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以下にパイロットとロボットの組み合わせの一覧を示す。 イズル アカリ エミリア ロマーナ ガオ クレオ&パトラ ラーシャ テスト エノコ 零式共鳴機レイゲン ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ カンナガラ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ FRONTIER ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ Er-28 ファランクス ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ 黄龍 ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ タウセルト ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ スヴェントヴィート ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ 量産機 ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ エノシガイオス(レゾナント) ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ ■■■ 日野イズル 自分が破壊されることに意味がある効果であるため、相性の良いロボットカードは少なめ 日野イズル×零式共鳴機レイゲン 【共鳴】の組み合わせ。零式共鳴機レイゲンの自壊する効果と日野イズルの破壊された時の効果発動がかみ合う コア・コネクトを使用すればダウン状態になることなく覚醒効果で大ダメージを与えることができる。 ナノ・リペア・システムを使用すれば、零式共鳴機レイゲンの通常効果を2回使用してもターンスキップされることがなく、一方的に相手をダウン状態にさせることができる メンテナンスを使用すれば自壊した次のターンにすぐに修理ができ、再度自壊することができる 日野イズル×カンナガラ 日野イズル×FRONTIER 日野イズル×Er-28 ファランクス 日野イズル×黄龍 日野イズル×タウセルト 日野イズル×スヴェントヴィート 日野イズル×量産機 レゾナントでは重いダウン状態のデメリットも量産機であれば手札1枚で足りるので低コストで日野イズルの効果を発動できるようになる。 コア・コネクトを使用すれば量産機でも覚醒効果で大ダメージを与えることができる。 メンテナンスを使用すれば自壊した次のターンにすぐに修理ができ、再度自壊することができる 感覚増幅コネクタを使用すれば覚醒状態でも耐久値が2となり、ヴリル・トループとの戦闘でも通常効果、覚醒効果を発動させることができるようになる。また、修理の際の手札1枚を肩代わりすることもできる 日野イズル×エノシガイオス 日野アカリ 高い近接値を生かすほかに覚醒効果により臨界状態を維持しやすいので、臨界効果が強力なレゾナントと相性がいい 日野アカリ×零式共鳴機レイゲン 日野アカリ×カンナガラ 【共鳴】の組み合わせ。非常に高い近接値によりエノシガイオス(モンスター)を容易に倒せる 電子探索、広域反応センサー、ヴリル・レゾネータ、PATRIOTを使用すればエノシガイオス(モンスター)と戦闘できる可能性がグッと上がる。その他にもアルマ・アトランティスなどの強力モンスターを探すのにも役に立つ 神代兵装-オレイカルコス-を使用すれば低い耐久値を補ることができる 布都御霊を使用すれば最低20点のダメージを与えることができる 百煉を使用すれば高い近接値によりほぼ間違いなく追加でエナジーを取得できる 日野アカリ×FRONTIER 非常に高い近接値により先制攻撃で撃破できるので耐久面も安定する 耐久面を気にすることがないことから高周波ブレード、超電磁ナックル、エマージェンシー・ブースター、インパクト・ストライカーと相性がいい 布都御霊を使用すれば最低17点のダメージを与えることができる 百煉を使用すれば高い近接値によりほぼ間違いなく追加でエナジーを取得できる 日野アカリ×Er-28 ファランクス 日野アカリ×黄龍 日野アカリ×タウセルト 日野アカリ×スヴェントヴィート 日野アカリ×量産機 日野アカリ×エノシガイオス 非常に高い近接値を他のプレイヤーに毎ターン与えることができるので相手は覚醒状態を維持することは困難となる 自爆を使用すれば簡単に臨界効果を発動できる。また、覚醒効果により臨界状態を維持しやすくなる エミリア・ホーク 効果は強力であるが安定して使用するには様々な条件がある。そのため、その条件を満たせるレゾナントと組ませるのが望ましい エミリア・ホーク×零式共鳴機レイゲン エミリア・ホーク×カンナガラ エミリア・ホーク×FRONTIER 【共鳴】の組み合わせ。エミリア・ホークの複数回攻撃とFRONTIERの先制攻撃の相性が良い コア・コネクトを使用すれば安定した2回攻撃が可能。仮に倒せないモンスターが出ても1度なら臨界状態になるだけで済む 電子探索、広域反応センサー、ヴリル・レゾネータ、PATRIOTを使用すれば通常効果の対象を探すことができる。その後どのモンスターと戦闘するのかは不明であるがFRONTIERであれば大半は安定して撃破できる。もちろんあえて通常効果を狙わずに普通に2回攻撃することも考慮すること。こちらの方が安定する エミリア・ホーク×Er-28 ファランクス エミリア・ホーク×黄龍 戦闘値はそこまで高くないものの高い耐久値で覚醒効果の条件を満たしやすい 集中砲火を使用することで通常交換範囲をグッと広げることができる。また黄龍の効果により集中砲火を発動させやすくなる エミリア・ホーク×タウセルト エミリア・ホーク×スヴェントヴィート エミリア・ホーク×量産機 エミリア・ホーク×エノシガイオス 非常に高い戦闘値を他のプレイヤーに毎ターン2回与えることができるのでそのままゲームエンドに近い状態になりやすい 自爆を使用すれば簡単に臨界効果を発動できる。 コア・コネクトを使用すれば臨界効果は使用できないが、高い戦闘値と耐久値により覚醒効果を発動させやすい ロマーナ・イリス ロマーナ・イリス×零式共鳴機レイゲン ロマーナ・イリス×カンナガラ ロマーナ・イリスの効果で毎ターン電子探索を2回行い、エノシガイオス(モンスター)をカンナガラで撃破する非常にピーキーな組み合わせ。意図して組むよりはデッキ圧縮も電子探索の調達も完了している状態のときのみ採用する方がよい 電子探索はほぼ必須カード。合わせてデッキ圧縮を行いデッキを0枚にしておく必要がある。 前線基地などのリソース補助とロマーナの休日などのドローソースも適時加えると電子探索の使用回数を増やせる 爆縮炉などの近接値を上昇させるカードが1枚はないと初期デッキのみでは通常のエノシガイオス(モンスター)も倒せない。 デコイ・ユニットがあれば臨界効果を2回使用することで絶対王者のエノシガイオス(モンスター)も容易に倒しやすくなる ロマーナ・イリス×FRONTIER ロマーナ・イリス×Er-28 ファランクス 【共鳴】の組み合わせ。豊富な手札とタクティクスカードの使用回数に比例して上がる戦闘値が相性が良い 前進基地などのリソース増加カード、戦術眼、ロマーナの休日、サヨナラの覚悟などのドローカードはタクティクスカードの使用回数を増やすのに役に立つ ロマーナ・イリス×黄龍 ロマーナ・イリス×タウセルト ロマーナ・イリス×スヴェントヴィート 高い狙撃値を生かせるだけでなく、スヴェントヴィートの通常効果のコストをロマーナ・イリスの通常効果で賄える フレンドリ・ファイアを使用すれば、デッキ圧縮も兼ねることで毎ターンフレンドリ・ファイア×2とスヴェントヴィートの通常効果を発動できる状況にすぐに持っていける ロマーナ・イリス×量産機 ロマーナ・イリス×エノシガイオス ガオ・ファン 先行逃げ切りの特性から他プレイヤーからの妨害に対応できるレゾナント、もしくは低い攻撃値を補助できるレゾナントが望ましい ガオ・ファン×零式共鳴機レイゲン ガオ・ファン×カンナガラ 戦闘値の低いガオ・ファンの弱点をカンナガラが補うことができるだけでなく、先行逃げ切り中にエノシガイオス(モンスター)を撃破することでそのまま勝ちにすることもできる デコイ・ユニットを使用すれば臨界効果によりエノシガイオスを倒しやすくなる 電子探索、広域反応センサー、ヴリル・レゾネータ、PATRIOTを使用すればエノシガイオス(モンスター)と戦闘できる可能性がグッと上がる。その他にもアルマ・アトランティスなどの強力モンスターを探すのにも役に立つ ガオ・ファン×FRONTIER ガオ・ファン×Er-28 ファランクス ガオ・ファンの高リソースにより大量のタクティクスカードを使用することで戦闘値の上昇を見込める 戦術眼、ロマーナの休日、サヨナラの覚悟などのドローカードはタクティクスカードの使用回数を増やすのに役に立つ。それだけでなくガオ・ファンのデッキ圧縮により無限ループの発生を容易にさせる ガオ・ファン×黄龍 【共鳴】の組み合わせ。高リソースからの複数回調達が強力。ただし、互いの通常効果は被っておりかみ合い難い 自爆は臨界状態になりづらい黄龍と相性がよく高コストのカードを大量に調達できるようになる。 デコイ・ユニット、ナノ・リペア・システムを使用すると、先行逃げ切りのガオ・ファンが警戒するべき他プレイヤーからの妨害に耐えやすくなる他、臨界状態を維持することによる調達回数増加とエナジー増加が発動できる ヴァリアブル・フォーメーション、集中砲火を使用すると低い攻撃値を補うことができる。特に集中砲火はモンスターの効果も無効にするため安心して戦闘を行なうことができるので高相性 ガオ・ファン×タウセルト ガオ・ファン×スヴェントヴィート 互いにデッキ圧縮できる効果を持つため固定タクティクスの連打が可能となる フレンドリ・ファイアと相性がよく他のプレイヤーを再起不能にすることができる。戦術眼、ロマーナの休日、サヨナラの覚悟などのドローカードがあるとなおさら早い ガオ・ファン×量産機 エナジー量が先行しているときに着任させることが多いため、ラーシャ・ドラグノフなどに狙われやすくなる点を、量産機でダウン状態になることで回避できる ガオ・ファンの耐久値が高いので感覚増幅コネクタで耐久値を減らすとよりダウン状態になりやすい ヴァリアブル・フォーメーション、集中砲火を使用すると低い攻撃値を補うことができる。特に集中砲火はモンスターの効果も無効にするため安心して戦闘を行なうことができるので高相性 ガオ・ファン×エノシガイオス 先行逃げ切りのため他プレイヤーから攻撃されやすいが、エノシガイオスの高い耐久値により並の攻撃では撃破されづらくなる なくなったアタッチメントもガオ・ファンの効果により高価なアタッチメントカードに変更することもできる クレオ&パトラ・エルハーム アタッチメントカードが調達しやすいので、特定のアタッチメントを必要としたり、大量のアタッチメントを必要とするレゾナントと相性がいい クレオ&パトラ・エルハーム×零式共鳴機レイゲン クレオ&パトラ・エルハーム×カンナガラ カンナガラと相性の良いアタッチメントカードの調達が容易になる デコイ・ユニットを使用すれば臨界効果によりエノシガイオスを倒しやすくなる 電子探索、広域反応センサー、ヴリル・レゾネータ、PATRIOTを使用すればエノシガイオス(モンスター)と戦闘できる可能性がグッと上がる。その他にもアルマ・アトランティスなどの強力モンスターを探すのにも役に立つ 神代兵装-オレイカルコス-を使用すれば低い耐久値を補ることができる 布都御霊を使用すれば最低20点のダメージを与えることができる 百煉を使用すれば高い近接値によりほぼ間違いなく追加でエナジーを取得できる クレオ&パトラ・エルハーム×FRONTIER クレオ&パトラ・エルハーム×Er-28 ファランクス クレオ&パトラ・エルハーム×黄龍 クレオ&パトラ・エルハーム×タウセルト 【共鳴】の組み合わせ。アタッチメントカードを膨大につける意味が出るので非常に強力 EXマガジンベルトを使用すると臨界状態であれば1/3/1の補正をアタッチメントの枚数を埋めることなく受けることができる クレオ&パトラ・エルハーム×スヴェントヴィート クレオ&パトラ・エルハーム×量産機 クレオ&パトラ・エルハーム×エノシガイオス ラーシャ・ドラグノフ ラーシャ・ドラグノフ×零式共鳴機レイゲン ラーシャ・ドラグノフ×カンナガラ ラーシャ・ドラグノフ×FRONTIER ラーシャ・ドラグノフ×Er-28 ファランクス 互いに高い狙撃値を持つため、狙撃でも強力なモンスターを倒しやすい スヴェントヴィートより少し狙撃値が劣るが耐久値は高くなる。このおかげでラーシャ・ドラグノフの通常効果で相打ちになる可能性を下げることができる ラーシャ・ドラグノフ×黄龍 ラーシャ・ドラグノフ×タウセルト ラーシャ・ドラグノフ×スヴェントヴィート 【共鳴】の組み合わせ。多彩な妨害行動により一気に逆転しやすい 特に「ラーシャ・ドラグノフの通常効果により覚醒、スヴェントヴィートの通常効果により相手の戦力ダウン、覚醒効果によりエナジーを奪いつつ相打ちにより臨界状態、臨界効果により臨界状態になった相手をダウン状態にする」の流れが非常に強力 ラーシャ・ドラグノフ×量産機 覚醒効果により自身もダウン状態になってもすぐに復帰できるほか、奪ったエナジーを奪い返されづらくなる メンテナンスを使用すれば量産機の修理をタダでできるようになる N-S バインドコイルはPC間戦闘の補助にもなり、戦闘を行う前に撃破することもできる。また、他のプレイヤーにN-S バインドコイルをとられると耐久値低さから攻撃できなくなるので、先に買い占めておきたいところ ラーシャ・ドラグノフ×エノシガイオス 高い戦闘値により覚醒効果の発動を成功させやすくなる テストパイロット 基本的の他のパイロットより優れている点はないと言ってよい テストパイロット×零式共鳴機レイゲン テストパイロット×カンナガラ テストパイロット×FRONTIER テストパイロット×Er-28 ファランクス テストパイロット×黄龍 テストパイロット×タウセルト テストパイロット×スヴェントヴィート テストパイロット×量産機 テストパイロット×エノシガイオス エノコ/アトランティス=アンピトリーテ エノコ/アトランティス=アンピトリーテ×零式共鳴機レイゲン エノコ/アトランティス=アンピトリーテ×カンナガラ エノコ/アトランティス=アンピトリーテ×FRONTIER エノコ/アトランティス=アンピトリーテ×Er-28 ファランクス エノコ/アトランティス=アンピトリーテ×黄龍 エノコ/アトランティス=アンピトリーテ×タウセルト エノコ/アトランティス=アンピトリーテ×スヴェントヴィート エノコ/アトランティス=アンピトリーテ×量産機 エノコ/アトランティス=アンピトリーテ×エノシガイオス 【共鳴】の組み合わせ。モンスターを撃破しつつ強力な妨害を他のプレイヤーに与えることができる覚醒効果と臨界効果を持つ コア・コネクトを使用すると安定して覚醒効果による妨害ができる 自爆を使用すると覚醒効果も臨界効果もどちらも発動することにより非常に強力な妨害ができる
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※医者が友好無視を持っていて友好Cが2つ以上ある場合のケースは省略 ※大物が登場するケースは省略 脚本家能力フェイズ 不安Cがキャラクターに置かれた! →同一エリアにミスリーダーがいる →そのキャラクターがパラノイア 暗躍Cがキャラクターに置かれた! →同一エリアにクロマクがいる →そのキャラクターがパラノイア 暗躍Cがボードに置かれた! →同一エリアにクロマクがいる 不安Cがキャラクターから取り除かれた! →同一エリアにセラピストがいる 事件フェイズ 該当エリアに不安臨界のキャラがいないのに事件が発生した! →犯人と同一エリアにメイタインテイがいる(Exが0) →ゼッタイシャがいる →対角線上のボードに不安臨界のツインがいる →その事件が前兆で、不安臨界ー1の不安Cが置かれたキャラがいる →その事件が自殺か連続殺人で、ルールYがストリキニーネの雫 ※これらが複合して起きているケースもあり ターン終了フェイズ キャラクターが死亡した! →同一エリアにシリアルキラーがいる →同一エリアにドリッパーがいる(Exが2になった日) →同一エリアにキラーがいて死亡したのがキーパーソン 主人公が死亡した! →キラーがいる →ドリッパーがいる(Exが4になった日) ループ終了時 主人公が敗北した!! →Exが3以上(組み重なり事件キルト) →Exが1以下(タイトロープ上の計画) →生存しているキャラクターに置かれた不安Cが合計12個以上(火薬の香り) →フレンドが死亡している(潜む殺人鬼、私は名探偵、愚者のダンス) →今が第1ループ(黒の学園) →学校に暗躍Cがループ数‐1個以上(黒の学園)
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浅羽直之の人間関係【改】 ◆LxH6hCs9JU 浅羽直之は聡い少年である。 この拉致事件の首謀者が宇宙人であることや、その実態が殺し合いであることは、始まってすぐに理解できた。 だから浅羽は機関銃を手に取った。知り合いを前にしても、引き金を引く覚悟を決めたつもりでいた。 仕方ないじゃないか。生き残れるのは一人だけなんだ。だったら晶穂も部長も殺すしかない。仕方ないじゃないか。 五十八人も他人がいて、一人しか自分がいないのだったら、浅羽にとっては一択だ。生き残ろう。浅羽は決意した。 誰か、自分を犠牲にしてでも守りたい女の子がいれば、違ったのかもしれない。 そんな仮定の話はともかくとして、浅羽は虎に襲われた。グレイでもプレデターでもなく、虎。タイガーだ。 浅羽直之は聡い少年ではあるが、機関銃が一丁あれば相手がエイリアンだろうと戦争してやるぜと粋がれるほどのタフマンではない。 顔見知りの女の子と、見た目とは裏腹な凶暴性を秘める手乗りタイガーのタッグ相手に、乱射魔を演じきることはできなかった。 生きることに懸命で、生き延びることに必死な、どこにでもいる普通の少年。浅羽は自他共に認める一般人だったのだ。 虎から逃れた浅羽は、川を流れて病院にたどり着いた。一般人である浅羽にとって、そこは病院というより武器庫だった。 現実的に考えて、機関銃を構えるのと毒薬を相手に飲ませるの。どちらが気持ち的に楽だろうか。浅羽は後者だと思ったのだ。 そうだ、ぼくは毒薬使いになろう。機関銃を捨てた浅羽は、毒のエキスパートになろうと決意した。矢先、忍者に襲われた。 虎に忍者に、おかしな人間が多い世の中だとつくづく思った。浅羽はこんなにも普通なのに、他のみんなは普通じゃない。ずるい。 けれど、その忍者はすぐに死んだ。浅羽の持っていた毒を、自分で飲んで自分で死んだ。たぶん事故か自殺だ。浅羽はやってない。 その後も、浅羽はいろんな場所を巡り歩いた。訪れた飛行場では、外国の女の子に出会った。不思議と言葉は通じた。 先の毒死忍者の一件で半狂乱に陥っていた浅羽は、このとき男子中学生ならではのちょっとした情動にかられたりもした。 具体的に言うと、親しげに話しかけてくれた外国の女の子を襲った。服を剥ぎ、裸にして、レイプしようとした。 今を思えば、馬鹿なことをしたと反省している。だって目論見はすぐに失敗して、浅羽は彼女の彼氏に殺されかけたのだから。 でも仕方がない。あの子は、やたらやかましいクラスの女子たちに比べればずっと魅力的だったのだ。襲いたくもなる。不可抗力だ。 結局のところ、浅羽は決意などできていなかったんだと思う。彼の手は、人を殺めるにはあまりにも小さすぎたのだ。 浅羽にはなにもない。守りたいものも、貫き通したい意地も。我が身だけがかわいい。そんな不幸な少年だった。 精神的疲労困憊。緊張臨界点突破。活動機能無期限停止。ふと、浅羽はゼンマイの切れたからくりみたいに止まった。 道端で榎本が死んでいた。 そのせいでもあるのだろう。 浅羽と榎本という男は、ちょっとした知り合いだった。中学二年の夏休み最後の日、夜の学校で知り合った。 それなりの交友関係はあったと思うが、正直なところ浅羽は榎本のことが嫌いだったし、榎本も浅羽を好いてはいなかったように思える。 そんな微妙な関係であるはずのに、榎本は不思議と浅羽にコンタクトを取ってくることが多く、彼の仕事につきあわされることも結構あった。 と言っても、そのほとんどは雑用だ。別に浅羽でなくともできる、そんな類の。誰に誇れることもやっていない。と思う。 詳細は、よく教えてもらっていないのだ。浅羽にとっても、いろいろと謎の多い男なのである。この、榎本という死体は。 知った顔の死に様というのは、想像以上に来るものだった。なにが来るって、まず嘔吐感だ。続いて吐瀉物。気持ち悪い。 しかし、浅羽は耐えた。精神的にはもういっぱいいっぱいどころか満杯といったところだが、ここで野垂れたら死んでしまう。 そんな極限状態の最中、浅羽は白い髪の女の子に出会った。白い髪の女の子には同行者がいて、その子は浅羽を助けようとしてくれた。 だが、白い髪の女の子は浅羽を敵視したのだ。まるで、当初の浅羽の決意を断罪するかのように。浅羽は怖くなって、卒倒した。 次に目を覚ましたとき、周りにはたくさんの人たちがいた。例の白い髪の女の子もいたし、金髪の外人男性もいたし、喋る猫までいた。 数えてみると、浅羽を除いて四人と一匹。この四人と一匹は、生き延びるためにグループを組んでいるようだった。 浅羽にはこれといった目的がない。ただ生き延びたい。しかし他の人を傷つけることは、できるなら避けたい。 そう正直に主張したおかげかどうかはわからないが、浅羽はそのグループの一員になることができた。孤独からの脱却だった。 団体行動を取るなら、浅羽もなにか仕事をしなければならない。働くもの食うべからずというやつだ。 アリとキリギリスの話を知っていた浅羽は、みんなのためにせっせと働くことにした。最初の仕事は、物資の調達だ。 目的と仕事を得て、訪れた百貨店の軒先では、男が死んでいた。例の白い髪の女の子の知り合いらしかった。 白い髪の女の子はすごくすごく悲しんだが、金髪の外人さんがどうにかそれを慰めた。浅羽にはなにもできなかった。 百貨店には危険な人間がいるかもしれないので、物資の調達は他所で行うことになった。 車に乗って帰る直前、浅羽は道端に取り残されるように置かれていたデイパックを発見し、これを回収した。 浅羽たちのグループは、しばらく北の飛行場に留まり休息を取ることになった。が、次なるアクシデントはすぐにやってきた。 白い髪の女の子が、いなくなったのだ。誰にもなにも言わず、忽然と消えた。たった一匹、喋る猫だけを連れて。 知り合いが死んだショックで、情緒不安定になってしまったのかもしれない。と浅羽は思った。 すぐさま捜索が開始される。浅羽も白い髪の女の子を捜すために飛行場を出たのだが、一人で動いたのがいけなかった。 いつぞや、浅羽がレイプしようとした外国の女の子。彼女の彼氏と鉢合わせになり、身柄を拘束されてしまったのだ。 出来心だった。ついカッとなってやった。大事なところには触れていないのだから無罪だ。だって仕方がないじゃないか。 浅羽は必死に弁明して、遅れてやって来た被害者本人から一応の許しを得た。あれは許しというより、単なる侮蔑だったのかもしれないが。 他人の心象などどうでもいい。浅羽はどうにかこうにか助かった。それでいい。今は白い髪の女の子を捜すのが先決だ。 走って捜し回るという体力的に酷く効率の悪い捜し方をしていた浅羽の前に、十字マークを掲げた救世主が現れる。 それはたぶん、浅羽にとって一番親しいと言える人間だった。彼と再会した瞬間、胸中にどれだけの安らぎを得たか。 事情を話すと、彼は浅羽に一台の自転車を提供してくれた。ママチャリだ。そして、白い髪の女の子を捜すための最終兵器だ! 浅羽は自転車を漕ぎ、北から南へ一気に南下した。南を目指す理由はただ一つ。その方角に映画館があるからだ。 白い髪の女の子がどこに向かったかはわからない。だけど、浅羽の頭の中には予感があったのだ。 彼女は――なんだかすごく、映画を見たがっていたような気がする。気がするというだけの根拠で、浅羽はペダルを漕ぎ続けた。 もうすぐ、日が暮れる。白い髪の女の子が姿を消してから、結構な時間が経過しているようにも思えた。 浅羽が懸命に自転車を漕いでいる一方で、他の仲間たちがとっくに捜索を終えているという場合も考えられる。でも。 浅羽は己の予感に抗えなかった。そこにいる気がしてならない。確かめてみなければ気が済まない。それが少年を突き動かす原動力だ。 ふと思う。 なんでこんなに必死になってるんだろう? ◇ ◇ ◇ 「あれ?」 映画館に到着してまず浅羽が口にした言葉は、疑問符を単なる音にしただけのものだった。 「誰もいない……やっぱり、ぼくの気のせいだったのかな」 白い髪の女の子――ティーは、きっと映画を見たかったはずなんだ。 そう考えてはいたものの、いざ現地を訪れてみれば、どうしてそんな考えに至ったのかが我ながらに理解できない。 結論として、映画館にティーはいなかった。というより、浅羽以外には誰もいない。まったくの無人だった。 隠れている……なんて可能性も抱けない。よく探してみたわけでもないが、不思議と、それはないんじゃないかと思えたのだ。 「はあー、無駄足だったかー」 映画館入り口のロビー。そこに備えられたベンチに、浅羽は腰を下ろす。 北の街から南の映画館まで、休憩も挟まず自転車を漕ぎ続けてきたから、足がパンパンだ。しばらくは動けそうにない。 それに、浅羽はもともと怪我人でもある。容態は打撲に擦過傷、歯の欠損や単純骨折と、まさに全身傷だらけ。 体調も悪く、頭がガンガンする。これでよく自転車なんかに乗れたな、と自分のバイタリティに呆れてしまう。 「とんだ骨折り損のくたびれ儲けだよ」 それだけ、ティーのことが心配だったのだろうか。浅羽は自分の行動の意味が、よくわからなかった。 だって浅羽は最初、彼女のことを怖がっていたのだ。 こちらの心を覗き見してくるようなティーの視線に、得体のしれない不気味さを感じて恐れた。 なのに今は、そんな彼女の存在を仲間と認め、骨身を削って捜し出そうとしている。しかも、こんなに遠出をしてまで。 「……あ」 ふと、浅羽はロビーの柱にかかっていた時計を見る。 時刻は夜の六時を示していた。 あの男の放送の時間だ。 「ティー……まさか……」 浅羽は嫌な予感がした。が、その予感は結果的には杞憂に終わる。 今回の脱落者の数は、なんとたったの三名。その中に、行方不明のティーは入っていなかった。 よかった。急にいなくなったからもしかして、と心配していたのだが、誰かに殺されたりなんてことはなかったようだ。 とはいえ、たったの三名とはいえ今回も脱落者は出たのだ。この世界の活動範囲も確実に狭まっている。迂闊に安心はできない。 「古泉一樹、シズ、御坂……あ、この二人って!」 名簿を広げ、脱落者の名前に線を引く作業の途中で、浅羽はあることに思い至った。 今回脱落した、シズという人物。この人は確かティーの知り合いで、百貨店の前で死んでいた男ではなかったか。 残された少女はもちろんそのことを知っているだろうし、今さらどうということはない。ただ、確認はできた。 やっぱり、ティーは知り合いを亡くしたショックで飛行場を去ったのではないだろうか。だとしたら、今頃は……。 「戻ったほうが、いいのかな」 浅羽がそう思う理由は、他にもある。御坂美琴という名前だ。彼女は確か、ティーの同行者である白井黒子の先輩だったはず。 具体的な人物像は知らないが、白井黒子は御坂美琴のことをやけに慕っている様子だった。 ならば、そのショックも計り知れない。もしかしたら、ティーと同じような選択をしてしまうかも……と、浅羽は心配になる。 「……やっぱり戻ろう。部長たちもティーを捜してくれるって言ってたし、今頃はみんな集まってるかも」 一人でティーを捜索する途中、浅羽は同じ中学校の先輩である水前寺邦博と再会した。 映画館の表に停めてあるママチャリも、彼から譲り受けたものだ。 いつも必要以上に頭が回り、無駄に行動力のある部長のこと。他のみんなを差し置いてティーを見つけていても不思議はない。 うん、きっとそうだ。そうに違いない――とそこまで思って、浅羽はまた、疑問符を音にする。 「あれ?」 本当に、そうだろうか? 覚え違いかもしれないが、水前寺にはティーのことをきちんと話していなかったような気がする。 ただ白い髪の女の子を捜していると、そんな風に説明したような……どうにも、記憶が曖昧だ。浅羽は首をかしげる。 「頭が痛い……やっぱり、もうちょっとここで休んでいこうかなあ」 いまいち記憶が判然としないのは、この頭痛のせいかもしれない。時間はまだまだある。休養は必要だろう。 それにせっかく遠出をしたんだから、このままトンボ帰りというのも格好がつかないのではないか。 このあたりの探索をしてみるというのもいいかもしれない。付近には、立ち寄っていない施設がいくつかある。 たとえば診療所。ここには薬や医療器具が置いてあるだろうから、調達しておけばいろいろと便利だ。 それと摩天楼。ここで武器を調達したという話を仲間から聞いたことがある。なにか探してみるのもいいかもしれない。 もしくは温泉。湯に浸かって疲れを癒す。日本人ならではの発想だ。あの夏休み最後の日みたいに、めちゃくちゃ気持ちいいかも。 「どうしよっかなあ」 なに、あせることはない。 浅羽には、誰かを守りたいという想いも、守りたいと想える存在も、守らなければならない約束も、なにもない。 仲間が増えた今でも、我が身が一番かわいい。自分自身には嘘がつけない。生き延びたい、というのが切実な願いだ。 あせることなんて、ないのだ。 「うーん……」 それを思えば、あのグループに留まっているのは懸命ではないのかもしれない。 だってあの人たちは、誰も最後の一人になることを目指してはいなかったのだ。 脱出するための方法を探したり、仇討ちをしようとしたり、そのために協力しよう手を取り合おう、そんなことばかり言っていた。 すぐに別れてしまったが、きっと水前寺もそんな考えでいるはずだ。しかし、さっきの放送であの男が言っていたことを考えると……。 「…………」 考えて、考えて、考えて……浅羽はいつの間にやら、ベンチの上に横になってしまっていた。 このまま眠ってしまうのもいいかもしれない。とにかく疲れた。成果は得られなかったが、壮大な一仕事を終えたような気もする。 なんといっても、今の浅羽には大切なものがない。その存在は欠けてしまったから、あせることもない。空虚だった。 まるで、なにかが抜け落ちてしまったような。けれどそれは、きっと錯覚にすぎないんだろう。浅羽は元からこうだったのだから。 ……本当に? 足りない。 なにかが。 なにかが。 【E-4/映画館・ロビー/一日目・夜】 【浅羽直之@イリヤの空、UFOの夏】 [状態]:全身に打撲・裂傷・歯形、右手単純骨折、右肩に銃創、左手に擦過傷、(←白井黒子の手により、簡単な治療済み) 微熱と頭痛。前歯数本欠損。肉体疲労(大)。 [装備]:毒入りカプセルx1、ママチャリ@現地調達 [道具]:デイパック、支給品一式、ビート板+浮き輪等のセット(少し)@とらドラ! カプセルのケース、伊里野加奈のパイロットスーツ@イリヤの空、UFOの夏、伊里野のデイパック、トカレフTT-33(8/8) [思考・状況] 基本:生き延びたい。 0:疲れた。 1:周辺の施設に寄ってみる? 2:少し休んだら飛行場に戻ろうかな。 3:ティーや白井黒子のことが心配。 [備考] 参戦時期は4巻『南の島』で伊里野が出撃した後、榎本に話しかけられる前。 伊里野のデイパックの中身は「デイパック、支給品一式×2、トカレフの予備弾倉×4、インコちゃん@とらドラ!(鳥篭つき)」です。 ◇ ◇ ◇ l / ,、 、 \ / / \ ,. -─., ` .,.-'⌒', _ | \ / /  ̄ ( j ,. '´ ̄ `'丶 | ,. -゙‐= / l / `ー─' / / ヽ. /! // / ヽ`ヽ / \ ' / / { . ,i! ',/// .,' ! } ,ヾ _ ,'⌒ヽー、 / ;' ! ハ i l_! i ,' i/⌒ヽ -‐、i. | ! ,ノ ─ lj. i .l゙`i. l!. | ヽ. i i |`l i´  ̄ `丶,. -‐ '-!,ノ `ー一'′ | i ハj 0 ヽjヽl0 V! j.、 l⌒l! 0 0 /! ',|,.! ,, ,, | j /ノ jゝ-、⊂⊃ ⊂!ヽヽ ' ll、 「 ̄j 」'レ'l jリ 丶 _ `ー' _,ノノノ V` ‐,ゝ-'‐7ゝ ノル′"'´`ニノ\‐r、二! j、) ) /〈| 〉// ヽ /´ ヽ/llヽ\` ` ,.-,、 _._ /,'〈.| /」 ', ', ノ ;' Ll l」 ! ヽ / . . . l.', , ´ . ',∨.;' ノ′ .i ', `ト、,_」.、 |ノ!. __ _ { . . . ..j j_{ . . . . ! ! ;、 {゙ ., 'i ! | / ! ,....」ヽ|_ /´ `!´ ヽ '; | !! ヽ . l 、´ ゙`\ 、 i. ゙、 / / .. , ' ̄`′ /| } 「 . `!.j| [ . .´ !. }、 \ . L_,.. -{ / ,' / r' ,! ノ ゝ--'、,)__丶 ;jノ_,)_,. -─ `‐-ゝ._ノ-'-‐--'─'───‐---'─-- ' 「狩人のフリアグネ!!」 「なんでも質問箱!!」 マリアンヌ(以下マ)「みなさん、こんにちはー!」 フリアグネ(以下フ)「本コンテンツは、私と私の可愛いマリアンヌが、読者の疑問質問に答えていく由緒正しきコーナーだ」 マ「フリアグネ様、とうとうやりましたね! ついに私もラノロワ・オルタレイション進出です!」 フ「ああ、苦節167話、ついに私たちの愛の巣が完成したというわけだ。これもひとえに、私たちの愛の力――マリアンヌ!!」 マ「んぎゅうう~、フ、フリアグネ様~嬉しいのは私も同じですけど、まずは貰ったお仕事をキッチリしないと~」 フ「そうか、そうだね……うん、がんばろう、私の可愛いマリアンヌ!」 マ「はい!(こっちのフリアグネ様は、本編からは考えられないほどの可愛さです……)」 フ「今回のテーマは『伊里野加奈の存在が消失したその後の世界について』だ」 マ「中には、設定が複雑すぎて訳がわからない、という人もいるかもしれませんからね」 フ「このコーナーは、そういった読者のための解説枠だね。ではマリアンヌ、お便りを読んでくれるかな」 マ「了解です! ではさっそく、質問のお手紙を読みまーす!」 Q:マ『「存在が消える」のと「死ぬ」のって、どう違うんですか?』 A:フ『存在の喪失は死と違って、その人の居た証がすべて消えてしまうんだよ』 フ「ただ死んだり、殺されたりしただけなら、周りの人間は故人を悼んでくれるし、時には思い出してももらえるだろう。 しかし『この世に存在する根源の力』である“存在の力”をなくすと、『この世における存在が消える』。つまり……」 マ「最初からいなかったことになる?」 フ「そのとおりだよ、マリアンヌ。いなくなっても、誰も悲しまない。思い出されることも絶対にない。 あらゆる『存在した証』も消えてしまう、完全なる消滅だ」 マ「でも、消えた人間が周囲に与えた影響はある程度残ってしまうため、いなくなったことによる矛盾や不自然な現象が発生する。 それを『世界の歪み』というんですね」 フ「そうだ。その増大と蓄積による決定的な破綻を『大災厄』と呼んで恐れる“紅世の王”たちが、 フレイムヘイズに力を与え、同胞を殺して回っている、というわけさ」 マ「なるほどー。