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舞台「アサルトリリィ・御台場女学校-The Empathy Phenomenon-」 舞台「アサルトリリィ・御台場女学校編」の第2弾。 メインビジュアル あらすじ(*1) 外征中に船田純を庇って負傷した船田初は、その後も戦闘を続けたため、ガーデンに帰還した際には長期療養を余儀なくされてしまった。 初は療養のため訓練や戦闘を休み、校医である中原・メアリィ・倫夜の元へ通うようになる。 時同じくして、LGヘオロットセインツでは西郷紅が負のマギに侵食され戦闘中に暴走、自信を喪失してしまう。 紅がガーデンのカウンセラー、稲葉檀に相談すると、同じルナティックトランサー使いの船田姉妹は双子の姉妹であることから共感現象を引き起こし安定した戦いが出来ると話し、初の抜けたロネスネスに一時的に入ってみることを提案される。 この提案を受け入れたLGロネスネスとLGヘオロットセインツだが…。 公演情報 日程:2022年2月17日(木)〜2月28日(月) 会場:紀伊國屋サザンシアター 【公演スケジュール】 2月17日(木)19時開演★ 2月18日(金)19時開演★ 2月19日(土)14時開演★/19時開演★ 2月20日(日)14時開演★/19時開演★ 2月21日(月)19時開演 2月22日(火)19時開演 2月23日(水)14時開演/19時開演 2月24日(木)19時開演 2月25日(金)19時開演★ 2月26日(土)14時開演★/19時開演★ 2月27日(日)14時開演★/19時開演★ 2月28日(月)15時公演★ ※★マークの付いた全12公演は生配信あり CAST キャラクター キャスト SNS 使用CHARM 【LGロネスネス】 船田純 石井陽菜 Twitter フルンティング 船田初 西葉瑞希 Twitter ネイリング 司馬燈 野元空 Twitter ヴィンセツ・リーリエ 長沢雪 長谷川里桃 Twitter ヤールングレイプル 井草昴 吉宮瑠織 Twitter ヒルドル 藤田槿 春咲暖 Twitter グラーシーザ 川端蛍 広沢麻衣 Twitter ベアグノズサクス 今村紫 柴田茉莉 Twitter ケラウノス 梢・ウェスト 有沢澪風 Twitter フェイルノート 【LGヘオロットセインツ】 月岡椛 矢野妃菜喜 Twitter 布都御魂 川村楪 あわつまい Twitter フロッティ 菱田治 林田真尋 Twitter カラドボルグ 尾竹廉 北澤早紀(AKB48) Twitter トリグラフ 西郷紅 星希成奏 Twitter ウルフバート 河鍋薺 河内美里 Twitter ブリューナク 円山周 今村美歩 Twitter ダインスレイフ・カービン高機動型 速水桂 栞菜 Twitter クラウ・ソラス 鈴木因 白石まゆみ Twitter クルッジ 竹久央 山本栞 Twitter スコフニュングカルンウェナン 【LGコーストガード】 弘瀬湊 田上真里奈 Twitter ティルフィングR型グングニル・カービン 岸田英 白河みずな Twitter リサナウト 【教導官】 中原・メアリィ・倫夜 小野瀬みらい Twitter - 稲葉檀 石原美沙紀(おとな小学生) Twitter - スタッフ 原案:尾花沢軒栄(acus) 脚本:桜木さやか(ルドビコ★) 演出:佐野瑞樹 楽曲:谷ナオキ(HANO) アクション監督:加藤学 アクション指導:船木政秀 ダンス振り付け:藤堂光結(ToDo) 舞台監督:伊藤清一(a58b)/尾花宏行(C-WORKS) 演出部:佐藤あやの/藤村嘉忠 舞台装置:石倉研史郎(a58b) 照明プランナー:樋口かほる(六工房) 照明オペレーター:大塚栞(六工房) ピンオペレーター:西坂菜々子(六工房)/中村優陽 音響:長柄篤弘(ステージオフィス)/齋藤正樹(ステージオフィス) PAオペレーター:岡田悠(One-Space) WLケア:高島斎(ステージオフィス) サンプラー:早川迪(ステージオフィス) 衣装製作:車杏里/平野萌香 衣装進行:庭山美保/柴田あずさ/maigo ウィッグ製作・ヘアメイク:工藤聡美 ヘアメイク現場進行:黒田はるな/木戸望/muu 演出助手:小林賢祐/内藤恵 武器製作:藤好信暁(セレソンアート工房)/柘植綾子(セレソンアート工房)/湯田商店(湯田昌次/上島純也/園田玲欧奈) 映像製作:坂内友樹(ビッグバンバン) 映像技術:釣田勇弥 映像補佐:寺崎大生獅/汐風有華/Ume(ビッグバンバン) 配信:murasaki(AgGraph) 映像収録:渡邉和弘/安田慎/田中亮平 声の出演:田上真理奈 アンダーキャスト:一之瀬花音 トレーナー:木村剛人(ファミリー接骨院) スチール:小池博 宣伝美術:SE_TSU DESIGN 現場制作:池田千穂(High-position)/足立裕里 制作協力:MIMOZA 当日運営:大森晴香/小泉沙百合/田中翔太(企画演劇集団ボクラ団義)/飯島佳夏美(LUCKUP) アシスタントプロデューサー:高久健太 アソシエイトプロデューサー:中川秀平(アゾンインターナショナル) プロデューサー:林修司(ピウス)/早園正(アゾンインターナショナル) 企画・製作:ピウス 主催:ピウス/アゾンインターナショナル/acus 楽曲 オープニング主題歌 「隣リ舞咲ク」 作詞・作曲・編曲:谷ナオキ エンディング主題歌 「蝶よ花よじゃいられない」 作詞・作曲・編曲:谷ナオキ 関連商品 映像ソフト 御台場女学校編 「The Empathy Phenomenon」Blu-ray 購入はこちら サウンドトラック 「御台場女学校 Stage Song Selections」CD ※楽曲「隣リ舞咲ク」を収録。 購入はこちら
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imageプラグインエラー ご指定のファイルが見つかりません。ファイル名を確認して、再度指定してください。 (Rocco Cabaretti Caterer.png) 決して認めることはないだろうが、飯のためだけに舞台座一家に入団した人も中にはいる。 They wouldn't admit it, but some people join the Cabaretti just for the food. ニューカペナの街角 【M TG Wiki】 名前
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原文 元ネタ 備考 タイトル 漫画『BLEACH』に登場する強化能力 バブルス 漫画 『ドラゴンボール』の猿・バブルス br 漫画 『トリコ』の美食獣・トロルコング 純一「しとらんわ!なんて下品な女だ・・・!」 漫画『ドラゴンボール』のベジータのセリフ そう思っていると、突然その男は太平の見ている前でツナギのホックをはずしはじめたのだ 漫画『くそみそテクニック』の道下正樹のセリフ 阿部隆和「闘らないか」 漫画『くそみそテクニック』の阿部高和のセリフ 亜里沙様 「野望のからくり屋敷」の看板娘・御覧の亜里沙様 「ご覧の有様だよ!」のつもりが「御覧の亜里沙様だよ!」に誤植されたことで生まれた
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昔、二人の兄妹がいた。 そして彼らには、血は繋がってないが同じ家で、両親と一人の女の子が一緒にいた。 女の子は、家事で家と親をなくし、引き取られたのだった。 彼らは、いつでも一緒にいて、離れなかった。 だが、別れるときがきた。 ある日、二人の子供が飛び降りた。 一人は永遠に眠り、もう一人は自分を恥じ、去った。 残された少女は途方にくれた。 クラスメイトは何も語らない。 去った少年も何も言わなかった。 大切な物をみんな失い、逃げる道もなく、自殺を試みても死ねない。 そんな少女は、心を閉ざした。 二年の間、ずっと・・・。 だが、彼は帰ってきた。 片手に拳銃を持って。 一体何のために? 時間の歯車は、動き出すのだろうか・・・?
