約 2,714,820 件
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1606.html
「橙・レイモン」 両目を生まれてから数ヶ月で失明してしまった少女。 普段はラプラスの悪魔の能力でそれを補いながら暮らしている。 両目が見えなかったが八才までは両親に大切にされながら成長。 偶然にも契約してしまったラプラスの悪魔の能力を狙われて国家直属のとある組織に誘拐され、監禁されてきた。 その後4年間の間、その組織に情報を引き出す機械として利用されていた。 組織は彼女を人間として扱うことなく、薬品投与で無理矢理幼い彼女の能力をひきだしていた。 契約と投薬で精神がすでに崩壊しかけている。 都市伝説「貴人サンジェルマン」の眼にとまって監禁状態から救出されて現在は上田明也の家で匿われている。 最近では組織の空席の筈のF-№6として活動している。 両目は包帯でぐるぐる巻きになっていたり義眼を嵌めていたりする。 髪は少しオレンジがかった赤毛。 肌は白くて人形のように愛らしいが性格は基本的にツンツンしている。 服はLOLIQLOの物を愛用している様子だ。 上田は趣味でドレス系の衣服を着せていたりする。 他人をフルネームで呼ぶ癖がある。 一人称は「ぼく」だった頃もありました、彼女としてはすでに黒歴史です つっこまないであげましょう 契約の副産物として素晴らしい数学の才能を得ているのだが彼女は知らない。 組織にいた頃に飲んだ薬の副作用で毎晩毎晩悪夢を見てはうなされている。 契約都市伝説 契約都市伝説名「ラプラスの悪魔」 能力 契約者に未来や過去を見せる(負担無しで発動できるのは±10秒以内まで) 窓のような物を出して契約者以外の人間にも過去や未来を見せる(この能力は負担がかかるので薬を使わなくては使えない) 破壊力:E 持続力:E(薬を使えば伸びるがすでに身体が保たない) スピード:A(一瞬で情報を処理できる) 精密動作性:A(予測は特殊な存在の介入が無ければ外れない) 射程距離:A(あらゆる場所の情報を確認できる) 成長性:E 契約コスト:E 契約都市伝説名「ウォーリー(ジム)を探せ!」 能力 本を読んだ相手を本の世界に引きずり込む 本の世界の中には25人の殺人鬼が居る 現実世界に殺人鬼を呼び出す、制御は不能だが出し入れするタイミングは自由自在 一度に三人までが限界 破壊力 B 持続力 C スピード:D 精密動作生:C 射程距離:E 成長性 E 契約コスト B
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3684.html
第五話 【悪人正義】 十二月二十四日――クリスマスイブ。 日本中が、世界中がどことなく浮かれている当日。 学校町も例外ではなく、色とりどりのイルミネーションやクリスマスツリーが街中に飾られ、商店街だけではなく街中を彩っている。 そんな折、彼の元に一本の電話が入った。 『メリークリスマース! 我が息子! 人生エンジョイし』 何も言わず電話を切り、業務に戻る。 再度、着信。 相手はたった今電話を切った相手である。 『なんで切るんだよ』 「こっちは忙しいんだ」 『え? それじゃあダーツバーとか行く時間無くない?』 「黙れ」 『実はな、この時期にぴったりのもん見つけてよ』 「『性の6時間』だろ」 『それどこ情報? どこ情報よー?』 「一昨年お前から聞いた」 ◆ □ ◆ □ ◆ 12月24日の午後9時から翌25日の午前3時までの6時間は 1年間で最もセックスをする人の多い「性の6時間」です。 貴方の知り合いや友人ももれなくセックスをしています。 普段はあどけない顔して世間話してるあの娘もセックスをしています。 貴方が片想いしているあの綺麗な女性もセックスをしています。 貴方にもし年頃の娘さんや姉・妹がいて、いま家にいないのでしたら間違いなくセックスしてます。 貴方と別れたあの娘も貴方がその娘にやってきたことを別の男にやられています。 貴方の将来の恋人や結婚する相手は、いま違う男のいちもつでヒィヒィ言っています。 ◆ □ ◆ □ ◆ 十二月になると度々目にする『クリスマス中止のお知らせ』と並ぶ『性の6時間』が都市伝説であることを知っているのは何人いるだろうか。 仮にそれが都市伝説だと知っていても己の商売に利用する者はいまい。 「都市伝説を商売に利用するなアホ」 『アホはてめえだ、使えるもんを使わないでどうするってんだよ』 「せめて自分で契約しろ」 『そんなリスク背負えるかバーカ』 彼、江良井卓の父が経営するラブホテル――ローペロペコンマは数多くの都市伝説と契約している。 代表的なものを挙げるとするならば『鏡がマジックミラー』『膣痙攣を起こして繋がったまま病院に搬送』『シャンプーの中身は精液』『コンドームには穴が開いている』等である。 これらに加え、一昨年の十二月二十四日に『性の6時間』が加わった。 どれもが同系統の都市伝説であるため、多少の器の広い契約者であれば多重契約するにしてもそう大きな問題はないのだが、問題は別のところにあった。 「……ラブホに契約させるって何考えてやがる」 『るせー、新技術舐めんな』 彼の言う通り、これら全ての都市伝説と契約しているのは人間ではなく、ラブホテルそのものなのだ。 彼の父親自身はどの都市伝説とも契約していない。都市伝説の存在を知っていることを除けばただの一般人である。 どこでそのような技術を身につけ、どのような理論で無生物が契約できるのか等は語ろうともしないので詳細は一切不明だが、ラブホテル自体が契約者ならぬ契約社なのは間違いない。 世にも稀な多重契約するラブホテル、ローペロペコンマが今晩盛況するであろうことは間違いない。 ◆ □ ◆ □ ◆ そして――夜。 祝日休日があろうとも何かしらのイベントがあろうとも葬儀屋には一切関係ない。 それが例え聖夜であってもである。 