ではフリアグネ様、この物語……ラノルタの中で『存在が消える』ケースといったら、なにが考えられるでしょう?」 フ「現状では、二通りのケースが考えられるね。一つは、“紅世の王”である私が、人間の“存在の力”を喰らうケース。 もしくは、炎髪灼眼のおちびちゃんや『万条の仕手』らフレイムヘイズが、人間の“存在の力”を故意に糧とするケースだ」 マ「あれ? ということはつまり、今後フリアグネ様が手を下した人間はみんな、伊里野加奈のように『存在が消える』のですか?」 フ「いいや、そういうわけではないさ。『存在が消える』のは、あくまでも“存在の力”を刈り取った場合のみだよ。 たとえば、私が致命傷を負わせてあとは放置した“剣士”がいるだろう? 彼は“存在の力”を失ってはいないから、 死んだ今になっても皆の記憶からは消えていない。要は殺害方法の問題だね。人間のやり方で殺すか、“紅世”のやり方で殺すかの違いさ」 マ「そうだったんですね~。では、続けて次の質問を読みましょう」 Q:マ『トーチになったから存在が消えるのではないんですか?』 A:フ『「存在が消える」という事象にトーチは実のところ関係ないんだよ』 フ「よく『伊里野加奈はトーチ化したから存在が消えた』と誤解されがちだが、存在の消滅にトーチ化という過程は必要ない。 そもそもトーチを作る目的はなにかと言えば、“紅世の徒”が作る場合とフレイムヘイズが作る場合で意味合いが違ってね。 フレイムヘイズは『世界の歪み』の衝撃を和らげるため、“紅世の徒”はフレイムヘイズへの目眩ましのため、トーチを作成するのさ」 マ「確かトーチは、人間を喰らう際“存在の力”を少しだけ残しておいて、その残り滓を使って作り出すんでしたよね?」 フ「そのとおり。たとえるなら、今日の晩ご飯を残しておいて明日の朝食にしてしまおうという魂胆だよ。 この手法を使えば、手作り料理にうるさいフレイムヘイズにも手抜きをしているとは思われにくい」 マ「フリアグネ様、そのたとえは逆にわかりにくいと思います……」 フ「そうかい? ではもっと簡潔に説明しよう。先の質問にかかってくる話だが、存在が消滅すると『世界の歪み』が発生する。 この『世界の歪み』はフレイムヘイズたちにとって察知しやすいものなので、“徒”も極力起こしたくないものなんだ。 “紅世の徒”とフレイムヘイズは因縁関係にあるからね。食事をするたびに文句を言われては、誰だって参ってしまう」 マ「派手に暴飲暴食してると、またこんなところで食い散らかしてるなー、と注意されてしまうわけですね」 フ「いい例だ。困ったことに、注意を通り越していきなり殺しにかかってくるのが同胞殺しのフレイムヘイズという生き物だがね。 そうやって文句を言われることを防ぐ、または見つかるのを遅らせるために作るのが、“徒”にとってのトーチなのさ」 マ「トーチを作っておけば、“徒”が人間を喰らったと、フレイムヘイズはすぐにはわからないわけですね」 フ「そういうことだよ、マリアンヌ。では問題だ。私が伊里野加奈やステイル=マグヌスのトーチを作ったのは、なぜだと思う?」 マ「この物語の中に登場する“紅世の王”は、“天壌の劫火”や“夢幻の冠帯”を除けばフリアグネ様ただ一人。 もしそんな状況下で存在の消滅が起これば、『フリアグネ様が人間を喰らった』ということがフレイムヘイズにすぐバレてしまう……だからですか?」 フ「さあて、どうだろうね」 マ「えー、正解は教えてくれないんですか~!?」 フ「うふふ、正解はマリアンヌにだけ、あとでこっそり教えてあげるよ。さて、このあたりでまとめようか。 今回の場合、存在の消滅は、正確には『私が伊里野加奈を喰らった瞬間』に起こっている。つまり、彼女の存在はもう随分前に消えていたのさ。 しかしながら、私は『伊里野加奈のトーチを作る』ことでその発覚を遅らせた。トーチを目眩ましと言ったのは、そういうことなのだよ」 マ「トーチとは、存在の消滅という事実の発覚を遅らせるものでしかない……それじゃあ、もしフリアグネ様がトーチを作らなかったら?」 フ「第148話の時点で、『この世の本当のこと』を知る者以外は伊里野加奈のことを忘れていただろうね」 マ「彼と彼女のラブシーンも、描かれなかったわけですね……」 Q:マ『「存在した証」が消えるって、具体的にどのくらい消えるんですか?』 A:フ『今回の伊里野加奈の例で検証してみよう』 フ「マリアンヌ。今回の伊里野加奈の喪失で変わった最もたることといえば、なんだと思う?」 マ「はい、それはみんなの記憶です! この浅羽直之は特に伊里野加奈と縁が深かったですから。記憶がごっそり改竄されています」 フ「大正解だよマリアンヌ。『存在した証』、その最もたるものは『存在する者の記憶』なのさ」 マ「ですがフリアグネ様。私にはわからないことが一つあります」 フ「なにかな?」 マ「『浅羽直之と榎本の人間関係』についてです。本来、この二人は伊里野加奈の存在がなかったら出会うこともなかったはず。 でも今回のお話を見ると、浅羽直之は榎本のことまで忘れてしまったわけではないようですが……」 フ「一人の存在が消えたところで、他の存在まで消えてしまうということはないのさ。浅羽直之と榎本は知り合い。この結果は覆らない。 ただ、二人の出会いの形は、伊里野加奈を介さないまったく別のものになってしまうがね。そういう風に記憶が書き換えられる」 マ「でも、それって俯瞰的に見ればおかしいことなんですよね」 フ「ああ。だから今回のお話でも、浅羽直之は榎本との関係に違和感を拭えないでいる」 マ「記憶以外には、どんなものが挙げられるんでしょう?」 フ「本人の映っている映像や写真、直前まで身につけていた衣服、名簿などの記録媒体からも痕跡がすべて消える。 本編の名簿からも、伊里野加奈の名前はきちんと消えているだろう? 他にも、監視映像みたいなものがあれば、そこからもいなくなっているだろうね」 マ「あれ……でも、フリアグネ様」 フ「どうしたんだい、可愛いマリアンヌ」 マ「伊里野加奈の存在した証、まだ残っています。『彼女の支給品』ですよ。これ、浅羽直之が持ったままです」 フ「ああ、これか。よく気づいたね、マリアンヌ。しかし、伊里野加奈の支給品は彼女が存在した証にはならないのだよ」 マ「え、なぜですか?」 フ「浅羽直之の持つ伊里野加奈の支給品が、誰も伊里野加奈に配られたものだと認知できていないからさ。 彼の記憶の上では、この支給品は拾った荷物。百貨店に立ち寄った際、道端に落ちていた――そういうことになっている。 それは彼が百貨店を訪れるずっと前から置いてあったのかもしれないし、そもそも支給品ではなかったのかもしれない」 マ「支給品ではないって……でも、これの中身は他のみんなが持っている支給品と同じものですよ?」 フ「そうだね。ただ、それでもこれが伊里野加奈のものであるという証明にはならない。中身など些細な問題なんだよ。 だからこそこの支給品は、世界からは『伊里野加奈が存在した証』とは見なされず、消えることもなかったのさ」 マ「それじゃあ、支給品は本来、一人につき1セット。だから59人いれば59セットあるはずなのに、実際にはなぜか60セットあると?」 フ「そういうこと。もっとも、そういった支給品の数に気づいている者など、誰一人として存在しないだろうがね」 マ「物語を俯瞰的に眺めている唯一の人物が、修復する力に巻き込まれているようですからね……」 フ「彼の言葉や感覚を信じるなら、という仮定の話だけどね」 マ「でも、どうにも釈然としない矛盾です。本編内のみなさんは、疑問に感じないんでしょうか?」 フ「それが『世界の歪み』というものなのさ。疑問程度には思うかもしれないが、それは勘違いと切って捨てられる程度のものだ。 ただ、今後こういったことが頻繁に起こったとすればどうか……『世界の歪み』はそれだけ大きくなり、世界は破綻する。 これが、フレイムヘイズと契約した“紅世の王”の恐れる『大災厄』だね。具体的にどうなるのかは、神のみぞ知るというところかな」 マ「あれ……フリアグネ様ー。私、消えていないものをもう一個見つけてしまいました」 フ「ほほう。それはなんだい、マリアンヌ?」 マ「『伊里野加奈のパイロットスーツ』です! これは支給品ではなく、物語が始まったとき、彼女が身につけていたものです。 そのあとはすぐに脱ぎ捨てていますけど、そのあと巡り巡って浅羽直之のところに……これもセーフなんですか?」 フ「ふむ。それについてはいろいろと考察できるね。仮説だが……これはひょっとしたら、伊里野加奈のものではないのかもしれないよ?」 マ「ええ!? こんなにはっきり『伊里野加奈のパイロットスーツ@イリヤの空、UFOの夏』って書いてあるのにですか?」 フ「それはメタ発言だよ、マリアンヌ」 マ「それを言ってしまったら、このコーナー自体がメタ企画です」 フ「フフフ、それもそうだね。話を戻すと、このパイロットスーツは伊里野加奈が消えた時点でまだ世界に残っていた。 ということはつまり、これも『伊里野加奈が存在した証』にはならないということさ。結果論かもしれないがね。 では、このパイロットスーツはいったい誰のものなのか……仮説にしかならないが、伊里野加奈以外の誰かのものなのだろう。 伊里野加奈は存在しないのだから、このパイロットスーツを着ていたのも伊里野加奈以外の誰かということになる。 いや、着ていたとも限らないか。まあ、深い問題でもないさ。このパイロットスーツは灯台に落ちていて、白井黒子が回収した。 彼らにとってはそれだけのものでしかないのさ。わかったかな、マリアンヌ?」 マ「真相は闇の中……ということはわかりました。やっぱり、釈然としませんけど」 フ「世界とはそういうものなのさ。さあ、最後のお手紙を読むとしようか」 Q:マ『伊里野加奈が初めからいなかったことになるのなら、榎本は誰に殺されたことになるのですか?』 A:フ『「もうここには存在しない伊里野加奈」だよ』 マ「……えっと、つまりどういうことですか?」 フ「真相は闇の中、さ」 マ「えー!?」 フ「存在が消えても、消えた人間が周囲に与えた影響はある程度残ってしまう。榎本の死は、まさにそれだね。 伊里野加奈が消えても、榎本が誰かに殺されたという事実は覆らない。となると、彼を殺害した人物は誰かという話になる。 ここで伊里野加奈以外の誰かが榎本殺害の実行犯になる……というわけではない。そういう風にはならないんだ。 では、どういう風になるのか。どういう風にもならない。榎本は『誰か』に殺された。そういうことにしかならないのさ」 マ「釈然としません!」 フ「そうだろうね。だからこその『世界の歪み』だ。放置していれば災厄が起こってしまう……そうさせないのが、フレイムヘイズなのだよ」 マ「今回の一件で、『炎髪灼眼の討ち手』や『万条の仕手』はフリアグネ様を狙うでしょうか?」 フ「さあ、どうだろうね。彼女たちが私の意図を正しく読み取れれば、あるいは……?」 マ「なんにせよ、世界はこういう風に修復された。そこに疑問や違和感が生じるのは当然で、それが『世界の歪み』というものなのですね」 フ「素晴らしいまとめだね、マリアンヌ。つまりはそういうことなのさ。 さて、質問もこれで終わりかな? ではここから先は私とマリアンヌの愛の語らいのコーナーということで――」 マ「……残念ですが、フリアグネ様。どうやらそろそろ、お別れの時間みたいです」 フ「な、なんだって……!? そうか……そうなのか……それは……残念だな……」 マ「そんなに気を落とさないでください、フリアグネ様。きっと次の機会がありますよ」 フ「……そうだね。よし、では最後は元気よくしめようか!」 マリアンヌ「では読者のみなさん、今回はこのあたりでお別れです!」 フリアグネ「また諸君に、私とマリアンヌの愛溢るる日々を見せられるよう願っているよ」 投下順に読む 前:第三回放送――(1日目午後6時) 次:intermezzo――(間奏) 時系列順に読む 前:第三回放送――(1日目午後6時) 次:only my railgun (前編) 前:Memories Off 浅羽直之 次:なんでもなかった話――(SHATTERED MEMORIES)
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「ゼロのルイズ」(後編) ◆LXe12sNRSs ◇ ◇ ◇ 園崎魅音と接触し、情報交換を進めながらホテルに帰る道中のこと。 ちょうど第三放送で死者の名が読み上げられたあたりで、目指していたホテルの上層部分が音を立てて崩れ始めた。 何事か、と外界から様子を窺う光、なのは、魅音の三名だったが、別段外部から攻撃を受けたようには見えなかった。 と、視線を注いでいたホテル最上階から、杖か何からしい長物を持った少女が飛び出した。 あの少女がホテル破壊を行ったのだろうか。 突然の出来事に混乱する面々だったが、少女が持っているものがどうやら小振りなハンマーらしいと悟ったなのはは、即座にバルディッシュを起動。 万人が思い描くイメージ通り『変身』して見せた彼女は、ホテルの状況確認を他の二人に託し、一人謎の少女の下へと飛び去っていった。 そこから、二人の魔法少女による壮絶なバトルが始まる。 地上からその光景を目にしていた光は、援護できない歯がゆさから奥歯を噛み締めた。 残念だが、この中で空中戦を行えるのはなのはしかいない。光は任されたとおり、魅音と共にホテルの被害状況を確認するしかなかった。 「よし。いこう、魅音ちゃん!」 「……」 光は意気揚々とホテルへ歩を向けるが、仏頂面を掲げたままの魅音はその場から動こうとしない。 巨大な建物が崩れる様を見て衝撃を受けているのかとも思ったが、どうやら違うようである。 無言を貫く佇まいは貫禄に溢れ、思わず声を掛けるのを躊躇ってしまうほどだった。 「その前に、もう一度約束して。翠星石を殺すのに協力するって」 ――出会ってすぐに、魅音が光たちに求めたのは友達の仇を討つ『力』だった。 古手梨花を、部活の仲間を、あんな幼い女の子を銃殺した非道な極悪人形、翠星石。 あの人形を討つためならば、魅音はどんな試練だって乗り越えてみせる。そう言わんばかりの覚悟の色が、瞳に満ちていた。 園崎本家次期当主が持つ独特の迫力とでも言おうか、魅音が漂わせるオーラに光は気圧され、若干後ずさる。 「……たとえ相手がどんな悪人だからって、命を奪う気にはなれないよ」 「なんで!」 魅音が怒鳴るが、光は今回一歩も引かない。 「あいつは……翠星石は! 梨花ちゃんを殺したんだ! 私が仇を討ってやらなきゃいけない……そうしなきゃ、梨花ちゃんの無念は晴れないんだよっ!」 「けど!」 怒鳴る魅音に反発するように、光は声を張り上げた。 「もしその子が仲間を傷つけるような奴なら……私も容赦しない」 静かだが、力漲る声。 無用な殺人などしたくはない、だからといって、仲間を傷つけるような輩に慈悲を与えるつもりはない。 敵と定めた者は、絶対に倒す。それが魔法騎士の勤めであり、これ以上海のような犠牲を出さないための方法だから。 「……それでいいよ。あんたも翠星石に会えば、あいつがどんなに非道で救えない奴か分かるからさ」 光の言葉に一応は納得の意を示し、覇気を治める魅音。 同時にエスクードも譲り渡し、二人は晴れて本当の仲間と認識し合うことできた。 翠星石は梨花を殺した、憎むべき『敵』だ。彼女に会いさえすれば、光もその危険性に気づくことだろう。 今はまだ決断を求めなくていい。そもそも、光が言う『仲間』の中に翠星石の関係者がいないとも限らないのだ。 いざ頼れるのは自分だけ……ここは殺し合いの現場、裏切りなんてものは付いていて当然なエッセンスなのだから。 「よし、じゃあいこう魅音ちゃん! 早くゲインたちの無事を確かめないと」 「あーその魅音ちゃんってのはちょっと……オジさん照れちゃうかなぁ」 「えぇ? じゃあなんて呼べばいい? 園崎さん? 魅音?」 「んーとねぇ」 先ほどとは打って変わって、魅音は歳相応の少女らしい仕草を表に出し始める。 魅音から圧倒されるような威圧感がなくなったことに安堵した光は、それに合わせて少女らしい会話を求めた。 数秒考えて、魅音はこう口にする。 「……みぃちゃん、なら可。」 そう発言した時の表情がどこか寂しげな風だったことに、光は気づけず――。 「うん、分かった。じゃあこれからはみぃちゃんって呼ぶことにするよ!」 「なはは……あーこれはこれでちょっと恥ずかしかったかな? まぁいいや、さっさと行こうか」 両者共に曇りのない笑みを見せ、ホテルへ向かう足を加速させた。 ――道中で、魅音は思う。かつて自分のことを『みぃちゃん』と呼んでいた、可愛いもの好きの少女のことを。 ホテル崩壊を目の当たりにしたせいで頭から飛びそうになってしまったが、同タイミングに聞き届いた第三放送では、確かに仲間の名前が呼ばれた。 前原圭一、竜宮レナ。翠星星に殺された梨花の他に、雛見沢出身の部活メンバーたちが一遍に二人も死んでしまった。 そして、呼ばれた名はそれだけではない。真紅に蒼星石……あの翠星石が姉妹と言っていた、ローゼンメイデンたちの名前も呼ばれていた。 (ざまぁみろ。早くも天罰が当たったんだよ) 心の中で毒づき、魅音は死んでしまった仲間のことを思う。 圭一とレナはどこで、誰にどんな風に殺されてしまったのだろうか。 (考えるまでもないさ。どうせあの水銀燈とかいう性悪人形と、カレイドルビーとかって奴がやったに決まってる) 圭一やレナは人を信用しやすい。圭一などは日頃経験してきたカードゲームの戦略パターンから見ても、相手の裏を読むのが苦手なタイプだ。 大方、翠星石みたいな潜伏型の殺人者に騙されてしまったのだろう。 部活仲間を卑下するわけではないが、なんて馬鹿な死に方をしたんだ、とさえ思った。 相次ぐ友達の死。それに関わるローゼンメイデンという名の人形たち。 圭一とレナの死を悲しまなかったわけではない。翠星石という宿敵がいるからこそ、悲しめなかったのだ。 今は悲しむより怒る時……怒って、怒って、これでもかというくらい怒って、怒りに身を任せる。 良心に従ってなどいたら、翠星石を殺すことはできない。薄情かもしれないが、圭一とレナを弔うのはそれからだ。 (あんたはもうしばらく、身内が死んだ不幸を味わうがいいさ。たっぷり悲しんだ後に、私が殺してやる。翠星石、あんたを殺してやる!) 復讐心は潰えることなく、ただ一時だけその身の内に潜めるのだった。 ――程なくして、光と魅音の二人はホテルの正面玄関まで辿り着いた。 豪華絢爛を絵に描いたような高級感漂う入り口は見る影もなく崩れ、倒産企業が残した廃ビルのごとく廃れている。 辺り一帯も凄惨という二文字がピッタリ当てはまるような有様で、ゴミ山と言い表してもいいほどだった。 「酷いねこりゃ……」 宙には崩落の際に巻き上がった砂埃が依然として漂い、空気を悪くさせている。 魅音は口元を押さえながら入り口付近の状況を詳しく調べるが、その足取りは重い。 光も同様で、予想を遥かに超える被害状況に唖然としているようだった。 これはいよいよ、中にいるであろうゲインたちの安否が怪しまれてきた。 「とにかく、早く中に入ろう」 「うん……いや光、ちょっと待って。この下に何か……」 急かす光を制し、魅音は玄関脇に転がっていた瓦礫に目を着けた。 ちょうど人の大きさくらいをカバーできるコンクリート片。その下には、何やら黒い液体のようなものが滲んでいる。 ペンキや雨露の類ではない。魅音はその正体を本能で感じつつも、確証を得るために瓦礫の撤去作業に入る。 比重のバランスが傾いていたせいか、瓦礫は前方に押し出すと簡単に転がってくれた。 そして、魅音は瓦礫の下に埋もれていた一人の人間の姿を確認する。 滲んだ液体の正体はやはり血で、時間経過と暗がりのせいもあって黒く見えていたらしい。 見る限り全身の骨は砕け、内臓も外に飛び出ているようだった。 出血の規模も盛大なもので、頭部からも脳漿と一緒に悪臭が蔓延している。 一気に顔が青ざめ、気分が悪くなる。 無理もない。その光景はホテル倒壊の映像などよりも凄惨で、目まぐるしい勢いで胃液を逆流させるには十分な威力だった。 なにしろ、魅音が見つけたそれは――既に*んでいたのだから。 「う……おげぇえええぇええぇっ」 溜まっていた内容物を一斉に吐き出し、魅音はその場に崩れ落ちた。 建物が崩れる様なんかよりよっぽど酷い、壊れた人間を見てしまったのだ。 視覚から受け取るショックは脳を激しく揺さぶり、途絶えることのない嘔吐感を生み出す。 光もグシャグシャになった人間の死体を確認し、意気消沈しながら魅音の背中を摩ってやった。 「これ、光の知り合い?」 「ううん。この人は私たちがホテルに到着する前から、ここで死んでたんだ。その時はこんなに酷くはなかったけど……振ってきた瓦礫に潰されちゃったんだね」 大量の血液のせいで判別が難しくなっているが、死体はどうやらメイド服を着ているようだ。 エンジェルモートの制服のような派手のものではなく、もっとシックな西洋風侍女のスタイルを取っているのが分かる。 圭ちゃんの趣味とはちょっと違うかな……などと思いつつ、魅音は一度は振り払ったはずの友人の姿を再度思い浮かべてしまう。 刺殺、射殺、毒殺、斬殺、絞殺――圭一やレナは、いったいどんな殺され方をしたのだろう。 血はどれくらい流したのか、肉体の損傷はどの程度だったのか、苦しかったのか、安らかだったのか。 (駄目だな私……悲しんでる暇なんてないって、さっき言い聞かせたばっかりなのにさぁ……) 悲しみは全部、復讐心へと転化させる。それが一番楽で、みんなの仇を討つには効果的だったから。 でも駄目だ。死んだ二人は――特に圭一は――魅音にとって大事な、とても大事な存在だった。 そんな二人の死を、イメージしてしまったのだ。 ひょっとしたらこのメイドのような、いやそれ以上に無残な目にあって死んだのではないだろうか、と。 涙が止まらない。俯いてる暇があれば、その時間を使って仇敵である翠星石を捜せるのに。 クーガーだって言っていた。迅速に行動すれば、後の予定に余裕が持てると。だから人は速さを求めるのだと。 さっさと見つけて、さっさと仇を討ってしまえば、その分早く二人を弔えるのに。なのに。 「う……」 涙の洪水に耐え切れず、魅音はその場に崩れ落ちた。 翠星石は憎い。水銀燈やカレイドルビーも憎い。憎しみからくる復讐心も強い。 だがそれ以上に、悲しみが勝ってしまった。二人の死を無視して狂気に身を寄せるような真似が、できなかった。 仇敵と対面すれば気持ちは変わるかもしれない。でも、今この時だけは。せめて―― 「――危ない! みぃちゃん!」 泣き崩れる魅音の身を、光の不意な警告が届いた。同時に、光が魅音に飛びかかってその身を庇う。 覆い被さった光の背中に、ホテル玄関口から高速で撃ち出されてきた謎の物体が飛来した。 「がぁぅっ!?」 「光っ!?」 魅音を狙ったそれは光の背中を穿ち、悲鳴を上げさせる。 落ちたそれを確認したところ、どうやら飛んできたのは何の変哲もない五百円玉くらいの小石のようだった。 たかが小石と侮ってはならない。その速度は銃弾の勢いに迫るものがあり、命中した箇所から血を滲ませるには十分な威力だった。 「くっ……炎の――」 痛みを訴える背中に活を入れ、光は即座に反撃の意を示した。 両の手の平に炎の力を宿し、投石を放ってきた敵へとその矛先を定め、撃つ。 「――矢ァァーーーーー!!」 燃え盛る炎の弾丸が、投石への洗礼とも言わんばかりに逆襲の火の粉を巻き上げた。 既に機能しなくなった自動ドアを突き抜け、内部にいる標的を猛火で襲う。 悲鳴が返ってくるような反応は得られなかったが、手応えはあった。 反撃の恐れがないかと外から身を構える光と魅音は、やがて、 「フフフ……フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」 奇怪な笑い声を耳にするのと同時に、入り口から出てくる赤い怪物の姿を目にした。 「――ただの人間ではない。この私を楽しませるに十分な素質を持った者……いや、先の洗礼を見るに魔女の同類と言ったところか」 赤いコートに長身の体躯を包み、男はただ、二人の少女を前に笑っていた。 全身に漂う異質な波動、見る者に恐怖を与える邪の風格。 太陽を制し、夕闇を越え、吸血鬼は今、深淵の世界を迎えようとしている。 それ即ち、戦の本領。何者にも遮ることは出来ない、戦闘本能が活性化を迎える時。 「今宵も満月。魔女と夜宴を迎えるには絶好の空だ。もう一人の方の魔女も捨て置くには惜しいが、ククク……まずは」 銃弾切れしたジャッカルの銃口を向け、至高の吸血鬼――アーカードは楽しそうに微笑む。 少なからずホテルの倒壊に巻き込まれていたであろうその身は何故か無傷のまま健在し、高すぎる障壁としてその場に君臨する。 仲間の下に向かうには、この高く険しい壁を越えていかねばならない。 光は窮地を理解し、それでも退くことはなかった。魅音もまた、同様に。 背筋が感じる恐怖に屈することなく、未知の存在に立ち向かう。それが勇敢な行為なのか愚かな所業なのかは、答え出ず。 戦いが、始まろうとしていた。 ――これは、序章のほんの一部。 【D-5/ホテル正面玄関付近/1日目/夜】 【アーカード@HELLSING】 [状態]:全身に裂傷/中程度の火傷(※回復中) [装備]:鎖鎌(ある程度、強化済み)、対化物戦闘用13mm拳銃ジャッカル(残弾:0/0発)@HELLSING [道具]:無し [思考]: 1.目の前にいる魔女と闘争を繰り広げる。 2.ホテルを崩壊させた方の魔女にも興味。 3.カズマ、劉鳳とはぜひ再戦したい。 【園崎魅音@ひぐらしのなく頃に】 [状態] 疲労(大)、圭一・レナ・梨花の死に精神的ショック、右肩に銃創(弾は貫通、応急処置済、動作に支障有り) [装備] スペツナズナイフ×1 [道具] 支給品一式、スルメ二枚、表記なしの缶詰二缶、レジャー用の衣服数着(一部破れている) [思考・状況] 1:目の前の怪人(アーカード)を倒し、ホテルに入る。 2:どんな手段を使ってでも翠星石(と剛田武)を殺す。 3:圭一とレナの仇を取る(水銀燈とカレイドルビーが関係していると思いこんでいる)。 4:沙都子と合流する。 5:2、3に協力してくれる人がいたら仲間にする。 基本:バトルロワイアルの打倒。 [備考]:光からスぺツナズナイフ×1、支給品一式×1を譲り受けました。 【獅堂光@魔法騎士レイアース】 [状態]:全身打撲(歩くことは可能)軽度の疲労、背中に軽傷 ※服が少し湿っている [装備]:龍咲海の剣@魔法騎士レイアース、エスクード(炎)@魔法騎士レイアース [道具]:鳳凰寺風の剣@魔法騎士レイアース、エスクード(風)@魔法騎士レイアース、、支給品一式、デンコーセッカ@ドラえもん(残り1本)、オモチャのオペラグラス [思考・状況] 1:目の前の怪人(アーカード)を倒し、ホテルに入る。 2:風と合流。 3:キャスカを警戒。 4:ゲインとみさえが心配。 5:状況が落ち着いたら、面倒だがクーガーの挑戦に応じてやる。 6:翠星石と剛田武を悪人かどうか見極め、危険なようなら対処する(なるべく命は奪いたくない)。 基本:ギガゾンビ打倒。 ◇ ◇ ◇ 「うわうわぁ~、なになに地震災害? それとも爆破テロ?」 「ビルが崩壊していく!? まさか、本当にシルエットマシンかオーバーマンでも支給されているっていうのか?」 放送により禁止エリア指定されたF-6の路上。 会場内でも屈指の全長を誇る巨大ビルが倒壊していく様を、タチコマとゲイナー・サンガは遠目から確認していた。 「距離から推測するに、あれはD-5エリアに位置する大型ホテルのようだね。倒壊の原因はここからじゃ確認不能っと……」 「何を悠長な! ひょっとしたら中に人がいるかもしれない、僕たちもあそこへ向かおうフェイトちゃん」 ゲイナーはタチコマの中から傍らを飛ぶ少女――フェイト・T・ハラオウンに呼びかける。 タケコプターといった特殊な道具を用いることなく、自身が持つ魔法の力のみで浮遊する彼女もまた、巨大な建造物が崩れる様を目の当たりにして呆然としていた。 その視線の先に、二つの小さな光を捉える。 「!」 双眼鏡を構え、改めて確認する。 それは蛍のように淡く空中に点在し、倒壊していくホテルの周囲を飛び回っていた。 遠すぎてそれが何なのかはハッキリ掴めなかったが、高速で動き回る飛行物体ときてフェイトが真っ先に思い浮かべるものは一つしかない。 (まさか……なのは!?) フェイトの知る限りでは、空中をあれだけのスピードで飛行できる存在など他になかった。 ほんの数秒前、第三放送で知ったヴィータの死……衝撃を覚えたのは確かだが、それでも悲しみを押し込めて、懸命に考える。 ヴィータが死んでしまった今、このゲーム内で高速飛翔などができるのは、フェイトの他にはなのはとシグナムの二人しかいない。 もちろんフェイトの知らぬ飛行手段を持つ者がいるかもしれないが、なのはが市街地へ向かったというのなら、あれが親友である可能性は大いにある。 「ごめんタチコマ……先に行く!」 予感がしたら、居ても立ってもいられなくなった。 フェイトは仲間の二人に先行する旨を伝えると、抑えていたスピードを全開にし、なのはらしき飛行物体を追跡していった。 「フェイトちゃん、はっやー……。くっそー、ボクにおーばーすきるが使えればー」 「何を言ってるんだタチコマ。それより、僕たちも早くホテルへ向かおう!」 「うん。でもフェイトちゃんの飛んで行った先、ホテルとはちょっと方向がズレてるね。彼女を追うべきか、被災地へ向かって要救助者がいないか確認すべきか……むむむ」 「悩んでいる暇はない! ここも禁止エリアに指定されてしまったし、考えるよりも先にまず動くんだ!」 「おお~、なるほどー。ようし、分かったよゲイナー君。それでは、『タチコマイナー』ホテル方面へ向け急行しまーす!」 急旋回フルドライブ。進路をとにかく北へ。 超高速で飛んでいったフェイトにやや遅れ、タチコマとゲイナーもまた、ホテルを中心に巻き起こった闘争の渦へと飲み込まれる。 ……ちなみにタチコマイナーの名称は、ゲイナーが元の世界で乗り回していたオーバーマン、キングゲイナーの名に肖ったものである。 ――そしてこれも、序章のほんの一部。 【E-6/上空/夜】 【フェイト・T・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA s】 [状態]:全身に軽傷、背中に打撲、決意 [装備]:S2U(デバイス形態)@魔法少女リリカルなのは、バリアジャケット、双眼鏡 [道具]:支給品一式、西瓜1個@スクライド [思考・状況] 1:ホテル外周を飛んでいた存在(なのは?)の確認。 2:市街地に向かい、なのはの捜索を行う。 3:カルラの仲間に謝る。 4:なのは以外の友人、タチコマの仲間の捜索も並行して行う。 5:眼鏡の少女と遭遇したら自分が見たことの真相を問いただす。 基本:シグナム、眼鏡の少女や他の参加者に会い、もし殺し合いに乗っていたら止める。 【F-6/幹線道路上/夜】 【タチコマ@攻殻機動隊S.A.C】 [状態]:装甲はぼこぼこ、ダメージ蓄積、燃料を若干消費、飛行中 [装備]:タチコマの榴弾@攻殻機動隊S.A.C タケコプター@ドラえもん(故障中、残り使用時間6:25) [道具]:支給品一式×2、燃料タンクから2/8補給済み、お天気ボックス@ドラえもん、西瓜46個@スクライド 龍咲海の生徒手帳、庭師の如雨露@ローゼンメイデンシリーズ [思考・状況] 1:とにかく北上! フェイトを追うか、ホテルへ向かって救助を優先するかは移動しながら考える。 2:フェイトを彼女の仲間の下か安全な場所に送る。 3:トグサと合流。 4:少佐とバトーの遺体を探し、電脳を回収する。 5:自分を修理できる施設・人間を探す。 6:薬箱を落とした場所がそこはかとなく気になる。 [備考] ※光学迷彩の効果が低下しています。被発見率は多少下がるものの、あまり戦闘の役には立ちません。 効果を回復するには、適切な修理が必要です。 ※タケコプターは最大時速80km、最大稼動電力8時間、故障はドラえもんにしか直せません。 ※レヴィの荷物検査の際にエルルゥの薬箱を落とした事に気付きました。 【ゲイナー・サンガ@OVERMAN キングゲイナー】 [状態]:風邪の初期症状、頭にたんこぶ、頭からバカルディを被ったため少々酒臭い [装備]:なし [道具]:支給品一式、ロープ、さるぐつわ [思考・状況] 1:とにかく北上! フェイトを追うか、ホテルへ向かって救助を優先するかは移動しながら考える。 2:フェイトのなのは捜索に同行させてもらう。 3:タチコマの後部ポッドで暖を取る。 4:二人の信頼を得て、首輪解除手段の取っかかりを掴む。 5:さっさと帰りたい。 [備考] ※名簿と地図を暗記しています。また、名簿から引き出せる限りの情報を引き出し、最大限活用するつもりです。 ※タチコマの後部ポットの中にいます。 ※タチコマの操縦機構、また義体や電脳化などのタチコマに関連する事項を理解しました。 ◇ ◇ ◇ 「みなえさんからの連絡が途絶えて既に五分……糸無し糸電話は未だにウンともスンとも言わない」 すっかり暗み掛かってきた森の中。ストレイト・クーガーはログハウスのドアを開け、一人外の夜空を見上げていた。 「五分ですよ五分。五分もあれば何ができると思います? 炊事、洗濯、出勤、掃除、洗車、買い物、睡眠。たかが五分と侮ってはいけない。 そもそも人間は何故速さを求めるのか? それは時間を無駄にしないためです。 時間を有効的に活用するには、たとえ五分といえど決して無駄にすることはできないのです。 そう思いませんかセナスさん?」 「……ぅあー、そうですねぇ。そうかもしれませんねー」 病人のような呻きを上げ――実際本当に体調不良なわけだが――セラス・ヴィクトリアもまた、ログハウスの中から外に顔を出した。 クーガーの背中で体感した超スピードの悪夢がまだ蔓延しているのか、視点は覚束ず、立っていながらもフラフラと身体を揺らす有様。 とてもではないが長距離移動、それも高速によるものは無理だろう。本人が絶対に拒否する。 「思えば、俺はどうにもこの世界に来てから時間を無駄にしすぎている。 イオンさんのお仲間もなのかちゃんやひばるちゃんの友達もみなえさんの御子息もどれもこれも未だに発見できていない。 知人との合流を素早く果たせばその分あとの脱出作戦に掛けられる時間が倍増するというのに俺の速さはまだその助力すらできていない! 何故か! それは俺が遅かったから? 俺がスロウリィだったから? いやいやそれは違うぞ結果論だ! 速さとは唯一無二絶対信憑揺ぎ無く世界を縮めるための最適手段に他ならない! その速さが功を成していないということは そこに速さを越えた運命的な何かが介入し俺の進行を邪魔したとしか考えられないよってみなえさんとの通信妨害もまた等しく! 速さとは文化だ! 人間は常に速く速く行動することでより多くの時間を獲得しより多くの文化を体験することができる! 速さイコール文化! 実に分かりやすい世界のシステム! 故に俺は立ち止まることができなぁいッ! ラディカルグッドスピィィィィィィィィィィィド脚部限定ッッ!! 音信不通だというのなら俺がすぐさま現地に赴きその原因を究明! トラブルが起きていようものなら俺のラディカルグッドスピードを駆使して迅速かつスピーディーにそれを解決! 立ちはだかる者は何人たりとて容赦はしない! そして俺は極めてみせる――文化の真髄を!」 ログハウスの壁が所々抉り取られ、クーガーのアルター能力『ラディカルグッドスピード(脚部限定)』を形成するための糧となる。 上げていたサングラスをスチャッと装着し、クラウチングポーズ。鉄砲でも鳴らせば、すぐにでも飛び出していきそうな体勢だった。 「と、いうことでセナスさん。俺は先にホテルへ帰還し状況を確認してきます。 なーに心配はいらない。この俺にかかれば4000m程度の距離などたかが知れています。 すぐにセナスさんの下までお戻りし俺がラディカルグッドスピードでスピードの絶頂臨界点までご案内いたしま――」 「結構ですッ!」 セラスは力強く拒否を示し、クーガーはやれやれと首を振った。 無駄話はこの辺にしておこう。今は一刻も早く、連絡の取れなくなったホテル待機組の安否を確認しなくては。 