約 4,007 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1442.html
前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ 一〇三 闘いを終えた君は、一息つく前に少女たちに怪我の具合を尋ねる。 キュルケは火傷と打ち身を、タバサは擦り傷をこさえているが、いずれもたいした負傷ではないようだ。 「私の≪ファイヤーボール≫もタバサの≪エア・カッター≫も、足止めにしかならないんだもの。危なかったわ」とキュルケは言うが、 七大蛇の一匹を相手に短時間とはいえ互角に闘うなど、普通の人間ではまずなしとげられぬ壮挙だ。 君はキュルケのことを、ただの放埓な快楽主義者かと思っていたのだが、大いに認識を改める。 タバサは高揚も恐怖も示さぬあいかわらずの態度で、黙々と血のにじんだ手の甲を手巾で拭いている。 この少女はまだ幼いといってもいい容姿なのに、最初から最後まで冷静な態度を保ち続けた。 単に感情に乏しいというだけではなく、過去にも怪物相手に闘った経験があるのでは、と君は考える。 キュルケにくらべて怪我が少ないのも、体が小さいからというわけではなさそうだ。 ルイズは、月大蛇に絞めつけられた手足にどす黒い痣ができ、何ヶ所か筋を違えてしまっているが、裂傷や骨折はないようだ。 あの怪物に襲われてこの程度の怪我ですんだのだから、奇跡的な幸運といってもよい。 フーケ――学院長秘書のミス・ロングビル――はそれほど幸運ではない。 左腕は肘が後ろ向きにねじ曲がり、口から流れる血には泡が混ざっている。 折れた胸骨が肺を傷つけてしまったのだろう。 意識を失い、その美しい顔は青ざめ、石像のように生気がない。 フーケが腰から提げている雑嚢を調べてみるか(一五三へ)、それとも手段があるなら彼女を治療してやるか(一八七へ)? 一五三 フーケは口から血を流して咳き込み、ときおり 「テファ……」と何者かの名前らしき言葉を呟くが、 君はかまわず雑嚢をさぐり、すぐに古びた書物を見つけだす。 この世界の何者にも読めぬ文字――君の故郷アナランドの文字だ――で表題が記されたその本を手にとり、内容を確認する。 本の記述は予想したとおりのものであり、かつて暗誦できるほどに何度も読んだ、非常に馴染み深いものだ。 この本が≪エルフの魔法書≫などではないことを、君は知っている。 この本は、アナランド以外の場所にあってはならぬものなのだ。 本を背嚢にしまい、さらに雑嚢を調べると、宝石細工のメダルと、油の小瓶がみつかる。 望むならば君のものにしてもよい。 「ちょっと、なにやってんのよ! 早くミス・ロングビルの手当てをしないと」と言うルイズだが、 君が手にした≪エルフの魔法書≫を見て言葉が途切れる。 「じゃあ、まさか、ミス・ロングビルが……≪土塊のフーケ≫?」 ルイズは信じられぬといった表情で、地に伏したフーケを見つめる。 「まさか学院長の秘書が、噂の大怪盗だったなんてね」 キュルケも驚きを隠せない。 「治療が必要。このままだと死ぬ」 タバサはそう言うとフーケに≪治癒≫の呪文をかけるが、これはあくまで応急処置であり、死なせぬようにするためには学院に連れ戻り、 ≪水≫系統の高位の魔法使いの手を借りる必要があるらしい。 キュルケとタバサは意識のないフーケを青い竜――シルフィードという名のタバサの≪使い魔≫――の背に乗せると、自分たちもそれに跨り、先に学院に戻ると言い残して竜を飛び立たせる。 残された君とルイズは、すっかり暗くなった森の道を歩いて、学院まで引き返さねばならない。二一二へ。 二一二 ルイズに速度を合わせてゆっくり歩くが、月大蛇との闘いで傷つけられた彼女は、見るからに辛そうな様子で脚を引きずっている。 見かねた君はルイズに手を貸してやることにする。 君はルイズを抱きかかえるか(二三五へ)? それとも背嚢を体の前に回し、彼女を背負ってやるか(二四三へ)? 二四三 初めは自分で歩けると言い、君の申し出をつっぱねるルイズだが、何度も説得するうちにやがて 「そ、そこまで言うのなら……あんたの顔を立ててあげるわよ」と言って、 君の背中にしがみついてくる。 「ねえ」 君に背負われてからしばらくして、ルイズは君に話しかける。 「あんた、メイジだったのね。あれだけの≪ファイヤーボール≫は、キュルケでもそう簡単には作り出せないわ。 どうして今まで黙っていたの? 魔法を使えないわたしを気遣ったつもり?」 彼女の静かだが怒りを秘めた真剣な口調に、その場しのぎのごまかしは通用しないと悟った君は、正直にすべてを話すことに決める。 それから数十分のあいだ、君はいつになく饒舌かつ熱心に、君自身のこと、故郷のことを語り続ける。 シエスタやマルトーたちを相手に披露する、いつもの笑い話や冒険談とは口調がまるで違う。 この見知らぬ異郷の地で、誰かに本当の自分を知ってほしかったという思いもあるのかもしれない。 君は語る。 邪悪な大魔法使いに≪諸王の冠≫を奪われ、法も秩序も国民の士気も崩壊の一途をたどる、祖国アナランドのこと。 祖国を危機から救うため、≪諸王の冠≫の奪回という危険な任務を、剣士にして魔法使いでもある君が自ら買って出たこと。 シャムタンティ丘陵、魔の都カレー、バク地方、ザメン低地などの危険に満ちた土地を横断し、大魔法使いの居城であるマンパン砦まであと少しというところで、 このトリステインに召喚されてしまったこと。 任務は極秘のものであるため、ルイズたちに対しても身の上を偽らざるを得なかったこと。 この世界における魔法使いの特殊な立場を知り、自身も魔法の使い手だとは言い出しにくくなってしまったこと。 この手で全滅させたはずの邪悪な七大蛇が、なぜかは解らぬが生き返り、この世界に居ること。 ルイズはときどき質問を挟みながらも、君の話に熱心に聞き入っている。 月がひとつしかなく星々の並びもハルケギニアとは違う、異世界から君が来たということを最初は信じなかったが、君の真剣な態度と言葉は説得力に満ちている。 それに加えて、つい先刻闘ったばかりのハルケギニアの幻獣とは異質な怪物どもの存在も、話の信憑性を高めている。 「それじゃあ、その冠は今でも、悪い奴が持っているの?」 君はそうだと答える。 大魔法使いは≪諸王の冠≫の神秘的な力をものにし、『さいはての毒虫の巣』と呼ばれる混沌としたカーカバードを統一したうえで、 怪物と悪漢どもによる最強の軍団を作り出すつもりなのだ。 そうなれば、アナランドだけではなく≪旧世界≫と呼ばれる大陸のすべての国家にとって、大いなる脅威となるだろう。 「わたしが、わたしがあんたを召喚したせいで……?」 ルイズが君の耳元で力なく呟く。 彼女は君を召喚してしまったことに対して、少なからぬ自責の念を抱いているようだ。 ルイズを慰めるか(四八へ)? 無言で先を急ぐか(一四六へ)? 四八 確かに、このまま君がこちらの世界に留まり続ければ≪諸王の冠≫はアナランドに戻らず、大魔法使いはカーカバードを統一し、 ≪旧世界≫の自由の民のあいだに恐怖を振り撒くことだろう。 極端な言い方をすれば、彼女の召喚魔法のせいで、いくつもの国が滅びるかもしれぬのだ。 しかし、君はこの小さな少女を責める気にはなれない。 故意に自分をを≪使い魔≫として召喚したわけではないのだから、ルイズが責任を負うような問題ではない。 それに、自分がこの世界に来てからまだ一週間ほどしか経っておらぬのだから、もと居た世界にたいした影響はないはずだ、と慰めの言葉をかける。 君の言葉を聞いたルイズは、 「ごめんね。でも、あんたが早く帰れるように、わたしも協力するから……」と、君の耳元でささやく。 いつもは高慢な『ご主人様』が謝罪の言葉を口にしたことに、君は耳を疑う。 その後も歩き続け、学院の門にたどり着いたところでルイズをそっと降ろす。七七へ。 前ページ / 表紙へ戻る / 次ページ
https://w.atwiki.jp/battleroyale/pages/592.html
228.残酷な神さま [2日目深夜] 夢を見た。 とびきりのごちそうを目の前にしてうかれはしゃぐビニット。 そんなビニットを、行儀が悪いとたしなめるデフォルテー。 にぎやかな晩餐だった。 早くも葡萄酒を飲みはじめているソリンがいれば、鼻歌を歌いながら楽しそうに料理を運ぶテーリングがいる。 そして私のとなりには、まだ髪を伸ばしはじめたばかりの幼いWが座っていた。 彼女は瞳をきらきらと輝かせながら、テーブルの上に置かれた箱から赤色の包装紙をはがしとっている。 その箱は、私たちがついさっきWに贈ったものだ。 よほど中身が気になるのか、彼女は夢中になって紙をはがしていた。 ようやく開けた箱の中から出てきたものを見て、彼女は歓喜の声をあげた。 小さな手で大事そうに取り出したそれは、レースのついた白いリボンだった。 彼女はリボンを笑顔でにこにこと眺め、小鳥のようにかわいらしく喜びをさえずった。 「ありがとう、お姉ちゃんたち。とってもうれしい」 その笑顔があまりに可愛らしかったので、見ていた私の顔は大いにゆるんだ。 しあわせな誕生日のひとときだった。 口の中が血にあふれたことで、私は夢から目覚めた。 現実は夢とほど遠い、酷いものだった。 力まかせに斬りつけられたために胸も腹も見事なまでに裂けている。 骨などは砕けているに違いない。 即死ではないだけ、奇蹟とも言えるくらいだった。 夜の森であるために自分の体があまりよく見えないことを、正直ありがたいと思った。 もはや痛みの感覚すらないのだから、想像するだけでおそろしい。 さすがに呆然としたが、すぐに右手がなにかを握っていることに気がついた。 