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(やさか かなこ) 「生カシテハ返サン・・・」 LV HP 力 速 体 知 種族 サイズ EXP ドロップアイテム 5 444 57 37 10 25 妖魔 3x3 青の巫女服 ※ドロップアイテムは100%ドロップする。 属性耐性 状態異常耐性 フィールド耐性 特記事項 善吸収、水に弱い 眠り、麻痺 毒吸収 逃亡不可 ※Ver1.05時点のステータス。 使用技(通常時) 二連装88ミリ砲 有射程の斜め攻撃。高威力。 巻きつき 隣接攻撃。手固めの追加効果あり。 使用技(発狂時) 二連装88ミリ砲 連射 有射程の斜め攻撃。超高威力。 巻きつき 通常時と同様。 攻略 洩矢 諏訪子と共に襲い掛かってくる。 攻撃の威力が全般的に高い上に、諏訪子が倒されると発狂し、 「二連装88ミリ砲」が「二連装88ミリ砲 連射」に差し替わる。 「二連装88ミリ砲 連射」は通常のレベルでは即死するクラスの大ダメージを叩き出すため、 発狂時は位置取りを特に慎重に行うか、 諏訪子と同時に神奈子を倒すようにして発狂自体を封じる必要がある。 また、神奈子・諏訪子共に毒フィールドに耐性を持つため、 諏訪子がよく使う毒フィールド生成攻撃との連携を封じないと、 フィールドダメージ回復時の仕様により長期戦を強いられる可能性が高い。 幸い、神奈子のHP自体はさほど高くはなく、 諏訪子と違い毒以外のフィールドへの耐性を持たないので、 爆裂花火やプロトスパークなどの、 他のフィールドを生成する攻撃アイテムや技を上手く使いながら攻めよう。 キャラクター概要 初登場は東方風神録ステージ6のボス、及びExtraの中ボス。 風神録以降もダブルスポイラーにてLevel11のターゲットとして登場するなど、その存在感は衰えていない。 さらに剛欲異聞ではプレイアブルキャラとなり、独自で石油流出の調査に向かうことになる。 「乾を創造する程度の能力」を持ち、外の世界では神様と崇められていた。 しかし、外の世界の人間が神への信仰を失いつつある現状に危機感を持ち、神社・湖ごと自身を幻想郷に移動させると言う荒業を行い、幻想郷に引っ越してきた。 + 本作に於ける八坂 神奈子(シナリオのネタバレ注意!) 帰還編では、早苗に「帰ったら宴をしよう」という趣旨のメッセージを送っていた。 しかし、早苗が死亡したことで、その宴が行われることは永遠に無くなってしまった。 幻想編では、早苗を喪った悲しみの為か、早苗がいなくなったことにより信仰を失った為なのかは不明だが、 諏訪子ともども狂ってしまい、神社に来るものを無差別に襲うようになってしまっている。 Chapter1にて、神社に通りがかった人間に襲いかかろうとしていたところに、 幽香が早苗に渡した魔の塔の鍵を手に入れるために守矢神社に訪れた魅魔たちと遭遇し、 人間を守ろうと立ちはだかった魅魔たちと戦闘になる。 戦闘の際はメカニカルな蛇のようなものと融合した異形の姿に変貌しており、 発狂時に倒すと、「サナエ・・・セメテヒトメ・・・ミタカ・・・ッタ・・・」と言い残し倒れる。
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神奈子4 新ろだ2-178 「それでは出かけてまいります、神奈子様、諏訪子様」 縁側に座る神奈子の隣で帽子の手入れをしていたら、早苗がやってきた。 最近は早苗も幻想郷に慣れてきたのか、来たばかりの頃より明るくなった気がする。 「早苗ったら、最近元気だね。かっこいい男の子でもいた?」 「もう、諏訪子様ったら。博麗神社の霊夢さんのところに行くだけですよ」 困ったように笑う早苗。……うん、からかっては見たけど、この感じはまだだね。 「昔の私みたいに、いい人を見つけなよ~? 思い出すなあ、普段は『諏訪子様』って呼ぶんだけど、オフの時には『ケロちゃん』、 二人っきりの時には愛情を込めて『諏訪子』って囁いてくれてね……」 「諏訪子、そのへんにしときなさい」 半分のろけの思い出話を続けようとした私に、神奈子が釘をさしてきた。 「何よ~、じゃあ神奈子のコイバナ聞かせてよ、早苗の参考になるように」 「……うるさいな、そんなものあるわけないだろう」 「じゃ、じゃあ行ってきますね!」 このままじゃいつまで経っても出られないと思ったか、早苗は飛んでいってしまった。 何となく話の腰を折られたようになって、私も神奈子も黙って座りなおす。 ――とはいえ、まだ終わらせるつもりはないんだけどね。 「……で、どうなの、コイバナは」 「何もないと言ったはずだけど」 「そっか、現在進行形で発生中だから、まだ話せる段階じゃないよね」 「なっ……!」 「ほら、噂をすれば」 裏手の方から回ってきたのは、○○だった。 外の世界から迷い込んできたところを神奈子が見つけてきた人間だ。 「神奈子様、掃除終わりました!」 「あ、ああ、ご苦労だった」 嬉しそうに話す○○と、ぎこちなく答える神奈子。 ○○が来てから、幾度となく繰り返されてきた光景。 「今日は間欠泉地下センターの視察にいらっしゃるんですよね。その、一緒に行ってもいいですか?」 「ん?ああ、いや、ちょっとどうなるかわからないな」 「そうですか…………もしよければ、出発する時には、教えてくださいね!」 少し肩を落としたのもつかの間、○○は笑顔で去っていく。 彼は神奈子に一目惚れしたようで、よく懐いている。 まあ、神奈子もちょっと固いところがあるけど美人だし、 『フランクな神様』をスタンスにしてからはそうとっつきにくいわけでもないから、わからなくもない。 意外なのは、さして特徴のない○○に神奈子も惚れているらしいということ。 何かがツボに入った、ってことなのか、こればっかりは数百年付き合ってる私にもわからない。 「『一緒に行ってもいいですか』だって。よかったじゃない」 「……さっきからうるさい。だいたい私は別に何も――」 一方で、数百年付き合っているからこそわかることもある。 「……神奈子さあ、最近何かあった?」 「何か?それは――」 神奈子の○○に関することへの態度が、以前よりも妙に頑ななのだ。 具体的には数ヵ月前から。そう―― 「神無月に出雲行ってから、なんか変だよ」 「う……」 「何か言われた?」 日本中の神が出雲に集まる10月、神無月。 守矢神社からということで一緒に行く時、私は極力神奈子を立てるようにしている。 表向きの祭神が私を負かした神奈子だから、というだけじゃなく、 出雲が神奈子にとって、人間でいうところの実家のようなものだからだ。 連絡らしい連絡も取っていない実家に年に一度だけ帰るというのは、 私には想像するしかないけれど、あんまり楽しいことばかりじゃなさそうだ。 「……言われたことはいつもと同じ。『縁結びの神社に連なる身なんだから、いい加減に相手を見つけなさい』とさ」 「いつものことじゃん、数百年前から――あ」 そっか、去年までと違って○○がいるんだ。 「――私は、本当に○○のことが好きなんだろうか。 数百年せっつかれてきたのに従おうとして、○○を巻き込もうとしてるだけなのでは」 あ、○○が好きだってことは一応認めるんだ……じゃなくて。 「出雲には黙っておいて、幻想郷でイチャイチャすれば?」 「そんな、○○を日陰の身にするような真似ができるわけないだろう!」 「……そういうセリフが出るなら、多分神奈子は本当に○○が好きなんだと思うよ」 実際黙ってたってばれるものじゃなし、別にいいような気もするけど。 とは言え。 「迷うのもいいけどさ、あんまり迷ってると、○○の時間がなくなっちゃうよ?」 私達には無限とも言える時間があるけれど、ね。 「……そうだな」 「ちゃんと想いを伝えれば、数百年経って子孫が元気にしてるのを見る幸せもあるって」 「ああ、それは諏訪子と早苗見てるとわかる……って子孫!?い、いきなりそんな」 あはは、神奈子ったら乙女なんだから。 「出雲絡みで何かあったら、神奈子が守ってあげればいいって」 「……うん。すまないね、こういうことに限っては、諏訪子の方が上手だな」 「ちょっと、限ってはって何よ?」 だいたい上手って言っても0か1かの差で、私だって広く軽く百戦錬磨、ってわけじゃない。 ……聞かされてたのろけが自分の先祖の話だって知ったら、早苗どう思うかなあ。 「よし、○○と一緒に間欠泉地下センターに行ってくる」 立ち上がる神奈子。どこからかオンバシラが飛んできて、背中に装着される。 正装……らしい。 「諏訪子、オンバシラずれてない?」 「……うん、大丈夫みたいだよ」 何か他のものがずれてる気もするけどね。 「じゃあ行ってくるわ。……おーい、○○ー!」 吹っ切れたのか、神奈子は堂々と歩いて行った。 これで少しは何かあるかもしれない。 ……ただ、どうも神奈子も○○も自分の片思いだと思ってる節があるんだよね。 「たぶん、進展するのにはまた時間かかるんだろうなあ」 聞こえないように独り言を言いながら、私は友人の後ろ姿を見送った。
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はた迷惑な謎の神様「八坂 神奈子」 「洩矢 諏訪子」 読み:はためいわくななぞのかみさま「やさか かなこ」 「もりや すわこ」 カテゴリー:Extra/女性 作品:東方混沌符 属性:水風 ATK:3(+1) DEF:4(+1) 【エクストラ】〔「八坂 神奈子」 「洩矢 諏訪子」〕 [永続]自分の 東方混沌符 のパートナーが【裏】の場合、【レスト】のこのキャラをガードキャラに選ぶことができる。 Battle 〔【スタンド】から【レスト】にする〕目標のキャラ1体に2ダメージを与える。自分の「東風谷 早苗」が登場している場合、かわりに4ダメージを与える。 R:わざわざ本殿まで訪れた参拝客、只で帰す訳にもいかないでしょう? SR:表向きは神奈子の神社。でも、実質は私の神社 illust:とんとろ TP-226 R SR 収録:ブースターパック「OS:東方混沌符 2.00 追加パック」 参考 ネームが「八坂 神奈子」であるキャラ・エクストラ一覧 諏訪子様の仰るとおりに「東風谷 早苗」 「洩矢 諏訪子」 神奈子様の仰るとおりに「東風谷 早苗」 「八坂 神奈子」 神さびた古戦場「八坂 神奈子」 明日ハレの日、ケの昨日「八坂 神奈子」&「洩矢 諏訪子」 山坂と湖の権化「八坂 神奈子」 乾を創造する程度の能力「八坂 神奈子」 乾を創造する神様「八坂 神奈子」 マウンテン・オブ・フェイス「八坂 神奈子」 はた迷惑な謎の神様「八坂 神奈子」 「洩矢 諏訪子」 あゝ風の神よ神湖の地に「八坂 神奈子」 ネームが「洩矢 諏訪子」であるキャラ・エクストラ一覧 諏訪子様の仰るとおりに「東風谷 早苗」 「洩矢 諏訪子」 明日ハレの日、ケの昨日「八坂 神奈子」&「洩矢 諏訪子」 愉快な日本の神様「洩矢 諏訪子」 巨大人形「非想天則」 坤を創造する程度の能力「洩矢 諏訪子」 坤を創造する神様「洩矢 諏訪子」 土着神の頂点「洩矢 諏訪子」 ネイティブフェイス「洩矢 諏訪子」 ケロちゃん風雨に負けず「洩矢 諏訪子」 はた迷惑な謎の神様「八坂 神奈子」 「洩矢 諏訪子」 ネームが「東風谷 早苗」であるキャラ・エクストラ一覧 麓の神社「射命丸 文」&「東風谷 早苗」 霊山に風が吹く「東風谷 早苗」 諏訪子様の仰るとおりに「東風谷 早苗」 「洩矢 諏訪子」 神奈子様の仰るとおりに「東風谷 早苗」 「八坂 神奈子」 我欲の巫女「東風谷 早苗」 巫女二人「博麗 霊夢」 「東風谷 早苗」 山の新人神様「東風谷 早苗」 奇跡を起こす程度の能力「東風谷 早苗」 奇跡を起こす人間「東風谷 早苗」 八坂の神風「東風谷 早苗」 信仰は儚き人間の為に「東風谷 早苗」
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諏訪子3 9スレ目 939 諏訪子にお仕えするのは喜びだ。 我々を優しく包む、母性に惚れ込んでしまったら、彼女なしの生活などありえない だからこそ、彼女に弾丸を打ち込む不定の輩に思いっきり祟りをかけたかったのだが……止められてしまった。 逆賊め、諏訪子様の寛大な御心に感謝するがいい。 あ、次俺の出番? ミシャグジNo.4〇〇、交差段幕として今出陣!! え?発射方向は後ろ?そんなぁ~~ ミシャグジな〇〇ってアリだよね? キャラ同士制限に引っ掛かったらスマン ─────────────────────────────────────────────────────────── 10スレ目 435-436 「ただいま~~」 「お帰りなさい、洩矢様、お食事どうしますか?」 「ごめんね~、もう食べてきちゃった~、お風呂沸いてる?」 「はい、先ほどいれた所です」 「じゃあお風呂入ってくるね~ふんふふ~~ん♪」 「なんだ諏訪子帰ってきたのかい?」 「はい、そのままお風呂に行かれましたけど」 「最近上機嫌で麓の方に頻繁に行くけど何やってんだろうね」 「分かりませんがあまり麓に下りないほうがいいと思うんですけど」 「なんでだい?諏訪子は神だよ、そこらの妖怪が束になっても諏訪子に傷一つつけられないよ」 「そこは心配してないですけどその……里で幼女趣味の人に襲われてないかと思って」 (…………早苗も結構言うね)「ま、まあどうしても心配なら明日諏訪子の後をつけて行こうか」 「そうですね」 「どうしたの~?」 「なんでもないよ、諏訪子は明日も出かけるんだろ?」 「そうだよ、帰るのも今日と同じ時間ぐらいになりそうだから晩ご飯いいや」 「分かりました」 「じゃあお休み~」 「お休みなさい」 ~翌朝~ 「ごちそーさま!それじゃあ行って来るね~」 「はい、いってらっしゃいませ」 カチャカチャ 「んじゃ私たちも後つけようか」 「はい」 ~少女尾行中~ 「……今更ですけど、後をつけたりしていいんでしょうか?」 「本当に今さらだね、早苗だって気になってるから後をつけてるんだろ?」 「ええ、まあそうですけど……」 「お、民家に入って行ったよ、どうやらここが目的の場所らしいね」 「ドキドキ、ワクワク」 「……ノリノリだねぇ」 ガチャ 「やっほー○○元気~?」 「元気も何も昨日会ったばかりじゃない」 「人間は弱いから昨日元気でも今日はどうか分からないからね」 「はいはい、俺はいつも通り元気だよ」 「それならよろしい♪」 「で、今日も晩飯食ってくのか?」 「うん、○○のご飯はおいしいから好きだよ……○○も」 ボソッ 「ん?最後の方が聞き取れなかったけどなんか言ったか?」 「な、何でもないよ!!」 「二人ともすごく仲いいですけど漏矢様、彼の事好きなんでしょうか」 (何処かで見た顔だとおもったら雰囲気といい諏訪子の旦那にそっくりだね) 「多分好きなんだろ、なんだい早苗、あの男に一目ぼれでもした?www」 「え?そ、そんなことないですよ?/////」 (図星か、ああいう男が好きになるなんてやっぱり血筋かな) 「ほら、二人の邪魔しちゃ悪いし帰るよ」 「え?せめて挨拶だけでも」 「人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて地獄に堕ちろとかいうだろ、ほら、行くよ」 ズルズルズル 「イヤーヒキズラナイデー!」 「なんか声聞こえなかった?」 「私は何も聞こえなかったけど?どれよりさ、ぎゅぅって抱きしめてよ」 ギュゥ 「これでいいか?」 「もっと強くして、離さないでね」 「諏訪子が飽きるまでずっとしてやるよ」 「えへへへ、○○、好きだよ」 「ああ、俺もだ」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 10スレ目 485 ●●は、生け贄にされるはずだった。 ミシャグジのお告げを受けた神主は、例外なく私に命を捧げてきた 別に私が血肉に餓えているわけではなかったが、信者達……いや、王国の国民たちは、それが信仰の証だと硬く信じていた。 状況が変わったのは、神奈子に征服されてからだ。 私に対する王国の信仰心を、なんとか神奈子が得ようと無駄にあがいていた。そこで誰の目にも明らかにキャッチーな「人間の生け贄廃止」を謳ったのだ。 だが国民たちは当たり前のように生け贄を続け、神奈子の計画は失敗した。 だが、国民は逆らっても私が逆らうわけには行かない。 私が降伏した意味がなくなってしまえば、国民は軍隊に踏み躙られるだろう。 だから私は、生け贄になるはずだった●●を婿に迎えることで生け贄の必要性を下げたのだ 私にとって誤算だったのは、私が本気で●●を好きになってしまったことだ。 私を、ただの女の子として扱った初めての男性だった。 身も心も、●●には全て許した。永遠の愛も誓った。 だが、●●は人間だ。 当時としては非常に長生きで、40歳に届いた頃、寿命が尽きた。 寂しく、悲しかったが、彼との間に授けた子達が支えてくれた。 子供たちが神奈子に仕えることで、国の内外も安定した。 ずっとずっと、●●の面影を子孫に追い続けていた。 「――幻想郷暮しも悪くないわね」 「洩矢様にそう言って戴けると助かります。なにしろ八坂様はお一人で決めてしまいましたから」 早苗は、プラスチックの食器を片付けながら安堵のため息を吐くように答えた。右手の人差し指で、軽く右頬を掻く仕草。●●が安心したときの仕草そのもの。 「ところで早苗、お付き合いしている男性がいるって本当?」 あぁ、おたおたと慌てる仕草は似てないのね。 少し悲しいわ。 でも、神奈子と違って文句なんて付けない。 ●●の血を継ぐなら、相手なんて誰だっていいもの。 「〇〇って言うの? え?まだ告白してないの……今度神奈子と私に会わせなさい。 しっかり見定めてあげるわ。神奈子の評価は厳しいわよ~」 数日後、〇〇と連れ添うように歩く早苗を見かけた。 一目で解った 〇〇は、●●の生まれ変わりだ。 ぞくりと、それに気付いた私に芽生えた感情の恐ろしさと背徳感に背筋から震えた…… 続くかも ケロタンヤンデレ計画 ─────────────────────────────────────────────────────────── 12スレ目 281 「あのね○○、蛙はね寒いと死んじゃうのよ」 「そんな理由で神棚からいきなりワープして俺を拉致ったんですかい」 「そう、これは命に関わるのよ。 決してさっきテレビでやってた「実録!幻想郷に悪霊が存在した!」が怖かった訳じゃないのよ」 「はあまあそういう事なら添い寝しましょう」 「ね、ね、○○」 「はい?」 「眠れないからお話して」 「・・・むぅ、じゃあまあ。 信じようと信じまいと・・・これは外の世界で本当にあったry」 ガクブル震える諏訪子様が気持ち良くて熟睡ですた。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 12スレ目 512 天狗のいわく、 胸でチョコの型取りをしてプレゼント、 っていう物語的な悪習は、 一度だけ例の白黒魔法使いの友人が彼女にプレゼントしようとした事があるらしい。 いやまあ、結果として渡せなかったらしいが。 とはいえこれは良いかもしれない。 破廉恥な手段とはいえ、 ここまで直接的なアプローチをかければ、 焦ってくれるか笑ってくれるか、 冗談でも本気でも話題程度にはなるかなと思い、作ってみる事にした。 作り方こそ簡単に調べられるものの、 早苗に占領された台所を使うのは難しいので、 氷精の所で一緒に作る事にした。 流石にそこで型取りする訳にもいかないのでとりあえず自宅で型を作ろうとした。 そして気付いた、 私には胸が無かった。 「という訳で普通のチョコになっちゃったよ・・・ あーうー・・・ごめんね○○?」 感想:あめえ ─────────────────────────────────────────────────────────── 12スレ目 693 au(あーうー) K(ケロちゃんと)D(電話)D(で)I(イチャつこう) (諏訪子、黒電話のコードを指に絡めながら) 『はい、○○です』 「もしもし、諏訪子だよー」 『あ、諏訪子様こんにちは』 「○○、明日は暇? 最近来てくれないから寂しいな」 『うっ……わ、わかりました。 明日は仕事早めに切り上げて守矢神社に行きます』 「えへへ、待ってるよー」 おまけ K(ケロちゃん)D(電話)D(代)I(いいのかい?) 「ちょっと諏訪子、電話代がもったいないでしょう? 私にも代わりなさい……もしもし○○? 私はともかく、諏訪子と早苗が寂しがってるから たまには顔出しなさいよ?」 「あの……お二人とも、そもそも幻想郷で どうやって電話を……」 「あ、心配いらないよ。 私と○○用のホットラインだから……ほら」 そこには守矢神社から○○の家まで 一本につながった無数のミシャグジさまが ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1034 >>202から ○○「あ~う~」 諏訪子「ほらほらこっちだよ♪あ~う~」 神奈子「二人ともすっかり仲良くなっちまって」 早苗「そうですね……でもこれからどうしましょう……」 早苗が博麗神社からの帰りに、捨て子を見つけてきたのだ 神奈子「いつまでもここに居させるわけに行かないし……」 早苗「やはり里親でも探した方がいいのかもしれません」 諏訪子「イヤだよ!!」 神奈子「諏訪子!?」 早苗「諏訪子様!?」 諏訪子「この子は私が面倒を見る!!立派に育ててみせる!!」 神奈子「そうはいってもな……。諏訪子は神様だぞ?その赤ん坊とはずっと一緒というわけにいかないんだぞ」 早苗「そうですよ諏訪子様。育てるといってもその命の重大さはとても重いんですよ?」 諏訪子「……いいよもう!!私がこの子を一人で育てるから!!この神社を出て行くよ!!」 神奈子「……ああ、そうかい。勝手にしな」 早苗「ちょっと神奈子様!?」 諏訪子「……じゃあね神奈子、早苗」 そういって諏訪子は○○を抱き上げて神社から飛び出していった 早苗「神奈子様!!いいんですか!?諏訪子様出て行っちゃいましたよ!!」 神奈子「いいのさ。わからずものには少しばかりお灸をすえてやらないと」 早苗「……やはり私諏訪子様を探してきます!!」 早苗も神社から飛び出していった 神奈子「……子供を育てるって言うのはそんなに簡単なことじゃないんだよ諏訪子……」 一方そのころ諏訪子と○○は… 諏訪子「……あんな事言ってきちゃったけど、どうしよう……」 ○○「あ~う?」 諏訪子「……ふふ、○○は優しいんだね……」 ???「おい、そこで何をしている!!」 諏訪子「!!」 ???「ん、誰かと思えば守矢神社の神様じゃないか」 諏訪子「お前はハクタクの……」 慧音「上白沢慧音だ。こんなところでどうしたんだ?」 諏訪子「実は……」 慧音「なるほど、住むところに困っているならちょうど良い。空き家を貸してもらえるように頼んでみよう」 諏訪子「ありがとう」 慧音「早速聞いてみてみるからそこで待っててくれ」 その場から慧音は里の方へ飛んでいった ???