約 2,714,820 件
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3420.html
「マンホールの上で…」 疾風たちは悪質な都市伝説を探して歩いている しばらく歩いていると何処からか声が聞こえてきた 「…ち」 疾風「…? 向こうの方から声が…」 帝「よし、行くぞ」 声のする方へと向かう疾風たち 「じ…ち…」 声は段々大きくなっていく 「じゅ…ち」 どんどん近づいていく 「221、221、221、221、221…」 見るとそこには、怪しげな男がマンホールの上で跳ねていた 廻女「なにかなーこの人?」 廻女がそういうと、怪しげな男が廻女に… 「面白いよ、君もやってみる? 」 と言った。普通なら断るだろう。しかし…体が勝手に動き出し、廻女はマンホールの上に移動していた 安河「…! 駄目だ廻女! そいつは…」 「…もう遅い」 安河がそういったとき、廻女の体は既に空中だった その瞬間を見計らい、男がマンホールの蓋を外す 「さあ、220…!?」 しかし、いつまで経っても廻女は落ちてこない 見ると、廻女の体は風船のように膨らんでいた 「…なぜだ!?」 小百合「ふふ…廻女を狙ったのが間違いだったわね…あの娘は飛べるのよ?」 帝「…おい。そこに居るのは分かっている。出てきたらどうだ?」 帝がマンホール男の後ろの茂みに向かって言う 「ちっ…これが成功すれば222人達成だったってのによ…」 すると茂みから、20代後半から30代前半で、大柄、ジーンズを履いた男が出てきた 疾風「ところでおじさん。貴方、よく見るとイケメンじゃないですか?」 疾風が『マンホールの上で跳ねる人』の契約者に言う 「そ、そうか…?」 まんざらでもないようだ 疾風「ええ、そう思いますよ…ああ、妬ましい…! 爆発しろ!」 すると、マンホールの蓋が爆発し、『マンホールの上で跳ねる人』とその契約者はダメージを受ける 「…くっ!」 「…ぐはっ…」 「っち、7対1では分が悪い…行け!」 マンホールの中から死体が出てくる。彼の契約したもう一つの都市伝説『ゾンビ』である 礼次「…うわ、めんどくさそうなのがたくさん…!」 ゾンビの群れが疾風たちに襲い掛かる。まるでバイ○ハザードのように… 疾風「爆発しろ! 爆発しろ! 爆発しろ! …駄目だキリが無い…!」 小百合「ええと…こっちが攻めであっちが…キャッ…! 駄目だわ、妄想する暇がない…」 宝「くそ、こいつら相手じゃ僕の『三途の川の渡し舟』も使えない…」 安河「はっ! ふっ! …駄目だ、『ワイマール拳法』を使ってもすぐに起き上がってくる…」 廻女「ええと…これが良いかなー」 近くにあった乾電池を廻女が飲み込む。コピー能力、スパークだ 廻女「これで…!…え!?」 しかし、廻女の電撃をものともせず、ゾンビは襲い掛かってくる。 爆風で傷を負おうが、拳や足を顔面にぶつけられようが、電撃で焦がされようが、全く怯まない 帝「なるほど…。たくさんのレジスタンスが集結し我に反逆しようとしているわけか… だが、数程度で我の弾圧は防げない…」 帝がそういうと、ゾンビは途端に動きを止める。彼の契約した都市伝説『ハリガネムシ』の能力である。 普通の人間であれば池や川に誘導して…と言うことが出来るのだが、ゾンビ相手ではそうもいかないし、近くには川も池もない。 帝「よし、貴様ら、今のうちに撤退するぞ!」 安河「だがお前は『十七条拳法』とも契約していたはず…それを使えば…」 帝「此処で使うのは危険な上関係のない民を巻き込む危険がある…撤退だ」 安河「…了解だ」 そういうと、疾風たちは撤退する。あの数には敵わない、あの不死身はどうにも出来ない そう思った帝の判断だ。とにかく撤退する 帝「今日はこのまま解散だ…」 「「「「「「了解…」」」」」」 一「…いい写真が撮れました…『マンホールの上で跳ねる人』と『ゾンビ』…。さあ、早速部室へ持ち帰って記事にしましょう…!」 新聞部の活動は、こんな時にも行われているのであった… 続く…
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1966.html
---とある「組織」上層部メンバーの部屋にて、どうでもいい会話--- 「上層部メンバーが現場に出ない理由?」 「はい」 不思議でならないのだ 上層部メンバーは、皆、それぞれの分野で素晴らしい能力を持っている …ならば、なぜ、現場に出ないのか? 彼らが現場に出れば、都市伝説事件など、即座に解決できるだろうに その部下の言葉に、特撮映画好きのその上層部メンバーは苦笑した 「まぁ、気持ちもわからないでもないがな。だが、我々が現場に出るわけにはいかないんだよ。よほどのことでもない限り」 「…何故です?」 「影響力やら破壊力やら、まぁ、色々だな」 …影響力と、破壊力? 「お前は、俺の能力は知っているか?」 