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「辺境」 02 前回までのあらすじ 「災厄を招く彗星」と契約した青年が猟銃持ってビルの屋上に立て篭もりました。 不眠症で下半身不能の後輩(黒服I)の知り合いと一緒に、俺こと黒服Mが この状況をどうしようかどうしましょうと慌てています。 みなさん、どうしましょう? 22 30 辺湖市「旧村」 商社ビル 屋上 オッス、オレオレ。黒服Mです。 モテカワスリムの愛されボディ。 ヒョロくてへっぽこな後輩I(以下、へっぽこ)が厄介シゴト持ってきてー アタシと後輩の知り合いが、事態の収容に当たってるんだけどー 何つーか、ちょいヤバ気、なカンジィ? てか、アタシってばヤサシ→ へっぽこのヤツ、チョ→きんも→☆ 「ってンな事ぁ、どォでもいいンだよ……」 屋上へ続く非常階段で相変わらず這いつくばっている俺と地元の協力者。 少々デンパが飛来したのでとりあえず溜息をついてみた。 『ブリコルール!』 「る、る……ルーマニア!」 『アニマル!』 「おのれまた『る』か……。る、流罪!」 『インテグラル!』 「お、おのれ……」 俺の横に居る、へっぽこの知り合いという男が始めた 「とりあえずしりとりでもして、『彼』を落ち着かせよう作戦」が功を奏し、 何とか対話の機会は生まれた。 状況を見るに、先刻より幾分かは青年の方も落ち着いてきているみたいだ。 地元の協力者の方は、「る」で返されてばかりで苦戦しているようだが。 「都市伝説と契約したばかりの能力者は、力の制御ができずに力を暴走させる危険性がある」 というのは、真に正しい。 先程までの精神不安定な『彼』であれば、 何かの拍子に彗星を発現させる可能性は十分にあっただろう。 そもそも『彼』は何故これほどまでに精神不安定であったのか。 何故猟銃などを持ってこのビルの屋上に立て篭もったのか。 2時間ほど前からの必死の説得の末、『彼』がぽつりぽつりと話し始めた内容を総合し、 ようやく、『彼』のおおよその事情を掴むに至った。 『彼』――この青年は、大学の3回生だった。 ずっと片思いだったという同じ学科の女の子とようやく恋人になり、 就職活動の末にどうにか正社員として内定を貰う事もできて、 花のキャンパスライフとやらを周囲に遅れて謳歌し始めた頃。 就職先から突如連絡があり、内定を取り消されたらしい。 この世知辛いご時世、ありふれた話ではある。 そして悪い事は重なるようで、その日のうちに彼女が寝取られている事を知ってしまう。 寝取った男に二度と俺達に近づくなと告げられ、手向かったものの完膚なきまでに殴られ。 男の後ろに隠れるようにしていた元・彼女の姿は、 奇しくも、幼い頃過労で父親が死んだ直後に 自分を捨てるようにして駆け落ちしていった母親と重なるものがあったという。 なんというステレオタイプ。御涙頂戴な話とはまさにこの事だろう。 そして、問題は今日の昼過ぎに起こる。 茫然自失で魂の抜け殻のように「新町」を彷徨っていた『彼』は、 突如不思議な青年に行き遇ったのだという。 暇なのなら楽しませろ――。そう言って「契約書」を渡してきたらしい。 この出し抜けな状況に、『彼』は考えるでもなく「契約書」を受け取ってしまい、 ――契約が成立してしまった。 その瞬間に『彼』は、幾つかの、断片的な知識を「知った」。 気づくと青年は居なくなっており、その替わりに、前方に黒服が立ってこちらを見ているのを見止めたのだという。 恐らく、この前方の黒服というが、後輩であるへっぽこの事なのだろう。 『彼』は「知って」しまっていた。 『組織』に捕えられたらならば、命は無いと。 それ故にパニック状態となり、その場から逃げだしたという。 成程、そうであれば、へっぽこの言っていた「異常に怯えた様子」「奇声をあげながら、逃走した」 という状況にも合点がいく。 彼が猟銃を手にしたのも、『組織』の刺客に対する自衛の為からだったようだ。 因みに、この猟銃は元々父親の所有物だったもので、唯一の形見らしい。 正直なところ、『彼』の状況に関して、興味はない。 むしろ、俺は『組織』の一構成員として、『彼』に「契約書」を手渡したという謎の青年にかなりの興味をもった。 何故、『彼』に「契約書」を譲渡したか。 その動機は? そもそも何処で「契約書」を入手したのか? 背景には何らかの勢力があるのか? しかし、それ以上に――俺はこの話を、『彼』の語る話の中に現れる『組織』についてを、 『組織』の構成員どもに聞かせてやりたかった。 『組織』というものは悪役だ。『組織』に目をつけられたら最後、 従えば飼殺され、従わぬなら「消され」る。――結局そんなイメージが罷り通っている。 「保護」なんて言葉は所詮御題目でしかない。『組織』の周縁に居ればソレが嫌でも目に入る。 「『組織』に捕えられたならば、命は無い」 『組織』はそんな『組織』でない、とどれだけ声を大にして言えるだろうか。 この問いを俺が発したとしても、結局は、『組織』の黒服である俺自身にも降りかかってくる。 勿論、『組織』をより良いものであってほしいと願い、行動する黒服のいる事は知っている。 だが。俺やへっぽこ、上司の"ヴァイオレット"は、「辺境」は。 『組織』の状況を良くしよう、などという考えは。とうに投げ捨てた。 「ッたく、へっぽこのヤツも"ヴァイオレット"さんも何処に行っちまったんだ? 電話にも出ねえし。あ、アレか。俺に全部押し付けようって魂胆か畜生。 ああクソ早く猟銃捨ててこっちに来てくんねえかなあの青年。 おでん奢ってやるから、早く馬鹿な真似は止めてだな……」 さあ、『組織』のク*ったれども。 俺を監視しているのだろう? 『イルミナティ』の目が怖くとも、辺湖に居る俺達を監視しているのだろう? 「災厄を招く彗星」の能力者を、『彼』を捕えに来てみろよ。 監視しているのだろう? 早く来いよ。怖いのか? "首輪"のシステムで、俺達を消してみろ。不要因子なら、「辺境」に3人ばかり居るんだよ。 どうした? たかだか「構成員」風情、「消す」のは造作ないのだろう? 『アロマオイル!』 「ええと、る、る、る。る、ルンバ!」 『バイリンガル!』 「る、る、る、る、る、るり色プリンセス!」 『スクランブル!』 「なあ頼むよ、金渡すから広辞苑買って来てもらえないか?」 「……今の時間に開いてる本屋ってあるのかよ……?」 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
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Dさん宅にて~朝ご飯その他 「「「いただきます」」」 「えっと……いただきます」 こっちは今、朝ごはんをご馳走になっている。 女の子からの忠告(という名の脅し)や自分のアホさ加減に軽く涙目になっていると、中心となってご飯の用意をしていたチャラい感じの女の人(この人もなんか見たことあるような気がする)から「飯、一応用意したけど………食えるか?」と声をかけられ、ありがたくいただくことになったのだ。 食卓に座ったまま右を向く。そこにはチャラい感じの女の人。 雰囲気に覚えがあるし、絶対にどっかで見たことあると思うんだけど………おかしいなあ。 左を向く。そこには、不機嫌そうな女の子。 黒服さんとのセットで思い出したんだけれど、将門様の宴会で見かけたあの子だ。 正面を向く。そこには、命の恩人の黒服さん。 ちら、と目が合った瞬間さっきのことを思い出し、顔が一気に熱くなる。 というか、この人はなんで平然としてるんだろう。まあ、それで助かってもいるんだけど………これが大人の余裕というやつか。 そんなことを思ったと同時、突き刺さる敵意―――というかむしろ殺気―――を感じた。熱かった顔が冷める。怖い。 ギギギ、と音がしそうなくらいぎこちない動きでまた左を向くとそこには、可愛らしい小さな身体に憤怒の仁王を背負ったかのような迫力をみなぎらせてこちらを睨んでくる女の子が。 文字通り必死にぶんぶんぶんと首を振り、決して他意はないことを伝える。 …………なんだか、最近出会った女の子には確実に脅されている気がする。姫さんしかり、××さんの妹ちゃんしかり。 なんだなにがいけないんだ、と軽く涙ぐみながら考えこんでいると、 「―――ところでお前、一体どんな怪我してたんだ? 黒服の薬でもすぐには治らないって」 そう訊いてきたのはチャラ女さん(便宜上そう呼ばせてもらうことにした)。 気持ちはわかる。いきなり知らないやつが死にかけで押しかけたら、誰でもそういうことを訊きたくなる―――というか、訊くのが普通だろう。 それにしても怪我、かあ。 憶えてる限りでは、確か…………。 「えっと………全身を刃物で滅多刺しにされて、脇腹は肉が抉れてて……あとはあばら骨が八本だか九本と内臓がスプラッタ、左腕がスクラップになってたくらい、かな?」 「………私が見た限りでは、それに加えて全身に大火傷を負っていました」 付け加えてくれたのは黒服さん。 それを聞いて思う。 本当にこっち、よく生きてたなあ………全くもって契約様々だ、と。 ふと、女の子とチャラ女さんの様子を窺ってみると、 「「…………」」 二人とも、軽く絶句していた。 女の子が先に口を開く。 「………あなた、一体どんなのとやりあったら、そんなことになるのよ?」 それを聞いて、こっちは説明していいものだろうか、と少し悩んだ。 が、そもそも彼らをなんらかの形で巻き込んでしまう確率はあるんだし、それにこの黒服さんは『組織』に属しているようなので早めに伝えといた方がいいか、と結論づける。 「………少し、込み入ったところとかもあるので、ちょっと長くなるかもしれないんですけど……いいですか?」 三人ともが頷いてくれたのを確認し、話し始めた。 「………そうですか。そんな、都市伝説の契約者が………」 「黒服の……『組織』の方でも知らなかったのか?」 「ええ。………そんな力を持った契約者なら、『組織』も捕捉はできるはずだと思うのですが」 「も、ってことは、『首塚』でも把握してなかったの?」 「……ああ。そんなやつ、聞いたこともなかった」 深刻そうな表情で話し合っている三人。 