「諏訪子様……」 諏訪子「……帰る気なんてないからね。早苗」 早苗「どうしてですか?そんなにその子が大事ですか?」 諏訪子「……昔、私も子供を拾ったことがあって、でもそのときは戦争中で……殺されてしまったの。とても小さい赤ん坊だったのに……」 早苗「っ!!」 ○○「あ~う~あ| 諏訪子「……この子はその子に似ているのよ。とても……だから今度こそ守りたいの。私の手で」 早苗「諏訪子様……」 慧音「なんだ巫女まできていたのか」 諏訪子「どうだった?」 慧音「問題ない。今からでも住んでも大丈夫だそうだ」 諏訪子「じゃあ今からその家に行くわ」 慧音「巫女と話していたのでは?」 諏訪子「……もう話し終わったから大丈夫よ。……今度こそさようなら早苗」 諏訪子はその場から飛び去っていった 慧音「いいのか?あのままで」 早苗「……」 上空 諏訪子「……今度こそ私が守るから……」 ???「ちょっと待ちな諏訪子」 諏訪子「神奈子……何するの、邪魔よ」 神奈子「あなたにその子は預けられない」 諏訪子「なんで神奈子にそんな事いわれなくちゃいけないのかな?」 ○○「う~?」 神奈子「そんなのあなたに資格がないからにきまってるからじゃない」 諏訪子「なら、神奈子は私をどうするの?」 神奈子「ここで倒すわ。そしてその赤ちゃんの里親を探す」 諏訪子「そんなことはさせない!!」 ~諏訪子 祟符「ミジャグジさま」~ ~神奈子 神符「神が歩かれた御神渡り」~ 諏訪子「くっ!!」 その瞬間、○○の手が諏訪子から離れた 諏訪子「○○ーーー!!!」 神奈子「早苗!!」 早苗「はい!!」 ちょうど早苗が○○を抱きかかえる状態で受け止めた 諏訪子「○○!!○○!!」 早苗「だいじょうぶですよ諏訪子様。○○は無事ですよ」 諏訪子「ほっ……」 神奈子「わかったかい。今のあんたじゃ妖怪にですら負けてしまう。○○を守りながらなんて無茶にもほどがある」 諏訪子「神奈子……でも、でも!!私は!!」 神奈子「別にあんた一人だけで○○を守ろうと考えちゃいけない。私や早苗もいるだろ?」 諏訪子「あっ……」 早苗「私や神奈子さまだって○○のことは家族と思ってますよ。もちろん諏訪子様も」 諏訪子「うぅ……ごめんね神奈子、早苗、○○、私、一人で何でもできるって思ってて……」 神奈子「さぁ帰ろう諏訪子、○○、守矢神社こそが私たちのすむ家だ」 ○○「う~う~」 諏訪子「うん!!」 それから三年後… ○○「おかーさん」 諏訪子「うんうん♪」 ○○「早苗おねーちゃん、神奈子おねーちゃん」 諏訪子「よくできました♪」 早苗「○○もすっかり大きくなりましたね」 神奈子「そうだな。おかげで諏訪子の笑顔がとても多くなったな」 早苗「きっと○○は私たちに笑顔をくれるためにきてくれた神様なのかもしれませんね」 神奈子「そうかもしれないな……」 諏訪子「はやく二人もこっちきていっしょに遊ぼうよ~」 早苗「いきましょうか。神奈子様」 神奈子「そうしようかね」 お わ り ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1230 ―――ほら、あれが天の川っていうんだよ。 私の隣にいる彼はたくさんの星の道を指しながら言った。 ―――七夕には笹に短冊に願い事を書いて吊るすんだ。そうすると叶うんだって。 近くには飾り付けられた一本の笹。けれどまだ短冊はつけられていない。 ―――さぁ書いてみよー。あ、でも。神様でも願い事は叶うのかな? 手には何も書かれていない短冊。一人一枚と思ったが、彼は何枚も用意していた。 ―――何か書いた? えー、いいじゃん教えてくれたって。 それが、私と彼との初めての七夕だった。 ギラギラと照りつける太陽。蝉はまだ鳴いていないがそれは十分に夏を告げていた。 この天候で気温が少し暑い程度に感じるのは標高が高いおかげだろう。反面、日差しはとても暑いが。 そんな中、私は何本かの笹を見上げていた。 昨日か一昨日か、早苗が持ってきたものだ。 天狗たちを七夕をすると張り切っていたが、どうせ宴会で終わってしまうだろうと私はふんでいた。 持ってきたときはただの無駄にでかい竹だったが、気づいたら色とりどりに飾り付けられている。 そういうことは得意らしい。嬉々として作っていたのを何度か見たことがある。 遠くから聞こえる声。どうやらお昼ごはんが出来たようだ。 私は声の方向に返事をした後、もう一度笹を仰いでその場をあとにした。 ―――あらら、見つかっちゃったか。 二度目の七夕の前日、彼を見つけた私はそんな声を聞いた。 ―――うーん、驚かせようとしたのになぁ。 残念そうにつぶやく。彼の目の前には竹が倒れていた。 ―――ばれちゃったら仕方が無いや、一緒にやらない? 彼がやっているのは飾り付けのようだ。中々手際が良いように見える。 ―――最初は大変だったけどねー、もう慣れちゃったよ。 そういいながらも作る表情はとても楽しそうであり、 ―――ほら、これとか綺麗に出来たんだよ? もとより彼を探していた私は、一緒にやらないはずが無かった。 日差しがあたらない室内はなかなかに過ごしやすい。 そこで私は一人、台所にいた。普段料理なんてしないが、今日は別だ。 材料を一通り見渡して、予想通りの多さに今更ながら呆れる。 早苗に頼んだのが間違いだったのか、それとも正解だったのか。 確かに牡丹餅の材料を買ってきてと言ったが、大人数作る気はこれっぽっちも無い。 大方、天狗たちに振舞うとか勘違いしたのだろう。 幸いまだ時間はある。こうなったら全部牡丹餅にしてくれよう。 軽いため息とともに何年と繰り返してきた作業を開始する。 たとえ慣れたとしても気など抜けるはずが無い。 料理のこともそうだが、何よりもう一つ。 たくさん作ろうが作らなかろうが、つまみ食いに来る奴を徹底的に止めなければいけないから。 ―――今日はいいものを持ってきたたよー! 三度目の七夕の日。彼は特別気分が高揚しているようだ。たが一つ多い。 ―――ほらこれ! 彼が差し出したのは2つの牡丹餅だった。こんなものどっから見つけてきたのだろうか。 ―――いやー、棚にあったのを見つけたから持ってきたの。まさに棚から牡丹餅! 一つ牡丹餅を渡しながら彼はそんなことを言った。私は後で怒られるだろうな、と思いつつ牡丹餅を受け取る。 ―――七夕で、棚から牡丹餅。たなばたでたなぼた。 変な洒落を思いつくものだ。一応語呂は良いが。 ―――運がいい今宵は、よい天の川が見れるのかな? なんてね。 そう言った彼は隣に座って牡丹餅を食べ初めて、それにつられて私も食べることにした。 冬ならばもう真っ暗になっている時間帯。 着実に暗くなっていく空は、これから始まるであろう惨事を刻一刻と告げているようだった。 実際、気の早い天狗がもうすでに来ている。 その惨事が始まる前に、私達三人は一応の夕食をとっていた。 早苗は七夕(そう言っている)で忙しいため、私は宴会には出ないためにこれが夕食となっている。もう一人はなんとなく。 時折話しながら食事は進んでいく。まだ早苗は七夕として頑張ろうとしているらしい。 「ごちそうさま」 早々に食べ終わり、食器を流しに置いてから外を見る。 まだまだ明るい、という段階だけど本殿に向かえばすぐに暗くなるだろう。 その前に、杞憂だが一応確認しておくべきことが一つある。 「神奈子」 「大丈夫よ」 即答。やはり杞憂だった。伊達に何百年何千年と関わってはいないということか。 ありがと。早口にそう言って私は準備をするために急いで居間から離れた。 明日神奈子に何か言われるだろう。でもこれぐらい安いものである。 ―――それで、織姫と彦星は天の川によって引き離されてしまったんだ。 何度目かの七夕の日。彼は織姫と彦星の話をしていた。 ―――でも、一年に一度だけ、織姫と彦星が出会える日があって、それがこの七夕なんだって。 私は天の川を見ながら彼の言葉に相槌をうつ。 ―――ちょっと寂しい話ではあるけど、僕はこの話が好きだな。 同じように天の川を見ながら喋る彼。その声はとても楽しそうで――、 ―――一年に一度だけだけれど、ずっと会えるんだから。 同時に、とても寂しそうだった。 用意を終え、私は本殿へと移動し始めていた。 遠くからは騒がしい声。やっぱり宴会になってしまったようだ。 ふと気になって外を見ると、見事に笹が空の景色を邪魔していた。 葉には短冊が吊るしてある。なんとなく気になって見てみることにした。 『信仰が集まりますように。 早苗』 おもわず頭を抱えそうになる。もう少しまともな、というか年頃な願い事は無いのだろうか。 あの子の教育に関することは後日神奈子と話すこととして、今は関係ない。 笹を少しどかして空を見ると、星がわずかだが輝いていた。 日は沈んではいるが短冊の文字が読めるほどには明るい。その明るさでこの星だ。 知らず知らずのうちに私は早歩きになっていた。 いつかの七夕。 いい加減願い事が思い浮かばなくなった私は、何も書いていない短冊を手にして首を傾げていた。 毎年毎年なぜか彼は沢山の短冊を持ってくる。 さらに来年に持ち越す気は無いらしく、結果一年に何個も願い事をする羽目になった。 最初は『おせんべが湿気ませんように』とか書いていたのだが、そう毎年お願いする事柄でもない。 仕方が無いので、何か思いつくかもしれないと、彼の書いた願い事を見てみることにしたわけだ。 一つ見る。 『貴様、見ているなっ!』 ずっこけた。これは願い事ではないだろう。明らかに私に対する言葉だ。 なるほど彼が何十個も書ける秘密がわかった気がする。 とりあえず私の行動を戒めるであろう短冊は無視するとして、色々と見ることにした。 変なのはあの一枚だけだったようで、それ以外は取り留めの無いような普通の内容のようだ。 そして、最後の短冊。 それにはこう書いてあった。 『彦星になれますように』 と。 ――ああ、そうか。 それを見て私は妙に納得してしまった。 つまりは、そういうことだったのだ。 それならば――。そう私はつぶやいていた。 それならば私はこう願わなければいけないだろう。 『織姫になれますように』 と。 私は手に持った短冊にそう書き記して彼の短冊の隣にかけることにした。 人間と神様。交わることの無い二つが交われるように。 遠い二人が一年に一度でも、永遠に近づけるように。 それに他の誰かに織姫を――、彼を取られてしまうのは嫌だったし。 つまりは、私もそういうことだったわけだ。 いや、最初からわかりきっていたことだったが。 織姫が私、彦星が彼。天の川は厭い川で、星は翡翠。 うん、完璧だ。満足げにうなずく。 さて問題は、これをどうやって彼に伝えるか。 さながらイタズラっ子の笑みで私は考えるのであった。 本殿まであと少し。空は満天の星で一杯になっている。 彼はいるだろうか。こんなにも空が綺麗だから、もう来ているかもしれない。 一年に一度だけ、七夕で私と彼は会うことができる。 妄想、幻覚。そんな言葉は飽きてしまった。 それは幽霊がいるかどうか、神様がいるかどうかと言うほどにどうでもよく、 七夕に彼と私がいる。私はそれだけでよかった。 そして七夕が終わり、月日が経ち、再度七夕に彼と私がまた出会う。 一夜だけだけど、一夜もあって。 一瞬だけど、永遠に。 それはまるで織姫と彦星のようで――、二人の願いは叶ってしまったわけだ。 片手には二つの牡丹餅、もう片手には多すぎる短冊。 飾り付けられた翡翠の色した深緑の笹に、いつもの二人。 織姫(私)と彦星(彼)が一年に一度、天の川(厭い川)で出会える日。 話すことはたくさんある。 幻想郷への移動。天狗との出会い。巫女との神遊び。 さて、何から話そうかな。 ─────────────────────────────────────────────────────────── うpろだ1434 何かの拍子で外界に戻ってしまった土着神の頂点、洩矢諏訪子。 信仰心の失われた外界ではまともに声を出すことすらかなわず、 森の中を彷徨う。 そこで出会った一人の少年…心を通わせていく少年と諏訪子。 かろうじて出た言葉、彼女の口癖 「あー、うー」 が原因であーうーと言う名前をつけられてしまう。 彼とその友人の助けを借りながら続く外界での不自由ながらも 充実した生活、しかし彼女は置いて来てしまった盟友と子孫の娘が 恋しいのか一言。 「あー、うー。うちに、かえる」 諏訪子を連れて守矢神社跡地を目指す少年、だが諏訪子の秘密を 狙う大人たちの手が忍び寄る!何とかして二人を行かせようとする 友人達の努力もむなしく、追い詰められてしまう。 しかし土着神の頂点諏訪子と少年の絆は誰にも断ち切れなかった… 「という人形劇か劇画を作ってみたいんだけど!守矢神社の信仰度 アップも間違いなし!」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 新ろだ55 「そういえばあの日からなんだよなー」 ~~~青年回想中~~~ 慎重に守矢神社の境内を動き回るダンボールが一つ。 箒を持った早苗さんは気付いていない振り。諏訪子様が座っているからだ。 ダンボールはゆっくりと、最近建造された蔵に近づき…… 「こちら○○、蔵に侵入した。諏訪子大佐、指示をくれ」 「あーうー○○ー、早くぬか漬けだしてよー」 「わかった。諏訪子大佐。作戦を開始する」 昼でも暗い蔵の中に○○と諏訪子様は入って行きました。 そして青年は早苗さんから隠れるように包丁とまな板と水を拝借しに向かいました。 当然早苗さんは気付いています。神奈子様はいつものことだと傍観を決め込んでいる模様です。 青年が包丁とまな板と水を汲んで持ってきたようです。 「あーうー○○早くー」 「待ってくださいね、諏訪子様。慌てなくてもぬか漬けは逃げませんよ」 笑顔で諏訪子様に応対する青年。 諏訪子様は外見こそ幼いものの、中身は……どうだろうか。 女性と少女を行き来していると、青年は思っている。 早苗ちゃんには威厳を持って、神奈子様には親友のように、俺には甘えるといったような。 「あ……ー……ま……?」 「すいません、満腹で少しボンヤリしていました」 「はやくはやくー!」 「しっ!諏訪子様。任務中です」 「あーうー」 「それでは任務を続けます」 目の前には頭ほどの大きさの壷。 重石をどかして、木で出来た蓋を取ると、ぬかがみっしりと詰まっている。至宝はその中にある。 「諏訪子様、出しますね」 「はーい」 青年は腕を捲くり、ぬかの中に手を入れ、きゅうりを発掘する。 その間、諏訪子様は青年に背を向ける形で他の漬物壷を見たり匂いを嗅いだりしている。 青年はきゅうりのぬか漬けを取り出し、水でさっとぬかを落とす。 侵入したダンボールにまな板を置き、包丁を手に取る。 きゅうりの端を包丁で切り落とし、馴れた手つきで斜めに切っていく。 リズムと均一の厚さできゅうりはまな板に倒れていく 諏訪子様を呼ぼうと振り向いたら 「諏訪子様、切れました……」 「あら、もう切れたの?早いわね」 「まさか……諏訪子……様……?」 目の前に居るのは諏訪子様をそのまま大人にしたような、美人。 青年が見てきた諏訪子様は可愛いらしさを前面に押し出している少女。 対してこの女性は可愛らしいサナギから脱皮した蝶のように綺麗な女性。 「この蔵の中に居るのは貴方と私だけ。だったら答えはわかるでしょう」 「諏訪子様……凄く綺麗です」 「ありがとう、○○」 「……」 「そうしたの?」 「……いえ。何も無いです(見惚れてたなんて言えないよな……)」 「早く味見しない?」 大人の諏訪子様の言葉を聴いてハッと蔵に入った目的を思い出す。 「あっちゃー諏訪子様、爪楊枝取って来ますね」 「待って。食べさせてくれない?」 「えっ……食べさせて……?」 「イヤなの?」 「いいいいいいいいいえそんな滅相もありません」 大人の諏訪子様の微笑と、これから行う行為に顔を赤くしながら青年は切ったばかりのきゅうりのぬか漬けを諏訪子様の口に運ぶ。 大人の諏訪子様は形の整った小さな唇できゅうりのぬか漬けを食べる。 ただ、ポリポリと小さく租借する音が小さな蔵に響く。 恥ずかしそうに目を逸らしている所為か、青年は諏訪子様の麗しい唇はきゅうりを持つ青年の指にまで迫って居る事に気付いていない。 ちゅぱっ……ちゅぱっ…… 青年の指を、飴を舐める要領で舐める諏訪子様、あっと小さく声を上げる青年。 だが諏訪子様は止まらない。 今度は諏訪子様がきゅうりを手に取り、青年の口に持っていく。 「諏訪子様……いいのですか?」 「良いよ」 微笑を浮かべる諏訪子様を見て再び顔を真っ赤にする青年。 そしてゆっくり、ゆっくりと口をあける。 ポリポリ……ポリポリ…… 諏訪子様は止まらない。 青年に自分の白魚のように白く細い指が青年の唇をなぞり、ゆっくりと口の中へ。 青年は恐る恐る諏訪子様の指を舐め、次のきゅうりに取り掛かろうとゆっくりと自分の背後にあるであろうまな板に振り返ると…… 「あーうー早く食べようー」 「……あれ?」 「どうしたのー?」 「……いえ、何も無いですよ。はい、どうぞ。」 壷眺めに飽きたのか、いつもの諏訪子様が青年の足に抱きついていた。 足に抱きつく諏訪子様にきゅうりを差し出す。 ポリッと気持ち良い音を立てきゅうりにかぶりつく諏訪子様。 ――そうだ、神奈子様に聞いてみよう もう一柱の神様へ、この漬物を手土産に、な。 ~~~回想終わり~~~ 「神奈子様は答えを知っていたけど言いたくなさそうな感じだったな……」 「神奈子がどうしたのー?」 「なんでしょうね?」 「あーうー神様に隠し事なんて千年早いんだぞー」 諏訪子様が膝の上に座っていた。 そう、俺の膝に諏訪子様が座るようになったのはあの日から。 ――願わくは、誰一人欠ける事無くこんな日常をいつまでも…… ─────────────────────────────────────────────────────────── 新ろだ425 「何か、する事無い?」 いつもの日常。 暇すぎて当てもなく境内を彷徨い、人を見つけてはこんな事を聞く。 「もう、それ何回目ですか」 「暇なんだよ、暇なんだよ」 「大事なことなんですね……」 「流石だぜ早苗」 「何もありませんけどね」 「ひどいぜ早苗」 境内の掃除をしている早苗に軽くあしらわれ、神社の中に戻る。 と、ちゃぶ台に頬杖を付きながらうんうんと唸っている神奈子様を見つけた。 「何かお困りですね神奈子様」 「あぁ、○○か」 「何かお困りのようなら、不肖ながらお力添えをば」 「あはは、無理無理。これは所謂"神事"の悩みなんだ」 「人間、神相手にも挑戦しなきゃならない時があるんだ」 「あまり介入すると祟られるよ? 私じゃなくて、あいつに」 「…………」 「ほれ、行った行った。私は集中したいんだ」 神奈子様に軽くあしらわれ、神社の縁側に座り込む。 本当に、ここに俺がいる意味って何だ。 俺がいなくてもこの世界は成り立つだろ。本気でニートしろってか。 「あーうー、ひどいよ、神奈子ひどいよ」 * おおっと ミシャグジさま!* 祟られ全滅フラグ!? じゃねぇよ! 「……君も神奈子様にあしらわれたのかい」 「聞いてよ○○! あいつひどいんだよ!」 小さな神様が泣きついてきた。これで神様やってるんだから、この世界は分からん。 あーうーあーうー泣く神様の頭を撫でながら、愚痴は耳から耳を通過。 「そういや、俺も言われたなぁ。悩み事の相談相手やってやろうとしたら、"神事"の悩みだからお前には無理って」 「神奈子は何でも一人で解決したがるのが悪い癖だね!」 いや、俺はともかく諏訪子は侮られてるだけだろ…… と、口には決して出さない。祟られ全滅フラグなんて死んでもごめんだ。どっちにしても死ぬんだけど。 「"神事"の悩み……ねぇ。どんな悩みだろうな、少し気になるな」 「気になるなら、神様になっちゃえば良いんだよ」 凄い事をスパッと言うな、この小さな洩矢神は。 それこそ、パンがないならケーキを食べれば良いじゃない、的な感じで。 ……これはちょっと違うか。 「なんでそこで神になるんだ」 「神様になれば、神奈子の悩みも聞けるようになるんじゃないかな?」 神になればいいってものではないと思うのは、果たして間違っているのか。 だって、諏訪子ですら聞かせてくれない話じゃないか。 俺が神になったところで、おたまじゃくしに手足生えた程度だぞ。 「神ね……カエルとヘビって言うと、後は何かあったっけ?」 「ナメクジだねー。カエルに弱くてヘビに強いんだよ」 「所謂三すくみって奴か……」 「…………」 「…………」 ナメクジの神になった俺を想像してみる。 そもそも向こうの世界でのナメクジって言うと、後を引きながらゆっくりと動く軟体生物な訳で―― 「俺、神になるの諦めるわ……」 「あーうー! なんでよー!」 「ばっかお前普通に考えろよ! ナメクジだぞ!」 あり得ない。普通にあり得ない。 っていうかナメクジがヘビに強いって迷信だろ。そんな武勇伝、聞いた事ないわ。 「私のお尻に敷いて……あげるよ?」 頬を赤らめて、上目遣いで艶かしく見上げてくる諏訪子。 「うっほ、魅力的な提案――だと言うとでも思ったかこの野郎」 諏訪子の両頬をつねって弄る。あーうー言ってるが気にしてはいけない。少しでもドキっとした俺を律する為でもある。 思った以上に柔らかいので楽しくてずっと弄ってしまう。暴れて目の付いた帽子が落ちたが気にしてはいけない。 こんな日常の中でも、ふと思い返す事がある。 もう一つの道を選んでいたら、俺はここにはいなかった。 諏訪子の両頬を解放して、しばし考える。 「……どうしたの?」 流石に人前で考え込むのは失礼だった。 諏訪子の声にハッとして、思考を中断する。 「いや、諏訪子に止められてなかったら、俺は今ここにはいなかったんだろうな、って思ってさ」 「後悔、してる?」 申し訳なさそうに顔を覗いてくる諏訪子。 自分で止めたくせに、と内心笑いながら答えてやる。 「それは無いな。ただ、もしあそこで帰ってたらどうなってたかな、って」 「……私たち三人は、きっと泣いてるよ。うぅん、早苗と神奈子はどうか分からないけど、私は絶対泣いてる」 「既に泣いてたしな」 「…………」 諏訪子は黙って抱きついてきた。 思い出して、また泣いてるのかもしれない。 神様と言えど心はある。強い神様なんて居やしない。 強いと思われているのは、人よりも長く世界を見てきているから。 本当は、人と同じなんだ。 「ねぇ、神様になろうよ。そうすれば、ずっと四人で暮らせるよ」 帰らないでくれ、の次は神になってくれ、か。 全く、強欲な神様に好かれてしまったものだ。 これも惚れた弱みという奴か、そういう所も可愛くて仕方が無い。 「四人って、早苗は人間だろうに」 「あの子は奇跡を起こせるよ」 「そうだなぁ、それだけで人間の枠は超えてるよな」 向こうでも、この神社が長生きできたのは、それこそ早苗による奇跡の賜物だ。 ただ、それは彼女が人間の枠に収まっていたからこそなのかもしれない。 妖怪が奇跡を起こせた所で、人は崇拝しない。恐怖するだけだ。 そして、人は彼女が人間ではないと思い知り、信仰は廃れた。 人は賢くなっているのかもしれない。良い意味でも、悪い意味でも。 「○○は、神様が嫌なの?」 「いや、俺は神様大好きだぜ。でなけりゃ、ここにはいないだろ?」 「だったら――!」 顔を上げる諏訪子の唇に、人差し指をそっと当ててやる。 俺は何を思ったのだろうか。ここで、勝手に口が動いた。 「何、人の生命は魂が輪廻転生して生まれ変わるんだ。俺はまだそれを楽しんでいたいだけさ」 「…………」 「時間制限あった方がより濃厚な時間を過ごせると思わないか?」 「そう、かな……?」 「それに、命が尽きたくらいで、諏訪子への愛が失くなるとは到底思えんさ」 「……あー、うー」 俺の言葉に顔を紅くして、また胸の中に顔を埋めた。 その様子を見て、ようやく我に返る。 「なんてな、俺が悟りを開くには十世くらい早いな」 「…………」 「まぁ、どうしても神になって欲しいなら、そうしてくれて構わん。なったらなったで手伝える事出来そうだし」 「……ううん、いい」 顔を埋めたまま首を振る諏訪子。さらさらしたきめ細やかな髪が少しくすぐったい。 そんな事を言われてしまい、頭を撫でてお茶を濁す。 「その代わり、いっぱい私と一緒にいてくれる?」 「当たり前だろ」 「○○……好き。大好き」 諏訪子はまだ顔を埋めている。きっと顔は真っ赤なのだろう。 どうすれば、顔を上げてくれるだろうか。 いや、ありきたりでもいいのだ。彼女が喜んでくれば、それでいい。 「あぁ、俺もだよ。愛してる、諏訪子」 そうだ、死んだって忘れる事は無い。 ようやく顔を上げてくれた、俺の好きな神様は、笑顔がとても愛らしい。 そんな事、とっくに魂に刻み込まれているのだから。
