約 2,714,771 件
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4577.html
学校町のとあるカフェ。授業をサボったらしい少年以外に客はいない。 彼が冷たいココアと平和な昼下がりを満喫していると 「こんにちはー!」 子どもの声と共に、シャツを思い切り引っ張られて危うくココアごと後ろにひっくり返りそうになった。 すんでのところで踏みとどまり、後ろを振り返ると、そこには小柄な少女がひとり。 「えーと、ここに描いてある鳥居を知らないかな?」 顎のあたりで切り揃えられた黒髪に、薄青色の瞳。 来日して間もない外人の子どもが観光名所を探している。 そんなふうに判断した少年が口を開くより先に、一枚の画用紙が眼前に突きつけられた。 色鉛筆で描かれているどこかの神社らしい小さな鳥居と鎮守の森・・・のようなもの。 少女曰く、鳥居は「呪いのサイト」と云う都市伝説であり、 自分はサイトの写真にあるこの鳥居を見つけないと死ぬのだと言う。 「なあチビ、これお前が描いたのか」 「うん。ホントはプリントアウトしたかったけど」 少年は苦笑いした。 「絵が下手すぎてわかんねえよ」 その声が届いた瞬間、少女の眉は見る見るうちに吊り上がる。 顔は目に見えて赤くなり、瞳が水分過多になってゆくのがわかる。 ヤバい泣きそうと焦った少年が、でもお前日本語は上手だなと、下手なフォローを入れたが 少女はふくれっ面で店を飛び出していった。 「あちゃー、失言だったな」 まあ目の前で泣きわめかれるよりいいか。 そう思い直して、氷の融けかかったココアをストローでかき回した。 「失礼しちゃう!」 店を出てからも尚、少女の機嫌は傾いたままだったが、何時までもふてくされていられない。 厳重な外出禁止令をかいくぐって出て来たのだ。 もたもたしていたら何の成果もあげられないまま連れ戻されてしまう。 周囲を見回した少女の瞳に映ったのは、ひとりの女の後ろ姿。 女の人なら良い。大人の女の人ならさっきのあいつみたいに、絵を笑ったりしないで親切にしてくれるかもしれない。 そう考えた少女は小走りに女に近づいて声を掛ける その前に 女の方が振り向いた。 「私・・・キレイ?」 その女は大きなマスクで顔の半分ほども覆っている。 言うまでもなく「口裂け女」であり、 ここが学校町でなくてもまともに答えを返す人間などいないだろう。 知らないのか鈍いのか、少女は至って愛想よく返す。 「うん、キレイだよ!」 にっと笑った口裂け女の手が少女の襟首に伸び、そのまま締め上げた。 「な!やだっ」 振りほどこうと暴れる少女を地面に引き倒し鎌を振り上げたその瞬間 「エターナルフォースブリザードぉぉ!!」 叫び声と、口裂け女が両耳を押さえて吹っ飛んだのはほぼ同時だった。 もちろん“エターナルフォースブリザード”が実際に発動した訳ではない。 都市伝説『厨二病』と契約でもしていれば話は別だが。 この少女、ノイ・リリス・マリアツェルの契約している都市伝説は『地獄の声』 とある島にあるという「悪魔の山」 近づくと狂い死にするというその地に響く“悪魔の声”によって、アメリカの調査員二人が廃人同様となり・・・ 彼らは生涯回復することはなかったという。 ノイの能力はその『地獄の声』を自らの声に乗せ、相手の聴覚を直接攻撃する力。 声が出る限り使えて、聴覚のある相手ならば人間、都市伝説を問わず効力がある。威力も自在とあって 「命のやりとりまではしたくはないが自分の身は自分で守りたい」 というノイにはうってつけの都市伝説だった。 「うー、とんだ災難」 呟きながら身を起こしたノイの視界に入ったのは、無断外出した彼女を連れ戻しに来た大人たち。 「ノイちゃん!」 「ノイ・リリス!このバカ者!」 こうなってみればありがたさ半分、煩わしさ半分といったところだ。 ノイはとりあえず笑顔でピースサインを示して見せた。 外出禁止なんてバカバカしい、あたしだってやれば出来る、と。 黒髪の青年、浅倉柳が駆け寄って抱え込むように抱きしめる。 「ノイちゃん、ケガはない?」 頷くノイのワンピースの埃を払ってやり、ずり落ちたベレーを直してやる。 強かったね、格好良かったよと頭を撫でてもらってご満悦のノイにもう一人歩み寄った人影があった。 それは柳より幾分か年長に見える赤毛の男で、柳に手を伸ばし、首根っこを掴むや否や投げ飛ばした。 「痛っ!」 「いかがわしい真似をするんじゃない!」 「いやまだちょっとハグしただけ・・・」 「柳!大丈夫?」 赤毛の男の手を振りきってノイが柳に駆け寄り、引っ張り起こした。 彼は背中から着地した痛みに呻きつつも笑って起きあがる。 「大丈夫だよ、ありがとう。ノイちゃんは優しいね」 「うん。だって柳が大好きだもん!」 「こっちに来てくれた日も言ったけど、一人で外に出ちゃダメだよ。 ここは都市伝説がとても多いけど、その分都市伝説と、人や契約者との揉め事が多いんだ」 みんな心配してたんだよ、ムーンストラックと飛縁魔にも後でちゃんと謝ること。 そう柳はノイを諭し、ノイは黒髪を揺らして頷いた。 「あとで・・・ふたりにも謝る。柳、ごめんなさい」 未だ手を繋いだままの二人を引きはがそうと再び柳に手を伸ばした男を、ロングヘアの女が制した。 ロングヘアの女は「飛縁魔」 柳と契約している都市伝説で、「得意技は色仕掛け、趣味は何でも燃やす事」と公言してはばからない。 赤毛の男は「ムーンストラック」四歳で両親を失ったノイと契約し、それ以来彼女の親代わりをつとめている。 どちらも永く生きてきた都市伝説ではあるが、両者の価値観には大きな隔たりがある事を互いに認めている。―特に彼らの契約者たちの関係については。 「いーじゃないの。将来を誓った男女の仲睦まじい光景。美しいと思わない?」 「オレは認めた覚えはない!」 常識的に考えて、八歳の少女が一回りも年上の男を連れて来て 「あたしこの人とけっこんする」 と言い出したところで、はいそうですかと本気で言える保護者がいたら、その方がどうかしている。 子どもによくある憧れのようなもので、どうせすぐに飽きると高をくくっていたが それから四年が過ぎても彼の幼い契約者は「婚約」を取り消す様子はない。 ・・・率直に言えば、柳は気に入らない。 日本人にありがちな控えめな性分、と言えば聞こえはいいが、優柔不断としか思えない。 おまけに、厳格な彼から見ればとにかくノイに甘い。 育ての親である自分の教育方針も差し置いて何でも聞いてやってしまう。頼りないこと夥しいではないか! お前を疎んじている、とはっきり態度に出しても、奴は困ったような様子で苦笑いを浮かべるのみで何を考えているのか一向に知れたものではない… どおぉぉぉぉん 派手な雷鳴と、きゃあという歓声に現実に意識が戻る。 いつの間にか水滴たちが落ちてきて、髪や服を湿らせつつあった。 「雨か・・・」 「ひどくなりそうねぇ。お嬢ちゃんも捕獲した事だし、早く帰りましょ」 「その前にコンビニで傘を買っていかない?」 