約 3,555,171 件
https://w.atwiki.jp/naianakikaku/pages/2583.html
キリの消滅から、どれくらいだろうか。百物語組はここ最近激動の時間を送っている。 現在彼らが進めているのは、キリを「101話」として呼び返そう、というプランなのだが、未だ実行の段階にはなかった。彼らはその名の通り、「主」たる春美のもとに100柱の妖怪変化達が集って構成されている。現在まだ姿を見せていない面子に、先だっていなくなったキリを加えた100人。此処に「101話」を加えると、元々キリのいた話が欠番となり、話の合計が一つ増える。そうなった時、彼らに何が起きるのか、起きないのか。そこからして不明瞭なままである。 「…………」 だが、彼女こと、百物語組第七十三話・ミサキを苛立たせているのは、そのコトではない。そもそもの発端であるキリの死、その場にクランケ・ヘルパーが居合わせていたコトだ。 (どうして……!) 元怪盗一家の一人であり、今は天河探偵事務所に属する、彼。その凄まじいまでの医術の腕から、『妖怪主治医』『第二の主』との二つ名を送られるほどの、腕利きの医者。その彼をして、なぜキリが救えなかったのか。 ミサキは、彼がキリを見捨てたのだと思っていた。いくらかの時間を経、幹久朗から推測を聞かされた今でも、その疑念は胸に強く渦巻いている。これが他のメンバーであったなら、多少は頭が冷えていたのかも知れない。しかし、ことミサキという女性に関しては、それは必ずしも当てはまらない。 (やっぱり、医者なんてみんな同じよ) 彼女の妖怪としての名は「口裂け女」である。キリやタマモ、トーコやヒキコなどと同じく、元々現世に存在していた人物が死んだ後、春美に「語られる」コトで妖怪となった存在だ。そして、ミサキの疑念と苛立ちの理由は、彼女の過去にある。 事故で致命傷を負った彼女を、担当した医師は「助からない」と見捨てたのだ。しかもこの時、ミサキは己が異能である視界を乗っ取る能力、「パラサイトシーイング」によってその医師の視点から死に逝く己を見てしまった。これがために、ミサキは「医者」という存在に対して強い忌避感と不信を抱いている。 クランケと共に日々を過ごす中で、少なくとも彼に関してはそのような色眼鏡をかけずに済むようになって来ていた。が、その矢先に今回の事件が起きたコトで、それが一気に反転、根深い不信となって張り付いてしまったのである。 (彼は違う? 何も違わない……あの時の、あの医者と同じよ。助からないからって見捨てるなんて) それに気を取られて、ここ最近頭がさっぱり回らない。 気が付くと、寺院の端まで歩いて来ていた。中ではカイムやゴクオー達が、キリを呼び戻す具体的な方法について議論している頃だろう。 「………」 本来なら、自分もそこにいなければならない。だが、あそこにクランケが、千郷がいる以上、その気にはなれなかった。そんな場合ではないと頭ではわかっているからこそ、余計に。 (どうせまた、見捨てるんでしょう……?) そんなコトを思って踵を返しかけた、その背に、 「荒れてますね、ミサキさん」 「え?」 ここ最近聞いていない声が、かけられた。振り向くと、誰もいない。が、今度は前から声が。 「私です」 「……トーコちゃんね。何の用事?」 どんなに探しても姿の見えない、百物語組第六話「後ろの正面の誰か」トーコ。 妖怪としては「神隠し」の部類に入る彼女は、自分から姿を現さない限り、絶対にその姿を見つけるコトが出来ないという特性を持っている。無論それはミサキも知るトコロであるため、それ以上探すのはやめ、ただ耳を傾ける。 「クランケさんのコトです」 「! ……その話なら、聞きたくないわ」 にべもなく言い捨てて去ろうとするが、 「あぅっ!?」 突然足を引っかけられて転んだ。一瞬草履をはいた小さな足が見えた辺り、トーコが一瞬で前に回り込んできたのだろう。 「っ、何するのよ」 起き上がる彼女に、トーコは相変わらず姿を見せないまま言う。 「聞いてもらわないと困ります。ガラクさんが凄く心配してましたし」 「……ガラク、が?」 百物語組第七話「がしゃどくろ」ガラク。身長1kmと途方もないデカさを誇るだけに、身じろぎするだけでもちょっとした地震が起きるという組の異端児だ。当然、春美や一緒に暮らしているヒキコ以外との付き合いはあまりないが、散歩好きのトーコなどは時々顔を見せに寄っている。 その彼にも、当然今回のキリ消滅に関する一件は伝わっている。 「コロさんに教えてもらったみたい。キリさんがいなくなった、その時のコト」 「…………」 「キリさんは、最後にクランケさんに『後は頼む』、って言ったそうです」 「だから、それが何なの? 助からないからって見捨てた言い訳になるっていうの?」 「そこから離れてください。それはミサキさんの思い込みじゃないですか?」 容赦のない指摘に、ミサキは頭に血が昇るのを感じた。が、それを言葉に変える前に思わぬ方向から先手を打たれた。 「うん。ミサキさん以外は、誰もクランケさんがキリさんを見捨てたなんて思ってないよ」 横合いから声。視線を向けると、立っていたのは縦ロールの金髪が印象的な、幼げな少女。 「カトレア? あなたまで……」 「どうして、クランケさんが見捨てたって思うの?」 真摯な問いかけに、「そんなの……」と言い返そうとしたミサキは、それが出来ないコトに気付いて愕然となった。 「……!?」 時間を経た今でも、どうせ助からないと見捨てた、との疑念は消えていない。だが、それを支える根拠が薄弱に過ぎた。ミサキ当人にとっては、拭いがたいトラウマがダブる重すぎる事実。だが、それ以外の面子から見ればどうだ? カトレアにあらためて問われて、ミサキは初めて自分の疑念に対して、疑念を持った。 それは、本当に真実なのか? 誰が真実だと告げたのか? 「……………」 だが、それでも。 「……無理よ。私は、医者を信用できない」 「ミサキさん……」 「目の前に救える命があって、それを見過ごすような医者なんて、私には……」 それだけ言うと、ミサキは足早にその場を立ち去ってしまった。 「……駄目、か。ごめんね、カトレア」 「ううん……でも、どうしよう。このままってワケには絶対いかないし……」 ミサキが去った後、トーコとカトレアは顔を突き合わせて嘆息していた。ミサキの抱く疑念は、想像以上に根が深いようだ。 万が一の可能性がある限り、彼女は医者を、クランケを信用しないだろう。だが、それでは困るのだ。 キリを呼び戻すためには、後事を託されたクランケと、春美を含む百物語組全員の協力が不可欠。その中に意見や信頼の齟齬があっては、作戦を成功させるどころか逆効果になりかねない。 何より、この作戦はキリを呼び戻して終わるワケではない。一連の事態のそもそもの原因である、シン・シーがまだ健在なのである。彼ら兄妹をどうにかしない限り、また同じようなコトが何度でも起きる可能性はある。それを対処するためにも、全員の連携は必須なのだ。百物語組だけではない、探偵事務所やアースセイバー、その他協力者たちとの。 そのためにも、ミサキの疑心暗鬼をどうにかしなければならないワケだが。 「……一筋縄では行きそうにないわね」 「ともかく、一度幹久朗さんとカイムさんに話をしておくね」 「私はガラクさんのところに行くわ。もしかしたらコロさんが出て来てるかも知れないから」 それじゃ後でね、と言い交し、二人はそれぞれにその場を去った。 ――――が。 「ここですか、アナタが以前来たというのは」 「ああ。そんなに前のコトじゃないケド……なんか、3年くらい前のような気がするね」 「気のせいでしょう。それより、いいのですか? これはワタシの独断なのですが」 「気にするコトはないサ、君もまた『運命の歪み』なのだから」 好転しない事態は、さらに深い最悪を呼ぶ。 「それはどうも。……では、行きますかね」 「いいだろう。なかなか『壊し』甲斐のありそうなチームだしね、彼らは」 「同感です。常時の結束は固いですが、今ならば……」 解けない糸、そして招かれざるモノ
https://w.atwiki.jp/kt108stars/pages/9735.html
499 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/16(火) 20 06 52.18 ID hZi6Rm7G0 [1/4] 全然流れ違う報告で済まん。一個投下させてくれ 501 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/16(火) 20 09 46.40 ID r0EhXccf0 [2/2] リロードしてなかった 499 どうぞどうぞ 502 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/16(火) 20 27 15.11 ID hZi6Rm7G0 [2/4] 数か月前にやったシャドウラン(この時代に2版だよ!) 護衛対象の依頼人があらかじめ犯人に殺されていて、整形して入れ替わってる所から依頼が仲介され 犯人は真のターゲットである、以前に犯人の恨みを買った人物を殺すために護衛対象に化けてると言うのが後から分かったんだが 真のターゲットを殺すために高性能爆弾を仕掛けたって言うのが曲者で 爆弾を止めるなら理由は忘れたがPC全員がいる必要があり、解除している間に逃げて、シナリオ外でPCの手が届かなくなった所で真のターゲットを改めて殺す 爆弾解除を別のNPCに依頼して犯人を追うなら仕掛けてあった別の爆弾(ご丁寧にもPCには絶対分からないそうだ!)を起爆させて殺す どちらにせよ後味の悪い思いをする上に、なんと冒頭で既に入れ替わっていたと言う状況から開始にも関わらず 護衛対象を守れなかったって所だけクローズアップされてPC達の評判は落ちると言う仕様 実際のプレイでは犯人及び犯人が金で雇った手下達と最後銃撃戦になって、犯人が爆弾を起動させて復讐を果たした後自殺して終わり 連休で規制してきたOBが「たまには"ちゃんとした"サイパンをやりたい」と言い出して GMを買って出たんで参加した結果がこの有様だよ ちなみに正解は「真のターゲットは別にPCに直接関わりのある人物じゃないんだから放置しても別に良い」 その他「犯人を殺したから死体の検視とかで依頼対象が既に死んでた事が公になった。