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2019ハロウィンイベント 「こんにちは!私はジャックオランタンぞうです 突然ですが皆さん呪いのゲームを知っていますか?」 「・・・知らないのも無理はありません これは歴史に葬られたあるyoutuberに関係しているのです」 「ここから先、私がお話しする内容は大変刺激が強いので 自己責任でお願いいたします・・・」 話を聞く wikiイベントコメント欄 2019になってまで盛り上げてくれて凄い。ありがとうざいまこいました。 - 名無しさん (2019-11-03 08 42 19) ピッ ヨカッタデス… ザザッ… - 名無しさん (2019-11-04 08 40 11) このゲームクリアルートはありますか教えてよ - 名無しさん (2019-11-07 00 02 03) 右上にある一つだけ開いている窓に触る、手紙4通集めるのがコツじゃあ・・・ - ヒントぞう (2019-11-07 19 27 16) バグ報告、クリア報告頼むぞぉ~ - ジャック・オ・ランタンぞう (2020-11-09 23 56 56) ウイルスぽい感じ - 名無しさん (2020-11-10 18 00 56) いつもで来たてのゲームやイベントして頂きありがとうございます - 名無しさん (2020-11-11 20 14 44) 名前 イベントログ
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登録日:2011/03/27(日) 00 43 43 更新日:2023/11/01 Wed 20 02 38NEW! 所要時間:約 6 分で読めます ▽タグ一覧 13年秋アニメ MF文庫J はかない ←何を ←もちろんパンツです るろお アニメ ハーレム ライトノベル 増え続けるヒロイン 機巧少女は傷つかない 海冬レイジ 特装版のCDがカオス 機巧魔術―それは魔術回路を内蔵する自動人形と、人形使いにより用いられる魔術。 レーベル:MF文庫J 著者:海冬レイジ イラスト:るろお 控えめの君臨者 全17巻 【あらすじ】 機巧魔術の最高学府である英国ヴァルプルギス王立機巧学院では、人形使いのトップ「魔王」を決める戦い、通称「夜会」が開催される。 そして今、二つの影が学院の門をくぐった。日本からの留学生・雷真と、そのパートナーたる少女型人形の夜々である。 「夜会」参加資格を得るため、雷真は参加予定者との決闘によりその資格を奪おうとする。 標的は次期魔王有力候補で、暴竜の異名をもつ美少女・シャル! しかし雷真が彼女に挑んだところ、思わぬ邪魔が入り……? (1巻あらすじ引用) 【登場人物】(CV:ドラマCD、TVアニメ共に同じ) ◆赤羽雷真(CV:下野紘) 本作の主人公。 一族を皆殺しにした兄を殺すために花柳斎の狗となって夜会に参加する。 成績は1236人中、1235位だが、人形使いとしては天賦の才を持つ。 夜会の登録コードは 下から二番目 (セカンドラスト) 好きなタイプは「豊穣なる女神の谷間を持つ女性」 「何度でも言ってやる。あんな風船みたいな胸、まったく興味はな……い」 ◆夜々(CV:原田ひとみ) ヒロインその1 雷真の自動人形で、花柳斎ブランドの 雪月花 の 月 の禁忌人形。つまり、三姉妹の次女。 名前の読みは「やや」だがファンからは「よるよる」の愛称でも親しまれている。 容姿は黒髪の可憐な少女……ではあるが物凄く嫉妬深く、思い込みが激しい。 華奢な外見に反してパワーが強い。 事ある毎に、雷真のパンツを脱がしてニオイで確認しようとしたり(未遂)、何かと暴走する。 「夜々かわいいよ夜々。夜々かわいいよ夜々。世界一かわいいよ」 ◆シャルロット・ブリュー(CV:高本めぐみ) ヒロインその2 学院の二回生にして夜会のトップランカー 十三人 の一人。 元貴族、姉、貧乳、虚乳、金髪、ツンデレ。 周囲との関係を避けていたが、ある事件を切っ掛けに雷真へ心を徐々に開いていく。 登録コードは 君臨せし暴虐 (タイラントレックス) 「あっ、こら―だめっ!そんな……あ……ラスターカノン!」←雷真に抱きしめられて ◆シグムント(CV:中田譲治) シャルの自動人形でシャルの先祖が倒した暴竜から作られた禁忌人形。 普段はシャルの肩に乗れる位の大きさだが、戦闘時には巨大化する。 好物はチキン。 ◆フレイ(CV:阿澄佳奈) ヒロインその3 学院の三回生で98位。登録コードは 静かなる騒音 (サイレントロア)。 ロキの姉で、ラビという名の犬型の自動人形を操る。 対戦相手である雷真を暗殺しようとするが全て失敗した。 そもそも暗殺できる性格でもなく、嫌がらせで終わっている。 おっぱい担当。 ◆ロキ(CV:岡本信彦) ヒロインその4 学院の二回生7位→99位でケルビムという自動人形を操り、実力は 十三人 に匹敵する。 登録コードは 自ら廻る焔の剣 (セイクリッドブレイズ)。 雷真とは馬鹿馬鹿言い合う仲。 最近はシャルに雷真とBL的な関係で見られている。 しかし、シスコン ◆マグナス(CV:小野友樹) 学院の序列1位で現時点で最も魔王に近い仮面の男。 雷真の妹・撫子に良く似た自動人形の火垂を操る。 多数の自動人形を同時に使役するハーレm(ゲフンゲフン)《ワンマンフォース》という戦闘スタイルであるが、彼の自動人形は全て禁忌人形である。 雷真はこの男が兄・赤羽天全だと睨んでいるが定かではない。 しかし、使用する魔術が赤羽の術であるから(ry 【用語】 ◆魔王(ワイズマン) 夜会でトップに立った人間に与えられる称号で、禁書の閲覧、禁術の使用など、あらゆる制限が解除される。 しかし法の埒外という訳ではなく、犯罪を行えば魔王であっても逮捕される。 ◆手袋持ち(ガントレット) 学院の成績上位100名に渡される手袋で、夜会の参加資格者が持つものである。 この上位13名までを 十三人 (ラウンズ)と言う。 ◆禁忌人形(バンドール) 人形に生体機巧(生身の人間等)を使ったもの。魔力親和性が高いが、魔術師倫理規定に違反する。 しかし夜会の条項に禁忌人形の禁止はないため使用することが可能である。 作品中に禁忌人形の数が多い気がするが決して気にしてはならない。 ◆魔活性不協和の原理 異なる二種の魔術回路は同一のボディに存在できないという原理。 しかし、 イブの心臓 という自動人形の 生命 の魔術回路はこの原理の例外であり、 他の何らかの魔術回路と組み合わせることが出来る。 ちなみに海冬先生自ら 「夜々時計」なるブログパーツを作成、公式配布していたり、 【MMD】原作者自ら夜○をMMDモデル化してみた【モデル配布】 という動画を作って、ニコ動に投稿している。 先生何やってんすか! 原作1巻発売直後からイメージソングCDが発売されたり、コミカライズされたり、コミック版1巻と原作本の4巻にCD付きの特装版が販売されたりと各種方面にも進出中。 原作4巻のside-Aはドラマを コミック版のside-Bはラジオを それぞれ収録したが、コミック版のside-Bの方が先に販売された。 理由は大人の事情らしい。 ラジオのプレゼンテーターは下野紘と原田ひとみと高本めぐみ 無防備な高本めぐみに原田ひとみが発情し、下野紘が殆どツッコミ、たまに巻き添えを喰らう。 つまり、原田ひとみ無双である。 リスナーのオリジナルの自動人形を紹介する「自慢マトン」というコーナーが始まると、効果音を聞くや否や 「今のケツドラムみたいなの何?」 と宣うカオスっぷりである。 他にも 開始早々に下野が「じゃあ、自動人形いらない」と言ったり ふつおたで「そこのおっぱいさん、高本さんにあまり発情しないでください」というのが来たり 第一回放送で下野が考案した「高本さんに言って欲しい台詞」を募集したら「海冬先生、いつも遅くまでお疲れさま」というのが 北海道にお住まいの海冬レイジさん から届いた。 そして2013年秋、アニメ化決定。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 一番好きなラノベ。主人公がへたれない。雷真マジかっこいい。そして敵がちゃんと敵してる。要するに某禁書みたいに改心とかはしない。 -- 名無しさん (2013-06-05 15 55 35) ↑私もこのラノベが一番好きです。雷真やロキなど、男性のキャラがかっこいい。 -- 名無しさん (2013-09-18 17 08 46) 最近ヒロインの一人っぽかったアンリがまさかの 除 外 された。そしてロキにプラグが……。 -- 名無しさん (2013-09-18 17 35 36) アニメはどこまでやるんでしょう?4巻くらいまででしょうか?そうだとしたら、「また入院w」とか「また手術w」とか「また脱走w」とか言いながら、アニメーターさんは医療系の話でもないのに病室の内装とかばっかり描いているんじゃないかと思います。 -- 名無しさん (2013-09-29 02 18 19) アニメはなかなかにいいなぁ。それにしてもEDが個性的でインパクトがあった。一瞬ギョッとしたんだな -- 名無しさん (2013-10-18 15 08 59) ↑確か回レ!雪月花 -- 名無しさん (2013-10-18 16 40 06) まさに病院アニメ -- 名無しさん (2013-12-08 19 49 45) ↑既刊12巻の内計6巻のエピローグは病室だし -- 名無しさん (2013-12-08 20 31 22) いつになったら個別記事できるんだーーー 俺は文才なくて作れませんごめんなさい -- 名無しさん (2014-02-28 13 59 25) 用語や説明、場面転換が多くて下手にはしょると面白くなくなるからか、漫画版ではスローペースになっている。それゆえに、長期間放送できないとアニメに向いていないと思うな・・・。MF文庫のアニメ化の方針(1クールアニメを連発してヒット作を狙う)とは相性が悪かったと思う。 -- 名無しさん (2014-05-10 00 44 15) アニメ版は一巻につき4話分ペースで進めて、1クールで第3巻まで終わらせたな。しかし第3巻と第4巻が密接につながっているので第3巻で終わらせたらキリが悪い・・・。 -- 名無しさん (2014-05-10 00 48 33) ↑アニメ二期を希望したい。アニメ自体がけっこう面白かったし、原作でも四巻以降が盛り上がってくるのに……。 -- 名無しさん (2014-05-10 17 23 06) 前半ギャグ(?)、中盤激戦区、後半超シリアス -- 名無しさん (2014-05-19 18 55 13) 雷真はかっこいいよな。俺も今一番好きなラノベだよ。 -- 名無しさん (2014-06-03 18 21 01) ん? ロキってヒロインだったのか 言われてみれば納得できる -- 名無しさん (2014-06-03 19 19 50) 作者の人の作風なんだろうけど、何人かのキャラに決め台詞的なのが設定されてるのが好き。そして敢えて主役には決め台詞が無いのも好き -- 名無しさん (2014-06-24 00 26 22) ↑桃原 誓護さんをディスるのは止めてください 決め台詞的なのがあった気がする -- 名無しさん (2014-06-24 00 50 05) 夜々は撫子だったりして -- ハル (2014-10-18 13 49 19) ↑なん…だと…!? -- 名無しさん (2014-10-18 19 22 51) MMDまで自ら作成するとは先生は作者の鑑。動画ふつうに良かったです(小並感) -- 名無しさん (2014-10-18 20 25 23) アニメは全体的に白かった -- 名無しさん (2014-11-24 16 13 24) アニメが何とも中途半端なところで終わったのが悔やまれる。せめて4巻まではやってもらいたかった。3巻の後日談みたいな感じなんだから。 -- 名無しさん (2015-01-22 19 03 06) アニメの2期放送やらないかな。こっちはDVDと小説、漫画を全巻揃えて待ってるんだが。 -- 名無しさん (2015-03-18 23 25 05) 2期はよ -- 名無しさん (2015-12-26 03 28 37) 名前 コメント