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+【黒き狼の群れ】リュコスロコス 【黒き狼の群れ】リュコスロコス バルバロスのアギトに拠点を設ける蛮族の軍勢です。 黒を基調とした鎧を身にまとい、戦闘時には電撃戦により敵対する人族を蹂躙することを得意としています。 軍勢の数は数千を超えるといわれ、副官であるドレイクたちも数十人います。 軍勢では実力主義が徹底されており、実力があればのし上がることもできるでしょう。 逆に実力がないものは、それだけで処刑される理由となるでしょう。 人間牧場を複数所有しているため、むやみに人に襲い掛かることはほとんどありませんが、 蛮王の剣が保管されているという情報を得れば、即座に軍勢が動くことでしょう。 軍勢の中では、ウルフィスの前で行われるドレイク同士の決闘で勝利した場合に相手の剣を奪うことができ その本数がそのまま力を現す証となります。 +【蛮王の再来】ウルフィス=グライス 「強者は向かってくるがよい。 弱者は死ぬがよい。」 【蛮王の再来】ウルフィス=グライス 性別:男性 種族:ドレイク 知名度:20 外見:黒い長髪のドレイクであり、角はすらりと上に伸びている 身長は170㎝程であり、刺すような鋭い眼光を持っている。 魔剣:リュコスエピセシィ 魔剣ランク:SS 外見:漆黒の剣でその刀身は狼の牙のように湾曲している。 蛮族の軍勢であるリュコスロコスの当主にして、カウントの称号を持つドレイクです。 ウルフィスは大破局の際に蛮王の側近であったと噂されており、今でも失われた蛮王の剣を求めています。 ウルフィス自身が戦場に赴くことはほとんどありませんが、一度剣をとれば人族の軍勢を1人で相手取ることがで きるといわれています。 彼の魔剣は彼と同等の能力を持つ漆黒の狼を複数召喚することであり、狼とは5感を共有可能です。 そのため、彼の軍勢に属する者や彼の魔剣を見たことがあるものは、通常の狼の遠吠えであっても恐怖を感じ るようになるでしょう。 +【蛇の舌を持つ者】メフィス=リビア 「ひひっ・・・君。何か隠していないかね?」 【蛇の舌を持つ者】メフィス=リビア 性別:男性 種族:ドレイク 知名度:12 外見:くしゃくしゃの黒髪のドレイク。角は巻角であり 常に不気味な笑みを浮かべている。 魔剣:プセマヴレポ 魔剣ランク:A 外見:タガーのような短剣であり、その刀身は透明になっている 蛮族の軍勢であるリュコスロコスに所属するドレイクです。 情報戦を得意とし、多くのインビジブルアサシンを配下として従えています。 出世欲が強く、彼の周りではライバルたちの不自然な事故が相次いでいます。 彼の魔剣は他者の心を見透かすといわれており、後ろめたいことがあるものほど 彼を避けるようになるでしょう。そして、それは彼からすれば格好の獲物に見えることでしょう・・・ +【炎を纏いし】グレア=ギルア 「オラァ!! 俺と戦え! 焼き尽くしてやる!」 【炎を纏いし】グレア=ギルア 性別:男性 種族:ドレイク 知名度:12 外見:赤髪短髪のドレイクであり、短い角がまっすぐに生えている。 魔剣:フラム 魔剣ランク:A 外見:ドラゴンスレイヤーのような大剣であり、刀身には炎が揺らめいているように見える。 蛮族の軍勢であるリュコスロコスに所属するドレイクです。フィールとは兄弟の関係を持っています。 熱血漢のドレイクであり、戦場では常に一番槍として突撃していくことでしょう。 そのため、彼の部下にはミノタウロスやトロール等の戦闘を得意とする者たちが集まっています。 戦いを何よりも得意とし、卑劣な手を良しとしません。 彼の魔剣は開放することで自身及び剣に炎を纏い、 敵を炎で焼き切るとともに、彼を攻撃するものを焼き尽くすことでしょう。 +【再生者】フィール=ギルア 「私の力が、少しでも誰かの役に立ちますように・・・」 【再生者】フィール=ギルア 性別:女性 種族:ドレイク 知名度:12 外見:白髪短髪のドレイクであり、短い角がまっすぐに生えている。 魔剣:メギストス 魔剣ランク:A 外見:純白のロングソード 蛮族の軍勢であるリュコスロコスに所属するドレイクです。 冷静沈着なドレイクであり、あまり戦場に立つことはありません。 部下を持たず、他のドレイクの下について援助を行うことが多いです。 戦いは苦手ですが、癒しを得意としリュコスロコスの中でも重宝されています。 彼女の魔剣は開放することで対象を癒します。 癒しの力は強く、欠損部位を即座に修復するほどとされています。 しかし、彼女はあまりその能力を使いたがりません。
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概要: 富士山を囲むように環状のプレートで構成された浮遊都市。 ウィザードや魔法知識を持つ人材の育成を目的とした教育機関であり、同時に実験・研究機関である。 かなりの割合を学生が占めるために学園都市としての機能が際立っている。 霊峰富士山の霊脈を利用して作られており、富士山自体に傷を付けないように浮力を持った材質を込めて作られている。 都市: ちょっとまだきめてない。 青木ヶ原樹海にはダンジョンがある。ほら、魔窟ですからね。 学園: サイレントヒル学園。うそ。ちょっとまだきめてない。 初等部~大学まで複数ある予定。 交通: ハリーポッターよろしく新幹線の間の空間から、列車が定期的に出ている。 もしくは富士山頂からウィザード用の通路があるのでそこからアクセスできる。 もしくは飛べ。ただし、事前に許可が下りていないと不法侵入とみなされ撃ち落とされる。 転移系魔法は妨害が掛かっているのでテレポートの使用しての移動は許可制。 結界が常時展開されており、外部からは光を屈折させた風景が映る。 そのため、外観に変化は出ない。 研究施設・工業等: 住人: ウィザードか、もしくは結界に適応力がある人物のみ。 ウィザードとしての能力が発現していないものも居るが、一般ウィザードの知識は得ることが出来る。 この都市に移住する方法はいくつかあるが、メジャーな方法として学園に入学する方法がある。 日本の各学校にさらりと混ぜ込んである、適合者以外には読めない認識阻害が掛かった入学案内を発見する。一般人はそもそも気にもとめない。とある新聞の能力を流用した技術。 紹介制度は結構多い。 輝明学園から専門技術を身に着けたいという理由で転校するケースも多々ある。 ランカー: ウィザードの実力・実績・能力・安定度に応じて判断されたランク付けがなされる。 A、B、C、D、E、F、Xの7つが存在する。 適応力がある非ウィザードはランカーになれない。 PCは"F"ランク、"X"は規格外なので実質最下層である。 ランクによりクラスが違う。とは言えども使用できる施設レベルで違うので他ランクの学生との交流は個人的なもの以外は少ない。 高ランクのウィザードには優先して最新鋭装備を回してもらう等の利点がある。 逆に低ランクのウィザードは設備や施設などに制限がかかる。 ちなみにウィザードの実力というものはレベルなどで表現されるような表面的なものではない上に、状況に置いてかなり変動するので、ランク付けというシステム自体に疑問視が持たれている。 ランク付けの方向性として戦闘系能力者が高ランクに行く方向性が強い。故に高ランク=優秀という図ではない。 以下ランクの基準。ハッキリいってイメージ。だが大体あってる。 Aランク:確実にエミュレイターの事件に対処し、解決できる実力のウィザード、ちょうつよい。 学園トップクラスの実力者で、極めて高い能力を誇る。 Bランク:高レベルな実力を誇るウィザード。つよい。 実力者と呼ばれる部類のウィザードがここ。 Cランク:安定した実力のウィザード。そこそこつよい。 ベテラン勢は大体ここ。瞬発力より安定力。地味なのか渋いのか。 Dランク:樹海ダンジョンの攻略が許される程度のウィザード。ふつう。 安定力か瞬発力のどっちかがあるウィザードが大体ここ。割と特化型が多い印象。 Eランク:実力に劣るウィザード。よわい。 戦闘能力偏向なウィザード社会に置いて情報系に特化した能力者は大体ここに属する。 下手な高ランク能力者なんぞよりも役に立つことが多い。 Fランク:非ウィザードではないレベル。PCはこのランクに該当。 新入生の大半がここから始まり、ハッキリ言って玉石混淆。 Xランク:代用が効かないユニークな能力。真っ当な強さとは別の次元の能力者。 同調者程度ならばユニークとはみなさず、カテゴライズされるような能力者に興味はない。 在籍していたのならば柊蓮司が該当。他のランクと同時につけられる。
