約 3,283,663 件
https://w.atwiki.jp/god14/pages/908.html
発言者:藤井蓮 Dies iraeの共通ルートで出てくる、蓮の心の中の台詞。 教会で夕食をごちそうになった蓮と香純が帰る時、見送りに来たトリファが蓮だけに話したい事があると言い、香純は気を利かせて離れる。 トリファは蓮がメルクリウスの代替であるツァラトゥストラかどうかを確認するために行ったのだが、会話の流れで諏訪原市で起きてる連続殺人事件が話題になり、そのくらいでは田舎に帰らないと言った蓮に対して「両親は心配しないのか?」と訊き、その時蓮が思ったのがこの台詞である。 両親は自分が赤ん坊のころに死んだと香純の親に聞かされ、会ったことも無いので感慨深いものでは無いと自己完結しているが、「両親は心配しないのか?」と尋ねられた時の妙にぽかんとした表現、この台詞の前に「両親?」とわざわざ前置きをしている文章、この台詞が出た時の画面がグジャグジャになっている演出。 それはまるで、両親に対して特に思い入れがないというよりは、自分の親という概念を今まで意識どころか認識すらした事が無く、何よりも大切にしている日常に最初から組み込まれていなかったかの様な異質な存在の如き扱いである。 まあ蓋を開けてみれば『藤井蓮』の生みの親はアレなので、何だそれはと言いたくなるのも自明の理である。 関連人物 メルクリウス ( ∴)「親? なんだそれは? 自身の発生源でしかないモノにそれ以上どんな感慨を抱けと言うのだ?」 -- 名無しさん (2015-08-07 23 40 35) そもそもエロゲにおいて、親というのは設定上の存在でしかないわけでありまして -- 名無しさん (2015-08-08 12 37 30) セージ、そばもん「はい?」 -- 名無しさん (2015-08-08 17 14 25) ここの演出でゾッとしたな -- 名無しさん (2015-08-08 19 31 21) 最初、親?なんだそれは? 最後→親?なんであれなんだorz 練炭ェ… -- 名無しさん (2015-08-08 19 35 54) 畸形の触覚である覇吐ですら明確に親と呼べる存在がいたというのになぁ…… -- 名無しさん (2015-08-09 03 49 34) エロゲの親が重要な役割果たす話もある所にはあるからなぁ。戦神館しかり大図書館しかり -- 名無しさん (2015-08-09 04 07 13) セージ「何だそれは?」 -- 名無しさん (2015-08-09 05 40 43) 蓮「What's that?」 -- 名無しさん (2015-08-09 11 58 43) 海外のオタクも、日本の作品は登場人物の親の描写がないのがおかしいっていってるしな。だからと言ってセージはダメだ -- 名無しさん (2015-08-09 16 18 05) だって海外は親子関係を用いた話が多いし・・・(アメコミとか血縁が凄まじい)。まあ、国の創作の定番がそれってだけだが -- 名無しさん (2015-08-09 16 29 35) 蓮「親なんていなかった、いいね(脅迫」 -- 名無しさん (2015-08-09 16 40 24) 親はヘンタイ界の神(白目 -- 名無しさん (2015-08-09 16 41 31) このシーンは主人公の来歴の異質さをストレートに表現していて好きだわ。まさに厨二ってな感じで! -- 名無しさん (2015-08-10 08 51 18) まぁある意味、ラノベとかでよくある親族とかが全く出てこない主人公に対する意見とも受け取れる。蓮はメルクリウスが創った聖遺物と劇中で明かされるけど、そういう設定もないのに両親死亡の天涯孤独とかいうある種都合の良い設定はいただけないよね -- 名無しさん (2015-08-22 11 33 21) ↑ じゃあライルやノウは駄目だな、彼らは両親が死んでるし。そもそもキャラの生い立ちやら自体が、作者の作品にとって都合の良い設定なんですがねえ… -- 名無しさん (2015-08-22 14 31 51) まあ主人公に親いないってのは定番と言うか暗黙の了解で突っ込むのも野暮の域になってるし、話を進める上で邪魔になりかねない可能性(主人公が親の迷惑顧みず好き勝手してる形になる)もあるからなぁ -- 名無しさん (2015-08-22 19 56 34) そもそも創作自体作者のやりたい放題なんですが… -- 名無しさん (2015-08-22 20 27 13) (≖‿ゝ○)「さあ、パパと呼んでごらん」 -- 名無しさん (2015-08-22 20 50 37) まーたラノベに親殺された奴が沸いてんのか -- 名無しさん (2015-08-22 23 41 39) ↑×2息子が監督してる時に娘の嫁においたしそうな人をパパとは呼べません -- 名無しさん (2015-08-22 23 45 15) ↑息子だった死にたい・・・ -- 名無しさん (2015-08-22 23 46 41) ↑キマシタワ!?キマシな娘作ってくれてその子にヒロイン攻略させるように仕向けてくれる水銀の蛇有能。 -- 名無しさん (2015-08-23 00 04 11) ↑息子(蓮)作って息子(マキナ)に攻略させてたね三つ巴ルート -- 名無しさん (2015-08-23 00 18 26) ↑4 てかこの人、自分で手を出すより息子に手を出させて、それを覗き見するタイプだと思うのだがそれは…… -- 名無しさん (2015-08-23 09 22 24) ↑3 ( ≖‿ゝ○)私の代替なのだから男じゃなきゃ駄目だろう常識的に考えて… -- 名無しさん (2015-08-23 11 31 07) だったら蓮子ちゃんも出して下さいよ! -- 名無しさん (2015-08-23 18 16 45) 主人公男女選択式、男女両方とも用意しとく、両性具有、魂が男女二つあって表に出る人格によって体が変わる・・・色々あるな -- 名無しさん (2015-08-23 19 17 05) シークレットガーデンを開きそうだな、名前も蓮だし(スパー -- 名無しさん (2015-08-24 16 16 30) ↑↑両性具有は好み分かれるだろ… -- 名無しさん (2015-08-24 18 31 52) ドイツ→何だそれは→思いっきり滅茶苦茶激しく(ryが並んでなんかじわった -- 名無しさん (2015-08-24 18 41 14) ↑草 -- 名無しさん (2015-08-24 18 41 58) ↑3 そういや錬金術では水銀は両性具有の象徴だったような... -- 名無しさん (2015-08-24 18 48 27) ↑これは蓮子ちゃん出してバランスとらねば(使命感) -- 名無しさん (2015-08-24 20 19 28) 冷蔵庫鯖折りすんなw -- 名無しさん (2015-08-24 20 36 50) すまぬ…投稿場所間違った -- 名無しさん (2015-08-24 20 37 34) ×8 各ヒロインのシークレットガーデンか…【表層】【ネタ】【シリアス】でやると納まりがいいんだが。【ネタ】【ネタ】【シリアス】でもいいが。 -- 名無しさん (2015-08-24 22 40 42) 親があれだからな、そんな態度取りたくもなる(違ったっけ?) -- 名無しさん (2015-08-25 00 27 33) ↑↑カッス「俺のSGが知りたいか?」 -- 名無しさん (2015-08-25 09 16 56) 【人間賛歌】【魔王】【性悪説の奴隷】とかじゃね? -- 名無しさん (2015-08-25 23 59 36) カッス聖杯戦争に出たら余裕で優勝できるんじゃ… -- 名無しさん (2015-08-26 09 09 41) スカアハ師匠みたいに、人間で有りながら神の領分に到達した罪で、世界から弾かれそうだが -- 名無しさん (2015-08-26 19 41 00) (゚∀。)y─┛~~ 愛い、愛い -- 名無しさん (2015-08-26 19 51 17) ↑ コイツのガーデンは絶対阿片畑… -- 名無しさん (2015-08-26 20 40 01) 【阿片中毒】【仙王】【家族への想い】か…… -- 名無しさん (2015-08-26 21 02 52) ↑4世界に穴開けて帰ってきそう(小並感)抑止力が出てきても火にニトログリセリンぶち込む所業にしかならなさそう。