バスタードソードだった。 思い出して顔をゆっくりと上にあげたところ、人の顔があった。 暗さのため人であるとしかわからなかったが、♂クルセイダーに間違いないだろう。 目が合った気がした。 ♂クルセイダーは低い声で私にぼそりとこぼした。 「死ぬのが、怖いのか?」 首を振る力が残っていなかったので、私は声を使った。ただしできる限り簡潔な言葉を選んだ。 「少しも怖くないですわ。ただ悲しいとは思いますけれど」 「どうしてだ?」 ♂クルセイダーは矢継ぎ早に聞き返してきた。せっかちな男だ。それでも素直に答えることにした。 どうせ自分がもう長くないと思ったからである。 「守りたい人を守れずに死んでしまうこと。そのことが悲しいのですわ」 声に出したことで悲しさが強まった。 自分がここで死ぬこと。それはかまわない。それだけの罪を犯したとも思う。 ただそれでもWを守れないで死ぬことが、ひどく悲しかった。 「なるほど、愛するものを守ろうとする力か。どうりで強い。 しかし残酷な話だ。守りきれずにお前は死ぬ。やはりこの世界には救いの神などいなかったというわけだ」 男は冷ややかな口調で言った。 クルセイダーが神を信じていないというのもおかしな話だが、この島ならそんなこともあるかもしれない。 私は思ったことを口にした。 「たしかに神さまはいないかもしれないですわね。もしいるのだとしたら、こんなことが許されるはずありませんもの。 こんな人を殺し合わせるような、腐った遊戯が存在していいはずがありませんもの」 だけど、と続けた。 「さきほど私は夢を見ましたわ。なつかしい夢を。 死ぬ前の最後の夢としては……悪くない夢でした。 二度と見ることはかなわないと思っていた笑顔が、見られましたから。 もしかすると、そんな小さな奇蹟くらいなら、神さまは起こしてくれるのかもしれませんわね。あまり意味はありませんけれど」 蝋燭の炎が消える前の最後の輝きというものだろうか。 手足はもうぴくりとも動かせないのに、口だけがよく動いた。 気が狂いそうになるほどだった痛みも今はなく、まるでどこにも怪我などしていないように感じられた。 それでも自分が死ぬということは不思議と理解できていた。 死を受け入れつつあった私の意見に♂クルセイダーは感銘を受けたらしい。 うれしそうに言った。 「神はいる。しかしその程度のことしかしてくれないということか。なるほど。あきれるくらいに残酷な神だ」 けれど、どこか自嘲しているようにも聞こえた。 「ええ。ほんとうに残酷ですわね」 そう答えて私も少しだけ笑った。 奇妙なことだと思った。 私も彼も、命のやりとりをしていたはずなのに。殺し合いをしていたはずなのに。 さらに私はまもなく死ぬ。ところが彼に対する怒りや憎しみが少しも沸いてこなかった。 「悔いはないのか?」と彼が聞いてきたので、「悔やんだところでしかたがないですわ」と返した。 悲しいという感情だけは尽きなかったけれど、はっきりどうしようもないと思った。 つきものが落ちたみたいだった。 「自分が助からないことくらいわかりますもの。 だからあとはあの子の無事を祈るだけ。どんなに悲しくても、今の私にできることは、たったそれだけ。 ところであなたには、いませんの? 守りたい人。あなたはなんのために戦っていましたの?」 ♂クルセイダーは淡々とした口調で答えた。 「俺には誰もいない。俺はこのどうしようもない人生に、ただ抗っていただけだからな。 だがそれも終わりだ。結局は俺も、残酷な神にもてあそばれて死ぬらしい。所詮、人の力ではどうにもならないということだろうな」 私は驚いて彼を見つめた。表情はわからなかったが、荒れた息を吐く音が耳を通して聞こえてきた。 はっとして自分が握る剣の先を凝視した。 剣先がまっすぐに♂クルセイダーの胸へと伸びていた。 「あなたも、でしたのね」 そう言うのがやっとだった。 だから彼に怒りも憎しみも沸かなかったのだと、ひどく納得した。 ああ、と♂クルセイダーが頷いたので、ため息をもらした。 どうにか笑顔を作ったが、たぶん彼の目には見えないだろう。 それでも笑顔で話しかけた。 「それにしてはおたがいに、長く話ができていますわね」 「なに、残酷な神のほんの気まぐれというやつだろう。最後くらいは好きに愚痴れとでも言いたいのだろうが、馬鹿馬鹿しい」 「まったくですわ。どうせ気まぐれを起こすなら、こんな現実をねじまげるくらいしてもらいたいですのに」 「同感だ。こんな現実は───、こんなくだらない死にかたをする人間は、俺たちで最後にしてもらいたい」 彼が笑った気がした。私も口もとをほころばせている。 終わりの時間が、すぐ目の前まで来ていた。 とつぜん思いついたように♂クルセイダーが言った。 「お前の守りたいやつの名前を教えてくれ。俺もそいつの無事を祈ろう。 一人より、二人で祈ったほうが効き目があるかもしれんだろう」 「誰に祈るのです? あなたのいう残酷な神さまにですか?」 驚くより先に聞き返していた。 「そうだな、最後くらい神に祈ってやろう。クルセイダーらしくな」 皮肉なのか、心からの言葉なのか、よくわからなかった。 朦朧とする意識で、かろうじて答えた。 「それは、たのもしいですわね」 「だろう。だから名前を教えてくれ」 W。 そうつぶやこうとしたが、唇が動かなかった。 残念だけれど、ここまでということなのだろう。 視界もぼけはじめている。私の世界が終わるのだ。 「まったく。神はどこまでも、俺につめたいらしい」 意識の底で♂クルセイダーの声が聞こえた。けれど、それもすぐに消えてしまった。 <♂クルセイダー> 現在地:E-4 髪 型:csm 4j0h70g2 所持品:S2ブレストシミター(亀将軍挿し) 備 考:♂騎士を生かしはしたものの、迷いはない 状 態:左目の光を失う 脇腹に深い傷 背に刺し傷を負う 焼け爛れた左半身 死亡 グラリス 現在地:E-4 容姿:カプラ=グラリス 所持品:TBlバスタードソード、普通の矢筒、スリープアロー十数本とそれを穂先にした銛 状態:裂傷等は治療済み 左手首から先を失う 死亡 残り22名 戻る 目次 進む
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1068.html
「…せッ!…せッ!…せッ!」 暗闇の中円周上に配置された篝火の光の中心には四方を杭に結わえ付けられたロープで囲まれた空間だけが浮かぶ 周囲をぼうっと篝火に照らされる空間を熱狂しながら凝視する人間の顔だけが浮き上がらっせ、その光景は太古の神を祀る儀式を思わせる 「殺せッ!殺せッ!殺せッ!」 老いも若きも男も女もが狂ったように同じ言葉を繰り返す 人々の視線の先には互いの肉を食み、血を啜り合いながら殺しあう2匹の獣 …ならぬゆっくりの姿があった 里の野外に特設された即席のリングの中には1匹のゆっくりまりさとゆっくりフランが向かい合っている ゆっくりまりさは目と口の部分に穴が開いた底部以外顔全体を覆う派手なマスクを被っており、 そのマスクのそこらかしこはフランに切り裂かれたのか無残にも体までにもその裂傷は達して致命傷ではない物の餡がポタリポタリと垂れて 大きくその体を伸縮させて息をついている 方やゆっくりフランは素顔で、顔に自分の傷から漏れた餡とまりさの餡で汚れながらも、 その目には狂気の色が宿り口を大きく開いてこびりつく餡をなめると笑みを浮かべた ルチャゆっくり 最近考案されたゆっくりを使った娯楽のひとつ、早い話がゆっくりを使った賭け格闘技である。 リングで戦うゆっくりはゆっくりドールと呼ばれ相手が戦意を失うか・気絶するまで行われる… しかしゆっくりは本来温厚で臆病な性格なので捕食種を除け自発的に戦うことはない だが、彼らやその親しい者の危機には勇敢に立ち向かうケースもある その事から人間が野生の比較的体格がいいゆっくりを見つけると家族や親友を攫いそれを人質として戦いに赴かせるのである 場合によっては無理やり子供を孕ませてそれを利用する 負けたり・無様な試合をすれば人質の命は主人の気分ひとつ次第 故に戦うゆっくり達に躊躇いはない ……常にガチ勝負且つゆっくり特有の肉体の脆弱さもあいまって死者は耐える事はない 死の恐怖に抗い勝ち続けるゆっくりにはマスクが与えられ、そして更に勝ちぬいたマスクゆっくりは自由を勝ち取る事ができる マスクは数多の同族の屍を踏み越えた強者の証、それを脱ぐ時は敗北を意味する マスクを剥がれたゆっくりはそのマスクを捨て新たにマスクを得るまで再び戦いを続けなくてはならない ゆっくりドールにとってマスクは頭の飾りや帽子以上の価値、命そのもの ゆっくり達にとっては語源のルチャリブレよろしく自由を勝ち取るための戦いであるのだ このまりさはルチャゆっくりでは現在一番人気の花形ゆっくりドール。 デビュー以来負け知らずで特に華麗な空中技に定評がある ルチャゆっくりの中では殿堂入り確実の生ける伝説ゆっくりドールである かたやフランのほうは中堅クラスであるものの高い戦闘力と凶暴性で最近のし上がって来た実力派、決して楽勝な相手とは言い難い 今現在餡子が漏れているマスクまりさは体力的にも長期戦は不利、しかしフランは警戒を奇襲し徐々にコーナーへ追い詰めて行く いくら手負いとてマスク持ちは百戦錬磨の猛者、迂闊な攻撃は仕掛けない辺りフランも並みのゆっくりドールではない マスクまりさがコーナーポストに背をつきの呼吸が乱れかと思うとと体を僅かに傾けるのを見るや雷のごとく飛び掛った 「ますくとられてゆっくりしね――ッ!」 だがマスクまりさは睨み付けたまま動かない。 コーナーに居る以上フランの突進を下手に回避しようとしても逃げれず、リング外に逃げようとしてもその隙に無防備な部分を晒すだけという事を知っている。 