約 106,081 件
https://w.atwiki.jp/ls2014/pages/106.html
月明かりの道しるべ◆zrcvXqFgZw (……夢?) それが殺し合いの舞台に強制参加させられた電が最初に思い浮かんだ言葉である。 鎮守府に配属され、他の駆逐艦と共に訓練に励んでいた筈の電が突如として見知らぬ空間にいた。 そんな状況になれば、そう考えるのも何ら不思議ではない。 だがそれは間違いであるとすぐに思い知らされる。 「……ッ!!?」 上から降りてきた老人が放ったミサイルによって、一人の人間が肉片を撒き散らしながら命を落とした。 (ひ……酷すぎるのです……) 惨状を目の当たりにした電は両手で口元を押させながらペタリと地面に座り込んだ。 兵器でありながらも敵の命も救いたいと願うほどの優しさを持つ電にとっては、あまりにもショックは大きい。 悲しみで涙が溢れてくる、そんな電の心情をあざ笑うかのように一人、また一人と命が奪われていく。 (…や、め………やめて……ください……) 老人の行為を止めるべく言葉に発しようとした電だったが心の中で懇願するだけで言えなかった。 老人に目を付けられれば殺されてしまうかもしれない。 そう考えた時の恐怖が電の体を縛りつけて何も行動させずにいた。 この場所から別の場所へとテレポートさせられるまで 電は最後まで反抗の意志を見せる事無く、小動物のように震える事しかできなかった。 深海凄艦を倒す為の兵器であり、経験を積めば提督とケッコンカッコカリも可能と言えでも 艦娘の中では幼い方に入る少女である電には恐怖を振り払い、行動するだけの勇気が持てずにいた。 電がテレポートされた先は暗闇に包まれた街の中だった。 近代的な造りの夜の街とは思えないほど静まり返っており、人の気配が全くない。 目の前にあるゴーストタウンは電の不安を掻き立てるには十分だった。 スマートフォンを手に取り、参加者や現在位置等の情報を収集した電は行動を開始した。 鎮守府へ行けば、雷や響もいるかもしれない。 そんな微かな希望にすがって歩いた。 じわじわと心身へ浸食する恐怖から必死に逃れるように。 一刻も早く鎮守府に行きたかった電は、早歩きで進んでおり前方にいた少年に気付くことなく電はまた衝突事故を起こした。 「きゃっ!?」 それが彼との最初の出会いであった。 少年にぶつかった事に気付いた電は慌てて謝罪をしながら少年を見ると うずくまってガタガタ震えながら命乞いをしていた。 少年は電を殺し合いに乗った人物だと思い込んで恐れていたのだ。 電は少年に優しく話しかけて、自分の誤解を説いた。 幸いにして、少年を落ち着かせる為の対応が結果として、自分自身をも冷静にさせて恐怖心を和らげる事になった。 ◆ ◆ ◆ 「つまり電さんは、ここから北にある鎮守府という場所へ向かっている途中だったんですね!」 「はい、なのです」 現在は、そのぶつかった少年である真月零と行動を共にする事になった。 「それにしてもポーキーという人は許せませんね! 人の命をまるで玩具のように弄ぶなんてゲスの極みですよ! こんな……こんな残酷な事は絶対に止めないと……」 ポーキーの残忍な行為に真月は怒りを露わにしていた。 それだけじゃなく殺された人達に対して悲しみの表情も浮かべている。 「真月さん……」 「電さん、一刻も早く鎮守府に行って他の人達を探しましょう! 仲間を集めて皆で力を合わせれば、どんな困難だって乗り越えられるはずです!」 (真月さんの言う通りなのです。いつまでも怯えていては駄目なのです) 熱意の籠った真月の言葉は、電の心の奥底へと響き渡る。 電は脳裏で過去に行われたキス島撤退作戦を思い出す。 駆逐艦だけで編成された艦隊での出撃は熾烈で過酷を極めた。 それでも諦める事無く戦続けた電達は、負傷しながらも勝利をつかみ取る事に成功したのだ。 「真月さん、電も頑張るのです。他の子達も救助したいのです」 「ありがとう電さん!そうと決まったら…」 真月は人懐っこい表情を浮かべながら電の右腕をぎゅっと握る。 突然のアプローチに電は驚きの声をあげた。 「し、し、し、真月さん!?」 「急ぎましょう!さっきスマホで鎮守府への近道を調べておいたんです!」 「ちょっとまっ」 電の制止の声も聞かずに右腕を掴んだまま真月は駆け出した。 「こっちこっちー!」 「はわわーーーっ!?」 大通りから脇道に入り、路地裏の奥深くへと走り… 「こっちです!」 「はにゃーーーっ!?」 ビルとビルの間を飛び越えて進み… 「こっちです!」 「はわわ…こ、ここは~!!」 男子トイレに入り、窓から抜け出し… 「こっちですこっち!」 「ひゃーーーっ!!」 土管が三つ置いてある空き地を通り過ぎた時、大きな爆発と爆音が鳴り響き 真月は足を止め、爆発のした方角を見つめた。 「なんでしょうね?今の爆発は…って電さん大丈夫ですか?」 「ううっ……ちょっとふらふらするのです…」 真月に連れ回された電は、色んな物と衝突して全身埃まみれになっていた。 「すみません電さん、よかれと思って早く鎮守府に着くようにと近道を通ったんですけど……」 「いえ、真月さんは電の事をとても気遣ってくれて、すごく嬉しいのです」 「電さんがそう言ってくれると僕も助かります!それにしてもあの爆発は鎮守府に近いですね」 「もしかしたら、もう戦闘が始まってるのかも……」 「それは大変です!急いで止めに行きましょう!」 「はい!」 最初は怖かった。怖くて怖くてどうしようもなかった。 そんな恐怖の闇を、月明かりのように照らし光をもたらしたのは真月零だった。 自分以上に臆病な少年が見せてくれた明るい笑顔と、困難に立ち向かう勇気が 電の不安を掻き消して、戦う決意を持つことが出来たのだ。 ここには海路を示す羅針盤は無い。 それでも電は必ず脱出できると信じている。 真月の言う通り、仲間を集めて協力すれば不可能ではないと信じているのだから。 【D-4 市街地 /深夜】 【真月零@遊戯王ZEXAL】 [状態]:疲労(中)、人間態 [装備]:なし [道具]:基本支給品、決闘盤とカード(ベクターのカード)@遊戯王ZEXAL、首輪探知機@LSロワ2014オリジナル、 不明支給品×0~1 [思考・行動] 基本方針:良からぬことを企む 1:真月零の姿で殺し合いに乗っていない者達の中に潜む 2:電が利用できる存在か見極め、用済みならば魂を喰らう 3:遊馬とアストラルは必ずぶっ殺す! 4:主催者を乗っ取りさらなる力を得る ※アニメ130話、メラグとナッシュがバリアン世界に戻る直前からの参戦です ※バリアン体での分身能力、瞬間移動が可能かどうかは不明です ※バリアンズスフィアキューブなしでバリアルフォーゼは可能ですが、体力を消耗します 【電@艦隊これくしょん】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3 [思考・行動] 基本方針:殺し合いには乗らない 1:真月さんと鎮守府に向かう 2:司令官や響、お姉ちゃんに会いたい ※真月零に信頼を寄せています ≪036 夢のENDはいつも目覚し! 時系列順に読む 038 カードキャプターしゃーく≫ ≪036 夢のENDはいつも目覚し! 投下順に読む 038 カードキャプターしゃーく≫ ≪019 忍び寄る闇 真月零の登場SSを読む 0xx [[]]≫ 電の登場SSを読む
https://w.atwiki.jp/yuina/pages/78.html
―18― それは、ほんの少し前……まだ半年も経っていない、ある日のできごと。 しかし彼女の中では、未だ昨日の―いや、数分前の出来事のように、鮮明に記憶の中に残っている。 「随分前に、私の能力―『ブレイブハート』は目覚めていた。 だから、その時は皆の力になれると思っていた」 何でもないような表情でその記憶を語り始めるティール。 「……その日、ある魔物の討伐の依頼が、私の仲間達に届いた。 それは凄く強くて、この世界なら、間違いなくSランクに分類される相手だったと思う」 しかしその声の中には、聞くものに彼女の怒りや恐怖、そして絶望といったものを否応なく感じさせる何かが潜み、口を挟むと言う行為すらも封じ込める。 「今の私なら大丈夫、戦える……そう思った私は、無理矢理みんなの後をついて行った。 みんな、これだけは駄目だと言っていたのも無視してね」 ……ここまで、彼女は笑顔混じりに話を続けている。 まるで自分自身のその行為をあざ笑うかのような、自嘲的な笑顔で。 「結局、引き下がらなかった私はみんなに最後までついていった。 みんな、目的地に近付いてくると、あきらめてくれたから」 ここにきて、かろうじて浮かべていたその笑顔にかげりが見え始める。 声のトーンも、より低く、重いものへと徐々に変わっていった。 「でも……力になんてなれなかった。 『魔龍』と呼ばれた龍を相手に、私程度がどうにかできるわけがなかった。 ……ううん、目的地につく前の時点で、もう気付いていた。 魔境のそのへんにいる魔物相手にも、私じゃどうしようもない事は」 …それは無表情などという言葉も生ぬるい、その一言を口にした瞬間、これ以上ないというほど、完全に表情が死んでいた。 徐々に、槍を握るその手にも力が入っていくのが傍目にも分かる。 「それを、認められなかったから、認めたくなかったから、最後までついていってしまった。 みんなの足を引っ張ることも気付かずに……」 少し、高ぶり始めた感情を抑えるように、深呼吸をする。 その間に、ディンも喉に詰まっていた息を吐き、改めて聞く体勢を作りだす。 「……『魔龍』は、私の目の前で、みんなを次々と殺していった……私は足がすくんで、動くことも出来なかった。 そんな私をかばって、やられた人もいた…… ―もう、やめて……そう思ってようやく身体がいうことを聞いてくれた時には、私と、『英雄』と呼ばれたリーダーだけしか残っていなかった」 少しづつ、苦しそうに息を荒げはじめるティール。 もう、自信の気持ちを落ちつけるだけでも精一杯なのだろう。 「周りで倒れているみんなを見て、私の中は恐いという気持ちより、怒りのほうを強く感じていた。 ……その瞬間の事はよく覚えていないけど、怒りが他の気持ちを全部押さえつけてしまった時…… 気が付けば『ブレイブハート』を使って、龍の身体に槍を突き立てていた。 ……私なんかの攻撃が当たったのは、奇跡だったと思う」 今度は、少しづつ声が小さくなっていく。 それでも、苦しそうな息使いは変わらない。 「……でも、それは全然効いていなくて、龍は何もなかったみたいに私に腕を振るっていた。 その時は、もう駄目だ……そう思ったけど、私は無事だった。 『英雄』が私を抱きかかえて、盾になってくれたから」 一瞬、ディンは心臓が跳ね上がるような感覚を感じた。 ……大切な人の、自分との身代わりの死。 昨日まさに、そうなる可能性があったことを、強く思いだしていた。 「……その後すこし離れた所まで逃げて、あの人が私にこのペンダントを渡してくれて……龍が近付いてくるその前に、私に何かの魔法をかけた。 目が覚めた時、私はこの世界にいた……もしかしたら、空間移動の魔法だったのかもしれない」 そこまで話すと、ティールは全身から力を抜き、もう一度深く深呼吸をして、武器を持つ手とは逆の手で、首から下げられたペンダントを握りしめ、祈るように空を仰いでいた。 そして、少し間をあけて、再び口を開く。 「……気付くと、私は、望んでいた『戦う力』を得ていた。 神に匹敵する力を持つ『龍神種』の血は、浴びたり、飲んだ者に力を与えるって言うから…… 多分、私が龍に槍を突き刺した時に、少しそれの血を浴びていたんだと思う。」 ティールは、近くに落ちていた大きめの石を拾い上げ、それを強く握る。 石は一瞬で全体に亀裂が走り、次の瞬間には崩れ去っていた。 「……ホント、皮肉だよ……欲しいと思った『力』が、守りたかったもの全部のかわりに手に入ったなんて」 再び、一拍置くように間を開けると、自嘲気味な笑顔を浮かべて、つけくわえるように一言 「ディン、力は急いで手に入れようとしてもダメだよ。 過ぎた力は、何かの犠牲がないと手に入らない」 「……」 「……だから、焦らないで……私みたいに、急いで全てを失わないで……」 その瞳は、まるで懇願するような悲しい光を帯びていた。 目を背けたくなるような過去を受け入れ……ただ、二度と繰り返したくない、という想い。 そしてそんな気持ちを、誰にも味わって欲しくないという、強い願いだった。 「……」 何か言ってあげたい、しかし、何を言えばいいのか分からない…… かける言葉が見つからない、というのは、まさにこの状況かもしれない。 「……私は並んで歩ける仲間を見つけたい……だから、昨日は貴方達と一緒に鉱山に入った。 ……でも、まだ誰かと一緒に戦うのはダメみたい…誰かといるだけで、どうしても思い出してしまう……恐くなってしまう……」 「……ティール……」 「だから、私は皆を守れるんだって、自信が欲しい。 手に入れた力もちゃんと使えるようになって……守るための力にしたい」 「それなら、俺達と来いよ。 昨日のは運が悪かっただけだ、ティールなら……!」 張り詰めた空気の中で、話を聞くその間に、ただ言ってあげたくなったその一言。 ……自分達を支えてくれた彼女を、今度は支えてあげたいという想いを、ようやく声として出す事が出来た。 しかし、その言葉を制止するように、彼女は手を突き出していた。 「……まだ、ダメ……今は、一人で旅を続けたいから……」 「……そう、か……」 「でも、ありがとう」 「!」 ―笑った。 おそらく彼女が始めて見せる、空気を作るためじゃない、本当の笑顔。 まだ少し悲しそうなものが見え隠れしているが、ディンの目には、そう映っていた。 「今度会う事があったら、その時に……もう一度誘ってくれないかな。 その時には、きっと乗り越えてみせるから」 「あ……ああ! 絶対誘ってやる!」 「だから、さよならは言わない。 ……エミィにも言っておいて……また、会おうねって」 そう言って、槍を左手に移し、右手を差し出すティール。 ディンは黙って頷くと、その小さな手の平を握り返した。 「ああ、またな」 <<前へ 次へ>>
https://w.atwiki.jp/bokuori_data/pages/73.html
