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『4・旦那』 62KB 虐待 観察 共食い 番い 野良ゆ 子ゆ 現代 虐待人間 独自設定 スカッとしないかもしんないです 【旦那さん、笑みと共に踏み込んでいくのこと】 ※ 現代社会をベースに、ゆっくり達が「奇妙な新種」として実在する世界だと思ってください。 ノリとしては、新種発見ブームが一段落した後みたいな感じです。 ※ anko1323 1・学者 anko1324 2・先輩 anko3853~4 3・小僧(前・後) 今作 4・旦那 と、連続しています。 どこから読んでも、それほど問題ないようにしようと努めたつもりですが、 過去作を読んでないと、よくわからない部分があるかもしれません。 けどまぁ、大事なところでもないと思います。 ※ 設定に違和感を憶える場合もあるかと思いますが 「ああ、こういう世界なのね」と大らかな気持ちで見てくだされば幸いです。 怖かった。 嫌悪感というものは、一定を越えると恐怖となるのだろうか。 まさか夫を恐怖の対象と捉えているなんて、思いたくはなかった。考えられないことだ。 心から愛し、尊敬している、あの夫のことを……いつも優しく、家族の前で笑顔を絶や さないあの夫のことを、怖いなどと思うはずがない だから、これは嫌悪感だ。過ぎた嫌悪感が、鳥肌を立てさせ、骨から震えさせるのだ。 あの、気持ち悪いモノ達に対する、嫌悪感なのだ。 「ゆっくり」と呼ばれる、在るはずのない化け物達に対する、嫌悪感だ。 「ただいま」 玄関のドアが開く音と共に、穏やかな夫の声が聞こえてきた。玄関へ駆けていく息子を 追いかけて、私も出迎えるために玄関へと向かう。 いる。 夫は、ある時から鞄を二つ使うようになっていた。 前から使っている、手提げの革鞄。仕事で必要な様々なものを収めているもので、私が 作ったお弁当も入れられている。 それだけではなく、背に負うナップザックも使うようになったのだ。ある時から…… そのナップザックが、微かに蠢いている。 また、あの中に、いる。 夫の前に立ち、小さな背を伸ばすようにして見上げている息子には、夫が背負っている ナップザックは見えないだろう。その微かな動きになど、気付けるはずもない。 夫が「後で」と快活に笑い、書斎へと向かう。 夫の背のナップザックに息子が気付かないよう、私はその小さな手を引いてリビングへ と連れて行く。誤魔化すように、笑顔を向けながら。 怖い。 でも、これは嫌悪感だ。 行き過ぎた嫌悪感であって、恐怖心とは違うはずだ。 あのナップザックの中身に対する、嫌悪感なのだ。 夫に対しての感情であるはずがない。 夫の、その行為に対する感情で……は、あるのかもしれない。あの、「ゆっくり」と呼 ばれる、不気味な存在が関わっている行為なのだから。 ある時から、夫は鞄を二つ使うようになっていた。 ある時から、夫は外で捕まえた「ゆっくり」を持ち帰るようになった。 ある時から、夫は「ゆっくり」を、壊すようにして“動かなくする”ようになった。 かつて私達の家で飼っていた、賢かった『まりさ』がいなくなった、あの日から。 夫は、野良のゆっくりを徹底的に痛めつけて、ボロクズになるまで痛めつけて、殺すよ うになったのだ。 違う。 違うわ。 あんなものが、生き物のわけがないんだもの。生きてないから、殺すなんて言わない。 動かなくしているだけ。動かないはずのモノを、ちゃんと動かなくしているだけ。 「どうしたの、ママ?」 つい、声に出てしまったらしい。 キョトンとした顔で見上げてくる息子に、なんでもないと微笑みかけ、夕食の用意を手 伝ってくれるようにお願いする。 明るく頷き返してくる息子の笑顔が、心にも光を与えてくれる気がした。 まだ暗い部分には、疼くようにして恐怖が……いいえ、嫌悪感が、こびり付いたままだ けれど…… *** *** *** *** 妻の顔が、いくらか暗かった。 妻の瞳に、いくらか怯えの色を浮かべていた。 無理もないだろう。彼女の大嫌いな野良ゆっくりが、未だに減りもせずのさばり続けて いるのだから。 個人に出来ることは、限界がある。それでも一人一人が気を配り、行動に移すことで、 少しずつでも変わっていくものなのだ。 たとえば、ゴミ拾いなどもそうだ。いや。そもそも、ゴミの投げ捨てをしないという、 最初の段階から心がけるだけで、町はずいぶんと綺麗になるものだ。 ならば、野良ゆっくりもそうだ。 町を汚し、人に不快感を与え、妻を怯えさせる野良ゆっくりも、いつかきっと消える。 そして、綺麗な町が戻ってくる。妻の明るい笑顔も、取り戻せる。 これまで、私もずいぶんと多くの野良ゆっくりを処分してきた。 必ずしも、地域に対する貢献であるとか、純粋な善意だけの行動ではない。個人的な感 情が、野良というものに対する私自身の怒りこそが、その行動の原動力であることは否め ない。 否定する気もない。 今の私は、野良というものを、薄汚いゴミ以下の分際で人を見下し、不遜な態度を取り、 町を汚し続ける存在を、強く深く憎んでいる。 部屋に入り、扉に鍵をかけた。 ここは、元は私が書斎として使用していた部屋だ。かつて、まだ野良に対していくらか の憐憫の情があった頃に、治療してやった野良が散々に荒らした。 あの日から、ここは野良に身の程を思い知らせ、最終的には処分するための部屋に変わ った。 一人静かに読書や調べ物をしたいときのためと、内側から鍵も掛かるようにしてあるし、 防音も他の部屋より念入りにしてある。 だから、ここでなら野良がどれほど泣き叫んでも、妻や息子に聞こえることはない。 「ゆべっ!?」 「へぶっ!?」 「ゆぴっ!?」 背負っていたナップザックから、今日回収してきた野良を床へと落とす。 番いと、その子供。三匹ともがれいむ種で、比較的珍しい組み合わせだろう。 「い、いちゃかったよぉ……くるしきゃったし……ゆ? おきゃあしゃん、ここどこ?」 「ゆ、ゆるしてね! ゆるしてください! おうちかえして! れいむたち、わるいこと しませんから! にんげんさんに、めいわくを かけたりしませんから!」 「あやまります! おにいさんのことを おこらせたのなら、あやまります! れいむは、 どうなってもいいです! でも、おチビちゃんだけは!」 「ゆあ!? しゃっきの、こわい おにいしゃん!?」 危機感の薄い子に対して、親の二匹はぺこぺこと汚い体を折り曲げるようにして謝って くる。珍しく不遜な態度を取ってこないところを見ると、人間に対する恐怖をしっかりと 持っているのだろうか。 「れ、れいむたち、わるいことしません! にんげんさんに、ひどいこともいいません!」 「おにいさんを おこらせちゃったのなら、ちゃんと あやまります! だから、ゆるして ください!」 謝ってもらう必要など無い。謝罪など、意味もない。謝罪でどうこうなる問題でもない。 野良だからだ。 それだけのことでしかない。駆除されて当然の、野良。だからなのだ。 「ちぎゃうよ? おきゃーしゃんも おとーしゃんも、かいゆっくりでゃったんだよね?」 「そうなんです……れいむも、れいむも……もとは、かいゆっくりで……そ、その……」 「す、す……すっ、す゛て゛ら゛れ゛た゛ん゛で゛ぅ゛ぅ゛う゛う゛!」 親の二匹が泣き出した。元は飼われていたから、人間のことを多少は学んでいたのか。 捨てられた野良は、そのほとんどが人間を恨み、嫌い、見下している。 人間を見下すから、人間を嫌うから、捨てられた。そういう野良もいる。捨てられてか ら、逆恨みを懐き、人間を嫌うようになった野良もいる。野良である惨めさから逃れるた めに、人間を見下すようになった野良もいる。 なんであれ、野良は野良だ。 「「ゆぐっ!!」」 断定すると、親の二匹はショックを受けたように言葉を飲み、俯いてしまう。だが、子 の野良は理解してないのか、聞き取りにくい声で喚き続けた。 「ちぎゃうってば! おきゃーしゃんも おとーしゃんも やしゃしいよ! かしこいよ! れいみゅも、かしこくて きゃわいくにゃれば、かいゆっくりになるんだよ!」 有り得ないことだ。夢と言うにも、愚かしい。どう主張しようとも、親も子も、駆除さ れるべき野良でしかない。だから、当然のこととして、ここで潰される。 元飼い主が引き取りに来ることもないし、新たに飼い主になってくれる者など、現れる わけもない。 ここから二度と出られない。潰されて、ゴミとして捨てられる以外は。 「ちゅぶしゃれる……?」 「そっ、そんな!? れいむたち、なんにもわるいことしてません! にんげんさんに、 ひといことをいってません! なんでですか!?」 「なにか したのなら、いってください! あやまります! なにか まちがってたのなら、 おしえてください! ちゃんとします!」 野良の相手をやめて、仕事鞄から、カメラを取り出す。これから行うことを映像で…… 動画として記録しておく。あのサイトで、私も発表を行わせてもらうかどうかに関しては、 まだ迷いもあるが…… 一昨日のことになるか。ふと思い立って、ネット上で検索してみたところ、ゆっくりの 虐待を楽しむ者達の集うサイトが、いくつか存在することを知った。興味深く読み耽って しまい、そこに集う人達のレポートに感心すると同時に、惜しいことをしたという気持ち が沸き上がってきたのだ。 自分も、何らかの形で記録を取っておけば良かった、と。 それは、その場で自分の行いを披露し合う彼らへ向けられた、羨望だ。さらには、自分 だって負けてはいないという、いくらか嫉妬も入り交じった、対抗心もあるか。 「のっ……! のらなのが、そんなにわるいことなの!? れいむたちは、すてられたん だよ! れいむたちをすてた、にんげんさんがわるいんじゃないの!?」 「れ、れいむ!? おちついて! おにいさんを おこらせたら……!」 私に怒鳴っても、ここで今さら怒っても、何も変わらない。いや、何をどうしても変わ らないだろう。 コイツらが野良であることが変わらないように、いずれ潰されるだけという未来も変わ らない。 「なんでぇええええ!? なんでなのぉおおおお!?」 親の野良の片方は、子供を口にくわえて部屋の隅へと逃げていった。もう一匹は、立ち 塞がっているつもりか、私に向かって喚き続けた。 「れいむたちの、せいじゃないよ! れいむたち、それでも にんげんさんに めいわくを かけないようにしてきたよ! なのに、なんで つぶされるの!?」 いるだけで迷惑な、野良だからだ。 「れいむたちは、すきで のらになったんじゃないんですっ! れいむの おにいさんが、 れいむのことを すてたから……! れいむも、そうなんだよ! おねえさんに、すてら れちゃって……! そっちのほうが ひどいでしょ!?」 確かに、本当に捨てられたのだとすれば、捨てた飼い主にも問題はある。それは間違い のないことだ。 飼っているペットを捨てる、飼育することを放棄するということは、無責任極まる行為 だろう。放棄されるだけの理由があったとしても、野良という他人に迷惑がかかるような モノにするくらいなら、自らの責任の下、潰すべきではないだろうか。 だが、勝手に遠出したあげくに迷い、帰れなくなって野良と化したものもいる。 この野良達が、その言葉通り飼い主に捨てられたという証拠はどこにもない。野良だと 言うことが変わるわけもないのだから、確かめる気もない。 カメラの準備を済ませ、ゆっくり用の治療キットと、オレンジジュースも準備する。 「ちゃんときいて! れいむの おはなし、きいてください! れいむたちは……!」 側で喚いているのは構わず、奥へと逃げた二匹へと向かう。 「やっ、やめてね! おチビちゃんだけは、ゆるしてあげてね! おチビちゃんは、いい こだよ! かわいいよ! おりこうだよ!」 「ゆゆ~ん♪ れいみゅ、おりこうで きゃわいいの? ゆっ、ゆゆ……!? ゆわ~い! にゃに、こりぇ!? しゅごいっ! おしょらをとんでりゅみてゃ~~い!」 子を掴み上げ、側にいた親も持ち上げる。 「ゆわわわわ!? はなしてくだ……ゆわ~! おそらをとんでるみた~い! だけど! おチビちゃんを……! でも! すご~い! おそらをとんでるみたいだよぉ!」 もう一匹の親が、足下で飛び跳ねながら喚き続けている。 「あぶないよ、れいむ! だいじょうぶ、おチビちゃん!? おねがい! おねがいです! おろしてあげてね! れいむは、れいむの だいじな はにーなんです! おチビちゃんは、 れいむたちの たからもの なんです! れいむたちの きぼう なんです!」 子供の方は、やはり危機感が薄いようだ。持ち上げられた状況で、暢気に体を揺らして いる。 「れいみゅって、おしょらをとべたの!? しゅごいねっ! おきゃーしゃんと おとー しゃんの、たかりゃもにょだから? れいみゅもね、おきゃーしゃんと おとーしゃん、 だいしゅきだよ! れいみゅの たかりゃもにょ は、おきゃーしゃんと おとーしゃん! でゃから いっしょに、ゆっくり おしょらをとぼんでにぇ!」 「うごいたら あぶないよ、おチビちゃん! おにいさん、きいて! れいむのおはなし、 ちゃんときいて! れいむたちは、ただ いっしょうけんめい に いきてきた だけです! それだけなのに、なんで つぶす とか いうんですか!?」 野良だからだと、何度言わせる気なのだろうか。 ゴミよりもなお迷惑な存在が、一生懸命に生きているなどと、吐き気がする。 カメラを準備してある、テーブルの上に持ってきた親と子を降ろした。 ナイフを手に取り、親の野良の前下部を薄く切り落とす。 「ゆぎゃぁああああっ!? れ、れいむの!! れいむのまむまむがぁあああ!」 すぐに、子の野良の側面を薄く削ぎ落とす。 「ゆびゃあああああああああっ!? いちゃい!? ほっぺが いちゃい よぉおおお!? にゃにこりぇぇええええっ!?」 中身の餡が溢れる前に親の野良を仰向けに倒し、その前下部と子の頬、皮を削ぎ落とし た部分同士を密着させ、治療キットで繋ぐように傷口の周囲を塞いでいく。 