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このページは何? 連隊案内 隊員一覧 主な活動スタイル活動時間とか 紅白戦のルールとか コメント欄 このページは何? セカンドWiki独立旅団:●● のページです. 連隊案内 時間区分 時間帯 ??~ 連隊名 セカンドWiki独立旅団:●● タグ S** 隊員数 ?名 連隊長 xxx***** 副連隊長 xxx***** 通信兵 xxx***** 陣営 連邦 部隊色 ●●(●●) 色コード #222222R??% G??% B??% 隊員一覧 PSN ID 役職 階級 ハンドルネーム 備考(項目を適当に増やしてね) xxx***** 隊長 少将 ほげほげ xxx***** 副隊長 大佐 ふがふが 主な活動スタイル あーしたり こーしたり 活動時間とか 大体何時頃インするよ 休日はどうなん? 紅白戦のルールとか コスト戦とか エースマッチとか 無制限ベーシック?少将に聞いて下さい コメント欄 ▲トップに戻ります▲
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2011年8月8日に第4大隊、第11大隊、第18大隊を構成部隊として編成。 平時の任務は出入者の管理、隊内の秩序維持など。 有事の際は初期対応や事後処理並びに周辺警戒、偵察・調査任務を担当する。 構成部隊 ・第4大隊(国境警備隊) 大隊長 soap ・第11大隊(憲兵大隊) 大隊長 ハインツ・フェーゲライン ・第18大隊(保安大隊) 大隊長 警備司令 歴代連隊長(階級は就任当時のもの) 初代 シノハラビッチ中佐(2011年8月8日~2014年4月9日) 二代目 ハインツ・フェーゲライン中佐(2014年4月9日~)
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まだ途中ですが 部隊と、動かす側と、情勢と、兵隊個人と、兵隊個人の所感と そういうものをマルチに動かせるのが面白い>< もはやメモどころではなくなってきましたがw 丘の想定 第一中隊 (5) 「!」 吶喊の声を上げて、ルキアニスは地を蹴った。 迫る敵の姿に、鑓を振るい、叩きつける。振りぬいて、打ち倒す。鉄のかけらが飛び散り、機卒は踊るように倒れる。地が鳴る。砂埃が舞い上がる。 それが斜面を転がるよりはやく、ルキアニスは身を翻した。地を踏み、鑓を振るう。次の機卒に、横合いから石突を叩きつける。殴り飛ばされ、機卒は地へ倒れこむ。 三機目の機卒がようやく鑓を構える。構わず、ルキアニスは深く踏み込んだ。鑓を振り下ろす。 機卒の短躯を上から叩き伏せる。それは、斜面にしりもちをついて、仰向けに斜面に倒れる。 砂煙が舞った。鑓を振るって、それを振り払う。鑓の軌跡に吸い出されるように流れたあとに、ルキアニスは鑓を構えなおす。 穂先を向けた形ではなく、斜めに振り上げ、あたかも袈裟斬りせんとするように。 そして、地を蹴った。鑓を振り下ろす。 角ばった重たげな体に打ちつけ、短く低く構えた足を払い、長めの腕を叩く。その携えた鑓を打ち払い、さらに肩から突っ込んだ。 鑓を振るい、穂先を振るい、石突で打ち据え、身柄を横に、一気にでおしやる。 『アモニス!』 「わかってます!」 マルクスの声に応じて、ルキアニスはもう一度鑓を振り上げた。石突を掴んで、大きく振り回す。風切って音立てる穂先から、機卒らが退く。 さらに頭上で鑓を捌いてくるりと廻し、穂先を向けて構えなおす。 機卒はざわめき、一塊になって退く。 そして、ルキアニスは飛び退いた。 追撃を禁じられなければ、もう一度突っ込んで打ち崩してやれたのに。たとえ敵が機装甲であったとしても、今、ルキアニスの前に残された十機ほどであっても、マルクスと二人で相対することができれば怖くは無い。 ちらりと目を走らせると、右手にあったマルクス機も退く。相対していた機卒たちも退いていた。彼らの動きは、むしろ安堵しているようにも見える 『下がるぞ、ルキアニス』 「わかってる」 背中越しに、二人で息を合わせて、交互に頂へと退く。 敵は追い討ちをかけてこなかった。 だから、ルキアニスたちはすこし休みを取ることができた。 休みといっても、半分は機装甲の手当てをしなければならなかったのだけれど。 背中の甲蓋を開いて這い出すと、外は眩しいくらいに明るい。まだ正午を少し過ぎたくらいだ。高い日差しに眩みそうになって、ルキアニスは、額に手をかざす。 心地よい風が吹き付けてくる。少し砂埃の匂いもしていた。丘の前に、十ほどの機卒が倒れている。まるで散った花びらのように伏せている。踏み荒らされた足跡をみれば、足捌きと体裁きが知れる。 「強引だぜ」 下からの声に振り向く。 マルクスだった。彼は腰に手をやり、いつものように片方の眉毛を捻り上げて、乗り込み孔から半身を現したルキアニスを見上げていた。 「そうかな?」 思い当たりながら、ルキアニスはとぼけて見せる。 乗り込み孔から這い出して、そのまま、よっと飛び降りる。深くひざを負って勢いを逃がせば、どうと言うことも無い。 顔を上げ、立ち上がると、つまらなそうに腕組みをしたマルクスが見下ろしていた。 彼は、高いところにある乗り込み孔を見上げた。白の三のみならず、帝國の制式機装甲の守りは堅くて、操縦席は厚い甲に囲われ、そこに至るまでの乗り込み孔も小さい。 「暑いよね」 「おまえ、多少の無茶をしても大丈夫だって、高を括ってないか?」 「だって、そういうことを期されてここにいるんじゃない?」 ルキアニスはそっぽ向いた。なんとなく間が持たなくて、胸の間でぱたん、と手を合わせてみたり、人差し指の先と先をつくつく突き合わせてみたりする。 