約 2,968,710 件
https://w.atwiki.jp/tibirengou/
ちびちゃと連合軍@wikiへようこそ 因みにリアルタイムで 連絡が取りたい方 sakedesu3 ↑スカイプな要望 質問どんとこいや 更新情報だよ!!!!!! ええ、皆様すいませんでした。 ↑コメントしないと、 脱退になります、 必ずコメントしてください。 アドレス sakedasi@ezweb.ne.jp 軍のメンバーただいま31人となっております(´・ω・`) 俺のサイトにも掲載しておきますwダメだったら俺のサイトのコメントのとこで言ってください。。。 -- GLeGLe (2010-01-23 11 24 50) wwwwwwww -- nezumi (2010-01-25 02 13 30) いつから、活動するんだあ!? -- 創世記 (2010-01-26 19 47 14) メンバー結構集まったな -- 創世記 (2010-01-27 17 39 57) {ちびちゃと連合軍の動画を投稿しますたああ!!コチラです!! -- GLeGLe (2010-01-31 21 32 06) もなちゃとに行った意味はあったのだろうか・・・・ -- ニョロにょろ~ (2010-02-01 17 15 03) あぁ此処に書き込めばいいの? -- 左近 (2010-02-03 21 18 16) 今度こそ潰すぜぃ!(もな) -- 林 (2010-02-07 16 54 15) 入りたいです。・・・一応。 -- とっつー (2010-02-08 22 21 24) はいりたいです。 -- 吉平 (2010-02-09 17 48 11) ここに書き込んでも軍には、入れません。適切な場所にかきこんでください。 -- ahoka (2010-02-10 20 46 34) "( ゚,_ゝ゚)バカジャネーノ" -- "( ゚,_ゝ゚)バカジャネーノ" (2010-02-11 13 02 30) . -- 名無しさん (2010-02-13 21 02 57) . -- . (2010-02-13 21 03 07) ↑すいません -- ↑すいません (2010-02-13 21 03 21) ^) -- (^ (2010-02-13 21 03 44) (^ -- ^) (2010-02-13 21 04 01) ( D)┼─┤ -- " ζ_,`" (2010-02-16 20 53 04) もなちゃとやってんでそんなの興味ないかも・・・^^; -- ^^ (2010-02-18 19 44 30) すごく興味ある!www -- iku (2010-02-22 07 03 08) コピペ連合軍みてぇだなwWwWwWw 最近連合軍って流行??w -- ごんべ (2010-03-09 23 38 40) お元気? -- たかひろ (2010-03-16 15 02 13) いれてください -- 樋本 (2010-03-27 22 13 46) http //www39.atwiki.jp/tysonrr←俺のwiki 作成途中 -- コピペ連合軍【大将】 (2010-03-29 17 17 44) ちゃっす これとかどーよ クリック← たしかこれだったと思う← -- ニョロにょろ~ (2010-04-06 18 36 08) コピペ連合軍は最強やろwwww -- コピペ連合軍【大将】 (2010-04-11 16 23 38) こんな連合軍あったんだぁ -- レオ♪ (2010-04-21 23 12 10) 入れて -- 赤城亨 (2010-05-08 17 52 16) よろーーーーー!いれて! -- ゆーこ (2010-06-03 17 01 38) 連合軍とかきもいんだけど、ただの馬鹿が集まっただけじゃねえの?だってチャットの喧嘩で連合軍とか幼いねえ?君たち何歳?馬鹿なんじゃないの???きもいなあwwどうせタイプと論が強いだけで何のために作ったかは分からないんだろう?キモいんだけどもねえ死ねばいいんじゃないんですかね雑魚だなあキモいんだけどもね -- 連合軍ださ (2010-06-05 12 30 18) 連合軍とかきもいんだけどとか書くんだったらこのサイトにこなくていいんじゃね?死ねばいいとか死ね言われて死ぬのはごくわずかだとおもうんだが、それに雑魚とかは普通にチャットで喧嘩したらどうなんだよ^^以上酒sこのごろちびちゃときてなくね?ww -- 管理人の味方のつもり(邪魔な存在かも) (2010-06-12 11 43 14) 女喧嘩師なめんじゃね~ぞごらぁかかってこいよくずがmiyabi10121 -- かかってこい (2010-06-24 16 44 48) どーせカスやろ?? -- ww (2010-06-30 22 37 55) 生意気だし調子のんな!! -- ww (2010-06-30 22 38 34) ヘボ!! -- ww (2010-06-30 22 38 52) てか名前とか肩書だけやん!! ヘボww -- ww (2010-06-30 22 40 09) 女喧嘩師とかどうせカスなのにほざかれてもこっちが困るだけなんだよねwwwしかもここでみんなで喧嘩するとかお前ら脳的に異常だべwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww -- wwwwww (2010-07-01 16 07 15) あ~わかるわかるwおまえwwってやつ、びびってんじゃね?またはフルぼっこにされたかな?w -- あ~わかるわかるw (2010-07-01 22 01 15) × -- バーカ (2010-07-03 22 42 16) うお、大胆な×やなっ!! -- ww (2010-07-03 23 02 10) 幅とりすぎじゃね?? -- ww (2010-07-03 23 02 39) おもんなさそw -- 名無しじゃないと意味が無い (2010-07-04 01 33 03) どうやったら入れるんですか?????・ -- 野球龍 (2010-07-18 19 43 32) GLeGLeから改名(ご存知の方も多いかと思います) とりあえず、ちびちゃと連合軍破綻してね?www -- CoReJ (2010-07-24 07 36 43) wwww -- ww (2010-08-23 22 35 05) ん?なにこの糞軍W馬路ウケW -- うんこ連合軍 (2010-08-29 18 34 21) いれて -- ちびちゃと (2010-09-05 11 37 47) そうゆうのウザイ!! -- 名無しさん (2010-09-20 01 25 08) ああああああああああ -- あ (2010-09-20 17 38 35) なんて 大胆なんだ?! -- いら(●^o^●) (2010-10-31 20 26 35) なんで -- H (2010-11-10 08 12 11) みましたよ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~俺も軍にいれて~~~~あとおれのWikiみてねhttp //www44.atwiki.jp/tururi-na3sei/http //www44.atwiki.jp/tururi-na3sei/http //www44.atwiki.jp/tururi-na3sei/ -- キングツルリーナ3世 (2011-03-11 22 02 36) ふはははははははははははははは いいねぇヾ(・ω・)ノ -- 旅人 (2011-03-19 20 16 32) 右派右派右派うはうはうはうはうはうはうはうはうはうはうはうはうはうはうはうあふあ -- 吹雪士郎 (2011-03-20 20 52 46) なんだ -- 吹雪士郎 (2011-03-20 21 18 28) はじめましてゆみです。よろしくね -- ゆみ (2011-04-03 00 10 25) これはどんな集まりなんですか?教えてください、入りたくなったらすぐに入れるんですか? -- 地デジカ (2011-04-03 18 51 51) 誰かアドレス交換しよう -- ゆみ (2011-04-06 11 40 24) 125.31.93.238 -- あ (2011-04-17 22 03 34) 218.40.237.62 -- あ (2011-07-17 13 05 28) この群まだやってんのwww? -- 新生愛上尾 (2011-07-29 01 20 07) 110.133.137.63 -- あ (2011-08-08 19 26 05) 俺もはいれんかな? -- 翔汰 (2011-08-18 19 30 49) おれもはいりたいんだけどww -- yumeta (2011-12-09 19 37 56) お前ら喧嘩連合軍とかそういう馬鹿馬鹿しいことやってどうすんの?ただの喧嘩してる糞野郎じゃん。しかも暴言はいただけで闇落ちして荒らしになってねぇーから。こんなの止めちまえよ -- 水竜 (2012-08-09 20 02 40) くだらねぇ。いつも暴言吐いただけで闇落ちして逃げるくせにそんな集まり作って何にになるんだか。そんなのさっさと止めちまえよ。 -- 水竜 (2012-08-09 20 05 49) くそみたい -- てる (2014-11-10 20 53 46) 喧嘩してんじゃねお前はバカかくそみたいだな□ -- てる (2014-11-10 20 56 10) まぁ喧嘩しないで新さんはやめようね -- 雪ジ (2014-11-10 20 57 30) 阿呆 -- 小松義弘 (2014-11-10 20 59 23) こんばんは -- カノン (2014-12-10 19 43 53) おは -- カノン (2014-12-15 07 48 15) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3596.html
『おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(前編)』 35KB 制裁 観察 考証 自業自得 育児 飼いゆ 赤ゆ 現代 愛護人間 独自設定 うんしー ひさびさの長編。まだイライラパート、どうぞ気長に 過去作 anko1548(前)/1744-5(中)/2170-1(後) 『よわいものいじめはゆっくりできないよ!』 anko2263-4『ゆっくりいじめはゆっくりできるね!』 anko2424-5『かけがえのないいのちなんだよ!』 anko2889『いっしょにゆっくりしていってね!』 anko3521『ゆっくりつかいすてていってね!』 『おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!』前編 「駄目。絶対だめよ」 「どぼぢでぞんなごどいうのおおおぉぉ!?」 飼っている二匹のくどい要請を、私はにべもなくつっぱねた。 れいむは目に涙を浮かべて叫び、ありすは唇を噛んですがるような目で見上げてくる。 こんなやりとりがもう何日も続いている。 れいむの願いを聞き入れてありすを買ったことを、私は後悔するようになってきていた。 れいむは銀バッジ試験に合格している、比較的手のかからないいい子だった。 ゆっくりである以上、子ゆっくりの頃に飼い始めたころはだいぶ困らされたものだが、 成体になって半年が経ち、銀バッジ試験にも合格して一丁前のゆっくりになった。 私の言うことをよく聞き、気配りのできる、生活に癒しと笑いをもたらしてくれる可愛いやつ。 しかし、それは少々買いかぶりだったのかもしれない。 「れいむ、おむこさんがほしいよっ!!」 銀バッジ試験に合格したれいむに、ごほうびは何がいいと聞いたらそう言ってきた。 最初は拒否した。今の生活でこれ以上ペットは増やしたくない。 しかし、私がどれだけ拒否しても、代わりのおもちゃやあまあまを提案してみせても、 れいむは頑として聞かず、ひたすら番を求めて泣きわめいた。 「れいむ、さびしいんだよおぉ!! おねえさんはいつもいつも、おしごとさんでいないよっ!! れいむはずーっとひとりぼっちなんだよっ!! おねえさんのおかげでごはんさんもむーしゃむーしゃできるし、ゆっくりすーやすーやもできるけど、 ひとりぼっちじゃゆっくりできないよおおおぉぉ!!」 確かにそうだった。 私はウェブデザイナーとして会社勤めで、毎日朝から晩まで仕事詰め。 早朝に家を出て、戻ってくるのは深夜ということもざらだった。 帰ってくるなり、待ちかねていたれいむの出迎えにも挨拶すら返さず、 ベッドに倒れこんで泥のように眠る日もあった。 傍らでれいむが涙声を圧し殺していることを知りながら。 まして、ゆっくりは極端なほど孤独を嫌がる。 子供の頃から家族とは密着してスキンシップに精を出し、 成体になれば、まずは何をおいても番を探す。 美味しいあまあまや整った空調にクッションなど、どんなに恵まれた環境を取りそろえても、 ゆっくりをはじめ他の生き物との接触を断たれた、あるいは極端に少ない状態だと、 ゆっくりはストレスを感じてゆっくりできなくなり、活気がなくなるらしい。 だからゆっくりを飼う際には、最低でも他の飼いゆっくりとの交流を交わして友達を作ってあげることが強く推奨される。 当然、他にゆっくりを飼っている人を探して交流する暇もなく。 大体自分の場合、そんなに社交性があったらゆっくりなんか飼っていない。 とにかく、れいむの飼い方に問題があったことは確かに認めざるをえなかった。 これまでずっと寂しさを我慢して抑え込んでいたれいむが哀れでもあった。 ゆっくりショップで購入した、同じく銀バッジのありす。 私がいない間、れいむの相手をしてくれるなら望ましいことだった。 ただしその際、れいむとありすに私は強く言い含めた。 「おちびちゃんは絶対に作っちゃだめよ」 予想をはるかに超える猛反発に遭った。 「つくりたい、つくりたい、つくりたい、つくりたい、かわいいおちびちゃんつくりたいいいいぃぃ!!」とぐずるれいむ。 「おねえさん、おねがいよ、おちびちゃんがいないなんてとかいはじゃないわ………」上目遣いでしなを作るありす。 そう言われても認めるわけにはいかなかった。 一匹増えるだけでも手間が増えるのに、このうえあの聞き分けのない赤ゆっくりがぽろぽろ増えるなんて想像したくもない。 疲れた体を引きずって仕事から帰ってきたら部屋中砂糖水と餡子、 端的に言えばしーしーとうんうんまみれだったなんて御免だ。 それに、飼いゆっくりの注意点として、「うかつに子供を作らせるな」というのは常識だ。 孤独を癒してくれる伴侶だと思えばこそ、飼いゆっくりは飼い主の人間になつき、慕うのだが、 いざ自分が番と子供を作り、ゆっくりの家族を形成してしまうと、人間との結びつきが急速に薄れる傾向にある。 同種の妻や子供をばかりかまい、飼い主に対してぞんざいに振る舞うようになるばかりか、 悪くすると家族に餌を持ってくるだけの食事係としてあしらわれ、ゲスになると「くそどれい」呼ばわりしてくることさえある。 ゆっくりとの良好な関係を保ちたければ、適度に人間に依存させることが必要なのだ。 守るべきおちびちゃん(餌をやるのは飼い主なのだが)ができることで根拠のない自信が生まれ、 自分を立派な大人だと錯覚して飼い主と対等なつもりで振る舞ってしまう事態にもつながるようだ。 れいむの中では番ができた時点でおちびちゃん大勢の大家族を作るまでが確定だったらしく、 突然のストップをかけられてこれまでにないほど泣き喚いた。赤ゆっくりだった頃のほうがまだおとなしかった。 行儀のいいありすでさえ、れいむをたしなめるでもなく、すがるような目をこちらに向けてくる。 それでもそう簡単には認めてやるわけにはいかない。 仮に子作りを認めるにしても、段階を踏む必要がある。 子供の頭数、親との密着度、躾の手順などなど、 ゆっくり飼いのマニュアルでは、決まって飼いゆっくりの子作りの項目に多くのページが割かれている。 「おちびちゃんはとってもとってもとってもゆっくりできるんだよおぉ!! おねえさんも、ぜったいぜったいぜったいぜったいゆっくりできるよ!!ほんとだよっ!! いっかいでいいからおちびちゃんをつくらせてねっ!!ゆっくりおちびちゃんをみてみてね!! そしたらおねえさんも、きっときっとぜったいかんがえがかわるよっ!!いっかいみてみればわかるのにいいぃぃ!! れいむのおちびちゃんはとくべつだよっ!!おねえさんもゆっくりできるよ!!おねえさんにもゆっくりしてほしいよ!! だからおちびちゃんつくらせてねっ!!ゆっくりさせてね!!ゆっくりしようね!! おちびちゃんとゆっくりしたいよ!!おちびちゃんがいればみんなゆっくりできるのにいいぃぃ!! おちびちゃんおちびちゃんおちびちゃんおちびちゃん、おちびちゃんつくりたいよおおぉぉぉ!!!」 連日、家に帰ってくれば「おちびちゃんがつくりたい」の連呼。 せっかく銀バッジが取れて、つがいも買ってきてあげたのに、飼い主もゆっくりも全然ゆっくりできてない。 少々可哀想だとは思いつつも、私はぴしゃりと言いつけた。 「しつこい!!それ以上わがまま言うなら去勢するわよ」 「きょ、せい……?」 「ぺにぺにを切っちゃって、おちびちゃん作れないようにすることよ」 「ゆんやああああああぁぁぁぁ!!?」 「どがいばじゃないわああああああああああ!!?」 二匹ともこれには震えあがり、恨めしげにこちらを見やりながらも口をつぐむしかなかった。 「とにかく、おちびちゃんはあきらめなさい。 それよりも二人でゆっくりすることを考えなさい。私と二人だけだったときよりはずっといいでしょう?」 れいむは恨めしげに「おちびちゃんはゆっくりできるのにいいいぃぃ……………」と漏らしただけだった。 思えば、その時点でその後に来る事態を予測しておくべきだったのだ。 おちびちゃんは、時期がくれば認めるつもりだった。 去勢するぞと脅しつつも、実際に去勢をするつもりはなかった。 いつになるかわからないが、れいむとありすのつがいが安定し、 これなら聞き分けよく指示にも従ってくれると確信できたなら、おちびちゃんを作らせてあげるつもりだった。 もちろん、私の監督指導のもとでだ。 飼いゆっくりに子供を育てさせる場合は、うっとうしく思われようとも子育てにしつこく介入し、躾に参加し、 飼い主としての影響力を家族にしっかり及ばせておかなければならない。 そもそも、ゆっくり専門のブリーダーでさえ手を焼く赤ゆっくりの躾がゆっくり如きにできるわけがなく、 いくら善良な親だろうと、子育てを任せて放っておけば飼い主を奴隷扱いする見事なゲスを育て上げてくれるのが通例だ。 そして、子が親の影響を受けるのと同じほど、ゆっくりにおいて親は子の影響を受ける。 子供を育てさせたらゲスが育ち、そのゲス子供に影響されて親までがゲスになり、飼い主に向かってくそどれいの大合唱。 そんな例でさえ、ゆっくり飼いではありふれた話だ。 どれだけ慎重を期してもやりすぎではないのが、飼いゆっくりの子作りなのである。 「ゆ~ん♪ゆゆぅ~ん♪れいむのかわいいおちびちゃんゆっくりしていってねぇ~~♪」 「しあわせ~♪しあわせ~♪おちびちゃんのとかいはなほほえみでみんなしあわせよぉ~~♪」 それだけに、その夜、家に帰ってくるなりその声が聞こえてくると、私は思わずその場にへたり込んだ。 全身を強烈な脱力感が襲い、しばらく立つこともできなかった。 あれか。よく聞くあのパターンか。あの、馬鹿な飼いゆっくりが決まって陥る茶番か。 うちのれいむはもう少し上のゆっくりだと思っていたのだが、どうやら本気で買いかぶっていたようだ。 「ゆっ!!おかえり、おねえさん!!ゆっくりしていってね!!」 「おねえさん、おかえりなさい!!きょうもゆっくりおつかれさま!!」 床を這いずるようにして現れた私に向かって、二匹は自信たっぷりの満面の笑みで挨拶を放ってきた。 私は答えず、次の言葉を待った。 しかしれいむもありすも、それ以上喋らず、にこにこと私を見ているだけだった。 聞くまで答えないつもりか。弁解さえしない気か。それがそこにあるのは当然のことだってか。 あれほど強調した飼い主のいいつけを破ったという罪を、本気で、頭にぶらさがっているそれで帳消しにする気なのか。 声を出す気力もなく、私はそれを力なく指さした。 「ゆっ!!」 「ゆふふ」 キリリと自信満々に胸をはるれいむ、目を細めてほほ笑むありす。それが答えだった。 そうして笑顔を浮かべたまま私の反応を注視している。 いつもはうるさく話しかけてくる二匹が、私の反応を確認するべく黙ってじっと待っていた。 その表情から推して、二匹が想定している私の反応が、楽しみに心待ちにできるたぐいのものであることは明らかだった。 「ふざけるな!!!」 怒りと失望感にかられて、つい爆発してしまった。 自分でもびっくりするほどの大声とともに床に握り拳を打ちつける。 すぐに我に返り、二匹を見ると、おろおろと――私でなく――れいむの頭の上に実っている赤ゆっくりを見守っていた。 「おちびちゃん!!だいじょうぶだよっ!!ゆれないでねっ!!ゆっくりしてねぇ!!」 「おとうさんたちがついてるわ!!とかいは!!とかいはよっ!!ゆっくりしてね!!」 「ゆぅ………ゆぅ……」 「ゆぴぃ……ゆぴぃ……」 わずかに眉をしかめていた実ゆっくりの揺れが少しずつおさまってゆき、やがて元通りに落ち着いて寝息を立てはじめる。 実ゆっくりが実っているのはれいむの額。れいむ種が一匹、ありす種が一匹の二匹姉妹だった。 実ゆっくりが落ち着いたのを見届けてれいむとありすはふうっと大きく息をつき、 次に私に向かって非難を浴びせてきた。 「おねえさんなにしてるのおぉ!?おちびちゃんたちがゆっくりできなくなっちゃうでしょおおぉ!!?」 「おねえさん、おちびちゃんたちはゆっくりさせてあげなきゃだめなの……とかいはじゃないわ、ね?」 上から目線で諭してくるれいむ達。明らかに態度が大きくなっている。 飼い主といえども、これほど可愛いおちびちゃんの為とあれば文句を言わずに従うだろうとあてこんでいるのが見てとれた。 私の堪忍袋の緒は限界に近かった。 「………れいむ。ありす」 「ゆっくりあやまってねっ!!ぷんぷん!!」 「おちびちゃんは、作るな、と、言っておいたわよね?」 「ゆっ!!そんなことどうでもいいでしょ!?おちびちゃんがゆっくりできなくなるところだったんだよっ!!?」 バァン!! 床を、今度は平手で叩く。 「「ゆびぃっ!?」」 二匹がすくみ上がった。 私が叱りつけるときに、最上級の怒りを表すアクション。 二匹が動揺しはじめていた。 目を見合わせ、その表情に怯えが浮かびあがってきていたが、 すぐに気をとりなおし、私のほうをちらちら見ながら頭上のおちびちゃんを心配してみせる。 「おちびちゃんゆっくりしてねっ!?こわくないよっ!おかあさんがついてるからねっ!!かわいいかわいいだよっ!!」 「とかいは!とかいはよ!!ゆ~ゆ~ゆらゆら~、ゆっくりしていって~ね~♪」 そう言いながらちらちらと私の表情を窺い、ことさらおちびちゃんを見せつけるように角度を調整している。 そんなれいむとありすの頬を、私は掴みあげた。 「ゆ゛ぐぅっ!!?」 「どうでもいい、と言ったわね。 毎日あなたたちにご飯をあげて、ゆっくりできるお布団や玩具を買ってきてあげている…… 私のいいつけが、どうでもいいのね。そういうこと言っちゃうんだ………」 「ゆぎっ!!?いぢぃっ!!い゛い゛い゛い゛ぃぃぃ!?」 「いぢゃいっ!!いぢゃいわああぁぁ!?いぢゃあああいいいいいいいぃぃぃ!!!」 頬を掴みあげる手に、ぎりぎりと少しずつ力を加えていく。 「私のことはどうでもいい。そうなのね?本当に、それで……いいのね?」 「………!!…………どがい、ばっ…!!!?」 「ごべんだざあああいいいいいいぃぃぃ!!!」 れいむが音をあげた。 私が本気で怒ったときの恐怖が、さすがに刷り込まれている。 それでも、「こんなはずじゃなかったのに」という困惑が、その表情からありありと見てとれた。 「ゆっぐ、ゆぐっ………ゆううぅ………」 「とかいはじゃないわぁぁぁ………」 「で?」 頬の痛みにいつまでも泣きじゃくっている二匹に、説明を促す。 「なんでいいつけを破ったの?」 「ゆぐっ……ゆぅ…………おちびちゃんは、ゆっくりできるから………」 「私がゆっくり出来ないの。そう言ったわよね?」 「ゆ………で、でも………おちびちゃんをみれば、おねえさんもきっとゆっくりできるって……」 「ゆっくり出来てないんだけど!!」 また床を叩き、れいむとありすがびくっと萎縮する。 わかりきっていたことだった。 「可愛いおちびちゃんを見せれば、飼い主もきっと考えを変える」 そんな都合のいい希望的観測に期待をかけて、飼い主のすっきり禁止を破る。 駄目な飼いゆっくりが陥る、お定まりのパターンだ。 ゆっくりの、子供に対する愛情はもはや信仰の域に達している。 自分のおちびちゃんの可愛さは何にも勝り、人間を含め全ての者たちがおちびちゃんを愛すると信じて疑わない。 人間から見れば、その信仰は「親バカ」の一言で解釈される。 そうならないように、きちんと人間の都合も考えられるように躾けてきたつもりだったのだが、 やはりうちのれいむはそこらにいる凡百のゆっくりと変わらなかったようだ。 あるいは、少しは賢くても、その賢さでは補いきれないほどの盲目の母性を持って生まれついてしまったのかもしれない。 「処分します」 「「ゆ゛ぅっ!!?」」 怒りと苛立ちと失望に後押しされ、私は無情な決定を言い渡した。 「うちではそんなに面倒見切れません。その子たちは捨てるわ」 「ゆううううぅぅぅ!!?やべでっ!!やべでえええぇぇぇ!!!!おぢびぢゃんずでだいでえええええ!!!」 「ぞんなっ!!?どがいばじゃないわっ!!ごんなに!!ごんなにがわいいおぢびぢゃっ!!なんでええええええ!!?」 「その可愛いおちびちゃんたちにごはんをあげるのは誰?」 「ゆ゛っ………」 「おちびちゃんたちがうんうんでお部屋を汚したら、掃除するのは誰?」 「それは…………」 「私でしょう? あなたたち二匹の世話をするだけで、私すっごく大変なの。これ以上二匹も増やせないわ。 無理に増やしても、ご飯はあげられないし、うんうんも片付けられないし、遊んでもあげられない。 私も、あなたたち二匹も、おちびちゃんも、みんなゆっくりできなくなるの。 これからもゆっくりしたかったら、おちびちゃんはあきらめなさい」 「ゆううぅぅぅ………でも、でもぉ………おちびちゃん、かわいいよおぉ………?」 「自分の子供たちは可愛いんだから、お前はゆっくりするな。もっと働いて沢山のご飯を持ってきて一日中休まず世話をしろ」 れいむ達の言っていることを要約するとこうだ。 だからまず、大前提を崩す。 「可愛くありません」 「「どぼぢでぞんなごどいうのおおおぉぉ!!?」」 「可愛くないからです」 「「どぼぢでぞんなごどいうのおおおぉぉ!!?」」 「可愛くないからです」 「「どぼぢでぞんなっ………ゆ゛っ………ぐううぅ………」」 三回繰り返せばさすがに理解してくれたようだ。よし。 言っていることはわかっても、納得はできないようで、ありすが食ってかかる。 「おねえさん……すなおじゃないのはとかいはじゃないわ……」 「飼い主との約束が守れないあなたたちに、素直じゃないなんて言われたくないわね」 「ゆっ……でも、こんなにとかいはでかわいいおちびちゃんたちなのよ……?どうしてほめてくれないの……?」 「可愛くないからです」 結局四回言わされた。 「なんでっ………!!」 「理由なんかないわよ。なんと言われたって可愛いと思わないものはしょうがないわよ」 「そんなのおかしいよぉぉ!!こんなにかわいいおちびちゃんがかわいくないなんてへんだよおぉ!?」 「これ、可愛いでしょ?」 私は押し入れを探り、二匹の前に一個の古ぼけたぬいぐるみを放りだした。 「「ゆ゛ぇっ?」」 私がほんの子供だったころに可愛がっていたぬいぐるみである。 二十年ほども前のものなので汚れきってぼろぼろだし、デザインも古臭い。 しかし愛着がしみ込んだ、私にとっては大事な一品だ。 「可愛いでしょ?」 「ゆぅ………?かわいくないよ……」 「くさくてとかいはじゃないわ………」 「どうして?ねえ、どうして可愛くないの?理由を説明してよ」 「ゆ……かわいくないからだよ……」 「だから、どうして可愛いと思えないの?」 「ゆ?きたないし、おかおもへんだよ。ゆっくりしてないよ」 「あなたたちのおちびちゃんたちだって汚いし、変よ。うんうんやしーしーを撒き散らすでしょう?」 「ゆ゛ぅぅ!?おちびちゃんたちはそんなぬいぐるみさんとはちがうよっ!! うんうんやしーしーをするのはあたりまえでしょおおおぉぉ!!」 