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自治体 猫鯖国は都府県に分かれており、一部の都府県は連邦として完全分離した行政体制をとっている。 渋鮒連邦加盟自治体 渋鮒府 野分県 香山県 加賀県 流星県 渋鮒連邦以外の自治体 浜北県 姫門都 対岸県 入浜県 右沢県 高田県
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2013 春 県予選 4月?日 Nikko ?市 ?:?(前?:? 後?:?) 過去の成績 県予選 春 秋 2009 2位 2位 2010 優勝 2位 2011 大会中止 ベスト4 2012 初戦敗退 ベスト4 2013 ? ? 北関東大会 2009 優勝 2010 1回戦負け&5位決定戦初戦敗退 2011 大会中止 2012 県予選敗退 2013 ? 全国大会 2009 1回戦負け 2010 北関予選敗退 2011 大会中止 2012 県予選敗退 2013 ? 関東大会 2009 県予選敗退 2010 県予選敗退 2011 県予選敗退 2012 県予選敗退 2013 ? 全国自治体職員サッカー選手権大会 歴代大会結果 回 年度 優勝 準優勝 1 1971 大阪市役所 神戸市役所 2 1972 大阪市役所 藤枝市役所 3 1973 藤枝市役所 大分県庁 4 1974 大阪市役所 大分県庁 5 1975 五戸町役場 藤枝市役所 6 1976 五戸町役場 藤枝市役所 7 1977 五戸町役場 (両チーム優勝) 藤枝市役所 8 1978 五戸町役場 大分県庁 9 1979 藤枝市役所 浦和市役所 10 1980 藤枝市役所 秋田市役所 11 1981 秋田市役所 藤枝市役所 12 1982 秋田市役所 (両チーム優勝) 藤枝市役所 13 1983 藤枝市役所 五戸町役場 14 1984 藤枝市役所 秋田市役所 15 1985 藤枝市役所 秋田市役所 16 1986 秋田市役所 藤枝市役所 17 1987 秋田市役所 (両チーム優勝) 藤枝市役所 18 1988 秋田市役所 藤枝市役所 19 1989 藤枝市役所 秋田市役所 20 1990 藤枝市役所 秋田市役所 21 1991 藤枝市役所 秋田市役所 22 1992 秋田市役所 藤枝市役所 23 1993 藤枝市役所 秋田市役所 24 1994 秋田市役所 藤枝市役所 25 1995 藤枝市役所 (両チーム優勝) 藤沢市役所 26 1996 藤枝市役所 (両チーム優勝) 藤沢市役所 27 1997 藤枝市役所 藤沢市役所 28 1998 藤枝市役所 藤沢市役所 29 1999 藤枝市役所 秋田市役所 30 2000 藤枝市役所 藤沢市役所 31 2001 秋田市役所 さいたま市役所 32 2002 藤枝市役所 日立市役所 33 2003 藤枝市役所 秋田市役所 34 2004 藤枝市役所 秋田市役所 35 2005 東京消防庁 秋田市役所 36 2006 藤枝市役所 東京消防庁 37 2007 藤枝市役所 東京消防庁 38 2008 藤枝市役所 東京消防庁 39 2009 東京消防庁 藤枝市役所 40 2010 藤枝市役所 東京消防庁 41 2011 大会中止 大会中止 42 2012 藤枝市役所 大分市役所
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自治体職員有志の会 佐賀オフ会 日 時: 平成18年2月24日(金)14 00~17:45 場 所: iスクエアビル(佐賀市民活動センター) ○開会: 有志の会事務局 ○講演:責任ある民主主義と行政経営改革参謀の育成 中西 一 佐賀大学経済学部地域政策大講座助教授 ○講演:古川康佐賀県知事 ○古川知事による参加者グループワーク オフ会案内文 ○開会: 有志の会事務局 ・身のあるフラットな議論ができることを期待している。 ・佐賀県、佐賀県域には親近感を持っている。自治体として空港を核にしたまちづくりをしたいと思っている。 ・この有志の会は平成15年の3月にできて、ML等で意見交換をしているが、メール上でのやりとりだけでは自然消滅したり、身内的な議論になってしまうの で、熱い志を持った自治体のトップの方と意見交換したいということで15年6月に高浜市長を名古屋市に招き、第1回のオフ会を開催した。 ・普段はヒエラルキーの中で仕事をしている中で、フラットな議論が必要であると感じた。 ・全国の集まった仲間から元気をもらい、3年間で第9回を数えるようになった。 ・昨年も西宮市でシンポジウムを開催したが、今年も8月19日に福岡市天神地区のホールで第3回のシンポジウムを開催したいと考えている。シンポジウムで は木佐九州大学教授、小西関西学院大学教授、古川佐賀県知事、齋藤山形県知事、臼杵市長、柳井市長など素晴らしい方々のお話が聞けるので、ぜひ今からスケ ジュールを空けて置いていただきたい。 ・先ほどのお話の中で予算編成や合併でご苦労されているというお話があったが、現在私も外からお金をいただいて報告書を作る仕事をしており、深夜1時まで 仕事をしていたのにも関わらず、今朝は女子のスケートを見た。金メダルが決まった瞬間の荒川選手の表情がすばらしかった。この表情を見ていて思ったのは自 治体職員もああいう表情ができるような仕事ができればと感じた。これまでは組織の一員として、歯車的に働くことを職員は強いられてきたが、これからは、自 分で働き方を決めて自分の専門の道をずっと歩いていき、自信を持つことでどんどん成果を上げ、今日の荒川選手のような表情ができるような自治体にできれば と思っている。そのために自治体職員有志の会が少しでも貢献できれば。 ・最後に、8月のシンポジウムの前哨戦的なところがあるが、普段の立場はあると思うが、今日は一個人としてフラットに積極的な意見交換を行って頂きたい。 ・少しでもいいネタを拾っていただいて今後の仕事やキャリアデザインに活かして頂きたい。 ○講演概要:責任ある民主主義と行政経営改革参謀の育成 中西 一 佐賀大学経済学部地域政策大講座助教授 ・佐賀県の良さは、議論になると本音ベースの中身の濃い議論になる。保守的な体質ではあるが、「言うときは言う」というところがあり、議論すると相当激しいやりとりになるが、私はその中で得るものがたくさんある。 ・古川知事が呼びかけたこともあるのか、今日はたくさん来ていらっしゃるが、私の基本的な考え方としてバランスを取る、というのがあり、話しやすくなるようにやらせていただきたいと思っている。 ・行政経営改革を進めなければならないという事が私の立場だが、竹槍でB29に突っ込もうとする人も少なくない様に感じる。 ・私の役割はストラテジストの育成であると考えており、学問はバックアップする立場であり、どの様に改革戦略を立てるのかということが主たる関心 ・今日の行政経営の課題 ・行政経営改革は簡単ではない。実態に関しては皆さんがご存じではないか ・やや財政学的・公共選択的な考え方が頭にあるのか、行政を知れば知るほど人間は利己的であり、人間の能力が付いていっていないということが率直な意見。 様々なツールを導入しているが、いったいどういうスキルが求められているか、どういう能力が求められているかという事を私たちは知らない。にもかかわら ず、新しい制度を入れたら自動的に変わると考えている。このギャップが非常に大きい。 ・様々な環境に文句を言いたいことはたくさんあるが、文句を言う前に足元のスキルを高めなければならない。 ・そのためには改革戦略を構想し、下支えできる人材の系統的育成が必要である。 ・現場主義+複眼視+システム思考 ・なぜ日本の組織はこれほどローテーションをしているのに自分の部署以外の部署に対する理解が低いのかに驚く。複数の視点から見ることが出来ない。複数の部署がどの様な因果関係にあるのかというシステミ的な発想に根本的に欠けていると感じる。 ・現場に根ざすことは結構だが、次にやるべきことがある。現場の方とは違う付加価値を提供できるとしたらそういう事も大切である。 ・今日は、95、96年以降の地方自治体の行政経営改革を回顧して、何ができて何ができなかったのか。地方自治、地方分権のために行政経営改革はどうあるべきか。日本型組織の中でいかに改革を継承・継続していったらよいのか。という事について話したい。 ・地方分権下の行政経営 ・フランスで最近移民を中心に暴動が起きた。私が留学時にフィールドワークをしていたときにちょうどパリ郊外のイスラム教徒が多く住んでいるところで勤めていた。そこで感じたことから話題提供したい。 ・私の行政経営との接点 ・元々自分は地方行政の頭があったが、そこから経済系になり現在は財政学者、これは片方のわらじであり、もう一方は行政経営系の研究者である。フランスにおける行政経営は管理会計の影響を受けているので、そういった発想で物事を考えている。 ・セーヌ・サン・ドニ県枠配 平均賃金計算監査の経験 ・枠配分予算とは部門に財源を配分することであるが、一般会計ベースで配分されることが多く、自分たちの調達の努力で増やせる収入を増やせる工夫をしてくださいということ。 ・間接部門の経費を直接部門に割り振ることによって、コスト削減のインセンティブを持つような仕組みを入れ込んでいる。つまりある部署が占有しているオ フィスを放棄する代わりに追加的な予算を受け取ることが可能となる。逆にどうしてもスペースが必要であれば、その分の予算を削減するという、経費削減もメ カニズムを仕組んでいる。 ・私とりわけ人件費の部分の計算、この自治体では平均賃金×ポスト数で雇ってよい人数を計算していた。 ・人事が分権化されているという前提にすると、平均賃金で割り付けるということは、実際に賃金より割高な職員と割安な職員がいるということになる。 ・私の仕事は、平均賃金の金額をベースに枠配の配当額を計算することだったが、多すぎるということで計算する監査の仕事をしていた。 ・問題は賃金の過剰な見積もりにあるのではなく、ポストの数の方が実際のニーズよりも過剰だった。 ・ポストが実際に必要な数よりも多いということは、保険をかける意味と水増しして予算をもらっているということ。 ・平均賃金の計算は財務会計系の財政企画部門が計算し、ポスト数の計算は人事部門で行っていた。しかしこの両者の関係がうまくいっていない。 ・ここで非常に痛感したことは、枠配分の有効性は基本的に認めるが、部門間連携の問題が深刻だということ。その後 日 本でいろいろな話を聞かせて頂い ても、他の部門との関係についての注意がはらわれていない。それぞれの部署の利害だけを言っていて自分の部署以外のことを勉強していない。 ・ベストプラクティス批判(米) ・オズボーン=ゲーブラーの行政革命(incentive-government)という本が90年代の世界のNPMブームの一つの火付け役になったとよ く言われている。この著作とベストプラクティスの思想が結びつけられることが多いが、ベストプラクティスとされるものは本当にベストなのか?英語の本でも 書かれているようにベストだという証拠はほとんど提示されていない。 ・行政経営は質的に非常に複雑なシステムなので、一部だけを取り上げて評価することは簡単だが、それは本当にベストプラクティスなのか。 ・仮にそれがベストプラクティスであったとして、例えば多くの方が福岡から志木市の視察にいったが、環境が全く違う。 意識の高い市民が住んでいて労働組合がない。その状況は佐賀や福岡とは全く風土が違う。そこで成功したものを移し替えたからといってうまく機能するはずが ない。何故なら新しい経営ツール・経営改革が機能したとして、経営環境と密接な因果関係を理解していなければ、その経験を移し替えた際に機能するはずがな い。 ・バラバラなものを見て、全体としての仕組みを分析する「リバース・エンジニアリング」の能力が必要。決まった理論ではなく、現実を見て論理的に読み解く力を身につけないと物事をより良く模倣することすらできない。 ・組織構造を探る聞き取りと突き合わせ ・視察に行って担当部署に話を聞くこともあると思うが、担当部署に話を聞くだけで終わる事が多い。 ・商品の質を作る側(スタッフ部門)からだけ聞いて判断するだけではなく、それを現場の方がどう受け止めているのかを聞かなければ話にならない。他方で、 スタッフ部門でも色々な部門の関係があり、一つのところから話を聞くとその立場から話しをする。様々な部門から話を聞き、全体としてどうなっているかを考 える必要がある。 ・複数のスタッフ部門と現場、管理職層と一般職層の話を聞かないと経営改革がどこまで機能しているのか分からない。 ・結論として、多くの自治体では無理がある。自分達の自治体としての力量を理解していない。いわばボディビルでいえば、15kgしかあげられない人が 100kgのウェイトを上げるようなもの。目的は100kgを1回上げることではなく筋力を付ける事であるはず。15kgの後は20kg、20kgの後は 25kgという事が必要。人間の能力は若干の無理はできるが、大きく無理をしてしまったら全く効果がない。この様な状況が非常に多いように感じる。今まで 何ができていたのかは質的なものであって分析しかねるが、そこがないと次の一手が判断できない。これは個人においても組織においても同じ。「見立て」をふ まえた上で次の一手を考える。 ・世の中で議論される自治体経営 ・行政評価:三重県をきっかけに、財政危機を背景としてNPMブームが始まった。 ・その後、職員の行動を変えるということで意識改革の取組(TQM)が様々行われた。 ・次に組織の分権化という話がおきる。TQMと組織の分権化は全く論理的に違うことなのだが一緒くたにされている。 ・最近は、目標管理を中心に勤務評定の充実が、少なくとも形式的にが図られている。 ・最近は総務部門主導では経営改革に限界があるとして首長主導論が強まっている。 ・上山・伊関による三重県行政評価と業務改善の軌跡 ・現場発から業務改善運動が総務部門に取り組まれ、率先実行の現場の動き→システムへの取組 ・他方で、古川俊一は英語論文で静岡・三重の分権化による組織が機能し始めたと述べている。 ・自治体経営の実態 ・経営の実態は自治体の規模に応じて2つに分かれている。組織の規模の大きい自治体では枠配分予算と目標管理制度・勤務評定制度とのリンクが中心になり、行政評価は形骸化している。行政評価は元々透明性を高める話だったが、目標管理は内部のタテの論理。 ・規模の小さい自治体では、都市部で行政評価が下火だという事情が伝わっていない。機能しているところでは、行政評価の機能は予算査定以上の ものではない。予算査定が政策志向で行われることは可能であったが、それが実行されてこなかった。それを別の部署が主導で進んだ。なぜできなかったのか。 一言でいうと能力が追いついていなかったとしか考えられない。能力の問題、制度の問題ではない。有り体に言うと議論ができない。多くの部門でスタッフ部門 が力不足。現場に論破されるようなことでは論外。争いを好まない人は総務部門から消えて欲しい。 ・意識改革(TQMや日本的経営品質)の取組はセレモニーで終わっている。これは日本企業もそうである可能性がある。 ・最近、日本的品質管理の問題が、民間分野の専門家においても問題にされ始めている。なぜこれほど品質の欠陥が増えているのか。ものの作り方 がグローバル化しているので一カ所では管理できない。 もう一つはコンピュータのバグをチェックしきれないために今までの手法が通用しなくなっている。 ・そもそもインセンティブがない中で様々な改善運動にどこまで取り組めるのかを冷静に見積もる時期に来ている。 ・枠配分予算が適する環境:事業部制経営(マネジメント・コントロール) ・規模の大きな組織において企画・経営管理部門が全てを見る事は不可能であるので、権限委譲は必要である。 ・利害関係者から一定の距離がないとスクラップアンドビルドはなかなか難しい。都道府県レベルでは出来るが、市町村レベルでは厳しいと感じる。 ・小さな規模の組織で、財政部門が弱すぎるときにいっそのこと枠で配分してしまうということがある。その場合には部門のトップの能力が問われ、外部の利害関係者とつるみやすいという危険がある。 ・もちろん緊急避難的な枠配分もある。 ・久留米市の事例 ・ゴム産業の企業が多い。 ・平成11年度から枠配分予算、勤務評定をリンクした目標管理を導入したが、ほとんど評判にも登らないし、当たり前のようにやっている。これから考えた時に人口20万人、30万人くらいの規模の自治体でこの手のパターンが増えてきているのではないか。 ・行政評価は意図的に形だけのものであり、外部の利害関係者に対して一定のアピールをするためだけのものである。 ・行政の経済学vs.行政の経営学:佐賀市vs.佐賀県? ・行政経営の研究者には2パターンある。経済学的な考え方と経営学的な考え方。経済学的な立場だと基本的に行政職員を信用しない、監査・監視などのシステムでコントロールする。 ・私は右側の立場に立つ傾向にあるが、どちらが正しいかは分からない。 ・権限を移譲した人が意図的に悪さをした時には、監視を強化した方がいいのではという話になる。 ・事業評価・一件査定が適する環境:行政評価=財務管理の一部 ・組織が小さいので上から評価しても実態が分かる場合。管理部門が力を持っていて、査定能力を十分有している場合。これを私は「体は小さくて頭は大きい組織」と呼んでいる。実際には「体は小さく頭も小さい組織」も存在する。 ・部課長から横やりが入るような体質の組織ならば適さない。 ・このやり方には基金を貯めておく必要がある。査定によって予算を削減していく場合、急激な財政的ショックに対応できないはずであるので、必ずバッパ-をもっておく必要がある。基金があればシステムに対処できる。 ・武雄市企画課の例 ・行政評価は企画部門が権限拡大のために取り組む例が多い。なぜなら財政課と違って現場を言いくるめられるような能力や権限を持っていないので干される例が多い。 ・武雄市で導入できたのは、企画課が事業計画書の査定ということで全部の事業をカバーし切れていた。これを行政評価の形に変えようとしていただけ。 ・行政評価であろうと予算査定であろうと、それをより良くしていくのは人間の能力。その蓄積がないと制度だけでは機能しない。 ・枠配分予算で浸透すべき査定能力(佐賀県庁財政課査定マニュアル) ・予算の分権化のためのマニュアルを作っている。