まあ、そうだけどさ、と言いながらマルクスは息をついた。 彼の振り返る先には、シルディール連隊長と中隊長がいる。唸って言う。 「……中隊長と連隊長でのお墨付きみたいなものかなあ」 そうそう、とルキアニスは安請け合いの調子でうなずく。 「それに、相手は機卒だし、ほら、それに連隊長は内戦のときに百機くらい倒していたっていうし、どうってことないよ」 「百十八機」 「何?」 「連隊長は内戦のときに、九十四機、そのあとに十四機を倒して、連隊長に着任」 「くわしい……」 「なんだよ?」 少しむっとしたように、腕組みしていた彼は、ルキアニスを見て片方の眉を上げる。 「自分とこの連隊の連隊長だろ」 「へー」 マルクスは少しいらいらと腕組みの力を強める。 「っていうか、本当に、無茶はするなよ?どんなことをしたって、連隊長みたいにはなれやしないんだから」 「決まっているじゃない」 ルキアニスは、連隊長から目をそらし、丘の下を見やった。 「敵は丘をあきらめたみたいだし」 見やると、機卒らは丘の下に退ききっている。マルクスが言った。 「大丈夫か?」 「何が?」 横に並んだ彼は、静かにルキアニスを見おろす。 敵は、ひととき丘をあきらめたようだった。 ひとときでしかないことも判っていた。 敵の流れは、止まることなく丘へと近づいてくる。退いていった機卒らは、ほんの一部に過ぎない。十機ばかりを倒したとしても、丘の下だけでまだ二十機はいる。彼らは、間をとった横列を作り直している。 その背後には、縦列陣の軽機卒ら近づいてきている。敵はあきらめてはいない。あせりさえしていない。
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忍者の里の精鋭 十三鬼将(じゅうさんきしょう) 十三鬼将とは、日本人民軍陸軍第9師団に所属する13個連隊長のそれぞれの連隊長のこと。 小村直人(階級:中佐) 621連隊長。陸軍きっての剣士。戦闘力196。 田鷲恵介(階級:中佐) 622連隊長。火器をとってはおそらく日本一。戦闘力194。 山野秋宏(階級:中佐) 624連隊長。竹槍のスペシャリスト。戦闘力197。 水島省吾(階級:中佐) 627連隊長。空手の名人。戦闘力202。 大戸衛(階級:中佐) 628連隊長。約1000人の兵士をエレメント攻撃から防御できる。戦闘力201。 福良雄二郎(階級:中佐) 629連隊長。忍者並みの機動力で敵を翻弄できる。戦闘力202。 波呂間哲三(階級:中佐) 631連隊長。毒ガスを自由自在に扱える。戦闘力195。 中尾充弘(階級:少佐) 633連隊長。解読不能の暗号を出し。作戦をスムーズに行わせる。戦闘力187。 阿南正一(階級:少佐) 634連隊長。トラッパーで、敵をぞうさもなしに罠にはめられる。戦闘力189。 三好靖朗(階級:中佐) 636連隊長。怪力の持ち主です。戦闘力201。
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現在の連隊長はTeck 5上級大佐。 以下の8部隊からなる連隊である。 独機連と略される。 構成部隊 第2大隊 第4大隊 第5大隊 第7大隊 第10大隊 第13大隊 第14大隊 独立機動連隊直轄砲兵中隊
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丘の想定 第一中隊 地のうねりの中を、敵は進み来る。 隊列を密に組んで、道沿いに進むさまは、まるで河の流れのようだ。それとは違って、地のうねりを上ることもあるし、また、それらは麦の穂のように揺れる長鑓を携えたりしているのだけれど。 それら軍勢の流れの先は、すでにルキアニスたちのある丘の間近に迫っている。それは騎兵たちだった。換え馬を抱えた大きな段列があり、その前には本隊がいる。左右には側衛がいて、本隊に先んじて前衛がいる。その前衛のさらに先に、かなりの間をおいて、小さな騎兵の群れが走っている。 十騎に満たない。たぶん六、七騎の斥候だ。 彼らはは、丘の下に寄せて、頂のこちらをうかがっているようだった。 頂に立つ機装甲には、とうに気づいているはずだ。その上で、丘のすぐ下から、どう応じるかを見ている。連隊長がここにいることに気づいているだろうか。 彼ら騎兵斥候は、馬首をめぐらせた。丘を登らず、丘を巡る道を進み始める。 『騎兵第一、第二小隊』 中隊長が命じた。丘の背後に開いて伏せた、味方の乗馬銃兵へ向けてだ。 『敵騎兵群が街道沿いにそちらに向かっている。阻止しろ』 『騎兵中隊長了解。打ち方用意!』 敵の騎兵斥候は、丘の左の道を、一塊になって押進んでゆく。丘を巡り、やがて丘の背後へと、駆けてゆく。 そのときだった。 白煙が列になって現れる。わすかに遅れて銃声が響く。高い青空へ向かって。 草原に現れた白煙の列は、乗馬銃兵の伏せた形のままだった。道を挟んだ列であるけれど、横一線ではなく、浅く折れた形で、道の敵に銃弾を浴びせつける。 流れる白煙を押し切って、一騎が列を突っ切ったように見えた。けれど、その背には何者の姿も無い。 銃撃の白煙が風に流された後に、打ち倒された人馬の姿がいくつか見える。逃れて退く騎影はずっと多かった。それでもまだ五、六騎の姿がある。 その背に向けて、再び銃声が轟いた。背後から銃声を浴びながら、道を駆け退いてゆく。 けれど丘を巡りはしなかった。巡る道を半分ほども行かぬうちに、道を踏み出し、丘の左手の平野に駆け出して行く。 よく鍛えられた騎兵斥候だった。銃列に飛び込んだのは迂闊だったとしても、そこから逃れ、そして様子を詳しく見取るために、見通しの良いところに自ら向かってゆく。