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(もりや すわこ) 「サナエノ・・・カタキッ!」 LV HP 力 速 体 知 種族 サイズ EXP ドロップアイテム 5 444 57 37 10 25 妖魔 2x2 早苗の御幣 ※ドロップアイテムは100%ドロップする。 属性耐性 状態異常耐性 フィールド耐性 特記事項 善吸収、水に弱い 眠り、麻痺 毒、水吸収 逃亡不可 ※Ver1.05時点のステータス。 使用技(通常時) 呪液 長射程攻撃。毒フィールド(1マス)生成。レベルダウンの追加効果あり。 祟り尽くす 斜め攻撃。毒フィールド(3x3マス)生成。毒・麻痺・泥酔・手固め・足固めの追加効果あり。 ケロケロげこげこ 全画面攻撃。毒の追加効果あり。 使用技(発狂時) ブレクガ 長射程攻撃。石化の追加効果あり。 攻略 八坂 神奈子と共に襲い掛かってくる。 頻繁に使ってくる「呪液」と「祟り尽くす」は、追加効果のイヤらしさもさることながら、 同時に生成される毒フィールドがかなりの曲者。 神奈子・諏訪子の両者とも毒フィールドに耐性を持つ上に、 この毒フィールドの初期ダメージは57と高めなので、 生成された毒フィールドは早めに対処しないと、 フィールドダメージ回復時の仕様により長期戦を強いられる可能性が高い。 また、神奈子を先に倒すと発狂し、ブレクガを連発して来るようになる。 ブレクガは射程が長く逃げ辛い上に石化の追加効果があるので、 高威力の攻撃で一気に沈めてしまおう。 もしくは、神奈子と諏訪子を同時に倒して発狂そのものを封じる手も有効である。 幸い、諏訪子のHP自体はそれほど高くはないので、 爆裂花火やプロトスパークなどの他のフィールドを生成する攻撃を上手く使って、 回復を封じながら攻めよう。但し、諏訪子は水フィールドにも耐性を持つことに要注意。 キャラクター概要 初登場は東方風神録Extraステージのボス。 風神録以降もダブルスポイラーにてLevel11のターゲットとして、非想天則ではプレイアブルキャラクター及び早苗ルートラスボスとして登場するなど、その存在感は未だ衰えていない。 「坤を創造する程度の能力」を持つ、守矢神社の真の祭神であったが、 神奈子が強行した守矢神社の大移動の際に、共に幻想郷に引っ越してきた。 神奈子とは神代の時代に浅からぬ因縁があったが、現在の関係は意外と良好な様子である。 + 本作に於ける洩矢 諏訪子(シナリオのネタバレ注意!) 幻想編では、早苗を喪った悲しみの為か、早苗がいなくなったことにより信仰を失った為なのかは不明だが、 神奈子ともども狂ってしまい、 神社に来るものを無差別に襲うようになってしまっている。 Chapter1にて、神社に通りがかった人間に襲いかかろうとしていたところに、 幽香が早苗に渡した魔の塔の鍵を手に入れるために守矢神社に訪れた魅魔たちと遭遇し、 人間を守ろうと立ちはだかった魅魔たちと戦闘になる。 戦闘の際は体の殆どが爛れ落ちた異形の姿に変貌しており、 発狂時に倒すと、「サナエ・・・アイタカ・・・ッタヨ・・・」と言い残し倒れる。
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キャラクター 信仰を盾に高い打点効率を誇る攻撃スペルでライフレースを制する。 打点5以上のスペルに強いサポートやイベントを持ち、大打点からの一発逆転を防ぎやすい。 最大打点は控えめで、スペルサポート込みでも5が限界である。 代わりに打点を下げるイベントや基本能力を無効化するイベントがあるため、それらで調整する事になる。 デッキタイプ 諏訪子3神奈子1 タッチ要員として侵略・君臨・神祭「エクスパンデッド・オンバシラ」を採用出来る。 更に、第二のスペルサポートとして乾坤一擲を採用出来る。 諏訪子3早苗1 奇跡 -坤-で相手のスペルをバウンス出来るが、ネイティブフェイスとは対象が重複する。 風詠み・秘術「グレイソーマタージ」を採用した、より小回りの利く構築になるか。 諏訪子3紫1 神隠しで破壊しつつ、耐久手段として冬眠を採用出来る。 諏訪子2にとり2 非想天則で相手の打点を完封するデッキ。 非想天則の穴をカバーするために洩矢神・手長足長さまなどを駆使するデッキで、他の耐久デッキとも大きく性質を異にする。 諏訪子2神奈子2 神の怒りでスペルを全体除去出来る。 諏訪子リーダーにする利点は回避3であり、土着神「宝永四年の赤蛙」で決死判定を睨める点。 諏訪子1神奈子1早苗1~ 型としてはタッチ次第で色々なデッキが存在するものの、キャラ構成としては上記は固定される。 破格のコストパフォーマンスを誇る幻想入りを搭載したデッキ。 かつては疾風招来型が主流だったが、準備「神風を喚ぶ星の儀式」が大きく弱体化したため構築変更を余儀なくされている。 諏訪子1アリス1萃香1一輪1 進撃の巨人デッキ。 命中は非常に低いが能力上昇値は非常に高い。 回避には期待出来ないため一輪リーダーが主流か。 弱点 最大打点が4、サポート込みでも5止まりのため、大きく体力回復出来る手段を持つキャラを苦手とする。 また、貫通手段が神遊びぐらいしかないため、高防壁を持つキャラには打点が足りなくなる可能性もある。 回避を考えない構築の場合、体力25のキャラを相手取った場合にライフレースで追いつけなくなる恐れがある。 イベントの大半が半幽霊などアンタッチャブル系に引っかかるため、相手次第では手札のイベントが機能しない事も。 上記を踏まえ、超回復の幽々子、高体力の輝夜、構築次第で両方の性質を持ちうる星などは苦手な部類である。 タッチ次第である程度はカバー出来るとはいえ、高防壁を持つアリスやにとり、紫も得意とは言い難い。 カードリスト キャラクターカード名 体力 回避 決死 属性 土着神の頂点 洩矢 諏訪子 20 3 3 神 守矢神社 Lv 呪力 スペルカード名 攻撃 迎撃 命中 性質 基本能力 1 1 開宴「二拝二拍一拝」 1 1 4 集中 信仰(1) 1 2 神具「洩矢の鉄の輪」 3 1 3 集中 1 3 源符「厭い川の翡翠」 3 2 3 通常 1 3 蛙狩「蛙は口ゆえ蛇に呑まるる」 3 2 4 拡散 2 1 土着神「七つの石と七つの木」 2 0 4 拡散 信仰(1) 2 3 土着神「ケロちゃん風雨に負けず」 2 2 5 通常 信仰(1) 2 4 土着神「宝永四年の赤蛙」 4 1 4 集中 3 4 「諏訪大戦 ~ 土着神話 vs 中央神話」 4 1 5 集中 防壁(1) 信仰(1) 3 6 祟符「ミシャグジさま」 4 2 7 拡散 信仰(2) 高速移動(1) 低速移動(1) 2 3 姫川「プリンセスジェイドグリーン」 4 0 3 通常 信仰(1) Lv 呪力 イベントカード名 使用 協力キャラクター 1 3 祟り 戦闘 - 1 4 神遊び 戦闘 - 2 4 愉快な日本の神様 充填 - 3 2 明日ハレの日、ケの昨日 戦闘 - 2 3 だいだらぼっちの参拝 戦闘 - 2/2 8 神の怒り 充填 神奈子 1/1/1 5 幻想入り 充填 神奈子/早苗 1/1 5 奇跡 -坤- 充填 早苗 1/1 3 冬眠 戦闘 紫 1/1 4 因果応報 戦闘 チルノ Lv 呪力 サポートカード名 配置 属性 協力キャラクター 2 2 手長足長さま スペル - 2 3 ネイティブフェイス シーン - 2 4 洩矢神 リーダー - 3 4 祟られた大地 スペル - 1/1 2 弾幕遊戯 リーダー フランドール 1/1 2 乾坤一擲 スペル 神奈子 2/2 4 非想天則 リーダー にとり 1/1/1 5 地獄異変 リーダー 『異変』 神奈子/空 1/1/1/1 9 進撃の巨人 リーダー アリス/萃香/一輪
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神奈子1 9スレ目 970 「良いな、祝いの宴というものは 神代の頃から希望に満ちたこの雰囲気が好きで仕方ない」 花嫁と花婿が古式に則り、婚姻の義を進めてゆく 早苗さんも手慣れた様子で淡々とこなしてゆく 「幻想郷で行う婚姻第一号だ。 何かスペシャルなおまけでもつけるべきかな?スポットライトとか」 「八坂様、早苗さんに怒られますよ」 あ、ちょっと残念そうだ。 「アレはいいものなのに…」 「神様なのですから、我儘言わないでください」 「心外だな、神ほど我儘な奴はいないぞ。 人のように怒りや悲しみ、恋だってする。 昔、諏訪子は結婚したこともあるしな」 「ははっ、八坂様も白無垢が着てみたいですか?」 「それはいいな。 〇〇、私をもらってくれ」 ぶっ! ちょ 嬉しいけどちょっとまてっ! 「…………ひょっとして、私では不満か……?」 「満足ですっ! これ以上ないほど満足ですから潤んだ目で見上げないでっ」 「そうか、おーい早苗ー! 今日はもう一件結婚式やるから用意してくれー」 決断も日取りも早っ! 「さて、子供の名前はどうしようか……」 気も早っ!!! ─────────────────────────────────────────────────────────── 11スレ目 333 妖怪の山の頂上にありし湖。 佇まいし守矢神社におわすは、八坂の神。 八坂、神奈子。 その力の源たる信仰を集め、神としての再起するがために幻想郷にやってきた。 しかし、幻想郷なりともやすやすと信仰心が戻らず。 苦労の耐えぬ日々は依然として継続中である。 「そもそも、なにを信仰すればいいんだよ?」 「山、そして私。恐れは敬いを生み無知は夢を生む。全てを知った気になって手に入れた気になっては危うい事になる。だから信仰が必要なの」 「確かな道しるべが必要だってことか。しっかし、その道しるべに立候補するのはいいけど、あんまり威厳が足りないんじゃないのか?」 「厳かにしていればいいというものじゃない。時節の気風もある。友達感覚の方が信仰を集めやすいのよ」 「なるほど、だからまた、こんなシュールな状況に陥ってるわけだな」 かつて大勢を極めた神なれど、信仰なくしては存在し得ない。 最後の賭けにやってきた幻想郷で辛苦を強いられる状況なればこそ、その神様当人が先に言うようにフランクな態度を取るに至っているわけである。 「かと言って、何で俺に言う? 何度か断ってると思うんだけどな」 神奈子が彼に信仰を勧めたのは、何も初めての事ではなかった。 「信仰を否定していた者が信仰するようになれば、その心の頑健さは一転して頼もしいものになるでしょう」 「頑固者を口説き落とそうとしてるわけか。難儀な話だな」 「そういうことよ。それに、知ってもらう事こそが信仰への一歩。信じる信じないを口約束だけで行うのは無為な事。けれど、あなたの信仰が零だとしても、知っている分だけ、窮地に祈る信仰は私に有利になる」 「選挙活動かよ。知らないやつよりかは知っているやつに投票するからな」 いい加減な事だが、窮地に立ったときに思い出せる神が一人しかいないなら、否応もなしにその神に祈る事だろう。 「けど、結果が伴わなかったら神様とやらを信じなくなるぞ」 今わの際に願った言葉が届かなかったら、それは背信につながる。 人間は利己的なものだ。何もしてくれないものに期待できるほど都合よくは無い。 「順番が違うわね。あなたの信仰がなければ私としても神徳を与える事が出来ない。祈りたければ強く信仰する事ね」 「なるほど。そういうことなら納得できる」 「じゃあ、信仰してくれるかしら?」 「それとこれとは話は別だね」 宗教ではあるまい。 入門せよ改宗せよとせがむような声では、素直に頷けるものではない。 「信じれば救われる。って言葉の意味は分かったけどな」 「それを拒絶するっていうことは、救いが欲しくないということかしら?」 「甘えだろうよ。信じてれば救われて、何もしないじゃダメだろうが」 信仰するが故に己の怠惰への免罪とするなら、神は悪魔ともいえるだろう。 誘惑と欲望に忠実であればこそ、人は魔が刺すものなのだ。 「それは違うわね。普段に精進を怠らぬ者にこそ、神徳は与えられるもの。精進する事が信仰する事も同義なのよ。なぜなら、努力が報われると思うことこそ信仰の一つだから。報われなかったときにこそ、その者は神を信じなくなるでしょう」 「闇雲に信じてもダメだってことか。それも難儀だね」 「ええ、そうね。その点、あなたは怠惰な人間ではないようね。実にけっこう」 「そりゃどうも」 神奈子の言葉からすれば、彼に対していくらかの信用があるようだ。 また、これ以上話さずとも、結論は出ているも同然だ。 「だったら普段どおりに努力してればいいってことだろ。それで、俺はあんたを知ってる。信じるとか細かい事は知らないけど、もしかしたら最後に祈る神はあんたになるかもな」 「それが信仰よ。でも、あんた呼ばわりはいただけないわね。私は八坂神奈子。何度も名乗ったはずだけど」 「それはこっちも同じことだっての。代名詞で呼ばれてるんだ。あんたと呼ぼうが神様と呼ぼうが、それと変わらないだろ」 「それはえらく違うね。信仰の対象が名も知れぬ誰かと言うんじゃ、顔と名前が一致してるのとはぜんぜん違う。いつでもどこでも思い出せるようにしてもらいたいのよ」 「なんだかぞっとしないね」 「失礼だよ」 いつ何時であろうとも思い出せるような対称になるなら、心を奪われているのも同然だろう。 それを正しく信仰と言えるかは、違うかもしれない。 「それで、今日はここらでメシ食いに行くんだけど、あんたもくるかい?」 「あんたはやめてほしいわね。八坂神奈子よ」 「じゃあ、あんたも名前を呼びな」 「じゃあ、○○。食事でもいかがかしら?」 「誘ったのは俺なんだけどな。ホントに馴れ馴れしい神様だな」 「親しみやすいって言いなさい。それと代名詞も」 「そいつは悪い。んじゃ行くか、神奈子」 「ええ、そうしましょう」 神と人とが並び歩く。その親しみやすさは客観的にも好意的に映る事だろう。信仰には欠かせない事なのかもしれない。 しかし、好意的に映るためにも、並び歩く者は本当の意味で好意的でなくてはいけない。 「それで、信仰してくれる気になったかしら?」 言の葉を悪戯に変えれば、告白を待つ言葉にも思えるかもしれない。しかし、邪推である。 「さあね。少なくとも、悪い気はしてないってことで勘弁してくれ」 悪しからず。それが今。 急いてもことは無し。故に、日々の積み重ね。信仰もまた、時と想いの積み重ね。 「まあいいわ。ちゃんと信仰してくれるようにしてあげるわ」 さらに想いの積み重ね。 「まあ、神様は信じないけど、神奈子は信じてもいいけどな」 着実に前へ、 まずは一人の信仰を。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 11スレ目 391 ●●:なぁ神奈子 神奈子:なにかしら? ●●:諏訪子のように好きな人がいたらいいなとおもってる? 神奈子;それは……まぁ、私も一応女だし、思ってないわけでもないわ。 けど、私なんて。 ●●:好きな人なんて出来ない、とでもおもったか? 神奈子:そりゃそうよ。 諏訪子以外と比べてもおばさんに見えるし、背中のしめ縄がごついし、某所じゃガンキャノンなんてよばれて……。 ●●:そう自分を過小評価するんじゃない。 だって…… 神奈子:……何が言いたいの? ●●:神奈子、お前が好きだからさ。 神奈子:……!! ど、どうして私なのよ。 他にもかわいい子がいるじゃない。 ●●:神様言えども、ばかだなぁ~。 確かにかわいい子がたくさんいるし、俺は熟女好きでもない。 けど、『姉さん』っぽいとこがすきなんだよ。 神奈子:……●●。 ●●:まったく……、初めて会ったときの厳格なところはどこにいったんだよ。 神奈子:馬鹿、私だって女らしくなりたい時だってあるのよ。 ●●:そうですかい。 ……まぁ、これからもよろしくな。 神奈子:え、えぇ……。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 10スレ目 662 「神奈子様。俺は、好きですよ?」 「え、……ええ!?」 「皆敬遠してるけど、俺は好きだなぁ」 (えぇそんな私この年になってやっと二人目の夫がぐへへおっといかんいかん心の涎が) 「かっこいいじゃないですか、ガンキャノン」 「……え?」 「え? そういう話じゃなかったんですか?」 「……○○の」 「ちょ、スペカは、やめ」 「馬鹿ー! 神祭「エクスパンデッド・オンバシラ」!」 アッー ─────────────────────────────────────────────────────────── 東方喜恋譚 ~You are my オンバシラ編~ 第1話『出会い』(12スレ目 109) 「もう大丈……あとは2~3日安静に……問題は無……」 「……ありがとうござい……八意先……」 少年の耳にうっすらと声が聞こえる。 一人は年端もいかない少女の声。 もう一人は艶やかな大人の女の声。 そして、障子が開く音が聞こえ、それっきり、何も聞こえなくなる。 けれど、そんな彼女たちの声をきっかけに少年の意識は浮上していった。 「ん……」 「あら、目が覚めたかしら?」 落ち着いた女性の声が聞こえ、少年は目を開く。 ゆっくりと焦点が定まってくると、少年の目に注連縄を背負った女の姿が目に映った。 「ここは……」 「身体の調子はどう? 痛いところは無い?」 少年は、ぎこちなく身体を起こす。 少し気だるさは残るものの、動けないというほどのことはなく、苦痛を感じる個所も無い。 「あ……大丈夫です……あ、その…こ、こんにちは……」 少年は女にぺこりと頭を下げた。 いきなり挨拶をされて女は一瞬呆気に取られる。 「……ふふ、もう夜だけど?」 「あ……ご、ごめんなさい……こんばんは」 女は僅かな驚きを隠しなが らからかうように少年の揚げ足を取り、少年は恥ずかしそうに頭を下げた。 そして、そのまま沈黙してしまう。 落ち着かないのか、少年は周囲をきょろきょろと見回していた。 「ふふふ、そんなに怯えなくてもいいわ」 「は、はい……」 少年は、ちらちらと上目遣いに女を見つめる。 その姿は、少年の可愛らしさも相まって、さながらリスかネズミのような小動物そのものだ。 「あ、あの……」 「?」 「そ、その……ここは、どこですか?」 「ここは守矢の神社よ」 聞き覚えの無い場所だったのか、少年は不安そうな表情を強める。 「僕……どうしてここに?」 「……覚えていないの? ぼうやは森の中で倒れていたのよ?」 「え、あの……じゃあ、お姉さんが……助けてくれたんですか?」 「いいえ、ぼうやを助けたのは私の身内よ。私はついさっきまで ぼうやの可愛い寝顔を眺めていただけ」 「えっ……ぁ…ぅぅ……」 とたん、少年は頬を赤く染めて俯いてしまう。 寝顔を見られるのが恥ずかしかったのか、そのまま押し黙ってしまった。 女も、少年の反応が意外だったのか少し面喰ってしまい、苦笑しながら呟いた。 「おかしな子ねぇ、貴方」 トントン 「神奈子ー! その子の具合はどう……って、もう目が覚めたみたいね」 障子を叩く音が聞こえ、目玉のついた帽子をかぶった少女が入ってきた。 少女は、少年が目を覚ましていることに気づき、その顔に優しげな頬笑みを浮かべる。 そして、トコトコ歩いてくるなり、どっか! と、勢いよく少年の目の前に座った。 そのまま、彼をまじまじと見つめる。 「ふーん……」 「あ、あの……何か……?」 少女は、まるで品定めをするかのようにジロジロと少年を見つめる。 そのまま、しばらく眺めていたが、突然 目を輝かせながら少年に詰め寄った。 「ねえねえ、君の名前は? 年は幾つ? どこから来たの? 」 「え? ええ?」 マシンガンのように尋ねられ、少年は驚き慌ててしまう。 あまり女の子と喋るのは慣れていないのか、それとも少女に怯えているのか どちらかは定かではないが、少年の身体は少しずつ後ずさりはじめていた。 けれど、帽子の少女は、少年の服を掴んで逃がさない。 「やーん! オドオドしちゃって! 可愛いわー!!」 そう叫ぶや否や、少女は少年に両腕を回してしがみ付いた。 「わ、わあああっ! はっ、はなしてくださいぃっ!」 「ん~~~!! 可愛い可愛い可愛い~~♪」 そのまま、少年の頭を胸に抱き抱え、その頭に頬を擦り寄せる。 少年は 恥ずかしさから少女から逃れようともがくが、少女の力には敵わなかった。 「……諏訪子様、少し落ち着いてください」 少年の耳に少女の声が聞こえる。 諏訪子に抱擁されながら、声の方向に目をやると緑色の髪の少女が立っていた。 緑髪の少女の顔には呆れ気味な表情が浮かびあがっている。 「こ、この声……ふぁ! や、やめて! くすぐったいですよぉ!!」 「やめてあげないわよ~ふふっ♪」 先程 夢心地の中で聞いた若い少女の声。 それが、早苗と呼ばれた少女のものだったことに少年は気づいた。 ……が、少年にとってはそんなことよりも 擦りよってくる諏訪子を何とかする方が先だった。 「早苗! 今日からこの子は私の弟よ!」 「え、ええっ?」 「な、何言ってるんですか諏訪子様! そんなこと――――」 「ああ、可愛すぎる……この可愛さは正義よ……」 「諏訪子様、ちょっと落ち着いてくださいってば!」 ムチャクチャなことを口走りながら、うっとりと頬を緩ませて、ますますヒートアップする諏訪子。 