「………いえ」 「組織」はどこまでも秘密主義だ そもそも、上層部メンバーの正式な人数すらも、秘密とされているのだし …上層部メンバーと、こうやって顔を合わせる事ができる者は稀なのだ 今、彼に疑問をぶつけているこの黒服は、幸か不幸か、この上層部メンバーの「直属の」部下に選ばれたが為に、こうやって面と向かって話す事ができているが 実際、一般の黒服がこうやって上層部メンバーと顔を合わせるなど、まず不可能 よって、その能力が知られている訳もない 当然…この部下も、この上司の能力を知らない そんな部下に、彼は笑う 「俺の能力は、影響力・破壊力、どっちも洒落にならん…ってところだな。制御できているからまだいいものの、制御できなかったら偉い事になる」 「…どんな能力、なんですか?」 「「放射能を浴びると巨大化する」だ」 ……… は?と思わず固まる部下 上層部メンバーは、肩をすくめて笑う 「俺が巨大化するんじゃなくて、俺が放射能を出して、他を巨大化させるんだがな」 「…生物を、ですか?」 「生物植物、まぁ、無機物以外は全部だな。俺が、その能力使って戦っている所、ちょっと想像してみろ」 言われて、部下は正直に想像してみた 暴れ回る都市伝説 それを止めようと発動する能力 犬が、猫が、カラスが、スズメが …「組織」内で関わりたくないランキング、今年度もぶっちぎりトップだったマッスル全裸禿が 巨大化し、都市伝説を抑え付け… ………… 「悪夢ですね」 「だろう」 悪夢以外の何物でもない 巨大化して暴れる全裸マッスル禿なんて 「目撃者の揉み消しやら何やら、きつくて敵わん。よって、俺は現場に出ない…と言うより「出られない」と言うのが事実だな」 「上層部メンバーの方々は、そんな能力の方ばかりなのですか?」 「俺も全員は知らないが……「お嬢さん」の場合は、世間知らずなのと吸血衝動が厄介だから、ってのがあるらしいな」 箱入り娘だからな、とぼやく上層部メンバー そもそも、「お嬢さん」と言われても、この部下はピンと来ないのだが… 「……まぁ、そう言う訳だ。現場のお前たちが大変なのはわかるが、よほどの事がない限り、俺達は現場に出してもらえん。特に俺はな。よって、お前たちで仕事は頑張ってくれ」 「せめて、書類事務だけでもやっていただけるとありがたいんですがね。怪獣映画を見ている時間があったら」 「自慢ではないが、俺に書類事務をやらせると仕事が三倍に増えるぞ」 …これは駄目だ 小さくため息をつく部下 …ふと、部下は思う もしかしたら、上層部メンバーとは…色んな意味で問題を抱えた、厄介な者しかいないのでは?と そう考える事しか、できないのだった …上司は思う こいつは、あまり深く踏み込まなくてもいい、と 上層部メンバーが現場にめったに出ないのには、先ほど語った理由もあるが、他に …企みを抱える者が現場に出ることで、その企みが一気に進む事を阻止する為だ、という事実を 続く予定は一切ないので終わる 「単発もの」に戻る ページ最上部へ
https://w.atwiki.jp/legends/pages/4636.html
【第三話】 「おふく……母さん、そちらの方は?」 「お母さんの居た国の人でサン・ジェルミ伯爵様よ、先代の陛下の遺言に従ってクラウディアちゃんの様子を見に来たんですって」 日常的に伯爵とか陛下とか妙な言葉を聞けるなんて素敵。 誰か僕の日常を返せ。 「セージさん、クラウディア様のお世話をしていただいているそうですね。ありがとうございます」 伯爵はそう言って頭を下げる。この人も日本語上手いなあ。 もしかして彼の国の人々は皆親日家なのだろうか? 「いやそんな大したことはしてませんよ。普通に日本に不慣れな転校生の世話をしているだけです」 偶に防備の網をくぐってくる刺客も居るけど。 「その普通が、大切なのですよ。特別なあのお方には」 「と、言いますと?」 「あのお方は都市伝説の力の為に忌々しき“教会”に付け狙われ、半ば幽閉されるようにして暮らしてこられた そんな彼女が陽の光を浴びて普通に、幸せに、平和に暮らしていらっしゃる これは彼女が後に人の上に立つ者として欠かせない経験になるかと思われます 貴方はいわば彼女にとっての師なのです」 「ま、今のところは従者とか家臣扱いですけどね」 「それはクラウディア様が人との関わり方を知らぬまでのこと」 「学校では普通に転校生として振舞っていますよ?」 「それは指示された通りの役柄を演劇のようになぞっているだけのこと。彼女がありのままの人間性で他人と関わっている訳ではない筈です 人々は貴方に良き従者であれ良き守役であれ良き友人であれと言うでしょうが、私だけは貴方が彼女に彼女の王として欠けている部分を教える師であることを願っています それこそが貴方と彼女の出会った意味であると願っています」 この人は絶対に僕を過大評価している。 やめて欲しい、僕は偶然お寺に生まれて偶然母親が外国人で偶然ハーフで妙なキャラ立ちしてしまっているだけの一般人なのだ。 そりゃあ海外からホームステイしにきた少女に親切にするのはやぶさかではないがそこにそんな大きな意味を求められても困る。 「はぁ……」 「セージ、お母さんこの人とお父さんとでお話するから少しクラウディアちゃんと寺を開けてくれる?」 「オヤジ……じゃなくて父さん帰ってきてるの?兄ちゃんは?」 