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第六章 「宿敵」 第1節 「愛の紙魚」 空中要塞 祭壇前 イウヴァルト 司教! カイムは、私におまかせを…… マナ 天使を飛ばせてはならない。 イウヴァルト 俺は強い。俺は愛を知っている。天使への愛。 君への愛。……君は……誰? フリアエ イウヴァルト? 第2節 「黒きドラゴン」 女神フリアエが捕われている空中要塞。 カイム達の届かぬ高みから、愛に溺れし親友イウヴァル トが舞い降りる。情熱に輝くその眼には、もはやフリア エの姿すら映ってはいなかった。 要塞より宿敵イウヴァルトが出陣した。 要塞の悪しき力の側では奴らの方が有利だ。 できるだけ早く決着をつけて活路を見出せ! イウヴァルト カイム、おまえに今の俺を倒すことができるかな? イウヴァルト 俺は力を手に入れた!だからフリアエも手に入れる! フリアエ! イウヴァルト 俺は……誰だ?うっ……頭が……フリアエ! フリ……アエ? イウヴァルト フリアエッフリアエッフリアエッフリアエッフリアエ フリッアエフリアッエッエフリッアッエッフリフリ イウヴァルト フリブリブリブリブリ レッドドラゴン 女神の匂いが薄まっておる。急げ! イウヴァルト 俺は……本当にフリアエを愛しているんだ! 心の底から! レッドドラゴン 黒き竜を駆りしイウヴァルト、侮れぬぞ! イウヴァルト 天使は飛ばせん! レッドドラゴン 「今ぞ!」 第3節 「定め」 ブラックドラゴンが入る気流を利用して空中要塞の高度に 足したカイムたち。 要塞内部へ侵入してフリアエの捕われている祭壇に進め! すべての悪の根源は、この忌まわしき空中要塞に! 要塞の砲台を破壊し侵入路を切り開け! レッドドラゴン まずは砲台を倒して近づくしかなさそうだな。 レッドドラゴン やみくもに倒しても埒があかぬ。狙いを定めて 攻撃するのだ。 ヴェルドレ その要塞の中に女神が囚われておる。最後の封印だ! 守り抜いてくれ!! レッドドラゴン この程度の攻撃で我が落ちるとでも? 笑止! ヴェルドレ 何と大きな建物か……どうやって浮いているのだ? レッドドラゴン 奴らはもう人間ではない。壊れた機械だ。 倒すのも虚しかろう。 レッドドラゴン この貝殻にはどれだけの人間がおるのだ。きりがない! ヴェルドレ 封印破壊の儀式が始まろうとしている…… もはや帝国の暴挙を止めることはできぬのか!? レッドドラゴン さすがのおぬしも、これだけの命を奪うのは 心苦しいか?そうでもない……か。 ヴェルドレ 私は神に祈ることしかできない。私は無力だ。 女神よ、無事でいてくれ…… 第4節 「汚れた祈り」 レッドドラゴン まよわず突き進め!その手でおのれの妹を連れ帰れ! 最終封印である女神フリアエの危機は刻々と迫っている。 急がねば世界が終焉を迎えるのことになるだろう……。 女神の元へ急げ! ヴェルドレ 女神をっ! 女神はどこだっっっ!? レッドドラゴン ここからでは何の手助けもしてやれん。 おぬしが、やるのだ。 ヴェルドレ 女神の危機は最終封印の破壊を意味する。カイム、 どうか女神の身を……世界を……護ってくれ! この階は結界によって封じられたらしい。 制御している場所は四箇所。 そこにいる操作兵を倒し結界を解け! フリアエ 兄……さん…… 帝国兵 天使、女神、天使、メガミ、テンシ、メガミテンシ メガミ…… フリアエ 兄さん……兄さん……いやぁぁあああああ! 結界を解く鍵が出現した。 鍵を使い、早く女神フリアエが囚われている元へ! レッドドラゴン フリアエの”声”が聞こえたか? 走れ! フリアエ ………き…… ヴェルドレ 決壊を破壊せねば先へは進めぬようだな……。 レッドドラゴン 女神の”声”が……弱い。弱いぞ。急げ! 鍵により結界を解くことができた。 早く女神フリアエの元へ駆けつけろ! レッドドラゴン 女神を……感じるぞ。この要塞のどこかに必ずおる。 第5節 「声にならない」 フリアエの居ると思われる祭壇へと近づく。 あたりは異様な雰囲気で満たされていたが、フリアエの 気配を感じ取ることが出来ない。カイムは嫌な予感を感 じながら、更に空中要塞へと進む。 祭壇では、この悪夢の元凶である「天使の教会」司教が カイムを待ち受けていた。 カイム ……!!! マナ 天使を語ってはならない。 天使を描いてはならない。 天使を書いてはならない。 天使を彫ってはならない。 天使を歌ってはならない。 天使の名を呼んではならない。 レッドドラゴン カイム! 最終封印が解かれたのだな? 早く外に出てこい! 卵が生まれるぞ! カイム ……… レッドドラゴン カーイム! しっかりしろ!! 次の手を打たねば世界が滅びるのだぞ? レッドドラゴン おぬしの妹が耐えて守ってきたことが すべて無駄になるのだぞ? レッドドラゴン カイム!? カイム …… カイムの到着は一足遅かった。 最終封印である女神、フリアエの命の灯火は尽き果て ていた。 幼い司教マナが楽しげに「天使の教会」の教義をつぶや いていた。 封印解除によりこのままでは人類にとって未知なる 「再生の卵」が出現してしまう。 激情に駆られたカイムは司教マナへの怒りを抑え「再生 の卵」の出現を阻止するために要塞を飛び出した。
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《無視できぬ脅威》[一般]Overwhelming Assault 君を目の前にしながら何も手出しをしてこない敵に対し、君は目の覚めるような一撃をもって存在を主張する。君という恐るべき脅威を放置するのは愚の骨頂である。 前提条件: 基本攻撃ボーナス+15。 利益: 1回のフリー・アクションとして、特定の敵を1体、この特技の目標として指定すること。その敵が君と隣接するマスでターンを開始し、なおかつ君を攻撃することも、君を目標にして呪文を発動する事も、君に対して特殊能力を使用することもなく、君と隣接するマスでターンを終了した場合、君は次のターンにその敵を攻撃する際の近接攻撃ロールに+4のボーナスを得る。 出典: 『プレイヤーズ・ハンドブックⅡ』p.86 関連項目 特技
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今回のシュタインズゲートを見ていたらついSSを書きたくなってしまいました。 これはフィクションであり、現実とは一切関係ありません。 ―――それは、いつも通りの凛のうっかりと不運なミスが連鎖して起こった。 協会のつてを頼って手に入れたはずの聖遺物……ガウェインの鎧の欠片が、 他の物にすり替わっていたことである。 そして、それを確認もせず召喚を開始する凛。 その結果、召喚されたサーヴァントとは……。 「吾輩は……騎士の中の騎士! 誇り高きラマンチャの男!!ドン・キホーテでぁあある!!」 「ああ……やっちゃった……。」 それでも何とか戦いを開始していく二人。 戦闘能力は最低のドンキホーテだが、その宝具『我、騎士道を邁進す』と 「錆び付いた英雄譚」で聖杯戦争を引っかき回しながら何とか戦い抜いていく。 だが、その中でも彼の騎士道は揺らぎはしない。 それは、敵のサーヴァントといえど同様である。 「な……なぜ私を助けるの……? 私は、貴方の敵なのに……。」 敵のサーヴァント、キャスター壱与。 戦闘能力がほとんど無い上に、『我、騎士道を邁進す』の効果によりパニックになったマスターの自滅により、 彼女ははぐれサーヴァントになったのだ。 だが、ドンキホーテは、そんな彼女に手を差しのべる。 「そのような事決まっておろう。 吾輩は、騎士の中の騎士、ドン・キホーテ!! 女性に向ける刃など持ってはおらぬ!!女性を救うのは……騎士の役目ぞ!!」 「だめだ。このサーヴァント。早く何とかしないと……。」 そんな彼らに襲いかかるは、強大な力を持った魔王ラーヴァナ。 その強大な力を誇る魔王に戦闘能力に劣る彼らでは対抗できようもない。 「ふん、道化では余を倒すことはできぬ。 魔王を打ち倒すのは、いつだって英雄(にんげん)だ!! 見せてやろう。真の貴様の姿をな!!」 「あ……ああああああああああああ!!」 そうじゃ!そうじゃ!吾輩は……いや、ワシは……ただの妄想に囚われた、愚かな老人じゃった。 「ははははは!どうだ自分の姿を見せつけられた気分は!道化!! それでも余を倒したければ……来るがいい! 我が居城、プシュパカ・ヴィマナへ!!ははははは!ふぁーははははははは!!」 ラーヴァナの幻術によって自身の真の姿を知ってしまったドン・キホーテ。 そして、その隙に自身のマスターは攫われてしまうという体たらく。 何が騎士だ。何が英雄譚だ。ワシには何もできぬ。できぬのだ。 「は……ははは……。無駄じゃ。無駄じゃよ……。 吾輩には……いや、ワシには何もできん。何もできないただの無力な老いぼれじゃよ……。 所詮、何も。何も……。」 「ドン・キホーテ!!」 呆然と虚ろな目で呟くドン・キホーテに大して、壱与のビンタが炸裂する。 「貴方は……危機に陥っていた私を助けてくれました。 私が敵対するサーヴァントであるにもかかわらず、 『か弱い女性を救うのは騎士の努め』と言って。 貴方は道化でも英雄卿でもない。立派な騎士なのです。 そんな貴方が……囚われた女性を助けにいかなくてどうするのですか!!」 「私の鬼道による情報収集によれば、あの魔王は強力な再生能力を持っていますが、 その効果は『人間』に大してはほとんど能力を発揮しません。 あの魔王を倒せるのは大英雄でも強力な戦闘能力をもった存在でもありません。 貴方のような『人間』なのです。」 その言葉と共に、ドン・キホーテは天に向かって哄笑する。 「魔王を倒せだと!?囚われのマスターを救えだと!? 笑わせる!!それではまるで―――英雄譚そのものではないか!!」 「いいだろう。やってやる。それが物語の選択だというのならばな。 ワシは……いや、吾輩は―――騎士の中の騎士!ドン・キホーテ!! 魔王を倒すのは、英雄の努めぞ!!」 その言葉と共に、彼は手にしたランスを天空に向かって突き上げる。 「敢えて、もう一度言おう! 吾輩は、騎士の中の騎士!ドン・キホーテ!! 騎士道は―――吾輩の手の中にある!!」 ―――ラーヴァナの居城、プシュパカ・ヴィマナ。 そこに乗り込んだドンキホーテと壱与は、まるでまさしく迷路のような内部構造に四苦八苦していた。 そして、その中で偶然にも他のサーヴァントであるロムルスと合流し、 共同戦線を取る形になった。 だが、彼らは気づいていない。 プシュパカ・ヴィマナはラーヴァナの思うがままに操作でき、 彼らはラーヴァナの手によって引き合わされたということを。 それを見ながら、囚われの凛は疑問をラーヴァナへとぶつける。 「何で私に何もしないの?私を倒せばドンキホーテは自然に消滅する。 なのになぜ?それに……アンタ、わざとドンキホーテと壱与とロムルスに会わせたでしょ。何で?」 その凛の言葉を聞いたラーヴァナはやれやれといわんばかりに首を振る。 「ふん、あの壱与とドンキホーテだけでは余には対抗できぬからな。 あの三騎でようやく余に渡り合えるというものだ。 それに……貴様らは『悪役』というのを理解してはおらぬな。 実に、実に嘆かわしい限りだ。」 そして、ラーヴァナはまるで魔王のようにばさっとマントを翻すと言葉を紡ぐ。 「良いか?「悪役」というのはッ! 最後に「英雄」によって倒されなければならんのだ!! その英雄譚を見る事によって!世の人々が『夢』を!『希望』を!『正義』を! その胸に抱くことができるのだ!!」 「この世界を見て余がどれほど絶望したか分かるか? 