はふい、と背を向けて、この場を立ち去っていった まるで、その件に踏み込まれる事事態を嫌がっているかのような 「土川 咲李」に関して、触れられることを嫌がっているような ……その件事態が、彼らにとって触れてはならないものであるような そんな気配を、真降は確かに、感じ取ったのだった to be … ? 前ページ次ページ連載 - 次世代の子供達
https://w.atwiki.jp/legends/pages/2707.html
それは、朝比奈 秀雄が三つ目の都市伝説の力を解放させたのと、ほぼ、同時だった その雑居ビルを中心に、結界が展開されていく 結界は、一瞬にして学校町全体を、包み込んだ 「結界設置、完了しました。少なくとも一般人は、あのドラゴンの存在を認識しないですみます」 「……間に合ったか」 ふぅ、とため息をつく、黒服S 意識を取り戻した黒服Cから情報を読み取り、朝比奈 秀雄の三つ目の都市伝説の招待を知った彼は、事情を説明し、一般人がそれを認識しない為の結界を発動させるよう、申請したのだ …間に合って、良かった 「これ…ドラゴン、ですよねぇ?」 目の前の画面に映し出される存在…朝比奈 秀雄が三つ目の都市伝説の力を解放させた姿を見て、そう呟く紗江良 あぁ、とSは頷いた 「東洋の龍ではなく、西洋の竜……悪の代名詞ともされる、ドラゴンだな……それも、「黄金伝説」のドラゴンと複数契約しているようだ」 「……「黄金伝説」?」 「「聖人伝」とも言うな。あれには、聖人に倒されたドラゴンの話が多数書かれている……朝比奈 秀雄は、その「聖人伝」に書かれたドラゴン数匹と契約しているようだ」 「……つまり……正確には、三重契約以上の、多数契約…?」 「そう言う事になるな」 Sが、Cから読み取った情報 それは、彼女が「恐怖のナポリタン」の能力で何時の間にか知ってしまっていた、朝比奈 秀雄がドラゴンと契約した時の様子 朝比奈の前方に、複数のドラゴン達が群がっていて…朝比奈が、その全てと契約し、耐え抜いた姿 ドラゴンだけで、少なくとも6匹の都市伝説と、朝比奈は多重契約を結んでいる事となる 「それって、人間が耐えられるんですかぁ?」 紗江良の疑問ももっともだ 6つ以上の都市伝説との多重契約など、危険すぎる たとえ、似たような種類の都市伝説であったり、一つの都市伝説から派生したいくつかの説と別々に契約したのだとあっても、その代償は大きい しかも、朝比奈はドラゴンの他に、悪魔の囁きやクールトーとも多重契約を結んでいるのだ 通常ならば、とっくの昔に器の容量を越えて、都市伝説に飲み込まれているはずだ 「…恐らく……朝比奈 秀雄は、元々器の容量が大きかったんだろう。たまに、いるからな……人並外れた器の持ち主が」 もっとも 理由は、それだけではないだろうが 「朝比奈 秀雄の執念もあるんだろう。都市伝説を憎みながらも、都市伝説の力を借りてまで……あの男は、目的を達しようとしているようだからな」 「目的……」 …ちらり、と 紗江良は、Cがおきだす前まで見ていた資料に、目を落とす そこに記載されている、「門条 晴海」と言う女性のデータ 紗江良の女の勘は、彼女が、朝比奈にとって大切な存在であったと…恋慕の対象であったと、告げてきている しかし、門条 晴海は、19年前に死亡している ……「組織」に、殺されている 朝比奈 秀雄の目的を、「組織」は正確には把握していない Sも紗江良も知らない事であるが、Dが日景家の事情を「組織」に知らせないために、正確な情報を伏せ続けているからだ …だが、今のSと紗江良には、朝比奈 秀雄の目的の、その一端が見えてきていた 復讐 「組織」への、復讐 それが、朝比奈 秀雄の願いの一つ それを成し遂げようという意志の強さが、無茶な多重契約を成功させたのだろう 深い執念が、そこから滲み出て来ている 「…まったく…確か、「黄金伝説」のドラゴン達は、「教会」が封印してるって聞いた事があるんだが…どうやって、それを手に入れたのやら…」 頭の痛い問題だ この騒動が落ち着いたら、「教会」に問い合わせる必要があるだろう ……あそこが、まともな返答を返してくれるかどうかは、疑問なのだが… 「……あの、Sさん」 「………うん?」 