いやならない(断言) -- 名無しさん (2015-08-26 21 25 44) 英霊の座どころか神霊を召喚できる時点で少なくとも汚染された聖杯より有能なんだよなぁ 封印指定不可避 -- 名無しさん (2015-08-26 22 13 13) というかコイツ開催者だろ……全平行世界最大規模の… -- 名無しさん (2015-08-26 22 45 09) 盧生のスペック、あの世界じゃお月様に直結してるみたいなモンだしなぁ……(´・ω・`) -- 名無しさん (2015-08-27 10 39 38) ↑ なんだ、それは?(汗 -- 名無しさん (2015-08-27 10 40 38) ↑ムーンセルの事かと。月に誕生から地球を観測している機械があり、記録した内容から神格や英雄を複製できるってやつ、かな? -- 名無しさん (2015-08-27 12 02 32) ↑追記 複製やない、再現だ -- 名無しさん (2015-08-27 12 03 06) 狩摩とドレイク姐さんが組めば何も恐る事は無いな -- 名無しさん (2015-08-27 12 15 48) ↑×2宇宙人の作った座や邯鄲と盧生みたいなもんだな。しかしあれも「人類の進化には戦争が不可欠だ!!」な医者とか、「全人類と乱パするためにか神になるしかない!」な真言立川流の尼僧とかロクな奴が来ないw -- 名無しさん (2015-08-27 12 25 10) この手の作品のラスボスは良くも悪くも極端な奴しかいないからなぁ。変に現実的で理屈っぽいと逆にキャラ薄くなりかねないし -- 名無しさん (2015-08-27 12 45 31) ↑↑どの世界線でも聖職者っていっそ清々しいくらいにロクなやつがいないなww -- 名無しさん (2015-08-27 13 05 12) 人類の技術の進歩の影には戦争が合った←納得はしないが主張はわかる。 全人類と乱交パーティしてエロいことしたいんだけど、物理的に無理だから神になるしかないよ←何を言ってるんだこいつ…!? -- 名無しさん (2015-08-27 13 12 51) ↑4 真言立川流って元ネタは邪教で文献は江戸時代に焚書にされ現代には伝わってないというが、あの世界ではマトモな宗派として割と続いてたことになっている。元凶はあの尼 -- 名無しさん (2015-08-27 18 36 12) シュピーネさんの親の顔を見てみたい -- 名無しさん (2015-12-31 21 57 05) このページ見てちょっとDiesを一からやり直したくなった。そっか、練炭って序盤だと所々何処かの誰かに『作られた都合の良い人間』っぽいところがあるんだよな。普通なら疑問に思う、或いは忌避すべき所で無反応かつ進んで向っていくから、何だか目に見えて『Diesの主人公として作られた人形』っぽい。事実そうだったから実は凄く分かり易い演出だったけど -- 名無しさん (2016-01-28 23 12 54) それも踏まえての神咒での大獄のセリフか。夜行とどっちが -- 名無しさん (2016-01-29 13 10 26) ここの上、新世界の「俺の親はキルヒアイゼンだけ」も追記すべきでは -- 名無しさん (2016-02-05 00 18 18) ( ∴)〈何だそれは? -- 名無しさん (2016-02-05 02 38 41) セージ「親?何だそれは?俺を健康に産むことも出来ないグズどもが」 -- 名無しさん (2016-02-05 03 31 00) 448は健康に生まれて良かったね(白目 -- 名無しさん (2016-04-20 00 15 52) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2452.html
放課後の掃除当番に当たってしまった俺は、かなり遅れて部室へと向かっている。 ハルヒは先行くわねとの言葉を残して消えてしまった。 おとなしく部室に行くのか、それともどこかほっつき歩いているのかもしれん。 部室棟への渡り廊下を歩けば、新鮮な風が心地いい。 軽く喉の渇きを覚えたものの、部室に行けば朝比奈さんがいれてくれるお茶が楽しめるだろう。ペットボトルのような無粋なものは不要だ。 早いもので4月も中旬だ。 佐々木や橘はまったく音沙汰がない。一体何をやってるのかはわからんが、できればあと100年ほどでいいから、おとなしくしていてほしいもんだと思う。 部室の扉を開けると、団長席に座ったハルヒの姿が見えた。うっかり飲み物を零した幼稚園児のような笑顔を浮かべた。 「あれ?みんなは?」 ハルヒは肩をすくめて話し出した。 「古泉くんはなんかバイトが忙しくて、みくるちゃんは風邪でお休み。有希はとなりで遊んでるわ」 「そうか」俺は長テーブルにカバンを置き、定位置におかれているパイプ椅子を引いて腰掛けた。 「そうなの。とりあえずあんたとあたしだけってことね」 ハルヒは頬杖をつき、ついでにため息までついてから、そう言った。 そのまま見つめ合うこと数秒。話す言葉も見つからずに、二人同時に視線を逸らせてしまった。 ハルヒを見るのがなんとなく恥ずかしいのは何故だ。部室に二人しかいないからか。時間遡行までして、ハルヒの想いを知り、自分の想いに気づいたからなのか。 そこまで考えが届くと、とたんに恥ずかしさが倍増し、喉の渇きも増してしまうのは、本能のなせる業なんだろうか? 「お茶、飲むか」 俺はハルヒの返事も聞かずに立ち上がり、冷蔵庫に向かった。 確か冷蔵庫にペットボトルのウーロン茶があったはずだ。 冷蔵庫のドアを掴んだところで、ハルヒと手が触れた。お互い驚いて、手を引っ込めてしまう。 「お茶ぐらい入れたげるからさ、座ってなよ」ハルヒは視線をうつむき気味にしながら言う。 「あ、いや、おまえこそ座ってろよ」俺はハルヒの手元を見ながら言う。 お互いに立ち尽くし、相手の出方を伺っている。 「じゃ、こうしようよ。あたしが湯飲みを準備するから、キョンがそれにお茶を入れるの」 「そ、そうだな」口の中がねばつくようだ。「それがいいな」 なにがいいのか自分でも分からないままに、冷蔵庫を勢いよく開け、ペットボトルを見つけた。まだ半分ウーロン茶が残っている。 ハルヒは俺と自分の湯飲みをなぜか自分の机に置いてから、俺を振り返った。 俺はペットボトルを冷蔵庫から取り出した。ボトルキャップを外して、冷蔵庫の上に置いた。 俺はペットボトルを手に団長机まで歩み寄ると、まずハルヒの湯飲みを取り上げてウーロン茶を注いだ。 ハルヒに湯飲みを渡した。ほんの少しだけ指が触れて、あやうく湯飲みをおとしそうになるが、すんでのところで悲劇は防げた。 ハルヒは深いため息をつき、たったまま湯飲みに口をつけた。つややかな唇が、湯飲みに触れるのを、ぼんやり見つめてしまう。 「やだ。なに見てるのよ?」ハルヒは視線を合わせようとせず、小声でささやくように言う。 声が照れていた。 「あ、すまん」あわてて背を向け、自分の湯飲みにウーロン茶を注ぎ入れた。 そのままの態勢で、立ったままウーロン茶を飲んだ。味なんてしねえ。超純水だといわれればそう信じてしまうほどにな。 客観的に考えれば、お互いにお互いを意識しすぎている状態だ。以前はもっと気軽にやってたじゃないか。どうしたってんだ? 気恥ずかしさが先に立って体が動かない。 なるほど、初恋がうまくいかないってのはこういうことなのかと得心したが、いまさら後の祭りだ。 ついさっき起きた崩落で、引き返すルートが断たれた登山家のような心境になるな。いろいろ装備は不十分で、雲行きも怪しい。それでも前に進むしかねえ。 もっともハルヒもそう思っていればの話か。またはそう思わせることができるのか、だな。 まあハルヒにも苦手分野があったのかと思わなくもないね。 「そこ、座りたいんだけど」遠慮しているかのようなハルヒの声に我に返った。もうどうしようもないね。俺は肩を落として、自分の定位置に戻った。 ハルヒが冷蔵庫にペットボトルを戻すのを見て、落胆する思いで一杯だ。 まったく、これまでは平気だったじゃねえか。それこそハルヒとなら一つのコップで、お茶飲むことさえ気にもしなかった。 ハルヒが女で、俺が男なんて意識の外だった。それが告白騒動で意識するようになっちまった。特別教育を受けたばかりの小学生じゃあるまいにな。 席に戻ったものの、なにもする気になれないな。カバンの中に、読みかけのマンガ雑誌があり、携帯電話には清水の舞台から飛び降りる覚悟で入手したRPGが収まっている。 