少し離れた地のうねりの上だ。 やがてそこから、一つの騎影が敵の本隊へ向けて駆け出してゆく。すぐにわかった。こちらが守りを作っていることを知らせに戻ったのだ。 伝令の騎影は騎馬の本隊へと駆けてゆく。敵の騎馬の本隊は、敵全体の前衛に過ぎないけれど、それでも十三連隊の騎兵大隊より多く見える。帝國でいえば、正規騎兵連隊くらいあるのかもしれない。 戻っていった伝令の姿は、まぎれてしまえば見分けられなくなる。彼らの指揮官も、様相を検めて、何事か決めるはずだ。 やがて、騎兵の群れはざわめき動きを止めた。見つめて待ち受ける側には、じりじりするような時のあとに、ふたたび動き始める。 いくつにも分かれてだった。 段列らしい大きな群れは、塊のまま道を大きく離れてていった。残りは平野へと踏み出してゆく。 敵も展開を始めたのだ。 その光景を見ながら、丘の頂の連隊長は、変わらぬ風だった。片方の足に重みをかけ、片手は腰にあて、もう片方の手には遠眼鏡を提げている。 シルディール連隊長は、何事も無いというふうに振り返る。吹く風が束ねた髪を揺らした。頬にあたる髪を彼女はそっと押さえる。 シルディール連隊長は顔を上げ、丘の背後の野を見渡している。味方の進み来た道だ。 ルキアニスも振り返った。 そして少し驚いていた。 道を離れて、野に踏み出して進む姿がある。 三群に分かれた騎兵がいて、その後ろをずっと大きな姿が駆け進む。機装甲の三列縦隊だ。前に二列が平行に、つづいて一列が続く。機装甲第二中隊だ。見る見る進む騎兵に、遅れをとることなく進む。 騎兵しか持たない敵に比べれば、打撃力はあるけれど、いかにも少ない。 彼らは、草原を押渡ってゆく。 そしてまだ、道沿いを進む部隊もある。 第七連隊だ。第十三連隊とともに、独立混成第二十一旅団を成す隊の一つだ。そして、第二十一旅団の主力と言って良い部隊だ。 『各機前方に注意!』 警句の声が術式を光らせる、ルキアニスは丘の正面に向き直った。 敵ぼ部隊の流れは、思ったより進んでいる。 すぐにわかった。 敵の軽機卒の一部が、隊を分かれて進んでいた。急ぎ足になり、丘に向かってくる。 ルキアニスにも意図はわかった。彼らは丘からルキアニスたちを追い落として、道の通行を保つつもりだ。 『連隊長、丘に留まり続けますか』 『はい』 中隊長の声に振り向いて、シルディール連隊長はこたえた。軍隊の上級者としては、ほかに無いくらい丁寧な言葉だった。丁寧すぎて、妙な気がする。 『連隊長は、現在位置に機上で待機します』 連隊長の白の三は、大斧を携えて、片膝をつき、主の戻りを待っている。シルディール連隊長は、かつての内戦の折、一人で百機に届かんとする敵を屠ったという。大斧を見て、ルキアニスは脈絡もなくそんなことを思い出したりしていた。 『了解しました』 中隊長の声が術式をきらめかせる。 連隊長がここに留まるということはつまり、向かってくる敵を実力で排除するということだ。 『丘上分遣隊は戦闘準備。レオニダス、アモニスは前衛に指定。キルリス、ウルキウスは後衛とする。前衛は中央、後衛は左右に展開。分遣隊は横隊成せ。射撃統制線は、丘中央。突撃統制は中隊長が成す』 ルキアニスは長槍を携えて、歩を進める。中隊長の左前についた。右前にはマルクスだ。マルクスの斜め後ろにウルキウス機がつく。ルキアニスのほうの斜め後ろにはキルリス機がついた。 敵の軽機卒たちは、もう丘の目前までやってきている。彼らの横隊は、間を大きく開いたものだ。判っていた。投擲隊形だ。 彼らは、まるで見せ付けるかのように横隊を保ったまま、丘の下に足を止める。ざっと数えて、XXはいる。 彼らは、投石紐を振り出し、振り上げて頭上で振り回し始める。 『注意!丘下で、投擲準備態勢!』 丘の下で、広い横隊を組んだ機卒らが、頭上で投石紐を振り回している。 『稜線影へ退避!』 『敵方、投擲!』 彼らは、いっせいに砲丸を放った。残された投石紐が地を打つ。 それは、ルキアニスが想ったものとは、少し違う軌跡を描いていた。 高く投げ上げられ、青空を背にして、それから山なりの奇跡を描いて落ちてくる。 退くルキアニスの、前にばたばたと砲丸が落ちてくる。丘の頂に、土くれが舞い上がり、砂埃が吹き上がる。 『注意!第二射!』 声が響く。投擲の間合いが短い。 その軌跡もまた、高く投げ上げられたあと、山なりの弧を描いて落ちかかるものだった。 丘の頂に、降るように砲丸が打ち付ける。それはささやかだけれど地を震わせ、土くれと砂埃を当たりに漂わせる。 発煙弾のような器用な仕掛けを使わなくても、ほんのひと時、目隠しをつくる。 『敵戦列、前進の模様!』 マルクスの声が響く。彼の機は、開いた手を地に押し付けた姿でいた。それが土の魔道を操る姿であることは知っていた。 「魔道で打ち返します」 『慌てるな』 立ち上がりかけるルキを、中隊長は鋭く制する。 『丘の中腹まで待て。中腹を越えたら投擲攻撃を開始する』 砂埃は風に流され、あたりはふたたび明るくなる。 敵は、斜面を上り始めていた。広い横隊はそのままで、また投石紐を振るう。 彼らは丘を登りながら、砲丸を投じる。 投擲で追い落とせればそれでいい。できなくても数を頼んだ接近戦に持ち込むつもりだ。 砲丸は、先より少なく、先よりばらついて、ばたばたと頂近くに落ちかかる。避けるまでもない。 『全機投擲用意!』 中隊長の命令が、きらめきと共に伝わってくる。 ルキアニスは鑓を地に付きたて、投擲紐を抜き出した。すごいて傷と捩れの無いことを確かめ、砲丸を包む。 『目標を配分する、横隊右翼は敵横隊右翼より攻撃、左翼は敵横隊左翼より攻撃する。投擲用意!一つ!』 要するに、目の前の敵を普通に打てということだ。 『二つ!』 