人の生死に暦は関係ない――葬儀屋に勤めて江良井が学んだことのひとつである。正月でも人は死ぬし、盆でも人は生まれる。当たり前過ぎて認識すらしていなかったことだ。 ただ、今日は珍しく通夜が早々に終わったおかげでいつもよりは――気持ち程度ではあるが――早く帰路についていた。 コンビニでカップラーメンを買い、自宅までもう少しというところで男が立っていた。 それも、逢いたくもない。 「メリークリスマス、江良井くん。人生楽しんでるかい?」 「……誰かと思えばお前か」 声をかけてきた男に、嫌そうな顔を隠そうともせずに溜息を吐く。 彼に声をかけてきたのは中年の男であった。 「相変わらずつれないね。そんな顔されると傷つくじゃないか」 「用件は何だ?」 面倒そうな表情を隠そうともしない彼の言葉に、笑みを浮かべる男。 その笑みは子供にも老人のようにも見える。 「ちょっとした話だよ。そう時間はかけないからそのまま聞いてくれ」 「『ゲーム脳』探しは断わったはずだ」 「そうじゃない、僕と一緒に〈国〉を造らないか?」 あまりに簡単な口調。 思わず冗談かと思ってしまうほどあっさりと簡単に。 冗談と思えなかったのは穏やかな視線の中に微かに存在する、射抜くような鋭い光があったからである。 「ゲーマーのゲーマーによるゲーマーのための王国――その名も〈ゲーム王国〉さ」 「……小猫といっ平でも誘ってろ莫迦が」 「彼らは一般人じゃないか」 にこやかに笑う男。 仮にこの場に第三者がいたとしても、どこにでもいる温厚な中年が冗談を口にしているとしか見えないだろう。 「国造りは僕達のような都市伝説契約者でなければできない仕事さ」 「本気で言っているのか?」 「勿論本気さ。冗談や悪ふざけを口にするわけがないのは君も知っている通りさ。それとも――」 そこで言葉を区切る。 どこか試すような、それでいて無邪気な瞳で彼を見据える。 「僕の行動に理由が必要かい?」 「いいや。あったとしても興味はない」 「それでこそ江良井くんだ。君に声をかけた甲斐があったというものさ」 「お前がどんな理由で国を作ろうが俺に声をかけようがどうでもいい。だが――」 「俺を巻き込むな、だろ? 僕だってそうしたいところではあるが、今回に限り生憎とそうはいかないかもしれない」 男の外見だけを見ればただの温厚な中年にしか見えない。 身に着けているスーツも安物だろう。 手にしている鞄――ボストンバッグだが――も使い込まれているようだ。 口調も穏やかな波を思い起こさせるほど落ち着いている。 見た目だけでは人の好さそうな中年――それなのに、口にしている内容は見た目からは到底想像できない内容だ。 「僕達は〈組織〉と敵対する。〈首塚〉や〈第三帝国〉や〈教会〉や〈アメリカ政府の陰謀論〉ともだ」 「気は確かか?」 「僕達の邪魔をするのであれば、だけどね。敵対する勢力は全て潰す。都市伝説、非都市伝説に関わらずだ。――それがこの国を相手取るとしても」 強く握る右拳には強い意志。 その瞳には狂気の片鱗すら見えはしない。 しかし、野望という言葉すら似合わぬ中年の言葉には誰よりも強い気迫が込められていた。 ふ、と体の力が抜ける。 「でも、今言った組織の連中なんかよりもこの町の人達の方が何百倍もおっかないね。外道御三家や五大旧家を抱えているのを抜きにしてもだ。ここの住民は誰も気づいていないかもしれないが、この町にはある共通の意思がある。正義、使命、快楽、守護、復讐……人によって表現方法は様々だけどね。知らず知らず心の奥底に秘めているものがこの町の契約者――いや、この学校町には確実に存在する」 「……」 「学校町は何度も危機に直面した。ちょっと前だと『夢の国』事件、最近だと『CoA』事件や〈組織〉のK-№の乱なんかもそうだ。その都度危機を乗り越えてきたのは君も知っているだろう? 他の国、他の都市なんかじゃ絶対にこうはいかなかった。どうしてこの町は大丈夫か、なんてことは聞かないでくれよ。それは君もわかっていることだろう?」 「……ああ」 「だからこそ、この町は素晴らしいのさ。人間誰しもが持つ意思が――っと、話がそれすぎたな」 小さく苦笑して男は続ける。 「君を誘った理由はいくつかある。情けない話だけど、この町での知り合いが君しかいないってのがひとつ」 「他の理由は?」 「君とエスタークの戦闘力。雷獣と槍のコンビは二体で一体の妖だったけど、君達がまさしくそれなのさ」 都市伝説の力を使わぬ彼の単体での戦闘力、都市伝説の力を使っての彼の単体の戦闘力。 これに〈地獄の帝王〉と冠されるエスタークの力が加わればどうなるのか。それを知る者は彼と敵対してきた者だけだ。 それらを踏まえたうえで男は彼を勧誘してきたのか。 「これが最大の理由になるんだが、江良井くん、君のあまりにも高潔で非情で誇り高い精神性だ。敵と認識した時点で、老若男女問わず言葉通り赤子でも長年つきあってきた無二の親友でもこの世にたったひとりの親兄弟でも一切躊躇せず懊悩せず顔色ひとつ変えずに殺せるだろ? その逆もまた然り。――気を悪くしたのなら謝る。だが、僕が君の精神性を高く評価している証拠だと思って欲しい」 挑発している様子も馬鹿にしている様子もない。 男の言葉には思わず頷きたくなってしまう響きがあった。 「すぐに答えを出してくれとは言わない。近いうち、また君の元を訪れるからそれまでに決めておいて欲しい。――そうそう、これは手土産だ」 ボストンバッグの中から取り出したのは生首であった。 その表情は苦悶に歪んでいる。 しかし、彼にはその男の顔は見覚えがなかった。 「しばらく前から君を監視していた〈組織〉の黒服だよ。ナンバーは……忘れてしまったな」 こともなく告げる男の口調に罪悪感は微塵も感じられない。 対する彼にも嫌悪感は見えない。ボストンバッグから生首が出てきたことに驚く様子も、反応する素振りすらない。 だからというわけではないだろうが――反応した者は別にいた。 「同胞の首、返してもらいたい」 現れたのは黒スーツの男。 