「い゛っ゛、い゛た゛い゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛……!! い゛た゛い゛け゛ど゛……お゛っ゛、お゛チ゛ビ゛ちゃ゛ん゛が゛……! れ゛い゛む゛の゛、お゛チ゛ビ゛ちゃ゛ん゛! だ゛い゛じ゛ょ゛う゛ぶ゛!?」 「ゆ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛っ゛! ゆ゛あ゛っ゛! ゆ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛っ! お゛きゃ゛ー゛しゃ゛ぁ゛あ゛あ゛ん゛! い゛ちゃ゛い゛よ゛ぉ゛お゛お゛! れ゛い゛みゅ゛、ほ゛っ゛ぺ゛が゛い゛た゛い゛い゛た゛い゛だ゛よ゛ぉ゛お゛!」 「ふたりとも!? だいじょうぶ!? ゆっくり! ゆっくりしてね?! ゆっくりして! れいむも、おチビちゃんも! おねがいだから、ゆっくりしてね!」 足下で喚いていた方の親も掴み上げ、やはり前下部を薄く切り落とした。 「ゆがぁあああああっ!? れ、れいむの!? れいむのぺにぺにがぁあああああ!?」 親と繋がれ、その腹の上で痛みに震えている子の、もう一方の側面を、先ほどと同じよ うに薄く削ぎ落とす。 「ゆびひぎゅぁああああああっ!? ゆあ! あっ、あいっ……いだぁああああい!?」 子と繋がっている親を起こし、もう一方の親も同じように子と繋ぐ。 「ゆひぃい! ゆひぃい! なに……? なんなの、これ? どうなってるの、れいむ?」 「わ゛か゛ん゛な゛い゛よ゛ぉ゛……れ゛い゛む゛に゛も゛、な゛ん゛だ゛か゛わ゛か゛ん゛な゛い゛ぃ゛い゛……そ゛れ゛よ゛り゛ い゛た゛く゛て゛、い゛た゛く゛て゛……ゆ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛……!」 子の野良を真ん中に、三匹の野良を繋いだ状態だ。親は向かい合っており、間の子は、 その親の顔を見上げる形。親が立っている姿勢だと、子は仰向けに寝ている姿勢となって、 三匹の視線は交わり、お互いの顔をかろうじて見られるはずだ。親の方は、子を見下ろす のに多少は苦労するだろうが。 傷口が癒えて完全に結合するまでは、簡単に引き剥がすことが出来るだろう。痛みに震 え、三匹ともジッとしている間に、手早く済ませなくては。もっとも、そんなことをして も、死ぬだけだし、死ねば死んだで、また別の野良を捕まえたときにでもやってみれば良 いだけのことだが。 「ゆぁああん! ゆぁああん! いちゃいのは、れいみゅのほうだよぉ! おかーしゃん でしょ! かわいい れいみゅを たしゅけてね! おとーしゃん、にゃにしちぇるの!? たかりゃもにょ の れいみゅが、ないてりゅんだよぉお! たしゅけてってば!」 親に挟まれた格好の子の野良に、オレンジジュースを霧吹きで何度も吹きかける。 「ゆふあっ!? かじぇしゃん!? にゃんにゃの!? ちゅめたいよ!? ぷはっ!」 「いだっ!! おチビちゃん! あばれないで! あばれたら いたいよ!」 「んぎっ!! がまんだよ、れいむ! おチビちゃんも、がまんしてね!」 「ぷゆはっ! ……ゆゆゆっ? いい におい ぎゃ しゅりゅよ? この かじぇ しゃん、 いいにおいで……ゆ! あみゃい! こりぇが、あみゃあみゃしゃんにゃの? ちょっと ちゅめてゃいけど、あみゃくて おいちい かじぇが、れいみゅに ふいてりゅよ!」 「あまあまの、かぜさん!? ほんとだ! おかあさんのおくちにも、すこしかぜさんが はいってきたよ! すごいねぇ、おチビちゃん!」 「ありがとう、おにいさん! おチビちゃんが、よろこんでるよ! その、しゅっしゅ、 もっとやってあげてね!」 「れいみゅが かわいいから、あみゃあみゃしゃん の かじぇが ふいちぇりゅんだにぇ! ぷはっ!? にゃにっ!? こんどは にゃんにゃの!? ぷえ! ぷは! けふっ!」 茶こしの様な網を使って、子の野良の上から小麦粉をハラハラと降りかける。 「えふっ! けふっ! こふっ!」 「いたっ! いたたたたた! おチビちゃん! せき、しないで! おかあさんたちも、 いたくなって……げほげほ!」 「ゆぁいだだだ! おにいさん! ぱらぱらはダメだよ! ぱらぱらは……げふっほん! ぱらぱらは、おチビちゃんがつらそうだよ!」 軽く小麦粉を塗し、またオレンジジュースを吹きかけ、さらに小麦粉を塗す。 何度も繰り返し、子の野良が粘膜に覆われたようになったところで、これ以上は動けな いように三匹まとめて包帯を巻いて固定する。その際、子を押し潰してしまわないように 柔らかなビニールボールを複数個、緩衝材として親同士の間、子の周囲に挟み込んでおく。 横からだと、二匹の野良が下半分を包帯でグルグル巻きにされただけに見える。上から 見下ろせば、子野良の姿は確認できた。 二匹の親野良の口に、ストローほどの細いチューブを加えさせ、出来るだけ口の中の奥 まで突っ込む。 「げうっ! おっ、おぅえ! やっ、やべでね!?」 「いだっ! のろっ! いま、のどのおくに ささったよ!? いたいよ!」 チューブはペットボトルほどのタンクから伸びている。全体の造りや見た目は、点滴の ようなものだ。そのタンクに、オレンジジュースを注ぎ込む。 少しずつ流れていくように、調節するつまみ軽く捻り、弁をほんの少し開いた。 「ゆゆ……? こ、これ……このあじは! ゆは~ん! おいしいよぉ!」 「あまあま! このあまあま、しってるよ! おれんじじゅーすさんだよ!」 「ゆっ!? あみゃあみゃ!? しょりぇ、あみゃあみゃしゃんにゃの!? にゃんで、 れいみゅには、くりぇにゃいの!? にゃんで、おきゃーしゃんと おとーしゃん だけが あみゃあみゃしゃんを たべちぇるの!?」 「ご、ごめんね、おチビちゃん……おとうさんにも、なんでだか わからないよ……」 「それに、たべてるんじゃないよ? なんでか しらないけど、おくちのなかに、あじ が するだけだよ?」 点滴ほどではないが、一度に大量のオレンジジュースが流れ込むことはない。 二匹に注ぎ込むオレンジジュースは、合わせて800ml。とりあえずは、これだけで 十分なはずだ。 後は、治癒が完了するまでは放置……お楽しみは、明日と言うところか。 “お楽しみ”? 野良が、憎い。 野良などいなければ、私達の平和で、穏やかな、ゆっくりとした毎日が破壊されること はなかった。 野良さえいなければ、妻から笑顔が消えることなど、無かったはずだ。 だから、野良が憎い。野良は、駆除しなければならない。 なのに、手の込んだことをして、記録を取って。 その上、“お楽しみ”……か。 口元が、緩んでいる。自分の表情が、笑み崩れていくのを感じた。 苦笑と共に、自分の変化を認めていた。 虐待お兄さん。 つまりは私も、そういう者になりつつあると言うことなのだろう。 *** *** *** *** 丸一日が経った。 今日も、会社帰りに野良と出くわした。今度は、まりさ種とれいむ種の番い。基本四種 と呼ばれている中でも最多の二種であり、番いとしての組み合わせでも最もポピュラーな ものだ。 そして…… 今日も妻の表情には翳りがあった。その瞳には、怯えの色があったのだ。 野良は、減らない。一向に減らない。 他の人達は、どう思っているのだろう? 先ほど、まりさ種とれいむ種の番いを捕まえているところを、一人の若者に見られてい た。どこか不機嫌そうな顔は、彼もやはり野良ゆっくりに対する嫌悪感があるからなのか。 それでも彼は、ボンヤリとした仕草と歩みぶりで、ただすれ違い、歩み去っていくだけだ った。 誰もが、そうだろう。嫌悪感を抱いているからこそ、野良ゆっくりと積極的には関わろ うとしないのだ。他の誰かがやってくれればいい。ゴミ収集のように、行政が取り組むな り、専門に行う業者が出来てくれればいい。それくらいに考えているのだろう。 無理もないとは思う。 誰もが、そうだろう。彼と同じように、ただ歩み去る。だとすれば、関わろうとしない 人々を糾弾することなど、誰に出来るだろうか。 私にだって、今日の彼を責める資格はない。私はただ、個人的な感情で行っているに過 ぎないのだから。 つい昨日、苦笑を伴う自覚と共に、はっきりしたのだから。楽しんでいるのだ、私は。 妻のことを思えば、楽しんでいる場合ではないはずなのに。それでも。 書斎へと入り鍵をかけ、今日捕まえた野良を入れたままのナップザックを降ろす。それ を開ける前に、昨日に処置を施した野良一家の様子を確認する。 「ゆぁ~~……おなかすいた……おなかすいたよぉ……おなかすいたっ! おなかすいた おなかすいたおなかすいたおなかすいたおなかすいた!」 「お、おちついてね、れいむ……さわいでも、おなかはふくれないよ……がまんだよ…… さわぐとよけいに、おなかがすいちゃうよ……」 「ゆぴ~~……おにゃかしゅいたよぉ……れいみゅ、こんにゃに おにゃか しゅいてりゅ のに、どうちて おきゃーしゃん も おとーしゃんも、ごはんをくれにゃいの?」 まだそれほどの変化はないようだ。グルグル巻にしていた包帯を、解いていく。 「ゆ? お、おにいさん……れいむ、おなかがすいたよ……なんでもいいから、たべもの をください……」 「おねがいします……もう、れいむたちのこと、ゆっくりさせて……もう、れいむたちを ゆるしてください……」 「れいみゅ、おにゃかしゅてりゅよっ! にゃんでもいいきゃら、たべしゃしぇてにぇ!」 包帯を取り去り、緩衝材代わりのボールをどける。 「よかった、これでうごけるね? れいむのまむまむも、もういたくないし……」 「れいむもだよ。れいむのぺにぺにが、たいへんなことになっちゃったかと……」 「「「いだだだだっだだだだだっ!!」」」 包帯から解放されて、親野良の二匹がバラバラに動こうとした途端、子野良で接続され ている部分が引っ張られたのだろう、三匹が同時に痛みを訴えた。 左右から引っ張られる形になっている子野良が、最も激しい悲鳴を上げる。 「ぢっ! ぢぎれりゅぅうう!! やべでぇえええ! れいみゅ、ぢぎれぢゃうぅう!」 「「おっ、おチビちゃんっ!?」」 「ゆぎゅべっ! ちゅ、ちゅぶれりゅうっ! ごっ! こんどは、ちゅぶれぢゃうっ!? はにゃれでぇえええええっ!」 子の悲鳴に慌て、近寄ろうとすれば、間に挟まれたまま接続されている子野良は、圧迫 される。 「「ゆゆゆ!? た、たいへん!!」」 「びにゃぁあああ!? ぢぎれりゅっでばぁああああ!!」 「「ゆわぁああああ!? どうしたらいいのぉお!?」」 急に動かず、ジッとしていれば良いだけなのだが、それが出来ない。慌てれば、咄嗟に 大きく動こうとする。そうでなくとも、ゆっくりというものはジッと耐えることが苦手な のだから。 「ゆ゛っ……ゆ゛っ……ゆ゛っ……」 「ゆ? おチビちゃん!? おチビちゃん! ごめんね! ゆっくりしてね!!」 「おチビちゃん、だいじょうぶっ!? ゆっくりしてねっ! もう、いたくない!?」 「ゆ゛っ……い……いちゃかったよぉ……おなかすいたよぉ……ゆっくちしちゃいぃ…… きもちわりゅいぃ……」 「「ゆっくりしてね! おチビちゃん、ゆっくりして!」」 ゆっくりの研究をしているところが公開しているレポートに、面白いものがあった。 ゆっくりは、感覚を持ち、刺激に対して反応し、意志を持ち、思考して行動する。その ことに間違いはないのか。 ゆっくりというものが、程度の差や精度の違いがあったとしても、人間のように自己の 意志を持ち、自己の感覚に従い行動するのかを、確認するために行った実験の、レポート。 言ってみれば、ゆっくりの“個”としての存在を試し、確かめたものだ。 同種のゆっくり二匹の、皮の一部を削ぎ、餡が露呈した状態で癒着させる。中身の餡が 接触した状態のまま治癒を行う。 そのレポートでは、後下部──ゆっくり達に言わせれば、お尻──の部分を接続してい た。 外見のイメージだけでの印象なら、思考する部位からは最も遠そうな箇所でもある。 二体が体を起こしていられること、視覚からの情報に感覚や意識が左右されないため、 元通りに戻すための治療が比較的容易な箇所だから、等の理由かららしい。 実験の結果、接続された二体のゆっくりは、様々なものが共有され始めた。栄養、健康 状態、感覚、そして思考までが。 だがそれは、個としての汚染を意味しているのだと、レポートを書いた研究者は記して いた。 実験体であるゆっくり二体も、その言葉通りの反応を示し、結末を向かえた。 自分が感じていないはずの感覚に戸惑い、ジワジワと染み込んでくる“自分以外の意識” を恐怖し、それらによって徐々におかしくなっていく自分を自覚して泣き叫ぶ。 出て行け、消えろ、死ねと、“侵入してくる他者”を実感しているらしい発言もあった らしい。 ゆっくりというものは、まりさ種なら全てが自分のことを「まりさ」と呼び、れいむ種 ならやはり全てが自分は「れいむ」だと名乗る。 そのことから、『各種類ごとに、大きな共通意識で繋がっているのではないか』とか、 『巨大な精神体の一部の、飛沫のように小さな分体が、饅頭の体に乗り移っているのでは ない』か等の、ややオカルトじみた仮説を唱える者も少なくなかった。喋る饅頭、動く饅 頭と言われるくらいだから、そもそもゆっくりがオカルトじみている。無理もないかもし れない。 しかし、そのレポートを読んだことで、私の中では完全にそれらの仮説は消えている。 レポートでは、少なくとも個として活動している間は、ゆっくりにも間違いなく自己は ある、とだけ記していた。間違いなく、それぞれが別々の個として存在し、別々の自己と しての意識を持ち、その自己の感覚に従って判断しているのだと。少なくとも、活動して いる間は。 そのレポートの最後で、自己というものに対する意識があるにもかかわらず、ゆっくり は「れいむ」「まりさ」などの種別名のみで個を認識し合い、同種・同名の相手であって も、自己と他者を分けていられる。その精神性に対する疑問が浮き彫りとなった……と言 う形で、研究者は締めくくっていた。 