製作者 高架橋下のアイツ 出場大会 第三回大会 設定 出身惑星:マギカリア 年齢:500歳(人間で言う15歳ほど) 体長:100cm 説明: マギカリア南半球にある巨大火山の中で暮らす「熱」と「光」を司るレティプス族の少女。背に緋炎をまとった翼をもち、「非常に短気かつ自分本位であり、そ の怒りに触れた者は一瞬で灰燼と化す」「不死鳥の化身であり、その妖精に打ち勝ち、血を飲み干せば不老不死となる」などなど、いろいろな伝承が伝えられて いる・・・村の者たちの間では。 本当は翼と彼女の能力以外は同年齢(人間換算)の女子とほぼ変わらない。血を飲んでも鉄っぽい味がするだけだし、短気というよりはむしろ性格は穏やかな方で、正義感が強い。ドジで考えることが苦手なアホの子だけど。 たまに火山から出ては麓の街にうろつく悪魔をその自慢の熱弾で退治している。たまにドジって民家や森に着弾したりもする。 でも伝承とたまに起こすドジのせいで人間たちから誤解されており、子供達の輪に入ろうと話しかければ泣きながら逃げられるし、街に出てみれば悪魔と間違え られて女たちからホウキで叩かれるし、新しい住人に見つかればその血目当てに殺されかけるし・・・、と伝承の廃れも相まって散々な目にあっている。 熱の妖精とだけあって、彼女の周り半径1mは常に40℃を保っている。人が近づかない隠れた原因。ある程度の水(普通の雨程度)ならこの範囲に入った時点で一瞬で蒸発するので、雨の日も大丈夫。熱への耐性は言わずもがな。 空を飛ぶことができ、速さは絶好調の時でジェット機並だが、大会関係者に飛行能力を制限する薬を投与されており、高さ6m以上に行こうとすると呼吸困難になってしまう。 また、半径20cm(大きさは完全固定)の熱球(80℃~3000℃温度調節可能)を同時に2個まで打つことができる。 緋炎の翼は彼女の命であり、この火が消えたとき、彼女は灰と化し朽ち果てる。 経歴: 小さな頃に悪魔との戦いで両親は悪魔に取り込まれ、悪魔から自分を救い出してくれた雷と知のレティプスのアーガスに育てられる。その経験から悪魔を憎むと 同時に悪魔が自分たち一族の力から生まれるものである事実をアーガスから聞かされており、どうにかして悪魔を減らすことができないかというアーガスの研究 を物心着く頃から手伝ってきた。 悪魔退治を始めたのは彼女が人間換算で7歳の頃。彼女が正式にレティプスの長から「熱と光を操ること」を許された時からである。戦い方はアーガスの手を借りながら編み出した。 彼女は悪魔退治と研究を続けるうちに、麓に住む異種族の村を見つける。そこでは毎年深刻な食糧不足が発生しており、周りに発生する悪魔や獰猛な肉食動物に 襲われいなくなる人間も多かった。彼女はその村の惨状を見るに見かねて、毎日少しづつ周辺の森にある食料を干からびないように気をつけながら村においてい くようになった。村では「神様からの贈り物」としていつも喜ばれていた。 だが、彼女の小さな努力をあざ笑うように村を大飢饉が襲った。かつて見られたささやかな笑い声もその村からは聞こえなくなり、村の中での争いも絶えなく なった。フレアは長のところへ行き、村への救済を要求する。長からは、他の村でも同じようなことが起こっている、という事実を聞かされるものの、長自身が 異種族排除派であったため、その要求を蹴られてしまう。 何か村を救う手段はないかと考えていた時、彼女のもとにある大会の知らせが届く。 彼女は行動こそレティプスとして問題があったものの、悪魔退治ではとても評判が良かったため、彼女はレティプスの長から「宇宙最強バトルトーナメント!~ 最強の種族出てこいや!!~」 という異種族間のバトルトーナメントへの出場の推薦状を受け取る。推薦状には「この大会で優勝した暁には、そなたの願いを一つ叶えよう」とあった。彼女は 異種族たちを救うために、推薦状を受託し、大会へ出場する決心をした。 ○惑星「マギカリア」について マギカリアは知的動物が他の惑星に比べて少なく、また他の惑星からの支配も受けたことがないという数少ない惑星である。というのも、この惑星の生物のほと んどは他の惑星にはない特殊なエネルギー物質「レガロ」を持っており、それを使った独自の自己防衛方法を持っているからである。 気候は穏やかで、自然豊かな星。だが、この星に住む知的動物(後述)の行動によってすべてが決まるため、時代によっては知的動物以外何もなかった時代もないわけではない。 レガロはマギカリアに住む数少ない知的動物のうちの一種「レティプス」が力を発揮する際に放出されるエネルギー。マギカリアの生物は無意識にこれを呼吸する際に無意識に取り込み、他のエネルギーと併用しながら生活している。 ○レガロの特徴 少ない物質量でも大きなエネルギーをもつ この物質を取り込む器官をもたない生物が取り込むと、運動能力の上昇の代わりに体力の消耗が激しくなる。 レティプスのみがこの物質を放出することができる 使われたあとは体内に体積物質として残り、取り込んだ生物の寿命を少しづつ縮めていく代わりにまた体内で再生される。 死んだ生物の体内に残ったレガロはごくまれに「悪魔」と呼ばれる流体生物に変化し、生物を襲うようになる。 ○種族「レティプス」について レティプスは先に記したとおり、マギカリアにのみ生息する知的動物である。数は他の動物に比べ少ないものの、マギカリア創世から現在に至るまでもっとも長い歴史を持ち、今現在マギカリアで最も反映している種族と言われている。 レティプスは人間の背中に羽の生えた、人間で言う「妖精」のような容姿をしており、マギカリアの全ての自然現象・気候を操る種族である。体内に生まれつき 膨大なエネルギーを生み出す構造が備わっており、そのエネルギーを何らかの形で放出することでそれぞれの司る自然現象を操ることができる。操れる現象はそ の一族の血筋によって違う。 また、マギカリアの一部では他の惑星からわたってきた異種族の村があるが、その村の住人はレティプスの恐ろしさを知っているため、彼らの領域を犯すことは ない。また、レティプス達は後から住み着いた異種族たちを快く思っておらず、その逃げ腰な姿勢から、彼らを見下すレティプスは少なくない。 技: 熱球放出 半径20cm(大きさは完全固定)の熱球(80℃~3000℃温度調節可能)を同時に最大2個まで打つことができる。温度によって放ってからのスピードが 変化し、高ければ高いほど早いスピードが出るが、体力を消耗する上、外気によってたどり着くまでに温度が下がる。また、放つ際に一定量のレガロを半径2m に放出。 レガロ吸収 周囲半径1mに拡散したレガロを吸収し、気力、体力を回復。怪我は治癒しない。 緋炎特攻 体に炎をまとって相手に体当たり。自分もダメージを受けてしまう。 閃光 自らの翼を太陽と同じくらいの明るさに光らせて相手の目をくらませる。通常だと30秒間、レガロ吸収後だと2分間相手は目の前が見えづらくなる 補足
https://w.atwiki.jp/hshorizonl/pages/336.html
この聖杯戦争において峰津院財閥の力は著しく低下している。当然、他のマスターやロールと比較すれば圧倒的に有利だが、私……峰津院大和からすれば大いに不満だ。 圧倒的権力を持つ支配者に対して、三食をお子様ランチまたは離乳食だけで過ごすことを強制するに等しい。 もはや、冒涜の域に達する。 NPCに探偵を行わせて、他マスターの拠点を調べさせることもできるが、リソースには限りがあった。 中央区に向かわせた探偵が一人しか生き残らなかったことを考えると、23区の各地に派遣させてはあっという間に人材が尽きる。敵がどこに潜んでいるのかわからない以上、時間と人材を浪費することは得策ではない。 無論、未だに万単位の人材を自由自在に動かせることに変わらないが、私は召喚したことを踏まえると……ベルゼバブと匹敵する実力を持つサーヴァントも何体か召喚されてもおかしくない。 敵の能力が未知数であることを考えると、私自身のロールに胡坐をかけなかった。出し惜しみをするつもりもないが、あずかり知らぬ所で百または千単位で人材を消される可能性もゼロではない。 状況次第では、私自身が足を動かして調査に出向く必要もあった。この私が小間使いの働きをするなど、実に腹立たしいが…… 私は財団が所有するとある緑地に出向いている。新宿御縁の緑地だ。 真琴には「管理者との面談」と話しており、表向きにはビジネスだ。 しかし、実際はガムテープの連中を捕まえること。東京に糸を張り巡らせる蜘蛛の存在も気がかりだが、まずは峰津院財団に歯向かった愚者への報復が先だ。 車を走らせれば難なく到着する。当然だが、運転手を巻き込まないためにも、目的地から離れた場所で待機させた。 私の権限で、構成員に指示して森林のエリアには人が入らないように設定している。そのため、この場に私以外が現れることは……普通ではありえない。 無警戒にも、私一人が護衛も連れずに人気のない森林に入り込んだように見せつけた。 だが、奴らは現れない。 いくら警備の目があっても、侵入する隙はいくらでもある。いや、意図的に作らせるため、この緑地を選んだのだ。 しかし、奴らはクズではあるものの、愚かではなかったということ。 『羽虫と言えど、阿呆ではなかったことだ』 フン、とベルゼバブは零す。 私としても、流石に軽視しすぎていた。先程、連中をケルベロスの餌にしてやったが、せめて一人くらいは尋問用に残すべきだったか。 不愉快だが、あのクズどもは構成員を仕留めるほどの実力を持っている。故に、私でなければ手に負えないと判断したが、もう現れることはない。 相応の情報ネットワークは持っていることだろう。 『だが、文化を穢す羽虫とて、余を不快にさせない当然の気配りはあるのだろう』 さも当然のように、ベルゼバブは緑地を堪能していた。圧倒的な巨体からは相変わらずオーラを放っているが、その手に持つスナック菓子のせいでどうも締まらない。 『余はまだ文化を堪能しておらぬからな。余の目に叶うのであれば、残してやることも吝かではない……だが、余の目を穢す羽虫など我慢ならん』 …………それが、ベルゼバブの本音だ。 そもそも、この男が緑地に同行したのも、ガムテープの連中よりも異文化に興味を示したからだ。 チェスと読書を平行しながら、プロテイン割りのレッドブルを堪能していたこの男だ。人間を羽虫と見下しながら、その文化に対しては興味津々といった様子だ。 私たちがここに来るまでに乗ったリムジンや、窓の外から見える景色にも興味を示している。 しかも、新宿御縁に訪れるまで、自販機の飲み物を指差して『あれは何だ?』と念話で聞いたり、何かを訴えるような意味ありげな視線を向けていた。鬱陶しいことこの上ない。 …………仕方がないから、構成員に各地の自販機やコンビニへ向かってもらい、大量のジュースやスナック菓子を購入させた。レッドブルなどのエナジードリンクも忘れていない。 彼らからは怪訝な表情を向けられたが、特に何も聞かれていない。いや、私が「何も聞くな」と命令した。 そして、ベルゼバブにスナック菓子や飲み物を少しだけ与えると、一応は黙るようになった。残るは車に積んでいる。 ポイ捨てをしていないことは、せめてもの救いだろうか? 既に緑地への立ち入り禁止は解除した。 クズが現れない以上、長居は無用だった。 連中の正確な人数までは不明だが、膨大な人材と資金力を誇ることは確かだ。 また、クズどもと交戦して、情報を得た主従もいるはず。 例の蜘蛛がクズどもの情報を手に入れている保証はないが、少なくとも存在だけ認知しているはず。 「失礼します」 私がリムジンに乗り込もうとした直前、構成員の一人が現れる。 その手には、青年の顔写真が握られていた。 「何者だ、この男は」 「新宿区の皮下医院にて、院長を勤める皮下真です。この男の経営する皮下医院を調査した構成員によると、この病院にて発生する死者数が不自然との報告を受けました」 「……やはりな。詳しい情報は?」 「ここ数週間にて、患者の死亡者数が異様なまでに上昇し、更には遺族までもが原因不明の死亡または失踪例が増えています。病院内の調査に乗り出した構成員も、行方をくらましてしまい……病院スタッフ曰く、既にお帰りになられたとのことですが……」 「……そうか。なら、お前は調査を続けろ」 そう命令すると、構成員はこの場を去っていく。 私は舌打ちした。皮下医院とやらにも、何かがあると察したからだ。もう、構成員は殺されているだろう。 ここからそう遠くに離れていないため、私自らが乗り込むこともできるが……敵の胃袋に飛び込むなど愚策でしかない。 だが、皮下医院にも潜む敵を放置しては、いずれは足元を掬われる。出る杭は早々に潰すべきだろうか。 (私たちの顔に泥を塗ったクズどもは早急に排除しなければならないが、奴らだけに意識を向けてはいられない。 我々を影であざ笑う蜘蛛も、私の前に引きずり出さねば気が済まん。 だが、私たちの敵は奴らだけとも限らん。さて、どうするか……) 目的を果たして、私たちは車に戻って移動する。 クズどものリーダーを探し、叩き潰すか? 我々をあざ笑う蜘蛛の居所を探り、容赦なく踏みつぶすか? 皮下医院とやらの秘密を暴き、院長を社会的に抹殺するか? それとも、奴らとはまた違う敵の手がかりを探すか? 選択肢は数多くある中、私はリムジンに乗り込んだ。 『……む? おい、余の手元に出たこの『レアカード』とは何だ!?』 隣では、スナック菓子の付録に驚くベルゼバブがいるが、私は無視した。 【新宿区・新宿緑地/一日目・午後】 【峰津院大和@デビルサバイバー2】 [状態]:健康 [令呪]:残り三画 [装備]:宝具・漆黒の棘翅によって作られた武器をいくつか [道具]:悪魔召喚の媒体となる道具 [所持金]:超莫大 [思考・状況] 基本方針:界聖杯の入手。全てを殺し尽くすつもり 1:ロールは峰津院財閥の現当主です。財閥に所属する構成員NPCや、各種コネクションを用いて、様々な特権を行使出来ます 2:グラスチルドレンと交戦しており、その際に輝村照のアジトの一つを捕捉しています。また、この際に、ライダー(シャーロット・リンリン)の能力の一端にアタリを付けています 3:峰津院財閥に何らかの形でアクションを起こしている存在を認知しています。現状彼らに対する殺意は極めて高いです 4:東京都内に自らの魔術能力を利用した霊的陣地をいくつか所有しています。数、場所については後続の書き手様にお任せします。現在判明している場所は、中央区・築地本願寺です 5:クズども(”割れた子供達(グラスチルドレン)”)を探るか、峰津院財団を探る蜘蛛を探るか、皮下医院を探るか、それとも別の敵について探るかは後続の書き手さんに任せます。 【備考】 ※皮下医院には何かがあると推測しています。 【ランサー(ベルゼバブ)@グランブルーファンタジ-】 [状態]:健康 [装備]:ケイオスマター、バース・オブ・ニューキング [道具]:コンビニで買った大量のスナック菓子・ジュース・レッドブル(消費中)、スナック菓子付録のレアカード [所持金]:なし [思考・状況] 基本方針:最強になる 1:現代の文化に興味を示しています。