約 471,030 件
https://w.atwiki.jp/nekomimi-mirror/pages/591.html
せんせいのうそつき 最終更新日 : 2011年03月10日16時24分58秒 【作者】 : 999 【舞台】 : ネコの国? 【作風】 : ぬるい 【注意】 : 百合 =話数= ________簡易解説や補足________ =文量= 01話 せんせい×チヨコ(百合) 「せんせいのうそつき」 9kb 02話 非エロ 「せんせいのわすれんぼ」 3kb 03話 非エロ 「せんせいと身の上話をするウエダ(仮)」 5kb 04話 せんせい×チヨコ(百合) 「せんせいと変なテンションとチヨコ」 7kb 05話 非エロ 「せんせい!節分ですよ!」 5kb 06話 「せんせいは風呂にはいれない」 5kb 07話 非エロ 「せんせい・・・にめざめそう」 9kb メイン登場人物 一行紹介せんせい…オセロット♀。開業医(外科)。ヒマ。 チヨコ…ヒト♀。右脚欠損。神経が図太いところがある。 ウエダ(仮)…ネコ♂。チヨコの飼い主。せんせいに敵対視されている。 < あらすじ > ある日、開業医のオセロット・センセイは満身創痍のメスヒト・チヨコを拾う。 このまま二人で暮らして行くだろうと思っていたところに、チヨコの飼い主と名乗るネコがやってきて――
https://w.atwiki.jp/dq_dictionary_2han/pages/4269.html
概要 トルネコ2、3に登場するアイテム。 中に入れたものがランダムで名前だけ変化する効果があり、【へんげの壺】と間違えやすい。 二度覗いてみて、入れたものの名前が変わっていたらうそつきの壺だ。 名前が変わるだけで取り出したときは元のアイテムのままなので、実害はない。 【保存の壺】代わりに利用してもいいのだが、中に何を入れたのか忘れやすいので注意。 トルネコ2 【もっと不思議のダンジョン】の店でしか入手できないレアアイテム。 PS版では買値2500、売値1500なので【値切りの指輪】を利用すれば250ゴールドずつ稼ぐことも可能。 店売り専門で、しかもPS・GBA共に変化の壺と値段がまったく異なるので、 もともと微妙だった「変化の壺と間違える」というリスクすら無いも同然である。 存在意義が限りなく希薄な不遇アイテム。 トルネコ3 【異世界の迷宮】の床落ちか店で入手できる、やはり若干レアなアイテム。 買値10000、売値2000と妙に値が張る。 今作は微妙に仕様が変わり、特定のアイテムの名前しか表示されないようになった。 当然未識別名はアイテムに対応しているので、これを利用して未識別アイテムの絞り込みが可能になった。 例えば、うそつきの壺に表示される全草10種の一つに世界樹の葉があるのだが、 ひたすら覗きまくって未識別名10種をメモし、それ以外の未識別名は世界樹じゃない事が確定できるのである。
https://w.atwiki.jp/pleasealloy/pages/15.html
うそつきのパズル その2 黒猫白猫のパズルに続いて、うそつきの問題をもう一つ史上最強の論理パズルから引用してみます。 うそつき鳥、正直鳥 ここに2羽のカラス(AとB)がいます。それぞれミヤマガラスかワタリガラスです(ミヤマガラスはいないかもしれませんし、ワタリガラスはいないかもしれません)。一方の種(ミヤマガラスかワタリガラスかは不明)のカラスは常にウソをつき他方の種のカラスは常に真実を述べます。 Aが「私はミヤマガラスです」と言いました。Bが言ったのは「私はミヤマガラスです」「私はワタリガラスです」のどちらでしょう? という問題です。 カラスの定義 まず、カラス(鳥としますが)がいて、それは何らかの種類に結びついていることを示します。 abstract sig Bird { kind Kind } カラスは、AとBを1羽ずつ、計2羽だけを考えます。 one sig A, B extends Bird {} カラスの種類はミヤマ、ワタリのどちらかです。 enum Kind {ミヤマ, ワタリ} そのうちどちらか一方はうそつきです。 one sig うそつき in Kind {} ここで、黒猫白猫で出てきた、「両含意」が登場します。 もしAがうそつきでないならAはミヤマガラスです AがミヤマガラスならばAはうそつきでない の両方を一度に表現できるのが両含意( = )です。 fact { not A.kind in うそつき = A.kind = ミヤマ } 最後に、今のところのお約束をつけます。 pred show {} run show 実行結果 これを実行すると、Alloyは四つの解を提示してくれます。 まずは一つ目。 Aはワタリガラスで、Bがミヤマガラス。うそつきはワタリガラスの方で、Bは正直ですから「私はミヤマガラスです」と言うことでしょう。 ウィンドウの上の「Next」をクリックすると、別の解がある場合にそれを表示してくれます。 AもBもワタリガラスで、うそつきはワタリガラスです。BはAと同じうそつきですから「私はミヤマガラスです」と言うでしょう。 AもBもミヤマガラスで、両方とも正直者です。やはりBは「私はミヤマガラスです」と言うでしょう。 Aがミヤマガラスで、Bがワタリガラス。うそつきはワタリガラスの方で、BはうそつきですからBは「私はミヤマガラスです」と言うはずです。 もう一度ウィンドウの上の「Next」をクリックすると、次のようなダイアログが表示されます。。 「もう他に解は見つからなかった」ということを言っています。 結論 というわけで、見つかった四つの解全てで、Bは「ミヤマガラスです」と答えることになっていました。これが解ということです。 「なんかすっきりしない。」もっとこう、一発で「Bはミヤマガラス!」という解が一つだけ表示されるような方法はないものなのか、と思われるかもしれません。僕も思っています。 僕もまだ勉強中なので、もっといい方法があるかもしれません。思いついたり見つかったりしたら、またここで公開します。 ただ、一番大切なのは、このように 論理的に解を示すこと その解に至った方法をきっちり提示できること なのです。Alloyはそのソースを提示することで、なぜその解が出てきたことを100%提示できますし、他の人にそれを検証してもらうこともできます。大切なのはそこなのです。 全ソース abstract sig Bird { kind Kind } one sig A, B extends Bird {} enum Kind {ミヤマ, ワタリ} one sig うそつき in Kind {} fact { not A.kind in うそつき = A.kind = ミヤマ } pred show {} run show (文責:片山 功士) 今日: - 人 昨日: - 人 トータル: - 人