じっと、じっと 門条 晴海の資料を見つめていた、紗江良が、ぽつり、呟く 「…この、門条 晴海さんって……もしかしたら…」 「…………」 …す、と 紗江良が言わんとしている事を、Sは制した 小さく、首を左右に振る 「…気にならない訳ではないが、今は、朝比奈 秀雄の件が優先だ……考えるとしたら、その後でだ」 「………はぁい」 こくん、と頷いた紗江良 そっと、資料を机の上に戻す …Sとて、気にならなかった訳ではない 資料に目を通した瞬間に気づいていた 「門条 晴海」 門条、というそのどこか珍しい苗字 それが、学校町に来たばかりのSと紗江良の護衛を担当した、門条 天地と 全く同じ苗字である、事実に to be … ? 前ページ連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者
https://w.atwiki.jp/legends/pages/2596.html
【上田明也の探偵倶楽部】 こんにちわ皆さん、お久しぶりです。 私立探偵の笛吹丁と申します。 最近までアメリカで助手と一緒に仕事をしていたんですが、その時に昔の彼女と出会いましてね。 彼女の弟が学校町に住んでいるそうなので一緒に日本に帰ってきたんですよ。 でまあ助手を事務所において彼女と二人でデートなんて決めてたら……会っちゃったんですよええ。 とてつもなく悪いやつに。 目を見れば一発で解りました。 あいつは確実にこの愛すべき町を、否、世界を自らの物にしようとしている。 え?どうしたかって? 腹が立ったから叩き斬ってやりましたよ、俺はこの町を愛する心優しい私立探偵ですから。 まぁ、叩き斬っただけでこっちは死にかけたんですけどね。 今は彼女と助手に助け出されて事務所で死にかけってところです。 それじゃあ、奇想曲のあらすじはこれでお終い。 殺人鬼は終わり、探偵を始めましょう。 【上田明也の探偵倶楽部20~忍び寄る影~】 日本に帰ってから数日後。 俺は相変わらず全身を包帯に包まれてベッドに横たわっていた。 世間では春休みも終わり、我が事務所のバイト共も勉学にいそしんでいるというのに所長たる俺はこのざまである。 「委員長、生きているか?」 「ああ生きているよ。」 「しかし真っ黒焦げだね、良い男が台無しだ。」 「こんな見た目の男は嫌いか?」 「君の見てくれが好きだった訳じゃない。」 「俺もだ、お前の体型は昔からそれほど好きじゃない。」 明日晶、俺の元・彼女である。 俺が幼女にしか欲情できない類の人間なのに妙な流れで妙に恋愛してしまった。 …………昔の話だ。 「しかし君が会った男はいったい何者だったんだい?」 「それが解ってたら苦労はしないよ。とりあえず火を噴いたり怪力持っていたりする危ないやつってだけで十分だ。 お前の都市伝説無しだったら生きては帰れなかったよ。」 明日晶の都市伝説。 名前を「人間の集中力は三分間が限界」という。 一日の中で三分間は頭脳を極限まで活性化させて超能力を使うことが出来るそうだ。 ひどく適当である。 ふと、俺はここ数日メールをチェックしていないことを思い出した。 「ああ、そうだ。晶、メールは来ていないか?」 「メール?」 「誰にも言っていないんだが俺には一人従妹が居るんだ。 そいつは【組織】の契約者として動いているんだがそいつから【組織】の様子についてたまにメールが来るんだ。」 「ふぅん……。」 「俺のネットブック取ってくれ。まだ指先も動かせないんだ。」 晶は赤いネットブックを取るとメールボックスを開いて一々それを読み上げた。 ほとんどが依頼に関する物だったが俺が死にかけている以上、丁重にお断りするしかない。 まあ俺が出るまでもない依頼ならほかの奴に任せよう。 最初、俺の体は大部分が炭化していたそうである。 それを治癒能力を持った都市伝説で時間をかけて丁寧に治して……、今なんとか命を保っている。 「あ、このメール?