今はプロテインとエナジードリンクが好きです。また、東京の景色やリムジンにも興味津々です。 2:狡知を弄する者は殺す 【備考】 ※ ◆ 「峰津院大和……何だよ、この偉そうな男は」 俺……田中一は震えていた。 ふと、SNSを覗いてみると……ある男の顔写真が目に飛び込む。 この男は峰津院大和で、いかにもエリートと呼ぶにふさわしい風貌の男だ。幼い頃より何の苦労もせずに、育ちや人間関係に恵まれ、挫折を知らないまま高い地位を手に入れているはずだ。 クラスのヒエラルキーどころではない。社会のヒエラルキーの頂点に立ち、全てを思うがままに動かしながら生きている。 もはや、チートを使っていると思わせるほど、輝いていて……俺には何よりも不快だった。 「気取りやがって……気に入らねえ。あぁ、気に入らねえ……!」 この男は俺みたいな奴を見下していると、一目見ただけでわかった。 いや、見下しているどころではなく、存在すら認知していない。甘い汁を吸っている裏で、俺のように辛酸を舐めさせられ続けている奴らのことなど、まるで気付こうともしない。 仮に対面などしようものなら、俺のことを徹底的に罵倒し、ゴミクズのように捨てようとするはずだ。それも、あの男自身ではなく、奴を慕うであろう多くの人間の手によって。 そして、明日にでも……いいや、一時間も経たずに俺のことなど忘れてしまう。まるで、初めから存在しなかったかのように。 許せない……許せるはずがない。チートを使い、ルール無用のプレイをし続けた奴など、この俺の手で殺してやらなければ、気が済まなかった。 『ま、待て! まさか、その男を狙うのか!? いくらなんでも相手が悪すぎるぞ!?』 写真のおやじ……名前は確か吉良吉廣だったか? 俺が大和とかいう男の写真を見た瞬間、珍しくうろたえている。 確かに、この男はお偉いさんだし、政治家や実業家にも有力なコネを持つエリート中のエリートだ。普通なら、これほどの男を狙おうとは思わないだろう。 『あぁ……当たり前だろう? 俺の『田中革命』を真に成功させるため、最もふさわしいターゲットを見つけたのさ!』 だからこそ、俺の手でこの男を殺さなければいけなかった。 俺の『田中革命』を完成させるにふさわしい相手がこの街にいた。 『何をバカなことを言ってる!? 我々の目的は”透明な手”を持つ女と、白瀬咲耶の周囲を調査することのはずだ!? それを忘れたのか!?』 『わかってるよ! でもよぉ……そんなよくわからねえ女どもより、こっちの方が断然レベルが上だろ? この男を殺せば……イヒヒヒッ!』 既に俺は笑みを堪えることができなかった。 顔もわからない女はもちろん、白瀬咲耶を始めとするアイドルなどとは比較にならない程の上物だ。 あの女どもをメタルスライムと例えるなら、峰津院大和ははぐれメタルやメタルキング、あるいはプラチナキングレベル……いいや、ゲームの世界だけではない、現実の世界を根本からひっくり返せる程の相手だ。 これほどの男を殺すことで、俺は変わることができる。アルコールの後押しもあって、俺の中で強い確信を得たのだ。 『な、ならん! ならんぞ!? 『わが息子』が望むのは“真の平穏”……それを知った上で、このような男を狙えというのか!?』 『何が悪いんだ? こいつもひょっとしたら、マスターかもしれないだろ? それに、おやじだって言った……『聖杯を手に入れる為に戦え!! どこまでもハングリーになって欲望を追い求めろ』ってな!』 『ぐっ!? た、確かにそうだが……この男がマスターという確証はない!』 『んなこと言ったら、アサシンが狙ってるよくわからねえ女も、マスターかどうかわからねえだろ? なら、同じだ!』 『話を聞け! 下手に突っ込んでいっても、返り討ちに遭うだけだ!? この男……峰津院大和が保有する人材と財力もケタ外れだとわからんかっ!?』 『そこはアサシンの出番だろ? この男の隙を狙って、俺が令呪でも宝具でも、なんでも使えば……イチコロだぜ? チートにはチートだ!』 俺のアサシンは気配遮断のスキルに優れている。それを上手く使えば、大魔王クッパや魔神ダークドレアムレベルのラスボスでも瞬殺可能だ。 もちろん、あの男の居場所はわからないが、スマホを使えばいくらでも手がかりを得られる。 かつての俺ならビビっただろうが、今の俺にはサーヴァントがいる。 大和という男を殺すためなら、どんなに地道な作業でも積み重ねてやる。例え、聖杯戦争のマスターでなくとも、この東京が大混乱を起こすことは避けられない。 既に俺は殺しの経験を充分に積んだため、レベルが上がっている。あとは装備を整えるだけ。 例え、ピンチになろうともチャンスに繋がるので、気取った面を吹き飛ばしてやれるだろう。 天国から地獄の底に突き落とされた時、あの大和という男はどんな絶望を味わうのか? 醜く泣き喚いた面を拝んだ時、どんな快楽を味わうことができるのか? 『ま、待つんだ! この男だけはっ! この男だけは、手を出してはならん! この男だけは……やめろおおおおおぉぉぉぉぉっ!』 写真のおやじが何か文句を言ってくるが、その程度で俺の興奮を抑えることはできない。 何故なら、俺の『田中革命』を完成できる相手を見つけた喜びは、何物にも勝るからだ。 いつの間にか、俺の足に込められた力はどんどん強くなり、体も軽やかになるのを感じていた。 【杉並区/1日目・午後】 【田中一@オッドタクシー】 [状態]:健康、ほろ酔い、興奮状態 [令呪]:残り3画 [装備]:なし [道具]:スマートフォン(私用)、ナイフ、拳銃(6発、予備弾薬なし) [所持金]:数千円程度 [思考・状況] 基本方針:『田中革命』。 0:大きな刺激を見つけた。峰津院大和を殺す手段を考える。 1:敵は皆殺し。どんな手段も厭わない。 2:SNSは随時チェック。地道だけど、気の遠くなるような作業には慣れてる。 3:峰津院大和は俺の手で絶対に殺す。いざとなったら令呪を全部使ってでも殺す。 [備考] ※界聖杯東京の境界を認識しました。景色は変わらずに続いているものの、どれだけ進もうと永遠に「23区外へと辿り着けない」ようになっています。 【吉良吉廣(写真のおやじ)@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]:気配遮断、ストレス [装備]:田中一のスマートフォン(仕事用)、出刃包丁 [道具]:なし [所持金]:なし [思考・状況] 基本方針:愛する息子『吉良吉影』に聖杯を捧げる。 0:峰津院大和にだけは手を出すなああぁぁぁぁぁぁぁぁ! 1:『透明な手を持つ女(仁科鳥子)』および『白瀬咲耶の周辺』を調査する。 2:田中と息子が勝ち残るべく立ち回る。必要があればスマートフォンも活用する。 3:当分は田中をマスターとして受け入れるが、より『適正』なマスターへと確実に乗り換えられる算段が付いた場合はその限りではない。 [備考] ※スマートフォンの使い方を田中から教わりました。 ※アサシン(吉良吉影)のスキル「追跡者」の効果により、仁科鳥子の座標や気配を探知しやすくなっています。 時系列順 Back Sky Blue SkyNext ジャスト・ライク・マリー・アントワネット 投下順 Back 龍穴にて Next ジャスト・ライク・マリー・アントワネット ←Back Character name Next→ 012 終末数え唄 峰津院大和 060 ハッピースイーツライフ ランサー(ベルゼバブ) 011 オール・アロング・ザ・ウォッチタワー 田中一 032 ジャスト・ライク・マリー・アントワネット 吉良吉廣(写真のおやじ)
https://w.atwiki.jp/gedotaxi/pages/119.html
Mobieむかしばなし 第6弾 手負いのケダモノ <第3幕>常識外の脅威 前回までのあらすじ 追われる身になってもなお、闘いに餓え続ける男、串田龍巳。 ある日彼はその身を癒すべく、セントウ違いの銭湯へと身を投じた。 しかし、彼をつけ狙う敵は無情にもふたりの刺客を差し向けていたのだった! 銭湯を破壊しつつ敵を蹴散らした串田。 だが敵は彼に入浴の余韻にひたる間をも与えようとはしなかった…! コツーン、コツーン。 街角にひびく杖の音。 コツーン、コツーン。 闘いに餓えし男、“Sword”串田龍巳。 黒服組織から追われの身となり、毎日が闘いの日々。 それでも、心の餓えを満たせぬ日々を過ごす男。 コツーン、コツーン。 生涯の宿敵との闘いで全身に傷を負った彼は、その若さに似合わぬ杖を用いて移動する。 コツーン、コツーン。 だが甘く見るなかれ、傷は負えどもその剣の鋭さは変わらない。 今夜もすでに、2名の追っ手と銭湯で遭遇したものの冷静に返り討ちにしたところだ。 コツーン、コツーン。 その音は風呂に向かう前と、何も変わらないものだった。 コツーン、コツーン。 ブルルルル、ブロロロロ… その音の方向へ、ゆっくり向かうエンジン音。 新たな闘いが、彼の餓えを満たそうとしている… コツーン、コツーン。ブロロロロ。 先を行く串田も既に気づいていた。何者かがつけてきている。 先ほどの黒服の連中の残りか?それとも、先日のあのフルフェイスか? 背後の様子を伺いながら、頭の中で考えが巡る。 その時だった。 バッ。 こうこうと照らされる路面。まばゆい光が串田を包む。 串田はまぶしさのあまり、左腕で顔を覆う。 どうやらクルマのヘッドライトがこちらを照らしているようだ。 誰だ?串田は運転席を凝視する。 …いない?そう、運転席には、誰もいない。 そこには、エンジンをかけたままの無人のクルマが一台、停まっていた。 先ほどからしていた気配はこいつか? それにしてもおかしい。さっきまでこの場所にはこんなクルマはいなかったはず。 罠か?さっと周囲を警戒する串田。しかし、周囲には人の気配はない。 どういう事だ? その時、串田の戸惑いをあざ笑うかのように声が響いた。 黒服T「ふっふっふ、久しぶりだな串田さんよォー」 ごごーん(SE) 声は、たしかにクルマから聞こえた。無人のクルマから。 どういう事だ?…串田は動揺する。 それを見透かすかのように、クルマから声が響いた。 黒服T「ふっふっふ、黒服T、トランスフォ…じゃなくて変形!」 ビゴゴゴゴゴ(例の変形SE) オーマイガッ!なんという事か! 無人のクルマが轟音とともに、みるみるうちに姿を変えていく! そして数秒後そこには、黒いスーツに身を包んだ男がひとり立っているではないか! まるでテンコー・ヒキタも泡を吹くかのような、驚愕のイリュージョン! だが手品でもなければ目の錯覚などではない!たしかにクルマが、人間へと変わったのだ! クルマだった…男。彼には、串田は見覚えがあった。 彼こそ、黒服組織内でも最強の呼び名高い4人組、Big4のうちのひとり。 何の因果か生まれ持った才能でありとあらゆる物体に変形可能な、黒服Tである。 グレーのシャツの襟を正しながら、黒服Tは喋りだした。 黒服T「久しぶりだなぁー。串田さん。何年ぶりかねー?あんまり変わっていないようで何よりだよ」 ちらり、と銭湯の方向を見る黒服T。 黒服T「さっきはウチの連中が世話になったようだねェー。お楽しみいただけたかな?」 何も言わず、ただ黒服Tをにらみつける串田。 視線を動かさぬまま、ただ杖をひねる。「カチリ」と音がする。 黒服T「さてさて。本題なんだが…下っ端どもじゃなくて、直接俺が来たってことは… アンタならどういう事か、分かるだろォー?」 彼の言うとおり、串田は理解していた。 雑魚ではなくトップクラスのBig4メンバーが、わざわざ出てきたという事。 それは即ち黒服組織からの最後のチャンス、ということである。 組織に戻れ。さもなくば、その場でもって、全力で貴様を殺す。 串田はニヤリ、と笑った。 好都合だ。チンケな連中を潰すよりも、骨のある連中とやりあえる。 串田の返答は決まっていた。 それを察してか、黒服Tもまたニヤついた。 黒服T「聞くまでもないみたいだなァー…変・形!ヘリコプター!」 ビゴゴゴゴゴ(例の変形SE) そう叫ぶと彼はふたたび変形!こんどは米軍も使用している戦闘ヘリへと姿を変えた! 住宅街に突如として出現する、超低空飛行中のヘリコプター! バラバラバラバラバラバラバラバラ(ヘリコプターSE) 吹きすさぶ風!耳をつんざくローター音! 質量だとか形だとか大きさだとかは関係ない!文字通りあらゆる物に変形できるのが黒服Tの能力なのだ! 黒服T「死にさらせーっ!」 ヘリのスピーカーから響き渡る黒服Tの声!そして放たれるはガドリング砲による弾丸の雨あられ! 危うし!串田龍巳! ドドドドドドドド(ガドリング銃SE) おお!なんという事か! 串田は飛んでくる雨のような銃弾の軌道を読み、紙一重でかわしている! あの不自由な右足を抱える人間とは思えないほどに! 杖をうまく使い跳躍、回転しながら毎分6000発もの弾丸をかわし続けているのだ! そう、その様はまさにニンジャ!現代のニンジャが如く! 遠い島国からやってきたニンジャにもかくあれと見習わせたいものである。ワザマエ! 黒服T「やってくれるじゃないの!」 ガショーン(メカー音SE) ヘリコプターが今度は、ミサイルの照準を串田に合わせてきた! 串田は一瞬、周囲を見た。両脇はブロック塀に囲まれた住宅街である。 が、先にもお伝えしたとおり、この周囲一帯は外道対策で強化改築が施されている! おそらくミサイルの爆発をも跳ね返すことであろう! それがどういう意味をなすのか?串田は瞬時に理解した。 ここでミサイルが炸裂すると、爆発の衝撃が拡散せずそのまま自分に集中的に降りかかってくる! 一発、かする程度であっても何発もの直撃に匹敵するダメージは避けられない! 串田は舌打ちをすると、サーチライトに照らされたヘリの真正面へと 無謀にも姿を見せたのだった! そして迷うことなく、杖の銃口をヘリの方へと向けたっ! バババババッバッバババババ(マシンガンSE) 爆発2(SE) 大爆発!しかし、串田は無事である! ミサイルが発射される直前に、マシンガンの一斉射撃でミサイルを爆破したのだ! 宇宙のヘビ、新宿のシティーに住むハンターばりの鮮やかな射撃! 風向きも幸いし、爆発はヘリコプターに変形した黒服Tを直撃! 煙が晴れた時には、スネ夫のラジコンのように変わり果てていることだろう! だぁがぁっ! ビゴゴゴゴゴ(例の変形SE) 黒服T「ハァーッハッハー!」 煙の中から出てきたのは、ガレキと化したヘリではなかった! 