ノイちゃんが濡れちゃうと柳がハンカチを取り出してノイの頭に被せる。 帽子を被ってるでしょーが、という飛縁魔のツッコミは華麗にスルーした。 帽子の上からハンカチを被せられた当人はと言えば、郷里のウィーンではほとんど見られない夕立が物珍しく、シャワーみたいときゃあきゃあ歓声をあげている。 ほんの僅かの間に雨は激しくなり、全員があっと言う間に濡れ鼠になってしまった。 「ここまで濡れたら、もう手遅れな気もするけど」 飛縁魔が肩をすくめた。白いシャツは既に水分を一杯に含んで素肌が透け、大いに目のやり場に困る… 否、大抵の男なら見たくて仕方ない姿をさらしている。 ともかく今からでも、傘とタオルでもあれば今よりマシにはなるだろう。 そう結論を出した一同は少し先に見えていたコンビニに向かって一斉に駆け出した。 「・・・・・・」 雨の中、彼らの後ろ姿を眺める金髪の女。 背が高く、その容貌は美女と称して差し支えないのに、醸し出す雰囲気はどこか陰惨で。 その手には血塗れの斧が握られ、視線は冷たくノイの背中を見据えていた。
https://w.atwiki.jp/legends/pages/13.html
設定 - テンプレ 設定 - テンプレ 設定一覧 - 作品別 あいうえお順ショートカット あ行 / か行 / さ行 / た行 / な行 / は行 / ま行 / や行 / ら行 / わ行 / その他 あ行 赤い部屋(非隣人ver) 赤い目をした女の子・闇子さん 赤い幼星 あぎょうさん 合わせ鏡のアクマ 1ペニー硬貨と契約 犬神憑きと怪人アンサー ウェルカム!ミス、メリー 占い師と少女 白装束は槌を振るう エンジェルさん か行 解剖室シリーズ、他 河童と2尾 神隠しのご先祖様 ギザ十と幽霊少女とご先祖様と組織の狗 騎士と姫君 恐怖のサンタ 喫茶ルーモア・隻腕のカシマ 救急車 教授とテケ子 切り裂きジャックと四次元婆 首塚 首無し騎士の契約者 「結界都市『東京』」 ケモノツキ コックリさん コトリバコの契約者 さ行 三秒ルール 三面鏡の少女 死刑囚は闇夜で笑う 女装少年と愉快な都市伝説 人肉料理店とその契約者 人面犬と契約 人面犬と不良JK 隙間女 スパニッシュフライ 正義の鉄槌 神智学協会編 少女と化け猫 た行 台風一家 チェーンメール 仲介者と追撃者と堕天使と トイレの花子様 ドッペルさん 永久の力 電子レンジで猫をチン! な行 猫又話 は行 はないちもんめ 花子さんと契約した男の話 ハーメルンの笛吹き ファンキーな口裂けさん 古きもの ベッドの下の男 ヘビ女さんと下水道の怪物さんと フィラデルフィア計画 ま行 マッドガッサーと愉快な仲間たち 魔法少女銀河 夢幻泡影 メリーさんと契約した男 や行 ヤンデレ太郎君 夢の国 弱虫少年と首なしライダー 夜に爪を切ると親の死に目に会えない ら行 ラプラスの悪魔 わ行 わが町のハンバーグ 私と死神 その他 ※ただしイケメンに限る Tさん Tanasinn ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4828.html
我輩は宇宙人である。 何星で生まれたのかとんと見当がつかぬ。 生まれも育ちも分からぬが、地球を侵略する為にここにいるのは分かっている。 何故ならば、我輩はそう噂された都市伝説だからだ。 「まいったな。真っ暗じゃないか」 学校帰りにゲーセンに寄って、気がつくと夜になっていた。 僕の家までは、この公園を突っ切るのが近道なんだけど、電灯がない。 公園といっても、それなりの広さがあるからな。 んー……まあ、 「大丈夫か」 変質者なんてそうそういないだろ。 そう思って公園に入る。 「……何か、変な臭いするな」 何ていうのか、分からないけど、気持ち悪い臭いだ。 やめといた方が良かったかな。 「そこの人!危ない!!」 「……へ?」 突然、女の子の声がした。 声の方を向くと 「早く逃げて!!」 学校の怪談なんかでよく見る、花子さんみたいな恰好の女の子が走っていた。 そして、その背後から 「……何、あれ?」 3メートルはあるだろう化け物が現れた。 光る目、赤い顔の、スペードのエースのような形状の頭、短い腕に、爪のような手。 そんな化け物が、走るのではなく、少しだけ浮きながら女の子を追う。 女の子は僕の方へ走ってきていて、 「うわぁああああ!!」 僕も化け物に追われるように走りだした。 「何!?何なの!?あれなに!?」 「落ち着いてください!」 花子さんの恰好の女の子がそう言うが、落ち着けるわけないだろ! 「あ、そうだ、契約!人間さん!私と契約してください!」 「は!?何?契約?」 「そうです!ここ学校でもトイレでもないから、私、何もできなくて!でも契約すれば!」 「無茶言うな!そんな事よりあの化け物は何なんだ!?」 化け物は今だ僕たちを追ってきている。 「あれはフラットウッズ・モンスターです!宇宙人で、都市伝説ってやつで、普通の人間にどうにかできるモノじゃないんです!だから、契約……を?」 走り続けて、いい加減、疲れた。 しかし、そうか宇宙人か。 じゃあ、逃げるの終了。 「な、何してるんですか!?」 花子さんが、慌てて戻ってくる。 「※※※※※※※※※※」 意味不明な言語ひ叫びながら、フラットウッズ・モンスターが襲ってくる。 そして僕は 「邪魔」 持っていた光線銃で、フラットウッズ・モンスターを撃った。 「……え」 「※※!?」 「さよなら」 そうして、頭に大きな穴を開け、フラットウッズ・モンスターは倒れた。 「……え……え?人間、さん?……黒服、だったんですか?」 花子さんが見当違いの事を言っている。 まあ、どうでもいい。 僕は、光線銃の先を花子さんの頭に押し付ける。 「えと……あの…………人間さん……?」 「我輩の……おっと、間違えた。僕の正体を見たモノを、生かしておく訳にはいかない」 そうして、僕は光線銃を撃つ。 「知ってた?『すでに宇宙人は人間に化けて、人間社会に紛れ込んでいる』らしいよ?」 見た目も気配も人間だけど、都市伝説同士で契約なんてできる訳がない。 我輩は宇宙人である。 何星で生まれたのかとんと見当がつかぬ。 生まれも育ちも分からぬが、地球を侵略する為にここにいるのは分かっている。 地球を侵略するのは、我々なのだ。 火星人もウンモ星人もフラットウッズ・モンスターも、我々以外は全て死ねば良い。 終
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3761.html