研究が進められていると言っても、ゆっくりにはよくわからない点が多くあり、調べる ほどに疑問点は増えていくのかもしれない。 昨日。両親も子も、三匹ともがれいむ種の野良を捕まえたときに、そのレポートのこと を思い出した。そして、私も実際にやってみたいと思ったのだ。 探求心からではなく、狂い死ぬゆっくりというものを、見てみたくなったのである。 他者と意識を混在させながら、自己が崩壊していく狂気とは、どのようなものか、見た かったのだ。 「ゆあっ!? な、なに!? やめてね!? なにするの!? やめて! れいむ、なん にも みえないよ!? どうして!? ゆっくりやめてね!」 「ゆああ!? おにいさん、ごめんなさい! ゆるしてください! いたいのは……ゆ? い、いたくない……けど、こわいです! くらいよ! ゆっくり ゆるしてね!」 親の野良の目を、古くなったタオルで目隠しする。見えなくしたところで、小さなティ ースプーンを手に取り、子の目の前でユラユラと揺らした。 「ゆっ……? ゆあ~! ぴかぴかしちぇ、きりぇーだにぇ~! しょれ、ちょうらい! れいみゅの たかりゃもにょ に しゅりゅよ!!」 ティースプーンを持ち直し、子野良の左眼窩の上側から突き入れる。 「ゆぎゃぁあああああああっ!? ゆぎっ!? ぎゃっ!? んゆぎゅぎぎぎ!?」 「なに!? なんなの!? おチビちゃん!? どうしたの、おチビちゃん!? おチビ ちゃん、だいじょうぶ!? ゆっくりしてね!? ゆっくりして!」 「おにいさん!? おチビちゃんを、たすけてあげてください! みえないから、れいむ には わかんないけど、おチビちゃんが いたがってるよ! おにいさん、たすけてあげて ね!」 スプーンをグリグリと捻り回し、目玉を穿り出す。 「ゆぴゃぁああああっ!? ひぴゃっ! ゆにゃぁああああ! ゆああっ……!」 すでに何度かやったことがあるから、綺麗に目玉を抉り出すことが出来た。 「ゆあ!? なに? なんなの、これ? れいむの、おなか、なんだか きもちわるいよ? か、かゆい……の? むずむずするよ? なにこれ!? なんなの!?」 「ゆぅぅ……れいむのおなかも、むずむず きもちわるいよ……なんだか よくわからない けど、ゆっくりできない かんじが、おなかで むずむずしてるよ……」 感覚の共有が、始まりだしている。子野良が感じているものを、接続された親も感じ出 しているのだ。 まだ強くしっかりとした共有ではないためか、子が感じた激痛も鈍く遠いものとしてし か感じられないらしい。気色の悪い、むず痒さと認識している。 ティースプーンに乗った小さな目玉をピンセットで摘み上げ、子野良にもよく見えるよ うに差し出した。 「ゆひ~っ! ゆひ~っ……ゆひ~……いちゃいよぉ……! いちゃ……ゆゆゆっ?」 痛みに震え息を荒げている子野良は、自分の上──右目の前に突き出された左目に気付 くと、ジッと見つめた。目玉だけで考えれば、右目と左目が、向かい合って見つめている という、なかなか無い状況だ。 「しょ、しょれ、にゃに……? にゃんにゃの? にゃんだか、きもちわりゅいよ……? にゃんだか、ゆっくちできにゃい き が、しゅるよぉ……」 腹が減っているのなら、これを食えと、子野良の口元へと目玉を近づけていく。 「ゆゆ……? しょんにゃ きもちわりゅいの、いりゃにゃいよ! しょれより れいみゅ は、おみぇみぇがいちゃくて……ゆぷっ! んぷ? あみゃい!? あみゃあみゃしゃん だったんだね! む~しゃむ~しゃ!」 無理矢理に口へと押し込まれた自分の目玉を噛み潰し、味わいながら、子野良はその甘 さを喜び、左目の痛みを忘れたように笑っている。 「よかったねぇ、おチビちゃん! あまあまを、たべさせてもらったの? おかあさん、 うらやましいよ!」 「ありがとう、おにいさん! れいむたちのおチビちゃんは、かわいいでしょ?」 「ごっきゅんっ!! しゃ~わしぇ~~♪ はゆぅ~ふ……でみょ、もう、にゃくにゃっ ちゃったよぉ……もっちょ、ちょうらいね! たくしゃんでいいよ!」 あと一つしかないと言うと、子野良は不満そうに膨れっ面を作る。 「ゆぷぅ~~~っ! しょれだけにゃの!? でみょ、もう いっこ ありゅんだにぇ!? しょれじゃ、ちょうらいね! ……ゆあっ? ちぎゃうよ! しょの ぴかぴかしゃんは、 いりゃにゃいよ! いちゃい いちゃい で、ゆっくち できにゃいよ! きょわいよ!」 残りもくれと言った子野良の、その残った右目へティースプーンを近づけていく。あと 一つしかないと言った、その目玉を抉り出すために。 「おみぇみぇ? れいみゅの、いちゃいいちゃいな、おみぇみぇ? れいみゅの……え? あみゃあみゃ……え? れいみゅの……?」 野良にしては、理解が早いようだ。まだ幼いことも考えれば、たいしたものと言えるだ ろう。こういう野良は、長じれば人に迷惑をかける悪さをするようになるのか。 ブルブルと震えだした子野良に、その通りだと頷いてみせる。 「ぶぶふぅうっ! おええええ! えれえれ~っ! おみぇみぇしゃん!? れいみゅの、 おみぇみぇしゃん! もでょってきちぇね! でてきちぇね! えれえれえれ~っ!」 言葉で「おえー」と言おうが、「えれえれ」と言おうが、嘔吐が始まるわけではない。 嘔吐したところで、良く噛んで味わった目玉が、元通りに戻ってくるはずもない。 「ぴゅぎゃうぅうううううっ!? やめちぇにぇ!! やべで! いだいぃいいいいっ! いだいいだいいだい! れいみゅの! れいみゅのおみぇみぇがぁあ! いだいよぉお! れ゛い゛みゅ゛の゛お゛みぇ゛みぇ゛え゛、い゛だ゛ぐ゛じ゛だ゛い゛で゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛っ!」 「「おチビちゃぁあああああんっ!?」」 「やめてねっ! やめてっ! おチビちゃんが、いたがってるよ!? なにしてるの!? うえっ!? れいむの おなかも きもちわるいよ!? やめてってば!」 「おねがいです! なんでもしますぅう! なんでもしますから、おチビちゃんだけは! れいむはどうなってもいいから、おチビちゃんだけは ゆっくりさせて!」 接続された部分からの気色悪さに戸惑いながらも、親野良は子供の悲鳴に怯え、救いを 求めてくる。 「ゆ゛あ゛……ゆ゛あ゛、ゆ゛あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛……! い゛ちゃ゛い゛よ゛ぉ゛お゛! く゛りゃ゛い゛よ゛ぉ゛お゛お゛! にゃ゛ん゛で゛にゃ゛の゛!? にゃ゛ん゛で゛み゛え゛にゃ゛い゛の゛!? お゛きゃ゛ぁ゛しゃ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛ん゛っ!! お゛と゛ぉ゛しゃ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛ん゛っ! ど゛こ゛ぉ゛お゛お゛!? にゃ゛に゛、こ゛れ゛ぇ゛え゛!? にゃ゛ん゛で゛ にゃ゛の゛ぉ゛お゛お゛!?」 「おチビちゃんっ!? ゆっくり! ゆっくりしてね! おとうさんは、ここにいるよ! おとうさんも、みえないよ! でも、だいじょうぶだからね! ゆっくりしてね!」 「ゆぁああ……き、きもちわるい……! これ、なに!? なんなの、これ!? なんで、 れいむの ぽんぽんが きもちわるいの!?」 「おちついてね、れいむ! それよりも おチビちゃんだよ! れいむには みえないけど、 どうなってるの!? おチビちゃん、なにが いたいの!? おめめが、どうしたの!?」 「そ、そうだよね! れいむ、おかあさんなんだから、がまんしないと! でも、れいむ にも みえないよ! おチビちゃんが ないてるのに、どうしてなのか わからないよ!」 「おにいさん!? おチビちゃんに、なにがあったの!? おにいさんは、おチビちゃん が みえますか!? おチビちゃんを、たすけてあげてね!」 「おねがいです、おにいさん! おチビちゃんを、たすけてあげてね! それができない なら、れいむのことを みえるようにして! れいむが、おチビちゃんを たすけるよ!」 「「おねがいです、おにいさん!!」」 野良ゆっくりの頼みを、聞いてやる者などいるはずもない。野良ゆっくりを救おうとす る者など、いるはずもない。 いたとしても、慈悲の向け先を決定的に間違えているだけだ。より有意義な慈悲心の発 揮先を示せば、野良への嫌悪感を思い出すことだろう。 「のら、のら、のらってぇえ……! れいむたちだって、いきてるんだよぉおおおっ!? いっしょうけんめい、いきてきたんだからぁあああ!」 「だっ、ダメだよ、れいむ! にんげんさんには、かなわないんだから! おにいさんを おこらせたら……!」 「ぐぎぎぎぎっ……! で、でもぉ! でもぉおおお!」 ゴミ以下の存在に「自分達も生きている」などと主張して欲しくはない。「生きてきた」 などと、語って欲しくはない。 たまたま、まだ死んでいないだけだ。潰されずに済んでいただけだ。厳しい言い方をす れば、為すべきことをしてこなかった、我々の怠慢なのだ。町を、社会を、共有する者の 一人として、忸怩たる思いがある。 野良であるコイツらが生きている。それは、町が汚され続けており、社会の隅で腐臭を 放つものが存在し続けていると言うことだ。 「なんなの……? れいむたちを……れいむたちを! なんだとおもっているの!?」 コイツらにも、何度も言っているはずだが、所詮は野良だからだろう。理解力は低く、 記憶力など期待できるほどもない。 野良ゆっくりなのだ。自分達にも、野良であるという自覚は、あるのだろう。 つまり、ゴミ以下ということだ。汚物にも劣ると認めればいいのだ。 「ごみ、いか……?」 「おぶつ……?」 ティースプーンに乗った目玉を、また子野良の口へと放り込む。学習することも、反省 することもない野良は、また嬉しそうに自分の目玉を噛み潰し、味わっている。 「むーしゃむーしゃ……おみぇみぇは いちゃいいちゃいだし、まっくりゃで にゃんにも みえにゃいけど……あみゃみゃしゃんは、しゃいこーだにぇっ! むーしゃむーしゃ…… ごっきゅんっ! しゃ~わしぇ~~~♪」 「ゆゆ……よ、よかったね、おチビちゃん。よかったけど……もう、だいじょうぶなの? おめめ、いたくない? もう、ちゃんと みえる?」 「ゆ……? ゆゆゆ……! ゆぴぃいいいい! いちゃいよぉお! いちゃいいちゃい! おみぇみぇ いちゃいって、じゅっと いっちぇりゅよぅ! まっくりゃだって、れいみゅ じゅっと いってぇりゅよ!」 「ごめんね! おチビちゃん、ごめんね! おとうさん、なんにも できなくて ごめんね! なかないでね、おチビちゃん! おとうさんも、かなしくなってくるよ! おとうさんの ぽんぽんも、いたくなってきたよ!」 「ほんとだね! おかさんも、かなしくなってきたよぉおっ! おかあさんのぽんぽんも、 いたいよっ! なかないでね、おチビちゃん! ゆっくりしてね、おチビちゃん!」 餌を喰らえば、その栄養を体中に巡らせるために、ゆっくりの中の餡はその流動を活発 にしていくのだという。甘ければ甘いほど、その流動は盛んに行われるらしい。 流動が活発になれば、接続している部分では餡がより混じり合うことになる。混じり合 えば混じり合うほど、感覚は共有され、感情は響いてきて、やがて意識の浸食も始まる。 これから、子野良の内部で通常以上に激しい流動が起こったとしても、多少は外皮も保 つだろう。保たせるために、オレンジジュースと小麦粉を交互に振りかけ、表皮が厚くな るようにしたのだから。 「ゆゆゆ? ゆあ! ありがとう、おにいさん! おかげで、ゆっくり、よくみえるよ! れいむの おかおに ついてるのも、とってあげてね!」 親野良の、片方の目隠しを取ってやる。それと同時に…… 「ゆゆ? にゃんだか、あかりゅく にゃったよ……? にゃのに にゃんで、にゃんにも みえにゃいのぉお!? おみぇみぇ いちゃいしぃいっ! おみぇみぇ いちゃいいちゃい でゃだからにゃのぉおおおおっ!?」 親野良の視界が回復し、光を感じたことが、子野良にも伝わっているようだ。その子野 良を介して、もう一方の親までは、伝わっていないようだが。 「ゆあ! だいじょうぶ、おチビちゃん? おチビちゃんの……お、おめ……おめめ…… ゆぎゃぁあああああっ!? おチビちゃんなのっ!? ホントに、おチビちゃんなの!? おチビちゃんなら、なんでそんなに、おめめが こわいの!?」 子野良を見下ろし、その様子を確認した親野良が、悲鳴を上げ、混乱する。目を抉り出 された子野良の顔がよほど違って見えたのだろう。パニックに陥った。「目を抉り出され たからだ」と、理解できてもいないらしい。 「ゆぴぃいいいい!? にゃに!? にゃんにゃの!? きょわいぃいいいいいっ!?」 その親野良が感じている恐怖が伝わってきたのか、子野良が悲鳴を上げた。 「なに!? なんなの!? どうしたの、れいむ!? れいむは、まだまっくらだよ!? れいむ、まだ なんにも みえないよ! なに? なんなの!? どうしてなの!?」 目を塞いだままの親野良も、困惑した声を上げるが……こちらは、聞こえてきた声と言 葉に怯えているだけだろう。 「おめめが……! おチビちゃんの、おめめ……おチビちゃん? なの? この、こわい のが……? でも、おチビちゃん……なんだよね……おかざりも、おチビちゃんので…… でも、なんか、おめめが……おめめが! よくわかんないけど、こわいよ! こわいこと になってるよぉお! どうしたらいいのぉおお!?」 「わかんないよ! こわいのって、どんなの!? れいむは、まっくらで なんにも みえ ないんだよ!? れいむは、みえてるんでしょ!?」 「みえてても わかんないよぉおっ! わかんないけど、こわい かんじだよ! ゆっくり できないかんじだよ!」 なぜ子野良の目が、前の状態とは違うのか。その理由がわからず、その状態を表現する 語彙もないらしい親野良は、ただひたすら「怖い」とのみ言い募った。 