要するに説明責任を問いているだけである。 ・マニュアルを使って予算査定することと行政評価のシートを使って事業の評価をすることとどれだけ違うか。やっていることは変わらない。やっている事の本質は人間の能力に埋め込まれているものであり、評価表の上にあるものではなく、形の上での違いでしかない。 ・評価表の背後にある論理的思考 ・ロジック・モデルを形だけやっても意味がない。 ・結局はアウトカムが大事。アウトカムとは「社会がどうなるべきかという最終的な目的」の事であるが、そこをどうやって実現するかという論理的因果関係が大事。杓子定規にロジック・モデルを当てはめても無駄。 ・私の出身地の加古川市のホームページではロジック・モデルを使っているが官僚主義化することは分かり切ってい る。 ・求められる能力はマークシートを解く様な能力ではなく、小論文の様な能力と数学の証明問題を解くような能力が必要。 ・どの様な場合であっても政策は結果をコントロールするためにあるので、コントロールするために複雑な現実を読んで重要な要因を見抜き、論理的な関係を構築する能力がないと査定も行政評価もできない。 ・「初めに財源ありき」 ・行政の財政の本質は不確実性の管理。低めに見積もり年度末に向けてお金を残しておく必要がある。そのために、使えるお金の総枠が決まってくる。その事を財政以外の人が理解しておく必要がある。 ・財務管理の本質は「入を見て出を考える」事である。 ・地方交付税交付額の推移 ・90年代に国税は増えていないのに交付税は50~100%近く増やしている。 ・日本の債務残高のGDP比は170%、多くの国を見てみるとこの割合は60%から70%である。最近では財政健全化が進められているが急にはできないので、3~4年後には200%に到達する。 ・200%に達したときに日本で何の対策取られないとは考えられない。またこの数字は国・地方を合わせた数字であることを頭に置いておかなければならない。 ・枠配・評価は機能しているか? ・論理的思考能力が不可欠。 ・枠配を入れようとしても小さい自治体では財政課の能力が追いついていない。 ・管理職の資質と人事評価もできていない。 ・意識改革路線の限界→ミニ・アウトカム(業務改善)・センターへ ・組織全体を興奮に巻き起こしているような例は聞いたことが無い。 ・自治体職員は規則さえ守っていれば自由。考え方を変えることは難しいし、変えるべきなのかも分からない。 ・その状況に日本的経営の古いモデルを入れようとしている気がする。 ・議論自体に価値がある事に納得できる人が減ってきているのではないか。 ・欧米の場合は管理職が蝶番の役割を果たし、仕事をきちっと分けている。モチベーションの源泉は参加ではなく自由の度合いにある。日本の職場では考えられ ないが、欧米の職場では大部屋主義ではなく、2・3人の小部屋主義であり、壁にその人の好きな絵などを自由にデザインしたりする事ができる。 ・日本の職場はその人らしさを発揮する可能性を奪っている。本当に大事なことは与えられた範囲の中で自分の想像を自由に発揮してよいとの仕事のデザインの仕方であるはず。そうすれば結果が出てくる。目的が勘違いされているのではないか。 ・人材育成型HRMへの注文 ・最近経営システムといえるのは目標管理。 ・三重県の率先実行の取組は看板に偽りありで、勤務評定に結びついた目標管理。 ・民間企業でも部門の業績評価と個人の評価は別であるはずであり、個人の評価で回しているのは異常。 ・そもそも目標管理とは、その人の自分らしさを活かした形でキャリアや目標を設定していくものであったはずで、カウンセリング機能がない現状は元々の考え方とは違う。 ・人事部門自体が上司からではなく本人から話を聞いてノウハウを蓄積していかなければならないが、本人に直接アクセスできないような仕組みになっているところが多い。 ・パフォーマンスのおそれ ・政治家主導の改革、ということがいわれているが、形だけとなることが非常に多い。 ・前の佐賀市長への評価も色々あるが、行政改革の成果を上げる事が優先し、中身を後回しにしたものであった形だけのものであったのではないか。 ・非常に遠くにアピールするような感じで、地元にとっては中身が空洞化しがち。要するに、評判が立つことが目的であり、政策の効果が現れるのは4年よりも 長い期間がかかるし目に見えない。そうするとアピールが優先して中身が置いてきぼりになる。そういう政治家は利用はできても当てにはできない。 ・最小限に押さえる必要があると思っている。 ・課題となる能力:財務・人事・戦略 ・組織全体を見渡してどういう改革戦略を練ったらいいのかという素質、資質を身につけていって欲しい。 ・コントローラーの役割 ・本社と部門におけるコントローラー ・分権化しても部門長の下にあるスタッフ部門のスタッフが育っていないので、経営者マネジャーの参謀役の人材を育てていかないと行けない。 ・「インプリメンテーション」経営改革の原価企画 ・政治家だけでなく、行革担当となった職員も担当になると急いで導入をしようとする。 ・プロジェクトに取り掛かったら3年で挙げないと行けない。時間が経てば立つほど抵抗勢力は様々な手を考えてくる。 取りかかるまでは、出来る限りありとあらゆるリスクを考慮に入れて取りかからないとリスクは大きくなる。 ・政治家だけでなく改革リーダーが組織の中でどういう役割を果たすべきかを考えなければならない。 ・責任ある民主主義と「諫言」 ・ビビる人はその場にいる資格がない。そういう人がいると困る。 ・猟官制・官僚制・NPM ・分限処分は慎重に考えるべき。今の日本はまだその状況には無い。これについては議論していかなければならない。 ・田舎の自治体では政治的に悪用されるおそれがある。 ・解雇されないからこそ上に対してはっきりとものが言える。その状況があるからこそ、最悪の事態を招かない様にコントロールされている。 ・そこに政治と行政とのバランスがある。 ・部門間連携の展望と課題 ・組織の中で鍵を握るためには自分の部門だけを知っているだけではいけない。 ・静岡県の場合は、人事部門の影響が大きいが、人の部署のこともよく勉強している。そういうところが影響力を持ち得るし、全体をとりまとめることができる。 ・改革参謀達をプロテクトせよ! ・組織や政治の不確実性から、行政経営改革が中断することはよくある。 ・行政経営改革に関わる同業組合的なものを構想すべき時ではないか。色々な経験をした人が人事異動でその経験が切れてしまう。この分野は経験(失敗を含む)、記憶などの蓄積が非常に重要。 ・欧米では、雑誌を見れば一目瞭然だが半分は求人広告。他の自治体間で異動する。 ・ふくおか公共政策市民ゼミナール ・この場所でも佐賀公共政策市民ゼミナールを開いているが福岡でも開催する。 ・パネルディスカッションの形式を取ると、ケースを使った議論に近い効果が出る。 ・最後に ・外部の人間として行政改革の人材がどうやったら育っていくのか、ということを具体的に考えていきたい。 ○講演概要:古川康佐賀県知事 皆さんこんにちは。 ここの場所は非常に思い出がある。私が3年半前に長崎県総務部長を辞めて、佐賀県知事選挙に出馬しようとしていた時に、中学校の同級生が数十人を集めて、 「佐賀県をどうするのか聞く会」という会をやってもらった場所である。公務員の身分ではなかったし、「私は知事選挙に出ますので是非1票下さい」という様 な露骨な運動はしていないのでぎりぎりセーフだろう。ここでウケなければならないと思い、漫談みたいな話ばかりしていたら、終わった後に「あいつで大丈夫 か」と心配された。 今日の課題図書は「県庁の星」である。実はこの映画ロケの招致を佐賀県で行おうと思っていたが、残念ながら岡山と香川で終わっていた。「何故佐賀県に話が 来なかったのか」聞いたところ、佐賀県のフィルムコミッションが昨年8月出来たばかりで、その数日前に照会が行われ、当時佐賀県は該当なしとなっていたら しい。もし実現していれば存分に佐賀県庁を使ってもらって良かったと思っている。 私は19年6ヶ月県庁及び国の役人をやってきた。辞める時になって感じたことは「やはり自分は役人だな」という事だった。19年6ヶ月で辞めると年金が貰 えない。たまたま当選したからよいが、当選しなかったら基礎的年金だけでこれから学齢期を迎える3人の子供を抱えるのは正直きついと思った。あと1期くら い待った方がよいかもしれないと思い、前知事に「もう1期どうですか」と言おうかとも考えたが、仮に4年足しても25年まであと2年足りない。では2期と すれば「86歳までやって下さい」となり無理だなと思い、では出るかとなった。まあ、冗談だけど。 自分では計算高い人生は嫌だと心の中で思っていても、いざ自分がそういう立場に置かれると意外にもそう考えてしまった事に驚いた。 私と皆さんとの間は共通点も多いと思うが決定的に違う事が一点ある。それは公務員を辞めた事だ。いざ辞めるとなると19年間お世話になった自治省を辞める わけで感慨もあり、きっと官房長あたりから労いの言葉と辞令をもらうのかと思っていた。しかし会計課に電話すると極めて事務的で、「来てもらわなくてもよ い」と辞令が郵送されてきた。誰も感傷的に受け止めてくれない。永年勤続で退職される方は恵まれていると思った。 辞めて初めて気づいたが無年金状態になった。当然国民年金に移行しなければならなかったが、退職金約960万円もすぐに選挙費用に消えてしまい無収入で あった。退職後任意継続すれば1ヶ月当り数万円、3ヶ月で十数万円となり1月は暮らせる金額だった。誰も3ヶ月病気しないだろうと家庭内で議論になった が、我々は年金加入を推進してきた立場でもあり未加入は選挙の際に問題となってもいけないと思って、加入しない訳にはいかないと話し、結局任意継続加入し た。 選挙の途中で子供が腸炎になり加入していて良かったと実感した。これまでは組織に任せていれば良かったが、全て自分でやらなくてはならず、いかに自分がありがたい立場にいたのかを痛感した。 もう1つは名刺に肩書きが入らず名前のみの記載になったという事だ。皆さんは「市役所はつまらない、県庁は馬鹿だ」と言っているが、言っている事の8割5 分くらいは右側に書いてある重さで何とか聞いてもらえている。それが無くなり、無職かつ無肩書きは非常に厳しい扱いを受けた。名前のみの名刺で役場回りを 行い、「選挙に出ることにしました」と言うと公選法に抵触する可能性もあったので、「今度知事選の関係でお世話になります、古川です」と言うと、印刷業者 と間違われた。だいたい役場は1階に市民課があり、2階に企画課、総務課、助役室、町長室があるので2階に上った。しかしガードが固くてなかなか会わせて くれなかった。肩書きがあった時代に大事にして頂いた事とそれがなくなった時の世の中の冷たさを両方経験した。だからこそ、政治家になった人は、選挙を 戦ったという奇妙なシンパシーは党派を超えても大きいのではないかと思う。 そのような経験をして今3年目を迎えている。私は19年間公務員をやってきたが、公務員という職業が非常に好きだ。私の3女の夢は公務員になること。なぜ かと聞けば「お父さんが公務員だったから」と言う。私はゆりかごの時代から「いかに公務員が素晴らしいか」を説いていたのでこうなったのだと思う。皆さん も是非言う事を聞いてくれそうなお子さんがいる場合には是非勧めて欲しい。 なぜ私が公務員を好きなのか。国、県庁、市役所は違うが、もう少し前の時代に県庁を辞めるくらいの生活だったら本当に幸せだっただろうなと思う。ある程度 保障があり、それなりに頑張れば出世でき、地域に帰ればそれなりに尊敬され、親戚に見守られ一生を終える、そういう温かみのある人生はいいなと思った。皆 さんが一緒に働いているトップは、県庁や市役所が好きな人と嫌いな人とに分かれると思う。何人かの知事に仕えてそう思った。私は圧倒的に前者。だっていろ いろな初めての、しかも人様のお役に立てる経験をさせてもらったのだから。 たとえば今の救急車は昔に比べると背が高くなりいろいろな資機材を載せるようになった。これによりかなりの救命措置を救命救急士が行えるようになった。し かしこれは当然になったわけではない。昭和61年4月に消防法第2条9項が改正され、救急の役割に応急の手当てができるようになった。それまで救急はほと んど法的根拠がなく医療行為を行っていた。何故法的根拠無く行っていたのかと言えば、行わなければ死んでしまうので死ぬよりましだという事で、状態悪化を 緩和する事は緊急避難的に違法性阻却性事由があるとして行っていた。命を掛けて行う行為に法的根拠がないというのはおかしいという事で改正することになっ た。 当時も規制緩和の流れがあり消防法も改正する事となり、上から「ついでに改正するものはないか」と聞かれ、当時の救急救助室の補佐が「本当はこんな事が出 来ればいいですが」と書いた数件の内の一件がこれだった。思いつきみたいに始めたが、調べれば調べるほど正しい事だと分かった。救急隊員は損害賠償請求で 訴えられたら負けてしまう状況でやっていた。これは何とかしなければならないとして本格的に取り組む事になった。 今国の法律・制度改正を行う場合は審議会を作り、2、3年審議した上で答申をもらい改正を行うのが普通。しかしこの消防法の改正を行った時は審議会も何も 無かった。基本が思いつきであったので、1月4日の御用始めの飲み会の中で上司からの「何かないか」、「こんなのはどうでしょう」との会話が基で4月には 条文になった。これは我が国の立法史上稀なケースであった。警察も救急業務を行っていると主張していたので「消防の専管事項ではない」と警察庁が大反対し た。調べてみると年間4、5人の怪我人をパトカーで搬送していた。以前は消防も警察業務の一部であったという意識があるためか違和感があったのかもしれな い。 私は本当は救急の担当課ではなく隣の課にいたが、人が足らないという事で3ヶ月間ほとんど家に帰らずにこの仕事を行った。そして法律が通り、現在の救命救 急の制度になっている。今もその当時のメンバーで集まることがあり、この制度改正により何人が助かったのか話すことがあるが、年間50人程度助かってい る。10年間では約500人になる。制度改正がなかったらこの様な措置は出来ず助からない人も多くいた。我々は役人だから人の命を助けることが出来た制度 改正に命をかけた事で人の命を救う事が出来た、なんといい仕事だったのだろうと本当に気持ちが良かった。こんな仕事がやりたいという思いが私の人生の基に なっている。 皆さんにも大なり小なりこういう経験を沢山して欲しい。こういう事を感じられ る事は本当に素敵な事だと思う。パブリックな部分で貢献できるのは人間社会にしかない事ではないかと思っている。そういう可能性を持った場所に皆さんがいるという事を感じて欲しい。 その後御巣鷹山に日航機が墜落した時にも手助けで現場に行った事がある。防衛庁は夜中ヘリで捜索すると言っていたにも関わらず、現地に地図が無く、サーチ ライト付きのヘリが無いのでやらないと言い出した。東京消防庁にはサーチライト付きのヘリがあったのだが。では「最近の戦争は夜やらないのか」と聞いたら 「戦争だったらやるが、いるかいないか分からない人命救助はやらない」と言った事が非常に印象的であった。本当は消防庁を行かせたくなかったのではないか とも思う。 良い経験で言えば、日本で初めてのPKOに日本代表としてアフリカのアンゴラに行った。アンゴラでは選挙のために行ったが、開票所が狙われるという理由で 帰国命令が出て帰ってきた。日本の総合商社はそこでもTシャツを売っておりさすがだと思った。彼らがいよいよ危険だとして逃げようとした時、アンゴラには 日本大使館が無かった。ジンバブエに合ったが危険で行く事が出来なかった。当時は邦人救出のための自衛隊機、政府専用機を派遣できる法律が無かったため、 日頃から気脈を通じていたイギリス空軍機で離脱した。Tシャツを売る経済力はあるが、日本人の安全を守るという最低の国家の義務を果たしていない。パス ポートに「関係の諸官に要請する」と記載しているにも関わらず自分達の職責は果たせていない。邦人救出をしっかり出来ないと日本人が安心して世界中で働く ことが出来ない。 「世紀の愚策」と言われた地域振興券の制度も私が作った。不満があれば私が全て受けたいと思っている。 このようにいろいろな仕事をさせてもらって、「公務員とはこんな仕事をさせてもらえるのか」と思い、現場はそれぞれ違うが「いろいろな経験ができるよ」と言いたい。 ○グループ討議 【テーマ】 1私のスモールサクセス 佐賀県庁では「私のスモールサクセス」を共有する運動を行っている。 例えばある用地担当の職員が、なかなか話を聞いてもらえなかった非常に厳しい地権者がいたが、通勤ルートを変えその人の家の前を通り、見かけた時に挨拶をしていたら、声を掛けてもらえるようになり、いつしか土地を売ってもらえた。 自分が今やっている事、やっていた事、スモールサクセスであると思った事について自己紹介を兼ねて話し合って欲しい。 その中で共通の事を見つけ発表して欲しい。 《平の会》 観光のイベントの申込書には4人の名前が書けた。おばあちゃんから「孫や家族と参加したい」との電話があり、4人では足りないと感じ、8人書けるように2 枚申込書を送った。数日後6人分の申込書が届き、良かったなと感じた。気持ちに余裕を持てる事がスモールサクセスにつながるのではないか。 《はがくれ》 総合窓口を設置し総合案内の職員を配置した。しかし業務を知らない職員では案内にならないという事で、職員による職員のために、住民票の書き方や所得税に ついてなどの勉強会を実施した。しかし来たのは若手職員だけではなく、部長や課長も参加された。この様なやり方で行えば多くの職員に参加してもらえる。 若手職員はなかなか上に意見が通らない状況があったので、若手職員と市長が直接話をする機会を設けた。 「市民のために何が足らないか」について住民の目線に立って物事を考えれば、おのずと職員は動くのではないか。 《銘酒天山》 他の人が取り組んでいない事に対しポジティブに取り組む、様々な困難にぶつかっても頑張る、自分だけではなく周りの人に喜んで欲しいという思い、これら3つの視点が必要。 《むつごろう》 遊び心、余裕を楽しむ心。 メールで公文書添付し送付する際の本文に絵文字を使ってみた。 公民館で夜遅くまで仕事をした3年間がサクセスであった。 