こっちが話したことは、こっちが知っている限りのあの男の情報。 能力や見た目、性格、いずれこの街の都市伝説や契約者たちをまとめて喰らおうとしていることや―――こっちにとっては妹の仇であること、など。 「たぶん、なんらかの都市伝説―――大方、《神隠し》みたいなのだと思いますけど―――を使って気配を消してるんだと思います。相手の能力が能力なので、どれくらいの都市伝説の力を扱えるのかはわかりませんけど………」 「………なんというか、とんでもないチート野郎ね、そいつ。質の悪さなら《夢の国》以上だと思うわ……」 顔をしかめ、そう呟く女の子。 ……本当にその通りだと思う。相手の能力を取り込むとか、どこの魔人○ウかと言ってやりたい。それかアー○ードの旦那。 まあそれは置いといて、お願いしたいことだけは確実に伝えておく。 「……あいつは"いずれまとめて相手してやる"って言ってたので、それまでは大丈夫だと思います。………"いずれ"がいつになるかはよくわからないですけど。とりあえず、仲間の人にそれを伝えておいてくれますか?」 「ああ、わかった。伝えとく」 「はい、わかりました………ですが、あなたはもしその時がきたら、どうするおつもりですか?」 黒服さんが、そう訊いてきた。 その表情からは、この黒服さんがこっちのことを心配してくれているのがわかる。 ………この人は本当に優しい人なんだな、と思った。 全身傷だらけのこっちの姿は、厄介の種にしか見えなかったはずだ。それなのにわざわざ治療をして、こうして心配してくれる。 ―――こんな人に出会うことができたというその一点においては、あの男に少しは感謝すべきなのかもしれない。絶対にしないけど。 ふとそんなことを考えたあと、黒服さんの問いに答えた。 そのことへの答えは、昨日すでに出してある。 「それ、なんですけど。こっち一人ではやつには敵いませんでした。同居人たちといっしょでも、結果はそう変わらないと思います。………それでも、あいつを野放しにはできません。だから―――」 ―――いっしょに戦ってください、と。 頭を下げ、心の底から頼み込む。 「…………それは、相手が妹さんの仇、だから?」 女の子が訊いてきた。 一つ頷いて素直にそれもある、と認め、 「でも、それはいいんです。確かに妹のことはその通りで、あいつが憎くて憎くてたまりません―――できることならこの手で五体バラバラに引き裂いて、生きたまま食ってやりたいくらい。……でも、それはそれなんです」 これは、自分の思っている通りのことを、そのまま出しているだけ。 自分でもよくわからないし、支離滅裂気味で―――それでも、こうするのが一番伝わりやすいと思った。 「こっちがこの街に来て、まだ二ヶ月も経ってないですけど……それでも、いろんな人と会いました。友達になってくれた人もいます。あなたたちは命の恩人です。みんなみんな、こっち自身にとっては大切な人たちです。…………そしてあいつはその人たちを、文字通り食い物にしようとしている―――だから、戦います。戦って、殺します。…………もう、好きな人たちに死なれるのは、嫌だから」 そのために協力してください、と言葉を繋ぎ、こっちのお願いは終わった。 ………自分で言っていて、情けなくて涙が出そうだ。 護りたいものがあるのなら、自分の力で護り通すべきなんだ、本当は。 それができないから、こうして命の恩人にすら恥知らずにもすがることになる―――本当に、情けない。 ……その時、下げ続けていた頭にぽん、と手を置かれたのを感じた。 「―――そんなに、思い詰めるなよ?」 そう声をかけてくれたのは、チャラ女さん。 「そもそも協力するも何も、これは俺達の問題でもあるわけだしな?」 「………?」 ……どゆこと? 首を傾げると、何で気づいてないんだよ、とチャラ女さんは苦笑して、 「だってそいつ、この街の都市伝説を全部食っちまうつもりだったんだろ? だったら遅かれ早かれ、俺達も標的になってたってことだ」 「…………あ」 「だから、その危険を事前に都合のいい形に変えてその上報せてくれたお前に、"協力してくれ"なんてわざわざ頼まれる筋合いはないぜ?」 むしろ感謝したいくらいだ、とそう言って微笑むチャラ女さん。 ………そういえば、そうなのか? 確かに冷静に考えてみるとそういうことで、巻き込むもなにもないことな、ような、気も………? 「……思い詰めてるとな、気付けるはずのもんにも気付けなくなるもんだ。そう一人で背負い込むもんじゃないぞ?」 まだ子供なんだからな、とチャラ女さん。 なぜか、目頭がぐっと熱くなる。 (……………自分では、全然大丈夫なつもり、だったんだけどなあ……) あの男と再会して、なんとなくわかっていたことだけどボコボコにされて、死にかけて。 どうも自分でも気づかない内に、相当まいっていたようだ。 かけられた優しい言葉は、ゆっくりと傷んだ心に染み込んでいって―――。 「あ、あれ? お、かしいな。ひっく、なんで、こっち、泣いて……?」 ―――こっちがしゃくりあげて泣き始めるまで、そう時間はかからなかった。 ………たっぷりと泣いて、朝ごはん食べて、一応気持ちは落ち着いたの、だが。 (…初対面に近い人のまえで泣くなんて、恥ずかしすぎる……!) 今、とても、恥ずかしい。 なにが恥ずかしいって、さっき泣いてからなんかチャラ女さんと女の子の視線が優しくなったことが特に。 年上なチャラ女さんはともかくとしても、こんな小さな女の子に慈しむような視線をもらうのはどうなんだろう、かりにも一人の男として。 ………余談だが、こっちが実は男だということは隠させてもらっている。いろいろと不都合がっていうか精神安定上の問題で。 「………あの」 「ん、なんだ?」 てきぱきと家事に励むチャラ女さんに話しかける。 ちなみに黒服さん(Dさんというらしい。Hさんの同僚さんなんだろうか?)は仕事があったらしく、少し前に出かけてった。 「えっと、……もうそろそろ、家に帰ろうかと。同居人たちも心配してると思いますし」 「お、そうか。………いや、身体は大丈夫なのか? 酷い怪我だったんだし、なにより今顔色悪いぞ?」 「…………マジすか」 ほれ、と差し出された鏡に映っていた顔は、確かに少し青かった。 怪我は治っても、失った体力や血などを再生するのにはもう少しかかるようだ。 「ここで帰してもし倒れられでもしたら黒服が助けた意味もなくなっちまうし、もう少し休んでたらどうだ? 今日は一日ゆっくりする予定だったしな」 朝のニュースによると、今日から十二月並みの寒気が学校町あたりに被さるそうで、そんな中で街中で気絶とかしたら本当に洒落にならない。せっかく助けてもらった命をドブに全力投球するようなものだ。 「えと…じゃあお言葉に甘えて、もう少しいさせてもらってもいいですか?」 「おう、いいぞ」 「……まあ、仕方ないわね」 チャラ女さんはこくりと、女の子はしぶしぶといった感じで、それぞれ頷いてくれた。 そして手を差し出して、 「じゃあ改めてよろしくな。俺は《日焼けマシンで人間ステーキ》の契約者だ。あと、《厨二病》と黒服とも契約してる」 「私は《はないちもんめ》の契約者よ。私も黒服と契約してるわ。……よろしくね」 ………親子じゃなかったのか。三人ともお互いのことをすごい信頼してるようだったし年齢的にも納得できたので、てっきり父母娘の三人家族なのかと思ってた。 とそんなことを考えながら、しかしもういい加減学習したので口には出さず、差し出された手を握り返す―――握手、親愛の証だ。 「こっちは《ジェットばあさん》、《地震発生装置》、《重いコンダラ》の契約者です。……こちらこそ、よろしくお願いします!」 休ませてもらうとは言っても本当に同居人たちは心配してるだろうし、迷惑かけまくるのもアレだから早めに帰った方がいいよなあなんて思いながら、こっちは今生きていられる幸せを噛み締め、微笑んだ。 前ページ次ページ連載 - 女装少年と愉快な都市伝説
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序章 ~狂宴~ ◆X7hJKGoxpY氏 目覚めたカイジがそれを現実と認識するまで、少しの時間がかかった。 (なんだよっ……ここっ……) 見覚えのない空間。――ホテルの一室であろうか。 内装の品の良さから、かなりの高級ホテルであることが窺える。 カイジには到底縁のないような施設であり、無論、昨晩こんなホテルに泊まった記憶は無い。 カイジはベッドから身を起こし、何者かの手により綺麗に並べられた靴を履いた。 (ここ……どこだ…………何故オレはこんなところにいる……?) カーテンをそっと開ける。 窓の外には目映いばかりの海が広がっていた。 美しい、心洗われるまさに絶景と呼ぶべき風景である。 だが、カイジは感動するでも驚嘆するでも無く、逆にある種の恐怖と絶望を感じるのみであった。 (……海だとっ………まさか……孤島っ…………?) 孤島であるとすれば、この地から容易に抜け出すことは出来ない。 つまり、ここは日常と完全に隔離された牢獄であるということ。 何者かによる監禁が行われている、と見て間違いないだろう。 もちろん確証があるわけではないが、カイジにはある予感があった。 ――カイジはこれだけのことをしかねない男を知っている。 (……とにかく逃げねえと………ここからっ…………) カイジはドアの前へと移動する。 だが、ドアは外から鍵がかけられているらしく、いくらノブを動かしても開かない。 (ぐっ……やっぱりダメっ……) 当然予想していたことではある。 しかし、まずこの部屋から抜け出せなければ、脱走を企てることがまず不可能。 カイジはハァ、とため息をつき、ベッドに腰をおろした。 (……覚悟するしか無いってことかよ………一体オレに……何をやらせるつもりなんだ………) カイジが目を覚まして三十分も過ぎた頃、突然部屋の扉が音を立てて開いた。 「失礼致します。……お早う御座います、伊藤開示様」 「なっ……!」 カイジは声の主の方へ振り向く。 その声を発したのは黒い服を着て、サングラスをかけた一人の男。 カイジのよく知っている風体である。 「間もなく開催の時間です。案内いたしますので…」 「待てっ!