「今だとお父さんの代わりに葬式行ってるんじゃないかしら」 とりあえず葱と卵と牛乳と海苔と鶏むね肉と猫缶(安い奴)とシチューの素と単二電池買ってきておいて これお金、お釣りは好きに使いなさい」 「あ、セージくん」 「なんですか?」 「今この街ではタチの悪い都市伝説がウロウロしている。気をつけるといいでしょう」 「は、はぁ……」 「貴方男の子なんだからクラウディアちゃんを守ってあげなさいよ?」 「解ってるよ母さん」 今度こそお金をもらって家に戻る。 クラウディアが白いフリルと赤い薔薇のワッペンの付いたカーディガンと押さえ気味な赤色のスカートを来て待っていた。 彼女の美的センスは良く分からない。 とりあえず紅くなくては駄目らしい。 「遅いぞセージ!この私を待たせるとは何事だ!このツケは高くつくぞ! そうだな、さしあたっては私にあのソフトクリームとやらをまた食べさせるのは必須だな」 「いやなんかお前の国の人に会ってな、金ピカな伯爵だったけど……」 「おお、サンジェルミか。奴も心配性だな、私は心配ないといっておるのに」 うわ、通じた。 いつも金ピカなんだあの人。 「そういえばあの人が危険な都市伝説がウロウロしてるから気を付けろって……」 そこまで言いかけて僕は自分がミスをしたことに気がついた。 我が庭で狼藉を働く不逞の輩が居るとな!?それは我が手を以て誅伐するしかあるまい!と彼女は意気揚々と駆け出していった。 【第三話】 前ページ次ページ連載 - 陛下と僕と獣の数字
https://w.atwiki.jp/legends/pages/714.html
隙間男と契約者 04 学校町から離れた、とあるネットカフェにて 「秋祭り3日目か……」 男は溜息と共にひとりごちる 「学校町は大丈夫なんですかね?」 男とは別の声が問いかける 「それが……なんのニュースにもなってないんだ……」 「あんなに怪しげなパレードや裸族が跳梁跋扈していたのにですか?」 「そうだよな……市街地だって相当な被害にあっていたのに……」 「おかしいですね……」 「俺たち以外にも都市伝説と契約している奴らがいるんだろうか……」 「グーグル先生にでも聞いたらどうです?」 「……流石にグーグル先生も知らないだろJK」 「まぁ、そう言わずに検索してみましょうよ」 カタカタカタ……カタカタ……カタカタタタタ…… * _______ __ // ̄~`i ゝ `l | / / ,______ ,_____ ________ | | ____ TM | | ___ // ̄ヽヽ // ̄ヽヽ (*1) | | // ̄_ \ヽ、 |l | | | | | | | | ``( (. .| | | | ~~ `、二===- ` === ` === // ̄ヽヽ |__ゝ ヽ二= ヽヽ___// 日本 _____ _____ ______ _______ | ウェブ | | イメージ | | グループ | | ディレクトリ |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ._________________ | 都市伝説 契約 │・検索オプション └──────────────―──―───┘・表示設定 | Google検索 | I m Feeling Lucky | ・言語ツール  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ○ウェブ全体から検索 ◎日本語のページを検索 広告掲載について - 人材募集 - Googleについて - Google in English  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ c2003 Google - 0,000,000,000ウェブページから検索 都市伝説 契約 に一致する日本語のページ 約 383,000 件中 1 - 100 件目 (0.50 秒) 「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 - まとめWiki ... 2ちゃんねる(VIP)で誕生したシェアワールドノベル「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」のまとめWikiです. www29.atwiki.jp/legends/ - キャッシュ - 類似ページ * 男は何気なく、Webサイトの説明も読まずに……1件目のリンクをクリックする http //www29.atwiki.jp/legends/ 「「……なん……だと」」 二つの声が重なる 「こ、これは……俺たち以外にも契約者がいる……だと?!……ってコレ某巨大掲示板のSSスレまとめかよ」 「ですね」 「まぁ、そんなに簡単に世界の真相に迫れるほど世の中甘く無いよな」 男は感じていた チリチリと脳が焼ける様な……そんな焦燥感を…… 早くこのページを閉じなければ…… 神々の怒りをその身に受ける事になるのではないか?