英雄も悪役も幻想も希望も夢も絶望も勇気も何も存在しない。 全てが遠き果てに去ってしまった何から何までまっ平らな世界。 善と悪の境界線すらあやふやで、何の幻想も英雄譚も希望も存在しない世界。 それが悪役にとってはどれほどの苦痛、どれほどの孤独か―――貴様に解るか!?」 そう叫んでいるラーヴァナの姿はまるで自分一人だけが取り残されて泣いているようだった。 それを見て、凛は思わず呟く。 「つまり―――アンタは「英雄」が大好きってことか。」 「そのとおりだ!余のような存在は、『悪になるしかなかった弱い存在』は、 英雄(にんげん)によって倒されなければならないのだ!!」 来い!来いよ英雄!余を打ち倒してみせよ!余を満たせ!余を救え!余を救ってくれ!!」 ―――プシュパカ・ヴィマナの王座。 そこには、王座に座っているラーヴァナの姿が存在していた。 それに挑むは、ロムルス、壱与、そしてドンキホーテ。 ラーヴァナはまさしく魔王の威厳をもってそれを出迎える。 「よく来たな。歓迎しよう。 だがな、貴様らには余を倒すことはできぬ。 神もどきに、偶像の女王、それにただの人間ではな。」 ラーヴァナのその挑発に、ロムルスは不敵に微笑む。 「ふん、それはどうかな? やってみなければわかるまい? 絶望的な状況をひっくり返す事こそが英雄だ。」 「なるほど。それは道理だ。 だがな。貴様では余を倒す事は出来ぬぞ?神もどき。 貴様の神性はこの中でもトップクラスだ。 それでは、余を倒す所か、傷つける事すらできぬわ。」 確かにロムルスの神性はサーヴァントの中でもトップクラスのAだ。 これではラーヴァナを倒す所か傷つけることすらできまい。 さらに壱与も神性を所有している上に戦闘能力が皆無では話にならない。 ドンキホーテでは戦闘能力が決定的に欠けている。 だが、そんな状況でも、ロムルスはにやりと不敵に微笑んだ。 「ああ、確かに俺ではお前を倒す事はできない。 だが……この程度ならばできる!! 『討ち立てる繁栄の大樹(パラティウム・クィリヌス)!!』」 「なっ……!!」 瞬間、がくんとプシュパカ・ヴィマナは飛行速度を落とし、ゆっくりと墜落していく。 それは大樹と密林が成長するに従ってますますひどくなってゆく。 ロムルスが作り出した大樹は、ヴィマーナの魔力を吸収してどんどん巨大化していくのだ。 そして原動力である魔力を失ってプシュパカ・ヴィマナはさらに地面へと落下していく。 「き、貴様ぁああああっ!!」 『討ち突ける繁栄の枝葉(パラティウム・クィリヌス)!!』 その瞬間、大樹からロムロスが取り出した二つの投槍がラーヴァナの両太股を貫いた。 しかも、その投槍から無数の枝が伸び、ラーヴァナの動きを絡め取ろうとしていく。 いかに再生するとはいえ、その傷口が槍で貫かれたままでは傷は再生できない。 しかも抜こうとするのを拒むように、その投槍から無数の枝が伸びラーヴァナの体へと巻き付き、 さらに床にも巻きついてラーヴァナの動きを止めようとしているのだ。 「そうか!貴様……余の動きを止めるのが目的か……!!」 「そのとおり。しかもその投げ槍は貴様のヴィマーナの魔力によっていくらでも再生できる。 貴様のヴィマーナの魔力が尽きるまでな!!」 「なぁああめぇええるぅうなぁあああ!!」 そうラーヴァナは叫ぶと、その腕を利用して体に伸びてくる枝を切り払いながら 太股に突き刺さった投槍を無理矢理引きはがす。 元はロムルスの攻撃によって作られたその傷は瞬時に再生を開始する。 だが、その瞬間を狙い済ましたように、ロムルスは更に投槍を大樹から取り出し投擲する。 その投槍は、再生を行い始めた両太股、両脛、そしてラーヴァナの胴体へと突き刺さる。 「今だ!足は止めたぞ!行け!ドンキホーテ!! 貴様が道化でなければな!」 「駆けよ!ロシナンテ!!疾風のごとくに!!」 その瞬間、ロシナンテにまたかったドンキホーテはランスを構えると、 ラーヴァナへと疾走する。 「わ、私だって……私だって無力じゃないっ!! お願い!力を貸して!私に光を!!神獣鏡反射!!」 壱与の力、鬼道の願いによって、その場にいる霊的存在は光に姿を変えて、 壱与の神獣鏡へと結集し、反射して猛烈な光となりラーヴァナの網膜を焼きつくす。 「がああああっ!!目が!目がぁあああっ!!」 網膜を焼かれ、ロムルスの投げ槍によって動きを封じられたラーヴァナに向けて、 ランスを構えたドンキホーテはただひたすらに疾走する。 「聞け!魔王よ!そして我が名に戦慄せよ!! ワシは……いや、吾輩は―――!!」 そう、以前のワシは風車を怪物と間違い突撃していた。だが、今度は違う。 今度は風車ではない。正真正銘の魔王だ。 笑わせる。これでは―――まるで英雄譚ではないか!! 「騎士の中の騎士!ライオンの騎士!ラ・マンチャの男! アマディス・デ・ガウラの次に騎士道に忠実な存在!!」 「吾輩は―――ドン・キホーテ! 騎士の中の騎士!真実の騎士!ドン・キホーテだああああっ!!」 次の瞬間、凄まじい音と共に、ドンキホーテのランスはラーヴァナの胸を貫いていた。 「クハッ。」 「クハハハハハ!!良い!実に良いぞ英雄! そう、それで良い!悪役とは!魔王とは! 最後に『倒されなければならん』のだ!!」 胸を貫かれ、血を吹き出しながら、ラーヴァナは哄笑し、絶叫する。 「ここに英雄譚は完結した! 地には平和を!男には勇気を!女には愛を! そして―――人々には希望を! 語り伝えよ!悪とは!必ず倒されるということを!!」 さらさらと、チリへとなっていく体を見つめながら、 ラーヴァナはドンキホーテの方へと向き直ると、 最後に小さく呟く。 「ありがとう……。余を……救ってくれて……感謝……する。」 その言葉と共に、ラーヴァナは完全に消滅した。 英雄に倒されることこそが―――彼にとっての救いだったのか。 ドンキホーテは―――無意識の間に敬礼をしていた。 無言の敬礼だった。奇妙な友情がそこにはあった―――。
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今回のシュタインズゲートを見ていたらついSSを書きたくなってしまいました。 これはフィクションであり、現実とは一切関係ありません。 ―――それは、いつも通りの凛のうっかりと不運なミスが連鎖して起こった。 協会のつてを頼って手に入れたはずの聖遺物……ガウェインの鎧の欠片が、 他の物にすり替わっていたことである。 そして、それを確認もせず召喚を開始する凛。 その結果、召喚されたサーヴァントとは……。 「吾輩は……騎士の中の騎士! 誇り高きラマンチャの男!!ドン・キホーテでぁあある!!」 「ああ……やっちゃった……。」 それでも何とか戦いを開始していく二人。 戦闘能力は最低のドンキホーテだが、その宝具『我、騎士道を邁進す』と 「錆び付いた英雄譚」で聖杯戦争を引っかき回しながら何とか戦い抜いていく。 だが、その中でも彼の騎士道は揺らぎはしない。 それは、敵のサーヴァントといえど同様である。 「な……なぜ私を助けるの……? 私は、貴方の敵なのに……。」 敵のサーヴァント、キャスター壱与。 戦闘能力がほとんど無い上に、『我、騎士道を邁進す』の効果によりパニックになったマスターの自滅により、 彼女ははぐれサーヴァントになったのだ。 だが、ドンキホーテは、そんな彼女に手を差しのべる。 「そのような事決まっておろう。 吾輩は、騎士の中の騎士、ドン・キホーテ!! 女性に向ける刃など持ってはおらぬ!!女性を救うのは……騎士の役目ぞ!!」 「だめだ。このサーヴァント。早く何とかしないと……。」 そんな彼らに襲いかかるは、強大な力を持った魔王ラーヴァナ。 その強大な力を誇る魔王に戦闘能力に劣る彼らでは対抗できようもない。 「ふん、道化では余を倒すことはできぬ。 魔王を打ち倒すのは、いつだって英雄(にんげん)だ!! 見せてやろう。真の貴様の姿をな!!」 「あ……ああああああああああああ!!」 そうじゃ!そうじゃ!吾輩は……いや、ワシは……ただの妄想に囚われた、愚かな老人じゃった。 「ははははは!どうだ自分の姿を見せつけられた気分は!道化!! それでも余を倒したければ……来るがいい! 我が居城、プシュパカ・ヴィマナへ!!ははははは!ふぁーははははははは!!」 ラーヴァナの幻術によって自身の真の姿を知ってしまったドン・キホーテ。 そして、その隙に自身のマスターは攫われてしまうという体たらく。 何が騎士だ。何が英雄譚だ。ワシには何もできぬ。できぬのだ。 「は……ははは……。無駄じゃ。無駄じゃよ……。 吾輩には……いや、ワシには何もできん。何もできないただの無力な老いぼれじゃよ……。 所詮、何も。何も……。」 「ドン・キホーテ!!」 呆然と虚ろな目で呟くドン・キホーテに大して、壱与のビンタが炸裂する。 「貴方は……危機に陥っていた私を助けてくれました。 私が敵対するサーヴァントであるにもかかわらず、 『か弱い女性を救うのは騎士の努め』と言って。 貴方は道化でも英雄卿でもない。立派な騎士なのです。 そんな貴方が……囚われた女性を助けにいかなくてどうするのですか!!」 「私の鬼道による情報収集によれば、あの魔王は強力な再生能力を持っていますが、 その効果は『人間』に大してはほとんど能力を発揮しません。 あの魔王を倒せるのは大英雄でも強力な戦闘能力をもった存在でもありません。 貴方のような『人間』なのです。」 その言葉と共に、ドン・キホーテは天に向かって哄笑する。 「魔王を倒せだと!?囚われのマスターを救えだと!? 笑わせる!!それではまるで―――英雄譚そのものではないか!!」 「いいだろう。やってやる。それが物語の選択だというのならばな。 ワシは……いや、吾輩は―――騎士の中の騎士!ドン・キホーテ!! 魔王を倒すのは、英雄の努めぞ!!」 その言葉と共に、彼は手にしたランスを天空に向かって突き上げる。 「敢えて、もう一度言おう! 吾輩は、騎士の中の騎士!ドン・キホーテ!! 騎士道は―――吾輩の手の中にある!!」 ―――ラーヴァナの居城、プシュパカ・ヴィマナ。 そこに乗り込んだドンキホーテと壱与は、まるでまさしく迷路のような内部構造に四苦八苦していた。 そして、その中で偶然にも他のサーヴァントであるロムルスと合流し、 共同戦線を取る形になった。 だが、彼らは気づいていない。 プシュパカ・ヴィマナはラーヴァナの思うがままに操作でき、 彼らはラーヴァナの手によって引き合わされたということを。 それを見ながら、囚われの凛は疑問をラーヴァナへとぶつける。 「何で私に何もしないの?私を倒せばドンキホーテは自然に消滅する。 なのになぜ?それに……アンタ、わざとドンキホーテと壱与とロムルスに会わせたでしょ。何で?」 その凛の言葉を聞いたラーヴァナはやれやれといわんばかりに首を振る。 「ふん、あの壱与とドンキホーテだけでは余には対抗できぬからな。 あの三騎でようやく余に渡り合えるというものだ。 それに……貴様らは『悪役』というのを理解してはおらぬな。 実に、実に嘆かわしい限りだ。」 そして、ラーヴァナはまるで魔王のようにばさっとマントを翻すと言葉を紡ぐ。 「良いか?「悪役」というのはッ! 最後に「英雄」によって倒されなければならんのだ!! その英雄譚を見る事によって!世の人々が『夢』を!『希望』を!『正義』を! その胸に抱くことができるのだ!!」 「この世界を見て余がどれほど絶望したか分かるか? 英雄も悪役も幻想も希望も夢も絶望も勇気も何も存在しない。 全てが遠き果てに去ってしまった何から何までまっ平らな世界。 善と悪の境界線すらあやふやで、何の幻想も英雄譚も希望も存在しない世界。 それが悪役にとってはどれほどの苦痛、どれほどの孤独か―――貴様に解るか!?」 