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LIVE FOR YOU (舞台) 7 ・◆・◆・◆・ 「――これにより、北部学園地下出入り口から侵入してきた参加者達は地下洞窟内へと転落。 それぞれが1人ないし2人の組に分断されました」 司令室の定位置である椅子に深く腰掛け、神崎は神妙な顔で秘書からの報告を聞いていた。 目の前のモニターを見ればその報告内容も一目瞭然ではあるが、しかしあえて報告を遮るようなことはしない。 多少の無駄があろうとも、構成員のそれぞれに仕事をそれなりにさせることもまた組織活動を円滑に進めるのには必要なことだ。 「それで、彼らが再び合流する可能性についてはどうでしょうか?」 「はい。分断後の通路の連絡は悪く、こちらの妨害も入ることを考慮すればそれも難しいかと」 秘書の返答を聞き、神崎はふむと納得してみせた。 できることだからといって、組織の長が部下から仕事を片っ端から奪っていては組織は成り立たない。 一人ではどうにもならない場面はいつかやってくる。 その時までのウォームアップ。または新陳代謝として、構成員を休ませない。達成感を与え続けるというのは重要なことだ。 一番地の長として、また風華学園生徒会副会長という役職の中で神崎黎人が学んだノウハウである。 「順調ですね。では、このまま事を推移させるとしましょうか。 重視すべきは強大な戦闘力を有する魔術師や、本来のHiME達です。オーファンやアンドロイドはこちらへと集中させて下さい。 その他に関しては、事前に行った戦力評価に基づき適宜、戦闘員を当ててこれを牽制、撃破するようお願いします」 そして……と、言って神崎は視線を秘書からモニターへと移した。 「凪を見つけてください。おそらくはいずれかの参加者の近くにいるはずです。アレの発見を最優先にするようお願いします」 凪――神崎より離反し、本来の那岐へと戻った彼の反応はモニター上にはない。 そもそもとして反応自体が首輪から送られてくるものに限られるので、元から首輪をしていない彼と九条は映らないというわけだ。 本来首輪に持たせていた監視機能にしても九条の手によって封じられている。となれば実際に見つけるしか方法はない。 「最終的に、アレを落とすことがこちらの勝利条件です。 その意味では魔術師やHiMEなどを無理に落とす必要もない。 発見すればそちらから戦力を動かすこともありえますので、そのつもりで連携を取るようお願いします」 神崎は秘書にそう指示を出し、そして今度は脇で控えていた警備本部長とのやりとりへ移る。 「言霊で制御されている戦闘員の士気はいかがでしょうか?」 「悪くないわ。問題は事前に想定していた以上には出ていない。使えない人員が出ないのはありがたいし、メリットの方が上よ」 もっとも操られている彼らは気の毒だけどね。と、警備本部長はいやらしい笑みをこぼす。 「言霊に綻びは出ていませんか?」 「そういう報告はまだないわ」 「ふむ。では、言霊をかけた彼女の様子はどうでしょうか?」 「これも、これといった変化はなしね。ずっと控え室でおとなしくしたままよ。 なんなら移動させようかしら? 参加者と接触する可能性もなくはないことだし」 提案され、神崎は少し考える。 彼女――言霊を使うあやかしの少女すずは主催側にとって大きなウィークポイントとなりえる存在だ。 もしも、参加者らに出会い術を解かれるようなことがあれば、組織が組織の体を維持できなくなる可能性は高い。 「……いえ、結構です。 想定していた避難場所である最下層も水没してしまいましたことですし、下手に動かして感づかれるのもよくありません。 現状維持で、また大仰な警備も必要ありません。そのままそっと置いておいてください」 しかし、神崎はそう決定を下した。 警備本部長は一瞬怪訝な顔したが、確かに彼の言う通りでもあると納得し命令を受諾する。 「先の放送で大口を叩いてしまいましたからね、これで死者が出ないとなると向こうを調子付かせることになるでしょう。 最終的に勝てばそれでよしですが、結果を出すには過程も重要です。これより数時間、よろしくお願いしますよ」 それから細々とした打ち合わせをして、定期的に行われる報告会を以上の言葉でしめると神埼は秘書と警備本部長を見送った。 ふたりがいなくなったところで、ぬるくなった紅茶に手を伸ばし一息つく。 「順調すぎるというのも怖いものだな……」 口からは不安の言葉を、顔には余裕の笑みを浮かべて神埼は紅茶を飲み干す。 ・◆・◆・◆・ 「もう……っ、いきなり床に穴が開くなんてまるでコントだよ……」 基地の奥へ向かう桂を襲った突然の出来事。 ぱかっと音を立てるように開いた床に彼女はどうすることもできずに落ちていくだけだった。 暗い穴を、地獄の入り口のように蓋を空けた穴を、落ちていく。 そしてどこまでも落ちて行くような感覚の後、全身を襲う衝撃と冷たい水の感触。 まるでプールに頭から飛び込むのに失敗して全身から着水したかのような衝撃だった。 幸いにも水温はさほど冷たくもなく、深さはあるものの流れもそれほど急でなかったため、溺れることは避ける事が出来た。 「けほっ……けほっ……ううっ鼻に水が……ここはどこなんだろう……」 きょろきょろと辺りを見渡してみると、桂が落ちた場所は天井が学校の体育館よりもずっと高い洞窟の中だった。 脇には、先ほどまで流されていたこれもまた幅の広い川が穏やかに流れている。 そしてそれは洞窟のさらに奥に向かって流れていた。 「ううっ……寒いよぉ……」 洞窟特有のひんやりとした空気がずぶ濡れになった身体を芯から冷やし、くしゅんとくしゃみが出る。 「服――乾かさないと……って! みんなどこ!?」 ようやく自らの置かれた状態に気がつく桂。落ちた時にみんなと離れ離れになってしまっていたのである。 洞窟は最低限の照明がわずかに壁と床を照らしているだけで、見通しはあまりよくない。 静寂と闇が桂の不安を駆り立てる。 他のみんなは? 柚明の行方は? 「柚明お姉ちゃん……」 ぽつりと柚明の名を呼びかける。 けれども返事はなく、静かに流れる水面の音が僅かにするだけ。 呟いた言霊はさらに桂の心を不安の色に塗りつぶす。 「柚明お姉ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 だから叫ぶ、不安を振り払うように。 洞窟内に潜む『敵』の存在に自らの居場所を気づかれるかもと思っていても。叫ばずにはいられなかった。 ややあって―― 『桂ちゃぁぁぁぁん、どこにいるのーーーーーーー!!』 洞窟の壁に大きく反響する柚明の声に桂の顔がぱぁっと明るくなる。 桂はその方向に向かって駆け出した。 声の反響具合から考えてそこまで柚明とは離れてはいない。 桂の常人を超えた聴覚は柚明の居場所をしっかりと把握できていた。 そして数分ほど走った先に、桂と同じくずぶ濡れになった柚明と那岐がいた。 ・◆・◆・◆・ 「よかったあ……柚明お姉ちゃんが無事で」 「ええ……桂ちゃんこそ……」 無事の再会を喜びあう桂と柚明。 「桂ちゃん桂ちゃん、僕だって無事なんだけどねー」 「うんっ、那岐くんだって無事で何よりだよ」 肩をすくめる仕草で飄々と笑う那岐に屈託のない笑顔で答える桂。 「プールで特訓したおかげかな、わたしは全然溺れることもなかったよっ。柚明お姉ちゃんは?」 「えっ、えーと……あのう……」 柚明は顔を赤らめてちらりと那岐の顔を伺う。 那岐はにやにやとした笑みを浮かべ柚明と桂を交互に見比べていた。 