何が開催だっ………その前に聞かせろよっ……それが先………!答えろっ……! オレをこんなところに連れてきた……その理由………!」 カイジは黒服に飛び掛かり、胸倉を掴みながら彼に詰問した。 しかし、黒服は表情を一切変えずギロリとカイジを睨みつける。 カイジが手を放したところで、黒服はようやく淡々と答えた。 「……貴方は選ばれたのです。この度のギャンブルの参加者として」 「……ギャンブル………?何をしようっていうんだっ………?それに……何故オレが………」 カイジは再び質問するも、黒服は今度は横に首を振る。 「………申し訳ありませんが、これ以上の質問には答えかねます。時間が押していますのでこちらへ……」 黒服は話を強引に打ち切ると、カイジに目隠しをし、腕を引っ張って歩きだした。 「到着致しました」 黒服はそう言ってカイジの腕を放し、目隠しを外す。 「こちらが主催者による挨拶とルール説明が行われる会場になります」 「…………」 いやに立派な扉である。 カイジは黒服をちらりと見て、扉を開いた。 中はそれなりの大きさの広間となっていて、既に何人かがこの中で待っていた。 (……やっぱり………オレ一人じゃないのか) カイジはひとまず、上等な絨毯の敷かれた床に座り込む。 事ここに至れば、もはや覚悟を決めて待つより無いだろう。 (……まあいいさ………なんでもやってやる…………オレは……) カイジが待つ間も、続々と人数は増えていった。 中には見知ったものもいた。 だが、カイジはどんな状況かも知れぬこの場で話しかける気にもなれず、ただ黙って待ち続ける。 数分後、広間内に突如としてマイク越しの声が響いた。 「皆様、お待たせいたしました。只今より、開会の挨拶を執り行います」 その言葉の直後、高級そうなスーツに身を包んだ一人の男と、機関銃を持った二人の黒服がステージに現れた。 とたんに、ピタリとざわめきがやむ。 その一方でカイジは、男を見てある予感が確信に変わった。 (……あの男……やはり…………) 「皆様……私が進行役を務めさせていただく黒崎です………宜しくお願い致します」 男はゆっくりと語りだす。 「さて……さっそくですが、ギャンブルの説明の前にひとつ………まず皆様にはこちらを装着していただきます……」 そういうと黒崎は、輪っかのようなものを取り出した。 「こちらは……我々特製の首輪となっております。係の者が皆様につけて回りますが……… 精密機械であり、大変危険ですので、これには決して触れぬようお願い致します」 その言葉が終ると同時に、数人の黒服たちが会場内の人間に首輪を取り付けてゆく。 銃に警戒しているのか、それとも単に恐怖しているのか、逆らうものは一人もいない。 無論カイジも逆らわずに首輪の装着を受け入れる。 首筋に金属のひんやりとした冷たさが感じられた。 全員が首輪をつけ終えたところで、再び黒崎は話し出す。 「では、ギャンブルについての説明をさせていただきましょう………今回のギャンブル……。 まずはじめに………皆様の許可も得ずにこちらへお連れしたことをお詫びとして………… 皆様には千万円ずつ贈呈させていただきます………無論……無償で…………」 (無償……?そんな訳あるかっ………そんなはず無いっ………) 黒崎の言葉にカイジは内心毒づく。 他の者も多くはカイジと同じ考えなのだろう、怪訝な顔で黒崎を見つめていた。 「それに加えて、この中でただ一人………勝者には十億円の賞金を贈呈させていただきます……! 普通に生きていては一生手にすることのできないであろう金額っ………!」 十億。 千万円とは文字通り桁違いの数字である。 あまりに突飛な額に、周囲はざわめきだした。 カイジも、あり得ないと思いながらも、今度は胸の鼓動が高まるのは抑えられない。 「では、このギャンブル……バトルロワイアルの説明をさせていただきます。 ……ルールは至って明快かつシンプル………」 そこまで言うと、黒崎は一度言葉を止め、クククと笑った。 「……皆様には………殺し合いをしていただきます…………」 会場内が、シン、と静まり返る。 カイジは呆然とした。 (………殺し合い……だと…………そんなバカなことが……) 「ふざけるなっ!!」 カイジの隣に座っていた男が急に立ち上がり、声を張り上げた。 カイジは我にかえり、男の暴走を止める。 「よせっ!バカっ!」 しかし男は興奮し、カイジの静止も聞かずに言葉を続けた。 「誘拐まがいのことをして殺し合えだとっ!ふざけるなっ!無法っ!無法だろっ!これっ!」 「……今はルールを説明しております………黙っていただきたい…………」 「関係ねえっ!ルールを聞いたって……どっちみちやらねえんだからっ………! オレはやらねえぞっ!こんな無法っ………!」 男は言い終えると、肩で息をしながら返事を待った。 黒崎は黒服に何かを合図し、リモコンのようなものを受け取って、笑みを浮かべる。 「確か……山口君………だったね……」 「あ……ああっ!そうだよっ!それがどうしたっ………!」 「本来ならばこのギャンブルに選ばれた者には参加する義務がある…………あるのだが………… 山口君………君の発現……君の勇気に免じて、君の参加は取り消そう………特例として…………」 「………え?」 黒崎は手に持ったリモコンを山口に向けスイッチを押す。 ピピピピピピ、という電子音、そして直後、小さくも鋭い爆発音が聞こえ、カイジの顔には血が降りかかった。 「さて……」 何事も無かったかのように黒崎は話し出す。 「ちょっとしたトラブルがございましたが、ルール説明を続けさせていただきます。 先程ご覧になられたように、皆様の首輪………首を飛ばす程度の威力の爆弾となっております。 これは強引に外そうとすること、及び禁止エリアに入ることで爆発致します。 禁止エリアに関しましては、定時放送で禁止となる時刻、場所を指定いたしますので、 入ってしまわぬようお気を付けください。尚、【D-1】エリアに関しましては、 最初から禁止エリアに指定されております。後ほどお渡し致します地図でご確認ください……。 続いて、お渡しする支給品ですが、食料、水、千万円相当のチップ、地図、これらは皆様共通です。 また、それとは別に、ランダムで道具を支給致します………良い武器が当たることをお祈りください。 次に、ギャンブルルーム……これは、島内に点在しておりまして、三十分百万円から入室が可能です。 このギャンブルルーム内での一切の暴力行為は禁止、ギャンブルに用いる道具は麻雀牌から、 トランプまで数多く揃えております。ギャンブルで賭けるものは、金、武器、命等なんでも結構……… ただし過程はどうであれ結果には必ず従っていただきます。 万が一、これらの禁則事項を破られたときは、首輪が爆発致しますのでご注意ください。 最後に…………当然皆様には最後に生き残ること………優勝者を目指していただきたいのですが、 例外として途中で生きたまま棄権する権利もございます。 棄権を望まれる方は当ホテル地下で、一億円にて権利をご購入いただけます……。 ………ルールは以上となります」 雰囲気にのまれたのか、黒崎が言葉を終えてからも、一言も発する者はいなかった。 カイジは床に拳を叩きつける。 (………なんであいつら……あんなことして………平然と……くそっ…………!) 黒崎の言葉に耳を傾けながらも、カイジは涙が止まらなかった。 どことも知れぬようなこの地で、己の目の前で哀れにも首を飛ばされ死んでいった山口という男。 この男の仇は必ず取らねばならぬ、そう思った。 (許せねえっ………あいつらっ…………!) 「では、呼ばれた方から前へ……係員の誘導に従ってください。最初に、赤木しげる様…」 いやに周りの声が遠く聞こえる。 頬にかかった乾きかけた血が、妙に温かかった。 【山口 死亡】 【残り 45人】 - 投下順 001 本質 - 時系列順 006 「I」の悲劇 初登場 伊藤開司 006 「I」の悲劇 初登場 赤木しげる 006 「I」の悲劇 初登場 黒崎義裕 006 「I」の悲劇
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どこもかしこも どいつもこいつも 縄張り争い Red Cape 「…覚えてない感じだったな」 「自己防衛本能から、自主的に記憶から消去したんだろう。ごく自然な反応だな」 クラスメイトが診療所の先生に改めて診察されている間、遥は灰人と話をしていた 彼、荒髪 灰人は憐の従兄弟だ。遥達より一つ年上で、やはり、昔から一緒に遊んできた仲だ とはいえ、一つ年齢が違うせいか、他の面子と比べると、ほんのちょっと、距離が開いているような印象はある 同じ学校町内とはいえ、通う高校が違う、と言うのもまた、少し距離が開いている理由かもしれない (ま、どちらにせよ。こうして結構、顔は合わせるんだが……) 本音を言えば、遥は灰人の事は少々苦手だ 戦闘能力だけで言えば、負ける気はしない しかし、何かこう、別の面で勝てない気がしてしまうのだ 姉に対して抱く「敵わない」と言う思いに似たものを、どうしても感じ取ってしまう 遥のそんな考えには気づいていない様子で、灰人は何やら考え込んでいた そうして、不意に顔を上げて 「………お前は、どう思っている?」 と、ある意味一番肝心な部分を省略して、問うてきた 通常ならば「何をだ」とツッコミを入れるところだが、長年の付き合いのせいか、遥はだいたい、理解してしまう だからこそ、肩をすくめてみせた 「ま、俺は皆に危険が及んだら対処するまでだ」 こちらも、肝心な部分はぼかして答えるのだが、灰人は灰人で、それを理解して「そうか」と頷いてくる はぁ、と、小さくため息をついてきた 「…とりあえず。何かあったら、俺にも連絡しろ。通う高校が違うつっても、やれる事はあるから」 「憐から直接、言ってもらえばいいんじゃないのか?」 「………わかってるだろう。あいつは、巻き込むのを嫌がるだろう」 「それは………まぁ、そうだけど」 さすがに、ほぼ身内と言ってもいい灰人相手なら………と、そう考えたのだが (身内だから、こそ。