そう叫んでいるラーヴァナの姿はまるで自分一人だけが取り残されて泣いているようだった。 それを見て、凛は思わず呟く。 「つまり―――アンタは「英雄」が大好きってことか。」 「そのとおりだ!余のような存在は、『悪になるしかなかった弱い存在』は、 英雄(にんげん)によって倒されなければならないのだ!!」 来い!来いよ英雄!余を打ち倒してみせよ!余を満たせ!余を救え!余を救ってくれ!!」 ―――プシュパカ・ヴィマナの王座。 そこには、王座に座っているラーヴァナの姿が存在していた。 それに挑むは、ロムルス、壱与、そしてドンキホーテ。 ラーヴァナはまさしく魔王の威厳をもってそれを出迎える。 「よく来たな。歓迎しよう。 だがな、貴様らには余を倒すことはできぬ。 神もどきに、偶像の女王、それにただの人間ではな。」 ラーヴァナのその挑発に、ロムルスは不敵に微笑む。 「ふん、それはどうかな? やってみなければわかるまい? 絶望的な状況をひっくり返す事こそが英雄だ。」 「なるほど。それは道理だ。 だがな。貴様では余を倒す事は出来ぬぞ?神もどき。 貴様の神性はこの中でもトップクラスだ。 それでは、余を倒す所か、傷つける事すらできぬわ。」 確かにロムルスの神性はサーヴァントの中でもトップクラスのAだ。 これではラーヴァナを倒す所か傷つけることすらできまい。 さらに壱与も神性を所有している上に戦闘能力が皆無では話にならない。 ドンキホーテでは戦闘能力が決定的に欠けている。 だが、そんな状況でも、ロムルスはにやりと不敵に微笑んだ。 「ああ、確かに俺ではお前を倒す事はできない。 だが……この程度ならばできる!! 『討ち立てる繁栄の大樹(パラティウム・クィリヌス)!!』」 「なっ……!!」 瞬間、がくんとプシュパカ・ヴィマナは飛行速度を落とし、ゆっくりと墜落していく。 それは大樹と密林が成長するに従ってますますひどくなってゆく。 ロムルスが作り出した大樹は、ヴィマーナの魔力を吸収してどんどん巨大化していくのだ。 そして原動力である魔力を失ってプシュパカ・ヴィマナはさらに地面へと落下していく。 「き、貴様ぁああああっ!!」 『討ち突ける繁栄の枝葉(パラティウム・クィリヌス)!!』 その瞬間、大樹からロムロスが取り出した二つの投槍がラーヴァナの両太股を貫いた。 しかも、その投槍から無数の枝が伸び、ラーヴァナの動きを絡め取ろうとしていく。 いかに再生するとはいえ、その傷口が槍で貫かれたままでは傷は再生できない。 しかも抜こうとするのを拒むように、その投槍から無数の枝が伸びラーヴァナの体へと巻き付き、 さらに床にも巻きついてラーヴァナの動きを止めようとしているのだ。 「そうか!貴様……余の動きを止めるのが目的か……!!」 「そのとおり。しかもその投げ槍は貴様のヴィマーナの魔力によっていくらでも再生できる。 貴様のヴィマーナの魔力が尽きるまでな!!」 「なぁああめぇええるぅうなぁあああ!!」 そうラーヴァナは叫ぶと、その腕を利用して体に伸びてくる枝を切り払いながら 太股に突き刺さった投槍を無理矢理引きはがす。 元はロムルスの攻撃によって作られたその傷は瞬時に再生を開始する。 だが、その瞬間を狙い済ましたように、ロムルスは更に投槍を大樹から取り出し投擲する。 その投槍は、再生を行い始めた両太股、両脛、そしてラーヴァナの胴体へと突き刺さる。 「今だ!足は止めたぞ!行け!ドンキホーテ!! 貴様が道化でなければな!」 「駆けよ!ロシナンテ!!疾風のごとくに!!」 その瞬間、ロシナンテにまたかったドンキホーテはランスを構えると、 ラーヴァナへと疾走する。 「わ、私だって……私だって無力じゃないっ!! お願い!力を貸して!私に光を!!神獣鏡反射!!」 壱与の力、鬼道の願いによって、その場にいる霊的存在は光に姿を変えて、 壱与の神獣鏡へと結集し、反射して猛烈な光となりラーヴァナの網膜を焼きつくす。 「がああああっ!!目が!目がぁあああっ!!」 網膜を焼かれ、ロムルスの投げ槍によって動きを封じられたラーヴァナに向けて、 ランスを構えたドンキホーテはただひたすらに疾走する。 「聞け!魔王よ!そして我が名に戦慄せよ!! ワシは……いや、吾輩は―――!!」 そう、以前のワシは風車を怪物と間違い突撃していた。だが、今度は違う。 今度は風車ではない。正真正銘の魔王だ。 笑わせる。これでは―――まるで英雄譚ではないか!! 「騎士の中の騎士!ライオンの騎士!ラ・マンチャの男! アマディス・デ・ガウラの次に騎士道に忠実な存在!!」 「吾輩は―――ドン・キホーテ! 騎士の中の騎士!真実の騎士!ドン・キホーテだああああっ!!」 次の瞬間、凄まじい音と共に、ドンキホーテのランスはラーヴァナの胸を貫いていた。 「クハッ。」 「クハハハハハ!!良い!実に良いぞ英雄! そう、それで良い!悪役とは!魔王とは! 最後に『倒されなければならん』のだ!!」 胸を貫かれ、血を吹き出しながら、ラーヴァナは哄笑し、絶叫する。 「ここに英雄譚は完結した! 地には平和を!男には勇気を!女には愛を! そして―――人々には希望を! 語り伝えよ!悪とは!必ず倒されるということを!!」 さらさらと、チリへとなっていく体を見つめながら、 ラーヴァナはドンキホーテの方へと向き直ると、 最後に小さく呟く。 「ありがとう……。余を……救ってくれて……感謝……する。」 その言葉と共に、ラーヴァナは完全に消滅した。 英雄に倒されることこそが―――彼にとっての救いだったのか。 ドンキホーテは―――無意識の間に敬礼をしていた。 無言の敬礼だった。奇妙な友情がそこにはあった―――。
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基本的に、選択しているデザインのCSSをカスタマイズすれば文字の大きさから書体まで、一通り変更することが出来ます。 CSSカスタマイズの方法はこちらをご覧下さい。 http //help.atwiki.jp/customize.html#18 まず、CSSカスタマイズ画面にて、フォントを変えたい部分を検索します。 「CTRL+F」で、“font”もしくは“font-size”を検索すればお目当ての変更箇所が見つかります サイズを指定します。単位はpxもしくはptを使用します。(例 font-size 12px;) また、「120%」のようにして大きさを指定することも出来ます。 詳しい文字サイズ変更の仕方はこちらを参考にして頂けたらと思います。 スタイルシート/テキスト・フォント/文字のサイズを指定する http //www.tagindex.com/stylesheet/text_font/font_size.html
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【検索用 きみはてきないこ 登録タグ 2013年 NexTone管理曲 VOCALOID YouTubeテンミリオン達成曲 YouTubeミリオン達成曲 き きくお ミリオン達成曲 初音ミク 曲 曲か 殿堂入り】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞 きくお 作曲 きくお 編曲 きくお 唄:初音ミク 曲紹介 曲名:『君はできない子』(きみはできないこ) きくおのボカロ曲14作目。 2019年11月15日、自身5曲目となるミリオンを達成。現在VOCALOIDオリジナル曲でミリオンを達成している曲の1つである。 とある親子の人生を描写した、とファンから考察されている傑作。明るいポップな曲調と、悲しげな歌詞が耳に残る。PVではマーカーで歌詞が書きなぐられているのが特徴。ラストの「ラララ・・・」の部分で母親の心情を、強烈なインパクトとして視聴者へぶつけている。最後の歌詞の文字が薄れているのは果たして・・・。 歌詞 君は できない できない できない子 この世でいちばんできない子 ラララ・・・ ラララ べんきょも うんども はなしもできない びんぼで のろまで きたない子 じぶんのなまえも言えない口から もれだす嗚咽が好きでした ヨダレにハナクソ フケクソ ショウベン バイキン ナキムシ ヨワムシ 無視無視 おいでよ 守ってあげるよ いっしょ いっしょ わたしといっしょ ララ ラ ララバイ おやすみ 眠るよなここちでデュエット しよう しよう わたしとしようよ 寂しい子 子 君は できない できない できない子 この世でいちばんできない子 君は できない できない できない子 わたしがいなけりゃ死んでる子 君は できない できない できない子 かなしいかなしいできそこない 君は できない できない できない子 わたしがたすけてしんぜましょう ラララ・・・ ラララ 怪獣 幽霊 透明人間 花瓶に 尿瓶で 不登校 乾いた口から小声で陰口 悲鳴の棒読み 聞きましょう それでも月日は つれづれ経つ経つ おつむも時間も足りない子 もう手遅れ 知恵遅れ かわいい子 いい子 わたしのものよ ララ ラ ララバイ おやすみ 眠るよな心地でわたしと 踊ろ 踊ろ ずーっと踊ろよ 寂しい子 子 子 子 君は できない できない できない子 この世でいちばんできない子 君は 寂しい 寂しい 寂しい子 わたしが一生守るから それでもあの子は釣れない子 わたしのもとから飛び立った 知らないあいだに傷だらけ それでもそのまま旅立った 子 子 子 子 わたし できない できない できない子 できないあの子はもういません わたし できない できない できない子 誰もたすけてくれません わたし 寂しい 寂しい 寂しい子 寂しいあの子はもういません わたし 寂しい 寂しい 寂しい子 もしも時間を戻せたら 嗚呼 ラララ・・・ コメント あー好き -- ぐー (2021-11-18 11 00 39) ラストでクソほど泣けるんじゃあああああ -- ユキンコ。 (2022-03-27 22 17 46) 曲の中にストーリーがあり、泣けちゃいます -- へち (2022-10-04 21 32 25) 毎回泣ける -- 名無しさん (2022-10-25 09 02 47) なんか僕のことを言われている気がしてきて泣きそう -- 白虎でし (2023-08-28 10 13 56) 運命共同体的な感じ?とにかく曲が素敵だから言うこと無し。 -- 野菜さん (2023-09-10 22 14 29) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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│ステータス│入手方法|詳細情報|性能|性能比較│その他│コメント│ 腹が減っては戦ができぬ No.1029 礼装名 腹が減っては戦ができぬ 初期 最大 Rare 5 LV 1 100 Cost 12 HP 400 1600 タイプ イベント期間限定/イベントボーナス ATK 250 1000 自身のQuickカード性能をアップ 10% 15% &Artsカード性能をアップ 10% 15% &クリティカル威力をアップ 10% 15% 『ぐだぐだファイナル本能寺』において、攻撃の威力をアップ【『ぐだぐだファイナル本能寺2019』イベント期間限定】 100% 200% 詳細情報 イラストレーター かやはら 解説 人里離れた山奥に、可憐なる花ひっそりと二輪。 乱世の喧騒どこへやら、耳に届くは川のせせらぎと木立のそよぎ。 戦鼓を打つなど誠に無粋。 打つべきはそう、小気味良く鳴る舌鼓。 