あれは保身を考えるんだったら犯人を追いつめずに見届けるのが一番の正解だったね」 「犯人の復讐を手伝えば別途雇った手下を雇うための金額がPC達に入ったはずだったのにね」 などのアリガタイお言葉をいただいた。 OB曰く「これが本当のサイバーパンクなんだよ」らしいんだが、血も涙もない集団をやるのが正解だったり、結局NPCの復讐譚でしかない吟遊シナリオが本当のサイパンであるはずがねーと思っている 昨日でようやく追い出しが完了したので記念投下 505 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/16(火) 20 36 19.86 ID TBHTvr0E0 502 乙、追い出しはめでたいが、周囲に悪評をまき散らされないようにアフターケアは万全に 護衛対象を守れなかったって所だけクローズアップされてPC達の評判は落ちる この手のネタ、このスレの報告じゃなくても動画やリプレイで見る時があるが、なんのために 仲介屋や冒険者の店が存在してると思ってるんだ・・・。こういう事態を防ぐためだろうに 506 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/16(火) 20 39 21.84 ID CXOL4Wti0 サイバーパンクは血も涙もない世界で、ギリギリのところで義理人情を通す浪花節こそが楽しいんじゃないかな 507 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/16(火) 20 43 14.49 ID hZi6Rm7G0 [3/4] シャドウランの一件でPL参加した者たちの嫌悪感が一気に高まり それまで色々口うるさく言ってくるだけだったOBをどうにかしようと Skype使った話し合いとかやって来たが完全平行線の上に「俺に逆らうとは順列をちゃんと考えろ」 などと言う発言をいただき(何時代だと思ってるんだろう) 「オンセでお前らの根性を鍛え直してやる」とか言われたけどスルーして 「泊まり込みでこっち(OBが仕事で今住んでる都市。田舎)来れば強化合宿をやってやっても良い」とかも言われたけどお断りして 「そんな温いセッションやってて楽しい?人間が腐るよ?」と言われたので「楽しいです」だけ一名除いて皆で返して(除いた一名はわざわざアヘ顔ダブルピース写真入り) それでOBが切れて「絶縁だ!」→「どうぞどうぞ」 その後しれっと「俺も言い過ぎた。本心じゃない」とか言ってきたけど「こっちは本心なんで」で返し 「俺を一人にして良いと思ってるの?」に対しては「ええ別に」 「お前らは血も涙もない奴だ」→「OBさんのシナリオで学んだことですから」 こんなやり取りを数か月に渡って繰り広げた後に昨日ようやく 「TRPGなんかで人間関係壊す何て、お前らは幼稚な奴だ。お前らみたいなのと関わってるとこっちまでおかしくなるからお前らを切る、じゃあね」 というメールが来て「さようなら」と返信したらメアドが変更されたのか着信拒否なのか届かなかったので完全に切れたと判断 もしかしたら知らないアドレスから迷惑メールが来るかも知れないのでメーリングリストのアドレス変更して今に至る 元々個別メアド知られてないしな 508 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/16(火) 20 57 56.38 ID PIppXcJp0 乙。なんで最初から真のターゲットとやらを倒す話にしなかったのかねぇ。 フェイク入れたり爆弾のくだりとかは、PCには必要ない要素だろうに 509 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/16(火) 21 02 41.35 ID hZi6Rm7G0 [4/4] 確か護衛対象に化けないと近寄れないとかそんな感じだったような気がするけど詳細忘れてしまった。ゴメン 510 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/16(火) 21 09 48.15 ID 8kc/KnQG0 508 物語に懲りすぎて 裏やフェイク、騙しをいっぱい作ってしまう人はいるんだよ・・・ 511 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/16(火) 21 23 22.49 ID WXyfgaVu0 [2/2] うん、ただの幼稚な馬鹿だな 512 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/16(火) 21 33 44.29 ID VbU+BV9s0 [2/2] 507 お疲れさまでした >「絶縁だ!」→「どうぞどうぞ」 >「俺を一人にして良いと思ってるの?」に対しては「ええ別に」 >「お前らは血も涙もない奴だ」→「OBさんのシナリオで学んだことですから」 OBがことごとく真正面からのカウンターで粉砕されてて笑える やっぱ素直が一番だね あと >「TRPGなんかで人間関係壊す何て、お前らは幼稚な奴だ。お前らみたいなのと関わってるとこっちまでおかしくなるからお前らを切る、じゃあね」 完全に自己紹介です本当にありがとうございました 実際には(自分が)切り捨てられただけなのに俺の方から捨ててやったんだってアホいるよね そしてこの場合「順列」じゃなくて「序列」じゃないんだろうかOBさんよォ…… 513 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/16(火) 21 36 19.45 ID sQWdrKRO0 というか、このやり取りの中数ヶ月も粘ったのか そっちの方が驚き 514 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/16(火) 21 41 58.82 ID g80jdOa10 他に友達もいないから縋りつくんだよな、こういう人 515 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/16(火) 21 53 58.87 ID sdcUG9n20 502 ちなみに正解は「真のターゲットは別にPCに直接関わりのある人物じゃないんだから放置しても別に良い」 護衛っていう依頼からすればこれ自体は確かにそうなんだが、そうやって行動すると結局護衛対象が人殺すのをぼけーっと見てるのが正解って事になるんだよな それのどこが面白いと思ったんだろうか? 516 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/16(火) 22 08 46.76 ID cCRZM4b50 [2/2] 「サイパンが誤解されていた頃の間違いまくった何か」って当事でもつまらなかったんだぜ 血も涙もない世界で血も涙もないセッション、なんてパンク要素が欠片もねぇ 517 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/16(火) 23 06 13.91 ID J52KimAiI 21世紀に間違ったサイパンが生きてることが奇跡 522 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/17(水) 01 17 27.13 ID GpjQgZg30 サイパンが一番勘違いされてた頃のシナリオは 「依頼を断ると口封じに殺される」 「依頼をしくじると見せしめに殺される」 「依頼を成功させるとやっぱり口封じに殺される」 だったんだぜ。 冷静に考えれば、そんなハイリスク・ノーリターンな仕事、 受ける奴があっという間にいなくなるだろうに、なぜ変だと思わなかったのやら。 529 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/17(水) 05 16 13.00 ID 7zCGKioli R&RのシャドウランGMガイドにもジョンソンの裏切りについて書かれてたな 「ランナー達は貴重で価値ある存在。わざわざ仲介してもらって仕事を依頼した彼らを裏切り、信頼・コネ等を失うのは多くの場合割に合わない」 「裏切りが異常事態であるからこそドラマが生まれるのであり、ジョンソンが必ず裏切るという常識を作ってはいけない」 「どうしても裏切らせたいなら相応の理由や背景をしっかり設定すること。前フリがなければ唐突なだけ」 実にごもっともな解説だった 530 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/17(水) 06 21 47.98 ID oPzOw6zP0 [1/2] 529 わざわざそういう記載するあたり PCを裏切ってハメて悦に入る自称サイバー上級者GMが跋扈してたってことだろうなあ 531 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/17(水) 06 51 54.77 ID Wqfw4xLV0 この手の連中は裏切りイベントがやりたかっただけなんだごめん! という主張ならともかく殊更リアリティがあるやらこうするのが正解だったとかこう考えるのが普通とかさもそのイベントが正当だったかのように振舞うのがムカつくよなぁ 532 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/17(水) 07 15 21.61 ID AYgwtQJ10 リアルリアリティとか鬱憤晴らしとか露悪趣味とかがGMの脳内でマイムマイムした結果なんだろうなーとは思う 突き合わせるならやり方はあるとは思うが 533 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/17(水) 07 43 28.74 ID i1HqDaZnO [1/2] 522 亀だが、企業がランナーハメで皆殺しシナリオ(ランナーを標的に自社兵士の戦闘訓練)ってシナリオは当時流行ったなぁ 公式監修のシャドウラン漫画が、依頼人が裏切る→リサーチして倍返しだ! ってパターンばっかだったからかもしれないが 534 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/17(水) 08 56 09.53 ID ST/+4PlY0 [1/3] 裏切りの部分はオープニングでさくっと演出して「リサーチして倍返しだ!」