「それではストレイト・クーガー…………行って参りむぁぁぁぁぁぁっすッッ!!!」 怒涛のスタートダッシュを見せたクーガーの背中はあっという間に遠ざかっていき、その速度を見たらセラスはまた気分が悪くなった。 「ぅぷ……みさえさんたち大丈夫かなぁ……てか私も大丈夫かなぁ……おぅっ」 仲間の窮地は心配だ。だがそれ以上に、あのスピードに対する拒否信号が強すぎた。 セラスは未だ回復の目処が立たぬ吐き気を治めるため、いそいそとログハウス内のベッドになだれ込んだ。 ――これもまた、序章のほんの一部。 【F-7/1日目/夜】 【ストレイト・クーガー@スクライド】 [状態] 健康 [装備] ラディカルグッドスピード(脚部限定) [道具] 支給品一式 [思考・状況] 1:ホテルへ急行。状況を確認する。 2:1が終わったらセラスを迎えに戻る。 3:そのあと宇宙最速を証明する為に光と勝負さしてくださいおねがいします。 4:なのはを友の下へ連れてゆく。 5:証明が終わったら魅音の下へ行く。 【F-7/ログハウス/1日目/夜】 【セラス・ヴィクトリア@HELLSING】 [状態]:腹部に裂傷(傷は塞がりましたが、痛みはまだ少し残っています)、激しい嘔吐感 [装備]:AK-47カラシニコフ(29/30)、スペツナズナイフ×1、食事用ナイフ×10本、フォーク×10本、中華包丁 [道具]:支給品一式(×2)(バヨネットを包むのにメモ半分消費)、糸無し糸電話@ドラえもん、バヨネット@HELLSING、AK-47用マガジン(30発×3)、銃火器の予備弾セット(各40発ずつ) [思考・状況] 1:うぷっ……思い出しただけで気持ち悪っ……しばらく休もっ……。 2:ホテルへは『徒歩』で帰還する。 3:キャスカとガッツを警戒。 4:ゲインが心配。 5:アーカードと合流。 6:Q、もう一度ラディカルグッドスピードの速さを体感したいと思いますか? A、いいえ。 [備考]:※セラスの吸血について。 大幅な再生能力の向上(血を吸った瞬間のみ)、若干の戦闘能力向上のみ。 原作のような大幅なパワーアップは制限しました。また、主であるアーカードの血を飲んだ場合はこの限りではありません。 ◇ ◇ ◇ 押し寄せてきたのは数多の瓦礫。 攻め立ててきたのは巨大な重圧。 (俺は……) 自分の身がどうなったのか、それすらも分からない。 誰かを庇って必要以上に傷を負ったような気もするし、運悪く足元の崩落に巻き込まれたような気もする。 (俺は……終わったのか?) 居場所も、傷の度合いも、意識の途絶える直前の状況も分からない。 そんな気弱にならざる得ない状態で男が思ったのは、大柄な体躯に似合わぬ絶望的な結果だった。 (……いや、違うな。終わってなんかいねぇ。これはまだ始まったばかりだ) そんな絶望は、すぐに頭で掻き消した。 今こうやって思考をしているということは、脳が終わっていない――つまり、生きていることに相違ない。 (始まったばかり、か。……それも違うな。まだ始まってすらいねぇんだ。俺にとっちゃな) そう、これはまだ序章とも言えぬ書きかけのページの一部に過ぎない。 誰が主役となるか、どんな結末を迎えるか、誰にスポットライトが当たるのか――それはまだ未知数なのだ。 (俺は、俺がやるべきことをやるだけさ…………グリフィス!) 闇の中に宿敵の幻影を捉え、男は奮い立った。 ――序章が終わり、第二幕が始まる。 【D-5/詳細位置不明(瓦礫の下?)/夜】 【ガッツ@ベルセルク】 [状態]:詳細不明【元の状態:全身打撲(治療、時間経過などにより残存ダメージはやや軽減)、精神的疲労(中)】 [装備]:カルラの剣@うたわれるもの、ハンティングナイフ、ボロボロになった黒い鎧 [道具]:なし [思考] 0:??? 1:ホテルでセラスらの帰りを待つ。 2:契約により、出来る範囲でみさえに協力する。他の参加者と必要以上に馴れ合う気はない。 3:まだ本物かどうかの確証が得られてないが、キャスカを一応保護するつもり。キャスカに対して警戒、恐怖心あり。 4:殺す気で来る奴にはまったく容赦しない。ただし相手がしんのすけかグリフィスなら一考する。 5:ドラゴン殺しを探す。 6:首輪の強度を検証する。 7:ドラえもんかのび太を探して、情報を得る。 8:翠星石の証言どおり、沙都子達ひぐらしメンバーが殺人者か疑っている。 9:グリフィスがフェムトかどうか確かめる。 基本行動方針:グリフィス、及び剣を含む未知の道具の捜索、情報収集。 最終行動方針:ギガゾンビを脅迫してゴッド・ハンドを召喚させる。 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、愛する男の子のことで頭がいっぱいだった。 高町なのはは、ホテルを壊そうとする女の子を宥めるのに必死だった。 キャスカは、戻るべき場所と帰すべき男のことだけを思い、剣を振るった。 ゲイン・ビジョウは、自分の犯した失態にケリをつけようと躍起になっていた。 野原みさえは、崩落の恐怖に怯えながら自分にできることを模索していた。 翠星石は、姉妹たちの死を知ることなく過ちを犯し続けていた。 アーカードは、迫り来る強者たちとの戦いにただその身を焦がすのみだった。 園崎魅音は、悲しみに抗いながら一心不乱に復讐を果たそうとしていた。 獅堂光は、大切な仲間を守るために友が残してくれた剣を構えた。 フェイト・T・ハラオウンは、今は亡き女傑のためにも親友との再会を強く望んだ。 タチコマは、新たな相方と共にただひたすら北へと爆走を続けていた。 ゲイナー・サンガは、チャンプとしての腕を有効に使おうと再度マニュアルを眺め始めた。 ストレイト・クーガーは、速さ=文化を証明するため走り続けた。 セラス・ヴィクトリアは、押し寄せてくる嘔吐の波と壮絶な戦いを繰り広げていた。 ガッツは、いずれ訪れるであろう宿敵に戦意を沸き立てていた。 【ホテル現状】 ※現在五階から上の階層が完全に倒壊状態。 四階以下のフロアも現在進行形で倒壊が進んでおり、予断を許さぬ状態です。 外壁にも無数に穴が空いており、そこからの侵入、脱出も可能です。 長く見積もっても夜中(20時~22時)に突入する頃には完全に崩壊します。 時系列順で読む Back 「ゼロのルイズ」(前編) Next 最悪の/最高の脚本 投下順で読む Back 「ゼロのルイズ」(前編) Next 最悪の/最高の脚本 207 「ゼロのルイズ」(前編) ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 215 なまえをよんで Make a Little Wish(前編) 207 「ゼロのルイズ」(前編) 高町なのは 215 なまえをよんで Make a Little Wish(前編) 207 「ゼロのルイズ」(前編) キャスカ 221 鷹の団(前編) 207 「ゼロのルイズ」(前編) ゲイン・ビジョウ 221 鷹の団(前編) 207 「ゼロのルイズ」(前編) 野原みさえ 221 鷹の団(前編) 207 「ゼロのルイズ」(前編) 翠星石 221 鷹の団(前編) 207 「ゼロのルイズ」(前編) アーカード 213 FOOLY COOLY 207 「ゼロのルイズ」(前編) 園崎魅音 213 FOOLY COOLY 207 「ゼロのルイズ」(前編) 獅堂光 213 FOOLY COOLY 207 「ゼロのルイズ」(前編) フェイト・T・ハラオウン 215 なまえをよんで Make a Little Wish(前編) 207 「ゼロのルイズ」(前編) タチコマ 215 なまえをよんで Make a Little Wish(前編) 207 「ゼロのルイズ」(前編) ゲイナー・サンガ 215 なまえをよんで Make a Little Wish(前編) 207 「ゼロのルイズ」(前編) ストレイト・クーガー 213 FOOLY COOLY 207 「ゼロのルイズ」(前編) セラス・ヴィクトリア 214 「ゴイスーな――」 207 「ゼロのルイズ」(前編) ガッツ 221 鷹の団(前編)
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彼等は遥かな地、天の果てより舞い降りる。 天主と憤怒の兵器が、地上を一掃するため軍勢を率いて来られるのだ。 泣き叫べ。 裁定と断罪の日、全能なる者から滅びが遣わされるのだ。 そして全ては脆く、その心は溶けて無くなる。 ────────────────────────────イザヤ書13章より ◆ ────これは大波がK市へ迫る前のことである。 「■■■■■■」 飛行するヘドラは数時間前の出来事を思い出していた。 敵はあらゆる索敵方法に引っ掛かることなく、この環境下で活動し、光の一撃で我が艦隊に大きく損耗を与えた。 知っている。識っている。判っている。あの敵を自分は記録している。 先ほど我々が討伐……主要攻略目標に設定された者とあの敵が現れたのは全くの無関係ではないだろう。 あれは艦娘。あれは旗艦。かつて、あの海で侵略してきた敵の主要戦力だ。それがここに、この場所にいる。ならば、やるべき事は唯一つ。 「ク………ハハ………」 波の音に紛れて何かの音、いや声がした。もしかすると空母ヲ級は笑ったのだろうか。 宿敵との邂逅。復讐の機会。それは確かに人間であれば暗い笑みを浮かべるかもしれない。だが、彼女は深海棲艦であり呪われた公害生命体だ。笑うことなどあり得ない。 どちらにせよ意味のないだろう。その表情を見たものはいないのだから。 ◆ 「ルーラー。永劫休眠状態(ルルイエ・モード)実行。 領域支配(ドメイン)内にいる全てのNPCをスリープさせてくれ」 「いいけど、一部のマスターに不利にならない?」 「神秘の秘匿が最優先だ」 ルーラーはあっそと素っ気ない返事をして虚空に手を翳す。 途端、アナウンスが流れてきた。 【領域支配(ドメイン)を強化します】 【永劫休眠状態へ移行します】 【■■への負荷はありません】 【人形は、現実を認識できない】 【この6時間のみ、K市が眠ります】 【この6時間のみ、世界が目を瞑ります】 ◆ 【D-8 上空】 K市より沖合い60キロメートルにある島。O上島と呼ばれる島の上空に空母ヲ級の姿はあった。 頭部から伸びた機翼により飛行している空母ヲ級は下界の惨状を無感情で眺める。 既に地上で動いている者は何もない。人ひとり……いや、ゴキブリ一匹すら残らず中毒で死んでいた。 崩れていく建物。液状化する地面。腐りゆく空気。島全体が溶解する。 「……………………」 空母ヲ級が死の島と化した上島に降り立つとまるで原形生物のようにヘドロ達が足元へ集う。 大量のヘドロがヲ級に繋がり、島そのものがヲ級になる。そして一塊となって起き上がったソレはヲ級へと話しかけた。 『出撃シマス』 空母ヲ級の頷きと共にソレらは本島に向かって出撃を開始した。 しかし、今までの進撃とは明らかに異なる様相を呈している。大きいのだ。全てが。 『──────!!』 言語化不能な大咆哮と共に下ろされる巨腕。右腕が海面に沈む前に左腕を。左腕が沈む前に右腕をと出し、ソレは犬掻きの要領で海面上を走っていた。 全長60メートルの巨体の正体はO芝上島だったヘドロ塊。いや、自律意思すら手に入れたこれはもはや公害怪獣『ヘドラ』だ。 より正確に言うとヘドラそのものが空母ヲ級の足から生えて水上を走行しているのだ。 「…………」 空母ヲ級はヘドラの頭頂部でただ一人そこにいた。 硫酸ミストに冒された潮風を受けながらもその精神は無我。 最大船速による強襲と最高効率の殲滅を行うだけに特化された精神の持ち主であり、それ故目の前の〝人災〟に一切感じ入るものが無い。 既にヘドラが生み出した莫大な運動エネルギーは海に歪んだ波紋を生み出し記録的な大津波となってK市に迫っているのだ。 もはやK市沿岸の人間に未来はないだろう。波はあまりにも広く、高く、そしてその海水に含まれた致死性は第一次世界大戦に使用された全ての生物兵器を凌駕する。 今までいくつの聖杯戦争が起きたか不明であるが、それでもここまで盛大に破壊し、殺戮を行おうという主従など数える程度にしかおるまい。 そして、そんな非道に愉悦や達成感、罪悪感を感じ入る思考回路は空母ヲ級に無い。 なぜなら彼女こそが新生した深海棲艦、その母体であり母艦。霊長を滅殺するシステムである。人間を殺すことに躊躇いなど無いし、そもそも同型の生物とすら認識していないため忌避感など生まれない。 しかし、それとは逆に融合したサーヴァント『ヘドラ』にはどす黒い思念が巨体を駆け巡っていた。 お前らは望んだのだろう繁栄を。願ったのだろう幸福を。 その為に山を焼き、海を汚し、空を曇らせ、今度はそれを荒廃だと、汚らわしいと罵る。 なんたる自作自演。なんたる自慰行為。 お前らのような者達が蔓延る文明こそが汚らわしい。 墜ちろ。沈め。誰一人、何一つ残さない。 元より私(ヘドラ)は接触した物質と結合して体組織を組み換えるだけの地球外生命体である。 それが汚染された海で成長し、陸に上がった姿を見た人間が嫌悪し、あまつさえ水爆で被爆した怪物に倒させて公害の象徴などとぬかす。 笑わせるな霊長よ。全ては因果応報であり、この身は貴様達が産み出した黙示録の騎士である。 それを悪と呼ぶのなら────貴様等の悪性こそが『この世、全ての濁』に相応しい。 『「─────ォォオ%@オヲヲ$ヲ!!」』 ヘドラとヲ級の叫ぶが天に木霊する。 これぞ文明の産み落とした癌細胞。 無限に増殖し、霊長の世を阻む大災害。其は文明より生まれ文明を食らうもの──親元を喰い殺す自滅因子(アポトーシス)の一種に他ならない。 彼女達のやるべき事は唯一つ。一方的に殺戮し、一方的に沈める。ただそれだけであり、それを可能とするだけの力がここにある。 海に怪獣、空には蝗害の如く万の艦載機。 兵力は十分。物資は無尽蔵。士気は至高。練度は極限。 戦場において勝つため必要なあらゆる要素が最高潮の今、負ける要素が微塵も無い。 汚泥の波が地上に届こうとしたその時、K市沿岸の空に光が差した。 ◆ 迫る汚泥の津波を打ち払うべく、神代の狩人アタランテは宝具を発動させることを決意した。 大気の汚染によって海岸はおろかその近辺にまで人間はいないものの遠くから覗いているマスターは何人かいるだろう。 これだけおおっぴらに宝具を解放すればまず間違いなく真名は露呈する。アルテミスとアポロンに縁のある弓使いなどオリオンとパリスを除けば自分ぐらいしかおるまい。真名の露呈は間違いなく、これからの戦いに不利なると分かっている。 だが、この津波が陸へと届けば被害は甚大だろう。無論、マスターのいる山中にもだ。 故にアタランテはこの事態を看過できなかった。 何故なら彼女の願いは子供達を救うことだから。 『我が弓と矢を以て太陽神と月女神の加護を願い奉る』 文を携えた矢を番え、天に向けて射る。 猛毒の津波が迫る刻、アタランテの全力(いのり)が今、天上よりもたらされようとしていた。 『災厄を捧がん──』 女神の祝福を受けた弓で天へと放たれた矢文。 矢文の内容は請願。月女神と太陽神の二柱へ加護を求める内容が書かれている。 天穹の弓(タウロボス)によって加護を求める矢文は上へ、雲を越えて天へ昇った。空に吸い込まれるようにして見えなくなった矢文の座標に光が溢れ、道を譲るようにして雲が退く。 その神々しき光景とは裏腹にこれより始まるは神なる災い。神罰という名の虐殺。カタストロフ級の破滅に他ならない。 アタランテの請願に応えて大気が鳴動する。そして──── 「────『訴状の矢文』(ボイボス・カタストロフェ)!」 弾ける神災の波動と共に原始の神が、地上へと殺戮の光(や)を降らせ始めた。それも一本や二本ではない。見渡す限り一面を光の矢が埋め尽くしている。 雨霰と降り注ぐ神気の矢が津波を削る。いや、津波だけではない。上空では制空権を確保するべく硫酸ミスト内を飛んでいた爆撃機が次々と射抜かれ、既に数千機が爆発四散していた。 対軍どころか都市丸ごと破壊できてもおかしくない規模と威力である。だが…… 「駄目か……私の宝具だけでは足りぬか」 それでも大津波は削りきれなかった。 こちらもまた最大最悪の破滅。神威の矢をもってしてもあの大質量を削りきることはできなかったのだ。 歯噛みするアタランテ。しかし、ここにいるのはアタランテだけではない。もう一騎、ここにいる。 アタランテの400メートルほど後ろにセイバー『ベアトリス・ヴァルトルート・フォン・キルヒアイゼン』が立っていた。 創造 「───Briah───」 戦姫変生 ・ 雷速剣舞 「Donner Totentanz ———Walküre」 蒼雷が舞う。雷鳴が響く。 雷が真横に流れるという自然現象にあるまじき軌道で放射状に広がり、津波を蒸発もしくは爆散させ一つ残らず消し飛ばした。 蒸気と僅かな雷電のみ以外、津波のあとは微塵もない。 そして──── 「────────────!!」 ここからが本当の戦いである。 津波が消え去り、神光と月光と雷光で怪物の皮膚に張り付いた油膜がてかてかと照らし、その大きさと形状を明らかにした。 あれこそが討伐対象──ヘドラ! 「見るも悍ましい姿だな」 誰かが呟いた。 それはヘドロの塊に手足を付けたような格好であり、英雄とも魔獣とも呼び難い。少なくとも流動する汚泥に敬意を払う人間などいないだろう。 だがそれ故に英霊としての能力は未知数だ。あらゆる常識が通じない存在だと断言できる。 海岸付近にいたサーヴァント全員が巨体を視認したその時、ヘドラの顔にあたる頭部の一部がばっくりと割れ、黄金の虹彩を持つ赤い物体が出現した。 「あれは……目か?」 爬虫類のようにギョロりと周囲を見回し────赤い目玉が発光し始める。 ◆ ────索敵完了。 ────敵ナラビニ主要攻略都市ヲ確認。 ────主砲装填。 体内のヘドリュームが崩壊し、混じり 、合わさり、融合を開始する。 高温・高圧の反応炉は次第に熱量を上げていき、黄金瞳が光を吐き出し始め、それを浴びた周囲の海水が水蒸気爆発を起こすと同時に黒い粘液へと変容する。さらに発生した気流により硫酸ミストがヘドラの周囲に渦巻いた。 正に死や終末を予感させる光景だった。 まるで地獄の太陽。光によって生命を育むのではなく、触れればあらゆる命を消し去る死の塊。 致死レベルの熱が表面上でも起こり、あらゆる命を蒸発させる魔の恒星。 臨界点に達したソレが今! 核兵器に匹敵する破壊力が今!! 「砲雷撃戦、開始」 ヲ級の号令と共に発射された。 ◆ 発射の衝撃波で周囲のヘドロは消し飛び、まだ溶解していない海底の岩ですら粉微塵に粉砕する。 光線の通った後は蒸発と熔解が起きてモーゼの如く溶岩の海割りが出来上がる。 (あれは無理だ) アタランテは理性と本能で理解する。兵器としての出力が違いすぎる。盾、城、結界、幻獣、魔獣、神獣、いかなるものでも防げぬ絶対値をあの光線は有している。 現状、アタランテの力でアレを防げるものはない。 嵐を思わせる轟風が海岸の砂塵を根こそぎ巻き上げる。 ヘドリューム光線は海岸にいたアタランテに向けられたものではないが、発射された余波に吹き飛ばされないように踏みとどまるだけで精一杯だった。 彼女がそうしている間にも破滅の光は延びていく。市街に命中すればどれほど凄惨な光景が広げられるか考えるまでもないだろう。そしてそれを止める力はアタランテにない。 よって、アタランテは相方に任せることにした。 ◆ 時間を数十秒ほど巻き戻す。 ランサー、ヘクトールは海岸を見渡せる位置からヘドラの巨体を目にしていた。突如として輝き出したあの黄金瞳は大英雄に戦慄を促すに十分だった。 ヘクトールは理解する。あの目から這い出ようとしている光は間違いなく街を完全破壊すると。 「ヤベェなこれは」 軽い口調で言うも表情はこれまでにないほど真面目だ。 “アレ”は神々がもたらす災厄と同じで、意思のある災厄はある程度の目測を立てられる。 殺意の方向、大きさ、深度。そういったことからあの怪獣は人間のいるところを標的に定めると予測できたのだ。 「要は皆殺しってわけか」 鏖殺。滅尽。滅相。根絶。 あらゆる生命を滅殺せんとする死の現象が光となって目から溢れ出している。 今からでは発射前に目を潰すことなど不可能だ。仮にできたとしても行き場を無くした破壊力は爆発し、海岸にいるアタランテは助からないだろう。それは勝利ではない。 かといってあれを防ぐ盾も城もここには存在しない。ならば市街地に届く前に相殺するしかない。 そしてそれが可能なのは無論、宝具をおいて他にない。槍を投げる構えへと変える。 「標的確認、方位角固定」 魔力を受けて黄金の光が極槍の穂先より溢れ出す。 ヘクトールの貴重な全力全霊。それが今、ここで発揮されようとしている。 刮目せよ。これがトロイア最高の戦士の一撃である。 「不毀の極槍(ドゥリンダナ)!」 筋が千切れんほどの力を込めて放たれた槍は地上の、世界の、この世のあらゆるもの貫くとされた貫通力を有する。 そして投擲と同時に怪物の目からも死の光が発射された。 激突する神話の一撃。 衝突の衝撃で周囲の建物は粉砕して瓦礫が弾けとんだ。 音もまた世界から瞬消滅し、次の瞬間には悲鳴の如き金切り音が発生する。 衝突点から死の光がまるで霧状スプレーのように拡散し、その大半が空中で消え失せていった。 対照的に槍は核熱を浴びても溶けることなく原形を保ち続けている。 それもそのはず。穂先は後に不滅不壊で名を馳せる絶世剣デュランダル。数多の伝説に名を残し、キリスト教世界を代表する聖剣のひとつだ。聖遺物が埋め込まれていない状態であっても神秘の薄い一撃で壊せる道理はない。だが、槍の完全性が高くとも勢いは光線の方にあった。いくら補助出力があろうと人力ではこの光線を止めるほどの勢いがない。よって止まったのは数秒で、必殺の投槍は弾かれてヘクトールのいる市街へと落下する。 「ちっ、やっぱ無理か。 俺にもアイアスやアキレウスみたいな盾があればなぁ」 元より彼の宝具は全て攻撃の逸話で生み出されたものだ。防ぐことには向いていない。 なので僅か数秒しか止められない。 しかし、その数秒で次の者が間に合った。 ◆ 雷光と共に巨大な人形が出現した。 白銀と黄金。そして雷電で構築されたそれは『電気騎士(ナイトオブサンダー)』。 セイヴァーのマスター、ニコラ・テスラの切り札にして最終形態である。 弾かれた不毀の極槍と交替する形で出現した彼は即座に盾を展開した。 『────白銀の盾(アーガートラム)!!』 白銀の盾4つが光線を遮るべく重なり合う。 『如何なる質量も。如何なる熱量も。我が盾を通すこと能わず』 その宣告を証明するようにヘドリューム光線は最初の一枚が受け止めていた。 雷電の防御膜を纏い、あらゆる幻想、あらゆる物理を防ぐ最高の盾。 かつては世界法則すら書き換え、万象を引き裂く魔手すら防いだこの盾を突破できるはずも無い────相手がヘドラでなければ。 『む?』 盾に雷電が通らない。 次第に電流の伝導率に狂いが生じ、遂にただの鋼鉄の盾と化した一枚目が砕かれた。 これは元来ありえぬ事象だった。電気騎士と白銀の盾を通る雷電はニコラ・テスラそのもので、彼にとっては服の袖に手足を通すくらい簡単なことだ。それが急にできなくなるのは一体どういう不条理か。 そうこうしているうちに二枚目が砕かれ、三枚目が冒され始めている。 核熱の脅威に気を取られている者が多いが忘れてはならない。この光線は触れれば公害に汚染されるヘドラの攻撃であるのだ。ヘドリュームから生まれ、放たれた以上、これに触ることはヘドラに接触することを意味する。 ヘクトールの槍と違い、白銀の盾は神秘が薄く、マスターの装備であるため霊位も低い。ニコラ・テスラ自体が神秘の塊であるが、彼自身ではない。そのため徐々に侵食が進む。 ならば白銀の盾にいかなる汚染が加わったのか。碩学である彼は一つの答えに行き着く。 『────放射線か』 テスラの推測は正鵠を射ていた。 放射線。放射能汚染。 世界最新で最悪の公害。原子力という巨大な力に付随する形で現代に現れた災厄である。 人体が冒されれば遺伝子を始めとする数多の機能が崩壊し、物体であれば分子構造が破壊される。あらゆるものが劣化し、役に立たなくなるのだ。 ましてやヘドラの魔業が加わればどれほど強固な分子結合を行っていようが破壊される。万物を貫くといってもいい。 故に白銀の盾に核熱自体を防ぐ能力があっても構成物質自体を異次元の法則で換えていかれては流石にどうしようもない。 しかし、まだ手はある。 ────電気騎士。最大出力。 『輝光なりし帝の一閃(ギガ・ユピテル・バスター)!!』 K市の夜空が昼と間違うほど光りに溢れる。電気騎士から生じた雷神の光柱に暴力を匂わせるものは一切なく、まるで抱擁の如くヘドラの光線を更なる光で塗り潰す。 そして、光柱が消えた時、白雪のごとく降る光の粒子を残して放射能も核熱も雷電も電熱も、そして電気騎士も残らず消滅していた。 ◆ 山頂の廃屋で間桐桜とルアハ・クラインは趨勢を見守っていた。 彼女ら二人にはそれしかできない。何が起きているかもわからず、自分のサーヴァントが宝具を使う時だけが唯一繋がりを感じる瞬間だ。 「人形さん」 「はい。なんでしょうか桜様」 「アーチャーさんは無事かな」 「いいえ。はい。私には分かりません。ですが、あなたの令呪が消えない限り、彼女達が消えた、ということはあり得ないでしょう」 「そうだね。うん、アーチャーさんはまだ大丈夫」 ルアハは少女を見る。 山小屋に貯えられていた毛布に身を包んだ少女を。 夜の高山地帯は大変冷える。ルアハの硝子細工の目は、少女が毛布から露出している寝間着の温度が低いことを検知する。 逆に熱を発しているのは魔術回路だ。本日既に宝具が二度使用されている。 「桜様。小屋へ戻りましょう。外よりいくらか温かいはずです」 「嫌。ここで見てる」 「いいえ。貴女の健康を見るようにとランサー様から命令を入力されています。その申し出にはお受けできません」 「じゃあ貴方が温めて」 「了解しました」 そういうとルアハは桜を抱きしめた。 機関の体からほんのりと伝わる熱が桜を温めていく。 少女達の境遇は似て非なるものだ。 愛されていた故に全身が機械と化した少女と、ただ道具として全身の肉を苗床とされた少女。 それでも二人に共通点があるとすれば それは、二人ともそうしなければ死んでいたという事だろう。 ◆ 電は戦場へと向かわなかった。臆病風に吹かれたのではない。彼女とて艦娘である。戦場に行くこともそこで果てることも覚悟している。 彼女がここにいるのはランサー、アレクサンドルの判断だ。 今回の討伐令により海岸とその近辺にサーヴァントが集中するのは明らかだ。そんな所にノコノコ行くのは死にに行くようなものだと彼は諭した。 だが、それでも彼女は同行を申し出た。マスターとしての責任感か、あるいは深海棲艦を倒すという艦娘の使命感か。 「マスター。お前はここに残れ」 「────いいえ。電もあなたと行きたいのです」 「聞いていなかったのか?」 「聞いていました。でも……」 出かけた言葉がランサーに頭を撫でられたことにより驚愕で止まってしまう。 失礼ながらランサーはこのようなスキンシップをする人柄には見えなかったのだ。 「お前のすべきことは戦いではない。それに行っても役に立たん」 「それは……」 「そして私の宝具は無差別だ。守護には向かない。マスターと守護に向かないサーヴァントが一緒にいたところで死ぬだけだ」 「はい……」 「ならばお前は、お前のすべき事は待つ事だ。そして、もしも私が破れた時は子ども達を守ってほしい」 「ランサーさんが破れるなんて、そんな」 「忘れるなマスター。『英雄などどこにもいない』 都合よく物語に登場し、都合よく人々へ幸福をもたらす存在など現実にはいないのだ」 独白のように彼は言い、先に発った。 ◆ 震える。怖くて、怖くて、怖くて仕方ない。 越谷小鞠は歯の根が合わず、ガチガチと震えていた。 戦場の凶気が、戦乱の狂気が、戦士の戦意が渦巻いているのを肌で感じる。 大津波が迫り、光の雨が陸と海を破壊し、大音響と稲妻がそれらを地盤ごと攪拌して、死の光が応酬され、終いには夜が昼になる────文字通りの天外魔境だ。 一つでも自分に向けられていたら死んでしまったに違いない。そう思うと怖くてたまらない。もはや夕方誓った覚悟は折れていた。 何が同盟だ。何が協力だ。私はマスターのフリをしていただけの子供だ。 越谷小鞠は中学生だ。ただの、ちょっと都会から離れたところに住んでいた女子だ。 戦時中であれば疎開先に選ばれてもおかしくないほどのどかな場所に住んでいた彼女に神威魔業の交わる魔戦に適応できるはずがなく、故に泣いて逃げ出しそうなほど怯えていた。 彼女にとって美徳であり悲劇であったのはセイバーという、ヘドラをなんとかできるかもしれない力を連れている責任感があったことだろう。 午前の中学校襲撃時といい、今回といい、聖杯戦争参加者として被害を減らそうという想いが彼女の中にある一方で全く荒事に向いていない。 仮に生存競争に慣れた者ならば中学校襲撃時に一般人に紛れて逃げるだろうし、ヘドラ討伐を無視して他のマスターを討つことを考えただろう。 彼女の在り方は善人、王道といえば聞こえはいいだろうが生存競走において愚者であることに違いはない。 しかし、いやだからこそ。彼女に呼応したのは花の騎士姫。後に騎士王と謳われる少女だった。 ◆ 花の少女騎士。クラスはセイバー。名をアルトリア・ペンドラゴン。愛称はリリィさん。 越谷小鞠のサーヴァントである彼女はマスターを護衛しつつ戦場へと近付いていた。 「リリィさん、ごめん。ごめん。わたし……」 「いいんですよ。マスター」 修羅場の空気に酔ったマスターの背を撫でる。 この年でこんな場所に慣れている方が異常なのだ。 混沌が渦巻き始め、夜の帳すら拭い去られ、リリィですら戦慄せざるをえないこの戦場。誰も彼女を責める者などいないだろう。いたら自分が許さない。 戦場が近づくにつれて大気の汚染濃度が上昇し、人間のマスターではどのみちこれ以上の接近は無理だろう。 どこか適当な建物にマスターをどこかで休ませよう……とを考えた刹那、セイバーに虫の知らせのような危機感がよぎる。 この場に居るのはマズイ、と。 「マスター。少し失礼します」 「うわ、リリィさん!」 少女にお姫様だっこされた越谷小鞠は絵的にも立場的にも慌てるが、それはセイバーも同じ。 脱兎の如くその場を脱した。その直後────怪人が通った。 ◆ 「新しい我が主」 「なんだ」 「ひとつ、お願いがあります」 神妙な顔でアサシンはマスターへと請う。 「私に、この街を守るため出陣せよとお申し付け下さい」 本日三度目の戦闘。優秀な魔術師でも疲労極まる行為を彼に請う。 確かにマスター替えを行った直後に忠義もへったくれもないが、それでも兵と将の上下関係は絶対である。 「何故だ?」 「それは……」 言えなかった。令呪の効果はおそ松が死亡した時点で強制力をほとんど失っている。 もしおそ松邸を襲ったり、彼の家族を害しようとすれば令呪が発動するのかもしれないが、少なくとも放置している分はさほど問題ない。 しかし、この街そのものを破壊しようとする存在がいる以上、彼等を見捨てることはできない。 これは感情論ではない。兵士として生み出された人造魔法少女シャッフリンとして命令が遂行できないことは存在理由の否定を意味する。 故になんとかしてこの願いを聞き届けなければならない。 今は亡き前の主の遺命であるからでございます。 と言えばおそらく、反対されるだろう。敗退せずに自分と契約した以上、自害はさせられないだろうが令呪で何らかの制約はつけられるかもしれない。 代替案を提示しなければならない。 既にシャッフリンの脳内にはヘドラ討伐に参加するメリットをいくつも考えておき、説得材料を何種類も用意していた。 しかし、それも無意味になった。 「まあいい。僕も奴を倒そうかと考えていたところだ」 「え?」 予想外の反応に間抜けな声が出る。まさか何も提示せずに許されるとは思っていなかったからだ。 「奴はこの被写体(まち)を汚そうとしている。それだけで────いや、違うな」 美しくないものは消すべきだった。 不完全なものは破壊すべきだった。 アカネは美しくも完全でもない。だが、消えてほしくなど無かった。 それは何故か。分からない。感情の変調に思考が追い付かない。 頭をスッキリするために暴れたかった。いつもの元山ではあり得ない蛮脳であるが、他に思いつかなかったのも事実である。 元山はスイッチを押していた。 変身後の元山は右手に剣、左手には女性の顔を模した盾。筋肉は隆々と化し、顔は鮫のような形をしていた。 窓から飛び出し、路上に着地して怪人の走力で海岸へと駆け抜けた。 (まだ分からないんだ……自分がどうしたいか) ◆ 「貴女もヘドラの討伐参加者ですか?」 「そういう汝も同業者のようだな」 雷光を纏った戦姫と神話の狩人が油断無い気配で応対する。互いに体はヘドラへ向けたままだが、武器を構えていつ相手が襲ってきても後れを取らぬように隙が無い。 主目標はヘドラだとしても漁夫の利を狙う輩の可能性は決して低くなく、またいつか殺し合う関係とあらばこの当たりが妥当な対応だろう。 アタランテは横目で雷女の服装から真名を探り当てようとする。 聖杯より得た知識でこの国の先の大戦における同盟国であるドイツ……俗に言うナチスの着ていたSS制服だと分かる。つまり少なくとも100年は経っていない英霊だということで、神秘のほどはアタランテの足元にも及ぶまい。 しかし、それだけに気になるのは先ほどの汚泥を吹き飛ばした雷撃だ。雷神の血縁……いや、雷神の直系でも無いと説明のつかない出力だった。 ナチスは神秘の品を集めていたとされる。この女の宝具も十中八九ソレと思われるが、その場合ここで問題が一つ起きる。この女の宝具は一体どこの、どんな宝具なのか分からないということだ。 雷神、天空神の存在する神話は世界各国に存在し、そのほとんどが戦神だ。つまるところ『雷神関係の剣と思わしき宝具』では真名解放でもしない限り分からないし、直接の所有者ではない英霊の真名など輪をかけて分かるまい。 そして逆にアタランテの真名は露呈したと思ってよい。 「先ほどの稲妻、見事だった。さぞ名のある英霊と見受ける」 「貴女こそ先ほどの光の雨、見事でした。こういった状況でなければ正々堂々とやり合いたいのですが……今は状況が状況です。手を組みませんか?」 「残念ながらこの場での約定など無意味だ。汝のマスターも私のマスターもここにいない以上、いつ裏切るかもしれん同盟など組めん」 「そう言って騙し討ちをする機会を捨ててるだけで充分信頼できますよ。 これでも外道の見分け方には自信がありますので」 「ならば好きにするがいい。ただし私の邪魔をするな」 「それはこちらの台詞です。巻き込まれて死んでも文句言わないで下さいね」 二人の言葉には棘がこもり、口調は冷淡であるものの事実上の共同戦線だった。 アタランテの言った通り約定は無いが、向かっている方向性は同じである。そして相手(ヘドラ)の強さは見ての通り規格外。少なくともヘドラ討伐まで騙し討ちをするだけのメリットは互いに存在しないのだ。今ここでやり合う必要は無い。 二人の会話が切れるのを待っていたかのようにヘドラの全身が震えだし、次の戦術を展開し出す。 ヘドラの巨体がバラけ、ヘドラの総体が7:1:1:1の割合で分かれる。小さな汚物の山はそれ自体が意思を持つスライムのようにうねりながら三手に分かれて海岸に上陸した。 そして次の瞬間。空母ヲ級の口からポツリと平坦かつ無機質に、だが絶対の開戦宣言が為される。 「────全艦、抜錨」 先ほどの核熱光線すら序の口に過ぎなかったと誰もが理解した。 ◆ 「何……だと……」 アタランテは驚愕する。 ◆ 「これは……!」 ベアトリス・キルヒアイゼンは目を細め、櫻井戒は眉を顰めた。 ◆ 「こいつは……」 ギリシャ神話の大英雄ヘクトールからは飄々とした態度が失われ険しい表情を見せる。 近くで倒れているニコラ・テスラも、その付近にいたセイヴァーも、何が起きたかを知覚して海を見る。 ◆ 「……」 アレクサンドルはいつもの無表情のままだが、それでも視点を海に向けたまま。 ◆ 「クソ!」 急停車した電車の中で岡部倫太郎は悪態をつく。 NPCが眠った今、運転する者はいない。 停車することなく駅まで特攻するような事態にならなかったのは幸運といえるのだが、今の状況で電車に閉じ込められるのはどう考えてもマズイ。 「ライダー! 斬り破れ!」 「了解」 電車のドアがカトラスによって斬り裂かれバラバラと地面へ転がった。 岡部はそこから踊り出し、地面の感触を足の裏で感じる。 足に衝撃が走り、痺れる。衝撃を堪え、それでも何とか足を踏み出そうとした。 その時、だ。 「何ですの!?」 アンが困惑の声を上げた。 ◆ 「おやおや」 合流したマスターが隣で絶句しているのを横目に、ヴァレリア・トリファは呆れた声を出した。 ◆ ────カエセ。 ────返せ。還せ。帰せ。反せ。 ────カエセ。カエセ。カエセ。カエセ。カエセ。カエセ。カエセ。カエセ。カエセ。 本体から分かれた腐毒の肉。母艦の号令に呼応してそれらの細胞が深海棲艦として変貌し、奈落から這い出る亡者の如く次々と塊から唸り声を上げて這い出てくる。 この時、この戦場に戯画めいた兵力が現出した。 その総数、数万。 ほとんどが駆逐艦イ級であったが中には軽巡洋艦、潜水艦、補給艦、練習艦、軽空母がいて、それらは塊のまま陸へと進軍を開始した。 本聖杯戦争最初にして最大の大戦争が今、火蓋を切ったのだ。 突然現れたサーヴァントステータスのあまりに情報量にマスター達は軽く吐き気を催した。そして、次に展開された悪夢のような光景に実際吐いた者もいた。 本体より分かれた小さな山は総数の十分の一程度に過ぎないが、それでも数千を越える深海棲艦が存在する。無論、彼女たちは陸で速度を出すどころかまともな前進すままならない。 だが、魔業を負った彼女らはそれを可能とする。同胞を踏み潰し、飛び散ったオイルや溶解した肉片が大河となり、その上を進み始めたのだ。 自分等こそが人類を滅ぼすモノであると自負するように踏み潰されるモノも、踏み潰すモノも汚泥を爆発させ、一心不乱に街へと迫ってくる。 彼女らのオイルや遺骸、排煙(こきゅう)すら腐毒の塊であるゆえ地上のものは溶解し、硫黄や水銀混じりの汚汁となったそれらが深海棲艦の屍山血河と混ざって溢れ出す。 ──────地獄だった。 比喩ではない。この世に存在した如何なる戦場よりも毒気と悪意に溢れている。 潰れた深海棲艦が積まれた賽の河原。魔毒に満ちた三途の毒河。塩基性の悪臭が立ち込め、亜硫酸ガスが空気を塗りたくる。 此処こそが現界した公害地獄そのものである。 ヘドラから伸びる三つの河の進出を止めるべくいくつかの主従が動いているが、相手は数千。移動だけで数百から二千以上を消費し、また一山いくらの雑魚の群れで構成されているとはいえ、それでも質を凌駕する数だった。 だが、魔艦隊の勢いそれだけに留まらない。 奮戦する英霊(にんげん)達を嘲笑うかのように中央本体の大塊からそれぞれの塊に一体ずつ、完全人型の深海棲艦が投入された。 汚泥の大河を滑り、或いは同胞を踏み砕きながら移動するそれらは深海棲艦最高戦力であり魔艦隊の大隊長。 蒼騎士(ペイルライダー)の前に存在する白(アルベド)、赤(ルベド)、黒(ニグレド)の騎士である。 BACK TOP NEXT - 【1日目】 第一戦局点 永孤軍拡要塞 レッドライダー