那岐の話によると、 那岐自身は落ちた時に身を翻し地面にうまく着地したのだが、柚明のほうはそのまま水面に落ちたのこと。 そして溺れかけていた柚明を那岐が助けたということらしい。 「まあ、柚明ちゃんは大量の水を飲んで意識を失っていたわけじゃないから、お楽しみなイベントが出来なかったのが残念だったけどねっ」 「イベント……?」 「ほら人工呼吸という名のキ――」 「ちょっ……那岐君何言ってるの!」 「あははは……」 苦笑する桂。 しかし何はともあれ二人とも無事で良かったと胸を撫で下ろす。 「でも他の人は――」 桂の問いに柚明は無言で首を振る。 「ごめんなさい……ここにいたのは私達だけみたい……『蝶』を飛ばして探ってはいるけど……」 そう言った柚明の元に青白い光を仄かに放つ月光蝶がひとつふたつと戻ってくる。 蝶は柚明の周りをふわふわと飛び回りやがて淡い光を残して消えた。 「やっぱり駄目ね、この洞窟にいるのは私達だけみたい」 「そうなんだ……それにしてもここはどこなんだろう……」 川が流れる広大な洞窟の天井を見上げ呟く桂。 落ちた拍子で方角もわからなくなってしまっていた。 「おそらく……僕達が突入した風華学園のさらに北かな。目的地のほぼ反対方向に行ってしまったようだね」 「そんなぁ……この洞窟に出口はあるのかなあ……」 「それは大丈夫だと思うよ」 「? どうして」 「ほら、壁に照明器具がいくつも取り付けてあるからね。人の出入りがある証拠さ。それに――」 「それに――?」 オウム返しに質問する桂に那岐は少し間を置いて答える。 「この川の上流……つまり島の中心部に向かって『力』の流れが集中してるんだ。おそらくそこに何かがあると僕は踏んでるんだけどね」 「何があるんだろう……」 「そこまではわからないけど神崎君……一番地はそういった地脈を利用する術を心得てる。 少なくとも僕らにとってマイナスの効果がある『何か』がある可能性が高い。 ま、僕の手にかかれば霊的なトラップなんか簡単に解除して、おまけに僕らの益になるように術式を組み替えるなんて簡単さっ」 「へぇ~~那岐くんってすごいんだねー」 「伊達に長く生きてはいないってことだよ。日本で発達した修験道や陰陽道などの魔術の解析は僕にお任せあれ」 とりあえずの三人の目下の目的は川の上流存在する何かを調査することである。 出発しようとする三人だが―― 「くしゅん」 と、小さな声。 桂は那岐を見る。しかし那岐は「僕じゃないよ」と首を振る。 柚明のほうを向くと、柚明はばつの悪そうな顔で鼻を啜っていた。 「ご、ごめんなさい……ちょっと水に濡れすぎたせいで……」 桂も柚明も水に濡れたまま、髪も乾ききっていない。 「うーん、着替えたいけど……着替えなんか持ってきてないよね……」 「いやあ~僕としてはこのままでも――」 下心まるだしの視線で桂と柚明を見つめる那岐。 洞窟内は薄暗いためはっきりと見えなかったが、 桂の白いブラウスはぴったりとその柔肌に貼り付いている。 そして透ける白い肌と、控えめの胸を包む薄緑のブラジャーもすっかり透けて見えてしまっていた。 そしてさらに眼を凝らして胸を凝視すると、小ぶりな胸の頂上に鎮座する薄い紅色の―― 「(おおっこ、これは――っ!!)」 ぽかっ 「あ痛っ!」 那岐の頭頂部に桂の拳が振り下ろされた。 「もうっ、那岐くんったらどこ見てるの!」 「あは、あははははははーっ」 口笛を吹いて誤魔化す那岐だった。 「でも、このままだと風邪引いちゃうよね……ねぇ那岐くん?」 「ん? なにー?」 「那岐くんの力で火とか起こせないのー? こう……ぱぁーって」 「んー……出来るけど疲れるからパス」 「ええーっ!?」 「だって燃やす物が何もないからねー。自分の『力』だけで火を起し続けるのは結構疲れるのさ」 「そんなぁ……」 「と言っても可憐な美少女達が風邪を引くのを黙って見るのも男が廃るからねぇ……ここは一つ交換条件ってことで」 「条件……?」 那岐はにんまりとした笑みを浮かべて言った。 「後で桂ちゃんの血が欲しいなー」 「なんだあ、それなら――」 「駄目! 絶対駄目です! 桂ちゃんの血を飲むなんて……! それも直接肌にく、口を付けて飲むなんて!!」 「えー、僕だっていい加減桂ちゃんの血が欲しいなー。いっつも誰かさんが邪魔して飲めないんだから~」 口を尖らせてぶーぶーと柚明に抗議する那岐。 見かねた桂は…… 「あのね、わたしは柚明お姉ちゃんに風邪を引いてほしくないなぁ……」 「ううっ……」 「(GJ! 桂ちゃん)」 「それに……アルちゃんや柚明お姉ちゃんばかりがわたしの血を一人じめするのは那岐くんに悪いもん……」 「(いいよいいよー、ナイス援護射撃)」 「わ、わかったわ……桂ちゃん。その代わり那岐君は桂ちゃんの血をコップに入れて飲むこと!」 「えー僕もみんなみたいにインモラルな体験したい――」 ちくりと、那岐の背中に何かが当たっていた。 そろりと後ろに視線をやると、桂に見えない角度で柚明の召喚した『剣』が背中に突きつけられている。 「何か――言った――かしら?」 「イイエ、ナンデモゴザイマセン」 こうして那岐は柚明の要求を呑み、 桂達はひとまず那岐の起こした火で濡れた衣服を乾かし暖を取るのだった。 ・◆・◆・◆・ 「……う、う~ん……こんなダメダメな私は、穴掘って埋まっておきますっ……」 「……よい。お…………い……ら」 「うぅ……す、すごいでしゅ。雪歩さんが掘った穴、底がじぇんじぇん見えなひ……」 「……やよい。おい。おいったら」 「ふわぁ~おちる、おちちゃいます……うごごご、どりるが、どりるがぁ~」 「こらぁー! 起きろやよい! いつまで変な夢見てんだっ!」 「ふゅわぁぁっ!?」 素っ頓狂な声を上げて、高槻やよいは目を覚ました。 ぐらんぐらんと揺れる頭を、パペット人形を嵌めた右手と空いている左手でがっちりと固定する。 目を見開き、閉じ、まばたきを十数回。現実へと帰還する。 「ぷ、プッチャン!? あれ……ここ、どこですか? なんだか暗い……」 ついさっきまでは、照明設備の整った明るい通路を歩いていたはずだ。 それが今はどういうわけか、周囲の景色が薄暗く変わってしまっている。 やよいは記憶もおぼろげに、困惑に満ちた表情で右手のパートナー――プッチャンを見た。 「ったく、緊張感ってものが足りてねーぜ。落とし穴にはまったこと、もう忘れちまったのか?」 「落とし穴……そうだ。私たち、歩いてたら突然床がパカッ、って……」 思い出す。 これといった前兆はなく、極めて古典的に、やよいたちは落とし穴というトラップに引っかかった。 基地の通路から落とされた先、地下洞窟へと通じる縦穴の途中、無骨な金網の道が、やよいの現在地だった。 そして彼女の小さいな体を包み込むように保護しているのは、一つ目のスライムである。 「てけり・り」 結構な高さから落ちたのだろうやよいの身は、どうやらダンセイニの軟体によって落下の衝撃から守られたらしい。 ゼリーみたいにぷよぷよした感触を確かめつつ、やよいはダンセイニに礼を言う。 彼がクッションになってくれなかったら、今頃はどうなっていたかもわからない。 「私、気絶しちゃってたんでしょうか……?」 「突然のことで驚いちまっただけだろ。気を失ってたのはほんの二、三分だ。ダンセイニのおかげで怪我もないだろ?」 「身体は、大丈夫ですっ。でも、その……ごめんなさい」 「おいおい、今は謝ってる場合じゃないだろ? ポジティブにいこうぜ、ポジティブに」 みんなの足手まといにはなるまい、そう心に誓って、ホテルを出発したっていうのに――。 まずは一回、ダンセイニに助けられてしまった。 そんな自分を不甲斐なく思い、やよいは落ち込まずにはいられない。 「あの、それでここ、どこなんでしょう? 暗くて周りがよく見えないですけど」 「迂闊に動くなよ。これはたぶん、キャットウォークってやつだ」 「キャットウォーク? ネコが歩く……ですか?」 「おう、二重丸だぜやよい。工事現場なんかで見たことないか? 高いところを行き来するための細長い通路さ」 「あ、それって見たことあるかも。