「ぬいぐるみが汚れるのも当たり前よ。あのね、そのおちびちゃんが可愛いと思うのはあなたたちが親だからなの。 他人にとっては、あなたたちの子供なんかこのぬいぐるみと同じ。どうでもいいし、汚くて面倒臭いものなの」 「ぞんなっ……うそだよおぉ!!おちびちゃんがかわいくないなんてぜったいおかしいよぉ!! ゆっくりかんがえなおしてよおおおぉ!!!」 どんな例をあげてみせても、自分たちの子供だけは特別なんだと言い張るだろう。 特別でもなんでもないことを証明するために、私はハサミを持ってきてれいむの額の茎をつかんだ。 「可愛くない。可愛かったら、私も喜んで飼うわ。捨てるなんて言わない。 でも可愛くないから捨てる。わかったらあきらめなさい」 「や゛!?や゛べでえええぇぇぇ!!!」 「おぢびぢゃっ!!おぢびぢゃん!!どがいばなおぢびぢゃんんん!!ぎらだいでえええぇぇ!!!」 れいむが涙を流して歯茎を剥き出し、ぐーねぐーねと身をよじる。 しーしーまで漏らして、着て(履いて?)いるゆっくり用の服にしみ込んでいる。 ありすも泣きながら、ぽふぽふと体当たりをしてきた。無駄である。 「さっきも言ったでしょう。面倒見られないし、みんながゆっくりできなくなるの」 「おぢびぢゃんはがわいいがらびんなゆっぐじでぎるうううぅぅ!!!」 「じゃあなんで私は今ゆっくりしてないの?」 「!?………ゆ゛っ………ゆ゛ぅぅぅ………!!」 「あきらめなさい」 「ごばんざんいりばぜええええん!!!」 鋏を持つ私の手に必死にすがりつきながら、ありすが叫んだ。 「おぢびぢゃんのぶんのごばんざんはいらないでずっ!!うんうんもぜんぶあでぃずだぢががだづげばずっ!! おぢびぢゃんはあでぃずだぢでぞだでばず!!おねえざんには、ぜっだい、ぜっだいめいわぐがげばぜえええん!!」 「ゆ゛っ!!ぞうだよっ!!でいぶだぢだげでおぢびぢゃんをぞだでるよおおぉ!! おねえざんにはだよらないよっ!!ゆっぐじじだいいごにぞだでるよっ!! だがら、だがら、だがらあああああぁぁぁぁ!!!」 「…………本当に?」 私は手を止めた。 「ゆ゛っ!!!ぼんどうでずっ!!ぼんどうにぼんどうでずううぅう!! ごばんざんも!!おぶどんざんもっ!!ぜんぶ、ぜんぶでいぶだぢでやりばずううぅ!!」 「あでぃずだぢがどがいばにぞだででみぜばずっ!! おでえざんをゆっぐじざぜられる、どがいばでゆっぐじじだゆっぐじにぞだでばず!! びんなゆっぐじでぎばずうううぅぅ!!!」 「おちびちゃんたちのご飯はどうするの?どこから取ってくるの? あなたたち、狩りなんかできないじゃない」 「ゆ゛っ………ぞれは…………で、でいぶだぢのごばんざんをわげであげばずっ!!」 「ほら、何もわかってない。 おちびちゃんがどれだけ食べるのかも知らないでしょ? 大人のあなたたちより倍も食べるのよ、赤ゆっくりってのは。 あなたたち二匹のご飯を全部あげたって足りないわよ」 「ゆ゛ぅっ………!!ゆ゛、ゆ゛、と、とにかくなんとかするよっ!!」 「なんとかって、どうするの?」 「なんとかするよっ!!なんとかあぁ!!おねえさんおでがいじばずうううぅぅ!!!」 「どうが、どうが、いっじょうのおでがいでずううぅぅ!! おもぢゃもいりばぜん!!とかいはなくっしょんさんもいりばぜん!!もうわがままいいばぜえええん!!! おぢびぢゃんだげは、おぢびぢゃんだげはあああああぁぁぁ!!!」 「わかった」 「ゆ゛ぅっ…………ゆ゛っ!?」 私は鋏をしまい、二匹に言った。 「その二匹だけは許してあげる。 もし本当に、私に一切面倒をかけないで育てられるんなら、育ててもいいわ」 「ゆっ……ゆっ……ゆわあああああぁぁぁぁ!!! やった!!やった!!やったやったやったよおおおぉぉぉお!!!」 「とかいはだわああああぁぁ!!おちびちゃんっ!!おちびちゃんゆっくりしていってねえええぇぇ!!」 「ただし!!」 「「ゆびっ!?」」 「ほんの少しでも、その可愛いおちびちゃんとやらが私に迷惑をかけたり、 私にゆっくりできない気分を味わわせたりしたら……その場で潰して捨てるから。 それと、約束通り、あんたたちももう我侭言わないこと。いいわね?」 「ゆっ!!だいじょうぶだよっ!!れいむはこそだてがじょうずなんだよ!!」 「ありすたちのそだてたおちびちゃんなら、おねえさんもぜったいゆっくりできるわっ!! みんなでゆっくりしましょうね!!ありがとう、おねえさん!!」 「そう。じゃあ、任せたからね。……私は寝るわ」 「「ゆっくりおやすみなさい!!」」 部屋の電気を消し、布団に潜り込む。 普段から、私が寝ているときは静かにしろと躾けてあるので、ゆっくりの声はそこでやむ。 それでも、おちびちゃんのために小さな声で子守唄を歌っているのが聞き取れた。 私は頭から布団をひっかぶる。 結局、子育てを許すことになった。 私は甘いのだろうか? れいむとありすが子育てをする? できるわけがない。絶対にできない。150%ムリだ。 それでも、このまま子供が生まれる前に間引けば、 ゆっくりできるはずの子供を奪った理解のない飼い主だと思われ、逆恨みされることになるだろう。 だから、実際に育てさせる。 ゆっくり育成の大変さ、それができない自分たちの無能さ、それをやっていた飼い主の有難みを身を持って教える。 それをじっくり身に染みさせたうえで、結局育てられなくなったところで子供を取り上げる。 子供は、出来にもよるが、まあよくても里子に出すしかないだろう。 今回のことは、この二匹を躾けるいい機会にしようと私は考えていた。 そのへんの野良と本質は変わらない、無分別なゆっくりだということがよくわかったから。 ―――――――― プルプルプル……… 「ゆんっ!!ゆんっ!!きゃわいいれいみゅがゆっくちうみゃれるよっ!!」 「ときゃいはにゃありちゅもゆっくちうみゃれるよっ!!ゆゆんっ!!ゆーんっ!!」 「ゆーっ!!がんばってねっ!!おちびちゃんゆっくりうまれてきてねぇ!!」 「ままたちがみまもってるわ!!あんっしんっしてゆっくりうまれてきていいのよ!!」 れいむの頭から生えている茎、その茎に生っている二つの実がぷるぷると震えだしていた。 眠るように閉じられていたその目はいまや見開かれ、ゆんゆんと身体を振って生まれ落ちようとしている。 赤れいむは涎を垂らし、もみあげをぱたたたと振り回しながら鳴いていた。赤ありすの髪もよく見るとぱさぱさ動いている。 そしてたった今、二つの赤ゆっくりは頭の茎を千切って落下していった。 「「ゆっくちちちぇいっちぇにぇ!!」」 「ゆゆうううぅぅぅ~~~~~~ん!!おちびちゃんかわいいよおおおぉぉ~~~~っ!!!」 丁度私が見ている側で、赤ゆっくり達は生まれ落ちた。 犬小屋大の室内用ゆっくりハウスをれいむ達は自室兼寝床としており、 その中にはタオル、ゆっくり言うところのふかふかさんが何枚か敷き詰められている。 自分たちで床に敷いたそのふかふかさんで、茎から生まれ落ちる子供たちを受け止め、 れいむとありすは感極まって涙をこぼしながら歓声をあげていた。 生まれ落ちた直後の挨拶をすませた赤ゆっくり達は、涎を垂らしたまま目をぱちくりさせ、きょときょとと周囲を見渡す。 「ゆゆっ?おきゃーしゃん?おちょーしゃん?」 「ときゃいは?ありちゅのみゃみゃ?」 「ゆっ!れいむがおかあさんだよ!!おちびちゃんたち、ゆっくりしていってねっ!!」 「ありすがおとうさんよ!でも、とかいはなれでぃだからありすのことはままってよんでね!!」 「ゆっくちりきゃいしちゃよっ!!」 「おきゃーしゃん、みゃみゃ、ありちゅとゆっくちちてにぇ!!」 「ゆゆぅぅ~~~ん!!とってもききわけがよくてかわいいおちびちゃんたちだよおおぉぉ!!」 「なんてとかいはであいらしいおちびちゃんたちなのぉぉ!!うすよごれたせかいにおりたったさいごのてんしよおおぉぉ!!」 いまにも浮遊しはじめそうなほど浮かれきっているれいむとありす。 茎を生やして産み落としたのはれいむの方なのだから、れいむが母でありすが父ということになるのだが、 れいむは「おかあさん」、ありすは「まま」と呼ばせることにしたらしい。 どうも変だが、識者によれば、口ぶりから判断されるゆっくりの自意識というのはすべてメス的なものらしい。 だぜだぜ言っているまりさ種も例外ではないそうだ。 しばらくの間、れいむ達は子供達をぺーろぺーろと舐め回したりすーりすーりと頬ずりを繰り返していたが、 すぐに子供達がぐずりだした。 「ゆえええぇぇん!!おにゃかしゅいちゃよおおぉぉ!!」 「らんちしゃんがたべちゃいよおおぉぉ!!ときゃいはじゃにゃいいいぃ!!」 「ゆゆぅぅっ!?なかないでね!!なかないでね!!おちびちゃんなかないでねえぇ!!ゆっくりしてねええぇ!!」 れいむがおたおたと涙目で慌てる一方で、ありすはハウスに貯めておいたらしいゆっくりフードを口に入れて運んで持ってきた。 「さ、おちびちゃんたち、ゆっくりとかいはにむーしゃむーしゃしましょうね!」 「ゆっ!!ときゃいはならんちしゃんだあぁっ!!」 「ゆわーい!!きゃわいいれいみゅのすーぱーむーちゃむーちゃたいみゅ、はじまりゅよっ!!」 「「むーちゃむーちゃむーちゃ……かちゃいいいぃぃ!!」」 目の前に広げられたゆっくりフードに喜び勇んで口をつけたものの、 その硬さに歯が立たず、赤ゆっくり達は泣きだしてしまった。 「ゆうぅぅ!?かたいかたいなのっ!?ごめんねっ!おちびちゃんごめんねぇ!!」 「おねえさんっ!!もっとやわらかいゆっくりふーどをもってきてちょうだいっ!!」 ソファーの上に寝転がって見ていた私に向かって、ありすが叫んだ。 いつかは泣きついてくるだろうと確信はしていたが、いきなり初っ端からこちらに振ってくるとは思わず、私はさらに脱力した。 どうもこの二匹、まだまだ真剣に考えていない。 可愛い子供のゆっくりできない姿を見れば、お姉さんもさすがに助けるだろうと決めこんでいるらしい。 最初が肝心、私ははっきり言ってやった。 「知らないわよ、そんなの」 「どぼじでぞんなごどいうのおおぉ!?おちびちゃんがおなかぺーこぺーこなんだよっ!? このゆっくりふーどじゃかたいかたいでおちびちゃんがたべられないよっ!! ゆっくりりかいしてねっ!!はやくやわらかくてあまあまなふーどをよういしてねっ!!」 「自分たちで全部やるんでしょ?私に面倒をかけないで育てる、そういう約束だったわよね?」 「ゆっ!?でもっ……!!」 「でも、何?」 「こんなにかわいいんだよおおぉ!?かわいそうじゃないのおおぉぉ!!?」 「そう思うんならまずあなたたちが努力するべきね」 「「ゆうえええぇぇん!!おにゃかしゅいちゃあああぁぁぁ!!!」」」 顔中をゆがませ、涎としーしーまで撒き散らしてぱたたたとぐずる赤ゆっくり達。 赤ゆっくりに余計な動きを控えて体力を温存するという発想は、ない。 とはいえ人間の場合でもそれは同じことだから、ゆっくりの愚かさと責めるにはあたらない。 さて、私のれいむはといえば、ぐずる子供たちにうろたえた視線を、 私に非難がましい視線を交互に向けてもみあげをばたばた振り回しているだけだ。 この時点でわかってしまった。私のれいむに、母性はあっても子育て能力はない。 「ゆゆっ!!ありす、うっかりしていたわ。いなかものね。 おちびちゃんには、さいしょにこれをむーしゃむーしゃさせるのよ!」 一方、ありすはといえば閃くものがあったようで、 そう言ってかられいむの額に生えていた茎をむしり取った。 自分が生まれた時のことを覚えていたようだ。 最近までペットショップにいたありすの事だから、近くで子育てを見る機会も多かったのだろう。 折り取った茎をさらに半分に折り、半分ずつをれいむと分担して口に入れて咀嚼すると、 唾液にまみれて柔らかくなった茎をぺっと吐き出して子供の前に差し出した。 「さ、そのくきさんをむーしゃむーしゃするのよ!」 「ゆわああぁい!!ゆっくちむーちゃむーちゃしゅるよっ!!」 「「むーちゃむーちゃ!!むーちゃむーちゃ!!うっめ!こりぇうっみぇ!!まじぱにぇっ!!」」 ぺちゃぺちゃくちゃくちゃとひどい音を立てながらせわしく口を動かし、もるんもるんと尻を振り、 顔中を唾液と食べカスまみれにしながら一心不乱に食べる赤ゆっくり二匹を目を細めて眺めるれいむとありす。 「ゆっふうううぅぅ~~~~かわいいよ……かわいいよおおおぉぉ~~~~~………てんしさんだよおおぉぉ……」 「ゆふふ、おちびちゃんがゆっくりできてよかったわね…… ありす、このこたちのためならなんだってがんばれるわ。 おねえさんのたすけなんかかりなくても、このあふれるあいがあればこそだてなんてとかいはにのりこえられるはずよ!!」 「ゆっ!!そうだねっ!! れいむがぜったいぜったいぜったいおちびちゃんたちにゆっくりできないおもいなんかさせないよっ!! こそだてじょうずのおかあさんでごめんね~~☆」 そんな二匹のたわ言を、私は冷めきった頭で聞いていた。 さて、食事を摂った赤ゆっくりが次にとる行動は、周知の通り排便である。 茎を食べ尽くして腹を膨らませた赤ゆっくり二匹は、底部のあにゃるを差し上げて宣言した。 「「きゃわいいれいみゅ(ありちゅ)のしゅーぱーうんうんたいみゅだよっ!!」」 「ゆゆっ、おちびちゃん!!まってね!!うんうんさんはこっちでしてねっ!!」 れいむがそう言い、ゆっくりハウスの隅にある小さい箱、すなわち「おといれさん」を指し示す。 「「ゆーん!!ゆーん!!」」 子供のほうはガン無視で、全身を震わせて気張っている。 ありすが小さい箱を咥えて子供の目の前に引きずってこようとしたものの、ついに間に合わず、二匹のうんうんがひり出された。 「ゆわあああぁ!!やめてね!!やめてね!!ちょっとまってね!!まってええぇぇ!!」 「「うんうんちゅっきりー!!(もりゅんっ)」」 母の狼狽を意に介さず排出された便がタオルの上に転がる。 「ゆええぇぇ………きたないよおぉぉ……ふーかふーかさんよごしちゃだめなのにいぃ……」 「ゆっ、れいむ、あかちゃんだもの、しかたないわ。ゆっくりかたづけましょう!!」 「ゆっくりりかいしたよ!!」 一瞬私のほうをちらりと見たものの、れいむはかいがいしく子供たちのうんうんに舌を伸ばす。 何度か「ゆべぇっ」とえずきながら、どうにか指定の「おといれさん」に運ぶことができたようだ。 指定の場所に集めている限りにおいては、ゆっくりのうんうんは私が後で片付けてやることになる。 無能かもしれないが意欲はあるようだ。ありすの指示があれば意外とれいむでも頑張れるかもしれない。 ただしあくまで「頑張れるかどうか」の話であって、 「きちんと育てられるかどうか」については1ミリも楽観していないが。 「きゃわいいれいみゅはゆっくちしゅーやしゅーやしゅるよっ!!ゆぴぃ……ゆぴぃ……」 「ときゃいは……ときゃ……ゆぅ………」 れいむがうんうんの処理をしている一方、食事と排便を済ませた赤ゆっくりはさっさとその場で眠ってしまった。 「あらあら、すーやすーやはべっどさんでしましょうね」 子供たちのためにタオルを折りたたんで作った「べっどさん」の上に、ありすが二匹を優しく舌で運ぶ。 寝床で眠る二匹を見守りながら、れいむとありすはとてもゆっくりした表情を浮かべていた。 「ゆううぅ……かわいい………かわいい………かわいいよおおぉぉ………ゆっくりしすぎだよおおぉぉ」 「ありすのかわいいかわいいおちびちゃん………ずっといっしょにゆっくりしましょうね………」 両親は感極まっていたが、私のほうはとても共感はできなかった。 赤ゆっくりを飼う機会は意外と少なく、ゆえに知る人は少ないが、 生まれた直後の赤ゆっくりというのは一般人が想像するよりもはるかに汚い。 まず、常に涎を垂らしていると思っていい。やたらと勢いよく頻繁に喋るうえに、 口を閉じるということをまず全くしないので、砂糖水の唾液がひっきりなしに飛び散り垂れ流される。 乾いた砂糖水が全身にまぶされてべたべたして、歩いたはしから床の小さいごみや埃がへばりつき放題だ。 そのため、普通は親ゆっくりがぺーろぺーろと全身を舐めて綺麗にするのだが、その「綺麗」は野生での話。 そのぺーろぺーろで結局親の唾液がへばりつくので気休めにしかならない。 そして、下のしまりのゆるさが半端ではない。 自制心というものがほとんどないゆっくりのさらに赤ゆっくり、何かというとその場で大便小便を垂れ流す。 たった今眠っている赤れいむのまむまむから、ぴゅっぴゅっとおねしーしーが漏れだした。 赤ありすのあにゃるもひくひくとひくつき、黄色いカスタードをこんにちわさせながら盛り上がっている。 寝ながら数分間隔でしーしーとうんうんを漏らすのが赤ゆっくりなのだ。 とはいえ、やはり、人間だって同じことである。 問題は育てる親ゆっくりの方なのだ。きちんと管理、育成できるかどうか。見届けさせてもらおう。 ―――――――― 「「ゆえええぇぇん!!ゆぇええええええん!!」」 「ゆうぅぅ………またなの、おちびちゃん……?」 「ゆっくりすーやすーやさせてほしいわ………」 それはこっちの台詞だ。 深夜の二時過ぎ、赤ゆっくり達がぐずっている。 眠っていたれいむとありす、そして私は叩き起こされて目をこすっていた。 生まれた直後の赤ゆっくりは、元気に跳ね回るわけではない。 食べる、出す、眠る、をひたすら繰り返すのだ。身体の欲求を満たすためだけに全精力を傾け、他の世界には関心がない。 親とすーりすーりしたり兄弟と遊んだり、他者に意識を向ける余裕が出てくるまでに、おおよそ三日を待たねばならない。 他者と触れ合うまでは三日だが、赤ゆっくりの時期を脱するまでには速くとも一週間を見ることになる。 そして、赤ゆっくりの厄介なところは、やはり人間と共通している。 生活のサイクルが大人とは全く違い、深夜だろうが早朝だろうが腹が減れば泣きわめいて親を叩き起こすのだ。 むーしゃむーしゃやすーやすーやといったゆっくりできる活動を、 子供のためにひっきりなしに中断させられる親ゆっくりのストレスは想像に難くない。 半分涙目になりながらも、れいむとありすはかいがいしく世話をする。 ハウスの中に仕舞ってあるゆっくりフードを引っ張り出す。 食糧に関してだけは、私は譲歩した。赤ゆっくりの食べるぶんだけ増やしてやったのだ。 とにかく先立つものがなければ、この子育て体験学習そのものが成り立たないし、 成り立たなければれいむ達が納得せずに私が困る。この一点だけは譲歩せざるをえなかった。 ただ量を増やしただけで、いかに配分するかはれいむ達の仕事だ。 さて、まだまだ赤ゆっくりには固いそのゆっくりフードをくちゃくちゃと噛み、 赤れいむと赤ありすの前にそれを吐きだしてやる。 とたんに二匹はぴたりと泣きやみ、蛆虫か尺取り虫のようにもぞもぞと蠕動して餌に突進する。 「むーちゃむーちゃ!!むーちゃむーちゃ!!ぱにぇ!!しゅげ!!」 「ときゃいは!!ときゃいは!!むーちゃ!!むーちゃ!!」 さんざ食べ散らかしてから、ゆげーぷとゲップをかます赤ゆっくり二匹。 その後することといえば、うんうんとしーしーをひり出し、また眠る。これだけだ。 赤ゆっくりが起き出すたびに食事を噛み砕いて与え、あちこちに撒き散らされる大小便を舌ですくい便所に運び、 おねしーしーを垂れ流しながら眠りこける子供たちを寝床に運ぶだけ。 この単調な仕事を休みなく延々と続けさせられ、れいむとありすの表情はどうにか微笑を浮かべながらも早くもげっそりしている。 せめて子供とのすーりすーりでもできれば癒しになるのだろうが、当の子供たちには親への感謝や愛情のそぶりなどかけらもない。 かいがいしい仕事も力及ばず、ゆっくりハウスの中は早くも雑然と汚れてきていた。 辛いのは私も同じだった。赤ゆっくりが泣きわめくたびにこっちも叩き起こされるのだ。 ようやくまた寝かしつけたれいむに向かって、私は言いつけた。 「ちょっと、うるさくて眠れないんだけど」 「ゆっ………ごめんね、おねえさん………でも、おちびちゃんだから」 「おちびちゃんだから、何?」 「ゆ……うまれたばかりのおちびちゃんは、がまんができないから、ないたり、おもらししたりするのよ。 しかたがないことなの……ごめんなさい」 「知ってるんだけど、そんなこと」 「ゆ……?」 ベッドの上に起き上がり、れいむ達の前に顔を突きつけて言う。 「だから、赤ゆっくりがそういうものだって最初から知ってるの、私は。なに教えるみたいに喋ってるの? うるさいし、汚い。だからゆっくりできなくなる。だから子供は作るな、そう言ったわよね? でもあなたたちがちゃんと面倒見るから、私に迷惑かけないから、そういう約束で許したわよね? 私、さっきから何度も叩き起こされてるんだけど?」 「ゆっ………ゆぅ………」 返事を待ってみたものの、ゆーゆー呻いてうつむくだけで特に何も返ってこなかった。 要は、飼い主の怒りはその場をしおらしくしてなんとかやりすごそうという腹らしい。 苛立ちながら私は脅しをかける。 「じゃ、その子たち処分しようか」 「「ゆ゛うううぅぅぅっっ!!?」」 「私がゆっくりできないし、あなたたちもしっかり育てられないみたいだから約束通り処分します。 そしてあなたたちも去勢しましょうか、子供を育てる能力がないなら生む機能はないほうがいいわよね」 「ゆ゛んや゛あああああああっっ!!!やだっ!!やだやだやだやだよおおおぉぉぉ!!」 「ぞだでばずっ!!ぢゃんどどがいばにぞだでばず!!ぢゃんどやりばずううう!!!」 ゆぎゃーゆぎゃー泣きわめきそらぞらしい約束を並べたてる二匹に向かって、 私が手を振り「じゃあもう少し様子を見る」と伝えたところで、また赤ゆっくりが起きだしてむずがりだした。 二匹はことさら大急ぎで子供の元に向かって叫ぶ。 「「ゆええええええぇぇん!!ゆぅえええええええぇぇん!!」」 「ゆううぅぅっ!!しずかにしてね!!しずかにしてね!!おねえさんがゆっくりできなくなるよ!!しずかにしてね!!」 「らんちさんならいまあげるわ!!おねがいだからしずかにしてっ!!ゆっくりしてえええぇ!!」 「おにゃかしゅいちゃあああぁぁ!!おにゃかしゅいちゃああああああぁぁぁぁ!!!」 「ときゃいは!!ときゃいはああぁぁ!!ときゃいはあああぁぁ!!」 赤ゆっくりは親の言うことなどまったく耳に入っていないらしかった。 私は布団をひっかぶってなんとか寝る努力をする。 『私が少しでもゆっくりできなくなったら処分する』 すでに今、この時点でミッションは頓挫しているが、さすがに今結論を出しても効果は薄いだろう。 言い訳のエキスパートであるゆっくりの事、こんなに早く結論を出してしまっては、 「もう少し育てば子供がなついたのに飼い主が」「もう少し言い聞かせればいい子になったのに飼い主が」と、 なにかと理由をつけて私を逆恨みするはずだ。 「やるだけやったけど自分たちにはダメだった」と納得させるまで付き合う必要があった。 つくづく、ゆっくりを飼うというのはタフな行為である。 ―――――――― 人間でもノイローゼになる者が出てくるほど、子育てというのは本当にしんどいものなのだ。 それを、我慢のがの字も知らないようなゆっくりがどうしてやっていけるのか? 結論から言えば、やっていけない。 多産多死のゆっくりは、野生の中ではほとんどが成体になる前に死ぬが、 子育てに疲れた親に「おやをゆっくりさせないげすはしね!」などと言われて潰される、という死因は、 決して珍しいものではなく、むしろポピュラーな方なのだ。 食糧が豊富で統制のとれたゆっくりの群れでは、ゆっくり殺しを禁じて抑制するケースもあるようだが、 研究者によると、通常、親の子殺しは、子ゆっくりの死因の実に七割を超えるらしい。 その結果、ごくごく一部の「手のかからない子」が生き延びるわけだが、 年中発情期で一年を通して何度も何度も子作りをするゆっくりだから、そんな生存率でもしっかり増えていくのだ。 外に出ても外敵だらけで死因がごろごろころがっているゆっくりではあるが、 最初にして最大の壁が、自分を生んだ親なのである。 面倒なもの、無能なものは片端から殺してしまい、生き残るのは親が教えずとも自分でやっていけるような有能な個体。 つまるところゆっくりの子育てとは、「育てる」というよりも、「ふるい落とす」という表現が実情に即している。 それが、人間界では会話のできるペットとして愛好されるゆっくりの真実である。 さて、人間に飼われ世話された温室飼いの我がれいむとありす。 恐らく生む前は、親を慕う素直なわが子と、 一緒にすーりすーりしたりおうたでも歌っているところしか想像していなかっただろう。 子育ての真実と直面した今、どれだけもつか見ものである。 彼女たちの、あるいは私の堪忍袋の緒が切れるまで、一週間もてばたいしたものだろうか。 それ以上?ありえない。 〔続〕 挿絵:
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/547.html