《グループ犬》 3時間ぶっ通しでブルームジャズセッションをやろうとの話で盛り上がり、地元のFM、まちづくりの3バカと言われる「ヨソモノ、ワカモノ、バカモノ」を巻 き込み、最終的に長崎街道でのイベントを成功させることが出来た。アイデアを思いついても個人の力のみでは出来ない。組織等の壁を越え、周りを巻き込む大 きな渦巻きを作っていくためには、誰もが楽しむ気持ちが必要である。その気持ちがあれば協力を得る事ができる。これが行政に求められている地域を巻き込ん だまちづくりの原型ではないか。 《有明》 根底にあるのは「現状を何とかしたい」という思いと、住民の視点を大事にする事ではないか。 《カテキン》 50万でも予算があればとの事から「子供の夢を叶えたい」との思いであるプロジェクトを実施した。一度も勝った事がない中学生のバレーボールチームのために有名なバレーボール選手を招き特訓を行った結果、近隣の強いチームに勝つことが出来た。 ちょっとした改善であっても、それを行う事が大きな結果にまとまっていく。 《ノーネーム》 7つの区において4年間をかけ窓口での取扱いを変えた。 窓口に情報コーナーを作ったり、庁内に情報発信を行っている。 営繕関係の業務で、周辺自治体とともに使いやすいソフトを導入。 様々なネットワークを活かし、庁内外の人材を紹介して出前講座を実施した。HACCPを導入した。 「住民を向き良くしたい」との思いがスモールサクセスにつながってきのではないか。 【古川知事】 意外に多かったのは、「楽しもう」とする遊び心だったのではないかと思う。今回参加しているこのメンバーで県庁や市役所を創るとしたらどんな感じになるだろうか。もしかすると全く進まないか、もしくはすごく効率的になるか、どうだろうか。しかし創ってみたいとも思う。 今回の発表を通じて「愉楽」という言葉を思い出した。 2.私のとってのP.188は? 参加された方はいろいろなスモールサクセスを積み重ねていると思うが、最初からそうであったのではないと思う。 県庁の星では、主人公であるエリート公務員が知らないスーパーに研修と称して派遣されたが、本人は企画等の仕事を希望しており、スーパーへの派遣研修に対 して全くやる気がない。その気持ちの象徴がP.22であり、これがこの話のポイントでもある。「アパートの近くのラーメン屋の客が自分のアパートの入り口 をふさいでしまっており、これを見るたびに気持ちもふさいでしまう」。 その後主人公はいろいろな経験を重ね、運命のP.188に繋がっていく。「何気なく周囲の店を見回して息を呑んだ。もしかしたらシャッターが目立つこの商 店街で生き残っているのは凄い店なのかもしれない。行列の出来る店はいつも決まっていた。その人気は何によるのだろう。コンビニの前を通り過ぎアパートに 向かった。いつもの様にアパートの入り口はラーメン店の行列にふさがれていた。最後尾に並んだ」。 主人公はこれまで邪魔だとしか思わなかったラーメン店に、人気の秘密は何であるのかと思い、その秘訣を探るため最後尾に並んだ。 この話の中であなたの作ってくるアイデアには「人がいない」とよく言われていたが、この188ページを境に人が変わっていった。 自分自身の公務員になってからの仕事を振り返って、自分の考え方が変わった転機はなかったか。それを話して欲しい。 今日いらした皆さんは、自分の意志でここに来ているが誰でもできることで はない。 3.仲間を増やそう 公務員になる人は非常にポテンシャルは高いと思っているが、育て方がうまくないのではないかと思う。 今の仕事をやるだけならあんな難しい試験をやる必要はないのでないか。す べて簡単じゃない競争試験で通っている。しかし中途採用が出来るようになって「高校の頃は、同級生のあいつにはかなわないと思っていたが、20年経って中 途で県庁に入ってみると、あいつはくすんで見える。県庁は罪な事をしてませんか。」と時々言われる事がある。これについては問題意識を持っている。 良いものを持っているなら出して欲しいし伸ばして欲しい。今は昔と違って やろうと思えばできるようになってきている。 【1】私のとっての転機は 【2】皆さんのような仲間を増やすにはどうしたらよいか 【3】上記2つの事についての提言をまとめてほしい。 この3点を話し合って報告かつ提言をしてください。 《銘酒天山》 転機ときっかけとなったのは人との出会い。 1出会いは人を変える。 2本音で聞きあい、語り合い。 3逆境はチャンスと捉え、けっして諦めない。 以上3点を古川知事を含め全ての方に提言します。 《はがくれ》 転機は「一皮むけた瞬間」。具体的には企業誘致や阪神大震災の時の対応などが話しに出た。 仲間を増やそうについては、全国の問題意識を持っている職員が勇気を持って行動する。 提言は「人事評価」。人は誰でも誉められたい、認められたいと思っている。是非減点主義を加点主義に変えたい。もう一つは「人事交流」。リボルビング・ドアを開放し、活発な人事交流を行ないたい。 提案としては「スモールサクセス」を「スモールウィン」に変えたい。やはり職員が「ビックピクチャー」を描き、「スモールウィン」を実現していかなかればならないと思う。 《むつごろう》 転機は「選挙」。いろいろな仕事を行なっていくなかで、内と外であまり大 差はないのではないかと思う。他には「自分から学ぼうとする姿勢」などが でた。そこで古川知事に提言したい。 1組織外の仲間の感性や声を大事にする 2インフォーマルな取り組み 3選挙で私たちにとって使いやすい上司を選ぶ 《カテキン》 1非理法権天(楠木正成の言葉) 理屈は思いつきに勝つ、法律は思いつきに勝つ、権力は法律に勝つ、しか し住民の声は全てに勝つ。 2制度ではなく自分自身に壁がある。 3民間企業ではマインドの研修が多いが自治体では少ない。人とのつながりを持つことで仲間を増やすことになる。 以上3点を全国の公務員に伝えたい。 《ノーネーム》 転機は人との出会いや交流。これは人事異動や人事交流によって発生する。 注意を払っていないと、組織の中だけの考え方や価値観に捉われてしまう。 仲間を増やそうについては、今まで出来なかった事に対し、一歩を踏み出 す勇気を持つ事でできるのではないか。 以上を今日ここに来ることができなかった人に贈ります。 《グループ犬》 転機は、 1現場のベテランの方に若い者には負けられないと言われた 2よその部署の先輩に電話でものを頼んでしかられた。 3財政の査定で町長の前で自分の意見を言って通った。 仲間を増やそうは 1全国の研修に参加して視野が広がった。 2自腹で休みを取って勉強会に参加しようとして結局止めて後悔した 提言 タテ:世代間のプロ意識の伝承 ヨコ:役所以外の人と自分の顔で会う。 タテヨコの関係は、顔と顔を合わせるコミュニケーションによって行なう。 提言先は上司ではなく、公務員以外を含めてお聞きの方一人一人に。 《平の会》 SNSなどを使って志が同じである仲間を増やす。 提言 1自分の中で考え、同じ過ちを起こさない。 2どんなときにモチベーションが上がるかと考えると、認められるためには 相手を認めることではないかと思う。 3適材適所の人事配置 先の2つは皆さんに、3つ目はトップの皆さんに。 《有明》 転機は2点 1介護保険等の仕事 2CSO、市民活動をやりましょう。 すべての行政職員に。 【古川知事】 人と交流することが共通点ではないか。 外の人たちと接触することで自分を見つめよう。 佐賀県ではCSO活動をしましょう、という運動をしている。 『下流社会』という本があるが、何が上流で何が下流か、いわゆる上流の人が幸せを感じるのは人と一緒に成功を共有したとき、芸術で心をふるわせた、というケースが大きい。そういう経験をした人の子供に伝わった。 一方で下流という人の特長は、一人でいるときが幸せ、という答えが多か った。 人と一緒に何かをやることに喜びを感じる人は、我が国や地域にとって非 常に必要ではないかと感じた。 最後にグループ毎にそれぞれ自己紹介を行なってください。今日参加して いなければ会う事がなかったかもしれない。是非同じグループのメンバーの 名前だけでも覚えて帰ってください。 貴重な2時間をご一緒して頂きありがとうございました。 ○最後に(有志の会) 公務員を叩いて世の中が良くなるならばいいが、我々が元気になることでより良い政策を打ち出せるようにして、脱お役所仕事の取組の火種をつなげていきたい。 ぜひ福岡では400人を目標にしたい。   ○オフ会開催案内文 「自治体職員有志の会」佐賀オフ会のご案内 「モノ言わぬ公務員」から「良いことを言い実行する公務員」 への脱皮を目指す全国の自治体職員 VS. 古川 康 佐賀県知事 (佐賀大学経済学部 中西一氏講演含) 自治体及び自治体職員を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。自治体職員も住民から支持されることはもとより、さらに「なりたい自治体」「やりたい仕事」「なりたい自治体職員」を自らキャリアデザインすることが必要な時代となりました。この共通した課題を考えていくために全国の自治体職員有志が集まり、「自治体職員有志の会」が設立され、「自治体首長を招いたオフ会・シンポジウム開催」「メーリングリストによる意見交換」などを通じて、課題整理と改革提言活動、日常の業務の改革・改善を行っています。 このように、意見交換をさらに発展させ、自治体職員のキャリアデザインを可能とする制度改革などへの提言につなげていくため、オープンな意見交換の場として自治体首長、学識者等を招いて、シンポジウムやオフ会を開催していますが、平成15年6月にスタートしたオフ会は、今回の佐賀で9回目。これまで、森高浜市長(愛知県)、白井尼崎市長(兵庫県)、後藤臼杵市長(大分県)、穂坂志木市長(埼玉県)、逢坂ニセコ町長(北海道)、浅野宮城県知事、橋本高知県知事、清原三鷹市長(東京都)を講師にお迎えしています。 日 時:2006年2月24日(金)13:45受付開始 14:00―15:20 中西 一 佐賀大学経済学部助教授 「市民社会の風通しを良くする試み」 15:30-16:00 古川 康 佐賀県知事 「佐賀ナウ」 16:00-17:30 意見交換(質疑応答) 18:00― 懇親会(別会場) 参加者:自治体職員有志の会・佐賀県&佐賀県内市町職員 約50名 会 場 : 佐賀市民活動センター[iスクエアビル]5階大会議室 (佐賀市駅前中央1丁目8-32) ○問い合わせ先 有志の会: 秋吉 誠(***-*****-*****) 【山路栄一(****-*****-*****)大島博文(****-*****-*****)】  
https://w.atwiki.jp/career_design/pages/25.html
各自治体等による取組み報告・自主研究グループ紹介 「YAAるぞ運動」とは(尼崎市) 発表者:吉田 淳史 人材育成型人事考課制度への挑戦(岸和田市) 発表者:小堀 喜康 スーパー公務員養成塾の取り組み 発表者:鈴木 英敬 チョウチョの会(滋賀県) 発表者:チョウチョの会のみなさん(井関、小林、初宿、堤、中西、中村、西 村、松本) Now For Future!!(福岡市) 発表者:道副 智美 沖縄自治体職員ネットワーク(通称:いちゃりば)(沖縄県) 発表者:曽根 淳 ■ 「YAAるぞ運動」とは 発表者:吉田淳史(尼崎市企画財政局行政経営推進室調整課課長補佐) ・尼崎市では以前から行革に取り組んでいるが、それまでの行革というのは、ある一部の職員がやらせる側、残りの大多数の職員がやらされる側という、主にカット中心の主体性のない行革であった。最初の頃はかなり効果があったが、限界が来ていた。 ・15年度から「YAAるぞ運動」を実施することになったが、今までのやらされる行革とは違うと職員に分かってもらわないといけない。自分たちの職場は自分たちが一番知っている、自分たちの腕の見せ所だと分かってもらいたい。また、 楽しみながらやっていただきたいという思いから、まずはチーム名から凝ってくださいとお願いしたところ、ユニークな名前を出していただき、事務局としては喜んでいる。 ・昨年度参加した76チームそれぞれが、「ダブルしんか」(進化&深化)を合言葉にして素晴らしい取り組みを行い、数々の成果をあげた。 ・発表を希望したチームは局予選、最終予選を経て、予選を突破した16チームが、グランプリを目指す、第2回「YAAるぞカップ」を2月に開催。ちなみにテーマはAMAZE(びっくりさせる)。 ・あまりPRしていなかったが、28の自治体から約60人の方に参加をいただき、元祖であるDNA奥田さん率いる福岡市と名古屋市から発表チームを派遣してもらい、素晴らしい発表をしてもらった。京丹後市の高橋さんから、これからYAAるぞ宣言のようなものをやっていただくとともに、有志の会からも参加をいただいた。 1 「YAAるぞ運動」とは? ・業務の進め方や職場環境を改めて見つめ直し、より良くしていく、改革改善する職場単位での実践活動。福岡市のDNA運動を非常に参考にした。 ・ネーミングは、15年度施政方針で示された、「夢(Y)、アシスト(A)、あまがさき(A)。」。改革改善を「やるぞ」、改革改善をすることが「あるぞ」という思いを込めて名付けさせてもらった。 2 「YAAるぞ運動」の基本精神 や:やらされるのではなく、自ら進んで「やる」 あ:あきらめないで、とにかく「やってみる」 る:ルックアップ(向上すること)を忘れずに「やっていく」 ぞ:ぞっこん楽しみながら「やりつづける」 ・「存分に」でいいのでは?という声に、私はシブがき隊世代なので、「Zokkon 命(ラブ)」という曲の中に「最上級の惚れ方さ」という言葉があり、最上級楽しみながらやり続けてもらいたいという願いを込めた。 ・局長をオーナー、部長を監督、課長をコーチ、課長補佐以下の活動推進者をキャプテンあるいは副キャプテンとし、役割分担のもと、それぞれ活動する。 3 「YAAるぞカップ」への道 ・4月に3役から素晴らしいキックオフ宣言をしていただき、研修をやって、6月の第一次、7月の第二次、8月の第三次、ロスタイム受付ということで、各職場の都合に応じてエントリーしてもらい、それぞれの職場で改善を進めてもらう。 ・書面参加14チームと発表参加16チームが、報告書大賞・グランプリを目指す。 ・「YAAるぞ運動」=発表ということになったら、発表を嫌がるチームが参加できないので、今回報告書大賞を設けた。発表は嫌だがいい取り組み、いい成果を残しているものが数多くあった。 ・そういった分もみんなに認めてほしい、知ってほしい、市として共有したいということでA4一枚の報告書を拡大し、発表大会当日、エレベーター前に掲示し、参加者が気に入ったチームにロゴマークのシールを貼ってもらう。一番シールが多かったチームを職員表彰規程により表彰する。 ・「YAAるぞ運動」の目的というのは、職員の意識改革のきっかけとすること。チャレンジし続ける職場風土の醸成につなげていくことである。自分で言うのも何だが、2年間けっこう成功していると思う。 4 「YAAるぞ運動」成功のポイント ○1年目に基本研修をオーナー・監督・コーチを対象に3回、キャプテン候補者を対象に2回の計5回実施したが、市長にこの運動にかける思いを伝えてもらうとともに、5回とも最初から最後までいてもらったことで、職員に市長のやる気が伝わったのではないか。特にキャプテン候補者の研修は1時間半。市長と同じ空間を共有できたことが、やる気につながったのではないか。 ○「ほめること」「楽しむこと」の徹底 役所というのは、なかなかほめることがうまくない、そういった風土があまりない。しかし、大人になってもほめられることがうれしいもの。いい取り組みをやったときは、みんなで認めてほめていこうと徹底させた。事務局として楽しみながらやっていくということにも気を使った。 ○様々な仕掛けとネーミング 採用されたら市長の名刺に使わせてもらうという謳い文句で、ロゴマークを募集したところ13点応募があり、市長と実行委員会で決めたが、どうしても2点が残り、運動と発表大会で使わせてもらった。 (1) 親しみやすいネーミング 「市長がゴー」では、ユニークな取り組みや素晴らしい取り組みをしている職場を市長が訪問し、その取り組みをほめ、帰り際に市長自身が気付いたことを何気なくそっと言う、市長に言われたら、またやろうかとがんばる。 決勝大会に出たあるチームが、「市長に言われたことができてます!」と発表するなど、かなりよかったのではないか。2年目からは両助役と収入役にも加わってもらい、3役による職場訪問を実施している。 3役だけでは行くチームが限られてしまうので、私とこの運動を支援してもらっているUFJ総合研究所の島崎さんで、吉田のYとUFJのUをとって、「YU-くぞ職場」ということで、職場を訪問し、意見交換させてもらっている。 (2) 「第1印象グランプリ」の実施 他のチームの内容も知ってほしい、認めて、ほめることを浸透させていきたいという思いから、所属とチーム名と取り組みテーマを見て投票してもらう。グランプリに3役賞(白井市長の名前から「白うとばなれの発想で賞」、中村助役から「中なか期待できるで賞」、矢野収入役から「矢ってくれそうで賞」)を作り、パソコン上で表彰状を送る。 決勝大会に出たチームが言っていたが、今までは取り組みは進んでいなかったが、第1印象グランプリで江川助役から「江え感じで賞」をもらってから、メンバーのやる気に火がついて、それからすごく取り組みが進んで、素晴らしい成果をあげた。 (3) 「局予選」の実施 審査員である局長・部長の前で、普段顔を合わすことがない職員が、自分たちが取り組んだ内容をプレゼンする。内容が素晴らしいので、局長・部長がほめる。惜しくも予選で落ちても、それがうれしいからまたがんばろうかという気持ちになる。 (4) 「敗者復活戦」の実施 局予選でもかなり惜しいところまでいっているチームがあったということで、10チームほど集めさせてもらって、収入役を審査委員長とした「敗者復活戦」を実施、3チームに決勝大会に出てもらった。 ・様々な仕掛けとネーミングを説明したが、参加チームのみなさんの「やる気」と「頑張り」に、事務局もまいりました、というのが本音のところである。 4 第2回受賞チームの紹介 ・グランプリ「分別戦隊ゴミワケルンジャー2004」(大西保育所) 21世紀を担う子どもたちに、環境問題に興味を持ってほしいと、カリスマ保育士が、燃えるごみに分ける「モエルンジャ-」、燃えないごみに分ける「モエナインジャー」、リサイクルごみに分ける「マタツカエルンジャー」というヒーローが登場する絵本を作成し、環境教育に取り組む中、子どもたちに変化があらわれてきた。 