が、どれにも触手が伸びない。ほんの少し居心地の悪さを感じながら、長門蔵書を眺めるぐらいしかできない。 「ため息、多いんじゃない?」ハルヒが遠慮しがちに声を掛けてきた。「どうかしたの?」 言われるまで気がつかなかった。 「あ……いや、ちと息がつまるようでな」 「そう……ね」ハルヒは小首をかしげながら言う。「どうしたのかしらね、あたしたち。すっごく恥ずかしいのはなんでだろ」 そしてハルヒは小さなため息をひとつついた。視線は机の上に落ちている。 「ああ。どうもな」 「こんなんじゃなかったのにね」ハルヒは、肺の中の空気をすべて吐き出すような長いため息をついた「なんで?」 「おまえもため息だらけだな」 ハルヒは、クスクスと笑った。 「お互い様ね」 すっと緊張が抜けて行くような感覚を味わう。ハルヒもそうだったのか、いつもの顔に戻って、俺を見つめている。 「初めてづくしでなんにもわかんないな」ハルヒは両手を机の上において、その上に顎を乗せた。俺を見つめる瞳は銀河系をひとつまるまる収めたように輝いている。 「ハルヒにも苦手分野があったとは思わなかったぜ」 「なんのこと?」キョトンとした顔でハルヒがたずねる。 「恋愛系は苦手分野じゃねえか?」 ハルヒは俺をにらみながら、口をとがらせた。 「あんたのせいでしょ。どんだけ悩んだと思ってんのよ。まったく、人の気も知らないで、何回あたしが枕を濡らしたか知ってる?」 「そんなことがあったのか? そりゃすまん。いや、まさかそんなに思い悩んでいたなんて知らずに」 だが、ハルヒはにっこりとほほ笑んだ。罠にかかったイタズラキツネを見下ろす猟師のような表情を浮かべている。 「嘘よ」ハルヒは弾けるような声で言った。「バーカ」 「ったく」完全にやられた。ああ、クリーンヒットを認めてやるよ。いいパンチだ。「やられたぜ」 「ふふん、このあたしが泣くなんて思うの? そんな必要がどこにあるってのよ。この涼宮ハルヒがよ? どーやってあんたから告白させてやろうか、それを考えてただけよ。 遊びに誘いまくれば、それとなーく空気読むかと思ってたら、遊びには乗るけど、普通に楽しく遊んで終わり。小学生が公園で遊んでるのと同じじゃない」 ハルヒはがばっと体を起こして、何を思ったか椅子の上に立ち上がった。 そしてびしっと音をたてて、俺を指さした。 「あんたがねぇ、もうちょっと空気読んで、あたしに告白してれば済んだ話なのよ。それとなくきっかけ作っても、全部スルーじゃない。何度スルーくらって、メゲそうになったと思ってんのよ。 そのくせ、あたしがわがまま言っても、なんだかんだ言いながらも付き合うし。ホント、訳わかんない」 「すまんな」としか言いようがねえよ。 「それだけじゃなくて、有希とはなんか変な信頼関係あるみたいだし、みくるちゃんにはでれでれするは、おまけに妹ちゃんの友達まで手を広げて。 あの佐々木って変な女まで出てくるし。 無自覚なドンファンっぷりに呆れかえる毎日よ。 あんたね、そういう無防備な優しさはね、女の子を泣かせるのよ? ホント、あの佐々木も裏で実は泣いてたんじゃないの?」 「んなこたねえと思うがなぁ」 「どーだか。中三にもなって好意もなしに、一緒に塾通いなんてするわけないじゃない。絶対噂になるし、好意がなけりゃ無理よ。 そういう女の敵を野放しにしとくことは出来ないの。第二第三の佐々木が現れる前に、あたしがあんたの首に縄つけとくことにしたの。 これはね、あたしがあんたのことどう思ってるなんて、小さな問題じゃないの。逆にあたしはこの身を投げ出して、これ以上の被害拡大を防ごうと立ち上がったのよ」 「おい、論点がズレて」 「なによ、『論点がズレて』って。ずれちゃいないわよ。いい事?あんたがあたしに『好きだ』とか『愛してる』とか『もうおまえなしにはいられない』なんて言えば、それで済む話じゃない。違う? そりゃ、あたしは恋愛は精神病の一種だと思っているわ。いまでもね。 それはそれとして、あんたがあたしのこと好きだって言うなら、あたしだって少しぐらい考慮するわよ。 それをラブコメマンガじゃあるまいし、だらだらだらだらあたしの気も知らないで、延々引っ張ったのは、あんたでしょう?」 さらに論点がずれたが、もはや突っ込みを入れるような状態じゃねえ。 ハルヒは有頂天になって、演説を続ける気のようだし、突っ込みを入れれば入れるほど、単に火に油を注ぐだけだ。 「それは済まなかった」 「いい? あんたとあたしは普通のカップルじゃないの。あんたをね、野放しにしとくと被害者が増えるばかりなの。そう、あたしはあんたの首に縄つけておくために、カップルになってやるのよ。 分かった?分かったのなら、はいといいなさい?」 「はい」なんか新興宗教にでも入団した気分だぜ。 「素直でよろしい」ハルヒは腕を組み、大きくうなずいた。「その素直さがほしかったわね、最初から」 「最初から?」どういう意味なのか分からず、思わず聞き返した。「いつのころからだ?」 「最初からは最初からに決まってんでしょうがぁ!」ハルヒはなぜか顔を赤らめながら、吠えるように言った。「乙女心だけじゃなくて、日本語も分からないの?」 「そ、そうか」 「とにかく、カップルになった以上、まずひとつやることがあるわ」 ハルヒは椅子から降りた。団長席の横に回って、腰に手を当てた。なにが不満なのか、怒ったような表情を浮かべている。 「こっちにきなさい」 有無を言わせぬせりふに、仕方なく立ち上がった。なにをするつもりなのだろうか。キスしろとか言い出すんじゃねえだろうな? この神聖なる部室を穢す不届き者には、天罰が下るぞ。 ハルヒが使っている甘いシャンプーの香りを感じるまで近寄った。 満足げにハルヒが見上げた。あどけない笑顔を浮かべている。大きな瞳が潤んでいるのは気のせいじゃないだろうな。 「いつ覚えたのよ」ハルヒはすこし視線を反らせながら言った。 「なにが、だ?」 「腰に手を回してるじゃない」 おや? 言われてみれば、ハルヒの腰に俺の右手が回っているではないか。おかしい、これは実に驚くべき現象だな。 「ばか」ハルヒは俺の肩に手を置いた。「いやらしい」 「んー谷口がこうすると女の子が安心すると言っててな。無意識のうちにそれが実行されたんだな」 「ふん、何言ってんのよ。バカみたい」 ハルヒはすこしだけ唇を尖らせた。リップでもつけているのか、うるおいたっぷりの唇に目が釘付けになる。 「なに見てるの?」ハルヒは体を俺に押しつけながら言う。柔らかい感触に思わず堅くなるね。 「ハルヒの唇」 「ほんと、男っていやらしいんだから」 体を押し付けているおまえはどうなんだと思いながら、ハルヒの瞳に封じ込まれた銀河系に、果たして我らが太陽系第三惑星は含まれているのか探しはじめた。 「なんか言いなさいよ……」ハルヒは深いため息をつきながら、瞳を閉じた。 この部室で男女が体を必要以上に密着させた状況で何を言えというのだろうか。 まあ言うことなんて、ひとつしかないんだがな。 「好きだ、ハルヒ」 ハルヒはバカと唇を動かさずに言った。ような気がする。唇が近づくにつれ、やはりこちらも目を閉じなければならないのだろうか。 俺も初めてなもんで、勝手が分からないのさ。少なくともこの世界ではな。 目を閉じて、ハルヒの柔らかい唇を感じた。かすかにイチゴの香りがする。昼に食ったのか、それともリップの香りか。 そんなことでも考えていなければ、暴走しそうだぜ。 ハルヒが軽く声を上げたような気がするが、聞かなかったことにしないと理性がもちそうにない。頼むからこれ以上の刺激は勘弁してくれよな。 ハルヒの右手は強く俺の肩をつかんでいる。左手が俺の背中に回り、俺の上着を強く握り締めているようだ。 唇を放したが、光るものが唇をつないだ。ハルヒはそのまま顔を俺の胸にうずめ、深いため息を一つついた。 腰に回していた手で、ハルヒのつややかな黒髪に触れた。そのまま撫でれば撫でるほど、いとおしさが増していくようだ。 こんなことを部室でするなんて思いもよらなかったが、まあ天罰も下らずに済んで良かったぜ。 ハルヒが顔を上げ微笑んだ瞬間、思いもよらぬ声がかかった。 「終わった?」長門の声だった。 恐る恐る声のする方向に首を向けながら、ハルヒと体を離した。 いまさらどう言いつくろうことも出来ないが、抱き合ったままはさすがにまずいだろう? 長門は、お取り込み中なのでおとなしく順番をまっていただけというような表情を浮かべている。 「ゆ、有希、なんでノックとかしないのよ」 すこし乱れた制服をあちこちひっぱりつつ、ハルヒが言った。 「した。聞こえなかった?」 「き、聞こえなかった…」ハルヒが俯きながら答えた。 「あちらでの作業が終了したため、戻ってきた」長門は淡々した口調で説明し、そのまま本棚で適当な本を一冊取り出し、いつもの椅子に腰掛けた。 「そ、そう」 俺は絶句したまま、長門を見つめていることしか出来ない。 長門は本を開いたが、ふと思いついたように部室の扉を指さした。 「もし続きがしたいのであれば、外で」 そしてページをめくりながら、長門は言葉を続けた。 「暑苦しいのは勘弁」 これには俺もハルヒも言葉がなく、俯くことしか出来なかった。 おわり