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販売期間 2015年8月1日(土) ~ 2016年1月1日(金) 10 59 ★5 衣装 氷の学生帽 マダラ氷杭ガール 氷マダラ 画像 ★4 衣装 運命の月夜 蒼 運命の月夜 紅 運命の月夜 金 画像 衣装 魂狩りのマスク 蒼 魂狩りのマスク 紅 七つ鎌狩り 漆黒 七つ鎌狩り 紅 画像 衣装 ミス・ハッピーエンド 紫 ミス・ハッピーエンド 赤 書き手の思う様 水 書き手の思う様 赤 画像 ★3 衣装 臨界ヘッドフォン 青 臨界ヘッドフォン 赤 ★4 薔薇少女ヘアピン 画像 合成後 衣装 情報統制ニュリーウス 青 情報統制ニュリーウス 赤 ★4 千紅の魔剣 画像 合成後 衣装 思考回路の渦中 青 思考回路の渦中 赤 ★4 茨と紅の薔薇 画像 合成後 ★2 衣装 世闇の目隠し 白 世闇の目隠し 赤 世闇の目隠し 紫 世闇の目隠し 黒 世闇の目隠し 灰 画像 衣装 操闇の少女 青 操闇の少女 赤 操闇の少女 紫 操闇の少女 緑 操闇の少女 黄 画像 衣装 熔け焦げる 黒 熔け焦げる 赤 熔け焦げる 紫 熔け焦げる 緑 熔け焦げる 白 画像
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+ 目次 コダマ シキガミ ジヌシガミ ズイシン トシガミ カミ Kami カミとは神代の昔に神々によって作成された太古の、神秘的な、この世のものならざる精体である。本来は自衛手段のない自然の一部用の守護者を意図されていたが、カミは目を瞠るほどの適応性を見せた。自然の在り方の変化につれ、カミも変わっていった。 カミには八百万の種類がある――理論上、動物、植物、事物、あるいは場所それぞれは、その分類に対応しているカミに保護されうる。それらはまとめてカミの「宿り主」と呼ばれており、小さな子供を世話しようと考える人間のように、カミの息がかかっている。実際には、カミの数よりも宿り主の方がずっと多い。つまり、カミは例外なく自己複製して自身の影響を拡大しようとする――カミが増えれば、守護という利益を受ける宿り主も増える。従って、カミの影響は通常自然界の特定の地域に及ぼされている――カミはまだ被造物全てを守護できるほどに数があるわけではない。 カミを目録化し分類するにあたっての難事として、カミの種族と宿り主の種類の関連性が意味不明な点がある。例えばジヌシガミはあらゆる種類の土地に関連するカミの種族であり、コダマは特定の木々の守護に格別の関心を持つ。カミにとってはこれらの気まぐれな類別は全く道理に適っているが、彼らが他者にその理由を説明しようという試みは通常聞き手を混乱させ、カミ自身の鬱憤を溜まらせる。しかしながら連綿と続けられていることは、カミのサイズと彼の宿り主の重要性との関連性の維持である。短刀、フロッグ、あるいは小石とずっと結びついているカミは普通極めて小さく人目を引かず、一方で山、赤杉、あるいはエレファントと結びついたカミはそれに比例してより大きくより強力になるだろう。勿論、そこかしこに例外はあり、そして苛ついた学者たちは時に、神々自身が学者の論理と憤懣のためだけにそうした法則を変えているのではないかと冗談交じりに疑うこともある。 カミは自発的に発現した精として、あるいは特に高貴なる魂の転生として存在している。自然の要素を守護するために死んだクリーチャーの魂は特にカミとして命を取り戻すことが多い。後者において、カミの多くは故郷を守っている間に非業の死を遂げたレンジャーあるいはドルイドか、生前は自然の平穏の中で瞑想していたモンクの魂が目覚めたものである。しかしながら転生しても生前の記憶を保っているカミはほとんどおらず、そして彼らの姿形は以前の肉体とは似ても似つかぬものになる。かつての生のことを思い出す極稀なカミは、ただの宿りガミを超える可能性が極めて高い――そうしたカミは時にクラス・レベルを持ち、極めて強力に成長する。 カミは固定化した姿に囚われた魂ではなく姿を変え続ける精として存在している。その大半は1つの木、石、あるいはうねる川を見続けるために存在しており、昆虫1匹以上の影響を世界に与えることもできない。カミは存在している間の大部分において宿り主と融合している――その姿において、カミは世界と交流する能力を完全に失うが、周囲は容易に観察できる。事物、植物、動物、あるいは場所にカミが宿っているかどうかを判断する信頼できる手段はないため、カミが一般的に見られる地で暮らす、あるいはそこを旅する者は、概して万物にカミが宿っていると見做している。カミ様がいらっしゃるという信仰は、カミの宿るものの守護において時に最重要となるため、カミがその考えに口を出すことはほとんどない。 カミは全て物理的な姿を取れる。大抵はどこかその宿り主に似ているが、ここでも常にそれが当てはまりはしないことが、しつこく学者たちを当惑させ苛つかせている。カミが物理的な姿をとった時、それは必ずまず瞬間移動したかのように突然宿り主の隣に現れる。しかしながらカミにとって、姿を現すことは無作法である――多くのカミは木の裏などに隠れながら肉体を発現し、そして足を踏み出して話したい者に姿を見せる。 カミは概して平和的な種族であり、友好的なフェイや他の自然環境に棲む魔法的な生物と共に暮らしている。この高貴なる精は自発的に土地を死ぬまで守り続けるため、ドライアドやトリエントはカミと極めて良好な仲間になることが多い。より破壊的で厄介なフェイはカミに歓迎されず、カミは自然の力そのものを使ってその邪魔な侵入者を跡形もなく消す。しかしながらオニほどカミに憎悪されているクリーチャーは他にないため、カミの平和的な本性はオニと対面する時にこれ以上なく素早く消え去る。カミはオニを自然界の汚染者であり、目的と行動が自然の精のそれらと真っ向から対立するモンスターであると見做している。オニがカミに守られている地で見られた時、カミ全てはその侵入をお互いに注意し合い、その闇の存在を見つけ出すために隊を組む。道徳を失った時にカミはオニになる危険があるという事実が、この憎悪の理由の大部分を占めている――本質的に、カミはオニをカミ族の失敗と恥の臨界点の証と見做している。 カミが悪であることは稀だが、彼らは何を置いても宿り主に守護をかける。時にその守護は他のクリーチャーから宿り主を孤立させ、結果として多くの者がカミを最高の厄介者であり、明白な最悪のモンスターであると見なしている。勿論カミ以外から宿り主がどう見られているかをカミが気にすることは皆無である――カミにとって重要なことは宿り主の安全だ。 最も強力なカミガミはカミ・ロードとして知られている。これらの神秘的で唯一無二のクリーチャーたちは途轍もなく強力であり、時に半神あるいは上級神格とさえ比肩できる。 カミ:コダマ Kami, Kodama この小さな緑色の人の姿は身長たった3フィートしかない。その顔は、両目に相当する部分に2つ穴がある以外はのっぺらぼうだ。 コダマ 脅威度5 Kodama 経験点1,600 N/小型サイズの来訪者(カミ、原住) イニシアチブ +1; 感覚 暗視60フィート;〈知覚〉+11 防御 AC 18、接触14、立ちすくみ15(+2回避、+4外皮、+1サイズ、+1【敏】) hp 51(6d10+18);高速治癒3 頑健 +10、反応 +6、意志 +4 DR 5/冷たい鉄; 完全耐性 出血攻撃、[精神作用]効果、石化、(ポリモーフ); 抵抗 [酸]10、[電気]10、[火]10; SR 16 攻撃 移動速度 30フィート 近接 爪(×2)=+9(1d3+2) 特殊攻撃 急所攻撃+2d6、散漫化の凝視 擬似呪文能力 (術者レベル6;精神集中+9) 回数無制限:スピーク・ウィズ・プランツ(木々のみ)、ツリー・シェイプ 3回/日:エンタングル(DC14)、チャーム・アニマル(DC14)、ツリー・ストライド(自身に加え50ポンドまでの物体のみ) 一般データ 【筋】14、【敏】13、【耐】16、【知】11、【判】14、【魅】17 基本攻撃 +6; CMB +7; CMD 20 特技 《頑健無比》、《強打》、《素早い移動》 技能 〈隠密〉+14、〈真意看破〉+11、〈生存〉+11、〈脱出術〉+10、〈知覚〉+11、〈登攀〉+11 言語 共通語;スピーク・ウィズ・プランツ、テレパシー100フィート その他の特殊能力 宿り(神奈備の木)、宿り主との合一 生態 出現環境 気候問わず/森林 編成 単体、2体、集団(3~7)、または木立(8~16) 宝物 標準 特殊能力 散漫化の凝視(超常)/Distracting Gaze 1d4ラウンドよろめき状態、30フィート、意志・DC16・無効。これは[精神作用]効果であり、そしてコダマが影響を与えたいと思い、かつコダマを目視できる者たちに影響を与える。セーヴDCは【魅力】に基づく。 その自然との調和によってドルイドとレンジャーに崇められているコダマは木のカミとして知られており、神奈備の守護者である――彼らは植えられた、あるいは文明圏で育った木々は守護しない。(そうした木々はされるとすれば異なるカミに守護される。)コダマは1本の木を守護下に置く;概して、コダマたちに守護されている森の木々全てはある特定の場所に密集している。 物理的な姿をとったコダマは半球型の起伏のない頭をした、裸の人型クリーチャーに似ている。木のカミは身長3フィート、体重60ポンド。木よりも大きなこのカミを想像する者がいるかもしれないが、森は無数の木々からなるという事実は、単一の木が持つ単一の「存在」を縮小させる傾向にある。しかしながらその木が特に古く巨大であるなら、コダマもそれに従い大きくなる――そうした稀なコダマのデータは、ここにあるコダマにいくつかのヒット・ダイスを与えサイズを上昇させることで生成できる――理論上、20ヒット・ダイスを超える超巨大コダマはこの世界のどこかに存在しうる。しかしながら全てのコダマが種族ヒット・ダイスを得ることで力を増していくわけではなく、代わりにクラス・レベルを得ることで進歩していく者もおり、特にドルイドのレベルが多いが、ごく少数の――通常の彼の種族よりも秩序だち洗練された精神を持つ――コダマ種はモンクの道に進む。 コダマは多くのカミよりも訪問者に対する好奇心が強く、時に物理的な肉体の姿を発現して木立への新参者を観察だけする。コダマは通常自身の木の遠くか茂みの陰で発現し、ゆっくりと進んでその気が散る虚ろな目で静かに観察する。その凝視は気力をなくさせるほど酷いものだ。その超常効果を受けた者は時にその凝視から感じた印象について異なる描写をする(恥、恐れ、好奇心、楽しみ、そして苛立ちが最も一般的な反応である)が、最終的な結果は全て同じである。好奇心旺盛なコダマの観察を受けている間に、カミの注目によって散漫になることもなく行動を続けられる者は少ない。 カミが(概して自身の木や他のカミを守る為に)戦わなければならない時、このカミは素早く動く――コダマは集団で最適の行動をし、そして単独で立ち向かう時はツリー・ストライドを使用して森の他の箇所へと飛び、故郷を守る手伝うをするよう仲間たちの小さな集団を起こす。 カミ:シキガミ Kami, Shikigami この小さな、雑に彫られた外套を着た男の石像は表面には輝く古の文字が走っている。 シキガミ 脅威度2 Shikigami 経験点600 LN/超小型サイズの来訪者(カミ、原住) イニシアチブ +1; 感覚 暗視60フィート;〈知覚〉+11 防御 AC 15、接触13、立ちすくみ14(+2外皮、+2サイズ、+1【敏】) hp 19(3d10+3);高速治癒2 頑健 +4、反応 +2、意志 +8 DR 5/冷たい鉄; 完全耐性 出血攻撃、[精神作用]効果、石化、(ポリモーフ); 抵抗 [酸]10、[電気]10、[火]10 攻撃 移動速度 30フィート 近接 代用武器=+4(1d4+2/×3) 遠隔 代用武器=+6(1d3+2/×3) 接敵面 2・1/2フィート; 間合い 0フィート 擬似呪文能力 (術者レベル6;精神集中+8) 回数無制限:インヴィジビリティ(自身のみ)、スタチュー(自身のみ) 3回/日:ハイド・フロム・アニマルズ、ピュアリファイ・フード・アンド・ドリンク 1回/週:コミューン・ウィズ・ネイチャー(術者レベル12) 一般データ 【筋】8、【敏】13、【耐】12、【知】11、【判】17、【魅】14 基本攻撃 +3; CMB +2; CMD 11 特技 《鋭敏感覚》、《代用武器の巧み》(B)、《鋼の意志》、《万能投擲術》(B) 技能 〈隠密〉+15、〈真意看破〉+11、〈生存〉+9、〈知覚〉+11、〈知識:自然〉+6、〈治療〉+9 言語 共通語 その他の特殊能力 代用武器体得、宿り(ちょっとした文明の工芸)、宿り主との合一 生態 出現環境 気候問わず/地形問わず 編成 単体、2体、または徒党(3~8) 宝物 標準 特殊能力 代用武器体得(変則)/Improvised Weapon Mastery シキガミは《代用武器の巧み》と《万能投擲術》をボーナス特技として得、そしてそのような武器による攻撃でダメージの一撃を与えるに際し超常的なまでに幸運になるようで、代用武器によってなされるダメージに【筋力】修正値の代わりに【魅力】修正値を加える。シキガミは超小型ではあるが、近接武器で隣接する敵を攻撃する時に機会攻撃を誘発しない。シキガミが代用武器でクリティカル・ヒットした場合、×3のダメージを与える。シキガミは代用武器に習熟している。 シキガミは最も劣ったカミであるが、その低い能力を忠義と武勇で補っている。他の知名度の高いカミの種類とは異なり、シキガミは自然の地よりも田舎や都市の土地にいることの方が多い。これらのカミはちょっとした文明の工芸――一里塚、道標、小さな塞の神、そして他の人造の比較的粗雑な芸術品――の守護者である。 このカミの種族と関わりがある宿り主は幅広くあるため、同じ外見のシキガミは2つとしてない。シキガミは全て宿り主との合一能力を持つが、これらのカミは物理的な姿をとって時を過ごすことも好み、不可視あるいは小さな石像の姿で宿り主を観察する。戦闘では、シキガミは見つけた物を手にして戦う。どちらかと言うと弱いが、これらの代用武器は本来よりも強く当てる不可思議な特性を持つ。 シキガミは他のカミと同様に友好的で好奇心旺盛だが、自然の活力を崩壊させる理想によって汚染されたと見做した地を去るのは素早い。そうする時、彼らは通常自身の宿り主を持ってゆく。彼らは環境を汚す人型生物と交戦することはないが、シキガミたちの不在はそれを見た村人たちの士気に激しい衝撃を与える。シキガミが離れると、この小さなカミの機能を知っている町の役人はシキガミと人々の関係を取り戻し、最低でもその共同体がより強力でより能動的なカミの不興を買わないよう、即座に共同体の政策をより自然主義的な考えを反映したものに変える。 シキガミは概して身長2フィート、体重30ポンドであり、石像形態では50ポンドになる。術者がシキガミの使い魔を得るには《上級使い魔》特技、秩序にして中立の属性、そして秘術の術者レベル7以上を持たなければならない。シキガミが使い魔になった時、シキガミは自身の主人を宿り主とする。 カミ:ジヌシガミ Kami, Jinushigami この石と植物が融合した巨体は、同様に巨大な杖へと寄りかかっている老人の姿をしている。 ジヌシガミ 脅威度20 Jinushigami 経験点307,200 N/巨大サイズの来訪者(カミ、原住、地) イニシアチブ +11; 感覚 暗視60フィート、振動感知60フィート、トゥルー・シーイング;〈知覚〉+38 防御 AC 34、接触14、立ちすくみ26(+1回避、+20外皮、-4サイズ、+7【敏】) hp 348(24d10+216);高速治癒20 頑健 +25、反応 +17、意志 +23 DR 15/冷たい鉄および殴打; 完全耐性 出血攻撃、[精神作用]効果、石化、(ポリモーフ); 抵抗 [酸]10、[電気]10、[火]10; SR 31 攻撃 移動速度 50フィート、穴掘り40フィート;地潜り 近接 +5クオータースタッフ=+32/+27/+22/+17(3d6+14)、+5クオータースタッフ=+32(3d6+9)または 叩きつけ(×2)=+29(2d10+9) 接敵面 20フィート; 間合い 20フィート 擬似呪文能力 (術者レベル20;精神集中+30) 常時:ストーン・テル、スピーク・ウィズ・アニマルズ、スピーク・ウィズ・プランツ、トゥルー・シーイング 回数無制限:ウッド・シェイプ、ストーン・シェイプ、ディテクト・ソウツ(DC22)、グレーター・テレポート(自身のみ、宿り主の境界の内側のみ) 3回/日:アースクウェイク(DC28)、コントロール・プランツ(DC28)、サモン・ネイチャーズ・アライIX、ヒール、リペル・メタル・オア・ストーン 1回/日:トゥルー・リザレクション 一般データ 【筋】28、【敏】25、【耐】28、【知】23、【判】24、【魅】31 基本攻撃 +24; CMB +37(蹴散らしと突き飛ばし+39); CMD 55(対突き飛ばしおよび対蹴散らし57) 特技 《イニシアチブ強化》、《鋭敏感覚》、《回避》、《頑健無比》、《強打》、《蹴散らし強化》、《神速の反応》、《戦闘発動》、《突き飛ばし強化》、《二刀流》、《鋼の意志》、《迎え討ち》 技能 〈威圧〉+34、〈隠密〉+22、〈軽業〉+31(跳躍+39)、〈交渉〉+34、〈呪文学〉+33、〈真意看破〉+38、〈生存〉+31、〈知覚〉+38、〈知識:自然〉+33、〈知識:地理〉+33、〈治療〉+34、〈はったり〉+37 言語 共通語、地界語;スピーク・ウィズ・アニマルズ、スピーク・ウィズ・プランツ、ストーン・テル、テレパシー300フィート その他の特殊能力 横溢のクオータースタッフ、地形操作、宿り(地域)、宿り主との合一 生態 出現環境 気候問わず/地形問わず 編成 単体 宝物 ×3 特殊能力 横溢のクオータースタッフ(超常)/Infused Quarterstaff ジヌシガミの持つクオータースタッフはどれでも(そのクオータースタッフが既により大きな強化ボーナスを持っていない限り)+5クオータースタッフとして機能する。ジヌシガミがその地域の宿り主の内側にいる場合、ジヌシガミは標準アクションとして周囲の地形から巨大サイズ用のクオータースタッフを作成できる。 地形操作(超常)/Manipulate Terrain ジヌシガミは縄張り内の好きな数のクリーチャーの移動を助けられる。この方法で援護されたクリーチャーは〈生存〉判定に+10のボーナスを受け、道の有無に関わらず、そして実際に移動する地形の種類に関わらず、地形による、あるいは街道、道、踏み分け道がないことによる野外移動の減少を受けない。また、ジヌシガミは好きな数の旅するクリーチャーにとって地形をより困難にすることもでき、あらゆる〈生存〉判定に-10のペナルティを与え、野外移動を通常の速度の1/10にする。ジヌシガミはこの能力で望む数のクリーチャーに対して、ジヌシガミがそのクリーチャーに気付いていてそのクリーチャーが土地という宿り主にいる限り、援護するか邪魔するかをそれぞれ選択して影響を与えられる。ジヌシガミはこの能力を宿り主との合一をしている間使用できる。 宿り(超常)/Ward ジヌシガミはその地域全体を宿り主として扱う。半径が5マイルを超えない1つの森、沼、山、湖、あるいは他の単一の自然的要素を宿り主にできる。全ての土地が半径5マイルを満たすのに十分なほど大きいわけではないためジヌシガミの殆どはより小さな地域の宿り主を持っているが、ジヌシガミでは半径1マイルより小さな地域は手助けできない(あるいは役不足だ)。(合一していようと物理的な姿であろうと)その縄張りの内側にいる限り、自身が何処にいようとジヌシガミはその地域という宿り主の好きな地点からこの世界を観察できる。宿り主と合一している間、ジヌシガミはこの方法であらゆる場所を同時に観察できる。標準アクションで、ジヌシガミは自身の宿り主の内側にいるクリーチャーについての情報(実質的にはその外見と正確な位置)を地域という宿り主の内側にいるカミ全てに伝達できる。 山、湖、森といった大自然の驚異の守護者であるジヌシガミ(ランド・カミとしても知られる)は全てのカミの中で最も強力で最も崇められており、まさに自然そのものの力に命令することで宿り主の安全を確保する。こうした重要な精たちは他の多くのカミから最も崇拝を集めており、カミたちと他の彼らの縄張りで暮らす原住クリーチャーたちに大きな影響を与えている。ジヌシガミは土地の中に留まり隠れる傾向があるが、環境と深く結びついていることが自然を傷つけようとする者の中でジヌシガミを優先順位の高い目標にしている。 ジヌシガミに守られている土地に足を踏み入れる異邦人はこの強力な精のクリーチャーの怒りを買わないようよく忠告される。不快を感じたジヌシガミは踏み分けを消し去り、地形の輪郭を捩じ曲げ、旅人に理不尽に過酷な旅を強要する。ジヌシガミという巨人たちが自身の成果を汚そうとする者を我慢することはほとんど無く、ジヌシガミの最初の警告を聞き取れなかった攻撃者は土地そのものおよび上位のカミあるいは雲突くジヌシガミと対面することによって、すぐにこのカミがどれほどの力を持つかを知ることになる。勿論、ジヌシガミに敬意を払う者たちは、下生えを減らし川の流れを変え他の細かではあるが旅人にとっては信じられないような変更によって通行を容易にしてくれるという、このカミの他の面も知っている。 ジヌシガミは上古からいる賢者であり、領土に足を踏み入れた者は疑わしいからといって罰しない。自然の構造と繋がりに対する破壊の意図を持っていると分かった者に対してのみジヌシガミは暴力を以って対応する。勿論、オニのようなカミと真っ向から対立する勢力に連携する者が友好的な時間を得ることはなく、そしてジヌシガミは大抵の叛意を知覚でき、疑わしい訪問者がジヌシガミの地を通っているのを感知し、こっそりと追跡し近くで観察する。 ジヌシガミは体長38フィートであり、体重は30,000ポンドを超える。物理的な姿を発現した時、彼らは土と石と草でできた不恰好な人型の姿をしており、時折帽子や宝石といった人の影響を変に受けていることもある。 神代のジヌシガミ Elder Jinushigami カミ全ての中でランド・カミは最も古く、最も強力であるが、これらの巨大な来訪者たちの間にも力の差異はある。新しく形作られたジヌシガミは上記のようなデータを持つが、ジヌシガミは伝説の増加と守る場所の知名度の高まりとともにより強力になってゆく。例えば、山脈の一部のジヌシガミは威容を誇るが、山脈の最高峰を含む土地のジヌシガミはより圧巻だ。 ジヌシガミがこの力強さを得た時、彼は神代のジヌシガミとして知られるようになる。神代のジヌシガミは通常超巨大のクリーチャーであり、そして28より少ないHDを持つ者は皆無である――大半は脅威度22から25の間であるが、正確な詳細は変わる。神代のジヌシガミは典型的なジヌシガミのそれよりも広い範囲を宿り主として覆えるが、通常はその半径は神代のジヌシガミの持つCRにつき1マイルである。神代のジヌシガミはまた世界における自身の役割をより反映した擬似呪文能力を得る。以下はそのいくつかの例である。 グレイシャー・カミ:山を削り極地の海岸を横断するような広大な氷河と結びついたこの神代のジヌシガミは、氷の塊でできた人型の姿をしている。こうしたカミは(地)の副種別の代わりに(冷気)の副種別を持ち(そして[冷気]に対する完全耐性と[火]に対する脆弱性を持ち)、コーン・オヴ・コールドおよびウォール・オヴ・アイスを1日に3回擬似呪文能力として使用できる。 グレート・リーフ・カミ:歳経た大きな珊瑚の海岸を領地に持つこの神代のジヌシガミは海藻を纏った生きた珊瑚でできた人の形をしている。グレート・リーフ・カミは(地)の副種別の代わりに(水)の副種別を持ち、そして(水棲)の副種別(および水陸両生の特殊性質)と水泳移動速度60フィート、1日に1回ツナミを擬似呪文能力として使用する能力を得る。 マウンテン・カミ:神代のジヌシガミの宿り主に、ある山脈や地域の中で最も高い頂が含まれている時、彼はフレッシュ・トゥ・ストーンおよびウォール・オヴ・ストーンをそれぞれ1日に3回使用する能力を得る。 ヴォルケイノ・カミ:活火山を宿り主に含めている神代のジヌシガミは硬い石と融解した岩でできた人の形をしている。ヴォルケイノ・カミは(地)の副種別の代わりに(火)の副種別を持ち(そして[火]に対する完全耐性と[冷気]に対する脆弱性を得)、1日に3回擬似呪文能力としてファイアーボールを使用でき、そして1日に1回擬似呪文能力としてウォール・オヴ・ラヴァを使用できる。 カミ:ズイシン Kami, Zuishin その精巧な鎧兜を纏った者は、信念を持つ半透明の戦士の姿をしている。 ズイシン 脅威度10 Zuishin 経験点9,600 LG/中型サイズの来訪者(カミ、原住) イニシアチブ +9; 感覚 暗視60フィート、シー・インヴィジビリティ、ディテクト・イーヴル;〈知覚〉+20 防御 AC 23、接触13、立ちすくみ20(+4外皮、+3【敏】、+6鎧) hp 123(13d10+52);高速治癒5 頑健 +8、反応 +13、意志 +14 DR 10/冷たい鉄; 完全耐性 出血攻撃、[精神作用]効果、石化、(ポリモーフ); 抵抗 [酸]10、[電気]10、[火]10; SR 21 攻撃 移動速度 飛行30フィート(完璧、鎧なし・40フィート) 近接 +1ホーリィ・ハルバード=+18/+13/+8(1d10+7/×3) 遠隔 +1ホーリィ・コンポジット・ロングボウ=+20/+15/+10(1d8+5/×3) 特殊攻撃 治癒の矢、祓除の矛 擬似呪文能力 (術者レベル13;精神集中+18) 常時:シー・インヴィジビリティ、ディテクト・イーヴル 回数無制限:キュア・ライト・ウーンズ、ディメンジョン・ドア 3回/日:アラーム、ディスペル・マジック、ニュートラライズ・ポイズン、ブレス・オヴ・ライフ、リムーヴ・カース、リムーヴ・ディジーズ、レストレーション 1回/日:ディスペル・イーヴル(DC20)、トゥルー・シーイング、ヒール 一般データ 【筋】18、【敏】21、【耐】18、【知】11、【判】18、【魅】21 基本攻撃 +13; CMB +17; CMD 32(足払いされない) 特技 《イニシアチブ強化》、《近距離射撃》、《精密射撃》、《精密射撃強化》、《速射》、《鋼の意志》、《武器熟練:ロングボウ》 技能 〈威圧〉+18、〈隠密〉+18、〈真意看破〉+20、〈知覚〉+20、〈知識:自然〉+16、〈治療〉+20、〈飛行〉+10 言語 共通語;テレパシー100フィート その他の特殊能力 宿り主との合一、宿り(門、扉、あるいは神社) 生態 出現環境 気候問わず/地形問わず 編成 単体、2体、または戦闘集団(3~8) 宝物 ×2(+1コンポジット・ロングボウ[【筋】+4]、+1ハルバード、高品質のブレストプレート、その他の宝物) 特殊能力 治癒の矢(超常)/Healing Arrow 即行アクションで、ズイシンは射るアローに以下の効果から好きなもの1つ以上を吹き込める:ブレス・オヴ・ライフ、キュア・ライト・ウーンズ、ヒール、ニュートラライズ・ポイズン、リムーヴ・カース、リムーヴ・ディジーズ、あるいはレストレーション。これらの効果1つの使用は、該当する擬似呪文能力を1回使用する。ズイシンはその効果をもたらすために目標に対する1回の接触攻撃を成功させなければならない――目標はこのアローによるダメージを受けない。 祓除の矛(超常)/Holy Weapons ズイシンの持つ武器はどれでもホーリィの特殊性質を持つものとして扱われる。ズイシンは手に持つボウでの攻撃の一部として虚空からアローを作成できる。 カミはオニの敵ではあるが、ズイシンほど熱意のある者はいない。シュライン・カミとしても知られるズイシンは門、扉、祭殿、あるいは鳥居を宿り主にし、そうした門扉の尊敬を確実なものにする。ズイシンは多くの武器を使用できるが、ボウを好む傾向がある。ズイシンは自身の武器に細心の注意を払って扱い、武器を自身の延長と見做す。自発的にボウを捨てることは決してない;武器をなくしたり破壊された場合、ズイシンは新たなそれをひと月以内に作成できる。 ズイシンは他のカミに敬意を持って接し、常に自発的に助けの手を差し伸べる。カミ以外のクリーチャーはズイシンの助けを得る前にまず彼の信頼を得なければならず、そしてそれはそのカミの守る門扉を礼拝するか、あるいは木の枝や小さな自然の小物などを捧げ物として奉納することでなされる。 ズイシンは鎧兜を着て輝く武器を持った、半透明な戦士として発現する。彼らは身長5フィート、体重120ポンド。 カミ:トシガミ Kami, Toshigami この奇妙にも美しい老婆は全身が花々、樹皮、そして枝角で構成されている。 トシガミ 脅威度15 Toshigami 経験点51,200 NG/中型サイズの来訪者(カミ、原住) イニシアチブ +10; 感覚 暗視60フィート、デスウォッチ、トゥルー・シーイング;〈知覚〉+25 防御 AC 30、接触20、立ちすくみ22(+10外皮、+2回避、+2洞察、+6【敏】) hp 210(20d10+100);高速治癒10 頑健 +11、反応 +23、意志 +16 DR 10/冷たい鉄および悪; 完全耐性 出血攻撃、[精神作用]効果、石化、(ポリモーフ); 抵抗 [酸]10、[電気]10、[火]10; SR 26 攻撃 移動速度 60フィート(ヘイスト未使用時30フィート)、飛行90フィート(良好、ヘイストがない場合60フィート) 近接 +2クオータースタッフ=+24/+24/+19/+14/+9(1d6+4、加えて“歳月の接触”)、+2クオータースタッフ=+24/+19/+14(1d6+3、加えて“歳月の接触”)または接触=+23(“歳月の接触”) 擬似呪文能力 (術者レベル20;精神集中+27) 常時:スピーク・ウィズ・プランツ、デスウォッチ、トゥルー・シーイング、フォアサイト、フライ、ヘイスト 回数無制限:キュア・モデレット・ウーンズ、ツリー・シェイプ(桜の木のみ)、ツリー・ストライド(自身に加え50ポンドまでの物体のみ) 3回/日:スロー(DC20)、グレーター・レストレーション 1回/日:ウェイヴズ・オヴ・イグゾースチョン、タイム・ストップ、フィンガー・オヴ・デス(DC24) 一般データ 【筋】15、【敏】22、【耐】20、【知】15、【判】14、【魅】25 基本攻撃 +20; CMB +26; CMD 42 特技 《イニシアチブ強化》、《回避》、《軽妙なる戦術》、《上級二刀流》、《神速の反応》、《二刀流》、《二刀流強化》、《鋼の意志》、《武器熟練:クオータースタッフ》、《迎え討ち》 技能 〈隠密〉+29、〈交渉〉+30、〈真意看破〉+25、〈生存〉+25、〈知覚〉+25、〈知識:自然〉+25、〈治療〉+25、〈はったり〉+30、〈飛行〉+20 言語 共通語;スピーク・ウィズ・プランツ、テレパシー100フィート その他の特殊能力 宿り(桜の木)、宿り主との合一 生態 出現環境 気候問わず/地上 編成 単体 宝物 標準(+2クオータースタッフ、その他の宝物) 特殊能力 歳月の接触(超常)/Touch of Ages トシガミが接触攻撃あるいは近接武器で目標に命中する時、その目標は魔法的な時間変化を避けるためにDC27の頑健セーヴに成功しなければならない。トシガミが敵を打つ時、彼は目標の年齢を肉体的に増加したいか目標の年齢を精神的に減少させたいかを決定しなければならない。目標の肉体年齢を増加させる場合、目標は1ポイントの【筋力】、【敏捷力】、および【耐久力】吸収を受ける。目標の精神年齢を減少させる場合、目標は1ポイントの【知力】、【判断力】、および【魅力】吸収を受ける。トシガミの多量の攻撃が組み合わされば素早く目標を圧倒できるが、一度でも目標が歳月の接触に対するセーヴィング・スローに成功すれば、その目標は1ラウンドの間この能力の影響を受けない。この効果は魔法的な加齢効果であり、獲物の実際の年齢を本当に変えるわけではない――単に肉体に寄る年波の影響を模倣させるか、精神状態の幼稚さを戻し増加させるだけだ。このセーヴDCは【魅力】に基づく。 ブロッソム・カミとしても知られるトシガミは桜の木と結びついている――特に居住地に生えるものに。時に滅んで長い時が過ぎた京にこうした守護するカミたちが残り、かつてのそのみやこの栄光を思い出させることがある。そうして、トシガミはまた昔日とも結びついている。 苦境に陥ってもおらず彼らの木が傷つけられもしていない時にトシガミが姿を見せることはほとんどない。しかし彼らは定命の者たちを惹きつけ、そして時に定命の者たちと恋愛関係を形成することでも知られている。トシガミは身長5フィート、体重100ポンド。