入手方法 性能 両儀式〔アサシン〕、新宿のアヴェンジャー、アン・ボニー&メアリー・リード、神槍 李書文、トリスタン、アルテラ・ザ・サン〔タ〕、葛飾北斎/セイバーなどクリティカル重視のAQ鯖と相性が良い。 関連礼装 A版:もう一つの結末 Q版:ホーリーナイト・サイン B&A版:白い服の水兵さん 効果比較 No. Rare Name Cost 初期HP 初期ATK MAXHP MAXATK 効果対象 上昇値 最大解放 備考 564 3 社交界の華 5 160 100 800 500 Quickカード性能Artsカード性能 4%4% [6%][6%] 868 4 サンセット・ジャム 9 320 200 1200 750 8%8% [10%][10%] クリティカル威力5%[10%] 932 4 正月の神秘 9 320 200 1200 750 6%6% [8%][8%] 毎ターンNP獲得4%[5%] 111 5 ストリート・チョコメイド 12 400 250 1600 1000 10%10% [15%][15%] HP回復量 20%[30%] 165 5 キス・ユア・ハンド 12 0 500 0 2000 10%10% [12%][12%] Buster性能 10%[12%] 188 5 目醒め前 12 0 500 0 2000 8%8% [10%][10%] 防御力 8%[10%]Buster性能 8%[10%] 387 5 静穏なひと時 12 0 500 0 2000 10%10% [15%][15%] NP獲得量 10%[15%] 590 5 カルデア・アニバーサリー 12 400 250 1600 1000 8%8% [10%][10%] 開始時NP 50%[60%] 699 5 メリー・シープ 12 0 500 0 2000 8%8% [10%][10%] 毎ターンスター獲得3個[4個] 900 5 C・K・T 12 400 250 1600 1000 10%10% [15%][15%] 宝具威力 10%[15%] 923 5 シュヴィブジック・スノー 12 400 250 1600 1000 10%10% [12%][12%] 開始時NP 40%[50%] 1029 5 腹が減っては戦ができぬ 12 400 250 1600 1000 10%10% [15%][15%] クリティカル威力 10%[15%] コメント これでATK系だったらなぁ…迷わず秦良玉に装備させたのに - 名無しさん (2019-07-10 08 27 14) トリスタンみたいなQAクリティカル型には合うな - 名無しさん (2019-07-10 08 56 47) プロレスのタッグチームかな? - 名無しさん (2019-07-11 01 51 50) せめてアタック寄りだったらなあ まあ来年の復刻でまた猛威を奮っていただきましょう - 名無しさん (2019-07-16 02 20 23) 名前 すべてのコメントを見る
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護ること、殺すこと ◆b8v2QbKrCM 二人の間に会話はなかった。 D-4エリアのとあるビルの陰。 表通りから死角となり、太陽の光からも見放された薄暗い路地裏に、梨花は無造作に腰を下ろしている。 膝を立てた両脚を抱きすくめた格好のせいで、ただでさえ小柄な体が一回りも二回りも小さく見える。 伏せた顔は長い髪に隠されて、その表情を伺うことはできない。 ――何もかも、だ。 梨花はぎゅっと唇を噛んだ。 糸切り歯が柔らかい肉に食い込んで、微かに血を滲ませる。 始まりからどれほどの時間が経ったのだろう。 ――何もかもが、上手くいかない。 自分は今も無力なままで、誰かに護られるばかり。 否、己の無力さなどずっと前から自覚している。 気が遠くなるほどの繰り返しの中で嫌というほど直面させられてきたのだから。 梨花の心を揺さぶるのは、無力な自分などという周知のモノではない。 手に入れたはずのモノが呆気なく奪われる絶望だ。 仲間達と掴んだ明日は指の隙間をすり抜けて、身に着けたはずの力は消え失せた。 僅かな間ではあったが、敵ではない関係を結んだルフィは目の前で殺された。 『失う』ことは『得られない』ことよりも重く心を傷つける。 特に、渇望し続けた果てに得たものを失うことは。 次は何を失う? ――自分の命 ――得られたはずの未来。 次は誰を失う? ――圭一。 ――レナ。 ――沙都子。 ――魅音。 ――詩音。 ――ニコラス・D・ウルフウッド。 思考が昏い方向へと落ちていく。 梨花はきつく目を瞑り、首を強く振った。 「……ニコラス」 「なんや」 当たり前すぎて、わざわざ訊ねるまでもないことかもしれない。 それでも、ウルフウッドの口から聞いておきたかった。 「ニコラスは、強い?」 「……まぁな」 返ってきた答えは簡潔そのもの。 しかし梨花の望んだ答えだ。 梨花はウルフウッドが戦うところを見たことがない。 彼の漂わせる雰囲気や言動の端々から、命の取り合いを繰り返してきたのだろうと推測できる程度だ。 だからこそ、この単純で稚拙な問いかけをしておきたかった。 「なんや、ちゃんと護ってもらえるか不安になったんか」 ウルフウッドがからかうように言う。 梨花はまさかと否定して、おもむろに立ち上がった。 推測ではなく、本人から聞きたかった。 そうすれば少しは安心できるから。 小さな足でぐっと地面を踏みしめる。 大丈夫、まだ歩ける。 こんなところで立ち止まっている暇なんかない。 一刻も早く、みんなと合流しなければならないのだから。 手遅れになる前に―― 「行きましょう。あの赤いコートの人がまだ近くにいるかもしれない」 梨花は、ビルの窓辺に垣間見た姿を思い起こした。 冷たさすら感じないほどに冷酷な眼差し。 濃紅の外套に身を包んだ火傷顔(フライフェイス)の女。 ルフィを殺した張本人。 彼女は明らかに殺し合いに乗っていた。 鉢合わせるなんて考えたくもない。 「それはあかん」 「……え?」 梨花の体は同年代の少女と比べてもかなり小さい。 それ故に、隣に立つウルフウッドの顔は視界の外で、彼がどんな表情をしていたのか見落としていた。 「夜中からずっと寝とらんやろ。ここらで一息入れたほうがええ」 「そんなことない!」 ウルフウッドは抗議の声にも構わず、梨花を担ぎ上げた。 あっという間にうつ伏せで肩に乗せられて、またも梨花はウルフウッドの顔を見られない。 「疲れっちゅうんは気付かんうちに溜まるもんや。 緊張しとる間は平気でも、いざってときに爆発しおったら目も当てられん」 「私は平気よ!」 「そら良かった。でもワイが休みたいんや。付き合ってもらうで」 淡々と言い含められて梨花は暴れるのを止めた。 しかしこれだけは言っておきたいという風に、憮然と口を開く。 「……せめて下ろしてくれない?」 二言三言の話し合いの結果、目的地は先ほどの路地裏から程近いマンションに決まった。 地図の上では図書館と隣接する十二階建ての建物だ。 ここを選んだ理由は主に二つ。 ひとつは、ちゃんとした休息の取れる施設であること。 これはウルフウッドの提示した条件だった。 マンションという居住専門に造られた場所なら、その点は完璧に違いない。 もうひとつは、極端に目立つ建物でないこと。 こちらは梨花が求めた条件。 このマンションは高層というほど高くなく、外装も落ち着いた雰囲気で周囲に溶け込んでいる。 必要以上に注意を惹きつけることもないだろう。 「まぁ、この辺でええやろ」 ウルフウッドは非常階段の隣の扉を開け、部屋に入っていった。 その後ろに梨花もついていく。 階数は二階。 一階部分にエントランスと駐車場が配された設計のため、ここが事実上の最低階だといえる。 部屋に入るなり、梨花は言い表しがたい違和感に目を細めた。 必要最小限の家具や内装は調えられているのに、私物や生活必需品に相当するものが見当たらない。 確かに室内は綺麗に整理整頓されていて、清掃も隅々まで行き届いている。 しかしそれでいて、人間の生活の痕跡が決定的に欠落しているのだ。 つまるところ、ここは生活空間などではない。 旅館やホテルのように『用意された』設備なのだ。 梨花はソファーにデイパックを置き、その隣に座った。 仮に、かつてここに誰かが住んでいたとしても、それは自分達には関係のないことだ。 今はただ羽を休めるだけ。 これから先、必ず起こるであろう波乱の時を乗り切るために。 「こら、寝るならあっちや」 ウルフウッドが親指でベッドを指し示す。 綺麗にシーツの敷かれたシングルベッドで、二人が横になるには狭すぎる。 「ニコラスが使いなさいよ。戦うのはあなたなんだから、しっかり休まないと」 「せやかて……そや。輪っかの方が表な」 ウルフウッドはベッド横の小棚の上から何かを拾い、梨花に見せた。 色は曇りのない金色で、大きさは五百円硬貨――梨花の認識ではつい昨年発行され始めたばかりのものだ――程度だ。 金額表記や模様らしい模様はなく、片面にだけ環状の模様が浮き彫りにされている。 ウルフウッドはそのコインを親指で弾き、手の甲で受け止めた。 「……表」 「残念、正解や」 梨花はウルフウッドの手に乗ったコインを見てため息を吐いた。 何だかんだ言って、結局彼は自分を休ませたいのだろう。 ここで断ってもまた違う理由をつけてくるに違いない。 梨花はソファーを後にして、真新しいシーツに身を投じた。 眠るほど疲れたわけではないけれど、こうして体を休めるのも悪くはない。 そんなことを思っているうちに、緊張していた四肢が少しずつ弛緩していく。 体が重たい。 まるでシーツに沈んでいくようだ。 「ん……」 視界の隅で、ウルフウッドがソファーに横たわるのが見えた。 梨花は何か言おうと口を開き、そのまま眠りへと落ちていった。 ◇ ◇ ◇ やはり疲労が溜まってきていたのだろう。 梨花はベッドに横になるなり眠ってしまったようだ。 ソファーの上で仰向けに天井を見上げながら、ウルフウッドは思考を巡らせる。 ルフィを殺した女が着ていたコートは、紛れもなくヴァッシュ・ザ・スタンピードのものだった。 それがどういう経緯であの女の手に渡ったのか。 最初に考え付くのは、死体から取得したということ。 しかし冷静に状況を思い返せば、それは可能性が低いと言わざるを得ない。 あの女が現れたのは放送があった直後だ。 そしてヴァッシュの名は放送で呼ばれていない。 つまり、仮にヴァッシュがあの女の手に掛かったとすると、その凶行は放送終了後極めて短い間に行われたということになる。 いくらなんでもそんな偶然があるものなのだろうか。 そういえば、とウルフウッドはベッドで眠る梨花に視線を向ける。 梨花と最初に出会ったとき、彼女は荷物に服や鍵ばかりが入っていて武器はなかったと言っていた。 ということは、あの女はヴァッシュの服を最初から持っていたのでは、とも考えられる。 むしろ偶然に偶然が重なったと考えるよりその方が現実的だ。 ならば、あいつは今も、いつものように駆け回っているのだろう。 「何でもかんでも助けられるわけなんかあらへん……」 聞く者など誰もいないというのに、ウルフウッドは呟きを漏らした。 物理的な限界がある。 時間的な制約がある。 ここにいる数十人を全て助けることなんて土台不可能なのだ。 自分ひとりと、後はせいぜい一握り。 欲張れば何もかも取りこぼす。 それでも、あの男のやることは変わらないのだろうが。 ウルフウッドはソファーから起き上がり、ベッドの傍らに立った。 無防備に眠る梨花の体は、驚くほどに細い。 こんな殺し合いの舞台では、きっと自分の身を護ることすら覚束ないに違いない。 ウルフウッドは表情を歪めた。 たかだか拳銃一挺とナイフ一振りで、この少女を護り切ることができるのか? そう問われても、胸を張って是と答えられはしない。 