早苗は、少年から諏訪子を引きはがそうとやっきになっている。 そして、渦中の少年は、嵐のように迫る刺激に放心状態になってしまっていた。 「落ち着きなさい二人とも。ぼうやが困っているでしょう」 「神奈子様……」 落ち着き払った声がその場に響く。 今まで黙っていた 注連縄の女――――神奈子が動いたのだ。 神奈子は、立ち上がると いきなり、むんず! と諏訪子の襟を掴み上げる。 「あ~~ぅ~~~」 そして、恨みがましい声を上げる諏訪子を 少年からあっさりと引きはがしてしまった。 そのまま、神奈子は自身の目線を少年のそれに合わせる。 「ぼうや、私の名前は八坂神奈子……そっちの子は諏訪子、こっちの子は早苗よ」 「は、はじめまして……」 「はじめまして……それで、ぼうやの名前は?」 「あ……○○…です」 「○○は、どこから来たのかしら?」 「え…と、日本の――――」 少年は自分が住んでいた所の名を告げる。 すると、神奈子は納得がいったというふうにゆっくりと頷いた。 「……なるほど、やはり外の世界から来たみたいね」 「え……?」 外の世界と聞き、怪訝な顔をする少年に、神奈子は話し始める。 この世界が“幻想郷”と呼ばれる異世界であること。 そして、森の中で倒れていた○○を通りがかった諏訪子が拾ったことも。 「幻想…郷…? …で、でも、どうして僕が……?」 訳が分からないと言った表情を浮かべ、少年は3人に尋ねる。 何故、幻想郷に連れ込まれたのかと聞かれてもわからない。 ただ、少年を幻想郷に連れ込んだ主犯については、3人には大体予想がついていた。 「大方、冬眠中のスキマ妖怪が寝ぼけて攫ったんでしょうね。 ……ああ、気にしないで。貴方が幻想郷に連れ去られたのは、別にあなたが悪いわけでは無いから」 「?? は、はい……」 「早苗、明日にでも博麗の巫女のところに連れていって、元の世界へ帰してあげなさい」 「え――――!! 弟ができたと思ったのにー……」 諏訪子は落胆……というよりも絶望の叫び声をあげる。 3人の中で一番幼い(ように見える)諏訪子が弟を欲しがっても無理はないのかもしれない。 「安心しなさい、ぼうや。明日には帰れるわ」 神奈子は、そんな諏訪子の落胆など完全に無視して少年に語りかけた。 「あの……神奈子様、それが無理なんです」 「え、どうして?」 「博麗の巫女は今 病で床に臥せっています」 「は?」 そして早苗は、里に買い出しに出たときに仕入れた情報を話し始めた。 なんでも、今里の方では流行り病が蔓延しているらしく、博麗の巫女もその病に倒れたこと。 その流行り病は、命に別条はないが一ヶ月は寝たきりになる程に厄介な病らしいことを。 「とすると参ったわね……この子、しばらく帰れないのかしら」 「じ、じゃあ、○○君! 博麗の巫女が治るまで、ここで暮らしたら!?」 さっきまで落胆して部屋の隅でうずくまっていた諏訪子が 水を得た魚の如く喰いついてきた。 はっきり言って下心が丸見えである。 「事此処に至っては仕方ないわね……こんな幼い子を放り出すわけにもいかないし、諏訪子もこんなだし どうかしら、○○。あなたさえ良ければ、此処でしばらく暮らしてもらってもいいんだけれど。」 「暮らすわよね、ね、ね!?」 「落ち着きなさい諏訪子、目が怖いわよ」 諏訪子の期待の視線に気圧されながらも、照れながら少年は頬を赤く染める。 「は、はい……よろしくお願いします」 「やったぁ!!」 「ふふ、では○○君の部屋を用意してきますね」 早苗も、この幼い少年が同居することは嬉しく思っていたようだ。 その証拠に、彼女の表情には笑みが浮かんでおり、新しい同居人の為に嬉々として部屋を用意しようとしている。 「あ、あの……!」 「どうかした?」 少年が、部屋から出ていこうとする早苗を呼びとめる。 けれど、その後が続かない。 少年は俯いたまま、しばらく黙ってしまった。 そんな少年を、神奈子は窘める。 「○○、言いたいことがあるのならはっきりと言いなさい」 「は、はい……ごめんなさい……」 「どうしたの? どこか痛いところがあるの? それともお腹がすいたの?」 「そうじゃなくて……その…あ、ありがとうございましたって、お礼を……」 『…………』 「よ、よろしくお願いします……神奈子お姉さん、早苗お姉ちゃん、諏訪子……お姉ちゃん? かな?」 おずおずと……少年は助けてくれたことに対するお礼を告げた。 しばし、3人は硬直する。 どこかズレている この礼儀正しい少年にある意味で驚かされたのだ。 そして、最初に硬直が解けたのは諏訪子だった。 「やーん! 可愛い――――!!」 「わ、わああっ! やっ、やめ……!」 少年のいじらしい姿に、諏訪子は再び少年に抱きついて頬ずりする。 「ふふ、どういたしまして」 早苗は、そう少年に言い残して障子を開き、部屋から出て行った。 「ほらほら、病みあがりの子供に無理させないの」 「あーうー……」 そして神奈子は……少年と諏訪子を引きはがし、諏訪子から恨みの視線を投げられていた。 『いただきます』 一刻ほどの時間が流れ、守矢神社の食卓には美味しそうな匂いが漂っていた。 ○○を囲っての初めての食卓。 「お、美味しいです……すごく」 「ふふ、ありがとう。いっぱい食べてね」 けれど、それっきり○○は一言も喋らなくなってしまった。 否、時折何か喋ろうと努力しているようには見える。 けれど、その内向的な性格が災いしてか喋ることができないようだった。 3人にも、○○が口下手で 喋ることが得意では無いことはわかっている。 ゆえに……誰かが、この内気な少年の緊張を解してあげなければならなかった。 「はい、あーん」 突破口を開いたのは諏訪子だった。 箸で白米を摘みあげ、手を下に添えながら少年に差し出す。 少年は、諏訪子が意図しようとしていることを一瞬で悟り、またもや赤くなってしまった。 「……あ、あの……自分で…食べれますよぉ………」 「ダメ! 幻想郷にはね、女の子から差し出された物は 残さず食べなければならない決まりがあるの!」 「そ、そうなんですか?」 「そうなのよ~♪」 「じゃあ……あ、あーん……」 真顔でなんてバカな大ウソを付いているのだろう。 しかも、○○はそれを真に受けてしまったようだ。 羞恥に頬を赤く染めながら差し出された白米を食む。 「あの……あ、ありがとうございます……」 「いいのいいの、じゃあ次ね!」 「え、ええっ?」 ヤル気だ。 彼女は自分の茶碗の中にあるご飯全部を○○に食べさせるつもりだ。 諏訪子が本気だということを悟ると、○○は困り果ててしまった。 女性に食べさせてもらうということへの羞恥に、顔を手で隠しながら照れてしまっていた。 「ふふ、今時珍しいくらい純な子ね……ねえ○○、ちょっと酒を注いでちょうだい」 「は、はい」 神奈子は神奈子で晩酌を仰っており、既にほろ酔い気分で少年に手酌を求める。 少年は神奈子の側に座り、盃に酒を注いだ。 「神奈子様……飲み過ぎですよ」 「いいじゃない、たまの客人なんだし。ねえ、貴方も飲んでみる? 注いであげるわ」 「あ…ありがとうございます……」 「神奈子様! 未成年にお酒を勧めないでくださいっ!! って、○○君も飲んじゃダメ!」 早苗が神奈子に詰め寄った一瞬の隙。 その間に、○○は神奈子の手酌で注いでもらった酒を一気に飲み尽してしまった。 「ふふ、なかなかいい飲みっぷりね」 「はぅ……ぁぅ……」 神奈子の飲んでいた酒は幻想大吟醸『神殺し』。 名前の通り、アルコール度数は非常に高い。 そんな強い酒を、一気飲みした子供がどうなったか―――― 「う~……きゅぅ……」 ――――敢えて、語るまでもないだろう。 「○○君、しっかりして! か、神奈子様! いくらなんでも冗談が過ぎ――――」 「安心なさい早苗、急性アル中には ならないようにしているから大丈夫よ」 客人をみすみす危険にさらすような真似を、神奈子がするはずもなかった。 既に、神通力を使い少年の身体のアルコール分解を早めている。 「本当に愉快な子ね……」 少年……というよりもまだ子供。 しかも、性格も内気でとても大人しい。 そんな○○は、神奈子もあまり見たことのないタイプの男の子だった。 ───────────────
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明日ハレの日、ケの昨日「八坂 神奈子」&「洩矢 諏訪子」 読み:あしたはれのひ、けのきのう「やさか かなこ」&「もりや すわこ」 カテゴリー:Extra/女性 作品:花風編 属性:水風 ATK:4(+1) DEF:2(+1) 【エクストラ】〔「八坂 神奈子」&「洩矢 諏訪子」〕 [自動]このキャラが登場かレベルアップした場合、相手のキャラすべてに3ダメージを与える。 信仰が失われると、幻想郷は混沌とし始めるでしょう illust:すか 花風-045 R SR 収録:エクストラブースター「OS:東方混沌符 -花風編-」 参考 ネームが「八坂 神奈子」であるキャラ・エクストラ一覧 諏訪子様の仰るとおりに「東風谷 早苗」 「洩矢 諏訪子」 神奈子様の仰るとおりに「東風谷 早苗」 「八坂 神奈子」 神さびた古戦場「八坂 神奈子」 明日ハレの日、ケの昨日「八坂 神奈子」&「洩矢 諏訪子」 山坂と湖の権化「八坂 神奈子」 乾を創造する程度の能力「八坂 神奈子」 乾を創造する神様「八坂 神奈子」 マウンテン・オブ・フェイス「八坂 神奈子」 はた迷惑な謎の神様「八坂 神奈子」 「洩矢 諏訪子」 あゝ風の神よ神湖の地に「八坂 神奈子」 ネームが「洩矢 諏訪子」であるキャラ・エクストラ一覧 諏訪子様の仰るとおりに「東風谷 早苗」 「洩矢 諏訪子」 明日ハレの日、ケの昨日「八坂 神奈子」&「洩矢 諏訪子」 愉快な日本の神様「洩矢 諏訪子」 巨大人形「非想天則」 坤を創造する程度の能力「洩矢 諏訪子」 坤を創造する神様「洩矢 諏訪子」 土着神の頂点「洩矢 諏訪子」 ネイティブフェイス「洩矢 諏訪子」 ケロちゃん風雨に負けず「洩矢 諏訪子」 はた迷惑な謎の神様「八坂 神奈子」 「洩矢 諏訪子」
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諏訪子にお仕えするのは喜びだ。 我々を優しく包む、母性に惚れ込んでしまったら、彼女なしの生活などありえない だからこそ、彼女に弾丸を打ち込む不定の輩に思いっきり祟りをかけたかったのだが……止められてしまった。 逆賊め、諏訪子様の寛大な御心に感謝するがいい。 あ、次俺の出番? ミシャグジNo.4〇〇、交差段幕として今出陣!! え?発射方向は後ろ?そんなぁ~~ ミシャグジな〇〇ってアリだよね? キャラ同士制限に引っ掛かったらスマン 9スレ目 939 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ただいま~~」 「お帰りなさい、洩矢様、お食事どうしますか?」 「ごめんね~、もう食べてきちゃった~、お風呂沸いてる?」 「はい、先ほどいれた所です」 「じゃあお風呂入ってくるね~ふんふふ~~ん♪」 「なんだ諏訪子帰ってきたのかい?」 「はい、そのままお風呂に行かれましたけど」 「最近上機嫌で麓の方に頻繁に行くけど何やってんだろうね」 「分かりませんがあまり麓に下りないほうがいいと思うんですけど」 「なんでだい?諏訪子は神だよ、そこらの妖怪が束になっても諏訪子に傷一つつけられないよ」 「そこは心配してないですけどその……里で幼女趣味の人に襲われてないかと思って」 (…………早苗も結構言うね)「ま、まあどうしても心配なら明日諏訪子の後をつけて行こうか」 「そうですね」 「どうしたの~?」 「なんでもないよ、諏訪子は明日も出かけるんだろ?」 「そうだよ、帰るのも今日と同じ時間ぐらいになりそうだから晩ご飯いいや」 「分かりました」 「じゃあお休み~」 「お休みなさい」 ~翌朝~ 「ごちそーさま!それじゃあ行って来るね~」 「はい、いってらっしゃいませ」 カチャカチャ 「んじゃ私たちも後つけようか」 「はい」 ~少女尾行中~ 「……今更ですけど、後をつけたりしていいんでしょうか?」 「本当に今さらだね、早苗だって気になってるから後をつけてるんだろ?」 「ええ、まあそうですけど……」 「お、民家に入って行ったよ、どうやらここが目的の場所らしいね」 「ドキドキ、ワクワク」 「……ノリノリだねぇ」 ガチャ 「やっほー○○元気~?」 「元気も何も昨日会ったばかりじゃない」 「人間は弱いから昨日元気でも今日はどうか分からないからね」 「はいはい、俺はいつも通り元気だよ」 「それならよろしい♪」 「で、今日も晩飯食ってくのか?」 「うん、○○のご飯はおいしいから好きだよ……○○も」 ボソッ 「ん?最後の方が聞き取れなかったけどなんか言ったか?」 「な、何でもないよ!!」 「二人ともすごく仲いいですけど漏矢様、彼の事好きなんでしょうか」 (何処かで見た顔だとおもったら雰囲気といい諏訪子の旦那にそっくりだね) 「多分好きなんだろ、なんだい早苗、あの男に一目ぼれでもした?www」 「え?そ、そんなことないですよ?/////」 (図星か、ああいう男が好きになるなんてやっぱり血筋かな) 「ほら、二人の邪魔しちゃ悪いし帰るよ」 「え?せめて挨拶だけでも」 「人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて地獄に堕ちろとかいうだろ、ほら、行くよ」 ズルズルズル 「イヤーヒキズラナイデー!」 「なんか声聞こえなかった?」 「私は何も聞こえなかったけど?どれよりさ、ぎゅぅって抱きしめてよ」 ギュゥ 「これでいいか?」 「もっと強くして、離さないでね」 「諏訪子が飽きるまでずっとしてやるよ」 「えへへへ、○○、好きだよ」 「ああ、俺もだ」 10スレ目 435-436 ─────────────────────────────────────────────────────────── ●●は、生け贄にされるはずだった。 ミシャグジのお告げを受けた神主は、例外なく私に命を捧げてきた 別に私が血肉に餓えているわけではなかったが、信者達……いや、王国の国民たちは、それが信仰の証だと硬く信じていた。 状況が変わったのは、神奈子に征服されてからだ。 私に対する王国の信仰心を、なんとか神奈子が得ようと無駄にあがいていた。そこで誰の目にも明らかにキャッチーな「人間の生け贄廃止」を謳ったのだ。 だが国民たちは当たり前のように生け贄を続け、神奈子の計画は失敗した。 だが、国民は逆らっても私が逆らうわけには行かない。 私が降伏した意味がなくなってしまえば、国民は軍隊に踏み躙られるだろう。 だから私は、生け贄になるはずだった●●を婿に迎えることで生け贄の必要性を下げたのだ 私にとって誤算だったのは、私が本気で●●を好きになってしまったことだ。 私を、ただの女の子として扱った初めての男性だった。 身も心も、●●には全て許した。永遠の愛も誓った。 だが、●●は人間だ。 当時としては非常に長生きで、40歳に届いた頃、寿命が尽きた。 寂しく、悲しかったが、彼との間に授けた子達が支えてくれた。 子供たちが神奈子に仕えることで、国の内外も安定した。 ずっとずっと、●●の面影を子孫に追い続けていた。 「――幻想郷暮しも悪くないわね」 「洩矢様にそう言って戴けると助かります。なにしろ八坂様はお一人で決めてしまいましたから」 早苗は、プラスチックの食器を片付けながら安堵のため息を吐くように答えた。右手の人差し指で、軽く右頬を掻く仕草。●●が安心したときの仕草そのもの。 「ところで早苗、お付き合いしている男性がいるって本当?」 あぁ、おたおたと慌てる仕草は似てないのね。 少し悲しいわ。 でも、神奈子と違って文句なんて付けない。 ●●の血を継ぐなら、相手なんて誰だっていいもの。 「〇〇って言うの? え?まだ告白してないの……今度神奈子と私に会わせなさい。 しっかり見定めてあげるわ。神奈子の評価は厳しいわよ~」 数日後、〇〇と連れ添うように歩く早苗を見かけた。 一目で解った 〇〇は、●●の生まれ変わりだ。 ぞくりと、それに気付いた私に芽生えた感情の恐ろしさと背徳感に背筋から震えた…… 続くかも ケロタンヤンデレ計画 10スレ目 485 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「あのね○○、蛙はね寒いと死んじゃうのよ」 「そんな理由で神棚からいきなりワープして俺を拉致ったんですかい」 「そう、これは命に関わるのよ。 決してさっきテレビでやってた「実録!幻想郷に悪霊が存在した!」が怖かった訳じゃないのよ」 「はあまあそういう事なら添い寝しましょう」 「ね、ね、○○」 「はい?」 「眠れないからお話して」 「・・・むぅ、じゃあまあ。 信じようと信じまいと・・・これは外の世界で本当にあったry」 ガクブル震える諏訪子様が気持ち良くて熟睡ですた。 12スレ目 281 ─────────────────────────────────────────────────────────── 天狗のいわく、 胸でチョコの型取りをしてプレゼント、 っていう物語的な悪習は、 一度だけ例の白黒魔法使いの友人が彼女にプレゼントしようとした事があるらしい。 いやまあ、結果として渡せなかったらしいが。 とはいえこれは良いかもしれない。 破廉恥な手段とはいえ、 ここまで直接的なアプローチをかければ、 焦ってくれるか笑ってくれるか、 冗談でも本気でも話題程度にはなるかなと思い、作ってみる事にした。 作り方こそ簡単に調べられるものの、 早苗に占領された台所を使うのは難しいので、 氷精の所で一緒に作る事にした。 流石にそこで型取りする訳にもいかないのでとりあえず自宅で型を作ろうとした。 そして気付いた、 私には胸が無かった。 「という訳で普通のチョコになっちゃったよ・・・ あーうー・・・ごめんね○○?」 感想:あめえ 12スレ目 512 ─────────────────────────────────────────────────────────── au(あーうー) K(ケロちゃんと)D(電話)D(で)I(イチャつこう) (諏訪子、黒電話のコードを指に絡めながら) 『はい、○○です』 「もしもし、諏訪子だよー」 『あ、諏訪子様こんにちは』 「○○、明日は暇? 最近来てくれないから寂しいな」 『うっ……わ、わかりました。 明日は仕事早めに切り上げて守矢神社に行きます』 「えへへ、待ってるよー」 おまけ K(ケロちゃん)D(電話)D(代)I(いいのかい?) 「ちょっと諏訪子、電話代がもったいないでしょう? 私にも代わりなさい……もしもし○○? 私はともかく、諏訪子と早苗が寂しがってるから たまには顔出しなさいよ?」 「あの……お二人とも、そもそも幻想郷で どうやって電話を……」 「あ、心配いらないよ。 私と○○用のホットラインだから……ほら」 そこには守矢神社から○○の家まで 一本につながった無数のミシャグジさまが 12スレ目 693 ─────────────────────────────────────────────────────────── 202から ○○「あ~う~」 諏訪子「ほらほらこっちだよ♪あ~う~」 神奈子「二人ともすっかり仲良くなっちまって」 早苗「そうですね……でもこれからどうしましょう……」 早苗が博麗神社からの帰りに、捨て子を見つけてきたのだ 神奈子「いつまでもここに居させるわけに行かないし……」 早苗「やはり里親でも探した方がいいのかもしれません」 諏訪子「イヤだよ!!」 神奈子「諏訪子!?」 早苗「諏訪子様!?」 諏訪子「この子は私が面倒を見る!!立派に育ててみせる!!」 神奈子「そうはいってもな……。諏訪子は神様だぞ?その赤ん坊とはずっと一緒というわけにいかないんだぞ」 早苗「そうですよ諏訪子様。育てるといってもその命の重大さはとても重いんですよ?」 諏訪子「……いいよもう!!私がこの子を一人で育てるから!!この神社を出て行くよ!!」 神奈子「……ああ、そうかい。勝手にしな」 早苗「ちょっと神奈子様!?」 諏訪子「……じゃあね神奈子、早苗」 そういって諏訪子は○○を抱き上げて神社から飛び出していった 早苗「神奈子様!!いいんですか!?諏訪子様出て行っちゃいましたよ!!」 神奈子「いいのさ。わからずものには少しばかりお灸をすえてやらないと」 早苗「……やはり私諏訪子様を探してきます!!」 早苗も神社から飛び出していった 神奈子「……子供を育てるって言うのはそんなに簡単なことじゃないんだよ諏訪子……」 一方そのころ諏訪子と○○は… 諏訪子「……あんな事言ってきちゃったけど、どうしよう……」 ○○「あ~う?」 諏訪子「……ふふ、○○は優しいんだね……」 ???「おい、そこで何をしている!!」 諏訪子「!!」 ???「ん、誰かと思えば守矢神社の神様じゃないか」 諏訪子「お前はハクタクの……」 慧音「上白沢慧音だ。こんなところでどうしたんだ?」 諏訪子「実は……」 慧音「なるほど、住むところに困っているならちょうど良い。空き家を貸してもらえるように頼んでみよう」 諏訪子「ありがとう」 慧音「早速聞いてみてみるからそこで待っててくれ」 その場から慧音は里の方へ飛んでいった ???「諏訪子様……」 諏訪子「……帰る気なんてないからね。早苗」 早苗「どうしてですか?そんなにその子が大事ですか?」 諏訪子「……昔、私も子供を拾ったことがあって、でもそのときは戦争中で……殺されてしまったの。とても小さい赤ん坊だったのに……」 早苗「っ!!」 ○○「あ~う~あ| 諏訪子「……この子はその子に似ているのよ。とても……だから今度こそ守りたいの。私の手で」 早苗「諏訪子様……」 慧音「なんだ巫女まできていたのか」 諏訪子「どうだった?」 慧音「問題ない。今からでも住んでも大丈夫だそうだ」 諏訪子「じゃあ今からその家に行くわ」 慧音「巫女と話していたのでは?」 諏訪子「……もう話し終わったから大丈夫よ。……今度こそさようなら早苗」 諏訪子はその場から飛び去っていった 慧音「いいのか?あのままで」 早苗「……」 上空 諏訪子「……今度こそ私が守るから……」 ???「ちょっと待ちな諏訪子」 諏訪子「神奈子……何するの、邪魔よ」 神奈子「あなたにその子は預けられない」 諏訪子「なんで神奈子にそんな事いわれなくちゃいけないのかな?」 ○○「う~?」 神奈子「そんなのあなたに資格がないからにきまってるからじゃない」 諏訪子「なら、神奈子は私をどうするの?」 神奈子「ここで倒すわ。そしてその赤ちゃんの里親を探す」 諏訪子「そんなことはさせない!!」 ~諏訪子 祟符「ミジャグジさま」~ ~神奈子 神符「神が歩かれた御神渡り」~ 諏訪子「くっ!!」 その瞬間、○○の手が諏訪子から離れた 諏訪子「○○ーーー!!!」 神奈子「早苗!!」 早苗「はい!!」 ちょうど早苗が○○を抱きかかえる状態で受け止めた 諏訪子「○○!!