夜だというのにサングラスを外しもしない姿から〈組織〉の黒服と察するのはあまりに容易なことだ。 「君は? 〈組織〉の黒服なのは見てわかるけど」 「お初にお目にかかる。私は〈組織〉所属の黒服、ナンバーはA-№102。貴殿が手にしているA-№106は同胞に当たる」 「用件は?」 彼の男へ放った最初の問いと同じ問いを、今度は男が黒服へと投げかける。 彼に向ける言葉とは違い、やや敵意のこもった男の言葉に黒服は動じた様子もなく答えた。 「先も言った通り、貴殿の手にするA-№106の首を返してもらいたい。用件はそれのみだ」 「へえ。で、どうするつもりだい? 彼の敵討ちでも?」 「戦さにて死ぬのは仕方なきこと。また、私に貴殿らとの戦闘許可は出ておらぬ。A-№106の供養を行なうのみ」 私の独断だが、との小さな呟きを聞いた彼らふたりは何を感じたか。 生首を手にするのも平然としているのは人間。供養を望んでいるのは都市伝説そのもの。 人間と都市伝説――どちらが化物なのか。 「ま、首さえあれば供養はできるからね。江良井くんへの手土産のつもりだったけど渡しちゃってもいいかな?」 「俺が頼んだわけじゃない」 にべもない彼の返事に気を悪くするでもなく笑い、黒服に投げ渡す。 本来は江良井へ渡されるはずであった「手土産」は弧を描き、男の手の中へと収まった。 変わり果てたかつての同胞へ片手で拝んでから、彼へと向き直る。 「江良井卓よ、A-№106は殿の命により貴殿を監視していた。決して害意があるわけではないことは信じてもらいたい」 「俺は静かに暮らせればそれでいい。お前らはお前らで監視なり何なり勝手にしてろ。ただし――降りかかる火の粉は払う」 「我らは殿の命があれば従うまで。それまでは一切手出しなどせぬ。――然らばだ」 それだけを言い残し、現れた時と同じように音もなく静かに黒服は立ち去った。 黒服の残した「殿の命」の言葉。命令があればいついかなる時でも命を狙うということ。 彼は言葉の意味に気づいているのかいないのか、A-№102の危険な発言に脅える様子はなく、むしろ嫌そうな目で見送った。 「……寒いと思ったら雪が降ってきたか」 手の平で雪を受け止め、空を見上げる。 静かにひらひらと飛ぶ蝶のように、わずかな風に乗った雪が舞う。 「僕は帰る。風邪を引かないように気をつけて」 「……お前もな」 ――こうして、聖夜に突如行なわれたふたりの邂逅は終わりを告げた。 彼らの足跡が、はらはらと降り積もる雪に覆われるまでそれほどの時間はかからなかった。 まるで、彼に――学校町にこれから先も訪れる危機のように。 了 前ページ次ページ連載 - 葬儀屋と地獄の帝王
https://w.atwiki.jp/legends/pages/204.html
ひゅんひゅんと、風を切るような音が響き渡る ……すぱんっ! そして、壁に立てかけられていたモップが、真っ二つに切り裂かれた 「くそ…っ!?花子さん!」 「うん!」 ひゅん!と 飛び回るそれを束縛すべく、花子さんのトイレットペーパーが宙を舞う ……が ひゅんっ すぱすぱすぱすぱっ! それは、あっと言う間に切り刻まれた ぱらぱらと、ただの紙切れになって床に落ちる 「つ、捕まえられないの!?」 「っくそ、厄介だな、こいつは…」 ひゅん、ひゅん そいつは、トイレの中を飛び回っている …の、だと思う 何せ、見えないので断言できないが… 「…なぁ、『噛み男』!!」 噛み男 日本では、ちょいとマイナーな都市伝説かもしれない そう、こいつは外国産の都市伝説だ どんな都市伝説かと言うと… …まぁ、西洋版「鎌鼬」と言うべきか 日本は、突然の突風による切り傷を、手が鎌になった鼬の姿をした妖怪の仕業とした が、なぜか西洋では、見えない男が噛み付いてくる、と言った感じで想像されたらしい ひゅんひゅん、鳴り響く風の音 風の音に混じって、微かに噛み男の笑い声が聞こえてくる …まったく、鬱陶しい! ……に、しても、参った 相手の姿が見えない、と言うのは厄介だ 花子さんの攻撃で狙い打とうにも、姿が見えなければどうにもならない だからこそ、トイレットペーパーを風が吹き荒れる辺りに放ち、相手を拘束しようと思ったのだが …まさか、拘束する前に、全て噛み切られてしまうとは ひゅんっ、ひゅんっ 風は、段々と俺達をトイレの壁際に追い詰めてきている じわり、じわり、と こちらを追い詰めて、じっくりと切り刻んでくるつもりか なんと言うどSだ 何とも、戦いたくない相手だ (…ここが学校だったら、先生たちの協力も得られたんだが…) …が 残念ながら、ここは学校内じゃない 俺の通学路の途中にある公園内の、公衆トイレだ …ついでに言うと女子トイレである 大丈夫、真夜中だからきっと誰にも見られてない セーフだ、セーフ …近頃この公園周辺で、通り魔事件が発生していた 被害者に一切の共通点なし ただ、共通しているのは …誰も、犯人の姿を見ていない いや 見る事ができなかった、ということ 見れる訳ねぇよな、畜生め ここまで高速で動き回られて目で追えるかっ! F1レーサー並の動体視力があればわからんが、俺には無理じゃ少なくとも!! 「----っ!?」 「けーやくしゃっ!?」 ひゅんっ!と 噛み男(らしき気配)が、俺の真横を通り抜けた はらりっ、と俺の髪が数本、ぱらぱらと舞い散る ーー畜生め、噛み男の攻撃範囲内に、そろそろ入るか…!? ごぽっ、と トイレの便器から、水が溢れ出す 花子さんが、噛み男を攻撃しようとしているのだろう しかし…狙いが、定まらない せめて、相手の動きを止めなければ… 考えろ 考えるんだ 相手は、噛み付く事で攻撃してくる そう、トイレットペーパーを切り裂いたのも、噛み付き…と言うか、牙での攻撃にすぎないのだ 恐らく、相手はこちらに噛み付いてくる …ならば 「花子さん、トイレットペーパーの準備を」 「み?…う、うん」 ふわりっ 再び、トイレットペーパーが宙に浮かぶ 俺は、それを確認して 一歩、前に出た 「け、けーやくしゃっ!