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岸辺露伴は動かない-雛見沢- その⑯ 前へ 戻る 次へ 2 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 19 09 37.27 ID DdiI3d+T0 1983年(昭和58年) 6月22日(水) 梨花は今日も学校を休むそうだ。 羽入も岐阜まで付いてくる気はないようだった。 露伴と沙都子は家を出る。 興宮へと行くついでに沙都子を送っていくことにした。 沙都子「露伴さん、梨花がいたので言えなかったのですけど、 昨日はすみませんでしたわ。」 露伴「うん?何がだい?」 沙都子「とぼけないで下さいませ。 皆さんも、露伴さんに謝ってほしいと言っていましたわ。」 露伴「そうか、別に気にしてないと伝えといてくれよ。」 沙都子「えぇ、わかりましたわ・・・。」 露伴「それで、どうすることになったんだい?」 沙都子「今日も梨花にちゃんと話してくれるよう説得するということになってますわ。 梨花が仮病なら、学校が終わってからになりますわね。」 3 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 19 10 27.92 ID DdiI3d+T0 露伴「ふーん、そうかい。じゃあ今日は遅く帰ってきたほうがいいかな。」 沙都子「あら、露伴さんもご一緒してくださってもいいと思いますわよ。」 露伴「まぁ、今日はいつ頃帰れるかわからないから、やめておくよ。」 沙都子「何か用事があるんですの?」 露伴「あぁ、ちょっとね。大したことじゃないんだけど、取材でちょっと遠出しようと思っててね。」 沙都子「そういえば露伴さんは村に取材に来てるんでしたわね。 綿流しも終わったし、そろそろ帰ってしまうんですの?」 露伴「ん、あと何日かはいると思うけど、そろそろお別れも近いかもしれないな。」 沙都子「・・・。」 露伴「・・・そのうちまた、来るよ。」 沙都子「本当ですの・・・?」 露伴「あぁ・・・。」 沙都子「それじゃあ、毎年綿流しにはちゃんと来てくださいまし。 オヤシロ様に怒られますわよ。」 露伴「オヤシロ様に怒られる・・・ねぇ。ふふふ。 わかったよ。」 4 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 19 11 23.86 ID DdiI3d+T0 沙都子「でも、1年に一度だけっていうのも寂しいですわねぇ。」 露伴「おいおい、僕は仕事があるんだぜ?」 沙都子「あら、露伴さんってまだ漫画家の卵なんじゃないですの?」 露伴「それだってアシスタントをしたり、賞に応募したりいろいろあるんだぜ。 それに、僕が住んでるのは東北だしな。」 沙都子「露伴さんが東北に住んでらっしゃるなんて知らなかったですわー。 東北・・・、私、雛見沢から出たことはほとんどありませんのよ。」 露伴「ふふふ、機会があったら遊びに来るといいよ。」 沙都子「そうですわねぇ・・・私が大きくならないと無理ですわねぇ。」 そうこうしていると学校が近づいて来た。 沙都子が校舎へと入っていくのを確認すると露伴は道を引き換えした。 5 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 19 12 15.38 ID DdiI3d+T0 コンコン 路肩へ止まっている車の窓を叩く。 運転手の男はわざとらしく驚いた様子をしてみせた。 そして窓を開けるハンドルを回しながら口を開いた。 男「こ、こんにちわ。何かご用ですか?」 露伴「あぁ、ちょっと頼みがあるんだ。 興宮署まで乗せてってくれよ。」 男「け、警察署までですか?何かお急ぎですか?」 おっと、そうだった。 こいつは僕が監視されてるのを知らないと思ってるんだったな。 少しからかってやるのもおもしろそうだが・・・、大人しくしておくか。 露伴「あんた、警官だろ?僕を監視してたのは知ってたんだよ。」 男「・・・ッ!」 露伴「これから署に用があるから、よかったら乗せてってくれよ。 自転車だと興宮まで出るのも一苦労だからな。」 男「あ・・・いや・・・私は・・・。」 露伴「信じられないなら大石に確認してみろよ。 無線か何か積んでるんだろ?僕は少し離れててやるからさ。」 露伴はそう言い放つと、車から離れてそっぽを向く。 警官はどうしたらいいかわからず、結局署へと連絡をとることにした。 7 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 19 13 12.69 ID DdiI3d+T0 数十分後、露伴を乗せた車が興宮署へと到着する。 ロータリーへと入っていくと、大石が走って出迎えに来た。 大石「岸辺さん、おはようございます。それと、盆地くん、お疲れ様でした。 勘違いをさせてしまっていたみたいで、すみませんねぇ。」 盆地「あ、いえ、大丈夫です。」 大石「課長には言ってありますんで、今日はもうお休みにしてくれちゃっていいですよぅ。」 盆地「はい、それでは車を置いてきます。 岸辺さんの自転車はどうしましょうか?」 大石「あぁ、お帰りのときには私が送りますんで。 どこかわかるところに降ろしておいて貰うんでいいですかねぇ?岸辺さん。」 露伴「あぁ、お願いするよ。」 大石「それじゃあ岸辺さん、こちらにどうぞぉ。 岐阜に行くにも都合がありましてねぇ。コーヒーでも飲んで待っていてもらえますか。」 露伴「あぁ、砂糖は二つ出してくれ。」 大石「はいはい、二つでも三つでも結構ですよぉ。」 17 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 20 40 49.86 ID DdiI3d+T0 いつの昭和58年6月も暑いのだが、この日も暑くてしょうがない日だった。 昼ごろまでは布団の中でゴロゴロ過ごしていたのだが、眠気もなくなり、 こう暑くては布団に寝転がってもいられない。 だが、目を覚ませば憂鬱な気分を消すことはできなかった。 夢の中でうなされる事もあるが、それも死に慣れたせいか少なくなった。 結局、起きて酒を飲み始めた。羽入が何か文句を言っていたが、聞かないことにする。 うん、やっぱり酔わないとやっていられない。だって私はこれから死ぬのだもの。 羽入が変な男を連れてきて、ちょっと変わった世界だった。今までなかったこともたくさん起きた。 でも、祟りは起きた。あの男はまだ何かやってるみたいだけど、私は死ぬんだろうな。 そうやってこの世界の思い出を肴にしていると、時間がたつのは早かった。 気づけば3時過ぎになっている。そろそろ片付けないと沙都子が・・・。 18 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 20 41 55.47 ID DdiI3d+T0 そう思ったときにタイミングよく階下で足音が聞こえてくる。 私は急いでワインのボトルを隠す。いつもより飲みすぎているのか、 立ち上がると自分の平衡感覚が乱れているのがよくわかった。 階段を上ってくる足音は一つではなかった。 なるほど、今日も懲りずに全員で来たということだろうか。 いや、懲りずにという言い方は彼らに悪いか。来てくれることはうれしかった。 とりあえず、一応風邪のフリをしなければ。しまった、さっき布団を部屋の隅に・・・。 沙都子「ただいまでございますわー。梨花ぁ、具合は・・・。 ・・・梨花、なんでお布団で寝ていないのですこと?」 梨花「あ、暑かったからお布団は寝苦しかったのですよ。」 詩音「梨花ちゃま、だめですよ。暑くてもちゃんと布団で寝ていないと。 いつまでたっても風邪がなおりませんから。」 レナ「そうだよ、梨花ちゃん。それにお顔がちょっと赤いかな・・・? 熱があるんじゃないかな。かな。」 梨花「みんな、来たのですか・・・。」 圭一「おう、邪魔するぜっ。」 魅音「もうお邪魔してるんだけどねー。」 19 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 20 42 51.97 ID DdiI3d+T0 全員がぞろぞろと部屋へ入ってくる。 様子を見る限り今日も学校帰りなのだろうか。 魅音のカバンは昨日と同じくパンパンだった。 沙都子「皆様、いま麦茶をお入れしますわ。」 詩音「あ、私も手伝いますよ。」 圭一「俺のは氷多めにしてくれよなー。」 魅音「あ、おじさんのも多めでお願いっ!」 沙都子「うちの冷凍庫にはそんなに沢山のお氷はありませんのよー。」 沙都子が麦茶を用意している間はみんなはワイワイと騒いでいた。 レナは私の顔の色が気になるのか、頭に手を当てて熱を測ろうとする。 梨花「全然大丈夫なのですよ。にぱー☆。」 レナ「うーん、ちょっと熱っぽいかも・・・。 体温計はどこにあるのかな?かな。」 梨花「本当に大丈夫なのです。」 圭一「レナぁ、心配しすぎだぞ。 本人が大丈夫って言ってるんだから大丈夫だろ。」 圭一が助け舟を出してくれる。 仮病だと知っているから言ったのだろうとは思うが。 飲酒を隠したい私にとっては助け舟だった。 20 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 20 43 52.73 ID DdiI3d+T0 沙都子と詩音が麦茶を入れて持ってくると、急に皆が静まる。 もう本題を話したいんだろうか。こういう時に口を開くのは大体圭一の役割だ。 私がそう思うと、タイミングよく圭一が口を開く。 圭一「あー、あの。梨花ちゃん。真面目な話があるんだ。」 梨花「みぃ?なんなのですか?」 圭一「梨花ちゃん、最近悩み事があるんじゃないか? 俺たち、それを聞こうと思ってきたんだ。」 梨花「今日は部活をしに来たんじゃないのですか?」 魅音「ふふふ、ちゃーんと部活の用意もしてあるよ。 