そしてコンマ一秒の世界のタイミングで避ける事を決意した マスクまりさは息一つすると極限まで集中する。 一つ息を吐くと空気を震わす観客の歓声がフッと消え、今まで気にならなかった生暖かい風の張り付く感触を感じ、 目の前に向けられたフランの鋭い牙がスローモーションビデオを見てるかのごとくゆっくりと近づく 5センチ... 3センチ... 2センチ... 1センチ... フランは勝利を確信していた 牙は確実に柔らかい皮膚を突き破り餡を抉った後奴は豚のような悲鳴を上げるだろうと カチン!! だがフラン確信とは裏腹に牙のぶつかる音だけが響いた 「うっ!?うーっ!?」 いつの間にか眼前のまりさは霞のごとく消えていた まりさの見せた隙はフェイクだったのだ 後悔したところでもう遅い 次の瞬間頭部に強烈な衝撃が走り地面に叩きつけられると目の前が餡で真っ黒に染まり何がおきたか理解できぬまま事切れた フランだったものから飛び出した餡子の山からムクりとマスクまりさが立ち上がる お互いの鎬を極限まで削る我慢比べにまりさは勝ったのだ ――すたーだすとればりぇ マスクまりさの得意技の一つ 敵の攻撃を極限までひきつけてコンマ一秒のタイミングで敵の頭上に飛び上がりそのまま全体重をかけて敵を地面に叩きつける その一連の動作は流星の如く華麗でそれ見た誰もが魅了される程の高難度の空中技 「ウィナーッ!エルゥ――ッマリィーサァ――!!」 審判が勝者の名前を告げると観客席からは悲鳴のような歓声と怒声が起き周囲に紙吹雪が舞った 「まりさー!よくやったぞ!」 一人の若い男がロープを潜りリングにうつ伏せに寝転がっているまりさの元へ駆け寄る 「おにー…さん…まりさ…がんば…たよ」 ずり落ちた帽子を力なく少しだけ挙げて顔半分をセコンドの男のほうに向けるとにこりと微笑んだ 「ああ…頑張ったとも!後10勝だ!!後10勝てばお前は自由になれるんだぞ」 「うん…でも…まり…さだめ…かも…」 「何言ってんだ怪我はたいした事ないぞ!休めばすぐ治るからな!」 男がまりさを優しく抱きかかえて顔を見るとハッとしたと表情を見せると途端に真っ青になった 何とまりさの左目を両瞼が縦にぱっくり切れ眼球から透明な液が漏れている すたーだすとればりぇを決める為に跳躍した際、満身創痍のまりさはタイミングが少し遅れたため運悪くフランの牙が目を掠ってしまったのだ 「もう…まりさは…あかちゃんのために…たたかえないの…?」 後10回とはいえ戦う相手はどれも強敵ぞろい、片目で戦うには余りにも手に負えなさ過ぎる さりとて傷が癒えても片目に慣れるまでまでじっくり休養する時間などまりさには与えられない 「あ…今すぐ治療するからな!だからじっとしてろ!!」 男はまりさをマスクを丁寧に脱がし、しっかりとまりさを抱えると揺れぬ様急ぎ足で幕舎の中へ入るとベッドにおろして くすり箱をひっくり返すと治療を施したが潰れた目はどうにもならなかった 「畜生…なんてことだ…」 男がまりさを見下ろして項垂れていると幕舎の中に恰幅のいい中年の男が不機嫌な顔をしながら入ってきた 「全く何てことだ!あれだけ投資してやったのにこれからって時にしくじるとはなぁ!!」 どうやらまりさの主人はこの人物らしい 「お…御館様、こいつは片目をやられだけです再起不能になった訳じゃないんです!あと十勝なんです!!どうか見捨てないでやってください!!!」 「饅頭ごときに情が移ったのか?動ける動けねぇじゃねぇよ!確実に勝てるようなじゃなきゃ駄目に決まってんだろうが! 怪我をしてもう使い物にならんなんて知れたら商品価値は無いも同然なんだよ!」 中年男は腕を組むと幕の中を言ったりきたりしながらブツブツと何かをつぶやている 「そうだ…コイツとかなことの試合を組もう。目は形だけ直しとけ、眼帯とか包帯はつけるな。 伝説の終焉って売り込みでコイツには華々しく最後の花道を飾らせてやろう!次の試合だ!わかったな!」 そう捲くし立てると中年男は近くにあった水瓶をけり倒してがっくりと崩れ落ちる若い男を尻目に出て行った ふかんぜんねんしょー 複数の重賞を勝利した競走馬達もその最後は決して安らかじゃないんだってね byおれまりさとかイワレタ人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/battleroyale/pages/612.html
248.混迷の戦場[3日目朝] 一瞬の自失から立ち直り、♂ハンターは目前の少女へ一歩踏み出した。 ♀アーチャーを取り返さなければいけない。 どうすればそれが可能かは分からない。 だけど今の自分には手伝ってくれると言った仲間達が居る。 一方♀スパノビと♀ハンターは武器を構える。 「ふぁる!」 ピーイ ♀ハンターの掛け声と共にファルコンが飛び立ち頭上で旋回を始めた。 さらに弓へ矢をつがえてミストレスへ向ける。 だが紫髪の少女は彼女達にあっさり背を向けた。 そして♂ハンターへ語りかける。 「のう王子様。我の夫となる覚悟はできたかえ?」 その表情には昨夜♀スパノビ達に見せた凶悪さのかけらもない。 少女のあまりに無防備な姿に、狙いを付ける♀ハンターの内に迷いが生じた。 武器を持つ腕を下ろしそうになる彼女を♀スパノビが叱咤する。 「撃ってください。ミストレスは彼を誘惑して何かするつもりです」 「…うん!」 ♀ハンターは改めて弓を引き絞った。 だが先に矢を放ったのは♂ハンターだった。 「チャージアロー!」 「きゃっ」 ♀ハンターの手から矢がはじき飛ばされる。 「何をするんですか」 ♀スパノビは助けようとしたはずの♂ハンターへ厳しい視線を向けた。 だが彼女よりもさらに激しい反応を示した者が居た。 ピィィーッ 『何しやがンだてめえぇっ』 鋭い爪と嘴が宙より襲いかかる。 抉られた腕からぱっと血がしぶいた。 「Ouch!流石はイッツァBlue bird・ダイヤも貫く・幸運の力」 気の鎧をまとって♂ハンターの前に立った♂モンクが陽気に歌う。 顔前で十字に組んだ腕には深い傷が刻まれていた。 金剛不壊もファルコンの鋭い爪の前には効果がない。 しかし彼はひるまない。 「告白タイムだ・my brother・俺っち防ぐぜ・おしおきだっちゃー・今さら・雷・怖くナイナイ♪」 ♂モンクはミストレスが右手に気を集めていることを感じていた。 表面がどうあれ、いつでも電撃を使える用意はしているということだ。 だからこその金剛。 しかし怒りの治まらないふぁるは突入方向を変えて襲いかかる。 『てめーに用はねえ!どけっ』 気の鎧は体の動きを制限する。今度は♂ハンターを庇い切れない。 「ニューマ!」 ♂ハンターを切り裂こうとしたふぁるの翼がいきなり強い気流に吹き上げられた。 「やめとけ、鳥。やりあいてえわけじゃねえが黙って見過ごすつもりもねえ」 苦虫を噛みつぶしたような、しかし断固とした表情で♂プリが言い切る。 仲間達に守られた♂ハンターはアーバレストを♀スパノビへ向けた。 「その子を撃たせるわけにはいかないんだ」 「彼女はミストレスです。見た目にだまされては――」 「知ってる」 「――そうですか」 これ以上の説得は危険と判断した♀スパノビは♀ハンターに下がるよう合図する。 忠告はした。望んで危険を冒そうとする者を引き止めて逆恨みされてはつまらない。 「ほんに良い男じゃの。我が王子様は」 ミストレスは妖艶に笑う。 この展開を読み切っていたわけではない。 だが♂ハンターが彼女を庇おうとすることは予想の内だった。 そして状況は彼女にとって決定的に有利に運んでいた。 ♂ハンターの前へ紫の髪の少女がたどりつく。 「♀アーチャー…俺は」 彼は少女へ手を伸ばそうとする。 だが彼女の眼は♂ハンターを見ていなかった。 視線は彼の顔を向いているのだが、はるか遠くを見ているように焦点が合っていない。 「♀アーチャー?」 「だめ!逃げて!」 ミストレスの意図に気付いたのは、正面に居るただ一人の女性――♀騎士だけだった。 その叫びと急激に高まる気に反応し、電撃を受け止めようと♂モンクが身構える。 だが♀騎士は激しく首を振った。 「違う!そっちの2人!」 ♀騎士の声が届くより早く、ミストレスは振り向きもせず♀ハンターへ紫電を放った。 羽虫たちの数多の目を持つ彼女にとってそれは造作もないこと。 「きゃあああっ」 大きく弾き飛ばされた♀ハンターは悲鳴を上げて倒れ伏した。 『おい相棒っ…てめえ、殺すっ』 矢のように飛来したファルコンの爪をミストレスは余裕を持ってかわした。 ♂ハンターに歩み寄ったことで彼女もニューマの範囲に入っている。 これで矢と鷹は無力化した。♂モンクも金剛を使っている以上他のスキルを使えない。 つまり彼女が恐れるべき相手はもはや居ない。 彼女は♀ハンターにとどめを刺すべく再び右手へ雷光を集めた。 「させません!」 「…う…お姉ちゃん…?」 しびれて立ち上がれない♀ハンターを庇い♀スパノビが立ちはだかる。 一発喰らって吹き飛ばされるのは覚悟の上だ。♀ハンターが回復して逃げるまでの時間が稼げればそれでいい。 「愚かよの」 ミストレスは狙いを正確に定める。 前に立った小娘を弾き飛ばして後ろのハンターへ叩きつけるまでだ。 だが、その背に誰かがしがみついて邪魔をした。 「whaaaaat!?」「危ねえぞ!」 出遅れた♂モンクと♂プリの声を背に♀騎士は必死でミストレスに抱きつく。 戦うことは怖い。 傷つくことも、傷つけることも怖い。 だけど決めたのだ。騎士であるということは人を守ること。 彼女はずっと触れずにいた武器を手にした。 「放さぬか。おんしから死にたいかえ」 ミストレスは♀騎士に右手を向けようとする。 