突然の一報より (裂邪 ここの園長と親父が幼馴染でさ。それで教えてもらったんだ (蓮華 それにしても意外でしたよ、貴方が植物に興味があったなんて 裂邪と蓮華は2人話しながら、クラシック音楽が流れる植物園の中を歩いていた (裂邪 一応、将来の夢は生物学者だったからね 流石に今はそんな大それた夢、見ちゃいないけど 元気に咲く花々に迎えられながら、歩を進める2人 パッと見、完全にデートなのだが、それにはたった1つだけ、要素が欠けていた (蓮華 ・・・ところで、言えないのなら構いませんが 先程から聊か元気が無いように見えますが? (裂邪 やっぱり分かっちゃう? 俺としては、誤魔化してたつもりなんだけどなぁ 笑みの無い表情を浮かべ、裂邪は何処か物寂しそうに空を見上げて口を開いた †回想開始† 今日は、ホントはミナワと一緒に来る筈だったんだけどさ そのミナワが、今朝・・・ (裂邪 ミ、ミナワ、大丈夫なのか!? (ミナワ は、はい・・・申し訳ありません、ご迷惑をおかけして・・・ 突然熱が出て、気分が悪いと訴え出した でも、風邪みたいに咳とかは出なくて・・・俺にはさっぱりだった 流石に、病人を放置する訳にはいかないから、俺は彼女の傍にいるつもりだったんだけど (ミナワ ご、ご主人様・・・どうか、私を置いて、1人で行ってください・・・ (裂邪 そんな、気にするなよ。一緒に見に行こうって約束したじゃん お前放っといて1人でなんて行けないよ (ミナワ でも・・・何十年に1度の、凄いことなんですよね? ご主人様は、今日という日を、とても楽しみにしてたじゃないですか その気持ちを、壊したくないんです (裂邪 ミナワ・・・ (ミナワ ・・・早く、行ってください・・・私が、泣いちゃう前に・・・ †回想終了† (裂邪 ―――っつぅわけで、俺はミナワを置いて1人で来ちまったのさ ミナワに元気になってもらう為に、写真ぐらいは撮っておこうと思ってね で、ここに着いた時に君が植物好きだったのを思い出して、現在に至る、と 粗方説明し終えて、ふと、蓮華の表情を伺う裂邪 心無しか、複雑な顔をしているように見える (裂邪 どうかしたのか? (蓮華 ・・・いえ、別に 何となく、原因が分かった気がしたが 空気を読んで黙っておこうと、彼女は言おうとしたことを心の奥に閉まった (裂邪 お、あったあった、多分あれ―――――――――って、早ッ 裂邪が、目的の物を指差すその前に 蓮華はそちらに辿り着いていた 淵が白みがかった、平状脈の大きな葉 放射状に生えたその葉の中央から、塔の如く聳え立つ茎があり、 そこには、細かい筒状の黄色い花が無数に集まったものが、1つ、2つ・・・と咲いている 裂邪は、ただ目を見張って、蓮華は、恍惚とした表情で、その花を見上げていた (裂邪 うっはぁ・・・すげぇ、言葉も出ないや (蓮華 ・・・『アガベ』・・・和名『リュウゼツラン』・・・ 数十年という開花の遅さ故に、『センチュリープラント』とも呼ばれる一稔性植物・・・ これは多分、アオノリュウゼツランでしょうか (男性 ほぉ、詳しいねぇ 後ろから声がしたので振り向くと、白衣を着て、眼鏡をかけた男性がそこにいた 爽やかな笑顔を浮かべ、リュウゼツランの花を見上げる (男性 私もリュウゼツランの花を見るのは初めてでね ここまで丁寧に育ててきた甲斐があったよ (裂邪 貴方はもしかして・・・ (男性 おっと、この植物園の園長、柊 音哉(ヒイラギ オトヤ)だ (裂邪 やっぱり。黄昏 裂邪です。父がいつもお世話になってます (音哉 タソガレ・・・光彦の子か! しかし娘がいたとは聞いていないが? (裂邪 いえ、こっちは・・・ (蓮華 六条 蓮華と申します (音哉 ・・・ほぉ、そうかデートか (裂+1 違います (音哉 そこまで念を押さなくとも・・・ しかし驚いたな、彼の息子が契約者だったとは (裂邪 えぇ、まぁ・・・・・・・へ? 頭を掻いていた裂邪が、ピシリと固まる (蓮華 ・・・ということは、貴方も? (音哉 あぁ。「植物に音楽を聴かせると成長が早くなる」・・・ ほら、今もかけているだろう? (蓮華 ・・・なるほど、園内の雰囲気を作ると同時に能力を使って植物達を・・・ (音哉 流石、「組織」の方は頭が切れるなぁ (裂邪 ちょ、そ、そこまで分かるんすか? (音哉 いや、こんな小さな子供がスーツを着ることなんて早々ないだろう? (裂邪 ですよねぇ・・・ (蓮華 ここにあるのは、我々が求めている平穏・・・ 貴方のような人が、沢山いてくださればいいのですが・・・ (音哉 ははは、確かにそう願いたいが、それは幾分か無理があるだろうなぁ 食物連鎖の関係のようなものだよ 下層の生き物がいるから、上層の、つまり肉食動物達が存在できる 悪人がいるからこそ、それと比べられる善人が存在できるんだ (裂邪 光と影、か・・・ 裂邪は、逆光から目を覆いながら、リュウゼツランの花を見上げてポツリと呟いた 雲一つ無い真っ青な空を背に、黄色い花がよく映えて見えた † † † † 2人は植物園内にある食堂で、昼食を済ませていた (裂邪 ・・・なぁ、1つ訊きたいんだけどさ (蓮華 何でしょう? 少し、囁くような小声で話を進める裂邪 (裂邪 レクイエム、って子、R-No.にいるだろ? あの子について詳しく聞きたい レクイエム その名を聞いて、彼女は少し悲しそうな目をした (裂邪 ・・・あ、言えないようなことだったらいいよ、悪ぃ (蓮華 彼女は、R-No.で唯一、過激派や強行派寄りの思想を持っている人です グイ、とお茶を飲み、さらに続ける (蓮華 契約していた都市伝説は、「お憑かれ様」と・・・もう一つあるらしいのですが、そちらは分かりません (裂邪 “分からない”? 同じ「組織」なのに? (蓮華 彼女は文字通り神出鬼没な人物で、他人とは一切関わろうとしない人ですから 素性や理由などは殆ど明らかになってません (裂邪 まるで深海の生物みたいだな・・・ (蓮華 近いかも知れませんね。彼女に会えただけ、貴方は運が良かったと言えます (裂邪 ウヒヒ・・・それが吉なのか凶なのか知りたいよ その時だった 外から聞こえた、女性の叫び声 (蓮華 ッ!! 都市伝説のようです (裂邪 凶じゃないかよチクショウ・・・! 裂邪は外に向かって走り出した (蓮華 なっ、貴方、どうするつもりです!? (裂邪 止めるに決まってる!蓮華ちゃんは「組織」に連絡してくれ! その方がいいだろ!? 言い残し、彼は飛び出してしまった この状況では、彼が正しかったのかも知れない (蓮華 {・・・学校町南区の植物園にて、都市伝説の襲撃事件発生 至急、事後処理班・防衛班・救護班の派遣を要請します} 日本語ではない暗号のような言葉で、彼女は「組織」にそう伝えた † † † † 俺はウィルと契約した時に得た能力を使い、都市伝説が暴れている現場に向かった 幸い、リュウゼツランのあった温室ではなく、花時計のある庭園だった が、犠牲者と思われる人が、何人か (裂邪 ・・・脈はある、まだ生きてるみたいだ 犠牲者は「組織」の連中に任せよう 俺は再び走り出すと、それはすぐに見つかった 30代ぐらいの男が、子供を追い詰めていた その男の口から、長い舌が伸びるのを見た瞬間に、俺は子供を抱えてそれを避けた (男 んぁ? 何だガキィ? (裂邪 ほら、今の内に逃げろ! (子供 あ、ありがとう! 