梨花ちゃんの悩みを解決したら、遊ぼうと思ってねっ。」 梨花「それは、残念なのです。」 魅音「あるぇ?部活はしたくなかったぁ?」 梨花「違うのです。僕の悩みは解決しないのです。 だから遊べなくて残念なのです。」 圭一「梨花ちゃん、話してくれないと解決できるものも解決しないぜ。 最初から解決できないなんて決め付けないで、俺たちに話してくれよ。」 レナ「そうだよ、梨花ちゃん。私たちに話してみてよ。」 沙都子「梨花・・・、話してくださいまし。」 梨花「僕は・・・もう死んでしまうのです。 これは決まったことなのです。」 21 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 20 44 19.63 ID DdiI3d+T0 私はこれを言えば大騒ぎになると思っていた。 圭一が口を開くと予想したのと同じに、これもほぼ当たると、そう思っていた。 だが、どうだろう、誰も口を開かない。 騒いでいるのは羽入だけだった。 羽入『梨花ッ!喋っていいのですかッ!?』 梨花『あら、酔っててつい口が滑ったわ。』 羽入『あぅあぅ・・・。』 梨花『冗談よ。でも、思ったより真面目に聞いてくれてるみたいよ?』 羽入『・・・。』 梨花「みんな、こんな話を信じるのですか?」 圭一「・・・。」 圭一が皆を見回す。 そして全員が圭一に強くうなずき返した。 圭一「あぁ、信じるぜ。梨花ちゃんが冗談じゃないって言うなら、 俺たちは信じる。仲間だからな。」 梨花「仲間だから・・・ですか。」 圭一「で、なんで梨花ちゃんが死んじまうって決まってるんだ? 詳しい話を聞かせてくれよ、な?」 22 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 20 45 23.27 ID DdiI3d+T0 羽入『梨花・・・話すのですか?』 梨花『そうね、せっかくだから話そうと思うわ。』 羽入『でも、そうしたら皆も巻き込まれるのです。』 梨花『そうね、今までは、彼らに話せば山狗に殺されるんじゃないかって思ってたわ。 でも露伴が言ってたじゃない。どうせ私が死ねば皆も死ぬのよ。』羽入『あぅあぅ・・・。』 梨花『いいじゃない、彼らが知りたいなら教えてあげましょう。』 羽入『僕は・・・、知らないのです。』 羽入はそう言うと消えていった。 それとね、羽入。私は試してみたいのよ。 こうして皆が私を助けようとしてくれる世界なんて、今まであったかしら。 そう考えると、こうなったのはあの男のせいなのかしらね。 もうこんなことは二度とないかもしれない。だから試しておきたいのよ。 あとで、あの時試しておけばって後悔はしたくないものね。 梨花「僕は、殺されてしまうのです。病気のせいで。」 魅音「病気のせいで殺される?どーゆぅこと?」 梨花「ちゃんと説明するので最後まで聞いてほしいのです。 この村には、昔から病気があるのです・・・。」 雛見沢症候群の話、入江や鷹野、富竹の話、山狗の話、東京の話、そして女王感染者の話。 露伴や羽入の話は説明が長くなりそうなので省いたが、自分の状況を大まかには話した。 皆はずっと黙って私の話を聞いてくれた。 35 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 22 04 18.74 ID DdiI3d+T0 梨花「と、いうわけなのです。」 流石に話が突飛すぎたのか、圭一の頭はまだついてこれないようだった。 そこで魅音が口を開く。 魅音「ん、大体はわかったけど。質問してもいいかな?」 梨花「わかる範囲で答えますです。」 魅音「症候群の研究に関わっていた鷹野さん、富竹さんが殺された。 次に梨花ちゃんが殺される可能性があるっていうのはよくわかるよ。 でも、山狗っていう部隊が梨花ちゃんを守ってくれてるんだよね?」 梨花「守ってくれているはずなのです。でも、僕は死んでしまうのです。 ・・・オヤシロ様のお告げなのです。」 魅音「なるほどね。そうすr」 詩音「そうなると、山狗は疑わしいですね。」 魅音「ちょっと詩音ー。私のセリフー。」 36 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 22 05 06.75 ID DdiI3d+T0 梨花「露伴も同じことを言っていたのです。 やっぱり山狗は敵なのですか・・・。」 沙都子「疑わしきはクロでございましてよ。 梨花が女王であることを知っているのは東京の関係者。 つまり、山狗や東京の人間が一番怪しいということになりますわね。」 圭一「おい、待てよ。もし梨花ちゃんが死んじまったら困るのは東京の連中なんじゃないのか? そのために山狗を派遣してるんだろう?」 魅音「もちろん、東京と敵対する人間が梨花ちゃんを殺そうとしているのも十分あると思うよ。」 詩音「梨花ちゃまを殺すなら、大きな揉め事は避けたほうが懸命ですよねぇ。 自分たちが殺したと分かればただ事じゃあすみません。 つまり暗殺が最も適切だっていうことなんですが・・・。」 魅音「さて問題、自衛隊に守られた少女を暗殺する最も簡単な方法は?」 圭一「うーん・・・、暗殺・・・。超A級スナイパーを雇うとか・・・?」 魅音「そりゃあ、おじさんの家にある漫画でしょ。 でも、雇うってところは惜しいかなー。」 37 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 22 05 44.57 ID DdiI3d+T0 レナ「自衛隊を雇う・・・かな?」 圭一「おいおい、自衛隊は梨花ちゃんを・・・、って、そういうことか!」 魅音「そう、正解は山狗を買収する。 東京に敵対する組織なら、そのくらいの財力はあってもおかしくないでしょ。」 詩音「そういうことです。梨花ちゃまを殺そうとしているのが誰でも関係ありません。 山狗が買収されていなければ、梨花ちゃまを守ってくれます。 つまり、梨花ちゃまが殺されるなら、それは山狗が敵ってことです。」 魅音「実行犯が山狗かはわからないけど、山狗には警戒が必要ってことだね。」 レナ「それに、もしそれが間違ってるなら、山狗がちゃんと守ってくれるんだから安心だよね。」 圭一「なるほどな、たしかにその通りだぜ。わかったか?沙都子。」 沙都子「私は最初からわかってましてよ。」 圭一「まぁ、それじゃあ山狗に頼らずに梨花ちゃんを守る方法を考えようぜッ!」 彼らはなんとも楽しそうだった。 自分たちが山狗に狙われるかもしれないということは考えないのだろうか。 でも、その彼らの楽しそうな話し合いに私も加わることにした。 48 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 23 11 49.46 ID DdiI3d+T0 露伴と熊谷の姿は、岐阜県警の応接室にあった。 大石は岐阜県警の鑑識へ一人で乗り込み、熊谷に露伴の見張りを言いつけたのだ。 大石が部屋を出て行ってから既にかなりの時間がたっている。 露伴は熊谷から大石の武勇伝なんかを聞いたりしていたのだが、 その話のネタももう尽きてしまった。 熊谷「遅いっすねぇ。大石さん。」 露伴「あぁ、さっさと終わらせて帰りたいんだがな。 あんたも、僕の見張りで暇だろうに。」 熊谷「まぁ、仕事ですから。」 ガチャ 熊谷「あ、大石さん。どうでしたか?」 熊谷は大石が入ってきた途端、背筋を伸ばして立ち上がる。 大石は後輩からだいぶ尊敬されているのだな、と露伴は思った。 50 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 23 12 31.38 ID DdiI3d+T0 大石「んっふっふっふ。やりましたよ。 あっちの資料にとんでもないミスがありました。 結局間違いは認めてくれなかったんですがねぇ。」 露伴「それじゃあ、僕の疑いは晴れたってことでいいんだな?」 大石「疑いが完全に晴れたわけではありませんが、 捜査妨害の件はシロということでお願いしますよ。んっふっふ。」 熊谷「この後はどうするんですか?」 大石「急いで興宮に戻りましょう。 鷹野の捜査を始めないといけないですからねぇ。」 熊谷「了解ッス!車出してきます。」 熊谷はそう言うとすぐに飛び出していった。 51 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/06(木) 23 13 32.02 ID DdiI3d+T0 露伴「機嫌がよさそうじゃないか。」 大石「そりゃあ、ついにオヤシロ様の祟りの尻尾をつかんだんですからねぇ。」 露伴「それじゃあ、ちょっと僕のお願いでも聞いてくれるかい?」 大石「なんですかなぁ?聞けることなら聞いてあげますよぉ。」 露伴「入江に連絡をいれてくれないか。 鷹野が生きていたことを。」 大石「おんやぁ?入江の先生にですか? また何か、たくらんでますぅ?んっふっふっふ。」 露伴「まぁ、そう気にしないでくれよ。ふふふ。」 大石「わかりました。先生に電話させてもらいますよ。 鷹野がもし戻ったら連絡をくださるようお願いするつもりですしねぇ。」 露伴「そうかい。じゃあ頼むよ。」 大石「えぇえぇ。でも、帰りのガソリンスタンドかどこかからでいいですか? 流石にこの建物の中で、岐阜さんの鑑識が間違ってたなんて大声で言えないですからねぇ。」 露伴「あぁ、それはいつでもいい。任せるよ。」 大石「それじゃあ、帰る前にちょっくらお世話になった人に挨拶してきます。 熊ちゃんと車の中で待っててください。」 露伴「あぁ。」 大石は玄関とは逆の方向へと歩いていく。 露伴は車に乗るために玄関へと向かうことにした。 これで、入江も鷹野の存在を気にせざるおえない。 あとは、鷹野が尻尾を出してくれればいいのだが・・・。 なんとか上手くいってるってとこかな。 露伴は熊谷がロータリーへ廻してきた車へと乗り込んだ。 67 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/07(金) 01 08 06.87 ID TsCi1LP60 職員「入江所長。お電話です。」 入江「はい、どちら様からですか?」 職員「興宮署の大石様です。」 入江「わかりました。診察待ちの患者さんはいらっしゃいませんね? それなら、所長室で取ります。」 入江は診察室を出ると所長室へと向かった。 入江「こんにちわ。お待たせして申し訳ありません。入江です。」 大石『あぁ、先生。お疲れ様です。こんにちわ。』 入江「何か御用でしょうか?富竹さんたちの件ですか?」 大石『その通り・・・なんですがぁ、大変申しあげにくいんですが、 我々警察の捜査にミスがありまして・・・。 まぁ、ミスがあったのは岐阜県警なんで、うちじゃないんですがね。 鷹野さんの死体が出たって話、あれ間違いだったんですよ。』 入江「間違いと・・・言いますと・・・?」 68 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/07(金) 01 09 08.93 ID TsCi1LP60 大石『死体が出たのは本当なんですがね、 身元確認にミスがあったという言い方のほうが正しいですかな。 