だがその手がびくりと止まった。 「やめてください」 ♀騎士の握った錐はミストレスの抱く卵へ突きつけられていた。 動きを止めたミストレスの右手を♂ハンターが握る。 「お願いだよ。♀アーチャー。目を覚ましてくれ」 彼は♀アーチャーに、そしてミストレスに呼びかけた。 「ミストレス。俺の♀アーチャーを返してくれ。その卵の中にいる仔なら代わりの体になるんじゃないか?」 「……」 紫髪の少女は考えるようにうつむいた。 彼女は事の初めから羽虫たちに周囲に居る者の様子を監視させていた。 だからこそ2つの集団が顔を合わせる絶妙のタイミングで顔を出せたのであり、そして万一の切り札となり得る「彼」が近くにいることも知っていた。 彼女は屈辱に身を震わせながらもその切り札を使うことにした。 「助けてーっ、誰かーっ!」 悲鳴。 ミストレスの、助けを求める悲鳴。 あまりに不似合いで、そしてあまりに場違いな悲鳴。 その場の誰もが無意識の内に絶対あり得ないと考えていた行動を目にして思わず硬直した。 「彼」はどこまでも騎士だった。 ♀プリとその父親が見込んでいたとおりに。 恐怖に縛られ、後悔に囚われ。 それでも助けを求める声を無視できなかった。 おそるおそる忍び寄った「彼」が見た物は、 倒れた人物とそれを守って立つ人物。 それに1人を2人がかりで押さえつけ、人質に取ったように見える集団だった。 そして「彼」はそれぞれの正体を判別することができなかった。 「彼」は名を♂騎士と言った。 ♂プリースト 変化無し ♂ハンター 変化無し ♂モンク 状態:腕に裂傷 ♀騎士 備考:殺人に強い忌避感とPTSD。刀剣類が持てない 笑えるように ミストレスにしがみついている ♀ハンター 状態:♀スパノビを信頼、ふぁると遭遇で勇気りんりん、でも知らない人達ちょっと怖い ミストレスと遭遇、JTにより負傷 ふぁる 変化無し ♀スパノビ 変化無し ♂騎士 現在地:E-6 備 考:GMの暗示に抵抗しようとするも影響中、混乱して♂ケミを殺害 体と心の異常を自覚する ♂ケミのところに戻りできるなら弔いたい、誤解から♀Wiz達と小競り合いの末逃走、助けを呼ぶ声を聞きミストレスその他を発見 ミストレス 備考 :本来の力を取り戻すため他人を積極的に殺しに行く。 ♂ハンターの誘惑と♀ハンターへの報復、両方実行中。卵はもうあと僅かで孵化 ♀騎士に動きを制されている ※人数が多いため246.みっつの遭遇と変化がない部分は状態欄省略 戻る 目次 進む
https://w.atwiki.jp/projectzomboid666/pages/27.html
build-41.65時点の情報です。以下の内容はアップデートにより仕様が変更される可能性があります Q:突然キーボードの入力が受け付けなくなった Q:ゾンビに攻撃されてからずっと気分が悪いんだけど… Q:ゾンビ病にならないコツは? Q:ゾンビと戦っていないのに突然具合が悪くなった。怪我してないのに体力が減っていく。 Q:「太り過ぎ」、「やせ衰え」って出てきたんだけど… Q:罠ってどう仕掛けるの? Q:罠を仕掛けたのに獲物がかからない。 Q:○○が出来ない。コマンドが出ない。 Q:欠けた石が拾えない Q:家具の取り方は?ベッドとかの「1/2」「2/2」って何? Q:大工で誤った場所に設置してしまった。○○を壊したい! Q:突然火事になったんだけど… Q:突然キーボードの入力が受け付けなくなった A:半角/全角キーが切り替わったか、日本語IMEのバグ。 旧verIMEへの切り替えやUSキーボードに切り替えで安全にプレイできる。詳細は「キー入力不可バグの解決方法」に記載 Q:ゾンビに攻撃されてからずっと気分が悪いんだけど… A:残念ながらゾンビ病に侵されてしまった可能性がある。 ゾンビの攻撃で傷を負った場合、「引っ搔き傷7%」「裂傷25%」「咬み傷100%」の確率でゾンビ病に感染し、気分が悪く、不安を感じはじめ、ストレスが増え続けます。 出血が止まらず、最終的に体力が無くなるか数日すると発症(死亡)し、ゾンビに変異します。 残念ながらバニラでは治療の手段はありません…。 新しい自分の為に物資をかき集めるもよし、片道切符でルイビルの街を目指してもよし、思い残すことのないように終活を始めましょう。 Q:ゾンビ病にならないコツは? A:「背後を守る」「防具や衣服を着る」ことで防げるかも。 プレイヤーの弱点は「背中」で、背後から攻撃を受けると高確率で「咬み傷」や「致命傷」を受けてしまう。 接近されたときやドアからゾンビが飛び出してきた時に焦って逃げようと目の前で振り向いてしまい、そのまま背中を噛まれてしまうことが多い。 「戦闘中や作業中こまめに後ろをチェックする」「曲がり角は余裕を持って曲がる」「ゾンビが潜んでいそうな部屋やトイレのドアに対して、叫ぶ、叩く、開けて即閉める」など、用心するしかない。 密着された場合はダメ元でプッシュしたほうがいい場合もある。 また衣服には防御率が存在し、確率でその部位へのダメージを肩代りしてくれる可能性がある。 重ね着することで防御率も上がるが、着込むと熱中症や脱水など健康への影響が大きくなってしまうので気をつけよう。 衣服はダメージを受けると損傷し防御率がなくなってしまう。特に手袋はいつの間にか損傷していることもあるのでよく「点検」しましょう。 Q:ゾンビと戦っていないのに突然具合が悪くなった。怪我してないのに体力が減っていく。 A:病気や食中毒、痩せ過ぎの可能性が高い。 死体や血痕まみれの場所に長くとどまったり、睡眠不足、ずぶ濡れや不衛生のまま長時間活動すると風邪や病気になってしまう。 拠点周りやよく通る場所の死体を移動させ、できるだけ死体の側に留まらないように心がける。バスタオルなどでこまめに濡れをケアし、万が一病気になった場合でも、目一杯食べてゆっくり休めば治るかも。 また、「焦げ」「腐った」食べ物、毒を持ったキノコ・ベリー・漂白剤を摂取したり料理に混ぜたり、煮沸していない生水を直接飲むと食中毒を起こし死に至る。 食中毒は致死性が高く、直ちにレモングラスを複数摂取するしかない。 キノコ、ベリーの毒は特性 薬草採集者、または「雑誌(薬草採集者)」で見分ける事が可能。レモングラスは採取モードで集めよう。料理中、漂白剤が近くにあるとランダムで混ぜてしまう危険性があるので保存場所には注意。 Q:「太り過ぎ」、「やせ衰え」って出てきたんだけど… A:キャラクターステータスで、高いカロリーを維持することで体重が増え、カロリーが足りない場合はどんどん痩せていく。 体重が増えすぎると「太り過ぎ」「肥満」になり持久力や走る速度が落ちてしまう。カロリーの低い食事と積極的な活動を心がけよう。走り回っても良いがフェンス乗り越えを繰り返すのが手っ取り早い。 逆に、体重が低すぎると「やせ衰え」になり、体重が35kg以下になると死亡してしまう。 デブ活にはハイカロリーなスナック菓子、ライス、乾燥豆、アイスなどや、「釣り」「狩猟」で入手可能なウサギ・魚もコスパが良い。食べられる状態になる度に「全部」一気に食べるのが一番。 Q:罠ってどう仕掛けるの? A:罠を所持品に入れた状態で地面を右クリック→○○を設置するで設置。 再度右クリックで「罠の回収」「獲物の確認(獲物を回収する)」「餌を追加」ができる。(餌がカバンに入っていたり、腐っているものは使えない。) Q:罠を仕掛けたのに獲物がかからない。 A:時間帯が悪い、餌が違う、プレイヤーが近すぎるなどが考えられる。詳しくはPZwikiの罠猟を参照。https //pzwiki.net/wiki/Trapping/ja ウサギ・リスが罠にかかる時間は夜19 00~5 00なので昼間に確認しにいこう。餌だけ取られてしまう場合もあり、長時間放置すると罠が破壊されてしまう。 また、罠を設置した場所がプレイヤーから「常時」75マス以上離れている必要があり、近くを通ったりするだけでも掛からなくなる場合があるので注意。 それでもダメなら更に距離を開けるか、置く場所そのものを変えてみる。(南に75マス以上→北に75マス以上に変更など) ネズミ捕りの場合はプレイヤーの付近でも捕れる。 Q:○○が出来ない。コマンドが出ない。 A:試行錯誤してみる。 カバンから出す、メインやサブに装備をしてみる、箱から出す、アイテムを選択して右クリックで見てみる、左上のメニューから探すなど。痛みで眠れないなら鎮痛剤や睡眠薬。 Q:欠けた石が拾えない A:主に採取モードで入手。 道路や街中で入手しやすい。 Q:家具の取り方は?ベッドとかの「1/2」「2/2」って何? A:左上の棚アイコンの「移動」でプレイヤーのインベントリに収納出来る。 自作出来ない「窓」「カーテン」など大抵の物を取ることが可能。物によっては「大工仕事」「電気工作」が必要なもの、失敗すると壊れてしまう物もある。 あまりにも重量オーバーの場合も移動出来ないので持ち物を減らそう。 ベッドや大型金属棚など一部の家具は「1/2」「2/2」などパーツ状態になる。 パーツが揃っていないと組み立て(設置)できない。設置したい場所の近くに全てのパーツを集め、1つを所持品に入れて設置を選択しよう。 また、「移動」に失敗すると壊れてパーツが足りなくなる場合がある。 Q:大工で誤った場所に設置してしまった。○○を壊したい! A:「移動」や「解体」が無理な壁など、大抵の物はスレッジハンマーで「撤去」できる。 スレッジハンマーは大型倉庫や工事現場、消防署、ガレージなどで入手できる他、マンホール付近に落ちている場合もある。 基本的にレア品なので地道に探すしか無い。出るときは出る。がんばれ。 Q:突然火事になったんだけど… A:オーブンの電源切り忘れ、発電機の故障、電子レンジでステンレスを温めたなどが考えられる。 オーブンの電源を入れっぱなしにしたり、発電機を修理しないまま使い続けると爆発するので注意。 室内でキャンプファイヤーや火炎瓶を使えば当然火事になるし、燃えたゾンビから延焼する可能性もある。 また、電子レンジで鍋やバケツといった金属製のものを温めると発火する。(現実でも発火するので気をつけよう) 出火した場合は直ちに消化器を装備して使うか水の入ったバケツ等で対応可能だが、大抵の場合は取り返しが付かないので用心しよう。