言わない可能性があるか) 憐は何もかも、一人で背負い込みがちだ だからこそ、自分達周りが、しっかり見ていなければならない (あの時のようには、ならないように) 三年前の、あの時のように 脳裏をよぎった記憶に、遥はぎりっ、と、己の拳を握りしめた あの時の事件は、自分達の心に、例外なく傷跡を作った 特にあの件を深刻に背負っているのは、龍哉と憐 ……二人に、あの時と同じ思いをさせる訳にはいかない、絶対に 「…遥」 「あ?」 「牙が出てる。隠せ」 灰人に指摘され、「ベオウルフのドラゴン」の能力を発動しかけていることに気づいた …どうにも、自分は能力の制御が苦手だ もっと、制御できるようにならなければ 「……まぁ、いい。とりあえず、遥。お前のクラスメイト、検査終わったら家に送ってやれよ」 「わかってるよ。その為に、俺は憐についていかないで残ったんだし……本当なら、憐についていきたかったんだが」 「憐は今日は教会の手伝いだっつってたろ。お前、あそこ行ったら氷の方の司祭と毎回喧嘩になるだろうが。炎の方の司祭に迷惑だからやめとけ」 「あれはあの氷悪魔が悪い」 うん、あれはあの悪魔が悪い、色々と そうやって自分を納得させている遥の様子に、灰人は呆れたようにため息を付いた これ以上話していると、なんだか墓穴を掘りそうな気がしてきた そう考えて、遥は部屋を出ようとした やはり、自分は灰人にはなんだか、勝てない ………診療所のインターホンが、来客を告げた はいはい、と診療所の手伝いである灰人がそれに応じる ぴたり、と足を止める 来客が何者であるのか、大雑把ながら感じ取れたのは、ドラゴンとしての勘が働いたからか 灰人が向かった診療所の入り口に向かう遥 そこで、灰人が応対していた相手に、あからさまに嫌そうに眉をしかめた 若い……大学生くらいの男と、黒いスーツを着た女 それらが何者であるのか、遥も灰人もよくわかっていた 「……なんで、てめーらが来てんだよ」 「全くだ。俺も、今、それを問い詰めようとしていたところだ」 「あらあらまぁまぁ。相変わらず容赦ないのね貴方達。「組織」相手いなんとも容赦無いその言葉。嫌いじゃないけど悲しいわ」 ころころと、黒服の女は笑う 隣にいる大学生程度の男も、ニヤニヤと笑みを浮かべている 「「組織」の人間が来たんだから、どんな用件かはわかってるだろ?」 「どうせ、ロクな用じゃねぇんだろ」 男の言葉に、遥は警戒心を露わに返した 「組織」相手と言っても、こうして毎回警戒している訳ではない ただ、今回の相手は、少々警戒が必要である事もまた、遥は理解していた それは、灰人も同じ事 彼もまた、男を冷たく睨みつけた 「……「組織」強硬派の用件、となるとろくでもない予感しかないな」 「あらあらあらあら、本当、容赦がない事。私達「強硬派」だって、昔よりはずっとずっと、ずっと大人しいのよ?」 くすくすころころ、黒服の女は笑う それでも二人の視線の鋭さが変わらぬ様子に苦笑すると、ようやく用件を述べた 「こちらに、都市伝説に襲われた被害者が運び込まれたでしょう?こちらは把握していましてよ。「組織」には目も耳もたくさんたくさん、たくさんありますもの」 「……そうか。特に大きな怪我は負わなかったし、都市伝説と遭遇した、と言う記憶も保っていない。お前達が関わる必要性はない」 黒服の女の言葉に、灰人は冷たく答えた そんな灰人の様子に、男は少し面白くなさそうだ 「それを判断するのはこっちの仕事だぜ」 「…黙れ、角田。お前達は必要ないと言っているんだ」 男………角田 慶次の言葉にも、ぴしゃり、と告げる灰人 その返答が、さらにおもしろく感じなかったのだろうか 慶次の側に、ぶぅんっ………と、何か、姿を現した それは、一匹のカブトムシだ どこから現れたのか、それは慶次の肩にちょんっ、と止まる 出現したそのカブトムシを見て、遥が警戒を強めた 「……ここは診療所だぜ?荒事厳禁だ」 「あらまぁあらまぁ。もうもう、慶次君、駄目ですよ」 「黙ってろ、黒服………俺の契約都市伝説なら、こんなれんちゅ………」 ぴたり、と 慶次の喉元につきつけられた冷たい物 灰人の手元にいつの間にか一本のメスが出現しており、灰人がそれを突きつけているのだ 「………荒事厳禁だ。ここは、怪我人病人を診察、治療する場所だからな」 「おぉ、怖………お前は治療ってより、解剖してくるタイプだろ」 「なんなら、焼いてやってもいいぜ」 ず、と、灰人の隣に遥が立つ 口元からうっすらと牙が顔を出し、その目が金色に輝き始めた あらあら、と、黒服の女はころころと笑い続けている 「もうもう、三人共喧嘩っ早いんですから。駄目駄目、駄目ですよぉ。慶次君はどちらかと言うと遠距離攻撃系なんですから、こんな至近距離で戦闘しようとしちゃいけません。灰人君も遥君も、接近戦闘強いんですもの、ちょっと分が悪いわ」 「………………っち」 黒服の女の言葉に、慶次はようやくカブトムシを消した 灰人と遥はまだ警戒したまま、二人を睨みつけている 「でもねぇ。せめて、被害者の方とお話くらいはさせてもらえないかしら?」 「却下だ。せっかく、都市伝説に関して覚えてない状態なんだ。うっかり思い出したらどうする」 「うーん、困ったわね。私の立場で言うと、ちょっと無理矢理にでも聞き出したいの。思い出しちゃっても、記憶を操作すれば大丈夫ですもの」 「………却下だ」 「あらあら………困ったわねぇ」 どこか上品……と言うにはちょっとおばちゃん臭い仕草を見せる黒服の女 どちらも、一歩も引かない、と言う状態だ いつでも戦闘が開始されてもおかしくない、その状況に 「おや、「組織」の者かね。さて、一体どのような御用かな?怪我をしているようには見えないのだが」 奥から、この診療所の主が姿を現した 白衣の裾がひらり、と揺らめき、赤い目がじっと、黒服の女と慶次を見据えた 「まぁ、こんにち………そろそろこんばんはの時間でしたわね、先生。こちらに、都市伝説に襲われた被害者がると聞きましたの」 「うむ。いるよ。だが、怪我と言っても倒れた拍子に後頭部を打ったくらいでな。もうちょっと本格的な怪我人は、自力でその怪我を治して今はもうここにおらんしな。君達の出番はないよ。帰り給え」 にっこりと笑い、白衣の男は黒服の女に答えた うぅん、と女は考え込み……… 「仕方ありませんね」 と、この場は引くことにしたようだ 慶次が不満そうな表情を浮かべたが、相手の関係上分が悪いと感じたのか、渋々従う 「しかし、先生。貴方は「薔薇十字団」所属でしょう。もうちょっと、中立らしい立場でいてほしいものです」 「はっはっは、中立のつもりであるよ?まぁ、助手に若干肩入れするくらいは許してもらいたいものだがね」 「んもぅ………まぁ、仕方ありませんね。慶次君、まずは帰りますよ」 診療所の主と話し、黒服の女は視線を慶次に向けた わかった、と慶次は頷く 「では、私達はこれで………この学校街に、少々厄介な都市伝説が入り込んだ、と言う情報がありますの。まぁ、入り込んだ後が、まだわかっていないのですけれども」 「おや、そうなのかね。それでは、こちらも気を使っておくとするか………こちらは身の回りに気を配っておく故、そちらも気をつけておきたまえよ」 「えぇ、それでは」 黒服の女と慶次が、診療所を後にする 立ち去って行く後ろ姿を睨みつけながら、遥はぐるるる…………と、唸り声をあげる 「組織」の「強硬派」相手の、忌々しい記憶が脳裏をかすめる (三年前、あいつらが余計な事をしなければ。彼女だって死ぬ事はなかったってのに……!) 体の内側から、炎が沸き上がってくるような感覚 憎悪や怒りが炎となって内側から沸き上がってくるような、そんな感覚だ 湧き上がるそれを抑えよう、と言う意思は薄かった 炎は、遥の内側でどんどん、どんどんと強くなっていって……… 「ほら、竜の少年は落ち着きたまえよ。我が助手も、メスをしまおう?今すぐにでも娼婦辺り見つけて腹をかっさばきそうな顔をしないでくれたまえよ」 白衣の男の言葉に、遥ははっ、と意識を現実に引き戻された 灰人も、はっとした表情になって手元に出したままだったメスを消した 「君達二人は、三年前に一度暴走をやらかしてるからな。あの時のようにはならんでくれよ?」 「………わかってるよ」 「…わかっている」 ……わかっている 一度やらかしたからこそ、遥も灰人も都市伝説の能力を暴走させた場合の危険性はわかっている 一歩間違えれば、どちらも飲み込まれるか、そのまま死んでいたかどちらかだっただろう 死ぬつもりはない 飲み込まれるつもりもない 自分達は、ただ (大切な親友を、失いたくはない) 大切な存在を守るためならば、自分達は容赦はしない 敵対する者は容赦しない 三年前の「あいつ」を殺す事は許されなかったが もしも、あの時のような事があったら、その時は 貴方の中で飼われている化け物は いつだって貴方を内側から食い破ろうとしている Red Cape 前ページ次ページ連載 - 次世代の子供達
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今回の宴会・・・予想以上に面白いのが多い 先ほどの最強の傭兵を名乗る男に、突如巨大化したノミの様な男 更に、果敢にも私に挑もうとした少女・・・ なんと素晴らしい事か 彼女も何れは我々に並ぶ漢女になるに違いない 禿「楽しくなりそうだ・・・・・・「黒服~!!!!」ん?」 観ると過労死候補の黒服が、少女に押し倒されている あの少女は確か・・・今の『はないちもんめ』の契約者・・・ 成る程、話に聞いていた通り確かに似ている 30年前・・・私が殺し、私を殺した彼女に瓜二つだ 禿「血ですか・・・」 少し過去の思い出に浸っていると、目の前を首の無い女性が歩いていく 確か、兄貴の一人が御世話になった『首なしライダー』? わが内に居る兄貴から「あの夜はとてもエキサイティングでした、また何れ会いましょうと伝えてくだサーイ」と言われていたが・・・まぁ、いいか 宴会会場の片隅で、一人酒を飲む禿でした 前ページ次ページ連載 - はないちもんめ