危ないよっ!」 「大丈夫」 大丈夫だ …さぁ、来い、噛み男 俺に、襲い掛かってきてみろ ひゅんひゅん、ひゅんひゅん 耳に痛い、風の音 それは、あっと言う間に俺に近づき 「------っ!!」 肩に、激痛を感じた ずぷり 牙が、食い込んでいく感触 それは、一瞬だったはずだ しかし、その時間は、随分と遅く感じた だから、こそ 俺は、その行動をとる事が出来たのかもしれない 左肩に噛み付いてきている、噛み男 俺は、俺のその左肩に、すぐに手を伸ばす …ある 噛み男は、肉体をもっている! それを確認し、俺はそいつを鷲掴みにした 「----っ!?」 「…ッ捕まえたぞ、噛み男…!」 俺に、頭を鷲掴みにされて…それは、姿を現した それは…男、と言っていいものか、どうか、よくわからない 肉の塊 それに、大きな、大きな口がついていて…その口に、無数の鋭い牙が並んでいた その無数の牙が、ずっぷりと、俺の左肩に食い込んでいる 「-ッ花子さん、今だ!」 「うん!」 痛みを堪えて叫ぶと、花子さんはすぐに反応してくれた ぎゅん、と トイレットペーパーは、即座に俺に噛み付いてきていた噛み男をぐるぐる巻きにした ぎり、と締め付けられる痛みに、噛み男は俺から口を離す 「っつ…」 ずきり 牙が抜けていく感触 …痛ぇ 相当痛ぇ!? くっそ、これくらいしか手段を思いつかなかったとは言え、きついぞ!? じたばた、噛み男は花子さんのトイレットペーパーに締め上げられ、苦しみ続ける …が、花子さんのトイレットペーパーには、相手を絞め殺すだけの力はない あくまでも、これは相手を束縛する為の力なのだから だから、とどめは 「花子さん、そのままトイレットペーパーと一緒に流しちまえ!」 「は~い!」 俺の言葉に、花子さんはぴ!と無邪気に返事して 哀れ、噛み男はトイレットペーパーに巻きつかれたまま、トイレに吸い込まれていった ごぽごぽごぽごぽ… ……ごぽんっ!! 一瞬、何かがトイレに詰まったような音も、聞こえてきたが 噛み男は、そのまま問題なく、公衆トイレの便座の中へと吸い込まれていったのだった ずきずき ずきずきずきずきずきずきずき おぉぉ……痛い 噛み付かれた部分が、そりゃもうズキズキと痛いっ!? 「けーやくしゃ、だいじょーぶ??痛いの痛いのとんでけする?ほーたい巻く?」 …あぁ、なんていい子だ、花子さん でも、多分この痛みは痛いの痛いのとんでいけ程度じゃ消えてくれないし …花子さんや、それは包帯じゃなくてトイレットペーパーだよ それで止血するのはきついと思う 「いや、大丈夫…家に帰って、自分で手当てするから」 「そう…?」 じーーーーーーっ うぅ、純真無垢な眼差しが突き刺さるっ!? 花子さんを心配させたくはないのだ ただでさえ、俺は人間 都市伝説である花子さんと比べて、あまりにも弱い存在 …それは、わかっている 先ほどの作戦とて、俺ではなく、花子さんが攻撃を受けて、そのまま相手を束縛…とする事もできた だが、俺としては、花子さんに傷ついて欲しくない だからこそ、俺が攻撃を受けたわけだが…今度は、花子さんをこうやって心配させてしまう始末 なかなか、うまく行かないものだ 「ほら、俺は家に帰ってるから。花子さんも、帰ろうな?」 「う、うん…」 何とか花子さんを宥め、帰らせる 俺も、そっとトイレを出て帰路に付いた 深夜の住宅街 薄暗く、何とも不気味だ …こう言う時に出没する都市伝説もいる訳で 冷静に考えれば、花子さんを先に帰らせず、家まで一緒に居るべきではあるのだが ……が、怪我をした俺が傍に居ては、花子さんがずっと俺を心配し続けてしまう 俺としても、花子さんのような小さな女の子の姿をした存在に、家まで送ってもらうと言うのは男として若干プライドが傷つくと言うか何と言うか …とにかく、幸い、途中で他の都市伝説に遭遇する事無く、家に着いた そっと、家の門をあける …よし、誰もいないな? そ~っと、そ~っと 俺は家の中に入ろうと、玄関をあけて… 「お帰り」 「うぉうっ!?お、親父!?」 おぉぉおおおう!? な、何故親父が玄関にいる!? しかも、仁王立ちしている!? しまった、抜け出したのがバレていたかっ!? 「息子よ、こんな時間に外に出ていたとは、一体何が……む!?」 …げ しまった、親父の視線が俺の肩の傷に…… 「む、息子よ!?何故そんな傷を…っ!?」 「あ、いや、これは」 「むむむむぅうううう!まさか、またどこぞの悪餓鬼がお前に危害をくわえたか!?」 「いや、だからこれは」 「いや!?まさか、どこぞの組の者が…!?えぇい!!許さんぞ○○組ーーーっ!!」 ………… あ~… とりあえず、あれだ 「でい」 っご!!! 「うごふっ!?」 深夜に、大音量で騒いでいるのは近所迷惑と判断し 俺は、問答無用で親父を背後から殴り倒した ばったり、倒れ、気絶する親父 よし、騒音公害排除!! 「あらあら、お帰りなさい」 …っち あの騒ぎで、お袋も起きて来たか こりゃ、妹もおきてくるな… 「…ただいま」 「あらあら、怪我をして…ちょっと待ってなさい。救急箱を持ってくるから。お部屋に入っていなさいな」 お袋は、ころころと困ったように笑って、そう言って来た …これは、逆らう事ができない わかった、と俺は頷き、とりあえず玄関を上がる 「っあーー!?兄貴、その怪我…」 あぁ、もう、やっぱり妹も来た! 「たいした怪我じゃないから大丈夫だ」 「で、でも…っ」 「あらあら、あなたまで起きてきて…お兄ちゃんの手当ては、お母さんがするから、大丈夫よ あなたは、ちゃんと寝ていなさいな」 ころころ、微笑むおふくろにそういわれ むむぅ…と、妹は、やや不満そうな表情だったが お袋に逆らう事はできず、自分の部屋に戻っていった …これは、明日が面倒そうだ とにかく、俺はお袋に付いて行って… ……玄関には、俺が殴り倒した親父だけが残される結果となったが いつものことなので、とりあえず放置する事にしたのだった …しゅるり、と 包帯が、巻きつけられる 傷口を消毒し、包帯を巻く なんとも、手馴れた手つきだ 「あんまり、お父さんや妹を心配させては駄目よ?」 