お兄ちゃんへ、って書いてあるけど……。」 「ああ、それだそれだ。読み上げてくれ。」 どうやら俺の従妹である平からのメールが来たらしい。 「助けてください、番屋町に殺人鬼が出てきています。私も一度おそわれました。 担当の黒服さんは今、その時の戦いが原因で病院で意識不明の重体になっています。 『組織』は人員を裂けないせいで野放しになっていて、 被害者はいつも行方不明扱いになっています。 …………だそうだ。のっぴきならない事態じゃないか、委員長。」 「おいおい、冗談じゃないだろうな?」 「見てみるかい?」 ぽん、と胸の上に置かれたネットブックには晶の言うとおりの内容が載っていた。 急いで起き上がる。 全身がずきずき痛むがその程度のことに構っては居られない。 「委員長、まだ動くな!君の体は治るかすらまだ解らないんだぞ!」 「人間気合いでなんとかなるもんだぜ? とりあえず俺は今すぐにでも番屋町に行く。 唯は昔っから何をやってもだめな奴だったんだ。 俺が優秀な分無能だったと言っても良い、だから俺が助けてやらないといけない。」 「そんなこと言ってもそんな包帯だらけの顔で何処に行くんですか?」 「――――いつの間に?」 「サンジェルマン、ドクターストップでもかけに来たか?」 俺が立ち上がって所長室のドアを開けると、そこには金髪碧眼の男が立っていた。 俺は構わずに服を着て、事務所から外に出ようとする。 探偵事務所を出ると、そこは見慣れた探偵事務所だった。 「その通り、ドクターストップです。」 サンジェルマンはゆっくりと俺の背中に近づくと肩に手を置いた。 「なるほど、貴方の体は奇跡的にもこうして命を保っている。 それどころか貴方の意志に応えるように元の体を完全に取り戻そうとさえしている。 でも、そういう奇跡はまだ先の話だ。 貴方が心配するのなら従妹のことは私がなんとかしましょう。」 思わぬ提案だ。 自ら動かないことに定評のあるこいつが俺に手を貸すとは思わなかった。 まあこいつが動くのなら唯に危険は及ぶまい。 恥ずかしいことにこの体ではろくに戦えそうもないので俺はその提案を渋々のむことにした。 だが、その前に一つ確かめたいことがある。 「サンジェルマン、確かめたいことがある。」 「なんですか?」 「お前、以前から自分の所持する強大な都市伝説の担い手を捜していたんだよな?」 「ええ、貴方に渡した蜻蛉切しかり、橙さんのウォーリーしかり。」 「その殺人鬼が、だ。お前の持っている都市伝説に適正がある可能性があるよな?」 「…………貴方に隠し事は出来ないな。やはり問題ですか?」 「いや、そいつを制御できるならばむしろ好ましい。」 「委員長、君は従妹を殺しかけた相手を見逃すのかい?」 「弟を殺しかけた人間に対して姉が言う言葉ではないな。 サンジェルマンが管理してくれるならそれが幸いだ。 俺が動くまでもない。」 「君がそういうなら良いんだが…………。」 安心したら力が抜けてきた。 視界が揺れる。 倒れそうになった体を晶に支えられて、俺はベッドに強制送還されることになってしまった。 殺人鬼、ね。探偵が相手してやりたかったが仕方がないか。 【上田明也の探偵倶楽部20~忍び寄る影~fin】
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1912.html
おとーさん:浅井・秀也(あさい・しゅうや) 性別・年齢:男・50代半ば(見た目は三十代) 国籍:日本 容貌・容姿:くたびれたスーツを着たサラリーマン風、30代半ばに見える。無精に髭を伸ばし、ボサボサの髪。頬に古い傷跡がある。 チェーンに丸い石が付いているだけのシンプルなネックレスが二つ。 + その他詳しい設定(ネタバレ注意) 性格・癖:適当、いい加減。しかし、≪夢の国≫に恨みを持ってはいてもさっちゃんのような幼子に復讐を果たしてほしくはないと思ったり弱っている自分を見せたくはないというような父親としての自覚をさっちゃんに対して持っている。また、食人をしなければ生きられない状態ではあるが出来るだけ人を食べないようにしている。