鷹野三四さんではなかったということです。』 入江「そ、それでは鷹野さんは生きているんですね!?」 大石『それははっきりとは申し上げられませんなぁ。 死体が鷹野さんではないとわかっただけですので。 鷹野さんは車と共に行方不明、ということになります。』 入江「そ、そうですね・・・。」 大石『それでですね、入江先生にお伝えしようと思ったわけですよ。 もし鷹野さんが診療所に来られるような事があったら、署に連絡をお願いします。』 入江「わかりました。」 大石『それと、よろしければお話を伺いたいんですが、 今日これからそっちに向かっても大丈夫ですかねぇ?』 入江「はぁ、特に予定はありませんが・・・。」 大石『それでは、まだ岐阜から帰る途中ですので、 1時間ちょっとしたらそちらに着くと思うんですが。』 入江「わかりました。お待ちしています。」 落ち着いて電話を終えるが、入江の心中は穏やかではなかった。 彼が、岸辺露伴が言っていたことが本当だったからだ。 69 名前: ◆rp2eoCmTnc [] 投稿日:2008/03/07(金) 01 09 49.62 ID TsCi1LP60 それは、彼の予言が正しいということになる。すると、梨花ちゃんが殺されるかもしれない。 さらに彼は、山狗と鷹野さんは梨花ちゃんの殺害に関わっている可能性が高いと言う。 自分はどうしたらいいのか、悩んでも答えは出てこなかった。 そうして入江は露伴に会いに行くことを心に決める。 入江「それでは、後はよろしくお願いします。なるべく早く戻ってきます。 もし、大石さんたちが来られたら、お待ち頂いてください。それでは。」 入江は残りの診療をスタッフたちに任せ、車に乗り込む。 もう陽が沈みはじめている。陽が落ちれば診察に来る人もほとんどいない。 スタッフたちに任せておいて大丈夫だろう。 岸辺露伴に会えることを祈り、入江は古手神社へと出発した。 11 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/03/16(日) 15 52 43.84 ID tp8tHGA10 入江は神社へと到着すると、境内を見渡す。 だが、露伴の姿は見つからない。 梨花と沙都子の家にでもいるのかと思い、そちらへと足を向けた。 梨花達の家につくと、なにやら部屋の中から賑やかな気配がする。 雰囲気からするに、雛見沢の子供たちが集まっているのだろうか。 露伴が中にいるかはわからない。 入江は遊んでいる子供たちに水を差したら申し訳ないな、 なんてことを考えながら戸を叩く。 ドンッドンッ 入江「こんにちわー。梨花ちゃーん、沙都子ちゃーん。 いませんかー?ご主人様ですよー?」 この家にはインターホンはついていない。 もともと防災用の倉庫だから当然と言えば当然だろうか。 だから、来客は声を張り上げなければいけなかった。 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。[] 投稿日:2008/03/16(日) 15 54 44.17 ID tp8tHGA10 その入江の声に気づいたのか、子供たちが騒ぐ気配は急に静かになる。 やはり悪いことをしたな、と入江は考えながら戸が開くのを待つことにした。 ガララ 沙都子「お待たせしましたわ。どうしたんですの?監督。」 詩音「はーろろん、です。監督。」 レナ「こんにちわ、監督。」 入江「こんにちわ、沙都子ちゃん、それに詩音さんとレナさんも。 ちょっと露伴さんに用があったんですけど、おうちの中にいらっしゃいませんか?」 沙都子「あら、露伴さんは朝から出かけてますのよ。 取材で遠出すると言ってらしたので、いつ帰ってくるかもわかりませんわ。」 入江「そうですかぁ、それは困りましたねぇ。」 沙都子「何か、御用ですの?」 入江「いえ、まぁ、大したことじゃないんです。 また今度にしますよ。お友達が来ているときにすみません。」 沙都子「あら、全然気になさることないですわよ。」 詩音「そうですよ、おねぇに圭ちゃんも来てますけど、 あの二人はなおさら気にすることないです。」 入江「それは賑やかですねぇ。お二人にもお邪魔して申し訳ないとお伝えください。」 13 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/03/16(日) 15 55 59.25 ID tp8tHGA10 そう言って入江はすぐに帰ろうとする。 だが、それを詩音が呼び止めた。 詩音「監督。露伴さんに用って・・・なんなんです?」 入江「いえ、本当に大したことではないんですよ。 露伴さんには私が来たことだけ伝えてもらえれば大丈夫ですから。ははは。」 詩音「怪しいですねぇ・・・。私たちには喋れないことですかぁ?」 入江「いやぁ、沙都子ちゃんのメイド化計画だなんて、 そんなことは全然考えてませんよぉ。はははは。」 レナ「嘘つき。」 入江「はは・・・へ?」 レナのその唐突な発言に入江が固まる。 図星だったことに加え、レナからこんな冷たい言葉が出てくるとは思いもしなかったのだろう。 だが、レナはそんな様子はなかったかのように明るく言った。 レナ「嘘つきはよくないと思うかな。かな☆」 詩音「レナさん・・・猫かぶっても無理だと思います。」 レナ「何のことかな?かな?猫さんかぁいいよねー。はぅー、おー持ち帰りー☆」 14 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/03/16(日) 15 56 32.53 ID tp8tHGA10 入江「あ、あははは。いやぁ、まぁ大した用じゃないんですよ。 気にしないでください。」 レナ「梨花ちゃんのこと?それともオヤシロ様の祟りのこと?」 入江「い、いえ、なんのことですか?」 レナ「監督、レナは目でわかるんだよ。嘘ついてるの。」 詩音「あー、そういうことですかー。 監督、残念ながら私たちもう聞いちゃってるんです。」 沙都子「どういうことですの・・・?」 詩音「監督も私たちの仲間にしちゃうってところですかねぇ。 さぁ、上にどうぞ。」 入江「・・・。詳しくお聞きしないといけませんね。」 こうして入江は部屋へと上がることになった。 15 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/03/16(日) 15 58 21.12 ID tp8tHGA10 圭一「お、監督。どうしたんです?梨花ちゃんの診察とか?」 入江「いえ、違います。レナさんに呼び止められまして。」 レナ「監督はね、露伴さんに用があって来たんだって。」 詩音「それが今回の梨花ちゃまの件に関わってるって、 レナさんが見抜いちゃったんで、お呼びしたってことです。」 入江「梨花さん、彼らに話してしまいましたね?」 梨花「話しましたです。そのことは謝りますです。 ですが、やはり山狗は信用できないということを皆で話したのです。 僕が相談できるのは皆だけだったのです。許してほしいのです。」 入江「・・・。もう話してしまったものはしょうがありません。 そして、山狗が信用できないというのもあながち間違いではないのかもしれません。」 梨花「何かあったのですか?入江に僕が殺される話をしたことはないと思うのですが。」 入江「殺される・・・ですか。 私は露伴さんからそのことを聞きました。 梨花さんも露伴さんから聞いたんですか?」 圭一「やっぱり、露伴さんも知ってるのか。」 レナ「圭一くん、邪魔しちゃだめだよ。」 16 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/03/16(日) 15 59 45.19 ID tp8tHGA10 梨花「違いますです。露伴とは関係なく、僕は殺されることを知っていました。」 入江「そうですか。私は露伴さんから聞かされました。 そして山狗が怪しいということも聞きました。」 梨花「露伴が話をしたということは、入江は僕を殺す人間ではないようなのです。」 入江「えぇ、露伴さんにもそう言われました。」 詩音「それじゃあ、私たちの仲間になってくれますよね?」 魅音「監督、梨花ちゃんが殺されたら大変なことになるでしょ? 私たちもそれを止めたいんだよ。」 入江「そこまでご存知ですか。」 梨花「ボクが死んだあとにどうなるか、詳しくは知らないのですが。 女王感染者が死ぬと大変なことになるのですよね?」 入江「えぇ・・・。正確には大変なことになるまえに全て処理します。」 圭一「処理ぃ?」 入江「私たちの診療所の危機管理マニュアルとして、緊急マニュアル第34号というものがあります。 多数の末期患者の発生、及びそれの機密処理部隊の処理能力超過が見込まれる場合・・・。」 圭一「見込まれる場合・・・?」 入江「雛見沢症候群の病原菌を・・・全て滅菌します。」 圭一「・・・?特効薬かなんかでもあるのか?」 詩音「圭ちゃん、治療法はまだないって、さっき梨花ちゃまが言ってたじゃないですか。」 レナ「ひどい・・・。」 魅音「じ、自衛隊の管轄の研究所でそんなことするの・・・?」 17 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/03/16(日) 16 01 17.45 ID tp8tHGA10 入江「通常の発症の多発で機密処理部隊の処理能力を超過することは、 天文学的確率でしか起こりません。 ですから、女王感染者の死亡の際にしか適用されないマニュアルなのですが・・・。 女王感染者の死亡で村人全員が発症すれば、その被害は興宮へも広がります。 それに加え、末期症状からの回復はまだ方法が確立していないため、 発症した村人を救うこともできません。悲しいことですが、 それが被害を最小限に抑える方法なのです。」 レナ「そんな・・・。」 圭一「おい、よくわからないぞ。どういうことだよ。」 魅音「圭ちゃん、治せない病気の菌を全て滅菌するってことは・・・。 感染してる人を全員殺すってことだよ・・・。」 圭一「ま、まじかよ・・・。」 沙都子「そ、そんな・・・。」 入江「そのような事態を防ぐために、 山狗のような自衛隊の不正規戦部隊がわざわざ雛見沢に派遣されているわけです。」 梨花「ですが、入江も僕たちも山狗が信用できないという結論でいいのですよね?」 入江「なぜ梨花さん達がそう考えるのか教えてもらえますか?」 魅音「簡単に言うと、梨花ちゃんを殺せるのは、山狗しかいないって話だよ。」 入江「露伴さんと同じ考え方ですね。」 詩音「それに、山狗が味方なら、それでいいんです。山狗が梨花ちゃまを守って一件落着。 私達は山狗が敵の場合にだけ梨花ちゃまを守ればいい。 だから、山狗が敵だと思って行動したほうがいいってわけです。」 入江「なるほど、その通りですね。」 18 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/03/16(日) 16 02 40.78 ID tp8tHGA10 梨花「なぜ、入江は山狗を疑うようになったのですか? 