「……わかってるよ」 わかってる わかってる、けど あの噛み男は、俺が気付いてしまったから 気付いたからには、放っておく事もできない だから、俺と花子さんが行くしかないだろう それに、この程度の怪我 …もしかしたら、これからもする可能性がある それを、恐れる訳にはいかないのだ 自分が傷つく事をおそれ続けていては、都市伝説との戦いなど、続けられない 「…あなたが何をしているのか、お母さんは聞きませんよ」 …しゅるん 包帯を巻き終えて お袋は、やんわり、微笑んできた 「あなたが何をしているのか、お母さんはわからない でも、きっと、あなたは間違った事は、悪い事はしていないと、思うの」 「………」 「だから、ね。お母さんは、あなたの味方よ」 「…ありがとう」 ぼそり、俺はそう答えて のろのろと、立ち上がった 両親に心配かけたくない 妹に心配かけたくない 花子さんにも心配をかけたくない 誰にも、心配をかけたくないのだ だが、都市伝説と戦い続ける以上、嫌でも、誰かに心配かけ続けてしまう …それを、否応なしに、自覚させられる 「…こんな真夜中に、御免。おやすみ…」 「はい、おやすみなさい。あした、お寝坊しないようにね」 ころころと、お袋はいつも通り、穏かに笑ってきて そんなお袋を背後に、俺は自分の部屋に戻っていったのだった fin 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
https://w.atwiki.jp/tasogaredoki/pages/26.html
星を見る少女 人間シチュー 窓を叩くものは 杉沢村 謎のビニール紐 4本足のニワトリ 六本木ヒルズの呪い 心理テスト ひきずり女 犬鳴村 砂嵐 鬼 曲にまつわる話 曲にまつわる話2 臨時放送 日焼けサロン 「!」 となりのトトロ ムーミン谷の真実 .
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/2439.html
【種別】 学校名 【初出】 一巻 【解説】 学園都市の第七学区にある、上条当麻の通う高校。正式名称不明。 幾度となく登場しているのに、学校名が未だに出てこない理由は謎。 新約十五巻の時点で生徒数は300人ほど。 変則的な造りの学校が多々ある学園都市においても、あくまでスタンダードを極めようとしているらしく、余りに平凡すぎて個性がない。 学校が経営する料金が馬鹿高いスクールバスの利用を推奨し、電車通学は校則で禁止されている。 平凡な高校であり、能力者もレベルが高いとは言えないが、実は常磐台中学のレベル5二人がゾッコンとなっている男子学生と学園生活を送るために二年後に編入する可能性を内包しているダークホースであったりする。(更に言えば第五位の派閥の構成員と第三位の友人の風力使いも編入する可能性もある) 生徒は上条のクラスに土御門元春、青髪ピアス、吹寄制理、白カチューシャなど。 二学期から姫神秋沙が転入。 上級生に雲川芹亜がいる。 上条のクラスの担任は月詠小萌、隣りのクラスの担任が黄泉川愛穂。 他に教師として親船素甘、災誤が所属。 十二月三日(新約13巻)、防犯オリエンテーション中に僧正に校舎の半分を破壊された。 平常授業中ではなく、校舎内の人の分布が偏っていたため、死者、怪我人は出なかった。 能力開発関係の機材が破壊され、授業に支障が出るため、翌日から生徒全員がとある中高一貫校の教室を間借りして授業を受けることとなった。 【関連】 •とある高校の学生寮
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1519.html
【20時20分、学校正門前にて】】 ガシャン! ガシャン! 二つの銃に弾丸を籠める。 一つは拳銃 もう一つはサブマシンガン 腰には二本の小刀。 一本は槍をそのまま刀にしたような都市伝説「村正・蜻蛉切」 一本はとあるナイフショップで仕入れた只のナイフ 少々重たいが自分の能力の性質上激しく動くと言うことはない。 そうだ、問題無い。 「メル、場所はここで間違いないか?」 「はい、橙さんの話によればここで問題無いはずです。」 俺こと上田明也と都市伝説「ハーメルンの笛吹き」はとある高校の正門前に立っていた。 同居人の話によるとここでマッドガッサーとその他の都市伝説との最終決戦が行われるらしい。 この前、組織の黒服との戦いで車がお釈迦になってしまったので新しく買った赤いフィアット500でここまで来た。 渾名はトポリーノ、つまり二十日鼠だ。これも気に入った。 更にデザインが秀逸で堪らない。 サンジェルマンに買ってきて貰った甲斐が有ったというものだ。 ていうかフィアットが好きなのだ、ルパン的な意味で。 ビートルは性能が心許ないし。 「さて、今回は車が割と重要、安全に全て終わらせたいから。」 「マスター。」 「なに?」 「戦いってあの学校の中で行われるんですよね?」 「ああ、そうだね。」 「私達は行かないんですか?」 「そうだね、行かないね。」 「うわぁ……、戦闘してる感0じゃないですか。」 「今回敵はあの学校の中に潜伏しているんだろ?だったら罠なんてそれこそ星の数ほど仕掛けられているだろうに。 だったらまずは相手をあぶり出せるに越したことはない。 今回使うのはこれだ。」 パカリ 俺が車中に置いてあった箱を開けるとその中には小型カメラを付けた鼠が居た。 「なんですかこれは。」 「盗撮に使うカメラ付き鼠、バッテリーは一応4時間保つ。 ちなみにこのパソコンで映像は見られるぞ。 これを使って校舎内部の状況を探りつつ状況によって俺達が校舎になだれ込めば良かろう。」 ノーパソを取り出してメルに見せつける。 「橙さんに手伝って貰えばいいじゃないですか。