言葉の通りに恐怖を感じているらしく、その恐怖が伝わってきているらしい子野良の声 も、怯えの度合いを深めていく。 「いぢゃいのぉおお! れいみゅ、おみぇみぇがいぢゃぐで、まっきゅりゃで、きょわい のぉおお! たしゅきぇてぇえええ!」 「れいむがなんとかしてね! れいむは おとうさんなんだから、おチビちゃんを たすけ てあげてね! れいむのことも たすけてね!」 目隠しを取ってやった方が、父親役らしい。なら、まだ目隠しをさせている親野良は、 母親役と言うことか。 「ゆぇえええっ!? ど、どどど、どうやってぇえええ!? こんなの、どうしたらいい かなんて、わかんないよぉお! これ、ホントに れいむの おチビちゃんなのかも、わか んないくらい こわいんだよぉおお!?」 「にゃに!? にゃんにゃのっ!? れいみゅは、れいみゅでゃよっ!? にゃんきゃ、 きょわいのが いりゅの!? きょわいっ! きょわいよぉおおお!!」 情けない声で喚くだけの父野良に、子野良もただただ恐怖を訴え、悲鳴を上げ続ける。 だが、おかげで父野良も、ようやくその悲鳴が我が子のものだと信じられ、悲鳴を上げて いるのは自分の見ている、目を抉られた子野良だと理解できたらしい。 「おチビちゃん! やっぱり、おチビちゃんはおチビちゃんでいいんだね!? れいむの おチビちゃんに まちがいないんだね!?」 母野良は、見えていないだけに声だけを頼りに判断し、父野良を糾弾し始めた。 「なに!? なんなの!? なにいってるの、れいむ!? れいむたちの おチビちゃんは、 おチビちゃん だけでしょ!? おとうさん しっかくだよ!?」 「れいむだって、みたらわかるよ! すっごくこわいんだよ! おめめがこわいんだよ! れいむたちの おチビちゃんは、すっごく かわいくて ゆっくりしてたのに、いまの おチ ビちゃんは すっごく こわくて、ゆっくりしてないよ!」 「ゆわぁああんっ! ゆぇああああんっ! もうやじゃぁああ! おうちかえりゅぅう! いちゃいしっ! きょわいしっ! くりゃいしっ! おとーしゃんが ゆっくち してない こと いうし! おきゃーしゃぁああああんっ! おきゃーしゃん どきょぉおおお!?」 「ゆあ! おチビちゃん! れいむはここだよ! おかあさんはここにいるよ!」 「ごめんね! おチビちゃん ごめんね! おとうさん まちがえたよ! おチビちゃんは ゆっくりしてるよ!」 「そうだよ、れいむ! おチビちゃんはゆっくりしてるでしょ! なのに、ゆっくりして ないなんて、そんな ゆっくりしてないことを いっちゃダメだよ!」 「ご、ごめんね! ごめんね! ご、ごめん……だけどぉ……で、でもぉおおおおっ!」 「ゆぇえええんっ! きょわいよぉお! きょわいよぉおお!」 餌を喰らうだけではなく、運動でも、感情の高ぶりでも、餡の流動は激しさを増そうだ。 だから、さらに餌を追加してやることにしよう。 そして、感情も掻き回してやろう。 今日、捕獲した番が入っているナップザックを開いて、中からその二匹を放り出す。 「ゆべっ! べっ! いたたたた……ゆあっ! ダーリン、やっとでれたね……って…… ゆああっ!? ダーリン にんげんさんだよ! あの にんげんさんだよ! ひどいことを した にんげんさん! れいむをけった にんげんさんだよぉおっ!!」 「ゆゆっ!? さがっているんだぜ、ハニー! こんな にんげんなんて、まりささま が いちげきひっさつで、ちょうっ! せいっさいっ! しちゃうんだぜ!」 まりさ種の方は無視して、れいむ種を捕まえ、持ち上げる。 「ゆあっ……!? ゆっは~~っ! おそらをとんでるみたい! すごいよ、ダーリン! れいむ、おそらをとんでる! ほら! みてる!? みえてる!?」 「ハニーぃいいいいっ!? よろこんでる ばあいじゃ、ないんだぜ!? ハニーは いま、 つかまっちゃってるんだぜ! はなせ、くそじじい! まりさのハニーを、かえせ!」 まりさ種が私の脚へ体当たりしてきたが、構わずに持ち上げたれいむ種を繋がった野良 親子の上へと運ぶ。 「ゆゆ? おそらから、こんにちは、れいむと、れいむと、おチビのれいむ! れいむは れいむだよ! ゆっくりしていってね!」 暢気なれいむ種の挨拶に、父野良は上を見上げて、その状態を……私に掴み上げられて いるだけという事実を、視認する。 「ゆ……ゆっくり、していってね? でも……でも、れいむは ゆっくり しないほうが、 いいかもしれないよ? おそらじゃなくて、おにいさんに つかまれてるだけだよ?」 母野良は、見ようにも目隠しで何も見えないため、あちこちをキョロキョロと見回して いる。 「ゆゆ? れいむがいるの? こえはきこえたけど、まっくらだよ? れいむがいるの? ゆっくりしていってね! れいむの まっくらを なおしてくれると、うれしいよ!」 見上げるまでもなく顔は上を向いているが、目を抉られ何も見えない子野良は、ただた だ自分の窮状を訴える。 「しょんなこちょより、ゆっくちしにゃいで れいみゅの、くりゃいのと、いちゃいのと、 きょわいのを、なんとかしちぇにぇ! いましゅぎゅでいいよっ!」 れいむ種が、深々と溜め息をついた。 「あの おチビちゃん、ごあいさつも できないんだね。ゆっくりしてない、おチビちゃん なんだね。ダーリンと れいむは、おチビちゃんがうまれたら、そんなふうに そだてない ように、ゆっくり きをつけるよ!」 「れいむの おチビちゃんは、ゆっくりしてるよっ! しつれいなことを いわないでね! おチビちゃんを ぶじょくすると、ゆるさないよ! まっくらで、どこにいるか わからな いけど!」 「しょーでゃよ! れいみゅは、ゆっくちしてりゅよ!! でゃかりゃ、たしゅけてね! ゆっくちしにゃいで、しゃっしゃと たしゅけてね!」 「そっ、そ、そうだよね……? おチビちゃんは、ゆっくりしてるよね……う、うん…… いまは、おめめが……その……こ、こわいけど……」 その言葉でようやく、れいむ種は子野良の異常に気付いたらしい。 「ゆあ!? ほんとだ! こわいね! ゆっくりしてない おめめだね! なにそれ!?」 「わ、わかんないよぉ……れいむ、おチビちゃんのおとうさんなのに、どうしていいか、 わかんなくて……たすけられなくて……」 嘆く父野良に対して、私が持ち上げているれいむ種は、また溜め息をついた。 「ダメなおやなんだね。おやがダメだから、おチビちゃんもダメなんだね。れいむのダー リンは、ダメじゃないどころか さいきょー むてきに、すてきなんだよ! だから、れい むは あんっしんっ! だよ! しあわせすぎて~、ごめぇ~~~んねっ!」 「ゆっへっへっへっ、ほんとうのことだからって、ほめすぎなんだぜ、ハニー」 ナイフを手にとる。調子に乗ったまま、さらに何か戯言を口にし続けようとするれいむ 種の顔を、縦に深く切り裂く。 「なんたって、れいむのダぁばばばばばばばばっ!? いばっ!? いばびぃいいっ!?」 眉間から下顎まで、縦に深い傷を付けたために、まともな発声が出来なくなったようだ。 「ハニーぃいいっ!? ハニー、どうしたんだぜ!? なんで、そんな へんな こえ なん だぜ!?」 私の足下にいるまりさ種からは、テーブルの上に翳されたれいむ種は見えないらしい。 だが、テーブルの上で、目を見開いて見上げている父野良には、よく見えることだろう。 「ゆぎゃぁあああああっ!? れいむの! れいむのおかおがわれてるぅううう!?」 「どうしたんだぜっ!? なにが おこってるんだぜっ!? ハニーぃいいいいっ!?」 「ばばぁああ……! ぶあーびびぃいいんっ! ばびゅべべぇええ……!」 「……な、なんて いったんだぜ?」 れいむ種の顔面に刻まれた縦の裂け目に指先をかけ、両手で力任せに割り開いていく。 繋がれている野良親子に、その中身が降りかかるようにして。 「ゆひぁああああああっ!? われてくぅうううううううっ!? れいむが われて、わっ、 われて……! ひぎゃぁああああああ!?」 「にゃにっ!? にゃんにゃの!? にゃんで きょんにゃに、きょわいのぉおおおっ!? たしゅけてぇえええええっ! きょわいぃいいいいいいっ! きょわいよぉおおおおおっ! おきゃぁぁああああしゃぁあああんっ!? おとぉおおおしゃぁああああああんっ!?」 「れいむっ!? れいむぅうっ!? なにっ!? なんなのっ!? れいむはまっくらで、 みえないよ!? れいむが どうしたの!? われたって なに!? どうなったの!?」 「ハニーぃいいいっ! にげるんだぜ! にげるんだぜ、ハニーぃいいいい!」 ビタビタ、ぼたぼたと、割ったれいむ種の中身が、野良親子達に降り注ぐ。 「びぶわぁああああっ!? ぅおえっ! おげぇえええ! ぎぼぢわるぃいいいいっ!! でっ、でもっ! えれえれしだら、おチビちゃんに……! でぼっ! ぎぼぢわるいぃ! うあっ……も、もうっ……も゛う゛や゛だ゛ぁ゛あ゛あ゛! お゛う゛ち゛か゛え゛る゛ぅ゛う゛う゛う゛う゛う゛っ!!」 父野良は、金縛りにあったかのように一部始終を見ていた。だから当然、気持ち悪がっ た。自分に降りかかってくる、自分と同じ姿をした、自分と同じ野良の中身に、吐き気を 催し、恐怖に涙し、それらから逃れるために大声で悲鳴を上げ続ける。 「ゆぴぃぃいいいっ!? にゃにぃい!? にゃんにゃのぉおお!? きょわいいぃい! きもちわりゅいぃいいっ!?」 子野良も、悲鳴を上げる。父野良から伝わってくる、恐怖とおぞましさに、その正体も わからないままに戸惑いの声と共に泣き叫ぶ。 しかし、降り注ぐれいむ種の中身が、口に入った途端、様子が変わる。 「にゃんで、きょんな……! ゆ……? ゆぁあいっ! あみゃあみゃ! あみゃあみゃ しゃん ふってきちゃの!? たべりゅよっ!! あみゃあみゃしゃんを たべちぇれびゃ、 きょわいのも、きもちわりゅいのも、あっちいきゅよ!」 夢中で食い始める。口を大きく開け、舌の届く範囲に掛かったものを、懸命に舐め取り 少しでも多くの甘味を求める。 「ダメぇええええっ!? ダメだよ、おちびちゃんっ!! それたべちゃダメぇええっ! それは! それはぁあああ!」 「にゃにいっちぇりゅのっ! あみゃあみゃしゃんでゃよっ!! かわいいれいみゅに、 かみしゃま が ぷれじぇんと してくりぇたんでゃよっ!!」 「ちがうの!!!! おねがいだから、たべないで!!!」 「いやでゃよ!! たべにゃいと、きょわいの! いちゃいの! きもちわりゅいのっ! あみゃあみゃしゃんをたべりゅと、なおりゅの! む~しゃむ~しゃ!!」 父野良の言葉に、子野良は耳を貸さない。さらに、母野良も子野良の言葉に同調して、 自分に降りかかってくるれいむ種の中身を食い始めた。 「む~しゃむ~しゃ! ホントだね、おチビちゃん! あまあまをたべれば、しあわせ~ な きもちで いっぱいになるねっ! おかあさんも、まっくらで こわいかんじが きえて いくよ! しあわせ~で いっぱいになってきたよ! む~しゃむ~しゃ!」 「やめてぇえええ! れいむまでぇえ! れいむも、たべないで! たべちゃダメだよ! おねがいだから、おとうさんのいうこと、きいてね!」 「いやでゃって ゆったでしょうっ!! あみゃあみゃしゃんが、れいみゅを たしゅけて くりぇるんだよ! あみゃあみゃしゃん だけ にゃんだよ! おとーしゃん、れいみゅを たしゅけて くれにゃかった くしぇに!」 「ゆぐぅううっ!!」 「む~しゃむ~しゃ! しゃ~わしぇ~~っ♪ む~しゃむ~しゃ、む~しゃむ~しゃ! しゃ~わしぇ~~っ♪」 「む~しゃむ~しゃ! しあわせぇええっ! む~しゃむ~しゃ!」 「あ、ああああ……! れいむぅぅ……おチビちゃぁあん……」 同じ野良の、さらに同じれいむ種の中身を、貪り食う家族を見て、父野良は震える声と 涙を零し続けている。 割ったれいむ種の中身が出なくなってから、母野良の目隠しも取ってやる。 「む~しゃむ……ゆゆ!? みえるよ! あかるくなったよ! ……ゆあ!? れいむ、 どうしたの!? なんで、そんなに きたないの!? その きたないの、なに!?」 「ゆ……ゆあああ……こ、これ……これはぁあ……これはぁあ……」 「む~しゃむ~しゃ、む~しゃむ~しゃ! しゃ~わしぇ~~っ♪」 「こ゛れ゛は゛っ゛!! れ゛い゛む゛の゛あ゛ん゛こ゛さ゛ん゛だ゛よ゛!! れ゛い゛む゛と゛お゛チ゛ビ゛ちゃ゛ん゛は゛、 れ゛い゛む゛の゛な゛か゛み゛を゛た゛べ゛ちゃ゛っ゛た゛ん゛だ゛よ゛!!」 「む~しゃむ~しゃ、む~しゃむ~しゃ! しゃ~わしぇ~~っ♪」 「な……なに……いってるの? れいむのあんこさんって……え? だって、れいむも、 れいむも……あれ? そういえば、もうひとり……おきゃくさんの、れいむが……えっ? でも、れいむの なかみって……れいむは、おそらから ふってきた、あまあまを……」 中身を出すために裏返るほどに開かれた、縦に割られたれいむ種の皮を、母野良の目の 前に突き出してやる。 「ゆぁああああっ!? なに、このきもちわるいの!? うえっ! きもちわるいから、 それどっかやってね!! ゆっくりしないで、はやくしてね!」 「む~しゃ……む~……ゆゆっ? あみゃあみゃしゃん、ふって こにゃく にゃったよ? にゃにしてんの? れいみゅ、まだまだ たりにゃいよ?」 このままでは、この皮がれいむ種だと、わかりづらいだろう。裏返っていた状態から戻 し、顔が判別できるように、縦の裂け目を合わせる。 そして、改めて母野良の眼前へと突き出した。 「ゆ………………」 「あみゃあみゃしゃんの、によいが しゅるよ! れいみゅは きょきょでゃよ! ふって きちぇにぇ! あみゃあみゃしゃん、はやきゅ!! はや……はやきゅしてよぉおおお! じゃにゃいと、きょわいのが! きぼちわづいのが! ぎぢゃうでぢょぉおおおっ!!」 ブルブルと震えだした母野良を見て、父野良が震える声でもう一度言った。 「だから……いったんだよ、れいむ……たべちゃ、ダメって……れいむとおチビちゃんが、 たべたのは……たべたのは……!」 「や……いや……ゆあぁあぁ…………!!」 