ルキアニスは、勢いをつけて振り上げるようにして、投石紐を頭上に振るう。 『放て!』 声と共に、一斉に放った。 丘の下りに沿うように、四つの砲丸が低く飛び去る。二つは右へ、二つは左へ。 吸い込まれるように機卒に打ち付ける。 『各個射撃、自由打ち方、続けて打て!』 ルキアニスは投擲紐を振るった。鋭く鞭のように振るい、砲丸を打ち放つ。低く飛ぶ砲丸は、狙い違わず、進む機卒に打ちあたる。 鉄の体が揺らいだ。砲ほどの力は持たないが、それでも六听の投擲砲丸を受けて、無傷でいられる機装甲は多くない。 ルキアニスは続けて投擲紐を振るった。砲丸の軌跡は低く、敵の投じる砲丸軌跡の下を飛びぬけてゆく。そのまま機卒に吸い込まれて、打ち倒す。 敵の横隊のうち、正面に見る翼側を、狙い撃ちで砲丸を放っていた。たとえ、あたらずとも、飛びぬけ、地を打って跳ねる砲丸に、機卒の足も鈍りがちとなる。 しかし敵は歩みを止めなかった。だからはじめのような整った横隊ではなくなっていた。両翼は阻まれて、遅れをとっている。 だが、横隊の中央は、阻まれることなく進み出ている。 『前衛、突撃用意。中隊長と共に、突撃する。後衛は、目標変更、敵戦列中央に、投擲三連射。続けて放て』 投げた勢いの投擲紐を振るって、ルキアニスは腕に巻きつける。突き立てていた鑓を手に構える。 横に目を向けた。マルクス機も長鑓を構える。魔道の双眸がルキアニスを見返す。それから、斜め後ろの中隊長機へと目を向ける。中隊長機は、長鑓を携え、前へと踏み出す。 その見る先の敵船列へ、砲丸が名が込まれてゆく。 『最終弾、今!』 『行くぞ!』 オゼロフ中隊長の声が術式の光となってきらめく。 『前列、前へ!』
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ワンナイ王立騎士団>重騎士連隊 エンジェル=ブルームーン団長(Engel=Bluemoon) 女性。家柄が良く、父親もオレント・コー・ナイト/上級騎士の称号を持っていた。 エンジェルも団長に昇格する際、オレント・コー・ナイトとなった。 癖が強すぎる連隊長たちも一目置いている存在。 にっこり清楚お姉さん。ザ・お嬢様。実は身体を鍛えることが大好きで、 毎日8時間の勤務、4時間の魔物討伐、さらに5時間の個人鍛錬を怠らない。 所持遺物:宝石のようなものが埋め込まれたアクセサリーのような形をしている。 以前、街の男性にプレゼントされその場で首につけられたところ、 外れなくなった。その男性は死を覚悟するが、 エンジェルの慈愛により赦された。そしてエンジェルもアクセサリーを気に入り笑顔で対応した。 遺物の能力は、自分以外の重力を(限界があるとはいえ)軽減する。 作画:ひろこん
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切り取ってきたので、全部ではありません。 戦地なのにちょっとのんきで反省していたりもしてw それでも、ここを書かないと駄目っつーか ここを書きたかったんじゃね? みたいな。 というわけで、全部を貼りつつあるので、 その部分を。 ルキアニスは、文章行李を携えて、連隊陣地を歩いた。 連隊ほどの部隊が、陣地を作る場所は、かなり選ばねば、得られない。敵地にそれを求めるのは、たやすくない。すでに敵が占めているか、敵の罠か、あるいは敵に手当てするゆとりがないか、だ。 だから連隊は、敵の思惑より早く動き、敵の思惑を打ち破る力を備えなければならない。臨機襲撃を撃退し、反す刀でこれを打ち破り、敵から目と鑓先の両方を奪い取らねばならない。何度もそう示され、そうするために、あれをせよ、これをせよ、と求められてきた。 丘を盾に陣を敷き、内側へ向かう経路は封じ、そして乗り手は機側で備え、休みあるいは機体を手当てする。 そして連隊本部は、陣地の中心の丘に作られている。連隊本部幕舎の前には、装填した銃を手に、従士が警護する。背後には、連隊旗警護小隊の機装甲が二機、片膝をついて傅いている。 幕舎の入り口をくぐると、すぐに声をかけられた。 「アモニス上騎、どうされましたか」 連隊本部なのに誰もがルキアニスを見知っているようで、居心地が悪い。 振り向くと、連隊先任のマキス従士長だった。黒髪と黒い瞳、それに頬から顎にかけて、黒い髭を蓄えている。たたき上げの本物の兵隊は、戦地でもいつもと何も変わらない。ルキアニスは応えた。 「中隊本部からのお使いです。中隊文章を届けに来ただけです」 「お使いですか」 彼もまた、その言いようが可笑しいらしい。口元に笑みが浮かぶ。 連隊先任従士長といえば、連隊の従士を束ねる役の人だ。ずっと兵隊をやってきた、本物だ。階級の上では、騎士であるルキアニスのほうが上であるけれど、それは内戦のときに作られた学校上がりだからに過ぎない。すぐに失われる少壮騎士を補うための学校だったからだ。 だからマキス従士長のような人が、ルキアニスのほうが階級が上だからと示す敬意も、ひどく居心地の悪いことに思えた。 マキス連隊先任従士長は、従士書記に文章行李の授受の手続きをさせながら言った。 「連隊長にはお会いになりましたか?」 ルキアニスはかぶりを振った。かぶりを振ってから、それは騎士らしくない返事の仕方だと思い、あわてていいえ、と声に出して応じる。 「連隊長は何か仰っていましたか」 「何かということはありません。ただ、気に留めておいでのようでしたよ」 「はい……」 やはり連隊の初陣で、唯一の破損機というのは、看板に泥を塗ったような気がする。 「連隊長はすぐに戻られます」 マキス先任従士長は言った。 「いいえ」 ルキアニスはあわててかぶりを振った。 「その前に帰ります。