よく、あんなに細いところ歩いて落ちたりしないのかなーって心配になるんです」 「その心配になっちゃうような細いところに、俺たちは運よく引っかかったんだよ。懐中電灯あったろ? つけてみな」 ウォーターベッドと化したダンセイニの上で、やよいはがさごそと肩掛けのデイパックを漁る。 取り出した懐中電灯のスイッチを入れると、周囲の状況がよりよくわかった。 キャットウォークの横幅はほんの一、二メートルほどしかない。両脇に壁はなく、それどころか手すりすら見当たらなかった。 もし足を滑らせでもしたら、なにかに掴まることもできず下までまっさかさま。考えただけで背筋が震える。 少し離れた向こう側に、別のキャットウォークの影が見えた。作業用の小型ランプが、心許なく点灯している。 懐中電灯をキャットウォークの真下に照らしてみると、延々闇が広がっている。どうやら、まだ“下”があるようだ。 「……他のみなさんは大丈夫でしょうか?」 「トーニャや桂は心配ねーだろ。美希とファルはちょっと心配だがな。ま、そのへんはたぶん那岐が面倒見てるだろうし」 「てけり・り」 「俺たちにはダンセイニがいてくれて助かったな」 「はい……」 やよいはもう一度、ダンセイニにお礼を言った。 幸運なことに、やよいが落ちた場所はそれほど下層ではなかったようだ。 他のみんなはもっと下に落ちたのか、それとも上のほうにいるのか。そのあたりの判断がつかない。 「なんにしてもよ。俺たちは敵さんの罠にまんまと引っかかっちまったってわけだ。なら……どうするべきかわかるな?」 「えっと、落とし穴にはまってみんながバラバラになっちゃったわけですから……まずはみんなと合流、ですね」 「よしよし、今度は花丸だ。敵さんがこっちに向かってくる危険性もあるし、とりあえずはさっさとここを離れるぞ」 「はいっ!」 「てけり・り」 こんなとき、右手にプッチャンが――頼れる仲間がいてくれてよかった、と心から思う。 他のみんなとは離れ離れになってしまったけれど、この右手の絆はそう簡単に断ち切られるものではないから。 プッチャンがいる限りは、高槻やよいはひとりぼっちじゃない――そんな安心感をエネルギーにして、 (みんな……きっと、きっとだいじょうぶ……だよね?) 押し寄せてくる不安という波に、懸命に逆らってみせる――つよがり。 ・◆・◆・◆・ カンカンカン――と、小気味よい音を立てて暗闇の中を一匹の銀狐が駆けている。 「と、当てが外れましたか?」 銀狐――トーニャは狭い金網の足場の上で一端足を止めると、周囲を見渡してぽつりと零した。 レーダーに映った高槻やよいの反応。 とりあえずは一番近くにいた彼女と合流しようと、大体の見当をつけて地底から登ってきたわけだが、 しかし見渡す暗闇の中に彼女や、おそらくは彼女と同行しているであろうプッチャンやダンセイニの姿は見えない。 「そういうわけでもありませんか」 トーニャはその場でしゃがみこみ、懐中電灯の光の中でてかる何かへと指先を伸ばす。 ぬちゃりと、そんな感触を返してきたそれはまぎれもなくあの軟体生物、ダンセイニの零した粘液に違いなかった。 となれば、ここらへんにいるだろうと考えたトーニャの推論は当たっていたことになる。 「移動を開始してしまいましたか。 アクティブなのはいいのですが、正直な話。要救助者はその場を動かないのが基本なんでけどね……」 懐から再び首輪探知レーダーを取り出し、トーニャはやよいの現在位置を確かめる。 ピ、ピ、ピ……と断続的に繰り返す音の間隔が長くなっていくとおりに、彼女の位置はここより離れつつあった。 「敵前逃亡をしなかったことだけは褒めてあげましょうか。では――」 追いつきますよ。と、一番地中枢に向かって進むやよいを追って、トーニャもまた再び駆け出した。 ・◆・◆・◆・ 「……クリス、離れるなよ?」 「大丈夫、わかってるよ。なつき」 碧に後を任せて、私達は細長い通路を先へと進んでいた。 残していった彼女が若干心配ではあるものの、彼女ならきっと大丈夫だろう。 私はただ、クリスの手だけをしっかり握って前へと歩き続けている。 (クリスは死なせない……絶対に) そんな確固たる意志を私は持ちながら。 絶対、絶対に死なせない。 それだけは絶対にあってはならないから。 「……なつき?」 「……ん、ああ。大丈夫だ。心配ない」 そんな心の振るえが伝わったのだろうか? クリスが心配そうに話しかけてくれる。 私は笑顔で頷いて本当の事を隠す。 彼に隠し事なんてしたくないけど、これもクリスの為なのだから。 私はクリスがやるべき事、夢を応援したい。 見守って傍に居続けたい。 だから、今は彼を護る。 それが私に出来る事なのだから。 (勿論……少し寂しいけどな) だけど、今のクリスが目指してるのは来ヶ谷唯湖を止める事。 その、まあ……やっぱり悔しい面はあるし寂しいのもある。 私だって……まぁそんな事は今はどうでもいい。 第一こんなことを言える訳も無い。 きっと彼は曖昧に笑って返すだけだ。 だからそっと心の底に隠すだけ。 ちょっと哀しいけど……それがクリスの為なんだから。 私はそれを喜んでできる。 そんな矛盾抱えながらも歩き続けていた。 手から不思議な、離したくない温かさを感じながら――。 「っと分かれ道だな……どちらに行く?」 「んーと」 二つに分かれた道を見ながら、クリスへと選択を促す。 どちらの方も先の風景に大差はない。 ただ、これまでと同じく通路が延びているだけだった。 クリスは両方の通路を繰り返し覗き込みながら、どちらを行こうか考えている。 私はその姿を見ながら、彼を守護するためにあたりを警戒し、 「――っ!? 危ない!」 すぐにクリスの背を低くさせた。 通路の一方からから飛んできた銃弾が耳元を掠める。 その先から走ってくるのはまごうことなきアンドロイド。襲撃者だった。 「クリス離れていろ!」 「う、うん」 クリスをもう片方の分かれ道に身を引かせ、私は両手の中にエレメントを発現させる。 そして、そのまま 「こいっ! デュラン!」 強く響く嘶き。 私のチャイルド、デュランが顕現させた。 そしてそのままデュランに対して命令を下そうとする。敵を、噛み砕けと。 「デュラン……、――なっ!?」 その時、背後で轟音が響き始めた。 私とクリスの間に隔壁が下りてきたのだ。 「デュラン、敵の相手を頼む!」 デュランに命令を下し、私は慌ててクリスの下へ急ごうとする。 だけど無情にも鉄の壁は早く降りてきて、とても間に合いそうも無かった。 「くっ……くそ……クリス」 壁から見えるクリスの姿が段々見えなくなっていく。 それが今生の別れになるようなそんな気がして、ひどく嫌な気持ちが胸を掻き毟った。 ……クリス。 「クリス、また逢える……よな?」 「うん! だから大丈夫!」 クリスの返事。 ……クリスから初めて聞けた応え。 それがただ嬉しくて…… だから私は 「クリス、進めっー! 振り返らず進めっー!」 笑ってクリスを送り出していた。 彼が叶えなければいけない夢の為に静かに笑いながら。 それでも、胸を締め付けめてくる哀しみに耐えながら。 クリスに振り返らず歩いて欲しいと願って。 涙を堪えて、見送った。 そして完全に通路を閉ざす隔壁。大きな音が響いて通路は断絶された。 私は、何を考えるでもなく静かに振り返る。 そこに居るのは相変わらず能面の様に無表情なアンドロイド。 私は感情を抑えずにただ叫ぶ。 「ふん……今の私は本当に――――――機嫌が悪いっ! 覚悟は出来ているんだろうな?」 ただの八つ当たりを。 クリスの傍に居れなくなった悔しさを。 クリスを護る事が出来なくなった悔しさを。 クリスを別の女の為に走らせることしてしまった悔しさを。 「容赦は……しないっ!」 目の前の敵にぶつけていた。 ・◆・◆・◆・ 乾いた破裂音が鳴り、次に金属同士がぶつかり合う甲高い音。そしてゆっくりと硝煙が漂う。その繰り返し。 本来ならば昼食の準備を開始し食欲をそそる匂いを漂わせているはずのそこに、今は真逆の匂いが立ち込めている。 地下基地内のどこか。大食堂の奥の厨房の中の更に奥。頑丈な調理台の裏に小柄な少女の影が2つあった。 