運と時勢が味方をしてくれれば不可能ではないだろう。 しかしそれは護ることに全力を傾けた場合のこと。 桜田ジュンを殺した相手。ルフィを殺した女。 素性も知らぬ彼らに銃口を向けようというのなら話は別だ。 護ることと殺すこと。 これらが相反するのは言葉の意味だけではない。 殺し合いの最中、誰かを護ることに気をとられれば、自分の命を危うくする。 逆に相手を殺すことに集中してしまえば、その分護るべき対象から意識が離れてしまう。 選ばなければならないのだ。 例え全ての選択肢が破局へ繋がっているとしても。 ふと、ウルフウッドは梨花の唇に小さく血が滲んでいることに気がついた。 いつの間に切ったのだろうか。 傷はそう大きくないので、降ってきたガラス片で傷ついたわけではなさそうだ。 人差し指の腹で血を拭ってやると、弾力に満ちた柔らかな感触が返ってきた。 ……やはり、幼い。 言動の節々から年齢に不相応な雰囲気を感じることはあったが、体は完全に幼い子供だ。 一人きりで殺し合いの場に残されてしまえば、それこそ半日と持たずに死んでしまうだろう。 ウルフウッドはどこか沈鬱な表情でベッドから離れた。 そのとき―― 「――!」 ウルフウッドの直感を気配を読み取った。 玄関の方向から、金属の軋むような音が微かに聞こえた。 普通の人間では聞き取れもしない音だが、人外の能力持つ自分にははっきりと聞こえた。 更に自然には発生した音とは思えない。 ウルフウッドはデザートイーグルを手に、足音を殺して玄関先へと至り、ドアスコープを覗き込んだ。 部屋の前には無人の風景が広がっているだけだった。 ノブを捻り、慎重に扉を開く。 「ほぅ、我の訪問を迅速に迎え出るか。いい心がけだ」 声は上方から投げかけられたものだった。 ウルフウッドは扉を盾にデザートイーグルを構えた。 マンションの傍に並ぶ背の高い街灯。 そのひとつを足場に、金髪の男がウルフウッドを見下ろしていた。 「何者や」 ウルフウッドは男の一挙一動を見逃さないようにしながら短く問いかけた。 こちらの得物は拳銃、あちらは黄色い槍が一振り。 現状の位置関係においてどちらが有利かは考えるまでもない。 しかし男はそんなことなどお構いなしに、呆れたような視線をウルフウッドに向けている。 「蒙昧は救いがたいぞ、雑種。まぁ……貴様への懲罰は後回しだ」 まるで己の名を知らぬことを咎めるような返答。 ――いや、『まるで』というのは不適だろう。 この男は心の底からそう思っているようであった。 ウルフウッドは口にこそ出してはいないが、降って沸いた厄介事に頭を抱えたい気分だった。 ただでさえこれからのことに苦悩しているというのに、それが一気に三割増だ。 害意がないならさっさと追い払ってしまいたい―― その後ろ向きな考えは、男が語る言葉によって容易く吹き飛ばされた。 「赤いコートの火傷顔に覚えはあるか?」 「――あの女を知っとるんか」 ウルフウッドは思わず眼を剥いた。 赤いコート。火傷顔。 まさしくルフィを殺した女の容貌に他ならない。 男はウルフウッドの動揺など気にする素振りもなく、身勝手に話を進めていく。 「女、か。偽りではないようだな。許す。知るところを語れ」 乗せられたか。 ウルフウッドは銃を下げ、廊下に身を現した。 あえて情報の一端を隠して問いかけ、相手の反応から真偽を確かめるとは、随分念の入ったことだ。 だがそれは、確実にあの女の情報を得ようとしていることの裏返しでもある。 ここから分かることは二つ。 まずは、あの男は火傷顔の女の仲間ではない可能性が高いということ。 仲間の情報を赤の他人から聞き出そうとするなど考えにくいからだ。 無論、味方ではあるが多くを知らされていないだとか、 あの女を信用していないため、別の情報源からも情報を得ようとしているだとか、考えようは他にもある。 だとしても、両者が密接な関係にないということだけは確かだ。 次に分かるのは、あの男は当面――少なくとも知りたい情報を得尽くすまでは、こちらに危害を加えないだろうということ。 ウルフウッドは後ろ手に扉を閉め、男の真正面に位置するように横に動いた。 「あいつは加害者で、ワイは被害者。それだけや。声も聞いとらん」 必要以上の情報を与えないよう、慎重に言葉を選ぶ。 『ワイら』ではなく『ワイ』と自称し、梨花という連れがいることも伏せておく。 同行者がいることを不用意に知られてしまうのは、弱みを握られることに繋がりかねないからだ。 男はふむと鼻を鳴らし、問いを更に重ねる。 「なるほど。目立つ傷はあったか?」 「顔面のでっかい火傷だけや」 単純なやりとりであるが、男は求めていた情報を確実に蒐めているようだった。 このままではこちらは得るものがないまま終わってしまう。 「……こっちからもええか?」 「いいだろう、言ってみろ」 男の態度はどこまでも傲慢だ。 しかし今はそんな細かいことに腹を立てている状況ではない。 ウルフウッドは単刀直入に疑問を投げかけた。 「何であの女について知りたがる。恨みでもあるんか」 不意に、男の口元に嘲笑の色が浮かんだ。 それはウルフウッドに対してなのか、それとも火傷顔の女に対してなのか。 嘲笑の意味するところは、男自身にしか分からない。 「あの下女めは我に無礼を働いた。故に刎頚に処してやろうというのだ。 本来ならこのような雑用は使いに任せるところだがな。 結果として、貴様は拝謁の栄に浴したわけだ。誉れとするがいい」 紅い眼がウルフウッドを見下す。 火傷顔の女が見せた兵士の眼差しと同質の、しかし限りなく異質な眼。 『人を平然と殺す人間の目』ではない。 『人を人とも思わない、人ならざる何者か』だ―― キィ―― 金属の擦れる音がした。 微かに開かれた、部屋の扉。 「あかん! 戻れ!」 ウルフウッドが叫ぶが早いか、金髪の男が部屋の前に着地した。 そして扉の隙間から腕を突き入れ、華奢な体を引きずり出す。 「きゃあ!」 「梨花!」 男は梨花の右手首を掴み、目線の高さで宙吊りにする。 なんてことや――ウルフウッドは歯噛みした。 よりによって、最も避けなければならなかった事態に陥ってしまうとは。 梨花が出てきた理由は察しがつく。 目覚めてみれば同行者の姿が見当たらず、玄関先で不穏な会話が聞こえれば、誰でも緊急事態を想定するに違いない。 護身用のつもりだったのだろう。 右手に持っている奇妙な短剣の存在がその想像を裏付けていた。 「フン――盗人が一匹いたか」 「あ、ぐ……うぁ」 男の右手が梨花の手首を握り締める。 苦悶の表情を浮かべる梨花。 か細い腕の軋む音がウルフウッドにまで聞こえてきそうだ。 もがきながら膝や足をぶつけるが、男は微動だにせず、反作用で梨花のほうが揺れ動くだけだった。 ウルフウッドがデザートイーグルの銃口を向けるも、男はそれに合わせて梨花の位置を変え、射線を遮る。 「い……た……」 痛みに耐えかねた梨花が短剣を取り落とす。 男はそれを見届けると、梨花をウルフウッドに向けて放り投げた。 咄嗟にデザートイーグルを放し、梨花を受け止める。 梨花の手首は痛々しく赤らんでいるが、指が動いているところをみると、骨に異常はないらしい。 「ごめん、なさい……」 「気にすんな。ワイも不注意やった」 何が、梨花を護る、だ。 さっきも男がその気なら、梨花は一瞬で殺されていた。 ドアの隙間から槍で突けばそれで終わり。 羽虫を潰す程度の労力も掛からない。 「我が財をあの程度にしか使わぬとは。やはり雑種には過ぎたるものか」 ウルフウッドは梨花を支えたまま男を睨む。 いつの間にか、男が携えていた黄色い槍が消えており、代わりに件の短剣が手中に収まっていた。 「盗人には死罪が相応しい。だが、自害を望むなら待ってやろう」 男の背後で空間が波打つ。 水面に礫を投じたように広がる波紋の中心から、短槍の切っ先が姿を現した。 外見だけを見れば、槍の半身が宙に浮いているだけ。 男が何をするつもりなのか想像もつかないが、少なくとも自分達を殺そうとしているのは察しがつく。 自分一人なら問題は無いが、梨花がいる。 梨花を抱え、全力で逃げ出そう。ウルフウッドはそう決意した。 「……けるな」 小さな両手がウルフウッドを押し退ける。 静止しようと伸ばした腕も振り切って、梨花は男の前に立った。 「ふざけるな! それは最初から持たされてたのよ! そんな理不尽な理由で殺されてたまるか!」 髪を振り乱した梨花の絶叫を、男は完全に聞き流していた。 それどころか一切の興味を払っておらず、視界に収めているかも怪しかった。 「死罪? 自害? どっちも嫌! 待ってるんだから! 沙都子も! 圭一も!」 不意に―― 青天の霹靂としか言いようのないタイミングで、男の冷徹な表情が崩れた。 ウルフウッドも、肩で息をしていた梨花も、その変化に気がついて眼を丸くする。 「く――ははっ……ははは……はははははっ!」 哄笑である。 男は姿勢を崩し、湧き上がる笑いを堪えることなく吐き散らし始めた。 身を捩じらせ、髪を掻き揚げ、心の底から笑い転げる。 「そうか! 貴様もか! 下女め、よもや狙ってやったのではあるまいな!」 狂ったように笑う男の前で、梨花は唖然と立ち尽くしていた。 そのうちに、我に返ったウルフウッドが梨花を引き寄せ、かばうように後ろへ立たせる。 「なんや、いきなり……」 ウルフウッドには男がどうして笑ったのか皆目見当もつかなかった。 無論、梨花にもだろう。 やがて男は笑い終え、当然のように踵を返した。 「おい」 「12時――」 ウルフウッドの言葉を遮り、男は更に続ける。 「件の下女めは劇場に現れる」 「……それをワイらに教えてどうするつもりや」 あまりにも不自然なリークだ。 真実にしては突然過ぎ、罠にしてはあからさま過ぎる。 男は振り返り、疑いの眼差しを向けるウルフウッドを無視して、その陰に隠れる梨花を眺め見た。 「竜宮レナもそこにいる」 「――!」 それだけ言い残し、男は街灯へと飛び移り、そこから更に上の階へと跳んでいった。 梨花が慌てて手摺りから身を乗り出すも、男の姿はもうどこにも見当たらない。 ただ荒涼とした青空が広がっているだけだった。 「のぉ、レナって……」 「仲間よ……大切な」 やっぱりか、とウルフウッドは独りごちた。 梨花の慌てようを見れば、その類以外に考えられない。 どうしてあの男がそいつの行き先を知っているのかはともかく、これで男の言葉に信憑性が生まれてきた。 それと同時に、自分達の方針が決定されたも同然だった。 「12時か、急がんでも余裕で間に合うな」 梨花の目的は仲間たちとの合流なのだ。 そこに火傷顔の女が鉢合わせると聞いて、見過ごしておけるはずがないだろう。 ウルフウッドは、暗い顔で佇む梨花の頭に軽く手を置いた。 ◇ ◇ ◇ アーチャーは含み笑いを浮かべたまま、安物のソファーに腰を下ろした。 下階に現れた気配を追って、もののついでにあの女について鎌をかけてみたのだが、よもやこうも面白くなろうとは。 「えっと、アーチャー様?」 様子のおかしさに気づいた圭一が声をかけるも、アーチャーは応じない。 肘掛に頬杖を突き、先ほどの邂逅で得られた情報を吟味する。 あの雑種は、火傷顔の女には目立った傷がなかったと言っていた。 それはつまり、アーチャーが女の右腕を切り落とす以前に遭遇していたということだ。 声も聞いていないということに嘘はないだろう。 アーチャーを襲ったときも、こちらから声を掛けるまでは何も語ってこなかった。 一方的に襲われて逃げ遂せたのであれば不思議はない。 そして何よりの収穫は、雑種の片割れに、あの女が狙う一行の関係者が含まれていたことだった。 圭一の態度を見るに、互いの窮地を見過ごしてはおけない性質の集団だったのだろう。 一度遭遇しているのなら、火傷顔の女が相手も構わず噛み付く駄犬であることを知っているに違いない。 