耐地雷・伏撃(ふくげき)防護車輌、通称MRAP、エムラップ! わかりやすくいえば爆弾テロにも耐えうるすっげー固い軍用トレーラーである! 超大型トラックばりの重量を誇る、怪物マシーンだ! 瞬時に変形した黒服Tは、その装甲でもって爆発のダメージを無力化してしまったのだ! 黒服T「このドブネズミがぁーっ!道端のシミにしてやるぜェーッ!」 突っ込んでくる軍用トレーラー! どがしゃーん(爆発SE) すんでのところで回避する串田!しかしトレーラーはその勢いのまま、 串田の後方に路駐してあった高級外車に激突! トレーラーはまったくの無傷!しかし外車はアコーディオンのようにペシャンコにひしゃげてしまった! 所有者はきっと涙をのむことだろう! 黒服T「てめェー、ちょこまかと!」 トレーラーの黒服TはすぐさまUターンし追撃を行おうとする、が、しかし 強化されたブロック塀にどデカい車体が当たり、ターンに手間取っている! チャンスだ!串田は杖の先の銃口をトレーラー、そのタイヤ部分へと向ける! バババババッバッバババババ(マシンガンSE)×3 ありったけの弾丸をトレーラーにぶち込む串田。 ただでさえバカデカい図体の車輌、タイヤが破壊されればただの的でしかない。 鬼の形相で弾丸を放つ串田。 その足下には杖から排出された薬莢が雨のように降り注ぐ。 もちろん聡明な視聴者の諸君には、一体細い杖のどこにそんな大量の弾丸が収納されているのかなどと 無駄な詮索はしないでくれることを祈る。 弾丸を撃ち終えた串田。杖に弾薬は1発も残ってはいない。 一方の黒服Tは、砂煙にまみれて姿が良く見えない! やったか?串田がそう思った時だった! 黒服T「甘いんだよ、てめェーは!」 なんということだ!黒服Tは、車輪部分をタイヤからより頑丈なキャタピラへとトランスフォ…変形させていた! あらゆる物体に変形できる彼は、いち部分だけを変形させることもできたのだ! ライフル弾のような弾丸の雨あられも、キャタピラに決定的なダメージを与えることはできなかった! 黒服T「オラァ、モタモタしてっと轢くぞテメェー!」 そう叫ぶや黒服Tはキャタピラからふたたび瞬時に車輪部分を変形させ、レーシングカーのタイヤへと変化! 一気にエンジンをふかす黒服T!タイヤからは白煙があがる! 本物のMRAPでは到底出せない加速で、黒服Tのトレーラーが突進していく! 黒服T「死ねェー!」 あやうし串田!しかし串田は激突の直前、すんでのところで右側面へと回避! 黒服T「テメェー!」 ドリフトし180度ターンする黒服T!そしてふたたび串田へ向け猛烈に突進! 黒服T「死ねェー!」 あやうし串田!しかし串田は激突の直前、すんでのところで左側面へと回避! 黒服T「テメェー!」 ドリフトし180度ターンする黒服T!そしてふたたび串田へ向け猛烈に突進! 黒服T「死ねェー!」 あやうし串田!しかし串田は激突の直前、すんでのところで… 黒服T「お見通しなんだよ!」 読まれていた!黒服Tは、串田の回避する方向を予測! 車体をスピンさせ、側面部を串田のどてっ腹に突き刺した! ドゴォ(SE) 地雷をもものともしない装甲が、串田の身体を激しく打ちつける! 吹っ飛ぶ串田。そしてその先には、対外道用に強化されたブロック塀が! ドズシーン(SE) トレーラーと強化ブロック塀に挟まれた串田。常人ならミンチものだが、さすがは串田。五体満足である。 が、さすがにこれは効いたようだ。ガフッ、と血を吐いた。 初めて彼は、苦悶の表情を浮かべた。 黒服T「おいおいおい、血なんか吐いてもう限界なのかよォー?」 あざ笑う黒服T。しかし串田もその目はまだ死んではいない。 黒服Tは「バックします。ピピー、ピピー。」と、一度わざと串田と距離をおいた。 改めて正面から全速力で串田に衝突し、こんどこそ命を奪うつもりである。 黒服T「デブやババァとやりあっただけでもう一杯一杯なのか?骨あるとこ見せてくれよォー!」 エンジンをふかすトレーラー。爆音が住宅街にこだまする! 血を、ペッと吐き捨てる串田。 彼はゆっくりと、杖をひねった。カシャッ、と、これまでとは違う音が鳴った。 するとどうだろう。杖が外れ、武器としての棒へと姿を変えたのだ。 串田が構えると棒となった杖の側面からは、小さくも鋭利な刃があらわとなった! そう、忘れてはならない。串田は拳銃だけでなく、剣術の腕前も超一流なのだ。 まるで剣のように高速で杖を回転させ、構えるSwordこと、串田龍巳。 黒服T「そんなデカいカッターナイフもどきで切れると思ってんのかーッ!」 全速力で突っ込んでくるトレーラー。 目光る&バシィィィィン(決めSE) 黒服T「なぬぃっ?!」 一瞬の出来事だった! 最高速度で突進してきたトレーラー!しかし串田は、あたかも透明になったかのようにその車体をすり抜けた! いや、違う!すり抜けたのではない!斬り抜けたのだ! 車体が串田に衝突する瞬間!串田は目にも留まらぬ早業で重装甲のトレーラーを一刀両断! まるでモーゼの前で海が裂けたかのように、トレーラーをまっぷたつに斬ってとったのだった! 黒服T「うおおおおおおおおおッ?!」 悲鳴をあげる黒服T!断面部分からは、ガソリンやらオイルやら、黒い液体が噴出し火花も散ってている! 手ごたえはあった! 黒服「と、思うだろう?だから甘いって言ってんだろてめェー!」 ビゴゴゴゴゴ(例の変形SE) オーマイガッ!神よ!なんという事だ! まっぷたつに切断されたトレーラーの残骸、その車体が2台それぞれ、轟音をあげて変形したのだ! そして変形し終えるとそこには、2台に増殖したトレーラーの姿が! これにはさすがの串田も目を疑う! 黒服T「言っていなかったっけかな。俺はよォー、最大で3台までのマシンに分離・変形が可能なのさ!」 先ほどの攻撃がまるで効いていなかったかのように、エンジンを唸らせる2台のトレーラー! 串田はふたたび杖を構え、迎撃の態勢をとる! が、その時!串田の身体がグラッと、傾いた。 杖をつき姿勢を維持しようとするも、思うように身体が動かない! 地面に片ひざをつき、必死で身体を支えている! 銭湯の時といい、またしても油断を誘う呼び水か? いや違う、そうではない! 額には汗がにじみ出、杖を持つ手は震えている! その目こそいまだにギラついてはいるものの、明らかに先ほどまでと様子が違う! そう、串田は、身体の限界が近いのだ! 彼は全身の傷をごまかす為に、大量の痛み止めを服用している。 その副作用で、まず全盛期よりも反応速度が鈍くなってしまっていた。 常人を上回る気力と、杖や義足などのアイテムでこれをカバーしているのだが、限界がある。 そして痛め止めの効果が薄れると、某ロボット超人のように 著しくその戦闘能力は激減してしまうのだ! この夜、串田はすでに3戦目。 本来ならば全力で闘える時間は、わずか1分程度と決まっていたのだ! 黒服T「おやァー?どうしたいSwordさん、顔色が悪いぜェー?」 ニヤける2台のトレーラー! 表情のない鉄のカタマリがニヤケると書くと、いささか不思議な表現かもしれないが この時明らかに黒服Tは笑っていた! そう、実は黒服側も串田の身体の問題をすでに把握していたのだ! むろん最初こそ知らなかったものの、黒服Lをはじめとする一連の刺客を放つ中で、 彼の弱点を把握していったのだ! そこで黒服Tは、最初に当て馬を銭湯に放ち彼の体力を浪費させ その後自分の手でじわじわといたぶり殺そうという魂胆でいたのだ! なんという極悪非道!だが、これこそが黒服組織のやり方なのだ! 黒服T「痛み止めが切れてきたのかなァー?おクスリをキメる時間は与えねーよォ!」 ズダダダダダダダ(マシンガン-5 SE) 満足に動くこともできない串田をもて遊ぶかのように、機関銃を発砲する黒服T!のうちの1台! かわそうと必死で転がる串田、だが、先ほどまでのスピードはない! 弾丸のうちの数発は容赦なく彼の身体をえぐり取る! 鮮血が飛び散る!歯をくいしばる串田! と、こんどは背後からも衝撃が!もう1台のトレーラーからも機関銃が発射されたのだ! 全身から血を噴出し、絶体絶命の串田! 黒服T「無様だねェー!串田さん。いい眺めだぜェ!ヒェーッヒェッヒェ!」 勝利を確信し高笑いする黒服T! 満身創痍の串田はいよいよ、その場を動くことも困難になりつつある! このまま、悪逆非道の黒服の手にかけられてしまうのか!? 身体の限界が訪れてしまった串田! 満足に身動きもできぬ中、このまま千変万化の黒服Tの前に屈してしまうのであろうか? 一方、勝利を確信する黒服Tもフラグを立てている事に気付いていない! 勝者と敗者、果たして両雄を分けるのは一体? 次回、長きに渡る激闘の夜に、終止符が打たれる! 最終回第四幕、『ケダモノは、死なず』、お楽しみに!
https://w.atwiki.jp/ifrozenteacherss/pages/620.html
あれは、私が有栖学園に赴任した頃の話。 昼休みの職員室では同僚達が何気ない会話をしている。 自分の身の回りで起きたことや、生徒たちのこと。いろんな話が飛び交う。 でも、今日は違った。 「また車を買ったの?水銀燈」 「そうよぉ、車が欲しいって言ったらすぐに買ってくれたのよぉ」 「…また貢がせたのね」 「なによそれ嫉妬ぉ?ま、私は貴女と違ってこの美貌があるからねぇ…まぁ、貴女には一生できないでしょうけど」 「それはどういう意味かしら、水銀燈」 また真紅先生と水銀燈先生の口論が始まった。 でも、 「貢がせた」 真紅先生が言った言葉に、私は違和感を感じた。 過去の苦い情景が頭の中に浮かぶ。 だから私は、放課後に直接水銀燈先生に聞いてみる事にした。 「水銀燈先生」 「何か用?、雪華綺晶先生」 「ちょっと聞きたい事が」 「なぁにぃ?もったいぶって」 「外の車、貢がせたって本当なんですか?」 「あぁ、アレの事?そうよぉ、男ってのは馬鹿でねぇ、あれが欲しい、これが欲しいって言うと すぐに買ってくれるのよぉ、この前の男は、サラ金で破産したらしいしぃ、ほぉ~んと、男ってお馬鹿さんよねぇ」 そう、誇らしげに語っている彼女の「姿」は、あの男と重なって見えた。 「わかりました」 私は、そう告げて彼女と別れた。 -借金- かつて私が背負い、返したもの。 私はオメガに所属する事で返す事が出来た。でも、一般人は違う。 一生その十字架を背負う事になる。 妹とともに住んでいるアパートに着いても、私の頭の中から彼女のあの「姿」は消えなかった。 私は妹に聞いてみた、彼女のことについて。 「銀ちゃんは…あ、銀ちゃんってのは水銀燈先生のことでね…、真紅先生が言うには…、昔からあんな感じだったらしいよ…」 「…そう」 「でも、銀ちゃんは根は良い人なの…、だからあんなことして欲しくないな…って思ってる…」 妹はいつもこうだ、やたらと人を庇いたがる。でも、妹のそんなところが私は好きだ。 さらに妹は、私にたくさんのことを話してくれた。妹は大好きなのだろう、彼女のことが。 だから、尚更気になった。 翌日、私は再び彼女に話してみる事にした。 「あの…」 「今度は何?」 「昨日の事で…」 「またその話?」 「先生には教師としての自覚は無いんですか?男の人からお金をむしりとるなんて…」 「うるさいわねぇ、貴女には関係ないでしょ」 「でも……」 「鬱陶しいわね!姉妹そろって何様のつもり?」 「えっ……」 彼女の放った言葉に、私は唖然とした。 「姉妹そろって」 私について罵詈雑言を浴びせられるのならば、私は別に構わなかった。 でも、私の妹、薔薇水晶の想いを無下にされた事。 貴女の事を信じているからこそ、貴女の事を想っているのに… 目の前の女は、それを何とも感じてはいない。 「なんかもうやる気無くしちゃったから帰るわぁ」 彼女は、一通りの反論を終え、悪びれる様子も無くそう言い放つと、どこかへと消えてしまった。 私は悲しかった。 妹の想いが、何一つ届いていない事が悲しかった。 そのとき何もできなかった、私の無力さが悲しかった。 アパートに帰ると、妹が待っていた。 二人で食事をしていると、妹は彼女のことについて話し始めた。 普段は寡黙な妹が話している、純粋に楽しそうな顔をして。 その日、私は妹の無垢な瞳を見ることができなかった。 次の日の学校で目にしたのは、真新しい指輪を着けた彼女の「姿」。 見るからに高そうな指輪。とても教師の給料で買える代物ではない。 昼休みにその指輪を自慢して真紅先生と口論をしている。 その姿を眺めていたら、勝ち誇ったような目でこっちを睨み付けてきた。 私は、それに応えることは無く、ただ次の授業の準備を始めた。 ただ一つのことを考えながら… 放課後、浮かれた様子で彼女はそそくさと帰宅の準備をしている。 曰くデートらしい。もっとも、純粋にそれを期待しているのは相手だけだろう。 彼女が期待しているのは、相手からどれだけ搾取できるか、それだけ。 準備を終え、駐車場へと向かう彼女の後を、私は追った。 「水銀燈先生、少しお話が…」 「何よ、まだ何か文句でもあるの?私は急いでるの、邪魔しないで頂戴」 そう言い放つ彼女の腕を無理やり引っ張り、人気のない旧校舎の裏へと向かった。 「何のつもり?離しなさいよ!」 抵抗する彼女を力で抑えつつ、目的の場所に着いた私は、彼女を解放した。 「いいかげんにしてよ!私はね!貴女みたいな偽善を振り回す人が大嫌いなのよ! 偉そうに私に説教するつもりなら諦めなさい、意味が無いから」 私はそう言って場を立ち去ろうとする彼女の腕を引き、地面に押し倒した。 「ちょっと!服が汚れるじゃない!」 この期に及んで、まだそんな事を言っている彼女に向けて、私は口を開いた。 「…妹は」 「……」 「薔薇水晶は貴女の事を想って」 「…何よ」 「いつも貴女の事を想って」 「…だから何よ」 「貴女の事を信じているの」 「…それがどうしたの?」 「それを貴女は!」 「…それはあの子が勝手に勘違いしているだけよ 少し優しくされたからって人を信じるような、お馬鹿さんな妹を持って貴女も大変ねぇ」 そうのたまった彼女は、あざ笑うように私を見つめている。 それがどうしても私は許せなかった。 だから…、私は…、彼女に向け…、拳を… 「お姉ちゃん!」 聞きなれた声に、私は後ろを振り向いた。 そこには妹が居た。 「もう…、やめてよ…、お姉ちゃんも…、銀ちゃんも…」 「あらあら、噂をすればこんなところに」 私は彼女を再び睨み付けた。 「お姉ちゃん!」 妹は、彼女から私を引き剥がした。 あのか細い腕のどこにそんな力があったのだろうか。 彼女から私を引き剥がした妹は、起き上がった彼女の前に座って話しはじめた。 「私は知っているよ…、銀ちゃんのこと…」 「貴女が私の何を知っているのよ!」 「真紅先生に聞いたの…、昔の銀ちゃんのこと…」 「…!」 妹は話した。私にも話さなかった昔の彼女の「姿」について。 彼女の本来の「姿」を。 孤独と、荒んだ環境でそれが覆われた「姿」を。 故に生まれ、虚栄心と人間不信によって自分を保つ「姿」を。 彼女の唯一の理解者であり、幼馴染の真紅先生がいなければ、簡単に壊れていた「姿」を。 「…あんなことしなくても…、銀ちゃんは」 「何よ!何よ何よ何よ!…、何よ……」 「銀ちゃんは…、独りじゃないよ…」 妹の言葉によって泣き崩れる彼女… そんな彼女を、ただ優しく抱きしめる妹… 私はただ、その「姿」を眺める事だけしかできなかった… 彼女を、彼女の自宅まで送り、家に帰ってから、私は妹に叱られた。 そして… 翌日の昼休みの職員室。 私は、妹に促されるがままに彼女の机の後ろへと来た。 「あの…」 「…何?」 「お昼ご飯…、一緒に食べませんか?」 「……」 「……」 沈黙が支配する。 「…良いわよぉ」 沈黙を破り、そう言って振り返った彼女の顔は、笑顔だった。 「貴女…、いつもそんなにたくさん食べるのぉ…?」 「…ええ」 それは、これからはじまる、日常の「姿」