食べるときは臓器を奪う感じの都市伝説の契約者を≪結婚相手が見える洗面器≫で探す。これで探すと能力の関係上善人はまず引っかからない。不思議! 頬の傷に触れる癖がある。 復讐対象以外には行動は紳士的。(発言はエロ親父) 健康:自分の契約できる限界はとっくに突破、代価やら都市伝説の影響やらですこぶる悪い。 趣味:煙草、酒 契約都市伝説・能力: ≪さっちゃんの歌の四番目≫ 童謡、さっちゃんの四番目の歌詞通りに相手の脚を奪う。出血、痛みも与えず断面はなぜか見えない。脚を返すことも可能。また、脚を奪う呪いを与えた場合相手の居場所の把握が可能。 契約によってバナナを半分しか食べれないのはさっちゃんが病気でそれだけしか食べることができなかったからという話を得て、相手を死ぬ一歩手前の病気にさせる呪いを発動可能。 ≪結婚相手が見える洗面器≫ 深夜0時丁度にカミソリを口に咥えて水を張った洗面器をのぞくと『将来の結婚相手が見える』というもの。女性がカミソリを水に落としてしまうと、洗面器の水が血のように真っ赤に染まった。それから数年後マスクをした異性と出会い、「なぜマスクをしているのか?」と尋ねると、マスクを外し醜い傷跡を見せ「お前のせいだよ!」と続く。 能力は話の中の女性のように一方的に何かに被害を与えたものに対して発動。正体を突き止める。契約によりその居場所も大まかに特定できるようになった。契約者はこの能力で下にある都市伝説を突き止め、契約した。ただし、力自体は弱いため≪夢の国≫のカラス除けの特殊電波のような妨害系を突破できず、これまで特定不可能だった。 ちなみに嫁さんは占いをする女の方の力が使えた。 ≪ホープダイヤ≫ 手に入れた者皆が不幸に見舞われ、かつて国の変革の原因にもなったと言われる呪われた赤い燐光を発する青い宝石。 能力は不幸になると分かっていても人を魅了してやまない宝石の魅力による人の操作。どんなに無茶な内容もその宝石の輝きの前に人々は聞いてしまう。 ただし、金銭に対して靡かない者、耐性のある契約者および都市伝説には基本効かない。 ≪パワーストーン≫、ダイヤモンドとして力の絶大な増幅効果有り。しかしホープ・ダイヤのため、負に類する力のみを増幅する。さっちゃんの呪い、彼らの復讐心からくる力を増幅している。 ≪死を招くネックレス≫ 青白く光るネックレス。その青白い石はウランの結晶である。という都市伝説。 能力は青白い石を媒介に装着者へ放射能を浴びせる。契約により装着者はある程度の対放射線能力を得る。たぶん通常殺しに使おうとするなら相手にプレゼントして被曝させるという方向だと思う。しかし作者の沸いた頭はなぜか、 「パワーアップアイテムだ……っ!」 とか考えた。後悔はないけど反省はしようと思う。 ≪放射能による突然変異≫ 放射能を浴びることで変異による強化を行う。契約によりその能力を他人にも付与可能になった。以前は通用しなかったさっちゃんの呪いが聞いているのはこれとホープ・ダイヤのため。 契約者自身は筋肉等身体能力関係の変異、衣服等の変異による外殻装備に能力を使っていた。 ※全ての契約都市伝説がある程度以上に有名であり、どれもが強力なため契約コストもそれなりのものとなっている。 口調・言語:ちょい悪オヤジ風?・日本語 履歴:≪結婚相手が見える洗面器≫によって嫁さんと会う→娘爆誕→割と平和な生活→≪夢の国≫にて娘が消える→嫁さん自殺。色々荒れる→酒びたり→ある日さっちゃんと遭遇。娘さんが≪夢の国≫で臓器を抜かれたことなど説明。契約→≪結婚相手が見える洗面器≫で加害者の特定、しかし居場所はしれず、噂を頼りにいろいろ放浪(≪夢の国≫を討つための複数の都市伝説と契約)→学校町にて≪夢の国≫の革命が成る。夢子ちゃんが旅に出た辺りで居場所の把握→お話のはじまりはじまり…… 行動傾向:≪夢の国≫の討伐ができるまで死ぬ気はないが一般人を自分の糧にすることはなるべく避けようとする。 さっちゃん≪さっちゃんの歌の四番目≫ 外見:童女、おかっぱでかわいらしい娘っ子。