ならば引き寄せられるはずだ。 アーチャーの思惑通りに。 「……下にいたの、誰だったんですか?」 「気になるか? 二階だ、行きたければ独りで行け。面白いことになるやもしれんぞ」 圭一の複雑な表情を、アーチャーは横目で嗤った。 まずは、二頭。 女狐を追い立てる猟犬は多いほど良い。 働きが良ければ盗みの咎を赦してやってもいいだろう。 ――この下らぬ催しは確実に粉砕する。 生殺与奪の権は王一人が有するべきものだ。 そしてそれを以って、かの女には死を与えると決めた。 王の慈悲を享受するのは王の臣下とその民のみ。 圭一は今のところはそれなりに働いている。 その報奨として仲間とやらにも生存を許すのはやぶさかではない。 だが、あの女には慈悲など与えはしない。 「そうだな、レナとやらの顔を見てみるのも一興か」 火傷傷の女が貴様らを狙っており、リカも巻き込まれつつある。 そう吹き込んでやれば上手く動くに違いない。 猟犬は一頭でも多いほうがいいのだから―― 【D-4 図書館裏のマンション(2階) 1日目 昼】 【古手梨花@ひぐらしのなく頃に】 [状態]:右手首に痛み [装備]:なし [道具]:支給品一式、インデックスの修道服@とある魔術の禁書目録、ミッドバレイのサクソフォン(内蔵銃残弾100%)@トライガン・マキシマム [思考・状況] 1:12時までに劇場に向かう。 2:必ず生き残る。 3:圭一達を見つける。 4:安全な場所に行きたい。 ※王の財宝の使い方(発動のさせ方)を分かっていません。(説明書もありません) ※ウルフウッドを信頼、けどちょっとむかつく。 ※電車に誰か(橘あすか)が乗っているのに気づきました真紅に気づいたかどうかは不明です。 ※サクソフォンの内蔵銃に気付いていません。 ※スタープラチナに適正を持っています。僅かな時間ですが時止めも可能です。 ※スタープラチナを使えないことに気付きました。落としたことには気付いてません。 ※ルフィと情報交換しました。 【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン・マキシマム】 [状態]:混乱。強い怒りと悲しみ [装備]:デザートイーグル50AE(8/8 予備弾30) [道具]:基本支給品(地図と名簿は二つずつ)、SPAS12(使用不能)チーゴの実×3@ポケットモンスターSPECIAL シェンホアのグルカナイフ@BLACK LAGOON、○印のコイン [思考・状況] 1:12時までに劇場に向かう。 2:古手梨花を守る。 3:ヴァッシュとの合流、リヴィオとの接触。 4:ジュンを殺害した者を突き止め、状況次第で殺す。 5:武器を手に入れる、出来ればパ二ッシャー ※ルフィと情報交換しました。 ※自身が梨花の事を名前で読んでる事に気づいていません。 ※○印のコインの意味は不明です。使い道があるのかもしれませんし、ないのかもしれません。 【D-4 図書館裏のマンション(4階) 1日目 昼】 【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】 [状態] 疲労(小)、頭部にたんこぶ×2、頬に痛み、右足に銃創(止血済み) [装備] デザートイーグル(残弾数2/6) [道具] 双眼鏡(支給品はすべて確認済)、不死の酒(完全版)(空)、基本支給品×2、ゾロの地図、黄金の鎧@Fate/Zero(上半身部分大破)、ヤマハV-MAX@Fate/zero [思考・状況] 基本行動方針:仲間を助けて脱出したい 1:アーチャーと共に12時までに劇場に向かう。 2:切嗣についてアーチャーには漏らさないようにする。 3:切嗣、佐山のグループと早く合流したい(切嗣のことをそれなりに信用してます) 4:万が一のときに覚悟が必要だ 5:魔法使い……? [備考] ※時系列では本編終了時点です ※アーチャーの真名を知りません。 ※クロコの名前、カナヅチという弱点を知りました。 ※橘あすかと真紅と簡単に情報交換し、 新たに彼らの仲間等(翠星石、クーガー、チョッパー、ハクオロ、アルルゥ、カルラ、ルフィ)と、 要注意人物(カズマ、水銀燈、バラライカ、ラッド)の情報を得ました。 また、ゾロと蒼星石が彼らの(間接的、直接的な)知人であることを知りました。 ※切嗣の推測とあすか達との情報交換から、会場のループについては把握しています。 ※バラライカの姿を確認しました。名前は知りません。 ※バラライカからレッド、グラハム、チョッパーの名前を聞きました。 【ギルガメッシュ@Fate/Zero】 [状態] 肩と腹に刺し傷(小・回復中)、不死(不完全) [装備] 王の財宝(の鍵剣)、黒のライダースーツ [道具] 必滅の黄薔薇@Fate/Zero(王の財宝内) [思考・状況] 基本行動方針:主催を滅ぼし、元の世界に帰還する。必要があれば他の参加者も殺す。 0:圭一とその仲間を脱出させる。 1:12時までに劇場に向かう。 2:他の参加者をけしかけてバラライカを殺す。可能ならレナ達も。 3:自分を楽しませ得る参加者を見定める。 4:ゾロ、佐山、クーガーに興味。梨花とウルフウッドについては当面様子見。 5:圭一が自分のクラスを知っていた事に関しては・・・? 6:宝具は見つけ次第我が物にする。天地乖離す開闢の星、天の鎖があれば特に優先する。 [備考] ※不死の酒を残らず飲み干しましたが、完全な不死は得られませんでした。 具体的には、再生能力等が全て1/3程度。また、首か心臓部に致命傷を受ければ死にます。 ※会場が自然にループしていることを把握しました。 ※悪魔の実能力者がカナヅチという弱点を知っています。 ※本編での経験から、螺湮城教本を手に入れる気にはならなかったようです。 ※クーガーには強い印象を受けていますが、橘あすかのことは忘れました。 ※文中台詞の"山猫"とはクーガーのことです。 ※圭一の仲間が劇場に向かうということを聞きました。 ※銃火器にはもう対処できます。 時系列順で読む Back Nine the code geass Next ここにいていいだろうかとは尋ねない 投下順で読む Back Nine the code geass Next 路傍の石 Back Next ジャイアントキリング(後編) ニコラス・D・ウルフウッド CIRCLE RHYTHM ~追想のディスペア~ ジャイアントキリング(後編) 古手梨花 CIRCLE RHYTHM ~追想のディスペア~ 図書館戦争 アーチャー(ギルガメッシュ) CIRCLE RHYTHM ~追想のディスペア~ 図書館戦争 前原圭一 CIRCLE RHYTHM ~追想のディスペア~
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護ること、殺すこと ◆b8v2QbKrCM 二人の間に会話はなかった。 D-4エリアのとあるビルの陰。 表通りから死角となり、太陽の光からも見放された薄暗い路地裏に、梨花は無造作に腰を下ろしている。 膝を立てた両脚を抱きすくめた格好のせいで、ただでさえ小柄な体が一回りも二回りも小さく見える。 伏せた顔は長い髪に隠されて、その表情を伺うことはできない。 ――何もかも、だ。 梨花はぎゅっと唇を噛んだ。 糸切り歯が柔らかい肉に食い込んで、微かに血を滲ませる。 始まりからどれほどの時間が経ったのだろう。 ――何もかもが、上手くいかない。 自分は今も無力なままで、誰かに護られるばかり。 否、己の無力さなどずっと前から自覚している。 気が遠くなるほどの繰り返しの中で嫌というほど直面させられてきたのだから。 梨花の心を揺さぶるのは、無力な自分などという周知のモノではない。 手に入れたはずのモノが呆気なく奪われる絶望だ。 仲間達と掴んだ明日は指の隙間をすり抜けて、身に着けたはずの力は消え失せた。 僅かな間ではあったが、敵ではない関係を結んだルフィは目の前で殺された。 『失う』ことは『得られない』ことよりも重く心を傷つける。 特に、渇望し続けた果てに得たものを失うことは。 次は何を失う? ――自分の命 ――得られたはずの未来。 次は誰を失う? ――圭一。 ――レナ。 ――沙都子。 ――魅音。 ――詩音。 ――ニコラス・D・ウルフウッド。 思考が昏い方向へと落ちていく。 梨花はきつく目を瞑り、首を強く振った。 「……ニコラス」 「なんや」 当たり前すぎて、わざわざ訊ねるまでもないことかもしれない。 それでも、ウルフウッドの口から聞いておきたかった。 「ニコラスは、強い?」 「……まぁな」 返ってきた答えは簡潔そのもの。 しかし梨花の望んだ答えだ。 梨花はウルフウッドが戦うところを見たことがない。 彼の漂わせる雰囲気や言動の端々から、命の取り合いを繰り返してきたのだろうと推測できる程度だ。 だからこそ、この単純で稚拙な問いかけをしておきたかった。 「なんや、ちゃんと護ってもらえるか不安になったんか」 ウルフウッドがからかうように言う。 梨花はまさかと否定して、おもむろに立ち上がった。 推測ではなく、本人から聞きたかった。 そうすれば少しは安心できるから。 小さな足でぐっと地面を踏みしめる。 大丈夫、まだ歩ける。 こんなところで立ち止まっている暇なんかない。 一刻も早く、みんなと合流しなければならないのだから。 手遅れになる前に―― 「行きましょう。あの赤いコートの人がまだ近くにいるかもしれない」 梨花は、ビルの窓辺に垣間見た姿を思い起こした。 冷たさすら感じないほどに冷酷な眼差し。 濃紅の外套に身を包んだ火傷顔(フライフェイス)の女。 ルフィを殺した張本人。 彼女は明らかに殺し合いに乗っていた。 鉢合わせるなんて考えたくもない。 「それはあかん」 「……え?」 梨花の体は同年代の少女と比べてもかなり小さい。 それ故に、隣に立つウルフウッドの顔は視界の外で、彼がどんな表情をしていたのか見落としていた。 「夜中からずっと寝とらんやろ。ここらで一息入れたほうがええ」 「そんなことない!」 ウルフウッドは抗議の声にも構わず、梨花を担ぎ上げた。 あっという間にうつ伏せで肩に乗せられて、またも梨花はウルフウッドの顔を見られない。 「疲れっちゅうんは気付かんうちに溜まるもんや。 緊張しとる間は平気でも、いざってときに爆発しおったら目も当てられん」 「私は平気よ!」 「そら良かった。でもワイが休みたいんや。付き合ってもらうで」 淡々と言い含められて梨花は暴れるのを止めた。 しかしこれだけは言っておきたいという風に、憮然と口を開く。 「……せめて下ろしてくれない?」 二言三言の話し合いの結果、目的地は先ほどの路地裏から程近いマンションに決まった。 地図の上では図書館と隣接する十二階建ての建物だ。 ここを選んだ理由は主に二つ。 ひとつは、ちゃんとした休息の取れる施設であること。 これはウルフウッドの提示した条件だった。 マンションという居住専門に造られた場所なら、その点は完璧に違いない。 もうひとつは、極端に目立つ建物でないこと。 こちらは梨花が求めた条件。 このマンションは高層というほど高くなく、外装も落ち着いた雰囲気で周囲に溶け込んでいる。 必要以上に注意を惹きつけることもないだろう。 「まぁ、この辺でええやろ」 ウルフウッドは非常階段の隣の扉を開け、部屋に入っていった。 その後ろに梨花もついていく。 階数は二階。 一階部分にエントランスと駐車場が配された設計のため、ここが事実上の最低階だといえる。 部屋に入るなり、梨花は言い表しがたい違和感に目を細めた。 必要最小限の家具や内装は調えられているのに、私物や生活必需品に相当するものが見当たらない。 確かに室内は綺麗に整理整頓されていて、清掃も隅々まで行き届いている。 