の部分を セッションでプレイすべきなんだか、そこを勘違いしちゃったんだろうな 535 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/17(水) 09 16 41.78 ID i1HqDaZnO [2/2] 534 今なら当たり前なんだが、当時は情報収集技能判定で手に入れた、“情報の確度やリテラシー”までシステムが保証してくれなかったからなぁ いちいち情報が正しいかどうか裏取していかないといけない 自販機と笑われることもあるが、情報やコネクション判定は段取り、収集、精査まで含みますって一文は感動したね 539 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/17(水) 11 11 42.71 ID ZDcbPX1s0 サイバーパンクに限らないけど、 TRPGってのは「ミンナで楽しむ」ゲームであって「正解を探す」「最善手を構築する」ゲームじゃないんだよねえ。 そこを誤解してるGM(PL)の、なんと多いことか・・・ 540 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/17(水) 11 33 08.94 ID eJnx0L0P0 [2/3] 539 非主流ではあるがいまだにボドゲ・ウォーゲーのノリを保って「ミンナで楽しむ」かつ 「正解を探す」「最善手を構築する」遊び方もあるからその断定もまた極論に陥ってる 結局のところ面子の嗜好にあった遊び方をしよう。 嗜好が合わない相手が混じったら遊ばないか、お互いが納得できる水準で 541 名前:ゲーム好き名無しさん[sage] 投稿日:2014/09/17(水) 11 35 26.20 ID ST/+4PlY0 [2/3] PLGMみんなでワイワイやりながら正解を探すのは楽しいよな 問題はこのスレに報告されるような奴は確実にまず思いつかないような正解()を 脳内当てさせるような糞GMばかりだと言うことだな スレ395
https://w.atwiki.jp/niconicokaraokedb/pages/1185.html
そして煌めく乙女と秘密^5 そしてきらめくおとめとひみつのこしよう【登録タグ アダルトゲーム作品 品そ】 曲一覧 煌めく空へ 映像にそして煌めく乙女と秘密^5を使った動画のある曲の一覧 まだ曲が登録されていません コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/jcbr/pages/477.html
0356:そしてだれもいなくなった 漆黒の闇に包まれた四国の地にハイエナが一匹… 志々雄は、既に物言わぬ屍となったナルトらの荷物から支給品、食糧を根こそぎ強奪していた。 ―—この世は所詮、弱肉強食。強ければ生き、弱ければ死ぬ。弱者は強者の肉になる運命なんだよ。 と、明治の世なら強盗殺人で死刑に値する行動をとりながら、全く罪悪感を感じていない。 それどころかこの状況を楽しんでいるようにも感じられた。 ふと、乾の手帳に目が止まる。 そこには今の惨状を予期していたかのような文章が書かれていた。 最も、現実の被害はそれを遥かに超えるものなのだが… 「文章から考えるに、乾とかいう奴は最後に俺を射殺しようとした小僧のことだな。 鵺野とかいう奴は、以前俺が見逃した小僧に殺された男だな。 全く、こいつほどの阿呆はいねぇな。弱者は弱者らしく尻尾を巻いて逃げてれば殺されずに済んだのによ。 キジも鳴かずば撃たれまい、か。まぁいい。こいつらには仲間がいるみたいだ。 そのうちここに来るかも知れねぇな。よし、この悲壮感溢れる文章を俺がもっと面白くしてやるよ」 ―――残念だったな。鵺野とかいう男はもう、この世にはいない。俺が殺したんだ。 おっと、言っとくが、俺はナルトとかいう男じゃねぇ。 俺の名は志々雄真実。かつて薩摩長州にその人ありと言われた維新志士だ。 もし、この俺を殺す勇気があるのなら奥州まで来い。俺はそこにいる――― 「これでよし。こいつらの憎しみは深まるはずだ。 まぁ、夜明け前にこいつらがここに来ればこの手帳を見ることなく逝けるんだがな。 」 手帳の2ページ目に支給されたペンで文字を書くなり、志々雄は近くの草むらに腰を下ろし、横になる。 「さてと。だいぶ動いちまったからな。体のためにも少し休むとするか。」 ―――3時間後――― 結局、両津とダイは四国には到着しなかった。正確に言えば、いくつかのアクシデントがあって、到着できなかったのだが。 瀬戸内海に2度目の陽が昇る。眩しい朝日とともに、剣士は再び目覚める。行く先は、現在活動可能な範囲で最北端である奥州。 「やはり来てねぇか。主催者の宿敵とやらと一戦交えたかったものだがな。」 残念そうに呟くなり、強奪した沢山の武器をカプセルに戻し、 腰には愛刀となった飛刀をぶら下げ、左手には篭手を装備し、元来た瀬戸大橋を渡った。 太陽が昇り、夜とは違った中国地方が目の前に広がっていた。 その中でも志々雄の目を引いたのは、見えなくなるまで遠くに延々と続いている線路と、粗末な駅のプラットホームだった。 「へぇ、俺が生きてる時代じゃ関東の方でしかお目にかかれなかった汽車が、ここではこんな田舎にも通ってるのか。 面白れぇ。どうせ急いで奥州まで行くこたぁねえんだ。 のんびり日本の景色を眺め、弁当でも食いながら行くとするか。」 対主催者との対決で基地として機能するはずだった四国。 太公望が最重要地点として考えていたその地には最早誰一人いない。 数時間後、それに気付く者が現れるかもしれないが… ある島に5人の漂流者が足を踏み入れた。 途中で2人増え、7人になった。 そのうち4人は偵察に行ったきり、戻ってこなかった。 夕方になり、新たに3人の旅人が現れた。 また2人が出て行き、4人になった。 夜、2匹の猛獣と1人の人間が無人島にやってきた。 2人と1匹が食べられ、島には3人と1匹が残った。 深夜―――猛獣が牙を剥き、1人が食べられ、2人になった。 そこへ1人の騎士と1匹の悪魔、1人の子供がやってきた。 旅人と騎士は力を合わせ、猛獣を倒したが、子供と一緒に悪魔に殺された。 悪魔が去った後、島には誰もいなくなった。 【岡山県/早朝】 【志々雄真実@るろうに剣心】 [状態]:全身に軽度の裂傷 [装備]:衝撃貝の仕込まれた篭手(右腕)@ONE PIECE、飛刀@封神演義 [道具]:荷物一式 八人分(食料、水二日分消費)、コルトローマンMKⅢ@CITY HUNTER(ただし照準はメチャクチャ)(残弾1) 青雲剣@封神演義、パチンコ@ONE PIECE(鉛星、卵星) ゴールドフェザー&シルバーフェザー(各5本ずつ)@ダイの大冒険、キメラの翼@ダイの大冒険 弾丸各種(マグナムリボルバーの弾なし) 、ソーイングセット、半透明ゴミ袋10枚入り1パック [思考]:1:第5放送を聞いた後、関東に着くまで休息。 2:長時間戦える東北へ向かう。 3:無限刃を手に入れる。 4:少しでも多く参加者が減るように利用する。 5:全員殺し生き残る (乾の手帳は鵺野の死体の側に置かれています。) 時系列順で読む Back グッバイ・ブラックキャット Next ニアミスの朝 投下順で読む Back グッバイ・ブラックキャット Next ニアミスの朝 353 舞台演舞 志々雄真実 371 地獄の車窓から
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/2260.html
【6】 それは会場の端。波が打ち寄せる、地図で言えばH-2エリアの海岸。 「改めて聞くぞ。お前はこの女を斬るつもりか?」 「その女が、危険だというのなら」 頬に傷のある赤毛の侍が、銀髪の少女を斬るべきか迷っていた。 銀髪の少女は、人を殺して血まみれになっていた。 蝶々仮面の男は、知りあったばかりの少女を侍の斬撃から護ろうとしていた。 少し離れた場所で、茶髪の女子高生が、この状況に責任を感じていた。 【1】 一ノ瀬弓子クリスティーナは、憔悴していた。 突然のことだった。 白いスーツの男は、殺し合いをしろと言った。 本来なら正義感の強い弓子も、この時ばかりは思った。 何でもいいから、早く帰してほしい。 眼の前で小さな女の子が理不尽に殺されたというのに、そんなことを同時進行で考えてしまった。 そんな、らしくない己の醜悪さに気がついて、自己嫌悪に沈むうちに、どこかの海岸に転移させられていた。 これは罰なのだろうかとぼんやり考えた。 危険な魔法の杖を、少し魔法に精通したからといって使いこなせた気になっていたから、罰が当たったのだろうか。 でも、『人を殺した罰』として『殺し合え』というのも奇妙なことだと思った。 それから、やっと気がついた 帰ってもどうせ、あの現場には“間に合わない”。 今から帰っても、あの人を助けることはできない。 彼女が返りたかったのは、東京の六本木だった。 彼女は、ここに来るまで、そこにいた。 血まみれで、砕けたコンクリートの破片で埃まみれになって、ひどい格好で、そこにいた。 その格好のまま、ここに来た。 ライバルの、でも親しい仲の、友達の師匠を、姉原美鎖を、魔力の暴走で瀕死にしてきたところだった。 殺意があったわけではなかった。 しかし、それが何の言いわけになるのか。 気を緩めたとたんに、ケリュケイオンの杖が自動反応した。 自動で生成された光の剣が、喧嘩相手の体を貫いた。 首に穴があいていた。 