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773 名前:創る名無しに見る名無し[sage] 投稿日:2015/11/09(月) 09 39 11.95 ID S2gEKZg/ [1/5] 第3話『ケンタウルス紛争』 大陸南部シルベール伯爵領 迎賓館 「つまり日本側は武力討伐を決意したと見てよいのですな?」 「その通りだ。トルイ族長とこれに味方する諸兄等をことごとく粉砕して、その権利を剥奪させて頂く。」 列車襲撃、第四分遣隊隊長暗殺、第五分遣隊基地襲撃の映像をプロジェクターから見せられたケンタウルス長老代表達は眉を潜めていた。 どの事件も発生から半日もたっていないのに大陸南部のこの地まで伝わっているのだ。 情報伝達の速さの有効性は彼等も認識している。 杉村外務局長はケンタウルス自治伯領に開戦か、降伏かの選択を迫ったのだ。 だが、彼等の返答は予想に反するものだった。 「心得た。トルイの町の討伐の先陣、我等が確かに承った!!」 「何?」 ケンタウルス自治伯領に対する問題をトルイの町限定の問題にすり変えられたのだ。 途端に年若い長老が一人、会議室から退出していく。 「我々はケンタウルス自治伯領全体に対して言ってるのだかな。」 長老を睨みをつけるが長老達はどこ吹く風とばかりに気に求めていない。 「帝国ならば連座制による処罰も有り得ただろうが、王国は日本からの指導により連座制の処罰を廃止している。だからトルイの部族以外が処罰を受けるのは対象外と我々は考えている。 まあ、それでは日本側もおさまらないのも理解している。ゆえに自治伯軍並びに日本軍の連合軍によって、トルイの町を制圧、関係者を処分する。日本側は遠征に対する財政、兵站に対する負担が減るのでは無いかな?もちろん露払いを含む血も我等が流そう。」 痛いところを突いている。 大陸に派遣している陸上自衛隊部隊は各地に分散しているし、少しは生産が可能になったとはいえ、弾薬や燃料の補給も遅れぎみである。 反対に大陸から本国への食料・資源輸送任務から人手は割けない。 今回はトルイの町限定とするのは、日本の苦しい懐事情からも一理あるのだ。 杉村は全権を委任されてる者てして決断する。 「わかった。今回はそれで手を打とう。だが次もあると思うなよ?」 「肝に命じて起きましょう。」 長老達はまったく悪びれていない。 「いや、話がまとまってよかった。何にしろ遠征までは、連絡や準備で時が掛かるでしょう?今晩は親睦のパーティーでも如何ですかな?」 自称仲介役のシルベール伯に杉村は首を横に横にふる。 「せっかくですが、こちらの部隊が投入されるのは明後日です。忙しくなりそうなので、今晩はご遠慮する。」 杉村としてはケンタウルス達に先陣を任せる気はなかった。 密かに関係者を逃亡させることまで疑っていたからだ。 だがケンタウルス長老達まで首を横に振っている。 「そうですぞ伯爵。 我らも先陣を承ったからにはのんびりもしておられるぬ。 こちらの先鋒は明日には攻撃を仕掛けますからな。」 杉村は絶句する。 ケンタウルス達は交渉の最中もトルイの町を攻撃する兵を派遣していたことを暴露したからだ。 ケンタウルスの将ウォルロックの陣 大族長の末子ウォルロックはケンタウルスの兵士二千を率いて、トルイの町まで60キロの地点で陣取っていた。 ウォルロックは先ほど届けられた、シルベールに派遣された長老達からの書状を読んでほそく笑む。 「皆の衆、大族長からの命令が下った。これより日本と連合して、トルイの町を攻め滅ぼす。今晩には戦端を開けるだろう。日本も明日には合流出来るようだが・・・町には兵は僅かしか残っていない。金も女も獲り放題だ!!日本の連中にはビタ一文渡すな!!」 ウォルロックの檄に兵士達は喚声を挙げて喜び応える。 同種族の集落を滅ぼすのに何の躊躇いも感じられない。 「トルイ族長はやりすぎたのだ。我等の足元を脅かし、自治伯随一の裕福な財産と町を創り上げた。それらを今宵、我等に献上してもらう。全軍、進撃せよ!!」 大陸東部新京特別区 日本国大陸総督府 「舐められたものだな。」 秋月総督の呆れたような口調とは別に、総督府官僚、自衛隊将官、国鉄総裁、鉄道公安本部本部長のお歴々の顔が怒りに満ちている。 電話で武力討伐の決定を杉村に伝えたらこの始末である。 「青木君、現在の陸上自衛隊にトルイの町を連中より早く攻撃する手段は無いのだね?」 「残念ながら・・・夜明け前なら、第17普通科連隊戦闘団で運用させている列車砲が使えるのですが。」 第16師団団長青木陸将の言葉に秋月は渋い顔をする。 すっかり何でも屋と化している第17普通科連隊戦闘団は、2A65「ムスタ-B」 152mm榴弾砲を装甲列車に備え付けて、列車砲として運用している。 現在は王都ソフィアから全速で現地に向かっているが、自治伯軍の攻撃にはどうやっても間に合わない。 「ならば空自だな。本国の許可は取り付けてある。松本空将、F-2を爆装させて出動を命じる。そうだな訓練飛行で北サハリンのTu-95がこっちに来てたな。大陸にいる間の指揮権は総督府にある。彼等にも出動命令を出そう。」 戦略爆撃機Tu-95は恒例の『東京急行』の為にサハリンの基地に待機していたところを転移に巻き込まれた機体だ。 今回は北サハリンへの訓練と大陸での同胞への物資を持ってきただけなので、爆弾は二発しか持ってきてなかった。 FAB-1500とFAB-500である。 航空自衛隊 新京基地 新京国際空港に併設されたこの基地には、再編成された航空自衛隊第九航空団に所属するF-2戦闘機25機が配備されていた。 そのうちの2機が滑走路を飛び立つ。 『ウルティマ1よりウルティマ2へ、ベア5が飛び立った。引き離さないように気を付けろ』 『ウルティマ2了解、ベア5をエスコートします。』 傍受される可能性も無いから、平文で交信が常態化している。 そして両機の後背から巨大な戦略爆撃機が後を着いてくる。 音速を越えれるF-2から観れば鈍足だが、マッハ0,8で追ってくる。 ウルティマ2に水先案内人を任せ、ウルティマ1は先行して現地に向かう。 帰りは新香港の航空基地に着陸するので、戦闘行動半径は無視してよい距離だ。 爆弾投下後は軽くなるのだから尚更だ。 戦闘機の燃料補給は二時間が鉄則だが、一時間余りでトルイの町の近郊まで辿り着いていた。 『ウルティマ1より、ソフィアSOC。すでに戦闘が始まってるぞ。』 王都ソフィアの基地に配備されたソフィア管制隊に報告し指示を仰ぐ。 ウォルロック率いる兵団は、トルイの町の城壁に火矢を放って攻撃を仕掛けていた。 トルイの町はトルイ族長が対同族を意識していたのか城壁と水掘りに囲まれてケンタウルスお得意の弓矢による攻撃が有効に活かせない造りになっている。 だが50頭の守備隊と町から徴用した義勇兵100頭、人族などの奴隷兵450人程度は二千頭ものウォルロック軍を捌くのは限界だった。 そこに爆音を響かせて、F-2戦闘機が低空から侵入してくる。 ウォルロックの兵団に見せ付けるかのように城壁を飛び越えて、Mk82 500lb 通常爆弾を1基、大手門の裏側に投下する。 投下された爆弾の爆発は大手門を崩壊させ、水掘を渡る為の石橋も崩落させていた。 「やりやがったな日本軍!!」 ウォルロックの兵団の主力も大半が爆風に煽られ、或いは単に驚いて地面に転がったり、地に伏していたりという有り様だった。 大手門から侵入出来なくなれば、既に支隊に攻撃させていた他の門に兵力を振り直さなければならない。 文句の一つも言いたいところだが、主戦場だった大手門を守っていた守備隊主力を一撃で壊滅させたのだから何も言えない。 だいたい当の日本の飛行機械は遥か彼方まで飛び去っている。 敵の主力は片付けたのに何故か攻略には時間が掛かる事態となっている。 「まあ、被害は減ったからよしとするか。」 ウォルロックは気を取り直して攻撃の続行と部隊の陣形を組み直す指示を出す。 ようやく日付が変わり、一刻ほどの時間を掛け、攻城の為の陣形を組み直した。 だが今度は先ほどを上回る轟音が戦場に鳴り響く。 「今度は何だ?」 ウォルロックが闇夜に観たもの 先程の飛行機械の何倍もの大きさを誇る大型機だった。 『ベア5より、ソフィアSOC。領主の館らしき大きな建物を確認。FAB-1500を投下した。』 機長の通信の直後に地表での爆発を視認した。 全長100メートル程もあった屋敷が跡形も無く吹き飛んでいる。 ケンタウルス達が好む藁が町の至る所に置かれていたせいか、町の各所に飛び火して大火災となっている。 「この町はもうダメだな。『ベア5より、ソフィアSOC。これより新香港に帰投する。』早く帰って、ママのボルシチが食べたい・・・」 ウルティマ2も東門、西門を橋ごと破壊して帰投の態勢に入っている。 あまりにも巨大な炎の柱と爆風と爆音に敵も味方も戦いの手を止めて身を守っている。 吹き飛ばされた建物の破片も敵味方関係なく降り注いで犠牲者を増やしている。 「・・・嫌がらせか・・・」 「若、危険です、お退り下さい!!」 側近達に押し留められ、本陣を後退させる。 爆音に驚愕、或いは恐怖して棒立ちとなり動けなくなった兵達が続出している。 逃げ出す者が皆無だったのは称賛に値しよう。 たが、せっかくの組み直した城攻めの陣形が崩れ、無駄になってしまった。 残った南門は逃げてきた住民まで抵抗に加わっている。 反対に味方は町から見える炎に怯えと略奪出来なそうな事態に士気が下がっている。 死にもの狂いとなった敵に被害が大きくなりだしていた。 翌朝、自衛隊の偵察隊員が使者としてバイクで、ウォルロックの陣に訪れる。 並みいる将兵達は憔悴しきった顔をしていた。 「なんと、そちらはもう攻撃の範囲内で歩兵達も一時間の距離に配置済みと・・・ せっかくだが大手門、東西門と橋はそちらの攻撃で使えない。 南門突破して既に市街の半分を制圧した。 出番は無いと思うのだが?」 「ご心配には及びません。 我々は崩壊した大手門側から進攻させて頂きます。」 装甲列車に固定された2A65「ムスタ-B」 152mm榴弾砲の砲弾が大手門と繋がっている城壁に直撃し崩壊させていく。 その距離は20キロ。 その距離を列車降ろされた普通科隊員達は、やはり列車からクレーンで降ろされた装輪装甲車であるBTR-60PBやBTR-70の二両に21名の隊員が乗り込み先発する。 トルイの町の水掘は日本の城の掘と違ってさほど深くもない。 BTR-60PBやBTR-70の二両は水掘に入ってウォータージェットで航行し、対岸に隊員を上陸させて戻っていく。 徒歩でこちらに向かっている隊員を迎えに行ったのだ。 隊員達は見張りを撃ち倒し、城壁の穴を確保して侵入していく。 トルイの町の北側は大半が焼き付くされ、空爆による死体が点在している。 主戦場は町の中央の領主の館を抜かれて、こちら側に迫ってきている。 「当初の予定通りだ。人間は解放し、ケンタウルスは撃ち殺せ。」 「味方のケンタウルスもいる筈ですが?」 「戦場で流れ矢はよくあることだ。なるべく気を付けろよ?見分けが付けばだがな。」 後背から自衛隊による攻撃が始まり、守備隊の防衛ラインは突き崩されていく。 隊長が拡声器で呼び掛ける。 「人族なら我々に降れ。諸君の自由と生命だけは保証する。」 降伏しても殺されるか、奴隷に戻るかしかなかった人間達が手近のケンタウルスを殺害してこちらに駆け寄ってくる。 督戦しようと弓矢を構えるケンタウルスは隊員達に射殺される。 戦いはトルイの町のケンタウルスが男女問わず最後の一頭の抵抗が終わるまで続いた。 自治伯軍は約二百名近い死者とそれに倍する負傷者を出していた。 自衛隊側には人的損害は皆無である。 負傷や気絶などで生き残ったケンタウルスは奴隷に堕ちることになる。 人間の奴隷達は自衛隊が確保した。 渋るウォルロック達に略奪の権利を主張して自治伯領から装甲列車に乗せて脱出させのだ。 ケンタウルス自治伯爵領最大の都市トルイは僅か2日の攻防で消滅したのだった。 大陸中央部 王都ソフィア 国務省 『よさこい3号』襲撃事件から7日目、代官就任の手続きと挨拶、さらには一連の事件の事情聴取を終えた斉藤とヒルダは、国務省の玄関先で乗り付けた軽装甲機動車に気がついた。 運転席からは浅井二等陸尉が手招きしていた。 「駅まで送ろう、姫様は後ろな。」 荷物を積み込みソフィア中央駅まで車を走らせる。 本来は馬車が通る道なので、まばらに人が歩いてたりするのであまりスピードは出せない。 「お仲間は先にアンフォニーに?」 「はい、途中のジェノアで自衛隊さんから、奴隷・・・おっと、難民を引き取らないといけないですからね。」 トルイの町で保護した三百名の奴隷は、総督府がトルイの町を攻撃したことの正統性を得る為の道具であった。 同時多発テロに対する関係者の逮捕に向かったら、たまたまケンタウルス自治伯の『内戦』に遭遇したので救助並びに解放したというのがマスコミ対策の名目である。 この時点では空爆の情報は関係者にしか知られていない。 ろくに日本の民間人が存在しない南部地域からの情報伝達は遅いし、自治伯領自体が奴隷と商人以外の人族には閉鎖的だ。 商人達も馬車での移動を数ヶ月単位で行うので、日本の民間人が多い東部地域に伝わるまで数ヶ月は掛かるだろう。 北サハリンは軍事情報をいちいち民間に公開しないし、民間人もあまり気にしてないのはお国柄だろう。 ヒルダと斉藤には空爆の情報を教えてある。 その必要があったからだ。 「総督府の杉村外務局長が感謝してたぜ?だがよかったのか、難民を三百人も引き取って貰って?