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/59913.html
【検索用 それはつまり 登録タグ 2015年 VOCALOID そ みわみみ 初音ミク 曲 曲さ 瀬名航】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:瀬名航 作曲:瀬名航 編曲:瀬名航 写真:みわみみ 唄:初音ミク 曲紹介 曲名:『それはつまり』 瀬名航氏の26作目。 歌詞 (動画より転載) 小さい頃から 偉い子で 先生の言うこと 守ってて ボタンは一つも 外さない 別に何も不自由はなくて 規則がどうとか言うけれど こんなのイヤだと言うけれど 従ってしまえばいいのにね 何も考えなきゃいいのにね 反抗期っていうほどひどくないし だけどふと気が付いたら 何も出来てないような・・・ それはつまり僕が役立たずで その「才能」とかいうものが 足りないということですか 何も知らないのは僕だけなのですか 大きくなっても努力家で 頑張り屋さんがまぶしくて だから目を逸らしてしまうよ 僕なんかとは違ってたんだ 興味がないことばっかり 強いられて 「何も出来ない奴だ」と指をささないでください それはつまり僕が落ちこぼれで その「素質」というものが まるで無いってことですか 何も知らないのは僕だけなのですか それはつまり君が優等生で その「才能」とかいうものが あふれちゃうってことですか 幸せをつかめるのは君だけなのですか それはつまり僕が嫉妬深くて その度量とかいうものが 広くないってことですか こんなにやるせないのは僕だけなのですか コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/26466.html
はかない【登録タグ は 偽善者P 初音ミク 曲 真理恵】 作詞:偽善者P 作曲:偽善者P 編曲:偽善者P 唄:初音ミク 曲紹介 偽善者P こと Maki氏 の17作目。 イラストは 真理恵氏 が手掛ける。 歌詞 何をしても、何を思っても、言葉紡げなくなって いつか見てた夢のカケラ、今は霞むばかり 時を重ね、私の中、何かが消えて それが「大人」なんだと思った 愛想笑いもウソも上手くなったよ でも、磨り減るばかりの毎日さ 過ぎ去る季節 いつかの夢たち あの日の約束 今は私を見ないで 誰かのために生きていくこと、まだよく分からないよ それでもまた、描いているよ 少し、おかしいかな? 生きていくこと、それは手と手を取り合うこと 私には、できるのかな いない方が、いいんじゃないかなって・・・ 過ぎ去る人々 いつかの友達 あの日の夕闇 今は私を汚して もう、さよなら もう行くよ、さよなら もう君と、さよなら もうここと、さよなら もういいよ、さよなら 君の言葉は、持って行くよ 君に最後に、さよなら 君のその手と、さよなら 君に最後に、ありがとう コメント 追加おつ! -- 名無しさん (2013-08-23 21 11 47) 何故評価されない?本当にいい曲なのに -- 名無しさん (2013-10-18 19 07 35) 郷愁作戦と繋がりある?? -- 名無しさん (2014-04-22 16 00 38) みんな身勝手と繋がりありそう -- 名無しさん (2014-05-28 15 47 19) コミュ障の子の歌?言葉紡げないとか、私には、できるのかなとか… -- まきまき神 (2014-08-05 03 16 45) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kokoronoashiato2/pages/18.html
私は歴史が好きで、学生のときに歴史を勉強していた。 大学だけではなく、プライベートでも歴史好きなところがあるため、 趣味として学問として歴史・歴史学が好きだ。 そんな私が最近、twitterをしていて、気になるところがある。 twitterでも当然のごとく歴史好きな人と色々話をするところがあって、 それぞれ好きな人物や興味のある事象をもっている。 ほとんどは学問として歴史学を学んでいる「研究者」ではなく、 好きで趣味として歴史をやっている方々だ。 歴史好きでよくある、と個人的に思っているのが、 好きの対象が「人」につくという点だ。 日本で言えば織田信長が好き、大谷吉継が好き、沖田総司が好き。 中国で言えば始皇帝が好き、曹操が好き、乾隆帝が好き。 洋の東西問わず、「誰か」を好きになることが多いように思う。 歴史に入る入り口として、人がきっかけになるのはよくある事で、 私も三国志の曹操に思い入れがあって中国史を専攻したところがある。 twitterで話す歴史好きの人と同じ部分は持っているので、 共感するし、気持ちもよく分かる。 ところが、気持ちが強すぎるあまり、 ○○は歴史上一番優秀だ、と賛美する人がいる。 賛美するのはまだいい。 それを検証して、行き過ぎると事実と言わんばかりの書き方をしてしまう。 自分の好き嫌いを持つのは人として当然で、何の問題もない。 しかし、それが妥当な見解だと主張するのはいかがなものか、と思うのだ。 そこで、少し歴史と歴史学について、 私個人が思うところを書いてみようと思う。 もし研究者の方が見ていたら申し訳ないが、 先ほど書いた「人物の評価が妥当かどうか」「本当に優れていたのか」主張する方の場合で、 研究者、つまり学問として歴史を学んでいる方(歴史学)の論文や研究を私は今まで一度も見たことがない(いたらごめんなさい)。 つまり、○○は歴史上一番優秀だと賛美して、真剣に「検証」される方は、 経験的にであるので正確ではない見方だが、ほぼ趣味で歴史をやっている方だ、と思っている。 なぜ、そうなるのか。 そこには歴史と歴史学の違いがある。 歴史学は学問で、明確な方法論ややり方、目的が存在する。 それに合致しているかしていないか、これが歴史と歴史学の違いに繋がるのではないだろうか。 例えば歴史学(歴史学だけではないが)には先行研究というものがある。 これまで先学達が研究蓄積されてきた論文、読解した史料などだ。 自分が決めたテーマを学問する場合、先行研究の整理と問題点の抽出(自説を検証する意義)は絶対だ。 この作業をしない研究があるとすれば、それは研究ではない。 そしてもう一つには史料の引用がある。 自己の研究について、先行研究と史料を引用し、 これまでされてきた研究に対して、 自分が述べるところが、どの程度妥当性があるのか伝えることができる。 伝えられた側も、異論ある場合は対抗する研究論文を発表することもできる。 このように研究は自己の述べるところの妥当性を検証するもので、 見方によっては、他研究者の説の否定ともなるので、攻撃的となる時もある。 しかし、攻撃的であっても、そこには先行研究と史料という根拠があるので、 感情的ではなく極めて合理的に論理的に互いの「研究」を批判することができる。 歴史学に対する私個人の見方だ。 次に歴史。 これは歴史学のように明確なやり方や方法論、目的が存在しない。 顕著な例は先行研究の整理だ。 趣味でこれをやっている人(ひょっとしたらいるかもしれないが)はほとんどいないだろう。 関係論文を読むことはあっても、テーマに関する先行研究を全てリストアップして、 読解し、体系的に整理し文字に起こすことはしない。 また史料を読む人もほとんどいないだろう。 読むためのツールや技術を身につけるのは大変だからだ。 社会人で仕事の合間を縫っての勉強は難しい。 しかし、少数ではあるが、史料については趣味で読む人、または読める人は存在する。 ここで歴史と歴史学の境が曖昧になることが生まれる。 先行研究の整理や問題点の抽出はしないが、史料を引用して自説を展開する場合、 これは歴史になるのか、歴史学になるのか。 