逃げる子供を追うように伸びる舌を踏み潰した が、舌で足首を巻かれてそのまま投げ飛ばされてしまった (裂邪 くっ、ここが芝生で良かったぜ・・・ (男 何だって訊いてんだ、こっちはよぉ! 「組織」の契約者かぁ? (裂邪 残念、俺はフリーだよ。でもだからって邪魔しちゃいけないって理由にはなんねぇだろ? (男 ッハ、違いねぇ! さらに男は舌を伸ばしてくる 俺はそれを難なくかわしてゆく どうやら、いつだかの修行のお陰で・・・ダメだ、思い出したくないもんまで思い出しちまった 顔に目掛けてきたそれを掴み、引っ張って男を蹴り飛ばした 男は怯んでいる。今だ (裂邪 シェイド!『シャドーサイス』! パチン、と俺は指を鳴らした 黒い鎌が、俺の右手に携えられる 筈、だった (裂邪 ・・・え? 『シャドーサイス』が、出てこない というより、シェイドの気配が感じられない (男 はぁ?何やってんだクソガキがぁ!! 男の舌に巻きつかれ、再び投げ飛ばされた 今度は木の幹に激突した 背骨にモロに響いたが、今はそれどころじゃない 状況を整理しなければ ここは外 屋根は無い 空は晴天 雲は無い ならば、太陽とは逆の方向に、俺の影はできる筈―――――――ッ!? (裂邪 な・・・無い! 影が無い!? 他の犠牲者を見た 無い、無い、無い・・・どれもこれも、影が無い 光あるところに必ずできるはずの、影がどこにもなかった (裂邪 ・・・お前、「影食い」か! (男 やっと気づいたのか? そうさ、俺は「影食い」と契約したぁ! 「影食い」 その名の通り、人の影を食うという、至ってシンプルな都市伝説 どうやら、さっきから鞭のように使っていた長い舌で影を捕らえて食うらしい そして、どうやら俺は一番相性の悪い奴に出くわしてしまったようだ 俺の契約している「シャドーマン」のシェイドは、俺の影が無ければ出現できない 無論、影を通して、家にいる理夢やウィルを呼び出すこともできない 故に 俺は今、何の力も持っていない状態に立たされていることになる 尚も伸ばされる長い舌を避けながら、俺は作戦を考える (男 どうしたぁ?契約者なら何かしてみろぉ! (裂邪 ッヒヒ・・・舌伸ばして、影喰うだけなら、能力なんて、必要ない、だろ? 勿論ハッタリだ それと同時に、他に能力が無いかを確かめる が、その瞬間、男の上半身の衣服がはちきれ、毛だらけの筋肉が露出し、 両手の爪も鋭くなり、顔もまるで獣のようになった そう、狼のような (裂邪 「狼男」! 多重契約者か!? (男 じゃなきゃ単身で襲ったりしねぇ・・・よ!! 狼男の蹴りが入った 俺は腹を攻撃されるのが好きらしい Mに目覚めた覚えは無いのだが 蹴飛ばされた俺は、また木の幹に激突した 黄色く染まった葉が舞い、木の実が僅かに落ちる そして、微かに聞こえた、何かにおびえるような少女の声 (裂邪 ん? (男 余所見してんじゃねぇ――――― (蓮華 『イポメア』 飛び掛ってきた狼男を、植物の蔓が弾き飛ばした (裂邪 蓮華ちゃん! (蓮華 お待たせしました。どうかしたんですか?「シャドーマン」は? (裂邪 あいつに影を食われてね・・・悪い、ちと頼んだ! 君、立てるか!? (少女 あ、う、うん! 木の裏にうずくまっていた少女に声をかけ、手を引いて一旦立ち去ろうとした時だった (蓮華 ぁっ!? 蓮華ちゃんが、がくりと膝をついた 手から生えていたアサガオの蔓も消滅してしまった 嫌な予感がした それを見事に当ててしまう自分が嫌いだ 既に、彼女の影が食われていた 何故、影を喰われただけで蔓が消滅してしまったのか そもそも「影喰い」とは、「影を喰われた者は、影が薄くなる」という話だ 「影が薄い」とは、「存在が薄い」ということ そして、蓮華ちゃんは既に飲まれて、都市伝説そのものとなっている 存在が薄くなるということは、都市伝説にとって致命的なことだ (裂邪 蓮華ちゃん!大丈夫か!? (蓮華 くっ・・・ま、さか・・・力を、奪われるなんて・・・ (男 チッ、フリーの癖に「組織」とつるんでんのかよ・・・めんどくせぇ奴だな 狼男がこちらに近づいてくる 何とかしないと・・・ん?この木は確か・・・ (裂邪 ところで蓮華ちゃん、他の「組織」の奴らはいつ来る? (蓮華 少し、時間がかかりそうです・・・ (裂邪 そっか、なら仕方ない 動けるなら、できるだけそこのお嬢ちゃんと遠くへ逃げてくれ! 俺は地面に散らばった木の実を掴み、狼男の顔に向けて投げた 皆、俺からの忠告、聞いてくれ 銀杏は素手で触っちゃダメだ (男 グアァ!? な、なんだこの臭いはぁ!? 銀杏の厄介なところその1、触れるとかぶれる 銀杏の厄介なところその2―――――悪臭がしつこくつきまとう (裂邪 「狼男」なんかにならなかった方がよかったなぁ! 悪臭に悶える狼男の腹に蹴りを喰らわせた とてつもなく硬い 俺の力が弱すぎるのだろうか でも何もやらないよりはマシだ せめて、蓮華ちゃん達が逃げ切れるまでは時間を稼g (裂邪 ガァッ!? しまった 目を潰すのに失敗したらしい 横っ腹を引き裂かれた (男 っんのガキャァ・・・何してくれんだぁ!? (裂邪 ア゙ァッ!? 裂かれた傷を蹴られる 何度も、何度も、何度も 感覚が麻痺しそうだ (男 ・・・へっ、くたばったか? じゃあ先にあの娘共を喰ってくるか・・・ あぁ、別な意味で喰っちまうのもいいよなぁ? ヘッヘッヘ・・・ (裂邪 ・・・お、い フラつく身体を無理に起こす (男 ・・・あ?まだ生きてたのか (裂邪 ・・・お前の、周り・・・見てみろ (男 はぁ?草だらけじゃねぇか (裂邪 お前みたいな、汚れた人間が見りゃぁ、ただの雑草と大差ねぇよな・・・ でもな、この植物達は・・・お前と同じ、都市伝説の契約者が、大切に育ててきたモンなんだ 都市伝説だってなぁ、使い方さえ正しけりゃ、 この植物みたいに・・・誰かを笑顔にすることだってできるんだ ・・・今、なら・・・今ここで改心するなら、許してやる それでも腐った人間のまま、生きたいと言うんなら・・・ 俺がここで、お前を滅ぼす!! その時だった 突然、狼男と俺の間に割って入った、眩い光 これは・・・金色の、枝? (裂邪 な、なんだ? (蓮華 いけません! 声のする方を見た 凄い形相でこちらを睨む蓮華ちゃん 彼女の足元には、アタッシュケースの中身が散乱していた (蓮華 それは、未だに調査段階の都市伝説です! 今まで動き出すことなんてありませんでした・・・ だから、それに決して触れてはなりません! これも、都市伝説か・・・ 今、俺の手元には何も無い シェイドも ミナワも 理夢も ウィルも 誰も、俺の元には来られない 俺は無力だ だから、俺は力が欲しい 目の前にいる狼男を倒せるような すぐ近くにいる、蓮華ちゃん達を守れるような その為なら (裂邪 ・・・俺と、契約しろ 眼前に浮いている、金色に輝く枝に、手を触れた 刹那、左手を介して、熱いものが流れてくる 俺の口から、生温いものが込み上げてきた 緑の芝生を、赤いものが染める 頭が痛い 腕が折れそうだ 足が言うことを聞かない 目が霞んできた 耳が聞こえない 脈が異常な速さで鼓動する よくよく考えたら これで5つ目の都市伝説になるのか シェイドが俺のこと「飲まれかけてる」って言ってたっけ でも飲まれるってこういうことなんだろうか もしかして俺 このまま消えちまうんじゃないだろうか ―――――――ふざけんな! あの時決めた筈だ もう、誰かを失って誰かが悲しむ姿は見たくない! もう、俺の前では誰も失わせない! (裂邪 言う、ことを・・・聞きやがれぇ! たった今から・・・俺が、お前の、所有者だ! 