罠とか。」 「駄目だ、あいつの能力はまだ制御にさえ苦しんでいる。 戦闘に使えるレベルじゃない。最低限ここでの戦闘があるってことを探らせるので今のあいつは限界だ。」 「お~、その優しさを他人にも見せればどうにかなるだろうに。」 「うるせえ、行くぞ。」 息を思い切り笛に吹き込んだ。 ピィ~~~~! 学校町全体に響き渡る笛の音。 それにつられて現れる鼠、鼠、鼠。 「さぁ行け、エリート鼠共。ちゃんと他の鼠を指揮するんだぞ。」 箱の中に居た鼠も解き放たれる。 「今回の作戦はこうだ。 まずは鼠であることを利用して一階、二階の換気扇をそれぞれ突破させる。 これによって全ての階に同時に攻撃を仕掛けるのだ。 恐らく学校の色々なところにマッドガッサーの仲間は分散しているだろうから もし見つけた・見つけられたとしても数に物言わせて襲いかかれば大丈夫だろう。 一階、二階、全ての場所から同時に潜入を果たしたら敵を見つけ次第そこに軍団を集中させる。 鼠は敵が戦意を失ったところで攻撃をやめさせる。 一番大事なのはマッドガッサーをとっつかまえる事で殺すことではない。 ok? ちなみに鼠を動かすと同時にこの学校の周りを車で動き回りながら指示を出す。 少しでも相手からの不意打ちに対応できるようにしたい。」 「了解しました。」 午後8時25分、作戦開始だ。 黒い黒い鼠の群が校舎に押し寄せる。 これだけ派手にやれば気づかれるとは思うがまあ構うまい。 これだけの数なら自分の身は守れても校舎への侵入は防ぐことは出来ない。 鼠をできるだけ分散させて全方位から学校の敷地内に向けて走る走る走る走る走る走る。 「ハーメルンの笛吹き、戦闘形態その1『軍団(レギオン)』、見せてやろうか。」 「マスター、鼠達が一階と二階に侵入成功しました。 かなりの数の鼠が敵に潰されているようですけれども校舎内にはカメラ鼠5体、普通の鼠が100体です。 内訳ですけれども一階に普通鼠60体、二階に40体ですね。 校舎外にはカメラ鼠が3体、普通鼠は150体です。」 「カメラの方はこっちで見ているから安心してくれ。 おや……?これ見てくれよメル。」 パソコンを覗いていると食堂の辺りで面白いシーンに出くわした。 「まぁ、とりあえず、君達はあいつの仲間なんだよね?………それじゃあ」 ごぽりっ ペットボトルから、コーラが溢れ出す あれは見覚えのあるコーラ男 「今は、僕の敵だね!」 ごぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ 螺旋状に、物理法則を無視して飛び出したコーラが、男性と少女に向かって襲い掛かる 突如現れた光の壁が、襲い掛かるコーラを防いだ 「わぁ、凄い、そんな事ができるんだね」 くすくす、笑いながら楽しそうにコーラ男は告げている 「--っぶね!?っちょ、どうなってんだ!?」 「…様子がおかしいな。操られているのかもしれない」 あれは恐らくコーラ男、そしてもう一人は……誰だ? しかしこれチャンスかもな……。 この騒動に乗じて組織の人間を倒すことが出来るんじゃないか? 特にあのコーラ男は相手が面倒だ。 今殺しておけば少しは楽になるだろう。 「行け、鼠達。あのコーラ男の隙を突いて食い殺してやれ!」 鼠達はコーラ男に群れをなしてではなく、 出来る限り分散してコーラで一気に溶かされづらくしながら襲いかかった。 ―――――同時刻、小体育館近辺 「チッ!!何なんだこいつらぁ!」 マリ・ヴェリテのべートは大量の鼠に悩まされていた。 潰しても潰しても現れる鼠の群。 そのどれもが明確な殺意と悪意を以て向かってくる。 大量の悪意には慣れている。 数を頼みに数を頼りに自らを排除しようとする悪意の群、群、群。 だがこれは少々おかしい。 向かってくるのは軍団なんだが悪意は一つ。 たった一人の人間がたった一つの悪意を向けてきている感覚。 おかしい、何かがおかしい。 そもそも鼠達の動きに統制が取れすぎているのだ。 そうか……。 「気づいたかな?」 中央区の学校の周りをぐるぐると車で周りながらパソコンをのぞき込む。 先日戦った人狼が俺の鼠に囲まれていた。 学校に放ったカメラ鼠は10体、しかし校舎内部に居るのは5体。 あの人狼の傍に居るカメラ鼠は一体、水飲み場の辺りに隠れて戦闘の様子をこちらまで中継している。 カメラ越しに目が合う。 ガシィ! カメラ鼠が捕まる。 良い勘してやがる。 「おい、このカメラを見ている奴。」 人狼は言葉を続ける。 「てめえ……、叩きつぶす。」 「楽しみにしているよ、狼野郎!」 パソコンで指令を送るとその直後、カメラは爆発して映像は途絶えてしまった。 細かく指令を出せない以上もはや鼠であいつは倒せないだろう。 奴に使ったせいで鼠は30匹ほど居なくなったが……問題は無い。 赤いフィアットは未だに走り続けている。 夜の校舎で 月の光を浴びて
https://w.atwiki.jp/legends/pages/3420.html
「マンホールの上で…」 疾風たちは悪質な都市伝説を探して歩いている しばらく歩いていると何処からか声が聞こえてきた 「…ち」 疾風「…? 向こうの方から声が…」 帝「よし、行くぞ」 声のする方へと向かう疾風たち 「じ…ち…」 声は段々大きくなっていく 「じゅ…ち」 どんどん近づいていく 「221、221、221、221、221…」 見るとそこには、怪しげな男がマンホールの上で跳ねていた 廻女「なにかなーこの人?」 廻女がそういうと、怪しげな男が廻女に… 「面白いよ、君もやってみる? 」 と言った。普通なら断るだろう。しかし…体が勝手に動き出し、廻女はマンホールの上に移動していた 安河「…! 駄目だ廻女! そいつは…」 「…もう遅い」 安河がそういったとき、廻女の体は既に空中だった その瞬間を見計らい、男がマンホールの蓋を外す 「さあ、220…!?」 しかし、いつまで経っても廻女は落ちてこない 見ると、廻女の体は風船のように膨らんでいた 「…なぜだ!?」 