父野良は、なんのつもりで真実を伝えようとしているのだろう。それが真実だとしても、 知らない方が良いだろうに。死刑宣告にも等しい言葉を、愛情や親切心から、発しようと しているのだろうか。 「れいむの あんこさんだったのにぃいい! れいむはっ! れいむの なかみを、たべた んだよぉおお!」 「いやぁあああああああっ! ゆあぁあああああっ! ゆえっ! ゆぉろげぇえええ!」 「ダメぇええええっ! えれえれしたら、おチビちゃんにかかるよ! おチビちゃんが! れいむ と れいむの かわいい おチビちゃんが、えれえれ まみれ になっちゃうんだよ! おねがいだから、ゆっくり がまんしてね! れいむは、がまんしたよ!」 「ゆぐっ! むっ! ぶっ……!! ……ぶでぃ! むりだよぉおろろろろろろろっ!!」 我慢しようとしたようだが、野良に忍耐などあるはずもない。すぐに決壊し、嘔吐し、 子野良を汚していく。 「ゆぶべっ!? にゃにっ!? にゃんにゃの!? くしゃいっ!? くしゃい……けど、 あみゃいよっ!? あみゃあみゃしゃん、しゃっきより まじゅくて くしゃいけど、また れいみゅのとこりょに、ふってきちゃんだにぇ! えぶぼげぼっ! でみょ、たくしゃん しゅぎりゅよっ!? れいみゅ あみゃあみゃしゃんで おぼりぇちゃうっ! たべりゅよ! たべりぇば、おぼりぇにゃいにぇ! れいむは、てんしゃいうぶごぼぼがぼげぼずぼるぼ! い゛っ゛、い゛しょ゛い゛で゛た゛べ゛りゅ゛よ゛!! む゛~゛しゃ゛む゛~゛しゃ゛む゛~゛しゃ゛!!」 同じ野良の中身は、平気で食ったのに、親の吐瀉物は「臭い」「不味い」と感じるのか。 それとも、吐瀉物と中身では、似たような餡に見えても、その味に大きな違いがあるとい うことなのか。 「たべちゃダメぇえええええっ! おチビちゃん! それ、おかあさんのえれえれだよ! きたないきたないだよ!」 「ごべんでぇえろえろえろえろ! おがあざんをぉろろろろろろ! おっ、おがぁざん、 がまんが できなぐでぇえろえろえろえろえろ!」 「ぶびゃっ!? ゆげふっ! げふげぶっ! お、おきゃーしゃんの? えれえ………… おぶろげぼろごぼろっ!!! ぎぼぢわづ……!! ぐぼっ! ごぼぼっ!」 「おチビちゃん!? ゆっくり! ゆっくりしてね! れいむ! えれえれ、とめてぇ!」 「どっ、どめよぉどっ、しでぇろえろえろえろ! れ、れい、れいむ、ぅぼろろろろろ! な、なかみ……! あんござんをぉろおろろろろろ!」 「がぶごぶげぶ! ごぼっ! じぬっ……! れいみゅ、じんじゃう……!」 「おチビちゃんを たすけるよ! れいむは おとうさんなんだから! おチビちゃんは、 れいむが たすけるんだよっ!! おチビちゃんは、れいむたちの たからもので、きぼう なんだから! えっ、えれえれは、きもちわるいけど、でも……!」 「ごぼごぶ! おどぉじゃんっ! はやぐ! はやぐぼげぼがほうっ! げほうっ!」 「ああああっ! いそぐよ! ゆっくりいそいで、おチビちゃんをたすけるよ!」 母野良の吐瀉物が、子野良の口の中へ入り、それが吐瀉物であると知った子野良も嘔吐 しているようだ。ただ、子野良は上を向いているために、吐瀉物が口内に溜まったままに なっている。 それを、嫌悪感に耐えながら、父野良が舌を使って取り除いていく。 「ぶひゅわぁあああっ!? ぴゅわぁあ! ふはぁあ! はぁっ! はぁっ! はぁ…… だ、だみぇでしょぉおおおお!? れいみゅを こりょしゅ き にゃのぉおおお!?」 「ちっ、ちがうよ! おかあさんは! おかあさんはぁ……! ゆ……ごっ、ごめんね! がまんできなくて、ごめんね!」 母野良の嘔吐がどうにか止まり、子野良も吐瀉物に溺れて死ぬことは無かったようだ。 「うぷっ……! き、きもちわるい……けど、がまんしないと……!」 二人の吐瀉物を舌で取り除いた父野良は、たっぷりと吐瀉物を味わう結果となったせい で、今にも吐きそうに顔を青ざめさせている。 「ふ……ふたりとも……こんどからは、おとうさんのいうことも……ゆっくり、ちゃんと きいてね……?」 「ご、ごめんね、れいむ? ゆっくり りかいしたから、れいむも ゆっくりしてね?」 「ゆっ……ゆぅううっ……! ゆぴっ……! れいみゅ……! にゃんで、こんにゃに、 ぎぼぢわづぃうえろおろぼどごぼごぼごぼごっ!」 「「ゆわぁああっ!? おチビちゃん! ゆっくり! えれえれはダメだよ!」」 落ち着いたかに見えても、吐きたくて仕方ないほどの嫌悪感を、父野良も母野良も消し きれないでいたのだろう。そしてそれは、すでにハッキリと子野良に伝わるほどになって いるはずだ。 親野良達ほどの忍耐力さえ、子野良にはあるまい。感じたままに反応する。僅かも耐え ることなく、嘔吐し始めた。 「かえすんだぜっ!! ハニーを! まりさのハニーをかえすんだぜっ! ハニーのこえ がきこえなくなったんだぜ!? なにをしたんだぜ!?」 無視をし続けてはいたが、まりさ種は何度も私の脚に体当たりをしてきていた。時折は 避けたりもしていたが、さすがにこう何度もぶつかられては、いかにたいした打撃でない と言っても、青痣くらい出来るかもしれない。 れいむ種の皮を、まりさ種の顔へと投げ付けてやる。 「ぶべっ! ゆぅ……? ゆぎゃあっ!? なんなのぜ、このきもちのわる……い……? き……きもち……の、わるい……れいむ……の? こ、この、れい……む……はにっ…… ハニーぃいいいいいいっ!? ハニーなのぜぇええっ!? なんでこんなことにぃい!」 それほどの時間を必要とせず、野良のまりさ種は自分の番だと認識したようだ。 「おっ、おまえ……! おまえかぁあああっ! まりさのハニーを、こっ、こんな……! こんなふうにしたのはぁあああっ!!」 まりさ種の帽子を跳ね飛ばし、その頭を鷲掴みにして持ち上げる。 「おぼうしさん!? ゆっくり、まりさのところに……ゆわぁああ! まりさ、おそらを とんでるみたい! おぼうしさん? まりさのおぼうしさんも、おそらをとぶんだぜ!?」 テーブルの上では、やはり最初に子野良がおかしくなり始めている。 「ぎもぢわづい! ぎもぢわづい! ぎもぢわづい! ぎもぢわづい! ぎもぢわづい!」 「「おチビちゃん!? ゆっくり! ゆっくりしてね!」」 「げぼごぼげぼげぼごぼごぼごぼごぼごぼごぼごぼごぼごぼごぼごぼごぼごぼごぼ」 「「ゆわああっ!? えれえれはダメだよ! おチビちゃんをたすけないと!」」 「ぎもぢわづい! ぎもぢわづごぼげぼぼごぼごぼぎもぢわづい! ぎもぢわごぼごぼごぼ」 子野良の、その体積以上を吐き出しているのではないだろうか。だとすれは、子野良は すでに親野良二匹を繋ぐパイプに過ぎず、流れる感情に機械的な反応を示すだけとなって いるのかもしれない。 子野良がまず狂うだろうとは思っていたが、その狂気をじっくりと見ることは出来ない かもしれない。少し残念だ。 野良親子達の上に、まりさ種を翳すように移動する。れいむ種の時は素速く切り裂いた が、今度はゆっくりとナイフをまりさ種に食い込ませた。 「いだぃいいいいっ! やべるんだぜ! やべっ……! やべでぇえええっ! までぃざ、 じんじゃうぅうううっ!!」 まりさ種の悲鳴に、親野良の二匹が視線を上げる。目を見開き、硬直する。 父野良の方が、先にガタガタと震え始めた。れいむ種の時に見た光景を、ハッキリと思 い出したのだろう。 親野良からよく見えるようにまりさ種の顔を下に向けて、ゆっくりとナイフを動かす。 「ゆぎやぁああああっ! ま゛り゛さ゛の゛っ! ま゛り゛さ゛の゛、お゛か゛お゛が゛ぁ゛あ゛!」 まりさ種の悲鳴が響く。親野良の二匹は、口を大きく開けたまま、声は出していない。 ジワジワと引き裂かれ、幾条もの切り傷に顔を裂かれて、まりさ種は絶え間なく叫び続け た。 最初の威勢はどこかへ消し飛んだらしく、すぐに命乞いを叫び始めた。 「た゛す゛け゛て゛く゛だ゛さ゛い゛っ゛! ま゛り゛さ゛だ゛け゛は゛、た゛す゛け゛て゛く゛だ゛さ゛い゛! ま゛り゛さ゛は゛、 い゛い゛ゆ゛っ゛く゛り゛で゛す゛っ! だ゛か゛ら゛、ま゛り゛さ゛だ゛け゛は゛ぁ゛い゛だ゛だ゛だ゛だ゛だ゛だ゛だ゛だ゛だ゛ ゆ゛ぎゃ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ゛!? た゛す゛け゛て゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛っ゛! た゛す゛け゛て゛ っ゛て゛い゛っ゛て゛る゛の゛に゛ぃ゛い゛い゛い゛い゛! な゛ん゛で゛ぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛っ゛!?」 まりさ種の顔がズタズタに引き裂かれていく様子を、親野良二匹はガタガタと震えなが ら、それでも目を見開いて声もなく見続けている。 二匹が、何よりも恐怖を感じているのだと言うことを、甲高い奇声が伝えてきた。 「きょわい! きょわい! きょわい! きょわい! きょわい! きょわい!」 子野良が、恐怖を感じているのだと、何度も何度も繰り返し叫んだ。 「おきゃおが! おきゃおが! おきゃおが! おきゃおおきゃおきゃおおおきゃおお! まりしゃが! まりしゃが! まりしゃまりしゃまりまりまままままままりまままま!」 目を抉られ見えないはずの子野良が、誰が何をされているのか、断片的にでも理解して いるらしい悲鳴を、壊れた機械のように叫び続ける。 「お……おチビちゃんっ!? おチビちゃん、ゆっくりして! おとうさんがいるよっ! おとうさんがまもるよ!」 親野良で、先に声を発したのは父野良の方だ。その言葉は、子を気遣い、励まそうとし ているもの。 「きょわい! きょわい! きょわい! きょわい! きょわいわいきょきょきょきょ! おチビおチビきょわおチビきょわいきょわいおチビおチビきょわいおチきょビちわきょ!」 「ゆわわわっ!? お、おチビちゃぁあああんっ!!」 だが、実際には異常をきたした子野良に怯えているようだ。 「ゆ、ゆあ……ゆあぁあ……ゆわわわ……!?」 母野良が、恐怖に震えた声を漏らす。その途端に、子野良が吐き出す言葉も変わる。 「きもちわりゅい! きもちわりゅいきもちわりゅいきもちビちゃわきもチビわりゅい! おチビちゃん! ちがう! れいむのちがう! おチビちがうきもちわりゅいおチがビ! きもちわりゅいおチビきもちわりゅいおチビきもちわりゅチもきわりゅビもちわりゅい!」 母野良は母野良で、異常をきたした子野良を気持ち悪いと嫌悪しているようだ。どうや ら、自分の子供ではないと思い込みたがってすらいるらしい。 「なんてこというの、れいむ!? れいむは、おかあさんなんだよ!? おかあさんが、 おチビちゃんに きもちわるい なんて いっちゃダメだよ! この おチビちゃんは、まち がいなく、れいむたちの おちびちゃんなんだから!」 「れっ、れいむ、そんなこといって……」 「いったよ!!」 「キモチワリュイ! キモチワリュイ! キモチワリュイ! キモチワリュイ!」 「おチビちゃんがきもちわるいって、れいむのこえがっ! れいむのなかで! おなかの ほうから、きこえてきてるんだよ!」 「れっ……! れいむだって! おとうさんのくせに、おチビちゃんのことをこわいって!」 「ゆあっ……!? そ、そんなこと……!」 「きょわい! きょわイ! きょワイ! キョワイ! コワイ! コワイ! コワイ!」 「おとうさんのくせに、いじくなしっ! れいむの おなかからだって、きこえてくるよ! れいむが、おちびちゃんを こわい こわいって いってるのが!」 どうやら、子を挟んでの親同士でも、感覚だけでなく感情の共有が始まっているらしい。 つまり、汚染が始まっている。自己の意識を蝕む、他者の意識の侵入が。 「れ、れいむは、いくじなしじゃないよ! おとうさんとして、がんばったのに! なのに、 れいむは……!」 「タベタ! タベタ! ナカミ! アンコ! レイム! タベナカベタンコタベイム!」 「ゆひぃいいいっ!? だ、だって! あれは、しらなくて! だ、だから!」 「ナカミ! ナカミ! ナカミナカミナカンコアンコアンコ! アンコ! アンコ!」 「れいむは、ダメっていったのに! れいむのいうこと、きかなかったくせに! れいむ のいうことをきかずに!」 「ユックリゴロシ! ナカマクイ! ドウゾククイ! ユックリクイ! ナカマクイ!」 「ぢがうぅうううっ! れいむは! れいむはぁああ! おっ、おチビちゃんだってっ! おチビちゃんだってたべたでしょぉおおお!?」 「タベタ! タベタ! オチビモタベタ! レイムワルクナイ! オチビモ! タベタ!」 「おチビちゃんは、しかたないでしょ!? ちいさいんだよ! れいむは、おかあさんの くせに」 「フタリ! クッタ! フタリトモクッタ! フタリトモキカナカッタ! フタリトモ!」 「れいむもおチビちゃんも、まっくらだったんだよ! みえなかったんだよ!」 「タスケナカッタ! ミステタ! タスケロ! オマエノセイ! オマエノセイダ!」 罵り合い、相手を糾弾する。同じ野良の中身を食った分だけ、母野良が不利のようだ。 だが、子野良も食ったと言う点が、意外なほど大きいらしい。父野良の感情には、必ずと 言って良いほど、子野良が含まれた。 嫌悪にも、恐怖にも。そして、憎悪にも。 「オチビトクッタ! オチビモキカナカッタ! イウコトキカナカッタ! オチビガ!」 母野良は、自分に関することは懸命に否定するが、子野良に関する部分を強く否定しな くなった。 そしてすぐに、子野良への恐怖と嫌悪と憎悪に浸される。 「オチビノセイ! オチビノセイ! オチビノセイ! オチビノセイ! オチビノセイ!」 二匹に共通する意識が、子野良を左右から責め立て始めたのか。子野良から発せられる 言葉が、変化しなくなった。 「シネッ! シネッ! くしょオヤ! シネッ! シネッ! シネッ! くしょオヤ!」 まだ、子野良自身の自己の意識が残っていたのか、時折、親野良への罵声も混じった。 だが、それもすぐに埋没する。