こっちももてあましてたのは確かなんだが・・・」 後部座席からヒルダが身を乗り出して話に加わってくる。 「問題ありませんわ。新香港の出資で作られるハイライン港、ハイラインからアンフォニーまでの街道の整備、サークルの相澤が提案していたアンフォニーとハイラインの治水事業、南北線の線路敷設事業。アンフォニーでの学校の建設なんてのもありますわね。人手が足りないくらいでしたもの。彼等には代金分働いてもらいますわ。費用は新香港持ちですけど、人夫として購入した名目ですから。」 斉藤も苦笑しながら 「建前は大事ですからね。総督府から新香港が渋らないように力添え頼みます?国営放送と大陸通信社に難民が解放されて、自由を謳歌しながら労働に励む姿や難民の子弟が元気に学校で勉学に励む姿のドキュメンタリー番組を作らせる協力をするのですから」 「上と色々企んでるんだな。で、新香港は何を得るんだ?」 「トルイの町改め、ウォルロックの町とその周辺地域の交易の独占権といったところかしら?まあ、そのへんは父と兄に任せておけばいいですわ。問題は残った既得権益の商人なのですが・・・」 「エリクソン氏は行方不明だ。懸賞金付きで指名手配にして、残った財産は王国が没収してるよ。」 意外に八方丸く治まったとヒルダと斉藤もホッとしている。 「さて、アンフォニーまで着いていく筈だったんだが一連のゴタゴタの後始末でここでお別れだ。」 車はソフィア中央駅のロータリーに着いていた。 「道中楽しかったですわ。」 「機会があればまたお逢いしましょう。」 「今度こそ無事着いてくれよ? いずれ遊びに行くの楽しみにしてるからな。」 改札の向こうに二人が消えるまで、浅井は見送っていたのだった。列車が出発し、二人は今後のことを話し出す。 「さあ、夢にまで見た内政チートでウハウハ生活の始まりよ。我等の野望の第一歩、最初に何から始めるのかしら新任代官殿は?」 「まずは領民に入浴と歯磨きの習慣化の義務付けですね。」 「地味ねぇ・・・」 「いや、これが結構大事なんですよ、例えば・・・」 王都ソフィア近郊 森林地帯 「ハッハハ、モウカクシテタアジトニフミコマレタゾ。アレハオウトノキシダンダナ。」 間一髪潜伏していたアジトから連れ出されたエリクソンは、汗もダラダラに垂らして一息つく。 アジト周辺には松明が移動してるのが見える。 まだ、捜索は続いているようだ。 白馬の馬の騎士アウグストスは脇に抱えたエリクソンを地面に投げ下ろす。 「か、閣下の御尽力で助かりましたが・・・これからどうする気で?」 「ココデオワカレダナ。ドウセホカニモアジトヤザイサンヲノコシテルンダロ?ワレハヤツラトオナジブキ、タタカイカタヲスルレンチュウトタタカエテ、オオムネツヨサヲマナンダ。 ソロソロカエルトキカモシレンナ。」 遠くを見るアウグストスにエリクソンは服の汚れを落としながら疑問を口にする。 「失礼ながら閣下のお姿では、船に乗るのも困難だと思うのですが・・・私ももうお力になれませんし、ケンタウルス達も最早あてには出来ないでしょう。」 「マアイザトナレバオヨイデカエルサ、ハッハハ。イキテイレバマタアオウ!!」 白馬の馬の騎士はそう言って愛妻の背に乗って、颯爽と駆けていった。 独り残されたエリクソンはアウグストスの姿が見えなくなると北に向かって旅立つ。 「まずは新しい戸籍を手に入れないとな。」 大陸東部 新京特別区 大陸総督府 「まさか、八方丸く治まったなんて考えてるんじゃないだろうな?とんでも無い、本国が激怒してるぞ。」 秋月総督の言葉に自衛隊、官僚、公社の幹部たちが恐縮している。 特に交渉で翻弄された杉村外務局長は頭を垂れている。 秘書官の秋山が被害を報告する。 「『よさこい3号』の事件の調査、修理と線路の補修、点検、死亡した乗務員の後任人事。最大で4日はスケジュールに遅延が出ます。その間に本国で出るであろう餓死者や自殺者の増加。 損害は大きいです。」 「本国マスコミは我々の食糧調達の不備を非難している。貴族達からもう少し締め上げてもいいんじゃないかとか、民主化に対する試みが全く行われていないとかな。」 総督の言葉に大陸各地で年貢を徴収し、本国に輸送する部門の局長が不満をぶちまける。 「馬鹿な・・・確かに検知の完遂は東部地域だけで他は自己申告。本国に送れる食糧が不足しているのは間違いない。だが現状の人手不足で、貴族達の締め上げはギリギリの線で行っている。これ以上は、ストライキと反乱を招くぞ。」 今年になってようやく南部地域に手をつけれるようなったのだ。 未舗装の街道による移動と輸送の困難。 散発的に現れるモンスターや帝国残党に対する自衛隊の護衛部隊の編成。 同時に大陸に移民した日本人へのインフラの建設。 問題は山積みなのだ。 王国政府と民政を調整する局長も声をあらげる。 「民主化とか話にならん。大陸の教育レベルがそれに追い付いてない。第一、我々がそれをやらないといけない理由はなんだ?コストばかり掛かって将来の商売敵でも作るのか?人材も資源も無限じゃないのだ。時間だって足りない・・・本国では今でも・・・」 最初は項垂れてた官僚達の目が血走っている。 秋月総督は本国から伝えられた決定事項を伝える。 「マスコミが世論を煽るのはいつものことだが、世論に圧されて大陸への強硬策を取られてはたまらない。だから政府も我々と大陸に強硬策を取るフリをすることが決定された。」 全員が座席から立ち上がった第16師団師団長青木一也陸将に注目する。 「静岡県御殿場市の板妻駐屯地の第34普通科連隊を基幹とする第34普通科連隊戦闘団が大陸に派遣、駐屯することになる。その家族も含めて約八千名を受け入れる。」 妙に人数が多いのは転移後に食糧配給で優遇を受ける自衛隊隊員の既婚率が高いのと、それを頼って両家の親との同居が多いからである。 秋月総督は多少不安そうに質問する。 「本国の部隊がファンタジーな大陸に馴染んで戦力化するのには少し時間が掛かるかな?」 「いえ、34普連は本国で最もファンタジーとの戦闘経験が豊富な部隊です。」 青木陸将の答えに王都から来ていた第17普通科連隊戦闘団団長碓井一等陸佐が横槍を入れる。 「ああ、陸将・・・あれはファンタジーとは少し違うと思うぜ・・・」
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ここに文字を入力ここに文字を入力ここに文字を入力作:ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ 場所 分家板・アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますた No.3 ~ 11 外伝と書かれた作品は、作者ヨークタウン氏とは違う人物が本編「星がはためく時」からインスピレーションを得て勝手に書いたものであり、本編「星がはためく時」とは何の関係も繋がりもありません。 作者:ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ氏の公式ブログ http //cv-79yorktown.cocolog-nifty.com/blog/ 作者:ヨークタウン ◆r2Exln9QPQ氏のPIXIVアカウント http //www.pixiv.net/member.php?id=227667 001 序章 002 第1話 003 第2話 星は舞い降りた 004 第3話 接触せよ 005 第4話 交渉 006 第5話 南大陸からの訪問者 007_第6話 TF23の受難 008 第7話 ルーズベルトの決断 009 第8話 ボストン沖海戦 010 第9話 迫り来る脅威 011 第10話 レアルタ島沖海戦 012 第11話 暖やかな流れ 013 補足資料 014 第12話 南大陸の楔 015 第13話 南西太平洋軍 016 第14話 境目のオアシス 017 補足資料 018 第15話 太平洋艦隊、北進 019 第16話 バレンタインデーの海戦 020 補足資料 021 第17話 征途、陸軍航空隊 022 第18話 陸鷲の初陣 023 第19話 レーフェイルの覇者 024 第20話 天空の怪物 025 補足資料 026 外伝1 027 第21話 銃火の壁 028 第22話 忘れ去られた島 029 第23話 決行前夜 030 第24話 行く者達の誤算歌 031 第25話 血闘、竜母対空母 032 第26話 祝賀パーティー 033 第26話 祝賀パーティー (修正箇所) 034 第27話 レーフェイルの監視者 035 第28話 リンクショック作戦発動 036 第29話 ソードフィッシュの凱歌 037 第30話 プリンス・オブ・ウェールズ、咆哮 038 補足資料 039 第31話 シーハリケーンの奮迅 040 第32話 それぞれの休息 041 第33話 猛牛の復帰 042 第34話 真相 043 第35話 西海岸の暗雲 044 第36話 夜海のロウソク 045 第37話 ジェリンファ沖の悲劇 046 第38話 バゼット半島沖の死闘(前編) 047 第39話 バゼット半島沖の死闘(後編) 048 第40話 魔法の砲弾 049 第41話 霧の向こう 050 第42話 シホールアンルの思惑 051 第43話 仕組まれた攻勢 052 第44話 放たれた矢 053 第45話 機動部隊出撃 054 第46話 リルネ岬沖の決闘(前編) 055 第47話 リルネ岬沖の決闘(中編) 056 第48話 リルネ岬沖の決闘(後編) 057 第49話 リー戦隊奮戦 058 第50話 夜海の松明 059 補足資料 060 第51話 ヤンキーステーション 061 第52話 シホールアンル皇帝の憂鬱 062 第53話 ルーズベルトの思惑 063 第54話 皇帝と戦乙女 064 第55話 飛空挺乗りの想い 065 第56話 アボルヅランクィ収容所 066 第57話 飛翔の時 067 第58話 作戦会議 068 第59話 真の要因 069 第60話 新戦力参入 070 第61話 霧の島 071 第62話 ダッチハーバー襲撃 072 第63話 疾風のハイライダー 073 第64話 アムチトカ島沖海戦(前編) 074 第65話 アムチトカ島沖海戦(後編) 075 第66話 新鋭艦の主 076 第67話 とある航空兵の災難(前編) 077 第68話 とある航空兵の災難(後編) 078 外伝2 079 第69話 ルベンゲーブ精錬工場 080 第70話 攻撃目標 ルベンゲーブ 081 第71話 尋問者と艦載機 082 外伝3 083 第72話 ルベンゲーブ上空の死闘(前編) 084 第73話 ルベンゲーブ上空の死闘(後編) 085 第74話 諦め 086 外伝4 087 第75話 東海岸の怪事件 088 外伝5 089 第76話 ベグゲギュスVS大西洋艦隊 090 第77話 第5艦隊 091 補足資料 092 第78話 カレアント戦線 093 外伝6 094 外伝7 095 第79話 魔道参謀の勘 096 補足資料 097 外伝8 098 第80話 ゼロ・アワー 099 第81話 前門の地上軍 後門の機動部隊 100 補足資料 101 外伝9 102 第82話 窮状戦線 103 第83話 マルヒナス運河強襲 104 第84話 シホールアンルの真意 105 第85話 壮絶 マルヒナス沖海戦 106 外伝10 107 第86話 ルーズベルトの考え 108 外伝11 109 第87話 真実を知る時 110 第88話 フェイレの半生 111 外伝12 112 第89話 蹂躙の空 113 第90話 地上の暴君 大空の韋駄天 114 外伝13 115 第91話 国王の決意 116 外伝14 117 第92話 潜水艦ボーフィンとハーピィ 118 外伝15 119 第93話 接近遭遇 120 外伝16 121 第94話 ボーフィン奮闘(前編) 122 第95話 ボーフィン奮闘(後編) 123 第96話 さらば、南大陸 124 外伝17 125 第97話 連合国首脳会談 126 外伝18 127 外伝19 128 第98話 空に耳あり 129 第99話 七人の潜入者 130 第100話 超空の要塞 131 外伝20 132 外伝21 133 外伝22 134 外伝23 135 外伝24 136 第101話 怪鳥蹂躙 137 第103話 失われる安寧 138 外伝25 139 第104話 アラスカ初陣 140 第105話 工作部隊上陸 141 補足資料 142 第106話 上陸日前日 143 外伝26 144 第107話 猛襲、陸上装甲艦 145 第108話 魔法防御を突き破れ 146 第109話 「鍵」捜索(前編) 147 第110話 「鍵」捜索(後編) 148 第111話 脱出せよ 149 第112話 奮闘のアラスカ 150 第113話 フェイレの決断 151 第114話 フェイレの訪米 152 第115話 新司令長官就任 153 第116話 ミスリアルの荒くれ男達 154 外伝27 155 第117話 とある将官の憂鬱 156 第118話 マジックランス 157 第119話 ファスコド島上陸 158 第120話 ファスコド島の地獄 159 第121話 第2海兵師団上陸 160 第122話 ホウロナの楔 161 第123話 火消しのモーデル 162 第124話 激震のマオンド 163 第125話 フォルサ軍港夜襲 164 第126話 広がる動揺 165 第127話 第1次スィンク沖海戦 