血が大量に流れていた。 処置をしなければ、そのまま死んでしまう傷だった。 違う。 この期に及んで、逃げようとしている。 弓子は、卑怯な楽観視を訂正した。 姉原美鎖は、あの時点で死んでいた。 首に致命傷を負っていた。 心臓がとまっていた。 ちゃんと、脈拍がとまっているのを確認した。 弓子は、人を殺したのだ。 人殺しになったから、だからこそ弓子は、こんな場所に呼ばれたのかもしれない。 でも、それなら、何も悪くないこよみたちが呼ばれているのもおかしな話だと気づいた。 参加者名簿に、姉原美鎖の名前はなかった。 彼女のライバルである弓子がいるにも関わらず、彼女の弟子である森下こよみがいるにも関わらず、美鎖はこの場にいない。 弓子が負っていた傷や魔力は全て回復させられているのに、姉原美鎖は回復して参加者に呼ばれていない。 それは、つまり姉原美鎖はどうしても呼べないということで、つまり、やはり彼女はもう――。 一ノ瀬弓子クリスティーナは、意志の強い少女だった。 死んでいる姉原美鎖を見た時も、それでもまだ心は折れなかった。 姉原美鎖の遺体が転移してしまった時も、責任を持ってその行方を確認しようと決意していた。 人を殺してしまったのだと理解しても、その罪を自覚し、せめて自分のなすべきことをやろうとしていた。 責任感から、その心を支えていた。 しかしその決意も冷めぬ間に、六本木から相当に遠いだろうこの地に呼ばれた。 姉原美鎖の行方を、確認できなくなった。 一人しか帰れないと言われた。 その帰る方法とは、他者を殺すことだと言われた。 数十人を蹴落として生き延びろ、と命令された。 もっと罪を重ねなければ、生き残れないことになった。 弦が、とんだ。 張り詰めて張り詰めて、切れないように耐えていた糸が、それまでの強さが嘘のように容易く切れてしまった。 ちょっと喧嘩しただけで人を殺してしまった弓子が、果たして命がけの戦いで人を殺さずにいられるか? あの時、弓子がケリュケイオンを制御できなかったのは、全力の姉原美鎖を相手に余裕を失っていたからだ。 この実験の参加者が、皆、美鎖のような実力者ばかりではないだろう。 だが、決して少なくないはずの参加者が殺し合いに乗り、生きる為に、あるいは誰かを生かす為に、 殺意と覚悟を持って弓子に襲いかかってくることだろう。 それに、この殺し合いでは役に立つ武器が支給されているという話だった。 魔法使いである弓子だって生身の人間だ。 銃器などで急所を撃たれれば致命傷になるし、それらを警戒しながらの行動となると緊張を強いられる。 弓子のスタミナとて無限ではない。連戦を重ねれば、いずれ追い詰められる時も来るだろう。 つまり、弓子に殺意はなくとも、余裕をなくして戦う状況は遠からずやって来る。 そうなった時に、また禍ちを犯さずにいられるだろうか。 暴走した原因となったケリュケイオンの魔杖は、手元にない。 しかし、ケリュケイオンの杖が主催者に奪われているとなれば、なおいっそう事態は酷い。 ケリュケイオンの杖には、伝説の魔女の遺産が封印されている。 中世のヨーロッパで十万人を呪い殺した幾万もの魔法コードが、その杖に眠っている。 弓子自身はその杖を制御できなかったが、だからといって見知らぬ誰かに譲渡していいものではないのだ。 ましてや、殺し合いを企画するような極悪人の手に渡ればどうなるか。 弓子の失態だった。 ケリュケイオンの杖を使って人を殺してしまったのも弓子の責任なら、いつのまにか拉致されてしまったことも、 危険物の杖を奪われてしまったことも弓子の力のなさが招いたことだ。 杖を手に入れた者が、杖の力で災厄を起こしたら弓子のせいだ。 それ以前に、また弓子と関わった人が、巻き添えで傷ついてしまったらそれも弓子のせいだ。 今の弓子には暴走する魔法の杖はないけれど、杖と一緒に自信と気力も失ってしまった。 安定した魔法コードの生成には、安定した精神と集中力が不可欠。 対象物、環境、明度、使い手の体調、それらが変化するだけでもコードは微妙に変わる。 ましてや、使い手の心が折れていればどうなるか。 今、誰かが剣のコードで弓子を攻撃でもすれば、防性コードを貼る間もなく刺殺されてしまうだろう。 逆に、弓子が剣のコードを組んだとしてもそれが武器として形を成すかどうか。 剣を呼んだつもりが、別の、もっと壊滅的な呪いを呼んでしまうことにもなる。 切れてしまった弦は、響かない。 「あ……」 懐中電灯の光が、弓子を包んだ。 いつから、そこにいたのだろうか。 顔を上げると、目が合った。 人がいた。 弓子と同じように、似あわぬディパックを背負っていた。 茶髪の、どこかの学校の制服を着た女の子だった。 どこにでもいる女子高生に見えた。 少女は、弓子を見て怖がっているようだった。 そう言えば、弓子は血まみれなのだった。 殺人現場からそのまま帰って来たように見えなくもない。 銀色の髪と紫の瞳をした弓子は、奇異の目で見られることに慣れていた。 しかし、今は。 今の弓子は血まみれで、 汚れていて、人を殺していて、また誰かを傷つけるかもしれなくて、 少女は、そんな弓子にかける言葉を迷っていて、 弓子は少女を怖がらせていて、 弓子は口を開いた。 何かを言わなければと思った。 しかし、 誰とも会いたくない、と思った。 「わたくしに近づかないでください。またわたくしの“呪い”が、誰かを殺してしまうかもしれませんから……」 【3】 蝶々仮面の男、パピヨンは腹を立てていた。 理由のひとつは、参加者名簿の彼の名前が、『蝶野攻爵』と表記されていたことにある。 彼は既に『パピヨン』という名で新たな生を生きている。 その名を覚えていていいのは、たった一人だけだ。 もうひとつは、支給品がどれもイマイチなものだったことにある。 一つ目は、長い鉄棒だった。 先端に輪っかのような突起がついており、ホムンクルスであるパピヨンの怪力をもって振り回せばそれなりの破壊力を発揮するだろう。 しかし、普段からは大きくかけ離れた戦い方になるだけに、不安もある。 彼の戦いの本領はニアデスハピネスの汎用性とホムンクルスの身体能力、再生力を組み合わせたトリッキーな戦法にある。 棒術はむしろ、武藤カズキの得意分野だった。 二つ目は、テディベアだった。ひとかかえもある、ずいぶんくたびれたぬいぐるみだ。 論外。 ただ三つ目については、有用性は別として興味をひくものだった。 それは携帯電話だった。 説明書がついていた。 わざわざ説明書など付けなくとも、携帯電話の使い方など昨今は誰でも知っている。 しかしその携帯電話は、説明を要するだけの機能を備えたものだった 『ジオイドの魔法コードがアプリとして保存されています。 実行すると半径10メートル以内のジオイド面を任意で捜査することができます。』 ジオイド面の意味は、地学や物理をかじっていれば誰でも分かる。 現代で、アプリの使い方を知らない日本人はそういないだろう。 しかし、『魔法コード』とは何なのか。 パピヨンのあくなき探究心と向上心をくすぐるのに、それは充分なものだった。 ちなみに、アプリの配布先のHPのサーバーなどは全て聞いたことのないものだった。 支給品ひとつの為に、一から会場内限定ネットワークをつくったのだとしたら大変な手間だ。 おそらく、ネット環境を利用した支給品が他にも複数あると思われる。 脱線した。 機嫌を悪くした最大の理由は、勝手な都合で『殺し合い』を強制されたことにある。 パピヨンは他者に利用されるのが大嫌いだったし、この実験に乗って得になることなど一つもなかったからだ。 あの『清隆』と名乗った男は、生き残れば『願い』を叶えてやると言っていた。 しかしパピヨンは、今の生におおむね満足しており、特に叶えたい願いもない。 否、たとえ願いがあったとしても、それはパピヨン自身の力で叶えてこそのものだ。 以前は、世界を丸ごと滅ぼしてやりたいと願ったこともあった。 しかし、宿敵武藤カズキと決着を付けたあの夜、パピヨンは自覚させられた。 もう、そんな憎悪はパピヨンの中から消えていることを。 それにもし安易な殺人を働けば、同じくこの会場にいる武藤カズキと津村斗貴子が黙ってはいないだろう。 別に敵をつくることを恐れはしなかったが、貴重な張り合い相手からつむじを曲げられてしまうのは望ましくない。 ホムンクルスと錬金戦団の長きにわたる戦いが終わり、切望していた武藤カズキとの決着を着け、パピヨンは半永久的に生きることを余儀なくされた。 しかし、新しい人生もパピヨンは悪くないと思っていた。 血沸く戦いと臨死の恍惚こそないが、思いがけない発見も、貴重な張り合い相手もいる。 大勢の人間が、愛をこめて「パピヨン」という名前を呼んでくれる世界。 退屈ではあったが、満ち足りている世界。 だからパピヨンには、殺し合いに乗る理由などなかった。 ただ、その“願いを叶える”技術自体には、心魅かれた。 しかしそれは、あの白スーツをどうにか陥落させて聞き出せばいいことだ。 そんな風に苛立ち七割、期待三割で胸を満たしつつ、パピヨンは浜辺をぶらぶらする。 銀髪の女がいた。 銀髪の服は血だらけだった。しかし怪我はしていなかった。返り血だった 何をする様子でもなく、立っていた。 ただ、海を見ていた。酷く投げやりな目だった。燃え尽き症候群のように見えなくもなかった。 つまり銀髪の女は流血沙汰を含む修羅場にいた可能性が高いということだ。 「おい、そこの女。何があった?」 「……どなた?」 銀髪の女は、パピヨンの一張羅を見て怪訝な顔をする。 「この蝶人パピヨンを知らんのか? この間も東京タワー上空に現れたところだぞ」 「あいにくと、特撮モノには興味がありませんので」 悪の怪人のコスプレだと勘違いされている。 舞踏会に駈けつけられるほど紳士的な格好だというのに。 「あいにくと俺は悪の手先でも正義の味方でもない。この世界を愛し、この世界のあらゆるモノを欲する『蝶・人』さ。 そこでだ。お前の知っていること、ここに至るまでに何が起こったのか全て教えろ。 もし“呪い”や“魔法コード”と言った単語に聞き覚えがあるなら、それも教えろ」 生気のない瞳に、狼狽が横切った。 何かを知っている狼狽だった。 当たり。 パピヨンは口の両端をにまりとつりあげる。 