お使いの用事は済んだし、ぼくから、もとい、わたしから連隊長へ御用事なんて無いですし……」 マキス先任従士長は楽しげにルキアニスを見ている。 「連隊長は、連隊本部に」 警衛騎士の声がする。 ルキアニスは慌てた。 幕舎の入り口が開かれ、搭乗服に軍装の上着をつけただけのシルディール連隊長が姿を見せる。戦地では、指揮官への敬礼は禁じられている。誰が指揮官だか敵にもわかってしまうからだ。なのにここでは、誰が指揮官であるのか一目でわかってしまう。 連隊長のいるところは、いつも連隊長のための場へと塗り替えられてゆく。常の報告のために集まる幕僚たちは、舞踏会の主客に挨拶に訪れる貴人たちのようだ。そして連隊長は、それらを優雅にあしらう。誰と踊るか決められるのは、連隊長だけなのだ。 報告に耳を傾け、了承していた連隊長は、ふとルキアニスを見た。 かすかにうなずいたように見えたのは、何の合図だったのだろう。 「アモニス上騎、こちらへどうぞ」 やっと帰れる、と思ったルキアニスが甘かった。 マキス先任従士長は笑顔で軽く手を上げて制し、そしてルキアニスを幕舎の奥へと押しやる。 「……あの」 けれどマキス先任従士長は、笑顔で軽く指を上げて見せ、連隊幕舎の奥へとルキアニスを押しやってゆく。 入り口の幕をめくり、ルキアニスをおしやりながら、マキス先任従士長は、振り返る。 「従兵、ここへ」 そこは、連隊長が一休みするためのところだ。折りたたみ卓があり、折りたたみ椅子があり、一番奥にはルキアニスたちが使うのと同じ、折りたたみ寝台がある。 連隊長も、同じものを使うんだ、と思う間に、マキス先任はルキアニスを折りたたみ椅子の一つへと座らせる。それから現れた連隊長従兵へ命じる。 「アモニス上騎にお茶を出して差し上げろ。連隊長がお会いになる」 「わかりました」 「先任……」 座らせられた椅子から見上げるルキアニスへ マキス先任従士長は笑みを見せる。 「連隊で、先任従士長に抗っても無駄ですよ」 「そんな……」 「大丈夫、悪いようにはなりません」 お茶が運ばれてきたら、逃げようも無い。 ルキアニスは息をついた。 一つ、良かったな、と思ったことは、そのお茶が中隊本部のものよりも、ずっとずっとおいしかったことだ。 それから、そっと中を見回す。シルディール連隊長の私室に呼ばれたようで、胸が鳴っていた。 しかしここは本当の意味での私室ではない。休みをとり、着替え、あるいは形だけでも身を清めるところだ。行動中の連隊長に、本当のわたくしごとなど無いに等しい。わずかな時を割いて、事の狭間に行う、そのための場だ。 折りたたみ寝台の脇に、折りたたみの可搬棚があり、そこには小瓶が乗っている。香り水だと思った。きちんと折りたたまれた拭い布もだ。そういえばここだけは、土と埃の匂いだけでなく、甘やかな香りがする。 何もかもが素敵だと思った。 目を閉じてみる。 「どうかされましたか、アモニス上騎」 思わず跳ねた。 振り返ると、そこにはシルディール連隊長がいる。笑みはいつものようだ。 「お、お疲れ様です、連隊長」 あとに言葉が続かない。だから思いついたことを言った。 「良い、香りだな、と思って……」 「弟が見つけてくれたのです」 「良い、弟さんですね……」 連隊長は、口元に手を寄せて、楽しげに笑う 「ええ、アドニスにはそう伝えておきましょう」 「アドニスって、アドニス殿下……」 「世間ではそう呼ばれますが、わたしにとっては親族の一人です。私自身は、庶子にすぎませんが」 シルディール連隊長は、中を横切り、上着を脱いで衣文掛けへとかける。身に着けているのは、薄手の搭乗服だけだ。それは彼女が、ほんの少し前まで、機装甲に乗っていたのだ。そうでなければ、馬に乗る。第十三連隊は気づけばそんな部隊になっていた。 すぐに連隊長のためのお茶を、従兵が運んでくる。もちろん、従兵だって、連隊本部と共に移動し、連隊本部のもろもろを乗せた馬車と共に駆け回るのだ。西方駐屯地にいたころはたぶん、もうすこしのんびりしていた。 連隊長は、従兵に軽く礼を言い、それから席につく。 「すみません、連隊の大事な初陣だったのに」 シルディール連隊長は、なぜか楽しげな笑みを見せる。 「失錯を犯したという自覚があるのなら、正せば良いということになりますね」 「……わかりません」 「と、いうと?」 「マルク……もとい、レオニダス上騎に警告されるまで、気づきませんでした。気づいたときには、敵の砲は発射位置にまで押し出されていて、撃たれていました。そしたら、頭、真っ白になってしまって……」 連隊長は、いつもの笑みを浮かべて茶の器を傾ける。 けれど、卓に置かれたもう一方の手の、その人差し指は、かすかにだけれど、卓を打った。二度。 「怖れは誰でも感じるものです。軍人なら、乗り越えてもらわねばなりません」 「全然怖くありませんでした」 ルキアニスは慌ててかぶりを振る。 どう言えばいいのだろう、どう話せば判ってくれるだろう。ひどく胸が打つ。強く握った手の一方をぎゅっと胸に押し付ける。 「……だって、あの力では、あたしを傷つけることも、倒すこともできないって、わかっていました。判っていた。だから、すごく、嫌だった。あたし、怒ってた。お気に入りの服に、唾かけられたみたいに思った。あたし、そんな風に怒ったの、初めて。前の戦のときだって、あたし、怒ったりはしなかったもの……」 はっとして顔を上げた。 「……あ、あの、すみません。あたし……もとい、わたしは、変なことを言いました」 シルディール連隊長は、いつものような静かな笑みの顔だった。 「ええ、普段なら聞かせてくれないようなことでした」 「す、すみません……でも、怖くなかったのは本当です」 けれどルキアニスは連隊長から瞳を逸らし、うつむく。 