……と ……そっとタブを閉じる 「それにしても、ネットカフェってのはイイものですね」 「なんでだ?」 「だって、何処も彼処も隙間だらけじゃないですか」 「ああ……まぁ、お前にとってはイイところだろうな……」 「またまた~、男さんにとってもイイところだったでしょ?」 「そうかぁ~?」 「だって……漫画読んでネトゲやって漫画読んでネトゲやってネットやってエロ画像見てネトゲやって漫画読んでたじゃないですか!」 「まぁ……確かに……漫画読みまくったな」 「エロで汁でグロで母乳ぅ~な画像も見まくりましたね」 「ああ……家で見るよりも……何か、こう……興奮……したな」 「人の行き来のある中でビクビクしながら、こっそり見るっていうのがエロいんですよね」 「このままネットカフェで生活でもするか……」 「いやいや、男さん……日常あっての非日常ですからね」 「お……おう……そうか、そうだな……そろそろ……学校町に帰るか」 「……ぇ……明日にしません?」 「……そう……だな……明日にするか」 こうして彼らは秋祭り3日目の夜もネットカフェで過ごす 余談ではあるが 二人とも深い睡眠を貪り、夢も見た様ではあるが生首の落ち武者など出てこなかった……決して コレまでの被害 ───裸族が町中を蹂躙 ───自転車盗難1台 ───バイク盗難1台 なお、学校町にて住居の損壊や地盤陥没といった被害は報告されてはいない ── Fin. ── 前ページ連載 - 隙間男と契約者
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1979.html
それは、唐突に。 まさしく、大震災のように唐突に。 俺にとっては、俺の仲間にとっては大震災クラスの出来事だったわけで。 ピンポーン「へいへーい、今出ますよっと…」 来訪者に聞こえるわけでもないのだがノリで言っておく。 「はい今出ましたー……ぇ?」 「いやぁー唐突にただいまー!」「元気にしてた~?はいこれお土産のマルセイバターサンド」 …え? ……何で俺の親が目の前にいるんだ…? 両親は海外で働いているはずじゃなかったか…? 「いやぁー年末だから有給とっちゃって」「連絡もなしにごめんね~?はいこれお土産の白い恋人」 …え? いくらなんでも唐突過ぎやしないか…? お盆も夏休みも帰ってこなかったのに… 「いやぁーやっぱり新年は故郷で迎えたいじゃない?」「そういう訳なの~。はいこれお土産の生キャラメル」 …ここまで来て…ようやく言葉を発する気になった。 「何で北海道土産ばっかなんだよ!海外行ってたんじゃねーのかよ!?」 「いやぁー帰るついでに北海道に旅行に行っちゃって」「楽しかったわよ~。はいこれお土産の「もういいよ!」 「…帰るんだったら連絡ぐらいしてくれよ…すげぇ驚いたじゃねーか」 なにはともあれ親が帰ってきた。その事実は間違いはない。 「いやぁー急に決めたものだから連絡しそびれちゃって」「こっちに仕事で来るついでに休もうって決めたの~」 「…北海道旅行する暇あったんだろ?」「「あ、確かに」」 …どうにも両親は天然ボケである。俺が天然ボケを遺伝しなかったのは本当に幸せと思う。 「…色々と聞きたいことはあるんだが、何でさっきから親父の口調がほぼ一定なんだ?」 「いやぁー作者がまだ僕の性格詳しく決めてなくて」「全くもう…塩酸でも飲ませてあげようかしら」 さりげなくやばいことを言う父と母。こっちにいた時から変わってないな、母のこの毒舌は… 「ところで生活は大丈夫か?危ないことに巻き込まれたりしてないか?」 「だ、大丈夫だよ…中学の時とあまり変わんねぇ」 …都市伝説との戦いに巻き込まれてる。なんて言えるわけねぇ… 「…ならいいんだが。しばらく会わないうちに雰囲気変わったなぁ、と思って」「まぁ高校生は成長が著しいって言いますから~。ウフフ」 …しかしまぁ微妙にタイミングのいいことだぜ。 爺さんは都市伝説老人会の忘年会。ベートーヴェンは里帰りで学校に行ってる。 こいつらが家にいるときに帰ってこられたらいろんな意味でアウトだっただろう。 「…あぁ、それとちょっと聞いときたいことが」「ん?何?」 「その…なんだ、学校町全体で何かこう…奇怪なことが起きなかったか?」 …奇怪なこと…? ……まさか…まさかな。 まさかうちの父が都市伝説と何かかかわりがあるとかないよな。流石に俺の思い過ごしだよな…はは… 「まぁ簡潔に言っちゃえば…いわゆる『都市伝説』の話なんだけど~」「ちょ、母さん単刀直入すぎるぞ」 …え? 「…今、何と…?」「『都市伝説』。聞いたことはあるでしょ~?あり得ないことが起こりえるっていう」 ……… 「…あ、あの…」とりあえず俺は何でそんな質問をするのかと聞こうと口を開きかけた。 「いや、知らないなら知らないでいいんだぞ?別にお前が都市伝説と契約したんじゃないか、って思ったわけじゃないからな? ただ単に『夢の国』とかマッドガッサーに何かされてないか心配なだけだからな?」「父さんいろいろダダ漏れよ~?」 …え?てか今回何回「…え?」って言ってるんだコレ? 今日は驚くこと多すぎるぞおい作者俺をショック死でもさせたいのかコノヤロウ 「…父さん、母さん」「…え?