頼むから、少しだけで良い・・・俺に、お前の力を貸してくれ!! 在る時は一薙ぎで世界を滅ぼし 在る時は所有者に勝利を与える 今ここで、この地でその力を解き放て お前の名は、“破滅の枝” (裂邪 ―――――――――「レイヴァテイン」!! 視界が開けた 心なしか、身体が軽い あれだけのことがあったというのに、何故だか心も清々しい ふと、俺は左手を見た そこには、さっきまでの金色の枝は無かった 黄金色に輝く、大きな鎌 確か、「レイヴァテイン」の伝承は―――――いや、これが「レイヴァテイン」だ! (男 な、何だってんだ!? (裂邪 ウヒヒヒヒ、例を言わせて貰うぜおっさん 俺はまだ・・・強くなれる! 俺は立ちはだかる狼男に斬りかかった 避けられたが、何とか左腕を掠めた 狼男は着地と同時に俺の左腕も爪で引き裂こうとした 普通なら、俺はここで左腕を持っていかれている 俺がこいつと・・・「レイヴァテイン」と契約していなければ (男 った・・・・んだとぉ!? 驚くのも無理はないか 俺が今左手に持ってるのは鎌じゃない 大きな盾だ (裂邪 「レイヴァテイン」・・・北欧神話に伝わる伝説の武器 しかし名称の記述はなされているのに関わらず、その実態はどこにもない つまり、「レイヴァテイン」は剣、斧、鎌、盾―――俺が願えば、どんな武器にもなるんだよぉ! 盾から槍に変化させ、狼男の身体を突く 流石に効いたらしい、右肩に穴が開いた (男 グアッ!? (裂邪 ヒハハハハハ!今度は右目でも貫こうかぁ!? (男 このっ・・・クソガキぃ!! 狼男は、既に忘れかけていた「影喰い」の長い舌を使う 鬱陶しい (男 ~~~~~~~~~~っ!? 槍を再び鎌に戻し、俺は奴の舌を両断した 悶え苦しむ狼男 そろそろ終わらせるか 俺は狼男を蹴り飛ばし、奴に飛び掛る すれ違い様に、身体を回転させて横っ腹を鎌で斬り裂いた 声にならない声が、小さく耳に残った (裂邪 ・・・ッヒヒ、『スコルピオ』とでも名づけようか 血を噴き出しながら、狼男―――いや、既に人間に戻った男が、どさりと倒れた 緑の大地に赤い血を見てると、目がチカチカして嫌になる (裂邪 ・・・ふぅ、終わttん? 不意に足元を見ると、 切り落とした舌が、尚もクネクネと動いている それどころか、ここから立ち去ろうと蛇行している まさか、「影喰い」の本体がこっちに移ったのか? まぁ何にせよ (裂邪 これで最後(レッツト)だ 俺は刃を舌に突き立てた 暫くミミズのようにのた打ち回ったそれは、やがて光となって消えた その直後 (シェイド 貴様馬鹿カァァァァァァァァァ!? 怒号 そして胸倉を掴まれた どうやら影が戻ったらしい しかし何故怒られているのだろう (裂邪 く、苦しい、シェイド、下ろしてくれ (シェイド 知ラン! 貴様ガコレ程マデニ愚カダトハ思ワナカッタゾ!? 5ツ目ノ都市伝説ト契約ダト!? モシ飲マレデモシタラドウスルツモリダッタノダ!? 後先考エズニ突ッ走ロウトスルナァ!! ・・・何でだろう 思わず、笑ってしまった (シェイド 何ガ可笑シイ!? (裂邪 ・・・いや、なんか、親に怒られてる気分がしてさ 嘘偽り無く正直に話すと、 シェイドは溜息を吐きながら、俺を下ろした (シェイド 全ク、貴様トイウ奴ハ・・・ (裂邪 ウヒヒヒ・・・また、心配かけさせちまったな (シェイド イヤ、ソレヨリ大変ナコトg (蓮華 裂邪さん と、シェイドが最後までいう前に蓮華ちゃんが割り込む (蓮華 危険な都市伝説で無かったから良かったものの・・・なんて無茶なことを・・・! (裂邪 いや、ごめんな蓮華ちゃん、この「レイヴァテイン」は俺が責任持tt (蓮華 責任を持ってこちらが回収します (裂邪 そう、そちらに・・・へ? 蓮華ちゃんは、俺の右手を持つと、何やら包丁のようなものを構え (蓮華 えい 薬指を・・・少しだけ、切った ちくりと痛みが走ると同時に、俺の中で何かが、ぷつん、と音を立てて切れた (裂邪 ・・・あれ? 鎌から、小さな金色の枝に戻る「レイヴァテイン」 繋がりが・・・切られた? (裂邪 っちょ、何したんだよ蓮華ちゃん!? (蓮華 「刃物は縁を切る」、ですよ お分かりだと思いますが、「レイヴァテイン」と貴方の繋がりを切りました (裂邪 何でそんな・・・ (蓮華 5つの都市伝説と契約し、さらに貴方の戦闘スタイルを考えに入れると、 この先間違いなく都市伝説に飲まれます 我々のように、飲まれて都市伝説化すればまだいいかも知れませんが、 必ずそうなるという保障は残念ながら何処にもありません そもそも、それは「組織」の所有物です 易々と民間人に引き渡す訳には―――――― (音哉 おぉい!! 向こうから、柊さんが慌ててこちらに走ってきた その前に早々と影の中に帰るシェイド 契約者だと教えても良かったのだが、面倒くさいからいいや (音哉 ハァ、ハァッ・・・だ、大丈夫か!? (裂邪 え、えぇ、まぁ、この程度ですから (蓮華 十分重傷です (音哉 つい先程、「組織」の方々が来てくれた 君も治療してもらうといい (裂邪 そうですか、有難うございます (音哉 礼を言いたいのはこちらの方だ 君のお陰で、多くの人が守られたんだ 代表して、私から礼を言わせてもらうよ (裂邪 そんな・・・俺はただ・・・ (音哉 何か、形だけでも渡したいのだが・・・ (裂邪 い、いやいや、そんな気を使ってまで――――――えっと、リュウゼツランの種ってありますか? ん?と僅かに首を傾げる柊さん (音哉 んむぅ・・・む、少しだけなら、多分あると思う。一度見てみよう しかし種なんてどうするんだね?これから育てるのかい? (裂邪 いやぁ、ちょっと、ね 蓮華ちゃんにウィンクしてみせた その時の彼女の顔は、とても無邪気で、見ていて安らぐものだった † † † † 治療を終え、事後処理も済ませた「組織」は、先程の契約者を連行して植物園から撤退し、 俺も柊さんに種を貰ったので、そろそろ帰ることにした (裂邪 はい、これ。リュウゼツランの種と・・・「レイヴァテイン」 (蓮華 ありがとうございます 蓮華は、リュウゼツランの種だけを受け取った (裂邪 あれ?蓮華ちゃん、こtt (蓮華 まさかあの未知の都市伝説が自らの意思で動き出すとは予想外でした あれは一体なんだったのでしょうか? 気になりませんか、裂邪さん? 彼女も、俺にウィンクをしてきた 今度は竹の花でも見に行こうかな (裂邪 ・・・あぁ、俺も知りたかったぜ (蓮華 では、私はこれで (裂邪 今日は有難う。