「あれって、連隊長の仰った、怖れを乗り越えるってことなのかな、と思って……」 「そうかもしれません」 ふと見ると、連隊長の面は、先のように厳しさを潜めていなかった。いや、厳しい面など見せただろうか。連隊長の顔を、じっと見つめても、いまはわからない。そのように思い込んだだけなのかもしれない。ルキアニスだけかもしれない。それが証拠に、シルディール連隊長はいつものような、笑みを浮かべている。 「大事にならず、幸いでした。あなたは、自身で思うよりも、連隊にとって重要な役を果たしているのです」 「……はい」 「それを知っていてほしいと思います。そして、その任に、自ら応えてほしい、と」 「はい」 「引き止めてしまいましたね。アモニス上騎」 「いいえ」 ルキアニスは立ち上がった。 「アモニス上級騎士、部署へもどります」 左胸に拳をあてる敬礼に、連隊長は立ち上がって答礼をしてくれた。 だから、帰りの道は体が軽かった。 一人だったら、きっと跳ねあるいてしまっただろう。
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ちょっと短いが、シル子のためだから。ためだから。 かつ加筆訂正 展開の断章 (7) 案ずるほどもなく、陽が昇れば朝霞は薄れ始めていた。 朝霞が十分に薄れれば、敵騎兵は動き始めるだろう。それどころか今、斥候を派遣して突撃経路を調べていたとしても驚かない。 実際、今こそが連隊にとっては最も危うい時ではあった。連隊本部へ急ぎ向かいながらルキアニスは思っていた。 警戒配置中の連隊は、そのままでは会戦に十分に対応できない。そのための各級隊長格士官の集合命令だった。 朝靄の中の連隊本部は、すでに幕舎も片付けられて、連絡の騎兵の他は警戒陣地とあまり違いは無かった。すでに他の士官らは集まっていて、ルキアニスとマルクスが一番最後になった。互いに互いを最後だと見つけて、最後になるのが嫌で足を急いだのだけれど。 「全員集合しました」 「おはよう諸君」 シルディール連隊長は、やわらかいと言っていい声で言う。 『おはようございます、連隊長殿!』 応じる士官らの声は、ずっと大きく朝靄の中に響く。連隊長はうなずき返し、そして言った。 「我が任務は展開の当初と変わらない」 シルディール連隊長は地面にそのまま盛られた砂山を示す。 「すなわち旅団の敵主力撃滅を援護するため、あらゆる行動をとる」 最終打ち合わせに集合したのは、第13連隊各級幹部だけでなく、第901大隊第2中隊からも来ていた。その部隊から第13連隊支援のために黒の二が送られてきている。連隊長は言った。 「敵陣地の観測が可能となりしだい、旅団は砲撃を開始する。敵の予想行動のうち、我が方にもっとも苦痛であるのは、旅団砲兵への直接攻撃である。よって我が連隊はこれを完全に阻止せねばならない」 連隊長の示す配置は、疎であるけれど、帝國軍の戦列を縮小して転写した形に見えた。連隊は騎兵を主力として銃列を展開する。だが連隊の保有する騎兵は少ない。帝國軍が常としてきた重厚な歩兵戦列を成しようもない。代わって配置されたのは、黒の二の散兵線だ。敵騎兵に対して、黒の二を九機も並べている。 砲兵はそれら戦列の左翼に配置され、斜めに戦列正面を指向している。さらにその左翼にはマルクスの第二小隊が配置されている。 「旅団の攻撃開始以前に敵騎兵が、我が連隊の最左翼を迂回前進したならば、第二小隊は前進し、迂回を阻止せよ」 「小隊のみですか」 「そうだ」 あっさりとシルディール連隊長は応じる。が、さらに続ける。 「その場合、連隊配属の黒の二、混成重機甲兵中隊は前進し、敵の前進そのものを抑止する。連隊は前進し、敵との機動戦闘に入る」 いかにも連隊長らしい果敢な決断だと思う。いまは敵を捜索する必要はない。今、敵は目の前にいて、それをいかに叩くかだけを考えればいい。その敵が旅団の戦列を迂回しようとするなら、機装甲がこちらから突入して、敵組織戦闘力を奪う。 そうでなかった場合、つまり敵騎兵が敵主力と共同して前進、我が方つまり連隊を攻撃してきた場合ついての、連隊長の命令はごく単純だった。 「前進する敵を、魔法攻撃ならびに投擲によって撃破する」 帝國の兵法魔術は、投射距離と効果、発揮回数の三つを、指揮官ならびに幕僚の把握すべきものとして示している。だが連隊長は直接それには触れず、統制線として投擲統制距離を示した。つまりは近距離から、確実に無力化せよということだ。 ルキアニスは、ちらりと同席している901の士官たちを見た。顔は見知っているし、彼らの力も知っている。投擲統制距離を何倍か越えた目標へ魔術を投射できることも知っていた。 「戦闘の進展に伴い、反転攻撃を実施する。前進においては、連隊長がこれを統制する」 最後に、とシルディール連隊長は言った。 「撤退について示す」 失笑に似た笑いが士官たちの間に広がる。けれど連隊長はその笑いには答えなかった。 「敵騎兵の火力阻止に失敗した場合、騎兵は現地に置いて方陣持久を成せ。すべての馬を放棄して構わん。機装甲は騎兵方陣に隣接し、持久せよ」 だが、と連隊長は続ける。 「我が連隊の位置は、旅団の死命を制するところである。我が連隊が崩壊した場合は、第9連隊の放列が危機にさらされ、旅団の戦闘計画は破綻する。また敵が旅団本陣を指向したばあい、そこにおわすアル・カディア王太子殿下の帝國への信頼は失墜するものとなろう」 ゆえに、と連隊長は言った。 「本職の後退すべきところは無いと理解している」 シルディール連隊長は、それでも笑みを浮かべた。ここしばらく見せていなかった姿だ。 「しかし諸君らの勇戦は、帝國の理解するものとなろう。「帝國」に主の恩寵が垂れられんことを」 それは連隊長の命令を終える言葉だった。 