まさかとは思ったが本当に」「あなたは第六感は無駄に発達してますからね~」 …隠しきれねぇな、こりゃ。むしろこの状態で隠し通せるほうがおかしいだろ。 ハラぁ括れぇ…俺… 「確かに俺は都市伝説と契約した。それに、そいつらと共に戦ってる」 父さんが何か言おうとしているが、それを無視して俺は言葉を続ける。 「でも、そいつらのお陰でいろんな人と知り合って、それで…友達以上に守りたい、『仲間』ができたんだ」 正直自分でも何を言ってるのかよく分からないが、とりあえずひどく恥ずかしいことを言ってる気がする。 「仲間と戦いたい。仲間を護りたい。」 「だから、止めないでほしい。今の思いは、それだけだ」 ここまで言って、本当に何を自分は言いたかったのか理解した気がする。多分心の奥底にそんな思いがあるのだろう。 俺は奴らに支えられてるってこと。 何を言われても、この意思だけは絶対に曲げない。そう思っていた。 が、両親から返ってきたのは予想もしてない言葉だった。 「…血は、争えない、か」「やっぱり私たちの子ですね~」 …え? 「いやぁー実は僕達もお前くらいの時に都市伝説と出会ってね」「そのつながりで私たちも出会ったのよね~」 「…まさか」 驚きだ…まさか一家で都市伝説契約者とは… 「ま、これも運命だったのかもしれないね」「そうね~、家系が家系だものね~」 「か、家系て…と、ところで父さん達は何と契約してるんだ?」 「ん?あぁ…父さんは…『コレ』だ」そう言って父さんは懐からあるモノを取り出す。 そして、テーブルの上に置かれたものは、黒い箱。 「…これは?」「これは『パンドラの箱』と言ってね、開けると災厄を引き起こすんだ」 地震とか洪水とかね、と付け加える。…冗談じゃないレベルの代物だな… 「いやぁー出会ったころはなかなか使いこなせなかったけど、今じゃ雷くらいなら狙って落とせるよ、はっはっはっ」 今までに聞いた都市伝説の中でも最大級じゃないか…?いやそもそもパンドラの箱って都市伝説に含んでいいのか…? 「わたしのはね~…説明するより見てもらったほうが分かりやすいかな~?」 設定方面の俺の思考を断ち切るかのように母がそう言ってキッチンへと向かう。 「父さん、何がいいかしら?」「う~む、今日はりんごジュースかな」 了解~、といって母はキッチンの蛇口をひねり水を出s…水……え?水? 蛇口から出てきたのは…間違いなくりんごジュースであった。 「どう?これが私の契約した『みかんジュースが出る蛇口』よ~」 とある県では、蛇口をひねると特産であるみかんのジュースが出るという。 その話は後に実現されるのだが、都市伝説としてはいまだ根強く残っているのだという。 そして契約と同時に強化されて、今ではアブないクスリまで出せるんだとか…大丈夫なのかね?いろんな意味で 「…で、お前は何と契約したんだ?」「そうそう、それはやっぱり聞いておかなくっちゃね~」 「あぁ、俺の?俺のは…『音楽室のベートーヴェン』と『フロントガラスのハンバーグ』。まぁハンバーグジジイって言ったほうが分かりやすいかね?」 「…意思のある都市伝説か…それなら心配はないね」「意思のないのと契約してると自分の力を過信しすぎちゃう人がいるのよ~困ったものよねぇ」 「それだけならまだしも…たまに都市伝説に呑まれちゃう人もいるからねぇ…ま、正直僕がコレに飲み込まれてないことは奇跡に近いけどね」 「の、飲まれる…?」「あら、聞いたことないかしら?契約した都市伝説が強すぎて心を食べられちゃうの」 「他にも、多くの多重契約ををしてたりしてもいわゆる容量が足りなくなってコワレちゃうー、とかいうのもあるんだ」 その言葉に、爺の契約者はふと昆虫少年のことを考えさせられた。 そういえばあいつ…ものすごい量契約してなかったっけ?…大丈夫なんだろうか… 「ま、今のところは無事そうで何よりだ。よし、それじゃあ……」「パーティでも開きましょうか♪」 …え? 「パ、パーティ?」その言葉に唖然とする。…帰ってきていきなりパーティ?何言ってんのこの人たち? 「そりゃあ、僕たちが学校町に帰ってきた記念だよ。人は呼ばないけどね」「せっかく家族がそろってるんですもの。盛大にやろうぜ!って感じですね~」 …海外の思考って、理解出来ねぇ。 そう思う契約者であった。 「…え?」カウンター:7 前ページ次ページ連載 - わが町のハンバーグ
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1637.html