小百合「ふふ…廻女を狙ったのが間違いだったわね…あの娘は飛べるのよ?」 帝「…おい。そこに居るのは分かっている。出てきたらどうだ?」 帝がマンホール男の後ろの茂みに向かって言う 「ちっ…これが成功すれば222人達成だったってのによ…」 すると茂みから、20代後半から30代前半で、大柄、ジーンズを履いた男が出てきた 疾風「ところでおじさん。貴方、よく見るとイケメンじゃないですか?」 疾風が『マンホールの上で跳ねる人』の契約者に言う 「そ、そうか…?」 まんざらでもないようだ 疾風「ええ、そう思いますよ…ああ、妬ましい…! 爆発しろ!」 すると、マンホールの蓋が爆発し、『マンホールの上で跳ねる人』とその契約者はダメージを受ける 「…くっ!」 「…ぐはっ…」 「っち、7対1では分が悪い…行け!」 マンホールの中から死体が出てくる。彼の契約したもう一つの都市伝説『ゾンビ』である 礼次「…うわ、めんどくさそうなのがたくさん…!」 ゾンビの群れが疾風たちに襲い掛かる。まるでバイ○ハザードのように… 疾風「爆発しろ! 爆発しろ! 爆発しろ! …駄目だキリが無い…!」 小百合「ええと…こっちが攻めであっちが…キャッ…! 駄目だわ、妄想する暇がない…」 宝「くそ、こいつら相手じゃ僕の『三途の川の渡し舟』も使えない…」 安河「はっ! ふっ! …駄目だ、『ワイマール拳法』を使ってもすぐに起き上がってくる…」 廻女「ええと…これが良いかなー」 近くにあった乾電池を廻女が飲み込む。コピー能力、スパークだ 廻女「これで…!…え!?」 しかし、廻女の電撃をものともせず、ゾンビは襲い掛かってくる。 爆風で傷を負おうが、拳や足を顔面にぶつけられようが、電撃で焦がされようが、全く怯まない 帝「なるほど…。たくさんのレジスタンスが集結し我に反逆しようとしているわけか… だが、数程度で我の弾圧は防げない…」 帝がそういうと、ゾンビは途端に動きを止める。彼の契約した都市伝説『ハリガネムシ』の能力である。 普通の人間であれば池や川に誘導して…と言うことが出来るのだが、ゾンビ相手ではそうもいかないし、近くには川も池もない。 帝「よし、貴様ら、今のうちに撤退するぞ!」 安河「だがお前は『十七条拳法』とも契約していたはず…それを使えば…」 帝「此処で使うのは危険な上関係のない民を巻き込む危険がある…撤退だ」 安河「…了解だ」 そういうと、疾風たちは撤退する。あの数には敵わない、あの不死身はどうにも出来ない そう思った帝の判断だ。とにかく撤退する 帝「今日はこのまま解散だ…」 「「「「「「了解…」」」」」」 一「…いい写真が撮れました…『マンホールの上で跳ねる人』と『ゾンビ』…。さあ、早速部室へ持ち帰って記事にしましょう…!」 新聞部の活動は、こんな時にも行われているのであった… 続く…
https://w.atwiki.jp/legends/pages/5079.html
明かりもつけていない資料室の中で、小さな音が響く いくつもの資料を確認し、目当ての資料を探し続けた (これは違う………これも、違う。これじゃない……) あの件の資料が、この辺りにあるはず…… ………がちゃり 「何をしているんだい、君は」 「!?」 ぱちり、と部屋の明かりがつけられた 慌ててそちらへと視線を向けると、呆れた様子の郁が立っており、じっと、こちらを見つめてきてた 「…あらまぁ、郁君。びっくりさせないでちょうだいな」 「それはこっちのセリフだよ。この資料室はCNoの管轄なんだから……ANoは許可を得ないと入ってはいけないはずだよ。許可はとったのかい?」 すたすたと近づいてくる郁のスカートの裾が、ひらひらと揺れる 男性であるにも関わらず、何故、黒のゴシックロリータ服を好んで着るのかはあいにく、愛百合には理解できない世界なのだが、仕事はきちんとやっているらしいからよしとしよう 「忙しそうでしたもの、許可はもらってないわ。資料を持っていく訳ではないのだし、いいでしょう?」 「良くないよ。SNoが管理しているような閲覧制限はいるような資料はないにしろ、ここには大事な資料だってあるんだから」 近づいてくる、近づいてくる これ以上は無理か。そう判断して、手にしていた資料を戻した 「まぁ、いいわ。私が探してた資料、見つからなかったし」 「そうかい。だが、どの辺りの資料に目を通したのかは、確認しなければいけないね。誰がどの資料お見たのか、記録をとらなきゃ」 「もう、面倒ねぇ」 「仕方ないだろう………近頃、上がピリピリしているからね」 そう言って、郁は肩をすくめてきた 仕方ない、と溜息をつく 流石に、上層部に目をつけられたくはない 「わかったわ。話す。話すけれど、私、ここで資料探すの無理だってなったら急にお腹減ってきちゃったわ。食堂で、なにか食べたいんだけど」 「あぁ、構わないよ……というか、君は食べながら話してくれればいい。今の時間、食堂は空いているだろうしね。話しても問題ないさ」 「組織」の本部の中には、当然のように食堂も存在している 何らかの料理に関係した都市伝説に飲まれた黒服が調理係だ……もちろん、他者の命を奪うような都市伝説ではなく、美味であったり健康状態を整える能力者が、だが 「…ねぇ、愛百合」 「ん、なぁに?」 「君は、今回の「狐」の件、首を突っ込むつもりなのかい?」 資料室を出る間際、郁がぽつり、そう呟いた そうねぇ、と考えるふりをしてみせる 答えは、最初から決まっていた 「上の指示次第ですわね」 表向きは、そういう事にしよう けれど、上からどう言われようとも、「狐」の件では動くことにしている ANo強行派の今の肩身の狭さを、少しでも改善すべきだろう 甘い考えでは、「組織」に敵対行動をとる者に「組織」が舐められる事となる もっと、もっと、以前の「組織」のように、「組織」所属以外の契約者や都市伝説を支配していくような動きをするべきなのだ その考えが正しいと、証明する為にも。自分が「狐」の件を片付けられるように動く必要が、ある 慶次にも、協力してもらう必要があるだろう いざとなれば、郁や郁の担当契約者である紅 かなえの力も利用させてもらうとしよう …全ては、「組織」の為に 愛百合の返答に、郁はそうかい、とため息を付いて 「こちらは、現状、学校街に入り込んでいる「狐」の手駒の調査だよ。見つけても戦闘はするな、と言われてはいるが、どうなる事やら」 「へぇ……」 …これは、好都合かもしれない 郁に気づかれぬようにこっそりと笑い、愛百合は郁と共に資料室を後にした 再び、資料室の中は闇に包み込まれて 小さく、笑い声が、響いた to be … ? 前ページ次ページ連載 - 次世代の子供達