そうした中、保護者の環境問題に対する関心は?とアンケートを実施したところ、ごみの分別は94%と高かったが、トレイや牛乳パックの返却率は21%、マイバック持参率は14%と低い数値であったことから、「保育所と家庭の両方でエコライフ」をテーマに取り組んだ。 保護者向け講演会の実施、トレイと牛乳パック回収ボックスの設置、プールの水をペットボトルに移し替え、翌日の水遊びで使用する「水のリユース大作戦」、父母の会主催で家庭の不要品を持ち寄った「リサイクルマーケット」も大成功を収めた。 数々の努力が大きな実を結び、再度実施したアンケートではトレイや牛乳パックの返却率とマイバック持参率が共に55%。ごみの分別は100%を達成した。 取り組みを通じ保護者との間に「子どもたちのために一緒に楽しくがんばろう」という一体感が生まれ、数字では計り知れないものが得られた。 ・特別賞「チーム ハイホー!(灰を宝に)」(美化環境局施設担当) ごみ焼却施設の建て替えという20数年に一度のビッグチャンスを生かし、施設の案内標識を市民の方に分かりやすいものにしようと、施設の案内役に「忍たま乱太郎」で有名な尼崎市の漫画家、尼子騒兵衛さん作の「エコあま君」を起用 した。 また、「灰を宝に」を合言葉に、灰溶融設備から作られる、スラグとメタルについて、廃棄物として埋め立てるのではなく、有価物として取引できないかと調査・検討を行い、見事実現した。埋立て処分費が不要となるとともに売却することで収入も増え、効果額としては毎年度、約5,900万円が見込まれている。 ・同じく特別賞「出発・進行!みずのたび」(北部浄化センター) ベテランの技術職員を中心に、「下水道設備研修教本」を作成するなど、運転知識やノウハウの蓄積・継承に取り組むとともに、台風などの気象情報がいち早く入手できるシステムの共有化を図り、ポンプ運転等がより迅速に行われるようにした結果、昨年上陸した10個の台風による浸水災害を防止することができた。 また、ヒヤリハット報告を行うなど、労働安全意識の向上を図り、公務災害は2年連続0を達成。契約電力の減少で約300万円、汚泥の減量で約400万円削減するとともに、全職員が一丸となってISO14001を取得。職員との連帯感や協働性がこれまで以上に高まり、さらなる経費削減や環境保全の意識が強くなったことも大きな成果である。 ・審査員特別賞「ゲッツ Job」(6福祉事務所) 就労促進相談員という嘱託職員6人の取り組み。「自分たちのノウハウをもっと市民サービスに活用できないか」と、就労支援の対象を生活保護の受給者だけでなく、生活相談に来られた方にまで広げた。最初は相談者との信頼関係構築に苦労したが、「教えてもらった履歴書を誉められて採用になった。」、「もっと早く紹介してもらったらよかった、これから仕事をがんばるわ。」という声をいただき、二人三脚の取り組みで成果をあげている。これからも「あなたに会えてよかったと言われたい」を合言葉に取り組んでいく。 ・同じく審査員特別賞「時空戦士 コセキッコ」(大庄支所市民課) 一番難しいとされていた戸籍事務について初心者にもすぐ分かり、実務に即した戸籍事務マニュアルの作成に挑戦。戸籍事務は各市独自の判断や対応をすべきものではないため、法務局主催の研修に参加したところ、そこに来ていた 伊丹市と宝塚市の職員が多大な協力をしてくれた。紙ベースでは維持管理及び経費などに課題があるため、デジタル化し、見たいところをクリックすると瞬時に展開する、初心者、ベテランを通じて活用できるマニュアルが完成し、法務局戸籍係長からも賞賛のコメントをいただいた。 ワード・エクセルでCD-ROM化し、軽量かつ汎用性のある、全国どこの自治体でも活用してもらえるのではと考えている。 今年度は希望する自治体に無料で配布し、使い勝手や改善点など、感想をいただき、精度を高め、本当に全国で活用してもらえる「メイドインアマガサキ」の「コセキッコ」にしたいと考えている。 ・同じく審査員特別賞「ザ!鉄腕!DASH!!おはま村~菜児季~」(尾浜保育所) 子どもの苦手な食べ物の3分の2は野菜だということが分かった。食べることは生きることの源、元気な子どもに育てたい、何でも食べる子にしたいという職員共通の願いを実現しようと野菜作りに取り組んだ。 栽培物は、スナックエンドウ・ブロッコリーなど。実をつけたのを発見した子どもと会話し、一緒に収穫することから始め、出された給食もほとんど残さずに食べるようになった。 保護者にアンケートをしたところ、85%が「保育所に来てから好き嫌いが少なくなった、何でも食べるようになった。」と答えるなど、成果をあげた。取り組みを通じ、職員一人ひとりが持ち味・能力・特技を出し合い、楽しみながら、仕事のおもしろさを実感することができ、チームワークが深まった。 5 私が選んだチーム名ベストイレブン 「どこでもちかまつ MU KA DE運動」(ちかまつ・文化振興課)「資産4×3=活用」(情報政策課)「中図範派やなー」(中央図書館)「燃焼系2 コスト式(こんな運動してみたら)」(クリーンセンター)「トクソー隊」(収税課)「ネット・ワークス尼崎」(環境政策課)「みずから電気and泥」(園田配水場)「毎日コツコツ美っ化美化」(東消防署)「シエーン(支援)、カムバ~ック!」(能力開発支援課)「DOする?コラボる!市民と都市政策課のcollaboration」(都市政策課)「3つのKAT!」(塚口青少年会館) 6 おわりに ・フレンテとはスペイン語で「先頭」「最前線」。今日のシンポジウムの会場にふさわしいと感じる。これからも自治体職員有志の会が、「志」をもって取り組みたいと考えている方々の先頭・最前線として、さらなる活躍を祈念している。 ■岸和田市人材育成型人事考課制度への挑戦 発表者:小堀 喜康(岸和田市市長公室人事課参事) ・岸和田市は現在2つの大きな変革を行っている。外に向かっては市民との協働システムづくり、自治基本条例を制定。内に向かっては行政改革を進めるための人づくり、人事制度改革に取り組んでいる。 ・本日の話は、従来型の評価制度ではなく、人材育成をメインとした、これまでの制度にはない、新たな人事制度づくりをしたいという決意表明のつもり 1 人材育成型をめざした3つの理由 (1) 人材がいない、人材が育っていないという危機感。岸和田市だけでなくどの自治体でも同じで、これから数年の間に半数近い職員が入れ替わる状態。次世代のリーダーをどう育てて、どう使って、どう選抜していくのかが大きな課題である。 (2) これまでは人事課の視点、職員を管理する視点でつくられたものがほとんど。職員の視点、職員自身の立場に立った制度づくりになっていない。 (3) 従来は、評価とは給与を決めるためのもの。成績・順番をつけ給与、昇格や処遇を決定している。本当は市民からすれば職員の給与はどうでもいい。職員一人ひとりが自分の能力を一生懸命アップしてくれ、今まで以上の良いサービスを提供してくれることを市民は望んでいる。 それをサポートするのが人事の仕事ではないか。給与決定のツールでなく、職員をいかに育てるか、能力開発、職員の力の活用のためのツールとして考えるべきである。 2 古い人事管理論からの脱却 ・従来の評価制度は、職員は金銭(給与)と地位(ポスト)で動くものだ、という古い人事観・人事管理観に基づいていた。いわゆる「アメとムチ」「信賞必罰」という、がんばった職員にはご褒美をあげ、がんばらない職員は厳しく罰する、そうしないと職員は管理できない、といった考え方であった。 ・金銭で人が動くのだったら、最大の問題は給与を銀行振り込みにしたことがマズイ。私のような既婚者のモチベーションを上げるのだったら、銀行振り込みをやめる。自分の手に入る現金払いにしてくれたら、お父さんの権威も回復し、自由度も増し、もっとモチベーションも上がるのでは(笑)。 ・われわれ自身、自治体を選んで就職している。われわれのモチベーションはどんなときに高くなるか? やはり仲間と一緒に仕事をやって、一緒にがんばれた、達成できた喜び、上司・同僚から認められる、ほめられるときに、やってよかったという達成感を味わって、モチベーションが高くなるのではないか。 ・組織内で目標・価値を共有するシステム、互いに認め合う、称え合うシステムづくりがモチベーションを高めるのに有効ではないか。 ・人間関係が生まれる報酬、コミュニケーション報酬をつくり出す制度が必要である。 3 岸和田市の選択 ・制度のキーワードは、「自学」と「目標の共有」 ・「信賞必罰」ではモチベーションは上がらないというのは上記の理由による。 ・能力開発や学習は強制されて、いやいやしても身につかない。職員の自主性が能力アップに最も必要だ。そのきっかけ、動機付けとなるのは「気付き」であり、どこが長所でどこが短所かを自分自身で認識し、それが能力開発のきっか け、動機付けになるのではないか。 ・従来の、総合判定がどうだったかということではなく、こういう能力・行動は十分できているが、こういう能力が不足しているかということが個々、具体的に分かるような評価システムが必要である。 ・職員アンケートによると、全体の4分の1の職場しか組織の目標が共有されていない、明確にされていなかった。われわれが仕事にやりがい、働きがいを感じるためには、組織がどういう目標を持っているのか、どういう目標に向かって仕事をしているのか、きちんと組織内で共有化され、みんなが1つの方向に向かって力を合わせることが必要であり、目標管理を導入し、組織内の目標を共有化することを考えている。 ・オープンな制度運用をして、コミュニケーション報酬、お互い認め合う、励まし合う、称え合う評価制度とした。 4 岸和田市の評価制度の基本的な枠組み ・従来型の勤務評定と呼ばれた制度(成績評価・能力評価・情意評価)では、「企画力」「判断力」といった要素で評価し、きわめて抽象的、全体的な印象や評価者の主観による評価になってしまい、本人に説明・フィードバックできない制度であった。 ・岸和田市では目標管理による実績評価と簡易コンピテンシーを使った能力評価の2つのツールを使って、評価制度を再構築した。 (1) 目標管理による実績評価 従来でいう成績評価。組織内で目標を立てて、達成度で評価するもの。 部長、課長、担当長という職階を対象 (2) 簡易コンピテンシー 部長は対象外。数年で退職、能力開発をしても間に合わないから対象にしない。非効率なことはしない。そもそも能力開発をしていない人を部長にしているほうがおかしい。どちらかというと、対象は担当長、一般職が中心 ・マネジメント・サポートという制度を導入し、能力評価と同じ項目で部下が課長を評価している。 ・目標管理は、客観性が高いと言われるが、目標を設定する管理職の力量に差があり、実際の評価はバラバラ。そのため評価結果がバラバラ。評価として使うのはどうかと思う結果になっている。評価というより、組織内で目標を共有するコミュニケーションツールとして、ミーティングを中心にした運用を図っている。 ・簡易コンピテンシーは、岸和田市の制度で一番特色があり、かなり信憑性も高い、本人評価と上司評価の一致率がかなり高い。 ・マネジメント・サポートは、アンケートによると7割の課長が参考になる、1割が参考にならないという回答があり、妥当性・納得性があるのではないか。 ・下からの評価を入れ、上司が一方的にするものではなく、能力開発のためのツールとして考える、気付いたことをお互いに教え合う制度イメージをしている。 5 岸和田市「簡易コンピテンシー」の特色 ・従来の評価制度は、人事課がつくる、人事課のための制度ではなかったか。分かりにくく、複雑である。 ・新しい評価制度では、職員のために自己の能力開発に活用でき、評価方法が公開され、簡単で分かりやすい、シンプルな制度。各項目の評価結果が完全に本人にフィードバック、オープンにされ、「気付き」につながる制度。人事担当者が使いこなせるシンプルな制度とした。 ・評価基準には二面性がある。上司が部下を見るときは評価基準、評価される側から見れば行動規範・行動基準の側面がある。 ・具体的な行動があるかないかで判断できる基準としている。あいまい・抽象的な基準から変更し、特徴的な行動をつかまえて評価するシステムである。 ・評価シートがそのまま本人に返却されるため、説明できる、フィードバックできる制度だということが特色である。 ・評価項目の12項目中、6項目は共通項目。残り6項目は評価される本人が自分で選ぶ自己選択性を導入した。従来の一律な制度で画一的な職員をつくる制度から、職員のための評価制度へ。コンセプトは職員の個性を活かす。自分が 評価されたい、がんばりたい項目を自分で選べる、個性的な職員を育てる制度を具体化した。 6 最後に ・従来は競争原理、市場原理に支配されてきたが、これからの行政改革のキーワードは協力原理に基づくシステムではないか。 ・それを念頭に人を育てる、人が育つ人事システムを発展させ、定着できるようにがんばっていきたい。 ■ スーパー公務員養成塾の取り組み 発表者:鈴木 英敬 (経済産業省資源エネルギー庁電力・ガス事業部電力市場整備課課長補佐) 1 スーパー公務員養成塾のきっかけ ・特区で講演を年70回ほどしてきたが、その都度「公務員のイメージが変わった」と言われ、世の中から求められている公務員像と現在の公務員の乖離を感じるとともに、違和感がある。 ・改革をしていこうと思っている仲間がここにもたくさんいる。公務員の「あきらめ感」「閉塞感」「成功体験の不足」がある。何とかしたい。 ・行政・政治に対するコスト意識の高まり、「税金はサービスの対価」の気持ちが高まっている。 2 スーパー公務員養成塾の実施方法 ・参加者は合計63名、オブザーバーも多数参加。東京・関西で2005年1~3月の全5回実施した。 ・内容は、ゲストスピーカーによる「これからの行政官に求めるもの」という講演、民間団体が実施しているような課題発見能力の養成。今後公務員も必要となるだろう。現役公務員の成功・失敗体験、失敗をこう生かしてほしいといったもののケーススタディ、アウトプットも必要であり、「骨太2005」に入れる案件を作成、政策提案をする。 3 スーパー公務員養成塾の目的 ・自らの「志」をもって行動できる人材、実現するための力を持った人材になる。 ・世の中との乖離を解消する。 ・「国づくり」へみんなを巻き込む。 ・これをやろうとしたきっかけの1つは、以下のような現状認識である。 ・今までの公務員=20世紀型公務員と定義、極端だが世の中の人が抱いている公務員のイメージ 上から言われたことや決められたことしかやらない。自浄能力の低さ、前例主義、責任回避、当事者意識の低さ、金銭的にも時間的にもコスト感覚が著しく低い。誰のために仕事をしているかという視点が欠けている。 ・21世紀型公務員(スーパー公務員)を目指す。 自らの「志」を持つ、実現するために行動する、実現するまであきらめない。責任感・当事者意識を持つ。評論家はいらない。批判や「べき論」はいらない。自ら行動しないと意味がない。 ・机上の空論ではなく、現場や実生活を踏まえた政策を実現するために、自ら共感し、「汗」をかく。これを「共汗感」と名付けた。一緒に汗をかいて動かないと意味がない。そのような人材になろう。こういう目指す姿をもってやってきた。 4 養成塾第1回目の講師、竹中大臣の『5つの「せ」』 ・公務員に必要な能力として、専門性、説得力、戦略性、センス(「風」を読む力)、正義(志) ・決して難しい話ではなく、熱く語ってくれた。 5 スーパー公務員養成塾の今後の展開 ・10月から第2期開催、半年間全10回。東京、関西だけでなく、北海道、四国(松山)を追加、持続するために仲間を増やしたい。キーマンによるフランチャイズ経営をする。 ・対象者に民間を追加。パブリックを担うのはガバメントだけではない。協働と言われるが、社会がよくなるためには、ガバメントだけではない。目的は、パブリックに携わる志ある人材の育成、裾野拡大・底上げ・ネットワーク形成 ・有志の会は政策提言を目的としないところがすごい。よくある公務員の勉強会は提言や他人のせいばかりしている。 ・大事だと思うのは、自分で自分の持ち場を変えること、それが一番大事。自らの持ち場で火付け役となり、リアルに変革していける人材を育てることが大事 ・そういう意味では有志の会会員と全く思いは同じである。 ・今日の参加者でも、地域の核になるキーマンでも興味のある方は連絡してほしい。先行して9月10日に「西宮スーパー公務員塾」を実施する予定である。 ・会社社訓、行動規範のような「公務員7訓」を霞ヶ関若手で作っている。内容については積極的な意見を募集している。 ・座右の銘 松下幸之助氏「志を立てよう」。志を持てば必ず道は開ける。人のせいにするな、自分でがんばれ。 6 まとめ(みなさんに伝えたいこと) ・自分がやらなきゃ誰がやる、今やらなきゃいつやる。 ・他人と比べることに意味は全くない。自分が志を持ってがんばりたいことを自分の目の前を変えていく、何の問題もない。 ・とにかく、成功するまで「本気」でやる。 ・講演などでは失敗したことはないと言っている。成功するまでやるからである。つまずいてやめたらそれが失敗。やめずに何が悪いか考え、成功・目標に向かってやればいい。大事なのは本気でやり続けることだ。 ・「変えれるもの」にエネルギーを集中する(リンクアンドモチベーション代表小笹さん) ・「変えれるもの」=「思考・行動・自分・未来」と「変えられないもの」=「感情・生理的反応・他人・過去」を因数分解して考える。 ・カリスマやスーパースターは要らない。仲間と一緒に。カリスマやスーパースターができることは少ない。みんなでやらないと意味がない。チームでやる方が実現力は高い。 ・とにかく、今この瞬間から、このみんなでやるしかないで! ■ チョウチョの会(滋賀県) 発表者:チョウチョの会のみなさん(井関、小林、初宿、堤、中西、中村、西村、松本) ○堤辰也(県民文化生活部県民生活課主幹) ・昨年、高浜のシンポジウムでは最後列にいて、こんなに全国には熱い人がいるんだと思ったが、今日は最前列を通り越し、この場にいることに驚いている。 ・チョウチョの会は、7月3日に1周年フォーラムを開催した。内容は、北川正恭氏の講演、パネルトークなど。