占い師と少女 マッドガッサー決戦編 05 ○月×日 20:40 まだ「骨が溶けるコーラ」の契約者が他の都市伝説と戦っている頃―― 「ひゃあっ、何ですかこれっ!?」 「ちょ、何だこのネズ公はよっ!?」 ――私たちのいる購買は、ある種の阿鼻叫喚状態だった。 「……これを操っているのはハーメルンの笛吹き男、か。あいつは確かマッドガッサーの一味じゃなかったはずだが……」 「う、占い師さんも離れて見てないで助けて下さいよっ!」 「悪いな、さっき鼠が持ってるカメラを一台無力化したのはいいんだが、まだ他にもいるかもしれないからな」 「カメラより私たちの体の方が大事でしょうが!」 体を登ってくる鼠は、払い落してもすぐにまた登ってくるのだ。 しかも体中をかじって攻撃をしかけてくる。 「うひゃぁっ! 変な所に入ってる、入ってる!」 「…………こりゃ、さすがにまずいか」 やっと、カメラを探すのをやめる占い師さん。 「くそっ、マジでどうしようもねぇな、こいつらっ!」 「……大将、『戦争状態の購買』の能力で何とかならないのか」 「………………おおうっ。そういやあったな、そんなの」 ポン、と手を打つ。 「手を打つのはいいですから! 早く何とかしてくだ……うわひゃっ!」 「…………なぁ、兄ちゃん。これはこれで……」 「できないのなら俺がやるだけだが」 「へいへい……わぁったよ、ったく、これだけの数を操んのは面倒なんだがなぁ……」 大将が頷き、目を閉じる。 ……ふと、その体が一回り大きくなったような気がした。 ちゅうちゅうちゅうちゅう………… それと同時に、私の体を這い上がっていた鼠がするすると体から下りていく。 部屋の中にいた鼠も、走りまわるのをやめ大将を見上げていた。 「そら、出ていきやがれ。もう来んなよ」 ちゅうちゅうちゅうちゅうちゅうちゅうちゅうちゅう 大将の声に従うように、鼠たちは競うように購買の外へと出て行った。 (…………助かった) 思わずへたり込んでしまう。 「……今の、ハーメルンの笛吹きに気付かれたと思うか?」 「何、あんだけ大量の鼠を完全支配すんのはどんな都市伝説でも基本無理ってなもんよ。ある程度は鼠の自主性に任せてるにちげぇねぇ」 くっくっと笑う大将。 「俺の能力は支配するっつーより俺の思った方向に『促す』だけの能力だからな。気付かれる事はあるめぇ」 「そうか。……悪いな、手間かけさせた」 「なーに言ってんだよ、兄ちゃん。ここまで来ちまったんだ。どんどん使ってくれてかまわねぇよ…………ってことで、俺は観戦に戻るわ」 大将が、手をひらひらと振って入り口へと向かった。 やっと落ち着いた私と占い師さんも、透視での観戦に戻る。 『――――っておい、このままじゃまずいんじゃ?』 『ああ、包まれたらジリ貧だな。鼠たちと同じ目に遭う羽目になる』 あの人たちの戦いも、いよいよ佳境に入っているようだった。 前ページ次ページ連載 - 占い師と少女
https://w.atwiki.jp/legends/pages/5085.html
やぁ!俺、野良都市伝説! 君達は「This Man」を知っているかな?「夢の中に出る謎の男」のほうが日本では一般的だろうか 一時期、世界的に有名になった都市伝説とは俺のことだ! 事の発端はアメリカ、ある女性が夢で俺の顔を見たことから始まった! まぁ、詳しい経緯をはすっとばすんで適当にググれ。とにかく、不特定多数、世界中の人間の夢のなかで、俺の顔が出た つまり、世界中の不特定多数の人間が、「全く同じ顔の男」を夢の中で見た、って事さ。役割は夢ごとに違ったようだけどな その人数、実に実に3000人を越える!もしかしたら現在進行形で増え続けているかもな 不気味だろ?不思議だろ?なぁんにも共通点のない人間共が、それも世界規模で同じ男の顔を、夢で見ている、だなんて!! これには、「ある組織が夢を操作しようとしたのが原因だ」なんておひれがついたりもする。ある組織っつか、ある大国の軍隊が、な! さて、説明が長くなったが、そんな俺が学校町にやってきたのは、ただひとつ ぶっちゃけ、今学校町、色々混乱しているらしい。「九尾の狐」が潜んでいるとか、「バビロンの大淫婦」がやってきたとか、子供帝国とかなんとか そんな混乱している最中に、俺が入り込む そして、ここで俺の「This Man」としての能力を使えばいい 噂によって都市伝説たる俺が手に入れた能力は「夢の操作」。そして、そこからの「微弱な洗脳能力」 狐だの淫婦だの、洗脳能力持ちが大量にいる中で使えば、あまり目立たないはず そうして、俺の国のために役に立つ「兵隊」を大量生産しておくのだ、いざというとき、周囲の人間を無差別に殺せるように……… 『邪魔だよ、お前』 え? ……あ、地元の高校生か? なんだ、どこぞの漫画の「大嘘憑き」みたいな、カッコ(括弧)つけて…… 『邪魔なんだよ。ただでさえ、このところ忙しいのに』 『うん、邪魔だね。こちとら、「狐」で手一杯なんだ。「バビロンの大淫婦」だって、さっさと見つけて始末したいってのに』 『お前までやってこられちゃ、邪魔だ。なぁ、「This Man」』 あれ? ま、待て、待て待て待て 何で俺の正体がわかってるんだ、この餓鬼共 一体、何故…… 『お前の顔は、ある意味有名だからな』 『都市伝説について調べてる身なら、なんとなくは記憶にあるんだよね』 ま、まさか、それだけで…… 『後はまぁ』 『俺も、こいつも、都市伝説の気配には敏感な方なんだ』 『うん、だから、ごめんね』 ………っは 何、なん………… 何だ? そっちの金髪の方はいい 「お前」は何だ!? 『悪いけどさ、消えてもらうよ。「This Man」』 『安心しろよ。