166 第127話 違いの目線 167 第128話 疾風再び 168 第129話 第2次スィンク沖海戦(前編) 169 第130話 第2次スィンク沖海戦(中編) 170 第131話 第2次スィンク沖海戦(後編) 171 第132話 虚言者達の悲嘆詩 172 第133話 ハルゼーの見舞い 173 第134話 ビッグE 大西洋へ 174 第135話 影の支配者 175 第136話 ウエストポイントからやって来た男 176 第137話 俯瞰風景1万メートル 177 外伝28 178 第138話 レンベルリカの凪 ウェルバンルの暗雲 179 外伝29 180 第139話 ヘルベスタン王家の末裔 181 第140話 上空2万フィートの死闘 182 外伝30 183 第141話 Xデイマイナス1 184 第142話 モンメロ上陸作戦 185 補足資料 186 143話 決戦へののろし 187 外伝31 188 第144話 緊迫 ヘルベスタン戦線 189 第145話 マッカーサー軍猛然 190 第146話 海中からの一撃 191 第147話 モンメロ沖海戦(前編) 192 第148話 モンメロ沖海戦(中編) 193 第149話 モンメロ沖海戦(後編) 194 第150話 古兵勇戦 195 第151話 17インチ咆哮 196 外伝32 197 第152話 海面の韋駄天 198 第153話 閉じられた蓋 199 第154話 インリクの嘆き 200 第155話 ミスリアルでの休息 201 第156話 芽生えた不安 202 外伝33 203 第157話 シホールアンル首脳の懸念 204 第158話 本土上空の飛行機雲 205 外伝34 206 第159話 シホールアンル帝国初空襲 207 第160話 上陸作戦前夜 208 第161話 ライン・リッパー作戦 209 外伝35 210 第162話 D-day(前編) 211 第163話 D-day (中編) 212 外伝36 213 第164話 D-day(後編) 214 外伝37 215 外伝38 216 外伝39 217 外伝40 218 第165話 オールフェスの理想 219 第166話 幽霊艦隊 220 外伝41 220 外伝42 221 第167話 海兵隊員パイパー 222 第168話 リモントンギ攻防戦(前篇) 223 第169話 リモントンギ功防戦(後編) 224 補足資料 225 第170話 狡猾武者 226 第171話 黒衣のヴァンパイア(前編) 227 第172話 黒衣のヴァンパイア(後編) 228 第173話 エルネイルの濃霧 229 第174話 同盟国の暗部 230 第175話 作戦名「ヘイルストーン」 231 外伝43 232 第176話 運命の出港 233 第177話 レビリンイクル沖海戦(前編) 234 第178話 レビリンイクル沖海戦(中編) 235 補足資料 236 第179話 レビリンイクル沖海戦(後編) 237 第180話 緊急会議 238 第181話 アメリカ本土激震 239 第182話 ルーズベルトの決断 240 第183話 炉辺談話 241 第184話 世論転換 242 第185話 発端 243 外伝44 244 第186話 首都に翻るカステリナ 245 外伝45 246 第187話 ハロウィンの夜に轟く砲声 247 第188話 それぞれの決意 248 外伝46 249 補足資料 250 第189話 メダル・オブ・オナー 251 第190話 フライングタイガース 252 外伝47 253 第191話 狂わしの国 254 外伝48 255 第192話 マッド・クラッシュ作戦 256 外伝49 257 第193話 厄物を運ぶ者達 258 外伝50 259 第194話 マッカーサー軍南進 260 外伝51 261 第195話 とある信者の決断 262 外伝52 263 第196話 トハスタの災厄 264 外伝53 265 第197話 死霊の行く大地 266 外伝54 267 第198話 秤の果てに 268 外伝55 269 第199話 戦艦対ゾンビ 270 第200話 導出の活路 271 第201話 征途 第7艦隊 272 第202話 大西洋の嵐(前篇) 273 外伝56 274 第203話 大西洋の嵐(中編) 275 外伝57 276 第204話 大西洋の嵐(後編) 277 第205話 初陣の鉄獅子 278 外伝58 279 第206話 クリンジェを包囲せよ 280 外伝59 281 第207話 マオンド共和国崩壊 282 第208話 ウィスコンシン艦上の調印式 283 外伝60 284 第209話 シェリキナ連峰上空の死闘 285 外伝61 286 第210話 一喜一憂の戦乙女 287 外伝62 288 第211話 偉大なる作戦 289 外伝63 290 第212話 根こそぎの精鋭 291 第213話 疑問符の戦果(前篇) 292 第214話 疑問符の戦果(後編) 293 第215話 マーケット・ガーデン作戦発動 294 第216話 レーミア海岸上陸 295 第217話 乖離 296 第218話 機動部隊VS機動部隊 297 外伝64 298 第219話 苦闘の三姉妹 299 第220話 レーミア沖の黄昏 300 外伝65 301 第221話 抜かれた鞘 302 第222話 アイオワ奮闘 303 第223話 断たれた手段 304 外伝66 305 外伝67 306 第224話 携行型魔道銃 307 第225話 第3海兵師団VS第5親衛石甲師団 308 外伝68 309 第226話 雪の季節のまやかし 310 第227話 ファルヴエイノの白い花 311 第228話 首都進軍 312 第229話 レスタン領撤退 313 第230話 火消し人、太平洋へ 314 第231話 とあるアメリカ人捕虜の日常 315 第232話 銃後の民 316 第233話 同期生達の集い 317 第234話 反逆の兆し 318 第235話 奔放姫と装甲空母 319 第236話 間違った提案 320 第237話 突発の危機 321 外伝69 322 第238話 ヒーレリへの道 323 外伝70 324 補足資料 325 第239話 夏の目覚め作戦 326 第240話 そこに来たるもの 327 第241話 報復者奮戦 328 外伝71 329 第242話 戦線崩壊 330 第243話 フェルベラネイン解放 331 第244話 リーシウィルム上陸 332 第245話 リーシウィルム沖海戦 333 外伝72 334 第246話 栄光と悲劇 335 第247話 箍が外れる時 336 第248話 無警告戦略爆撃 337 第249話 新たなる段階へ 338 第250話 泥棒達の国 339 第251話 悩める戦姫 340 第252話 大西洋の精兵達 341 第253話 猛牛との再会 342 第254話 潜入する者達(前編) 343 第255話 潜入する者達(後編) 344 第256話 決戦へ向けて 345 第257話 動き始める切り札 346 第259話 北大陸からの奇怪文 346 第258話 大空からの鉄槌 347 第259話 北大陸からの怪奇文 349 第260話 突き出しの槍 350 第261話 決戦への道標 351 第262話 撒かれる種 352 第263話 食い込みはより深く 353 第264話 雪中の危機 354 外伝73 355 第265話 冬の嵐 356 第266話 夜海の相撃(前篇) 357 第267話 夜海の相撃(後編) 358第267話 燃ゆる大洋(前編) 359 外伝74 359第269話 燃ゆる大洋(中編) 361 外伝75 362 外伝76 363 外伝77 364 第270話 燃える大洋(後編) 365 第271話 艨艟達の海戦譚(前篇) 366 外伝78 367 第272話 艨艟達の海戦譚(後編) 368 第273話 栄光と絶望 369 外伝79 370 第274話 暁から来たる刺客 371 第275話 燃えゆく希望 372 第276話 シギアル沖の攻防 373 外伝80 374 第277話 帝都上空の星 375 外伝81 376 第278話 爆撃の後で 377 第279話 雪原の光明 378 第280話 望まざる頂点 379 第281話 冬空から来たる征服者 380 外伝82 381 外伝83 382 第282話 鍵のカケラ 383 第283話 海上交通路遮断作戦(前編) 384 外伝84 385 第284話 海上交通路遮断作戦(中編) 385 第285話 海上交通路遮断作戦(後編) 386 第285話 海上交通路遮断作戦(後編) 387 第286話 決意の向こうに 388 第287話 狭間の国の使者 389 第288話 天空を翔ける流星 外伝72 ページ新規作成
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10: 303 ◆CFYEo93rhU :2017/02/05(日) 13 42 53 ID 54bd7AQo0 投下終了です。 今年もスローペースになると思いますが、よろしくお願いします。 14: 303 ◆CFYEo93rhU :2017/02/08(水) 06 08 42 ID 54bd7AQo0 今日は非常に短いですが、幕間的な感じで本編の続きを投下します。 あと筆者なら本文で書いとけという話なのですが、少し補足を。 F世界の列強で軍事面で最強なのはリンド王国。これは、初期設定のかなり早い段階から決まっていました。 ただ、何故強いかはかなり曖昧だったので、独自の傭兵ギルド文化があった、みたいな完全な後付設定をでっち上げました。 他国にも傭兵ギルドはあるけれど、リンド王国ほどの質や規模はないという設定(後付)です。 中央集権と国民軍の充実によって、その最大手のリンド傭兵ギルドすら落ち目の時代だと。 対皇国戦の時は何してたの? というと後方支援業務と、兵の補充(動員協力)です。 完全に後付設定になりますが、数十万の王国軍の為に短期間のうちに多数の物資倉庫を用意して、 飛竜陣地を用意して、ユラ神国に勝つ気で居られたのは彼らのお陰という事にしておいて下さい。 そして敗戦によって契約金の不払い(未払い)も発生していて、とても不味い状況にあります。 平時は限定的な徴税特権で維持できても、戦時にはそれではとても足りない! 商人ギルドから、皇国は金払いが良いと聞いたぞ! 皇国軍に取り入ってパイプを作ろう! ←今ここ リンド王国という国名からして「ベルリン+ロンドン⇒ベルリンドン」からですし、王都ベルグは「ベルリンドン-リンド=ベルン」を捩ったものです。 ベルンってスイスの首都だから、傭兵国家として発展した経緯があるとしてもいいよねと、数年の時を経て気付きました。 「傭兵ギルド」というファンタジー世界でおなじみのギルドは何かの機会に書きたいと思っていましたが、漸くでした。 「冒険者ギルド」や「盗賊ギルド」というのもありますが、私の中では、傭兵ギルドが冒険者ギルド的な性格も持っていると考えています。 拙作中で、冒険者というのは公的な裏付けのある地位や職業ではありません。あくまでそう自称しているだけです。 薬草採取クエストとか、そんなの自分でやれという話ですが、必要な薬草があるのが野獣や紛争等で危険な地域だったりすれば、傭兵ギルドに声がかかる事もあるでしょう。 本来ギルドは各都市ごとのもので、首都などに本部があって各地に支部があるような全国、全世界で統一的な 制度のギルドはファンタジー世界にしか無いと思うのですが、そこはファンタジーのお約束優先という事で。 盗賊ギルドというのは盗賊の勅許状を持っている組織、という事は私掠船団とか「敵対国に対する盗賊許可証」を持ってる人達なら合点が行くのですが。 ギルドを自称しているだけで公的な認可を受けた組織ではない犯罪結社という身も蓋も無い解釈もありでしょうが、 当局に公認されている反社会組織という意味ならば「指定暴力団」そのものではないかという節もありますね。