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整列 【名前】 アサルトウルフプログライズキー 【読み方】 あさるとうるふぷろぐらいずきー 【英語表記】 ASSAULT WOLF 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第14話「オレたち宇宙飛行士ブラザーズ!」 【分類】 プログライズキー/強化アイテム 【使用者】 仮面ライダーバルカン 【詳細】 オオカミの力が入ったシステムデバイス。 オオカミのデータイメージ「ライダモデル」が保存されている。 シューティングウルフプログライズキーの強化版。 滅亡迅雷.netが様々な戦闘データを元に開発した。 起動スイッチのライズスターターを押して起動、 ロック機構のトランスロックシリンダーはライザーなどの関連機器でオーソライズすることでロックが解除され、展開が可能となる。 他のキーにはないアサルトグリップと呼ばれる機器が追加されている。 保安機構ライダレリーフはプログライズキーの展開と連動してオオカミ型のレリーフが完成することで、内蔵されたライダモデルの力を開放する。 更にレリーフ自体が頑強な装甲となっており、プログライズキーの物理的な強度も向上させる。 アサルトウルフクレストは従来のSPシンボルに相当しアサルトウルフの頭部をピクトグラム化している。 エイムズショットライザーなどに装填すると、オオカミの「ライダモデル」を元としたアサルトアクターが変身者の周囲に展開して強化形態のアサルトウルフとなる。 仮面ライダーゼロワン シャイニングアサルトホッパー 「プログライズ! Warning,warning. This is not a test! ハイブリッドライズ! シャイニングアサルトホッパー! No chance of surviving this shot.」 【ライダー名】 仮面ライダーゼロワン シャイニングアサルトホッパー 【読み方】 かめんらいだーぜろわん しゃいにんぐあさるとほっぱー 【変身者】 飛電或人 【スペック】 パンチ力:27.1tキック力:67.7tジャンプ力:ひと跳び78.8m走力:100mを2.9秒 【基本形態】 仮面ライダーゼロワン ライジングホッパー 【強化形態】 仮面ライダーゼロワン シャイニングホッパー 【声/俳優】 高橋文哉 【スーツ】 縄田雄哉 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン(2019年) 【初登場話】 第15話「ソレゾレの終わり」 【詳細】 飛電或人がシャイニングホッパープログライズキー(アサルトグリップ装着)と飛電ゼロワンドライバーを使い変身したゼロワンの強化形態にしてシャイニングホッパーのパワーアップ形態。 プログライズキー内の「ライダモデル」からバッタの力を得た姿で、高い脚力を生かしたスタイリッシュな戦闘攻撃が得意。 頭部はバッタを模しているが例年のライダーと違い、マスクの部位は正面部分にしかない。 シャイニングホッパーから互換性のあったアサルトグリップをプログライズキーに使い、強化変身したもの。 変身時は衛星ゼア、アークからエネルギーが照射される。 全身には特殊装甲のシャイニングアーキテクターが装着される。 更にシャイニングホッパー時になかった装甲アサルトアーキテクターを追加装備している。 シャインシステムを使える。 専用武器は「オーソライズバスター」 必殺技は「」。 武器の必殺技は「バスターボンバー」。 【活躍】 第15話で登場。 第15話では変身だけ。 第16話で仮面ライダー迅と激闘を繰り広げる。 「フォースライズ! フライングファルコン! Break down.」 【ライダー名】 仮面ライダー迅 フライングファルコン 【読み方】 かめんらいだーじん ふらいんぐふぁるこん 【変身者】 迅 【スペック】 パンチ力:9tキック力:30.1tジャンプ力:ひと跳び23.8m走力:100mを4.1秒 【声/俳優】 中川大輔 【スーツ】 永徳 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン(2019年) 【初登場話】 第6話「アナタの声が聞きたい」 【詳細】 迅がフライングファルコンプログライズキーと滅亡迅雷フォースライザーで変身した仮面ライダーの基本形態。 プログライズキー内の「ライダモデル」からハヤブサの力を得た効果により、飛翔滑空能力を持つ。 頭部はハヤブサを模した面が正面に付く。 全身には強化アーマーのアグメントスーツが装着される。 専用武器はなし。 必殺技は「フライングユートピア」。 【活躍】 第6話で登場。 ゼロワンなどと交戦し、逃亡。 同話でヒューマギアの可能性が出てきた。 第16話でゼロワンシャイニングアサルトホッパーとの戦いを演じ倒された。 マグネティックストームブラストフィーバー! アナザー1号 シャイニングアサルトホッパープログライズキー 「同じくイエロー、花織ことは!」 【ヒーロー名】 シンケンイエロー 【読み方】 しんけんいえろー 【声/俳優】 森田涼花 【スーツアクター】 橋口未和 【変身者】 花織ことは 【変身アイテム】 ショドウフォン 【変身コード】 一筆奏上! 【登場作品】 侍戦隊シンケンジャー 【初登場話】 第一幕「伊達姿五侍(だてすがたごさむらい)」 【詳細】 花織ことはがショドウフォンを用いて変身する「侍戦隊シンケンジャー」における「イエロー」の戦士。 メンバーでは最年少だが、 ひたむきでまっすぐな姿勢で、仲間達を勇気づける。 精神的な強さは丈瑠も一目置くところで、剣の素質も高い。 また、「土」属性のモヂカラを操り、奇襲や防御などで幅広く活躍した。 専用装備は 「猿ディスク」 「ランドスライサー」 必殺技は 「シンケンマル 土煙の舞」、「シンケンマル 猿回し」 「ランドスライサー 奮闘土力」 所持する折神は 「猿折神」 【活躍】 情報の記載を求む。 【名前】 シャイニングアサルトホッパープログライズキー 【読み方】 しゃいにんぐあさるとほっぱーぷろぐらいずきー 【英語表記】 SHINING HOPPER 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第15話「ソレゾレの終わり」 【分類】 プログライズキー/強化アイテム 【使用者】 仮面ライダーゼロワン 【詳細】 特殊なシステムデバイス。 シャイニングホッパープログライズキーにアサルトグリップを装着して完成する。 衛星ゼアのパワーアッププランの一種。 アサルトグリップ側の起動スイッチのアサルトチャージャーを押して起動、 ドライバーなどの関連機器でオーソライズすることでロックが解除され、展開が可能となると共にライダモデルの特殊強化「オーバーライズ」が実行される。 ロック機構のコンパウンドロックトランサーはドライバーなどの関連機器でオーソライズすることでロックが解除され、展開が可能となる。 従来のプログライズキーが持つ「トランスロックシリンダー」と比べて安全装置が強化されている。 保安機構ライダレリーフはプログライズキーの展開と連動してバッタ型のレリーフが完成することで、内蔵されたライダモデルの力を開放する。 更にレリーフ自体が頑強な装甲となっており、プログライズキーの物理的な強度も向上させる。 シャイニングホッパークレストは従来のSPシンボルに相当しシャイニングホッパーの頭部をピクトグラム化している。 飛電ゼロワンドライバーなどに装填すると、パワードスーツシャイニングアサルトアーキテクターが変身者の上部に展開して強化形態のシャイニングアサルトホッパーとなる。 【名前】 シャイニングアサルトホッパープログライズキー 【読み方】 しゃいにんぐあさるとほっぱーぷろぐらいずきー 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第15話「ソレゾレの終わり」 【分類】 プログライズキー/強化アイテム 【使用者】 仮面ライダーゼロワン 【詳細】 シャイニングアサルトホッパープログライズキーにアサルトグリップを装着した特殊なシステムデバイス。 アサルトグリップ側の起動スイッチであるアサルトチャージャーを押して起動、 ドライバーなどの関連機器でオーソライズすることでロックが解除され、展開が可能となると共にライダモデルの特殊強化「オーバーライズ」が実行される。 「プログライズダスト!」 【名前】 プログライズダスト 【読み方】 ぷろぐらいずだすと 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第14話「オレたち宇宙飛行士ブラザーズ!」 【分類】 必殺技 【使用者】 仮面ライダーゼロワン など 【詳細】 オーソライズバスター(ガンモード)の必殺技。 バスターオーソライザーにプログライズキーをスキャンし、アタックトリガーを引いて発動。 光線を相手へ撃ち出す。 「プログライズダスト!」 【名前】 プログライズダスト 【読み方】 ぷろぐらいずだすと 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第14話「オレたち宇宙飛行士ブラザーズ!」 【分類】 必殺技 【使用者】 仮面ライダーゼロワン など 【詳細】 オーソライズバスター(ガンモード)の必殺技。 バスターオーソライザーにプログライズキーをスキャンし、アタックトリガーを引いて発動。 光線を相手へ撃ち出す。 「〇〇! エクストリームディーノスラッシュ!」 【名前】 エクストリームディーノスラッシュ 【読み方】 えくすとりーむでぃーのすらっしゅ 【登場作品】 騎士竜戦隊リュウソウジャー 【初登場話】 第38話「天空の神殿」 【分類】 必殺技 【使用者】 ノブレスリュウソウジャー 【詳細】 ノブレスリュウソウジャーの共通必殺技。 リュウソウカリバーに変身用リュウソウル限定で装填し、レバー操作を行って発動。 鋭い斬撃を相手へ繰り出す。 シャイニングホッパープログライズキー 【名前】 シャイニングホッパープログライズキー 【読み方】 しゃいにんぐほっぱーぷろぐらいずきー 【英語表記】 SHINING HOPPER 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第12話「アノ名探偵がやってきた」 【分類】 プログライズキー/強化アイテム 【使用者】 仮面ライダーゼロワン 【詳細】 バッタの力が入ったシステムデバイス。 バッタのデータイメージ「ライダモデル」が保存されている。 何者かがプログラミングしていた強化プランに応じて作成されたライジングホッパープログライズキーの強化版。 起動スイッチのライズスターターを押して起動、 ロック機構のコンパウンドロックトランサーはドライバーなどの関連機器でオーソライズすることでロックが解除され、展開が可能となる。 従来のプログライズキーが持つ「トランスロックシリンダー」と比べて安全装置が強化されている。 また、シャイニングホッパーライダモデルのイグニッションキーとしての役割も持ち、オーソライズの際に発行された一時認証コードを用いる。 変身時には展開したデータネットでライダモデル「シャイニングホッパー」を捕獲、取り込むことで変身待機状態となる。 保安機構ライダレリーフはプログライズキーの展開と連動してバッタ型のレリーフが完成することで、内蔵されたライダモデルの力を開放する。 更にレリーフ自体が頑強な装甲となっており、プログライズキーの物理的な強度も向上させる。 シャイニングホッパークレストは従来のSPシンボルに相当しシャイニングホッパーの頭部をピクトグラム化している。 飛電ゼロワンドライバーなどに装填すると、バッタの「ライダモデル」を元としたパワードスーツシャイニングアーキテクターが変身者の前に展開して強化形態のシャイニングホッパーとなる。 バッタの「ライダモデル」はオンブバッタのような個体「シャイニングホッパー」に変わっている。 第12話ではデータ方面が不完全で、敗北して変身が解除される。 第13話で秘書のイズが他のプログライズキーのデータを使って再調整し完成した。 【名前】 アサルトグリップ 【読み方】 あさるとぐりっぷ 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第14話「オレたち宇宙飛行士ブラザーズ!」 【分類】 強化アイテム 【使用者】 仮面ライダーバルカン仮面ライダーゼロワン 【詳細】 アサルトウルフプログライズキーに装着されたプログライズキー用の特殊モジュール。 キーに保存されているライダモデルを武装特化型として運用するための特殊強化を行う役割を持つ。 キーに装着した状態で操作キーのアサルトチャージャーを押し、キーの起動や必殺技の発動の実行が可能。 アサルトウルフの力を補助している。 更にシャイニングホッパープログライズキーにセットしてアーキテクターシャイニングアサルトホッパーにパワーアップできる。 ゼロワンダスト マグネティックストームブラストフィーバー 「フライングユートピア!(フライングユートピア!)」 【名前】 フライングユートピア 【読み方】 ふらいんぐゆーとぴあ 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第16話「コレがZAIAの夜明け」 【分類】 必殺技/ライダーキック 【使用者】 仮面ライダー迅 フライングファルコン 【詳細】 仮面ライダー迅フライングファルコンの必殺技。 フライングファルコンプログライズキーがセットされた滅亡迅雷フォースライザーのフォースエグゼキューターを2回引いて発動。 エネルギーを蓄積して、キックを相手に放つ。 「バスターボンバー!」 【名前】 バスターボンバー 【読み方】 ばすたーぼんばー 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第16話「コレがZAIAの夜明け」 【分類】 必殺技 【使用者】 仮面ライダーゼロワン など 【詳細】 オーソライズバスター(アックスモード)の必殺技。 バスターライズスロットにプログライズキーを装填し、アタックトリガーを引いて発動。 アックスモードの刃で斬撃を相手へ繰り出す。 仮面ライダーバルカン アサルトウルフ 「ショットライズ! レディーゴー! アサルトウルフ! No chance of surviving.」 【ライダー名】 仮面ライダーバルカン アサルトウルフ 【読み方】 かめんらいだーばるかん あさるとうるふ 【変身者】 不破諫 【スペック】 パンチ力:25.7tキック力:57.8tジャンプ力:ひと跳び32.4m走力:100mを2秒 【基本形態】 仮面ライダーバルカン シューティングウルフ 【声/俳優】 岡田龍太郎 【スーツ】 浅井宏輔 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン(2019年) 【初登場話】 第14話「オレたち宇宙飛行士ブラザーズ!」 【詳細】 不破諫がエイムズショットライザーにアサルトウルフプログライズキー(アサルトグリップ装着時)をセットし変身したバルカンの強化形態。 プログライズキー内の「ライダモデル」からオオカミの力を得た効果により、素早い動きを得意としている。 頭部はオオカミを模しているが例年のライダーと違い、マスクの部位は正面部分にしかない。 同形態は滅亡迅雷.netが保有していたキーで変身しているため、イレギュラーなものである。 全身には強化アーマーのアサルトアクターが装着される。 更にシューティングウルフより装甲が増加している。 未知数の力を持つので、適合していない変身者では多大な負荷がかかる。 専用武器は変身アイテムでもある「エイムズショットライザー」。 使用武器は「オーソライズバスター」。 必殺技は不明。 武器の必殺技は「バスターダスト」。 【活躍】 第14話より登場。 滅亡迅雷.netの持つアサルトウルフプログライズキーを入手することで変身を行う。 仮面ライダー雷と戦うが・・・ 「フォースライズ! Break down.」 【ライダー名】 仮面ライダー雷 【読み方】 かめんらいだーいかづち 【変身者】 宇宙野郎雷電 【スペック】 パンチ力:17.2tキック力:58.6tジャンプ力:ひと跳び25.1m走力:100mを3.7秒 【声/俳優】 山口大地 【スーツ】 神前元 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン(2019年) 【初登場話】 第14話「オレたち宇宙飛行士ブラザーズ!」 【詳細】 宇宙野郎雷電がドードーゼツメライズキーと滅亡迅雷フォースライザーを用いて変身した量産型仮面ライダーの1体。 ゼツメライズキー内の「ロストモデル」からドードーの力を得ている。 無意識下だったが滅亡迅雷.netのメンバー「雷(いかづち)」という存在でもある。 ドードーマギアのノウハウから超進化した個体。 頭部はドードー鳥を模した面が正面に付く。 全身には滅や迅のものとは違うラザロテックスーツというベーススーツを纏う。 専用武器は「ヴァルクサーベル」。 必殺技は「ゼツメツディストピア」、「ゼツメツユートピア」。 【活躍】 第14話で登場。 【余談】 演じる山口大地氏は『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』で仮面ライダーベルデというライダーに変身している。 【名前】 ドードーゼツメライズキー 【読み方】 どーどーぜつめらいずきー 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第7話「ワタシは熱血ヒューマギア先生!」 【分類】 特殊アイテム 【使用者】 仮面ライダー雷 など 【詳細】 ドードーの力が入ったシステムデバイス。 ドードーのデータイメージ「ロストモデル」が保存されている。 起動スイッチのゼツメスターターを押して起動。 本来はドードーマギアを生み出すアイテムだが、一定量のデータを得ることで第14話の時点で新しい力を持つ。 それにより滅亡迅雷フォースライザーに装填すると、ドードーの「ロストモデル」を元としたラザロテックスーツが変身者の周囲に展開して仮面ライダー雷となる。 「ショットライズ! シューティングウルフ!」 【ライダー名】 仮面ライダーバルカン シューティングウルフ 【読み方】 かめんらいだーばるかん しゅーてぃんぐうるふ 【変身者】 不破諫 【スペック】 パンチ力:10.5tキック力:27tジャンプ力:ひと跳び16.2m走力:100mを2.9秒 【フォームチェンジ】 仮面ライダーバルカン パンチングコング 【強化形態】 仮面ライダーバルカン アサルトウルフ 【声/俳優】 岡田龍太郎 【スーツ】 浅井宏輔 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン(2019年) 【初登場話】 第2話「AIなアイツは敵?味方?」 【詳細】 不破諫がエイムズショットライザーにシューティングウルフプログライズキーをセットし変身したバルカンの基本形態。 プログライズキー内の「ライダモデル」からオオカミの力を得た効果により、素早い動きを得意としている。 高速で疾走することに適したバルキリーラッシングチーターと大まかなシステムは共通しているが、 シューティングウルフプログライズキーのデータを反映させたバルカンは安定した態勢からの射撃による命中精度に特化し、相手の懐に素早く潜り込むバルキリーを後方から援護することに適している。 センサーの形式から、射撃統制を担うシステムが組まれているものの、プログラムを切り替えることで単独での戦闘も十分にこなすことが可能。 変身者である不破はA.I.M.S.の隊長であるため、そういった立ち位置からの戦い方が求められているのだろう。 専用武器は変身アイテムでもある「エイムズショットライザー」及び、後に開発された「アタッシュショットガン」。 だがアタッシュショットガンは反動が強く、シューティングウルフの能力を持ってしても持て余してしまっていたものの、パワーに優れるパンチングコングであれば反動を無視して運用が可能である。 また、一時ゼロワンの「アタッシュカリバー」をほぼ強奪する形で使用したことも。 後に使い慣れたためか通常射撃では怯むことが少なくなったものの、やはり必殺技クラスの反動は凄まじく、発動すると同時にふっとばされてしまう場面もしばしば。 変身者である不破諫はA.I.M.S.の隊長であるが、上司に当たるバルキリーの変身者、刃唯阿が変身アイテムからアタッシュウェポンに至るまでの管理権限を有するため、本来彼女の許可がなければライダーシステムの運用が出来ない立場にある。 そのためエイムズショットライザーこそ無理矢理持ち出し武器として使用したものの、システムの起動に必要なプログライズキーの認証を許可されず、それを克服するために不破が行ったのは、まさかのプログライズキーのロックを力づくで解除すること。 本来、エイムズショットライザーはキーを起動後、セットすることで認証しロックを解除して内部データを読み込むため、通常の手順を踏めば力づくでロックを解除する必要はない。 初変身以後は暴走するヒューマギアの数が増え、滅亡迅雷.netも本格的に行動し始めたため、いちいち唯阿の許可を得る必要性が薄くなったとは言え、いまだにロックを力技でこじ開け変身するのを続けている。 初変身の際の癖が抜けなくなってしまったのだろうか… それとも開発者である唯阿からちゃんとした変身手順を教わっていないのか。 なおシューティングウルフへの変身の際、射出されたSRダンガーを右ストレートで殴りつけ変身する。 【各種機能】 エイムズショットライザーで変身するライダーの素体はライズベースアクターと呼ばれる対ヒューマギア戦用の強化アーマーに覆われている。 ザインセラミックを用いた複合装甲に対爆ラミネートを施した外装を装着し、超電導アクチュエーターや、 人工筋肉によるパワーアシストを組み合わせた人間強化システムが組み込まれている。 ゼロワンがパワードスーツなのに対し、エイムズショットライザーを用いたライダーが纏うのは強化アーマー。 要は超人的な力を与えるスーツで変身するゼロワンに対し、バルキリーとバルカンは装着者自身の力を強化アーマーの力で増幅するのが主軸。 ライズベースアクターの上からプログライズキーに記録された生物種の「ライダモデル」の機能を加えることであらゆる局面に対応する汎用性を発揮する。 ベースアクトヘッドにオオカミの力をミックスしたウルフヘッドは、顔面に備わる特殊装甲ウルフボーダーの機能により索敵性能に優れる。 拡張聴覚センサーやレーダーシステムを装備し、得られた情報をシューティングリーダーへと送信しエイムズショットライザーの命中精度向上に役立てる。 オオカミの耳を模したウルフボーダーイヤーは音紋探知による追尾機能に優れ、半径7km以内であれば最大16のターゲット補足が可能。 両目のバルカンオプティカルバイザーは視力を人間の8倍に強化、全方位160度の視覚を有し、 遮光や暗視モードの切り替えによってあらゆる状況下で視界を確保する。 シューティングウルフプログライズキーからオオカミのライダモデルの能力が加わったことで、シューティングリーダーの補正を受けた射撃は、 半径3km以内の標的に対し、誤差0.05mm以内という超精密な射撃が可能。 強化マスクであるバルカンフェイスは特殊フィルターをを組み込んだ呼吸器を持ち、大気中の不純物を除去することで防毒マスクとして機能する。 密閉度が高いため、最大で水深200mの水圧下の活動においても浸水することはない。 ベースアクトヘッドの左右に配置されたベースアクトコミュニケーターは、無線通信装置やスピーカーフォンを集約し外部とのコミュニケーションを一元化している。 ライズベースアクターの力で強化されたベースアクトアームは4tの重量物を持ち上げる腕力を装着者に与え、ベースアクトレッグはキックの破壊力や走力が大幅に強化されている。 また左手グローブ部、ベースアクトグラブには手のひらに肉球型のパウパッドコネクタが備わり、エイムズショットライザーとバルカンオプティカルバイザーを同期させる。 左足部のベースアクトブーツもまたグラブ同様の肉球型パウパッドソールを持ち、装着者の跳躍力を強化する。 エイムズショットライザーで読み込んだシューティングウルフプログライズキーのデータは主に右半身に集中的に反映されている。 ライズベースアクターの上から装着した特殊装甲によりオオカミの力を得た能力を発揮する。 胸部特殊装甲ウルフブレストは射撃統制システムシューティングリーダーを備え、各部センサーから収集した情報を元に、 目標を捜索し、補足、追尾から弾丸の発射まですべての動作を統制し射撃を最大効率化する。 また戦闘行動の最適化も似ない、部隊単位での連携を前提とした作戦行動用プログラム「フラックウルフ」、 単独での潜入及び各個撃破を目的としたプログラム「アーロンウルフ」という2種類のプログラムを切り替えて運用する。 右肩の特殊装甲ウルフショルダーは射撃や格闘攻撃の反動を反作用で相殺するハウリングキャンセラーを搭載。 激しい攻撃を繰り出しても自身へのダメージを軽減することが出来る。 ウルフアームはベースアクトアームに比べ俊敏性が大幅に強化、ZAIA209-03製の装甲で作られたウルフクローを備えたウルフグラブは、格闘性能及び防御力が向上。 また1/30秒単位の細やかな指さばきを誇り、シュートチャンスを的確に捉える。 右脚のウルフレッグはジャイロスタビライザーを内蔵し、あらゆる姿勢の射撃を実現。 また装甲姿勢を安定化させ、ウルフブレストを介した標準器を利用することでウルフグリーブが打撃の命中率を向上させる。 ウルフグラブと同じZAIA209-03製装甲からなるウルフクローを備えたウルフブーツは、射撃時にアンカーとして機能する。 必殺技は「シューティングブラスト」。 武器系必殺技は「カバンショット(〇〇カバンショット)」、「シューティングカバンストラッシュ」、「ガトリングカバンバスター」。 【活躍】 第2話より変身。 強引な形で変身しており、クエネオマギアと戦い倒した。 第3話ではゼロワンと共にネオヒマギアと交戦したが逃亡される。 第5話では戦闘中にアタッシュショットガンを実装した。 パンチングコング入手後は状況に応じてフォームを使い分けている。 【余談】 演じる岡田龍太郎氏は前作の2号ライダーの役者と大学時代の先輩後輩にあたる。 「ゼツメツディストピア!(ゼツメツディストピア!)」 【名前】 ゼツメツディストピア 【読み方】 ぜつめつでぃすとぴあ 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第14話「オレたち宇宙飛行士ブラザーズ!」 【分類】 必殺技 【使用者】 仮面ライダー雷 【詳細】 仮面ライダー雷の必殺技。 ドードーゼツメライズキーがセットされた滅亡迅雷フォースライザーのフォースエグゼキューターを引いて発動。 エネルギーを蓄積した2つの剣「ヴァルクサーベル」にて斬撃を繰り出す 「ゼツメツユートピア!(ゼツメツユートピア!)」 【名前】 ゼツメツユートピア 【読み方】 ぜつめつゆーとぴあ 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第14話「オレたち宇宙飛行士ブラザーズ!」 【分類】 必殺技 【使用者】 仮面ライダー雷 【詳細】 仮面ライダー雷の必殺技。 ドードーゼツメライズキーがセットされた滅亡迅雷フォースライザーのフォースエグゼキューターを2回引いて発動。 エネルギーを蓄積し、両手から雷を繰り出す。 【名前】 シャイニングホッパープログライズキー 【読み方】 しゃいにんぐほっぱーぷろぐらいずきー 【英語表記】 SHINING HOPPER 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第12話「アノ名探偵がやってきた」 【分類】 プログライズキー/強化アイテム 【使用者】 仮面ライダーゼロワン 【詳細】 バッタの力が入ったシステムデバイス。 バッタのデータイメージ「ライダモデル」が保存されている。 何者かがプログラミングしていた強化プランに応じて作成されたライジングホッパープログライズキーの強化版。 起動スイッチのライズスターターを押して起動、 ロック機構のコンパウンドロックトランサーはドライバーなどの関連機器でオーソライズすることでロックが解除され、展開が可能となる。 従来のプログライズキーが持つ「トランスロックシリンダー」と比べて安全装置が強化されている。 また、シャイニングホッパーライダモデルのイグニッションキーとしての役割も持ち、オーソライズの際に発行された一時認証コードを用いる。 変身時には展開したデータネットでライダモデル「シャイニングホッパー」を捕獲、取り込むことで変身待機状態となる。 保安機構ライダレリーフはプログライズキーの展開と連動してバッタ型のレリーフが完成することで、内蔵されたライダモデルの力を開放する。 更にレリーフ自体が頑強な装甲となっており、プログライズキーの物理的な強度も向上させる。 シャイニングホッパークレストは従来のSPシグナルに相当しシャイニングホッパーの頭部をピクトグラム化している。 飛電ゼロワンドライバーなどに装填すると、バッタの「ライダモデル」を元としたパワードスーツシャイニングアーキテクターが変身者の前に展開して強化形態のシャイニングホッパーとなる。 バッタの「ライダモデル」はオンブバッタのような個体「シャイニングホッパー」に変わっている。 第12話ではデータ方面が不完全で、敗北して変身が解除される。 第13話で秘書のイズが他のプログライズキーのデータを使って再調整し完成した。 仮面ライダーゼロワン シャイニングホッパー 「プログライズ! The rider kick increases the power by adding to brightness! シャイニングホッパー! When I shine, darkness fades.」 【ライダー名】 仮面ライダーゼロワン シャイニングホッパー 【読み方】 かめんらいだーぜろわん しゃいにんぐほっぱー 【変身者】 飛電或人 【スペック】 パンチ力:18.3tキック力:58.9tジャンプ力:ひと跳び70m走力:100mを2.3秒 【基本形態】 仮面ライダーゼロワン ライジングホッパー 【声/俳優】 高橋文哉 【スーツ】 縄田雄哉 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン(2019年) 【初登場話】 第12話「アノ名探偵がやってきた」 【詳細】 飛電或人がシャイニングホッパープログライズキーと飛電ゼロワンドライバーを使い変身したゼロワンの強化形態。 プログライズキー内の「ライダモデル」からバッタの力を得た姿で、高い脚力を生かしたスタイリッシュな戦闘攻撃が得意。 頭部はバッタを模しているが例年のライダーと違い、マスクの部位は正面部分にしかない。 同形態は来るべき時のために、指定された強化プランを元に作られたもの。 全身には特殊装甲のシャイニングアーキテクターが装着される。 更にライジングホッパーより装甲が増加している。 必殺技は「シャイニングインパクト」、「シャイニングメガインパクト」。 【活躍】 第12話で登場。 更にパワーアップしたドードーマギア改(強化形態)との戦いの際に変身。 だが、ワズ・ナゾートクは危険性を感じており、ブレイキングマンモスに変身するのを進言している。 第13話にて戦うも能力が不完全で隙をつかれ、呆気なく敗北してしまう。 秘書イズとワズ・ナゾートクのプログライズキーへのデータ構築により能力が完全覚醒して再変身、ドードーマギア改(強化形態)を圧倒して倒した。 【名前】 シャイニングホッパープログライズキー 【読み方】 しゃいにんぐほっぱーぷろぐらいずきー 【英語表記】 SHINING HOPPER 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第12話「アノ名探偵がやってきた」 【分類】 プログライズキー/強化アイテム 【使用者】 仮面ライダーゼロワン 【詳細】 バッタの力が入ったシステムデバイス。 バッタのデータイメージ「ライダモデル」が保存されている。 何者かがプログラミングしていた強化プランに応じて作成されたライジングホッパープログライズキーの強化版。 起動スイッチのライズスターターを押して起動、 ロック機構のコンパウンドロックトランサーはドライバーなどの関連機器でオーソライズすることでロックが解除され、展開が可能となる。 従来のプログライズキーが持つ「トランスロックシリンダー」と比べて安全装置が強化されている。 また、シャイニングホッパーライダモデルのイグニッションキーとしての役割も持ち、オーソライズの際に発行された一時認証コードを用いる。 変身時には展開したデータネットでライダモデル「シャイニングホッパー」を捕獲、取り込むことで変身待機状態となる。 保安機構ライダレリーフはプログライズキーの展開と連動してバッタ型のレリーフが完成することで、内蔵されたライダモデルの力を開放する。 更にレリーフ自体が頑強な装甲となっており、プログライズキーの物理的な強度も向上させる。 シャイニングホッパークレストは従来のSPシグナルに相当しシャイニングホッパーの頭部をピクトグラム化している。 飛電ゼロワンドライバーなどに装填すると、バッタの「ライダモデル」を元としたパワードスーツシャイニングアーキテクターが変身者の前に展開して強化形態のシャイニングホッパーとなる。 バッタの「ライダモデル」はオンブバッタのような個体「シャイニングホッパー」に変わっている。 第12話ではデータ方面が不完全で、敗北して変身が解除される。 第13話で秘書のイズが他のプログライズキーのデータを使って再調整し完成した。 シャイニングインパクト 「シャイニング!インパクト! (シャイニングインパクト!)」 【名前】 シャイニングインパクト 【読み方】 しゃいにんぐいんぱくと 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第13話「ワタシの仕事は社長秘書」 【分類】 必殺技/ライダーキック 【使用者】 仮面ライダーゼロワン シャイニングホッパー 【詳細】 仮面ライダーゼロワンシャイニングホッパーの必殺技。 飛電ゼロワンドライバーにセットされたシャイニングホッパープログライズキーを押し込み発動。 相手へ必殺キックを放つ。 シャイニングメガインパクト 「メガライズ! シャイニング!メガインパクト! (シャイニングメガインパクト!)」 【名前】 シャイニングメガインパクト 【読み方】 しゃいにんぐいんぱくと 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第13話「ワタシの仕事は社長秘書」 【分類】 必殺技/ライダーキック 【使用者】 仮面ライダーゼロワン シャイニングホッパー 【詳細】 仮面ライダーゼロワンシャイニングホッパーの必殺技。 シャイニングインパクトの強化技。 飛電ゼロワンドライバーにセットされたシャイニングホッパープログライズキーを押し込み発動。 相手へ必殺キックを連続で放つ。 「プログライズ! Warning,warning. This is not a test! ハイブリッドライズ! シャイニングアサルトホッパー! No chance of surviving this shot.」 