県内外から400名に参加してもらった。今日はそのフォーラムに関わったスタッフに、インタビュー形式で当時の模様を伝えてもらおうと思う。 ○小林潤子(県民生活部IT推進課主任主事) ・松本さんにとって、チョウチョの会とは? ○松本寛(総務部総務課主査) ・私はこのような場で話ができるような職員ではなかったが、チョウチョの会では、私の話を聞いてくれ、個性的なメンバーが集まっている。その内容は目から鱗が落ちるもので、職場のいろいろな話を聞き、改革とは縁のない私だが、会は垣根がなく、誰でも参加できるフラットな場、私にとって憩いの場である。 ・ホームページ制作を担当したが、フォーラムの盛会がメンバーの自信となった。これから大きく羽ばたいていくのではと思う。 ○小林潤子(県民生活部IT推進課主任主事) ・広告営業で苦労したようだが? ○井関知子(政策調整部男女共同参画課主任主事) ・紹介してもらった上場企業の取締役にアポをとり、一通り説明したが、会の趣旨・方向性が見えない、当社のメリットがない等の機関銃のような質問を受け、自分の言葉で説明することに必死になった。 ・結果は残念だったが、後にその取締役が動いてくれ、思いに答えてくれたようで、ちょっとうれしかった。 ・仕事とは違う、自主活動グループであるということで信頼を得ることは難しいと思った。 ○小林潤子(県民生活部IT推進課主任主事) ・前売り券の販売など、いろいろ活動されたようだが? ○堤辰也(県民文化生活部県民生活課主幹) ・フォーラムまで1ヶ月という短い期間で、昼休みや時間外での苦しい販売活動だった。説明に苦労したが、一人ひとり説明して販売した結果、なんとか完売できた。 ○小林潤子(県民生活部IT推進課主任主事) ・中村人事委員会事務局長がなぜここに? ○中村きよ子(人事委員会事務局長) ・私はミーハーな性格、ここにいるのもその延長線 ・チョウチョの会は北川さんの話に感化され、自分で気付いて、変わり始めようとしたことに、おもしろい、いいことだ、これからどうなっていくのかという興味と好奇心から関わっている。自分の肩書きのせいか珍重されているが、外に対しての信用、内に対しての安心になるなら、否定することではないと思う。 ・フォーラムの成功はみんなが真面目に取り組んだ結果であるが、これが始まりである。私にはチョウチョになる時間はないが、青虫たちがチョウチョになるためのささやかなキャベツに、スポンサーになれればと思う。 ○小林潤子(県民生活部IT推進課主任主事) ・チョウチョの会には、様々な動機でいろんな人が集まっている。一人ひとりの気付きを力にして、改革が進むといい。 ・と、ここで時間なので報告終わり。残りの3名(初宿・中西・西村)に興味ある方は交流会で。(3名コケる) ■ Now For Future!!(福岡市) 発表者:道副 智美(福岡市建築局住宅政策課) 1 グループの概要 ・福岡市では九州大学の大学院生と共同研究する研修が行われ、この研修に参加したメンバーが、役所の研修だけで終わらせたくないということで、翌年度(2003年)自主的に研究を始め、設立 ・このときのテーマは「コミュニティの自律経営」、今でもそれに関する分野が主な研究テーマである。 ・活動のスタイルは、机上の研究だけでなく、コミュニティの中に積極的に飛び込み、一緒に汗を流すことをモットーとしている。 ・これまで、いろいろな方々やグループのみなさんと組織・分野を超えて一緒になって活動を行っている。 2 これまでの具体的な活動 ・地域のまちづくり活動への参加、NPOでのボランティア、各地の市民活動の場を訪問し、意見交換。各地(札幌、三鷹、武蔵野、横須賀、横浜、習志野、千葉、港、江東、立川、松山、沖縄、釜山など)を訪問し、メンバーの中には、ヨーロッパのNPO等非営利セクターを視察した者もいる。 ・これらの活動で得たノウハウを共有したり、交流の場づくりをしようと、シンポジウムや講座を開催しており、2003年にはコミュニティをテーマに市民と行政職員が本音で語る場である合体フォーラム、2004年にはこちらも市民と行政職員が同じ立場で肩を並べて受講するという協働講座、またCMやポスターなど広告を基にし、チラシやキャッチコピーを作るヒントにしてもらおうとプレゼン講座を開催した。 ・大学や高等専門学校との交流は、大学の特別授業の教壇に立たせてもらったり、相互にヒアリング、共通分野での資料制作など、お互いの研究をサポートしている。 ・福岡市トップとの意見交換、市役所内外の協働活動、他都市のグループや職員、民間企業などの方々との交流などを通して、様々な形でのタイアップをしている。私たちと同じく具体的な目的を持って汗を流している他の自治体グループとのネットワークを立ち上げ、交流を深めている。 ・このような活動の体験、市民活動に参加して知り得た自治の課題やノウハウを論文などにまとめたり、研究発表会も数回実施し、各地でのシンポジウムでもこうした活動を広く紹介。ホームページ(nowforfuture.net)に今までの活動や最新の情報を紹介している。 ・より詳しい情報は「月刊 地方自治研修」2005年3月号、4月号に設立から一連の活動、失敗談、成功の秘訣などを投稿している。 ・自主研究グループのネットワークについてはjishu.kouichi.jpへ。「月刊 地方自治研修」11月号から連載を予定している。 ・メンバーは5人、みんな個性的で、持ち味を生かして活動を地道に続けている。気軽に声をかけてほしい。 ■ 沖縄自治体職員ネットワーク(通称:いちゃりば)(沖縄県) 発表者:曽根 淳(沖縄県総務部東京事務所総務企画課主査) 1 「いちゃりば」って何 ・「沖縄自治体職員ネットワーク」は名前が長いので、「いちゃりば」という通称をつけた。 ・沖縄の方言で「いちゃりばちょーでー」(行き会えば兄弟:一度会ったら兄弟)と“しゃべり場”を掛けて、気軽な自由な議論ができるようにした。通称をつけたのはなるべく垣根を低くし、多くの人に参加してもらいたいからである。このような集まり・メーリングリストの有効性は入ってみないと分からないもので、そういう意味でも愛称をつけた。 ・スタートは2004年4月。自治体有志の会と関係があり、埼玉県志木市でのオフ会がきっかけで、沖縄在住のメンバー5名が参加し、こういう会は非常にいいので沖縄でも立ち上げようと思った。 ・メンバーは、沖縄県内の地方公共団体の職員。垣根を低くしたいということから、非常勤職員、臨時職員、議員、関連団体職員を含んでいる。北は本島最北端、国頭村から南は日本最西端、与那国町まで、県内114名が参加し、活動の内容は、メーリングリストでの意見交換とオフ会。オフ会は月1回程度のペースで実施している。 2 これまでの活動実績 ・自治の現場を見に行こうという「激変自治の旅」 ・これまで、北海道ニセコ町、埼玉県志木市、関西には関西学院大学小西先生の紹介で2回ほど訪問している。 ・特徴としては、有志の会は改革派首長の話を聞くが、「いちゃりば」では、改革を実践している職員、ニセコ町の林さん、志木市の尾崎さん、城陽市の有川さんなどを招いて話を聞いている。 ・また、「三位一体改革」のような比較的難しい内容は、専門家を招いて勉強会を開催している。 ・沖縄からでは、今日のような場に参加するには、物理的・精神的ハードルが高い。そのためできるだけ垣根を低くしたい。沖縄ではまだ改革派首長が出ていない。そうでなくても職員でできることをしていこうということを考えながらやっている。 ・講師に誰が来てもらっても、かりゆしウェアを着てもらい、最後には必ず宴会を開催する。 ・自分たちと同じ立場の職員はいっぱいいる。その職員のがんばっている情熱や変革するという気持ちを共有し、自分たちもがんばっていきたいと取り組んでいる。まじめに楽しくということで、沖縄を訪れた職員グループとも交流している。 ・実際やってみて、有志の会のようなやり方はいろいろな所でできる。沖縄で始めたら100人を超える参加者が集まった。みなさんの地域でも同じような活動をして有効の輪を広げていきたい。こういう取り組みが広がっていけば、地域から日本を変えていくことが本当に実現すると思う。 3 最後に ・最初に「いちゃりば」の意味を説明したが、この言葉を信じれば、ここに集まった約300名の出会いは大きな意味がある。みんなが兄弟であるということであり、出会いは大切。この取り組みが各地に広がり、チョウチョの会のような活動がどんどんひろがっていくと、日本も変わっていくと思う。
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第3回オフ会 大分県臼杵市 後藤國利市長の講演MEMO 「『臼杵』に夢中の市役所づくり」~なぜ、短期間に市が変わったか~ 日 時 1 平成15年11月28日(金)17:30~19:00 2 平成15年11月29日(土)10:00~12:00 場 所 1 臼杵市ふれあい情報センター 2 丸毛家屋敷 1日目 講和 質疑応答・意見交換 2日目 講和 質疑応答・意見交換 オフ会・講演会の風景 <講話1> ・臼杵市は変わったと自負している。 ・財政再建をやりながらも、CATV、まちなか賑わい施設、子供図書館などのハード整備も進め、潤いのある町並みの評価など市民が評価してくれるようになった。 ・合併問題説明会にも出席者が少ない。市民が安心してくれていると思われる。 ・今後の課題は、より市民との協働だと思っている。 ・職員の有志が始めた竹宵祭も7年目を迎え、5万人が参加する東九州を代表する祭りに成長しつつある。 ・今まで補助金を活用して祭りを実行していたが、補助金削除のため実施が危ぶまれた。そのため恒例の花火大会を中止した。市民からの反対が出る心配があったが、逆によほど財政が逼迫しているのだろうと市民が寄付を集めて実施できた。また市民自ら行動を始め「この企画は私がやった」と自慢するように変わった。 ・臼杵市役所は変わった。挨拶が行き交うようになり、電話の対応も感じ良いと喜ばれている。クレームに対する行動が格段に早くなり、市民から「早いね」と驚きとともに感謝されるところから自信が生まれてきている。 ・大部分の職員が精鋭化しているが、全員が精鋭化しているわけではない。1/3はよく理解、1/3はついてきてくれるようになった。残り1/3は照れくさがっている。横を向いている人も何十人かはいる。 ・デビューしたばかりの俳優も見られることによって次第に磨かれていくように、市の職員も市民の目を意識して磨かれてくる。 ・「市役所が変われば市が変わる」が市長選の公約だ。「市長は市民の回し者」は市役所に入った頃の言葉。「悪いことをすれば平気で市民にチクルこともやりますよ」 ・私は臼杵に首ったけである。夢を持っている。職員も同じ思いを持った同志である。自分の夢を実現しようとする「カリスマ職員」が次々と登場したことが私の自慢である。 ・ユニークな採用試験「夢中人募集中」を行っている。一緒に夢を見れる職員がほしい。カリスマ職員に一緒に「人となり」を見てもらっている。縁故では採用しない。 ・自分の得意分野を登録してもらい、それについての作文と筆記が一次試験。実地試験もやるが、そのでき具合が採用を決定するわけではない。夢中になれるか、熱中できるかで判断している。 ・特技の実地試験で、自転車を庁舎に持ち込んで「ここは自転車に乗るところではない」と降りて押してきた人は合格になったが、汚れたタイヤのままの自転車を持ち込んで乗った人は採用されなかった。 ・若手の活性化した職員を活用するように反響のある仕掛けを考えている。政治活動で組合をしている人は別として、組合活動をしている人は人の世話を大切にする人が多い。 ・同じ「改革」でも「縮める改革」はニセモノだ。形式的で職員を萎縮させる。否定的なものに未来を切り開く力はない。「伸ばす改革」は、実質的で、自由闊達で、全方位的で、建設的でホンモノである。 ・ニセモノの改革の構図は、前例・先進例・マニュアル等を前提として、事務局やコンサルタントがまとめた答申を審議会が答申として追認し、人・モノ・組織の削減や限定的な改革をアリバイ的に行うものだ。 ・真の改革の構図としては、「改革の三種の神器」(勇気・イメージ力・ こころざし)を前提として、成功のホウ・レン・ソウ(方向付・連携・協働・総括)によって「実行の三大ポイント」(PLAN・DO・CHECK)を行い、「3つの壁」 (人・モノ、仕組み、こころ)を打ち破ることである。 ・大分県の行財政改革委員会のメンバーになっているが、定数の削減だけを打ち出しているだけでは県民の目からの視点が感じられないと言った。 ・カエルはゆっくりと茹でられると状況変化を感じない。変化への意識を敏感にして、変化を感じればすぐに行動しなければならない。何もしなければ、そのまま茹でられるだけである。大事なのは、自覚して飛び跳ねることである。行動を起 こさないことには状況は変わらない。 ・行政改革3点セットを入れ替える必要がある。「シーリング」を「残高シーリング(人・モノ改革)」に、「定数削減」を「しくみ改革」に、「機構改革」を 「意識改革」に変えることである。 ・改革三種の神器は、「勇気(ハラ)」「イメージ(夢)」「こころざし(信念)」である。 ・こころざしとは、本当に大切なものを見極め、どんなにつらくとも信念をまげないことである。英語ではLittle Money(人は金だけのために生きるに非ず)である。チャップリンの映画”ライムライト”で踊り子の「人生に必要なものは」の問いに答え「Courage、Imagination、Little Dollar」と言っているが、Little Dollarを「少しの金があればいい」と解しているが、これは「人は金だけの為に生 きるに非ず」が正しい。 ・勇気(ハラ)づくりは、①見る、調べる、検証する、知る。②隠さない、知らせる、変更する、止める、断る、捨てる、撤退する、壊す、誤る。③一人になっても、自分を信じる、苦労を覚悟する、反対を説き伏せる。④決断する、決行する、甘受する。 ・くさいものに蓋をしないこと。決断、決行し、人の批判を甘んじて受けることである。 ・イメージ(夢)づくりは、モデルがあれば描きやすいがモデルがなければ難しい。 「ブレイクスルー」の考え方は、中京大学の日比野教授の指導を受けて大変役に立っている。 ・無心になることがイメージトレーニングではない。本物のイメージトレーニングは球を打つ姿を思い描くことである。 ・本当に大切なものは説明できないものである。 ・現場に求められる「ホウ・レン・ソウ」は「報告・連絡・相談」だが、改革に求められる「ホウ・レン・ソウ」は「方針・連携・総括」である。 ・改革は、85点を目指すのがよい。”勢いもし使い尽くさば禍必ず至る””福もし受け尽くさば縁必ず孤なり” 規矩もし行い尽くさば人必ず繁とす “好語もし使い尽くさば人必ず安んず”など仏果禅師の言葉で説明を受ける。次の改革に繋げ るためのコツである。 ・完璧主義は無理が生じる。途中段階での適度な達成感が極めて重要である。 ・何もかも成功するわけではない。イチローも3割で褒められている。欲張らずほどほどに、決まりをきつくしすぎず、いいことも言いすぎてはいけない。 ・ホンモノの改革だから全方位である。 ・財政改善(予算は余産):財政指数を変えようとしても変えれるものではない。心を変えれば自然と良くなる。バランスシートを取り入れた。 ・予算を余らせても恩典は与えてない。職員は予算を余らせるのを楽しんでいる。 ・生涯現役(ヘルスアップ):国民健康保険事業会計を悪化させないための取り組み。健康課とオムロンが“電脳歩数計(万歩計)”を開発。有酸素運動量である“しっかりウォーク(10分間以上継続して歩く)”を計測でき、データーを保存することのできる機能を開発。成人病の予防に役立てている。 ・心の教育:教育長は全国PTA連合会会長をしていた方(お坊さん)にお願いして、子供図書館などユニークな取り組みをしている。 ・給食(HACP、給食畑)、環境(屋根型処分場)、その他いろいろ他都市では見られない取り組みが紹介された。 ・臼杵市は味噌の産地であり大きな味噌屋が三つある。そのうちの一つが手前みそである。(ユーモア 笑) <質疑応答・意見交換1> Q)市長は2期8年しか勤めないと公約されているが、後継者を育成しているか。 A)考えていない。自然と現れるだろう。 Q)改革への抵抗は強かったか A)”市長の給与3割カット”を公約としたが、議会にかけると反対を受けるので、就任後すぐに専決処分した。議会から「議会を開く前に専決処分するとは何事か」 と問われたが、今はうまくやっている。 自民党県連にもいたので、組合は苦手だが、昔、セメント工場誘致反対運動で地区労もよく知っていた。初登庁時、職員への挨拶の時間を就業後の17時10分にすると申し入れ、改革に対する理解をもらったことがよかった。組合は手ごわい反面、大きな力を持っているので一緒に頑張っていきたい。味方を増やすことが重要である。 Q)自治体を渡り歩くプロ職員への考え方は? A)まだ時期尚早ではないか。法律環境がそれを許さない。現在いる職員が成長することで人材確保できると考えている。 Q)改革を続けていくことで大切なことは? A)改革そのものが自己目的化してはいけない。みんなが楽しくやれるよう、盛り上がる雰囲気が大切だ。また、あきらめることなく小さなことを積み重ねることだ。 Q)臼杵市ぐらいの規模の自治体だから改革がやりやすいという声もあるが、大きな自治体との違いは何か。 A)大きな自治体は人数が多いので優秀な職員がいる反面、安住意識が高い。変わらなければならない。我々は危機意識が強い。こうした意識を持ちつづけることも重要である。 <講和2> ・戦略と戦術を組み合わせながら改革を進めていく必要がある。 ・戦略とは、仕組みを知り仕掛けを作ることであり、戦術とは仕掛け成功の作戦のことである。戦略を立てるには空から見ることも大事である。 ・仕組みを知るためには、広い知識・豊富な経験・第三者的な冷静な観察力が重要だが、何よりも理解しようとする意欲が大切である。 ・仕掛けづくりの要点は、キーマン・キーポイント・動機づけである。 ・戦いに勝つためには味方を増やすしかない。そのポイントとして、1対1の戦いを制するためには適当な敵を常に持つこと、人望のある味方を増やすこと、偏った味方を持たないことである。無色透明の敵が一番困る。 ・今、「うすきいろのカボス」のことで頭がいっぱいである。