https://w.atwiki.jp/xrebirth/pages/35.html
触りだけやってみましたがすごく面白そうですね。是非日本語でやりたい - 名無しさん 2013-11-17 12 00 36 一応unpackerが出たおかげで英語のファイルを翻訳することはできるのだが肝心のフォントがないから翻訳してもゲーム内で表示できない状況 - 名無しさん 2013-11-17 17 51 25 翻訳進めとけばだれかフォント用意してくれるかな - 名無しさん 2013-11-17 19 58 46 作っといてから言うのもなんですが、他の技術のある方にもっと使いやすい作業所を作って貰いたいです…(小声) - 作業所作者 2013-11-19 01 16 34 翻訳規則とかどうなってるのかな、engineとかを原文ママで表示するのか"エンジン"とするのか"機関"とかにするのかとか - 名無しさん 2013-11-20 02 12 03 特に決められてはないようですが…訳すのなら個人的にはエンジンに一票です。種族名やセクター名などの固有名詞はX3日本語化に習って原文ママがいいんでしょうか…。 - 名無しさん 2013-11-20 16 40 14 おおっ、素晴らしい新作業所が!作っていただいてありがとうございます!とりあえず第一のほうは用済み 混乱を防ぐために削除させていただきます。第一のほうで翻訳作業してくれた方ありがとうございました。 - 第一作業所作者 2013-11-21 21 32 14 質問です。X系の有志翻訳のように直訳していいのでしょうか。今後何年もXの宇宙で遊ぶのならもうちょっと雰囲気のある訳のほうがいいのではないかと思うのです。例えるなら「生産モジュール」とか違和感感じませんか?。私は感じるのですがセンスは人それぞれなので直訳したほうが分かりやすくていい人が多いのかそれとも意訳したほうがいい人が多いのか疑問に思ったので質問させてもらいました。よろしければご意見を聞かせて欲しいです。 - 名無しさん 2013-11-21 23 36 57 初めから質のハードルを上げると翻訳作業をかって出てくれる人が少なくなり、頓挫し兼ねません。機械翻訳でも良いのでざっくりと翻訳してしまい、その後に調整すべきと思います。センスや雰囲気は後から考えましょう。(個人的には、固有名詞は全て原文のままが好みです。英和の対応表も不要ですし、検索もしやすいですから。) - 名無しさん 2013-11-22 11 19 05 作業所立てた人が動画サイトで宣伝して集まってるから、今は雰囲気よりも速度優先でいいと思う。というか、今日見たら作業所が表示専用になってて編集ができないんだけど、ログインユーザーじゃないとできないようにとかしたのかな? - 名無しさん 2013-11-23 17 42 31 何かの手違いで編集できないようになってしまっていたようです。申し訳ありませんでした。 - 作業場の管理人 2013-11-23 18 15 41 ちょっと覗いたけど、皆で翻訳する作業は、感動しますね。がんばってください - 名無しさん 2013-11-26 15 22 50 着々と進んでいますね。頭が下がるばかりです - 名無しさん 2013-12-11 18 00 19 停滞し始めちゃったなー・・・ - 名無しさん 2014-02-27 23 08 01 途中までわかるけどあとわかんないみたいなのは備考欄に途中までの訳書いてけばいいですかね - 名無しさん 2014-03-28 20 51 37 2.0でもいける? - 名無しさん 2014-06-06 13 17 58 wikiも日本語化も停滞しちゃったなぁ・・・ - 名無しさん 2014-07-13 03 30 54 稚拙な訳でも追加していっていいんですかね? - 名無しさん 2014-09-20 00 51 35 是非お願いします! - 名無しさん 2014-10-06 20 44 12 たまにセールやってるけど半分も日本語化されてないのか。買うのはやーめた。 - 名無しさん 2015-03-16 09 52 58 本編プレイしてみてから、ちょこっと参加するかもw - 名無しさん 2015-03-17 17 36 14 少し、すこーしだけお手伝い致しますー - 名無しさん 2015-06-16 18 09 42 一文だけやってみたけど、それだけで30分以上もかかった……向いてないんだろうなぁ。こういうのができる人ってすごいわ - 名無しさん 2015-07-05 21 58 44 意訳って書いてる人に誤訳が多いです。ムリしないで分かるところを埋めてください。 - 名無しさん 2015-08-28 04 56 58 XRJP Downloader 150628で日本語作業場からデータをダウンロード中に、翻訳シート1がダウンロード中の表記のまま「インデックスが配列の境界外です」と出て止まってしまうのですが、誰か現状の 0001-L044.xmlをアップロードしてくださる方はいらっしゃいませんか? - 名無しさん 2015-10-02 04 44 27 なんか作業場から正しいデータが送られてきていなかったようです。今は直っていると思いますがどうでしょう?あとツールのエラーなんかは作業場の連絡用に報告してくれると助かります。 - 名無しさん 2015-10-12 06 45 54 無事xmlを作成できました。ありがとうございました。 - 名無しさん 2015-10-15 14 36 03 UIは9割終わってんのカすげーな - 名無しさん 2016-02-26 02 42 36 XRJP DownloaderでXml作成を押したらエラー(アプリケーションのコンポーネントで、ハンドルされない例外が発生しました。)と出ました続行を押してますがXml作成中から動きがありません(時間がかかるかも?)とりあえず作業場の方へ連絡入れておきました - 名無しさん 2016-02-29 20 41 59 現時点で[The Teladi Outpost]と[Home of Light]二つのDLCが配信されていますが両方とも入っている状態ではxmlが作成されません。[Home of Light]は現時点では対象外なのでしょうか? - 名無しさん 2016-07-27 20 15 33 自己解決しました。現時点では[Home of Light]は対象外なんですね。 - 名無しさん 2016-07-29 12 01 19 日本語化のバグで、home of lightが入った4.0の状態でも日本語化されますが、Enterが効かなくなりメニューが出せなくなるみたいです。新規の方はご注意ください(バニラでなおりました)。 - 名無しさん 2016-09-22 10 33 20 DLC無しでも同様ですね - 名無しさん 2016-10-19 22 34 56 Enter押すとあざ笑うかの様に右上に不細工な顔が出たまま固まってしまいますね。一応、メニューからメニューをレガシー表示にすることで対処出来る様です。まだ始めたばかりなので、ちゃんと機能してるかどうかわかりませんが… - 名無しさん 2016-09-22 14 22 57 XRJPDownloaderがウイルスに汚染されてるとかでダウンロードできないんですが他にも確認できる人いませんか? - 名無しさん 2016-12-25 00 43 18 同じくXRJPDownloaderがウイルスに感染していると表示されダウンロードできませんでした。 - 名無しさん 2016-12-25 08 29 11 同じく - 名無しさん 2016-12-25 14 33 13 マイドライブに追加して、それをコピーしてからダウンロードすれば、一応いけます。自己責任でどうぞ。 - 名無しさん 2016-12-25 14 36 21 さっきダウンロードしてきたけど問題なかった、対応済みっぽい? - 名無しさん 2017-01-05 14 37 17
https://w.atwiki.jp/tsvip/pages/798.html
443 名前:1/7 ◆fZSWlrjmJs []:2007/06/11(月) 21 06 00.20 ID Xr+cBy3t0 高校3年目の夏休み 外で元気に自己主張するセミの鳴き声が俺をあざ笑うように聞こえ今日何度目かの怒声を吐き散らす。 「くそったれ!16過ぎれば大丈夫じゃなかったのかよ!」 ドン! こぶしの痛みよりも、今は心の痛みの方が痛い 本棚の上にはいくつもの賞状とトロフィー すべて陸上の大会で勝ち取ったものだ しかし、今の自分にはそのすべてが無価値になってしまった。 今日も学校では部活が行われている だがもう俺は参加できない、したくない。 すでにいくつかの大学からはスポーツ推薦も来ていた。 陸上で有名な大学からもオファーも含まれている だが、それもすべて無価値だ・・・ 444 名前:2/7 ◆fZSWlrjmJs []:2007/06/11(月) 21 06 41.78 ID Xr+cBy3t0 女の体になってからも、走ることはできた でも、本気でタイムを出しに行くと、途端転んでしまう 今まで走ることが生きがいで、陸上に生活のすべてをかけてきた 故に 体に、脳に染み付いた『元の体』に最適な動き それが今の体には通用しない 途端にリズムが狂い、足がもつれ、転んでしまう。 それが悔しくて、悔しくて 走れないのが悔しくて・・・何度も泣いた。 親からは「いい加減認めなさい、女の子でも陸上があるじゃない」と言われた。 確かに、女子にも陸上はある だけど、今の俺は翼を折られた鳥だ 自分が一番わかってる、俺はもう飛べない―走れない― 445 名前:3/7 ◆fZSWlrjmJs []:2007/06/11(月) 21 07 33.04 ID Xr+cBy3t0 「ちょっと走ってくる、飯先に食っといて」 新しく買ってもらったスニーカー その隣にはこの前まで履いてたスニーカー ・・・こんなにも足が小さくなったのか・・・ 本当はもうこんな体じゃ走りたくないのに・・・ 何も考えたくなくて、がむしゃらに走る ただひたすらに、走る 無我夢中になって、走る 本当は走りたくないのに、そう思いながらも 頭のどこかが―走れ―と命じるのだ。 何度も転んでは、起き上がって走り出す 気がつくと、どこか山の展望台に居た。 俺の家がある街が遠くに光って見える 何時だ・・・22時34分 数時間走りっぱなしだったのか・・・親・・・心配してるかな 空を見れば満天の星空と満月、こんな場所だと、こんなに星が見えるのか 大パノラマで夜景と星空を見てると、何もかもがどーでもよく思えてしまう その場で座ろうとして、倒れた ははっ、無理もねーや、何も飲まずに何時間も走ってたんだから・・・視界が薄れ、意識が遠くなりはじめる ―このまま死んでも、いっかなぁ。こんだけ走ったんだし― 446 名前:4/7 ◆fZSWlrjmJs []:2007/06/11(月) 21 08 28.26 ID Xr+cBy3t0 「おい、大丈夫?」 「ぅっ・・・ゲホッケホッ・・・」 水、と言いかけて目の前にペットボトルの水が差し出されているのが目に入った。 「ほら、飲め」 ただのヴォルヴィックがこんなにおいしいと感じたのは、人生で初めてだ 「キミここまで歩いて上ってきたん?」 少し意識が覚醒し、水を差し出してくれた人物が女性だと認識する。 「いや・・・走って・・・」無意識だったから多分だけど 「マジで?どこから?」 遠くの街の明かりを指で指し示す 「嘘っ」 「マジっす」 「・・・なんか嫌なことでもあったん?」 「まぁ・・・ちょっと・・・いや、結構・・・かな」 「なんや訳有りっぽいなぁ、そーゆーときは走れば多少気晴れるよ?あ、でもそれでここまで走ってきたんやっけ」 「走れば走るほど・・・ダメになってくんです」 「なるほどねぇー、なんならうちの車乗ってみる?」 彼女が指差す先には、一台の車が止まっている。車には詳しくないからよくはわからないが いわゆるスポーツ仕様な車なのは、分かった。この人は俗に言う『走り屋』ってヤツなのかな 「ちーっと怖いけど、多分気持ちいいと、思うよ?」 448 名前:5/7 ◆fZSWlrjmJs []:2007/06/11(月) 21 09 49.60 ID Xr+cBy3t0 車が山道をあれほど早いスピードで走れるものだとは、想像できなかった。 怖いとか、死にそうとか、恐怖感は無く すごく気持ちよかった! 自分も今まで速さを追い求めて走ってた、それと似た匂いを、ハンドルを握ってる人にも感じる 車は山道を下りると、街の方へ向かいファミレスへ向かった 「なんか悩んでるんやったら、聞くよ?ここやったら飲み物もあるし、ゆっくり喋れるやろ、好きなもん頼んでええよ」 「すんません・・・」 「気にせんとなんか頼み」 小さめのサラダを食べながら、陸上の事や女になってしまったこと、走れなくなったこと それが悔しくてあそこまで無我夢中で走ったことを話し、最後にすいません。と付け加えた。 449 名前:6/7 ◆fZSWlrjmJs []:2007/06/11(月) 21 10 33.68 ID Xr+cBy3t0 それまで黙って聞いていた彼女は、軽く苦笑交じりに口を開く 「なるほどなぁ、なんや昔の自分みたいやわ、ほんと」 「昔の・・・自分?」 「うちもな、元男やったんよ。そん頃はまだ単車で峠攻めてて、突然女になってしもて絶望した 昨日まで乗れた単車が、上手く運転できんくなって んでムキになって山に行ったら案の定、コケて足と手骨折 完全に単車じゃ速く走れんくなった」 「それで車に?」 「しばらく悩んだよ、正直引き際かとも考えて山に近づかんかったけどでも、なんやろか、こう『疼く』んよね。体が『走りたい』って 我慢してもしきれんで、今の車買って、たまに今日みたいに山に登ってる 馬鹿みたいやろ?でもさ、楽しいんよねぇ、走ってると」 楽しそうに語る彼女は、すごく輝いて見えて、それが羨ましく、美しく見えた。 「俺は、どーしたらいいんだろう・・・」どーしたいんだろう・・・ 450 名前:7/7 ◆fZSWlrjmJs []:2007/06/11(月) 21 11 16.86 ID Xr+cBy3t0 「走ってみたら?」 「でも・・・」 「気が付いたらあそこまで走ってたんやろ? んならもーちょい走ってみたら?うちの経験やけど、多分走らんかったら後悔すると思うよ 男から女に変わって走れなくなったって言うとったけど それって単車から車に乗り換えたときの違和感みたいなんと一緒なんやないかなぁ」 「人と車を比べられても・・・」 「一緒やん?人も、単車も車も、同じ『走る』やんか うちも最初車に乗り換えたとき、単車より速くなんて走れんかったよ 単車と車じゃ全く違うからね、でもそれって、男の体から女の体に変わったのと一緒じゃない?」 なんかものすごく違う気もするけど、ものすごくもっともな気がする 「もう少し、走ってみようかな」 「そか、よかったわ。少しは楽なった?」 「おかげさまで、すごく」もしかしたらこの人は魔法使いか何かか それほどまでに俺の心は様変わりしている 「ほな家まで送るよ、このあたりなんやろ?」 「あ、それは有難いんですが・・・」 「どした?」 「走って、帰ります」 ―『RUN』―END