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田中茂人(たなかしげひと)はある国の親善大使に会うために総理官邸まで来ていた。 たぶん新興国の要人なのだろう。 相手はエルブ王国という聞いたことがない国の人物らしい。 外務省も経済産業省や内閣府が忙しい例に漏れず、在留外国人の相手で一杯一杯である。 暇なのは文武科学省と環境省ぐらいだ。 特に文武科学省は日本ユネスコ会長が運営資金を流用していた罪がお流れになって歓喜している。 自衛隊と海上保安庁の共同による、国境封鎖から忙しい。 各国大使館には駐留外国人がずらりと並び、外まで長い列を作っている。 最後尾は5時間待ち、甲高い声ネズミランドのアトラクション待ち並だ。 駐留外国人の滞在許可延長の手続きや、海外の家族を心配する外国人への返答、 怒鳴り込んでくる海外要人への対応など、元々少数精鋭、 予算が減らされギリギリの人員で廻していた各国大使館は 通常業務のほかに急速に増えたクレームを処理する力はなかった。 クレームを処理すると同時に通常業務は行えない。大使館の仕事は特別な知識や資格がいる。 大使館員は替えが効かない。緊急雇用も難しい。 他部署からの増援も望めず、仕事はの必要性加速度的に高まっている。 日本人と外国人との金利格差の訴えや、差別云々に関する“いつもの業務”は全て無視して 増えた仕事に対応しているのが現状であった。 クレームの中で面倒なのが株と為替の問題である。 海外と連絡が取れなくなった影響で、海外口座の確認や資金運用の相談 についての電話がひっきりなしに電話に掛かってくる。 「株と為替の件については金融庁に一任しています」と話して電話を切っても。 数時間後、同じ相手から「金融庁につながらないからアンタらに電話した」と返って来る。 結局、問題はたらいまわしで処理はできない。 そうした件が何件もあった。 しかも相手は金のことだから簡単には諦めず、他の案件処理の時間がとられる。 人間の欲は恐ろしい。 数日前から大使館の固定電話と個人的な携帯電話が鳴りっぱなしだ。 うるさくて眠れないので音と振動を切り、ピカピカ光るのが邪魔なのでカバーを掛けて 携帯電話の電源を付けっぱなしにしたまま家に放っておいた。 今頃、恐ろしい勢いで留守番電話サービスに転送されているだろう。 事態が収束してからの電話が怖い。一週間連続、頭をさげて電話を掛け続ける破目に陥るのは確実。 それだけ忙しい中から引き抜かれたのだから さぞ、エルブ王国大使とやらの会談は重要なのだ。 会談内容は実務者会談でもなく政労使交流でもなく、ただの交流に留まる程度だそうだ。 交流程度なら他の部署にやらせておけばいいし、緊急性もない。 自分程の役職が出張る仕事でもない。 暇になったらささっとやっておけばいいだろう。今は殺人的に忙しい。 新興国家相手がどうしてそこまで重要な仕事であるのか見当も付かない。 「失礼します」 「よく来てくれた。君が茂人君だね。館長からの紹介で知っている」 総理官邸に入ると武原総理が直接出迎えた。 「挨拶はいい、時間が勿体無いからな。 2、3質問があるから答えてくれるかい?」 面食らう田中を前に武原は言葉を続ける。 「確か君はエルフ語が出来たんだったね」 「はい。イギリスで学びました」 大学で適当に単位を埋めるためとった教科だ。 「他にも話せる言語があったね」 「英語、イギリス英語、中国語、ドイツ語です」 「大した物だ。私なんて20年以上ほぼ毎日、中国語やドイツ語の通訳を聴いているが、 いまだに彼らが何を言ってるのかわからん。英語しか話せんよ」 「中国語は広東かな」 「北京語です。父に連れられて一時期住んでいました」 「茂人君の父上は知っているよ。昔、随分お世話になった」 「話は変わるが、君はファンタジーが好きかい?」 「ええ。指輪物語やD&Dも好きですね。やりもしないのにルールブックを買ってますよ」 「D&D?」 「有名なファンタジーゲームですよ」 「するとエルフやドラゴンについても詳しいわけだ」 「かいつまむぐらいですが、それなりには」 「神話や怪物はどうだね?例えばワイバーンとドラゴンの違いは知ってるかい?」 武原は胸ポケットから写真を出した。 写真に写るワイバーンは生き生きとしていて、まるで本物だった。 茂人の目線が上に向いた。答えを考えている。 「違い―――ですか」 「そうだ」 「世間一般の認識としては、ワイバーンとドラゴンは別物、又は亜種とされています。 ワイバーンはドラゴンより力の劣るものとされていて、知能が低く 竜騎士に代表されるような家畜やペットとして扱われている場合があります。 大抵は大きな翼を持ち空を飛びます。 ドラゴンとの外見の区別として前足が短い、もしくはないものが多く 噛み付きが主な攻撃手段であり、炎や酸、氷などを吐きません。 細かい点は作品によって色々ですが。だいたいこんな感じです」 ワイバーンは、ゲームによっては棘のある尾を持つトカゲのような動物であったり 空を飛ぶトカゲの総称であったりと様々だ。また、日本語ではワイヴァーンと 表したりもする。ドラゴンも同様にドラグーンや龍と表すことがある。 ペラペラ 「ドラゴンの亜種として他に、ドレイク、レッサードラゴンがあります。 厳密には違いますが、これらはどれも力の弱いドラゴン としてワイバーンひとまとめにして考えてもいいでしょう」 「問題は亜種のワーム、翼や足の欠けたドラゴンです。 ワームは巨大な体躯と力を持つドラゴンで、知能についてはまちまちです。 西の神話の竜はドラゴン、東方神話に出る龍はワームの部類に入るでしょう。 ドラゴンに比べ、比較的多い頻度で物語の怪物として登場します」 西洋のドラゴンは火を噴く、街を焼き尽くすなど火のイメージから来ていることが多い。 キリスト教のサタンからのイメージが強いのだろうか。姿は翼のあるドラゴン型だ。 火吹き竜として有名なサラマンダーだが、もとは周囲を冷やすトカゲとして伝わっていた。 火を噴く竜と冷やす竜、変温動物としてのトカゲが神話の土台となっていると考えられる。 対して東洋のドラゴンは雨乞い、洪水など水の印象が強い。 姿はワーム型。モデルは蛇、湿気の多い場所に生息し、脱皮をすることから輪廻転生や 不老長寿の象徴とされる。陸に生息するドラゴンに対して龍は湖や海に住む。 リュウグウノツカイや鯉の滝登りなどの水生生物に関する物語が多い。 火と水の関係から、ドラゴンは破壊を司り龍は再生を司っているとされている。 火は山火事などで全てを焼き尽くすがために否定的、 水は雨を想像させるがために肯定的なものとされている。 ペラペラ 「落ち着きなさい。ファンタジーな方面に詳しいのは痛いほど理解した」 「えっ、あっう!?」 茂人ははっと我に返った。 耳まで赤くする。 「すみません。取り乱しました」 「語学が堪能でファンタジーが好きな茂人君にぴったりな仕事がある」 武原はとびっきりの笑みをしている。 してやったりといった表情だ。 「茂人君にはダークエルフとの交渉を担ってもらおう」 「ダークえるふ」 「茂人君の考えている通りのダークエルフだ。 褐色で耳が長くプラチナの髪、しかも美女。興味を惹かれるだろう?」 懐から2枚目の写真を取り出した。 褐色で耳が長い豪奢な鎧を着たエルフが血に濡れた地面に倒れている。 長い睫毛、滑らかな褐色の肌、肩まであるプラチナブロンドの髪、整った目鼻。 ここまで均整の取れた顔立ちはモデルでもそうはいるまい。 とてもよく出来たコスプレ写真だった。写真集が出せそうだ。 耳の長いエルフ。よりにもよってマニアックなダークエルフ。 総理は私をからかっているんじゃないか。 「頭の中が表情に出ているぞ。 近頃、我々の周りに奇妙な隣人が越して来てね。 いや、我々が越してきたとするべきか」 「?」 「この道をいけばどうなるものか危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし踏み出せばその一歩が道となり その一足が道となる迷わず行けよ」 行けば判るさ、一休さんか。面白そうじゃないか。 「ダークエルフと交渉の件。承りました。 でもどうしてですか、私より神話や伝承に詳しい研究家なんていくらでもいますよ」 「交渉には広い視点が求められる、相手は異種族で異民族で異世界人だ。 我々の常識は利かんが、エルフやドワーフ、彼らと我々の常識は多少通じる部分もある。 エルフは魔法を使い、ドワーフは鍛冶が得意だ。中世風の鎧を着て剣を持っている。 これは我々の想像する典型的なファンタジーと同じくする。 彼ら相手には柔軟な対応が求められ、交渉のための知識も必要だ。 常識外を相手にするには深い知識はかえって邪魔になる。 しかし交渉を望むには精神的な土台と最低限の知識を持っていなくてはならない。 固定観念に囚われた、外交に縁のない神話研究家ではいかんのだ」 「そこで、君に白羽の矢が立った」 ギーグなのは隠していたつもりだったんだけどなあ。ばれていたか。 「外に車が出ているから乗りたまえ。それと茂人君には封筒も渡しておこう」 棚からファイルを取り出した。中には封筒が入っている。 茶封筒に入った大きいものと 「現地についてから開くといい」 青い便箋サイズの小さな封筒 「こっちはエルフと会った後に開くものだ」 「了解しました」 「此方です。どうぞ」 総理官邸から車に揺られ、乗り換えること三回。 研究所らしき場所についた。何処かの企業っぽい建物だ。 作業員用勝手口から通される。 入り口にはエアカーテンと吸着マットが敷かれていて、査察で見たような 精密部品や薬品を扱っているような工場に近い印象を受けた。 壁に複数の穴があいた通路に入ると、壁から温風が噴出し埃を取った。 いくつかのスライドドアとエアロックを抜けると、監視所らしき場所に通される。 「ようこそ。田中茂人さんですね。お待ちしておりました。 研究主任の黒桐中人(こくとうなかひと)です。Nでも黒人でも気軽に呼んでください」 人払いを済ませた後、部屋には荒沢と私だけが立っていた。 荒沢は20代に見える研究員で、主任にしてはとても若い。 男か女か判断に困る中性的な顔立ちをしていて、蠱惑的な瞳が印象的だ。 「部屋は完全防音ですから話しても大丈夫ですよ」 「エルブ王国?から来たダークエルフ?の親善大使と交渉をする手筈だったのですが」 怪しい雰囲気だ。もしや私は嵌められたのではなかろうか。 物体Xの実験台にされたり、人体実験の材料だったり。 バイオハザードな下らない妄想が脳裏を駆け巡る。 「はい。おっしゃる通りです」 「竹島戦で韓国軍が戦闘した相手、について知っていらっしゃられますかな」 「詳しく話を聞きたいですね」 「首相からお話は聞いておられますかな」 そういえば封筒を開いていなかったな。 「資料を貰っていました。現地で開けと言われていた物がありますね」 「では、それを見ながら説明いたしましょう」 荒沢がリモコンのボタンを押すと、部屋の窓が動いて隣の小部屋の様子が見える。 部屋のベッドには褐色の肌、プラチナブロンドの美が付く幼女が眠っている。 「竹島戦で韓国軍が殲滅されたのは知っていますね」 「ええ」 近々、TVで公式発表される予定の情報だ。世間では既にTSBが未公表情報をスッパ抜き、 世間では何処が攻撃してきたかと騒ぎになっている。 「今後の報道では中国でも韓国でも露西亜でもましてや亜米利加でもない“正体不明の敵”と戦い、 一人残らず殲滅されたと“言われます”」 「ええ」 じゃあ何処の国が襲ってきたんだ、それ以前に日米同盟はどうなったんだ!? 驚愕を抑えつつ、話を促した。 「おや?驚かれませんな。知っておられましたか」 知るはずないじゃないか。 「失礼。それはこれから報道されるんでしたね」 「もちろんですとも」 さりげなく念を押して確認をした。 「韓国軍を襲撃したのは謎の生命体群です。通信テロから数時間後、 体長7mの巨大な空飛ぶトカゲが海の向こうから襲ってきました。 しかも100匹近くの大群です。自衛隊は必至の抵抗を試み、日本海側に戦力を集結。 戦力集中の結果が国境封鎖と自衛隊の防衛出動です」 そういやネットで話題になってたな。UMAを確認したって。 「それらがベッドで眠っている子供とどう関係が?他の国はどうなったんですか!」 「結論を急がないで下さいな。謎の生命体郡は現代科学の常識を覆す生態をしていてですね、 信じられない巨体で空を飛んだり、ある種の『超能力』まで使うんですよ。とても興味深い。 私達研究チームは『魔法』と呼んでいますが」 「通信が途切れた理由は」 「日本の外で大規模な戦争が起こったと考えられています。 核や細菌兵器、サイバー攻撃などが一斉に行われました。 その結果として日本国内のインターネットをはじめとした通信機器は一斉に遮断。 衛星も一度に破壊、又は無力化されました」 話が大きすぎて現実味がない話だなと思ってしまった。 同時に突っ込みどころがある話だと。 「ネットが破壊されるはずがない。リスク分散のために無数の独立したサーバーから成り立っている」 「インターネットの破壊は不可能だと思われていますが、実はそうでもないんですよ。 とあるクラッカーは「30分あればインターネットをダウンさせられる」と言いました。 ネット環境の普及のためにはデータ形式や管理方法を並列化させないといけません。 OSや防火壁は常時進化していますが、その根幹を支える管理システムそのものはさほど変わりません。 そこをトロイで偽装したボットが同じ時間に一斉攻撃をかけるとシステムは広域にわたって停止します。 Dos攻撃に代表されるように、ネットは負荷が一箇所にかかると停止します。 一定以上の負荷をかけられると枝葉末端まで連鎖的に壊滅するのですよ」 「簡易なアナログ回線まで壊滅したのはおかしい」 「そのネットを支え、補助しているシステムが壊れたんですよ。中継局や中継器までね」 海外との通信が切れたせいで大騒ぎになっている。 事件当時、大慌てで職員総出で大使館の機械を全部壊れているか確認した。 「日本だけが無傷で残るのは不自然だ」 「偶然残ったのですよ。外を歩いているだけで隕石に直撃される世の中です。 戦争で偶然生き残った国家があってもいいでしょう。 日本も甚大な被害を受けていますよ。貿易を絶たれるだけで明日の食事すらままならない」 「アメリカは軍事大国だ。簡単に壊滅しない」 「過去に新しい戦略や戦術導入によって滅びた大国など星条旗の数ほどあります。 裏付けとなる写真が此方です」 ひゅうがの甲板に貼り付けられたワイバーンの死骸。 おおすみに牽引されるニンゲンの死骸。 戦闘機の機関砲で粉砕されるネッシーの動画。 「全長7mの竜の死骸、体長数十mもある人型クジラニンゲン、6mもあるネッシー。 どれも現代科学の常識を超えています。居ると言われ続け、確認されていなかった動物達です」 「私達の予想外の事態が進行している証拠です。 