楽しかったよ (蓮華 私もです。・・・・あ、ミナワさん、でしたよね? 大切にしてあげてくださいね (裂邪 ほえ? ねぇ、それどういうこと? 彼女は答えないまま、空間に開いた扉の向こうに帰っていった (裂邪 ・・・ん~? (シェイド ソウダ危ウク忘レルトコロダッタ。早ク来テクレ!! (裂邪 え?おい、ちょっ、待っ!? 俺は半ば強引に、影の中に引きずり込まれた † † † † (シェイド 連レテ来タゾ (裂邪 ミナワ!大丈夫・・・か・・・ 泣きそうになった 俺のベッドが血塗れになっていた そして、その上で血塗れになったパジャマのズボンを穿いて泣きじゃくっているミナワの姿が (ミナワ ひっぐ・・・ご主人様ぁ・・・わたし・・・わたしぃ・・・ぐすん・・・ (リム 主ィィィィ!! お姉さんは!!お姉さんは病気バクか!? (ウィル 姐さんは死んじまうんですかい!? うおぉぉぉぉぉぉん姐さぁぁぁぁぁぁぁぁん!!! 頭と腹を押さえた きりきりと締まるように痛い (シェイド ・・・トイウ訳ダ・・・私ガ説明シヨウトシテモ聞カンノデナ 後ハ貴様ニ任セル (裂邪 なっ、ちょ、おまっ 置いていかれた どうしよう、普通に「女の子なら誰だってなるんだよ☆」で通じるかなぁ・・・ ・・・そうか、蓮華ちゃんが言っていたのはこういうことだったのか (裂邪 ・・・はぁ、不幸だ 溜息を吐くと、俺の胸に提げられた金色の小枝が、窓から入る西日で輝いた ...To be Continued 前ページ次ページ連載 - 夢幻泡影
https://w.atwiki.jp/legends/pages/120.html
「来たか」「…僕が逃げるとでも?」 久々の獲物。しかも向こうからコンタクトを取ってくるとは。 「しかしまぁなんでこんな体育館を選んだんだい?警備に見つかったらまずいんじゃないかい?」 「なぁに、広いほうが俺にとっては戦いやすいからな」 僕にとっては、戦いにくい。ちょこまかと動かれると、僕の能力が使いづらいから。 でも、僕の能力が負けるはずはない。そういう確信があるからこそ、僕は彼の提示した場所へと赴いたのだ。 「さ、無駄話もなんだからな。さっそくバトル開始といこうじゃないか」そう言って彼は僕へ向けて小さなクッションを投げた。 「……」慌てることもなく僕はいつもの道具をクッションに押し当てる。 その瞬間。僕、そして彼の前からクッションは姿を消した。 「……それが、お前の能力か」 「そうだよ。これが僕の能力、『夢の国』だよ。まぁ僕のはその中でもだいぶ特殊な部類だけどね。 聞いたことあるでしょ?夢の国は自分たちの顔を使われるのが嫌いなんだよ」 僕の能力は『夢の国の人物の絵を描いた物は消される』という能力。 まぁ、都市伝説の部類かは微妙だが、僕が契約できている以上は都市伝説なのだろう。 「君の能力も教えてよ。僕が教えるだけじゃフェアじゃないよ?」 「…そうだな。俺の都市伝説は『蠢く羽毛布団』って奴だ。まぁクッションとか座布団とかでもいいんだが…」 あぁ、羽毛布団は蛆虫がたくさんわいて動くってやつか。とすると、蛆虫をぼくにぶちまけるってのか。 「…ずいぶんとしょぼいんだね。そんなんじゃ僕の強大な『夢の国』には勝てないよ?」 「さぁ、それはどうだかね」「なんでそんなに余裕なの?君にこのスタンプを押しつけたら君も消されるんだよ?」 そういって僕は彼にネズミのスタンプを見せる。これを押されたモノはなんでも消える。 恐怖におののくかと思っていた彼の口からは、予想外の言葉が出た。 「そっちも余裕ぶっこいてていいのか?そろそろ奴らが暴れだす頃だぜ」 「は?何言ってるの?君の能力はもう封じたも同z…?」ボトッ 僕の頭上から何かが落ちてきた。「…ゴキ○リ?」 僕の見たものは黒光りするアイツ。しかしなぜここに…? 「知らないか?『体育館の天井裏にはゴキブリがひしめいてる』っていう都市伝説」「!?」 聞いたこともない。マイナーな話なのだろうか。でもいま重要なのはそこじゃない。 「…まさか」 …コイツ、複数の都市伝説と契約してやがる…! 気付いた時にはもう遅かった。 天井から降りそそぐ無数のG。普通の人が見たら気絶ものだろう。そしてそのGたちは俺の体にまとわりついてくる。 「くっ!こんな奴ら…!」ポンっ、ポンっ。 消せども消せども、Gの数は消えない。それどころが、どんどんと増えて、俺の体を覆い尽くそうとしている。 「…っ!てめぇ!卑怯だぞ!」 「教えたじゃねえか、一つ目は。お前だって一つだけだろ?」 っコイツ…! 「…だったら!」 僕は足でGたちを踏みつぶす。だが、潰しても、その状態で動き回り、僕の体にまとわりつく。 「…なんで、何でなんだ!?何で潰しても死なないんだ!?」 「おいおい、無知って怖いな。『ゴキブリは死なない』って都市伝説、しらねぇか?」 …三つめ?…そんな、そんなのズルイ。 そう思いながら、抵抗をやめた僕の体はG達に飲み込まれていった。 「やっぱり、多重契約はきついな…」 こいつらと契約してから2週間。ずいぶんと戦い慣れしたもんだ。 前々から虫は好きだったものの、これだけの量のGはさすがに鳥肌が立つ。 「…ま、これもあいつのため、か…」 前ページ次ページ連載 - わが町のハンバーグ
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/2845.html
【種別】 人名 【初出】 とある科学の超電磁砲 PSPゲーム版 第二章 【解説】 都市伝説『エコミチ暴走事件』の風評被害に遭い、登校拒否になった生徒。 学園都市という閉鎖環境で学校を追われた人間が学生寮に居られるはずもなく、 路上生活を余儀なくされているらしい。 『制裁指導』のメンバーは「イシガキミホ」からのメッセージを受け取った人間であり、 彼女を傷つけた『エコミチ暴走事件』の噂を始め、風評被害を生み出す都市伝説を拡散させ、 「イシガキミホ」を傷つける者に『指導』を与える為に行動していた。 「イシガキミホ」側も『制裁指導』メンバーに、 「お前(御坂美琴)みたいなヤツが、弱い人間を傷つける」 とメールを送ってきたり、『制裁指導』を追跡する美琴を監視して情報提供したり等、 協力するようなそぶりを見せている。 しかし、実際に風評被害にあっているエコミチ社が警備員と風紀委員に要請した事実調査によれば、 そのような事件は発生しておらず、 「イシガキミホ」という生徒も学園都市には在籍していない事が判明している。 『制裁指導』のメンバーにも直接会った事のある者は誰もおらず、 年齢も小学生であったり、同じ学校に在籍していたと思っていたり等、全く一致していない。 その正体はネット上に書き込む不特定多数の人間であり、 『制裁指導』はそこにある書き込みから自分たちに都合の良いものを「本物」として扱っていた。 行動理念を「イシガキミホ」に依存していた『制裁指導』の面々は、 その事実を聞かされて戦意を喪失し、警備員に引き渡された。 『制裁指導』の都市伝説は実行犯の捕縛で収束したが、 事件の影では何者かが「どんな都市伝説の出所も突き止め、襲撃する」という点を利用しようと、 「イシガキミホ」の一人として情報提供を行っていたらしい事を美琴達は知る由も無かった。