たった一つの言葉の中に。 そして、そのたった一つの言葉を、野良家族が三匹揃って言い続けるだけになった。 「「「シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ」」」 「な……なんなの……? なんなのぜ、あいつら……こ、こわいのぜ……」 殺し損ねて持ったままだったまりさ種が、ブルブルと震えながら呟くのが聞こえた。 目の前の異常な家族への恐怖が勝っているからなのか、顔を引き裂かれ痛みに泣き叫ん でいた時よりも、その声は落ち着いている。もう痛みを忘れてしまったのかと、まりさ種 に問いかけた瞬間…… 「「「イタイイタイクルシイイタイキモチワルイイタイイタイクルシイキモチワルイ」」」 「ゆひぃいいっ!? んっ……なんなんだぜ、こいつら!?」 三匹の言葉の内容が、変わった。 痛み、苦しみ、気持ち悪さ。それは、間違いなく三匹共にあるだろう。肉体的なもので はなく、精神的な……自己の意識が犯されていく、嫌悪感であり苦痛が。 ふと思いつき、腹が減ってはいないかと、まりさ種に問う形で、声に出した。 「「「オナカスイタタベタイオナカオナスイタキモチワルイオナカイタイタネタイタベル」」」 それも、あるだろう。母野良と子野良は、何度も嘔吐した。三匹は繋がっているのだか ら、中身の喪失は全員に影響しているだろう。そもそも昨日に捕まえてから、まともな食 事をしていない。 そして、意識の汚染がここまで進んでいるのなら、感覚の共有はズレ無く同一と化して いるかもしれない。 なら、食えばいい。そう言って、野良親子三匹の真ん中へ、まりさ種を放り出す。 三匹が、顔を合わせているところへ。 三匹の口が、向いている空間へ。 「ゆぎやぁあああああっ!? だずげっ……! いだいいだいいだいいだいいだいっ!」 ゆっくりにとって、甘味は何にも勝る刺激だ。子野良も言っていた。「あまあまを食べ ていれば、怖さも、痛さも、気持ち悪さも、治る」と。 「だずげっ……だっ! ず、げっ……げうっ! も……も、ど……! ゆっぐ、り……!」 「「「アマアマアマママユックリユックユッユユユマママアマアマアックリアマ」」」 まりさ種が食い散らかされてしまうと、親野良二匹は次の「甘味」を求めて体を前へと 出し、歯を剥いた。子野良はガチガチガチガチと、ひたすら歯を噛み合わせている。 最後は、共食い。こんなものか。 それなりに楽しめたが、物足りなさもある。満足がいくだけの狂気を、見物できなかっ たからだ。 だが、まぁいい。 これで、この二日で野良が五匹消えたのだ。ともかくは、それで良しとしよう。気が向 けば、また試せばいい。 次は…… そうだ。このところ、ありす種を潰していない。 ありす種と、れいむ種と、まりさ種。それが、最初だったのだ。 私は、かつて『まりさ』を飼っていた。賢く、愛らしい、利口な子だった。 それが、野良のありす種とれいむ種に襲われた。 そのことに取り乱した妻が『まりさ』に、家を出て行けと言ってしまった。 探したが、『まりさ』は見つからなかった。その代わりだというように、不遜で薄汚い 野良のまりさ種が、私の家へと入り込んできた。 『まりさ』を失い、薄汚い野良だけが残った。妻の笑顔が消え、怯えの表情が現れた。 あの日、初めて私は野良を……ゆっくりを潰した。ゆっくりを、虐め殺した。 そうだ、あの時だ。 取り乱した妻が庭で、ありす種とれいむ種を、箒を使って打ち据えていた。その様子を 呆然と覗き込んでいた、青年。 今日、まりさ種とれいむ種を私が捕らえるところを、ボンヤリと眺めていた青年。 どこかで見たと思ったら、あの時の青年か。 妙に、思われただろうか? 思われたところで、どうと言うこともないか。 私がやっていることは野良ゆっくりの駆除だ。誰かに咎められるようなことでもない。 それに…… 実際に私は、妙に思われても仕方ないのだろう。 ゆっくりを虐めることを、楽しんでいるのだから。 たとえ、ゆっくりであろうとも、虐待なんて多分を憚る。良識ある人々のほとんどは、 私の行いと楽しみんでいるという感情を、否定するはずだ。 それも、仕方ない。 せめて野良駆除として、わずかでも役に立てば、表だって非難されることもないだろう。 人目につくところで、むごい虐め方をしなければ問題ないはずだ。 さて、次はどうしようか? 口元が、緩んでいる。自分の表情が、笑み崩れていくのを感じた。 苦笑だろうか? 苦さがないことを確認し、改めて鼻で笑う。 虐待お兄さん。 結構なことだ。人が嫌がるような、ゴミ以下の汚物駆除を、楽しみながら行えるという ことなのだろうから。 *** *** *** *** 怖かった。 まさか夫を恐怖の対象と捉えているなんて、思いたくはなかった。考えられないことだ。 心から愛し、尊敬している、あの夫のことを……いつも優しく、家族の前で笑顔を絶や さないあの夫のことを、怖いなどと思うはずがない なのに…… あのナップザックが、今日も蠢いていた。 また、あの中に、いた。 怖い。 夫は、書斎に入ったまま、出てこない。そろそろ食事にしようと、声をかけるべきだろ うか。 でも、怖かった。 夫を恐怖の対象と捉えているなんて、思いたくはない。 考えられない。 考えたくもない。 今日だって、私が「お帰りなさい」と声をかけると、夫は「ただいま」と言って、微笑 んだ。 確かに微笑んだのだ。なのに、その夫の顔が…… 夫の、微笑みを。 怖いと感じているなんて。 考えられないことだ。 そんなわけがないと、思いたかった。 ─ 旦那さん、笑みと共に踏み込んでいくのこと 了 ─
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作者:KkaRIOFDO 397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage]:2011/07/19(火) 19 33 55.03 ID KkaRIOFDO 美まど「ホムラチャーン!ホムラチャーン///」 まどか「ペットのまどまどが発情期に入ったみたい……番いの相手を選別したい場合は発情期に入る少し前から隔離させとくといいよ」 美まど「ホムラチャァァァン…」アイタイ… まどか「おっと早く会わせてあげないとね……さ、お行き」ヒョイ りぼほむ「マドカー///」タタタタ 美まど「!! ホムラチャーン///」ギュー まどか「ただ一匹だけ産まれたりぼほむ、大事に育ててよかったよぉ」 仔りぼほむ1「ホミュー」 仔りぼほむ2「ホミャー!ホミャー!」 仔めがほむ「ホミャー?」テクテク 仔まど「ミャドー」オカーサン 親りぼほむ「ホムゥ///」コドモタチカワイイ 親美まど「マドマド///」オオキクソダッテネ 野良親ほむ「ホムー!!ホムー!!」オネガイヤメテ あんあん1「アーン」ガブリ 野良仔ほむ1「ホビャァァァァ!!!」バキバキグチュ あんあん2「アグアグ」ウマイウマイ 野良仔ほむ2「」バキッボキ あんあん3「アンアン!!」ボゴッドガッ 野良仔まど「ミャドギャッミャグフェミギャッ……ギャッ!!ミャドォ……」オカーサン…… あんあん4「アンアンアーン!」シボレシボレギュゥゥゥ あんあん5「アンアン♪」ギュゥゥゥ 野良親まど「マドォォォォォォォォォォ!!!!!」ブチブチブチブチ 野良親ほむ「ホムゥゥ……」ポロポロ あんあん1「アン?」コイツドースル あんあん2「アンアン」アシタノアサメシダナ 野良親ほむ「ホッ!?ホムゥホムゥゥ!!!」ジタバタ あんあん3「アンアーン」ウルサイクビガブリ 野良親ほむ「ホギャッギャァァァァァァァ!!!…………………ホッ……ホッ……」ピクピク ジャンル:あんあん ほむほむ まどまど りぼほむ サンドバッグ 仔ほむ 仔まど 仔めがほむ 仔りぼほむ 生態 発情 食物連鎖 感想 すべてのコメントを見る 幸せな飼いほむまどと、過酷な環境に生きる野良ほむまどとの対比ってこと? 中途半端すぎて、いまいちわからないな。
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「ふたば系ゆっくりいじめ 515 公認虐待/コメントログ」 野良拾えなくなるじゃん -- 2010-03-09 13 21 15 野良きめぇ丸とか野良ふらんちゃんとか野良ゆうかにゃんetc もターゲットになるんですか? -- 2010-06-22 23 42 01 ↓なるんじゃないか この秘書虐待に見境がなさそうだから -- 2010-07-22 00 06 55 ↓やだーーーーーーーーーー!!! -- 2010-07-22 00 45 57 安心しろ!野生の胴付きゆは既にHENTAIお兄さんに捕り尽くされてるから! -- 2010-09-13 12 32 30 きめぇ丸とかゆうかにゃんなんて普通に希少種だろ。 野良は有り得ないし、万一いたとしてもその場で飼われるよ。 -- 2010-09-29 01 43 59 クソッ そうか感想見て気づいたけど俺の嫁達もターゲットになるんじゃねーか ちょっときめぇ丸とゆうかにゃん保護してくるぜ! -- 2011-01-04 06 05 17 この秘書はそのうち問題起こしそうだし、市長が選挙で落ちたら、真っ先に路頭に迷う質の人間だ -- 2011-02-11 11 25 14 一家 おうち -- 2011-04-17 19 26 52 ↓×5みんな(希少種)逃げてーーーーー!!! -- 2011-10-16 22 38 30 もげふらは?あれは野良のままでいいよね?ゲスだから -- 2012-07-23 04 12 33 いずれこの町から野良ゆが居なくなるな。 「あの周辺に行くとゆっくり出来なくなる」って噂がゆっくりの間で流れそう。 野良の回収が難しくなってしまう!?(焦) -- 2018-03-11 17 45 18
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勝利条件 勝利条件 敵の全滅 敗北条件 紫の敗走巫女の敗走小傘の敗走 マップ 色分け 地形名 守備 回避 回復 平地 0 0% 0% 森林 1 15% 0% 池 2 30% 0% 通行不可全般 ユニットデータ 仲間になるユニット 座標 名前 出現 条件 18,7 多々良 小傘 最初から 幽谷 響子 クリア後 敵初期配置 座標 名前 所持アイテム スキル 6,2 響子 大型翠弾遠距離大型蒼弾傷薬 獣連続 第三軍初期配置 座標 名前 所持アイテム スキル 19,25 野良妖怪 大型蒼弾 21,25 野良妖怪 遠距離大型蒼弾 29,18 野良妖怪 大型蒼弾 30,19 野良妖怪 高速蒼弾傷薬(落) 29,20 野良妖怪 大型蒼弾 30,21 野良妖怪 高速蒼弾 29,22 野良妖怪 大型霊撃弾(落) 30,23 野良妖怪 高速蒼弾 28,25 雑魚妖精 追尾蒼弾 30,26 雑魚妖精 高速蒼弾 29,27 雑魚妖精 術式弾傷薬(落) カリスマ 28,28 雑魚妖精 追尾蒼弾 30,28 雑魚妖精 高速蒼弾 4,29 雑魚妖精 遠距離高速蒼弾 対魔特性 6,29 雑魚妖精 遠距離高速蒼弾 3,30 雑魚妖精 追尾蒼弾 5,30 雑魚妖精 回復札(落) 7,30 雑魚妖精 追尾蒼弾黒曜石(落) ステージ攻略 敵は響子1人と、残りの全てが黄軍である。 勝利条件の「敵の全滅」は黄軍も含むので、響子を倒して終わりではない。 また、響子が黄軍に倒されてもクリア後にしっかり仲間になる。 要するに普通のマップである。 響子はいかにも聖や巫女で説得できそうだが、ここでは話をすることはできず倒すしかない。 遠慮なく倒してしまおう。 余談だがここで響子から大型翠弾を盗んでおくと響子加入時には新たに所持しているものと合わせて2つ手に入る。 使用回数∞の武器はいろいろと使い道があるので出来れば確保しておこう。 ここで小傘の武器レベルをDに上げておくと次章で大活躍できる。 小傘好きならがんばろう。 ちなみに、マップ右側の黄軍に一人、「カリスマ」持ちの妖精がいる。 この妖精と一緒に進軍して来る黄軍の能力は他の妖精たちより上昇しているので、油断しないように。 ←三章 人と妖 →四章 地獄からの使者 名前 コメント
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cool 格好良いな ここにある話で最も優れた内容だと思う、無駄が一切ない