お前の所属しているとこは、俺達にお前がやられた事すら、気づかない』 『気が付いたらやられてる、ってなると思うよ』 『大丈夫』 『いつもとおり、うまくやるから』 「……あれ………!?」 「咲夜ちゃん?どうしたの?」 「あ、あれ……?うーん、気のせいかな。人が倒れてるように見えたんだけど」 「え?どこ?」 「あっちの路地……うーん、いないや。気のせいかな。なんか、すっごい殴られた死体みたいに見えたんだけど…」 「思った以上に具体的なたとえでなんか怖い!?」 「気のせいじゃない?ほら、行きましょ行きましょ。今日はフェアリー・モートがレディースデーでスイーツお得なんだから、女子みんなで集まったんだし!」 「あっ、あっ、優ちゃん、神子ちゃん、待って…」 「ほら、唯もいつまでもそっち見てないで、行きましょ」 「………えぇ」 【とある都市伝説の野望 ~始まる前に終わった話ー】 おしまい 前ページ次ページ連載 - 次世代の子供達
https://w.atwiki.jp/japan_dorama/pages/1564.html
amazonで探す @楽天で #カイドク~都市伝説の暗号ミステリー~ を探す! フジ21 00 2009.06.30 8.5% 公式HP wikipedia Hulu NETFLIX dTV PrimeVide U-NEXT TVer Paravi GYAO youtube検索 / Pandora検索 / dailymotion検索 / bilibili検索
https://w.atwiki.jp/legends/pages/2630.html
少し狭く区切られたスペースで、血が滲んだ服の少女が深く椅子に腰かけ眠っている。 彼女の正面にあるモニターは暗く、何も映してはいない。 ……簡潔に言えば、美咲がネカフェの個室で休んでいるだけの話である。 「ん、ん~~~。ふぁあ」 十分に睡眠を取ったらしく、大きく伸びながら美咲は目を覚ました。 体の凝りをほぐす様に、ポキポキと音を立てながら、彼女は体を動かしている。 「ぐっすり。とは言えませんが、だいぶ眠れましたね」 全快とは言えないまでも、8割程の体力を回復した美咲が呟く。 「おはおは」 「ええ、おはようございます」 「〝テケテケ〟の修復は、終ったよ。後の3体は、まだ掛かりそうだ」 「そう、ですか。やはり暫くの間は、大人しくしておきますか」 亡霊少女と人格を入れ替えながら、彼女は会話する。 今回出て来たのは、口数の少ない亡霊少女と、中性的な口調の亡霊少女だ。 彼女が伝えた情報に、戦力が整うまでの潜伏を改めて決定する。 恐らく、今まで隠し通してきた自分達の存在が、組織にバレてしまっただろう。 下手に動くのは良くない。 「ん~。そー言えば、変なのが有ったよ」 「変なの、ですか?」 3人目の、どちらかと言えば子供っぽい喋り方の亡霊少女の話しに美咲は反応する。 亡霊少女達が居るのは彼女の内面であり、そこに変なモノが有るならば、精神に異物が有る様なものだ。 「おう、何か卵が有ったぞ。嫌な感じがしたんで壊しといた」 男っぽい言葉遣いの4人目の亡霊少女の説明に、終った事としてその話題を切る美咲。 その卵は、当然ながら《悪魔の囁き》なのだが、取り憑いた相手が悪かった。 精神内に6つの人格が存在する《七人みさき》が、相手では隠れる事は出来なかったのだろう。 だが、既に終わった話だ。 「取り合えず、情報収集でもしますか」 パソコンの電源を入れ、今まで取り込んで来た知識の中から、必要と思う物を持ってくる。 普通に扱う程度なら、美咲だけでも可能だが、少し奥の情報を得るには専門的なモノも必要なのだ。 「ん。と、これは学校町ですか……。面白そうですね」 「で、でも。危なく、ないですか? 色んな所の、注目を集めてる、みたいですし」 「だけど、色んな都市伝説が溢れてるみたいだし。戦力補充には良いかもね」 あるサイトで見つけた、学校町と言う町に興味を示した。今までも、何度か話に聞いていたが。 どうやら、噂以上の都市伝説スポットらしいではないか。 ただ、それ故に色々と興味を集めている町でも有るらしく、5人目の気弱そうな亡霊少女が心配し。 最後の1人が、学校町へ向かう事で、得られるであろうメリットを告げる。 そんな、2人の意見を踏まえて、美咲の出した結論は、 「往きましょう、学校町に。もう、隠れていても意味は無いでしょうしね。 ただ、暫くは止めておきましょう。何の準備も無しに行くのは無謀ですしね」 だった。 続く
https://w.atwiki.jp/legends/pages/2438.html