【ライダー名】 仮面ライダーゼロワン シャイニングホッパー 【読み方】 かめんらいだーぜろわん しゃいにんぐほっぱー 【変身者】 飛電或人 【スペック】 パンチ力:tキック力:tジャンプ力:ひと跳びm走力:100mを秒 【基本形態】 仮面ライダーゼロワン ライジングホッパー 【声/俳優】 高橋文哉 【スーツ】 縄田雄哉 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン(2019年) 【初登場話】 第12話「アノ名探偵がやってきた」 【詳細】 飛電或人がシャイニングホッパープログライズキーと飛電ゼロワンドライバーを使い変身したゼロワンの強化形態。 プログライズキー内の「ライダモデル」からバッタの力を得た姿で、高い脚力を生かしたスタイリッシュな戦闘攻撃が得意。 頭部はバッタを模しているが例年のライダーと違い、マスクの部位は正面部分にしかない。 同形態は来るべき時のために、指定された強化プランを元に作られたもの。 全身には特殊装甲のライズアーキテクターが装着される。 更にライジングホッパーより装甲が増加している。 必殺技は「シャイニングインパクト」。 【活躍】 第12話で登場。 更にパワーアップしたドードーマギア改(強化形態)との戦いの際に変身。 だが、ワズ・ナゾートクは危険性を感じており、ブレイキングマンモスに変身するのを進言している。 第13話にて 【名前】 キングキシリュウオー 【読み方】 きんぐきしりゅうおー 【登場作品】 騎士竜戦隊リュウソウジャー 【初登場話】 第35話「地球最大の決戦」 【分類】 巨大ロボ/ナイトロボ 【スーツアクター】 藤田洋平 【合体コード】 「究極竜装合体」 【出力】 2575万馬力 【構成マシン】 ティラミーゴモサレックスプテラードン 【必殺技】 キングキシリュウオービッグバンエボリューション 【詳細】 ティラミーゴ、モサレックス、プテラードンが究極竜装合体し、レッドリュウソウルを頭部に冠した地球の王たるナイトロボ。 上記のように陸、海、空の3体の騎士竜が合体するナイトロボの最強の姿でもある。 操縦者はレッドとゴールドなど。 かつてのリュウソウ族も使用したことがあるようだが、大陸を焼き尽くす程の力を見せ地球に大きな被害を出したため封印されていた。 陸海空や宇宙空間などのあらゆる場所を超越し戦う。 右前腕にはモサレックス、左前腕にはティラミーゴの頭部、胸部にはプテラードンの頭部が装着しており、いざとなれば大気圏外まで飛ばすことできる超弩級ビームを撃ち出す。 更に戦闘能力も高く、残像を残しながらの超高速移動も可能で、瞬時に相手との間合いを詰める。 頭部はプテラードンのパーツの一部が変形したマスクが被さり独自の形となる。 必殺技は全ての騎士竜の力をエネルギーに変えて放つ光線「キングキシリュウオービッグバンエボリューション」。 【名前】 ギガントキシリュウオー 【読み方】 ぎがんときしりゅうおー 【登場作品】 騎士竜戦隊リュウソウジャー 【初登場話】 第18話「大ピンチ!変身不能!」 【分類】 巨大ロボ/ナイトロボ 【スーツアクター】 藤田洋平 【合体コード】 「竜装合体」 【出力】 2250万馬力 【構成マシン】 ティラミーゴディメボルケーノモサレックス 【必殺技】 ギガントダブルバイト 【詳細】 ティラミーゴ、ディメボルケーノ、モサレックスが竜装合体し、レッドリュウソウルを頭部に冠した陸海のナイトロボ。 操縦者はレッドとゴールド。 レッドとゴールドが心を1つにしたことで2つのリュウソウルが共鳴し、ソウルを1つにして完成した。 右前腕にはモサレックス、左前腕にはティラミーゴの頭部が装着され、強力な打撃武器になる。 頭部はディメボルケーノの一部が変形したマスクが被さり、独自の形になる。 武器は両肩のボルケーノキャノン。 両足のナイトボーダーで回し蹴りを叩き込むギガントサンダーキックやボルケーノキャノンから巻き起こす炎の竜巻ギガントファイヤーストームが得意技。 必殺技は両腕のティラミーゴとモサレックスのヘッドを叩き込む「ギガントダブルバイト」。 「ボルケニックナックル! アチャー!」 【名前】 ボルケニックナックル! 【読み方】 ぼるけにっくなっくる! 【登場作品】 仮面ライダービルド 【初登場話】 第32話「プログラムされた悲劇」 【分類】 必殺技 【使用者】 仮面ライダークローズマグマ 【詳細】 仮面ライダークローズマグマの必殺技。 クローズマグマナックルのドラゴニックイグナイターを長押しして発動。 「グレイシャルナックル! !」 【名前】 グレイシャルナックル! 【読み方】 ぐれいしゃルなっくる! 【登場作品】 仮面ライダービルド 【初登場話】 第話「」 【分類】 必殺技 【使用者】 仮面ライダーグリスブリザード 【詳細】 仮面ライダーグリスブリザードの必殺技。 グリスブリザードナックルのロボティックイグナイターを長押しして発動。 https //w.atwiki.jp/sentai-soubi/pages/2604.html ライダータイム! 仮面ライダー、ゲイツ! マジェスティタイム! G3!ナイト!カイザ!ギャレン!威吹鬼!ガタック!ゼロノス!イクサ!ディエンド!アクセル!バース!メテオ!ビースト!バロン!マッハ!スペクター!ブレイブ!クローズ! 仮面ライダーゲイツマジェスティ! 【名前】 ビュービューソウル 【読み方】 びゅーびゅーそうる 【登場作品】 騎士竜戦隊リュウソウジャー THEMOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!! 【分類】 リュウソウル 【詳細】 強リュウソウルの一種。 その能力は不明。 ガイソーケンなる武器では様々な力を引き出している。 また、ナイトロボの頭部パーツにもなり、キシリュウジンの頭部となる。 【名前】 モサレックス 【読み方】 もされっくす 【声】 竹内良太 【登場作品】 騎士竜戦隊リュウソウジャー 【初登場話】 第15話「深海の王」 【変形】 キシリュウネプチューンスピノサンダー 【分類】 騎士竜 【出力】 975万馬力 【所有者】 リュウソウゴールド 【詳細】 モササウルスをベースとした騎士竜の1体。 カナロ/リュウソウゴールドの相棒で、マリンスキルに秀でている。 波を切り裂き水中を高速で泳ぎまくる海の猛者。 武器は三叉の尾ナイトトライデント。 2体のアンモナックルズを使役し、海の戦闘が得意。 リュウソウゴールドの師のような存在でもあり、テレパシーで会話できる。 他の騎士竜と同様にナイトロボとしての姿もある。 【名前】 キシリュウネプチューン 【読み方】 きしりゅうねぷちゅーん 【登場作品】 騎士竜戦隊リュウソウジャー 【初登場話】 第16話「海に沈んだ希望」 【分類】 巨大ロボ/ナイトロボ 【スーツアクター】 不明 【変形コード】 竜装合体 【出力】 1050万馬力 【構成マシン】 モサレックスアンモナックルズ 【必殺技】 キシリュウネプチューントルネードストライク 【テーマソング】 不明 【詳細】 変形したモサレックスとアンモナックルズが合体し、ゴールドリュウソウルを頭部に冠した栄光のナイトロボ。 操縦者はリュウソウゴールド。 右手に装備したナイトライデントを武器とし、両拳のアンモナックルズをロケットパンチの要領で射出するパンチ魚雷「アンモナックル」を持つ。 水中戦を得意としている。 必殺技はナイトライデントを駆使して必殺攻撃を繰り出す「キシリュウネプチューントルネードストライク」。 【名前】 キシリュウネプチューントルネードストライク 【読み方】 きしりゅうねぷちゅーんとるねーどすとらいく 【登場作品】 騎士竜戦隊リュウソウジャー 【初登場話】 第16話「海に沈んだ希望」 【分類】 必殺技 【使用者】 キシリュウネプチューン 【詳細】 キシリュウネプチューンの必殺技。 回転力を得たナイトライデントにて相手を貫く。 【名前】 スティングスコーピオンプログライズキー 【読み方】 すてぃんぐすこーぴおんぷろぐらいずきー 【英語表記】 STING SCORPION 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第8話「ココからが滅びの始まり」 【分類】 プログライズキー 【使用者】 仮面ライダー滅 【詳細】 サソリの力が入ったシステムデバイス。 サソリのデータイメージ「ライダモデル」が保存されている。 起動スイッチのライズスターターを押して起動、 オーソライズせず、ベルトにセットして変身時に強制的に展開を行う。 シンボルマークSPシンボルには内蔵された生物「サソリ」をピクトグラム化しており、外部機器に装填した際にも一目で種類を判別可能とする。 ディスプレイモニターのライズモニターには稼働状況を把握するための小型モニターで、内蔵された生物「サソリ」のデータイメージ「ライダモデル」が表示されている。 滅亡迅雷フォースライザーに装填すると、サソリの「ライダモデル」を元としたアグメントスーツが変身者の周囲に展開してスティングスコーピオンとなる。 【名前】 アメイジングヘラクレスプログライズキー 【読み方】 あめいじんぐへらくれすぷろぐらいずきー 【英語表記】 AMAZING HERCULES 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第8話「ココからが滅びの始まり」 【分類】 プログライズキー 【使用者】 仮面ライダー滅 など 【詳細】 ヘラクレスオオカブトの力が入ったシステムデバイス。 ヘラクレスオオカブトのデータイメージ「ライダモデル」が保存されている。 起動スイッチのライズスターターを押して起動。 シンボルマークSPシンボルには内蔵された生物「ヘラクレスオオカブト」をピクトグラム化しており、外部機器に装填した際にも一目で種類を判別可能とする。 ディスプレイモニターのライズモニターには稼働状況を把握するための小型モニターで、内蔵された生物「ヘラクレスオオカブト」のデータイメージ「ライダモデル」が表示されている。 【名前】 ヒエヒエソウル 【読み方】 ひえひえそうる 【登場作品】 騎士竜戦隊リュウソウジャー 【初登場話】 第31話「空からのメロディ」 【分類】 リュウソウル 【詳細】 プテラードンのソウルが刻み込まれた強リュウソウルの一種。 リュウソウケンなどにセットすると、 氷の力を宿した強リュウソウアーマーが出現。 また、ナイトロボの頭部パーツにもなり、ヨクリュウオーの頭部となる。 【名前】 アタッシュアロー 【読み方】 あたっしゅあろー 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第1話「オレが社長で仮面ライダー」 【分類】 共通武器 【使用者】 仮面ライダー滅 他 【詳細】 アタッシュケース型の可変型武器。 刀身を展開して近距離攻撃に用いたり、弓のように展開して遠距離攻撃に使える。 「〇〇!カバンダイナミック!」 【名前】 カバンダイナミック 【読み方】 かばんだいなみっく 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第8話「ココからが滅びの始まり」 【分類】 必殺技 【使用者】 仮面ライダーゼロワン 【詳細】 アタッシュカリバーの必殺技。 アタッシュカリバーが発動する上位技 各種のプログライズキーを装填してある種の動作を行うと発動。 カリバーキルにエネルギーをチャージし、超必殺斬撃を相手へ繰り出す。 「〇〇!カバンシュート!」 【名前】 カバンシュート 【読み方】 かばんしゅーと 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第8話「ココからが滅びの始まり」 【分類】 必殺技 【使用者】 仮面ライダー滅 【詳細】 アタッシュアロー(アローモード)の必殺技。 各種のプログライズキーを装填して、ある種の動作を行うと発動。 スティルラッパーにエネルギーをチャージし、必殺射撃を相手へ繰り出す。 「スティングディストピア!(スティングディストピア!)」 【名前】 スティングディストピア 【読み方】 すてぃんぐでぃすとぴあ 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第8話「ココからが滅びの始まり」 【分類】 必殺技/ライダーキック 【使用者】 仮面ライダー滅 スティングスコーピオン 【詳細】 仮面ライダー滅スティングスコーピオンの必殺技。 滅亡迅雷フォースライザーにセットされたスティングスコーピオンプログライズキーをエクスパンドジャッキを使って動かすと発動。 サソリの尾に似た実体エネルギーを右脚に集め、相手にキックを放つ。 他のカットインとして「煉獄滅殲」と表示される。 【名前】 プテラードン 【読み方】 ぷてらーどん 【声】 草尾毅 【登場作品】 騎士竜戦隊リュウソウジャー 【初登場話】 第31話「空からのメロディ」 【変形】 ヨクリュウオー 【分類】 騎士竜 【出力】 1175万馬力 【所有者】 リュウソウジャー 【詳細】 プテラノドンをベースとした騎士竜の1体。 ブリザードスキルに秀でており、絶対零度の冷凍ブレスを吐いて相手を氷漬けできる。 氷の両翼のナイトエッジで滑空しながら相手を両断する戦術が得意。 大空を自在に飛びながら、つらら弾で攻撃する戦闘タスクを持つ。 普段は復活が不完全だった影響でピーたんという幼体になっており、巨大化する際に変化を行う。 他の騎士竜と同様にナイトロボとしての姿のヨクリュウオーとなる。 【余談】 声を演じる草尾氏は味方キャラとして登場するのは『獣拳戦隊ゲキレンジャー』から12年ぶり。 【名前】 ヨクリュウオー 【読み方】 よくりゅうおー 【登場作品】 騎士竜戦隊リュウソウジャー 【初登場話】 第31話「空からのメロディ」 【分類】 巨大ロボ/ナイトロボ 【スーツアクター】 不明 【変形コード】 竜装合体 【出力】 1200万馬力 【構成マシン】 プテラードン 【必殺技】 ヨクリュウオーブリザードストームヨクリュウオーブリザードクローストライク 【テーマソング】 不明 【詳細】 変形したプテラードンが合体し、ヒエヒエソウルを頭部に冠した氷のナイトロボ。 操縦者はリュウソウレッドなど。 背中に装備したナイトエッジ、右手ニヒエヒエクローを持ち、飛翔しながらクールな爪さばきで相手を震え上がらせる。 胸部のプテラードンヘッドから放つ冷気で氷河期のバトルフィールドを作る。 戦闘時は飛行しながら、爪で引っ掻く戦法を主に使う。 必殺技は「ヨクリュウオーブリザードストーム」や「ヨクリュウオーブリザードクローストライク」。 【名前】 プティラミーゴ 【読み方】 ぷてぃらみーご 【声】 草尾毅てらそままさき 【登場作品】 騎士竜戦隊リュウソウジャー 【初登場話】 第32話「憎悪の雨が止む時」 【分類】 騎士竜 【出力】 1650万馬力 【詳細】 ティラミーゴとプテラードンが合体した伝説のドラゴンをベースとした特殊な騎士竜。 スカイスキルに秀でており、クールな翼を広げて大空を駆け抜ける。 暴君竜のパワーと翼竜のスピードを兼ね備え、頭上からの超速キックが得意。 【名前】 キシリュウオージェット 【読み方】 きしりゅうおーじぇっと 【登場作品】 騎士竜戦隊リュウソウジャー 【初登場話】 第32話「憎悪の雨が止む時」 【分類】 巨大ロボ/ナイトロボ 【スーツアクター】 不明 【変形コード】 竜装合体 【出力】 1725万馬力 【構成マシン】 ティラミーゴプテラードンパキガルーチビガルー 【必殺技】 キシリュウーブリザードインフェルノ 【テーマソング】 不明 【詳細】 ティラミーゴ、プテラードン、パキガルー、チビガルーの4体の騎士竜が竜装合体し、レッドリュウソウルを頭部に冠した天空の王たるナイトロボ。 操縦者はリュウソウレッドなど。 パーツ配分はキシリュウオーをベースに、飛行に特化した形態を形作っている。 両腕にナイトグローブ、背中にナイトエッジを装備し、ダイナミックな拳技で相手を打ちのめす。 ジェット気流パンチや乱気流キックで攻撃が可能。 飛行重視で空中を駆使した戦法を行う。 必殺技は「キシリュウーブリザードインフェルノ」。 【名前】 ブレイキングマンモスプログライズキー 【読み方】 ぶれいきんぐまんもすぷろぐらいずきー 【英語表記】 BREAKING MAMMOTH 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第9話「ソノ生命、預かります」 【分類】 プログライズキー 【使用者】 仮面ライダーゼロワン 【詳細】 マンモスの力が入ったシステムデバイス。 マンモスのデータが保存されている。 起動スイッチのライズスターターを押して起動、 ロック機構のトランスロックシリンダーがオーソライズすると展開状態にでき、出力端子キーコネクタを展開した状態で変身ベルトへの装填を行う。 シンボルマークSPシンボルには内蔵された生物「マンモス」をピクトグラム化しており、外部機器に装填した際にも一目で種類を判別可能とする。 ディスプレイモニターのライズモニターには稼働状況を把握するための小型モニターで、内蔵された生物「マンモス」のデータイメージ「ライダモデル」が表示されている。 飛電ゼロワンドライバーに装填すると、衛星ゼアの大型救助システムが飛来して使用者が搭乗し、ブレイキングマンモスとなる。 ブレイキングインパクト 「ブレイキング!インパクト! (ブレイキングインパクト!)」 【名前】 ブレイキングインパクト 【読み方】 ぶれいきんぐいんぱくと 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第9話「ソノ生命、預かります」 【分類】 必殺技 【使用者】 仮面ライダーゼロワン ブレイキングマンモス 【詳細】 仮面ライダーゼロワンブレイキングマンモスの必殺技。 飛電ゼロワンドライバーにセットされたプログライズキーを押し込み発動。 腕から外したマンモスプレッサーを上空に投げ、キックで勢いをつけて相手を押しつぶす。 ファングスクリュードル 「FANG、MAXIMUM-DRIVE!」 【名前】 ファングスクリュードル 【読み方】 ふぁんぐすくりゅーどる 【登場作品】 風都探偵 【分類】 必殺技 【使用者】 仮面ライダーダブル ファングトリガー 【破壊力】 不明 【詳細】 仮面ライダーダブルファングトリガーの必殺技。 ファングメモリのタクティカルホーンを3回弾き、マキシマムドライブを発動。 左腕に出現したアームファングで出来た弓を用いて恐竜の頭部を模したオーラと共にエネルギー矢を繰り出し、標的を射抜く。 【名前】 スティングスコーピオンプログライズキー 【読み方】 すてぃんぐすこーぴおんぷろぐらいずきー 【英語表記】 STING SCORPION 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第8話「ココからが滅びの始まり」 【分類】 プログライズキー 【使用者】 仮面ライダー滅 【詳細】 サソリの力が入ったシステムデバイス。 サソリのデータイメージ「ライダモデル」が保存されている。 起動スイッチのライズスターターを押して起動、 シンボルマークSPシンボルには内蔵された生物「サソリ」をピクトグラム化しており、外部機器に装填した際にも一目で種類を判別可能とする。 ディスプレイモニターのライズモニターには稼働状況を把握するための小型モニターで、内蔵された生物「サソリ」のデータイメージ「ライダモデル」が表示されている。 装填すると、サソリの「ライダモデル」を元とした特殊装甲が変身者の前に展開してスティングスコーピオンとなる。 「コーンな負け方じゃ、終われねえ!」 【名前】 獣人ツネキ 【読み方】 じゅうじんつねき 【声】 高戸靖広 【登場作品】 獣拳戦隊ゲキレンジャー 【登場話】 修行その31「俺たちムニムニ!」 【所属】 臨獣殿 【分類】 臨獣拳士/リンリンシー 【獣拳】 臨獣フォックス拳 【得意リンギ】 光臨矢乃如死(こうりんやのごとし)九尾分身変(きゅうびぶんしんへん) 【秘伝リンギ】 狐空大爆弾(こくうだいばくだん) 【好きな場所】 草原 【好きな食べ物】 鳥、昆虫など 【モチーフ】 キツネ 【好きな言葉】 狐が下手の射る矢を恐る 【詳細】 この世に蘇ったリンリンシーの1人。 キツネを手本とし、狡猾な手段で正確に相手を狩る臨獣フォックス拳の使い手。 臨気によって作られた特殊な空間「狐空」に相手を閉じ込める秘伝リンギ「狐空大爆弾」を隠し技とし、内側の悲鳴と絶望が臨界点に達した時に大爆発を起こす事ができ、キツネは「コーン」と鳴くが、自身は「コーンの野郎!」と怒る癖がある。 街に現れ、人々の悲鳴を集めている所にゲキレンジャーが現れ、戦闘になり弓の斬撃で攻撃。 隙をつかれバイオレットの超蛮蛮肘でダメージを負い、その際に「秘伝リンギ・狐空大爆弾」を生み出す矢を空中に放ち退却。 その後、発動した狐空大爆弾の作る空間「狐空」にジャン、ケン達を閉じ込める。 中で黒い矢「光臨矢乃如死」を人々に打ち込んで人間の悲鳴や絶望を集め、狐空内で臨界点に達しさせ、大爆発を引き起こそうと目論む(爆発がまた人の悲鳴を集める。)。 狐空内ではゲキレンジャーの力は9分の1になるので彼らを追い詰め、廃工場内に逃げたジャン達を追いかけて再度交戦。 スーパーゲキレッドが過激気注入によってゲキチョッパーに過激気を注入し発動した究極の切れ味がある「鋭鋭過激気斬」により敗北(同時に狐空も消え去る。)。 その直後、邪身豪天変で巨大化する(上記の台詞はその際のもの。)。 ゲキファイヤーなどと交戦、ゲキファイヤー達を数で制するのに、頭に葉っぱをのせてから「九尾分身変」を使い、9体になるように分身を作るがすぐにゲキトージャウルフの大狼狼脚で分身は消えてしまい、ゲキエレファントのエレハンマーボールのバスケの様な動きに翻弄され、火球と化した「エレハンマーボール」を受け倒された。 【余談】 コートにはいくつもの目が付いており、それらはキョロキョロと動く。 声を演じる高戸靖広氏はスーパー戦隊シリーズで怪人の声を何度か演じている。 「腹が減って力が出ないぞな」 【名前】 ケサランパサランのペサラン挫 【読み方】 けさらんぱさらんのぺさらんざ 【声】 森訓久 【登場作品】 天装戦隊ゴセイジャー 【登場話】 epic20「フォーリンラブ・ゴセイジャー」epic24「ミラクルアタック・ゴセイジャー」 【所属】 地球犠獄集団・幽魔獣 【分類】 幽魔獣 【生息地】 狭い所 【特技】 攻撃の効かないフワフワボディ、無数の毛玉に分離する 【作戦】 ヒトの恋心を腐らせ、食べつくす 【趣味】 耳掃除 【UMAモチーフ】 ケサランパサラン 【生物モチーフ】 ヒル 【名前の由来】 オペラ座の怪人+挫折 【詳細】 有名な未確認生物「ケサランパサラン(ケセランパサラン)」の正体とされる幽魔獣。 「~ぞな」が口癖。腐らせた恋心を大好物とし、特に初恋が腐った物を好む。 肉体のほとんどがフワフワとした毛玉の集合体となっており、毛玉であらゆるダメージを吸収、如何なる攻撃も無効にする事ができる。 更に奥の手として無数の毛玉に分離する能力を持ち、自身の毛玉を人間に取り憑かせ、恋心を増幅させた食べる事を目的とし、自身に恋心を吸収された者は無気力になってしまう。 無数の毛玉となっていたが、ブロブの膜インによって復活。 腐らせた人々の恋心を食べていき、フワフワとした動きでゴセイジャーを翻弄するが、みずきに片思い中の少年の拓也の恋心に反応して撤退。 拓也の腐った恋心を食べようとするが、5人揃ったゴセイジャーと交戦。 ブラックとブルー以外の3人に動きを見切られゴセイブラスターの射撃に怯み、上述の能力で5人を翻弄するが、参戦したゴセイナイトの天装術「アイストップ」で氷漬けにされて分離能力を封じられ、「ゴセイダイナミック」と「ナイトダイナミック」の同時攻撃により敗北。 その直後、ビービ虫に噛み付かれて巨大化する。 ゴセイグレートとゴセイグランドを上述の能力で翻弄するが、スカイックブラザーのスカイックトルネードで氷漬けにされてしまい、2大ロボの前になす術もなく、最期はスカイックゴセイグレートの「スカイックストライク」、ゴセイグランドの「グランドラスティック」を連続で受け爆散した(その際は「恋は、花火のように散るぞな~!」と発言。)。 後にブロッケン妖怪のセマッタ霊が創り出した幻影として再登場。 更にアバレヘッダーを入手したチュパカブラの武レドランの力を受けたセマッタ霊がパワーアップし、実体を持った幻影としても登場するが、スーパースカイランドシーダイナミックを他の幻影幽魔獣と共に受け滅び去った。 【余談】 「ケサランパサラン(ケセランパサラン)」は「白い小さな毛玉のような姿を持つとされ、持ち主の恋を成就させる」と言われているが、正反対の能力を持ち、身体も毛玉と言うには不釣合いな程に大きい(これはどうやら封印された際に身体を毛玉に分離して一部が逃れていたらしく、「本体が分離した後に小さな毛玉の姿となった個体がケサランパサランとして伝承に残った」と考えられる。)。 モチーフだけに「優しい怪人に見えて全く違う」という意表を突いている。 名前の由来となっている『オペラ座の怪人』には怪人がオペラ座の若手女優に恋心を抱いてしまうシーンがあり、人々の恋心を奪う能力が考えられたと思われる。 声を演じる森訓久氏はスーパー戦隊シリーズでの出演は初となる。 「身体が燃えたぎるようだぜ 誰をぶちのめす、誰をぶっ壊せばいいんだ!」 【名前】 合体冥獣人キマイラ 【読み方】 がったいめいじゅうじんきまいら 【声】 三浦祥朗、二木静美、福原耕平 【登場作品】 魔法戦隊マジレンジャー 【登場話】 Stage33「インフェルシアへ~マージ・ゴル・マジカ~」Stage34「勇気の絆~ゴール・ゴル・ゴルド~」 【所属】 地底冥府インフェルシア 【分類】 冥獣人 【得意能力】 千口大閃光(せんこうだいせんこう)、千手戦闘突(せんじゅせんとうづき)、千脚旋風脚(せんきゃくせんぷうきゃく)、他997個あり 【ニックネーム】 千の術、千の眼を持つ、最強の合体冥獣人 【+α情報】 本来の「キマイラ」は様々な動物(獅子、ヤギ ヘビなど)が、合わさった怪物とも伝えられている。魔導神官メーミィは史実を元に、「冥獣人を合体させる」という事を思い付いた模様。 【怪物モチーフ】 キマイラ(キメラ) 【詳細】 メーミィが禁断の魔法によって無数の冥獣人を1つに混ぜ合わせて生み出した恐怖の合体冥獣人。 何体かの動物(胴部にライオン、右肩にカメレオン、左肩にウシ、右腕にワニなど)が確認できる。 かつて「天空聖者ブレイジェル」によって封印された多くの冥獣人の全ての邪悪な能力を異形の身体が得る。 全員の意識も溶け合い、無数の口から恨みと罵りの言葉を発し続け、自身と戦う事は1000人の冥獣人を一度に相手にする事を意味している。 マルデヨーナ世界「彷徨える憎しみの墓場」に誘き出したトラベリオンの強力な魔法のパワーと命を操る禁断の呪文によって誕生する。 驚異的な戦闘力とパワーは1000体の冥獣人に相当する程に高く、手始めにヒカルとリンをメーミィと共に一蹴、「魔導騎士ウルザード」と交戦中のレジェンドマジレンジャーの元に駆け付け、マジボルトも通用しない程のパワーを見せ、ウルザードと共に5人をインフェルシアに連れて行く。 その後、ウルザードの正体だった「小津勇」と共にインフェルシアの別の場所に移動した5人の前に出現し、劣らぬ戦闘力とパワーでマジレンジャーを迎え撃つ。 5人に止めを刺そうとするが、ヒカルとリンを乗せた「一角聖馬ユニゴルオン」が駆け付け、ユニオルゴンと共に地上界へ脱出する5人を追う。 地上界に出現すると同時に自力で巨大化する。 マジフェニックスがユニオルゴンと天空合体したセイントカイザーを苦戦させ、マジドラゴンの参戦後も「最強の合体冥獣人」の名に恥じない戦闘力とパワーで2体を追い詰めるが、ウルカイザーの一言にセイントカイザーは奮起し、最期は「セイントホーンフィニッシュ」を受け爆散した。 【余談】 本編において最後の冥獣人となった。 『百化繚乱[下之巻]』のデザイン画によれば、胴部の巨大なライオンの口の中に髑髏が見られる。 声を演じる三浦祥朗氏、二木静美氏、福原耕平氏はスーパー戦隊シリーズでの出演は初となる。 バレット! ショットライズ シューティングウルフ! ショットライズ ラッシングチーター フォースライズ スティングスコーピオン! フォースライズ フライングファルコン! 【名前】 フライングファルコンプログライズキー 【読み方】 ふらいんぐふぁるこんぷろぐらいずきー 【英語表記】 FLYING FALCON 【登場作品】 劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer 【分類】 プログライズキー 【使用者】 仮面ライダーゼロワン 【詳細】 ハヤブサの力が入ったシステムデバイス。 ハヤブサのデータイメージ「ライダモデル」が保存されている。 起動スイッチのライズスターターを押して起動、 ロック機構のトランスロックシリンダーがオーソライズすると展開状態にでき、出力端子キーコネクタを展開した状態で変身ベルトへの装填を行う。 「バレット!」 【名前】 シューティングウルフプログライズキー 【読み方】 しゅーてぃんぐうるふぷろぐらいずきー 【英語表記】 SHOOTING WOLF 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第2話「AIなアイツは敵?味方?」 【分類】 プログライズキー 【使用者】 仮面ライダーバルカン 【詳細】 オオカミの力が入ったシステムデバイス。 オオカミのデータイメージ「ライダモデル」が保存されている。 起動スイッチのライズスターターを押して起動、 ロック機構のトランスロックシリンダーがオーソライズすると展開状態にでき、出力端子キーコネクタを展開した状態で、変身ベルトへの装填を行う。 シンボルマークSPシンボルには内蔵された生物「オオカミ」をピクトグラム化しており、外部機器に装填した際にも一目で種類を判別可能とする。 ディスプレイモニターのライズモニターには稼働状況を把握するための小型モニターで、内蔵された生物「オオカミ」のデータイメージ「ライダモデル」が表示されている。 エイムズショットライザーに装填するとオオカミの「ライダモデル」を元とした強化アーマーライズベースアクターが変身者の周囲に展開してシューティングウルフとなる。 初登場の第2話ではロックを解除せず、強引にキーを展開して変身を行った。 【名前】 ライジングホッパープログライズキー 【読み方】 らいじんぐほっぱーぷろぐらいずきー 【英語表記】 RISING HOPPER 【登場作品】 仮面ライダーゼロワン 【初登場話】 第1話「オレが社長で仮面ライダー」 【分類】 プログライズキー 【使用者】 仮面ライダーゼロワン 【詳細】 バッタの力が入ったシステムデバイス。 バッタのデータイメージ「ライダモデル」が保存されている。 起動スイッチのライズスターターを押して起動、 ロック機構のトランスロックシリンダーがオーソライズすると展開状態にでき、出力端子キーコネクタを展開した状態で、変身ベルトに装填を行う。 シンボルマークSPシンボルには内蔵された生物「バッタ」をピクトグラム化しており、外部機器に装填した際にも一目で種類を判別可能とする。 ディスプレイモニターのライズモニターには稼働状況を把握するための小型モニターで、内蔵された生物「バッタ」のデータイメージ「ライダモデル」が表示されている。 飛電ゼロワンドライバーに装填すると、バッタの「ライダモデル」を元としたパワードスーツライズアーキテクターが変身者の前に展開してライジングホッパーとなる。 ズボシメシ 「仕掛け?そんな物はない わしは真実を言っているだけ それで勝手に傷付いているのだ」 【名前】 ズボシメシ 【読み方】 ずぼしめし 【声】 二又一成 【登場作品】 侍戦隊シンケンジャー 【登場話】 第六幕「悪口王(わるぐちおう)」 【所属】 外道衆 【分類】 アヤカシ 【得意武具】 舌先三尺刀(したさきさんじゃくとう) 【伝承のルーツ】 覚 【モチーフ】 キノコ、獣(タヌキ) 【名前の由来】 図星+示(しめ)し 【詳細】 キノコのような、大口を開けた獣のような姿を持つアヤカシ。 相手が最も気にしている欠点や隠し事を一目で見抜き、それを本人に言い当てる。 何故か1番触れられたくない図星を言い当ててしまう事ができ、まさに言葉の暴力となった悪口は相手の心と肉体を傷付け、「相手がのた打ち回る様を見ては快感を得る」という悪趣味な性格の持ち主でもある。 三途の川を増水させるのにこの世に侵攻し、上述の能力で大勢の人々を傷付けていく。 イエロー以外のシンケンジャーも蹴散らすが、悪口に慣れているイエローには通用せず、水切れで撤退を余儀なくされる。 イエローを集中攻撃するが、グリーンのウッドスピア木の葉隠しに撹乱される。 イエローがモヂカラで出現させた石を口に詰め込まれて悪口を言えなくなり、シンケンマル土の字斬りに怯み、続け様の「兜五輪弾」により倒される。 その直後、二の目となる。 シンケンオーを背中の3つ目からの光線で攻撃するが、シンケンオーが蹴り飛ばしたエンブレム形態の猿折神に怯み、侍武装したカブトシンケンオーになす術もなく、最期はカブトシンケンオーの「兜大回転砲」を受け爆散した。 戦いの後、悪口がイエローには効かなかった訳ではなく、「ことは」は蓄積された精神的ダメージが限界点を超えて気絶してしまう。 現代の伝承で『覚』という妖怪がいるとされている。 『覚』は相手の心の内を読む事ができる化け物らしく、ズボシメシの悪口攻撃が『覚』伝承のルーツになったと思われる。 【余談】 一人称は「わし」。二人称は「おまん」。 普段から仲間内でも一言多いタイプな存在らしく、呼び出した骨のシタリも発言を極力制止している(本人曰く「口は災いの元」)。 市民とシンケンジャー4人(イエロー以外)への悪口は以下の通りになっている。 「デブ」(作業員) 「振られ男」(警官) 「厚化粧」(化粧中の女性) 「スケベ」(サラリーマン) 「プチ整形」(OL) 「存在感ゼロ」(学生) 「ごく潰し」(フリーター) 「二股同士」(カップル) 「不合格」(塾生) 「落ちこぼれ」(グリーン) 「ファザコン」「マザコン」(ブルー) 「一生独身」(ピンク) 「嘘つき、大嘘つき」(レッド) レッドに対して「嘘つき、大嘘つき」と評しているが、終盤で明らかとなる秘密を暗示している。 声を演じる二又一成氏はスーパー戦隊シリーズで何度か怪人の声を演じている。 「ここの人間操って、皆で戦わせる 人と人の命を奪い合う『この世の地獄』だ」 【名前】 クグツカイ 【読み方】 くぐつかい 【声】 武虎 【登場作品】 侍戦隊シンケンジャー 【登場話】 第三十幕「操学園(あやつりがくえん)」 【所属】 外道衆 【分類】 アヤカシ 【得意武具】 人間を操る 【伝承のルーツ】 小袖の手 【モチーフ】 ナメクジ、傀儡(人形) 【他のモチーフ】 傀儡子(人形遣い) 【名前の由来】 傀儡子+人形遣い 【詳細】 操るナメクジのような、操られる傀儡のような姿を持つアヤカシ。筋殻アクマロの3人目の部下。 人間の手首に思念の糸を付ける事で意のままに操る術を使う。 操られた人間はまるで人形のように感情をなくし、無表情で自身に従い、糸は自身の特殊な念動力で守られている為に絶対に切る事はできない。 鷹白学院に密かに潜入し、上述の能力で教師と生徒を操り、お互いの殺し合いを目論む。 学院の生徒全員を操り人形にする事に成功し、操った人々を盾にする事でシンケンジャーを相手に善戦するが、イエローがモヂカラで地面に掘った穴を通って背後に回ったスーパーシンケンブルーの真・水流の舞により倒される(同時に教師と生徒を操っていた糸も消える。)。 その直後、二の目となる。 