その場合、歴史の要素と歴史学の要素が入り混じる。 まず先行研究の整理と問題点の抽出(自説を検証する意義)をしない。 これは趣味としての歴史だ。 他方、史料を引用して自説を展開する。 これは歴史学のやり方だ。 仮にこれを「歴史学的なナニカ」としよう。 「歴史学的なナニカ」 私はこれが一番問題だと思っている。 史料や根拠がきちんとしていても(中にはこれすら適当なものもある)、 それは何のためにやるんですか?と聞かれると途端に霧消してしまう。 しかし、史料を引いて自説の妥当性を述べるので、 他者の見解や考えを否定する場合も出てくる。 目的をもたない「歴史学的なナニカ」はどこへいくのか。 これが目的をもたない趣味、であるなら何の問題もない。 趣味には攻撃性がない。 自分の思ったこと、好き嫌いなので、 私は曹操が好きだといっても、劉備が好きな人を、そ「れはおかしい」と批判することはない。 また、私が曹操より優秀な人物はいないと思っていて、 ある人が曹操より劉備の方が優秀だと主張しても、 「なんでそう思うの」かくらいは聞くかもしれないが、 史料を引用して論破しようとは思わない。 「劉備天才」→「なんでそう思うの?」→「○○だから」→「なるほどね」 これくらいだ。 もっと踏み込んでいえば、趣味は目的がないので、 目的がないものを妥当かどうか「検証」して結論が出たとしても、 その結論自体に意味がない。個人の好みについて妥当性を議論する。これほど不毛なことはない。 一言で表すと「歴史学的なナニカ」は全てにおいて中途半端である。 歴史なのに、歴史学っぽい。 趣味っぽいなのに趣味ではない。 学問っぽいのに学問的ではない。 実はこの問題はネット上だけの問題ではない。 巷に溢れている本、特に中韓との歴史認識問題とも関係するのだ。 歴史学っぽい、学問っぽい、趣味ではなさそうな内容の「歴史本」が氾濫しているが、 大したことは書いてないし、歴史学の方法論によっていないものが多い。 極論を言ってしまえば、著者の言いたいことを言っているだけ、 つまり実は趣味の範疇を出ないような、そんな本だ。 これを根拠に一般の方が議論したり選挙や国の政策対応を判断したりしているのだろうか。 そういう方は少数だとは思うが、影響は必ずあると思う。心配である。 このような「歴史学的なナニカ」が氾濫することは決していい影響は生まない。 テーマそのものが「個人の言いたいこと」、「個人の興味もったこと」なので、 結論がでても特になにか目的があることもない。 しかし、他者の見解を否定することがある。 他方、趣味としての歴史は目的はもたないが、 とても有益だと思う。 まずお互い話をして楽しい。 曹操って○○だよねと話して共感される、 反対に自分の見方とは違うが、今まで見れなかった視点から曹操を見ている人がいる、などなど。 単純に話してて楽しい。 そして、史料や研究に束縛されることがなく、 全く意味のないテーマの話ができて、自由に想像することができる。 この自由度こそ趣味としての歴史の最大の長所だ。 そしてもしかしたら、目的をもたない趣味の会話の中に、 新しい研究テーマが眠っている可能性もある。 「歴史学的なナニカ」はそういう意味では、 史料をあげて話を進めるので、自由度も中途半端である。 全て個人的な見解だが、史料が読める「歴史学的なナニカ」を展開している方は、 この際、方向を少しだけ変えて、歴史学の研究者として歩むとどうだろうか。 史料を読む技術があり、読もうと思えば論文も読めるだろう。 大学に所属していないが、研究者として論文を書いている方もいる。 そっちの道を行く能力は十分にあると個人的には思っている次第であり、 自説をしっかりと説明するためのバイタリティも備わっていると思う。
https://w.atwiki.jp/talesrowa/pages/227.html
最後まで、気は抜かないで 「貴様は絶対に許さん!」 鬼のような形相で迫る牛男。 武器や体格の面から見ても、接近戦での勝ちはあり得ないだろう。遠距離は論外。 おまけに向こうは二人、こっちは一人。 女のほうもかなりの実力者。説得はもはや不可能。逃げるしかあるまい。 見たところ、動きは鈍そうだが、後ろからバンバン大砲を撃たれては無事に逃げ切ることは難しい。 「うらぁ!」 牛男が大砲を振り下ろす。破壊力は凄まじいが、動きはさほど速くはない。攻撃後の隙も大きい。 ならばここは…。 「くらえ!」 攻撃後の隙を狙って、あるものを投げつける。 「フン!」 大砲の砲身を使い、体に届く前に防御する牛男。これは想定の範囲内。 相手に投げたのは胡椒の大量に詰まった瓶。牛男は鼻が大きいからよく効くことだろう。 あたり一面に胡椒が広がる。 「っがぁ! ゴホッゴホッ!」 「くしゅん!」 一瞬だけだが、相手が怯んだ。 その隙に、近くの建物の影に隠れる。 「チィッ、あのヤロウ…ぶぁっくしょん!」 「もう許さなっくしょん! パン! あいつをギッタギッタのメッタメッくしょん! パン!」 あれは、ギッタギッタのメッタメッタというレベルではないだろう。 大砲での打撃にしろ、砲弾にしろ、くらったらあの世行きは決定だ。 女のほうはイクストリームを付けているようだ。フライパンの直撃をくらえばただでは済まないだろう。 今は隠れて、隙を見て脱出するしかない。 「どこに行きやがった!?」 うまく隠れることができたようだが、まだ相手は近い。 かといって、ここを動かなければ、そのうち焼かれてしまう。どうすべきか…。 「ん?」 …足元に違和感。 青い小動物。 「なんだ、お前は…?」 「クイッキー」 「し、静かにしろ…!」 「クイッキー!」 「ここにいたらお前も焼け死ぬぞ。向こうへ行け。しっしっ」 「クイッキー…」 青い小動物は走り去っていった。と思ったが、まだこっちを見ている。 私に何か付いているのか…? 「ク~~~…クイッッッッキィィィ~~~~!!!!」 あの小動物! プリムラたちが仕掛けていたタライの仕掛けの残りを発動させた! あたりに大きな音が響き渡る! 「グフフフ…そこか!!」 牛男が大砲を発射した。 幸い、建物が密集していて次の隠れ場所には困らなかったが…。 「なんという威力だ…」 普通の弾ではない。炎そのものだ。 先ほどまで隠れていた家が全壊、しかもごうごうと炎上している。 「まだ遠くには行っていないはずだ…」 牛男は次々と大砲を発射する。だが、逆からは炎。どんどん逃げ場が無くなっていく。 早く何とかしなければ…。 ここで自分が握り締めている支給品袋に気が付いた。 中にあるのは、占いの本、エナジーブレット1個、ミスティブルーム…。 そうだ、この箒で空を飛べば、上手く逃げられるではないか。 スピードもかなりのものだし、フェアリィリングのおかげでマナの消費に関しては心配ない。 それに、向こうもまさか私が空を飛べるとは思うまい。 「クイッキー!」 「クイッキー、いたのかパン!?」 「見つけたぞ!」 またさっきの小動物。どうやら、こいつもやつらの仲間だったらしい 完全に見つかってしまったが、いくらなんでも空までは追って来れまい。さらばだ! 「むん!」 ……前に進まん。いや、正確に言えば少しずつ後退している、といったところか? 何故だ? 「手こずらせやがって。このトーマを怒らせたのが貴様の運の尽きだ…」 割合あっけなく捕まってしまった。 「君は漆黒の翼の一員だ、絶対に来てくれると信じていたぞ!」 本当かな…? なんか信憑性が薄い…。まあ、それよりも… 「ホラ! クレーメルケイジ! その他諸々のアイテム! こんなに忘れて、一体どうするつもりだったんですか!」 もし、わざとクレーメル・ケイジを残して私が来るように仕向けたのなら大した人だと思うけど…。 「ははは… いや、助かったよ。今気付いた…」 ほら、やっぱり。 「じゃあ、改めて三人でユアンを救出に行きましょ!」 「うむ、そうだ! 突撃ィ!」 「「ちょっと待って!」」 あ、ハモった。やっぱり、そうですよね。突撃ィなんてマズすぎますよね。 「あいつ、大砲持ってるのよ! 正面から突撃だなんて、いい的だわ!」 …正面とか言ってたかな? まあ、彼ならそんな気もするけれど。 「そうですよ。焦るのは分かりますけれど、せめて相手の後ろから回り込むとか、相手の不意を付く格好じゃないと…」 「よし、ならば相手の後ろから回り込むぞ!」 …さすがです、グリッドさん。 ああ、でも何とかなりそうな気がするから怖いこと。 