「それは……“魔法コード”に関しては、確かに関係者ですわ」 「そうか。なら全て教えろ」 パピヨンの命令にも、女は気分を害した風ではなかった。 けれど、ひどく濁った眼でパピヨンを見た。 「命が大事なら、関わらないことをお勧めしますわ」 「俺が関わるべきかどうかは、お前が決めることじゃない」 「わたしは、“魔法”を使って人を殺しました。また殺してしまうかもしれません」 それきり女は会話する意思を失った。 パピヨンに背中を向けて、海岸沿いをふらふらと歩く。 目的地があるわけではなく、ただ歩く為に歩いているだけという歩き方だ。 気に入らなかった。 女は、説明する意思がなかった。何でもいいから早く会話を切り上げたそうだった。 パピヨンは誰にどう思われても少しも堪えない。しかし、女はパピヨンを嫌ったわけではなかった。 『透明な存在』でも見るように、どうでもよさそうに無視したのだ。 その、パピヨンを無視したということが、気に入らなかった。 女の、何もかもを諦めたような目が、気に入らなかった。 『人を殺した』からと、それだけで折れてしまったらしいことが気に入らなかった。 現実から逃げているような態度も、気に入らなかった。 眼の前に課題があるのに、自力で何も為そうとしない人間。 己に限界を感じたところで、諦めてしまった人間。 パピヨンの気に入らない人種と、今の彼女は近い態度をしていた。 「俺はどっかの偽善者のように人助けする趣味はない。しかし、お節介はさせてもらうぞ」 だからこそパピヨンは、その女を放置するわけにはいかなかった。 「ここは大きなお世話、小さな親切。情報を聞き出し終えるまではかまってやるとするか。 『魔法』とやらも非常に興味深いしな」 己の欲望に忠実なパピヨンは、気に入った相手に執着する。 そして、気に食わない奴ほど大事にする。 それが好意であれ悪意であれ、暇を潰すものがなければ、パピヨンの長い長い人生はたちまち退屈になってしまうからだ。 何より、この女は貴重な情報源だ。 どうやら女は『魔法で人が殺せる』程度の知識と技術を持っているらしい。 何より女の自棄な態度は、何か己の限界に直面して諦めたような、自信を喪失したような、そんな印象を受けた。 つまり、それだけ深く足を突っ込んでいたらしいということだ。 パピヨンにとって、女と接触を持つメリットはずいぶん高くなっていた。 パピヨンは空中へ大きく跳躍すると、彼女の頭上を飛び越えて先回りする。 「甘いな、女。この『蝶人パピヨン』が、たかだか『人が殺された』ぐらいで臆すると思ったか?」 女は戸惑ったように何かを言いかけ、 「おい、そこの異人の女」 剣を帯びた声に、パピヨンの問答は遮られた。 防砂林から、鋭い目をした赤毛で和装の男が現れた。 【4】 琴吹ななせは、頭が真っ白になっていた。 よくよく考えれば、逃げ出すことはなかったのかもしれない。 異常な格好をしているとはいえ、相手は同年代の女の子だ。 確かに、あの女の子は人を殺したと言っていた。 でも殺し合いに乗っているなら、わざわざ“近づかない方がいい”なんて警告をするのはおかしい。 だいいち、たとえ殺していたとしても、例えば事故とか正当防衛とか、とにかく事情あってのことかもしれないのだ。 それに、最初に近づいたのはななせの方だったのに。 近づくにつれて懐中電灯に照らされた少女の、血まみれの惨状が目に入った。 その、ホラー映画のような格好に、現実感だとか勇気を根こそぎ持っていかれて、話しかけようとしたこともすっかり忘れさっていた。 そういうことを、ななせは走りながら、断片的に思い返していた。 高そうな洋服が、びりびりに裂けていた。 裂けた洋服の右半身に、べっとりと血が染み込んでいた。 右頬から首筋にかけても、同じように血がついていた。 潮の香りとは別に、鉄くさい臭いがした。まだ、血が渇いていなかった。 つい今しがた、ぼろぼろになって返り血を浴びる行為をしてきましたと、その惨状が語っていた。 返り血などホラー映画やドラマでしか見たことのないななせにも、すぐに分かる。 ちょっとやそっとの傷では、あんな返り血はつかない。 それこそ、人一人が失血死するぐらいの血を誰かが流さなければ……。 それに、あの女の子からは、ある種の“ただならぬ感じ”を受けた。 正体の知れない苦しみとか絶望とか妄信とかを発していて、そういう怖いものが血みどろの彼女を武装していた。 そういうモノを発する人間を、ななせは何人か知っている。 そういう人間と相対する恐怖に、ななせは覚えがある。 例えば、“井上ミウ”の名前が出ると、酷く苦しそうな、拒絶するような顔をする井上心葉。 例えば、“天使”という怪人のことを、とりつかれたようにハイになって信仰していた、現在行方不明の親友。 例えば、ここ数日、執拗に呪いのメールを送って来るようになった、“ミウ”という謎の少女。 そういう“闇”にあてられると、自分がとても弱く力を持たない、別世界の人間のように錯覚して、何も言えなくなってしまう。 そう、あの女の子も、確かに“呪い”と言った。 ――またわたくしの“呪い”が、誰かを殺してしまうかもしれませんから…… ――何よそれ。……あんた、人を呪い殺せるとか言うつもり? ――そうですわね。私は、“クリストバルドの呪い”を継いでいますから。 そこで会話を終わらせて、とにかく逃げ出してしまったのは“呪い”という言葉に過敏になっていたからかもしれない。 彼女の得体の知れなさや、ななせの知らないことを知っているという見透かした様子が、 つい数日前から頻繁に届くようになった、メールの送り主を連想させた。 ――心葉に近づくな。泥棒猫。 ――お前は心葉のことを何も知らない。 ――人のものを盗ろうとしたら呪われる ――呪われろ。 ――呪われろ。 ――呪われろ。 ――呪われろ。 始まりはいつだったのだろう。 この間までは、森ちゃんと放課後にクレープを食べたり、夕歌とメールをしたり、井上と一緒に資料整理をしたり、そんな毎日だった。 そんな当たり前の、幸せな毎日だったはずだ。 それが、夕歌が行方不明になって、家は幽霊屋敷になったみたいに荒れ果てていて。 “ミウ”から呪いのメールが来るようになって、井上も何だか苦しい顔をするようになって。 夕歌を探したけれど、どこに行ったのか全然わからなくて、そうしたら、夕歌の家族が一家心中をしていたと聞かされて。 胸が押し潰されそうになって、気づけば家を飛び出し、夜の町をさまよっていた。 夕歌の家に向かっていた。 窓ガラスが破れ、電気もつかなくなり、お化け屋敷のようになった家でうずくまっていた。 謎の“天使”に連れて行かれた夕歌のこと。 “ファントム”から“呪われろ”というメールを送られたこと。 気がつけば、白いスーツの男に拉致されたこと。 “魔女の口づけ”がどうのと言われたこと。殺し合えと言われたこと。 頭を吹き飛ばされた女の子のこと。血まみれで人を殺したという少女のこと。 呪いを持っていると言ったその子のこと。 どこまでが夢で、どこからが現実なのだろう。 「井上、井上、井上っ……」 ここにいない、でもどこかにいる会いたい人の名前が、口をついて出ていた。 もしかして、あたしはとっくに現実の世界を踏み外していたんじゃないか。 踏み外してはいけない、危ない世界に落っこちていたんじゃないか。 だとしたら、帰る方法なんて―― 「そこの人! 何があった?」 「きゃっ……!」 進行方向に、小柄な男が回り込んでななせの逃走を止めた。 (後編)
https://w.atwiki.jp/dattai/pages/3007.html
55-751 751 :(○口○*)さん [sage]:08/03/01(土) 13 37 ID 78snk9IE0 壁育成しといて一人立ち出来る様にとかないわ 一人立ちさせるのなんて、お金の稼ぎ方や狩場の相談やアドバイスするだけで十分 これだけではあれなので、十分寝かした脱退報告 特定されそうだけど、ほぼ半引退状態なんでいいや 脱退理由:単体ギルド、もしくは個人で自由にやりたいので(建前) 脱退理由:某掲示板スレでの評判、気にしすぎる同盟とはやってられません(本音) 以前加入していたギルドでの話だが、単体じゃ人数厳しいので同盟を組んでGvGに参加していた 当時自分はGvGの出来事を戦記として、Blogで書いていた ある日GvG中で疑問に思ったことを、Blog内で一度綴った事があった これが事の始まりだった 内容は「WP超えのスクリームやジョークはバグか?仕様なのか?」、といったもの 当時はまだ開発や運営の方から正式に「仕様」という発表がまだ成されていない時だった そしてこれが某掲示板の、某スレッドで一度取り上げられる 取り上げられるといっても、10レスに満たない程度だった そして1週間もしない内に、話題にはでなくなった しかし、これに同盟組んでいたギルドが過敏に反応し、こちら側に抗議してきた 抗議の内容は「某所で話題なるような事は、できるだけ書かないでくれ」、といったものだったはず 何故某所で話題になる事ができるだけ避けたかったのか?これには理由があったようだ 当時、某所では同じ同盟内のギルド(抗議してきたギルドとは別のギルド)所属者数名が、某所で「あのPCはBOTだ」と言った話題がよく出ていた 抗議してきたギルドは、この話題に過敏に反応して、これ以上某所で話題に上がるのを避けたかったらしい それに対し自分の返答は「Blogなんか個人の物なんだから、自由に書かせてくれ」と主張 しかし向こう側は納得せず、結局平行線のまま話は終る 数日開けて再度話し合いが行われ、ギルドにもこのままでは迷惑掛かると思い、結局自分が妥協して話し合いは終了 その結果Blogで書くことに色々制限が付けられた(戦記のみで、他の事柄にしては制限無し) しかし結局制限が原因で自分的にはやはり納得できず、その後GvGは不参加を経て上記の理由で脱退という事に 結局その後同盟解散という流れになり、自分はギルドに舞い戻る事ができましたが 正直ギルドの方々、巻き込んでゴメンナサイ それにしても某所でなんか、何書いても話題上がる時は上がるんだけどな 某所の話題や評判気にする所とは、正直やってられないわ 前ページ次ページスレ55