https://w.atwiki.jp/pleasealloy/pages/14.html
うそつきのパズル ブルーバックスのパズル本は論理パズルの良書が多く楽しませてくれます。今回はその内の一冊史上最強の論理パズルからの問題を取り上げてみます。 黒猫と白猫 リナ、カナ、ハルナのうち二人は黒猫を飼っています。また二人は白猫を飼っています。黒猫も白猫も飼っていない者はいません。 黒猫を飼っている者は必ずウソをつきますが、黒猫を飼っていない者が真実を述べるとは限りません。 リナ「カナは白猫を飼っています」 カナ「ハルナは白猫を飼っています」 さて、誰が何を飼っているのでしょう? という問題です。よくある「うそつき」の典型的な問題ですが「真実を述べるとは限らない」のあたりがちょっと目新しいかもしれません。 これをAlloyにかけていきましょう。 人とネコに関する状況の記述 まず、白猫と黒猫を飼っている人、というものを定義します。 abstract sig Owner { black lone BlackCat, white lone WhiteCat } loneは「BlackCatの数は0か1」という条件を意味しています。 one sig リナ, カナ, ハルナ extends Owner {} sig うそつき in Owner {} 1行めで3人のオーナーの定義をしてから、2行目でOwnerの中に(何人か分からないが)うそつきがいる、という定義をしています。 sig BlackCat {} sig WhiteCat {} この2行は、黒猫と白猫の定義ですが、名前など特に付けず「そんなのがいる」程度の定義になっています。 人とネコの間に成り立つべき関係(事実)を定義する factに続いて、問題文を見ながら条件を追加していきます。 黒猫は2匹、白猫は2匹 #Owner.black = 2 #Owner.white = 2 #Owner.blackは、全てのオーナーのblackを寄せ集めたものの要素数を表します。つまり、全部の黒猫の数が2であることをこれで示しています。パズルの趣旨としてはネコの数が問われているわけではないのですが、パズルの本質とはあまり関係がないので、ここでは一人が黒猫を複数飼うことは考えていません。白猫についても同様です。 all a Owner | #a.(black + white) 0 この1行で定義しているのはどのオーナーを一人選んでも、そのオーナーが飼っている黒猫と白猫の数(#)は0より多いこと、つまり「黒猫も白猫も飼っていない人はいない」ことを指しています。 no disj a, b Owner | a.black = b.black no disj a, b Owner | a.white = b.white これは問題文には出てきていないのですが、同じ黒猫を複数のオーナーが共有してしまっては困るので、それを禁止するためのものです。つまり「二人の異なるオーナー(これをa,bとする)を選んだとき、aの黒猫とbの黒猫が同じであることはない」ということを語っています。白猫についても同様です。 no c BlackCat | not c in Owner.black no c WhiteCat | not c in Owner.white そしてこの2行もパズルの本文に語られていませんが、どの黒猫を一つ選んでも、それが誰かの飼い黒猫でない、ということはない」、つまり、どの黒猫もだれかに所有されている、ということを示しています。白猫も同様。 うそつきの定義 いよいよ「うそつき」についての記述をします。 all a Owner | a.black != none = a in うそつき これが意味するのは「すべてのオーナー(これをaとすると)について、aが飼っている黒猫がnoneでない、つまりaが黒猫を飼っている「ならば」aはうそつきの集団に含まれる」ということになります。 ここで、見慣れない記号「 = 」が出てきました。この記号は「両含意」という、とても便利なものなのですが、Alloyの本をみてもあまり強く触れられておらず、「サラッ」と流されていることが多いので、ちょっとここで語ってみます。 「含意」 ただし、「両含意」の前に、どうしても「含意」について学ぶ必要があります。 これを呼んでいる人の多くは、おそらく高校で一度は論理学の初歩を習っているはずです。「ド・モルガンの定理」が出てきて、ベン図を書いたりしていたやつです。その中で「ならば」という記号があったのを覚えているでしょうか。A→B(AならばB)というやつです。 人間ならば、死ぬ という、「前者が成り立っているなら、後者は必ず成り立つ。前者が成り立っているのに後者が成り立っていないのはおかしい」と言えるような関係が「含意」です。 このAならばBという言葉の(ならば)にあたる関係を「含意」と呼び、Alloyでは(= )という記号で表します。 この「含意」は一見分かりやすいのですが、使用にあたって重大な注意点があります。「前者が成り立っていない場合については特に何も言っていない」ということです。 例えば、お母さんが子供に 「勉強したら、おやつをたべていいよ」 と言った場合、当然「勉強しなければおやつはダメ」という意味を含むわけですが、論理学で言うところの「ならば」は、勉強をしなかった場合は「おやつは食べても食べなくてもいい」という意味になります。 「そんな理不尽な」と思うかもしれませんが、これが論理学の厳密さなので気をつけてください。 