「そこのじじぃ!れいむはしんぐるまざーなんだよ!かわいそうなんだよ!じじぃはれいむのためにあまあまもってきてね!」 「「あみゃあみゃもっちぇきょい!じじぃ!」」 「そうか、お前はしんぐるまざーでかわいそうなのか!かわいそうなれいむには、やさしくしないといけないな!」 「ゆっふっふ!なかなかみどころのあるじじぃだね!れいむのどれいにしてあげるよ!」 「やっちぇねおきゃあさん!」 「どりぇいにはまりちゃのうんうんをたべちゃちぇてあげるのじぇ!ちゅっきりー!」 とある公園の隅で、とあるお兄さんはしんぐるまざーのれいむとれいみゅ、まりちゃの家族に絡まれた。 普通の人なら無視するか、潰すしてゴミ箱に放り込むかであろう。 しかし、お兄さんはこの饅頭共を持ち帰ることにした。なぜなら私もまたでいぶ一家を求めていたのだから。 「さぁ、私の家についたぞ」 「ゆっふっふ!なかなかよいいえだね!」 「「きょきょをれいみゅの(まりちゃの)ゆっくちぷれ」 「なにいっでるのぼー!ごごはでいぶのゆっぐりぶれいずでしょー!」 「「「どぼじでぞんなごどいうのー!!!」」」 お家宣言を邪魔された三匹が声のした方を向くとそこには薄汚いでいぶとれいみゅ、ありちゅがいた。 こちらは我が家に先程侵入したしんぐるまざーの一家である。 紛らわしいので、まりちゃがいる方の家族をでいぶ1、れいみゅ1、まりちゃ ありちゅがいる方の家族をでいぶ2、れいみゅ2、ありちゅとしよう。 ありちゅ「くそどれい!きょんないなきゃもののゆっきゅりをちゅれてきゅるにゃんて、とんだいなきゃものね!」 れいみゅ2「おーうんうんきゅさしゃいゆっきゅりぢゃね!ちきゃよりゃにゃいでね!」 でいぶ1「ゆがー!でいぶはいながものじゃないー!」 まりちゃ「まりちゃうんうんきゅさきゅないんだじぇ!ゆ...まりちゃうんうんしたきゅなってきちゃよ!ちゅっきりー!」 ゆっくり達は互いを罵り合っている。しかし、れいみゅ1のセリフで事態は進展することとなる。 れいみゅ1「れいみゅおなきゃちゅいちゃよ!あみゃあみゃもってきちぇね!」 「「「「「ゆ...」」」」」 でいぶ1「そうだよ!くそどれいはいますぐあまあまをもってきてね!」 ありちゅ「いなきゃもにゅのどりぇいは、ありちゅのちゃめにときゃいはならんちをよういしゅりゅのよ!」 まりちゃ「まりちゃのすーぴゃあうんうんたいみゅはじまりゅよ!」 「ああ、何たることだ!」 「「「「「「ゆ!?」」」」」」 「お兄さんは!より!かわいそうなゆっくりに優しくしてあげなければならないのにっ!」 でいぶ1,2「「そうだよ!でいぶはかわいそうなんだよ!どれいはやさしくするのがとうっぜん!なんだよ!」」 「いったい!どちらのでいぶの方がかわいそうなのか!私には分からない!ああどうすればいいのだ!よりかわいそうなでいぶにあまあまをあげなければならないのに!」 でいぶ1,2「「ゆ!?」」 赤ゆたちは相変わらずあまあまをよこせとわずわらしいが、親でいぶ達はわざとらしく叫ぶお兄さんの言っていることが分かったようである。 要するにより可哀想なのはどっちなのか、可哀想なほうにあまあまをやるということである。 でいぶ1,2「「そんなのでいぶにぎまっでるでじょー!でいぶはしんぐるまざーなんだよ!」」 でいぶ1,2「「ゆ?」」 「ああ!何という不運なのだろう!どちらも同じしんぐるまざーだなんて!これではどちらが可哀想かなんて分からないじゃないか!ああ!」 うん、ちょっとノリノリになりすぎた、落ち着くんだ私。 でいぶ1「でいぶは、あいするおっとにさきだたれたんだよ!そんなうすぎたないでいぶなんかよりでいぶのほうがかわいそうなんだよ!」 話を聞くにこのでいぶ1はとある野良まりさと番になり、2匹の子ゆっくりを産んだらしい。 ところが、でいぶ1が子育てに毎日必死だというのに、まりさはろくに餌をとってこれないうえ、日衰弱死してしまったらしい それから仕方がなく、おちびちゃんをつれて狩りをしたが、愚かな人間はだれもでいぶにご飯を献上してくれなくて、ひもじい思いをしていたらしい。 「なるほどねーせっかく手に入れたどれいまりさは役立たずで使えなかったわけか。」 でいぶ1「そういうことだよ!わかったらどれいは、かわいそうなでいぶにあまあまをちょうだいね!」 でいぶ2「ゆっふっふ!そんなのぜんぜんかわいそうじゃないよ!でいぶはれいぱーにおそわれたんだよ!」 曰くこのでいぶ2は元飼いゆっくりであり、ある日無能な飼い主はあろうことか偉大な自分を捨てたという。 でいぶ2は飼い主に復習を誓うが、ある日レイパーに襲われ命からがらに逃げ延びるが、その頭に二匹の命が宿る。 仏のでいぶ2はれいぱーの子でもその溢れる母性により育てることを決心し、その教えを理解しないおろかなぱちゅりーを制裁し、食してやった。 なのにあろうことか、それ以降他のゆっくり達はでいぶ2を見ると一目散に逃げ出し、だれもお布施をしなかったという。 「うーむ、なるほどねぇ。うーん...まぁお前(でいぶ2)の方が可哀相だな!」 でいぶ1「どぼじでぞんなごどいうのー!!!」 でいぶ2「ゆっふっふ!とうっぜん!のことだよ!」 でいぶ1「なんでー!でいぶはみぼうっじん!なんだよ!がわいぞうじゃないの!」 「いやー、そりゃあ奴隷に死なれて面倒事増えたのはわかるけどさー!こっち(でいぶ2)はれいぱーだぞ、れいぱー」 でいぶ2「そうだよ!でいぶはのぞまぬにんっしん!をしたんだよ!」 でいぶ1「ゆ...」 流石のでいぶ1でもれいぱーに襲われることを恐怖は分かるようだ。こちらは望みのまりさとすっきりしたのに対して向こうはれいぷである。どうにも分が悪い。 でいぶ2「さぁ、はやくどれいはれいぷされてかわいそうなでいぶにあまあまをもってきてね!」 「そうだな、今持ってくるぞ。いやーお前も(でいぶ1)残念だなー、お前よりも可哀想なでいぶがいてさぁ。お前がもっと可哀想なら私もお前達にあまあまをあげるのになぁ。」 でいぶ1「ゆ?」 「例えばだなー愛する子供に先立たれるとか...いやぁそんなことがあったら向こう(でいぶ2)よりも可哀相だな!でもお前の子ども元気だもんなー!」 れいみゅ1「ゆんやーどーちてれいみゅにあみゃあみゃきゅれないの!れいむぷきゅーしゅりゅよ!ぷきゅぅぅ!」 まりちゃ「まりちゃ、みょっとうんうんしたいんだじぇ!しょのちぇみにもっちょむーちゃむーちゃちたいんだじぇ!」 「残念だなーこいつらがケガとかで死んじゃったらとてもかわいそうなんだけどなー。まぁそんなことあるわけないか!さぁあまあまをとりにいくぞ!」 お兄さんはそう言いながら、台所の方に消えて行きドアを閉める。このドアの窓はマジックミラーになっており、ゆっくり達からはここで覗いているのは見えない。 でいぶ2「おちびちゃん!いまどれいのにんげんがあまあまをとってくるからね!」 れいみゅ2「しゃしゅぎゃおきゃあしゃんだにぇ!」 ありちゅ「ときゃいはね!」 勝利の祝福をあげるものと れいみゅ1「ぷきゅぅ!あみゃあみゃちょれないむにょうなおやにゃんちぇれいみゅのおやじゃにゃいよ!」 まりちゃ「はやきゅまりちゃにみょっとうんうんしゃせりゅんだじぇ!」 敗者をやじる声。 でいぶ1「ゆっくりしていないがきはしね!」 まりちゃ「ゆぎゃ!」 れいみゅ1「ゆ?」 れいむ1がまりちゃを圧し潰した。回りには見事な餡子の花が咲いている。れいみゅ1は目の前のことに思考がついていけずフリーズしている。 れいみゅ1「ゆ、ゆぴゃあ!おきゃあしゃん!どぼじでいみょうとを!」チョロチョロ 漸くれいみゅ1の思考が現状に追いついたらしく、おそろしーしーをしている。妹がうんうんまりちゃなら、姉はちーちーれいみゅか。 でいぶ1「うるさいね!おかあさんはもともと、つかえないまりさににていてうんうんくさいがきなんてだいっきらい!だったんだよ!せいぜいおかあさんのためにしんでね!」 せめてもっと小さな声で言えよ。これじゃあ、お兄さんがわざと見てなくても分かるぞ。しかし、むこうのでいぶ2のかぞくはこちらの事などつゆ知らず、お歌を歌ってやがる。 「さぁ、かわいそうなゆっくりちゃんたちー!美味しい饅頭さんだぞー!」 でいぶ2一家「「「ゆわーああ!」」」 でいぶ1「お!おちびちゃーーーーーーーん!!!」 でいぶ2一家「「「ゆ?」」」 「こ...これは!まりちゃ!どうしたんだ!」 まりちゃ「ゆっ...!ゆっ...!」 でいぶ1「ぐぞにんげんん!!おちびちゃんをだずげろおお!」 「これは...無理だもう手遅れだ...」 まりちゃ「もっちょ...うんうん...しちゃきゃった...」 れいみゅ1「れいみゅのいみょうとがー!」 でいぶ1「まりさによくにたれいむのかけがえのないおちびちゃんがー!りっぱにそだてるってまりさにちかったのにー!れいむはせかいいちかわいそうなゆっくりなんだー!」 でいぶ1「だからあまあまちょうだいね!」 呆然としているでいぶ2の家族にお兄さんは言う。 「なぁ...あいつらとっても可哀相だと思わないか?」 でいぶ2一家「「「ゆ?」」」 「だってそうだろ?あいつらとっても大事なまりちゃが死んじゃったんだぞ?今まで不幸な目にあってきたお前らなら分かるだろ?」 でいぶ1「そうだよ!でいぶはいとしのとちびちゃんがしんじゃってしゅうっしん!なんだよ!かわいそうなんだよ!だからまんじゅうさんをでいぶのものなんだよ!」 「ああ、そうだ。これは可哀想なお前たち(でいぶ1)のものだ。」 でいぶ2一家「「「ゆーーーー!?」」」 「いや、子どもが死んだのに饅頭だけだったら不十分だな。もっと立派なあまあまがまりちゃの弔いには必要だな!」 でいぶ1「ゆっふっふ!とうぜんだよ!じじぃははやくもっとりっぱなあまあまをもってきてね!たくさんでいいよ!」 れいみゅ1「ゆ...あみゃあみゃ、れいみゅのみょの?ゆー、あんにゃうんうんきゅしゃいまりちゃ、れいみゅのいもうちょじゃないとおもっちぇちゃんだよ!」 れいみゅ2「にゃんでー!」 ありちゅ「ごにょ、いにゃきゃみょのー!」 でいぶ2「ぐぞどれいい!ごれはどぼいうごどなの!?」 「いやーだってさ?おまえらの子ども二匹とも元気じゃん?残念だなーもしどっちか死んでいたら弔いとしてすごいあまあまをあげるのになー でも、母性溢れるでいぶお母さんに限ってそんなわけ無いしなー。お前らも恨むなら仏のように立派なお母さんを恨むんだな。じゃああまあまとってくるね!」 そう言ってお兄さんは台所からゆっくり達の動向を観察する。 れいみゅ1「やっちゃね!おきゃあしゃん!」 でいぶ1「ゆっふっふ!なんたってでいぶはせかいいちかわいそうなゆっくりだからね!あまあまたべたらこのいえをれいむたちのおうちにしようね!おちびちゃん!」 れいみゅ2「ゆんやー!どぼじでおきゃあしゃんはきゃわいしょうにならにゃいの!ちゅきゃえにゃいおやだにぇ!」 ありちゅ「いにゃきゃみょののみゃみゃにゃんて、ありちゅちらにゃいわ!」 グチャ でいぶ2「ゆっふっふ!れいぱーのこはゆっくりできないよ!でいぶがせいっさい!してあげるよ!」 れいみゅ2「お...おねいちゃん...?」 「喜べーシュークリームだぞー!」 でいぶ1一家「「ゆわーい!」」 でいぶ2「お...お...おちびちゃん!!!いっだいどぼじだの!」 でいぶ1一家「「ゆぇ?」」 「あ、あ、ありちゅ!ひどい!どうしたんだ!」 でいぶ2「ゆわーん!ゆめにでてきたほとけさまにしゅくふくされた、でいぶのしこうのおちびちゃんがー! れいぱーのこでもわけへだてなくあいっじょう!もってそだてたのにー!でいぶはちきゅういちかわいそうなゆっくりなんだー!」 でいぶ2「こんなきけんなところにつれてきたどれいには、しゃざいとばいしょうをせいっきゅう!するよ!」 ありちゅ「ありちゅ...もっちょ...ちゅっきりしちゃきゃった...」 れいみゅ2「おねいちゃーーん!」 「いやー困ったなぁ」 でいぶ1,2「ゆ?」 「可哀想なでいぶのために饅頭とシュークリームを用意したんだけどなぁ」 でいぶ1,2「「ゆ、そうだよ、かわいそうなでいぶにあまあまちょうだいね!...ゆ?」」 「だろ?お前らどっちも1匹だけ子ども死んじゃったじゃん。これじゃあお兄さん、どっちが可哀想かわからないよ...。」 でいぶ1,2「「ゆええ!!??」」 「もし、もしもだ。おちびちゃん2匹とも死んじゃったら、もっとかわいそうになるんだけどなあー」 れいみゅ1,2「「ゆ!?」」 れいみゅ達もようやく事態がつかめてきたようである。しかしでいぶ達の反応が鈍い。自分に似ているれいみゅを殺すことに戸惑いは感じているらしい。 ここはその背中を押してあげることにしよう。 「そうだ!この前ゆんやーデパートでケーキを買ってきたんだ!」 「「「「け、けーき!?」」」」 れいみゅ2「ちょうらいね!けーき!れいみゅにちょうらいね!」 れいみゅ1「けーきしゃんありゅの?ゆわー」チョロチョロ ケーキ、それは野良ゆっくりにとって至高の味 一口食べればあんよは天にも浮かび 三口食べればすっきりよりも強い快感が身を包むと言う 「でもなぁ...あれは飛び切り可哀想なゆっくりのために買ってきたんだよ。それこそ子どもが全部死んじゃったような。 でもお前らは子ども1匹ずつ生きているからなー。ケーキやる程可哀想じゃないよなー。」 れいみゅ1,2「「けーき!けーき!...ゆ、にゃんでれいみゅのおりぼんしゃんにゅれてりょの?」」 れいみゅたちが振り返ると、ヨダレを垂らした親の姿がいた。 「そうだ!万が一って事もあるからな!もしかするとお兄さんがケーキを取りに行って間にれいみゅちゃんたちが死んでるかもしれないしな! そうなったら、子どもがみんな死んじゃったでいぶには可哀相だからケーキをあげよう!まぁそんな事絶対ありえないけどね! れいみゅちゃんたち!お母さんから離れちゃだめだぞ!」 バタン れいみゅ1「お...おきゃあしゃん...?」 れいみゅ2「やめちぇね...れいみゅをきょろしゃにゃいでね?」 でいぶ1,2「「おちびちゃん...?」」 れいみゅ1,2「「ゆぎっ!」」 でいぶ1「でいぶなんて...おかあさんじゃない?」 れいみゅ1「ゅ」チョロチョロ でいぶ2「でいぶが...つかえないおや...?」 れいみゅ「ゆぇ!ぎょめんなしゃい!ぎょめんなしゃい!」 でいぶ1「ゆっくり」 でいぶ2「してないがきは」 でいぶ1,2「「ゆっぐりじねええええ!!!!!!」」 れいみゅ1,2「「ゆぎゃああああああああ!!!!!!!!!!」」 さて、そろそろいいだろう。あと、そろそろでいぶ1とかでいぶ2とかつけなくてもいいよね?別にどっちかなんて大した問題じゃないよね? 「いやー実に美味そうだなーゆんやーデパート特性の特上クリームケーキだ!思わず涎が垂れるぞ!お前たちもそう思わないか?あれ...?」 「ゆんやー!お、お、おちびちゃんが!でいぶによぐにだおちびちゃんがあ!」 「どぼじでごんなごどに...どぼじでごんなごとに...」 「お...おまえら...これは...なんて事だ!なんで!なんで!どうしてこの世はこんなにも悲しいのだ!なぜだあああああああ!」 「「うちゅういちかわいそうなでいぶに、けーきをちょうだいね!」 「でもお前ら、どっちも子ども全滅してるぞ?」 「「どぼじであっちのあかちゃんもじんでるのー!?」」 「いやー困ったね、これじゃあ振り出しだね。どっちもケーキをあげるぐらい可哀想なのは確かなんだけど、一体どっちがより可哀想なんだ?」 「そろーり」 「そろーり」 「ゆっふっふ!」 「いまのうちに!」 「あっちのでいぶのうしろにいって!」 「きしゅうするよ!」 「そしたらけーきは!」 「でいぶのものだよ!」 「「どぼじでおんなじごどがんがえでるのーー!!??」」 「あー喧嘩か。それ、いいね。」 「「ゆっ?」」 「ほらさ、例えば喧嘩って負けた方が可哀想じゃん。だからお兄さん、先に体当されてでいぶのほうが可哀相だからそっちにケーキあげるよ。」 「「ゆぅぅーーー!!??」」 「さぁ、早速決闘開始だ!レディーーー!ゴーーーーー!!」 二匹はお互いをにらみ合いどちらも動かない。相手の出方を伺っているのか...これは長期戦になりそうだぞ...! しかし...でいぶ達の口から出たのは...お兄さんには信じがたいものであった! 「どうしたの!はやくかかってきてね!」 「そっちこそだよ!はやくでいぶにたいあたりをしてね!」 「なにいっでるのー!だいあだりはいだいでじょー!そんざくるじいおぼいを、おばえがじなぐでもいいんだよ!」 「おばえごぞ、あがぢゃんがじんぢゃったあとでじょー!くるじみもがなじみのぜんぶ、でいぶがひきうげるよ!」 「そ...そんなバカな!あの...あのでいぶが...他者の悲しみをいたわり、自らが犠牲を引き受けるだとっ!あのでいぶがっ...!」 「でもこれじゃあ何時まで経っても、どっちが可哀想かわからないよね」 「「ゆぅぅ...」」 「フッフッフ、安心するがいい!そんなでいぶ達のためにお兄さんからプレゼントだ!」 そう言ってお兄さんはゆっくりの前に剣山を用意した。そう、ゆっくり躾兼虐待用の特大剣山ボードである。 「そ...それはなんなの?」 「と...とげとげさん?」 「そうだよ!でいぶ達はこれの上でこれから跳ね回るんだ」 「「ぞんなごとできるばげないでじょー!」」 「い...いや、別に強制しているわけじゃないんだ!ただ、これの上で跳ねたら痛そうだなーって思って」 「あだりばえでじょー!」 「じじぃはあだまぐざっでるの?」 「だからさぁ、そんな痛い思いをするゆっくりにこそお兄さんケーキあげようと思うんだ。」 「「...」」 「特性チョコケーキ追加だあ!」 「「いだーい!!!」」 でいぶ達は苦悶の顔で剣山を跳ね回るが、この剣山は躾用でもあるのでそうは大怪我は負わない。 しかしゆっくりは痛みに弱いナマモノである。まるで、地獄に落ちたかの表情を見せてくれる。 「ご...ごれで...」 「でいぶはいぢばんがわいぞうな...」 「「なんでおばえもごごにいるのー!?」」 「あ...あ...あにゃるが!でいぶのすいーとなあにゃるが!なんて!かわいそうなの!」 「ゆぎゃあああ!でいぶのほうせきのようなまむまむがああ!なんてあわれなの!」 「「いだいよー!!!!」 「痛けりゃ出ればいいじゃん。何故そうしない?」 「ぞ...ぞんなわけには...」 「そうだよ...でいぶはがわいぞうになるんだ...ゆ?」 「ゆ...?なんで?でいぶじあわぜになりだいのに...じあわせになるためにがわいぞうに...ゆゆゆっ!?」 「な...なんで、でいぶはごんなごどを...?」 「特性ホワイトチョコケーキ!!!!」 「「でいぶのひかりかがやくおかおさんがー!!!」」 「ゆぇ...!おぃ!ぼうごれいじょうやるど、おばえもゆっぐりでぎなぐなるぞ!」 「いやだよ!おばえぼいいかげんに!じあわぜになでよ!」 「何ということだ!あの..でいぶが!でいぶがああああ!他者のゆっくりを!幸せを!心の底から祈っているなんて! これは夢じゃないのか!これは夢じゃないのかああああ!涙!お兄さんの目から溢れるこれは涙なのかあああああ!」 「ごのよの!」 「いだみも!」 「ぐるじみも!」 「がなじみも!」 「ぜんぶ!」 「がわいぞうなでいぶが!」 「「いっじんにひぎうけるんだー!!!」」 「うめっ、うめっ!これめっちゃうめっ!」 「「どぼじで、でいぶのげーきたべちゃうのーーーーー!!!!!?????」」 「いやーお兄さん思い出したんだよねー」 「「なにを!!」」 「世の中にはもっと可哀想なゆっくりもいるってことさ」 そう言ってお兄さんはゴソゴソと何かを取り出した。そして剣山で固まっているでいぶ達の前に見せつけてやった。 「ュ...ャェ...」 「「なんなのー!ぞれええ!!!」」 ひどい有様だった。"それ"はゆっくりであった。 しかし、体中は傷だらけで、目のあるはずのところはただ餡子があるだけで、底部は焼き焦がされ、髪の毛は刈り取られていた。 その他にも一体どれだけの事をすればこうなるのか、でいぶ達には検討もつかないような有様であった。 そんな中でもその頭の上には確かに"それ"がゆっくりであることを示す飾りがあった。 "それ"はゆっくりれいむであった。 「「ゆ...ゆ...ゆぎゃあああああああああああああああああああ!!!」」 二匹は漸く理解した。 目の前にいる人間がどの様な人間なのかを。 もう二匹の態度にこの家に来た時の態度は微塵も残っていない。 「こーゆ、ゆっくりにこそあまあまをあげないとな!ほれオレンジジュースだぞー!」 「ヤベデッ!ボウアバアバボジグナイ!ヤベデッ!ゴロジデ!」 「「ゆげぇぇぇ!!」」 でいぶ達...いやでいぶ達だったものは完全に動けないでいた。 本能は今すぐに動け、逃げろと言っていた。しかし動けない。剣山があんよに刺さっているからではない。 しかしお兄さんはそんな二匹にも実に優しい笑顔でこういうのでした。 「さて!お前たちの願い事をかなえてやらないとな!」 「ゆ...?」 「けーき...くれるの?」 一瞬だけその顔にでいぶの顔が戻りかける。しかし 「いや、もっと最近言ったのがあるじゃん」 「「ゆぇ?」」 「ん、さっき言ったばかりじゃん。ほら、この世の...」 「「...」」 「痛みも...」 「「ゆ!?」」 「苦しみも...」 「「ゆ...ゆ...ゆわぁぁぁ!」」 「悲しみも...」 「やめで...!やめでぐだざい!!!!」 「全部...」 「ゆぇっ、ゆぇっ...ゆわないでぐだざい!!!!」 「可哀想なでいぶが...」 「ゆぎゃあ!ぎぎだぐない!ぎぎだぐない!」 「一身に引き受ける...でしょ?」 「「ゆぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」」 「あらあら気絶したみたいだね。可哀想なでいぶ達。フッフお兄さんがもっと可哀想にしてあげるからね。でも先に謝っておくよ。 お兄さんじゃとてもじゃないけど、この世の全ての痛みと悲しみと苦しみを与えることはできないよ...でもできるだけお兄さん頑張るからね!」 「さあ、可哀想なでいぶ達!あまあまの時間だぞ!」 「ぼ...ぼうやべでぐだざい...もうでいぶだぢ...あばあば...ぼじぐない...」 「ど...どうしてそんなこというんだ!こんな可哀想なでいぶを見たら、お兄さんは優しくしなきゃいけないでしょ!あまあまをあげないといけないでしょ!」 「でいぶだぢ...がわいぞうじゃないよ...どでもじあわぜだよ...だがらぼう...あばあばはいだないよ...」 「なんだと...お前たちは...そんな姿になっても...こんな生活を味わっても...幸せだというのか!?」 「ぞうだよ...」 「おにいざん...ありがど...」 「「だがら...もう...あばあばはいりまぜん...」 「そうか...」 ((やっだよ...ごれで...じねるよ...)) 「良かった!お前たち...今の生活が幸せだったんだな!」 「「ゆ...?」」 「そうだよなー!おかしいと思ったんだ!まさかゆっくりが自ら苦行に励もうとするなんて」 「「ゆ...?ゆ...?」」 「お前たちにとっての幸せってこういう事だったんだな!そうだよ!生き物はみんな幸せになろうとするもんな!お前たちももっとゆっくりしたいもんな!」 「「!?!?!?!?!?」」 「いいぞ、お兄さんが」 (やべで!やべで!やべでええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!) 「これからもずうっと!」 (ゆ...ゆ...ゆ...ゆんやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!) 「この生活を続けさせてやろう!」 「「...」」 「まぁ今はとにかくオレンジジュースを浴びて休んでろ。心配すんなって!回復したらいつものやつやってやるからさ!」 返事はない。これからも二匹のでいぶ達は...いやゆっくりれいむ達は幸せに生きることであろう。 ガラガラ 「ゆーようやくゆっくりしてないとびらさんがあいたね!さすがでいぶだね!」 「おきゃあさんしゅぎょい!」 「わきゃるよーおきゃあしゃんはしゅぎょいんだねー!」 「ゆ...にんげん?おい!ぐぞにんげんはいますぐでていってね!でいぶはしんぐるまざーなんだよ!かわいそうなんだよ!」 「ああわかったよかわいそうなでいぶ、お兄さん、今に君を幸せにしてあげるからね、約束だよ」
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3633.html
『おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(続・後編)』 29KB いじめ 虐待 制裁 自業自得 育児 子ゆ 現代 虐待人間 ラスト一回、一時までには上げる予定 過去作 anko1548(前)/1744-5(中)/2170-1(後) 『よわいものいじめはゆっくりできないよ!』 anko2263-4『ゆっくりいじめはゆっくりできるね!』 anko2424-5『かけがえのないいのちなんだよ!』 anko2889『いっしょにゆっくりしていってね!』 anko3521『ゆっくりつかいすてていってね!』 anko3542(前)/3549.3563-4(中)/3578(後) 『おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!』 『おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!』(続・後編) ガン!ガン! 「ごっ………ばぁっ!!」 「っっ………ぢいいぃぃ~~~~!!」 れいむとありすの身体が、次々と金槌の打撃を受ける。 これまでとは比べ物にならない硬質のダメージが二匹を蹂躙する。 饅頭というものはもともとそう固くはない菓子だが、 激しく中身を流動させて運動する以上、ゆっくりは実際の饅頭よりもさらに柔らかい。 金槌を叩きこんでも、人間が想像するほどにはダメージはない。 痛みに弱い性質を加味すれば、その苦痛の度合いはプラスマイナスゼロとは言ってもいいかもしれない。 お兄さんも、戯れに頭や頬に何発か叩きこんでいるが、 潰さないように手加減を加えていることもあり、大袈裟に泣き喚くものの、ぶにょぶにょと形を歪ませるだけだ。 ゆっくり相手に効率よく金槌を使うには、「地面と挟みこむ」のが有効である。 人間と同じく、ゆっくりの皮は末端部分のほうがより敏感だ。 あんよの端を金槌と床の間にはさみ込むように打ちこめば、より大きな苦痛を与えられる。 上から皮を押しつぶし、微量の餡子を挟んで底面の皮にも衝撃を与え、より広い面積の皮に痛みを与える。 これも、ゆ叩きと同じく表皮を狙ったテクニックだった。 ガン! 「ぎょっごっ!!」 打たれるたびに、れいむ達はあまりの苦痛にびぃんと身をのけぞらせる。 底部の打たれた部分がびろびろに伸び、微量の餡子をにじませている。 「おぢびぢゃん!!おぢびぢゃああぁぁん!!おでがい!!おでがいだがらっ、だべるのやべでええぇぇ!!」 苦痛の合間を縫い、もはや恥も外聞もなく、れいむ達は柵の向こうのおちびちゃん達に叫び続ける。 「「ちょーだい!!ちょーだい!!もっちょもっちょちょーだい!!あみゃあみゃちょうだいいいぃぃ!!」」 金槌を打ちこむたびに数個だけ投げ込まれるチョコレートは、一口やそこらですぐにおちびちゃんの腹に消えてしまう。 飲み込んだはしからお兄さんに向かってぴょんぴょん飛び跳ねながら叫ぶおちびちゃんの視線は、 母親たちの姿をちらりとも捉えようとすらしなかった。 「おっと、もう次か。いやあ、とってもゆっくりした食べっぷりだね!」 そう言いながらチョコレートの盆を傾けようとするお兄さんに、ありすが必死に懇願する。 「まっで!!まっでまっでまっでえぇぇ!!おぢびぢゃんどおばなじをざぜでええぇぇ!!」 「なんだい、お仕事中に。 お話なら仕事が終わったあとでいくらでもできるだろ?」 「いば!!いばじなぎゃいげないのっ!!じんじゃう!!ありずだぢ、じんじゃうっ!!おでがいだがらああぁぁ!!」 「おちびちゃんはあまあまでゆっくりするのに忙しいっていうのに、何を話そうというんだい」 「わがっでないのっ!!おぢびぢゃん!!あばあばだべだら、ままだぢがぎゃぐっだいざれるっでっ!! わがっでないの!!だがら、だぐざんだべぢゃうのおおぉぉ!!」 「へえ。わかってたらやめるはずだって事?」 こくこく頷くありすに、「ふうん」と肩をすくめてお兄さんは答えた。 「じゃあ、特別にお話をさせてあげるよ。僕も気になるしね。 おちびちゃん達、ちょっといいかい?お母さんのお話を聞いてやってくれないか?」 「「あみゃあみゃ!!あみゃあみゃ!!ちょうだいちょうだいちょうだいちょうだい!!」」 「うわぁ……ああ、いや、実にゆっくりしてるねぇ。 ほら、お母さんが何か言ってるよ?」 「おぢびぢゃんっ!!おでがい!!ままのおはなじをぎぐのよおおぉぉ!!」 「「あみゃあみゃー!!ゆっくちーっ!!たべりゅー!!」」 「ほら、聞いてあげようよ」 おちびちゃん達を手で支え、お兄さんは母親の目の前まで運んでくれた。 もう子ゆっくりとしても大きなおちびちゃん達は、お兄さんの片手に一匹ずつ、危ういバランスでどうにかずしりと収まっている。 「ゆっ?」「ゆぅー?」 「おぢびぢゃっ!!ぎいでっ!!ぼうだべないでぇぇ!!」 「ゆー!!おきゃーしゃん、ゆっくちしちぇないにょ?」 「ときゃいはじゃにゃいー!!」 「ええ!!ええっ!!ぞうよ!!ぞうなの!!おぢびぢゃんがだべるど、ままだぢがいじべられぢゃうのっ!!」 「ゆぅ~?」「にゃんで?」 「やっぱり全然わかってなかったのか。なんっにも話聞いてないんだなあ。 いいかい、おちびちゃん達。もう一回説明するから僕の話を聞くんだよ」 お兄さんがおちびちゃんの顔を自分に向けさせる。 「ゆぅぅ~?」「ときゃいは?」 「いいかい、僕はお母さんたちと約束しているんだ。君達が………」 「ゆ、にゃんだかちーちーしたきゅなっちぇきちゃよっ!!ちーちーしゅるよっ!!」 「ゆっ!ときゃいは!!ちーちー!!」 掌の上でしーしーを漏らすおちびちゃん達にお兄さんは顔をしかめたが、 しーしーが終わるのを待って辛抱強く繰り返した。 「いいかい?君達があまあまを一つ食べるたびに、僕がお母さんをゆっくりできない目に会わせるんだ。 そのチョコレートさんを一個食べれば、お母さんがこの金槌で一回殴られる。とっ………ても痛い。ゆっくりできないんだよ」 「「ゆうぅ~~?」」 「確認しようか。ほら、チョコレートだ」 「ゆ!!」「あみゃあみゃ!!」 一個ずつ差し出されたチョコレートに、即座に涎まみれの口でむしゃぶりつくおちびちゃん達。 食べたのを確認し、「もっちょ!!」と叫んでくるおちびちゃん達を手で制すると、お兄さんは金槌を見せつける。 「一個、食べたね?だから、お母さんたちを一回ずつ叩くよ。 いいかい。君達が食べたから、僕が叩くんだ」 ガン!ガン! 「がっ!!」 「ぎいぃぃ!!」 伸びきった部分にさらに打撃を加えられ、激痛に七転八倒するれいむとありす。 「見たかい?」 「ゆーっ?おきゃーしゃん?」 「ゆっくちできにゃいの?」 「そうだよ。君達が食べた、僕が叩く。食べる、叩く。いいかい? もし食べなければ、僕は叩かない。チョコレート食べない、お母さん叩かれない。わかるかな?」 ジェスチャーを交えながら、お兄さんが何度も根気よく説明する。 癇癪を起して「あみゃあみゃたべちゃい!!」と叫ぶのをチョコレートを与えてなだめ、その都度親も叩き、 数回実演されながら十回も説明されたところで、ようやくおちびちゃん達が理解した。 「ゆー?きょれ、たべちゃら、おきゃーしゃんいちゃいいちゃいにゃの?」 「ときゃいは?ゆっくちできにゃい?」 「ぞうっ!!ぞうなの!!わがっでぐれだんだねっ!!おぢびぢゃんあじがどおおぉぉ!!」 希望の光が見え、狂ったように何度も頷きながられいむ達は叫んだ。 「おがあざんゆっぐじでぎだいのっ!!」 「おぢびぢゃんだぢはままどおがあざんがずぎよねっ!!?」 「ゆー!だいちゅきー!!」 「みゃみゃ!!ときゃいは!!」 「ありがどおおおぉ!!おぢびぢゃん!!あじがど!!あじがどおおおおぉぉぉ!!」 「おぢびぢゃんはやっぱりぜがいいぢゆっぐじじでるわああああぁぁ!!どがいばよおおぉぉ!!」 「ゆー、ゆっくち!!」 「ときゃいは!!ときゃいは!!」 褒められたことで嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねるおちびちゃん達。 「んー、ルールも理解できたことだし、もういいかな?」 「ゆ゛っ………おぢびぢゃんっ!!だがら、もうだべだいでねっ!!」 「ねっ!!あばあばざんだべるのやべでねっ!!がばんじでねっ!!」 「ゆぇ?」 「ゆぅ?」 お兄さんがチョコレートを載せた掌を、おちびちゃん達の前に運ぼうとする。