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ギャンブルルームについて ここではギャンブルルームで起きたこと、備品、黒服のマニュアルを中心にまとめております。 黒服マニュアル 資料 話数 タイトル 一度参加者が外へ出たとしても使用時間が残っていたら、再び、ギャンブルルームを利用することが可能(その際、もう一方の人間は別の参加者であっても構わない)。ただし、外に出ている間にまったく別のグループが使用料を払い利用してしまった時はその使用時間は無効となる。 034 賭博覇王 ギャンブルルーム内の備品は破損させても構わないようである。 052 手札 参加者から金をもらえれば、自分の知り得る情報(話して差し支えない範囲に限ると思われる)は話しても構わない。 075 四槓子 参加者がギャンブルルームで暴力行為を働けば首輪爆破だが、黒服が正当防衛のためなら、参加者に暴力を振るうのは構わないようである。 088 希望への標(前編)(後編) 村上:黒服はここを利用した参加者がどんなギャンブルを行っていたのかなど、ギャンブルルーム内の情報を他の参加者に話してはいけないということになっております。つまり、お話できるのは、事前に決定しているルールなどに限られるんです。利根川:じゃあ、ギャンブルルームの外であったことは話しても構わないってことだな。村上:えっ…。 092 主君の片翼 ギャンブルルームの備品は持ち出し禁止という規定はない。しかし、あまり好ましいことではないのは確か。(このルールが明確になったのは109話劇作家(前編)(後編)からであるが、先駆者はE-4ギャンブルルームのアカギ) 109 劇作家(前編)(後編) 使用中は扉がロックされ、外から開閉出来ない形になる。 146 主催 裏事情 資料 話数 タイトル ギャンブルルームの黒服の多くが、帝愛側が用意したスタッフ。 099 投資 ギャンブルルームにも盗聴器や監視カメラが仕掛けられている。 092 主君の片翼 ギャンブルルームの事務室 資料 話数 タイトル 参加者がギャンブルを行う部屋と扉一枚を隔てた隣の部屋で、主に黒服の休憩や食事、事務的な仕事などで使用される。 130 宣戦布告(前編) (後編) 簡易的な調理台と机と椅子など生活上最低限の備品が配置された、コンクリートがむき出しの無機質な部屋(D-5の場合) 130 宣戦布告(前編) (後編) コーヒーメーカーあり。(D-5の場合) 130 宣戦布告(前編) (後編) 場所によっては内線電話もある。 133 猩々の雫 ノートパソコン 資料 話数 タイトル ひとつのギャンブルルームにつき1台。マニュアルに記載されていないトラブルに直面した時、上の人間に確認するために使用される。 130 宣戦布告(前編) (後編) 森田と黒崎がやり取りをするときに初登場。 107 猜疑と疑惑(前編)(後編) ギャンブルルームでもパソコンから参加者の動向を見ることができる。フロッピーの情報と瓜二つである。森田のフロッピーに比べて、より詳細な情報が表示されている。そのかわり映される範囲は極めて狭まっており、そのギャンブルルームを中心に、精精隣り合わせているエリアまで。 146 主催 武器庫 資料 話数 タイトル 成人男性の背の高さぐらいの大きさの物で、黒光りする外装と分厚い扉の金庫。ナンバーをボタンで入力するテンキー式。ナンバーのほかにアルファベットのボタンも備わっている。 130 宣戦布告(前編) (後編) 各ギャンブルルームに用意されている。これは万が一、全ての参加者の武器が使用不可能になってしまった等の理由によって、ゲームの存続が危ぶまれた場合、参加者に緊急支給するため。 130 宣戦布告(前編) (後編) 解錠パスワードは主催者幹部が握られ、主催者の判断で開けられている。 130 宣戦布告(前編) (後編) 一番、最初に解錠したのは黒崎が森田にナイフを渡す時。 107 猜疑と疑惑(前編)(後編) 武器庫内部には爆弾がしかけてある?(在全のハッタリの可能性あり) 130 宣戦布告(前編) (後編) D-5の武器庫のパスワードは“37564”。 130 宣戦布告(前編) (後編) E-2の武器庫のパスワードは四暗刻の数字の若い順に並べた数“34567”。 133 猩々の雫 B-4ギャンブルルーム 資料 話数 タイトル アトラクションゾーン内にある。全体的に薄暗い部屋。 016 保険 治と末崎がジン・ラミーで勝負。治が勝利するも、外で待機していた安藤に後頭部を殴られ、荷物を奪われる。 016 保険 C-3ギャンブルルーム 資料 話数 タイトル アカギと原田が一人麻雀で勝負。アカギが才能を見せつける。 018 試験 アトラクションゾーンの入り口前に建てられている。 088 希望への標(前編)(後編) 映画のワンシーンに出てきそうな高価な調度品が並べられた重たい雰囲気の部屋。 088 希望への標(前編)(後編) 沙織が棄権の手続きを行おうとするも、断られてしまう。 088 希望への標(前編)(後編) C-6ギャンブルルーム 資料 話数 タイトル 森の中に一部開かれた場所があり、ぽつんと立っている。 122 再考 ソファーがある。 122 再考 ルーレット台あり。 122 再考 遠藤が今後の戦略の組み立てと傷の治療のために利用。 122 再考 遠藤、身体を支えるため、キャリーワゴンを強奪。お前もか……。 122 再考 D-3ギャンブルルーム 資料 話数 タイトル ひろゆきとカイジ、若干シンプルなルールに改変した麻雀勝負。ひろゆきの圧勝。カイジの全チップを渡す予定であったが、沙織が持ち逃げ。 075 四槓子 D-4ギャンブルルーム 資料 話数 タイトル D-4ホテル内にある。ひろゆきと村岡がカードにガンをつけたババ抜きをし、ひろゆきが勝利。 003 罠 E-2ギャンブルルーム 資料 話数 タイトル 小道沿いにある。 080 十八歩 落ち着いた雰囲気の淡い色の壁紙。 114 交渉 防音設計。 114 交渉 入り口の廊下を抜けると、多少広い空間が現れる。ギャンブルをするための雀卓、ルーレット等の台が犇いている。 114 交渉 奥の壁に風景画がかけられている。 114 交渉 ここの麻雀の卓は黒い自動卓。 133 猩々の雫 ここの黒服は麻雀が下手。でも、ここでの麻雀勝負は名勝負が多い。 133 猩々の雫 原田と村岡が十七歩の変則麻雀『十八歩』で勝負。村岡負け。原田から多数の指示を出されるはめになる。 080 十八歩 アカギVS村岡。両面牌による十七歩『薄氷歩』勝負。アカギ勝利。 106 薄氷歩 村岡、ギャンブルルームにある盗聴器に向かって、まさかの主催者との交渉の呼び掛け。→二人の契約をこなすのは無理!主催者の力で負担を軽くしてほしいザンス!→黒崎:聞いていると思った?残念、仕事忙しくて聞いていないっ! 114 交渉 村岡(黒服)VS兵藤振り込み麻雀勝負。村岡負ける。 133 猩々の雫 村岡、腹いせに一緒に第一打を考えてくれた黒服を巻き込み、爆死。黒服と村上(130話宣戦布告(前編) (後編))、どうして差がついたのか……和也、村岡の(キャラの格の)違い……。 133 猩々の雫 内線電話あり。 133 猩々の雫 事務室にはモニター(パソコンのモニターだと思われる)、事務机に灰皿がある。 146 主催 E-3ギャンブルルーム 資料 話数 タイトル 窓は閉まっているが、カーテンで光は遮られている。天井には頼りない電球が垂れ下がっている。 009 計略(前編)(後編) 林の奥に見える小さな屋根。 142 逆境の闘牌(前編) (中編) (後編) 赤絨毯に、典麗な白磁器と、ラスベガスのカジノと美術館を足して二で割ったような内装。 142 逆境の闘牌(前編) (中編) (後編) カーテンは分厚い。 142 逆境の闘牌(前編) (中編) (後編) 雀卓は部屋の中央に陣取っている。 142 逆境の闘牌(前編) (中編) (後編) 零と銀二が麻雀戦。零がイカサマを仕掛けるも、コテンパンにやられる。 009 計略(前編)(後編) 零、勝負の最中、電球を割る。 009 計略(前編)(後編) 零と銀二が出会っている頃、ギャンブルルームの近くで鷲巣が邦男を殺害。 014 装備 零と鷲巣で鷲巣麻雀。視覚トリックで零の勝利。 034 賭博覇王 アカギVS市川と数合わせの形でひろゆき、平山の麻雀勝負。平山が市川に点棒を搾取されて追いつめられるも、最後で逆転勝利。意地があんだよ!勝負師にはなぁ! 142 逆境の闘牌(前編) (中編) (後編) E-4ギャンブルルーム 資料 話数 タイトル アカギと銀二がサイコロ丁半勝負。銀二勝利。原田が銀二に引き取られる。 045 余裕 アカギと鷲巣がEカード勝負。鷲巣負ける。 052 手札 アカギ、勝負中、使用済みのEカードを破り捨てる。 052 手札 鷲巣、負けた後、備品に八つ当たり。色々な小道具が大破。 052 手札 アカギ、ギャンブルルームからメモ帳を盗む。 052 手札 アカギ、Eカードも盗んでいたことが判明。 070 陰陽 E-5ギャンブルルーム 資料 話数 タイトル ギャンブルルーム付近 すぐ近くに病院。 021 異彩の事実 和也がギャンブルルーム前に対人用地雷を仕掛ける。 021 異彩の事実 勝広が地雷を踏んでしまい、爆殺。死体はギャンブルルーム前に横たわる。荷物は散乱。 031 束の間の勝者 和也がチェーンソーで勝広の首を切り、首輪を奪う。 084 帝図(前編)(後編) 鷲巣、拳銃を見つける。(銃口は曲がっている) 084 帝図(前編)(後編) ギャンブルルームは爆風にも耐えられる造り。壁に爆発による黒い火薬の後が見えるが、ヒビはない。 084 帝図(前編)(後編) 利根川が周辺清そ…ではなく、勝広の荷物を粗方拾いあげる。その中で使えそうなもの(チップとノミ)を自分のものにする。箕とスコップは爆発でひしゃげている。 092 主君の片翼 ギャンブルルームと病院は互いに正面玄関が向き合うように建っている。 120 天意 和也達によって勝広の死体がギャンブルルーム前からやや病院よりに移動される。(病院の入り口から10メートルほど先の場所) 164 見敵必殺 和也達の悪行によって、勝広の上半身のみ死体の隣に原田の下半身のみの死体が生み出されてしまうことに……。 164 見敵必殺 ギャンブルルーム内 ギャンブルルームの管理者は村上。 