「牛さん、小生にお仕置きさせて欲しいパン!」 「ああ、気が済むまでやるといい。後始末は俺がしておく」 詠唱も無理、エナジーブレットを使っても動きを止められるのはせいぜい一人。 逃げようとしても、「無駄だ。このトーマの磁のフォルスがある限り、貴様は逃げられん」だそうだ。 女の方はお仕置きでも、牛男の方はそれに留まるまい。万事休す、か。 フライパンが振り上げられる。 「きゃああぁぁぁ!!!!!??」 「どうした、ミミー!? なんだ、この霧は…フギャウッッッ!!!!????」 今のはエナジーブレットに、ファイヤーボール…? 来るなと言ったのに、まさかあいつら…。 いや、今は考えを巡らすよりも、せっかくのチャンスだ。 何やらわけの分からない呪縛は解けた。今のうちにやつらから離れなければ…。 「い、一体、何者パン!?」 「なんだかんだと聞かれたら…」 「馬鹿! 何やってんのよ!」 「口上は今度ですよ、撤退撤退!」 【グリッド 生存確認】 状態:健康 疾走による疲労 所持品:無し 基本行動方針:生き延びる。 漆黒の翼のリーダーとして行動。 第一行動方針:ユアン救出 【プリムラ・ロッソ 生存確認】 状態:健康 所持品:セイファートキー、ソーサラーリング、チャームボトルの瓶、ナイトメアブーツ 基本行動方針:仲間と共に脱出。ミクトランを磔にして島流し決定。 第一行動方針:ユアン救出 第二行動方針:出来ればC3行きを提案 【カトリーヌ 生存確認】 状態:健康 所持品:マジックミスト、ジェットブーツ、エナジーブレット、ロープ数本、C・ケイジ 基本行動方針:帰りたい。生き延びる。 第一行動方針:ユアン救出 【ユアン 生存確認】 状態:健康 TP1/3消費 砂鉄が体にくっつく 所持品:占いの本、エナジーブレット、フェアリィリング、ミスティブルーム 基本行動方針:仲間と共に脱出。ミクトランを信用していない。 第一行動方針:目の前の二人への対処 第二行動方針:漆黒の翼を生き残らせる 第三行動方針:漆黒の翼の一員として行動。仲間捜し。 【ミミー・ブレッド 生存確認】 状態:微妙に痺れてる 悲しみ(わりと深い) 所持品:ウィングパック×2 イクストリーム 金のフライパン マジカルポーチ ペルシャブーツ 第一行動方針:帽子の弔い 第二行動方針:トーマにキッシュをつくる 【トーマ 生存確認】 状態:痺れてる 怒り 右肩に擦り傷(軽傷) 軽い火傷 TP結構消費 所持品:メガグランチャー ライフボトル 基本行動方針:ミミーを守りぬく 第一行動方針:ミミーを泣かせた男を倒す 第二行動方針:ミミーのキッシュを食べる 現在位置:G5の町 クィッキー 基本行動方針:ミミーたちに付いていく。 前 次
https://w.atwiki.jp/tuduru/pages/131.html
人の気持ちなんて、思い込みで決まるとか。 自分をいかに騙せるか、嘘を突き通せるか。 そういうことだと思うって、 よく解らない曖昧なことに、選択を下したら嘘になるの? 君の言ってることはあながち間違っちゃいないと思う。 けど、嘘とか、そういう言い方は違う気がするよ。 人の気持ちなんて、曖昧さをたくさん含んでで、 良くも悪くも感じてることはいろいろあって、 アンバランスに揺らいでる。 つまりさ、常に揺らいでる不確定さの選択をしたもんだから、 ”恐らくとか、かもしれない”って疑問の呪縛にかかって、 それを”嘘”だと考えているんじゃないの? 違うよ。 嘘ってのは、もっと意図的な選択だよ。 結果が予測できそうだからやるもんだ。 君の選択は試行錯誤のためのトライ&エラー、 答えが予測できないからとりあえずやる。 そこに意図なんてないよ、何かを知りたいという想いだけだ。 自分のことなのに、自分がよく解らない。 それが普通だと思う。 ゆらゆら揺れてんだ。 それはもう、迷走中も迷走中。 でも、だから、考えれるんだろ? いいことだ。
https://w.atwiki.jp/sinnisioisinrowa/pages/194.html
それは縁々と ◆mtws1YvfHQ 人間同士に付き纏う奇妙なそれ。 ぼくがあの絶海の孤島から帰り、あの絶対の《赤色》と会った。 ぼくはある日の京都の夜の道に、あの対極の《失格》と会った。 ぼくがあの人に学園に連れられ、あの極限の《危険》と会った。 ぼくは少女と施設に乗り込むと、あの罪人の《害悪》と会った。 ぼくがある人を家に上げたから、あの両極の《人喰》と会った。 ぼくはあの両極と会った所為で、あの最悪の《最悪》と会った。 そして先程。 ぼくはこんな場所に拉致されて、あの対極の《未満》と会った。 奇妙なそれ。 世にも奇妙な、《縁》。 「…………………」 ふと思う。 あの《未満》は果たしてあの《最悪》の目にどう映るのか。 あの《失格》の代用可能にでも映るのか。 それとも世界の終わりへの可能性の一端とでも映るのか。 それとも代用可能とも違い、時間収斂とも違う、全く新しい理論の一つでも想起させるのか。 あるいは、《最悪》の運命論すらも台無しにしてしまうのだろうか。 それとも、それとも、それとも。 「…………戯言だけどね」 全部が全部、可能性でしかない。 最低の可能性を考えるとするなら、それこそ《最悪》と《未満》の二人が手を組む事だろう。 それこそ、戯言だ。 下らないにもほどがある。 それはさておき、しかし困った。 誰か電話に出てくれないものか。 かれこれ五分近く、電話を鳴らし続けていると言うのに。 誰も電話に、出んわ。 「――――――」 「――――――」 あれ、可笑しいな。 口に出してないのに電話を持っている真宵ちゃんからの視線が痛い。 気のせいだと思いたいけど、冷たい。 限りなく極寒に近いレヴェルに、冷たい。 北極よりも冷たい。 行った事はないけど。 多分行った事はなかったと思うんだけどどうだろう。 言った事ぐらい、あるけど。 一先ず現実逃避をしてみても、向けられる目は相変わらず冷たい。 まさか勝手に呟いてたりして。 ぞっとする。 「あの、真宵ちゃ――!」 ガチャリ。 と、音が鳴った。 電話から、音がした。 『――もしもし?』 「『もしもし?』――ふん、まったく代わり映えしない言葉だな。 一体どんな目的で五分も電話を鳴らし続けてるのかと思って出てみれば第一声がそれか。 まあこれも《縁》が会ったって事なんだろうな。 こっちはさっさと此処から出ないと首輪が爆発するってのによ。 何考えてんだ。 だがお前は五分近く電話を鳴らし続け、俺は五分近く電話を無視し続けたのに話している。 俺としてはお前の目的なんかどうでも良いが、これは実に面白い《縁》だ。 いい加減煩くて敵わないからなんて理由で出たんであろうとなかろうと、変わりはない。 偶然にしろ必然にしろ、変わりはない。 そうなるべくして話している――――内容なんてもの、あってもなくても変わりないが、聞いてやるぜ?」 『………………』 「………………」 向こうからの返事はない。 あってもなくても同じ事だ。 俺が見えもしない相手に今の言葉を話す事が重要だったのか、それともここに電話が繋がる事が重要だったのか。 些細な事だ。 切られようが切られまいが同じ事。 運命とはそう言うもの。 『…………あなたは、死にたいですか?』 「……くっくっく」 唐突に告げられた言葉。 思わず、離れた所で脱出準備を急いでいる弔士に目を向けていた。 未だ《十三階段》に入ろうか入るまいか悩んでいる。 悩み続けて、それでも動き続けている、あの男。 あいつは何て言ったか。 確か、「危険な目に会うのは、ごめんです」だったか。 その後に答えた言葉が浮かんでいた。 「ふん――『死にたいですか?』 死にたくない。 俺だって死にたくはない。 だがな、何より、俺は世界を終わらせたい。 いや、物語を終わらせたい。 特にこの物語は凄いなんてもんじゃねえ。 俺が今まで関わった世界の中で、群を抜いていると言って良い。 だから死にたくはない。 こんなおもしろい物語の終わりを見ることができないなんて、堪えられないさ。 だが、だからこそ、死なないために物語と関わることを放棄するつもりはねえよ。 終わりを見たい。 ――そう言うお前はどうなんだ。 世界を、物語を、味わいたくないのか。 終わりを見たいと思わないのか。 それとも、関わることなく生き延びたとして、その先に何かがあるのか、お前には。 なぁ、"お前には何か違ったものでも待ってるのかよ"」 答えは返ってこない。 どう思われようと知ったことじゃない。 言葉を続ける。 