https://w.atwiki.jp/f_go/pages/699.html
オリオン相手に超有能である -- 2016-02-12 13 07 10 まさかの禁書のはいむらさん -- 2016-02-12 13 55 53 これでグランドキャスターをあざ笑うゲームができるわけか -- 2016-02-12 14 18 52 金時相手だとほんのりダメージ抜かれて吃驚。狂+狂化補正で僅かに負けるっぽい -- 2016-02-12 14 30 01 初見だとリゼロの大塚さんかと思った。いつもと気合の入りが違うなはいむらさん -- 2016-02-12 14 31 17 これって男性3回ってことは途中で女性に攻撃されても回数減らないのかな -- 2016-02-12 14 42 47 減らない。きっちり男属性の敵の攻撃のみ3回0にする。 -- 2016-02-12 14 43 41 軽減されない神性というスキルがですね -- 2016-02-12 15 05 47 凸したらスター発生が20%になり、各コインチョコのドロップは3個になりました。別々で一枚づつ使って方が得だった。 -- 2016-02-12 15 37 57 ただ使用コストは重いし一つにまとめて各鯖チョコで埋めたり保険に普通の礼装持たせた鯖入れる余裕が生まれるから選択肢としてはなくはない。俺も限凸しちゃったけど限凸するのは2枚ドロップしてからの方がコイン効率は良さそうだね -- 2016-02-12 20 40 49 イベント終わっても凸せずに持っておく方が良さそう -- 2016-02-13 05 41 42 ギルテスラアルジュナの為に複数枚残しておきたい -- 2016-02-13 05 48 02 ヘラとか金時でダメージを受けた。これって神性のダメージは受けるのかな? -- 2016-02-13 11 01 04 固定ダメージは他のダメージ計算が全て終わった後に加算だから防御100%でもくらう。ダメージカットも同様の仕様 -- 2016-02-13 11 07 53 鎧とメカクレがなけりゃマシュに見えない素晴らしさ()もうちょっと他人様のキャラ描くっていう自覚と能力持てよ・・・ -- 2016-02-15 20 30 55 ↑こいつ何様だよ、そんなに文句があるなら全部社長が書けって抗議のメールでも送ったら? -- 2016-02-16 00 43 39 どう見ても荒らし目的の愉快犯だから黙ってコメントアウトしとけ -- 2016-02-16 00 54 22 カルデアスタンダードの「全ての」とメルティ・スイートハートの「あらゆる」ってただの表記ゆれ? -- 2016-02-17 07 32 22 ↑今更何言ってんだお前。 -- 2016-02-17 07 55 08 ↑2 チョコレートの礼装まとめページでも書いてるけどスタンダードとstオルレアンは「全の」コインチョコの獲得数増だよ -- 2016-02-17 08 20 48 チョコのページはまだ編集されてない項目だと思って飛ばしてみてたわすまんね。イベントをちょっと前に始めたから分かんなくてさ -- 2016-02-17 08 30 38 まぁあのページ一応編集し終わったの昨日だしね…見てなくても仕方ないか 一応こっちでも書いたほうがいいのかな -- 2016-02-17 09 48 18 材料チョコに余裕出来てきたけど、現在1泥1交換の所、全交換でぴったり凸一枚にするか、二枚だけ持っておいてQPマナプリ交換すべきか悩む -- 2016-02-17 13 58 55 凸してもスター発生率しかあがらないし今後高難易度男性ボスが来た時のためにも1枚4凸するよりも複数枚持ってたほうが損はないと思う -- 2016-02-18 12 01 30 複数持っておくにしても、5枚きっちり揃えた方が良いのか3~4枚で妥協するか。悩む -- 2016-02-19 09 48 27 凸る気無いなら3枚で十分な気もするな。かくいう自分も悩んでるけどw -- 2016-02-19 23 45 41 コストの関係で5枚これを使うとなると☆2鯖かマシュを入れなきゃいけなくなるから、3枚で十分だと思う。 -- 2016-02-19 23 52 39 レベルマのHP3000も魅力的だとは思うんだが -- 2016-02-20 00 39 19 Lv100まで上げれたらな -- 2016-02-20 00 46 38 礼装レベルアップに関してはもうちょいてこ入れないとどうにもならん。期間限定礼装の中じゃ久しぶりに尖ってる分ピンポイントで登板ありそうだから一応3枚確保した。 -- 2016-02-20 00 49 19 いつか使う時もありえる「かも」しれない程度だから置いてはあるけど倉庫番だろうなと -- 2016-02-20 09 58 17 倉庫番につき凸しますた -- 2016-02-23 10 56 57 ブリュンヒルデにネタでつけてるけど案外悪くない。凸でスター発生20%だし。おまけの男性からの攻撃を3回(ほぼ)無効にするのもいい。 -- 2016-02-23 14 57 28 オーダーチェンジと合わせて男鯖の宝具受けたり、兄貴の回避前に使ってもっとしぶとくしたりと、状況は選ぶがめちゃくそ強いな。空の境界イベ最後の部屋はこの礼装のおかげでクリアできたわ。 -- 2016-03-05 12 59 05 今の高難度イベでめっちゃ助けてもらってる。宝具すらダメージ0にするのは超ありがたい -- 2016-03-18 13 55 30 火力担当につけてタゲ集中とあわせれば全体宝具無効で殴り続けられる -- 2016-03-18 14 19 37 タゲ集中っていつのまにか全体宝具も単体効果にするチートになったのか -- 2016-03-18 14 45 19 タゲ集中で単体攻撃吸っておけば防御回数を温存できて、全体宝具に巻き込まれるときにもまだ効果が残ってて生存できるって話じゃね? -- 2016-03-18 14 53 06 ↑そういうこと 言葉足らずですまない・・・ -- 2016-03-18 15 12 24 タゲ集中役で1枠使ってアタッカーにもメルティもたせながらボス宝具まで温存できるなら普通に強礼装つけて殴ってたら宝具撃つまでもなく相手死んでそう -- 2016-03-18 15 47 44 ほんと最終兵器…しかし5人全員これ装備してごり押しするとは思わなかったw -- 2016-03-22 02 05 09 対巖窟王でひたすら輝いてた・・・w -- 2016-03-22 08 41 43 これ配った後巌窟王イベやるべきじゃなかったなw -- 2016-03-22 10 07 28 時々配布で有能なの来るよね。個人的にはハロプリ以来のヒット。 -- 2016-03-22 14 17 13 ハロプリとコレとバニーは無課金の救世主だと思う -- 2016-03-22 14 21 42 ハロプリは初のイベント、これとバニーはFate以外の作品との初コラボイベント。やはり最初の試みの時は狙い目だね。 -- 2016-03-22 14 29 29 すまんスイートハートはバレンタインだから関係なかったわ -- 2016-03-22 14 35 58 zeroコラボでもガチャ産礼装の残念さに比して配布はめっちゃ強かったという。贋作イベでも同じ。やはりイベ産礼装は強い -- 2016-05-03 21 44 34 ケイネス先生に性能で食われるかと思ったけど、道中の雑魚に反応しないでボスだけに反応してくれるから完全にケースバイケースやな -- 2016-05-05 03 12 57 6章ガウェイン、トリスタン戦でかなり役に立った -- 2016-07-31 01 51 44 ああ⁉︎ もっと早くに此処を読んでいれば‼︎ 重ねちゃったよ、数揃えて全積みが有効なのか、はぁー -- 2017-01-26 16 34 56 亜種でも大活躍ー -- 2017-03-12 23 15 27 無敵貫通のステラを耐えれる -- 2017-09-12 22 35 15
https://w.atwiki.jp/henroy/pages/353.html
ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(後編) ◆LuuKRM2PEg 【1日目/昼前】 【E-2/森】 【石堀光彦@ウルトラマンネクサス】 [状態]:健康、仮面ライダーアクセルに変身中、凪を抱えている。 [装備]:Kar98k(korrosion弾6/8)@仮面ライダーSPIRITS、アクセルドライバー@仮面ライダーW、ガイアメモリ(アクセル、トライアル)@仮面ライダーW、エンジンブレード+エンジンメモリ@仮面ライダーW [道具]:支給品一式、メモレイサー@ウルトラマンネクサス、110のシャンプー@らんま1/2 [思考] 基本:今は「石堀光彦」として行動する 0:凪を守りながら涼村暁と黒岩省吾を保護する。 1:周囲を利用し、加頭を倒し元の世界に戻る 2:今、凪に死なれると計画が狂う…… 3:凪と暁と黒岩と共に森を通って市街地に向かう 4:孤門、姫矢、つぼみの仲間を捜す 5:都合の悪い記憶はメモレイサーで消去する 6:加頭の「願いを叶える」という言葉が信用できるとわかった場合は…… [備考] ※参戦時期は姫矢編の後半ごろ。 ※今の彼にダークザギへの変身能力があるかは不明です(原作ではネクサスの光を変換する必要があります)。 ※ハトプリ勢、およびフレプリ勢についてプリキュア関連の秘密も含めて聞きました ※良牙が発した気柱を目撃しています。 ※つぼみからプリキュア、砂漠の使徒、サラマンダー男爵について聞きました ※殺し合いの技術提供にTLTが関わっている可能性を考えています 【西条凪@ウルトラマンネクサス】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、気絶中 [装備]:コルトパイソン+執行実包(2/6) [道具]:支給品一式、ガイアメモリ説明書、.357マグナム弾(執行実包×18、神経断裂弾@仮面ライダークウガ×8)、照井竜のランダム支給品1~3個、相羽ミユキのランダム支給品1~3個、テッククリスタル@宇宙の騎士テッカマンブレード [思考] 基本:人に害を成す人外の存在を全滅させる。 0:…………(気絶中) 1:一文字隼人と共に暗黒騎士キバを倒す。 2:状況に応じて、仮面ライダーアクセルに変身して戦う。 3:孤門、石堀と合流する。 4:相手が人間であろうと向かってくる相手には容赦しない。 5:五代雄介、美樹さやかの事を危険な存在と判断したら殺す。 [備考] ※参戦時期はEpisode.31の後で、Episode.32の前 ※さやかは完全に死んでいて、助けることはできないと思っています ※まどか、マミは溝呂木に殺害された可能性があると思っています 【涼村暁@超光戦士シャンゼリオン】 [状態]:ダメージ(中)、疲労(大)、汗だく [装備]:シャンバイザー@超光戦士シャンゼリオン、スカルメモリ&ロストドライバー@仮面ライダーW [道具]:支給品一式(ペットボトル一本消費)、首輪(ほむら) [思考] 基本:願いを叶えるために優勝する………………(?) 1:石堀、黒岩と行動し、黒岩が変な事をしないよう見張る。 2:何故黒岩が自分のことを知っているのか疑問。 3:可愛い女の子を見つけたらまずはナンパ。 4:ラブちゃん、大丈夫なのか……? [備考] ※第2話「ノーテンキラキラ」途中(橘朱美と喧嘩になる前)からの参戦です。 つまりまだ黒岩省吾とは面識がありません(リクシンキ、ホウジンキ、クウレツキのことも知らない) ※ほむら経由で魔法少女の事についてある程度聞きました。但し、まどかの名前等知り合いの事については全く聞いていません。 ※黒岩はダークザイドなのではないかと思っています。 【黒岩省吾@超光戦士シャンゼリオン】 [状態]:健康 [装備]:デリンジャー(2/2) [道具]:支給品一式、ランダム支給品0~2 [思考] 基本:周囲を利用して加頭を倒す 1:あくまで東京都知事として紳士的に行動する 2:涼村暁との決着をつける ……つもり、なのだが…… 3:人間でもダークザイドでもない存在を警戒 4:元の世界に帰って地盤を固めたら、ラビリンスやブラックホールの力を手に入れる 5:井坂とティアナが何を考えていようとも、最終的には自分が勝つ。 6:桃園ラブに関しては、再び自分の前に現れるのならまた利用する。 7:涼村暁が石堀光彦に妙なことを口走らないよう、警戒する。 [備考] ※参戦時期は東京都知事になってから東京国皇帝となるまでのどこか。 ※NEVER、砂漠の使徒、テッカマンはダークザイドと同等又はそれ以上の生命力の持主と推測しています。(ラブ達の戦いを見て確信を深めました) ※ラブからプリキュアやラビリンス、ブラックホール、魔法少女や魔女などについて話を聞きました 。 ※暁は何らかの理由で頭が完全におかしくなったのだと思っています。 ◆ 仮面ライダー二号は暗黒騎士キバの斬撃をかわし続けながら、ひたすら反撃の機会を窺っている。石堀光彦も彼の上官である西条凪も逃がした今、一人で戦わなければならない。 もっとも、それ自体は慣れているのだが相手が悪すぎた。がんがんじいの偽物な割には頑丈で素早く、しかも剣術の技量が異様なまでに高い。 認めるのは反吐が出るが、キバは自分より強かった。これまでの戦いでも、沖一也や石堀達の乱入が無ければ確実に負けている。加えて今は二度にも渡るキバとの戦いや、タイガーロイドの襲撃による疲労が完全に癒えてない状態だった。 無論、それに諦めて死を選ぶ二号ではない。石堀や一也達と再び出会うと約束したのだし、何よりも散ってしまった者達に報いることはできなかった。 (それにあいつらだって……特に本郷なら、どんなハンデを背負ったとしても負けなかった。俺がそのくらいのことをしなくて、どうする!) この島のどこかで、誰かを守るために死んでいったはずの本郷猛に約束を交わしたのだから、倒れるつもりは毛頭ない。キバによって与えられた刀傷が痛むも、死んでしまった者達に比べたら何てこともなかった。 キバが持つ漆黒の剣による太刀筋を、二号は横に跳んで避ける。それにより、名も知らぬ植物もろとも地面に傷が刻まれていった。こんな小さな命すらも奪われたことに、少しだけ良心の呵責を感じながらも赤い拳を振るう。 その顔面にクリーンヒットするが、やはりキバは揺るがない。続くように反対側の手で殴りつけるが、結果は同じだった。 埒が明かないと思いながら二号がバックステップを取るのと同時に、キバの斬撃が繰り出されて胸板にまたしても傷が刻まれる。ダメージ自体はそこまで酷くないが、かなり蓄積されているので、これ以上受けると流石に危険だった。 「中々粘るようだが……そろそろ終わらせて貰うぞ、仮面ライダー二号」 そして、そんな二号の焦りを見透かしたかのようにキバが嘲りの言葉をぶつけてくる。 猛獣を模した仮面の下で、黒装束を纏った名も知らぬ男は笑っているに違いない。それに怒りを覚えるも、明らかな挑発に惑わされる二号ではなかった。 猛る感情をすぐに抑えつけて、仮面の下から静かにキバを睨みつける。 「それはこっちの台詞だ……いい加減、しつこいんだよ」 「そうか」 二号は対抗するように煽るも、キバはただ頷くだけだった。 その反応を見た二号は、つまらねえ奴だなと心中で呟く。直後、キバは漆黒の刃に右手を添えてきた。 「ならば、終わらせてやろう」 殺意に満ちた宣言と共に、掌と刃を擦れ合わせる。すると灼熱が噴出するのを見て、二号は思わず身構えた。 それは先程、仮面ライダーアクセルに変身した凪を軽く吹き飛ばした一撃に用いられた炎。その威力は彼女を戦闘不能にまで追い込むほどだから、かなり高いはずだった。 しかしそれでも、最後まで諦めるわけにはいかない。例え勝てないとしても、石堀達を逃がすための時間稼ぎになるのなら、それで結構。 (一か八か、ライダーキックをやってみるか!) 相手が必殺技でかかってくるなら、こっちも必殺技で抵抗するだけ。キックと剣の激突で身体が吹き飛ぶ可能性もあるだろうが、それに怖がっていたら仮面ライダーをやってられない。 剣を構えるキバと睨み合いながら、二号は全身に力を込めながら腰を落とす。そして、キバが疾走するタイミングを見計らって飛び上がろうと考えた、その直後だった。 「プリキュア! ラブ・サンシャイィィィィィィンッ!」 少女の叫び声が二号の耳を打ち、眩い桃色の光が太陽と混じりながら周囲を照らす。 こちらを両断しようとしていたはずのキバは振り向くと同時に構えを解いて、背後に飛び退いた。それにより、キバの立っていた場所を桃色の光線が一瞬で横切っていく。 必殺技を受けずに済んだのは幸いだろうが、二号はその喜びを嚙み締めることはできなかった。 「プリキュア……だと?」 聞き覚えのある単語を反芻しながら、二号は光が発射された方に振り向く。見ると、ここから数メートル離れた先から、輝いて見えるような金色でツインテールを結んで、鮮やかな桃と白を基調にした衣服を着ている少女が近づいていた。 二号はその煌びやかな格好に、デジャブを抱いている。洋服や飾りの形状こそは違うが、雰囲気は何処となくキュアブロッサムを思い出させた。つまり彼女こそ、キュアブロッサムの仲間であるプリキュアの一人と考えて、間違いない。 そう推測した二号の隣に、現れた少女は隣に駆け寄ってくる。その真摯な表情からは敵意が感じられないので、やはり味方だと考えて間違いはなかった。 「大丈夫ですか、仮面ライダー二号!?」 「ああ……君はもしかして、キュアブロッサムと同じプリキュアなのか?」 「はい、あたしはキュアピーチです! 石堀さんから、あなたがあの一文字隼人さんだってことも聞いてます!」 「なるほど」 力強くて眩い笑顔を前に、二号は頷く。 記憶が正しければ、キュアピーチとは桃園ラブという少女が変身するプリキュアのはずだった。それに、つぼみ達よりも少し先輩らしい。 そんな彼女が助っ人に現れるのは嬉しいが、同時に少しだけ心苦しくなる。恐らく彼女は石堀の制止を振り切ってまでわざわざ駆けつけてくれたのだろうが、キバに勝てるかどうかは別だった。 無論、アクセルから与えられたダメージは残っているだろうが、それでも奴の戦意は微塵にも衰えない。 「色々と話はあるけどな、まずはあの野郎を何とかするか? キュアピーチ、奴はかなり強い……気を引き締めて行こうぜ」 だが、二号は怖気づくことなどしなかった。 ここで少しでも震えては石堀達の元に戻れないし、何よりもこうして現れたキュアピーチの想いを裏切るだけ。彼女は自分を信頼しているのだから、それに全力で答えなければならなかった。 キュアピーチと力を合わせてキバを倒し、石堀達に無事であるとこの身で証明する。そして、ラブとつぼみを再会させて殺し合いを止めるまでは絶対に死ねなかった。 「勿論です! あいつを倒してから、みんなの所に戻って……それからつぼみちゃん達と合流しましょう!」 「ああ!」 活力に満ちた言葉をぶつけあった後、二人は同時に暗黒騎士キバの方に振り向く。 その漆黒はおぞましさを感じさせるほどに濃く、太陽の光を容赦なく塗り潰さんとする雰囲気を醸し出していた。 「愚かな……例え何人増えようとも、我が暗闇の前では塵に等しい。あの男と共に逃げていれば、命が延びただろうに……」 そして当のキバは相変わらず気取ったような態度で、見下すような口を利いている。凄まじい殺気が感じられるが、二号はあまり脅威と感じない。 念の為、キュアピーチに目を呉れてみたが、キバの邪念を前にしても怯えてるようには見えなかった。やはり多くの修羅場を切り抜けてきたのだから、この程度で怖気づくこともないのだろう。 キュアピーチへの頼もしさを感じながら、二号はキバに向かって走り始めた。 当然ながらキバも疾走してきて、その剣を横に振るってくるが二号は少し屈んだことで回避し、そこから燃え上がる炎の如く赤い拳を漆黒の装甲に叩き込む。 打撃音が鈍く響いた瞬間、一瞬で腕を引いて反対側の拳で胴体を殴った。そこからマシンガンのように連打をするが、キバもただ黙って受けている訳ではなく、体制を少しずらしながら回避し、そこから得物を振るおうと腕を掲げてくるのを二号は見る。 「やああああああぁぁぁぁっ!」 直後、キバの一閃を避けることに神経を集中させた二号の鼓膜に、キュアピーチの叫び声が響いた。 視界の外から、飛び出てくるかのようにキュアピーチが姿を現して、そのまま勢いよくキバの肉体を殴りつける。その衝撃によって鳴った音は凄まじく、キバは微かによろめいた。 そこからキュアピーチは二号と入れ替わるかのように進撃して、しなやかな右足で蹴りを繰り出す。彼女の一撃は見事、キバの脇腹に命中した。 彼女が素早く足を引いた後、キバはその手に握る剣を斜め下に振るう。だがキュアピーチは迫り来る斬撃を、横に跳ぶことで軽々と回避した。 中学生程度の華奢な体形に似合わず、その身体能力はかなりの物かもしれない。きっと、BADANの怪人相手でも引けを取らないだろう。もしも彼女やキュアブロッサムが自分達の世界にいてくれたら、きっと後輩ライダーやSPIRITS部隊の大きな力となっていたかもしれない。 (っと、こんなことを考えても仕方がない……あいつらにはあいつらの世界で役目がある。俺達の世界の問題を、あいつらに押し付けてどうするんだ) そう自らを叱責しながら、二号はいつもの変身ポーズを構えてライダーベルトのパワースイッチを起動させる。 カチリ、と改造された肉体に埋め込まれたパーツが稼働する音が、耳に響いた。 「ライダー……パワー!」 そんな二号の叫びに答えるかのようにライダーベルトの風車が回転し、力が身体の奥底から溢れ出てくる。 これまでの戦いでは一対一を強いられていたので余裕がなかったが、今回はキュアピーチという名の強い味方がいた。戦えるからとはいえ、ただの女子中学生に任せるのは気が引ける。だがそんなのを気にしている場合ではないし、何よりも考えていたら彼女に失礼だ。 そんなキュアピーチは今、キバが振るう刃より放たれる漆黒のかまいたちを、左右に跳んで一生懸命に避けている。しかしその量と速度は凄まじく、僅かとはいえ肌が確実に切り裂かれていた。 しかも標的から避けられた衝撃波は周囲に激突した後、轟音と共に大爆発を起こす。そんな攻撃をまともに受けたら、いくら彼女でも危ないはずだ。 そう危機感を覚えた二号は急いで地面を蹴り、全身全霊を込めて疾走する。数歩進んだ後、キバがキュアピーチから振り向くのと同時に彼は飛び上がり、宙で前転をした。 「ライダー……キイィィィィィィィック!」 雄叫びと共に蹴りの体制に入った二号は、眼下に立つキバが掌で刃を滑らせるのを見る。キバが握る得物の刀身から漏れる灼熱は、そのまま暗黒色の鎧を巻き込んでいった。 どうやら、奴は確実にこちらを潰しにかかっているようだと、二号は思う。必殺技同士の勝負に出るというなら、望むところだ。 どの道、決着を付けなければいけないのだから、奴を完膚なきまでに叩きのめさなければ気が済まない。可能性は低いだろうが、今はキュアピーチという頼れる仲間がそばにいるのだから、負けられなかった。 やがてキバも対抗するように跳躍して、全ての存在を燃やし尽くしかねない灼熱を纏った刃を、勢いよく振るう。 そうして、仮面ライダー二号の蹴りと暗黒騎士キバの一閃は空中で衝突し、再び大爆発を起こした。 ◆ 「仮面ライダーッ!」 数メートル上空で燃え上がる爆炎の熱が肌に突き刺さる中、キュアピーチは頼れる先輩の名前を呼ぶ。 無差別に広がる爆風は大気をピリピリと振動させて、灼熱は地面に飛び散った。あんな爆発に巻き込まれたら、どんなに強い戦士だろうと無事でいられるとは到底思えない。 強い不安が胸中に広がっていった瞬間、爆発の中から仮面ライダー二号が飛び出してきて、そのまま落下した。 勢いよく地面を転がる彼の元にキュアピーチは駆けつけて、その身体を抱える。 「大丈夫ですか、仮面ライダー!?」 「何、大丈夫だ……わざわざ、悪いな」 仮面の下から聞こえてくる声は震えていて、まるで蚊が鳴いているようだった。 本人は大丈夫だなんていっているが、全然そんな風には見えない。どう考えたって、戦えるような状態ではなかった。 一刻も早く二号をここから逃がしたい。キュアピーチがそう思うのと同時に、背後から大地を踏み締める足音が聞こえてきた。また、凄まじい殺気が背筋に突き刺さるのを感じて、彼女は振り向く。 大輪の炎から生まれた熱によって陽炎が起きて、大気がゆらゆらと揺れる中で暗黒の騎士が近づいてくるのを見た。その狼を模した禍々しい仮面からは、射抜くような鋭い視線が感じられる。 キバの歩みは威風堂々としていて、未だに戦えるということを実に物語っていた。 「キ、キバ……!」 「震えることはない、すぐに永遠の闇へ送ってくれる」 冷酷無常な言葉をぶつけながら剣を構えるキバに、キュアピーチは戦慄しながらも睨み返す。 ほんの少しだけとはいえ戦闘を繰り広げたが、キバはとても強いとキュアピーチは察していた。その実力はあのテッカマンランスと同等、あるいは遥かに超えているかもしれない。仮に二号が戦える状態だとしても、勝てる可能性は低かった。 それでもここで戦わなければ多くの人が犠牲になるだろうから、キュアピーチは戦おうと決意する。どんな相手だろうと、諦めなければきっと負けないはずだから。 「テメェ……言ってくれるじゃねえか……」 だが、キュアピーチの耳に二号の震える声が響いたことで、その決意は一気に揺らぐ。 この腕の中にいる彼は、今すぐにでも休ませなければいけない。でも、彼一人だけでは何処かに移動するなんてできる訳がなかった。 今の二号を放置して戦いに出たら、キバの手にかかってもおかしくない。 『どうか、一文字のことを頼んだぞ。彼はこんな所で死んでいい男じゃないからな』 直後、石堀の願いがキュアピーチの脳裏に蘇る。 彼に無理を言ってまでここに来たのは、何のためか? こんな戦いを打ち破ってくれる仲間の一文字隼人を助けるためだ。それに石堀は、二人揃って戻ってくることを望んでいる。 ここで無理をしてまでキバと戦うのは、彼の願いではない。一文字の命を救えるのは、キュアピーチ一人だけしかいなかった。 だからキュアピーチはゆっくりと二号の身体を地面に下ろして、立ち上がる。そのタイミングを見計らったかのように、ピックルンが姿を現した。 「お、おい……」 「ちょっとだけ待ってください、すぐに終わらせますから」 一瞬だけ微笑んだ後、キュアピーチは再びキバに睨むような目を向けて、一気に走る。 同じようにキバも突貫してくるが、彼女はそれに構わずピックルンを手に取ってリンクルンに挿し込んだ。そこからリンクルンを横に回したことでピーチロッドが現れたので、キュアピーチはそれを掴む。 徐々に距離を詰めながら、彼女はピーチロッドのスイッチを指で流してメロディを奏でた。ハート形の宝石が輝きを放つと同時にキバは一閃するが、キュアピーチが少し屈んだことで、頭の上を通り過ぎるだけに終わる。 「プリキュア! ラブサンシャイン・フレーーッシュ!」 その直後、彼女はキバの胴体を目掛けて腕を真っ直ぐに伸ばして、強く叫んだ。 