https://w.atwiki.jp/ranoberowa/pages/564.html
第459話:そして、不運はあまりに永く 作:◆l8jfhXC/BA 賛美する者は、それを知らない。 軽蔑する者は、それを受け取れない。 語る者は、そもそも資格がない。 それは誰にも掴めない。 ボラフェス・リド「狭間について、我らの認識」同盟歴三六年 「これはタンスと壁の隙間の埃のことだと思うのだがどうだろう」 「知るか。そもそも何の話だ」 「俺の頭に突如響き渡ったお告げについてだが、知らなかったのか?」 「帰れ」 黒いのが放った裏拳をマントを翻して避ける。うむ、我ながら華麗な回避。俗に言うまぐれだが。 だが勝利の舞(360度回転)を眼前でする俺を無視し、黒いのは掴まれていた肩を振り払って背後へと向き直った。 その視線の先には、先程まで遺産相続バトルを繰り広げていた銀髪黒服の男(仮に黒いのハーフとする)の姿。 そいつは救いの神を見つけたような笑顔を黒いのに向けていた。やはり俺の危惧通りだったか。 「フラグが立ったか。これで争いが更に泥沼になるだろう。 まぁ人生なんて常に泥沼の中に落としたハサミを捜すようなもんだが」 「頼むからお前は黙っててくれ。 ……で、あんた今、なにやらとても不穏で俺に縁がない単語を言ったような気がしたんだが、気のせいか?」 「我が愛しき娘を治療してくれた親愛なる友に感謝の意を表明しただけだが、何か問題が?」 「…………いや、何でもない」 大きく溜め息をつく黒いの。なにやら人生に疲れたような顔をしている。 人生に必要なのは諦念と枕を正しく膨らませることだと知らないのだろうか。 「へこたれる黒いのにはまず正しい水たまりの飛び越し方から伝授した方がいいのだろうかと悩む俺。 うむ、こうやって行動を口に出せば無視されることもないだろう。我ながらいい案だ」 「……先程から気になっていたのだが、このガユスを煮詰めて発酵させたような羽虫はなんだ?」 「ただの幻覚で幻聴だ。そういうことにしておいてくれ。 ……感謝の気持ちだけは受け取っておく。だが俺は娘だかなんだか知らんが椅子を直しただけだ。このまま行かせてくれ。 頼むから、これ以上俺をトトカンタ時代に引き戻さないでくれ……」 羽虫と言われあげく幻扱い。いくらなんでもこれは裁判に訴えていいと思うのだが。 精霊権侵害相談所を捜す旅路について真剣に考える俺を相変わらず無視して、黒いのと黒いのハーフの会話は続く。 「後半が理解不能だが少なくとも前半は断る。 私の命よりも大切な愛娘を治してくれた偉人に対して、恩を返さないでおくことはできない」 「そこは恩を受ける側の意志を尊重しろよ」 「おまえよりも私よりもヒルルカの意志を優先する。 何より彼女を救ったという素晴らしい行為に対して、何らかの代償を支払わなければ私は納得することができない。 現状で私の助けが必要でなければ、このまま同行して機会を待とう」 「ぐ……」 一度立ってしまったフラグを回避するのは、ハンター共が仕掛けた残虐拘留装置を回避するのと同じくらい難しい。 俺の言葉に素直に耳を傾けておけばよかったものを。やはり牢屋番にはこの辺りが限界なのか。 「ここはその黒いのハーフに優秀な弁護士を捜してきてもらうのが一番いいと提案する。 俺の意見を無視して黒いの一人で考え込むのは、綿の寝間着と同じほど愚かだと思う」 「ここに弁護士なんているのかよ。……あ、いや、それだ!」 一縷の望みを見つけたのか、黒いのの表情が一転して明るくなる。どうやら弁護士に心当たりがあったらしい。 「おいあんた、ええと──」 「ギギナ・ジャーディ・ドルク・メレイオス・アシュレイ・ブフだ」 「コルゴン並に長いな。……ギギナ、恩を返したいなら俺の知り合いを捜して保護してくれないか? 俺と違って戦闘能力がないから、あんたが手を貸してくれるとありがたい」 「……一つ問うが、その人物は実在するのか? 私を遠ざけるためだけの虚言だった場合は、いかにヒルルカの恩人といえど許しはしないが」 「恩人の言い分くらい信じろって。 名前はクリーオウ・エバーラスティン。長い金髪の小柄な少女だ。名簿にもちゃんと名前が載っている。 俺の名前──ああ、そういや名乗ってなかったな、オーフェンだ──を出せば、信用してちゃんと同行してくれる」 黒いのが名簿を取り出し、黒いのハーフに名前があることを確認させる。 そういやなんでこれに俺の名前は載っていないんだ? 小娘は載っているのに俺が省かれているのは差別だと思う。 「……確かに名前が掲載されているな。情報もはっきりしている。 ならばその依頼、受けるとしよう。娘一人を守ることなど造作もない。 だが、いつまでも私と同行していても意味があるまい。受け渡し場所と時間を決めておくべきだ」 「なら……ここから少し東に行ったところに小屋があるんだが、そこに0時に集合でどうだ? もし禁止エリアになったら──そうだな、ここから北のC-5にある石段の前にしよう。そこもだめならその石段の終点のB-5だ。 クリーオウを見つけられなかった場合でも一度集合だ。それでいいか?」 いつの間にか話がまとまってしまった。 牢屋番が交渉上手とは思わぬ発見。いや、もしや黒いの自身が隠れ弁護士だったのか? 少し黒いのに対する評価を改めてもいいかもしれない。7%くらい。 「了解した。……では我が友よ、再会と再戦の時を楽しみに待っている。──剣と月の祝福を」 「再戦はできれば遠慮したいが、クリーオウのことは頼んだ」 そう言って黒いのハーフは地面に刺さったままだった黒い剣を抜き、腰に差した。 そして愛娘とやらをデイパックに入れて背負った後、背を向けて歩き出した。 椅子が娘ということはあの黒いのハーフは実は椅子なのだろうか? 椅子精霊? それなら納得だが。 「……なんとか、切り抜けられたか」 その姿が霧の中に完全に消えた後、黒いのが小さく安堵の息をついた。 「だが安心するのはまだ早いぞ。 その金髪小娘が実は黒いのハーフの宿敵と一緒にいて、血を血で洗う昼下がり的展開になる可能性も否定できん」 「まさかそこまで悪くはならんだろ。考えすぎだ」 「まぁ、どんなひどい人生にも乾燥した鳥の餌よりはまともなものはあるからな。 さながらたった今お買い物フラグをお使いフラグにうまく置換できた黒いののように、必ずどこかに抜け道ってのはあるもんだ。 お、しかも今回のは知人との再会フラグのおまけつきだったな。うひょーって言ってもいいぞ」 「何でだ」 俺の提案を拒否し、黒いのも霧の中へと歩き出す。やはり小娘時代よりも数段扱いがひどくなっている。 そのことには大いに不満があるが、他に特にすることもないので俺もその後に続いていく。 まあ、人生なんてこんなもんだ。 【E-5/森周辺/1日目・17 40】 【オーフェン】 [状態]:疲労。身体のあちこちに切り傷。 [装備]:牙の塔の紋章×2、スィリー [道具]:デイパック(支給品一式・パン4食分・水1000ml) [思考]:クリーオウの捜索。ゲームからの脱出。 0時にE-5小屋に移動。 (禁止エリアになっていた場合はC-5石段前、それもだめならB-5石段終点) 【ギギナ】 [状態]:上機嫌 [装備]:屠竜刀ネレトー、魂砕き(ソウルクラッシュ) [道具]:デイパック1(支給品一式・パン4食分・水1000ml) デイパック2(ヒルルカ、咒弾(生体強化系5発分、生体変化系5発分)) [思考]:クリーオウを見つけ次第保護。ヒルルカを守る。強者を捜し戦う。 0時にE-5小屋に移動。 (禁止エリアになっていた場合はC-5石段前、それもだめならB-5石段終点) ←BACK 目次へ(詳細版) NEXT→ 第458話 第459話 第460話 第454話 時系列順 第460話 第455話 ギギナ 第519話 第455話 オーフェン 第488話 第455話 ヒルルカ 第519話 第455話 スィリー 第488話
https://w.atwiki.jp/chaosdrama/pages/1744.html
熊の仮面をつけた人物「ヒュォォーーー………(暗い夜道から風とともに現れる) 」 レインド「……(スっとリンゴを降ろす)……ミシェル、またあったな…(仮面をかけた人物に) 」 熊の仮面をつけた人物→ミシェル「(仮面をゆっくりと外す)……ああ、また、だね。キミも夜の散歩か何かかな? 」 レインド「そんなんじゃないさ…ただ……月が紅いな…ってよ…(闇夜に紅く光る月を見てリンゴをかじる) 」 ミシェル「月が紅い…?……ああ、そうだね。キミの命日を飾るのにもってこいだね…。(月を見上げると同時に右手に刃を握る) 」 レインド「……一応予め言っておくよ…俺はまだお前と”も”友達だよ…(スッとライトセイバー化したクロリアーを抜剣し、片手に持っていたリンゴを握りつぶす) 」 奏「 ………(ミシェル達を見ていて) 」 ミシェル「――――――――ブワサッ…シュッ!!(ローブを巻き上げ、爆発的な脚力でレインドに向かって駆け出す) 」 レインド「ヅンッ!(同じく爆発的な脚力で、ついていた地面にクレーターが出来る勢いで駆け出し、ミシェルにクロリアーを振りかざす) 」 ミシェル「――――ッ(刃で受け止めようと試みるが、流石にクロリアーを受け止める事は出来ずに刃は折れ、ローブが切り裂かれる)……ボクにはキミたちの絶望が必要だ。チャキンッ……シュンッ!(日本刀を取り出し、再び駆け出す) 」 レインド「ブオンブオンブオン…(光線的な音がクロリアーから鳴り続ける)絶望か……そんなに欲しいならくれてやる……だが、その前に俺から、お前への四重奏(カルテット)を贈ろう!(駆け出して来たミシェルに蹴りをいれる) 」 ミシェル「ありがとう、でも結構だよ。(いつの間にか背後に移動していて背中を一閃) 」 奏「 ………(懐からパイナップルを取り出して じっと見つめ) 」 クレッペ「(レインド達を眺めながら、小刀を研いでいる) …ブツブツ 」 レインド「なっ!?(気を探りとって瞬間移動で間一髪避ける)こ、こいつ…速さはモララーと同等かもしれない…!(クロリアーを両手で握り構える) 」 ミシェル「(両手を前に突きだし、猫背になってふらふらし始める)………黒帝…。(某神族が使用していた技を発動し、姿が一瞬にして消える) 」 俊「(走ってくる)レインド・・・ゼェゼェ・・・俺も・・・ゼェゼェ加勢すべきか?