航空自衛隊によって殲滅され、海上自衛隊によって運搬された死体が段階を得て、 国民の皆様に晒されることになるでしょう」 「他にも裏付けとなる証拠があります」 船から撮られた海の写真だ。 「本来はユーラシア大陸、中国があった場所の写真です」 「海だけじゃないか」 「中国の一部が大きく消滅しています。えぐれた湾から察するに、 大規模な核攻撃やそれに類するものがあったと考えられています」 「写真は嘘だ。ありえるはずがない」 「まだ証拠があります」 島を埋め尽くす死体。“鎧を着た”蛮族達。剣や槍、地面に刺さった大量の弓矢。 「エルフやドワーフっぽい死体だな。映画の撮影か」 「いいえ、違います。メディアにはまだ伝えられていませんが、“外からの侵略者”達です。 彼らは超能力、魔法を使い、竜に乗ってやってきました。自衛隊が撮った映像を見ますか?」 「いや、いい。やめておく」 「死体役は全員エキストラかな」 「いいえ。違います本物です。私達はこんなに大量の小人病患者、ドワーフを用意できません。 死体に見せかけた役者を大量動員して凝ったメイクをしても、死体鑑定で簡単に判別できます。 良い検体がありますが、直接死体を拝見なされますか?」 「遠慮しておくよ」 「残念だ。彼らの体はとても興味深いのに。ミュータントですよ、突然変異ですよ。 ヴィールスで変異したのでしょうか。とても面白い症状だ」 「さて、信じてもらえましたか?」 「信じるしかないだろう」 中人は満足そうな笑みを浮かべたあと言った。 「全部フィクションです」 「は?」 「ええええええええええっ!?」 長話して引っ張っておいて最後の言葉がそれかあああ! 「・・・・とここまでが、今夜発表される政府発表です」 「が」 「真実は別にあります。そのためにあなたをお呼びしました。 政府発表は嘘ですが、真実も限られた含んでいます。 少なくともあなたと私、ごく限られた小数の人間以外には真実でしょう」 中人の瞳に嘘はない。淡々と決められた話をしていた感じだ。 「専門化が断定し、十数万人の自衛隊が動き、日本の通信が一斉に遮断され、 ミュータントが実際に襲ってきて、それを説明できる理由が信頼ある政府から説明されたら それは本当になる」 「現実は常に考えられる最悪の下を行く、かな」 「おっしゃる通りです」
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587 名前:F猿 (BfxcIQ32) 投稿日: 2004/10/07(木) 20 35 [ kHqoVL5Q ] 投下終了です。 青島「うお、長いなこりゃ。」 佐藤「隊長、なんかもうすでに座談会限定キャラになってません?」 (PAN!) 天野「佐藤!?佐藤ーーー!?」 青島「しかしそれにしてもむさい・・・。ああ、可愛い女の子達が溢れる息抜き編はまだかー!」 セフェティナ「なんか青島さんキャラ変わってるし・・・。」 天野「そもそも息抜き編と言っても女性が出てくるとは限らんしな。」 佐藤「そうそう、見た目女のエルフ男に囲まれたホモ天国とか!」 (PAN!) 天野「佐藤ーーー!?」 588 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日: 2004/10/07(木) 20 41 [ 0U77BVi2 ] 更新乙 これかも日刊でよろ!! 589 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日: 2004/10/07(木) 21 18 [ IQ6e.MSs ] おつかれー。こういう策謀場面はわくわくします♪ 590 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日: 2004/10/07(木) 21 18 [ Ksk.yJ.Y ] アルクアイ1ポイントゲット! しかもアルヴァールにも貸しを作ってます。 なによりこれで日本との交渉を自分の下に一元化できるのが大きい。 アルヴァールに気取られずに陰謀を進められるようになってます。 帝国に日本をけしかけるフリをして、こっそり両者の仲介とかやらかしそう。 最終的には日本の手を借りて、教会の腐敗と君側の奸を討つという名目で王権を狙うんでしょうか? 王女殿下の女婿を狙えば玉座も夢じゃない!でもそうなるとファンナたんが…… これから気になるのが第三の権力、宗教勢力の動きですね。 教会の権威、魔法を握るエルフ、いずれも日本とは対立しそうな要素ですがさて…… ところでアルヴァール、読者諸兄には絶大な不人気振りですね。 もしかして、オイラと皆さんではまったく別の小説を読んでるのか? ヴァール卿はまだ人物の裏が見えてこないからいまいち分析するには不安だなぁ (こう略称をつければアルクアイをアル君と愛称で呼べるな、うん) 591 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日: 2004/10/07(木) 21 33 [ 6SyshVH. ] 連日の投下GJ! しかしとことん「自衛隊がファンタジー世界に召還されますた」 で良かったなぁ 米だとこの設定でも勝つのが見えてる 592 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/10/07(木) 22 40 [ dUQoWPWk ] ご苦労様、 ここで作者様がいずれ出すと約束してくれたもの一覧 ビキニ鎧といったセックスアピールの高い女性衣装 バルト帝国の硬式飛行船、通称ツェッペリン型飛行船 空母は・・・現在考えてます (私的に国産空母を我は希望) 593 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/10/07(木) 23 00 [ dUQoWPWk ] 日本に不利な要素が多すぎる。 仮に大陸に上陸したとしても現地の協力者がいなしF世界に関する知識もあまりに不足してる。 よって最悪の場合旧軍が中国に敗れたように敗退する恐れが高い。 他に疑問としてバルトの最西端の国境はウラル山脈までかとふと思った。 594 名前:S・F (7jLusqrY) 投稿日: 2004/10/07(木) 23 32 [ MSZ8PKC. ] 早くて面白いなあ。ちっくしょう。こうなってくるとオズインが哀れですね・・・ しかし逆に言えば、他の連中と違って弱いながらもフリーとも考えられます。 バルトは潰す気満々、しかし王国には無視される状況で予測される行動としては 1南方国家群と手を組み、さらに日本を軍事主力として同盟に誘う。 2食料や鉱物資源と引き替えに日本勢力を国内に呼び込む。 オズインは前門の狼・後門の虎状態ですから、壁横の勝手口から「暴れ者」を 誘って、猛獣どもの気を引くくらいは絶対にやるでしょう。ただタイム リミットの問題がありますから、国主が無能ならダメでしょうけどね。 日本がどう取るかは兎も角、オズインがこの状況に絡むのは確実でしょうね。 更に混戦が加速していきますねえ・・・ 595 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/10/08(金) 00 09 [ K1U79z9M ] バルトの目的は別に世界征服じゃないから妥協のする割合はアジェントより高いかと。 他にはそろそろ萌え話も読みたいなと思う今日この頃。 596 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/10/08(金) 00 54 [ xmrrYnYY ] 妥協って・・・・・・・・日本と同盟を組んだときの事を指してるのか? 597 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/10/08(金) 02 23 [ xmrrYnYY ] 現状だと日本の置かれてる立場はあまりにも過酷過ぎる。 もし人魚族(陸に上がるときは下半身を人間にするタイプ)などが近海にいて味方 してくれるならまだましかもしれないが・・・・登場する気配はなし。 日本はやっぱりバルト帝国と同盟してほしい。 アジェント王国との同盟は交渉決裂で。 F猿様、どうかお願いいたします。 598 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日: 2004/10/08(金) 02 29 [ Io.4x1c6 ] 孤立したら孤立した戦いかたがあるだろ たしかに状況は厳しいが こういうのはピンチになればなるほど燃えていい だから今の状況はおいしい んで最後挽回して爽快感をだすと まぁF猿氏に任せようではないか 599 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/10/08(金) 02 57 [ xmrrYnYY ] 孤立した戦いにも限度があると思いますが・・・。 教皇がバルトとの同盟の際に妨害工作を仕掛けそうな感じ。 それに典型的な妥協を許さない狂信者みたいである意味アルヴァールよりたちが悪そうですね。 前途多難ですな・・・。 600 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/10/08(金) 07 28 [ EbT4fLtg ] オズインを助けるというのも本家の政府広報課とかこれまでの話で似たようなのばかり読んだ。 だからワンパターンっぽくって読み飽きてしまった。 一味違う展開を求む。 601 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/10/08(金) 08 04 [ EbT4fLtg ] 敵国の侵略を受けてる国を日本が助けるという奴ね それじゃ日本がバルトとオズインの和平の仲介国になるというのはどうかな 602 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/10/08(金) 15 38 [ 5cR4Mi3U ] 嘉手納基地にB-52が20機ぐらいほしい・・・長距離攻撃手段として だんだんと事態が収集できない方向に進んでいるような気がする もう少し絞って書かないと作者自身書ききれなくなるんじゃないか? 603 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日: 2004/10/08(金) 15 59 [ Ksk.yJ.Y ] あっさりバルトと日本講和したりして。でもって対アシェナ大同盟できたりして。でもってそのお膳立てをしたのがアル君だったりして。 日本のほうも赤羽がクーデター起こすとか、軍-政間癒着構造を作るとかしたりして。 アル君は日本に王国が勝ってると思ってないし、王国の政情が安定してもらっても困るわけだから、 どうしても謀反(革命という概念があるのかは謎)が起きて当然みたいに国内情勢を持っていきたいはずで、 それくらいのことはやりかねない。 ここは読者の大勢の期待を裏切って、ヴァール先生が本当に救国の英雄として 民衆に支持されるようになるとか言うパターン期待。 604 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日: 2004/10/08(金) 16 36 [ 0U77BVi2 ] ていうか、この時点でアルクアイは日本の国力を完全に見極めていないから、 少し、戦略を修正するかもよ。 605 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日: 2004/10/08(金) 20 04 [ jDoErIYI ] アジェントに召還されて、奴隷にされてる島の人々を開放するという名目で戦争するのは? まぁ、解放というか鞍替えさせて税として食料や資源を徴収するとか。 島を制圧したら守りに入ってアジェントの国力を削る。 相手は木造の帆船だし、索敵能力も自衛隊の方が優れてるだろうから制海権取るのは分けないだろう。 後は沿岸に偽装させた兵を配置させて上陸を防ぐというのはどうだろう。 606 名前:F猿 (BfxcIQ32) 投稿日: 2004/10/08(金) 22 10 [ kHqoVL5Q ] すんません今日の投下は無理でした・・・orz 待っててくれる人が居ると悪いので言っておきます。 607 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日: 2004/10/08(金) 22 17 [ 0U77BVi2 ] GANBATTE 608 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日: 2004/10/08(金) 22 32 [ MSZ8PKC. ] 締め切りは自分で決めれば良いのですから、無理せずに創作してください。 自分も心待ちにしておりますよ。 600ならばオズインがバルト-アジェンド同盟を切る伏兵になるとか。 バルトとしても思想対立があるし、ダークエルフ勢力等が秘密裡に妨害工作を 行う可能性は高いでしょうから。 オズインの攻撃と言うことにして、何らかの妨害をアジェンドに仕掛けさせる。 そしてアジェンドがオズインに手を出したら、名目を付けてバルトが保護に回る などすれば、同盟もおシャカになるかも知れません。 609 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日: 2004/10/09(土) 01 15 [ Ksk.yJ.Y ] F猿さま それこそ戦争じゃないのだから、拙速よりも巧遅、です。 のんびり待ちます。 書かにゃならない局面も多いことですし、無理に急がず。 ここんところオズインが大人気なのは、まだ見ぬ国王陛下に期待してのことかな? ここで一発、マッチョな体育会系の暑苦しいアニキが国王となったら読者みんな大落胆? 610 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日: 2004/10/09(土) 01 22 [ IjMEIWlQ ] オズインの王は亜人を希望。 国ごとになんらかの特色を出したほうが印象に残るから。 611 名前:F猿 (BfxcIQ32) 投稿日: 2004/10/09(土) 23 25 [ kHqoVL5Q ] 大まかなプロットは最後まで作ってある分、 一番苦労してるのは投下前のコメントだったりして・・・。 しかもそれもあながち嘘じゃなかったり・・・。 それでは投下