おとーさんとおそろいのネックレスを一つ装備。 性格:無邪気幼女であったが≪夢の国≫に対しては深い恨みがある + 詳細設定(ネタバレ注意) 知性・健康:子供だが実際はそれなりの年のため判断ができないわけでは、ない。ただし容姿と元となった都市伝説に精神が引きずられるため理性より感情を優先する。 ≪ホープダイヤ≫と≪死を招くネックレス≫≪放射能による突然変異≫によって能力のブーストをしているため、及ぼす病は国をも落とす。 能力:さっちゃんの四番目の歌詞通りに相手の脚を奪う。出血、痛みも与えず断面はなぜか見えない。脚を返すことも可能。また、脚を奪う呪いを与えた場合相手の居場所の把握が可能。 契約によってバナナを半分しか食べれないのはさっちゃんが病気でそれだけしか食べることができなかったからという話を得て、相手を死ぬ一歩手前の病気にさせる呪いを発動可能。 口調:ボキャブラリーが少ない感じで、漢字は、難しいのはひらがな表記 履歴:以前の契約者の死(三十年ほど前)友人たちと分かれる(この時点で黒服Dは死んだものと思ったまま、共に仇討ちに行った他の仲間たちも全滅したと思っている)→噂やニュースを頼りに≪夢の国≫を探すうちにおとーさんと出会う(十年ほど前)。事情を話し、契約。→学校町にて≪夢の国≫の革命が成る。夢子ちゃんが旅に出た辺りで居場所の把握→お話のはじまりはじまり…… 以前の契約者とは兄妹のような関係にあり、「お兄たん」と呼び、慕っていた。 現在の契約者との関係は親子、「おとーさん」と呼び、こちらも慕っている。 Tさんたちはこちら Tさん ≪夢の国≫の紹介はこちら 夢の国
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1256.html
合わせ鏡のアクマ 53 (ドクター(バイト青年)より) 都市伝説4コマ風劇場 「さて、置いて行かれないようについてきてください」 (本当にこっちに着いてきて良かったんだろうか) (なんかこいつが近くに来てから背筋に嫌な感触がするし・・・) 「・・・・・・(ゾクッ」パチパチ 「お前の仕業かッ!」 「あ、やっと気付きました?」 背中に弱めのプラズマ当ててました、イメージは電気マッサージ。 * 都市伝説4コマ風劇場 「そうだ、解毒が成功した場合の話を先にしましょう」 「方法が先に知りたいんだが」 「代償が必要ですよねぇ、何かしてもらうには」 「無視かよ。・・・で、代償って?」 「もちろんあなたの魂です♪」 「・・・」バッバッバッ 「だからいくら突いても無駄ですってば」 * 都市伝説4コマ風劇場 「ぜぇ・・・体力も落ちてるのか・・・」 「まあ冗談はさておき」 「あなた、最近街に来た組織の構成員でしょう。どこの人ですか?」 「・・・それを俺が言うとでも」 「解毒の代償の前払いです。教えないと解毒はできな」 「第三帝国です」 「そんなに元に戻りたいですか」 「当たり前だ」 * 都市伝説4コマ風劇場 「では、解毒できる人を呼んでくるので待っていてくださいね」 「・・・墓地で人を待つってなんか嫌だな」 「しかもなんだ、この石を彫ったらしき物体・・・ん?書き置きか」 『疲れたので、自分の墓地に帰らせていただきます』 「あいつネクロマンサーか何かだったのか!?」 * 都市伝説4コマ風劇場 「連れてきましたよー」 「盟主さん、休日くらいゆっくりさせてくださいよ」 (こんな子供が解毒できるのか?) 「・・・今あなた、私を子供と侮りましたね」 「私はあなたなんかより長く生きてるんですよ。 あとあなたの考えることは筒抜けです、何故なら・・・」 「契約者が読心術使えますから」 「心眼!ブラボーアイ改!!」 「いつの間に後ろに!?」 * 都市伝説4コマ風劇場 「で、解毒でしたか。やったことはありませんが、やってみましょう」 「大丈夫かよ・・・」 「体という境界の内側から、外側へ毒を追い出す感じですかね・・・」 「いいから早く」 「うるさいですね、そんなに言うならやってやりますよ」 「あ、失敗すると内から体が弾けますが」 「どうぞゆっくりやりやがってくださいませコンチクショウ」 命、大事 * 都市伝説4コマ風劇場 「んむむ・・・」 「どうです、解毒できそうですか?」 