https://w.atwiki.jp/mangaroyale/pages/232.html
風前の灯火 ◆bnuNxUeVnw 「今から話すことを真面目に、かつ冷静に聞いて欲しい。 俺の名は―――すまない、言うことは出来ない。 だが、信じて欲しい―― 言いたくないのではなく、言えないんだ。」 (これはなに……?もしかしたらなにかの機械?私が宝石を触ったから?) もしかしたら泥棒に間違えられたかもしれないと思い、一人焦るキュルケ。留守電に録音されたものなのだが、あいにくキュルケは魔法の世界出身。 (盗難防止だったのかしら?ケンを…) だがケンシロウを呼ぼうと開けた口が次の言葉を聞いてぐっと閉じられる。 「あの女に俺が生きていることを気付かせるには、まだ早すぎるからな。……これがどういう意味かは、今から説明しよう。 参加者名簿に、『柊かがみ』という名が載っているだろう? 彼女はこのプログラム――いや、この殺し合いに乗って――――」 聞いていくうちに男の声とその内容に真剣に耳を傾けるキュルケ。 マーティン・ジグマール。ひとりの男が彼女にこのゲームでの情報の大切さを経験させてくれたのだ。 そして情報を過信しすぎないことも。 電話のスピーカーから職員室に響く一人の男の声。しかし彼の確固たる決意がこもった情報を遮るものがあった。 「さて諸君、午後18時の定時放送を始める。調子はいかがだろうか?」 ――――第四回放送が始まった 「マリア タバサ 防人衛 ――――」 え…… 今なん…て…? 手足が振るえ、自分の体重を支えきれずその場に座り込む。 嘘よ、嘘よ、嘘よ…… しかし現実は非常である。 彼女に心の整理をさせる暇を与えず、ひとつの名前を読み上げる。 「…村新八 才賀勝 ルイズ ――以上10名じゃ。」 その時切れた。 彼女の中で「なにか」が切れた。決定的な「なにか」が。 一個借り、そう言って酒場を出て行くタバサの小さな背中。 ガリアの屋敷で苦しそうにうなされているのを抱いてあげたときのタバサの顔。 夏でも汗ひとつかかず涼しげに本を読んでいて、キュルケに冷風の魔法を唱えてくれたタバサ。 「あぁ……」 「――――から、十字架型の炎を吐き出していた。それで車を炎上させたんだ。 信じられないかもしれないが、真実なんだ。信じてくれ、頼む! もうアイツのような被害者は出したくないんだ!!」 もうなにも聞こえない。耳には入るが聴こえないのだ 貴族の誇りを胸に巨大なゴーレムに立ち向かったルイズ。 才人のことをからかって顔を真っ赤にしながらわめくルイズ。 馬鹿にされながらもいつでも一生懸命だったルイズ。 震えがとまらない。 口から意味のない言葉がつむぎだされていく。 「…うあぁ…………」 どこか自分と世界が違い、それに惹かれた愛しい人 才人 犬猿の仲のはずがいつのまにか仲良くなっていた悪友 ルイズ 妹のようであり、いつも側にいてくれた一番の親友 タバサ このゲームは彼女から全てを奪った。愛しい人も、悪友も、親友も。なのに自分は生きている。キュルケはもうただ泣くことしか……泣くことさえできずに自分の内側から沸き起こる「なにか」を叫ぶ。 「――――ッッ!! ――――ッッ!! ――――ッッ!!」 「微熱」の名をもつキュルケ。彼女の心の炎は風前の灯だった。 暗い夜に月が浮かび、ひとつの建物を照らしている。 本来なら勉強や部活動が終わり、生徒たちが談笑しながら帰宅に向かうであろう学校からふたつの人影が出てくるのが見える。 あの後ケンシロウは職員室で茫然自失となったキュルケを保健室のベッドに寝かせ、落ち着いた後に次の禁止エリアをメモさせ死亡者のチェックも行った。 視力を失ったケンシロウには気配で人や建物などがわかっても紙が地図か名簿かわからないのだ。 「葉隠散 マリア タバサ 防人衛 坂田銀時 空条承太郎 範馬刃牙 志村新八 才賀勝 ルイズ、の10名だ」 (キュルケにとって先程突きつけられたものを再び認識させられるのは、酷な作業だろう。) そう思い、ケンシロウは極めて淡々と死亡者を読み上げた。 だがキュルケは表情ひとつ変えず、悲しみのそぶりひとつ見せず名簿に線を書き込む。 それはまさに抜け殻。 ケンシロウにとって別れは日常であった。だが目の前の少女にとっては大きすぎる傷だったのだろう。 結果彼女は魂が抜けた状態のようになってしまった。 「この後どうしたい?」 「神楽に…会いたい…………」 ケンシロウは知っていた。 例え世界中で一番の名医を連れてきても、どんなに希少な薬を使っても、一子相伝の北斗神拳で秘孔をついても心の傷は治せないのだ。心の傷はその本人が乗り越えるしかほかない。 はたしてこんな状態のキュルケの言葉をケンシロウが拒否できようか?いや、できない。 神楽が向かったであろう病院に行くため、ケンシロウは後ろにいるキュルケを気遣いながら東へ向かう。 自分の大切な「友」を傷つけたこの腐ったゲームを潰す決意をさらに強固なものにしながら…………。 猛吹雪から小さなロウソクを守っている大きな囲いがある。 ロウソクの火は今にも消えそうでか細い。 仮に…もし仮に囲いがなくなったらロウソクはどうなるだろう?吹雪に負けまいと再び燃えあがるのだろうか?それとも吹雪の前に消えさってしまうのだろうか? 吹雪はやまない…。 【C-4 学校。一日目 夕方】 【ケンシロウ@北斗の拳】 [状態]:カズマのシェルブリット一発分のダメージ有り(痩せ我慢は必要だが、行動制限は無い)全身各所に打撲傷 キング・クリムゾンにより肩に裂傷 両目損失。吐き気はほぼ、おさまりました(気合で我慢できる程度) [装備]: [道具]:支給品一式、ランダムアイテム(1~3、本人確認済み) [思考・状況] 基本:殺し合いには乗らない、乗った相手には容赦しない。 1:キュルケを気遣いながら病院に向かって神楽と合流する。 2:アミバを捜索、事と次第によれば殺害。 3:ジャギ・ラオウ・勇次郎他ゲームに乗った参加者を倒す。 4:助けられる人はできるだけ助ける。 5:乗ってない人間に独歩・ジャギ・アミバ・ラオウ・勇次郎の情報を伝える。 [備考] ※参戦時期はラオウとの最終戦後です。 ※ラオウ・勇次郎・DIO・ケンシロウの全開バトルをその目で見ました 。 ※秘孔の制限に気付きました。 ※ラオウが無想天性使えないことに気付きました(ラオウの記憶が操作されていると思っています) 【キュルケ@ゼロの使い魔】 [状態]後頭部打撲(治療済) 貧血気味 マントが破られている 魔法に使いすぎによる精神の消耗(回復基調にはある) 強い精神的ショック [装備]タバサの杖@ゼロの使い魔 [道具]支給品一式 [思考・状況] 基本:??? 1:神楽に会いたい 2:タバサ…ルイズ… [備考] ※軽い頭痛。 ※ラオウ・勇次郎・DIO・ケンシロウの全開バトルをその目で見ました ※ケンシロウに惹かれています。 ※三村の留守電の内容はほとんど聞き逃しました。ケンシロウにも伝えてありません。 <二人の首輪についての考察と知識> ※首輪から出ている力によって秘孔や錬金が制限されていることに気付きました。 ケンシロウは首輪の内部に力を発生させる装置が搭載されていると思っていますが、 キュルケは媒介にすぎない可能性があると思っています。 <二人のDIOの能力について> ※瞬間的に普段の数百倍の速度で動く能力だと思っています(サイボーグ009の加速装置のイメージ) 183 I bet my belief 投下順 185 誰がために 183 I bet my belief 時系列順 186オラトリオ メサイア 第二部終章 164 気付かないのはお約束 ケンシロウ 190 人形の名を名乗った娘 164 気付かないのはお約束 キュルケ 190 人形の名を名乗った娘
https://w.atwiki.jp/jcbr/pages/468.html