○○!!」 早苗「だいじょうぶですよ諏訪子様。○○は無事ですよ」 諏訪子「ほっ……」 神奈子「わかったかい。今のあんたじゃ妖怪にですら負けてしまう。○○を守りながらなんて無茶にもほどがある」 諏訪子「神奈子……でも、でも!!私は!!」 神奈子「別にあんた一人だけで○○を守ろうと考えちゃいけない。私や早苗もいるだろ?」 諏訪子「あっ……」 早苗「私や神奈子さまだって○○のことは家族と思ってますよ。もちろん諏訪子様も」 諏訪子「うぅ……ごめんね神奈子、早苗、○○、私、一人で何でもできるって思ってて……」 神奈子「さぁ帰ろう諏訪子、○○、守矢神社こそが私たちのすむ家だ」 ○○「う~う~」 諏訪子「うん!!」 それから三年後… ○○「おかーさん」 諏訪子「うんうん♪」 ○○「早苗おねーちゃん、神奈子おねーちゃん」 諏訪子「よくできました♪」 早苗「○○もすっかり大きくなりましたね」 神奈子「そうだな。おかげで諏訪子の笑顔がとても多くなったな」 早苗「きっと○○は私たちに笑顔をくれるためにきてくれた神様なのかもしれませんね」 神奈子「そうかもしれないな……」 諏訪子「はやく二人もこっちきていっしょに遊ぼうよ~」 早苗「いきましょうか。神奈子様」 神奈子「そうしようかね」 お わ り うpろだ1034 ─────────────────────────────────────────────────────────── ―――ほら、あれが天の川っていうんだよ。 私の隣にいる彼はたくさんの星の道を指しながら言った。 ―――七夕には笹に短冊に願い事を書いて吊るすんだ。そうすると叶うんだって。 近くには飾り付けられた一本の笹。けれどまだ短冊はつけられていない。 ―――さぁ書いてみよー。あ、でも。神様でも願い事は叶うのかな? 手には何も書かれていない短冊。一人一枚と思ったが、彼は何枚も用意していた。 ―――何か書いた? えー、いいじゃん教えてくれたって。 それが、私と彼との初めての七夕だった。 ギラギラと照りつける太陽。蝉はまだ鳴いていないがそれは十分に夏を告げていた。 この天候で気温が少し暑い程度に感じるのは標高が高いおかげだろう。反面、日差しはとても暑いが。 そんな中、私は何本かの笹を見上げていた。 昨日か一昨日か、早苗が持ってきたものだ。 天狗たちを七夕をすると張り切っていたが、どうせ宴会で終わってしまうだろうと私はふんでいた。 持ってきたときはただの無駄にでかい竹だったが、気づいたら色とりどりに飾り付けられている。 そういうことは得意らしい。嬉々として作っていたのを何度か見たことがある。 遠くから聞こえる声。どうやらお昼ごはんが出来たようだ。 私は声の方向に返事をした後、もう一度笹を仰いでその場をあとにした。 ―――あらら、見つかっちゃったか。 二度目の七夕の前日、彼を見つけた私はそんな声を聞いた。 ―――うーん、驚かせようとしたのになぁ。 残念そうにつぶやく。彼の目の前には竹が倒れていた。 ―――ばれちゃったら仕方が無いや、一緒にやらない? 彼がやっているのは飾り付けのようだ。中々手際が良いように見える。 ―――最初は大変だったけどねー、もう慣れちゃったよ。 そういいながらも作る表情はとても楽しそうであり、 ―――ほら、これとか綺麗に出来たんだよ? もとより彼を探していた私は、一緒にやらないはずが無かった。 日差しがあたらない室内はなかなかに過ごしやすい。 そこで私は一人、台所にいた。普段料理なんてしないが、今日は別だ。 材料を一通り見渡して、予想通りの多さに今更ながら呆れる。 早苗に頼んだのが間違いだったのか、それとも正解だったのか。 確かに牡丹餅の材料を買ってきてと言ったが、大人数作る気はこれっぽっちも無い。 大方、天狗たちに振舞うとか勘違いしたのだろう。 幸いまだ時間はある。こうなったら全部牡丹餅にしてくれよう。 軽いため息とともに何年と繰り返してきた作業を開始する。 たとえ慣れたとしても気など抜けるはずが無い。 料理のこともそうだが、何よりもう一つ。 たくさん作ろうが作らなかろうが、つまみ食いに来る奴を徹底的に止めなければいけないから。 ―――今日はいいものを持ってきたたよー! 三度目の七夕の日。彼は特別気分が高揚しているようだ。たが一つ多い。 ―――ほらこれ! 彼が差し出したのは2つの牡丹餅だった。こんなものどっから見つけてきたのだろうか。 ―――いやー、棚にあったのを見つけたから持ってきたの。まさに棚から牡丹餅! 一つ牡丹餅を渡しながら彼はそんなことを言った。私は後で怒られるだろうな、と思いつつ牡丹餅を受け取る。 ―――七夕で、棚から牡丹餅。たなばたでたなぼた。 変な洒落を思いつくものだ。一応語呂は良いが。 ―――運がいい今宵は、よい天の川が見れるのかな? なんてね。 そう言った彼は隣に座って牡丹餅を食べ初めて、それにつられて私も食べることにした。 冬ならばもう真っ暗になっている時間帯。 着実に暗くなっていく空は、これから始まるであろう惨事を刻一刻と告げているようだった。 実際、気の早い天狗がもうすでに来ている。 その惨事が始まる前に、私達三人は一応の夕食をとっていた。 早苗は七夕(そう言っている)で忙しいため、私は宴会には出ないためにこれが夕食となっている。もう一人はなんとなく。 時折話しながら食事は進んでいく。まだ早苗は七夕として頑張ろうとしているらしい。 「ごちそうさま」 早々に食べ終わり、食器を流しに置いてから外を見る。 まだまだ明るい、という段階だけど本殿に向かえばすぐに暗くなるだろう。 その前に、杞憂だが一応確認しておくべきことが一つある。 「神奈子」 「大丈夫よ」 即答。やはり杞憂だった。伊達に何百年何千年と関わってはいないということか。 ありがと。早口にそう言って私は準備をするために急いで居間から離れた。 明日神奈子に何か言われるだろう。でもこれぐらい安いものである。 ―――それで、織姫と彦星は天の川によって引き離されてしまったんだ。 何度目かの七夕の日。彼は織姫と彦星の話をしていた。 ―――でも、一年に一度だけ、織姫と彦星が出会える日があって、それがこの七夕なんだって。 私は天の川を見ながら彼の言葉に相槌をうつ。 ―――ちょっと寂しい話ではあるけど、僕はこの話が好きだな。 同じように天の川を見ながら喋る彼。その声はとても楽しそうで――、 ―――一年に一度だけだけれど、ずっと会えるんだから。 同時に、とても寂しそうだった。 用意を終え、私は本殿へと移動し始めていた。 遠くからは騒がしい声。やっぱり宴会になってしまったようだ。 ふと気になって外を見ると、見事に笹が空の景色を邪魔していた。 葉には短冊が吊るしてある。なんとなく気になって見てみることにした。 『信仰が集まりますように。 早苗』 おもわず頭を抱えそうになる。もう少しまともな、というか年頃な願い事は無いのだろうか。 あの子の教育に関することは後日神奈子と話すこととして、今は関係ない。 笹を少しどかして空を見ると、星がわずかだが輝いていた。 日は沈んではいるが短冊の文字が読めるほどには明るい。その明るさでこの星だ。 知らず知らずのうちに私は早歩きになっていた。 いつかの七夕。 いい加減願い事が思い浮かばなくなった私は、何も書いていない短冊を手にして首を傾げていた。 毎年毎年なぜか彼は沢山の短冊を持ってくる。 さらに来年に持ち越す気は無いらしく、結果一年に何個も願い事をする羽目になった。 最初は『おせんべが湿気ませんように』とか書いていたのだが、そう毎年お願いする事柄でもない。 仕方が無いので、何か思いつくかもしれないと、彼の書いた願い事を見てみることにしたわけだ。 一つ見る。 『貴様、見ているなっ!』 ずっこけた。これは願い事ではないだろう。明らかに私に対する言葉だ。 なるほど彼が何十個も書ける秘密がわかった気がする。 とりあえず私の行動を戒めるであろう短冊は無視するとして、色々と見ることにした。 変なのはあの一枚だけだったようで、それ以外は取り留めの無いような普通の内容のようだ。 そして、最後の短冊。 それにはこう書いてあった。 『彦星になれますように』 と。 ――ああ、そうか。 それを見て私は妙に納得してしまった。 つまりは、そういうことだったのだ。 それならば――。そう私はつぶやいていた。 それならば私はこう願わなければいけないだろう。 『織姫になれますように』 と。 私は手に持った短冊にそう書き記して彼の短冊の隣にかけることにした。 人間と神様。交わることの無い二つが交われるように。 遠い二人が一年に一度でも、永遠に近づけるように。 それに他の誰かに織姫を――、彼を取られてしまうのは嫌だったし。 つまりは、私もそういうことだったわけだ。 いや、最初からわかりきっていたことだったが。 織姫が私、彦星が彼。天の川は厭い川で、星は翡翠。 うん、完璧だ。満足げにうなずく。 さて問題は、これをどうやって彼に伝えるか。 さながらイタズラっ子の笑みで私は考えるのであった。 本殿まであと少し。空は満天の星で一杯になっている。 彼はいるだろうか。こんなにも空が綺麗だから、もう来ているかもしれない。 一年に一度だけ、七夕で私と彼は会うことができる。 妄想、幻覚。そんな言葉は飽きてしまった。 それは幽霊がいるかどうか、神様がいるかどうかと言うほどにどうでもよく、 七夕に彼と私がいる。私はそれだけでよかった。 そして七夕が終わり、月日が経ち、再度七夕に彼と私がまた出会う。 一夜だけだけど、一夜もあって。 一瞬だけど、永遠に。 それはまるで織姫と彦星のようで――、二人の願いは叶ってしまったわけだ。 片手には二つの牡丹餅、もう片手には多すぎる短冊。 飾り付けられた翡翠の色した深緑の笹に、いつもの二人。 織姫(私)と彦星(彼)が一年に一度、天の川(厭い川)で出会える日。 話すことはたくさんある。 幻想郷への移動。天狗との出会い。巫女との神遊び。 さて、何から話そうかな。 うpろだ1230 ─────────────────────────────────────────────────────────── 何かの拍子で外界に戻ってしまった土着神の頂点、洩矢諏訪子。 信仰心の失われた外界ではまともに声を出すことすらかなわず、 森の中を彷徨う。 そこで出会った一人の少年…心を通わせていく少年と諏訪子。 かろうじて出た言葉、彼女の口癖 「あー、うー」 が原因であーうーと言う名前をつけられてしまう。 彼とその友人の助けを借りながら続く外界での不自由ながらも 充実した生活、しかし彼女は置いて来てしまった盟友と子孫の娘が 恋しいのか一言。 「あー、うー。うちに、かえる」 諏訪子を連れて守矢神社跡地を目指す少年、だが諏訪子の秘密を 狙う大人たちの手が忍び寄る!何とかして二人を行かせようとする 友人達の努力もむなしく、追い詰められてしまう。 しかし土着神の頂点諏訪子と少年の絆は誰にも断ち切れなかった… 「という人形劇か劇画を作ってみたいんだけど!守矢神社の信仰度 アップも間違いなし!」 うpろだ1434 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「そういえばあの日からなんだよなー」 ~~~青年回想中~~~ 慎重に守矢神社の境内を動き回るダンボールが一つ。 箒を持った早苗さんは気付いていない振り。諏訪子様が座っているからだ。 ダンボールはゆっくりと、最近建造された蔵に近づき…… 「こちら○○、蔵に侵入した。諏訪子大佐、指示をくれ」 「あーうー○○ー、早くぬか漬けだしてよー」 「わかった。諏訪子大佐。作戦を開始する」 昼でも暗い蔵の中に○○と諏訪子様は入って行きました。 そして青年は早苗さんから隠れるように包丁とまな板と水を拝借しに向かいました。 当然早苗さんは気付いています。神奈子様はいつものことだと傍観を決め込んでいる模様です。 青年が包丁とまな板と水を汲んで持ってきたようです。 「あーうー○○早くー」 「待ってくださいね、諏訪子様。慌てなくてもぬか漬けは逃げませんよ」 笑顔で諏訪子様に応対する青年。 諏訪子様は外見こそ幼いものの、中身は……どうだろうか。 女性と少女を行き来していると、青年は思っている。 早苗ちゃんには威厳を持って、神奈子様には親友のように、俺には甘えるといったような。 「あ……ー……ま……?」 「すいません、満腹で少しボンヤリしていました」 「はやくはやくー!」 「しっ!諏訪子様。任務中です」 「あーうー」 「それでは任務を続けます」 目の前には頭ほどの大きさの壷。 重石をどかして、木で出来た蓋を取ると、ぬかがみっしりと詰まっている。至宝はその中にある。 「諏訪子様、出しますね」 「はーい」 青年は腕を捲くり、ぬかの中に手を入れ、きゅうりを発掘する。 その間、諏訪子様は青年に背を向ける形で他の漬物壷を見たり匂いを嗅いだりしている。 青年はきゅうりのぬか漬けを取り出し、水でさっとぬかを落とす。 侵入したダンボールにまな板を置き、包丁を手に取る。 きゅうりの端を包丁で切り落とし、馴れた手つきで斜めに切っていく。 リズムと均一の厚さできゅうりはまな板に倒れていく 諏訪子様を呼ぼうと振り向いたら 「諏訪子様、切れました……」 「あら、もう切れたの?早いわね」 「まさか……諏訪子……様……?」 目の前に居るのは諏訪子様をそのまま大人にしたような、美人。 青年が見てきた諏訪子様は可愛いらしさを前面に押し出している少女。 対してこの女性は可愛らしいサナギから脱皮した蝶のように綺麗な女性。 「この蔵の中に居るのは貴方と私だけ。だったら答えはわかるでしょう」 「諏訪子様……凄く綺麗です」 「ありがとう、○○」 「……」 「そうしたの?」 「……いえ。何も無いです(見惚れてたなんて言えないよな……)」 「早く味見しない?」 大人の諏訪子様の言葉を聴いてハッと蔵に入った目的を思い出す。 「あっちゃー諏訪子様、爪楊枝取って来ますね」 「待って。食べさせてくれない?」 「えっ……食べさせて……?」 「イヤなの?」 「いいいいいいいいいえそんな滅相もありません」 大人の諏訪子様の微笑と、これから行う行為に顔を赤くしながら青年は切ったばかりのきゅうりのぬか漬けを諏訪子様の口に運ぶ。 大人の諏訪子様は形の整った小さな唇できゅうりのぬか漬けを食べる。 ただ、ポリポリと小さく租借する音が小さな蔵に響く。 恥ずかしそうに目を逸らしている所為か、青年は諏訪子様の麗しい唇はきゅうりを持つ青年の指にまで迫って居る事に気付いていない。 ちゅぱっ……ちゅぱっ…… 青年の指を、飴を舐める要領で舐める諏訪子様、あっと小さく声を上げる青年。 だが諏訪子様は止まらない。 今度は諏訪子様がきゅうりを手に取り、青年の口に持っていく。 「諏訪子様……いいのですか?」 「良いよ」 微笑を浮かべる諏訪子様を見て再び顔を真っ赤にする青年。 そしてゆっくり、ゆっくりと口をあける。 ポリポリ……ポリポリ…… 諏訪子様は止まらない。 青年に自分の白魚のように白く細い指が青年の唇をなぞり、ゆっくりと口の中へ。 青年は恐る恐る諏訪子様の指を舐め、次のきゅうりに取り掛かろうとゆっくりと自分の背後にあるであろうまな板に振り返ると…… 「あーうー早く食べようー」 「……あれ?」 「どうしたのー?」 「……いえ、何も無いですよ。はい、どうぞ。」 壷眺めに飽きたのか、いつもの諏訪子様が青年の足に抱きついていた。 足に抱きつく諏訪子様にきゅうりを差し出す。 ポリッと気持ち良い音を立てきゅうりにかぶりつく諏訪子様。 ――そうだ、神奈子様に聞いてみよう もう一柱の神様へ、この漬物を手土産に、な。 ~~~回想終わり~~~ 「神奈子様は答えを知っていたけど言いたくなさそうな感じだったな……」 「神奈子がどうしたのー?」 「なんでしょうね?」 「あーうー神様に隠し事なんて千年早いんだぞー」 諏訪子様が膝の上に座っていた。 そう、俺の膝に諏訪子様が座るようになったのはあの日から。 ――願わくは、誰一人欠ける事無くこんな日常をいつまでも…… 新ろだ55 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「何か、する事無い?」 いつもの日常。 暇すぎて当てもなく境内を彷徨い、人を見つけてはこんな事を聞く。 「もう、それ何回目ですか」 「暇なんだよ、暇なんだよ」 「大事なことなんですね……」 「流石だぜ早苗」 「何もありませんけどね」 「ひどいぜ早苗」 境内の掃除をしている早苗に軽くあしらわれ、神社の中に戻る。 と、ちゃぶ台に頬杖を付きながらうんうんと唸っている神奈子様を見つけた。 「何かお困りですね神奈子様」 「あぁ、○○か」 「何かお困りのようなら、不肖ながらお力添えをば」 「あはは、無理無理。これは所謂"神事"の悩みなんだ」 「人間、神相手にも挑戦しなきゃならない時があるんだ」 「あまり介入すると祟られるよ? 私じゃなくて、あいつに」 「…………」 「ほれ、行った行った。私は集中したいんだ」 神奈子様に軽くあしらわれ、神社の縁側に座り込む。 本当に、ここに俺がいる意味って何だ。 俺がいなくてもこの世界は成り立つだろ。本気でニートしろってか。 「あーうー、ひどいよ、神奈子ひどいよ」 * おおっと ミシャグジさま!* 祟られ全滅フラグ!? じゃねぇよ! 「……君も神奈子様にあしらわれたのかい」 「聞いてよ○○! あいつひどいんだよ!」 小さな神様が泣きついてきた。これで神様やってるんだから、この世界は分からん。 あーうーあーうー泣く神様の頭を撫でながら、愚痴は耳から耳を通過。 「そういや、俺も言われたなぁ。悩み事の相談相手やってやろうとしたら、"神事"の悩みだからお前には無理って」 「神奈子は何でも一人で解決したがるのが悪い癖だね!」 いや、俺はともかく諏訪子は侮られてるだけだろ…… と、口には決して出さない。祟られ全滅フラグなんて死んでもごめんだ。どっちにしても死ぬんだけど。 「"神事"の悩み……ねぇ。どんな悩みだろうな、少し気になるな」 「気になるなら、神様になっちゃえば良いんだよ」 凄い事をスパッと言うな、この小さな洩矢神は。 それこそ、パンがないならケーキを食べれば良いじゃない、的な感じで。 ……これはちょっと違うか。 「なんでそこで神になるんだ」 「神様になれば、神奈子の悩みも聞けるようになるんじゃないかな?」 神になればいいってものではないと思うのは、果たして間違っているのか。 だって、諏訪子ですら聞かせてくれない話じゃないか。 俺が神になったところで、おたまじゃくしに手足生えた程度だぞ。 「神ね……カエルとヘビって言うと、後は何かあったっけ?」 「ナメクジだねー。カエルに弱くてヘビに強いんだよ」 「所謂三すくみって奴か……」 「…………」 「…………」 ナメクジの神になった俺を想像してみる。 そもそも向こうの世界でのナメクジって言うと、後を引きながらゆっくりと動く軟体生物な訳で―― 「俺、神になるの諦めるわ……」 「あーうー! なんでよー!」 「ばっかお前普通に考えろよ! ナメクジだぞ!」 あり得ない。普通にあり得ない。 っていうかナメクジがヘビに強いって迷信だろ。そんな武勇伝、聞いた事ないわ。 「私のお尻に敷いて……あげるよ?」 頬を赤らめて、上目遣いで艶かしく見上げてくる諏訪子。 「うっほ、魅力的な提案――だと言うとでも思ったかこの野郎」 諏訪子の両頬をつねって弄る。あーうー言ってるが気にしてはいけない。少しでもドキっとした俺を律する為でもある。 思った以上に柔らかいので楽しくてずっと弄ってしまう。暴れて目の付いた帽子が落ちたが気にしてはいけない。 こんな日常の中でも、ふと思い返す事がある。 もう一つの道を選んでいたら、俺はここにはいなかった。 諏訪子の両頬を解放して、しばし考える。 「……どうしたの?」 流石に人前で考え込むのは失礼だった。 諏訪子の声にハッとして、思考を中断する。 「いや、諏訪子に止められてなかったら、俺は今ここにはいなかったんだろうな、って思ってさ」 「後悔、してる?」 申し訳なさそうに顔を覗いてくる諏訪子。 自分で止めたくせに、と内心笑いながら答えてやる。 「それは無いな。ただ、もしあそこで帰ってたらどうなってたかな、って」 「……私たち三人は、きっと泣いてるよ。うぅん、早苗と神奈子はどうか分からないけど、私は絶対泣いてる」 「既に泣いてたしな」 「…………」 諏訪子は黙って抱きついてきた。 思い出して、また泣いてるのかもしれない。 神様と言えど心はある。強い神様なんて居やしない。 強いと思われているのは、人よりも長く世界を見てきているから。 本当は、人と同じなんだ。 「ねぇ、神様になろうよ。そうすれば、ずっと四人で暮らせるよ」 帰らないでくれ、の次は神になってくれ、か。 全く、強欲な神様に好かれてしまったものだ。 これも惚れた弱みという奴か、そういう所も可愛くて仕方が無い。 「四人って、早苗は人間だろうに」 「あの子は奇跡を起こせるよ」 「そうだなぁ、それだけで人間の枠は超えてるよな」 向こうでも、この神社が長生きできたのは、それこそ早苗による奇跡の賜物だ。 ただ、それは彼女が人間の枠に収まっていたからこそなのかもしれない。 妖怪が奇跡を起こせた所で、人は崇拝しない。恐怖するだけだ。 そして、人は彼女が人間ではないと思い知り、信仰は廃れた。 人は賢くなっているのかもしれない。良い意味でも、悪い意味でも。 「○○は、神様が嫌なの?」 「いや、俺は神様大好きだぜ。でなけりゃ、ここにはいないだろ?」 「だったら――!」 顔を上げる諏訪子の唇に、人差し指をそっと当ててやる。 俺は何を思ったのだろうか。ここで、勝手に口が動いた。 「何、人の生命は魂が輪廻転生して生まれ変わるんだ。俺はまだそれを楽しんでいたいだけさ」 「…………」 「時間制限あった方がより濃厚な時間を過ごせると思わないか?」 「そう、かな……?」 「それに、命が尽きたくらいで、諏訪子への愛が失くなるとは到底思えんさ」 「……あー、うー」 俺の言葉に顔を紅くして、また胸の中に顔を埋めた。 その様子を見て、ようやく我に返る。 「なんてな、俺が悟りを開くには十世くらい早いな」 「…………」 「まぁ、どうしても神になって欲しいなら、そうしてくれて構わん。なったらなったで手伝える事出来そうだし」 「……ううん、いい」 顔を埋めたまま首を振る諏訪子。さらさらしたきめ細やかな髪が少しくすぐったい。 そんな事を言われてしまい、頭を撫でてお茶を濁す。 「その代わり、いっぱい私と一緒にいてくれる?」 「当たり前だろ」 「○○……好き。大好き」 諏訪子はまだ顔を埋めている。きっと顔は真っ赤なのだろう。 どうすれば、顔を上げてくれるだろうか。 いや、ありきたりでもいいのだ。彼女が喜んでくれば、それでいい。 「あぁ、俺もだよ。愛してる、諏訪子」 そうだ、死んだって忘れる事は無い。 ようやく顔を上げてくれた、俺の好きな神様は、笑顔がとても愛らしい。 そんな事、とっくに魂に刻み込まれているのだから。 新ろだ425