「盟主さん、彼女・・・彼をしばらく預からせてもらっても?」 「待ってくれ!どういうことだ!?」 「1日では完全な解毒は無理です。あなたの体がもちません」 「そんな・・・」 「大丈夫です、兄さんは優しくしてくれますよきっと」 「・・・色々な意味で不安なんだが」 * 都市伝説4コマ風劇場 「では、解毒が終わったら私のところへ来てください」 「代償、か?」 「ええ、第三帝国のなるべく高い立場の方と接触させていただきたいのです」 「俺を助けた程度で、幹部に会えるほど第三帝国は甘くないぞ」 「その時は・・・」 「あなたに恥ずかしい格好でも「口添えしてみます」頼みますよ」 * 都市伝説4コマ風劇場 「で、俺の所に泊めろと」 「兄さんだけが頼りなんです」 「お願いします!」 「困った時はお互い様・・・泊めてもいいですが」 「なにか問題が?」 「服、どうするんですか?」 「あっ!しまった」 「問題ないです」 「服買ってきたわよ!」 「買いに行ってもらってました」 「だからいつの間に!?」 ブラボーアイで身体情報バッチリなのでサイズは完璧。 下着もあるよ! * 都市伝説4コマ風劇場 「じゃあ俺達は出てるんで着替えを」 「着方は私が教えるわね」 「頼むわ、姫さん」 「終わったら呼んでくださいね」バタン 『はい』 「・・・兄さん」 「なんだ」 「中身は男なんですから手は」 「出さんわッ!」 前ページ次ページ連載 - 合わせ鏡のアクマ
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1214.html
―――この物語はIFでありどうせ幻想に決まってます 本編と関係あるはずもありません――― これは、少し昔の話 まだ、「首塚」組織が出来る前の話…… 「ん……------」 目の前で酩酊状態の少年を前に、店主はほくそえんだ 本人は高校生だ…と言い張っていたが、まだ中学生だろう 年齢を偽ってバイトの面接に来た時点で、訳アリに決まっている だから…たとえ、この少年が行方不明になったとしても、周囲はさほど騒ぎ立てないだろう いや、騒ぎ立てたところで、彼はそれを問題とはしないのだが -----ねぇ、知ってる? あのお店のバイトの子って、しょっちゅう入れ替わるでしょ? あれって、どっかの国に売られてるからなんだって どうして売られるかって? そりゃあ、エッチなお仕事につかされるためらしいよ? 面接の時点で、既に選別されるんだって そこで選ばれると…売られちゃうんだって そんな噂があった そんな都市伝説があった 店主は、その都市伝説と契約していた …いや、そもそも、彼には「契約した」と言う自覚はない 自覚などないままに、彼はその仕事を行っていた 面接にきた、主に女性を相手に、水に能力で作り出した特殊な液体を混ぜて飲ませ、今のこの少年のような状態にして そして、じっくり、じっくりと選別して 売り物になりそうだったら、売り払う その相手がどうなるのか、彼は知らないし興味がない ただ、対象の初物を得られるのが楽しくて、彼はそれを続けていた 彼は気付いていない 無意識に都市伝説と契約してしまった時点で、彼は既に都市伝説に飲み込まれかけていた …それ以前から、彼は別の都市伝説とも契約していたからだ あまりにジャンルが違う都市伝説同士の多重契約 もともと、さほど器が大きくなかった彼は、それによって…都市伝説に、飲み込まれかけた 既に彼は、彼自身が半ば都市伝説となりかけている 「…さぁて、男相手は久々だが…」 相手は、まだ中学生だ …この年頃で、まさか後ろの経験なんぞある訳ないだろう あったらむしろ驚く 元から契約していた能力で配合した薬も、水に混ぜておいた たとえ、そっちの才能がなかったとしても…じっくりと、開発してやればいい 「------んん」 するり シャツの下に、手を滑り込ませた 少年特有のきめ細やかな肌の感触を堪能する 薬の効果が表れているだろう、ぴくりっ、少年の体は触れられた事に反応し、小さく跳ねる つつ、と脇腹からゆっくりと、手を上へ上へと移動させ…そこに、到達する 「---っ」 くに、とそこを弄ってやれば、少年の体はますます跳ねた 執拗に弄ってやれば、そこはぷくり、立ち上がってきて せっかくだ、味も見させてもらうとするか シャツをたくし上げ、露出させた肌に、舌を這わせようとした…その時 「---そこまでです」 「っ!?」 