0345:鵺野鳴介、復活ッッ 静かだ・・・・。 何も存在しない、真っ暗な空間。音も大地の感触も無い、ただ自分だけははっきりと見え認識できる世界。 (ここが死後の世界とやらだろうか・・・・では彼らもここにいるのだろうか・・・・?) 鵺野鳴介はぼんやりと考える。 この気違いじみたゲームでかれは愛する妻を、生徒を、強敵(とも)を失った。 そして自分はこのよく分からない空間に一人ぼっちで存在している。 (ゆきめ、郷子、玉藻・・・・許してくれ) 涙が出てきた。その場に居合わせなかったとはいえ、親しかった人物に何の手助けをしてやる事もできず、死なせてしまった自分の無力さを呪って泣いた。 (少なくとも玉藻と別れなければ・・・・あいつは・・・・あいつは死なずにすんだかもしれないのに・・・・) 溢れる涙を拭おうと左手を顔にやるが触れられない。我に帰ると左手が消滅しているのに気がついた。 『ようやく気がついたウガか、0能者』 声のする方向を見るとそこには鬼がいた。昔話の通りに天を突く巨大で身につけているのは腰巻一丁の姿で仁王立ちしている。 (覇鬼!? 何故お前がここに!?) 『それはこっちのセリフだウガ。キサマいつまでこんな所でめそめそしているつもりだウガ?』 (待ってくれ、そもそもここは何処なんだ? 今までおまえとは全く会話できなかったのに何故今になって話せる!?) 『ここは夢の中だウガ。どうやらあの野郎共が強過ぎる力をおさえているようだウガ。俺にできるのはこうしてキサマが寝ている間を選んで接触する事くらいだウガ』 (そうだったのか・・・・) この世界では能力の制限がかかっているらしいとは聞いていたが覇鬼にもそれが及んでいたと考えもしなかった。 『落ち込んでるヒマは無いウガ。キサマにはやらねばならん事があるだろうが』 (やることなんて、今の俺にやるべき事なことなど・・・・!?ッ) 突然覇鬼は鵺野の襟首を攫み上げた。巨体に攫み上げられ足が中に浮く。 『失望させるな0能者!! 仮にキサマは妹に、眠鬼に認められた男ウガ!! こんな処で倒れアイツを悲しませるマネは許さんウガ!!』 怒り狂う覇鬼は何度も見てきたが今回のような激しさは初めてだった。 不意に体中に衝撃が走った。覇鬼に地面へ叩きつけられたようだ。何も無い空間に叩きつけられるのは妙であるが。 (お、お前に何が分かる!? 今までダンマリ決め込んでいたお前に何が分かる!?) すぐに立ち上がり覇鬼の腹部辺りを乱打する鵺野。鬼の手も使えず、只の人間の拳では覇鬼には肩叩きにもならない。 やがて無駄な打撃を止めた。崩れ落ち腰巻をしがみつき鵺野はすすり泣く。その様子を見て覇鬼は口元を歪めた。 『フン、まだ怒りをぶつける元気はあるようだウガ。もう少し様子を見てやってもいいだろうウガ』 しがみつく鵺野を振り払い覇鬼は踵を返す。そして滑るように空間はと消えていく。 『もし力を欲するなら封印を解け。今一度力を貸すウガ』 (待ってくれ! この俺に一体何をしろと云うんだ!) 『甘えるな0能者! そのくらい自分で考えろ! まぁ精々精進するウガ』 (待ってくれ覇鬼! 覇鬼――――!!!) 全力で鬼の後ろ姿を追いかけるが差は広がる一方だ。そして――――は暗黒へと消え去った。 「覇鬼! 待って・・・・ハッ!」 波の音が聞こえる。どうやら瀬戸大橋の橋桁にいるらしい。周りは既に漆黒に塗り替えられ今は深夜である。 「覇鬼・・・・お前は俺に活を入れてくれたんだな・・・・ありがとよ」 長年付き合ってきた鬼に感謝し、左手を確認すると紙片が握られている。内容は深刻だった。我を忘れた自分は両津に気絶させられ、その間に大変な事になったらしい。ことの発端を作った乾は責任を感じ殺戮者に一人で挑むつもりだ。 「・・・・クッ! このままでは公主さんと乾君が危ない、早く・・・・!?」 行かなければならない、だがそうもいってられないようだ。瀬戸大橋を本土側から渡ってくる者の気配を感じた。向こうもこっちに気がついたらく、歩みを止めた。 (どうする? 交渉するか? それともここで戦うか・・・・?) 「何と・・・・ヒル魔殿が!? 間に合わなかったか・・・・」 瀬戸大橋を大半を渡ったところで第四目の放送、淡々と発表される死者の中に蛭魔妖一の名を確認して剣心は落胆した。 今頃はセナは自分と同じ、いや付き合いが長い分深く悲しんでいるだろう。 それにして主催者たちの悪辣ぶりには反吐が出る。死者一人の蘇生という“ご褒美”をチラつかせ殺し合いを激化させるとは。 (今まで頑なにゲームを拒否していた者でも友の蘇生にすがりくき、手を染めるかもしれぬ。そして拙者も・・・・) 今でこそ“志々雄の所業と同じ事”と切り捨てられるが、万が一完全に抜刀斎なってしまったら・・・・! 剣心は僅かに身震いする。 心の中で死者への黙祷を捧げると剣心は考える。蛭魔の死が確認された以上、ここで引き返すべきだろうか。 ナルトの名は呼ばれなかったが少なくとも四国には殺戮者が存在している。彼も無事とは限らない。 このままナルトの回収と蛭魔の敵を討つべく四国へのり込むか? 目を閉じて時間にして約10秒思考する。 (きっかり一時間、ナルト殿を捜索する。可能ならヒル魔殿の亡骸を回収する!) 時間を限って四国へ乗り出す事を選択した。 とりあえず走った。たいした時間もかからず四国の地を踏む寸前、それを感じた。 (・・・・只ならぬ気配。かなり近い。橋の下でござるか・・・・?) 今の自分には折れた刀は既に廃棄していので武器になりそうな物は刀の鞘しか所有していないが、ハッタリくらいにはなりそうだ。 で、どうするか? ゲームに乗っているなら輩なら最悪回れ右する選択肢もある。自分の脚力なら逃走は可能だろう。だが相手に戦う気が無いならこちらも交戦の意思は無い事を伝えなければ今後よけいな誤解を生むかもしれない。 迷っている内に下から何か投げられてきた。確認すると石を紙で包んだ物である。紙にこう書いてあった。 “こちらに戦う意思は無い。願わくば交渉したい。返答されたし” ホッと胸を撫で下ろし剣心も返事を書き石を包んで橋の下に落とす。 しばらくして闇の中から男が一人現れた。構えは取らず自然体である。 「手紙にも書いた通り交戦の意思は無い。俺は鵺野鳴介、手を貸してほしい」 「拙者は緋村剣心と申す。こちらにも戦う意思は無いでござる。とりあえず四国の状況を教えてくださらんか。」 【香川県/瀬戸大橋付近/深夜】 【緋村剣心@るろうに剣心】 【状態】身体の至る所に軽度の裂傷、胸元に傷、精神中度の不安定 【装備】刀の鞘 【道具】荷物一式 【思考】1、姉崎まもりを護る(神谷薫を殺害した存在を屠る) 2、小早川瀬那を護る(襲撃者は屠る) 3、力なき弱き人々を護る(殺人者は屠る) 4、人は斬らない(敵は屠る) 5、抜刀斎になったことでかなり自己嫌悪 6、早急に瀬那の元へ帰還 (括弧内は、抜刀斎としての思考ですが、今はそれほど強制力はありません) 備考:折れた日本刀の片割れは廃棄 【鵺野鳴介@地獄先生ぬ~べ~】 【状態】やや疲労 【装備】御鬼輪@地獄先生ぬ~べ~ 【道具】支給品一式(水を7分の1消費。) 【思考】乾、竜吉公主を助けに行く
https://w.atwiki.jp/battleroyale/pages/702.html
253.はいずるもの[3日目朝] ぱり ぱりぱりっ 乾いた不吉な音が響き、白い曲面に刻まれた裂け目から色の薄い表皮が覗く。 なめし革のような質感の、柔らかそうな表皮が。 「ふふ、よい仔じゃ」 ミストレスの子は芋虫の姿をしていた。 少女の腕に抱けるほど小さく、動きも鈍く、硬い殻も毒針も持たないその姿は―― 「なんだ、ファブルか?」 緊張していた♂プリがかすかに気の抜けたような声を出す。 だが。 「No!イッツァ…」 「ゆけ」 ♂モンクの言葉とミストレスの命令が重なる。 蟲はたわめた体をびんっと反らし、気絶している一人と一羽へ飛びかかった。 「させるかよっ」 一瞬油断していたとは言えそこは殴り。直前で♂プリは体を割り込ませることに成功した。 幼虫は彼の胸に衝突する。 そして、その一抱えもない蟲に彼の方がよろめかされた。 「がっ!?」 石の塊を叩きつけられたような衝撃に♂プリのあばらが嫌な音を立てる。 ♂騎士はとっさに横から剣を突き出してその蟲を払い落とした。 この相手だけははっきりモンスターだと、敵だと分かる。戦える。 だが、その手には異様な感触だけが残った。 ファブルを切る柔らかいそれではなく、棒で砂袋を叩いたかのような重くて固い手応え。 「イッツァ、キャタピラー!」 ♂モンクが叫ぶ。 どさりと重い音を立てて落下した薄茶色の芋虫は、斬りつけられたダメージなど微塵も感じさせずに触角を振り回した。 ぼんぼり状の重りがついた先端が思いも掛けないほどの速さで♂騎士のすねを払う。 「っ!」 避けきれない。 重い一撃に足を取られたところへさらに触角が振り下ろされ、♂騎士は転がって逃げた。 そしてすぐには立ち上がらず足の様子を確かめる。 痛覚が無いというのは恐ろしい物だ。例え骨が折れても分からない。 ――大丈夫。動かすのには問題なさそうだ。 その間に胸を押さえた♂プリが彼を庇って前に出ながら毒づいた。 「くそっ、なんだこいつぁ」 キャタピラーはプロンテラ砦地下にのみ生息する珍しいモンスターである。♂プリが見たことないのも当然だった。 ただ、キャタピラーは本来それほど恐ろしい存在ではない。 動きは遅く、眷属も呼ばず、厄介な特殊能力も持たない。 砦の地下に住むモンスターの中では最もくみしやすい相手と言える。 しかし、スキルが制限され装備もないという条件がキャタピラーの頑丈な体と打撃力を脅威に変えていた。 「あぶねっ。速度増加っ。やってやるぜこん畜生っ」 ♂プリはフレイルのように振り回される触角をジャンプして避けながら速度増加を唱えた。 そしてマイトスタッフを構える。 「葬らん!」 キィッ 自分めがけて飛んできた重りを何かの球技のように打ち返す。 跳ね返ったそれは狙い過たずキャタピラーに命中したが、分厚い表皮に弾かれてダメージは判然としない。 「よっしゃばっちこーいっ」 うまくいったことに気をよくして次の「一球」も打ち返そうとする。 だがこのボールには柄がついていた。 打ち返される直前にキャタピラーは触手をひねって打点をずらす。 それでもマイトスタッフは柄に当たったが、しなやかな触手はそこから曲がり、角度を変えて♂プリの腕を打った。 「うあ痛っ」 「いけない・無理する・固いヤツ・俺っち・やるぜ・wait a moment」 ♂モンクは♂プリとキャタピラーを挟み撃ちにしようと回り込む♂騎士へ歌う。 彼の体を覆っていた気の鎧は霧散し、気脈が元に戻っていた。スキルが使える。 急いで気を練り直しながらキャタピラーの背後へ滑り込む。 腰を落とし、引きつけた両掌へ集めた気を溜め 「発け…」 「愚かじゃの」 バチバチバチバチバチッ 発勁を叩き込もうとした瞬間に♂モンクは紫電に弾き飛ばされた。 