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4904.html
「皆さんおはようございます、今日は一学期最終日です」 夏休みの前日の暑い暑い朝。僕達は校庭に集められて校長先生の話を聞かされる。 校長先生の話は長い。聞いている途中で女の先生が貧血を起こしたこともある。 僕が思うに校長先生は悪い人ではないし僕達に迷惑をかけようとも思っていない。 だが校長先生は自分が偉くないと気が済まない人なのだ。 長々していて説教臭い挨拶をかますことが偉いと勘違いしているのだ。 そうやって内心彼を馬鹿にしながらじっと耐えている間も太陽は僕達の背中を静かに焼き続ける。 それにしても今日は少し暑すぎる。 今すぐにでも服を脱ぎ捨ててしまいたいがそれをするには服の枚数が足りない。 呼吸が次第に荒くなっていく。 視界がやけに明るい。違う、単に白く染まっていっているだけだ。 頭がピリピリ痒くなってきた。 校長先生の話の内容は意味が解らない。僕には理解できない難しい単語をさっきからしきりに繰り返していた。 外国の言葉なのか一々発音が変な感じで聞いているだけで胃の中身がせりあがってきそうな感じがする。 僕は耐え切れずに皆に笑われることを覚悟で保健室へと連れて行ってもらうことにした。 担任の先生のほうを向いて手をあげようとする。 ……しかし、手が動かない。 周りを見回してみると何かがおかしい。 皆が皆、普段ならば退屈そうな顔をしているのに今日に限って校長先生の方をまっすぐ眺めている。 校長先生は目を爛々と輝かせて天を仰ぎ、もはや言葉にもならない言葉で泥の中でのたうち回る蜈蚣が立てる音のような声をあげている。 頭がガンガンしてきて、痛い。同時に表面もビリビリと痺れてきた。 内側と外側から僕の頭が壊されていく。 唯一自由の効く首で僕は真上を見上げる。 僕は気づいてしまった。 太陽が校舎のすぐ側まで近づいている。 あまりの眩しさに僕は目を閉じて下を向く。一体何なんだあれは。そんな馬鹿な、嘘だ。 僕は先程あれを太陽と言った。だがあれは太陽じゃあない。 あんなものが、あんなグロテスクなものが太陽であって溜まるか。 あれは炎、いいや、幾つもの高熱と光を帯びた触手が互いに絡み合い締め付け合い蠢いていたのだ。 そしてそれら触手の中央には、あの中央から、あの眼が!眼が僕を見ていた! 黒目と白目の逆転した意思を感じさせない瞳が間違い無く僕だけを見ていたんだ! でももう僕は逃げられない。足が動かない。何処かから硫黄臭が漂ってくる。 これはどこかからじゃない。僕には場所が解ってる。 肌が沸々と泡立ち、異様な臭気を発している。 閉じていた瞼はくっついて、僕に目を開けることさえ許さない。 燃えている。僕の髪が、僕の周りの人が、煙を上げて燃え上がっている。 校長の笑い声がほんの僅かに聞こえる。 死にたくない。助けて、誰か助けてくれ。わずかに開いた口から喉へ炎が滑り込んでくる。 痛い熱い痛い臭い熱いいたいあつクサいイタイアツイ痛い朝ツア血あたう地厚痛いああああああああああああああ!!!!!
https://w.atwiki.jp/legends/pages/2761.html
現在の学校町は、朝比奈秀雄が起こした混乱が最大に膨れ上がっている。 それに対処しようと、様々な都市伝説の個人や集団が《コークロア支配型》によって操られた人々と戦っている。 「フン、数が揃えば勝てるとは限らんぞ!」 そして、此処にも人々と戦い、行動不能にしている都市伝説が居た。 遠目に見ても判るような筋肉質、裸の上半身に、下半身は道着といった半裸の漢の《兄鬼》と名乗る都市伝説だ。 彼は、《コークロア支配型》に支配された人々を、相手取りながら他の都市伝説の様子を観察している。 「この騒動は、オレにとってチャンスと言えるな。どの様な都市伝説や契約者が居るかを、知る機会に成る」 観察している、とは言っても視認している訳で無く。戦いによって感じる気配を通して、推測している訳だ。 「チッ、何だ? このマッスル野郎。邪魔だな消すか、手ぇ出すなよ」 人々を相手に、自身の力を試して居た《兄鬼》に突然、声が掛けられる。 どう考えても好意的では無い声の主に、道を開ける様《コークロア支配型》の被害者たちが脇にずれる。 すると、右手に警棒を持った男性が、そこには立っていた。 「貴様、他の奴らとは違うな? 成程、《悪魔の囁き》に憑かれているのか」 「あぁ? 何言ってんだ。……何でも良いわ、サッサとくたばりやがれ!!」 男は、決して短くは無い《兄鬼》との距離を一瞬で近づき、警棒で振り下ろす様に殴りかかった。 さすがに意表を突かれ、《兄鬼》はその一撃をまともに喰らってしまうが、倒される程のダメージは負わない。 ただ、自分に攻撃を喰らわせた事でこの男に興味を示した。 「ほう、やる様だな。さっきまでの雑魚共とは違い、楽しめそうだ」 「ざけんじゃねー! 余裕のつもりか、手前」 激昂したまま今度は、横殴りに《兄鬼》を攻撃する男だが、当たる事無くかわされてしまう。 速かったのは距離を詰めたときのみで、攻撃自体は普通のスピードのため、《兄鬼》は難なく見切る事が出来た。 しかし、それにより《兄鬼》は男の都市伝説を掴み切れない。 (身体強化系かと思ったが、違うのか? ならば、移動系か。いや、考えても仕方が無いか) 「兄気闘法、鎧」 圧縮した兄気を、装甲として全身に纏わせる《兄鬼》。 そんな事は、お構いなしと言う様に男は警棒を振り回し、回避を止めた《兄鬼》に再び命中した。 ただし、今度は兄気によって守られていたため、《兄鬼》はダメージを喰らう事は無い。ただ、男の能力が解らないので自分からは攻撃しない。 その後も何回も攻撃を続ける男だが、全く効かないのを理解していくと、元から不機嫌そうだった表情が更に歪み出す。 男のイラつきに呼応するように、《悪魔の囁き》が体から滲み出し姿を現した。 「っそ、何で効かねぇんだ!? あぁ、ムカつく」 「オイオイ。何、チンタラヤッテンダ! サッサト片ヅケヤガレ!」 「うっせーんだよ。指図すんじゃねぇよ!」 一見、男は《悪魔の囁き》と会話している様に見えるが怒りで頭が一杯な男は、《悪魔の囁き》の事を認識してはいない。 ただ、話しかけられた事に反応しているだけのようだ。 そんな男が、《兄鬼》への攻撃を一旦止め、又もや高速で移動し距離を稼いだ。 「埒が明かねぇな。こんなタダの武器じゃダメって事か? なら、これで如何だ!?」 「む?!」 警棒が突然に光り出した事に、《兄鬼》は警戒すると同時に、男の都市伝説の予想を付けた。 男が契約したのは、恐らく契約者自身では無く、その所有する道具に干渉する能力なのだろう。 