そんな訳なので、「黒猫を飼っているなら、うそつき」という文をAlloyに伝えるには、通常の「含意」ではまずいわけです。「含意」で書いてしまうと「黒猫を飼っているならうそつきだけど、飼っていない人はうそつきかもしれないし、うそつきでないかもしれない」という意味になってしまうからです。 両含意 ここで登場するのが「両含意」です。 おやつのケースで言うと、結局お母さんが言いたかったのは 勉強したならば、おやつをたべていい 勉強しないならば、おやつを食べてはいけない という、二つのことなわけです。これを二つの条件を並べて書いてもいいのですが、二つ目の条件をよく見てください。 「勉強しないならば、おやつを食べてはいけない」 ところで「対偶」って覚えていますか?うっすらと思い出しませんか?「AならばB」が成り立つなら「BでないならばAでない」も必ず成り立つ、という関係を「対偶」と呼んでいませんでしたっけ? この「勉強しないならば、おやつを食べてはいけない」の対偶は「おやつをたべていいならば、勉強した」となりますが、これは、一つ目の「勉強したならば、おやつをたべていい」の左右をひっくり返したものになっています。 つまり、お母さんが言っていたのは 勉強した = おやつをたべていい(前半) 勉強した = おやつをたべていい(後半の対偶) という意味なのです。 この両方をひっくるめた表現が 勉強した = おやつをたべていい というもので、ここで出てきた、右向きの「ならば」と左向きの「ならば」を足した記号が「両含意」という訳なのです。 これで分かるように、日常会話で使われる「ならば」の多くは「含意(= )」ではなく「両含意( = )」の方になります。長くなってしまいましたが、「うそつきの定義」で両含意の記号を使っているのはそういう理由なのです。 ちなみに、両含意は( = )という記号を使う変わりに、iffという単語を使って all a Owner | a.black != none iff a in うそつき と書くこともできます。ネット上のサンプルもこう書いているものが多いようです。が、僕は( = )という表現のほうが「両含意」という言葉の意味をよく表していて好きです。 発言の記述 最後に、リナとカナの発言を記述します。 リナが言っているのは「カナが白猫を飼っている」と言うことなので、リナがうそつきなら、カナは白猫を飼っていないことになります。リナがうそつきでない(黒猫を飼っていない)場合は、真実をいうとは限らない(ウソであるとも限らない)訳ですから、うそつきでない場合は何も語っていないのと同じなわけですから、何でもいいわけです。ということで、 リナ in うそつき = カナ.white = none と書くことができます。リナがうそつきなら、カナは白猫を飼っていない。リナがうそつきでないなら、カナは白猫を飼っていても飼っていなくてもかまわない。これは図らずも「含意」で見た「理不尽な方」と同じになっていますから、「= 」を使って記述できます。 カナについても同様です。カナがうそつきなら、ハルナは白猫を飼っていないし、そうでないなら、ハルナは白猫を飼っているか飼っていないかわからないのです。 カナ in うそつき = ハルナ.white = none 両含意を(iff)と書くことができるのと同じように、含意も(implies)という単語を使って カナ in うそつき implies ハルナ.white = none と書いてもかまいません。が、僕は(= )のほうがしっくりきますね。ただ「iff」や「implies」といった表現も覚えておかないと、人が書いたAlloyのソースを読むことができませんので、押さえておきましょう。 最後に pred show {} run show 「以上を満たすものを見せてちょうだい!!」という命令をこのように記述します。 実行結果 カナとハルナがうそつきで黒猫を飼っており、白猫はカナとリナが飼っている(カナは両方飼っている)ということが明らかになりました。 全ソース abstract sig Owner { black lone BlackCat, white lone WhiteCat } one sig リナ, カナ, ハルナ extends Owner {} sig うそつき in Owner {} sig BlackCat {} sig WhiteCat {} fact { #Owner.black = 2 #Owner.white = 2 all a Owner | #a.(black + white) 0 no disj a, b Owner | a.black = b.black no disj a, b Owner | a.white = b.white no c BlackCat | not c in Owner.black no c WhiteCat | not c in Owner.white } fact { all a Owner | a.black != none = a in うそつき } fact { リナ in うそつき = カナ.white = none カナ in うそつき = ハルナ.white = none } pred show {} run show (文責:片山 功士) 今日: - 人 昨日: - 人 トータル: - 人
https://w.atwiki.jp/vocaloidchly/pages/313.html
作詞:若干P 作曲:若干P 編曲:若干P 歌: 初音ミク 翻譯:油子 うそつきでもすき (是個騙子還是喜歡你) 我們將謊話 全部接連在一起 像黏土般 遊玩著 那是因為我們 無論如何都想成為 想要的東西的形式 2個人一起笑了 一起破壞掉它的話 指尖就會顫抖 "真快樂呢" 從你的口中說出 在這塊土中所沾染上的東西是無法再次得到 你明明就很清楚這點的 你所編的那些謊言 你將那些謊言重疊 不溫柔也不過份 我和世界和齒輪 只是用戲弄的 把舌頭伸出一般 將那些謊言 變成大騙子 但還是喜歡 大騙子 但還是喜歡你 "無法再見面了"那離去的雙手 在最後一點點地將指尖碰觸 太過於老實的晚霞 被陽光照耀著 被看穿一般 你所編的那些謊言 你將那些謊言重疊 不溫柔也不過份 我和世界和齒輪 只是用戲弄的 把舌頭伸出一般 將那些謊言 變成大騙子 但還是喜歡 大騙子 但還是喜歡你 是個騙子 還是喜歡你