092 主君の片翼 ギャンブルルームの描写:床には赤い絨毯が敷かれ、天井には目を刺激させない柔らかい色合いの照明が照らされている。 壁は白を基調とし、ギャンブルに差しさわりがない程度の絵画が数点展示されている。 092 主君の片翼 窓は入り口付近にある、開閉式の小窓のみ。その視界は限りなく狭い。 092 主君の片翼 防音設定で外の音が入ってこない。→黒服への情報遮断 092 主君の片翼 椅子とテーブルがある。 109 劇作家(前編)(後編) ソファーがある。 153 帰参 外壁の色は白。 164 見敵必殺 村上、暇なあまり、扉の下に備品の盗聴器を仕掛け、外の様子を楽しんでいた。 092 主君の片翼 村上、一条と再会。和也、一条、利根川で『和也同盟』結成!以後、彼らは長期に渡り居座り続ける。 103 同盟 利根川、香川照之並みの演技力でしづかに爆弾をしかける。 109 劇作家(前編)(後編) しづかに爆弾を仕掛けた時、備品の盗聴器を使用されてしまう。村上:ギャンブルルームの備品を勝手に使わないで下さい…!和也:備品の持ち出し禁止は規定にない。そんなに文句があるなら、その規定を加えなかった主催者と利根川に“盗聴器”の存在を伝えちまった自分を恨むんだな…村上:(´;ω;`)イイカエセナイ一条:スマナイナ( ´・ω・)ノ(´;ω;`)ブワッ 109 劇作家(前編)(後編) 盗聴器は複数あり。和也達はそれを2個ずつ持ってトランシーバーの代わりに使用。こいつら…… 120 天意 在全・小太郎VS和也・村上でハングマン対決。和也と村上勝利。金庫が解錠される。 107 猜疑と疑惑(前編)(後編) 一条が戻ってきた直後に、鷲巣とアカギも乱入。皆で一緒に放送を聞くことに。 158 悪夢(前編)(後編) まさかの松葉杖常備。高齢者の参加者への配慮を思わせる、主催者のほっこりエピソード。 158 悪夢(前編)(後編) 和也達、ようやく出ていく。 164 見敵必殺 G-6ギャンブルルーム 資料 話数 タイトル 温泉旅館とホテルの間に位置する、道沿いにある。 107 猜疑と疑惑(前編)(後編) 黒崎、首輪集めを森田に依頼。(詳しい内容は107話猜疑と疑惑(後編)) 107 猜疑と疑惑(前編)(後編) 黒服がナイフを森田に手渡す。 107 猜疑と疑惑(前編)(後編) 森田、ギャンブルルームに入り、首輪を集めたことを宣言する。 155 第三回定時放送 ~契約~
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第五回定時放送 ~黒衣の男~ ◆MQZCGutBfo 宮永咲にネット麻雀の教示を行った後、最後のサーヴァントを回収にきた黒衣の男。 物言わぬ骸と成り果てた英霊の姿を見下ろす。 だが、黒衣の男の目に映っているものはこの英霊ではなく ―――飛空船から出る際に死を伝え聞いた、一人の少年である。 この英霊が誰の行く末なのかは既に知識として得ている。 だが、この英霊と成るはずだった少年も、既にこの地には存在しない。 「ふむ……些か期待しすぎたか……」 黒き神父は我知らず嘆息する。 「荒耶宗蓮が付いていれば或いは……と思ったのだがな」 ―――衛宮士郎。 無様にも己の固有結界を発動させることなく、無為に死んでいった男。 言峰綺礼の天敵であった、衛宮切嗣。 その切嗣の養子となった、衛宮士郎。 ―――知らず、鼓動のない左胸を掴む。 拭いきれぬ澱を残していった我が宿敵。 そして、再び我が前に立ち塞がる可能性のあった男の死。 「…………つまらぬ感傷だな」 静かに首を振り、アーチャーの遺体を抱え上げる。 すると、小型のインカムから焦った声の通信が入った。 『言峰様!言峰様!応答願います!!』 片手でインカムの通信をONに切り替える。 『……なんだ』 『はっ、御報告致します! ディートハルト・リート、インデックス、宮永咲。以上三名が離反!! リボンズ様を殺害し逃走中です!!』 『ほう……』 愉快そうに目を細める言峰綺礼。 『イリヤスフィール様は既に神殿から動けず、忍野様もお戻りになられておりません。 リボンズ様が亡くなってしまったことにより、【妹達】も機能停止しています』 『……ふむ、ディートハルト・リートがな……これは面白い』 『は?』 『いや……分かった。すぐに戻るとしよう』 遺体を抱え直し、落ちつき払った様子で歩き始める。 □ 言峰綺礼が飛空船に帰還し、指令室に入っていくと、明らかにホッとした顔を黒服達が見せる。 「さて……状況はどうなっているかね?」 黒服達のリーダー格の男に話しかける。 「はっ、各所に配置していた『妹達』が機動停止しているため関連ネットワークも寸断。 現在補助防備システムに移行中です。 逃走した三名の内、ディートハルト・リート、インデックスに関しては依然として行方を掴めておりません。 監視カメラの位置はディートハルトによる差配で設置されておりましたので、恐らく死角を縫って移動しているものと思われます。 宮永咲に関しては確保しましたが、左腕が無い状態で現在治療タンクにて安置中。 ただし、誰が治療タンクに入れたのかは判明しておりません。」 「……ほう?」 「その……いつの間にか治療タンクの中に居たそうです。 また、残り二名に関してはオートマトンを投入すれば、確保は難しくても始末はできると思いますが……」 「放っておけ」 「はっ?」 あっさり言い捨てる言峰に対し、唖然と黒服リーダーが反応する。 「構わんと言ったのだよ。放っておけばいい」 「し、しかし……」 「……まずはシステムの掌握と体制の立て直しが急務ではないのかね?」 「は、はっ!」 黒服リーダーが引きさがり、そのまま各担当者へ指示を出し始める。 そして入れ替わるようにして放送担当の黒服が言峰に問いかける。 「そろそろ放送の時間ですが、インデックスが離反してしまった為、 この台本通りに進めなくなってしまいましたが……」 「ふむ……」 ―――しばし言峰は考え。 「……原村和を連れてくるといい」 □ 黒服に連れられてきた原村和は、目の焦点が合わないまま歩き、 「さきさん……さきさん……」 と呟きながら、大事そうに『左腕』を抱えていた。 「……ほう、これは」 愉快そうに原村和を見つめ、次いで連れてきた黒服に目を向ける。 「部屋に入ると、既にこの状態でした」 黒服は何が何やらと首を振る。 ふむ、と頷き原村に向かって問いかける。 「原村和よ」 反応はなく、変わらずに左腕を必死に抱きかかえている。 「……宮永咲を助けたいかね」 ビクンと、弾かれたように言峰に目を向ける。 もう一度、噛んで含めるように言い聞かせる。 「宮永咲を、助けたくはないかね」 「咲……さん。助けたい……助けたいです!」 原村和の回答に満足そうに頷き。 「ならば、私に協力してくれるかね?」 「はい……咲さんを助けられるのなら、何でも……」 「よろしい」 愉悦の表情を見せ、満足そうに頷く神父。 放送担当の黒服を呼び、準備を進めさせる。 □ 「……こ、この島での放送も丸一日が経ちました。 これより、第五回定時放送を開始します。 今回からパーソナリティが変更となり、私、原村和が連絡事項をお伝えいたします。 連絡事項は一度限りの通達となりますので、ご注意ください。 ……………… ………… …… よ、よろしいでしょうか?連絡事項をお伝えします。 まずは電車の運行についてお知らせします。 【D-6】駅の復旧作業が完了しました。 しかし、現在【F-3】駅周辺が倒壊しております。 これに伴い、現在全線運休とさせて頂きます。なお、復旧の目途は現在立っておりません。 詳細につきましては駅内電光掲示板を御覧ください。 続いて、禁止エリアの発表です。 この放送より3時間後、午前9時より立ち入り禁止エリアが3つ増加します。 今回の禁止エリアは【A-6】【F-1】【G-4】の3箇所です。 行動の際は時間と場所にお気をつけください。 また、この放送後、各地の施設に商品が追加されます。 最後に、前回の放送から今回の放送までの6時間で死亡した参加者の名前を読み上げます。 今回もこちらで死亡を確認した順番となります。 【C.C.】 【ファサリナ】 【戦場ヶ原ひたぎ】 【ユーフェミア・リ・ブリタニア】 【上条当麻】 ふ……【福路美穂子】 【衛宮士郎】 【デュオ・マックスウェル】 【浅上藤乃】 【白井黒子】 以上、10名です。残り参加者は12名となります。 これをもちまして、私からの連絡事項の通達を終了します。 最後に、遠藤より代わりました担当者より、皆様にメッセージがございます」 □ 「さて………… 遠藤の声を心待ちにしていた者には申し訳ないが。 今回より私、言峰綺礼が担当することとなった。 以後、よろしく願いたい。 この放送期間で10名も死者が出たことは喜ばしいことだ。 死んだ者が多いのが喜ばしいのではない。 その『死』によって起こる波紋が多いこと、それが喜ばしいのだ。 『死』ひとつひとつが、お前達の心にどう影響を与えたのか。 一人一人に是非聞いてみたいものだ。 殺人を犯すということを、その身に深く刻みつけてほしい。 何故己は他者を殺さねばならなかったのか。 何故あの大切な人間が殺されねばならなかったのか。 『死』そのものではなく、その『死』による影響をこそ、ヒトは糧とすることができる。 また、生死事大、無常迅速という。 長生きすることが幸せなのか。 短命で死ぬのが不幸なのか。 『死ぬまでにどう生きるか』が重要だとは思わないかね? この島における『生』と『死』の縮図から、お前達は何を失い、また何を得るのか。 是非最後の一人となって、私に教えて貰いたい。 楽しみに、その刻を待つこととしよう。 以上だ」 □ 「あ、あの……途中詰まってしまって……」 宮永咲の腕を抱きしめ、怯えながら黒衣の男を見上げる。 「何、構わん。練習なしでは上出来の部類であろうよ」 言峰の発言にホッと安堵する原村和。 「それで私はこれからどうすれば……」 「色々と協力して貰うことになるかもしれんが……まずは今まで通りの作業で良い。何かあればまた連絡をする」 「は、はい、わかりました。…………それで、あの、咲さんは………」 『左腕』の指一本一本を自身の指に絡ませ、ぎゅっと胸に抱きしめ、怯えを表情に表わしながら相手を窺う。 