「答えないのか? 答えようが答えまいがどうでも良いさ。 だが、俺は世界を終わらせる。 そのためにこの物語を使う――いや、乗っかる。 結果はどうあれその過程は絶対だ。 利用してやるさ。 お前の目的がどうか知らないがな。 もしなんだったら言ってみるか、お前も目的を? 偶然、電話で話している俺に。 まあ電話で話してるだけの《縁》だが、偶然にしては面白い《縁》だと思うぜ? だから話してみても損はねえだろうよ。 それにもしかしたら、お前も、《十三階段》に誘うだけの価値があるかも知れねえ。 甲斐があるかも知れねえ。 可能性があるかも知れねえ――世界の終わりに繋がる可能性が。 どうなんだよ、お前の持っている目的は――――――どんな目的で動くんだ?」 答えは、返ってこない。 どう思われたか知ったことじゃない。 これ以上、話すだけ無駄か。 受話器を耳から離す。 そのまま、 『ぼくは』 切ろうとした。 その前に偶然、声が届いた。 答えか。 受話器を耳に近付ける。 『ぼくは、幕を閉じようと思っています』 「幕を?」 『ええ、幕を閉じようかと思います。 こんな事に巻き込まれた人たちと。 どうにか救ってみようと思います。 今まで殺してばかりでしたけど。 今まで壊してばかりでしたけど。 今まで、今まで、ずっとずっと。 たくさん殺してきました。 だけど、今は生かす道を行きます。 一人でも多くの人達と あなたの目的とは合う事じゃなくても。 あなたを敵に回す事になったとしても。 例えあなたがぼくの前に現れようとも。 家で待っている人達と再会する為にも。 ――――物語は終わらせない、絶対に』 「そうか」 『そうです――ああ、そう言えば、まだ名前を聞いていませんでしたね』 「そうだな。 俺の名前は――いや、止めだ。 お前には名乗るのもいいかも知れねえが、またにしよう」 『そうですか』 「そうだ、それじゃあ」 縁が《合ったら》会いましょう。 言う前に言われ、電話が切れた。 思わず受話器を見詰め、置く。 口元が勝手に歪む。 最高だ。 これだから世界は面白い。 どうしてこんなにも世界は面白いのだろう。 ああ、早く読み終えてしまいたい。 「くっくっくっくっく」 ついつい、声が漏れる。 ついつい、笑ってしまう。 これだから、ついつい、ただ、犯しそうに笑ってしまう。 「ちょっと急いでくださいよ! もう時間がないですって!」 「なに?」 壁に掛けてある時計を見る。 禁止エリアになるまで残り、五分。 もうこんな時間か。 面白くてすっかり忘れてた。 「あ、ヤベェ。すっかり忘れてた」 「ちょっと、あの時のカリスマはどこやったんですか!?」 「カリスマ? そんな物、あってもなくても」 「ああもう、急いで急いで! お願いしますから!」 「まあ待てって」 「待てませんよ、何考えてるんです!」 「いや一分で良いからよ」 「三十秒!」 「了解」 正直、焦り過ぎだ。 残り二分と少しでここから出れば万事解決なんだから。 いや、エリアからだったか。 まあ、どっちであっても。 「…………」 あ、ちょっとじゃなくてかなり拙い。 エレベーターに乗って駐車場で車を選んで、走っていけばギリギリ間に合うか。 どっちにしろ急いだ方が良いのは間違いない。 売店のメガネを十二個ほど引っ掴んでエレベーターへ走る。 既に弔士が開けて待っていた。 駆け込むと同時に扉が閉まる。 「――――」 「――――」 無言の間がしばらく。 ピンポーン。 と鳴り、ゆっくりと開く。 開いた隙間に身体を突っ込むようにして出て、走る。 駐車場。 ここに来さえすれば問題ない。 来てすぐに見付けておいた車が一台ある。 「……あったあった」 白のポルシェ。 乗り込むと、鍵は既に刺さってある。 回している中、弔士が助手席に乗り込んだ。 「ん? なんだ、《十三階段》に入る気になったか」 「えっ、違いますけど?」 「じゃあ何の用だ?」 「え?」 「え? 車なんて幾らでもあるだろ?」 「免許ないです」 「それだけか……つまらん。あってもなくても変わらないってのに」 ともあれアクセルを踏み込む。 性能は良い。 唸りを上げながら一気に駐車場の中を駆け抜け、あっという間に山肌に出た。 「やっぱり走り辛いな……」 「いや前、前!」 山肌をそのまま走るのはやはり揺れる。 だが本当の問題はここからだ。 ポルシェで竹藪に突っ込むと当然、傷だらけになるだろう。 少し気が重いが、仕方がない。 「さてと」 頭の中で上から見た竹藪の地図を広げる。 その中、生い茂っている中で、もっとも通り易い道を選び出す。 展望台を見て、場所が間違いないのを確認してから突っ込む。 それでも当然、 「う、おぁあああああ!」 竹にはぶつかる訳だ。 まずは一本。 更に加速を続けながら駆け抜けて行く。 ハンドルを回す。 枝葉が車体を掠め、藪を突き抜け、たまに竹を薙ぎ倒す。 次々と白に傷が付き、あるいは剥がれて金属部が露出していくのが分かる。 ポルシェに備え付けられている時計を見る。 残り一分も、ない。 「どうだろうな、こりゃ」 間に合うか、間に合わないか。 間に合うならどちらにしろ間に合っていただろう。 間に合わなかったらどうやっても間に合わなかっただろう。 さて、どうなるか。 「っ!」 不意にタイヤが滑った。 ブレーキを踏み込み、ハンドルを切っても制御が利かない。 そのまま竹を何本か薙ぎ倒した所で、止まった。 舌打ちをしつつアクセルを踏み込む。 だが、動く様子はない。 「駄目だな、降りるぞ」 「…………」 何も言わずに弔士がポルシェから降りた。 目が死んでる気がするが知ったこっちゃない。 僅かだが、ガソリン特有の刺激臭がする。 何処かで傷でも付いてたのか。 ガソリン漏れの上に首輪の爆発も間近。 エリア外と思しき方向に向けて走る。 「……うわっ!」 後ろで悲鳴が上がった。 振り返れば、こけた弔士の姿。 溜息が出る。 戻って無理矢理引き起こす。 「何やってんだ」 「す、すいません」 慣れない姿してるから倒れるんだよ全く。 いや、常に女装してる可能性もある訳だが と言うかいい加減時間が不味い。 死ぬか。 だとしたら呆気ない。 何処かで、爆発音がした。 「山火事か」 「ですね」 幸いエリア外に出ていたようで、首輪は爆発しなかった。 だったらあの爆発はなんだったのかと言えば、ポルシェだ。 白のポルシェだ。 鍵を回したまま放置してきた所為で爆発したらしい。 結果、山火事。 俺のじゃなかったから良いが、それが爆発した。 それでも何とも言えない気分になる。 白のポルシェが爆発した。 白の、ポルシェが、爆発した。 「ぐはっ」 精神的に効いた。 血を吐きそうな気分だ。 俺のポルシェだったら死んでたかも知れない。 それでも歩かなければならない。 後ろで山火事が起きているからな。 畜生、誰がこんなことをした。 爆発オチとか駄目だろ、流石に。 「山火事か」 「ですね」 弔士を見る。 ポルシェでの逃避行が随分と精神的に効いたらしい。 顔が蒼い。 それでも着いてくる。 《十三階段》に入る気があるのかないのか、まだ分からないが。 まあ、敵でも味方でも構わない。 近くに居さえすれば。 それはそれとしても、次は何処に拠点を移すか。 なるようになる。 いや、なるようにしかならないと言うべきか だからこそ、 「――――おもしろきこともなき世をおもしろく」 「……すみなしものは心なりけり?」 「――――――」 「………………」 台無しだ。 【1日目/昼/C-6】 【西東天@戯言シリーズ】 [状態]健康、精神的疲労(小) [装備]拡声器(メガホン型)@現実、首輪探知機@不明、チョウシのメガネ@オリジナル×12 [道具]支給品一式、ランダム支給品(0~1)、マンガ(複数)@不明 [思考] 基本:もう少し"物語"に近づいてみる 1:弔士が 十三階段 に加わるなら連れて行く 2:面白そうなのが見えたら声を掛け 3:つまらなそうなら掻き回す 4:気が向いたら 十三階段 を集める 5:時がきたら拡声器で物語を"加速"させる 6:電話の相手と会ってみたい [備考] ※零崎人識を探している頃~戯言遣いと出会う前からの参加です ※想影真心と時宮時刻のことを知りません ※展望台の望遠鏡を使って、骨董アパートの残骸を目撃しました。望遠鏡の性能や、他に何を見たかは不明 ※首輪探知機――円形のディスプレイに参加者の現在位置と名前が表示される。