おちびちゃん達の目が輝く。 「「ゆっ!!あみゃあみゃ!!」」 その反応を見た両親は目を見開き、いよいよ焦燥にかられて声を限りに叫んだ。 「やべでっ!!おにいざんやべでっ!!もっどおばなじざぜでぇぇ!!」 「ゆっ?」「あみゃあみゃしゃん?」 「おがあざん、じんじゃうのっ!!ごれいじょういだいいだいざれだらじんじゃううぅ!!」 「だがら、おぢびぢゃんっ!!がばんずるのよっ!!あまあまはだべええええ!!」 「………あみゃあみゃしゃん、たべちゃ、だみぇにゃの?」 「ぞう!!ぞうよっ!!ままがゆっぐじでぎないど、おぢびぢゃんもいやでじょう?!」 「あーあ、おちびちゃんあまあま我慢するのかー。 それじゃお兄さん、もうお母さんたち叩けないなー」 チョコレートと金槌をそれぞれ持った両手を背中側に引き、お兄さんが残念そうに言う。 「「ゆゆぅぅ…………??」」 「ゆ゛っ!!ぞうだよっ!!おぢびぢゃんはもうだべないよっ!!」 「ありずだぢはどっでもながよじがぞぐなのよっ!!もう、ぞんなごどざぜないわっ!!」 「あみゃ、あみゃ………?」 「ちゃべられにゃい………?」 「いやいや、君達が食べたいって言えばすぐに食べられるよ~?」 再びチョコレートを差し出そうとするお兄さんに、涎をたらした顔を輝かせて向き直る。 「!!やべでねっ!!おぢびぢゃん!!がばんじでね!!がばんずるよね!!?」 「ままだぢがいだいいだいよっ!!ね!!おぢびぢゃん!!いっじょにゆっぐじじばじょう!!」 お兄さんの手が引かれ、恐慌をきたして怒鳴り散らす母親たちにまた向き直る。 何度もあちこち向いているうちに、おちびちゃん達は顔を歪めてぷるぷると震えだした。 「?……おち、びちゃ………?」 「「やぢゃやぢゃやぢゃやぢゃやぢゃやぢゃやぢゃやぢゃぁあああああああ!!!!」」 「「!?」」 おちびちゃん達はその場に転がり、びたんびたんと身体で床を叩きながら泣きわめきだだをこね始めた。 「やぢゃやぢゃやぢゃやぢゃたべちゃいたべちゃいあみゃあみゃたべちゃいたべちゃいいいぃぃ!!」 「もっちょたべりゅうう!!あみゃあみゃたべりゅうううぅぅぅ!!やぢゃやぢゃやぢゃやぢゃああ!!」 「おっ!!おぢびぢゃっ!!?」 「おぢびぢゃんがたべたら、ままだぢがいじべられるのよおぉ!!?」 「たべちゃいたべちゃい!!あみゃあみゃたべちゃいいいぃぃ!!」 「たべられにゃいのいやあああぁぁぁ!!ゆやあああぁだぁぁ!!!」 「食べたいなら食べていいんだよ?ほぉら」 「「ゆ!!あみゃあみゃ!!」」 「だべえええええぇぇ!!だべぢゃだべえええええ!!」 「いいのっ!!?ままだぢがゆっぐじでぎだぐだっでもいいのっ!!?もういっじょにゆっぐじでぎなぐなるのよっ!!?」 れいむ達の追求に、涎を垂らしていたおちびちゃん達は途端に顔を歪め、すぐにやだやだモードに入った。 「「やぢゃやぢゃやぢゃやぢゃやぢゃやぢゃやぢゃあぁぁぁ!!」」 「く、くっきーざんっ!!くっきーさんでがまんしましょう!!?ね!!?」 「やぢゃやぢゃやぢゃやぢゃやぢゃああぁぁ!!」 「おがあざんがゆっぐじでぎだぐなるんだよっ!!?おぢびぢゃんはぞれでもいいのっ!!? おがあざんをゆっぐじでぎなぐじだいのおおおっ!!?」 「やぢゃやぢゃやぢゃやぢゃやぢゃやぢゃやぢゃぁぁぁぁ!!!」 何を言っても会話にならなかった。 ルールを理解した今、おちびちゃん達が選んだのは葛藤の拒絶だった。 チョコレートを食べればゆっくりできる、その代わりにお母さんが叩かれる。 お母さんが叩かれなければゆっくりできる、その代わりあまあまは食べられない。 どちらを取っても、何かしらゆっくりできない事になる。どちらも欲しいが、どちらもはありえない。 そのジレンマ、何かを捨てなければならない葛藤にぶち当たった今、おちびちゃん達はいつも選んでいる選択肢を取った。 『とりあえずゆっくりする、ゆっくりできない事はお母さんに任せる』 お母さんが憎いわけではない。お母さんがゆっくりできなくなることを望んでいるわけでもない。 ただ、いつものように、お母さんがすべて解決してくれると思っているだけなのだ。 「「………お、ち、び…………ちゃ……………」」 れいむ達が言葉を失い、呆然と佇んでいる隙に、お兄さんが暴れるおちびちゃんの側にチョコレートを置いた。 「「ゆっ!!あみゃあみゃ!!」」 「さあ、食べたかったらどうぞ」 「「ゆっくちむーちゃむーちゃしゅるよっ!!!」」 〈 ゆっくちしちぇいっちぇにぇ ゆふふ おちびちゃん とってもゆっくりしているよ こんなにゆっくりしたおちびちゃんたち きっととかいはなれでぃになれるわ 〉 「ゆぴぃ………ゆぴぃ…………」 「ゆぅ………ゆぅ……ときゃいは…………」 ぱんぱんになった腹を抱えながら寝息を立てるおちびちゃん達。 お兄さんはチョコレートで真っ黒になったその体を拭いてやり、食事直後の糞便も処理してやる。 「さて、今回もお仕事お疲れ様」 「ゆ゛…………ぐ………げ………」 「………っが……………が………………」 れいむとありすの体はもはや饅頭の体をなしていない。 あんよ周辺の皮は隙間なく叩きつぶされてスカートのようにびろびろに伸びて広がり、 ところどころ皮膚が破れてわずかに餡子が漏れていた。 殴られるうちに歯も大部分が砕けて飛び散り、身体の輪郭がいびつになり、 苦痛にだらしなく放りだされた舌にも金槌の跡がくっきりついている。 「死んじゃう死んじゃうと言いながら、死ななかったじゃないか。 僕のテクニックも大したもんだろ?けっこう難しいんだよ、金槌での虐待は」 れいむ達はびくびくと痙攣するばかりで答える余裕もない。 「なあに、この程度で使い捨てるつもりはないよ。治療はしてあげるから安心してくれ」 お兄さんはオレンジジュースをたっぷり染みこませた脱脂綿をれいむ達の下半身に巻きつけ、 包帯でぐるぐる巻いて固定した。 「これで治るはずさ。 また晩御飯の時には頼むよ。僕と、可愛いおちびちゃんのゆっくりのためにね!」 れいむ達の側にゆっくりフードをばら撒くと、お兄さんはにこにこと部屋を出ていった。 「……………お゛…………ぢ………………………ぢゃ……」 ―――――――― 「おちびちゃんきいてるのおおおぉぉ!!?」 「ゆええええぇぇん!!おきゃーしゃんきょわいいいぃぃ!!」 「きょわいよおおぉぉ!!ゆびぇえええん!!(プシャァァ)」 「しーしーしてるばあいじゃないでしょおおぉぉ!!?ままのおはなしをききなさいいぃ!!」 怒声と泣き声が響いている。 柵にぐいぐいと身体を押しつけながら、れいむとありすは向こう側のおちびちゃんに怒鳴っていた。 「いいっ!?がまんするんだよ!!もうあまあまたべちゃだめだよっ!!」 「ままたちがいじめられるのよ!?わかってるでしょ!? つぎはゆっくりふーどにするのよ!!いいわね!!おへんじしなさいぃ!!」 「ゆびぇええええん!!ゆっぐじでぎにゃいいいぃぃ!!」 「ゆぶあああああ!!ゆぎゃあああーーーーっ!!」 「なきたいのはこっちなんだよおおぉぉ!!はなしをきけばかあああぁぁ!!」 怒りに顔を歪め、がしがしと柵に体当たりをする両親に怯えきったおちびちゃんは、 部屋の隅に縮こまってひたすら泣き続けていた。 「おいおい、ずいぶん騒がしいじゃないか」 「「ゆ゛っ………」」 「「ゆゆっ!!おにいしゃん!!」」 お兄さんがドアを開けて姿を現すと、両親は怯えにびくりと身をすくませ、 反対におちびちゃん達は笑顔になってお兄さんの方へ這い寄っていった。 「おにーしゃぁん!!おきゃーしゃんがいじめりゅううぅ!!きょわいよおぉ!!」 「ゆぇええええん!!ゆぇえええええん!!きょわかっちゃぁぁ!!おにーしゃああん!!」 「おやおや、悪いお母さんたちだな。こんなにゆっくりしたおちびちゃん達をいじめるなんて」 「「………………………!!!」」 両親は目を見開き、ぎりぎりぎりと歯噛みした。 あれだけ、毎日あれだけ苦労しておちびちゃんのためだけを思って守り、世話してきた自分たちよりも、 おちびちゃん達はあまあまをくれるお兄さんのほうをあっさり頼っていた。 自分たちを可愛がっていた生みの親のれいむ達に、あんなにひどいことをするお兄さんのほうを。 「今日はおちびちゃん達にお土産を持ってきたんだよ」 お兄さんは背中に隠していた物をおちびちゃん達の前に置いた。 「ゆゆっ?あみゃあみゃ………ゆっ?おばしゃん?」 「ゆゆー!ゆっくち!!ときゃいは!!」 それは、丁度成体サイズのゆっくりれいむを模した人形だった。 本物に近いすべすべした材質で作られたクッション状の玩具で、 やや稚拙なつくりながらお飾りもついている。 「本物そっくりだけど、これは人形だよ。君達ならわかるかな?」 「「…………」」 「「ゆーっ!ゆっくち!!」」 元飼いで、ペットショップの商品として馴染みがあるれいむ達にはすぐにわかったが、 おちびちゃん達はあっさり本物だと信じ込んだようで、這い寄ってすーりすーりを始めた。 「きょわかっちゃよおぉ!!しゅーりしゅーりちてえぇ!!」 「ユックリシテイッテネ!!」 「ゆーっ!!ゆっくちしちぇいっちぇにぇ!!」 「しゅーり、しゅーり!!」 「オチビチャン、スーリ、スーリ」 「しゅーり、しゅーり!!ゆっくちー!!」 「ゆっくちー!!」 「おやおや、すっかりなついてしまったな」 「「…………!!」」 身体を押されると反応して声を出す仕組みになっているその人形は、 すっかりおちびちゃんの興を買ったらしく、おちびちゃんは嬉しそうにすーりすーりを繰り返す。 その様子をれいむとありすは歯軋りして凝視していた。 「今自分がどんな顔してるかわかってるかい?すごい目だぞ」 お兄さんがれいむ達の前に屈みこみ、怯える彼女たちの包帯を取り除く。 現れた皮膚はすっかり傷口がふさがり、だらだらと延びていた皮もある程度元に戻っていたが、 それでもひどくでこぼこして不格好な形になってしまっていた。 「おやおや、こんなにでこぼこざらざらして。もう碌にすーりすーりはできないねえ。 でもおちびちゃん達にはあれがあるから大丈夫さ、そうだろ?」 「「ゆぐぅぅ……………っ!!」」 「さあ、お腹もすいたろ。晩御飯にしようか」 「「!!」」 涙目になって震えるれいむ達の前に、お兄さんはいつものように道具と食事を並べる。 「ゆっくりフードにゆ叩きのセット。 クッキーに画鋲、チョコレートに金槌……と」 「「ゆゆっ!!あみゃあみゃあぁ!!」」 「「おぢびぢゃんっ……!!」」 涎を垂れ流し、チョコレートの載った盆を目指して脇目もふらずに突進するおちびちゃん達。 あまあまは我慢しろ、フードにしろとれいむ達がさっきまでしつこく言い続けていたのに。 「おっと待った、今回も新しいメニューがあるんだ」 お兄さんがおちびちゃん達を制し、新しい盆を新たに並べた。 お盆の上には、蜂蜜の瓶。 そして、鋏が載っている。 「さあ、試してみてね」 瓶を開き、蜂蜜を指ですくっておちびちゃん達の前に突き出す。 「「あみゃみゃ!!」」 舌を伸ばしてべろべろと指を舐めるおちびちゃん達は、すぐに身体を硬直させ、 ぶるぶる震えたあとしーしーを撒き散らしながらびたんびたんと暴れ回った。 「「ちちちちちちちちちちちちちちちちちちちぃぃぃいあわっしぇええええええぇぇぇ~~~~~~~~!!!」」 「さ、こっちもお試しだ」 「「ゆひぃっ!!」」 「大丈夫だよ。今回の虐待は痛くしないから。君達も疲れてるだろうしね」 「「ゆゆっ………?」」 鋏を握り、れいむ達の前に迫るお兄さん。 「痛くしない」という言葉に期待をこめてお兄さんの動向を見守る。 すると、お兄さんがれいむ達の頭に手を伸ばし―― 「ゆ゛っ!?ゆ゛あああああおりぼんざんんん!!?」 「がえじでっ!!がえじでねっ!!ありずのどがいばながぢゅーしゃざんがえじでねっ!!」 「今回の虐待は、コレさ!」 れいむのリボンとありすのカチューシャを片手でまとめて掴み、 お兄さんはそのほんの端っこを、チョキンと鋏で切り落としてしまった。 二人の絶叫が響き渡る。 「「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」」 ゆっくりにとって、お飾りは命と同等に大事なものと言って過言ではない。 命よりお飾りが大事というゆっくりはさすがにいないが、お飾りより命が大事と断言できるゆっくりもほとんどいない。 お飾りを失うことは、お飾りがなければ迫害され、殺されてもおかしくないゆっくりの社会において死と同義である。 お飾りで個体を識別するゆっくりにとってお飾りの出来は最優先事項と言ってもいいアイデンティティであり、 それが欠損したり、ましてや失われるという衝撃は、人間が手足を失うショックにも勝る。 そんなお飾りが、たった今、疵物にされたのだ。 この時点で、ゆっくりとしては負け組が確定したと言ってよかった。 ゆっくりの社会にあるかぎり、障害ゆっくりとして見下され、憐れまれ、苛められ、 慈悲のおこぼれや余り物に預かりながらこそこそと生き長らえるゆん生が確定したのだ。 「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛でいぶのおりぼんざんがあああああ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「どばいばじゃないっ!!どがいばじゃない!!どがいばじゃなああああああゆがあああ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「ずいぶんな大騒ぎだなあ。ほんのお試しで、チョコっとやっただけじゃないか。 本番はこれからさ。ねえ、おちびちゃん?」 「あみゃあみゃ!!あみゃあみゃ!!」 「ちょうだい!!もっちょちょうだいー!!」 お兄さんの足元にまとわりつき、おちびちゃん達が蜂蜜の瓶を見つめながら舌を伸ばして蠢いている。 「いいかい、君達が蜂蜜を舐めるごとに、お兄さんはほんのちょっぴりずつお母さん達のお飾りを切り刻んでいく。 なるべく調整して、蜂蜜がなくなると同時にお飾りも全部なくなるペースでいこう。いいね?」 改めて床に蜂蜜と鋏の盆を置き、四つのセットが並べられた。 「「やべでええええ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」」 れいむ達は絶叫し、懇願した。 「やべでっ!!おぢびぢゃん!!ぞれだげはやべでっ!!おでがいだがらああぁぁ!!」 「ぐっぎーざんでもいいわっ!!ちょこれーどざんでもいいわ!!いぐらでもたべでいいがらああああ!! ぞれだげはっ!!ぞれだげはやべでええええええ゛え゛え゛え゛おでがいい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛」 「さあ、おちびちゃん達、選んでくれ。 どのごはんがいいかな?どの虐待がいいかな?!」 「「あみゃあみゃ!!あみゃあみゃ!!ゆっくちーっ!!」」 おちびちゃん達は、一心不乱に蜂蜜の盆を目指して這いずっていた。 やめて。 お願い。 許して。 それだけは。 それだけは。 涙を流し、身をよじり、柵に体当たりし、絶叫しながら、 れいむとありすの脳裏には、強い違和感が生まれ始めていた。 なんだ、これは? とってもゆっくりしたおちびちゃん。 大好きなおちびちゃん。 真実のゆっくりを思い出させてくれた、世界一ゆっくりしている、れいむとありすの自慢のおちびちゃん。 二人のおちびちゃんは、見ているだけでゆっくりできる、何よりもゆっくりしている、 可愛い可愛い、何よりも大切な、愛しい愛しいおちびちゃんだったはずだ。 そのためにお姉さんを裏切り、群れに迷惑をかけ、次々に味方を失い群れを追われても、 それでもおちびちゃんさえいれば後悔はない、そういうものだったはずだ。 今、目の前にある、これはなんだ? 母親たちが虐待され、ゆっくりできない目に合わされ、今またお飾りを失おうとしている。 それだけはやめてくれとの涙ながらの懇願に全く耳を貸さず、興味さえ抱かず、 食事と虐待の因果関係を理解しながら考慮することなく、ただ目の前のあまあましか目に入らない、 蛆虫か蛞蝓のように、ぬらぬらと体液の跡を床に残しながら蠕動する、 涎と涙とうんうんとしーしーまみれの、でっぷりと下膨れに膨れた物体。 これは、一体、なんなんだ? 〈 ゆっ おちびちゃん ままとすーりすーりしましょうね しゅーり しゅーり ときゃいは ときゃいは ゆっくちー ゆゆ~ん すーりすーり おちびちゃんかわいいよぉ てんしさんだよぉぉ 〉 「いやあ、いい食べっぷりだ。それ、じょーきじょーき」 「「ゆ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」」 瓶を引き倒され、フローリングの床にぶちまけられた蜂蜜をおちびちゃん達が舐め取るに従い、 そのペースに合わせてお兄さんがお飾りを少しずつ少しずつ切り刻んでいく。 柵に遮られ、手出しもできずに、れいむとありすはひたすら泣き喚き絶叫するしかなかった。 「「ぺーりょぺーりょ!!ぺーりょぺーりょ!!ぺーりょぺーりょぺーりょぺーりょぉぉ!!」」 全身を蜂蜜に浸し、おちびちゃんは舌をべろべろべろべろとせわしなく動かして蜂蜜の海の中でのたうち回る。 「やべでっ!!おぢびぢゃんやべでっ!!ぞれいじょうだべだいでえええぇぇぇ!!ごっぢをむげええええ!!」 「ゆがああああああ!!やべろおおおお!!ままがゆっくりできないでしょうがああああああ!!!」 「こらこら、やめなよ。おちびちゃん相手に大人げないだろ?」 柵越しに手を伸ばし、れいむとありすの頭をぽんぽんと掌で叩いてお兄さんが言う。 「だばれえええぐぞにんげんんんん!!!」 「おぢびをどめろおおおおおお!!!」 「おお、怖い怖い。そんなにカッカしなさんな、子供のすることなんだからしょうがないだろ?」 「「じょうがだぐだいいいいいい!!!」」 「しょうがないさ。ゆっくりしたおちびちゃんなんだから。 だからまりさのおちびちゃんも潰したんだろ?」 「「ゆ゛っ……………!?」」 意外な話を持ち出され、れいむ達は当惑する。 「昨日いろいろ愚痴ってたけどさ、全部しょうがない話じゃないか。 バッジ試験に合格できなかったのも、群れのおちびちゃんを潰したのも、小さい子供だからしょうがないんだよな。 今、お母さんの有難みもわからずにあまあまを貪ってるのも、子供だからしょうがないんだよ。そうだろ? 大器晩成だから、長い目で見てあげなきゃいけないんだろ?」 「…………ぞれどごれどはぢがうでじょおおおおお!!?」 「どう違うんだよ。 これが普通のおちびちゃんだったらどうだったかな? お母さんがゆっくりできなくなるからあまあまを我慢する? それともお母さんを見捨てて、罪悪感に苛まれながらあまあまを食べる? あのおちびちゃんはすごいよ。なんっにも考えてない。ただ目の前にあまあまがあるから食べる、それだけ。 お母さんがゆっくりできなくなるとか、そういう面倒なことは考えられないんだ。 そういう子供に育てたのは君達じゃないのか? あれが『真実のゆっくり』とやらなんだろ、ええ?」 「……………………!!」 「子まりさを潰して平気なおちびちゃんが、なんで母親を心配すると思ったの? それとも、母親だけは心配すると思ったの?だから他に迷惑をかけてもどうでもいいと思ったの? でも、母親すら心配しないねえ?なんでだろうねえ?君達、そういう事教えなかったの?他ゆんのこと考えなさいってさ。 ねえ、君達。一体全体、なにがしたくてあんなおちびちゃんに育てたんだい?」 「「……………………………………………………………………ゆ…………………………………………………………」」 「おっと、手が止まってたな。ほーら、じょーきじょーき☆」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 〈 ゆゆっ またそそうしちゃったね おちびちゃんたち ゆぴぃ………ゆぴぃ………… しゅーや………しゅーや……… ゆふふ このねがおさんをみれば どんなおせわもゆっくりできるわ おちびちゃんのためなら れいむたちはどんなことでもがんばれるよ 〉 何がしたかったんだろう。 自分たちは、おちびちゃんに何を求めていたんだろう。 〈 おかあさんのぴこぴこぶらんこさんで おちびちゃんたち ゆっくりしてね ゆゆーん ゆーら ゆーら ぶーらぶーらしゃん ときゃいは ゆっくちー おねえさんとはわかれちゃったけど おちびちゃんたちはとってもゆっくりしてるわ のらはたいへんだけど おちびちゃんだけは ぜったいぜったいゆっくりさせるよ 〉 「ぺーりょぺーりょ!!ぺーりょぺーりょぺーりょ!!ゆっくちゆっくちいぃぃ!!べりょりょりょぉぉ!!」 「あびゃあびゃーっ!!ゆきゃきゃきゃきゃ!!ぺーりょぺーりょときゃいはーっ!!あみゃあみゃぁぁ!!」 〈 ねえ ありす…… なあに れいむ やっぱり おといれさんおぼえさせたほうがいいのかな むれのみんなが ゆっくりできないって ゆゆ……… おちびちゃん このままじゃおともだちもできないよ いいえ あのかんどうをわすれたの? おちびちゃんたちは しんじつのゆっくりをしってるのよ ゆ そうだったね…… おちびちゃんも ありすたちも むれからきらわれてつらいけど……だけどいつか みんな…… ゆ そうだね みんなきっとわかってくれるよ だってこんなにかわいいおちびちゃんだものね 〉 おちびちゃん。 れいむ達の、初めての、とってもゆっくりしたおちびちゃん。 おちびちゃんのためなら、鬼にも悪魔にもなろうと思った。 飼い主のお姉さんに嫌われても、ゆっくりできないゆっくりと呼ばれてもよかった。 自分たちがどんなに無様に振る舞っても、おちびちゃん達にだけは思うまま、ゆっくりしたゆん生を送ってほしかった。 だって、そうじゃないか。 人間さんに飼われて、友達も作れず、子供も作れず、あまあまだけを慰めに、窮屈で寂しい一生を終える? それとも野良になって、人間や動物に怯えながら、世間から隠れるようにおどおどびくびくと生きる? どっちもゆっくりできない。 一体どんな生き方なら、ゆっくりはゆっくりできるんだろう? おちびちゃんだけはゆっくりさせたかった。 何も我慢せず、思うままゆっくりする生き方が、いろんな不都合を呼び込むことはわかっていた。 そういう不都合は、自分たちが全部かぶろう。 お母さんたちが四人分がんばっておちびちゃん達を守るから、 おちびちゃんたちで四人分ゆっくりすればいいんだ。 お母さんたちが頑張れば、おちびちゃんたちが本当にゆっくりしたゆん生を送れるんだ。 お母さんたちは頑張れる。おちびちゃんならできる。 こんなにゆっくりしたおちびちゃんなんだもの。 ―――――――― 「「むーちゃ、むーちゃ!!あみゃあみゃちあわしぇー!!」」 「ゆ゛ああああああ!!!でぎゃああああああ!!!」 おちびちゃん達が、生クリームたっぷりの高級ロールケーキに舌鼓を打つ。 一方、れいむの頭部にアイロンが押しつけられていた。 れいむとありすの頭部は、いびつな形と色になっていた。 アイロンの先端で熱し、髪を溶かしてしまい、そのままさらに熱する。 溶けた髪は表皮にしみ込んで混ざり、れいむは黒の、ありすは黄色の醜い跡を作った。 毛をすべて溶かしこまれ、光沢を帯びてでこぼこした頭部はまだらに汚い色彩になった。 れいむとありすの額には、ばらばらに切り刻まれたお飾りの一部が縫い込められていた。 個体識別の余地を残すためのお兄さんの配慮であったが、 おちびちゃん達はそんな両親の姿を見て「ゆきゃきゃきゃきゃっ!!」と無邪気に笑った。 「ごぎょおおおおおぼおおおおおごごごごごごっごごご」 「ゆづづづづづづづううううーーーっぎゅぶうううう゛う゛う゛う゛!!!」 餡子の混じった泡を拭くほどの苦痛に身悶えながら、れいむとありすの意識はお兄さんには向いていない。 その憎悪も、怨嗟も、別のものに向けられていた。 「ゆ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!じねえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「おばえらだげゆっぐじずるなああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「「おきゃーしゃん、しゅーり♪しゅーり♪ちあわしぇー♪」」 「ユックリシテイッテネ!!スーリ、スーリ」 子供たちと自分を遮る柵に、ぼろぼろのれいむとありすが憎悪のこもった表情で体当たりを繰り返す。 がんがんときしむ柵に、最初こそおちびちゃん達は怯えて泣いていたが、 すぐにお兄さんに与えられたれいむ人形を代わりの母親に見立て、そちらにすーりすーりを繰り返すようになった。 そうしてゆっくりしている間、柵の向こう側の両親の事はおちびちゃん意識から完全に消えていた。 「じねえ゛え゛え゛え゛え゛え゛じねえ゛え゛え゛え゛え゛え゛ぐぞぢびがあ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「ごろじでやる!!ごろじでやる!!よぐも!!よぐもよぐもよぐぼおおお゛お゛お゛お゛!!!」 届こうと届くまいと、れいむとありすの憎悪はもはや留まることを知らず、 人形にすーりすーりをする我が子に殺意と呪詛を吐き散らす。 『仕事』以外の二人の時間は、もはやすべてそれに充てられていた。 部屋中に響くその大声は、おちびちゃんたちの耳には一切届いていない。 お兄さんの提示する、れいむ達への虐待とおちびちゃん達への食事は日毎にエスカレートしていった。 「あ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛どごお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 「あんまり動かないでくれよ。移植できないだろ?」 大口を開けさせられて固定され、 金槌で砕かれた歯の代わりに、特大のネジを一本ずつねじ込まれた。 痛覚が集中する歯茎の奥をぐりぐりとえぐられ、れいむの眼球がぐるぐると回転する。 まばらに生えていた歯の上からも、金槌でネジを打ちこんでから貫通された。 歯の代わりにネジを生やした二匹は、口を噛み合わせるたびに激痛に苛まれることになった。 じっくり時間をかけて片目をえぐり出された。 「ゆびいいぃぃぃ!!ひいいぃぃぃぃい!!!」 眼窩に指を突っ込んで目玉を固定され、コルク抜きを瞳に突き刺され、ぎりぎりとねじ入れられる。 眼球を貫通して中の餡子まで蹂躙されたところで、少量の餡子ごと引き抜かれた。 眼球にこびりつく細い神経のようなものに餡子がからみついている。 「おべべざんっ!!ゆっぐじなおっでねっ!!べーろべー………ぎゃあっ!!」 ぺーろぺーろしようと舌を伸ばしたところで、眼球ごと舌を踏み潰された。 「ゆ゛お゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっごお゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ」 空洞になった眼窩にお灸を据えられた。 剥き出しの餡子が高熱で蹂躙され、れいむとありすは限界までのーびのーびしながらぐるんぐるんと身悶えた。 面白がったお兄さんに、身体のあちこちを小さくえぐり取られ、そこにまたお灸を据えられた。 「ぽきいいいいいいいいぱぴいいいいいいいいいいいここっここここここここあ゛ーーーーーーーっあ゛ーーーーーーーーっ」 濃硫酸を少しずつ垂らされた。 一滴落ちるごとに皮が煙を上げながらたやすく溶け、体表にぼつぼつと穴が開いた。 餡子が剥き出しになった穴に酢やラー油や醤油やワサビやカラシなど様々な液体物体を垂らされ、 それぞれの反応の違いでれいむ達はお兄さんを楽しませた。 この世のものとも思えぬ絶叫を部屋中に響かせる両親の声は、やはりおちびちゃんの耳には入らない。 シュークリーム、チョコレートパフェ、ホールケーキ、連日出される高級あまあまに、 おちびちゃんはしーしーとうんうんを漏らしながら舌鼓を打ちのたうち回り、わが世の春を謳歌しつづけた。 〔続〕
https://w.atwiki.jp/nazo0/pages/22.html
今ちびちゃとでは皆の知っての通り過疎化が進んでいます。 なので過疎を止めるためにもいろいろ盛り上げていきたいと思うので何かいい案があればコメント欄にご記入ください。 まずは皆でできることがいいと思うわー。例えば皆でしりとり大会みたいな? -- 名無しさん (2012-07-01 14 23 14) 名前 コメント 対応するregion、endregionプラグインが不足しています。対になるようプラグインを配置してください。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3632.html
『おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!(後編)』 29KB いじめ 虐待 制裁 自業自得 育児 子ゆ 現代 虐待人間 うんしー このシチュエーションでやりたいだけで考えた設定なのに前置きが長くなりすぎたのぜ。後編も当然のように三回分あります 過去作 anko1548(前)/1744-5(中)/2170-1(後) 『よわいものいじめはゆっくりできないよ!』 anko2263-4『ゆっくりいじめはゆっくりできるね!』 anko2424-5『かけがえのないいのちなんだよ!』 anko2889『いっしょにゆっくりしていってね!』 anko3521『ゆっくりつかいすてていってね!』 anko3542(前)/3549.3563-3564(中) 『おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!』 『おちびちゃんはとってもかわいいんだよ!』(後編) 「さあ、ここが君たちのゆっくりプレイスだよ。ゆっくりしていってね!」 「「ゆっくりしていってね!!おにいさん、ありがとおおぉ!!」」 「ごびゃんしゃん!!ごひゃんじゃああん!!」 「おにゃがじゅいだおにゃがじゅいだおにゃがじゅいだああぁ!!」 お兄さんの家に招き入れられたれいむとありす。 泣きながらびたんびたんと暴れる我が子たちに焦り、れいむは青年に催促した。 「ゆゆっ!!おにいさん、おちびちゃんにごはんさんをあげてねっ!!」 「ああ、今持ってくるから待っておいで」 「「ゆっくりありがとうっ!!」」 お兄さんはすぐに、奥からゆっくりフードを持ってきてくれた。 「さあ、みんなでお食べ。いっぱいあるからね」 「ありがとう、おにいさん!!」 「ゆっくりいただくわ!!」 「むーぢゃむーぢゃ!!むーぢゃむーぢゃ!!」「じばばぜーっ!!まじぱねぇ!!」 飼いゆっくりの舌が肥え過ぎないように甘味を抑えたゆっくりフードは、 かつてお姉さんの家で食べさせてもらっていた懐かしい味だった。 久しぶりにお腹いっぱいの食事を食べ散らかす子供たちに、れいむとありすは安堵する。 干し柿のようになっていた身体が再び球形に膨れるまで食べると、子供たちはゲップをして言った。 「ゆぷーっ!!きゃわいいれいみゅのしゅーぱーうんうんたいみゅだよっ!!」 「ときゃいは!!ときゃいは!!ちゅっきりーっ!!」 食べたその場でうんうんをしてしまう。汚れた身体で床を汚さないよう、新聞紙の上に座らされていたのが幸いした。 その場ですぐにうんうんを出せるほどたらふく食べさせられたのはいつ以来のことだろうか。 お兄さんは怒らずにこにこしている。 このお兄さんは、本当にこのおちびちゃん達の魅力を理解しているのだ。こんなにゆっくりしてくれているではないか。 自分たちの子育ては間違っていなかったのだ、そう確信してれいむとありすは視線を交わしてゆふふっと笑い合った。 「「ゆぴぃ……ゆぴぃ……」」 うんうんをしたあと、すぐに寝息を立てはじめるおちびちゃん達。 そこでお兄さんが言った。 「さて、そんな汚れた身体でうろつかれちゃ困るからね。まずは洗ってあげるよ」 「ゆっくりりかいしたよっ!!」 「とかいはなえすこーとをおねがいするわっ!!」 風呂場に連れてゆかれ、丁寧に野良生活の汚れを落とされる。 ぬるめのお湯で濡らし、シャンプーと石鹸でこすって汚れを落とし、タオルで拭く。 すべては手早く行われ、水に弱い饅頭のゆっくりを扱い慣れているのがわかった。 眠っているおちびちゃん達も、起こすことなく素早く洗われた。 ぺーろぺーろでも落としきれないうんうんと泥まみれだったおちびちゃん達が、 再びもちもちすべすべのほっぺを取り戻すのを見るに至り、れいむ達はうるうると感動の涙を浮かべた。 「「ゆゆうううぅぅぅ~~~~ん………おちびちゃんたち、とぉ~~~~ってもゆっくりしてるよおおぉぉぉ~~~……!!」」 「君達は本当におちびちゃんが好きなんだね」 クッションのベッドで寝かしつけながら、お兄さんはれいむ達に言う。 れいむとありすは頷き、おちびちゃんがどれだけゆっくりしているか、 そして意地悪な人間さんとゆっくり達がどれだけおちびちゃんに嫉妬して意地悪してきたか、 これまでの経緯をお兄さんに訥々と語り始めた。 「それでね、みんなおちびちゃんをおうちにいれてくれないんだよ……」 「おちびちゃんがきたないのはあたりまえなのに、みんないじめるのよ……」 「おねえさんにはほんとうのゆっくりがわからなかったんだよ……」 「ゆっくりがわからないのにゆっくりをかおうとするなんて、とかいはじゃなかったわね……」 初めての理解者を得たれいむとありすの愚痴は、夜中まで延々と続いたのだった。 にこやかにうんうんと頷いて聞いてくれるお兄さんの表情を見るにつけ、れいむ達は、 ここがおちびちゃんを心ゆくまでゆっくりさせてくれる、終生のゆっくりプレイスだとの確信を新たにした。 (ゆ、ながかったね………ありす) (そうね、れいむ………いなかものなわからずやばかりだったけど、わかるひとにはわかるんだわ) (ここならおちびちゃんがゆっくりさせてもらえるよ。 おちびちゃんも、おかあさんたちやおにいさんをたっぷりゆっくりさせてくれるよ) (ええ。ほんとうに、しんじつはいつかむくわれるものなんだわ…………) おちびちゃん達と一緒に寝床の中で身を寄せ合いながら、れいむ達は穏やかな表情を浮かべて囁き合ったのだった。 ―――――――― 「ゆぴぃ……ゆぴぃ……ゆ………ゆぅぅぅ~~ん」 「ゆぅぅん………とかいは………ゆっ」 眠りから覚め、れいむとありすは天井を視界にとらえて目をぱちくりさせる。 路地裏のかびくさい狭い隙間ではない、屋根も壁もある家の中で、二匹はふかふかのクッションに横たわっている。 その幸せに二匹は表情をほころばせ、ゆっゆっと身を揺らしていたが、すぐに表情が固まった。 「ゆ゛っ!!おちびちゃんっ!!?」 「どこっ!?」 傍らで一緒に寝ていたはずの子供たちがいない。 色をなして辺りを探すと、すぐにあのお兄さんの顔が見えた。 お兄さんはすぐ側に座り、にこにこと笑って自分たちを見つめている。 「ゆっ!!おにいさん!!おちびちゃんはどこぉ!?」 「ゆっくりおしえてねっ!!かくすのはいなかものよっ!!」 お兄さんは親指を立てて右側を指し示す。 見ると、やはりすぐそこにおちびちゃんはいた。 「おにゃかしゅいちゃあああぁぁ!!ゆぇええええん!!ゆびぇえええええん!!」 「ごびゃん!!ごびゃん!!ちょうだい!!ちょうだい!!ちょうだいちょうだいちょうだいいいぃ!!」 お腹をすかし、朝食を求めて泣き叫んでいる。 痛ましいその姿に、れいむとありすは駆け寄ろうとしたが、しかしもう一つ、昨夜まではなかったものが部屋にあった。 四畳半ほどの部屋を半分に区切るように、ペット用の柵が設置されていたのだ。 柵を構成するプラスチック製の格子は斜め十字に組み合わされ、 その隙間は大きく、向こう側もよく見えた。 しかし、親ゆっくり二人はもとより、よく育った子れいむと子ありすもぎりぎり通れない程度の障害になっている。 ぼすんぼすんと柵に突撃したが、柵はびくともしない。 にこにこ笑っているお兄さんに向きなおり、ありすが叫んだ。 「おにいさんっ!!これはなんなのっ!?」 「見てわかるだろう。柵だよ」 「これじゃおちびちゃんとすーりすーりできないでしょおおおぉぉ!!? さくさんをすぐにどかしてねっ!!あとおちびちゃんにごはんさんをあげてねっ!!」 「柵はどかさないが、ご飯はあげよう」 お兄さんが、背後から二つのものを取り出した。 一つは箱入りのゆっくりフード。もう一つは、先端に行くにつれて広がっている、長くて平たい棒だった。 「このご飯を、今すぐにおちびちゃんにあげよう。ただし、条件がある」 「なんなのそれええぇぇ!!?いいからはやくごはんさんをあげてねえぇぇ!!」 「おちびちゃんがないてるのがみえないのおおぉ!!?」 バシィン!! 「「ゆぎゃあっ!!?」」 激しい痛みが、二匹を襲った。 「熱い」と形容してもいいようなひりひりした苦痛。何が起こったのかわからぬままに身悶える。 お兄さんが手に持ち、振っているそれを見て、ようやく自分たちに起きたことを理解する。 「元飼いゆっくりならわかるだろう?飼いゆっくりは飼い主の言うことを聞くものだよ」 「「…………!!」」 ぶるぶると震えだす二匹に向かって、ヒュンと音を立てて素振りしながらお兄さんが念を押す。 「返事が聞こえないなぁ?」 「「ゆっぐじりがいじばじだ!!」」 「よしよし。元飼いは話が早くて助かるよ。 で、このご飯のことなんだが。条件があると言ったね? その条件というのは、本来別にわざわざ断るようなことでもない。 飼いゆっくりの仕事は、飼い主をゆっくりさせることだ。そうだね?違ったかな?」 「ぢがいばぜんん!!」 「がんばっでおにいざんをゆっぐりざぜばずうう!!」 「うん、いい返事だ。 つまり、僕をゆっくりさせてくれれば、見返りに君やおちびちゃんたちにご飯をあげる、ということだよ」 「ゆ、だ、だいじょうぶだよ!!れいむたちはおにいさんのいうことをきくよっ!!」 「それに、おちびちゃんをみればおにいさんもゆっくりできるはずよっ!!」 「ああ、違う違う。違うんだなあ……っと」 バシィン!! 「あびいぃっ!!?」 「れいむうぅう!!?」 「僕はね、『虐待お兄さん』なんだよ。 君達が苦しんで悲鳴をあげてのたうち回る様が、何よりもゆっくりできるんだ」 「「……………!!!」」 衝撃のカミングアウトを前に、れいむとありすはがたがたぶるぶる震えだした。 話には聞いている。世の中には、ゆっくりと見ればわざわざ苦しませて楽しむ虐待お兄さんなる人種がいるのだと。 そういう相手もいるから、むやみやたらに人と関わらないように、飼いゆっくりは飼い主から、野良は親から教わる。 そんな相手に、れいむ達はぶち当たってしまったのだ。 張りつめた空気の中で、おちびちゃん達の泣き声だけが響く。 「運が悪かった、みたいな顔をしているね。違うなあ、必然だよ。 ゆっくりが飼いたければ、みんなゆっくりショップに行くさ。 格安の銅バッジなら小学生のお小遣いでも飼えるくらいなのに、なにも汚い野良に触ろうとする人はいないよ。 拾うとしたら、ゆっくりは使い捨てぐらいにしか考えていない………そう、僕のような虐待お兄さんしかいないってことだ。 あんなところで飼ってくださいとわめき散らす時点で、駆除されるか、拾われて虐待されるかの二択しかない。 ゆっくり理解できたかな?」 「ゆ……ゆぐじでえええ!!おぢびぢゃんいじべだいでええええぇぇ!!」 「ありずだぢはどうなっでもいいでずっ!! おぢびぢゃんだげはっ!!おぢびぢゃんだげはあああああぁぁ!!!」 「それだ!!」 突然片膝を立てて身を起こし、お兄さんはおちびちゃん達を指さして言った。 「そこなんだよ。そう、おちびちゃんは君たちの言うとおりとってもゆっくりしている。 どんなゆっくりも笑顔でしばき倒す僕だが、このとっても可愛くてゆっくりしたおちびちゃんだけには、 とても虐めるなんてひどいことをする気にはなれないんだ。なんてゆっくりしたおちびちゃん達だろう!!」 「ゆ゛っ!!ぞうだよっ!!がわいいおぢびぢゃんにぞんなごどじぢゃいげないんだよおぉ!!」 「そうよっ!!そうなのよぉ!!おにいさん、とかいはよおおぉ!!」 「だから、僕は天地神明に誓って言うよ。 おちびちゃんには決して手を出さない。決して、決して痛い思いも、苦しい思いもさせない。存分にゆっくりさせよう。 その代わり………君達を虐めるよ!」 バシィン!! 「「ゆっぎょおおおぉ!!」」 「君達を叩いているこの棒は、『ゆ叩き』と言ってね。 内部に損傷を与えず、表面の皮膚だけに効率よく痛みを加えられるように設計された幅広の道具だ。 某格闘漫画にも描写されるように、皮膚の痛みはどれだけ鍛えても軽減できるものじゃない。 まして相手がゆっくりとなればなおさらだな。 本来は躾けのために販売される道具だが、素人でもゆっくりを壊さずに存分に痛めつけやすいということで、 虐待嗜好の客にも愛好されているロングセラーさ」 そう言いながら、お兄さんは右手にゆ叩きを握り、残った左手でゆっくりフードの箱を掴んで立ちあがる。 柵のそばまで歩いていくと、箱を傾け、柵の向こう側に少量のゆっくりフードをじゃらっと撒いた。 「さあ、可愛い可愛いおちびちゃん達。ごはんを食べてゆっくりしておいで」 「ゆっ!!ごひゃんしゃん!!」 「ときゃいは!!ときゃいは!!らんちしゃん!!ときゃいは!!」 じたじたと泣き喚いていたおちびちゃん達が、床に散らばったフードの粒に這い寄ってむーちゃむーちゃと咀嚼しはじめる。 「ゆ、ゆうぅ………」 「おちびちゃん………とかいは、よ………」 痛みに涙を流しながらも、子供たちの姿を見てれいむ達は安堵する。 しかし、撒かれたフードは十個もなく、あっという間に食べ尽くした子供たちはすぐにむずがりだした。 「もっちょ!!もっちょ!!もっちょたべりゅううぅぅ!!もっちょちょうだいいいぃ!!」 「たべちゃいたべちゃいたべちゃいたべちゃいもっちょたべちゃいいいぃぃ!!」 「ゆ、ゆううぅ………!お、おにいさん、もっとごはんさんを………」 「おにい、さ………」 「だいたいの雰囲気は伝わってるだろう? そう、僕に虐められるのが君達の仕事だ。そして、僕に虐められるたびに、おちびちゃん達にご飯をあげよう。 おちびちゃん達をゆっくりさせてあげたいなら…………そういう事だ。わかったかな?」 ヒュン、とゆ叩きが風を切る。 びくり、と身をすくませ、カチカチと歯を噛みならすれいむ達。 「おや、返事が聞こえないな? そんなに叩かれるのが嫌なら、僕はやめてもいいんだよ。 でも、それじゃおちびちゃんはお腹を空かせてしまうねえ」 「や……や、や、やるわあぁ!!」 「ゆ……れ、れいぶもがんばるよおおぉ!!がんばっで、いじべられるよおおぉぉ!!」 「ほほう」 「やくっそくっをわすれないでねっ!! おにいさんはゆっくりできないけど、おちびちゃんだけはぜったいにぜったいにゆっくりさせてねっ!!」 「そうよっ!!いなかもののいじめなんかにはぜったいにまけないわっ!! おちびちゃんのためならたえぬいてみせるわあぁ!!」 「そうだ!その言葉が聞きたかった。君達は素晴らしい。 お兄さんは嬉しいよ、それでは早速………ゆっくりさせてもらおうッ!」 バシッ、バシィン!! 「ゆぎいぃッ!!」 「あびゃあぁ!!?」 れいむとありすの身体にゆ叩きが叩きつけられる。 ひと叩きごとにお兄さんはフードの箱を傾け、おちびちゃん達の周りにフードを少しずつばら撒いていった。 「ゆっ!!むーちゃ、むーちゃ!!」 「ときゃいは!!むーちゃむーちゃ!!はぐっ、がつがつっ!!」 ばら撒かれるたびにあちこち這いずってゆっくりフードをかき集め、尻を振りながら一心不乱に貪るおちびちゃん達。 その姿を見つめながら、れいむ達はゆ叩きの打擲に必死に耐え続けていた。 痛みのあまりにぷしゃっ、としーしーが漏れ出し、ありすが羞恥に頬を赤らめる。 「ふう、だいぶん叩いたな。 お兄さんはそろそろすっきりしてきたからもうやめてもいいんだけど……」 汗をぬぐいながら漏らしたお兄さんの言葉に、れいむとありすは安堵する。 しかしすぐにおちびちゃん達の泣き声が響き渡った。 「もっちょもっちょもっちょもっちょ!!もっちょちょうだああああいいいいぃぃぃ!!」 「おにゃかしゅいちゃおにゃかしゅいちゃおにゃかしゅいちゃおにゃかしゅいちゃああぁぁ!!」 「「…………!!」」 「おやおや、ずいぶん食べざかりなんだな。 ゆっくりしたおちびちゃんだから人一倍、おっと、ゆっくり一倍食べるのも無理はないな! 僕も疲れてるんだけど、おちびちゃんがゆっくりするためには……君達が仕事しないとねえ?」 「ゆっ………ひっ……!!」 「そぅれ!!」 バシィン!! 「「ゆ゛びい゛………ゆ゛びい゛………」」 全身を赤く腫らし、息も絶え絶えで横たわるれいむとありす。 ついにうんうんまで漏らしてしまい、ありすは髪で顔を覆って嗚咽している。 その段階でようやくおちびちゃん達は満足し、げふうとゲップを吐いてうんうんをひり出していた。 「おやおや、このぶんじゃトイレを置いても無意味かな? フローリングだから問題ないさ、しーしーとうんうんはサービスで片付けてあげよう」 ゆぴぃゆぴぃと眠る子ゆっくり達を部屋の隅の小さなクッションに載せてから、 お兄さんが雑巾とティッシュで糞便を始末する。 親の糞便まで片付けてからふうっと息をつき、お兄さんは満面の笑顔でれいむ達に言った。 「いやあ、とっても充実した時間をありがとう! おちびちゃん達はかわいいし、君達を虐めてゆっくりできたし。 今日は夜遅いからこのままお休み。 明日から、ご飯の時間のたびにゆっくりさせてもらうよ」 突っ伏したまま聞いていたれいむ達が、「ご飯の時間のたびに」と聞いてびくんと震えた。 「おっと、忘れていた。君達のご飯だ」 ばらばらとれいむ達の周りにゆっくりフードをばら撒いていくと、お兄さんは部屋から出ていった。 それでも食欲はすぐには戻ってこず、れいむとありすは長い間そのまま泣きじゃくり続けていた。 ―――――――― 「ぺーろ、ぺーろ……」 「おちびちゃん、ゆっくりしてねぇ………」 「ゆーん、ぺーりょぺーりょ!!」 「ゆきゃっゆきゃっ!!ときゃいは!!ときゃいは!!」 柵の格子ごしに舌を長く伸ばし、おちびちゃん達の身体をぺーろぺーろと舐める。 ぺーろぺーろはできたが、すーりすーりができないのがもどかしい。 眠りから覚めたおちびちゃん達は、あちこち興味深げに見回していたが、 すぐにれいむ達とのスキンシップを望んで柵に這い寄ってきた。 とんだことになってしまった。 プライドを捨てて道端で飼ってくれと懇願した結果が、虐待人間に掴まったとは。 この先のことを思うと、れいむとありすは絶望的な気分になる。 しかし、一つだけ喜ばしいことがあった。 それは、おちびちゃん達が喜んでいるということだった。 本当に久しぶりの、お腹一杯のごはんさん。 久しぶりに見るおちびちゃんの笑顔に、れいむ達は本当にゆっくりできていた。 おちびちゃんには手を出さない。 一番肝心なそのことを、お兄さんは約束してくれていた。 それなら、お母さんたちは耐えよう。おちびちゃんのために耐えよう。 おちびちゃんがゆっくりするためなら、お母さんたちはどんなことだって耐えられるんだから。 「ゆーっ!!おきゃーしゃん!!しゅーりしゅーりちてぇぇ!!」 「しゅーりしゅーり!!しゅーりしゅーりいぃ!!」 「ゆゆっ、だめなんだよ、おちびちゃん……」 「ままもすーりすーりしたいけど、とどかないのよおおぉ……」 と、子供たちがすーりすーりを望んでいた。 すーりすーりは家族みんなが大好きなスキンシップである。 そうしたいのは山々ながら、残酷な柵の格子がそれを許さなかった。 互いに格子に身体を擦りつけるが、厚みのある柵に遮られて親子の体は触れ合えない。 子供たちが泣き喚きはじめたところに、ドアを開けてお兄さんがやってきた。 「おやおや、どうしたんだい」 「おにいさんっ!!すーりすーりさせてちょうだい!!」 「とどかないんだよおぉ!!おちびちゃんとすーりすーりしたいよおおぉ!!」 「おっといけない。今させてあげよう」 そう言い、お兄さんは両親のほうを両手で抱え、柵を乗り越えておちびちゃんの側に置いてくれた。 「ゆーっ!!しゅーりしゅーり!!おきゃーしゃんのおひゃだ、ゆっくちー!!」 「ゆうううぅぅ!!しゅーりしゅーり!!おちびちゃんしゅーりしゅーりいいぃぃ!!」 「とかいはっ!!おちびちゃんのおはだもとかいはよおおおぉ!!」 「ゆっくちー!!ときゃいは!!」 体中をすりすりと押し付けあいながら喜ぶ団欒を、お兄さんはにこにこと眺めていた。 やがて、子供たちがむずがりはじめた。 「ゆーっ!!おにゃかしゅいちゃ!!」 「ごひゃんしゃんたべちゃい!!」 「「ゆっ………」」 びくり、と両親の体が強張る。 聞きつけたお兄さんが身を起こした。 「おや、そろそろお仕事の時間かな?」 「「……ゆぅ…………」」 「さあ、お母さんたちはこっちに戻ろうね。おちびちゃんの傍でやったら危ないだろ?」 お兄さんが再び、柵の向こう側に両親を置く。 その後一旦廊下に戻ってから、両手にそれぞれ荷物を持って再び現れた。 「今日のご飯さんはこれ。ゆっくりできるクッキーさんだ。あまあまだよ」 「「ゆゆっ………!!」」 クッキーさん。 かつてお姉さんの家に飼われていたときでも、それほど高い頻度で食べられるものではなかった。 飼いゆっくりの舌が肥えて高価なフードしか受け付けられなくなるのを恐れ、 お姉さんは味の薄い健康志向のゆっくりフードばかりを与えていた。 クッキーのようなゆっくりできるあまあまは、 お姉さんの機嫌がいい時に振舞われたり、言うことをよく聞いたごほうびで与えられるもので、時たまの楽しみだった。 ことに勝手におちびちゃんを作って以降は、お姉さんはあまあまなどくれたことがなかった。 舌が肥えすぎた飼いゆっくりが捨てられて野良になり、生ゴミや木の実を食べられずに死ぬケースは多いが、 れいむ達がそうならずに野良生活に適応できたのも、そうした食生活の下地があったおかげだった。 おちびちゃんを作って以来、久しぶりに食べられるあまあまさん。 特におちびちゃんにとっては初めてのあまあまさんになる。 れいむとありすは顔をほころばせ、 おちびちゃんにあまあまを与えられるならと、ゆっくりできない仕事をむしろ喜びはじめていた。 「ゆっ!!おちびちゃんっ!!あまあまさんだよっ!!」 「ゆっ!?あみゃあみゃ!!あみゃあみゃ!!ゆっくちーっ!!」 「ときゃいは!!あみゃあみゃたべちゃい!!あみゃあみゃ!!あみゃあみゃ!!」 「ままたちががんばってたべさせてあげるからね!!とかいはなあまあまでゆっくりしてね!!」 「おやおや、盛り上がってるようだね。 見てのとおり、ゆっくりしたおちびちゃん達のためにご飯さんをグレードアップさせたよ。 そして当然……虐待も、グレードアップだ」 「「ゆゆっ?」」 じゃらり。 れいむ達の前に、金色に光る小さな、なんとなくゆっくりできない形状のものが散らばった。 「ゆ………これって………」 「画鋲さんだよ。まずはお試しだ」 そう言い、お兄さんは一枚のクッキーを二つに割り、おちびちゃんの口に一つずつ運んだ。 「ゆっ!!ゆっくちちょうだいにぇ!!」 「ゆっくちたべりゅよっ!!」 即座にかぶりつくおちびちゃん。 直後、くわっと目を見開き、ぷるぷるぷると震え出す。まむまむからはしーしーがぷしっと漏れ出した。 「「ち、ち、ち、ち、ち………ちちちちちちちちあわしぇえええぇぇぇ~~~~~~~~~!!!!」」 生まれて初めて口にするあまあまに、おちびちゃん達はうれし涙とうれしーしーを吹き出し、 全身をのーびのーびさせて歓喜の叫びを吐いた。 「ゆっ、おちびちゃあああぁぁん………」 「よかったわねぇ………ほんとうによかったわああぁぁ……」 れいむとありすの方も嬉し涙を流していた。 おちびちゃん達の喜ぶ姿以上にゆっくりできるものはない。 「さあ、こっちもお試しだよ」 おちびちゃん達の方を見つめて震えているれいむとありすの頬に、鋭利な痛みが走る。 「「ゆぎゅっ!!!?」」 二人は飛び上がった。 自然界にはなかった痛み。頬を貫き、餡子を刺激する鋭く暴力的な感触に意識が熱を帯びる。 「ゆぎいいぃぃっ!!?いだいっ!!いだいいだいいだいいぃ!!」 「どっでっ!!どっでぇ!!ごれどっでええぇぇ!!いだいわあああぁぁ!!」 「オーケー、お試しだからね」 お兄さんはすぐに、れいむ達の頬に突き刺していたそれ――画鋲を取り除いてくれた。 激痛を伴う異物感が取り除かれ、二匹は大きい息をつく。 「ゆっ……おにいざんっ、いだずぎるよおおぉぉ!!」 「きのうとぎゃくったいっがちがうでしょおおぉ!!?」 「別に虐待方法を限定してはいないさ。 より痛いのも当然だよ、よりおいしいあまあまになったんだからね。 うん、別に昨日の虐待に戻してもいいんだけど、ごはんさんも昨日の味気ないフードに戻ることになるよ?」 「ゆっ………!!」 「そんなっ…………!!」 「どちらがいいか、おちびちゃんに決めてもらおう」 おちびちゃんの前に、ゆっくりフードの粒とクッキーの欠片を置いて、お兄さんが尋ねる。 「さあ、どっちがいいかな?」 「はぐっはぐっ!!はぐっ!!」 「むーちゃっ!!むーちゃあぁ!!」 即座に食べ尽くしてしまうおちびちゃん達。すぐに叫んだ。 「たりにゃいよおおぉ!!もっちょ!!もっちょちょうだいいぃ!!」 「あみゃあみゃたべちゃいいいぃい!!」 「うん、どっちをもっと食べたい?」 床に置いたら食べられてしまうので、両手にフードとクッキーを持って再び尋ねるお兄さん。 「「きょっち!!!」」 舌と身体を目一杯伸ばして、おちびちゃん達はクッキーを指し示した。 「……と、いうことだ、れいむちゃんにありすちゃん。 おちびちゃんは、〝画鋲〟を選んだよ」 「「………!!」」 あの鋭利な痛みを思い起こし、二人はぶるぶると震える。 しかし、勇を奮い起こし、れいむが叫んだ。 「ゆ、れ、れ………れいむはやるよっ!!がんばるよおぉ!!」 「!!…………そ、そうよ!!かわいいおちびちゃんのためだものっ!!ありすもがんばるわ!!」 「素晴らしい。君達は実に素晴らしい!その意思の強さはゆっくりしているよ! ただ一応念を押しておくけど………決めるのはおちびちゃん、だからね。君達じゃないんだ。 まあいいさ、じゃあ……お仕事を始めようか!」 放り出されたクッキーにおちびちゃん達がかぶり付き、 それを確認して、お兄さんは画鋲を一個ずつれいむとありすの頬に突き刺した。 「ゆっぎゃあああああぁぁぁ!!」 「いだっ!!いだっいだいだいだああああぁぁいいいぃ!!」 「はっはっは、いい声だ!ゆっくりできる悲鳴だよ! おちびちゃん達が食べるごとに一個ずつ、君達の体に画鋲を突き刺していくとしよう。 そうだな、れいむのおちびちゃんが食べればれいむに、ありすのおちびちゃんが食べればありすに刺そう。 おちびちゃんがもういらないと言えばそこで虐待も終わりだ。さあ、何個刺せるかな?」 「「むーちゃむーちゃむーちゃ!!うっみぇ!!まっじぱにぇぇ!!ちちちちちあわしぇ~~~~~!!! ちょうだい!!ちょうだい!!ちょうだいにぇ!!もっちょもっちょちょうだいぃ!!」」 「「ゆぎゃあああああああいだあああああああゆっぐじでぎだいいいいいいいぃぃぃ!!!」」 全く性質を異にした二種類の叫び声が、部屋中に長々と木霊しつづけた。 おちびちゃん達の身体が元の二倍近くにふくれ上がった頃に、ようやく催促の声はやみ、 二匹はゲップをして身を横たえた。 「ゆっぷううぅぅ~~~~……とっちぇもゆっくちしちゃあみゃあみゃしゃんだっちゃよ!!」 「ときゃいは!!うんうんちゅっきり~~~~!!」 恒例の食後のうんうんをするおちびちゃん達を見つめながら、れいむ達は精根尽き果てた表情でぐったりとうなだれた。 「ゆ゛………あ゛………お、おぢび……ぢゃ……………」 「いぢゃ……いぢゃいわあぁぁ………どっで、ごれ………どっでえええぇ…………」 二人の全身には何十個もの画鋲が突き刺さっている。 短い針は身体に深刻な損傷を与えることはないが、それでも全身を苛む激痛は耐え難い。 ほんの少し身じろぎするだけでも、突き刺さった無数の針が体内の餡子を引っ掻き、気が狂いそうな痛みを引き起こす。 「いやあ、予想以上に長かったね。おやおや、おちびちゃん達はおねむかい? さて、君たち親にもご飯をやらなきゃならないが、君たちのご飯はこれだ」 そう言いながら、お兄さんは味気ないゆっくりフードを二人の前にばら撒く。 「ゆ゛っ……くっきー、さん……」 「おいおい、君たちがゆっくりしちゃあ虐待にならないだろう。 虐待お兄さんの中にはうんうんを食べさせるやつもいるんだから、僕はやさしい方だよ?」 前回と同じく、おちびちゃん達のうんうんを掃除してから、 帰り際にお兄さんはれいむ達に言った。 「さて、画鋲は次のお仕事まで取らないでおくよ。 おちびちゃんのお腹の中のクッキーが全部消化された頃に取るのが筋ってものさ。じゃあ、次はお昼にね!」 「ゆ゛っ!!まっでっ!!ぢぐぢぐざんどっでええぇぇ!!」 「おでがいっ!!おでがいよおおぉぉ!!ゆっぐじでぎないわああぁ!!」 れいむ達が必死に引き止めたが、お兄さんはにこにこと笑いながら部屋を出ていってしまう。 「ゆ゛ぐっ………ゆ゛ぐっ…………」 「どぼじで…………どぼじでごんなごどに…………」 食事をかき集めるにも、わずかでも動けば画鋲が身体を責め苛む。 大量の涙を流しながら、やはり二人はただ泣きじゃくるしかなかった。 