・・・ゼェゼェ。(バテてる) 」 龍翔「クレアさんも大注目の戦いだ…見とかないとどやされちまうよ(冷汗をかきつつレインドとミシェルの戦いを見てる) 」 レインド「くっ…瞬間移動を多様できないのが難点だな……(ギュッと柄を持ち、歯を食いしばる)……(目を閉じ、精神統一) この戦い、俺に任せてくれ…… 」 ……ズシャッ…!(レインドの周辺にある大木に切り傷ができる) 俊「わかった・・・ゼェゼェ、ただし・・・無茶はすんな・・・ゼェゼェ、無理だと感じたら・・・ゼェゼェ・・・交代する・・・ゼェゼェ。(超バテてる) 」 ……ズシャッ!!……ズシャッ、シャッ!!(レインドの周辺であらゆる物が無差別に斬り裂かれていく) ミシェル「――――――(0.1秒の世界でレインドの周辺を移動している。それも日本刀を振り回しながら) 」 クレッペ「…誰も、介入は許されない、か…あの方の戦い… 」 龍翔「ダッ(斬り裂かれてる周辺からダッシュで逃げる)無理無理死ぬ死ぬ絶対死ぬ 」 レインド「……ピクリ!(気を感じ取ったか、真後ろに逆袈裟斬り) 」 奏「 ………(涙を必死に堪えているような様子で 二人の戦いをただただ見続けている…) 」 ミシェル「―――――!つあっ…!(切り裂かれると同時に姿を現す) 」 龍翔「俺はなんの力もないただの人間なんですよ…いくらクレアさんの頼みでもこれは…!(戦いをちらちらと見て) 」 レインド「…ミシェル…ミィィィシェェェェェルーーーーーー!(ミシェルの名を叫びながらクロリアーを上に構えて駆け出す) 」 フィリア「……(ミシェル達の戦いを観る) 」 ミシェル「チィッ…本当、つくづく思い知らされるよ、キミにはああぁぁッ!!(こちらも駆け出すが……) 」 黒髪の青年「――――――!!(何者かがレインドとミシェルの間に割り込む) 」 レインド「――ッ!?(クロリアーと同時に体の動きをピタリと止める) 」 ミシェル「――――!(青年を見て足を止める) 」 黒髪の青年「盛り上がっているところ申し訳ないけど………ゲームはもう終わりだ。ね…?(ミシェルに) 」 ミシェル「……誰。邪魔なんだけど…。 」 レインド「……(クロリアーはとめているものの、構えたまま) 」 黒髪の青年「……。(やれやれとでも言いたげそうな顔で俯き、その瞬間、ミシェルの顔面を思いっきり殴りつける) 」 ミシェル「な――――あぐっ…!?(吹っ飛ぶ) 」 黒髪の青年→ミシェル「(ポケットからピエロ帽子を抜き出して頭に被る)……ボクが誰かって?…ボクはミシェル、この世界にたった一人しかいない――――ミシェル・ザ・ノンボーレだ。 」 レインド「…おかえり…友よ…(クロリアーを降ろし、空気を一斬りしてクロリアーを消す) 」 ミシェル「あいてて……やっぱ無理しない方がよかったかな…。(左手に包帯を巻いている)ああ、ただいま…♪ 」 ミシェル(?)「―――――――ッ!!? 」 奏「……!! (ミシェル以下略を見て) 」 ミシェル「 ハハッ…♪何をそんなに驚いているのかな?うん?………。(もう一人のミシェルを見つめ) 」 ディーヴ「 あれ、ミシェルが二人もいる………ってかなで、あんたらしくないわよ、どうしたの? 」 フィリア「 あれは……真なる神、天空神ミシェル…!?(驚く) 」 ミシェル(?)「そんな……な、何で……。(唖然) 」 奏 「 ……あたしらしい……… あたしらしいって…なんなの………(ディーヴに) 」 レインド「…まぁ…俺は最初から気づいてたぞ!ミシェルがこんなやつな訳ないしな!(← 」 クレッペ「わけが、わけがわからんぞぉ! 」 ミシェル(?)「……!い、いや…違うね。キミは偽物だ。何者かが創り出した、真っ赤な偽物…レプリカのようなものだ…!!ボクがミシェルだ…!! 」 ディーヴ「 何がなんだか状況が理解できないけど、ミシェルはミシェルよっ!キャー!ミシェルサーン!! ・・・・えっとねー・・(汗)(かなでの反応に困ってしまう) 」 龍翔「アレは偽物だったか…これだけ報告できれば怒られないだろ どうにでも治せるようには出来ると思いますけどね…なんせこの世界は常識が無いからなァ…(溜息をつく) 」 奏「 …っ……(ミシェル?を見ながら 拳が強く握り締められていて震えている) 」 ミシェル「うんにゃ、キミはボクなんかじゃない。ボクは……ボクしかいない。いい加減、本性を現したらどうだい…? 」 レインド「往生際は悪い方…か…フフフ 」 浦橋龍助「どういうことだ・・・・ミシェルが二人だと!?・・・・。俺の親友(キルビス)を怪我させやがって・・・・ 」 ミシェル(?)「………はぁ…残念です。実に残念です。…後もう少しだったのに……残念です。ブワサッ!!(ローブを空にへと脱ぎ捨てる) 」 ミシェル(?)→アバラ「(ローブを脱ぎだすと、そこに立っていたのは……まさかの人物だった)…お久しぶりです、ミシェルさん、レインドさん。 」 レインド「…(予想はなにげなく的中か……だが性格等も全てまねるなんて…やるな…) 」 奏「………?(アバラを見て) 」 ミシェル「 ―――――!……そうか、キミ……だったんだね…。(表情一つ変えず) 」 アバラ「どうです?私の演技もなかなかの物でありましたでしょう。今度は口調も性格も、そっくりそのまま真似させていただきました。誠に申し訳ござ―――――ッ!?(突如殴られる) 」 フィリア「 ……!?……嘘でしょう?貴方は………(アバラに近づき) 」 ディーヴ「 えっとー、あたしが居なかった間に何が起きたの?(キョロキョロ) 」 奏「……?(みんなの反応を窺って) ………? 」 レインド「うぉー…いったそ… 」 アバラ「ははは……かっこ悪いところを、見られましたね…。(仰向けに倒れてフィリアに) 」 ミシェル「 (アバラの顔面を二度も殴った)……そんなことはどうだっていい…。許せないのは、皆を巻き込んだ事だよ…っ!! 」 奏「 ……誰…?(アバラを見てレインド達に) 」 アバラ「ああ、あれですか…。あれに関しては本当に申し分ないです。キルビスさんやレインドさんを殺して、絶望エネルギーを集めてくるという仕事を受けていたもので…。 」 レインド「…(腕組みをして様子をうかがう)殴られて当然か?俺もキルビス刺したことには腹立ててるからな… 」 フィリア「 (アバラに手を差し出し)………今からでも、きっとやり直せる筈です……(アバラに) 」 クレッペ「え、ええと…あれが確か…名の神… 」 ミシェル「 ……誰の差金だい?……T.T.か…? 」 アバラ「(起き上がる)……。(しかしそんなフィリアには目もくれず、ただ俯いたままだった) 」 牛の仮面をつけた人物「―――――ボクさ。(ミシェルたちに) 」 レインド「…おんや…この前の…(仮面に体を向ける) 」 ミシェル「 ……!(仮面の人を見る) 」 アバラ「ハッ……!(牛の仮面をつけた人物を見て) 」 フィリア「 ……。(無言) ……え?(牛をつけた人物を見る) 」 牛の仮面をつけた人物→ベガ「……そう、アバラ君をキミになりすませ、事件を起こさせたのも…部下を使ってキミを車で襲わせたのも、ボクだ。久しぶりだね。天空神さん、そして……この前の人。(レインドに)」 ミシェル 「 べ、ベガ…!?……なんで、何でそんな事を……。 」 レインド「……俺はレインドだ…(キッとベガに) 」 ベガ「ああ、失礼。レインド君だね。……何故かって、決まっている。全ては天空神ミシェル、キミへの復讐の為だ……! 」 フィリア「 ……今度は誰でしょう、次々と増えていきますね……(警戒) 」 レインド「…復讐…か…(腰にてをあてて)執念深いねぇ…… 」 ミシェル「 なっ―――――!?……そうか、あのギアの時の事……まだボクを恨んでいたんだね。 」 ベガ「あの時は本当、やられたよ。キミさえいなければ、ボクは今頃…この世界の頂点に立っていた。それがどうだい。地獄に落とされ…挙句の果てには狂った囚人共に舐められて、酷い仕打ちを受けたものさ。――――だからボクは、脱獄することと共に、キミへの復讐の計画を考えていたのさ。 」 ミシェル「 ………。(黙って聞いている) 」 クレッペ「れ、レインド様、一体これは…(西洋槍を背負ってレインドの後ろへ) 」 レインド「…(腕を組んで聞いている) クレッペ…神様は信じてるよな? 」 フィリア「 また、神との戦いですか………其程、憎まれてしまうだなんて…… 」 ベガ「車を使ってキミを襲わせたのは…アバラ君の能力を発揮させるためのものだった。キミが世間から姿を消せば、もう一人のミシェル、即ちアバラが自演を始めてくれるからね。これもキミに対しての復讐さ。けど、たった今…それは失敗に終えたようだね…。がっかりだよ…。 」 クレッペ「ええ…特に信仰は有りませんが、実在される…というのは 」 ミシェル「 それはよかったね。こっちは堪忍袋の緒が切れる寸前なんだけど。……キミだけは、絶対に許さないよ…。(ベガを睨む) 」 レインド「その神様達の…恐ろしい戦いってもんが今あるんだ…(クレッペに) 」 アバラ「……!(何か申し訳なさそうな表情になり…ふと、フィリアと目が合う) 」 ベガ「お言葉だけど、ボクには強力な助っ人がいる。……かつてはキミもお相手したことがあるだろう。――――――シリウス君だよ。 」 フィリア「 ……?(……どうしてアバラさんは手を組んだのかしら……?) 」 ミシェル「 ――――!シリウス……まさか…… 」 レインド「…シリウス……(少し組んでいた腕に力が入る) 」 クレッペ「…戦い、ですか。噂には聞いておりました、が… 」 レインド「まぁその噂は事実…恐ろしいってもんじゃないな 」 俊「(寝てた)ん・・・シリウス?あいつ確か逃げてたよな(レインドに) 」 ベガ「おや、キミも知っていたのか…レインド君。まあいい、いずれキミたちとはまた、何処かで会う事になるだろう。フフッ……行くよ、アバラ。作戦は失敗、撤退するよ。(牛の仮面をつけ、闇の夜道に消える) 」 アバラ「……(フィリア…さん……。)……!は、はい…。(追いかけるように去る) 」 フィリア「 ……………♪(アバラさんなら、絶対に今からでもやり直せるはずです……)(そう信じ、アバラに切ない様な、憂いを帯びている笑顔を送る) 」 レインド「……あっ!ま、まて――(ベガを追い掛けようとするも立ち止まる)……(頭を掻きながら立ち尽くし)あぁ。逃げてたな 」 ミシェル 「 ………。(完全に消えていくまで見送る)……はぁ……これで、一安心かな…。 」 フィリア「 ………。(心配そうに、アバラを見送る。) 」 レインド「……ミシェル…(振り返って) 」 ミシェル「 ……ん、なに…?(こちらも振り返る) 」 レインド「……おかえり――(微笑) 」 ミシェル 「 ……ただいま――(微笑み返す) 」