細かい性能は未定 【串中弔士@世界シリーズ】 [状態]健康、女装、精神的疲労(中)、露出部を中心に多数の擦り傷(絆創膏などで処置済み) [装備]チョウシのメガネ@オリジナル、三徳包丁@現実、中華なべ@現実、虫よけスプレー@不明 [道具]支給品一式(水を除く)、小型なデジタルカメラ@不明、応急処置セット@不明、鍋のふた@現実、出刃包丁@現実、 食料(菓子パン、おにぎり、ジュース、お茶、etc.)@現実、懐中電灯@不明、おみやげ(複数)@オリジナル、「展望台で見つけた物(0~X)」 [思考] 基本:…………。 1:今の所は狐さんについていく ?:できる限り人と殺し合いに関与しない? ?: 十三階段 に加わる? ?:駒を集める? ?:他の参加者にちょっかいをかける? ?:それとも? [備考] ※「死者を生き返らせれる」ことを嘘だと思い、同時に、名簿にそれを信じさせるためのダミーが混じっているのではないかと疑っています。 ※現在の所持品は「支給品一式」以外、すべて現地調達です。 ※デジカメには黒神めだか、黒神真黒の顔が保存されました。 ※「展望台で見つけた物(0~X)」にバットなど、武器になりそうなものはありません。 ※おみやげはすべてなんらかの形で原作を意識しています。 ※チョウシのメガネは『不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界』で串中弔士がかけていたものと同デザインです。 Sサイズが串中弔士(中学生)、Lサイズが串中弔士(大人)の顔にジャストフィットするように作られています。 ※絆創膏は応急処置セットに補充されました。 ※Bー6で山火事が発生しました。今後の規模などは後続の書き手様方にお任せします 戯言遣いですが、車内の空気が最悪です。 重いです。 寒いです。 極寒です。 酷寒です。 重圧です。 重々です。 これは違うか。 とりあえず、真宵ちゃんの目から向けられるそれが痛いです。 助けてください。 腹切りマゾなんて言われた事もありますけど、これはちょっと耐えられません。 言葉で何とかしようにも、切っ掛けすらくれません。 ヘルプ、ミー。 「――――――――」 「――ねえ、戯言さん。さっき私が言った事、きっちりと覚えてますか?」 「う、うん? お覚えてるよ。電話は真宵ちゃんが持つって事だろう?」 「あとは?」 「あと? あとは……なんだっけ?」 聞いてみると、真宵ちゃんが溜息を付いてしまった。 何かまずい事を言っただろうか。 「戯言さんは運転に集中してくださいと言いましたよね?」 「言ってたっけ?」 「言いました!」 いや実は覚えてたんだけど。 覚えててやったら怒られそうだから惚けた訳だ。 まあ、怒られた。 片手運転した事を怒っているみたいだ。 そんなに危ない目には合ってないのに。 精々、砂丘の一つを全力疾走で登ったから五秒くらい飛んだだけだって言うのに。 その時、着地の時に片手で制御しようとしたらうっかり横転しかけただけなのに。 無事だったから良いじゃない。 良くないか。 爆発オチと言うのはあんまりだし。 しかも一応降りて点検した所為で随分と時間を喰った。 なんだ、最悪じゃねえか。 「分かったよ。次からは気を付ける」 「本当にお願いしますよ、本当に」 「大丈夫大丈夫。ぼくが覚えてる限りはね」 「……余計心配になりました」 「泥ぶ――大船に乗った気持ちでいれば良いと思うよ」 「…………」 はぁ、とため息を付くと余所を向いてしまった。 突っ込みを期待したんだけどなあ。 随分と機嫌を損ねちゃったみたいで、困った。 このままじゃどこにも連絡が出来ない。 まだ連絡を入れてない場所が幾つもある。 早い所、真宵ちゃんに電話のボタンを押して貰いたいんだけどなぁ。 「まあまあ、安心してよ真宵ちゃん。ぼくがそう簡単に言われた事を忘れるはずないだろう?」 「…………」 「ただうっかり頭の中から飛んでただけだよ」 本当は飛んでなかったけど。 「忘れてるじゃないですか」 「そうとも言う」 「全く、これだから洒落言さんは…………」 「うん、ごめんごめん……うん?」 「なんですか?」 「今、地味に噛まなかった?」 「失礼、ばれました」 「わざと噛んだの?!」 「ちゃみまみら」 「もはやなに言ってるの!?」 「ごほん」 と、真宵ちゃんがわざとらしく咳ばらいをした。 話が脱線し過ぎていた気はあったから丁度良い。 気分転換にもなったし、何より、空気が元に戻った。 これ以上、嬉しい事はない。 「……先程の電話の相手ですが、知り合いですか? 理事長の事、一切聞いてませんでしたけど」 「そう言えばどこに連絡したの?」 「話を逸らそうとしないで下さい。無理矢理過ぎですよ。展望台です」 言いづらい事を平然と。 でも答えてくれるとは。 場所の予想は付いてたけど。 さて、どう答えるべきかな。 世界の敵、と言うのも変だ。 人類最悪、と言うのも妙か。 狐面の男、と言っても何だ。 ああ、良いのが一つあった。 これ以上なく。 「ぼくの敵だよ」 これ以上なく。 あの男を表しているだろう。 こんなぼくを、敵に選んだ。 こんなぼくを、宿敵とした。 それだけで随分と伝わった。 凄く微妙な表情をしている真宵ちゃんの顔が鏡越しに見える。 「そろそろ次の電話お願いできる」 「あ、はい、分かりました」 次はどこに電話しようかと悩み始めているのを余所に、言われた通り運転に集中する。 とは言っても、世界は変わらない。 見える景色は一向に、変わらない。 まだまだ先は変わらない。 でも。 アクセルを踏み込む。 エンジンが唸りを上げ、砂を巻き上げながら進む。 砂漠をひたすら。 「まだまだ先は長いかな」 でも。 その内、そう遠くない内に、景色が変わるような気がした。 【一日目/昼/F-3】 【戯言遣い@戯言シリーズ】 [状態]健康、 [装備]箱庭学園制服(日之影空洞用)@めだかボックス(現地調達)、巻菱指弾×3@刀語、ジェリコ941@戯言シリーズ [道具]支給品一式×2(うち一つの地図にはメモがされている)、ウォーターボトル@めだかボックス、お菓子多数、缶詰数個、 赤墨で何か書かれた札@物語シリーズ、ミスドの箱(中にドーナツ2個入り) [思考] 基本:「主人公」として行動したい。 0:電話をかける 1:真宵ちゃんと行動 2:玖渚、できたらツナギちゃんとも合流 3:豪華客船へと迂回しつつ、診療所を経由し、ネットカフェ、斜道卿一郎研究施設 いずれかに向かう 4:不知火理事長と接触する為に情報を集める。 5:展望台付近には出来るだけ近付かない。 [備考] ※ネコソギラジカルで西東天と決着をつけた後からの参戦です。 ※第一回放送を聞いていません。ですが内容は聞きました。 ※夢は徐々に忘れてゆきます(ほぼ忘れかかっている) ※地図のメモの内容は、安心院なじみに関しての情報です。 ※どこに電話をかけたかは、次の書き手さんにまかせます。 ※携帯電話から掲示板にアクセスできることには、まだ気が付いていません。 【八九寺真宵@物語シリーズ】 [状態]健康、精神疲労(中) [装備]携帯電話@現実、人吉瞳の剪定バサミ@めだかボックス [道具]支給品一式、 柔球×2@刀語 [思考] 基本:生きて帰る 1:戯言さんと行動 [備考] ※傾物語終了後からの参戦です。 ※真庭鳳凰の存在とツナギの全身に口が出来るには夢だったと言う事にしています。 ※日之影空洞を覚えていられるか、次いで何時まで覚えていられるかは後続の書き手様方にお任せします LOST PARADE 時系列順 再覚醒 LOST PARADE 投下順 再覚醒 探サガシモノ物ガタリ語 いのじワード 戯言遣い ナイショの話 探サガシモノ物ガタリ語 いのじワード 八九寺真宵 ナイショの話 狐のきまぐれ 西東天 稀少種(鬼性手) 狐のきまぐれ 串中弔士 稀少種(鬼性手)
https://w.atwiki.jp/touhoukashi/pages/2185.html
【登録タグ CD CDお 幽閉サテライトCD】 サークル:幽閉サテライト 01 想いが歴史に変わる時 02 DICE 03 選ばれし者 04 パラノイアの海 05 マウストゥーマウス 06 温度差 http //www.nicovideo.jp/watch/sm25197773 http //yuuhei-satellite.sakura.ne.jp/1763
https://w.atwiki.jp/itmsanime/pages/138.html
タイトル あまえないでよっ!! はっぴぃ☆くりすます 歌手 あまえ隊っ!! アニメ あまえないでよっ!! 各200円・アルバム1600円 □■iTMS■□