入り口から姿を現す戦闘員を見ては抱えたアサルトライフを正確に撃ち込むのは山辺美希。 そしてその脇でけたたましい銃声に耳を塞ぎ、すまし顔で座っているのはファルシータ・フォーセット。 美希が引鉄を引き銃口が火を噴くと、タタタと小気味いいリズムに合わせて戦闘員が踊り血を吹き上げる。 舞踏は一瞬で、1フレーズを終えると戦闘員はもんどりをうって床の上へと崩れ落ちた。 見れば踊りを終えた者達が3人4人と床の上に転がっており、冷たいタイルの上には真っ赤な川が流れている。 「すいません。ファルさん!」 「……? なにかしら?」 入り口へと銃を構えたままの美希に大声で話しかけられ、ファルは耳を覆っていた手を下ろした。 「あの、ファルさんの後ろに冷蔵庫があるじゃないですか?」 「……ええ、確かにあるけれども。これがどうかしたの?」 「空けてもらえます?」 「お安い御用よ。それでどうするのかしら?」 飲み物が入ってません? と、問われてファルの頭がかくっと落ちた。 この修羅場においてはずいぶんな余裕だと自身を棚において感心し、ファルは冷蔵庫の中から適当な飲み物を取る。 ストローを挿して銃を構えたままの美希に飲ませてあげ、そしてぱくと口にして自身の喉も潤した。 嚥下する飲み物の冷たさを感じながらファルは考える。どうしてこんなことになってしまったのかと――。 「今頃、他のみんなはどうしてるんでしょうかねー? ヒロイン美希としてはヒーロー募集中なんですけれども」 「さぁ? じゃあ、戻って穴に飛び込んでみる? 案外、すぐに誰かと合流できるかもしれないわよ」 「それがいやだって言ったのはファルさんじゃないですか」 実はこの2人。幸運なことにもあの落とし穴には落ちなかったのである。 とはいえ、真実に幸運かというとそれは微妙なところであった。他の全員が穴の中となるとはぐれたことには変わりないのだから。 ぽっかりと空いた穴のふちでどうするかと悩んで数分。結局は戦闘員に追われるようにその場を離れ、現在に至る。 しつこく追い掛け回してくる戦闘員らと鬼ごっこをして基地の中を右往左往。今はどこらへんにいるのか、それもわからない。 「シュートヒム!」 再び厨房内に銃声が鳴り響き、新鮮なお肉が床の上へと転がる。 不幸中の幸いか、言霊によって盲目的に追ってくる戦闘員らは美希にとっては組みやすい相手らしかった。 なにせ保身を考えずに突っ込んでくるばかりである。 躊躇なく撃てば弾を命中させることは容易で、射手である美希にその躊躇は一切ない。 「私達とあなた達。どっちが恵まれていなかったのかしらね?」 ファルは床に転がる物言わぬ躯へと呟きかける。 一番近くに転がっているのは線の細い女性で、その奥には肥満体の中年男性。今倒れたのはそれよりも年かさの男だった。 どれも決して戦闘が本職とは思えない者たちばかりだ。総力戦とあって言霊で無理に戦わされているのであろう。 儀式の間は殺し合いを横目に平凡な職務を果たしていればよかっただけの者が今は死闘を強制されている。 最初からそうだったファル達と、今この時にそうなってしまった彼ら。本当に不幸なのはどちらなのか? 「――アン、――ドゥ、――トロワ!」 そんな彼らを容赦なく撃ち殺す美希を見てファルはたいしたものだと思う。 自分にはとうていできないことだと。そして実際にファルは未だ一発の弾丸も発射してはいなかった。 「りろーどぷりーず!」 「どうぞ」 ファルは抱えていた自身のアサルトライフルを渡し、弾切れをおこした美希のものを代わりに受け取った。 熱のこもった銃身で火傷をしないよう気をつけ、弾倉を新しいものへと交換し、空になったものへ弾丸をこめなおす。 慣れない手つきでそうしている間に、また一人の戦闘員が音を立てて床に崩れ落ちた。 的に向かってそうするように人を撃つ美希に、やはりこんな真似はできないなとファルは溜息をつく。 「……なんだか悪いわね」 「なれてますから」 彼女と自分とが似たもの同士なのは間違いない。 この数日でそれはより実感することとなった。だが逆に、似ているからこそ違う人間だともやはり感じてはいる。 身の内に感じるどうしようもない渇き。それを潤すなにかを求め、辛い道程を顔を伏せて進んでいる。それは変わらない。 社会という人間同士が向き合うステージに立つための仮面。それを用意して使い分けているのも同じく変わらない。 そもそも違う人間だから、育ってきた環境が違うから、当たり前のことだが、その当たり前が今はとても興味深かった。 「そろそろ移動した方がいいかもしれません」 「そうね。ここもじきに定員オーバーだものね」 さてと、ファルは後ろを振り返り壁際に空いた四角い穴へと目を移す。 いわゆるダストシュートというものであり、いささか以上にそこを通るのは遠慮したかったが、それも命と比べるものでもない。 最後に一口、飲み物をストローから吸い上げる――と、そこで聞きなれないピンが抜けるような音が聞こえた。 半分だけ開いたドアの隙間から何かが投げ込まれる。 なんだろう? そう思った時にはもうファルはまだ半分中身の残ったドリンクの缶をそれに向けて投げつけていた。 投げ込まれたのも缶。そう気付いたのは缶同士が空中で衝突する瞬間だった。 視界が、白に、染まり、音が、世界を掻き消した――……。 ・◆・◆・◆・ 「ナイスプレーでしたよ、6番ライトのファルさん」 「まだ頭が痛いわ。それに喉と目が沁みるわね……ベッドの上で横になりたい気分よ」 とうとう埒があかないと悟った戦闘員が投げ込んできたスタングレネード。 それをいかなる奇跡か、同じ缶をぶつけて跳ね返したファルは美希に手を引かれて無人の通路を駆けていた。 直撃は避けたにせよ近くで爆発したことには変わらず、目はチカチカしたままだし、耳鳴りもすれば、目も喉は沁みる。 「どうしてあなたはそんなに平気なのよ」 「咄嗟に台の下に飛び込みましたから。てへっ☆」 まったく頼りになるわね。と、ファルは笑った。恨み言はなしだ。彼女は手を引いてくれている。それでチャラ。 「さてと、どこに行けばいいんでしょうか?」 「とりあえず顔を洗ってうがいをしたいのだけど?」 軽い足音を揃え、軽口を叩きあい、美希とファルのふたりは無人の通路をひた走る。 右へ左へと角を曲がり、そしてどの先にも敵の姿はなかった。これも先導する彼女の危機察知能力によるものか? だがしかし、勝ちの目だけを出し続けるサイコロは存在しない。 彼女達にはそれだけで事態を乗り切る実力が備わってはいない。 厨房を脱出してからちょうど7つ目の角。 右か? 左か? 迷って、選んだ先には彼女達の命を奪う20の銃口が向きを揃えて待ち構えていた。 そして、 雷のような和音が細長い通路の中を通り抜けた。 ・◆・◆・◆・ 「……ふぅ。これでひと段落ですか?」 地下深く広がる基地の片隅。 縦に縦にと長い階段の途中、踊り場の上でトーニャは壁に背を預けるとふぅと息を吐き、呼吸を整えなおした。 その足元には死屍累々……とまではいかないが、階段を見下ろせば数人の戦闘員が血を流しその屍を曝している。 装備は全員共通しておそろいのマシンガン。 トーニャがやよいを追って階段を上り、真ん中あたりまで達したところで上下から挟み撃ちを受けた。 おそらくは待ち伏せだったのであろう。首輪の反応により正確な位置を知ることのできる主催側なら当然の戦略だ。 だがしかし、10人足らずほどの名も無き兵士などトーニャの敵ではない。それらを一蹴するのにさして時間はかからなかった。 「あまり、いい気分とは言えませんね」 彼女が今、息を切らして、そして勝利の喜びとは逆の表情を浮かべている原因はその目の前にあった。 踊り場の角。血にしか見えない赤色の液体で床を濡らして横たわっている仲間とよく似た姿のアンドロイドである。 「コンビネーションは評価しましょう。しかし底が割れましたね」 ただの人間である戦闘員を囮にしてのアンドロイドによる奇襲。 なるほど、これは効果的だとトーニャは戦闘の最中にそう思った。実際、反応が遅れていれば負傷していた可能性は高い。 結果としてはどうにか無傷。体力と時間の損耗だけでことなきを得たが、それはあちら側の非には当たらないだろう。 