緑色でない黄色いカボスを臼杵のまちのまちおこしの起爆剤にしたいと考えている。 ・カボスの皮を使ったチョコも「Usukiチョコ(ユー 好き チョコ)」として売り出していきたい。クリスマスツリーとして日本一高い樅の木のツリーをバレンタインまでに飾り、 恋人たちが臼杵を訪れる起爆剤にしたい。 <質疑応答・意見交換2> Q)市町村合併の認識は? A)合併しないと市町村はやっていけない。どうせ合併するなら人に相手を押し付けられるより一緒になりたいところと引っ付きたい。と言うのもこれから大変な 時期に苦楽を伴にしなければならないからである。 Q)職員への成果主義導入の是非は? A)民間も含めて成果主義には懐疑的である。成果の測定が難しいためである。数字に現れなくても組織に貢献している人の存在意義も感じる。その人がいるだけで落ち着くような職場もある。 Q)給与体系はどのようになっているのか? A)大分県下でラスパイレス指数が最も高い。高卒も大卒に合わせた同じ給与体系となっており、昇給は、課長職になるまでは完全なワタリとし、昇格とは無関係な給与体系をとっている。 Q)抜擢人事はどうか? A)出世の方に目をやるよりも、仕事に関心を集中してほしいと思っている。現に、臼杵市の職員はそんなことをしなくとも仕事に頑張ってくれている。人は労働条件のことだけを考えて仕事をしているわけではない。 Q)市民の役所への評価や意識は変わってきたか? A)変わってきたと感じている。市職員を揶揄する枕詞がなくなった。市民の意識の変化を表す言葉として市役所のことを「市役所の奴らは」から「ようやっちょる」になり、「俺たちもやろう」になってきた。職員がベストを尽くしていれば市民に自信をもって接することができる。感謝の声も聞く。祭りも自主的に開催してもらえるようになった。協働は課題である。住民にお任せできる分野があると感じている。 Q)企業再建と自治体再建はどちらが難しいか。また違いはあるか。 A)もちろん自治体再建の方が容易である。企業は売上を確保しなければならないが、自治体は税金という便利なものがあるので、身の丈で業務をやれば続けられる。財政再建の要諦は、収入に応じた自治体運営を実現するということではないか。それにしても、これから5年間で、収入は半分以下になるので、それに合わせる対応が必要である。 Q)地域経済の浮揚に実を挙げたか A)よくわからない。造船業が好調なためあまり苦情をきかない。 Q)市長の人生の節目の中で、市役所改革を志すにあたって影響を与えた経験は? A)私の人生経験の中で2つの事件が行動原理に大きな影響を受けている。1つは、中学の時にあまり準備もせずに生徒会の選挙に落ちた時にショックを受け、悔いが残るようならば、最善を尽くそうと考えるようになったことである。2つ目は、昭和45年頃セメント工場の誘致の話があり、問題意識は持っていたが傍観姿勢をとっていたところ、ある方から「あなたはセメント工場が出来て起こる問題点を知っていて、また臼杵市民であって何もしない。それでいいのですか」と 言われて頭をガツンと一撃受けた。その足で本屋に飛び込みセメントに関する本を全て買って、反対運動を起こしたことである。 Q)市役所の職員の態度に対する非難についてどう思うか? A)何といっても態度の悪い職員には、意識の高い職員が一番腹を立てている。一方で、極端な非難にはくみしない。非難されて当たり前の行動は、職員の思い上 がり以外の何物でもない。 Q)市民の苦情への対応は? A)苦情は「処理」してはならない。「対応」しなければならない。苦情対応は、市民と市役所が相互理解を進められる好機である。臼杵市の職員は、下を向くことなく苦情に立ち向かっている。自分たちに自信を持つ事ができるようになった証左 ではないか。   <オフ会・講演会の風景> 平成15年11月28日、臼杵市にお邪魔し第3回目の 講演会&・・・様々な体験をさせていただきました。 今回の目玉行事の一つ「トイレ掃除研修」です。 臼杵市の職員研修の皆さんと合同で行いました。 いよいよ出陣!有志の会にも緊張が・・・・ (於:臼杵市民球場) 今回は、臼杵市後藤國利市長に、「臼杵」に夢中の市役所づくり、 と題し講演して頂きました。(於:臼杵市ふれあい情報センター) 翌日、丸毛家屋敷にて後藤市長と意見交換会を持ちました。 参加者の皆さんです。(数名がお帰りになっておられます。) 第3回を迎えたオフ会&講演会ですがますます充実した内容になって きまました。今回は二日間にわたり後藤市長を始め臼杵市の皆さんに 大変お世話になりました。ご尽力頂いた方々に厚く御礼申し上げます。
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第8回講演会&オフ会 1.日 時 平成17年10月28日(金)13時45分~16時30分 (懇親会:18時00分~20時00分) 2.場 所 三鷹市産業プラザ 705会議室 (東京都三鷹市下連雀3-38-4) 3.講演Ⅰ 佐藤 徹 高崎経済大学地域政策学部講師 テーマ「地域政策における市民会議の意義と可能性」 4.講演Ⅱ 清原 慶子 三鷹市長 テーマ 『創造的な自治体経営』を目指して 5.意見交換(質疑応答) 6.開催案内文 講演概要<地域政策における市民会議の意義と可能性> 高崎経済大学地域政策学部講師 佐藤 徹 氏 1 市民会議とは何か ・「市民会議」をインターネットで検索するといろいろなものがでてきますが、○○市民会議、市民○○会議などという名称や看板だけで、今日お話しする市民会議であるかどうかを判断することはできません。私は、地域的公共的課題の解決に向けて、市民が主体で行政と協力・連携して、継続的に活動を行う中間的な組織や場を「市民会議」と定義しています。もう一つ、プロセスに着目して考えた場合、市民・行政等の多様なアクターの参加による協働型の政策形成ないし実践活動の場であるといえます。 ・市民会議を3つ(分野、期間、エリア)の基準で、7つのタイプ(A型~G型)に分類しました。もっとも多いのはA型(包括的、期間限定、全市レベル)で、大和市や八王子市がここに入ります。有名な志木市は、C型(包括的、常設、全市レベル)になります。 ・実際、どういうものがあるかというと、2000年の地方分権一括法以来、自治、参加、協働への関心が高まって条例を制定するのにともなって設置されたものと総合計画策定にあたって設置されたものなどがあります。 2 市民会議はどのように進められるか ・100の市民会議があれば100のドラマがあります。たかさき市民参加推進会議の場合は、高崎市が市民参加推進計画策定のために公募を基本として委員を集めました。テーマは「市民参加、市民自治、市民と行政の協働によるまちづくり」を掲げ、1年1か月間延べ50数回の会議を行いました。 ・市民会議(特にA型、B型)を考える上でどのようにデザインするかを2つの柱で考えます。フレームデザイン(基本設計)とプロセスデザイン(実施設計)です。 ・フレームデザインは、5W2H(なぜ市民会議なのか、誰が議論するのか、何を議論するのか、何を成果とするのか、いつまでにやり遂げるのか、どのように進めるのか、どのように行政に反映させるのかということ)です。具体的にはデザインの項目として、メンバー構成、組織形態、呼びかけ方式、活動期間、開催日時、運営コスト、事務局体制をどうするか、などがあります。そして運営方針や基本ルールを決めていきます。 ・プロセスデザインは、基本的なスタイル(5つの段階)があると考えます。 フェーズI(初動期)、フェーズII(学習期)、フェーズIII(創造期)、フェーズIV(合意形成期)フェーズV(報告期)の5段階。 初動期が一番の修羅場になります。この時期は市民も行政も不安になり、いろいろな思いが渦巻きます。でもこじれない会議は市民会議ではありません。こういう状況ではファシリテーターは決まりません。3回目ぐらいまでは紛糾しますが、4回目ぐらいから軌道に乗ってきます。 学習期は、市民参加の経験を語り合う時間を持ちます。行政からの情報提供を受けることもします。 創造期が、一番コアな部分です。市の将来像を設定して現状とのギャップをどのようにしたら埋めていけばよいのかを考えていきます。 合意形成期は、合意できたところだけまとめ、提言していきます。たかさき市民会議は、期間限定型ですので、最後に市長に提言(報告期)して解散しました。 ・高崎市では、たかさき市民会議が提言を出した後、現在、第2ステージに入っています。庁内組織と新たな公募による市民参加委員会が協働で市民参加推進計画案を策定中です。 3 市民会議の意義 ・市民参加には、議会、コミュニティ、NPO、行政の4つの参加対象があります。市民参加とは行政に市民を巻き込むという発想ではなく、市民が主体で行政に参加するものです。 ・市民会議には、どういう機能があるのかというと、合意形成機能、協働促進機能、自治力向上機能という3つの機能があります。 合意形成には、「継続性」「対話性」「場」が必要条件ですが、どのような参加手法が求められているのでしょうか。本来は議会が担うべきものだと思いますが、従来、行政はいろいろな考えを持っている市民に対して個別に対応していましたが、これからは市民の間である程度合意形成される市民会議のような仕組みが必要です。 ・協働を促進するには、目的の共有、パートナーシップ、相乗効果が発揮できるような連携、協力の3つの要素が必要と考えます。それには年齢や肩書きを超えた参加の場と一定の時間が必要です。 ・自治力の向上とは、「自分たちのまちは自分たちで作っていこう」という意識、能力のことですが、そう思う「気づき」を市民会議は与えてくれます。 ・「市民参加のエレベータ・モデル」を考えてみました。3つの階層がありまして、1階が行政主導の市民参加、2階が協働、3階が自治で、上に行くほど行政の関与度が下がって、市民関与度が上がります。市民会議は2階に位置づけることができます。 4 市民会議を軸とした地域創造戦略 ・期間限定型の市民会議は提言が終ると、行政は手を引きます。しかし活動を続けたいという有志の市民たちの意向で自主運営されますが、多くの場合、その後弱体化する傾向にあります。しかし、こういう組織こそ条例や計画の推進母体として最もふさわしいわけです。あくまでも提言は第1ステージであり、期間限定型の策定組織から常設型の実践型組織へといかに脱皮していくのかが重要なポイントです。 ・また、市民会議には協働・自治の輪を広げるプラットホームの役割があります。行政側にとっては協働の学びの舎、市民側からは課題解決に向けた運動の輪を拡大する場になります。 ・市民会議への行政の支援は、どうあるべきでしょうか。組織的支援としての基本的スタンスは、「つかず、はなれず」の関係を保つことです。行政は、市民会議の創造性や自主性を損ねてはいけません。市民と行政のお互いの持ち味をいかに生かしていくかが、市民会議の本質です。 ・そして、ある程度市民会議が成熟してきたら、もともと多元的なメンバーによる中間的な組織であるという性格を活かし、中間支援組織をめざしていく。また一つの方向性として、行政は市民会議に財源や政策提案権の一部などを移譲していくことも考えられます。 講演概要<「創造的な自治体経営」を目指して> 三鷹市長 清原慶子 今日は北は北海道から、南は・・・どこまででしょう。とにかく全国各地から三鷹市にお越しいただき感謝いたします。ふだん市民の皆さんの前ではゆっくり話すことを心がけていますが、限られた時間ですので、今日は早口を許していただけると思います。 本日は「創造的自治体経営を目指して」という、常に三鷹が目指している姿をタイトルにかかげました。皆さんは、常日頃、望ましい自治体を展望し議論していると思いますので、現状に満足することなく、しかし良い所は継続させ、直すべきところは直すというクリエイティビティ 創造性 が求められていると思います。 市長としての任期も限られているなかで、創造的な自治体経営をめざして、市民の皆さんや市議会とも協力しながら、魅力あるまちづくりを精一杯進めていきたいと思っています。 □三鷹市の現況:都心から18キロメートル、16.5平方キロメートル、人口174,000人、約8万世帯。23区から多摩への玄関。地域的重心にある。今年で市制施行55周年。一般会計予算575億円規模。 三鷹の名所: 都立井の頭恩賜公園、玉川上水(太宰治は、晩年を三鷹市で過ごし、玉川上水に入水)、風の散歩道?路傍の石で有名な山本有三記念館、三鷹の森ジブリ美術館がある。三鷹の森ジブリ美術館は、PFI的方式で設置。徳間書店(スタジオジブリ)が建物をたて、三鷹市に負担付寄付した。ローソンで、日時指定の完全予約制でチケットを売る。約96%の入館率。 □自己紹介:吉祥寺生まれの三鷹育ち。市民となったのは10歳の時、父親が市内で小売りの酒屋を営む。実は三鷹の学校には一度も通ったことがない。大学は慶応。成人式で初めて三鷹市から案内があった。 「これで私は市民なのか」との気持ちもあった。 ひょんなことで市民参加・・・第一次基本計画を策定する市民会議で、20歳代の学生の代表として指名された。当時、政治学やコミュニケーション論を研究していたが、直接的には市政に係る機会がなかったので、市民会議の委員になれたのは幸運だった。 その時の三鷹市は、高度デジタル化の実験を「INS市民の会」を作って市民主体で行うという初の自治体であった。その後、在住、在勤の市民として、いろいろな委員を市から委嘱された。 その後、学識研究者として、国や自治体から様々な委員などを引き受けるようになったが、三鷹市では、できるだけ市民として活動をした。 「みたか市民プラン21会議」 現行の基本計画をまとめる公募市民375名のなか、3名の共同代表の一人となった。当時の三鷹の状況は、政策提言から→実験・試行→政策実践・評価へと移っていた。 第3次基本計画の6つの最重点課題 2003年統一地方選挙で市長に就任した後に直面した課題と、第3次基本計画の6つの最重点課題: 安全・安心のまちづくり 市長に就任したサーズ渦、児童をめぐった不審者の出没、市内での強盗殺人傷害事件の発生などにより、市民の不安感が市役所や警察に向けられた。そこで2003年の12月に、職員による安全・安心パトロールをスタートさせた。また、2004年4月には、生活環境部に安全安心課を設置した。さらに、市のパトロール車による市内巡回の実施や、昨年秋には、15小学校区ごとに地域安全マップを作成した。今年はマップを活用して、小学生によるまちの安全診断を実施した。 地域ケアの取り組み 老齢人口比率17%前後で全国平均に比較して高くないが、男性の平均寿命は80歳を超え全国一番の長寿市である。健康づくり、自立支援・地域のボランタリーな活動をしている市民のネットワークをいかに築くかが課題である。三鷹の特徴:老老介護、老老支援・・・給食サービスしている人も60歳・70歳代、介護されている人も80歳、90歳、100歳代である。 バリアフリーのまちづくり 三鷹ではユニバーサルデザインの言葉は使わず、バリアフリーを使用している。目指すべきはユニバーサルデザインだが、まだ道路や施設の面で整備すべき障壁が多く、ユニバーサルデザインを表明できる段階ではないと考えている。 子ども子育て支援プロジェクト 全国初の株式会社に運営委託した公設民営保育園が注目された。行革の良い例として上げられるが、この取り組みは、民間委託そのものを目的として実施したのではなく、コストを抑えながらも、より質の高いサービスの提供のあり方を求めた結果、現在のような事業スキームを築いたもの。株式会社との単年度契約の更新においても、市のベテラン保育士が保育の質をアセスメントするガイドラインを策定した後、一日がかりで公設民営保育園の評価を行い、民間事業者によっても、質の高い保育サービスが提供されていることが検証できた。 今年で、三鷹市の公設民営保育園も5年目をむかえ、学識者や市民委員を含めて「公設民営保育園評価委員会」を設置し、第三者評価を徹底してやってもらっているが、さらに来年4月には、プロポーザル方式で選定した、4園目となる公設民営保育園がオープンする予定。 協働のまちづくり 市長になって半年、2003年12月に、都から譲渡された施設を改修し、市民協働センターをオープンさせた。 市民協働センター構想は、私が市民の時から市民委員で企画を考えていたが、問題は場所の確保だった。市民協働センターは、現在、大変活況である。三鷹市には、コミュニティ住区ごとにコミニュティセンターが7つあるが、地域活動の拠点としてはコミュニティセンターが利用され、NPOなどテーマごとに活動している団体の活動の交流の場として協働センターが利用されている。 今年10月には、駅前に三鷹ネットワーク大学がオープンしたが、これは市内外14の大学・研究機関と協定して発足したもので、市民のより高度な学びへの要求に応える場として、そして、それが地域の財産となり、地域活動につながるような学びの場となることを目指している。 IT活用・情報政策の推進 就任後2ヶ月の6月補正予算で、職員に情報セキュリティの認証ISMSを取得してもらった。ヒューマンエラーが多いのがIT。専門家に任せれば良いというのはだめ。市長がセキュリティ問題を、いかに重く意識・認識し、受け止めているかを示すことが重要。 三鷹市が2005年6月に世界テレポート連合から「2005年インテリジェント・コミュニティ・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。 三鷹駅を降りても、際立ってITのまちには見えない。今回の受賞は、三鷹という地域が市民や研究機関、企業、行政の協働により活性化していることが評価されたもの。「SOHO CITY みたか構想」から生まれたSOHOやNPOとの協働など、多くの「協働」とその成果が認められたもの ■「各部の運営方針と目標」と「政策会議」 就任直後、私が提案して、「各部の運営方針と目標」を策定することとなった。これは、各部の毎年度の達成目標について、私と部長が契約を交わすもの。この「各部の運営方針と目標」は、毎年10月に行っている「政策会議」で、翌年度の「運営方針と目標」を提案してもらい、理事者と議論して決めている。昨年は、各部の提案は3日間くらいだったが足りないという声があって、今年は1週間かけて議論した。 その各部の提案受けて、新年度予算の重点事業を決定し、その事業は政策的投資を行う予算区分となる。