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/6266.html
【検索用 うそつき 登録タグ 2009年 U-ske VOCALOID う 初音ミク 動画削除済み 曲 曲あ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:U-ske 作曲:U-ske 編曲:U-ske 唄:初音ミク 曲紹介 曲名:『うそつき』 見え透いた嘘はつながりあいたい口実。(作者コメ転載) ボーマス9にてリリースするボーカロイドアルバム『MUSIC LIFE』収録曲。 歌詞 その話聞かせて 私も好きなんだ 気が合うね ああ 本当は知らないことだけど 君の気を引きたい 見え透いた嘘 その言葉も つながりあってたい口実 なんてね Darlin' モノクロ世界が君の瞳でカラフルだ 大げさかな でもそんな感じ 視線の先には君がいるから ちらり 気付かれたかな 気が合うだけだよ 好きなんかじゃないって 強がり 見え透いた嘘 その言葉も つながりあってたい口実 なんてね Darlin' そんな駆け引きじゃ効果は低いみたい どうして何が足りないの? カラフルな世界は見えすぎて困るんだ 私の汚い部分も モノクロ世界が君の瞳でカラフルだ 大げさかな でもそんな感じ 視線の先には君がいるから ちらり 気付かれたかな コメント 良曲 -- 名無しさん (2009-08-20 21 25 44) 凄く好きだ!ミク可愛いww -- 名無しさん (2010-02-22 16 05 25) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/jewelry_maiden/pages/392.html
帰りが遅くなるのはよくあることだ。時刻は午前1時……くそっ、アホの後輩がヘマさえしなければ……。 「ただいまー……」 案の定、うちの食客二人はすでに就寝済みだろう。しかし、真っ暗な家に帰るというのはどうもいい気分ではない。不気味だし、寒々しいし。 ……文句を言っても始まらない。とっとと飯食って寝てしまおう。もちろん晩飯はコンビニ弁当。最近のは美味しくなったが、家で作ってもらう飯に比べたら味気ない。コンビニ主食時代には分からなかったことだ。 廊下を抜け、居間の明かりを点ける……あれ? 「珊瑚?」 テーブルがピンク色の塊に覆われていて一瞬驚いたが……何とも珍しい、珊瑚がテーブルに突っ伏して居眠りをしていた。人形だから風邪を引くことはないだろうが、珊瑚は意外と薄手のドレスのためか、寒そうに見えて 仕方ない。見てるこちらも背中に寒気が……。 「何やってるんだか……おい、起きろー」 珊瑚のかたわらに座り、彼女の肩を揺する。髪の毛に隠れていた横顔が、その姿を現す……。 「ん……ぅ」 ……可愛い寝顔だった。というか、珊瑚ってこんな子供っぽい顔して寝てるんだな。少し意外だ。 それにしても目を覚ます気配はない。まぁ、眺めていて悪くない光景なので、放っておいてもいいのだが……。 「……うりうり」 こういう顔を見ると、イタズラをしてみたくなるのが世の常。とりあえず頬をつんつんしてみる。 「むぅ……主ぃ、やめろぉ……」 夢の中でも俺が何かやっているようだ。しかし寝言とはな。これは明日が楽しみだな。 「おりゃー」 「ぅー……」 おぉ、よく伸びる頬だな。 「けっこう楽しいなぁ」 「……っ」 のど元をくすぐってみると、今度はくすぐったそうに体を一瞬震わせる。よし、次は何を……そう思ったとき、今度は俺の腹が盛大に鳴り響いた。とりあえず飯を食おう、うん。 俺が隣で飯を食っている間、結局珊瑚が目覚めることはなかった。よくこんな明るい場所で寝てられるな……さすがに少し感心してしまう。 だがこのまま放置しておくわけにもいかない。とりあえず起こすなりなんなりしてちゃんと寝かせてやらなければ……。 「主ぃ……いい加減に……しろぉ」 また寝言。しかも夢の中の俺は何をやっているんだか。 「顔……近いぞぉ……主ぃ……」 キスでもしようとしてるのか、夢の中の俺は。つーか、先の一件以来俺は変人扱いですか、そうですか。なんか悔しいぞ。 「ダメ、だぁ……んぅ……」 ……なんだ? 「んー……ぅ」 ……なんで、俺こんなに悶々としてるんだ? 「ある、じ……んぅ……」 ……たかが寝言で、何でだ? だがその寝言が止まり、部屋を珊瑚の寝息だけが包む。横目で再び珊瑚の寝顔を見つめる……先ほどと変化のない、実に可愛いというか萌えというか、そんな寝顔。 「……くそっ!」 自分の頬に平手を放つ。 今、俺は確かに自分の顔を珊瑚の顔に近づけていた。馬鹿野郎、そんなことやっていいわけないだろ。そんな卑怯なこと……アニメみたいに直前で目ぇ覚ましたら、俺本気で殺されるだろうが! そんなアホな死に方まっぴら御免だ!! 「珊瑚っ、起きろー。ちゃんと自分の寝床で寝ろっ」 先ほどよりも強く、珊瑚の肩を揺する。 「ん……主?」 「目、覚めたか?」 「あぁ……んぅ、こんな時間か」 時計を横目に、珊瑚が呟く。 「いつ帰ったのだ?」 「1時ごろ」 「……それからずっと、ここにいたのか?」 「飯食ってたからな」 「そうか……寝顔、見られたのか」 予想通り、珊瑚の顔が赤くなる。だがここで煽ってはいけない、命が惜しければ……。 「何も、しなかったか?」 「お前は俺を何だと思ってるんだ……」 「変人の気がある主だ」 「……何もしてねぇよ!」 なんだかすごく悔しかった。確かにイタズラは少しだけしたが。こんなことならキスの一つや二つ……いやいや、やめておこう。 しかし何だ? さっきからこっちをちらちらと……。 「……主は、嘘つきだ」 「え……?」 やべ、イタズラしたのバレてたのかっ。 「……何でもない。主、ちゃんと寝るように。おやすみ」 手刀の一発が来るかと思ったが、なぜか珊瑚は顔を赤らめたまま居間から出て行ってしまう。何なんだか……まぁ、あいつのチョップ痛いからな、何ごともないのはいいことだ。少々腑に落ちないけど。 「んー……おやすみぐらい顔見て言えよー。おやすみ」 とりあえず、ドアの向こうにいるであろう珊瑚に、それだけは告げておいた。 「……あれだけ顔を近づけておいて……それなら、最初から何もするな」