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916 名前:reden 投稿日:2006/12/29(金) 23 03 41 [ b6zK/Sj2 ] 投下終了です。 ……自分でも無茶なもの書いてるな~と思いますが、どうか大目に見てやってください(汗) 知識などで至らないところも多々あると思いますが、おかしいと思う点があったらどんどんご指摘願います! それでわ。 917 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/29(金) 23 45 16 [ Hk0pjdRA ] ソ連の大地を召喚とかすげースケールでかいな 918 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/29(金) 23 54 38 [ zQTyC6vk ] reden様 間違っていたらすいません もしかして堕ちた天使の世界で投稿されている方でしょうか? 921 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 00 32 18 [ nu1wmIz. ] 赤い羆がF世界に解き放たれるのか?((((;゚Д゚)))ガクブル 922 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 00 36 39 [ BSPacu0Q ] カラフトはどうなるよ? 923 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 01 02 42 [ Nr85GkIo ] 召喚陣には我が国で最も強力な従属魔術が付与されておる。 たぶん意味無いとおもわれw 異世界にも共産主義の幻想がww 924 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 05 32 12 [ jgfSg0sY ] やっべ超面白そう!>ソビエト連邦召喚 召喚された大地そのものを目的とするケースは初めてですね。 これによりF世界側はソビエトに侵攻せざるを得なくなるわけで F世界のショボい軍隊でT-34やらJS-3やら冬将軍と戦わなければならなくなる、 これはF世界側の視点で書いたら絶望的な撤退戦を描けそうでもあります。 平成日本召喚に虚無の砲弾に第三帝国召喚に続きソビエト連邦か、 このスレやたらクオリティ高い作品が揃ってるなぁ。 928 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 11 08 41 [ DUErFeR2 ] 月影さん、投下乙です。 レーダー総司令官、お疲れ気味ですね。まあ、1隻も沈まなかっただけ御の字です。 redenさん、投下乙です。 初めて見るソ連召還、今後の展開を楽しみにしています。 陸士長さん、投下乙です。 少尉、かなり精神が参ってますね。 残り15発ですか…。大物以外は銃で倒すか、キャタピラで轢くしかないかなあ。 930 名前:長崎県人 投稿日:2006/12/30(土) 13 13 58 [ CDVnjlgM ] 月影さん投下乙! しかし駆逐艦に20~50・・・パンツァーファウストぐらい?艦より戦車に使われたらエライ事になりそうな・・・ redenさん 投下乙です!紅い世界が遂にF世界に・・・!ファンファン大佐の活躍に期待です・・・! 陸士長さん 投下乙です・・・15発、燃料も考えると・・・猫の亡霊でも取り付かせt(ry 931 名前:reden 投稿日:2006/12/31(日) 00 28 55 [ b6zK/Sj2 ] 陸士長さん投下乙です。 >917さん、928さん。 感想ありがとうございます。既にアメリカとドイツ、日本が出揃い、後召喚して面白い国はないかと考えた結果この国に行き着きました。 まあネタとしてはフランスなんかも有りですけど(汗) >918さん。 え~と、そちらでは二次創作を中心に… >921さん。 F世界国家にとっては災難。ソ連が消えた地球では主にドイツが喜ぶでしょう。東方生存圏が(ry >922さん。 基本的に転移したのは大陸の国土のみです。 よって樺太や(小さいけど)コトリン島などは元の世界に取り残されてます。 932 名前:reden 投稿日:2006/12/31(日) 00 29 38 [ b6zK/Sj2 ] >923さん。 間違いなく、あらゆるF世界国家からハブられるでしょうね。 王様はNG。宗教もNGですから。 >924さん。 >>F世界側はソビエトに侵攻せざるを得なくなる ですね。しかし史実のおドイツ様のような奮戦は流石に無理でしょう。 北の熊をそこまで追い込もうと思ったら、それこそラノベ級の魔術師を大量に出したり一発逆転のトンデモ魔法とかが無いと……(汗) >長崎県人さん 木造船主体のファンタジー世界においては『あの』ロシア海軍も世界の先端を行く大海軍扱いでしょう。 ……激しく分不相応な気がしますが。
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916 名前:reden 投稿日:2006/12/29(金) 23 03 41 [ b6zK/Sj2 ] 投下終了です。 ……自分でも無茶なもの書いてるな~と思いますが、どうか大目に見てやってください(汗) 知識などで至らないところも多々あると思いますが、おかしいと思う点があったらどんどんご指摘願います! それでわ。 917 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/29(金) 23 45 16 [ Hk0pjdRA ] ソ連の大地を召喚とかすげースケールでかいな 918 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/29(金) 23 54 38 [ zQTyC6vk ] reden様 間違っていたらすいません もしかして堕ちた天使の世界で投稿されている方でしょうか? 921 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 00 32 18 [ nu1wmIz. ] 赤い羆がF世界に解き放たれるのか?((((;゚Д゚)))ガクブル 922 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 00 36 39 [ BSPacu0Q ] カラフトはどうなるよ? 923 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 01 02 42 [ Nr85GkIo ] 召喚陣には我が国で最も強力な従属魔術が付与されておる。 たぶん意味無いとおもわれw 異世界にも共産主義の幻想がww 924 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 05 32 12 [ jgfSg0sY ] やっべ超面白そう!>ソビエト連邦召喚 召喚された大地そのものを目的とするケースは初めてですね。 これによりF世界側はソビエトに侵攻せざるを得なくなるわけで F世界のショボい軍隊でT-34やらJS-3やら冬将軍と戦わなければならなくなる、 これはF世界側の視点で書いたら絶望的な撤退戦を描けそうでもあります。 平成日本召喚に虚無の砲弾に第三帝国召喚に続きソビエト連邦か、 このスレやたらクオリティ高い作品が揃ってるなぁ。 928 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 11 08 41 [ DUErFeR2 ] 月影さん、投下乙です。 レーダー総司令官、お疲れ気味ですね。まあ、1隻も沈まなかっただけ御の字です。 redenさん、投下乙です。 初めて見るソ連召還、今後の展開を楽しみにしています。 陸士長さん、投下乙です。 少尉、かなり精神が参ってますね。 残り15発ですか…。大物以外は銃で倒すか、キャタピラで轢くしかないかなあ。 930 名前:長崎県人 投稿日:2006/12/30(土) 13 13 58 [ CDVnjlgM ] 月影さん投下乙! しかし駆逐艦に20~50・・・パンツァーファウストぐらい?艦より戦車に使われたらエライ事になりそうな・・・ redenさん 投下乙です!紅い世界が遂にF世界に・・・!ファンファン大佐の活躍に期待です・・・! 陸士長さん 投下乙です・・・15発、燃料も考えると・・・猫の亡霊でも取り付かせt(ry 931 名前:reden 投稿日:2006/12/31(日) 00 28 55 [ b6zK/Sj2 ] 陸士長さん投下乙です。 >917さん、928さん。 感想ありがとうございます。既にアメリカとドイツ、日本が出揃い、後召喚して面白い国はないかと考えた結果この国に行き着きました。 まあネタとしてはフランスなんかも有りですけど(汗) >918さん。 え~と、そちらでは二次創作を中心に… >921さん。 F世界国家にとっては災難。ソ連が消えた地球では主にドイツが喜ぶでしょう。東方生存圏が(ry >922さん。 基本的に転移したのは大陸の国土のみです。 よって樺太や(小さいけど)コトリン島などは元の世界に取り残されてます。 932 名前:reden 投稿日:2006/12/31(日) 00 29 38 [ b6zK/Sj2 ] >923さん。 間違いなく、あらゆるF世界国家からハブられるでしょうね。 王様はNG。宗教もNGですから。 >924さん。 >>F世界側はソビエトに侵攻せざるを得なくなる ですね。しかし史実のおドイツ様のような奮戦は流石に無理でしょう。 北の熊をそこまで追い込もうと思ったら、それこそラノベ級の魔術師を大量に出したり一発逆転のトンデモ魔法とかが無いと……(汗) >長崎県人さん 木造船主体のファンタジー世界においては『あの』ロシア海軍も世界の先端を行く大海軍扱いでしょう。 ……激しく分不相応な気がしますが。
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916 名前:reden 投稿日:2006/12/29(金) 23 03 41 [ b6zK/Sj2 ] 投下終了です。 ……自分でも無茶なもの書いてるな~と思いますが、どうか大目に見てやってください(汗) 知識などで至らないところも多々あると思いますが、おかしいと思う点があったらどんどんご指摘願います! それでわ。 917 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/29(金) 23 45 16 [ Hk0pjdRA ] ソ連の大地を召喚とかすげースケールでかいな 918 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/29(金) 23 54 38 [ zQTyC6vk ] reden様 間違っていたらすいません もしかして堕ちた天使の世界で投稿されている方でしょうか? 921 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 00 32 18 [ nu1wmIz. ] 赤い羆がF世界に解き放たれるのか?((((;゚Д゚)))ガクブル 922 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 00 36 39 [ BSPacu0Q ] カラフトはどうなるよ? 923 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 01 02 42 [ Nr85GkIo ] 召喚陣には我が国で最も強力な従属魔術が付与されておる。 たぶん意味無いとおもわれw 異世界にも共産主義の幻想がww 924 名前:名無し三等陸士@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 05 32 12 [ jgfSg0sY ] やっべ超面白そう!