しかしそれでいて、人間の生活の痕跡が決定的に欠落しているのだ。 つまるところ、ここは生活空間などではない。 旅館やホテルのように『用意された』設備なのだ。 梨花はソファーにデイパックを置き、その隣に座った。 仮に、かつてここに誰かが住んでいたとしても、それは自分達には関係のないことだ。 今はただ羽を休めるだけ。 これから先、必ず起こるであろう波乱の時を乗り切るために。 「こら、寝るならあっちや」 ウルフウッドが親指でベッドを指し示す。 綺麗にシーツの敷かれたシングルベッドで、二人が横になるには狭すぎる。 「ニコラスが使いなさいよ。戦うのはあなたなんだから、しっかり休まないと」 「せやかて……そや。輪っかの方が表な」 ウルフウッドはベッド横の小棚の上から何かを拾い、梨花に見せた。 色は曇りのない金色で、大きさは五百円硬貨――梨花の認識ではつい昨年発行され始めたばかりのものだ――程度だ。 金額表記や模様らしい模様はなく、片面にだけ環状の模様が浮き彫りにされている。 ウルフウッドはそのコインを親指で弾き、手の甲で受け止めた。 「……表」 「残念、正解や」 梨花はウルフウッドの手に乗ったコインを見てため息を吐いた。 何だかんだ言って、結局彼は自分を休ませたいのだろう。 ここで断ってもまた違う理由をつけてくるに違いない。 梨花はソファーを後にして、真新しいシーツに身を投じた。 眠るほど疲れたわけではないけれど、こうして体を休めるのも悪くはない。 そんなことを思っているうちに、緊張していた四肢が少しずつ弛緩していく。 体が重たい。 まるでシーツに沈んでいくようだ。 「ん……」 視界の隅で、ウルフウッドがソファーに横たわるのが見えた。 梨花は何か言おうと口を開き、そのまま眠りへと落ちていった。 ◇ ◇ ◇ やはり疲労が溜まってきていたのだろう。 梨花はベッドに横になるなり眠ってしまったようだ。 ソファーの上で仰向けに天井を見上げながら、ウルフウッドは思考を巡らせる。 ルフィを殺した女が着ていたコートは、紛れもなくヴァッシュ・ザ・スタンピードのものだった。 それがどういう経緯であの女の手に渡ったのか。 最初に考え付くのは、死体から取得したということ。 しかし冷静に状況を思い返せば、それは可能性が低いと言わざるを得ない。 あの女が現れたのは放送があった直後だ。 そしてヴァッシュの名は放送で呼ばれていない。 つまり、仮にヴァッシュがあの女の手に掛かったとすると、その凶行は放送終了後極めて短い間に行われたということになる。 いくらなんでもそんな偶然があるものなのだろうか。 そういえば、とウルフウッドはベッドで眠る梨花に視線を向ける。 梨花と最初に出会ったとき、彼女は荷物に服や鍵ばかりが入っていて武器はなかったと言っていた。 ということは、あの女はヴァッシュの服を最初から持っていたのでは、とも考えられる。 むしろ偶然に偶然が重なったと考えるよりその方が現実的だ。 ならば、あいつは今も、いつものように駆け回っているのだろう。 「何でもかんでも助けられるわけなんかあらへん……」 聞く者など誰もいないというのに、ウルフウッドは呟きを漏らした。 物理的な限界がある。 時間的な制約がある。 ここにいる数十人を全て助けることなんて土台不可能なのだ。 自分ひとりと、後はせいぜい一握り。 欲張れば何もかも取りこぼす。 それでも、あの男のやることは変わらないのだろうが。 ウルフウッドはソファーから起き上がり、ベッドの傍らに立った。 無防備に眠る梨花の体は、驚くほどに細い。 こんな殺し合いの舞台では、きっと自分の身を護ることすら覚束ないに違いない。 ウルフウッドは表情を歪めた。 たかだか拳銃一挺とナイフ一振りで、この少女を護り切ることができるのか? そう問われても、胸を張って是と答えられはしない。 運と時勢が味方をしてくれれば不可能ではないだろう。 しかしそれは護ることに全力を傾けた場合のこと。 桜田ジュンを殺した相手。ルフィを殺した女。 素性も知らぬ彼らに銃口を向けようというのなら話は別だ。 護ることと殺すこと。 これらが相反するのは言葉の意味だけではない。 殺し合いの最中、誰かを護ることに気をとられれば、自分の命を危うくする。 逆に相手を殺すことに集中してしまえば、その分護るべき対象から意識が離れてしまう。 選ばなければならないのだ。 例え全ての選択肢が破局へ繋がっているとしても。 ふと、ウルフウッドは梨花の唇に小さく血が滲んでいることに気がついた。 いつの間に切ったのだろうか。 傷はそう大きくないので、降ってきたガラス片で傷ついたわけではなさそうだ。 人差し指の腹で血を拭ってやると、弾力に満ちた柔らかな感触が返ってきた。 ……やはり、幼い。 言動の節々から年齢に不相応な雰囲気を感じることはあったが、体は完全に幼い子供だ。 一人きりで殺し合いの場に残されてしまえば、それこそ半日と持たずに死んでしまうだろう。 ウルフウッドはどこか沈鬱な表情でベッドから離れた。 そのとき―― 「――!」 ウルフウッドの直感を気配を読み取った。 玄関の方向から、金属の軋むような音が微かに聞こえた。 普通の人間では聞き取れもしない音だが、人外の能力持つ自分にははっきりと聞こえた。 更に自然には発生した音とは思えない。 ウルフウッドはデザートイーグルを手に、足音を殺して玄関先へと至り、ドアスコープを覗き込んだ。 部屋の前には無人の風景が広がっているだけだった。 ノブを捻り、慎重に扉を開く。 「ほぅ、我の訪問を迅速に迎え出るか。いい心がけだ」 声は上方から投げかけられたものだった。 ウルフウッドは扉を盾にデザートイーグルを構えた。 マンションの傍に並ぶ背の高い街灯。 そのひとつを足場に、金髪の男がウルフウッドを見下ろしていた。 「何者や」 ウルフウッドは男の一挙一動を見逃さないようにしながら短く問いかけた。 こちらの得物は拳銃、あちらは黄色い槍が一振り。 現状の位置関係においてどちらが有利かは考えるまでもない。 しかし男はそんなことなどお構いなしに、呆れたような視線をウルフウッドに向けている。 「蒙昧は救いがたいぞ、雑種。まぁ……貴様への懲罰は後回しだ」 まるで己の名を知らぬことを咎めるような返答。 ――いや、『まるで』というのは不適だろう。 この男は心の底からそう思っているようであった。 ウルフウッドは口にこそ出してはいないが、降って沸いた厄介事に頭を抱えたい気分だった。 ただでさえこれからのことに苦悩しているというのに、それが一気に三割増だ。 害意がないならさっさと追い払ってしまいたい―― その後ろ向きな考えは、男が語る言葉によって容易く吹き飛ばされた。 「赤いコートの火傷顔に覚えはあるか?」 「――あの女を知っとるんか」 ウルフウッドは思わず眼を剥いた。 赤いコート。火傷顔。 まさしくルフィを殺した女の容貌に他ならない。 男はウルフウッドの動揺など気にする素振りもなく、身勝手に話を進めていく。 「女、か。偽りではないようだな。許す。知るところを語れ」 乗せられたか。 ウルフウッドは銃を下げ、廊下に身を現した。 あえて情報の一端を隠して問いかけ、相手の反応から真偽を確かめるとは、随分念の入ったことだ。 だがそれは、確実にあの女の情報を得ようとしていることの裏返しでもある。 ここから分かることは二つ。 まずは、あの男は火傷顔の女の仲間ではない可能性が高いということ。 仲間の情報を赤の他人から聞き出そうとするなど考えにくいからだ。 無論、味方ではあるが多くを知らされていないだとか、 あの女を信用していないため、別の情報源からも情報を得ようとしているだとか、考えようは他にもある。 だとしても、両者が密接な関係にないということだけは確かだ。 次に分かるのは、あの男は当面――少なくとも知りたい情報を得尽くすまでは、こちらに危害を加えないだろうということ。 ウルフウッドは後ろ手に扉を閉め、男の真正面に位置するように横に動いた。 「あいつは加害者で、ワイは被害者。それだけや。声も聞いとらん」 必要以上の情報を与えないよう、慎重に言葉を選ぶ。 『ワイら』ではなく『ワイ』と自称し、梨花という連れがいることも伏せておく。 同行者がいることを不用意に知られてしまうのは、弱みを握られることに繋がりかねないからだ。 男はふむと鼻を鳴らし、問いを更に重ねる。 「なるほど。目立つ傷はあったか?」 「顔面のでっかい火傷だけや」 単純なやりとりであるが、男は求めていた情報を確実に蒐めているようだった。 このままではこちらは得るものがないまま終わってしまう。 「……こっちからもええか?」 「いいだろう、言ってみろ」 男の態度はどこまでも傲慢だ。 しかし今はそんな細かいことに腹を立てている状況ではない。 ウルフウッドは単刀直入に疑問を投げかけた。 「何であの女について知りたがる。恨みでもあるんか」 不意に、男の口元に嘲笑の色が浮かんだ。 それはウルフウッドに対してなのか、それとも火傷顔の女に対してなのか。 嘲笑の意味するところは、男自身にしか分からない。 「あの下女めは我に無礼を働いた。故に刎頚に処してやろうというのだ。 本来ならこのような雑用は使いに任せるところだがな。 結果として、貴様は拝謁の栄に浴したわけだ。誉れとするがいい」 紅い眼がウルフウッドを見下す。 火傷顔の女が見せた兵士の眼差しと同質の、しかし限りなく異質な眼。 『人を平然と殺す人間の目』ではない。 『人を人とも思わない、人ならざる何者か』だ―― キィ―― 金属の擦れる音がした。 微かに開かれた、部屋の扉。 「あかん! 戻れ!」 ウルフウッドが叫ぶが早いか、金髪の男が部屋の前に着地した。 そして扉の隙間から腕を突き入れ、華奢な体を引きずり出す。 「きゃあ!」 「梨花!」 男は梨花の右手首を掴み、目線の高さで宙吊りにする。 なんてことや――ウルフウッドは歯噛みした。 よりによって、最も避けなければならなかった事態に陥ってしまうとは。 梨花が出てきた理由は察しがつく。 目覚めてみれば同行者の姿が見当たらず、玄関先で不穏な会話が聞こえれば、誰でも緊急事態を想定するに違いない。 護身用のつもりだったのだろう。 右手に持っている奇妙な短剣の存在がその想像を裏付けていた。 「フン――盗人が一匹いたか」 「あ、ぐ……うぁ」 男の右手が梨花の手首を握り締める。 苦悶の表情を浮かべる梨花。 か細い腕の軋む音がウルフウッドにまで聞こえてきそうだ。 もがきながら膝や足をぶつけるが、男は微動だにせず、反作用で梨花のほうが揺れ動くだけだった。 ウルフウッドがデザートイーグルの銃口を向けるも、男はそれに合わせて梨花の位置を変え、射線を遮る。 「い……た……」 痛みに耐えかねた梨花が短剣を取り落とす。 男はそれを見届けると、梨花をウルフウッドに向けて放り投げた。 咄嗟にデザートイーグルを放し、梨花を受け止める。 梨花の手首は痛々しく赤らんでいるが、指が動いているところをみると、骨に異常はないらしい。 「ごめん、なさい……」 「気にすんな。ワイも不注意やった」 何が、梨花を護る、だ。 さっきも男がその気なら、梨花は一瞬で殺されていた。 ドアの隙間から槍で突けばそれで終わり。 羽虫を潰す程度の労力も掛からない。 「我が財をあの程度にしか使わぬとは。やはり雑種には過ぎたるものか」 ウルフウッドは梨花を支えたまま男を睨む。 いつの間にか、男が携えていた黄色い槍が消えており、代わりに件の短剣が手中に収まっていた。 「盗人には死罪が相応しい。だが、自害を望むなら待ってやろう」 男の背後で空間が波打つ。 水面に礫を投じたように広がる波紋の中心から、短槍の切っ先が姿を現した。 外見だけを見れば、槍の半身が宙に浮いているだけ。 男が何をするつもりなのか想像もつかないが、少なくとも自分達を殺そうとしているのは察しがつく。 