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「良いな、祝いの宴というものは 神代の頃から希望に満ちたこの雰囲気が好きで仕方ない」 花嫁と花婿が古式に則り、婚姻の義を進めてゆく 早苗さんも手慣れた様子で淡々とこなしてゆく 「幻想郷で行う婚姻第一号だ。 何かスペシャルなおまけでもつけるべきかな?スポットライトとか」 「八坂様、早苗さんに怒られますよ」 あ、ちょっと残念そうだ。 「アレはいいものなのに…」 「神様なのですから、我儘言わないでください」 「心外だな、神ほど我儘な奴はいないぞ。 人のように怒りや悲しみ、恋だってする。 昔、諏訪子は結婚したこともあるしな」 「ははっ、八坂様も白無垢が着てみたいですか?」 「それはいいな。 〇〇、私をもらってくれ」 ぶっ! ちょ 嬉しいけどちょっとまてっ! 「…………ひょっとして、私では不満か……?」 「満足ですっ! これ以上ないほど満足ですから潤んだ目で見上げないでっ」 「そうか、おーい早苗ー! 今日はもう一件結婚式やるから用意してくれー」 決断も日取りも早っ! 「さて、子供の名前はどうしようか……」 気も早っ!!! 9スレ目 970 ─────────────────────────────────────────────────────────── 妖怪の山の頂上にありし湖。 佇まいし守矢神社におわすは、八坂の神。 八坂、神奈子。 その力の源たる信仰を集め、神としての再起するがために幻想郷にやってきた。 しかし、幻想郷なりともやすやすと信仰心が戻らず。 苦労の耐えぬ日々は依然として継続中である。 「そもそも、なにを信仰すればいいんだよ?」 「山、そして私。恐れは敬いを生み無知は夢を生む。全てを知った気になって手に入れた気になっては危うい事になる。だから信仰が必要なの」 「確かな道しるべが必要だってことか。しっかし、その道しるべに立候補するのはいいけど、あんまり威厳が足りないんじゃないのか?」 「厳かにしていればいいというものじゃない。時節の気風もある。友達感覚の方が信仰を集めやすいのよ」 「なるほど、だからまた、こんなシュールな状況に陥ってるわけだな」 かつて大勢を極めた神なれど、信仰なくしては存在し得ない。 最後の賭けにやってきた幻想郷で辛苦を強いられる状況なればこそ、その神様当人が先に言うようにフランクな態度を取るに至っているわけである。 「かと言って、何で俺に言う? 何度か断ってると思うんだけどな」 神奈子が彼に信仰を勧めたのは、何も初めての事ではなかった。 「信仰を否定していた者が信仰するようになれば、その心の頑健さは一転して頼もしいものになるでしょう」 「頑固者を口説き落とそうとしてるわけか。難儀な話だな」 「そういうことよ。それに、知ってもらう事こそが信仰への一歩。信じる信じないを口約束だけで行うのは無為な事。けれど、あなたの信仰が零だとしても、知っている分だけ、窮地に祈る信仰は私に有利になる」 「選挙活動かよ。知らないやつよりかは知っているやつに投票するからな」 いい加減な事だが、窮地に立ったときに思い出せる神が一人しかいないなら、否応もなしにその神に祈る事だろう。 「けど、結果が伴わなかったら神様とやらを信じなくなるぞ」 今わの際に願った言葉が届かなかったら、それは背信につながる。 人間は利己的なものだ。何もしてくれないものに期待できるほど都合よくは無い。 「順番が違うわね。あなたの信仰がなければ私としても神徳を与える事が出来ない。祈りたければ強く信仰する事ね」 「なるほど。そういうことなら納得できる」 「じゃあ、信仰してくれるかしら?」 「それとこれとは話は別だね」 宗教ではあるまい。 入門せよ改宗せよとせがむような声では、素直に頷けるものではない。 「信じれば救われる。って言葉の意味は分かったけどな」 「それを拒絶するっていうことは、救いが欲しくないということかしら?」 「甘えだろうよ。信じてれば救われて、何もしないじゃダメだろうが」 信仰するが故に己の怠惰への免罪とするなら、神は悪魔ともいえるだろう。 誘惑と欲望に忠実であればこそ、人は魔が刺すものなのだ。 「それは違うわね。普段に精進を怠らぬ者にこそ、神徳は与えられるもの。精進する事が信仰する事も同義なのよ。なぜなら、努力が報われると思うことこそ信仰の一つだから。報われなかったときにこそ、その者は神を信じなくなるでしょう」 「闇雲に信じてもダメだってことか。それも難儀だね」 「ええ、そうね。その点、あなたは怠惰な人間ではないようね。実にけっこう」 「そりゃどうも」 神奈子の言葉からすれば、彼に対していくらかの信用があるようだ。 また、これ以上話さずとも、結論は出ているも同然だ。 「だったら普段どおりに努力してればいいってことだろ。それで、俺はあんたを知ってる。信じるとか細かい事は知らないけど、もしかしたら最後に祈る神はあんたになるかもな」 「それが信仰よ。でも、あんた呼ばわりはいただけないわね。私は八坂神奈子。何度も名乗ったはずだけど」 「それはこっちも同じことだっての。代名詞で呼ばれてるんだ。あんたと呼ぼうが神様と呼ぼうが、それと変わらないだろ」 「それはえらく違うね。信仰の対象が名も知れぬ誰かと言うんじゃ、顔と名前が一致してるのとはぜんぜん違う。いつでもどこでも思い出せるようにしてもらいたいのよ」 「なんだかぞっとしないね」 「失礼だよ」 いつ何時であろうとも思い出せるような対称になるなら、心を奪われているのも同然だろう。 それを正しく信仰と言えるかは、違うかもしれない。 「それで、今日はここらでメシ食いに行くんだけど、あんたもくるかい?」 「あんたはやめてほしいわね。八坂神奈子よ」 「じゃあ、あんたも名前を呼びな」 「じゃあ、○○。食事でもいかがかしら?」 「誘ったのは俺なんだけどな。ホントに馴れ馴れしい神様だな」 「親しみやすいって言いなさい。それと代名詞も」 「そいつは悪い。んじゃ行くか、神奈子」 「ええ、そうしましょう」 神と人とが並び歩く。その親しみやすさは客観的にも好意的に映る事だろう。信仰には欠かせない事なのかもしれない。 しかし、好意的に映るためにも、並び歩く者は本当の意味で好意的でなくてはいけない。 「それで、信仰してくれる気になったかしら?」 言の葉を悪戯に変えれば、告白を待つ言葉にも思えるかもしれない。しかし、邪推である。 「さあね。少なくとも、悪い気はしてないってことで勘弁してくれ」 悪しからず。それが今。 急いてもことは無し。故に、日々の積み重ね。信仰もまた、時と想いの積み重ね。 「まあいいわ。ちゃんと信仰してくれるようにしてあげるわ」 さらに想いの積み重ね。 「まあ、神様は信じないけど、神奈子は信じてもいいけどな」 着実に前へ、 まずは一人の信仰を。 11スレ目 333 ─────────────────────────────────────────────────────────── ●●:なぁ神奈子 神奈子:なにかしら? ●●:諏訪子のように好きな人がいたらいいなとおもってる? 神奈子;それは……まぁ、私も一応女だし、思ってないわけでもないわ。 けど、私なんて。 ●●:好きな人なんて出来ない、とでもおもったか? 神奈子:そりゃそうよ。 諏訪子以外と比べてもおばさんに見えるし、背中のしめ縄がごついし、某所じゃガンキャノンなんてよばれて……。 ●●:そう自分を過小評価するんじゃない。 だって…… 神奈子:……何が言いたいの? ●●:神奈子、お前が好きだからさ。 神奈子:……!! ど、どうして私なのよ。 他にもかわいい子がいるじゃない。 ●●:神様言えども、ばかだなぁ~。 確かにかわいい子がたくさんいるし、俺は熟女好きでもない。 けど、『姉さん』っぽいとこがすきなんだよ。 神奈子:……●●。 ●●:まったく……、初めて会ったときの厳格なところはどこにいったんだよ。 神奈子:馬鹿、私だって女らしくなりたい時だってあるのよ。 ●●:そうですかい。 ……まぁ、これからもよろしくな。 神奈子:え、えぇ……。 11スレ目 391 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「神奈子様。俺は、好きですよ?」 「え、……ええ!?」 「皆敬遠してるけど、俺は好きだなぁ」 (えぇそんな私この年になってやっと二人目の夫がぐへへおっといかんいかん心の涎が) 「かっこいいじゃないですか、ガンキャノン」 「……え?」 「え? そういう話じゃなかったんですか?」 「……○○の」 「ちょ、スペカは、やめ」 「馬鹿ー! 神祭「エクスパンデッド・オンバシラ」!」 アッー 10スレ目 662 ─────────────────────────────────────────────────────────── 東方喜恋譚 ~You are my オンバシラ編~ 第1話『出会い』 「もう大丈……あとは2~3日安静に……問題は無……」 「……ありがとうござい……八意先……」 少年の耳にうっすらと声が聞こえる。 一人は年端もいかない少女の声。 もう一人は艶やかな大人の女の声。 そして、障子が開く音が聞こえ、それっきり、何も聞こえなくなる。 けれど、そんな彼女たちの声をきっかけに少年の意識は浮上していった。 「ん……」 「あら、目が覚めたかしら?」 落ち着いた女性の声が聞こえ、少年は目を開く。 ゆっくりと焦点が定まってくると、少年の目に注連縄を背負った女の姿が目に映った。 「ここは……」 「身体の調子はどう? 痛いところは無い?」 少年は、ぎこちなく身体を起こす。 少し気だるさは残るものの、動けないというほどのことはなく、苦痛を感じる個所も無い。 「あ……大丈夫です……あ、その…こ、こんにちは……」 少年は女にぺこりと頭を下げた。 いきなり挨拶をされて女は一瞬呆気に取られる。 「……ふふ、もう夜だけど?」 「あ……ご、ごめんなさい……こんばんは」 女は僅かな驚きを隠しなが らからかうように少年の揚げ足を取り、少年は恥ずかしそうに頭を下げた。 そして、そのまま沈黙してしまう。 落ち着かないのか、少年は周囲をきょろきょろと見回していた。 「ふふふ、そんなに怯えなくてもいいわ」 「は、はい……」 少年は、ちらちらと上目遣いに女を見つめる。 その姿は、少年の可愛らしさも相まって、さながらリスかネズミのような小動物そのものだ。 「あ、あの……」 「?」 「そ、その……ここは、どこですか?」 「ここは守矢の神社よ」 聞き覚えの無い場所だったのか、少年は不安そうな表情を強める。 「僕……どうしてここに?」 「……覚えていないの? ぼうやは森の中で倒れていたのよ?」 「え、あの……じゃあ、お姉さんが……助けてくれたんですか?」 「いいえ、ぼうやを助けたのは私の身内よ。私はついさっきまで ぼうやの可愛い寝顔を眺めていただけ」 「えっ……ぁ…ぅぅ……」 とたん、少年は頬を赤く染めて俯いてしまう。 寝顔を見られるのが恥ずかしかったのか、そのまま押し黙ってしまった。 女も、少年の反応が意外だったのか少し面喰ってしまい、苦笑しながら呟いた。 「おかしな子ねぇ、貴方」 トントン 「神奈子ー! その子の具合はどう……って、もう目が覚めたみたいね」 障子を叩く音が聞こえ、目玉のついた帽子をかぶった少女が入ってきた。 少女は、少年が目を覚ましていることに気づき、その顔に優しげな頬笑みを浮かべる。 そして、トコトコ歩いてくるなり、どっか! と、勢いよく少年の目の前に座った。 そのまま、彼をまじまじと見つめる。 「ふーん……」 「あ、あの……何か……?」 少女は、まるで品定めをするかのようにジロジロと少年を見つめる。 そのまま、しばらく眺めていたが、突然 目を輝かせながら少年に詰め寄った。 「ねえねえ、君の名前は? 年は幾つ? どこから来たの? 」 「え? ええ?」 マシンガンのように尋ねられ、少年は驚き慌ててしまう。 あまり女の子と喋るのは慣れていないのか、それとも少女に怯えているのか どちらかは定かではないが、少年の身体は少しずつ後ずさりはじめていた。 けれど、帽子の少女は、少年の服を掴んで逃がさない。 「やーん! オドオドしちゃって! 可愛いわー!!」 そう叫ぶや否や、少女は少年に両腕を回してしがみ付いた。 「わ、わあああっ! はっ、はなしてくださいぃっ!」 「ん~~~!! 可愛い可愛い可愛い~~♪」 そのまま、少年の頭を胸に抱き抱え、その頭に頬を擦り寄せる。 少年は 恥ずかしさから少女から逃れようともがくが、少女の力には敵わなかった。 「……諏訪子様、少し落ち着いてください」 少年の耳に少女の声が聞こえる。 諏訪子に抱擁されながら、声の方向に目をやると緑色の髪の少女が立っていた。 緑髪の少女の顔には呆れ気味な表情が浮かびあがっている。 「こ、この声……ふぁ! や、やめて! くすぐったいですよぉ!!」 「やめてあげないわよ~ふふっ♪」 先程 夢心地の中で聞いた若い少女の声。 それが、早苗と呼ばれた少女のものだったことに少年は気づいた。 ……が、少年にとってはそんなことよりも 擦りよってくる諏訪子を何とかする方が先だった。 「早苗! 今日からこの子は私の弟よ!」 「え、ええっ?」 「な、何言ってるんですか諏訪子様! そんなこと――――」 「ああ、可愛すぎる……この可愛さは正義よ……」 「諏訪子様、ちょっと落ち着いてくださいってば!」 ムチャクチャなことを口走りながら、うっとりと頬を緩ませて、ますますヒートアップする諏訪子。 早苗は、少年から諏訪子を引きはがそうとやっきになっている。 そして、渦中の少年は、嵐のように迫る刺激に放心状態になってしまっていた。 「落ち着きなさい二人とも。ぼうやが困っているでしょう」 「神奈子様……」 落ち着き払った声がその場に響く。 今まで黙っていた 注連縄の女――――神奈子が動いたのだ。 神奈子は、立ち上がると いきなり、むんず! と諏訪子の襟を掴み上げる。 「あ~~ぅ~~~」 そして、恨みがましい声を上げる諏訪子を 少年からあっさりと引きはがしてしまった。 そのまま、神奈子は自身の目線を少年のそれに合わせる。 「ぼうや、私の名前は八坂神奈子……そっちの子は諏訪子、こっちの子は早苗よ」 「は、はじめまして……」 「はじめまして……それで、ぼうやの名前は?」 「あ……○○…です」 「○○は、どこから来たのかしら?」 「え…と、日本の――――」 少年は自分が住んでいた所の名を告げる。 すると、神奈子は納得がいったというふうにゆっくりと頷いた。 「……なるほど、やはり外の世界から来たみたいね」 「え……?」 外の世界と聞き、怪訝な顔をする少年に、神奈子は話し始める。 この世界が“幻想郷”と呼ばれる異世界であること。 そして、森の中で倒れていた○○を通りがかった諏訪子が拾ったことも。 「幻想…郷…? …で、でも、どうして僕が……?」 訳が分からないと言った表情を浮かべ、少年は3人に尋ねる。 何故、幻想郷に連れ込まれたのかと聞かれてもわからない。 ただ、少年を幻想郷に連れ込んだ主犯については、3人には大体予想がついていた。 「大方、冬眠中のスキマ妖怪が寝ぼけて攫ったんでしょうね。 ……ああ、気にしないで。貴方が幻想郷に連れ去られたのは、別にあなたが悪いわけでは無いから」 「?? は、はい……」 「早苗、明日にでも博麗の巫女のところに連れていって、元の世界へ帰してあげなさい」 「え――――!! 弟ができたと思ったのにー……」 諏訪子は落胆……というよりも絶望の叫び声をあげる。 3人の中で一番幼い(ように見える)諏訪子が弟を欲しがっても無理はないのかもしれない。 「安心しなさい、ぼうや。明日には帰れるわ」 神奈子は、そんな諏訪子の落胆など完全に無視して少年に語りかけた。 「あの……神奈子様、それが無理なんです」 「え、どうして?」 「博麗の巫女は今 病で床に臥せっています」 「は?」 そして早苗は、里に買い出しに出たときに仕入れた情報を話し始めた。 なんでも、今里の方では流行り病が蔓延しているらしく、博麗の巫女もその病に倒れたこと。 その流行り病は、命に別条はないが一ヶ月は寝たきりになる程に厄介な病らしいことを。 「とすると参ったわね……この子、しばらく帰れないのかしら」 「じ、じゃあ、○○君! 博麗の巫女が治るまで、ここで暮らしたら!?」 さっきまで落胆して部屋の隅でうずくまっていた諏訪子が 水を得た魚の如く喰いついてきた。 はっきり言って下心が丸見えである。 「事此処に至っては仕方ないわね……こんな幼い子を放り出すわけにもいかないし、諏訪子もこんなだし どうかしら、○○。あなたさえ良ければ、此処でしばらく暮らしてもらってもいいんだけれど。」 「暮らすわよね、ね、ね!?」 「落ち着きなさい諏訪子、目が怖いわよ」 諏訪子の期待の視線に気圧されながらも、照れながら少年は頬を赤く染める。 「は、はい……よろしくお願いします」 「やったぁ!!」 「ふふ、では○○君の部屋を用意してきますね」 早苗も、この幼い少年が同居することは嬉しく思っていたようだ。 その証拠に、彼女の表情には笑みが浮かんでおり、新しい同居人の為に嬉々として部屋を用意しようとしている。 「あ、あの……!」 「どうかした?」 少年が、部屋から出ていこうとする早苗を呼びとめる。 けれど、その後が続かない。 少年は俯いたまま、しばらく黙ってしまった。 そんな少年を、神奈子は窘める。 「○○、言いたいことがあるのならはっきりと言いなさい」 「は、はい……ごめんなさい……」 「どうしたの? どこか痛いところがあるの? それともお腹がすいたの?」 「そうじゃなくて……その…あ、ありがとうございましたって、お礼を……」 『…………』 「よ、よろしくお願いします……神奈子お姉さん、早苗お姉ちゃん、諏訪子……お姉ちゃん? かな?」 おずおずと……少年は助けてくれたことに対するお礼を告げた。 しばし、3人は硬直する。 どこかズレている この礼儀正しい少年にある意味で驚かされたのだ。 そして、最初に硬直が解けたのは諏訪子だった。 「やーん! 可愛い――――!!」 「わ、わああっ! やっ、やめ……!」 少年のいじらしい姿に、諏訪子は再び少年に抱きついて頬ずりする。 「ふふ、どういたしまして」 早苗は、そう少年に言い残して障子を開き、部屋から出て行った。 「ほらほら、病みあがりの子供に無理させないの」 「あーうー……」 そして神奈子は……少年と諏訪子を引きはがし、諏訪子から恨みの視線を投げられていた。 ・ ・ ・ 『いただきます』 一刻ほどの時間が流れ、守矢神社の食卓には美味しそうな匂いが漂っていた。 ○○を囲っての初めての食卓。 「お、美味しいです……すごく」 「ふふ、ありがとう。いっぱい食べてね」 けれど、それっきり○○は一言も喋らなくなってしまった。 否、時折何か喋ろうと努力しているようには見える。 けれど、その内向的な性格が災いしてか喋ることができないようだった。 3人にも、○○が口下手で 喋ることが得意では無いことはわかっている。 ゆえに……誰かが、この内気な少年の緊張を解してあげなければならなかった。 「はい、あーん」 突破口を開いたのは諏訪子だった。 箸で白米を摘みあげ、手を下に添えながら少年に差し出す。 少年は、諏訪子が意図しようとしていることを一瞬で悟り、またもや赤くなってしまった。 「……あ、あの……自分で…食べれますよぉ………」 「ダメ! 幻想郷にはね、女の子から差し出された物は 残さず食べなければならない決まりがあるの!」 「そ、そうなんですか?」 「そうなのよ~♪」 「じゃあ……あ、あーん……」 真顔でなんてバカな大ウソを付いているのだろう。 しかも、○○はそれを真に受けてしまったようだ。 羞恥に頬を赤く染めながら差し出された白米を食む。 「あの……あ、ありがとうございます……」 「いいのいいの、じゃあ次ね!」 「え、ええっ?」 ヤル気だ。 彼女は自分の茶碗の中にあるご飯全部を○○に食べさせるつもりだ。 諏訪子が本気だということを悟ると、○○は困り果ててしまった。 女性に食べさせてもらうということへの羞恥に、顔を手で隠しながら照れてしまっていた。 「ふふ、今時珍しいくらい純な子ね……ねえ○○、ちょっと酒を注いでちょうだい」 「は、はい」 神奈子は神奈子で晩酌を仰っており、既にほろ酔い気分で少年に手酌を求める。 少年は神奈子の側に座り、盃に酒を注いだ。 「神奈子様……飲み過ぎですよ」 「いいじゃない、たまの客人なんだし。ねえ、貴方も飲んでみる? 注いであげるわ」 「あ…ありがとうございます……」 「神奈子様! 未成年にお酒を勧めないでくださいっ!! って、○○君も飲んじゃダメ!」 早苗が神奈子に詰め寄った一瞬の隙。 その間に、○○は神奈子の手酌で注いでもらった酒を一気に飲み尽してしまった。 「ふふ、なかなかいい飲みっぷりね」 「はぅ……ぁぅ……」 神奈子の飲んでいた酒は幻想大吟醸『神殺し』。 名前の通り、アルコール度数は非常に高い。 そんな強い酒を、一気飲みした子供がどうなったか―――― 「う~……きゅぅ……」 ――――敢えて、語るまでもないだろう。 「○○君、しっかりして! か、神奈子様! いくらなんでも冗談が過ぎ――――」 「安心なさい早苗、急性アル中には ならないようにしているから大丈夫よ」 客人をみすみす危険にさらすような真似を、神奈子がするはずもなかった。 既に、神通力を使い少年の身体のアルコール分解を早めている。 「本当に愉快な子ね……」 少年……というよりもまだ子供。 しかも、性格も内気でとても大人しい。 そんな○○は、神奈子もあまり見たことのないタイプの男の子だった。 12スレ目 109 ─────────────── 東方喜恋譚 ~You are my オンバシラ編~ 第2話『カミカゼ! テングマン♀参上!』 ○○が幻想郷に来てから、数日後―――― 「○○君」 「あ、早苗お姉ちゃん……」 早苗は、神社の境内の掃除をしている巫女服姿の○○に話しかけた。 すると、○○は恥ずかしそうに早苗の方を向く。 「どう、ここの生活には慣れたかしら?」 「は、はい……」 今では○○の体調も元に戻り、彼はよく神社の手伝いをしている。 病み上がりの身体で手伝いをしなくてもいいと3人は言ったが、 世話になっているのに 何もしないのは気が咎めるという○○の意思により 簡単な手伝いを行ってもらっていたのだった。 ……なお、巫女服は諏訪子の趣味では無い。 ましてや早苗の趣味でもない。 ○○の身体に合うサイズの着替えが、早苗のお古しかなかっただけだった。 だが、そんな○○の姿は、彼が持ち合わせている可愛らしさも相まって 誰がどう見ても見目麗しい少女にしか見えない。 「そう、よかったわ。諏訪子様や神奈子様とも仲良くしている?」 「……は、はい……す、諏訪子様は……優しいですし……」 諏訪子は、例によって○○をベタ可愛がりだ。 しかも、完全にからかっている節がある。 