>ソビエト連邦召喚 召喚された大地そのものを目的とするケースは初めてですね。 これによりF世界側はソビエトに侵攻せざるを得なくなるわけで F世界のショボい軍隊でT-34やらJS-3やら冬将軍と戦わなければならなくなる、 これはF世界側の視点で書いたら絶望的な撤退戦を描けそうでもあります。 平成日本召喚に虚無の砲弾に第三帝国召喚に続きソビエト連邦か、 このスレやたらクオリティ高い作品が揃ってるなぁ。 928 名前:名無し三等兵@F世界 投稿日:2006/12/30(土) 11 08 41 [ DUErFeR2 ] 月影さん、投下乙です。 レーダー総司令官、お疲れ気味ですね。まあ、1隻も沈まなかっただけ御の字です。 redenさん、投下乙です。 初めて見るソ連召還、今後の展開を楽しみにしています。 陸士長さん、投下乙です。 少尉、かなり精神が参ってますね。 残り15発ですか…。大物以外は銃で倒すか、キャタピラで轢くしかないかなあ。 930 名前:長崎県人 投稿日:2006/12/30(土) 13 13 58 [ CDVnjlgM ] 月影さん投下乙! しかし駆逐艦に20~50・・・パンツァーファウストぐらい?艦より戦車に使われたらエライ事になりそうな・・・ redenさん 投下乙です!紅い世界が遂にF世界に・・・!ファンファン大佐の活躍に期待です・・・! 陸士長さん 投下乙です・・・15発、燃料も考えると・・・猫の亡霊でも取り付かせt(ry 931 名前:reden 投稿日:2006/12/31(日) 00 28 55 [ b6zK/Sj2 ] 陸士長さん投下乙です。 >917さん、928さん。 感想ありがとうございます。既にアメリカとドイツ、日本が出揃い、後召喚して面白い国はないかと考えた結果この国に行き着きました。 まあネタとしてはフランスなんかも有りですけど(汗) >918さん。 え~と、そちらでは二次創作を中心に… >921さん。 F世界国家にとっては災難。ソ連が消えた地球では主にドイツが喜ぶでしょう。東方生存圏が(ry >922さん。 基本的に転移したのは大陸の国土のみです。 よって樺太や(小さいけど)コトリン島などは元の世界に取り残されてます。 932 名前:reden 投稿日:2006/12/31(日) 00 29 38 [ b6zK/Sj2 ] >923さん。 間違いなく、あらゆるF世界国家からハブられるでしょうね。 王様はNG。宗教もNGですから。 >924さん。 >>F世界側はソビエトに侵攻せざるを得なくなる ですね。しかし史実のおドイツ様のような奮戦は流石に無理でしょう。 北の熊をそこまで追い込もうと思ったら、それこそラノベ級の魔術師を大量に出したり一発逆転のトンデモ魔法とかが無いと……(汗) >長崎県人さん 木造船主体のファンタジー世界においては『あの』ロシア海軍も世界の先端を行く大海軍扱いでしょう。 ……激しく分不相応な気がしますが。
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西暦2021年2月16日 18:20 ゴルソン大陸 日本国西方管理地域 ゴルシアの街南東8km地点 「なんだこれは?」 その異常さから調査終了までは発見当時を維持されている死体たちを見つつ佐藤は口を開いた。 ゾンビや身の毛もよだつ化け物、もちろん通常の死体も見慣れている彼にとってもなお、目の前の光景は異常だった。 親が子を、子を親が、とは20世紀末から21世紀初頭の事件でよく耳にしたが、それを一つの村レベルで、というのは聞いたことがない。 「生存者はありません、全員が互いに殺しあって死亡したようです」 集落の中を調べていた二曹が報告する。 火災のおかげで発見できたこの小さな集落は、自衛隊の製作した地図に記載されていないものだった。 しかし、そこにあったのは恐らく数時間前までは生存していたであろう人間たちの残骸だけである。 「ですが、これは」 「わかっている、あそこを見てみろ」 佐藤が指差した先には、およそ10歳前後の少女数名によって討ち取られた老人の死体が転がっている。 老人の持つショートソードによって反撃を受けた少女たちは、その時の負傷が原因で失血死したらしい。 対して少年たちは、別の大人によって攻撃を受け、相打ちとなったようだ。 その隣では、なべや包丁を持った母親たちの集団が、激烈な白兵戦の末に全滅したらしい姿がある。 「この村でアニメとゲームとインターネットが流行っていたのが原因だな」 「きっと漫画も流行っていたんでしょうね、それでどうしますか?」 佐藤の呟きに適当に返しつつ二曹は尋ねた。 このような異常な状況は全く想定されていない。 尋ねられた佐藤は周囲を見回した。 ゾンビ化されては困るため、死体の焼却は決まっている。 だが、それだけではこの異常な状況を放置することになる。 魔法的なものが原因だったら仕方がないが、まずは違う原因から探るか。 「食料と水のサンプルを取れ、薬草の類もあればそれも。 死体は全て一箇所に集めて焼却しろ。一度町に戻り、その後に再度調査とする」 「死体を焼いてしまってよろしいので?」 「あえてゾンビを出現させる必要もないだろう。 体組織のサンプルをとりたいところだが、我々では何をどうしたらよいのかわからん。 直ぐにかかれ」 直ちに作業が開始された。 彼らは焼失していない全家屋からサンプルになりそうなものを回収し、それをできる限りの方法で密閉した。 その間にも死体は集められ、弔いの言葉と共に焼却された。 「直ぐに出発する、周辺警戒を怠るな」 一通りやるべき事をやった彼らは、逃げ出すように村を後にした。 「そうです、明らかに異常な事態です」 無線機へ報告する二曹を後ろから見つつ、佐藤は先ほどの情景を思い出した。 大人も子供も、老人までも、誰もが互いに殺しあう状態。 一体何をすればそのような事が起こりえるのだろうか? ただ殺しあったわけではない。 彼は死体たちの表情を思い出した。 笑うという表現が正しく思えないほどに、誰もの口が裂けんばかりに開かれていた。 「報告終わりました、街のほうでは異常はないようです」 通信を終えた二曹が報告する。 「よろしい、とりあえず原因が特定されるまでの期間、基地内の人間は浄水器を通した水と本土から持ち込んだ糧食以外の摂取を禁止しよう」 「水の中に何か怪しげなウイルスでも?」 「それはわからんが、違ったら勿体無いで済むだけの話だ。 俺の部下たちが笑みを浮かべて殺しあう可能性は最低限に抑えたい」 「了解しました、徹底させましょう」 西暦2021年2月16日 20:15 ゴルソン大陸 陸上自衛隊大陸派遣隊第一基地 第一会議室 「困りますねぇ、こういうものを持ち込まれますと」 会議卓上に置かれた白い粉末を眺めつつ外務省の鈴木は言った。 大陸で続発している集団暴走事件、その原因を探るべく情報本部と共同で調査を行っていた彼に入った報告は、実に不愉快なものであった。 「ええと『狂王の笑み』でしたっけ?」 書類を確認しつつ目の前に置かれた物質の名前を読む。 それは遥かな昔、放蕩の限りを尽くした独裁者が作らせた麻薬だった。 使用した者の思考を研ぎ澄まし、感情を豊かにし、無尽蔵の力を与えるという完璧な秘薬である。 「全く、よくもまあ下劣な作戦を思いつくものです」 呆れたように言い放った彼の前には、捕縛されたエルフ第三氏族の女性三名がいた。 全員が縄で縛られ、手錠を掛けられ、猿轡を噛まされた上に目隠しをされている。 「常用者は支離滅裂で攻撃的な思考をするようになり、それでいて何もかもが楽しくなる。 筋肉を傷つける程の怪力を振り回し、周囲にいる人間全てが倒すべき敵に見えるようになる」 鈴木の目は冷たくなっていく。 「それを、こともあろうに民間人居住区の水源に散布するとはね。 ますますもって生かしておくわけにはいかない存在ですね、あなた方は」 彼は後ろに控えた情報本部の要員たちに合図した。 「必要な手段を取って情報を収集してください。 その後の処理はお任せします」 彼の合図を受けて男たちは無言でエルフたちへ歩み寄った。 公式には、彼女たちはこの時に死亡した事になる。 「鈴木さん、これからどうするんですか?」 いつぞやの派手な格好をした彼の部下が尋ねる。 廊下を歩く彼は、いつの間にか東洋人的な笑みを浮かべる標準的官僚に戻っている。 「井戸の中に放り込んでおけばOKなんていうトンでもない麻薬の撲滅ですよ。 まあ、実働するのは自衛隊になりますがね。 外交ルートから圧力を掛けようにも、この大陸にはわが国以外の国家なんてありませんから」 「麻薬、この世界にもあるんですね」 「それはまあ、文明社会があり、薬学が存在していればありえない話じゃないでしょう?」 彼の言葉を聴いた部下は、暫し考え込んでいる。 「室長」 「なんだ?」 いつになく改まった声音で声を掛けた部下に、彼は真面目な声音で答えた。 「あれ、利用できませんかね?」 「利用、というと?」 真面目なままの声音で返されたことに部下は安堵の笑みを浮かべる。 「麻薬を使って敵国を足元から破壊ですよ! 少ない労力で最大の効果ってやつです。 うまく浸透させれば敵国軍を内部から瓦解させることもできますし、外貨の獲得にもきっと役立ちます!」 笑顔で恐ろしい事を言い放つものだ。 部下の顔を見つつ彼はそう思った。 「最低でも八つの集落で散布されたという事は、原材料がこの大陸でも十分供給できるに違いありません。 さっきのエルフたちを締め上げて早急な確保が必要です!」 部下の女性は、相変わらずの笑みのままそう言い放った。 西暦2021年2月16日 20:18 ゴルソン大陸 陸上自衛隊大陸派遣隊第一基地 ヘリポート 部下の女性の提案を聞きつつ、鈴木はヘリポートへと到着した。 周囲では完全武装のまま警戒に当たる警務隊員の姿が点在している。 作戦行動中は、いかなる場所にあろうとも警戒を怠ってはならない。 これは大陸へ派遣された自衛官たちの共通認識だった。 「大変興味深い提案ではありますが、却下ですね」 鈴木は真面目な表情を消し、東洋人的笑みで答えた。 「私の部下ともあろう人間が、高々数年程度の短い期間の利益しか見ることができないとは。 嘆かわしいを通り越して、私は悲しいですよ」 わざとらしく目頭を押さえ、首を振る。 「いいですか?我が国は、誇り高い勝利だけが許されるのです。 もちろん、圧倒的な武力を背景にした強圧的な外交もですけれども。 麻薬王、などという称号は、世界の覇者を目指す我が国には相応しくありません」 「ですが!」 部下の女性は食い下がった。 「君も外務省の人間なのですから、5年10年と近い未来を見るのではなく、50年100年先を見て物事を考えなさい」 「もちろん未来を見据えての話です。 海上自衛隊の簡易戦闘艦拡張による通商破壊、航空自衛隊では戦略爆撃隊の編成とそれによる国土の破壊。 自衛隊が想定しているものは、確かに大きな効果があるという認識は私も持っています」 「それでいて、どうして麻薬をばら撒こうと?」 改めて部下の提案に興味を覚えた鈴木は、再度真面目な表情を浮かべた。 「援護射撃ですよ」 「援護射撃?」 自分の言葉に不思議そうに聞き返した鈴木に、部下の女性は笑顔で答えた。 「自衛隊の軍備拡張計画が終了し、全面戦争に突入すれば、必ず我が国は勝利するでしょう。 私はそれについて何の疑いも持っていません。 しかし、WW2型艦艇の大艦隊を建造し、戦略爆撃機をどんなに揃えても、最後は銃を持った自衛隊員が皇帝の前まで行く必要が出てきます。 その時に備え、敵国を内部から破壊するという今からできる援護射撃です」 「未来の世界大戦を見据えてならば、その案は非常に魅力的でしょうね。 しかし、さらにその先を見た時にはどうでしょうか? 我々は、自分たちのばら撒いた麻薬と、そして麻薬をばら撒いたという事実と戦わなくてはなりません」 そこまで未来の事を考えてどうすると反論しようとした部下を、鈴木はジェスチャーだけで押さえつけた。 「私たちは、50年100年先の子孫たちに謝罪や賠償をさせるわけにはいかないのです」 彼の言葉に、部下は黙らなかった。 「そんな事、我々が軍事的に圧倒的な存在となれば気にする必要などなくなるではないですか?」 「それでも、人道的に胸を晴れない事をすれば、子孫たちに負い目を負わせてしまう。 我々がやって良いのは、我々の世代で清算できる程度の悪行までです。 申し訳ありませんが、麻薬王になる夢は捨ててください」 最後の一行を断ち切るような口調で言い放つと、鈴木はヘリポートの方を向いた。 彼らを運ぶための輸送ヘリコプターは、その輪郭が視覚できる距離まで接近していた。 西暦2021年2月20日 23:45 日本本土 東京都千代田区外神田某所 秋葉の原事務販売5F 「予算いったねー」 真夜中だと言うのに全員が揃っている事務所の中で、今年49歳になるこの会社の社長は、朗らかな笑みを浮かべて言った。 鉛筆からサーバーまで、事務に関連する様々な物を取り扱うこの会社は、大陸でのK級販売品貿易に参加し、大きな利益を得ていた。 K級販売品とは、普通に販売しても問題がない物品の事を指している。 例えばコピー用紙やボールペンが該当する。 リバースエンジニアリングのしようがない、あるいは行ったとしても意味を成さない物品が指定されている。 日本国内では個人でも一山いくらで購入できるありふれた物だが、中世程度の技術力しか持たないこの世界ではそれらは金貨をいくら積んでも惜しくない夢の商品になる。 