イエローはシンケンオーへの侍合体の最中にダイゴヨウを大変化させ、ダイゴヨウは獅子折神以外の折神と侍合体した事で(偶然)シンケンダイゴヨウとなり、イカダイカイオーの槍を糸で振り回して攻撃するが、シンケンダイゴヨウの飛び蹴りに怯み、最期は「十手一直線」を受け爆散した。 現代の伝承で『小袖の手』という妖怪がいるとされている。 『小袖の手』は着物の袖から手だけが伸びて人間を驚かす化け物らしく、クグツカイが術によって人間を操る時の手の動きが『小袖の手』伝承のルーツになったと思われる。 アクマロが真の狙いを血祭ドウコク達に悟られないようにする囮だった。 【余談】 声を演じる武虎氏は声を演じる武虎氏はスーパー戦隊シリーズに怪人の声で何度か出演している。 「何でもシャカシャカの粉々にしてやるぜ! シャカシャカ!」 【名前】 ソギザライ 【読み方】 そぎざらい 【声】 岩田光央 【登場作品】 侍戦隊シンケンジャー 【登場話】 第三十六幕「加哩侍(かれーさむらい)」 【所属】 外道衆 【分類】 アヤカシ 【得意武具】 何でも粉々にしてしまう 【伝承のルーツ】 山颪 【モチーフ】 トゲ、牙、毛 【他のモチーフ】 ヤマアラシ 【名前の由来】 削ぐ+浚う(「掻き退ける」の意) 【詳細】 トゲや牙のような、固い毛のような姿を持つアヤカシ。 全身が鋭いトゲや針のような毛などで覆われ、目にも止まらない恐るべき速さで回転する事によって触れる物を瞬時に粉々にしてしまう。 技は自身よりも巨大な建物でも砕いてしまう程の威力があり、削りながら「シャカシャカー」と歓喜の口癖を上げる。 筋殻アクマロに立場を奪われがちだった骨のシタリに呼び出され、シンケンジャーを高速回転で苦しめるが、水切れで撤退。 再び現世に現れると同時にシンケンジャーと再戦になり、同じ様に自身の高速回転で追い詰めるも、一計を案じたイエローがレッドからインロウマルを借り受け、スーパーシンケンイエローになってから形勢が逆転。 スーパーシンケンイエローも真・猿回しで高速回転した為に動きを見切られ、スーパーシンケンマルで腹部を突かれた事により回転が停止してしまい、ゴールドのサカナマル千枚おろしに怯み、スーパーシンケンイエローの「真・土煙の舞」により倒される。 その直後、二の目となる。 ダイカイシンケンオー、ダイゴヨウと交戦、ダイカイシンケンオーとダイゴヨウを高速回転で苦戦させるが、ダイゴヨウに動きを止められた隙にサムライハオーへの全侍合体を許してしまい、高速回転で立ち向かうも通用せずサムライハオーになす術もなく、最期は「モヂカラ大弾円」を受け爆散した(その際は「もっとシャカシャカしたかったのに~!」と発言。)。 現代の伝承で『山颪(やまおろし)』という妖怪がいるとされている。 『山颪』はトゲだらけで卸し金のような頭部を持つ化け物らしく、ソギザライの何でも粉々にしてしまう技が『山颪』伝承のルーツになったと思われる。 【余談】 声を演じる岩田光央氏はスーパー戦隊シリーズでの出演は初となる。 妻の愛河里花子氏(『爆竜戦隊アバレンジャー ダイノガッツCD』のアロハイビスカスカンク役)もスーパー戦隊シリーズに出演している。 「勝負は見えたな 加速能力は同レベルだったが、所詮は人間。疲れがスピードを奪う 次で決まる」 【名前】 ダンガンロイド 【読み方】 だんがんろいど 【声】 松本保典 【登場作品】 特命戦隊ゴーバスターズ 【登場話】 Mission10「戦う理由」 【所属】 ヴァグラス 【分類】 メタロイド 【製造者】 エンター 【製造モチーフ】 玩具のピストル 【他のモチーフ】 弾丸 【メタウイルス】 「撃つ」UTSU(不明) 【識別ナンバー】 D-13 【推奨動作環境】 超スピードの世界 【オーダー】 デルタニウム39の転送を邪魔しようとするゴーバスターズを得意の超スピード能力で排除する 【識別ナンバーの由来】 弾丸(だ(Da)んがん、英:B(B→13)ullet) 【詳細】 エンターが機械人間にされた少年が落とした玩具のピストルに「撃つ」のメタウイルスをインストールする事で製造されたメタロイド。 左腕の加速トリガーを引く事で自らを弾丸のように撃ち、恐るべきスピードで戦闘する能力を持つ。 速度はレッドの超スピードとほぼ互角に渡り合え、専用の銃や剣を駆使して戦う。 高層ビルの屋上で機械人間をバリケードとして使い、ビル内部に潜入したレッドを廊下で待ち伏せ、彼に1対1の勝負を申し付ける。 レッドと互角の攻防を繰り広げ、「(ゴーバスターズが突然変異でも)人間は自身(メタロイド)には勝てない」と豪語。 その後、ソウガンブレードを投げ捨てたレッドは超スピードの肉弾戦に持ち込む。 追撃しようとしたところを超スピードで動くレッドが瞬時にイチガンバスターと空中を漂うソウガンブレードを合体させ、最期はエネトロンをチャージして放った「イチガンバスター・スペシャルバスターモードの射撃」を受け爆散した(その際に「見事」とレッドを称えている。)。 同個体のデータを強化戦闘に特化したタイプγにダウンロードされたダンガンゾードも出現。 Mission31で色違いの同型が登場。 【余談】 同個体の製作過程に関しては劇中では明かされなかった。 エンターがビルのアナウンスで自慢したように高い戦闘力を持ち、最初からゴーバスターズと戦う事をインプットした「キラーマシーン」(今までのメタロイドはほとんどエネトロン強奪や破壊活動の最中に止む負えずに戦闘する。)となっており、コミカルな面もない冷徹な人格を持ち、今までのメタロイドの中で最も人間に近いシルエットをしたスリムな体型になっている。 声を演じる松本保典氏はスーパー戦隊シリーズで何度か声を演じている。 「承知しました ゴーバスターズを1人残らず消して御覧に入れます」 【名前】 ダンガンロイド2 【読み方】 だんがんろいどつー 【声】 野坂尚也 【登場作品】 特命戦隊ゴーバスターズ 【登場話】 Mission31「宇宙刑事ギャバン、現る!」 【所属】 ヴァグラス 【分類】 メタロイド 【製造者】 エンター 【製造モチーフ】 玩具のピストル 【他のモチーフ】 弾丸 【メタウイルス】 「撃つ Ver.2」UTSU VER.2(不明) 【識別ナンバー】 D-13 【推奨動作環境】 魔空空間 【オーダー】 亜空間を壊滅させたゴーバスターズを1人残らず消し去る 【識別ナンバーの由来】 弾丸(だ(Da)んがん、英:B(B→13)ullet) 【詳細】 エンターが玩具のピストルに「撃つ Ver.2」のメタウイルスをインストールする事で製造されたメタロイド。 専用の剣やビームバズーカで武装し、超速バイク「バレットスピーダー」を駆り、ヘビー且つスピーディーな戦闘を両立させる最強の刺客。 ブルーと交戦中、ライノダブラーが作り出した魔空空間に偶然引きずり込まれ、悪の力が3倍に増幅。 その後、ブルーとイエローを追い詰めるが、レッドと共に魔空空間に乗り込んだギャバンTypeGが銃撃を回避した隙を突いて放ったレーザーZビームで銃を落としてしまい、最期はギャバンTypeGの「ギャバンダイナミック」とエネトロンをチャージして繰り出したレッドの「ソウガンブレードの斬撃」を連続で受け爆散した。 同個体のデータを強化戦闘に特化したタイプγにダウンロードされたダンガンゾード2も出現。 【余談】 Mission10の個体は黒色で銃弾のように動く加速能力を持っていた。 初代はレッドとしか交戦していなかったが、同個体はブルーやイエローとも交戦している。 同Missionで『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』のギャバン・タイプG/十文字撃、コム長官の姪のシェリーが本編で先行登場 シェリー役の森田涼花氏は『侍戦隊シンケンジャー』でシンケンイエロー/花織ことは役としてレギュラー出演している。 声を演じる野坂尚也氏はスーパー戦隊シリーズでの出演は初となる。 デスガリアン テンサイキック シェフードン 整列4
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夜空 ◆iDqvc5TpTI 月。 銀色の月。 夜の闇を照らし、人々に安息を与え、導く光。 されど。 月はただ、道を提示するのみで、選ぶのも、進むのもその人次第だ。 天に輝くことはあれど、救いの手を差し伸べることは無い。 そして、今もまた。 無慈悲に、孤高に。 一つの戦いを見下ろしていた。 ――黒い風が、また泣き始めた…… そんな月を背に、その男も赤きマントと蒼銀の長髪を揺らしつつ、頂きより大地を睥睨する。 魔王だ。 ブラッドと戦った後、人が集まるだろうと踏み、近場の施設を目指し移動していたのだ。 その考えは的中したようで、彼の見つめる先には男女二人の人間。 魔王は迷うことなく、ブラッドにしたように高みから飛び降り襲撃を仕掛ける。 だが、今度は金の虹を閃かせるよりも早く、氷の刃を煌めかせる。 ブラッドとの戦いは結果的には圧勝したものの、この島に居るものがクロノ達以外も決して無力ではないと男に教えていた。 故に、魔王は使い慣れない刀ではなく、自身の最たる武器――魔力を最初っから躊躇なく振るう。 「アイスガ!!」 つらら程のサイズだった氷が、空気中の水分を凍らせつつ大木もかくやというまで膨れ上がる。 落下軌道中に撃つには最適だと選択した魔法は、主の期待に応え重力加速を味方とし、加速。哀れな標的へと迫る。 果たして……。 情報交換に励みつつ、当面の目的地と定めた遺跡に向かっていたジョウイとリルカが、襲撃に気がついたのはほぼ同時だった。 真の紋章が輝き、宿主に警告を発する。 クレストソーサーとしての経験が魔力の急激な収束を捉える。 瞬時に、互いに危機を知らせようと口を開きかけ、目が合ったことで相手が気付いていると判断。 リルカは転がるように左に、ジョウイは大きく後方に跳び、その場を離れる。 直後、降り注ぎしは巨大な氷塊。 あと1秒でも退避が遅れていれば、取り返しのつかないことになっていたのは明白だった。 いや、過去形にしていいものでは無い。 襲撃犯と思われる男もまた、地に降り立ったのだから。 上手いやり方だとジョウイは舌を打つ。 翼なき人の身では、空において逃げ場は無い。 高所からの奇襲は相手の虚を突き確かに有用だが、万一発覚すればたちどころに自分が不利になる。 それが分っていたからこそ、この男は自身の放った氷柱を盾としても併用したのだ。 森の木々のせいで頭上が見えなかったことも痛い。 逆に男は邪魔な木を氷が粉砕したことで、無傷で地に足を下ろせる。 「いった~、いきなり何すんのよッ!!」 口ではそういいつつも、リルカもわかっているのだろう。 両手でしっかりと構えたワルキューレの矢先は、青髪の男へと向けられていた。 ジョウイもワルキューレと交換した回転のこぎりをいつでも起動できるようにボタンに手を添えながら、男を注視する。 やはりリルカ同様、額と両手には紋章は見当たらない。 代わりにとばかりに眼を惹くのは、先端を尖らせ細長く横に伸びた特徴的な耳。 ジョウイは相手の一挙一動に注意を配りつつ口を開く。 「その耳、あなたはエルフ族、ですか?」 「ノーブルレッドッ!? 嘘、マリアベル以外滅んだんじゃないのッ!!」 奇しくも、リルカもその耳の形状に思い至ることがあり声をあげる。 聞いた話では、マリアベルとは吸血鬼の少女らしい。 そういえばリオウの仲間にも一人いたみたいだが、耳は人間と変わらなかったはずだ。 内心首を傾げるも答えを待つジョウイ。 先刻の攻撃から相手が殺し合いに乗っているのは承知している。 それでも、情報は重要だ。 例えば、ジョウイの考察通り彼がエルフなのだとしたら人間嫌いな彼らだ。 襲撃してきたこともわかるし、利用する方法にも繋がる。 果たして襲撃犯の返した答えは、二人の予想とは異なる、否、予想し得ないものだった。 「魔王……。オディオとは違う、されど、貴様たちに死を与える者だ」 名簿にも示されていた名前。 訳がわからないと数分前に二人して首を捻った名を冠する男は。 話は済んだとばかりに素早く踏み込み斬りつけてくる。 狙いは魔王にとって手前に位置するジョウイだ。 かくして戦いの火蓋は、切って落とされた。 ギャリギャリと、ギャリギャリと。 異音と共に刃は回る。 リルカから聞いたチェインソウという別名や外見から、火炎槍の一種かと踏んでいたが、槍よりもむしろ剣に近いらしい。 もっとも扱いやすさに関してはかなり癖が強いようだけど。 バランスの紋章の助けもあって、ジョウイは振動に引きずられることなく、回転のこぎりを振るう。 幸い、相手の武器との相性は良い。 切断する際手前にスライドさせて、力の向きを切断物に対し直角からそらして加えてこそ、最大の切れ味を発揮する刀では、 常に刀身が回転し続ける回転のこぎりで受け止める限り、その斬撃は上手く決まりはしない。 邪魔な木も、用途に添うのこぎりの刃を止めれるわけもなく、切断され、障害足り得ない。 加えて数の利もある。 「ええいッ!!」 刃零れを恐れ、直接打ち合うことを避け後退した魔王に矢が射られる。 リルカだ。 情報交換時に渡したワルキューレを彼女は不慣れながらも頑張って物にしていた。 命中率自体はまだやや低めではあるが、援護のタイミングに関しては申し分ない。 元々彼女が得意としていた魔法は主に単体を狙い撃つ物。 クロスボウという武器の特性上、次弾の装填までに間が開くという欠点もなんのその。 精神力ことフォースに魔法の発動条件を左右されるクレストソーサレスは、射ちどころを弁えている。 前衛ジョウイ、後衛リルカ。 即席ながらも中々のコンビネーションだった。 並大抵の人物では徐々にだが、押されていったことだろう。 この場では無意味な仮説だ。 運が悪かった。 男は一つの世界、一つの時代を震撼させた魔王なのだ。 どれほど即席としては優れていても、装備等が万全の状態とは言い難い二人に、太刀打ちできるものでは無かった。 「魔蝕の霧よ……。黒き風に乗りて、全てを蝕め……」 身を穿たんとした矢を切り払い魔王が力ある言葉を発する。 刀を持たぬ左手に集うは人には稀にしか発現せぬ冥府の力。 「ダークミスト!!」 圧倒的魔力により編まれ、収束していた魔の霧が、吹き出し、拡散し、獲者達を包み込む。 爆発するわけでも氷結させるわけでもなく、表立って脅威とはとれない霧は、しかし、ジョウイとリルカの体力を早急に吸い上げて行く。 よく見れば彼らの周囲の木も朽ちて枯れ果てていた。 「くっ!!」 「嘘、でしょ……」 霧に侵され、立つだけの力さえ失ったリルカが崩れ落ちる。 ジョウイもまた倒れてこそはいないものの、剣を地に突き立て杖代わりすることで、膝をつかないのが精一杯だった。 一撃。 たったの一撃で勝敗は決したのだ。 「ほう? ちっぽけとはいえ魔力に耐性があるか。ふむ、あの男のように一撃とはいかぬか」 くっくっくと笑みを浮かべ、止めを刺さんと魔王は歩を進める。 言に反して不満そうには思えない魔王の様子にジョウイは理解した。 同じだ、と。 この男もまた、ルカ・ブライト同様、虫けらでも潰すように、指一本、魔法一つで、幾多もの命を奪い続けてきたのだと。 そのことを責める資格はジョウイにはない。 どんな大義名分があろうとも、彼は己が勝手で、終わらせれるはずの戦争を長引かせ、直接手を血に染めもした。 だから。 魔王の言葉に覚えた引っ掛かりを問うたのはリルカだった。 「あの男って……。あなた、まさかッ!!」 甘いと自覚しつつも、友のことでないことを心のどこかでほんの僅かにジョウイは祈る。 決着はこの手でつけたいからと言い訳して。 ――その願いは幸か不幸か叶うこととなる 「御名答、とでも言っておこうか? ああ、私は既に、一人殺しているぞ。あの男」 傍らの少女の仲間を犠牲として。 「ブラッド・エヴァンスを!!」 え? 告げられるはずの無い告げられてはいけない名前に、リルカの思考は一瞬の白き闇に覆われる。 ブラッド。 ブラッド・エヴェンス。 戦闘能力に関してなら、ARMS最強とさえ言われる人物。 力だけではない。 冷静な判断力と、静かなれど熱い心を併せ持つ男。 その彼が。 死んだ? 眼の前の魔王に、殺された? 「そ、んな。そんなのって、ないよ。ブラッドだよ?」 前にもこんな気持ちになったことがあった。 リルカは思い出す。 あれはオデッサの作戦を阻止するため、エネルギー供給施設を破壊しに行った時のこと。 ブラッドは作戦を成功させるために、自ら死地へと向かった。 悲しかった。 そうなってしまったのは、ブラッドにそんな役目を負わせてしまったのは、敵の策略に嵌りリルカ達が彼を疑ってしまったからで。 みんなで後悔して。 それでも前に進もうとアシュレーを始め頑張って。 咄嗟の機転で生き残っていた彼に助けられ、再会できた時、すごく、すごく、嬉しかった。 なのに。 「そうだよ、今回だって、あの時のようにさ。死んだと見せかけて、おいしいところでわたし達を」 「ヤツは死んだ! 弱き者は虫ケラのように死ぬ。ただそれだけだ……」 「なんでッ!! どうしてッ!! 魔法は何でもできる力なのに。それ程の魔力を持ってて、魔法をちゃんと使わないのッ!!」 リルカは声を荒げる。 ――魔法はね、ちゃんと使えば、何でもできる力なんだよ もうこの世に居ない、憧れる姉の言葉と、自分の想い。 大事な、大事な、二つを胸に。 男もまた、姉を失った存在だとは知りもしないで。 「……何でも、できる力?」 魔王の表情からは一切の笑みも余裕も消えていた。 ただただ地下深く煮えたぎるマグマのような、暗くも激しい怒りが浮かんでいた。 「ならば、何故、私は、俺は、姉一人救えなかった!! そうだ、何もできはしない。魔法は何も与えてはくれなかった!! 魔法技術が発展していたからこそ魔神器が作られ、ラヴォスから吸い上げた力に母は魅せられ豹変した!! 魔力が高かったからこそ、姉はラヴォス復活に利用され、使い潰され、あらゆる時からも姿を消した!!」 魔に魅入られた女王ジールは葬り去った。 星に寄生し、その命を喰らい進化し続けたラヴォスにすらも、クロノ達の力を借りてとはいえ復讐を果たせた。 絶大な力。 人の身でありながら魔族をも統べる強大な魔力。 優しい母も、最愛の姉も、取り戻すことの叶わなかった、無意味な力。 魔王は泣いているようだった。 一人は寂しいと悲鳴をあげる子どものように、普段の彼からは考えられぬほどに喚き散らしていた。 自身でも情けないと思いはするが激昂は収まらない。 リルカの訴えもやむことは無く。 姉を魔法に奪われた二人の人間は、されど逆の位置に立ち、互いに一歩も退かなかった。 口を使っていてはどこまでも続く平行線だ。 口論の終わりが、暴力により訪れるのは当然の帰結だった。 「魔法はなんでもできる力? ふざけるなっ!! 魔法など壊し、殺し、奪う。ただそれだけの力なのだ!!」 「違うッ!!」 「黙れ。貴様は、実に耳障りだ!! 爆ぜろ、薄汚く肉片を撒き散らしながら!! 久遠の闇に抱かれて!!」 「いけないっ!!」 自分が眼中になく、リルカを狙う魔法が放たれることを察したジョウイが、デイパックより引き抜いた一本の剣を魔王に投げつけるも。 破れかぶれの一撃は、魔王を捕らえることは無く金色の虹の一閃と共に弾き返される。 迂闊さを呪い半身を逸らすことで剣を回避するも、助かるのはジョウイのみ。 地に両手をつき、伏した上半身を起こした状態であったリルカの前には、漆黒の宝玉が顕現していた。 違う、物質ではない。 高密度に圧縮された魔力の渦だ。 リルカに接触し砲丸ほどの大きさのある球が震える。 拡散させることなく貯め込んだ力が、衝突の刺激で臨界点を超え一気に暴発する! 「ダークボム!!」 「う…………あ、…………」 悪魔が翼を震わせるかの如き爆音が響き、餌食の断末魔さえをも喰らう。 小さな少女の身体は、血肉を欠けさせながら襤褸雑巾のように吹き飛び、ジョウイの頭を超えて行き。 枝葉を折り、鈍い音を響かせ、地へと墜落した。 「フン。我が前に立ちはだかる者は一人残らず消す。貴様にも聞こえるだろう。黒い風の音が……」 死人に口なし。 ようやっと心を乱すパルスを遮断した魔王は、次はお前だとジョウイに刃をかざす。 「そうだね。君の……言う通りだ、魔王」 リルカに魔王が気を取られているうちに貯め込んだ体力を振り絞り、ジョウイは立ち上がる。 死を受け入れたのではない。 生を諦めていない証拠に突き出すは右の腕。 手の甲に刻まれしは、先刻投擲した剣に似た赤黒い紋様。 リルカには武器攻撃力が上がる物だと説明していたそれこそが。 世界の根源を司ると推測される真の27の紋章のうちの一つ。 始まりの紋章が片割れ、黒き刃の紋章。 「魔法は、紋章術は。どれだけ強力でも、決して万能なんかじゃない」 その強さがあれば、全てを守れると思った。 ルカ・ブライトを利用し、一国の王にまで登り詰めた。 そこまでして尚、次々と掌から零れ落ちるのを止めることはできなかった。 「ピリカの両親や、ナナミ、シードにクルガンを生き返らせられはしない」 ジョウイの力では、無理だ。 失ったものは二度と手に入らない。 ジョウイ自身の力では。 ――どのような薄汚い欲望でもよい。何でも望みを叶えてやる 魔王オディオはそう言った。 ナナミに関しては、危機一髪で治療が間に合ったという考えも捨てきれない。 だけど、ルカ・ブライトは違う。 この眼で死体も確認したのだ。 狂皇子は、死んだ。 死んだはずの名前が、名簿にはあった。 死者蘇生。 誰にも不可能だと思っていたこと、軽く成し遂げたあの魔王の力なら。 「それでも、だからこそ。ぼくは、平和な世界を作ってみせる」 ジョウイは賭けた。 オディオに、彼の力に。 チップは、自らの命。 配当は、自分以外の他の誰もの幸せな明日。 ゲームの種目は、バトルロワイヤル。 「その為にも。まだ……、死ねない!!」 獣の紋章を抑える為に酷使した黒き刃の紋章。 後どれだけ反動に耐えれるかは分らない。 リルカを見捨てず、自身が逃げづらい前衛に立ってまで封じていた文字通り最期の切り札。 切り札足り得る最強の破壊の力。 黒き刃が歓喜の声を上げ、紋章が光を得る。 出し惜しみはしない。 まずはこの危機を切り抜ける。 魔王も紋章を脅威と察し、数度目の魔法を唱えようとして。 「万能じゃ、ない? 当然、だよ。一人で、全部できるわけ、ないじゃない」 闇と黒は、形を得るよりも早く、赫き風に祓われた。 「魔法はね、誰にでも使えて。そして――何でもできる力」 ジョウイは目を見張る。 魔王さえも、驚愕していた。 「クレストソーサーなんかじゃない。紋章術とかいうのとも多分違う。 誰しもが、持ってる、その人にしか、できないこと」 赤、紅、朱、赫、あか、アカ、AKA。 世界は赤一色に埋め尽くされていく。 禍々しいまでの赤、毒々しいまでの朱。 具現化するまでに濃密な魔力の奔流。 「わたしなら、失敗しても、躓いても絶対にめげないこと。それが、魔法。そう、誰にだって、できることはあって。だったら……」 そんなあかい世界を引き連れ中心に佇む少女は。 リルカ・エレニアックは。 「みんなで、なら。わたし達は、なんだって、できるッ!!」 狂い咲く血の色に染まることなく。 瞳に凛然とした意思を宿し、お陽様のような笑みを浮かべて。 言い切った。 彼女がARMSで見つけた、彼女の答えを、彼女の魔法を。 勝者が一人しかいないバトルロワイアルを否定する言葉を。 「リルカ、無事だったんだね」 「うん、わたしを助けようと、ジョウイが投げた剣のおかげでね」 我に返り、やっとのことで話しかけたジョウイに、リルカが掲げるのは確かに覚えのある武器だった。 しかし、同時に全く知らない剣へと変化していた。 力だ。 不吉な形ではあるものの支給品をチェックした時は何の変哲もない剣だったそれは。 今や赤きオーラを纏った一本の魔剣と化していた。 「だから、今度はわたしが、助ける」 ミスティックにより強引に本来の力を叩き起こした紅の暴君――キルスレスを手に、リルカが庇うように前に立つ。 「ジョウイは、逃げて」 言いつつもリルカは魔剣に意思を通わす。 ミスティック。 リルカ達の出身であるファルガイアにおいては、強い意志や想いは精神論だけではなく実際の力として具現化して現われやすい。 裏を返せば、心を持たない機械や道具は設定数値以上の力は発揮できないということだ。 その限界を突破させる技巧がミスティックだ。 自身のフォースを分け与えることにより、あたかも道具が意思を得たかのような状態にし、秘められた力や規定以上の能力を引き出せるのだ。 リルカが魔剣にミスティックをかけたこと自体は偶然だった。 死に至る傷を負ってさえ生を諦めなかった少女は、地を這いなんとか前へと進もうとした。 その手が自身と同じく魔王の手により打ちつけられた魔剣に触れたことも偶然。 クレストグラフを必要としないミスティックに全てを託したのも偶然。 キルスレスが刀身に担い手の心を乗せるという構造上、フォースが浸透しやすかったことも偶然。 契約者を失った剣が、紛い物でもいいとリルカを生かそうとしたのもまた偶然。 だがしかし、それら全てはリルカが生きて護り抜こうと足掻いたからこそ起きた必然也。 ――奇跡は待つものではない。奇跡は、自分の手でおこしてこそその価値があるのだ うん、忘れてないよ、アーヴィング。 リルカの意のままにキルスレスより光が漏れ、ジョウイへと注がれる。 赤き波動がみるみる失われた活力を補っていく。 「力が、戻ってくる?」 「真紅の、鼓動。ジョウイも癒せるよう、範囲を広げてみたんだ。これで、もう、走れる、よね?」 「リルカ。それじゃあ、君が……」 「あ、その、わたしは、へいき、へっちゃら、だよ?」 不安を顕わにするジョウイに笑って誤魔化すも、リルカは既に限界だった。 宿主を生かそうとする剣の力でぎりぎり死の淵より戻って来れたに過ぎない。 気を抜けば、そこで終わり。 息切れする身では喋ることすら流暢にはいかない。 「おっきいの、撃つから。離れていてくれないと巻き込みかねないんだ」 間違ってはいない。 でも、正しくもない。 知識とともに剣より流れ込む破壊の意思。 万一乗っ取られたら、危害をジョウイにも加えかねない。 それに、自分を責めてほしくもなかったから。 ――壊せ、殺せ、破壊しろ、我らと同じ苦しみを、肉を削ぎ落される痛みを、焼き払われる恐怖を、踏みつぶされる嘆きを、与えろ、あらゆる命……。 念が途切れる。 魔剣から引き出していた力もだ。 ミスティック一回ではこれが限界。 剣もそのことを理解しており、僅かな時間で己が全ての知識と意識を一遍に流し込もうとする為、リルカが受ける負担は常の伐剣者以上のもので。 只でさえ適格者ではない少女の心は急速に蝕まれていく。 「……わかった」 「あ、それと、これ、持ってって。わたしが剣、持ってっちゃうし」 耳につけていたキラーピアスを外して渡す。 接近戦をこなせるジョウイなら、きっと役立ててくれると信じて。 軋む心を押し込め、リルカは笑う。 「元気があれば、何でもできるから。ジョウイは、ジョウイの、魔法を見つけてね」 「後で返すから。無事でいてくれ」 身を翻し、背を向け、駆けだすジョウイを見送るリルカ。 「逃がしはせぬ!!」 黙って見過ごすほど、魔王は甘くは無い。 リルカのミスティックよりも早く、新たな魔法を詠唱。 凝縮された魔力のうねりは疑似的なブラックホールと化し、強力な引力を発生。 逃走しだしたジョウイを笑うかのように、引き寄せ、リルカともども飲み込む……筈だった。 「な、に?」 中空に浮かんだ黒き点が消えていく。 魔王が制御していたはずの魔力は、集うことなく虚空へと散開して行く。 その有り得ない現象を前にして、流石の魔王も、いや、魔王だからこそ困惑した。 これまで魔力の扱いで彼が失敗したことは無かったのだから。 正気に戻った時にはもう遅い。 ジョウイの姿は刻一刻と小さくなり、3度ミスティックで魔剣を始動させた少女が立ちはだかっていた。 魔女っ子は魔王へと告げる。 「『魔法』……見せて、あげるよ」 再度、赤き風が吹きすさぶ。 現実に、リルカの心に。 ある一つの島で起きた戦争における犠牲者達の憎悪や怨念が寄り集まり生まれた存在――ディエルゴ。 人一人が抑えるには強大すぎる彼の者を受け止める覚悟をする。 「……――ス」 島一つがなんだ。 リルカは知っている、世界一つの負の感情を取り込み育った焔の魔神に負けることの無かった一人の青年を。 彼が味わった辛さに比べればこのくらい。 ――へいき、へっちゃらッ! 「――セス」 ずっと、見てきた。 好きだったから。 大好きだったから。 だから、唱える。 「……クセスッ!」 ホクスポクスフィジポスが元気が出るおまじないなら、それは、立ち向かう勇気の出るおまじない。 人を好きになった証。 自分も好きになれた想いの結晶。 届くことはないけれど、抱いてよかったと思える一つの魔法。 「アク、セスッ!!」 ――アシュレー、お姉ちゃん、見ていて。わたしの、魔法を 閃光。 紅が、爆発した。 魔王にとって今夜ほど数多も驚いた夜は無い。 眼を焼く光が晴れ、視界を取り戻した時、敵対する少女のみが様変わりしていた。 各所に彩られていた魔力のアンプは光臨を為し、羽織っていたマントは魔力に耐えきれずにずたぼろになり、マフラーのように靡いている。 代わりとばかりに白く変色しほどけた髪は背を覆い隠さんとするまでに伸び、眼の色もまた真紅へと移ろっていた。 最たる変化は、右腕だ。 血のような赤い色に縁取りされた黄金の剣。 棘の付いた大小二つの輪と連なったその剣は少女の細腕から伸びていた。 融合、しているのだ、剣が、リルカと。 外見だけではない。 リルカに満ちる魔力は、魔王のそれと比しても上回るまでに膨れ上がっていた。 「剣の……魔女……」 自然と魔王の口から零れ出る呼び名があった。 伐剣者、いや、敢えてこう呼ぼう、抜剣者――セイバーと。 ある王朝の言葉にて、救い、切り開く者の意を冠した本来の名を知らずとも、見る者にそのことを呼び起さす何かが今のリルカにはあった。 「そんなんじゃないよ。わたしはリルカ。エレニアックの、ううん、ARMSの魔女っ子、リルカ」 首を横に振り、否定するリルカ。 本格的に抜剣し覚醒したことで、彼女を襲う圧迫は力を小出しにしていた時とは段違いのものになっていた。 思考領域を次々と冒されていく。 それでも分っていることはある。 わたしは『戦える』ということが。 この『痛み』も『姿』もわたしが手にした護る為の『力』なんだ。 「認めん!! 俺は認めんぞ!! 貴様も、貴様の魔法も!!」 魔王の身体は震えていた。 かって海底神殿でラヴォスに魔力を吸われ敗北した時のように、恐怖で。 果たして彼が本当に揺さぶられたのはその身体なのだろうか? 心が。 ――どうか母を、この国を…… 憎まないで…… 心が、大切な誰かの最後の言葉を思い出してしまったからではないのだろうか? 「や……、やられぬぞ俺は……!貴様に、だけはああああああああ!!」 自らの全てを否定する敵を前にして魔王は持てる最大の魔法を紡ぐ。 天に白きトライアングル、地に黒き正三角形を。 回転し折り重なる果ては六芒星。 召喚するは命許されぬ冥界。 現世と冥府、この世とあの世を入れ替える、禁忌中の禁忌。 「ダーク、マターーーァァァァァアアアアアアアアアアア!!」 リルカも、遺跡も、下手すれば僅かに背が見えるジョウイをも巻き込み、ウツツを噛み砕かんとする地獄のアギト。 迎え撃つは、ツルギ。 どれだけ莫大な魔力でも束ねられなければただの有象無象に過ぎない。 固められることのない砂は風の一吹きで軽く飛ばされる。 リルカの手にその為の道具であるクレストグラフは無い。 残っているのは我が身のみ。 故に少女は暴走召喚の手順を応用し、己を媒介にして過剰なまでに力を集わせる。 「オーバーヒート」 イメージする。 一人、核兵器ドラゴングラストヴァインに立ち向かった大好きな人の姿を。 束ねる、拡散しようとする魔力を、自身の周りに。 いつしか少女の内から吹き出そうとする魔力は一つの形を成していた。 闇を切り裂き天高く舞う不死鳥の形を! 「――ファイナルッ」 リルカは地を蹴り、フォースの影響か金色を帯びた赤き鳳凰の嘴たる魔剣を閉じ逝く世界に突き立て、トリガーを弾く。 空気を送り続けた風船に、最後の一押しを。 「バアーストォォォォォォオオオオオオオオオッ!!!!!!」 刹那、限界までに器を満たした魔力が遂に行き場を無くし破裂した。 綺麗な、空だった。 月が輝き星が躍る綺麗な空だった。 でも、やっぱり、お陽さまが、いいな。 仰向けに倒れ込みながらリルカは思う。 魔王の姿も、彼が呼び出した闇も、生い茂っていた木々も、どこにもない。 空が見えたのは、こういうことか。 ちょっと、やりすぎちゃったかな? 少し、遠くを見る。 遺跡はやや外壁が崩落しているものの、無事だ。 これなら、ジョウイも多分、大丈夫。 ブラッドだって、信じるって決めたんだから、最後まで、生きてるって信じよう。 ……わたしは、ちょっと、だめみたいだけど。 崩れゆく中リルカは謝る。 ごめんね、みんな。 みんなでいっしょに帰ろうって約束、今度は、わたしが破っちゃいそう。 テリィ、受験、受けられないや。 ――もう逢えないことよりも、みんなに出遭えたことが嬉しい 思い出の中から囁かれるその言葉にリルカは頷けない。 無理だよ、アーヴィング。へっちゃらじゃ、ないよ……。 誰かを護れたことが、嬉しくて、嬉しくて、 「……ああ、死にたく、ない、なぁ」 アシュレーや、みんなに会え、なくなることが、す……こし、だけ、悲しい……。 天へと伸ばした少女の手は、何を掴むことなく、誰にも掴まれることなく、遅れてきた黎明の光の中、砕けて、消えた。 【リルカ・エレニアック@WILD ARMS 2nd IGNITION 死亡】 【残り46人】 「すまない、リルカ……」 少女の嘘を見抜けないほどジョウイは愚かでは無かった。 殿を務める形になった少女はもうこの世に居ないだろう。 何度も何度も繰り返した光景だった。 ハイランドの王であるジョウイ。 彼を先に進めるため、理想に殉じた何万もの兵が散っていった。 そして、今日もまた一人。 彼を庇って、少女が、死んだ。 無駄には、しない。 ジョウイは誓う。 「ぼくにしか、できないこと」 王として、戦争の無い平和な世界を作ること。 誰もが笑っていられる理想の世界。 成程、確かに『魔法』だ。 魔法でもなければ叶えられない。 同行者は失ってしまったが手に入れたものはある。 リルカから得た情報、特に異世界の実在。 そしてこの眼で見た魔王の脅威。 あの男は紋章もクレストグラフという道具も持っていなかった。 なのに術を使えていた。 どうやら自分の常識に縛られていては、命を落としかねないようだ。 やはり、まず必要なのは情報――つまり 「みんなの、力か」 今回は失敗してしまったが、当初の方針に間違いは無かった。 魔王に取り入るという手もあったが、ああも表立って殺し合いに乗っている人物のもとに居ては、人も情報も集められない。 ルカにぶつけられれば、互いに深手を負わせられたかも知れないが、その状況では間違いなくジョウイも煽りをを受ける。 「あの二人が減らしすぎないうちに、誰かと合流したいとこだけど」 地図を見る。 ここからなら名のある施設は巨木と花園が近い。 「叶えよう、ぼくの願いを。ぼくを信じてくれたクルガンやシード、兵たちの為に。 ぼくを愛してくれたジルの為に。ぼくを慕ってくれたピリカの為に。 ぼくを守ってくれたリルカの為にツっ」 突然生じた痛みにジョウイは顔をしかめ気付く。 キラーピアス。 意図せず握りしめ右手の肉を抉ったそれを、ジョウイは何も言わずもう一度強く握りしめた。 【E-7 南部 一日目 黎明】 【ジョウイ・ブライト@幻想水滸伝Ⅱ】 [状態]:疲労(中)、全身にダメージ(中)、右手のひらに切り傷 [装備]:キラーピアス@ドラゴンクエストIV 導かれし者たち、回転のこぎり@ファイナルファンタジーVI [道具]:ランダム支給品0~1個(確認済み)、基本支給品一式 [思考] 基本:更なる力を得て理想の国を作るため、他者を利用し同士討ちをさせ優勝を狙う。(ルカや、魔王といった突出した強者の打倒優先) 1:利用できそうな仲間を集める。 花園or大樹に向かう?遺跡方面(南西)から離れる。 2:仲間になってもらえずとも、あるいは、利用できそうにない相手からでも、情報は得たい。 [備考]: ※名簿を確認済み。 ※参戦時期は獣の紋章戦後、始まりの場所で2主人公を待っているときです。 ※リルカと情報交換をしました。ARMSおよびアナスタシア、トカ、加えて、カイバーベルトやクレストグラフなどのことも聞きました。 ※魔王のこともあり、紋章が見当たらなくても、術への警戒が必要だと感じました。常識外のことへも対応できるよう覚悟しました。 遺跡。 古き時代の遺産。 過ぎた歴史だけを奉じられた死者だけを友とし、生きる者を拒んでいたその最下層で瓦礫を押しのけ蠢く影があった。 「魔王が魔法に討たれるか……。それもそれでおもしろいと思ったのだがな」 ダークマタ―を消し飛ばされた時、ふと、姉の、サラの姿が魔王の脳裏に浮かんだのだ。 クロノ達は、いわば正義の味方だ。 時を旅する力を、遅かれ早かれ悪用されないよう廃するだろう。 そうなれば、誰がどことも知れぬ次元の彼方に消えた姉を助けることができようか? 魔王をおいて他には居なかった。 「フン。マジックバリアが間に合ってさえ、この様か」 致命傷さえ負わなかったものの、魔王は衝撃に吹き飛ばされ、何層もの床を破って地下へと落ちていた。 状況を把握した途中からは、自ら進んで魔法で床を壊し、着地時もダークボムの爆風で速度を緩めたとはいえ、ダメージは大きい。 もっともあれだけの威力だ。 攻撃に徹していた術者である少女も恐らくは反動で塵一つ残さず消滅しただろう。 四肢が無事なことと合わせて僥倖だと素直に思える。 上層を見上げる。 天井は、目では確認できないほど上だ。 今からこの身体で地上に帰るのは、一仕事だと判断し、魔王は休息を選ぶ。 流石の彼も、自身で壊したこともあって、まさか地下50階まで貫通したとは知る由は無かったが。 「みんなで、か」 魔王を打ち破ったカエルはクロノ達多くの仲間と共にいた。 ラヴォスとケリをつけるのに際し、魔王も彼らと共闘し、一人ではできないこともあるのだと知った。 少なくとも、オメガフレアやダークエターナルを他人の協力なく撃てはしないというぐらいには。 「一時的に他人と組むのも、ありかも知れぬな」 おあつらえ向きに用意されていた豪奢な玉座に身を埋める。 サイズが大きすぎることこの上なかったが、逆に横になるにはちょうどいい。 昂ぶっていた心が次第に落ち着きを取り戻していく中、ブラックホールが使えなかったことも含め考える。 姉と再会するという魔法を、魔王としてでなく、彼女の弟であるジャキとして唱える為に。 【F-7 遺跡(アララトスの遺跡ダンジョン50階) 一日目 黎明】 【魔王@クロノトリガー】 [状態]:疲労(大)、全身打撲、瓦礫による擦り傷多し [装備]:にじ@クロノトリガー [道具]:不明支給品0~2個、基本支給品一式 [思考] 基本:優勝して、姉に会う。 1:休息をとる 2:敵を探して皆殺し 3:場合によっては他人と組むことも視野に入れる [備考] ※参戦時期はクリア後。 ※ブラックホールが使用できないことに気付きました ※リルカの死体は砕け散りました。 遺跡の入口より少し離れたところに、リルカの首輪と基本支給品一式入りのデイパックが落ちています。 イヤリングは死体とともに消滅しました。 紅の暴君も地に突き刺さってはいますが、ミスティックの効果が切れている為、ただの剣です。 尚、イスラが死亡後参戦な為、彼との契約は切れています。再契約は可能かと。 ※F-7中央部の森林が度重なる激闘の余波で消滅しました。荒れ地になっています。 地に転がっていたワルキューレ@クロノトリガーも巻きこまれ消滅しました 時系列順で読む BACK△040 BIG-TOKA SHOW TIMENext▼042 花園に潜む魔物 投下順で読む BACK△040 BIG-TOKA SHOW TIMENext▼042 花園に潜む魔物 013 ブラッド、『炎』に包まれる 魔王 069 時の回廊 004 彼女の魔法、彼の理想 ジョウイ 063-1 ビッキー、『過ち』を繰り返す リルカ GAME OVER ▲