朝、○○が諏訪子を起こしに行ったら 布団に引きずり込まれてしまっていたり、 昼、食事のときに○○にあーんさせて食べさせたり、 夜、○○の入浴中にアクシデントを装って入りこんだり―――― どちらかといえば、からかって楽しんでいるのと、愛でているのが半分半分といったところだろうか。 そんな諏訪子の行動は、○○をこの上ないほどに恥ずかしがらせている。 それでも、諏訪子は ○○が早く自分たちに馴染むために あえて積極的に行動している節がある。 早苗も、それが わかっているので敢えて強く止めることはしない。 「神奈子……様は……」 それに対し、神奈子はオドオドとしている○○にしょっちゅう手を上げていた。 手を上げているといっても小突く程度で、神奈子は神奈子で○○が嫌いというわけではない。 けれど、言いたいことをはっきり言わない○○の態度は、ハッキリしている性格の神奈子にとってはもどかしいのだろう。 「神奈子様は?」 けれども、そんな神奈子の態度が○○を怯えさせているのではないかと、早苗は危惧していた。 そして、もし○○が神奈子のことをあまりよく思っていなければ―――― 自分が間に立って二人を仲良くさせればいい……そう早苗は考えていた。 「えっと……その……」 ○○が神奈子をどう思っているのかを告げようとした、その時―――― バサァッ――――!! 「記事のネタ、はっけ――――ん!!!」 突如として鳴り響く羽音。 続いて、神社の境内に若い少女の声が響き渡った。 「な! まずいわ、この声は!!」 「え?」 スタンッ!! 「わぁっ!!」 突如として、天空から○○の目の前に黒い影が降り立った。 ○○は驚き、その場に尻餅をついてしまう。 「どーも、こんにちはー!」 ○○が、黒い影の姿を見ると―――― 黒い髪と翼をもった少女が、右手にペンを、左手にメモ帳を携えて○○を覗きこんでいる。 「び、びっくりしたぁ……あ、あなたは?」 「よくぞ聞いてくれました! 私は文々。新聞の記者……射命丸 文と申します!! どーぞよろしく! まずはお近づきのしるしに写真をパシャ! っと。」 パシャ!パシャ!パシャ! ○○の都合など関係ねぇ! とばかりに、文は彼の姿をカメラに数枚収める。 「では、早速インタビューにご協力ください お願いします!」 「え、え? はい……」 「うーん、この初々しさ……実にイイ! 今までにないタイプですね!! というわけでインタビューを――――」 戸惑いと困惑に頭を悩ませながら、○○は文から一歩後ずさる。 対し、文は大人しく内気な○○に何やら感銘を受けていた。 「はい、そこまで! いい加減にしなさい!!」 それまで黙っていた早苗が文と○○の間に割って入る。 「あなた、またあること無いこと適当に書き散らすつもりでしょう!? あの時のように!! そうはいきませんよ!」 「ぇぇー」 「ぇぇー、じゃありません!」 過去に文と守矢神社の間に何かがあったのだろう、早苗は苦虫を噛み潰すような表情で叫ぶ。 おそらくは、彼女たちが幻想郷に来た時も同じようにインタビューされたのだろう。 そして、記事にとんでもないデタラメを書かれたのだろう。 今度はそうはさせないとばかりに、早苗はダンコとした態度で文を追い返そうとしていた。 早苗という保護者の登場に、文はがっくりと膝をつく。 「ああ……私の記事を待っているたくさんの人が悲しむ姿が見えます…… そして、私は新聞の記事が書けずに 路頭に迷い、飢え死にしてしまうんですね……ぐすん」 そして、そのまま両手で顔を覆い、オイオイ泣きはじめる。 ちなみに、どこからどう見ても嘘泣きにしか見えない。 ……だが、○○には本当に泣いているように見えたようだった。 「あ、あの……インタビューくらい、いいですよ?」 「○○君、あの記者に甘い顔をすると痛い目を見るわよ」 「だって……テングさんが可哀想じゃないですか……」 「しくしく……○○先生……インタビューがしたいです……」 「な、泣きやんでくださいよぉ……インタビューしてもいいですから……」 そう言いながら、○○は文にハンカチを差し出す。 「○○君……」 この子には少し人を疑うということを教えたほうがいいかも知れない。 早苗はそう考えたが、その前に嘘泣きをやめた天狗が○○に喰いつくほうが速かった。 「ぃ良しッ!! ありがとうございます! では、まずあなたのお名前は!?」 「え? ええ? あの……」 ハンカチを受け取ることもなく、文は○○に詰め寄る。 ○○は、文のその豹変に驚き、慌ててしまう。 「What is your name? あなたのお名前は!?」 「○○……です」 「ふむふむ、年は?」 「×歳です……」 「一桁ですか……○○さん、若いですねぇ。 ん? そう言えばさっき緑巫女が○○君って……クン? えーと、あなた性別は?」 「え? 男……です、けど……」 ○○がそう答えると、文は信じられないと言わんばかりに○○の姿を見つめた。 続いて、文は何とも言えぬ微妙な視線を早苗の方に投げかける。 それは、困惑と憐れみが入り混じった複雑な顔。 「貴方……男の子にこの恰好は……」 「し、しかたないじゃない! ○○君の身体に合うサイズはそれしかなかったんだから!!」 「ふむ、そう言うことにしておきましょうか。では、次の質問ですが――――」 「ち、ちょっと――――」 ああ、また妙なことを新聞に書かれてしまうのかと、早苗は頭を抱える。 そんな早苗の苦悩など全く無視して、文はサクサクとインタビューを終わらせていった。 「ふむ、基本的なインタビューはこんなところですかね。じゃあ――――」 ここからが本番と言わんばかりに文は続ける。 「じゃあ、ここからが本番ですよ。ふふふ……ぶっちゃけ、早苗さんのことはどう思いますか?」 「え……」 「こ、こら、何聞いてるんですか!」 「さあ! 早苗さんのことをどう思われますか? 答えてください!!」 「え、あの……その……」 「さあ!」 結局、文に押し切られる形で○○は早苗をどう思っているかを告げた。 「さ、早苗さんは……優しくて、温かくて、奇麗な人です」 照れながら、恥ずかしそうに○○は言った。 そんな彼の姿に、早苗はドキッとさせられてしまう。 「ふむむ……では、諏訪子さんは?」 「す、諏訪子様は……明るくて、楽しくて、かわいい人です……ち、ちょっと強引で恥ずかしいですけど」 ○○は嘘がつけるタイプの人間では無い。 だから、本心からそう思っているはずだ……と早苗は考えた。 それが、早苗にとって何よりも嬉しく、彼女の頬も緩んでくる。 「うーん、なんだか記事にするにはパンチが足りないなぁ……ではでは、神奈子さんは?」 「神奈子……様は……」 「神奈子様は?」 「え……と、その……神奈子様は……」 「神奈子様は?」 「え、さ、早苗さん……どうしたん――――」 『神奈子様は?』 そして、早苗が聞こうとしていたことも、天狗は尋ねようとしている。 かたや、家族の絆をより強くするために―――― かたや、いい記事を書くために――――早苗と文の声は見事にハモった。 結局、二人に押し切られる形で、○○は神奈子をどう思っているかを告げた。 「……あ、あの人は……すごく素敵だと思います……」 つづく 12スレ目 255 ──────────── 東方喜恋譚 ~You are my オンバシラ編~ 第3話『神罰と憧憬』 「……あ、あの人は……すごく素敵だと思います……」 ○○は、はにかみながら、頬を朱に染めて 箒を胸に抱える。 もともと顔立ちが可愛らしいこともあり、さらに巫女服装備中。 そのため、見た目が女の子のようにしか見えない。 『う……』 その姿に、早苗も文も言葉を詰まらせてしまう。 二人はほんのちょっぴりジェラシーを感じてしまった。 この子、女の私よりも可愛いんじゃないか、と。 「ほうほう、理由はわかりませんが ○○さんは年増の色気にメロメロ……と!!」 「え、ええっ!? そ、そんなこと言ってないですよぉ!」 「大丈夫です、秘密は洩らしませんよ……新聞をバラ撒くまではね」 「結局、皆にバラすんじゃないの……」 「だ、ダメですよぉ! そんな嘘、皆に言わないでくださいぃっ!」 涙目になって焦りながら、○○は文に泣きつくが、鬼の皮をかぶった天狗は一顧だにしない。 対し、いい記事のネタが見つかったとばかりに、文ははしゃぎまくる。 けれど、彼女は気付いていなかった。 その背に迫る黒く獰猛な影に―――― 「ノンノンノン! ノープロブレムです! 年増趣味なんて普通じゃないですか!! 世の中にはロリ閻魔や、加齢臭漂うスキマや、毛玉がラブな人だっているんですよ!? それに比べたら、オバサン臭い人が好みなことなんて――――」 「ほーう……誰がオバサン臭いですって?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!! 文の背後から恐るべき殺気が迫る。 その殺気が誰のものかは、賢明な読者諸君には語るまでもないだろう。 「……あややややや」 (まずい……まずいです……これは振り返ったら殺される) ガシッ! 神の腕が文の首を掴む。 「折角来たんだから、楽しんで行ってちょうだい」 「えー、と……その……神奈子さん落ち着いてください! 今のは、言葉のアヤというものがですね!! 」 「ふふふ、すぐに終わるわよ。縛り付けて、たっぷりとオンバシラを喰らってもらうだけだから」 「あややややややや……!!」 「雪舟の如く、涙で己の走馬灯を描くがいいわ……」 「ひ……ひいいいいいいっ!!」 (雪舟が描いたのはネズミの絵なんですけど……) 首根っこを掴まれて引きずられる文を眺めながら、早苗は冷静に心の中でツッコミを入れていた。 ただ、流石の早苗も、今の神奈子に突っ込みを入れるほど間抜けでは無かった。 下手に口を挟めば、巻き添えを食うのは目に見えているからだ。 もはや、神の怒りの渦中にある文の命は風前の灯と言えるだろう。 神の逆鱗に触れた少女を助けることは絶対に不可能だった。 「あ、あの……」 「ん?」 「……暴力は……その……」 オドオドとした態度で、○○は言葉を紡ぐ。 神奈子に『暴力はいけない』と言うつもりなのだろう。 けれど、そんな姿が神奈子を苛立たせる。 「言いたいことがあるなら、はっきり言うようにと 言ったはずだけれど?」 「………」 「何もないのなら、私はもう行くわよ」 神奈子は、文を引っ掴んだまま○○に背を向けて歩き出そうとした。 その時―――― 「……ぼ…暴力はダメで――――わぁぁっ!!」 「え?」 突如として、○○が叫んで神奈子を止めようと走り出した。 しかし、その脚に何かが引っ掛かり、途中で転んでしまう。 なお、○○の足を引っかけたのは空間の裂け目から伸びていた傘だったことには、誰も気づかない。 ふにっ 「…………え」 「なっ…………」 神奈子は、胸に違和感を覚えた。 ○○は、掌に柔らかい感触を覚えた。 何が起こったのかを要約すると、○○は神奈子の胸を背後から引っ掴んでいた。 「………あ、あれ?」 「……あ……う」 「Oh my God!!」 「おお、ナイス○○さん♪」 四者四様の反応を示す。 なお、どの反応が誰かは、やはり言うまでも無いかもしれない。 ○○と神奈子は状況を認識していくごとに顔が赤くなっていっている。 早苗はアッチョンブリケとばかりにムンクの叫びを披露し、文は○○の命がけの行動に敬意を表していた。 ちなみに、元凶のスキマはもういない。 「わ、わわわわわわ………」 「~~~~~ッ!!」 声にならない叫びをあげて神奈子は頬を朱に染めて、○○を引きはがそうと身をよじる。 けれども、○○は神奈子以上に抜き差しならぬ状態に追い込まれてしまった。 「あわわわわ!! ご、ごごごごごめんなさい~~っ!!」 「ちょ、やっ、揉む、なぁ…っ!!」 「わ、わぁぁっ!! 動かないでぇ! 落ち着いてくださいぃ!!」 なお、○○は神奈子の胸を揉んでいるわけでは無い。 ただ、神奈子にしがみ付いていないと、身をよじる神奈子によって吹っ飛ばされてしまうのだ。 必然的に、○○は転んでしまうことを恐れてより強くしがみ付いてしまう。 なんという悪循環だろうか。 そして、そんな光景を敏腕新聞記者が逃すはずもない。 「おお! これはいいシーンです! ってことで、パシャっと撮りましょう」 パシャパシャパシャパシャ!!! 「と、撮るなバカぁぁ!!」 羞恥に顔を朱に染めながら、神奈子は絶叫する。 けれど、いっぱいいっぱいなのはむしろ○○のほうだった。 文が写真を撮っていることすら気付く余裕がなく、既に耳まで真っ赤になって―――― ボンッ!! 「●×△■○×▽◆……」 意味のない呻き声を上げながら、頭から煙を吹いてしまった。 その時、神奈子の身体から振りもぎられて倒れてしまう。 「ちょ、ちょっと○○君 大丈夫!?」 「…………さすがに、怒る気すら失せるわね」 ○○に神の怒りを下そうとした神奈子も、○○のあまりの純な性格に毒気を抜かれてしまう。 「やれやれ……」 しかし、それで神奈子の腹の虫がおさまるはずがない。 その怒りの矛先がどこに向かうかは―――― 「いい写真も撮れましたし、いい記事が書けそうです! それではみなさん、また来しゅ――――はぐわ!」 ――――語るだけ無駄というものであろう。 「さて、貴方には○○の分もあわせて神の裁きを受けてもらいましょうか」 逃走を図ろうとした文を、オンバシラで撃墜。 そして、再び文の首根っこを引っ掴む。 ……文の命が風前の灯だったのは変わらないようだ。 「な、なんで私が!? ○○さんも暴力反対って言っていたじゃないですか!!」 「その○○の敵討ちよ……おとなしく、そこに直りなさい」 「ちょ、勝手に殺さないでください! ○○さん死んでないですよ!? や、ちょっとやめいやですそんな所にオンバシラはやめて許して―――― アッ――――AAAAAAYYYYYAAAAAAAA――――!!」 合掌。 ・ ・ ・ 一刻後―――― 神奈子はすべてを終わらせて、神社の廊下を歩いていた。 「あー、もう……あの子ったら……」 神奈子の手の中にはフィルムが握られていた。 その元の持ち主がどうなったかは、推して知るべし。 「あら?」 ふと、視線を感じ振り返ると――――幼い少年が、柱に半分身を隠しながら チラチラと神奈子を見つめていた。 それと同時に、神奈子は○○から不思議な感情を受け取っていた。 これまでに、○○から幾度となく受け取ってきた感情。 そして、その想いはとても強い。 けれども、神奈子にはその感情がわからない。 悪意でも恐怖でも無い。 信仰心とも少し違っていた。 「○○、どうかしたの?」 「あ……あの……その………」 相も変わらず言いたいことが言いだせない○○に、流石の神奈子もイライラが限界に達してしまった。 「だから何度も言ってるで――――」 「ご、ごめんなさい!!」 ○○が叫んだ。 それも、今までにないくらい大きな声で。 その激しい剣幕に、神奈子も押し黙ってしまう。 「ご、ごめんなさいって?」 「さっき、その……神奈子様の……おっぱ……ぁぅぅ……」 どうやら、律儀にも神奈子に謝りに来たらしい。 呆れてしまうほどに礼儀正しい性格に、神奈子は呆れながら苦笑するしかなかった。 「安心なさい、怒っていないから」 「よ、よかった……それじゃ、し、失礼します……」 「待ちなさい」 神奈子が○○の肩を掴む。 彼の身体は、緊張で硬直してしまっていた。 「……私は、貴方を怖がらせているだけなのかしらね……」 「え?」 「正直に言ってくれてかまわないわ。私は恐い?」 真剣な表情で、神奈子は尋ねる。 ○○は少し沈黙した後、何故か頬を赤く染めて神奈子に言う。 「そ、そんなこと…ないです……神奈子様は…か、かっこいいです……すごく」 「かっこいい?」 「は、はい……いつも落ち着いていて、大人っぽくて……」 ○○のその言葉で、ようやく神奈子は理解した。 (なるほど、憧憬……ね) ○○が神奈子に向けていた感情は、自分もこうなりたいという強い想いだったのだ。 ○○自身、内気であまり喋れない自分自身が、もどかしくてならなかったのだろう。 「○○、私のようになりたいのなら もっと自分を出してみなさい」 「……自分を……出す?」 「そう、言いたいことや伝えたいことは 勇気を持ってはっきり言うこと。 大丈夫よ、貴方を頭ごなしに否定する者は此処にはいないわ。 まずは、それから頑張ってみなさい」 「……は、はい!」 「……ふふ、いい返事ね」 けれども、神奈子はまだ気付かない。 また、○○自身も 幼すぎて気付いてはいなかった。 ○○が神奈子に対して抱いていた感情の名は、確かに憧憬だった。 けれど、○○の目に、憧憬とは別の……温かい感情がこもりつつあったのだ。 そして、○○が神奈子の側にいる時に、身体を緊張させていたのは―――― つづく 12スレ目 449 うpろだ831 ─────────────────────────────────────────────────────────── 神奈子様に告白された、どうしよう。 「いよっしゃあ!早苗に告白するぞ!」 「まあまあ待て待て」 「おやどうしたんですか神奈子様」 「早苗に告白なんてしちゃいかん」 「え、何故ですか恋愛は自由じゃないですか?」 「お前は私のオンバシラだ」 顔真っ赤にする訳でもなくえらく真剣な顔で言われたから硬直するしかなかった・・・orz 11スレ目 901 ─────────────────────────────────────────────────────────── か、神奈子様・・・ 今日こそ打ち明け様、僕の思いを・・・ 諏訪子様と早苗さんが外出したせいで境内を退屈そうにうろついてる神奈子様・・・ もう僕が、そんな思いはさせません! 神奈子様に向かって走っていったけど、 眼が合った瞬間に恥ずかしくて僕は眼を閉じてしまった。 そのまま、神奈子様に抱き着く。 「○○・・・!?これはどういう事だ?」 「ずっと前から貴女が好きでした! 僕と・・・ずっと一緒に居て下さい!」 「な・・・ いや、分かった。他人の趣味に干渉するつもりは無い。 毎日新しい奴を君の家まで送ってやろう」 え・・・何か変だぞ? 異変を感じた僕は抱き着いたまま目を開いた。 「それは私のオンバシラだ」 あるぇー? 11スレ目 905 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「だから・・・ねえちょっと、諏訪子、聞いてるの?」 いや聞いてない、 聞こえるが耳から入ったのを全部聞き流す。 「ちゃんと聞いてるよー・・・それで?」 最近神奈子は里から来た少年にご執心だった。 何でも今年は里で気象が酷く荒れたらしく、 ・・・いや、まあ荒れた理由は知ってるよ? 山に住む厄神が回収を怠ったんだよね・・・今の神奈子と同じ様な理由で。 神奈子の怠惰により、現在守矢神社は深刻な信仰心不足に陥っている。 直接的な理由は神奈子にあるのだが、 とりあえずは件の少年について説明しておこう。 少年は里から生贄として捧げられた。 外からの来訪者らしく、神学に興味があるとやらで快く生贄を引き受けた様だ。 というか生贄って普通畜生を殺して捧げるんだけどね、 どっちかっていうと彼は人柱だね。 ともかく、彼から里の有様を聞いた私達は大急ぎで里へ行き、 奇跡を起こしたり土地開拓したりでなんとか里を元通りに戻した。 信仰心も大幅にアップ・・・する所だったんだけど、問題が一つできた。 生贄の少年、○○だ。 神に捧げられた身である以上神社から引き離す訳にはいけないし、 生贄を里に返すと色々と問題がある。 ・・・供物のルール的な意味で誤解されて信仰が下がりかねないのよね。 そこで仕方がなく、彼を此処に置く事になった。 外から来た彼は早苗の良い話し相手になり、 神学を学ぶ彼は神奈子や私の話し相手にもなる。 家事は上手くこなせなかったが、猫の手程度にはなる。 ・・・そう、彼を迎え入れるまでは良かった。 そして彼自身も変わる事は無い。 全ての元凶は彼にあるけど、 全ての原因は神奈子にあるのだ。 さて、神奈子が話す○○の良さだが、 まず神奈子は優しい事を挙げたがる。 ガンダム(って私には分からないが)の話を真剣に聞いてくれるし、 早苗に虐められた(原因が神奈子なのは置いといて)時に慰めてくれるし、 私や早苗と違って(御役目なので)ずっと神社に居てくれる所、らしい。 なんだか神奈子が不憫になってきたわ・・・ ところで私は何度か「もう告白したら?」と聞いてみた事がある。 すると体をくねらせながら頬を染めて。 「でも~、断られたら嫌だし~、プライドが許さないし~」 とか言ってきたのを覚えている。 外の世界の早苗と同年代の子があんな感じだったなぁ。 もう少し歳を弁えて欲しかった。 と言ったら帽子を盗んで投げられた、あーうー。 「神奈子様ー、ただいま帰りましたー」 「あらお帰り○○、図書館は楽しかった?」 「はい、それとあそこの庭で取れた人参を貰いましたよ」 「それは良かったわね、早苗に頼んで今夜の煮物に入れてもらいましょう?」 「はい!そーですね!」 バスケット一杯の人参を持って○○は台所へ駆けて行った。 同時に、神奈子の頬が緩む。 「くは~っ、あの反応堪らないわね、眼福眼福」 ・・・その切り替わりの速さは同じ神として尊敬するよ全く。 こないだなんか○○に膝枕してね、 ○○がそのまま寝付いたら凄い嬉しそうな顔でずっと○○の頭を撫でてたのよ・・・ なんか私、この神社が本気で心配になってきた・・・ 「・・・成る程、最近はこんなのが流行ってるのね」 神奈子は、早苗が外から持ってきた雑誌を読んでいた。 今日は○○が居ない。 つまりあれなのだ、神奈子が変貌するのだ。 正直あのデレデレっぷりを見ていると神社が心配になってくる。 ちなみに頼みの綱だった早苗は、 ・・・コタツに引きこもって凄まじい勢いで携帯電話を使ってたので諦めた。 ○○はというとまた図書館に行っている。 従順な子だからあそこの魔女や小悪魔に唾付けられないか心配ね・・・ いやいや、私は別に良いんだけど・・・あらゆる意味で暴走した神奈子に巻き込まれたくない。 「ただいま帰りましたー」 「お帰りー」 私が挨拶する瞬間に神奈子は雑誌をコタツの中に放り込み、 早苗も手品の様な一瞬の動きで携帯電話を隠す。 「おやつの時間に頂いたお菓子なんですけど、 皆の分もってお土産に包んでくれたんですよー」 今日バスケットに入っていたのは外で食べたバウンドケーキとかいう物だった。 「おぉー、凄いスイーツですね」 え、何語。 それは何語なんだ早苗。 それはさておき、 「いつもありがとね○○、 こっちは材料揃えるのが大変だからね」 「和スイーツなら作れますけどねー」 だからスイーツって何語。 「ほら、神奈子様もいかがですか?」 さっきから立ち上がらない神奈子の側に○○が近づき、 目の前にケーキを差し出した。 「ふざけるなよ」 あろう事か、 神奈子はそのケーキを手で払いのけた。 「なんで私がお前如きの施しを受けなきゃならいんだ」 その場の全員が、驚愕した。 神奈子の顔は、侮蔑と憎悪に溢れていた。 「・・・ごめんなさい」 ○○は頭を下げ、 部屋から去って行った。 そしてあろう事か一瞬の内に豹変した神奈子は、 「どうだったかしら!