駆けられた声に、慌てて振り返る 彼の能力が発動し、誰も入り込めないはずの部屋 …その部屋の入り口に、何時の間にか、黒服の男が立っていた 彼に銃を向け、静かに告げてくる 「…その少年から、離れなさい」 「っく……「組織」か!?」 都市伝説の知識などほぼないはずの彼であったが、なぜか「組織」の事は知っていた その理由を、彼は知らない 彼の以前にこの都市伝説と契約し、「組織」に消された人間がいるなど…そんな事実を、彼は知る良しもないし だからこそ、その知識を自分が受け継いでいるのだ、と言う事実など知らない ただ、彼がいますべき事は あの黒服を、どうにかする事だ 幸い、ひょろりとした体格で弱そうだ 不意さえ打つ事ができれば… そう考えて、彼はそれを発生させた 己の体から、人間だけではなく、都市伝説相手すら効果のある薬を生み出す それが、彼の力 薬の効果は、彼の思いのままに作り上げられる 睡眠薬なり媚薬なり、毒殺できるような薬こそ作れないが、他人を思いのままにできる薬を作り出せる その、応用だ 体内で睡眠薬を合成し、彼は体中から発生させる 霧状になったそれは、部屋を包み込み… ----しかし、黒服に、変化はない 「…対策を打たずに来るとお思いますか?」 「っち……」 眠らせてやろうと思ったのだが…中和剤か何かでも飲んできたか!? 薬が効かないとなると、不味い あの銃で一発でも撃たれたら、彼は死ねる 彼自身の肉体は、強化などされていないのだから 「…く、くそっ!」 少年は惜しいが、仕方ない 彼は急いで部屋の奥へと走り、隠し扉の奥へと逃げ込んだ そのまま、外へと…… 「おぉっと、残念」 「ーーーーっ!?」 ……しゅるんっ ! 彼に向かってきた、それ 彼は、それを寸前で避けた びたんっ!と壁に張り付く 「お?」 しゅるり 黒い、まるで触手のようになった髪を操る黒服の男が、そこにはいた …逃走経路は既に抑えられていたか! だが、甘い! にょろん、ズボンの裾から真黒な尻尾をはみ出させ、彼はひたひたと壁を垂直に登っていく 「……「イモリの黒焼き」との多重契約かい。それで、イモリっぽい能力もあるってか?」 っち、とその黒服は舌打ちしてきた しかし、彼はそんな事は聞いていない 今は、逃げるべきなのだ 逃げて、どこか遠くでこの商売を続ければいい そう、彼は考えていた 殺されるつもりなんざ、さらさらない……! 「…だが、逃がさねぇよ」 黒服も、彼を逃がすつもりなどなかった しゅるり、際限なく伸び続ける髪が、彼を追う ごがっ! ごがっごがっごがっ!!! 強烈な薙ぎが、次々と壁に打ち付けられる 彼は、それを必死で避けて逃げ続けた 捕まるものか、捕まるものか まだ、自分は生き続けるのだ 仕事を続けるのだ …自分を生み出した噂は、まだ生き続けているのだから……!! 「…残念ゲームオーバーだ」 しゅるりっ 彼の、そのズボンからはみ出した尻尾が……捕らえられた 「お前、もう飲み込まれてるよ」 無慈悲な声と、共に 彼の体に、黒服の髪の毛が一斉に絡まりだした 「大丈夫ですか?しっかりしてください」 「……ん」 …駄目だ 睡眠薬の類でも、摂取させられたようだ 意識が定まっていないのだろう、ぼんやりとしていて…こちらの声も、聞こえているかどうか 呼吸が荒く、頬が紅潮している辺りを見ると…他の薬も混ぜられているのかもしれない とにかく、急いで解毒してやらなければ 黒服は、すぐに「ユニコーンの角の粉末」を鞄から取り出した 少年に、飲ませようとするが… 「………」 …口を、空けてくれない 水は…コップに入ってる分は問題外だ。