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←その3 689 名前:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(群馬県)[sage saga] 投稿日:2011/09/12(月) 00 22 55.95 ID mFCHYHTY0 生い茂る草むらを抜け、やや草の少ない獣道のような場所に飛び出したりぼほむは、 再び辺りを、特に白まどの悲鳴の聞こえた方角を見遣った。 見付けた。 野良仔白まど「ミャリャァァァァァッ!?」 悲鳴を上げて草むらの中を逃げ惑う白まど、その背後に大型の、獲物を狙う目をしたバッタの姿。 野良仔りぼ「ミャロカァァッ!!」 野良仔白まど「ミャリッ!? ホ、ホミュラチャァン、ミャロォッ!」 呼び声に応えて、白まどがこちらに気付く。 草むらを縫うように逃げ惑っていた彼女の動きが、獣道を直線的に走る軌道に変わる。 助けを求める、当然の行動。 だが、それは死へと至る一本道。 草むらを縫うように走っていれば回避できたバッタの跳躍を、阻むものはない。 自分と彼女の距離は、約1メートル。 彼女とバッタの距離は、約20センチ。 バッタならば、明らかに一度の跳躍で白まどを捕らえる。 数秒後にあるのは、最愛のつがいが異形に食い荒らされる、最悪の未来。 野良仔りぼ「ミャ、ミャロカァッ、ホミャァァァァァッ!!」 名を叫び、草むらに逃げ込むように促そうとする声は言葉にならぬ悲鳴となる。 そして、りぼほむは咄嗟にその行動に打って出ていた。 スカートの中に隠されていた、己が外骨格とも言える武器を取り出し、 長い髪の毛を一本引き抜き、歯に沿わせるようにして唾液を吸わせる。 りぼほむであるならば、生まれた時から知っている当然の動作。 ほむ種上位品種の歯の裏にだけある、他の生物にとっては致死の猛毒となる体液を含んだ唾液によって、固く凝固した髪の毛。 外骨格の両端を結ぶ強力な筋にソレを番えれば、必殺の毒の弓矢が完成する。 野良仔りぼ「ホ、ホミュンッ!」キリ…ッ だが、まともな訓練を施されていない自分にとっては、ただの威嚇道具にしかならない。 それは、目の前の狩猟者にも分かったのだろう。 成体が構えれば、それだけで飢えた大型肉食獣すら怯ませる弓矢を、所詮は狼狽え玉と一笑に付して、跳躍を始めるバッタ。 威嚇にすらならない。 最悪の未来を変える力は、自分にはない。 野良仔りぼ「ホ、ホミャァ……」ポロ……ッ 無力感に、涙が一粒落ちる。 だが―― 野良仔白まど「ホミュラチャンッ、ミャロ!」 白まどの声が聞こえた。 自分の名前を叫び、あまつさえ……笑顔を見せてくれている。 そう、彼女は死の道を選んだのではない。 最初から、自分を信頼して、この道を選んだのだ。 野良仔りぼ「ホ……ミャ……ミャロカ………ホ、ホミュホミャァッ!」 信じてくれた。 まだ未熟な自分を信じて、笑顔で、名前を呼んでくれた。 野良仔りぼ「ミャロカァァァッ!!」 それだけで、自分は今、彼女を守るためなら、まだ見ぬ百獣の王すら凌駕して見せる。 野良仔りぼ「ホミュンッ!」 矢は、放たれた。 野良仔白まど「ミャロッ!」 白まどは飛び込むように倒れて体勢を低くする。 矢は頭を低くした白まどの頭上を掠め、跳躍しかけたバッタの腹に突き刺さる。 矢が腹を貫いた瞬間、バッタは前ではなく真上に跳躍して、そのまま無様に落ち、動かなくなった。 呆気なささえ感じるが、それは紛れもなく、勝利の瞬間だった。 未熟な狩人が、一人前になる瞬間。 野良仔りぼ「ホミャ………」ストン…… だが、一人前となった狩人は、勝利の余韻に浸る事なく腰を落とした。 極限の緊張状態が解け、力が抜けたのだ。 野良仔白まど「ミャロ……ホミュラチャン」 そこに、白まどが駆け付ける。 何で、こんな時間に外に出たのか。 何で、何も言わずに山に戻ろうとしたのか。 何で、何で、何で………! 野良仔りぼ「ホミュホミャ……!」 それは思わず、怒りの声になってりぼほむの口から飛び出しかけた。 だが―― 野良仔白まど「ミャロォ……」スッ 怒声を放ちかけた自分の頭に、白まどがスカートの中から取り出した何かが載せられた。 野良仔りぼ「ホ、ホミュ!?」 突然の事に驚き、頭の上に載せられたソレに手を這わせる。 それは、小さな小さな一輪の野花で作られた花飾り。 野良仔白まど「ミャロォ、ホミュラチャン、ミャロミャロォ……」 野良仔りぼ「ホ、ホミュホミャァ……ミャロカ」 それは、前に見付けた小さな小さな野花だった。 昼に慰めてくれたお礼に、白まどが取って来たのだ。 しかし、運悪く、帰り道でバッタに遭遇した。 白まどが山に向かったと思って追い掛け、飛び出しただけの自分の姿も、 彼女には、絶体絶命の危機に颯爽と駆け付けたようにも見えただろう。 何だ、最初から、彼女は自分を信じてくれていたのだ。 それなのに、自分は一瞬でも、彼女の信頼を疑っていたのだ。 野良仔りぼ「ホミュ……ホ、ホミャァァァ」ポロポロ それを思うと、涙が止まらなかった。 疑ってごめんなさい。 こんなにも信じて、愛してくれているのに……。 罪悪感が首をもたげ、さらに涙が溢れる 野良仔白まど「ミャロォ……ホミュラチャン、ミャロミャロォ///」スリスリ すると、昼に自分がそうしたように、白まどの頬が涙を拭った。 野良仔りぼ「ミャ、ミャロカ……ホ、ホミャッ///」スリスリ ポロポロ りぼほむも、最愛のつがいに応えるように、頬ずりを返す。 私も、あなたを愛しているよ、と。 夜光虫が、つがいを祝福するように、夜空を舞っていた。 →その5
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#blognavi 9月10日,12日と激戦区の野良BGで戦いましたが βのころと少し変わってますね… 1.固定BGが多い 2.1戦BGがある 3.野良BGが少ない 4.野良BGでリダ下回しがある 1はβ2からそうなりそうな傾向がありました. (β1でも固定はあったようですが目に見えてそうだと感じたのはβ2から…) 知り合いが固定に入ったりしてましたし, BGで固定メンバー募集や固定BGを明記したものが目に付くようになりましたから… そのころは数の上ではコメントにそのようなことが書いてないBGも多かったのですが 2.はβ1,2では全然見かけませんでした. 正直戸惑いが…(´・ω・) まぁ,気軽に少しだけやりたい人とか需要があるのでしょうか? 私はどちらかといえば野良同士組んで面白いのは連携が出来ていくところにあるのでは…と思うので どちらかといえばあまり入る気が(ゲフンゲフン 3.もβ2でその傾向が出だしてきた気がします. それでもβ2の頃は野良BGの絶対数の方がもうちょい多かった気が… トータルのBG数は今のほうが多いのにねぇ(´・ω・) 入るBGを探すという作業があるのでなおさら意識してしまいます. 4.リダ下回しは昨日初めて経験しました. 何事も無く自分にリダが回ってきたので驚きました(;´∀`) MPを消費してこなすミッションがあるので それを野良で複数回こなすためにはじまったのでしょうか? (MPを特定の人にばかり使わせないために) ここまで変わった点を書いてましたが 変わってない点もあります. SBにソロBGがかなりある のと 出撃するセクターが隔たりがち(こっちはβよりその傾向が強い気が) 余談ですが β2でも構成を書く野良BGはそうでしたが 募集ありのBGでは突撃タイプが目立ちますね. 本業はスナのつもりですが野良で行くならスナ廃業の悪寒(;´ω`) まぁ,スナ機組むお金がまだ無いですし…休業してるのは事実ですがw 今後の予定としては しばらくは近接戦の経験を積みたいですし 2機目はアサルト 3機目は前衛メカの予定で …スナ廃業が現実味を帯びてきてる(ゲフンゲフン スナ廃業は別にいいけど野良で入るBG探すのは面倒orz それに出入りが激しい時も… 入る固定探した方がいいかな? カテゴリ [FMO日記] - trackback- 2005年09月13日 22 47 49 名前 コメント #blognavi
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952 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 22 52 15.44 ID nfVXhkx+o ~民家~ お婆さん「…」 和風の民家で、お婆さんが仏壇にお茶をあげて拝んでいる。 仏壇には、年老いた男性の写真が置かれている。 野良猫「…」トテトテ 野良猫「ニィ~」チョコン 縁側の外に、一匹の猫がやってきた。 首輪はついていない。 お婆さん「あら、ブチや。また来たの。ちょっと待っててね」ノソノソ お婆さんは、煎餅を持ってやってくる。 お婆さん「ほらブチ、ご飯だよ」スッ お婆さんは、野良猫に煎餅を向ける。 野良猫「ニィ~」トテトテ 野良猫は、お婆さんの方へ歩いてきた。 野良猫「ニィ~」スリスリ お婆さん「おやおや、お煎餅は後でいいのかい?」 そして、お婆さんの手に頬擦りした。 953 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 22 57 26.10 ID nfVXhkx+o 野良猫「パリパリ…」モグモグ 野良猫は、煎餅を食べた。 お婆さん「ブチや。前までおっきかったお腹が、痩せてるね。…子供、産んだのかい?」 野良猫「ニィ~」シッポフリフリ お婆さん「そうかい。おめでとう。…って、なんか毎日同じ事言ってるねぇ」 お婆さん「それじゃあ、たくさん栄養取らなきゃねぇ。ほら、おたべ」スッ 煎餅を差し出すお婆さん。 野良猫「ニィ~」バリバリムシャムシャ 野良猫は、煎餅をたくさん食べた。 野良猫「ニィ~」トテトテ お婆さん「またね、ブチ」 954 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 23 07 01.31 ID nfVXhkx+o ~夕方、雑木林~ 野良猫「…」トテトテ 野良猫は、雑木林へやってきた。 そして、木陰にやってくる。 野良猫「…」ガサガサ 仔猫1「ミィ~」 仔猫2「ピィ、ピィ」シッポフリフリ 仔猫3「ミュゥ~」 仔猫4「ミィ~」シッポフリフリ 木陰には、4匹の仔猫がいた。 生後2~3週間ほどだろうか。 野良猫「ミャ~オ」ノソリ 野良猫は、仔猫達の前で寝そべる。 仔猫1「ミィ~」ヨチヨチ 仔猫2「ンミー」ヨチヨチ 仔猫3「ミュウ!ミュゥ~!」ヨチヨチ 仔猫4「ミィ~!」ヨチヨチ 仔猫達は、野良猫のお腹に這い寄る。 仔猫1~4「チュゥチュゥ…」ゴクゴク 野良猫「ミャ~オ」 どうやら、母親のおっぱいを飲んでいるらしい。 955 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 23 10 18.78 ID nfVXhkx+o 「この辺でけものの声がしたのだぁ!」ガサガサ 「なのだー」ガサガサ 「なのだー」ガサガサ 「なのだー」ガサガサ 「のりゃ!のりゃ!」ガサガサ 野良猫「…!?」ビクゥ 仔猫1~4「っ…」ピタッ 唐突に聞こえた声に警戒し、野良猫一家は声を潜める。 958 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 23 13 07.66 ID nfVXhkx+o 「どこなのだ?どこにいるのだぁ!」ガサガサ 「おにく!おにく!」ガサガサ 「おいちーおにく!」ガサガサ 「おっにく♪おっにく♪」ガサガサ 「のりゃ!のりゃ!」ガサガサ 野良猫「っ…」ブルブル 仔猫1~4「…?」キョトン 木陰に必死で身を潜める野良猫。 仔猫4「…?ミィ~」 仔猫4は、不思議そうに声をあげる。 野良猫「!!!」 959 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 23 17 17.00 ID nfVXhkx+o 「そこなのだ!そこから声がしたのだぁ!」ガサガサ 「ちゅかまえゆのだぁ!」ガサガサ 「こんやはごちそーなのりゃ!」ガサガサ 「ふははー!」ガサガサ 「のりゃ!のりゃ!」ガサガサ 声は確実に、野良猫のいる方へ近寄ってくる。 野良猫「…!」ガバッ 仔猫1~4「ミュゥ…!?」 野良猫は、仔猫達の上に覆い被さる。 アライさん1「見つけたのだぁ!」ガサッ アライちゃん1「なのだー」ガサッ アライちゃん2「けものなのだ」ガサッ アライちゃん3「おぉー!」ガサッ アライちゃん4「のりゃ!のりゃ!」ガサッ とうとう、見つかった。 野良猫「フシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァッ!!!!!」フゥーーーーーッ 野良猫は、アライさん1たちを威嚇する。 963 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 23 21 21.68 ID nfVXhkx+o 野良猫「シャアアアアアアアア!」フゥーーーーーッフゥーーーーーッ アライちゃん1「ぴぃぃっ!」ブルブル アライちゃん2「こわいのりゃぁ…!」ブルブル アライちゃん3「おかーしゃ!やっちゅけゆのりゃ!」 アライちゃん4「ごはんー!」シッポフリフリ アライさん1「任せるのだぁ!アライさんに、お任せなのだぁ!」ズカズカ アライさん1は、野良猫へ近付く。 アライさん1「たあ~っ!」ガバッ 野良猫「フシャアアアアッ!」ガバッ 取っ組み合いが始まった。 アライちゃん1「がんばえ~!」シッポフリフリ アライちゃん2「ふぁいと♪ふぁいと♪」シッポフリフリ アライちゃん3「おっかしゃんふぁいと♪」シッポフリフリ アライちゃん4「のあー」 仔猫1~4「ミュゥ…!」ブルブル 966 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 23 26 50.54 ID nfVXhkx+o 激しい争いが続いた。 野良猫「フシャアアアアッ!」バリバリ アライさん1「痛いのだぁっ!よくもやったのだ!アライさんスペシャルキック!」ドゴォ 野良猫「ブニャアアァァ!!」ベギィ 必死に我が子を守ろうとする野良猫。 アライさんの攻撃を、ひらりひらりとかわし、引っ掻いたり噛みついたりして反撃している。 しかし… 野良猫「ゼェ、ハァ、ゼェ、ハァ、ゼェ、ゼェ…!」ハァハァ アライさん1「ぜーはー…!もうバテたのか…!体力無いのだ!」ハァハァ 体の大きさと体力の差は歴然としていた。 967 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 23 32 46.66 ID nfVXhkx+o アライちゃん1「いまのうちにおにくげっとすゆのだ~!」ヨチヨチ アライちゃん2「すゆのだ~!」ヨチヨチ アライちゃん3「おやこのれんけーぷれーなのりゃ!」ヨチヨチ アライちゃん4「のりゃ!のりゃ!」ヨチヨチ 仔猫1「ミイィ!」ブルブル 仔猫2「ミュウウゥ!」ブルブル 仔猫3「ミニャアァ…!」ブルブル 仔猫4「チィ!チィ!」ブルブル アライさんと野良猫が戦っている隙に、アライちゃん達は仔猫の方へ近寄っていた。 アライちゃん1「たべゆのだ!」ヨチヨチ アライちゃん2「しとめゆのだぁ!かりごっこなのだぁ!」ヨチヨチ アライちゃん3「うぅ~!」ヨチヨチ アライちゃん4「なのだー」ヨチヨチ 野良猫「フウウウゥ!!」バッ だが、そうやすやすと子供に触れることを許す母親ではない。 