入江が疑うということは、よほどの理由があると思うのですが。」 入江「山狗を疑うというよりは、露伴さんの言うことを信じる気になったという感じなのですが、 実は、露伴さんに用があって来たのも、そのせいなんです。 どうやら鷹野さんが生きているようなんです。」 圭一「え?でも岐阜で死んだって聞いたぜ? おい、魅音、警察から連絡があったんだよな?」 魅音「う、うん。ばっちゃに警察から連絡が来てたから間違いないはずだけど・・・。」 入江「いえ、その死体の身元確認にミスがあったことがわかったらしいんです。 先ほど大石さんからお電話を頂いたばかりなので、園崎家にも後ほど連絡が行くとは思いますが。」 詩音「でも、今まで身元確認のミスが発覚しなかったってことは、 鷹野さんは仕事にも来てないってことですよねぇ?」 入江「えぇ、大石さんが言うには、車と共に行方不明ということになるそうです。」 沙都子「鷹野さんが行方不明だと、何が問題なんですの? むしろ、オヤシロ様の祟りは行方不明が普通ですわよ?」 入江「あぁ、これは露伴さんの予言なんですが・・・。 鷹野さんの死体は偽装死体だ、と一昨日に予言されているんです。 大石さんはミスがあったと言いましたが、 そのミスというのが偽装によって起こされたものなら・・・。」 19 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/03/16(日) 16 04 15.03 ID tp8tHGA10 レナ「そして、偽装は山狗の得意分野、なんだね。 さっき、機密保持部隊って言ってたの、山狗のことだよね?」 入江「その通りです。」 圭一「つまり、鷹野さんが死んだフリをしていて、山狗と一緒に梨花ちゃんを狙ってるってことか。」 魅音「まぁ、絶対とは言い切れないけど、かなり怪しいってことだね。」 詩音「私は、露伴さんの存在も十分怪しいと思いますけど・・・。」 圭一「まぁ、たしかに。予言って・・・どういうことだ?」 入江「露伴さんは、富竹さんと鷹野さんが死ぬことも予言しています。 綿流しのお祭りの前に、そういう内容の手紙を渡されました。」 沙都子「ろ、露伴さんは悪い人ではありませんわ!」 詩音「さ、沙都子・・・。」 沙都子「みなさんは知らないかもしれませんが、露伴さんは私を助けてくれたんですのよ。 私の叔父を、追い払ってくれたんですの。その露伴さんが、悪い人なはずありませんわっ!」 圭一「そうだな、俺もそう思うぜ。 露伴さんはたしかに不思議な雰囲気を持ってるが悪い人じゃあねぇ。 何か今回の件について知ってるとしても、俺達の敵じゃあないはずだ。」 梨花「露伴は、僕達の敵ではないのです。これだけははっきり言えるのです。」 詩音「まぁ、いろいろ知ってそうですが、梨花ちゃまを殺すならもう殺してますよねぇ。」 20 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/03/16(日) 16 05 11.43 ID tp8tHGA10 レナ「そうだね、露伴さんは敵じゃないと思うかな。 それで、監督も私達の敵じゃないんだよね?」 入江「えぇ、話が戻りますが、私もあなた達に協力します。 本当はあなた方を巻き込みたくないのですが、 ここまで知っていては止めても無駄でしょう。」 沙都子「監督・・・。」 魅音「この部活メンバーの命を狙うなんて、身の程知らずって思い知らせてやるよっ!」 詩音「ふふふ、こりゃあアメリカで受けた訓練が役に立つ時が来たかもしれませんねぇ。」 圭一「いや、これは梨花ちゃんを守るだけの戦いじゃねぇぜ。 雛見沢に住む人間全員を守る戦いでもあるってことだ!!」 レナ「そうだね、絶対にそんなことさせるわけにはいかないよね。」 入江「みなさんに機密情報を漏らしたことは、私が責任を取りましょう。 事態が解決してから、東京にしっかり話を通します。」 圭一「よし、それじゃあ監督も入れて、作戦会議続けるぞぉーッ!!」 一同「おぉぉーーーッ!」 21 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/03/16(日) 16 06 24.89 ID tp8tHGA10 露伴と大石、熊谷の車は興宮署を出て雛見沢へと向かっていた。 大石たちは露伴を送るついでに入江診療所へと向かうそうだ。 岐阜での一件が終わってから、露伴は大石たちにほとんど返答をしない。 まるで用済みになった人間の相手はしないとでも言うような態度だ。 大石「岸辺さん、もう雛見沢に着いちゃいますよぉ? 何か話してくれませんかねぇ。まだ何か知ってるんでしょ?私らが知らないこと。」 露伴「・・・。」 大石の言葉どおり、車はガクンと揺れ、砂利道へと入る。 この舗装道路と砂利道の入れ替わりがまさに興宮と雛見沢の境目のようなものだ。 大石「またあれですか、今の私には教えられないってやつですかぁ?」 露伴「そうだ。"今のアンタ"に教えることはもうないよ。悪いけど。」 大石「わかりましたよ。それじゃあ、予定通りあなたを餌に祟りの主を釣り上げることにします。」 露伴「オヤシロ様は、僕なんかじゃあなくてシュークリームを餌にしたほうがいいぜ?」 大石「シュークリーム?それはヒントか何かですか・・・?」 露伴「ふふふ、どうだろうねぇ。」 22 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/03/16(日) 16 07 19.64 ID tp8tHGA10 熊谷「シュークリームより、なんか腹にたまる物が食いたいッスねぇ。」 大石「そうですねぇ。もうすぐ8時ですかぁ。 入江の先生のお仕事があがりでしたら、一緒にお食事でも行きますかねぇ。 岸辺さんもどうです?ご一緒に。楽しいお店でも行きませんかぁ?」 露伴「いや、僕は多分食事が用意されている。遠慮するよ。」 大石「あら、そうですかぁ。ひさしぶりに公費で遊べると思ったんですがねぇ。」 露伴「・・・。」 大石「ッ・・・。」 大石が車の外に視線をやり、なにかを気にする。 大石「熊ちゃん。ちょい停めて!」 熊谷「え?あ・・・はいっ!」 熊谷が急ブレーキで車を停める。 後部座席でシートベルトをしていなかった露伴は、 前の座席のシートに顔をぶつけた。 露伴「ッ。おい・・・なんだよ急に。」 熊谷「どうしたんですか?大石さん。」 大石「あの車・・・なぁにやってんですかねぇ。こんなところで。」 23 名前: ◆rp2eoCmTnc [sage] 投稿日:2008/03/16(日) 16 08 35.90 ID tp8tHGA10 大石が首をせり出して覗く視線の先にはバックミラーがあった。 露伴からは角度的に見えなかったが、そこにはワゴン車が一台映っていた。 熊谷「たしかに、不審ですね・・・。気づきませんでしたよ。」 露伴「おい、なんだよ、見えないぞ?」 露伴も前のシートのほうへと顔をせり出してミラーを覗く。 たしかに一台の不審な車が路肩に停車しているのが見えた。 大石「あー、興宮SPどうぞー、聞こえてますかぁ?なっはっはっは、こんばんはさようなら。」 『こちら興宮SP、感度良好です。どうぞ。』 大石「ぇーっとぉ、車両ナンバー照会をお願いします。XX,XのXXXX。」 『復唱、XX,XのXXXX。少々お時間をもらいますよー。』 大石「はいはい。」 露伴「なんだよ、車一台っぽっちでそんな大騒ぎするのか?」 大石「警察は市民の安全を守るのが仕事ですからねぇ。 市民のみなさんが気づかないところでこういう仕事もしてるんですよぉ?」 熊谷「地図だと、電電公社の施設がありますね。でも、ワゴンには何も書いてないっすよ。」 露伴「委託業者かなんかじゃあないのか?」 大石「直接聞いたほうが早そうですねぇ。ちょっくら行きますか。」 熊谷「了解っす。」 露伴「職務質問ってやつかい。おもしろそうだな、取材させてもらおう。」 こうして3人は車を降りる。 この時は露伴ですら、これが終わりの始まりだとは気づいていなかった。 終末の幕開けだということに。 前へ 戻る 次へ
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【登録タグ CD CDき クリスタルPCD】 前作 本作 次作 きえないで。(配信) きえないで。 Mocchi de Pon de クリスタルP 発売:2013年3月17日 価格:¥500 流通:即売 サークル:クリキッド CD紹介 クリスタルPのシングルCD。 KAITO7周年とV3発売を記念して発表された「きえないで。」と『crystaL-next-』収録の「魔法のソラまで」のニューバージョンを収録したシングル。 HARUコミックシティ18やVOCALOID PARADISE関西2(ボーパラ京都)で頒布。 曲目 きえないで。 (KAITO V1 V3 Duet) 魔法のソラまで2013 (KAITO V3 Len Apeend) きえないで。 (KAITO V1×V1 Ver.) きえないで。 (Off Vo.) きえないで。 (Inst only) 魔法のソラまで2013 (Inst only) リンク 作者ブログ コメント 名前 コメント
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ステータス 初期値 LvMAX スコア 80 1256 スキルリング状にぷちぐるをまとめて消すよ 必要ぷち数 34 34 効果範囲 S- LL- 特技終了10秒前からセンターぷちぐるが降りやすくなるよ 発動確率 5.0% 100.0% 効果 5.0% 12.5% スキルLv 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 必要ぷち数 34(変化なし) 効果範囲 S- S S+ M- M M+ L- L L+ LL- 必要スキルExp - 1 1 2 3 4 5 6 8 10 (累計) 1 2 3 5 8 12 17 23 31 41 入手方法 ガチャで入手 【えらべるチケット】(それは僕たちの奇跡)と交換 解説 スキル「リング状にぷちぐるをまとめて消すよ」 スキルの基本的な使い方に関しては、「スキル 特技」内の解説項目を参照。 効果範囲は高海千歌 (チョコレートパーティー)と同じ。詳しくはそちらを参照。 同タイプのスキルを持つぷちぐる [編集] 高海千歌 (チョコレートパーティー) - 必要ぷち数35。特技はゴールド+(開始10秒) 東條希 (それは僕たちの奇跡) - 必要ぷち数34。特技はセンター補充(残り10秒) 星空凛 (僕らのLIVE 君とのLIFE) - 必要ぷち数26。特技はショータイム+(残り10秒) 国木田花丸 (サンリオキャラコラボ) - 必要ぷち数34。特技はショータイム+(開始10秒) ボイス パズル開始 パズル開始やね♪ パズル終了 パズル終了! ショータイム イッツ・ショータイム! スキル うふふっ、どうやろ? 特技 助けに来たよ! ミッションクリア やるやん!