自分一人なら問題は無いが、梨花がいる。 梨花を抱え、全力で逃げ出そう。ウルフウッドはそう決意した。 「……けるな」 小さな両手がウルフウッドを押し退ける。 静止しようと伸ばした腕も振り切って、梨花は男の前に立った。 「ふざけるな! それは最初から持たされてたのよ! そんな理不尽な理由で殺されてたまるか!」 髪を振り乱した梨花の絶叫を、男は完全に聞き流していた。 それどころか一切の興味を払っておらず、視界に収めているかも怪しかった。 「死罪? 自害? どっちも嫌! 待ってるんだから! 沙都子も! 圭一も!」 不意に―― 青天の霹靂としか言いようのないタイミングで、男の冷徹な表情が崩れた。 ウルフウッドも、肩で息をしていた梨花も、その変化に気がついて眼を丸くする。 「く――ははっ……ははは……はははははっ!」 哄笑である。 男は姿勢を崩し、湧き上がる笑いを堪えることなく吐き散らし始めた。 身を捩じらせ、髪を掻き揚げ、心の底から笑い転げる。 「そうか! 貴様もか! 下女め、よもや狙ってやったのではあるまいな!」 狂ったように笑う男の前で、梨花は唖然と立ち尽くしていた。 そのうちに、我に返ったウルフウッドが梨花を引き寄せ、かばうように後ろへ立たせる。 「なんや、いきなり……」 ウルフウッドには男がどうして笑ったのか皆目見当もつかなかった。 無論、梨花にもだろう。 やがて男は笑い終え、当然のように踵を返した。 「おい」 「12時――」 ウルフウッドの言葉を遮り、男は更に続ける。 「件の下女めは劇場に現れる」 「……それをワイらに教えてどうするつもりや」 あまりにも不自然なリークだ。 真実にしては突然過ぎ、罠にしてはあからさま過ぎる。 男は振り返り、疑いの眼差しを向けるウルフウッドを無視して、その陰に隠れる梨花を眺め見た。 「竜宮レナもそこにいる」 「――!」 それだけ言い残し、男は街灯へと飛び移り、そこから更に上の階へと跳んでいった。 梨花が慌てて手摺りから身を乗り出すも、男の姿はもうどこにも見当たらない。 ただ荒涼とした青空が広がっているだけだった。 「のぉ、レナって……」 「仲間よ……大切な」 やっぱりか、とウルフウッドは独りごちた。 梨花の慌てようを見れば、その類以外に考えられない。 どうしてあの男がそいつの行き先を知っているのかはともかく、これで男の言葉に信憑性が生まれてきた。 それと同時に、自分達の方針が決定されたも同然だった。 「12時か、急がんでも余裕で間に合うな」 梨花の目的は仲間たちとの合流なのだ。 そこに火傷顔の女が鉢合わせると聞いて、見過ごしておけるはずがないだろう。 ウルフウッドは、暗い顔で佇む梨花の頭に軽く手を置いた。 ◇ ◇ ◇ アーチャーは含み笑いを浮かべたまま、安物のソファーに腰を下ろした。 下階に現れた気配を追って、もののついでにあの女について鎌をかけてみたのだが、よもやこうも面白くなろうとは。 「えっと、アーチャー様?」 様子のおかしさに気づいた圭一が声をかけるも、アーチャーは応じない。 肘掛に頬杖を突き、先ほどの邂逅で得られた情報を吟味する。 あの雑種は、火傷顔の女には目立った傷がなかったと言っていた。 それはつまり、アーチャーが女の右腕を切り落とす以前に遭遇していたということだ。 声も聞いていないということに嘘はないだろう。 アーチャーを襲ったときも、こちらから声を掛けるまでは何も語ってこなかった。 一方的に襲われて逃げ遂せたのであれば不思議はない。 そして何よりの収穫は、雑種の片割れに、あの女が狙う一行の関係者が含まれていたことだった。 圭一の態度を見るに、互いの窮地を見過ごしてはおけない性質の集団だったのだろう。 一度遭遇しているのなら、火傷顔の女が相手も構わず噛み付く駄犬であることを知っているに違いない。 ならば引き寄せられるはずだ。 アーチャーの思惑通りに。 「……下にいたの、誰だったんですか?」 「気になるか? 二階だ、行きたければ独りで行け。面白いことになるやもしれんぞ」 圭一の複雑な表情を、アーチャーは横目で嗤った。 まずは、二頭。 女狐を追い立てる猟犬は多いほど良い。 働きが良ければ盗みの咎を赦してやってもいいだろう。 ――この下らぬ催しは確実に粉砕する。 生殺与奪の権は王一人が有するべきものだ。 そしてそれを以って、かの女には死を与えると決めた。 王の慈悲を享受するのは王の臣下とその民のみ。 圭一は今のところはそれなりに働いている。 その報奨として仲間とやらにも生存を許すのはやぶさかではない。 だが、あの女には慈悲など与えはしない。 「そうだな、レナとやらの顔を見てみるのも一興か」 火傷傷の女が貴様らを狙っており、リカも巻き込まれつつある。 そう吹き込んでやれば上手く動くに違いない。 猟犬は一頭でも多いほうがいいのだから―― 【D-4 図書館裏のマンション(2階) 1日目 昼】 【古手梨花@ひぐらしのなく頃に】 [状態]:右手首に痛み [装備]:なし [道具]:支給品一式、インデックスの修道服@とある魔術の禁書目録、ミッドバレイのサクソフォン(内蔵銃残弾100%)@トライガン・マキシマム [思考・状況] 1:12時までに劇場に向かう。 2:必ず生き残る。 3:圭一達を見つける。 4:安全な場所に行きたい。 ※王の財宝の使い方(発動のさせ方)を分かっていません。(説明書もありません) ※ウルフウッドを信頼、けどちょっとむかつく。 ※電車に誰か(橘あすか)が乗っているのに気づきました真紅に気づいたかどうかは不明です。 ※サクソフォンの内蔵銃に気付いていません。 ※スタープラチナに適正を持っています。僅かな時間ですが時止めも可能です。 ※スタープラチナを使えないことに気付きました。落としたことには気付いてません。 ※ルフィと情報交換しました。 【ニコラス・D・ウルフウッド@トライガン・マキシマム】 [状態]:混乱。強い怒りと悲しみ [装備]:デザートイーグル50AE(8/8 予備弾30) [道具]:基本支給品(地図と名簿は二つずつ)、SPAS12(使用不能)チーゴの実×3@ポケットモンスターSPECIAL シェンホアのグルカナイフ@BLACK LAGOON、○印のコイン [思考・状況] 1:12時までに劇場に向かう。 2:古手梨花を守る。 3:ヴァッシュとの合流、リヴィオとの接触。 4:ジュンを殺害した者を突き止め、状況次第で殺す。 5:武器を手に入れる、出来ればパ二ッシャー ※ルフィと情報交換しました。 ※自身が梨花の事を名前で読んでる事に気づいていません。 ※○印のコインの意味は不明です。使い道があるのかもしれませんし、ないのかもしれません。 【D-4 図書館裏のマンション(4階) 1日目 昼】 【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】 [状態] 疲労(小)、頭部にたんこぶ×2、頬に痛み、右足に銃創(止血済み) [装備] デザートイーグル(残弾数2/6) [道具] 双眼鏡(支給品はすべて確認済)、不死の酒(完全版)(空)、基本支給品×2、ゾロの地図、黄金の鎧@Fate/Zero(上半身部分大破)、ヤマハV-MAX@Fate/zero [思考・状況] 基本行動方針:仲間を助けて脱出したい 1:アーチャーと共に12時までに劇場に向かう。 2:切嗣についてアーチャーには漏らさないようにする。 3:切嗣、佐山のグループと早く合流したい(切嗣のことをそれなりに信用してます) 4:万が一のときに覚悟が必要だ 5:魔法使い……? [備考] ※時系列では本編終了時点です ※アーチャーの真名を知りません。 ※クロコの名前、カナヅチという弱点を知りました。 ※橘あすかと真紅と簡単に情報交換し、 新たに彼らの仲間等(翠星石、クーガー、チョッパー、ハクオロ、アルルゥ、カルラ、ルフィ)と、 要注意人物(カズマ、水銀燈、バラライカ、ラッド)の情報を得ました。 また、ゾロと蒼星石が彼らの(間接的、直接的な)知人であることを知りました。 ※切嗣の推測とあすか達との情報交換から、会場のループについては把握しています。 ※バラライカの姿を確認しました。名前は知りません。 ※バラライカからレッド、グラハム、チョッパーの名前を聞きました。 【ギルガメッシュ@Fate/Zero】 [状態] 肩と腹に刺し傷(小・回復中)、不死(不完全) [装備] 王の財宝(の鍵剣)、黒のライダースーツ [道具] 必滅の黄薔薇@Fate/Zero(王の財宝内) [思考・状況] 基本行動方針:主催を滅ぼし、元の世界に帰還する。必要があれば他の参加者も殺す。 0:圭一とその仲間を脱出させる。 1:12時までに劇場に向かう。 2:他の参加者をけしかけてバラライカを殺す。可能ならレナ達も。 3:自分を楽しませ得る参加者を見定める。 4:ゾロ、佐山、クーガーに興味。梨花とウルフウッドについては当面様子見。 5:圭一が自分のクラスを知っていた事に関しては・・・? 6:宝具は見つけ次第我が物にする。天地乖離す開闢の星、天の鎖があれば特に優先する。 [備考] ※不死の酒を残らず飲み干しましたが、完全な不死は得られませんでした。 具体的には、再生能力等が全て1/3程度。また、首か心臓部に致命傷を受ければ死にます。 ※会場が自然にループしていることを把握しました。 ※悪魔の実能力者がカナヅチという弱点を知っています。 ※本編での経験から、螺湮城教本を手に入れる気にはならなかったようです。 ※クーガーには強い印象を受けていますが、橘あすかのことは忘れました。 ※文中台詞の"山猫"とはクーガーのことです。 ※圭一の仲間が劇場に向かうということを聞きました。 ※銃火器にはもう対処できます。 時系列順で読む Back Nine the code geass Next ここにいていいだろうかとは尋ねない 投下順で読む Back Nine the code geass Next 路傍の石 Back Next ジャイアントキリング(後編) ニコラス・D・ウルフウッド CIRCLE RHYTHM ~追想のディスペア~ ジャイアントキリング(後編) 古手梨花 CIRCLE RHYTHM ~追想のディスペア~ 図書館戦争 アーチャー(ギルガメッシュ) CIRCLE RHYTHM ~追想のディスペア~ 図書館戦争 前原圭一 CIRCLE RHYTHM ~追想のディスペア~
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721 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/05/28(金) 16 21 14 ID ??? そこは ドモン「ダメだぁ兄さん!『僕』にはできないぃい!」 だろ ウッソ「僕っこのドモン兄さんて…」 キラ「まじダメージ半端ないっす…」 722 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/05/28(金) 16 25 49 ID ??? 721 ドモン「そうか、では介錯は俺の手で果たさないとな」ゴキッ!ベキッ! 723 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/05/28(金) 16 29 51 ID ??? シュバルツ「甘い!! 甘いぞ 721!! あの時のドモンの発音は『ボクにはできない!』だッ!! 弟キャラの言う『僕』と『ボク』の間には数倍の破壊力の違いが」 ウッソ「そんなこと熱く語るっておかしいですよー!?」 キラ「確かに破壊力はまた一段と上がるけどさあ……」 シュバルツ「そんなことはどうでもいいッ!!」