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キミガタメ(I save you from anything) ◆GOn9rNo1ts 『人生は道路のようなものだ。 一番の近道は、たいてい一番悪い道だ』 ◇ ◇ ◇ 破壊とは、創造よりもずいぶん簡単だ。 先程、遠目にも映える大規模破壊の傷跡を見たばかりの俺は、そう独りごちた。 建築物に関してそこまで知っているわけではないが、それでもあれほどの規模の建物を造るのが容易ではないことは知っている。 つい先程まではオレを見上げていた窓ガラスが、今や地べたに這い蹲っている。 つい先程まではオレを迎えていた自動ドアが、今や灰色と茶色と黒に埋もれて行方不明だ。 つい先程まではオレが手を組み戦っていた者達も、今や何人が生き残っているか。 破壊とは、かくも短時間で事を成せるものである。 窓ガラスを作るのにどれほどの月日がかかったのか。 自動ドアを作るのにどれほどの月日がかかったのか。 人間を成長させるのにどれほどの年月がかかったのか。 銃弾も、爆風も、何もかもの破壊の権化達はそんなことを一切気にしない。 この世の物理法則に従って、慈悲無く己のエネルギーを使い切ろうと働き続ける。その身消えるまで。 全て一瞬だ。刹那の内に、物も命も消えていく。消されていく。 (オレは、どうなのだろうか) 破壊のために生み出され、この地でも命の破壊を繰り返していくオレは。 マスターの命を救うために他の者全てを破壊するオレは。 銃弾と同値か、爆風と同位か、所詮は作られしモノなのか。 (違う、オレには意志がある) 分かり切っていた答えがより強固に、数度の反芻の果てに浮かび上がる。 破壊のためだけに作られたオレを、マスターは兄弟として扱ってくれた。共に生きてくれた。 マスターだけでなく、オレの生命さえも脅かすミュウツー細胞。 そのせいで、ボールの中にいるときもグレンジム内にいるときも特殊な水溶液の中で暮らさねばならぬ、枷だらけの人生。 辛い時もあった。苦しい時もあった。生まれを恨んだ時もあった。 そんな時、オレの傍にはいつもマスターがいた。 声をかけ、身体の体調を気にかけ、時にはつまらないギャグを繰り出してくれた。 激しいバトルの時もオレの負担を減らすために自らその渦中に飛び込み、共に戦ってくれた。 繋がっていたオレには痛いほどマスターの気持ちが分かる。 本当にオレのことを想い、オレのために生きてくれた命の恩人だ。 (彼のために、オレは全てを壊す) 銃弾のように、馬鹿正直に直線を突き抜けることもせず。 爆風のように、考え無しに周りのもの全てを吹き飛ばすこともせず。 オレはオレの意志で判断し、決断し、破壊する。 許されがたき行為だ。分かっている。 マスターはそんなことを望んでいないだろう。百も承知だ。 それでもオレは止まるわけにはいかない。止めるわけにはいかない。 全ては破壊の後の創造のために。 59の命の消滅の後、1つの命を救うために。 我は、ここにあり。 「やー!おろしてー!」 その誓いに水を差すような幼い声が、月光に照らされた暗闇を貫くように響き渡った。 場所はFー4、位置は湖の何処か。悲鳴の主は小さな小さな少女。 聞き手はたったひとりのいでんしポケモン。他には無し。 「お・ろ・し・てええええええええええええええ!!!」 (「……貴様、今の状況が分かっているのか?」) 風がトカゲのようなオレの影に追随するように吹き、水面を揺らす。 オレは『浮く』という単純な行為によって、湖を泳ぐことなく縦横無尽に彷徨っていた。 乱れていく巨大な鏡に映るオレは、どんな表情をしているのだろうか。 何の喜びもないだろう。 悲しみはあるかも知れない。 怒りはきっとある。 そして、今は困惑が加わっているに違いない。 じたばた、の表現がよく似合う少女だ。 手足をばたつかせ、必死に抵抗の意を示す腕に抱えたお荷物。 ひょこひょこ動く獣耳は偽物ではなさそうだ。 そう。アルルゥ、とそう呼ばれた少女は今もなお、オレの手の内にあった。 標的は飽くことなく無駄な行動を繰り返し、繰り返し、その体力を疲弊させている。 そう、無駄だ。いくら喚かれようが、手足を振り回そうが、俺にとっては只の「わるあがき」 この湖に落として頭を沈め続ければ三分もかからず殺せる。 スプーンやV-Swで貫いても殺せるし、素手で首を絞めても殺せるだろう。 あまりにも脆弱にして鈍感。己の命が惜しくないと言わんばかりに反抗を続けている。 (殺せ) オレの中でオレが囁いた。 少し前までの俺、そして今の俺でもあるべき意志。 参加者を皆殺しにしてマスターを救い出す。オレの絶対にして唯一の目的。 今までのように、これからのために、この少女はここで殺すべきだ。 「ねーねーのところ行く!おーろーしーてー!」 (何故、殺さない?) それなのに。 オレは未だにこいつを抱えて湖を飛び回っているし、こいつは未だにじたばたし続けている。 分からない。 オレはオレが分からない。 今、手を離すだけで事は足りるというのに、オレの手と心はがっちり彼女を抱えたままそれを拒んでいた。 合理的でも理性的でもないこの行動に、困惑が募る。 殺し合いという極限状況で片手を塞いでまで。 大声を喚き散らし他の者を呼び寄せる危険を冒してまで。 何がオレの意志を揺さぶるのか。 何がオレの心を惑わすのか。 何がオレの決意を鈍らせるのか。 俺のことを理解してくれたから。 馬鹿げた考えが一瞬脳裏に浮かび、刹那、嘲笑と怒りとに蹴散らされた。 「お父さんのため?」という言葉に何の意味があるというのか。 それだけのことに、オレは今までの全行動を否定しようとしているのか。 たった一言の呟きがオレを縛り、血に染まった経歴に新たな赤を加えることを拒んでいるのか。 そんなことはありえない。あってはならない。論外だ。 ――見えぬところに真実がある。 「はーなーし…………?」 (「……来たか」) 突如聞こえた無機質な声色が、オレの思考を中断に追い込んだ。 Dー6で見た物と同じような岩場が当たり前のようにその姿を世界に晒す。 この怪奇現象も二度目となると驚きの欠片も見いだせず、ただただ飛行を続けるのみだ。 続いて聞こえる概念空間云々の警告からして、岩場が姿を現したのではなく、オレ達が別の空間に引き摺りこまれたと言うことだろう。 30分以内に脱出というのは、この空間に留まり外界との接触を避けようとするものに対しての対策。 こちらとしてはどうでも良いことだ。即刻第二の鍵を手に入れ、『約束された勝利』をこの手に掴まなければ。 逃げもしない。隠れもしない。ただひたすらの殲滅あるのみ。 己の使命を再度反芻し、オレは一息をついて岩場中央の石碑に歩み寄る。 「……みえないしんじつ?」 (「この技術における理の変更を知らせる合図だろう。世界の法則を塗り替える、と言ったところか」) この娘もあと少しの命だ。ちょっとくらいの受け答えはしてやっても罰は当たるまい。 この場を離れ、陸地に着いてから……やれば良い。 そう考えると気が少し楽になる。何故かは、分からない。 余計な思考が断ち切られたお陰だろうか。胸の蟠りがすっと消えていった。 対して、娘は変わった世界に驚きを得て、少しは平静を取り戻したようだ。 大人しく目をきょろきょろさせて「おー」などと呟いている……緊張感の欠片もない。 先程からの言葉も命乞いではなく帰りたい、という純粋な想いを叫んでいただけだった。 オレの気持ちも分からなかったが、こいつの考えもさっぱり分からない。 (「貴様、オレが怖くないのか?」) 「んー……わかんない」 (「オレは……『おとーさん』の為にゲームに乗っている。お前を殺すんだぞ?」) 「や!アルルゥねーねーのところ帰る!」 (「いや、や、ではなくてだな。貴様は死ぬんだ。何か少しでも思うところがないのか?」) 「……死んじゃったアルルゥのおとーさんきっと悲しむ。みーのおとーさんもきっと悲しむ」 (「……そんなことは分かって……」) 「だから駄目、絶対」 曇り一つ無い、濁りなど何処にも見えぬ、綺麗な瞳だった。 理屈もない、只の感情の発露が、しかし百の中身無き言葉より胸に響く。 殺しては、殺されては悲しむものがいる。 永久に戻ってこない家族、仲間、恋人、大事な存在。 この世の生きとし生けるものは、一度死んだら終わってしまう。 そんな当たり前の方程式が、急に目の前に迫ってきたように感じた。 分かっている、分かっていたつもりだった事実。 もしかしたら分かり切っていなかったのかもしれない、唯一無二の真実。 オレは今、そのことを本当の意味で理解したのかもしれない。 「…………おとーさん」 おとーさん、マスター、オレの大切な存在。 失いたくない、失ってはいけない存在。 この殺し合いを勝ち残らなければ、喪ってしまう存在。 思い出したかのように目尻に堪り、臨界点を超え、落下。 温かな水滴が、足下にピタリと跳ねた。 ピタリ、ピタリ……ピタリ、ピタリ…… 少女の涙を止める術を、オレは知らない。 愛すべき親を失ったものを慰める方法など、オレは分からない。 彼女の『おとーさん』がこのゲームのせいで命を失したのか、それとも別の出来事があったのか。 知らずとも、分からずとも、悲しみは伝わる。痛みは伝わる。 失うことを恐れているオレが、失った少女の嘆きの調べを聞く。 彼女はもしかしたら、オレだったのかも知れない。 オレはもしかしたら、彼女だったのかも知れない。 ああ、胸に感じるそれは、なんとつまらない……感傷。 ああ、心に思うそれは、なんと身勝手な……干渉。 ただ、オレは落ちていく雫を『たいせつなもの』だとでも言うように見つめていた。 瞬きもなく、目を逸らすことなく。行動という行動を忘れてしまったかのように。 網膜に焼き付けるように。永久に保存するように。じっと、見つめていた。 その無駄な行為はもしかしたら、散り逝くものへの猶予だったのかも、しれない。 そうして何分経ったか分からないまま、時は再び動き出した。 この空間は30分以上滞在すると首輪が爆発する仕組みらしい。 どれほどの時間が経過したか、オレがどれほど馬鹿らしい行為にふけっていたかは分からない。 しかし、ここで死ぬ気は毛頭ない。ことは早急に為す必要がある。 二つめの『鍵』を取り、この空間を脱出し、そして――――。 「……他にも、皆悲しむ」 どうしてだろうか、重くなった足を動かして。 「おねーちゃんも」 あり得ない虚脱感を完膚無きまでに振り払って。 「ベナウィも」 一歩を踏み出し、二歩を歩いて、三歩で止まって。 「……カルラも」 台座に、手を伸ばし。 「トウカも」 そこで、止まる。 彼女の言葉が。 オレの時間が。 腕の震えは、果たして彼女に届いただろうか。 鼓動の高まりは、もしかして彼女に気付かれただろうか。 顔の強ばりを知る術は、ひょっとしたら彼女にあるのだろうか。 リジェクト 『“排 撃”!!!!』 獣のような耳を見たときから嫌な予感はしていた。 予感と言わず、確信と言っても良かったのかも知れない。 深い記憶の奥底から洗い出された一節の欠片が、ふっと浮上してきた。 断片しか思い出せない、培養液の中にいた頃の古い旧い記憶なのだろう。 それはしがない研究員が日常でつぶやいた何気ない一言だったか。 それとも、悪い報せを受けたチーフが漏らした愚痴だったか。 『残念なことだが、嫌な予感ほど当たるものだな』 本当に、そうだと思う。 『トウカァァァァァァァァ!!』 脳裏の遙か遠くから聞こえてくる叫びは、罪深き俺に対しての罰だったのだろう。 オレだけが受ける、オレのみしか受けられない、罰。 内のみに広がる苦みを与え、外傷は存在しない、罰。 感服したという気持ちで誤魔化し。 贖罪という身勝手な意志で断ち切った。 “彼女”の終わり。オレの罪。 この地で殺した唯一の参加者。目標からはあまりにも遠い、恥じるべき殺害数一の記録。 ここで繋がる、結びつく。よりにもよって、こんなところで。 「……………」 今、オレは恐れていた。 唐突な結びつきが、『何か』を解いてしまうことを、恐れていた。 理解できない、漠然とした細い細い繋がりの糸の切断を、恐れていた。 曖昧模糊とした、それでいてはっきりと感じていた接続が、千切れていくことを恐れていた。 群れとして生きる、動物のように。 群として生きる、人間のように。 乖離を。別離を。剥離を。 断ち切られていく関係を、恐れていた。 ほんの少しの温もりを失ってしまうことを、恐れていた。 ……恐れては、いけない。 それでは、そんなことでは目標まで、行けない。 マスターの命も、生けない。 『ちっぽけなこと』を恐れるなど、許されない。 後悔しないと決めたはずだ。 貫き通すと決めたはずだ。 この少女は何だ?殺し合いに乗らない弱者だ。 オレは何だ?全て殺戮せんと誓った化け物だ。 過程は幾多に渡ろうとも、最終的な選択肢は一つ。 他は全て誤り。全て過ち。そうだ、そうなのだ。 オレは、過ちを犯さない。一度のそれが、どんな結果になるか分かるから。 機械のように。人形のように。為すべきこと以外は、やってはいけない。 矛を向ける先を揺らすな。 進むべき道を惑うな。 決意の刃を鈍らせるな。 間違った世界を、堂々といけ。 (「……すま、ない」) ……なのに、どうして。 オレは、懺悔するのか。 「……………………」 教えてください、マスター。 どうして貴方は、こんな自己満足が出来るようにオレを作ってしまったのでしょうか。 どうして貴方は、こんな下らない感情をオレに持たせたのでしょうか。 どうしてオレは、こんなにも苦しまなければ行けないのでしょうか。 教えてください、マスター。 マスター。 マスター……。 (「…………すまない」) 「……………………」 鍵には、『-5』と書いてあった。 マスターの声は、いつまで経っても届いては来なかった。 ◇ ◇ ◇ 対岸まで、あと20メートル。 無言だった。静寂だった。耳に痛い沈黙だった。 アルルゥは疲れたのか、一言も呟きさえ漏らさずに為すがままになっていた。 そよそよと穏やかな風が二人を包み、微笑みながら去っていく。 対岸まで、あと10メートル。 いっそ、なじってくれた方が幾らか楽だったかも知れない。 死ねと、殺したいと、剥き出しの感情を露わにしてくれれば、吹っ切れたのかも知れない。 彼女の顔はもう、見れなかった。見てしまっては何かが終わる気がした。 臆病だと、誰かに罵って欲しかった。誰でも良かった。 対岸まで、あと5メートル。 殺すと決めたはずだ。守ると決めたはずだ。 全てを。マスターを。 我が儘で始め、義務感で殺して。 マスターを助けるという鋼の意志が、拠り所が、消えていくはずがない。 情に揺れるな、情に惑うな、情に鈍るな。 心を揺らすな、心は惑うな、心が鈍るな。 対岸まで、あと2メートル。 だから、オレは。 対岸まで、あと1メートル。 オレは。 対岸まで、あと0メートル。 すまない。 「……ねー、ねぇ」 「――――――――――――すまない、アルルゥ」 最初で最後に呟く彼女の名前は、 とても、とても、重くて、 マスターの次に意味のあるものに、感じてしまった。 『こきゃっ』 場所はFー4、位置は湖の畔。無言の慟哭の主は、いでんしポケモン。 聞き手はたった一人の小さな小さな少女――――――だったモノ。 そこに和解はなく。 そこに破壊はあり。 たった一つの、別れがあった。 【アルルゥ@うたわれるもの 死亡】 そうして彼は、また独りぼっちになった。 【F-4 湖畔/1日目 夜中】 【ミュウツー@ポケットモンスターSPECIAL】 [状態]:疲労(小)悲しみ(?) [装備]:機殻剣『V-Sw(ヴィズィ)』@終わりのクロニクル [道具]:基本支給品×3<アルルゥ、仗助、ミュウツー>、どこでもドア@ドラえもん(残り1回)、 第一の湖の鍵(E-)第二の湖の鍵(-5) 不明支給品(0~1)<仗助>、ひらりマント@ドラえもん トウカの刀@うたわれるもの、サカキのスピアー@ポケットモンスターSPECIAL [思考・行動] 0:………… 1:生き残り、カツラを救う。 2:E-5に行く。 3:隙を見て参加者に攻撃を加える。 4:イエローを殺した相手を見つけたらたとえ後回しにしたほうが都合がよさそうでも容赦しない。 5:もしギラーミンの言葉に嘘があったら……? 【備考】 ※3章で細胞の呪縛から解放され、カツラの元を離れた後です。 念の会話能力を持ちますが、信用した相手やかなり敵意が深い相手にしか使いません。 ※念による探知能力や、バリアボールを周りに張り浮遊する能力は使えません。 ※ギラーミンに課せられたノルマは以下のとおり 『24時間経過するまでに、参加者が32人以下でない場合、カツラを殺す。 48時間経過するまでに、ミュウツーが優勝できなかった場合も同様。』 ※カツラが本当にギラーミンに拉致されているかは分かりません。偽者の可能性もあります。 ※V-Swは本来出雲覚にしか扱えない仕様ですが、なんらかの処置により誰にでも使用可能になっています。 使用できる形態は、第1形態と第2形態のみ。第2形態に変形した場合、変形できている時間には制限があり(具体的な時間は不明)、制限時間を過ぎると第1形態に戻り、 理由に関わらず第1形態へ戻った場合、その後4時間の間変形させる事はできません。 第3形態、第4形態への変形は制限によりできません。 ※ギラーミンから連絡のないことへの疑問、もしカツラが捕まっていないという確証を得られたら? ※なぜギラーミンの約束したカツラからの言葉が無くなっていたのかは不明です。 ※概念空間の存在を知りました。 『善行は悪行と同じように、人の憎悪を招くものである』 ◇ ◇ ◇ 彼は走っていた。駈けていた。疾っていた。 通行人もいない、舗装された道路の更に奥を目指して。 暗い暗い闇の中、己の存在を際だたせるように。 全力で、このことだけが生きている証であるとでも言うように。 重く、厚い轟音を響かせて。 近所迷惑も考えず、騒音妨害だとさえ、思わずに。 誰もいない夜道を、一人征っていた。 スピードだけが、今は必要だった。 とあるアルター使いの男は言った、『速さが足りない』と。 力も、知略も、運も、実力も、全ては『戦いが始まってから』必要となるものだ。 ならば、そもそもの『戦い』に赴く前に全て終わってしまっていたら。 百人力だろうが、一騎当千だろうが、億万長者だろうが、『スタート』に立たなければそれは『不戦敗』だ。 戦わずして負ける、その結果は不名誉以外の何者でもない。 特に今回の『敗北』は、何があろうと取り消すことはできない。 だから、彼は全力で征く。 スタート地点に立つために。 『戦い』を始めるために。 間に合うのか、間に合わないのか、そんなことは考えずに。 持てるだけの力を活かし、最大限の努力をして。 己が民を救うために。拐かした罪人を裁くために。 レーダーを取り出す手間も惜しみ、目標地点への最短ルートを走り抜け。 病院のなれの果てを通り過ぎようとして、そこで。 「止まりなさい」 凛とした言葉と共に、光が彼を貫いた。 ◇ ◇ ◇ 簡単に言おう。 赤ん坊でも子どもでも大人でも老人でも分かるように言おう。 赤ん坊はわんわんと泣き出し。 子どもは裸足で逃げ出して。 大人は平謝りながら土下座を。 老人は腰を抜かして病院行き。 それくらい分かりやすく、目の前の男は憤慨していた。 「一度だけ言う――退け」 「嫌よ」 そして、子どもであるところの自分は裸足で逃げ出したい気分だった。 事の発端というか、ついさっきの出来事になるが。 私、御坂美琴と連れ、ラッド・ルッソは、深い静寂をぶっ壊す騒音を耳にした。 私たち参加者以外は誰もいないこの世界はとても静かで。 だからこそ、その音は酷く耳障りだったし、嫌と言うほど目立っていた。 所謂、独壇場だった。広告塔だった。 「おいおいおいおい、どーすんだよミコトちゃんどーすんのよミコトちゃん。 こんなド派手に『自分はここにいますよー』ってアピールしてやがるんだ。 罠か?目立ちたがり屋か?馬鹿か?そう見せかけた天才か? さあて、どう料理してどう味付けしてどう食っちまうんだよ、ミサカ・ミコトちゃんよお」 「分かんないわよ、んなこと」 そう言いながらも、身体はラッドと共に音の出所へと向かっていた。 ざくざくと、割れたガラスの上を注意深く、それでいて早足で通り過ぎて。 以前は自動ドアが有っただろう場所を、最早立ち止まりもせず通り抜けて。 近づいてくるバイクが目視できた、その瞬間。 一瞬だった。 一瞬で、記憶が頭の中を駆け抜けた。 『ライダー、彼は僕の敵だ。きっとゲームに乗って人を殺し回っているだろう』 衛宮切嗣は、そう言っていた。 優しくて、頭が良くて、機転が利いて、良い人だった衛宮さんが言っていた。 私を、私なんかを庇って死んでいった衛宮さんが言っていた。 『絶対に、斃さなければいけない』 人を殺し回っているだろうと。 絶対に斃さなければいけないと。 私にとっての『セイギノミカタ』である衛宮さんがそう言っていたんだから。 私はそれを、信じた。 今も、信じていた。 だから。 「止まりなさい」 考えている暇なんかないくらい高速で、こちらを通り過ぎようとしたバイクに向かい。 コインを、『超電磁砲〈レールガン〉』を、奴に、ライダーに、ぶっ放した。 殺し合いに乗っている人間を放置するわけには、行かない。 自分たちが見つかっていないからと行って、見過ごすわけには、行かない。 もう、誰も殺したり殺させたりは、させない。 決めたから。愚かだと言われようと馬鹿だと嘲られようとも、この気持ちは曲げないから。 それが私の、御坂美琴の望む自分だけの現実(パーソナルリアリティ)だから。 もし、殺さなければ生き残れないと、愚鈍にも、聡明にも、思っているのならば。 まずは、その幻想をぶっ壊す。 そうしてこうして、コインは見事、ライダーの乗ったバイクを完膚無きまでに貫いて、大破させて。 それで終わり、終了、となれば良かったのだけど…… 驚くべきことに、ライダーは超電磁砲直撃の一瞬前、全力疾走していたバイクを飛び降りた。 サーカスの曲芸を見ているような、とでもいえば分かりやすいだろうか。 彼ならばその程度では死なないと分かっていたが。 ダメージくらいならば与えられるかも、と思っていたのだが。 私は英霊(サーヴァント)の恐ろしさを、未だ分かっていなかったらしい。 全身複雑骨折、内臓破裂は免れぬ暴挙を侵した巨漢は、全くの五体満足で、二本足で立っていて。 今現在、怒りと敵意と殺意を隠すことなく、余すことなく、私たちに刻み込んでいるのだった。 ていうか、冗談じゃなく物理的に刻まれそうな気さえしてくる。 やばいかも。不味いかも。死ぬかも。じんわりと、冷や汗。 以前は、盗み見のような形で彼とかぎ爪の男の戦いを見て。 不意打ちのような形で攻撃して、それで終わりだったが。 真っ正面から対峙してみて初めて気付く、彼の『強さ』 単に身体が大きいと言うだけでなく、身のこなしも人間を大きく逸脱している。 バイクを蹴飛ばし、宙高く舞い上がった、瞬発力。 恐るべき衝撃を受けるだろう、そんな行動をしても全くダメージを受けていない、頑丈さ。 そしてそれ以前の問題として、一瞬で最適解を実行に移した判断力。 全てにおいてトップクラス。英霊という称号は確かに、彼にこそ相応しい。 勝てるかどうか、敵うかどうか、そんなことは分からなかった。 衛宮さんと共に行った時のような策はない。考える時間もなかった。 共同戦線を張るのは、彼とは似てもにつかない殺人狂だ。信頼なんて、出来やしない。 だけど、後悔はしていない。 これ以上、被害者を増やすわけにはいかないし。 これ以上、加害者をのさばらせるわけにはいかない。 別に、ご大層な正義感なんてもんは持ち合わせちゃいないけれど。 他の人間がどうなっても良い、なんて薄情な心も持ち合わせてはいないつもりだ。 「やっこさん、すんげえ怒ってるなあ、やばいくらい煮立ってるなあ! ま、ミコトが『敵』って判断したんだったら俺も異論はねえけどよお」 「無駄口叩いてないで……来るわよ」 手にはコインを。意識は前に。 想いは不殺。狙いは拘束。 戦いが、幕を開ける。 【E-5 病院跡/一日目 夜中】 ※病院は完全に崩壊しました。 ※美琴の電撃とガウェインのハドロン砲の影響が広範囲に伝わっています。 【御坂美琴@とある魔術の禁書目録】 [状態]:疲労(小)、全身に打撲と擦傷(小)、脇腹に打撲(小)、胴体に貫通傷×3(小)、全て再生中 多大な喪失感、強い決意、≪体内:全て遠き理想郷(アヴァロン)@Fate/Zero≫ [装備]:薔薇の指輪@ローゼンメイデン、ナース服、コイン。 [道具]:基本支給品一式(食料一食、水1/5消費)、不明支給品0~2個(未確認)、病院で調達した包帯や薬品類 コイン入りの袋(装備中の物と合わせて残り88枚)、タイム虫めがね@ドラえもん、首輪(ジョルノ) 真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン、蒼星石のローザミスティカ@ローゼンメイデン ARMS『騎士(ナイト)』@ARMS、真紅の左腕(損傷大)、不思議の国のアリス@現実他、いくつかの本、ナースキャップ [思考・状況] 0:目の前の男に対処。 1:首輪を解体できそうな人物(第一候補はグラハム)を探す。 2:一人でも多くの人を助ける、アイツの遣り残した事をやり遂げる。 3:人は絶対に殺したくない。 4:自分と関わり、死んでしまった者達への自責の念。 5:上条当麻に対する感情への困惑。 6:ラッドについては、警戒しながらとりあえず一緒にやっていく。 【備考】 ※参加者が別世界の人間、及び参加時期が違う事を聞きました。 ※会場がループしていると知りました。 ※真紅と情報交換し、ローゼンメイデンの事などについて大雑把に聞きました。 ※あすかと情報交換し、スクライドの世界観について大雑把に聞きました。 ※地下空間の存在を知りました。地下にループ装置があるのではと推察しています。 ※会場は『○』の形に成っているという仮説を立てています。 ※全て遠き理想郷(アヴァロン)が体内にあることを知りません。 ※ラッドの事を『原石』(天然の能力者)かも知れないと考えています。 ※参加者についての情報は以下の通りです。 協力できそうな人物:レナ、沙都子、梨花、ゾロ、チョッパー、アルルゥ、佐山、小鳥遊、グラハム、ウルフウッド 直接出会った危険人物:ゼロ、ラズロ(リヴィオ)、メイド(ロベルタ)、宇宙人(ミュウツー) 要注意人物:ライダー、白仮面の男(ハクオロ)、ヴァッシュ、水銀燈(殺し合いに乗っているようであれば彼女を止める) ※首輪の機能について、以下のように考えています。 確実に搭載されているだろう機能:「爆弾」「位置情報の発信機」「爆破信号の受信機」「脈拍の測定器」 搭載されている可能性がある機能:「盗聴器」「翻訳機」 ※首輪は何らかの力によって覆われていて、破魔の紅薔薇にはその力を打ち消す効果があると考えています。 【ラッド・ルッソ@BACCANO!】 [状態]:不死者化、白衣@現実 [装備]:破魔の紅薔薇(ゲイ・シャルグ)@Fate/Zero [道具]:基本支給品一式(食料一食、水3/4消費)、コイン [思考・状況] 1:目の前の男に対処。 2:あのギラーミンとかいう糞野郎をぶっ殺す。 3:脱出に使えそうな奴は出来るだけ殺さない。 4:邪魔する奴は殺す。足手まといも機を見て殺す。 5:ゼロは絶対に殺す。 【備考】 ※麦わらの男(ルフィ)、獣耳の少女(エルルゥ)、火傷顔の女(バラライカ)を殺したと思っています。 ※自分の身体の異変に気づきましたが、不死者化していることには気付いてません。 ※リヴィオとラズロの違いに気付いていません。また、ラズロ(リヴィオ)のことを不死者だと考えています。 ※ゼロのことを不死者だと思っています。 ※ルーアとデューンは最初から見せしめとして連れて来られたと考えています。。 ※参加者や首輪についての情報は美琴とほぼ同様。 運が悪かったとしか、言いようがなかった。 ラッド・ルッソはライダーのことをこれっぽっちも知らなかったし。 御坂美琴はよりにもよって、『勝つためならば手段を選ばない』衛宮切嗣の嘘によってライダーを危険人物だと認識していた。 一方のライダーも、普段ならばもう少しゆとりを持って彼らとの誤解を解けたかもしれない。 しかし前述の通り、彼には時間がなかった。圧倒的に時間が足りなかった。 また、運が悪いことに彼は目の前の男、ラッド・ルッソが殺し合いに乗っているものだと認識していたし。 彼と一緒にいる少女にも、以前襲撃されたことがある。 そこから早急に導き出される解は一つ。 この二人は手を組み、優勝を目指している、と。 何度も言うが、彼には時間が無く、全くの余裕がなかった。 ライダーは大使ではなく軍師でもなく、王である。 だからこそ、『目の前の障害を以下に突破するか』のみを考えてしまったとしても、仕方のないことだった。 交渉は無意味。逃走などあり得ないと考えてしまうことも、詮無きことだった。 そもそも、先ほどの一撃を避けることが出来たのも、それが『前』から来たからだ。 仮に『後ろ』から何発も放たれれば、いくらライダーといえども直撃する可能性が低いとは言えない。 ならば、真っ正面から速攻で彼らを斃すことが一番の近道。安全策。 人としてあった頃と、聖杯戦争の時と、やることは変わらない。 これこそが征服。これこそが征服王イスカンダル! 焦りは間違いを生み、間違いは肥大して新たな間違いを生む。 雁字搦めの状態で、それでも王は民を救おうと戦いへと赴く。 その戦いが全くの無意味、ゼロどころかマイナスの結果しかもたらさないことを知らず。 救うべきものが骸になってしまっていることも分からず。 王は戦いへと、赴く。 【ライダー(征服王イスカンダル)@Fate/Zero】 [状態]:魔力消費(やや大)、疲労(中)、腹部にダメージ(中)、全身に傷(小)および火傷(小)、腕に○印、怒り、焦り [装備]:包帯、象剣ファンクフリード@ONE PIECE、 [道具]:基本支給品一式×3、無毀なる湖光@Fate/Zero イリアス英語版、各作品世界の地図、ウシウシの実・野牛(モデル・バイソン)@ワンピース 探知機、エレンディラのスーツケース(残弾90%)@トライガン・マキシマム [思考・状況] 0:目の前の二人に対処。 1:バトルロワイアルで自らの軍勢で優勝。 2:首輪を外すための手段を模索する。 3:北条沙都子とアルルゥを守る。 4:サーヴァントの宝具を集めて戦力にする。 5:有望な強者がいたら部下に勧誘する。 【備考】 ※原作ギルガメッシュ戦後よりの参戦です。 ※臣下を引きつれ優勝しギラーミンと戦い勝利しようと考えています。 本当にライダーと臣下達のみ残った場合ギラーミンがそれを認めるかは不明です。 ※レナ・チョッパー・グラハムの力を見極め改めて臣下にしようとしています。 ※『○』同盟の仲間の情報を聞きました。 ※自分は既に受肉させられているのではと考えています。 ※ブケファラス召喚には制限でいつもより魔力を消費します ※北条沙都子、アルルゥもまずは同盟に勧誘して、見極めようとしています。 ※現在の魔力残量では『王の軍勢』をあと一度しか発動できません ※別世界から呼ばれたということを信じました。 ※会場のループを知りました。 ※オープニングの映像資料を確認しました。 破壊の化身は守るべき『おとーさん』のため。 贖罪者達は名も知らぬ『罪なきもの』のため。 征服王は自分のものである無力な『民』のため。 『キミガタメ』に殺し、挑み、迎え撃つ。 己の過ちに、誤りに、間違いに気付かぬまま。 もし、事情を全て知っているものが見たら、彼らをこう称するだろう。 『なんて救いようのない、救世主(Saver)なんだろう』と。 時系列順で読む Back When They Cry(後編) Next 悪役(前編) 投下順で読む Back When They Cry(後編) Next かいぶつのなく頃に~讐たり散らし編~(前編) Back Next When They Cry(後編) ミュウツー 恥知らずの破壊者たち When They Cry(後編) ライダー(征服王イスカンダル) desire When They Cry(後編) アルルゥ 死亡 首輪物語(後編) 御坂美琴 desire 首輪物語(後編) ラッド・ルッソ desire