他の事業は、各部の枠配分予算で対応することとなる。 予算についてもインセンティブ方式を導入しており、創意工夫や努力によって予算の執行残が出た場合は、その理由によって、執行残額の4分の1から2分の1の額が翌年度の各部の枠配分予算に付加される仕組みをつくった。 ■職員提案制度とベスト・プラクティス表彰 職員提案は、政策提案と経常業務の改善の2部門あるが、面白いことに自分の所属以外の部課への提案が遠慮なく出てくる。また、 第三者の目 という視点から、交流人事で他自治体から派遣された職員からは必ず職員提案を出してもらっているが、 三鷹に骨を埋める人でないから見えてくるもの がある。職員提案は、評価したなら実現するように、市長が率先して支持するのが三鷹方式。 また、市長になって、ベスト・プラクティス表彰を創設した。いろいろな分野で市長賞があるが、市民に出しているのと同様に、、 職員の地道な努力や優れた取り組み を表彰したいと思って創った。 今年、受賞した11件については、職員を市長室に呼んで表彰式を行うのではなく、市長が職場に行って出前の表彰式を行い、課の職員に集まってもらってベスト・プラクティス賞の楯を授与した。ちなみに授与する盾には、一つ星(★)からに三ツ星(★★★)までのランクがあり、次は四ツ星が出るか楽しみにしている。 市民との協働の実践 市民 を幅広く捉える。住民票をもっている人だけが市民ではない。今年の9月議会で成立した三鷹市自治基本条例では、 市民 の定義として市内在住、在勤、在学、プラス 在活動者 を含めている。 これは、先に紹介した、「みたか市民プラン21」の実践を踏まえたもの。 「21会議」では3年半かけて、市民による討議と、市民と行政とのキャッチボールを行った。 なぜ市民が、ボランティアであれほどの大変は活動を行ったか。それは、自分達の提案が、市の計画や政策にされることの意義を感じたからである。 また私は、市民と意見交換するのと同様に職員と話す機会が重要と考え、「市長とのトークセッション研修」を開催し、毎月2回70分ずつ10人位の職員と会っている。部長から始めたトークセッションは、全1,100人の職員中、10月現在約500人以上となり、主任まで会っている。 トークセッション研修のメリットとしては、市長の研修になることである。三鷹市の職場は風通しが良いので、職員も市長だからといって遠慮なく本音でものを言い、同席している職員課長もそれを止めないのもすごい。(笑)三鷹の職員がこんなに率直に語れるということ、職員相互の理解を高めることができるのも市長研修のメリットだ。 議会との協調は不可欠 議員は市民の代表。私も市民の代表。互いに尊重することなしに市政はうまくいかない。二元代表民主制というものを、選挙を通じて、頭でなく体で肌で感じた。議員一人ひとりの後には必ず当選に至る票があることを忘れてはならない。 私も努力するから、職員のにも努力を期待すること。 1、職員の基礎は市民の立場に立つこと。絶えずそれを確認すること。 2、正義感、精神誠意の姿勢を保持すること。経常業務の質の向上を図ること。 3、市民の信頼を確保すること。 4、広い視野で担当業務を位置づけられること。 5、市民とのコミュニケーション、職場でのコミュニケーションを促進すること。 6、批評家・評論家ではなく、当事者意識と責任感を持った実践をすること。 7、失敗を繰り返さず、学び続ける組織づくりを進めること。 このようなことを、「トークセッション研修」で、私から職員に直接思いを伝えている。 <質疑応答> ○質問1調整・根回し・しがらみがないことが良くわかったが、清原市長も政策判断に迷うこともあると思うが基本原則は何か? ○清原市長前の市長の時から「効率的で開かれた市政」だったが、「説明責任」つまりきちんと事前情報・プロセス情報を伝えることが大事だと思っている。 自治基本条例の時も、市議会への条例案の提案にあたり広報特集号を発行し、市民からの意見・質問にどう対応したかということを、すべて説明を付けるようにした。 市民の皆さんからの反応をいただけるような説明の仕方 を考える必要がある。反応・反対がないから賛成だとはいえない。 ・優先順位をつけるということは否応なく必要だ。何が優先かというのは、どれだけ緊急の対応が必要かということを改めて考えなければならない。PCB、サーズ、鳥インフルエンザなどの緊急問題について、行政は迅速・適時の判断をしなければならない。優先すべき処置を決定したら、速やかに公表することが大事。 生活者起点といっても抽象的なものなので、かなりブレークダウンしなければならない部分がある。 自治基本条例 や 市民協働センター のときもそうだったが、そのテーマに非常に関係ある当事者や専門家をよんで、まちづくり研究所などで、職員も対等に係わり合いながら、市民、職員、専門家が多元的な場で、その政策が市民に役立つかどうかを政策の立案段階から検証することが大事だ。 三重県と共通するのは、市民や県民の皆さんにとって満足できるような内容の政策について説明できることだと思う。その責任の果たし方やニーズの探り方にについては、実際は特徴や個性・風土がある。 ○質問2-1市民会議の設立当初の運営で外部プロのファシリテーターを採用することについて ○佐藤講師・たかさき市民推進会議は高崎市にとって初めての市民会議でした。そのため行政職員も市民もファシリテーターの存在や必要性に対するトへの認識がほとんどなかったものと考えられます。実際、高崎市も最初から民間コンサルを呼ぶことを考えていなかった。予算も用意していなかった。最初の2・3回は私がファシリテーター的なことをやった。いわゆる進行役的な人は、4回目あたりの会議から互選により市民のなかから2人選出された。 ○質問2-2 最重点プロジェクト には納得する点が多かったが、そのなかでITのセキュリティと新たなITの展開について ○清原市長札幌市は人口180万人のなか、かなり早期に情報ネットワークで市民が利用できるシステムをやってきたと思う。 トランザクショナルな仕組みを取ればセキュリティをしっかりやらないとならない。セキュリティに関する国際認証を取得するなど、市民に信用していただけるよう取り組みを主体的にやらなければならない。 昔の大型電算機時代からレガシー改革によって、多元的なサーバーで一台が障害やハッキングを受けても持ちこたえるようになった。今、三鷹市も少しずつ取り組みを始めている。 国が技術的な面を公開し、自治体をサポートしてもらわないと限界があると考える。2006年以降の施策には、セキュリティが大きな柱になってくる。 せっかく良いサービスをやろうとしているのに、セキュリティが問題でやれなくなるというのは残念なことだ。市民の皆さんはやり取りできないと満足できない。だけどやり出したらインターネットへすぐにつながってしまう。これは共通の悩みだ。 ○質問3アウトソーシングについて(保育園、幼稚園職員のプライド、意識について) ○清原市長公設民営保育園の三鷹市の4例は新設の保育園で実施したのであって、既設園の民営化ではなかったので職員の大きな反応はなかった。来年できる公設民営保育園も、私が市長になる前から、市立幼稚園を廃園し保育園等に転換する方針を決めていたもので、その方針を継続・実施した政策だった。 しかし、今年策定した 行財政改革アクションプラン2010 では、今後は既設の保育園についても、いい意味での民営化を重点課題としているので取り組みを検討しなければならない。保育の継続性を保つことと、サービスの質の向上を図ることが課題となる。また、ゴミ収集の民間委託は、また別の課題があり、美化パトロールは正規の職員でやっている。業務の性質によって、課題や難易度に違いがあるのではないか。 (女性職員の登用について) 私は昭和60年代に市民として女性職員の採用、登用、活躍を提案したことがあった。それを覚えていてくれる職員もいる。自分も働き続けてきた立場で子どもを二人育ててきたが、女性を取り巻く環境はきびしい。一番業績を上げられると思う時期に女性は出産や子育てがある。以前ならあきらめていたかもしれない。やはり支え合いが必要。また、同性だからできること、今でも女性同士の支え合いが必要だと思っている。一番の問題は出産、子育ての時期の自信喪失が昇任昇格試験を忌避してしまうことは是非、なくして欲しい。 ○質問4わが市は、改革を抑える雰囲気が充満しているが、それを変えていくヒントは? ○清原市長三鷹市が急に変わったわけではない。30年以上前に経営という言葉を使うようになってからで、きっかけは、経営がたいへんだったからだ。なぜなら、全国に先駆けて下水道の完備を昭和40年代にやったものだから、市民の皆さんに理解を得なければならなかった。コミニティセンターも建物は作って、運営は市民に委ねた。 職員の提案制度については、提案する機会とそれが反映される場を作るべきだと思う。職員提案制度を活用すべきで、この制度はお金がかからないですからね。職員10人が提案したら、1人でも提案がかなうような可視化することが大事だ。 たとえば、市役所の出入口は2つの自動ドアがあり、入り口側と出口側を決めているが、他の自治体から三鷹市に派遣された職員から、「職員は出入口を分かっているが、市民には分かりにくく改善すべき」という提案が出た。単純なことであるが、三鷹市の職員が気づいても発言してこなかったことであった。私は直ぐに管財課長の所にいって改善を要請し、実施した。目に見える形で良くなった、変わったんだということを実感できれば、職員のパッションもあがるのではないでしょうか。 ○質問5-1いろいろなタイプの市民(無関心から自立まで)への有効なアプローチとして(市民参加の主体性について) ○佐藤講師現在おこなわれている市民参加は、参加者の自発性をベースにしている。そこで、これは少し過激な意見かもしれないが、半ば強制的な市民参加の方法や制度も検討の余地があるのではないかと思う。平成21年5月までに 刑事司法への市民参加 として裁判員制度が導入予定である。このような方法が行政や地域社会への市民参加手法としてコンセンサスがとれるかどうかわからないが、最初は無関心であっても、参加することによってまちづくりや行政に関心を持つようになったり、意識が高まることもあるからだ。 ○質問5-2職員とともにまちづくりを進める立場から望むことは ○清原市長会議の時「市長、審議会委員の皆さんが全員揃いました」といって呼びにくるのはおかしい。また、諮問・答申を受ける時、終了後に市長が最初に退席するのも変である。私は、できるだけ定刻前に行って、委員とお話をしているし、また答申をいただいたときは、委員の皆さんにお礼をいいながら最後までお送りしている。 市民が主人公 で市長は奉られる存在ではない。一つに、市長の座る席は上座でなく事務局側の末席であるべきだ。このような理念や思いは形になっていなければならないし、それを私が指摘した後の、職員の気づきは速かった。 市民参加、市民協働と言うのなら、市民の皆さんこそ主人公で、組織はフラットであるべきだ。皆さんはひょっとして、秘書が市長の荷物を持つなど、自分の組織の長を「大事」にしていないか。権威主義ではない、フラットで協働な運営の仕方に努めてもらいたい。 ○質問6資料6ページの多価値化時代の市民参加システムのなか、どんな条件があったらこの段階まで進むのか? ○佐藤講師少なくとも、ネットで個々に自宅から市民会議にあるいは行政に対して意見を言うようなタイプの市民参加は、市民対行政の関係は成立しているが、市民間の意見のやり取りがないため合意形成がなされない。 やはりフェイス・トウ・フェイスの場を作ることが大事。市民の側からそのような場を作って欲しいというニーズがない場合は(おそらく多くの自治体がそうでしょうが)行政が積極的に市民会議のような場を作ることも必要だ。 オフ会開催案内文 「自治体職員有志の会」第8回オフ会の開催案内 全国各地でご活躍の会員の皆さま、次回オフ会を下記のとおり開催することとしましたので、ご案内いたします。 今回は、東京都三鷹市の清原市長をはじめ、市民参加について詳しく、新進気鋭の学者でもある高崎経済大学地 域政策学部講師 佐藤徹さんをお招きするなど、さらに有意義な集いを企画いたしました。奮ってご参加ください。 記 ◆日 時 平成17年10月28日(金)13時45分~16時30分 (懇親会:18時00分~20時00分) ◆会 場 三鷹市産業プラザ 705会議室 (東京都三鷹市下連雀3-38-4) 電 話0422-40-9669(代) http //www.mitaka.ne.jp/tmo/ ◆プログラム 13時00分 集合・会場設営・受付 13時50分 講演Ⅰ 佐藤 徹 高崎経済大学地域政策学部講師 テーマ「市民会議を活用した地域創造」(仮題) 14時50分 休憩 15時00分 講演Ⅱ 清原 慶子 三鷹市長 テーマ 『創造的な自治体経営』を目指して~三鷹市の自治体経営改革の実践から~(仮題) 16時00分 意見交換(質疑応答) 16時30分 終了 ~~~~~~ 会場移動(2階「桃亭」へ) ~~~~~~ 17時30分 懇親会開始(乾杯) 19時30分 懇親会終了 ◆参加費:2000円 (懇親会 7000円)
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3 事例発表 (1) 自治体におけるコンピテンシー制度の導入/高知県 夕部 雅丈 1.はじめに 土木技術者で工事検査専門職であった私が、5年前に自治研修所の所長を命ぜられました。所属長研修を行っていましたが、ある課長はずーっと5日間の研修期間中寝てました。これでは、ダメだなと思い、税金で研修をするからには、効果的なものにしようとしました。まずそこでやりましたことは、これまで行われていた12の階層別研修を、3分の一の4階層(新採用、係長、補佐、課長)に縮小し、研修期間も1週間から4週間行われていたものを僅か1日としました。その代わりに、基本的な研修は職場研修指導者を養成し、職場で日常的にやっていただくことにしました。そして、研修をやって人事を行う、人事と研修の連携を考えました。職についてから実施する階層別研修に代え、職に就く前に研修を行い、能力証明された者を当該職に就けるという、人事と連携した研修に構造転換をしました。この能力測定をするためにコンピテンシーを導入しました。 2.コンンピテンシーとは何か? コンピテンシーとは能力のことです。ですが、これまで能力測定で使われてきましたのは、学習したものをどれだけ習得しているかを測るための「知能指数」と呼ばれるIQでした。IQは100年前にビネーという人が、フランスの軍隊を強くするために開発したものです。これに対して「心の知能指数」などと言われていますEQを中核としたコンピテンシーが1970年代に、アメリカの国務省で誕生しました。それは、高い成果を上げてきた外交官は、IQよりも自分の感情を知って、それを旨くコントロールし、相手の気持ちを察して共感しながら、いつもプラス思考で信念を持って取り組んでいることが分かったからなんです。EQを中心にその職務を遂行するうえで必要となるコンピテンシー、すなわち能力要素を定義しまして、そしてレベルを5段階くらいに分けて表示し、その人がどのレベルにあるかという能力要件を測定できるようになりました。 このコンピテンシーは、日本では97年武田薬品が、99年富士ゼロックスが導入し、その後資生堂、花王、アサヒビールなど、大企業は勿論のこと、中小企業までものがどんどん導入をしているところです。 3.自治体でコンピテンシーを導入および作成をしているところ 現在私が把握していますのは、99年に静岡県、01年宇都宮市、三重県、神奈川県、大阪府、高知県、02年豊中市、東京都、03年岸和田市、岩手県、04年加賀市、長野県、佐賀県(作成中)、伊勢市など15自治体ではないかと思います。その使われ方も、賞与や人事考課、育成、登用、配置、キャリア・デザイン研修、総合人事システムとしてなど、様々な使われ方がされています。 4.高知県のコンピテンシー・システム 高知県のコンピテンシー・システムの目的は、住民の価値を高める視点を常に持ち、仕事の出来る人材を育成・登用していくこと」、と「住民の価値を高めるゴールを設定し、そのゴールに向かってプロセスを設計し、着実に成果を上げていける能力を身につけてもらう」という、この二つです。 財政状況などから変革型に特化しているところ特徴があります。 5.能力要素 高知県のコンピテンシーは「これからの県庁の使命を果たすために必要な変革型リーダーの行動能力」として、10の能力要件項目を決めました。その項目は、「倫理」をベースにして、顧客である住民の価値を高める仕事をしていく「県民本位指向力」、そのために「リーダーシップ」を発揮して、県民や職員と「コミュニケーション」をとりならが、職員の自己実現も意識し「職員満足度向上」に努め、「現状を打破する企画(ブレイクスルー思考)」をして、企画および実践のための情報を集めることのできる「情報指向力」があり、その仕事を「プロジェクト・マネジメント」として「危機管理」をしながら、「プロセス思考」で進めていくこととしました。 6.コンピテンシー・レベル 高知県のコンピテンシーは、変革型に特化して使っています。レベル0は「従来行動をしており、変革の意識がない」。レベル1は「人が変革を言えばやれるという、変革受動行動」です。レベル2は「変革を提案している」です。レベル3は「変革達成行動」で、課長職としての期待レベルです。レベル4は「変革主導行動」で、これがあれば、副部長、部長コースが開けているということになります。レベル5は「革新創造行動」で、すぐに大企業の課長・部長を務めることができるレベルになっています。 7.評価結果 コンピテンシーの高い者は、どの項目も高い得点を獲得しています。低いものは、危機管理能力がことのほか低く、なんにも心配していませんから、情報を取ろうとなどしません。また、新しい概念であるプロセス思考やプロジェクト・マネジメントなどの得点が低くなっています。 それから、実践企画書の評価得点とコンピテンシーの総合得点の間には、一定の相関関係があります。 高知県では、変革型リーダーとして必要な能力要件を10項目定義しました。そして、手挙げ式で応募を募り、6科目について1日1科目の割合で1週間の講義を行います。そして職場で3ヶ月かけて行ってもらう事務改善の実践企画書を提出してもらいます。