https://w.atwiki.jp/seigeki/pages/798.html
うそつきの集会 店員 高木(たかぎ) 都築(つづき) (ドアベルが鳴る) 店員01「あ――いらっしゃいませー、こんにちはー」 高木01「こ、こんにちは」 店員02「……お一人ですか?」 高木02「は、はい」 店員03「空いているお席にどうぞ」 高木03「は、はい。どうも」 都築01「あ、高木だ」 高木04「えっ……あ」 都築02「一人なんだ。ここ、座らない?」 高木05「え、その……」 都築03「……誰かと待ち合わせだった?」 高木06「ち、違う、けど」 都築04「そっか」 高木07「し、失礼します……?」 都築05「どうぞー」 店員04「お水です」 高木08「ど、どうも、いただきます……(飲む)」 店員05「今日は外暑いですねー」 高木09「は、はい」 店員06「……ご注文はお決まりになりましたか?」 高木10「あ、え、その……」 都築06「高木、お昼ご飯食べた?」 高木11「え、まだ」 都築07「ここのカレー美味しいよ」 高木12「え……」 店員07「今日のカレーはビーフとポークとございますが」 高木13「ビ、ビーフでお願いします」 店員08「かしこまりました」 都築08「ここの、本格カレーだからちょっと辛いかも」 高木14「あ、辛いのは、平気」 都築09「よかった」 高木15「あの、都築は……」 都築10「何?」 高木16「……昼、食べた?」 都築11「まだ。……今日、金ないんだ。コーヒーだけで飛んじゃった」 高木17「……足りんの?」 都築12「昼、食べないから」 高木18「そ、そう」 店員09「お待たせしましたー。ビーフカレーです」 都築13「は、はい、どうも」 店員10「ごゆっくりどうぞー」 都築14「(笑う)……高木、おかしい」 高木19「な、何?」 都築15「高木、客なのに店の人よりペコペコしてるんだもん、おかしい」 高木20「……うるさい」 都築16「ごめん、ごめん……(笑う)」 高木21「(カレーもぐもぐ)」 都築17「高木さ」 高木22「んー?」 都築18「学校ずる休みするの、初めて?」 高木23「……なんで」 都築19「んー……慣れてない感じがした」 高木24「ウチ、外で食べたりとか、あんまりないから」 都築20「そうなんだ。この辺、美味しいお店多いのに、もったいない」 高木25「ここら辺、そんなに店あったっけ」 都築21「あー……昼しか開いてないかも」 高木26「……都築、さ」 都築22「何?」 高木27「昨日、風邪で休んだって本当?」 都築23「休んだよ。今日も、病院の帰り」 高木28「え……そ、そうなんだ」 都築24「そうだよ。高木もそうなんだよね?」 高木29「……え」 都築25「えって……さっきそういう話しなかったっけ?」 高木30「さっき?……したっけ?」 都築26「したよ」 (ドアベルの音) 店員11「ありがとうございましたー」 都築27「あそこ、コーヒー一杯でずっと居られるんだ」 高木31「そうなんだ」 都築28「マスターやる気ないから」 高木32「あー……入ってから、ずーっと甲子園見てた」 都築29「応援してるみたい」 高木33「どの学校?」 都築30「知らない、話したことないから」 高木34「そ、そうなんだ」 都築31「高木、家帰る?」 高木35「え……まだ」 都築32「ウチ遊びに来ない? ゲームやろうよ」 高木36「……いいの?」 都築33「うん、昼は誰もいないから」 (以下、フェードアウト) 高木37「『天使城エンジェラ』ある?」 都築34「あるけど 難しいよね、あれ」 高木38「教えるよ」 都築35「おお、高木大先生ー」 高木39「何それ」
https://w.atwiki.jp/schwarze-katze/pages/562.html
せんせいのうそつき ある朝、表にでたならばメスヒトが捨てられていた。 私の診療所の玄関に捨てられたメスヒトは、ぼろ布をひっかけ右足が潰れ体中まだら模様だった。それでもまだ息をしているようだったので、感心したものだ。医療に携わる者として私はそのメスヒトを回収した。 メスヒトの右足は駄目だった。腹部の内出血は色濃かったが、腫れた箇所はなかった。四肢にも内出血があり、こちらは腫れた部分もあり骨が折れているようだった。首から上がほぼ無傷のことから、捨てられるまでのこのヒトの扱いが見て取れる。すべての処置が終わった頃には二つの月が天頂に昇っていた。 処置後二週間以上、メスヒトは発熱していた。ヒトは本当に壊れやすいようだ。 様々な種族を切ったり縫ったりしたくて猫の国に来たのに私の診療所は客が少ない。 メスヒトが意識を取り戻したとき、私はケンカで耳を切った猫を処置していた。ムリヤリだったが久しぶりに縫えて私は満足していた。アガリに猫の耳を消毒しているとドタン!と物が落ちる音がし、音の方向を窺っているうちにその猫には逃げられた。 音の正体はメスヒトで、それは床にはいつくばってうめいていた。 メスヒトをベッドへ抱き上げる。拾ったときよりメスヒトは軽い。食事を与えていたが、やはり痩せた。無抵抗なメスヒトに白湯と鎮痛剤を与える。メスヒトは瞳だけをうごかして私を見た。それはぎらぎらとしていた。 私は訊ねる。 「おまえはなにかできることがあるか?」 メスヒトは金勘定ができた。 落ちてくる前はそれで生活していたという。すごく計算がはやい。頭の中にソロバンという落ち物があるそうだ。私はそれをメスヒトの仕事にした。 メスヒトに任せると、間違いはなかったし、これは片足がなくても出来るものだったから。 右足を失くしてもメスヒトは嘆かなかった。 「まるで夢の中にいるようで…現実味がないんです」 微笑みながらメスヒトはそう言った。だから今まで生きてこられたのかもしれない、と思うとも。 故郷を飛び出した私もそれなりに苦労したが、同じメスでもヒトとオセロットでは全く比べようがない。 