https://w.atwiki.jp/legends/pages/950.html
―第34章 夢幻の如く也― 俺は一体何をやっているのだろう… パパーハヤクオイデヨー 「はいはい、今行くかr…!」 なぜ俺が返事しなければならないんだ?俺はまだ高校生だ。高校生であるはずの俺がなぜ? そうか、これは夢か。でなければ幻だ。いずれにせよここが現でない事は確かだ。 だがどうやったらこの夢幻の世界から出られる?そう思った矢先― 俺の目の前に1本の刀が現れた。俺はその刀に見覚えがあった。 「建速…だな。よし!」 俺は躊躇いもなく刀を手に取りその場を後にした。 俺は走り続けた。何処までも続く長い暗闇の中を― 「…クソッ!出口は何処だ!」 それでも出口は見つからない。何故ならここが「夢の世界」だから。 夢はいつかは醒めるもの。しかし、それは裏を返せば醒めるまではその夢は現である。 これは一体?都市伝説の仕業なのか?それとも何か別のものなのか? そう思った矢先、目の前にいきなり遊園地にあるような子供だましの列車―ただし、中に人が乗れるまでに巨大化してる―が現れた。 「…なるほど、「猿夢」か。」 猿夢。夢の中に電車が出てきて、それに乗ると「活け造り~」されたり「抉り出し~」されたり「挽き肉~」されてしまう都市伝説だ。 「ならばっ!ソリタリーブレード!」 ―ソリタリーブレード。刀身にソリタリーウェーブを内包しており、斬った対象の分子構造を劣化させてしまう大変危険な剣である!(次元ボイス) 俺の持っていた刀が銀色に輝く刀へと変えた。 「でえぇぇぇぇい!」 俺は銀の刀を列車の目の前で横に薙いだ!すると― 見た目こそは分からないものの、列車の構造がとても脆くなった様に見えた。 「今だ!ゴルディオンセイバー!」 刀の輝きが銀から金に変わった。 「光に!なぁれぇぇ!!!」 今度は金の刀で同じように薙いだ。 列車は前の方から光になって消え去った。 列車が全て消え去ると一筋の光が見えていた。 「向こうだな…」 俺は光の方へ向かって走った。その先にあったのは― 「マスター!こんな所で寝てちゃ危ないじゃないですか!」 気がつくと、俺は自室の廊下にうつ伏せた状態で寝ていたようだった。 「天照…?俺は一体…?」 「今までここで倒れるようにして眠ってたんですよ?」 「…建速は?」 「あいつだったらとっくに寝てますよ。全く、気楽でいいですよねぇ。お馬鹿さんは。」 「…ああ、全くだな。」 前ページ次ページ連載 - 結界都市『東京』
https://w.atwiki.jp/legends/pages/502.html
じゃらり、じゃらじゃら 指輪にブレスレット、腰には銀のチェーンベルト じゃらじゃら、全身に銀のアクセサリーをごてごてと身につけている青年 金髪に程よく焼けた肌に、銀のアクセサリーが映える …しかし、彼はピアスだけは身につけていなかった 幼い頃、「ピアスをあけた穴から伸びる白い糸」の話を聞いて以来、少々トラウマなのだ その話を聞いたのが、当時のクラスメイト相手からだけであったら、ここまで警戒はしなかっただろう だが、聞かせてくれた相手が相手だった 『そんな都市伝説も存在するのです。あなたも気をつけるのですよ?』 …青年は、あの黒服の言葉を、護るようにしていた 忠告を破ったがために、危険な目にあったのが一度や二度ではない…と、言うだけではない 彼にとって、あの黒服は父親のような存在だった ……実の両親からは、愛情などかけてもらった記憶もなく、あの黒服のように、本気で心配された事もない 母親は、自分の事など放っておいて、遊び呆けてばかりだった プライドの塊だった父親は、自分をまるで己が歩めなかった道を進ませるかの如く、厳しさばかりをぶつけられた どちらからも、息子らしい扱いなど受けなかった 愛情もかけられた事がなく、心配された事もない …けれど、あの黒服は本気で心配してくれたのだ だからこそ、青年は、あの黒服を父親のように慕っていた 両親以上に自分を心配してくれて、手を差し伸べてくれる黒服 その優しさを、尊敬していた …青年が高校受験を向かえた年、両親は離婚するかしないか、という大喧嘩をしていた 確か、母親の浮気が原因だったと思う 何を今更、と青年は当時、あきれていた 父親だって、浮気をしていた 母親の昔など、青年が小学生の頃から、ずっとそうだった そもそも、青年が今の都市伝説と契約したのは…母親の浮気相手が経営していた、日焼けサロンでの出来事だったし 浮気相手の所に子供を連れて行くなど、どう言う神経をしていたのやら とにかく、その両親にあきれて、青年は家を飛び出した 受験する高校も、自分で選んだ 一人で生きることを選んだ青年に、あの黒服はまた手を差し伸べてくれた 学校の授業料やら生活費やらを援助してくれ、成長を見守ってくれた …その時の恩がある 青年は、そう考える 必ず、必ず、その恩を返したい 青年はそう考える …だから いつか、必ず、あの黒服を「組織」から救ってみせる あんな「組織」に、優しい黒服が縛られ続けないよう…解放させて見せる 青年は、そう、強く決意し、「首塚」の部下であり続けるのだった 終 前ページ次ページ連載 - 首塚