しかし、戦闘員10人ほどにアンドロイド1体。 それだけしかトーニャに当てられなかったことが主催の物量の限界だとも知ることができる。 「まぁ、活躍らしいそれもありませんでしたから私が舐められているという可能性もありますが」 とりあえずは追撃がないことに安堵して、トーニャはレーダーを懐から取り出す。 もう少しでやよいへと追いつけるはずではあったが、時間をとられたせいか彼女の反応はもう探知し得る範囲にはなかった。 「こんなことなら、レーダーの改造を依頼しておけばよかったですね。 科学者アレルギーのせいでしょうか、すっかり失念していました。やれやれですが――と」 その代わりにか、美希とファルの反応が探知圏内へと入り込んできていた。 こちらはやよいと違って、今頃トーニャがいる辺りへと追いついてきたらしい。そして、その反応はとても近い位置にあった。 しかし、美希とファルの姿をトーニャは見つけることができなかった。 「これは……」 通路に充満する血の匂いにトーニャは顔をゆがめる。 追って辿ってきた通路上でもそうであったが、どうやらあの2人は中々順調にスコアを稼いでいたらしい。 20人か30人かだろうか、少なくとも倒した敵兵の数で言えばトーニャを上回っていたのは確実だ。 そして、更に20人ほどがトーニャの辿りついた通路の中で倒れ伏せていた。ちょうど美希とファルの反応があった辺りである。 しかしながら、やはりそこに美希とファルの姿は見当たらない。 「……別の階に移動したんでしょうか?」 手の中にあるレーダーの上ではトーニャと2人の反応はほぼ重なっている。少なくとも視界に入らない距離ではない。 だがしかし、縦の位置関係についてはほとんどわからないのがこのレーダーの欠点だ。 「そこにちょうどエレベータが見えますし……さて、今度こそ追いつくとよいのですけど」 嘆息し、トーニャはまた駆け出そうとする――も、一瞬、何かに気付き、また通路を振り返った。 どこか、どこかに違和感がある。目の前の光景。床に伏せた警備兵達。何かおかしい。何か不自然……。 「違います……ね。これは彼女達の”仕業”じゃない……」 先の通路で倒れていた兵士達は皆、その身体のどこかに銃弾を撃ち込まれた痕があった。 だがしかし、ここに倒れているものはそうでない。ある者は胸を陥没させられ、ある者は首をへし折られていた。 はたして、これは一体何を意味するのか――……。 ・◆・◆・◆・ 灰一色だった床は赤のまだらで、静寂は密やかを表すものから別のものへと変じ、満ちる空気は死のそれになっていた。 那岐を先頭とした一行が地下に降りて最初の洗礼を受けたあのコンテナが立ち並ぶ場所に、ひとりの女性が立っている。 正確に言えば、彼女しか立っている者はいなかった。 侵入者を迎え撃つべく待ち構えていた者らはことごとく深い血溜まりの中に沈んでいる。 「これで、ここは終わりかしら?」 ひとりごち、辺りを窺うのはひとりの科学者であり、母であり、そして戦士である九条むつみである。 追撃を食い止めるべくしんがりを務めていた彼女は傷ひとつ負うことなく、また髪の一本を乱すことなくそこに立っており、 そしてその両手には娘と同じ対の拳銃が握られていた。 エレメント――高次物質化能力を持つHiMEだけが有する独自の武装。 それをなぜ彼女が手にしているのか? その答えは至極簡単なものである。彼女もまたHiMEであるからだ。 星詠みの舞による12人のHiME同士による決闘。 これは300年ごとにしか発生しないが、しかし実はHiME能力者そのものはそれ以外の時にでも現れる。 また補足すれば、現れるHiMEにしても常に12人というわけでもない。12人というのはあくまで儀式に必要な人数のことだ。 そしてHiMEの能力は血によって、シアーズに言わせればDNAによって受け継がれてゆく。 九条むつみ。本名を玖我紗江子という彼女もHiMEの血統に連なる者で、娘と同じくHiME能力の発現者であった。 正しく言うならば、娘のなつきこそが彼女と同じ能力を受け継いでいたということだ。 そしてその実力は娘である玖我なつきを遥かに凌駕する。 「――!」 足元に射した影に気付くと九条はその場を飛び退り、頭上から襲い掛かってきたアンドロイドの一撃をなんなく避けてみせた。 次の瞬間。九条がいた場所にガッと火花を散らして大鎌が突き刺さる。そして、――戦いはそこまでだった。 避け際に放たれた弾丸により中枢神経を破壊されたアンドロイドは降りてきたままの姿勢で機能を停止している。 まるで最初からそこにそういうオブジェがあったかのように。そして反響した銃声が鳴り響いたのはそれから少ししてからだった。 このように、星詠みの舞に参加していない故にチャイルドこそ有さないが、その実力は現代のHiMEと比べてもなんら遜色はない。 もしも儀式が一世代前に行われていたら勝者は彼女だったのではないかと、そう想像できるほどの実力があった。 今度こそ敵は全て排除したと確認し、九条は血溜まりの中で伏せている戦闘員らを避けて広い空間を横切ってゆく。 倒れている中には彼女の知っている顔もいた。顔見知り程度の者もいれば、趣向品を融通し合ったような仲の人物もいる。 だがしかし、これが非合法、非人道の組織に与する者の避け得ない末路なのだ。 その道に入るということは、その理の中に自分を置くということなのである。 彼らは引鉄を躊躇いなく引いたし、九条もそうした。ただそれだけ。 どちらにも覚悟があった。だから感傷はない。ただ、少しだけ心が乾くという、それだけの話。 亡霊である玲二。そして、同じくレーダーには映らない九条。 通路を駆ける彼女にもまた、ひとつのミッションが与えられていた。それは行方の知れない言峰綺礼の捜索と鍵の奪取である。 因縁の清算とも言えるだろう。玲二が神埼の命を狙うように、戦士――九条は言峰の命を狙い灰色の通路を往く。 LIVE FOR YOU (舞台) 6 <前 後> LIVE FOR YOU (舞台) 8
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マビノギオン MAP5つの領域 【マビノギオン魔法学園】 校舎・設備 【教育】実技演習学 寮議会 【生活】住居・通学 寮生活 部活動・同好会 トゥーン・ドッジ(TD) マビノギオン MAP マビノギオンは主に中央の学園を擁立する森林地区と、 周辺の居住区域によって構成されている。 異界であるためその領域は外から見た以上に広大で、 埼玉県の面積の半分程度の空間が存在する。 5つの領域 ■魔城領域 マビノギ学園周辺を示す領域。異界の中央に位置する。巨大な西洋城の姿をした校舎と広大な敷地により、生活域程でないにしろ大きな土地を持つ。校舎周辺は城壁に覆われており侵入者対策になっている。勿論ながら校内施設に宿泊する生徒以外は夜間の出入りが禁じられている。 ■北森領域プイス マビノギ北方を覆う広い森林地域。ブランウェンとの境には山岳も聳える。常に自然が生い茂り、居住域に近い所では四季折々を楽しむ事も出来る。一方で少しでも森の奥まで行けば異界が多発し魔獣も多く生息する。これは、眠れる大樹スリーピーウッドが鎮座するのもこの領域の深奥であるため。 ■東湖領域ブランウェン 弓なりに広い土地を持つ領域。山間の近くはプイス程ではないが異界騒ぎも多い。最大の特徴は東端に広がる、海とも見紛うほど巨大なスィール湖。この湖の影響でレジャー業を営む者が魔法使い・一般人問わず集中している。特に行楽街エヴニシエンはマビノギ学園の生徒達に人気の名所。 ■西砦領域マナウィダン 三王国のほか、ランデルも腰を下ろす対異種世界の砦となる領域。マビノギオンの統制機構もここに本部を敷いており、有事の際に働く前線基地相応の役割を果たす。領域内には魔法使いが多く集められており、逆に一般市民はほとんど居住していない。なお本来の異世界人や異界外の要人との交渉を果たす外交も担っており、役場なんかもここにある。 ■南街領域マース 南部に位置する、居住域の中では最大の広さを持つ土地。学園に近いため城下街とも呼ばれる。