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動かない大図書館/ Unmoving Greatlibrary マナコスト (1)(U)(U) タイプ クリーチャー ― ウィザード P/T 1/3 レアリティ レア 動かない大図書館は、知識カウンター1個が置かれた状態で戦場に出る。 各プレイヤーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーは動かない大図書館の上に置かれている知識カウンター1個につき1枚カードを引く。 (2),カードを1枚捨てる:動かない大図書館の上に知識カウンターを1個置く。この能力は、どのプレイヤーも起動できる。 参考 カードセット一覧/東方紅魔郷
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【第十七話】 ‐桜が丘高校‐ ‐二年二組教室‐ 冬休みも終わりを告げ、三学期が始まりました。 私たち二年生は三学期になっても気楽なものですが、 三年生の教室は張り詰めた空気が漂っていました。 そして、一月から漂い続けていた空気は緩まることなく、二月。 相変わらず、あずにゃんは純ちゃんと共に猫を探しています。 文恵ちゃんも一緒に探しているようで、 軽音部も部活の休みの日には捜索に参加しています。 ですが、目立った成果はあがっていません。 私は自席に座りながら、一人頬杖をつき、窓の外を眺めていました。 この教室は三年生と同じく、二階にあります。 ですが雰囲気には大きな違いがあり、 それはちょうど窓から見える空にふよふよと浮かぶ、 雲のようなものでした。 唯「チョコ、手作りの方がいいのかなあ」 受験の悩みというものはまだ、私たちに関係のないものなのです。 * * * 紬「市販のチョコを買って、湯煎で溶かして、 それを型に入れて固めるだけでも十分だと思うの」 唯「それだけで?」 紬「問題は送る側の心よ~」 私はムギちゃんに手作りチョコの作り方を聞いていました。 ムギちゃんが言うことには、味は結局市販のものなのだから、 心がいくらこもっているかだそうです。 紬「でも、唯ちゃんは誰にあげるの?」 唯「お世話になってる、みんなにあげるんだよ!」 紬「それって、特に澪ちゃん?」 唯「うぇっ!?」 虚を衝かれ、うろたえてしまいました。 ムギちゃんは口元に手をあてて、くすくす笑うと、 いかにも愉快そうな声で聞いてきました。 紬「慌てちゃって。どうしたの、唯ちゃん?」 唯「い、いやあ、なんで澪ちゃんなのかなーって……」 紬「最近とっても仲良しじゃない、二人とも?」 唯「そ、そうかもねー……?」 つい、目を逸らしてしまいました。 唯「でも、ムギちゃんと私も、仲良しだよねー?」 紬「当然よ。で、澪ちゃんと最近とっても仲良いよね?」 先程ムギちゃんは、わざわざ“とっても”仲が良いと言ったのです。 恐らく私と澪ちゃんの関係に気付いているのでしょう。 驚異的な観察力と洞察力です、ムギちゃん。 唯「……うん、その通りだよムギちゃん」 紬「なにかきっかけとかあったの?」 唯「うん。夏に、澪ちゃんの方から“好きだ”って言ってくれて、 それで文化祭で色々あって、今に至るんだけど……」 しばらく言ってから、私はあることに気づきました。 ムギちゃんが口に両手を当てて、顔を赤らめていることに。 紬「そこまで進展していたのね!」 唯「……えっ」 完全にしくじっていました。 どうやらムギちゃんは、澪ちゃんの只ならぬ好意には気付いていたものの、 私と付き合う段階まで進んでいることには気付いていなかったようです。 ものの見事に自爆してしまいました。 ムギちゃんは他言しないと約束してくれました。 人の隠し事を無闇やたらに言ってはいけません。 ‐昇降口‐ 今日は部活が休みのため、 私たち軽音部は猫探しに参加することになっていました。 あずにゃんたちは先に行っていました。 下駄箱で私は、不思議なものを見つけました。 自分の下駄箱に手をかけると、そこに白い紙が挟まっていたのです。 丁度、怪盗レインボーを思い出すようなものでした。 しかし、他の人の下駄箱には何も挟まっておらず、 私の下駄箱にだけ手紙が挟まっていました。 澪ちゃんたちも訝しげにそれを眺めていました。 私はそれを引き抜き、紙面を見ました。 そこに書かれていた内容に、私は愕然としてしまいました。 手から力が抜けてしまい、紙がひらりひらりと床に落ちていきました。 律「なんて書いてあったんだ、唯?」 私は質問に答えることなく、沈黙を続けました。 りっちゃんは落ちた紙を拾い上げ、それを読みました。 律「なんだよこれ」 途端にりっちゃんは顔を歪めました。 その紙を渡された澪ちゃんとムギちゃんも、 同様の反応を見せました。 その紙には、こう書かれていました。 “憂さ晴らしに来ました。猫を預かっています。 是非を言わず、お付き合いください。 詳細は、下駄箱の中をご覧ください。” 下駄箱の中を見ると、もう一枚の紙。 そして、猫の写真が一枚入っていました。 お腹から目の下ぐらいまで白く、あとは黒い。 まさにそれは、純ちゃんの猫でした。 【Mi-side】 唯の下駄箱にあった二枚の紙には、それぞれ文字が貼られていた。 文字が書かれていたという言い方では、正確でない。 恐らく雑誌かなにかの切り抜きであろう、 文字の書かれた紙を白紙に貼り付けてあるのだ。 色つきのため、新聞紙ではないことがわかる。 二枚目の紙には次のような文字が貼られていた。 “申と酉の間、猫の歩く道を行け。” それは猫の誘拐犯が仕掛けてきた、明快な“謎々”だった。 律「この謎を解かないと、猫は返さねえってことか?」 唯「そういうことだろうね」 律「ふざけたこと言ってくれるもんだな……」 律は怒りを噛みしめた表情をしていた。 私はこの時点で既に、嫌な予感がしていた。 一枚目の紙に書かれていた“憂さ晴らし”。 そして、わざわざ手書きではなく、この方法を選んだ理由。 筆跡鑑定の出来る人間がいたら別だが、 それ以外の状況でこの方法をとる意味は薄い。 無意味に気取って、この方法をとったとも考えられるが、 そうなると犯人は自分に酔っている面があるか、 この件を楽しんでいる面があるかだろう。 私は一つ、提案をしてみることにした。 澪「一先ず今日、猫探しに参加するのはやめないか」 紬「そうね、こうして猫が誰かに捕まってる以上……」 律「いや、それ以上に問題なのが、 今の状況じゃ犯人から一方的すぎるところだな……。 この謎々を一つクリアしたところで、猫を返してくれるとは思わん」 律にしては鋭い。 澪「そうだな。現時点では、犯人にルールが支配されている。 もしかしたら謎々が百個用意されているかもしれない」 唯「ひゃ、ひゃっこ……?」 澪「そこで、ここは二手に分かれた方がいいと思う。 謎々を解くグループと、犯人を突き止めるグループ」 紬「梓ちゃんたちにはどうするの?」 澪「このことは、鈴木さんだけに伝えよう。 梓に伝えると、また自分が不幸を呼び込んだと思ってしまう……」 今、梓は賢明に頑張っている。 それは自分の力だ。他人の勝手な力で、それを妨げることはしたくない。 唯「二手に分かれるんだよね? 私、犯人を追うよりは、謎々の方が得意かも」 律「私はどっちでもいいぞ。頭使うのは、どっちにしろ苦手だ」 紬「私も、どっちでもいいわ」 唯が謎々を解く側に回ってくれると言ったのは、 私にとって出来すぎたぐらい都合が良かった。 私は目を瞑り、少し考えた。 澪「唯とムギが謎々を解いて……、私と律で犯人を突き止めようと思う」 私の提案に三人ともが同意の声をあげる。 澪「解いた謎の正解は、私たちにも伝えてくれ。 こっちでもわかったことは随時連絡しようと思う」 四人の顔が引き締まったものになった。 私が頷くと、それぞれが自分の役目を果たそうと、散開していった。 * * * 私はまず鈴木さんにメールを送った。 とはいえ、こちらからの連絡だけ。返信を待っている暇はない。 一旦私の家に寄ることを、律に提案する。 律はすぐに頷いてくれた。駆け足で、自宅へ向かう。 道中、律が尋ねる。 律「それでまず、どうするつもりだ」 澪「この紙を使う」 唯の下駄箱に挟まっていた紙を見せる。 澪「この紙に貼られた紙で、ある程度犯人を特定出来ないか検討するんだ」 律「ってことは、これを一文字一文字剥がすってことか?」 律は嫌な顔をした。 細かいことが嫌いな律だ、それも仕方が無い。 澪「嫌ならいいんだぞ?」 律「そう言われて引っ込む私じゃねえっての!」 律が走るスピードを上げて、私の前に出る。 その背中は、とても頼りがいのあるものに見えた。 【Yi-side】 ‐昇降口‐ 私は謎々の問題が書かれた紙を、じっと凝視していました。 唯「申と酉の間、猫の歩く道を行け……って、どういうこと?」 謎々は得意な方だと思っていましたが、意外や意外。 まるで太刀打ちできません。 ムギちゃんもうんうん唸ってはいますが、 答えはなかなか出ない様子です。 和「あら、唯にムギ。なにしてるの?」 偶然、帰宅しようとしている和ちゃんと鉢合わせました。 和ちゃんは、私の持っている紙を不思議そうに眺めていました。 和「謎々?物々しい書き方してるみたいだけど」 唯「和ちゃん、わかる……?」 和「そうね。申と酉を猿と鳥って書かなかったことに、意味はあるの?」 唯「そんなことわかんないよー!」 和「はあ……ムギはどう思う?」 紬「干支かな、とは思うんだけど」 確かに干支では、このように表記します。 それはつまり、 唯「干支ってことは、申と酉の間の干支にならないと、 私たちは謎々を解けないってこと!?」 和「……申年の次が酉年なんだけど」 唯「あれっ?」 紬「唯ちゃん……」 こほん。咳払いを一つ。 唯「じゃあ干支じゃないってことだね!」 和「そう決めつけるのは早いわ。 干支は暦以外にも方角を示すことだってあるのよ」 唯「そうなの?」 和「他に時間も表わせるの。ほら、丑三つ時って聞いたことない?」 唯「どこかで聞いたことあるよな……」 紬「それよ和ちゃん!」 和「えっ!?」 ムギちゃんは突然叫んだかと思うと、 和ちゃんに顔を近づけました。 紬「きっとこの申と酉は時間を表してるんだわ。 申の刻は十五時から十七時、酉の刻は十七時から十九時だから、 この文章がさしている時間はその間、“十七時”の周辺だと思うの!」 和「なるほど……それならこの漢字を使った意味がわかる」 ムギちゃんの名推理が炸裂しました。 現在時刻は十六時。あと一時間はあります。 あるいは、既に指定された時刻に突入しているのかもしれません。 十七時ちょうど以外は認めないといった、 厳しい時間制限がないことを祈るばかりです。 唯「残るは猫の歩く道だね!」 猫の歩く道と聞くと、狭い道を想像できます。 ですが狭い道はどこにでもあり、到底探し切ることは出来ません。 和「これもなにかの言い換えとみるべきね。 ……言っておくけど唯、猫は干支にないからね」 唯「それぐらいわかるよ!」 紬「猫、猫、猫……梓ちゃん、大丈夫かな」 唯「純ちゃんと文恵ちゃんが一緒のはずだから、大丈夫だよ。 でも、猫の歩く道かあ……走ったらダメなのかな?」 紬「うーん、もしかしたらそれも暗号を解くキーワードなのかも」 唯「“猫”と“歩く”がキーワード、つまりCat WalkがKey Word。 ……なんちゃって~」 私が丁寧な発音で冗談をかましたにも拘わらず、 二人の引き締まった顔は一つも緩まりませんでした。 