「ゆぴぃ………ゆぴぃ………」 「ゆぴぃ……ゆぷっ………あみゃあみゃ………ぴぃ」 ふと、柵の向こうのおちびちゃんを見やる。 なすび型に下膨れに大きくなって上下する腹をもみあげで抱えながら、 涎を垂らし、おちびちゃん達は幸せそうに眠っていた。 そうだ。 おちびちゃんはこんなにゆっくりしている。 自分達がお母さんなんだ、どんな目に遭おうとも、自分たちがおちびちゃんをゆっくりさせなければいけないんだ。 れいむとありすは唇を引き絞り、激痛の中で意志を新たにした。 れいむ達は自覚していない。 今、「おちびちゃんがゆっくりすれば自分たちもゆっくりできる」から、 「おちびちゃんはゆっくりさせなければいけない」に意識が変質していることを。 ―――――――― 「やあ、お昼のむーしゃむーしゃの時間だよ!」 「ゆゆっ!!ごひゃんしゃん!!」 「あみゃあみゃしゃんちょうだい!!あみゃあみゃ!!あみゃあみゃ!!」 「「ゆ゛っ………」」 お兄さんが現れた。 眠りから起きて「しゅーりしゅーりちてぇ!!」と柵の向こうで泣き喚いていたおちびちゃん達が、 お兄さんの登場にぱぁっと顔を輝かせてずりずりと這い寄る。 親のれいむとありすは画鋲の痛みに動くこともできず、やはりお兄さんが現れるのを待ちわびていた。 「おにいざん……ごれ、どっでぇぇ……」 「おっといけない。まずは約束通りそれを取ってあげるよ」 お兄さんはれいむ達の前に屈み込み、一本ずつ画鋲を丁寧に取り除きはじめた。 「ゆ゛っ……!いぢっ……!びぃ!」 「ほらほら、我慢してくれよ。このままじゃ虐待もできないしね」 「ゆーっ!!おにいちゃん!!あみゃあみゃ!!あみゃあみゃちょうだいいぃ!!」 「おにゃかしゅいちゃよおぉ!!あみゃあみゃ!!はやきゅううう!!」 両親の画鋲を取り除いているお兄さんにぐいぐいと身体を押し付けてむずがるおちびちゃん達。 「おいおい、待ってくれよ………よし、取り除けた」 仕上げにオレンジジュースを染み込ませた脱脂綿でお兄さんが身体を拭くと、 高速度で無数の小さな傷口がふさがってゆき、れいむとありすの身体は元通りになる。 「さあ、準備オッケー。 じゃ、お昼のごはんと虐待といこうか!!」 「「ゆひいっ………!!」」 「お昼もおちびちゃんに選んでもらおうね。持ってきたのはこれさ」 お兄さんが持ってきたのは、やはりゆっくりフードにゆ叩きのセット。 そしてクッキーに画鋲のセットだった。 それぞれが盆に載せられ、おちびちゃんの前に並べられる。 れいむとありすは震え上がった。 ようやく何時間もの画鋲の痛みから解放されたのに、また刺されるかと思うと気が狂いそうだった。 思わず、れいむの口から言葉が漏れた。 「ゆ゛っ………ね、ねえ、おちびちゃ、ん………」 「ゆーっ!!あみゃあみゃ!!あみゃあみゃ!!」 「ちゃべりゅ!!あみゃあみゃちゃべりゅ!!」 「…………!!」 おちびちゃんはといえば、やはり一心不乱にクッキーの載った盆に向かおうとしている。 れいむとありすは焦り、柵の向こう側の子供に必死に声をあげた。 「ま、まってっ!!おちびちゃん、ままのおはなしをきいてぇ!!」 「だめっ、だめなんだよぉぉ!!おちびちゃんっ!!おかあさん、げんっかいなんだよおぉ!! ねぇっ、がまんしないっ!?つぎ!!あまあまさんはまたつぎのごはんさんにっ、ゆああぁぁまってええぇぇ!!」 「「あみゃあみゃ!!ゆーっ!!あみゃあみゃちゃべりゅー!!」」 「ちょっと待ってくれよ、おちびちゃん」 全く話を聞かずにクッキーの盆に這い寄るおちびちゃん達を、お兄さんが手で遮る。 れいむとありすはほぅ……と胸を撫で下ろした。 「ゆーっ!!ゆあーっ!!にゃんでじゃまちゅるにょおおぉぉ!!ぷきゅーっ!!」 「たべちゃい!!たべちゃい!!たべちゃいたべちゃいたべちゃいたべちゃいいぃぃ!!」 「まだ選んでねとは言っていないよ。まだ全部出してないんだからね」 そう言い、お兄さんは背中に隠していた盆をおちびちゃんの前に出した。 「今回からはこれも選択肢に追加するよ。おちびちゃん達にもっと喜んでほしいからね!」 新しい盆の上に載っていたのは、一口大のチョコレートの山だった。 そしてその隣に、金槌が置いてあった。 「前回と同じく、まずはお試しだ。おちびちゃんはどんな味か知らないだろうからね。 どうぞ、食べ比べてから決めてくれ」 フードとクッキーとチョコレートを一口ぶんずつ目の前に置かれ、おちびちゃんが殺到する。 目の前から順にかぶりつき、チョコレートを口に入れた段階でおちびちゃんが動きを止めた。 「ちちちちちちちちちちちちちちちあわしぇええええええええ~~~~~~~~~!!!!(プシャアッ)」 失禁するおちびちゃんを見届け、金槌を手にしたお兄さんがれいむ達の前に立ちはだかる。 「さあ、こちらもお試しだ」 呆然と見ていたれいむのあんよをめがけて、お兄さんは金槌を振り下ろした。 ガン! 「!!!?」 声にならなかった。 丁度斜め上から叩き潰すように、お兄さんの金槌はれいむの底部の端を打っていた。 部分的にひしゃげた底部は床に引き伸ばされ、金槌の打撃面の八角形の跡がくっきりと残っている。 「………!!かはっ、ひっ………!?がっ………!!?」 「れ………れいむぅ!!れいむうぅぅ!!?」 叫び声も上げられないほどの激痛。 れいむはぶるぶる震え、食いしばった歯の隙間からひゅうひゅうと息を漏らす。 「どうだい、これがあのあまあまに見合った虐待さ。 チョコレートさん一個につき、この金槌を一発お見舞いしてあげるよ」 「ゆ゛、っ………じんじゃうでじょおおおお!!?」 ようやく口がきけるようになった、と言うより聞いた言葉の衝撃に一瞬痛みを忘れたれいむが目を見開いて絶叫する。 これほどの激痛と破壊が、おちびちゃんが一個食べるごとに自分たちの体に与えられる。 おちびちゃんがどれだけ食べるかはわかりきっていた。 「いやいや、僕は手慣れている。殺さないように虐待するのもお手のものさ。 そう、殺さない。絶対に、何があろうと………殺してあげない☆」 「む゛り゛っ!!む゛り゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!ふーどざんにじでえええぇぇ!!」 「こらこら、そうじゃないだろ。選ぶのは……おちびちゃん達なんだからさ!」 そう言い、お兄さんはチョコレートとクッキーとフードを一つずつおちびちゃん達の前に並べる。 「ゆー!!あみゃあみゃ!!あみゃあみゃ!!ちゃべりゅ!!あみゃあみゃ~~!!」 「ま゛……まっで!!まっでまっでまっでえぇぇ!!おぢびぢゃんどおばなじをざぜでええぇぇ!!」 「さあ、食べたいものを選んでくれ!」 「「おぢびぢゃああああああああああん!!!」」 「「あみゃあみゃぁ~~~~~!!」」 おちびちゃん達は、一直線にチョコレートにかぶりついた。 〔続〕
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3241.html
『おちびちゃんは大切だよ!』 37KB 制裁 妊娠 お家宣言 番い 赤ゆ 希少種 現代 9作品目、久々の投稿です。 注意書きです。 1 駄文です。 2 少し希少種優遇です。 3 他の作者様と作品の内容が似ている可能性があります。 4 無駄に長いです。 それでもOKという方のみ、どうぞ。 作者:ぺけぽん ……嫌なもん見ちまった。 今の俺の状況を一言で例えるなら、それが適等だと思う。 ちょっと小腹が空いたから、自宅から歩いて5分程度の距離のコンビニで、おにぎりやパンを買って家に戻る途中、路地裏の方から何やら複数の声が聞こえた。 何事かと思って路地裏の奥の方を覗いてみたら……。 「んほおぉぉぉぉっ!!」 「ありすうぅぅぅぅっ!!まだなのおぉぉぉぉっ!?」 「じゃおぅ……、じゃおぉっ……!!」 ……奥の方で、やたら汚いゆっくりありす二匹が、小奇麗なゆっくりめーりんをレイプしている最中だった。 多分、ありす達の方は野良だろうな。汚いし。 めーりんの方は……、野良にしては体や帽子に目立った汚れが見当たらない。 「……捨てられたか?」 ……いや、よく見てみると、帽子に金バッジが付いている。 普通、飼いゆっくりを捨てる際には、色々と面倒事を回避する為にバッジは外している。 恐らく、散歩かお使いでもしていて、その途中でれいぱーありすに襲われたんだろうな。 「バッジ付きなら、一応助けて飼い主に連絡入れた方が良いな……」 そう思った俺は、三匹の方へつかつかと歩み寄った。 「んほおぉぉぉぉっ!!なかなかのまむまむねえぇぇぇぇっ!!とってもしまりがいいわあぁぁぁぁっ!!」 「はやくぅ、ありすうぅぅぅぅっ!!はやくかわってよおぉぉぉぉっ!!」 「じゃおぉぉぉぉっ……!!」 「おい、何やってんだ、そこのレイパー共」 「「んほっ!?」」 「……!?」 「そのめーりんはな、人間の飼いゆっくりなんだよ。……今なら見逃してやるから、失せろ」 「なんなのこのじじいはあぁぁぁぁっ!?ありすのとかいはなすっきりー!をじゃましないでねえぇぇぇぇっ!?」 「いなかもののぶんざいで、しゃしゃりでるなんて、いいどきょうねえぇぇぇぇっ!?」 潰すのも面倒なので、レイパー共に目の前から消えるよう言ったのだが……、……駄目だ、会話が成立しない。 ……しかも、今気付いたのだがこのレイパー共……。 「お前ら、植物妊娠してるじゃねぇか」 何と、こいつらの頭の上からは植物のような茎が生えていて、実ゆっくりが四匹ずつ実っていた。 ……こいつら、頭の上にガキがいるくせに、レイプを楽しんでいたのかよ……。 「んほほっ!!なかなかとかいはなおちびちゃんでしょう!?」 「ありすたちのあいのけっしょうよ!」 ……こいつら、番なのか……? レイパー同士、しかもありす同士の番ってのも珍しいな。 ……まぁ、きっと『あいのけっしょう(笑)』なんてほざいているけど、どうせレイプする相手がいなかったから、互いにすっきりー!した際に出来たオマケなんだろうな。 レイプに勤しんでいる時点で、ガキの身の安全の事なんざ頭に入っていない事が確定しているし。 「このめーりんから、おしりをふって、さそってきたのよおぉぉぉぉっ!?」 「あいのでんどうしのありすたちのじゃまをするなら、せいっさ「ウゼぇ」ぶびぉっ!?」 愛の伝道師を語りだした時点でイラっときたので、とりあえず近くにいた方のありすを蹴り飛ばす事にした。 グチャリと嫌な音を立てて顔から地面にキスする形で落下したありす……、二匹いるから、ありすAとでも呼ぶか。 ありすAはビクビクと痙攣するだけで、起き上がろうとはしなかった。 「あ、あ、ありすうぅぅぅぅっ!?」 自分の番がいきなり蹴り飛ばされた事に驚愕しているありす……、……こっちはBだな。 ありすBは悲鳴を上げるが、ありすAの方は痙攣するだけだった。 「さて、ちゃっちゃとやるか」 残った方のありすBも蹴り飛ばすべく、足を振り上げる。 「ま、まってえぇぇぇぇっ!!あ、ありすには、とってもとかいはなおちびちゃんがいるのよおぉぉぉぉっ!!」 ありすBのその言葉を聞いた俺は一旦足を下ろす。 「都会派な……ねぇ……」 「そうなのよおぉぉぉぉっ!!おちびちゃんはなんにもわるくないのよおぉぉぉぉっ!?ありすがしんだら、おちびちゃんもしんじゃうのよおぉぉぉぉっ!?」 俺はありすBの頭の上の実ゆっくり達に目をやる。 「まりちゃ……、ちゅんでれ……にぇ……」 「んぴょおぉぉぉぉ……」 「ちゅっきり……」 「ときゃいは……、ぺにぺに……」 実ゆっくり達は揃いも揃って最悪な寝言を言いながら、アヘ顔で寝ていた。 ついでにぺにぺにも勃っていた。 「却下」 そう言ったらすぐ実行だ。 俺は、ありすBの頭の上の茎をむしり取り、実ゆっくりごと地面に叩きつけ、踏み潰した。 「なんでえぇぇぇぇっ!?なんでつぶすのおぉぉぉぉっ!?こんなにかわいいおちびちゃんなのにいぃぃぃぃっ!?」 当たり前だボケ、産まれる前からレイパー確定の実ゆっくりを可愛いなんてぬかす馬鹿、お前ら位しかいねぇだろうが。 「……で、……都会派なおちびちゃんが、何だっけ?」 「……あ……、あ、ありずはじにだぐないぃぃぃぃっ!!ありずだけでもだずげでえぇぇぇぇっ!!」 「却下」 蹴り飛ばすのは少し疲れるので、ありすBの脳天目がけて、足を振り降ろす。 「ゆぶびゃあっ!?」 頭上からの重みで、ありすの眼球は両方とも飛び出し、口やあにゃるから命のカスタードクリームがドバッと飛び出る。 「ゆ……、ぎ……、だず、げ……」 ありすBの命乞いを無視して、さらに足に力を入れると、『びゅ……』とだけ言い残し、それっきり動かなくなった。 「ふぅ……、……おーい、めーりん、もう大丈夫……、あれ?」 めーりんに一声掛けようと思って辺りを見回してみると、めーりんの姿はどこにも無かった。 「……あー、……逃げたか……?……まぁ、良いか」 逃げられる位の体力が有るなら、多分大丈夫だろうと思って帰ろうと思った矢先に……。 「「「「んぴょおぉぉぉぉっ!!」」」」 すぐ後ろの方から、甲高い耳障りな声が聞こえてきた。 「あ?」 後ろを振り向くと、先程蹴り飛ばしたありすAの頭の茎の近くに、目をギラつかせ、ぺにぺにをおっ勃てている赤ありす達がいた。 ……もしかして、さっきの落下の衝撃で産まれたのか? つーか、よく潰れなかったなぁ……。 「「「「ちゅっきりちたいわあぁぁぁぁっ!!」」」」 ……あー、やっぱ赤ゆでもレイパーはウザいしキモい。 赤ゆだと、あの甲高い金切り声が響くから、さらにウザさ倍増だ。 「ゆ……、ゆ……」 お、ありすAの方も生きていたか。 まぁ、あの怪我の具合じゃ、あと数時間で永遠にゆっくりするだろうな。 「「「「ちゅっきりいぃぃぃぃっ!!」」」」 ……ウゼぇな、この赤ありす共……、……お、そうだ。 「おーい、そこのクソチビレイパー共」 「「「「んぴょっ!?」」」」 「お前等の母ちゃん苦しがってるぞー?」 「「「「んぴょわあぁぁぁぁっ!?みゃみゃあぁぁぁぁっ!?」 今さら気付いたのかよ、こいつら。 「ゆ……、おぢ、びぢゃ「お前らの母ちゃん、すっきり―!しないと元気になれないんだとさ!」……は?」 「「「「んぴょおぉぉぉぉっ!!みゃかせてにぇ、みゃみゃあぁぁぁぁっ!!」」」」 俺が赤ありす共にそう言うのと同時に、赤ありす共は瀕死の重症を負っている実の母親に対し、レイプをし始めた。 「ゆ……、ぎゃあぁぁぁぁっ……!いだ、いだいぃぃぃぃっ!!おぢびぢゃ、や、やべでぇぇぇぇ……」 「「「「んぴょわあぁぁぁぁっ!!みゃみゃっちゃらちゅんでりぇにぇえぇぇぇぇっ!!」」」」 ……何とも醜い光景だが、あれでOKだ。 赤ゆは限度を知らないだろうから、自分の中身が無くなるまで射精し続けるだろうし、ありすAは体力消耗して、死期が早まるだろうし、一石二鳥だ。 「じゃーな、親子仲良くしろよな」 そう言うと俺はレイパー親子に向かって軽く手を振って、路地裏を後にした。 「「「「ちゅっきりいぃぃぃぃっ!!」」」」 「ゆぎゃあぁぁぁぁっ!!」 レイパー親子の中睦まじいスキンシップの声を聞きながら。 ……次の日。 今日は平日なので、勤め先である加工所に出勤した。 「おはよーす」 「おお、おはようさん」 シフトの都合で早めに出勤していた同僚に軽く挨拶し、更衣室で加工所から支給されている作業服に着替え、業務に入る。 「ばりざあぁぁぁぁっ!!でいぶをだずげでよおぉぉぉぉっ!!」 「おぎゃーじゃあぁぁぁぁんっ!!いぢゃいよおぉぉぉぉっ!!」 「ぼうやべでえぇぇぇぇっ!!あがぢゃんうみだくないぃぃぃぃっ!!」 食用品に加工されたり、赤ゆを無理矢理生産されているゆっくり達の悲鳴をBGMに、俺達加工所職員は黙々と作業を続ける。 加工所と聞くと、虐待鬼威惨が大量に生息しているというイメージが付きものだが、実際はそんな事は無い。 ただ単に『ヒャッハアァァァァッ!!俺は、ゆっくりの悲鳴を聞くだけでご飯三杯はイケるんですよおぉぉぉぉっ!!』……なんて理由で入社したがる虐待鬼威惨を次々と入社させたら、どうなる? 虐待鬼威惨の巣窟と化しているなんて、会社のイメージにとってかなり悪影響だ。 ウチの会社では、そんな虐待鬼威惨が面接に来る度に、丁重にお断りしてもらっている。 ……まぁ、中にはかなり有能だからという理由で入社出来た、強者の虐待鬼威惨も、何人かはいるのだが。 「ヒャッハアァァァァッ!!先輩、ちょっといいっすかあぁぁぁぁっ!?」 「うわっ!?……なんだ、虐太郎か、驚かすなよ……」 突然背後から声が聞こえたので、驚いて振り向くと、そこには俺の後輩の虐太郎がいた。 「先輩!帰りにいつもの雀荘に行きましょうや!今日は負けないっすよ!!」 「あ、あぁ……、分かった、分かったから、とりあえず黙れ。そして業務に戻れ」 「ヒャハッ……、相変わらず手厳しいっすね!それじゃ、よろしく頼みますよ!」 虐太郎はそう言うと、自分の持ち場へと戻り、『ヒャッハアァァァァッ!!』と叫びながら、ベルトンコンベアーで運ばれてくるゆっくりを潰す作業に入った。 ……あいつも、この加工所に入社出来た強者の虐待鬼威惨の内の一人だ。 ああ見えて、仕事はかなり出来るので、ある程度の奇声や虐殺は黙認されている。 「ヒャッハアァァァァッ!!労働は国民の三大義務の一つだぜえぇぇぇぇッ!!」 「ゆびいぃぃぃぃっ!?なにいっでるのおぉぉぉぉっ!?」 ……本当に、あいつが真人間だったらとつくづく思うよ。 ……夜。 「ヒャッハアァァァァッ!!お邪魔させて頂きます!」 「……はぁ」 あれから、業務を終えた俺は、虐太郎と同僚数人で雀荘へ行った。 ……虐太郎は麻雀が好きだが、弱い。 恐ろしい位に弱い。 毎回虐太郎の最下位という形で、同僚含め、俺の財布の中身が少し膨らむ形になるのだが……、今日の虐太郎はしつこかった。 いつもより多めに打ったのだが、やはり虐太郎は弱かった。 それでも虐太郎は諦めきれないらしく、仕舞いには俺とサシで勝負したいなんて言いだした。 虐太郎がこう言い出したら絶対に折れない。 ……しかし、今日の虐太郎はあまりにも負けすぎたので、財布の中身はえらい事になっていた。 ……雀荘に長居は出来ないし、明日は早番。 仕方が無いので、俺の家で勝負しようという形で虐太郎を説得した。 「はぁ……。数回打ったら終わりだからな」 「ヒャッハアァァァァッ!!分かってますってば!」 「分かってんのかね、コイツは……」 そんな会話をしながら、俺と虐太郎は玄関のドアを開け、リビングを通って俺の部屋に入ろうとした。 ……が、俺と虐太郎はリビングで立ちつくす事になった。 「ゆゆっ!?なんなのぜ!?このくそじじい!」 「なんでにんげんが、れいむとまりさのおうちにいるの!?」 ……リビングには、ぶくぶくに太ったゆっくりまりさと、かなり汚いゆっくりれいむの二匹がいた。 「……先輩、ゆっくり飼ってましたっけ……?」 そんな訳あるか馬鹿。こんなゆっくり飼おうもんなら、初日で潰してるわ。 「……おい、お前ら、どこから入って来た?」 「ゆぁ~ん?くそじじい、どうしてくそじじいが、まりささまにそんなにでかいくちをたたけるのぜぇ~?」 ……何でこうも会話が成り立たないんだろうなぁ……、ゆっくりって。 「……先輩、向こうの窓ガラスが割れてるっす。そこから入ったんすよ」 「……畜生、ゆっくり対策用の窓ガラスにしとくべきだった」 「おい、くそじじい!まりささまにさからうと、どれいにぼこぼこにしてもらうのぜぇ!?」 「……奴隷?そこの汚ぇれいむの事か?」 「はあぁぁぁぁっ!?れいむをきたないなんて、なにいってるのおぉぉぉぉっ!?れいむはまりさのだんなさんだよおぉぉぉぉっ!!」 「……おい、まりさ。……お前、もしかして飼いゆっくりか?」 「ゆっふっふ!そうなのぜ!まりささまにさからおうものなら、まりささまのどれいをつかって、ぼこぼこにするのぜぇ!!」 ……あー、なんとなく話が見えてきたぞ。 「まりさ、お前捨てられただろ」 「……は?なにいってるのぜ?ばかなの?しぬの?」 まりさは『何言ってんだコイツ』みたいな顔してるが、このまりさは確実に捨てゆっくりだ。 このまりさはぶくぶくに太っていて肥満体だが、昨日見かけためーりんと同じように、体や帽子に目立った汚れは見当たらない。 自分で飼いゆっくりと言っているくせに、肝心のバッジはどこにも見当たらない。 そして汚らしいれいむと一緒にいて、ゲスい言動を繰り返している……、捨てられフラグが立ち過ぎている。 「まりさ、お前、飼い主の言いつけをやぶって、そこのれいむとすっきりー!でもしたんだろ」 「ゆゆっ!?にんげん!どうしてそれがわかったの!?」 ……れいむの反応からして、俺のいった通りなんだろうな。 ……ん?……だとすると……。 「まりさ、お前、腹の中にガキがいるのか?」 「ゆっふっふ~。そうなのぜぇ!まりささまのおなかのなかには、まりささまによくにた、ゆうっしゅうっで、かっこいいおちびちゃんがいるのぜぇ!」 「先輩、まりさ種とれいむ種の番って言ったら、大抵はれいむ種が母体って事が多いんすよ」 「だよな。逆パターンってのは、珍しいよな」 「多分このまりさ、自分は妊娠しているからって事でれいむを働かせて、楽がしたかったんだと思うんすよ」 「……寄生って事か」 「なにをごちゃごちゃいってるのぜぇ!?まりささまをかやのそとにするなんて、いいどきょうなのぜぇ!?」 「まりさ、まかせてね!どれいをつかわなくたって、れいむにかかればいちころだよ!」 「……先輩、あのれいむ、殺っちゃっていいっすか?そろそろヒャッハーしたいっす」 「……ああ。俺はあの白黒饅頭の方を殺る」 「ゆっへっへ!!いくらまりささまがにんっしんっしてるからって、にんげんにまけるわけ「死ねゴラァ!!」ぶびょわぁっ!?」 「まりさあぁぁぁぁっ!?くそにんげんがあぁぁぁぁっ!!まりさになにを「ヒャッハアァァァァッ!!」びいぃっ!?」 俺はまりさの腹目がけて蹴りを叩き込んだ。 まりさはキリモミ回転しながら壁に激突し、ベチャリと嫌な音を立てて床に落ちた。 一方虐太郎はれいむの顔面に綺麗な右ストレートを叩き込んだ。 吹き飛ばされた先には気絶しているまりさがいたので、先程蹴りを入れたまりさの腹に勢い良くぶつかる形となった。 「ゆっぎいぃぃぃぃっ!!いぢゃいぃぃぃぃっ!!いぢゃいのぜえぇぇぇぇっ!!」 「ゆ……、ゆ……、ゆ……」 まりさは口から命の餡子を吐き出しながら痛みに体をグネグネ動かし、喚いていた。 ……結構力入れて蹴ったんだが……、脂肪みたいな厚い皮のおかげか。 れいむの方はビクビクと痙攣していた。 あの右ストレートを普通のゆっくりがくらったらそうなるだろうな。 「ヒャッハアァァァァッ!!起きろ糞饅頭!!」 虐太郎は気絶しているれいむの髪の毛を掴むと、再びまりさの腹目がけてれいむを投げつけた。 「ゆぼぁっ!?」 「ゆぐぇっ!?」 どうやら今の衝撃で、れいむの意識は無事回復したようだ。 「ぐ……、ぐぞじいいぃぃぃぃっ!!ごろじでやるうぅぅぅぅっ!!おもにのばりざざまにごんだごどじやがっでえぇぇぇぇっ!!」 「にんげんのぶんざいでえぇぇぇぇっ……!せいっさいっしてやるうぅぅぅぅ……!」 ……ここまでボコボコにされているのに、ある意味ゆっくりってすげぇな。 自分の今の状況を全く理解していないんだから。 「ヒャッハアァァァァッ!!嘘吐きの糞饅頭が何言ってんだあぁぁぁぁッ!?」 ……ん?嘘吐き? 「虐太郎、嘘吐きってどういう事だ?飼いゆっくりとか、最強だって事とかか?」 「違うっすよ、先輩。……このまりさ、腹ん中にガキなんざいませんよ」 「「……はあぁぁぁぁっ!?なにいってるのおぉぉぉぉっ!?」」 「黙れ糞饅頭共がぁ!!おいまりさ!手前ぇの腹、よく見てみろ!」 「ゆっ……!?」 虐太郎にそう言われたまりさは自分の腹が何かなっているのではと思い、慌てて腹を見た。 ……が、俺に蹴られたり、れいむを投げつけられたりした衝撃で数か所凹みがある程度だった。 「い、いったい、どこがおかしいのぜぇ!?」 「馬鹿か手前ぇは!?あれだけピンポイントに腹だけ狙ってるっつーのに、何で産道から餡子なり未熟ゆなり飛び出ねぇんだよ!!」 「「ゆゆっ!?」」 ……言われてみれば、確かにそうだな。 あれだけ腹にダメージを喰らっていれば、まりさ自身はともかく、中のガキは無事じゃ済まない筈だ。 普通ならとっくに潰れている。 「手前ぇ、そこの汚ぇれいむとすっきりー!したって言ったよな?どうせ分厚い皮のおかげで、中まで餡子が入らなかったんだろ?」 「そ、そんなことはないのぜぇ!!まりさはたしかににんっしんっしているのぜぇ!!」 「つーか、ただでさえメタボなのに、その上重身ときたら、どうやって移動すんだよ?」 どこで捨てられたのかは分からないが、絶対に自力じゃ動けなさそうだ。 近所にゆっくり飼っている知り合いはいないし、れいむじゃ体格差があって、押したり引いたり出来ないだろう。 「俺は『ばりざのあがぢゃんがあぁぁぁぁっ!!』ってリアクション期待してたのに、ただのゲスメタボじゃつまんねーんだよ!!」 「ばりざあぁぁぁぁっ!!ほんとうなのおぉぉぉぉっ!?れいむにかりにいかせてたのは、らくしたかったからなのおぉぉぉぉっ!?」 「だまされるんじゃないのぜぇ!れいむぅ!!こんなくそじじいのいうことなんて、ぜんぶでたらめなのぜぇ!!」 「だったらしょうこみせてよおぉぉぉぉっ!!このうそつき「はいシャーラップ!」ごべぇっ!?」 これ以上糞饅頭の痴話喧嘩を見たくなかった俺は、れいむが大口を開けて抗議しようとした瞬間に、口の中に蹴りを叩き込んだ。 結果、俺の足のつま先はれいむの体を貫通し、背中の部分から餡子塗れのつま先が出ていた。 「ゆ……、ゆ……、げぇ……」 「あーあ、靴下汚しちまった」 「ゆ……、ゆっへっへ!!まりささまをしんようしないれいむには、ちょうどいいさいご「汚物は消毒じゃあ!」がっ!?」 虐太郎はまりさの口の上顎と下顎の部分を掴むと、力を込めて口を広げていった。 「……!?……!……!!」 口がほぼ全開なので、言葉には出来ないが、『やめろ』とでも言っているんだろう。 まりさの必死の形相を見れば、それ位は分かる。 涙をボロボロ流し、尻をブリンブリンと振るが、虐太郎の腕は止まる事はなかった。 ……やがて、まりさの口の角度が100度を超えた辺りでブチブチと嫌な音が聞こえ始め、そして……。 「ヒャッハアァァァァッ!!頭と体、さようならぁっ!!」 ブチリッ!!っと一際嫌な音が響き、まりさの上顎部分と、下顎部分が分離した。 下顎部分の体はビクリと大きく痙攣すると、それっきり動かなくなった。 一方上顎部分はというと、グリンと白目を向き、涙を流しながらビクビクと痙攣していた。 「あちゃ~、中枢餡が頭部の部分だったか……。……まぁ、良いか。先輩、ゴミ袋ありますか?」 「流し台の下にあるが……、そいつ、まだ生きているのか?」 「ああ、中枢餡が上の部分にあったらしくて。……まぁ、あと数分で死にますけど」 ……それでもまだ生きているなんて、やっぱゆっくりって相当でたらめな生物……、いや、饅頭か。 そう思っている間に、虐太郎は手際よく、半分になったまりさと、痙攣するだけの饅頭になったれいむをゴミ袋に入れた。 「ほんじゃ先輩、俺、ここら辺で帰ります。麻雀は次の機会にしましょうや」 「そいつら、どうするんだ?」 「ほら、先輩の家路の途中にあったじゃないすか、ゴミ捨て場。あそこに捨てますよ。汚物はきちんと処理した方がいいっしょ?」 「……!……!」 「ゆ……、ゆ……、ゆ……」 「まぁ、そうだな」 「ほんじゃ先輩、お疲れさんした!」 そう言うと虐太郎は糞饅頭が入ったゴミ袋を抱え、玄関から出て行った。 ……後に残されたのは、俺と、糞饅頭二匹が吐いた餡子と、割れた窓ガラスの破片だけだった。 「……片付けるか」 ……次の日。 「ふわぁ……」 俺は昨日の一件の後片付けと、早番のシフトにより、いつもより2時間は睡眠時間が減ってしまい、少々寝不足だった。 「……そういや、あのゴミ袋、透明なやつだったな……」 虐太郎はゴミ捨て場に捨てるって言ってたから、多分あのまま捨ててるだろうな。 ゆっくりの無残でグロテスクな亡骸を、ゴミ回収員の人はともかく、チビッ子でも見たら多分泣くだろうな。 「新聞紙でも渡しときゃ良かったな……。……ついでだし、ちょっと見てみるか」 どうせゴミ捨て場は必ず通るのだし、様子を見てみようと思った。 ……数分後。 「あれか……?」 ゴミ捨て場まで来た俺は、虐太郎が捨てたと思われる、真新しいゴミ袋を見付けた。 「……ん?」 そのゴミ袋は、何故かガサゴソと動いていた。 「……まさか、まだ生きていたのか……!?」 あんな状態で動いているゆっくりなんぞ、ゾンビみたいなもんだ。 幸い、周辺には俺以外に誰もいなかったので、今のうちに引導を渡してやろうとゴミ袋に近づいた。 ……ゴミ袋の中には……。 「むーちゃ、むーちゃ、しょれにゃりーだじぇ!」 「……まりさ?」 昨日の糞饅頭共の残骸と共に、何かを貪っている赤まりさがいた。 ……何で赤まりさが袋の中にいるんだ? ……まさかこいつ、あのまりさの腹の中にいたガキか……!? 