とある昼下がり 学校町の繁華街に存在する、ウェイトレスの制服のデザインがちょっとアレな事で有名なファミレス「フェアリー・モート」にて ことん、と 机の上に置かれた小さな子瓶 中には、液体…薬品が入っている 「これが、悪魔の囁きを体外へと排出させる薬かい?」 「あぁ。つっても、深く憑かれた奴には、一発じゃ効かねぇからな。そう言う奴には、数度に渡って投薬するか、投薬前に説得なりなんなりして、悪魔の囁きを少しでもそいつから引き剥がす必要がある」 「第三帝国」所属のドクターと、マッドガッサー一味の1人である広瀬 辰也 この二人はとある理由から協力しあっており、時折、こうやって薬品類の譲渡などを行っている 辰也が、本来はドクターのような研究者の類を毛嫌いしている事を考えれば、随分と異質な光景である 「こっちでは、ひとまず、魔女が精製に成功した。だから、それはそっちで好きに使え」 「あぁ、それでは、そうさせてもらおう」 薬品の入った小瓶を、懐に仕舞うドクター その表情には、やや疲れが滲んでいた 「また、ロクに休んでねーのか、お前は」 「…何せ、沙々耶が襲われてしまったからね。彼女を護る為の対処もしなければならないからな」 「…悪魔の囁き契約者の、口封じか」 ドクターの研究の成果によって、悪魔の囁きから人間になった少女、沙々耶 だが、彼女から、悪魔の囁きであった頃の記憶が消えた訳ではない …契約者であった存在に、彼女はいつ、口封じされてもおかしくないのだ 人間となった今、その気配を探る事もできないであろうから、彼女が過敏に犬を怖がっていなければ、ほぼ、バレなかったはずなのだが 「朝比奈 秀雄。かなり冷酷な人物のようだね」 「…冷酷どころか、人間のカスだ」 ぼそり、低く呟く辰也 朝比奈 秀雄と言う男の経歴その他を調べた結果わかった事実は、ただでさえ、仲間が悪魔の囁きに憑かれて暴走したり、悪魔の囁き憑きに襲われて負傷した事実から彼が抱いていた怒りに、油を注いだ 辰也にとって、朝比奈 秀雄と言う男は、どこまでも憎悪の対象でしかなくなっていた 「相手の戦力その他は、こっちのメモに纏めといた。「第三帝国」が連中に対してどう言う態度に出るかは知らねぇが、使えそうだったら使っとけ」 「ありがたく、その情報も頂こう……こちらとしては、総統が無茶な事をしでかさない事を祈るばかりだよ」 小さく苦笑するドクター …そうなのだ 朝比奈の、クールトーとの契約による、犬を操る能力 それは、「第三帝国」総統日本支部代表にとって、まことに嫌悪すべき能力である 無茶な事をしでかさないでほしい 本当に、祈るばかりである 「…それにしても、これくらいのやり取りなら、診療所で行っても、良かったのではないかね?」 コーヒーを口にしつつ、そう尋ねるドクター まぁ、この店のウェイトレスの制服は、目の保養になるのでこれはこれでいいのだが …ドクターが尋ねたその言葉は、辰也は難しい表情を浮かべた 「……つってもな。診療所にあの餓鬼がいる時は、なるべくこう言う話はしたくねーんだよ」 「エニグマ姉妹の、妹の事かね?」 あぁ、と頷く辰也 あの少女から、何らかの都市伝説の影響を感じて以来、辰也はずっと、彼女を警戒し続けていた なるべく顔を合わせようとせず、彼女の前ではいかなる情報も口にしようとしない 徹底したさけようである 出来うる限り、恵を彼女に会わせないよう努力も忘れていない 「何の都市伝説の影響か、わかったもんじゃないからな。悪魔の囁きの可能性だって捨てきれないし……万が一、「アメリカ政府の陰謀論」の影響なんざ受けてた日にゃ、洒落になんねぇだろ」 「まったく、君は警戒心が強いな……まぁ、悪い事ではないと思うがね」 辰也の生い立ちや今までの経験を考えれば、むしろ、その警戒は当然の事と言えよう 自身の身の安全のためにも、仲間の安全の為にも 彼は、強い警戒心を持って、行動しているのだ …その辺りに関する知識は、恐らく一部…どころか大半が、あの黒服から受け継いだ知識なのかもしれないが 「複数の都市伝説組織と敵対してんだ。警戒は当たり前だろ」 ドクターの予想通り、そう口にする辰也 そうだな、とドクターも頷く 「…君が身につけているピアスが、ミスリル銀製なのも、一部都市伝説の不意打ちを警戒してかい?そのピアスならば、「ピアス穴の白い糸」の効果は受け付けないだろうからね」 「……よくわかったな。これがミスリル銀だって」 ちらり、普段は肩の辺りまで伸ばされた髪に隠れてよく見えない、その耳 そこにつけられた一対のピアスは…確かに、ドクターの言う通り、ミスリル銀製だ その存在自体が都市伝説であるそれは、他の都市伝説の影響を受け付けない 「組織」にいた頃に、黒服Hから渡された物だった ……また、あれに世話になっている事実に気づかされ、辰也はやや、面白くない 「…とにかく。あいつについてる都市伝説、さっさと確認した方がいいんじゃねぇのか?」 「……そうだな。君の言うとおり、「アメリカ政府の陰謀論」の影響を受けていたら…それは、問題だ」 …もっとも、それ以上に問題なのは 彼女についているのが「アメリカ政府の陰謀論」だったとして…それが判明した時、どうするか? それが、非常に重い問題として、存在してしまっている それが、ドクターを憂鬱にさせた 「もしもの時は、こっち経由であの双子の餓鬼の引き取り先、探すぞ?」 「…気持ちだけ受け取っておこう。こちらの問題は、こちらで始末をつけるさ」 …それが、最悪の結果になってしまわないように、努力するだけだ ドクターはそう、口の中で小さく付け足したのだった to be … ? 前ページ次ページ連載 - マッドガッサーと愉快な仲間たち