それどころか和ちゃんは目を見開いていました。 和「唯。今言ったこと、もう一度言って」 唯「えっ、聞こえなかったの~?」 それなら冗談に無反応でも仕方ありません。 しょうがないなあと呟きながら、さっきの言葉を繰り返しました。 唯「“猫”と“歩く”がキーワード、つまりCat WalkがKey Word。 ……再びなんちゃって~」 和「それよ、唯!」 紬「唯ちゃん凄い!」 唯「え~、今の冗談そんなにレベル高かったかな~?」 和「……冗談言わないで」 唯「ええっ!?」 ‐体育館‐ 和「ここがキャットウォークって呼ばれる場所よ」 唯「へえ、キャットウォークっていうんだ」 そこは体育館の左右の、ちょっと高いところに 取り付けられた細い通路でした。 和「似たものにギャラリーと呼ばれるものもあるんだけど、 厳密な違いは良く知らないわ。 でも、この学校のキャットウォークといわれたらここでしょ」 早速、なにか異常はないか目を走らせて、探し始めました。 異常はすぐに見つかりました。 紙が一枚、通路の中程に落ちていました。 私は急いでそれを拾い上げました。 “おめでとうございます。 後日も伺いますのでよろしくお願いいたします。” 紬「まだ終わらないってことなのね……」 唯「……そうみたいだね」 和「ねえ、二人とも。一体これはなんの遊びなの?」 和ちゃんは眉間にしわを寄せて、尋ねました。 私はムギちゃんをちらっと見た後、事情を説明しだしました。 【Mi-side】 ‐秋山宅‐ ‐澪の部屋‐ メールの着信音が鳴った。 どうやら唯とムギは和に協力を仰ぎ、 そして答えに辿り着いたらしい。 しかしそこに犯人はいなく、後日同様の謎々を出すという。 鈴木さんからの返信もきた。 梓には黙っておいてくれたらしい。 一方、私たちの作業も終盤に差し掛かっていた。 全ての文字が今、剥がされようとしている。 律「……これで、最後だ……」 律が慎重に最後の一枚を剥がす。 ネットで調べたのりの剥がし方を参考に、律は手をかけた。 そっと、文字が剥がされる。熱くもないのに、汗が一筋に垂れる。 律「……よし」 作業は終了した。床には剥がされた文字が散らばっている。 澪「お疲れ様。一旦、飲み物を取ってくるよ」 律「おう、サンキュー」 律は一仕事終えたということで、溜め息を吐いていた。 しかし私は、内心非常に焦っていた。 その文字は雑誌から切り取られたものだと推定されていたが、 それは的中している。 私を追い込んでいたのは内容だった。 恐らく、その雑誌の内容は……。 * * * 麦茶をグラスに入れ、部屋に持ち込む。 それを手渡すや否や、律はぐいと一飲みする。 律「やっぱこういう細かい作業には向いてねえわ」 澪「私も一人でやっていたら、多分嫌気がさしてたよ」 律「澪でもそれなら、私はてんでダメだったろうなあ。 ……さて、早速わかることはないか調べてみようぜ」 律は床に散らばった紙片をかき集める。 それは雑誌の切り抜きなので、 文字の面の裏側には当然別の内容の文字が書かれている。 律はそれを見るため、集めた紙片を裏返した。 律「これで全部だな」 律は顎に手をあてて、唸った。 律「んー……なんかジャンルが統一されてるよな」 私と同じことに気付いていた。 そしてそれは、私の嫌な予感に直結するものだった。 澪「私も思ってた。律、ちょっと言ってみてよ」 律「そうだな、この雑誌は“映画関係”のものじゃないか?」 澪「やっぱりな、私も全く同じことを思っていた」 律「おっ、じゃあ今回の私の推理は当たりか~?」 律は悪戯っぽい笑みでお茶らけて見せた。 しかし私は苦い笑顔しか作ることが出来なかった。 私の嫌な予感は刻々と、現実のものへ姿を変えようとしていた。 * * * 外はすっかり暗くなっていた。 律が家に帰り、残された私は一人で考え事をしていた。 まだこの段階で決めつけるのは、良くない。 確定したわけではないのだ。 私は今後の行動指針を立てるべく、もっと深く考えに耽ることにした。 不意に、唯の笑顔が思い浮かぶ。 次の瞬間、唯の顔から笑顔が消えた。 その向かいにいるのは私ではなく……、梓だった。 ‐外‐ 次の休日、私と律は自転車を走らせていた。 身を切るほどに冷たい空気は、自転車を走らせていると顕著だ。 真夏の、汗だくの自転車というものも考えものだが、 どちらにしろこの時期の自転車は少々辛い。 律「この角を右だな?」 澪「ああ」 私たちは図書館に向かっていた。 それも最寄りのものではなく、少々遠くにある図書館で、 最寄りの図書館より規模が大きい。 信号が赤に変わった。 ブレーキをかけ、横断歩道の手前で止まる。 目の前の車道をいくつもの車が走り抜けていった。 律「……澪、本気なのか?」 澪「当たり前だろ」 律「確かに図書館には雑誌が置いてあるし、 規模の大きなものなら量もあると思うけどよ。 だからってこの紙片から雑誌を特定するなんて、気が遠くなる話だぞ」 澪「律がいるから、少しはマシになるんだろ?」 律は首の後ろを掻いた。 律「……あーあ、どうせなら謎解きの方してれば良かったぜ」 澪「今更なに言っても遅いぞ。 それに、唯と律じゃあ謎解きは難しいだろうしな」 律「なんで唯と私なんだ?ムギはどうなんだ?」 澪「……唯はこの件と距離を置かなくちゃいけないんだ。 私の嫌な予感が的中していたらの話だけど」 律「嫌な予感って、なんだよ?」 澪「絶対の自信を持てたら、律にも言うよ。それまでは地道な調査だ」 私は視線を前に向けた。目の前の信号が青に切り替わる。 ペダルを強く踏み込んで、私はゆっくり前に進みだした。 ‐図書館‐ 図書館には、静謐な世界が広がっていた。 早速、雑誌が並べられている棚へ向かう。 映画専門誌を中心に数冊手に取り、近くにあった席に座った。 律「本当にこの雑誌の中にあるのか?」 澪「……どうなんだろう」 律「お前が自信を無くしてどうする」 律は私の肩を叩いて、にっと笑った。 律「幸い、この紙に書かれてる映画は最近上映してるもんだ。 砂漠に落とした一粒の砂を探すよりは、マシだと思うぞー」 澪「例えが極端すぎるだろ」 律「そうか?」 澪「間違ってはいないけど……」 律も無茶苦茶なことを言うものだ。 尤も、初めにこの策を考えたのは私だし、自信を失ってはいけない。 どうも雑誌を目の前にして、尻込みしているようだ。 自身の頬を両手で叩き、自分を鼓舞する。 澪「よしっ、始めるぞ!」 律「おう!」 【Yi-side】 ‐平沢宅‐ ‐キッチン‐ 憂「お姉ちゃん、大丈夫?」 唯「流石に湯煎ぐらいなら私にも出来るよ~」 本日は休日。バレンタインデー前の、最後の休日です。 というわけで私は湯煎で溶かして固める、 いたってシンプルなチョコを作ろうと奮闘していました。 憂が心配そうにこちらを見ています。 私も釣られて、憂に手伝いを乞いそうになってしまいますが、それは厳禁です。 今回、私は一人で心を込めたチョコを作ろうとしているのです。 チョコの溶け具合が、いい塩梅になってきました。 しかし、ここで私は気付いてしまいました。 唯「憂ー、チョコに丁度いい型ってあるかなー?」 憂「それは作る前に聞いておこうよ、お姉ちゃん……」 39
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LL/WE19-05 カード名:“それは僕たちの奇跡”東條 希 カテゴリ:キャラクター 色:黄 レベル:1 コスト:0 トリガー:0 パワー:6000 ソウル:1 特徴:《音楽》? 【自】このカードが手札から舞台に置かれた時、あなたは自分の山札の上から1枚を公開する。そのカードが《音楽》のキャラでないなら、このカードをレストする。(公開したカードは元に戻す。) レアリティ:R 14/06/26 今日のカード。
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唯「私が、ニートだから。いけないんだよ……ごろごろしてる私が、全部わるいんだよぉ…」 フローリングの床がすっかり暖まるほど長い間、涙を流す私たちは抱きしめあっていました。 曇り空が晴れて差し込んでいたはずの光はまた厚い雲に遮られ、部屋の照明が作り物の光を私たちに浴びせています。 お姉ちゃんの腕の向こうには今も割れたティーカップが散らばっていました。 一瞬――たーくんの金魚鉢がそんな風に割れる光景が頭をよぎって、思わずお姉ちゃんの胸に顔を押し付けてしまいます。 唯「……だいじょうぶだよ、憂、だいじょうぶだからね、お姉ちゃんがダメなだけだから」 半年前から引きこもりになってしまったお姉ちゃんは、昔と変わらず私の頭をなでていてくれたのです。 そんな感触に身も心もゆだねながら……けれども、純ちゃんのさっきの言葉がずっと離れませんでした。 ガラスが割れる音のように、ずっと頭に鳴り続けていたのです。 ―――――― (Christinaさんがオンラインになりました) あいす: こんばんはっ Christina: おう、元気だったか? あいす: 家でずっとごろごろしてました・・・・。 Christina: あいすちゃんらしいなw あいす: えへへ・・・・めんぼくないです( _ ) Christina: まあ私も今日はgdgdだったけどさ・・・・。 あいす: バンドの練習、でしたよね? Christina: あー・・・・それさあ、キャサリンのやつが男ともめたらしくて(笑) あいす: キャサリン・・・・って、どんな人でしたっけ?? Christina: ほら、うちのバンドのボーカル あいす: あっなんか変身しそうな格好した人ですよね! Christina: 変身て・・・・笑 Christina: まっ私もバンドだけやってるわけにはいかないしね あいす: お勉強ですか? Christina: うん。臨床心理士やるには大学院行かなきゃなんないし あいす: 大変ですね・・・・ Christina: バンドやってきたいけどさ、就職とかも考えないとだし あいす: しゅうしょく・・・・なんかぜんぜん遠い先の話っぽくて、よく分かんないです Christina: あいすちゃんはまだ中学生でしょ? あいす: はい、学校いってないけど Christina: 学校はいけよー あいす: 行きたいんですけど、やっぱり外出るのこわくて あいす: ドア開けて外出るだけだってわかってるけど Christina: うん あいす: なんていうか・・・・広い海にでるぐらい怖いんです Christina: 井の中の蛙、大海を知らず あいす: なんですかそれ Christina: 水槽の中の熱帯魚は幸せだけど不幸だってこと あいす: むずかしいですね・・・・ Christina: とにかくさ、現状どんな感じなの あいす: たぶん、心の病気なんだと思います Christina: パニック障害っぽいよね、聞く限りじゃ あいす: 病院いってないからわかんないですけど Christina: 病院はいけよー あいす: はい・・・・。 