この世界に来てある程度時間のたった日本国は、専売制に戻った塩はともかくとして、民間企業の生き残りを図るためにそれらの物品の輸出を行っているのだ。 ある程度以上の供給を行えば価格は低下するのが当然であったが、救国防衛会議は諸外国に対しての談合には一切の制限を行わなかった。 日本円に換算して1円でも多く、外貨を獲得する必要があったからだ。 「来月の臨時ボーナス、期待していますよ」 彼と歳が一つしか違わない課長がコーヒー片手に言う。 安価な外国製品の供給が途絶えた時には倒産を覚悟した彼らだったが、その心配は必要なくなった。 そもそもが、事務用品という物は常に需要が存在する。 それは、日本列島が別世界に召喚されるという異常事態であっても例外ではない。 外国が消滅しても、官公庁も民間企業も組織として成り立っているうちは常に消耗品を使用し続ける。 確かに予算の関係から高額な電子機器の売り上げは激減したが、継続しての売り上げは立つのだ。 そうして細々と生き延びようとしていた時に政府から来た海外輸出の話。 その内容は、驚くべきことに日用品と金を交換するという夢の様な話だった。 他の会社と共にそこへ参入して半年。 国内の金の換金レートが下落した事から利益は減った。 しかし、レートが下がったとは言っても金である。 以前に比べれば多額の現金が入るようになった。 結果として、従業員規模60人のこの会社は臨時ボーナスを期待できる状況となる。 「はいーお水お待たせしました!」 既に自分だけ飲んだのだろう、口元を濡らした23歳の女性社員が、水道水を満載したボトルを持って登場する。 「じゃあ乾杯しよう!」 社長が叫ぶと同時に、このフロアにいた全員がコップを持って殺到する。 ボトルの中身を分配し、社長が音頭を取って乾杯する。 一気に飲み干し、彼らは直ぐに仕事へ戻った。 何時になっても疲労を覚えない、どんなに働いても脳が冴え渡る現状を好ましいと考えつつ。 同様の光景は、このビル全てで見られた。 他のフロアにテナントとして入っている企業でも、どういうわけだか水道水が一番人気となっていたのだ。
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湯飲みに玄米茶を注ぎ、缶から取り出した昆布の粉をさらさらと入れる。 自身のカップには健康と美容のために、食後に一杯の紅茶。 ロシアン・ティーを一杯。ジャムではなくママレードでもなく蜂蜜で。 「総理、国会で“日本以外の世界が滅んだ”と伝えたのですがよろしかったのでしょうか。 変化した人類、ミュータントや超能力者、『魔術』に関する発表は 後の障害者差別問題に繋がりかねない発表でしたが」 「んー。説明しなければならんかね」 武原は湯飲みに付けていた口を外した。 「茂人君とは秘密を共有するもの友人同士、腹を割って話しをしなければいけないと思っていた。 の、前に、敬語は止めてくれんかね。肩が凝る。突っ込みをどんどん入れてくれ。遠慮はいらん」 「最低限の礼儀は弁えているつもりです」 「父にそっくりだな。ときに君は、差別やテロリズムがどのように産まれるか知っているかな」 お茶請けに置いてあった煎餅を齧った。 ばりぼりと一枚食べ、答えた。 「富の不平等」 「違う、それは増える要因であって原因ではない。 イランやイラクで暗躍していたテロリスト、外務畑の君なら彼らを知っているな」 間髪入れずに言葉が返ってきた。 答えを予想していたようだ。 ロシアン・ティーを飲んで喉の煎餅を流し。 少し考え、答えを返した。 「自爆テロやゲリラを支持しているのはエリート層でしたね」 「ビンラディンやザルカウィ、ムジャヒディン、皆世間で金持ちと呼ばれるやんごとない方々だよ。 学生運動や共産主義に取り付かれ、火炎瓶を投げた昔の青年達も大学生を中心とした 知識人と呼ばれる人々だった」 「しかし、直接犯行している方々は違います」 「君らしくない答えだな。現代のテロリストは訓練所で生活し教育された人々だ。 衣食住を保障された手に職のあるテロリストだよ。実態は知っているだろうに」 「だとすると身体的特徴や住む地域に関しても違いますね。テロリズムは国際化していますし、 中東のテロのために協力する日本人も居ますから。 日本でも、沖縄人でない方々が在日米軍基地に対し毎年反対集会を開いてますね」 今時のテロリストは訓練施設や学校で勉強する。 民兵組織に入り、経験を積んでから仕事としてテロ活動を行う者も居る。 テロ組織そのものが学校や養護施設をもっているなどざらだ。 彼らは場合によっては仕事の斡旋までして、スカウト、社交界でのパトロン集めさえ行う。 他国の賛同者を集め、爆弾政策や軍事教練をして、目的の組織などへ潜り込ませる。 アメリカの炭素菌テロでは一時期、在住アメリカ人のテロリストやアメリカ系○○人のテロリストが 持て囃された。彼らは正規の教育を受けていて、生活には困らない身分の人間だった。 アメリカ人と同じ白人だったので、黒人差別などとも縁遠い存在だった。 「もし、富の不平等が原因なら、共産圏にはテロが起こらないはずだね」 「チェチェンですね。ロシア与党の掲げる公約の一つにテロとの戦いがありました」 世間では忘れられつつあるが、近年まで出兵までしてテロとの戦いをロシアは行っていた。 ほんの少しの特殊部隊や工作員を派遣するのではなく、 戦車や戦闘ヘリまで出した軍を中心とする本格的な戦闘である。 「すると君はテロリズムは何処から産まれると思うかい」 「歴史ですか。積み重なった認識のずれが蓄積され、地震の活断層のごとく テロや差別に波及する…ですか」 「ああ。ミュータントに対する発表だけが、決定的な差別へ繋がるわけでもない。 “これから”が大事なのだ」 おかわりの紅茶にブランデーを入れた。 美味しい紅茶が飲めるのは生きている間だけだ。 「政治家としての意見ですね。でも差別は存在する」 「直接外と関わっている君らしい意見だ。“これから”はこれから幾らでも修正が効く“これから”だ。 ミュータント超能力論の根元、もとい“日本以外の世界が滅んだ設定”は嘘と 君も理解していると思う。“後付設定”で幾らでも引っ繰り返せる。 嘘だからいつか見破られるだろう。見破られるのが一ヶ月か十年後か知らないがね。 とりあえず、今のところ考えているテレビ対応としてダークエルフ達との接触がある。 染色体異常、超能力と異形の体との固定観念を持っていた国民に ダークエルフ達を見せたらどうなると思うね? 人類ではありえない超能力を駆使する美男美女、 ファンタスティックなんとかなスーパーウーマンだよ。 TVや国民受けはいいだろう。第一印象を良くしてからドワーフや異種族を紹介してもよかろう」 ダークエルフのカイを会ったときには驚いた。 美幼女だったのである。幼女に美を付けるのは変な表現だが、カイに限ってはしっくり来る。 黒桐から見せられた写真を見てもっと驚いた。ダークエルフ美女軍団だった。 某ゲームの影響でウィルスや遺伝子変異が異形しか産まないと 固定観念を持っている日本人には頭を殴られる衝撃になるだろう。 エルフはTVにぴったりな存在であるはずだ。 悪く見積もっても、そこらのお笑い芸人かタレントか判別に困る女よりよほど美人であるのは間違いない。 「見破られる嘘を付くメリットがありません」 「日本は資源が無いと飢え死にする。突然異世界に転移させられた=資源の場所なんかわかりません、 これから探します、と 戦争で地形が変わった=資源の場所はわかります、 いずれ力ずくの交渉でもなんでもして手に入れます。どっちを国内に発表するかだな」 日本の富は貿易で成り立っている。決してアメリカやロシアのような自己で完結した文化圏ではない。 『祖国がなくなったと知った外国人』や輸出企業は大混乱だ。資源を輸入していた業者達も全滅する。 補給先が無くなったと確定した先で始まるのは、槍と馬に代わる、銃と車を使った食料と資源の奪い合い、 現代の三国志だ。外国人たちは各々のコミュニティを造り、自衛する。 在日米軍に日本国内で独立されては堪らない。 米軍の将校に「あなたの信頼する合衆国は消滅しました」と言ったらどんな顔をするだろう。 日本本土の治外法権な基地に隠してある核爆弾でも持ち出して脅迫してきそうだ。 『文明は滅んでも、世界に人は残る』完全な異世界では救いが無い。 『元の世界が残っている』からには『元の生活に戻れる希望ができる』異世界はそんな幻想すら許さない。 せめて、見切りがついてから海外状況を発表したいと考えたのだろう。 底のない絶望だけを見せられて打ちひしがれるのと底に希望を見つけるのとではどちらがマシかだ。 「だったとしても、悪手でしかありません。 資源を集めるにしても確保のためのインフラ整えるにしても、政府だけでやれる事には限界がある。 地形、現地住民との会話、物品、常に見破られる可能性があります。露見後は政変ですね」 「私は漫画の主人公ではないのだ。常に完璧な答えを出してくれる神が居たら、 喜んで従いたいぐらいだよ。嘘を付いたのは自衛隊をエルブ王国へ派遣するための理由付けだ。 それにゼロからインフラを整えるとこから開発始めようとは思わん。できても途中で資源切れになる」 石油については北海道油田の増産やガス油田が開放されたため、多少は備蓄が伸びた。 それでも、埋蔵量が不安だ。早急に安定が必要だろう。 幸運にも千島にロシアが唾を付けていた埋蔵量が十分な油田がある。 それがあるから良いとして、問題は石油精製施設と千島の採掘施設だ。 日本には一応、精製プラントは存在するし稼動も可能だが、日本全土の需要を満たすためには追いつかない。 プラントは補助程度に使われていたものであり、本格稼動を目的としていなかった。 千島についてはロシアが長年あると決めて、原油の値が下がったため放り出した開発があるだけで、 プラントそのものはできていない。早急な完成が必要である。 農村部では凍死が出るかもしれない。 今年の冬は寒くなるだろう。 このように、資源が見つかっても、採掘や精製するために本格稼動するまで時間が掛かる。 それまでどうやって乗り切るかが課題だ。 プラントなどが出来るまで、当分は中世レベルの化学力の粗悪品を買い付けなくてはいけないだろう。 当たり前だが、質の高い大量の鉄鋼や精製済みのガソリンなどは当分、望むべくも無い。 全て自国で精製しなくてはいけないのだ。 「短期的な視点です。長期的に情報操作は害悪だと考えます」 「無論だ。日本全部滅亡と仮定した場合の対応は“現時点の基本方針”であるし、 “情勢がまだはっきりしていない”。従って異常生物などの問題が明確になりさえすれば、 後は“柔軟に考える”と私は新聞の取材で答えた」 よく政治の場で使われる“適切に対応致します”“前向きに検討いたします”は玉虫色の言葉だ。 聞き手によって好きに受け取れるし、責任を追及されてもあいまいの霧で煙にまける。 「情報を段階的に開放し、ゆくゆくは異世界について理解を浸透させたい。ですか?」 「茂人君。君はなかなか理解がはやい。“情勢がまだはっきりしていない”のを逆手にとれるなら 好きな情報を流せる、不確定情報ならば間違っていてもシラが切れる。 情報を間違ったら自衛隊や分析していた専門家達のせいにすればいい。ミサイルの誤報みたくな。 今は情報が錯綜しているから。どうとでもできる」 「黒いですね。大人の事情を垣間見た気がしますよ」 これやったの絶対総理だろ・・汚いなさすが総理きたない。 だます為に嘘付くのは馬鹿。 真の嘘吐きは思わず騙してしてしまってる真の嘘吐きだからもててるのだという事実。 「なあに、かえって免疫が付く。この程度を黒いと言うのなら政界を生き残れんよ。 私は海外について判明した情報から最新のものを順次国民に流していくつもりだ。 竜の生態、魔法の種類、遺伝子解析、風俗や技術。国をあげての調査は国民も望んでいる」 「後付設定でいくらでも自由に情報を流せるわけですか」 「流さなくていい。ころあいを見て、上がってきた情報に許可の首振りだけすればいいのだよ」 「いつ嘘がばれても、対応策と保身は完了してる。ですね」 「まあな。他にもあえて情報を確定しない、次々に新情報が放送されることによるメリットもある」 「不確定性ゆえの空想ですか」 茂人は手さばきあざやかに、愛知県西尾産の茶をいれた。 武原は差し出された茶をひと口すすって、茂人に話した。 「国民を飽きさせないための娯楽としての海外情報。 まるで中世ファンタジーな世界は視聴者にも興味深い。TVも稼げる、不満も反らせる。 停滞した経済活動の再開。 異世界の生態や動植物の研究は民間にも任せる、我々の住む世界とは全く異なった物達だ。 しばらくは特許や新技術で新聞は賑わうだろう。 当然、病気や寄生虫が怖いから対策のしっかりした一部の大企業だけになるだろうがな」 そういって、畳の上にあぐらをかいて玄米茶をすすった。 「情報の切り張りと編集に演出、まるでTV番組ですね」 「行き過ぎた政治は娯楽になるとどこかの哲学者が予言してたな、まだメリットはあるぞ。 政府発表である、日本以外滅亡という真実を持った嘘は不信を産む」 「デメリットでしかありませんね」 「不信は疑惑を産み、新たな説や技術を産み出すだろう。 より良い説を選んで採用して行けばいいのだ。 我々が現在、『異世界召喚』と呼んでいる説は、たった2週間の間の情報だけで組み上げられた説だ」 「召喚されたのではなかったんですか!」 どんっ!と和風テーブルを叩いた。 カップに入った茶が飛び散る。 武原は慌ててお絞りでテーブルを拭いた。