私のツンデレは!」 ・・・駄目だこの神、早くなんとかしないと・・・っ! 「神奈子様、それデレが無いです」 「あぁっ!」 何普通にツッコミ入れてんだうちの巫女は。 「はぁ・・・そんな事より、 ○○、きっと悲しんでると思うよ。 神奈子に嫌われたと思ってるんじゃない?」 「う・・・」 「それに原因は神奈子様ですから慰めには行けませんねー」 またカタカタと携帯電話を打ち続ける早苗。 「素直に謝ってきなさいよ、 ○○は優しいんだから、ね?」 「う・・・ぅぇぇぇん!諏訪子~!」 はいはい、悪かったって自覚はあるのね。 「怖いよ~!○○に嫌われたら嫌だよ~!」 一瞬カシャと言う音がしたのだがブン屋は見つからなかった。 早苗がニヨニヨ笑ってたがいい加減神奈子に毒されたのだろうか。 え、神奈子? 仲直りしたよ、もう。 え、何? 仲直りに当たって神奈子がうっかり告白して仲が進展したんじゃないのか? 嫌だなーw 神奈子にそんな度胸ある訳無いじゃないw 謝って、元気付けて、それでおしまい。 まあでも、あれだけ泣いてたのに○○の前では平常でいれたってだけでも・・・ いや、それじゃ駄目だったな・・・素直に告白しないと。 ともあれ、神奈子はあの一件以来素直になっていた。 ○○がお土産を持って帰ったら喜んで頭を撫でる。 ・・・まあそれは○○が恥ずしがる顔を見たいだけなんだろうけど。 ん、最近あった出来事?そうだねー・・・ この間、図書館が休みでね。 ○○が珍しく日中神社に居たのよ。 ずっとコタツに入ってたんだけど、 んー・・・やっぱり暖かいから?座ったまま寝てた訳。 それでその隣でみかん食べてたんだけど。 「諏訪子ー、はさ・・・」 絶句だったね。 視線は○○に注がれみるみる内に表情が変わっていったよ。 「はさみなら台所に」「黙れ蛙」 いや、別に怒られても何とも無いよ、うん。 決して悲しい訳なんかなくてあくびしたから涙が出てるだけなんだよ? 神奈子は口の端を痙攣させながらゆっくりと○○に近づいていった。 そんなに嬉しいか、その顔怖いんだけど。 そしてそのまま・・・眠ってる○○を後ろから抱きしめた。 あ、待って。 恋愛ドラマみたいなシーンを想像した? あのね、残念だけどこのスレ読み返した後鏡見てみなよ。 ニヨニヨした顔ってなんか変でしょ? あの顔のまま○○に抱き着いて背中にほお擦りしてるんだよ、神奈子。 それも半角カタカナでハァハァ言いながら。 カリスマが0ってていうかもうカリスマの概念ぶっ飛ばしたって程に・・・ あれ、なんか説明したら涙が出て来たよ? いやいや、眠いからあくびだよね・・・? いいもん・・・早苗が居るからいいもん・・・ 寂しいなあ・・・ 11スレ目 913 942 952 12スレ目 14 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「お前が神なら俺は関白だ」 11スレ目 984 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「・・・寒っ!」 吐く息が白い。 先日の白黒の参拝・・・じゃなくて襲撃により、 唯一の暖房器具であったコタツが破損。 さらに弾幕ついで神奈子様が発射したオンバシラがとどめを刺し、 結果、何とかして寒い冬を暖房無しで越さないといけないようになった。 そして、奇跡的に修理出来る人を見つけた早苗さんがコタツの残骸を持って行ってる間、 境内の掃除等雑務を僕がこなす事になったのだ。 「よう少年、頑張って掃除してるかい?」 ニヨニヨしながら神奈子様が出て来た。 全く・・・コタツ壊した本人なんだからもう少し反省して欲しいんだが。 「どうしたんですか神奈子様、外は寒いでしょうに」 「いやまあ、○○が寒い思いをしてるんじゃないかと思ってね」 「はぁ、まあそりゃあ現代っ子の自分にゃあ堪えますね」 「だから暖めてあげようと思って」 「お~、是非お願いしますよ」 「うんうん、素直で宜しい。 んじゃ、目を閉じて手を上げて・・・」 ・・・こう、かな? 「うわ・・・!神奈子様何やってるんですか!」 「後ろから抱き着いてるんだけど?」 「なんでいきなり!」 「暖めてあげてるんじゃない?」 「で、でもこんな」「ん~?」 「ひ・・・顎で肩をぐりぐりしないで下さい!」 「ほれほれ、此処が弱いのか~?」 「うあ・・・力が・・・」 「顔が真っ赤じゃないか。 暖まってきたんだろう?」 相変わらずニヨニヨと・・・ 「あら?何かしらその顔は~」ぐりぐり 「んあ・・・止めて下さい・・・」 無理ぽ・・・腰が・・・ その後、背丈的に危ないポジションから諏訪子様が抱き着いてきて、 さらに帰って来た早苗さんにも抱き着かれたのは別の話・・・ 12スレ目 61 ─────────────────────────────────────────────────────────── 早苗のいわく、 外界では自分の胸で型取りをしたチョコレートをバレンタインにプレゼントする輩がいるらしい。 いやまあ漫画やドラマと言う事は分かっているがあんな熱い物を体に垂らしてまで早苗や諏訪子は恋人にプレゼントをした訳だ。 ・・・まあ、渡された側が一瞬引いていたのには目をつむろう。 とにかく、私も真似して体の一部を使ってチョコを型取りしてみたんだ。 だ、だって男はあんなのも好きなんだろう? 君は不衛生と言うかもしれんが、 私の愛情が詰まってるんだ、是非食べて欲しい。 私の・・・オンバシラチョコレート。 感想:でけえ 12スレ目 509 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「で、どうだい、早苗は?」 「またその話か。その気は無いと言っているだろう」 「あんたが早苗と一緒になってくれると、こっちは先の心配しなくて済むんだけどねぇ」 俺は今、守矢神社に来ている。 ここで売っている絵馬や破魔矢は、俺が作って納めているのだ。 もちろん、その後しっかり祈祷を行ってから売っているが。 「さすがに歳が違いすぎて、妹にしか思えないんでな」 「いいじゃないか、成長する様も楽しめばお得だよ?」 「あんた本当に神様か?」 ここに来るたびに、ここの神様…八坂神奈子は俺と早苗ちゃんをくっつけたがる。 「俺にこだわる必要はないだろう。 里には、歳も近くて早苗ちゃんに気のある男が腐るほどいるぞ」 「そのへんは見てみたさ。 でもね、男として一番見込みがあるのはあんただったからね」 「それ自体は光栄だけどな、こっちにはその気が無いんだ。 他を当たってくれ。」 「つれないねぇ。 まあ、仕方ない、とりあえず一杯やろうか」 「おう」 納品の度に、ここで酒を飲んでは早苗ちゃんと結婚しろ、としつこく迫る。 軽く一回りも下の、まだ幼さの残る子と一緒になれと。 「ほら早苗、○○にお酌しなよ」 「おい、風祝は召使じゃないだろ」 「おやおや、嫁が旦那に酌をするのは当然じゃないか?」 「そ、そんな、嫁だなんて…」 「神奈子~あんまり早苗困らしちゃ駄目だよ?」 「そうそう、一回り以上上のおじさんとくっつけられて喜ぶ女なんかいないぞ?」 「自分でおじさんとか言うんじゃないよ…」 「ふぅ、ちょっと酔い覚ましに散歩してきますね」 「私もいってくるね~」 早苗ちゃんと諏訪子は、夜風で目を覚ましに出て行った。 酒に弱い早苗ちゃんと、それを見守る諏訪子、毎度の光景だ。 「ああ、気をつけろよ」 「なあ、前から聞きたかったんだが」 「なんだい、改まって」 「俺のどこに見所がある? 少なくとも、気に入られるようなことをした覚えがないんだが」 「あんたの持ってくる絵馬やらなにやら見れば、すぐに分かるさ。 木目にも気をつけて、丁寧に磨かれた絵馬。 白くて綺麗で、乱れの無い破魔矢の羽。 これだけ気を遣っても、誰もあんたを誉めやしない。 でも、あんたは手にする者を思って作りつづけてくれている。 そんな生真面目で優しいところが、あんたの魅力さ」 「下手な物を納めたら、あんたの名前に傷が付くだろうに」 「はは、違いないね」 「惚れた女の名を汚すほど、俺は馬鹿じゃないからな」 「今…何て」 「あ…」 酒の魔力を甘く見てはいけない。 酒は、心の扉をいともたやすく開く。 それと同時に、何が飛び出すかは人それぞれだが。 「普段のカリスマにあふれたお前が好きだ。 時折見せる、物憂げな顔をしたお前が好きだ。 こうして飲んでいるときの、大人の色気のあるお前が好きだ。 俺はお前のことを思いながら、毎日縁起物を作っているんだ」 俺の場合は、信じられないほどの度胸と愛の告白が飛び出した。 「あ、あんたねぇ、神様に向かってよくもまぁ…」 「好きだ、神奈子。俺と一緒になってくれ」 「なっ何言い出すんだい!神様と人間が一緒になるなんて出来るわけ…ないわけじゃないけど!」 「俺じゃ嫌か?」 「…その言い方は卑怯じゃないか…嫌なはずが無いさ…でも…」 「早苗ちゃんには俺から話す。さんざん引っかき回した詫びをしなきゃな」 「本気、なんだね?」 「ああ、本気だ。俺の嫁になってくれ、神奈子」 「…はい」 「照れると可愛いな、神奈子は」 「ば、馬鹿…」 すぱぁぁぁぁぁぁぁぁん! ものすごい勢いで襖が開いた。 「「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁばんざぁぁぁぁぁぁぁぁい!」」 「な、何だおまえら!いつからそこにいた!」 「最初からですよ」「ね~」 「え、あ、あんたたちはぁ~!」 「照れると可愛いな、神奈子は~」 「ちょ、ちょっとやめておくれよ!」 「お二人の気持ちは分かってたんですけど、なかなか進展しなくて困ってたんですよ? 毎回毎回、気を回して二人にしても、ちっとも進まないんですから!」 「毎回だと!?っていうかいつからバレてた!?」 「ずいぶん前。そりゃ~毎度毎度神奈子ばっかり見てれば、チルノでも分かるよ?」 「神奈子様は神奈子様で、○○さんのことを話すときは『乙女』の顔になってるし…」 「そ、そんな顔してたのかい!?」 「ま、仲良くしなさいお二人さん♪」 「参ったね、これは…」 「でも、嫌な気分じゃないよ、私は… ありがとう、二人とも」 ちょっとした後日談 「ああ、早苗の旦那の話はどうしようかねぇ…」 「神奈子様、それなんですけど…」 「なんだい?好きな男が出来たとか?」 「いえ!そこまではいってませんけど…出来れば、年下の男の子がいいなー、と」 「と、年下!?」 「はい、やっぱり、年上よりも年下の可愛い男の子の方がいいですもの! できれば半ズボンが似合う、目のくりっとした子がいいなー。 神奈子様、誰か知りません?」 神奈子は幻想郷に来て、本当に正解だと思った。 (外だったら犯罪だよ、早苗…) 13スレ目 126 うpろだ949 ─────────────────────────────────────────────────────────── 住み込みで働いている守矢神社の庭を掃き終え、縁側でひなたぼっこしていたはずが、 いつのまにかそのまま眠ってしまったらしい。 まだまぶたも開かないぼんやりした意識でそう思い出す。 少しぞくりとした外気を感じ、如何これは日が暮れてしまったかと考えた所で 嗅ぎなれた煙の香りと、何か温かいものが頭の下にあるのを感じ取る。 「…おや、ようやくお目覚めかい?」 見上げるとそこには夕焼けに照らされながら、 音も無く煙を吐いている神奈子様が居た。 っていうか、膝枕されていた。 キセルを持っていない右手は俺の頬に置かれている。 「…すみません、今退きます。よっ」 身を捻り腹筋の要領で起き上がる。 「待ちなよ」 ぐきり。 動く瞬間を抑え込まれおかしくなる俺の首。 「――っ!!うぐがが……」 「何やってんだい………ふぅ」 悶える俺を膝元に、一服キセルをふかす。 「動かないで、そっと足元をみてみな?」 言われて自分の足先を見ると、 「おわ……早苗さんに、諏訪子様」 丸めた座布団を枕に、二人が俺同様寝転がっていた。 なるほどこれは動けない。 迂闊に勢いよく起き上がればケロちゃ・・・もとい諏訪子様を踏みかねなかった。 いくら蛙キャラとはいえそれは無いだろう。 「できればあんたにも座布団をやりたかったんだよ?でもさ、ほら」 しょうがないよなぁ、という笑顔で神奈子様が視線を向ける。 二人がそれぞれ二枚ずつ座布団を枕にしている。 そしてここには、家族用の座布団は4枚しかなかった。 「ははは、なるほど」 「ったく、〇〇に一枚持ってくるとかしないで自分らも一緒に寝ちまうってんだから」 「かえって二人らしいですよ」 「はん、そいつはまったく同意だね」 そいじゃそろそろ二人を起こすか、そう言うと神奈子様は俺の頬から手を離した。 「ですね、っと。…膝枕、温かかったです。ありがとう神奈子様」 「いやいや、婆様の古枕で悪かったねぇ、 安心しな、次こそはちゃあんと座布団置いてやるよ」 「そんな、これ以上無いってくらい素敵な枕でしたよ。 よければまたお願いしたいくらいです」 「勘弁しとくれ、足が痺れてたまんないったら。 どうしてもあたしにして欲しいってんなら、そうさね次はオンバシラでも」 「縁側壊す気ですか」 「だったらオンバシラ五本で」 「壊す気まんまんですね」 「しょうがないなぁ、特別サービスオンバシラ100本だ!持ってけ泥棒!」 「ジェンガみたいになっちゃうでしょうが!!!駄目です!!!」 あああ、やっぱりボケとツッコミに。 少しくらい神奈子様に意識してほしくて頑張るも、だいたいこんな感じになるのが常だ。 偶然にも夕暮れとかシチュエーションばっちりだってーのに、俺のへたれ! 「あーもうっ。いいからもう起こしましょう、二人を」 「っはっは、いい加減日も暮れちゃったし、そうするかね」 中身を受け皿に出してキセルを置くと、よっこいせと立ち上がる。 掛け声はアレだが、スラリと立ち上がる動作の優雅さについ見惚れてしまった。 「ふふふ、どうやって起こしてやろうかね」 顎に手をあてにやにやする神奈子様、すげぇ悪そう。でもその笑顔も素敵です。 「せっかくですから、俺はむき出しの脇に落ち葉を乗せてみます」 「そいじゃああたしは諏訪子の帽子の目に乗せようか」 「むー、起きませんね」 「早苗の髪を紫色にして、額に『W』って書いてみるとか?」 「真っ白い服来てダイブしたら諏訪子様中に入るんじゃないでしょうか」 「それだと洗濯のたびにあーうーうるさそうだから却下」 「早苗さんを塗ると博霊も黄色にしないといけないのでやめましょう」 「ここはひとつ、オーソドックスに鼻でもつまんでやれ」 「王道ですね。じゃあいきますよ、せーのっ!」 その日の夕飯、ぷんすか不機嫌なケロちゃんは 俺や神奈子様の箸につままれたおかずに食らいつくという暴挙に出ました。 文句を言おうにも帽子の目はすっげぇ睨んでるしケロちゃんは可愛いしでどうにもなりませんでした。 神奈子様もまんざらでもなさそうだたので、おっけーね。まる。 13スレ目 266 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ん?○○、何を描いているんだ?」 「あ、神奈子様。 守矢神社のことを里の人にもよく知ってもらえるように、 パンフレットを作ろうかと思いまして。 流石に写真だと威厳が損なわれそうなので、 神奈子様の絵を描いて載せようと思ったんですが……」 「ほう、『守矢神社祭神絵姿』か…… うん、なかなかよく描けているじゃないか」 「神奈子様にそう言ってもらえると、がんばったかいがあります」 「……あの、諏訪子様。○○さんの絵ですけど」 「……あーうー。神奈子はああ言ったけど、ちょーっと、若いというか…… 美化されてるよねー。恋は盲目っていうけど……」 「八坂様、全然気付かれませんよね。 側で見ている私にさえ、○○さんの気持ちが手に取るように わかるんですが」 「神奈子もそっちの方は初心というか、鈍いからねー。 ……気付いた時が見ものだね」 13スレ目 308 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「○○、私はお前のことが好きよ」 「神奈子様……」 「ずっと側にいてほしい」 「あの、嬉しいですけど後ろの一際でかいオンバシラは? 伝説の樹じゃあるまいし」 「伝説ならある。昔これで蛙を吹っ飛ばした」 「いやそうじゃなくて、下で告白すると幸せになれるとか」 「そういうのは、ない」 「ないんですか」 「だがお前は私が幸せにする。私は、○○がいてくれればそれで幸せよ」 「……神奈子様」 「私の気持ちに応えてほしい」 黙って、神奈子様を抱きしめた。 14スレ目 57 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「おーい○○ーただいまー」 「お帰りなさい神奈子様…ってなんすかそのボロボロな格好は」 「いやー、宴会の帰りに麓の巫女と弾幕で勝負したら負けちゃってねー」 「まったく、着替え用意するからお風呂でも入っててくださいよ…」 「はいはい、じゃあ入ってくるよっと…」 「はい行ってらっしゃい…ってここで脱がないでください神奈子様!」 「えー、そのくらいいいじゃないか○○ぅー」 「こっちはそういう経験ないんすから勘弁してください!こっちが恥ずかしいですって!」 「わかったよ、ちゃんと風呂場で脱ぐから落ち着いてくれ…」 「まったく…神様なんだからもうちょっと威厳のある行動を取ってください」 「最近はこういう方が信仰が集まるのよ」 「まったく、信仰してる俺の立場が無いと言うか…」 「おや、あまり信仰してるようには見えないけど、そうなのかい?」 「最大限の信仰をしていますよ、神奈子様は鈍感と言うか…」 「そうかい、ありがたいね。ところで最大限の信仰ってどんなものなんだい?」 「愛してる、って事ですよ、神奈子様」 「え?…か、神様の前で冗談は良くないよ○○」 「冗談なんかじゃありませんって。」 「そ、それじゃあ…」 「神奈子様、俺は神ではなく一人の女性としての貴方が好きです。」 「そ、それはその…プロポーズとして…受け取っていいの?」 「…もちろんです、神奈子様。実は恋愛経験とか無いのでは?」 「あ、あはは!あるに決まってるじゃないか!」 「その反応からして無いんですよね?」 「あー・・・ぅー」 「諏訪子様みたいにごまかさないでください。それで、答えを頂けると嬉しいんですが」 「あ…その、これから…よろしくね…」 「ああ、よかった。断られたらどうしようかと。しかし、本当に威厳が無いというか」 「な、何を言うんだ…威厳の無い私は好きじゃあないか?」 「どんな神奈子様でも俺は好きですって。こちらこそ、よろしくお願いします」 「あぁ…その、神様としては非常に情けないんだが…よろしく…」 「さて、とりあえずお風呂に入ってきてください。今、早苗さんが料理作ってますから」 「あぁ、わかった。でも、その前に…その、キス していいか?」 「はいはい、わかりました。神様の仰せのとおりに」 おしまい うpろだ1148 ─────────────────────────────────────────────────────────── 洩矢神社の縁側に私は酒を持って座る あの三人組は寝ているだろうか 特に早苗は家計が苦しいだの、少しは節約だのとうるさくてかなわん 反して諏訪子も神様の癖に10時にしっかりと寝る癖をつけておるしな ……んくっ、はぁ……今日も酒は美味い 今日はちょうど良く満月だ ……月見酒といったところか、なかなかの趣があるな はぁ…… ……後は○○だけだな あいつがここに住むようになってから私は変わってしまった ○○が早苗の手伝いをしているとき、諏訪子と遊んでいるとき 私は○○の姿を目で追ってしまう 目が合ったときなんてどうしようもなく恥ずかしくなってきて、すぐに目をそらしてしまう その後あいつは、○○はこう言うのだ 「神奈子さんどうしたんですか?」 彼は彼なりに私を気遣ってくれているのがわかる その気持ちがとても嬉しいのだ だが、いつも私は何も答えられずにいる ……○○は私のことをどう思っているのだろうか ただ一つの神様として、それとも……? はぁ……どうも一人になると弱気になってしょうがない ……これじゃあ神様失格だな 「こんな夜遅くに一人で晩酌ですか?」 「……起きていたのか○○」 「ええ、こんな良い満月の日には外にでも出ようと思いまして」 「ああ、今日は良い満月だ」 「……神奈子さん」 「何だ○○」 「俺は神奈子さんのこと神様失格だと思ってませんよ?」 「……」 「人でも神様でも弱くなるときがあるんだと思います。それをどう向かっていくか。それが大切じゃないんですか?」 「……お前も弱くなるときがあるのか○○よ」 「はい」 「……そうか」 「俺も一杯貰っていいですか?」 「ああ、だが早苗に怒られるときは共にだぞ○○」 「わかってますよ。それではいただきます」 「……ぷはー。こんな美味いお酒を独り占めで飲むなんてずるいですよ神奈子さん」 「そうか?なら次からはお前を起こしてから呑むとしよう」 「それはありがたいです、こうして神奈子さんと一緒にいられる時間が増えますから」 「……一つ聞いていいか?」 「ええ、どうぞ」 「そのだな、お前は私のことをどう思っているのかと思ってな」 「神奈子さんのことですか?それはもちろん……」 あーうー…… むにゃむにゃ…… 「そ、そうか。それは野暮なことを聞いたな」 「そんなことないですよ。俺もこうして気持ちを伝えることができたんですし」 「う、うむ」 「それで……神奈子さんのご返事はどうなんでしょうか?」 「むっ!……」 「……どうなんですか~?俺だけ言うなんて不公平ですよ~?」 「むぅ……お前わかってて言ってるだろ」 「さぁ~?それは神奈子さんのご返事しだいで」 「わ、私もだな……その○○のことが!」 あーうーあっ! ごんっ!! う~んうるさいですよすわこさまぁ……むにゃむにゃ…… 「な、なんか言われると恥ずかしいですね!」 「そ、そうだな!」 「そ、そろそろ寝ませんか?お酒も尽きたことですし」 「あ、ああ」 「それじゃあ俺はこれで」 「ま、待ってくれ○○」 「?どうしたんですか?」 「その……今日は……お前の布団で一緒に寝てもいいか?」 「えっ!!そ、それは……」 「!べ、別にやましいこととか考えてないから大丈夫だ!単に寝付くまでお前と一緒にいたいんだ」 「そ、そうですか……それなら……いいですよ」 「ありがとう○○」 翌朝、抱き合って寝ていた私たちを見て早苗に弾幕の嵐を食らったのはいうまでもないな ちなみに諏訪子は頭に大きなたんこぶができていたが……まぁ大丈夫だろうさ まぁそのなんだ○○とは両思いになったということだ その○○は早苗の手伝いから開放されて今は私の膝でぐっすりと寝ている 「むにゃむにゃ……神奈子……さん……好きです……」 「ふふっ、私も大好きだぞ○○」 うpろだ1417 ───────────────────────────────────────────────────────────