『「帝國」に主の恩寵が垂れられんことを!』 「配置に着け!」 士官たちはそれぞれに散ってゆく。ルキアニスも行こうとしたとき、声がかかった。 「ルキアニス」 マルクスの声だった。 「大丈夫そうだな」 「君こそ」 そうは言ったものの、ちょっと強がり過ぎたかなと思った。 「気を付けてマルクス。君は僕よりも難しい役回りを期待されているんだから」 「代わってやろうか?」 「・・・・・・」 少し考え、それから少しの意地悪を思いついてルキアニスは言った。 「わかった。連隊長にそう言ってこようか」 マルクスは片方の眉を上げて見せる。その意味はルキアニスにもわかった。 「・・・・・・」 無言でマルクスは軽く拳を繰り出す。その気じゃない戯れをルキアニスはひょいと躱して、手を振った。 「じゃあ、連隊長をがっかりさせないようにね」 「ぬかせ」 その声を背にルキアニスは駆ける。別に心配などしていない。 歩き出す機装甲の足音が響く。薄まりゆく朝靄を押して進むのは黒の二の姿だ。裾の広がった兜と、花のように開いた肩甲、何より漆黒の姿ですぐにわかる。 三機ずつの黒の二は、ルキアニスを追い越し、統制線である、前を横切る街道へと向かってゆく。さらに続いて歩くのは、もっと細身の機装甲、白の三だ。兜からなびく徽章はそれが連隊長機であることを示している。手にしているのは、他の白の三や緑の三とは違う大斧だ。 連隊長は退くところなど無いと言った。いつものように連隊の先頭に立つなら、連隊も退くところなどない。
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丘の想定 第一中隊 シル子は、行動で指揮する指揮官であることを忘れそうになりました。 シル子は、行動で指揮する指揮官なのです。 状況把握を、幕僚に任せるはずがありません。 彼女自ら現れ、状況を確認し、考えていた選択肢からとるべきものを選ぶはずです。 ということで、クロトワ参謀であった部分を書き換えました。 そうしたら、あっというまにシル子無双となりました。 帝國SSはいろんな意味で「あっというま」仕様なのですが、ケイレイパートは、そういう意味でのあっというま仕様なのです(謎 トイトブルグの森の遭遇戦で、迅速な前進を見せた13Rですが、迅速すぎて、あっというまに敵本隊と遭遇してしまいました。 そのわりには、純粋な戦闘能力では他の機装甲連隊に劣ります。 敵の軍団の縦列前進に対して突っ込めば、いずれ衝撃力を失ってしまいます。 そもそもそれは13Rの任務ではない。 じゃあ、13Rの任務って何だろう、と考えていたのです。その考えがうまく形になったのが、この丘の想定です。 中隊長は、中隊長の認識で敵前衛を撲滅して、連隊の行動余地を大きくすべく行動しましたが、 連隊長たるシル子は、21Bのみならず、21Bの所属する軍団の行動を容易にすべく行動するはずです。 森にほどちかい独立丘は、良い肩部として、戦闘展開のよりどころになるでしょう。 戦場の地形を、どのように利用するかで、占領して排他的に利用することは、基本的な利用法ですが、より大きな判断と、行動の自由があれば、別の使い方もするでしょう。 シル子は、そうする、という話を書きたかったのです。 で、何が大変って、そりゃ彼女の視点の広さが>< ルキアニスは駆けた。 緩い斜面を一気に下り降り、道を踏み出し、緑の野を駆けた。 その大きな地の盛り上がりを駆け上がる。隣にはマルクスの白の三がともにあって、同じく駆けている。 前には、中隊長の白の三が駆ける。 その背中を追った。駆ける姿の前には、丘の登りと、少し遠く頂と、青空が見える。頂の近くには、先導役だった二機がすでに膝を着き、待っていた。 生身で駆ければあえぐような丘も、白の三によれば、たやすい。やがて頂近くに至り、中隊長は手を上げて止まれと示す。 足を緩め、ルキアニスは頂の少し下で、膝をつき構える。そこからは、丘の左側がよく見えた。ルキアニスたちの使っていた街道は、丘の左側を大きく巡って、丘の向こう側へ伸びてゆく。向こう側を見るには、稜線を越えるか、頂に立つかしかない。頂の間際には、中隊長機が身を低くして、向こうを伺っている。先んじて丘についていたキルリス機とウルキウス機も稜線のこちら側にいる。 『状況は』 中隊長の声が術式ををきらめかせる。キルリスが応じた。 『敵軍主力と思われます。大部隊です。行軍序列で侵攻中』 『落ち着け』 言って、中隊長は頂に機体を立ち上がらせる。 『丘頂上で警戒に入れ』 『立ち上がっても構いませんか』 マルクスの問いかけに、オゼロフ中隊長は笑って応えた。 『ここに何者かがいることがわからんと、敵の騎兵が占拠に来る。味方の展開を見せてやらずとも良いだろう』 丘の頂き近くで、白の三が立ち上がってゆく。先導のままいた、キルリス機、ウルキウス機と、オゼロフ中隊長機、それからマルクス機がいる。ルキアニスをいれても五機の白の三だ。 ルキアニスは振り返った。中隊長の言うとおり、ここからは味方の展開が良く見える。今まで通ってきたところもよく見えた。 この丘は、ほかより一つ高くなっている。あたりには類するほどの高さのものはない。丘のやや後ろには、負の第一と呼ばれた地のうねりがある。その稜線の後ろには、道を挟んでまる一個中隊の白の三が膝をつき、待っている姿が見えた。 伸びる道の右手には、少しはなれて森が始まっている。左手は地のうねりある平野だ。道には、進行中の連隊主力の姿も見えていた。それらは、すでに道の左手の野に踏み出し、駆け始めている。 第十三連隊は、騎兵大隊と機装甲大隊があって、形の上では大きな編成になっている。けれど実際には、四個の騎兵中隊と、二つの機装甲中隊が主力だ。決して、大きくは無い。 