鞄にミネラルウォーターが入っているから、それを使えばいい ただ、どちらにせよ口をあけてくれない事には… 「…仕方ありませんね」 強引にでも、飲ませなければ そう考えながら、黒服はミネラルウォーターのペットボトルをあけた ミネラルウォーターとユニコーンの角の粉末を、そのまま口に含むと、少年の顎に手をかけた 少し力を入れると、少年の口が、うっすらと開いて その口内に、ユニコーンの角の粉末を含んだ水を流し込んでいく ……ぴくりっ、と 黒服の腕の中で、少年の体が小さく跳ねた 「………んん」 まだ、意識は戻っていないが…ユニコーンの角の粉末の効果が現れているようだ 呼吸が、落ち着いてきている 黒服がほっと息をはいて、少年の頭をそっと撫でてやったのだった 「悪いねぇ、お前さんに恨みはないんだけどよ……むしろ、女の子相手にエロエロする。それに関しては羨ましいと思うよ」 しゅるしゅるしゅるしゅる その黒服の伸びる髪が、店主を束縛する 全身を髪の毛で覆われ、店主は苦しそうにもがき苦しんでいた …それだけ、ではない 全身を締め付けられ、呼吸など最早できていないはずだ 「でも、まぁ、こっちは黒服成り立てでよ……上の信頼を得なきゃいけないだわ、これが」 困ったように笑いながら、黒服はそう言って …そして、残酷に言い切った 「だから、悪いけど死んでくれや。俺が上から信頼を得るために」 ぶちんっ!! 店主の首を、髪で引きちぎる ぽい、と、なるでボールのように投げられたそれは、壁にぶつかり、ごろん、と床を転がった 「うっし、終わりー!」 ぐぐぅ、と背伸びする黒服 とてもじゃないが、たった今、人殺しをしたようには見えない …と、携帯が着信を告げて、黒服はすぐに応対した 「あ、はいはい……あぁ、始末したぞ………ん?あぁ、被害者がいたのか……まぁ、未遂かどうかは割りとどうでもい…あ~、わかったわかった。そう責めないでくれよ。とりあえず、そいつ、送ってやるのな?……わかった」 …やれやれ なんとも、優しい同僚がいたものだ 黒服に優しさなど、必要なのか? …この黒服には、その必要性がわからない 「ま、いいか」 後始末は任せられた ……すなわち! 「店のどこかにいるかもしれない、囚われのおねーちゃんたちの扱いは俺に任せられた、という事だな!!」 しゅるしゅるしゅるしゅるしゅる!!! 物凄い勢いで、髪を伸ばし この黒服はスキップなどしつつ、店内へと入っていったのだった 「………あれ?」 「あぁ、目が覚めましたか?」 少年を背負って、店を出た …薬の効果が切れたのだろう 少年が、意識を取り戻した 「…あれ…俺…」 「あまり、無理に喋らなくてもいいですよ…とにかく、家に送りますから」 「家………嫌だ……」 ふるふると 少年は、小さく首を振る 「…あんな所……もう、戻らねぇ…」 ……また、家出だろうか? 一瞬、そう考えたのだが…少年の声から感じられたのは、「家には絶対に帰らない」と言う、はっきりとした強い意志 今までの家出とは、明らかに違う もう二度と、家には戻らない…あの両親に対する、はっきりとした拒絶を感じ取れた 「…それでは、どちらにお帰りになられるので?」 「…………」 …返事はない ほぼ無計画で家を飛び出したのだろう 全く、困ったものだ ……しかし、少年の考えもわからなくはない あの家は…この少年には、酷すぎる環境だから 「わかりました、今夜は、ホテルに送りますから…家から、私物は持ち出しているのですか?」 「…きょーかしょとか、着替えとかは……ダチの家に…」 「わかりました。明日、その友人に連絡するのですよ?」 わかった、とそう頷いてきて 少年はこてん……と、力尽きて、寝息を立て始めた 小さく、ため息をつく この少年は、まだ中学3年 生活費を稼ぐ為に、アルバイトをしようとしたのだろうが… …あぁ言う都市伝説に引っかかってしまうようでは、危ない せめて、安全なアルバイト先を見極められるようになるまでは、自分が援助してやらないと 黒服はそう考えながら、少年を背負い、夜の街を歩き続けたのだった fin