「本当にいたのかよ……」 「むーちゃ、むーちゃ、しょれにゃりーだじぇ!」 赤まりさは俺の存在に気付く事なく、ただ何かを貪り続けていた。 ……あぁ、こいつ、自分の親の餡子食ってるよ。 饅頭が饅頭を食うって……、共食いじゃねぇか。 ……しかも食い過ぎたのか、赤まりさの体型はナスビ型になっている。 ……赤ゆのナスビ型は、いつ見てもキモくてイラっとするな。 「げーぴゅ、ぽんぽんいっぴゃいだかりゃ、うんうんしゅりゅのじぇ!」 そう言うと赤まりさはケツ穴から古い餡子をモリモリと出し始めた。 「……キメぇ」 「しゅっきりー!……ゆ?……ぴゃあぁぁぁぁっ!?くちゃいのじえぇぇぇぇっ!?にゃんでにゃのじえぇぇぇぇっ!?」 赤まりさは自分の出した古い餡子の匂いでのたうち回っている。 ……駄目だ、見るに堪えない。 そう思った俺は、ゴミ袋越しに、赤まりさを踏みつぶした。 「ぴゅっ!?」 赤まりさは一踏みで両親の残骸と一体化した。 ついでなので、一目でゆっくりだった物だと分からないように、糞饅頭共の残骸も念入りに踏み潰していく。 「こんなもんで良いか」 髪飾りや帽子は残ってしまったが、袋の中はただの餡子になったので、多分見た目は大丈夫な筈だ。 それに、赤まりさを残してこのまま会社に行ったら、回収員さんのストレスがマッハになるだろうし。 「よかったな、チビ。父ちゃんと母ちゃんと一緒になれてさ」 俺は餡子入りの袋にそう呟くと、会社へと急いだ。 ……加工所にて。 「おい虐太郎、昨日のまりさな、腹ん中にガキいたぞ。ゴミ袋の中で自分の親食ってた」 「マジすか!?まさか本当にいたなんて……」 「まぁ、潰したけどな」 「あぁ……、それに気付いてりゃあ、俺が代わりにヒャッハー出来たのに……」 昼休みの時間になったので、虐太郎に今朝の事を話した。 虐太郎は相当悔しがっているが、さすがに道端でヒャハるのはまずいだろう。 「はぁ……、今朝も気になるゆっくりを見かけたってのに……」 「気になるゆっくり?」 「あぁ、今朝、出勤途中に路地裏でゆっくりめーりんを見かけたんすよ」 「ゆっくりめーりん……」 「それが普通のめーりんだったら別に良いんすけど、そのめーりん、妊娠してたんすよ、それも胎生型の方で」 「……それが、何で気になるんだよ」 「いやね、その腹ボテめーりん、自分でゴミバケツ漁って餌探ししてたみたいなんすよ」 「……番のゆっくりが、死んじまったとかじゃないのか?……ほら、いわゆるシングルマザー」 「だと思うんすけどね。……俺が一番気になったのは、あのめーりんの雰囲気っすね。顔付きとか、生ゴミの食い方とか」 俺は実際に見ていないから分からないが、虐太郎が言いたいのは、野良っぽくないって事だろうな、多分。 「……それで、お前そのめーりん、どうした?」 「いやー、涙目で幸薄そうな顔付きだったんで、思わずヒャハりそうになったんすけど、遅刻しそうだったんで、そのままにしといたんすよ」 「……相当汚れていたか?バッジとか付いていたか?」 「え?……そうだなぁ、確かあんまり汚れていなかったような……、バッジとかは付いていなかったっすけど。……それがどうかしました?」 「ん?……いや、何でもない。……さて、そろそろ業務に戻るぞ」 「ヒャッハー!お仕事再開だー!!」 ……業務終了後。 今日の業務が終わり、家路の途中にある俺は、虐太郎の言っていためーりんの事が気になっていた。 ……もしかして、レイパーに襲われていためーりんじゃないだろうな……? ……あの時、確認していなかったけど、とっくに妊娠していたんじゃないか……? ……いや、バッジは付いていなかったらしいから、きっと別ゆんだろうな。 金バッジが付いているって事は、それだけ大切にされているって事だから、孕まされたとしても、ゆックリニックでガキは処分されてるだろう。 ……何でだろうな、たかがゆっくりめーりん、それも他人の飼いゆっくりなのに、何で気掛かりなんだろうな。 「……もし孕まされていたら、責任は俺にもある……、からか……?」 俺は誰に言う訳でもなくそう呟いた。 ……そうこうしている内に、自宅の玄関前まで来ていた。 「……まぁ、良いか。さっさと風呂入って飯食って寝るか」 そう言って玄関のドアノブに手をかけ……。 「まりさ!はやくそのとうめいなかべさんをせいっさいっしてね!」 「ゆんっ!ゆんっ!もうすこしなのぜ、れいむ、おちび!」 「「おとーさん、がんばれー!」」 ベランダの方から騒がしい声を聞き、ドアノブから手を離した。 ……あぁ、あれだ、きっと、あれだろうな。 ……勘弁してくれよ、本当に。 俺はその声の主が何者なのか、とっくに見当が付いていた。 だからこそ、脱力するしかなかった。 俺がベランダを覗いてみると、案の定、そこには成体サイズのれいむとまりさが一匹ずつ、子ゆっくりサイズのれいむが二匹、計四匹のゆっくり共がいた。 まりさは窓ガラスに何度も体当たりを繰り返していたが、石ならともかく、さすがにゆっくりの体当たりで壊れる程窓ガラスはヤワではない。 ……とは言うが、昨日の一件でダンボールで塞いだ部分があったのだが、どうやらそこには気付いていないようだ。 子れいむ二匹はまりさから少し離れた場所で応援していた。 一方、れいむは……。 「……うわっ、キモっ」 そう言うしかなかった。 性格に言うと、れいむは妊娠していた。 ……それも、植物型と胎生型の両方で。 「……お前ら、ここで何をしている?」 ここ数日でゆっくり相手にまともなコミュニケーションは取れない事を嫌と言うほど経験していたが、それでも一応声を掛けてみた。 「「「「ゆ!?なんでにんげんがここにいるの!?」」」」 「俺の事はどうでもいい。ここで何をしている?」 「ゆへへっ!!まりさたちは、ちかくのこうえんにすんでいたのぜ!」 何故か自信たっぷりにそう言ったのはまりさだ。 近くの公園……、……あぁ、『ユンヤー公園』か。 あそこの公園、野良ゆっくりが棲み付いていて、虐待鬼威惨に潰されまくるゆっくりの悲鳴が絶えないから、本当の名前じゃなくて、そう呼ばれるようになったんだ。 ……そういや、いつだったか、虐太郎がユンヤー公園は虐待鬼威惨のオアシスだって言ってたな。 「けれども、つい、れいむとすっきりー!しすぎて、いますんでいるおうちじゃ、このさきせまくなるっておもったのぜ!」 ……ついってレベルじゃないだろ、あの妊娠の仕方は。 「だかられいむ、ていあんしたんだよ!にんげんのおうちなら、とってもひろくて、ゆっくりできるから、にんげんからうばおうって!」 間に入ってきたのはれいむだ。 「……で?」 「それで、ちょうどいいおうちをみつけたから、なかにはいろうとおもったのに、はいれなかったんだよ!」 「「だから、おとーさんがとうめいなかべさんをせいっさいっしているんだよ!」」 れいむの言葉に、子れいむ二匹がハモりながらそう補足した。 「ふーん……、で、お前ら、お家宣言しようとしてるんだな?」 「「「「そうだよ(なのぜ)!」」」」 ……どうするかな、こいつら。 口で言っても絶対に聞かないだろうし、だからと言ってここで潰したら庭が汚れるし、わざわざ家の中で潰すのも面倒だ。 ……あ、そうだ。 あるじゃないか、丁度良い処分場所。 「お前ら、この家よりもずっと良いゆっくりプレイスに連れてってやるよ」 「「「「ゆ!?」」」」 「どうする?別に良いんだぞ?この家でも大丈夫だって言うなら無理強いは……」 「なにいってるんだぜ!さっさとそのゆっくりぷれいすにあんないするんだぜ!」 「はやくしてね!ぐずはきらいだよ!」 「「はやくしろばーか!」」 ……やっぱりゆっくりって馬鹿だなぁ。 「……OK。ちょっと待ってろ」 俺はゆっくり共に待つよう言うと、玄関の靴棚の脇に置いていた段ボール箱を持ち、庭へと戻った。 「じゃあ案内するから、この箱の中に入ってくれ」 「「「「ゆっくりりかいしたよ(んだぜ)!!」」」」 ゆっくり共は何の疑いもなく、段ボール箱へと入った。 「ゆっへっへ!たのしみなんだぜ!」 「ゆゆ~ん!はやくかわいいあかちゃんと、ゆっくりしたいよ~!」 「「ゆっくりー!」」 ゆっくり共は理想のゆっくりプレイスに夢膨らませている。 ……安心しなよ、必ず、ゆっくりプレイスに連れて行ってやるからな。 ……数分後。 「ほれ、着いたぞ」 「「「「……ゆ?……ここ?」」」」 「そうだ、ここがゆっくりプレイスの入り口だ」 「……なにいってるんだぜ?……だって、かわさんしかないのぜ?」 ……そう、まりさの言う通り、俺達の目の前には、川しかなかった。 俺の家のすぐ裏は河川敷になっていて、よくジョギングをするおっさんや、浅瀬で遊ぶチビッ子達を見かける。 「まぁ待てよ。すぐ案内するからさ」 俺はゆっくり共が入っている段ボール箱からまりさを手に掴み、持ち上げる。 「な、なにをするのぜ!?」 「そぉい!」 まりさの問い掛けを無視し、川の真ん中目がけてまりさを投げた。 「おそらをとんでいるみたいぃっ!!」 そんなアホな感想を述べながら、まりさは放物線を描くように飛んで、ボチャンと音を立てて川に落ちた。 「まりさあぁぁぁぁっ!?」 「「おとーさあぁぁぁぁんっ!?」」 「ゆぼっ!?ゆ、ゆべっ!!ぐ、ぐぞにんげっ……!だ、だずげ……!!」 れいむと子れいむ二匹は悲鳴を上げ、まりさは必死に助けを求めるが、当然そんなものは無視する。 「べべっ……、ばっ……、じに、だ……、ぐ……」 やがて力尽きたまりさは、ブクブクと川の奥底へと沈んでいき、やがて見えなくなった。 その代わりに、まりさの帽子がプカプカと浮いていた。 「ゆわあぁぁぁぁっ!?まりさがしんじゃったあぁぁぁぁっ!!」 「「ゆんやあぁぁぁぁっ!?」」 「何嘆いてるんだよ。あいつ、ちゃんとゆっくりプレイスに行けたじゃん」 「「「なにいってるのおぉぉぉぉっ!?このゆっくりごろしいぃぃぃぃっ!?」」」 「ゆっくり殺しとは失敬な。俺はただの水先案内人だよ。……さて、次は姉妹仲良く行ってみるか!」 今度は子れいむ二匹を掴むと、さっきのまりさと同じように川へ投げ捨てた。 「「ゆゆ~ん!おそらをとんでるみたーい!」」 ……いちいちあの台詞を言わないと気が済まないのかね、ゆっくりって。 そう思ったのも束の間、子れいむ二匹はほぼ同時に川に落ちた。 「おちびちゃあぁぁぁぁんっ!?」 「ゆぶぶっ!?だずげでぇっ!!」 「れ、れい、ぶ、おぼっ、れ……!」 二匹共必死に揉み上げをワサワサ動かして溺れないように浮いているが、いかんせん子ゆっくり、すぐに動きが鈍くなっていった。 「ゆぶぅっ!!れいむはたすかりたいよ!!おねーちゃんは、れいむをあたまのうえにのせてねぇっ!?」 「な、なにいっでるぼぉっ!?れいむこそ、おねーちゃんをたすけるとおもってぎせいになってねぇ!?」 とうとう自分の姉妹を浮き島代わりにしようと醜い争いが勃発した。 「だずげろおぉぉぉぉっ!!ぐぞにんげんはさっさとおちびちゃんをだずげろおぉぉぉぉっ!!」 「じゃあお前が行けよ」 「ゆっ……!!」 俺がそう言うと、れいむは一瞬で黙ってしまった。 さすがの母性(笑)もこういう時はガキを見捨てるか。 「ゆ……、ぼ……」 「ぼ、ぼっど、ゆっぐ……」 とうとう子れいむ二匹も力尽き、まりさの後を追って川の奥底へと沈んでいった。 「……どうして、どうしてこんなことをするのおぉぉぉぉっ!?」 「何言ってんだ、ちゃんと送ってやったじゃないか。……『地獄』って名前のゆっくりプレイスに、さ」 「ゆ、ゆわあぁぁぁぁ……」 「さて、最後はお前だな。安心しろ、すぐに愛しのまりさとおちびちゃんに会わせてやるから」 「……や、やだあぁぁぁぁっ!!しにたくないぃぃぃぃっ!!」 「死んだ後の事気にしてるのか?大丈夫だって。お前らの死骸は川の魚達に食われるから。……良かったな、お前。初めて誰かの役に立てるぞ?」 これ以上れいむにうだうだ言わせても疲れるだけなので、さっさと川に投げ捨てようと手を伸ばした。 「やめてねえぇぇぇぇっ!?れいむには、かわいいあかちゃんがいるんだよおぉぉぉぉっ!?」 れいむのその一言を聞いた俺は、伸ばした手を一旦引いた。 「……お前、本当にガキが大事か?」 「あたりまえでしょおぉぉぉぉっ!?」 「……嘘だな」 「うそじゃないってばあぁぁぁぁっ!!」 「嘘だ。お前らはガキの事なんざ考えちゃいない。だってそうだろ?ガキがそんなに大事なら、何でこんな事をするのさ」 「ゆ……?」 「頭の上や腹の中にガキがいるのに、お前らときたら、やれレイプ、やれ挑発、やれお家宣言……。何でそんな事が出来んの?」 「だ、だって、もっとあかちゃんとゆっくり」 「馬鹿かお前。人間に喧嘩売ったらお前らなんざ瞬殺だろうが。そうなりゃガキだって死ぬだろ」 「で、でも」 「お前らのやってる事は、ガキを危険に晒してんだよ。家が狭いから何?ガキと一緒にいられるなら、それで良いじゃん」 「よ、よくないよ!おうちがせまかったら、ゆっくりできないよ!」 「ほら、ボロ出た。結局ガキよりも広い家の方を優先してんじゃん」 「ゆ、ゆうぅ……」 「もう一度言うぞ。お前らはガキの事なんざ考えちゃいない。お前らが一番大事なのは……、自分自身なんだよ」 「そんなことないぃぃぃぃっ!!」 「あっそ、自分よりもガキの方が大事なのな?俺、今からお前を川に投げるけど、代わりにガキを殺させるって言うなら、お前は助けてやるよ?」 「ゆ!?」 「どうする?ガキは自分がゆっくりする為の道具じゃないなら、出来るよな?」 「……ゆ、ゆ……、れ、れいむは……」 「……」 「……あ、あかちゃんをころしてねえぇぇぇぇっ!?かわりにれいむはたすけてねえぇぇぇぇっ!?」 ……やっぱ、そう言うと思った。 こいつ、結局ガキの命よりも、自分の保身を選びやがった。 「……ああ、いいぞ、助けてやるよ。……いや、やっぱガキの命も助けてやる」 「ゆっ……!?い、いいの……!?」 「ああ、別に良いさ」 「あ……、ありがとうございますうぅぅぅぅっ!!」 別に礼なんて言わなくて良いさ、れいむ。 「だって、俺が殺らなくても、代わりに殺ってくれる奴らがいるからさ」 「……ゆ?……なにいってるの……?」 「なぁ、れいむ。今、夕方だよな?」 「ゆ……、そ、そうだよ……」 「……何かさぁ、『鳴き声』が聞こえてこないか?」 「ゆ……、ま、まさか……」 「知ってたか?ここ、人間だけじゃなくてさ……」 「カァーッ!!カァーッ!!」 「カラスも利用してるんだよね」 俺が上を見上げると、すでに数羽のカラスが上空を飛び交っていた。 「ゆ、ゆわあぁぁぁぁ……」 「れいむ、この河川敷な、丁度向かい側が、お前らが住んでいたユンヤー公園なんだよ。ここは、カラス達の縄張りでもあるんだよ。何度かユンヤー公園にも、カラスが来たろ?」 れいむは顔を真っ青にしながら、震えていた。 カラスに襲撃された時のトラウマでも甦っているんだろう。 「なぁれいむ、お前ユンヤー公園から俺の家までどうやって来た?……多分、まりさに手伝ってもらったんだろ」 俺がそう尋ねると、れいむは震えながら頷いた。 「ここで問題です。今ここに妊娠中で満足に身動きが取れないゆっくりがいます。腹ペコなカラス達は、そのゆっくりをどうするでしょう?」 「あ、ああああ……」 上空のカラス達は、人間の俺を警戒しているので様子を見ているが、俺がここを去れば、れいむのゆん生はここで終了だ。 「じゃあなれいむ、ガキと一緒に達者で暮らせよ」 俺は段ボール箱かられいむを取り出すと、段ボール箱を畳んで脇に抱え、れいむに背を向けた。 「や、やべでえぇぇぇぇっ!!おいでいがないでえぇぇぇぇっ!!」 その叫び声を無視し、スタスタとれいむから遠ざかる。 「ゆ……、ゆぐうっ!!こうなったら、おくのてっ!だよおっ!!」 奥の手という言葉が気になって振り向くと、事もあろうに、れいむは左右激しく体を振っていた。 ……まさか、頭の上の茎を折って、少しでも身軽になろうとしてるのか……? 「ふんっ!!ふんっ!!ぐずは!!きらいだよっ!!はやくっ!!おれてねっ!!」 ……グズはお前だし、茎一本折れた所で、大して変わらないと思うんだが。 「ふんっ!!ふ……!?ゆっ!?ゆぎいっ!?」 突然れいむは奇声を発し、動きを止めた。 ……あ、産道から赤れいむが顔を出している。 あの激しい動きはかえって産気づくのが早くなったみたいだな。 「ゆゆ~ん!きゃわいいれいみゅがゆっくちうみゃれるよ!」 「ゆぎいぃぃぃぃっ!!ゆっくりしないではやくうまれろおぉぉぉぉっ!!」 赤れいむはふてぶてしい笑顔でそう言っているが、れいむにしてみりゃ、神経逆なでするような発言だな。 「ゆ……、ゆぅっ!!」 れいむが力むと、以外にも早く赤れいむはスポンと産道から飛び出て、そのまま地面に落ちた。 「ゆぴゃあっ!!れいみゅのぷりちーなあんよがぁっ!!」 どうやら落下の衝撃で底部を傷つけたらしい。 ……まぁ、赤ゆの薄皮じゃ、まずこうなるわな。 「ずーり、ずーり……!」 赤れいむを産み終えたれいむは、赤れいむに目もくれず、這ってその場から逃げようとした……、が。 「ずー……、ゆぎぎぃっ!?」 「ちゅぎはきゃっこいいまりちゃが、ゆっくりうみゃれるんだじぇ!」 今度は赤まりさが産道から顔を出していた。 ……あの分じゃ、まだまだ腹の中にガキがいそうだな。 「ゆぎいぃぃぃぃっ!!さっさとうまれろぉっ!!このくそまりさあぁぁぁぁっ!!」 「いやにゃんだじぇ!まりちゃはゆっくちうみゃれりゅんだじぇ!」 「ゆがあぁぁぁぁっ!!ころすっ!!ころしてやるうぅぅぅぅっ!!」 ……とうとうれいむは産道から出て来ない赤まりさと口喧嘩を始めてしまった。 ……そろそろ腹も減ってきたし、カラス達も早くゆっくり共を食べたいだろうな。 そう思った俺は今度こそ、後ろを振り向く事なく歩き出した。 「ギャーッ!!ギャーッ!!」 それが合図とばかりに、カラス達が荒々しく鳴き始めた。 後ろの様子は分からないが、ゆっくり共目がけて急降下しているんだろう。 「ギャーッ!!ギャーッ!!」 「ゆぴっ!?いぢゃい!れいみゅのあんよ、たべにゃいでえぇぇぇぇっ!!」 「まりちゃはおいちくにゃ……、ゆびゃあっ!!まりちゃのおめめぇっ!!」 「ゆぎゃあぁぁぁぁっ!!たべるならくそがきだけにしてえぇぇぇぇっ!!」 良かったな、カラス達、今日は腹いっぱい食えるぞ。 ……数日後。 今日は休日なのだが、特に何も予定が入っていなかったので、俺はユンヤー公園のベンチでコーヒーを飲んでいた。 ……ここは虐待鬼威惨のオアシスの筈なのに、今日に限って誰もいなかった。 何でも、商店街の方でドスまりさの解体ショーをやっているらしく、虐待鬼威惨達(虐太郎含む)は全員そこに行っているらしい。 「……あのめーりん、結局見かけなかったな……」 ……あれから、めーりんを見かける事は一度も無かった。 あの路地裏にいるのではと思って一度覗いたが、そこにもいなかった。 ……何より、俺があのめーりんを気に掛けていると言う事に、正直驚いていた。 ……虐太郎の話を聞くまでは、そんなに気にしていなかったのに。 「……ま、良いか。きっと、飼い主と仲良くやってるだろうさ」 俺はそう呟いて、他の場所に行こうとベンチから立ち上がった。 「ゆっへっへ!くずのぶんざいで、まりさにさからうから、こうなるのぜ!」 ベンチの後ろの茂みの方から、そんな声が聞こえてきた。 ……俺は思わず、飲みかけのコーヒーの缶を投げすて、走って茂みの中に入っていた。 「ゆっへっへ!よくもまぁ、こんなくそがきをかばえるもんなのぜ!」 茂みの中には野良まりさと、ボロボロの姿で倒れているゆっくりがいた。 ……そのゆっくりは、あの日見かけた、めーりんだった。 ……間違いない、あのめーりんだ。 バッジは付いていなかったが、あの幸薄そうな顔付きは見覚えがある。 ……しかも、そのめーりんの後ろには……、 「ぢゃおぅっ……。ぢゃおぉぉぉぉっ……」 めーりんに良く似た小さなめーりん……、赤めーりんがいた。 ……やっぱり、あの時妊娠していたんだ。 ……あの赤めーりんは赤ありす達とは違って、発情などはしていないから、レイパーではないと思う。 俺はゆっクリニックの医者ではないからはっきりとは分からないが、……そうだと思いたかった。 「ゆっへっへ!くずのくせに、このこうえんにすもうとするから、せいっさぶぇっ」 まりさは邪魔だったので、踏み潰してめーりんに駆け寄った。 「めーりん!おい、しっかりしろ!」 「ぢゃおう!ぢゃおうっ!」 「……じゃ、……お……」 ……良かった、まだ息はあるようだ。 「待ってろ!すぐゆっクリニックに連れて行ってやる!」 俺は傷だらけのめーりんと赤めーりんを一緒に抱え、ゆっクリニックへと走った。 ……俺がどうしてめーりんの事を気にしていたのか、分かった。 ……俺は、気になっていたんだ。 望まぬ命を腹に宿したこいつは、一体どうするんだろうかって。 ……そして、その答えが、これだった。 ……俺は、このめーりんを放っては置けなかった。 ……ただ、それだけだったんだ。 「ぢゃお、ぢゃーお!」 ……いけない、また居眠りしちゃった。 どうしたの?おちびちゃん。 「ぢゃおう!」 お兄さんが用意してくれたおやつを食べたいの? 良いよ、先に食べててね。お母さん、もう少ししたら行くから。 「ぢゃおう!」 あらあら、あんなに元気に跳ねて行って。 ……ふぅ。 ……あの日、野良ありすに無理矢理すっきりー!されてから、どれ位経っただろう。 あの時、ある人に助けてもらって、何とかお兄さんのお家に帰る事が出来たけど、お兄さんは『勝手に野良とすっきりしたのか』……って怒ってた。 ごめんなさいって何度も謝ったけど、バッジを取られて、私はお家を追い出された。 ……おちびちゃんがお腹の中にいる間、私は必死に生きていた。 ……おちびちゃんがお腹の中にいなければって思わなかったと言うと、嘘になる。 おちびちゃんの事を、憎いと思う事は、何度かあった。 ……でも、おちびちゃんが産まれた瞬間、ああ、私は何て事を考えていたんだろうって、恥ずかしくて、情けなくて。 この子は何にも悪くないのに、どうしてこの子を憎んだんだろうって。 ……そんな、最低なお母さんなのに、おちびちゃんは、笑顔で、ぢゃおって、挨拶してくれた。 ……だから、おちびちゃんにこう言った。 産まれてくれて、ありがとう。 ……それから、色々あって、私とおちびちゃんは、新しい飼い主さん……、新しいお兄さんに引き取ってもらった。 そのお兄さんは、あの時私を助けてくれたお兄さんだった。 お兄さんは私を病院に連れて行ってくれて、おちびちゃんに悪い病気がないか、検査も受けさせてくれた。 ……お兄さんがいなかったら、私も、おちびちゃんも、今頃どうなっていたか……。 「ただいまー。めーりん、良い子で留守番してたか?」 ……あ、お兄さんが帰って来た。 私はお兄さんを出迎える為、急いで玄関まで跳ねて行った。 「お、めーりん。腹減ったろ。すぐ晩飯作るからな」 お兄さんは出迎えた私の頭を軽く撫でてくれた。 ……私は、じゃおう、としか言えない。 伝えたい事が伝えられなくて、もどかしい思いをする事が何度もある。 ……でも、伝えたい。 ……いつか、自分の口で、ちゃんと、伝えたい。 「じゃおう!」 ……ありがとう、おにいさん。 END あとがき 久々の投稿となります。 一つの作品を考え、書き終えるのに相当時間がかかるなぁと思うこの頃です。 今回は、書き方を変えてみました。 ある意味実験的な作品なので、自分でもあまり良い内容とは思えません。 『めーりん優遇?もうお腹一杯だよ』と思った方に、お詫びします。 これからも、どうかよろしくお願いします。 ご感想、お待ちしています。 今までに書いたSS anko1656 クズとゲス anko1671 うにゅほのカリスマ求道記 anko1767 あなたは、食べてもいい○○○○? anko1788 そんなの常識ですよ? anko1926~1928 二人はW ~Yは二度と帰らない~ anko2079 しんぐるまざー anko2750 無意識だから anko2786 ともだち
https://w.atwiki.jp/limesama/pages/26.html
『ちびちゃと』とは? 『ちびちゃと』と言うのは 『もなちゃと』よりも幼稚で『喧嘩師』もそこまで強くないだろう などと主観的な意見が一方的に言われてますが、実は違います 個人と言わず、全体からみると、『ちびちゃと』のほうが タイピングが速いです ですが、論争に関してはどうかというと、すごい論争向けもいれあ 罵倒師に向いている人もいます これは、『もなちゃと』『ちびちゃと』どちらとも言えます そして、喧嘩だけではありません。 『ちびちゃと』は『もなちゃと』みたいに大部屋など地域別などと言ったものはないので、 『ちびちゃと』はちびちゃとでこれしかなのです。 人気投票を以前のホームページなど、それから他サイトで見てきましたが ちびちゃと より もなちゃと のほうが人気があるということは、すぐにわかりました。 まぁー最後の終わり方がいまいちですが、『ちびちゃと』の方もよろしくおねがいします。 ※喧嘩師が強い からといって、喧嘩師bかりいるというわけではないので、普通に楽しめます。 ですが、慣れるまで時間がかかると思います。
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/1334.html