すると、安心させるように神父は原村の肩に手を置いた。 「案ずることはない……宮永咲は生きている。 …………『無為に』殺すようなことはない」 「は、はい!……ありがとうございます」 黒服に促され、自室へ連れられて行く原村和。 その姿を見送った後、リボンズが指揮をしていたソファに腰掛ける。 「…………逝ったか。魔術師、荒耶宗蓮」 白井黒子の死亡と共に、参加者ではない別の女の死亡も映像で確認できたという。 伝え聞いた容姿から、荒耶宗蓮であろうと確信する。 「おまえの見せる『救済』とやらにも興味があったのだがな…………残念だ」 残念そうにも見えぬ表情で、黒服が持ってきたグラスを掲げる。 「眠るがいい、荒耶宗蓮」 紅き液体を飲み干し、思案を纏める。 ―――リボンズ・アルマークは生きていると見ていい。 黒服達とは別系統で宮永咲を捕え、かつ腕を原村和に渡すなどという行為は、 あのアインツベルンの人形による指示ではあるまい。 ならば―――他にそのようなことができる者は、リボンズを置いて他にはいない。 「どういうつもりかは知らぬが……こちらも勝手に楽しませて頂こう」 宮永咲の腕と一緒に入っていたという、天使の絵が描かれたカードを眺める。 『20.審判』――ジャッジメント―― 正位置ならば、再生。復元。復縁。復活。再婚。再開。再会。改善。覚醒。仲直り。最終的な決断。 逆位置ならば、離婚。執着。挫折。離別。沈滞。固執。悲観的。粘着気質。再起不能。悲しい別れ。 「……下らぬな」 そのタロットカードを放り投げると、カードは宙を舞った後、逆さまの位置で指揮卓上に落ちた。 「…………私は、他人の不幸にこそ至福を感じる。だからこそ、この計画に乗ったのだ」 ―――アインツベルンの悲願などには元より興味はなく。 その過程におけるヒトの憎しみ、悲しみにこそ興味があった。 そして――― 「何もかも無くし、何もかも壊したあと、ただ一人残ったモノが、果たして自身を許せるのか。 ―――私はそれこそが知りたい」 優勝者が出れば、そのモノとの問答を楽しめるだろう。 だが、リボンズ・アルマークが望むように、徒党を組み主催者へ挑むなどという下らぬ結果となるのなら――― リボンズ・アルマークが表へ出てこないのならば重畳だ。 既に『アレ』には五つの英霊の魂が入り、最低限の機能は行えるようになっている。 ―――その時は、そちらを優先させるのみだ。 【???/飛行船・指令室/二日目/早朝】 【言峰綺礼@Fate stay/night】 [状態]:健康 [服装]:神父服、外套 [装備]:??? [道具]:???、麻婆豆腐の詰まったタッパー [思考] 基本:??? 1:ただ一人残ったモノへの問答。 2:参加者が主催者へ戦いを挑んだ場合、『アレ』を優先させる。 3:この立場でバトルロワイアルを楽しむ。 4:ディートハルト・リートとインデックスの離反を楽しむ。 5:原村和、宮永咲の使い方を考える。 【???/飛行船・原村和の部屋/二日目/早朝】 【原村和@咲-Saki-】 [状態]:健康、恐慌状態、言峰綺礼への精神的従属 [服装]:私服 [装備]:エトペン@現実 [道具]:デスクトップPC×数台、会場監視モニタ×数台、質問対応マニュアル(電子ファイル)、宮永咲の左腕 [思考] 基本:帝愛に従い、咲さんを救う 1:咲さんが心配。早く直接会って救い出したい。 2:咲さんを救うために、言峰綺礼に従属する。 3:役割(麻雀・サポート窓口)をこなす。 4:どうせ打つなら守る為の麻雀を打ちたい。 5:忍野メメを警戒。従ってはいるものの、帝愛は許せない。 6:【円形闘技場】、【象の像】、【遺跡】が帝愛にとっての最重要施設? 7:私には、帝愛に与えられた役割を果たすことしかできないんでしょうか……? 8:東横さん、天江さん……。 [備考] ※登場時期は最終回の合宿終了後です。 ※基本的に自分の部屋から離れられません。 ※監視されていること、異世界から集められていることを知っています。 ※【櫓】が鬼門封じの重要施設。【円形闘技場】、【象の像】、【遺跡】のどれか、もしくは全てがこの島の最重要施設だと考察しています。 ※以下の事柄はSOA!と思っています。 ・死者が蘇る。 時系列順で読む Back BRAVE SAGA『希望』 Next ラストプロローグ『生地巡礼/死地観覧』 投下順で読む Back BRAVE SAGA『希望』 Next ラストプロローグ『生地巡礼/死地観覧』 281 おわりのはじまりⅤ「最後の挨拶」 言峰綺礼 293 ラストプロローグ『生地巡礼/死地観覧』 290 許せないのどっち(後編) 原村和 294 プロローグ/モノローグ
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三面鏡の少女 三面鏡の少女 本名:逢瀬佳奈美(おうせ・かなみ) 高校生で花子さんの契約者や女装少年と同じクラス 身体能力、頭脳、共に人並みよりやや下程度 黒服Hのセクハラ対象である他、何かとエロ不幸な目に遭いやすい可哀想な運命を持つ 酒に酔うと逆にセクハラ魔となり、猫のような身のこなしで大暴れして大変な事になる 万華鏡の少女 本名:逢瀬万華(おうせ・ばんか) 三面鏡の少女と同じ都市伝説と契約していた、彼女の祖母 偶然にも都市伝説と契約してしまった孫を、担当者だった黒服Hに預ける 超のつくドSだが猫を被るのも上手い 故人 都市伝説『合わせ鏡の中に自分の死に顔が見える』 死に顔の他にも合わせ鏡の中にいる無限の自分全てが個として存在している が、性能は全部自分レベルな上に全てが個として独立してるので基本的に身勝手で役に立たない 鮫島事件の数の優位性を一発でひっくり返した多数決チート 万華鏡の少女は鏡に映した相手に死を体験させたり、様々な自分を無尽蔵に召喚したりもできるが 三面鏡の少女はレベルが圧倒的に足りないのでそんな事は出来ない ジュースの少年 本名:手塚星(てづか・せい) 都市伝説『ファンタ・ゴールデンアップル』の契約者 その能力は「語り続けた事がいつか事実になる」というもの 語る内容が世界に大きな影響を与える事象ほど発動までの時間が掛かる 現状では未熟なため、ほんの些細な事でも数週間から数年 小学生のくせに三面鏡の少女に求婚する日々 都市伝説に呑み込まれ『組織』の黒服となった 宮定繰 菊花という名の都市伝説『髪が伸びる日本人形』と契約した女子高生 髪を自在に伸ばして攻撃するが、黒服Hと違い殴る、引き千切るといった力技主体 逢瀬佳奈美とは中学時代に虐めの加害者と被害者の関係だったが今は仲良し 菊花 宮定繰と契約している『髪が伸びる日本人形』という都市伝説 喋れない 意図的に人形のふりをしていない時は、30cmぐらいの和服おかっぱ少女の姿をしている 白蛇 白い蛇 富をもたらすものであり、水神としての側面も持つ 住み着いた家の家主や抜け殻を与えた者に財を為す幸運を与える事ができる他、水を操る事もできる ただし力が弱っているため、天然水(川や海の水や雨水)でないと干渉できない 別の都市伝説の影響でトイレに存在を縛られていたが、三面鏡の少女の身体に張り付く事で束縛を逃れる 力を取り戻すために契約者募集中 自覚は無いが女好きの気あり 現在、獄門寺家の蛇城さんと契約している ドクター ドクター 本名:Elfriede Meitzen(エルフリーデ・マイツェン) ドイツ人だが世界各国語が堪能(女性を口説くため) 所属組織の長が都市伝説なため、都市伝説に対する医療研究のために都市伝説大国日本に派遣 契約してるのはアメリカ滞在時に口説いた『エイズ・メアリー』(口裂け女は契約してない) メアリーとの契約により病気という概念の被害を一切受け付けないという特性を持っている 脱いだり着替えたりを見られるのは平気だが、着飾るのとその姿を見られるのは苦手 エイズ・メアリー ドクターとアメリカで出会い口説かれて契約 契約により本来より強い能力を有している 診療所にて受付業務を担当 ミツキ 口裂け女 日本に来たドクターに口説かれ行動を共にする(契約はしていない) 診療所にて看護士業務を担当 バイトくん 本名:伊藤有羽(いとう・ゆう) 都市伝説『死体洗いのアルバイト』の契約者 棒状の武器で突いた相手を異空間にあるホルマリンプールに沈める事ができる 対象を押し沈めるぐらいまで突き込まなければならないので力負けすると発動しない他、物理攻撃が通用しない相手にも効果は無い プールに沈められた対象は死ぬまで(死んでも)中にいるアルバイター達に沈め続けられる プールにいるアルバイター達は過去にこの都市伝説と契約した者達のなれの果てである 運転手 英国人で割と老齢 都市伝説『ロールス・ロイスは壊れない』の契約者 自らが購入したもの及び能力により交換された「自らが所有するロールス・ロイス」に限り、走行不能な損傷が発生した場合に修理・交換による回復が行われる 交換の場合はワイヤーによって一瞬で消滅するように回収され、全く同じ位置の上空から新品の車が現れる 運転技術や身体能力は自前 総統 都市伝説組織『第三帝国』の指導者の一人 『生存説』と『複数存在説』が組み合わさって複数おり、南極の『総統』はUFOや超人兵団、南米の『総統』は隠し財宝や曰くつきの美術品などが専門 ドイツ、ムー、アトランティス、月など色々なところにいる ドクターの上司である日本の総統は医療推進政策派で割と温厚、犬好き 都市伝説への医療行為や、都市伝説に侵された人間の治療、都市伝説の人間化などを研究している スツーカの悪魔 総統の指揮下にある『伝説』(都市伝説ではない) フィンランドの『伝説』白い死神と一緒にロシアの都市伝説『畑で採れる兵士』を殲滅せんと戦いを続けている 指揮下にあるが基本的に命令を聞かないで勝手に出撃する 趣味は急降下爆撃とロシア軍戦車の爆撃 エニグマ姉妹 本名:姉 Konstanze Ernst(コンスタンツェ・エルンスト) 妹 Delia Ernst(デリア・エルンスト) 都市伝説『エニグマ暗号機』の契約者 暗号化と解読、電波による通信を姉妹間で行う事ができる 姉はどのような暗号でも一目で解読でき、妹は考えた事を暗号で喋ったり書いたりできる 