メスヒトは「チヨコ」という名前で、私を「先生」と呼んだ。 チヨコはよく働いた。 怪我が治らないうちはベッドから、治ってからは松葉杖をついて動き回った。 ふと、義肢は必要ないか?と訊ねたときチヨコは必要ないと首を振った。 私が往診と言う名の怪我人漁りにも付け耳を装着しヒョコヒョコと着いて来た。 私の尾のブラッシングも、患者の剃毛も器用にやった。 夢の中にいる、と言っただけあってチヨコはどこかぼうっとしたところがあったが、それでも私と暮らしていた。 チヨコが調理用の椅子について、私がその横に立つ。 ひとりの時より暮らしは少しきつくなったが、充足していた。 猫の青年をよく見かけるようになった。 以前に受診したという訳でもない見知らぬ裕福そうな青年だった。日を反射して輝く見事な毛並みは日々のブラッシングのたまものだろう。 窓越しに青年を眺めていると、横にいたチヨコが言った。 「あの人はサバトラですね」 わけがわからないとチヨコを見ると、すぐに模様のことだと返ってくる。 「先生のは梅花紋といって、お花の形の斑点のことです。先生の模様ははっきりしていてとてもきれい」 あのサバトラは不審者に違いあるまい。何もないような住宅地をキョロキョロと往復している。 ふと、チヨコを見る。チヨコは来客用のマグをじっと覗いている。 私の耳と同じ様な高さにある黒い付け耳にはなんの模様もない。ぶち模様にすればよかったなと見るたびに思う。 やはりサバトラの青年の目的はチヨコだった。 とうとうサバトラは―受診時間内に玄関から―診療所に侵入してきた。みなりは良かったが、真昼間から他人の家で女性を押し倒すさまは正直変質者以外の何者でもなかったので、相応の対処をさせてもらった。 手術刀を二本、点滴台を一本破損してしまったが仕方あるまい。 サバトラはチヨコが人間だと知っていて、その上前の飼い主だという。チヨコのことを「チョコ」と呼ぶことも、サバトラがチヨコを見る視線も気に喰わなかった。なによりチヨコを盗まれたというマヌケ加減に腹が立つ。 私がチヨコに暴行し捨てたのがおまえなのだな、と言えばサバトラはあわてて否定した。恐る恐るチヨコに訊けば、チヨコも否定した。サバトラのヒゲがほっとしたように動く。 いままで私が一度も訊ねなかったことを、チヨコは淡々と喋った。 落ちてきたときのこと。奴隷商からサバトラに売られたときのこと。サバトラの下から盗まれたときのこと。売春宿でのこと。捨てられたときのこと。 ポツポツと漏れる言葉のひとつひとつに反応するサバトラの尻尾。チヨコの話は不運なメスヒト奴隷のよくある話であったが、近しい者として本人から聞くのはつらい。 サバトラはチヨコを引き取りたいと連絡先を告げて、その日は帰った。 サバトラは毎日のようにチヨコを訪れた。 菓子やら花やら小さなプレゼントを持って訪れる青年はすぐに近所でうわさになった。 普段ならば近寄りもしない向こう隣の夫人まで診療所に来て、おたくの黒猫さんとどうなっているの?と私に直接尋ねにきたほどだ。 ボンボンそうな割に、サバトラは高価な貢物を持ってこなかったし、私に直接交渉することもなかった。 サバトラの執着はイヌ並みで、三人で茶を飲むだけの日々が続いた。 私は我慢比べが得意ではない。 チヨコとサバトラに告げた。サバトラは全身で喜びをあらわし、チヨコはやはりぼうっとしていた。 夜、最後になるだろうと思い、私とチヨコは一緒のベッドに入った。 互いに語るようなことはしなかったが、向き合って横になる。 チヨコははじめて見た時と同じ様な、ぎらぎらした目で私を見ていた。 やわらかい指が私の唇をたどる。何度も唇の形を確かめるように、私とは違う厚みのある舌が動いた。私はチヨコの瞳を見つめたまま丸い無毛の耳をなでる。 チヨコの手も私の耳に触れる。もう片方は顎をさすり、くびをたどり、鎖骨をすべり移動していく。シャツのボタンをチヨコの冷たい指がはずした。ほう、と息をはく。 「先生はほんとうに…きれい。肌も白くて、きずひとつなくて…」 私は目を見つめたまま、右足のひきつれた傷をなぞる。ささやかな凹凸を爪でなでるとチヨコは息をつめた。 チヨコはかわいい。 「これ以上傷つけたりしないよ」 チヨコのシャツをたくしあげ、私は胸の上に手を置いた。私とチヨコの肌の色は似ていたが、すこし質感が違った。すっかりアザが消えてさらりとした肌は気持がよい。盛り上がった胸のふくらみを丁寧になでる。 チヨコはまるでイヌのようにぴちゃぴちゃと私の首をなめ、吸い付き私の身体にからみついた。つぶれた互いの乳房がこすれあう。私はチヨコの腰を背を爪先でそっとなでた。ぶるりと背が震える。 「ひぁっ」 震えたチヨコの声は心地よかった。もっと聴きたくなって、自分ならばどこが触られたいだろうかと考えんがら手を動かした。ぷっくりとふくれあがった乳輪をなめあげ、尻を揉むとさらに声はあがる。ハアハアと喘ぐ呼吸音にどうしようもなく興奮する自分がいた。 チヨコは私の耳の付け根に顔を埋めて耐えているようだった。威嚇するような荒い息遣いが私の耳にあたる。しめったその息遣いにぞくぞくする。チヨコの薄い体毛をかきわけて秘部をなでる。はじめて触れたそこはすでに湿っていた。指をさしこめば、ぶちゅりと体液がこぼれ私の手をぬらした。そのまままだやわらかいクリトリスをはじく。チヨコの腰がはね、私の腹に腰骨があたった。膣内の指を引き抜き、私は尻尾をチヨコにあてがう。まだ指一本分しか入らないチヨコに入るはずのない太さがある。それでもジャガーやイヌの陰茎よりは細いはず。くすぐったいのだろう、尻尾が擦れるたびにチヨコは声をあげた。尻尾の先が濡れていることを確認して、乳房や腰を愛撫する。チヨコが耳をパクリとくわえたとき、ざらついた私の舌がチヨコのワキにさわった。赤くなった皮膚からじんわりとにじみ出る血。 チヨコは上から真っ赤な目で私を睨むと言った。 「せんせいのうそつき」 ショーツの上から私を撫でるチヨコの指は冷たいままだ。そのひんやりとした指がなんともいえずに、私はうめいた。 「先生も、濡れてる」 くすくすとチヨコは言い、ショーツをずらして直接触れようとする。私はいまだにチヨコを撫で続けていた尾を挿入する。 「んあっ!」 