そして気づいた、砂埃をかきたてて、駆けてくる機体がある。その姿は、負の一の稜線際で、ひと時とまり、る騎影がある。その姿は、負の一稜線を越えて草原に踏み込み、この丘を駆け上がってくる。魔導の瞳を凝らさなくても、すぐにわかる。連隊長機を示す飾りをつけているから。 シルディール連隊長機だ。それは警衛の機を二機従えて、この丘を駆け上がってくる。 ルキアニスは言った。 「中隊長、連隊長がこの丘に向かってきています。まもなく到着」 『了解』 オゼロフ中隊長は、それほど驚いていないようだった。彼の機は、どうということも無いように振り返る。当然といえば当然のことだ。戦場で迂闊に上級者への礼を示せば、逃さず狙われる。 丘を登っていた白の三たちは、ただの増援か、連絡のように頂の後ろに膝をつく。警衛の二機も同じだった。連隊長機の背中の一角が開き、そこから彼女が姿を見せる。狭い乗込み孔と、そこを守る重い甲蓋のあいだから抜け出して、彼女はいちど、乗込み孔の縁に腰掛ける。 春の風が高く結った一本束ねの髪を揺らせた。 彼女は、乗込み孔から抜け出すときにすら優雅だった。縁に腰掛け、甲蓋の縁に手を添えながら、両膝をそろえて高くあげ、抜け出して足掛けに乗せる。 それから軽い動きで機装甲の背を降り、腰のところから飛び降りる。 束ねた黒髪が跳ねて踊り、すぐに身を起こす。丘に萌える緑の草に、彼女の黒い軍装の姿は良く栄えて、まるで絵姿のようだ。丘の頂を歩いてゆく彼女を、機を降りた警衛の一人が追う。頂きでは中隊長も、機を降りて彼女を待ち受けていた。 青空を背に、何気なく立つだけでも、彼女を見分けることができる。体にあった搭乗服が、彼女ら示唆を浮き立たせるだけだからじゃない。何かが、彼女へと瞳を導く。 彼女は隠しから遠眼鏡を取り出して、丘の向こうを見ていた。 ルキアニスもまた目を向けた。機装甲に乗っていれば、魔道の双眸の力を得ることが出来る。 地平線の地のうねりと、そこから伸びてくる道がかすんで見えた。 道に沿って、揺れ動く不思議な穂の群れも見えた。目を凝らせば、それは穂などではないことが判る。それは鑓を携えた密な人の陣だった。縦長の陣を作って、それらは道沿いに進んでくる。沿って歩く道にあわせて、わずかにうねり、わずかにゆがみながら、それでも陣の形は守りながら、向かってくる。 それは一つではない。細長い穂の陣の前には、さらに一つあり、その前にも一つある。そうやって穂の陣も、道に沿って連なるように続いている。地のうねりに見え隠れしながら進む来る、陣の連なりの前には、人の姿よりずっと大きなものらの陣列があった。 人の高さで、三人分といった背丈だろうか。もちろん、人の姿ではない。歩くときに不器用に揺らす肩は、鉄の造作であったし、それが立てて抱える鑓は、歩くたびに穂先を大きく揺らせる。体は角ばったつくりで、足もずいぶんと短く見える。もう一方の腕には大きな盾を携えている。鑓と盾とを携えて、遠目にはかわいらしくすら見える。 戦列機卒だった。帝國では、すでに戦列に使うことを止めてしまったものらだ。魔導で人のごとく動くものとしては、もっとも低い格の作りだった。 敵の戦列機卒もまた、の長い陣を、列に連ねて歩み来る。 機卒の列はそれで終わりではない。陣列のさらに前にも、機卒らの姿がある。鑓を携えているが、盾は備えていないものらだった。よく見れば、盾のみならず、甲の類もいくらか取り払われている。 ルキアニスにはすぐにわかった。彼らは、ルキアニスたちと同じ任にあたる軽装機卒だ。 「……」 かなりの数がいる。思わず嘆息とともにこぼしそうになって、ルキアニスは口をつぐむ。前にも、うかつな言葉に魔力が載ってしまって、風水晶で広げてしまったことがある。新しい術式は、前よりよく拾うようになったから、気をつけないといけない。今は連隊長が聞いているだろうから。 ルキアニスはそっと息をつく。ふたたび丘の向こうを見やった。 戦列機卒の陣列の、さらに前には、いくつかのかたまりとなって騎影が走っている。数は、連隊の騎兵大隊より多い。連隊くらいの数はある。 先導の騎兵だけで、連隊級をもつ、全体でははるかに大きな、ひょっとしたら帝國の基準で軍団級の戦力かもしれない。 このままでは、いくらもしないうちに前衛騎兵が丘のすぐ前にたどり着く。半時かそこらで、軽歩兵機卒の集団が、投擲距離に来る。その後ろには戦列機卒がいる。 一時かそこらのうちに、敵集団の前衛がこの丘に押し寄せてくる。 連隊長はどうするのだろう。 彼女は、丘の向こうを見やり、振り返って警衛のものに何かしら言い渡している。また中隊長に向かって何かの指示をしていた。警衛士官の開き、何事か書き記していた帳面から、一枚を抜き出し、それを中隊長へと示し渡している。 何かが決まったらしい。 シルディール連隊長は振り返り、そしてこんどは明らかにルキアニスたち機装甲を見上げ、見渡した。 『お疲れ様です』 彼女の声は、風水晶の術式を通しても特別な響きに輝いて聞こえる。 『諸君らに示された中隊長決心は、連隊の行動にあわせて若干の変更がなされました。いささかの困難は伴いますが、諸君なら果たせると期待しています』 見やる彼女の胸元で、風水晶はきらめいた。 『敵をここに吸引します。諸君らには、そのための任を果たしてもらいます。同時に、重要な任を伴います。投擲攻撃能力を持つ、敵軽機卒群の撃破、可能なら組織戦闘能力を剥奪してください。その後、適切な時期を選んで、この丘より離脱、丘を敵に明け渡します。敵にここを固守してもらいます』 シルディール連隊長は、静かな笑みを浮かべる。いつもお、何事にも動じないゆとりの笑みではない何かを。 『細部は中隊長から。中隊長は、ここで直接指揮を取ることを決意されました』