姉妹間であれば暗号での会話も可能 トライレス 本名不明 トライレスという呼び方は大層不快らしく、身内には『先生』と呼ばせている 学問的な意味で頭は良いが喧嘩っ早くて空気が読めないところがある 拘束具と拷問具を瞬時召喚し、若い少女の血液で若さと美貌を保つ『エリザベート・バートリー』と、様々なガスを瞬時に生成霧散させる『アウシュビッツのガス室』が契約能力 前者の契約都市伝説の影響によりやや吸血鬼っぽい体質 バイトくんの旧友 Pascal Hudsn(パスカル・ハドソン) 都市伝説『壁に耳あり』の契約者 諺ではなく、医学解剖中の悪ふざけという都市伝説 半径数十キロ以内の壁に自在に耳を発生させ聴覚を同調させる事ができる また、一度身体に触れた事がある相手を媒介として、喉から長く伸びる手を出現させ掴んだものを口に引き摺り込み手元へと転送する『喉から手が出る』という能力も有している 騒動に巻き込まれた結果、犬耳尻尾のメイドと化した イギリス『MI6』所属 沙々耶・マイツェン(ささや・-) 元はミツキに憑いていた『悪魔の囁き』 除去された上で捕獲され、都市伝説の人間化技術の検体にされた 外見は16歳時のドクターと同じで戸籍上は妹という事になっている 囁くようにしか喋れない アメリカ政府の陰謀論 都市伝説組織『アメリカ政府』のトップ 組織内ではジョン・スミス(身元不明死体の意)と名乗っている 自らの言葉による命令を自主的なものと錯覚させて実行させる能力を持つ リアルタイムで対象さえ固定されていれば、電話、ボイスチャット、放送等でも発動可能 金髪の少女 都市伝説『ウィンチェスター・ミステリー・ハウス』の契約者 自分がいる建物の部屋を無尽蔵かつ不規則に増殖させ、目的地に辿り着けなくさせる能力を持つ 天然不思議なダンジョン 能力発動中は銃によって死亡した幽霊やゾンビが徘徊しバイオハザードな有様になる 本人は無口で人と触れ合うのが苦手 英語しか話せないが段々と日本語を勉強中 黒服の女(ドイツ人) 都市伝説『アレクサンドリアの大灯台』の契約者にして元人間の黒服 光を反射する物体から超温度の熱線を発射できる他、エネルギー攻撃の一切を反射する能力を持つ あらゆる攻撃を反射するわけではなく、物理的な打撃は普通にダメージを受ける バイトくんの元カノ 『アメリカ政府』所属 黒服の男(アメリカ人) 都市伝説『ドル紙幣の予言』の契約者にして元人間の黒服 折り畳んだドル札を媒介にして旅客機の体当たりと同等の破壊力を発生させる能力を持つ 身体能力はどこかの禿クラス 『アメリカ政府』所属 黒服の男(中国人) 都市伝説『仙人』の契約者にして元人間の黒服集団 符や宝具を作り出す能力を持ちそれを使って様々な力を行使する能力を持つ 一度に複数の宝具の力を行使する事は出来ない 現在は『壷毒』を発動させながら町の何処かに潜んでいた 様々な策を巡らせて『太歳星君』を召喚し操ろうとするが、その尽くを叩き潰されて全滅した 『アメリカ政府』所属 その他 最上椿(もがみ・つばき) 都市伝説『もげろ』の契約者 不貞をはたらいた夫の局部を切断するといった事件と、ネット上での嫉妬心からの発言が混ざり合って生まれた都市伝説 本人、または周囲の人間の嫉妬心をエネルギー源として男性のち○こをもぐという能力 応用で女性の乳ももげるが本人が割と巨乳なのでこの能力はあまり発揮されない 彼氏は欲しいし結婚願望もあるが仕事を優先しがちな寂しい独身女性 葉霞南八(はがすみ・なんぱち) 都市伝説『馬鹿は死ななきゃ治らない』の契約者(無自覚) 本人が馬鹿である限り死なないという馬鹿みたいな能力 実は頭の回転も速く身体能力も素晴らしいのだが、エロスな事にしか集中できず持ち腐れている馬鹿 ストライクゾーンは女子高生から三十路前後ぐらいまで 基本的に都市伝説の類を信じておらず、相手が人間でなくても女性ならアタックを敢行する馬鹿 壱岐大(いつき・まさる) 都市伝説『マグロ漁船のアルバイト』で父の借金を返すために働いていた青年 契約や約束を大事にする性格で、父のためではなく金を返すという契約のために命の危険があるほどの仕事をしていた まぐろ 帰郷した大を襲って返り討ちに遭い、結果として契約する事になった『眼球を探す少女』 列車事故の轢死体という出自からまぐろと名乗った 素手で目玉を抉り人体を引き裂ける腕力が武器 契約者を得た事で、対象を傷付ける事無く眼球だけを奪ったり戻したりといった事も出来るようになった 外見は16歳前後の眼球の無い少女で、一般人には姿は見えないが念のためにサングラスを装着している ページ最上部へ
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450 :名無しせずにはいられないな:2010/01/26(火) 23 59 39 ID 2TKpLMcQ 男A「たまには趣向を凝らして『戦場の絆』でもしましょうか」 透華「そうですわね。あの変態に出番を奪われるのも癪ですし」 利根川「面白そうだな。私も参加しよう」 黒服「そういえばやらせるばっかでこっちはやったことないな。ハロ、やるぞ」 ハロ「ハロ! ハロ!」 利根川(サザーランド)「ふむ。やはり量産機の機能美というのはいいものだ。信頼性も高い。さて、他の奴らは‥‥‥‥なん‥‥だと‥‥」 透華(アルヴァトーレ)「戦場でも卓でもやはり目立ってなんぼですわ! みなさいこの金色の輝きを! って、なんですのこれは!?」 黒服&ハロ(デュナメス)「うわあ。成金くせぇ‥‥。そしてこっちは‥‥無理だろこんなの」 男A(バースデイ)「やっぱり使いなれたものが一番ですよね」 『反則!』 男A「そんな殺生な」
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(少女 アタシは戦う気なんてこれっぽっちもないんだけどなぁ? 細い月の光も届かぬ、真夜中の真っ暗な路地裏 小さな手から泉のように湧き出る粘性のある液体が、どろどろと垂れ流れ、 真下で倒れている、真っ赤な毛布を纏った男性の口を満たしてゆく (少女 テメェらが必死になってかかってくるから、こっちはそれに全力で応えてあげてるんだよねぇ つーかぁ、女の子1人に何人つぎ込んで何人犠牲にして、それを何回繰り返すつもりぃ? だったらアタシとやってる事一緒だと思うんだぁ 大量の粘液を飲まされた男――「赤い毛布」は、小さな光の粒子となって夜闇に消えていった (少女 あーぁ、終わった終わったぁ それでぇ? アタシを殺る気なのぉ?「組織」の子狗ちゃぁん? ショートヘアの少女はくるりと、己の背後に目をやった そこに立っていたのは、白い短髪の中性的な人物―――天沢翔騎 (翔騎 ・・・それが命令だ (少女 「組織」も随分と腐ったねぇ、こぉんなガキに討伐任務なんて任せてさぁ どーぉ? さっさと辞めてアタシと組まないかなぁ? (翔騎 ・・・・・・“裏切り者” (少女 あーらぁ心外、アタシったら「組織」でそんな呼ばれ方されてんのぉ? わざとらしくおどける少女に興味を示すことなく、翔騎はざっ、と身構え、 (翔騎 ルート・ライフアイゼン・・・・討伐、開始 地面を蹴り、人間とは思えないスピードで少女に襲いかかる (少女 へぇ~・・・? しかし、それを一度の跳躍でいとも簡単に避け、 (少女 アタシの名前、知ってんだぁ? 空中で逆さになりながら、少女―――ルート・ライフアイゼンは、にたりと怪しい笑みを浮かべた (ルート お利巧な子狗ちゃんには御褒美をあげなくっちゃねぇ!! くるっと身体を捻り、着地と同時に右掌を伸ばすと、蛇の形をした粘液が現れ、翔騎に迫る ルートの契約都市伝説は「インフルエンザは地球外のウィルス」 この粘液は、インフルエンザウィルスの集合体 それをまともに受けると、大抵なら病院ではなくあの世行きになるだろう だが、 (翔騎 無駄だ 蛇は翔騎の目の前で向きを変え、今度は主である筈のルートを襲う あ、という間に、彼女の身体はぐっしょりと濡れてしまった (ルート やだぁ、着替えなんて持ってないのにさぁ、さっき殺した奴の毛布、奪っときゃよかったなぁ (翔騎 ・・・ちっ (ルート なぁにぃ? 死ぬと思った訳ぇ? フグが自分の毒で死ぬと思ってたのお馬鹿さぁん!? 彼女の長髪を受けてか否か、翔騎は再び距離を詰め、拳を振り下ろす が、ルートはまたも軽やかにそれをかわしてみせた 拳をぶつけられた場所は大きく抉れ、狭い路地裏に砂埃が立つ (ルート 面白い奴と契約してんだねぇ、何なのよぉ? (翔騎 黙れ (ルート 邪見にしないで欲しいなぁ、そりゃ「組織」は抜けたけどさぁ “あの姉貴達”には感謝してんのよぉ? だってぇ、堅物の姉貴のお陰で妙な力も身についたしぃ? つい、と人差し指を動かす 2人の背後に、黒服が2人ずつ立っていた が、様子がおかしい (ルート ま、トップの姉貴の驚く顔が見らんなかったのが残念だったけど・・・ねぇ!! すっと腕を挙げ、そのまま翔騎に向けてゆっくりと振り下ろす その動きに合わせて、4人の黒服は翔騎を狙って発砲した (翔騎 ・・・ッ! 全ての弾丸を、力をそのままに弾道をずらして跳ね返す 周囲にいる黒服は、ルート討伐の為に派遣されていた者達 それが何故、味方に発砲を・・・? 翔騎は強く、ルートを睨みつけた (ルート ヒャハハハハハハハ!! いいよその目ぇ! 案外可愛いじゃないのぉ!! 今日は見逃したげるわぁ! 代わりにこの黒服達と遊んであげてねぇ? (翔騎 なっ・・・・ (ルート 助けようとか馬鹿なアイディアは棄てた方がいいよぉ? アタシの能力で、こいつらはマリオネットみたいになってるからねぇ 何しても無駄・・・味方を殺すか、味方に殺されるか、 悩んで悩んで悩んで苦しんで苦しんで苦しんでもがき足掻いてぶっ壊れちゃえばいいわぁ! ッヒャハハハハハハハハハ!! ヒャァァッハハハハハハハハハハハハハハハ!!! 翔騎は迷わず追おうとしたが、その道を黒服達が阻む 操られているとはいえ、味方を攻撃する事はできなかった 何とかして、彼らを救えないだろうか 耳障りな笑い声だけが、虚しく一帯に響いていた ...setzen Sie fort 前ページ次ページ連載 - 仄暗い魂