https://w.atwiki.jp/cutenasm/
SM、性欲、そして愛☆ @ Fantasy Earth Zero Access: - / - お知らせ HP、wikiでさくっと作成、まだ仮Verですにゃ^-^ 画像掲示板に関して、画像に編集しなきゃ!って方は、ここのフリーツールで☆ 画像☆BBS オシャレ画像や、おもしろ画像を^-^b
https://w.atwiki.jp/hourai2020s/pages/447.html
そしてもうひとつのはじまり トップ > SS置き場 ■星河空:遥の幼馴染であり、ライバルでもあるSS大尉。 イラストは らぬきの立ち絵保管庫 から ■天野遥:航空部と海洋冒険部に所属する飛行機バカ。彼女のティアを大切に大切にしている。 イラストは らぬきの立ち絵保管庫 から ■北大路ティア:もとはストクのAI。遥の想いによって肉体を得た。 イラストは らぬきの立ち絵保管庫 から その少女はあまりにも無防備に立ち尽くしていた。 南部密林のとば口、普通の生徒はあまり立ち寄らない場所。探検部員が装備を固めた上で、十分に注意を配りながら踏み込む場所のはず。 それなのに少女は通常の制服のまま、のんびりした表情で目を閉じている。 「おい、そんなところで何をしている?」 空は思わず声をかけた。 少女はぱちりと目を開くと、にこっと笑う。 「風が気持ちよくて、ちょっとのんびりしてました」 「は?」 空は一瞬唖然としてしまった。 「お前、ここがどこかわかってるのか?」 「ここって‥‥」 少女は子供のような所作でことんと首を傾げる。と、その表情が曇った。 「そう言えば、ここはどこなんでしょう?散歩してたらいつの間にかこんなところまで‥‥」 「はぁ?」 彼女の言葉は、完全に空の理解を超えていた。何を言ってるんだ、こいつは。 「いったいどうやって南部密林の入り口まで散歩できるんだ!」 「歩いてです」 平然と答える少女に、空はついかっとなった。 「お前、俺をからかってるのか!?」 「からかう?どうして?」 少女の表情は心底不思議そうで、空がなぜ怒ったのか本当に理解していないようだった。 「お前‥‥」 なんなんだ、こいつは?訳がわからない。入学したばかりの1年生だって、南部密林の危険さは教えられているはずだ。 「いいか、ここは南部密林のとば口だ」 「そうだったんですか!知らなかった。ありがとうございます」 少女はあくまで真面目に頭を下げる。本当に知らないのか? 「南部密林って何なのかわかってるのか?」 「いえ、知りません。南部密林‥‥南の、ジャングル?」 「そのままだろうが!」 思わず怒鳴ってしまった空は、額に手を当てて大きく息をついた。 「お前、1年生か?」 「いえ、2年です。2年癸卯組」 「2年生がなんで南部密林について知らないんだ」 「まだ教えてもらってないので」 「よくそれでこの学園で生きてこれたな」 空はため息をつきながら首を振る。この学園の常識をここまで知らないとは。 「どこから来たんだ?」 「日向荘です」 「ああ、新町の寮か。帰れるか?」 「道がわかりません」 一瞬もう放っておこうかと空は思った。が、ここまで何も知らない少女を放り出すのも気が咎める。 「‥‥学食横丁まで送って行ってやる。さすがにそこからなら帰れるだろう?」 「はい!ありがとうございます!」 学食横丁で路面電車を降りたとき、少女の表情がぱっと輝いた。 「あっ、ハルカ!」 「え?」 聞き覚えのある名前にぎょっとしたとき、ばたばたと1つの影が駆け寄ってきた。 「どこに行ってたんだよ、ティア!探したんだぞ!」 「ごめんなさい、ハルカ。道に迷って、この人に送ってもらったの」 「そうか。ありがとうございます‥‥って空!?」 「遥‥‥」 「どういうことなんだ!?」 男2人の声がそろった。 とりあえず、とあるカフェに入って情報交換することにした。 ティアのことは上陸しかかったストク配下のアンデッドからかろうじて逃げたところを遥に保護された女子生徒で、その恐怖から記憶があいまいになったとした。もちろんそこは、ティア自身とも口裏を合わせてある。 元は自意識を持ったAIが周辺の善意と統合し、エステルと接触したことでストクと対立する意志を持ち、さらに何らかの奇跡で肉体を持ってしまった存在など、軍事機密以外の何ものでもないし、誰に狙われるかわかったものではない。 ほいほいとSSにばらせるような情報ではない‥‥たとえそれが空であっても。 「‥‥で、自分の名前もわからなくなってるから俺がティアって名づけたんだ」 「ほぅ」 明らかに疑っている表情。それはそうだ。学防軍のカバーストーリーを鵜呑みにしてしまうようでは、SSで大尉になどなれないだろう。 カバーストーリーのほうもお粗末だ。遥がアンデッドの上陸阻止チームに入る意義などない。遥の腕ならば、ストク改に対応するのが当然だ。 しかもストク改への対抗戦力には、巨大化した副会長や普段学食横丁にたたずんでいる「T」の他に、見たことのない可変メカの存在すら報告されている。 執行部とは何かと縁の深い遥のことだ、その可変メカに乗っていたと考えるのが一番現実的だろう。 しかし空は、そのお粗末な作り話に敢えて乗ってやることにした。もっとも、少しいたずら心が動いたのも事実である。 「なるほど、それで助けられて恋に落ちたというわけか。王子様だな、遥。あ、いや、実際に大南帝国の皇子だったか」 「やめてくれ‥‥」 たちまち遥の表情がげんなりする。 大南帝国の皇位継承権を持っているのは事実だし、政治上「皇子」と名乗ったほうがうまくいくケースも何度もあった。 しかし彼自身はごく普通の家庭育ちであり、自分が「皇子」であることにはどうしてもくすぐったいような落ち着きのなさを覚える。違和感しかない。 「でも、ティアの王子様ではありたいな」 ぼそっと漏らした呟きはしかし聞こえていたらしく、空の失笑をかってしまった。 カフェを出た時点で、空は拠点に戻るつもりだった。しかし。 「私、空さんともっとお話ししたいな」 無垢な目で見つめられて、思わずたじたじとしてしまう。 「だってハルカのお友達なんでしょう?ハルカの小さい頃のお話、聞きたいです」 「小さい頃と言っても、俺と遥が会ったのはたった1日だけだぞ」 「それでも聞きたいです。私は何にも知らないんだもの」 見かねた遥が、 「俺が話すんじゃだめなのか?」 と口をはさむが、 「他の人から聞きたいの。物事はいろいろな角度から見なきゃだめだって輝美さんが言ってたし」 言われてみればもっともな理由で却下されてしまった。 「‥‥仕方ないな」 なぜかこの少女の言うことには逆らえない気がする。不思議に思いつつ、空はうなずいた。 公園のベンチに場所を移して、語り始める。 「あれは俺たちが7歳のころ。小学1年から2年になる春休みのことだった‥‥」 目を輝かせて聞き入るティア。 「‥‥ということがあって、俺と遥は友人になった。で、俺は引き取られた親戚がたまたまここのOBだったんで、ここに入学した。そして遥に再会したわけだ」 「ふぅん、そうだったんですか。じゃあ空さんはパイロットになるのはやめたの?」 「え?」 「だって、航空部に入ってないでしょ?私も航空部なのに空さんに会ったのはこれが初めてだから」 空は内心慌てた。自分がSSだと知られるのは避けたい。秘密保持という点でもそうだが、なぜかこの少女に知られたくない、敵視されたくないという気がしたのだ。 「別に航空部に限らないだろう。飛行委員会でだってパイロットにはなれるぞ」 助け船は意外なところから来た。 「遥‥‥」 「航空部だと軍用機に乗せられちゃうからな。卒業して就職するときのことを考えるとあまり向いてない」 「そっか。そうよね」 納得するティアの横で、にやりと笑ってみせる遥。明らかに「貸しイチな」と言っている表情である。 空は苦笑すると、 「まあそんなわけで遥との再会も遅くなった。この学園では所属してる団体が違うと、なかなか会えないからな」 「でもすごい確率ですね!子供の頃1回会っただけの相手に、この学園の10万人以上の中からまた会えたなんて!いいなぁ」 少し遠い目をするティア。ストクの贄とされた40,000の姉妹たちに想いを馳せているのだろうか。 そんなティアの肩を抱き寄せる遥に、空はなんとなく面白くないものを感じた。 「おい、見せつけるなよ」 ことさらに冗談がましく言うと、遥の顔がさっと真っ赤になった。 「あ、いや、その、何と言うか‥‥」 「さては俺の存在を忘れてたな?」 「そ、そんなことは!‥‥あったかもな」 「許さん!」 ふざけてボディにパンチのふり。遥もそれに合わせて、大げさに苦しむふりをする。 楽しそうに笑うティアの姿が、なぜか空にはとてもまぶしく見えた。 第一印象は、変な奴。 その次は手のかかる面倒な奴。 そしてその次は‥‥ 空は自室で目を閉じた。なぜか無邪気に笑う少女の顔が頭から離れない。 純真。無邪気。無垢。そういった自分がどこかに置き去ってきたものを、彼女はすべて持っているような気がする。 「北大路ティア、だったな」 写真がほしい。 そう思った空は、自らに驚いた。自分がそこまで誰かに興味を持つなんて。 誰かに会いたい、そう思ったのは幼い日の遥以来だ。そして今抱いている感情は確実にそのときのものとは違う。 「ふむ」 今、空は確かにティアに対してプラスの感情を抱いていた。 それが恋愛感情であるかは、自分でもわからない。これまで持ったことのない感情だから。 だが、もしそうであるならば。 「遥は二重の意味でライバルになるわけか。これもまた奇遇なことだ」