人も多いためさらに3つに区分けされて呼称されており、住宅街である城下区、煉瓦作りの町並みと商店の多さが特徴的な駅前区、繁華街として賑わう中央区がある。マビノギオンのインフラもこの領域に収束しているようである。 詳細はこちら → 魔城卓施設一覧 【マビノギオン魔法学園】 異界マビノギオン内に存在する魔法学園。生徒や一般人からの通称は「マビノギ学園」。 異界・マビノギオン内に建設されており、四国ほどでないにしろ膨大な規模を持つ。 元は「四森魔法学園」という中規模程度の歴史と規模を持つ魔法学園であったが、マビノギオンの発生時に土地ごと異界に飲み込まれる。 その後マビノギオンの開拓と研究に伴い、エイセル・カルム・バリエルの三王国により 平行世界人の受け入れ及び保護、異界管理、異種世界からの防衛を目的として「マビノギオン魔法学園」として再形成。 四森の文化を引き継ぎつつ、異文化の混じり合う新時代の巨なる魔法教育の場として始動するに及んだ。 校舎・設備 「魔城」とも称される西洋城であり、マビノギオンの中央部に聳え立つ。 周囲を強固な城塞で囲まれており、重ねられた魔法結界により要塞としても十分に機能する。 大まかには教室や職員室などが位置する北棟、実技科目が行われる南棟、 大広間や図書室などの生活空間が設置された東棟に分かれる。 殆どの学内設備が「魔城」内部に集中しているが、 部活動用の競技場や寮塔においてはそれぞれ各居住区に点在している。 【教育】 基本的な教育と魔法教育を中心に敷いている点では他の魔法学園とは大きな差はない。 ただし一点として実技に比重を置いているという特徴が存在する。 これはマビノギ学園自体がひとつの魔法戦力としても位置づけられるが故である。 なお入学資格としては魔法使いであることが求めれるが、 学園の扱いとしては中学以降の一貫校という位置づけとなる。 そのため小学校卒業後の入学・編入となる。 実技演習学 マビノギ学園生の一部の生徒が履修する科目。通称「演習」 実際に生徒同士の数名でチームを組み、発令される依頼の対処に出発する。 文字通り魔法使いとして実習を講ずる授業である。 演習もまた合同授業の一環であるため、基本的に複数の寮に跨った編成が成される。 依頼の発令は寮長をはじめとした教職員、あるいは監督生によって行われる事が多い。 むろん通常の魔法使いが請け負うように、依頼人を談話室に招いて話を行う事もある。 出動時にはチーム全員が同じ色の腕章を装備する決まりとなっている。 寮議会 マビノギ学園の各寮の監督生らによって構成された、学生自治組織。 一般的な学校機関における「生徒会」に該当する。 そのため、監督生の仕事は実質生徒会の仕事とほぼ同義である。 仕事内容は多岐に渡り、寮生活の監督に加えて、会議への出席、連絡事項の伝達、各種申請の承認、イベント行事の進行、実技演習学の主導、等々。 仕事量はあまりにも膨大だが、その分監督生の数も多く、各寮各学年ごとに数名ずつ、寮議会全体で三十名をも超える大所帯となっている。 寮議会が行う会議体は大きく分けて二つあり、学園全体の議題を扱う「全寮合同寮議会」と、各寮ごとの問題の取り扱いを主とした「各寮寮議会」が存在する。 詳細は別記。 寮議会において、生徒会における生徒会長の役割は厳密には存在しないが、監督生はその性質上、学年主席と兼任するケースが多い。 そのため、各寮ごとの最高学年の監督生で且つ、主席を兼任している者が寮議会の顔として、代表の役回りを担うことが多い。 実質的には、4名トップによる民主制会議体組織、となる。 【生活】 住居・通学 全寮制であるため、全生徒は寮生活を送る事となっている。 ただし週末と長期休暇の時に家に帰宅することは認められている。 また生徒には入学時に魔法の箒が支給されるため、マビノギオン内に限り箒通学も可能。 寮生活 居住区各所に点在する寮塔には談話室や大浴場、ランドリーなどがあり生活を送るに困らない設備が整っている。 また寮によって固有の設備を持っている場合があり、外観や構造も含めその寮の特色がよく出るという。 寮室は基本的には三人一部屋となっているが、希望すれば一人部屋も使用可能である。 各寮室の出入りには支給された専用のカードキーを使用する。 部活動・同好会 マビノギ学園は生徒の学園生活を彩る部活動・同好会への支援も精力的に行なっている。 日本の学校機関によく見られる中高大学一貫校と比べ、この学園の特色として、部活動が学部ごとに分けられていないという点がある。 世間で中学1年生にあたる学園1年生から、大学2年生に該当する学園8年生までが一つの部として共に活動を行う。 (硬式・軟式等で部が分かれている場合は存在する) 部・同好会の審査や管理は寮議会により行われ、生徒の自主性を重んじる一方、その運営体制は校則で事細かく定められた飴と鞭の方針となっている。 その結果、マビノギ学園の部活動は非常に多岐に渡り、中には奇天烈な名前の部活動も見受けられるが、その活動はしっかりしているものが多い。 トゥーン・ドッジ(TD) 移動用の箒の普及以降に生まれ、以降爆発的に各地で流行したスポーツ。 5人1組のチームでスタジアムの中を飛び回り、チームカラーの特殊なインクを魔法に乗せ エリア内を彩色することで陣地の奪い合いをするゲーム。より多くの陣地を彩色した方の勝利となる。 箒からロストした者は一定時間のペナルティと自陣に戻される。 またインクが一定以上直接プレイヤーに命中することで一時的に箒が墜落するという、 陣取り以外にもシューティング要素がある。 ウェポンはインクを放射出来る形状であれば良く、銃型、スプレー型など様々な形状のものが TD用に開発されており、そのTD用ウェポンを排出するブランドも複数存在する。 「ビッグスカイ」ではさかんにTDの試合が開催されており、 マビノギ学園でも寮ごとにTDチームが結成されていて、シーズンマッチの寮対抗杯が行われている。
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ワイルドアームズE ワールドガイド ファルガイア。それは人の心と世界の荒廃が進み行く世界。 かつては緑に覆われ、ファルガイアを守護する守護獣の庇護の下、人間・ノーブルブラッド・エルゥが互いに手を取り、 安住の地を築いてきた。 だが過去に行われた二度の大戦によりファルガイアの環境は悪化し、人心も荒れ果てていった。 二度の大戦。それは人々の間ではこう伝えられている。 一つ。1000年前。異世界より飛来した魔族により引き起こされた【魔の災厄】。 二つ。400年前。ロードブレイザーと呼ばれる存在により引き起こされた【焔の災厄】。 魔の災厄は守護獣を初めとした、ファルガイアに住まう者全ての者の力を束ねる事で打ち倒し、或いは守護獣の力で 大地へと封印された。 焔の災厄はガーディアンブレード・アガートラームを手にした【剣の聖女】アナスタシアの手により、事象の地平に 封印される。 だが二つの災厄により、殆どのエルゥはファルガイアを離れ、ノーブルレッドは一部を除いて滅ぼされ、ファルガイアを 守護するガーディアンもその姿を消していた。 結果、ファルガイアには人間が主な種族として残り、過去の災厄と同胞を伝説の中の存在となる。 そして現在。 魔の災厄の発生以後、脈々と続いた7つの国家。 アーデルハイド・アークティカ・メリアブール・シルヴァランド・ギルドクラード・シエルジュ・スレイハイム。 ファルガイアに住まう人々はドラゴンの化石より生み出した古代兵器のレプリカであるARMの開発と、古代文明の遺産-エンシェントARM-を発掘する事で、荒廃した世界の中でも国家としての力を維持してきた。 だがスレイハイムは天使兵器と呼ばれるエンシェントARMの暴走で滅び。時を同じくして、世界には異形の魔物であるモンスターが増加し始める。 そしてもう一つ。同様に古代遺産の発掘により技術を発展させてきたアークティカ城が今まさに、滅ぼされようとしていた。 忘れてはいけない。 かつて発生した二つの災厄は。 【封じられた】だけだという事に。