お返しとばかりに、チヨコの指が二本も一度に私をおかした。きもちい。曲げられた指で広げられていく。 「チ、ヨコ…いたい・・・」 「うそ。先生いつもひとりでしてたでしょう?それに・・・私がしめると、先生もしまるの」 言葉と共に尾をきゅうっとしめつけられる。空気のかたまりがのどに詰まったようにくるしい。チヨコは余裕たっぷりに私を見下ろす。 「ネコってサディスティックなんだもの」 にんまりと笑った顔はネコそのものだ。チヨコの指の動きはどんどん激しくなり、乳首をぎゅうっと掴まれて私はイった。おなかに乗ったチヨコが少し重い。チヨコの中から抜けてしまっていた尾を掴まれて悲鳴をあげる。達したすぐ後に尾をもまれるのはキツすぎる。 「あ!やめっ やあ!」 「せんせ、しっぽきもちいい?」 私はコクコクと首を上下する。 きもちいい。 きもちいいから、しっぽはいれないで。 翌週サバトラがチヨコを迎えに来た。黒猫のように見えるチヨコを抱くサバトラがむかつく。まるで恋人同士のように見えるが、チヨコはやっぱりぼうっとしていた。ざまあみろ。 ネコは子供っぽいからチヨコとはもう会えないだろう。 本当はチヨコとは離れたくなかった。だけれどこの先ずっとチヨコを養えるような余裕は私にはなかった。 荷物は何もなく、置いていく物はチヨコ専用のイスだけだ。座面の広いイスを私は何につかえるだろうか。 「チヨコ。それに可愛がってもらうんだぞ」 「チョコはぼくが大切に幸せにしますよ、先生!」 うるさいサバトラを押しのけてチヨコに手をのばす。その手をチヨコは絡めとり、私の鼻にそのまま唇をよせてささやく。 「せんせいのうそつき」 そうだとも。私はうなずく。 私もチヨコも笑ってホホにキスをした。サバトラだけが訳がわからないという表情をしている。 私はチヨコが不幸になればいいと思っている。そうして捨てられて、ボロボロにされて、また私と暮らすような目にあえばいいと思っている。だけどこのサバトラはバカそうだから、私の願いは叶いそうにない。
https://w.atwiki.jp/nekomimi-mirror/pages/564.html
せんせいのうそつき ある朝、表にでたならばメスヒトが捨てられていた。 私の診療所の玄関に捨てられたメスヒトは、ぼろ布をひっかけ右足が潰れ体中まだら模様だった。それでもまだ息をしているようだったので、感心したものだ。医療に携わる者として私はそのメスヒトを回収した。 メスヒトの右足は駄目だった。腹部の内出血は色濃かったが、腫れた箇所はなかった。四肢にも内出血があり、こちらは腫れた部分もあり骨が折れているようだった。首から上がほぼ無傷のことから、捨てられるまでのこのヒトの扱いが見て取れる。すべての処置が終わった頃には二つの月が天頂に昇っていた。 処置後二週間以上、メスヒトは発熱していた。ヒトは本当に壊れやすいようだ。 様々な種族を切ったり縫ったりしたくて猫の国に来たのに私の診療所は客が少ない。 メスヒトが意識を取り戻したとき、私はケンカで耳を切った猫を処置していた。ムリヤリだったが久しぶりに縫えて私は満足していた。アガリに猫の耳を消毒しているとドタン!と物が落ちる音がし、音の方向を窺っているうちにその猫には逃げられた。 音の正体はメスヒトで、それは床にはいつくばってうめいていた。 メスヒトをベッドへ抱き上げる。拾ったときよりメスヒトは軽い。食事を与えていたが、やはり痩せた。無抵抗なメスヒトに白湯と鎮痛剤を与える。メスヒトは瞳だけをうごかして私を見た。それはぎらぎらとしていた。 私は訊ねる。 「おまえはなにかできることがあるか?」 メスヒトは金勘定ができた。 落ちてくる前はそれで生活していたという。すごく計算がはやい。頭の中にソロバンという落ち物があるそうだ。私はそれをメスヒトの仕事にした。 メスヒトに任せると、間違いはなかったし、これは片足がなくても出来るものだったから。 右足を失くしてもメスヒトは嘆かなかった。 「まるで夢の中にいるようで…現実味がないんです」 微笑みながらメスヒトはそう言った。だから今まで生きてこられたのかもしれない、と思うとも。 故郷を飛び出した私もそれなりに苦労したが、同じメスでもヒトとオセロットでは全く比べようがない。 メスヒトは「チヨコ」という名前で、私を「先生」と呼んだ。 チヨコはよく働いた。 怪我が治らないうちはベッドから、治ってからは松葉杖をついて動き回った。 ふと、義肢は必要ないか?と訊ねたときチヨコは必要ないと首を振った。 私が往診と言う名の怪我人漁りにも付け耳を装着しヒョコヒョコと着いて来た。 私の尾のブラッシングも、患者の剃毛も器用にやった。 夢の中にいる、と言っただけあってチヨコはどこかぼうっとしたところがあったが、それでも私と暮らしていた。 チヨコが調理用の椅子について、私がその横に立つ。 ひとりの時より暮らしは少しきつくなったが、充足していた。 猫の青年をよく見かけるようになった。 以前に受診したという訳でもない見知らぬ裕福そうな青年だった。日を反射して輝く見事な毛並みは日々のブラッシングのたまものだろう。 窓越しに青年を眺めていると、横にいたチヨコが言った。 「あの人はサバトラですね」 わけがわからないとチヨコを見ると、すぐに模様のことだと返ってくる。 「先生のは梅花紋といって、お花の形の斑点のことです。先生の模様ははっきりしていてとてもきれい」 あのサバトラは不審者に違いあるまい。何もないような住宅地をキョロキョロと往復している。 ふと、チヨコを見る。チヨコは来客用のマグをじっと覗いている。 私の耳と同じ様な高さにある黒い付け耳にはなんの模様もない。ぶち模様にすればよかったなと見るたびに思う。 やはりサバトラの青年の目的はチヨコだった。 とうとうサバトラは―受診時間内に玄関から―診療所に侵入してきた。みなりは良かったが、真昼間から他人の家で女性を押し倒すさまは正直変質者以外の何者でもなかったので、相応の対処をさせてもらった。 手術刀を二本、点滴台を一本破損してしまったが仕方あるまい。 サバトラはチヨコが人間だと知っていて、その上前の飼い主だという。チヨコのことを「チョコ」と呼ぶことも、サバトラがチヨコを見る視線も気に喰わなかった。