それを見た♀騎士が悲鳴を上げる。 「♂モンクさんっ!」 「おんしもじゃ」 ♂モンクの後を追うように♀騎士も地面に叩きつけられる。 ミストレスは自分を邪魔した者を許すつもりはなかった。 「我を無視するとは余裕じゃのう」 冷たく言い、とどめを刺すべく両手に紫電を集める。 ♂プリと♂騎士はキャタピラーが邪魔になってすぐには動けない。 しびれる体を無理矢理動かし、♂モンクが体を起こす。 次の瞬間、彼の体は大きく後方へ跳ね飛ばされた。 「…何のつもりかの?」 両手に紫電を蓄えたまま、ミストレスはゆっくり振り返った。 「…君の相手は俺だ。違うかい?」 そう言いつつ♂ハンターは♀騎士もチャージアローでミストレスの射程外へ逃がす。 仲間達がこうも一方的に傷ついたのは自分のせいだ。 ♂モンクも♀騎士もミストレスを無視したわけじゃない。 彼との約束があるからこそ「♀アーチャー」には手を出すことが出来なかっただけだ。 だから♂ハンターは言った。 「みんな、ありがとう。あとは俺にまかせて逃げてくれ」 ♂プリースト 現在地:E-6 所持品:修道女のヴェール(マヤパープルc挿し) でっかいゼロピ 多めの食料 マイトスタッフ 外見:逆毛(修道女のヴェール装備のため見えない) 怖い顔 備考:殴りプリ ♂ハンタ、♂モンク、♀騎士と一時的に同行 ♀ハンターを治療中 状態:心身の疲労はやや回復、打撲傷複数 ♂ハンター 現在地:E-6 所持品:アーバレスト、ナイフ、プリンセスナイフ、大量の矢 外見:マジデフォ金髪 備考:極度の不幸体質 D-A二極ハンタ ♂モンク、♀騎士、♂プリーストと一時的に同行 状態:背中に少し深い傷を負う。♀アーチャーを救いたい ♂モンク 位置:E-6 所持品:なし(黙示録・四つ葉のクローバー焼失) 外見:アフロ(アサデフォから落雷により変更) スキル:金剛不壊 阿修羅覇凰拳 発勁 備考:ラッパー 諸行無常思考 楽観的 刃物で殺傷 状態:腕に裂傷、JTにより麻痺中 ♀騎士 位置:E-6 所持品:S1シールド、錐 外見:csf 4j0i8092 赤みを帯びた黒色の瞳 備考:殺人に強い忌避感とPTSD。刀剣類が持てない 笑えるように 状態:JTにより麻痺中 ♀ハンター 現在地:E-6 所持品:スパナ、古い紫色の箱、設置用トーキーボックス、フォーチュンソード、オリデオコンの矢筒、+2バイタルシュールドボウ[3] スキル:ファルコンマスタリー、ブリッツビート、スチールクロウ、集中力向上、ダブルストレーピング 備考:対人恐怖症、鳥と会話が出来る、純鷹師、弓の扱いはそれなり、島にいる鳥達が味方 状態:♀スパノビを信頼、ふぁると遭遇で勇気りんりん、でも知らない人達ちょっと怖い ミストレスと遭遇、JTによる負傷で気絶中 ふぁる 現在地:E-6 所持品:リボンのヘアバンド スキル:ブリッツビート スチールクロウ 備考:なんだかんだいいながら♀ハンターが心配で堪らない、ツンデレ?GM側の拠点を発見するも重要視せず無視、♀ハンターと遭遇 状態:JTによる負傷で気絶中 ♂騎士 現在地:E-6 所持品:ツルギ、S1少女の日記、青箱1個 外 見:深い赤の瞳 状 態:痛覚を完全に失う、体力は半分ほど 正気を保ってはいるが、未だ不安定 個体認識異常(死亡した人間、人間でないものは判断可能。中身だけが魔物のミストレスは近くに寄ればわかる程度) ♂ケミを殺してしまった心の傷から、人間を殺すことを躊躇う それでも生きたいと思う自分をあきれながらも認める。 備 考:GMの暗示に抵抗しようとするも影響中、混乱して♂ケミを殺害 体と心の異常を自覚する ♂ケミのところに戻りできるなら弔いたい、誤解から♀Wiz達と小競り合いの末逃走 ♂ハンターたちに協力したい ミストレス 現在地:E-6 外見 :髪は紫、長め 姿形はほぼ♀アーチャー 所持品:ミストレスの冠、カウンターダガー、(キャタピラー) 備考 :本来の力を取り戻すため他人を積極的に殺しに行く。 ♂ハンターの誘惑と♀ハンターへの報復、両方実行中。卵は孵化。 戻る 目次 進む
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/574.html
寸胴がコトコトと音を立てている。その中で企業秘密が煮込まれ、スープの元が生み出されつつある。 ラーメン次狼・世話品店。麺愛好家も認める、評判の店だ。 店主は一見愛想のない、目付きの鋭い男だ。天然パーマをタオルで覆い、難しい顔をしてあるものを見つめている。 カウンター席の内側には、客席と同じくらいの高さの台がある。そこにはラーメンのトッピングに使う野菜やにんにくが並べられていて、一番端にはめーりんがニコニコしながら男と視線を合わせていた。 辛いゆっくり。闖入者でもなければ客でもない。店主はめーりんをまな板の上に横たえ、包丁であんよ近くに切れ目を入れると、手早くスプーンで中身をすくい取った。 匙を皿の上で振り、辛餡をほんの少し落とす。そこに何種類かの液体を垂らし、さらに寸胴の中の汁を入れてよく混ぜる。 皿の中のスープをすすると、険しい表情のまま店主は肯き、めーりんに語りかけた。 「上出来だ」 「じゃお!」 めーりんは痛がる素振りも見せず、本当に嬉しそうな表情をしていた。 ラーメン次狼のスープは醤油豚骨だと言われている。しかし世話品店では、さらにめーりんの中身を入れて辛味と風味を増している。これが辛党中心にウケた。 ならばと他店も真似しようとしたが、どこも上手くいっていない。生のめーりんをさばくのは手間がかかるし、冷凍ものなど味的に論外だ。そして何より、めーりんはゆっくりだ。その日の精神状態によって、辛味も風味も大きく変わってしまう。 模倣など出来るはずもないと、世話品の店主は自負していた。何故なら、他の店はめーりんを食材としか見ていない。しかしここでは、立派な店の一員なのだ。 天パーの男は、さらにスプーンでゆっくりの中身を取り出す。めーりんは完全に委ねていた。いつも半分近く持って行かれるはずだ。それでも、笑っている。 めーりんは門番種とも呼ばれる。何かを守ることで自分もゆっくりできると考えている献身的な生き物だ。 真意を詳しく問いただしたことなどない。しかしきっと、このめーりんには世話品の店を守っているという誇りがある。卑屈さのない微笑みが、それを物語っていた。 店主は礼など言わない。身を投げ出した甲斐のある味。それを作ることが行為に応えることだと思っている。 以前鬼威惨傾向のあるバイトが、めーりんを痛ぶっていたことがあった。それを目にした店主が鋭さ5割り増しでバイトを睨みつけると、それだけで不埒な者は逃げ去り、それっきり姿を見せなくなった。 料理人と調味ゆっくり。少なくともこの厨房においては対等だと天然パーマの男は考えている。その信頼関係が美味いスープになっていることを、知る者は少なかった。 「今日は、あのお客が来る。ちょっといつもより多めに取るぞ」 「じゃーお!」 こめかみ部分にも切れ目を入れる。この部位の中身は、トッピング用に使うのだ。 世話品店には3匹のめーりんがいる。中でも今日いるものが一番美味くて、痛がらない。何せ営業中に追加の中身を掘り出しても、お客とじゃおじゃおと談笑(?)しているのである。世話品の関羽ですね、と言われたこともあった。 量を確保すると、男は餃子の皮を軽く濡らし、めーりんの裂傷に貼り付けた。こうすると、数時間もしないうちに傷は塞がる。 「ほら、これでも飲んで休んでろ」 「じゃん、じゃおっ!」 どんぶりに並々と本みりんを注いで、めーりんの前に置く。辛饅頭は舐めたりすすったり、豪快に器をくわえて呑んだりと満喫しているようだった。 男の方はダンボールからキャベツを取り出し、細長く切り続ける。ようやくバイトも出勤し、厨房もにぎやかになり始めた。 「今日は、おごりだ」 そう言うと店主は、カウンター席の女にラーメンを置いた。 「え? いいんスか?」 幼い見た目とはそぐわない体育会系口調である。灰色の髪に特徴的なアホ毛が伸びていた。 「5月29日」 「は?」 「誕生日なんだろ、あんた」 「なんで知ってるんスか?」 「いつか来た時、酔っ払った勢いで、まくしたててたろ。嘆木の誕生日は5月29日ですーって」 そのラーメンの中央には、うず高く具が積まれていた。肉だのキャベツだのとトッピングは一通り揃っているが、表面はもやしがあしらわれていて黄色くなっており、具の塔はまるで屹立するありすのぺにぺにを思わせた。 「何でも、言ってみるもんスね・・・」 「ただ、そっちの分は払ってもらうからな」 店主が指差した先には、嘆きのペット・ゆっくりありすがテーブルの上に鎮座していた。表情こそ穏かであるが股間だけが大人しくなく、ぺにありすなどと呼ばれている難儀な飼いゆである。 「てんけいてきな、つんでれねえ」 そう言いつつ、主人より先に小さな器の中の麺をずるずるとすするぺにありす。 「前から思っていたんだが、なんでこいつは辛いのが平気なんだ」 「ひゅひんひひたのかひらへえ」 麺を食らいながら受け答えする行儀の悪い嘆木。 「じゃじゃじゃ」 厨房側から嘆木達がいる方へと、めーりんがカウンター越しによじ登ってくる。 「めーりん、今日もうまいッスよ!」 「めーりんのおたべなさいは、とかいはね!」 「じゃおん!」 「おい、あんまり動くなよ。餃子の皮が剥がれちまうぞ」 「えにかいたような、つんでれねえ」 店主は余っていためーりんの中身をすくうと、黙ってありすの股間の腫れへ乗せてやった。カスタード饅頭が面白いように跳ねる。 それはさておき、めーりんは包みをくわえていた。辛饅頭はそっと、それを嘆木の前に差し出す。 