企画書は、講義がどれだけ理解されているか、自分が3ヶ月のリソースを与えられて中で、顧客の価値が高まった状態として「成功の情景」というゴールを定めてもらい、そのゴールに確実に到達するプロセスを設計してもらって実践に取り組んでもらうようにしています。 最後に外部評価者1人を含む4人の評価者の前で、実践内容を20分間プレゼンテーションしてもらい、評価者と40分の質疑応答をして、評価者がコンピテンシー・レベルを確定し、一定のレベルに達している者は、係長や課長に登用・配置されます。 8.効果 これまで50歳で課長になっていたのが、10歳ほど若い課長が誕生しています。そして、このことにより、これまでの加齢序列的な人事がなくなり、本当に変革を進めていけることのできるリーダーに率いられた組織として脱皮できることになると思っています。 9.おわりに コンピテンシーの高い者が実践しますと、数々の感動的な話が生まれています。取り組んだメンバーが感激し、仲間の会を設けたり、県庁全体にその取り組みがひろがったり、これまで不信を持っていた県民が、逆に県職員に対して信頼を寄せるようになったりしています。 逆にコンピテンシーの低い者が実践しますと、直属の部下からも協力してもらえないという現実があります。この者には、これまでいかに職権で仕事をさせていたのかに気づいてもらい、できるだけ多くの者から協力の得られる仕事の仕方や、人との良い関係をこれから築いていただけたらいいのになあと祈っているところです。 今年で4年目、まだまだ、このシステムもヨチヨチ歩き状態ですが、受講生は受講してよかったと言ってくれていますし、やっと成果が出始めたところです。これからはメンター制をさらに充実し、Eラーニングと補助教材の充実を通して、システムの高度化を図っていこうと考えています。 (2) 自治体コールセンターの取り組み/札幌市 北川 憲司 これまで役所は役所の都合でサービスしていた。一方的にサービスを提供して、財政が悪化したら役所の都合でサービスを削減する。これは、非常に市民からしたら迷惑な行政。 市役所が市民に体を向けなおす時期がきているという認識で、札幌市でのコールセンターの経験をお話します。 コールセンターのサービスは簡単に言えば、電子申請の電話版とみればよい。 あなたのまちの人、あなたの役所の困っていることは何ですか?この簡単な問いで、問題解決のサイクルをまわすことが大事。CRMは経営方針そのものである。 最近、協働・パートナーシップ・住民自治などとよく言われています。その前提は、市民から信用される市役所に関係を改善すること。パートナーになってほしいというのは、「結婚してください」といっているようなもの。いままで話を聴かなかったのに突然信用してくれるわけがありません。CRMは、市民の問題解決を共有していくための恋愛期間だと思っている。 自治体の経営状況のひとつに団塊世代の大量退職がある。札幌市においても、今後10年で三分の一以上の6400人が退職してしまいます。その補充は全員分はできません。ベテランのナレッジの維持、少ない人員でいかに役所を回すか、が課題。 この例では、皆さんどっちがよいでしょうか? 市民から、コールセンターに問い合わせがありました。すぐに解決して400円のコストがかかりました。市民もすぐに解決して、満足度があがりました。 市民から、市役所に問い合わせの電話がありました。「それは、どこが担当課か調べますので、しばらくお待ちください。あ。分かりました、○○課です。電話をかけなおしてください。・・・・。○○課ですが、今日は担当者が不在です。また、後日改めて、電話します。」これで、市民は怒ってしまいます。クレームが出ました。クレームを担当する課が、該当する課に経過の報告を求めます。担当課が経過を文書にまとめて部長決裁をもらって、クレーム担当課に文書で回答して、それを市民に回答します。 コストは6000円、市民の満足度が下がりました。貴重な職員の労力をどこに注力すべきか?高度な業務に特化した運営形態へとするでしょう。 お役所仕事の防止、電話中心のサービスで、障害者、高齢者にもサービス可能、ナレッジの共有化ができる。 アウトソーシングにより、産業振興、雇用創出の相乗効果もある。安価で良質なプロのサービスをアウトソースできるようになった。 相談のマルチチャンネル化により、携帯のメールなどでも相談可能になった。また、税の初期督促なども可能、多機能のコールセンターにしたい。総務省には、全国に呼びかけて3桁番号になれば最高である。もし導入を検討したければ、私が皆さんのコールセンターになるので、ぜひ声をかけてほしい。 (3) 『自治体DNA運動の取り組み』(一成果としての1/2委員会)/福岡市 秋吉 誠 【イントロ】 ◇博多といえば「からし明太子」。明太子はスケトウダラの卵から作られる。スケトウダラを韓国語で「メンタイ」と言い、その卵だから「明太子(めんたいこ)」。 ◆今や自治体の間で、博多といえば明太子と並び称されるぐらい有名になった福岡市の「DNA運動」。 ◇いずれも発祥は、海の向こう。スケトウダラはオホーツク海・ベーリング海・アラスカ海が漁場であり、DNA運動は、アメリカのデビッド・オズボーンさんが提唱された『行政革命』が発端ですから、太平洋を越えてきたわけです。 ◆余談ながら2年前の2002年8月29日に福岡市がオズボーンさんを招聘して、DNA運動についてプレゼンテーションも行った。 【DNA運動】 ◇P36から福岡市の「DNA運動」について書いています。 ◆"DNA運動"とは、すべての職員が自らの仕事の価値と意味を認識し、課題を見つけ自ら解決に取り組む運動。市役所の隅々まで活力の溢れる組織風土・やり甲斐のある職場づくりを目指しています。 基本的精神は「できる、納得、遊び心」。課などの単位で自主的、自律的な運動として取り組むもので、画一的な結果を求めるものではなく、より良い方向に向かう取り組みのプロセスを重視します。 ◇「DNA」という言葉は、職員によるベストブラクティスチームが考えついた。 D:「できる」から始めよう。できない、しない理由から探さない。 N:納得できる仕事をしよう。市民の納得を自分の納得に。 A:遊び心を忘れずに。ガチガチな考え方や対応でなく、ゆとり、人間らしさ、明るさを持って取り組もう。 そして、ベストプラクティス(優れた取り組み)を認め、共感・共有し、広めることで、継続的にレベルアップしていきます。 ◆平成10年の福岡市長選挙において、現職3期連続当選の桑原敬一市長を破って、山崎広太郎氏が当選。福岡市にとって、戦後初めての政変であった。 ◇翌年8月。市長公約に基づき「サービス精神と経営感覚に立脚した新たな自治体経営」検討のために外部委員会『福岡市経営管理委員会』を設置した。 ◆委員会のメンバーは、JR九州の会長だった石井 幸孝(よしたか)さんを始め7名で、後でコーディネーターを務めていただく、関西学院大学の石原 俊彦先生も、そのお一人です。 ◇私も助役から「お前の仕事の半分以上はこれに当たれ」と言われて事務局側として参加したが、委員会はまさに初期の高速道路民営化委員会を彷彿とさせるような全然シナリオのないバトルだった。 ◆一例を挙げると課長7名から構成されるプロポーザル委員会で、全職員からアンケートをとった4000件の中から「青・黄・赤」に分類した。青:今すぐ実行可能、黄:検討が必要、赤:法律等制度的に無理。8割は青であったが、皆が赤だと思い込んでいた。この"やろうと思えば出来る"という壁を越えることが一番難しい。 (1)DNA運動の全体像は、P37に示している9個の箱で表れており、これを全部やっていって、最終的には右上の『コミュニティの自立経営』につながるように、やっていきましょうね、という話です。ところが残念ながら、本来はこれ全体が『DNA運動』であるのに、左下のDNA運動だけがクローズアップされてDNA運動=事務改善運動として捉えられたため、段々段々尻すぼみしていったというのが現状です。 (2)P39から42に「DNA計画実施の成果」について詳しく書いています。なぜこういう細々したものまで載せたかという、「こういうこともやれるのか」ということを皆様に知っていただきたいと思ったからで、後でみていただければ、と思います。 (3)P38の(3)に「DNA運動の拡がり」のところで、"DNAどんたく"のことを書いています。"どんたく"は元々"ゾンターク"というオランダ語に由来するもので、"お祭り・祝日"という意味です。「DNA運動」を推進するため、各局におけるDNA運動の発表の場として、設けられているものです。平成13年2月に第1回が開催され、以後DNAどんたくは幹部・上司・同僚が「活動と努力を認めて、褒めて、励ます」会として定着し、毎年2月に開催され、現在までに4回実施されています。 このような動きは、全国の十数カ所の自治体に飛び火して、後でパネリストをお願いしている尼崎の白井市長さんの所では、"YAAるぞ運動"、名古屋市さんでは"名古屋カップ"などとして展開され、本家本元よりも凄いんじゃないかなという気がしています。 【1/2委員会】 DNAの成果の筆頭に書いてある「1/2委員会」は、私が直接担当したものです。 (1)『1/2委員会』の成果 清掃工場の定期修理費用の前年度比50%削減を目標に、リエンジニアリングの手法で業務を見直 した結果、大幅なコスト節減を達成し、2002(平成14)年2月議会で310,000,000円を減額補正した。平成13年度の第2回「DNAどんたく」において『ベストDNA賞』を受賞 (2)現場主義の徹底(パートナーシップ の強化) ◇顧客とは誰か? →いきなり市民では遠すぎる部署が多い。 工場整備課→清掃工場職員→市民〈後工程はお客様〉 清掃工場の皆様を通して初めて市民が見えてくるのではないか ◆情報格差の解消 →本庁が持っている情報を積極的に開示することを最優先 ◇意識のバリアフリー →本庁がエライという意識の払拭 ◆"ご用聞き"→現場の実状を知るため、こちらから出向いていって「どういう問題があるんですか?」「何が困ってるんですか?」「どうしたいんですか?」ということをかなり膝詰めで聴いていきました。 (3)当時の状況 ◇福岡市が処理している可燃ごみは、右肩上がりで増えていた。 ※現在、全国のごみの伸びはほぼ横ばい、決して減ってはいない。この状況は、昭和50年代の後半とよく似ている。景気の回復基調が見られれば、ごみは急増する恐れもある。 ◆修繕料も、右肩上がりで増えていた。 特に平成6年度(1994)くらいから急激に増えていたが、財政課もごみ処理を優先させるため、バンバンお金をつけた。 ◇私は、長年、廃棄物処理施設の建設・維持管理に携わってきていて、このまま予算が膨らむのは非常にマズイと感じていた。 (4)発想の転換 ◇ 定期点検修理というのは、年に1回やるんですが、今まではお金があるから、3億円予算があったらキッチリ3億円使っちゃう、ということをやっていたわけです。極端に言う、分解しなくてもいいような機械までどんどん分解しちゃう。機械は分解すれば調子が良くなるかという、そんなことはない。かえって具合が悪くなる場合もある。ならば、そんな予算は使わないで、不要不急な機械は壊れた時に替えればいいじゃないか、という風に考え方を変えたのです。 ◆ だから予算を半分にしよう、と考えたわけです。もちろん、いきなり言い出したわけじゃありません。そんなこと言ったら「バカだ」と言われるだけで、誰も相手をしてくれませんから、「まず考え方を変えましょうよ」と言ったわけです。 (5)徹底した権限委譲 ◇本庁が色々やるんじゃなくて、「現場の人が考えて下さいよ」、「あなた方が一番分かってるんでしょう」だから、現場でどんどんやって下さい。今まで本庁で取り仕切っていた、予算要求→設計→工事発注→監査を原則として現場に任せるわけです。 ◆ この時、面白かったのは現場の上の方の人達は、すごく嫌がった。権限委譲なんか本音では、誰だって嫌なんです。責任が伴うから、そんなことはしたくない、というわけです。 ◇若手の職員は、やる気があるので、工場長からヒラの職員まで全員入れた中で、議論をした。そうすると工場長も反対できないわけです。それで実行しちゃった。 (6)「1/2委員会」の実績 ◇西部工場の焼却炉定期修理で、対前年度比35%マイナスを達成! ◆3工場全体で、対前年度比20%削減に成功。 ◇予算総額15億7千万円に対して、3億6千万円の削減。 ◆計数整理を行い、3億1千万円を予算の減額補正を行った。 (7)"バカの壁" ◇部長連中は、過激なパフォーマンスを恐れている。「DNAどんたく」で3億6千万円の削減というような具体的数字には、言及しないことと釘を刺された。→発表では、3億円の宝くじ程度という表現にした。 ◆「1/2委員会」という名前が生意気だ、と言うわけです。「効率改善委員会」あたりの無難な名前がいいんじゃないかという意見が強かったが、断固押し切りました。 ◇減額補正することに対しても、強い抵抗感があった。 ◆従来の発想では、市議会から見通しの甘さを指摘される恐れがあった。 共産党の議員さんから、「元々の予算査定が甘かったのではないか、以後注意するように」との発言がありました。まぁ建前論ですから、「ご指摘の点を踏まえて、以後注意します」と答弁すれば、何と言うことはない場面です。ところが、日頃から予算執行については厳しい質問をされるT議員が、「ちょっと待って欲しい。職員が必死になって予算を削減したことは大いに褒めるべきではないか。今のような発言では、二度と減額補正なんか上がらなくなってしまう」と発言されたのです。委員会で議員さん同士が議論するというのは異例なことですが、その場の雰囲気は「もっともだな」という感じで我々のことを肯定していただきました。 【『1/2委員会』から見えてくるモノ】 (1)「1/2委員会」のその後 ◇私が平成14年度に職員研修センターへ異動。 ◆平成15年度より「1/2委員会」を「技術調整会議」に名称変更。こうなると大体、腰砕けというのが分かりますね。 ◇人事異動等により工場の技術力が低下し、メーカーの言いなりになって定期修理金額の削減が見られない。 ◆ 工場の自主性に任せていると、工場間のバラツキが出てきているので、平成16年度から工場整備課が各工場の指導を強化する。 ◇なぜ、後退してしまうかと、常に旗を振ってやかましく言う人間がいないと、皆「やらなくても、いいかなぁ」と思ってしまう。 (2)DNA運動の現状(P44) ◇職員のアンケートでは、「もうDNA運動なんて止めてくれ!」という意見は根強い→改革疲れ ◆市議会議員さんからは、「全てが中途半端だ」という意見がある。→身近な例では、"見やすい名札"の不徹底、"電話に出たら自分の名前を名乗ろう"という運動もなかなか進んでないじゃないか。 ◇私は17年前から、こういう"見やすい名札を作る会"会長をやっている。会員はゼロだけど、賛同する人は増えてきて、区役所や交通局など徐々に色々な職場に拡がっているが、まだまだ半数以下しかつけていない。 ◇デビッド・オズボーンさんに「1/2委員会」を説明した時も、「それだったら、ボーナス出たの? 昇任したの?」と聞かれた。そんなことないよ、と答えると、「そんなことで、どうして続くの?」と非常に不思議な顔をされました。そういう意味で、 "やる気を持続させる仕組み"に乏しい。 (3)DNA運動の展望 ◇今年度から市長は、DNA運動の最終目標である『コミュニティの自律経営』に取り組んでいます。 ◆ 福岡市は,本独特の制度として昭和28年から半世紀にわたって続けてきた非常勤特別職である町世話人制度を,3月いっぱいで廃止しました。新たに,自治会や町内会,各種団体で構成する「自治協議会」というものを作って、住民自治をどんどん高めていこうとしています。 ◇結構混乱も起こってまして、上手くいくかどうか分かりません。市長も政治生命を賭けて、住民がやるべきことは住民がやるんだ、市民と言ってもお客様ではなく主権者なんだから、「ダメなものはダメだ」とハッキリ言え、と言っています。 ◆市長自身の強い意向で、今年度から市長室に「DNA課」という文字通りDNA運動を推進する組織を作りました。課長・係長・係員の3人しかいない組織ですが、本気でやっていくつもりですから、まだまだDNA運動は死んでいないわけです。 ◇「隣の芝生が青い」とは誰もが思うことです。DNA運動は、福岡市役所職員よりも他都市の方の方が、注目しています。他都市に行った時によく分かるのですが、「福岡市のDNA運動は凄いですね」と言われます。内心では、全然凄くないじゃないかと思うのでする最近よく分かってきたのは、「どうも他都市も大したことしてないんじゃないか」というのが一つ。もっと大事なのは、私がなんでこんな所でしゃべってるかと言いますと、皆さん方から我々がエネルギーをいただく、"お互いが励まし合う仕組み"が大事じゃないか、と思うからです。だから今度、皆様方の所へ福岡市職員がお邪魔した時は、「福岡市は凄いことやってるんですね」と言って欲しい。「本当は違うだろう」と思うのは心の中だけにしておいて下さい。言われた職員は、「福岡市は、そんな凄いことをやってるのか」と思って元気になるわけです。それを私は"元気のお裾分け"って言ってるんですが、そういう形でお互いに高め合うことによって、少しでもこの日本という国が元気になることを願っています。 「4 パネルディスカッション」に続く
https://w.atwiki.jp/career_design/pages/5.html
自治体職員有志の会設立趣旨 自治体職員を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。変化の時代に危機感ばかり持っていても前に進みません。個人個人が主体的に、自らがどのようなキャリアを形成したいかを認識し、自らがデザインして、「やりたい仕事」「なりたい公務員」を実現することをお互いに考えていきましょう。 その生き方を実現する、人事・組織・給与・研修・勤務体系についても考えて、積極的に提言を行っていきましょう。「モノ言わぬ公務員」から「良いことを言い実行する公務員」に脱皮しましょう。 これらのことを実現するためのサロンとして、各自治体職員をメンバーにして、このMLを立ち上げます。できるだけ多くの自治体職員の方の参加をお待ちしております。また、自治体首長の講演会、オフ会も実施し、「求めれる自治体職員将来像」を共に模索しましょう。