野良猫「フギャアアアアアアッ!!」バリバリバリバリ アライちゃん2「ぴぎいいいいぃぃーーーーーっ!!?」 野良猫は、アライちゃん2の顔面を何度も引っ掻いた。 鋭い爪が、アライちゃん2の顔の柔肌を裂いていく。 969 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 23 38 10.99 ID nfVXhkx+o アライちゃん2「びぎいぃぃぃーーーっ!ぴいぃぃーーっ!いぢゃいいぃーーーっ!おがぁしゃぁーーーんっ!」ピイイィィ アライちゃん2は、どうやら右目の角膜が深く傷ついてしまったようだ。 アライさん1「チビ!チビ!…お前ええっ!よくもチビをっ!許さないのだぁ!」ボギャアァ 野良猫「ゲフッ!」ゴロンゴロン バテて俊敏な動きができなくなった野良猫。 そのどてっ腹に浴びせられた蹴りをもろに食らってしまった。 971 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/08(水) 23 44 38.92 ID nfVXhkx+o アライさん1「死ぬのだ!死ぬのだあぁぁ!」ドガァドガァ 野良猫「ミギイィィ!!」 体の大きさにも、体重にも差があるアライさん1と野良猫。 蹴りの一発一発が、野良猫に大ダメージを与える。 野良猫「…ミィ…」フラフラ 野良猫「っ…!」ハムッ 仔猫1「ミィ!?」ブラン 野良猫は、一番体の大きな子供1匹を咥えると… 野良猫「っ…!」タタターッ 仔猫1「ミィィ!?」ブランブラン …その場から一目散に逃げ出した。 残りの3匹を置いて。 アライさん1「ああっ!…逃がさないのだぁ!」ダッ 追いかけるアライさん1。 978 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 00 03 08.67 ID QMCLBnTho アライさん1「お前も捕まえてやるのだあ!」ダッ その時。 「ぎびいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーっっっ!!!!」 …アライさん1の背後から悲鳴が聞こえた。 アライさん1「…!!?チビ!?」クルッ アライさん1は、後ろを振り向く。 979 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 00 08 41.28 ID QMCLBnTho アライさん1が見た光景は… 14歳の少女「さ、佐助!ちょっと!」グイグイ 大型犬「ガウウウゥウゥゥウ!バウ!グギャウウゥゥーーーーーッ!!」バグゥブヂィ アライちゃん1「ぴいぃぃーーーーっ!おがあじゃあああああんっ!ひぎびいぃぃーーーっ!!」ブッシャアアアアアア …イングリッシュ・ポインターの大型犬に、自分の子供が襲われ、腹を食い千切られ内臓をブチ撒けられているところだった。 14歳の少女「さ、佐助!ハンター叔父さんに怒られるよ!」グイグイ 大型犬「ガウ、バウウウゥゥ!ハグッ、モグモグ…」ガツガツ アライちゃん1「ぎ…び…」ブシャアア 大型犬は、アライちゃん1の肝臓を引きずり出して食った。 アライちゃん2「ひ、ひぃ…!」ブルブル アライちゃん3「おねー…しゃん…!」ブルブル アライちゃん4「ぴいぃ…!?」ブルブル 983 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 00 14 57.91 ID QMCLBnTho アライさん1「!?お、お前ええええっ!よくもチビをーーーっ!!」ダダッ アライさん1は、アライちゃん達の方へ駆け寄る。 アライさん1「そのチビ達はッ!!アライさんがッ!!腹を痛めて産んだッ!!大事なチビなのだああッ!!」ダダッ 大型犬「フゥー」ゴクン アライちゃん1「」グッタリ アライちゃん2「ぴぃぃーっ!ききなのだぁ!」ヨチヨチシッポフリフリ アライちゃん3「おかーしゃーんっ!はやぐだぢゅげでぇ!」ヨチヨチシッポフリフリ アライちゃん4「あらいしゃんたべものじゃないのりゃぁー!」ヨチヨチシッポフリフリ 肝臓を食われたアライちゃん1を置いて、必死のヨチヨチ歩きで逃げるアライちゃん2~4達。 アライさん1「アライさんの可愛い可愛い子供達は!お前の食べ物なんかじゃないのだあああぁーーっ!!たあああああああーーーーっ!!」バッ 大型犬にタックルを仕掛けるアライさん1。 986 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 00 20 32.58 ID QMCLBnTho 大型犬「ガブウゥ!」ガブゥ アライさん1「ぎびっ!?」 だが大型犬は、タックルしてきたアライさんの腹へ的確に噛みつき… 大型犬「フンッグゥ!!」ブッヂイイイィィッ アライさん1「ひぎびゃぁああーーーーっ!!」ブッシャアアアアアア アライさん1の腹を食い破った。 皮膚と腹筋が破れ、アライさん1の腹から腸がはみ出す。 アライさん1「うぐぎいいぃぃ!いだい!いだいのだああーーーっ!!」ゴロンゴロン アライさん1は、血を撒き散らしながら地面を転がる。 どうやら内臓そのものに傷はついていないようだ。 987 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 00 26 02.80 ID QMCLBnTho アライさん1「う、うぅ…」ブルブル アライさん1が痛みに耐えていると… 大型犬「フゥーッフゥーッ」ノソノソ アライちゃん2「ぴぃ!ぴいぃぃ!おかーしゃ、たしゅけてぇ!!」ジタバタ 大型犬は、アライちゃん2の首を咥えて、アライさん1の前にやってくる。 14歳の少女「あーもう…佐助。ハンター叔父さんに怒られても知らないからね」スッ 仔猫2「ミィ~」プルプル 仔猫3「ミィ、ニャァ」プルプル 仔猫4「チィチィ」プルプル 少女は、仔猫達を優しく撫でる。 989 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 00 29 32.23 ID QMCLBnTho アライちゃん2「おがーしゃああんっ!あらいしゃんをだじゅげでえぇっ!」ジタバタ ピイイィィ アライさん1「ち、チビを離…」 大型犬「ガブゥウウ!」ガブブヂィ アライちゃん2の頭「」ボトッ アライちゃん2の体「」ドサッ ビグンビグンビグンビグンバタッバタタッ アライさん1「ちび…ちびいいぃぃ!!」 アライちゃん2は、母親の目の前で首を食い千切られた。 993 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 00 51 50.19 ID QMCLBnTho 大型犬「ハグッ、モグモグ…」モグモグ 大型犬は、アライちゃん2の内臓を食っている。 アライさん1「や、やめるのだ…!アライさんの子供達は、食べ物じゃないのだぁ…!食べ物なら、そ、そこの、仔猫の肉を、お前にやるのだぁ…!」スッ アライさん1は、少女が抱く仔猫達を指差す。 アライさん1「だ、だから、アライさんの子供を、た、助け…」ブルブル アライちゃん3「にげゆのりゃ~!」ヨチヨチヨチヨチシッポフリフリ アライちゃん4「のりゃ!のりゃ!」ヨチヨチヨチヨチシッポフリフリ 逃げていくアライちゃん3 4。 994 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 00 59 07.27 ID QMCLBnTho しかし… 大型犬「ガブゥ!」ハグッ アライちゃん3「ぴいいいぃ!?しっぽいぢゃいいぃぃーーっ!!」ブラン アライちゃん3の尻尾を噛み、ぶら下げる大型犬。 野良猫「ニャオオォ!」ガバッ アライちゃん4「ぴぎいぃぃ!た、たべないれくらしゃいなのりゃぁ!」ドサッ アライちゃん4に飛びかかり、覆い被さる野良猫。 …子供達は、犬と猫に同時に捕らえられた。 アライさん1「あ、あ…」ブルブルドクドク 内臓がはみ出ている自分の腹を押さえ、震えるアライさん1。 アライちゃん3「おかーしゃ!おかーしゃんっ!だぢゅげで!だぢゅげで!」ピイイィィ アライちゃん4「おかーしゃんっ!おかーしゃんっ!」ジタバタ ピイイィィ アライさん1「お…お…」ブルブル アライさん1「お前達はまた産んでやるのだあぁぁーーーっ!!」シャカカカッカカカッカカ アライちゃん3 4「「ぴいいいぃぃぃーーーっ!!?たじゅげでえぇーーーーーーーーーっ!!」」 …子供を見捨て、四足歩行で逃げ出すアライさん1。 997 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 01 09 20.11 ID QMCLBnTho アライちゃん3「お、おかーしゃん!あらいしゃんたち、おにくぱーちーすゆやくしょくだったのりゃあぁ!」ジタバタ アライちゃん4「もどってくゆのりゃあああっ!このわんわんとにゃーにゃーで、おにくぱーちーすゆのりゃああっ!」ピイイィィ 今日は美味しいお肉を食べるはずだったアライさん一家。 アライちゃん3 4「「おかーしゃん!おかーしゃんっ!ぱーちー!おにくぱーちーすゆのりゃああっ!!」」ピイイィィ しかし… 大型犬「ハグゥ!」ガブブヂイィ アライちゃん3「びぎいぃぃぃーーーっ!!しっぽおぉっっ!しっぽいぢゃいのりゃぁあーーーーーっ!!」ブシュウウウゥウ アライちゃん3は、尻尾を噛み千切られた。 大型犬「モグモグ…」ガツガツ アライちゃん3「ぎびいぃぃ!あらいしゃんのかわいーしっぽたべちゃめーなのりゃぁ!!」ブシュウウウゥウ 大型犬「ハグウゥ!!」ガブゥ そして、柔らかいお腹へ噛みつき… アライちゃん3「ぶぎいいぃ!おながかんだらだめなのりゃぁぁ!あらいしゃんのおなかはせかいいちだいじなのりゃああっ!!」ジタバタ 大型犬「ガブウゥ!」ブヂン アライちゃん3「いぢゃいいぢゃいいぢゃいいぢゃいいぢゃいぎびぴぃぃぃぃぃっぎゃぁああああああーーーーーーーーーーっ!!」ブッシャアアアアアア …腹を食い破った。 998 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 01 19 48.86 ID QMCLBnTho 野良猫「ウニャアアア!」バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ アライちゃん4「ぴぎいいぃぃぃーーっ!!あらいしゃんのかわいーおかおひっかいたらだめなのりゃあああっ!!」ジタバタ 野良猫に覆い被さられたアライちゃん4は、全身を引っ掻かれ、噛まれている。 野良猫「ニャグガブウゥゥ!!」バリバリガブウウゥバリバリガブウウゥ アライちゃん4「ぴぃ!ぴいいいぃぃーーーーっ!ひとしゃん!ひとしゃんたしゅけてぇぇーーーっ!!」 14歳の少女「…!」 猫の下敷きになっているアライちゃん4は、少女に向かって叫ぶ。 アライちゃん4「いーことかんがえたのりゃぁ!ひとしゃん!かわいーあらいしゃんを、あっちのいぬのかわりにぺっとにすゆのりゃぁ!」 14歳の少女「…」 アライちゃん4「おかーしゃんも!あらいしゃんたちはせかいでいちばんかわいーっていってたのりゃぁ!」 アライちゃん4「みゆのりゃぁ!これで、あらいしゃんをかいたくなゆのりゃぁ!」 野良猫「フゥーッ!フゥーッ!」 猫の下敷きになっているアライちゃん4。 何をしようというのか? アライちゃん4「しっぽのだ…」シッポフリフ… 野良猫「ウギャアアフゥーーッ!」ガブウゥ アライちゃん4「ぎびいぃぃーーーーっいじゃいのりゃぁあーーーーーっ!!」 …アライちゃん4が何かしようとする前に、猫は反射的にアライちゃん4の尻尾に噛みついた。 999 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 01 25 16.94 ID QMCLBnTho アライちゃん4「ぴぃ!ぴいいいぃぃーーーーっ!やべでええっ!しっぽかむなああーーっ!」ジタバタ 成猫を嘗めてはいけない。 立派な肉食獣である。 野良猫「ハグウゥ!」バヅン アライちゃん4「ぴぎいいぃぃぃぃぃーーーーーっ!!」ブヂィ アライちゃん4の尻尾の腱が切れた。 アライちゃん4「ぴぃ!ぴぃぃーっ!いぢゃいぃ!しっぽのだんすできないのりゃあああっ!びええーーーーんっ!」ピイイィィ 尻尾がまともに動かなくなったアライちゃん4は、大声で泣き出した。 1000 : ◆19vndrf8Aw [saga]:2017/11/09(木) 01 30 47.68 ID QMCLBnTho 14歳の少女「…ねえ、アライさん」スッ 少女は、アライちゃんの顔の前にしゃがみこむ。 アライちゃん4「!ぺ、ぺっとにしてくれゆのか!?やったのりゃぁ!あらいしゃんのかわいさがつうじたのか!」 アライちゃん4は、安堵した表情になる。 アライちゃん4「だ、だったらさっさと、うえにのってゆもーじゅーをぶっこよしゅのりゃぁ!あらいしゃんのききなのりゃぁ!ぺっとのいちだいじなのりゃぁ!」ジタバタジタバタ 14歳の少女「…」 14歳の少女「…アライさんは、ペットにはできない法律なんだよ?」 アライちゃん4「ほ…ほーりつ!?なにいってゆのりゃ!あらいしゃんのゆーことがほーりつなのりゃぁ!」ジタバタ パート12へ進む パート11へ戻る
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最近の出来事Vol.14 野良パーティーでポイズンヤードに 行った時のSSですw どれが本物?!ELデモンスレイヤーw そして・・・デカイロボットがww (タイトル:野良PTポイズンヤードにて… ^^y) (タイトル:野良PTポイズンヤードにて… ^^y) (タイトル:野良PTポイズンヤードにて… ^^y) (タイトル:野良PTポイズンヤードにて… ^^y)
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