なによりチヨコを盗まれたというマヌケ加減に腹が立つ。 私がチヨコに暴行し捨てたのがおまえなのだな、と言えばサバトラはあわてて否定した。恐る恐るチヨコに訊けば、チヨコも否定した。サバトラのヒゲがほっとしたように動く。 いままで私が一度も訊ねなかったことを、チヨコは淡々と喋った。 落ちてきたときのこと。奴隷商からサバトラに売られたときのこと。サバトラの下から盗まれたときのこと。売春宿でのこと。捨てられたときのこと。 ポツポツと漏れる言葉のひとつひとつに反応するサバトラの尻尾。チヨコの話は不運なメスヒト奴隷のよくある話であったが、近しい者として本人から聞くのはつらい。 サバトラはチヨコを引き取りたいと連絡先を告げて、その日は帰った。 サバトラは毎日のようにチヨコを訪れた。 菓子やら花やら小さなプレゼントを持って訪れる青年はすぐに近所でうわさになった。 普段ならば近寄りもしない向こう隣の夫人まで診療所に来て、おたくの黒猫さんとどうなっているの?と私に直接尋ねにきたほどだ。 ボンボンそうな割に、サバトラは高価な貢物を持ってこなかったし、私に直接交渉することもなかった。 サバトラの執着はイヌ並みで、三人で茶を飲むだけの日々が続いた。 私は我慢比べが得意ではない。 チヨコとサバトラに告げた。サバトラは全身で喜びをあらわし、チヨコはやはりぼうっとしていた。 夜、最後になるだろうと思い、私とチヨコは一緒のベッドに入った。 互いに語るようなことはしなかったが、向き合って横になる。 チヨコははじめて見た時と同じ様な、ぎらぎらした目で私を見ていた。 やわらかい指が私の唇をたどる。何度も唇の形を確かめるように、私とは違う厚みのある舌が動いた。私はチヨコの瞳を見つめたまま丸い無毛の耳をなでる。 チヨコの手も私の耳に触れる。もう片方は顎をさすり、くびをたどり、鎖骨をすべり移動していく。シャツのボタンをチヨコの冷たい指がはずした。ほう、と息をはく。 「先生はほんとうに…きれい。肌も白くて、きずひとつなくて…」 私は目を見つめたまま、右足のひきつれた傷をなぞる。ささやかな凹凸を爪でなでるとチヨコは息をつめた。 チヨコはかわいい。 「これ以上傷つけたりしないよ」 チヨコのシャツをたくしあげ、私は胸の上に手を置いた。私とチヨコの肌の色は似ていたが、すこし質感が違った。すっかりアザが消えてさらりとした肌は気持がよい。盛り上がった胸のふくらみを丁寧になでる。 チヨコはまるでイヌのようにぴちゃぴちゃと私の首をなめ、吸い付き私の身体にからみついた。つぶれた互いの乳房がこすれあう。私はチヨコの腰を背を爪先でそっとなでた。ぶるりと背が震える。 「ひぁっ」 震えたチヨコの声は心地よかった。もっと聴きたくなって、自分ならばどこが触られたいだろうかと考えんがら手を動かした。ぷっくりとふくれあがった乳輪をなめあげ、尻を揉むとさらに声はあがる。ハアハアと喘ぐ呼吸音にどうしようもなく興奮する自分がいた。 チヨコは私の耳の付け根に顔を埋めて耐えているようだった。威嚇するような荒い息遣いが私の耳にあたる。しめったその息遣いにぞくぞくする。チヨコの薄い体毛をかきわけて秘部をなでる。はじめて触れたそこはすでに湿っていた。指をさしこめば、ぶちゅりと体液がこぼれ私の手をぬらした。そのまままだやわらかいクリトリスをはじく。チヨコの腰がはね、私の腹に腰骨があたった。膣内の指を引き抜き、私は尻尾をチヨコにあてがう。まだ指一本分しか入らないチヨコに入るはずのない太さがある。それでもジャガーやイヌの陰茎よりは細いはず。くすぐったいのだろう、尻尾が擦れるたびにチヨコは声をあげた。尻尾の先が濡れていることを確認して、乳房や腰を愛撫する。チヨコが耳をパクリとくわえたとき、ざらついた私の舌がチヨコのワキにさわった。赤くなった皮膚からじんわりとにじみ出る血。 チヨコは上から真っ赤な目で私を睨むと言った。 「せんせいのうそつき」 ショーツの上から私を撫でるチヨコの指は冷たいままだ。そのひんやりとした指がなんともいえずに、私はうめいた。 「先生も、濡れてる」 くすくすとチヨコは言い、ショーツをずらして直接触れようとする。私はいまだにチヨコを撫で続けていた尾を挿入する。 「んあっ!」 お返しとばかりに、チヨコの指が二本も一度に私をおかした。きもちい。曲げられた指で広げられていく。 「チ、ヨコ…いたい・・・」 「うそ。先生いつもひとりでしてたでしょう?それに・・・私がしめると、先生もしまるの」 言葉と共に尾をきゅうっとしめつけられる。空気のかたまりがのどに詰まったようにくるしい。チヨコは余裕たっぷりに私を見下ろす。 「ネコってサディスティックなんだもの」 にんまりと笑った顔はネコそのものだ。チヨコの指の動きはどんどん激しくなり、乳首をぎゅうっと掴まれて私はイった。おなかに乗ったチヨコが少し重い。チヨコの中から抜けてしまっていた尾を掴まれて悲鳴をあげる。達したすぐ後に尾をもまれるのはキツすぎる。 「あ!やめっ やあ!」 「せんせ、しっぽきもちいい?」 私はコクコクと首を上下する。 きもちいい。 きもちいいから、しっぽはいれないで。 翌週サバトラがチヨコを迎えに来た。黒猫のように見えるチヨコを抱くサバトラがむかつく。まるで恋人同士のように見えるが、チヨコはやっぱりぼうっとしていた。ざまあみろ。 ネコは子供っぽいからチヨコとはもう会えないだろう。 本当はチヨコとは離れたくなかった。だけれどこの先ずっとチヨコを養えるような余裕は私にはなかった。 荷物は何もなく、置いていく物はチヨコ専用のイスだけだ。座面の広いイスを私は何につかえるだろうか。 「チヨコ。それに可愛がってもらうんだぞ」 「チョコはぼくが大切に幸せにしますよ、先生!」 うるさいサバトラを押しのけてチヨコに手をのばす。その手をチヨコは絡めとり、私の鼻にそのまま唇をよせてささやく。 「せんせいのうそつき」 そうだとも。私はうなずく。 私もチヨコも笑ってホホにキスをした。サバトラだけが訳がわからないという表情をしている。 私はチヨコが不幸になればいいと思っている。そうして捨てられて、ボロボロにされて、また私と暮らすような目にあえばいいと思っている。だけどこのサバトラはバカそうだから、私の願いは叶いそうにない。