すると桃色の輝きがキバの巨体を飲み込み、轟音と共に突き飛ばしていく。宝石から開放された光は、一気にハートの形となった。 しかし、キュアピーチは決して油断してはいない。ピーチロッドを握る腕から、こちらを弾き飛ばすかのような凄まじい圧力が伝わってきたからだ。あの光を吹き飛ばそうとキバは足掻いていると、キュアピーチは推測する。 このままではその圧倒的な膂力によって、光が打ち破られてもおかしくない。だからこそキュアピーチは、エネルギーを増幅させることをせずに後ろを振り向いて、二号の元に駆け寄った。 「おいキュアピーチ、何をしてる!?」 「すみません仮面ライダー、しっかり掴まってください!」 投げかけられた疑問に答えることをせず、キュアピーチはデイバッグと二号の身体を抱えて全力疾走をする。普段なら持てる訳がないが、プリキュアの力さえあれば可能だった。 敵から逃げ出していけないのは、キュアピーチだって理解している。しかし、必殺技で動きが止まった隙を付いて逃げる以外、二号を助ける方法が思いつかなかった。 みんなを助けられるであろう、力強い戦士を救うためにも、キュアピーチは走り続ける。二号や、彼の仲間達が再び平和な日々を過ごせることを信じて。 ◆ この肉体を拘束する光はそこまで力強くないが、あまりにも不愉快な眩さで満ちていた。 魔戒騎士……それも、かつての師匠である冴島大河が選ばれた黄金騎士を思い出させてしまう。まるで、この期に及んで大河の亡霊が邪魔をしているかのようだと、暗黒騎士キバは思った。 だがそんな錯覚に囚われているわけにもいかない。 「……フンッ!」 キバは全身に力を込めて、ハートの光を一気に吹き飛ばした。 そのまま彼は戦いによって荒れ果てたエリアを見渡すが、既に誰もいない。石堀光彦達は勿論のこと、仮面ライダー二号とキュアピーチの姿も見えなかった。 恐らくキュアピーチは攻撃のためでなく、足止めを目的にしてあの光を放ったのだろう。仮面ライダーと同じ、別世界に存在する戦士も所詮はただの軟弱者ということか。 「僕ともあろう者が、ここまでしてやられるとはな……」 しかしそれでも、キバは屈辱を感じている。奴らの術中にまんまと嵌って、挙句の果てに見失ってしまった。戦いに勝ったとはいえ、この手で止めを刺せないなんてあってはならなかった。 尤も、逃げられたのならばいつまでも拘る訳にもいかない。再び相見える時が来れば殺せばいいし、そうでないのなら勝手に死ぬのを待てばいいだけ。 この戦場には、まだ大勢の参加者が残っている。だからいつまでも、特定の相手だけと戦っている訳にもいかない。一文字隼人を潰すことに尽力しすぎて、他を忘れては不測の事態が起こる可能性もあった。 とにかく今は数人相手の戦いで少し消耗したから、休んで体力を回復させなければならない。そう判断した彼は鎧を構成するデスメタルを解体して、バラゴの姿に戻る。 生身を晒して軽く息を吐いた彼は、一文字隼人が移動に使っていたビートチェイサー2000に手を触れた。奴らは皆、同行者の存在があったからこそ、この乗り物を見捨てて撤退している。そのせいか、鍵も残っていた。 魔導馬・雷剛に比べればその速度や性能は圧倒的に劣るが、この場では召喚ができない。だから、代用品が手に入ったのは有難かった。 (やはりこの場では力が抑えられている……首輪の影響か?) 主催者達によって、自らに架せられた首輪を撫でながらバラゴは思案に耽る。 二度に渡って烈火炎装を放ったが、仮面ライダーアクセルに変身した西条凪という女や、一文字の命を奪うことはできなかった。それにこれまでの戦いでも閻魔斬光剣を召喚しようとしたが何も起こらず、黒炎剣だけでの戦いを強いられている。 大方、加頭順やサラマンダー達が何らかの下らない仕掛けを施しているに違いない。そうでなければ、殺し合いの根底を崩される恐れがあるからだ。首輪の効果か、それともこの島全体に参加者全員の力を抑える結界でも張られているのか…… だが、ここで考えていても仕方がない。今は体力の回復を待ちながら、次の行動を考えることに集中すればいいだけだ。 不意に、バラゴはデイバッグから取り出した地図を広げる。その中央には、彼にとって非常に関心を引く建物が描かれていた。 冴島邸。かつて大河と共に暮らしていた、今のバラゴにとっては忘却の彼方に葬りさりたい記憶が眠る屋敷だ。 恐らくこれは、主催者が用意した偽者だろう。だから、カオルやゴンザもこの屋敷にはいない。何故、こんな偽の屋敷を作るのかという疑問が芽生えたが、すぐに振り払う。 どうせ、主催者達も皆殺しにするのだから、深く考えても意味はなかった。 「冴島鋼牙……」 そしてマップを仕舞い込んだ後、名簿の中に一際気になる名前があったのを、バラゴは思い出す。あの冴島大河の息子である、冴島鋼牙もこの殺し合いに巻き込まれていた。 風の噂によると、奴は大河の遺志を継いで黄金騎士となったらしい。ならば、この手で闇に葬る必要があった。 無論、それは実際に遭遇してからの話。放送で呼ばれなかったのでまだ生きているだろうが、この戦いで死ぬ可能性もある。そうなれば、メシア降臨の邪魔者は一人残らず消えるだろうが、過度な期待はしない。 いくらこの地に仮面ライダーやプリキュアのような戦士がいるからとはいえ、鋼牙とて魔戒騎士の一人。簡単に殺されることはないはずだ。 もしも冴島邸に行けば、鋼牙と戦うことになるのか? そう取りとめのないことを考えながら、バラゴはひたすら身体を休めていた。 【1日目/昼前】 【D-2/荒れ地】 ※戦いの影響によって荒れ地となっています。 【バラゴ@牙狼─GARO─】 [状態]:胸部に強打の痛み、ダメージ(中)、疲労(中)、顔は本来の十字傷の姿に [装備]:ペンダント、魔戒剣、ボーチャードピストル(0/8)@牙狼 [道具]:支給品一式×3、ランダム支給品0~2、冴子のランダム支給品1~3、顔を変容させる秘薬?、インロウマル&スーパーディスク@侍戦隊シンケンジャー、紀州特産の梅干し@超光戦士シャンゼリオン、ムカデのキーホルダー@超光戦士シャンゼリオン、『ハートキャッチプリキュア!』の漫画@ハートキャッチプリキュア! 、ビートチェイサー2000@仮面ライダークウガ [思考] 基本:参加者全員と加頭を殺害し、元の世界で目的を遂行する 0:今は身体を休めて、その後にビートチェイサー2000を使って移動する。 1:冴島鋼牙と出会ったら、この手で葬る。 2:今のところ顔を変容させる予定はない 3:石堀に本能的な警戒(微々たるものです) 4:一文字隼人とキュアピーチは再び出会うことがあれば、この手で殺す。(ただし、深追いはしない) 5:冴島邸を目指すか……? [備考] ※参戦時期は第23話でカオルに正体を明かす前。 ※顔を変容させる秘薬を所持しているかは不明。 ※開始時の一件で一文字のことは認識しているので、本郷についても認識していると思われます。 ※冴子と速水の支給品はまだ確認していません。 ※つぼみ達の話を立ち聞きしていました そのためプリキュア、砂漠の使徒、サラマンダー男爵について知りました ※雷剛や閻魔斬光剣の召喚はできません。 バラゴはこれを制限の影響だと考えています。 ◆ 暗黒騎士キバに追い詰められたが、キュアピーチの手によって仮面ライダー二号は何とか戦場から離脱することに成功する。 既に変身を解いて一文字隼人の姿に戻った後、木に凭れかかる様に身体を休めていた。全身の至る所から激痛が走る中、彼は考える。 俺ばかりに救いの手が差し伸べられるのに、どうして本郷は死ななければならないのか? あいつのように地獄を見てきた男こそ、救いが必要なのに。 (……もしかしたら、本郷の奴が向こうから祈ってくれてるのかもな。俺達が生きてくれるようにって) とはいえ、運命を憎むつもりは毛頭なかった。 こうして生かされている以上、最後の最後まで戦い抜かなければならない。沖一也、石堀光彦、花咲つぼみ、西条凪、桃園ラブ……命を救ってくれた彼らのためにも、殺し合いを絶対に止めなければならなかった。 ぼんやりと考える一文字の頬に、冷たくて柔らかい感触が走る。振り向くと、そこにはキュアピーチの変身を解いた桃園ラブと言う少女が、白いタオルを当ててくる姿があった。 「大丈夫ですか、一文字さん?」 「悪いな、何から何まで……俺なら大丈夫だ」 心配そうな表情を浮かべる少女に、笑顔を返すことしかできない。できる限り力を込めるが、やはり戦いの疲労は誤魔化せなかった。 彼女に連れられて南を一直線に進んだが、仲間達の姿は見えない。石堀や凪、それにラブの同行者である涼村暁と黒岩省吾という男達とは再会できなかった。 だが、嘆いていても仕方がない。こうして生きていられたのだがら、市街地を目指せばいつかまた再会できるかもしれないと、信じるしかなかった。 「それとラブ、お前は無茶しすぎだ……俺を助けに来てくれたのは嬉しいけどよ、石堀の忠告を無視するなって」 「うっ……ごめんなさい」 「別に怒ってねえよ」 ほんの少しだけ咎めたことでばつの悪そうな表情で俯くラブの頭に、一文字は軽く手を乗せてそのまま撫でる。 「確かに俺達はその力を精一杯、使わなければいけない時が来る。けどな、俺達には帰りを待っている人達がいるってことも忘れるなよ……まあ、俺が言えた義理じゃないけどな」 そう、穏やかに告げた。 仮面ライダーもプリキュアも平和を守る戦士だが、後ろには自分達を心配する人がいる。ガモン共和国でBADANに襲われた真美や子どもたちだって、悪と戦っている自分の帰りを待っているはずだ。 平和を守ることだけを考えすぎて、彼らと二度と会えなくなるなんてあってはならない。 「わかりました……でも、一文字さんもどうか無理をしないでください」 「わかってるって」 そうやって軽く頷いた一文字は、隣にいるラブがようやく笑ってくれるのを見る。 やはり、子どもの笑顔は何物にも勝る最高の宝だなと、桃園ラブを前に一文字隼人は思った。 【1日目/昼前】 【F-2】 【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、精神的疲労(中)、罪悪感と自己嫌悪と悲しみ、決意 [装備]:リンクルン@フレッシュプリキュア! [道具]:支給品一式×2、カオルちゃん特製のドーナツ(少し減っている)@フレッシュプリキュア!、毛布×2@現実、ペットボトルに入った紅茶@現実、巴マミの首輪、巴マミのランダム支給品1~2 基本:誰も犠牲にしたりしない、みんなの幸せを守る。 1:今は一文字さんを守りながら休む。 2:マミさんの遺志を継いで、みんなの明日を守るために戦う。 3:プリキュアのみんなと出来るだけ早く再会したい。 4:マミさんの知り合いを助けたい。もしも会えたらマミさんの事を伝えて謝る。 5:犠牲にされた人達(堂本剛三、フリッツ、クモジャキー、巴マミ、放送で呼ばれた参加者達)への罪悪感。 6:ダークプリキュアとテッカマンランス(本名は知らない)と暗黒騎士キバ(本名は知らない)には気をつける。 7:どうして、サラマンダー男爵が……? 8:石堀さん達、大丈夫かな……? [備考] ※本編終了後からの参戦です。 ※花咲つぼみ、来海えりか、明堂院いつき、月影ゆりの存在を知っています。 ※クモジャキーとダークプリキュアに関しては詳しい所までは知りません。 ※加頭順の背後にフュージョン、ボトム、ブラックホールのような存在がいると考えています。 ※放送で現れたサラマンダー男爵は偽者だと考えています。 【一文字隼人@仮面ライダーSPIRITS】 [状態]:疲労(大)、ダメージ(中)、胸部に斬痕、左腕が全体的に麻痺 [装備]:なし [道具]:支給品一式、姫矢の戦場写真@ウルトラマンネクサス、ランダム支給品0~2(確認済み) [思考] 基本:仮面ライダーとして正義を果たす 0:今は身体を休める。 1:ラブと一緒に石堀達を探しながら市街地を目指す 2:他の仮面ライダーを捜す 3:暗黒騎士キバを倒す(但しキバは永くないと推測) 4:もしも村雨が記憶を求めてゲームに乗ってるなら止める 5:元の世界に帰ったらバダンを叩き潰す 6:この場において仮面ライダーの力は通用するのか……? [備考] ※参戦時期は第3部以降。 ※この場に参加している人物の多くが特殊な能力な持主だと推測しています。 ※加頭やドーパントに新たな悪の組織の予感を感じています(今のところ、バダンとは別と考えている)。 ※参加者の時間軸が異なる可能性があることに気付きました ※18時までに市街地エリアに向かう予定です。 ※村エリアから南の道を進む予定です。(途中、どのルートを進むかは後続の書き手さんにお任せします) ※つぼみからプリキュア、砂漠の使徒、サラマンダー男爵について聞きました フレプリ勢、ハトプリ勢の参加者の話も聞いています ※石堀の世界について、ウルトラマンやビーストも含めある程度聞きました(ザギとして知っている情報は一切聞いていません) 時系列順で読む Back ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(前編)Next Predestination 投下順で読む Back ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(前編)Next Predestination Back ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(前編) 桃園ラブ Next 目指せ!ハッピーエンド Back ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(前編) 涼村暁 Next あざ笑う闇 Back ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(前編) 黒岩省吾 Next あざ笑う闇 Back ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(前編) 石堀光彦 Next あざ笑う闇 Back ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(前編) 西条凪 Next あざ笑う闇 Back ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(前編) 一文字隼人 Next 目指せ!ハッピーエンド Back ピーチと二号! 生まれる救世の光!!(前編) バラゴ Next 牙狼~SAVIOR IN THE DARK~