「こいつなら、如何だ!! 《格段に優れた新製品》になったこの警棒なら」 「オーオー! 良イゾ良イゾ。ヤッチマエェ!!!」 「成程、《格段に優れた新製品》か。あの高速移動は、靴を改造していたと言う訳だな」 ごく稀に、切れない蛍光灯などの今の技術では有り得ない筈の製品が現れる事が有るが、直ぐにメーカーの人間が来て、高額の迷惑料と共に回収に来るため、知られる事が無い。 そんな話から生まれた《格段に優れた新製品》は、契約者が所有権を持つ道具の性能を文字通り、格段に優れさせるようだ。 「余裕そうじゃねぇか!」 普通の警棒から一変してメカメカしくなった棒を振り被り、男は高速で《兄鬼》に突っ込む。 良く見れば、その靴の裏から空気が噴射されている。それにより移動スピードを上げている様だ。 高速移動とは言え、どうやら小回りは利かないらしく。真直ぐに突っ込んでくる程度なら、《兄鬼》に避ける事は難しくない。 警棒の間合いを測り、確実に避けた筈…ザシュ…だった。 「ハァッ、ハッハー!! 如何だ、ビーム警棒の威力は」 「スゲー、スゲー。ソノ調子ダー!!」 警棒の先から光が伸び、まるでビー○サー○ル等の様な姿となり。兄気の鎧に守られている筈の《兄鬼》の体を斬りつけた。 高密度に圧縮されている兄気を貫いた事から、その威力は高いと考えられるだろう。 傷を付けた事に、男は調子付いたらしく今まで以上の勢いでビーム警棒を振り回しだした。《悪魔の囁き》も好い気に成って、それを囃し立てている。 一方の《兄鬼》は、危機を感じながらも、自信が有った防御を貫いた男の強さに笑みを浮かべ出した。 「何、笑ってやがる?! ピンチだってのが分からねぇのか」 「否、何。楽しいと思ってな、強者との闘争は!」 全力で地面を蹴り出し、恐れる事も無く《兄鬼》は男に突撃していく。 「馬鹿が。自分から、やられに来やがったか」 当然、男はそれを迎撃せんとビーム警棒を突き立てる。向かって来る相手には、斬撃よりも刺突の方が良いと思ったのだろう。 その判断は、有る意味で当たり、有る意味で外れていた。 「なっ……………!」 「肉を貫かせて骨を潰す、と言った感じか」 線の攻撃では無く点の攻撃だったために、《兄鬼》の肉体を貫く事には成功したが、致命傷に成らず。 逆に、警棒を持った腕を掴まれる。そして、男の右腕を《兄鬼》は全力で握り潰す。 「グ、グァァァァァァァ!!」 ボキ、グチャと音を立て、呆気なく男の腕は使い物に成らなくなり、悲鳴を上げる。 《格段に優れた新商品》は道具の強化であり、契約者本体の肉体を強くする能力は無いのだ。 普通の人間の体が、筋肉を極めんとする《兄鬼》の握力に耐えられる筈は無かった。 「オイオイ、ヤリ過ギジャネェノカ。コイツハ被害者デモアルンダゾ」 「誰が、こいつを救うために戦っていると言った。オレは強者と戦うだけだ。その結果、如何なろうと知った事では無い」 《悪魔の囁き》の制止も無視し、追撃を仕掛けようと《兄鬼》は空いている腕を引いた。 普通ならば、この一撃でケリが付いただろう。ただ、普通では無かったのは男が、諦めてはいなかった事だ。 折られながらも警棒を手放さなかった腕を振り回して、《兄鬼》の肩を斬り裂いた。 「な、めんじゃねぇぞ!! 俺が、俺の装備が負ける訳が無いだろう!!!」 「ハ、ハハハハハ。ソウダ、ソノ調子ダァ!」 「るせぇ」 腕の痛みを振り払う様に《兄鬼》に向かい、男は叫びを上げる。 その様子に、調子を取り戻す《悪魔の囁き》が声を上げる。 「俺は、俺の《格段に優れた新製品》は誰にも劣らねえんだ。お前をぶっ殺して証明してやる」 ビーム警棒を無事な左腕に持ち替えて、特攻の姿勢で《兄鬼》に向き合う男。 「良いだろう。真っ向から、打ち破ってやる。兄気闘法、刃」 全身に纏う兄気のほぼ全てを、無事な方の腕に集め男に向き合う《兄鬼》。 「だぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」 「フンっ!!!!!!」 結果として、振り下ろされた男の刃は《兄鬼》の肩を斬り落とし、横薙ぎに放たれた《兄鬼》の手刀は男の胸部を斬り裂いた。 倒れる男と片腕を失いながらも立ち続ける《兄鬼》、どちらも無事とは言えないが勝敗は明らかだった。 ふと、息は有るが瀕死の状態の男から、上げられる筈の無い叫びが響いた。 「グギャアァァァァァァ」 いや、叫んだのは《悪魔の囁き》だった。 どうやら、先程の斬撃に巻き込まれていたらしい、何とも運の悪い事だろう。 ともあれ、男に憑いていた《悪魔の囁き》は駆除された訳だ。 「ふむ、《悪魔の囁き》が消えたか。まぁ良い、この傷では戦えないだろう」 消滅して行く《悪魔の囁き》の様子を見てから《兄鬼》は、男への関心を薄めていく。 彼は、強いモノと戦う事だけが目的であり、戦えなくなった相手に興味を持つ事は無い。 止めを刺す事も無ければ、治療をしようと言う考えも無い。 「さて、片腕が無くなったが、如何するか。良し、他の戦地を直接見に行く事にするか。 ……その前に、片手でどこまで出来るのか試してみるか」 《格段に優れた新製品》の男が倒れた事で、大人しくしていた《コークロア支配型》の被害者が再び動き出す。 そんな彼らの様子を見て、《兄鬼》は言った。 終り
https://w.atwiki.jp/kaero/pages/106.html
とある会 とある生徒会メンバーによる打ち上げ、または集まり、会合、合宿・・・などなどとにかく集まる時の総称。 ちなみに「とある生徒会」は某高校の21期生~25期生+αによって構成されています。 総人数は・・・少なくとも20人は超えるね、うん。 メンバーは役員紹介の欄参照。
https://w.atwiki.jp/2conan/pages/27.html
【都市伝説】東都迷宮案内【怖い話】 141 :名無しヤイバー:2010/09/25(日) 20 21 44 ID Uloka/b ・黒ブチ眼鏡と蝶ネクタイの坊主 見たらかならず死ぬってマジっすか? 142 :名無しヤイバー:2010/09/25(日) 20 21 44 ID SLeePmAn 141 その姿を目にしたが最後、殺傷・誘拐・詐欺・放火・爆破事件に巻き込まれ心休まる日はねえと知れ 143 :名無しヤイバー:2010/09/25(日) 20 21 44 ID gINinbLaK 142 死神かよ 144 :名無しヤイバー:2010/09/25(日) 20 21 44 ID kaRAteN 143 または溺死見立て殺人友人が失踪時々記憶喪失なんかもあるらしいわよ 145 :名無しヤイバー:2010/09/25(日) 20 21 44 ID kANsaybANzai 141 それ知っとるわ 眼鏡に蝶ネクタイの坊主見るとどない善良な人間でも殺人衝動に駆られて罪を犯してしまうってやつやろ? 145 :名無しヤイバー:2010/09/25(日) 20 21 44 ID MayQ74no 144 なにそれこわい