「じゃーお!」 「プレゼントだそうだ」 「へえ、何スかね」 包装紙を開けると、小瓶に入れられた赤いものが出てくる。 「これは?」 「辛そうで辛くない少し辛いめーりんの中身だ」 適当なネーミングを付ける店主。 「おお、これでご家庭にいながらにして、ここの味が楽しめるッスね! ありがとうッス、めーりん!」 「お、おねーさん。からさにつよいありすのぺにも、ここらがこかんのげんかいよ……」 「だ、そうなので、もう帰るッス」 いつのまにか完食していた嘆木は飼いゆを抱え、100円玉を3つ置いて席を離れる。 もう店主は誕生日の客を振り返らなかった。今は麺の湯切り以外、何も見えていない。 ラーメン次狼チェーンにおける世話品店の特色は、めーりんだけではない。 他の店では、客が店の都合に合わせる。茹でた麺を無駄にしないため、注文や食事のスピードにまで気を配るほどだ。 しかし世話品店では、店主が客に気を配る。極度の近眼のため目付きが悪いように思われるが、ラーメンを出すタイミングや個々の味付け、行き届いた清掃など、実は細やかな心遣いに溢れた人物なのである。 常連の誕生日など祝ってみるところを見ると、意外とお人よしなのかも知れない。 そんなぶっきらぼうだが心優しい店主と、献身に意義を見出すめーりんのコンビは絶妙だ。 ラーメン次狼・世話品店。そこにいけば、人間とゆっくりが織り成す深い味わいが楽しめることだろう。 (完) 感想等はふたば系ゆっくりSS感想用掲示板の二行スレにお願い致します。 掲示板あき(仮)さんありがとうございます。 http //jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1274852937/ また、過去作の保管と餡娘ちゃんに引かれそうなお話の掲載を兼ねて『二行庫(仮称)』の開設を検討しています。 この件に関しても、ご意見等頂ければ幸いです。
https://w.atwiki.jp/keikenchi2/pages/147.html
<通じない言葉>へ <拷問による尋問> 「もう1度だけ言おう。我々は君のポケモンとしての権利を尊重するつもりでいる」 椅子に座っている男が声を発する。 とても暗い部屋だ。小窓の1つもく、天井に吊るされた電球が照らすだけの暗い部屋。 電球に照らされた男の顔がやわらかい微笑みのかたちをつくる。 「さあ、なんの情報を流したのか正直に言うんだ。そうすれば、すぐにでも君を野生に返してあげよう」 軽く握り合わせた両手をテーブルの上に置き、テーブルの反対側にいる相手に優しく語りかける。 テーブルの反対側。そこにいるのは椅子に座っている――いや、座らされているタブンネだ。 手は後ろに回した状態で固定され、体を動かせないように、椅子の背もたれにロープで縛りつけられている。 最初はしびれていた足も、長時間の拘束によりすっかり感覚がなくなっている。 「ミッ……ミィィ……」 かろうじて動かせる顔を対面の男に向けて、必死に訴える。 自分は何もしていない。あそこにいたのは偶然で、敵の兵たちには暴行を受けていただけなのだと。 それは些かの誇張もない正当な主張。しかし―― バァン! 男が机をたたく。部屋全体が震えるかと思わせるほどの大きな音。 耳のいいタブンネにとって、その音はただ殴られるよりもつらいもの。目を閉じ、歯を食いしばる。 「さっきから言ってるだろう! 「ミィ」じゃわからん! 我々にもわかるように話せ!」 さきほどから何度も繰り返されるやり取り。 男は言っているのだ。鳴き声ではなく、人間の言葉を使って話せ、と。 もちろん、ただのポケモンであるタブンネにそんなことができるはずもない。 タブンネは涙を流しながら首を横に振る。 「ほう。首を横に振ったということは、教えるつもりはないってことか。なんとも見事な口の堅さだ。 スパイじゃなければ、看護兵として正規に使ってやってもいいぐらいだ」 タブンネはうつむく。 どうやったところで自分は解放されない。こうやって縛り付けられたまま生きていくしかないのだ。 タブンネは顔を上げると、部屋の中を見回して助けを求める。 部屋の中にいるのは男とタブンネだけではない。部屋の中には、男以外に数人の兵士がいる。 彼らは何かをするわけでもなく、ただじっと立ったまま、男とタブンネのやり取りを見つめている。 そして、その中の1人が前に出て発言する。 「あの……タブンネに尋問するということが無理な話なのではないでしょうか」 男はタブンネから、発言をした兵士のほうに目を向ける。 部屋の中が数瞬だけ沈黙し、男が口を開く。 「報告書は見たか? 戦場だというのに、このタブンネと敵の兵士が楽しそうに笑っていたらしいぞ。 タブンネが何か情報を流していたとしか考えられない。そうだろう?」 ちがう。 笑っていたのはあの男たちだけで、タブンネはひたすら叫び続けていただけだ。 まったく楽しくなんてなかったし、情報を流したりもしていない。 真実が正しく伝わっていないことにタブンネは悔し涙を流す。 そんなタブンネを無視して男は立ち上がると、前に出た兵士の肩にポンと手を置いて命令する。 「そうだな。どうも俺はタブンネの尋問には向かんようだ。お前が代わりに尋問しろ。 どんな方法を使ってもかまわん。1人でやってもダメなら、この部屋全員でやってもいいぞ。」 怪訝な顔をする兵士であったが、男の意図を察するとニタリと笑みを浮かべてうなずく。 兵士が部屋の中全体に呼びかけると、部屋にいた全員が集まりタブンネを囲む。 不穏な空気を感じたタブンネの表情が曇るのを確認すると、男は「殺さない程度にな」と言って部屋を出る。 男が扉を閉じる瞬間、兵士たちの怒鳴り声と、タブンネの「ギャァァァァァッ!」という叫びがかすかにもれたが、 完全に閉じた瞬間、不思議なことにその音はまったく聞こえなくなる。 「こんなことでもなきゃ、戦争なんぞやってられんよ」 男は晴れやかな顔で廊下を進む。 端から尋問する気などなかった。男がやったのはただのストレス解消だ。 戦争というものは想像以上にストレスがたまる。 だからこそ、何でもいいのでストレスを発散する方法を見つけなくてはならない。 今回、タブンネが何もしていないことなど理解している。 たまたま「タブンネと敵兵がいっしょにいて」「そこから笑い声が聞こえていた」という材料があったからこそ、 尋問する理由とするために事実を捻じ曲げて報告した。ただそれだけのことだ。 タブンネ狩りが当たり前に行われるイッシュにおいて、タブンネに暴力をふるうことに抵抗を持つ人は少ない。 あの防音性の高い部屋で行われている拷問、いや、尋問は相当に苛烈なものになっているだろう。 そんなことを考えながら男は廊下を進む。 尋問はまだ続いている。だから、部屋が使えないということを報告するために。 兵士たちのストレス解消を誰にも邪魔させないようにするために。 「ヒュー……ヒュー……」 人とポケモン。どちらが強いかと言われれば、誰もがポケモンだと答えるだろう。 ポケモンの力に人は及ばない。ポケモン相手に自分で直接戦わず、自分の持っているポケモンを戦わせる。 「ヒュー……ヒュー……」 だからこそ、人が直接ポケモンに攻撃を加えるとき、それは容赦のないものになることが多い。 そして、それは攻撃性が高いとは言えないタブンネ相手であっても例外ではない。 だがそれでも、この部屋でタブンネに対して行われた行為は、明らかに常軌を逸していた。 「ヒュー……ゴホッ、ゴホッ……ヒュー……ヒュー……」 木製のテーブルの上でうつぶせにされ、限界まで引っ張られた四肢を錆びた鉄釘が貫いている。 尻尾は引きちぎられ、背中には裂傷やみみず腫れが数えきれないほど大量に走る。 殴られ続けた顔面は目を開けられないほど腫れ上がり、舌にはいくつもの水ぶくれができている。 尋問という建前など完全に無視され、ただ一方的に暴力を振るわれたタブンネの姿。 男の言っていた「ポケモンとしての権利の尊重」など、そこにはひとかけらも存在していない。 「これ、そろそろ持ってっちゃっていいかな?」 白衣を着た老人が、部屋の中にいる兵士たちに尋ねる。 問いかけに対し、晴れ晴れとした笑顔を浮かべた兵士たちは「いいぜ」と言ってコクリとうなずく。 「じゃあ悪いけど、この台車に乗っけてもらえない? それ、けっこう重いからさ。 この歳になると、持ち上げるだけでもきついんだよ」 テーブルに固定されているタブンネの体を、兵士たちが力任せにテーブルから引きはがす。 鉄釘に貫かれていた四肢の一部が裂けていき、その激痛にタブンネが悲鳴を上げようとする。 しかし、その口からはかすれた叫び声が出るだけ。のどをつぶされて叫ぶことすらできないのだ。 「うるさいなぁ。……尻尾ってまだある?」 兵士の1人が部屋の隅に落ちていた尻尾を拾い、白衣の老人の方に持っていく。 老人は尻尾を受け取ると、必死に叫ぼうとしているタブンネの口の中にそれを突っ込む。 タブンネが静かになったことに満足そうにうなずくと、老人はタブンネを乗せた台車を押していく。 「さて、これの特性が『いやしのこころ』じゃないことを祈るばかりだ。 貴重な実験動物なんだから、簡単に死んでもらっちゃ困る。『さいせいりょく』だといいなぁ」 声を出すことすら封じられ、タブンネは台車の上で静かに涙を流す。 粗雑な扱いに加え、「これ」「それ」という言葉からはタブンネのことを物扱いしていることがわかる。 もはやポケモンとして扱ってもらうことすらできない。 そして「実験動物」という言葉。 これから何をされるかはわからない。 ただ―― 自分が仲間たちとの平穏な暮らしを送ることなど二度とできない。 それだけは、はっきりとわかった。 (<解剖実験>に続く)