Christina: 私だってシロウトなんだし、学校行けないなら病院にはせめて行くべきだよ Christina: 妹さんのためにもさ あいす: でも、病院いくには外出なきゃなんないです Christina: 甘えすぎだろ あいす: ごめんなさい・・・・ Christina: つか、あいすちゃんの話が本当なら児童相談所とか動いてもおかしくないレベルなんですけど あいす: はい Christina: 確かにキャサリンから聞いて法律上の話とかしたの私だけどさ Christina: さすがにもう9月だよ あいす: はい Christina: 姉妹そろって留年とかヤバいって あいす: そう思います Christina: 親はまだ海外? あいす: はい、年内に戻れるかどうかって Christina: なんという機能不全家族 Christina: てか受験生抱えた家族がそれとか・・・・ あいす: 受験の前からずっとそんな感じです Christina: マジないわ・・・・ Christina: で、あいすちゃん的にはどうしてこうと思ってるの Christina: やっぱり、まだ出たくない? あいす: 外にでたいです Christina: えっと、なんかあったの? あいす: どうしてですか? Christina: いきなり変わったから Christina: 言いすぎたかなって あいす: 違うんです あいす: 今日、妹の友達が家に来てて Christina: うん あいす: それで、ちょっとケンカみたくなっちゃって あいす: 私たちはラブじゃないって言われました Christina: どうみても共依存だもんね・・・・ あいす: でも、私はういのことが好きなんです あいす: それだけは本当です あいす: 妹としてっていうより、一人の人間として愛してます Christina: うーん・・・・ Christina: 正直、今のあなたの気持ちは信用できないかも あいす: なんでですか?引きこもりだからですか? Christina: ってかまずあいすちゃんが引きこもってるのってあれじゃん あいす: それは分かってますけど・・・・ Christina: 自立してないやつが言う愛は大体ただの依存だよ あいす: 別れろっていうんですか あいす: 女同士だからですか あいす: 姉妹だからですか Christina: そうじゃないって Christina: 落ち着いて聞いて あいす: はい Christina: あいすちゃんが妹のことすごい思いやってるのはわかる あいす: はい Christina: だけどそれって妹さんのこと閉じ込めてるわけでしょ あいす: 分かってます Christina: いいの? あいす: 私はういに元気になってほしいです Christina: だったら、妹さんと向き合わなきゃ あいす: はい Christina: しかるべき医療機関にかからなきゃダメ あいす: 前行った時は睡眠薬くれただけでした Christina: じゃあ他探しなよ Christina: なるべく話聞いてくれるとこ あいす: はい Christina: ところでベタ飼ってるんだっけ あいす: はい、そうですけど Christina: ベタって闘魚っていうの知ってる? あいす: しらないです Christina: 狭い水槽の中に二匹入れとくと共食いしちゃうんだって Christina: だから二匹以上が育つためには広い飼育場所が必要みたい あいす: なにがいいたいんですか? Christina: あいすちゃんも自分たちの水槽壊さなきゃだめだよ Christina: 共食いはしないにしても、共倒れにはなっちゃうから あいす: でも、お魚って外出たら息できなくなりますよ Christina: それは水槽の中の水に慣れすぎたからでしょ Christina: ちょっとずつでも、外の世界に慣れてかなきゃダメ Christina: そのまま水入れ替えないと酸素足りなくなって二人とも死んじゃうよ あいす: はい あいす: 分かりました Christina: それに、助けてくれる人だっているでしょ Christina: あいすちゃんの言ってた隣人さんとか、幼馴染の子とか あいす: あとさっきのういの友達も、たぶんすごく心配してくれてます Christina: だったら、あとは勇気出すかどうかじゃん あいす: がんばってみます Christina: がんばれ Christina: 二人のこと応援してるから あいす: はい! ―――――― あふれる涙がようやくおさまったのは、陽がすっかり沈んだころになってでした。 私の部屋の窓からは電灯や隣の家の灯りがもれ、夕暮れ時を過ぎたせいか自動車の走る音も多くなったようです。 どうもずっとお姉ちゃんの腕の中にいたので、しばらく夢を見ていたみたいに感じました。 リビングを出たお姉ちゃんは晩ごはんを作ろうとする私をおさえて、一眠りした方がいいと言います。 心配ないよ、大丈夫だよと言ったのですが、どうやらお姉ちゃんにもやることがあるみたいです。 根負けした私は久しぶりに自分の部屋のベッドに入り、泣き濡れたときから残る夢うつつのまま、ぼんやりと窓の外を眺めていました。 部屋の窓に反射する豆電球の灯りをぼんやり眺めながら、純ちゃんの言葉を思い返していました。 妙にさみしくなってその場の布団を抱きしめてみるのですが、いつもと違ってお姉ちゃんの匂いはしません。 憂「お姉ちゃん……好きだよ」 綿の入った布袋を抱きしめてわざと声に出してみる私は、傍から見たらこっけいなのかもしれません。 お姉ちゃんのいない布団を抱きしめていたら、いつの間にか眠ってしまったみたいです。 その時見た夢はどこか遠い昔のような、けれどもすぐ先の未来のような、そんな不思議なものです。 私たちはお姉ちゃんの部屋の隅に高さ二十センチぐらいの小さなドアがあるのを見つけました。 お姉ちゃんは私の手を引っ張って、そのドアへといざないます。 すると私たちはそのドアへと吸い込まれて、一瞬息ができなくなります。 吸い込まれていった先は海底のようです。 いきなり水の中に来てしまって息が出来なくなりそうでしたが……しばらくするとだいぶ楽になりました。 変な話ですけど、これも慣れなのかもしれないですね。 私ははしゃぐお姉ちゃんに手を引かれながら、階段の形をしたさんご礁やブランコのように揺れる海草を見て回ります。 その世界は初めて見るようで、けれども大昔に見たことがあるような不思議なものでした。 小さな魚が三匹、私の後ろから泳ぎ抜けていきます。 そのあどけない姿がどこか懐かしく思えると、手を繋いだお姉ちゃんも私と同じように微笑んでいました。 唯「うい、覚えてる? ここ……ずっと前に一緒に遊んだとこだよ」 憂「そうだね……お姉ちゃん」 私たちは目の前のさんご礁を眺めながら、その場に隠れて遊ぶ小魚たちを見守っていました。 水の中だというのにお姉ちゃんの手はずっとあったかいままで、それがずいぶん私を安心させてくれました。 しばらく海底を散歩する夢を見て、私は目を覚ましました。 窓の外から静かに鳴る虫の音は寄せては返す波の音のようにも聞こえて、布団の中に帰ってきたのにまだ海底にいるような錯覚もあります。 うなされない夢を見られたのはずいぶん久しぶりのことでした。 たぶん、夢の中で手をつないでいてくれたお姉ちゃんのおかげです。 豆電球のやわらかい灯りの下で、私は夢でつないでいた方の手を出して眺めてみます。 夢のことを思い出すとお姉ちゃんがいとおしくなって、眠い目をこすってベッドから起き上がろうとしました。 会いたい。 夢みたいに、手をつないで……外に、出てみたい。 自然とそう思えた矢先、ノックの音がしました。 唯「ういー、起きてる? ご飯つくったよ」 憂「あ……お姉ちゃん!」 部屋のドアが開いた瞬間、思わず私は飛び出してお姉ちゃんに抱きついてしまいました。 唯「ひゃ……う、ういどうしたのさっ」 あっけに取られてるのも気にしないで、まるでお姉ちゃんみたいにいきおいよく抱きしめます。 あんな夢を見たせいなのか、本当のお姉ちゃんに触れたくてしょうがなかったんです。 唯「もう、ういはあまえんぼさんだなぁ…」 お姉ちゃんはくすっとほほえんで、飛びついた私をそっと受け止めてくれました。 あったかい腕が肩甲骨から腰の方へ回されると、身体の奥まで安らぎがしみわたっていくようです。 部屋を一歩出た薄暗い廊下で、私はしばらくお姉ちゃんのやわらかい身体に包まれていました。 離れたくない。ずっと一緒にいたい。 そしてそれは、いつまでも叶うような気もしていました。 たぶん全部、あんな夢を見てしまったからなんです。 冷たい廊下で身体が冷えそうになった頃、私たちはリビングに向かいました。 その前に、私は気の済むまで私に抱きしめられてくれたお姉ちゃんにもう一つおねだりをしてしまいます。 唯「え、手つなぎたいの? うん、いいよ。はい!」 お姉ちゃんは私の前に手を広げて差し出します。 その時お姉ちゃんが出した手は……偶然でしょうか、夢と同じ右手でした。 私は指を絡ませて恋人同士の握り方で手と手をつなぎ合わせて、階段を下ります。 電気のついてない廊下は薄暗く、ちょっとだけ本当に海底を散歩しているような気分になりました。 唯「うい、なんかうれしそうだね……いいことあった?」 憂「うん。お姉ちゃんのおかげだよ」 唯「私はなんにもできてないよぉ」 そんな風に私に向けてくれる笑顔と、こうして握っている手の感触だけでも十分なんだけどな。 ……なんて、恥ずかしくて言えないので代わりにつないだ手を握り締めます。 するとすぐに握り返してくれた手の感触が、また私の心をおどらせるのです。 手をつなぐ幸せをもう一度教えてくれたのは、やっぱりお姉ちゃんでした。 それから私はお姉ちゃんの作った晩ごはんを一緒にいただきました。 唯「ハチミツあったけどリンゴなかったから代わりにジュース入れてみたんだけど……やっぱ失敗だよね、あはは」 憂「もう、ハチミツとリンゴなんてどこで聞いたの?」 唯「え、CMでやってるじゃん! リンゴとハチミツって」 お姉ちゃんが作ってくれたカレーライスは、おせじにも上手いとは言えないものでしょう。 けれども「お姉ちゃんが私のために作ってくれた」ことだけで、どんな調味料よりもおいしく感じました。 6
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【検索用 はたらきたくないてこさる 登録タグ 2009年 KAITO VOCALOID は 一緒P 巡音ルカ 曲 曲は】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:一緒P 作曲:一緒P 編曲:一緒P 唄:KAITO・巡音ルカ 曲紹介 絶対に働きたくないでござる!!! 曲名:『働きたくないでござる』(はたらきたくないでござる) おれらのうた 歌詞 働きたくないでござる 働きたくないでござる 今日は雨だから休みたい 今日は暑いから休みたい 今日はなんとなく休みたい もう何でもいいから休みたい 働いたら いいこともある 美容院に行き放題だし アイスクリームも食べ放題 でもやっぱり働きたくないな 働きたくないでござる 働きたくないでござる 今日は眠いから休みたい 今日はだるいから休みたい 休んだところでまた明日から 働かなきゃいけないんだよ 働いたらいいこともある ネイルサロン行き放題だし 回るお寿司とか食べ放題 でもやっぱり働きたくないな 働きたくないでござる でもがんばる 今日も生きる コメント 元ネタはる ろ 剣 -- 名無しさん (2009-10-19 22 40 24) 「働きたくない」と「ござる」で元ネタ分かったぜーww -- るるるー (2009-12-05 20 14 30) はたらきたくないわwホントw -- あむ (2011-07-23 16 25 50) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。