・餡子ンペ出展『改造/失敗作の末路』 ・ゴミ処理場ネタでテーマ『改造』やろうと思ったけど、間に合わないので別ネタ。 「飼われいむはおちびちゃんが欲しい」 D.O ぺにぺに(まむまむ)と言えば、それはゆっくりにとっての生殖器を意味する。 器官としては単純な構造をしていて、外観はただの穴、 ただしゆっくり自身の意思で、体外に男性器のように飛び出させることもできる構造となっている。 体外に飛び出した状態をぺにぺに、体内に収納して穴のままの状態ならまむまむ、と呼ぶ。 ゆっくりの生殖行為は、一方のぺにぺにをもう一方のまむまむに挿入することで成立する。 ぺにぺにを挿入した側が精子餡、と呼ばれる特殊な餡子をまむまむ側に注入し、 精子餡を受け取った側が胎生型、あるいは植物型にんっしんをするのだ。 というわけで、ゆっくりにとって『ぺにぺに』は、子供を作るのに必要不可欠な器官なのである。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「ゆっくちちちぇっちぇにぇ。」 「ああ、これからは俺が飼い主だ。ゆっくりしていけ。」 れいむは今日、ゆっくりショップから買われた飼いゆっくり。 まだまだ生まれて一週間足らずの赤ゆっくりだ。 その表情は純粋で希望に満ち、おリボンにつけられた飼いゆっくり証明の銀バッジも、キラキラと輝いている。 「ゆっくちー。」 れいむは、生まれて翌日には親離れを済ませられ、涙を流す姉妹たちとともに飼いゆっくりとしての教育を受けた。 人間に迷惑をかけないための最低常識、『飼い主さん』と仲良くするとゆっくりできるということ、などなどである。 商品価値の問題もあるので、教育は生後3日程の間にみっちり行われた。 無論ゆっくり的道徳から見れば理不尽な内容も多く、しかも無条件に愛を与えてくれるはずの両親から引き離され、 それが終われば狭く透明なケースの中で、人間さんの品定めする視線にさらされ続けるのである。 ゆっくりショップでの生活は、まったくゆっくりできない日々であった。 「(ゆっくちできにゃいよ・・・。でみょ、れーみゅはかいぬししゃんと、ゆっくちくらしゅよ。)」 その中で支えとなったのは、『飼い主さんと仲良くすると、ゆっくりできる』という教えであった。 愛を与えられない悲しみ、過酷な教育を受ける苦痛。 だが、飼いゆっくりになれば、飼い主さんに迷惑さえかけなければしあわせーな生活が待っているのだ。 れいむはショーケースの中で、ゆっくりした未来を思い描いていた。 温かく安全なおうち、ゆっくりしたじゅうたんやベッドさん、柔らかく甘いゆっくりしたごはん、 恵まれた環境の中でゆっくりと育ったれいむの前に、ある日、とてもゆっくりしたまりさがやってくる。 まりさと瞬く間に恋に落ちたれいむは、情熱的なすっきりーを存分に行うのだ。 れいむの頭上には6匹のゆっくりしたおちびちゃん、れいむとまりさが3匹ずつ。 その後も何不自由ない生活の中で、おちびちゃん達はすくすくと育ち、やがておとなになる。 かつてのおちびちゃん達は、それぞれがとてもゆっくりしたつがいを見つけ、おちびちゃん達を産むだろう。 れいむが生涯を終えるとき、その周囲を飼い主さんと、何千匹もの自分の餡子を継いだ子たちが囲むのだ。 なんてゆっくりしたゆん生だろう。 これでこそ、れいむがゆっくりとして生まれた意味があるというものだ・・・・・・ 「じゃあ、ぺにぺに切ろうか。」 「・・・・・・ゆっ?・・・どうしちぇしょんなこちょいうにょ?」 「どうしてって。子供が出来たら俺がゆっくりできないだろ。俺がゆっくりできないと、お前もゆっくりできなくなる。」 「ゆ・・・おちびちゃん?ゆぴぅ?」 れいむはまだ赤ゆっくり。 人間で言えば2次性徴よりだいぶ前である。 将来おちびちゃんが欲しいとは思っているが、子作りの方法はよくわかっていない。 「ああ、お前子供だからよくわかんねえか。ぺにぺにってのは、無くなると子供が出来なくなるんだ。 お前に子供は必要ないからな。今のうちにぺにぺにを切っとくんだよ。」 なんとなくだが、れいむもぺにぺにの持つ意味を理解できた。 だが、もうひとつ疑問が湧いてくる。 「ゆぅう・・・?おちびちゃんはゆっくちできりゅよ?おにーしゃんもゆっくちできりゅでしょ?」 「俺はできん。勝手に増やされると迷惑なんだよ。じゃあ切るぞ。」 「ゆぁーん!やめちぇぇぇええ!!」 お兄さんは、れいむを左手でつまみあげると、ぷるぷると30秒程度小刻みに揺らしてやる。 「ゆ、ゆ、ゆ、ゆ、ゆふぅぅぅうううう?」 れいむの顔はすぐに紅潮し、あごの下辺りからつまようじの先程の小さなぺにぺにが飛び出してきた。 そこに爪切りがそっとあてがわれる。 「ゆっくちやめちぇぇぇ!きょわい『ぷちんっ』・・・・・・ゆぴぃぃぃぃぃい!いぢゃいぃぃぃいい!!ぴぅ、ぅ・・」 「あとはこうして生地で傷埋めて・・・と。終わりだ。じゃあ今後もゆっくりしていってくれ。」 「ゆびゅ・・・ぴぅ。れいみゅ・・・・おちびちゃ・・。」 れいむの夢見た未来は、こうしてあっさりと失われたのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「おーい、れいむー。公園いくぞ。」 「ゆっくりいくよ!ゆっゆーん!」 れいむは施術後、数日はお兄さんに厳しい目を向け、避けてはいたものの、月日を重ねるごとに従順になった。 そうして数ヵ月経って成体となった頃には、食事や遊びの時に、しあわせーできる普通の飼いゆっくりになっていた。 少なくとも表面上は。 れいむは、そこそこ優秀な飼いゆっくりだった。 それはれいむのリボンについた銀バッジからも確かであった。 バッジによる飼いゆっくり登録制度は、一応ガイドラインこそあれど、 事実上各自治体や企業で基準はバラバラと、かなり怪しい制度だ。 とはいえ、飼いゆっくりの質を把握すること、野良と区別すること等では役に立つので、採用され続けている。 ここ、虹浦市では以下のような基準となっている。 『銅バッジ』は、いわゆる飼いゆっくり証明証。 ただし躾等は行われていない。個体によっては優秀かも知れないので、マニアや慣れた調教師は好んで購入する。 『金バッジ』は、優良飼いゆっくり認定証。 人間に迷惑をかけない程度の常識を教育され、かつ人間との生活にストレスをあまり感じないという、 飼いゆっくり向きの性格だと認定された個体を示す。 人間の常識の中でゆっくりが生きると言うのは、野生に近い性格であるほど苦痛なものらしい。 では『銀バッジ』はと言うと、この2つの中間、人間に迷惑をかけない程度の常識を教育されたゆっくりである事を示す。 本来自分勝手で無条件に愛情が注がれることを望む赤ゆっくりが、生後数日で手にするには、 なかなかハードルの高いバッジなのであった。 「ゆーん!それじゃ、おにーさん。れいむはおともだちとあそんでくるよ!」 「あー、俺はココで寝てるから、好きに遊んでこい。」 「ゆっくりりかいしたよ!」 そんなわけで、れいむは飼いゆっくり生活のため、奪われた未来のことを忘れられないながらも、 人間と折り合いをつけて生きていくことを選んだのであった。 ・・・この日までは。 ここはデパート屋上に造られた、飼いゆっくり向けの施設が充実した室内公園。 公園では飼いゆっくり達が、いくつかのグループに分かれて各々ゆっくりと遊んでいた。 「こーりょこーりょしゅるよ!」 「わきゃるよー。」 「みゅほぉ!きゃわいいまりしゃにぇ!」 「れいぱーに、うんうんしゅるよ!しゅっきりー。」 「ゆぁーん。ありしゅ、ときゃいはにゃにょにー。」 赤ゆっくりや子ゆっくり達は、同世代の友達を作り、清潔な砂場の中で元気に跳ねまわっている。 「ゆゆーん。れいむのおちびちゃん、ゆっくりしてるよー。」 「ありすのおちびちゃんだって、とってもとかいはなのよ。」 「わかるよー。」 「みょん。」 子・赤ゆっくり達の中には、飼いゆっくりの両親から生まれたおちびちゃん達も多い。 そういった親ゆっくり達は、砂場の外でおちびちゃん達の遊ぶ姿を眺めながら、 子育ての苦労、自分のおちびちゃん達の可愛さ自慢などを楽しげに話している。 実は苦労しているのは飼い主の方なので、この親達はおままごとのような子育てを楽しんでいるだけなのだが。 他には少数のアスリートゆっくり達がぺにぺにやぺにぺに以外を鍛えているが、 大部分は先の2グループと、あと1つ、れいむを含めた去勢済みゆっくりのグループが占めていた。 「ゆぅ。おちびちゃんたち、たのしそうだね。」 「ゆっくりしてるわ。とかいはね。」 「うらやましいよー。」 遊ぶと言っても、おちびちゃんではないので飛んだり跳ねたりすることはない。 元々必要が無ければ運動もやりたがらないのがゆっくりなので、 子供もいない成体ゆっくり達が公園でやることと言えば、もっぱら井戸端会議となる。 未去勢のゆっくり達とは別グループ。 仲良くできるはずもない。 「ありすー、そろそろ帰るわよー。」 「ゆっくりわかったわ。おちびちゃん、もうかえりましょう。」 「ゆわーん。ありしゅ、もっとあしょびちゃいわ。」 「わがままいうのはとかいはじゃないわ。ぺーろぺーろ。」 「ゆゆーん、しゅっきりー。ありしゅ、ゆっくちりきゃいしちゃよ!」 「おちびちゃんは、とってもとかいはね!!すーりすーり、しあわせー!」 「しゅーりしゅーり、ちあわちぇー!」 「ほらほら。早く帰りましょ。今日はありすの好きなシュークリームよ。」 「「ゆっくりー!」」 自分達には得られない幸せを存分に味わうゆっくりを、恨めしそうにれいむ達去勢ゆっくりは眺めていた。 「ゆっくりしたおちびちゃん、ほしいねー。」 「むきゅん!ほうほうもなくはないわ。」 「ゆゆっ!?」×40 今日もそんな愚痴をこぼしていた所、これまた去勢済みのぱちゅりーが井戸端会議の輪に入ってきた。 「ゆぅー。またいなかものの、うそつきぱちゅりーがきたわ。」 「むきゅー!せめて『うわさずき』といってほしいわ!」 このぱちゅりーは、この辺りで飼われているゆっくり達の間では、『情報屋(自称)』として知られているけんじゃ(笑)。 噂から冗談、聞きかじりの知識など、あることないこと収集してはばら撒く、 井戸端会議では必須のキャラクターであった。 まあ、嘘つきぱちゅりーは言いすぎだが口が軽いので、秘密は絶対話せないタイプである。 だが、れいむはぱちゅりーの言葉に食いついた。 「そんなことより、れいむたちでもにんっしんするほうほうがあるの!?」 「わからないよー。」 「むきゅん。ぱちゅりーのじょうほうもうから、ゆっくりできないうわさがながれてきたのよ。まぎれもないじじつよ!」 「ゆっくりしないでおしえてね!」 「むきゅー。それじゃあ、このとっておきのじょうほうを、とくべつにおしえてあげるわ!」 「ゆっくりおしえてね!」×120 結局、みんな興味深々だった。 ・・・・・・。 それは、あまりにゆっくりできない方法であった。 多くのおちびちゃん達を生贄に捧げ、決められた手順に沿って儀式を行う。 幼く罪もない多くの命を犠牲にすることで、ぺにまむを失ったゆっくりでもにんっしんできる、というものである。 ただし、犠牲が多すぎること、手順に間違いがあると効果も失われることから、 これまでこの方法が成功した例は無い、という事らしい。 人間が聞けば矛盾だらけのぱちゅりーの話だったが、ゆっくり達は完全に信じた。 とはいえ、信じることと実行しようと考えることは別問題である。 「わ、わからないよー。」 「そ、そうね。よそのこでも、おちびちゃんはおちびちゃんよ。」 「そ、そんなの、ゆっくりできないみょん。」 ゆっくり殺しはゆっくりできない。 ましてそれがおちびちゃんであれば、なおさらであった。 それは、自分のにんっしんと引き換えにするとしても、高すぎる代償であった。 「むきゅーん。でも、このくらいしないと、ぱちゅりーたちはにんっしんできないわ。」 「もういいよー。ますますゆっくりできないよー。わかってねー。」 「むきゅ、そうね。じゃあ、つぎはとってもゆっくりした、ひとりすっきりーのほうほうをはなすわ!」 「ゆゆっ!!」×300 「むきゅー。まずはこんにゃくさんを・・・」 周囲のみんながぱちゅりーの性生活を垣間見ている頃、れいむはただ1匹、考え込むような表情のまま、 井戸端会議の輪から離れていったのであった。 「おちびちゃん・・・れいむのおちびちゃん・・・」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− れいむの子作りへの執念の強さは、人間にも、他の去勢ゆっくりにも理解できないものであった。 それは、れいむ自身の生まれ持った性格もあるが、不幸な偶然の積み重ねも原因であった。 そもそも、れいむが育ったゆっくりショップのゆっくり達は、すっきりー禁止の教育は受けていない。 客の中にはすでに飼っているゆっくりのために、つがいとして買っていく人も多いからだ。 教育内容としては『飼い主さんに逆らわない』だけで、その後すっきりー禁止、あるいは去勢するのは飼い主の自由。 実はゆっくりショップでも去勢済み赤ゆっくりは販売しているが、値段は数割増しだ。 これは、ゆっくりの体だけでなく、心にも傷が残らないように施術する技術料である。 もっとも普及している去勢法は、ゆっくりにとって麻酔となるラムネに発情剤を混ぜて眠らせ、 ギンギンになっているぺにぺにを、眠っている間に切り取ってしまう方法だ。 施術は赤ゆっくりのうちに行う。 これは別に博愛主義的な理由ではなく、ぺにぺにを失ったことによる喪失感やショック(+人間への不信感)を、 極力減らすために行っている処置だ。 ぺにぺにの存在理由もよくわかっていないうちに、しかも気がつけば切除されている、というようにすることで、 別にそんなもの無くてもゆっくりできる、という程度の認識になる。 こうすると、成体になった頃自分に子供が出来ないことは理解しても、あきらめがつく程度のショックで済むのだ。 だが、お兄さんは、何も理解していなかった赤れいむに、わざわざぺにぺにの存在理由を教えてしまった。 しかも、自分の顔を見せないなどの対策もせず、飼い主自身の手でぺにぺにを切り取る瞬間を見せつけてしまったのである。 いっそ銅バッジのゆっくりだったら、露骨に嫌悪感を飼い主に見せただろうから、決着は早く着いたはずであったろう。 お兄さんが仕事に出た後、れいむは庭の生け垣の向こうにいる、一匹の野良まりさに声をかけた。 「ゆぅ、まりさ。てにいれてほしいものがあるよ。」 「ゆっへっへぇ。あまあまさえくれれば、しろいこなさんから、きれいなこいしさんまで、なんでもてにいれてやるのぜぇ。」 野良まりさは、ゆっくり的に言えば非合法な商品を扱う売人である。 白い粉=小麦粉はゆっくりの治療薬(外傷用)だが、吸引すれば麻薬にもなる。 まともな飼い主なら、ゆっくりの手の届かないところに管理する。 きれいな小石は、要するに河原の小石とかだが、これまためったに外に出ない飼いゆっくりだと手に入れにくい。 野良だってそれなりに入手ルートは必要だが、案外飼いゆっくりより自由にモノが仕入れられるのだ。 金バッジ認定されるようなゆっくりでなければ、飼いゆっくりにはストレスをため込む者も多い。 れいむも多くの飼いゆっくり同様、しばしばおやつのお菓子で小麦粉を購入しては憂さを晴らしてきていた。 「ゆぅぅ。きょうはちがうよ。・・・・・・のらのおちびちゃんを、たくさんもってきてほしいんだよ。」 「ゆ、ゆ?・・・ゆふぅ。れいむにもそんなしゅみがあるなんて、まりさもしらなかったのぜぇ。ゆへぇ。」 わずかに冷や汗をかきながら、口の端を釣り上げて、陰気な笑みを見せる野良まりさ。 本心からの笑みでは無いことは、さすがにれいむもわかる。 野良まりさは、れいむが野良のおちびちゃんを使って、れいむ自身の薄暗い欲望を満たすつもりなのだと考えたようだった。 実際、野良まりさの客にはそういう飼いゆっくりも多い。 「おちびちゃんで、なにするのぜぇ?じわじわころすのぜ?すっきりーするのぜ?かんしんしないのぜぇ。」 「ゆぅっ、ゆぅー!ちがうよ!なんでもいいから、はやくもってきてね!」 「・・・しゅるいはなんなのぜ?かみがくろいのぜ?それともきんいろなのぜ?かずもいうのぜ。」 野良まりさの声が機械的なモノに変わる。 完全に商談として、頭を切り替えたようだ。 「・・・・・・れいむのおちびちゃんだけ、うまれたてで、このふくろはんぶんくらいでいいよ。」 れいむは、コンビニの買い物袋をまりさに渡す。 「ゆ゛ぅ。ずいぶんはでにやるのぜ・・・。」 「なんでもいいよ。できるの?」 「・・・・・・・・・まかせるのぜ。あしたのおひるにはもってくるのぜ。おなじりょうのあまあまとこうかんなのぜ。」 「わかったよ。」 まりさはコンビニ袋を口にくわえ、路地裏に消えていった。 そして、れいむは自分が引き返せない道に進みつつあることを感じていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 翌日の昼には、生まれたてでつやつやぷにぷにな赤れいむ10数匹をコンビニ袋に詰めてやってきた。 「ゆぴぃ。ゆっくちできにゃいよぉ。」 「しぇまいよぉ。ゆっくちさせちぇー。」 「しゅーやしゅーや、ゆぴー、ゆぴー。」 どうやって手に入れてきたかは野良まりさも語らない。 れいむにとってもなんの興味もない事であった。 「・・・さいごまでよくかんがえるのぜ。いまならまにあうのぜ。」 「まりさにはかんけいないよ。」 「・・・・・・だからいってるのぜ。」 まりさは、結局お菓子を受け取ると、れいむの方を振り向くことすらなく路地裏に消えていった。 れいむは、その姿を見届けることもなく、儀式の準備に取り掛かる。 時刻は太陽さんがオレンジ色に輝き始める頃。 庭の真ん中に、自分の体より少し大きく、深さはあごが隠れるくらいの穴を掘る。 「ゆぴぇ!ゆぅーん、おにぇーしゃん、ゆっくちさせちぇにぇ!」 次に、袋の中でもしょもしょと這う赤れいむを1匹とりだす。 そして、先のとがった棒を咥え、 「ゆぅ、おにぇーしゃん、どうしちゃにょ『ぷすり』ゆぴゃぁぁぁあああ!!」 転がした時に横を向いていた可愛いあんよに棒を突きたてた。 「ゆぁーん。どうしちぇしょんなことしゅるにょ『ころころころ、ぽろり』ゆあぁぁあ、おちりゅぅぅぅ。」 あんよに穴を開けた後は、死なせてしまわないようにそっと転がして、穴の中に放り込む。 「やめちぇ『ぐさり』ゆぴぃぃー。」 「ゆっくちできにゃ『ぷすり』ゆんやぁー。」 1匹取り出してはあんよに穴を開け、穴に落とす。 処置した赤れいむが5匹を越えたあたりからは、袋の中の赤れいむ達も異常に気付いて逃げだそうとするが、 所詮はまだ生まれたてで這いずるくらいしかできない赤れいむ達。 逃げる方法もなく、れいむの届かない所に隠れようと、袋の奥へと逃げ固まり、もしょもしょと身を寄せ合って震えていた。 「はやくでてきてね!」 「ゆぴぁぁー。たしゅけちぇー。」 無論、袋の中でどれほど奥に隠れようと、れいむが舌を伸ばせば簡単に届く。 結局生まれて間もなく親元を離され、袋の中で震えていた赤れいむ達は、 1匹残らずあんよに穴を開けられ、庭の穴の中に敷き詰められた。 「ゆっくちたしゅけちぇー。」 「みゃみゃー。ぴゃぴゃー。」 「おにぇーしゃん、ぺーりょ、ぺーりょ。ゆっくちちちぇにぇ。」 「しゅーり、しゅーり。みんにゃ、ゆっくちちちぇー。」 ぷりぷりとした、可愛い可愛い赤れいむ達。 穴のふちで、息も絶え絶えながらいまだにお互いを気遣う赤れいむ達を眺めていたれいむだったが、 その健気な姿も、決意を揺るがせるには至らなかった。 「おちびちゃんたち!」 「ゆぴぃ。おにぇーしゃん、ゆっくちちちぇー。」 「れいむのおちびちゃんのために、ゆっくりしんでいってね!!」 「ゆ、ゆぴゃぁぁああああ!!」×16 そういうと、れいむは穴の中に、ゆっくりと飛び降りた。 「ゆぴゅ・・・おみょい『ぷちゅ』・・・」 「ゆっくち、ちちゃか『ぐちゃ』・・・」 「どうしちぇ、みゃみゃ『ぷちっ』・・・」 じわり、とれいむのあんよに生温かく水気の多い餡子の感触が広がる。 ぷちりぷちり、とれいむのあんよに赤れいむの潰れる感触が伝わる。 ・・・やがて、赤れいむの声が聞こえなくなり、庭に掘った穴は、新鮮な餡子で満たされた風呂になった。 これこそが、れいむがぱちゅりーから聞いた、儀式の全てであった。 「ゆ、ゆ、ゆぅ。これで、これでおちびちゃんが・・・。」 ぱちゅりーの話が正しく、儀式が成功していれば、 れいむは今夜すーやすーやすると、朝にはれいむのお腹の中に、新しい命が宿っているはずであった。 れいむは全てが終わった後、お兄さんにばれないように庭の穴を埋め、 全身を泥まみれにして餡子風呂の痕跡を隠し、 お兄さんの帰りを待った。 お兄さんはれいむの汚れ方に驚いたものの、 めったに元気よく遊ぶことのないれいむが、珍しくはしゃいでいる事にむしろ喜んでいた。 形ばかりは叱ったものの、お風呂にれいむを入れてやり、珍しくゆっくりフード以外のご飯も作ってあげた。 その日、庭でれいむが何をしたのか、全く疑うことなく。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 翌日、れいむは自分のお腹の中に、たった1つだけではあるが、確かに新しい命の存在を感じた。 ゆっくりの本来の生態から考えると、まったくありえないにんっしんであった。 全ては、思い込みが行動や能力に多大な影響を与える、ゆっくり特有の性質によるものであろう。 胡散臭く凄惨な儀式を、本当に効果があるものだと本気で信じたこと。 それ以上に、おちびちゃんが欲しいという想い。 れいむの良くも悪くも、純粋な願いが、れいむの体に限界を超えさせたのであった。 その日から数日、れいむの食欲は倍増し、瞬く間にサイズが増していったが、 お兄さんも、まさかれいむがにんっしんしているなどとは思わず、 「最近太ってるけど大丈夫か?」 などと言う程度だった。 胎生型にんっしんにしては大きく育っていないことも、ごまかすことが可能だった原因だったかもしれない。 多産なゆっくりは、植物型にんっしんで5~10匹、胎生型でも2~3匹は産む。 まして胎生型なら赤ゆっくり1匹のサイズもビリヤードのボール並になる。 通常のにんっしんであれば、さすがにお兄さんも気付いたであろう。 そしてにんっしんから4日後、通常のにんっしんよりかなり早く、れいむは産気づいた。 今は夕方だが、お兄さんはまだ仕事で家にいない。 出産のタイミングとしては今しかなく、れいむはお兄さんの枕をおちびちゃんの着地地点に置き、出産の体勢に入った。 「ゆ、ぎ、ぎ、ぎぃぃぃ!おちびちゃん!ゆっぐぢうまれでねぇぇぇぇえええ!!」 ぺにぺに、まむまむを失っているれいむは、普通の出産が出来ない。 そのためおちびちゃんは、メリメリとあにゃるから顔を出していた。 うんうんと同じ感覚で産もう、などと器用な事が出来るわけでもなく、れいむの表情は苦痛にゆがむ。 だが、この苦痛の先には明るい未来があるのだ。 そして、 しゅぽーん。ぺちょり。 「ゆ、ゆ、ゆぅぅ・・・」 「おちびちゃん!」 「ゆ、ゆっく、ゆっくちちちぇっちぇにぇ!!」 「ゆぅぅぅううう!おちびちゃん、れいむのおちびちゃん!ゆっぐぢぢぢぇっぢぇにぇぇぇええ!!」 れいむから生まれた赤ゆっくりは、たった1匹だけ。 ゴルフボールより少し大きい程度の、胎生出産にしては小さすぎる赤れいむであった。 思い込みで乗り越えた限界も、この辺りが精一杯であったのであろう。 「しゅーりしゅーり、ちあわちぇー。」 「ゆぅぅぅううう!ずーり、ずーりぃ!!」 「ゆぁーん、おきゃーしゃん、いちゃいよぉ。」 「ゆふふふぅぅぅ!ごべんでぇぇぇぇええ!!」 だが、一度は完全に諦めていた、自分の体を痛めて産んだおちびちゃん。 大切に、大切に育てていこう、そうれいむは誓ったのであった。 お兄さんにばれたらおちびちゃんが酷い目に会うかもしれない。 自分みたいにぺにぺにを切らせるわけにはいかない。 おちびちゃんを隠すなら、めったに使ってない物置部屋の、机の下をおうちにしよう。 今日までずっといい場所を探していたんだ。 ご飯は、れいむが大食いになったふりして、いくらかお口の中に隠して持っていこう。 うんうん、しーしーはティッシュさんをおうちに持っていけばいい。 物置部屋は奥の部屋だから、夜でもなければ少しくらい声を出しても大丈夫。 大きくなったおちびちゃんには、ゆっくりしたお嫁さんを連れてこないと。 そうだ、公園で遊んでいたあのまりさはどうだろう。 とってもゆっくりした飼いまりさだった。 きっとれいむのおちびちゃんと、相性バッチリだ。 そしたら、おちびちゃんのおちびちゃんも・・・・・・ れいむは、これまで足りない頭で必死に子育て計画を練っていた。 それは、れいむがあの『儀式』を知るずっと前から。 いつか築き上げる、れいむのゆっくりした家族、 じぶんが赤ゆっくりだった頃に夢見た未来のために。 「おい。なんだその赤れいむは?」 まったく無駄だったが。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「だから、何なんだよ。この赤れいむは。」 お兄さんは、れいむが産気づいている間に家に帰って来ていた。 帰っても出迎えが無いのは珍しいので、何かあったのかと思って探してみればこの結果である。 ちなみに赤れいむは、ぴーぴーうるさいのでゆっくりフードにラムネを加えて食べさせ、すーやすーやしてもらっている。 れいむも赤れいむも、お兄さんの机の上に乗せられた。 特にれいむはデスクライトを真正面から向けられ、取り調べの様相となっている。 「しゅーや、しゅーや・・・ゆっくちー。」 「・・・れいむのおちびちゃんだよ。」 「ああ。さっきの見てたから、そこは理解した。でも、何でだ?まむまむは無いんだぞ?父親はだれだ?」 「ゆぅ・・・それは・・・」 ゆっくりは精子餡を体内に受け取るどころか、体に浴びるだけでも時にはにんっしんしてしまうほど、すっきりーの成功率は高い。 あにゃるでも口内すっきりーでもドンと来いである。 ただし、ぺにぺに(まむまむ)を切除されると、思い込み効果であろうが、 にんっしん能力を完全に失うはずなのであった。 「あり得ないだろ。お前の態度を見てると、どっかからチビを拾ってくるかもとは思ってたが。まさか産むとは・・・。」 れいむは、全てを話した。 儀式の話、全てを。 れいむは、自分が野良と接触していたこと、勝手ににんっしんした事を怒られると思っていた。 だが、詳しい話を聞くうち、困惑の中にも怒気を含んでいたお兄さんの表情は消え、 話が終わった頃には、無表情ながら、顔色が多少青ざめていた。 「れいむ。」 「ゆぅ。」 「今の話、全部本当か。」 「そうでず。だまっててごべんだざい。」 お兄さんとしても、さすがに全ては信じられなかったのか、話の途中で庭まで見てくる程だったが、 穴の痕跡を少し掘り返したところで見つけた、小さなリボンの残骸とコンビニ袋を見ると、 それ以上掘り返すまでもなく信じるしかなかった。 「れいむ・・・・・・お前はもう飼えないよ。」 「ゆっ!?ゆぅ、ゆっくりりかいしたよ。」 銀バッジ試験を受けた頃から教えられていたこと。 飼いゆっくりが勝手に子供を作ったら、捨てられたり、折檻を受けたり、 ゆっくりできない事になるということは、ずっと前から聞いていた。 「おにいさん、れいむは、おちびちゃんとゆっくりいきていくよ。・・・さようならだね。」 おちびちゃんは、今も机のど真ん中で、仰向けに寝転がって気持ちよさそうに寝息を立てている。 「ゆぴー、ゆぴー。もうたべられにゃいよぉ・・・」 このおちびちゃんが、野良として過酷な環境に生きていかなければならないのはつらいが、 もはやれいむにはどうしようもない事であった。 お兄さんは文房具立てに立ててあったはさみを手に取ると、 赤れいむの口のすぐ下とぺにぺにの位置に先端を押し付け、 しょきん 赤れいむの腹を縦に切り裂いた。 「ゆ・・・ぴゅ・・・」 赤れいむは相変わらず穏やかな表情のまま、2~3度ぷるぷるっ、と痙攣すると、 口の端から餡子を一滴たらし、そのまま動かなくなった。 「?・・・ゆぁぁっぁああああああー!ゆっぐぢぢでぇぇえええ!」 れいむは赤れいむの傷口をぺーろぺーろして癒そうとするが、 舌が赤れいむに触れるたびに、腹の傷口から水気の多い餡子がごぽっと流れ出す。 れいむの見ている前で、赤れいむは安らかな表情のまま餡子の水たまりを広げていき、 へにょへにょとしぼんでいった。 「ゆびぇぇぇぉえええええ!!なんでぇぇぇえ!なんでなのぉぉおお!おにいざぁぁあん!!」 「・・・子供に罪は無いからな。楽に済ませた。」 「なにいっでるのぉぉぉぉぉ!!」 「俺も、育て方失敗したな。」 「ゆぁぁぁあああああ!!おちびぢゃんがぎらいなら、ずでればいいでじょぉぉおお!どおぢで!どおじでぇぇえええ!!」 お兄さんは、飼えないと言った理由をれいむが誤解している事をわかっていたが、もはや訂正しなかった。 ゆっくりが嘘をついたり、ごまかしたり、わがままを言ったり、物を壊したりするのは、叱りはするが別に捨てる理由にはならないと。 たとえ野良の赤ゆっくりを拾って、隠れて育てていたとしても、それは変わらないこと。 ひょっとしたら、1匹くらいしょうがないと、れいむと一緒に飼ってあげたかも知れないこと。 しかし、今後もれいむを飼っていくには、今回の行いは余りにもおぞましすぎたのだ。 お兄さんもゆっくりの育て方を知らなすぎたと反省してはいたが、このれいむが特殊な部類であろうことは、さすがに理解できていた。 それにもうひとつ、れいむは誤解していた。 「ゆぎぃぃぃいいいい!!はなしでぇぇえええ!れいむをはなじでぇぇえええ!!」 お兄さんは先ほど穴から掘り出してきた、かつて野良赤れいむが詰められていたコンビニ袋にれいむを詰め込む。 赤れいむの遺体も一緒に。 「ゆぁぁあぁあああ!おちびじゃん!おぢびぢゃぁぁあああん!!」 そして、口をしっかりと結んでれいむを閉じ込めると、かかとをそっとれいむの頭の真ん中に乗せた。 「れいむは、れいむはのらになっで!もっどおぢびぢゃんをうむんだよぉぉおお!! たぐざんのおぢびじゃんど、おぢびぢゃんのおぢびぢゃんど、おぢびぢゃんのおぢびぢゃんのおぢびぢゃんど・・・」 れいむは誤解していた。飼いゆっくりを生きたまま捨てるのは、マナー違反だ。 「ゆあぁぁああああ!!れいむはおぢびじゃんとゆっぐりずるんだぁぁああ!!ゆひぃ!ゆひぃぃい!ゆっぐぢ」 お兄さんはそっと、全体重をかかとにかけた。 ・・・・・・ぶじゅり。 餡小話掲載作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 ふたば系ゆっくりいじめ 305 ゆっくりちるのの生態 ふたば系ゆっくりいじめ 436 苦悩に満ちたゆん生 ふたば系ゆっくりいじめ 628 ゆきのなか ふたば系ゆっくりいじめ 662 野良ゆっくりがやってきた 本作品 『町れいむ一家の四季』シリーズ 前日談 ふたば系ゆっくりいじめ 522 とてもゆっくりしたおうち 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけのおまけのおまけ) 夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還 秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ 秋-2. ふたば系ゆっくりいじめ 271 都会の雨さんもゆっくりしてるね 冬-1. ふたば系ゆっくりいじめ 490 ゆっくりしたハロウィンさん 『町れいむ一家の四季』シリーズ 後日談 ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光 ふたば系ゆっくりいじめ 333 銘菓湯栗饅頭 ふたば系ゆっくりいじめ 376 飼いゆっくりれいむ ふたば系ゆっくりいじめ 409 町ゆっくりの食料事情 ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(おまけ) 挿絵:儚いあき
https://w.atwiki.jp/limesama/pages/21.html
ちびちゃとニュース 説明 ちびちゃとニュースでは、ちびちゃとで起きた事、ちびちゃとで起こった面白いことなどを ニュースでお伝えしていくものです。